農林水産委員会 第2号
- 発言数
- 76 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1967/12/22
会議録
○委員長(野知浩之君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 委員の異動について報告いたします。 本日、瀬谷英行君が委員を辞任され、その補欠として村田秀三君が選任されました。 ちょっと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長(野知浩之君) 速記を起こして。 —————————————
○委員長(野知浩之君) 請願第十九号土地改良区の職員給等に対する国の財政援助措置に関する請願外三十八件を一括して議題といたします。 本件につきましては、先ほど委員長及び理事打合会におきまして内容を検討いたしました結果、請願第十九号外三十七件は、議院の会議に付するを要するものにして、内閣に送付するを要するものとし、請願第五九八号は保留することが適当であると意見が一致いたしましたので、さよう決定することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(野知浩之君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(野知浩之君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(野知浩之君) 農林水産政策に関する調査として道路建設に伴う農地の転用に関する件を議題といたします。 本件について質疑のある方は、順次御発言願います。
○村田秀三君 私は、いま問題になっております東北自動車道路建設について、この建設とそれから農林省の関係——農業問題に関係する部分について質問をいたしたいと思います。 初めに、その実態を明らかにしなくてはならないと存じますので、農地局のほうで今日までお調べをいただきました実情をお伺いいたしたいと存じます。
○政府委員(和田正明君) 実情をというお話でございましたが、非常に恐縮でございますが、ばく然としたことでどういうふうに申し上げたらよろしゅうございましょうか、もうちょっと具体的におっしゃっていただきたいと思いますが……。
○村田秀三君 それでは、その一つは、東北縦貫自動車道路といいますると、関東から青森まで関連があるわけでありますが、私は、主としていまいろいろと問題が起きております福島県の問題に限って質問を進めたいと思いますが、もちろん、これは単に福島ばかりではなくて、その作業進行がずっと北上いたしまするに従っていろいろの問題が起きてくるのではないか、かようにも想像されますから、それらも含めながら福島県の問題を中心的にひとつ質問をいたしたいと、こういう考えでおります。 そこで、この福島県の農用地のつぶれ地、しかも、それが道路建設とどのような関係があるかということをお伺いし、次に、この道路建設は、御存じのように、国土開発幹線自動車道建設法に従って建設されるものでありまして、その基本計画あるいは整備計画の段階で関係各省庁と協議をしなくてはならないと、このように、実は私どもは理解をしておるわけでありますから、その基本計画ないし整備計画の案作成の段階において、農林省が建設省とどのような協議をされたかということについてお伺いをいたします。
○政府委員(和田正明君) まず福島県内の実情について承知をいたしておる限りを申し上げますと、福島県内におきます高速度道路の路線の総延長の予定は百十五・四キロメートルでございます。そのうち、路線の通過位置がほぼきまりましたものが西郷村−安達町の間七十五キロメートルでございまして、四十二年度中におきます建設スケジュールといたしましては、ただいま申し上げました七十五キロメートルにつきまして路線の中心ぐいを打ちたいというふうに建設省は考えておるようであります。 なお、現在までにそのうちの三十八キロメートルについては、順次、中心ぐいを打っておる次第であります。その作業と並行しまして、現地に対して工事内容の説明をいたしまするとともに、その中心ぐいを中心として道路の両端に当たります部分の測量等を実施してまいりたいというふうに考えておるようでございます。この百十五・四キロメートルというのはまだ予定でございますから、最終的には確定いたしませんが、五万分の一の地図で一応計算をいたしてみますと、この用地としてつぶれますものは、農地約三百五十ヘクタール、山林約二百九十ヘクタール、そのほかに道路、河川、宅地等が約四十ヘクタール、合わせまして六百八十ヘクタールほどの敷地面積を必要とするということになっております。ただいま申し上げました面積は五万分の一の地図の上で計算をいたしましたにとどまりますので、今後正式な測量が進めばなお相当変化する数字であるというふうに御了解をいただきたいと思います。 それから高速度道路につきましては御承知のように関係閣僚をメンバーにいたしました審議会がございまして、そこでおよその路線を政府として確定をすることになっております。農林大臣もその審議会のメンバーの一員でございまして、できるだけ農業側の立場がその場で調和がはかれますよう、発言する機会を留保する立場で農林省としては臨んでおるのでございますが、概して一般的に申し上げますれば、何も高速道路に限りませず、一般の公共事業を実施いたします場合には、そのことから受けます関係農家への農業経営上の諸般の影響を極力少なくするという立場で、実際の敷地になります人たちに対する土地代あるいは離作料等の補償等についてはもちろん、それから従来の水路、道路等が途中で分断をされる可能性もございますので、そのような水路なりあるいは農道なりが従来の効用を道路建設後も発揮できますような補償工事を建設省ないしは道路公団で実施してもらいますことの打ち合わせ、それからその付近の地元の農家の要望がございますれば、当該道路の工事と並行いたしまして、たとえば圃場整備等の事業を実施いたしますための予算を、高速度道路関連の土地改良事業として別ワクの予算を計上いたしておりまして、それで地元の希望に応じて、主として圃場整備になりますが、そういう仕事をいたしまするほかに、かえ地等のための開拓パイロット等の要望がございますれば、極力優先採択をしてこれに当たっていくというようなことで、できるだけその道路の建設に伴います農業経営の影響を地元の希望を勘案しながら対処していくというふうにやっておるわけでございます。
○村田秀三君 この福島県の場合は、非常に山といいますか丘といいますか、相当起伏のあるところに耕地があるということで、耕地が多い地域と比較しますと、あるいは耕地に対するところの農民の執着心といいますか、これは多いのかもしれませんが、まあとにかく、この道路の通過地点を見てみますと、多少配慮すれば農用地を通過しなくてもよろしいのではないかという地域が実査をいたしますると散見するわけであります。散見というより大部分まあそういう地域であろうと、こう言っても過言ではないわけでありますが、ところで、いまいろいろ農地局長がおっしゃられました、いわゆる農林大臣が審議会の閣僚メンバーであって、そうしていろいろ発言の機会を持っておられると言いまするが、いろいろと話がありますれば、これだけの準備はいたしますということの説明はありましたけれども、いわゆるこの通過地点を決定するに当たって、具体的にどのような話を農林省としては出しておったのか。少なくともこの道路建設法が制定されます際には、衆議院において農用地は極力避けるようにすべきであるというような決議案もこれは決定をしておるわけでありますが、さような意味で、その当時建設省の計画をそのまま認めるというようなかっこうになったのか、当時何らかの発言をしておったのか、そういうことについてお伺いをしたいと思います。
○政府委員(和田正明君) 高速道路の建設に伴いましての一般的な考え方は、先ほどお答えを申し上げたとおりでございますが、具体的に個々の路線をきめてまいりまするにあたりましては、やはり現地のほうの事情、特に県庁等と建設省あるいは道路公団の出先等との間で常に接触を保っておりますし、また私どものほうの地方農政局長等も当然具体的な問題につきましては農業側の立場での意見を常に述べるようにいたしておるわけでございます。ただ、何ぶんにも国全体の一つの大きな方向での計画でございますので、そう道路をうねうねとつくるわけにもまいりませんので、ここに選定されました場所については、いろいろな意見があろうかと思いますが、そういうものができるだけ現地の関係者の間で反映をされながら路線が設定され、また、そういう路線がきまりました上での、そのあとでの営農対策につきましては、先ほど申し上げましたように、私どもとしても万全を期してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○村田秀三君 いままでの答弁でございますと、その当時農地側の意見をさまざま出しておるというような話もございましたが、何ら具体性がない答弁のようであります。私はどういう意見をこの際出しておるのかということを聞いておるわけでありますが、それがわからないのです。それで、うのみにしたと理解するほかはないのでありますが、ここでうのみにしたことがけしからぬというようなものの言い方は私はいたしませんけれども、少なくとも現実問題として現地におきましては農民である地権者側と、そうして事業の主体である公団側と、これを促進しようとする県の間において相当トラブルが起きているということです。こう考えてみますと、なるほど基本計画設定の段階において現地においてそれぞれ接触をし、折衝もしたと言いながら、そういう実情を無視した形のいわゆる協議というものがあっていいのかどうかということ、私は非常にこれはふしぎに思うわけであります。何を一体話をなさっておったのか、この辺のことは私わからないのでありますが、その現実から判断をいたしまして、まあ農政の限界というものを何かしら私は感ぜざるを得ないのでありますが、そのようなうのみの態度でよろしいのかどうかということと、この種の問題に対する農地、農政としての基本的態度をお伺いしてみたいと思います。
