石炭対策特別委員会 第2号
- 発言数
- 43 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1967/12/14
会議録
○多賀谷委員長 これより会議を開きます。 石炭対策に関する件について調査を進めます。 この際、石炭対策の基本施策について通商産業大臣から所信を承ることといたします。椎名通産大臣。
○椎名国務大臣 私はこのたび通商産業大臣に就任いたしましたが、所管事項の中でも石炭行政は、エネルギー革命の渦中にある石炭産業の安定をはかるのみならず、保安の確保、産炭地域の振興、鉱害の円滑な処理等、地域経済の振興、国土の保全、民生の安定等の見地からする幅広くかつ困難な問題をかかえており、私といたしましては国会をはじめ関係各方面の御協力を得て、誠心誠意石炭問題に取り組んでまいる所存でございます。 石炭鉱業につきましては、昨年七月の石炭鉱業審議会からの答申に基づいて本年度から石炭鉱業の安定、鉱害復旧、産炭地域振興等に一そう強力な施策を実施してまいったのであります。 しかしながら、本年度に入ってからは出炭状況は当初の予想をかなり下回り、なお楽観を許さない情勢にあり、保安の確保、鉱害の復旧、産炭地域の振興についてもさらに対策の充実が待たれている状況であります。 石炭鉱業の現状につきましては、しばらく状況の推移を注意深く見守りたいと思いますが、今後の石炭対策といたしましては、出炭及び企業の経理状況等の分析及び予測に基づきまして適宜適切な施策を講ずることにより、真に石炭鉱業の再建がはかられるよう努力する決意であります。 本特別委員会は従来から石炭対策につき熱心に御審議をいただき、また心強い御指導、御鞭撻をいただいておりますが、今後とも一そうの御協力をお願い申し上げる次第であります。 なお、当面緊急を要する事項といたしまして本臨時国会におきまして炭鉱整理促進費補助金等の補正予算案を提出いたしましたところでありますので、よろしくお願いを申し上げる次第でございます。(拍手)
○多賀谷委員長 この際、藤井通商産業政務次官、熊谷通商産業政務次官からそれぞれ発言を求められておりますので、これを許します。藤井通商産業政務次官。
○藤井政府委員 私はこのたび椎名通商産業大臣のもとで政務次官を拝命いたすことになりました。たいへん経験も浅く、特にまた石炭行政に対してはずぶのしろうとでございます。皆さん方の格別の御指導と御鞭撻を切にお願いを申し上げまして、ごあいさつといたします。(拍手)
○多賀谷委員長 次に、熊谷通商産業政務次官。
○熊谷(太)政府委員 今回通産政務次官を命じられました参議院の熊谷でございます。浅学非才でございまして、皆さま方の御指導と御支援によりまして職責を果たしてまいりたいと存じますので、この上ともよろしくお願いを申し上げます。(拍手) —————————————
○多賀谷委員長 引き続き、石炭対策の基本施策について質疑を行ないます。岡田利春君。
○岡田(利)委員 ただいま通産大臣から所信の表明が行なわれたわけですが、その中で、石炭鉱業の現状につきまして述べられておるわけです。去る十一月十一日の当委員会におきまして、菅野通産大臣は私の質問に対して実は答えたのであります。いわゆる第三次答申を受けて石炭鉱業安定のための抜本対策を進める、こういうことで発足をしてまいったわけですが、この実施は二年半程度ズレを生じたことはすでに御承知のとおりであります。そして今日依然として石炭産業の不安定な状態というものが出炭減になってあらわれ、あるいはまたこの要因としては、人員の確保の問題、あるいはまた日本的な地質構造におけるわが国の石炭産業において、思わぬ出水事故、あるいはまた自然発火等のそれぞれの事故の発生をも見まして、出炭が不振になっておることは、大臣からいま所信表明がなされたとおりであります。そこで菅野通産大臣は、抜本対策と考えて政府はこういう施策をとったけれども、今日石炭産業はこの抜本対策で救われる状態にはない、したがって、すみやかに、根本的に、長期に石炭産業が安定をするための再検討をしなければならない、実はこういう答弁がなされたわけであります。したがって、新しく就任をされました椎名通産大臣として、この所信表明から受けるところ、菅野通産大臣が十一月十一日に答弁をしましたように、長期的に石炭産業を安定させるための根本的な対策をすみやかに進められる意思であろう、このように私はこの所信表明から受けたわけでありますが、との点についての見解を承りたいわけです。
