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57回国会衆議院1967/12/20

決算委員会 第7号

発言数
292
登壇者
26
会派数
3
開催日
1967/12/20

会議録

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員長 これより会議を開きます。  昭和四十年度決算外二件を一括して議題といたします。  本日は総理府所管中防衛庁、次に労働省所管について審査を行ないます。  まず当局より概要説明を求めます。三原防衛庁政務次官。

三原朝雄自由民主党防衛政務次官

○三原政府委員 御説明をさしていただきます前に、一言ごあいさつをお許し願いたいと思います。たいへんごあいさつがおくれまして申しわけございませんが、今回防衛政務次官に就任をいたしました三原でございます。ひとつよろしくお願い申し上げます。(拍手)  昭和四十年度における防衛庁関係歳出の決算につきまして、その概要を御説明いたします。  まず、第一に、組織、防衛本庁の経費について御説明申し上げます。  当初の歳出予算額は、二千八百五十二億六千九百万円余でありまして、これに昭和四十年九月以降、政府職員の給与を改善するための予算補正追加額七十四億九百万円余、高空における放射能じんの研究等のため、科学技術庁から移しかえを受けた額六百万円余、南極地域観測事業のため文部省から移しかえを受けた額十八億三千六百万円余及び前年度からの繰り越し額四十九億六千六百万円余を加え、既定予算の節約による予算補正減少額三十五億五千六百万円余を差し引きますと、歳出予算現額は、二千九百五十九億三千二百万円余となります。  この歳出予算現額のうち、支出済み歳出額は、二千九百十七億七千三百万円余翌年度へ繰り越した額は、三十六億一千万円余でありまして、差し引き不用額は、五億四千八百万円余であります。  昭和四十年度の予算の執行につきましては、昭和三十六年七月に国防会議で決定された第二次防衛力整備計画の第四年度として、昭和三十九年度に引き続きこの計画に準拠して、実質的な防衛力の整備向上をはかることを主眼といたしました。  そのおもなものは次のとおりであります。 (一) 陸上自衛隊につきましては、川西及び飯塚駐とん地を新設し、丘珠、別海、富山、鯖江及び和歌山の各分とん地を駐とん地に改め、福山駐とん地及び曾根分とん地を廃止するとともに、ヘリコプターの増加及び管制気象能力強化のため、方面飛行隊、方面管制気象隊及び航空保安通信隊を改編する等支援能力の充実、合理化をはかりましたほか、前年度に引き続き装備品の計画的更新により装備の近代化と充実改善をはかりました。また航空機につきましては、観測用ヘリコプター(H−13)七機、多用途ヘリコプター(HU−1B)十機及び輸送用ヘリコプター(V−107)六機の購入契約をいたしました。 (二) 海上自衛隊につきましては、昭和三十八年度に着工しました砕氷艦「ふじ」の竣工により、これを横須賀地方隊へ編入し、昭和三十七年度に着工しました護衛艦「やまぐも」及び昭和三十八年度に着工しました護衛艦「まきぐも」の竣工によりこれらを第二護衛隊群へ編入しましたほか、新たに甲型警備艦一隻、甲II型警備艦一隻、潜水艦一隻、中型掃海艇三隻、特務艇高速型一隻及び支援船十隻計十七隻約八千六百トンの建造に着手しました。また、航空機につきましては、練習機(B−65)六機、輸送機(YS−11)一機、練習用ヘリコプター(BELL)二機及び対潜哨戒用ヘリコプター(HSS−2)四機の購入契約をいたしました。 (三) 般空自衛隊につきましては、F−104戦闘機を配置した第二〇六飛行隊及び第二〇七飛行隊を新編して第七航空団に編入し、第一航空団第二飛行隊及び第七航空団第九飛行隊を廃止するとともに、既存部隊の改編によりまして、第二高射群を新編し西部航空方面隊に編入しましたほか、自動警戒管制組織に関連する諸施策の推進をはかりました。また、航空機につきましては、戦闘機(F−104)三十機及び救難用ヘリコプター(S−62)三機の購入契約をいたしました。  なお、定員につきましては、防衛二法の一部改正案が不成立となったため、前年度と変りなく、昭和四十年度末における防衛本庁の定員は二十七万三千百二十三人であります。  次に、繰り越し額三十六億一千万円余のおもなものは(一) 器材費等におきまして、有償供与及び一般輸入の調達品について引き渡しが遅延したこと等により十三億八千七百万円余 (二) 航空機騒音対策費におきまして、用地の選定及び設計の作成等に不測の日数を要したこと等により六億二千百万円余 (三) 施設整備費におきまして、用地の取得に諸般の事情から意外の日数を要したこと等により七億六千八百万円余 (四) 艦船建造費におきまして、搭載装備品の調達が遅延したこと等により七億七千万円余を繰り越しております。  また、不用額五億四千八百万円余のおもなものは、編成装備品の購入価格が予定価格より低かったこと、航空機騒音対策費及び施設整備費を要することが少なかったこと等によるものであります。  第二に(組織)防衛施設庁の経費について御説明申しあげます。  当初の歳出予算額は、百六十一億一千六百万円余でありまして、これに昭和四十年九月以降政府職員等の給与を改善するための予算補正追加額一億五千二百万円余、地方公共団体の長の施行する下水道事業に対し、「都市計画法」第六条の規定により、国が受益者負担金を交付するため大蔵省から移しかえを受けた額約百万円、駐留軍の縮小等により駐留軍労務者の人員整理が行なわれたことにより、駐留軍労務者の離職者に支払う特別給付金の既定予算に不足を生じ予備費を使用した額一千六百万円余、昭和四十一年一月三日青森県三沢市における大火により焼失した駐留軍労務者宿舎を復旧するために予備費を使用した額五千万円、及び前年度からの繰り越し額七億九千万円余を加え、既定予算の節約による予算補正減少額二千二百万円余、及び提供施設周辺土地等改修事業等に要する経費として移しかえをした額農林省所管(組織)農林本省へ八億七千百万円余、運輸省所管(組織)海上保安庁へ二千五百万円余、建設省所管(組織)建設本省へ一億八千五百万円余を差し引きますと、歳出予算現額は、百六十億二千二百万円余となります。  この歳出予算現額のうち、支出済み歳出額は百四十八億七千八百万円余翌年度へ繰り越した額は、九億三千四百万円余でありまして、差し引き不用額は、二億九百万円余であります。  支出済み歳出額のうちおもなものは、施設提供等諸費でありまして、アメリカ合衆国軍等の駐留に関連し、施設区域の提供等に必要な土地等の購入、賃借、各種の補償等のため百三億五千五百万円余を支出いたしました。  次に、翌年度への繰り越し額九億三千四百万円余は、施設提供等諸費でありまして、補助金工事等において、計画または設計に関する諸条件、用地の関係及びアメリカ合衆国軍の事情等で工事等が遅延したことによるものであります。  また、不用額二億九百万円余のおもなものは、施設提供等諸費でありまして、補助金精算の結果等によるものであります。  以上をもちまして、昭和四十年度における防衛庁関係歳出の決算の概要説明を終わります。  なお、予算の執行につきましては、諸法規を遵守することはもちろん、最も効果的に運用するよう戒め、また、綱紀の粛正にも留意し、国民の信頼にこたえるよう努力してまいったところでありますが、会計検査院から昭和四十年度決算検査報告におきまして、不当事項として(組織)防衛本庁で二件の御指摘を受けましたことは、まことに遺憾にたえないところであります。これにつきましては、よく部内に徹底させ、将来このような過誤を繰り返すことのないよう適切なる措置を講ずるとともに、改善または検討を要するものにつきましては、すみやかにそのための諸施策を推進する考えであります。  また繰り越し額四十五億円余につきましては、前に述べましたような特殊事情によるものでありますが、今後とも予算の年度内消化につきまして一層の努力をいたす所存でございます。  なにとぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員長 小川労働大臣。

小川平二自由民主党労働大臣

○小川国務大臣 労働省所管の昭和四十年度決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。  まず、一般会計の歳出決算について申し上げます。  歳出予算現額は、九百三十五億四千四百二十九万二千円でありまして、支出済み歳出額は、八百九十四億三千四十五万六千円翌年度繰り越し額は、一億六百六十五万八千円不用額は、四十億七百十七万八千円であります。  歳出予算現額の内訳は、歳出予算額九百三十二億四千五百七万六千円前年度繰り越し額二億三千八百八十八万三千円予備費使用額六千三十三万三千円でありまして、前年度繰り越し額は、炭鉱離職者援護対策費であり、予備費使用額のおもなものは、労働本省のうち退官退職手当に要した経費であります。  支出済み歳出額のおもなものは、失業対策費及び石炭対策費でありまして、失業対策費につきましては、緊急失業対策法に基づく失業対策事業費及び失業保険法に基づく失業保険費負担金であり、石炭対策費につきましては炭鉱離職者臨時措置法に基づく炭鉱離職者援護対策費であります。  失業対策事業費のうち、失業対策事業の実績は、事業主体数一千二百一事業数三千六百二十二失業者の吸収人員一日平均十六万四千二百七十三人であります。  また、炭鉱離職者援護対策費のうち、炭鉱離職者緊急就労対策事業の実績は、事業主体数六十七事業数四百六十五吸収人員一日平均五千六百二十四人であり、炭鉱離職者職業訓練事業の実績は、施設数二十四カ所訓練人員延べ一千十六人であり、炭鉱離職者援護事業の実績は、移住資金の支給二千三百六十四人雇用奨励金の支給四千三十二件住宅確保奨励金の支給一千四百八十八件再就職奨励金の支給四千三百九十三件であります。  翌年度繰り越し額は、婦人年少労働者福祉対策に要した経費等であり、不用額のおもなものは、失業対策事業費等に属する経費であります、  次に、労働者災害補償保険特別会計の決算について申し上げます。歳入予算額は、一千十七億五百三十六万四千円でありまして、収納済み歳入額は、一千四十八億四千九百三十一万一千円で、差し引き三十一億四千三百九十四万七千円の増収となっております。  その主な理由は、適用労働者の賃金水準の上昇及び適用事業が増加したこと等によるものであります。  歳出予算現額は一千十七億一千五百六十四万五千円であります。  歳出予算現額の内訳は、歳出予算額一千十七億五百三十六万四千円前年度繰り越し額一千二十八万一千円でありまして、このうち、予備費使用額は、四十六億六千六百六十万円でありまして、これは保険金及び業務取り扱い費に要した経費であります。  支出済み歳出額は、六百八十五億九千七百九十二万六千円でありまして、そのおもなものは、保険金であります。  昭和四十年度末における労働者災害補償保険適用の事業場数は、八十五万六千労働者数は、二千十四万一千人であり、災害補償の実績は、件数三百七十一万六千件支出金額五百八十三億七千百万円であります。不用額は、三百三十一億一千七百七十一万九千円でありまして、そのおもなものは、予備費を使用することが少なかったためであります。  次いで、失業保険特別会計の決算について申し上げます。歳入予算額は、一千四百八十四億四千四百三十四万八千円でありまして、収納済み歳入額は、一千五百四億一千三百六十万三千円で、差し引き十九億六千九百二十五万五千円の増収となっております。  その主な理由は、前年度国庫負担金受け入れ不足額の補てんを受けたこと等のためであります。  歳出予算現額は、一千四百八十四億五千三百九十万一千円であります。  歳出予算現額の内訳は、歳出予算額一千四百八十四億四千四百三十四万八千円前年度繰り越し額九百五十五万三千円でありまして、このうち、予備費使用額は、七千五百二十七万九千円でありまして、これは業務取り扱い費に要した経費であります。  支出済み歳出額は、一千三百七十七億五千九百三十一万四千円でありまして、そのおもなものは、保険給付費であります。  昭和四十年度末における失業保険適用の事業所数は、五十五万八千、被保険者数は、一千八百三十七万五千人、一般失業保険一千七百九十五万二千人、日雇い失業保険四十二万三千人であり、保険給付の実績は、平均受給者実人員は、一般失業保険五十九万六千人、日雇い失業保険二十一万人、支給金額は、一般失業保険一千百三億四千九百万円、日雇い失業保険三十五億四千五百万円であります。  翌年度繰り越し額は、六百九十九万六千円でありまして、これは、庁舎等新営費に属する経費であります。  不用額は、百六億八千七百五十九万円でありまして、そのおもなものは、予備費を使用することが少なかったためであります。  なお、昭和四十年度の決算検査報告において掲記されている事項につきましては、会計検査院の御指摘のとおりでありまして、まことに遺憾に存ずる次第であります。  指摘事項につきましては、鋭意改善につとめますとともに、かかる御指摘を受けることのないよう努力する所存であります。  以上をもちまして、労働省所管の昭和四十年度決算の説明を終わります。何とぞよろしく御審議のほどお願いいたします。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員長 次に、会計検査院当局より検査の概要説明を求めます。石川会計検査院第二局長。

石川達郎会計検査院事務総局第二局長

○石川会計検査院説明員 昭和四十年度防衛庁の決算検査の概要について御説明申し上げます。  検査報告に不当事項として掲げましたものは物件に関するもの二件でございます。その一つは、陸上自衛隊の施設補給処等でトラクタ・ドーザ用部品を購入するにあたりまして組部品を購入することとしておりますが、単品として購入する方法をとり経費節減をはかるべきであるという事案であります。  その二は、航空自衛隊第一補給処東京支処で航空路図誌計を購入するにあたりまして、製版料の標準料金の適用が適切を欠いていたため、購入価格が高価となったという事案であります。  なお、以上の不当事項のほか、航空自衛隊等における航空機の修理工事の実施及び修理用部品の調達、防衛施設庁におきます航空施設等騒音防止対策事業の補助金の交付につきまして留意を要すると認めたものを概説に記述してございます。  以上、簡単でございますが、検査結果の概要でございます。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員長 増山会計検査院第三局長。

増山辰夫会計検査院事務総局第三局長

○増山会計検査院説明員 昭和四十年度労働省の決算につきまして検査いたしました結果の概要を説明申し上げます。  検査報告に掲記いたしましたものは、不当事項が三件、改善の意見を表示した事項が一件でございます。  不当事項として掲げましたものについて説明いたします。三二一号及び三二二号の二件は、労働者災害補償保険及び失業保険保険料の徴収に関するもので、いずれも保険料算定の基礎となる賃金総額が事実と相違していたため、保険料等の徴収が不足していたものでございます。  次に、改善の意見を表示したものについて説明いたします。  都道府県労働基準局及び労働基準監督署における経理について、労働基準協会等の団体から調査費等の名目で現金を受領したり、管内事業場に対し関係法規の解説書等の刊行物もしくは安全用品等の売りさばきをあっせんし、または刊行物に掲載する広告を募集して手数料を受領したりするなどの方法により現金を保有し、これを各種の会議に要する経費等の支払いに充てているものがあり、また、協会所有の物品を無償で使用しているものがあり、国の会計経理としては適切を欠くと認められるので、経理の適正な執行を期する要があるというものでございます。  なお、以上のほか、三十九年度におきまして、失業対策事業の作業歩掛、資材費補助金の算定方法の改定、設計の技術的な検討、計画の審査及び完了の確認などにつきまして改善の意見を表示しましたが、これに対する労働省の処置状況につきましても掲記いたしております。  以上簡単でございますが説明を終わります。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員長 これにて説明聴取を終わります。     —————————————

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員長 まず労働省所管について質疑に入ります。質疑の通告がありますのでこれを許します。華山親義君。

華山親義日本社会党

○華山委員 労働大臣にお伺いいたしますが、昭和四十二年度年次経済報告、経済企画庁のいわゆる経済白書でございますが、お読みになっておられると思いますけれども、その中に各事業の資本利益率というものが出ている。それによりますというと、石炭事業は、この利益率はほとんどゼロに近い。それから、大体四十九の事業を調べておるのでございますけれども、おおむねの事業は、大体七、八%から一四、五%のところに集中している。飛び離れて大きいのが建築工事、これが二五%に達しております。このようなばらつきがあるわけでございますけれども、この労働問題にいたしましても、一番低いところが石炭、それから一番高いところが建築業に、あるいは土木建築業に私はあると思う。それで石炭につきまして、離職者の問題が本人の運命として大きな問題でございます。財政硬直化とよく言われますけれども、この一生の運命をになった石炭離職者に対しまして、私は、手厚い保護が今後とも続けられなければならない、今後ともでなくて、より厚い手当てが続けられなければならないと思いますが、この点につきまして労働大臣にお伺いいたしたい。

小川平二自由民主党労働大臣

○小川国務大臣 炭鉱離職者につきましては、従来ともあとう限りの措置を講じてまいっておりますが、ただいま御質問の御趣旨につきましては、私も全く同感でございます。これからもさらにきめのこまかい援護、助成の措置を講じてまいりたいと存じております。

華山親義日本社会党

○華山委員 具体的なことにつきましてはいろいろなことも考えられますけれども、なお専門の常任委員会もありますので、そちらのほうからいろいろお話があろうかと思いますので、財政硬直のおりからでもありますが、ひとつ万全の覚悟をもって措置していただきたいと思います。  その次に、ここでは建築とか建築工事と書いてありますが、土木建築に一応通ずることでございますけれども、これは特異な労働の事情にあります。特にここの経済白書に書いてありますが、建設事業においての労働者のそれは、日雇い、季節労務者、それらが実に四三%の高きに達している。これらの労働者を使って、建設業は二五%の高率の利益、利潤率をあげている。しかも一面におきまして、この経済白書はこううたっております。一つには、「建設事業に対する労働力の供給について効果的な対策を講じなければ公共事業の進捗がいちじるしく妨げられるおそれがある。」、あの不安定な季節労務者、そういうものを使っておったのでは、私は健全な発達は確かにできないと思う。この点につきましては、建設省にも建設業界にも反省を促したいのでございますけれども、これらの出かせぎ者の連中がどういうふうな環境にあるのか。この点は、大臣が毎年のようにおかわりになるので、同じようなことを言わなければいけないというのは、はなはだ私、残念でございます。これは私は毎年口をすっぱくして言っておる。ですからここにおいでになっておる労働省関係の人は、華山また始めたかというふうにお考えになっておると思いますけれども、私はひどいものだと思う。決して私は観念論を言っておるのではありません。毎年毎年三十カ所あるいは四十カ所の出かせぎの現場に行きまして、激励をしながら視察してまいった結果を申し上げて、その間もう三、四年になりますけれども、労働省におきまして、あるいは建設省におきまして、いろいろなことをやってくだすったということは、私は知っておりますけれども、まだまだ近代的なものになっておりません。そしてここに書いてありますことは、私は季節労働者、出かせぎ労働者等に特に当たることだと思うのでございますけれども、「災害件数を減少させる」ということを言って、そして、「全産業の死亡事故の三割強は建設業で起った」と書いてある。それから、「福利厚生の水準の低いこと(建設業の福利厚生費は製造業より少ない)」、こう書いてある。それから「未組織労働者の割合の多いことなどに現われているように、おくれた面の多い建設労務の実態を改善していかねばならない。」こういうふうに年次経済報告はうたっておるわけだ。私が数年来言ったとおりのことを政府のほうでも言っておられる。こういうふうな状態。それで私は、もう三年くらいになりますが、石田さんが労働大臣のときに申し上げたのでございますけれども、その際に、いままで最も労働条件の悪かった港湾労働者について、一応の措置を講ぜられ、軌道に乗せられて、いま残っておるのが私の考えでは季節労働者、あるいは広く建設業におけるところの労働者だと思うのです。この点につきましては、しばしば申し上げておったのでございますけれども、労働省では、中央労働基準審議会に検討してもらって、そして結論を早く出したいということを言われながら、もう二年、三年たってこの状態はどうなのか。労働大臣は今後における建設業に対するところの労働者、現在の労働事情の谷間にあるこの方面につきましてどういうふうにお考えになっておるか、どういうふうになさるおつもりか、承っておきたいと思います。大臣からまず方針を伺って……。

小川平二自由民主党労働大臣

○小川国務大臣 建設業につきましては、ただいまおことばに出ておりますような仕事の特殊性から出てまいりまするいろいろむずかしい問題があると存じます。そこで、災害の防止あるいは賃金不払いの問題あるいは寄宿舎等につきまして、今日まで重点的に指導をいたしてまいっております。また監督も年々強化してきておりまして、たとえば昭和四十二年九月には全国一斉に一万四千二百三十二件について監督指導をいたしておるようなわけでございます。今後もこの点につきましては鋭意努力を重ねてまいりまして、おことばに出ておりまする福利施設等も拡充をしてまいりたい。また労働条件等も一部にはなおまことに近代的ならざる関係も残存をいたしておるようでございます。こういう点に関しまする監督指導も強化していかなければならない、かように考えております。

村上茂利労働省労働基準局長

○村上(茂)政府委員 華山先生からはしばしば建設労務、季節労務について御指摘をいただいております。私ども先生の従来の御指摘の点につきましてできるだけ改善をしたいと努力をいたしてきた次第でございます。審議等においてどのようにやっておるかという点につきまして申し上げますると、労働条件の問題につきましては、特に賃金不払いの問題が深刻な問題として提起されました。この問題につきましては中央労働基準審議会で賃金不払い部会というのを設けまして、そこでいろいろ対策を検討いたしてきたのでございますが、特に賃金不払いというような問題を起こした企業につきましては、建設省と連絡を密にいたしまして入札資格等の取り扱いについて厳正を期する、こういった措置をとったわけでございまして、そういった影響もございまして不払い件数は若干減少しておるといったような傾向をたどっております。  また、いわゆる飯場問題につきまして御指摘があったわけでございますが、この問題も中央労働基準審議会で事業付属寄宿舎規程の改正問題という角度で取り上げまして、その結果答申がこの九月に出まして、その答申に基づく建設事業付属寄宿舎規則を新しく設けまして、来年四月一日からこれを施行する。新しい基準によって、いわゆる飯場問題を是正してまいりたい、かように考えておるわけでございますが、なお職業紹介その他の関係につきましては、職業安定審議会で部会を設けて検討を継続しておる、こういうような形になっております。  要しまするに、それぞれの問題に応じまして労働省におけるそれぞれの審議会におきまして審議を継続し、結論を得たものについては規則改正その他を行ないましてこれを実施に移す、かような経過をたどっておる次第でございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 私が昨年まで他の委員会等で聞いたところと少しお答えが違う。いままでおっしゃったいろいろな御苦労に対しましては私も感謝をいたしますけれども、その当時審議会等におきまして建設労働について抜本的にこれを改正する、抜本的にこれを規定する、こういう方針で審議を重ねて調査研究をしてやるのだというふうに私はお聞きしていた。いまのお答えでは、ばらばらに審議会等に問題ごとに聞いて、そうしてやっていく、こういうふうに変わったのでしょうか。なんでしたらもう一度私は速記録でお尋ねいたします。

村上茂利労働省労働基準局長

○村上(茂)政府委員 先生の御質問をいただきます際は、毎国会私大体伺っておるつもりでございますが、抜本的にと申しますのは総合的にという意味を含んでおると思います。労働省全体としては総合的に検討するということでございますが、問題の性質によりまして労働基準法関係の問題は労働基準審議会、職業安定法関係は職業安定審議会、こういうふうに法律の種別に応じまして取り扱う機関が違うものですから、それぞれの機関でいま検討を継続しておる、かように申したわけでございまして、それらを総合いたしましたものが総合的な検討ということになろうと存ずるわけでございます。私、きわめて事務的にそれぞれの機関で扱っております経過を申し上げたような次第でございまして、その点御了承賜わりたいと存じます。

華山親義日本社会党

○華山委員 なお機会があると思いますし、私も議事録を調べてみますけれども、私は前に労働省が港湾労働者に対しまして抜本的な新しい考えで処理された、ああいうことが出かせぎ労働者に対してもあるのかと思っていたけれども、いまの考えでは、ただ規則、運営、そういうところだけでやっていこうというふうに聞こえるので、さらに他の機会にお尋ねをいたしたいと思います。  それから建設省に伺いますけれども、下請というものがいろいろ問題になりまして、労働につきまして特に問題が多くなるわけでございますが、下請の実態というものはこれはひど過ぎる。二次、三次の下請になる。三次的な下請になるというと手配師になって、人入れ稼業になる、こういうふうな実態が労働、建築、土木事業界にはあるわけですけれども、これは何か手を入れてもっとすっきりした形でこれを行なう、明治、大正時代以来の旧習慣というものは抜本的にこれを改正していく、直していく、そういうつもりは建設省にはないのでしょうか。