○政府委員(和田正明君) 御承知のように、現行の農地法では道路公団によります高速道路の建設に当たりましては、農地法の五条の転用許可を要しないという手続になっております。したがいまして、個別に農地をつぶすことについて個々に農林大臣の許可を受けるというような手続はいたしておりませんで、設計ができました上で先ほど来申し上げておりますように、その段階で協議を受けまして従来から存します農道であれ、あるいは農業用の水路その他がその道路の建設によって従来の効用を失なわないようにするというようなことについて十分配慮する、もちろん建設省あるいは道路公団が当該道路を建設いたします場合にも、考え方としては農業経営に著しい悪影響を及ぼさないように配慮しながらやってもらうということで、先ほど申しましたように、農地法の手続の排除をいたしているわけでございます。また、実際の建設にあたりましては、それぞれの地方に、県の農林部関係の担当者それから地方農政局の職員をもって構成する協議会を設置いたしまして、個々につきましては、そこで十分審議をしながら農業への影響の及ぼす範囲をできるだけ最小限にとどめていくということで地方の実情に即しながら処理させている、そういう実情でございます。
○村田秀三君 いま農地法と土地収用法の関係を出されましたが、それは私は知っております。その関係は私は聞くつもりはなかったのですが、いみじくもお答えをいただきましたが、大体そんなふうな感覚で行政が進められているとすれば、これはまことに遺憾なことではないかと私は思います。農政の基本問題をここでやるつもりはありませんけれども、今日少なくとも農用地の壊廃が非常な速度であらゆる分野にわたって進められておるという状態、しかも食糧の不足傾向というものは、これまた促進されるであろうというような状態、そういうことを考えてみた場合に、そしてまたそれを考えるがゆえに、衆議院でいわゆる道路建設法が制定されるときには、いゆる農用地は極力避けようというような附帯決議が認められたと私は思います。ところが農林省の態度としては、私は直接そのとき何を意見として出したのかということを聞いているわけでありますが、その辺のところはきわめてあいまいで、しかもいわゆる農地の転用は土地収用法によってこれは許可も要らないのだというような感覚で、いわゆる行政の配慮というものが事前になされない、あとへついていくというところに、私は農地行政の基本的問題があるような感じがするわけでございますが、どうお考えでございますか。
○政府委員(和田正明君) 農地法は別に道路公団の転用の場合だけが許可が要らないというふうに言っているわけではございませんで、主として私人あるいは私企業が農地を転用いたします場合には、いろいろな視野から検討をして許可、不許可という手続をとってまいるわけでございますが、たとえば建設省が、これは建設省と名を呼びましても、国を代表する一つの機構でございますから、農林大臣と建設大臣という、国を代表する双方間で許可というようなことをするということは考えられませんし、また道路公団のように国の業務を代行するという意味で公団という組織ができております場合、それはそのほかにも幾つかの例がございますが、一般的に国または県が行ないます行為につきましては、原則として農林大臣が転用の許可を要しないということにいたしておるわけでございます。なお、やはり公共事業の一般論といたしまして、相当地元の事情その他を勘案しながら、なるべく影響の少ないような方向で公共事業を実施していくということは当然のたてまえでございますけれども、なおかつそれを公共事業が本来の公共性の上の立場から、どうしても国として実施をしなければならないといたしまするならば、それに伴います犠牲を最小限にとどめるという事後措置を十分手当てするという考え方に重点を置いて行政を進めるのは、私どもとしては当然と考えておりまして、あとから追いかけておるとか、そういう立場では公共事業への対処はできないのではないかというふうに考えております。
○村田秀三君 これは、福島県で問題が起きなければ、私もこういう質問はいたさなかったろうと思いますが、しかし現実の問題としてこれは起きておる。先ほど局長が説明をいたしました西郷村から安達町までの線、これは発表されておりますけれども、これは、北上いたしますと福島盆地に入るわけですね。まあ整備計画をすでに発表されておるわけでありますから、大体どこを通過するかということはわかる。福島盆地に入りますと、これまたほとんど農地、樹園地を通過するということになっておるわけでありまして、現在地の混乱よりもより強い混乱というものが想像されるわけです。してみますと、農林省の農地行政が、公共事業であるから、いろいろなむずかしい判断の条件はありましょうけれども、そういう混乱が当然起きるということも想定をするとするならば、附帯決議の線に沿って、より強い意見というものを出してしかるべきではないかと思うわけです。そうすべきであったと実は考えておるわけであります。どうも私らの目から見るならば、先ほども申し上げましたように、これは公共事業である、国の事業であるから、したがって農林省が意見を出すということは非常にむずかしいかもしれないけれども、決定をいたしましたあとで、環境整備にはいろいろな力をかしますというようなかっこうだけでは、これは農地行政の本質を射ているものとは理解できないわけです。したがいまして、私が希望することは、これからもさまざまの問題があるでありましょうから、ほんとうに農林省が農民の立場に立って、そしてまた日本の農政の将来というものを展望しながら、強い態度でやはり臨んでいただきだいということをこの際強く希望をしておきたいと思います。 そこでもう少し具体的にお伺いをいたしますが、先ほど道路建設に関連する事業——圃場の整備であるとか農道の整備であるとか、そういうことについては予備費をもっていろいろの措置をするというお話でございましたが、具体的に県のほうからその計画が出されておるかいなかという点と、農林省として措置しようとする具体的な問題、これをひとつお伺いしたいと思います。
○政府委員(和田正明君) まず一般論を申し上げますと、すでに建設が終わりました東名道路あるいは名阪道路といういわゆる国土縦貫関連の高速道路全体を含めまして、それに関連をいたしまして土地改良事業を実施してほしいという希望は、およそ事業費で六百二十九億三千八百万というのが関係各県からまいっております。そのうち昭和四十二年度までに十四億六千二百万円の工事をこなしましたが、そのうちの大部分はすでに建設が終わりました。東名道路あるいは名阪道路等の関連でございます。なお今後もいまの事業計画に合わせまして年度当初から、高速道路関連土地改良事業という予算ワクを農地局の予算に計上をしてございまして、それに合わせて道路の建設とそのテンポと、地元の希望とを勘案をしながら、事業の実施をいたしてまいりたいというふうに考えております。 なお具体的に福島県につきましては、二カ所の町村から圃場整備事業を関連土地改良事業として実施をしてほしいということで、現在地元で測量とか、地元関係者の意思の取りまとめとかが行なわれているというふうに県からは連絡を受けております。
○村田秀三君 県としてまだ測量もなされておらないのでありますから、全体的な計画が出されるまでには至っておらないのではないかとは私も思っております。思っておりますが、農地局とやり合う問題ではありませんが、実情を申し上げますと、本来なれば関連事業そのものの計画というものを、農民、地権者の前に出して、そうして農民の協力を得るというのが筋ではなかろうかと思いますが、しかしこれが逆になっているというのが現実の問題です。いろいろと経過を申し上げますと確定路線と称されるものが発表されましたのが五月十五日、六月の十三日には公団から土地収用法に基づく測量実施の申し入れを県に行なっておる。県は六月三十日に公告をいたしております。測量に立ち入るぞという通知を十一月十五日に市町村に通知をいたしております。実際に十一月二十一日からいつでも測量実施の態勢というのができて、そうして現在測量を進めつつあり、かつ強制にわたる部分も認められるような測量の進め方もされておるという実態であります。ところが営農計画それ自体は、県は十一月十日になって基本計画を出しているわけです。まあ具体的なものがあるんだとは言っておりますけれども、その内容を私は見ておりません。見ておりませんが、しかし具体的なものがあるとすれば、単に二カ町村から計画が出されておりますというような話で終わるはずもないと私は思いますけれども、いずれにいたしましても、関連事業つまり道路を建設することによって必然的に起こるところの農業問題というものが、これは道路そのものをつくるというそのことよりも常にあと回しになされているという実態が、この作業日程をくってみますと明らかになっておるわけですね。これは私は遺憾だと思うのです。 そこでこれはむしろ私がそういう事実があるから、まあ農地行政はやはり一歩おくれておるのではないかという言い方は、この際はいたしませんけれども、少なくともそういう配慮というものは前もってなされるように考え、かつ県を指導するという立場がほしいと私は思います。しかも関連する諸事業といいましても、いままでの道路建設の実情等を見てまいりますると、あるいは水害調査に行った場合なんか特に感ずるわけでありますけれども、その周辺の状態というものが全く無視したとは言えないまでも、まさに不完全な形のままで終わっておるというところに水害の原因等もあるわけでありますから、つまり既往の農道の効果をそこなわないように、といってみてもですね、現実私どもが公団から聞いておりますいわゆるこれは高速道路、高架道路になるわけでありますから、農道は改廃されましてですね、二、三本が一本にまとめられてしまうというような懸念、それから盛り土をするわけでありますから、雨のたびに冠水をするという事実もございます。そうした場合、集水面積であるとかあるいは降雨量であるとか、完全な資料に基づく完全なる工事ができるように、いままでの農地行政の姿からすると多少不安が残りますから、そういうものは強くやはり建設省であるとか、あるいは公団に厳重に申し入れをすると同時に、現実の問題として現地の計画は県がなさると思いますが、その県に対してもあやまちのない農林省の指導というものをおろしていって、単に県にまかせるというのではなくて、ほんとうにその段階では誠意をもって協議をしていくぐらいの熱意があってもよろしいのではないかと思います。というのは、これは県は非常に経済のことを考えまして、とかくいたしますと、二分の一か三分の一の卒業で当面を糊塗するということはないとも限らないわけでありますから、そういう点で希望を述べておきますが、具体的にそういう作業を農地局としてなさるお考えがあるかどうか伺っておきたいと思います。
