本会議 第5号
- 発言数
- 40 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1967/12/12
会議録
○議長(石井光次郎君) これより会議を開きます。 ————◇—————
○議長(石井光次郎君) 御報告いたすことがあります。 去る十月二十日、元自由党総裁、前議員吉田茂君は逝去せられました。まことに哀悼痛惜の至りにたえません。 同君に対する弔詞は、十月三十一日に贈呈いたしました。これを朗読いたします。 〔総員起立〕 元自由党総裁前衆議院議員従一位大勲位吉田茂君は多年憲政のために尽力し内閣総理大臣の重責をになうこと前後五たび七年有余にわたり戦後の多難な国政を統理されました君は日本国憲法の制定に力をいたし国土の再建国民生活の安定に心魂を傾けまた平和条約を締結して独立の回復と国際社会への復帰を実現しもって今日の国運発展の基礎をきずかれましたその功績はまことに偉大であります衆議院は君の長逝を哀悼しつつしんで弔詞をささげます —————————————
○議長(石井光次郎君) 去る十月一日、議員東海林稔君は逝去せられました。まことに哀悼痛惜の至りにたえません。 同君に対する弔詞は、十月六日に贈呈いたしました。これを朗読いたします。 〔総員起立〕 衆議院は多年憲政のために尽力された議員正四位勲二等東海林稔君の長逝を哀悼しつつしんで弔詞をささげます ————◇————— 故議員東海林稔君に対する追悼演説
○議長(石井光次郎君) この際、弔意を表するため、長谷川四郎君から発言を求められております。これを許します。長谷川四郎君。 〔長谷川四郎君登壇〕
○長谷川四郎君 ただいま議長から御報告のありましたとおり、本院議員東海林稔君は、去る九月三十日、前橋市の社会党県本部で開かれた組織強化討論集会に出席して帰宅する途中、不幸にも交通事故にあい、翌十月一日逝去せられました。まことに痛恨の至りにたえません。 私が東海林稔君を知るようになったのは、昭和二十二年、私が群馬県議会に席を置き、君が県の農地部の幹部として迎えられて以来のことであります。その後、本院議員となってからは、農林水産委員会の同僚として、あるいはそれぞれ県連の委員長、会長として、党派こそ異にしておりましたが、公私にわたって親交を重ねてまいりました。私たちは、お互いに助け合い、励まし合い、そしてよく議論をかわし合う真に心を許し合った友でありました。「これから自民党を追い抜いてやるぞ」と闘志を燃やしていたありし日の君の姿を思い浮かべ、私は無限の悲しみに打たれるとともに、友人を一瞬にして奪い去った交通禍に対し、心から憤りを覚えずにはおられません。(拍手) 私は、ここに諸君の御同意を得て、議員一同を代表し、つつしんで追悼のことばを申し述べるにあたり、悲惨な交通災害から国民を守ることがわれわれ政治家に課せられた急務であることを深く肝に銘じ、交通安全対策の万全を期して献身することを君の霊前に誓うものであります。(拍手) 東海林君は、明治三十六年十一月新潟県村上市の農家に生まれ、長じて北海道帝国大学農学部に進まれました。昭和二年学業を終えるや、台湾総督府に勤務され、技師として農産物の生産技術の向上と農場の拡張に努力し、大いに業績をあげられたのであります。 戦後は、郷里の新潟に帰り、農業に従事しておられましたが、昭和二十二年、君は望まれて群馬県に迎えられ、農地課長となり、次いで農地部長に就任し、経済部長も兼務されたのであります。この間、君は、あの画期的な農地改革の実施にあたって、献身的に精励されたのをはじめ、戦後の複雑にして困難な農業問題に取り組み、県農政の基礎を築かれたのでありました。ことに畑地が全耕作面積の六割を占める自然条件に着目した君は、土地改良事業を推進し、蔬菜生産にめざましい成果をあげ、農業従事者の経済基盤強化に大いに貢献されたのであります。 やがて、君は農業に従事する庶民の代表として、その声を政治に具現させることこそみずからの使命であるとの信念を固めるに至ったのであります。かくて、職を辞した君は、全日本農民組合の県連副委員長あるいは労働者生活協同組合理事長として、農民運動に、はたまた生活の改善に精力的な活動を続けられましたが、昭和三十三年五月、第二十八回衆議院議員総選挙が行なわれるや、群馬県第二区から勇躍立候補し、みごと当選の栄をになわれたのであります。 本院議員としての東海林君は、農林水産委員会において、その手腕力量を遺憾なく発揮し、すぐれた農政通として光彩を放っておったのであります。この間、農林水産業の政策目標をきめる各種基本法並びにこれらの原則を具体化するための関連諸法案が審議されるなど、わが国農政にとって一時期を画すべき重要な時を経てまいったのであります。 君は審議にあたり、必ずしもはでな議論を展開するということはなかったのでありますが、深い知識と豊かな体験を傾けて説く君の意見は、問題の本質を的確にとらえて誤たず、聞く者に有益な示唆と強い感銘を与えずにはおかなかったのであります。(拍手)「農業は本来楽しかるべき職業である。そのためには、農民の人格を尊重し、農業を第一種産業として確立させることである。」これは君の基本的信条を率直に表明したものでありますが、この理想達成のためにささげられた君の情熱は、まさに身命を賭するの概がありました。 また、君は、与野党の見解が対立した際、その円満な解決のために忍耐強く努力を払われ、その真摯な姿勢と勇気ある決断とは、党派を越え、同僚委員の信望を一身に集め、委員会運営の面においても、かけがえのない存在として重きをなしておられました。日本社会党においても、君の専門的知識と実際的手腕は高く評価されるところとなり、政策審議会農林水産部会の部長の要職につかれ、党の農業政策の立案に携わり、これが実現のために尽力されたのであります。 さらに、畑地農業改良促進対策審議会委員あるいは畜産物価格審議会委員として長年のうんちくを傾け、農村の振興発展のために大いに寄与されたのであります。 かくて、東海林君は、本院議員に当選すること連続四回、在職九年六カ月に及び、国政に残された功績はまことに偉大なものがあります。 東海林君は、農家に止まれ、みずから農業に従事し、かつまた農政をにない、その生涯を土とともに生きてこられましたが、君のお人柄もまた土のごとく素朴で、何の飾りけもなく、しかも確固不動のものがありました。日常、君が、バラつくりや金魚の飼育に熱中している姿からは、「足長おじさん」と呼ばれて、だれからも親しまれ、愛されていた君のやさしさとあたたかさが、余すところなくうかがわれたものでありました。(拍手)しかしながら、その温容の中にも、人一倍旺盛な正義感と情熱に加え、みずからの信ずる道を粘り強く邁進していくという実行力が秘められていたのであります。「熱意を持ってやれば何でもできるんだ」、君が口癖のように言っていたこのことばは、私の耳の底にいまなおはっきりと残っているのでありまして、この不撓不屈の闘志こそ、東海林稔君の真骨頂でありました。私はそこに、名利を捨てて農政一筋に尽くされた君のなみなみならぬ決意のほどを知り、心から敬服してやまなかったのであります。 君は御年ようやく六十三歳、学生時代スポーツで鍛え上げた君のからだはなお若く、私たちはひとしく君の末長い御活躍を信じ、かつ期待していたのであります。その君が、遠大な抱負と希望を抱きながら、このような不慮の事故によって中道に倒れようとは、だれが予知したでありましょうか。最愛のひとり子、哲男君の御結婚の日は旬日の後に迫っておりました。君は、親しい人に会うたびごとに、「これで親の役目が済むよ」と、満面に笑みを浮かべながら話し、喜びの日を楽しみに待っておられました。しかるに、その日を前にして君は突如として去っていかれたのであります。私は君の無念さを思い、またこの日を深い悲しみのうちに迎えなければならなかった御遺族の胸中を思うとき、また新たなる涙を禁じ得なかったのであります。私は御遺族の皆さまが、この悲しみを乗り越えて、一日も早く明るく、しあわせになられることをひたすらに祈ってやみません。 いまや、成長発展の過程にある各産業の中で、わが国の農業は新段階を迎え、解決すべき幾多の困難な問題を内包しているのであります。このときにあたり、多年の経験と、透徹した理論とを有し、しかも人格、識見ともに卓越せる東海林君のごとき人物を失いましたことは、返す返すも残念なことであり、本院にとっても、国家にとりましても、まことに大きな損失であると申さなければなりません。(拍手) ここに、東海林君の生前の御功績をたたえ、その人となりをしのび、心から御冥福をお祈りして、追悼のことばといたします。(拍手) ————◇————— 日程第一 裁判官弾劾裁判所裁判員予備員の選挙 日程第二 裁判官訴追委員の選挙 日程第三 検察官適格審査会委員及び同予備委員の選挙 日程第四 中国地方開発審議会委員の選挙 日程第五 北陸地方開発審議会委員の選挙 日程第六 離島振興対策審議会委員の選挙 日程第七 国土開発幹線自動車道建設審議会委員の選挙 日程第八 台風常襲地帯対策審議会委員の選挙 日程第九 首都圏整備審議会委員の選挙 日程第十 鉄道建設審議会委員の選挙 〇議長(石井光次郎君) 日程第一ないし第十に掲げました各種委員の選挙を行ないます。
