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57回国会衆議院1967/12/21

物価問題等に関する特別委員会 第3号

発言数
123
登壇者
14
会派数
3
開催日
1967/12/21

会議録

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員長 これより会議を開きます。  この際、消費者問題に関する小委員長より、小委員会の調査の経過について報告をいたしたいとの申し出がありますので、これを許します。消費者問題に関する小委員長砂田重民君。

砂田重民自由民主党

○砂田委員 消費者問題に関しまして、小委員会における審議の経過の概要について御報告申し上げます。  去る十五日の小委員会におきまして、戸叶委員長から消費者保護施策とこれが立法措置の必要性につきまして御発言があり、これに対しまして各小委員から御意見が述べられたのでありますが、以下、簡単にその概要について申し上げます。  まず、戸叶委員長から概略次のとおりの御発言がありました。  すなわち、欧米諸国では、たとえばノルウエーの消費者省等、小規模ながらすでに各国が、それぞれ国情に応じた消費者行政の確立をはかっている。  これら各国に比較して、わが国の現状は立ちおくれており、行政的には、今後生活が経済の犠牲になるのではなく、経済が生活に奉仕する国民生活優先の原則に基づいて運営されるべきであり、法制的には消費者保護について十分配慮すべきである。このため消費者保護を目的とした立法措置を講ずる必要がある。  この場合、国の政策目標は、事業者の良識ある事業活動の助長、及び一般消費者の意識を高め、自主的活動を促進せしめることに置き、このため必要な諸条件を整備することとする。  この目標実現のため、  第一に、国及び地方公共団体は、商品及び役務について、適正価格の維持、計量の実施、標準化の促進、監視、鑑別組織の整備、消費者の苦情処理機構の整備及び啓発活動の促進を行なうこととして、必要な法制上、財政上の措置を講ずるものとする、また、別に消費者生活の実態調査を行ない、その結果を国会に報告せしめること。  第二に、国は、公共料金の認可には物価対策上の配慮を十分行なうこと、不当な共同行為の規制を行なうこと、流通機構の整備を行なうこと  第三に、国は、消費者啓発活動と消費者団体の活動の助長を行なうこと  第四に、行政一元化のため、内閣総理大臣を長とする消費者保護会議を内閣に設けるとともに、別に学識経験者からなる審議会を設けることの四点からなるものでありました。  これに対しまして各小委員から御意見の発表があったのでありますが、要約して御紹介いたしますと、大野小委員から、自由主義経済の立場を堅持しつつも、消費者の弱い面に国が保護の施策を行ない、企業者側と消費者側の利益の調和をとっていくことは、基本的方向として賛成である。具体的問題については、今後十分に検討したい。  武部小委員から、社会党としては、戸叶委員の試案については、もう少し強いものが必要と考えているが、できるだけ早く四党で意見を一致せしめることが必要と考えるので、当面、消費者保護基本法というものが制定されるということについて異議はない。特に各省が行政を一元化していく上でも必要と考えるので、立法に賛成である。  和田小委員から、昭和三十八年ごろから民社党としては、消費者基本法が必要であると主張していた。この立場からも委員長の提案には賛成である。特に現状は、人間の生活自身を守るという行政的視角が非常に弱い。従来の生産中心の活動から市民生活中心の活動に、行政自体のウェートを置きかえるという段階に来ているので、消費者保.護のための法律を制定し、情勢の変化に適応する強力な行政ができるようにすべきである。  有島小委員から、委員長の消費者保護基本法の提案は時宜に適したものであると考え、趣旨について基本的に賛成である。党でも種々検討した結果、案を作成提出したが、個々の問題は別として、消費者を保護するという立場からは大差はない。基本法がすみやかに提出されることが望ましい。  唐橋小委員から、消費者関係法律の再検討、各省の行政機構の総合化、消費者の自己防衛組織の集約化等をはかる必要がある。  小委員長から、消費者は、知る権利、安全の権利、選択の権利、意見を反映する権利の四つの権利を持っている。この四つの権利を政府、企業、消費者が互いに確認し、尊重して、この線に沿った公正な取引環境を整えることが消費者問題解決のかぎである。このため、国のなすべき基本的施策と事業者の社会的責任、消費者自身の努力の方向を一つの法律に明確に示す必要があろう。しかし、いわゆる基本法は、ややもすればその効果について批判を受けている現状から、効果のあるものにしたい。このため現行法令の再検討を進め、実効のある実施法か行政措置等を従えた基本法の試案をできるだけ早い機会に起案して、各党と相談したい、等々の意見が述べられたのであります。  以上をもって報告は終わりますが、消費者の権利を守り、消費者生活を守る基本的な法律を近い将来に制定いたしたいというのは、各党、各委員一致した意見でありました。  以上、小委員会における消費者保護に関する審議の経過の概要であります。  委員会におかれましても各党の意のあるところを了解せられまして、今後この問題を積極的に推進されるようお願い申し上げまして、報告は終わります。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員長 以上で小委員長の報告は終わりました。  ただいまの小委員長の報告は、これを了承いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。      ————◇—————

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員長 この際、閉会中審査申し出の件についておはかりいたします。  本委員会といたしましては、閉会中もなお堀昌雄君外九名提出の物価安定緊急措置法案及び物価問題等に関する件の両案件につきまして、議長に閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。      ————◇—————

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員長 物価問題等に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、これを許します。木原実君。

木原実日本社会党

○木原(実)委員 私は、消費者保護の立場から、あるいはまた、消費者物価安定をはかるという観点から、商品の広告宣伝等に対する行政のあり方あるいはその現状と問題点といったものについて、御出席をいただきました関係当局の御見解をお伺いいたしたいと思います。  まず、通産省の政務次官おいででございますけれども、お伺いいたしたいのですが、御承知のように今日、広い分野にわたりまして各企業のいわゆる広告活動がきわめて盛んでございます。盛んなのはけっこうなわけでございますが、広告産業と呼ばれるものの全体的な規模、あるいはまた、その行政的な問題点といったものはどういうことになっているのか、お伺いいたします。

下山佳雄通商産業省企業局次長

○下山説明員 ただいま先生の御質問のうちのまず広告行政の内容でございますが、これから先にお答えを申し上げたいと思います。  御存じのとおり、広告というのが流通部門の重要な一環として存在いたしております。したがいまして、今日特に流通の近代化ということが非常に叫ばれておりますし、通産省といたしましても、この流通の合理化、近代化の問題に取り組んでいるわけでございますが、その重要な一環として、広告業というものがいかにあるべきかということについて検討を進めてきておるわけでございます。特に最近における資本自由化の過程におきまして、広告代理業の資本自由化問題というのをいかように考えたらいいのか、今後資本自由化を進めるにあたりましては、流通関係の諸部門の自由化も進めなければならないわけでございますが、そういう場合に、その進め方の中で、どういうテンポで広告代理業に関する自由化を進めたらいいかというような問題もございます。  そういうような問題意識の中で、広告のあり方というものを考えているわけでございますけれども、ただ問題は、その広告の内容の問題が一つ問題としてあるわけです。これにつきましては、公正取引委員会のほうで不当景品、不当表示の取り締まりが行なわれておるわけでございますが、さらにそれ以上立ち入ってこれについて何かの行政を進めるかどうかという問題につきましては、何と申しましてもこの広告というものが、従来伝統的に、表現の自由と申しますか、言論の自由と申しますか、そういうものを背景にしておりますだけに、これに役所の立場から関与することはあまり適当ではない。直接関与することは適当ではない。そこで、業界団体等にお願いをいたしまして、むしろ自主的に公正なルールをつくっていただくように要請しておるのでございます。それとともに要請をしながらその実態把握のための調査を進めておるというのが、広告に関する通産省の行政の内容でございまして、それ以上、現在のところさらに深く突っ込んでおるわけではございません。  それで、もう一つのお話の広告の全体の量の問題でございますが、まず、広告費の額でございます。これは、政府の統計はございません。そこで、電通が推計をいたしております、一応これが業界におきましては、われわれも一応権威のあるものというふうに考えておりますけれども、これによりますと、昭和四十一年で三千八百三十一億というふうに推計をされております。これは、たとえば十年前の三十一年では七百四十一億でございますので、約五倍近くになっております。ただしかしながら、最近におきまして、若干この伸びがむしろ縮まっておるという感じがいたします。  媒体別に申し上げますれば、大体そのうちの新聞、テレビが三〇%以上ということで、あとは雑誌、ラジオ等は四、五%というようなところでございます。私どものほうで調査いたしましたところでは、広告費が総売り上げ高に対する率というのは、製造業でおおむね一%弱というところで、もちろんこれは業種別にはかなりの差異があるわけでございますけれども、全般的に見ますれば、大体そんなところであろうというふうに考えております。  それからまた、各国別に見ましても、まだ日本はそれほど多いわけではない。諸外国に比較いたしましても、アメリカ、イギリス、西ドイツに次ぐ程度であるというふうに考えております。  さらに、一人当たりで考えますれば、まだ非常に低い程度の発達の段階というふうに承知いたしておる次第でございます。

木原実日本社会党

○木原(実)委員 このあとのこととも関連するわけですが、行政の対象として考える広告の中身といいますか、範囲ですね。いま媒体の問題が出ましたけれども、それはどういうところにめどを置いておるのでございますか。広告と申しましてもいろいろあるわけでございますが、いかがでしょう。