○椎名国務大臣 お答え申し上げます。 本年度から本格的に実施しております石炭鉱業の安定対策は、政府が石炭鉱業審議会の答申を待って昨年その趣旨に沿って行ないました閣議決定に基づいて確立されたものでございます。しかし、御指摘のとおり、なおその後の石炭鉱業を取り巻く諸情勢は、出炭不振等楽観を許さない情勢に立ち至っておることは事実であります。こういう情勢にかんがみまして、ここはしばらく情勢の推移をひとつ注目してみたいと思うのでありますが、今後の石炭対策といたしましては、出炭及び企業の経理状況等の分析、どうしてこういう状況になっておるのか、そういう分析を十分にやり、さらにこの分析に基づいて将来の予測を立てまして、適切な策を講ずることによってほんとうに石炭鉱業の再建をはかるということにしたい、こう考えておるわけでございます。石炭鉱業関係者にもお目にかかりました。各社の利害を超越して、ここで国民経済的な視野に立って、石炭産業の今後の基本政策を検討するという趣旨の決議を行なった由を承っておるわけでございますが、私といたしましてはさような趣旨で、業界が真剣になって業界一致した結論をお出しいただくということは、こういう状況にかんがみて、まことに望ましいことであるというふうにはもちろん考えておる次第でございます。
○岡田(利)委員 いまの大臣の答弁は、前菅野通産大臣の答弁から見て非常に何か消極的であり、積極的に検討するという点で非常に後退をしたのではないか、こういうふうに私はいまの答弁から受けるわけです。御承知のように、石炭産業は、大臣が述べておりますように、出炭の減という要素は具体的にすでに把握されておるわけです。また経理状況の問題については、一千億の肩がわりをする場合に、それぞれ各社再建計画を出して、そういう資料というものはすでに通産省にあり、これを具体的に分析をして、最終的に肩がわりの許可、認可の事務手続を通産省として終わっておるわけです。言うなれば、一つの標準になる計画が出されておるわけです。もちろん、これは経理状況もすべて付して提出をしているわけですから、その後出炭減による経営状態の悪化というものは、この標準に合わせれば当然理解ができるわけです。そうむずかしい問題ではないわけです。そう時間がかかるとわれわれは考えないわけです。むしろ今日の石炭産業は、従来もそうでありますが、すみやかに適切な措置をとる、このことが一番大事ではないか、タイミングが非常に大事なわけです。私は、そういう意味において、今日の石炭産業の現状というものは、すみやかにその対策について根本的に再検討をすべきではないかと思う。菅野通産大臣は再検討する、こう答弁をしておるわけです。その認識の相違は一体どこから生まれてきたのですか。この点について明確にしてもらいたいと思います。
○椎名国務大臣 別に、前通産大臣の考え方に対して、特にその線から後退するというような考え方をしておるつもりではございません。すでに出発したばかりのこの従来の計画を、さらに基本的に再検討するということは容易ならざる問題でございますので、私としてもこの情勢をもっと真剣に十分に勉強して——しかも慎重ということは、別にのろのろやるというわけではございません。緊迫した問題でございますから、なるべく時期を失しないように、しかも十分に情勢を注意いたしまして、そして、もしその方向で、いま基本的な再検討の時期であるという判断がつきますれば、そういう方向に進んでまいる。いずれにしても、業界が一致してこの情勢下において、さらにもっと突っ込んだ具体的な問題に関する結論が出るならば、これはまことに望ましいことである、かように考えておるようなわけでありまして、決して後退というような、あるいは憶病な気持ちで、ただもじもじしている、ちゅうちょ逡巡するというようなことは、もちろんこの情勢下においてはなすべきものではない、かように考えております。
○岡田(利)委員 いま大臣の答弁の中で、石炭業界は次のような決議をしている。「大手石炭各社は、わが国エネルギー産業の担い手としての立場にかんがみ、各社の利害を超え、国民経済的視野に立って、共同して、石炭産業の今後の在り方を至急検討する。」しかも、石炭業界のそれぞれの有力な代表者は、その考え方を積極的にいま表明をしておる状況については、大臣は御承知だと思うわけです。そういたしますと、いまここでしばらく状況の推移を注意深く見守る、こういうことはもちろん大事でしょう。しかしながら、通産当局としては、出発したばかりの政策ではあったけれども、この政策では石炭産業の安定を期することができない、こういわれておるわけです。したがって、通産当局としては、すみやかに長期的な視野に立って石炭産業の安定のための検討を開始すべきではないか、これは当然ではないか、その検討の過程において業界の意向も十分注意深く慎重に聞かなければならぬでありましょう。