予算委員会 第4号
- 発言数
- 313 件
- 登壇者
- 30 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1967/12/19
会議録
○委員長(新谷寅三郎君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、古池信三君が辞任され、その補欠として内田芳郎君が選任されました。 —————————————
○委員長(新谷寅三郎君) 昭和四十二年度一般会計補正予算、昭和四十二年度特別会計補正予算、昭和四十二年度政府関係機関補正予算。 以上三案を一括して議題といたします。 昨日に引き続き質疑を行ないます。瀬谷英行君。
○瀬谷英行君 日米共同声明による国会論議の中で今日まで明確になったことは、沖縄の返還については、アメリカの大統領は簡単に同意をしなかったということ、日本の国民的要望に対して小笠原返還ということだけが実現をした、沖縄の軍事施設の重要性について特に認識をさせられた、つまり総理がアメリカの大統領と会ってそのことについて同意をしたということ、ベトナム戦争でのアメリカの立場を支持したということ、これらのことが明確になってまいりましたけれども、沖縄返還の場合でも、アメリカの軍事基地については、つまり核基地については白紙であると、こういうふうにお答えになったようです。この白紙であるという意味なんですけれども、核三原則は沖縄に関する限りは別であると、こういう意味にとれるのでありますが、そうとってもよろしいのかどうか、総理にお答えをいただきたい。
○国務大臣(佐藤榮作君) いわゆる核三原則、そういうものが今日あることはもう私も否定はいたしません。はっきりしている。ただいま沖縄には核基地があると想像される。これがどういう機能を持っておるか、その詳細は私も存じません。しかしながら、核基地があるだろう、そういう想像はつくわけであります。そこで、この沖縄の地位、これをいまから詰めていくわけであります。両国の間でこの話が煮詰まらなければならない。これが最初から非常にかたい態度で臨んでいってはいまの国際情勢のもとにおいては私はおそらくアメリカはノーと言うだろう、かように私は思います。したがいまして、沖縄の返還ということは一つの国民的な願望でございますから、この願望を達成するために私どもはただいまの点についてよくアメリカと話し合っていく、そうして話が煮詰まる、そういう結論に達したときに初めて返還ができる、それを可能ならしめる、かように私は考えておるのでありまして、ただいま言われるごとく、いわゆる原則を忘れたのかと、かように言われると、忘れたのではございませんと申し上げざるを得ませんけれども、ただいま申し上げますように、沖縄の問題は何といっても返還が第一でございます。この願望にこたえるということ、これをしなければならない、かように思います。いまの国際情勢のもとにおいて即時返還ができないゆえんもここにあると思いますから、この話はもう少し白紙の状態で話を詰める必要がある、私はかように考えます。
○瀬谷英行君 白紙というふうに言われると何もないように聞こえるのですけれども、その意味は願望達成のためには核基地ということを認めざるを得ない、そういう場合もあり得るというふうにしかとれないです。そういうふうにとってもよろしいのかどうか。
○国務大臣(佐藤榮作君) あまり結論を急がれないほうがいいんじゃないかと思います。私も実は結論を急いでおりません。まだしばらくかかることでございますから、その間にいろいろの世論の動向も、また科学技術の進歩も、また国際情勢の変化もございますから、それをあまりいまから結論を急がないほうが事態を正しく認識することにもなるでしょう。またわが国の長期安定化のためにもそのほうがよろしいのじゃないか、かように考えております。
○瀬谷英行君 結論を急がないでもいいんじゃないかということなんですけれども、そのことは、そのうち何とかなるだろうと、こういうふうにとれるわけです。しかし、現在の時点においては、沖縄の軍事基地というものはきわめて重要な存在であることを総理もアメリカに行ってジョンソン大統領に会った際に認めてきているわけなんです。そうすると、現時点においてはアメリカが返さないということの意味は、アメリカがあくまでも沖縄を軍事的な足場としてこれを離したがらない、こういう事情にあるから返還がむずかしいと、こういう意味になってくるわけであります。しからば、じゃあ結論を急がないとしても、いつになったら返還が可能になるということは、国際情勢の変化といったようなことが前提にならなければ望み薄であると、こういうことになってしまうのですが、そのように理解をしてよろしいのかどうか。
○国務大臣(佐藤榮作君) 沖縄基地の重要性、これは共同コミュニケで認めておりますものは、ただいま瀬谷君が御指摘になりましたとおり、現時点において、また現時点までに果たしてきたその役割りの重要性を認めた、こういうことでございます。この点は御指摘のとおりであります。しかし、これから国際情勢も変わってくるでありましょうし、また科学技術の進歩もありましょうし、また世論の動向もございますから、ただいまから、今日までの果たしたその役割りから結論を出して、そうして取り組むというのはこれはやや早計になるのではないか。だから、まだもう少し先に、二、三年のうちにとにかくめどをつけよう、かように言い、さらにその後に返ってくるのでございますから、もう少し十分検討をして、そうしてこの問題と取り組む、これが正しいのではないだろうか、かように私は思います。
○瀬谷英行君 だんだん話をしていくうちに、沖縄の問題は遠くのほうへ行ってしまったような感じがするわけであります。しかし、その共同声明の中では、冒頭に、個人の尊厳と自由という民主主義の諸原則を指針として世界の平和と繁栄をもたらすために緊密に協力すると、こういうことがうたってあるわけであります。そうすると、沖縄県民の個人の尊厳と自由というのはその間一体どういうことになるのか。その点についてジョンソン大統領と突っ込んだ話をされたのかどうか。この点をお伺いしたい。
○国務大臣(佐藤榮作君) この点では私は率直に、しかも何らの飾りけなしで願望を伝えた、かように思います。最善を尽くしたというのはそういう意味でございます。十分話し合ったつもりであります。
○羽生三七君 ちょっと関連。先ほどの沖縄と核の問題ですが、何か白紙で将来にまだ交渉の余地を残しておるような御発言でありますけれども、これは衆議院、参議院一貫してそういう御答弁でありますが、しかし、歴代の日本の政府が核に対しては一貫して一つの方針をとっておることは御承知のとおりであります。余地を残すということは、場合によっては従来の日本の歴代政府がとってきた態度の変更もあり得るということをある程度意味しながら余地の残るはずはないのです。したがって、それは重大な政策の変更につながる問題であろうかと私は思います。少なくとも余地を残すのでなしに、核に関する限りは考慮の余地なしという態度でないと、これは非常に問題があるということが一つ。 もう一つは、いまはこの沖縄は占領下にあります。占領下にある沖縄からベトナムその他にかりに米軍の発進があっても、それは占領下にある沖縄として、他国はある程度の理解を持っておるでしょう。しかし現に日本に返ってきた、施政権が日本に戻った本土の一環である沖縄から、もし基地の自由使用とか、いまの核問題等が余地を残したままの返還であるならば、これは日本自身みずからの責任として他国から批判を受けることば、これは当然であろうと思います。したがいまして、そういう意味で外交交渉上の技術、そういう意味で余地を残されるというなら、これは別でありますけれども、基本的な方針としては余地を残す余地はないのじゃないかと考えますので、明白にしていただきたいと思います。
○国務大臣(佐藤榮作君) この点は何度も申し上げたと思いますが、とにかく沖縄の祖国復帰、これを実現ささなければならない。これがいままで即時無条件全面返還ということを言われてきて、そうしてそのことができなくて、今回のような共同声明になったのであります。だから、その即時無条件全面返還ができないゆえんはどこにあるのか、これをよく考えていただきたいのであります。皆さん方も、また私も同じようにこの祖国の復帰、これをほんとうに心から願っております。また同時に日本の国が平和国家である、これを守り抜こうとしておる。ただいま即時にできないのは沖縄の基地がたいへん整備されたものがあるからです。これを即時返還をすればなくなるのじゃないかというアメリカ側の心配、これはいままでもアメリカ側がしばしば声明その他で出してきております。ここは十分ひとつ……。この声明を無視はできない、そこに祖国復帰が即時にできないゆえんがある、かように私は思っております。しかし、ただいまの情勢なり、あるいは科学技術の進歩なり、世論の動向なりというものは固定したものではございません。したがいまして、今日私どもが持っておるこの核三原則、これも間違いございませんから、この原則をただいま堅持しておりますから、沖縄について交渉するのにはまだしばらくの時間がある。その時間という条件とあわして考えていけばいいんじゃないか。ただいまのようにわがほうの主張を強く押せば、これは即時返還がはっきり実現しない、同じような形になります。このアメリカ側の要望を全部聞かなければ、それじゃ祖国復帰はできないのか、かようになれば、沖縄の祖国復帰はこれは永久にならないということにもなるかもしれない。いまの国際情勢も変わらず、また核技術の変化もなしに、国民の動向も一切動かない、こういうもとだと、アメリカの主張と私どもの主張がまつ正面に衝突するので、これはなかなか返還ということは実現しない。私は国民の輿望は沖縄をぜひ返せということだと思います。またその立場に立ってこれはじっくりとアメリカと交渉すべき問題だ。百万同胞はかりではございません。一億国民のためにもこの問題は真剣に取り組まなければならない、かように考えますから、先ほど来いろいろお話がございますけれども、いましばらく時間をかしてください、かように実は申しておるのであります。しかし、時間をかしていただきましても、これはこういう状態で私自身がまだはっきりしておりませんが、しかしアメリカと交渉を持ちます限りにおいては、共同して継続的な話し合いをするというその中には、日本の在来からの主張もありますことは当然アメリカも了承しておるはずであります。また私どもはそのことはもちろん交渉の場合に忘れるものではございません。また、もう一つ一部懸念しておられるのですが、沖縄返還について佐藤は出かけて、あの基地の自由使用あるいは核基地をそのまま承認したのではないかというような疑念を持たれておるようでございます。しかし、私はあの共同コミュニケ以上の約束はいたしておりません。その点でも誤解のないように願いたいと思います。
○瀬谷英行君 結局白紙であるということをしきりに強調されるけれども、沖縄に関する限りは別である、こういう前提があるわけです。アメリカは核基地としての沖縄を失いたくないというのがアメリカの現在の気持ちである。しかりとすれば、このアメリカの気持ちが変わらない限り核三原則といったようなことを含んでの沖縄返還はあり得ないということになってしまうんです。そういうことでよろしいのですか。
○国務大臣(佐藤榮作君) いまたいへん詳しく申し上げました。だからあまり早く結論を出さないでくださいというのはその点でございます。もう少し時間をかけて交渉してみて、この返還の時期、そういう事柄が明らかになるのでありますから、そのときまで待っていただきたい。もちろんいまのような状態で直ちに返還といいましても、これはもう少し両国の間の話が煮詰まり、もっと近づいてこないと返還のめどは立たない、これは申すまでもないことであります。しかし、これは両国においてそこに一つの調和点を見出そうという努力をするのでございますから、ただいま瀬谷君の言われるような直ちに結論を出さないで、しばらくこれを見てください。
○瀬谷英行君 防衛庁長官にお伺いしたいと思うのでございますが、沖縄を核三原則の中に入れないということは、軍事的な観点からアメリカがいま強調しているところなんですけれども、日本の防衛庁長官としても、沖縄を返してもらう場合には核基地といったような付録がついていないとぐあいが悪いと、このようにお考えになるのかどうか、その点をお伺いしたい。
○国務大臣(増田甲子七君) お答え申し上げます。 沖縄の核基地の問題につきましては、総理がたびたび明言しておられるとおり、交渉の段階、また協定のできる段階において明白になることでございます。
○瀬谷英行君 あなたの答え方はどうもすれ違いというか、脱線というか、質問していることと別なことを答えるくせがある。軍事的必要性を担当者としてあなたも認めておられるのかどうか、認めようとしておられるのかどうかということを聞いておるわけです。
○国務大臣(増田甲子七君) 航続距離二千二千キロ、マッハは〇・九マッハ、それからキロトン級の、キロトン級というのはメガトン以下でございますが、キロトン級の核基地があることは、マクナマラの国会における証言によって想像し、推察いたしておるのでございますが、それがどれくらい価値があるかということはいま私といたしましては明言しにくい、断定しにくいのでございます。
○瀬谷英行君 軍事的な価値については、そうするとわからぬということになるんですか。いまの御答弁では。安保条約にまるっきりおぶさってしまって、日本の防衛庁長官としては、沖縄が返ってくるという場合にこれをどうするのか、核基地という付録がついてきたほうがよろしいというふうに考えているのか、そういうものは要らないというふうに考えているのか、その点をお聞きしたわけなんです。
○国務大臣(増田甲子七君) これは総理以下政府がたびたび明言しておりますとおり、沖縄における想像される核基地の扱いにつきましては、国際情勢の変化——国際情勢と申しましても国際軍事情勢でございますが、国際軍事情勢の変化、それから科学技術の進歩、世論の動向等、まだほかにも条件ございましょうが、これらの三原則に照らして勘案して、そして最終的にきまるべきことであるということを防衛庁においても考えておる次第でございます。
○瀬谷英行君 防衛庁長官の答弁は、軍事的にまだ考えていないということになります、結局は。しかし、返還の場合には、沖縄の今日まで果たしてきた役割りを日本が引き継ぐのか引き継がないのか。引き継ぐ気持ちがないならば、核基地も要らないということになると思うんです。そういう意味ではやはり防衛庁長官としても、アメリカが現に行なっているベトナム戦争、こういうようなものの引き継ぎを日本がやらない限り、この沖縄の核基地というものもやはり必要性がなくなると、このように理解をしていいんじゃないかと思うんですが、その点はどうでしょう。
○国務大臣(増田甲子七君) 瀬谷さんにお答えいたしますが、ただいまの時点におきましては、〇・九マッハでキロトン級の核というものが想像されます。それが約三十六基ばかりございます。それがやはりアジアの周辺における核の抑止力になっておるということは、この時点においては言えますが、これからだんだん時間の経過ということもございます。国際軍事情勢の変化ということもございます。それから、世論の動向もございまするし、科学技術の進歩ということもございまするから、各種のそういう条件を勘案してその時点においてきめべき問題である、こういうふうに考えておる次第でございます。
○岡田宗司君 関連。ただいま防衛庁長官がいろいろな変化についてお話しになりましたけれども、そのうちで科学技術の進歩ということを言われておる。この科学技術の進歩というのはいかなることを意味するのか。たとえば、さきに私は関連質問で申し上げたのでありますが、トルコ、イタリアに配されておりましたジュピターでありますが、アメリカがポラリス潜水艦を地中海に配置しましたために、その後これは廃止に至ったというような事態もございます。したがいまして、この科学技術の進歩ということは、やはりアメリカがたとえば西太平洋にポラリス潜水艦を配置した、あるいはミニットマンが完成をしてもうマッハ〇・九のようなものは旧式になった、あるいはまた他のもっと有力なもの、中距離弾道弾がどっかに配置をされる、そういうことになってこの沖縄にあるメースBというものが時代おくれになるということが数年来に起こるであろうということを予想いたしまして、科学技術の進歩云々と言われておるのかどうか、その点は、専門家と自称されておるのでありますから、はっきりさしていただきたいと思うんです。
○国務大臣(増田甲子七君) 私は、昨日そちらのほうで専門家である防衛庁長官とおっしゃったのでございまして、こちらはただ答弁席に立っただけでございまして、私みずからエキスパートと言ったことはございません。ただ、防衛庁という防衛を担当している役所のその主管者として、もちろん最高の指揮監督者は総理大臣でございまするが、その指揮監督のもとにおいて自衛隊というものを統轄いたしておる、そういう立場において答弁いたしておるわけでございます。 そこで科学技術の進歩はこの二、三年以内にあるかどうかというようなことについて、私は二、三年内のことはただいまの時点では言い得ないと思います。それから、岡田さんの御質問の中でトルコ、イタリア等に配置されましたジュピター等がポラリスに取ってかわったということは、これは現時点において、つまり昨年、一昨年、その前の年、一九六三年にあるわけでございますから、すでにあったわけでございますから、これの一つの変化ではございましょう。しかしながら、メースBがメースB以下の能力のものに取ってかわられたという事実も今度は欧州大陸にはあるわけでございます。そういうわけでございまして、ジュピターというのとソーというのとがイタリアとトルコにあったのが、NATOの加盟国でございますが、それがポラリスという遊よくするものに取ってかわった。だから、地上のものがフエィドアウトした、取ってかわったという事実はございますが、まだ、この二、三年の科学技術の進歩というものは予測できない。相当進歩するのではないかと、こう考えておる次第でございます。
○矢山有作君 関連。きのうからの、防衛庁長官、話のいささか続きになってくるような問題提起なんですが、いまあなたやつ。ばり核が戦争の抑止力になっているということを盛んにおっしゃるのですが、核が戦争の抑止力になっているのであれば、ベトナム戦争の現実はどう考えたらいいのですか。防衛庁長官に伺いたい。
○国務大臣(増田甲子七君) 核が戦争ないし侵略の抑止力になっていることは事実であります。しかし、主として軍事専門家、あるいはマクナマラ等も言っておりますが、核自身の使用ということはいたしませんから、そこで通常兵器による局地的侵略に対する通常兵器というものも備えなくてはいけないということを痛感しておるということを、これまた同じ国防長官が言っておるということを申し上げておきます。
○矢山有作君 話をそらしてはいけません。核が戦争の抑止力になるということを盛んにあなたは強調されても、ベトナムにおいては現実に戦争をやっておるでしょう。しかも、あなた方の言うので見れば、北からの侵略に対して南を防衛するためにアメリカは戦争をやっているのだとあなた方はおっしゃる。アメリカは、あなたの言うところによれば、世界最強の核武装を持った国でしょう。北ベトナムは民族独立のために戦っているんじゃありませんか。核を持っていることがどこに戦争の抑止力になっているか。核があるないは戦争の抑止力に関係ないでしょう。その現実をそこで証明しているじゃありませんか。答えをはぐらかさないで、真正面から取り組んで答えをしてください。
○国務大臣(増田甲子七君) 正確に矢山さんの御質問に対してお答えするのは、核が核戦争の抑止力になる……。
○矢山有作君 戦争抑止力になっていないでしょう。
○国務大臣(増田甲子七君) それはやっぱり一種の戦争ですから、戦争でございます、侵略でございますから。核戦争の抑止力になっている。ただし、マクナマラも軍事評論家も言っておりますが、その通常兵器によります侵略等に対しては通常兵器に対する防備等を怠ってはならないということを痛感したということを言っておりまするし、われわれもそういう感じで、通常兵器による局地的侵略に対応する意味で自衛隊を持っている次第であります。
○矢山有作君 もう一つだけ、関連ですから。
○委員長(新谷寅三郎君) 簡単に願います。
○矢山有作君 いまのは、長官、答弁にならないですよ。私はきのうも、日本が核のかさの下にあってなぜ安全なのかという問題提起をしたのですが、あなたがとんでもない話をし出すものですから、本筋の論議ができなかったので、はっきり申し上げたいのですが、たとえば日本がアメリカの核のかさで守られておるとお考えなら、もしどこかの国から日本が核攻撃を受ける、それに対してアメリカが核でもって報復をする。日本を核攻撃した国に対してアメリカが核で報復をする。アメリカは必ずそれに対する報復を覚悟せなきゃならないんですよ。日本が核攻撃を受けたから、それを守るために日本の核攻撃をやった国を核攻撃をして、自分の国の国民が半数から殺されるようなことを覚悟してそれをやりますか。なるほどアメリカとソ連の間では、あなたのおっしゃるような強大な核を両方が持つことによって、核戦争に踏み切るということにはなかなかいかない。だから、抑止力になっておる。これは私の言っておるアメリカの核のかさに入った日本の場合とは違うでしょう。そこのけじめが違う。だから、日本は核のかさの下に入っておるから核攻撃を受けないという、そういう安心感というものは論拠がないということを言っておる。わかりましたか。
○国務大臣(増田甲子七君) お答えいたします。 私の昨日来の問答は、核の侵略が日本にあった場合にアメリカは守るかというような御質問が矢山さんからもあったと思います。それに対する答えでございまするから、アメリカの核の抑止力というものは、核戦争をしかけてくること、核による侵略に対する抑止力、こういうふうに答えておるわけでございまして、核をもって通常兵器に対する侵略にこたえるなんていうことは、お互いのやはり一つの約束事がありまして、その約束事からお互いに答え、問答いたしておるのでございます。
○矢山有作君 核戦争が抑止力になっておるのは、米ソの間では言えるというのだ。
○国務大臣(増田甲子七君) 米ソの間だけではございません。米ソの間だけではないということを昨日来申し上げておるのは、昭和四十年の一月十三日の佐藤・ジョンソン・コミニュケの中にも、米国は日本に対するあらゆる武力攻撃に対して日本を守るものであるということを声明してございます。この声明を私どもは信頼いたしておる次第でございます。
○委員長(新谷寅三郎君) 矢山君、関連質問ですから、もうその程度にしてください。
○矢山有作君 これでやめます。
○委員長(新谷寅三郎君) 矢山君、それでおやめ願います。
○矢山有作君 やめます。 アメリカがいかなる日本に対する攻撃に対しても守ってやると言ってくれておるから、あなたは安心だと言うのでしょう。ところが、そういう約束があったところで、私の言うのは、核のかさの下にある日本がどこかの国から核攻撃を受けた、アメリカが日本の核攻撃をやった国に対して、核報復をやる、そうすれば必ず今度はアメリカが国民の大半が殺される核攻撃を受けるわけです。そのことがわかっておるアメリカが、約束がありますからといって日本を核で守ってはくれないというのですよ。そんな約束はどこで信用できるのですか。そういうような考え方でおるから、日本の自主的な立場に立ってのいわゆる安全保障をあなた方が考えることができない。日本の安全保障というのは、そういう戦争政策をとることにあるのじゃないのです。平和憲法の精神を徹底的に守っていくところにある。あなた方は日本の平和確保ということについて基本的な立場が違っておるということです。
○国務大臣(増田甲子七君) 矢山さんにお答えいたしますが、これは一防衛庁長官の答えではなくて、全政府の態度あるいは自民党の態度であると思っております。すなわち、われわれが大多数の国民の支持を受けまして安保条約を結んだゆえんのものは、裸防衛では日本は守れない、こういう立場で安保条約を結んでおるわけでございます。
○千葉千代世君 関連。
○委員長(新谷寅三郎君) 関連質問が少し長くなりますが、ちょっと瀬谷君の質問を続けたほうが いいと思いますが。
○千葉千代世君 関連。
○委員長(新谷寅三郎君) じゃ一つだけ。
○千葉千代世君 昨日の防衛庁長官の答弁の中には、純軍事的な立場で答えると、こうおっしゃったわけです。そうすると、私はそういう立場から伺いますけれども、世界の各国の軍事基地のある国の運命というもの、これをどのように把握していらっしゃいますか。いままでの世界の戦争の歴史の中で、軍事基地を持つ国がどういう道をたどっていったか、こういう観点から伺います。というのは、いま矢山委員から御質問の中に、ソ同盟対アメリカ、そのことはさておき、日本がたくさんの軍事基地を持っておるこの危険性というものについて言及していったのではないかと思うのです。そういう意味で、長官の御答弁は少しピントがはずれていると思いますので、この二つを質問いたします。
○国務大臣(増田甲子七君) 御質問がよくわかりかねますけれども、軍事基地を持った国が相当やられるというお話でございますが、軍事基地にもいろいろございまして、個別的両国間、あるいは多数国間、すなわち集団安全保障でございますが、その集団安全保障で米国が中に入った集団安全保障国の中で、米軍の軍事基地があるところでやられたという例は私は知らないのでございます。
○瀬谷英行君 要するに、核基地というものを非常に過大評価しておられるようにだんだん受け取れるわけですけれども、核基地のないところに核攻撃はあり得ないのじゃないかと思うのです。つまり、あり得ないというよりも、必要ないということになるのじゃないでしょうか。沖縄に核基地を置いたならば日本が核攻撃を受ける心配がない、あるいは沖縄が核攻撃を受ける心配がないということにはならないのじゃないか。沖縄に核基地があれば、沖縄が核攻撃の対象になるおそれがかえってあるのじゃないですか。そういうことを考えるならば、防衛庁長官としては、やはり沖縄が日本の領土であり、日本に返還された場合に、核基地を置いておかないほうがむしろ核攻撃の心配がないというふうに判断するのが妥当じゃないかと思うのですが、その点はどうですか。
○国務大臣(増田甲子七君) 今日の時点におきましては、メースBというものは核攻撃を受けない抑止力になっておる、こう考えております。しかし、明日以後の客観情勢の変化、時間の経過、科学技術の進歩等によって変わり得るということを総理も申し上げておりまするし、私も同じ見解でございます。
○瀬谷英行君 では、変わったらどうなるのか、その点をお伺いしたい。
○国務大臣(増田甲子七君) 変わった態様等についていまからは申し上げかねるわけでございます。
○瀬谷英行君 私が言ったのは、核基地のないところに核攻撃はあり得ないのじゃないか、その必要が第一ないのじゃないかということを言っているわけです。そんなことはだれだって想像できるところなんです。防衛庁長官ならなおさらそのくらいのことはわからなければならぬと思います。沖縄の核基地が現実にはベトナム戦争のかっこうの足場になっているというふうにわれわれは認めないわけにいかないのでありますけれども、共同声明の中に、南ベトナム人民の自由と独立を擁護するため紛争の正当かつ永続的な解決のためいつでも話し合いに入る用意がある、こういうくだりがあります。これはアメリカの大統領、そして総理はアメリカの立場に対する支持を表明しております。一体、いつでも話し合いに入る用意があるというのは、どこを相手にしての話し合いのことなのか、この点をお伺いいたします。
○国務大臣(佐藤榮作君) 北ベトナムに対しまして盛んにそれを呼びかけております。和平のためならいつでもどこにでも出かけるということを、アメリカは言っております。もうすでに御承知のとおりであります。また、南ベトナム自身も、今回の選挙後におきまして、この和平への提案をやる、こういう事実もございます。
