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57回国会衆議院1967/12/19

法務委員会 第4号

発言数
40
登壇者
8
会派数
5
開催日
1967/12/19

会議録

大坪保雄自由民主党

○大坪委員長 これより会議を開きます。  裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案及び検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。  前回に引き続き質疑を行ないます。横山利秋君。

横山利秋日本社会党

○横山委員 この種の法案のたびにだめを押すようでありますが、最高裁における一般職員給与の決定の法律的根拠といいましょうか、団体交渉において一体最高裁がどれくらい給与決定について当事者能力を持っておるか、法律上一ぺん明らかにしてもらいたいと思います。

矢崎憲正最高裁判所事務総局人事局長

○矢崎最高裁判所長官代理者 裁判所の一般職員の給与につきましては、御承知のように、裁判所職員臨時措置法によりまして、一般職の給与に関する法律が準用されるわけでございます。したがいまして、実態はそっくりそのまま裁判職員にも通用する、こういうことに相なろうと思います。

横山利秋日本社会党

○横山委員 そうすると、準ずるという意味は、多少のアローアンスを、余裕を持っておる、こういうふうに解釈すべきでありますか。あなたのおっしゃるように、そっくりそのままと考えるべきでありますか。どちらでありますか。

矢崎憲正最高裁判所事務総局人事局長

○矢崎最高裁判所長官代理者 原則としてはそのまま準用されているわけでございますけれども、裁判所職員の中に特殊な性格を持っております職員、たとえて申しますと、裁判所書記官等につきましては、また別途の措置が講ぜられておるわけでございます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 準ずるという意味が、人事院勧告の職種の中にない職種というのは、常識的に考えても最高裁における裁量権というものがあると思うのですが、そのほかにも準ずるという意味の厳密な解釈が、あなたの言うようにそっくりそのままというようには解すべきではないという解釈が正当ではなかろうか。原則的にはそうであるけれども、その書記官のごとき、他の職員に、一般職の職員にない職員以外においても、裁判所の裁量権があるのであるという解釈が適当ではないか。厳密な法解釈ですね。その点についてはあなたのほうはそっくりそのままと解釈されるわけですか。

矢崎憲正最高裁判所事務総局人事局長

○矢崎最高裁判所長官代理者 特殊の性格を持っております職員につきましては、これはそっくりそのままと申しましても、もとよりその特殊性に応じた措置がとられるべきものでございまして、そういう趣旨から申しますれば、ただいま横山委員のおっしゃったような趣旨に相なるものと存じます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 そうしますと、最高裁判所で働く職員の労働法上あるいはそのほかの法律上許された団体交渉権の行使は、あなたの言う狭義の解釈になりますと、交渉は当事者能力をあなた方が持っていない。まだ一般職の国家公務員は人事院に陳情しあるいは人事院と話し合いをするということがあり得るのですが、最高裁判所の職員についてはどういうふうにすべきだとあなた方はお考えになりますか。

矢崎憲正最高裁判所事務総局人事局長

○矢崎最高裁判所長官代理者 団体交渉等につきましては、もとより最高裁判所の中には支部がございまして、その…。

横山利秋日本社会党

○横山委員 何の支部。

矢崎憲正最高裁判所事務総局人事局長

○矢崎最高裁判所長官代理者 組合の支部、最高裁判所の組合の支部がございまして、その支部の執行委員等と団体交渉には応じているわけでございます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 形式的には団体交渉に応じていらっしゃるが、実質上他の一般の国家公務員は、なるほど理事者側も当事者能力がありますまいけれども、それでも自分たちのすぐそばに人事院というものがあり、それに対して陳情しあるいは説明に行くということがあり得る。最高裁判所の職員並びに組合は、人事院の勧告に準ずるということばは解釈に若干の違いがありますけれども、あなた方に交渉しても、おれは知らぬ、人事院に行けば、あなたのほうの所管はしていない、それでは裁判所関係職員というものは主がおらぬ、相手がおらぬということになりはしますまいか。この点はだれに訴え、だれに主張すべきなのですか。あなた方は、交渉の結果こうすべきである、賃金なり人事院勧告に準ずるという意味に触れる問題についてそうすべきであると考えた場合には、理事者側としてどういう措置をとりますか。

