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57回国会参議院1967/12/18

災害対策特別委員会 第2号

発言数
45
登壇者
10
会派数
2
開催日
1967/12/18

会議録

伊藤顕道日本社会党

○委員長(伊藤顕道君) ただいまから災害対策特別委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について報告いたします。  去る五日、藤田藤太郎君が委員を辞任され、その補欠として西村関一君が選任され、去る十五日矢追秀彦君が委員を辞任され、その補欠として小平芳平君が選任され、また本日小平芳平君が委員を辞任され、その補欠として矢追秀彦君が選任されました。     —————————————

伊藤顕道日本社会党

○委員長(伊藤顕道君) 次に、本日の理事会の結果について御報告いたします。  本日の議事につきましては、理事補欠互選を行なった後、総理府総務長官から災害関係予算等について説明を聴取し、引き続き災害対策基本問題について政府に質疑を行なうことになりましたので、御了承願います。     —————————————

伊藤顕道日本社会党

○委員長(伊藤顕道君) まず、理事の補欠互選についておはかりいたします。  去る十五日、矢追秀彦君の委員辞任に伴い、理事が一名欠員となっております。この際、補欠互選を行ないたいと存じます。  互選は、投票の方法によらないで、委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

伊藤顕道日本社会党

○委員長(伊藤顕道君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事に矢追秀彦君を指名いたします。     —————————————

伊藤顕道日本社会党

○委員長(伊藤顕道君) 災害対策樹立に関する調査を議題といたします。  田中総理府総務長官から発言を求められておりますので、これを許可いたします。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(田中龍夫君) 総務長官の田中でございます。どうぞよろしく。  昭和四十二年度中に発生いたしました災害の被害状況と、政府のこれが措置につきまして、簡単に御報告を申し上げます。  昭和四十二年に発生いたしました災害による被害は、死者、行くえ不明五百八十九名、負傷者九百二十五名、家屋全半壊四千五百二十九棟、被害額は、公共土木施設が一千百五億円、農地等八百二十八億円、農作物等千二百六十一億円、商工関係百五十六億円等総額約三千八百九十億円に達しておる次第でございます。  その災害のうち主要なものは、六、七月豪雨災害、八月の豪雨災害、台風第三十四号災害及び干ばつによりまする災害でございます。  次に、これらの災害に対しまして政府のとりましたおもなる措置といたしましては、まず第一に非常災害対策本部等の設置、第二は政府調査団の派遣、第三は激甚法の適用、第四は天災融資法の適用等を実施いたしまして、応急対策、復旧対策に万全を期した次第でございます。  次に、財政金融措置といたしましては、予備費約二百三十四億円を支出するとともに、今回の補正予算にも約七十六億円を計上いたしておりまするほかに、交付税の繰り上げ交付、緊急融資、税の減免等によりまして復旧対策を十分に推進することといたしております。  以上、主として災害応急対策につきまして御説明申し上げたのでございますが、災害恒久対策といたしましても、本年災害の特色にかんがみまして、急傾斜地対策、中小河川対策等の諸問題につきまして、積極的に推進してまいる所存でございます。何とぞよろしくお願いいたします。     —————————————

伊藤顕道日本社会党

○委員長(伊藤顕道君) 次に、災害対策基本問題に関する件について質疑を行ないます。  御質疑のある方は、順次御発言願います。

武内五郎日本社会党

○武内五郎君 災害の責任者になられました田中総務長官から、ただいま今年度の各種の災害の状況を御報告がありました。つきましては、私はもう少し予算の使い方、それから予算の補正状況についてもう少し詳しく承りたいと思うんです。長官がおられるうちにそれをお願いしたい。予備費がただいま羽越災害までの間に約五百億円というものが支出されておるということなんですが、それらのできれば明細な使い道を、それから今回審議中の補正予算、できればこれを項目別に御報告いただきたいと思うんです。これはしかし、私は、次回の災害委員会に文書でできればお願いしたいと思うんですが、その処置をひとつお願いしたい。それよろしゅうございますか。——そこで、長官が先を急いでおられますので、私も長官に特に関係のある点だけひとつお願いしたい。  御承知のとおり、羽越災害で新しい問題が発生している。災害の善後処理としてとられた新しい問題。それは部落の集団移転、もっともこれは前例がないわけじゃありません。かつて長野県にあったのでありまするが、しかし、むしろこれは新しい私は災害対策のケースだと思う。ところがこれについて自治省においても、あるいは農林省、建設省においても部分的な対策処理よりできない、総合された対策というものはとられていない、その窓口がない。まずこの点を長官がどういうふうに考えられるのか、窓口を設定して、そこを通じてこれは建設省の業務である、これは農林省の業務であるというふうな処理ができないものかどうかその点をひとつまず等一にお伺いいたします。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(田中龍夫君) ただいま御質問をいただきました第一点、第二点につきましては、詳細に担当官から御説明を申し上げることにいたします。  第三点の集団移住の問題でございます。これは非常に重大な問題でございますし、同時にまた、各省庁に関係をいたしますものも非常に大きいのでございます。広範でございますので、この問題につきましては、総理府のほうで各省庁担当者会議を開催いたしまして、意見の交換を行なっております。まず第一回が十一月八日各省庁連絡会議をいたしました。それから二十八日に第二回目をいたしました。かような次第で、各省庁間にも緊密な連絡と総合調整をいたしておる次第でございまして、現在この案の内容を検討していただいておるような段階でございます。問題は非常に重大な問題でございますと同時に、また今後ともよろしく委員会の御協力のほどをひとえにお願い申し上げます。

武内五郎日本社会党

○武内五郎君 そうしますと、要するに総括は、総務長官がとられるということなんでございますね。——わかりました。  それで、ついでに災害地における移住の問題でございまするが、何といっても先決条件は、宅地の取得であります。これが安定しない限り、その移住計画も結局ペーパープランに終わらざるを得ない。同時に、それは災害者に及ぼすいろいろな心理的な不安というものをぬぐい去ることはできない、こう考えますので、その先決問題であります宅地の取得、この点について最も強く要望されておりますのは、国有地の利用、払い下げに関するもの、特に新潟県の岩船郡の荒川町、神林村、黒川、これらは特に国有地の利用、払い下げについて相当強い希望を持っておる。ほとんどこれに対する回答が、実は得られないような状態らしいのでございます。まずその点を長官かどういうふうにお考えになっておられるのか。できれば早く国有地の利用ができ、住宅の建設にかかるように——もう冬がまいります。雪が深いところでありますので、早急に建設にかかるように御配慮願いたいと思うんですが、どういうお考えを持っておられますか。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(田中龍夫君) お答えをいたします。  私も災害頻襲地帯で、大災害を数回こうむりました体験を持っておる次第でございまして、地元の罹災されました方の悲惨な状況につきましては、十分心得ておる次第でございます。ただいま御指摘になりましたこの国有地の問題も、先ほど申し上げましたように関係官会議を開きまして、鋭意一日もすみやかに措置ができまするように努力をいたしております。ことに新潟地方の寒空にありましてさぞお気の毒なことだろう、かように考えております。なお、この問題につきましては、農林省からまたお答えをいたすように相なっておりますから、どうぞよろしくお聞き取りを願います。