○竹内黎一君 各種委員の選挙は、いずれもその手続を省略して議長において指名せられ、裁判官弾劾裁判所裁判員の予備員の職務を行なう順序については議長において定められんことを望みます。
○議長(石井光次郎君) 竹内黎一君の動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(石井光次郎君) 御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決しました。 議長は、裁判官弾劾裁判所裁判員の予備員に山下元利君を指名いたします。 なお、その職務を行なう順序は第一順位といたします。 次に、裁判官訴追委員に田中伊三次君を指名いたします。 次に、検察官適格審査会委員に山手滿男君を指名いたします。 また、上村千一郎君を山手滿男君の予備委員に指名いたします。 次に、中国地方開発審議会委員に 竹下 登君 橋本龍太郎君 を指名いたします。 次に、北陸地方開発審議会委員に坂田英一君を指名いたします。 次に、離島振興対策審議会委員に西岡武夫君を指名いたします。 次に、国土開発幹線自動車道建設審議会委員に 橋本登美三郎君 大平 正芳君を指名いたします。 次に、台風常襲地帯対策審議会委員に田村良平君を指名いたします。 次に、首都圏整備審議会委員に鴨田宗一君を指名いたします。 次に、鉄道建設審議会委員に 橋本登美三郎君 大平 正芳君を指名いたします。 ————◇————— 日程第十一 国家公安委員会委員任命につき事後承認を求めるの件 日程第十二 社会保険審査会委員任命につき事後承認を求めるの件 日程第十三 日本放送協会経営委員会委員任命につき事後同意を求めるの件 日程第十四 公共企業体等労働委員会委員任命につき事後承認を求めるの件 日程第十五 地方財政審議会委員任命につき事後同意を求めるの件 〇議長(石井光次郎君) 日程第十一ないし第十五につきおはかりいたします。 内閣から、国家公安委員会委員に名川保男君を、社会保険審査会委員に大村潤四郎君を、日本放送協会経営委員会委員に網島毅君、伊藤佐十郎君、鈴木信雄君、藤田三郎君を、公共企業体等労働委員会委員に隅谷三喜男君を、地方財政審議会委員に新居善太郎君、今吉敏雄君、久保田義麿君、鈴木武雄君、武岡憲一君を任命したので、それぞれその事後の承認または同意を得たいとの申し出があります。右申し出のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(石井光次郎君) 起立多数。よって、いずれも承認または同意を与えるに決しました。 ————◇————— 水田大蔵大臣の去る五日の本会議における演 説に関して訂正の発言
○議長(石井光次郎君) この際、大蔵大臣から、去る五日の本会議における演説に関し、発言を求められております。これを許します。大蔵大臣水田三喜男君。 〔国務大臣水田三喜男君登壇〕
○国務大臣(水田三喜男君) 去る五日の本会議における私の演説の中で、私が、「公定歩合の一厘引き上げ等を行ない、」と申しましたのは、「公定歩合の一厘引き上げ等が行なわれ、」と訂正いたします。 ————◇————— 一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出)、特別職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出)、防衛庁職員給与法等の一部を改正する法律案(内閣提出)、裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)及び検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明 〇議長(石井光次郎君) 内閣提出、一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案、特別職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案、防衛庁職員給与法等の一部を改正する法律案、裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案、及び検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を順次求めます。国務大臣田中龍夫君。 〔議長退席、副議長着席〕 〔国務大臣田中龍夫君登壇〕
○国務大臣(田中龍夫君) 一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案及び特別職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を便宜一括して御説明申し上げます。 本年八月十五日、一般職の国家公務員の給与について、俸給表を全面的に改定いたし、宿日直手当及び勤勉手当等を改定すること、及び都市手当を新設するとともに、暫定手当について、その一定部分を逐次俸給に繰り入れて、その整理を進めること等を内容とする人事院勧告がなされたのでありますが、政府といたしまして、その内容を慎重に検討した結果、実施期日につきましては、例年より一カ月繰り上げて本年八月一日からとし、内容につきましては、都市手当を調整手当と、他は勧告どおりこれを実施することが適当であると認めましたので、この際一般職の職員の給与に関する法律等について所要の改正を行なおうとする本のであります。 また、一般職の職員の給与改定に伴い、特別職の職員の給与につきましても、その改定を行なう必要がありますので、特別職の職員の給与に関する法律等について所要の改正を行なおうとするものであります。 まず、一般職の職員の給与に関する法律等の一部を、次のとおり改めることといたしました。 第一に、全俸給表の俸給月額を引き上げることといたしました。この結果、俸給表全体の改善率は平均七%になることと相なります。 第二に、初任給調整手当について、医療職(一)の適用を受ける医師に対する支給月額の限度を五千円から一万円に引き上げることといたしました。 第三に、都市手当に関する勧告につきましては、慎重に検討を重ねました結果、勧告の趣旨を実質的に尊重いたし、これを調整手当として実施することといたしました。この調整手当は、民間における賃金、物価及び生計費が特に高い地域で人事院規則で定めるものに在勤する職員に対して支給することとし、その支給額は、甲地に在勤する者に対しては、俸給、俸給の特別調整額及び扶養手当の月額の合計額の百分の六、乙地に在勤する者に対しましては、同合計額の百分の三とすることといたしました。 また、転勤等により調整手当の月額が減少する場合、または調整手当が支給されなくなる場合には、二年間の異動保障を行なうことといたしました。 なお、この調整手当につきましては、本法施行後三年以内に調整手当に関して必要と認められる措置を国会及び内閣に同時に勧告することを目途として、人事院におきまして、調整手当に関する調査研究を行なうべきことを附則に規定することといたしました。 第四に、宿日直手当について、支給額の限度を四百二十円から五百十円、土曜日等に退庁時から引き続いて行なわれる宿直勤務にあっては五百四十円から七百六十五円に引き上げますとともに、常直的な宿日直勤務に対する手当の支給月額の限度を三千円から三千六百円に引き上げることといたしました。 第五に、勤勉手当につきまして、三月に支給する同手当を〇・一カ月分増額して、〇・五カ月分とすることといたしました。 第六に、現に暫定手当の支給されていない地域に在勤する職員に対して、本法施行の日の翌月から昭和四十五年三月三十一日までの間、一定額の暫定手当を支給することといたしました。これは、別途行なうことといたしております暫定手当の一定部分の俸給への繰り入れ措置の一環として行なうものであります。 なお、本法に附則を設けまして、俸給の切りかえ方法、切りかえに伴う措置、調整手当と暫定手当との調整、調整手当の額の特例及び暫定手当の一定部分を俸給へ繰り入れるための措置並びに調整手当の新設に伴う関係法律の一部改正等を規定することといたしました。 次に、特別職の職員の給与に関する法律等の一部を次のとおり改めることといたしました。 第一に、特別職の職員の俸給月額を引き上げることといたしました。内容といたしましては、内閣総理大臣等につきましては、内閣総理大臣は十五万円引き上げまして五十五万円、国務大臣等は十万円引き上げて四十万円、内閣法制局長官等は六万円引き上げて三十二万円とし、その他政務次官等につきましてはそれぞれ二万円引き上げることといたしました。次に、大使及び公使につきましては、以上の改定に準じまして、国務大臣と同額の俸給を受ける大使は四十万円、大使五号俸は三十二万円とし、大使及び公使四号俸以下については、それぞれ二万円引き上げることといたしました。また、秘書官につきましては、一般職の国家公務員の給与改定に準じまして引き上げることといたしました。 第二に、常勤の委員に対し、日額の手当を支給する場合の支給限度額を千百円増額して、日額一万五百円に改めることといたしました。 第三に、特別職の職員にも新たに調整手当を設け、一般職の国家公務員の例に準じて支給することとし、これに伴い、規定を整備することといたしました。 以上が一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案、及び特別職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案の趣旨でございます。 何とぞよろしく御審議のほどをお願いいたします。(拍手) —————————————