下山佳雄通商産業省企業局次長

○下山説明員 私どもは、広告の中身というよりは、むしろ広告の代理業という形で広告をとらまえているということでございます。

木原実日本社会党

○木原(実)委員 そのことはあとで触れますが、この前いただきました資料が私どもの手元に若干あるわけですけれども、流通の問題としてとらえるということで、例の産業構造審議会ですか、ここで広告部会を設けるとか設けないとかいう話がありましたが、いまはこの種の審議会、つまり広告の行政について審議、立案をするような特別九機関というのはございませんね。

下山佳雄通商産業省企業局次長

○下山説明員 現在は産業構造審議会の流通部会の中で考えるということで、そのために特別な部会を設けておるわけではございません。

木原実日本社会党

○木原(実)委員 その資料でいただいたのがあるのですが、それによりますと、これは産業構造審議会流通部会の流通部門資本取引自由化対策検討状況報告書というものの最後に一項目ありまして、「広告業については、マーケッティング技術の交流のための国際交流や中小広告業の組織化筆を通じて企業体質の強化を図るべきである。」これが一項目あるわけなんで、そのほかどこをさがしましても広告に対する行政らしきものが見当らないわけなんですが、現状は、率直に見てそういう状況でございますか。

下山佳雄通商産業省企業局次長

○下山説明員 表面に出ておるものにつきましては、その程度でございます。

木原実日本社会党

○木原(実)委員 いま私が読み上げましたことばの中に、中小広告業の企業体質の強化ということがうたわれているのですが、これは具体的にはどういうことをお考えですか。

下山佳雄通商産業省企業局次長

○下山説明員 広告代理業の全体の規模でございますが、これはつまり広告というものを業としてとらえました場合に、いわゆる広告業と称する本のは約三千くらいあるわけでございます。われわれが広告代理業として把握いたしますと、大体二百五十五くらいでございます。やはりこれは相当零細なものもございますが、現在の段階では、率直に申し上げまして、その零細なものを統合しろと言ってもなかなかむずかしいことでございますし、一応、今後資本の自由化等を進めます場合に、そういうものに対する影響が、大体どういうことになっていくかということを考えていこうという程度でございます。

木原実日本社会党

○木原(実)委員 広告代理業ということだろうと思うのですが、具体的には、広告代理業というのは、おそらく広告主から媒体には広告を提供する代理業をやって手数をもらう、そういう業種のことだろうと思うのですが、一体広告代理店はどういうことをやっているか、御掌握になっていますか。

岸田文武通商産業省企業局商務第一課長

○岸田説明員 広告代理業は、その性質上、広告主と広告媒体との間の取り次ぎをするという性格だろうと思います。具体的には、広告主の依頼を受けて広告の内容をどうするか、そしてそれをどういう形で広告するかということについての相談をし、なおかつ、金融的な仲立らもするというようなことがおもなる内容でございますが、それに関連して市場の調査を行なう、あるいは広告結果のフォローをする、さまざまな内容がその中に含まれておるのではないかと思っております。

木原実日本社会党

○木原(実)委員 抽象的にはそうなんです。私が調べますと、確かにおっしゃるようなことなんですが、仕事の中身というものは実に多様なんですね。何といいますか、たとえば新聞、雑誌、ラジオ、テレビ等にアドバタイジングをやるというようなことだとか、あるいはセールスプロモーションと称して屋外や交通広告をやる、あるいはPRと称して機関誌をつくる、あるいはパブリシティーと称して、何といいますか、紹介記事といいますか、宣伝用の記事をつくるとか、あるいはまた、プロパガンダと称して消費者から来るコミュニケーションあるいは消費者のサークルをつくるような仕事、あるいはおっしゃったような調査活動一媒体の効果を調査する、あるいは著作権の独占的な使用をするとか、それからタレントのあっせんの仕事をするとか、あるいは番組の制作をやるとか、このほかにもまだあるだろうと思いますが、たいへん多様にわたる仕事をやっているのが代理店の業務内容だろうと思います。そういう業務に対してスポンサーから手数料をもらう、こういう仕組みだろうと思うのですね。  そこで、そういうたいへん複雑ないろいろな業種を営んでいるのですが、そういう仕事をやっておる広告代理店というものは、いまお話がありましたように特定な大手が数社ございますけれども、それを除きますと大部分が中小ないしは零細な企業である、こういう実態はおわかりだと思うのですが、そういう広告業界の取引の慣行みたいなものについて、お調べになったことはございますか。

下山佳雄通商産業省企業局次長

○下山説明員 特に調査をいたしたことはございません。

木原実日本社会党

○木原(実)委員 先ほど話がありましたように、総額にしまして三千八百億の売り上げ高があるわけですから、たいへんな産業だと思うのです。その中できわめて先端的な仕事をしておる。しかもそういう中で、私どもが調べた範囲では、商習慣も取引の慣行というものも必ずしも近代的ではない。たとえば契約というような問題にしましても、文書契約によるよりも口頭契約のほうが、まだ圧倒的に多いという事実があるわけです。ですから、先ほどうたってありましたいわゆる広告企業の体質改善というものも、おそらくその辺をさすのだろうと思うのですね。ところが、それについてあまり御存じでもないし、お調べになってもいないということになりますと、広告行政というものは、今日のところほとんどないということですね。これは政務次官、いかがですか。

藤井勝志自由民主党通商産業政務次官

○藤井政府委員 私もまだ就任早々でございまして、十分勉強が足りません。ただ、先ほども企業局次長から御答弁いたしましたように、いわゆる表現、思想の自由という、こういった業界みずからの自主性を重んじなければならないという特殊な事業でもございますので、あまり通産省が中に入り込んでいろいろやるのにやりにくい、なじみにくい仕事の領域である、このようなことがあろうかと思うのであります。しかし、広告関係が企業に占めるメリット、デメリット、功罪については、いろいろ検討しなければならぬ問題が多々あろうと思うのでありまして、私も今後十分勉強していきたい、このように考えております。

木原実日本社会党

○木原(実)委員 政務次官間もなく御退席だそうで、この際お伺いしておきますけれども、これはあとで、きょうのテーマでじっくりひとつ聞いてもいただきたいし、お尋ねもしたいのですけれども、いろいろ問題があるのです。特に消費者保護という立場から見まして、今日の広告の状態が、結局最終的には何らかの形で消費者にかぶってくるわけです、個々の商品の単価等を通じまして。ですから、見のがしのできない問題がたくさんあるわけですが、この経緯につきましては、あとでまた次長さんその他にも御質問申し上げて、私の意見も申し上げたいのです。政務次官せっかくの御就任で、ひとつこの際思い切って、何と申しますか、広告行政を確立する方向をとくと御考案いただきたいと思うのです。何しろ毎日、テレビを見ましても、ラジオを聞きましても、新聞を開きましても、電車に乗りましても、町を歩きましても、御案内のとおりに広告のはんらんでございまして、そういう何といいますか、広告の時代というようなことがいわれている中で、しかも業界の状態というのはたいへんおくれた状態である。その間に、またいろいろの派生的な問題が起こってきておる。それらのすべてが帰するところは物価の問題なり、あるいは消費者の上にかかってくる、こういう仕組みになっておると思うのです。そうなりますと、どうもやはりいまの広告行政というものがあってなきがごとしということでは、これはもう消費者を保護するという立場から見まして寒心にたえないわけです。ですから、これはひとつせっかく張り切って御就任のところで、そういう先端的なお仕事にも大いに手をつけて、消費者保護の立場を貫くように御配慮いただきたいと思います。詳しいことはまたあとでいろいろあれしますから、お願いいたします。  そういうことなんですが、続いてもう少しこのことについてお伺いをしておきます。いまの広告代理店等の近代化ということが一応うたわれておるわけですが、この広告代理店というのは、立場上、広告主とそれから広告媒体の中間にありまして、その双方に対して非常に弱いわけですね。そこからいろんな問題が出てくるわけなんですが、たとえば決済等の問題にいたしましても、媒体に対しては代理店は現金決済をする。ところがスポンサーのほうからは、まあ三カ月ないし六カ月の手形で出てくる。こういうようなことになりますと、その間を、資本力のたいへん弱い代理店が金融的にもささえていかなくちゃならぬ、こういうようなこともあるわけです。それが先ほどの組織化をはかるとかあるいは企業体質を強化するということの、おそらく中身であろうと私どもは推察をしておるわけですが、そういうふうに理解してよろしゅうございますか。

下山佳雄通商産業省企業局次長

○下山説明員 そういうことだろうと思います。

木原実日本社会党

○木原(実)委員 さらに、そういうところから、広告代理店等もそういう状態ですから、たいへん困難な企業競争等もありまして、たとえばスポンサーに対してリベートを出す、こういうようなあまり好ましくない取引を生み出すという、そういう問題が起こってくるわけですが、そういうことについては何かお気づきの点がございますか。