矢崎憲正最高裁判所事務総局人事局長

○矢崎最高裁判所長官代理者 それぞれその立場においてではございますけれども、たとえば事務総長なり人事局長なり、場合によりましては給与担当の課長が、それぞれ政府のその任におありになる方々に、裁判所としてはこういうようにしてもらいたいのだということをおりに触れ、機会あるたびにお話しして、そしてできるだけ裁判所職員についても給与が高くなるよう努力する、こういうやり方をいたしているわけでございます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 あなたのおっしゃるのは、大蔵省給与課主計局ライン、そういうベースのことでございますか。

矢崎憲正最高裁判所事務総局人事局長

○矢崎最高裁判所長官代理者 そういうところもございますし、そのほか一般職の給与の決せられる場合におきましてそれぞれの所管を持っておりまする政府側に対しまして、こちらのほうの希望を申し述べるというようなことに相なるわけでございます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 人事院については、あなた方は裁判所の希望並びに資料の提出を直接なさることはないのですか。

矢崎憲正最高裁判所事務総局人事局長

○矢崎最高裁判所長官代理者 人事院に対してこちらのほうから直接に申し入れをするということはございません。

横山利秋日本社会党

○横山委員 そこのところなんですよ。職員は職員のほうで、二重のくつの裏から自分の足をかくような感じがする。理事者側のほうは理事者側のほうで、人事院の勧告がほとんど原則的にきまるものを、人事院へ裁判所の問題について直接言わないで、それぞれの大蔵省なり所管のところを隔てて自分たちの主張を言う。いまはなるほど書記官等の裁判所だけにある特別な職種のことならば、特異な問題としてはわかりますけれども、そのほかにも、裁判所の職員に特異な問題が、一般職と名前は一緒であってもあるだろうと思うのです。そういう問題について、いまの裁判所職員の労使の交渉の問題について、どうも一般職よりもさらに当事者能力を持っていないために十分な問題解決への足がかりができない、双方ともにそれで不信感を増大させる要因になっておる、こういうふうにあなたは思いませんか。それを改善する方法が何か考えられないのですか。

矢崎憲正最高裁判所事務総局人事局長

○矢崎最高裁判所長官代理者 できる限り団体交渉の場におきまして中央執行委員の主張等も十分に聞き、こちらの立場も話しまして、そして先ほど申し上げましたような方法で私ども努力するということを積み重ねているわけでございますけれども、これは組合のほうから見れば、私どものとっている態度がなまぬるいというように感ずるかもしれませんけれども、しかしながら、私どもとしてはできる限りのことは努力してやっておるというつもりでおるわけでございます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 誠意の問題ではない。私は仕組みの問題だと思うのです。団体交渉としての当事者能力、少なくとも組合は当事者能力は持っておると私は信じておる。あなたのほうには、他の一般職の国家公務員の理事者よりもさらに当事者能力がない。そういう仕組みの問題が、少し考えられてしかるべきではないか、こういうふうに私は指摘をしておるのでありまして、これは、きょうは時間がございませんから指摘にとどめますけれども、このままの状態で推移をしておりますと、物価が高くなる、実質賃金が減る、そうして建物は一向改善をされないとあなた方に言っても、おれには権限がない、予算もないというような状態が、他の官公庁と違ってますます増大するおそれがあるから、少なくとも仕組みを変えるか、あるいはいまの仕組みの中における幅を広げた理事者としての行動をなさるか、何かしなければ、現状においては裁判所職員の不満というものは、もちろんすぐには解消できないにしても、漸次解消の方向へいくこともできずに増大をするばかりであると、強く私は心配をいたすのであります。  経理部長お見えになりましたが、この間、あなたがいらっしゃらないときに、われわれ委員が東北地方を視察して、そうして法務省並びに裁判所系統の建物が他の官庁に比較してきわめて古い、また非能率的な状況にあるということを指摘をされましたし、また指摘を受けました。明年度の予算要求における庁舎の改善その他は、どういう要求になっておるか。あわせて、この合同庁舎方式が最も適当であろうというような、委員でこもごも話をしておったのですが、明年度における合同庁舎はどういう要求になっておるか、その合同庁舎の建設状況について簡潔にお答えを願いたい。