日高広為自由民主党農林政務次官

○政府委員(日高広為君) まだごあいさつを申し上げてございませんので、今回農林政務次官に就任いたしました日高でございます。よろしくお願い申し上げます。  本件につきましては、現在営林局におきまして、地元営林局を通じまして内容を調査いたしているところで、県から要請がありました一部の地区につきましては、すでに調査が済んでおる段階でございます。

武内五郎日本社会党

○武内五郎君 これはひとつぜひ早急にできまするようにお願いしたいと思います。  御承知のとおり、この集団転移というのは、新潟県の二八の災害地ほとんど全部に適用されておる問題であるわけでございます。特に私が計算したところによると、九市町村三十三部落、五百七十三戸で約三千二、三百人というような関係者になっているわけなんです。そういうような非常に大きな問題なのであります。そこでいろいろこれもその災害の関係、それから移転の状況、規模等の内容によってこれを類別して、Aクラス、Bクラス、Cクラスというふうに類別しているようであります、県で。特にこういうような部落をあげての移転、すなわち部落の大部分の移転、こういうような非常に大きな問題がここに出てまいりました。特に私はここで総務長官に特別な御配慮を願って災害対策を立てていただかなければならぬことは、この大きな集団的な移転についての家屋建設の費用、それからそういうような集団で農民が移転いたしまするので、できれば共同的な利用施設というものについての配慮、さらに環境衛生等に関する整備の問題、したがってあるいは建設省に関係し、あるいは厚生省に関係し、自治省に関係してまいると思うのであります。そういうような問題が今日出てきておる。  そこでまず住宅の建設の問題ですが、再び災害にあわれないような宅地の造成と同時に、家屋の災害を予防する配慮をした家屋の建設、いずれにしましても相当金がかかる、私はまあ大体そういう住宅の建設には、あるいは一つは公営住宅の建設の問題もある、あるいは個人住宅の建設に対する融資の問題もある、こういうような問題がここに出てまいります。そこで御承知のとおり公営住宅の建設にいたしましても、また個人住宅に対する融資の問題についても、私は雨雪地帯における家屋の建設というものと豪雪寒冷地帯における家屋の建設というものとの間に、大きなそこに違った問題がある。この問題をまずひとつ頭に置いていただいて、少なくとも私は北海道地域に対する融資の配慮、いろいろな特別な配慮があるようでございますが、そのくらいまでもレベルアップされた考慮というものが必要ではないか、特にいろいろな、たとえば個人住宅に対する融資の問題、いろいろな条件が、融資、条件があります、あるいは限度があります。そういうような限度、条件をできるだけアップされた形で配慮する方法はないのですか、それが一つ。第二は、特に公営住宅やその他のこの宅地造成等は、地方財政に対して相当に負担がかかる。この対策について、できればもうこの際思い切ってまず仕事をさせる、起債を許して仕事をさせるという配慮ができないか、その起債も一〇〇%くらいのやはり配慮が、この際私は必要だと思う。そうでなければ早急にかかれない。大雪を前にしてかかっていくのであるから、それくらいの配慮が必要だと思いますが、総務長官はどういうふうに考えておりますか。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(田中龍夫君) 御意見のほどは、十分に拝聴いたしまして、これを体しまして私どもといたしましては、時期的な問題もございますので、鋭意努力をいたしたいと存じます。なお役所といたしまして、法制上、法律の範囲内におきまするできるだけの措置はとらなければならない、かように考えておりますが、現行法制では十分でない、どうしても立法等を要するというような場合は、どうぞよろしく皆さんの御協力のほどをひとえにお願い申し上げます。  なお、これらの措置につきましては、一番大切なことは、罹災者のお立場を十分理解して、同情し、愛情をもって真剣に取り組んでまいりたい、かように存ずる次第でございます。よろしくお願いいたします。

武内五郎日本社会党

○武内五郎君 いま総務長官に対する質問に関連して、これは、じゃ農林省の方にひとつお願いしたいと思います。  いまの農民の共同利用施設、これに対する対策でありまするが、これもやはりいろいろな限度がある。一団地五十戸以上の計画でなければならぬとか、いろいろな制約があるようでありまするが、どうなんですか。この際、そういうワクをはずして、二十戸でもいい、三十戸でもいいというような、そのワクをこえた、はずした建設ができないのか。私は、それは、もうこの際、どうしても必要だと思うのであります。ことに、御承知のとおり、もう田畑が土砂に——わずかな耕地が復旧されたと同時に、とにかく掘り起こしたところに植えつけてやっていかなければならぬ。これは、ほとんど、まず食糧の共同確保、食糧の共同収穫、こういう点から農業の再建をはかっていかなくちゃならぬ。農民を食いつながしていくことから考えなければならぬ。それには、どうしてもこういう共同利用施設というものが、まず必要になってくると思うのであります。したがって、そういう五十戸あるいはそれ以上というようなワクで押えられると、農業の再建というものは不可能なわけです。その点、ひとつ……。  それから、もちろんこれに対する補助等も、これは実に零細なものになると思うのですが、思い切って、やはりワクをはずした融資、補助というものが必要になってくるのではないか。こういう点をぜひ考慮していただきたいのでありまして、私は、そういうような前例が実はあった。かつて、静岡県の伊豆の災害、あるいは愛知県の伊勢湾台風、あるいは梅雨前線における集中豪雨の災害等に、その前例を私は見ることができると思うのでありますので、ぜひひとつ思い切って、佐藤総理の話ではないけれども、勇断をもってやっていただきたい。農林省ではどういうふうにお考えになっているか、お伺いしたい。

日高広為自由民主党農林政務次官

○政府委員(日高広為君) 集団移転に関する県計画の内容について目下検討をいたしておりますので、部落集団移転につきましては、既存の災害復旧に関するときの内容から見まして、災害復旧事業といたしましてこれを助成することは困難であると思います。しかしながら、この集団移転に伴うところの部落の営農再建計画につきましては、農林省といたしまして、御指摘のとおり昭和三十四年の伊勢湾台風、さらにまた昭和三十六年の梅雨前線豪雨災害等の場合におきまして、激甚災害部落対策を講じたこともございますので、これらに準じまして応急的に必要な措置を講ずるよう、目下検討中でございます。  さらにまた、御指摘いただきましたワクの問題でございますけれども、従来十戸以上というようなことでこれを進めておりますので、今後もそのようなことで進めさしていただきたいと思います。