○副議長(小平久雄君) 国務大臣増田甲子七君。 〔国務大臣増田甲子七君登壇〕
○国務大臣(増田甲子七君) 防衛庁職員給与法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。 この改正案は、このたび提出されました一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案の例に準じて、防衛庁職員の俸給の改定等を行なうものであります。 すなわち、第一条においては、参事官等及び自衛官の俸給を一般職に準じて、それぞれ従前の例にならい改定するとともに、自衛官の営外手当及び防衛大学校の学生の学生手当の改定を行なうこととし、このほか、同じく一般職の例に準じて、勤勉手当の支給率を改定するとともに、参事官等、事務官等及び指定職の自衛官に調整手当を新設することとしております。 なお、事務官等の俸給及びこれに繰り入れられる暫定手当相当額、医療職の初任給調整手当、宿日直手当等については、一般職の職員の給与に関する法律の規定を準用しておりますので、同法の改正によって同様の改定が行なわれることとなります。 第二条においては、調整手当の新設に伴い、暫定手当に関する規定の整備を、一般職に準じて行なうこととしております。 第三条においては、一般職において、現在暫定手当を支給されていない地域の職員に対し、一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律の施行の日の翌月の初日から暫定手当の一段階相当額の五分の一の額が支給されることとなることに伴い、従前の例により自衛官の俸給を改定することとしております。 第四条においては、昭和四十三年四月一日から一般職において暫定手当の一段階相当額の五分の一の額を俸給に繰り入れることに伴い、参事官等の俸給を改定することとしております。 また、この暫定手当の俸給繰り入れのほか、一般職において同日から暫定手当の一段階相当額の五分の二の額が支給されることとなるに伴い、従前の例にならい、自衛官の俸給を改定することとしております。 なお、附則においては施行期日、俸給の切りかえ、切りかえに伴う措置並びに調整手当と暫定手当との調整等所要の規定を定めております。 この法律案の第一条及び第二条の規定は、公布の日から施行し、昭和四十二年八月一日から適用することとし、第三条の規定は、一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律の施行の日の翌月の初日から、第四条の規定は昭和四十三年四月一日から、それぞれ施行することとしております。 以上が防衛庁職員給与法等の一部を改正する法律案の趣旨でございます。(拍手) —————————————
○副議長(小平久雄君) 法務大臣赤間文三君。 〔国務大臣赤間文三君登壇〕
○国務大臣(赤間文三君) 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案、及び検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を便宜一括いたしまして御説明申し上げます。 政府は、人事院勧告の趣旨にかんがみまして、一般の政府職員の給与を改善する必要を認めまして、今国会に一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案、及び特別職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案を提出いたしましたが、裁判官及び検察官につきましても、一般の政府職員の例に準じまして、その給与を改善する措置を講ずるために、この両法律案を提出した次第でございまして、以下簡単に改正の要点を御説明申し上げます。 第一に、最高裁判所長官、最高裁判所判事及び高等裁判所長官の報酬並びに検事総長、次長検事及び検事長の俸給は、従来内閣総理大臣その他の特別職の職員の俸給に準じて定められておりますので、今回もこれらの職員の俸給の増額に対応いたしまして、これを増額することといたしたものであります。 第二には、その他の裁判官の報酬及び検察官の俸給につきましては、おおむね、その額においてこれに対応する一般職の職員の俸給の増額と同一の比率によりまして、これを増額することといたしたものであります。 なお、以上の改正は、一般の政府職員の場合と同じように、昭和四十二年八月一日にさかのぼって適用することといたしました。また、一般の政府職員の例に準じまして、昭和四十三年四月一日以降、暫定手当のうち一定の額を報酬または俸給に繰り入れる措置を講ずることといたしまして、これを両法律案の附則において定めておるのであります。 以上が裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案、及び検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案の趣旨でございます。(拍手) ————◇————— 一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出)、特別職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出)、防衛庁職員給与法等の一部を改正する法律案(内閣提出)、裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)及び検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑 〇副議長(小平久雄君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。山本弥之助君。 〔山本弥之助君登壇〕
○山本弥之助君 私は、日本社会党を代表しまして、ただいま趣旨説明のありました一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして、政府の責任を強く追及するとともに、幾つかの諸点について質問をいたしたいと存じます。 私はまず、口を開けば、人間尊重を説かれる佐藤総理が、今日の公務員労働者の生活の実態をどう認識し、国家公務員法の要請する、職員が職務の遂行に当たり、最大の能率を発揮し得るように民主的な方法でどう指導しようとお考えなのか、お伺いいたします。 今日、公務員労働者の生活がいかに困窮の極に達しているかについては、労働組合側の調査したところによりますと、国家公務員の四分の一にのぼる者がその給料だけで生活ができないと訴え、内職や共かせぎをしている者は全体の六〇%にも達しているという結果が出ているのであります。さらに、昨年の人事院勧告によりますと、一般職の公務員の東京都における二人世帯の標準生計費が三万一千百四十円となっているのでありますが、今日、その額にも達しない者が四〇%にものぼっており、また、三人世帯における標準生活費四万二千七百八十円に達しない者は、実に六七%にものぼっているのであります。これこそまさに佐藤総理が説かれる人間尊重の政治の姿であり、その公僕としての忠実さを求められている公務員の偽らざる生活の実態であります。(拍手) 言うまでもなく、人事院は国家公務員法の制定によって設立されて以来、今日まで公務員の人事行政一般をはじめ、労働条件、給与などを調査し、勧告する重大な任務を持っているのであります。したがって、本来ならば憲法第二十八条に保障されているごとく、給与など労働条件は当事者間の自主的交渉によってきめらるべきものを、公務員から、団体交渉権、争議権を剥奪する代償機関として人事院がそれを中立的立場から判断して必要な勧告を行ない、それを実施せしめるに全力を尽くさなければなりません。しかるに、現状は一体どうでありましょうか。いまや人事院は、われわれが当初より危惧したごとく、時の政府の意向を忠実に反映し、政府の低賃金政策の中核となって、むしろ労働条件引き下げのために狂奔していると断ぜざるを得ないのであります。(拍手) その事実は、本年八月になされた人事院の勧告が示しているところであります。人事院は、本年度の勧告にあたって、四月の時点で民間と公務員との賃金格差を調査した結果、東京における独身男子一人当たりの標準生計費を一万七千三百六十円とすべきだと勧告いたしております。