物価問題等に関する特別委員会消費者問題に関する小委員会 第1号
- 発言数
- 18 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1967/12/15
会議録
○砂田小委員長 これより小委員会を開会いたします。 この際、一言ごあいさつを申し上げます。 このたび、消費者問題に関する小委員会の小委員長に就任することになりました。小委員各位の御協力を心からお願い申し上げます。 それでは、消費者問題に関する件について調査を進めます。 ちょっと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○砂田小委員長 速記を始めて。 先般、理事懇談会におきまして戸叶委員長が御提案になりました消費者の保護及びその対策等の諸問題について、本日は各党から、また、各委員から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと思います。 つきましては、この際、戸叶委員長がお見えでございますので、まず委員長から御発言をお願いいたします。戸叶物価問題等に関する特別委員長。
○戸叶委員長 私は、日ごろ消費者保護施策の必要性を痛感しておりますので、ここにその考えの一端を申し上げてみたいと思います。 私は、ことし二月から、物価問題等に関する特別委員会で、皆さまとともに物価問題、流通機構問題、消費者行政などについて取り組んでまいりました。その間、一方において物価の上昇は著しく、また、兵庫県等の、消費者行政が他県よりはるかに進んでいる県の消費者モニターの方々から、消費者を守るための努力をすることにむなしさを感じたとまで訴えられたこともありました。消費者は王さまであるということばがあっても、実質が伴わないのが現状であります。 このような情勢の中で諸外国の例などを調べてみますと、十四、五人ぐらいで、規模は小さくても、ノルウェーの消費者省をはじめとして、アメリカ、ヨーロッパの国々がそれなりの消費者行政の確立をはかっております。 わが国の例を見ますと、消費者関係の法律として、計量の適正化、表示の適正化関係法律、食品衛生法、薬事法、電気用品取締法、農薬取締法、危害の防止に関する法律、標準化に関する法律等合計十四あり、行政機関としては、経済企画庁をはじめ、農林省、通産省において消費経済課があり、その規模の大小はいずれにしても、各省に消費者行政を扱うといわれている係があります。しかし、これらが各省ばらばらであるという点と、たとえば通産省、農林省などの場合は、その役所の性質から見て通産物資、農林物資の生産から消費まで全部は扱うにしても、消費生活という面では考えられていないのであります。 これらの欠陥をまず第一に是正しなければなりません。それにはまず最初に、消費者に対してどうすることが必要であるか、消費者とはだれを対象にするか等々の基本理念を確立することが必要であります。 コロンビア大学の教授マリオ・ペイの消費者宣言の中から、故ケネディ大統領は彼の年頭教書の中にたくさん引用したといわれておりますが、その中に、人間はだれでも消費者であるのか、ないのか、答えはもちろんしかりであると言っております。確かに国民はすべて消費者であります。この観念に立って消費者としての団結をするならば、政治の動向もそれによって決定されるでありましょう。 だからこそ、昭和四十一年十一月四日に、国民生活審議会から消費者保護組織及び消費者教育に関する答申が出され、その中で、消費者行政の基本方向として、生活が経済発展の犠牲になるのではなく、経済が生活に奉仕すべきであるという国民生活優先の理念にのっとって、今後の行政一般の運営が行なわれなければならないと強調されているのであります。 私は、最近消費問題と真剣に取り組んでおられる婦人の方々の、消費者に対する基本理念を確立せよとか、消費者委員会のようなものをつくり、消費者行政という立場から積極的にチェックすべしとか、消費者の運動を妨げないように自主的に消費者組織をつくれとか、最近は産業界が消費者の動向に非常に熱心で、むしろ消費者自身が寝ているのではないかという声や、いろいろと参考になる御意見を承りました。 この中には、消費生活の中で、商品、役務の適正化とか、計量の実施の確保、商品の品質規格、その他内容に関する適正な表示の実施の確保、危害の防止、苦情処理機構の整備等々の問題が含まれていたことは当然であります。 また、最近の物価上昇の激しさに対して、何らかの措置を講じてほしいという御意見も圧倒的に多かったのであります。 これらの諸問題を一気に解決することはむずかしいことでありますが、せめて消費者に対する基本姿勢を打ち出すことは、私ども政治家、特に物価対策特別委員としての当面する最も緊急かつ重要な政策課題であると思います。 そこで、昭和四十二年三月十三日付、経済社会発展計画の中の、世論反映のための機構整備という項を参考にし、また、消費者行政の発達している兵庫県からの陳情なども取り入れ私案を作成し、去る十一月六日の理事懇談会に消費者保護基本法案要綱として提出し、数度にわたって御協議をいただいてまいったのであります。 本日、砂田小委員長はじめ皆さまがこの問題について御協議いただくということでございますので、ここにその考えの要点を簡単に申し上げてみたいと存じます。 