内閣委員会 第2号
- 発言数
- 224 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1967/12/15
会議録
○三池委員長 これより会議を開きます。 内閣提出にかかる一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案、特別職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案及び防衛庁職員給与法等の一部を改正する法律案、以上の各案を一括して議題といたします。 これより質疑に入ります。質疑の申し出がありますので、これを許します。藤尾正行君。
○藤尾委員 私は、人事院総裁に対しまして、今回の——今回だけじゃございませんけれども、公務員に対しまする職員の給与に関する法律についての人事院のなさり方について、二、三の御質疑をさしていただきたいと思います。 国家公務員法の第二十八条にはいろいろな内容があるわけでありますけれども、大体こういった内容によって、例年人事院総裁は四月までのいろいろな前年の状況を調査をせられて、そうして政府並びに国会に対して勧告をせられておると思うわけであります。しかしながら、これを政治的に考えてみますと、私どもは予算といいまするものによってすべてのものを律しておる。その予算は四月から実施でございまして、つまり、次年度と申しますか、その年の予算が始まってから、人事院総裁はその職務権限に基づかれて勧告をせられる。そして、五月にさかのぼってこれを支給したほうがよろしいという勧告をせられるのがここ数年の例になっております。政府といたしましては、これまた非常にわが委員会が例年附帯決議でも決議いたしておりますように、本来ならば勧告どおりの実施をしなければならぬのでありますけれども、予算の関係上これが施行できないようなことで、ある場合には九月に支給することになったり、あるいは八月に支給することになったりということで、そのたびごとに紛糾を招いておるというのが実情であります。これは、一国の予算制度というもののたてまえと、それから人事院の勧告というもののたてまえがすれ違っておる、そのことによって起こってくるフリクションじゃないかという気がするのでありますけれども、総裁はこの点に関しましてはいかなる御所見を持っておられますか、お伺いいたします。
○佐藤(達)政府委員 ただいまお話に出ましたように、私どもの勧告は、八月という年度半ばの中途はんぱな時期に例年なっておりまして、しかもそれが五月にさかのぼってということになりますので、たいへん各方面に御心配、御迷惑をおかけしておるということはよくわかります。したがいまして、これも御承知のように、勧告の時期その他について再検討すべきではないかという話が数年前からありまして、私どももこの勧告の円滑なる実現を念願するものであります以上は、謙虚に根本に立ち返って検討してみよう、また、政府側でも閣僚小委員会等でその研究の場をおつくりいただきまして、私自身も閣僚小委員会に出していただいて、閣僚諸公と一緒になり、何か名案はないかということで、数回にわたって知恵をしぼってまいりましたのですけれども、遺憾ながらいままでのところ確たる名案はないということで、やむを得ず今回従来どおりのやり方をやっておるわけであります。 ただ、ここで、一応私どもがなぜ八月という妙なときに勧告を申し上げておるか、何も好きこのんでやっておるわけではございませんということだけは御了承をいただきたいと思いますので、その点を一応ここで説明させていただきたいと思いますけれども、御承知のように、最近は非常に賃金の上昇傾向が毎年著しくございまして、これがある程度安定しておりますと話が非常に楽なんでありますが、そうはいかないので、相当の率が毎年上昇しておるという事実が一方においてあります。 それから、公務員の給与をきめますについて、とうも急に白紙にこれを考えて——実は昔、戦争前に私はやはり公務員の給与のことを法制局でやっておったわけですが、そのころは民間の給与がどうのこうのということはすっかり超越いたしまして、官吏としての体面を保つためにはどのくらいの給与をやるべきか、生活を維持するためにはどのくらいの給与をやるべきか、あるいは職務に応じてどのくらいの給与をやるべきかということで、一本やりで白紙に立って給与の盛りつけをやっておったわけです。そしてまた、給与改定というようなこともほとんどなかったと申し上げてよろしい、そのくらいに安定しておったわけでございますけれども、働承知のように、昨今の経済情勢は先ほど申しましたとおりでございます。また一方、天皇の官吏といわれておりました公務員の身分は、全体の奉仕者ということになってしまいまして、一面においては一種の勤労者としての性格が非常に強く出ておるという面もございます。したがいまして、私どもが昔とっておりましたような白紙に絵をかくようなことでは今日の事態はいかない、何かはっきり確固たる手がかりを求めまして、そこに根拠を置いて公務員の給与というものをきめていただく、そのためには、やはり民間の給与水準というものを的確にとらえまして、そして、せめて民間の給与水準には合わしていただきたいということが、当面においては一番手がたい支給方法であるということで、数年来それをやっておるわけでございます。 さて、その民間の給与というものの動きを見ますと、御承知のように、外国では各企業ばらばらに、時期を選ばず年間を通じてばらばらに賃上げをやっておりますが、日本の場合は、これは日本の特殊性ではないかと思いますけれども、いわゆる春闘という名前がございますように、春に大体賃金の変化というものが集中しておる。そこで、私どもとしても、その時期をとらえるのが最も適切であろうということから、四月をとらえまして調査の時期とする、そうして六千数百の事業所、それから従業員で申しますと四十五、六万人の民間従業員を個別に当たってこまかく調べまして、それを集計をして、そうして公務員の四月における給与と引き合わしてみようということでやっております。したがいまして、その集計が非常に緻密な集計になりますものですから、統計局の最新鋭機を総動員しましてなおかつ八月に入ったころにその集計の結果が出るわけであります。そこで、われわれとしては、公務員給与と突き合わして、ことしの場合でいえば何%、七・九とか六・何とかいうパーセンテージの格差をつかまえまして、そしてその格差を埋めていただきたいということで段取りを進めておりますために、心ならずも八月の時期に勧告せざるを得ない。 ただ、いままでの私どものとっておりますこの作業の長所と考えますのは、これは手がたいという表現で申しましたけれども、給与問題についてはもう使用者側、それから雇われておる者は、いずれにせよ御満足ということはあり得ない、あらゆる批判が集中するわけです。公務員の場合には経済界からもまた批判がくるわけです。そういう場合に、いま申しましたように、六千数百の民間の事業所をつかまえて、それだけせっかくの精密な調査の結果の数字でございます。したがって、そこまでは合わしていただきたいというよほどはっきりしたデータを持ちませんと、これは批判の受けっぱなしで、人事院としては何とも弁明できない。いまのようなやり方では、それは政府側にも御不満はありましょうし、労働組合の側にも常に批判はありましょうけれども、それだけの大規模な調査をやった結果なったということで、しぶしぶながらも納得していただいておるわけです。先ほど申しましたように、経済が非常に安定いたしまして、給与水準もずっと高ければ、もうパーセンテージの一%、二%はおそらく問題にならないということでしょうけれども、いまの時期はまだそこまでいかぬということで、当面この手がたい方法をとってまいりますために、いま御指摘のような問題になる。 そこで、しからば改善方法はないかという検討の問題になって、先ほど申しましたように、いまのところ名案なしということでまいりましたけれども、つらつら考えてみますと、私どもの立場から率直に言わしていただけば、たとえば公労委の仲裁裁定が、あれは新年度に入って五月の下旬になります。そのころ、やはり数百億のお金を要する裁定が下るわけです。ところがここ十年以上この仲裁裁定は全部当初予算のやりくりでまかなわれまして、補正もなしに四月にさかのぼって完全に実施されておるという事実が一方においてございます。私どものお預かりしております一般職の公務員でありますけれども、その中には、たとえば郵政省の屋根の下には私どものお預かりしております一般職の公務員の方がおられるとともに、現業の方々がおる。すなわち、公労委の仲裁裁定に従わぬ一般職の公務員の人も同じ屋根の下におられるわけです。片一方の現業のほうは、いまの仲裁裁定が七月ごろあっても、完全に四月にさかのぼって裁定を実施してもらっておるわけです。私どものお預かりしておる一般職の公務員のほうは、幸いにしてことしは八月になったということはたいへんうれしいことでありますけれども、九月とか十月とか八月というのは、実質的には一応引き下げられた形である。 そこで、どういう原因でこういうことになるのかという点に焦点を合わしてみますと、はなはだ私どものかってな言い方かもしれませんけれども、それは当初予算のほうで相当含みがあればこそ、その公労委の仲裁裁定がやりくりができる。とすれば、われわれのほうのお預かりしておる一般職の公務員の給与のためにも、やはり賃金上昇の傾向というものが翌年度についてあらかじめ見通しができるならば、多少その分を含みとして財源を当初予算でとっておいていただければ、洗いざらい八月になって財源をおさがしになるということもなくて済むのじゃないかということをかねがね申し上げておるわけです。幸いにして、最近の新聞の伝えるところによると、来年度の予算の編成についてそういう御議論が相当出ておるようで、その限りにおいて私ども非常にうれしいことに思っておるわけでございます。 非常に長くなって、ポイントとずれたお答えになったかしれませんけれども、そういうことが当面の処置ではなかろうか。 それから、当内閣委員会におきましても、たびたびこの給与法案の採決の際に、完全実施のために財源上あるいは予算上の措置を十分に考慮せよという政府に対する附帯決議もございます。私も、ただいま申し上げました私どもの念願も、いまの附帯決議の趣旨にも沿っておるのではないかという気持ちもいたしまして、当面はそういうところでとりあえず何とかお手当ていただけないかという気持ちでおるわけでございます。
○藤尾委員 そうしますと、ただいまの詳細な人事院総裁のお話を承っておりますと、人事院が行なわれます勧告については、財政法上あるいは会計法上のいろいろな法規のたてまえを十二分にお考えになってやられる政策、大体こういう御趣旨のようにも承りましたが、それでよろしゅうございますか。
○佐藤(達)政府委員 私どもは完全実施を一筋に念願しております。その立場から申しますと、従来当面のネックになっておりましたのはどうしても財源の問題だということになりますものですから、しからば財源のほうのお手当てについて、ただいま申しましたようないろいろな方法を講じていただけないものだろうか、そういう気持ちでございます。
○藤尾委員 きわめて明快な御答弁をいただきまして、私は非常に明るい見通しを持ったのでありますけれども、それならば、人事院のおやりになります国家公務員法第二十八条の中にそういう項目をお加えになって、そうして明確にこれを法律化をするというような努力をなすったらいかがかと思いますけれども、その点はいかがでございましょうか。
○佐藤(達)政府委員 私どものほうの公務員法二十八条の問題は、先ほど御指摘になりましたように、それ自体大きな意味を持っております。行政に適応して適正な給与の勧告をしろということでございますから、勧告は一つの基準としての意味を持っておるわけでございますけれども、先ほど来私の申しました勧告の完全実施のための財源のお手当てのほうをよろしくという話になりますと、財政法とかあるいは予算関係の法制の問題になりはしないか思います。それにしても、これはもう大蔵当局が全権をお握りになっておる。予算をいかように編成するかということは大蔵当局の方針次第によることでございますから、これは法律を改正していただけば、なお私どもとしてはありがたいことでございますけれども、そういう御理解ある方針をとっていただけば、それでけっこうということになるわけであります。
○藤尾委員 私の申し上げておりますのは、その予算の額とか予算の計上方法とか技術上の問題は、もちろんわれわれの一つの職権でもありますので、われわれ自体が努力しなければならぬ問題でもあります。しかし、そのたてまえとして、人事院がそれほどまでに財政法上あるいは会計法上の問題をお考えになって、追加予算で出さなくても当初予算で全部まかなえるようなたてまえにしておかれれば——たてまえとしてですよ。これはむろん国家の予算編成にはいろいろな特殊な事情がありますから、それは特別な事情によってできないというときのことまで私は拘束するものじゃありませんけれども、特別の事情を生じない限りはそういったたてまえというものを盛り込んでいただいてその数字をお立てになっていただくということが、毎度毎度私どもがここで附帯決議をつけて、完全実施をやってもらいたいのだけれどもどうだというようなことを言わなくても済む一つの道を開くのじゃないか、かように思いまして、念のためにお尋ねをしておるわけでございます。佐藤(達)政府委員 たいへんわがままな言い方とおとりいただくと恐縮なんでありますけれども、率直にわがままな言い方を許していただけば、二十八条でもどこでもよろしゅうございますから、勧告を大いに尊重して、その勧告実施のための財源その他の予算の措置については政府は十分努力をしろというような趣旨のことを入れていただけば、私が先ほど来申し上げたところに合うわけであります。そこまでしていただかなくても、運用上やっていただけるのじゃないかという謙虚な立場でお願い申し上げておるわけであります。
○藤尾委員 謙虚なお態度は非常に見上げたものだと私は思いますけれども、一般職の職員の給与に関する法律の第二条第三項に、人事院は云々ということで「職員の給与額を研究して、その適当と認める改訂を国会及び内閣に同時に勧告すること、」そのあとに「この法律の実施及びその実際の結果に関するすべての事項について調査するとともに、」云々と書いてありますね。ですから、これは要するに、人事院勧告といいますものは、勧告しっばなしというものじゃなくて、勧告の実施のあとまで人事院というものはその責任をお持ちになっておられるというように私は法文を読むわけです。とすれば、できましたならばという非常に謙虚な態度といいますものも、それはそれなりにわかりますけれども、これは将来のためにも法文化するだけの努力を人事院とされてもおとりになっていただかなければいかぬのではないかというような立場で一言申し上げたわけでございます。 以上で私の質問を終わります。
○八田委員 関連して。ちょっと総裁にお伺いいたしたいのでございます。 たぶんいままでに御質問があったかと思いますが、総裁が完全実施ということばをお使いになったのですけれども、完全実施ということはどういうことを言われるのでございますか。
○佐藤(達)政府委員 私どもが完全実施と申し上げておりますのは、毎回申し上げております勧告の要望しておるとおりのことをという意味でございますから、それを他のことばで言いかえますと、俸給表をどのくらい上げていただくかということと、それから五月にさかのぼっていただきたいということと、それらを総合したものをそのとおりに実現していただきたいというのが、完全実施の念願ということになるわけであります。
○八田委員 総裁、今度の勧告で五月というような期日をつけられたのでありますけれども、その前はそういう期日はなかった。なるべくすみやかにという期限をつけられておったと思いますが、とうして今年になって——いままではなるべくすみやかにということでやっておられた。ところが、いつの間にか五月に実施するのが完全実施だということができ上がったのですが、五月というのはことしが初めてなんです。その点、ひとつの経過を追って、どうしてそういうふうに変わってきたかを御説明を願いたいと思います。
○佐藤(達)政府委員 実は私はわりあいに新入生なものでございますから、古い沿革を権威を持って申し上げることはできませんけれども、大体三十四年までは、いま八田先生がおっしゃるように、なるべくすみやかにということでまいっております。何かその間にいろいろいきさつがございまして、三十五年からははっきり実施期日を明文にあらわそうということで、三十五年から今日までずっと五月一日でまいっております。先ほど藤尾さんにもお答え申し上げたのでありますけれども、四月の調査に基づいての官民の格差、これを埋めていただきたいということになりますものですから——近ごろそれなら四月にさかのぼれるじゃないかという議論もときどき出て拝聴はしていますけれども、私どもは五月からということで、三十五年以来ずっとそういうことを踏襲しているわけでございます。
○八田委員 総裁、三十五年からとおっしゃっておりますが、私はそうじゃないというふうに記憶いたしておりますが、その点いかがでしょうか。
○尾崎政府委員 勧告につきまして実施期日をつけました関係は、三十五年から五月実施ということになっておるわけであります。
○大出委員 関連して。これははっきりしておいていただかぬと困る。あとで私の質問の中心点ですから私のほうからちょっと申し上げます。間違いがあるかないか、人事院のほうからお答えをいただきたい。 第一回勧告と申しますのは、昭和二十三年十二月十日の勧告でございまして、このときには二十三年十一月、一カ月さかのぼって十一月一日から実施してもらいたいというふうに時期が明示されておった。これが人事院創設の第一回の勧告でございます。次の勧告は七千八百七十七円、最初の勧告は六千三百七円の勧告でございます。二回目の勧告は昭和二十四年十二月四日、ここから実は実施時期が明示されなかった勧告であります。これは明示されておりません。ところが、このあと八千五十八円勧告というのが二十五年の八月の九日に出されましたが、ここには実施の時期について触れたような、触れないような関係、まあ、ないと言っていい。したがって、二十四年、二十五年は実施時期が明示されなかったということ。それから次に二十六年の八月二十日の勧告、給与水準にして一万一千二百六十三円、このときの勧告には、実施時期が二十六年の八月の一日という明示が行なわれているわけであります。それから二十七年の八月の一日に一万三千五百十五円勧告が出されておりますが、このときには、勧告実施希望月日ということで二十七年の五月一日、こういうことになっております。これは非常にもめまして、翌年の二十八年の七月十八日の一万五千四百八十円勧告のときに、初めて「なるべくすみやかに」という要望意見が人事院から付されまして、したがって、これも実施時期がないと一緒でありますが、「なるべくすみやかに」、こういうわけであります。それから二十九年の七月の十九日に勧告をするということになったのですが、これは勧告を保留するという形で、このときはうやむやになりました。そのあと、三十一年の七月の十六日に「なるべくすみやかに」という形で一つ出ております。それから三十二年の七月十六日、これも「なるべくすみやかに」。この三十二年の七月十六日はだいぶもめまして、この実施時期が問題になりました。そこで、三十三年七月十六日のときには「できる限りすみやかに」という、「なるべく」を「できる限り」に変えた。これが三十三年であります。それから三十四年の七月十六日、これも「できる限りすみやかに」、そうして三十五年の八月八日になりまして、この勧告がようやく五月実施ということに戻ったわけであります。途中に五月一日実施が一つありまして、そこに戻った。それから以後はずっと、三十六年の八月の八日が「五月一日」、それから三十七年の八月の八日が「五月一日」、三十八年が「五月一日」、三十九年が「五月一日」ということで、以後五月一日になっておる、こういうわけです。したがって、これはひとつ総裁、ここのところではっきり人事院のほうで御確認をいただいておかないと、あとになってから、なぜこういうふうに変わったかという点で質問の論点がございますので、はっきりお答えをいただきたい、それでいいかどうか。
○佐藤(達)政府委員 これは大体いまお話しのとおりだと思います。実施月を明示した例、これが昭和二十六年の八月勧告で八月一日からと明示いたしました。それからその次は、昭和二十七年の八月の勧告で五月一日からということを明示いたしました。それからいまお話しのような段階が入りまして、昭和三十五年からずっと五月一日からということになっております。
○大出委員 それでは、少しいままでの経過を踏まえまして、関係の各責任ある方々に御質問申し上げたいのでありますが、最初に総務長官に承りたいのでありますが、先般来何回か公務員関係の組合の代表の方々と会談をされておりますが、仄聞いたしますところによりますと、来年度当初予算におきまして予算に組むのだという長官のお話が出てきているようであります。そこで、その当初予算に組むというものの考え方は、勧告については触れないのだ、これは正確に言えば、勧告権につていは云々しない、こういう意味だと思うのですが、そういう御発言が出ておるようであります。したがいまして、これは予算委員会等でも質問になったところではありますけれども、公務員の給与担当の当の責任者である長官から、その辺についてのお考え方を冒頭に明らかにしておいていただきたいと思います。
○田中国務大臣 ただいまお話がありましたとおりに、いわゆる給与表の改定その他につきましての完全実施をいたしたいという私の一つの願い、それをいかに財政、さらにまた財政法上の関係と人事院の機能を喪失しないでこれを調整するかということが、私は一番念頭を離れない点でございます。さようなことから、これはただいま党におきましてもいろいろと研究を重ね、また外部のほうにおかれましても、さらに野党から、また組合の方々に至りますまで非常な関心をお持ちいただいて、皆さんで一生懸命に御研究をいただいておる過程にあると存じますので、気持ちだけを申し上げましてお答えいたします。
○大出委員 そうしますと、念を押すようで恐縮ですが、長官としては、当初予算に組むべきである、こういうお考えが強いわけですな。
○田中国務大臣 さよういたしたほうが円滑ではないか、かように考えております。
○大出委員 ところで、私は、年間通じまして国の財政収入という面、予算上の収入という面は、あるいは税収という面は、これは先に組んでもあとに組んでも変わるわけではない、経済の伸びその他によって変わってくるわけでありますから、先に組もうとあとに組もうと、年間収入というものは変わらない、こういうわけでありますね。これは結果的に間違いない。となりますと、問題は、先に組んだから完全実施ができるとか、あとに組んだから完全実施ができるとか——先に組んだらやたら財政がふくらんじゃうということになって、収入がふえちゃったということになって、これは完全実施できたというわけでもない。最初五%組んだら、あとは金が一切ない、税収もどうも自然増収も見込めなかった、最初に水増しで組んでいるから。そうなりますと、あとは増収がないから五%でかんべんしてくれということになってしまえば、これは人事院が七%ぐらい上げたいのだと思っているとすると、あとの二%はやはり埋まらない、こういう結果になる。つまり、私は、この委員会で過去私が出てまいりましてからまる四年何カ月論議しておりますように、あくまでこれは政府の政策に違いないと考えているわけです。しかし、しきりに最近当初予算に組んでしまって補正は組まないのだ、こういうことなのであります。 そこで、私は、少し予算委員会等で大原質問その他を聞いておりましたが、総裁なかなかいい答弁をおやりになっておりました。しかし、非常に大ざっぱな質問でございましたし、また御答弁でもございましたので、少し砕いてこまかい中身について御質問申し上げたいわけであります。 そこで、ひとつ経済企画庁の皆さんお見えになっておられると思うので承りたいのでありますけれども、後藤国民所得部長さんお見えになっておられるようでありますが、まず、過去十カ年ぐらいの間の経済の成長率、三十五年以来高度成長と、こういわれてきたわけでありますが、おおむねこの十カ年程度の、どのくらい日本の経済は成長してきているかという実質成長率をお示しいただきたいと思います。