下山佳雄通商産業省企業局次長

○下山説明員 そういうような話をときどき断片的に確かに聞くことはございます。組織的に調査したことはございません。

木原実日本社会党

○木原(実)委員 この問題は、もうこれ以上やりましても、ちょっとどうも、ないものねだりみたいになりますから、この辺で打ち切りますけれども、たいへんどうも寒心にたえないところでございますから、ひとつ再度要望いたしますけれども、とくと御研究をいただきたいと思うのです。  そこで、広告の趨勢というのは、御承知のように広告技術等が向上してきますと、ますます広告の規模等も大きくなっていきますし、先ほども御説明がありましたように、広告の量というものもやっぱりふえていく。こういう趨勢でございますから、また全体の量からいきましても、いま申し上げましたように必ずしも小さな金額ではない。三千八百億という金額は、一つの産業としましてもたいへんな産業だろうと思うのです。  そういう状態ですから、次に移りますけれども、これは公正取引委員会の方にお伺いをしたいと思うのですが、公取委として広告の問題にタッチをしておるのは、例の不当表示の問題、それ以外にはございませんか。

柿沼幸一郎公正取引委員会事務局長

○柿沼政府委員 お答えいたします。  現在公正取引委員会として広告の問題に直接タッチをいたしておりますのは、不当景品類及び不当表示防止法の施行法という見地からでございます。ただ、産業全般の問題を独占禁止法の立場から取り扱う場合がございますから、広告の業界で特に問題が出てくる場合には、その他の条項に該当する問題が出てこないとは限らないと申すことができると思います。

木原実日本社会党

○木原(実)委員 不当表示に関連をして、誇大な広告についてのチェックというようなことも考えられると思うのですけれども、そのほかに、ことばは煮詰まりませんが、過剰な広告ですね。たとえば大企業が、資本力等に対しまして、あるいは総売り上げ高に対してたいへん高額の広告をやる、こういうようなことについて、何らかのやはりチェックの道というのは考えられませんか。

柿沼幸一郎公正取引委員会事務局長

○柿沼政府委員 企業の規模に比して過剰だということでは、現在独占禁止法の取り締まりの対象にはならないと思います。

木原実日本社会党

○木原(実)委員 わかりました。  それでは、具体的な事例をあげましてお聞きをいたしたいと思いますけれども、国税庁の方は来ていらっしゃいますね。国税庁の方にお伺いをいたしますけれども、企業における広告宣伝費というのは、いわゆる必要経費で課税の対象にはなっていないわけですね。

大島隆夫国税庁調査査察部長

○大島説明員 さようでございます。

木原実日本社会党

○木原(実)委員 続いてお伺いしますけれども、株式会社サントリーというのがございます。例の洋酒業界でもトップメーカーといわれるわけですが、この会社の宣伝係長をなさっていた黒田何がしという方が、会社の広告費を水増しをして広告代理店に支払いをし、その水増し分を受け取っておった、こういう事件があって、その人が会社を解雇された、こういうことがあったのですが、そういうことをお聞き及びでございますか。

大島隆夫国税庁調査査察部長

○大島説明員 そのような話がありましたことは聞いてはおりますが、その問題が課税上に及ぼす影響につきましては、ただいま調査中でございます。

木原実日本社会党

○木原(実)委員 調査中ということでございますので、調査が終わりましたら、これはぜひ報告していただきたいと思いますけれども、実は私どもがこのことを知りましたのは、おたくの関係でございまして、京橋税務署が実は最初にタッチをした問題でございます。私どもが調査しましたところによりますと、京橋税務署がある広告代理店の税務調査をいたしました際に、多額の使途不明金があった。それを追及いたしましたところが、たまたまいまのような問題にぶつかった、こういうようなことなんですが、そういう御報告はお聞きでございますか。

大島隆夫国税庁調査査察部長

○大島説明員 サントリー株式会社におきましてそのような話がありましたことは、ただいま申し上げましたように調査中でございまして、これらの情報の入手経路等につきましてただいままだ申し上げる段階にございませんので、御容赦願いたいと思います。

木原実日本社会党

○木原(実)委員 京橋税務署がある広告代理店の使途不明金を調査して、発見をして追徴等の措置をとったということはいかがですか。

大島隆夫国税庁調査査察部長

○大島説明員 まだ承知いたしておりません。

木原実日本社会党

○木原(実)委員 私が狭い調査の範囲で知り得たようなことを、直接の監督の衝にある当局で知らないというのは少し怠慢じゃないかと思うのですけれども、これはいろいろなことを調査中ということで了承をいたしたいと思います。  問題は、その金額がかなりの高額にのぼっておる。私ども、金額の具体的な数字まで申し上げる材料はございませんけれども、そういう一つの事件になっておる。しかもそれに対して追徴のしかたが、その代理店に対して追徴金を課しておる。ところが、いろいろ調べてみますと、結局は、いま申し上げたように代理店に対して水増しの支払いをし、その水増し分を受け取った、こういうことなんです。したがって、私どもとしてみれば、水増し分に対しての追徴を行なうということになれば、これは代理店よりもむしろそういう中に介在した黒田何がしという人か、あるいはまた、その人の所属する会社に対して追徴をすべきじゃないかという見解を持つのですけれども、その点はおわかりではございませんね。

大島隆夫国税庁調査査察部長

○大島説明員 先ほども申し上げましたように調査中でございますので、いずれ調査の上、お答えすべき段階にまいりましたならばお答えいたす所存でありますが、一般論として申しますと、そのような場合には、水増しの請求をいたしました会社のほうに課税すべき場合、あるいは受け取りました個人のほうに対しまして課税をいたすべき場合、あるいは場合によりましては、支払いました会社に対して課税すべき場合、いろいろの場合が起こってくる可能性がすべてあろうかと考えます。

木原実日本社会党

○木原(実)委員 少し話が変わりますけれども、ついでに伺っておきます。  株式会社サントリーに原三郎という専務がいるわけですけれども、この方は、国税庁のかつての高官であった方ですね。違いますか。

大島隆夫国税庁調査査察部長

○大島説明員 さようでございます。

木原実日本社会党

○木原(実)委員 この会社の本社は大阪にございまして、その主力工場といわれるものがその近郊にあるわけですが、この原さんは、かつて大阪の国税局長もなさっておられた。それから国税庁次長で退官なさいまして、間もなくサントリーの役員として入社されたわけですけれども、それはいつごろでございますか。

大島隆夫国税庁調査査察部長

○大島説明員 しかと記憶いたしておりません。

木原実日本社会党

○木原(実)委員 それではお伺いしますけれども、サントリーがビールを新しく出しましたね。その製造許可をした年月日は御記憶ございませんか。

佐藤健司国税庁間税部長

○佐藤説明員 昭和三十八年だと思います。

木原実日本社会党

○木原(実)委員 原氏が三十六年に国税庁を退官をいたしまして、すぐサントリーに入社されたわけであります。そして、私の調査では、その翌年に国税庁はサントリーに対してビールの製造許可を与えておる、こういうことでございます。たいへんタイミングがいいわけですが、その間何か関係ありませんか。

佐藤健司国税庁間税部長

○佐藤説明員 ビールの免許の関係でございますけれども、ピールは、その当時といたしましても、全体の需要というものは相当強かったわけであります。特にそういう点で特別に関係があるとは考えられません。

木原実日本社会党

○木原(実)委員 関係があればたいへんなことなんですけれども、どうも平仄が合い過ぎるような感じがするわけです。特に酒の税というものは国税の主要な柱でございますし、その酒税を査定をし、あるいは徴収をする側の役所のたいへん高い地位にある幹部の方が、そのままその対象となる企業の幹部になっていく、しかもたいへんタイミングよくビールの製造許可もおりておる、こういうことになると、これは何かやはり不安と一連の疑惑を抱くというのは当然じゃないか、こういうことを感ずるわけであります。何かこのような事例はほかにございませんか。大蔵省の高官の方で近い会社に再就職をなさったというような場合……。

佐藤健司国税庁間税部長

○佐藤説明員 酒の免許関係のことに関連しての問題ですけれども、そういうことは私、記憶しておりません。

木原実日本社会党

○木原(実)委員 問題は、いろいろお尋ねをしましたけれども、帰するところは課税の対象外になっておる広告宣伝費、そういうものの中に企業の経理上のさまざまなからくりがひそむ余地がある。そういう点に一つ問題があるように感ずるわけです。  私企業の名前をたびたび出して申しわけないですけれども、サントリーという会社における黒田何がしという人の事件は、あるいは刑事上の業務上横領とも疑えるような事件でございますから一もっとも会社は本人を解雇はしておりますけれども、特別に告訴もしていない。警察のほうではこれをいま調べておるという報告が私のところに参っております。そういうことで考えますと、告訴できないのは、あるいは会社側に何か広告費をめぐっての弱味があるのではないかという疑問も持たれるわけであります。これはサントリーという会社に限ったことではないので、広告費というものが課税の対象になっていないということから、一つの脱税の装置に使われるという傾向を生みやすいのではないか、こういう心配を私は持つわけであります。そういうことで、最近のサントリーの税務状態というものを御調査になったことはございますか。