○政府委員(和田正明君) 道路が建設をされることに伴いまして、ただいまのお話のございましたように、従来からございます農業用の水路を横断をいたしますとか、あるいは農道を分断をするというようなことになります場所が往々にして出てまいりますわけでございます。それにつきましては、少なくとも従来の効用が完全に発揮されまするように道路のつけかえをいたしまするとか、あるいは道路と立体交差をさせまするとか、あるいは水路の断面につきましては、従来からの集水面積あるいは降雨量等を勘案いたしまして盛り土をいたしまして、道路のために排水が不良になるということがないようにすることは御説のとおり当然でございまして、基本的な一般基準につきましては、本省で建設省との間に基準の打ち合わせをいたしておりますが、個々の場所等につきましては、それらは当然道路建設に伴う補償工事として、道路公団のほうで全面的に実施をしてもらう話し合いにしてございます。でまた設計ができました上では、具体的なその設計について私どもが協議を受けまして、過去の東名道路等の場合にも、私どものほうから注文をつけて設計の変更等をしてもらって、処理をいたしておりますので、今度の具体的に手がけることになっておりまする福島県と岡山県が当面の問題でございますが、ただいまおっしゃいますような点につきましては、積極的に従来の効用が低下しないよう、また新たな問題が起こらないように、設計上での留意等については、十分私どもも努力をいたしてまいりましたが、今後当然そういう考え方で処理をするという心づもりでおる次第でございます。 なお、いま申しましたような補償工事として道路公団で実施をしてもらいまするもののほかに、あわせてそこに道路ができます機会に、残りました土地についての当然経営面積がある程度減少するわけでございますから、その後の経営の合理化のために必要な土地改良を、道路建設とあわせて実施をしたいという場合に、先ほど申しましたような関連土地改良事業を実施するということで、別途予算を組んでおるわけでございます。 ただいまの御意見の点につきましては、従来も実施をしてまいりましたけれども、今後とも積極的に公団と話し合いをいたしまして、設計上農民に悪影響をかけませんような努力をいたしてまいりたいと思います。
○村田秀三君 そこでお聞きをしてみたいわけでありますが、それはそのまま農民の意思を十二分に尊重される形で、ひとつ進めていただかなければならないことは当然でありますが、従来より低下させないというようなことを言っておりまして、関連して土地改良と合理化をしたいという際にはそれぞれの補助をする、こういう話もございましたが、これはよりよくしていかなければ何にもならないし、と同時にまた隣地の農民はよりよくなることを希望すると思います。その際にいま用地の問題でいろいろと話を進めて現地ではおるようでありますけれども、この県の措置としてはですね、つまり関連する土地改革事業等には、構造改善事業並みに県単で上積みをして事業を起こすという条件を出しておるようでありますが、そうしますとこれはいま出てきておりますのは、わずか二カ町村だそうでありますが、沿線ほとんど私は出てくるような気がいたします。そういたしますと県費の独自支出というのがまさに膨大になる。おそらく県段階でもいまは積算でき得る状態ではないと思いますが、こう考えてみますとですね、先ほども触れておりました国の事業を公団に代行させておるという、国の事業を行なうために県、市町村が多額の出費をするということは今日非常に超過負担の問題が政治問題化しておると私は思いますが、これを放置しておくということはいかがなものかと、実は考えるわけであります。したがって、その面についての配慮というものが、将来検討されてもいいのではないかと思いますが、いかがお考えになっておるかということであります。たまたま大臣も御出席いただきましたから、大臣御出席前の経過を御存じないとお答えがしにくいかとも思いますけれども、その点について、ひとつ御答弁をいただきたいと思います。
○政府委員(和田正明君) 先ほど申しましたように、高速道路の建設に伴います関連の事業としては二つの種類に分けられまして、純粋に補償工事に該当いたしますものは道路公団のほうで実施をいたしますので、関係地方公共団体の負担ということは、その限りにおいては、私のほうとは直接関係を生じてまいらないと思います。道路の建設に伴いまして、残りました土地での農業経営をより効率化をいたしますために行ないます土地改良事業につきましては、従来の名神道路等の例でございますと、主として地元土地改良区によります団体営の事業が主でございまして、その場合には地方公共団体の義務負担というのは伴いませんので、従来あまり問題にはならなかったのでございます。ただ、今後福島県等でそういう関連をして行ないます土地改良事業を県営事業として実施をいたすというようなことが、もし現実に起こってまいりますといたしますれば、当然御説のように県の財源負担が義務的に必要になってまいりますが、その点につきましては、現在も一般的に土地改良事業を実施いたします場合の、県営事業の県の負担分につきましては、地方交付税交付金の中で、その県の負担分を一般財源としてめんどうをみるたてまえにいたしておりますので、今後関連の土地改良事業を県営で実施するというような実情がございますれば、一般の土地改良事業の場合の例にならいまして、地方負担分の財源につきましても、地方交付税等で財源措置ができまするよう、私どもも自治省と十分話し合いをいたしまして、県の負担が実質的に過重にならないように努力をいたす所存でございます。
○村田秀三君 次にこれは、農林省にこういう問題の投げ方をすることはどうかと思いながらも出してみるわけでありますが、地権者は非常に反対をしておる、農用地の買収ということは、自分たちの将来の生活につながる問題でありますから、非常に反対をしておる。これは事実なわけです。そして一つの通過路線の変更を求めて、現在いろいろと建設省等と折衝をしている段階でありますが、いまはその通過地点の図型をお手元に差しあげることができませんけれども、この農用地の改廃をせずに、しかもその対案の通過地点が開発をされて、そして七百町歩の農用地がむしろ造成できるというような、そういう、地権者の希望に非常に合うような、またわれわれとして考えて好ましいところの対案を出しておるわけですね。そうしてみますと、農地局の立場としては、いままでの道路建設に伴う附帯決議もあることでもあり、現在農民が非常に困っているという、四百町歩にのぼるところの美田をつぶす必要もなく、新たに七百町歩もこれは農用地が造成できるとするならば、むしろそのほうを推進するために力をかすぐらいの考え方を持ってもよろしいのではないかと考えるわけでありますが、いかがなものでしょうか。
○政府委員(和田正明君) 具体的な場所等が必ずしもよくわかりませんので、いまここで確定的な御返事を申し上げることは適当ではないというふうにも思いますけれども、できるだけ農地をつぶさず、またできるだけ付近の農業への悪影響を及ぼさないように考慮をしながら建設を進めていくということは、高速度道路建設の本来の当然の考え方でございますので、県庁等とも打ち合わせをいたしまして、また建設のコスト等とも関係が出てまいろうと思いますが、具体的に県と打ち合わせまして相談をいたしてみたいと思います。
○村田秀三君 これは実査をしていただきたいと実は思うのですがね、どんなものでしょうか。
○政府委員(和田正明君) 県庁のほうに問い合わせをいたしまして、建設省の道路局とも打ち合わせをいたしました上で、また御返事を申し上げます。
○村田秀三君 県庁と打ち合わせると言いますけれども、県庁は現行で定められたものをどうしてもこれはやらなければいかんということで、もう地権者の意思は無視して強行促進をはかられつつあるというのが現状でございますから、県と相談をすれば、これはとんでもない、農林省、何をお前よけいなところから入ってくるのだということになるに違いないんですよ。しかし、少なくとも農民が農地を守るということでいま大騒ぎをしているということであるならば、やはり農地局は積極的にこれに入っていって、その実情を承知しながら対処していくという、そういう態度があってもしかるべきではないかと思うわけです。とすれば、一方的にこれは行政機関は行政機関との連絡を一番大事にしなくてはならぬというようなお考えを私は否定はいたしませんが、しかし行政、すなわちこれは国民の利益を優先的になされるべきものでありますから、とするならば、その地権者直接にいろいろと意見を聞きながら、そうして県に言うべきは言うというような態度も私は必要ではないかと思います。さような意味では、いわゆる現地に行って、何も対案として出された路線の踏査をするという、そればかりではなくて、現地における農地を処理するという立場に立っても、ひとつ農林省積極的にこの際出ていっていただきたいと思いますが、どうですか。
