P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
57回国会衆議院1967/12/15

大蔵委員会 第3号

発言数
96
登壇者
15
会派数
2
開催日
1967/12/15

会議録

内田常雄自由民主党

○内田委員長 これより会議を開きます。  取引所税法の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑の通告がありますので、これを許します。広沢賢一君。

広沢賢一日本社会党

○広沢(賢)委員 まず最初にのみ行為について、これは正確につかめるのかどうか、つかんでいるのかつかんでいないのか、ずいぶん多いのか、のみ行為の犯したことに対する検挙、それからその税額なんかお知らせいただきたいと思います。

吉國二郎大蔵省主税局長

○吉國(二)政府委員 ただいまお尋ねがございましたのみ行為につきましては、たくさんあるかどうかというお話でございますが、その前に、つかまえている実績があるかどうかという点から申しますと、毎年数件ずつ検挙をいたしております。四十一年度は、徴収いたしました税額が約二百二十万円ほどでございますが、そういう点から申しますと、非常に例外のように見えますけれども、実際にはかなり多いといわれております。ただ御承知のとおり、税務署の体制では現在のみ行為を追っかけるまで十分にまだ手が回っておりません点がございます。そういう点から申しますと、検挙件数は少ないけれども、のみ行為自体が行なわれておることについては、かなり多いというふうに聞いております。その検挙をしたものの中には、警察当局から背任その他で見つかって回ってきたものもございます。そういう意味では、税務署の体制としてはのみ行為を十分つかまえるところまではいっておりませんが、かなりの数だということは申し上げられます。

広沢賢一日本社会党

○広沢(賢)委員 私が聞いているんでも隠然たる無数ののみ行為が行なわれている。それから大手十数社でも会社内で操作して取引所に届けないケースとか、それからお客さんにおだてて五百万円買わして、それで三、四カ月先の見通しに明るいですから、そこでお客さんに損させるような行為をして、結局お客さんが続かないから証拠金はすってんてんになる、こういうようなことが依然として行なわれておる。そういう点についてどういうようにこれを正確につかんだり取り締まったりすることを考えておられますか。

吉國二郎大蔵省主税局長

○吉國(二)政府委員 商品取引所自身のそういう監督は、御承知のとおり商品取引所の扱う商品によりまして通産省、農林省になっております。私どもといたしましては課税の面だけでやっておりますので、そういういろいろな問題、実は課税の面であらわれてきてはおりますけれども、これを取り締まるという体制ではないわけです。

広沢賢一日本社会党

○広沢(賢)委員 これは通産省の所管になるとは思うのですが、たとえば花形商品について手数料が高過ぎる。ことに人絹糸などは、出し入れを盛んにすればほとんど手数料でみんな持っていかれてしまうなんてことが相当いわれております。  それからもう一つは、たとえばお客さんに投げろ、踏めとかいって、どんどんお客さんをおだてたりおどかしたりして、それで強制してやらせて、上がり幅を非常に大きくしてみたり、そういう投機性が強いし、こういう問題について大蔵省は通産省とどういうふうに相談されていろいろやっておりますか。

吉國二郎大蔵省主税局長

○吉國(二)政府委員 これは他省の所管でございますので、大蔵省として課税面からそういう問題を申し上げることは実は実際にはないのでございますが、いまおっしゃいましたように、商品取引所は、本来は商品の取引を行なっている業者が商品に対する危険をヘッジするためのものとして設けられてきたという沿革があると思います。したがいまして、その会員と申す者はそれぞれが専門の商業者でございます。そういう意味で、本来ならばかなりそういうことに精通をしておる者が自分の力でやるはずなんでございますけれども、最近御承知のとおり、証券市場等の不振によりまして、大衆が商品取引所に一部会員として入ってきたというところにそういう問題があると思います。そういう点を考慮して、先般商品取引所法をそれに適応するように改正されたというふうに私は理解しております。

広沢賢一日本社会党

○広沢(賢)委員 証券取引所もそうですが、この商品取引所法の改正でいろいろ大衆にとって不満な点がやや改善されてきているというあとは私たちも認めます。ところが、一番初めおっしゃったとおり、のみ行為はなかなかつかめないというのですね。これについてやはり犯罪、たとえばさっき言われた件数でも非常に少ないと思うのですが、では大蔵省としてはその税金をつかむやり方について何かさらにもう一くふうございますか。

吉國二郎大蔵省主税局長

○吉國(二)政府委員 実は、ある意味ではこれは税務行政としてもかなり盲点かと思う点がございます。御承知のとおり取引所税法は清算取引に対して課税をいたします。そういう関係で戦後は証券取引所が実物取引になりまして、御承知の信用取引も資金の貸借はございますけれども、取引は実物であるというようなことで証券取引所が全部はずれてしまいまして、現在商品取引所だけになっております。商品取引所は各地に散在をいたしておりますが、その取引所の性質上各税務署にあるという性質のものではございませんので、ややその辺の調査等においては十分習熟してない点があるかと思います。現在、東京国税局等ではかなりこの部面について研究を始めておりますが、あまり不当なものが横行するようでは税の面でも困ります。今後努力をしていくようにつとめていきたいというふうに考えております。

広沢賢一日本社会党

○広沢(賢)委員 東京国税局が盛んに税金を取り立てる——中小企業とか、午後質問しますか、同和信用組合に対するたいへんな人権をじゅうりんするような行為を行なって、それで税の取り立てを強化している。こういう問題についてはきびしいけれども、一番大衆的なお客さんを困らせる、それからお客さんをおだてたりおどかしたりする、先の見通しが専門家だから明るいために、こういう者がそこらじゅうにいる。のみ行為が無数にある。こののみですね、これについて研究中だというんではやはり片手落ちで、こういう者こそほんとうに取り立てること、それから取り締まることをやることが一番大切だと思います。その点を要望して質問を終わります。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 ちょっと関連。主税局長、かつて大蔵大臣が、各省の連絡不十分のためにこういう手違いをしたというけれども、どういう不十分さがあったのですか。本来ならこの前の法律のときに附則に載せるつもりだったというのが落ちた、その一番の原因は何ですか。

吉國二郎大蔵省主税局長

○吉國(二)政府委員 率直に申し上げますと、御承知のとおり、大きな法律で全文改正とか大改正をいたしますと関連法律の整備をはかるわけでございます。所得税法のように非常に大きい場合には、所得税法の改正に伴う関連法律の整備に関する法律まで出してやるわけでございますが、それほど関連法律が多くないときには御承知のとおり附則で直すということになるわけであります。内輪のことを申し上げて恐縮でございますが、私ども法律をいじりますときには、大体関係のありそうな役所に問い合わせをするわけであります。あなたのほうの法律を自動的に附則で直すものがあるが、どうかということで問い合わせる。また、私どももしょっちゅう問い合わせを受けるわけであります。たとえば税制二課などは間接税、印紙税を扱っておりますし、三課は登録税を扱っておりますから、このごろは何か法律をつくりますと必ず登録税の免税とか印紙税の免税というのがあります。それが附則に入るということで連絡があります。この商品取引所においても通産、農林当局からは連絡があったと思います。事実あったのでありますが、ただその場合に、いま私どもとしても手落ちかと思いますのは、連絡はなくても、本来自分の所管の法律に関係のある法律が動かされそうだというときには、自分から進んで検討しておくべきであったと思います。ただ当時、御承知のとおり登録税、印紙税というものの大改正をやっておった時期でございますので、税制二課というのは非常に職員が少ないので、ほとんど全員あげてそれにかかっておるので、ちょっとそれに気がつかなかったという点もございます。これもまた内輪でたいへん恐縮なのでございますが、そういう問い合わせがあった場合には、担当課に参りますと、担当課は自分のところだけ出してしまう傾向があるわけです。一課や三課というようなところは事実附則で直っておりますので、二課だけ何だというおしかりを受けますとまことに申しわけないのでございますが、そういうまことにやむを得ざるミスと申し上げるよりしかたがないので、どこに責任があるかということは、実は気がつかなかったほうも責任はあると思います。私どものほうも責任はあると思います。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 これはまあ大蔵省のミスということで、かつて大臣が一応釈明しましたから、われわれは了承するという前提でこの法律案には賛成をいたすわけでありますが、昭和四十年に十四万四千円の脱税捕捉ですが、四十一年は二百四十四万円になっておりますね。一挙に十四万から二百四十四万円になったということは、のみ行為が横行し出したのか、それとも大蔵省の捕捉の調査の方法がうまくなってきたのか、急に税額が十四万四千円から二百四十四万にふえた理由を一つ。  それから、実際のみ行為が行なわれている数の捕捉率というのは一体どの程度になっているのだろうか。これはほんとうの推量になるわけですが、その二点だけ答えたら、ひとつ勢ぞろいしたようですから質問を終わります。

吉國二郎大蔵省主税局長

○吉國(二)政府委員 御質問の第一の点は、これはのみ行為をやっている人は、相当に大規模にやっている場合がございます。大きいのが見つかったのがむしろ四十一年でございまして、のみ行為の横行の程度は同じだと私は思っております。  それから、捕捉率になりますと、これはまことに申しわけないのでございますが、非常に低い。何しろ対象が幾らあるかわからないのでありますから比較はできませんが、ほんとうのところは非常に低いということを申し上げておきます。先ほど広沢先生からもお話がございまして、仲買いが非常に顧客をいじめたりなにかするようなことをほうってあるのはいかぬというお話がございましたが、この直接税のほうの課税は非常に強くやっております。架空名義や何かで不当な利益を得ている分は、たとえば一件、昨年は査察事件として数億円の摘発もしておりますし、仲買いの不当な行為に対する所得税、法人税の課税は相当に手を入れてやっておるように思いますので、そういう意味では、こののみ行為という取引所税法の違反の課税はやや手が足りておりませんが、さっき御心配の点はかなりやっていると申し上げたいと思います。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 最後に、副大臣にちょっと要望をしておきたいのでありますが、商品取引についてはとかくの批判が非常にちまたに多いわけであります。特に、いまアズキの買い占めを問屋がやって、北海道の産地まで日本のわずか二社がほとんどことしは買い占めてしまった。そのために小さなところが、注文をとっておいたけれども、いよいよ買い付けしょうとしたら、注文を果たすことができない。こういう非常にひどい状況にあります。そこで、農林省と通産省、大蔵省、三省の間で、証券に対してもあれほどいろいろ厳格な法改正を行ない、投資者保護をやっているわけであります。したがって、取引者が不当な不利益を受けないような制度の検討をぜひ三省の間でしていただきたい。強く要望をしておきますが、副大臣の御見解をちょっと承りたいと思います。

倉成正自由民主党大蔵政務次官

○倉成政府委員 御指摘のような点があることも私伺っております。したがいまして、関係各省よく協議いたしまして、十分御趣旨に沿うようにいたしたいと思います。

内田常雄自由民主党

○内田委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。     —————————————

内田常雄自由民主党

○内田委員長 本案につきましては、討論の申し出がありませんので、直ちに採決いたします。  本案を原案のとおり可決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

内田常雄自由民主党

○内田委員長 御異議なしと認めます。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。  ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

内田常雄自由民主党

○内田委員長 御異議なしと認めます。よってさよう決しました。     —————————————   〔報告書は附録に掲載〕      ————◇—————

内田常雄自由民主党

○内田委員長 次に、国の会計、関税及び金融に関する件について調査を進めます。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。村山喜一君。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 先般、この委員会におきまして武藤君のほうから質疑がなされましたいわゆる台湾銀行の第二会社といわれております日本貿易信用株式会社の問題に対しまして、国の出資額が四万二千八百三十株もある。この会社の実態は、当初の設立の趣旨から見てまいりますると、御承知のように、中小企業及び中小貿易業者の味方となり、東南アジア諸国との貿易促進、経済提携の窓口機関となって日本経済の発展に奉仕しようとするものであるという趣旨のもとに設けられたわけでありますが、今日の経営の実態を見てまいりますると、町の高利貸しの金融機関と何ら変わりがない実態であります。そういうような状態でありますから、国が、皇室の残余財産であるとはいいながら、こういうような大株主として、第一の大株主は協和商工信用株式会社でありますが、第二の大株主として政府が四万二千八百三十株も出資をしているということはきわめて不当である。だから、このいわゆる株式については売却をすべきであるという要求がなされて、それに対しまして大蔵当局のほうから、そのとおり考えるので、これについてはすみやかに処理をしたいという旨の答弁がなされております。したがいまして、私は、本日は時間がありませんので、この日本貿易信用株式会社に関する問題あるいはこれに関連をする一連の台湾銀行の残余財産の問題等に関する問題については、次の通常国会のときにいろいろ質疑をいたすことにいたしまして、先般、武藤君のほうから指摘をされましたその株式処分がどういうふうになっているかということについてだけ本日はお聞きをしておきたいと思うのでございます。それについて御説明を願いたいと思います。