武内五郎日本社会党

○武内五郎君 わかりました。ひとつぜひお願いしたいと思います。  それでは厚生省来ておりますか。−その集団移転について、特に環境の整備ということが私は非常に大事だと思います。特に飲用水の確保、特に簡易水道の布設、こういうようなものについての希望が現地ですでに起きております。この水道の布設等についても、やはりなかなかいろいろな従来制限があったようでありまするが、この際、厚生省と自治省で思い切って融資、補助並びに起債の措置を講じて、安心して仕事にかかっていけるようにしてもらいたいのでありまするが、どういうふうにお考えになっておられますでしょうか。

大橋文雄厚生省環境衛生局水道課長

○説明員(大橋文雄君) ただいま御質問ございました羽越水害に伴います集団移転のための水道整備事業につきましてでございますが、この中には、水道の災害の場合の原形復旧だけではなくて、むしろ効用復旧というような形で行ないます上水道、簡易水道、飲料水供給施設、いろいろな水道の種類がございますけれども、できるだけその飲料水の確保が十分にできますように、また財政措置としても、補助金、起債等につきましては、その手当てができますよう、今後努力してまいりたいというふうに考えております。

武内五郎日本社会党

○武内五郎君 これはやはり何ですか、まあ厚生省、特にその補助のアップができると考えますか。

大橋文雄厚生省環境衛生局水道課長

○説明員(大橋文雄君) 従来の一般のこの施設をつくります場合に比しまして、補助率を一段と格上げするという方向で目下検討しております。

武内五郎日本社会党

○武内五郎君 ぜひひとつそれはお願いしたい。  次に、ついでにですが、まだ住宅の問題が残っておりまするけれども、建設省にひとつ河川の問題で私は特に伺っておきたいことは、御承知のとおり、加治川を私は見て、加治川の進捗というのはかなり熱をあげて馬力をかけておるようでありますので、まずまず安心してまいりました。ところがそれと比較いたしまして、ほかの災害河川の復旧は遅々として、むしろ停滞している形じゃないかと考えてまいりました。中にはもう土砂をかぶって水の流れが伏流化しつつある。あるいは全然新しい河床の上を水が流れていったりいろいろな土地があります。また非常に河床が上がってしまった、また非常に下がってしまって頭首工の機能を失ったりあるいは頭首工をここに設置したいと思って、そういう計画があっても、設置困難なところがあったり、いろいろなままに今日になっておるようであります。したがって、これに伴って災害農地の復旧等もまたおくれざるを得ない。こういうような点ですが、特に荒川の流域の復旧計画あるいは改修計画というものが、どういうふうに立てられ進捗しておるのか、一応お伺いします。

坂野重信建設省河川局長

○政府委員(坂野重信君) 羽越地方の豪雨に際しましては、加治川をはじめ荒川その他各河川が非常な災害を受けたわけでございます。加治川につきましては、先ほど先生御指摘のとおりでございまして、所要の対策を講じまして、次期の出水期に対して万全を期するようなことをやっております。荒川につきましては、恒久的な対策といたしまして、災害を受けました個所につきましては、すでに災害の査定を終わりまして、できるだけ今年度内におきまして災害の個所についての復旧を進めるべく鋭意努力いたしております。それ以外の各個所ごとの災害の個所を、原形のままに復旧するというのではなしに一環した計画のもとに、いわゆる災害復旧助成事業といたしまして改良復旧することとしまして、大体財政当局ともその話がつきまして、今年度はできるだけ災害費をもちまして、その一環した計画のもとに改修を進めていきたい。そして明年度におきましてはそれに続きまして、いわゆる助成事業を加えて、次の出水期に対してとりあえずひとつ万全を期するようなことで進めておるわけでございます。なお、恒久的な対策といたしまして、上流の水源に対しましては、本年度とりあえず緊急砂防はもちろん実施するわけでございますが、明年度以降におきましても、砂防事業をひとつ大幅に増強したいということで砂防の一環した計画並びに、まだいまダム地点まではっきりいたしておりませんが、できますれば早急に、いわゆる治水ダムを建設いたしたいと、こういうようなことで、水系の一環した計画を立てまして、再度本年度のような災害を受けないようなことに万全を期するよう、目下努力いたしておるわけでございます。

武内五郎日本社会党

○武内五郎君 先ほど申し上げましたような河川状態、私はこれはひとり荒川水系ばかりじゃなく、大がいのその他のほうに出てくると考えておりますが、また山形県の最上川なんかというのは、かなり整備された川でありながら、無堤防地域は相当ある。一たび集中豪雨があれば、もう荒れるままになっておる地域が相当ある。したがって、まず私はこの際河川の計画について、根本的な改定を必要とするのではないかとも考えております。たとえば相当の平均された豪雨でも、雨量に対する対策、流量計画、あるいはもちろん堤防の整備、建設、こういうような基本的な対策の樹立が、この際必要じゃないかと思います。そういう計画がありますかどうか、ひとつ。

坂野重信建設省河川局長

○政府委員(坂野重信君) 武内先生の全く御指摘のとおりでございまして、特に今年度におきましては、西日本、さらには新潟、山形は特に集中豪雨の何といいますか、これは気象的にはいろいろ問題があると思いますけれども、最近の傾向といたしまして、そういった異常な局地的な集中豪雨が多発いたしまして、そのために土石流を伴った非常な洪水があちこちに発生いたしまして、そのために中小河川、あるいは大河川におきましても、こういった最上川その他未改修の地域におきまして、非常な惨害をこうむっております。そこで私どもといたしましては、現行の五カ年計画——昭和四十年度から出発いたしております、それに基づきまして鋭意治水事業の進捗につとめておるわけでございますけれども、この五カ年計画は昭和三十八年度に、実は全国的な全体計画を各水系について策定いたしまして、その結果に基づき、第一期の五カ年計画として私どもは総額一兆一千億の現在事業を進めております。現在三カ年経過しておるわけであります。先ほど申し上げましたとおり、非常に何といいますか、気象的な異常現象傾向、片や流域の経済社会的な発展、そういうものによりまして、どうも水の出方が急激に、しかも土石流を伴う水の出方の傾向がある。非常に同じ雨が降りましても、非常に水の出方が多くなりまして、急激になって、しかも土石流を伴っている。そういうことで非常に災害の額がふえております。そういうことで、どうも現行の計画のままでは、なかなか治水対策の万全を期すことがむずかしいという新しい事態に即応いたしまして、私どもといたしましては、ここ一、二年の間新しい全体計画というものを練り直したわけでございまして、その一環といたしまして、新しい実は新五カ年計画というものをいま立案いたしておりまして、財政当局と目下折衝いたしておる段階でございますが、この新計画によりましてそういった新しい災害  洪水の被害あるいは干ばつ等に対処するような、あるいは治水ダムとかあるいは未改修の中小河川を、特に都市周辺の中小河川を改修するとか、そういった治水、利水を総合した新しい新計画を策定する必要があるということで、新計画を立案いたしたわけでございます。一応総体の額としては二兆四千億になっているわけでございます。私ども事務当局といたしましては、この新しい計画に明年度から踏み変えまして、その計画の一環としてのひとつ治水計画というものを再出発して進めていきたいというぐあいに考えているわけでございます。