○後藤説明員 お答え申し上げます。 実質成長率で見ますと、三十二年から四十一年までの十カ年におきまして、九・八%の実質成長率でございます。
○大出委員 恐縮ですが、時間を節約したいので、歴年どのくらいかというのは、あとから資料でもいただきたいと思います。お願いいたします。 そうしますと、過去十カ年九・八%、ならして平均でありますから、九・八%実質成長しておる、こういうことになります。 そこで、もう一つ承りたいのでありますが、そうしますと、現在、経済社会発展計画というふうなものが四十二年から六年まであるわけでございますけれども、この面で予定をされている成長率をどのくらい実質で——実質でと言っても、いまのところこれからでありますが、予定成長率はどのくらいに踏んでおられますか。
○鹿野政府委員 経済社会発展計画では、これからの五年間の成長率を八%程度、ただ、前半はやや高目に、後半はやや低目に成長していくのが好ましいであろうというふうなことであります。
○大出委員 そこで、人事院にひとつ承りたいのでありますが、同じく過去十カ年の公務員給与のアップ率平均がどのくらいになっておりますか、ひとつお示しをいただきたいと思います。大体でけっこうです。私のほうから申し上げるよりも、人事院のほうが権威がありますから。
○尾崎政府委員 正確なところはわかりませんけれども、約四%から五%の間ぐらいだと思っております。
○大出委員 という数字が出てまいりますと、あるものの考え方の中に、将来の公務員給与に関する一つの算式があるのであります。それは何かと申しますと、公務員の十年間のベースの平均の上昇率、平均でございます。これを一つ求めまして、それにかける分母——過去十カ年の平均経済の実質成長率、先ほど御答弁のございました九・八%、これを分母にいたしまして、経済社会発展計画が一応予定をいたしております。経済社会発展計画に基づく経済の成長率、これを分子にいたします。先ほどの八%であります。つまり、人事院の勧告に基づくベースアップの過去十カ年間の平均にかけることの九・八分の八、こういう数字になるわけであります。というのを、日本の国内経済の発展状況とあわせまして、一応の国家公務員の将来に向かってのベースアップの算定の基準にする、こういうものの考え方が一つあるのであります。実は私が先般来いろいろ試算をしてみましたところが、この構想でまいりますと、——ただし、これはベースアップと定期昇給、こうなっているわけであります。したがって、定期昇給原資をほうり込んで計算をいたしますと、この基準算式でまいりますと、おおむね九程度の数字が出てまいります。大体九であります。 そこで、人事院に承りたいのでありますが、この九という数字は定昇を含んでおりますから、そうすると、定期昇給というのは、一体どのくらいの予算上のパーセンテージになっておりますか、お示しをいただきたい。
○尾崎政府委員 先ほど答弁申し上げました関係を若干正確に申し上げますと、公務員の平均給与額につきまして、三十二年から四十一年までの過去十カ年間の平均的な上がりは九・六%になっております。民間の給与と均衡をとっておりますので、大体同じように上がっておるということでございます。したがって、その中には、いわゆるベースアップとそれから昇給関係あるいは昇格その他新陳代謝、全部含まれております。その関係を正確に区分することは困難でございますけれども、昇給関係といたしまして、現在の人員をそのまま一年間俸給表の上で移動させますと、約四%の昇給計画になっているわけでございます。ただし、それを予算にどのように組み込むかという点は、新陳代謝の関係がございますので、大蔵省のほうから願いたいと思います。
○大出委員 先ほど尾崎給与局長からのお話の四%ないし五%と申しましたのは、つまり、定期昇給その他が入っておりませんから、それを入れると、確かに九ないし九・六くらいになると思います。となりますと、九ないし九・六で計算いたしますと、九・六かける九・八分の八という数字になるわけであります。そうすると、おおむね九%かけることになる。そうなりますと、取り方が多少人によって違いますが、いまの算式でいっておおむね九前後、 いずれにしても前後の数字になる。この中で、定昇の四%にしても、あるところによりますと四・二%ぐらいになるところもあります。したがって、そのくらいのフレはやむを得ないといたしましても、差し引きいたしますと、つまり、五%前後の定期昇給を引きますと——よくこの委員会で論議されておりますのは、民間と違いまして定昇が含まれておりませんから、つまり、勧告ベースを中心にしてものを言っておりますから、そうすると、いまおおむね七%と言い、実質七・九%と言われるが、本年の勧告のようなものの考え方で算定いたしますと、五%ぐらいの数字になっている。この算式はこういうことになるわけであります。そうすると、いみじくもいま世上にしきりに言われておる、あるいは大蔵省側でいろいろ言われておる、当初予算に五%ぐらい組んでおきたいというものの考え方、どうもこの背景にあるものが、いま言ったような基準などが一つ世の中に知らされている。こうなりますと、どうやら最初に五%組んでおけば、この考え方、私がいま例にあげた考え方からいけば、それで公務員の給与改定というものは事足りるのではないかというものの考え方、こうなるのですね。そこで、これは片や宮澤構想というものがあり、片や高橋衛さんの試案というようなものがある。前経済企画庁長官でございます。あるいはさらには党の労調の方々の中の奥野さんの構想などというものがあります。しかも、この考え方からいたしますと、あらかじめ予算にこういうふうに組むのみならず、あわせて給与法の改正を先にやってしまっておけというのです。人事院が勧告をするたびに実施時期、完全実施でもめて、それからやるのは政府の恥であるから、政府が恥をかかぬように先に給与改定をすべきである。さらに、これはつい勇み足の感じがありますけれども、こういう方々の意見の中には、経済社会発展計画なるものが四十二年から四十六年までを想定しておるとすれば、四十三年の当初予算にこの五%を組み込むときには、四十六年までをあわせて計算をしてしまえ、こういうわけであります。それは何を意味するかというと、公務員の安定賃金である、こういう構想が出てきているわけであります。 そうなると、私はこの際——あと経済企画庁、大蔵省その他の皆さんに承りたいことがあるのでありますが、ここでまず総裁に承っておきたいのは、どうも佐藤総裁になられてから大活躍をされております。前の浅井さんの時代は、司令部の問題なんかありまして、なかなかむずかしい時代でありましたが、特に国内経済の高度成長ということにぶつかりまして、例年勧告されるという異常な事態になっている中で、たいへん御苦労をなされてきた。だから現総裁は、人事院総裁という立場で、将来の歴史家が、この非常に経済変動の激しい時代に人事院総裁佐藤達夫ありきなんということで、その功労を多とするという書き方をするだろうと私は思っているのであります。ところが、いま、ことしから来年にかけて一つ間違うと、後世の歴史家が多として大いにはめるであろう総裁の価値が、逆にどん底に下がりはせぬかという心配があるのであります。つまり、ここで勧告権というものを、そういう意味で、法的に改正法というのでなしに、先ほどの藤尾さんの御質問と逆な意味で、予算、財政の面からしぼってまいりまして、結果的に勧告は出し得ないという状態に持ち込まれるということになりますと、総裁は一体何をやっておったのだ、あれだけ一生懸命やっておられたのにということになるという心配を、実は私はぬぐい切れないのであります。なぜかというと、この試案の中には、いま私が申し上げたようなことにすれば、おそらく法律的に勧告権というものに手を触れないでも、人事院は勧告はできない結果になるであろうということを想定しておられるからであります。 そこで、私は、佐藤総裁がいまの動きに鈍感であるはずはない、してみると、おそらく胸中何がしかお考えの点があるのであろうと思うのでありますが、いま私が例に申し上げた点等をとらえてみて、はたしてこの雲行きが、先ほど総裁が御答弁になったように、当初予算に組んでくれることは完全実施のためにありがたいことでございますと言ってすましていられるかどうかという点、ここのところを総裁からはっきりひとつ御答弁願いたいと思います。
○佐藤(達)政府委員 先ほど来申し上げておりますことは、勧告の行ない方等は従来どおりの形を堅持したという前提の上でのことを申し上げたわけであります。したがいまして、財源の保有をあらかじめやっておいていただければ、円滑な実施に役立つのではないか、その限りのことでございます。したがいまして、当初の予算に組み込まれた額が、これは勧告を拘束するものである、あるいはそれを上回る勧告は許されないものだというようなことになるかどうか、これは法律でそういうふうにおきめになってしまえばそれきりのことでございます。もちろん、そういう法律をおきめになることについては、私どもまた御意見を申し上げますけれども、現在の法律のたてまえからいいますと、公務員法はやはり人事院の勧告権というものをはっきりうたっております。それが大きな柱になっておりますから、私どもは、その柱は柱として各方面で当然尊重していただいた上でのお話だということに信頼を置いておるわけであります。
○大出委員 この高橋試案なるものをよく読んでみますと、先ほど私が申し上げたような算式で、過去十年の人事院の勧告に基づくベースアップの年間平均をとる、それに定昇を入れる、そしてそれに過去十カ年間の実質経済成長率の年平均を分母として、分子に予定成長率を乗せるという計算でいきますと、さっき私が言ったように五%ぐらいになります。そうして、現在の給与法、公務員法に基づいても、政府が給与改定を勧告を待たずにやることはできるんだから、それでやっていくと、人事院の勧告を待つまでもなく、実質的に民間との均衡をとるという親心をもって事前に改定をする、そうすれば、人事院は勧告はできなくなる、こういうことを前提にしているのですね。ある時期には与党の皆さんの代表案であるというようなことまで新聞には書かれていた、こういうわけですね。私もいろいろ方々しらべてみると、多分にこの考え方は方々に顔をのぞかせている。これは現実です。いま大蔵省の給与課長さんが予算委員会に呼ばれましたから、この次、津吉課長に聞くところだったのですが、こういう考え方がないはずはない。 そうすると、私はここでもう一つ明らかにしていただきたいのは、当初予算に組む組まぬにかかわらず、冒頭申し上げましたように、年間の国の収入は結果的に違うわけではない、変わるわけではない。そうだとすれば、その年の六月という時点あるいは八月という時点、十月という時点をとれば、九月決算を見越して考えれば、年間どのくらいの税収の伸びがあるかということはわかるわけですね。八月の勧告時期ということを考え、十月にきめるということにも、そこらに問題があるわけですから、そうだとすると、年間の国の財政収支はわかるわけです。しかも、それは早く組もうとおそく組もうと結果的に変わらないわけですから、そうだとすれば、それでできなければふしぎなんですね。それをあえて当初予算に組んでしかも総予算制あるいは総定員制などというものまで考えてやろうということになるとすれば、これはそこに何らかの意図がなければならぬ。そこで、総裁は、完全実施ということについて、当初予算に組むか組ぬかとかにかかわらず、政府が腹をきめればできる筋合いだとお考えになりませんか。先に組んでくれることはまことにありがたいという胸のうちは、その限りそう思いますといういまの御答弁ですが、その限りそう思うという腹のうちは、そんなことしたってしなくたって、政府が腹をきめれば完全実施できるのだというお考えがあるのではないかと思うのですが、そこのところはどうですか。
○佐藤(達)政府委員 その点については、心中大いにうなずきながら拝聴したわけであります。私どもかねがね、勧告時期が悪い、完全実施のためには勧告時期を何とかしたらどうかというお話を、先ほど触れましたように、前々から伺っておるわけです。勧告時期を変えればないお金がわいてくるものだろうかどうだろうかということを、半分冗談ではありますが言ってきたことがありますので、そういう基本の問題はもうおっしゃるとおりで、お金というものはわいてくるものでない以上は、人間の見通しとしてはそれはわかりませんけれども、客観的にはきまっているはずのものだ、その点においては全く同感でございます。
○大出委員 大蔵省の主税局の方お見えになっておりまね。現在の時点で来年度予算の編成が進められております。いろいろなことが新聞の記事になりますが、いまここにたくさんある新聞の中で、私一部持ってまいりました。これは日本経済でございますが、補正なし、かつ財源難だ、自然増収九千五百億どまりという記事で、この中身を読んでみますと、税収の伸びを来年度予算を編成するにあたっていまからずっと計算してみると、どうやら、どう見込んでみても、よく見て九千五百億くらいがとまりである。ところが、どうも来年は増収が一兆円こえる程度見込まれなければ——ここには一兆三百五十億、こうなっておるのですが、このくらいを見越さなければ補正なし予算というものを組み切れない。そこで、しかたがないから、三C増税であるとか、たばこの値上げであるとか、一本五十銭くらい値上げしなければならぬというようなことを書いてあるのですが、それらの値上げを見込んで、そういう意味のつまり収入増をはかって、そうして何とかぎりぎりここに書いてある一兆三百五十億くらいのものを考える。そうすると、このうち、八千八百億円というものが既定経費の歳出増に取られてしまう。ということになりますと、来年の予算規模というものは、圧縮してみても五兆八千三百億前後まで伸びるだろうということになると、どう考えてみてもぎりぎり一ばいの予算なんだ、こういう見通しなんだという書き方なんですね。この中身というものは何かというと、もうすでに補正なし予算というものに大蔵省は腹をきめて取り組んでいる、こう見なければならない中身ですよ。補正なし予算ということになると、人事院の勧告の時期等を考え合わせてみれば、補正なしと前提する限り、この筋からいけば、当初予算に組んでしまわなければならぬ筋なんですね。 したがって、三つばかり分けて伺いたいのですが、いまの時点で来年度予算というものを考えて、補正なし予算になるのかどうかという点と、となれば、当然ベース改定財源というものは当初予算に先組みをされる、こう考えてよいのかどうか、ここのところをお答えいただきたい。
○中橋説明員 税金のほうを担当いたしておりますので、税金の面だけをお答えいたしますが、現在、来年度の税収がどの程度あるかということは、まだ経済見通しがはっきり確定いたしておりませんので、いろいろな想定のもとに試みの計算はやっておりますけれども、まだ確定した数字に至っておりません。ただ、本年度かなりの自然増収——当初の予算と今回の補正予算において、約一兆くらいの自然増収が出たわけでございますけれども、御案内のように、来年は経済環境が非常にきびしくなるということを考えますと、はたして今年程度の自然増収が出るかということになりますと、やや疑問に思います。その程度の現在の情勢でございます。
○大出委員 疑問はあるが、本年の状況を推論をしていけば、新聞が大蔵省の中身をこう書いておりますことがそう当たらずといえども遠からず、一番てっぺんを見越して九千五百億円くらいではないかというふうに大体なるわけでしょう。
○中橋説明員 その記事がはたして正しいかどうか、現在まだ私どもも経済見通しがきまっておりませんから、 いろいろな計算をやっておりますが、かなりの幅を持つ計算をやっておる段階でございますので、現状がはたしてその程度か、あるいはそれより高いのか低いのかということも、この段階では申し上げられません。
○大出委員 予算委員会の関係で総務課長さんがお見えになっているので、補正なし予算を組むのかというここから先の質問は、どうもお立場上お困りになる質問だと思いますから避けますけれども、先ほど田中総務長官がお話しになっておりました中身からいきましても、どうやら補正なし予算というものの考え方で、米価の問題その他を総合的に勘案をして、先に当初予算に五%程度は組んでおこうという趨勢であることには間違いない、こう前提をして実は先ほど来質問を申し上げている次第なんです。 そこで、あわせて一つ承っておきたいのですが、人事院総裁は、先般新聞に、公務員の五%の定員の削減というものについて、ある種の要望的な意見を述べておられましたね。欠員を補充しないでいきたいというようなことを新聞で見たのでありますが、つまり、公務員の人員の削減を考えたいということをめぐって、総裁も意見を述べておられるわけであります。 そこで、私は総裁に承りたいわけでありますが、宮澤構想などというものも背景にありながら、出てまいっておりますのは、総予算制というものの考え方、つまり、簡単に申し上げますと、人件費の総ワクを単価かける人員ということで一定をするという考え方ですね。これは津吉さんお見えになっておりますが、現員現給制だとか定員定額制だとかいうものの考え方、現員現給で組むのがいいのか、それとも定員定額で組むのがいいのかという議論が旧来ありますが、それをいまここでいわれている総予算制、つまり、人件費の総ワクを単価と人員をかけて一定をしておく、そうして新規事業等がどうしても必要であるという場合には、その意味では賃金の総予算ワクを削るというかっこうになる。それから、高齢者の解雇の問題、あるいは一ぺんやめて再採用する形で賃金単価を落とすという問題、あるいは定昇の削減の問題、さらに強力な配置転換という問題もありますが、定員制という問題とあわせまして、こういうもう一つの大きなワクがかかってきているわけですね。まず、これに対して先に結論を申し上げておけば、つまり、ここまで立体的に考えてくるとなると、当初予算に五%組み込むという意図がなおはっきりしてくるんじゃないかと私は思っておりますが、こういったような総予算制という形で、単価と人員をかけておいて、そうして新規事業があれば給与財源の総ワクから出していく、逆に、高齢者その他の人がよけいやめたりすれば、今度は賃金予算総ワクがふえていくというものの考え方なんだそうですけれども、そこらのところをとらえて、総裁のほうは一体これをどういうふうにごらんになりますか。
○佐藤(達)政府委員 前段に仰せられたことは、本来からいうと、ほとんど人事院の所管外のことでございますが、ただ、この間新聞に出ましたことにお触れになりましたから、一言触れておきますが、あの新聞の見解は事務的見解でございます。まず、そのことをお答えしておきます。 それから、事務的見解でありますけれども、私どもがかねがね心配しておりますのは、大出さんも十分御承知だと思いますが、中ぶくれ現象ということでありまして、これは著しいものがある。そのために、また給与の実態のほうにも大いに影響しておることは十分御承知の上であると思いますけれども、あの中ぶくれ現象から見て、かりに将来新規採用をとめてしまった場合にどういうことになるか、長期の人事計画というものを十分頭に置いてやっていただかないと、末々たいへんなことになりますよという心配を私どもも持っておるものでございますから、そういうことが事務的見解として新聞に出たが、その限りでは、一つの見方としては正しい見方だと思うのです。政府もお考えいただいてしかるべきではないかと思います。 それから、後段の給与勧告問題との結びつきの問題は、少なくとも私の個人的見解かもしれませんけれども、気持ちは、きわめて大ざっぱな、先ほど申しましたような基本からきておる考え方でございますから、予算を今度御準備なさる場合に、数字はどの程度の基盤のもとにおとりになりますか、これはいずれにしても将来の見通しの問題でありますから、きめ手になることではないので、先ほど申し上げましたところを繰り返させていただければ、お見込みでたっぷりあったということになれば、きのうも申しましたように、まことにめでたし、めでたしであるし、どうしても足らぬということになれば、その分をお手当てをして追加をしていただいて、勧告は完全に実施していただければいいということで、それだけに実に簡単明瞭な話なのでございます。
○大出委員 この際、もう一つ総裁に承りたいのですが、そう簡単明瞭でないと私は考えるわけでありまして、これはまことに複雑怪奇であると考えておるわけであります。つまり、片や人事院の勧告権については制約を加えないということを言いながら、試案、試案と出される試案の中には、いやでも応でも人事院は勧告できなくなるだろうということを各所に書いておる。しかも、片や予算編成をめぐっては総予算制をとろうとする。それ以上は年間補正をしないのですから、ふやさないんですよということにする。ふやさない。つまり、定員かける単価というか、人員かける単価ということでぴしっと押えてふやさない、こうする。そうしておいて、じゃ一体どのくらいアップ財源を組むのかといったら、五%くらいを見ておく、こういうわけです。そうすると、あればめでたしめでたしというが、初めからあるはずがない。そうなると、これは人事院が勧告しようにも、初めから政府のほうは予算はないぞ、補正はしないぞと言っておる。こういう状態の中で総裁のほうはお仕事をされるわけですよ。そうでしょう。そうなると、そう簡単に単純に——法律が改正されない限り勧告権に何ら支障がないとお考えになっておっても、総合的、立体的に締められて、さて来年度予算がきまるというのは、この臨時国会が終わって、われわれにはものを言う時期はない、一月の初旬になる、こうなっておるんですよ。きまったら、総予算制でこう押えました、アップ財源はこれこれしか見ていない、しかもその裏づけになるものは、さっき私が申し上げた算式のようなものが材料になっておる、こうなると、これはそう簡単に総裁が言うようなわけにはいかない。そんなに政府の皆さんも単純ではない。だから、きわめて複雑怪奇である。だから、表面は単純なことを総裁はおっしゃるけれども、腹の中ではきわめて複雑怪奇であるとお考えになっておるのだが、こういう席ですから、きわめて単純だと言っておるのだと思いますが、だからこそ、総裁がここでうかうかしておるとえらいことになりはしないかということを心配しておる。こう申し上げておるわけです。そう単純に考えていただきたくないのですけれども、なお単純だとおっしゃいますか。
○佐藤(達)政府委員 何も考えずに無邪気に単純だということを申し上げておるわけではありませんので、突き詰めてみれば、結局そういうことに尽きるのではないか、また、そうあるべきではないかということを申し上げておるわけです。