大村筆雄大蔵省国有財産局長

○大村政府委員 日本貿易信用株式会社の株につきましては、ただいま御質問がございましたように、戦前、皇室財産でありましたものが、その後株の割り当てを受けまして、ことしの九月現在四万二千八百三十株持っていたわけでございますが、そのころすでに株価もだいぶ高くなっておりますし、かつまた、政策目的で持っておる株式でございませんものですから、株価の状況等を勘案いたしまして逐次処分してまいりたいというように御答弁申し上げたわけでございます。  その後の処分の経緯を申し上げますと、九月にちょうど千株処分いたしております。それから十月は入札をいたしましたが、落札がございませんで、十一月に三百株、十二月になりまして六百株、合計千九百株を処分いたしております。(武藤(山)委員「金額は」と呼ぶ)金額は、九月ごろ約六百円しておりましたが、その後逐次株価が下がっている傾向があります。十二月になりまして約五百二十円程度でございます。処分金額は総額百万円ちょっとでございます。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 最近の株価が市場株にいたしましても低落ぎみである中において、これは店頭銘柄でありますから、なかなかうまくさばけないのだろうと思うのでありますが、どういうやり方でこの解消をやっておられるのですか。いわゆる入札方式をとられているやにも承るのでありますが、この日本貿易信用株式会社の株だけではどうもお客の寄りつきが悪いということも聞くのでありますが、きわめて少量の株しか入札に付していない。そしてしかも、それが落札をされるのはその中においてもきわめて少数である。ところが、会社の配当を調べてまいりますと、せんだっては一割三分も配当している。今期もまた一割配当ができるという状態であるにもかかわらず、なおこういうような状態であるということは、しかも落札価格というものが非常に低いということを考えますと、一体四万二千八百三十株もある株をいつまでに皆さんは処理していかれるつもりであるのか、それについての見通しはどうなのか、これについて説明を願っておきます。

大村筆雄大蔵省国有財産局長

○大村政府委員 上場株でございますと、委託売買で相当処分できるわけでございますが、御承知のように東京店頭銘柄でございますので、場外取引がなされているわけでございます。したがいまして、しかも商いがきわめて薄い株でございますものですから、あまり一度に大量に出しますと、当然これは値くずれが起こります。現在株価はもう五百二十円前後でございますものですから、ちょうど五百円の額面を割る寸前のところにきているわけでございます。したがいまして、そういう株価の状況等を見ながら逐次処分してまいりたい。したがいまして、そこらの状況を勘案いたしまして、今後の処分方針等も考えていきたい、かように考えておるわけでございます。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 今度の行政機構の改革に伴いまして、国有財産局はこれを廃止するということになるやに承るのでありますが、そういうふうになった場合に、この問題は理財局のほうに移るのじゃなかろうかと思うのであります。そうなると、担当は一体どういうふうになってまいりますか。その責任の所在はこれは将来にわたって明確にしておかなくてはならぬと思いますので、その将来のあり方について、責任の所在についてお答えを願いたいと思います。

大村筆雄大蔵省国有財産局長

○大村政府委員 本件の株式は、現在関東財務局で保有しておりまして、処分も関東財務局がしておるわけでございます。今般の一省一局削減に基づきまして、国有財産局と理財局が統合してまいるということでございますが、行政の機能自身は存続してまいるわけでございますから、こういう方針につきましては変わらない、かように御了解いただきたいと思います。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 じゃ、この問題はまたこの次に持ち越して質疑をいたしたいと思います。  きょうは、いま当面しておりますいわゆるでん粉の問題につきまして質疑をいたしてまいりたいと思うのでございます。  政務次官は農政通でもありますし、イモの主産地帯でもございますから、カンショの問題、バレイショの問題についてはきわめて深い関心をお持ちであろうと思うのであります。そういうようなことから、いま作付にいたしましても生産量にいたしましても、カンショ、バレイショは低下の一途をたどっておる。試みに、カンショの問題、私のところが全国で一番の生産地帯でございまして、宮崎、それに長崎等が中心地帯でございますので、その点については非常に深い関心と懸念を抱いておるわけでございまして、カンショの作付にいたしまして、昭和三十五年が三十三万ヘクタール全国にありまして、それがことしになりますと二十一万ヘクタールに減少をしておるのであります。しかも生産量は、三十五年が六百二十八万トンあったものが、ことしになりますと四百二十万トンしか予想ができない、こういうような状態でありますし、北海道産のバレイショにしても同じような傾向をたどっておるわけでございます。しかも、工業用でん粉の需要はますます増大をし、年々着実にふえて、ことしは百二十六万トンも必要であるといわれておる。これに対しまして供給としましては、カンでんは昨年五十四万トンの供給ができましたが、ことしは農林省の見通しによりますと、四十八万トンしか供給ができない。したがって、第一次関税分のコンスの輸入をとりましても、これがことしは四十万トンを輸入しなければならないというような情勢であります。そこで、このようにでん粉の需要は年々着実にふえているにもかかわらず、生産、作付、生産量ともに低下は著しいものがあるわけでありますが、一体これはどういうような理由に基づいてこのような情勢になってきたのか、この点について農林省からお答えを願っておきたいのであります。

荒勝巖食糧庁業務第二部長

○荒勝説明員 食糧庁の第二部長の荒勝でございます。  年々、ただいま先生御指摘なさいましたように、われわれ農林省といたしましてイモの生産につきましては生産奨励を含めまして、なおそのほかにわれわれのほうでは農産物価格安定法に基づく、農民のできますイモについて価格安定を期しまして最低基準価格を設け、買い入れの価格を公示しておるのでありますが、最近の五年間ほどの傾向は、日本農業におきましても深刻なる労働力不足とかその他、さらに果実とか野菜とかいうほうへの転換もありまして、年々イモの生産は減少してまいっておりますが、むしろバレイショにつきましては、北海道では横ばいというよりも多少増産ぎみのようにわれわれはとっておる次第でございます。また、カンショでん粉につきましては、御指摘のように表日本の東海道筋からは年々土地改良事業の発展とともにイモが減産してまいりまして、現在では大体九州方面、特に南九州を中心にしてカンショが相当残っておるというふうに理解しておる次第でございます。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 結局農安法に基づいて基準価格が設定をされた。しかし昨年は三十四円、ことしは三十六円ということで基準価格は設定をされているわけでありますが、いまの反当収量から見まして、これでは、イモをつくっておったって、生産性の上から見ても、価格の上から見ましても、どうも引き合わないということで、だんだんにつくるのが減ってきたのじゃないか。そしてそのために品薄になりましたから、昨年あたりは基準価格よりも上回って取引がされた。そしてできたでん粉は割高になりますから、これを守るためには、勢い外でんとかあるいはコーンスターチ等を抱き合わせてその市況の切り抜けをはからなければならなかったということも聞くのでありますが、いわゆることしのイモ価格の状態あるいはでん粉価格の推移を見てまいりますと、基準価格すれすれのところで買い入れがなされておる。場合によっては、ところによっては、仲買い人の買いたたきによりまして、イモ作農家は基準価格以下で買いたたかれている、こういうような状態がもう現実において出ているわけでありますが、農林省としては、これに対して今後どういうような対策を考えておいでになるのか、その点についてお答えを願っておきたいのであります。

荒勝巖食糧庁業務第二部長

○荒勝説明員 ただいま御指摘のように、ことしの秋からのカンショでん粉の傾向等の話につきましては、南九州のいわゆる鹿児島、宮崎の両県におきましては、北九州のほうのカンショが非常な大干ばつを受けて大減産したにもかかわりませず、南九州のほうは比較的に、むしろ増収ぎみでございまして、作況指数等も平年作を多少上回っておるのではなかろうか、こういうふうに私のほうは判断しているわけでございますが、それに引きかえまして、この二、三年来、カンショが高くてイモでん粉がさほどになかったというようないきさつもありまして、ことしは相当多数でん粉工場が休業された。ある地区によりましては三分の一以上の休業者が出た、そういうようなこともありまして、地域的には、場所によりまして多少需給のアンバランス、いわゆるカンショの過剰ぎみが出たことも事実でございます。その結果、この十一月前後のイモの出回り期には非常なラッシュになりまして、あるいは基準価格を割りそうな気配さえも示してきたこともただいま御指摘のとおりでございます。それにつきまして私のほうでも、農安法に基づきまして、関係都道府県知事にも厳重に依頼いたしますとともに、でん粉業者あるいは農協等にも非常に強く要望いたしまして、イモの値段が最低価格を割らないようにということで強く指導いたしましたので、現在われわれのところに入っております報告は、基準価格を割ったという話はあまり聞いてないのでございます。その結果といたしまして、ことし以降、このイモでん粉をどう処理していくかということでございますが、われわれといたしましては、昨年から、この国内産のカンショでん粉とタリフクォータによって輸入されましたいわゆる一〇%の関税のコーンスターチとの間の抱き合わせ販売を実行いたすことによりまして、水あめやあるいはブドウ糖業者に対して、国内産のカンショでん粉と合わせてコーンスターチを特価販売いたしまして安く供給して潤沢に引き取れるように現在指導しておりまして、昨イモ年度もこれで十分成果をあげましたし、ことしもなお昨年以上に濃密な指導によりまして、このカンショでん粉の順調なる需要を確保いたしたい、こういうふうに思っておる次第でございます。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 今年もその抱き合わせ販売によって価格を保持しようという考え方のように承るのでありますが、ことしのこのでん粉需要の見通しと外でん並びにコンスの輸入の見通し、さらにその場合に、どれだけの抱き合わせをやった場合には価格保持が基準価格で守れるかという点は、どういうふうに計画を立てておいでになるか。

荒勝巖食糧庁業務第二部長

○荒勝説明員 ことしの、いわゆる四十二でん粉年度につきましての大ざっぱな見通しを簡単に申し上げたいと思います。  四十二でん粉年度、これはことしの十月から来年の九月までの年度でございますが、大体供給につきましては百二十六万トンということをおおむね予想いたしております。それに対しまして需要も大体同様ということで合っております。  供給の面におきましては、先ほど御指摘にもありましたが、カンショでん粉は相当な減産が考えられておりまして、まだ十分に確定はいたしておりませんが、昨年大体五十四万トンくらいありましたのが四十八万トンとわれわれ見込んでおりますが、あるいはこれはもう少しこれより不足するのではなかろうかというふうに理解している次第でございます。  次にバレイショでん粉につきましては、ことしは北海道が比較的天候に恵まれまして、大豊作だった関係もございますが、昨年の十三万トン程度のバレイショでん粉に対しまして、本でん粉年度は大体二十万トンは間違いないのじゃないかと思います。一部現地からの情報では、二十万トンを少し割るのではなかろうかという情報も得ておりますが、われわれのほうは二十万トンを少し上回るのではなかろうか、こういうように見ておりまして、大体二十万トンと置いているような次第でございます。そのほかに小麦粉でん粉で八万四千トン、これはでん粉をつくるのが目的ではございませんで、ふをつくります副産物として小麦粉でん粉ができるというので、八万四千トン、これは大体昨年並みに置いております。そのほかに、今後問題になるかとも思いますが、いわゆる輸入トウモロコシからつくりますコーンスターチを大体四十万トンと置きまして、そのほか多少外国からタピオカでん粉、サゴでん粉、あるいは場合によってはバでんというようなものを年々入れておりますが、それを三、四万トン、そのほか多少二五%のタリフクォータをこえて入ってまいりますでん粉が五万トンから六、七万トン前後のものがあるのではなかろうか、合わせまして、その系統は大体九万六千トン、約十万トン弱、こう置きまして、おおむね百二十六万トン、こういうふうに供給のほうは見込んでいる次第でございます。  それに対しまして、需要のほうにつきましては、カン・バ一体というのがわれわれの考え方でございまして、需要面はそれほど内訳的にはっきりした固定用途はございませんが、水あめとブドウ糖、いわゆる甘味資源系統に入れます限りは、やはりバでんよりもカンでんのほうが相当ウエートがあるのではなかろうかというふうに見込んでおりまして、大体従来と同様に百二十六万トンのうちの過半数、五、六十万トンくらいは水あめ、ブドウ糖に回りまして、あと水産練り製品、かまぼこ等でございますが、これに十万トン前後、それから最近非常に需要が伸びてまいっておりますのり、段ボールとか繊維関係の製糸用のでん粉が十四、五万トンくらいあるのじゃなかろうか。そのほか加工でん粉約九万トン、あるいはビールとかグルタミン酸ソーダとかなんか入れまして百二十五、六万トン、こういうふうに大体見込んでいる次第でございます。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 私はそれを聞いているのじゃない。用途を聞いているわけじゃないんで、昨年は十万六千トンの抱き合わせをやられたというふうに聞いているが、ことしは一体その計画はどういうふうになっているのかということをお尋ねしているわけです。