○政府委員(和田正明君) おっしゃいますとおり、これは一般論としては、私もよくわかりますけれども、道路の建設に当たりまして、建設のコスト、あるいはそこの土質その他はやはり専門的な技術の観点もございましょうし、建設省側としても先ほど来おっしゃっておられますような、国会の御決議の趣旨を無視しておるわけではないと思いますが、そういう技術的な面あるいは経費の面等から、やむを得ずそういう場所を選んだというようなことも考えられることもあろうと思います。そういう意味では土地所有者側の希望ももちろん十分聞いてやらなければならないことは当然ではございますが、建設技術あるいは建設コストというような面からも、ある程度そういう所有者の希望に沿いがたい部分もあろうかと思いますので、ただいまお尋ねの具体的な事案につきましては現地の事情も調査し、建設省とも十分打ち合わせの上で御返事を申し上げます。
○村田秀三君 本件は今国会では申し上げる機会もございませんから、これで終わりにいたしたいと思いますが、いずれにいたしましてもこれはあとあとまで尾を引いている問題でございます。次の国会にもあらためてまたお伺いする機会もあろうかと思いますが、希望いたしますことは、とにかく現地で農民がだれからも守られることなく、非常に混乱をしている、この実情というものをよく見ていただいて、そしていま一般論として言われましたいろいろな御答弁、それは私はここでもって何も申し上げません。申し上げませんが、先ほど二点申し上げましたそのことについてよく実査をされて、そして農林省の立場を鮮明にし、かつ、それぞれの機関に対して具体的な意見を出していけるように措置をしていただきたいと思います。 以上をもって終わります。
○委員長(野知浩之君) 本件についての質疑はこの程度にとどめます。 —————————————
○委員長(野知浩之君) 委員の異動について報告いたします。 本日、森勝治君が委員を辞任され、その補欠として達田龍彦君が選任されました。 —————————————
○委員長(野知浩之君) 次にマツクイムシによる被害に関する件を議題といたします。 本件について質疑のある方は、順次御発言を願います。
○和田鶴一君 簡単に御質問いたします。 マツクイムシ対策は森林病害虫防除制度確立の原動力となった問題でありまして、現在でもそれが最大の問題となっておるわけであります。マツクイムシ対策上の問題点といたしましては仕組みの上の問題、それから制度の運営上の問題、これにつきましては事業実施の裏づけとしての予算上の問題あるいは事業実行上の問題等いろいろ考えられますが、四十三年六月二十日に森林病害虫等防除法の一部を改正する法律案の審議に当たりまして、当委員会において附帯決議がなされておりますが、特に第二項にこのように決議されております。「すでに広範にまん延している森林病害虫等特に松くい虫については、できるだけ早期にその被害を終息せしめるよう総合対策を樹立して、その措置に万全を期すること。」という節があるわけでありますが、この附帯決議がなされましてから、あと当局はどのような措置をとられたか、簡単に御説明願いたいと思います。説明は大臣でなくてけっこうです。
○説明員(木村晴吉君) いま御指摘いただいておりますように、マツクイムシの最近の被害が増加いたしておる問題につきましては、事務当局といたしましても非常に実は苦慮いたしておる問題でございまして、マツクイムシが非常に防除しにくい点は、御案内のように木の樹皮の中に潜行しておる虫でございまして、それが非常に種類が多く、虫の生態がそれぞれ異なっております。それからまた農業被害と違いまして、山岳地帯の広範な面積である、最近また労務事情等から従来にない事態になっておることは十分承知いたしております。 附帯決議の御指示事項に基づきまして、実はこの対策といたしまして具体的なきめ手といたしましては、何と申し上げましても早期駆除の徹底と技術開発に尽きるのでございまして、早期駆除の徹底のために現在防除体制の整備という点に重点を置いております。このためには八月の下旬でございますが、全国に、国、県、町村、森林所有者の森林組合等を含めました団体の共同防除の協議会を設置いたしますとともに、各県の防除担当員の督励をはかりますとともに、今後はどうしても早期駆除の徹底のためにはやはりこの県の防除職員の担当の補助の充実をしなくちゃならぬ、現在森林組合の技術員なりあるいは市町村の技術員を督励しておるのでございますが、この方向に対してさらに一歩前進するための対策も現在すでに考えております。 それから技術開発といたしましては、これは何と申しましても、農業のように薫煙を含めまして虫を出させまして、空から飛行機でまくというようなことは全然益がないのでございまして、やはり浸透性の薬剤の開発、また天敵の増殖、すでに昨年目黒の林業試験場で防疫薬剤研究室を設置いたしますとともに、関西の支場に保護部を新しく設けまして、今年度は東京の高尾山の近くの浅川に天敵微生物研究室を設けますとともに、干ばつの被害の中心であります九州の支場に保護部を設置いたしまして、今後はこの技術開発スタッフをさらに充実して力をつけていきたいというふうに考えております。 要は、重ねて申し上げますが、早期駆除の徹底、必要事業費の確保という点につきましては、今後十分対処していく考えでございます。
○和田鶴一君 いろいろ伺いますと、薬剤散布の効果というものが非常にあるということが確認されておるようですけれども、非常にまたこれが高くつくということで、経済林にはとうてい考えられない。そこで保安林とか風致林とか、そういう特殊なものでないとやれないというようなことも聞くわけでありますけれども、大体マツクイムシの被害区域というのは太平洋岸、九州特に和歌山県といったような観光地といいますか、そういうところに非常に被害が発生をいたしておる。地元のことを申し上げて恐縮ですが、ただいま大臣、政務次官、官房長の皆さんにも私の県の被害状況の写真を一部分見ていただきましたが、和歌山県では特に白浜以南の観光開発ということが県是として大きく取り上げられておるわけでありますが、なけなしの金をはたいていかに観光開発に努力をしようとしても、その資源である松がこのようにやられては、とても何といいますか、県是の推進も不可能だといったような形で、国道四十一号線がおかげさまでどんどん開発されまして、大型バスで観光客がどんどん下ってまいりますが、まっかになった山を眺めて、日光のモミジを眺めるのとちっとも変わりがない。こういうあったかいところに来てモミジを見るなんというような笑い話をされておる状態でございますが、特にそういう方面でこれをいま申し上げましたように、太平洋沿岸、九州、どこの県も同じだと思いますが、何とかこの風致林、保安林、こういうものを確保し、保護するための基本的なあれを政府として考えられないものか、ひとつ御説明いただきたいと思います。
○説明員(木村晴吉君) いま御指摘いただきましたように、立ったままで従来はマツクイムシの駆除は被害にかかった立ち木を切りまして、そうして皮をむいて中に入っておる皮の下の幼虫でございますが、虫を焼却するか、薬剤で駆除するかやるのでございますが、いま先生の御指摘のように、風致上あるいは国土保全上重要な地域のこの松の天然の大径木の被害も事実発生いたしておるのでございます。これに対しましてどうするかという問題でございますが、薬剤の中で非常に浸透性の強い薬剤がすでに開発されて、予算上も一部認められまして、幼齢林には現在実施いたしておるのでございます、特定地域の小面積に。大面積になりますと薬害も出ますので、大規模には実施いたしておりません。先生御指摘のように非常に高価なものでございまして、一ヘクタール当たり、従来のものでございましたならば千円、千五百円程度なんでございますが、この浸透性の強いものでございますと一ヘクタール、四万から五万かかります。しかし、これは何と申し上げましても代々から続いてきておりますこの風致林あるいは国土保全上重要な海岸保安林等につきましてはこの制度をそういうものに使えるように今後ひとつ検討いたす考えで、すでに具体的な対策も考えておる次第でございます。ひとつよろしくお願い申し上げます。
○和田鶴一君 いろいろ対策を立てていただいておるようでございますが、現在の予算あるいはその予算の執行上の点から現場でこの仕事の遂行が非常に困難になっておるというのが単価の問題でございます。私現地で調べさせましたところ、切り倒し、玉切り、枝払い、そういうものに対して実際一立方メートル当たり二千円の人夫賃で〇・七人、それから枝とか、運搬、結束、そういうもので〇・三人、薬剤撒布でもって〇・三人、それから薬剤十リットルで四十円、こういうものを合計いたしますと、大体三千円になるのでございますが、現在政府からの補助が、五百円で、三分の一の補助というやつが実質的には六分の一しか補助されていない。そこで四十三年度の予算でございますけれども、私たちは単価アップというものを強く希望するのですが、非常にむずかしいような状態の中で、この点について四十三年度に対してどのようなことを考えておられるか、ひとつこれはがんばってもらいたいと思うのですが、やはり何というのか被害の状況から見まして何とかこれはひとつ確保していただきたい。
○説明員(木村晴吉君) いま先生に御指摘いただいておりますように、現在の防除単価の積算因子は、実勢単価から若干遠ざかっておりまして、この実勢単価に一歩一歩前進せしめるように年々努力いたしておるのでございますが、従来は、四十二年度は四十一年度に対して年々九%程度ふえておるのでございます。四十三年度の新予算につきましてもできるだけ実勢単価に近づけるようにひとつ努力いたしたい考えでございます。