高橋明建設省計画局建設業課長

○高橋説明員 下請問題が建設業界にとって非常に大きな問題であるということは、建設省としても従来から強く意識しておりまして、四十年の十二月から中央建設業審議会で建設業法の当面する問題点として建設業法の中で下請対策を抜本的に講じたいということで、もうすでに二年以上検討しておりまして、中間的な試案作成の段階に至りました。しかしながら先生のおっしゃいますような重層下請そのものをなくするということは、建設業の生産体制といいますか、労働者を集めて特定の親方あるいは専門職別工事業者の仕事をしていくという生産体制の本質から申しまして、なかなか重層下請そのものをなくするというわけにはいかない。しかしながら下請に伴う各種の不祥なこと、たとえばきわめて低い価格で下請業者をいためつける、あるいは下請代金支払遅延等防止法等にもありますように、代金の支払いを著しくおくらせる、あるいは資材購入を強制的にやらせるというような、下請業者をいじめることはなるべく法律で抑制したい。下請業者を保護することによって、いわば下請業者が経済的地位を向上することによって、下請業者の経済状態が悪くなることのための労働者に対する圧迫といいますか、労働条件が劣悪になることを防止したいというような観点で、現在審議会で検討しておりますので、その結論が得られますれば、ある程度の措置は建設業法その他で考えられるのではないかということでございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 いわゆる法律の中でいう下請というものに対して、実態というものと違ったようなお感じを持っていらっしゃるんじゃないか。私の見る下請、何々組というところに行ってみますと、そこでは別に資材を持っているわけでもなんでもない。人夫を持っているだけなんです。人夫を入れるだけの話なんです。ですから下請といって、ある一定の工事というものをやるというんじゃないんですね。人夫を集めて、そして人夫に賃金を払う、それだけのことで何々組というものが存在する。これが一つの企業体。そういうふうな企業体というものの存在が建設業界にあっていいものかどうか伺いたい。

高橋明建設省計画局建設業課長

○高橋説明員 先生のお話は、いわば労働者を建設工事の現場に入れて、それによって利潤を獲得しようというような業態のことを言っておられると思うのですが、まあ原則的には職業安定法で労働者供給事業は禁止されておりますから、まあその純粋の労働者供給事業はあまり存在しないんじゃないかと考えます。まあそれに似たような形、たとえば大工、左官等は自分で手持ちの資材もないし特定の資金もない、結局徒弟を連れて……(華山委員「そんなことを言っているんじゃないんだ、私は」と呼ぶ)徒弟を連れて、現場で自分の仕事をしながら徒弟にも仕事をさせるということですから、まあ純粋の労働者供給事業にはならない部分も相当あろうかと思います。建設業は非常に労働者を集めて仕事をするという性質のものですので、なかなかその辺の限界がむずかしいと思いますが、私どもとしてもできるだけ下請に純粋の、労働者だけを連れてきてピンはねをするというようなことのないように、今後とも厳重に規制してまいりたいと考えております。

華山親義日本社会党

○華山委員 そういう存在が全国に多数あるということはお認めになりますか。

高橋明建設省計画局建設業課長

○高橋説明員 建設業者の登録をいたします際には、建設業に関する一定の経験、あるいは建設工事に関する一定の経験があれば建設業者になれるわけでございまして、建設業者になるときには特定の資材、資金を必要としないということになっておりますので、現場においてどういうやり方をしておるのかということは、先ほども申しましたような実態でございますから、純粋の労働者供給事業をやっておる者は私どもはいけないと思いますが、その辺限界がたいへんむずかしいので、個々のケース・バイ・ケースで考えてみるよりほかはないと思います。

華山親義日本社会党

○華山委員 そういうものの考え方じゃ、私は建設業界はよくならないと思う。私は決して空論を言っているのではない。出かせぎ者が出てくるところの現場現場をたずねて実態を見ているんです。そして、この連中はあしたはある現場へ行って働く、そうするとその次は今度は何々の現場、何々の現場に行けばそこでは賃金を払う人はもう違ってくる。あっちへ回されこっちへ回され、三べんも四へんも回されている。出てきた以上は親方の言うままにしなければいけない。そういうふうなことをして回されたところの親方というものは手配師なんです。何にもしちゃいないのです。あなたの言う熟練した大工や左官じゃない。農村に行ってごらんなさい。どれだけの手配師が農村に行って出かせぎ者を集めて歩くか。そういう実態も知らないで、あなた方に建設業界をりっぱにするなんということは期待できないんですよ。  労働省は私の言ったことは無理だと思いますか。どうなんですか。実態はどうなんです。

村上茂利労働省労働基準局長

○村上(茂)政府委員 実態をことごとく承知いたしておるわけではございませんが、たとえば賃金不払い……(華山委員「賃金不払いのことを聞いているんじゃない、そういう実態があるかどうかを聞いているんだ」と呼ぶ)賃金不払いにつきまして、その賃金不払いを大臣登録業者が行なったもの、知事登録業者が行なったもの、登録していない者が行なったものというような分類から見ますと、四十一年度、四十二年度上半期に賃金不払い事件で建設省のほうに連絡をいたしました件数が千六百十五件ございますが、そのうち登録なしが九百七十六件で六割に達しております。そういう点から見ますると、先生の御指摘のような手配師であるかいなかは別にいたしまして、いわゆる建設業者として登録しているかいなかという点から申しますと、賃金不払いといったようなまことに遺憾な事件を起こすのが、登録していない者が全体の件数の六割を占めておるという事実を私ども承知いたしておるわけでございます。そういう点からこの建設労務者の、出かせぎ労働者の労働条件の確保の問題につきましては、未登録のこういったグループの者に対しましてどう措置するかということが非常に重大な問題であるというふうに感じておる次第でございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 そういうふうなものは職業安定法違反です、自分の事業に対して責任を持たないというものは職業安定法の違反です。実態はいま建設省がおっしゃったようなことじゃないわけだ。いま労働省がおっしゃったような実態でしょう。そういうことを直していかなければ建築業界も発展をいたしませんし、いつまでもそういうふうな不遇に泣くところの人たちが出ているということなんです。私ははなはだ不満足でございますから、この点につきましてはなお建設大臣にお尋ねをする。ただしかし従来、私はもう口をすっぱくして何べんも言ったこのことについて、私の言ったことや私の同僚の言ったことを言ってくださったのかどうかは別といたしまして、建設省なりそれから労働省が一生懸命にそれらの人々に対して保護をしていただいたことについては、改善をはかっていただいたことについては私は感謝をしますけれども、抜本的に労働省と建設省が協力して、建設業界というものをすっきりした近代企業の形、労働体系の形にしなければ困る。直らないと思う。この点につきましてひとつ労働省と建設省のほうで合同した大審議会でもつくってやられたほうがいいと思う。  とにかく北海道には昔タコ部屋というものがあった。いま東京タコ部屋ということばがある。この東京タコ部屋についてはずいぶん労働省のほうが最近監督を、また規制を厳重にされるということがありますけれども、そういうふうなことは日本のような近代工業国家においてまことに私は恥ずべきことだと思うのですよ。きのうも言ったが、談合なんというものが公然として行なわれている。最も非近代的な腐ったのが建設業界なんです。私はあまりこういうふうな委員会で大声を出したことはありませんけれども、この問題だけはほんとうにどうかしていると思うんですね。とにかくきのうも言ったけれども、これらの人々にはこの白書に書いてあるとおり団結することも何もできない。団結することのできないそういう人々に対してこそ官庁というものは手を伸べるべきだと私は思うのです。私の質問なり希望なりはこれで終わりますけれども、私は代議士の続く限り何べんでも言いますからひとつ御了承願いたい。  それから中高年齢層の就職につきましては、これは重要な問題だと思いますが、この前も御注意申し上げておるのですが、相変わらず相当の不用額が出ておりますが、それはどういうことなんです。

道正邦彦労働省職業安定局審議官

○道正説明員 先生御指摘のように毎年かなりの不用額が出ております。これにつきましてはいろいろ理由がございますが、従来の経過から見まして申し上げられることは、失業保険の受給者の数が相当多いということによりまして、失業保険のほうの手当その他によりまして措置ができるということによりまして、措置のほうの予算がそれだけ少なくて済むというような事情等がございます。私どもといたしましては措置の趣旨にかんがみまして、つとめて中高年齢者の雇用促進に、せっかくの予算でございますので、これを生かして使いたいということで、特にいろいろ措置の中に項目がございますが、訓練関係等は今後とも大いに伸ばして、予算が効果的に使用されるように努力をいたしたいと考えております。

華山親義日本社会党

○華山委員 毎年毎年こんなふうにして不用額ばかり出しておりますと、大蔵省から削られませんか。

道正邦彦労働省職業安定局審議官

○道正説明員 先生の御指摘のとおりでございまして、現在大蔵省と予算の詰めの段階に入っておりまして、ただいま先生御指摘なように毎年毎年どうもだいぶ残っているじゃないかという指摘が大蔵からあったことは事実でございます。しかしながら、私どもといたしましては、制度が本来の姿で運用され、したがって予算もそう大きく毎年残ることがないように努力をするということで、本年度も折衝をしてまいりたいと考えております。      ————◇—————

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員長 この際、国が資本金の二分の一以上を出資している法人の会計に関する件について調査を行ないます。  本日は、参考人として雇用促進事業団より理事阿部泉君の御出席を願っております。  参考人からの意見聴取は委員の質疑により行ないたいと存じますので、さよう御了承願います。     —————————————

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員長 これより質疑に入ります。  質疑の通告がありますから、これを順次許します。吉川久衛君。

吉川久衛自由民主党

○吉川委員 私は労働省と雇用促進事業団に若干のお尋ねをいたします。  本日は、理事会の申し会わせ等もありまして時間が限られておりますので、ごく簡明に御答弁をお願いいたします。  まず、年少労働者について、最近の進学率の上昇等によりまして若年労働力の不足、年少労働者の大都市への流入、作業の単純化による仕事に対する意欲の喪失、安易な離転職が多数見られております。また、小規模事業や商業、接客業等では劣悪な労働条件や環境のもとで就労している者が見られます。これらの諸事情は非行青少年増加の一因ともなっているなど多くの問題がございます。労働基準法適用事業場に働く年少労働者について見ますと、中小企業に就業している者は全体の七〇%強であり、年少労働者対策は中小企業対策であるとも言えましょう。  労働基準監督署は、労働基準法の適用される事業場を把握するため適用事業場報告を徴することになっておりますが、未提出の中小事業場の把握はどのように行なわれておりますか。また労働基準局署の監督指導は商業、接客娯楽業等について少ないようでありますが、どのように実施されておりますか。お伺いをいたします。

村上茂利労働省労働基準局長

○村上(茂)政府委員 年少労働者の問題が特に中小企業における問題と関連いたしまして問題になっておりますことは先生御指摘のとおりでございます。そこで、中小企業における年少労働者の問題と申しましても業種業態によってかなり違ってきておるわけでございます。労働省といたしましては、従来工業的職種における労働条件の問題を重点にして進めてまいりましたので、工業的職種における事業場の年少労働者につきましてはかなり監督も進んでおると私どもは考えておりますが、非工業的職種における、先生ただいま御指摘の接客娯楽業とかそういう点については、必ずしも十分でないじゃないかという御指摘をいただいておりました。そこで、特に昨年の春以来非工業的職種の中の問題業種として接客娯楽その他の問題を重点的に取り上げて監督指導をいたしておるというのが現状でございます。何ぶんにも適用事業場は全体で二百三十万をこえておりますので、ことごとくこれを行なうことは困難な事情でございますので、監督指導の重点を設定いたしまして行なっており、特に最近は年少労働者の問題につきましては監督の最重点にいたしておりまして、違反摘発の基準を明確にいたしまして処理しておるということでございます。  ただ先生御指摘のように最近どんどん工場ができるのですが、事業場届けを出すことになっておるが、それを全部押えておるかどうかという点につきましては、監督官が回りまして、特に新設工場等につきましては関係機関で知り得る場合もございます。たとえば卑近な例で申しますと、電話購入の申し込みがあったという面からつかむとか、回って調べるとか、いろいろございます。関係機関と連絡をいたしまして適用届けの漏れを確かめていくというようなことをいたしております。しかし、全部やっておるかという問題になりますと、新設工場の激しい地区におきましては間々漏れがあるということもございます。そういった点から、いま申しましたように基準監督署だけではなくて監督機関ともよく連絡をいたしまして、届けの漏れを防ぐ、かようなくふうをいたしておる次第でございます。

吉川久衛自由民主党

○吉川委員 工業職種以外の私のいま申し上げたようなところに非行青少年の発生率を多く見るのでございますけれども、特にこういう点に御留意をいただきたいと思います。  新規中学卒業者は、卒業者の減少と進学者の増加に伴いまして就職者は年々少なくなってきております。しかも就職者は大都市に集中してきておりますので、地域間の需給が不均衡となっておりますが、どのような対策をお持ちでございますか。

道正邦彦労働省職業安定局審議官

○道正説明員 お答え申し上げます。  ただいま先生御指摘のように中卒は年々減少の一途をたどっておりまして、また地域間にアンバランスがあり、特に都会地に集中する傾向があるわけでございます。対策といたしましては、各都道府県におきましてもそれぞれ地域開発等が行なわれておりますので、いままでのように何でもかんでも都会地に出すということではございませんので、新産あるいは工特等の労務の需給もございますので、そういう点も考慮して都道府県ではお考えになっておりますが、私どもといたしましては、全国的な需給のアンバランスがとれるように総合的な立場で雇用対策基本計画等に基づきまして指導等は行なっております。ただ基本はあくまで職業選択の自由というのがたてまえでございますので、私どもといたしましてはそういう雇用の計画等もございますけれども、それと相まちまして、子供の適格を見きわめまして、職業指導等を行なうということによりまして、両々相まちまして需給の調整をはかってまいりたい。特に都会に就職した子供につきまして、先生が先ほど来御指摘がありましたように、いろいろ問題が起こりがちでございます。そういうことに着目いたしまして、来年度におきましては、年少労働者を中心に福祉施設等の拡充をはかってまいりたいということを考えておる次第でございます。

吉川久衛自由民主党

○吉川委員 なかなか需給のバランスの問題は非常にむずかしいのです。おっしゃるように、地域開発の問題は叫ばれてはおりますが、一向に進展を見ておりません。これは政府全体として考えなければならない問題だと思いますけれども、せめて指導だけでも徹底をしていただきたいものだと思います。  次に職業紹介秩序の推持についてお伺いをいたします。離転職が問題になっておりますが、過日の東京都の住み込み勤労青少年の生活実態調査によりますと、九〇%以上が都の区部以外の地域から就職のため転入しているものであります。特に関東以北が六〇%を占めておる。離職率は三〇%以上と推定されております。退職の理由は、将来性がないというのが最も多いようでありますが、就職経路は知人の紹介とか私的ルートが七八%に達しております。学校紹介は一一%、職業安定所を通じたものはわずか七%となっております。将来性等については事前によく考えて就職を決定すべきであります。できるだけ安定所を通して就職するようにしまして、就職後も相談に乗ってやるようにして、定着指導を行なうべきものと考えられますが、安定所の活用、定着指導をどのように実施されておりますか、お伺いをいたします。

道正邦彦労働省職業安定局審議官

○道正説明員 この点も先生御指摘のとおりでございまして、いろいろ私どもとしても苦慮いたしております。先ほども申し上げましたように、職業紹介が従来は人手が過剰であったために、本人の適性の判断ということもさることながら、とにかく就職させるというような気持ちが先に立った傾向があったことはいなめないわけでございますが、こういうふうに人が足りなくなってきたわけでございまするし、いまのような問題も起きますので、まず就職の前に学校当局と安定当局がよく連携を密にいたしまして、就職をする子弟の適職をまず見きわめて、また希望等もよく聞きましてあっせんをするということが基本的に重要だということと、それから就職したあとの指導を徹底をするということで、定着指導の期間等も延長いたしまして、安定所としては極力努力をいたしております。この点は今後ともさらに一そう意を用いてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。

吉川久衛自由民主党

○吉川委員 学校の紹介とか職業安定所を通してやるというのは、私は一番いいと思うのでございますが、この点が非常に欠けているように思う。若い子供たちが親戚や知人に送別会ですか、壮行会をやってもらって勇ましく大都会へ出てきまして、日ならずしてうちへ帰るにも帰られない、非行少年になっているというような事例がずいぶんございます。もう少しあたたかい気持ちで私は指導さるべきものと思いますので、特にこういう点に御考慮をわずらわしたい。  次に失業対策事業について伺います。年間三百億円近くの予算で実施されておりますが、一部の事業主体においては、労働大臣の定める賃金以外に事業主体が独自に賃金と見られる給付を行なっております。就労の事実がないにもかかわらず賃金が支払われている。労働時間が著しく短縮されている等の事例が見られております。重点監査を実施しているようでございますが、監査の結果の概要、その処理についてお伺いをいたします。

道正邦彦労働省職業安定局審議官

○道正説明員 この点も先生が御指摘になりましたとおり、私どもとして重要な問題として対策に苦慮している点でございます。私、直接の担当でございませんので、後ほど監査の概要等につきましては、またあらためて御説明なり、資料提出をさせていただきたいと思いますが、先生がただいま御指摘のありましたような点は、いずれも失対の本質から見まして適当でないことでございますので、これにつきましては数次にわたりまして都道府県を督励いたしまして指導いたしておりますが、多年の積弊と言えば言えるようなものでございまして、なかなか一挙にいかない点もございますけれども、鋭意改善には努力をするということで全力をあげて取り組んでおるところでございます。

吉川久衛自由民主党

○吉川委員 失業対策事業紹介対象者の平均年齢は年々上昇を続けております。四十年九月末現在において見ますると、男が五十四・八歳、女が五十・八歳、平均五十二・八歳となっております。また十年以上の長い期間にわたるものも全体の四〇%おるようでありますが、常用対策はどのように進められておりますか。またその実績はどうなっておりますか。失対事業対象者の高齢化と建設工事の機械化の進展に伴いまして、近い将来就労にたえられなくなると思います。また一方非能率化がますます進むものと考えられますが、こういう問題についてはどのような見通しをお持ちでございますか。また対策はどんな対策をお持ちでございますか、お伺いをいたします。

道正邦彦労働省職業安定局審議官

○道正説明員 失対労働者が全国的に高年齢化しており、今後ますます高年齢化していくだろうということは先生の御指摘のとおりでございます。三十八年の失対法の改正以来、私どもといたしましては、可能な限り失対労働者の皆さんの常用化を促進するということで、新たに安定所の窓口においでになる、失対に入ることを希望するというような方につきましても、極力一般の民間の常用の職場にごあっせんをするということで、法律に定められている雇用促進の措置を活用いたしまして常用化につとめておるわけでございます。ただ現実の問題といたしまして、五十歳を過ぎるというような高年齢者になりますると、なかなか常用化の推進が若年者と違いまして、スムーズにいかない点がございますが、いずれにいたしましても、常用化を進めるというのが法律の改正の趣旨でもございますので、その線に沿って鋭意努力をしておるわけでございます。ただ、今後高年齢化していく失対労働者をかかえて、現実にどうやって事業効果をあげていくかという点が、現実問題としてあるわけでございまして、この点につきましては先ほども御指摘がございましたような、たとえば不就労者に対して賃金を払うとか、そういうことについては今後是正をはかるということと、一方積極的に事業効果をあげるという見地から、事業種目の選定等につきましても、それぞれ地域等の特性に応じまして、府県等とも相談いたしまして改善を加えてまいりたい、それによりまして、可能な限り事業効果をあげていくということで努力をしてまいりたいと考えております。

吉川久衛自由民主党

○吉川委員 失対事業の就労者は、そうでなくともなかなか非能率であるというように見られているのが、ますます高齢化していく、また、この就労者の健康等にも影響がございますので、高齢化に対して積極的な対策をお立てになっていただかぬと、何か国民感情上納得のできないいろいろな問題が起きてくるような感じがしてなりませんので、御留意を願いたいと思います。  次に、移転就職者向けの宿舎について雇用促進事業団にお伺いをいたしますが、雇用促進事業団では、広域職業紹介活動にかかる公共職業安定所の紹介によって就職する移転就職者に貸与することを目的として、毎年一万戸の計画をもって移転就職者用宿舎を建設しておりますが、まずこの建設の予算単価について、四十年度検査報告の留意事項とも関連があるように思われますのでお伺いをするのでございますが、住宅金融公庫の土地の標準単価は低過ぎると言われておりますが、それでも、昭和三十九年度の三・三平方メートル当たり一万七百四十四円が、毎年上がって、昭和四十二年度は一万四千二百十五円となっております。また、公営住宅についても、土地の予算単価は低いと言われておりますが、たとえば東京の場合は、昭和四十年度一戸当たり二十四万九千円が、四十二年度は三十九万円となっております。当事業団の土地購入費は、三・三平方メートル当たり一万円、一戸当たり十八万六千円であります。この予算単価は昭和三十八年度から据え置かれております。地価の高騰に伴いまして、土地の入手がだんだん困難となり、また不便な地区に移動し、労働者の福祉に沿わないようになるのではないかと考えられますが、この点はいかがでございましょう。

阿部泉雇用促進事業団理事

○阿部参考人 御指摘のとおり、土地の年々の高騰によりますために、土地の入手に非常に困難を感じております。当事業団におきましては、いまお話のありましたように、年々一万戸の予算をもちまして建築に当たっておりまするが、土地の入手にあたりましては、府県、市町村の協力を得まして、現地の実情と事業場、工場等の実情、それから将来の計画等を勘案いたしまして、入居者が工場、事業場等に通える、その限度におきまして考えられる一番いいところを選んでおるのでございまするが、御指摘のように、ずっと坪一万円の限度で押えられておりまするので、実情におきましては、非常に困難を感じております。ただ現状におきましては、各方面の協力によりまして特別な支障はないようなところを選んでおりまするが、四十年以降土地の暴騰によりまして年々急迫を告げておりまするので、来年度におきましては相当多額の土地代価の増高をお願いするつもりでございます。  ただ事業団におきましては、毎年毎年その年限りの予算でございまして、できるならば土地の先買いができましたり、あるいはまた、ほかの公団のように、公営住宅のように、一ぺんで多額の土地が購入できましたならば、なおこの問題もいささか解決できるかと思いますが、現状におきましては、御承知のように、比較的に建築戸数は一定地域に限られておりまして、そうたくさんできませんし、土地の買い上げもできませんというような関係で、非常に難渋はいたしておりまするが、各方面の協力を得まして、何とかやっております。  場所によりましては、一〇〇%理想的なところが得られませんので、入居等につきまして、三十九年、四十年等の時点におきましては入居率の悪いところもございますが、その後漸次改善されまして、現在におきましては相当高位の入居率を占めております。ただ、繰り返しますけれども、土地の価格の問題は非常にむずかしいので、非常に困難を感じておりますので、その点のしわ寄せがこの建築戸数に一番影響を与えていることも事実でございます。

吉川久衛自由民主党

○吉川委員 お答えにもございますように、実情にあまりにも隔たった予算の単価であり、それに関連をしていろいろ問題があって、事業団の事業推進の上に困難といいますか、支障を来たしているようにうかがえるのですが、四十三年度の予算編成等についてもできるだけ御協力を申し上げますから、ひとつこの土地の入手等についても、距離とか交通事情だとかいうようなことを十分勘案して、積極的に御努力をお願いしたいものでございます。  次に、入居者の定着について伺いますが、事業団の一般業務方法書によりますと、宿舎の貸与期間は原則として一年となっております。期間内にやむを得ない事由のある場合に、公営住宅その他適当な住宅に転居できない場合におきまして、その者がこれらの住宅に一年以内に入居する確実な見込みがあると認められるときは、その事由に応じて一年未満の期間に限ってこれを延長することができることになっておりますが、四十二年十月末現在の入居状況について見ますると、入居戸数三万六百七十戸のうち、二年以上入居している者が一万一千二百十三戸あります。この住宅の制度は、雇用の促進のため設けられたもので、二年以上経過すれば、住宅に関しては一般勤労者と同様に考え、転居をはかり、新たに広域職業紹介者を入居させる趣旨のものと考えられるのでございますが、公団住宅への転居のあっせん等についてどのような努力を払われておりますか。また宿舎の性格、今後のあり方についてどのようにお考えになっておいでになりますか。お答え願います。