荒勝巖食糧庁業務第二部長

○荒勝説明員 抱き合わせのほうは、昨年は大体いま先生の御指摘のようでございます。ことしのでん粉の生産状況は大体先ほど申し上げたとおりでございますが、そのでん粉のさらに今後の価格の推移というものが非常にわれわれとして問題になるわけでございます。それで御承知のように、でん粉は国民の生活必需品であるにもかかわりませず、一方におきましては相当な相場商品と申しますか、投機的な面がございまして、非常に価格の変動の上下が激しい商品でございまして、きのうまで足りないかと思うと、急に余るのだという説が出てきたり、なかなか価格変動が激しくて、十分あすのことが予測し得ないのが悩みでございます。価格の推移いかんによっては、非常に高くなればわれわれとしましてはカンショでん粉の調整販売をそうやる必要はないと見ておりますが、今後低落ぎみというふうになりますれば、ストックが非常にふえてくるということになるといたしますれば、昨年と同様にさらに濃密にコーンスターチを抱き合わせしてやっていきたいと思っております。いまのところ大まかにいきまして、この十月以降来年の三月までの上半期分としましては、コーンスターチの抱き合わせを大体八万トンというふうに見込んでおりまして、その八万トンで何とか乗り切れるのじゃないか。四月以降来年の十月までの下期の分につきましては、さらに相当量、場合によっては八万トン以上の数字を置かなければならないかとも考えておりますが、ただいまのところ下期の分についてはまだ今後の状況の推移を見守りながら実行いたしたい、こういうように判断いたしております。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 そこでこの問題は、投機的な商品であるがゆえに、投機性を持った仲買い人がばっこしたりしておるところにも価格の不安定の問題があると思うのであります。また、四月から九月に至る下半期の抱き合わせの分については、場合によっては多くなるのではなかろうかというその見通しの中には、現在の関税定率表のいわゆる禁止関税といわれている二五%のものが、議員提出法案としてこれが可決されましてから来年の三月の末で日切れ法律になっているわけでありますから、そういうような問題にも関進をしてくるであろうと思うのであります。  そこで、私はこの際、その国際価格と関税政策並びに通商政策の問題についてお尋ねをしてまいりたいと思うのであります。  昨年のイモ年度の期間におきましては、コンスのCIFの価格が大体六十七ドルから六十ハドルぐらいだと聞いておったのでございますが、最近のコンスの価格がもう六十ドルを割るような状況が目の前に見えているやにも承るのであります。ということは、四百万トンのトウモロコシを輸入をしておりますが、この中でえさ用の分とでん粉加工用の分とを比較をしてみまするならば、いわゆる白色のトウモロコシがでん粉加工用のものだと聞くのでありますが、これがメキシコ、アメリカから四十一年度におきましては五十三万三千トンの輸入実績があるやに聞くのであります。それは歩どまり六六%と計算をしたら大体三十六万ないし七万トンのコーンスターチでん粉が得られると思うのでありますが、このコンスの輸入につきまして通産省が政策として打ち出しておる中に、南ア連邦あるいは東アフリカ三国の開発輸入の計画があるやに承るのであります。貿易収支の状況等についても御説明をいただきたいのでございますが、その必要性なりあるいは今後の開発の見込みというものが一体今後どのように推移をしていくかということは、国内におけるところの農産物の価格にも非常に影響がありまするし、また、そのことは今後の日本の農政の展開をどういうふうに進めていくべきかという問題にも関係があろうと思うのであります。したがいまして、東アフリカ三国の開発輸入計画の状態なり、あるいは今後の通商政策の中でどういうような措置をとろうとしておられるのかという点について承っておきたいのであります。  と申し上げますのは、昭和二十七年にトウモロコシは自由化されました。しかし、でん粉は今日依然として非自由化品目として残されているわけであります。ところが、その原料が自由化されているわけでございますから、国際的に価格が下落をしていけばいくほど競争力は強まってくるというかっこうになってくるわけでございます。したがいまして、今日、どういう通商政策というものをこれから推進をしていかれる考え方であるのかということについてお尋ねをしておきたいのでございます。

原田明通商産業省貿易振興局長

○原田政府委員 お答えを申し上げます。  私どもでん粉の貿易というものについて考えます場合に、何よりもまず国内のイモでん粉生産業者の方々が輸入によって被害をお受けになる、非常な打撃をお受けになるというようなことは防止をしなければならないというたてまえは一貫して貫いておりまして、この点に関しましては平生農林省と十分の御連絡をとりましてお打ち合わせをした上で進めておる次第でございます。  同時に最近、貿易を進めるにあたりましては、いま先生御指摘の、たとえば東アフリカ三国を含めました発展途上国ないし低開発国の側におきまして、その一次産品を多量に買ってくれないならば日本からの輸入を制限せざるを得ないという動きが非常に強まってまいっております。東アフリカ三国、ケニア、ウガンダ、タンザニアの例で申し上げますと、この三国を合計いたしまして六四年にはわが国からの輸出は五千四百万ドルにものぼっておりました。しかし、そのときのわが国の輸入はわずかに二千万ドルでございました。輸出が輸入の二・七倍にのぼっております。しかし、このような不均衡な輸出入の状態では先方は日本からの輸入をそのまま許すわけにはいかないという非常に強い態度を示してまいりまして、ケニアは一九六五年の四月に繊維品につきまして対日輸入ライセンスの発給を停止いたしました。また六五年の九月には、繊維だけではございませんで、全品目につきまして対日輸入ライセンスの発給を制限をいたしました。その後も六六年二月、六六年四月にこのような輸入制限を強化したり緩和したりということを続けてまいっております。ウガンダは一九六五年の四月に全品目の対日輸入ライセンスの発給を停止をして、向こうの産品でございます綿花、コーヒー輸出額の七〇%だけについて日本からの輸入の承認をおろすというような制限をやり、その後も一次産品についてバーター制を廃止いたしましたり、その他いろいろの輸入制限措置をやったり緩和したりということを続けてまいっております。タンザニアも一九六五年の四月に繊維品の対日輸入ライセンスの発給を停止し、同じく六五年にはケニア、ウガンダから回って入ってくる日本の産品の輸入を禁止するというような措置をとっております。このような輸入制限の結果、わが国からの輸出がだんだん減ってまいりまして、六十四年に五千四百万ドルにものぼっておりました輸出が、六五年には四千二百万ドル、六六年には二千六百万ドル、ことしも一月から八月までで千九百万ドルにしかのぼらないという輸出の不振の状態でございます。したがって、こういう対日輸入制限を防止して、伸びております輸出を何とか維持したい。少なくとも輸入制限に火がつきまして減るのは防止したいという努力のために、あるいは経済協力を行ないいろいろやっておりますが、何と申しましても買えるものを買ってやるという努力が必要になってまいるわけでございまして、このためにこの東アフリカ三国につきましては、日本において需要が増大をしていて、ほっておいても将来は当然買わなければならないような産品であるというものであって、しかも向こうの開発を助けてやれば輸入を増大する可能性があるというような商品に目をつけまして、技術者を派遣いたしたり指導を行なったりというようなことで手助けをして、幾らかわがほうに輸入を増大をして、それによってわが国の輸出が減るのを防止をしたいという政策をとっておるわけでございます。  現在、先生御指摘のでん粉関係におきましては、東アフリカ三国ではさしあたりタンザニアに人を送りまして、そういう技術指導をやるべきではないかと考えておりますが、同じような状況において開発輸入を行なおうとしておりますタイ、カンボジア等々では、大体えさ用のトウモロコシというものがほとんど主体になる予定でございますので、でん粉関係と競合するトウモロコシというものはほとんど参らないことになろうかと思います。ただタンザニアにおきましてごく一部、コーンスターチができるようなトウモロコシというようなものが開発される可能性が若干ございます。しかし、これも日本の需要の増大に対してごく一部の補完の役割りをやる程度でございまして、これがどんどん入ってくるために国内のでん粉を圧迫をするというような数量にはとうてい至らない程度のものでございます。  これを要しますと、私どもでは輸入政策として、ただいま申し上げましたような南北問題といったような広い見地からだけではございませんで、現実に輸入制限に火がつきまして輸出が減りつつあるというようなものを防止する緊急な目的のために、ささやかな開発輸入を行なっていく。その場合に国内生産者、特に鹿児島その他の南九州あるいは北海道という方々に打撃が参りませんように、主として需要が増加する分のごく一部、あるいはまた、もし将来できますならば市場転換といったようなことを可能にするようなことに、つまり、わが国の輸入は東南アジア諸国その他発展途上国からの輸入がふえないために非常に問題を起こしがちでございますので、そういう方向に重点を置くという意味の市場転換をするというようなことで、輸入のできる限りの増大をはかるということに持っていきたい、かように考えている次第でございます。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 昨年の五十三万三千トンの輸入実績を見てまいりますると、メキシコが一番多くて二十二万八千トン、その次にアメリカが同じく二十一万六千トンあるわけですね。そうなってまいりますると、いま通産省からお話がありました東アフリカ三国の場合と、発展途上国の問題については、貿易振興の立場から当然考えなくてはならない問題もあろうと私も思うのでありますが、この輸入の実績の上から見まして、そういうような発展途上国の経済援助をしながら、しかも日本の貿易を伸長をしていくという方向を打ち出すとするならば、当然アメリカのトウモロコシの輸入というものについてはこれを押えながらやっていくという一つの通商政策をおとりをいただかなければ、こういうような問題が将来にわたって解決をされないのではなかろうかと思いますが、それに対する輸入構造のあり方についてどういうふうな対策をおとりになるつもりであるのかをお答えいただきたいと思います。

原田明通商産業省貿易振興局長

○原田政府委員 まことに先生御指摘のような問題が存するわけでございまして、御指摘のとおり、六六年にはメキシコからの輸入二十二万八千トンに対して、アメリカからの輸入は二十一万六千トンにものぼっております。これはやはり商業ベースで品質、価格等の点から勢いそうなったものと思いますが、六七年に入りまして、アメリカからの輸入はぐっと減りまして、ことしの一月—九月では、メキシコからの——これも同じく発展途上国の一つでございますが、輸入が三十二万五千トン、モザンビークというアフリカの発展途上国からの輸入が七万七千トンにふえました。アメリカからの輸入は六万三千トンに縮小いたしております。私どもも、先生御指摘のように、できるだけかようなものは発展途上国の関心品目というものでございますので、市場転換の努力をいたしたいと考えております。ただ一方におきまして、やはり需要者、消費者という立場から、価格及び品質の有利なところから買いたいという要望がございますので、その点を調和させるという形でできる限り六七年、ことしの実績に見られますような輸入の転換というものを実現してまいりたい、かように考えております。   〔委員長退席、吉田(重)委員長代理着席〕