○瀬谷英行君 そもそもの事の起こりは、ベトコンと南ベトナム政府の紛争が拡大をしたというふうに世界的に理解されていると思うのですけれども、ベトコンとの話し合いというものなしに、北ベトナムとの話し合いで南ベトナムの紛争が解決されるというふうに考えてよろしいのかどうか。
○国務大臣(佐藤榮作君) ただいまのような会談に入ったときに、いわゆるベトコンをいかに扱うかと、こういうことは一つの問題だろうと思います。そういう点についても十分考慮が払われている、私はかように考えております。
○瀬谷英行君 十分考慮が払われているということは、ベトコンとの話し合いに入るということでなければ、この南ベトナムの紛争は解決しないということを総理自身も認めておられるのだ。
○国務大臣(佐藤榮作君) 私自身は、とにかく同一国内にあって暴力を振うということは、これは許せないことじゃないかと実は思うのです。私どもは民主的に育っておるものでありますから、あらゆる政党が日本の国内にばっこしております。それで別に問題を起こしておらない。しかし、一たん武器を取って立ち上がったら、そういう状態だと、これはなかなか許せないことになる、かように思います。それを後方でどういうものが指図したか、支援しているか、それは別として、とにかく一国内の、米ソのこれは暴動というか、革命というか、そういう事態だと思います。だから、そういうものに対して、これははっきりした態度をとるのはあたりまえだと思いますが、この南北ベトナムの紛争は、ずいぶん込み入っておりますから、そういう場合にいわゆるベトコンというものを将来どういうふうにするかということは、やはり南ベトナムの和平のためには必要なことだと、平和のために必要なことだと、私はかように考えております。
○瀬谷英行君 さらに共同コミュニケには、北爆停止には、ハノイによるそれに対応した措置が期待されるとありますが、それに対して総理も同意されているのですが、ハノイによるそれに対応した措置とは具体的に何を意味しているのか、それをお伺いしたい。
○国務大臣(佐藤榮作君) これはなかなかたいへんなことなんですが、一応北爆はやめたが、しかし、依然として北から南への浸透は続けられる。そうしていまのようなベトコンが、武器を持っての騒ぎをする、かような状態では困ると思います。ただいまの爆撃は戦争の一つの手段にすぎない、かように考えますから、やはり和平の話し合いに入るという以上、この北爆をやめることについても、何らかの保障があってほしい、それがただいままでいつも問題になっている。北で言っているのは、無条件北爆停止だと言っている。南で言っているのは、おれのほうがやめれば、やはり北からの浸透はひとつやめてほしい、そういう話をしておる。それはいかぬ、無条件北爆停止でなければ話に乗れないのだと、こういうことを言っておりますが、私も何らかの保障があってしかるべきではないか、それはどういう形か、その形もいろいろくふうしてしかるべきだと思います。何か安心して、信頼して、おれのほうは北爆をやめる、そうすればこれが話し合いのきっかけになるんだと、そういうことが、十分信頼できるような措置ができれば、ここに問題は解決の一歩大きな前進ではないか、かように私は思います。
○瀬谷英行君 ハノイとベトコンというものが直接糸でつながっているならば別ですけれども、ベトコンの活動というのは、サイゴンの南方においても行なわれているということになると、それがそのままハノイとベトコンを直結しているというふうにばかりには受け取れない節があるのです。その点はどうでしょう。
○国務大臣(佐藤榮作君) ハノイとベトコンが直結しているか、していないか、これはいろいろ南側の言い分では、空中からの偵察その他によって歴然たる証拠がある、こういうことを実は申しております。これは南側の言い分であります。また、ベトコン自身があれだけ長く交戦力を持つ、そういうところにはやはりどこかにつながりがなければ、あとの補給ができないのじゃないだろうかと思います。最近捕獲された武器などはそれらを証明するに足るようでございます。こういう点がやはり問題なんだろうと思います。
○瀬谷英行君 結局、共同声明の中に書いてあることはきわめて抽象的で、具体性がないわけです。具体性のないことを言っておるということは、言っても始まらないことを言っておるということになってしまう。で、特に南ベトナムの問題は、これは明らかに内紛ではないかと思うのでありますけれども、総理の所信表明演説の中に、「他国の内政に干渉しない平和国家であるという認識と理解に基づくものである」、こういうことがある。そうすると、アメリカは明らかに他国の内政にきわめて深く干渉しておるということにとらざるを得ないと思うのでありますが、その点は、日本とアメリカとは全然違うというふうに理解をされておるのかどうか。
○国務大臣(佐藤榮作君) 御承知のように、日本の場合は、平和国家として、はっきりそれぞれの国の立場を尊重し、内政に干渉しない、また、日本に対しても、ちょうどそれと同じことを外国もやってください、日本の立場を尊重して内政に干渉しないでください、こういうことを実は申しております。また、ベトナム問題につきましても、日本が軍事的に介入してないことは、これはもうよく御承知のとおりであります。各国ともその点は、日本は軍事的に介入していないということをはっきり言っておると思います。日本とアメリカの相違はございます。この場合にアメリカが南ベトナムに派兵し、そうしてこの問題に頭を突っ込んできておるのは、南ベトナム政府から頼まれたと、かように私は聞いておりますが、そういう事態へみずからが進んで好きこのんで出ておるものではない。私はやはり、自由を守り、平和のために南ベトナムに力を貸しておるというのがいまの実情じゃないかと思います。したがいまして、いわゆる軍政はしいてはおりません。この前私はサイゴンに参りまして、チュー大統領やさらにキ首相と会いましたが、アメリカはとにかく軍政をしいておるわけではなくて、自分たちの政治をいまやっておる、したがって、軍事的にはアメリカの協力を得ておるが内政においては完全な独立だと、かように申しております。このことはそのまま認めてよろしいのじゃないかと思います。
○瀬谷英行君 南ベトナム政府の言うことだけはそのまままるのみ込みをするということで、はたしてベトナム問題に対する認識が妥当であるかどうかは、私は疑問だろうと思います。しかし、その点を押し問答をしていても始まらないのでありますけれども、しからばベトナムの紛争に対して総理は、このジョンソン大統領との共同声明で述べておられるけれども、こういう内政に明らかに干渉しているアメリカの政策というものを支持するということですが、そのアメリカの核のかさの下に入るということが、はたして日本の安全のためにだいじょうぶであるという保障が持てるのかどうか、いろいろこれは問題があるところじゃないかと思います。つまりベトナムにおけるアメリカの行動というものは国際的な常識にさからっているというふうにしか考えられない。その点は安保条約の同じ同盟関係にある日本としてどのように見たらいいのかということであります。
○国務大臣(佐藤榮作君) ベトナムにおける米国の軍事的介入、これはただいま申しましたように、南ベトナムがアメリカの力を借りておるというか、その助けを借りておる結果、アメリカがただいまのような軍事的に援助をしておるということでございます。また、わが国がアメリカと安全保障条約を結んでおるのは、わが国の、平和国家である、憲法上もちゃんと制約を受けておるその意味においても自衛力、これは持ち得る、いわゆる通常兵器による自衛力、これは最小限度のものを持っておる。国力、国情に応じた自衛力の整備はいたしております。しかし、これだけでは何だか足らないのじゃないか。私はこの国の安全を確保するのには、それだけで十分だとは実は思っておりません。それでただいま日米安全保障条約、そのもとにおいて日本の安全を確保しておる。これはもう御承知のとおりであります。まことに残念なことだが、社会党の皆さんとは私は主張を異にしておる。このもとにおいて日本の安全は確保される、かように思っております。しかし、南ベトナムについてアメリカの政策を支持すると申しましても、私どもは軍事的に介入はしておらない、これははっきりしております。軍事的に介入をしておりません。私どもがアメリカを支持しておりますのは、その共同コミュニケにもありますように、公正にして恒久的な和平がもたらされること、この点については私どもも心からそのとおりだ、ひとつしっかりやってほしいという意味で声援もし同時に相談にも乗っておるということでございます。
○瀬谷英行君 核のかさのもとに入っていれば安全だという考え方は、その核のかさの持ち主が正気である場合に安全なんであって、その核のかさの持ち主が狂ってきた場合には安全は保障されまいと思う。ベトナムにおけるアメリカの行動というのはいささか狂犬病的な症状を呈しているんじゃないかという懸念をわれわれは持つわけなんであります。そのベトナム政府の言い分だけをうのみにしてベトナムにおける実態というものを正確に把握をしないと、日本もこれはとんだ悔いを残すということになるんじゃないかと思うし、いわんや南ベトナムにおける平和に対して発言権を持ったり、寄与をしたりということはむずかしいことになるんじゃないかと思うのですが、はたして総理にそれだけの自信がおありになるのかどうか、お伺いしたい。
○国務大臣(佐藤榮作君) いまの核のかさというか、この点について、私は先ほど来静かに聞いておりまして、矢山君の御議論にも、これはまあ全部社会党の御議論を代表しておられるかどうか、それは私にはわかりませんが、なかなか危険な御議論ではないかと実は聞いたのです。ただいまも同じように核のかさの話が出てますが、この私どもが、言われておりますように、現実にアメリカ、ソ連、中共、さらにフランス、イギリス、これらが核を持っている、日本は核開発の技術的能力ありといえども持たないという、これは国民と誓ったと、かように申しておりますが、しかしとにかくそばに核を開発しておる国があるのは、これは御指摘のとおりであります。そういう場合に、これらの国がよもや私は日本を攻めてくるとは思いません。思いませんが、万一のことがあるとこれはたいへんだと思います。そこで私どもは日米安全保障条約のもとでアメリカと話し合って、あらゆる攻撃に対して日本を守る、これがアメリカの言ってくれたことばであります。このことばに対して、まあ先ほどの矢山君の話では、アメリカは自分の危険をもおかしながら日本をはたして守ってくれるだろうか、こういう疑問を投げかけられました。日本を守るならばアメリカ自身が攻撃を受けるということを考えざるを得ないじゃないか、こういうようなお話であります。私はかつてドゴールに会いました際に、ドゴールがそれと同じことを言っておる。フランスを愛する者はこのドゴール、おれより以上の者はだれもいないのだ、 このドゴールが、おれが考えるときに、隣国が核を持っておる、自分は核を持たない、そしてフランスの安全は外国の大統領のポケットにあるそのキーで初めて安全が確保される、こういうようなことが愛国者ドゴールとしてはどうも納得がいかない、ドゴールより以上にフランスを愛する人がどこかにおればそれも言える、そのまま賛成ができるが。だからおれは核開発に踏み切ったのだと、こういうことをドゴールが申しました。これは私直接ドゴールから聞いた話でありますからこの際に申し上げる。よもや矢山君の話はその方向であろうとは思っておりません。むしろ何にも持つなと、こういうことを言われたんだと思いますが、私は何にも持つなということは、それこそ危険にさらすんだと、これが私どもと基本的に違うものだと。私どもはやっぱりこの国を無防備中立論、そういう状態ではこの国はあぶないというのです。この国の安全を確保するためにはその説はとらない。しかし、それかといってみずから核を製造するかというと、この製造はしない、持ち込みも、持ちもしない、いわゆる核三原則を立てたものだと。私どもはアメリカをただいま信頼している。アメリカに信頼する。このことは、最近の国際連合等におきましても、やっぱり相互援助条約あるいは集団保障、これが一つの行き方であります。 私はそういう意味で、日本の安全を確保する道は、その方向をたどるべきだと思います。私はいま中共自身を非難するつもりで申すわけではありません。先ほど来皆さん方もみんな言われるのに、核があれば攻撃を受けるのだ、核がなければ攻撃は受けないのだと言われた。その口の下から、中共自身が核開発をしておるじゃありませんか。持たなければ絶対に攻撃されない国、この中共、それがなぜ核を開発するのか。私は皆さん方がよく中共を引き合いに出されますから事情をよく御存じだと思う。私はそういうことを考えると、これはそういうことでなしに、やっぱり核開発というものについて、各国が、先ほど来議論しておりますように、もしもこれを使えば、これは人類を破滅に導くおそろしいものなのだ、だから核不拡散条約、その方向で、さらにまた持っているものも、どうかそれを使わないように、またそれをやめるように、そういう方向へ、一歩も二歩も踏み出すべきじゃないかと思います。まあそういう際に、核開発、核兵器の開発、これは私はとんでもないことだ、こういう意味でしばしば中共の核開発、核爆発実験については、日本政府は遺憾の意を表し、たびたび申し上げてきたのです。こういうことを考えると、核兵器の議論が、この際に激しくなればなるほど、また皆さん方が言われるように、核兵器を持たなければ安全なんだ、かく考えれば考えるほど、ただいまの隣の国の核兵器を持つこと、私はそれをたいへん残念に思うのです。 また核基地そのものにつきましても、先ほど来のような皆さん方の御議論をすれば、なぜ世界が全部そういう方向に向かわないのか、これをよく考えていただきたい。私は日本自身が、いま頼りにならないといわれるアメリカー社会党はそう言われますが、私どもは頼りになる、いわゆるパートナーとして選ぶべきアメリカだ、かように考えておりますが、このアメリカが、あらゆる攻撃の場合に日本を助けてやる、守ってやる、かように言ってくれておる。今回もその話をしております。私はこれをそのまま信用したらいい、かように思っております。
○瀬谷英行君 中共が核を持つことの真意は、そういうことは私にはわからない。第一、そういうことは聞いてもいないわけなんです。それで、中共が核を持っているじゃないかということを引き合いに出されますけれども、中共が核を持とうと持つまいと、私どもは日本が核基地を持つことは危険だということをいっておるわけです。核基地を持てばやはり核攻撃、あるいは核報復の対象になる、こういうのは常識じゃないかと思うのです。中共が持っているのは、それは中共のかってですからね。アメリカと張り合っているのかもしらんし、これはわれわれの論議とは別の問題だと思う。だからもし中共が持っているのはけしからんと佐藤総理が言われるならば、じゃアメリカにもそんなものは捨てちまえと、こういわなければならん、同盟国として。中共が持つのはいかんというなら、アメリカが持つのはいいと、こういうことにならんですよ。もし本気でもって総理が、中共が持つのは遺憾だと、そんなものはやめてもらいたいとお考えになるならば、アメリカにもやめてもらう、こういうようにすべきだと思うのですが、その点はどうなんでしょう。
○国務大臣(佐藤榮作君) いまちょっと触れましたように、核拡散防止協定、条約、この趣旨に私ども賛成だ、したがって新しいものは持たないようにしよう。持っている国もとにかく核兵器を捨てるというか、これをなくする、そういうことをぜひともやってほしい。これは核拡散防止条約に賛成するゆえんでございます。したがいまして、そういう点については、日本の主張ははっきりしている。御了承いただきたい。
○瀬谷英行君 しかし、それならば、今回の国会の論議を通じて結論的に言えることは、沖縄に関する限り、核を持たないということを約束をしないわけなんです、総理は。そうでしょう、白紙だという。核を持たないことを日本は約束をする。ただし、沖縄に関する限りは別であると、こういう含みを残しておられるんですよ。この点はいまの総理の発言とは私は矛盾すると思います。それから、しからば、こういうふうに、先のほうに話が伸びていってしまった場合に、沖縄の県民の福祉、基本的人権というものはどのように尊重されるのか。琉球列島の高等弁務官に諮問委員会を設けるといったようなことが共同声明にありますけれども、こういったようなことが唯一のよりどころになるのかどうか、この点を伺いたい。
○国務大臣(佐藤榮作君) とにかく、まあできるだけ早くこの祖国復帰、これをぜひとも実現しなければならないと思います。その祖国復帰の実現ができるまでは本土との一体化をはかっていく。これは内政の面でも、経済的にも、または国民福祉の面でも、あらゆる面において一体化を進めていく。そのために沖縄の施政権者——施政権の責任を持つところの高等弁務官の諮問委員会といいますか、あるいはこの日米義務による諮問委員会を設ける、そうして日本政府の考え方を直ちに高等弁務官に伝えるように恒常的な、常時置く機関をつくろうということでございます。したがいまして、私は、まあ在来の日米協議委員会よりもかなりその点は進んできた、一体化については今後さらに進んでいくだろう、かように思います。とにかく、ただいま即時返還が実現しないその状態にありますことはまことに残念ですけれども、これによりましてこの一体化への方向、その期間、この返還を円滑ならしめ、または返還がおくれても、その間にこの一体化の方向を進めていく、そういうことでございます。したがって、ただいま言われますような基本的人権もやはり確保して、また、自由を守っていくというように、われわれはあらゆる機会に努力を続けていくつもりでございます。
○瀬谷英行君 防衛庁長官にもう一つお伺いしたいんですが、財政の硬直化ということで、来年度の予算編成はなかなかたいへんであるというふうにわれわれは聞いておるわけであります。しかし、この中で防衛庁関係の予算というものは、この政府の引き締め政策——政府の引き締めというとおかしいけれども、おそらく大蔵省の方針としてはかなり引き締めるという腹じゃないかと思うのでありますが、防衛庁の場合はどうなんですか。防衛計画そのものはやはり引き締めていくのかどうか、これだけは別ものにしてもらいたいというふうに考えておられるのかどうか、その点をお伺いしたい。
○国務大臣(増田甲子七君) 防衛庁の予算のうちで、今年度につきましても、繰り延べを得るものは相当額の三十数億の繰り延べをいたしております。また、明年度以降行なわれる定員減につきましては、防衛本庁の背広を着ておる諸君に対しましては五%、すなわち、約千七百名の減というものを、三年を待たずして、明年出している次第でございます。しかしながら、御質問の防衛計画そのものは、日本の国力、国情に応じた最小限度のものでございまして、二兆三千四百億、上下幅二百五十億という線は、財政の硬直状態にかんがみまして、伸縮はございましょうが、五年の範囲内において実現していただきたいという考えは変えていないのでございます。
○瀬谷英行君 じゃ、背広を着ている諸君には相当緊縮してやってもらうけれども、背広を着てない諸君には、これはもう遠慮なくこれからふやしてもらうと、こういう方針だというふうに聞き取れるのですが、それでよろしいんですか。
○国務大臣(増田甲子七君) 瀬谷さんの御質問にお答えいたしますが、ユニホーム——制服を着ておる諸君に対しましては遠慮なくということはないのでございまして、御教示のありました陸上自衛隊十八万人、これは明年度はふやしませんが、五年以内に七千人、本年度は千五百人ふえたわけでございます。それから海上は約四千、航空は約二千人ふえておる。これが三次防の内容でございまして、遠慮なくどしどしふやすということはないのでございまして、御決定を経ました、また、国防会議等において答申がございました線を逐次毎年ふやしていきたい、徐々にきわめて少ない額を最小限度にふやしていく、こういうわけでございます。
○瀬谷英行君 大蔵大臣にお伺いしたいのですが、財政の硬直化ということをしきりに強調されているのですけれども、一体その原因は何かということをお伺いしたい。
○国務大臣(水田三喜男君) 原因は、三十年代に高度成長を遂げましたので、このときには成長につれて財源の余裕が相当あった時代でございます。したがって、その時代に財源がある程度確保できるということになりまして、いろいろなものが国の財政に依存するという風潮が出てまいりました。これを一つ一つ制度化し、予算化し、法律化してきたそのための累積が現在のような状態になったのだというふうに考えます。
○瀬谷英行君 四十二年度の予算編成に誤りがなかったのかどうか、特に国債政策に原因がなかったのかどうか、そういう点はどうでしょうか。
○国務大臣(水田三喜男君) 四十二年度の予算編成は、一応当時見通された経済の見込みを土台にして予算編成をいたしました。そのときには、やはり非常に経済の上昇基調であるということ、それから国際収支の心配がある、この二つは十分にわかっておりましたので、したがって、抑制ぎみの予算を組んで、財政が景気を刺激しないようにという配慮を行ないましたが、しかし、経済のことでございますので、この推移に応じては中途で適切な財政政策をとるということは、しばしば申しましたように、最初からの私どもの運営態度でございましたが、御承知のように、経済が進行するにつれて内需が非常に旺盛である、生産の衰えは少しも見えてこない。したがって、これが国際収支に影響を及ぼしてきましたので、これを改善するための措置を七月から私どもはとり出して、財政措置と金融措置をあわせて引き締め政策をとっておるという状況でございます。
○木村禧八郎君 ちょっとお尋ねしていいですか。
○委員長(新谷寅三郎君) 木村君。
○木村禧八郎君 財政硬直化の原因につきましていま瀬谷君が質問しているわけですが、大蔵大臣の御答弁は、何かその原因は、政府や、これまで大蔵省等に何ら責任がないような答弁をしている。したがって、私は、この際はっきり伺っておきますが、大蔵省の主計局調査課長の亘理君が、全国銀行協会連合会で発行しております「金融」という雑誌の十二月号に、硬直化の根本原因としてこういうことを述べております。それと先ほどの大蔵大臣の答弁は大体同じですが、そういうような原因の考え方でいいかどうか、質問したいのです。こう述べている。短いから簡単に言います。「国民の各層各界が財政に対して安易な考え方をもつようになり、何でもかでも財政に依存しようとする風潮の強まったことが、今日の事態をまねいた根本の原因であると思われます。」と、硬直化の背景についてこう述べておるのであります。全然そういう要素がなかったとは言いません。しかし、これまでに政治を担当してきたのは自民党政府じゃありませんか。ずっとまるで国民が悪かったような言い方をしているでしょう。こんな硬直化の原因なり背景についての解釈のしかたでいいんですか。さっきの大蔵大臣の御答弁は全然反省がないのですよ。政府の政治なり自民党のこれまでの政治の体質にあったのです。また、大蔵省の官僚諸君は、硬直化の原因をはっきり知りながら直そうとしていない。また、大蔵省の役人はたくさん議会に出てきているのです、議員として。そうした大蔵省のエキスパートが、硬直化の原因を知りながら、何ら追及していないのです。総理大臣、どうですか、あなたの部下の議員はたくさんいる。大蔵出身の議員はたくさんいるのですよ。何ら反省するところないじゃありませんか。これでよろしいんですか。
○国務大臣(水田三喜男君) 一昨日の委員会におきまして、私はその問題をもう少し詳しく申し述べました。と申しますのは、この法律、制度、慣行のできたことについてはいろいろ深い過去からのいきさつがある。一つを申しますというと、いわゆるドッジ政策のときに、あらゆる公共事業の経費は否定されました。当時私は、義務教育費、六・三制のために校舎を建てる予算を司令部と折衝いたしましたが、当時の司令部は、学校を建てるということは土木事業であって、教育ではない。敗戦国民は青天井の下で教育をすればいいんで、一切学校の経費というものは認めない、これは土木事業と認める。土木事業は全部税金の範囲内で行ない、これを借金でやることは許さないというようなきついことでございましたので、ほとんど終戦後のあの建て直しが事実上はできない。これくらいきつい予算を組んだためにインフレはおさまったのですが、さて、そのあとの日本の復興というものは非常におくれるということを心配したのが、やはり当時の国会であり、与野党であって、この司令部の予算に対する抜け穴を共同でつくらなければならぬということから、予算折衝はしないが、来年になったら予算をしばっていくというような、予算を伴う議員立法とか政府立法というようなものを積み上てきた。これはそれなりに効果があって今日の日本の経済をよくすることに大いに役立ったとは思いますが、しかし、その当時に将来の日本の経済成長というものを計算してそういうふうに科学的に積み上げた制度ではございません。こういう制度の慣習の上に、ちょうど三十五年以後の成長期において財政に余裕が出てきましたので、そこで、当時地方財政も悪かったものですから、前にやったようなことをやって、補助率を変更する、何をどうする、国費で持つべきものであるか疑問のあるものでも、やはりこれは国費に一時依存するというようなことをやってきました。それは財政当局としてそういうものを十分に阻止できなかったということについては反省するということを私はこの間も申しましたが、反省はいたしますが、しかし、現実にいろいろ財政に余裕があったという以上は、そういう制度、慣行というものは自然にできてきてしまう。これが累積されてしまうというと、その圧力というものが今後の経済の伸びに合ったような圧力じゃなくて、それをもっとこえる圧力になってきておるというところにいま問題が出て、この経費だけによっても、もう今後の自然増のほとんど全部を使っても間に合わない、新規政策をするような弾力性がなくなっているというところにこの予算の硬直性があるのだ。そこで、そういう制度、慣行であっても、今後厳密に、民間の企業が持つべきもの、あるいは民間が負担していいもの、もう財政固有のこれは責任であるというようなものについてのけじめをつけて、将来これがずるずるとただ膨張の原因にならぬような解決の糸口を来年度の予算あたりにおいて考えなければならぬというふうに考えて、いま私どもはいろいろ研究しているということでございまして、決してわれわれに責任がなかったとか言っておるわけじゃございませんで、この責任を感すればこそ、今後どうするかをいま一生懸命に検討しているということでございます。
○瀬谷英行君 最初の大蔵大臣の話しっぷりは、おれのせいじゃないのだというふうに聞き取れるわけです。かってに財政が硬直化してしまった、こういうふうに聞き取れるわけです。しかし、毎年毎年予算の編成をやってきたのは、国民がかってに予算を編成したわけじゃない。国債の発行をきめるにしても予算の編成をやるにしても、政府、大蔵省がやってきたわけなんだから、今日こういうふうになった原因は何か、これは国民のせいだ、おれのせいじゃないというふうなことを言われたら、国民は立つ瀬がないですよ。だから、その原因は何かということはもっと謙虚にはっきりさしてもらって、そして、一体、対策としてはどういうふうにしていったらいいか、今後の財政の問題はいかにすべきかということをこの際明らかにすべきじゃないかと思うのですが、この点どうでしょうか。
○国務大臣(水田三喜男君) やはり財政が負担すべきもの、財政がそこまで負担するのは行き過ぎであるものというようなものをここで再吟味する必要が私はあると思います。それから、後年度において予算の膨大化を来たすというようなものについては、やはり相当の配慮をもって最初の決定をしなければならぬ、こういう立場からこれは再修正をしなければいかぬというようなものもございましょうし、また、たとえばこれは昨年行なわれたことでございますが、一月から実施するということだったら今年度の予算はそんなに要らない。だから、今年度予算がつらくても、これはどうしてもそうすべきだという意向が強かったために私どもがやった措置がございますが、去年はもう要らなかったといりても、ことしこれがやはり三百億以上の財政需要になってあらわれてくる、こういうことも、しばしばこういうやり方はいままで行なわれましたが、これからはもうこういうやり方ははっきり避けなければならぬというふうに、いろいろ改善すべき問題が全体としてはたくさんあろうと思います。その全部についてやはり再検討の上、私はこれを是正する一歩を来年度から踏み出したいというふうに考えておるわけでございます。