あるいはまた炭鉱に働いておる労働者の意見も十分聞かなければならぬでしょう。あるいはまた石炭を使う需要者側の動向等についても、十分意向を聞き、判断をしなければならぬでしょう。これは作業の過程において行なわれる問題だと私は思うのです。私はそういう意味において、菅野通産大臣は昭和四十五年度までの自立安定策の政策ではあったけれども、その政策は二年半のズレもあったし、現状にそぐわない面もある、したがって今度は長期的な立場に立って、石炭産業の安定のための対策というものを根本的に検討するんだ、このように言われたわけですから、当然この情勢の認識については変わるはずがないわけです。私はすみやかに検討すべきだと思うのですが、もう一度大臣、答弁を願いたい。
○椎名国務大臣 いろいろな段階において常に検討は必要でございます。そういう意味において、注意深く情勢を見守りながら検討は続けてまいりますが、なお業界その他関係方面の具体的計画というものについての考え方がどういうふうに一体今後進められていくかということもあわせて見守っていかなければならぬ、かように考えております。
○岡田(利)委員 検討はするということですね。しかも今度検討する場合には、長期的な視野に立って石炭産業の安定のための根本的な対策を検討するんだ、こういう意味ですか。
○椎名国務大臣 まあ、ことばで表現すると非常に不正確になりますが、そういうことをあえて私は否定はいたしませんが、菅野前大臣がどういうつもりで抜本的な再検討ということを言われたか知りませんが、とにかくいま無計画にやっておるわけじゃない、審議会の答申を待って閣議決定に基づいた一つの案がありまして、それをいま現実にはやっております。これはやはりこの線で進んでいくといたしまして、そうして一体これでいいのかというようなことについては、絶えず出炭不振の状況にかんがみて考えていかなければならぬ、これは一体一時的のものであるか、それとも構造的なものであるか、これも従来の方針をそう曲げないで、大体においてこの道を歩んで、そして多少ぐあいの悪いところを是正しながら進んでいいのであるか、それともそれではもういかぬということになるか、そういったような問題について、これはもう絶えず考究いたしまして、そしてなるべく時期を失しないで、もし必要であればさらに具体的な基本計画というものに進んでまいらなければならぬ、こういうふうに考えるわけでありまして、現在は何もないというのじゃない、やはり現在の基準というものはちゃんとあるのでありますから、それはそれで力強く推進をするというこの態度は捨てるわけにはいかぬ、こう思っております。
○岡田(利)委員 石炭産業に対する対策の抜本策というのは、昭和四十五年度までに自立安定をするんだ、こういう前提に立ってその対策が組まれたことは御承知のとおりなんです。昭和四十三年度の予算要求がすでに大蔵省に対してなされて、通常国会でこの予算を審議しなければならぬわけです。しかもこの四十三年、四十四年、四十五年で自立安定をするという前提がくずれておることは、もう天下周知の事実なんです。具体的な事象をあげるまでもなく、このことはもうよく御承知のとおりなんです。そういたしますと、石炭産業の安定というのは、昭和四十五年度では安定はできない。だから長期的に石炭産業を安定させるためには、どうしても長期的な視野に立ってもう一度具体的、根本的に掘り下げて再検討をし、これに伴う政策を出さなければならぬということは、これは今日わが国の常識になっているんではないですか。しかも、もし通産省が検討をするとしても、短時間でそういう長期的な石炭産業の安定のための施策というものが検討できるというものではないと私は思うわけです。 このように考えてまいりますと、当然いままでの石炭産業に対する政策では、石炭産業の自立安定というものは昭和四十五年度までには不可能である。不可能であるばかりではなくして、むしろ四十五年以前に倒産をする企業というものもあらわれるのではないか、あるいは労務倒産の炭鉱も出るのではないか、あるいはまた肩がわりが裏目に出て、逆に銀行、金融筋は石炭産業から資金を撤退をするという強い態度であらわれてきていることも情勢として御承知のとおりなんです。これだけ情勢がはっきりしておるのでありますから、石炭産業の安定のための根本的な対策を再検討しなければならぬのは、私は当然だと思うわけです。だから、菅野前通産大臣は、自分で抜本策の答申を受けて予算をつくり、初年度の出発をしたけれども、これでは石炭産業が安定をしない。むしろ時期を失することによって傷はより深くなるであろう、より混乱が起きるであろう。だから、そういうことにある程度こだわらないで——もちろんいままでの政策が基本にはなりますけれども、すみやかに長期的な視野に立って今度は根本的な検討を進めるんだ、私はこう答弁をされたと思うわけです。これは大臣、当然ではないですか。いかがです。