阿部泉雇用促進事業団理事

○阿部参考人 お答え申し上げます。移転就職用宿舎は、御承知のように遠方から移転して就職する労働者に対しまして、公営住宅あるいは社宅等ができますまで、暫定の間一時的にこれを入居させる制度でございます。したがってお話がありましたように一定期間を制限することはやむを得ないのでございます。いまお話がありましたように、まず一年、やむを得なければさらに一年、こういうぐあいになっておりまするが、制度の趣旨から申しまして、お話がありましたように、できる限り早く公営住宅あるいは社宅、できるならまた自宅等に入居せしめたいものと努力しておるわけで、具体的に申しますると、御承知のように、官公宿舎に対しましては一定の率がございまして、これは当然お入り願っております。それから公営住宅等の入居の抽せんその他がありました場合には、移転就職用宿舎の入居者に対しましては、これは管理者のほうから間断なくこういう状況をお知らせしております。  さらに雇用促進事業団におきましては、融資制度がございまして、昭和四十二年度におきましては百二十億でございますが、この大部分が労務者住宅に対する融資でございまして、特に中小企業が対象でございます。昨年度におきましては八十億、今年度は最終決定はしておりませんが、百億の融資が労務者住宅の建設に充当されております。こういうようなところを特に移転就職用宿舎の住居者に対しましてはお知らせいたしまして、できる限り公営住宅の住宅に入るようにおすすめはしておりますが、御承知のようにこの宿舎は非常に家賃が低廉でございますので、いろいろおすすめ申しましても、なかなか移転率が悪いのが現状でございまして、なお一そうこの点は推進しなければならないと考えております。と申しまして二年以上の方々に対しまして強制的にこれを移すということもできませず、できる限り御協力を得まして善処したい、こう考えております。

吉川久衛自由民主党

○吉川委員 たいへん、おすすめをしたり指導をしたりいろいろなさっていらっしゃるようですが、実際はどうなんでしょう。手が足らないんじゃないでしょうか。そこまで親切に積極的にめんどうを見るには手が届かないんじゃないかと思うのですが、そういうことはございませんか。

阿部泉雇用促進事業団理事

○阿部参考人 四十二年十月現在で入居者の数は、大体戸数は三万七千ということになっておると思います。入居者の率は六カ月以上の者が九三%になっております。それで各一棟、二棟——大体二棟以上が一つの区画になっておりますが、二棟以上四棟に一人、あるいは多いところは二人の管理人を置いております。管理人に一室を与えまして家賃の収納その他万般の管理に充当さしておりますが、その管理人がいま御指摘ありましたそういうことを専門的に掌理しておりまして、各公共団体との連絡その他に当たっておりまして、先ほどお話し申し上げましたいろいろな周知徹底、その他のあっせんの業務をやっておりますので、その点に関する限りは管理人が専門にやっておりますので、人員に欠けるところはないと考えております。

吉川久衛自由民主党

○吉川委員 次に、義務教育終了者を対象とした専門の職業訓練を、雇用促進事業団の総合職業訓練所ですかにおきまして実施されておりますが、四十年度の計画と実績を見ますと、定員七千九百人に対して訓練人員は七千四百九十四人と、四百人ほど途中で退所した者があるようでございます。理由は需要の増大ということになると思いますが、期間が二年間でその間就職による収入があがらないので、生活困窮家庭出身者に対しては訓練を続けさせるため、何らかの援護措置をとるべきではないかと思うのですが、お考えはどうでしょう。

阿部泉雇用促進事業団理事

○阿部参考人 御指摘ありましたように、雇用促進事業団におきましては、現在全国で六十二カ所の総合職業訓練所の管理運営に当たっております。これは、その他多くの訓練をやっておりますが、基本的な授業でございまして、二年制でございます。中学校義務教育を終えた者を二年間訓練するのでございます。御指摘がありましたように、年々相当数の退所者が出ておることはまことに遺憾に存じておりますが、御承知のように総訓の入所生は、こう言ってはどうかと思いますが、どちらかと申しますと、一般高校の学生、生徒よりは家庭が低いほうの学生、生徒が多いのでございます。それで事業団におきましても、この普通の授業料に当たります教材費は月五百円で、相当低い、年六千円しかとっておりません。  この退所状況を、具体的に数字をとってまだ調べておりませんが、機会あるごとにこういうことにつきましては生活指導に万全を期するように特に管理者には注意を与えておりますが、各総訓に聞きました実情におきましては、御承知のように各職種が分かれております。たとえば昭和三十九年、四十年度におきましては、自動車整備科というのが非常に多くの希望者がございまして、こちらのほうでは、各職種にそれぞれ制限がございますので、一職種にそうたくさんとれませんので、その整備科の人たちを、ほかのほうの第二希望、第三希望に回すわけでございます。そうしますと、希望がいれられなかったというようなこともございますし、それから中学卒業生に対しましては、御承知のように非常に求人が強くございまして、入所者に対しましても強い呼びかけがあるわけなんでございます。そういうようなことで本人の希望がうまくいかなかったとか、あるいはほかからの就職、求人の要請に応じまして退所する者が大部分のようでございまして、そのほかにもちろん家庭の状況もあるかと思いますが、私たちの調査した結果によりますと、直接原因、間接原因まで入れますと、家庭の状況もあるかと思いますが、現在のところまでこの退所者に対する経済的なことまでは措置しておりません。しかし、これは御指摘ありましたように、せっかく国費を投じて大事な訓練に当たっておりますので、これの対策につきましては早急にひとつ研究したい、こう考えております。

吉川久衛自由民主党

○吉川委員 もう一問。最近労働時間の短縮による余暇時間の増大化という傾向がございます。職場外の生活の健全化とその充実の必要性が高まってきておりますが、中小企業において福祉施設が不十分であり、離転職、非行化の一因ともなっております。労働省においては福祉施設に恵まれない中小企業に働く青少年にいこいとか趣味、教養等余暇善用の場を与え、働く青少年の健全な育成をはかるとともに、中小企業労働生産性の向上に資することを目的として勤労青少年ホームを地方公共団体に補助によって六十カ所ですか設置されております。相当利用されておるように伺っておりますが、その運営基準を見ますとたいへんかた苦しい感じを持つのです。若者のエネルギーを発散させるにはもう少し検討すべき余地があると思うのですが、この点はいかがでございましょうか。

石黒拓爾労働大臣官房長

○石黒政府委員 勤労青少年ホームの点につきましてお答え申し上げますが、御指摘のように勤労青少年ホームは約七十カ所でございまして、かなり活用されておるわけでございます。今後さらにこの数をふやしたいと存じますが、その運営につきましては、数年前と最近とでは非常に様子が変わってまいりまして、最近は勤労青少年ホーム設置希望が非常に殺到している。以前は希望する都道府県が少なかったというようなこともありまして、この辺でひとつ勤労青少年ホームのあり方を考え直す時期じゃないかということで、所管の婦人少年局でも、ほかの文部省関係その他いろいろ類似の施設がございますが、それとの連絡その他のことをいろいろ検討いたしておりますので、先生の御意見も所管の局に伝えまして、十分研究いたしたいと思っております。

吉川久衛自由民主党

○吉川委員 私の質疑はこれで終わります。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員長 吉田賢一君。   〔委員長退席、四宮委員長代理着席〕

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 いま吉川委員もだんだんお聞きになりましたが、最近の雇用問題は次第に逼迫してまいっておりますので、私もそのような逼迫のうち重点と思われる数項について労働省の方に伺ってみたいと思うのであります。  最初に、ほんのアウトラインでいいですから、概況につきまして、労働力需給の状況と特に労働省が重点と考えられておる問題点、あるいは需給状況で次第に逼迫の度合いが高くなりつつあるような面、そういうような点につきまして、人口構成とか、年齢層とか、地域層とかあるいは職域とか、そういうものを含めて、ごく要点だけでよろしゅうございますから、まず明らかにしておいてもらいたい。

道正邦彦労働省職業安定局審議官

○道正説明員 人口問題からお話がございましたので、簡単に申し上げます。  最近の日本の人口の出生率が減少傾向にあることは御承知のとおりでございまして、千人率で見まして、四十年度におきましては一八・五ということになっております。これはアメリカの一九・四あるいはイタリアの一九・二に比べますと低うございますけれども、イギリス、フランス、ドイツ等に比べますとまだ高いのでございます。ただ出生率につきましては、出産能力のある婦人の層が厚ければ、生まれる数は少なくても率は高目に出るわけでございまして、一がいに比較はできないわけでございます。そういう点を調整いたしまして、ならして標準化出生率というのを出しておりますが、日本は三十九年度で一四・六ということでございます。これはアメリカの二四・五、イタリアの一七・三、その他イギリス、フランス、西ドイツの二〇台と比べまして著しく低いということでございまして、人口問題は前途なかなか問題があるわけでございます。そういうことを受けまして労働力人口も、今後いわば少産少死型に推移をするということで、若年層が減りまして中年層がふくらんでくる。さらに老年層も、少産少死でございますので、今後相当の数が残ることになっていくということが予想されます。そういうことを受けまして特に若年労働力は今後ますます逼迫の一途をたどるであろうということが予想されまして、本年三月の中卒、高卒、大学卒を含めまして百四十八万の学校卒業者が就職をしたのでございますが、五十年にはこれが百十七万に減っていくということが予想されております。特に生産技能職に入っていく者の多い中学卒は、本年の四十五万程度が五十年には十八万程度に激減するという点が非常に憂慮されるわけでございます。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 労働省は最近雇用対策基本計画を立てまして閣議決定もしたようでございますが、相当こうかんの内容を持っておるようでございます。そこで今後五年間にある目標を定めて重要施策の実施の方針ないしはこれが遂行への体制を整えよう、こういう計画があるように聞いておりますが、その重点は何ですか。

道正邦彦労働省職業安定局審議官

○道正説明員 雇用対策法に基づきまして雇用対策基本計画というものをわが国雇用政策史上初めてこの三月に定めたことは先生の御指摘のとおりでございまして、四十六年までの計画を定めたわけでございます。その内容は非常に広範多岐にわたりまして簡単に申し上げにくいのでございますが、先ほど申し上げましたような今後の労働力人口、その産業別、年齢別あるいは学卒の学校別等々の詳細な見通しを公表いたしまして関係者の御参考に供する。これが一つの大きなねらいであろうかと思います。それに伴いまして雇用政策は、政府だけでもなかなかいきかねるわけでございますが、政府の施策を中心に、中高年の活用であるとかあるいは婦人労働力の活用であるとか、そういういままでの学卒中心に片寄り過ぎていたきらいのある雇用管理の改善をはかっていくというようなこと、あるいは特に一番今後問題になりまする労働力の質の点につきまして、職業訓練等、労働力の質の向上対策その他かなり網羅的に各種の対策にわたって国の姿勢というものを定め、関係者の協力を求めるというのが趣旨でございます。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 重要な基本施策を実施することは、これは一つは実は日本のこの産業経済の発展過程におきまして、これに対応すべき労働人口の需給の問題解決にもなりましょうし、また一面から見まするというと、都市の開発とかあるいは都市の過密とかあるいは食糧問題としての農業とか農村とかそういったところにおける労働力の関係とか、幾多の多角的な関係がございましょうので、私どもといたしましては、労働省は経済企画庁あるいは農林省あるいは通産省その他政府の各省庁とも連絡を密にせられまして、地方自治体とも同様に連絡をとって、そして全日本の全人口の分布の実態、特に統計によりますと、東京地域、大阪、愛知などは面積は全国の三%、集中せる人間においては二三%、こういうふうに、きわめて格差の違った人口分布の実情にもありますし、これはひいては公害あるいは過密ないしはその結果農業における老齢化とかあるいは三ちゃん農業とかいろいろな農業自体の問題もかもしておりますので、   〔四宮委員長代理退席、吉川委員長代理着席〕 よほど精密な全国の労働力の分布につきましては、逐次即応して対策が立てられるような統計などを私はとられておるのだろうと思いますけれども、どうもとかくわれわれが聞けば、総理府の統計によらなければ全体がわからぬ、総理府の統計はきょうの問題じゃない、きょうの大工の賃金は幾らかというのは総理府の統計ではわからないというようなことで、生きた流動いたしました経済社会の変動に対しまして労働力の問題というようなこういうなまのものを取り扱っていく上においては、一そう私は現実のいまの時点における全体の、数個指摘しましたような客観的な事実だけでも、やはり正確に取りそろえておかれる必要があるんじゃないだろうか。電子計算機も発達しておるのでございますので、きのうこの委員会で、銀行におきましてはもうそろばんも帳面も要りません、なぜならば、全支店の一斉の数字はすぐに掌握ができるというような設備もできつつあるという時代に来ておるのですから、これはいろいろな調査をこれからしなくちゃならぬということでは、生きた労働政策できませんよ。そういうことを思いますので、これは私の議論みたいになって恐縮ですから、もういいかげんにしますけれども、そういう意味におきまして、私は客観的な労働諸問題解決への基礎資料というものは、きょうの生きた時点におけるそれを正確に把握する必要があろう、こう思いますので、それは一体どこがすることになっておるのか。また、それは現実にできておるのかどうか。これはひとつはっきりしておいていただきたい。もし不十分であるならば、政府としてこれは総合的に掌握される必要があるのではないだろうか。

石黒拓爾労働大臣官房長

○石黒政府委員 労働条件その他の基本的な統計につきましては、賃金、労働時間、雇用の移動状況というのは統計調査部でやっております。全国集計は翌月の末には発表できるようになっております。すなわち、八月の分は九月の末。これはそのつど新聞に出しております。ただ御指摘の地方ごとのは府県の統計課のほうでは毎月勤労統計とほぼ同じ内容のものを地方集計として出しておりますが、これは府県庁の統計の集計能力等の事情がございまして、これはあと一月、二月おくれて出るのが通常でございます。  さらに労働省といたしましては、そういう労働の移動状況等をきわめて迅速的確につかまえる必要があるということで、上石神井に労働市場センターというのをつくりまして、求人求職情報その他を瞬時にしてつかまえて集計できるような施策を目下進めておるところでございます。いろいろまあ資料がございますが、これがなかなか見にくい、お手に入りにくいというお話がございまして、私どもそういうふうなPRなりあるいはそういう情報を一般に広く利用していただくようにする努力につきましては、従来必ずしも十分でなかったと思っております。今後雇用情報を提供することその他そういった基礎的な資料につきましては、一般の方々が容易に利用できますように一そうくふうをこらしたいと思っております。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 その点につきましては、答弁は要りませんが御希望申し上げておきたいことは、やはり現在の需給逼迫につきまして、たとえば若年労働を求めようとしましてあちらこちらに人を派遣し、あるいは経営者自体が出張いたしまして、かなり大きな経費を使っている、時間を、労力を消費しているという事実があるわけです。これは要するにどこに給源があるかということについて正確に知らないわけでありますので、こういった社会的浪費というものはばく大なものと思いますから、いまの御趣旨はよくわかりますので、一そう徹底させていただきたいと思います。  それからいろいろと前後いたしますが、私は手もとにメモしていますので順次伺いますが、総括的なこともあり部分的なこともあり、前後しますので恐縮ですけれども、聞いておきたいのは、婦人の労働の問題です。  婦人の労働の問題というのは、これは労働力逼迫の現況から見ますと、特に農村地帯等におきましては地場の労働力を地場で吸収して、そしてできるだけ生産に寄与せしめる、同時にまた農家自身も婦人労働力を有効に消費いたしまして生計を助けていく、同時に家庭の主婦といたしまして子を育ててあるいは主人にサービスし、家庭の責任を果たす、こういうことの両全を期するということは目下の急務であろう、こう存じます。   〔吉川委員長代理退席、委員長着席〕 そこでそういうことににつきましてもしかるべき施策ができて、雇用促進事業団等におきましても保育所等その他の施設について、いろいろと補助その他御協力にもなっておることはわかりますけれども、この問題は相当広範に、そしてちょっと表へ何か打ち出すという程度では解決いたしませんので、これこそほんとうにきめのこまかい全国的な実態を掌握して、そしてその地方々々の実情に合うように適切な措置を早くしなければなるまい、こういうふうに思うのであります。こういうことが十分できないといろいろな悲劇が起こっていることは、ある機会にこの委員会でも私も指摘したことがあるのであります。これは述べると長くなるから言いませんけれども、ともかく地場のそういう労働力のうち特に農村の婦人の労働力をどうして最も適切に吸収して消化していくかという、そういう条件をつくり出すのには一体どうしたらいいのか、これについてひとつずばっとお答えを願っておきたい。

石黒拓爾労働大臣官房長

○石黒政府委員 婦人労働力の活用ということは最近よく言われておりますが、御指摘のごとくこれは非常にむずかしい問題を含んでおりまして、一番基本的には婦人が職場で働くその職場の責任と、その主婦としての家庭の責任とをいかように調和させるかという問題が基本にあるわけでございまして、この基本的な問題は、社会意識と申しますかあるいはそのときどきのいわば哲学的なものの考え方にも関連をいたしますので、そこまで抜本的に私どもがこれを割り切った答えはなかなか出しにくい状況でございます。したがいまして非常に割り切れた政策というのがなかなか打ち出しにくいわけでございます。  御承知のごとく働く婦人の家というようなものをつくるあるいは保育所等につきましては特に力を入れております。また農村婦人につきましては、その疲労度あるいは家庭責任というようなものにつきまして種々調査をいたしておるわけでございますが、役所の側の努力だけでもなかなかできない点も多々ございまして、目下のところは、いろいろな方法をできるだけやっておるというのが率直に申して実情でございます。この問題はますます重要になってくることは御指摘のとおりで、私ども十分意識しておりますので、一そう勉強いたしたいと考えております。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 この問題も、いまお述べになりましたように、根底には職業に対する一つの哲学的なものの考え方というようなものにも触れていくのでございますが、私どもといたしましては、ヨーロッパ、アメリカあたりにおきましては、既婚者が職場につくということは、これはもう当然のことになっておるようでございますが、わが国においては、なおその辺について過去の因習が強いものがありまして、特に農村地帯においては、出ていって職場につくということは異例とされてきたのであります。いろいろ経済その他の事情からそうも言っておれぬので出かけていくというのでありますが、例外は例外です。そこで、ものの考え方を是正して、内におって働き、外におって働き、ともに働いて、家庭的にも、経済的にも、精神的にも、あらゆる面においてそれぞれと人間として尽くすべきものを尽くすのであるということの考え方も養わねばならぬし、もう一つは、やはり政府のみによるわけではありませんけれども、婦人に適する仕事をやはり技術訓練もせねばいくまいじゃないか。技術訓練するといっても、山越え谷越えまして行って習うわけにもいきませんし、そうかといって農村地帯において、それぞれ村役場で、町役場でそういう施設をせいというのも、これもとても財政その他が許しませんし、といって、政府が何もかもするということもできませんが、要するに、こういうことも一つの私は総合施策として打ち立てる必要があるんでないであろうか。どうも最近の非常に重要な政治課題になってくるものが、一省だけの考え方で、その担当だけでは解決できないという要素が多いような気がいたしますので、この婦人を労働者として有効に消化していくという問題も、あらゆる角度から私はPRもし、その他施設もし、その他訓練もし等々していかねばならぬと思うのです。だから、それにつきましては地元の県庁などとも十分に御連絡をおとりになって、そして出先の機関だけじゃなしに、全体の施策といたしまして、私は進めていく必要があろう、こう思うのでございます。だから、こういうことにつきましては、中央でおっかぶせるだけではいくまいと私は思いますし、やはりよく地方に理解せしめ、協力せしめ、ともに納得せしめて、そして有効な労働力として成長させるというような培養方法が必要だろうと思いますんですが、そういう具体的な政策、対策はもうお立てになっておるんだろうか、ないしは、実施されておるんだろうか。もちろんいまの保育所とかその他の施設があることはわかります。わかりますけれども、そういうことだけでは解決しない重要性がなおあると思いますので……。

高橋展子労働省婦人少年局長

○高橋(展)政府委員 おくれてまいりましてたいへん失礼いたしました。  婦人労働力の有効活用というお尋ねであったかと思いますが、この点に関しましては、特に中高年婦人の雇用の円滑化ということを私ども政策の重点といたしまして、総合的に施策を進めてまいりたいと考えております。このためには、もちろん関係各省あるいは地方公共団体等の御協力も必要でございますし、また、民間のイニシアチブによる各般の活動も期待されるところでございますが、私どもの担当する範囲におきましては、特に今後は中高年婦人の就業分野の拡大のための努力、それからまた、中高年婦人が家庭責任との調和を保ちながら就業ができるような就労形態といったものの開発、あるいはその家庭環境、職場環境整備のための施設等を整えてまいりますとともに、さらに積極的に既婚婦人、中高年婦人等の職業能力を開発するための措置を講じることによりまして、婦人たちにも生きがいのある職業生活を与えますとともに、また、経済の発展のためにも有効な労働力として働いていただけるよう、特に能力開発の点につきまして施策を進めたいと思っておりますが、中高年婦人の特質にかんがみまして、過去の経験を生かし、あるいはこれから新しく職場に入っていくということのためのきめのこまかい職業訓練を行なってまいりたいと考えております。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 婦人の場合に、さっきに私、農村地帯などをおもに一つの例に指摘しておったのでありますけれども、たとえば母子家庭の婦人などがございますが、ようやく戦後赤ん坊であったのが二十になって独立の前になったのでというので、少し身軽になって外へ出て働くという婦人も相当あるわけですが、この母子家庭の婦人におきましても、やはり職業の一つの訓練もしながら、そうしてこれに職場を与えるということは、これまた家庭のしあわせを求める婦人の立場としましても非常に重要でございまして、産業の開発とか成長とかというものに寄与するという以外に、婦人自身の問題としてこれは解決していかねばなるまい。これには、あらゆる積極的な手を差し伸べること、やはりこれも政府だけではいきませんです、地方それぞれの自治体との連絡もとり、ないしは、これを雇用する立場に対する理解、協力、これが大事であろうと思いますので、三位一体の関係で、施策は政府で打ち出すにしましても、協力の態勢はそのようにいたしまして、そして婦人に積極的な意欲を燃やさしていく、こういうふうな手を打っていかねばならぬと思いますのですが、いまの御説明によって、かなりきめこまかく推進されておると思いますけれども、なお現実にはちまたにそういう声は満ちておりますので、相当に私はなすべきことが残っておると思いますので、なお伺っておきたい。

高橋展子労働省婦人少年局長

○高橋(展)政府委員 母子家庭等につきましては、かねてから特にその就業援助のために早くから措置を講じてまいったところでございます。近年は、一般に中高年婦人あるいは既婚婦人の概念の中に母子家庭等も含めるような姿勢になっているところでございますが、もちろん母子家庭はその経済的必要性から、早くから就業援助の対象として各般の施策を重点的に行なってきたところでございます。先生おっしゃいますように、何と申しましても、この婦人が、特に家庭を持った婦人が働くと申します場合に、いろいろな困難がございますし、何と申しましても、受け入れる社会の慣行あるいは考え方等において偏見等がありますときは、非常に婦人の就業意欲も阻害されるのでございますので、私どもといたしましては、近代社会の中で婦人が労働力としても非常に大きな役割りを持つものであるということの認識を、日本の社会により一そう深めることによりまして、婦人がただ単に経済に寄与する、あるいはただ単に家計をささえるというだけでなくて、人間として生きがいを持ちながら職業生活に参与するというような方向へ一そう啓発活動等も進めてまいりたいと思っております。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 雇用促進事業団におきましては、いまのようなたとえば母子家庭とか未亡人とかそういった婦人の職業につくというような場合に、独立の自営の場合もございましょうし、そういうような場合に雇用促進事業団がこれに低利の資金を貸与するという方法はあるのですか。どなたからでもいいですから……。

和田勝美労働省職業訓練局長

○和田(勝)政府委員 お答えいたします。  雇用促進事業団で特にそういうことを具体的にということではございませんが、全般的に言いまして中高年の婦人の方には就業促進措置というのがございまして、訓練を受けている間につきましては訓練手当を支給をして訓練をお受けいただく。これは雇用促進事業団もやりますし、一般的に県が経営しております一般職業訓練所でもやっております。そういう措置が講じられて中高年の婦人で就職をしたいという方には一応の援護措置ができる、こういうふうに考えております。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 それから適正な職場に配置するという、配置の適正化、こう申すのですか、たとえば若年労働が欠乏しつつあると言いながらも、しかしエレベーターには若い女性がついておる。サービスなんかそんなにしなくていいのに、百貨店に行きますと、けんらんの装いをいたしましたお嬢さんが一ぱいサービスをしている。そうしなくても中高年齢でけっこう間に合うし、人生の体験もあるし、また人間の心ぐあいをよくつかむし、そういう者を置かないで、足りない足りないと言いながらも労働力盛んなそういう婦人ないしは若年の方々が二次、三次のそういうサービス業についておるというようなことは、単に政治だけではいけませんけれども、やはりこういう労働の問題がその意味において重大化しつつあるときにはもっと積極的に協力をさす手はないであろうか。一兆何千億円のボーナスを使ってくれるんだというて、いまでも銀座あたり歩いてごらんなさい、たいへんなものですよ。この間ちょっと向こうのほうに行きましたら、現金つかみ取りといってちょうちんを何千もつっている町がございます。そういうような中で労働力の浪費というものはいまはあたりまえです。そのあたりまえのことを平気で行なっておりましては労働力の問題は解決いたしません。もっと全体が良心的に協力して、どうすれば全体がよくなるかということに少しでも協力するという体制を助長していくということになりませんと、でないとこれは政治はありません。政治皆無の状態ではこの問題は解決しないと思うのです。そういうふうに労働力を適正に配置するということについてこれは積極的な施策がなければならぬと思う。これはどうですか。