大島隆夫国税庁調査査察部長

○大島説明員 サントリーの四十二年三月期につきまして、ただいま調査中でございます。ただ、公表されました数字につきましては、若干のことは承知いたしております。

木原実日本社会党

○木原(実)委員 決算報告書のようなものは、もちろんおありでございましょうね。

大島隆夫国税庁調査査察部長

○大島説明員 さようでございます。

木原実日本社会党

○木原(実)委員 私の手元に、いまおっしゃった本年三月期決算の当社の報告書があるわけです。これによりますと、四十一年度のサントリー会社の総売り上げ高が五百四十五億一千二百万円、純利益が十一億三千三百万円ということになっております。これに対していわゆる広告宣伝費、つまり必要経費として課税対象からはずされるものの支出総額が、百三十億千八百万円ということになっておるわけであります。これはたいへんな額でございまして、これを売り上げ高に対する比率で申しますと、実に二三・九%ということになるわけであります。それからついでに申し上げすと、売り上げ高に対しまして原料費が二六・八%、酒の税として支払う分が三七・六%、こういうことです。その上に広い意味の広告費として、いま申し上げたような二三・九%という勘定ですから、これはどう見ましても、原料費と匹敵するほどの広告費があるということになりますと、何か一本のウイスキーを飲みますとその六割が税金と広告だというのじゃ、これは消費者はちょっとたまらぬという感じがするわけであります。ところが、私どもが国税庁からいただいた資料だったかによりますと、ウイスキー三社という中にはサントリーも入るわけですが、この三社の広告宣伝費の総額はおおむね七%程度である、こういうただし書がございます。別にこの根拠は示されておりません。そうしますと、どうも私どもの手元にある会社側の公表された計算書と、あまりパーセンテージが開き過ぎるのでたいへんわからないことが多いわけですが、一体課税の対象からはずされる広告宣伝費というのは、どういう範囲を含めるわけですか。

大島隆夫国税庁調査査察部長

○大島説明員 ただいま御質問のございましたサントリーの数字でございますが、公表決算上五百四十五億円の売り上げがありましたこと、それから十一億円の利益がありましたこと、これはいずれも御指摘のとおりでございます。ところで、広告宣伝費につきまして、百三十億千八百万円という数字をあげられたのでございますが、これは広告宣伝費につきましてはっきりした法律上の定義があるわけでもございませんので、どこまでを含めるかということは、その人の見方によっていろいろ広い狭いがあるのはけっこうかと存じますが、会社があげております百三十億と申しますのは販売営業費という科目でございまして、これを全部広告宣伝費というのは、通常の用語例からいたしますと、著しく広過ぎるのではないか、かように考えております。

木原実日本社会党

○木原(実)委員 確かに、御指摘のように、販売営業費ということなんですけれども、ところが、この中身は、広いも狭いも、大体広告宣伝に該当するような中身のようにわれわれは見受けるわけなんです。たとえば、確かに、百三十億の中には四十二億六千二百四十万円、これはいわゆる宣伝費でしょう。そのほかに販売促進費五億七千四百二十三万円、そのほかに、たとえば販売費六十四億六千万何がしという金額があがっております。この販売費とか販売促進費というのは何かといいますと、たとえば販売費について見ますと拡張販売費、それから小売り店対策費あるいは催しものの費用、開拓費、こういうような費用は、これはいずれもその中身を具体的に——これは資料があがっておりませんから推測になりますけれども、たとえば小売り店対策費というのは、小売り店に対していろいろ店頭展示をやるとか、そういうことであるし、催しものというのは、おそらく宣伝を兼ねたショーのようなものだろうと思うのです。これは広い意味の——広くも何も即宣伝活動だし、宣伝費だとわれわれは考えるわけなんです。そういうふうに販売促進のことも、たとえば例の景品をつけるというようなことが含まれるのだろうと思うのですが、そういうものはやはり総じて宣伝費であると解釈してもいいのじゃないかと思うですが、これは税金等の調査の場合はどういうことですか。

大島隆夫国税庁調査査察部長

○大島説明員 税務の調査の上におきましては、経費科目の分類ということそれ自体は必ずしも重要じゃございませんで、御指摘のようなものを広い意味におきまして広告宣伝費と名づけるか、あるいは販売費と名づけるかということは、会社の所得の計算には直接影響がないわけでございます。ただ、それが交際費の色彩を帯びてまいりますと、御承知のとおり交際費の必要経費算入につきまして制限がございますので、課税上の影響が出てまいるわけであります。

木原実日本社会党

○木原(実)委員 そうしますと、くどいようですけれども、私のあげた部分については、当然やはり課税の対象になる部分が含まれているという御見解ですか。

大島隆夫国税庁調査査察部長

○大島説明員 繰り返して申し上げますが、調査中でございますので断定的なことは申し上げかねるわけでございますが、このうちに交際費的な要素がもし入っておるようなことがございますれば、その部分は否認になる、かようなことでございます。

木原実日本社会党

○木原(実)委員 いずれにしましても調査中ということの中身がはっきりしないわけですけれども、まだ最終的な査察が終わっていないということですね。

大島隆夫国税庁調査査察部長

○大島説明員 ただいまの調査は、いわゆる調査部の調査でございまして、査察ではございません。したがいまして、一般的な調査でございます。

木原実日本社会党

○木原(実)委員 私は、たまたまサントリーという一株式会社の私企業のことをここであげたわけですけれども、これは例示にとどまるわけです。しかし、たいへん広告宣伝を大量に行なう他の私企業の中にも、いわゆる非課税部分の広告宣伝費の落とし方あるいはそのようなことをめぐって、やはり何かあるのではないかということが気になるわけです。いま調査中ということですから、これはできましたら調査の結果を私は報告してもらいたいと思うのです。あわせまして、大量に広告宣伝をやっている企業が幾つかございます。広告業界の中では、広告の大手十社というようなことで名前もあがっております。たとえば東芝であるとか、武田薬品であるとか、ナショナルの松下であるとか、資生堂であるとか、あるいは明治乳業であるとか、田辺製薬、花王石鹸、日産自動車、日立、三菱、こういうようなところがかなり広告費を使っているわけなんですが、あわせまして、これらの主要なメーカーの総売り上げ高に対する広告費の中身といいますか、比重といいますか、そういうものをお知らせできましたら御報告願えませんでしょうか。いかがですか。

大島隆夫国税庁調査査察部長

○大島説明員 御調査にできるだけ御協力申し上げるのが筋であることは、十分承知いたしております。税務官庁には、片っ方におきまして秘密を守る義務、いわゆる守秘義務もございますので、この辺のからみ合いが非常に困難な問題であろうかと思います。

木原実日本社会党

○木原(実)委員 それは私企業のことで限界もあると思います。われわれがここで問題にするのも限界があって、私も控え目に申し上げているつもりですけれども、しかし、私がここで問題にしているのは、いずれもやはり大量の宣伝広告が行なわれている。しかもその広告の趨勢というのは、広告業界としてはたいへん盛大に動くわけですけれども、一番心配するのは、非常に過剰な広告が行なわれる。その実態というものをやはり突き詰めていきませんと、最初に申し上げたように、それらは結局やはりコストにはね返ってきて、消費者の上にかぶさってくるわけですから、その点を問題にしたい、そういうことで問題にしておるわけで、おっしゃった趣旨もわからぬわけではございませんけれども、おたくのほうは税金が中心ですから少しサイドの問題になるかと思いますけれども、これは公取にしましてもあるいは通産省にしましてもお願い申し上げたいわけなんです。そういう観点からひとつ御協力を願えませんでしょうか。いかがでしょうか。

大島隆夫国税庁調査査察部長

○大島説明員 しょせんは法益の比重の比較というようなことになろうかと存じます。したがいまして、非常に困難な問題かと思われますので、いずれ委員長にも御相談申し上げまして善処いたしたいと思います。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員長 この際、関連質問の申し出がありますので、これを許します。武藤山治君。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 主税局来ておられますか。来ておりますね。われわれ社会党は、従前から、過当広告税というのを取ってある程度過当の広告を抑制すべきである、こういう議論をずっとここ三、四年主張し続けてきたわけです。この過当広告税を課して、ある程度セーブするということをこの段階で考えるべきではないか、こう思うのです。これの主税局の見解をひとつ聞かせてもらいたい。  同時に、生活局長に聞いておきたいのは、消費抑制論なるものがたいへんこのごろにぎやかに宣伝をされてきている。総理大臣みずからが、消費が行き過ぎであるからこれを抑制すべきだというようなことを閣議で発言をしたという報道もある。個人の収入の非常に少ない人たちまで、今回押えるべきだという議論に国民は受け取っている。これはたいへんな間違いである。そこで、もちろん自動車とかあるいはクーラーとか、かなり行き過ぎた消費もあるいはあると思いますが、それよりももっと、いま木原さんが議論をしているような、一企業で百三十億も広告費というものが使われている。こういうものが全くコントロールされないで、これが全部コストにはね返っている。これは消費者にとって、私はたいへんな負担だと思うのですよ。そこで、行政指導上やはりこういう広告の指導というものについては、どの程度にどうすべきだということの行政指導の配慮があってしかるべきだと思うのです。だからあなたはひとつ物価の面から、消費者保護の立場から、コストをできるだけ引き下げる立場から、通産省と生活局長と主税局、この三者にいまの問題をめぐっての答えをちょっと聞かせていただきたい。どうあるべきかという考え方までひとつ述べていただきたい。