○大出委員 大蔵省の給与課長さんにちょっと承りたいのですけれども、給与課長さんのお立場からすると、少し私の質問はし過ぎのような感じもいたしますけれども、事公務員の給与に関する問題でございますので、お答えのできる範囲でお答えをいただきたいと思います。 先ほど来ずっと御質問申し上げておりますように、当初予算で給与財源の中でのアップ率を見越して五%なら五%組む、こういうことがしきりに言われておりますけれども、それは現実に計算をされるほうの側からすれば、現在の時点でどの辺まで進んでいるのですか。
○津吉説明員 お答えいたします。 先生御指摘のように、世上いろいろ報道はされておるわけでございます。来年度の補正要因をできるだけ最初から予想いたしまして、その時点になって四苦八苦して財源措置を考えるということが相なるべくはないように持っていきたいという方針で、検討はされておることは確かでございます。ただ、その具体的な方法につきまして、おっしゃるように、押え込みの体制であるか、あるいは上のせの体制であるかということはいまだきまっておりません。また、どの方法によっていこうかという点もきまっておりません。
○大出委員 けだし名言なんですが、押え込みの体制か上のせかという新語が出てまいりましたが、私としても、上のせの体制にしてもらいたいと思ってものを言っておるわけで、押え込まれてはたまらぬということで実は質問しておるわけであります。だから総裁、複雑怪奇、きわめてコンプリケートだというものをそう単純に考えられては困る。後世の歴史家が、佐藤達夫というのはずいぶん単純な男だなということになってしまう。(笑声)だから、総裁のほうからも、これはいまから予算の確定までの間に上のせの体制になるように御努力をいただかなければ、私の所管外だなんといって済ましておられたのでは困るのです。私はとくと念を押しておいて、ふたを明けてみたらしまったということになったら総裁にも責任なしとしない、所管外だということは言わせませんぞということを申し上げておきたいわけです。したがって、政策ですから、津吉さんにこれ以上聞くのはたいへん恐縮だけれども、まさにみごとに表現をされたので、その上のせの方向でこれはぜひお願いをしたい。 そこで、田中総務長官にお願いしたいのですけれども、長官は、冒頭に公務員諸君の代表者にお会いになった話をされましたが、これは当初予算に組むだけだ、勧告権というものに触れようというのではないのだ、しかも、それは完全実施をさせようということで当初予算に組むのだということをお話しになっておるわけです。完全実施させようということで当初予算に組む限りは、これは上のせの方向で組んでいただかなければ総務長官の立場がつとまらぬということになる。だから、押え込まれたんでは総務長官としては断固として反対だということにならなければ、給与担当の国務大臣として責任を負えないことになる。そこら辺のところはどうお考えになりますか。
○田中国務大臣 お話が外堀から埋めて大手を攻めるようなお話で、まことにあれでございますが、私は、ただいま申し上げたように、人事院の保護機能、公平機能というものをほんとうに尊重していかなければならぬと考えております。そういうふうなことで、上のせか押え込みか、——そう押え込みというようなことでひねってお考えいただかないで、もう少し皆さんと御一緒に御相談をしなければいかぬ。それで、私どもは、ほんとうに年度途中からくる補正の問題が、経済の硬直化というふうな問題とも関連いたしまして、むしろ十全を期するのに非常に心配だからという、少なくとも私においてはもう善意一ばいで考えておりますから、その点は、当然私も給与担当の責任者として、大いにその辺を調整してまいりたい、かように考えております。
○大出委員 念のために承りたいのですが、高橋衛さんの高橋試案、お読みになっておると思うのでありますが、そういうようなもの、この中身からいきますと、決していま長官の言われるような上乗せという形にはなっていない。つまり、実施時期についていつも完全実施ができない、それはなぜかというと、年度途中で勧告が出るからだ、こういう理由づけになっている。それで、来年の八月に人事院勧告が出るとすれば、それに対して長官の立場でまた御努力をいただかなければいかぬわけですが、そういう意味では、もし来年度は当初予算で組むのだとするならば、いまからその上のせの体制をそれこそ考えておいていただかなければ、人事院総裁の言うめでたしめでたしにはならないわけです。だから、いま完全実施のために当初予算で組んでとおっしゃるけれども、そうならない。そこで、いま長官は、善意で、まことに善意で完全実施をはかるという意味で当初予算に組む、こう言われるわけなんでございますけれども、実は残念ながら、この中身を読んでみると、これはいろいろなところに出てくる。政府の方々が人事院勧告を悪くとれば押えようとしているようにとれる。そこで、私は、長官はこういうものがあることを御存じの上でいま発言をされておると思うわけです。してみると、この高橋試案というもののウエートというものはどの程度にお考えになっておられますか。
○田中国務大臣 それは一つの試案でございまして、おのおのやはりよって立つところの陰があるわけでございます。特に大蔵省、財政関係を主流においてお考えになる方もございましょう。また、地方公務員の自治体の考え方から出た御意見もありましょう。また、労働問題を担当しておる人の御意見もございましょう。そういうことでまだ固まっておりません。もちろん、政府のほうでも関係省でいろいろと検討いたしておりますから、また、その各位のお考え方もだんだんと変わってきておるようでもございますから、どうぞもうしばらくお待ちをいただきとうございます。
○大出委員 私は総務長官のお考えを承りたいと思っているわけなんです。いまのお話によりますと、財政のほうをと、こうおっしゃる。そうしますと、高橋さんという方は、財政の面からものを真剣に考えていらっしゃる方です。前の経企庁の長官ですからね。そうすると、財政の面を代表してものを言っているのは高橋試案である。それから、労働問題をやっている方というおことばがいま出ましたが、それは奥野さんの奥野試案、これは労調ですからね。そこで、奥野さんの言っていることを突き詰めてみますと、高橋さんの案とそう変わらないのです。当初予算に組んでしまって、改定を先にやってしまう、そうすれば人事院は勧告できなくなるというのです。そうすると、いまおっしゃった財政、労働、両方ともそのクロスするところというのは同じところなんです。そのウエートはといま御質問申し上げたら、試案であってとおっしゃる。ところが、世の中に試案でない原案というのはないのですね。宮澤構想、あれも試案なんです。国会であんな大きなことになって、宮澤さんがいろいろとお述べになったが、総理はわが意を得たといった顔つきでにこにこされていただけである。宮澤試案は、ぐあいの悪いときには試案だ試案だといってほうっておいて、その中のよいところだけは取り出して、何とか構想の中にあるこれだというようなことになるわけです。だから、長官、給与担当の大臣なんだから、これをそう簡単にとられて、簡単に試案だなんとおっしゃられては困る。形式的には試案でいい。しかし、実質的に財政を真剣に考えられる方、労働問題を専門に考えられる方、もっとふえんして言えば、人事院が八月勧告をする、四月調査、五月実施と書いてある。そのたびに一〇・二六だちょうちんだとか、抗議ストだのちょうちんだのといっておいて、給与のほうをなぜ見ない。ここではみな適当なことを答弁している。六人委員会の中で、大蔵大臣を除いては完全に支持いたしますと、みなここではおっしゃるのだけれども、腹の中ではもうそろそろこの辺で何とかしなければならないという考えを持っている。そこへこの試案が出てくるということになれば、当然その試案などを足場にして、ぼつぼつ来年の予算あたりからやってみようということになってくる。毎年毎年完全実施、完全実施というようなことでやられなくても済むようにしよう、それは何かというと、押え込みの体制なんです。決して上のせの体制ではありません。そこで、あなた方がこれを試案などとおっしゃらないで、ほんとうに完全実施をする、できなかったらどうするかという問題なんです。当初予算に組むという構想は、完全実施のためだということになり、総裁も、しかたがないから先に予算を組んでおいて、全部あればめでたしめでたし、なければ何とかしてくれなければ困る、しかも勧告権にさわられては困ると言っておる。なぜならば、押え込みの体制だと佐藤さんもやはり受け取っておるからですよ。そこのところをもうちょっと突っ込んで田中さん自身のお考えをお聞きしたい。
○田中国務大臣 非常に重要な問題でございますので、私どももただいま慎重に、真剣にこの問題につきまして検討をいたしております。いまここで田中の意見はごうごうと申し上げるわけにはまいりませんことをお許しいただきたいと思います。
○大出委員 ただしかし、言えることがあるわけです。つまり、いま政府が考えておる当初予算に組むというものの考え方、これはあくまでも人事院勧告を完全実施できないでいままできているから、何とか完全実施をする、いままで年度途中に出されるからできない、だからとにかく当初予算に組み込んでおく、それは何かといったら、完全実施のために——これだけは間違いないですね。冒頭の御答弁です。もう一ぺん答えてください。
○田中国務大臣 そのために努力いたしております。
○大出委員 大体、私は、この国会が終わりまして、予算の大ワク構想がこの十二月の半ば過ぎ、どうせ下旬になるのでしょうが、きまって、一月の初旬にはおおむね予算が編成される、政府原案ができる、こうだと思うのです。そうすると、これから先国会は休会になりますから、論議の場所がない。いまここでいろいろやりとりをいたしておりますが、あとは政府まかせでものがきまっていく、こういうことになる。したがって、これはしかと念を押しておきたいと思うのですけれども、先ほど試案でございますとおっしゃったのですけれども、これらの構想が正面から出てくると、これは決して上のせをして完全実施に持っていこうという体制ではなくなってしまう。だから、そうではなくて、いま長官が言う完全実施ということを前提にしてこれから各般の折衝をやっていただきたい。そうしないと、せっかくいろんな発表をされて世の中を動かして、来年度の予算ではひとつ旧来のような争いのないようにしようということが表に出ているわけですから羊頭を掲げて狗肉にならぬようにぜひ御努力をいただきたい。実はまだたくさん申しげ上たいことがございますけれども、時間の関係もございますので、冒頭にそれだけ申し上げて、ひとつ締めくくっておきたいと思うわけであります。 そこで、私どもは、五月実施を勧告されておるのに、本年もまた八月実施ということにどうしても納得ができない。だから、理事会等でまたいろいろ御相談をいただきまして——政府の原案を拝見いたしますと、八月実施ということで出ているわけでありますから、五月実施という本内閣委員会の四十年の決議に従いまして、先般の委員会等で決議をいたしました完全実施の決議の趣旨に基づきまして、少なくとも院の意思としては、国会という立場からすれば、国会は勧告をされたけれども、これは完全実施ということになる。もし政府のほうが完全実施ができないのならば、できない理由を明らかにすべきであって、国会、衆議院としては、完全実施をしろということを石井衆議院議長から政府に申し入れておくということで、内閣委員会の決議を受けて申し入れておるわけです。となりますと、私は、この委員会としては、与党の皆さんにも御協力をいただいて、これは本来完全実施にこの政府提案というものは修正すべきものだと実は考えておる。したがって、そういう意味で、各党の皆さんにもお願いをして、ひとつ何がしかの案を出すなり、こういうかっこうにさしていただきたいと思っているのであります。 そこで、私は、人事院の皆さんに二点ほど中心点について承りたいことがあるわけであります。その前に一つ念を押しておきたいのは、調査時期につきまして、現在は四月調査、五月実施になっておりますけれども、先ほど八田さんの御質問もありましたように、人事院の過去の歴史上、何も四月調査でなければならぬことはない。過去の勧告の中には三月調査をやっておられた時期もある、あるいは八月という時期もある。そこで、現在の四月調査というものの考え方が一番いいといま思っておられるのかどうか、そこの点をひとつ承っておきたいと思います。
○佐藤(達)政府委員 少なくとも近年までは一番いい時期だと申し上げてよろしいと思いますが、ただ、これも正直に申しますと、積み残しがどうのこうのという話がここ数年来だいぶ起こってまいりまして、そのつど、そういうことになると、あるいは調査時期をもっとおくらさなければならないことになるかもしれませんなというようなことを申し上げたことはございますけれども、そういう意味で、その四月にこだわっておるわけではございません。もちろん、調査時期については年間を通じて一番いい時期という態度で臨んでおります。
○大出委員 調査時期のことについてもう少し触れたいのですが、いまの御答弁でその前提が一つ出てまいります。それは先ほど藤尾さんがおあげになりました国家公務員法の二十八条、ここで五%の変動が一つ基準になっております。つまり、「俸給表に定める給与を百分の五以上増減する必要が生じたと認められるときは、」これが文章上の表現であります。これと公務員法全体をとらえて承りたいのでありますが、当初予算に平均五%組み込んだとかりにいたしました場合に、さらに一歩進んで、そういうことがあるかないかは仮定の論争でございますが、何々委員と称される方々が言っておりますように、給与法の改正までやってしまう、こう動いてきたときに、予算委員会で大原質問に御答弁なさっておりますけれども、少し詳しく聞きたい。お答えは、一%といったら五百円だ、二%といったら千円だ、現在の時点では決してそう小さな額ではない、小さな額ではないから、政府が五%と言ってみても、人事院が調べてみたら七%必要であった、その場合には、残り二%だけでも勧告をいたしますという趣旨のことをおっしゃった、そういう意味に私は聞いたのです。 そこで、一つ承りたいのは、この国家公務員法のたてまえから見て、政府が人事院の勧告を待たずに給与改定をやってはいけないとは確かに書いてない。確かに書いてないけれども、はたしてこの法の予定するところから見て、法意からいって、そういうことを許しておけるのかどうか、どういう解釈をお持ちなのか、少しこまかいですけれども、まずお答えをいただきたい。
○佐藤(達)政府委員 昨日予算委員会でその趣旨のお尋ねがありましてお答えしたのは、いま大出委員おっしゃったように、法律に政府が自主的に独自の給与改定の法律案を準備されることを認めた条文もないし、禁止した規定もない。したがって、それをおやりになったとしても、違法だとか無効だとかいう法律上の問題にはなりますまいと、まずお答えしたわけでございます。ただし、その場合において問題になるのは、この国家公務員法がどういう趣旨から、あるいはどういう精神から人事院の給与勧告ということをお定めになって、しかもそれに対してたいへん力を入れた条文がたくさん出ておるか。それからもう一つは、二十三年の大改正の前とあととのあの沿革からいって、勧告権というものは相当大きな意味を持っておる制度であろう、それとの関係で、かりにそういうことをおやりになるとすれば、しからば何のために人事院を設け、何のために国家公務員法は勧告制度を設けておるかということにからめて、重大な問題性をはらんでおるでしょうということを申し上げたわけでございます。それはそのままここで繰り返してよろしいと思います。
○大出委員 さらに、その点で承りたいのですが政府が人事院の勧告を待たずに給与改定をやろうとした場合に、人事院としてやれるとお考えですか。
○佐藤(達)政府委員 人事院としてというのは、たとえば総理府でそういうことをはっきりと御準備なさるについてどうだろうか。率直に言って、御承知のように、勧告の内容というのは、公労委の仲裁裁定であれば、ワクだけで、あとの配分は当事者でやれというようなことで突っ放す——突っ放すというのは語弊がありますからやめますけれども、当事者の関係にまかしていらっしゃいますけれども、私どものほうは、配分までも一種の団交事項という考え方に立っておりますから、人事院が責任を持って、上薄下厚だとか、手当がどうのこうのというところまで精密にやっておるわけでございます。そういう作業はなかなかむずかしい、なかなか簡単にいくことではあるまいという気持ちはいたします。
○大出委員 そういう技術論争じゃなくて、田中総務長官おいでになりますが、田中総務長官は政府の給与担当大臣ですよ。そうすると、給与担当大臣が人事局長その他に命じて、給与法を改正するんだ、当初予算に五%組んでもらった、したがって、五%引き上げる案をつくりなさい——案をつくって出すこの権限は法律上ありますか。つまり、私どもが野党の立場で、何党か公同提案で国家公務員給与法というものを改正する改正案を国会に出す。予算じゃございませんから、そういう意味の法律は提案権があるはずです。国家公務員法の解釈上——人事院が国家公務員法の番人みたいなものですから言うのですけれども、国家公務員法の解釈上、田中総務長官なり人事局長なりの手元でこしらえて政府が出す、あるいはわれわれの側が予算に五%組んだんだから早く給与法を改正してやったらどうだといって、案を配分まできめて出す、人事院というのは上厚下薄でよろしくない、指定職の甲なんというのは二万円も上げちゃってよろしくないということで出す、これは法律上どうなりますか。出せますか。
○佐藤(達)政府委員 相当これは次元の高い問題に私は触れておられると思うのでありますが、国会がなさる場合と性格はちょっとそこに違うところがありはしないか。国会は、これはもう国権の最高機関でありますから何をかいわんやでありまして、国会がなさることについてどうのこうのと申し上げることは実はあまりないのじゃないかと思いますけれども、政府となりますと、これはもちろん政府は統治機関たる性格もお持ちでありますが、当面使用者たる性格を非常に濃厚にお持ちになっておるわけであります。きのうも申し上げたのでありますけれども、なぜ団交権を否認して人事院に勧告権を現行法がお与えになっているかというと、それはやはり団交にかわるべき中立的な、第三者的な立場から、使用者側に片寄らず、あるいに雇われておるほうの公務員側に片寄らず、中立公正な立場であるべき給与の姿を勧告させることが、高い目から見て最も適正であるということから、勧告制度ができているわけでありまして、当面政府がそれをおやりになるということになりますと、一面においては使用者側がそれをおきめになったという形が表面に非常に出てくるわけであります。そういう点において、国会が直接おやりになる場合と政府がおやりになる場合とは、たいへんアカデミックな言い方をしますが、法律的には、あるいは性格として、あるいは実質的にちょっと違った面が——ちょっとじゃない、相当大きな面が勧告権との関係であるんじゃないか、そういうような気持ちを持ってわれわれはずっとおりましたのですが……。
○大出委員 総裁、それでは困るのです。もう一ぺん言いますからね。この国家公務員法の六十四条をごらんいただきたいのです。ここでは「給与準則」という問題が提起されておるわけです。給与は準則があるわけですから、これにのっとらなければいけないのです。そうでしょう。六十四条は、「給与準則には、俸給表が規定されなければならない。俸給表は、生計費、民間における賃金その他人事院の決定する適当な事情を考慮して定められ、」人事院が決定する適当な事情が前提にならなければ定められないのでしょう。違いますか。「且つ、等級又は職級ごとに明確な俸給額の幅を定めていなければならない。」こうなっているわけですね。どうですか。六十四条からいきますと、生計費調査でございますとか、民間給与比較であるとか、賃金その他人事院がきめる適当な事情を考慮して定められる。かつ、等級または職級云々、こうなっておるわけですね。そうすると、人事院を抜きにして給与法の改定をしようとすれば、俸給表をいじらなければ改定できないですからね。そうすると、この六十四条からいけば、人事院を抜きにしてかってに俸給表をつくって出せますか。そこのところをどう解釈するかということを聞きたい。お答えにならぬから、例をあげたわけです。
○佐藤(達)政府委員 でありますから、先ほど来申し上げましたように、こういう条文もありますように、人事院の立場というものを公務員法そのものが強くここに打ち出しておるということにつながっていくわけだと思います。
○大出委員 だから、でありますからと総裁言ったって、これは明確じゃないですか、この規定というものは。それは高度のことになるからどうも人事院はという言い方をされたんでは、私は困ると思う。人事院の所管事項は法律上明確なんですから。そうすると、田中総務長官のところで、人事局長に、おまえさんのところで、生計費だの民間比較だの人事院が定めなければならないことになっているものを、かってに人事局長のところですぐ試算してやれなんというのでやることができますかと質問しているのです。それはできませんとお答えいただかぬと困る。そこはどうですか。
○佐藤(達)政府委員 これは六十四条から申しますと、文字はそのとおりでございまして、これらのことは人事院の定める調査に基づいておやりにならなければならない、これはもうそのとおりでございます。ただ、この俸給表そのものをつくる、これはきわめて理論的なことを申し上げますと、俸給表そのものをだれがどういう名義でつくるかという問題にしぼっていきますと、先ほど申し上げたようなことにつながるかもしれませんけれども、しかし、結論は人事院を大いに尊重してやるべきだということに尽きるということになるわけです。
○大出委員 そういうことを総裁言われちゃ困るですよ。明確なんじゃないの。「俸給表は、生計費、民間における賃金その他人事院の決定する適当な事情を考慮して定められ、」こうなっている。そうなると、問題は俸給表。総裁が答えているとおりですよ。民間じゃないし、公労協じゃないのだから、団体交渉じゃないのですから、俸給表まであなたのところでつくっちゃう。そうすると、政府が給与改定をする場合に、俸給表をつくらぬで五%上げるのだといって給与法を改定できないでしょう。俸給表までつけなければならないわけです。そうすると、人事院がきめる事情というものは抜きにしちゃって、生計費民間調査、これはできるかもしれない。それだけで改定しなすった場合に、法律上人事院が決定する諸事情というものは抜けているじゃないか。人事院は何も決定していない。こういった場合に、人事院の権限を無効に法律的に剥奪しておかない限りは出せないはずだと私は解釈しておる。そこのところを人事院の総裁がいいかげんにお答えになったのじゃ、一体人事院総裁を何年おやりになったのかわからないけれども、何をやっておったのかと言いたくなる。これは、担当大臣である田中さんがおいでになり、人事院の総裁がおいでになるのだから、お二人の間のことです。これはそこのところはどうなるんだ。田中総務長官はこの項目はどうお考えになりますか。こんなものがあるが、人事院はそれはかまわない、おれのほうでやれる、こうお考えになりますか。この法律をどう解釈されますか。両省以外に関係省はないのだから、何とか言ってください。
○田中国務大臣 私冒頭に申し上げたように、人事院の機能をあくまでも尊重し、政府部内の緊密な連絡のもとに出さなければならぬと考えております。ただいま仰せになりました法理論上の問題は、私まだよく法制上の理論は検討いたしておりませんから、ごかんべんを願います。