○椎名国務大臣 まだその点について詳しく私も経過を御当人から聞いておりません。当人から聞かぬでも業界の情勢はすでにそうなっておる、こういう御判断のようでありますが、スタートを切ったばかりでございますから、まずしばらく情勢を見守って、そして同時に、この計画でいいのか、計画はいいけれども、実行の面において何か欠陥があるのか、計画それ自体が悪いのか、情勢はもう非常に従来の計画と乖離しておる、隔たりがある、こういうような状況になっておるのかどうかということについては、私は確信を得るまでもう少し見守りたい、かように考えるわけでございます。計画をスタートしたばかりで、ここでこれをまた非常に大きく改変するということは、これはきわめて重大な問題でありますので、問題を混乱させない、スムーズにこれを変改すべきものは変改をしていくということにしないといかぬのではないかというような配慮から、私はこういうことを申し上げておるのでございます。
○岡田(利)委員 前通産大臣と引き継ぎもされないで——しかも事務当局があるわけですよ。そしていま大臣は所信表明をされたわけです。その点が十分打ち合わせをされていないとするならば、少なくとも大臣の所信表明は撤回してもらって、あらためて打ち合わせをしてやり直してもらわぬといかぬ。どうですか。
○椎名国務大臣 よく考えてみましょう。とにかく問題の重要性は私も認識しておりますので、責任閣僚といたしまして、私はあくまで事態の改善に全力を注ぐ意気込みでここにおるわけでございますから、ことばのやりとりはしばらくおくといたしまして、とにかくいろいろ御鞭撻によってこの石炭鉱業の改善に努力したいという気持ちはひとつ御了解を願いたいと思います。
○岡田(利)委員 これは委員長に申し上げますけれども、いま大臣と私のやりとりについては、委員長もお聞きのとおりなわけです。この点が明確にならないでこれからの石炭対策を進めることは、不可能だと思うのです。まして予算要求はすでにいたして、年内に予算編成をするか、いずれにしても年が明ければ早々予算編成も行なわれるわけですし、そういう意味ではこの点を明らかにしてもらわなければならぬと思うのです。私は、きょうは特に所信表明でありますから、基本、骨格の問題だけを質問いたしますから、これ以上質問してもむだだと思うわけです。したがって、委員長としてぜひこの点について、打ち合わせをしていないならば打ち合わせをしてもらう、また大臣に就任されて、この点意見の調整が事務当局とも不十分であるとするならば、十分意見の調査をしてもらって、あらためてひとつ、その打ち合わせ、調整の結果、大臣としてこれに対する見解を明らかにしてもらって、それから私は質問を行ないたいと思います。その点について善処方を要請したいと思います。
○多賀谷委員長 ちょっと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○多賀谷委員長 速記を始めて。——椎名通産大臣。
○椎名国務大臣 きわめて緊切な、重大な問題でございます。しかも、計画立案の当時と違って、非常な違いを示しておるというこの情勢下においては、できるだけこれを急いで、従来の計画を煮直すという時期はもうそろそろきておるということを感じますので、御指摘の線に沿うて私も努力したい、かように考えております。
○岡田(利)委員 昭和四十三年度の予算については、すでにもう予算要求が行なわれて、予算編成の時期を間近に控えておるわけです。したがって、四十三年度の予算は、従来の方針に基づいてこの予算をきめなければならぬわけですが、いま大臣が答弁されたいわゆる煮直しをしなければならない、この煮直しをする場合には、当然長期的なものを私は考えるわけです。前の答申は、四十五年度ですから、これでは事実安定しないわけですから、長期的な視野に立って検討されると思うのですが、この点については、私のそういう理解でよろしゅうございますか。
○椎名国務大臣 もちろんこれは一時的なものではない。この情勢が一時的な現象であるならば、これは長期的にものを考える必要はないだろうと思うが、おそらく私はこれは長期的な、やや構造的な原因に基づくものであると考えますので、当然長期的になると思います。