井村重雄自由民主党労働政務次官

○井村政府委員 先ほど官房長が答えました雇用基本計画もさような点に留意をいたしまして、適材適所というふうな計画を立てたい。しかし雇用問題は職業選択の自由もございますので、政府の計画だけではなかなかうまくまいりません。やはり民間の、国民の一般の認識と、それから協力がなければできないわけでございます。御指摘のエレベーター等において非常に若い子がやっている、中高年齢層でもやれるじゃないか。われわれも十分その点は考えておりますが、逐次やはり国家の示した大きな基本計画に基づいてそういうふうな認識を全般に改めてもらう。また、第三次産業等においても代替の労働力があるにもかかわりませず非常に若い者が吸収されておるというふうなことは、逐次この地図が塗り変えられていかなければならないとも存じているわけでございます。そういうことについての指導、協力その他についてはこの基本計画をもとにいたしまして十分徹底するように、また労働力が有効に効率高い産業に使われるように今後とも指導をいたしてまいりたいと考えております。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 この問題はやはり企業経営の全国のトップクラスないしは経団連その他経営者の中核の実勢力のあるところ、こういうところでお互いに基本的な了解点に達しまして、同時にまたサービスを受ける国民の側におきまして、お嬢さんのきれいな装いでなくてよろしいというふうな理解を持ち得るように、これは何と言いましても産業の主体勢力のあるところに協力を求めることが私は一番重要なかぎでないかと思います。そういたしまして初めて政府のお考えになっておるこの計画は実現の方向に進んでいくのだろうと思いますが、これをどうしてもとらなければいけませんが、この産業界のトップクラスの中心勢力と直接会談いたしまして了解をさせ、雇用問題解決の重要な柱としてそれを打ち出す、こういうふうにひとつできないものでしょうか。次官、労働省としてその辺はどうですかね。

井村重雄自由民主党労働政務次官

○井村政府委員 御指摘のとおりでございますけれども、今日何ぶん自由主義経済のもとにおいて労働力の配置転換ということを国家の権力的な統制のもとにやるということは、これはなかなか不可能でございます。要はやはり経団連等の財界の指導者、経営者の指導者等も大きく理解を持ってもらわなければならぬ。お互いにわずかの若年労働者あるいは新規学卒者を引っぱり合いをするというようなことでは非常に困るのでございまして、そういうことについては、繰り返して申しますが、今後この労働雇用基本計画等に基づきまして機会あるごとにこれを周知徹底いたしまして、そういう方面の協力を求めて最も効率の高い産業に若い労働力を供給していく、それが最も有効に使われていく。少ない労働力を最も有効に使うように今後ともお互いに指導啓発をしてまいりたい。その点では労働省としても今後重点を置いて、この逼迫した労働力の配分ということについても今後大いに研究をいたしてまいりたいと存じます。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 なお労働力の配置は同時に労働の生産性にも関係を持っておりますので、これらの点につきまして全国の労働組合にも、官公労も民間労組も同様でありまするが、やはり協力を求めまして、技術革新時代に、世界の資本自由化時代に入っておるときでありますので、あらゆる企業におきましてもっと積極的に合理化して、機械でいけるところは機械にして人間をやめて、そして一々人間を罪人扱いに疑わずに、切符のごときもそれは自由にそこのくずかごにほうり込むというようなところまで信頼する。何でもよろしゅうございますからこまかいところからでも労働力を節約していく、これが一つは生産を高めるゆえんであろうとも考えます。同時にまたこれが社会の人心なり風潮を自粛する一手であろうと考えます。そうしないで浪費浪費を繰り返しておりましたならば、これはいろんなものにも共通する深刻な重大性を持ったものとも考えますので、この点につきましてはそういうような声もありとして、ぜひいろいろな機会にそれぞれと協調せられることを御希望申し上げておきたいと思います。  それから今度少年労働に少し入ってみたいと思うのですが、少年労働のうち特に最近職業選択の自由もありましょうし、あるいは若年労働逼迫の実情もありましょう。しかし憂慮すべき一つの傾向といたしましては、たとえば中小企業者がせっかく一人五万円の経費を使って遠方から来てもらった労働者が、一月たたないうちにどこかへ行ってしまうというような例はざらであります。労働省におきましてもそれぞれと統計を持っておられますので、どんな離職転職の実情がだんだんとあらわれてきたかということは明らかであろうかと思います。  ところで、この離職、転職ということが青少年の場合には非行につながるということも見のがしがたいのであります。青少年の非行の問題は、総理府を中心において全国的な施策は行なわれつつありまするけれども、これも百年河清を待つで、なかなか解決はいたしません。解決しないものは解決させないいろいろな要素がなくならないからでございます。そこで、このような離職、転職の問題につきましてはこの際、何かもっと積極的に打つ手はないであろうか。離職、転職の実態、それは大体の趨勢だけでけっこうでございますから、実態、特にその特徴としてあらわれておるものは何か、あるいはこれにつきまして次にかもし出されるところの弊害とか、その他は何かということは、労働省でつかんでおられると思うのですが、簡単でよろしゅうございますから、アウトラインだけでも述べていただきたい。

高橋展子労働省婦人少年局長

○高橋(展)政府委員 年少労働者の離職の傾向という点から申し上げます。  中学卒、あるいは高校卒で就職した者の離職の動向でございますが、この一、二年はやや離職率といたしましては低下のきみがございます。三十九年におきましては、年間に約二〇%のこれら青少年労働者が離職いたしておりましたが、四十年、四十一年にはこの二割という線を割っております。  それからまた、全体のおとなも含めました離職率との比較で言いますと、これら若い者たちの離職率は、数字の上では必ずしも高くないのでございます。ただ実感といたしまして、非常に年少労働者の離職ということが強く感じられますし、また注目もされるところであるかと存じます。数字の上では必ずしも高くないというふうな傾向でございます。  これらの年少労働者でもって離職いたします者の離職理由という点にやや問題が見られるように思われます。離職いたしたものの理由を見ますと、事業所の都合でいわばやむなく離職したというものは非常に少ない。六%、七%という程度でございまして、大部分は個人的事情ということでございます。もちろん事業所に不満があったというものもございますが、おとなの場合と違いまして、事業所の倒産等による離職というものは非常に少ないという傾向がございます。いわばみずから選んで離職するというのが若い人たちの特徴であるかと思われます。離職した者が必ずしも非行に走るということもないようでございますし、必ずしも離職がいけないという理由もないかと思いますが、問題としてとらえられますのは、非行化しました青少年の中には離職歴の多い者がきわめて多い。このようなところに因果関係があるように見受けられております。いずれにしましても安易な離職というものは本人のためにも非常に憂うべきことが多いかと思われますので、私どもといたしましては、安易な離職、単に人手不足のために非常に転職しやすいということだけの理由での離職というものはなるべく行なわれないことが望ましいのではないか。このためにいろいろな施策を講じているところでございます。

井村重雄自由民主党労働政務次官

○井村政府委員 ただいま御指摘をいただきました年少労働者の問題については、婦人局長から答弁がありましたが、これは非常に重要な問題だと考えております。この転職、離職並びに非行化という問題は、私どもとして非常に重要視しなければならないと思うのでございます。要するにこれは出発の当初から、先ほど吉川委員からの御指摘がありましたが、縁故募集、学校募集、職安の窓口を通す、これがどういうふうな経路をたどっておるか、大体この就職秩序の問題から根本的に考慮してみなければならぬ問題じゃなかろうか。こうした場合に、集団就職等で出発の際は非常に勇ましく、地方公共団体の首長等もにぎやかに見送ってやりますけれども、アフターケアがうまくいってないと思うのであります。  そこで、これは私の思いつきでございますけれども、私ども今後せめて、集団就職をしたこの労働者の諸君だけでも、何か特殊の手帳を発行いたしまして、一種の責任感といいますか、そういうふうな気持ちと誇りを与えてやりたい、そうしてまた雇う側においても、集団就職の手帳を持った年少労働者に対しては特別のアフターケアをやってやらなければならぬ。労働省自体としても追跡調査を常に怠りないようにやらねばならぬじゃないかというふうなことも、はたして可能であるかどうか、現在事務当局に検討さしております。労働組合、また皆さん方のほうでも、こういうふうなことについての御教導をいただければ非常にしあおせではないかと考えております。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 私はひとつは、青少年の場合は、多くは家庭を離れまして職場に行く、あるいはずいぶん遠方もあるというのでありますから、家庭と連絡を密にされることも必要であろう。それから、それはやはりきょうの生活環境、実情について相当親も知り、また親が進んで知る機会を与える必要があるのじゃないかというような点が一つあると思う。  さらにもう一面におきましては、たとえば明るい環境を与える必要があるのじゃないだろうか。最近よくいわれるのでありますけれども、一体人生とは何だ、自分たちは人間であるといわれるが、一体これは何だというような、何か一つの懐疑感を持って自分を見るというような少年が相当あるというふうにも実は聞いております。  もう一つは余暇利用ということについて、ほんとうに青少年のために善良な環境なり、指導なり、条件があるであろうか、こういうことを考えますると、遠方から出した親は様子を見てりつ然とするようなことも、われわれ感ずることがあるのでございますので、そういう生活環境の健全化、明るくすることないしは余暇の利用の健全化、そういうことについて青少年を指導するという面が必要ではないだろうか。これはきょうの職場とは関係ございませんけれども、将来の日本を背負っていくところの人間形成のために、青少年の将来のために、最も適切な必要なことであろう、こう思います。  これにつきましては、やはり総理府にも青少年局があることでございますので、全国的な施策も進めつつあるわけですから、あらゆる方面と協力していかれるということは、いま次官御説明になっておりましたこと、もっともなことでありまするので、現実、具体的に相当積極的に、これこそきめこまかく、青少年のために指導する手が差し伸べられていく必要があろうと思います。総理府の方面のお考え方なり施策はどうでございましょうか。

安嶋彌総理府青少年局長

○安嶋政府委員 青少年の健全育成のために環境を整備する、浄化するということが必要であろうということは全く同感でございます。消極的な対策といたしましては、環境浄化ということがございまして、これは風俗営業を中心にいたしましてそれに対する必要な措置がとられておるわけでございますが、そういった消極的な面だけではなくて、積極的に余暇利用の健全化と申しますか、そういう点は青少年行政の大きな一つの方向になっております。この問題はもちろん各省で分担をいたしておるわけでございますが、先般、青少年問題審議会におきまして、青少年の健全育成施設の整備についての総合的な計画に関する答申があったわけでございます。  労働省の関係で申しますならば、勤労青少年の保護等がその中心になっておりますし、文部省で申しますならば、「青年の家」といったような施設の整備が中心になるわけございますが、そういった健全な育成施設を積極的に長期的な計画のもとに整備していく必要があるということで、各省にわたる施策の推進につとめておる状態でございます。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員長 参考人にはお忙しいところ調査に御協力いただき、ありがとうございました。      ————◇—————

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員長 次に、総理府所管中、防衛庁について質疑に入ります。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。小山省二君。

小山省二自由民主党

○小山(省)委員 時間もないことでございますから、できるだけ要点をしぼって施設庁にお尋ねをしたいと思うのでありますが、近時、沖繩の返還をめぐって日本の防衛というものがたいへん関心を深めて、私は基地に対する考え方、基地の持つ重要性、そういうものに関して、従来施設庁は非常な御努力をいただいておるということを承知しておるのでありますが、しかし、依然として基地を中心としていろいろな補償その他の問題というものが解決つかない状態にありますので、関係住民は逆に、努力はするが、結果においてはいつもお役所の不信行為によって迷惑を受けておるという苦情を、実はわれわれのほうにいろいろ申し入れておるわけであります。  たいへん古い話ですが、昭和三十一年に、横田飛行場の拡張をめぐって地元の瑞穂町の当時の町長であります原島治平と当時の調達庁長官でありました今井久との間に覚え書きを交換して、この横田飛行場の拡張に地元が非常な協力をしたことがあるわけであります。その覚え書きの項目は十項目からなっておりまして、おそらく部長は御存じだろうと思うのであります。この十項目について完全に覚え書きどおり解決をしておるかどうか、しておらない面があるとすれば、どういう面が解決をしておらないか、その点についてひとつお尋ねをしたいと思います。

鐘江士郎防衛施設庁施設部長

○鐘江説明員 ただいま先生の御質問の昭和三十一年の七月二十八日に、瑞穂町長と当時の調達庁長官との間に覚え書きが交換されておりますが、その十項目の事項のうち大半は私どもの予算のできる範囲におきまして誠意をもってやってまいったわけでございますが、現在第十項目目に「国は、瑞穂中学校ならびに東京都立農林高等学校瑞穂分校の用地として、現に駐留軍が使用中の射撃場全敷地の返還をうけ、法令の許す範囲内の最低額で町の希望に応じて貸し付けまたは売り払う。」この項目が遺憾ながらまだ未解決になっております。

小山省二自由民主党

○小山(省)委員 これはたいへん大事な問題なのであります。当時の瑞穂町長は、この覚え書きについて町議会にかけて、町議会の議決をとって実は基地拡張に協力をしておったわけです。しかるにこの覚え書きの中にあります都立農林高等学校瑞穂分校、これが都立高になった。したがって、敷地の拡張ということに対して、しばしばこの所有者であります国、現在は大蔵省国有財産局に払い下げをしてほしいという要請をしておるのでありますが、このほうはどうやら方向としては解決の見込みのある方向に向かっておるのであります。瑞穂中学校の用地として地元が払い下げを受けたいという面については依然として難航をしておるのであります。私は、一番大事な点は、このような覚え書きを地元の町といたしましたときに、この中に「使用中の射撃場全敷地の返還をうけ、」こうなっている。返還を受けてこれを大蔵省の所管に移す、いわゆる国有地として国有財産に移すときに、大蔵省にこういう覚え書きに基づいて所管として大蔵省に移すんだということが徹底しておったのかどうか、そのいきさつについて承りたいと思います。

鐘江士郎防衛施設庁施設部長

○鐘江説明員 この当時はまだ問題の土地は返還されておらなかったわけでございますが、幸いにして昭和三十一年の十月一日に返還が実現いたしました。その内容といたしましては、大部分が国有地でございまして、約十五万五千平米、それから民有地が一部ございまして、これが一万五千平米、合計約十七万平米の土地が返ってきたわけでございますが、問題の土地はこの国有地の十五万五千平米について、ぜひ地元で学校敷地用地としてほしいという御要望であったわけでございますが、この問題につきましては、その後も東京防衛施設局といたしましては、大蔵省の財務部にもぜひ何とか実現方をお願いしたいということを依頼しておるというふうに聞いております。

小山省二自由民主党

○小山(省)委員 問題は、この国有財産に所管がえをするときに、こういう覚え書きに基づいて当然地元の要求があった場合には、地元の町に払い下げをするあるいは貸し付けをするという、そういう取りきめのある土地だということを大蔵省の関係者に徹底しておったのかどうか、その点をひとつ明確にしてもらいたいと思います。

鐘江士郎防衛施設庁施設部長

○鐘江説明員 この覚え書きを交換したとき現在におきまして、大蔵省と協議をいたしませんで、その後この問題を大蔵省のほうへ依頼しておるというふうに聞いております。

小山省二自由民主党

○小山(省)委員 問題の混乱はそういうふうなところから出ておると思うのであります。この覚え書きには都知事も立ち会って調印しておる。したがって、町議会においてはしばしば理事者は質問を受けて苦境に立たされておるのであります。これだけの覚え書きがかわされておっても、なおかつ実行されない。もし、話し合いの程度によったら、おそらくこの問題は空中分解をしておったのではないかという非常な不信感を町民が持っておるわけであります。私も地元の選挙区の問題でもありますし、一、二度関係者から依頼を受けて財務局に参りましたところ、国有財産はすべて時価で売却するという方針である、これが大蔵省の基本的な考えである、したがって、どのような取りきめが行なわれておったかは私どもは存じませんが、そういう方針で払い下げをするならばします。したがって、時価を算定してやりますので、それで学校用地として可能であるかどうか、その辺お考えになって方針を改められたらどうですかということで、もうほとんどこの覚え書きなどは問題にしない、歯牙にかけないという一方的な態度が相当露骨に出ております。私は将来横田基地はまた再び拡張がないとは断言できないと思います。将来そのような基地の問題について地元の協力を仰がなければならぬ問題が起こることを考えた場合、このような問題は一日も早く解決をして、そうした住民の不信感というものを払拭しておかなければならぬというふうに実は考えておるのであります。したがって、地元はしばしばこの問題について大蔵省の財務局を訪れまして、従来のいきさつを説明して、すみやかに地元に払い下げてほしいという要請をしているわけであります。私は地元と大蔵省との話し合いではなかなか解決がつかぬと思う。やはりこのように当時の調達庁長官として今井さんが調印をして責任を持った以上は、今井さんはいなくともやはりそのあとを受けた関係者がこの覚え書きを実現するように関係者に努力をするということが、私は当然の責任だというふうに考えるのでありますが、将来どういうお考えであるか、この点をひとつ明確にしていただきたい。

鐘江士郎防衛施設庁施設部長

○鐘江説明員 この瑞穂町というところは、横田飛行場の進入表面直下に大部分があるということで、かねてから瑞穂町に対しまして、私どもはたいへん御迷惑をかけておるということで、この瑞穂町に関する周辺対策につきましては、いままでも予算の許す範囲において、あるいは法令の許す範囲において、積極的に措置してきたわけでございますが、先生もおっしゃるとおり、かつてのこの約束ごとが実行されないということは、施設庁に対する不信感、大きくいえばひいては防衛に関する問題にも波及いたしますので、いろいろのこういう問題につきましては積極的に誠意を持って処理したいというふうに考えております。  具体的に本件につきましては、その後、町当局にもいろいろお話を伺っているわけですが、当初の、町当局が国有地全部を払い下げてもらいたいというのを、最近はやむを得ない場合にはそれの約三分の一ぐらの坪数でもがまんしようかというような意向も内々あるように伺っております。したがいまして、町当局でもそういう検討をした結果、全部は要らない。かりに半分なら半分、三分の一なら三分の一でもいいというようなことでございますならば、われわれとしても従来以上に積極的にこの問題につきまして大蔵当局に折衝してみたい、かように考えております。

小山省二自由民主党

○小山(省)委員 当時の責任者である原島治平町長と、いまは新しい町長にかわっておりますから、おのずと考え方の上にも多少相違が出てきておると思います。また町自体もこの解決がたいへん長引いておりますので、多少の妥協はやむを得まいという空気のあることは事実であります。しかし私は少なくともこれらの利害関係者を代表して町長と、また今日の施設庁の前身である調達庁の最高責任者である長官との間に文書で覚え書きが交換されておるというこういう事実から考えて、少なくともこの覚え書きに示された事項というものに対しては、できるだけ誠意をもって解決するということは当然であり、そうしない場合におけるいろいろな派生的に起こる問題等を考えた場合、町当局が、たとえ三分の一でも、一応この覚え書きの精神というものが生かされれば、ある程度やむを得ないという考えに変化したとしても、調達庁自身としてはやはり今後におけるいろいろな問題を処理する上に、できるだけこの覚え書きどおりの事項を完全に実現するように、特に私は関係者の善処を要望したいと思うのであります。  御存じのとおり瑞穂町も近時やはり相当青年層、婦人団の新しい層の人が町の代表者となってまいりまして、従来と違った面で非常に基地をめぐって活発な論議が常に町議会において行なわれております。そういうような事情をわれわれが承知しております限りにおいては、やはり責任者の苦衷といいますか、そういう面はひとつ考慮してやらなければならぬというふうに考えております。したがって私はできるだけ、もう相当長い期間もたっておることでありますから、そういう面で関係者が誠意をもって問題解決のために努力をしてほいしということを御要望申し上げておきます。

鐘江士郎防衛施設庁施設部長

○鐘江説明員 先ほども申しましたとおり、従来瑞穂町という町は非常に防衛問題について積極的に協力していただいた町でございまして、そういう意味合いにおきましてもいままでお約束した大半の事項についてはほぼお約束を実施したということでございまして、この問題だけが懸案になっておりますので、先ほども申しましたとおり、さらに今後大蔵省と折衝して、一日も早く解決いたしますよう努力いたしたい、かように存じております。

財満功防衛施設庁総務部長

○財満説明員 ただいま先生がおっしゃいましたこの問題の初まりは、昭和三十年から三十二年にかけました横田飛行場の拡張問題に関連いたしまして、地元と当時の調達庁長官との間でお約束があったものでございます。いわゆる瑞穂中学並びに東京都立農林高等学校瑞穂分校の用地として旧軍用地をごあっせん申し上げるというお約束がございました。ただ当時の事情といたしまして、直ちに売却あるいは払い下げということについては、町の財政負担もあろうかということで、さしあたり貸し付けておきましょうということに相なったものと私承知いたしております。そのときに売却するということに踏み切っておればあるいは問題はなかったのではないかと思いますけれども、たまたま貸し付けという方針で処理することになりましたので、いざ払い下げという間に十年近い年月が経過しております。そこで四十一年三月に、あらためて瑞穂中学校用地として払い下げをすることについて極力関係機関に要請することにいたしますというお約束もいたしておるわけでございますので、ただいま先生がお述べになりました線に沿いまして、できる限りの努力をいたしたいというふうに考えるものでございます。

小山省二自由民主党

○小山(省)委員 関係者が誠意を持ってこの問題の解決に当たろうという御答弁でありますから、私も十分了承するわけでありますが、一方、ひるがえって砂川の基地などを見ますと、一たび住民の協力を得ない場合、基地の拡張がいかに困難であるかということは、明らかにああいう実例が示しておるわけです。この瑞穂の基地、横田基地は、ほんとうに地元が協力をして、そういう何らのトラブルもなくスムーズに拡張ができたわけです。したがってそれだけに、協力したほうの側からいくと、逆に当局に裏切られたという感じが強く出ておるわけです。ひとりこの協定にとどまらず、その他においても若干やはり地元としては不満な面があるわけです。われわれは一々その事項を指摘いたしませんが、常に基地で悩んでおる住民の気持ちを考えた場合に、私は、できるだけそういう誠意にこたえるという態度が当局にありませんと、おそらく今後における基地問題というものは一そう住民との間に紛糾、トラブルを起こす懸念があるというふうに考えますので、どうかひとつこの問題についてはできるだけ早く解決をするように最善の御努力を特に要望して質問を終わります。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員長 この際、午後二時まで休憩いたします。    午後一時三分休憩      ————◇—————    午後二時三十二分開議

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。華山親義君。

華山親義日本社会党

○華山委員 会計検査院にまず伺いたいのでございますが、報告の一番末尾に、未確認額というのが出ておりますけれども、この未確認というのは一体どういうことなんでしょうか。普通であるならば確認さるべきことであるけれども、資料不足等のために確認をされないのはこれだけでございます、こういうことでございますか。会計検査院からお答え願います。