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 そこで、食糧庁にお尋ねいたしますが、コンスのCIF価格が六十ドルになり、来年の一月から三月のころにはそれ以下になる。こういうような国際的に二年間も大豊作が続いている中での価格の下落状態が訪れているわけでございますが、そうなってまいりますると、二五%ものをことし九万六千トン入れる、その中においては六万トンの二次関税分のトウモロコシもでん粉も当然入っているわけでございますから、その二五%ものを使うところの、いわゆるベトコンといわれる加工業者、これはどろどろのトウモロコシでん粉を使いまして乾燥させる必要がないわけでありますし、隣に水あめ工場をつくったら、これはパイプを引いてその運送の経費も非常に安上がりになってまいりますから、十貫当たりの価格計算をしまして、そういうような業者は千八百円価格で採算がとれるのではなかろうかというふうにいわれているわけであります。そうなってまいりますると、いわゆる二五%という関税率は、これは一つの禁止関税としての意味を今日まで持っておったと思うのでございますが、それが実効性をもうすでに失ってきたというのが今日の実情ではなかろうかと思うのであります。これに比べて三十六円の支持価格でカンでんの基準価格は二千円でございますし、これを手数料なり金利なりあるいは保管料、運賃というものを加えてまいりますと、実需者に対する持ち込みの価格というものは二千二百七十二円ということになってくるわけであります。コーンスターチに五〇%の関税をかけたときに約二千百三十五円ということになろうかと思うのでございますが、こういうふうにやっていきました場合に、先ほど上半期で八万トンの抱き合わせ販売を計画として持って行政指導をなさっていらっしゃるわけでありますが、いまのような状態が続いていく中において、この国内のでん粉価格に対する下落からまいります中小企業者の損害なり、あるいはそれに伴います今後のイモ作農家の不安解消という問題がこれでできるかどうか、この点についてはどういうふうにお考えをお持ちであるのか、お尋ねをしておきたいのでございます。

荒勝巖食糧庁業務第二部長

○荒勝説明員 去年の、昨イモ年度におきましては、大体トウモロコシの値段が年間平均いたしましてCIF価格で六十七、八ドル前後でございまして、われわれといたしまして何となくイモでん粉行政につきましてはある程度こなせたのではないか、こういうふうに理解しておる次第でございます。また、その間におきまして、ただいま御指摘になりました生コンスの中小のメーカーの方が三、四社ございましたが、その生産するいわゆる生コンスの生産量もわずかでございまして、せいぜい二、三万トンまでいくかどうかという見込みの数字でございまして、国産のイモでん粉に悪影響を及ぼしたとは私たちは考えていない次第でございます。ところが、本イモ年度に入りまして、ただいま御指摘のようにこの九月から逐次国際的なコーンスターチの値段が下がってまいりまして、この九月から六十六ドル前後になりまして、さらに十一、十二月になりますと、大体現在入っておりますコーンスターチの値段は六十四ドルから六十二ドル前後というふうに理解している次第でございます。さらに来一月以降の問題につきましては、六十ドルを深く落ち込むということはないとわれわれ判断しておりますが、さしあたり半年ぐらいは六十ドル前後、多少場合によると下回る、あるいは多少上回るというようなことで横ばいするのではないかというふうに判断しておりますが、何しろトウモロコシも国際的に相場の変動の非常に激しい商品でございますので、確たることはわれわれ申し上げかねます。そういうふうに国内の支持価格は多少、年々法律改正によって上がらざるを得ない、ところが一方、国際的なトウモロコシの値段は多少下降傾向をたどってきたということで、その間の間隙を縫いまして、二五%の関税の、いわゆるタリフクォータをかけてまいりましても、なおコーンスターチ・メーカーが採算が合うようになってまいりまして、それで最近、この秋以降、コーンスターチ・メーカー、いわゆる生コーンスターチ・メーカーが少しふえてまいりまして、現在四社、場合によってはもう少しふえるのではないか。こうなりますと、国内産のイモでん粉に多少影響が出てくるのではなかろうかというふうに、われわれも現在の段階では判断しておりまして、これに対するいろいろなことを今後研究してまいりたい、こういうふうに判断しております。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 研究をされるのはいいわけですが、問題はもうそんなにのんびりした情勢ではないわけです。来年の三月で日切れの法律でございまして、もうやはり関税審議会にかけまして詰めていかなければ、これを法律改正をしなければならない段階を今日すでに迎えていると思うのです。それで関税審議会の日程なんか、何か十九日にもう一回やられるような話を承るのでありますが、私は時期的に見て、政府のほうが法案を提出してくる前には、やはり関税審議会の日程をにらみ合わせながらやらなければならない。しかも来年は参議院選挙でございますから、勢い審議の日数というものは限られてまいります。そうなってまいりますと、日数の点から見た場合にはきわめて余裕がもうない段階に来ている。そこでこれをやはり関税審議会で論議をして、その中で対策を講じてもらわなければならないものだ、こういうような考え方で農林省としては取り組んでもらわなければならないと思っているのでございます。食糧庁としては、その日程に間に合うように何らかの解決の方法を提示しながら、大蔵省と協議をしてやろうというかまえをお持ちであるのかないのか。この点は、この法律が御承知のように議員提出法でございますから、これは国会のほうでひとつそういうようなものはもう一回やってもらいたい、こういうようなお気持ちであるのかどうか。その点についてどういうようなスケジュールを立てておいでになるのかをお尋ねしておきたい。

荒勝巖食糧庁業務第二部長

○荒勝説明員 われわれといたしましては、コーンスターチのタリフクォータの制度は確かに議員提案ではございましたが、ことしの三月三十一日で切れました際に、政府側といたしまして本件をいわゆる政府提案として、さしあたり一年延長ということで、昨年からこの春にかけまして検討いたしまして、一年延長の暫定措置の法案を国会に提出したようなかっこうになっているわけでございまして、本件につきまして、今後のこのタリフクォータ、あるいはコーンスターチの関税そのものをいわゆる議員提案というふうには現在の段階では毛頭考えておりませんで、政府自身の側から本件を提出できるようにいたしたいということで、われわれ農林省内部ではただいま検討している最中でございます。また、十九日に関税審議会が開かれるとかいうふうにわれわれも聞かされておりまして、できることならば十九日に間に合わしたいということで、農林省内部でも検討いたしておりましたが、必ずしも十九日一回だけではございませんので、なお次の機会もあるやに聞いておりますので、今後大蔵省事務当局とも相談いたしまして、できるだけ早い機会に政府提案として本関税定率表の一部修正案を出せたら、こういう方向で現在検討している次第でございます。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 時間がだんだんなくなってまいりましたので、詰めてまいります。できるだけ早い機会に出せるような体制を整えるということであります。ところが、大蔵省の関税局のほうに尋ねてみますと、まだそういうような段階で、農林省のほうからの相談は具体的にまとまった案として提示されていない、こういうことを聞くのです。私はこの問題を解決するのには三つの方式があろうと思うのであります。それはいわゆる抱き合わせ分についてはこれをリンクする、いわゆる無税として取り扱いをする、その数量が業界並びに全般の関係の見通しからいうならば、二十万トンくらいということをいわれているようでございますが、それと一〇%のいわゆるコーンスターチの固有の用途といわれておった十八万トン、それに今度二五%の禁止的な関税率というもの、これを、実効性がだんだんに薄くなってまいっておるわけでございますから、五〇%に引き上げる、そういうような関税割り当て方式と申しますか、そういう一つの方式。それからもう一つの方式は、トウモロコシが昭和二十七年に自由化されて今日に至っているわけでありますが、この問題について、非自由化品目から逆戻りをいたしまして数量割り当て方式という一つの方式をとる。それから第三の方法は、国が農安法でかかえていく、そのやり方については不足払いなりあるいは二重価格制度のとり方があろうと思うのでございます。大まかに分けましてそういう三つの方式があり得ると思うのであります。しかし、農安法でかかえるとしましても、百億ぐらいの財政支出が当然必要になってこようと思うのでございまして、そうなってくるとこれはきわめてむずかしい。第二の数量割り当て方式という問題については、ガットの問題なりあるいは南北問題、特に二月に行なわれる国連貿易開発会議の模様等から見てもこれはなかなか困難性がある。とするならば、いわゆる関税割り当て方式の抱き合わせ販売の方式からくるこの三段階の方式というもの以外には、関税政策以外には道はなかろうと私は思うのでございますが、これについて大蔵省の関税局としてはどういう考え方をお持ちであるか。関税政策のあり方と関連をいたしまして、問題をどういうふうにとらえておられるか。なお、この問題については、ガットの税率の対象として規制がされるのかどうかという点についても含めてお答えをいただきたいと思うのでございます。

武藤謙二郎大蔵省関税局長

○武藤政府委員 ただいまの御質問の点でございますが、大蔵省として考えておりますのは、これはいろいろな点を総合的に考えなければいけませんが、先ほど先生お話しがございましたように、いま日本の輸入制限、特に後進国に関しましては、輸入制限も、それから関税上の貿易の障害の強化というようなことにつきましても、非常に関心を持っております。ガットの規定で申しますと、三十七条に、後進国の関心のある産品については関税上、その他の輸入障害を新設、強化することを差し控える、こういうことになっております。したがいまして、先ほど先生がおっしゃいましたように、一ぺん自由化したものをまた輸入制限するということはたいへんぐあいが悪いということでございますが、しかし、いま二次税率が二五%のものをさらに上げるということは何とかして避けたい、こう思っております。そこで、先生先ほどおっしゃいましたように、これにつきましては一次税率と二次税率と、それから輸入数量、それから抱き合わせと、いろいろなファクターがありますので、まだ農林省がいろいろ考えておる段階でございますが、われわれ何とか低開発国から非難を受けるということのないような貿易関税でこれを解決したい、そういうふうにいまのところ考えております。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 関税局長にお尋ねいたしますが、関税審議会ですね、大蔵省の方向としては、政府提案で解決したいという気持ちであります。そうするならば、十九日の分には間に合いそうにない。そのあと年内にまた関税審議会を開かれる計画はお持ちでございますか。

武藤謙二郎大蔵省関税局長

○武藤政府委員 関税審議会のほうはいま調査部会で個々の品目をやっております。調査部会のやり方は、第一回に説明をしたものについて第二回に議論を伺ってきめていく、第二回のときはまた新しい説明をする、そういうことをやっております。で、十九日で私ども政府側としての案を説明するのは打ち上げにしたいのでございますけれども、しかし、非常にむずかしい問題でどうしても十九日に間に合わないということであれば、その次のときに説明をする、そういうことにいたさざるを得ないと思っております。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 それで、農林省はそういうような状態であるということは十分御承知だろうと思うのですが、農林省の原案自体がまだ未確定のように私どもは承るのであります。そこで、この問題については早急に農林省としての態度をおきめをいただいて、耕作農民やあるいはでん粉業者、あるいはコーンスターチの関係のそういうような業界に対する不安をなくするようにあなた方にやってもらわなければならぬと思うのです。しかし、それはきわめて当面の問題に私はなろうと思うのです。長期的には、この原料としてのイモの生産の問題について、これから一体どういうふうになければならないのかという根本的な問題をお考えを願わなければ解決がつかない問題じゃなかろうかと私は思うのであります。というのは、国際的にこれが工業用原料として競争力を持ち合わせていない。これを持ち合わせるためには一体どういうような農業政策を立てたらいいのかという問題が根本になければ、将来にわたる恒久対策という問題は私は生まれてこないと思うのであります。特に、基準額がかりに四十円になったといたしましても、反当六百貫くらいの収益では、これは反収幾らかというと二万四千円しかないわけです。そういうような状態の中では、この問題の解決はとうてい将来にわたってできないと思うのであります。しかも農安法の規定するところからいうならば、当然生産費に見合うような価格ということになりましょうから、去年は三十四円、ことしは三十六円、来年は三十八円、その次は四十円というふうに上がらざるを得ない。そうなってきたら、ますます国際的な競争力というものはないようになってくるわけであります。とするならば、そこに何らかの対策というものを立てなければならないかと思うのでございますが、いま農林省としてはそれらの恒久的な対策として、南九州畑作改善防災営農資金の問題を提示してこれからやろうという計画やに承るのでございますが、これについてはどういうところまでお考えをいただいているのか、これについて説明をいただくと同時に、それに対するところの大蔵政務次官のお考えをお聞かせをいただきたいのでございます。   〔吉田(重)委員長代理退席、毛利委員長代理   着席〕