その内容は、食料費月額七千六百四十円、住居・光熱費三千百三十円、被服費千四百九十円、雑費五千百円だというのであります。 私は、佐藤総理をはじめ、各大臣にお伺いいたしたいと存じます。一体、いまの東京で——東京に限らないのでありますが、たとえ三畳一間の間借りであろうとも、電気暖房を備えて三千円でお貸ししてくださる家主がおられるかどうか、お示し願いたいのであります。(拍手)しかも、この標準生計費にも満たない公務員が全体の半数以上を占めているのであります。このため、公務員の中には、生活保護基準にも達しない者や、教育補助受給者が多数存在することを、佐藤総理御自身、いかなる御感想をお持ちになるか、これが総理自身の行なう行政機関のもとで、額に汗して働く公務員の生活の実態を人事院が浮き彫りにしてくれています。 しかも、私が最も遺憾とするところは、このような公務員の生活を全く無視した低い人事院の勧告にもかかわらず、政府はこれまでただの一回も完全に実施したことがないということであります。(拍手)昭和三十五年から、人事院が勧告の実施期日を五月から行なうよう明記して以来、四年間は十月、三年間は九月と、財源難を理由に不当にもその勧告を踏みにじってきたのであります。 一方では、みずからの生活と権利を守るために立ち上がった公務員の闘争を違法だとして、きびしい弾圧と処分を行ない、労働者の基本的人権をじゅうりんしているのであります。佐藤総理が労使間の信頼のもとに法秩序を確立せんとするならば、なぜに公務員が憲法で保障された基本的権利を合法的に主張し得る法改正に真剣に取り組まないのか、それをお伺いしたいのであります。(拍手) こうした人事院制度と政府のあり方に対しましては、国際的にも大きな非難を浴びていることはすでに御承知のとおりであります。ILO八十七号条約批准に際しまして、わが国を訪れたドライヤー調査団も、その勧告の中で、わが国の公労委、人事院などの第三者機関がその本来の機能を失い、政府の労働政策の一環として行なわれていると指摘しているのであります。それにもかかわらず、今日公務員が労働者としての権利を奪われつつも、最小限度その権利を守るよりどころを人事院に求めるものは、その勧告の完全実施であります。しかるに、ただいま趣旨の説明のありましたこのたびの改正案によりますと、本年もまた内閣は勧告を無視し、八月実施という改正案を提出してまいったのであります。そこで私は、人事院勧告の内容に対する不満にはこの際あえて触れず、実施期日の問題にのみ限って、さらに佐藤総理並びに関係各大臣に質問いたします。 歴代自民党内閣は、これまでも口を開けば、日本経済の驚異的な発展を遂げていると自画自賛いたしております。現に佐藤総理も去る五日の所信演説で、東南アジア、大洋州諸国の歴訪及びアメリカの訪問を通じて、わが国の国際的地位の飛躍的高まりを身をもって感ぜられ、米ソに次ぐ世界第三の工業国になりつつあるという称賛に満足せられておられます。その演説の結びでは、国民に向かって、繁栄の陰に忍び寄る安逸の気風を戒め、長い将来にわたる祖国の健実な発展のため、国民が尽力されることを強く期待されております。しかし、佐藤総理の目に映ずる繁栄は、自民党内閣が国民生活をむしばみつつ推し進められてきた繁栄であって、政治経済の大きなひずみを内包する繁栄であります。(拍手)「繁栄の陰に忍び寄る安逸の気風」は、利潤のみを追求する資本の不健全な横行や、大企業の許せない汚職や利権の続発と、これに便乗する消費の増大の放任に基因しているのであります。あるいは生活の希望を失った人々のその日その日のせつな的慰めを求めての自己逃避の姿でありましょう。私は、繁栄の陰に、その原動力となる多くの働く者の生活の水準の高きを誇り得る政治の姿勢こそを総理に期待してやみません。(拍手)そしてこの政治姿勢があれば、国民に対し公務の民主的かつ能率的運営を保障するために尽力すべきことを要請されている公務員を、その困窮から救う基本的態度が現実に示されるはずであります。佐藤総理は、多年にわたり人事院の勧告をただの一度も完全に実施せず、みずからのつくった人事院制度をみずから破壊してきた自民党内閣の責任を、総理の立場としていかなる反省の念をお持ちになるのか、確たる御見解をお聞かせ願いたいのであります。(拍手) 次に、大蔵大臣にお伺いいたします。 あなたは、これまでも政府が勧告の完全実施の不可能な理由を財源難によるとして、給与担当大臣の中にあっても最も強力な反対者としてその立場を貫いてまいられました。このため、少なくとも公務員のこれまでの損失額は、一人当たり十一万円、総額として二千九百五十億円にのぼると推定されているのであります。いわば不当に収奪されたといっても過言ではあまりせん。 しかるに本年は、昨年末以来の景気上昇に伴い、税の自然増収も例年にない大幅な伸びを見せていることからいえば、人事院の勧告を尊重する意思と、公務員の生活に対する認識があれば、五月実施に踏み切ることは可能なはずであります。多年にわたり、財政上の理由から勧告の実施時期を無視してきたのは、財源の問題というよりも、配分すべき給与費の増額が、優先順位にないという認識に立つものと断ぜざるを得ません。(拍手)経済情勢が政府の見通し以上の民間企業の設備投資となり、国際収支の赤字増大が予想されるに至り、公定歩合の引き上げ、わが党の指摘した景気刺激予算は、公共事業の繰り延べと、国債の発行予定額の減額の措置をとらざるを得なくなったことは、政府の財政政策の責任であって、多くの職場で働く公務員労働者の生活を無視する理由にはなりません。(拍手)さらに来年度予算編成にあたりまして、給与費を含む確定自然増の経費が、財源増に比して、例年にない高い比率を占めることが明らかになり、いわゆる財政硬直化の問題が大きく浮かび上がってまいりました。私は高度の中立性を必要とする人事院の機能が、財政政策の前に、その存立の基盤を失うのではないかという危険を感じます。 この際、人事院の勧告に対する大蔵大臣の明確な御見解をお聞かせ願います。あわせて、予想せられる給与費増額分を、来年度予算にいかなる形で措置なさるおつもりか。人事院の勧告を拘束することなく、その実施時期を完全に実施せられることを配慮せられているのかをお聞かせいただきたいと存じます。(拍手) 次に、公務員労働者と政府との間に、例年のごとく繰り返されるその労使関係の相互不信頼が醸成されていく現状について、いかに考えられるか、労政担当の労働大臣と給与担当の総務長官にお伺いいたします。 本来、労使関係はすでに申し述べましたごとく、労働者の基本的権利の保障のもとに、使用者と自主的に労働条件について、話し合いによってきめるべきが原則であります。わが国の公務員労働者の基本的権利は一方的に剥奪され、それにかわるものとして存在しているはずの人事院も、十分公務員の要求や意思が反映されず、人事院制度も、政府により、その権威をじゅうりんされようとしています。労働大臣及び総務長官は、かような公務員、政府間に根ざす不信をいかに取り除き、将来、公務員の基本権をどのように保障されようとしていくつもりなのか、良識ある御見解を承りたいと思います。(拍手) また、先ほど触れました来年度当初予算に計上をうわさされている給与改定分の取り扱いが、人事院制度の運営に障害にならぬと確信をお持ちでしょうか、あわせてお伺いいたします。 なお、当面の責任者である総務長官は、早急に公務員制度審議会を正常ルートに乗せ、これらの問題について検討すべきだと考えますが、率直な御見解を賜わりたいと存じます。 最後に申し述べたいことは、公務員の給与に関する審議に対する国会の反省であります。すなわち、国会において、人事院制度創設以来、年に一回の給与改定の勧告に対し、その内容と一体であるべき実施時期につき、勧告を尊重しなかったことであります。人事院の勧告が、憲法第二十八条に保障する公務員の基本的権利の行使にかわるものであり、また、勧告が内閣のみならず、国会に対してなされる以上、国会はこの勧告を慎重に審議すべき独自の権限と重大なる責任を持つものであり、いたずらに内閣の決定に追従すべきものではありません。(拍手)本年度の勧告に対し、衆参両院の各常任委員会の決議を通じ、国会の意思を政府に伝えてあるにもかかわらず、政府は本年も勧告を無視する提案をしてまいりました。われわれは多年にわたる国会のとり来たった態度を深く反省すべきであります。 わが日本社会党は、人事院勧告の内容につき、きわめて不十分、不満足ながらも、さしあたりその勧告を完全に実施すべきものとして、五月実施の独自案を野党各派とともに提案し、国会の責任を果たさんとするものであります。政府並びに自民党も率先してわれわれの改正案に賛成されんことを強く要望して、私の質問を終わります。(拍手) 〔内閣総理大臣佐藤榮作君登壇〕