石川達郎会計検査院事務総局第二局長

○石川会計検査院説明員 未確認ということの意味でございますが、御承知のとおり、会計検査院法第二十一条に、「会計検査院は、検査の結果により、国の収入支出の決算を確認する。」こういう条項がございます。  そこで確認ということの内容でございますが、一年間の収入支出の決算が、われわれの検査した検査の過程におきまして、相手方官庁から出てきます計算書、証拠書類等に符合するかどうかという、そういう形式的な面と申しますか、計数的な面の確認が一つございます。それから個々の収入支出の内容がはたして予算の目的に沿うているかどうか、あるいは会計法規に違反するものがあるかどうか、そういう実質的な内容にまで立ち入りまして、その結果、不当と認められるものは検査報告に掲記しているわけでございます。  確認ということの内容はそういうことでございますが、ただ、たとえば防衛庁におきまして、前金払いあるいは概算払い等をいたしましたものにつきまして、対象となります物件が未納入となっているというような場合につきましては、これは個々の収入支出の実質的な内容を確認いたしかねる、こういうことでこれを後年度におきまして確認しようということのために未確認として掲記しているわけでございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 会計検査院に伺いますが、この未確認額表によりますと、昭和四十一年十二月五日現在で、昭和三十四年度のものが未確認になっている。まことに驚くべきことだと私は思うのでございますが、この中であとのほうに、いろいろ裁判事件等のために責任等の問題があって決定しかねるというのは別でございますが、これを見ますと、まだ物が入っていないとか決算書が未着であるとかいうふうなことでございます。私は、こういうふうなことはまことに遺憾なことだと思うのでございますが、たとえば昭和三十四年度におきまして、アメリカに「前金払したものであるが、精算書未着などのため」と書いてありますが、「など」とは一体何ですか。

石川達郎会計検査院事務総局第二局長

○石川会計検査院説明員 三十四年度の未確認でございますが、これは未確認として残しましたものは、物は入ってはおりますが精算書が未着であるとかあるいは精算手続中というようなものが含まれております。

華山親義日本社会党

○華山委員 「など」というのは、精算手続ということでございますね。「など」の内容を聞いているのです。

石川達郎会計検査院事務総局第二局長

○石川会計検査院説明員 三十四年度の場合は、ただいま申しましたように、精算書未着のもの、それから精算書は着きましても、まだこちらにおきまして手続をしている過程にあるというものでございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 ほかにも「など」というのはずいぶんここに出てきますけれども、大体そういう意味に解釈して、ほかのものの「など」というのもそういうふうなことだと思ってよろしゅうございますか。

石川達郎会計検査院事務総局第二局長

○石川会計検査院説明員 その他の態様といたしましては、クレームがありまして、それが未解決であるというような事態もございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 それで、私、伺いたいのですけれども、昭和三十四年といえばもう一昔ですね。十年一昔といいますけれども、もう一昔に近い。それらのものが、これは防衛庁でございますが、アメリカに対しまして通信機器部品の購入代金、こういうふうなことなんですけれども、いままで精算書が届かないというのは、これは一体どういうことで届かないのでしょうか。防衛庁のほうに伺っておきたい。

蒲谷友芳防衛庁装備局長

○蒲谷政府委員 実は三十四年度分につきましては、これは昨年四十一年十二月五日現在のことでございまして、その後精算を督促しまして現在終わっております。実は、おくれましたのは、向こうのアメリカの国防省の機構が非常に大きくて、しかも何か三十九年ぐらいに機構改革があったりあるいは電子計算機を導入したための事務処理の形態が変わったためにおくれたというふうに聞いておりますけれども、現在は終わっております。

華山親義日本社会党

○華山委員 三十四年が終わっておらないとすれば、その後三十五年、三十六年とずっと続いて昨年までくるわけでございますが、一番古いのは何年でございますか。

蒲谷友芳防衛庁装備局長

○蒲谷政府委員 実は先生に御指摘を受けまして、私どもの大臣からも強い指示がございまして、至急に解決するようにということで、大体今年度中に三十七年度までは終わる予定でございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 しかし、ずいぶんのんびりした話ですね。三十七年といえば、七、八年前のやつがようやく精算がつくということですが、こういうふうに責任の問題は別といたしまして——、もし責任ということばが許されるならば、こういうふうに物が着かない、未着だという。あとになって来ますというと、機械も入っておらないというのですけれども、これは責任はどこにあるのですか。アメリカ政府にあるのですか、アメリカの会社にあるのですか。どちらにあるのですか。

蒲谷友芳防衛庁装備局長

○蒲谷政府委員 三十七年度までにつきまして申し上げますと、会計検査院から指定されました未確認額は、実は非常に多いのでございますけれども、現物はほとんど着いておるわけでございます。その比率を申し上げますと、三十五年度で——これは昨年の十月五日現在の会計検査でございますけれども、現物が着いておりません率は〇・〇五%ということでございまして、ほとんど着いております。ただ、一部着かないために、大きな額の最終の帳じりが締められないというかっこうでございまして、三十六年度につきましても〇・七%という数字でございます。三十七年度が三・一%という数字でございます。ほとんど必要なものは着いておりますけれども、やはり現在の、アメリカ側に私どものほうが契約をしまして、アメリカ側としましては非常に膨大な、各地に供給しておりまして、しかもその需要がほかに緊急性があったというような問題で回ったりしまして、参っておりません。私どもも非常に困りまして、実は三十七年度までは、着かないものは着かないということで至急に精算をするという方針で行ないまして、三十七年度までにつきましてはもう精算が終わるということでございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 まるで清算会社の精算の話みたいですけれども、ほんとうに私はふしぎでならないのですがね。こういうふうな会社が日本であって、精算ができない、部品が入らなかった場合には、一体会計検査院はどうするのですか。そのままほったらかしにするつもりですか。

石川達郎会計検査院事務総局第二局長

○石川会計検査院説明員 これは契約に従いまして違約金を徴収するとか、そういう措置を当然とらるべきものであろうと考えます。

華山親義日本社会党

○華山委員 契約はどうなっているのですか。三十五年のやつが、四十二年に着いてもいいことになっているのですか。どうなっているのですか、アメリカとの約束は。

蒲谷友芳防衛庁装備局長

○蒲谷政府委員 アメリカの民間会社なりあるいは国内の民間会社と契約する場合には違約条項が入りますが、アメリカ政府から有償援助条約で物を買う場合には、私のほうとしましても、現在装備品が、アメリカからの有償無償援助のものが多い関係で、その補修品を手に入れる場合に、やはりアメリカの発注方式で一時に買ってもらったほうが安くなりますし、またアメリカ側では非常に強い検査をしておりますので、非常に精度のいい部品が入るというかっこうでお願いしておるわけでございます。ただ、向こうでも大体二年程度で手に渡す、私どものほうにいただきたいということでやっておりますけれども、特殊な関係でございますので、違約条項はついておりません。

華山親義日本社会党

○華山委員 違約条項はないでしょうけれども、約束はいつまで納めろということはあるのでしょう。

蒲谷友芳防衛庁装備局長

○蒲谷政府委員 大体二年程度ということで目標を置いておりまして、必ずいつ納めるという条項がないそうでございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 しかし、おかしいと思うな、私は。国の経費を使って——無償でもらうならそのとおりかもしれませんけれども、これは有償でしょう。アメリカに対してだって、有償で、国民の税金で金を払うのに、五年おくれたって七年おくれたってしかたがないような約束のしかた、またそういう状態で放置しておくということは私はおかしいと思うのですが、この点どうなんです。

蒲谷友芳防衛庁装備局長

○蒲谷政府委員 私どものほうも、そういう装備品がほしいために契約をしまして、これを予定して自衛隊が動いておりますので、非常に困ってはおります。その関係で、ただいま申しましたように、われわれが予定しました品物が、大体二カ年程度で相当パーセンテージは入っておるようでございます。ただ、残りましたほんの数%が、向こうの在庫の関係なり、向こうの供給の関係なり、そういう関係で入ってないということで、先ほど申しましたような数字で、パーセンテージは非常に少ないのでございますけれども、それがわれわれのほうでは困っておりますので、この際そういうものははっきりと契約を解除して精算したいという考えでおります。

華山親義日本社会党

○華山委員 それで伺いますが、昭和三十九年に研究開発費として、金額は少ないのでございますが、二百七十六万三千円、これだけのものを前払いしている。そのまままた精算未了というかっこうで二百七十六万三千円が残っている。一つも来ていない。これは一体、品物は着いたけれども精算書が来ないというものですか、どういうものですか。

佐々木達夫防衛庁経理局長

○佐々木政府委員 ただいまの問題につきましては、四十一年六月残りの六枚の納入を完了いたしまして、その後精算が終了いたしまして、米側からの返金がなされ、いま送金手続中でございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 現在の状態を聞いているのじゃないのです。現在はそういう状態だというわけなのですけれども、どうしてこんなにおくれたのです。こんなものは鉄砲でも武器でもないでしょう。これは実験の機械かなにかでしょう。

佐々木達夫防衛庁経理局長

○佐々木政府委員 これは米商務省標準局の連邦科学技術資料の交換所のマイクロフィルム約二万枚でございます。そのうち未納が六枚あった、六枚だけ足りなかったということで精算が済まなかったわけでございます。そういうような次第でございますので、昨年から、そのものにつきましてはもうキャンセルをいたしまして、精算を完了したという次第でございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 会計検査院に伺いますが、六枚足りなかったならば、これはおかしいとどうして指摘しないで、精算を未了にしてあるのですか。六枚足りなかったら、六枚足らないという決算をすればいいじゃないですか。

石川達郎会計検査院事務総局第二局長

○石川会計検査院説明員 六枚足りなかったということでございますが、要するに全部がそろわなかった。したがって、全体としての機能が十分発揮されないというような意味合いにおきまして、全額を未確認としているわけでございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 ほかの一般官庁でもそうでございますか。たとえば千枚何か注文した、計算してみたところが六枚足りない、そうすれば、それはもう納め方がおかしいじゃないかといって会計検査院が指摘するのじゃないですか。ちゃんと六枚納めてから決算にしましょう、こういうことをやるのですか。

石川達郎会計検査院事務総局第二局長

○石川会計検査院説明員 当然入るべきもの一千枚のものが六枚足りなかった、こういうことでございますれば、それは契約条項に違背いたしまするし、価格の点にも影響するわけでございますので、これは当然批難すべきものでございます。ただ本件の場合は、何らかの事情で六枚の納入が遅延しているというような状況であろうかと存じます。

佐々木達夫防衛庁経理局長

○佐々木政府委員 ただいまの発言中ちょっと間違えましたので訂正させていただきたいと思います。  六枚につきましては、その後納入が済みまして、完了したという次第でございますので、先ほど返還したという点を訂正させていただきます。

華山親義日本社会党

○華山委員 それは会計検査院の態度はおかしいと思いますね。それじゃ会計検査院のほうで調べた、おまえのほうで千枚買おうとしたところが、二枚足りないじゃないか、おかしいじゃないか、それじゃ二枚はいま納めさせますと言えば、ああそうかといって免除ですね、これから二枚納めてさえおけばいいということですね。そういうことでいいのですか。

石川達郎会計検査院事務総局第二局長

○石川会計検査院説明員 そういう意味ではございませんで、この場合は、逐次納入されることになっておりますが、何らかの手続上の事情によりまして、その納入があるまではそれを未確認として今後検査を続けるというような考えでいるわけでございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 こういうふうなことは日本には例がない。アメリカにだけこういうことがある。私はおかしいと思う。  それから私伺いますけれども、アメリカという国は精算とか納入とかにこういうふうにだらしない国ですか。あちらの会計検査院の事情を私は知りませんけれども、会計検査院は勉強していらっしゃると思いますが、あちらの会計検査院の制度はこういう未確認というふうなことをたくさん残しておいてもいいような制度になっているのかどうか伺いたい。

石川達郎会計検査院事務総局第二局長

○石川会計検査院説明員 アメリカの制度は私十分に承知いたしておりませんが、アメリカの会計検査院はむしろ支出の事前検査と申しますか、支出すべき前に今後支出すべきものが妥当であるかどうか、それをチェックするというような検査を行なっているように承知いたしております。

華山親義日本社会党

○華山委員 とにかくあまりこれはひど過ぎる。全部アメリカばかりだ。日本の去年のやつは二件ばかりありますけれども、これは裁判でいま係争中だからということだからやむを得ないと思う。これはあまりにひどいですよ。十年も前のやつがまだ残っておりましたりね。私はアメリカを何も目のかたきにするわけではないけれども、会計の系統といいますか、秩序といいますか、こういうことではもう全部だらけてしまうのですね。そういう点を指摘したいと思います。  それから会計検査院に伺いますけれども、これだけのことを私が感ずるのですから、会計検査院はもっと感ずるだろうと私は思うのです。しかしそのことについて一度も留意事項とか注意事項とかにしてやったことがない。早く整理すべきだということをどうして留意事項なり注意事項なりにしてこの報告書に載せていないのですか。

石川達郎会計検査院事務総局第二局長

○石川会計検査院説明員 御指摘の点はまことにごもっともでございまして、予算も単年度で仕組まれておりますし、決算というものもそれに応じまして単年度で終了すべき筋合いのものであろうかと存じます。したがいまして、未確認額というものが多額にあるという姿はまことに遺憾なことでございます。ただその中にはいろいろな対外的な事情等もございまして、そう理想的な姿で事が運ぶとも考えられませんが、いずれにいたしましても、こういったことに関しましてはわれわれも検査報告に掲記はいたしておりませんけれども、過去におきましても、また本年度におきましても、相手方に対しまして、この促進方につきまして厳重な照会を発している次第でございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 とにかくこれは整理していただかないとひどいものですね。  それで伺いますが、アメリカはドル防衛のために武器を買ってもらいたいということを言っているそうでございますが、ここにおいでの方々にはお聞きしても明確なお答えはできないと思いますけれども、防衛庁ではアメリカからドル防衛のために武器をお買いになる考えですか。次官に伺いたい。

三原朝雄自由民主党防衛政務次官

○三原政府委員 ただいまの御質問でございますが、三次防におきましては国産を主体にして整備いたしたいという方針をとっております。現在の段階におきましてはやはりこの方針のもとに整備をしてまいりたいというたてまえで進んでおる事情でございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 われわれはベトナム戦争は早く終わってもらわなければいけないと思いますし、ベトナム戦争が終わったその後のアメリカの経済はどうなるのか、おそらくは武器産業がたいへんなことになりやしないかと思うのでございますが、その際に日本に武器を買えということを強く要望するかもしれない。そういたしますと、賛否のことは別でございますけれども、日本のあなた方の考えておられる武器産業とはまっ正面からぶつかってくるわけですね。そういう点につきまして、この点を私は機会があったならば大臣から伺うから、それまでにちゃんと構想を考えておいていただきたい。  それから、伺いますが、自衛官募集のことですけれども、自衛官募集についていろいろな金を地方に分けておられますけれども、あの金を分ける基準はどういうことで各地方に分けていらっしゃるのですか。

麻生茂防衛庁人事局長

○麻生政府委員 ただいま都道府県あるいは市町村に対しまして募集事務費を配分するにあたっての基準が何であるかという御質問でございましたが、基本的な考え方としまして、防衛庁から都道府県に配分いたします場合の基準は、都道府県の場合は市町村の研修につきましては平等割りあるいは市町村数割りあるいは面積割りというようなものを考慮して配付しております。その他の方法につきましても、平等割り、面積割り、それから地連に対してわれわれが与えております目標数割りというようなことを基準にしてやっております。  それからこれは職員の旅費でございますが、募集庁費につきましては平等割り、それから市町村数割り、それから地連に割り当てております目標数割りで考えております。  それから、会議費につきましては、都道府県につきましては、平等割り、それから市町村数割りで考えております。  それから市町村に対します配分の基準といたしましては、職員旅費あるいは募集庁費ともに平等割り、それから市町村数割り、それから地連に割り当てております目標数割りではじき出しておるわけでございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 いまおっしゃるところによりますと、各府県なり各市町村にはノルマといいますか、何か自衛官を集める目標があるのですか。

麻生茂防衛庁人事局長

○麻生政府委員 先ほどお答えいたしました中に地連に対する目標数ということを申し上げたわけでございます。募集の目標数ということを申し上げたわけでございまして、私のほうから直接都道府県なり市町村に対しましてノルマを課しているということはございません。

華山親義日本社会党

○華山委員 それだとすると、あなたはおっしゃらなかったけれども、あなたのほうで重点市町村ということばがありますね。重点市町村には多く配分するというふうなことになっておりますね。重点市町村とは一体何ですか。

麻生茂防衛庁人事局長

○麻生政府委員 重点市町村の設定につきましては、昭和三十九年ごろまでは各府県でそれぞれ自主的にやっておられたわけでございますが、われわれとしましては昭和四十年ごろから試行的に四つの県につきましてこうした制度をやってみまして、その後四十一年、四十二年とこうした考え方をもってやっております。この重点市町村と申しますのは、都道府県におきまして組織募集を最も模範的にやれるような県というものを選びまして、各府県でそれを重点市町村に指定をしてもらいまして、そこで模範的な組織募集の成果を出していただく、それを他の市町村にも波及さしていこうという考えでできておるものであります。

華山親義日本社会党

○華山委員 重点市町村は各県にありますか。

麻生茂防衛庁人事局長

○麻生政府委員 各県にございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 各県につきましてどういう町、村、市が重点市町村になっておりますか。これはあなた方のほうの通牒によりますと、一県について二つか三つくらいらしいので、ひとつ表を出していただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。

麻生茂防衛庁人事局長

○麻生政府委員 現在重点市町村は約二百三十ばかりございます。現在どの市町村が重点市町村になっておるか、資料を実は持っておりませんので……。

華山親義日本社会党

○華山委員 きょうでなくてもけっこうですから出してください。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員長 よろしゅうございますか。出して差しつかえないですか。

麻生茂防衛庁人事局長

○麻生政府委員 はい。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員長 それでは出してください。

華山親義日本社会党

○華山委員 重点市町村のほかに重点県といいますか、そういうものをあなたのほうでは考えておりますね。それはどこどこの県ですか。

麻生茂防衛庁人事局長

○麻生政府委員 ただいま重点県という御質問があったわけでございますが、われわれのほうで、公文書等で都道府県にこれが重点県だということで正式に指定してやった場合はございません。ただ部内の扱いで通称重点県というようなことが言われるわけでございますが、そういう観点から申しますと、先ほど申しましたように、昭和四十年に茨城、栃木、長野、福井というこの県につきまして、それぞれ数個のモデルの市町村を設定したわけでございます。なお昭和四十一年におきまして、これらの県のほかにさらに十二県、合計十六県ばかりを、ほかの県よりもここに重点を置いて重点市町村分の金額を、少し増額したものを配分したということはございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 あなたことばを少し濁されるようですけれども、私は地方行政委員会で聞いたときにはあなたはきわめて明確にこの県、この県、この県は重点県でございます、こう言いましたよ。何もこわがらなくてもいいんですよ。ちゃんと言ったらいい、本にも何にも書いてあるのだから。何県、何県は重点県だときちっと書いてある。

麻生茂防衛庁人事局長

○麻生政府委員 御質問は重点県について説明せよということでありますか。——それでは十六県申します。これは青森、宮城、茨城、栃木、千葉、長野、福井、岐阜、愛知、奈良、鳥取、山口、愛媛、福岡、熊本、鹿児島の十六県でございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 それから伺いますが、いまおっしゃった重点市町村には経費が多くいくようになっておりますね。これは各府県が判断でやるわけでございますか。

麻生茂防衛庁人事局長

○麻生政府委員 重点市町村に対します金額の配分につきましては、われわれのほうからおおよそのめどの重点市町村の数と、その分の金額を示して通知をしております。大体七万円くらい一般の市町村よりも多いということでございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 一般の市町村は五万円くらいじゃないのですか。

麻生茂防衛庁人事局長

○麻生政府委員 これは市町村の面積の広狭その他募集事務の計画その他の実施状況によりまして違いますが、平均いたしますと、一万三千円であります。

華山親義日本社会党

○華山委員 普通一万三千円で、重点市町村については七、八万円、こういうことになるわけですか。

麻生茂防衛庁人事局長

○麻生政府委員 それに七万円を加算したものが重点市町村であります。

華山親義日本社会党

○華山委員 超重点的な様子でございますが、それで第九十七条の三項にこれらの「経費は、国庫の負担とする。」と書いてありますね。平均一万二、三千円くらいのことで、自分の持ち出しなしにあなたのほうの自衛官募集の仕事ができましょうか。どういうふうなことに見ていらっしゃいますか。

麻生茂防衛庁人事局長

○麻生政府委員 募集経費の点につきまして非常に少ないではないか、こういう御質問だろうと思いますが……(華山委員「間に合わないじゃないかということなんです。」と呼ぶ)われわれ市町村にお願いいたしますのは、募集の受付の仕事とかあるいは募集方法の仕事、広報宣伝の仕事をお願いしているわけでございます。従来から募集費については、委託費は非常に少ないではないかという声もありましたので、昭和三十九年くらいまでは四千円台だったわけでございますが、それ以後は募集事務の量も勘案いたしまして、現在におきましては八千八百九十一円ばかり、約二倍に増額をして市町村にお願いしておる、委託事務が円滑に遂行できるように、極力国としては努力いたしております。

華山親義日本社会党

○華山委員 努力をいたしたのでしょうけれども、現実に間に合っているのでしょうか。

麻生茂防衛庁人事局長

○麻生政府委員 必ずしも十分に満ち足りているというわけにはいかない、こう考えますが、ある程度委託している事務はこれで遂行できるのではないかと思っております。

華山親義日本社会党

○華山委員 やかましいことを言いますと、国庫で負担するというのだから、この範囲で市町村が仕事をすればいいということなんですよ。何も自分で持ち出しする必要はない。ところが、あなたのほうからお出しになった通牒も、うるさいほどこう出ていますね。課長から出ているし、係長から出ているし、次官から出ているし局長から出ているというわけで、県庁に一年間に四つも出ているわけですよ。その中を見ますと、いかにも仕事が多い。しかも、私が実際に各市町村を回って聞くところによりますと、これらの通牒に書いてあるとおり、講習会はやれ、会議はやれと書いてあるでしょう。この金では出張旅費足りないですよ。八千や一万二千円もらって、年に二へんか三べん県庁の所在地や地方の総監部に来いと言われたって、出張旅費にならない、これが実態ですよ。明白な法律の違反なんです。それで、私はいろんな市町村を見ましたけれども、大体人口が二、三万のところで、金が、重点県だか市町村だか知りませんけれども、三万円くる。三万円きますと、その予算に自己負担分として同額を出してある、そういうふうな状態でやっているのですよ。私は、予算をたくさん出したから仕事をたくさんやれなどとは言わないけれども、とにかく、そういうふうな国の事務というものを法律に書いておるにもかかわらず、やらせるということは私はいかぬと思う。とにかく国の予算の行く範囲で仕事をやる、こういうことで私は了解したいと思いますが、それでよろしゅうございますか。

麻生茂防衛庁人事局長

○麻生政府委員 募集事務の委任に伴う国から配賦する予算が非常に少ないではないか、こういう御質問でございますが、先ほど申しましたようにこれで完全に十分だとは必ずしも言いにくいかと思います。したがいましてわれわれといたしましては、この経費の増額をできるだけ努力をいたしたいと思います。ただいま各市町村におきまして、それぞれ自前で経費を負担しているというお話があったわけでございますが、おそらく各市町村におきましては、自衛隊にその地域社会の人が入隊をして団体生活を受ける、あるいは訓練を受けるということに相当な意義を認められまして、これに協力するという意味で経費を負担されておられると思うのでございまして、この市町村の姿勢に対しましては、われわれは受けていきたい、こういう気持ちでございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 そういう考えは間違いですよ、国で負担しろというふうに法律に書いてあるのだから。あなたのほうで好きならひとつ大いにやってくださいという態度は間違いなんで、そこに地方の超過負担の問題が起きる。とにかく出張旅費で、来いと言われたときに行かなければいかぬでしょう。ただで行けというわけにいかない。旅費を出すのはあたりまえじゃないですか。実態は、それだけで金が使われてしまうということなんです。  それから伺いますが、よく適格者名簿ということをやかましく言いますが、適格者名簿ということばはどこから出てきたのですか。

麻生茂防衛庁人事局長

○麻生政府委員 適格者名簿は、だれがいつつくってどこから出てきたかという具体的な沿革については私しさいに存じておりません。ただ適格者名簿というのは、自衛官に応募する資格を有している者あるいはその資格を有し自衛官に採用する可能性のある者、こういうような意味ではないかと思います。

華山親義日本社会党

○華山委員 適格者名簿ということばはだれがつくって、どこから出てきたかということを聞いておる。

麻生茂防衛庁人事局長

○麻生政府委員 自衛官の募集は、昭和二十七年からこういう組織募集をやっておるわけでございます。その間に各府県なり地連なりがいろいろ努力をして募集の事務に当たり、自衛隊の要員の確保にいろいろな知恵をしぼってやってきたわけでございまして、その努力の歩みの中に自然に出てきたものではないかというふうに思っております。