中澤三郎農林省農政局参事官

○中澤説明員 お尋ねの点でございますが、先生すでに十分御承知のとおりに、南九州におきましては畑作営農の占めるウェートが非常に高うございまして、特にその中におきましても、いまお話しございましたようにカンショ作の耕地に占める割合というのは非常に高うございます。それで、南九州のこういった畑作営農の振興の根本的な対策はどうかという御質問だというふうに考えるわけでございますが、御承知のように、南九州におきましては特殊な自然的な条件の影響を非常に受けまして、そういった営農形態をとらざるを得ない。具体的に申し上げますと、土地条件が非常に悪うございまして、よくいわれますようにシラスとかボラ、コラというような特殊な土壌地帯がありまして、こういう特殊な土壌地帯におきまして営農する場合に、その土壌の性質からいいまして降雨によるところの侵食、流亡というのが高い。それからまた、南九州におきます特徴的な五月—七月ごろにおきますところの集中豪雨というようなことの影響を受けまして、営農といたしましては防災ということを主眼に考えざるを得ないというのが実態であろうかと思うわけでございます。そういった気象なりあるいは土地条件の不利ということが南九州におきますところの畑作営農を、生産性なり所得の観点から見ますと、非常に低位に置いておりますし、また、災害を受けやすいという観点から非常に不安定でございます。したがいまして、この地帯の畑作営農を振興するということを考えます場合には、やはりどういたしましても防災という観点を中核にせざるを得ない。これに関しましては、従来から農地の保全事業あるいは営農の基盤であるところの土地基盤整備事業というものを行なってきたわけでございますけれども、そういう特殊な土壌地帯の土地の生産力の減少を防ぐ農地の保全事業というものと、それから営農基盤であるところのかんがい排水施設とか、あるいは圃場整備というような前向きの事業との計画的な関連性というものが必ずしも行なわれないようなうらみがあったわけでございます。そこで、かねてから両県御当局なりあるいはまた国会方面の御要求がございまして検討してまいりました結果、こういった農地の保全事業と、それから土地基盤の整備事業というものを一体化した事業というものを、どうしても考える必要があるだろう。これを一つの柱にするとともに、もう一点は、新しく地帯の実態に合いました営農方式の確立といいますか、そういうことを考えていく。たとえば、先ほど申し上げました高温多雨ということは、別の面からいいますと有利な気象条件である、こういうふうに考えられるものでございますので、晩秋から冬にかけては、そういう温暖な条件を利用したような作目の導入をはかる必要があるというふうに考えるわけでございます。  したがいまして、現在の考え方といたしましては、先ほど申し上げましたような土地基盤整備事業の計画的、総合的な事業の実施、それに新しく営農方式を導入するようなことを考えることが適当ではないか。しかし、先ほど申し上げましたとおりに、災害を受けやすい、あるいは生産性が低いというような観点から、そういったことをする場合にはやはり多額の投資を必要とするわけでございます。従来も、こういった地帯の農業振興のためには、特殊な補助率あるいは融資というようなことを行なってまいったわけでございますが、しかし、投資の面から考えてみましても、やはりまだ現在あります制度金融の一般的な融資条件では、新しい投資ということは必ずしも現地の方々には魅力がないわけでございますので、こういう面から融資条件を、現在の公庫融資よりもっと有利にした資金を準備いたしまして、これによりまして新しい投資による営農方式の確立ということに進んでいただく必要があるという観点から、現在必要な予算を要求中でありますし、ただいま申し上げました特別な融資に関しましては、やはりしかるべき法案を準備いたしまして、これによってこの地域における営農を改善していきたい、こう考えて、目下準備を進めているところでございます。

倉成正自由民主党大蔵政務次官

○倉成政府委員 お答えいたします。  村山委員が後段にお述べになりましたように、関税政策にはおのづから限界があるということは私も全く同感であります。したがいまして、農林省がイモ作農家に対する基本的な政策をしっかり立てていただくということが何よりも大切なことだと思いますので、そういう方針については、方策が立ちましたならば十分検討をいたしたいと思っております。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 時間がありませんので、これでやめますが、熊本の農事試験場で黄金千貫という新しい品種を開発して、それを植えてみたら反収四千キロ以上も収穫をあげているようであります。しかもでん粉の歩どまりは非常によろしい。こういうような技術改善の問題なり、あるいは生産性向上の問題もさることながら、やはり当面の問題と恒久的な対策と二つにふるい分けをしながら、カンショ、麦、なたねの作付体系というものに安易に依存している今日の、特にカンショ地帯の南九州の営農形態というものを高位安定の営農方式に改めていかなければならない時代をすでに迎えたと思います。そういうような意味において、特殊農地保全整備の、いわゆる基盤整備の問題と関連いたしまして、これらの問題につきましては十分に、今後においても、特に農政通であります倉成政務次官を中心に大蔵省では検討をいただきますことを要望申し上げまして、これで終わりたいと思います。

毛利松平自由民主党

○毛利委員長代理 広沢君。

広沢賢一日本社会党

○広沢(賢)委員 ただいまからお聞きしますことは、国税犯則取締法の施行をめぐって、きわめて重大な人権じゅうりんの事件の内容を含んでおります。  まず、国税庁長官にお聞きしますが、国税犯則取締法第二条で、いろいろと令状を出して立ち入り調査をするということ、それから臨検、捜索、差し押えをするということがありますが、これは地方裁判所または簡易裁判所の裁判官の令状を得て行なうというのですが、これは例外はございませんね。

泉美之松国税庁長官

○泉政府委員 お話しのとおり、国税犯則取締法第二条におきましては、「収税官吏ハ犯則事件ヲ調査スル為必要アルトキハ其ノ所属官署ノ所在地ヲ管轄スル地方裁判所又ハ簡易裁判所ノ裁判官ノ許可ヲ得テ臨検、捜索又ハ差押ヲ為スコトヲ得」、こういうことになっておるのでありまして、したがって、査察事案につきまして査察官が臨検、捜索、差し押えをなすときは必ず裁判所の令状を得てやっております。

広沢賢一日本社会党

○広沢(賢)委員 十二月十三日、同和信用組合本店並びに上野支店に対する、東京国税局が機動隊二百人を動員し、査察官百名が行なった強制捜査について、どういうような令状をもって査察したか、国税庁長官、御存じですか。

泉美之松国税庁長官

○泉政府委員 ちょっと事実についての誤解がおありになるようでございますが、まず第一は、査察調査をいたしますときは査察官が参るのでありまして、ただ、査察官では現場が混乱いたしまして所期の目的である臨検、捜索、差し押えを達成することができないと認められますときに、同じく国税犯則取締法第五条で警察官吏の応援を求めることになっております。したがいまして、十二月十三日に起きました同和信用組合に対する査察事案のときにおきましても、まず第一に査察官が臨検、捜索をしたわけであります。ところが、相手方の抵抗がありましたために、警察官の応援を求めたのでありまして、機動隊云々というお話がございましたが、それは警察官の応援を求めた段階でそういう応援が来たのであります。  それから、いまお話しの裁判所の令状そのものを私、見ておりませんから、その現物がどういうふうに書いてあったか、さだかにお答えできませんけれども、こういう令状の性質といたしまして、信用組合でございますれば、その営業所における被疑者に関する書類その他の物件を臨検、捜索することができる、こういう令状になっているのが通常でございます。したがって、おそらくそういう令状であったろうと存じます。

広沢賢一日本社会党

○広沢(賢)委員 そちらにあらかじめ十分東京国税局長と相談しておやりになるように、国税局長にも電話で御注意申し上げましたが、私の手元に令状でない調査書というものの証拠物件があります。これは東京国税局長が金融機関の預貯金等の調査書というものを発行したのです。明らかにこれは令状ではございませんね。

泉美之松国税庁長官

○泉政府委員 これは広沢委員も御承知のはずでありますけれども、金融機関を調査いたしますときには、預貯金について調査することになりますと、預金者がいろいろ不安を持つことにもなりまして、貯蓄奨励の見地からもいろいろ問題がございますので、金融機関におきましては、任意調査の際におきましても、局長または税務署長が調査書を発行いたしまして、その調査書にあるものについては金融機関が協力する、こういうたてまえになっておるのであります。おそらくお手元にお持ちのものは、十三日午前に任意捜査をする段階におきまして、その任意捜査の一つの手段としてそういった調査書を出しておると思いますので、その調査書であろうと存じます。したがって、それと令状とは違います。

広沢賢一日本社会党

○広沢(賢)委員 それでは事実を——水かけ論を言ってもあれですが、事実令状というのはほとんど示されてなかったのです。その令状について、この次の機会に見せていただきたい。控えでいいから見せていただきたい。

泉美之松国税庁長官

○泉政府委員 私が現場の査察官から報告を得ておるところによりますと、令状は上野支店並びに千駄ケ谷本店におきまして捜査に着手するときに従業員に示したほか、先方から自分が営業部次長である、自分が支店長であるという人が出てくるつど、そのつど令状をお見せしております。したがって、令状を見せていないということは事実に反しておると存じます。

広沢賢一日本社会党

○広沢(賢)委員 それから、その令状の中での対象。これは金融機関ですから、ここが脱税容疑があるわけではないのですよ。この脱税容疑のところでない金融機関に対して、だれだれの件で来たということが令状に入っていると思いますが、その件数について具体的にお聞きしたい。

泉美之松国税庁長官

○泉政府委員 この点につきましては、東京国税局におきまして、過去におきまして査察対象といたしまして調査いたしておる案件が五件ございます。   〔毛利委員長代理退席、委員長着席〕 その五件がいずれも同和信用組合と取引があります。同和信用組合に預金がある。もちろん、本人名義の預金になっているのは少なくて、架空名義になっておるものが多いわけでありますが、そういった預金がある。したがって、そういった被疑者と同和信用組合との取引並びに預金の状況を調査する必要がある、こういうことで査察に着手いたしたものでございます。

広沢賢一日本社会党

○広沢(賢)委員 その具体的な名前を私いま聞いたのですが、具体的な人間の名前はあとでまたお聞きします。  もう一つ、差し押えをするときには、第七条によって「差押目録又ハ領置目録ヲ作ルヘシ」となっておりますが、現場で渡してはいなかったですね。

泉美之松国税庁長官

○泉政府委員 お話しのとおり、国税犯則取締法の第七条におきましては、「収税官吏物件、帳簿、書類等ヲ差押ヘタルトキ又は領置シタルトキハ其ノ差押目録又ハ領置目録ヲ作ルヘシ」ということになっております。したがいまして、通常の場合におきますと、その差し押えしましたあるいは領置いたしました現場におきまして、差し押え目録あるいは領置目録をつくることになっております。したがって、査察の場合におきましても原則としてそのようにいたしております。しかしながら、本件同和信用組合の場合におきましては、現場が非常に混乱いたしまして、そこで差し押え目録あるいは領置目録を作成しようと思いましても、とうてい作成できるような現場になくて、もしかするとその差し押え物件を奪還されるというおそれも生じましたので、支店長並びに営業部次長に、現場では差し押え目録及び領置目録が作成できないから、これを一たん国税局に引き揚げてその上で差し押え目録と領置目録を作成するということの旨を告げまして、現場から引き揚げたのであります。

広沢賢一日本社会党

○広沢(賢)委員 泉さんは下の人のことを聞いて、そのままそれで理解をしていますけれども、やはりそれは全く公平を欠いた措置で、たいへんな誤りをおかすと思うのですよ。ここに写真がございます。いまずっと回しますが、上野支店でも女の子を含めて大体四十人の従業員です。私が行ったときに青くなっていました。石野久男代議士と私が行って調べたのですが、ここに写真にあるとおり、ずっと数の多い機動隊が初めから来ているのです。それで初めから入り口に、「国税犯則取締法第九条により出入を禁止する」という張り紙をしてしまって、だれも入れないで、それで二階の窓からはしごをかけて機動隊が下へ飛び込んできたのです。したがって、普通の収税官吏が行ってああだこうだということで突っ返されて、それで警官を呼んだのではないのです。初めから警官のほうが主導権を持って、小林さんという査察官はぶるぶるふるえているのですよ。こういう形にしたというのは先入観念があった。これを見ておわかりになるとおり、たとえばトラックに書類を詰めるダンボールを百五十持ってきている。たった五人の疑いのある人について銀行に問い合わせするということで、トラック一ぱいダンボールを持ってきているのです。それはもう元帳から現金から——現金ですよ。それから小切手、手形、全部ほうり込んだのです。ここに全部証拠書類がある。そういうようなことが許されていたら、これはたいへんなことになると思いませんか。どうです。