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) お答えいたします。 私は、申すまでもなく行政府の長でございますが、その意味におきまして、公務員にもちろん適正なる給与が支給されることを望み、またそれを確保する責任がございます。国民一般に対する国民の生活を確保することも、私の責任でありますが、同時に、ただいま申すように、行政府の長としてのその責任も、ただいま山本君から御指摘になったとおりであります。 ところで、私は、公務員一人一人もやはり全体の奉仕者だということをよく考えていただきたいと思います。さように考えますと、いわゆる団体交渉などでこの給与がきまるべき筋のものではない。これでただいまお話のありましたような中立的な機関、いわゆる人事院という制度を設けまして、そうして、この人事院の勧告を政府が尊重していく、ここにいわゆる問題があると思います。 そこで、今日までも政府がたびたび尊重するということを申しました。しかしながら、なかなかそのとおり実施されておらないという御不満が依然としてあるわけであります。しかし、その内容において、その給与のたてまえにおいて、これはもうすでに人事院の勧告どおりやっておる。しかしながら、実施時期がなかなか人事院の勧告どおりに行なわれておらない。これは私が申し上げるまでもなく、予算の施行の途中において人事院勧告がなされる、そういうために絶えずここに困難さがあり、この困難を克服していかないと完全実施はできないわけであります。そういう意味であらゆる努力をいたしました。かつての十月実施というものが九月になり、ことしは給与関係閣僚会議がたびたび会議を持ちまして、そうして財政事情の困難な際にもかかわらず、今回は八月実施に繰り上げたのであります。これは一カ月でありまして、これを私はもちろん自慢するものではございません。しかしながら、政府が努力しておるこの点にも十分の御了解を賜わりたい、かようにお願いする次第であります。(拍手) なおまた、過去の問題につきまして、この制度のあり方についていろいろの御意見がございました。私は、政府が絶えず申しておりますように、尊重するという、この尊重を、ほんとうに文字どおり尊重するように、この実施について、その効果があらわれるようにいたすべきであった、かように思いますけれども、財政上の事情でそれらのことができなかったことはまことに残念でございます。今後ともこの勧告を尊重していく、その政府の態度には変わりのないことを、この機会にお答えしておきます。(拍手) 〔国務大臣水田三喜男君登壇〕
○国務大臣(水田三喜男君) 御承知のとおり、本年度は避けがたい補正要因が非常に多くて、財源の確保に困難をいたしました。人事院の勧告に対しましても、昨年より一カ月さかのぼって実施するためには、既定経費の大幅な節減と、最大限の努力を払った次第でございます。もとより人事院の勧告は十分に尊重いたしたいと存じます。これを完全実施するというためには、予算編成のしかたとか、あるいは勧告それ自身のあり方というようなものについて、やはりもっとくふうをこらすべきものが……(発言する者多し)くふうをこらすべき点が多々あると思いますので、いま関係当事者間において、引き続きこの問題については検討を重ねておるところでございます。(拍手) 〔国務大臣小川平二君登壇〕
○国務大臣(小川平二君) 人事院勧告は、公務員の給与を適正に維持いたしまするための公正な第三者機関の勧告でございますから、政府がこれを尊重すべきは当然でございます。ただ、現行制度のもとにおきましては、年度の途中における遡及実施という形をとらざるを得ませんために、ただいま総理大臣並びに大蔵大臣からるる説明がございましたとおり、政府は、これらの困難にもかかわらず、最善の努力を尽くしたのでございますが、なお完全実施というに至らなかった。ただ、実施の時期は昨年より一カ月繰り上げて八月に実施をいたしておりますので、政府が誠意をもって努力をいたしたという点だけは、これは御了解いただきたいと存じております。(拍手) 〔国務大臣田中龍夫君登壇〕
○国務大臣(田中龍夫君) お答えいたします。 まず、最初に申されました、公務員のいわゆる基本権に対しまする人事院の保護機能でございます。この問題につきましては、御案内のとおり、憲法並びに公務員法にございまするように、国民の奉仕者としての公務員の立場でございまして、これを保護いたしまする人事院の機能に対しましては、今後ともに尊重いたしてまいるつもりでございます。 なおまた、第二点の、今回の実施につきまする時期の問題は、御案内のとおりに、ただいま大蔵大臣等からもお話がございましたごとくに、人事院の機能を決して阻害しないように、十二分の配意をいたすつもりでございます。 第三の、公務員制度審議会の点でございまするが、十月二日、第十八回総会がございまして、すみやかに開くようにという御趣旨に対しましては、鋭意これに対しまして努力をいたします。(拍手)
○副議長(小平久雄君) 大蔵大臣から補足して答弁したいとのことであります。 〔国務大臣水田三喜男君登壇〕
○国務大臣(水田三喜男君) いま何か問題になった御趣旨は、人事院の勧告自身のあり方ということに触れたことが問題になったようでございますが、これについて御説明申し上げますと、これはすでに御承知のように、年度途中で勧告されること、このやり方がいいかどうかは昔から問題になっておりました。人事院勧告を完全に実施しようとしますならば、ひとり財政だけの問題でもない問題がございますので、昨年あたりは、一年に二度人事院が勧告してくれたらうまくいくんじゃないかというようなことまで出て、関係者間でもうこの両三年研究しておることでございます。そうして社会党の皆さんからも、私と人事院総裁が呼び出されて、いまどういう相談をしているかということまで皆さんに質問されて、二人で出て、いま当事者間でいろいろ研究しておりますということは再三答えております。したがって、私どもは、完全実施をするためには予算の組み方ということも関係いたしましょうし、あるいは勧告のしかたについて改善される点がないか、多々改善される、くふうをこらすべき点も多いと思うから、ただいま関係者間でそれぞれ研究しておるところでございますという答弁をしたので、これは事実に少しも間違いはございません。(拍手、発言する者多し) —————————————
○副議長(小平久雄君) 小沢貞孝君。——小沢貞孝君。 〔発言する者多し〕
○副議長(小平久雄君) 小沢貞孝君。 〔小沢貞孝君登壇〕
○小沢貞孝君 私は、民社党を代表いたしまして、先ほど説明のありました一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案について、総理をはじめ関係大臣に質問いたしたいと存じます。(拍手) まず、人事院佐藤総裁にお尋ねいたします。 申すまでもありませんが、公務員も含めて勤労者の団体行動権は憲法によって保障されております。その内容は、団結権、団体交渉権並びに争議権であります。昭和二十三年政令二百一号が出されるまで、公務員にも認められておりました。ところが、この政令二百一号に基づいて国公法が大幅に改正されて、団交権、争議権が否認され、その代償措置として人事院が設けられ、給与に関する勧告が行なわれるようになりました。したがって、政府は、これを尊重し、守るべき責任があるのであります。 しかるに、昭和三十五年以来、過去七年間にわたって実施時期を値切り、不完全な実施しかしてまいりませんでした。このことについて、人事院は、本年八月の勧告において不満を次のように述べております。 すなわち、「本院の勧告は、本来、官民給与の較差を基礎として、一般職国家公務員の給与を民間の給与水準に追いつかせる建前のもとに行なわれるものである以上、その実施時期についても完全に実施されるべきであるところ、実施時期については、昭和三十五年以降毎年繰り下げられてきている事実を、ここに改めて指摘しておきたい。」こういうようにいっております。 ところが、今臨時国会において、またまた、先ほどの趣旨説明にありましたように、人事院の勧告は無視され、実施時期は値切られてしまいました。わざわざ人事院は、その実施時期についても完全に実施されるべきものと指摘している点にかんがみ、佐藤人事院総裁はこれをどのように考えるか。先ほどは大蔵大臣の釈明がありましたが、何か人事院総裁の勧告の中身、あり方についてまで干渉されるというようなぐあいに受け取れて、人事院の機能が無視され、侮辱されているようにすら考えますので、この際、人事院総裁の明確な態度を表明していただきたいと思います。(拍手) 次に、このような政府の態度がことしも行なわれ、さらに来年度以降も続くとするならば、単に公務員の政府に対する不信感が増大し、労使の信頼関係が失われるのみならず、一般国民もまた法の精神をじゅうりんする政府への不信がつのることは、火を見るよりも明らかであります。これについても人事院総裁はいかに考えるか、御所見を承りたいのであります。(拍手) もし、人事院総裁がその職に忠実であるならば、過去何年かにわたって実施時期を無視されてきた、そのために公務員が損失した額は一人当たり十三万円の多額に当たるのであります。それが今日まで放置されたままになろうとしております。したがって、人事院としては、来年の勧告にあたっては、これらの失地を回復するために何らかの特別な措置を勧告する必要がありはしないか、これについて人事院総裁の所見を承りたいのであります。