まず第一に、国民の消費生活に関する国の政策の目標は、事業者側の良識ある事業活動と一般消費者の自覚及び自主的な活動を助長し、もって消費者の利益の増進をはかることとし、このため、国及び地方公共団体は、商品及び役務について、適正価格の維持、計量の実施、標準化の促進、監視、鑑別組織の整備を行なうとともに、消費者の苦情処理機構の整備、消費者啓発活動の推進等を行なうものといたします。 このため必要な法制上、財政上の措置を講ずべきはもちろんでありますが、国民生活に密着した施策を実施するため消費生活の実態調査を行ない、その結果を国会に報告せしめるようにいたしたいと考えます。 第二といたしまして、国は、公共料金の認可については物価対策を十分考慮して行なうこと、不当な共同行為の規制をきびしく行なうこと、流通機構の整備を行なうこと等であります。 第三といたしましては、消費者意識を高めるため、消費者啓発活動を行なうとともに、望ましい消費者団体の活動を助長することであります。 第四には、現在政府には国民生活審議会及び物価安定推進会議が置かれておりますが、法制上の基礎がないかまたは弱く、両会議の関係も明確になっておりません。また、運用が適切でなければサロン的会議に堕するおそれもないではございませんので、これらを改組強化する意味で、特に内閣総理大臣を会長とする消費者保護会議を内閣に置くこととし、別に一般有識者の意見を反映せしめるため学識経験者からなる消費者保護審議会を設け、両会議が有機的に一体となって機能するようにいたしたいと考えております。 以上、私の考えの概要を申し上げたのでありますが、専門的知識を豊富にお持ちの砂田小委員長はじめ皆さまの御努力と御協力によりまして、近い将来に、四党が一致して、全消費者の権利を守るとりでとなる法律が制定されますならばたいへん幸いに思います。 どうぞよろしくお願いいたします。
○砂田小委員長 ただいまの戸叶委員長の御発言に対して、各委員からそれぞれ御意見を承ることといたします。大野市郎君。
○大野(市)小委員 ただいま、第一回の消費者問題に関する小委員会を御開催になりまして、先般の委員会における理事会の戸叶委員長からの発案の根拠、その概略を承ったわけでありますが、私どもも、われわれの委員会の使命であります物価対策を考えますときに、物価対策という面でいきますといろいろな広い分野になりまして、生産者の立場、消費者の立場、あるいは中間の取り扱い業者の立場というふうな、みずからの生計を営む基礎になりまする所得を中心にして、立場がいろいろあると思うのです。したがって、売るほう、買うほうというようなぐあいになりますと、現在の経済の組織のもとにおきましては、商売にあたって利潤追求というのが原理になっておりまして、しかもその原理の社会的に認められておる基礎の理屈としては、自由競争で妥当な価格が成り立つから、品質、内容等、妥当な価格とつり合って需要供給の調整がとられるだろう、こういう経済の理屈でこれを運営しておるわけでございますが、ただいまの消費者の面につきましては、特に一番著しいのは情報の不足であろうと思います。それから第二は、団結の機会がなかなか得がたいということ、こんなふうに、最終消費者の段階で見ますときには、そういう意味合いでの著しい弱点がございます。 こんなような形で見ますときに、自由競争の原理で、お互いがみずからの好むものを選択して、自由な意思で手に入れることのできるという制度、これがそのとおりにできるならば、一番いい制度だというふうに私などは思う一人でございます。そういう制度の中で消費者の立場をどうやって守ろうかということは、非常にくふうを要するところだろうと思います。特に政府のこれに対する介入に対しましては、原理的には、納税者の立場からは安い政府を欲しておる、こういうような立場に私どもはおるのですが、何かそこに、情報の提供とか消費者の団結をもって、利潤追求の企業者と発言を対等に持つことのできるようにするとか、そういうふうな面で政府が手を差し伸べて調和をはかっていく必要があるのじゃなかろうか、こういうふうな形で調和を考えますときに、どうしてもここで、何か法律の形においてもこれをつくって指導ができるようにできないものだろうか、こういうような着想は、実はかねてから持っておった一人でございます。 ただいま戸叶委員長から試案の御提案がございましたが、そういうような形から入りましたときに、実は現行法の中でただいま十四の法律の用意があって、それぞれ御指摘の内容に対してこれの是正と公正、合理化を考えるような仕組みがございますけれども、物価委員会での論議を私自身経験しましても、たとえば農林省の中に消費経済課があるのですけれども、牛乳という一つの商品を見詰めましても、その最終の責任の局は畜産局である。畜産局に牛乳の問題を持ち込みますというと、そこが窓口であるというふうなことで、消費行政を担当する課自身も原局に対してはやはり話ししにくいというふうな現状を、われわれ体験したわけなんです。そうなると、せっかく十四の単独立法がありましても、それをだれかが調整をとってやってもらわないと、消費者の立場では手も足も出ないという実態をまざまざと見せつけられました。その要請にこたえてでございましょう、経済企画庁の中に国民生活局が設けられたのでありましょうが、この国民生活局というものをただつくっただけでは、やはり調整官庁の悲しみが如実に出まして、他の省、他の局、他の課に対しまする発言の力というものが、ほんとうに靴の裏からかゆいところをかくような焦燥感を感じ取られるわけであります。