○瀬谷英行君 いままで経費が効率的に使われたかどうかという点は十分に吟味をしなければならぬだろうと思うのです。 そこで、総理にお伺いしたいのですが。一省一局削減ということを方針として総理は打ち出した。これは財政硬直化ということを勘案をしてこういう方針をアメリカに行く前に打ち出していったのかどうか、今日この一省一局削減という方針はどのように貫こうとされているのか、どういう考え方でこういうことを総理が提案をされたのか、その真意のほどをお伺いしたい。
○国務大臣(佐藤榮作君) 財政硬直化もございますし、また、いろいろ私どもみずからを省みまして、効率的な行政をしなければならないし、いろいろ臨時行政制度審議会等からの答申もございまして、それらのことを勘案いたしまして、ひとつ思い切って一省庁一局整理、こういうことにひとつ取り組もうと、これはまず第一段でございます。もちろん制度上、法律上の問題もございますから、さらに中身についてもっと仕事を整理していかなければなりません。しかし、一どきにそれをするのはなかなか困難ですから、まず手始めに局の廃止ということに実は取り組んだのでございます。今後引き続いて二省以上にまたがるものの統合もはかりていきたいと思います。これは次の通常国会でというわけじゃありません。政府部内で研究すべき問題としてそういうことにも取り組んでまいりますし、また、人員の補充等も、こういう際でございますから、極力押える。また、新規増員は認めない。新規に局の増設は考えない。公社、公団も考えない。思い切ってひとつ縮減の方向に予算を持っていこう。これが今日当面しておる国内経済から見ましてもやむを得ない処置ではないだろうかと、かように実は考えておるわけで、その一つのあらわれでございます。もうすでに一局縮減案は閣議決定をいたしました。この決定に基づいて、通常国会にはその所要の法律その他の手続をするつもりでございます。
○瀬谷英行君 一省一局削減というやり方は、きわめて機械的な感じがするんですね。要らないものならば、何も局を減らさなくたって、省ごと減らしたっていいわけです。要るものならば、一局削減も二局削減も、何も削減しなくたっていい。ふやしたっていいわけです。それを一省一局削減という機械的なやり方をするというのは、この内容の吟味が不十分であるんじゃないかという危惧を持たれるわけなんです。公務員給与等の問題もあるわけですけれども、要するに、公務員給与あるいは人件費等も節約をするという考え方でもって局の削減をやるんだと、こういうことであるならば、先ほど防衛庁長官から言われたけれども、背広を着たほうは若干減らすけれども、ユニホームのほうは、遠慮なくふやすわけじゃないけれども、徐々にふやしていきたいと、こう言った。こういう方針というのは総理の方針とは相反するんじゃないかと思うんですが、その点はどうでしょうか。
○国務大臣(佐藤榮作君) 御議論は瀬谷君の言われるとおりであります。必要なものはふやし、また、必要でないものは整理する、こういうのは望ましいことだと思います。しかし、人間の考え方、頭の切りかえは、やっぱり思い切って、全部が苦しいだろうが、それぞれの理由はあるだろうが、ひとつ足並みそろえて一局整理しようじゃないか、こういうところへ実は今回は持っていったのであります。お説は、実際問題としてはたして——けっこうなことだと思います。それぞれの理由があると思います。私は、その方法をとらないで、一局削減の方法をとった、かように御了承願いたい。
○瀬谷英行君 運賃から、電話料金から、たばこから、あるいは新聞をにぎわしている問題では卑近な例で東京都のふろ代に至るまで、値が上がるものばっかりです。こういうすべての物価の値上がり現象の中で、これから先、物価の安定を期するということがはたして可能なのかどうか。経済企画庁長官はいろいろな構想を出しておられるようでありますけれども、あなたの一つの見通しと、それからあなた自身がいかにすべきだというふうにお考えになっているのか、その点を明らかにしていただきたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) これはもう御承知のとおり、消費者物価ばかりでなく、卸売り物価も最近はそうかと思いますが、やはり人手不足というものが物価上昇の根本にあるわけでございます。したがって、それに対する対策は長期的なものでなければならないわけでありまして、生産性の低い部門の生産性をどういうふうにして上げていくか、そのためには財政もまたこれを応援しなければならない点があると思います。そういったようなこと。あるいは、これは多少系列の違う話でありますが、生鮮食料品のようなものの需給関係をどうやって安定していくか。これは主産地の形成などに問題があろうと思います。それからまた、いわゆる管理価格といったようなものが生じゃすいわけでありますから、それを監視していかなければならないといったようなこと。そして、もう一つは、国民経済全体の総需要をやはり適正に押えていくといったようなこと。これらのことを一つずつやっていくということが必要であろうと思います。さしずめ、ただいまの問題は、今年度はともかく私どもの目標の中に消費者物価上昇がおさまるといたしまして、明年度は、先日も申し上げましたように、非常に高いところから四月に出発いたしますので、年度内に全然消費者物価が動かないといたしましても、今年度との対比ではすでに三%ぐらいのものが食い込まれております。したがって、政府の見通しとして定期預金の利子に近いような消費者物価の見通しを出すということは、それ自身いわゆるアナウンスメント・エフェクトというような好ましくない結果を生むこともございますから、何とかしてそうならないようにしなければならない。しかも、政府が直接左右し得る料金、価格がこれを主導したというような印象を与えることは、便乗を誘いやすうございますし、また、消費者の抵抗を弱める結果にもなりますので、本来、受益者負担という原則は、私は原則として正しいと思っておるものでございますけれども、この際、こういう情勢にかんがみて、ある程度それに対して国として施し得る措置があればこれを施して、そういうこの際の傾向を打ち消していきたい、こういう考え方をしておるわけでございます。
○瀬谷英行君 こういう財政の硬直化ということには相当いままでの大蔵省当局に責任があるのじゃないかと思うし、一省一局削減というふうに言われて、要らないものを減らせというけれども、じゃ減らしてもいいような要らない役所なり人間が今日存在をしておるということは、ふやしたほうに責任があるんじゃないかと思う。夫婦の間に子供がだんだん生まれていくように、自然にふえたわけじゃないでしょう、公務員の場合は。だれかがふやしたからふえたわけでしょう。そうすると、いまそれを整理しなければならぬということになれば、ふやしたほうに責任があると思う。これは総理のほうにやはりそれ相応の責任があると思うのでありますが、やはり、これらの問題は、画一的にやるというよりも、実情に合わせて増減ということは考えるべきじゃないかと思うのでありますが、公務員給与等の問題は、この際であるから、たとえば補正なしでもって予算の中に組み込んで人事院勧告をすり抜けるといったようなことを考えておられるのかどうか、その点をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(水田三喜男君) 人事院勧告については、私どもは、いままでできるだけ財政力の許すだけ完全実施をしたいということでこれを尊重してやったことは事実でございますし、今年度の予算においても、一カ月従来よりは多くさかのぼるということについても、全般にわたる国費の節約というようなものもやってこれを実施したわけでございますが、いままでは何とかこういう努力ができたのですが、今後、こういう大きい補正要因を残して予算を組んでしまったら、期の中途においてそれだけの財源が確保できるかどうかということはほとんどむずかしいことと、困難であるという判断をいたしておりますので、したがって、これを合理的に何とか当初予算でこれを見込んで、そして人事院の勧告もできるだけ尊重できるような方式はないかということを考えて、いま予算の来年度の組み方について研究しているところでございまして、人事院の勧告を実行しないために、これをすり抜けるためにいろいろくふうしておるというようなことでは全然ございません。
○瀬谷英行君 企画庁長官のほうからは、なるべく公共料金のようなものは上げたくないような意味のことを言われた。大蔵大臣の話によれば、ともかく先行きかなり渋い予算になりそうだということがはっきりしてきたわけなんでありますが、一方において国鉄の定期運賃等はこれを引き上げるという方針を立てておられるようでありますが、国鉄の場合、定期運賃をどうしても上げなければならないならばその理由はどうか、もし上げないで済むとすればどういう方法があるのか、これは国鉄総裁にお伺いしたいと思います。
○説明員(石田禮助君) お答えいたします。 国鉄が定期運賃の割引率を是正したいという理由は、御承知のとおり、いま国鉄が直面している通勤、通学の輸送力増強、これに対しては利息のつく普通の資金をもってしては独立採算というものが維持できぬ、金はかかるが収入は非常に少ない、どこからかいろいろな低利の資金を持ってこなければならぬ、そこで、第一に定期運賃の是正をしたい、こういうことであります。これにつきましては、四十一年にすでに通勤の割引運賃の是正はやったのでありまするが、今度は、通勤の割引是正率とともに通学のほうに対しても一部やる。これによって三百億円の自己収入を生む。これにつきましては、物価に影響があるというようなことである方面から注意がありましたが、しかし、その三百億円のうちで二百七十億円というものは通勤によるものであります。この二百七十億円の通勤によるものというのは、大部分は企業の負担、個人の負担というものはせいぜい四、五十億じゃないか。あとの三十億円というものは通学によるものでありまするが、これは物価に影響がある。結局、そうするというと、通勤と通学の両方でもってまず七、八十億というものが物価に影響がある、こういうことになるのでありまして、これははなはだ遺憾でありまするが、一方、これによって三百億の資金が得られる。これによって通勤、通学の輸送力の増強、この改善ができる。物価に及ぼす影響と、通勤、通学の輸送力の改善というものと、いずれがウエートが大きいかということでありまして、私は、今日の国鉄が直面しておる通勤、通学の交通地獄を考えるときには、これはぜひとも通勤のほうをやらにゃならぬということに考えましたので、四十三年度の予算におきましては、通勤、通学の割引是正によってぜひ三百億円を獲得したい、こういうことで大蔵省に申し出た次第であります。
○瀬谷英行君 通勤費の値上げによって見込んでいるのはたかだか三百億にすぎないわけなんですけれども、国鉄財政自体は三百億や四百億の増収でもって何とかなるという事情にはないはずです。しかも、通勤輸送はこのくらいの金で間に合うというものじゃないはずなんですが、国鉄財政のために利子補給であるとか、あるいは政府出資であるとか、そういうことを求めておる、こういうふうに聞いておりますけれども、その点は来年度予算に際してはどういう希望を持っておられるのか、あるいは、その問題に対して運輸大臣としてはどのように処置をされようとしておるのか、その点をお伺いしたいと思います。
○説明員(石田禮助君) 通勤問題に関しましてわれわれが要求しておるのは、定期運賃の是正によって三百億を得るということのほかに、納付金の問題、これによって百二十数億のごめんをこうむる。これは、御承知でしょうが、国鉄の納付金というものは、固定資産税のほかに払っておる。昭和二十八年の地方税法によりまして国鉄の輸送施設に対しては地方税はかけてはならぬ、こういうことでありましたが、その後、昭和三十一年におきまして、地方の財政が非常に苦しい立場になった。これに対しては国が補助すべきである。結局、国鉄のほうへ肩がわりした。国鉄もお人がよかったと思う。向それが余裕があったわけじゃない。自分のする仕事もしないでそういうことにやったということで今日までずっと払っておりまして、昭和三十一年から今日まで約千億払っておる。それで、国鉄は、いまは通勤、通学の輸送の改善ということのために非常な金が要る。この納付金や何かを納めることによって借金して払わなければならぬ、こういう状況でありますので、これはひとつぜひごめんこうむりたい。つまり、国鉄としては、やりたくてもできない、できないから払わない、こういうことで自治省に強硬に交渉しておる状況であります。 そのほかに国鉄が通勤問題について取り組んでおります問題は、例の、政府に約三百九十億の出資をしてもらいたいということであります。ということは、大体、通勤輸送というものに対しては国鉄が直接の衝に当たっておるのでありまするが、そのもとをただせば、政府の住宅政策というものが根底にある。それによって東京、大阪あたりにおける通勤客というものが国鉄に集まってくる。これはやはり政府としても責任を感じていただいて、できるだけひとつ国鉄に援助を願いたい。それで三百九十億の出資を願いたい。ことに私が申し上げたいことは、つまり、国鉄は、公共企業体として発足以来、国の政策によりまして始終運賃というものは安く押えつけられてきた。ここにおいて自己資金というものの獲得がはなはだ貧弱になった。そこへさらに公共負担という国の政策というものを国鉄の犠牲においてやったということで、それが昭和二十四年以来今日までで一兆をこしている。こういうようなことで、国鉄としては相当にもう国のために御奉公してきている。こういうことのために国鉄の事業に使う金というものが減らされてきた。政府としても国鉄のこの直面しておる交通地獄の解決というものに対しては一著の援助を願いたいということで、この際ひとつ三百九十億の出資を願いたい、こういうことであります。 さらに、利息の補助でありまするが、交通事業のごときに対して、ことに国鉄のごとき相当に赤字線の施設をやり、また経営をやるものに対しては、いまのような六分以上の資金をもってやるということは無理なんです。ぜひこれに対しても政府から特別の御援助を願いたい。 こういうことで、定期運賃の割引率の是正、納付金の問題それから政府出資の問題、さらに利息に対する補助、こういう四つの項目を大蔵省にお願いしている次第であります。
○国務大臣(中曽根康弘君) 国鉄が赤字で苦んでおりますにはいろいろ理由がありますが、一つは、運賃が安いのであります。大体、昭和十一年を基準にしまして、一般の物価は二百八十倍ぐらいになっております。しかし、定期運賃は九十倍ぐらいしか上がっておりません。しかし、国鉄も合理化に非常な努力をいたしまして、いろんな面で苦労をしておられますけれども、何といっても基本的には運賃が安いということが独立採算制を妨げているもとであります。しかし、運賃を安くしておくということは、多分に社会政策的意味もありますし、また、日本の産業を発展させるために低物価政策を一生懸命貫いているわけであります。この点については国鉄は目には見えませんけれども非常な貢献をしておると私は思うのであります。 それからもう一つは、相当な赤字線をかかえております。国鉄の路線を全部延長しますと、大体南回り線で東京から大西洋を渡ってニューヨークに行くくらいの距離になるんです。そのうちロンドンまでは赤字線であります。つまり八割は赤字線です。しかし、この赤字線は、地方開発あるいは中央と地方との均衡という意味で国鉄は非常な負担をかかえながらもやっておるわけであります。そうして、最近最大の問題は、通勤輸送に非常に金がかかるということであります。御存じのように、通勤輸送は朝の一時間とか一時間半のラッシュ時に大ぜい集まるわけでありますが、その時間に相当の車両を用意しなければなりません。その相当な車両は昼間は寝ているわけであります。その車両のまたアパートが要るわけです。それで、東京の近郊に高い金で土地を買いましてやっておるわけでありますから、相当な金がかかる。その上、東京近郊で複々線にしたり、高架線にしたりしますと、ばく大な土地代金が要るわけであります。しかも、乗るお客さんは、それだけの大きな設備をしながら朝の一時間半とか夕方少し乗るくらいでありまして、その運賃がまたべらぼうに安いわけです。前も申し上げましたが、普通のお客さんが百円払うところを学生さんは十三円しか払いません。また普通の通勤者は三十一円しか払わないわけです。法律では五十円までとっていいということになっておるのでありますが、低物価政策に協力する意味で非常な負担をやっておるわけであります。そういうわけでありますから、いかに独立採算制を強行しようとしても相当な無理がくるのでありまして、そういう点から国家的に大きな援助が与えられなければこういう特別な負担にはたえられないのであります。そういう面から、今回国鉄は、政府出資三百九十五億円、あるいは利子補給六十五億円、あるいは定期券の値上げ、あるいは地方町村に対する納付金百二十八億円——この町村納付金というのは昭和三十一年に地方財政が苦しくなったときに納め始めたのでございますが、私は非常に矛盾していると思うんです。というのは、地方の利便のために駅を拡張したり、複線にしたり、車両を備えますと、それがみんな固定資産税みたいにして国鉄にかかってくるわけであります。むしろ地方の利便のためにサービスしたのが税金になってはね返ってくるという情勢になっておりますので、これはぜひとも廃止をして国鉄の窮状を救っていただきたい。定期券につきましては、物価に及ぼす影響もありますので、できるだけ定期券の値上げは回避するように大蔵当局とこれから交渉する所存でございます。
○瀬谷英行君 地方納付金の廃止ということは地方自治体に対して少なからざる影響があるのではないかと思うのでありますが、自治大臣としてはこの問題についてどのように考えておりますか。
○国務大臣(赤澤正道君) 内輪の議論をさらけ出すようですが、自治省としては少し考え方が違っております。それは国鉄もお困りのことはわかりますが、地方団体だって非常に窮屈で苦労しておることは国民が承知しておるところでございます。国鉄の納付金は言うまでもなく固定資産税でございます。これは公企業、私企業あるいは法人、個人を問わず国内に固定資産を持っておるものはそれぞれ相応の税金を払っておるわけでございまして、またこれが地方財政をささえる柱の一つともなっていることは御承知のとおりでございます。しかし、国鉄は非常に公共性の高いものですから、特に二分の一にまけてあるわけでございまして、さらにほかに、国鉄だけでなくして、他の公社、また国有林野、その他公共団体等もそれぞれ固定資産を持っておりますが、それぞれこの税金を負担してまいっております。また、同じような仕事でございます地方軌道ももちろんでございます。これをいま国鉄だけまた全部やめるというようなことになりますと大混乱を来たしますので、まあ国鉄さんのほうもお困りでしょうけれども、これだけはしんぼうしていただかなければいかぬ、かように考えます。
○瀬谷英行君 自治大臣はしんぼうしてもらいたいと言うんですけれども、運輸大臣は地方納付金というのはおかしいと、こう言っておる。一体これはどうさばきをつけるのか、これは大蔵大臣にお伺いします。
○国務大臣(水田三喜男君) いま検討中でございますが、まあ私——これはきまった意見じゃございません——採算を無視してとにかく鉄道を運営している以上、ある程度これは地方のためにもなっておりますし、国鉄側に言わせますというと、どうしてもいかぬというところはこの際決心して運行をやめてもいいというようなことまで言っておるのですが、これは地方のためになりませんので、赤字があっても国鉄にはやはり公共企業体として運営してもらわなければならぬという事情もございますので、そういう点から考えましたら、地方財政の苦しいことはございましょうし、これまた財源についていろいろこれは研究すべき問題はございますが、こういう国鉄の苦しいときにこの納付金を免除してやることはいいことじゃないかと、ある程度そういうふうにさせたいというような考えで、いろいろ関係省といま相談中でございますが、まだ煮詰まっておりません。
○瀬谷英行君 最後に、では総理は、自治大臣のほうはやめてもらっては困る、運輸大臣のほうはやめてもらいたい、国鉄総裁のほうもやめてもらいたい、こういうふうに言っておられるわけでありますが、定期の引き上げが行なわれるということは、企画庁長官の立場からすればこれは好ましくないとこう言う。しかし、国鉄の財源の面からいうと上げなければならない。一体、定期を上げるというやり方をとるのか、あるいは、定期を上げないとすれば、その財源を納付金の廃止というようなことに求めていくのか、それとも足りない面は利子補給なり政府出資という方向で財政の再建策を講ずるのか、総理としてはこれからの第三次長期計画というものを完遂をさせたいというふうにお考えになるのか、あるいはこういう状態ではしようがないから適当なところで値切ってしまおうとこういうふうにお考えになるのか、一体どのようにされるおつもりなのか、総理大臣から交通政策についてひとつお伺いしたいと思います。
○国務大臣(佐藤榮作君) 私も鉄道の出身、瀬谷君も鉄道の御出身ですし、なかなか鉄道には御理解あるように思います。ただいま閣内におきましてせっかく各大臣がそれぞれ意見を述べておる最中でございます。まだ私の手元まで来るのにちょっと早いんでございます。これが最後に私のところへ参りますと、そのときには予算を編成するようになりますから、その辺で御了承願いたいと思います。
○瀬谷英行君 運輸大臣にお伺いしたいのですけれども、現状はかくのとおり、こういうことになってくると、やはり財政硬直化といったようなことから、大蔵省の方針もこれあり、なかなかこれはむずかしい問題になってくると思う。それでは一体どこに活路を見出すかということになるんですけれども、赤字路線の問題があります。この赤字路線というのは、中には政治路線もあるんじゃないかと思う。地方に、最近はないかもしれないけれども、鉄道を引くことによって票集めをするといったような風潮があったかに聞いておりますが、またそういうふうな赤字線区だって今日決してないとは言えないと思うのであります。それらの赤字線区を一体どのように処理されるのか、これから建設を予定されている線区の中で赤字路線があるとすれば、それらの問題は一体どのようにされるおつもりなのか、運輸大臣から方針をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) やっぱり政治は全国民のものでございますから、経済的合理性ばかりを追求するわけにはまいらないのであります。しかし、国鉄が独立採算制を要請されております面から見ますと、そういう面からは赤字路線を整理するという要請もあります。そこで、できるだけバスやその他で代替できるものは代替できるようにする、あるいは有人駅を無人駅にする、そういう形で代替できるように極力努力してまいりたいと思いますし、将来の問題につきましては、幹線輸送の整備というようなものが非常に大きな国策として登場してまいります。何と申しましても、自動車その他に比べまして大量輸送、非常にスピードが速いということ、安全性があるということという面からしまして、日本では国鉄の重要性はますます高まっていくと思いますし、容量を大きくするということと、スピードアップするということがどうしても必要であります。そういう面から、私といたしましては、幹線輸送に相当な力を注いで、日本経済の発展に資したいと考えております。したがいまして、将来の地方の開発線やそのほかの線につきましては、できるだけバスやその他で代替をして、そして幹線輸送に集中するように方策としては持っていきたい、そういう気持ちでおります。
○瀬谷英行君 現在、輸送力を増強しようとしても、用地の買収その他でもってなかなかうまくはかどらないという面があると思う。しかし、いまの運輸大臣の構想によれば、幹線輸送を整備するということでありますけれども、それならば、新幹線の様式をとって、通勤新幹線等も含めたまあ国内の幹線を新幹線方式にするといったような構想をお持ちになっておるのかどうか、そこまでは考えていないというふうに思っておられるのかどうか、その点を明らかにしていただきたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 国鉄の新幹線は世界に誇る日本の独創性の所産でありまして、私は国鉄の技術陣に対して非常に敬意を表しております。国鉄の技術陣は、新幹線に甘んずることなく、さらにもっと高性能のものを研究しておるようであります。それで、新幹線あるいは幹線という問題につきましては、都市を中心にする通勤輸送も含めた幹線輸送と、それから北海道から鹿児島に至るまでの幹線輸送と、まあ性格は幾つかございます。しかし、方向としては、国策として長期的に見て、そういう方向に重点は移行さるべきであるだろうと思います。特に東京を中心にします首都圏の発展を考えますと、大体二十年間、東京と神奈川、埼玉、千葉、この三県だけで約千百万以上の人口がふえる模様です。そういうことをいたしますと、これは首都圏あるいは建設省と相談いたしまして、都市計画を充実させて、それと同時にスピードアップした幹線輸送という問題を当然考えなければならぬ段階が来るだろうと思います。この点は、現在運輸経済懇談会におきましていろいろ議論を重ねておりまして、その答申がありましたら、建設省とも相談をいたしまして、なるたけ政治が先行して住民に迷惑をかけないように、また国費のロスがないようにやっていくつもりでおります。
○瀬谷英行君 いままでの御答弁を聞いておりますと、大体国鉄輸送については、これは進めなければならないという結論になっておるかに聞き取れますし、その場合に、地方交付金といったようなものもこれは廃止したほうがよろしいというふうにも聞き取れるわけなんです。まあかりに地方交付金が廃止をされるという場合には、地方自治体としてはかなり、中央だけじゃなくて、地方も硬直化してくるんじゃないかと思うのでありますが、財源をどういうところに求めていくが、地方財政をどういうふうにして救っていくか、その構想についてお伺いしたいと思うのです、自治大臣。
○委員長(新谷寅三郎君) 瀬谷委員に申しますが、御質問の要旨がよくわからなかったというのですが、ちょっと簡単に。
○瀬谷英行君 地方交付金の廃止に伴って、地方財政にいろいろな影響があると思うのです。
○国務大臣(赤澤正道君) 国鉄の納付金……。
○瀬谷英行君 そうです。
○国務大臣(赤澤正道君) 先ほども申し上げましたとおりに、私どもといたしましては、これは国鉄だけではございませんので、ですから、公共性が高いし、先ほど運輸大臣が申されたような点もありますからこそ、国鉄は別の計らいがしてあるわけでございます。これをくずしますと、ほかの二公社、また国有財産、またその他公共団体、それぞれたくさん資産を持っておるわけでございます。また私鉄全部に波及すると、とても百二十何億というようなことで済むわけでございませんので、私どもといたしましては、この体制はどうしてもくずしたくないと考えております。国鉄だけの問題になりますと、そういう立場でございまするから、かりに百二十何億はずれた場合には他の措置はどうするかというようなことは、まだ検討いたしておりません。
○瀬谷英行君 どうしてもはずしたくないといっても、やはり国鉄の納付金をやめるという方向になれば、その他やはり類似の団体も、公共企業体等も同じことになると思う。だから、はずしたくないというだけ言っておられない段階じゃないかと思うのでありますが、はずされた場合における影響も考えた上で、地方財政を一体どのようにするかという点をお伺いしたがったわけであります。