○大出委員 それは田中さんわかりますよ。おかわりになったばかりですからいいのですけれども、先ほど、私がだからこそ冒頭に、試案ということではあるけれども、先に給与改定をやってしまえという意見が方々から出ている、労働関係のほう、財政のほうから出ている、こういう時期に、それはできないのだということを明確に早くしてもらわないと、世の中騒ぎになって困る、と私はさっきから総裁に念を押して聞いているのですけれども、そこのところだけははっきりしていただかぬと、これは野放しであると、政府はかってに予算をこしらえるわけですから困るので、もう一ぺん答えてください。
○佐藤(達)政府委員 昨日から申し上げておりますように、私どもとしては、決してそれがけっこうでありますというような趣旨のことは一言半句も言っておらぬのであります。ただ、純粋の法律解釈としては、私どもとしてはやっぱりフェアプレーの原則に立って、法律の純理としてあるべきところ、文字解釈として出てくるところ、それは率直に申し上げておいたほうがいいので、それは申し上げただけで、たとえばいま御指摘の六十四条にしたところで、その俸給表は一体だれがつくるかということは書いてないわけですから、それはやはりそうなっておるということだけは申し上げて、しかし、それはたいへんな問題になる、たいへんな根本問題につながることでございますということで、そういうことについて、われわれとしては大きな疑問を持っておるということを申し上げておるのでありまして、何もお話の筋には抵触はしない。
○大出委員 くどいようで申しわけないけれども、人事院が決定する適当な事情を考慮して定められるとなっているでしょう。人事院が決定する、こうなっているでしょう。そうすると、たとえば人事院が政府のほうから言われたからというので、私のほうはこう決定してこういう事情だ、これを入れてつくってくれと言われればこれは別だ。この法文の解釈からいけば、そんなことはできないでしょう、人事院の権限なんだから。そうすると、政府がかってに給与法を改定して出してしまうということはできないと私は思っている。そこのところはどうなんだと質問しているのです。どうなんだ。そこのところはどうなりますか。事人事院の勧告権の中心問題なんです。そうでしょう。
○佐藤(達)政府委員 いま六十四条が御指摘の条文でありますから、六十四条をそのまま見ればおっしゃるとおりになっているのです。ただ、その俸給表はだれがつくるということは書いてないということを申し上げただけの話です。このとおりであります。
○大出委員 ということであればいいのです。このとおりだ。俸給表はつくらないことになればそれでいい。つくらなければ出せない、そういうことになる。これだけはひとつがんとして、それこそ後世に佐藤達夫ありきになるようにがんばっていただきたい、こうぼくは思っておるのですよ。実はここだけ念を押しておきたいから、田中さんのおっしゃっているように、外堀から話してきた。これは内堀なんですから、これがやぐらの上なんですから、そこだけははっきりしてくださいよ。これは本丸だ。 ところで、あと二つだけ簡単に承ります。 一つは調整手当の問題でございますが、この調整手当は、鎌田さんもおいでになりますが、津吉さん、大蔵省の給与課長さんに伺いたいのです。 大体、いま予算上一体どのくらいのところをお出しになっているかという点です。たとえば、自治省なら自治省の立場、あるいは政府の立場がありましょうけれども、きのうの地方行政委員会では、人事院が規則をお出しにならない、規則で地域区分をお出しにならないから、自治省としては、この中身、ここにございますが、この人事院規則の大体このとおりに、別表第十ですか、これにあります地域区分のとおりに大体算定をして、予算をお出しになっているという答弁になっているはずでありますから、まず個々に承りますが、鎌田さんのほう、それでいいでしょうか。
○鎌田説明員 予算と申しまするより、地方団体に対しまする給与改定原資の財源計算、交付税でやっておるわけでありますが、その中で四十二億、現在の暫定手当支給の全地域に三級地は乙、四級地は甲、こういうふうに計算して四十二億というふうに計上いたしております。
○大出委員 そうすると、人事院が規則をお出しになりませんから、これは大蔵省の課長さんに承りたいのですが、いまのところ、そういう組み方をして出したからといって、これはやむを得ないんじゃないかと私は思っておるのですが、幾ら減らせ——人事院勧告の表街道があるからとおっしゃっても、じゃその表街道に基づく規則はどうなっているのかといったときに、ないのですからね。そうすると、自治省のように、目安として現在きまっている暫定手当支給地域、ゼロ、一、二級地を除く三級地、四級地を中心に予算をおおむね算定せざるを得ないのじゃないかと思うのですけれども、そこらどういうふうになってますか。
○津吉説明員 まことにむずかしい御質問でございます。予算は文字どおとりあらかじめの算定で、ありまして、おっしゃいますように、人事院のほうで調整手当の支給地域区分を甲、乙支給地というふうに規定されません限りは、確定的にそれぞれの調整手当がつくということの対象はきまらぬわけでございます。したがいまして、めどといたしましては、一応これまで承っております人事院の既定方針をも考えさせていただきまして、おおむねのめどとしては、現在の支給地域区分というものをめどとせざるを得ないというふうな進み方をしております。
○大出委員 そうすると、たとえば七・〇、七.一、七・二といってみても、やはり現在の支給地域区分というものが中心となれば、そう大きな開きはどっちにしてもない。まあ、めどとしてという意味ですね、いまのお話では。めどとしては、現在の支給区分どおりを多少のズレはあってもめどにしておく以外にない、こういうことですね。そこだけひとつ明らかにしていただきたいわけです。 それから、自治省にあわせて伺いたいのです。何で調整手当などというものを給与法の附則のほうに持ってきたのか。私は非常に心外なんだけれども、いままで私がここで自治省の皆さんに質問すると、準ずると書いてあっても、法律的には違うのだ——鎌田さんが言ったかとうかわからないけれども、私は始終突っぱねられておる。ところが、今度は調整手当となったら、地方自治法の一部を次のように改正する、これは自治法二百四条か何かでありますが、明示規定があるから自治省は明示しなければならない。自治法上は、それ以外には条例制定ができない。だから、自治法の二百四条を改正しなければ調整手当というものは出せないんですよ、地方自治体は。だから、どっちから考えたって自治法を改正しなければならぬ筋合いです。今度は逆に、準ずるのだからといって持ち込まれても、これはこの前答弁したのを取り消してもらって、たまにはこちらから準ずるのだからしかたがないと言ったら受けてもらわなければ困る。そこらはどうなんです。
○鎌田説明員 給与法の附則で自治法の附則を改正いたしましたのは、実は先例がございます。昭和三十二年に、当時の勤務地手当を暫定手当に振りかえました際に、同様に給与法の一部改正案の附則で自治法の附則を直した、こういう実例があるようでございます。 それから、事柄の内容ということになるわけでございますが、これは立法技術ということになるわけだろうと思うのでございますが、おっしゃいますように、地方自治法の一部を改正して、附則第六条の二でございますが、ここで調整手当を当分の間出せる根拠規定を設ける、それだけの単独の法律を出すというのも、確かに一つの方法であるわけでございますけれども、事柄が調整手当にちょうど共通してと申しますか、給与法で調整手当を出すという根拠が与えられておるわけでございますので、それにまさに準じてということになるわけでございますが、一般職の地方公務員についても調整手当を出せる。そこのつながりということを考えまして、附則で措置をいたした、こういう経緯でございます。
○大出委員 まあ早い話が、私はこう受け取りたいのですよ。三年間の勧告の表街道はすでにくずれまして、これを読んでみると、附則の17に「人事院は、この法律の施行の日から起算して三年以内に改正後の法第十一条の三に規定する調整手当に関して必要と認められる措置を国会及び内閣に同時に勧告することを目途として、同法第二条第六号に規定する調査研究の一環として調整手当に関する調査研究を行なうものとする。」こうなっておりますね。三年の暫定で検討して成果を発表しろ、こうなっておる。また、三年経過して調査研究発表となっている。人事院の表街道はちょっとくずれる。つまり、これまた暫定措置だ。暫定措置だから、大きな自治法改正で地方行政委員会へ持ち込まないでもいいじゃないかということだったのだろうと思う。ほんとうのところはこの辺のところじゃないですか。
○鎌田説明員 立法技術ということでございまして、いまおっしゃいましたような気持ちがあることは事実でございます。
○大出委員 よくわかりました。 そこで、人事院にちょっと承りたいのですが、さっき自治省のほうも、人事院が規則で地域区分を出さないから、現在ついているところでやるよりしようがないじゃないかということで予算を出しておられる。今度は法技術的にも、本来自治法改正に持っていくべきものだ、明示規定で手当は明示されているのだから。けれども暫定で三年間だから、こっちに突っ込んで附則でこうなっておる。大蔵省の給与課長さんのほうは、ないのだからしようがないじゃないか、いまあるのを目途にして出すよりしょうがないじゃないか——みんな暫定です。そうなると、大体すべて暫定でというなら、人事院もすなおに現在のゼロ、一、二級は底上げだ、三、四級地が残るが、甲、乙が今度できるのだから、四、三を甲、乙に——それは大出君の言うことはけしからぬと言うなら、あなたのほうで人事院規則でこうきめましたと案を出していただきたい。初めここで論議しておかぬと、あとは国会がなくなってしまう。だから、ここでいま三、四とくっついているところをまた三年間の暫定だというので世上に乱を起こす必要はない。そうなれば、横すべりということばは悪いけれども、当面しかたがないということで、三年間こういうことにせざるを得ぬと私は思う。そこらあたりどうお考えになりますか。もしそれをけしからぬとおっしゃるなら、ひとつ案を出していただきたい。
○佐藤(達)政府委員 勧告のあとに、当委員会ではどうか記憶がございませんけれども、他の委員会等においてこの点についてお尋ねがありまして、そのときお答えいたしましたのは、甲は四級地の中から、乙は大体三級地の中から、民間賃金、物価、生計費等のデータに従って選ぶ、したがって、落ちるものもあり得るということを御説明申し上げてきたわけです。これはその後ずっと検討を続けておりますけれども、やはり事務的、技術的とでも申しますか、そういう次元からいいまして、やはりそういうことになりはせぬかという見通しがありまして、それはまたいま現につとめておるわけでありますが、しかしながら、いまいろいろお話が出ておりますように、あるいは政府側の御意向なり、あるいはそれよりも、国会としてそういう点の扱いについて何か明白な御意思の御表明でもあれば、これはまた次元の高い別な角度からのお話でありまして、それはまたそれとしてわれわれ十分尊重していいのじゃないかという気持ちは持っております。
○大出委員 となると、これは法律できめてくれという人事院のお話なら、これはまた別だ。そうではなくて、規則できめるとおっしゃっている。勧告の中ではそうなっている。そうすると、規則できめるのだけれども、給与法にひっついてやるのですから、国会で論議しないわけにいかない。そうすると、この委員会のあと、総務長官もおいでになりますけれども、担当委員会としては委員会はちょっとないのですよ。臨時国会は予算が通っちゃうから。そういう意味では、これは最後の場所だと私は思っている。そうすると、ぼくらが検討のできない時期になってきてから規則をお出しになるとすれば、出した中身は全国たいへんな混乱をするのだということになると、国会に議席を持っている人間は審議に対して責任を負えませんよ。そういうものの考え方を私が言ってはいけないとおっしゃるなら、この委員会に少なくとも参考資料として、人事院規則の地域区分というのはこう解釈いたします、それは都市別、地域別をとってみたらかくかくの事情がございましたからということで、資料をお出しになるべきです。それが出てない。何にも出てないで給与法を改正する。しかも改正の中には、附則にちゃんと三年という暫定措置が組んで出してある。出しておいて、中身がないということ、しかもそれが変わるということであるのに、それは審議の上に出さぬというのじゃ通りませんよ。これは世の中の筋です。国会に議席のある方々が全国からたくさん出ておられるのだから。そうなると、これは合理的にきめられたものになってきている以上は、現状変更の必要がある、そういう場面もあるでしょう。あるでしょうけれども、三年の暫定措置ということなんですよ。しかも、それだけに人事院規則の案は間に合わない。それに伴う資料もないわけだ。変更についての理由が明白になっている資料もない。そうだとすれば、われわれとしては、暫定措置であるから、おそらくそういう措置をおとりになったのだろうと解釈せざるを得ない。人事院勧告の表街道は暫定措置じゃないのだから。そうでしょう。それを暫定とされた人事院の立場としては、という気持ちがおありになるはずだと私は思う。そうだとするど、この委員会としては、やっぱりこれは暫定措置と受け取って——資料もない、地域区分の新しいものもない以上は、しかも、予算も皆さんそういうふうに見当つけて組んでおられる、大蔵省も目途とすることはやむを得ない、こうおっしゃっている限りは、財布の口のほううでそうおっしゃっているならば、暫定措置ということによって自治法の改正があっちに入っているということですから、現行というものもやはり尊重をして、ゼロ、一、二級は底上げをする、三、四級というのは甲、乙、こういうふうに解釈せざるを得ない。そこから大きく変わるようなことをされては私は困る。おまけに、産炭地なんというものは、石炭山なんか変わってきた、こう言うけれども、産炭地振興ということで一生懸命やっているわけだから、そういうことを言わないで、ひとつこの際あっさりと三、四級地を甲、乙に持っていく。そして新しく事情の変更等があって、その周辺等で、たとえば横浜の平塚だとか大都市の周辺について、どうしても何とかしなければならぬところは、官署指定という方法が残されているのですから、それを次期の報告なりあるいは勧告なりというところで人事院が措置することもできるし、人事院に申し入れて各省は措置することもできるのだから、そういうふうに埋め合わせをしていって、既得権というものを考えた上で、合わないところについては、現状変更については官署指定をとりあえず使って矛盾を埋めていくということにして、早く三年間に合理的なものをおつくりいただく。これが勧告の趣旨を変えてこう提案されておる中心ではないかと私は思っておる。私はそう考えたい。そこのところを、権限は違いますけれども、総務長官からも何かひとつお話をいただきたい。
○田中国務大臣 その問題につきましては、私のほうも実は非常に苦慮いたしておる次第でございますが、いまの詳細な点につきましては、担当のほうからお答えいたさせます。
○栗山政府委員 調整手当の支給地域の問題でございますが、御承知のように、ただいまお話がございましたように、人事院規則で指定するとされております。また一方におきまして、従来の暫定手当につきましては、第一段階分の整理繰り入れを行なうということになっておるのであります。したがいまして、その指定は従来の暫定手当の地域と一応別個の考え方によることとなろうかと存じますが、しかし、人事院が地域指定をなさるにあたりましては、暫定手当制度からの移行がなるべく摩擦が少なく行なわれ、かつ、将来にわたって制度の不安定を来たすことのないように思慮されることが望ましいと考えております。
○大出委員 これは総務長官おかわりになった早々で恐縮なんですが、大ざっぱに押えておいていただきたい。 もともと理屈を言いますと、私は暫定措置に根本的に不賛成なんですけれども、これはひっくり返してしまおうと思えばひっくり返せる、勧告どおりやってないということなんだから。そうでしょう。勧告どおりやらない提案を政府はされたのだから。そうでしょう。勧告どおりやっていないのですよ。勧告ならば、三年の暫定措置なんというのは出てこないはずなんだ。そうなれば永久的なものだから、そう簡単にいきません。いきませんが、三年間ということにして、しかも底上げのゼロ、一、二級を入れる入れ方というものは、これは三年間で入れるようになっておるそうでしょう。そうだとするならば、しょうがないのだ。どこから考えても、私が理屈を言ったってしょうがない。これは暫定措置とあわせてゼロ、一、二級の底上げというのは、四十三年の一月に五分の一、四十三年の四月に五分の二、四十四年の四月に残りの五分の二、これで五分の五になります。これが全部本俸に入ってしまうのですよ。これが三年なんだ。そうすると、その間、そこから先が甲、乙の問題なんだ。そうだとすると、やはりこれは暫定的にはこういう出し方をおやりになるなら、しかも予算的にも目途がそこにあるなら、それはやむを得ない。だから、それであるとするならば、おおむね内閣委員会という衆議院の担当委員会の多数意見に従っていただきたい、私はこう考える。旧来のいろいろな御発言を聞いておると、大体多数意見はそういうことだ。だから、それを尊重する、こう進めていただきたいと思いますが、いかがですか。
○田中国務大臣 ただいま御意見がございましたが、私どもも、その点につきましては十分関心を持っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○大出委員 どうも気に食わぬ答弁で、田中さん、それでは言うけれども、あなただって下関できのう公務員共闘の議長以下と交渉されたときに、下関はどうなるかとあなたはたいへん心配しておられたそうじゃないですか。そういういいかげんな答弁をされないで、それ一つ変わったって平地に乱が起きるのですよ。これは言いたくないけれども。ここまでくれば、尊重するということで、多数意見をできるだけ尊重する。それだけやって、あれがないのだから審議しようがない。そうしてくださいよ。
○田中国務大臣 ただいま御指摘いただきましたように、私のほうでも、現にそういうふうな下関の問題等もございまして、実は個人的にも心配いたしております。この問題は、ひとつ十分に御意見を拝して、人事院のほうでお考え願いたいと思います。
○大出委員 人事院は尊重すると言っておるのですから、いいです。 それでは、あと一つだけ承りたいと思いますが、人事院総裁、さっきちょっと忘れたのですが、国家公務員法六十四条というものをあなたは先ほどのように御解釈になるならば、きのう予算委員会であなたが御答弁になりました、政府が五%先に給与を改定してしまっても、残り二%だけでも勧告しますとおっしゃったが、それで、ぼくはさっきああいう質問をした。そういう事態はないはずなんです。これだけはひとつ頭に入れておいてください。きのうの総裁の御答弁の中に、政府が先に五%の予算を組んで、給与を国会でやってしまったらあれだけれども、残りの二%というものは、一%五百円で、二%千円だから、二%でも大きな問題だからほうっておけない、だから、人事院は勧告するようになるでしょうとおっしゃっておるが、その根っこの五%先に改定されるというようなことを認められると第一困りますから、さっきの御答弁に従って、そこのところだけは念を押しておきます。御答弁ください。
○佐藤(達)政府委員 それはよくわかります。きのうの発言は、しかし、政府が独自の案を出された後の問題として私は全然お答えしておりませんから、これは順序をごらんになればすぐわかることです。およそ抽象的に五%を割った場合ということで御了承願わないと、これはたいへんなことになりますから……。
○大出委員 くどいようですが、これはたいへんな問題だから、ひとつそこのところは、かってに政府に出させるようなことはしないということになるはずなんですから。いまの御答弁はそういうことになります。 最後に、一つ標準生計費問題だけ承りたいのです。これでおしまいですが、人事院の標準生計費のとり方ですが、この勤労者あるいは全世帯、こう分けまして、この人事院の資料には説明がついてない。片方東京、片方令世帯、こう書いてあるだけです。これは一体どっちをとったわけですか。この人事院の資料の四というところにあります。これは三八ページ、一三表の中には、十八歳の独身男子標準生計費が書かれております。それから三九ページ、表一四、このうちのその一は東京、その二は全国、こうなっておるわけであります。これがしたがって全世帯の生計費と勤労世帯の生計費があるわけです。どちらをおとりになったのか、聞きたい。簡単にお答え願いたい。
○尾崎政府委員 全世帯をとるか、勤労者世帯をとるかということにつきましては、いろいろ検討をいたしておるわけでございますけれども、東京における従来の生計費につきましては、全世帯をとっておりまして、その関係につきましては、ことしの場合も同様にしています。
○大出委員 東京の場合をとっている。そこで、いまの段階は三十九年ごろから変わってきているはずでありますが、それ以前は全世帯のほうが低くて、勤労世帯のほうは高かったはずであります。その時代、ずっと人事院は低いほうをとってこられた。最近の傾向としては、東京あたりは全世帯のほうが高くなっているはずです。変わってきているはずです。逆になっているという点と、もう一点、おそらく皆さんのほうはこの普数階層と称するものをとっておられると思いますが、これと平均値との差というものは、旧来二割くらいございました。今日でもそうであるのかどうか、その二つだけお答えください。
○尾崎政府委員 全世帯の場合と勤労世帯の場合で、どちらが高いかという点は、一がいには言えないわけでございます。東京の場合におきましては、全世帯のほうが最近高くなってきておるという点は確かでございます。 それから、第二点のいわゆる平均値という場合と、普数階層という場合、いわば通常の生計費の関係での比較は、大体御指摘のとおり二割程度になっているというふうに考えます。