武内五郎日本社会党

○武内五郎君 荒川の問題で、私は特に次の点をお伺いしておきたいと思う。確かに荒川の改修計画があって、それを進めるのにだいぶ苦労されておるようでありますが、この改修計画は、特に上流下流で県と直轄関係との区画ができておるようであります。改修地域における直轄関係の部落が十部落、特に荒川の町では鍬江、沢川、花立等の部落が最も多く関係されておるところなんです。この地域にこの堤防を整備することになるわけなんでしょうが、特にこの地域の、いま私が指摘しました三部落の中では、かなりたくさんの用地が取られることになります。もうすでに農民たちが相当不安な状態になっておるらしいのであります。もっともこの堤防はほしい、耕地の少ないところへ用地に取られるというような悩みがある。だがやはり用地はどうしても必要なのでしょうが、この用地取得についての対策がどういうふうに進められておるか、ひとつお伺いしたいと思います。農民が安心できるような形でやっていくことができるようにしてもらいたいと思うのだが。

坂野重信建設省河川局長

○政府委員(坂野重信君) 私も、現地のこまかい用地交渉の詳細については聞いておりませんが、とにかく私どもといたしましては、指導方針としては、できるだけ用地の買収にあたりましては地元の了解を得て、地元とひとつ円満な話し合いの上に立って、もちろん私どもといたしても用地の補償の単価というものは限度がございます。その限界内において、できるだけひとつ地元の御協力を得て円満に事業を進めていきたい。どうしてもこういった改修なりあるいは災害の助成事業というものは、用地が先行いたさなければ事業が完成不可能でございますので、私どもは用地取得ということにつきましては、非常に重要視しております。どうかひとつ地元の協力を得て事業を円満に、しかも敏速に、いろいろな次の出水期を控えまして、タイミングの問題もございますので、そういう点を県に対しても、十分ひとつ地元の納得を得るようなことで、しかも敏速に事業を遂行するように督励いたしている次第でございます。御了解願いたいと思います。

武内五郎日本社会党

○武内五郎君 もうすでに直轄計画が立てられているのでありまするので、この荒川水系を一級河川としての指定が当然なされるでしょうな、これは。

坂野重信建設省河川局長

○政府委員(坂野重信君) 一級水系の指定の問題は、まだ大蔵省当局その他といま話し合い中でございまして、まだ結論は得ておりませんが、非常にこういった災害を受けた重要な河川でございますので、できるだけひとつ一級水系に格上げしたいというつもりで、私どもとしては話し合いを進めている段階でございます。

武内五郎日本社会党

○武内五郎君 実は、先ほど来この住宅の移転問題集団移転についての住宅建設についてお尋ねしておったのですけれども、この三十三部落が移転することになりますと、かなり思い切った助成対策が私は必要だと思うのです。そこで、これには住宅としての建設は第一は公営住宅の建設、これにはいろいろな公営住宅法に基づいたいろいろな制限、条件がある。次は個人住宅の建設についての融資、こういうような点が今日問題になっている。そこでまず第一に、いずれにしましてもその住宅を建設する、空中に建てるわけにはいかぬので、第一は用地の取得、宅地の取得であります。これは同時にまた造成も伴う。これは今日まで実は非常にかた苦しい条件がつけられたり、あるいは狭いワクが建設費について、特に建設造成費についても非常に狭い、細いワクがある。針の目をラクダが通るようなことがあってはならない。この際思い切ってそれを広げていただくような措置を講じることが必要じゃないかと思うんです。特にこの標準建設費について、公営住宅の建設についての標準費用、あるいは標準面積というような問題が、現地で相当やかましく農民の間に言われておる。そのような点をどういうふうに考えているか。この際ワクをはずした、広げた措置が講じられるべきじゃないかと考えます。特に、私はせめて北海道における住宅建設の標準くらいまでアップしていく必要があるんじゃないか。私はそれでもまだだめだくらいに、今日の実情に合わない標準がはめられておりまするので、それを思い切ってやっていく、新しい農村建設のための一つのステップにする、そういう考え方でひとつ対処していただきたいと思うのですが、建設省ではどういうふうに考えているか。それから個人住宅に対する融資、金融公庫のワクがやはりこれも狭い、それらをこの際思い切って特別な措置をもって考え直すお考えはないのか、まずその点を伺っておきたいと思うんです。

角田正経建設省住宅局住宅総務課長

○説明員(角田正経君) お答えいたします。  まず第一点の用地取得の関係でございますが、これにつきましては公営住宅を建てます場合は、低額所得者で個人で住宅が建たない、お建てにくいというふうな場合に補助助成をいたすわけでございますので、先生のお話でございますけれども、非常に広い面積のものまで補助対象にするということは、非常にむずかしかろうかと思っております。ただそういうようなものをほかの要請からおつくりになります場合は、一応それは現在一般の建設基準には該当いたしませんけれども、そういうものが補助対象の限度をこえたものについては、一応お建てになりましても、あえて私どものほうは今回の場合はいけないというところまでは申さないというふうなつもりでおります。  なお申し忘れましたが、移転計画によりますと、住宅関係は私どもの手元に来ておりますのは全体計画が約六百八十戸でございまして、そのうちの大部分が四十三年度の建設計画になっております。したがいまして、個人住宅、それから公営住宅含めまして標準建設費につきましては、いま私ども予算要求いたしておりまして、できるだけ実態に合うような形で手直しするように要求しておりますので、その結果で予算等に応じまして措置をいたしたいと思います。