華山親義日本社会党

○華山委員 そういたしますと、防衛庁では適格者名簿ということばは使わないのですね。

麻生茂防衛庁人事局長

○麻生政府委員 適格者名簿ということばにつきましては、最初どうも地方で使われておったように思うのでございますが、それが世間にもだいぶ膾炙されるようになりまして、いわゆる通称適格者名簿ということで通るようになってまいっております。したがいましてわれわれといたしましても、適格者名簿その他適格者の情報の提供というようなことばで通牒の中にうたったことはございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 通牒の中にと言いますけれども、○○市町村自衛官募集要綱というものをつくったですね。これは本庁では知らないかもしれない。私の知り得る限りでは、中部方面総監部がつくった○○のところに市町村の名前を入れればその市町村の要綱になるわけです。そういうふうなものをつくって各府県に出して、これを各市町村につくらしてくださいといったのがあるでしょう。ごらんになっておりますか。

麻生茂防衛庁人事局長

○麻生政府委員 御質問の、○○市町村自衛官募集処理要綱とか処理要領とかいう呼び方でございますが、これにつきましては中部方面総監部において募集事務をやるにあたって、市町村担当者がしょっちゅうかわっては常続的に円滑に仕事がいかないだろうというような配慮から、何か基準になるようなものを参考としてつくったというふうに聞いております。ただこれは、会議の席上か何かで配付した程度でございまして、特にこれでやれという命令を出したというようなものではなかったと思います。

華山親義日本社会党

○華山委員 当然命令は出せませんよ。これは依頼でしょう。ですけれども、それを各府県に出して頼んで歩いたわけです。これは中部方面総監部だけじゃありませんよ。全国的に同じだ。第一章何条、第二章何条と、全くの法律形式だ。そういうものをつくって、そして、たまたま中部方面総監部のことが出ておりますけれども、そこの管轄じゃないところの県庁の連中もみな講習を受けておりますよ。同じようなものがそんなに出るはずがない。あなた方は逃げるけれども、これは防衛庁のどこかでやったのじゃないですか。

麻生茂防衛庁人事局長

○麻生政府委員 この適格者名簿につきましては、先ほども、地方で自然発生的に出てきたのだろう、こう申し上げておるわけでございまして、自衛隊としてもいわゆる適格者名簿というような扱いをしておる程度でございまして、防衛庁本庁において、適格者名簿とはこういうもので、こういう様式を備え、こういう記載事項をやるべしということで統一的な基準をきめ、これを都道府県に通牒をしたあるいは連絡をしたということはございません。

華山親義日本社会党

○華山委員 本庁はないけれども、方面総監部から出したのはどうなんですか。方面総監部がかってに出したのだからわれわれは知りませんで済むのですか。

麻生茂防衛庁人事局長

○麻生政府委員 先生のお尋ねは、先ほどの中部方面総監部の募集事務の担当者が一つの参考資料として準則みたいなものをつくったのをさしておられると思うのでございますが、これは各府県の募集担当者の参考ということで会議に配ったものであるというふうに私は理解しております。ただその要綱を基準にして各市町村なりの要綱をつくると非常に便利だというので、非常に早くあるいは普及したのかと思います。

華山親義日本社会党

○華山委員 これはただのしろうとがつくれる文章じゃありませんよ。ただのしろうとがひょこひょこっと書いてやれる文章じゃない。同じようなものが東北地方の県庁にもいっている。本庁は責任をのがれるようなことを言われるけれども、あなた方は組織募集と言われるのだから、確かに組織的に出されたものに違いない。そして各県庁の中にはこれを断わっておるところもある。私は行き過ぎだと思うのです。そして適格者名簿ということばが明白に条文の中に出てくるわけだ。別表として適格者名簿の表が出てくるわけですよ。適格者名簿ということば、それから適格者名簿というものはどういうものであるか、適格者名簿の表というものはどういうものであるか。これは本庁ではないとおっしゃるかもしれませんけれども、自衛隊から出たものであることは明白ですね。あなた方、おれの知らないうちに下の者がやったのだというようなことではずるいですよ。これは全国的に問題になっている以上、こういう問題について確たる経過なり、そういうものを示さなければいけないと思う。どうなんですか。

麻生茂防衛庁人事局長

○麻生政府委員 自衛官の募集につきましては、農村と都市あるいは各府県の従来からの防衛意識に対する状況その他各般の状況というものが各都道府県によって違っております。したがいまして、それぞれその地域社会に即応した募集をやることが非常に望ましいわけでありまして、防衛庁で全国的に統一した適格者名簿というものを制定し、その記載の要領なり記載すべき項目というものを制定し、これを地方に指示するあるいはお願いするというようなことはやっておらないのでございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 やっておらないと言ったって、本庁はやっておらないかもしれないけれども、地方はやっておるじゃないですか。少なくともあなたが自認されるとおり、中部方面総監部はやっておるじゃないですか。これはどう解釈すべきなんです。

麻生茂防衛庁人事局長

○麻生政府委員 先ほど申しましたように会議の席上配ったようなものでございまして、それに各府県が準処して各市町村の募集事務処理要綱なり処理要領を作成しているというのが現状でございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 会議の席上に配ったことは事実だけれども、各府県に頼んでいることも事実ですよ。各府県に行って頼んでいることも事実だ。こういうことを市町村に流して、市町村で要領をつくらしてもらいたいといっているのは事実ですよ。それを否定なさって、県庁には全然そういうことは頼みもしませんでした、机の上に出しっぱなしにしておった、こういうことで済むのですか。机の上に出す書類が、だれがつくったのか知らぬけれども、責任者のわからないような書類をぽかぽか机の上に出されたのじゃかなわないじゃないですか。私は考えるのに、こういうふうなものを出すということは、あとでしっぽをつかまれる、したがって机の上に出しておく。正式な書類としては出せない、口頭で言ってそしてあとで頼む、こういう形をとったのじゃないですか。そういう公文書的なものが無責任に机の上に並べられたり、そして行って頼まれたりしたのじゃ困るのじゃないですか。そういう点どうお考えになりますか。

麻生茂防衛庁人事局長

○麻生政府委員 会議で配りましたのは、先ほども申しましたように、参考資料としてお配りをした、こういう程度のものであるわけでございます。もちろん、その基準そのままによるのがいいかということは、各市町村がそれぞれの地域社会の特性に応じて判断してつくられればそれでいいということでございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 あなたは強弁ですよ。そういうことを言うのは実際に合わない。私はいろいろな県に行ってそういうことを担当している課長とかそういう人に聞いてきたのだから……。それから今度はこれをある県におきましては県庁名で各市町村に出しているわけです。そういうふうな責任のがれのような態度は私は悪いと思うのですよ。  それからひとつこれは伺いますけれども、防衛庁の人事局長が適格者名簿の作成等についてといって、各都道府県の主管部長に出しておりますね。これは御存じですか。

麻生茂防衛庁人事局長

○麻生政府委員 存じております。

華山親義日本社会党

○華山委員 その中に、適格者名簿というものは非常に適当なものだといっている、何も間違ったものじゃないといっている。これは主観ですからそれでもいいでしょうけれども……ですからあなたのほうは適格者名簿のできたことをこれで非常に喜んでいるのじゃないですか。

麻生茂防衛庁人事局長

○麻生政府委員 適格者名簿をつくることによりまして、応募の資格、可能性のあるものを十分に把握することができるわけでございまして、募集事務に関する広報宣伝の上から非常にりっぱないい資料であるというふうにわれわれは考えております。

華山親義日本社会党

○華山委員 その資料を連絡部等に各市町村から通報するようにということを求めておりますね。これは広報宣伝の何に該当するか。

麻生茂防衛庁人事局長

○麻生政府委員 これは地方連絡部等に適格者情報を提供してほしい、こういうことだと思いますが、これは自衛隊法施行令の百二十条に、内閣総理大臣は募集事務に関して都道府県知事あるいは市町村長に対しまして報告なりあるいは資料の提供を求めることができるようになっております。また一般的に申しますならば、地方自治法の百五十条あるいは国家行政組織法の十五条で、主務大臣はその所管している事務を都道府県あるいは市町村の長に機関委任いたしました場合に、その事務について指揮監督することができるようになっているわけでございます。したがいまして、そうした主務大臣と都道府県なりあるいは市町村の機関委任を受けたものとの指揮監督関係ということに基づいて、情報の提供をお願いしているわけでございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 百二十条は、あなたいまおっしゃったとおり、内閣総理大臣がしなければいけない。この問題につきまして、内閣総理大臣はどういう措置をとられたか。根拠を示してもらいたい。そういう文書を出してもらいたい。

麻生茂防衛庁人事局長

○麻生政府委員 私が申しましたのは百二十条そのもので、内閣総理大臣が都道府県知事に対して適格者情報の提供を要求したことはございません。

華山親義日本社会党

○華山委員 なければ、百二十条を引くのはおかしいじゃないか。

麻生茂防衛庁人事局長

○麻生政府委員 ただ、百二十条は主務大臣としての内閣総理大臣でございまして、こまかく言うことになりますが、総理府の長としての内閣総理大臣でございます。これを補佐する機関として防衛庁があるわけでございまして、主務大臣の補佐機関である人事局長が都道府県の募集事務を主管しておる部長に対して百二十条というこの規定をバックグラウンドにして、これを背景にして適格者情報の提供の御依頼を申し上げておるというのであります。

華山親義日本社会党

○華山委員 それはたいへんなことだと思うんですよ。広報宣伝というものを一つ置いて、それから情報というものを別に置いて、これは総理大臣の権限にまかしておるのだ、したがって、広報宣伝の範囲内ならばあなた方でもできるでしょうけれども、そうなったならばこれは別の範囲のことなんで、これは総理大臣がみずからやらなければいけない。あたりまえでしよう、法律の解釈上。おかしかったら法制局に私は聞いてみますがね。法文で書き分けておるのだから、それをこの通牒は百二十条によってやったのだ、こう書いてある。条項が違って、広報宣伝とは別なものとして法律が規定してある。それを総理大臣の権限にまかしておる。解釈上おかしくないですか。

麻生茂防衛庁人事局長

○麻生政府委員 普通中央の各省が都道府県に対しまして、その所管の事務につきまして、補佐の部局がそれぞれ都道府県のそれに大体対応するような部局に対しましていろいろ通牒を出すということはしょっちゅうあることでございまして、別に私は行き過ぎておるものであるとは考えておりません。

華山親義日本社会党

○華山委員 そんなことはいけませんよ。内部的の依命通牒なり——通牒の決裁をとったのか、内部的の決裁があるなら見せてもらいたい。

麻生茂防衛庁人事局長

○麻生政府委員 先ほどのちょっと……

華山親義日本社会党

○華山委員 内部はいいですよ。それで外部に意思表示するときにはそんなあいまいなことではいかぬはずだ。

麻生茂防衛庁人事局長

○麻生政府委員 われわれ行政の運営にあたりまして、中央の各省庁が一々都道府県に出す場合に、内閣総理大臣から都道府県知事に直接命令を発するということは容易なことではないわけでございます。通常の行政の実例におきましては、各省庁の主管の局長がそれに相当する各府県の主管の部長に対して通達をして依頼をするということは私は当然許さるべきことであると思います。

華山親義日本社会党

○華山委員 私は許されないと思いますね。そうだったならば、部長でも課長でも何でも大臣のかわりに通牒を出せるはずだ。そんなことはできませんよ。この仕事は内閣総理大臣がやるということになっておるんでしょう。それは広報宣伝の範囲内なんだ、それだから内閣総理大臣と書いてある。内閣総理大臣が知らないうちにそういうことができるはずがない。それだったら法律がなくたっていいでしょう。

麻生茂防衛庁人事局長

○麻生政府委員 もちろん、主務大臣である内閣総理大臣の権限に属することを越えたことをお願いすることは私はできないと思います。内閣総理大臣は募集の事務につきまして必要がある場合には、都道府県の知事あるいは市町村長に対して報告なり資料を求められることになっておるわけでありますから、この権限を背景にしてやっておるわけでございまして、内閣総理大臣の権限を逸脱した御依頼を申し上げておるというわけではありません。

華山親義日本社会党

○華山委員 それではこの法律の中に長官とか内閣総理大臣とか区別してあるのはどういうわけなんです。区別しなくたっていいでしょう。

麻生茂防衛庁人事局長

○麻生政府委員 これは都道府県との関係でございます。募集事務は都道府県の長である知事に委任をしているわけでございますから、現在の国家行政組織法によりますというと、主務大臣は内閣総理大臣になるわけでございます。防衛庁長官じゃないわけでございます。そういう関係から、内閣総理大臣が募集事務に対して報告なり、あるいは資料の提供を求める、こういう規定になっているわけでございます。要するに、都道府県の知事と主務大臣との関係という点から、こういう規定をしているわけでございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 私は古い役人だから言うのだけれども、そういう点がいまの役人はだらしがないと言うのですよ。われわれの役人の時代に、大臣の権限に属するものを下部に通知するときには、必ず依命という字を使ったものだ。依命通牒ということ、あるいは依命通達、そして内部においては、その決裁をとっていたものです。あるいは大臣から、包括的な仕事をしてもいいという内部規定があったわけだ。そういうこと全然なしにこれをやっているでしょう。私は一つの議論を長くしていてもしかたがありませんから、法制局等にも聞いてみます。

麻生茂防衛庁人事局長

○麻生政府委員 大臣から都府道県の知事に対して命令という形でお願いをするのであるならば、それは内閣総理大臣から出るのがあるいは至当かもしれません。しかし、この通達は都道府県の主管の部長にお願いをしておる、依頼をしているという性質のものであります。したがいまして、内閣総理大臣の権限の範囲内のことにつきまして、主管の局長が都道府県の主管の部長に対して御依頼をするということは許されていいと思います。

華山親義日本社会党

○華山委員 依頼といったって、自衛隊法施行令に基づきと書いてあるじゃないですか。

麻生茂防衛庁人事局長

○麻生政府委員 この通牒には、これによっても、と書いてあるわけでございまして、これをバックグラウンドとして最後にはやります、こういうことでございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 まあいいですよ。私はたいへんな問題だと思います。この点はなお追及いたします。  それから伺いますけれども、農村地帯は青年が減りつつある、どうして農村青年をとどめるかということに国は一生懸命になっておる。どういうわけで農村地帯に重点を置いて都会に重点を置かないか。

麻生茂防衛庁人事局長

○麻生政府委員 われわれは、募集の姿勢といたしましては、都会にもそれから農村にも、それぞれの地域社会に即した特性に応じた姿勢で努力をしておるわけでございます。特に募集というものは、たとえば東京都等はその右翼のほうに属しているわけでございます。決して農村だけに片寄ってやっているというわけではございません。都市は都市、農村は農村、それぞれの特殊な事情があります。また、応募者の特殊な立場もあると思いますので、それぞれの地域とか、特性とか、具体的な事情に即した募集方法をやっているわけでございます。したがいまして、中央といたしましては、一律な基準というものを定めてこれを強行する立場でございませんで、それぞれの地域に即した、具体的な、適切な方法を講ずるということでやっているわけでございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 それからあなたはノルマがないとおっしゃいましたけれども、時間がないからいまここで言わないけれども、非常に詳しいところのものを重ね重ね地方に出しているでしょう。  期待数、目標数、これはノルマじゃないですか。いわんやこのノルマに応じて金を配当する等に至ってはもってのほかだ。金によってノルマを課しておるじゃないですか。全部のところに目標数とか期待数というものが書いてある。こんなのは情報宣伝の範囲外です。それはおかしいと思う。大体常識として広報宣伝といったら、自衛隊に入りなさい、自衛隊はこういうところでございます、幾らやったっていいですよ。それを各市町村に対して、おまえのところから何人来ることを期持するに至っては、広報宣伝の範囲外だと思う。非常に行き過ぎだと思う。この点どうお考えになりますか。

麻生茂防衛庁人事局長

○麻生政府委員 先ほど申しました募集の目標と申しますのは、地連に対する目標ということでお答えいたしたと思います。

華山親義日本社会党

○華山委員 そうじゃないですよ。重点市町村に対しては、それを通知すると書いてあるじゃないですか。

麻生茂防衛庁人事局長

○麻生政府委員 これはいわゆる募集の目標というのではなくて、期待ということでやったと思います。その人員が期待できる程度の募集方法をお願いする、こういうことでございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 だから各市町村に対して目当てをつけておるでしょう。期待数に応じて金は分けるのだ、そういうふうなことは、広報宣伝の範囲外だ。ここでやめます。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員長 あとでもっとひとつ懇談して、議論の焦点を合わせてもらわないと……。そのときどき先へ先へとやっておったのではしょうがない。  じゃ増田長官見えるそうですから……。佐藤觀次郎君。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 長官お忙しいところ来ていただいたのですから、要点だけ簡単に質問いたします。  佐藤総理がアメリカから帰られて、自主防衛ということを盛んに言われておるのですけれども、憲法の第九条をどのように解釈されておられますか。まず長官からお伺いいたしたいと思います。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○増田国務大臣 憲法九条は、第一項と第二項とあるわけでございまして、第一項に、紛争を武力をもっては解決しない、こういう決意を申し述べてあります。第二項は、前項の目的のために、「陸海空軍その他の戦力は、保持しない。国の交戦権は、これを認めない。」文字どおりに心得ておる次第でございます。ただしかしながら、全然自衛権がないというふうには解釈していないのでございまして、日本は独立主権国家でありまして、自衛の権能のあることは、個人の人間と同じである、こう考えておる次第でございます。国家の周辺もまた同じである、こう考えておる次第でございます。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 日本が戦争の前のときにも、満州を生命線ともいわれ、それから、いままで攻撃するというような国はないので、これはいろいろ防衛だからやむを得ないというような解釈は、これは増田さんなんか御存じだと思うのですが、そういう点についていろいろ誤解をされる点がある。これはいずれ総理に質問する予定でありますけれども、そこにわれわれとして解し得られないようなものがあるのじゃないかと思うのです。これは増田長官に聞くあれじゃないのですが、ただ私、特にお伺いしたいのは、この間参議院ではいろいろ議論になっておりますが、近距離にある中共の核の問題が非常に問題になっておるわけです。そこで中共は、みずから核は使わないと言っておりますが、防衛庁は仮装敵国をつくって、三矢研究が問題になったりいろいろしたのですけれども、一体いま中共はどれくらいの核のあれを持っておるのか。それからどういうような情勢にあるか、御存じであるかどうかということをお伺いしたいのです。しかし御承知のように核の問題は、何も中共だけが持っておるのではない。今日はアメリカも持ち、ソ連も持ち、あるいはフランスも持っておるわけなんです。そこでそういう点について一体どのような理解を把握しておられますか。これは増田長官にお伺いしたいと思います。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○増田国務大臣 中共は私どもの知っている範囲におきましては一九六四年から実験を行なっておりますので、本年の六月まで前後六回にわたって実験をいたしました。そのうち熱核兵器と思われるものが二回でございまして、今回も水爆であろう、こう考えております。そこで、核の量の問題でございまするが、米それからソと、これは有効なる運搬手段も持っております。それから英、仏、中共等はまだ有効なる運搬手段、すなわち大陸間弾道弾あるいは中距離弾道弾とかいうものは持っていない。しかしながら、水爆はすでに実験しておりまするから水爆は持っておるであろう、こういうふうに想像いたしております。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 今日沖繩の基地の問題がいろいろ問題になっておりますが、御承知のように日本の国は、私も戦争中に召集されて八年近くも戦争に行ったのですが、御承知のように、原爆、水爆まではいかぬけれども、とにかく被爆国であることは事実でございます。そこで、いまにわかに戦争があるとは思われませんけれども、しかし、核を保有しない日本の国が自主防衛と言ってもどういう方法でこの本国を守って——沖繩の問題はきょうは触れませんけれども、どういうような形で防衛ができるか。日本はアメリカと安保条約がある関係で、アメリカの核のかさの下におれば安全だというような意見があるようでありますけれども、非常にこれは危険な意見じゃないかというように私は思っておりますが、長官はどのように考えておりますか、お伺いしたい。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○増田国務大臣 私どもは核兵器を持たない、所有せず、持ち込まず、それから製造せず、この三原則を堅持しておるわけでございます。それから核の戦争、核の侵略というようなものを抑止する力としては、米国の核抑止力に依存しておるわけでございまして、よく核のかさとかこうもりがさとかいうことばがございますが、ああいうことばは何かわれわれの頭上を核の兵器が飛んで歩くような感じがして非常にきらいでございまして、私は使わないことにいたしております。  米国の核抑止力に期待して、そして核戦争が未然に防止される。侵略がないことを強く期待をいたしておる次第でございます。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 これは防衛論争をあまりやる意思はございませんが、今度日本に復帰する小笠原の防衛体制は、また設備はどんなになっておりますか。できるだけちょっと御答弁いただきたい。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○増田国務大臣 詳しいことは、この一月に調査団を内閣において構成いたしまして、その中に防衛庁の職員も相当入って参ります。それから外務省からも参る。それから主管官庁である総務長官の部下は一番行くんではないか。その辺でわかるわけでございまするが、いままで入手した情報によりますと、父島に要港らしきものがございます。要港らしきものがございまして、船が投錨し得る——小ちゃな船でございます。いかりをおろして休み得るという程度の要港らしきものがございまして、三十名前後の米兵がおります。それから硫黄島は無人島でございますが、アメリカの飛行場がございまして、その飛行場の長さは約一万フィート、三千メートルでございまして、これを管理、維持するためにアメリカ兵が百名ばかりおるらしい。確かなことは、一月に参りまして、共同コミニュケにもございますとおり、漸次米軍の持っておる安保上の責任に肩がわりをする。しかし共同安保体制ではありますけれども、漸次肩がわりするという線で、どんなことかということを現地について見てまいりまして、その結果は佐藤さんに、また国会議員の皆さまに御報告をいたす所存でございます。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 もう一点お伺いしたいのは、総理が帰られましてからいろいろ自主防衛——東南アジアへ行かれても痛感されたと言われますが、この三次防は変更される意思があるかどうか、これももう少しあとで質問することがありますので、ちょっとお伺いしておきたい。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○増田国務大臣 沖繩の返還のめどというのが二、三年以内につくわけでございまして、その二、三年以内に今度は期日がきまります。その期日はもし四年以内ということになれば——つまりその二、三年以内に合意に達するということをアメリカの大統領が完全に理解したということばになっておりますから、そこで合意に達して、日付、期間がきまりますれば、五年以内にもしきまるというようなことで、日本の安保体制が、今度は本土になるわけでございますから、そこまである程度進出して共同防衛というような線になるということになれば、若干変わり得ますと思いますが、いまのところは白紙でございまして、三次防を変えるというような考えは持っていないのでございます。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 この三次防の計画の中で、外国から技術を輸入し、それから国産の航空機として現在のF104J戦闘機にかえる次期主力戦闘機FXの選定を行なうことになっておるそうですが、今秋調査団を欧米に派遣されたが、このFX調査はどの程度まで進んでおるのか、また次期戦闘機種の選定上の手続というものはどのような方法で行なわれておりますか、できれば御答弁を願いたいと思います。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○増田国務大臣 主として書類の上の調査をしてまいるということで、十月に欧米諸国へ参りました。つい一昨々日かに帰ってきたわけでございます。まだ報告は受けておりませんが、というのは書類を荷物にいたしまして後送いたしておりますから、それが来て一月ごろに報告書を長官のもとに出したい、こう言っております。しかし私は今回の調査というものはカタログの少し進歩した程度ではないか、こう考えております。それから調査した国は、アメリカ、それから西ドイツ、フランス、スイス、スェーデン等でございます。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 いまは長官、時間がないのであまり詳しいことは他日に聞きますが、ずっと前から飛行機の機種の中でグラマンとロッキードが非常に機種の選定で問題になったことがございます。そこであるいはバッジのような黒い霧の印象もいろいろございまして、これはアメリカでも騒がれ日本でも騒がれたのですが、明朗な手続をとってやっておられるかどうか、この点もひとつ増田さんに伺いたいと思います。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○増田国務大臣 機種をきめるのはおそらく来年の末か再来年になると思います。昭和四十四年に入ってからではないかと私は思っておりまするが、その機種の選考につきましては、まず第一にわれわれは自衛の線というものがございまするから、自衛の線を逸脱しない戦闘機を選定する必要がございます。それから選定した範囲で幾つもあるかもしれませんが、今度は選定して量産に入る、おそらく向こうから特許権を買ってきて日本で国産をすることになると思います。いわゆるライセンス生産と言っておりますが、そのライセンス生産をするにあたりましては、最も厳正に公正に清潔にというきびしい条件で終始一貫して私は指導監督してまいりたい、こう考えておる次第でございます。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 さらに国産による開発案と在来のC46輸送機にかわるCX中型輸送機の生産計画は、日本航空機株式会社を中心として行なわれているようでありますが、CXとC46との性能、生産価格等について比較してちょっと御説明を願いたいと思います。大臣でなくてもいいけれども……。