そうすると、どうしてもここで基本法のような形のものをくふうしまして、たとえばそれが実体法でなくて、いわゆる訓示規定であっても、それだけの意義があるのじゃなかろうか、こんなふうなことを、実は物価委員会に実際に出席しまして感じた一人でございます。 教育基本法にしましても、農業基本法にしましても、いろいろな基本法の性格はすべてやはり訓示規定が多いようでございますが、世論では訓示規定じゃどうも力がないじゃないかということも聞きますけれども、私はそれなりに意義があると思いますので、そういう趣旨で、当小委員会におきまして、消費者の保護に何と何が必要であろうか、それに対しては国はどうしたらよかろうか、それに対しては精神的な、あるいは教育面でどんなふうに事業者、消費者を、教育するということばがそういう場合に当たるかどうかわかりませんけれども、こうあるべきだというふうな方向を示して、やはり調和をはかっていく必要がありはしないかというようなぐあいで、おおむね戸叶委員長が御提案なさった基本の方向に対しては、私はけっこうなことだと思う一人であります。しかし、他の詳細な問題は、これから十二分に検討させていただきたいと思うのでございますが、方向に対しては賛成を申し上げる次第であります。
○砂田小委員長 武部君。
○武部小委員 最初に社会党の態度を申し上げまして、あと私の意見を申し上げたいと思います。 私ども社会党としては、去る六月二十九日に、わが党の堀昌雄議員のほうから、物価問題等に関する特別委員会の席上に、当面の物価の安定をはかるための物価安定緊急措置法案なる法律を提案いたしまして、今日までこれは継続審議になっておるわけであります。この法案は、当面する物価の著しい高騰を何とか押えて、国民生活の維持と向上に寄与する、そういう目的で提案した法律でありまして、五年間の時限立法という形で提案をいたしました。したがって、私どもの党としては、この物価安定緊急措置法案なるものをぜひ成立させてもらいたいという希望は、今日までなお持っておるわけであります。しかし、現実に、先ほどからいろいろ話がございましたように、消費者の皆さんの声というものがこれだけ高まっておる中で、こうした法案を時間をかけて論議をするというような、そういうことは許されませんので、先般提案なされました戸叶委員長の試案のようなものについて検討してみたわけであります。 内容につきましては、私どもの党としては、もう少し強いものが必要だというような点について意見を持っておるわけでありますけれども、大野委員からも指摘されましたように、四党でできるだけ早く問題の焦点について意見を一致せしめる、このことが必要だと思いますので、内容には若干異論がございますけれども、それは逐次これからの審議の経過で申し述べるといたしまして、当面、消費者保護基本法というものがすみやかに制定されるということについては、異議はないわけであります。したがって、そういう態度で臨みたいと思っております。 次に、具体的な問題でございますが、先般消費者保護に関する資料なるものを経済企画庁の国民生活局からいただいたわけですが、これをずっと検討してみますと、いま大野委員から指摘されましたように、各省が各個ばらばらでやっておるという具体的な例がここに出ております。たとえば審議会にしても、国民の意見の反映という立場から審議会がつくられておりますが、これを見ると、こうした問題についての委員会が九つある。それも、経済企画庁、厚生、農林、通産、行政管理庁、こういうようにたくさんの審議会がばらばらなかっこうで持たれておる。あるいはモニター一つをとってみても、行政管理庁、経済企画庁、通産省、公正取引委員会、農林省、こういうように、モニターだけでも六つの省にばらばらに分かれておる。こういうことでは、これは効果があらぬじゃないかというような点を、資料をもとにいろいろ検討してみますと、感じるのでありまして、そうした点でこの消費者基本法が、一つの方針のもとに政府が一体となって、行政を推進できるというような一つの法案がぜひ必要じゃないかという気持ちを持っておるのでありまして、そういう立場から私どもの党としては全面的に賛成をし、すみやかに法案の成立を期待する、こういうことであります。 あと具体的に質問もございますけれども、これはあとにいたしたいと思います。
○砂田小委員長 和田耕作君。
○和田小委員 私ども民社党のほうも、戸叶委員長の御提案になられております消費者の基本的な法律、この構想には基本的に賛成でございます。これは、昭和三十八年ごろからでしたか、私ども、消費者基本法というようなものが必要だということを主張してきておるわけでございますけれども、特に最近の状態を見ると、かなり急いでこのようなものをつくる必要があるのではないかということを強く感じておるわけでございます。 この二月から、物価問題特別委員会で、二回ほど重要な問題についての各党一致の決議をしたのでございますが、この決議を実行できるような形にする一番の当面の責任者は宮澤企画庁長官なんですけれども、宮澤さん自身が、この決議をありがたいとはいいながら、もてあましてしまう。こういうことをやられても何ともできないのじゃないかという感じで、このような決議を受け取られるというような空気を見るわけなんです。こういうことが端的に物語っておりますように、消費者という立場を守る、人間の生活自身を守るという、このような行政的な視角というものが非帯に弱い、あるいはネグレクトされている。これは単に物価問題だけでなくて、生産中心の活動からやはり市民生活中心の活動に、行政自体のウエートを置きかえなければならない。