○大出委員 これは、先ほど問題になりました六十四条に、「生計費」ということが書いてありますから、法律上どうしても人事院は生計費を取り払うわけにはいかない。ところが、生計費は旧来全国が二割くらい低い、こういう時代があったのですね、三十五年、三十六年、三十七年くらいに。その時代に低いほうをとっておられる。今度はもう一つ平均値のほうからいきますと、平均値のほうが二割ばかりこれまた普数階層より高い。ところが、その低いほうをとっておられる。だから、これを私どもの言うような意見に基づいて算定をすれば、人事院の給与勧告は間違いなくもっと上がってくる。これだけを指摘申し上げておくだけで、時間がありませんから、私は言いません。つまり、そういう大きな矛盾があるということ。かといって、とってしまうわけにいかない。法律上に「生計費」というのがあるから。そうなると、それはどこに妥当するかというと、十八歳の独身男子、そこへいってしまう。そうなりますと、到達年数からいくと、行二は八十五歳にならなければ六万円の平均世帯になりません。そういう状態にあります。これは到達年数からいくと、べらぼうに低過ぎるわけであります。たとえば初級試験に合格した方の場合、一人世帯十八歳の独身男子、八等級の二ですよ。そうなると一万八千四百円です。これはゼロ年です、入った初任級だから。ところが、二人世帯になると、標準生計費は三万二千四百二十円ですから、そうなると、これは六等級四号三万三千四百円、これが俸給ですよ。それまでに十三年勤続して、もう三十一になってしまう。三十一にならなければ女房がもらえない。それから三人世帯の場合には、標準生計費は四万四千二百二十円ですから、俸給に妥当するところをさがせば五等級六号四万五千四百円、勤続年数で十八年、三十六歳になってしまう。三十六歳にならなければ子供一人つくれない。四人世帯の標準生計費は五万三千四百八十円、だから、俸給に妥当するところをさがせば五等級十号の五万五千円、二十二年勤続の四十歳、四十にならなければ四人世帯になれない。私も四十のときには四人世帯をはみ出してしまっているわけですから、これはたいへんな人事院勧告に基づいた給与だと言えます。五人世帯の標準生計費六万一千十円、妥当するところをさがせば五等級十三号六万一千三百円、二十五年勤続の四十三歳ですね。私の年齢ぐらいです。冗談じゃないですよ。これが二十五年勤続、こういうことになっているわけですから、だから標準生計費というもののとり方の問題です。 そこで、私が申し上げたいのは、今回のこの改定の政府案を見てみますと、八等級の一、二、三号なんというところは、上がったのは八百円ですよ。そうでしょう。そうなると、これは指定職の甲乙なんて二万円も上がったところがあるのですから、あまりと言えばあまりだという感じがする。それから、これは十八歳未満の中卒の十五歳の方がって入ってきている。そうすると、これは行二のほうの大体三号くらいでしょう。こちらのほうもずっと八百円くらい。さっき総裁がいみじくもおっしゃった。これは総裁に聞きたいのだが、もう大ワクがきまったからと突っぱねて、あとは団交で当事者双方で話せということになりますから、一律アップということで、十八歳、つまり高卒初任給一万七千三百円、こういうところを上げてきたわけですよ。いまの生計費をつまり十八歳で押えたところに問題がある。古いことを言って恐縮ですけれども、創設当時の二十三年十二月十日の人事院勧告、このときの生計費というものは十五歳をとっていた。十八歳ではない。十五歳程度となっている。これはなぜかというと、中卒を頭に入れているからですよ。そうなると、これは明らかに矛盾なんで、こういう一番下の苦しいところは、十五歳だっていまちゃんといなかから出てきて、単身世帯を張ってやっているんですよ。郵便局の郵便配達だって十五歳だらけですよ。農林だってそうですよ。だから、そういうことを考えると、下のほうはもう少し底上げをしなければ気の毒だ。これは分布人員からいって、八百円というところは二百五十人くらいしかいないのですよ。そうだとすると、そのくらいのところは二千万円くらいしかかからないのだから、なぜ上げておいてやらないのかという気がする。これは私はほんとうに与党の皆さんにお願いをして、二千万円くらいでそういうところが救われるなら、最終的にこれは修正してでも上げたいくらいです。これはあとでほんとうに持ち出しますよ。 それから、先ほどの調整手当でございますが、調整手当くらいは、施行がその月の一日なら一日ということになってはおりますけれども、こういうものをせっかくやるんだから、八月実施くらいに持っていってやってくれれば、一応皆さんは気が済んで喜ぶはずだ。これで金が二億くらいよけいかかりますけれども、そのくらいのところは、やはり人事院もう少し考えてやってもらわぬと困ると思う。これは最後のほうは、もう法案が出てきているから、なかなかそう簡単に言わないでしょうけれども、これだけつけ加えまして、あとの二点はまたあらためて相談をしていただきたいと思います。 それからなお、最終的に五月実施ということをこの委員会の決議として、黙っていられないという気がいたしますから、そこらのところは、ひとつあらためて場所をいただきまして、まだきょう通るというわけではございませんから、話をさせていただきたいと思います。くれぐれも先ほどの本丸のところはがんばってくださいよ。後世の歴史家の評価の問題にかかりますからね。 これだけ申し上げまして、終わります。
○三池委員長 鈴切康雄君。
○鈴切委員 いま、大出さんのほうから詳しくいろいろありましたので、公務員給与の改定にあたって、基本的な考え、姿勢について簡単にお伺いしたいと思います。 まず、過日、本会議で佐藤総理は、答弁で、本年は八月実施をしたので、一歩前進である、誠意をくんでもらいたいというふうなお話がありましたが、人事院勧告の完全実施をたてまえとするならば、総理の答弁の「誠意」は、私は非常に疑義があると思うわけです。財源がないから実施できないとするのじゃなくて、完全実施するには、前提としてどのように財源を捻出すべきであるかということについて、田中総務長官にお伺いします。
○田中国務大臣 本件は、人事院勧告に基づきまして、関係閣僚会議におきまして慎重検討いたしたのでございますが、何ぶんにも財源の確保が困難であり、また財政硬直化というようなことから、政府といたしましては、できる限り勧告に対して沿いたいという熱意から、九月を八月に実施すると、こういうように相なったわけでございまして、その辺の経緯は鈴切先生よく御承知のとおりでございます。
○鈴切委員 人事院総裁は、勧告を出された立場で、ちょうどあの場所に同席をされておったわけでありますが、人事院総裁、あの首相の答弁をお聞きになって、人事院総裁の御心境は、いかが思いますか、この点……。
○佐藤(達)政府委員 過日の本会議で、私も答弁を聞く機会を与えられたのでございますけれども、要するに、ことし、従来は九月でございましたのを一月、八月まで繰り上げていただいた、そのことに関する限りは、やはり率直にこれは評価申し上げて、その努力に対しては敬意を表さざるを得ないと、これは思います。思いますが、申し上げるまでもなく、私どもの勧告はやはり五月実施ということをうたっております。いわんや。きょうから、国会で御審議をいただいておるわけでございます。われわれとしては、この念願を決して捨てておるわけではございません。何とぞ御好意ある御裁断をということになるわけでございます。
○鈴切委員 いま田中総務長官から、給与にあたって今年度も財源がなかったからとか、あるいは景気過熱を理由にされているわけでありますが、その点は、公務員の給与に対する政府の考え方が私は間違っているのじゃないか。その点についてどうです。
○田中国務大臣 公務員の給与に関しましては、同じ政府の職員としております者といたしまして、これを一方的に圧迫すればいいとかなんとかいうことは毛頭ないのでございまして、そういう点では誠意をもってこれに当たっておる、こういうことだけはどうぞ御承知おき願いたいと思います。
○鈴切委員 人事院総裁に。勧告の原則は、一つは民間給与との比較、生計費の実情の二つを中心として、もう一つは、配分は職務の種類と責任に応じてきめる、こうなっているわけですが、一番目の民間給与との比較、生計費の実情の二つを中心とする中において、公務員給与は主として民間給与との比較できめられておるわけです。生計費の実情については、給与決定にあたっては十分織り込まれていないように私は感ずるのですが、そういうふうな状態でありますと、結局は勧告では、昨今のような物価上昇期にあたっては、実質賃金は引き下げられるように思われるわけでありますが、その点について……。
○佐藤(達)政府委員 おっしゃいますとおり、私どもの比較の対象は民間給与を主としております。ところで、その民間給与の中には、大体物価あるいは生計費も織り込まれておるということは事実でございまして、賃上げの場合の交渉におきましても、組合側は、物価が上がったから、生計費が上がったからということを理由として賃上げの交渉をされて、その結果妥結した額が大体民間給与と申し上げてよろしいわけであります。その限りでは織り込まれておる。したがって、私どもは、表向きは民間給与との突き合わせを基本としております。ただ、いまおことばにありましたように、先ほどの御質問にもありましたように、生計費は勧告にもうたってあります。これはないがしろにはできない。したがって、この生計費をどのように使うかということにつきましては、初任給の決定に際してそのささえにする、あるいはまた各配分の際に生計費を十分見ていく。たとえばことしの勧告で申し上げますと、世帯形成時というようなところに当たる年齢層のところに相当手厚い考慮をいたしましたが、それらもやはり生計費と見合った上で手当てをしております。こう申し上げてよろしいと思います。
○鈴切委員 次に、公務に類似する職種の官民給与の比較にやはり私は問題があると思うのですが、公務員の出先機関の課長と民間の上級係員との比較とか、あるいは経験年数や学歴等を同じにそろえた比較ではないので、民間との同一比較であるならば、公務員の給与はもっと支払われなければならぬのではないかと私は思うのですが、その点いかがですか。
○佐藤(達)政府委員 私どもの給与勧告に伴いまして、官民比較の際の対応の職種というものも公表申し上げておるわけでございます。それをごらんになりますと、たとえば係長対係長というふうにごらんになりますと、ここのところはちょっとずれておるじゃないかという御批判もございますけれども、私どもは職務そのものをとらえては正確な判断はできませんので、実態をとらえまして、部下が何人というようなことで比べておりますものですから、ちょっとごらんになりますと、ずれておるような御感想はごもっともだと思いますけれども、実態をとらえて私どもとしては適正にやっておるつもりでございます。
○鈴切委員 人事院から都市手当が勧告されて一歩前進はしたわけですが、これがいつの間にか政府部内にいって調整手当になった。その調整手当になった理由についてお伺いいたします。
○田中国務大臣 この点につきましては、たとえば都市と農村との地域格差というふうなものを是正したいというのが政府の気持ちでもございまするし、また国の方針でもございます。さらにまた、都市だけを都市手当という名称のもとに優遇したというような印象、感覚を受けますことも、また考えなければならぬ、こういうふうないろいろな配慮から御相談をいたしまして、こういうふうになったと存じます。
○鈴切委員 将来のこともありますので、人事院は中立的な立場からの観点から、人事院総裁にお伺いしたいわけでありますが、都市手当の支給の対象となっておる甲地、乙地の指定の地域区分は、うわさによれば、昭和二十七年につくられたものそのままを適用するということになれば、私は、実に実情に沿わない点が出てくるのではないかと思われるわけです。最近の都市周辺の急速な発展に伴って、当然指定地に入れられなければならないという、そういうところが指定地に入れられないというような状態になっておる不公平を生じてくると思うわけです。 そこで、例をとってみますと、たとえば東京都の周辺においては、日野市とか清瀬町あるいは久留米、所沢、与野、草加、志木、大和、戸田、柏、我孫子、取手、平塚、茅ケ崎、相模原、厚木に勤務する者は、それが東京都から通勤する者であっても、もしそういうふうなことを基準とするならば、全然都市手当が支給されないという矛盾が生じてくるわけです。同様に、東京都から浦和市、川口市、あるいは大宮市、蕨市、千葉市、市川、船橋、松戸、藤沢の一部に勤務する者は、都市手当は三%しか支給されないことになるわけであります。これはもちろん京阪神地区、東海地区においても同じだと私は思うわけですが、もはや、いま例をあげましたのは、東京都という一つの大きな、東京都圏という考え方に立ったならば、そういうことについても、私は、十分配慮をされなければならない、こう思うわけでありますが、その点について。
○佐藤(達)政府委員 御指摘の点は、一つの問題点でございます。私どもといたしましては、これは法律にも条文が出ておりますが、周辺の官署というものを指定することによって、ただいま御心配のような点の合理的な調整ができると思いますので、一々どこがどうということは申し上げかねますけれども、そういう御趣旨を尊重して、官署指定の方法で調整をできる限りやっていきたいというふうに考えております。
○鈴切委員 調整手当の算定の基礎でございまが、それは、本俸プラス特別調整額プラス扶養手当に甲地は六%並びに乙地は三%加えられるわけでありますが、そういうふうになってきますと、ますます高級の公務員のほうの割合が非常にいい、そして低額所得者はほとんど恩恵にあずからないという、そういう矛盾点があるように思い、ますます上厚下薄のような感じを受けるわけでありますが、その点について。
○佐藤(達)政府委員 いわゆる管理職手当、超勤手当との関係がよく御心配の種になっておるわけでございますけれども、これは結局、計算の順序がどの段階でかけるかという問題でございまして、超勤手当の計算の場合にも今度の調整手当も入りますから、結果においては同じことになるわけでございます。
○鈴切委員 民間給与の実態調査が四月末現在で行なわれ、公共企業体職員の給与改定が仲裁裁定によって四月から実施されているわけであります。当然、公務員の給与も、そういう民間給与を比較するならば、理論的に言うならば、四月から実施というふうにならなければならない、私はこう思うのですが、その点について。
○佐藤(達)政府委員 その点は、最近になりましてから御指摘を受け始めた問題でございまして、私ども別に五月が絶対に正しいと思っておるわけでもないわけで、最近、なるほど四月説というのも一理あるなあというところまで謙虚な気持ちになって動いてきておるわけでございます。しかし、五月をこの際改めて四月にいたしますという段階まではまいっておりません。
○鈴切委員 財源措置として、先ほども話がありましたので、重複してお聞きすることも考えられるわけですが、国家公務員と地方公務員に対する国の交付金は全体で約一千百億あるわけであります。そうした場合に、いまいろいろ財源措置に対しての考え方として、一案としては予備費が五%、あるいは五百億というふうなうわさが立っておるわけでありますが、そうした場合に、たとえば当初予算で五百億なら五百億を組むとすると、それを完全実施するための土台の前向きの姿勢であるが、また、そういうふうなことが行なわれた場合に政府は補正をしないというようなことになりますと、そのワク内でしぼられてしまうような感じを受けるわけでありますが、その点についての大蔵省の考え方。
○津吉説明員 先ほど大出委員の御質問にお答えをしたとおりでございますが、人事院の勧告を尊重するたてまえにおきましては、いかなる予算の計上方法をとりましても変わりはないわけでございます。四十三年度予算の編成方針の一環といたしまして、指摘されましたような方式も検討されておるわけでございます。いずれの方式によりまして来年度予算の編成を確定的に行なうかという点につきましては、いまだ不明でございます。
○鈴切委員 人事院総裁に御質問しますが、標準生計費は、高卒の初任給にあたってはたして実情に合っているかどうかという問題、現在の物価高に対処して基準が実情に合っているかどうかということについてお伺いいたします。
○佐藤(達)政府委員 これは先刻来申し上げておりますように、私ども基本的には四月を時点といたしましての官民比較でまいっておりますから、したがって、たとえばその後の経済情勢の変化によりまして、最近大いに物価が上がったとか生計費が上がったからといって、それを手がかりに今度またこれを改定していただくというようなことにはなりません。これは民間もひとしく忍んでいただいているところではないかということに基本的には徹しておりますので、したがって、四月調査に基づくこととして申しますれば、八月勧告の際に、先ほど申しましたような点から、十分標準生計費も勘案して措置はいたしておるということになります。
○鈴切委員 あと防衛庁の人事局なり防衛庁長官に質問をする観点から、最後に、四十二年十月二十三日に与野党が一致をして完全実施に対する決議をされたわけでありますから、その点を十分に配慮されることを私は要望しておきます。 防衛庁の人事局長にお伺いいたします。つい最近、鹿児島で自衛隊のヘリコプターが墜落をいたしました。乗務員四名が殉職をされました。昭和四十二年度に公務によって殉職をされた隊員は、陸海空それぞれ何名なのか、お伺いいたします。
○麻生政府委員 ただいま御質問がありましたが、あいにく私今年度の殉職者の調べを持ってきておりませんので、これまでの殉職者の数を申し上げたいと思います。 今日まで八百五十四名の方が殉職をされております。先ほど陸海空等の内訳のお尋ねがありましたが、私の持っております資料では、これは四十二年九月三十日現在の殉職者の数でございますが、四十二年九月三十日で八百四十六名でございまして、その内訳は、陸が四百九十名、そのうち文官の職員が七名でございます。それから海上自衛隊が自衛官百六十七名、航空自衛隊が百八十一名、この中には文官の八名を含んでおります。それから防大の学生が五名、技術研究本部の職員が二名、旧建設本部、現在の防衛施設庁の建設部の系統でございますが、ここで一名の殉職者を出しておるわけであります。
○鈴切委員 不幸にして殉職をされた方々に対して心からの弔意を表するとともに、なくなられた遺族の方々にはできるだけの補償を支給し、慰めてあげることが、せめても遺族に対する国としてのとるべき道ではないかと思いますが、責任ある立場としての防衛庁人事局長の御所見をお伺いします。
○麻生政府委員 ただいま自衛官その他防衛庁職員の殉職者の処遇につきまして、非常に御理解のある御質問をいただいたわけでありますが、現在どのような補償を殉職者及びその遺族に対して行なっているかということにつきまして、まず御説明したいと思います。 隊員が殉職いたしました場合には、国家公務員災害補償法の規定によりまして、遺族に対しまして、扶養している家族の数に応じまして当該隊員の平均給与額の百分の三十から百分の五十の範囲内で年金が支給されます。しかし、扶養している家族がない場合におきましては、一時金が当該隊員の平均給与額の千日分から四百日分の範囲内で、これは支給を受ける人の種類によりまして異なるわけでございますが、支給されることになっております。いわゆる公務災害補償金が払われるわけでございます。それ以外に、葬祭補償として給与日額の六十日分が支給されるわけでございます。これが防衛庁職員給与法で準用されます国家公務員災害補償法に基づく支給でございます。 このほか防衛庁といたしましては……。
○鈴切委員 簡単でいいですよ。要するに国が払う分でけっこうですから。
○麻生政府委員 このほか自衛隊といたしましては、ジェット機の乗員の殉職につきましては特別な配慮をいたしまして、特別弔慰金という制度を設けてございます。これにつきましては、子女加算を含めまして二百五十万を限度といたしまして特別弔慰金を支給しております。これは殉職しましたときの状況によりまして段階がございます。 それから、ジェット機以外の航空機の乗員とか、あるいは空艇降下とか、あるいは潜水艦に乗っておってその業務に従事しておった場合とか、あるいに飛行機からの救難作業に従事しておった場合とか、あるいは潜水作業をやっておったとか、こういうような特別な危険な業務に従事しておった場合に殉職したというような場合につきまして、その状況に応じて賞じゅつ金を出すことにしております。また、災害派遣とか司法警察官としての職務に従事しておった場合、あるいは一定の物件なりを防護警備するように命ぜられまして、その職務に従事しておる間に、非常に功労顕著な行為をして殉職されたというような場合につきましては、功労の程度あるいはそれぞれの状況に応じまして、子女加算を含めて二百万円を限度といたしまして賞じゅつ金を出すことにいたしております。それもそのときの功労の程度に応じて相違があるわけでございます。 次に、国家公務員共済組合法の規定によりまして、扶養しておりました遺族があります場合には、遺族年金が別に支給されます。 また、退職手当は、普通退職の場合のちょうど五割増しが支給される。退職手当法の第五条の適用になりますので、普通退職の場合の五割増しが支給される。こういうことに国の支給としては相なっております。
○鈴切委員 いま人事局長は、私に非常に御理解があるというようなことを言われたということは、考えてみますと、遺族の方に対してはできるだけのことをしなければならないというお考えであると理解してよろしゅうございますか。
○麻生政府委員 防衛庁といたしましては、国のため、国の防衛のために献身的な努力をされたわけでございます。これに対しましては、国家といたしましても、また国民といたしましても、その行為に値するだけの配慮、取り扱いというものは示すべきである、こういうふうに考える次第でございます。したがいまして、われわれといたしましても、いま申しましたような国の支給でございまして、特に若年の殉職者というものに対する配慮というものは必ずしも十分だとは、現在の状況においては言えない点もあるかと思いますが、これらの点につきましては、国の財政事情というようなものもありまして、直ちに改善するというわけにもいきませんけれども、われわれといたしましては、遺族の現状というものをもう少し的確に把握いたしまして、それぞれの遺族の実情というものに即しました、きめのこまかい対策というものを今後推進していきたいというふうに考えます。
○鈴切委員 それじゃ具体的に入りますが、昭和四十一年六月十三日、青森県八戸市の大字南浜棚海岸で、八戸三十九連隊がレンジャー訓練中殉職した三曹の佐藤勇治隊員の事故の原因は何でしょうか。
○麻生政府委員 私はちょっと記憶が薄いのでございますが、たしか海岸で水泳訓練に従事して死没されたというふうに記憶しております。
○鈴切委員 詳細はおわかりになりませんので、それじゃ私が一方的に申し上げます。 その事故の内容は、渡河訓練の応用いかだづくりを荒れている海上で行ない、しかもその海岸の場所は、漁夫、釣り人も何人か死亡した危険なところで、潮の流れが上下に交流し、その日その日で潮の流れが違うところであるから、海岸の近くで見ていた漁夫も、まさか隊員を海に入れるとは思わなかった、そのように言っているわけです。突然高波を受けて、四名中三名はおぼれかけたが、やっと救助をされた。しかし、佐藤三曹は不幸にも殉職をされたわけです。この事故は本人に過失がない。水泳もできるわけです。海の状態をよく調べなかった指揮官の落ち度であると私は思う。万一を考える救助法に大きな不備があって、隊員を死に至らしめた事故であります。近くにいた隊員も手が出せず、潜水夫を入れることもできない場所で、海中に胸までつかって応用いかだづくりの最中、高波に襲われた。この事故について、海中に転落して溺死したと報告されております。陸上自衛隊は海を知らないために海中に転落というように考えられているかどうか知りませんが、要するにこのような状況です。死人に口なしで、国の無過失扱いの疑いのある問題が、これから例をあげるようにたくさんあるわけです。青森県の六月の気温、水温及び水中に何分入っていることができるかという点、また、指揮官も海中に一緒に入って安全を確かめたかどうかという問題、人命尊重のためにも、この問題はもっともっと深い調査をしなければならないのではないか、そのように私は考えるわけであります。 それから、事例の二としては、北海道千歳市支笏湖で、昭和四十二年八月三十一日のレンジャー訓練中四人が殉職をした。これは御存じですね。この問題についての北海道新聞の四十二年十月十三日の報道によると、救命胴衣を着用していなかった。ロープを船から岸へ張らなかった。業務上過失致死として十月十二日に送検されたと聞いております。靴をはいて、レンジャー服着用のまま水温二十度の湖水に飛び込んだ隊員のうらの四人が湖底に沈んだことについて、本人に過失があるとお考えでございましょうか。