武内五郎日本社会党

○武内五郎君 私はこの際、住宅建設についてこれはひとつ配慮願いたいと考えていることは、いつまでも農民の住宅を木造くず家に取り残すように考えた住宅の建設であってはならない。この際一歩前進した近代的な住宅に入れるような私は助成が必要じゃないかと思う。まず少なくとも火災に対する耐火建設に変える、あるいは私はむしろ一歩前進して集団住宅の建設が考えられなくちゃならない。住宅という環境を変えることによって、農民の頭の洗礼を行なう、前進させる形がとれるんじゃないかと思う。この際、思い切って前進のためにも、いろいろな指導助成というものをこの際ひとつ御配慮願いたい、これは一つ希望であります。  それから、もうあとこれで終わりますが、農林省に。この前も私は農地復旧についていろいろお尋ねして希望も申し述べておったんでありますが、今回もまたその復旧の促進について希望を述べておかなければならぬ。先ほど申し上げましたように、かなりスピードを上げて復旧に入っておる加治川でさえ、加治川の農民の実情を見ますると、昨年の七・一七災害の復旧がかなりおくれておる。その際、去年ようやくこれは一ヘクタール——一町歩から米が六俵よりとれない。おそらく今年はもっと少ないだろうと、こう言っておる。したがって来年はまた心配になってくる。農地の復旧がおくれている。私はこの前の委員会で、昨年度の災害の農地復旧がおくれて、稲が一尺以上も伸びたものを苗を切って、そうしてこれをまた植えたということを申し上げたんですが、また来年も同じようなことを繰り返さなければならないのじゃないかと、加治川でさえ心配している。ましてほかの地域、荒川流域の農民あるいは安田あるいは三川地方の農民の心配というものは私はまずそこにある。農地復旧についての最大の努力を注いでいただかなければならぬと思うんですが、ひとつ農林省ではどういうふうな方法で措置をとっておるか、お伺いしたい。

日高広為自由民主党農林政務次官

○政府委員(日高広為君) 災害復旧につきましては、その災害の現在査定をいたしておりまして、約九〇%の査定を終わっております。したがいまして災害地の要望にこたえまして、できるだけすみやかに査定を終わりまして、御趣旨に沿うように努力いたしたいと考えております。

武内五郎日本社会党

○武内五郎君 これ繰り返すようでありまするが、もうすでに冬になって雪がきます。だんだん工事が難渋してまいります。したがってもう本格的にかかれない。そうすると来年のおそらく四月に入らんければ、工事がまた再開できないんじゃないかと考えます。だから相当強い努力が必要じゃないかと思うので、ぜひひとつ最大の努力を傾注していただくようにお願いしたいと思います。

日高広為自由民主党農林政務次官

○政府委員(日高広為君) さらにおくれておりますところの査定につきましても、年内にこれを全部完了いたしたいと、こういうふうに考えております。さらにまた、査定が終わったところにつきましては、逐次工事に着手いたしまして、できるだけ来春の植えつけには間に合わせるように、今後指導してまいりたいと考えております。

佐藤隆自由民主党

○佐藤隆君 本委員会で初めて発言をさせていただく機会に、あらためて先般の八・二八水害に本委員会を通じて災害調査団が派遣され、現地においていろいろ御配慮を賜わりました。特に私ごとにつきましても御配慮いただきましたことにつきましては、厚く御礼申し上げます。  私は災害の問題というのは、忘れたころに災害がやってくると言われておりますが、今臨時国会におきましても、当初から国防の問題が論議されております。われわれの国はわれわれの手によってまず守ろう。それとうらはらの関係にあるのがやはりこの災害対策だと思います。われわれは、われわれの力によってひとつみんなで考え、災害対策を練り上げて、そして国土の保全と人命の尊重という問題に取り組もう。これは当然のことでございまして、政策以上の問題として超党派的に考えて進めていかなければならぬ問題だ、こう私は思うのでございます。本日はちょど補正予算の審議の時期でもございますし、それぞれお忙しくいらっしゃるようでございますので、きわめて簡単明快に質問をいたしたいと思うのでございます。  最初に、農林省にお伺いいたしますが、このたびの八・二八水害に際しまして、十二億八千万の新規ワクを自作農維持資金について、自創資金についてお示しくださいました。これは非常にありがたいと思っております。特に連年災あるいは三年災に対する措置についてお取りきめいただいて、その貸し付け限度額を七十万あるいは百万ということで、特にお取りきめいただいたことについて、 いままでにないところの措置でありまして、非常に感謝をしておるのでございまするけれども、せっかくのこの施策が、ほんとうに被災者の方々に喜んでいただいておるかどうかということについては、はなはだ疑問も残っておるのでございます。特に、三年災は、三回災害を受けている方は、貸し付け限度は百万である。ですから、残高五十万の人はあと五十万借りられる、こういうことになっております。連年災の人は七十万が限度である。したがって五十万の貸し付けを受けておる者は、残高を持っておる者はあと二十万借りられる。ところが、この連年災の被災農家に問題があるのでございまして、去年収穫皆無であったにもかかわらず、ことしは相当の収量をあげようということで鋭意努力したにもかかわらず、ことしも収穫皆無である。昨年五十万を限度一ぱいお借りして、そしてことしどうしても五十万がなければいけないというときに、どっこい、貸し付け限度は七十万ということでございまして、五十万の残高のある者は二十万しか借りられない、こういうことでございます。そこで一番気の毒なのがこの連年災、二年続けて災害を受けて、そしていずれも、去年もことしも収穫皆無であった。私はこうした制度金融が数少ない方々に示されるその形というものは、数多いところにやはり制度金融というものが取り運ばれていく、これは当然だということはわかっておりまするけれども、だからといって、この数少ない連年災、連年収穫皆無の人たちをほっておくわけにもまいらぬではないか、こう思うのでございます。したがいまして、私はせっかくこうした限度がきめられたのでございますけれども、ひとつあらためて、ずっと三カ月なり四カ月これが経過をしてくる間に、ほんとうに困る者もおるではないかということで、ひとつお考え直しをいただけないものかどうか。特に業務方法書の改定をしないまでも、あるいはこの自作農資金は認定ということで貸し付けと並行審査を進めておりますので、認定の段階において、十二億八千万という貸し付けワクをふやせということではございませんので、そのワク内において、認定の段階、すなわち県の段階において、そういうことを暗に認めていただくような措置ができないものかどうか、それをまずお伺いいたしたいのでございます。