辻辰三郎法務大臣官房経理部長

○辻説明員 御説明申し上げます。  法務省関係の施設の状況でございますが、その概況を申し上げますと、現在法務省の収容施設を除きます官署の施設が、全国で二千八百四十八庁ございます。それから刑務所、少年院、少年鑑別所のいわゆる収容施設が三百五庁ございまして、法務省の施設は合計で三千百五十三庁ということに相なるわけでございますが、これを木造であるか耐火建築であるかという観点から分けてみますと、残念ながらただいま御指摘のとおり、その六〇%までが木造になっております。耐火が約四〇%という状況でございまして、法務省の施設は全国で非常に数多くございます関係で、数年来法務省予算の重点の要求の一つといたしまして、施設の充実ということは年々要求いたしておるわけでございます。昨年度も営繕関係の予算でございますが、営繕の不動産購入費であるとか、事務費であるとか、そういうものを除きました純然たる施設費予算でありますが、昭和四十二年度におきましては、前年度に比べましてたいへん増額されまして、四十二年度の予算におきましては、三十七億九百万円ばかりの施設費が認められておるわけでございます。なおこれではもちろん不十分でございますので、昭和四十三年度の予算要求におきまして、施設費といたしまして、官署関係におきましては四十五億二千五百万円、収容施設関係におきまして三十七億二千百万円、合計八十二億四千六百万円という形の予算要求をいたしておりまして、これまた前年度同様法務省の予算要求の重点として、事務的に鋭意折衝いたしておる現状でございます。  ところで、それでは四十三年度予算でどういう庁の新営を予定しておるかという点でございますが、そのおもなるものを申し上げますと、現在大阪におきまして法務合同庁舎の大きいものをつくっておりますが、これの継続工事、それから地方検察庁におきましては佐賀、徳島、これは継続工事でございます。保護関係におきまして、関東の保護委員会、これも継続工事でございます。四十三年度の新規要求として要求いたしておりますおもなるものは、まず収容施設を除きました官署の合同庁舎、先ほど御指摘の合同庁舎関係でございますが、要求いたしておりますのは水戸、宇都宮、大津、名古屋、鹿児島、仙台、小田原、半田、かような数庁におきまして合同庁舎の要求をいたしております。このうち、規模において最も大きいのは、申すまでもなく名古屋でございます。名古屋におきましては、矯正関係を除く法務省関係の全施設、すなわち検察庁、法務局、保護観察所、入国管理事務所、公安調査局、それから法務省研修所の支所、これだけのものを現在の名古屋高検の敷地に新しく合同庁舎として建設いたしたいということで、来年度はともかく調査費を要求いたしております。これがうまく入りますと、私どもといたしましては、昭和四十五年度完成ということを目途に要求をいたしておる次第でございます。そのほか、いつも御指摘をいただくわけでございますが、法務局の出張所、登記所でございますが、登記所の改善につきましては、昭和四十年以来十年計画で三百三十六庁を改善いたすということで、今年度は六十七庁を要求いたしておるという状況でございます。  以上が、官署関係のおもな予算要求でございます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 私は、自分が名古屋だから名古屋と言うわけではありませんけれども、お互い法務委員をやっておりまして、地元の官庁関係をずっとお互いに回っておるわけでありますが、法務委員をやっておるわれわれの地元くらい少しはよくしてもらいたいという、かってなお願いかもしれませんけれども、法務委員をやっておって何の働きもないというような気持ちは、まあこれはあまり速記にはなんですけれども、お互いに思うわけであります。特に、名古屋が出ましたので名古屋の一、二の例を引きますと、入国管理出張所は、戦争時代のお屋敷の中に入っておる、法務局は足の踏み場もないような状況である、等々考えまして、ひとつもう少し政府がふんばってやってもらわなければいかぬ。きのうも名古屋におりまして、建設の合同庁舎に行ってみましたところ、建設省、国税局系統、もう実に壮大な合同庁舎、窓から下を見ますと移ったあとの国税局の建物があるわけであります。それがあき家になっておる。聞くところによれば、法務省の合同庁舎が決定をすれば、そこはあいているんだから、すぐにそこへみんなが入って、前のところをたたきこわして建設に移れる。これがもしおくれると、国税局の旧庁舎もこわしてしまわなければならぬから、法務省関係のかりに入るところがまた問題になる。こういうわけで、法務省関係の諸君は、ひたすら国税局のあとを臨時の間庁舎に使わしてもらう、つまり、来年度から直ちに機動的な合同庁舎に移れることを望んでおるわけでありますが、どうでございますか。あなたの話だと、調査費だけだというと、かりに計上されても、そういうことにはならぬのでありますか。