○麻生政府委員 ただいま支笏湖における本年八月のレンジャー部隊訓練中の事故のことについて御質問があったわけでございますが、この訓練につきましては、第七師団に調査委員会を設けまして、その当時の事情につきまして、いろいろな方面から周到な検討を加え、調査をいたしました。その結果も待ちまして、当時のレンジャー部隊の教官の指導において大いに反省すべき点があったわけでございます。したがいまして、教官及びそれの監督者である連隊長その他につきましても厳重な処分をいたしております。 なお、ただいま最後の御質問でありますこれら殉職されました四人の隊員の方々には、過失はなかったと考えております。
○鈴切委員 過失はないとするならば、当然賞じゅつ金の対象になる、私はそのように確信するものでありますが、いままでそういう中でほんとうに実態調査が不的確で、賞じゅつ金がいただけなかったという例も、私は多々知っておるわけであります。そういう点について、今後人事局長としては、より以上綿密にその調査をし、一方的に自衛隊だけの考え方からでなくして、私は、そこにやはり中立的な機関あるいは遺族に対してそれを代行するようなものを設けることが非常に望ましいのではないか、そのように思うわけでありますが、その点について。
○麻生政府委員 いま支笏湖の場合のレンジャー部隊の殉職者に対します賞じゅつ金を支給すべきではないか、こういう御意見があったわけでございますが、先ほど申しました賞じゅつ金や特別弔慰金の制度は、本年の八月に改正になりまして、従来の約五〇%増としたのでございますが、この際にも範囲の点を少し検討を加えまして、レインジャー部隊の訓練の上で、特に賞じゅつ金を支給するような特殊の事情にあった者には支給するという考え方を一つ出してきております。したがいまして、先ほど御質問のありました支笏湖におけるレンジャー部隊のなくなられた四人の方々に対しましては、賞じゅつ金を出すことに最近決定をいたしております。近くそれぞれの御遺族の方に送達されるようになるだろう、こう思っております。
○鈴切委員 大体、いまレンジャー部隊に従事している人は非常に若い方が多いのではないかと思うのです。かなりのきつい訓練だと承っているわけですが、レンジャー部隊の訓練はどういうことをするのか。また、そういう若い方々が国から補償される補償の内容は、ここにも出ておりますが、遺族補償の一時金と葬祭補償金というのだけが載っております。あとは共済法によるところのものと、退職金は当然もらえるわけでありますから、それはここに載っておりませんが、そうしますと、そういう若い方々がなくなられた場合の平均の補償金は幾らでしょうか。
○麻生政府委員 一つ陸士長でなくなられた場合の例をとって申し上げたいと思います。二十歳で陸士長の一号の給与をもらっておって殉職された人でございますと、遺族補償一時金が七十七万六千円でございます。それから葬祭補償が四万六千五百六十円、それから退官退職手当は公務員法による死亡でありますので、増額されるわけであります。六万五千五百二十円、これを合計いたしまして八十八万八千八十円です。それから、賞じゅつ金を支給するような事由にちょうど該当する場合におきましては、先ほど申し上げましたような金額の賞じゅつ金が出るわけであります。それから共済金では、若年の場合は遺族がおりませんので、遺族年金が出ないわけであります。それからあとは、国からの支給は、若年の隊員でございますとございません。
○鈴切委員 これはこちらのほうにきた手紙の内容でありますが、実は昭和四十一年八月二十七日に、群馬県北群馬郡榛東村山子田八幡南のここで、午前三時に、装甲車が農道進行中に四・五メートル下に転落の際、下敷きとなって死亡された方がおられます。この方は三等陸曹で北川という方なんですが、本人は通信士として同乗、装甲車転落に本人の過失は全くないわけであります。故人は小学校、中学校ともに優等の成績で、小学校では知事賞、中学卒業のときは教育会長賞を受けた。自衛隊入隊後も大隊一位賞、そういう状態の優秀な方であった。死亡の原因は頭蓋骨骨折、国家の無過失補償支払いは八十三万九千五百二十円で、故人の父兄としてはどうしても承服できないということで、私のところへ手紙がきておるわけであります。この方のお父さんの手紙の一部分を読ましていただきますが、「五人のむすこを持っておりましたが、将来一番期待しておりましただけに残念にたえません。またむすこの霊もあまりにも安い自衛隊の命に浮かばれずにいることと信じます。」このように書いてあるわけです。そこで、いまあなたが言われた百万円アップという補償に対して、あなたはそれで十分なことをやっているとお考えになっているかどうかについてお伺いします。
○麻生政府委員 現在の国の制度といたしまして、国家公務員災害補償法あるいは共済組合法のたてまえから申しますと、先ほど申し上げた程度の金額しか実は支給ができないわけでございます。昨年国家公務員災害補償法ができまして、扶養すべき家族、扶養しておった家族がおりますものにつきましては年金制度ができまして、だいぶ改善されたわけでございますが、先ほど申しましたように、独身の若い隊員は、その収入なり給与によって生計を維持しておった遺族もないわけでございます。したがって、一時金ということになるわけでございまして、ほかの、現在自動車損害賠償保険法による賠償が三百万というような時代に照らして検討いたしますと、少ないという感じがするのはするわけでございますが、しかし、業務上の災害に対する補償という国全体の制度という点からもまた考えなければならぬわけでございます。したがいまして、われわれといたしましても、いろいろな知恵をしぼりまして、若くして国の防衛のために殉職いたしました方々のために、できるだけ手厚いもてなしをいたしたいとは思うのでございますが、われわれも知恵の足らないところがあるわけでございまして、先生方からいいお知恵が拝借できれば幸いに存じます。
○鈴切委員 増田防衛庁長官は一時三十分から予算委員会に出られる予定であるので、申し上げておきますが、つい最近も鹿児島で自衛隊のヘリコプターが墜落して、いままでに約八百五十四人が殉職されたということであります。これはいま人事局長からお伺いいたしました。不幸にして殉職された方に対しては心から弔意を表するとともに、なくなられた遺族の方々には、やはりできるだけの補償をしてなぐさめてあげるのが、国として当然とるべき道ではないか、私はそのように思うわけでありますが、最高責任者としての防衛庁長官の御所見をお伺いしたい。
○増田国務大臣 一昨日のヘリコプターの事故によりまして、四名の殉職者を出したわけでございますが、鈴切委員の御同情ある、御理解ある御発言に対しましては衷心より敬意を表し、感謝いたしておる次第でございます。 そこで、一昨日事故があったときにもすぐ自衛隊の最高指揮監督者である総理大臣は、手厚い各般の措置を講ずるようにという命令でございました。そこで、私ども、従来から殉職者は特別に扱うようにということを人事局長その他次官等に下命をいたしております。百万円前後といったようなきわめて僅少な額でございまして、しかし、一面において、国家の補償は少ないから、まずなるべく保険はかけておくようにということを奨励しております。これは本人の危険と計算によって保険をかけているわけでございますから、どれだけ得られようともこれはワク外でございまして、ワク内の国家の見てやる福祉措置につきましては、うかつで保険をかけてない場合でも相当の額が得られるように、御遺族なりあるいは御本人なりを慰謝申し上げるためにも必要であるし、ずっと、何といいますか、飛躍的のことを考えろということを自分も考えておりますし、それから部下にも検討させておる次第でございます。
○鈴切委員 いま増田防衛庁長官から、最高責任者としていろいろ遺族の方に対してのことを考慮されている、そういうお話を伺ったわけです。実に私もそう思うわけであります。交通事故で死亡しますと三百万、それから航空で死ぬと六百万、しかも交通事故で、ひいた人がわからなくても国家は補償するような保険の状態になっているわけです。しかもそればかりでなしに、交通事故で本人が過失がなかった場合においては、これまたプラスアルファですね。相当な金額が払われるわけであります。ホフマン方式で裁判を起こされますとかなりの多額になるという現状を考えたときに、私は、いま増田防衛庁官が言われるように、約百万にも足らないようなそういう補償金しか出ないということについては、やはり考慮をしていただきたい、そのように思うわけであります。 なお、いま私は、その殉職をされた方々に対していろいろの実例をあげまして申し上げたわけでありますが、そこで、もう一つ申し上げたいわけでありますけれども、自衛隊法の第五章五十三条——六十四条、それから第九章の百十八条から百二十二条というのはどういう規定になっておりましょうか。これは要するに、居住の義務とか職務遂行の義務、上官の命令に服従する義務、政治行為の制限、団体結成の禁止というような、一般公務員と違う点を述べられているわけであります。警察官にも規定されない特異な義務の違反に対する重い罰則を規定しているわけでありますが、そういうことから考えた場合、私が申し上げたい点は、服務規定と罰則だけが一般公務員と違う特別職国家公務員だとするなら、私は問題だと思うわけであります。その点はそう思うのです。ですから少なくとも防衛庁長官が、二十四時間もほんとうに自衛隊の方々は戦っておられて、私はいまここにおいて涙の出るような思いをしておりますというようなお気持ちを感じるならば、私は、その点についてもっともっと配慮されなければならぬ、こう思うわけですが、その点について防衛庁長官いかがですか。
○増田国務大臣 御指摘のとおり、治安関係の職員でございますから、ILO関係の規定からも除外されておるわけでございます。すなわち、結社の自由もなければ団体交渉の自由もない、組合をつくってはいけない、こういうことになっておりまするし、また、実力部隊でございますから、百二十二条のような特別のきびしい規律に服しておるわけでございます。であるだけに、一般の労働組合をつくってもよろしい国家公務員、あるいは団体交渉をしてもよろしいその他の公社の職員、それから労働争議をしてもよろしい一般の産業労働者、こういうような方と違いまして特に見てやらなくてはならないということを、私どもはものを言わないだけに考えなくてはならないと、こう考えておる次第でございます。
○鈴切委員 自衛隊の充足率は、現在どうなっておりましょうか。
○麻生政府委員 お答えいたします。 昭和四十二年十月末現在でございますが、自衛官の充足率は、陸上自衛隊が八九・四%、海上自衛隊が九三・一%、航空自衛隊が九四・二%、自衛官全体の充足率は九〇・七%でございます。なお、われわれといたしましては、自衛官の募集につきまして、募集目標を掲げてやってきておるわけでございますが、この目標の達成率は今日まで一〇〇%に達しておる、こういうことになっております。
○鈴切委員 過日、アメリカ兵四名がベトナム戦争を回避して逃亡し、こつ然として姿を消したと思ったら、日本を経由してソ連のテレビに映ったわけでありますが、自衛隊員の蒸発、エスケープですね、本年じゅうに何人あったかということ、これは私はかなりあると思うのですが……。
○麻生政府委員 私、現在資料を持ち合わせておりませんので……。
○鈴切委員 それじゃ資料を出してくれますか。——実は私はこういうものを持っておるわけです。かなりの数があるわけです。全国各駐とん地、各警務隊長あてに、所在不明の隊員の保護依頼を出しているわけでありますが、調査はどのような方法で行なわれるのか、また、主としてどのような原因であるのか、これをお聞きしたい。
○麻生政府委員 募集の場合に非常に無理をして隊員をとっているという点もあり、したがいまして、中には隊内の規律ある生活になじまない、そこから逃避したいということで抜け出ている者もあるんじゃないかという感じがいたします。その他、また健康上の理由あるいは個人的な理由があるかもしれませんが、先ほど申しましたように、そうした事由別の数字を本日は持ち合わせておりませんので、後ほどまた御説明さしていただきます。
○鈴切委員 私は、それは非常に問題だと思うんですね。それで、防衛庁長官も時間があまりないようでありますので、これはまた後日に譲るとして、服務規定とその罰則が非常にきびしい、そして、しかも、いま申し上げたとおり、自衛隊員がなくなられても実際には思うような補償をされていない、あるいは自衛隊員の福祉向上という点について、やはりそういうところにも問題点が多分にあるんではないか、人間性尊重という意味においても、私はそういうところが欠けているんではないかというふうに思うわけであります。そういう血の通わないところに大きな問題があると思いますので、くれぐれも防衛庁長官はそのことを配慮に入れられて——まだまだ幾らでもその問題点はあるわけです。しかし、時間があまりありませんので、私はいまここでそういうことについてこまかには聞きませんが、やはり遺族の人たちのほんとうの心を、気持ちを聞いてあげていかなければならぬのではないかと私は思うわけです。 過日、防衛庁長官が十月三十日に追悼式を例の市谷で行なったわけでありますが、そのときに防衛庁長官の招待で集められた。しかし、それでは実際にはどうかというと、花輪の代金とかあるいはまた遺族の旅費とか食事代は、防衛庁長官が招待をしているにもかかわらず、出していない、こういう事実なんです。これに対してあなたはどう思いますか。
○麻生政府委員 事実問題についてだけ私からお答えいたします。 ただいま先生から花輪について出していないというお話がありましたが、この献花用の花輪につきましては国費で出されております。それから参列者の遺族の旅費につきましては、防衛庁が監督しております防衛弘済会というのがございますが、この中に共助部がございます。この中から金を負担しております。
○鈴切委員 要するに、この一つの例をとっても、実際に国費としての金によって増田防衛庁長官が招待をされた以上、またそういうふうに追悼の意をあらわす以上は、当然国費でやらなければならないと思うのです。隊友会だのあるいは共済会だの、そういういろいろの隊員が積み立てた金でそれをまかなうというような姿勢ではならぬと私は思うのですが、その点について防衛庁長官のお考えはいかがかということです。 要するに、防衛費は二兆四千三百億ですか、それだけのばく大な金を使われるし、しかも例をとってみますと、戦闘機F104Jは一機五億円もするし、ナイキ・ハーキュリーズのたまは三千万円もする、ホークは二千万円、護衛艦は一隻六十億円で、三次防は二兆三千四百億円というべらぼうな額にもなっている以上は——やはり私はそういうふうに力をそちらに注ぐということに対しても問題はあると思うのですが、それよりは、むしろ隊員の福祉ということについても十分に考慮を払わなければいけない、あまりにも命が軽々しく扱われ過ぎている、そういうふうに私は考えるのですが、防衛庁長官の、時間になられたようでありますので、今後に対するところの姿勢について、一言その御所見をお伺いいたします。増田国務大臣 私はまだ予算委員会が開かれるまでここにおりますから、どうぞその間は十分に御質問願いたいと思います。 そこで、非常に自衛隊のことを愛してくださいまして、よく御高配くだすって、たいへんありがたいと思っております。 先般の殉職者のお祭りのときにも、旅費はどのくらいあげてあるかということを私も部下に聞いたわけでございます。最初は何か均一のような話でございましたが、そうではございませんで、たとえば鹿児島県から来た方は鹿児島県から来るような旅費をあげております。東京都の方は比較的少ない。北海道の方はそれだけよけい旅費がかかりますから、旅費がよけい差し上げてある、こういうようなことで配慮してはございますが、しかし、何らかお慰めくらいになる程度のものを、多少おみやげでも買えて、そして仏さまに差し上げるというようなことができるようなしかけを考慮したらよかろうということも、私当時言ったわけでございますが、これから検討いたします。明年からの殉職者の慰霊祭については、そういうふうにいたしたいと考えておる次第でございます。 それから、生命、身体、財産あるいは一億国民の平和と安全を守るためでございますから、相当練成された精強な部隊でないと、当てにならない部隊では困るのでございまして、でございますから、訓練は猛訓練をせよということは言っておりますが、しかし一面、自衛隊員は健康のことに気をつけるように、健康管理は特に衛生局等において気をつけるように言っております。それぞれに昔のことばで申すと軍医もおりますが、軍医の充足率も非常に悪いのでございまして、これを相当充足させまして、そうして不健康なときに、あるいは発熱等をしておったときに演習をするということは、健康を害したりあるいは死を招く原因でございますから、生命、健康等には極力気をつけつつ、しこうして訓練をせよ、五〇、五〇の力を入れてやれ、むちゃくちゃな訓練はよくない。しかしながら、やはりわれわれから見ればなかなか猛訓練をいたしております。その間において必ずけが人も出ますし、それから内科的な疾患も起きるのではないかと思います。生命そのものに対しても大切にしなければいけませんから、生命そのものも並びに身体の健康のことについては特に留意せよということを、それぞれの上司、隊長あるいは幹部あるいは曹の諸君等にも徹底させておるつもりでございます。
○鈴切委員 なくなられた遺家族のその後の生活がどのような実情であるかということについて、調査ができておりますか。
○麻生政府委員 従来、この遺族の問題につきましては、各幕僚監部が主体になってやってこられました。したがいまして、内局のほうにおきましては、その実情把握というものは必ずしも十分でなかった、こう考えております。したがいまして、今後それぞれの幕僚監部を通じまして、八百数十柱の遺族の現況というものにつきまして、もう少し具体的な実情把握をいたしまして、今後の施策の資料にいたしたい、こういうふうに考えております。
○鈴切委員 公明党は、要するに、自衛隊員に対しては福祉の向上、そしてなお生命の尊厳という観点に立って、ほんとうにいまのような状態ではいけない、かように思うわけであります。そしてなお、いま言われたとおりに、遺家族の実情が実際把握されておらない、これではほんとうに家族は——例をあげればずいぶんたくさんの手紙が来ております。そして泣きの涙で訴えてきている例があるわけでありますが、そういう点について、まず遺家族の実態を知るということと、それからそれに対して、遺族会としても小さいながらもやはり一つの団体を組んでいるわけでありますから、そういう方々ともよく話し合っていただいて、いろいろな諸般の問題がありますので、そういう点を十分配慮に入れていただきたいと思いますが、増田防衛庁長官の最後の御所見をお伺いいたします。
○増田国務大臣 あなたの御指摘のとおり、八百五十何名という犠牲者でございます。そこで、それぞれの部隊におきましては、隊長等が自分のと.ころから出しました遺族の実情等はよくわかっておりますし、ただ、中央において全体としての把握が足りないという点を人事局長がいま申し上げたわけでありますが、部隊長、師団長あるいは司令官等におきましては、自分のところで出しました遺族に対しましてはできる限り力を入れております。また入れさせますようにこれから努力をいたしまして、八百五十何名でございますから、追跡はできると思いますし、あたたかい心持ちで、全国の殉職者の遺族の会というものをつくってもよろしいと私は思っておりますし、各般の配慮を具体的にしてまいるように自分でも心得ますし、また部下にも下命するつもりでございます。
○三池委員長 受田新吉君。
○受田委員 あちらの予算委員会との交流人事というようなわけじゃないけれども、国務大臣であられる方々の移動が激しいようでありますから、なるべく御便宜をはかって質問いたします。 増田長官、いま鈴切委員からも質問されたことで、私が多年にわたって当委員会で主張したことは、航空機殉職者をできるだけ少なくして、その士気に影響を来たさないように配慮すべきであること、そしてその処遇をできるだけ改善すべきこと、これは繰り返し申し上げてきたのでございまするが、ここでひとつ、自衛隊発足以来自衛隊機の墜落事故等による損耗数がどれだけあり、次は、その数は、現在の戦闘機の場合に例をとりますと、戦闘機の機数の上でどれだけの比率になっており、これが第三次防の終わるころ及び昭和五十年としましょうか、五十年時点において、たとえばF86とF104とはどういうように損耗率を計算して、これは予測することは不愉快でありますけれども、防衛力を判定する上における大事な参考資料でございますから、これをひとつお示しをいただいて、犠牲を少なくするように御配慮を願いたい。特に、私、先般の自衛隊記念式典に参加させていただきまして、長官のさっそうたる英姿を拝見しました。そのときに、十二時直前にあの高空をものすごい早さで飛んだF104Jの戦闘機であったんじゃないかと思いまするが、あの四機のうちの一機が十数分を出ずして墜落し、搭乗者はこの世から去っておるという、あの悲しみの悲壮な航空機事故を起こしたその例を私はいま思い起こしまして、その霊を弔いたいと思うのですが、こうしたはなはだ激しい訓練の中で、生命の危険を顧みず訓練にいそしまれる自衛官の皆さまに、敬意とその生命の大切さを切に祈ってやまないのです。その意味で、飛行機を大切にするか、生命を大切にするかという基準を長官はどこへ置いておられるか。飛行機を大事にするために生命を失わせておる危険があるのじゃないか。私は、あの戦前の日本の、物を大切にして身を鴻毛の軽きに比した時代と違って、搭乗者が最善を尽くして訓練にいそしみ、万事休したときには、みずからの身を助けることと飛行機の墜落場所の民衆に犠牲を払わせないという配慮をするならば、命を大切にするほうへ重点を置くべきだと私は判断するのでありますが、長官の高度の御判断をお聞かせ願いたいと思います。
○増田国務大臣 まず、航空機事故の趨勢というようなことについては、詳細は政府委員からお答え申し上げます。ただ、私が従来一般論的に考えております点は、航空自衛隊のメッカとも申すべき浜松におきまして相当の事故がございましたことがございます。これはたしか昭和三十二、三年がピークであったと思います。それからはだんだん航空機事故は少なくなってきておる。海上自衛隊の航空事故は、徳島で非常な災害をことしの一月十六日に起こしましたが、これは十名というとうとい生命が瞬時に失われたわけでございます。その他を合計いたしまして、まずことしは、この一年間よりちょっとよけい私はいまおるわけでございまするが、航空機事故というものはございますにはございまするが、すべてパラシュート及び海上の場合にはゴムボートも一緒に持って落下いたしておりまするから、航空機を失った数は相当ございまするが、航空機事故による殉職者というものは二十名を出ない、こう考えておる次第でございます。おとといの四名を含めまして二十名を出ない、こう考えておる次第でございます。 それから、生命を大切に考えるか、航空機を大切に考えるか。私は、二者択一という場合になりましたならば、もとより命を大切にいたしまして、そうしてパラシュートも自動的にボタンを押せば、もう航空機はだめだというときには航空機を見捨てまして、数億かかろうとも、人間の生命は地球よりも重いというくらいでございますから、直ちに脱出する。水上であればゴムボートも一緒に持って脱出できる。それで、海上に浮かんでおられまして救助隊を待つというわけであります。陸上におきましてはパラシュートで、落下傘で落下いたしますから、生命は無事である、あるいは多少のけがをする、こういう程度でございます。F104が続いて三機落ちたことがございますが、いまから四、五カ月前であります。いずれも生命には異状がないというわけで、生命はもとより大切にいたしております。生命と身体と健康を大切にしつつ訓練を続行せよ、これが私の命令でございます。しかしながら、飛行機の事故が起きるということは、あとで事故を調べておりますけれども、わからない例もたくさんございまして、やはり装備点検ということが一番大切でございます。生命を大切にする上からいっても、装備点検ということが大切である、こう考えておる次第でございます。 それから、去る十月二十九日の記念日の際のジェット機が一機墜落したということは、まことに遺憾にたえないのでございまして、受田さんが御同情くださいまして、非常に感謝にたえないところでございます。これは一応百里に帰投いたしまして、帰投いたしてからその後に練習するというしかけになっておったそうでございますが、まあついでにやろうというようなことで、すぐこれはアクロバット式の練習をしたそうでございます。これは飛行機といたしましては事故はなかったわけでございますが、操縦者のちょっとしたミスがございました。操縦者の搭乗時間というものは二千六百時間以上の老練なる将校でございました、その老練というときにやっぱりうかつということもありまするから、そういう点をもあわせて、あんまりなれた人がうかつになることもあるのだからということで、あの当時、私は、航空群の司令官、あるいはあそこは第七航空団でございまするが、団の司令にも申し渡しをいたしたような次第でございます。