○国務大臣(赤澤正道君) ご案内のとおりに、地方財政そのものも非常に最近硬直してまいっておりまして、なかなかその自主財源をどう確保していくかという容易ならぬ時点に達しておりまます。そういうことでありまするので、先ほど申し上げましたように、少しでもこういったものがなくなるということでは、地方財政の予算を組んでいくわけにはまいりませんので、私どもは、この国鉄納付金につきましても、強力に立場を主張するわけでございます。
○羽生三七君 はなはだ恐縮ですが、ちょっと前へ戻るんですが、公務員給与を当初予算に織り込むかどうかというときに関連しようと思ったんですが、ほかに移ってしまったので、お許しをいただきたいと思います。 そこで、補正でなしに当初予算に公務員給与を組むということは必ずしも人事院勧告を逃げることではないと、これはよくわかりました。そこで問題は、人事院勧告の時期と非常に食い違うわけですね、当初予算の編成の時期と。そういう場合には、一体どうするのか。それから、勧告が出たときに、その差額がもし出た場合に、その差額は補正するのかどうか。つまり、大づかみのものを当初予算の中に入れるという意味なのかどうか。非常に技術的な問題で、こまかくて恐縮ですが、その辺がはっきりしないとどうも意味がよくわからないので、この点をひとつ聞かしていただきたい。
○国務大臣(水田三喜男君) いまおっしゃられるような点がむずかしい点でございますので、この煮詰まりができないというと、いま言った当初予算に盛るという方針それ自身が貫けるかどうかという問題にもなっておりますので、そういう点を中心にして検討中でございます。
○小柳勇君 この前の質問、自治大臣の前の国鉄の最終場面で関連すべきだったのですが、自治大臣のほうに移りましたから、いまここで関連質問をいたします。 それは、私の場合もそうでありましたが、予算委員会で時間が足りませんから、質問する者が最後まで納得のいくまで答弁を求めることができないままいく。私自身、私のときもちょっと発言いたしましたが、いま国鉄問題の論議、答弁を聞いておりまして、国鉄総裁の要求、運輸大臣の考え、大蔵大臣の考え、違うわけです。違ったまま、ここでおのおのの答弁を聞いたまま、ここで次の問題に移ってまいります。いま、この補正予算を論議する委員会でございますけれども、国鉄の予算もその論議の対象になっているわけです、補正予算の中で。そういたしますと、いまここで国鉄総裁の意見と運輸大臣の意見が違ったままここで聞き流しにして、次に予算編成されて、来年の三月この予算審議で論議するときにはもうおそいわけです。この通勤輸送あるいは通学の輸送で、国民がこれだけ関心を持っておる問題が、課題の問題として出ることがわかりながら、なぜ内閣は一つの意見を持ってここに出れないのか。この前私が米価の問題を質問いたしました。米価の問題でも、いま検討中でありますという答弁です。この予算委員会さえ終わればあとはまた政府がかってにやりますと、こういうような予算編成方針は私は間違いであると思うのです。貴重な時間をかけてこれだけの大臣が時間をつぶしてここにおられるのですから、問題のあるものはちゃんとわかっているんだから、前もって総理大臣が主宰して、閣議なりあるいは懇談会なりして、一つの結論を持ってここに来て代表して答弁して、それがいいか悪いかを論議するのが予算委員会でなければならぬと思うのです。そういうことをやらないで、各大臣が思い思いの意見を言って、あとで検討いたしまして予算編成します、その予算を見てください、こういうようなことは、予算委員会軽視もはなはだしいと私は思うわです。これは各大臣にいろいろ聞かなければなりません。見解はありましょうけれども、予算編成については大蔵大臣でありますから代表して大蔵大臣から聞いて、納得がいかなければ総理大臣からまた意見を聞きたいと思うのです。
○国務大臣(水田三喜男君) 御承知のとおり、来年度の予算編成は、これから政府が行なおうとしておるものでありまして、この国会が済んだら直ちにこの予算編成に取りかかるということになっておりますので、いま予算の編成方針がきまっておるのでしたら、ここでいろいろ御答弁できますが、きまっていないことをいま全部質問されているのでございますから、検討中と。したがって、各大臣がまちまちでここで答弁されることは私はけっこうだと思います。これから各大臣のお互いのほんとうの協議によって意思が統一されて、そして政府の方針というものがきまって予算案ができるという順序になりますから、いま全くきまっていないときでございますから、私ども、これが政府の方針だというものを答弁できない、こういうことでございます。
○小柳勇君 それでは、各省各大臣とも新聞発表などは慎重にすべきだと思うのです。あたかも、各省でもきまり、あるいは各大臣がこれは譲れぬというようなことで国民を混乱せしめる。すでにもう一カ月ぐらい前から米価の問題も公務員給与の問題も出ているわけですよ。それであるならば、国民が政治に信頼し、不安を与えないことが一つの大きなこの国会の任務でもあるし、政府の責任でもありましょう。それならば、大蔵大臣はただ技術的に予算編成方針と言いますけれども、ただそれだけでは国の予算編成などということは言えないと思うのです、私は。したがって、各省とも慎重に、そういう問題をまだこれは閣議決定しなければならぬとか、懇談会の議を待つとか、はっきり条件をつけて新聞記者会見をするとか、あるいは出さないとか、慎重にしなければ、そういうものが素材となってここに長時間かかって論議することはむだです。したがって、総理大臣の見解を聞いておきたいと思います。
○国務大臣(佐藤榮作君) 先ほど大蔵大臣が代表して答えました。いま補正予算については御審議をいただいております。来年度予算、これは次の国会で御審議をいただくつもりでございます。したがいまして、ただいまおしかりを受けましたように、それならば事前にいろんなことを記事にするな、こういうお話でございますが、これはいろいろ新聞のいき方にもございましょう。なかなかいまの新聞社の方は御勉強が過ぎますから、そこで、いろいろ考えている構想のもの、こういうものを引き出すということがなかなか巧妙で、つい事務当局、あるいは大臣にいたしましても、まだきまらないこととか、こういうような構想だというものがどんどん引っぱり出されて、それが一々記事になる。こういうことでございますから、その辺はあまりお責めにならないように、こういうところに民主主義のよさがあるのではないか、かようにひとつ御理解をいただきたいと思います。
○瀬谷英行君 国鉄総裁にもう一度お伺いしたいのですけれども、政府出資三百九十五億を要求された、こういう話だったのです。ところが、昨年は九百億要求されたけれども切られた。なぜ昨年九百億要求したものを今年は三百九十五億に値下げをしたのか。それが結局は定期の値上がりという形でもって生まれてきたのじゃないかというふうに、これは数字だけを見れば、感じられるわけです。ところが、実際問題として、自治大臣のほうは、総裁が地方交付金はごめんこうむりたい、こういうふうに言ったけれども、それはごめんこうむるのはこっちのほうもごめんこうむると、こういうふうに自治大臣言っているわけです。そこは折衝をして、とどのつまりは一体どういうことになるのか。ここで聞いておった限りでは、見当がつかないわけです。だから、総裁としてもし定期の値上げをしないとすれば一体どういうふうにしたらよろしいとお考えになるのか。あるいはまた、政府出資の三百九十五億がいかんと言われたならば、どういう方法でもってその財源の補てんをしようとお考えになるのか。その点お伺いしたいと思う。
○説明員(石田禮助君) お答えいたします。われわれがいま申し出ておる条件がいれられない場合にはどうするかということでありますが、これは私はぜひともひとついれてもらわなければならぬ、こういうことで極力ひとつとことんまで交渉しようと思っておりますので、どうしてもできぬという場合に初めてそれじゃどうするかということを考えて私はおそくないと考えております。そういう意味で、ひとつこの問題は総理大臣の裁断にかかると思いますから、この際に総理大臣の国鉄に対する同情のある御裁断をお願いしたいと思います。
○瀬谷英行君 運輸大臣にお伺いしたいが、運輸大臣としてもそれじゃ国鉄総裁の考え方と大体同じである、こういうふうに理解してよろしいのでございますか。これが一つと、もう一つありますが、公共料金の引き上げにからんで、これから私鉄のバスやらなんやら、そういうものの値上げというものも起こってくると思うのですよ。そうすると、企画庁のほうでは、この物価のことから考えると、それらの運賃、バス料金等の値上げは好ましくないと考えているのではないかと思うのでありますが、やむを得ない場合には、問題は今度はそういう一般の私鉄の運賃の値上がりというほうにも影響してくると思う。そこでこの際一つだけお伺いしておきたいのですが、先般問題となりました福島交通の問題、これは社長が場合によっては会社を解散をすると、こういうことを言明して話題になりました。運賃の値上げができなければまたどうすると、解散をするとか、あるいはストライキをやれば解散をするという話が出ておりますけれども、こういう地方における交通企業で社長自身が会社を解散するといったようなことがまた出てきた場合に、運輸省としてどのような処置を講ぜられるおつもりなのか。その点をあわせてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 福島交通の十一月十二日の業務の停止につきましては厳重に調査を進めておりまして、法律違反の可能性が非常に濃厚であることがわかりましたので、何らかの処分をしようと思っております。そしてこの二十二日にストライキがあり、また経営者側ではロックアウトでこれに対抗するように報ぜられておりますが、運輸省としては労使関係に介入する意図は毛頭ございません。ただし、この年末を控えまして福島県民の足がとめられるということはゆゆしい事態でありますので、労使ができるだけ県民の交通の利便をはかって話し合いをつけていただくように希望いたしております。 また、もし万一違法行為によって交通が途絶するようなことがあればいけませんから、その場合には、近隣の交通機関に対して臨時免許を出すなり、万難を排して福島県民の足を守ろうと運輸省は考えております。
○瀬谷英行君 まあ、労働組合がストライキをやって首になるということはちょくちょく問題になるんでありますけれども、社長が会社の解散をするといったような例はあまり聞いたことがない。しかし、こういう問題がこじれてまいりますと、またどんなことが出てくるかわからない。その場合に社長に対する制裁ということはいままで前例がないけれども、じゃあ、運輸省としてはどういうような根拠に基づいてどういう処分をするおつもりなのか、その点をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 私は着任以来、あの十一月十二日前後及びそれ以前からのいろんな問題について調査を命じまして、私自体でいろいろ調べ、また確認もいたしました。しかし、運輸省として一番関心を持っておることは、福島県民の足が奪われるということなのでありまして、福島県民の足が奪われないということを最大の念慮に置きまして、いままでいろいろ善後措置を講じてきたのであります。しかし、違法行為があるという場合にはこれを等閑に付するわけにはまいりませんので、いろいろ調査の結果、違法行為の可能性が非常に濃厚でありますので、それはほっておいてはいけない、そういう考えから、処分する考えでいま関係方面にも相談をしておる次第でございます。
○瀬谷英行君 運輸大臣にもう一点。結局、さっきちょっと福島交通を先に質問したのですが、国鉄総裁の方針を支持されると、基本的にそういうことになるのかどうかということ。 それから第三次長期計画というものは、これは国鉄財政の内容いかんによっては多少手直ししなければならぬという問題が出てくるかもしれないというふうにも危惧されるのでありますけれども、あくまでもこれは完遂をしなければならぬというふうにお考えになっておるものかどうか、その点をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 国鉄が現在実施しております第三次輸送力増強計画は、これは断じて遂行しなければならぬと考えております。そういう観点から、国鉄総裁の考え方を全面的に私は支持しております。ただ、定期運賃の問題については、これは国政全般にかかる問題でもありますので、これから財政当局と交渉して自分の考えを貫いてみたいと思っておりますが、しかし、これは財政当局との話し合いによって結果はきまるので、いまどうなるかということは申し上げるわけにはまいらぬと思います。
○瀬谷英行君 財政硬直化によっていろいろと影響が出てくるのじゃないかということが懸念されるのでありますけれども、いつの場合でも、弱い者が犠牲になるという傾向があります。たとえば、これは厚生大臣にお伺いしたいのですけれども、重症心身障害児であるとか、精神薄弱児であるとか、そういう人たちの、要するに心身障害者対策、社会保障、こういう面でしわ寄せがそっちのほうへ向かっていくということになると、なかなかこれは深刻なことになると思うのでありますが、そのような問題に対して一体厚生大臣としてはどのように対処されるおつもりなのかお伺いしたいと思います。
○国務大臣(園田直君) 一家のうちでも身体障害者の子供のために家を担保に入れて、あるいは借金をしてやりくりしながらそういう治療をやっております。国の場合においても当然でありまして、身体障害者に対する予算及び社会保障制度は、御承知のとおりに、いまなお西欧諸国の水準に達しておりません。この際、まだ部門を拡充し充実しなければならぬ段階であり、政府の策定いたしました経済社会発展計画の中にも、この推進の大きな柱は社会開発であると明記いたしております。しかも、とのような人々は圧力を持たず、助けを呼ぶことを知らない人たちであります。こういう人々に対する政府の愛情こそ、国を守る意欲の源泉であり、財政硬直を突破せんとする意欲の源泉であると考えておりますので、こういう点を十分考えて各位の御協力を得ながら遺憾なきを期したいと存じておりまするが、こういうことに対する総理の信念を信頼いたしております。
○瀬谷英行君 せっかくの厚生大臣の御意見でありますので、総理の信念をこの際お伺いいたします。
○国務大臣(佐藤榮作君) これは中小企業だとかあるいは農民だとか、いろいろ弱い者、これにしわ寄せをしないように予算をつくれということでございました。私はしばしばこの点を申し上げて、今回の財政硬直化に対処するにあたりまして、いわゆる弱い者にしわ寄せするというようなことはしないようにする。その中にはもちろん社会保障全般についても十分理解のある措置をとらなければいかぬことは申すまでもないことでございます。
○瀬谷英行君 最後に、政治姿勢と公害問題についてお伺いしたいと思うのでありますけれども、特に汚職の問願でありますけれども、古くは造船疑獄から近くは共和製糖、LPガスと、いろいろ汚職の問題が社会問題となっていることはきわめて遺憾であります。ところが、中央におけるそういう汚職のほかに、地方においては県会議員が砂利の汚職で逮捕された、こういうような例がある。その砂利の乱掘によって、たとえば山砂利の乱掘あるいは川砂利の乱掘、あるいは畑に大穴を掘るといったようなことで、河川の占用を、あるいは農地転用、それぞれ許可がないままに、極端な場合は、人の土地を無断で使用するという例があるわけです。この間も建設委員会で視察に行ってまいりましたところが、大穴が掘られて、丸ビルが入ってしまうような大穴が畑のまん中に掘られて、村長さんに聞いてみると、抗議をしたのだけれども。スコップを持ったやくざ風の者が出てきておどかされたので逃げ帰ったというのです。それから山砂利の搬出の問題でも、地元の反対があるにもかかわらずこれが強行されるというようなケースがあるわけです。そこで砂利の乱掘等を規制をするために、通産省としても考えなければならぬと思うのでありますけれども、法的な規制を考えておられるのかどうか。あるいは建設省として行政上の指導をやろうとして考えておられるのかどうか。これらの問題が砂利汚職といったような地方の汚職に非常につながっております。砂利でありますからまあ地方に散らばっておるのかもしれませんけれども、これらの問題を根本的に解決するための方策というものをまずお聞きしたいと思うのであります。
○国務大臣(保利茂君) お答えいたします。 砂利採取法は通産省の所管でございますが、河川砂利の採取につきましては、これは河川管理者の事項でございます。河川管理者のほうといたしましては、もう御案内のような事項でございまして、四十一年の五月に基本対策要綱という次官通達を出しまして、それ以来河川砂利につきましてはかなり改善をされて、直轄河川等におきましてはほとんど問題はない。そこでたとえば相模川でありますとか、江戸川でありますとか、多摩川というようなところは一切採取を禁止しているということで、河川のほうにつきましては大体まあ手落ちなくいっているのではないか。お話しの丘砂利、山砂利、これが届け出制で、施業案等について何ら関与することができないような現行法になっておるものでございますから、通産省のほうでも、伺っておりますと、この法改正をして、少なくとも業者の登録制、そうして施業案の認可を、施業についての認可措置をとるような改正をいたしたいというような議が練られておるようでございまして、建設省といたしましても、その場合は河川砂利につきましても同様の措置をとらせていただきたいという希望を持って、ただいま事務当局間において案を練りつつありますから、できるだけ早く法的措置を講じてまいりたい、かように考えております。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 砂利乱掘防止につきましては、現行法はきわめて不完全でございます。ただいま建設大臣が御答弁申し上げたとおり、ぜひとも来国会に法案を提出したい、かように考えております。
○瀬谷英行君 政治献金と汚職の関係でありますけれども、わいろと政治献金というものはどこにその境があるかわからぬようなこともあるのじゃないかと思います。たとえば一億円献金された。その献金は献金であって法案の成否とは無関係であるというふうには第三者には見られない場合がある。したがってこの点を考えると、政治資金の規制というものはかなりきびしくやる必要があると思うのでありますけれども、この問題は総理としてどのようにお考えになっておるか。
○国務大臣(佐藤榮作君) 政界の浄化を求め、そうして政治に対する国民の信頼を高めなければいかぬと思います。民主政治のもとにおきましては特にこの点は大事だと思っております。こういう意味からいわゆる政治資金規正法なるものが考えられるわけであります。前国会に私ども提案いたしましてたいへん苦い経験をなめております。当時は、また選挙制度審議会におきまして、区制等で何らかの答申を得るのではないか、そういうような期待も一つあったと思います。しかしながら、そのほうの規制についての答申は今回はない。しかし、政界の浄化のためには政治資金規正、これは絶対に必要だと、かように考えて、ただいま区制の答申を待つまでもなく、次の国会にはぜひ成案を得たいと思います。しかし、この場合におきましても、いたずらに理想に流れることなしに、前国会の苦い経験も十分原案作成の際に考慮いたしまして、そうして成案を得て成立を期する、かようにいたしたいものだと思っております。この問題は次の通常国会、これに提案して成立を期する、かように考えております。
○瀬谷英行君 最後に総理に一つお伺いしたいのでありますが、これはこまかな問題は建設委員会でもいいのでありますけれども、東京海上火災が和田倉門に超高層ビルを建築しようとしたところが、総理が好ましくないと、こういう意見を述べた、そのために建設省も東京海上の申請を押えていると、こういう話があるのでありますけれども、これも聞きようによると、三菱のほうの関係云々ということも週刑誌に出ておりましたが、一体好ましくないという意見を述べたのは事実なのかどうか、もし事実だとすれば、なぜ好ましくないという意見を述べたのか、この点をお伺いいたします。
○国務大臣(佐藤榮作君) 東京には美観地区という地域がございます。その地区に特別な超高層建築を建てるということはこれはどうも望ましくないのではないか。私は、官邸のすぐそばに三十六階のビルができた、それからつくづくさように考えておりまして、どうも好ましくない。建設計画をしております社長さんがわざわざ私のところにたずねて見えましたので、そのときにはっきりそういう話を申しました。そういうことでございます。
○瀬谷英行君 それならば建築基準法改正自体に対して文句をつけなければならぬ。基準法でもって高いビルを建ててもよろしいということになったから建てたんです。それを、片方は、基準法の範囲で建てようとしたのに対して、総理の個人的な感覚でもって高いものは好ましくないということを言われて押えられるということは、これは法律が曲げられることじゃないかと思うのです。その点はどうなんですか。
○国務大臣(佐藤榮作君) 私は法律を曲げてはおらないと思っております。私は好ましくないということを実は申したのでございますが、それをどういうように扱いますかはこれは会社でやることだと思っております。しかし、これは常識的な問題でもありますし、いわゆる法律で高い建物をつくることになっているからといってそれで全部が法律どおりに何事もきめるということはいかがかと思います。ことに高層建築、これは美観ばかりではございません。安全性の点からも特別なくふうが払われなければならないし、火災の際、あるいは特別な地震の際におきましてはたして安全を確保できるか、そういう点ではよく技術的にも十二分に検討すべき問題ではないだろうかと思いますし、また、最近の都市交通の状態から見ましても、一カ所に非常な多数の人が住むようになれば、たいへんな出入りするようになれば、たいへんな交通問題でもあります。したがいまして、すべてを考えてみまして、私は、ただいまの状態では、私自身は好ましくないと、かように思います。これは率直な意見を申しておるのであります。
○国務大臣(保利茂君) ほんの数日前でございますけれども、建築審議会から建築基準法に関する重要な答申が出されております。同時に、都市景観についての非常に大事な建議もいただいております。数日前のことであります。まだ内容を十分検討いたしておりませんけれども、その都市景観に関する建議の焦点はどういうふうに考えられておるかといえば、一つの建物が高いとか低いとか、ある特定の地区において一つの建物が高い低いというようなことを検討するよりもより大事なことは、たとえば丸ノ内なら丸ノ内という地区、これはもうだれが考えましても、常識的に考えましても非常に大事な地区でございますから、そういう地区についてはかような整備計画を立てるということが、持つということが一番大事じゃないかという建議の趣意もあります。よくこれらを検討いたしまして、いずれ建築基準法の改正をどうしても国会にお願いしなければならぬと思いますから、その際に十分御検討をいただいていくつもりで私も慎重に取りはかってまいりたいと思っております。
○委員長(新谷寅三郎君) 以上をもちまして瀬谷君の質疑は終了いたしました。 午後二時再開することといたしまして、これにて休憩いたします。 午後零時四十八分休憩 —————・————— 午後二時十五分開会
○委員長(新谷寅三郎君) ただいまから予算委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、久保等君が辞任され、その補欠として稲葉誠一君が選任されました。 —————————————
○委員長(新谷寅三郎君) 次に、昨日の矢山君の質疑に対し、答弁が保留されておりますので、この際、国税庁長官の発言を許します。国税庁長官。
○政府委員(泉美之松君) 昨日の矢山委員からの御質問に対しましてお答え申し上げます。 東日貿易株式会社の三十八年六月期の法人税につきまして、本年六月に、リベート収入四千三百三十万円の脱漏があるといたしまして更正をいたしておりますが、当初申告が五百九十五万五千円の欠損申告でありましたのと、それから別途、四十六万七千円の寄付金の認容を必要といたしますので、差し引き課税所得は三千六百八十七万円に相なっております。
○矢山有作君 いまの御報告では、まだ漏れておるところがあるんです。そのリベートで入ったものの使途不明がまだあるはずです。したがって、それらの点はもうすでに国税庁は御存じなはずですから、さらに使途不明金がありますというような答弁は求めませんけれども、それはあるはずです。さらに東日貿易につきましては、そのほかにも賠償をめぐってとかくのうわさがありますが、この問題について国税庁は、東日貿易のこれらの全体についての調査をされたのか、それとも、東日貿易のこのインドネシア留学生会館の問題だけに限って調査をされたのか、その辺をひとつ明らかにしていただきたいと思います。
○政府委員(泉美之松君) お答えいたします。 先ほど申し忘れましたが、使途不明の出金がわずかでございますが、二十四万円ほどでございます。それからなお東日貿易につきましては、更正いたしましたのは以上申し上げたとおりでございますが、そのほかの点についても調査はいたしてございます。
○委員長(新谷寅三郎君) 次に、午前に引き続き質疑を行ないます。二宮文造君。
○二宮文造君 私は政治姿勢の問題について二つほど伺っておきたいのですが、五月の本委員会において問題を提起いたしておきました社会福祉法人ベル福祉協会の経理の内容につきまして、厚生省で鋭意その後調査をしていただいたと思うのです。その後の経過について報告をいただきたいと思います。
○国務大臣(園田直君) 御指摘の法人の内容について、先般御指摘がありましたので、ばく大な事務量でありましたが、本省から五人、都側から七人の調査員を出しまして調査をしてまいりました。その結果、昭和三十九年度から昭和四十一年度までの三年間の支出額は約四億五千万円で、そのうち、約四億三千万円については、つき合わせが完了して、領収証がない等のために、つき合わせのできなかったものが二千二百万円ございます。そのうちには、銀行に対する支払いの利息等、支出がはっきりしているものがありまするが、あと一千万については、なお明確でありませんので、さらに今後調査を行ないたいと考えております。
○二宮文造君 私が伺った範囲内におきますと、二千二百万円が使途不明である、要するに、どこへいったかわからない。また、二千二百万円は帳簿には載っておるけれども、領収証がない。合わせて四千四百万円について疑義が生じている。その中には、大臣のおっしゃったように、当然銀行に払って領収証がない、そういうものも一応含まれておりますが、四千四百万円は非常に疑義がある。大臣も御承知のように、これには国が建築の補助金を出しております。また、厚生省が添書もつけて、競輪のほうから四千七百万円の補助金といいますか、奨励金みたいなものももらっております。あるいは一般の寄付金もあります。こういうふうな膨大な金額、しかも、いま大臣がおっしゃったように膨大な事務量であったけれども、その難事業をここまでやってきた。結局、裏をひっくり返してみますと、経理がまことに乱脈きわまる、こういう結果になりませんか、大臣いかがです。
○国務大臣(園田直君) 報告を見ました私の感じでは、経理はいささかずさんであったと判断をいたします。
○二宮文造君 いささかずさんということを通り越したずさんなんです。なぜかといいますと、五月以来、今日十二月です、半年以上ばく大な人員を擁して、そうして調査をしても、なおかつわからない。社会福祉法人の場合に、こういうふうに経理が乱脈をきわめたときは、厚生省としてはどういう手を打つのですか。一般の社会でありますと、これは破産の宣告とか、そういう手続になると思うのですが、社会福祉法人の場合はどうなんですか。