そうしないと、生産自体も伸びていかないという段階だと思うのです、全体の問題が。これは物価の問題にも出てきておりますし、都市の一般問題公害等にも出てきておると思うのです。そういうふうな大きな一つの変化していく時期でもありますので、特にこの消費者基本法という法律をつくって、そういう意味合いの情勢の変化に適応するような強力な行政ができるようにしなければならない、こういうようなことを強く感じているわけでございます。 特に物価の問題は、御案内のとおり、この秋から本格的な物価の、第三回目と申しますか、大きなうねりになっておる。来年なんかも相当大きく上がるのじゃないか、こういう時期になっておる。こういう時期に各党が一致して消費者の立場を守る、物価を適正な形で安定させていくという決意を示す意味でも、非帯に急いでこの問題を取り上げる必要があるのではないかというふうに思います。 内容の問題なんですけれども、確かに大野さんもおっしゃられましたように、戸叶さんの御主張にもありますけれども、三つの問題がございますね。行政の連絡調整というような問題、これはもっと心棒を置いてそういう連絡調整をすることが必要だ。もう一つは、消費者自身の立場を守れるような一つの自主的な、適正な一つの団結と申しますか、力を持って発言できるような立場にするための消費者の適正な組織という問題があるわけなんです。それと、いまのマスコミのこの世の中で生産者がかってかってに宣伝をする、その中に消費者が放置されるというわけですけれども、正しい商品に対する知識がないということですから、その三つの問題を消費者の基本法の重要な内容にされておるように思うのですけれども、これは非常に私は賛成でございます。また、その他まだ理事懇談会でいろいろ話題に出ました具体的な問題については意見がありますけれども、基本的に私どもは賛成でございまして、ぜひともこれは早急にできるようにと願っておる次第でございます。 以上でございます。
○砂田小委員長 有島重武君。
○有島小委員 戸叶委員長から消費者保護のための基本法を御提示いただきまして、たいへん時宜に適したものであると、私どもはその趣旨について基本的に賛成いたしました。党内でもってさっそく種々検討いたしました結果、一つの案を作成いたしまして先日提出いたした次第であります。とは申しましても、個々の問題にわたっては、これは内容としては、消費者を保護するという立場からは、それほどかわったところはないのではないか。ただ、それに至る、現在の消費者に対する行政が、そこにどのように有効に働きかけていくことができるかということが相当たいへんな問題ではないか。そのためにその基本法をせっかくつくられるのであるならば、また、現在行なわれている種々のものをどのくらい生かして、総合的に消費者保護のための方向に推進していくことができるか、それがまず消費者基本法としての第一歩ではないか、そういうふうに私どもは理解しておるわけであります。 それで、もう一つの消費者側の団結ということにつきましては、これは現在、消費者側としてのすぐれた業績を持っておる幾つかすでにございます。そうした諸団体がいままで研究し、また実践してこられたところの成果を、どうやってより多くの人々に供給し、用いていくことができるか、それがまず最初のステップであり、さらにまた、いろいろなこれからの局面が、経済事象も大きな流れとしてたくさん出てくると思いますけれども、それに対処して、どのくらい柔軟に事態に対応していくことができるか、そういうようなことが第二番目の問題。これはいろいろな新しい施策を検討しなければならない。そういうような二つの段階に分かれてくるのじゃないか、そんなふうに、いまのところ党内としては話し合っております。 結論といたしまして、この基本法がすみやかに成立しますように、できれば、次期通常国会にでも提出していただくことができればたいへんいいのではないか、そういうふうに思っております。 以上であります。
○砂田小委員長 唐橋東君。
○唐橋小委員 いま戸叶委員長のほうからこれに対する必要性、目的を話されましたけれども、これは全くそのとおりでございまして、いま各委員のほうから発言がありましたように、できるだけ早く成立させたいという希望は同一でございます。ただ、その中で、いまも戸叶委員長の話がありましたように、いままでのあり方を見てみますと、申すまでもなく消費者は王さまだというのですが、実は結果的に考えてみますと、自由主義経済の中においては王さまどころか、もうけをとる対象、相手、そういう位置にだけいままで置かれていた。こういうことは、だれしもがはっきり認めるところだろうと思います。したがいまして、正しく、消費者を中心にして、しかも総合的な、かつ、そのときそのときの経済状態に合う基本法というものが必要であり、そしてそれを速急に制定しなければならないことは、いま各委員のほうから発言されたとおりであると思うのでございますが、私がいま、一つ申し上げたいのは、やはりこの法律を制定するには、いまも話に出ましたが、十四あるといわれるこれに関係する法律、あるいは各省庁の中で行なわれておる各行政機能、それを見てみますと、いろいろ特色はあると思うのでございますが、やはりいままでは単に生産価格をどうきめるのか、あるいはまた、流通過程の中で出てくる矛盾を何とか最小限度に押えようじゃないか、スムーズにいくようにしようじゃないか、こういうたてまえだけのものであると言っても過言ではないのではないか。