八塚陽介経済企画庁国民生活局長

○八塚政府委員 ただいまのお話の消費抑制論、これは総理大臣が言っておられるのでございます。消費抑制論のいわば背景と申しますか、動機は、御承知のように、国際収支が必ずしも楽観を許さないというところから出ておるわけでございます。私どもといたしましても、一般的に消費が美徳であるというようなことではなくて、やはり国際収支の観点からいたしますならば、そういう線で考えていかなければならないだろう。そういう意味におきまして、ただ抑制ということばではございますけれども、いわば消費の内容の健全化、あるいは健全ということばには価値判断がいろいろあろうかと思いますが、 フローよりもストックヘという方向で消費を誘導していくということが必要ではなかろうかというふうに考えております。  そういう考え方を背景にいたしまして、ただいまお話しのございましたいわゆる過当広告、あるいはその過当広告が消費者物価に影響するのではないだろうか、したがって、それについて何がしかの指導が必要でないだろうかというお話でございますが、その前に、税というものはどういうふうに物価に転嫁され、あるいは転嫁されないでいくかというような技術上の問題もございますが、正直に申し上げまして、私どもあまり税のことについて詳しくはございませんので、もしそういうことをかりに考えるにいたしましても、税の面からの検討はやはり必要ではないだろうか。  それから、これは正直に申し上げますが、私最近参りましたので、まことに申しわけないのですが、従来からのいわゆる過当広告税の御主張の内容についてよく存じませんが、過当であるかないかというのを判断するのは相当困難であると思います。通産省のほうも、先ほどお話しになりましたように、言論の自由と申しますか、そういう観点からどこまでが過当であるか、どこまでがそうでないかというようなことについて指導するということは困難だろうというお話がございましたが、過当という判断をすることがなかなかむずかしいのであります。非常に迂遠なことでございますが、私どもといたしましてはもちろん消費者のために価格が高くならないということが眼目でございますが、そういうためのいろいろな方法として、いわば制度と申しますか、消費者の方々に対して啓発をして、一方では、そういういわゆる過当というものを消費者御自身の判断で見分けられるようなことに啓発をしていく。一方、広告業界なりメーカーの方々にもいろいろ御理解を願って、そしていわゆる何が過当であるかないかは問題があろうと思いますが、そういうものは、いわば長期的にはあまり得にならないというような観点からやっていっていただくような線で対応したらどうかというふうに現在考えておるのでございます。

中橋敬次郎大蔵省主税局総務課長

○中橋説明員 税制の問題を扱っております主税局といたしましては、もちろん広告に対する課税問題というものも常々から検討はいたしております。また、先ほど来いろいろ御指摘のように、最近のわが国の企業が行なっておりますところの広告宣伝というものが、一部に非常に行き過ぎがあって、これを抑制するために税金を使うべきだという御意見があることも、かねて承知しているところでございます。しかし、税金の面から申し上げれば、まず何に課税をすべきかということがあるわけでございます。いまさら申し上げるまでもなく、企業でございますれば企業経理という慣行が立てられておりますから、それによりまして収益と、その収益をあげますための費用というものとの差額が課税所得になるわけでございます。先ほど木原委員が御指摘のように、宣伝広告費は課税対象外に置かれておるといわれておりますことは、もちろん私があらためて申し上げるまでもなく、その広告宣伝費を支出しましたその企業の段階におきましては損金になるわけでございますけれども、これがどの段階に至っても課税対象にならないという意味ではないことは、もちろんのことと思います。したがいまして、広告宣伝費が適正な収益をあげるための費用であるということであれば、その段階では損金になるわけでございます。もちろん、それが架空の経費であるという場合には損金にならない。あるいはまた、経費であるという立証ができない場合、先ほどお話のございましたように、使途不明であるというような場合にはまたその段階において損金としての否認が行なわれる、こういうこともございましょうし、行く先が明らかな場合にはその先々で課税の対象に入ってくるわけでございます。しかも、一般的に損金となりますところの広告宣伝費といいますものは、また企業の運営から見ますれば、企業の売り上げを維持するために、あるいは新規の市場を開拓するために企業では必要であるという判断でもって投ぜられておるわけでございまするから、一がいにある基準をもちまして、それが過当であるから、そうでないからというようなところから損金であることを否認するということも、非常にむずかしい問題をはらんでおるわけでございます。いわば広告宣伝費というのは、企業の段階においては経費であるという面が非常に強いわけでございます。適正に支出されておる広告宣伝費というのは経費である、損金であるということでございます。おそらく武藤委員のお考えには、それにつながりまして、それでは一般に企業の出しておるところの交際費というものは全部損金にしていないではないかという御反論が直ちにあろうかと思いますので、この際、あわせて御返事をさせていただきます。私どもが交際費について損金でないということを考えておりますその考え方の基本は、実は先ほど申しましたように、企業が支出したから直ちにそれが損金であるという考え方ではないというものが根底にあるわけでございます。交際費につきましては、往々にしまして個人が負担すべきものを法人が支出したということでもって、直ちにそれは企業の損金であるというふうに誤って考えられておりますけれども、実は、それは当然個人の収入に一たん入りまして、それから個人が支出してその交際費をまかなうというような部面が多分にあるわけであります。そういうものを一々認定することもむずかしいという点、あるいはまた、そういういわゆる社用消費という点の道徳的な意味ということも勘案いたしまして、現在ある一定の基準をラフに引きまして、それを越えておりますところのいわゆる交際費というものを税務上損金にしないという判断をいたしております。そういう点につきましては、広告宣伝費はいわゆる社用消費、個人に帰属する部分というものがないというふうに考えていいと思います。もちろん、先ほど御指摘のように、リベートがあるのではないかというお話でございますが、リベートは、それ相当にリベートを収受しました対象において課税対象に考えればいいわけでございます。そういう意味におきまして、広告費課税というものを簡単に採用できるというふうには一がいに思っておりません。非常にむずかしい問題があるということで、なお慎重に検討いたしておる段階でございます。

木原実日本社会党

○木原(実)委員 いろいろ伺いました。伺いましたけれども、結局、最初申し上げたように、業界だけでも三千八百億にのぼる総売り上げ高があり、しかも、ある種の企業はかなりの広告費的なものを使っておる。これらについて行政上ほとんどタッチをするところがない。しかもこれについて——まあ、私、ども、何も広告に含まれておる表現の自由をチェックせよとは申しません。むしろこれはもっと伸ばすべきだと思うのです。それからまた、私企業の中身に立ち入って何らかの統制を加える、こういうことでチェックをするという考え方もございません。しかしながら、現実にあらわれている問題は、やはり大量の広告宣伝費が使われて、いま申し上げたように一つの産業としても成立をしておる。それらについて行政上何もタッチをし得ないというのは、将来を見通した場合、考えてみましてもこれはもう寒心にたえないわけです。これはおそらく税法だけの問題ではございませんでしょう。きょうもそれぞれの、この問題に関する関係の御当局の中堅の皆さんがお集まりなんで、これは皆さんのところで何か考えてもらいませんと、この物価の委員会としても、この広告の問題はきょうで初めてか二度目かのことなんですから、こういうことなら、もう少し本腰を入れてわれわれも追及をします。そうしませんと、とても消費者保護というようなことは貫かれませんからね。  そうしますと、いまも武藤委員のほうから、過当税の問題ということが提起をされました。税法上の問題でこれまたむずかしいとおっしゃるかもわかりませんけれども、たとえば広告取引税というようなものを新設されるという道はどうですか。

中橋敬次郎大蔵省主税局総務課長

○中橋説明員 広告取引税ということで木原委員が何をお考えか、ちょっとわかりませけれども、おそらく、私が先ほど申しました広告宣伝費に対する課税を、支出します企業の段階で損金にしないで否認する方法ではなしに、むしろ広告を出した企業に対しまして、その広告宣伝費そのものについて何%かかけるというようなことをお考えではないかと思います。これは私が承知いたします限りにおきましても、数市町村におきまして現に地方税として、法定外普通税として広告税というものをとっておる例がございます。しかし、ひっきょう、私が先ほど来るる申し上げましたことは、広告宣伝費を出しました企業で損金算入を否認する方法につきましても、あるいは支出しました広告費に対して広告税というものをいわゆる流通税的にとるという問題につきましても、私がお答えしました基本的な問題は、両方相共通しておる問題ではないかと思います。もうつとに木原委員御指摘のように、過当な広告を抑制するために、直ちに税金だけで所期の目的を達するということがいいかどうかということはまず第一に考えなければならない問題ですし、それに先ほど申しました税金上の問題もいろいろ含まれておるということも御了承いただきたいと思います。

木原実日本社会党

○木原(実)委員 私もそれが万能とは言えませんけれども、何かこれに行政としてアプローチするところがないと、いま申し上げましたように先行きもたいへん不安だし、現状のまま放置されておるということは、きょういろいろお伺いしましてあらためて気持ちの寒くなる思いがします。したがいまして、これは税法上だけの問題というようには考えませんけれども、ぜひひとつ公取におかれましても通産省におかれましても、何かと知恵を出していただきたいと思うのです。現状ではいかぬということは御認識していただけませんか。いかがでしょう。