泉美之松国税庁長官

○泉政府委員 私は東京国税局からの報告に基づいて申し上げておるのでございますが、広沢委員もおそらく何らかの手段によって情報を入手されておっしゃっておられることと思います。しかし、こういった場合、もちろん十分御留意になっておられることと思いますけれども、こういった話というものは、一方的にだけ聞きますと非常に間違った認識を持つおそれがありますので、私どもも、もちろんそういう相手方の主張につきましても十分聴取いたしたいと存じておりますけれども、現段階におきましては、まだそういうふうな事実の認識について両者の見解を合わせるというような段階に至っておりません。したがって、おのずから私は東京国税局からの報告に基づいて申し上げるよりほかないのでございまして、その点御了解いただきたいのでございます。  それで、先ほど、なるほど上野の同和信用組合の支店には女子従業員を含めて四十名しかいない、おっしゃるとおりでございます。しかし、同時にそのうしろのほうに朝鮮の民主商工会の事務所がありまして、その事務所から多数の人が応援にかけつけたのでありまして、従業員以外の人も相手になって出てこられた。そういったことで査察官だけではとうていこの混乱した現場で臨検、捜索、差し押えという目的を達成することができないということで、警察官の応援を求めたものでございます。  それからなお、機動隊員が二階からはしごをかけて入り込んだというお話がございましたが、これはむしろ、最初査察官が入りまして臨検、捜索を始めたところ抵抗がありましたので、警察官の応援を求めて警察官若干名が入ったわけでありますが、そのときシャッターがおりまして外部との連絡がとれなくなったので、外部との連絡をとるためにシャッターをあけるように信用組合のほうに交渉したのでありますが、どうしてもそのシャッターをあけてもらえない。そのために、中にとりこになりました査察官と警察官とを救出するために、機動隊員が二階の窓を破って入って、ジャッキでそのシャッターをあげたのが事実でございまして、初めから二階に飛び込んだようなものでは決してございません。  それからもう一つ申し上げておきますが、差し押え物件の中に現金があったというお話でございますが、これは従業員、あるいは先ほど申し上げましたように、従業員以外の第三者などの激しい妨害行為のもとで物件の選別作業を行なったわけでございますが、そのときに手形の束の中にたまたま五百円紙幣が一枚入っておりまして、その事実が判明いたしましたので、さっそく差し押え目録作成の際にお返ししております。

広沢賢一日本社会党

○広沢(賢)委員 最後のところから言いますと、それさえうそなんです。四千円なくなった。私、現場に行ったのですよ。現場に行って全部調査して、このとおり、写真をその場で写しなさい、前から写しなさい、全部ある。四千円なくなったのです。書類から何から全部国税局に持っていってしまって、だれにも会わさない、そこに機動隊を配置しているから。そうすると——銀行局長、おられますね。その翌日の手形交換所、朝の九時です。これに、だれの手形がどういうふうに落ちるか、不渡りになったらその損害賠償をどうするんだという大問題が起きまして、それで青くなっているから私と石野さんが行って、夜の五時半にそこに着きまして、それで十一時まで東京国税局の総務課長とかけ合って、ようやく、翌日の五時にコピーをとって返します、そういうひどい不親切な——私たちが帰ったらもう機動隊がつかまえる。そこに三、四十名しかいないのにつかまえる。これを見てもおわかりになると思いますが、人に脅威を加えられて中に閉じ込められたり、もしくはあれしているのではないのです。無線機を持って入って、しかも機動隊も警察官も同様に最初入っている。逆なんですよ。立ってふるえている従業員に、そこはじゃまだ、どけと言う。どっちに行っていいかわからない。そうしたら、公務執行妨害をするのかと言って、チョークでせびろのりしろにマークする。公安のようなやり方なんです。それでもって公務執行妨害だぞということでやるし、これはいろいろ報告があって——そのときに私は居合わせませんでしたが、この報告では、おまえのところはつぶすんだという暴言を吐いている。それから、このような商売をするなら国に帰って、つまり朝鮮へ帰ってやれ、妨害すると撃つぞというようなことを言っているのです。これは警官隊ですね。だから、収税官吏のほうは逆に青くなってしまった。収税官がその五人の物件を調査する。妨害なんというのは、この写真を見てもおわかりになりますが、一つもありゃしない。  そこで、国税庁長官にお聞きしたいのですが、国税犯則取締法の第七条で、一、二、三、四と読み上げればおわかりになりますが、差し押え目録または領置目録をつくることを非常にきびしくいっているのです。さっきの四千円は、えこで問題にしたら、東京国税局の上のほうで差し押え物件を調べてみたら四千円ございますといって返してきた。私が返したらと言ったら、ありましたと総務課長が言ったんだから。もし小切手一枚、何十万円、何百万円のものがなくなったらたいへんでしょう。したがって、この国税犯則取締法というのは、これは明治時代の、私から見るとたいへんな悪法です。破壊処分というのがあるけれども……。こういう法律ですら、差し押えの手続について非常に厳密な規定がしてある。本来の趣旨が、単なる便宜措置でもってびっとみんな持ってきてしまって、あとでもって目録をやるというのではないのです。それはあたりまえですよ。ここに「法律」という岩波小辞典の解説がありますが、差し押え物件について押収品目についての問題は「押収」というところで厳密に書いてある。「刑訴法上の」——これは刑訴法上ですが、「証拠物または裁判所が没収すべき物」を差し押えたりなんかする場合、「押収のためには被告人の氏名・罪名・差押えるべき物および令状」——そうすると被告人というのは五人ですよ。これも被告かどうかわかりませんけれども、信用金庫じゃないのですよ。そういうものについて「記載した差押状を発行し、それを検察官指揮の下に検察事務官もしくは司法警察職員に執行させる」、差し押えについては「当事者、その弁護人に立会いの機会を」云々と書いてある。その目録を現場でつくらなければならぬということがはっきり出ている。それはあたりまえですよ。持っていってしまったあとで、いや小切手が何枚だとか、これはあったとか何だということになったらたいへんなことになる。したがって、この法律の趣旨というのは、差し押える場合にはすべての官吏、公吏でもかってに持ってきてはいかぬということになっている。そのためにこれは書いてある。それが書いてなければ全然意味をなさない。どう思いますか。

泉美之松国税庁長官

○泉政府委員 先ほど申し上げましたように、国税犯則取締法の第七条の規定におきましては、差し押えまたは領置したときには、差し押え目録または領置目録を作成すべしということになっておりますけれども、その目録を現場で作成しなければならないという規定にはなっておらないのであります。しかし、実際問題といたしましては、正常な状態でありましたならば現場で作成するのが望ましいので、従来は現場で作成することにいたしております。しかし、十三日の場合におきましては、非常な混乱がございまして、その場で領置目録あるいは差し押え目録を作成しておったのではとうてい臨検、捜索の目的を達成することができないと認めましたので、相手方にその旨を告げまして物件を引き揚げたのであります。きわめて異例の事実に属するわけでございます。  それからいま一つ申し上げておきますが、小切手あるいは現金が紛失しておるということは、昨日、上野信用組合の方のほうから東京国税局のほうへお話がございました。したがって、当方ではそういうものはないということを申し上げましたところ、それでは組合のほうでもう一ぺん調査してみる、こういうことでお帰りになっているのが事実でございます。

広沢賢一日本社会党

○広沢(賢)委員 そうすると今度総務課長を呼ばなければならぬですよ。というのは、総務課長が私に、確かに四千円ございました、ということを言ったのだから。立ち会ったからわかりますよ。石野久男代議士もいた。そう言ったのですよ。それはお聞きになったらわかります。  それで、いま言われたのは異例だと言うけれども、ここに写真があるのですよ。異例じゃないのです。一つも異例じゃない。だれもけがをしていない。けがをしているのは職員の女の子三人が髪の毛をむしられ、け飛ばされたのと、それから指を警察官に曲げられてふくれ上がっているのと——ちゃんと医者の診断書があります。ですから、税務署の方、税務署というか、査察官の方が百名いて、だれもかすり傷一つないです。

泉美之松国税庁長官

○泉政府委員 それは事実と違っております。上野信用組合におきまして、査察官一人が全治三週間の負傷をいたしております。

広沢賢一日本社会党

○広沢(賢)委員 その三週間の負傷かどうか、それは今度現実に診断書を見て判断する以外にない。私が見ているところ、写真であるところでは被害者は職員のほうなんです。  あのときの異例な状態でないことをお目にかけます。いいですか。つまり、その信用組合の建物は全部封鎖されている、一つ。封鎖されているのですよ。それで表にいた人というのは、ここにあるけれども、これもそんなにたいした人数ではない。警察官がずっといるものだから、そのうしろにいるだけなんです。道路のほうにいるのです。門のところには警察機動隊がいる。だからそっちのほうにいるのです。それからその次、支店長が帰ってきたのです。支店長があわてて青くなって、小林一誠さんという査察官と話した。それから必要かどうかを立ち会ってえり分けて、差し押え目録をつくるように重ねて言ったのです。そうしたらそのときに、三時五十分ごろですよ、本店でもそうらしいから上野支店でもそうです。上野支店のことを言いますよ。そうすると、それに対して小林さんは、それは承知した。「目録を残すように要求し、小林もまたそれに同意の意思表示をし、目録作成の作業について話し合うことになった。」これは私が調べてきたのも同じなんです。いいですか。そのときに店外にいた警察官は二階にはしごをかけて、だあっと入ってきたのです。それでガラスを割ってブラインダーをこわして、それで土足のまま入り込んだ。ガラスは割ったと書いてあるけれどもこれは違います。ひびが入った程度ですね。ただし、ブラインダーは全部こわされております。そのとき職員はなぐるけるの暴行を受けた。で、小林さんに対してそのときに、警察官の不法侵入を追及した。そうしたらそのときに小林さんというのは、もう警察官がこういうふうになっているのだから私はだめなんです、小林国税局官吏はこう言っています。警察独自の判断で行なわれるように事前に協議ができていると言っていたというのです。そうした警察官の主導権のもとにやられたのです。こういうことが行なわれていいかどうか、どうぞ。

泉美之松国税庁長官

○泉政府委員 先ほど申し上げましたように、査察はあくまでも査察官が参りまして行なうわけでありますが、ただ、それに対する抵抗、妨害等が予想されます場合におきましては、あらかじめ警察当局に、当方が応援を求めたときにはその応援に応じてもらいたいということを申し入れてあるのが普通であります。本件の場合は、非常な抵抗がありましたために警察官の応援を求めたのでございます。  それから先ほど、小林統括査察官と支店長とのお話についての引用がございましたが、この点についてはこの現場で、いずれ差し押え目録あるいは領置目録を作成することは当然のことでありますが、現場で作成することができないから、局へ帰った上で作成する、こういう話し合いになっておるはずであります。

広沢賢一日本社会党

○広沢(賢)委員 そういういろいろな、局に行って話し合う、いやここで書きなさい、できるんだというので話し合いができた、こういうふうに信用組合のほうは考えている。その点は水かけ論ですから……。しかし、あたりまえですよ、それは。もうちゃんと話し合って、そこまでいっていて、局へ持ち帰ってやる、いろいろな議論をしていたけれども、それはここでやりなさい、もうちゃんと目録ができるそういう状況ですよ。何ら異常なる混乱、革命的混乱じゃない。これを見たらおわかりになる。初めから段ボールを持ってきているんですよ。初めからこんなに大枚な段ボールを持ってきているのですから、みんな根こそぎ持っていってしまうということを考えている。だからお考えになったらわかります。お笑いになっているけれども、小切手とか手形とか一切のもの、また元帳にもつけてない、伝票にもつけていないものを持ち去るということが許されますか。これは銀行局長にもお聞きしたい。どうですか。横領されたってわからぬ。それは許されるかどうか。