こう考えますときに、この基本法を制定するには、もう少し各関係法案、そしてさらに、各省の事務分掌というものを合わせていく機構的なもの、そういうものまで一歩前進せしめたい、これが一つの希望であります。 それからもう一つは、現在まで消費者側のほうで、いろいろ自己防衛的に組織を持っておると思います。それは各組織、地域ごとに生活協同組合もあり、購買組合もあり、そういうような種類のものが、やはり自然発生的と言うと語弊がございますけれども、そういうように各地、各職場、あるいはいろいろなために現在まで出てきておるもの、しかもそういうものを集約して生かしていく、そういう組織を十分生かしていくことのできるもの、こういうことがこの法律制定においては、一つの実態調査の中から合わせていかなければならないし、そういうものも、また長所、短所もあると思うのであります。そういう短所があれば、やはりこの法律である程度補っていかなければならない。こういうようなことをこの制定にあたって感じさせられているわけでございます。 ともかく、おそきに失したと言うとこれまた語弊がございますが、できるだけ早い機会にこの総合的なものを策定して、いままで行なわれていたばらばらな関係法というものを総合していくような、そして総合させ得るような、行政的にも各種にわたっておるそういう点のものも、やはりこの法律のもとに新しい組織をつくっていく、こういうところまでいきたいし、持っていかなければならないんじゃないか。こんな意見を持っておるわけでございます。
○砂田小委員長 それでは、ちょっと私からも発言させていただきます。 消費者というのは全国民であって、その全国民である消費者というのは、本来四つの権利を持っておると思います。委員長の御発言の中にもございましたが、知る権利、安全の権利、選ぶ権利、意思を反映する権利、この四つの権利というものを政府と企業、消費者が互いに確認して、尊重して具体化して、その線に沿った公正な取引の環境を整えていくことが消費者問題の解決のかぎであろうと思うのです。ところが、現在の消費者は、次第に企業に対して疑いの目を向けつつあります。合成繊維混紡の純毛毛布と称するものであるとか、あるいは牛肉と馬の肉が混在した牛かんであるとか、レモン飲料、色づき牛乳の表示の問題、上げ底や額ぶち式、量目不足、その中で特に問題なのは、有害なプラスチック食器でありますとか、有害な薬品、有害な化粧品、有害な残留農薬、あるいは有害な食品添加物等、人体にそういった危険のあるような商品までが監視の不十分に乗じて相当数出回ってきて、消費者の信頼を裏切るような事件が相次いで最近は起こってきております。 これらは、全体から見ますと限られたごく一部の企業の所業であって、マスコミがトピックとしてはでに取り上げられるほどは実際に普遍的でない場合もあります。しかし、特に注目すべき一つの傾向は、こういう望ましくないやり方は、かつては名もない企業でありましたのが、最近は著名な大会社すらこれに名前を連ねるような残念な状態になってきております。 一方、消費者は、近代商品の真偽やその良否を識別する能力がほとんどない。新製品や新しい形の商品がどんどん出てまいりますけれども、そういった新しいものがどんどん次から次へ出てくるものですから、消費者は自分の過去の使用経験も生かせない、こういう状態になっております。このまま放置しておきますと、消費者は、生産、販売も含めました企業全体に対して非常に大きな、深い不信感を抱いてしまうようなことになるのではないか。このような事態が起こりましたならば、消費の場所だけの問題ではないと思うのです。事業にとってももちろんのこと、国民経済の全体のためにきわめて好ましくない不幸な状態といわなければならない。消費者の利益と企業の利益というものは、そういう点でも絶対に相反するものではない、一致するものと私は考えるのです。消費者が何にたよって安全、良質、安価というその経済原則を貫く購買決定をしたらいいか。その基本的な国の施策と事業者の社会的責任と消費者自身の努力の方向を、一本の法律の上に明確にしておく必要があると私も考えております。 今日は、企業と消費者の間に大きな力の格差が生まれてしまっておる。私は、そういう原因が大体三つぐらいあると思うのです。一つは生産優先の思想であって、二つ目は企業の販売戦略が非常に高度化してきた、三つ目にその消費者自身が元来弱体であるということ。この生産優先の思想というものは、すべての人の心の中には、収入に結びついた生産の仕事が第一で、これに一家の死活がかかっておるのだ、そういう考えがあるのは、これは当然なことでありまして、明治以来経済水準が低かったわが国の政治も行政も、増産一筋に励んでまいりまして、国民所得をふやすことが先決であって、消費はおのずからそれに伴っていくものだ、こういう考え方で来ておるわけであります。 私は、それはそれで別に間違いじゃなかったと思うのです。間違いだったとは言えない。国民生活にいたしましても、その成果を十分あげてきておると言っていいと思う。明治、大正、昭和と国民生活が向上してきたことは、だれもが認めるところでありますが、しかし、最近の急速な経済発展、経済成長によって生産の問題は一応の大飛躍を見た。それだけに消費面のおくれが特に目だってきて、国際競争力を十分持ってもらわなければならない日本の企業、産業のことでありますから、そういうところに産業保護的な行政が今後も続けて行なわれていくことは、それはそれで今後もそうなければならないと私は思うのです。