蒲谷友芳防衛庁装備局長

○蒲谷政府委員 初めに性能を申し上げますと、C46とCX。CXは昨年基本設計にかかりまして終わっておりますので、これを申し上げますが、幅でC46が三十三メートル、CXが三十一メートル、長さが二十三メートルの二十九メートル、高さは七メートルの十メートル、全備重量が二十トンと三十九トン、エンジンがC46はプロペラ機、ピストンタイプのレシプロを二基持っております。CXはターボファンを一基持ちます。巡航速度がC46が百六十五ノット、CXが三百八十ノット、航続距離はC46が二・七トンを積みました場合が千四百海里、CXが六トン、五トンということで千二百海里。輸送人員がC46が三十六名、CXが六十名となっております。ただC46は実は老機化しましてこの性能は出ておりません。現在は大体二トン程度を積みまして七百海里くらいを飛んでおるという安全を見ております。  価格につきましては、CXは現在まだ設計中でございまして価格はございません。C46は有償と無償でアメリカから既得しておりますけれども、大体有償のものは一機当たり一億四千万円程度でございます。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 きょうの四十年度の決算の報告を見ますと、防衛庁は四十億も金を余しておるわけですが、私はもと軍隊の主計をやっておったことがあるので知っておるのですが、どうも年度末になりますと要らないものでもどんどん予算を使わないと来年とれないからという風習がありまして、おそらく現在でもそういうことはあるのだろうと思いますが、そういうことは注意を要することです。実は防衛庁の予算の中で、たとえば航空機は一機安いので四億から高いのは数十億に達するような高い値段のものを購入することになっておるわけです。  そこで、いろいろ技術も進んでおるし、それからいろいろな問題もあるし、また外国から買う場合に、かつて山本権兵衛内閣のときにシーメンス事件というのがありましたが、そういうような、いままでアメリカからほとんど買っておったのですが、そういう点の考慮は、一体大臣払われておるのかどうか。これは国の財政硬直化の今日の時代に、そういうようなむだが防衛庁には相当あるんじゃないかという疑惑を国民は持っておるわけでございますが、その点はどういうように処理されておりますか、伺いたいと思います。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○増田国務大臣 私の心がまえと、それからそれぞれの幕僚内局の局長あるいは課長等に対する心がまえ、訓示は、いま御指摘になりましたから私も特別名前をあげますけれども、われわれの少年時代のようなシーメンス、アームストロングなどというようなことがあれば、国が滅びてしまうんだ。たいへんなことだから武器産業のごときものは一銭一厘も寸毫の不正あることも許さないぞ、もしそういうことがあれば司直の手にかけることはもとよりのこと、こちらとしても厳重に処断する。またアメリカにしても、スイスにしても、どこか売り先のほうで何か変なことをしても許さない。つまり国民の負託にこたえる公正にしてりっぱな武器を生産して提供する。向こうのほうも昔のことばでいわゆる軍事監督官、いまは調達官と言っておりますが、調達者をして自分みずからをきびしく規律しまた相手方も規律してまいる、これが私の心がまえでございます。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 時間がありませんから、これを最後といたしますが、御承知のように日本は憲法第九条の関係もありましてほんとうは軍隊というものを正式に持たぬ。これは憲法にそう書いてある。いま拡大解釈されておるわけですが、私たち戦争に負けたときには、せめてドイツが負けたときのように十万くらいの軍隊を残しておったらというようなそういう声もありました。しかし日本の軍国主義というような問題で徹底的に、武装を解除され、私は戦車四師団におったのですが、戦車を練兵場で焼くというようなことをして、ほとんど日本の戦力というものはあのときに根こぎにしてしまったわけです。そういう過程の中から、いわゆる朝鮮戦争以来アメリカが非常に困るので、やはり日本に軍隊を持たしたほうがいいというような形で、今日防衛問題がやかましくなってきたのですが、私らは解せない問題もありますけれども、しかし日本は核を持っていない。しかしいま世界では有力な国が核を持っておるということでいろいろ問題があるのでございます。おそらく日本がいま戦争に巻き込まれても、アメリカが防御するといっても、日本はいまは戦力らしい戦力がないので、水爆でもやられればおそらく日本の国民は全滅するような形になっているんじゃないかと思うのです。そういう中で、私らは戦争を好みません。しかし好まぬといっても米中戦争が起きた場合にはどういうふうになるだろうと一億の国民は非常に心配をしておりますし、今度の議会でも防衛論争がやかましくなったという理由は、国民が非常に不安を持っておる点があると思うのです。そういう場合に防衛庁長官はどういうように対処されていかれるか、これを最後にちょっとお聞きしたいのです。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○増田国務大臣 日本はお説のごとく自衛の範囲しか実力部隊を持っていないわけでございます。そこでお説のごとく核兵器は現在も持っておりませんし将来も持ちません。そういうところへ無責任な核兵器による侵略があれば一たまりもないことはお説のとおりでございます。そこで最初の一撃ということでもうたいへんな損害を受けますから、それがないためにアメリカの圧倒的な核の抑止力に依存いたしておりますが、しかし全世界の核を開発した国に対するわれわれの強い要望というものは、理性と良識を働かせてもらいたいということでございます。核のボタンを一つ押せばもうあとは核の連鎖反応になりまして、人類が全滅に瀕することは明瞭でございますから、このときこの際こそは人類が理性と良識とをフルに動かすべきときである、こういうことをもって答えておる次第でございます。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員長 中村重光君。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 増田長官にお伺いしますが、先ほど華山君からお尋ねをした点ですが、アメリカから、ドル防衛の立場から、日本に武器を購入してもらいたいという要請があったようです。大臣はこれは購入する意思を持っておられるか。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○増田国務大臣 いまちょっとそばの発言がございまして完全には聞き取りにくかったのですが、ドル防衛に対してジョンソンから佐藤総理に要望があったかどうか。佐藤総理の答えている線は、ドル防衛について話し合いはあったけれども要望はなかった、こういうことでございます。しかし将来協力を要望するかもしれない。そこでドル防衛とわれわれの買ってくるFMS、フォーリン・ミリタリー・セールズというのをアメリカ政府からあるいはアメリカの商社から買ってくるという問題がございます。これは三次防の全体といたしまして、調達関係が、食糧なんかを除きまして、武器に類するものが約一兆円でございます。その一兆円のうちアメリカ政府からライセンスを買ったりあるいは開発研究費を払ったりあるいはアメリカの商社から買ったりというのが約一割でございまして、千億円でございます。これは前から大体三次防のときにきまっている線でございまして、これは一つも動いていないということを申し上げておきます。

華山親義日本社会党

○華山委員 ちょっと関連して……私、確認しておきたいのでございますが、先ほど私がお尋ねしたのは、最近ドル防衛のために武器を買うようにという要請がアメリカからきている。新聞にはそう報じている。そういうふうなドル防衛の目的で武器はお買いになりますかというふうなことを聞きましたところが、次官は、日本で武器はつくるのだから、そういう要請には応じませんとおっしゃった。そのことを大臣に再確認を求めているわけです。いかがでございますか。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○増田国務大臣 次官がお答え申し上げたのは、従来の線から少しも変わっておりませんということでございまして、すなわち、本年の三月十四日の閣議決定、その前の三月十三日の国防会議の決定、それに基づいて三次防の大綱というものがきまっております。その額は二兆三千四百億、上下幅二百五十億円というものでございます。そのうちで武器の調達関係が約一兆円ございます。五年以内でございます。この五年間に一兆円ございまするが、そのうちアメリカ——あるいは欧州からあるかもしれませんが、大体においてはアメリカでございます。主として武器そのものを買う場合もあります。たとえばナイキハーキュリーズは発射装置と電波装置を買います。日本で弾丸ミサイルをつくるだけでございます。この発射装置と電波を受ける装置、これは全部アメリカから買ってくるわけでございますが、一番多くの部分を占めていると思っております。このナイキハーキュリーズの受ける装置とそれから発射するまでの装置、それからあとはFMSでライセンスを、つまりノーハウといいますか、特許料を払います。そういうような関係、大体にいたしまして千億円というふうにこの三月十四日は見込みをつけておるのでありますが、それ以上変わっていないということを政務次官が答えたものと考えております。

華山親義日本社会党

○華山委員 変わらないということでございますから、そういう要求に応じないということですから、そう了解いたします。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 この四十二年から四十六年までの第三次防衛計画、二兆三千四百億円というばく大な費用を投じることになるわけですが、これは長官どうなんですか、日本の防衛という観点から第三次防衛をやる、そういう考え方であろうと思うのですが、そこで、その大半を国産化するという方針をお立てになったわけですね。そのことは、防衛の問題もあるけれども、国産化することによって日本の防衛産業が発展をしていく。それがわが国の経済成長に役立つんだという考え方、それが第三次防衛計画の国産化の方針であるのかどうか、あるいは、その点もあるだろうけれども、日本の兵器生産、兵器の製作技術、能力というか、そういうものが非常に高くなってきた。したがって、アメリカを中心とする外国からの購入をしなくても十分まかない得るのだということ、そういうところに第三次防衛計画の中で国産化を推進をしていこうとする考え方を持っておられるのか、その点はいかがですか。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○増田国務大臣 中村さんにお答え申し上げます。  これは因となり果となっているわけでございまして、日本の技術水準が相当高まっております。しかしながら、また向こうの高い部面もございまして——一般産業技術水準のことでございます。一般産業技術水準が相当高まっておるから、武器産業の技術もある程度高い。であるから、国産もなし得る。現に護衛艦などは全部日本でつくっております。それから戦車は日本でつくっております。砲等もつくっております。機関銃等も日本でつくっております。全部最初向こうからもらったり貸してもらったものと変わりつつございまして、この三次防の末期におきましては、向こうからもらったものとこっちがつくったものとがちょうど装備品で半々になる、こういうところでございます。  そこで、ある程度まだ千億円あるというのは、向こうの技術というものを買ってきまして、こちらでそれにのっとって兵器産業を発達させますというと、たとえば電波兵器のうちの集積回路といったようなものがございます。これが今度は一般の電子計算機の集積回路に役立つというようなことで、日本の全体の産業技術水準の向上にも非常に役立ちます。また、買ってきて今度はこちらでいろいろな発明をして向こうへノーハウを売っているようなこともございます。そこまで日本の技術水準は高まっておる。日本民族は非常に優秀であるということが世界各国から認められつつあるわけでございまして、まねしているばかりじゃなくて、向こうへ売っておるという、そういう次第になってきたわけでございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 日本の技術水準も非常に高まってきた。だけれども、外国の技術水準がまた非常に高いものがある。こういうことで、向こうから技術を買って、それによって国内の兵器生産をやるのだ。そのことは、やはり日本の経済発展、経済成長というものに多く期待しているものがある。それが国内生産としては中心的な考え方だ。特に日本の技術の水準が高いということは別にして、向こうの技術水準が高いけれども、それを特許を買うとかあるいはそうした優秀な技術を日本に導入することによって日本で兵器の生産をすることになります。だから、そのことは、日本の経済発展に大きく寄与するんだ、その考え方が中心になっておるのかどうかということなんです。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○増田国務大臣 一元的には中村さん、言えないのでございまして、兵器産業関係が技術が高まれば、一般産業の技術も高まりますし、また、日本の産業技術の水準も高まっておるから、兵器というものが国産化し得るということにもなっておるのでございまして、諸元、この原因というものはたくさんあって、多元的な関係で切磋琢磨し合って、千億買ってくれば間に合う、従来はほとんど依存しておったものを、千億買ってくれば間に合うということになります。ただ、しかし、一般産業の全体といたしまして、昭和四十六年末までの生産量は二百四、五十兆円ということになっております。国民所得は二百二兆円でございまして、それに対する一兆円というものは〇・五%でございまして、何ぼかもいわゆる昔の国防産業の一般産業との関係からきわめて少ないわけでございまするが、しかし刺激になっていることは確かでございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 なかなか長官は答弁がうまい。私は、あなたが、兵器の生産というものが国の経済成長に大いに役立って、それが中心であるということのお答えがあるなら、それに対する私の反論を大いに展開していこう、こう思っておったのですが、なかなか巧妙にお答えになっておる。  ところが、いずれにしても、兵器を生産をするということは、経済成長というものがいまのように非常にインフレ状態という形、いろいろ悪い影響というものをもたらすことがあることは事実でありますけれども、いずれにしても、兵器を生産する、そのことは、たくさんの労働者が働いていくことにつながっていくことになるし、やはり経済成長がそれなりに行なわれておるということは私は言えると思う。比較論から言うならば。私は平和産業を大いに推進すべし、そういう考え方の上に立つのですから、きょうはそれを、あなたにそのことを中心にして議論をしようとは思わない。この兵器の生産というのが国民総生産に寄与している寄与率は、大体どの程度と試算をしておられるか。まずそこをひとつ伺っておきたい。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員長 長官が時間がないと言っておられますから、これでひとつ……。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○増田国務大臣 中村さんにお答え申し上げますが、従来から経企庁長官も大蔵大臣も総理大臣も私も、一貫してお答えいたしておるのは、国民総生産に占める割合が〇・五%でございます。こういうことでございます。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員長 次に、労働省関係をやってください。中村重光君。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 私はきょうは失対事業の問題、身体障害者の雇用の問題、この二つを中心にして伺いたいと思います。  身体障害者の雇用問題に対しては身体障害者福祉審議会から答申が出ております。その答申の内容を見てわかるように、労働省の関係それから厚生省の関係とあろうと思いますが、私どもが諸外国の例等を考えてみて、この身体障害者が、雇用率も非常に低いし、生活も困窮している。だからして身体障害者の雇用というのを、いまのように何%を雇用しなければならぬという率だけでなくて、雇用を義務づける必要があるんじゃないかということを強く政府に要求してきたのです。ところがこの審議会の答申がありましたあとも義務づけというところまではいけない、まあできるだけ雇用をさせるように指導していきたいというふうなことを労働省も言っておられるようです。それでは私は不十分だと思うのですが、この雇用の義務づけについては政務次官どのようにお考えになりますか。

井村重雄自由民主党労働政務次官

○井村政府委員 身体障害者の雇用問題、これは仰せのとおり大きな社会問題でございます。いま中村委員が御指摘のように、何%という目標ではなしに、雇用をある程度義務づけたらどうかというその心境に対しては、私は十分理解はできるのであります。しかしそこまで一挙に持っていくこともあるいはどうかとも考えます。そういう面よりは、むしろ私は現在の自由雇用という範囲内において、特にあたたかくこれを指導して身体障害者がより多くいい職につけるように、いい賃金が得られるように指導したほうがむしろ効果的ではないか、あまり義務づけるというふうなことは、ほんとうに心境からすればそうありたいと思うのでありますけれども、そこまではちょっとまいりかねるのではないかと存じます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 まあ政務次官の初めの切り出しのことばは大いにわが意を得たりと思って期待をしたんだけれども、あとのことばがあまりよくない。一挙にと政務次官は言われるのだけれども、そう距離が遠いものではないはずなんです。いま政務次官がお答えになったようなことを繰り返し繰り返し答えてきたんですよ、十数年来。ところが一挙にそこまでいかないで、まあいろいろな政策あるいはそれに基づくところの指導等をやってそして雇用率を高めていきたいということを言っている。ところが今日に至るまで身体障害者がほんとうに幾らいるのかということについての実態の把握すらないんですよ。そういうていたらくで何をやろうとするのかと私は言いたいんだな。それから雇用率の問題にいたしましても、官公庁は一・五%ですね。民間が一・二%ですか三ですか、はたしてその官公庁も一・五の雇用率というものを確保しておるのかどうかわからぬ。肝心の労働省がどうなのだろうか、こう言いたい。まずできるだけ時間を節約するために私から考え方を申し上げてお答えを願いたいと思うのだけれども、労働省の問題ということを申し上げたので、これだけはひとつきちっとしたお答えを聞いてから進めていきたい。これは政務次官でなくてもよろしい。

道正邦彦労働省職業安定局審議官

○道正説明員 労働省の雇用率は二・〇六でございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 なお、私が申し上げた実態すら把握できないというような状態では何をやろうとするのかということ。これは重要な問題だからそのこともひとつお考え願いたい。

道正邦彦労働省職業安定局審議官

○道正説明員 労働省といたしましては、身体障害者の雇用促進につきまして先生御承知のように雇用促進法に基づきまして種々の施策を進めると同時に、雇用促進事業団による福祉施設その他の融資は行なっているわけでございます。ただ、これは厚生省の行政と密接に関連いたしておりまして、厚生省の身体障害者実態調査によりますと、身体障害者の総数は百四万八千、約百五万というふうに相なっております。そのうち就業者は四十一万二千人ということで、一般に比べますとやはり就業率は低い状況でございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 いただいている資料からはいまあなたがお答えになったような数字になっているんだ。ところがいろんな資料を見ると違うんですよ。厚生省から出ている資料と労働省のとが違ってみたり、それから民間の身体障害者のいろんな団体やあるいは学者の資料というものを見てみると違うんですね。精神薄弱者の問題、これは労働省にも関係はあるんだけれども、十八歳以上になった者の就職をどうするかというのは重要な問題だから関係は大ありなんですけれども、そうした非常に重要な実態把握というのができていないということも私は問題であると思う。しかし、いまお答えで百四万八千人ということであった。就業者数は四十一万二千、この就業率というのは三九・三%になっているのですね。不就業者数が六十三万六千人で六〇・七%ということです。こんな不就業者というものがあるのに労働省の職業訓練の貧弱なることまたこれはお話にならないですよ。こういうことであっていいのかどうか。これは政治論になってくるのですから政務次官からひとつお答えを願い、それではよろしくないというのではなくて、しからばどうするのかということですね。そこまでひとつお答えを願いたい。

井村重雄自由民主党労働政務次官

○井村政府委員 御承知のとおり身体障害者雇用促進法というものができましてから非常にこれが注目されまして、現在身体障害者の就職という問題がきわめて大きくクローズアップしたわけであります。いま数字で明らかになったように、就業率が三十何%、不就業率が六十何%、これを数字で見ますとさような状況でございますけれども、この六十何%かの中にはどうしても、いかようにしても職業戦線につき得ない何%があるということを御理解願いたいと思うのであります。  したがいまして、これらについては職業訓練をするということが第一。もう一つは、受け入れ職場において身体障害者がやりいいような環境を整備してやる、あるいは安全装置をしてやるというふうな二面が必要かと存ずるのでありまして、全国にいま身体障害者の職業訓練所が九カ所ございますけれども、御指摘のとおりこれとても満足とは申し上げられません。今年中さらに一カ所増設する考え方でおるのでありますが、逐次これらの成績をよく見まして、その実態を把握いたしまして、今後大幅にこれらの訓練施設を整備いたしたい。と同時に雇用先に対しては、いわゆる安全装置とかあるいは車いすその他いろいろ職業につきやすいように工場の環境をまた整備してやる。これらに対してもいろいろな融資をしてやるとかあるいは奨励金を出すとかいうようなあらゆる手を打ってまいりたいと存じております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 政務次官おっしゃるとおり身障者であって非常に重度のものというのもあるのですね。それで就業をすることができない。それが相当数になっておるだろうというお答えであった。それも実態の把握が私はできていないように思う。ところが政務次官、あなたも特に目を向けてもらいたいのは、職業紹介所に対しての登録者数が幾らあるのかということです。いただきました資料で見ると六万三百五人ということです。私はたしか昨年の決算委員会で、五万何人であったと思うので、こういうことではだめじゃないか、もっと登録を呼びかけ、そして有効求職をさせるように大いに取り組んでいかなければならぬのじゃないかということを強調したわけです。そのときの答えも、実は政務次官が当たった。昨年は五万何人であったのがいま六万になったのだということで若干の伸びがある、これは努力のあとを見てくれということを言われるかもしれないが、それでは私は済まないと思いますよ。ですから資料はいただいておるけれども、ひとつこの際数字を、どういうことなのか昨年からの経過を含めてお答え願えませんか。

道正邦彦労働省職業安定局審議官

○道正説明員 先生のただいまおあげになりました五万二千というのは四十年三月の数字でありまして、その後四十一年が六万人、これも先生おあげになりました。四十二年は六万八千、こまかく申し上げますと六万八千六十八人ということで、全体の数から見ますとまだおしかりいただく微々たる数字ではございますけれども、わずかながらも伸びておる、こういうことであります。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 若干の伸びはある。私が申し上げましたように昨年は五万ですから四十一年度の数字を私は使ったのだろうと思うんですね。これは大いに馬力をかけてやってもらわなければ、何が雇用促進かというので、身障者の方々は、われわれは慈悲を求めているのではないのだ、とにかく自力更正ということを強く頭に置いておるのだ、だからといって国としてはあとう限りのあたたかい手を差し伸べるための施策を講じてもらいたい、というような要求があるということは私は当然のことだと思うわけであります。  そこでまたもとに戻りますが、この義務制、雇用の義務づけということは私は当然やるべきであると考えますから、この点は政務次官のお答えではどうしても満足できないということになってまいりますが、雇用率の引き上げ、これも官公庁にいたしましても民間にいたしましても雇用率をもっと高くしなければならない。労働省は平均雇用率を上回るということになってまいりました。労働省としては当然あるべきことだと私は思うのであります。その努力のあとは私は多としたいと思います。ですけれども、その他の官公庁で平均雇用率を下回っているというところはまだ相当あるのだろうと思います。これが第一点です。  それから、この雇用率の問題ですが、大企業でもそうなんです、官公庁でも私は同じであろうと思うのですが、工場等で、あるいは役所等でけがをいたします。それが身障者の雇用率の中に入れてあるということですね、私はこれは別途に考えなければいけないのじゃないかと思うのですよ。大企業となりますと、自分のところの工場で働いているときに負傷しておる人というのがもう雇用率を上回っているのですから、ほかの身体障害者を雇用するということはできないんですよ。これが問題点の第二です。  それから、身障者でも非常に軽度のもの、これも雇用率の中に入れてあるということですね。こういうことは現実的ではないのじゃないか、再検討してもらう必要があるのじゃないかと思うのです。

井村重雄自由民主党労働政務次官

○井村政府委員 雇用率等のこまかい数字にわたりましては政府委員から答弁いたさせますが、重ねての中村委員の身障者に対する思いやりある御質疑でございます。これをいま私は直ちに義務づけることはどうかとも言いましたが、この雇用率から見ますと、西欧諸国は日本よりもはるかに雇用率が高いのが現状でございます。逐次私ども努力をいたしまして、いろいろな障害を除去いたしまして雇用率を高め、仰せのとおりこれが義務的になるというまでこれが日本に高まっていけば非常に幸いだ。あるいは近い機会にそういう時期が来るかもしれません。そういうことを目標にいたしまして、私ども雇用率の向上ということに前向きで努力をいたしたいと考えております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 よく近代国家、近代国家ということを佐藤内閣は強調される。それから、佐藤総理が内閣を組織された第一声は社会開発ということであった。近代国家というのは、国の経済が非常に発展をした、造船業は世界で第一位だ、あるいは鉄鋼業、自動車産業において世界で二位、三位、工業水準というのは世界第三位だ、世界の人たちが非常に驚くように日本が繁栄をしていったということを、自慢のように総理も言われる。私は、繁栄の中の貧困ということばがあるように、社会保障というものを軽視しておいて、飢える者をたくさんつくっておいて、そして——政務次官のいまのお答えというのはそうあるべきだと私も感銘するようなおことばであったのですが、そういうような問題を放置しておいて、暗い状態の中に生活しなければならない者をそのままにし、あるいは農業であるとか中小企業であるとか、生産性の低い、したがって所得水準の低い人たちを放置して、二重構造というものを、世界にないような特異な状態をそのまま、さらにこれを拡大するような方向にしておいて近代国家というのは、私は当たらないと思う。すべての人たちが豊かな明るい生活ができるような状態というものを実現することにおいて初めて近代国家ということが言えるのではないか。佐藤総理の言う社会開発ということは、こういう問題に力こぶを入れるということでなければならないのだ、私はこのように考えるのであります。政務次官、異論があろうはずはございませんけれども、せっかく労働大臣も商工委員会において私と長い間一緒に働いてまいっております小川労働大臣が実現をした。井村政務次官が就任をされた。私は、労働行政に大きな期待を実は持っておるわけであります。ここでひとつ、抽象的ではなくて具体的な考え方で、何か労働省がこういうことをいま考えておるということで期待できる、そうした身障者の方々が喜ぶような、期待が持てるような、明るい希望が持てるような構想というものを、いま労働省内にありますならば、お答えを願いたいと思います。