○和田鶴一君 次の質疑者の時間の関係もございますので、これでやめますが、私、地域的にも考えてみますと、その区域の、被害を受けている区域が、松でないとだめだと、ほかの植樹では育たない、そういう地域が非常に広いと思いますが、もう被害の状況を見ますと、ほんとうに、こう、何と言いますか、マツクイムシそのものに対する対策がないんだと言ってもいいくらいな状況でございますから、あるいはその松にかわって風雪、風雨によく耐えて、あるいは保安、風致、それにかわるような樹種を研究をしてもらって、そうして緑の観光資源を保護していくといったような点をもあわせて、十分検討してもらいたいと思いますが、さしあたって、とにかくもう日本の太平洋沿岸は、いまの状態では、数年すればまっかになってしまうと言っても過言でないと思いますが、そういう対策は、私は政府としては、いろいろ林業行政上問題もあろうと思いますけれども、これはもう差し迫った非常に大きな問題として、今後十分検討してもらいたいと思います。 以上で終わります。
○国務大臣(倉石忠雄君) マツクイムシにつきましては、先般附帯決議のこともございますし、それから、先般の九州、四国地方の異常な干ばつに際しましても、非常に部分的には被害が多かったわけで、そこで、被害地はもちろんのことでありますが、全般としてマツクイムシについて特段の努力をしなければいけないということでございまして、災害対策、干ばつ対策等にも盛り込んだわけでありますけれども、ただいまちょうど来年度予算の相談中でもありますので、農林省は特にこの点に力を入れて予算獲得に私も努力をいたしたいと存じます。
○委員長(野知浩之君) 本件についての質疑はこの程度にとどめます。 —————————————
○委員長(野知浩之君) 次に米価問題及び農林年金等に関する件を議題といたします。 本件について質疑のある方は、順次御発言願います。
○渡辺勘吉君 限られた時間でありますが、大臣に、二、三の点にしぼってお尋ねをいたしたいのであります。 あたかも来年度の予算編成期を目睫に控えて、いま全国の生産者農民の関心は、この編成の基本的な方針、またその具体的な内容に大きな関心を払っていることは周知のとおりであります。私はその中で特に農産物の根幹をなす米の価格を中心として若干のお尋ねをいたしたいのでありますが、いろいろ政府当局から予算編成を控えて、アドバルーンが上げられまして、また世論の抵抗によって、このアドバルーンが引き下げられ、また異なるアドバルーンが上げられておる。最近において国民の知り得た範囲の問題は、この米価のきめ方等をめぐって政府の予算決定は来年に延びるというほど問題の深刻さをはだで感じておるのでありますが、特に私の大臣にお尋ねをいたしたいのは、伝えられるがごとく来年は補正予算を組まないという大前提に立って、食管特別会計においてはそのたてまえからいって生産者米価を上げた分はそのままその分を消費者米価にスライドするという方針が、かなり近時点においては有力な閣内あるいは与党の動向のごとく伝えられておるのでありますが、その間の事情等をこの機会に明らかにお示しを願いたい。
○国務大臣(倉石忠雄君) 来年度予算の編成につきましては、まだ臨時国会も終了しておりませんし、閣僚も予算の補正の成立に努力をいたしておりましたようなことで、まだ十分に来年度予算編成についての話し合いをいたす時間もなかったわけでございます。その間に新聞等にはただいま渡辺さんお話しのように、末端の逆ざや分を当初予算に盛り込んでおくとか何とかいうアドバルーンが上げられまして、新聞で見たわけでありますが、ああいうことを私は衆議院の予算委員会でもそのとおり答弁したのでありますが、大体役所の人というのは頭のいいやつがありまして、まずアドバルーンを上げて天下の反応を見た上でやっていこうというふうな、私はその程度に見ておりました。 そこで臨時国会も終末に近づいてまいりましたし、政府はいわゆる財政硬直化できびしいときでもあり、来年度予算編成についてすみやかに方針を決定して、でき得べくんば年内編成をやりたい、こういうことで私どももみんなで努力することにいたしておったのでありますが、なかなかそうもまいりません。ただいまのお話では、米価の問題が突っかかって年内編成ができないのではないかというようなお話の向きにとれましたけれども、米価も大事でありますけれども、まだいわゆる社会保障の関係だとか、公務員給与であるとか、そういうことについて、少しも各担当部門のほうで政府部内においても意見が一致いたしておらないわけであります。 したがって本日の閣議では、二十八日に全閣僚が来年度予算編成についての協議をいたしましょうと、こういうことになったわけでございまして、残念ながら年内編成ということは不可能になったわけであります。二十八日の全閣僚の協議会となりますと、大体の編成方針は年内に決定いたしたいと、こういう腹づもりで財政当局はおると思います。 そこで米価につきましてどのようにするかということにつきましては、先日大蔵大臣と私と経企庁の長官で会合を一時間ばかりいたしまして、あまり世間にわれわれの意想外とするような意見が出ているので、これはひとつなるべく早く調整をする必要があるだろうということで会いましたが、結局私どもとしては、米価は、申すまでもなく御存じのように農業政策の基本の問題でもあり、同時に物価、財政問題としても大きな問題でありますので、これを決定するには軽々な態度ではいけない。また本年は、本日も最終的四十二年産米の集計の統計を発表いたしましたが、需給の状況は緩和されておるというふうな前提条件のもとに、どのようにしたらいいかということについて、さらに臨時国会が済んだらば急速に財政当局と農林当局がもう少し話し合って意見の調整をしたいとこう思っておるわけでありますが、新聞にもございましたように、私は当初予算に、新聞に書いてあるような三%計上というふうなことについては賛意を表しておらないわけであります。これからしかし、そういう問題についてとくと財政当局と意見の交換をして定めてまいりたいと、こう思っております。
○委員長(野知浩之君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(野知浩之君) 速記を起こして。
○渡辺勘吉君 ただいまのお話で消費者米価を予算に組む際に三%アップを組ませないということは 閣僚の中で確認を得たことは了解をいたしました。しかし、それなればこそなお詳細にお尋ねをいたしたいのであります。また二十八日にこれらの問題を閣議で相談をされるとなれば、当然通常国会も休会に入りまして、こういうガラス張りの場でお尋ねをする機会はもうないわけでありますので、詳細にお聞かせを願いたいのであります。 宮澤構想が発表した内容の中に、米価については他の公共性料金とともに、従来はその対象になかった生産者米価まで据え置くという構想がアベックで取り上げられたことは大臣もとくと御承知のとおりであります。公共性料金は、こういう生産者米価まで対象にする性格のものでないわけでありますが、これすらも便乗して値上げを一斉にストップする対象に取り上げたこの考え方が、一体主管大臣としてこれをどう理解をし、二十八日の閣議で主管大臣は生産者米価を来年の展望に立って従来と同様にお考えになる立場を堅持して決定に持ち込まれる御所存なのか、その点をお聞きいたしたいわけです。
○国務大臣(倉石忠雄君) 先ほども申し上げましたように、今日の財政事情は非常にきびしい事態であるということは私どももよく理解をいたしておるわけでありますが、その間に処して御指摘のような宮津構想というものが出てまいりました。あれは、宮津君の御意見の中には、たいへんいろいろ御研究なさった見識の高いものもあると思いますが、私ども米価につきましてすぐさま一〇〇%それに賛意を表するということはできないと、こう思っております。 そこで、二十八日に先ほど申しましたように閣僚の協議会はあるわけでありますが、その前にも、なるべく多く関係閣僚等とも話をいたしまして、どのようにいたすべきであるかという方針について検討を続けてまいりたい、こういうことでございます。
○渡辺勘吉君 私は、主管大臣のまず姿勢がすっきりしないと、いわゆる財政硬直化という一つの大きなムードの中に、あたかもその財政硬直化の現況の一つの大きな要素が、生産者米価の決定にもあるかのごとき非常に本末転倒したいまPRもなされておる。これはとんでもない大きな暴論であるわけであります。いまここでそれを一々論駁する時間も持ちませんけれども、そういうしわ寄せを、国の施策に即応して日夜労苦を忍んで生産に従事しているそういう生産者農民の生産者価格を規制する手段にこれを駆使するということが、もしも来年の米価政策の中に反映したならば、これは生産者農民の憤りというものは、あなた方権力の名にすわっている者の想像に絶するものであるということは、これは銘記しておかなければならない。 そこで私は具体的にお伺いをいたしますが、従来長い歴史を経て食管法を守って、食管法の中でうたわれておる、その生産者から政府が全量買い上げをする義務づけをしている価格の、買い入れのしかたについて、生産費所得補償方式という方式を米価審議会においても全会一致でそういう方向づけが確認をされ、その土俵の中で政府もいろいろな問題についてより合理的な要素の摘出に努力を払って今日に至っておるのでありますが、昭和四十三年は当然従来のこの食管法の第三条に基づく法律を完全に順守して従来の生産者価格決定に払ったそれらの方式というものを尊重しておやりになるだろうと当然生産者農民は期待しておるが、その点はしかとそうであるかどうかをお伺いします。