○国務大臣(園田直君) 厚生大臣に監督の責任がありまするので御指摘のとおりでありますが、御承知のごとく、この法人は昨年末におきまして、相当な負債を持っております。その負債の額は、四十一年度末で二億五千九百四十万の負債がございますが、こういうところの処理等もありますので、調査の結果をまってさらに厳重に監督をし、過去から将来にわたっていろいろ指導をしつつ、この負債の整理をいたした上でと考えております。
○二宮文造君 この間の五月の段階では、理事長がかわっておりましたが、現在は理事長はどなたですか。
○国務大臣(園田直君) 山下春江氏であります。
○二宮文造君 総理には次の問題とあわせてお伺いいたします。 次に、運輸大臣にお伺いいたしますが、島原鉄道のトラックの大阪路線の免許につきまして、その経過を概略お知らせ願いたいのです。
○国務大臣(中曽根康弘君) 島原鉄道から大阪行きのトラック路線の認可の申請が第一回にありましたのが、三十二年十二月十一日です。これは三十五年七月十二日に却下してあります。次いで第二回の申請が三十六年十月二十三日にありまして、これは三十七年十月二十日に却下してあります。第一二回の申請が三十九年四月十五日にありまして、これは四十一年二月二十三日に免許になっております。これは公聴会におきまして、賛成者が長崎県の町村長会長、あるいは農業協同組合の島原支所長等の賛成者があり、反対者はありませんでした。大体申請の内容は、一日に一回野菜等を積んで長崎県から大阪に貨物輸送をするという申請でございます。
○二宮文造君 この島原鉄道の役員をめぐりましていま紛争が起きております。それは主としてその会社の経営方針ないしは経理の方面について、こういう問題について現役員の間での紛争が起きておりますが、大臣のところには何か報告があったと思うのですが、了解している範囲内でお話し願いたい。
○国務大臣(中曽根康弘君) 役員の紛争があるということは新聞紙面で拝見しましたが、いまだ正式な報告はございません。
○二宮文造君 これは長崎県も非常に心配をして県当局もなかなか奔走をされている話のようです。また、運輸省のほうからも当会社に、もうすでに社員、役員となって、再建に、調停に奔走している、こういう状態であります。ですから、運輸大臣が御存じないというのはちょっと——地方鉄道ですからね、最近非常に経理のむつかしいところですから、もう一つ神経を注いで、めんどう見ていただきたいと思うのです。問題は、新聞でごらんになったと言うから、あえて言いませんが、要するに、経理の中に使途不明の金額が出てきた。その行くえについて申し立てがあって、いま民事の裁判になっておりますが、その辺のことも全然御存じありませんか。
○国務大臣(中曽根康弘君) よく承知しておりません。
○二宮文造君 法務大臣はどうですか。長崎の地検ないしは長崎の県警でも、非常に興味を持ってこれを見守っているという話でありますが、法務大臣の手元には、そういうふうな報告などはありませんか。
○国務大臣(赤間文三君) お答えを申し上げます。 島原鉄道の経営をめぐる民事訴訟から、新聞に報道をされたことは承知をいたしております。検察当局からは経理の問題等については、まだ何らの報告を受けておりません。
○二宮文造君 これは個人の名誉に関することで、非常に重大な問題です。ないしは、運輸当局のいわゆる行政の面にも関係をしてくる問題です。私、手元に八月二十三日の審問調書があります。この審問調書の被審人は社長と取締役と監査役です。三人とも同様のことを言っておりますが、中で、代表取締役の分だけ申し上げます。こういうふうに審問しております。会社の帳簿で支出されている昭和四十一年三月一日、貨物新路線関係諸経費一千万円については——名前を伏せます、某代議士の紹介で知り合った運輸関係に詳しい先生に、トラック大阪路線認可運動のお礼として手形で一千万円渡しました。当時——伏せます、先生は四国から代議士に立候補して落選し浪人中でしたが、現在代議士に当選しています。その支払いについて、帳簿上、手形の受け、取り人を先生名義としないで、細川正にしたのはどうしたためか知りません。同様の名前が取締役ないしは監査役の口から同じように審尋されております。こういう事件は、当然運輸省としても神経を注いで経過を見守っていただかなきゃならぬと思うのですが、もう一度お伺いします。運輸当局としては、全然こういうことにはノータッチでありますか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 免許基準が適正に行なわれておるかどうかということはよく監察をしておりますが、会社の内部のけんかとか、あるいは法に逸脱しない範囲内の経理の内容については、あまりこまかく神経を使うことはいたしておりません。しかし、公益に関する問題については、厳重に注意して見守ってまいりたいと思います。
○二宮文造君 法務大臣に伺いますが、その背任とか横領とかいう事件の捜査はどういう手続でもって始めますか。
○国務大臣(赤間文三君) お答えを申し上げます。 背任とか横領とかいうような疑いがありますときには、警察においていろいろと捜査を行ないます。なおまた、それが濃厚であるときには、検察当局でまた内偵をいたすというようなことをいたします。ただ、この問題につきましては、民事訴訟の問題になっていることは新聞で承知いたしておりますが、検察当局からは何らの報告を受けておりませんので、法務省としては聴取いたしておりません。
○二宮文造君 八月二十三日のこの審尋は、九月二日の長崎新聞に明細が出ております。そのときに当人の、受け取ったと言われる代議士の話が出ております。何の関係もなしに、路線獲得で動いたこともない、金銭授受など全く知らない、こういうように明確に地元の新聞に出ているわけです。一方では、会社の社長が渡しました、一方では、もらったほうは知りませんと、こういうことが奇しくも九月二日の地元の新聞紙面に対決になっているわけです。それでも、疑いがある、あるいは捜査当局としてはそれを内偵もしない、こういうことはどういうわけですか。
○国務大臣(赤間文三君) ただいまお述べになりましたことについては、まだ報告を受けておりません。長崎地検に照会して調べてみたい、かように考えております。
○二宮文造君 運輸大臣にお伺いしますが、従来、運輸行政については、免許とかあるいは許可とかということについて、とかくのこういう問題が出てくるわけです。現職の代議士が一千万円お礼にもらった、もちろん、これは仮名でもらっていると言われているのですから、もしゃ、かりにあったとしても、政治資金には届け出はないと思うのです。それは別としまして、運輸省のそういうふうないままでとかく運輸行政にからんでうわさがあった、これを正してもらいたいと思うのですが、大臣の決意を伺っておきたい。
○国務大臣(中曽根康弘君) 綱紀粛正は私、着任以来もっぱら心がけていることでございまして、よくその旨を関係方面に示達をしております。ただいまの事件につきましては、内容をよく存じませんが、法務当局の御判断も聞いた上で調査してみたいと思います。
○二宮文造君 法務大臣、すでにこれは民事から刑事の段階に入りつつあると思うのですが、そのことで法務大臣が抜かりのないように手を打たれることを、これは要望しておきます。 総理に最後にこういう二つの問題、これも既成の事実とは申しません。ですが、少なくともこういうことが紙面をにぎわすということは、総理のいわゆる清潔な政治には反すると思う。ですから、これは総理としては非常にやりにくい、いやなことだと思いますけれども、姿勢を正してもらわなければ困る。現に私は五月にそれを総理にお願いした。ところが、その後、私の意に沿なわい。私の意に沿わないということは、一般国民の意に沿わないこともあると思う。その面を含めて総理の答弁をいただきたい。
○国務大臣(佐藤榮作君) いま中増根君が申しましたように、綱紀の粛正、これに当たらなければならない、これはかねてから私もしばしば申し上げていることでございます。しかし、私の意思に反して次々に不祥事件が起きる。そのつど私もおわびを申しながらも、心を新たにして、これらのものが厳正であるように一そう注意しておるわけであります。起こりました事柄については、もちろん、検察当局あるいは警察当局の捜査が適正に行なわれることを期待しておりますし、また、でき上がったものについては、これは信賞必罰とでも申しますか、そういう厳正なる態度でやっていかなければならない、かように私自身は考えておるのであります。これらの事柄について、さっきのベル会館の問題、これは御承知のように、山下同僚議員がすでに理事長でもございます。今回政務次官に登用いたしましたが、私は、ただいま物価問題が非常にやかましい際に、婦人のこまかな観点から物価問題と取り組むことも、これまた必要なことではないかと、かように思って実は登用いたしたのであります。しかし、この点で一部の誤解を受けておるようでございますが、山下君は引き続いてただいままだ理事長でございます。この点では、私はやっぱり山下君自身に責任があるとは実は思っておらないのであります。誤解を受けないように、この上とも、りっぱな業績をあげるように心から期待しております。ただ、いま理事長と申しましても、いわゆる役員報酬は受けておりません。そういう意味では、私どもとしては、差しつかえないように実は思っておるのであります。また、この運輸関係のいろいろの行政処分に対しましては、ただいま言われるような不祥事件が起きたということ、また、それがこの日曜日の朝刊にも出たと思いますが、そのことだろうと思いますが、私も運輸省の出身でございますし、また、その方面の事柄についても深い知識も持っております。いままでは外部からこういう問題についてとやかく言われるようなことはなかったものですから、最近になりまして外部からの力に屈し、あるいは権力等に屈して、いろいろ免許行為が行なわれるというようなうわさも聞きますけれども、一そうその点は今後注意してまいるつもりでございます。まことに、引き続き次々に起こって私、残念しごくに存ずるような次第でございます。
○二宮文造君 法務大臣どうですか。
○国務大臣(赤間文三君) 要望におこたえして善処したいと考えます。
○二宮文造君 次に、例の沖縄の問題並びに自主防衛の問題について、総理にお伺いしたいと思います。
○鈴木一弘君 いまのに関連して。総理のいまの御答弁で大体わかったんですが、山下氏といい、また、いまの運輸のほうの問題で、免許の問題での疑惑を持たれた方といい、どちらも政務次官になったということが、私ども、とても解せない点がある。その点で、まず総理が前のときに、政治の姿勢を正すのはみずから行ないたいということを言われたわけですが、みずからの足元でそういう不明朗な人事があるということは情けない。お気づきにならないでなさったのかもしれませんけれども、早急に改善する決意を披瀝しなければこれは納得できない問題じゃないかと思うんです。くどいようですが御答弁願いたい。
○国務大臣(佐藤榮作君) 運輸省の関係のほうは政務次官にしたわけではございません。ただいまのベル会館の問題でございます。このほうにつきましては、私は、山下君自身の責任というものと、ただいまの法人の責任といいますか、法人のやり方というもの、これは区別して考えるべきものではないか、かように思います。たまたまベル会館自身が不始末だからといって山下君自身を処分することは私はいかがかと思います。
○二宮文造君 総理ば、両三年以内に沖縄返還のめどがつくと確信する、こういうようなことを再三申されております。私はものごとをやはり裏表から見なければならぬと思うんです。ですから裏のほう、すなわちアメリカの側というものはどういうような考え方なのか、これは私ども当局におりませんから、それぞれ印刷物をもって知るよりほかないわけです。ライシャワー前駐日大使がいわゆる沖縄返還の三条件というようなものを前に述べた。それが私どもの耳にも入ってまいりました。その三条件を、これは事務当局でけっこうなんですが、要約してちょっとここで説明していただきたいのです。
○国務大臣(三木武夫君) ライシャワーはしばしば意見を述べておりますが、沖縄問題について私が読みましたもので、三条件は、一つは、沖縄をめぐる環境が改善されて、基地の価値が低下すること。それから次は、やはり軍事技術の進歩によって沖縄の基地が低下すること。第三点は、日本の国民の防衛意識が変わって沖縄の基地を認める、そういうふうになる。こういう三条件を指摘して、沖縄問題の解決が日米間の最大の課題である。こういう論文を読んだことがございます。この点を御指摘かと思います。
○二宮文造君 いま伺いますと、けさほどの総理が答弁された問題と似てくるわけです。すなわち、総理は国際情勢の変化と、こうおっしゃるわけです。そうするといまの第一の条件がそれに合うわけです。第二の条件としては、科学技術の進歩とおっしゃる。これはライシャワーの第二の条件にどんぴしゃり合うわけです。それから第三の条件は世論の動向、こう総理はおっしゃった。ところがライシャワーは沖縄の基地を認める。すなわちこの三条件と総理の発言とが期せずして方向を同じにしているというふうに私は思うわけです。一の条件は、中国問題とか、あるいはベトナム、極東をめぐる緊迫した情勢が変化しない限りむずかしいわけです。この問題について総理はどういう見通しを立てられているか。
○国務大臣(佐藤榮作君) 私は、たびたび私の説を申し述べておりますから、二宮君も御承知のことと思います。ただいまもライシャワーがそういう論文を出したという話を聞きまして、やっぱりライシャワーも私と考え方の筋としてはあまり変わらないんじゃないか、かような感じを持ちます。
○二宮文造君 その第二の条件ですね。第二の条件は、これもまた新聞で伝えられました。沖縄の基地がグアムあるいはマリアナのほうへ撤収するのじゃないか、こういうふうなお話、これと軌を一にするような条件になってくるわけですけれども、その可能性ということを総理はどのように考えておりますか。
○国務大臣(佐藤榮作君) 現時点における可能性という、こういうことは、ただいま私はまだ出てきてないんじゃないか、かように考えております。
○二宮文造君 そうしますと、第三の条件が非常に問題なわけです。総理はただ白紙で世論の動向、こういうふうにおっしゃる。ですけれども、ライシャワーの提起は、沖縄の基地を認める、そのように国民の防衛意識が向上する、これを望む、これが沖縄の復帰の条件だとはっきりと断定しているわけです。ここに核つきの返還とか、あるいは基地の自由使用とかをめぐって、これをライシャワーは提案している。総理は相変わらずやっぱり、世論の動向というぼけた表現のままこの問題に対してもお答えになりますか。
○国務大臣(佐藤榮作君) 私の考え方はぼけた表現と言われますが、どうもライシャワーの真意も聞かなければよくわかりませんが、いわゆる一、二、三と、三つの方法がある。そういうよりせつ然と分けることができるだろうか、実は私は考えていない。おそらくその一、二、三の条件は、それぞれがからみ合っているのではないかと思っております。だからライシャワーの分け方はやや単純に過ぎる、かように思うものでございます。したがいまして、私がいま現時点に立っていろいろくふうしておりますのは、こういう事柄をすべてを勘案して、そしてアメリカと話をすべきではないか。問題はやはり、早く沖縄が祖国に復帰するように、かように考えて、それと取り組む、かように私はいま考えておるのであります。 ライシャワーの考え方と大きな差はないということを申しましたが、ただいま二宮君のように、第一の場合はこれだ、第二の場合はこれだ、第三の場合はこれだと、せつ然と区別した考え方だとすると、これは問題があるように思います。私の考えとややその点で違うように思います。
○二宮文造君 私も決して切って条件を見ているわけではないのです。要するに三つの条件というのはからみ合っている。しかし問題は、総理もおっしゃっているように、早期返還の条件としては、ライシャワーは第三の条件を提起しておる。総理はそれに対しても、まだ白紙のままで臨むというような答弁ですかということを伺ったのです。
○国務大臣(佐藤榮作君) ただいま申したとおりでございます。
○二宮文造君 その早期返還、両三年以内に返還のめどをつける、こういうこと、それに私は相変わらずひっかかるのですが、たとえばプライス法が修正されまして、この報告書が出されておりますが、その報告書、あるいは沖縄の在留のスポークスマン、米軍のスポークスマンが、基地の自由使用、こういうことについてはっきりとした、軍部あるいは議会、そういうものが返還に応じられない、こういうような意見を述べております。そこで私、時間がないので事務当局の方にでもひとつ読んでもらいたいと思う。その上で総理に伺います。
○国務大臣(佐藤榮作君) ただいま言われました琉球新報その他に出たものは、これは私も読んでおります。したがいまして、現時点においては小々意見がある、これは私は無視はできないと思います。しかし、今後まだ二、三年の問題ですし、その間に十分共同して継続して協議を遂げるのでありますから、この段階でそういう意見を持っている人がいるからといって、私どもも祖国復帰、これを延期するような考えであってはならない、かように思います。そこに私どもはがまん強くこの問題と取り組まなければならないのでございます。ただいまの問題は、私は一応資料として事務当局から出されておりますので、よく承知しております。
○二宮文造君 念のため事務当局の方でもけっこうですから、その二つを読んでおいていただきたい。
○政府委員(東郷文彦君) プライス法を審議いたしました下院軍事委員会の報告書の最後のところに、結論として、米国政府の施政権者としての責任からプライス法案を支持するということを書いたくだりの後段に、次のように書いてございます。「委員会は、米国の琉球に対する行政的管理と琉球における米軍基地の継続的維持及び運営が不可分のものであり、かつ、それ故に米国が同諸島を米国の安全保障上の利益のために必要とする限り、同諸島に対する管轄権を保持し続けるものであるとの明確な了解の下にかかる法案に対し承認を与えるものであることを明らかにしたい。」。 次に、ことしの十月一日の琉球新報の記事でございます。この末段に、名前あるいは時期は書いてございませんが、沖縄にある米軍のスポークスマンの話したこととして、次のような記事が出ております。 「米国が琉球列島を管理しているのは、米国は日本をはじめ極東の自由諸国の防衛義務を果たすために敏速に、かつ効果的に行動できるようでなければならないからである。この義務を果たすに必要な能力というのは、わが軍が自由に行動できる基地をもつということであり、これらは次のことを意味する。——つまり基地に遅滞なく軍隊や器材が移動できる自由——侵略を抑止し実際の進攻の阻止を助けるのに必要な器材を貯蔵する自由——米国がその国の尊厳を保つために助力することを誓ったいかなる地域にたいしても軍隊、器材、飛行機、艦船を発進できる自由——条約に基づいて作戦をする必要がある場所はどこであろうと、そこの米軍に補給支援が供給できる自由である。琉球列島は米国が管理しているかぎりにおいてこれらすべての必要性を満たしている。施政権を失うことはわが軍の作戦行動の自由を削減するか破壊するだけでなく、日本も含めて自由諸国の防衛基地としての沖縄の利用価値をいちじるしくそこなうものだ」。 以上でございます。
○二宮文造君 このかたいアメリカ側の態度というものを私ども考えたときに、総理はけさほど、日本がかたくなな態度でこの核とか基地とかの問題に触れていった場合には、真っ正面から衝突するよりほかない、したがって白紙の立場で煮詰めていくんだ、こういうふうな総理の話でありますけれども、現在の沖縄基地に対する軍なり議会なりの考え方がこういうかたいことであれば、結局総理のおっしゃる世論の動向、いわゆる日本国民が防衛意識を高揚して云々というふうな総理は発言されますけれども、それは変わってくるよりほかに交渉の方法はないのじゃないか、こう総理はお考えじゃないか、こう私ども思うのですが、この点あわせてお伺いしたい。
○国務大臣(佐藤榮作君) 私はそればかりでもなく、たいへんな希望を持ち、期待を実はかけておるのです。ただいま資料として読み上げられたもの、これはいずれも私が共同コミュニケをつくる以前の事柄でございます。それほどのやかましいアメリカにおいて、ジョンソン大統領と私との間に、この率直な私のほうの希望意見を述べる。これは両三年内にぜひめどをつけたい、これば日本国民のまあ熱願だ、非常な希望だ、この希望を達成するようにということを十分申しました。これについてジョンソン大統領は理解は示したけれども、それじゃそうしようとまでは言わなかった。したがって、それらの点で両三年というものは無視されるのじゃないのか、こういう疑いがあるのでございます。しかしながら、私はそれにもかかわらず、私が申した日本国民の願いと、また沖縄が果たしておる軍事基地としてのその役割り、この二つを双方で一応話し合った結果、それでは沖縄の地位について、今度は返還するという方針のもとに、アメリカと日本で共同して継続的に協議をしようじゃないか、こういうことに両者が合意に達したのであります。したがいまして、私はアメリカ側におきましても必ず変化があるものだと、かように思うのでございます。またその変化を期待し、私どもはこの一、二の事柄に屈することなしに、われわれの願望を達成、これに一そう努力すべきである、かように私は思っておる次第でございます。
○二宮文造君 総理のおっしゃること、理解できないわけじゃないのです。合意に達する、返還の合意に達することはあえて至難ではないと思うのです。しかし問題はその内容だ。ですからその内容について、核あるいは基地、そういう自由使用、そういうものをめぐってこのかたい態度をどうやって理解させるか、ここが問題だろうと思います。
○国務大臣(佐藤榮作君) でありますから、いまの即時返還、即時全面返還あるいは無条件返還ということだと、これは非常にアメリカはかたい主張を持っておりますからできない。しかしながら、これからの変化がございますから、われわれはそんな事柄にとらわれることなしに、今後の変化にも応じた態度で交渉を持とう、こういうのでございます。いま基地についての話し合いが煮詰まらないと返還はなかなか実現しないだろう、かように思います。しかしこれには私ども国民一億を背景にして、そうして祖国復帰、これを実現するために最善を尽くしたい、かように思っております。この最善を尽くす、その意味の、ただいまの二宮君のお説も激励のことばだと、かように私は拝聴するのでございます。これは日本側にだけその態度の要求をアメリカ側が望むのか、これから先の問題として、もっと変わった事態も起こるのじゃないか、これを私どもも期待し、またそういう希望を持って、これからひとつ折衝しようじゃないか、かように申しておるのであります。
○二宮文造君 総理は理想的な返還ば核基地を撤去する、あるいは基地の自由使用というものを制限する、基地を撤去する、これが理想的な返還の方式である、こういうふうに考えられますかどうか。
○国務大臣(佐藤榮作君) 理想的というその理想に実はこだわるわけじゃございません。ございませんが、私ども政治家として、やはり現実の問題と取り組まなければならない。現実の問題としてわが国の安全の確保にも最善を尽くさなければならない、祖国復帰もぜひかなえる、同時にまた、わが国の安全確保にも最善を尽くす。この現実の問題と取り組まなければならぬ。これが私の責務、私に課せられた責務だと、かように思っております。
○二宮文造君 ですが、やはり現実の問題と、それからまた理想を掲げて、その理想に向かっていく、要するにこれから両三年といいましても、当面交渉の構想を示すのは総理でしょうし、総理の構想に基づいて進んでいくのでしょうし、その総理がどういうビジョンを掲げて、そうしてやっていくかというのは、国民の知りたいところだろうと思う。ただ現実の問題だけでなしに、こういうこと、こういうことを踏まえて、そうしてこういうことを考えながら交渉していく。だけれども、交渉というのは相手があるものですから、その間にこうなるかもわからない、それは次の問題として、総理はそういう姿勢で臨むことを理想とするかどうか、これを伺っておるわけです。
○国務大臣(佐藤榮作君) 私が申し上げるまでもなく、あらゆる機会に申しておるように、自由を守り平和に徹する、その国でこの問題を解決する、別な具体的な問題で申すならば、いまの憲法のもとにおいて、また各種幾多の法律、それを守って、そのもとにおいてわが国の安全を確保していく、これでありたい、かように私は思っております。
○二宮文造君 やはりそれの核つきの返還とか、それからまた基地の自由使用とか、こういうふうな具体的なことばは総理はお使いになるのは非常にきらうようですね。ですから話が変わってくるのですが、私、国民が知りたいのは、その具体的なことばを使っての総理のビジョンだろうと思いますが、これはどうでしょう、くどいようですが。
○国務大臣(佐藤榮作君) ビジョンはただいま申したとおりであります。ところでいまビジョンは、もう国民はきっとわかってくれる。どういう心組みでアメリカと交渉するのか、それをいま言え、これはまだその時期でないということを私はたびたび申し上げておる、いましばらく時間をかしてほしい、これが私の結論でございます。国民もまた、これだけの大きな問題を片づけるのですから、その時間をかしてくださる、私はかように期待しております。
○二宮文造君 総理から具体的なことばの答弁を予想できなかったわけです。実はあえて時間をつぶしたわけです。ただもう一つ、総理が所信表明の中にも若干それらのことも触れておりますけれども、アメリカの側で日本の——アメリカの世論ですよ、アメリカの考え方として、われわれそれをそのまま受け取りませんが、日本のアジアに対する安全保障の責任感、これは日本は果たしていない、それに対して非常にアメリカ側が不信を持っている、こういうふうな世論が伝わってくるのですが、これに対して総理は、アメリカのそういう世論に対して、いや、日本はこうなんだというふうな反論といいますか、説得といいますか、そういう努力はなされなければ、今度はまたたいへんな問題になってくると思うのです。この点はどうでしょう。
○国務大臣(佐藤榮作君) アジアに位する日本、また日本人にとりましては、そういう意味で、アジアにおいて日本が果たす役割り、これはたいへんなものだからというので、多大の関心を示しております。また、同時に、軍備を持たない、積極的な軍備を持たない日本の安全はどうしたら、どう確保したらいいか、これはまた日本人の最大関心事でもあります。ところが、アメリカのほうでこれについてしばしば言われますことは、日米安全保障条約があるにもかかわらず、どうして日本は積極的にベトナムあたりに軍事的に介入してくれないのか、こういうふうな話がしばしばあります。これは非常な不満な意を込めての日本に対する批判であります。最近もジョンソン大使自身が、アメリカから幾多の人が来るが、どうして日本は積極的にそういうことをしないのだろう、こういうことを言われるので、あまりにも日本の憲法等をも知っておらない、実は驚くくらいで、たいへんにまあ困っておると、こういう話であります。私は、まあその程度の知識を持っておる人はたくさんアメリカにもいるだろうと思います。こういう意味では、政府はもちろんのこと、国民全体が、やっぱり、よくアメリカにも、アメリカ人にも日本の実情を理解していただく、このことが必要だと思います。 私は、東南アジア諸国を今回回りましてまず感じましたことは、東南アジア諸国では、もう日本が平和国家だと、こういうことであまり誤解はないようであります。したがって、われわれがベトナム戦争に軍事的に介入していないことも、これはよく理解しておりますし、また東南アジア経済協力なども、誤解なしに、スムーズに受け入れというものを望んでおるように思います。しかしながら、まだ一部には、ときたま、あるいは日本の経済侵略ではないか、いわゆる武器にかわって今度は経済的に支配しようとしているのではないか、こういうような疑問がいまだにあるようでございます。で、私ども、こういう点は、国際協力の問題でもありますが、同時に、お互いがやっぱり、日本の立場をよく理解ができるように、この上とも努力しないといかぬのじゃないか。いま、二宮君からせっかく御指摘になりましたが、アメリカ国内におきまして、日本はよほど利己的な考え方で国をつくっておるのではないかというような一部の誤解している向きもまだある、かように私は思っております。