辻辰三郎法務大臣官房経理部長

○辻説明員 御指摘のとおりの事情もあろうかと存じますが、また私どもといたしましては、来年度の新規要求の最大の重点は、名古屋の合同庁舎にいたしておる次第でございます。ただ、先ほど申しましたように、大阪の合同庁舎が来年度予算をもって完成するという関係で、こちらに約九億の金が要るということが見込まれております状況でございますので、名古屋に直ちに調査費以上のものがいけるかどうか、この点はなはだ私ども危ぶんでおるわけでございますが、なお十分努力していきたいと存じております。

横山利秋日本社会党

○横山委員 最後に、この間指摘いたしましたこれも東北地方において非常に陳情を受けたわけでありますが、この間の質問によれば千人の臨時職員が法務省関係、最高裁関係にはおるという話でありますが、全体の職員数から見て、千人の臨時職員が恒常的な業務に従事しておるということは、他の官庁にも見られない特殊な法務省関係の人事問題だと、私は考えておるわけであります。これはもう何としても、いまの予算の範囲の中においても、本定員に繰り入れるべきだ。こういう何年も何年も、長い人は四、五年たつという話を私は聞いたのでありますが、そんなに長い間臨時職員として採用しておくということは、人事管理上からも問題であるし、法務省としても、もし万一のことが起こった場合に、だれが一体責任をとるのか、責任問題にも発展すると思うのであります。現在の状況のもとにおいても、本採用に繰り入れるべきであり、来年度の予算要求の中で、これはもう定員増加によって本採用に繰り入れるべきであると、私はかたく確信するのであります。重ねて最後にお答えをいただきたいと思います。

辻辰三郎法務大臣官房経理部長

○辻説明員 法務局関係のいわゆる常勤補佐員でございますが、御指摘のとおり、極力本定員に必要のつど組み入れるように現地で努力いたしておりますが、やはり多少三年、四年という間常勤補佐員ということで勤務していただいておる事例があろうかと思います。私ども、なるべく早くこれを本定員に持っていきたいということで努力いたしておる次第でございますが、定員等の関係でなかなか希望どおりいかないという事情がございます。そこで、来年度予算要求におきましては、法務局は、これまた逐年私どもの増員要求の最大重点でございますが、来年度におきましては法務局の登記関係職員につきました七百三十名ばかりの増員要求をいたしておる次第でございます。御承知のように、法務局は逐年大体前年の八%ずつ事件が伸びていっておるという状況でございまして、いろいろな機器の導入、能率化の点、もとよりいたしておりますが、能率、機器の導入だけではもちろん足りませんので、増員要求の最大の重点として要求をいたしておる次第でございます。かような状況になっております。