しかし、長い間続いてまいりました生産第一主義という、そういう考え方の余波だけはこれ以上続けるべきではない。今日以上の企業の効率的な、企業のほんとうの実力養成の面から考えても、同様なことが言えるのじゃないだろうか。 次に、企業の販売戦略の高度化ということですが、経済成長によって、いわゆる高度大衆消費時代に入っております。企業間、産業間の販売競争が非常に激化をしてまいりまして、その販売戦略は、コンピューターの活用等もあり、きわめて高度化してきている。この高度化された販売戦略というものが消費者を操縦をして、その主体性をすら失わしめるようなところまで、そういう事態になってきている。消費者の弱体であるということは、これはいま皆さん方もそれぞれお述べになったとおりでございまして、最大多数の集団であるのですが、残念ながら意識は低い、有効に組織化されない、その力はきわめて弱い、そういう本来的な素質を持ってしまっている。こういった三つくらいのことを原因として、企業、消費者間の力の格差は開くばかりであります。 売買取引においては、買い手はみずからその選択に責任を持つべきなんだ。もしだまされたら、それはもう自分の眼が悪かったのだ、自分の努力が足りなかったんだという従来の考え方は、企業、消費者間の力の格差がこれほどまで開いた今日は、こういう消費者の自己防衛を期待するということは非現実的だろうと考えます。むしろ買い手責任主義の時代から売り手責任主義に転換するべき時期が来ているという気がするんです。要するに、生産面と消費面の断層の調整を行なう態度を、新しい時代感覚を持って、政府もまたその基本姿勢として明確にするべきときがきている、そう私は考えます。 このような考え方に基盤を置きまして、私どもの自由民主党の政務調査会の中に消費者問題に関する小委員会というものを設けまして、ここで検討、勉強を続けてきておりますが、この問題の研究の過程で第一の大きな問題点は、消費者問題をどういうスケールで取り上げていくか、そういう問題でございます。消費者の持つ四つの権利の権利宣言的な考え方で取り組むのか、そういうスケールで考えるのか。物価政策、流通政策に干渉するところまで広げてこれを考えていくのか。あるいはまた、さらに、よく最近言われるように、企業はその利益の分配を賃金、配当という社内分配だけで済ませるべき、そういう時代ではないのだ、国民生活に奉仕をする経済というふうに考えられる、そういう新時代では、企業の利益分配は社会にもまた還元されるべきだ、そういうような考え方までもう一つ広げてこの消費者問題と取り組むのか。この消費者問題の取り組み方のスケールの問題、範囲の問題、これは一つ非常に大きな問題でございます。 きょうは、ひとつ消費者の権利宣言的なスケールで取り上げると仮定をして考えてみますと、それは企業界に公正自由なフェアプレー競争を促進して、政府は、消費者が賢明に選択できる条件を整備する。消費者がみずならの生活向上と経済全体の効率化を促進するために、きびしい選択に消費者自身が努力をする。こういうところに問題解決のかぎがあるのじゃないか、こう考えるものでありますから、その範囲で立法を考慮するのならば、その内容は、先ほど委員長がお述べになった幾つかの項目、ほとんどあれで言い尽くされていると思います。 私が考えましても、国の責務として考えられるのは、一、危害の防止、二、計量の適正化、三、規格の適正化、四、表示と広告の適正化、五番目に、いま申し上げた四つの問題の監視、確保、六、公正な自由な競争の場所で形成されるべき価格の問題、七、啓発活動、八、苦情処理体制の整備、九番目に試験検査施設の整備、十番目に消費者の意見の反映、こういうことじゃないかと思います。 国の責務はいま申し上げたようなことですが、事業者の責務としては、やはり危害の防止、計量の適正化、規格の適正化、表示と広告の適正化についてみずから自警的に措置をする、さらに、苦情処理の企業内または業界内での自警的体制の整備ということも、やはり企業責務の一つであろうと思う。三番目には国の実施する施策に協力をする。さらに、消費者自身の責務としては、必要な知識を積極的に修得をして、合理的な行動をするようにつとめるという責務があると思うんのです。こまかなことかもしれませんけれども、きのう、きょうの新聞をにぎわしているような、有害な漂白剤の残ったサトイモのことが問題になっておりますけれども、皮のついたままのサトイモでは買いたくないのだ、少々二割や三割高くてもまっ白なサトイモがいいんだという考え方は、はたして消費者がほんとうに消費活動する、そういった必要な正しい知識を持っているかどうかという疑問点を私たちに投げかけている問題であろうと思います。 さて、そこで基本法という名前の法律自体の問題ですが、基本法であればどうしても訓示規定的な書き方となって、その実効がややもすれば批判を受けておりますが、全国民を対象にするという消費者問題でありますだけに、言いっぱなしの基本法ではかえって国民の期待を裏切るものであって、むしろないほうがいい。基本法という名前の法律であるからには、よほど心して私たちは取り組んでいかなければならないと思うんです。やるからには効果のあるもので絶対なければならない、特に与党としての責任もあることでありますから、十分この責任をわきまえてかからなければなりません。そこで、委員長が先ほどお述べになりました十四、五の関係法令を、一つ一つ検討する作業をただいま始めております。