○二宮文造君 時間がないので問題を整理してまいりますが、要するに、先ほどからいろいろお話を伺っていて考えるところは、いまの日本の対中国に対する姿勢、これがやっぱり一つの問題の重要なかぎになってくる。ところが、私は思い出すのですが、前にキューバでソ連がミサイルの基地をつくろう、こうしたときに、米州の安全を脅かすものである——それに対して政府は、理解できるという談話を出しているわけです、官房長官の話を。そのアメリカのキューバのミサイルに対する申し状、それを理解できる、こういう政府の談話を出している。ところが、いまの中国、中国もやはり、中国を米州、アメリカ大陸としますと、キューバが沖縄に当たるわけですね。抑止力になると同時に、中国にとってもこれは脅威になっている。ですから、したがって、この中国の問題を解決しない限りは、先ほどからいろいろ話をした沖縄の問題は、やっぱりそれとのかね合わせになってきて、話が進捗してこない、こう考えのです。そこで、中国に対する総理の考える方が、なぜ従来の線と一歩も出てこないのか、これをまずお伺いしたい。
○国務大臣(佐藤榮作君) 御承知のように、もうしばしば申し上げますが、中華民国と私どもはいま条約上の義務権利を持っておる。これは中華民国は中国の代表権者でもある、そういうところでございますから、 いわゆる北京政府というもの、これとのつき合いが——北京政府もまた中国は一つだと、かように申しておりますので、一つと言っているところへ二つの実力がある、これは大きい小さいではきまらない。やはり国際条約の権利義務があるかないかということできめざるを得ない。そこにむずかしさがあると、かように御理解をいただきたい。でありますから、私どもは中華民国とは国交を承認し、そうしてつき合っております。しかし、中国大陸にある北京政府とは、ただいまのように中国は一つという関係がありますから、いわゆる政経分離の形で、現実のつき合いはいたしておりますが、それより以上に進まないというのがいまの状況でございます。 しかし、これはいつまでも未来永劫にこういう状態でいくべきものでないことは、これはもう私が申し上げるまでもなく、関係者みんな、いろいろこの問題を解決しなきゃならない、かように思っておると思います。しかし、まだその時期が来ていない。ことしの国連におきましても、また在来どおりの結果になっておる。これは外務大臣からもお答えしておりますように、こういう大事ないわゆる代表権をめぐる、そうして片一方を追い出すと、こういうような問題ですから、これは圧倒的に国際世論がきまらないと、国連加入ができないのではないかと思う。そこらにむずかしさがあると思います。私は別に北京政府を敵視するわけのものではございませんから、政経分離の形でどんどん進めていく、貿易も、また文化交流もする。経済的に見ますと、五億ドルの貿易額というのは、これはなかなか大きな貿易額でございます。中国にはなるほど七億の民がありますから、その金額から見れば五億、六億というのは、これは小さい、かように言われるかわかりませんが、わが国の貿易から見ましても、これはたいへんな貿易でございます。いわゆる政経分離でもさような意味の効果はあげておると、このことは無視はできないと思います。お互いがお互いの独立を尊重し、内政に干渉しないという、そういう態度で仲よくしていこう、いわゆるまあ平和共存の路線であったら、こういうことは問題はないように思います。 ただ、私は別に議論を申し上げるわけじゃありませんが、沖縄の基地があるからこれは中共に対する脅威だ、こういう言い方をされますが、私は中共のほうから沖縄の基地は脅威だというようなことを言われたようには、実はあまり聞いておりません。はたしてそういうように思うかどうか、私どもはいままでは米帝国主義とは実は思っていない。米国は平和を確保するためにいろいろ必要な軍事基地を整えておる。したがいまして、これは責めてはいかない、かように考えておるものでございます。したがって、そこらにも一つの認識上の相違はあるかわかりませんが、私はそういう意味で沖縄の基地がいわゆる中共に対し脅威を与えているとか、これはまた基地があるから中共から核攻撃を受けることになるのだと、こういうその説には私は賛成できません。どうしても納得ができないと申し上げておきます。
○二宮文造君 総理はまた在来の意見をずっとこうダイジェストでいま説明をいただいたわけでありますが、ただ共同声明の中に、「中共が現在の非妥協的態度を捨てて国際社会において共存共栄を図るに至るようにとの希望を表明した。」、こういうようにおっしゃっているわけですね。そうしますと、それほど、総理が政経分離だ、そうしてまた文化交流もしているのだ、こういうようないまの対中国の接触のしかたについて理解をされているわけです。その総理が、共同声明の中で、「現在の非妥協的態度を捨てて」と、こういうことばですね、これを使われているならば、それを積極的に今度は中共に対して総理が呼びかけていく、非妥協的態度と、こういうあれじゃなくて、こういう面で、こういう面で、こういう面でと、こう具体的に中国に呼びかけていくだけの決心がいまおありになるかどうか。
○国務大臣(佐藤榮作君) これは共同声明ばかりではございません。あらゆる機会に私どもはこの種の発言をしております。したがいまして、中共側からもこういうものについてこたえがあれば、われわれさらにこれを進めていくつもりでございます。大いに歓迎いたすところでございます。
○二宮文造君 ただ、ずっと総理の答弁を聞いておりますと、中共は非妥協的なんだ、それから昨日の防衛庁長官の発言をめぐって相当の議論があったようですけれども、現在の政府が、たとえば端的に、昨日の防衛庁長官の答弁にあらわれるような印象で中国に向かっている場合は、これも非妥協的じゃないでしょうか。この点はどうでしょう。
○国務大臣(佐藤榮作君) いろいろ批判があるだろうと思いますし、大いに政府としてはこういう点は気をつけていかなければならぬ、かように思います。
○二宮文造君 問題は、結局、沖縄の人は早く日本へ復帰をしたいということで今度の日米会談に期待をしたことが、時期がずれてしまった、しかも、その時期がずれたことについて将来にも見通しはない、まだいつという。こういうふうな状況になって、総理はその沖縄の現地の人にどういうことを呼びかけていきたいと思いますか。
○国務大臣(佐藤榮作君) 沖縄の現地の諸君、同胞諸君も、この国会の審議にはたいへん耳を傾けておると思います。また、私も機会あるごとに沖縄の同胞に呼びかけるつもりで話をしておるつもりであります。したがいまして、いまだかってないような前進だと私自身は思いますよ。沖縄の問題について非常な前進をみたと、かように私自身は考えておりますが、おそらく沖縄の諸君も、同胞諸君も、やっぱり今回のこの沖縄の問題解決への前進は高く評価しておるのではないだろうか、かように思っております。しかし、一部の反対の意見もまた私の耳にも入っております。私は、そういう際でございますから、今日この即時返還のできなかったことはまことは残念だ。しかしながら、他日の返還の時期に、祖国復帰の時期に備えて、今日は本土との一体化に一そう努力していきたい、そうしていましばらくしんぼうしてもらいたい、かように思っております。
○委員長(新谷寅三郎君) 二宮君、時間がありまませんからその程度にしてください。
○二宮文造君 それでは、最後に、はしょった質問のしかたになるかもわかりませんが、将来にわたって沖縄の返還が難航する、こういう場合に、いわばそれが一つの国際紛争のような感じにもなるわけです。そうすると、この問題をめぐって国連の場所へ日本が積極的に持ち出していく、こういうようなお考えは現在総理にありますか。
○国務大臣(佐藤榮作君) いま私にはその考えはございませんけれども、これから先私がいつまでもやっておるわけではございませんし、また、沖縄の問題が、いま二、三年にしても、そう簡単に見通しがつくものでもない、かように思いますからして、私自身の考えから申せば、やはり日米友好親善のその関係のもとにこれを解決すべきだ、そうして友好親善をそこなうようなことがあってはならない、かように私は思っております。このことが一番最善の方法であり、また祖国復帰への最短の道だと、かように私自身は確信をしております。
○委員長(新谷寅三郎君) 以上をもちまして二宮君の質疑は終了いたしました。
○委員長(新谷寅三郎君) 次に、中沢伊登子君の質疑を行ないます。中沢伊登子君。
○中沢伊登子君 私の時間が非常に少のうございますから、簡潔に丁寧に御答弁をいただきたいと思います。 もうすでに言い尽くされたような感じがいたしますけれども、やはり物価問題について質問をさしていただきます。 最近四、五年の物価の上昇は年平均六%にもなっています。特に、十月の消費者米価の値上がり以後、主婦は毎日の買物にいままでよりも百円くらいよけい持っていかなければ夕飯の支度ができないと訴えておるわけでございます。そうして、一体いつまでこのような物価の上昇が続くのであろうかと深刻になってきていますが、総理は、どんな政策、どんな手段をもってこれに応ずるのか、御所見を伺いとうございます。
○国務大臣(佐藤榮作君) お尋ねの時間がたいへん短いようで、できるだけ答弁のほうを長く申し上げまして埋め合わせをしたいと考えております。 ただいま物価問題、これ、もう私どもの内閣の生命だと、かように実は考えております。過去におきましては、ただいま御指摘のように、たいへん高水準の物価上昇を見ております。しかし、ことしの予算を組みました際は、たいへん順調にものごとがいっております。物価が低いところにとどまっておる、実は気を許したわけではありませんが、非常に喜んでいたのでございます。当時、もう率直に、また正直に申しますが、経済成長その他から見て物価がこういう状態であることがどうもふしぎだ、金融の面から見ましても何から見ましても、みんな指標はたいへん現在健全傾向にある、こういうことで、実はほんとうに喜んでいたわけでございます。しかし、その後になりましてだんだん過熱の様相が出てまいりまして、したがって、この辺で何らかの処置をしなきゃならない、これがまず財政支出を押えることにもなりますし、また必要な処置をとりました。いわゆる米価等の引き上げが行なわれたので、その後の物価上昇は、御指摘のようにたいへん心配する状況になってきました。しかし、私は、年度間を通じて、これからまだ一−三月、来年も早々の間にどんな変化があるか、一つの心配がございます。これは主として野菜あるいは鮮魚等の生鮮食料品についての問題でございますが、これが一つございますけれども、まずまず、年度間を通じれば四・五以内にとどめることができるんじゃないかと、いま見ております。しかし、いずれにいたしましても、御指摘になりましたように、最近の物価上昇は、ことに年末を控えて、何かと気にかかることが多いようでございますが、これらの詳細については経済企画庁長官から答えさせていただきたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 現状につきましては、ただいま総理から御説明もあったところでございます。それで、やはり根本的には人手不足という問題が一つ、それから多少別の種類の問題として、都会等に人口の集中が非常に急激に起こりまして、しかもそれが自然農地を食う形になりますので、供給地が遠のくことと、供給量が減ることと、両方の問題があると思いますが、生鮮食料品についてのそういう一つのケースの問題がございます。前者の問題は、これからますます人手は不足になってまいりますが、実際は、まだまだくふうによっては、わが国には労働力があるといえばあるわけでございます。それが、いわばぜいたくに、と申しますか、むだに使われておる部分が多いと思いますので、やはり職業教育でありますとか、あるいは賃金雇用のあり方を少しずつ変えていくとか、これは時間がかかると思いますが、いずれにしても、労働の流動性をつけるということがこれから大事になってまいると思います。そういたしますと、まだ労働力はあると思いますが、これがやはり一つ物価問題につながる大事な点であろうと思います。 それから生産性の低い部門、農業、サービス業、中小企業などでございますが、これには、生産性を上げるための施策、結局、やはり農業基盤の整備でありますとか、あるいは中小企業の高度化、機械化といったようなことになるわけでございますが、これについては、政府も、財政あるいは投融資等で、そういう機関などを通じてかなり応援をいたしております。農業についてももちろんでございます。これは時間がかかりますが、やはりそういう努力を怠らずに続けてまいるということだろうと思います。 それから、中にはいわゆる寡占状態から、管理価格の生じゃすいものがございます。これは、公正取引委員会を中心に、絶えず監視をしなければならないところだと思いますが、自由な競争条件、つまりそういう世界に整備していく。 それから、先般当委員会でも御指摘のありました再販売価格維持契約のようなものの中で、すでに認めているものに再検討する余地があるのではないかといったようなことも、その一つであると思います。 最後に、やはり国の経済の総需要を、物価情勢等を見ながら、ある程度適正に押えていくことが必要である。これはいつのときにもそうであると思いますが、まあそういったようなことを絶えず飽きずに忍耐強く続けていくということが基本であろうと思います。それにいたしましても、やはり人手がだんだんに少なくなっていき、所得水準が上がっていくということから考えますと、ことにサービスなどを中心にして料金が逐年徐々に上がっていくということは、それは私は避けがたいであろう、ただ、いわゆる大量生産のできますものにつきましては、競争条件を十分導入いたしますと、これは価格が下がる傾向にあるわけでございますから、できれば両方が相殺関係に立つように、そういうふうに導いていくべきではないかと考えておるわけでございます。
○中沢伊登子君 そこで、たとえば牛乳の値上げには主婦が結束をして共同購入をする、また、野菜やミカンや卵あるいは灯油までが上がれば、その都度主婦は、牛乳屋さんになったり、八百屋さんになったり、卵屋さんになったり、あるいは石油屋さんにもなっているのです。これは、高物価にあえぐ国民の真剣な生活態度のあらわれであって、主婦の力で行なう自己防衛なのでございますが、政府としては主婦まかせにしておいてよいのですか。あるいはどう対処していけばよいのですか。せっかく益り上がったこの主婦の運動を生かして、制度的に保護し、そしてその効果を一そう高めるようにすべきではないかと思いますが、これに対する理解と対策をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) いわゆる消費者問題につきましては、その消費者側の態勢の問題と、政府の自身の態勢の問題と、業界の問題と、三つ問題があるように思います。で、消費者側の運動といたしましては、消費者自身による消費者教育、これはまあ商品とかサービスとかというものをいかに賢明に選択するか、あるいは生活設計をやられるとか、それからまあ、できればデラックスなものでなくてスタンダードなものを買っていただけば、つくるほうもコストが安くつくれるわけでございますから、そういったような消費者側の選択、それから消費者御自身による消費者組織をつくっていくという問題がございます。これは、たとえば生協でございますとか、兵庫県は非常にこれが盛んでございますが、あるいは消費者御自身による商品のテスト、それから主婦連のいろいろな運動もこれに入ると思います。私ども政府のほうの消費行政ということになりますと、消費者の保護をするという責任が私どもにございます。それは、商品の安全性を確保するとか、あるいは品質の表示を正確にする、誇大広告を取り締まる、それからやはり自由競争の条件を常に整備していくというのも私どものつとめだと思います。それから、私どもが今度積極的に消費者に対して消費者教育をする、あるいは消費者御自身による教育をお助けするといったような問題、これは消費者組織をお助けしたりする形でやっておるわけでございます。それから第三に、業界側の問題でございますけれども、これは、業界自身の中に社会的責任というものがある程度自覚されかかっておる業界と、そうでない業界がございます。先進国の中では、これがかなり徹底して、業界の名折れになるような業者を排除しようというような動きがあるわけでございます。 大体この三つが消費者問題三者のおのおのの立場だと思います。それで、牛乳問題などで見られましたことは、非常に消費者側の自衛と申しますか、立ち上がられる動きがありまして、私ども、そういう会合には、役所から、あるいは県の人も借りまして、よく出てまいります。そこでわかりましたことは、消費者と販売業者、あるいは場合によっては生産業者、この三者寄りますと、役所がことにその中に入りますと、わりに会話ができるんだということが地区によってはわかったわけでございます。お互いにどういう注文を持っているかということで、それならばこの辺のところで歩み寄れるじゃないかといったようなことで、牛乳問題を契機としまして、かなり地区によりましては消費者側の団結が高まる、とともに供給者側との理解が深まりたというケースもあったように思います。それで考えておるわけでありますが、今度、共同購入なんというときには、冷蔵庫でもひとつつくられるというときに国が助成をしようということを農林省も考えておってくれるわけであります。それなどはその一つの方法でございます。おしなべて、農協あるいは生協等の組織、あるいは消費科学センターといったようなもの、こういうものについて、私どももできるだけその長所を御説明して回っておるわけですが、県などがやはり熱心になってくれますと、非常に盛り上がる運動を助けるようになりますので、そういう例がもう一つ二つの県では出ておりますから、できるだけ全国にそれを知ってもらって、現状を見てもらって、その範にならっていくように私どももおすすめしたいと、こう思っております。
○中沢伊登子君 そこで、総理は、先ごろ三Cから住宅へといったようなキャッチフレーズのようなことを唱えられたわけですが、これは消費の抑制論としては受け取られますけれども、住宅を取得する直接の手段には通じないような感じがいたします。政府は、住宅が容易に入手できるような条件や方法を講じておられるのか。たとえば地価対策にしても、即効性のある手段があられるのか。もしなかったとするならば、消費は美徳だの、あるいは消貿者は王様だのといわれながら、年間三千七、八百億円もの広告費が使われて、いままで消費者は業者に振り回されどうしだったのでございます。今度は、それが政府によって振り回されるのではないか、このように思われるわけでございますが、総理の御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 地価の問題は、やはり私ども長いこと頭を悩ましておる問題で、結局、これは根本的にそれに立ち向かうしかないということを考えまして、先般、土地収用法の改正を国会で御決定をいただいたわけであります。これによりまして、今後、土地収用の場合に計画認定時の価格で収用ができるということになりますので、かなりの程度ごね得というものが排除できる、そういう法制が整備されたということでございます。それからその次に、今度は、都市の再開発について一つ法律案をお願いしておりますのと、やはり都市計画法を、これは大正の初期の法律でございますが、これを根本的に改正をしまして、それによって、主要な都市の周辺に土地利用計画というものをつくろう、これは公権力をもってつくるわけでございます。それによって、住宅地、工場用地、農業用地というものを区分けをしよう、そのために多少私権を制限することになるわけでございますが、これもやむを得ないのではないかということで踏み切りまして、前国会に提案をいたしたわけであります。これらはいかにも非常に迂遠なようでございますけれども、やはりそれをやってまいりませんと、根本的な地価対策というものができない、こう考えまして、やっておるわけであります。それから金融のほうは、御承知のように住宅金融公庫でありますとか、あるいは住宅供給公社でありますとかいうものが、ある程度の頭金をいただいて、融資をしておりますことは御承知のとおりであります。まあこの量、条件等には問題がございますけれども。それからもう一つ、私どもが非常に大事であり、望みがあると思いますのは、保険会社でありますとか、あるいはまあ銀行でありますとかいうものが、自分たちの業として、その住宅ローンといったようなものを始めたわけでございます。これは勤労者にとっては相当まとまった金の融資を受けることができますので、まだまあ利子はどうも九分から一割、少し高うございますけれども、相当まとまった金の融資が受けられますので、金融のほうはだんだんそういう形で、政府ばかりでなく、民間の事業としてもこれから広がっていくのではない、だろうか、こんなふうに考えております。
○中沢伊登子君 政府の高度経済成長政策以来、社会の経済の変化が非常に激しくて、都市の過密化の裏には過疎の問題が起こる。また公害の多発や労働力の移動、あるいは国民消費の質的変化等々、社会的な体質改善の時期にあると思います。したがって、これにあわせて国民生活も再検討し、正しい指導が必要なときでないでしょうか。この意味から、国民は現在の各省ばらばらの生活行政を一本化することを望んでおりますが、政府は、この際、経企庁の中の国民生活局を格上げして、国民生活庁を設置するような構想を持つべきではないかと思いますが、いかがでいらっしゃいますか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 私からお答えするのが適当かどうか存じませんが、私のしばらくの経験で申しますと、これはその権限の問題ではございませんで、やはりこの各省が行政をやっておる。かつてはそれがどうも生産者側向きで、消費者向きでないという御批判があったわけですが、しかし生産をするのは、結局消費をするために生産をするわけでございます、国の内、外において。したがって生産の終局的な目標は消費であるという頭さえ行政をする人が持ってくれましたら、一人一人がそういう意識をもって行政をしてくれることが、やはり手っとり早いし、有効であるように考えております。で、現在どうしておりますかといいますと、各省に物価担当官というものを置いてもらいまして、私どもの役所で一週間に一ぺんくらいずつ集まりまして、おのおの持っておる物価問題を、意見を交換をしたり話したりいたしておりますが、首相を中心に閣僚がそういう消費者のことを考えようという指導を、かなりこのごろは徹底して行政にしていただいておりますので、一つのまとまった権限を持つ役所をつくりますよりも、いまの形でおのおのの行政庁の行政が、そういう消費者を頭に置いてやってくれるということのほうが、どうも結果としてはよろしいように、私の感じではそういうふうに思っております。
○中沢伊登子君 それでは次に、私立大学の問題についてお伺いをします。来年は私立大学の授業料や入学金が十数%から四〇%ぐらいまでも引き上げるとのことでございます。これまた家庭に大きな負担をかけることになります。政府はこれに対する対策を講じておられますか。
○国務大臣(灘尾弘吉君) お答えいたします。私立大学の入学金でありますとか、あるいは授業料等、いわゆる学生の納付するお金が年々値上がりとなっているような状況であります。このことは、学生、父兄の負担を増大することでございますので、政府といたしましても、かねてから関心を持っておるわけでございます。人件費が上昇するとか、また施設の拡充整備を必要とするとか、また物価の値上がり等、いわゆる必要経費がだんだんとのぼってまいりますので、私立大学としましては、若干の学生の納付金の値上げということはやむを得ない状態のもとに置かれておるかと思うのでございます。この点は、私どもとしましても非常に苦しいところであります。さりとて、文部省で直接それを規制するというような道はないことも御承知のとおりであります。願わくば、各大学ともにむだな経費を省いて、なるべく学生、父兄の負担の増大とはならないようにということを念願いたしますけれども、一面におきましては、大学の施設設備を拡充する、そうして教育の水準を維持していく、こういうことも必要になってまいりますので、非常に苦しい羽目に実はおちいっているわけでございます。明年度もある程度の値上がりというものは出てくるのではないかと予想をいたしております。ただ私どもといたしましては、したがって直接これに対してどうするということは困難でございますけれども、まあ間接の道とでも申しましょうか、政府の助成金なり、あるいはまた私立大学に対する低利の資金の融通なり、あるいはまた税制の面において、各方面から私立大学の財政難を幾ぶんでも緩和することにつとめてまいりたいと、このように考えておる次第であります。
○中沢伊登子君 私立大学は、元来学校財産をもって、その収益を学校経営のおもなる財源にするというのが先進諸国の私学のあり方だと私ば聞いておりますが、日本の場合は建設費も設備費も、一切がっさい借金や借り入れ金で行なわれておるのでは、授業料や入学金が高くなるのは当然であると思います。これでは私学株式会社に子供を入学させるのと同様であって、現時点で、もしも子弟の教育をやはり私学に負うところが大であるならば、学校財産にかわるべき援助をするのが当然だと思いますが、総理はいかがお考えになりますか。
○国務大臣(佐藤榮作君) たいへん失礼しました、文部大臣から答弁いたします。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 仰せのとおり私学を設置し、私学を経営する上から申しますというと、相当ないわゆる自己資本とでも申しましょうか、ものをもってやっていただくことが一番われわれとしましては望ましいことでございますが、日本の現状から申しますというと、なかなかそうもまいらない状況がございます。ことに進学率がだんだんと高くなってまいりまして、私学に入学を望む人たちの数も非常に大きい。したがって、またこれに対応するためにいろいろの施設を講じていかなくちゃならない、こうなりますというと、なかなか自己資本だけでまかなうということは、とうてい現状においては不可能だと思うのであります。これに対して政府がどうするかということになりますと、いま申しましたとおりに、直接どうするという道は発見しにくいのであります。間接の道をもって助けていく以外にはないと思います。同時に、先ほど申し落としましたけれども、学生の負担をいささかなりとも軽減するという意味におきましては、いわゆる育英奨学の道をもっと増強してまいらなければならないと、かように考えている次第であります。
○中沢伊登子君 学費が大幅に値上がりをすると、一般家庭の子供は才能があっても入学ができないようなことになります。これは子弟の立場からすれば、ずいぶん深刻な問題でございます。そして、もしもかりに入学したとしても、アルバイトばかりに追われて、学力は一向につかないということになり、せっかくの大学も無意味なものになり、ひいては教育の何たるか、道を誤らせることになるとも思います。この懸念は、現在までに事実として発生しているように思いますが、文部大臣はどういう見解を持っておられますか。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 昔と違いまして近ごろの学生さんは、アルバイトをする人が非常にたくさんおるようでございます。そのアルバイトが、はたしていわゆる学資の不足に基づくものであるかどうかということについても、なお検討をする余地もあろうかと思うのでありますが、とにかく学資不足でもってアルバイトをしている人も少なくない、そういうふうな人たちの指導につきまして、やはり単なる教育指導ということでなく、そめアルバイトそのものにつきましても、親切な相談相手となって、そして健全なアルバイトの道を歩いていく、こういうふうにいたしたいものと思うのでございます。いずれにしましても、苦しい中から大事な息子さんを学校へ出しているわけです。私はこの問題をただ単に私学の経営の問題としてとらえるのみでなくて、国民の負担の問題としてこの問題は取り上げていかなければならぬ問題、そういうふうな考え方をいたしているわけです。せいぜいこの問題に努力をいたしてまいりたいと思います。