○受田委員 長官が物よりも生命をというお気持ちであった、生命は数億にもかえがたい大切なものであるという御判断、私賛成です。そのお気持ちでこの飛行機事故及びその殉職者をなくするように全力を傾けていただきたい。私は、いま戦闘機数としてF80及びF104Jの保有機数が、この事故によってその戦闘能力に非常に大きな影響を与えることもよく知っておるのでございまするが、その数字はいままだ防衛局長おられないのでわからないということでございまするから、次の機会にお尋ねするとして、非常に大きな比率になっておると私は思うのです。つまり、現有保有勢力というものが、飛行機事故でここ数年間に相当数減っている。その比率は非常に高いものである。これはかりそめの数字じゃないと私は思うのです。過去においてもそうであったと思うのです。したがって、飛行機、戦闘機の保有を考えると同時に、その減耗を避ける努力をしていただかないと、いたずらに国民の負担の増大と志気への影響というものが増大するだけであるということを考えたときに、防衛庁長官として、特にこの航空機事故をもう一度繰り返してお願いしたい、なくするための御努力を全力を傾倒していただきたい。いま数字がある程度わかるのがありますか。わかるのがあれば、長官それを読んでいただいて、いまわれわれ、つつしんでなくなられたみたまに弔意を表するとともに、この事故を全滅させ、なくするための努力を誓っていかなければならないと思うのです。それが殉職された霊に報いる道であると思うのです。
○増田国務大臣 先ほど申し上げました数はちょっと訂正することが必要でございまして、昭和四十一年度、すなわち本年の三月までに十六人死んでおります。失った機数は十五機でございます。それから四十二年度、これは来年の三月三十一日まであるわけでありまするが、先月の二十日現在におきまして死亡者三人、失った機数は九機でございまして、飛行機を失ってもよろしいから脱出するようにという生命尊重の数がここに出ておるわけでございます。
○受田委員 すでに一年半にして二十四機飛行機がなくなっている。自衛隊創設以来のなくなった機数というものは、相当の大量のものであると思うのです。飛行機の数が三百ぐらいしかない。その中でそれだけの戦闘機がなくなっておるという比率は、これはたいへん大きいものであることを指摘申し上げておきたい。自衛隊開聞以来の数というものが出たら、驚くべき数になることを申し上げておきたい。 長官どうぞ。いまあなたは非常に謙虚な御意見を述べられたから、これでどうぞ。
○麻生政府委員 ただいまの御質問の航空機の事故の件数、昭和二十九年七月一日、すなわち、自衛隊発足以来の数を申し上げます。四十二年十一月一日現在で二百六十六件、航空機は二百八十五機、殉職者を二百五十五名出しております。昭和二十九年七月一日から昭和四十二年十一月一日までの統計でございます。
○受田委員 驚くべき航空機事故をここに示されました。ちょっと、その減損した飛行機を除いて現有飛行機数はわかりませんか。この数字というものは、少なくとも自衛隊の持つ航空機の中の三分の一程度の数字になりやしないかと思うのです。これは陸海空全部含めていますか。
○麻生政府委員 先ほど申し上げました数字は、陸海空全部を含めての機数でございます。したがって、三分の一以下であると思います。
○受田委員 飛行機の現有勢力の三分の一は事故で墜落した。大体大まかな数字で、そういう大きな犠牲がいま日本自衛隊に行なわれておる。私は、ここにえりを正して、この自衛隊の訓練の激しさ、そして搭乗者の崇高なる犠牲心というものを考えてみたいと思うのです。これは飛行機を新たにつくるよりも、つくった飛行機をなくしないように、二百八十機をこえるような墜落事故によって飛行機を減損しているというこの厳粛なる事実の前に、日本自衛隊のあり方を十分検討してもらいたい。教育局長としても、教育訓練の上で責任を感じてもらいたいと思います。
○麻生政府委員 先ほど三分の一以下と申しましたが、三分の一に足らないという意味で申し上げたので、その点……。
○受田委員 長官がおられないときは事務当局でけっこうです。私はあまり無理を申し上げませんから……。 田中さん御苦労さまですが、同郷のよしみでひとつしっかりお願いいたします。私、田中長官と同齢同年兵でありますので、ちょっとあなたにお尋ねするのが親友にお尋ねするような気がして、迫力を欠く危険があるから、私情を捨てて、公的立場できびしくお尋ねをすることを御了解願いたいと思います。 総務長官の任務というものがどういうものであるかは、設置法関係等で十分御勉強しておられると思います。それをいまさら一つ一つを指摘を申し上げませんけれども、総務長官の大切な任務中に、各省にわたらざる事項の所管、そしてその間の連絡調整任務というのが一つあるわけです。このことについて、給与法に関係している問題をまず取り上げます。 特別職を含めた主として一般職の公務員の給与は、給与表の改正案は常に総理府で提出になっておられる。ところが、裁判官の報酬、検察官の俸給、外務公務員関係の給料こういうものはそれぞれの省で御担当になり、また防衛庁は防衛庁からお出しになる。こういうふうに同じ国家公務員の立場にありながら、その公務員の給与担当のセクションが違うということで、はなはだ残念でございまするが、その間に公務員の待遇差というものがどこかで派生する危険があるわけです。特に名称の上にもさっそく出ている。裁判官の給料のことを報酬と言っている。それから検察官の場合には俸給と言うている。そして一般の公務員の場合には給与法という名称のもとに給料というものが出ている。その中には俸給表という一覧表がついておる。これは性格が大体同じものであるにかかわらず、裁判官のは報酬と言い、検察官のは俸給と言い、一般公務員のは給料と言う。——自治省の方はどなたかおられますか。地方自治法の第二百四条は、給料その他の規定がありますけれども、その中には、また報酬というのと給料というのが二つ並べてあるのですね。先に自治省に聞きますが、あの報酬というのはどこから出され、給料というのはどこから出されたのか、名称の根源をつまびらかにさしてもらいたいと思います。
○森説明員 それぞれの歴史的沿革でそういう名前を使っておったものをそのまま引き継いでおるわけでございます。
○受田委員 歴史的沿革というのは、報酬にはどういう沿革がありましたか。給料にはどういう沿革がありましたか。
○森説明員 そのしさいについてただいま記憶にございませんが、それぞれ市制、町村制あるいは府県制当時からいろいろな表現を用いてまいっております。
○受田委員 前に使っておった文句をそのまま使った。——報酬ということばは、これは人事院総裁うなずいておられるが、このことばの根源をひとつ人事院総裁から……。
○佐藤(達)政府委員 完全に所管外とも申し得ない事柄でございますから、一言触れますけれども、いま自治省でお答えしたようなことに尽きると思います。ただ、裁判官の場合だけは、これは受田委員御承知のように、憲法で報酬と書いてありますから、それをそのまま受けたということは、はっきり申し上げられると思います。
○受田委員 私、そのことを聞いているのじゃないのです。報酬という文句の中身はどういうものであるかをいまお聞きしておるので、もちろん、憲法には裁判官のは最高裁から下級裁判所まで報酬と書いてある。そういうことばだけで、たとえば議員のものは歳費と書いてある。そういう憲法に書いてあるからということでこれは片づける問題ではないと思うのです。こういうサラリーの性格というものは同じようなかっこうになっているものを、ことさらにそれぞれ分離して法案が出されているところに問題があるので、検察官の俸給というのはどういうところにあるのです。
○佐藤(達)政府委員 私の所管問題のほうに入らせていただきますが、人事院で所管しております法令の中に報酬とか俸給とかいろいろ書き分けてありますれば、責任者として明快なるお答えをしなければなりませんけれども、幸いにして私どもの所管しておる法律にはそういう違いを設けておりませんために、ほかのことにわたって権威ある御答弁はできない、差し換えさせていただきたいと思います。
○受田委員 検察官は一般職でございまするから、人事院の所管事項です。それを俸給というのが検察官にはついている。これはちょっと型がわりなんですがね。これは同じ人事院の所管の一般職に俸給という名称と給料という名称と、そういうふうにいろいろのものをつける必要があるかないかということです。
○佐藤(達)政府委員 目下のところその必要はないと思います。
○受田委員 そうなれば、これは総務長官、あなたのほうでこの名称の総合調整をされて、できるだけ各省に渡りをつけられて、ひとつ、政府提案の法律の中で給料に相当する名称がいろいろと違っておるので、憲法に書いてあろうとなかろうと、憲法の精神を生かせばいいのですから、それはやはり憲法に報酬と書いてあるから裁判官のは報酬でなければならぬとは限らない、報酬と同じ性格の名称はこうだという解釈で幾らでもできるわけでございますから、あなたのほうで給与法関係の給料に相当する名称の統一を配慮される必要はないか。これは政治的判断に属するきわめて重大な判断でありまして、これは長官としては御苦労が多い答弁になると思いますが、そういう方向に持っていくように十分検討したいというような答弁でもいいですから……。
○田中国務大臣 総合調整は私の任務でございまので、御趣旨のほどを体しまして善処させていただきます。
○受田委員 総務長官、もう一つ。あなたは給与担当国務大臣でいらっしゃる重責を背負っておられるのでございますので、人事院が勧告をしない、たとえば住宅手当制度などを創設するということは、総務長官のお手元で立案、提出されてもいい問題であると思うのです。これは人事院総裁、差しつかえありませんね。
○佐藤(達)政府委員 それは午前中申し上げたとおりでございまして、あの重大問題にやはりつながってくる問題であるというふうに認識しております。
○受田委員 重大な問題につながるというと、全部手当の分野にまで人事院の勧告権があり、それは勧告を抜きにした政府提案というものを拒否しておるというふうな判断ですか。
○佐藤(達)政府委員 それはやはり事柄の軽重の問題はあると思います。きわめて微細な、たとえば字句にかかわるようなことでありますとか、本質に触れないような問題であれは、これは目にかどを立てて論ずる価値のある問題ではないと思いますけれども、もっと基本的な問題になってまいりますと、先ほども御指摘がありましたように、昨日私が予算委員会でお答えした筋あるいは午前中にここで申し上げた筋、それに触れて御判断をいただかなければならないかと思います。
○受田委員 住宅手当制度というものは、たとえば宿舎その他の施設等も十分に考慮した意味の政府への報告、要望がされておった。それがおととしでしたね。人事院は、その場合、政府が住宅手当制度というものを創設した場合も含む意味の要望であったかどうかです。
○佐藤(達)政府委員 これははっきり御理解をいただかないと困りますけれども、住宅手当についての要望を申し上げたことはいままでありません。私どもが御要望申し上げたのは、住宅手当の要望も一面においてありますが、それに関連して、結局実質的に公務員の宿舎というものを大いに拡充していただければおのずからこの問題も消えるという観念もありますものですから、公務員宿舎の充実拡充をぜひお願いしたいということを申し述べてまいりました。幸いにしてことしの給与勧告関係の閣議決定にはその趣旨が取り入れられまして、その方向で政府もいこうとうたわれておりますので、その点は非常に喜んでおる、こういうわけでございます。
○受田委員 宿舎の整備拡充ということが遅々として進まない。閣議できめられたとしても、現に公務員住宅の充足率は三〇%台、こういうような形になっておるとするならば、それにかわる住宅手当制度を暫定的にきめるというようなことがあり得た場合に、それは勧告を無視したものであると人事院総裁は判断されるのかどうか。
○佐藤(達)政府委員 具体的の例について申し上げることは控えますけれども、大体基本的には、先ほど申しましたような根本の考え方でこれに当面していただきたい、対処していただきたい、こういうことに尽きるわけです。
○受田委員 そういうことになりますと、私は、人事院の勧告権行使ということは非常に大事なことで、現実を十分尊重して、宿舎の提供などが十分に進行し得ない段階で、これにかわる高額の民間住宅、アパート等を借り受けておる公務員の悲惨な状況を思うときに、人事院はその公務員の実態を十分把握しないで、その問題の処理を見送ったというそしりを受ける危険が私はあると思うのです。ないですか。——それはあなたが非常に冷酷なるお人柄であるという感じがする。事実問題として、宿舎の提供が現実にいまの政府の施策をもってして一ぺんに解決するような段階でない。ところが、公務員宿舎を提供されて、千円から千五百円、二千円ぐらいで済むしあわせな人と、六畳一間で一万円も一万二千円も出して借り受けている下級公務員の実情との両方をあなたが知っておられないというと、いまのような答えが出るのです。現実に俸給の半分から三分の一の私費提供の宿舎を利用している人々の立場をどう解決するかということについて、せめて当面宿舎の充足までの過程における何らかの配慮というものが人事院総裁にないということになれば、公務員の生活権に脅威を与える大事な問題は解決しないわけです。
○佐藤(達)政府委員 事柄をはっきり認識さしていただく意味で分けて考えますと、住宅手当を支給すべきか、いなかという問題と、それから宿舎をもっと拡充整備すべきではないかという問題と、二つに分かれると思います。 そこで、第一点の住宅手当支給の要望ということは、先ほども触れましたように、相当熾烈なるものがある。これは事実であります。しかしながら、私どもは、御承知のように民間に先がけてという立場をとっておりませんために、常に民間の住宅手当の支給状況を実はしつこいくらいに毎年毎年調査をしてまいっている。ところが、本年の調査におきましても、まだ四〇%に足りないということで、わがほうはまだ踏み切るのには情勢が熟しておらぬという判断が一つあるわけであります。したがって、住宅手当の勧告は申し上げませんでした。しかし、先ほども触れましたように、現実にはまだ公務員宿舎の不足ということが痛感されます。したがって、私どもは、公務員諸君が公務員宿舎に入居しておる入居率、入居状況ということを克明に調べつつ、先ほど触れました宿舎の充実をお願いする、さらには若い人たちのために独身寮の整備もお願いしますということを訴えてまいりまして、幸いにして毎年少なくとも予算の上では三〇%くらいその関係の経費をふやしていただいております。また、入居率も現実にふえております。したがって、今後さらにその方面にお力をいただくならば、半面から住宅手当の問題も次々と解消していく面もあろう、そういうことで努力をしておるわけでございます。
○受田委員 標準生計費の算定基礎などの中に、いまのような高い民間宿舎を自費をもってあがなっている職員の住宅生活費というものがどういうふうに配慮されておるか、ちょっと御答弁を願いたいです。
○佐藤(達)政府委員 これはまた一つの問題に触れてまいりますが、公務員の生活実態を確実に把握すべきではないかという問題が、また一つ要請があるわけです。これは私どももその必要は感じております。したがいましてこそ、またここ数年来その調査のための予算を毎年お願いしておりますけれども、遺憾ながらそこの目的を達するまでには至っておりませんが、そういう必要性は感じております。しかしただ、調査をしないからといって全然目をつぶっておるかというと、そういうことではございませんで、もちろん、実情に対しては常に関心を払いつつ今日に及んでおる、こういうことになるわけであります。
○受田委員 国家公務員法六十四条にある、その他人事院の適当と認める事情というようなものは、このたびの場合、何が入っておるのか、御答弁願いたい。生計費、民間給与、それから人事院が適当と認めるという事情は、どういうものが入っているのか。
○佐藤(達)政府委員 あの条文は、これもたびたび問題になりますのですが、民間給与について、これも午前中から申し上げておりますように、私どもはこれに一番重きを置いて、またきわめて精密なる調査をしておるわけであります。民間企業についての調査が徹底的に行なわれて、その実態が把握されますならば、生計費、物価の問題もおのずからそこに織り込まれたものとしてとらえられ得ることでありますから、今日までのところはそれに重点を置いてやってまいっております。こういうことであります。
○受田委員 これは国務大臣でいらっしゃる田中先生、あなたも諸外国をよく視察されておると思うのですけれども、先進諸国家では公務員の宿舎は一〇〇%充定しております。安んじて国家の公務に従事しておる。一番おくれておったイタリアすら、いつか私が指摘したとおり、オリンピックのあったあと、昭和三十六年、その選手村を開放することで、一万戸公務員宿舎に開放して、完全に公務員の住宅は充足して余りがあるところまできておる。この先進諸国家の仲間に入った日本が、公務員が安んじてその住まい——衣食住の原則が確立しないままで、特に住まいというものは、自分の生活の一つの拠点でございますが、これに俸給の半分も三分の一もかけて、他の生活を犠牲にするような悲惨な公務員の状態、公務員宿舎提供率が四〇%に足りない、三〇%にさえ足りないという現状から、これは決して見のがすべき段階ではないと思うのであります。人事院は住宅手当という手当制度を創設することを非常にちゅうちょされておる。しからば、政治力をもってこの公務員宿舎の充足率を大幅に——総裁、そこだけ共鳴されないで、大幅に、そうして急速にひとつ御尽力を願うことを、これはお骨折りでございましょうが、高い人道主義に立って、公務員の給与を担当される国務大臣として御尽力を願いたいと思います。
○田中国務大臣 ただいまの御質問の第一点の住宅手当の問題につきましては、人事院総裁がお答え申し上げたとおりでありまして、これはあるいは都市手当、あるいは暫定手当、こういうふうなものをいかになさるかということに触れる問題でありまして、非常に重大な問題であります。私も総裁に御協力申し上げて、政府側といたしましては、こういう問題につきましても十分関心を払ってまいります。 第二の点の住宅建設の問題につきまして、これは総裁がただいま言われましたごとく、また受田先生が御質問のように、一日も早く公務員の住の問題を解決いたさなければなならぬ。かような意味で、政府側におきましても、建設省その他の方面と十分に折衝いたしましてこの推進をはかってまいりたい、かように存じます。
○受田委員 通勤手当につきまして、今度二千四百円にしておられるようでありますね。そうでしたね。
○佐藤(達)政府委員 通勤手当は据え置きです。
○受田委員 この二千四百円という額は、官庁は東京を中心にいたします。たとえば東京駅を中心としてどの地点くらいまでのところを御調査されておるか。
○佐藤(達)政府委員 去年、御承知のように、通勤手当は相当大幅に上げるほうの勧告をさせていただきました。そのときに、実は地図をつくりまして、赤線、青線などいろいろと、ここからここまでということを地点ごとにつくりましたが、あれは去年のことなものですから、ことしは、この場にはちょっと準備しておりませんようなので、適当な機会にひとつ説明させていただけませんでしょうか。
○受田委員 それをお待ちしております。これは公務員の生活実態を把握するのにたいへん大事なことで、現在の交通費、新しい料金に基づいて、二千四百円は、東京の中心地点を拠点にしてその円形がどれだけ描かれるか、これは今から新しくつくられる地図を私どものほう、議員の皆さんにお配りを願いたい。通勤費が適正かどうかの判断をする資料にさせていただきたいと思います。
○尾崎政府委員 去年の関係でございますのでなにでございますけれども、通勤手当が最高限二千四百円支給されるわけでございますが、千六百円以上は半額ということになりますので、三千二百円かかるところまで通勤手当が支給されるという関係になっているわけでございます。したがいまして、三千二百円かかるという関係を調べてみたわけでございますけれども、それは国鉄あるいは私鉄その他によって違うわけでございますが、大体国鉄、東海道でまいりますと、大船程度という感じでございまして、公務員の通勤者の中でそれからはずれる方については、大体数%というふうに考えておるわけでございます。
○受田委員 この幹線に接続するバスなどを利用する人が多いわけでございまするから、大船といっても、途中で曲がって神奈川の中間などから出てくる人もあるし、中央線でもずっと青梅の奥のほうから出て来る人も、これはやはり二時間、三時間かかる人もたくさんあるわけなんです。その悩みというものを十分参考にしていただきたいと思います。つまり、公務員の生活実態を正確に把握することが人事院の大きな使命だと思います。 次に、一般公務員の指定職というものの俸給表というものは一応理解はしておるのでございますが、どういうポストに当たっておられるものであるかをもう一度念のためにお聞きしたいと思います。
○佐藤(達)政府委員 指定職は、御承知のように、近年できた欄でございます。その基本的な考え方は、まあ一般給与法の基本原則でもありますけれども、職務と責任に応じて給与の盛りつけをするというその原理から見まして、大体それに徹した扱い方のできる部面というものが、たとえば事務次官、大学の総長というようなところにつきましては可能ではないかということで、そういう指定職の俸給表をつくりまして、最も典型的な形が甲にあらわれておる。したがって、そういう人々については、何年そのポストにおられても昇給というものはない。その職務と責任が非常に具体的に固定しておりますから、昇給もない。くぎづけという形になってあらわれております。ただ、そのほうを等級の下のほうにも及ぼすかどうかという問題が一つ抽象的に考えられます。これはいまの給与水準ではとてもまだそこまではいかないということから、いまの上級の人々だけに限定されておる。大まかに言えば、そういうアイデアでございす。