泉美之松国税庁長官

○泉政府委員 まだ事件がなまなましい段階でございまして、そうしてお互いの事実認識についていろいろ相違があります段階で、そういうお話を次から次へお繰り返しになられましても、私としましても——私としては報告を受けたものについてだけ申し上げるよりほかございませんので、客観的な事実がはたしてどうであったかということを確認する余裕がありませんと、きょうこれを繰り返しておっても、おそらく晩まで続けましても両方の意見が一致しないだろうと存じますので、その点あらかじめ申し上げておきます。  それからいまのお話でございます。確かにいろいろな物件をより分けまして、被疑者に関連のある物件だけ差し押え、領置するのが本来望ましいわけであります。したがって、それに着手したのでありますが、その終了し終わらないうちに相当多数の従業員及び従業員以外の第三者が査察官を取り囲むような事態になってまいりましたので、やむを得ず現場でそういうことを作成するのをあきらめまして、物件を国税局に引き揚げた上で、その上で差し押え目録、領置目録を作成する、こういう手段にいたしたのであります。なお、段ボール箱を持ってまいりましたのは、査察調査をいたしますとき、常に物件が多数あるわけでありますので、物件をその段ボール箱に入れるわけでありまして、もちろん段ボール箱を持っていっているからその数だけ領置、差し押えしてくる、そういうことでは毛頭ございません。

広沢賢一日本社会党

○広沢(賢)委員 あれなんですよ、泉さんはわりあいにわれわれの中でも評判がいいんですよ。その泉さんが部下をかわいがるという気持ちはわかるですよ。だから何とかしなければいかぬということだけれども、部下の言っていることを、あの横暴の限りを尽くした部下の言っていることを、そのまま聞いてこう言っているから、水かけ論になります。だから、私は写真を持ってきたのです。この写真をじっくりごらんになれば、どんなに無法者がやっているかということがよくおわかりになりますよ。だから、この水かけ論は時間が惜しいからしないですが、これあとでごらんになってください。あとでそちらへ何枚か差し上げますから。  それで、もう一つ一番重要な問題なんですが、こういうことだと思うのですよ。この国務犯則取締法という法律があまりいい法律ではないけれども、この法律ができて、ここに十分書いてあって、第十条ではてんまつ書というのもあるのですよ。てんまつ書というのは何かといったら、現場から離れててんまつ書はできない。「収税官吏質問、検査、領置、」持っていくことですね。それから、「臨検、捜索又ハ差押ヲ為シタルトキハ其ノ顛末ヲ記載シ立会人」——立ち会い人というのは現場の立ち会い人ですよ。「又ハ質問ヲ受ケタル者二示シ共ニ署名捺印スヘシ立会人又ハ質問ヲ受ケタル者署名捺印セス」——納得できないと捺印しないとき、「又ハ署名捺印スルコト能ハサルトキハ其ノ旨ヲ附記スヘシ」と書いてある。これはつくりましたか、どうですか。

泉美之松国税庁長官

○泉政府委員 これは、国税犯則取締法第十条に規定があるとおりでありますから、当然てんまつ書をつくっておると存じます。

広沢賢一日本社会党

○広沢(賢)委員 これでは、その場所でもって「質問ヲ受ケタル者」というのは、参考人、つまりこの国税犯則取締法でいう参考人、被疑者じゃないのですよ。その参考人は署名捺印をしなさいと言われて、捺印を拒否した場合にはその旨を付記するというのですが、署名捺印した書類がありますか。

泉美之松国税庁長官

○泉政府委員 本件、同和信用組合の強制捜査の際におきましては、相手方従業員が立ち会いを拒みましたので、警察官の立ち会いのもとに臨検、捜索をいたしております。したがって、相手方が立ち会い人として署名捺印した覚えはないと言いましても、それはあたりまえのことであります。警察官の立ち会いのもとにやっておるわけであります。

広沢賢一日本社会党

○広沢(賢)委員 冗談言っちゃいけないですよ。つまり、さっき私が申し上げましたのは支店長さんがそこに行って、目録をつくってください、つくってくださいと言ったのですよ。目録をつくってくださいと言ったにもかかわらず、話し中に警官隊が飛び込んできた。そうでしょう。   〔委員長退席、金子(一)委員長代理着席〕  そういうような異常な混乱の状態だから、こうこうこうで持っていったということで、おまえの判こ押せということはあたりまえじゃないですか。支店長ですよ、本店は理事長がいたのですよ。だから、これはつくってないのです。それから異常な混乱した状態じゃないのです。だから、この第七条というのは非常に重要な事項として、何回も繰り返しずっと書いてあるのです。どこをめくってみても、異常なる混乱した状態のときにはその限りにあらずという文句は、この法律に一つもないのです。幾らめくってもないのですよ。そうすると、完全に混乱したと認めてそういうことをやったというのは、法律をほしいままに歪曲したということです。これは裁判官はだれだって認めます。そうすると、第七条並びに第十条の違法である、違法をやったということはお認めになりますか。

泉美之松国税庁長官

○泉政府委員 先ほど申し上げましたように、この七条は、「差押目録又ハ領置目録ヲ」作成すべしという規定にはなっておりますが、それを現場において作成すべしという規定にはなっておりません。しかし、繰り返して申し上げますように、普通の状態でございますれば、現場において作成するのが望ましいわけであります。しかし、十三日の事態におきましては、現場で作成するようなことができる事情になかったので、あとで作成したというのでありまして、したがって、第七条違反とは存じておりません。  それからまた、第十条につきましても、先ほど申し上げましたように、当初臨検、捜索に入りましたときには、相手方が立ち会いを拒否しましたので、その後ずっと警察官の立ち会いのもとに臨検、捜索をいたしたのでありまして、したがって、第十条についても違反いたしておるとは思っていりません。

広沢賢一日本社会党

○広沢(賢)委員 これは重大な問題ですよ。そういうことをやればもうこの七条、十条は全部死んだものになるのですよ。常識で考えてごらんなさい。今後こういう問題がいろいろなところで起こる。銀行局長にはあとでお聞き申し上げたいのですが、つまり大きな三井、三菱とかそういう銀行については一つもやらぬ。ほんとうにやらぬ。ところが、今度信用金庫とか相互銀行とかああいうところに対しては、町のうわさではもう至るところでそれをやっておるのです。あれを調べろ、これを調べろと始終来るというのです。弱いものいじめもはなはだしい。そういう中でもって今後これが行なわれたら、いまの国税庁長官の御返事のような解釈でもってやられたらたいへんなことですよ。これは重大な人権問題になりますから、国税庁長官、きょう答えられなければ次のときでもいいが、ちゃんとしたことをしなければだめですよ。でなければ、国税犯則取締法を改正しなければ、われわれの責任がつとまりませんよ。だからそういう曲がった解釈をするのだったら、与野党一致でもって国税犯則取締法を改正しますよ。改正しなければだめですよ。いいですか、現場でもって大切なものを持ち去る。えり分けて持ち去る。全部持っていったら関係ないものもみな持っていかれてしまいますから、たとえば国税犯則取締法だといって、そういう容疑だというので、政治的な目的にも何にでも使われますよ。大体信用組合の人たちはそういうふうに思っております。だから、政治的な問題にも基本的な人権にも全部かかってくるから、現場でえり分けて、立ち会い人のもとに目録を持っていく、これが常識でしょう。だから、てんまつ書まで必要なんでしょう。てんまつ書を書いていませんよ。あとでつくるのです。冗談じゃない。そうすると、これは基本的人権を侵すのですよ。警察官が通行人をとめるときでも、機動隊は別として、いまの警察官は知っているのですよ。だから、そういう重大な、営業にも差しつかえる、あした不渡り手形が出るかもわからぬというような重大な問題のときに、この五人の脱税の容疑の問題で、預金を調査するだけでもってそれだけのことをやる、たいへんなことになりますよ。それは常識でしょう。常識でお考えになったらわかる。だから、この場合には第七条と第十条は正当な解釈をお互いに確立したいと思います、どうですか。

泉美之松国税庁長官

○泉政府委員 第七条と第十条については、すでにお答えいたしましたとおりでございます。  なお、同和信用組合は金融機関でございますので、私どもとしましてはその営業に支障を来たすことのないようにという配慮のもとに、御承知のとおり三時でもって営業時間が一応終了いたしまして、あとは内部整理の時間になりますので、したがって、その時刻を見はからって、二時五十分に査察調査に入ることにいたしまして、そういった点は十分考慮していたしております。それからまた、翌日の営業に差しつかえると困りますので、そういう翌日の営業に必要な物件につきましては、できるだけ早くお返しするという措置をとりますために、査察官全員徹夜をいたしまして書類をえり分けまして、翌朝七時に返還をいたしておるのであります。したがって、そういう営業について妨害にならないようにという配慮は、十分努力いたしたつもりでございます。

広沢賢一日本社会党

○広沢(賢)委員 その返したのだって、これは私と石野さんが行って、五時から十一時半くらいまで交渉しなかったら返さなかったのです。国会議員や大蔵委員が行っでから初めて返すようになったのです。それだけ非常にひどい。  銀行局長に聞きますけれども、こういうようなことが銀行や信用金庫にやられたら、この前、前の主税局長が言っていましたが、八幡の交際費もこれは営業上の秘密だから国会に報告できません、こういうことを言っておいて、それでもって営業上の秘密もへったくれもないですね。こういうことをやらしておいていいのかどうか、銀行局長、御答弁を願いたい。

澄田智大蔵省銀行局長

○澄田政府委員 本件につきましては、実は私どもはまだ詳細な内容も承知いたしておりませんし、国税庁のほうから、新聞記事もございましたので一応の話を聞きました。それから、監督をいたしております東京都経済局のほうからもまだ何も聞いておりませんので、具体的な本件についてのお答えということはいたしかねるわけでございますが、一般的に申しまして、金融機関という特殊な性格、一般の預金者をかかえておるというようなこと等からも見まして、国税の調査というような場合には、この金融機関の業務の遂行ということに支障のないように、そういう配慮がなされるということは望ましい、これは当然のことでありますし、従来からもそういうようなことで、国税庁のほうとも打ち合わせをしておるわけでございます。  それから、金融機関によって差別があるのかというような趣旨の御発言のように受け取りましたが、それは、金融機関の性格、金融機関というもの一般のお話として私申し上げておるのでありまして、どの金融機関だからどうの、こういう点についての区別という問題はないと私は思います。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 関連して。国税庁長官、あまり感情的にならずに、あなた自身が捜査したり、調査をしたわけではないのですから、あなたは真実を知らぬはずであります。真実を知っておるのは、やった本人だけです。その本人がはたして真実をそのまま長官に報告したかどうかも、これも疑えば切りがない話であります。そこで、これは両方の話を聞いて、長官たる者の態度は、よし、それではたいへん行き違いがあるようだから、どちらが真相であるかを調べてみようというのが公平なる長官の態度でなければいかぬと私は思うのであります。  そこで、長官、ちょっとお尋ねしますが、まず本店の例でちょっと議論しますよ。本店に国税庁なり税務署が調査に行った場合、拒否された実例は、何年何月にどういう実例がございますか。あなたへの報告ではどうなっておりますか。