(拍手) 次に、大蔵大臣にお尋ねいたしたいと思います。 伝えられるところによれば、来年度予算編成にあたっては、いわゆる財政硬直化を解きほぐす方法として、生産者米価引き上げに伴う食管特別会計の赤字穴埋めとともに、公務員の給与改善費の補正要因をなくすために、あらかじめ当初予算に組む方針だと伝えられております。 これについて、まず第一に、大蔵省は、来年度民間給与と公務員との差を何%と想定して給与改善費を何百億と見込んだか、物価、民間給与をどのように想定しているか、まずこの点を第一点として承りたいわけであります。(拍手) 第二には、その額は、来年何月より給与改善を実施することを想定して予算を編成しようとしているか、それが第二点。 第三に、これを給与費でなくて予備費に計上しようとしておる理由は何であるか。 第四点、人事院は、このような予算編成方針にかかわらず、国家公務員法に基づいて、情勢適応の原則に従い、民間給与と五%以上の差が生じたときは、当然に勧告が行なわれることと思うが、この際、明確にこの点を承っておきたいと思います。(拍手) 第五に、当初予算に計上することによって、人事院の勧告との関係から、公務員給与改善に重大な影響があると思われるので、給与担当の総理府総務長官、文部大臣、自治大臣、大蔵大臣並びにこれまた人事院総裁に、次の点についてお伺いいたしたいと思います。 すなわち、予備費に計上することによって、予備費を流用しなければならないような災害等が多発し、かつ民間給与との差が善しく増大して、給与改善費のワクとして予備費に計上した率を上回る等、予備費の流用の要因が増せば、人事院の勧告の実施時期はますますおくらせられ、その逆のときは実施時期を早めることができるというように、そのつど全く便宜的に扱われるということになって、人事院の機能はますます無視されはしないかという点についてであります。この点については、関係大臣の明確な御答弁をお願いいたします。 さて次に、勧告の中で新設を要請された都市手当は、今次法改正では調整手当ということで生かされております。この点は、確かに勧告を生かしたという意味において評価できると思います。問題は、あとで人事院規則で定めることとなっている甲地、乙地の級地区分をどのようにきめるかということについてであります。すなわち、法改正では、俸給、俸給の特別調整額及び扶養手当の月額の合計額の百分の六を甲地に、百分の三を乙地において支給するというようになっております。従来の暫定手当の級地区分に従い、四級地を甲地に、三級地を乙地にすれば、それは安易な方法だと思いますが、しかし勧告の趣旨は、流動する情勢の中にあって、民間における賃金、物価及び生計費が特に高い地域となっていて、これは従来の暫定手当の級地区分に再検討を加えなければならないものと思うのであります。人事院は、今後、この法改正後に、いつごろ、具体的にどのような方法で、いかなる資料に基づいて甲地、乙地の級地区分を規定しようとしているか、その点について承りたいわけであります。 この際、文部大臣にお尋ねいたします。教員の給与問題について、特に超勤手当をはじめ、給与体系の根本的改定についてお尋ねいたしたいと思います。 まず第一に、来年度から超勤手当を支給するかいなかという点についてであります。 伝えられるところによれば、教員は聖職であるから、時間の切り売りのようなことはできないという美名のもとに、教職員勤務の近代化をはばもうとしている動きがあるやに伝えられております。戦前においては、官吏服務紀律により、忠実無定量の勤務に服する義務を負うていたので、勤務時間という概念は問題にされる余地がなかったのであります。教員も官吏待遇として扱われてまいりまして、服務紀律も全くこれと同じでありました。しかし、戦後の公務員制度において、勤務時間の概念が取り入れられ、一定量の勤務に対する反対給付として給与を受けるという、近代的な双務等価交換関係の原則に立つようになったのであります。教育委員会の事務能率を向上し、学校管理の近代化をはかる中で、教員の勤務時間を明確にする等、勤務の近代化をはかることが当面の急務であると思います。聖職という美名のもとで、忠実無定量な勤務に服せしむることは許されません。勤務時間を明確にし、超勤手当を支給することは今日の急務であります。これについて、明年の予算編成との関連もあり、文部大臣の御所見を承りたいのであります。 われわれは、一挙に完全なものができ上がるとは考えていたいのであります。内容いかんによっては、変形労働時間制等の試行を重ねる等、近代化に向かって進まなければならないと存じます。それにしても、将来の教員給与体系のあり方について、文部省としてはいかに取り組もうとしておるか、この際、その所信を承りたいのであります。 最後に、佐藤総理にお尋ねいたしたいと存じます。 近代的労使関係の樹立、なかんずく労使の信頼関係の樹立についてであります。民間においては、産業構造の急速な変化に伴い、経営陣、労働組合双方の民主化、近代化の中で、漸次近代的労使関係が樹立されつつあるように見受けられるのであります。しかし、官公庁においてはいまだしの感が強いのであります。今年は一カ月早めて、勧告の八月実施に踏み切った要因は、政府がどのような主観的意図によったかは別問題といたしまして、客観的に見まするならば、一〇・二六ストをかまえることによって促進されたと見られないことはありません。もしそうだとするならば、政府をして勧告を完全に実施せしめる道は、法をあえて犯しても、さらに激しい一〇・二六ストを繰り返す以外に道はないのだ、こういうことになろうかと思います。これは、別の見方をするならば、政府みずからが違法なストを奨励しておるというようにとられないことはありません。(拍手)総理をはじめ給与担当関係閣僚は、このことに気がついておるでしょうか。御所見を承りたいのであります。 法律は、確かに政府に対して、人事院勧告の完全実施を義務づけてはおりません。法律は、確かに公務員のストだけを禁止いたしております。しかし、それは人事院勧告を代償措置として禁止しておるのであります。このことを考えるならば、政府がまず道義的責任を果たし、血の通った措置を講ずることなしに、労働者、職員の信頼を求めることは不可能であろうと存ずる次第であります。(拍手) このことを思うならば、佐藤総理の選ぶべき道は、おのずから明らかなはずであります。すなわち、いままで歩んできた道、勧告無視−スト実施−行政処分−処分撤回闘争−相互不信、こういう悪循環を、政府は、みずからの反省の上に立って断ち切る以外に道はないのであります。(拍手)この点について、あえて佐藤総理の所信を承りたいのであります。 なお、この際、労使関係の近代化をはからんとする新労働大臣の立場から、この点についての基本的な考え方を承りたいと存じます。 政府は、この点に反省があるならば、すみやかに公務員制度審議会を再開し、政府に対する政府職員の信頼を回復する道を探求しなければなりません。総理府総務長官の所信を承りたいと存じます。 繰り返し申し上げますが、佐藤総理は、日米会談以来、日本の防衛、外交について、国民的合憲を求めてやまないようであります。それにはまず、総理みずからが、政府職員との労使関係にかかわる信頼を回復するという、足元から固めてかからなければなりません。(拍手)どうか、いまからでもおそくは、私はないと思います。野党一致の要望にこたえて、勧告完全実施の道を、この法を撤回し、再提出することによって実現されることを最後に要望いたしまして、質問を終わりたいと思います。(拍手) 〔内閣総理大臣佐藤榮作君登壇〕
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) お答えいたします。 先ほど山本君にもお答えいたしましたように、私は行政庁の最高の責任者として、公務員の給与、これが適正であることを心からつとめて、また、さような意味でこの保護にも力を注いでおります。ところで、この公務員の場合は、一人一人が全体の奉仕者だ、こういうことでございますから、いわゆる団体交渉によって給与関係をきめるという、これは適当でない、かように考えます。そこで、いわゆる第三者の中立的な人事院、かような制度を設けて、この勧告を政府が尊重する、そこに問題があるのでございます。その方法で公務員の給与の適正化をはかっていくということでございます。 そこで、今回私どもが一カ月繰り上げて八月から実施する、これは、御指摘になりましたとおり、人事院の勧告の完全実施ということにはまだまだほど遠いものであります。しかし、この八月実施、これを決定いたしましたのは、いわゆるスト計画が実施されている、その結果八月に変えたのではございません。私どもは、年度途中において勧告を受ける。しかも、その金額は非常に多額のものだ。はたしてその補正が、現在の財源でできるかどうか、こういうことをいろいろ勘案いたします。そこで、給与担当閣僚がたびたび会議を持ちまして、この人事院勧告を実施するためには、既定経費もひとつ節減しようじゃないか、かような苦心もして、そしてようやく八月から実施できるような財源を見つけたのでございます。これは別に、このストそのものを回避するためにやったとか、あるいはストをおそれてやったとか、これを完全実施するためにはスト以外には方法がないのだ、かようなことはどうかおやめをいただいて、どこまでも人事院勧告、これを尊重するという政府の誠意もひとつ認めていただきたい。ただいま申し上げるように、いわゆる既定の予算も、これを節約いたしましてこの財源を編み出した、ここに政府の努力があり、誠意があるのであります。私は、今後とも政府は人事院がある限り人事院の勧告を尊重し、そうして公務員の給与の適正化を私自身が責任をもってはかっていく、かような考え方でございますから、御了承いただきたいと思います。(拍手) 〔国務大臣小川平二君登壇〕