下山佳雄通商産業省企業局次長

○下山説明員 両先生のおっしゃっておられますように、確かに広告につきましてはいろいろな問題がある、これは私どももそのように承知いたしております。ただ、他方で、これはもちろん御存じのとおりでございますけれども、何と申しましてもこういうふうに新商品がどんどん出るという時代、それから大量生産、大量販売という時代に入ってまいりまして、また一方では、たとえば先ほどお話しございましたビールの場合もそうでございますけれども、数社で市場が占められているという場合に、やはり新しいものがそこに参入していこうとする場合には、広告手段というものを考えざるを得ない。それが過度になったのが、先ほどのお話ではなかろうかと思うわけでございます。そのようなことで、広告につきましては確かに幾つかの問題点があろうかと思いますけれども、現在の経済のもとにおきましては、やはり広告の機能というものは、われわれも十分認識していかなければならないと思うわけでございます。  そこで、しかしながら、確かにいろいろ曲がった点と申しますか、過度になっている面、過当になっている面というものがあろうかと思います。これにつきましては、当初申し上げましたように、やはり役所がああせい、こうせいと言うことはどうもいささか行き過ぎである。したがって、業界ができるだけ自主的に公正なルールをつくるということについて、これは私どもも従来努力してまいったつもりでございますけれども、まだまだ確かに、御指摘のとおり努力が足りないということがあろうかと思いますので、その点今後とも十分努力いたしまして、業界にそういう呼びかけをすすめ、また実際にそういうことのルールづくりの実効があがるように努力してまいりたいと思います。

木原実日本社会党

○木原(実)委員 御趣旨はわかりますけれども、やはり通産省は企業の側の擁護が先に立ちまして、どうも消費者保護という当委員会での御答弁としては私は満足しないわけですが、しかし、いずれにしましても現状はしようのないような形になっておりますので、これはくれぐれもお願いをいたしますけれども、ひとっこれだけの問題について関係の当局の中で御検討をいただきたいと思うのです。  それから、時間がだいぶ経過しましたが、もう一、二お伺いします。これは国税庁のほうと公正取引委員会のほうにお伺いしたいのですが、いま名前をあげましたサントリーの会社の広告の中に、ウイスキー原酒の問題があるわけです。広告によりますと、ウイスキーの原酒が十万たるあるという広告が見えておるわけですが、原酒という問題について、これは国税庁のほうの仕事だと思うのですけれども、お調べになったことがございまいましょうか。

佐藤健司国税庁間税部長

○佐藤説明員 原酒の何でございますか。

木原実日本社会党

○木原(実)委員 広告によりますと、原酒十万たるあるということがしばしばうたわれておるわけなんです。そうしますと、原酒の在庫量あるいは生産能力、そういうことについての御調査はありますか。調べたことはありますか。

佐藤健司国税庁間税部長

○佐藤説明員 原酒の在庫量につきましては、現在のところ庁のほうで特別に調べておることはございません。各税務署では調べておると思います。

木原実日本社会党

○木原(実)委員 これは会社のほうから報告があるわけですか。

佐藤健司国税庁間税部長

○佐藤説明員 これは各所轄の税務署におきまして、移出の場合に課税をいたしておりますので、そのときに在庫その他を調べるということを常時やっておるわけでございます。

木原実日本社会党

○木原(実)委員 私の手元の資料ですと、この会社の原酒量は本年九月末で二万四千八百四キロリットルと、そのほかに三百二十四キロリットルある。これを二百リットルの原酒だるに詰めているんだ、こという会社側の報告といいますか、当局に報告をしたという説明をいただいておるわけなんですが、どうもこの会社に、生産能力その他から推定する以外にないわけなんですけれども、いわゆる十万たるも原酒が在庫であるというのは、推定の基礎がないような感じがするわけなんです。これは国税庁からいただいた資料だったでしょうか、その中に、原酒の在庫量は大体二年以内のものが六〇%、それ以上のものが四〇%という割合で在庫になっておる、こういうただし書きがありますけれども、そういうこともあわせ考えますと、原酒の蔵出し量、それから生産能力その他を勘案しましても、どうも十万たるという基礎というものが薄弱のような感じがするんですが、その辺のお調べはこの場ではわかりませんね。

佐藤健司国税庁間税部長

○佐藤説明員 大体十万たるということでございますけれども、たるは容量がいろいろありまして、小さいものから大きいもの、いろいろあるわけです。二百五十リットルというのが普通のたるでございます。小さいのは百八十リットル、それから大きいのになりますと、五百リットルというのも原酒を貯蔵する場合にあります。それで、全体といたしまして、原酒の総量というのは三万数千キロリットルあると思います。十万たるといいますと、二百五十リットルと仮定いたしますと二万五千キロリットルということになるわけですけれども、いま木原委員がお話しになりましたように、それ以上の数量は大体あるものと考えられます。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員長 関連質問の申し出がありますので、これを許します。平岡忠次郎君。

平岡忠次郎日本社会党

○平岡委員 主税局にお尋ねします。  広告に関して立法されている国がありますか。これを規制する立法措置を講じている国、それをお知らせ願います。

中橋敬次郎大蔵省主税局総務課長

○中橋説明員 平岡委員御承知のように、特に一般的な売り上げ税あるいは付加価値税というようなものをヨーロッパ諸国では大部分採用いたしておりますが、そういうところでは、物の販売のみならず、あるいはサービスの提供についても課税になりますから、それは一般的には入っているということは言えると思います。特に広告だけについて税金をかけているというところも調査をいたしておりますが、たとえばタイ国におきまして、看板について税金をかけております。アルゼンチンにおきまして、ラジオ、テレビ放送の広告収入について放送会社に対して課税をいたしておる、そういう例を承知いたしております。そのほか、少し個別的な広告税としてもございますけれども、省略さしていただきます。

平岡忠次郎日本社会党

○平岡委員 タイとアルゼンチンの例が出ましたが、もっと身近にあるはずです。英国が、テレビの広告税は、たしか昭和三十六年ぐらいから一〇%取っておるはずですが、これは廃止しましたか。

中橋敬次郎大蔵省主税局総務課長

○中橋説明員 私がいま手元に持っております資料では、イギリスの点は書いてございませんので……。

平岡忠次郎日本社会党

○平岡委員 いや、アルゼンチンとかタイとかというと、どうもウェートが非常に軽いですね。あなた、意識的にそう言ったのじゃないかと思うのです。英国では厳として取っていますよ。日本社会党のほうも、過当広告をつかまえようということでいろいろ政策審議会で従来から論議をしておって、提案もしておるわけですが、欲が深くて、じゃ銀座のどまん中で高いビルの上に自動車を乗っけておる、ああいうのも過当広告ではないかというようなことで、議論があまり多岐になってしまったために、かえって過ぎたるは及ばざるがごとしで、うまくまとまってないのですよ。しかし、英国の例のように、きわめて直蔵にテレビ広告税を取ればいいのじゃないかという主張が一つ党の中にもあるわけです。それもひとつ考慮していただきたい。  それからもう一つ、きょうはサントリーという、これは一つの例を出されたのでしょうけれども、アルコールに関する広告課税がアメリカにありますね。ABCアクト、つまりアルコール・ベバリッジ・コントロール・アクトというのがありますね、御存じですか。

中橋敬次郎大蔵省主税局総務課長

○中橋説明員 私は承知いたしておりません。

平岡忠次郎日本社会党

○平岡委員 では、私の博識ぶりを披露しなければならないことになりましたけれども、大体米国は一回禁酒国になりました。そういうことで、日本の映倫的な感覚でやはりアルコールに対処しているわけです。そういう伝統があるのだ。そこで、ABCアクト、これはいま申したようにアルコール・ベバリッジ・コントロール・アクトというのですけれども、これは、アルコールに対しましては新聞、雑誌、チラシまではいいのです、印刷物は。ただし、テレビとラジオでは絶対やっちゃいかぬことになっております。ついでですから言いますと、アルコールのカテゴリーに入るものはいかぬのだ。そうすると、日本の酒がありますね。あるいはハワイあたりだったら日本酒をつくっています。加州でもおそらく現地の工場があるのでしょう、米国邦人の。そういう酒はワインの範疇に入る。ビールもソフトドリンクとしてワインの範疇に入ります。したがいまして、ワインの範疇に入るものはラザオでもテレビでもかってにやってよろしい。ただし、アルコールの範疇に入るもの、ウイスキーもその中に入りますけれども、それは完全に禁止されているのですよ。木原さんの質問の焦点とどう関連するか知らぬけれども、英米、いわゆる先進国に二つそういう事例があるから、そういう点は考慮されてしかるべきだと思います。今度通産省とか、大蔵省とか、あるいは厚生省とか、各関連のところで御論議になるなら、そういうりっぱな実例がありますから、一応御参考にして討議をしていただきたい、その要望を申し上げておきます。

木原実日本社会党

○木原(実)委員 平岡さんのほうはアルコールを禁止するほうに傾いているようですけれども、私のほうは、ウイスキーの生命は原酒だるであるという広告を読んだのですが、ウイスキーにはアルコールの含有量の表示がございますね。しかし、原酒については表示がない。しかも特級、それから一級、二級というのは、原酒のほうの含有量できめておるのですね。そうなりますと、どうですか、この、何といいますか、アルコールをやるほうの側に立って、原酒についても含有量は表示させる、こういうことをお考えになることはできませんか。