これらの法令は、今日まで各省とも、これが私どもの役所の所管をする消費者行政でございます、そういわれますけれども、その十四、五あります法令のほとんどが、立法の時期には消費者保護という立場から考えて立法された法律ではない、公衆衛生上の立場から、あるいは企業の生産する商品の品質を高めるためにという角度、そういう角度から考えられて立法されたものであって、消費者保護という角度から考えて立法されたものでなかったということは言えると思う。これらの法令は、いまのままでは、もう消費者保護というものさしには合わなくなってきてしまっているんじゃないか、そういうことを、この法令を所管している各省の係官自身が身にしみて感じているところでございます。 そこで、これらの法令の指定品目をふやすとか、あるいは規格でありますとか基準でありますとか、そういうものを引き上げたり、表示方法を消費者に識別しやすいように改善するといった法令の一部改正をするだけで、はたして基本法の精神に沿うことができるのかどうなのか、新たに実施法的な立法を別に考えなければこのことの解決ができないものであるのかどうか、あるいはまだ、立法時の社会環境とすっかりもう様子の変わってしまった今日では、むしろこんな法律はないほうがいいんじゃないか、悪作用にしか働かないから、もうやめてしまったほうがいいという法律もあるんじゃないかなどなど、こういった点をただいま熱心に検討いたしておる段階でございます。 消費者問題の取り上げ方のスケールについて一言いたしておきたいと思うのですが、消費者問題というものを流通問題のある部分だけにでも広げて検討してみたらどうか、そういうことを考慮しておりますけれども、この問題については、きわめて困難ないろいろな壁にぶつかってしまっております。 一つの例を申し上げますならば、たとえ物価委員会でも問題が提起されております米の流通改善、この問題を考えてみましても、米の小売り屋さんにわれわれ消費者がもっと自由な登録ができるような、そういう制度の政正をやって米の小売り商にいまよりも自由な競争をやらせてみたらどうか、そうすることによって、われわれ消費者にまずい米を配給する米屋をなくしよう、こういう考え方が食糧庁の小売り店、流通改善策の一つでありますけれども、しかし、その米の小売り商には、小売り商自身にうまい米、たとえまずくても安い米というような仕入れの自由があるんだろうか、今日の食管のあれでいくと。小売り屋さん自身仕入れの自由がない。食糧事務所の需給計画によって、同事務所の意思決定だけで、内地米、準内地米、外米というものを一緒に並べて、そのおのおのの内地米、外米、準内地米というもののパーセンテージまで食糧事務所の意思で決定されて、食糧事務所の決定だけで配給されている米屋さんたちだったら、もうそこの時点でわれわれ消費者にとってはうまい米、たとえまずくても安い米というような選択の自由が失われてしまっている。米屋の仕入れの選択の自由がないのであれば、その段階で消費者にも当然選択の自由がない。むしろ私たち消費者にうまい米を配給しろというわれわれの意向は、流通問題を通り越してしまって、まずくてもたくさんとれる米、まずくても多収穫米をつくろうという気持ちを農家に持たせてしまっている米の生産行政こそ問題点がある。そこで、われわれの要望するところが、流通問題を通り越して生産問題にまでいってしまう。こういうふうに流通問題を消費者問題に持ち込もうといたしますと、流通問題だけでは済まされなくなってしまって、生産行政にも波及せざるを得ない。八幡のやぶ知らずのところまで迷い込んでしまう。こういう困難に実はたくさん直面をしているのであります。なお引き続いてこの問題は研究をいたしますけれども、非常に困難な面にたくさんぶつかっているということだけはお話し申し上げておきたいと思います。 この機会に、私は、消費者問題を考えるのに一つの実例を申し上げてみたいと思うのです。 さっき委員長のお話にもございました兵庫県の生活科学センター、これは神戸市の三宮に兵庫県の施設としてありますが、この生活科学センターに、ある主婦から輸入品のびん詰めのイチゴジャムが持ち込まれました。メーカーは英国の世界的に信頼されている有名な大食品メーカーであります。あまりにもきれいなイチゴジャムなので、一人の主婦が人工着色されてないかどうかということを検査してほしい、こう言ってこの兵庫県の生活科学センターにイチゴジャムを持ち込んでまいりました。同センターは兵庫県の衛生研究所に依頼して分析の検査をいたしましたところ、有害であるために使用を禁止されているいわゆる法定外色素の赤色一〇一号というものが検出されました。そこで同センターは、その主婦がこのイチゴジャムを買いましたデパートに連絡をして問い合わせてみましたところ、そのデパートの大阪の店で商品を自己検査をしたところが同様の結果が出たので、同系統の全国のデパートでは販売をやめて納入先に全部これを返品した。念のために大阪市の衛生研究所へ検査を依頼したところ、同研究所から回答がありました。赤色一〇一号が検出されたという返事であった。生活科学センターは大阪市の衛生研究所に対して行政措置をとらないのかという申し入れをいたしましたところ、法律では研究としては措置をとる必要がない、検査依頼のあったところへ回答するだけで事は済むということでありました。