○受田委員 指定職甲と乙との差はどこにございますか。
○佐藤(達)政府委員 甲までくぎづけにするにはまだちょっと熟しておらぬというのが乙になっております。
○受田委員 そこにも一つ問題があるわけであります。私は、各省の次官、外局の長、あるいは重要なるポストにある局長、こういうような者を対象にされておる。この制度というものにもちょっと疑義が最近起こっておるのです。私は、非常に頭脳明晰な、また情勢判断などにも的確性を十分把握しておられる総裁に、こういうことを申し上げたことがあります。いまの俸給表には、非常に職階的な色彩が濃厚過ぎる点が特に指定職にあらわれてきた。したがって、局長の中で指定職になってやめるならば、暫定手当などを含めて退職年金などがついたりするが、局長で一等級にとどまっておると、本俸だけが退職年金やあるいは退職金の基準になる。そういうようなことで、何とか指定職になりたいという、ひとつ貫録を示したがるエリート意識が働く危険もある。そこで、俸給は、柔道でも剣道でも、一段から始まって十段で終わっておるわけなんです。したがって、一等級を最下位に置いて、そして八等級を最上位に置くようにして、指定職などというものをやめたらどうか、つまり、いまの俸給表のつくり方を一から漸次進んで上級にいくようにするほうが筋として通るのではないか。往年はそういう制度があった。いま往年のいいところをもう一度考え直していくならば、八へこう引っつけても自然にいくが、いまでは位置がとまっているところに何をつけるかというと、指定職などというとんでもないものをつけた。行き詰まっているから、これをつけた。したがって、俸給表の作成を基本的に考え直して、初級を一等級として、漸次二等、三等、四等と八等級程度までいって、指定職に当たる部分は八等級へこれを一括していく。いかにも濃厚な管理制度を印象させるような現行指定職制度というものをやめたらどうかということを私は申し上げたことがあります。非常に一案として考えると言われたが、その一案をどのように検討されたか、ひとつお伺いしたいのです。
○佐藤(達)政府委員 一案として考えると申し上げた覚えは私にはありませんけれども、要するに、今日の心境を申し上げればいいわけですから、お答え申し上げます。 お話しのような例は、過去において、いわゆる通し号俸的な一本の俸給表の形で運用されたことがございましたけれども、これは実は先ほどちょっと触れました給与法なり公務員法のたてまえから申しますと、やはり職務と責任ということをうたい上げておりますから、その線を貫いていけば、また別に、御承知のように職階に関する法律というものがございまして、ほんとうはその法律の趣旨から言えば、職階制をこまかくきめて、そうしてそれにどんどん俸給、給与を割り当てていくということをあるいは制度はねらっておるかもしれぬという気持ちさえするわけです。そういう制度のねらいから申しますと、実は通し号俸的なことはこの精神には抵触するわけであります。いまさらそれに戻るということはできないということが一つ理念の問題としてございます。 それから、運用上の問題といたしましても、やはり職務と責任というものがうたわれておりまする以上は、通し号俸にいたしましても、どういう仕事をやっている人は何号なら何号まで、どういう仕事の人は何号から何号までと、どうしてもそこに区切りをつけざるを得ない。区切りをつけた暁に、しからばそのポストポストにいる人がはたして優遇されているかということが心配されているわけで、現在の形が一番ほどのいいところではないかというのが今日の心境でございます。
○受田委員 現在の心境は、人事院あたりでやられた関係で、なかなか変更にむずかしいかと思いますが、われわれ特に諸外国をたびたび視察した者としては、たとえば北欧の三国に例をとると、大体大学を出た者の初任給が五万から六万、最高の給与をもらっている者で二十万から二十五万です。つまり、初めは非常に高いところで採用して生活の基礎を固める。それから上にはあまり差をつけない。上下の格差が圧縮されているというのが幸福なる国々の実情である。アメリカという国の制度をまねたばっかりに、日本の給与制度というものは、ばかに上下の格差が開き過ぎている。これはやはり落ちついた、じみではあるが、堅実な足取りをするヨーロッパの先進諸国の給与制度を学ぶべきときがきているのではないかと思いますが、この点については、総理大臣の給料が五十五万というような俸給になっておる。十五万アップというようなことは、私としては非常に問題があると思う。これはむしろ国民の陣頭に立つ総理大臣として、薄給に甘んじて国民全体に奉仕する意気込みを示す意味においては、まあせいぜい五万などというものはやめて、五十万なら五十万くらいにとどめて、日本の公務員は最高は五十万くらいであるというところへとどめておいてもらいたかった。二万円に足らない公務員の諸君がいる。一方ではその二十五倍以上の高級公務員がおるという、この上下の格差があまりにもヨーロッパの先進諸国家に比べると開き過ぎておる。これはひとつ、人事局長、あなたが立案されたと聞いておりますが、総理大臣の給料を一躍十五万円アップということは、国民全体に与える印象の上からも、これは考えるべきである。総理は別に五万や十万上がらなくたってへのかっぱで、むしろ国民全体のことを考えて、公務員の最高給は四十五万か五十万にとどめておいていただきたかったと思うのです。人事局長でけっこうですから、総理を五十五万にされた理由を御説明いただきたい。
○栗山政府委員 特別職の職員の総理大臣等の分でございまするが、内閣総理大臣につきましては、ただいま先生のおっしゃいましたとおり、十五万円を引き上げまして五十五万円という案でお願いを申し上げておるわけでございます。この点につきましては、三十八年以来四年間実は据え置かれてきておりまして、この四年間におきまする一般職の公務員及び民間企業の役員の給与の引き上げ率といったようなものを参考にいたしまして、五十五万円にお願いいたしたわけでございまして、率といたしましては三七・五%ということに相なっております。この間におきまする民間の、たとえば社長等の引き上げ率も大体同じような率に相なっておるわけでございまして、そういう点でこの結論を出させていただいたわけでございます。
○受田委員 民間の社長などの給料の資料もいただいたわけでございまするが、最近において、三千人以上の企業における専任の常勤の役員の引き上げ額というものが相当の高い基準にあることも、資料で一応わかります。しかし、その五十五万円というような数字がここへ出るということは——この専任の常勤役員の中においても、これはその平均のところを押えたところが五十五万円になっていない。これは少なくとも総理大臣の給料というのは、また民間企業の役員、社長などが、総理大臣が五十五万円なら、うちの会社の社長は七十万、八十万でなければおかしいということで、これはかけっこになるおそれがある。むしろ、最上位にいる者は非常に謙虚なところで給与を押えていくというかっこうのほうが、民間企業への反映に対しても私は効果があると思う。これは民間との比較論でやる筋合いではないと思う。少なくとも特別職の給与というものは、ある程度奉仕精神というものを考慮しながら、民間のそうした専任役員等の給与の引き上げを押える意味においても、ある程度で常に謙虚な答えを出す努力をされるのが、私は政府の考え方でなければならぬと思うのです。田中長官、これは、私がヨーロッパの国々で、特に総理大臣、国務大臣というような給料と一般公務員の——これはデンマーク、スウェーデン、ノルウェー、特にこの三国の給与を研究してみたのですが、総理の給料と初任給の給料とが、大体初任給の五倍程度です。そうすると、日本が二万円としたら、十万円ということになる。それでは気の毒ですから、これはアメリカの制度も十分に考慮してもいいと思います、人事院勧告の一般職の立場もあろうと思いますから。しかし、一般職の最高は二十七万円になっておる。それの倍以上になっておる特別職を設けるというこの制度の創設は問題があると思う。これは長官、無理に答えなくてもいいですが……。
○田中国務大臣 新米でございまするし、また受田先生のあれでございますので、御容赦いただきとうございますが、今回四年間据え置かれておりました特別職の給与をどうしても調整しなければならぬといったようなことで、下からずっとところてんのように上がっていったわけであります。それで、下に厚く上に薄くという、いままで政府が貫いてまいりました政府の方針があることもよく御承知のとおりでありますが、まあ結果として出てきましたのが、ただいま御指摘のように二万円と五十五万円、こういうことになったわけでございまして、この点はいままでの経緯もあることでございますので、今回のこれはとくと御了承いただきたいと思います。
○受田委員 これは十分検討をしていただきたい問題です。共産圏の国々を例にとるのは私は本意としませんけれども、共産圏の国々の給与の決定のしかたというものは、たとえば炭鉱労務者などのほうがお医者さんの給料よりも高いというような現象も起こっておる。しかし、それはわれわれのとるべきところではない。やはりそこに責任の度合い、職務の内容というものが十分に考慮された給与制度をつくることが必要であるとわれわれは判断している。しかし、そこにあまりにもその間の開きがある。それで、先ほど大出委員が指摘されたように、行政というものの給与間差などというものは、もう千円未満の五百、六百、七百、八百円というような、そういうちっぽけな、一年間たっても千円足らずしか昇給しないという制度が残っておる。これはいかにも旧時代的です。それが上級職試験が通った者はとんとん拍子にいく。その一階級にとどまる期間が他の一般公務員の八割の期間で進むというような特典まで入っている。スタートが高いところにあり、しかもその昇給昇格期間がどんどん短縮されるということになると、同じ人間の間に非常に大きな相違が出てくる。また、その上級職でも、今度は一等級から指定職にいくと、大きな差がついて、次官と局長に残った人との間のバランスがくずれてくる。こういうような現象が起こっているので、給与の問題は、総裁が指摘されたとおり、総裁もひとつお考え願いたいのですが、人間としての立場を考えて、職務給というものは必要であるけれども、それは大きな差をつけないで、その職務にあることにもう栄光があるのですから、その栄光のある者により一そう大きな栄光の給与を与えるという行き方は、人事院としてきわめて頭脳明晰、優秀な方々の判断ではない。大半は初級、中級で残っていて、その歩みは牛の歩みのごとくのろい階層で、しかも最後には三等級へいけばせい一ぱいだというような人々で、それとはあまりにも大きな開きがある。ですから、人間性無視の給与制度というものは根本的な考慮を払う必要があると思う。私は職務給否定論者ではなく、能力給を十分考慮していいが、それは人間という背景を無視して考慮すべきものではない。スタートから大きな差があって、もうやめるときには、同じ年齢で一方の三分の一以下の給料でこの世を去っていくような公務員を置くというのは、同じ人間として国家に奉仕するのには非常に気の毒だと思う。ですから、その間における初任給はある程度のずれがあっても、それから先は能力に応じて上げていく。上級職試験を通った者は、他の一般公務員の八割の期間で昇給昇格ができるというようなこういう制度は、おやめになったほうがいいと思いますが、いかがでしょうか。
○佐藤(達)政府委員 基本的な御趣旨は全く御同感でございます。しかし、先ほども触れましたように、やはり職務と責任の鉄則は鉄則としてあるものですから、その間をできるだけ上手に調整勘案した結果が現行の行き方である。これは反面からいえば、徹しないという意味で、なまぬるいという御批判もありますし、あまりにも年功序列型ではないかという御批判もまたあるわけであります。その両方を考えあわせまして、私どもとしてはほどのいいところでと先ほど申し上げましたのは、そういう趣旨でございます。
○受田委員 公務員の中で上級職甲をパスした人というのはごくその一部だ。そして五十万公務員の大半は初級、中級で進んでいる人である。それをほんの一部の人の職務給というようなものを考えていくということになると、そのポストにいることでとんとん拍子にいくという結果になって、ほんとうにその本人の能力の判断を無視する傾向も起こってくると思うのです。そういうことでは、かつて人事院におられた慶徳局長のようなああいう誠実な人をどんどん簡抜する道を閉じることになる。たとえば、ちょっといま一例を聞かせてもらいますが、本省庁で二等級以上にある上級職試験合格者以外の者の数がどのくらいあるか、人事院で数字を持っておられると思いますが……。
○尾崎政府委員 二等級以上で試験合格者以外の関係につきましては、現在ここに資料を用意しておりませんので、あらためて調製いたしまして用意いたしたい、こういうように思います。
○受田委員 それは初級、中級、上級別の各等級にとどまる職員の数というのを一方で検討しなければいけぬことだと思うのです。試験に合格すればもう最後まで、局長、指定職にはなれるのだ、一等級指定職になれるのだという自己満足意識を持たせることが、その公務員に非常な、何といいますか、安定感による職務怠慢の危険も起こるわけです。なまけておれば三等級でとどまるんだぞという事例も示さなければいけぬわけだし、そういうところをひとつ——そういう公務員の数と、試験別数と、それから各級別による数とを示してもらいたい。 時間も進んでおりまから、お話をだんだん結んでいきますが、もう一つ、いまの指定職に当たる人々は、これは重要なる局長のポストということになっているが、私ども資料をいただいたところによると、現実にその指定職にあられるその他の人のほうが局長でも数が多い。本省庁の局長の定数が百四十三人で、その中で指定職が百十五人、行政職の一等級のほうは二十八人しかおらぬ。そうすると、局長で一等級へ残っておるのは非常に粗末、と言っては失礼でございますが、気の毒な敗残者であって、指定職にならなければもう局長としてはだめなんだということになる。重要なる局長のポストじゃないですよ。重要なる局長なら、指定職の数は甲にしても乙にしても少なくなればいけぬ。それを一等級の局長のほうがごくごくわずかで、指定職の局長のほうが圧倒的に多いというこの現象はどこから出たのか総裁からお答え願いたい。
○佐藤(達)政府委員 指定職になっておりません局長が少ないことは現実で、御指摘のとおりであります。これはいずれはっきりした形に持っていかねばなるまい。一局削減の問題もありますから、そのことは別でございますけれども、要するに、わがほうとしてはすっきりした形に持っていきたいという気持ちを持っております。 それから、いま一等級にとどまっておる人でも、若手で非常に優秀な人もたくさんおるわけで、この人たちはいずれ指定職になるわけです。何も一等級扱いそのものだけでどうこうということにはならない。しかし、根本は、先ほど申したような趣旨で臨むべきだと思っております。
○受田委員 私が指摘しておるのは、いま残っておる人は数が少な過ぎるということですよ。これはもっと一等級に残る数が多くて、指定職になる数が少ないというのであれば、それは筋が通るわけです。そのことを私はお尋ねしておるわけです。
○佐藤(達)政府委員 わかりました。 結局、標準職務表の書き方の問題になります。いまのところは、重要局長ということになっておりますけれども、これは先ほど申しましたように、いずれもうちょっとすっきりした方向へ持っていかずばなるまいという気持ちで問題に臨んでおるということで御了承願いたい。
○受田委員 ちょっとここで防衛庁に触れますが、防衛庁のこの参事官等の俸給表という余分な俸給表が一つつくられておるのですが、これは一般職の俸給表でまとめて、課長あるいは部員、それをたとえば五等級の、四等級の三等級のどこへ格づけする。各省にも参事官がある。したがって、防衛庁の参事官だけが特別の号俸である俸給表をいただくような筋合いじゃないと思う。まあ何か昔の参謀本部の部員というような名前のものもあるようだ。そういうような部員はあってもいいが、それは一般職の俸給表の適当なる等級へ格づけするというような形に切りかえられてはどうか。今度の俸給表でまたこれが出ておるのです。
○麻生政府委員 先生御承知のように、防衛庁の参事官は、各省の参事官とちょっと趣を異にいたしまして、防衛庁の設置法にありますように、防衛庁の基本的な施策に関して大臣を補佐する立場にあるわけです。この参事官の、各局長大部分がその地位を占めております。また、この局長を補佐する者として課長、それからいまお話しの部員があるわけでございます。防衛庁の内局は、いわゆる大臣が陸海空の自衛隊を政策統制すると申しますか、いわゆるシビリアン・コントロールをする場合の一つの補佐の機能を持っておるわけであります。したがいまして、大臣と各自衛隊との事務の流れが円滑にいくように配慮しなければならないわけでございます。自衛官の俸給額は調整率というものを基準俸給額にかけて算出しておるわけでございます。いわゆる超過勤務の観念というものは廃止しておるわけであります。常時勤務体制という観念に立っておるわけでございます。したがいまして、この制服の自衛官と長官とを結びつける間に立っている参事官、局長、部員も、また常時勤務体制によって有事即応に職務をする体制を整えておくことが必要なわけでございます。同じ気持ちを持って大臣を補佐するという精神から、自衛官と同じように、一般職の事務官とは違った俸給の体系をとっておるわけでございます。この点、ほかの役所にはない制度でございますので、御了解願いたいと思います。
○受田委員 そこに問題があるのですね。ほかの役所にない。ところが、局長とか課長とか部員とかだけが自衛官と同じ勤務体制をしておるとは限らないのです。一般の人も同様に勤務しておるはずです。部員が一緒に行って二十四時間同じように演習もやっているのですか。お答え願いたい。
○麻生政府委員 先ほどお答えいたしましたように、大臣が防衛庁を管理するにあたりまして、その政策的な面について補佐する立場にあるわけでございますから、第一線に行って一緒に演習をやるというようなことを本来の任務といたしておるわけではございません。しかし、有事の場合においていつでも即応する体制というものは、大臣を補佐する立場として常に持っておらなければならないわけでございます。この有事即応、常時勤務体制の立場から考え出したところの給与体系でございます。要するに、自衛官と同じ気持ちになって仕事をやるというのがその基本的な精神でございます。それぞれ違った立場でおれは普通の事務官なんだという気持ちで仕事をやってはいかぬのであります。自衛官と一心同体になってやるという勤務体制というものが一番基本になっておりますので、これはひとつ御了解願いたい。
○受田委員 私は納得できない。常時勤務体制におるので、勤務してないのですよ。勤務してないのに給与を払うというのは筋が違う。その有事のときには、その場で勤務しておる者に給与を払えばよろしいのですよ。あれこれ勤務してないのに気持ちの上に給与を出すのはおかしい。これは非常におかしい話で、この問題は、特別俸給表ということはどうも納得できない。また、自衛官に対して階級別の平均勤務地手当、今度暫定手当の支給率と、それから超過勤務手当の相当額の一三・八%を俸給額へ足して、それを基準俸給額に生かしたものが自衛官の俸給表として出ておる。こういうことについても、今度の調整手当でも、東京のようないわゆる高いほうの対象になるところに上級の人が多い。いなかへ行けば下級の人が多い。そういう階級別の平均暫定手当支給額というものをやったのでは上級者が優遇されるし、しかもそういうものをきめたあとで、さらに部隊長とか指揮官とかいう者に対しては、また一%から六%の管理職手当を出しておるのじゃないですか。出しておりますか。
○麻生政府委員 管理監督の責任にある者に対しましては管理職手当を、一般職よりは率が低いのでありますが、支給しております。
○受田委員 そこにまた問題がある。そういう超過勤務部分を不法に取った上に、さらに管理職手当を、一%か六%か、率は低いけれども、それを管理職の将官あたりに出しておるということになると、一般下級の下士官あるいは尉官などというものは、これは非常に冷遇されておることになる。こういう問題が起こるのです。自衛官の俸給表が十分実態に即して、十分調整手当などというものも——都市におる下級の自衛官というのは非常に困っておる。いなかにおる自衛官より困っておるはずです。そういうものを考慮していくような筋のほうが、筋として通る。それから、勤務しない者に対して気持ちの上で給料を出している俸給表というのは改めるべきで、防衛庁につとめている一般シビリアンも同じような気持ちで勤務しておるのであって、一般シビリアンに団体交渉権も団結権も認めておらぬ。これは全く特別職として、部員などと同じような気持ちで勤務しておるはずなんです。部員だけを優遇するという往年の封建的な処遇の給与表というものは、私は、何とかして改めていって、課長相当額なら、二等級、三等級、四等級、五等級に課長、部長、部員をあてていくべきだと思うのですね。こういうふうに振りかえていただく時期が来ておると思うのです。つまり、国民に愛される自衛隊として文官をそこに持っていく。 それから、おしまいに一問、もうお約束の時間が来ましたから。恩給局長さん、現職の公務員のベースアップを考慮すると同時に、退職公務員の処遇改善というものが当然一連の問題として考えられなければいかぬ。三月に恩給審議会の答申が出るそうでございますが、それを待って恩給法あるいは各種共済組合法の改正をやられるのか、それを待つまでもなく通常国会に法案をお出しになるのか、御答弁を願いたいと思います。
○矢倉説明員 先生御承知のように、恩給審議会は来年の三月末が一つの期限で、目下三十四回の審議を続けております。その中で一番重要な問題として、先生御承知の調整規定の運用の問題についての審議に精力的な時間をさいておるわけでございます。 それで、ただいまお話しの件でございますが、御承知のように、昨年、実は四十二年の恩給改正として増額措置をどうするかという問題についての恩給審議会の中間答申を得たわけでございます。この中間答申の実は一番の趣旨は、恩給の増額が平年度化して恩給受給者の手にその増額分が入りますのが四十三年、したがって、私たちは、今回の増額措置に基づく平年度化の四百億近い増額予算を四十三年度予算として要求しておるわけでございます。これは実は既定の分の増額でございますが、先生の御質問は、今回の公務員の現職におる人たらの給与改定に伴う恩給の問題かと存じますが、これにつきましては、いま申し上げましたように、恩給審議会が一方にございまして、したがって、審議会の態度とも実はからんで考えなければならない課題でございますが、目下のところは、公務員給与のそれにそのままスライドさせるというやり方ではございまんで、調整規定が運用されると初めていま先生の言われたような問題の解決の方策が出てこようかと存じますが、ことし、来年の問題は、それをどのようにするかという問題については、なお目下検討の段階でございます。
○受田委員 それではこれで質問を終わりますが、あと調整手当の問題は大事な問題がありますから、その質問の保留だけさせていただきたいと思います。
○三池委員長 次回は、来たる十九日、午前十時理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後三時四分散会