○国務大臣(倉石忠雄君) 生産者米価は、生産者が生産意欲を持って再生産にいそしんでいただけるようにすべきであると、こういうたてまえでありますし、私ども今年あれだけの大豊作にいたしましても、やはりいろいろな技術の研究、集団栽培等多くの努力を傾注して今日の成果があがってきておる、国民の主食を生産いたしておる生産農業者について十分の配慮をいたすべきはわれわれの責務であると存じます。ただ米価が私どもといたしましては、なるべく適正な価格で生産され、消費者価格も適正なところで調和のとれるようにやってまいりたい、こう思うわけでありますが、米価決定の方式等につきましては、もちろん米価審議会の御意見も承り、それらを参考にし、また各方面の御意向を承りながらきめてまいりたい、こう思っておるわけであります。食管法で示しておりますような考え方をもって米価決定にあたるということは当然なことだと思います。
○渡辺勘吉君 米価についてはもっと詳細にお聞きしたいのでありますが、時間もあまりないようでありますのでおもな点を申しますけれども、いまの大臣の答弁の中で確認をしておきたいのは、食管法を当然尊重して生産者米価もきめるし消費者米価もきめる、要約すればこういう御趣旨だと、こう理解していいですか。
○国務大臣(倉石忠雄君) 渡辺さん御存じのように、ただいま食管法等についてもいろいろ世間にも議論がございます。私どもも過去の歴史等若干勉強しながら各方面の御意見を拝聴いたしておるわけでありますが、私ども、ただいまは食管法の根幹はどこまでも守りながら、できるだけその運用を、何と申しますか改善をいたしてやってまいりたい。したがって、食管法の根幹をいま動かそうという意思は毛頭持っておりません。
○渡辺勘吉君 ことばはそれなりにわかるのですが、しかし大臣が参議院の本会議で同僚議員の質問に対して、現在の逆ざやは困る問題である、これについて十分対策を考えなきゃならぬという答弁があったのでありますが、私は、不用意かあるいは意識的か知らぬが、逆ざやで困る、それを合理化しなきゃならぬというその答弁の背景をなすものは、いまの食糧管理法を否定する考えに基づく発言だと理解をするわけです。ですから、いろいろ詰めて伺えば食管法の根幹は堅持するとおっしゃるけれども、ことばの端々には、どうも衣の下からよろいがちらちらと見えるわけです。最近はちらちらどころじゃなくて、もうほとんど衣をぬぎ捨ててよろいかぶとで、もはやこの食管法を完全になしくずしの方向に、一つ一つの要素をそういう方向づけに固めつつある実態であると言っても過言ではない。私は、いまそれらを一々例証するいとまはありませんけれども、しかしせっかくこの委員会で大臣が食管法の根幹は堅持するという御答弁でありますから私はすなおにその答弁を受け取りまして、第三条の買い上げの価格、第四条の家計の安定をはかるものとして消費者価格を決定するということで、来年もこれを実現するという大臣の方針をそのまま理解して、この点はさように承知をいたしたいと思います。ただ、最近は租税特別措置法のいろいろな中に予約減税の廃止ということが税制調査会小委員会から答申が出ております。これはもはや予約制度そのものに対する方向転換にもなりかねまじき問題点でもあります。主管大臣、この当然生産者農民が確保しておった既得権である予約減税は、主管大臣の御意見はまだ伺った機会はありませんが、こういう税務当局のあげた方向と大臣のお考えとは、一体、われわれは政府の見解はどちらに重点があるのかということをこの機会にお聞かせをいただきたいのです。
○国務大臣(倉石忠雄君) そういう話を聞いておりますけれども、私どもは、ただいまそういうことについても、どうしてこういう御意見が出るのかということについていろいろ検討をいたしておるだけでありまして、私どもの考え方について別段いま変わったことを考える段階ではございません。
○渡辺勘吉君 私は配当所得あるいは利子所得等々あるいはその他のいろいろな企業に対する恩恵的な租税特別措置法はたな上げにして、こういう零細な生産者に対する予約減税がいささかでも問題を提起されたなら、主管大臣はこれを粉砕するぐらいの意思表示が即刻あってしかるべきだと思う。それがまだ検討もしていないというようなことでは、私は次々と、いまの予約制もこれはくずれ去る一つの突破口である、こう理解せざるを得ない。ですから、きょうはまあこういう問題を中心に伺うつもりではなかったわけでありますが、いずれこういう問題、あらゆる問題について生産者はいま不安の中におののいているわけですよ。新しく大きな借金をして改善をする、いろいろな産米増産運動をやる、それはいまの食糧管理制度が存続するという素朴な前提の上に立って政府の施策を信頼してやっておるにほかならないわけです。それがこういういろいろな角度から問題を切りくずしていくということで、間接統制に移行ということはすでに同友会の意見としても去る十五日に出されておる、昭和四十四年から間接統制に移行すべしという強い意見が財界の代表として政府に提起をされておる、もはや年限を限った戦闘をいどんできておる。これに対してき然としてやはりこれを守っていくかどうかという大きなこれは時点に立っておると思いますので、この点についてはひとつ米価の価格政策もさることながら、基本的なこの制度の根幹を守るというその姿勢だけは主管大臣は十分ひとつ守り抜いてもらわなければならぬということだけを強く要請して、この米価の点は打ち切ります。 私は国会へ出ましてから足かけ六年になりますが、どうも出てきてからの私の貧しい国会の足取りを振り返ってみますと、国会の権威というものが一体あるのかどうかという疑念すら持つ今日であります。少なくとも三権分立のこの日本の中において、一体行政府の独立した権限というものがどこまで尊重されているのか、そういう疑問を私はこの六年間の国会活動の中で、非常に大きな問題として抱いておるわけです。それは私個人だけかもしれません。個人であれば幸いでありますが、私は一体国会でいろいろ政策を政府と論争します、あるいは法律について十分審議をします、そうしてそれらの論争を経あるいはそれらの審議を通じて、私たちの国民の総意として、その討議の締めくくりとして意思表示をいたします、附帯決議をします。当然これは与野党一致して特に決定した附帯決議である場合においては、——多数の賛同を得て出た附帯決議はまあさておきまして、与野党全体で、総意で決定したこの院議というものについては、農林大臣はこれは当然尊重される立場に立たれて行政の最高責任を指導しておられると思いますが、念のため再度農林大臣という大きな責任の座につかれた倉石さんに国会で決議をしたその意思というものを尊重されるであろうと当然思うが、その点についての信念のほどをまずもってお伺いいたします。
○国務大臣(倉石忠雄君) 国会の御決議は行政府におきましては全部尊重しなければならないものと、私どもはそのように理解しております。
○渡辺勘吉君 まあ、あたりまえなことを問答しているようなことでありますけれども、私は、そこで具体的にしからざるゆえんをこれからお尋ねをせざるを得ないことを遺憾に思います。通称で申します。いわゆる農林年金法、この法律の一部改正が行なわれました参議院の農林水産委員会で四十一年の六月七日に自民党も社会党も公明党も全会一致で附帯決議をしました。これに対して大臣は、その決議の趣旨を尊重して善処するという答弁をしております。私は大臣の個人がおかわりになっても農林大臣という、そういう最高責任そのものはごうまつも変わるものではないと思います。 そこで倉石農林大臣にきょうこれから限られた時間で農林年金の問題をお尋ねするにあたりまして、この本院で決議をいたしました昨年の六月七日の附帯決議の要旨を含めて、ここで大臣に頭の中にまず入れてもらいます。次のような決議をしたわけです。「政府は、老後保障の重要性にかんがみ、今後、公的年金制度の改善に一層努めるべきである。農林漁業団体職員共済組合については、給付額及び掛金等にみられる他制度との不均衡の是正に努めるとともに、特に次の事項について検討を加えた上、すみやかに、その実現をはかるべきである。」四つをあげております。第一項は「1 旧法組合員期間についても新法の給付率を適用するよう、昭和四十二年度以降において、必要な措置を講ずること。2 既裁定年金についても、新法の給付を適用して改定する措置を講ずること。」これはアベックであります。「3 給付費に対する国の補助率を百分の二十に引上げるよう努力すること。整理資源については、社会保障制度審議会の答申の主旨を尊重し、かつ、他の共済組合に対する取扱いとの均衡をも考慮して、昭和四十二年度からこれに対する国の補助を増額するよう措置すること。4 年金額のスライド制については、その具体的基準をすみやかに明確化すること。」という決議であります。これと多少違った決議をされました衆議院の五月二十六日の決議は一つだけ、「農林漁業団体職員の給与が著しく低位で、給与水準に不均衡が認められる実情にかんがみ、給与の改善、給与体系の整備等のため、適切な指導を行なうこと。」、こういういま私が御紹介をいたしました参議院の決議と多少別な柱で立てた決議が衆議院での決議の項目であります。 そこで私は、この全国の農林漁業団体——この困難な条件の中に農林漁業に従事する労働者、生産性を高め、所得を向上するためにその職場に労働しておる労働者の数が、管理者を含めますれば現在は三十六万人をこえております。これらの対象人員に対して、当然、四十二年から新法の給付率を旧法部分にもこれを遡及適用するという決議、当然これによって既裁定年金を受けておる者とのアンバランスを是正するために、既裁定年金についても完全通算の実をあげなければ不均衡がますます激しくなるので、これを既裁定年金も解決をしなきゃならないという問題、あるいは整理資源という問題については、他の制度よりもこの組織に働く労働者の給付条件はきわめて劣悪なのに、その負担金が非常に高いわけです。不均衡になっておる。そこで、整理資源というものについて、四十二年から国の補助を増額して、その負担の軽減をはかって、バランス化をしなければならない。年金額のスライド制については、そのスライドの具体的基準をすみやかに設定しなさいと、——これは単に農林年金だけの問題ではございません。他の官業共済三制度を含め全体のスライド制の基準をすみやかに設定して、政府の施策の誤りによって物価が騰貴をすることに伴い、受け取る年金の相対的貨幣価値の低落からみずからを守る責任があるわけでありますから、これをわれわれは第4の附帯決議として政府に申し入れをした。時の農林大臣は、この内容については一々ごもっともであるから、検討して善処するという答弁をしておる。いまは昭和四十二年をまさに終わろうとしておる。四十二年度からやりなさいと決議をしておる。衆議院のように、年度を限った決議ではありません。なぜ、これが四十二年度に実現ができなかったか。もしも大臣が冒頭で答弁したように、この国会の決議というものを尊重されるならば、四十二年度に堂々となぜ実施をしなかったか、その点をまず大臣のその姿勢と実際とは食い違うのじゃないかという、そういう点は一体どこにあるのですか。