○中沢伊登子君 今日、大学における学生運動は、非常に過激な方向に走っておりますが、この原因には、有名教授の名は連ねられていても、実際は講義もしない、その時間は代理者講義というのが実態であって、学生の不満は当然でございます。しかも、高い授業料を納めることと重なつて、空疎な過激主義に走って、うさ晴らしをするというのも一つの真相ではないでしょうか。この際、私学の財政問題を含めて、大学の認可制度等の再検討が必要ではないかと思いますが、総理並びに文部大臣の御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 大学にとりまして、教官の質的あるいは量的な充実をはかっていかなければならぬことは、これは申すまでもない、お話のとおりだと思います。御承知のように戦後急激に学生数がふえてまいった時期は、ちょうど大学につきましては明年度がいわゆるベビーブームの最後の年、こういわれているわけでございます。そのような時期を経過いたしましたために、急速に学生を収容し得る施設を講じてまいらなければならぬ、こういう形からいたしまして、教官の充実というふうな点についても、あるいは遺憾な点があったかとも思うのであります。明後年からはだんだん落ちついてまいるわけであります。私学の設置の認可等につきましても、将来一そう慎重にやってまいりたい、このような考えをいたしている次第であります。
○中沢伊登子君 要するに教育の目的とするところは、高度の学問、知識を授け、科学技術の振興にあるとは思いますけれども、同時に、家庭に責任を持ち、社会に責任を持ち、そして日本の未来にも責任を持つような人間づくりにあると私は思います。したがって、学校教育もこれにふさわしいものに改革されなければならないと思いますが、この重要な教育の確立をどのようにされるのか、総理から御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(佐藤榮作君) いろいろなことばが言われ、国づくり、人づくりということを言われました。しかし、いずれにいたしましても、人づくり、それこそがりっぱな国をつくるもとになる、かように私は考えております。そこで、教育、小中学生、いわゆる新しい学生そのものに期待するものも多いのでございますが、しかし何といいましても、学校だけが教育の場ではない。もう考え方によりましては、小学校に入る前、もうすでにその時分、あるいは保育所あるいは幼稚園、その時分から人づくりと取り組まなければならないし、また卒業してからも、そういう意味では社会人としての社会教育ということが大事だと思います。また学校教育中も、家庭教育というものが、主婦の負担でもあるが、たいへんな大事ことではないだろうかと思います。比較的日本人の場合は教育に熱心でございますから、教育ママというような特別なことばもできておるようでございます。しかし、いずれにしてもわが国のような資源の乏しい国で、そして今後ますますこの国を発展さしていこうとするために教育、学校、制度を通じ、また家庭を通じ、社会を通じ、一そう力を入れなければならぬ、かように私は考えております。そういう意味で、何か具体的な問題が考えられるといいと思うのですが、多くの場合に、どうも本筋をいくほうのいろいろの協力機関というか、そういうものの活動がややにぶいのではないだろうか。学生の仲間にいたしましても、学生のクラブ活動等におきましても、もっと積極的に展開されて、穏健中正な活動が展開されてしかるべきではないだろうかと思いますが、非常に片寄った方向のクラブ活動に力が入る、これなどは今後注意しなければならぬことだろう、かように思います。もちろん先生方の待遇等についてこの上ともくふうし、また、りっぱな人を教育者に求め得るような制度でもあってほしいと、かように思います。いずれにしてもたいへんむずかしい問題でございますので、このことには真剣に取り組んでまいりたいと思います。
○中沢伊登子君 直接青少年の担当でいらっしゃる総理府総務長官の決意をひとつ伺いたいと思います。
○国務大臣(田中龍夫君) お答えいたします。 ただいま総理もお答えになりましたように、青少年の教育問題こそは、国といたしましても非常に重大な問題でございまして、特に先般も、御承知のとおりに青少年対策本部といたしまして、青少年対策を真剣に取り組んでまいりたい、かように政府といたしましては考えております。
○中沢伊登子君 それにつけても、ますますひどくなってきているのは、最近のいわゆる悪書といわれる一部の出版界の弊風でございます。最近見た週刊誌の中には、いと丁寧に、図解入りで避妊具の使用方法まで書かれているのがございました。これでも言論の自由なりとしてほうっておかれるのですか。先日出された犯罪白書によると、昨年の犯罪は警察がその発生を知り得た犯罪の事件数が百五十九万件ありました。もっとも、これは準刑法犯も含めてではございますが、検挙数は七十四万だと書いてあります。これらの発生件数及び検挙人員の増加のおもな原因は、性犯罪と過失犯罪の増加であるとしるされています。昭和三十一年の性犯罪を一〇〇とすれば、昭和四十一年は何と二三四となっています。この実態について、関係大臣の見解と、これに対する対策を伺いたいと思います。
○国務大臣(田中龍夫君) お答えいたします。 ただいまの悪書の追放の問題でございますが、昭和三十八年と四十年に、総理府が中心となりましてこういうふうな悪書の追放につきまして特にマスコミとの御協力を要請いたしまして、一方におきましては、これらの悪書の追放につきまして業界がもっと自主的に規制をしていただきませんとどうにもならないことでございます。と同時に、また一般の御協力もいただき、同時に、政府といたしましても積極的にこの運動を進めてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○中沢伊登子君 この悪書追放運動にも主婦が立ち上がって、たすきがけでチラシを配ったり、子供に読ませたくない本はここに入れてくださいと、ポストのようなものをつくって街頭に立っております。あるいはまた、園児が幼稚園に通うのに、黄色い旗を持って街頭に立つおかあさんの交通巡査の代用もございます。このようなことで、先ほどから物価の問題についても、いろいろ申し上げたわけですけれども。やっぱりこれらの問題を全部主婦まかせであってよろしいものかどうか、お考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(田中龍夫君) ただいまお話のごとくに、やはり何と申しましても家庭の中の問題がこれは特に重大でございますと同時に、やはり一般の認識もこの問題について深く反省いたさなくちゃならない、こういうふうなことから、今後皆さま方の御協力をいただきまして、なお一そう推進してまいりたい、かように考えおります。
○中沢伊登子君 最後に、お医者さんの不足の問題について伺いたいと思います。医師不足は全く深刻でございまして、私どもが聞くところによると、お医者さんをふやせないような仕組みになっているように伺っておりますが、お医者さんの養成部門をふやすことはできないのでしょうか。たとえば国立大学の部門をもっと広げるとか、公立とかあるいは私立の大学にもそういう部門を広げるように指導をなさるとか、あるいはまた適性と能力のある者に奨学金をたくさん出して、優秀なお医者さんの養成につとめるべきではないかと思いますが、いかがなお考えでございますか。
○国務大臣(園田直君) 医師の不足は御指摘のとおりでありまして、国民皆保険の達成されました昭和三十六年ごろから文部省に要請をし、定員の増加その他をはかってまいりまして、ただいま千名増加しておりますが、なお御指摘のとおり不足でございまするから、今後ともただいまの御意見のとおりのような養成、拡充に努力したいと考えております。
○中沢伊登子君 国民の健康を守るためには、公平に医師の配分をする必要があると思います。特に僻地はもちろん、最近では都会からそう遠く離れたところでもないのに、お医者さんの来手がありません。現に兵庫県の朝來郡の山東町には公立の豊岡病院の分院として梁瀬病院というのがございますが、ここは非常にりっぱなコンクリート建ての避病舎までもかかえている病院でございますが、もともとは院長を中心にして五人のお医者さんが診療に当たっておられました。しかし、いつの間にやら一人去り二人去りして、いまでは看護婦さんだけはおりますけれども、一人のお医者さんもいないのです。町長はじめとして皆懸命になってさがしておられますけれども、容易にお医者さんの来手がありません。そしてまた、宝塚の西谷というところの国保の直営診療所にもお医者さんの来手がございません。これは医師住宅の新築も込めて診療所の改築のために補助、起債を厚生省にお願いしている最中でございます。沖縄の婦人たちはガンの検診車を買うためにおのおのがカンパをして、いま八百万円ほどの拠金をいたしました。そして八百万円ではガンの検診車が買えませんので、琉球政府から補助をもらいながら、来年の三月には購入できる準備を整えております。しかし、それでもそのガンの検診車に乗ってくれるお医者さんがない。この間わざわざ婦人会長が特連局にまで飛んでまいりましたが、さあお医者があるかないか、新聞広告をしてもそのようなお医者さんがあるかないか。このようなお話を聞いてまいりましたが、医師の不足というのは、全く深刻な問題でございます。政府は、お医者さんの適正配置について、ほんとうに実効のある具体策を示すべきではないでしょうか。あるいはまた、根本的な対策を講ずべきではないかと思いますが、その対策はいかがなものでございますか。
○国務大臣(園田直君) 御指摘のとおり僻地あるいは離れ島等における医師の不足は深刻なものがあって、しかも近辺のお医者さんが自費あるいは自己の犠牲においていろいろ診療等を行なって、悲壮な事件等が起きている状況がございます。御承知のとおりに僻地、離れ島等では子弟の教育が不便である、あるいは研究がなかなかできないこと、あるいはその他いろいろの事情がありますることと、各大学と市町村との関係等で、いろいろ困難な点もありまするが、御指摘のことは十分注意いたしまして、特にその基本は医師の不足もやはり大きな原因であります。政府としては僻地のためには僻地診療所あるいは巡回車あるいは診療所に補助を出して準備いたしておりますが、御指摘の点についてはさらに検討いたし、また、ただいまあげられました具体的な場所については、さっそく検討いたして善処したいと考えております。
○中沢伊登子君 最後に、総理大臣に一言お願いをしたいのですが、先ほどからつたない質問でございましたけれども、主婦が八百屋さんのまねをしたり、牛乳屋さんになったり、あるいは悪書追放にたすきがけで立ってみたり、あるいは私学の授業料があまりに上がり過ぎる、片一方ではお医者さんがない、こういうようないろいろな問題をつかまえて、政治不信だ、政治がどこにあるのか、こういうふうな声が非常に聞こえてまいります。どうかそういう中でほんとうに国民の要望にこたえられるような政治をしていただくために、佐藤総理から一言御答弁をお伺いしたい。
○国務大臣(佐藤榮作君) 政治不信——政治が信頼されなければならない、これはお説のとおりであります。私はいま主婦の方々がいろいろの役割りを果たしている、これは高く評価してしかるべきだと思います。中には、主婦にそれをお願いすることはたいへん無理だ、かように思うものもございます。しかし、みずからが社会をよくしよう、そういう意味で立ち上がっておられることは、私はたいへん高く評価しております、厚くお礼を申し上げますが、それにもまして、やっぱり政府がその地位にあるんですから、やはりその責任を果たすということでなければ、主婦のせっかくの御奮起にもこたえることもできないだろう、かように思いますので、一そう政府は政府として督励してやるつもりでございます。
○委員長(新谷寅三郎君) 以上をもちまして、中沢君の質疑は終了いたしました。
○委員長(新谷寅三郎君) 次に、春日正一君の質疑を行ないます。春日正一君。
○春日正一君 今回発表された日米共同声明、将来国の運命にかかわる重大な内容を含んでおります。そこで総理に質問しますが、総理は所信表明で、両三年内に沖縄返還の時期について合意に達するものと確信するというように言い、十一月二十一日の記者会見では、国民がみずからの国を守る決心がつけばもっと早く返ってくる、こういうふうにまで言っておるんですけれども、二、三年のうちに核基地の撤去されるという見通しを持っておられるのかどうか、その点から。
○国務大臣(佐藤榮作君) お答えいたしますが、両三年内に核基地の撤去ができる、かように私は申したことは一度もございません。
○春日正一君 この問題については、総理は白紙で臨むというふうに言っておりますけれども、実際には核基地を認めるという方針で着々手を打っておるというふうに見られるんですけれども、その点はどうなんですか。
○国務大臣(佐藤榮作君) 春日君ともあろう方が、——そんなに私が先を見ていろいろ着々と手を打っておる、さようなことはございませんから、ただいま私が申し上げましたとおり、共同コミュニケはあれだけのものでございます。共同コミュニケに盛られておるとおりでございます。どうか御了承いただきたいと思います。
○春日正一君 では、十二月四日の国連政治委員会、核兵器使用禁止条約の成立を要望する決議、これが多数で採択されたのですけれども、その際、日本代表は棄権しております。なぜ棄権させたか理由を聞かしていただきたい。
○国務大臣(三木武夫君) 日本の従来の主張は、核兵器をたくさんみな持つことは自由で、それを使用しないということでは、核の脅威はなくならない。これは核軍縮を伴わなければならない。核の国際管理による核の軍縮、やがてはやはり核兵器を破棄しようということでなければ、ただ持っておるものを使わないということだけでは不徹底であるというのが従来の主張であります。核拡散防止条約においても、やはり核保有国によって核軍縮をやるという意団が明白にならなければ、その条約には賛成できない、こういう強い立場を日本がとっておることからいっても、これは、ただ使わないということだけでなくして、核の軍縮が伴う必要がある。だからその決議案は不徹底であるということで、しかし反対というわけにもいきませんので、棄権という態度をとったものでございます。
○春日正一君 従来の方針は、と言いますけれども、池田内閣は、一九六一年の十一月の国連総会で、核兵器使用を国連憲章違反と宣言する決議案、これが採決されたときに「あらゆる手段を用いて核戦争の惨禍が人類にふりかかるのを阻止することが必要であると信じ、この決議案が採択されるならば、核軍縮の分野における現実的かつ具体的進展のために好影響をあたえるであろう」こういう立場で賛成投票をさしております。そうして、いまあなたは核禁止だけでは不十分だと言う。禁止されればこれが私は一番安心なんだ。まず核兵器の禁止、この大ワクをかけておいて、その中で軍縮の話もゆっくり進めたらよかろう、これが常識でしょう。池田内閣の立場はその立場をとっておる。それからあなたは後退された。核使用を消極的に認めるという態度に変わった。明白な核政策の変更がありますよ。どうですか、その点。
○国務大臣(三木武夫君) 変更は少しもございません。これはもう核兵器をなくしてもらいたい、これは日本が一番これに対して、従来被爆国民でもあるし、こういう強い願望を持っておるのでありますから、核政策に対して後退の必要などはない、一番強い日本人が……。
○春日正一君 賛成から棄権に変わったということは、明らかに態度における後退です。総理はアメリカの核のかさの下での防衛ということで、日本をアメリカの核戦略体制に組み入れた、これは池田内閣においては言わなかった。さらに日米共同声明では、中国の核開発を持ち出し、アジア諸国をアメリカの核のかさのもとに置くということにまで討議をしているのですがね、そうしてまた、核つき返還の提唱者である下田外務次官をこの時期に駐米大使に任命している、こういう事実は、やはり核承認の方向に著々手を打っているということのあらわれなんじゃないか。
○国務大臣(佐藤榮作君) お答えいたしますが、池田内閣当時、中共の核開発、そう進んではいなかっただろうと思います。私は、最近になりまして中共の核開発が非常に進んできた、そういう意味から、いろいろ問題が極東においても行なわれる、かように考えておりますが、これは春日君もその点は御了承いただきたいと思います。もちろん日本の隣りの国ソ連は前から持っております。またアメリカも持っております。この二つでございましたが、そこへ今度中共が核開発を始めた、もうすでに六回の実験をいたしております。今後これが小型化あるいは兵器化する、あるいはまた運搬手段まで開発するというのには、あるいはもう少し時間はかかるかと思いますけれども、しかし、それにいたしましても今日までの開発の速度は非常に早かった、私どもの予想以上に早かった、かように考えますので、これはひとつ十分注意をしなければならぬことだと思います。とにかく隣りの国が核を開発しておるということですね。 そこで、もう一ついま重大な発言をされましたが、日本が核の谷間にあるから日米安全保障条約を必要とする、これがいわゆるアメリカが日本のあらゆる攻撃に際して日本を守るという、この安全保障体制を確認しておるわけですが、これがいわゆるアメリカの核戦略体制に入ったと、かように言うことはいかがかと思うのです。私はアメリカの核戦略体制に入ったとは実は思っておりません。ただ、日米安全保障条約によって、日本の公益に対してアメリカはアメリカ本国同様に考えて日本を守ってくれる、かように考えておりますので、いわゆる核戦略体制ということは、やや行き過ぎかと思います。また、その一環として下田君を大使に任命したことが関係があるような御発言でございましたが、これは外務省の人事の都合で適材適所に配置しただけでございます。別に底意があるわけではございません。
○春日正一君 この点については国民が判断するでしょう。 そこで、核の谷間ということをいま言われましたけれども、谷間にある谷間にあると言うけれども、実際には日本は核の一方の土手をいまどんどんよじ登っていると、そういう私どもの印象です。そこで沖縄の通常兵器の基地としての役割りについて、総理あるいは防衛庁長官、どういう評価をしておられるか聞かしていただきたいのです。
○国務大臣(増田甲子七君) 春日さんにお答えいたします。沖縄に存在する通常兵器についてどういう評価をしておるかという御質問でございますが、沖縄には四万五千の米兵がおりまして、その内訳は、陸が一万五千、海が一万、空が二万でございまして、その空の中にはF105というようなものもございます。同じ空の中にメースBがございます。それからナイキ・ハーキュリーズ、ホーク等は空の所管でございまして、それぞれ日本並びに極東の平和と安全の維持に貢献しておると、こう考えておる次第であります。
○春日正一君 じゃ沖縄の施政権が返還された場合、これは当然安保条約の第五条による共同防衛の責任というものが生じてくると思うのですが、その点どうですか。
○国務大臣(三木武夫君) 施政権が返れば安保条約の各条文がそのまま適用になる、そういうことでございます。
○春日正一君 それから小笠原については、日本がこの地域の防衛の責任を除々に引き受けると、米国が両国共通の安全保障上必要な軍事施設及び区域を保持することが取りきめられておるわけですけれども、当然沖縄が返ってくるという場合にも、こういう形での日米共同防衛の体制というものが確立されることになると思うのですけれども、防衛庁長官、どう考えられますか。
○国務大臣(増田甲子七君) 小笠原島が返った場合には、日米安保体制のもとにおいて日本も自衛を行なう、こういうことになると思います。
○春日正一君 沖縄の場合です、沖縄を聞いているんです。
○国務大臣(三木武夫君) 沖縄においても、返ってくれば、アメリカの基地、あるいはまた日本が引き受けるいろんな施設もあるでしょう。返ってきた場合には、アメリカ自身が保有する施設、地区、また日本がそれを引き受けるものもあり得る。小笠原のようなことになると思います。
○春日正一君 そうなりますと、沖縄の場合でいえば、現在ある米軍基地、これがあるものはこっちが引き受けることになるかもわからぬけれども、とにかく現在ある米軍基地と日本の自衛隊とか入り組んで防衛する、こういう形になるわけですね。
○国務大臣(三木武夫君) 入り組んでといいますか、やはり安保の条約の範囲になりますから、日本の自衛隊もこれに対して防衛の責任を負う、アメリカも、どういう形で施政権を返されますか、アメリカの基地があれば、その基地においてアメリカもまた防衛の機能を果たすということになります。入り組んでというかどうか、一緒になってということでしょう。
○春日正一君 そこで、問題なんですけれども、沖縄の米軍基地は、御承知のように現在ベトナム戦争の補給、発進、中継基地ということで、現に生きて使われている。非常に重要な役割りを果たしている。そうすると、こういう現状をそのままにして施政権の返還ということを、総理は考えておいでなのかどうか。
○国務大臣(佐藤榮作君) 返還するときの沖縄の基地の地位について、これは協議をして十分話し合わなければきまらないということを、この予算委員会を通じてしばしば申し上げております。そのときの態度が、一体政府は何を考えてやるのか、それまできまらないきまらないと言ったって、白紙だと言ったって、何か考えがあるだろうというのが、けさほど来のお尋ねでもございます。しかし、私はただいま沖縄からベトナムまで出かけておること、これを否定するものではございませんが、しかし、将来この沖縄が日本に復帰したとき、祖国復帰したとき、そのときにはまた違ったものもあるのではないだろうか、かようなことを期待いたします。したがいまして、ただいまはしばらく時期のあることでございますから、その間によく国際情勢や科学技術の進歩の度合いや、その他国民世論の動向なぞを勘案して、そうして両国間で話し合いのつくような、両国が満足するような形にぜひとも協議を取りつけたい、かように思っておる次第でございます。いますぐ申し上げないのも、いましばらく時間もあることだから、その間に間違いのないようにしたいと、こういう意味で慎重なお答えをしておるわけであります。
○春日正一君 まあ両三年のうちにめどをつけるという、それまでにベトナム戦争というものが終わるかもしれない、しかし終わらぬ可能性も十分ある。アメリカが予定したとおりなら、現在もうとっくにベトナム戦争は終わっているはずですよ、ますます拡大している。そして最近では、追跡権の行使というようなことをアメリカ側は言い出して、ラオスやカンボジアにまで兵隊を入れるというような危険がすでにあらわれておる。こういう状態を考えてみて、もう一つは、朝鮮の停戦ラインでの緊張、これが最近とみに強まっているということを考えると、五条が適用される、そしてそこから出ていくいまのような状態というもの、このものを認められるということになれば、これは日本がいやおうなしに、国民の意思、総理の意思とも関係かりになしに、いやおうなしに戦争に引きずり込まれるという可能性が、いまよりももっと大きくなる。そこを国民は心配している。沖縄の県民もそこを心配していると思うんですよ。沖縄県民の要求は、御承知のようにあの戦争の末期に決戦場にされてひどい目を受けた、二度とこの被害は受けたくない、だから基地にしてほしくないという要望を持っているんですよ。戦後二十二年、米軍のひどいこの軍政のもとで暮らしてきた。先ほど防衛庁長官も言われたように、四万五千といえば県民二十人に一人のアメリカ兵でしょう。日本の場合は、私、大ざっぱに計算してみたら三千人に一人です。神奈川県の面積に百十七の基地がそっくり入るだけのものが入っておる、その基地の悩みから抜け出したいと思っておる。沖縄問題は基地問題だと言われるのはそこだと思う。ここを考えずに沖縄復帰と言っても、これは県民の要望に沿うものじゃないんじゃないか。だからこの問題を、野党の各派がどうなんだといって追及しているんで、そこをあいまいにしたんでは、復帰の願いにかなうという方向にいかないんじゃないか、ここですね。
○国務大臣(佐藤榮作君) これはいつも同じことを申しておるので、私もだいぶくたびれたんですが、御承知のように祖国復帰、これは実現したい。そうして何もかも——そういう意味では、無条件復帰というのは、野党の諸君の言うことでございます。しかし、私は総理としてそういうような無条件復帰というようなわけにはいかない。この国の安全をやっぱり確保しなければならない。この国の安全を確保するのには一体どうしたらいいか、そういうことで最善を尽くさなければならない。しかし何といったって一億の国民、百万の沖縄同胞が祖国復帰を実現してくれと、非常な熱意を持っておるんですから、それとただいま申す祖国の安全確保、この二つを同時に目的を達するようにいい知恵はないかと、そこで私がいろいろ苦心し、頭をしぼっておる最中でございます。御了承いただきたいと思います。
○春日正一君 いままでずっと質疑を聞き、私への答弁もあわせてみて、やはりまあ三木外務大臣とジョンソンさんが言われたような、アメリカと運命をともにするというような立場からいけば、やはり野党が心配しておるような戦争に引きずり込まれるような、そういう方向へいかざるを得ないんじゃないか。共産党としては、アメリカのこの沖縄の米軍基地が攻撃された場合、たとえ事前協議の対象になったとしても、安保条約五条によって日本の自衛隊が参戦するということになるだろうし、その結果、日本全体が戦争に巻き込まれる危険があるというふうに考えております。しかし、基地の自由使用を許すということになれば、その危険は一そう大きくなる、歯どめがなくなる。こういうふうに考えてみると、総理は沖縄を本土並みにするというふうに言っているけれども、そうじゃなくて、日本全土がこの意味からみれば沖縄並みにされるんだ、共産党はこういうふうに考えております。 そこで、次に移りますが、沖縄と本土の一体化ということで、沖縄の警官の増員をまつ先に総理は指示されたということですが、これはどういう目的ですか。
○国務大臣(佐藤榮作君) 本土と沖縄の一体化、これはもうしなければならない。まつ先に警官隊をしたということではございません。いままでももうすでに一体化を進め、もうそれぞれの手が打たれております。しかし、このたび警察の装備が非常に立ちおくれている。こういうことでは、治安あるいは民生の安定、これは人権の擁護等にもこと欠くのではないか、かような意味でパトカーあるいは無電連絡、そういうような通信機器の整備等を実はするつもりで、いろいろそういうことでお話をし、そしてそういう意味の援助方もできるようにと思って話し合っている最中でございます。別に、これもいわゆる大衆運動を取り締まる、そういうような意気込みでこれをやるわけではございません。