泉美之松国税庁長官

○泉政府委員 私も、できるだけ、客観的な事実が判明すれば、それに基づいてお答えしたいと思うのであります。私がいま得ておりまするのは、東京国税局からの報告だけでございます。ですから、先ほどもお断わりいたしましたように、私としては、現在こういうことでお答え申し上げるのは必ずしも適当な時期ではないと思っておるのでありますが、お問いになるから答えざるを得ないのであります。  それで、お話がございました被疑者につきましては、本年四月四日、十月九日、十二月五日、それぞれ取引状況並びに預金の状況について任意調査いたしたいという申し入れをいたしまして、それに対しまして、拒否されておるのであります。それから、そのほかにおきましても、同和信用組合のほうでは、何か七件ばかりは協力したというようなことを言っておられるようであります。しかし、その状況につきましても、書類で答えるといって、非常に書数が遅延したといったようなこともあったようでございます。従来から、任意調査に対してそれほど協力的であったとは思えないのであります。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 そうすると、具体的に十三日の日に、警官まで導入し、百人の査察官を飛び込ませるための具体的、直接的原因は、いまの説明では乏しいですね。  そこで、私らが本人から聞いたことが真実であるか、国税庁のあなたへの報告が真実であるかを今後調べるという前提で、私はちょっとお尋ねいたします。  いま長官がおっしゃった、ずっと日を追ってちょっと申し上げますと、四十二年の十月、三共商会というものの脱税の疑いで本店に調べに行った。三共商会は本店とは取引がないということで、この問題は話がついた。十月、谷口哲義さんという人の脱税問題で、仙台国税局から調査に来た。——そこをちょっとメモしてくださいよ。田村利雄、竹村という二人の国税局員が来て調査した。そのときも喜んで——喜んでかどうか知りませんが、すべての書類を見せた。これは見せているかいないかは田村と竹村を長官が呼んで聞けばすぐわかるのですから、真実はすぐつかめるはずですよ。さらに、十月に、渋谷の鄭さんの脱税問題だと称して調査に来られた。どういう書類とどういう書類を調べたいからということで、丁寧にリコピーまでとって書類で提出している。これも事実であるかどうかは、長官、聞けばすぐわかることであります。本年の十一月に、第一勧業というところがやはり調査をされた。預金、貸し付け、一切の書類を組合では提出をしたのです。さらに、本年の十一月、神田の村井産業の調査に三人で来られた。そこで、いまちょうど本店が忙しい最中だから少し先へ延ばしてくれないかと言ったら、そこで、見たいものは見るからと言って、手形貸し付けの台帳、そういう関係だけをその日は見て帰った。そして後日また来るということであった。十一月十三日、麻布南山亭の問題で、清水という事務官が本店に行っているはずであります。これも調べればすぐわかるはずであります。その清水さんと副支店長でいろいろ話し合って、それでは、必要なものはいままでもずっと出していたんですから、必要なものは出しますという話になった。ところが、副支店長が出ている間に、しかも、この本店は、女子職員が圧倒的に多くて、午後は男子職員はあまりいない本店だそうでありますが、そういうときに、その日の午前中に来て、しかもずっといままで協力をしてきた経過があるにもかかわらず、突然午後警官を動員し、査察官百人を動員してやるということは、どう見ても、朝鮮人が中心の金融機関だからという偏見以外の何ものもないと私は推察するのであります。こういう態度は職権の乱用と言わずして何と言えるか。これは長官が幾ら弁解しても、この参考人に、ただいまの六件ばかりの調査に協力した副支店長及びそこに立ち会った税務官吏を呼ぶならば、真相は明らかだと思うのであります。したがって、長官のただいまの答弁は、東京国税局の報告は、真実を語っていないと私は断定せざるを得ない。したがって長官、もう一度冷静に、その真実を追及するために——人権問題にまて発展をするかもしれない。あるいは営業権の侵害に発展するかもしれない。もし、その持ち去られた書類、それがないために手形が翌日不渡りになった場合の損害はどうするのだ。国家の出先として権力を付与された税務官として、これは重大な責任があると私は思う。それを一報告に基づいて、真実をまだつかめないならば、なるほど広沢委員のおっしゃる点があるいはあるかもしれない、あるいは国税局の言うことが正しいかもしれないという、その「あるいは」がつかなければならないはずであります。したがって、長官としては、これから十分真実をつかむために調査したい、これくらいの答弁、最高責任者として、そのくらいの心がけはあってしかるべきだと私は思うのであります。長官、私の言うことは少々御無理でございましょうか。長官の態度をもう一ぺん聞きたい。

泉美之松国税庁長官

○泉政府委員 私も、同和信用組合のほうから、従来調査については、武藤委員は六件おあげになりましたが、七件について協力してきたというようなことを言っておられるということを聞いております。しかし同時に、東京国税局の報告によりますと、今回査察調査の目的になりました被疑者については、従来からずっと協力してもらえなかったというふうに聞いておるのであります。したがって、それらの点につきましては、事実問題でございますので、十分その事実を確かめてみたいと思うのであります。  それから、私繰り返して申し上げましたように、十三日の事件——昨日もいろいろ混乱しているような事実がある段階におきまして、ここでお答え申し上げるのは適当な日にちではないというふうに申し上げておったのでありまして、したがって、現段階では、私としましては、東京国税局の報告を正しいものと考えて申し上げるよりほかないわけであります。したがいまして、それが事実であるかどうかということにつきましては、おっしゃるまでもなく、さらに十分調査いたしました上でお答えいたしたいと存じます。

広沢賢一日本社会党

○広沢(賢)委員 その調査の参考までに申し上げますが、あげてきた五名の人の中で、李五運さん、それから金年珍さん、松本裕商事会社、これはすでに東京国税局へ査察官の要求どおり提出しています。そういうリコピーとか提出したものも全部、控えも全部そっちへいっているのですよ。東京国税局へ押収されているのです、証拠物件も。だから、何がどれだけこっち側の有利になる、こっちが不利になるといういろいろな材料も全部国税局へいっているのです。こんなむちゃなことはないでしょう。ちゃんと協力しているのです。それはメモを見て、手帳からメモをずっと営業部長が拾って数え上げてここに出してきたのです。ですから、やはり東京国税局の下から言ってきたことをそのまま受けつけないで、やはり全部調査をしていただきたいのです。これは重大な問題なんです。特に重大な問題は、先ほど私が申し上げましたこの国税犯則取締法は例外規定を設けていないのです。これは現場でつくるのです。あたりまえでしょう。憲法のあれからずっとたどっていけばこうなるでしょう、これは旧憲法ですから。それでもこれだけきちっとしてあるのです。それで、てんまつ書というのは、これは立ち合い人が必要だし——このてんまつ書をつくったかどうかなんということは、あとでもみ消してしまうからあれだけれども、しかしながらこのてんまつ書の趣旨というものは、これは質問を受けた者が署名捺印する。それでなければ、踏み込んだ者、捜査した収税官吏その他はあとで自分の責任を問われるのです。あれがなくなった、これがなくなった、こうだった、ああだったということがないように、十条が入っているのです。おわかりになると思うのです。これもくどくは申しませんが、この問題については、重要ですから、いまお答えにならなければ、私どものほうも全部これは厳密な解釈をします。そうして国税庁長官と合意の上で、今後ちゃんとした結論を得るか、それとも、あいまいだから国税犯則取締法を改正するか、それ以外にないと思います。長官はそれに合意しますか。今後この規定の解釈について、やはりこれはきちっとしなければだめですよ。えらいことが起きますよ。国税庁長官が知らない間にたいへんな人権じゅうりんが行なわれる。ですから、それについてはきちっとした御答弁をお願いしたい。

泉美之松国税庁長官

○泉政府委員 国税犯則取締法については、学者の解説もいろいろございまして、その解釈はとくに明らかになっておると存じます。しかし、広沢委員の御意見でございますので、その解釈につきましてさらに明確にいたしたいと存じます。  なお、私、先ほど武藤委員にお答えするのを忘れておりましたが、本件同和信用組合に対します査察調査は、同和信用組合自体の脱税容疑ではございませんで、その取引あるいは預金者についての脱税容疑で強制捜査に踏み切らざるを得なかったのであります。これはまことに遺憾なことでありまして、従来金融機関につきましては、査察調査であるという場合におきましては、たいてい協力していただけることになっておったのでありますが、本件のようなことになりまして強制捜査をせざるを得ないという事態になりましたことは、たいへん残念なことに思っております。なお、私どもといたしましては、本件同和信用組合を査察調査いたしたといいましても、これは、北朝鮮の人たちに対するいやがらせであるとか、あるいは何らかの政治的意図に基づくものであるかのごとく言われておりますが、そのようなことは毛頭ございません。重ねて申しますが、五名の被疑者についての取引並びに預金を調査しないと、その五名の脱税容疑を固めることができないということで、任意調査に協力方を求めたのでありますが、任意調査に協力していただけませんので、強制調査に踏み切ったのであります。あくまでも脱税容疑のために調査したということであります。政治的意図なんかは毛頭ございませんことを御了承いただきたいのであります。

広沢賢一日本社会党

○広沢(賢)委員 もう何回繰り返してももとに戻ってしまいますが、さっきの国税犯則取締法の問題については私はあれしたのです。  その次に、今度は政治的な問題でない、これは水かけ論です。国税庁長官が何と言われても、その主導権はおまわりさん、機動隊員がとっておる。背中にチョークでこうやってやる。あれは公安がやることで、収税吏がチョークをやりますか。そんな指導はしていないでしょう。そうすると、公安がやって、主導権をとってあばれ回ったということは、写真が物語っておるのです。したがって、今後、警察権力を使ってこういう強制捜査をなさる場合には、これは機動隊というものはどうもうなところがありますから、収税官吏の及ぶところでなしということになるとたいへんだから、やはり税務査察の場合には十分その点を統轄するなり何なりしなければ、これはたいへんなことになるのです。  それからもう一つは、国家賠償法というのがございます。国家賠償法は、御承知のとおり、公務員が職務執行に際し、故意または過失によって違法に他人に損害を与えた場合ですね。営造物や何かに傷を生じた、損害を生じた場合、国または地方公共団体に対して損害賠償を求める法律です。そうすると、私は今後いろいろあれしますが、第七条、第十条について十分これを検討しまして——ずいぶんいろいろなことをやられておる。たとえば大きなドアの金庫がある。銀行ですからそういう金庫がある。その金庫をごしごしこじあけて、それから今度は何かどろぼうがやるように音を聞きながらやる人がおるらしい、その人がこうやってあけて、それでもってこじあけた。それからロッカーは十一個かぎのついておるロッカーを全部引き出しをドリルとジャッキでぎゅうぎゅうやって、ぱしっとやって使いものにならなくなった。それから簡単な手動式計算機、あそこにあったのが動かなくなった。それからシャッターをおろしてしまって、それをこじあけたりおろしたりしたものだから、そのままもう使えないというような損害がずいぶんあるのです。それから写真で見ればわかりますが、二階から飛び込んできたから、いろいろと書類が散乱して、どろぐつでもって伝票がみんな踏みにじられている。そういう問題を全部ひっくるめますと、今後——今度は仮定の場合です。収税官吏が国税犯則取締法に違反した行為でもって、そういう越権行為でやった場合には、はっきり決着がついた場合には、これは国家賠償法の適用になると思いますが、いかがですか。

泉美之松国税庁長官

○泉政府委員 御承知のとおり、国税犯則取締法第三条ノ二におきましては、「収税官吏臨検、捜索又ハ差押ヲ為スニ当リ必要アルトキハ錠ヲ外シ戸扉又ハ封ヲ開ク等ノ処分ヲ為スコトヲ得」こういうふうになっておりまして、したがって、いまお話しのようなことが行なわれたことと思いますが、私どもといたしましては、そういうふうにして錠をこわしたりあるいはシャッターがこわれたという点につきましては、後日それを旧状に復旧することをいたしております。したがって、本件、同和信用組合の場合におきましても、いずれ復旧方を申し出るつもりでおりますが、一昨日、昨日と混乱しておりますので、まだその段階に至っておりません。できるだけすみやかに当方の負担におきまして復旧いたしたい、このように考えます。

広沢賢一日本社会党

○広沢(賢)委員 まだ御質問申し上げたいところは一ぱいあるのですが、一応国税庁長官もいろいろ調査しなければならぬと思います。私のほうももっといろいろと国税犯則取締法そのものについてのきちっとした学者その他の意見を全部書類で今度持ってまいります。その上で、この問題については今後こういうことがないようにお互いにきちっとしたいと思うのです。これは政治目的がなくてであったらなおさらだと思うのです。なおさら今後起きますよ。そうしたときに、銀行局長はたいへん血相変えておこらなければならぬと思うのです。こういうことがそこらじゅうの銀行でもって行なわれたら、これは経済界に混乱が起きますよ。だから、その点についてしかと今後調査して、それで行き過ぎがあったらあった、なければないと明確な答弁をこの次用意していただきたいと思います。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 長官、いま社会党はこの調査委員会をつくって正式に当事者に当たって真実を確かめたいと思いますが、長官のほうでも十分何が真実であったかという事実関係を明らかに調査していただきたいと要望しますが、よろしゅうございますか。

泉美之松国税庁長官

○泉政府委員 御要望のことでけっこうだと思いますが、どうかそのときにおきましても、一方的な見解だけを取り上げるのでなしに、双方の主張を十分お聞きくださいまして、何が正しかったであろうかということを判断していただきたいと思います。私もそういたしたいと存じます。

金子一平自由民主党

○金子(一)委員長代理 次回は来たる二十日水曜日午前十時十五分理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。   午後一時十二分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