○岡田(利)委員 この検討が進められるめどは、予算編成がありますから、すぐにはできないわけです。当然来年度の予算がきまり、通常国会も二十七日から召集されて、本格的な議論というのは、一月の末から二月になってまいるわけですが、大体大臣としていつごろから検討される目途ですか。
○椎名国務大臣 なるべく早くということを申し上げることが一番間違いないと思うのであります。
○岡田(利)委員 従来、有澤調査団が編成をされ、第一次から第三次の答申が石炭鉱業審議会の議を経て実は行なわれておるわけです。しかし三度にわたる答申でも、石炭産業の安定をはかることはできなかったわけです。ですから、検討される場合には、当然通産省に石炭鉱業審議会があるわけですから、この審議会に諮問をして意見を求めるのか、さらに答申を求めるのか、あるいはまた審議会によらないで別途な形で検討されるのか、こういう点についてはどうお考えですか。
○椎名国務大臣 やはり問題をフェアに進める意味におきまして、審議会というような、こういうりっぱな機関がありますから、これに諮問することが適当ではないかと考えております。
○岡田(利)委員 石炭鉱業審議会は三度にわたる答申を行なった、しかしその対策が時間的にずれた面もございますけれども、残念ながら石炭産業の抜本対策と打ち出した第三次の答申も、その実施初年度において石炭産業自体がいろいろな混乱を起こし、いろいろな問題をいま提起しているわけです。そういたしますと、審議会の構成については根本的に改めるか、あるいはまたメンバーについても一新をして大臣としては諮問をされる考え方があるのか、こういう点についてどうお考えになりますか。
○椎名国務大臣 三回にわたっての答申が、そういうことばをお使いになったわけではないが、大体あまりいい点数をつけられない、したがって、この際、機構の悪いところがあればこれを是正し、人が適当でなければこれをかえるということまで問題が発展する可能性があるが、これをどうするかというお話のようでありますが、私が大体見渡したところ、非常に石炭業界には通暁しているエキスパートであり、いずれもりっぱな人々でございますので、これを根本的に一新するという考えは必要がないのではないか、かように考えております。
○岡田(利)委員 石炭鉱業審議会に諮問する是非は別にして、問題は、いまの鉱業審議会の中でそれぞれ専門部会等も設けられているわけですが、この点については、大臣が諮問するまでもう少し慎重に、そしてメンバーについても、あるいはそれぞれ審議会の組織構成についても十分検討すべきではないか。なぜかならば、第三次答申が出て、さらに長期的な視野に立って石炭産業の安定のための答申を求めるわけですから、私は、政府の権威からいっても、きわめて重大だと思うのです。そういう立場からすれば、今度出る答申というものは、いままで最後の最後といわれてきましたけれども、政府の権威からすれば、ほんとうに最終的な石炭産業に対する長期的抜本策である、こう理解をするわけです。その答申を求めるわけですから、そういう意味では、審議会の構成メンバー等についても十分検討すべきではないか、こう考えるわけですが、この点についていかがですか。
○椎名国務大臣 その点について十分慎重に検討する必要はあると思います。その結果どうなるかということについては、これは予断を許しませんけれども、大体見渡したところ、相当の人がそろっているから、これを一新する、こうかかって検討するというような必要はないのじゃないか、こう考えますが、その点は慎重に検討せよという御提案でございますので、十分慎重に考えたいと思います。
○岡田(利)委員 今日の日本の石炭産業の問題点というのは、単にわが国だけの問題ではないわけです。イギリスや西ドイツにおいても、石炭対策については政府がずいぶん頭を悩ましております。またフランスについても同様であり、出炭は少ないけれども、スペイン等についてもいま非常に大きな政治の課題になっているわけです。一方において、アメリカは飛躍的な石炭の増産の政策を打ち出している、あるいはまたソ連をはじめ共産圏の諸国においても、これは倍増する石炭の生産の方向を政策としていま打ち出しているわけです。こういう国際的な趨勢を無視することはできないと私は思うわけです。そして特に西ヨーロッパにおける石炭政策のあり方、こういうものは相当程度日本のこれからの打ち出していく政策にも大きな関連を持っていくものだと私は思うわけです。いわば国際的なエネルギー政策の視野に立ってこれからの長期的な石炭産業の対策というものは進めていかなければいかぬのではないか、このように私は考えるわけですが、この点についての大臣の認識について承りたいと思います。