佐藤健司国税庁間税部長

○佐藤説明員 この原酒の含有量につきましては、これは税率に直接響くわけですので、私どものほうで常時検査をいたしております。

木原実日本社会党

○木原(実)委員 それは税務関係としてはそうでしょうけれども、消費者の立場からは、やはり広告のあいまい性を払拭するために、ちゃんとした原酒の含有量を、アルコールの含有量とあわせて表示させるということにしたらどうですか。

佐藤健司国税庁間税部長

○佐藤説明員 現在の税法のたてまえがそうなっておりませんので、いまのところはそういう考えを持っておりません。

木原実日本社会党

○木原(実)委員 私はあまり——あまりでなくて、ほとんど酒をやりませんけれども、やる側に立てば、それくらいの、つまり正確な広告はさせる、これはむしろ公取のほうのお仕事じゃないかと思いますけれども、ひとつ御考慮いただきたいと思います。  それからあわせてもう一つ、きょうはサントリーばかり取り上げて申しわけないのですが、もう一つあるのです。純生のビールというのをやっておりますが、これ、ちょうどきょう新聞読んでいましたら一ページ大のが出ておりまして、「ことしからは冬でも家庭でナマが楽しめる」という左党には非常にありがたいわけですが、これは一体生なんでしょうか、どうですか。

佐藤健司国税庁間税部長

○佐藤説明員 これは、サントリーといたしましては特殊なフィルターを使いまして、それでやっておるわけでありますが、やはり酵素が中に生きておるわけであります。やはり生であります。

木原実日本社会党

○木原(実)委員 この生というやつは、要するに酵素が生きておる状態を生ビールというわけですね。そうしますと、びん詰めのやつは、従来は殺菌をしてやったわけですね。それで、今度サントリーが開発したというその方法によると、フィルターを通してびん詰めにするその際に滅菌がされるのじゃないですか、どうですか。

佐藤健司国税庁間税部長

○佐藤説明員 これはやはり、フィルターを通すことによって精製したものを出しておるというわけでございます。

木原実日本社会党

○木原(実)委員 そうしますと、これはタッチをしておるあなたのほうとしては、これは生として認めておるわけですか。

佐藤健司国税庁間税部長

○佐藤説明員 やはり酵素が生きておるわけでございますので、これは生でやっております。

木原実日本社会党

○木原(実)委員 どうも私のほうはあまり技術的なことはよくわからないし、結局生であるかないかの基準は酵素だということですね。そのほかにはそれを分ける基準はない。何かその扱い方について、普通のびん詰めのビールと生を分ける基準のようなものはあるのでございますか。

佐藤健司国税庁間税部長

○佐藤説明員 これは、ほかの社におきましても、生ビールというのは夏場において出しておるわけでございます。いわゆる火入れをしないものを出しておるわけですが、そういう酵素が生きておるかどうかということであろうと思います。

木原実日本社会党

○木原(実)委員 それは、酵素が生きておるかどうかということは、立ち会って検査か何かされるわけですか。

佐藤健司国税庁間税部長

○佐藤説明員 これは処理のやり方が違いますので、検査上十分に把握できるわけであります。

木原実日本社会党

○木原(実)委員 十分に把握できるということになると、これは問題はないわけですが……。わかりました。いずれにしましても、私の申し上げたかったことは、不当表示の問題等に触れやしないかという心配があったからお尋ねをしたわけであります。  いろいろお伺いいたしましたけれども、問題は最初に返るわけですが、一つの問題は、三千八百億にのぼると推定される広告業界の体質改善という問題がきょう出たと思います。それから、もう一つの問題は、いままで御議論いただいたわけですけれども、企業にとっての広告費のあり方の問題、これは消費者にとって非常に見のがすことのできない問題なんですけれども、繰り返すようですが、私の申し上げたいことは、これだけのものについて行政の上で何らかの形でやはりアプローチを一もしもこれがないと、これは先行きも、それから現状においても消費者にとっては非常に不利益である、こういう考え方があるわけであります。そこで、いままでも御議論いただいたわけですけれども、税法上の問題を含めまして、これらのやはり広告というものについての行政上の措置をひとつすみやかに御検討いただいて、それからまた、幾つかの要望を申し上げましたし、資料等につきましても御要請申し上げたわけですけれども、どうぞひとつ広告行政を確立し、消費者の保護を貫徹する、こういう観点で御検討をいただきたいと思います。  時間が長くなりましたから、これで終わりたいと思います。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員長 有島重武君。

有島重武公明党

○有島委員 ただいま木原委員より宣伝費につきましてのお話がございましたけれども、それとごく関連した問題で交際費の問題を取り上げたいと存じます。  きょうは時間もそれほどございませんので、問題提起にとどまるようなことになりそうなんですけれども、販売費と交際費については一ただいまの宣伝ということにつきましては、これはかなり公共性がある。それに対しまして、交際費のほうは個人的な関係のものが強い。それで、テレビの話なんかも出ておりましたけれども、宣伝のほうは何か明るい、ぱっとした感じでございまして、それに対して交際費のほうは、暗い、しめったような印象を受ける。販売費の中の交際費と、それから宣伝費の割合が、業種によってこれはさまざまであるようですね。それで、宣伝費のほうがずっと多くて、交際費のほうが少ない、そういうような場合もありますけれども、業種によりましては、交際費のほうがずっと比率が高いようです。ここで当然考えられますことは、やはり業者間のつながりもありますけれども、政界とのつながりということもそこに起こってくる。こういうことにつきまして、いま交際費は必要悪のように常識的には考えておりますけれども、経済企画庁のほうの御意見をまず伺っておきたいのですが、価格形成ということについて。それから今後の自由化されていく経済の状態に照らして、この交際費というものについての基本的な考えを先に伺っておきたいと思います。

八塚陽介経済企画庁国民生活局長

○八塚政府委員 交際費につきましては、現在の日本の、いわば企業活動の慣行と申しますか、そういう点でかなりの程度に大きな額になっておるというふうに聞いております。一般的に、そういう営業関係がもう少し近代的に、かつ合理的にいくことが望ましいのではないだろうか。そういう点がもう少し、端的にはドライな風土の中で行なわれれば、あるいは消費者物価、あるいは一方では消費抑制等のいわば背景にあります考え方に対して、有効な役割りを果たすのではないだろうかというふうに考えておるのでございます。

有島重武公明党

○有島委員 先ほど武藤委員からお話がございましたけれども、総理が経済のことで雲行きが怪しい、これは一般消費者のせいだ、個人消費の抑制を進めることによってこれをカバーしていくんだというような御発言があったわけでございますけれども、私たちの実感からいたしますと、ずいぶん節約をしなければならないような、いま家計でございましてね、にもかかわらず、うんとぜいたくをしている場所がある。それはいま言った交際の面と——これは物品の贈与ということもありますけれども、その物品も、平素使われているものよりもはるかにぜいたくなもの、輸入品なんかが多く使われておる。また、交際費の大部分は、飲んでしまう飲食費になっておる。こういうようなことについて、これはいま言ったように望ましいものではないということですけれども、これをどのように抑制していくべきか、その抑制の方法、手段としてはどういうふうに考えていらっしゃるでしょうか、企画庁からもう一ぺんお願いします。

八塚陽介経済企画庁国民生活局長

○八塚政府委員 御承知のように、これは私どものほう、具体的に企業を指導したりあるいは課税をしたりする役所ではございませんので、いますぐこういう点について具体的な考え方を申し上げる用意はございませんが、ただ、国際的には、だんだん企業としてもシビアーな態度をとらざるを得ないだろうと思います。かたがた、いまここに具体的に手元に資料を持っておりませんけれども、交際費と申しますか、社用経費に対する課税等につきましても、年々——年年と申しますか、逐年その点についての改善のあとが政府としてもあるわけでございます。今後そういう点についても一般的に検討されるのではないかというふうに考えております。

有島重武公明党

○有島委員 ちょっといまのお答え、あいまいな印象を私受けるのでございますけれども、大蔵省のほうの御見解としては、これはどうでございましょうか。

中橋敬次郎大蔵省主税局総務課長

○中橋説明員 交際費を抑制するために交際費課税を行なって、その効果がどうかということでございますけれども、年々の課税上の数字から見てまいりまして、交際費の増加は依然として、企業の売り上げ等の増加に相伴いましてやはり漸次ふえておるような状況でございます。もちろん、これは景気の動向にも左右されておる要素が非常に強うございまして、二、三年前のあの不況の時代にはそれが鈍化し、また好況のときには伸びが著しいという様相を示しておるようでございます。それらの事情も勘案いたしまして、私ども、今年度の税制改正におきまして、さらに交際費課税の課税方法に合理化を加えるという意味におきまして、前年同期の額を上回って、五%をさらに上回った部分につきましては、従来の五〇%否認というものを一〇〇%否認に引き上げる一方、前年同期の交際費と比べまして減少しましたときには、その減少したメリットというものを税金でもって取り上げるというふうなことがないように、その部分だけさらに損金にもう一回入れるというような配慮も加えて、この社用消費に対応する交際費課税の合理化もはかったつもりでございます。