大坪保雄自由民主党

○大坪委員長 これにて両案に対する質疑は終了いたしました。     —————————————

大坪保雄自由民主党

○大坪委員長 これより両案を一括して討論に入ります。  討論の申し出がありますので、これを許します。大竹太郎君。

大竹太郎自由民主党

○大竹委員 私は、自由民主党を代表いたしまして、両法律案に賛成の意見を申し述べたいと思います。  御承知のように、人事院の勧告の趣旨に基づきまして、一般の政府職員の給与を改善しようとする法律案が今国会に提出されているのでありますが、この両法律案は、裁判官及び検察官について一般の政府職員と同様に、その給与を改善しようとするものでありまして、まことに時宜に適した措置であると信ずるのであります。よって、私はこの両法律案に賛成の意を表したいと思います。  しかしながら、この両法律案はあくまでも暫定的措置にすぎないのでありまして、本委員会においてもたびたび附帯決議等を行なっておりますように、裁判官及び検察官の給与制度については、その職務と責任の特殊性にふさわしい優遇策を講ずるよう、今後一そうの努力をいたされたいことを付言いたしまして、賛成の意を表したいと思います。

大坪保雄自由民主党

○大坪委員長 横山利秋君。

横山利秋日本社会党

○横山委員 私は、社会党を代表いたしまして、反対をいたします。  反対の趣旨は、いまも質問の中で片りんをのぞかしたつもりでありますが、単にこれは検察官並びに裁判官の俸給を論ずるということではなくて、法務行政並びに検察行政についての全般の立場からもちろん議論をしなければなりません。その点から考えますと、この給与決定の基準、給与決定の行政のあり方について、私は今日の状態に疑義を差しはさむものであります。検察官並びに裁判官の給与が必ずしも十分でないことは認めますが、より不十分なものはその傘下で働く人々の給与の問題であります。人事院勧告は、五月実施となっております。私どもは人事院勧告のその水準並びにその内容についても問題があるのでありますが、より問題にすべきなのは、百歩譲りましても、五月実施ということがまたぞろ例年のごとく八月実施となっている点にあるわけであります。考えてみますと、この不況から立ち直った日本経済は、秋口から急速な物価の高騰を始めました。明年度は不況下の物価高と、一般に定説になっているわけであります。この秋口から上がり始めました卸売り物価あるいは小売り物価は、おそらく政府の見通しを引き離して、三月までには四、五%以上になることはもはや必至でありますし、来年度におきましては、とてもそれにとどまらないことが予測にかたくございません。こういうような状況のもとで、値引きをした人事院勧告の実施のしかた、それにもたれたこの検察官、裁判官の給与の引き上げについては、根本的な今日のこの法務裁判行政に従事するすべての職員の生活を守るということに、私はふさわしくないと考えているわけであります。すでに三党共同修正案をもって内閣委員会に上程をいたしました私どもの修正案の趣旨からいっても、私どもはこれに対して反対をいたすのであります。

大坪保雄自由民主党

○大坪委員長 岡沢完治君。

岡沢完治民主社会党

○岡沢委員 私は、民主社会党を代表いたしまして、両法案に反対の意を申し述べます。  二つの法案が、人事院勧告の趣旨にかんがみまして、一般の政府職員の給与を改善する法律案と関連して、その例に準じて提出されたことは明らかでございますけれども、私は、この人事院勧告の完全実施というのは最低限の要求である。ことに司法官、検察官の職務の特殊性、独立性、また他の一般の公務員と違いまして、他に付随収入その他が一切ないというようなことも考え合わせましたときに、ことに過日の法務委員会における質問でも述べましたけれども、日本が法律による行政、法治主義ということを戦後の一つの大きな特色として、力にかわるに法律による支配を近代国家としての新生日本の姿として希求する立場にあるだけに、この法律を施行する立場にある、あるいは法律を判断する立場におられる司法官、検察官には、特別の優遇措置を講ずる法律的な理由も根拠もあろうというふうに私は考えます。法律に対する尊重の趣旨をその執行官に付与するたてまえからも、格別の優遇措置を講じ、そのかわりに司法官、検察官には国民の期待を裏切らない優秀な人材を集め、また職務上も国民の期待にこたえ得る業績をあげていただきたい、そういう趣旨から、一般の公務員以上に、私は司法官、検察官の給与につきましては、格別の配慮がなされるべきだ、そういう点からいたしまして、わが党といたしましては一般公務員の給与につきましても、五月の完全実施、人事院勧告の完全実施を要求いたしますけれども、それ以上にこの両案にうたわれております裁判官並びに検察官の報酬、給与につきましては、さらに格別の配慮がなされるべきだ、そういう意味から、前向きの意味で反対の意思を表明して、意見を終わります。