○椎名国務大臣 最近西独の石炭政策、これは非常に抜本的なものだと思うのであります。いずれも状況は、国は違っても一にしておる、こう考えますので、これは大いに他山の石として学ぶべきものがあればこれを学んでいきたい、こういうふうにだれしもこれは考えることだろうと思います。
○岡田(利)委員 来年度の石炭対策の予算をすでに大蔵省に要求しているわけですが、私の承知しておるところでは、従来の、昭和四十二年度の予算に比べて、新しい予算といいますか、こういうものは、一つには坑道掘進補助金の単価の改正や補助率の引き上げ、さらにまた賃金及び炭鉱労働者の年金、さらにまた合理化事業団に対する負担金、こういうものの引き上げが行なわれておりますから、こういう面を考慮して、安定補給金の増額と、さらに支給対象になっていない炭鉱に対する安定補給金の支給、機械の貸与制度、それから閉山に伴う水の増加に対する対策として揚水費の補助金、こういうものが新しい予算内容であると私は思うわけです。このことは、ここ一年間本委員会でもいろいろ討議をし、国政調査を行ない、そういう中でこの予算の方向というものは、四十三年度の予算としては最低必要限確保しなければならぬという、こういう認識を深めているわけですが、この点について大臣のお考え方、見解をひとつ承りたいと思うわけです。
○椎名国務大臣 予算の具体的数字の問題でございますので、局長から申し上げます。
○中川政府委員 ただいまお話しのございました各項目、そのとおりでございまして、六百五十億になんなんとする要求額をもちまして、いま鋭意折衝をしておるところでございます。全般的には財政硬直下の是正というようなことで、財政当局は相当きびしい態度でやっております。私どもはいままでの当委員会での御決議等を踏まえまして、絶対必要なものであるということで折衝を続けております。ただ、一つは、予算の増ワクのもとになる特別会計の財源の問題としては若干の見解の相違がありまして、重油関税の収入がどのくらいになるかという見通し等につきましては基本的な調整が必要であろう、かように考えております。
○岡田(利)委員 この予算確保について、今日の石炭産業の状況にかんがみて、私は最低必要な予算である、こう理解しておるわけです。大臣の決意のほどをひとつ示していただきたいと思います。
○椎名国務大臣 どの予算でもそうでございますが、特に石炭の予算についてはあくまでがんばるつもりです。
○岡田(利)委員 時間がありませんから、最後に、先ほど理事会でも問題になりましたけれども、いま大臣と私の間に質疑応答しましたように、今日の石炭産業というものは長期的な視野に立って根本的に検討しなければならない重大な局面を迎えておるわけです。こういう情勢の中で、先般通産省内部で一応の成案として得た、石炭局を廃止をし統合して格下げをするということは、政治判断からいっても非常に当を得ていないのではないか。また国際的に見ても、それぞれの国々では石炭産業の長期的な視野に立ってその方向を決しよう、こういうことで、政府及びそれぞれの議会においても非常に大きな政治の課題として各国では議論が進められておる、こういう国際的な情勢にあるわけです。しかも五千万トンの石炭のみなら、すでに終閉山している荒廃している産炭地域、あるいはまた歴史的に石炭採掘激化に伴う鉱害の一千億の処理の問題、こういう非常に大きな政治課題を石炭産業を中心にしていまかかえておるわけです。私はそういう意味において、大臣がいま述べられた趣旨からいっても、この面については通産省内部の成案についてはぜひ再検討していただきたい。そしていま内外から注目をされておる石炭産業の長期的な安定のために、通産省はまず全力を尽くすべきである、このように考えるわけです。この点は先ほど理事会で大臣からもいろいろ意見が述べられておるから、私は特に強い希望としてこの点御要請申し上げて、質問を終わりたいと思います。
○椎名国務大臣 機構問題につきましては、るる御意見を拝聴いたしました。私どもといたしましても、石炭の現下におけるきわめて重要な問題を含んでおることを認識しておりますので、その考え方のもとに機構の改変を考えたわけでございますが、われわれの考え方としては、格下げでもなければ、もちろん廃止でもないとの確信のもとに成案を得たつもりでございますけれども、十分に御意見のあるところはその線に沿うてさらに検討していきたいと考えます。
○多賀谷委員長 次回は、明十五日、午前十時から理事会、理事会散会後委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時九分散会