○国務大臣(小川平二君) 勧告の実施時期につきましての閣議決定が十月の二十日という時期に行なわれましたのは、たまたま財政当局の財源見通しがこの時期になってようやく明らかになったためでございまして、おことばにございましたような、組合の統一行動ないし実力行使というようなことを前提として取り扱いをきめたわけではございません。 なお、今後お互いの信頼に立つ平和な労使関係を確立いたしますためには、微力ながら努力をしてまいりたいと考えております。そのためには、ただいま総理の答弁にございましたように、今後も勧告を尊重し、公務員のために適正な給与を実現するべくつとめていきたい、かように考えております。(拍手) 〔国務大臣赤澤正道君登壇〕
○国務大臣(赤澤正道君) お答えいたします。 地方公務員の給与改定につきましては、国家公務員に準じて実施することとされておりますので、国が明年度給与改定所要財源をあらかじめ当初予算に計上することとなれば、当然地方公務員につきましても、その所要財源々地方財政計画に計上して、所要の財源措置を講ずる必要が先ずるものと考えております。 明年度は、かりに災害が発生いたしました場合、国は予備費から災害復旧費、補助金を支出することになると考えられますが、その地方負担額につきましては地方債を充当することとし、また、応急対策に要する経費につきましては、特別交付税によって措置する予定でございます。 なお、災害が予備費をもって充当し得ないほど大きなものでありました場合は、当然補正予算等の措置が必要となると考えられますが、この場合は、地方財政に対しても所要の財源措置を講ずる考え方でございます。(拍手) 〔国務大臣灘尾弘吉君登壇〕
○国務大臣(灘尾弘吉君) 教員の給与の問題についてのお尋ねでございますが、教員の職務の性質あるいは態様等から考えましても、また優秀な教員を確保する、そうして教育水準の向上をはかっていく、このような観点からいたしましても、現在の教員に対する給与の制度につきましては、さらに検討を加える必要があろうかと考えております。 お尋ねの超勤手当の問題でございますが、これにつきましては、いろいろ意見もあり、また考究すべき問題もあるわけでございますが、私といたしましては、教員の時間外の勤務の問題とも関連いたしまして、できることならば、来年度の予算におきまして教員の給与についての何らかの改善の措置をいたしたいと考えまして、目下慎重に検討いたしておるところでございます。(拍手) 〔国務大臣水田三喜男君登壇〕
○国務大臣(水田三喜男君) 予算編成のしかたについての御質問でございましたが、給与費の改定というような非常に多額な補正要因を残して、そのまま当初予算を組むことが望ましいかどうかということについては、ただいま研究をいたしております。人事院勧告を完全に実施しようと考えますならば、年度途中でこれを補正するという措置をとったら、なかなか完全実施ができない場合が、財源の上であり得ると考えますので、むしろ、当初予算でこの問題を予定して、そうして全体の、ほかの財政需要と総合判断して、この配分をしておくという方法も一案ではないかということを考えておりますが、こういうやり方は、また人事院の勧告のあり方と矛盾する方法ではやれませんので、いろいろ問題がございますので、ただいま研究中で、まだ全くこの問題については結論を得ておりません。(拍手) 〔国務大臣田中龍夫君登壇〕
○国務大臣(田中龍夫君) 私に対しまする御質問は、給与担当の責任者といたしまして、ただいまの大蔵省の予備金に繰り入れておくというような問題についての、いわゆる人事院に対する、その保護機能あるいはまた公平機能、こういうふうなものをどう考えるか、こういう御質問だと存じまするが、この点は、ただいま大蔵大臣も申されましたとおりに、予備金に入れるか、まだ政府といたしましても、最終的な決定をいたしておるわけではございません。のみならず、何とかこの人事院が公務員に対しまする保護機能を十分に発揮して、そうして改定が、いわゆる人事院の仰せのとおりにできるように、そういうふうな意味から努力をいたしておるのでありまして、決して人事院の権能を制約するとか、あるいはまたそれに反対するという意味では絶対にないことを申し上げておきます。 次に、三級地、四級地の指定の問題でございまするが、本件は人事院の所管でございますので、人事院総裁からお答えをいただくことにいたします。 次の、最後の公務員制度審議会でございまするが、御案内のとおり、政府は、改造前に公務員制度審議会を開きまして、今後さらにこれを継続審議していただくということにきめております。この方針に従いまして、私も先ほど申し上げましたように、鋭意努力中でございます。御了承いただきます。(拍手) 〔政府委員佐藤達夫君登壇〕
○政府委員(佐藤達夫君) おことばにございましたように、従来の人事院勧告の実施につきましては、遺憾ながら、実施期日の面におきまして完全なる実現を見ておりません。これは先ほどおことばにもありましたとおりに、私どもの本年の勧告に伴う報告書にも指摘しておりますところでございまして、勧告の責任の当局者といたしましては、はなはだ残念なことに存じております。ただ、ことしの今回の政府案におきましては、先ほど総理大臣、大蔵大臣からもお話がありましたように、従前から見ますと、とにかく一歩前進を示されておるわけでありまして、こういう点はこういう点として、私どもは率直にやはり評価すべきであろうと思います。ただし、本案の国会における御審議はこれからでございます。人事院といたしましては、もちろん完全実施の念願を捨てておるものではございませんので、その点も十分お含みの上で、国権の最高機関として、適正な御裁断を仰ぎたい。どうぞよろしくお願い申し上げます。(拍手) なお、ただいま、次に述べられました、従来実施時期が切り下げられてきておる結果、積もり積もった損失をどうしてくれるというおことばでございました。この点については、私どもは、事の性質上、筋合いの問題として、勧告は一回一回の勝負であると考えております。これは国会にも御勧告申し上げて、そのつど国会の最終的の御裁断を得ておるわけであります。それはそれでおしまい。さればこそ、私どもは、毎回勧告のたびに、声をからして、完全実施していただきたいということを、あらゆる場面においてお願いしておるわけでありまして、ことしもまた同様、よろしくお願いいたしますということに尽きるわけであります。 それから、完全実施の方法いかんという問題について、大蔵大臣からもいろいろおことばがありました。総理からもお答えがございましたように、この点に関する限りは私どもの念願するところと完全に一致いたしますから、政府閣僚の皆さまともひざを交えて検討しておることは事実であります。 先ほど予備費の計上のお話がございました。大蔵大臣は、そこまではきまっておらぬというおことばでございましたけれども、私どもの立場から申しますと、当面の完全実施を容易ならしめるための方策としては、八月に勧告になって、そのどたんばになってあらゆる財源をあさり始められるということよりも、一応の含みを持った予算措置を、当初の予算においてある程度用意していただく。すなわち、予備費ならば予備費において、ある程度当初から保留をしておいていただけば、いざ勧告の際に、もしもそれで足りない場合は、補正予算で補っていただければいいわけでありますから、完全実施のためには、私どもは、その方向は望ましい方向だ、ただし、その当初の予算の計上によって、勧告の内容を実質的に拘束されるものであっては困る、そういうことに尽きるわけでございます。 それから、最後に都市手当についてのお尋ねがございました。これはたいへんな作業でございます。基準は何かというお尋ねでございましたが、これは法律にも明記してありますように、その地方における官民の格差、それか物価、生計費等の柱をもって基準に立てまして、現在のところ、最も新しい最近の数字を収集いたしまして、いよいよこれから最後の詰めに入ろうとしておる段階でございます。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手) —————————————
○副議長(小平久雄君) 鈴切康雄君。 〔鈴切康雄君登壇〕