○国務大臣(倉石忠雄君) ただいま附帯決議のお話がございました。附帯決議は行政府においても尊重すべきものであるということは申すまでもないことでありますが、そういう御決議もさることながら、農林年金という制度を私どもが制定をいたしました趣旨から見て、四十二年度予算にできるだけその実現をはかりたいと存じまして、当初予算においても私どもが財政当局に要求いたしましたことは渡辺さんも御存じであろうと存じます。いろいろな事情で私どもの要求が削除されまして四千万円の支出が可能であっただけで、そこで私どもはやはりたてまえが農林年金制度についてはぜひ実現したいというので、四十三年度予算の編成にあたりましては、ただいまの御決議の趣旨もあり、われわれの考えも同様でありますので、いま鋭意そのわれわれの要望がかなえられるように折衝をいたしておる最中でありますが、先ほど来お話のありましたように、いわゆる財政硬直化ということで、財政当局は、この面だけではありませんで、諸般の面に非常に、まあことばは悪いかもしれませんが、われわれの要求に抵抗いたしておるのが一般的風潮でありますが、中でも私どもは必要なものと重点的に考えて、そういうことについてわれわれの希望がかなえられるようになお折衝を強力に進め、事務当局においてもその努力を継続させておるわけであります。
○渡辺勘吉君 それではこまかいことになりますから、具体的な内容は農政局長にお尋ねをいたしますが、昨年の参議院のこの委員会で決議をいたしました、いわゆる大きく分ければ三本の柱であります、いわゆる完全通算の問題、第二は既裁定年金の問題、第三は国庫補助率を百分の二十に上げるという問題、整理資源を政府が大幅に負担するという問題、これについて農林当局の予算原案はどうなっておるのか、この機会に明らかにしていただきたいと思います。
○政府委員(森本修君) 四十三年度に私どもが要求をいたしております予算の内容は、現在予算の折衝をいたしておるところでございますが、先ほど来御指摘になりました事柄は関連いたしましては、一つは財源調整に必要な額といたしまして約二億八千万円、それから給付に必要な補助額というのが全体として約九億三千万円ぐらいございますが、通常の従来からやっております給付費の補助に加えて、先ほど来の附帯決議の御趣旨を尊重いたしまして補助率を一六%から二〇%に引き上げるというふうな内容もこの予算要求の額の中には含めて要求をいたしておるわけであります。
○渡辺勘吉君 これだけ原案として省議で決定された内容を伺いましたので、この内容の当然であることをいまさら私は釈迦に説法らしくもう申し上げません。ただ、いたずらに時間をかけてお尋ねをするだけが能ではありません。これはこの前の法律改正をやったときの本院の決議をまずまず十分と言えるかどうかは別として、私は、原案としてかなりなものとして出されたものだと思います。であるがゆえに、これはぜがひでもこのいわゆる補助率の九億二千八百万、整理資源相当分としての二億七千八百万、合わせて十二億七百万。これは財政硬直化の犠牲で受益者負担などという大蔵大臣のああいうさか立ちした議論に惑わされることなく、ぜがひでも農林大臣の立場で予算の実現をしていかなければならない。これは国会の総意を実現する行政府の最高責任の問題点だと思います。これはまず、今度の佐藤内閣でも最も実力者の倉石農林大臣、政務次官も優秀な政務次官がでたわけでありますから、大いに予算実現につとめて、この予算はぜがひでも四十三年度の予算の中には確保してみせるという御答弁があれば、この問題はこれで私はこれ以上お尋ねはいたしません。
○国務大臣(倉石忠雄君) 私どもただいま農政局長の申し上げましたものを含めて農林予算はたびたび部内においても検討いたし、省議にもかけて財政当局に提出いたしてあるのでありますし、ことに先ほど来お話のようにわれわれも同感のものでありますから、なおその実現に最大の努力を政務次官とともにいたしたいと思っております。
○渡辺勘吉君 それではもうこうなれば倉石農林大臣を信用するより手はないわけでありますから、これを裏切ったらまたたいへんですよ、これは。そういうことですから、この点私はすなおにこのいまの倉石大臣の言明を信頼をいたします。現に去年の予算獲得の際にも、私は初めて倉石農林大臣になられてから個人で大臣室におじゃまをしてお願いをした予算はこれでありました。しかしなかなか容易なことではなくして、四千万でごまかされてしまった。つかみどころがないだんごのような形で、何が何だかわからないような金を預けられて、もてあまして困っておる。こういうことのないように今度こそはぜがひでもこれはやってもらわないと、これからのやはり問題を審議するときに、これからまずいろいろ取っ組んでいかなければ物事が進まないということになりますから、これは大きい問題の中のまあ一つの柱にすぎないわけで、私はこれだけに重点を置いて大臣にものを申し上げるわけではありませんが、たまたま低賃金で働いて、しかもその給付内容が他の制度よりきわめて劣悪なのに、その掛金の負担が他の制度よりも非常に高すぎる。一そうその収入が貧しくなるという こういう矛盾をこの際一気に解決し、他の制度と均衡のとれた農林年金制度にしていくためには、この予算を確保して次の通常国会には堂々と大臣のこの成果をやはり報告していただくことを心から期待してこの問題は打ち切ります。 それからもう一つだけお伺いをいたします。 これはやはり決議の尊重に関連する問題でありますが、北東北におけるてん菜に関する決議をやったわけであります、九月二十九日に。そのときに政府の責任で北東北で、てん菜をやりなさいと言って権力を行使してまでこれを植えつけさせておきながら、一つの会社が採算が合わないということで卒然として工場閉鎖を一方的に申し入れをした。そのためにことしの生産者は大きな打撃を受けたことは御承知のとおりであります。それに対する政府の補償問題は、いろいろな経過がありましたが、私はその四十二年のあと始末の問題をきょう申し上げるのではありませんが、あのときに附帯決議としてあげたのは、政府ばかりではなくて、民間の学識経験者を入れて政策転換をするためには、その立地条件がどうあって、将来の畑作振興はどうなければならないかという基本的な総合的なやはり実態調査をするような現地調査をまずやっていくべきじゃないかという意味の決議をあげたはずであります。これをおやりになりましたか。やらなくてもこのてん菜の作付で打撃を受けた——この北東北の農民はだいじょうぶだと言って、自分の判断で進んでかってにやったものが打撃を受けた、この深い傷を十分いやせるというふうにお考えになっておりますか。わずかばかりの奨励金を出すことによってこれが処理できるとお考えですか。まずいままでのこの深い責任というものをどう感じているかということ、そういう理解のしかたがあればこそ、まず行って、これから畑作の基本的な、政府がなげやりにしておった政治の光のあたらないそういう山間地帯の畑作に対してはどうなければならないかという科学的な調査をまずして、国の責任で、そこに理想的な青写真をつくって、そこに農民も安心してこういう方向についてきなさいという行政指導があってしかるべきものではないですか、そのための権威ある現地調査というものが必要ではないですか。地元では何らそういう科学的な長期の展望に立ったものがなかなか行なわれないわけであります。これは国の責任であるわけです。だから国にそういうものをおやりなさいという決議をしたんですが、それは一体おやりになったのか。やらないとすれば、今後どうするのか。
○国務大臣(倉石忠雄君) 北東北のてん菜につきましては、私どもまことに残念なことだと存じます。まあ私がここでいろいろ申し上げるまでもなくよく皆さん御存じのことでありまして、当初立てましたその計画が計画どおりに進まず、また糖価の変動等によって、それを中心にして製造いたしておる会社がああいう状態になってしまったと、こういうことでありますが、私ども話を聞いてみますというと、当時は県当局も非常に希望され、農林当局も、寒冷地の作物としてきわめていいものであるという判断のもとに奨励をいたしたようでありますが、結局ああいうことになりました。そこで、本年の分をどういうふうにしたらいいかということについて、青森、岩手の知事さんたちが、ちょうどいま来てもらいたいという向こうからの時期の要請がありまして、何班かに分かれて調査に参りました。その報告の結果、本年産分についての処理は、御存じのように政府としてはできるだけのことをいたしたつもりでありますが、これからの転換につきましても、やはり県当局と相談いたしまして、できるだけわれわれはこれに協力を申し上げて、転換作付について安心してやっていただけるようにやってまいりたいと、こういうのが私どもの真情でありまして、今日までの私どもがやってまいりましたことのあらましはそういうことであります。