中野和仁農林省農地局管理部長

○説明員(中野和仁君) 新潟の水害につきましては、ただいまお話がございましたように、去年とことしと二度続いた。その前に新潟地震を受けておりますので、非常に気の毒な農家も一部に出てきたわけでございます。そこでわれわれとしましては、先ほどお話がございましたように、この三年連災を受けられた方には最高百万、それから二年の方には七十万までということにいたしたわけでございます。と申しますのは、実は昨年水害を受けましたときに、やはり新潟地震の災害と去年の災害と重なった場合に、一般的に災害の特別ワクとして実施しております五十万のワクでは足りないではないかということになりましたので、五十万のところを七十万に上げたわけでございます。そこで本年は三回重なった方は気の毒だというようなことから、先ほどお話もございましたように、百万円にいたしましたが、二回災害を受けられた方には昨年と同様七十万円ということにいたしたわけであります。そうしますと、この二十万円が少ないというようなお話があるわけであります。これにつきましては、われわれのほうとしましては、いろいろ地元からもお話がございますし、新潟県当局ともいろいろ相談をしたわけでございますが、大体過去の災害の実態から見ましても、平均的に二十万円を貸すということにもなってございますし、それからこの資金が天災融資法によります天災資金なりあるいは農業共済金なりあるいはいまお話がありましたように、二回続けて収穫皆無という方には、余剰はもちろんございませんし、それから預貯金もないというような場合もありましょうが、そういう収穫皆無までに至らないというような農家を見ましたら必ずしもそうではないというようなこと、いろいろ考え合わせまして、ことしも七十万円ときめまして、先般農林漁業金融公庫の業務方法書の特例を出しまして、こういうふうに措置したわけでございます。そこでいま御質問になりました、業務方法書ではそういうふうに、きまっておるけれども、知事の認定の際に何か考えられないかというお話でございます。お気持ちは非常によくわかるわけでありますが、やはりこれは政府資金でございまして、農林省、大蔵省、それから農林漁業金融公庫と打ち合わせをしまして出しました業務方法書を曲げて、知事の認定にかからしめるということは困難ではないかというふうに考えております。

佐藤隆自由民主党

○佐藤隆君 二年連続で収穫皆無という実情を、ひとつもう一度お考えいただいて、ここで全く検討の余地がないということでは、ちょっと私もこれ以上いかんとも言いがたいところもございますが、確かに二年連続収穫皆無というのは、実際困っているところです。またきわめて対象農家が少ないという点で、制度金融をこれに充てられるということも、多少無理であるという気持ちも私はありますけれども、しかし、ほんとうにこの百万、七十万という限度をきめるときに、二年収穫皆無のもの、それはあるけれども捨ててもいいということではなかったと思います。いまこうして多少落ちついてみると、ほんとうに困っている者が浮き彫りにされてきたわけですから、ひとつせっかく再検討をしていただきたいと思いますが、その点いかがでございましょうか。

中野和仁農林省農地局管理部長

○説明員(中野和仁君) 重ねてのお尋ねでございますが、現在、先ほどお話がございました十二億八千万円をもちまして、県から町村のほうにそのワクをおろしまして作業をやっております。その一部に、認定申請が上がってまいりまして、現在認定の仕事を進めております。おそらくいまお話がございました、二年ぐらいダブって収穫皆無というようなことがあるかどうか、まだわれわれのほうには報告が参っておりません。そこでいまお話がございましたように、なお今後新潟県当局からもよく事情を聞きまして、どういう手が打てるか、この公庫資金で対処しなければならないか、そのほかのことも含めまして考えてみたいと思います。

佐藤隆自由民主党

○佐藤隆君 この問題、なぜ私がしつこく御質問申し上げるかというと、実は農林大臣がいらっしゃいましたときに、百万円まで何とか考えようという趣旨の御発言があった。ところが、そのときの段階においては、別に百万円について方法書の改定を具体的にどう進めようという事務的な何はなかったわけです。ところが、一方被災者の立場からすると、ああ百万円までは借りられるのかとすぐのみ込んでしまう。ここに実際の行政事務の問題との食い違いが出てくる。ああした場合には、往々にしてそういう問題があると思いますが、それをだれがどうやって解決するかというと、被災者の心をやわらげ、なるべく満足する状態にして救ってやるということになると、やはりこれは政治の問題だと思いますから、あえて私はこうして御質問申し上げるわけです。二年連続収穫皆無でほんとうに弱っている者の実情を農林省によく説明をしなさいということは、私どもも県のほうに言いますけれども、なお、農林省におかれましても御調査の上、でき得るものであればお願い申し上げたい。  それから、これに関連しまして、こうした災害資金というものは、残高主義で貸し付けをしておること自体が、いろいろこの問題の起きておるもとではないか、こう私は考えるのです。というのは一件一貸し付け五十万、あるいは一災害五十万という限度を設けてやるべきではないか、こういう考え方を私は持っているのですが、いまのところは残高主義でいっている。だからこうした問題が起きるのです。それをチェックするためには、やはり残高主義というものを改めて、一災害五十万とか、一貸し付け五十万ということで——これは五十万が正しいかどうかは別問題であります。四十万が正しいか、六十万が正しいかわかりませんが、そうした方法でもって、じゃあ三年連続の場合は五十万だとした場合に百五十万が限度になるのではないか。それはいやしくも制度金融とても金融の問題でありますから、返してもらう銭でありますから、これは金融機関における審査の段階にゆだねて、返せそうにないものはカットする。しかし自創資金の場合は全国的に件数も多いし、物理的な問題からしてもなかなか困難をきわめるということも、ある程度私は理解しておりますけれども、それは物理的な問題の処理は、それはそれでありますけれども、こうした貸し付けのやり方について私の所見を申し述べたわけでありますけれども、これに対しての御当局のお考え一このたびの七十万、百万の貸し付け限度決定のときにこうした議論も当然あったのではないか、私はこう思うのでございますが、それについての御意見を伺いたい。

中野和仁農林省農地局管理部長

○説明員(中野和仁君) ただいまお話ございました災害ごとに五十万の限度、あるいは五十万円でなくてもよろしいがというお話でございますが、本件につきましては、新潟災害の際に地元からそういうお話がございました。われわれとしましては、十分それを検討したわけでありますが、先ほどもお話ございましたけれども、やはり制度金融ではありますけれども金融でございますので、償還能力等の問題もございます。そこでやはり各庫から借りているものと通算をしなければならないということにどうしてもなるわけでございまして、そのために普通五十万円であるものを七十万にし、百万円にしてきたというようなことでございます。と申しますのは、もう一つの面からこれを申し上げますと、この自創資金は、災害を受けた場合の農家の最後の手だというふうに法律的にもなっておるわけでありまして、天災資金が出る、あるいは農業共済資金が出て、そのあと来年の作付けをやり、収穫を終わるまでどうやって食いつなぐかといった場合の、いわば生活資金に充当する資金だと思います。そういうようなことでありますので、どうも災害のたびに五十万円ということになりますと、何かどうも、お話がございましたように、五十万円まではほかの金があってもなくても借りられるのではないかというような感じも持たれるわけでありまして、できるだけ貸すのを控えておくという趣旨ではございませんけれども、やはり金融のことでございますので、いろいろ検討したわけでございますけれども、やはり通算主義をとるべきではないかというふうな結論にただいま達しておるわけであります。