○鈴切康雄君 私は、公明党を代表して、ただいま趣旨の説明がありました一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案外四件について、その内容と、それに関連する諸問題に対し、総理大臣、大蔵大臣、総務長官に質問をいたします。 そもそも、国家行政の根幹をささえるものは公務員であります。その制度の適否、優劣は、国家の命運、国民の福祉に大いなる影響を与えることは、ここにあえて申すまでもございません。公務員は、国民全体の奉仕者としての自覚に立ち、新憲法下の公僕としての地位と責任を十分果たすよう努力せねばならない立場であります。しかし、公務員をして後顧の憂いなく職務に全うせしめるためには、その献身と努力をさらに増進せしめるような諸施策を樹立しなければなりません。特に、その給与においては、いつも財政事情を理由としてその改善を怠ってきた無責任きわまる政府の態度こそ、公務員の能率の増進、責任への自覚をさらに困難ならしめている重大なる原因であるといわざるを得ないのであります。(拍手) 総理、あなたは、人事院勧告の完全実施を、そのつど、おざなりの理由をつけて踏みにじり、公務員を失望せしめつつ今日まで来られた。それがあたかも当然のことであり、あなたの特権としての高度な政治性を発揮したと思い違いをしてはならないのであります。それがいまあなたが山本君に答弁されたその中に、勧告は尊重するがと言われて、実際は、十月を九月、九月を八月となしくずしをしてこと足りたとしている自語相違の矛盾した態度ではないでありましょうか。(拍手)涙ぐましい努力を払い、職務にいそしむ公務員の声なき声を聞くことが、賢明な為政者として、総理のとるべき態度ではありませんか。 昭和二十三年七月、アメリカの対日占領政策の一環として、日本の労働運動全体を弱体化せしめるために政令二百一号が発令されたことは、周知のとおりであります。戦後、労働運動の中核となって戦ってきた公務員労働者から、団体交渉権と争議権を剥奪し、その見返りとして登場したのが人事院の設立であります。 それ以来、人事院は、中立的な第三者機関として、公平かつ公正に公務員の給与を決定し、国会及び内閣に対してその勧告を行なうと同時に、公務員の給与、福祉、厚生を守る唯一の保護者として、今日までその役割りを果たすべき使命を持っているのであります。ゆえに、その勧告の完全実施は当然のことであり、政府はあくまでこれを尊重し、実行しなければならない義務と責任があると深く思うものであります。(拍手)ところが、人事院が設立して以来現在に至るまで、ただの一度も勧告の完全実施が行なわれなかったことは、全く政府の怠慢といわざるを得ないのであります。(拍手) 先ほどの趣旨の説明によれば、俸給表全体の改善率平均七%、諸手当を含めた平均基準内賃金は実質七・九%、平均三千五百二十円のアップをきめたとはいえ、その実施時期について一カ月繰り上げの八月実施と決定し、完全実施をまたも見送ろうとしている政府の態度をはなはだ遺憾とするものであります。総理、あなたは、去る十月二十三日、衆議院内閣委員会において与野党一致して、人事院勧告を尊重し、これを完全に実施すべきである旨の決議を行なったにもかかわらず、勧告より三カ月おくらせて八月実施に決定したとは何事でありましょうか。全く議会軽視そのものではありませんか。一体なぜこのような結果をもたらしたのか、その理由を、全国公務員四十五万人の人々の前に弁明をしていただきたいのであります。 いままで政府は、給与改定の際、常に補正財源の有無と景気過熱等の事情を理由に、完全実施を延ばしてきたが、人事院の勧告は、財源がないから実施しないという性格のものではなく、政府は完全実施するという前提に立って財源を捻出するよう努力すべきものであると考えるものであります。その考えの食い違いは、いまあなたが答弁をされた、行政の長であるから適切な給与を支払う責任があると言いながら、実施できなかったことは残念という無責任なことばが出てくるのであります。総理は、公務員給与の改定のための財源措置に対してどのような見解を持っておられるか、明確な答弁をお願いいたします。 また、佐藤人事院総裁は、内閣委員会における公務員の給与に関する質疑答弁の中で、政府はほんとにやる気があれば完全実施はできるはずだとしばしば明言をしておるのであります。また、三公社の職員の賃金決定の際の仲裁裁定は、完全実施を行なっております。この例を見ても、佐藤人事院総裁の発言は十分理解できるものであります。佐藤総理と佐藤人事院総裁となぜこうも意見が違うのでありましょうか。仲裁裁定であれ、人事院の勧告であれ、公平な第三者機関の決定には変わらないことから見ても、政府が完全実施に踏み切ることは当然であります。なぜ総理は、勧告の完全実施をしないのか、お伺いいたします。 次に、最近、宮澤構想が示されておりますが、いわゆる財政硬直化を解きほぐす方法として、給与費を物価にスライドする給与を考えておられるようでありますが、その実は、物価の上がるほど累進課税の効果があらわれ、実質給与を切り下げ、かえって増税を意味するものであります。また、去る九日、新聞紙上に、大蔵省は、すでに来年度予算の編成にあたって、食糧管理特別会計の赤字穴埋めと、公務員の給与の改善費を補正要因として、あらかじめ当初予算に組み入れる方針を固め、特に公務員給与については、予備費の中に約五百億を計上すると伝えられておるが、大蔵大臣は再度、そのことについてはっきり答弁をしていただきたいと思うのであります。 本年の補正予算等を見ますと、勧告の八月実施で、国家公務員の給与だけで約五百十八億の予算が計上されており、これに地方公務員に対する国からの交付分約五百五十六億を含めますと、約一千百億の財源が必要であることは明らかになっております。そこで、もし、来年度当初予算に五百億を計上されたとしても、本年と同様の勧告が出された場合、完全実施の財源としては不足することは明白な事実であります。この点、五百億を土台として、補正で積み上げて、勧告を完全実施するための予算措置であるのか、人事院勧告を五百億だけのワク内にとじ込め、あとは補正にも見込まないという意図であるのか、この点を明確にしていただきたいと存じます。 さらに、予算編成の責任者としての大蔵大臣並びに公務員の給与を担当する総務長官に、完全実施への決意と、給与体系全体と物価の関連について、どのような構想をお持ちであるか、その抱負の一端を具体的に明らかにしていただきたい。 以上をもって私の質問を終わります。(拍手) 〔内閣総理大臣佐藤榮作君登壇〕
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 鈴切君にお答えいたします。 先ほど山本君や小澤君にお答えいたしましたように、まことに残念ながら、完全実施というその時期の点につきまして、十分その期待にこたえることができませんでした。しかし、これは年度の途中におきまして、先ほども申しましたように、実施予算、これをさらに縮減をいたしまして、そうして、財源を編み出して、ようやく一カ月繰り上げたのでございます。政府自身が誠意のあったことだけ、これは御了承いただきたいと思います。 また、十月二十三日に国会において決議までしたのだ、かようなお話でございます。その決議をもちろん尊重いたしまして、ただいまのように一カ月繰り上げた、かように御了承いただきたいと思います。(拍手) 〔国務大臣水田三喜男君登壇〕
○国務大臣(水田三喜男君) 先ほど申しましたように、給与費の改定とか、あるいは食管会計の赤字というような大きい補正要因をそのままにして当初予算に組むことはやはり望ましいことではないという方向で、いま、いろいろ検討いたしておりますが、非常にむずかしい問題もたくさんございますので、さっき申しましたように、まだこの点については全く結論を得ていない。財政制度審議会にも御相談しますし、いろいろこのむずかしい問題の解決策を考えた上で、私どもは最後の結論をつけたいというふうに考えております。(拍手) 〔国務大臣田中龍夫君登壇〕
○国務大臣(田中龍夫君) 御質問にお答えをいたします。 給与担当の責任者として、ただいま問題になっておりまする予算等々の問題につきましていかに考えるか、こういう御質問でございます。問題は、現実の財政制度と公務員の保護機能を持っておりまする人事院の機能とをどう調整するか、これが私の任務でございまして、この間においてあらゆる善処をいたしたい、かように考えております。(拍手)
○副議長(小平久雄君) これにて質疑は終了いたしました。 ————◇—————
○副議長(小平久雄君) 本日は、これにて散会いたします。 午後三時十一分散会 ————◇————— 出席国務大臣 内閣総理大臣 佐藤 榮作君 法 務 大 臣 赤間 文三君 大 蔵 大 臣 水田三喜男君 文 部 大 臣 灘尾 弘吉君 厚 生 大 臣 園田 直君 郵 政 大 臣 小林 武治君 労 働 大 臣 小川 平二君 自 治 大 臣 赤澤 正道君 国 務 大 臣 田中 龍夫君 国 務 大 臣 増田甲子七君 出席政府委員 内閣法制局第二 部長 田中 康民君 人事院総裁 佐藤 達夫君 人事院事務総局 給与局長 尾崎 朝夷君 ————◇—————