○渡辺勘吉君 どうも私は場当たりだと思うのですね。現地では、もう政府の言うことは信用しないと昔からまあ言うておりながら、政府の言うことを真に受けて、だまされだまされして何回もやってきているわけです。ハッカをやれといっては失敗させられ、ミブヨモギを栽培したらだいじょうぶだといってミブヨモギをやっては失敗し、亜麻をやったら大きな工場を連れてくるといっては、亜麻をやって失敗させられた。今度はビートをやれといって、やっと自信がついたら、来年からはおやめなさいと言われた。これからはこんりんざい政府の言うことは逆をやります、こう農民は言っている。この不信をあなたは一体どう理解しますか。それには、知事がどうしたのこうしたのということじゃなくて、張本人の責任は農林大臣ですよ。もっとすっきりした姿勢でそういう政治不信を挽回するために、極端に言うなら大臣みずから出かけて行って、そうして現地の実態を見て督励して、これならばもう少し、サルの通うような道に機械が通れるような道路をつくってやるとか、もっと市場に生産を結びつけるような、そういう畑作を考えるとか、国家資本をできるだけここへ投入して、大きな生産性を高めるような、そういう指導をなさるのがほんとうじゃないですか。来年の予算を控えて、一体政策転換に対してどういう予算の構想、政策転換の具体的な構想をお持ちですか。これはもう担当局長とか、そういうことじゃなくて、大臣自体の腹一つですよ。まあ適当にやれやというなら適当にやるだろう。本気でこれはやってやらにゃならぬ。かつて閣議で佐藤総理は、あと始末については愛情を持ってやれと言うたはずだ。どういう愛情を持ってやったですか。
○国務大臣(倉石忠雄君) 日本の農業というのは私はまあ狭い国土ではありますけれども、やはり狭いながらも気候風土等によって非常に作物に対する適地であり、不適地である、そういう差異があると思います。ことに北東北等におきましては、私は計画的にその作物を進めていくべきであると思いますが、渡辺さんも御存じのように、てん菜をやっている中でも、もうそのままオカボに黙って転換しておられたような地域もありますし、土地改良などについても、ほかの目的でそういう方向をたどった方もございますが、私どもはいまお話のように北東北、ことに岩手県等につきましては、これは岩手県地方の農協あるいは県当局、あるいは国会議員さんたちとも御相談をしなければなりませんが、ああいう地域には、特にこれからいわゆる選択的拡大の中の主要な目標であります畜産等について、政府は特段の力を入れたならばおもしろい結果が出るのではないかというふうなことを考慮いたし、また地元においてもそういうことについて御熱心な御要望もあるようであります。したがって、こういうことについてひとつ力を入れてまいりたい。たとえば草地の造成等についてもよく御存じのとおりかなりの適地があるようであります。そういう方向で私どもは永久的に農業産業として成り立ち得るものを特に助成いたしていったらどうだろうかというふうなことで、これはひとり岩手県に限りませんけれども、私はこれはやがて通常国会等においてはいろいろお話し合いも出ると思いますが、私どもが考えております構造政策の基本方針の立場から申しますというと、ああいう構造政策というふうなものをまず進めてまいる適地としては、これはまだ農林省部内で別にそういう意見がきまったわけではありませんが、私個人の観測としては北海道、東北地方などは、まずもってやはりそういう政策を進めて行き得る適地になるのではないか、こういう思って、いろいろ検討させておるわけであります。
○渡辺勘吉君 検討をさせていることは非常にけっこうでありますが、この決議のときに私は、北東北畑作振興対策室というようなものを農林省の中に設けて、これは別段法律をいじる必要もないことだし、もっとこの不幸な現実をプラスにするために、積極的にこの問題に取っ組むような、そういう専門的なやっぱりセクションというものを設けて、そうしてこれと取っ組むという行政の姿勢も必要じゃないかということで、これの決議をしている。単にこれは国会の決議だけではありません、県会においても与野党一致でそういう決議をしている。きょうもそういうことで十一時から各県から百人ぐらいずつ陳情に、午後は大臣にも行くはずだ、何一つそういう決議が尊重されないことを不審に思うわけです。そんなものをつくったって、やるということには変わりはないと言えばそれまででしょうけれども、最も全国でもおくれているこういう北東北の畑作に対しては、私はビートの転換対策などというそういうことじゃなくて、この機会に畑作振興の北東北に対する抜本的な施策を講ずるためのかまえ方として、やはり政府自体でもそれに対応する一つのセクションを設けて、専門的にとっかかるものを置かなきゃならぬじゃないかということ、北海道には独自の庁まである、九州にだって畑作振興の特別室が置かれておる。なぜこういう不始末な政治責任を補うために、そういう措置をとらないのですか。これからおとりになるならばいつごろどういう構想でおとりになるのか、この決意に対してはどういうふうに大臣はこれを取り上げようとしておるのか、その見解を明らかにして下さい。
○国務大臣(倉石忠雄君) この前当委員会で、ただいまお話のような御要望がございまして、私どもも考えてみたのでありますが、まあ卒直に申しますと、一つの地方にそういうことをやりますというと、たとえば東北開発何とかというものができると、そんなことをやるのはおかしいと思われるような地域の審議会みたいなものが、ほとんどいま全国にできてしまいまして、そこでそういうことをするよりも効果のあがるために、御要望に沿うようにするためには、担当の部局を設けまして、そこで東北の畑作振興等について受け持ちをきめてやるほうが効果があがるんではないだろうか。そういうことで農林省にも担当のものを設けまして、名前はいま申し上げましたような事情で室とはつけておりませんけれども、担当をきめましてそういうことを鋭意やらせるということにいたしておるわけでございます。趣旨は全く御同感でありまして、特に私どもは先ほども申し上げましたように、東北地方においてはやはりあの地域に合うような営農をやってもらうために特段の力を入れたいということについては、前々から同じ考えでおりますからして、その成果があがるように担当を設けてやらせる、こういう考えであります。
○渡辺勘吉君 担当は何人で編成しておるのですか。
○政府委員(檜垣徳太郎君) 北東北の畑作振興の担当部局としましては、農政局で担当をさせたいと、農政局の拓植開発課を担当課にいたしたいということでございますが、現在農林省の機構の改正も検討いたしておりまして、その際に明確にしていきたいと思っておりますが、現在の拓植開発課はたしか人数は十五、六名だったと思います。
○渡辺勘吉君 十五、六名のその中に何人専従者を置くんですか、これの。
○政府委員(檜垣徳太郎君) 地域開発の問題は北東北が一つの重点地域であることは申し上げるまでもないのでございますが、地域開発全体の所掌の中で担当させたいと思いますので、北東北固有の人間として配置をするということは現在考えておりません。
○渡辺勘吉君 だから私大臣に伺うのですよ、限かれた人数でいままでの仕事をやっているほかに、こういう大体歴史的に考えてみれば、昭和三十四年の二月に、農林省議で決定したときから、これは政府の政治責任が明らかににしきの御旗を立てて北東北にはビートをやりなさいという方針を立てたのですよ、それを裏づけるために甘味資源特別措置法が出、砂糖法が出、いろいろな法律の裏づけがあり、黒い霧が流れ、いろいろな紆余曲折を経て今日に至っておるでしょう。そういうあと始末をですね、いままでの何人かの課にやらせるという程度では、私はこれは単なる言いのがれにすぎないと思うのですよ。大体政策転換の問題まで、これに取り組むという場合に、現地に農林省の責任者がだれが来て、どういう全体の客観的な把握をしましたか。そうしてそれと精力的に取り組むどういうかまえ方をしましたか。その結果来年の予算には一体どういう構想で予算を組んでおられますか。
○政府委員(黒河内修君) ビートの転換対策につきましては、農林省として来年度予算におきまして、畜産対策としての家畜導入、それからえさ対策といたしまして、えさ対策と小規模草地改良、それから土壌病害虫防除というようなこと、それから前の生産合理化施設、それから地域特産農業の推進のための施設、こういったものの追加要求をただいまいたしております。それからなおそのほかに土地改良事業でございますとか、陸稲の育成に要する経費でございますとか、それから野菜の指定産地の育成というようなものにつきましては、すでに来年度要求いたしております予算の中で、北東北ビートの転換対策分としてそれぞれ農林省といたしまして要求をいたしておる次第でございます。
○渡辺勘吉君 これで私の質問は終わりますが、ただ大臣に最後に私申し上げたいのは、少なくともわれわれは国会において現地の声を反映し、国民の立場で問題を提起しておるわけです。それが行政によって歪曲されるという事実を私は具体的にいま取り上げたにすぎないのであります。したがって大臣は少なくとも国民の総意によって選ばれて国会に出、与党の中から選ばれて農林大臣になられた方でしょう。もう少しわれわれの国会におけるこの論議の経過を経て出された決議というものは、そのまますなおに行政に反映するような努力を今後絶対やってもらわなければ、われわれがどんなに国会で審議をしても、適当にお茶を濁されたんでは、一体国会というものはどうなりますか。私はそういう国会の立法府の立場というものの危機を感ずるんです。見せかけの場であって、実態は官僚によって組まれたスクラムの中にわれわれは踊らされている。サル芝居のサルにすぎないとさえも言いかねないような最近の情勢にある。それで一体三権分立と言えるかどうか。大臣はもう少し姿勢を正して、われわれの国会における審議を尊重し、決議があったら決議を十二分にこれを行政に反映することを強く要求して、私のきょうの質問を終わります。
○委員長(野知浩之君) 本件についてはこの程度にとどめます。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時五十一分散会 —————・—————