有島重武公明党

○有島委員 十一月二十九日の国税庁の発表によりますと、五千九百二十六億円の交際費の総支出ということになっておりますですね。これは前年に比べて増加でございます。ですから、そうした処置が適当なのかどうか、それをもう一ぺん検討しなければならないのじゃないかと思うわけです。いまの問題につきまして、ここに通産省の政務次官も来ていらっしゃいますから、通産省側の御意見も伺っておきたいと思うのです。

下山佳雄通商産業省企業局次長

○下山説明員 この交際費の問題につきまして、特に通産省の意見と言われると非常にむずかしいのでございますけれども、私どもの考えておりますのは、交際費が非常に多いということは日本的な慣行でございまして、これは企業経営を今後近代化していくという観点から見ましても、やはりこの辺は相当改善すべき余地がまだまだ多いのじゃなかろうかというふうに考えておりますし、幸い大蔵省のほうも税制上の措置をおとりになった、この効果が十分発揮されることを望んでおる次第であります。

有島重武公明党

○有島委員 やっぱり自己資本の蓄積のほうへ、または技術開発のほうに向けるべきである、そういうようにお考えであると思いますけれどもね。皆さん方から伺って、交際費を整理していくということが望ましい、それは一致した御意見だと思うのですけれども、それなら簡単明瞭に今後一〇〇%課税しちゃったらどんなものか、そういった点、どうしてそれができないのか。その点について国税庁にお願いします。

中橋敬次郎大蔵省主税局総務課長

○中橋説明員 先ほど来申しましたように、やはり交際費の中にも事業経営上収益をあげるための費用と認められる部分があるわけでございます。かたがた、また社用消費と目されて非難されておるような、本来は企業が負担すべきでない、受益する個人が負担すべき部分もあるということでございます。その辺をどういうような線で割り切っていけばよいかという技術的な問題もございますので、現在は普通の場合には、ある一定の限度を越えましたその五〇%を否認し、それから、先ほど申しましたように、さらに加えまして交際費の節減の要素を出すという意味におきまして、前年同期をある程度上回れば、それについては、交際費を縮小しようという意図をもっと強く出すという意味において、先ほど申しましたように一〇〇%否認に変えたわけでございます。

有島重武公明党

○有島委員 現行では交際費の大部分が損金として落とされてしまう。それで課税の対象になっておるのは、私の手元にある数字では一千六十億円、これに対する税収額が三百六十億だ。これをまるまる課税すれば、税収額というものは二千億円見当になるのじゃないか、私どもの資料でもそうなるのですが、そちらのほうの御見解はいかがですか。

中橋敬次郎大蔵省主税局総務課長

○中橋説明員 現在の制度におきますところの交際費のうちの損金否認額と損金認容額を全部ひっくるめまして、おっしゃいましたように全額課税対象の中に入れるということになりました場合の増収額というのは、ちょっと私どもここで計算をしなければなりませんので、おっしゃいましたような金額になるかどうかはわかりませんけれども、現在の制度のもとにおいての交際費否認によるところの増収額は、四十二年度の見込みでは約四百六十億円でございますけれども、それをはるかに上回ることは確かでございます。なぜそんなに差があるかということは、一つには、先ほど申しましたように五〇%否認の部分によるところもございますけれども、もう一つは、交際費否認対象にいたします五〇%をかける前に、一般的には四百万円と、それから資本金に対する千分の二・五というものの合計額というものが基礎控除的に働いてくるわけでございます。これをなぜそんなふうにそういう否認制度に導入したかということは、やはり私どもは、中小企業を相当考えたつもりでございます。先ほど申しましたように、やはり交際費といえども、その企業が新しい市場に食い入っていく、あるいは従来の売り上げを維持するというためには、必要やむを得ざる経費として投ぜられる場合もあるわけでございます。そういうものをやはり中小企業としても相当要しておるのではないか。その部分を一体幾らに見ればいいのかということで、実は昭和二十九年だったと思いますけれども、初めて交際費課税の制度が導入せられましたときには、基準年度というようなものを設定いたしまして、その基準年度におきますところの交際費を越えたもの、それを一応対象に考えるというふうにしたこともございます。あるいはまた、業種別にその基礎控除的な部分を率をもってきめたという経過もございます。しかし、いずれも、基準年度の基礎控除制というものは、だんだん企業の経営規模が大きくなってまいりますと間尺に合わなくなるので、随時これを修正する必要に迫られてきたわけでございます。それから、売り上げ高基準によります基礎控除金額を見出すということは、これはまた税務行政上の非常なトラブルを巻き起こしたわけでございます。御案内のように、どの業種の分類にその企業が入るかという問題につきまして見解が分かれるところでございまして、ましてや兼業をいたしておる企業について一体何%を適用したらいいのかということで、非常な混乱といいますか、紛争を巻き起こしたのであります。それで四、五年前だったと思いますけれども、現在のような形の四百万円プラス資本金の千分の二・五というのを基礎控除金額に設定した、こういう経過でございます。したがって、先ほど御指摘のように、否認対象額が非常に少ないのではないかということは、これは四百万円プラス資本金の千分の二・五という基礎控除的な金額以内に交際費がとどまっておる。いわゆる中小企業が、こんなに多額に交際費を支出していないものが相当多数あるという結果であろうと思います。

有島重武公明党

○有島委員 これは四十年のデータでございますけれども、この交際費の支出でもって一番トップになっておりますのが卸売りなんですね。これは一千三百四十三億ということになっております。それからその次は建設業で六百七十億、そんなふうになっております。これは流通の合理化という問題と非常に密接な関連のある問題ではないか。これが今後の物価形成の問題にかなり重要な問題じゃないかと思うわけです。  それから、なお言ってしまいますが、先ほどの課税対象をもっとはっきりしてしまえば、これは千六百億円くらいの増収になるわけです。ところが、いま財政の硬直化とかなんとか言っておりますけれども、間接税をふやすことでもってやる、それをあるいは公共料金のほうに持っていくというようなことばかり考えないで、こちらのほうにこういった大きい一つの問題といいますか、穴といいますか、あるわけでございますから、ここに大いに着目して取っ組んでやっていっていただきたい。それを要望いたします。  それで、これはこまかい検討はまた後日に譲りますけれども、ざっと申しまして、こうした交際費の害悪というものは、宴会やパーティーなんかが流行すると、風俗営業に対する設備投資が非常に盛んになる。今度は、都心部のほうの地価が上がっていくというような一つの循環がございます。それから生鮮食品なんかも、高級なものがどんどん価格が上昇していく。それが一つの物価上昇の推進役をしている。それから、先ほども言いましたように、贈答品は非常に質のいいものが行なわれる。つまらない輸入——つまらないと言うと語弊がございますけれども、国産品でもって十分間に合うような品目までも、輸入のものでもってこれを行なう。したがって外貨が流出する。それから、レジャー用消費の増加でございますね。接待するわけですから、ゴルフだとか観光旅行だとか、そういった設備投資が行なわれる。これもやはり地価が高騰してくる。これは都心部じゃないが、むしろもっと生産的な面に開発されるべきところが、消費的なところに開発されていくような傾向があるのではないか。それからもう一つは、非価額競争が発生してくる。これは非常にあいまいな、どういう分類でどうしていいかわからないような、あいまいな要素が非常に入ってくる。これは物価問題と離れますけれども、社会的側面から見ましても、やはり道義心が低下していくことも考えられますし、それから使わなければ損だというような浪費精神が当然起こってくる。時間的にも非常に浪費でありますし、それから私たちも身近に見ておりますのは、家庭生活をかなり侵害する。いま暮れでございますから、子供たちがさびしがっておる、あるいは奥さんが角を出すということがあるわけですね。うんとおそく帰ってくる。厚生省は来てないけれども、健康から考えましても睡眠不足である、からだをこわす。どれをとっても、いいことはないわけですね。これを規制していくのは、どこから規制していったらいいか。それは、一面には流通機構というものの明朗化ということもあるでしょうが、やはり手っとり早いのは税制の問題ではないか、そういうように思っているのであります。  きょうは、問題提起の範囲でもって私の質問はこれでもって終わりますが、今後またおりを見て質問を続行させていただきたいと思います。  以上でございます。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員長 他に御質疑はありませんか。      ————◇—————

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員長 本委員会に参考送付されました陳情書は、お手元に配付いたしましたとおり、全部で二件でございます。念のため御報告申し上げます。      ————◇—————

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員長 この際、一言ごあいさつを申し上げます。  本国会は、来たる二十三日をもって閉会となります。短い国会ではありましたが、しかし、先ほど砂田小委員長からも御報告のございましたように、ここに皆さま方の御努力と御熱意によりまして、消費者保護に関する立法化の機運が高まってまいりましたことは、まことに意義深いことと存じます。これが近い将来法律となりますよう、皆さま方の一段の御努力をお願いいたします。  最後に、皆さま方から寄せられました御支援、御協力に対しまして衷心より感謝の意を申し述べますとともに、年の瀬を控え、皆さまも何かとお忙しいことと存じますが、御自愛と御活躍を心からお祈りいたします。  簡単ではございますが、一言ごあいさつにかえさせていただいた次第でございます。  本日は、これにて散会いたします。   午後零時三十二分散会

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