佐藤隆自由民主党

○佐藤隆君 この問題は、まあ内部的にもこうした意見、私のような意見をお持ちの方も確かにあると思います。また、そうでない意見をお持ちの方も多数おられると思いますが、自創資金というものが広範囲に非常に利用できる金であればあるほど、自創資金の残高のみ考えて貸し付けるのではなくて、全体的に金融的に見てどうだということで当然判断すべきだと思います。いまおことばの中にありましたように、いろいろなことに利用される金であるから、残高主義をとるのだということは、私はちょっと当たらないと思いますが、まあ部内的にも確かにそういう意見があるのではないかと私は考えております。私自身そう考えておりますが、ひとつこれまた、これは今後ともあることでございますので、ひとつ御検討おきいただきたい。特に私は、これは縁起の悪い話でございますが、来年また災害が、このたびの八・二八のこの上塗りがまたないとも限らない。そうした場合にまた限度を上げる。そういうことを考えると、この残高主義をとっていることについて、私はますます疑問を持ってくるわけでございますので、せっかくの御検討をこの際特に御要望申し上げておきます。  それから政務次官がせっかくおいでになっておりますので、要望でございますが、農地災害、農業用施設災害、これについていまさっそくその復旧事業が進められておる。で、査定は大体九割方完了しておるというお話でございましたが、事業主体が財政的に圧迫を受けないような措置を講じていただきたい。これは別にむずかしいことを御要求申し上げるのではない。三・五・二の比率で災害復旧事業が進められてまいりまするけれども、ほとんどの場合繰り上げ施工でやっておりますので、そうしますと、事業主体の金利負担もたいへんでございます。そこで三・五・二の三はことし出た、出るのは当然だ。ところが、第二年度の一番数の大きい金額は、これは金繰りの平準化とも考え合わせなければなりませんけれども、この災害については、第一四半期とは申し上げませんけれども、第二四半期とか、なるべく早い機会にこの五というものが支出されてしかるべきである、こう考えるのでございます。これは要望でございますからお答えをいただかなくてもけっこうですが、これは当然のことだと思いますので、特にその点ひとつお含みおきいただきたいと思います。  それから集団移転の問題について、先ほど武内先生からお話もございましたので、若干重複する個所もあるかと思いますが、ひとつ総理府にお尋ねをいたしたいと思います。激甚災害による被災者の移転について、衆議院の災害対策特別委員会においても小委員会を設けて、そこで検討がなされて、全会一致でこうやろう、ああやろうということがきめられているわけでございます。そこで羽越水害に伴う集団移転対策事業に対する特別措置要綱というものを新潟県が、案でございますが、つくりまして、こういう特別立法をひとつ政府でお考えいただけないか、こういうことで話が進められてきたのでございますけれども、この立法措置はどうしてもやっていただきたいと思うのでございますが、今日までの取り運びはいかが相なっているか。これは各部門に分かれているということにもなるかもしれませんが、その時間もございませんので、ひとつ窓口であるということでございますから、総理府のほうから、この立法措置についてのいままでの進みぐあい、今後の見通し、それについてひとつ御意見を伺いたい、こう思うのです。  それからあわせて、これはまあ災害を受けた羽越地区についての特別措置要綱でございますが、せっかく立法措置が完成を見るものであれば、災害を受けたところについての措置でなくて、それだけではなくて、危険な個所もあるわけですから、災害が起こった場合に、あの山がくずれたらあの家は危険だというところもあるでありましょうから、そうした災害を受けた場合にはたいへんだというところについての集団移転の措置、あるいはその前提になる調査、そういうものについてもどうお考えになっているかお聞きしたい。

上田伯雄内閣総理大臣官房参事官

○説明員(上田伯雄君) 集団移転をうまくやるための総合的な立法という御趣旨の御質問でございます。先生いまおっしゃいましたように、これは衆議院のほうの小委員会でもこの問題ございまして、そのほうの審議の経過等も、ここで御披露したほうが早いかと思うのでございますが、いま武内先生から御質問ございましたそれぞれの点は、県あたりからも、あるいは市町村方面からも、すでに中央のほうにいろいろ申し入れがあったところでございまして、いま各省担当者から御答弁いただきましたような方向で検討しておるわけでございます。  そこでこの特別措置要綱というのは、その内容は、県単位でこういうような仕事をいたす、ああいうような広範囲の仕事であるから、市町村だけでやろうといってもこれはすぐにはできないし、さりとて地方的、何といいますか、地方の実情をよく知った者でないと、これはできるものではございませんので、にわかに国が手を差し伸べるということでなくて、ひとつ県が中心になって、県単位の行政措置のようなものが法律に書かれておるわけでございまして、その内容といたしましては、危険地域の指定でありますとか、そこに、危険な地域に住んでいる人たちの移転の命令であるとか、勧告であるとか、助成であるとかいうような問題が書かれておるわけでございます。大体が、全体として、これは手元にございますのですけれども、県の行政措置というものを中心にし、これに国がいかに助成するかというのが、要綱の内容でございます。もしそれしかりとするならば、県のそういう行政措置は、一般の行政指導でもできるし、あるいはまた県の条例でもできる。そのあと押しの財政負担等につきましては、いま各省が言っておったように検討中であるので、いまにわかに総合立法をやらなくても、むしろ各省の具体の検討が進まないことには、法律をつくるとか、つくらんとかいう議論は少し早過ぎるのじゃないか。むしろ具体のものを片づけていこう、その途上においてはそういう立法とか、あるいはいろいろ予備費の問題とか出てくるかもしれないけれども、いまは立法立法といって、そういう何と申しますか、高踏的な議論よりも、個々具体の直接直ちにという議論を詰めようじゃないか。  そこで、衆議院のほうのあれを報告させていただきますと、しばらくは法律という話はそっとしておいて、具体的な話を各省とも勉強しようというふうなのが、一応の考え方でございまして、私どももそのほうが、何といいますか、正統的なやり方ではないかというように考えておりまして、いまここでにわかにそういう県単位の行政措置を法律化するというようなことよりも、具体的な仕事の運びなり、助成なりを考えようというような考え方でございます。  それから二番目の、もしこういうようにやられてしまったあとでこうだということじゃなくて、あらかじめそういうあぶないところをやろう、あぶないところを手当てしなければならぬという予防的な問題が残っておるわけでございます。この問題につきましては、この六月、七月の雨にしましても、新潟県地方の雨にしましても、急傾斜地特に住宅等が移転しなければならないようなところがずいぶんとやられたわけでございまして、いま建設省等におきましても急傾斜地の法律も立法の検討を進められておりますし、あるいは既存の宅地造成のための、宅地造成をむやみにやることを規制するための法律でございまして、そういうものの検討等も進められておりますので、こういうものの中の何といいますか、移転対策といいますか、その移転についてのやり方なり助成なり、いま決定的な成案が出ておるわけではございませんですけれども、建設省方面においてそういうような検討がなされております。その進行を見ていきたいと、かように考えております。