○春日正一君 まあ、犯罪の防止云々という理由もあるでしょうけれども、しかしほんとうのねらいは、沖縄の民衆運動と祖国復帰運動を弾圧するということじゃないですか。というのは、十一月二十二日の読売新聞によると、松岡琉球政府の主席が二十一日の午後佐藤首相と会談した際、私は反対派を粉粋していきたい、これが沖縄の返還を早めることになろう、こういうふうに言っております。同日の琉球新報は、この問題について社説を掲げて、松岡暴言を批判しておるという事実を見れば、そのおそれは十分あるというふうに思います。 そこで私は最後に、私自身にも関係する問題でお聞きしたいのですが、一体化の見地からいえば、きわめて重要なる沖縄と本土との往来の自由、これについて政府がどう考え、どういう努力をしておられるのか。ついでに私は質問してしまいますけれども、現に私と衆議院の田代文久議員が、十月に沖縄事情視察のために、衆参両院議長の公用身分証明書をつけて渡航申請をしました。ところが、それが不許可になってきました。好意的には考慮することはできないということで不許可になった。そこで、この重要な問題を、やはり現地を見て国会でも審議に参加しければならない、それは国会議員としての責任だということで、この十一月二十八日に、私と共産党の野坂議長が同様の手続で公用身分証明書をつけて波航申請をしてあります。もう三週間たつ、しかしいまだに許可がおりてこない。これもあるいは拒否されるかもしれない。こういうことになれば、私ども国会議員としての活動に大きな障害を来たすわけですから。同時に、国民から選ばれた国会の、しかも両院の議長が、公用で行くんだ、議員としての立場で行くんだという証明まで出しておるものを拒否するというようなことになれば、これは国会の権威にもかかわる問題だと思います。そういう意味で政府としてですね、これはアメリカと厳重に交渉して渡航を実現させるべきだと、それが本土との一体化ということを努力しておられる政府としても、当然やらなきゃならぬことだと思うんですけれども、この点について総理の考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(佐藤榮作君) まあ警察の問題は、先ほどの答弁でおわかりかと思いますが、いま大衆運動取り締まると言いましても、沖縄の警察力、警察人員等から見まして、一体そんなものがりっぱな整備をしなくてもできるか、これはもう数の問題ですし、またパトカーや、通信施設を改善したからといって、そんなことで取り締まれるものではないと思いますから、あまりあおらないようにお願いをしておきます。こういうことで、大衆運動取り締まるんだというようなことでありますと、問題を起こしやすい。 それからこの一体化について、これはもう長い間の問題ですが、往来の自由、これはもっと進めなければならない。ことに非常に琉球、沖縄の人たちが困るのは、奄美大島の諸君と同じ船で神戸に来ると、奄美大島のほうは何ら取り調べを受けないで、どんどん上がっちゃう。同じ船で来てこれが那覇の人だと、ちょっと足どめをされる。そうしていろいろの検査を受ける。これは非常な不便だと、同じじゃないかと、しばしば言われるのであります。そういう意味で、これの往来の自由について非常な努力をしております。 ところで、いま共産党の議員、れっきとした国会議員がこの渡航を拒否されたというお話でございます。公用証までちゃんと持ったにかかわらずそれが許されなかった。それが春日君であり、田代君であるということでございます。私も全然知らないのですから、よく、どういう事情であったか取り調べます。ただいままた次に、野坂君と春日君とであらためて渡航申請しておられるということでありますから、これらについても、どういうような状況なのかよく調べてみます。ただ、公用というのはどういうような御用向きか、そこらにも何か問題があるのですか——おそらく議員の問題でございますから、ないだろうと思いますけれども、よく取り調べることにいたします。
○春日正一君 じゃあ終わります。
○委員長(新谷寅三郎君) 以上をもちまして、春日君の質疑は終了いたしました。
○委員長(新谷寅三郎君) 次に市川房枝君の質疑を行ないます。市川君。
○市川房枝君 まず、人権の問題について総理並びに外務大臣にお尋ねしたいと思いますが、総理はついせんだって、国際人権年に対するメッセージをお出しになりましたね。これは世界人権宣言二十周年を記念しての来年一カ年にわたっての行事で、まことにけっこうだと思います。ただ、国費を使って形式的なお祭りに終わったんではならないと思います。具体的に人権に関する条約を承認するとか、あるいは国内の人権擁護局を強化するとか、あるいは沖縄の同胞の人権をじゅうりんされておりますことに対しての、はっきりした処置を講ずるといったようなことをしてほしいと思います。沖縄の人たちの人権の問題については、総理はこの間アメリカであまりそれに対する抗議をなすったようなふうに受け取っていないのですけれども、その問題についてはどうなっておりましょうか、まず総理に伺います。
○国務大臣(佐藤榮作君) 人権宣言二十周年記念、この記念行事としていろいろのことをやろう。いままでは国連が中心になりまして、たしか第十九回の国連総会だったかと思います、いろいろの話し合いができて、各国でいろんな行事、催しものをする。これはいま言われるように、おそらく一つの行事、まあ、お祭り騒ぎというようなことになるでしょう。 そこで、具体的な問題としては、沖縄の人権問題、同胞が現実に自由を奪われ、あるいは人権がじゅうりんされている、これを一体どうするか、こういう問題かと思います。私はアメリカに参りまして、これをジョンソン大統領と直接話をした、こういうことはございません。しかしながら、この背景をなすもの、ただいま申し上げたような祖国復帰、これはもう申し上げるまでもなく人権侵害の一つの例でございます。また、そういう意味では技術委員会や、あるいは日米協議会等におきましても、しばしば取り上げられてこの問題は議せられております。まあ基本的な問題として復帰が実現すれば、ただいまの問題は解消する、そこに全力を注いでいるのが現在の私の立場であります。しかし、今日侵害されているものをそのままにほうっておくというのではございません。そのつどそれぞれの機関を通じて話し合っておる、抗議を申し込んでおる、かように御了承いただきたい。
○市川房枝君 外務大臣に伺いますが、世界人権宣言を条約とした人権規約が昨年の国連総会で日本も賛成して採択されましたが、できるだけ早く国会の承認を求め批准すべきだと思いますが、いかがでしょう。
○政府委員(服部五郎君) お答えいたします。人権規約は御指摘のように、昨年の総会で全会一致採択されました。しかし、この規約は御承知のように、国連憲章の目的の一つでございます人権及び基本的自由の尊重に関する重要な内容を持ったいわば国際条約でございまして、したがいまして、各国とも国内法制上との関連もございますので、非常に真剣に検討をするという態度でございまして、現在までのところ、まだ一国も批准はいたしておりません。今後の見通しでございますが、これは全然予測ができないような状況でございます。われわれといたしましても、以上のような重要な規約でございますので、慎重に検討した上で批准問題に対処いたしたいと思います。
○市川房枝君 いまの重要だとおっしゃいますその人権規約は、まだ外務省としてはその翻訳ができていないのですね。ILOの総会で採択された条約とか、あるいは勧告のようなものは、国会に全部報告をいただいておるのですが、これはまあ労働憲章にあるからそうなんだとおっしゃるんでしょうけれども、私どもは国連の総会で採択されたそういうものは当然国会に御報告をいただいてしかるべきだと思うのですけれども、これ外務大臣から御返事を願いたい。
○国務大臣(三木武夫君) 国際週報という、市川さん御存じになっておりますが、これに国連の模様、決議案なども報告して、これは全議員にお配りをしておるわけでございます。こういう定期刊行物があって、できるだけ国連における決議などの経過、決議などに対しても、皆さんに知っていただくことが必要であるというので、そういう出版物を通じてそれを周知の方法を講じておるわけであります。ただ、一回の国連総会に百ぐらいの決議案が出ますから、事前にということでは非常にむずかしいですが、事後になりますけれども、できるだけ知っていただこうという努力はしておるのです。まあ十分だとも言えない点もありましょうから、今後国連というものは非常に重要な場所でもありますので、できるだけ国連の審議の模様などは国民に知っていただくような努力を今後もう少し徹底してやるようにいたしたいと思います。
○市川房枝君 雑誌では拝見をしておりますけれども、正式にいただくとやっぱりいいと思うのですから、お願いをしておきます。 次に、政党法及び政党への補助金について総理にお伺いしたいのですが、総理はこの間決算委員会で、岡三郎氏の質問に対して、国家機関としての政党を設け、政党に国から資金を出すことは一つの方向としてもっともと思う、というお答えがございましたね。実は私はこの七月の十四日に西ドイツで政党法が成立をいたしまして、選挙費用への補助の名目で多額の金が支出されることになったのを見まして、これはさっそく日本の政界にも問題になるんじゃないかと実は心配をしておったところでございます。私は、日本においては、憲法上の結社の自由の規定から見ましても、政党法というのは望ましくないと、こう考えますし、また政党に多額の国費を補助することは一般の国民が承知しないんじゃないかと、こう思います。それに補助を受ければ、これは会計検査院の検査を受けなければなりませんね。まず自民党御自身検査されても一向差しつかえがおありにならないかどうかということも考えられますが、総理御自身の御意見を伺います。
○国務大臣(佐藤榮作君) これはせんだって決算委員会でお尋ねがありまして、率直に私の考えを披露しただけでございます。ただいま、もう政党法ができておるという前提で、その次には一体どうなるかというようなお話でございますが、まだそこまではいっておりません。また、いま具体的に会計検査がそういうときには調べるだろう。これはもう会計検査の検査を受ける、これはもう当然のことだろうと思います。別にそれで、それじゃ困るから政党法をやめたと、かようには申しませんが、とにかくもう少し、政党法というか、市川君の場合は特別な立場のようだから、あるいは政党の必要をお感じにならないかわかりませんが、しかし、やっぱり民主政治のもとにおいて考えてみますると、政党の活動というか、それは望ましいことのように実は思いますので、それならばそれとして、いま全然基礎なしにそれぞれが自由潤達にすること、自由潤達であることけっこうなようだが、時にそれもどうだろうか、かように実は思うものですから、お尋ねがありましたちょうど機会に私もそういうことを申したのです。賛成だ、賛成として考えられるだろう、ひとつ考えられる。賛成とまでは申しませんが、一つのいき方でしょうと。たまたま西ドイツではそういうことがあった。これは私が答弁してから後私も教えられたのでございます。あんなことを言ったが一体どうだろうと。いろいろ聞いてみると、事務当局から、西ドイツで長い間の議論の末、ようやく七月にできましたと、こういう話を聞いたのでございます。だからまあこれも政党法をつくるのならば、もっとそういうような文献その他も取り寄せ、他国の例も検討して、しかる上につくるべきだろう、かように思います。
○市川房枝君 私は現在無所属でいるもんですから、政党というものに反対みたいなふうにいつも総理おっしゃいますけれども、これは私は参議院だからそうであって、私は政党というものは非常に重要だと、それこそ自由濶達な政党になってほしいからその政党法なんという法律でしばることには賛成しないと、こういう立場でございますことを申し上げておきます。 次は、国税庁長官から、私が五十五国会の予算委員会で質問いたしました国会議員と税金の問題についてお答えをいただきたいと存じます。あのとき私は、四十一年に佐藤派の三つの派閥から一千万円以上おもらいになりました植木庚子郎さん以下八名の議員の方々の数字を申し上げて、所得申告は正確かどうかということをお伺いいたしました。国税庁長官もう御調査ができておるかと思うのでございますが、御報告を願いたい。
○政府委員(泉美之松君) お答えいたします。私どもといたしましては、国会議員の方に歳費以外に各種の所得がございます場合に、それらの所得を総合して申告していただくというたてまえになっておるわけであります。ところで、先般の国会の際、市川委員からお尋ねのありました方々を含めまして、すべての方につきまして、自治省に届け出ておられます政治献金の収入あるいはその支出の面からだれそれに支出されているといったような事跡を資料といたしまして、全国の税務署におきましてそれぞれ調査をいたしておるわけであります。その調査いたしました結果、個々のケースはちょっとお許しいただきたいのであります。本年の三月十六日以後十二月十日までの間におきまして、年分の所得といたしましては、一部三十八年分の所得にさかのぼる人もおられますが、三十八年、三十九年、四十年、四十一年、この四年間の所得につきまして、修正申告等の処理をいたしましたのは、全体で、実人員で五十名、それによりまする増差所得は一億五千四百四十二万円と相なっております。なおそれによって増額いたしました税額は二千四百四万円でございます。
○市川房枝君 続いて、もう一つ国税庁長官に伺いたいんですが、ことしの春から、政治家個人が受けました政治資金は雑所得として費用を差し引き、残りに課税するということにきめられておりましたが、ところが費用が超過したとしてすでに納めた歳費の税金の一部を返してもらった議員がおいでになるということでございます。しかし、それは間違っておったので、税務署のほうへ返していただくと、こういうことをおっしゃっておりましたが、その結果は一体どういうことになっておりますか。
○政府委員(泉美之松君) お答えいたします。昭和四十一年分の所得の申告に際しまして、従来議員の方の所得の取り扱いに関しまして必ずしも明確でなかった点がございますので、私どもといたしましては、議員の方が受けられる配当所得であるとか、事業所得であるとか、不動産所得であるという明確なものは別といたしまして、いわゆる政治献金につきましては、原則として雑所得の収入である。したがって、雑所得でありますから、それの収入を得るために必要な経費を控除いたしまして、その残りを所得として申告していただくようにお願いしたわけであります。ところが申告指導の際に一部誤りがございまして、そのために、歳費しかない人にもそういった必要経費の控除ができるかのごとく誤解されまして、還付の請求をされた方があったわけであります。これは間違いでございますので、そういった方につきましては修正申告を提出願う、それからまた、一部の方は雑所得の収入金額をこえる必要経費があったということで、やはり還付の請求をされた方もあったわけでありますが、しかし、本来、収入を得るために必要な経費でございます。政治活動をするためにいろいろお金をお使いになることは確かだと思いますが、しかし、そういったいろんな経費はすべて雑所得の収入にのみ負担さすべきものではない。御承知のように、歳費だけの方はその歳費の中から政治活動をなさっていらっしゃるわけでありますが、その場合にはいわゆる通信交通費の年百八十万円と、それから給与所得控除でまかなっていただいておる。したがって、雑所得の収入よりも多い必要経費がおありになるとおっしゃっても、それは雑所得の収入だけでまかなうべきものではなく、歳費、いまの通信交通費を含めました歳費でも負担すべき分がある。したがって、そういった雑所得の収入金額と、歳費、通信交通費を含めました歳費でそういった経費を案分して見るべきだ。そういたしますと、雑所得の収入の赤字というのは、収入に対する支出経費が赤字であるという状態は消えてまいりますので、こういった方々にも修正申告を提出していただきまして、納税をしていただいたのであります。ほぼその処理は完了いたしております。
○市川房枝君 その人数。
○政府委員(泉美之松君) その人数は五十一名でございます。そして、先ほど申し上げました五十名の方と、いまの五十一名の方とは別口になっております。
○市川房枝君 この五十一名のほうの金額はどうですか。
○政府委員(泉美之松君) 金額は私いま正確な資料を持っておりませんので、もし間違っておりましたらあとで訂正させていただきたいと存じますが、私の記憶では一千三百万円の税額になっております。
○市川房枝君 ここでちょっと総理に伺いたいのですが、政治家個人がおもらいになった政治献金を調査することは非常に骨が折れる——まあいまのお話でもわかりますけれども、税務当局としては非常に骨が折れて、そこで政治資金規正法の改正の際には、政党や、政治団体だけでなく、政治家個人ももらった政治献金を届け出ることにしていただきたいと、これはまあ私が接触した税務当局の方がそうおっしゃっておりますが、総理はどうお考えでございますか。
○国務大臣(佐藤榮作君) まあ政党の場合には、いわゆる政治資金規正法とか、そういう意味で、政党の資金をひとつ規制しよう、これは非常にわかりいい事柄ですね。ただ、個人の場合だと、政治家であるし、同時に、個人の仕事というか、まあその二つの資格において、いろいろのことをしていらっしゃるだろうと思う。この個人のそういうものを一々出すことは、まあ税務署が調べにくいとか何とか申しましても、やや個人の人権に入り過ぎやしないか、そういう危険はないだろうか。ちょっと私はもう少しょく研究しないと、ただ簡単に言えないのです。私もその点では全然しろうとでございますから、ただ、税務署の調べやすいようにというわけにもいかぬのじゃないだろうか、かように思います。
○市川房枝君 まあその個人がおもらいになった政治献金では、非常に個人的な人権にも関するというお話でしたが、これは政治献金としておもらいになったのなら、 かまわないのじゃないですか。個人でおもらいになった、献金と別なものならば、これは届け出る必要はないのでしょうけれどもね。そこのところはなかなかちょっとむずかしいでしょうね。 次は、LPガスの汚職に関連して、まず法務大臣にお伺いしたいと思います。今度の汚職摘発についての大阪地検の努力を国民は大いに支援しております。そして、これに対して政府及び最高検が圧力を幾らかお加えになったのではないかというような疑いも持っておりますけれども、それはどうですか。法務大臣でいいです。
○国務大臣(赤間文三君) お答えを申し上げます。 政府が圧力を加えた事実は全然ありません。なおまた、地検並びに高検、最高検は互いによく連絡を密にしまして、この事件の摘発に十分な効果があがるように十分連絡をとっておると考えております。
○市川房枝君 それから今度の事件で国民にどうしても納得のできないことが二点あります。 その第一は、法律を制定したり、改正したりするのは国会議員全部の職務だと思いますのに、大蔵委員で金をもらった委員だけが収賄罪を構成する、こういうぐあいに範囲を非常に狭く狭く解釈——これはどこが解釈するのですか、検察庁ですか、裁判所ですか、というふうに国民は感ずるのですが、これが一つ。 それから第二は、わいろでも、政治献金だとして政治資金規正法によって届け出れば正当化されるらしいような印象を国民は受けておるのです。この二つについて明確な御回答を願いたい、法務大臣。
○国務大臣(赤間文三君) お答えを申し上げます。 大阪地検におきましては、現在任意または強制の措置をとって、本件の実態の糾明に鋭意努力をいたしておりまして、議員を含む多数の関係者を参考人として取り調べておるのでございます。この取り調べを受けておる者は、どういう関係の者だということは申し上げにくいと考えております。なおまたこの政治献金とわいろとの関係でありますが、これはたびたび申し上げましたように、政治献金であっても、その実質がわいろに相当するものは、処罰をせられることになると考えております。
○市川房枝君 納得しないところがありますけれども、時間がありませんから……。 総理大臣に伺いますが、四十年六月に自民党は約一億円、社会党は六百万円、民社は四百万円、大阪タクシー業者からおもらいになっております。ところで、その一ヵ月あとでLPガス課税法案が審議未了になっておる。さらにその年の暮れに、三党共同修正で税額を安くし、しかも実施期日を先へずいぶん延ばした。こういう点から見ると明らかに三党への献金はわいろだと、こういうふうに国民には感ぜられて憤慨をしておるのです。会社、銀行からの政党や政治団体への寄付は、犯罪を構成しなくてもやはりそのにおいがするから、政治資金規正法でむしろそういうのは禁止し、個人だけの寄付にすべきだというのは、そこから一つの理由として出てくるわけですが、こういう具体的な事実に対して総理はどういうふうに考えておられますか。
○国務大臣(佐藤榮作君) 民主政治の時代だと、かようになりますと、政党もあらゆる方面の意見を聞くということ、これはもう当然のことですし、また国民から申せば請願の権利すらあるのである。また自分たちが非常に困ることを困らさないようにひとつしてくれ、そういう政治活動に準ずるような行為があることは、これは当然だと思います。私は、ただそれが金銭を伴った場合に実は問題になるのである。このLPガスの場合に、いま問題になっておりますのは、一方で、献金はされた、しかしそれがはたしてこの改正に結びついているかどうか、ここに検察当局の非常なむずかしさがあると思います。したがって、検察当局はいろいろ厳正な捜査を行なっております。これでいま捜査線上にある者は全部黒だと、こうはなかなかならないのじゃないだろうかとも思いますが、いずれにいたしましても、適正に処断されることを私は期待いたします。そこで、非常に言いにくいことなんですが、いまの団体その他がいわゆる陳情あるいは請願をする、またそういうものを聞きながら政党が政策を樹立する、こういう事柄が普通許されるのじゃないだろうか。もし、そういうことができないのだというなら、政党としても、またわれわれが代表者としてもややおかしなことになってきて、独断専行ということにもなる。そこで、むずかしいのは、こういう事柄にいわゆる金銭の授受があってはならないのだ、そこは厳格にしなければならないのだ、そういう意味の国民の怒りも同時にあるわけだと私は思うのであります。したがいまして、ただいま何の政党に幾ら、どの政党に幾ら、そういうことをお読みになりましたが、私はそれだけをもちまして、すべての政党はけしからぬ、かような結論には、なかなかならぬのじゃないか、私はむしろ政党をもう少し弁護してやりたいように思います。こういう民主政治の時代には、もっとしてやりたいような気がいたします。この辺に、やや市川君と私とでは感覚の相違があるかわかりません。いわゆるきれいな資金なら援助を受けてしかるべきだ。きたない、また汚らわしいものであるならば、誤解を受けるようなものであれば、これは個人の献金といえどもこれは問題だ、かように思います。会社である場合には、それが全部いかぬ、個人である場合が望ましいのだ、かようなわけにもいかないのだ、かように思います。いままた、特にそれぞれの業界は、それぞれの協会をつくって業界としての活動をしておる。これが普通の運営の方法でもありますから、ただいまのような問題が起こりやすい。誤解を受けないように、ただいままでのことが、国民に説明のつくような形においてなされないととんでもないことになるのじゃないかと思います。
○市川房枝君 いろいろな団体が、政党なり議員なりに陳情する、説明する、それは私は当然だと思います。ただ、そこに金がつくということが問題であって、だから政党もさっき言いましたように、あんまりその問題の、法律の制定の過程と献金されたのがあんまりにくっついてて、どうおっしゃっても国民の一般の感情としては、ただきれいな金を献上したなんてだれも思えない。そこが何といいますか、私は感覚の違いといいますか、総理あるいは政治家として長くしておいでになる方々の感覚と、私のようなしろうとなりの感覚、あるいは一般国民と違うかも知れませんが、それが非常に私は重大だと思います。国民のそういうものを見る目、そういうものを私は考えていただかないと、そこからいわゆる政治不信というものが出てくるのであって、だからさっきの総理のお話、どうも納得しないところがあるのですけれども、時間がありませんから、またの機会にしたいと思いますが、あと私は物価問題について少し質問したいと思っておりましたが、時間がなくなりましたが、ちょっと総理にだけ……。これは企画庁長官にもお伺いしたいと思っておったのですが、物価の問題は皆さんから御質問になって、先ほども中沢さんの御質問に対してのお答えを伺っておったのですが、どうも何といいますか、私の受ける印象は、ことに総理、今度アメリカに行っていらっしゃってお帰りになってといいますか、今度の物価問題に対しての国会での質問その他を通じて、これは私の印象ですから、少し間違っているかもしれませんが、総理が、いわゆる軍備の問題については、非常な熱意を持って御主張になった。ところが、物価の問題になると、関心をあまり持っておいでにならぬみたいなふうに受け取りまして、主婦の連中は、その点を非常に不満に思っております。いまの状態で、私は総理が幾ら軍備必要だとおっしゃっても、婦人たちの耳に入りません。何とか物価をしていただかなければならぬ。それでさっき宮澤長官から物価対策のお話を伺ったのですが、労働力が不足とか、生産性の低い部門はどうとかおっしゃいましたけれども、それは急にはできないので、それを伺っていると、それじゃ、いま物価がどんどん高くなっていっているんですが、来年もそのまま、物価が高いままに私はやっぱり放置されるのかなあという感じを持ったのですが、これはこのままだと、私はほんとうは心配しているんですよ。このままもしだんだんいったら、何か起こるかもしれないというようなことをちょっと感じるんですがね。だからこれはひとつ総理にその点をよくお考えをいただきたいと思います。 私の質問を終わります。
○国務大臣(佐藤榮作君) 私に対する御注意のようですから、別に答弁を要求されたわけでもないと思いますが、ただ先ほどの、政党の活動についてあるいは誤解を受けると困りますから、私は一般的な問題としての最近の政党の活動を申し上げたので、今回のLPガスの問題、具体的な問題ではございませんが、抽象的な一般論としてお聞き取りをいただきます。LPガスの問題についてはただいま捜査中でございますから、これについてとやかく申しません。 次に、物価の問題につきまして、これは私が、もう組閣以来この問題と真剣に取り組んでおる。なかなかお話のように、一朝一夕には片づかない問題であります。不況克服は、幸いにして克服ができました。ことしの予算編成に際しては、もう不況の心配はなくなって、今度は中立予算をつくって過熱にならないように、今度は物価だけと取り組めばよろしいんですと、こういうことで、スタートしたのでございます。ところがなかなか、年度当初におきましては、私どもが思っていたような数字で、たいへん喜んでおりましたが、しかし下半期になりまして、過熱の心配があり、それに対して対策を立てました。まだ十分その効果があらわれておりません。しかし近くあらわれ、設備投資も沈静するものだと思っております。しかし消費者物価の面で見ると、下半期になりまして、十月以降、ことに騰勢がはなはだしい、こういうことであります。これはたいへん私ども心配しております。でありますから、年間を通じてわれわれの指標、四・五%になるだろうか、これがこの一月から三月までの間の冬の節のまだ消費者物価がいろいろ影響する、かように思って心配しておりますが、いま対策を立てつつある最中だと思います。それぞれの官庁が真剣に取り組まないと、せっかく不況は克服しても、この物価のほうでまた問題を引き起こしては、いまおどされましたが、そういうこととは別に、政治家として私はたいへんな問題だ、できるだけこれを沈静さす考えでございます。 私は、何だか非常に軍備に熱心のようだと言われましたが、私はいま軍備、そういうことを呼びかけてはおりません。国民自身がこの国を守るという、自分たちの手で守るというそういう気概が必要だ。このことを私は呼びかけておりますが、軍備拡張をいま計画はしておりませんから、ここらにもひとつ市川君、どうしても理解してもらわないと困りますので、そういうものではございません。軍備の計画はしておりません。ただ気概を国民に呼びかける。これは大事なことでありますから。そういうことをひとつ誤解のないようにお願いしたいと思います。
○委員長(新谷寅三郎君) 以上をもちまして市川君の質疑は終了いたしました。 以上で総括質疑通告者の発言は全部終了いたしました。総括質疑は終了したものと認めます。 明日は午前十時から、一般質疑を行なうことといたしまして、本日ばこれをもって散会いたします。 午後五時四分散会