大坪保雄自由民主党

○大坪委員長 山田太郎君。

山田太郎公明党

○山田(太)委員 私は、公明党を代表して、このたび上程されている裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案及び検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案に対して、反対の討論を行なうものであります。  もちろん、裁判官及び検察官の報酬、俸給等の改善されることは好ましいことであり、より以上改善されることこそ望ましいことであることを前もって主張しておきます。反対の理由は、公務員給与改善に関する人事院勧告に準拠したこのたびの法律案については、人事院勧告に対する政府の態度がまず問題にされなければなりません。政府は、前年度よりも一カ月繰り上げることによって、一歩前進したと説明し、宣伝しておりますが、公務員法の性格、人事院の存在理由から見て、勧告を完全実施することは当然であります。しかるに、人事院勧告を無視して、実施時期の五月を三カ月もおくらせていることは、絶対に承認することはできないのであります。したがって、それに準拠するこのたびの裁判官及び検察官の報酬及び俸給等の改正は、五月より実施すべきであります。  なお、このたびのLP事件に際しましても、一部検察官等の実情を見まするに、多忙の中を電車と徒歩で長時間を通勤せらるる人々の多い状況を見るにつけ、他の職員の生活も推して知ることができます。物価高のおりからと、その職責と任務からしても、より優遇すべきであることを主張して、反対の討論を終わります。

大坪保雄自由民主党

○大坪委員長 松本善明君。

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 私は、日本共産党を代表して、裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案、検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案に反対するものであります。  現在、一般公務員労働者は、激しい物価上昇の中で生活に非常に苦しみ、一律八千円の賃金の引き上げ住宅手当などを要求しております。ところが、人事院勧告はこの要求を踏みにじったものであり、しかも政府はこの人事院勧告すら完全実施しない。そして一方では、この法案でもわかりますように、総理大臣最高裁長官などは一挙に十五万円、大臣、最高裁裁判官、検事総長などは一挙に十万円、国会議員や高裁長官、高検検事長はそれぞれ一挙に二万円以上の給与の引き上げが行なわれます。このように下積みで働いておる公務員労働者を低賃金に押えつけておきながら、一方では高級公務員は一挙に大きく給与を引き上げるというのでは、まさに上厚下薄の典型であります。このようなことは、裁判官、検察官の中でも、この法案で明らかでありますように、全く同様になされております。このことは、単に不公平というだけではなく、このようなやり方によって官僚支配を容易にしているのであります。こういうやり方は、公務員に真に国民の奉仕者として生活を安定させ、真の民主主義の発展を妨げるという結果を来たすと思います。私は、このような立場からこの二つの法案に反対をするものであります。

大坪保雄自由民主党

○大坪委員長 これにて両案に対する討論は終局いたしました。  これより採決に入ります。  裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案及び検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案の両案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

大坪保雄自由民主党

○大坪委員長 起立多数。よって両案はいずれも原案のとおり可決すべきものと決しました。  次に、おはかりいたします。ただいま可決せられました両案に対する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大坪保雄自由民主党

○大坪委員長 御異議なしと認めます。よってさように決しました。     —————————————   〔報告書は附録に掲載〕     —————————————

大坪保雄自由民主党

○大坪委員長 本日の議事はこの程度にとどめます。  次回は、来たる二十二日午前十時より理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし本日はこれにて散会いたします。    午前十一時二十四分散会

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