佐藤隆自由民主党

○佐藤隆君 ぜひそういうことで検討が進められておるものであれば、私はまあ並行してひとついまの立法措置も検討を進めていただきたい。緊急に措置しなければならないこととあわせて、やはり恒久対策としてひとつ検討を並行して進めていただきたい、こう思います。  最後に建設省にお伺いいたしますが、最初に建設省に申し上げたいのは、きょう河川局長お見えでございますが、先般の八・二八水害で安田町の問題がございました。災害が起こってから三カ月も過ぎている、そのときにさっそく河川局長が現地に行かれて、日曜日にもかかわらず現地に行かれて、現地において直接指揮をおとりになっていろいろ査定をされたということについて敬意を表すると同時に、地元の人間も非常に喜んでおりまするけれども、そうした措置が非常に喜ばれたということ自体、ちょっとここで考えなければいかぬじゃないか、河川局長がさっそくああしてやられた措置が特に喜ばれることは、そのほかの関係についてはあまり喜ばれていないということにもなるのでございまして、ひとつ災害対策については、機動性ということが特に重要かと存じますので、今後ともにひとつそうした機動性を遺憾なく発揮されるよう、冒頭に御要望申し上げておきます。  新治水五カ年計画の話につきましては、先ほど武内委員の質問に対しても触れられましたので、多少ダブるところがあるかとも思いますが、私は冒頭申し上げましたように、この治水の問題も、さっきの災害はとにかく政策以前の問題である、災害対策はと申し上げましたが、この治水五カ年計画についても、こうした治水の問題もやはり基本的な問題でございますから、ほんとうにもう超党派で取り組まねばなりませんし、この二兆四千億の予算の確保ということについて、財政硬直化ということで簡単に片づけられては困るので、ひとつその辺せっかくの建設当局の案をバックアップいたしたいと思いまするけれども、なかなか思うとおりにいくかどうか懸念されておるということも聞いておりますが、現在このせっかくの新治水五カ年計画二兆四千億の策定についてどんなところに困難があるか、見通しはどうなのか、もし具体的にこうしたところに困難があるということであれば、私どももひとつ強力にバックアップしなければいけませんし、みんなこの計画の実現を待っているわけでございますから、ひとつその間の進みぐあい、事情をひとつお聞きいたしたいということが第一点。  第二点は、この新治水五カ年計画が策定されたのは八・二八災害以前からのことだと思います。そこで、八・二八水害の経験に徴して、年次計画の中において、まあさっそく再検討をしなければならない問題もあるかとも思うのでありますが、そうしたことからいくと、来年度に至ってはたして二兆四千億というものがこれで満足すべき数字かどうかということ、これよりもやはりふえなければならない、こう思うのでございます。先行きの見通しについて、特に御意見を聞かしていただければありがたい、こう思うのでございます。

坂野重信建設省河川局長

○政府委員(坂野重信君) 御指摘の第一点でございますが、治水事業新五カ年計画の改定の内容、あるいは改定を必要とする理由につきましては、先ほど武内先生の御質問に対してお答えしたとおりでございまして、現行の一兆一千の治水事業五カ年計画の範囲内で鋭意事業を重点的に進めているわけでございますが、最近の異常な集中豪雨の多発、あるいは河川流域におきますところの経済発展の趨勢、あるいは今年におきます渇水の状況等にかんがみまして、こういった新事態に対処するために、ひとつ現行の治水事業五カ年計画を改定いたしまして、総額で二兆四千億ということで現在進めている次第でございます。現在は事務折衝の段階でございます。いろいろ大蔵省当局といたしましては、財政硬直化等の関係もあり、なかなか簡単に治水事業五カ年計画をすぐに簡単に認めるという段階ではないようでございまして、これはいずれ大蔵省からの内示がございまして、その段階で、事態ははっきりすると思うわけでございますが、私どもの現在の見通しを申し上げているわけでございまして、なかなか簡単にはまいらないというぐあいに考えるわけでございますが、大蔵当局におかれましても、治水事業の重要なことは重々御存じでございまして、これは私どもが事務的にいろいろな段階、いろいろな機会に説明しているわけでございます。大蔵としても、治水事業の重要性ということについては、いささかもその認識がないというわけじゃないということでございますので、今後とも、私どもは事務的にいろいろな形で折衝を進めてまいりたいと思うわけでございますので、ひとつ、何といいますか、先生方におかれましても、地元の被災民の立場に立って、本計画の実現について今後とも絶大なる御協力を私、建設省の立場でお願いするわけでございます。  それから第二点でございますが、今年度の災害の状況等にかんがみまして、一つの問題は非常に土石流を伴った災害が今年度の特徴としてあらわれているわけでございます。それにつきましては、五カ年計画と並行いたしまして、もちろん五カ年計画の中に土石流対策という新しい項を設けまして、従来やっております通常砂防の範囲内で特に土石流対策のための砂防事業というものを実施しようじゃないかということもあげておりまして、そういう意味では新五カ年計画の中にも盛り込んでおります。  それから新治水事業五カ年計画と別ワクでございますが、急傾斜の崩壊対策事業というのを、今年度から実施しておりまして、事業費はまだ今年度は初年度でございましてわずかでございますが、二億円をもって全国に三十六カ所実施いたしておりまして、これをひとつ明年度におきましても、できるだけ強化していきたいということで、一方におきましては事業を約七・五倍、約十五億要求いたしておりまして、できれば三百カ所ぐらいやりたいということで、あわせて法律的な措置を考えまして、そういった特別の立法措置というものを考えておりまして、できれば次の通常国会に提案したいというぐあいに考えております。  それからなお治水ダムにつきましては、今年度から新規に十カ所調査に着手したわけでございます。個々の治水ダムにつきましては、そういった中小河川の小規模な治水といいますか、中小河川の洪水調節とあわせて渇水対策に資しようということで、今年度十カ所ばかり調査いたしております。明年度におきましては、これを大幅に調査個所をふやすと同時に、ひとつできるだけ着工をはかっていきたい。新潟の各地におきましても、そういったいま申し上げておりますようなことも、ひとつ新規に明年度に織り込んでおります。ただ、この二兆四千億の中身で若干そういった振りかえるものもございますが、二兆四千億の中身を検討する段階におきまして、そういうものも相当予想しておりまして織り込んでおりますので、まあ二兆四千億程度の新計画が実現いたしますというと、治水に対して大体根幹的なものについては、万全を期すことができるだろうというぐあいに私ども考えておりますので、よろしく御了承願いたいと思います。

伊藤顕道日本社会党

○委員長(伊藤顕道君) 本件に対する質疑は、本日はこの程度にいたします。  次回の委員会は、来たる二十一日午後一時から開会することといたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後二時四十五分散会      —————・—————

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