兵庫県の衛生部、神戸市の衛生局は、厚生省に販売禁止の措置をとられるよう申し出をいたしましたのですが、厚生省も、当該商品は厚生省自身で検査したのではないから、厚生省ではその措置はすぐにはとらない、兵庫県衛生部、神戸市衛生局から全国の都道府県知事、政令による特別市に対してそれぞれ連絡されてはどうかという回答がございました。そこで、兵庫県の県知事名、神戸市長名をもって各府県、各市長に連絡をいたしました。各府県市は、それぞれの責任で販売禁止の行政処分を行なったのであります。その後におきまして、厚生省もみずからこのジャムを検査いたしまして、行政措置を厚生省自体もとりました。 この問題は、いま行なわれている消費者行政の欠陥というものを幅広く、深く私たちに考えさせるものがあると思うのです。だれ一人この問題で法律を犯した人はいない。法の定めるとおりに事は運ばれたわけです。しかしながら、これでいいとする人は、私は一人もいないだろうと思う。それでけっこうだったと言う人は、また一人もいないじゃないかと思う。輸入食品の監視員というのは、ただいま十の港に十九名しかおりません。したがって、こういう小人数でありますから、膨大な量、品種で輸入されますその輸入食料品の六%しか監視ができていない。その間隙を縫って国内で販売されてしまった。ここから、輸入の港の窓口のところからスタートいたしまして、安全の確保の問題一つを考えてみても、現行の食品衛生法が、いまはもうものさしには合わなくなってしまっているということを物語っていると私は思うのです。しかし、また一方では、消費者の要望を受けて商品テストを直ちに行ない得た、そういう機関を兵庫県が持っていたこと、さらに、全国に販売禁止の行政処分を要請するところまで問題を追い詰めることのできたこの生活科学センターの働きは、地方公共団体の消費者行政のこれからのあり方について私たちに示唆を与えますと同時に、自信を持たしてくれるんじゃないか、こういうことを感じるのであります。 私は、いま食品衛生法に関係のあることだけを一つ取り上げて実例を申し上げたのですが、厚生省の食品衛生法を所管している担当官諸君も、またこの法律を消費者保護の角度から検討しなければならないんじゃないかということを専門的に、非常に熱心に研究しておられますことも、特にこれは申し添えておきます。 私たちも、いましばらく党の機関でこの消費者問題について研究、検討いたしました上で、実効のある実施法をうしろに従えた基本法案の試案を携えまして、同憂の友であります野党の諸君と、共通の広場にできるだけ早い時期に集まりたいと考えておる次第でございます。 以上、私の考えを申し述べさしていただきました。 他に御発言、ございませんでしょうか。
○大野(市)小委員 消費者というのはほんとうにばらばらな大衆でしてね、ある商店の実例で、適正な利潤をつけた商品をある場所に置いておいたところが、一向売れないのです。それで、その何倍かに正札を高くつけたとたんに翌日売れちゃったという実例があって、特に嗜好品に関してはほんとうにむずかしい点があるのですね。ですから、消費者の保護の内容も、われわれが生活しながら購入していく物品にはほんとうに種類が多いですから、そこまで、消費者心理学まで入りますとなかなか行く手を迷ってしまうのですが、やはり衣食住の日常生活品をどうしようかというようなことを目の前に浮かべまして、そして焦点を合わしてみますと、そういうとっぴな議論は消化されていけるんじゃないかと思いますから、そういう意味でいまの小委員長が言われた考え方——特に一番欠けておるのは、やはり消費者の意思を反映させるチャンスがないことですね。これは、ほんとうにいままでどの法律にもございませんね。こんな問題一つとってもたいへんけっこうな着想であって、先ほどもおそきに失するのじゃないかというのですが、もうおそくても何でも、とにかく気がついたものからやっていかなければならぬと思います。ただ、先ほどもお話にありました流通の問題、それから、つまり企業責任としての利潤分配の方式論ですね、これあたり、それ自身反対者はないのですけれども、それを法文の中へもし入れるというようなときには、企業の自由を束縛するとか、いろいろ私ども与党の中でもこの問題には多少はやはり抵抗が出まして、私どもは、方針がりっぱなものであるならけっこうじゃないかというような私見を持ちますけれども、まとめるためにそこまで入っていけるかどうか、多少まだ時間が要るようにも思いますが、しかしながら、そうかといって、思ったことを論じなくては進歩がありませんので、私どももこの小委員会を場所にして十二分に意見を述べたいと思います。ですから、小委員長、ひとつ御遠慮なさらないで、あらゆる意見を大胆率直に爼上にのせていただいて、前進をはかっていただきたいと思います。
○砂田小委員長 それでは、これから懇談に入りたいと思います。 ————◇————— 〔午前十一時二十二分懇談に入る〕〔午後零時七分懇談を終わる〕 ————◇—————
○砂田小委員長 それでは、本日の懇談はこの程度にいたしたいと思います。 他に御発言はございませんか。——御発言もないようでございますので、この際、おはかりをいたします。 ただいま述べられました各党、各委員の意見を一応小委員長の手元で取りまとめた上で、委員会に報告いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○砂田小委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 本日は、これにて散会いたします。 午後零時八分散会