井村重雄自由民主党労働政務次官

○井村政府委員 私といたしましては、中村委員のお説にはまことに同感であります。しかし、こういう大きい問題を私が答えることはいささかどうかと存じますけれども、仰せのとおり、近代国家として経済成長をなし遂げていく、その反面に暗い断層があってはならないということは、私どもかねがねの考え方でございまするから、中村委員もよくひとつ御理解をいただいておると存じます。私は、大臣は大臣の立場に立って非常に努力をしておられると存じます。私も、陰ながら、縁の下の力持ちとして努力ができれば、非常にけっこうだ、心がまえをかたくいたしておりますから、どうぞまた御指導をお願いいたします。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 政務次官から基本的な考え方についてはお答え願ったのですけれども、具体的な問題をお答え願えればと思っておったのです。それでは具体的な問題で私からお尋ねをしてまいりますが、官公庁の雇用率というのは大体平均を下回っておるのもあるけれども、一応数字としては平均に達しておるのだということであろうと思う。しかし、問題点は、先ほど来指摘したように、ある。それから、いつも身障者の方々が嘆くのは、官公庁というのは公務員試験を受けなければならない。ところが身障者というのは、そうした公務員試験を受けるための勉強をする機会に恵まれないのだということで、大きな壁がある。で、官公庁に入ることはできないのだということであります。だから、官公庁に入りますための公務員試験というのか、そういうことに対して、何か特段の配慮というものがなされるべきではないかと思うのでございますが、この点についての考え方をひとつお聞かせ願いたいと思います。

井村重雄自由民主党労働政務次官

○井村政府委員 お説の、国家公務員として採用する場合のいろいろな試験とか条件等ございますが、これは、外国においても、これを非常に緩和しておる例はないでもございません。したがいまして、労働省といたしましても、これを緩和してスムーズに採用ができるような方策をいま検討中でございまするから、御安心をいただきたいと思います。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 それから、身障者の職業訓練というものはある、生活保障というのがないわけですね。それで、訓練所に入りたいけれども入れないということなんです。来年度四十三年度の概算要求の中では、いろいろな問題をお考えになっていらっしゃるようであります。これから大蔵省との折衝ということになってくるのでございましょうから、いま概算要求をしておるのはもう最低の水準の要求であると私は思っておるのであります。だから、これが削られるということであってはならない。これは必ず実現をさせるということでなければならぬと思いますし、なお概算要求というのは、固める際、次官もタッチしておるわけでありますから、再検討をして、もっと前進した要求をやることにしていただきたい。来年度の予算委員会分科会等もあるわけでありますから、そういう中で来年度の問題については具体的な質問としてお尋ねをしてみたいと思います。  それから、中高年の労働者の職業訓練というのが、非常に力こぶを入れておるようであって、私は中小企業の問題と取り組んでおりますだけに、これではいけないのだということを具体的な問題として感じ取っておるわけでございますが、中高年の労働者の職業訓練、さらにはまた就職という問題に対して、特にひとつ配慮しておられる点がございますならば、お答えを願いたいと思います。

和田勝美労働省職業訓練局長

○和田(勝)政府委員 中高年の方々の職業訓練及び就職につきましては、お説のように問題のあることは確かでございます。そういう点を考えまして、特に職業訓練について申し上げますと、従来若年労働者の諸君と混合訓練をやっているというような点に非常に問題があるようであります。来年あたりからは、そういう点については中高年の方だけの訓練を始めたい、あるいはモデル訓練所をつくるとか、あるいは労働市場の状況を反映しやすい委託訓練、短期訓練、そういうものを取り入れまして、転職訓練の多様化というようなことをはかって、中高年の方の職業訓練というものを充実をしてまいりたい。またできれば、なかなか問題のあるところではございますが、中高年の方につきましては、雇用の予約制というようなのを導入をいたしまして、安心して訓練を受けられるようにする。先ほど先生のお話しのありました訓練手当につきましても、訓練を受けている間の生活にそれほどの不安を感じないような額にできるだけ増していきたい、かように考えておる次第でございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 身障者の問題については、それではまた別の機会になお突っ込んでお尋ねをしたいと思います。  次に、職業安定及び緊急失対法に基づくところの失業対策の問題についてお尋ねをしてみたいと思いますが、日本労働組合総評議会が実態調査を実はやったわけであります。ところが失対事業への流入の阻止と失業保険受給の失保からの締め出しのため、あらゆる手段をもってその政策を遂行しようとしておる。各職安では失対賃金以下の低賃金への強制紹介が行なわれ、これを拒否する場合は失保金の受給制限や失対への登録を拒否するなどの措置が全国的に発生して、失業者や各組合の強い反撃を受けておる。そうした具体的な現地の実態というものを明らかにしておるプリントを私ここに持っておるわけです。一々各地域の問題を取り上げてお尋ねをいたしますと時間もたくさんかかりますから、いま私が指摘いたしましたことに対してどのようにお考えになっているのか、この事実をお認めになるのか、お認めになるとするならば、これをどう是正していこうとお考えになっていらっしゃるのか伺っておきたい。

道正邦彦労働省職業安定局審議官

○道正説明員 総評並びに関係の組合からそういう意見が出され、調査等も行なわれておることは承知いたしております。本件につきましては、安定局の諮問機関でございまする職業安定審議会の席上においてもかねて問題になっております。今週後半に開かれまする安定審議会でも、その問題が取り上げられることになっております。ただ、いろいろ具体的なケースがございますが、基本的に申し上げ得ることは、失対の就職導入にいたしましても、あるいは失業保険法に基づく受給者の問題にいたしましても、制度の趣旨について必ずしも関係者の間で正当に制度の趣旨を理解いただいておるとは思われないような動きも一部にございますので、そういう点につきまして、安定審議会その他の場を通じまして、私どもとして直すべき点はこれは直すにやぶさかではございませんし、数多い安定所でございますので、末端の職員の中にはいろいろ行き過ぎた行動等もあろうかと思います。そういう点について是正することはやぶさかではございませんが、関係者の御主張も十分承りまして、安定審議会その他の場を通じまして正すべきは正す、御理解いただくものは御理解いただくということで措置したいと思います。

井村重雄自由民主党労働政務次官

○井村政府委員 この際、私からも一言申し上げておきますが、かつてそういう御質疑をいただいたこともございます。また御批判をいただいたこともございますが、この失対事業に流入するということを故意に妨げるという現実は、断じてさようなことのないようにおそらく職安の窓口でも指導いたしております。要は常用雇用にあくまでこれをうまく定着せしめるというのが職安の原則でございます。失対事業はあくまで緊急的な失業者を救済するという意味でございまして、これを何か職業的と考えてなるべくそこへ入り込むというふうな指導をする向きがあっては困るのでございまして、そういう点もよくひとつお考えをいただきたいと思うのでございます。しかも、この窓口におきましては、これはやはり人間対人間でございますから、ことばのやりとり、いろいろな関係上、感情的なもつれもございますが、要はお互いの信頼感でございまして、こちらはあくまで常用雇用に持っていきたいというのが私どもの就職あっせんの本旨でございますから、この点はひとつ間違いなく御理解いただきたいと思います。もし、先ほど政府委員が言ったように、間違いがあったりまた行き過ぎがあれば十分是正をいたしたいと考えております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 基本的な考え方に対しては、私も同じなんです。   〔委員長退席、四宮委員長代理着席〕 失業対策事業というものは、安定職場だとは私は考えない。しかし発足の事情というのか、経過というのかそこにやはり最大限の原因があるというのです。  それから、この失対事業に働く労務者というのは働かないという批判が相当強かった。しかし、私は、近年変わってきたというように見ている。だから、いい面はそれなりに認めていく必要があるのではないか。しかし、ほかに安定職場というのがあるのに、その安定職場に就労することの妨げをするものがあるとするならば、私はそれは適当な行為ではない、それは反省をしてもらわなければならぬと思います。ですけれども、この労働省本省としてのお考え方は明らかにされたんですけれども、窓口はどうも私はそれが徹底していないように感じます。私は、こうしたプリントを読んで、そうしてこれだけからの知識でもって質問をしておるのではない。問題提起をしておるのではないのです。現場に行きましていろいろと私なりに事情を実は聞いてきている、あるいは見てきています。そうした私の考え方から申しますと、やはりこの失対事業に就労させるということをできるだけ避けようとする考え方というものが第一線にあるということも私は事実だと思います。そうした問題点がある。毎年毎年の決算を見ると、不用額というものがこの就職促進措置の中で、特にこの失対事業というものに対してあるというわけですね。そんなに不用額が出るほど失対事業に就労を希望する者がいないのかというと、もう失対事業で働きたい労務者というのは非常に多い。しかしそれが締め出されておるということは、これは事実なんです。  それから、いま政務次官もお答えになりました他の安定職場という問題ですが、職安から見る安定職場、しかし働く労働者にとっては、まあその段階ではこれは失業者ということになるわけですが、その失業者にとっては安定職場とは考えられないものがある。そして賃金等におきましても、失対事業で働く賃金よりも低い賃金、ここへおまえは行って働けと言う。そして労働条件というものもなかなかきびしい。そうすると、失対事業で働いておるところの労働者というものが、その職場に行きたくないということは当然でありましょう。また失対事業で働いておる人は、それはそれなりに一応働くことができるわけですが、新たに訓練コースなんかを通って、そこで失対事業に働きたいということを希望する人がある。そういう場合に、ただいま私が申し上げたようなことで、職安ではそれは受け付けないというのであっせんをする。そこには、いま申し上げたように、条件が悪いから、これは失対事業に入れてください。こう言うのですね。それを、ほんとうに熱心に仕事をさがし、そうして働く意欲を持っていないのだと一方的にきめつけて、そうして紹介する職場にも就職することができない。失対事業にも就労することができないという状態に放置されている者がたくさんある。   〔四宮委員長代理退席、委員長着席〕 それがこうした調査となってあらわれ、また混乱の原因となっておるということは、私はすなおに反省される必要があるのではなかろうかと思うのです。その点に対してはどのようにお考えになりますか。

井村重雄自由民主党労働政務次官

○井村政府委員 御指摘のような例は絶無だと私申しません。おそらく、非常に熱心に就職指導する関係上、何かしらん失対のほうへ入れたくないというふうな観念が先に出ているというふうに誤解しやすいような面もあるいはあるかとも存じますが、また地場賃金が日雇い労務者の賃金よりも安いというふうなところへ押しつけるというふうなことも間々あるかとも存じますが、これは、われわれは、失対労務賃金は必ずしも高いとは存じておりませんが、できるだけ地場賃金はこれ以上であってほしいということを期待しておるわけでありまして、今後そういうふうな失対労務賃金よりも安いというふうなところへ紹介するような場合には、よく将来の賃金とか、安定雇用へいくように、さらに熱心にこれを指導するような考え方でやりたい。しかしながら、私は、また悪い反面からいえば、あるいはごくまれな例でありましょうけれども、集団交渉とかあるいは意思を何べんもひるがえすというように、ほんとうにどう考えてもこれは常用雇用に定着する意思がないのだ、最初から失対事業へ入りたいのだというふうな指導をしておる向きもあれば、またそういう意思で働かされておるような向きもあるやに私ども仄聞をいたしておりますので、こういう点も先ほど申したように、やはり職安の窓口を信頼してもらう、多少日雇いという観念を捨てるためには、どちらかといえば、少々安くてもできるだけ常用雇用に定着するという意味で一時はがまんするというふうな考え方も、場合によっては持っていただきたいというのでありまするから、十分それらの点も御理解をいただきたいと存じます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 政務次官のお答えで私は誠意をくみ取ることができるのですけれども、具体的な問題として、あなたに私は御提案をしたいと思うのですが、それぞれのあなたのほうの系統によってあがってくる問題があるのですね。それをそのままうのみにされることなく、やはり特別の調査というものをされる、そうして、失対がほんとうにどうなのかということで正確な実情を把握される必要があると私は思います。そのためには、やはりいろんな失対事業で働く労働者はそれなりの組織をつくったりしておる。またどうしたら——いま私が読み上げましたように、総評なんかも、その一つの機関として調査をしておる。そういうものなんかの調査の場合、問題にならないことを——私は今日日本労働組合総評議会がこうしたプリントをつくって、そうして労働省にもおそらく出したのだろうと思うのですが、そういう不見識なことをするとは、私は思わない。それなりの実情というものを押えているのだろうと思います。だから、こういうことを頭から否定されることなく、あなたのほうとしても、問題を間違いのないように処理していくために対処をしていってもらいたいと思うのです。これに書いてありますところの、認定を不当におくらしているケースであるとか、それから求職状況より判断して、誠実かつ熱心に求職活動をする意欲を認めがたいとして拒否しているとか、申し込みについて受理していない、こういうことが私の調査の中で確かにあるということを、私なりにつかんでおります。だから、私は、時間がございますならば、私の調査した中で、ここでこういうことがあったということをあなたに申し上げたいと思いますが、きょうはそのことは省略をいたします。  いままでお答え願ったことで、あなたの考え方というものは一応出ておると思いますけれども、具体的な問題点として私がお聞きをいたしました、またこの中から問題点を申し上げたので、それに対するお答えをいただきたいと思います。

井村重雄自由民主党労働政務次官

○井村政府委員 ごく近い機会にわれわれもこの問題については再検討いたしたいと存じますが、安定審議会において、三者構成で、かような苦情処理については十分の審議を尽くして、いま言うように、われわれが一方的な判断によってあやまちを犯すことのないように十分留意してやりたいと存じます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 労働省関係としましては最後のお尋ねをいたしますが、長崎県の佐世保に紹介排除事件が起こったんですね。浦里事件、これは御存じですか。それがいまどうなっているのか。

道正邦彦労働省職業安定局審議官

○道正説明員 私、手元にその関係の資料を持っておりませんし、初めて先生から承るので、追って調査いたしまして報告いたします。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 きょうは職安関係の質問をするということだったのだから、当然御承知だろうと思ったのですが、このことは、私は職安局との間に実は話をしたことがあるわけです。職安局の考え方としては——これは刑事事件に発展をしておることなんですね。これは紹介を排除するということになって締め出したわけです。そうすると、その締め出された人はほかへ就職することができないですよ。そうすると失対事業でも働くことがしできないということになるわけでしょう。それじゃどうして生きていくのかという問題が一つ出てくると思うのです。これは起訴されておるということです。いま起訴されて公判中でございますから、そのことについて、具体的内容について私がここでいろいろ申し上げようとは思いません。これは労働省は労働省としてのそれなりの調査をやって、紹介排除というのか、就業排除をしていらっしゃるわけですから、それなりの主張があろうと思うのです。したがって、これは並行するかもしれませんから触れませんが、考えてもらわなければならぬことは、もうこれから争われるわけですから、無罪になるのかどうかわからないですよ。だから、ただ起訴されたということだけで紹介を排除するということであっていいのかどうか、これはやはり検討してみる必要があると思います。  それから、この前私が電話でお尋ねをいたしました際に、これが刑事事件にならないといたしましても、この点は、行政処分の関係は刑事処分の関係とは別でございますから、それに左右されませんというお答えが実はあったわけです。であるならば、ただいま私が申し上げたように、これはやはり、いま少しく問題が明らかになるまで働かせるという措置をおとりになる必要があるのではないか。  それから、かりにこの事件が無罪になったといたしましても、どうしても職安としてはこれを失対事業で働かせるということは適当でないという考え方から、排除し続けるというような考え方を持っておるのかどうか。であるとするならば、私はそれもまた問題であると思います。ですから、きょうは事情を御承知でないようでございますから、お答えはいただきませんが、十分実情に即するような扱いをされたらどんなものであろうか。問題点になってきておりますから、いまこれを受け入れるということになってくると、あとが非常に始末がしにくいというような考え方も私は働くと思います。ですけれども、それはまた別の問題ですね。やはり基本的な人間の生きるための人権というものは、そうした役所のいろいろなこれからの運営がしにくくなるとかどうとかということによって左右してはいけないと思いますので、その点はひとつ政務次官も事情をお聞きになって、高度な判断でもって処理していただきたいということを要望いたしまして、労働省に対する質問を終わります。

井村重雄自由民主党労働政務次官

○井村政府委員 御意思はよく了解いたしました。十分調査をして後日御報告申し上げます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 三次防の問題でいろいろお尋ねをしたいことがあるのですが、この防衛生産の利益率というのがあるのだろうと思うのですが、航空機の売り上げ高に対して五ないし七%あるいは兵器で六ないし七%が純利益だというように伺っておるのでありますが、そのとおりであるかどうか。であるとするならば、この純利益の内容というものはどういう方法ではじき出されたのか、これをひとつ伺っておきたいと思います。

蒲谷友芳防衛庁装備局長

○蒲谷政府委員 ただいま先生の御指摘の点につきましては。実は私不勉強で存じておりませんので、調本のほうでやっておりますので、至急調べましてお答えいたします。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 それが答えられないということになってくると、ミサイルのナイキとか、あるいはホークのほうも同じことになるでしょう。三次防の問題について私は質問したいと御連絡を申し上げておったわけです。こうした問題点から入っていきませんと、私はきょうの質問ができないことになるのですが、それではどうしますか。お呼びになりますか。——それでは別の問題でお答えをいただきましょう。  先ほど華山委員から自衛隊の募集の問題についていろいろお尋ねいたしておったようであります。自衛隊の募集の問題についてはいろいろ耳にいたしますが、たいへんな努力をしていらっしゃる。そうした努力と苦心にもかかわらず、なかなか予定しているような応募者がないということを伺っておるのでございますが、最近の状況はどうなのかということを一応お伺いいたしまして次の御質問をいたしたいと思います。

麻生茂防衛庁人事局長

○麻生政府委員 自衛隊の募集についてお尋ねでございますが、数字をもってお答えするのが適当かと思いますので、本年度の十月末におきます自衛官の充足状況について申し上げたいと思います。  陸上自衛隊におきましては充足率が八九・四%でございます。それから海上自衛隊では充足率が九三・一%、それから航空自衛隊では九四・二%でございます。全体の自衛隊に対します充足率は九〇・七%という状況でございます。これは本年の七月に防衛二法によりまして増員が行なわれましたので大体順調ではないかというふうに考えております。  ちなみにわれわれが募集をやります場合におきましては、募集の目標を設定いたしてやっておるわけでございます。その募集の計画上の目標の達成率を申し上げますと、現在で陸上自衛隊は一〇〇・五%でございます。それから海上自衛隊が一〇七・四%、航空自衛隊が九八・九%でございまして、全体の合計の目標達成率が一〇〇・七%ということでございまして、募集は一応計画どおり順調に進んでおるということが言えるかと思います。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 まあ計画どおり募集ができているのだということは、相当努力をし、苦労をし、また無理もしておられる、そのことがそういう数字になったのであろう。ところがそうした無理な募集をした結果であるのかどうか、私は正確にはつかめないのでありますが、この自衛隊員の自殺と精神病が非常に多いということがいわれておる。それは何に原因するものであろうか、それから自殺とか精神病の実態というものがどういうことなのか、具体的にお答えを願いたいと思います。

麻生茂防衛庁人事局長

○麻生政府委員 いま自衛隊の自殺者の問題について御質問があったのでございますが、これは衛生局長のところで実はいま検討しておりますので、ちょうど所管の局長がおりませんので、次の機会にお願いしたいと思います。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 それでは困るのですよ。三次防の問題で質問をすると担当者がいない、自衛隊員の自殺とか精神病の問題でお尋ねをするとまた担当者がいない。これはどうしたらいいんですか。

麻生茂防衛庁人事局長

○麻生政府委員 所管の局長から責任ある答弁を申し上げるほうが論議を進めていく上に適切ではないかと思いますので、私がここで思いつくままにお答えするよりは、後日機会を得て正確なお答えを申し上げたほうがいいのではないかと思います。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 もちろんこれはあいまいな答弁をしてもらっては困る。自殺とか精神病ということだから、これは相当重要な問題点である。どういうことなんですか。二つの問題をいま私がお尋ねをしたのに対して、それぞれ御出席がないということでは、防衛庁というところは、決算委員会に対して全局長が出席をするということにはなっていないのでございますか。決算委員会はたいしたことはないということで軽視されるということでございますか。——それでは三原政務次官がおることでございますから、次に進めます。  自衛隊員の災害出動その他の、まあ都道府県知事等の要請によってあるときは飛行場だとか、あるいはヘリポートをつくるために出動するとか、いろいろ出動をやっておるようでございますが、そういう場合に旅費、宿泊費等はどういうことになっておるのか、また日当とかそういうことについてひとつお答えを願いたい。今度はあなたの専門だからお答えができるだろうと思います。

麻生茂防衛庁人事局長

○麻生政府委員 災害出動の際の旅費、宿泊費ということでございますが、自衛隊の場合は自力輸送で災害派遣の現場に大体参ります。またその宿舎も幕舎をやったりあるいは学校あるいは公民館、公会堂というようなところに宿泊したりいたしますので、宿泊費あるいは旅費というようなものは支給はいたしておりません。ただ災害派遣のような場合におきましては異常な状態のもとに重労働をいたすわけでございます。したがいまして日額百五十円を限度といたしまして増加食を支給するほか、下着等の日用品の消耗も激しいわけでございますので、消耗の激しい日用品等の現物支給を一回二百円相当で一週間目に一回、その後は二週間目ごとに一回ということで支給する、こういうことはやっております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 お答えのとおり相当重労働をやっているのですね。またその重労働をやるということ、労働の量だけではなくて相当長時間にわたって労働をしている。自衛隊員といえども人権は守っていかなければなりません。だとするならば、いまあなたがお答えになったような一律に百五十円、それから下着代とかなんとかいうのに一週間目、二週間目に二百円程度のものを支給する。まあ高級旅館に泊まらなければならないということはありますまいが、幕舎とか公民館とか学校とかいうようなことになりますと、およそその宿泊の状態というものは想像がつくわけです。にもかかわらず、そうしたわずかの日当であるということであっていいのかどうかですね。その点の考え方はいかがですか。

麻生茂防衛庁人事局長

○麻生政府委員 自衛官の場合は御承知のように俸給が、常時勤務体制ということで、たとえば超過勤務手当というようなものは俸給の中に繰り入れてございます。一般職とは違った俸給の体系をやっておるわけでございまして、自衛官の任務なり服務の特性にかんがみまして、現在加算をするような手当というものは考えておらないわけでございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 給与の中に時間外手当を含めているのだ、一般給与の場合とは違うのだ、そういうようにやっておられるのですね。それがいいのか悪いのかということはおのずからこれは別の問題であると私は思うのです。私は自衛隊の問題に対しては必要性を認めてない立場でありますけれども、現実に自衛隊員がそうした過酷な労働、勤務状態というものが要求されておる、そのこと自体を問題にしなければならぬと私は思うのであります。給与の中に時間外の労働というものが含まれているのだ、その給与が適当なのかどうかということも問題になります。入っているからといってどんな長時間の労働をさしてもよろしいのかということは、人権上の問題として私は重大な問題点であると思うのであります。あなたがお考えになって、そういうシステムであるけれども、そのことに対して日ごろどのようにお考えになりますか。

麻生茂防衛庁人事局長

○麻生政府委員 自衛官の場合は、先ほど申しましたように、食と住と申しますか、これを国が支弁をしておるわけでございます。したがいまして、一般職と同じように旅費というものを支給してやるというようなぐあいにはいかないわけでございます。その自衛官の現物給与、国の負担ということとにらみ合わして考えていかなければならない点だと思います。もちろん自衛官が、異常な災害のもとにありまして重労働をしておる、困難を乗り越えてやっておるこの努力に対しましては十分配慮いたさなければなりませんけれども、現在の手当制度の体系から申しますとなかなか困難である、こういうことでございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 だから私はそれが適当でないと言っているわけです。非常な無理を乗り越えてやっているのだから、この程度のことでは無理であろうと思うけれども、とこういうことなんですね。やっておるからということでなくて、そうした長時間労働をやる場合はどうしなければならぬのかということが前提でなければならない。自衛隊員であるからして、基本的人権というものが無視されてよろしいということであってはならぬと私は思うのであります。今日、自衛隊員が自殺したりあるいは精神病にたくさんの人がかかったりしておるこの事実、それらの点は厳粛に反省をして、その原因を突きとめて、作業の実態の中に問題があるのではなかろうか、あるいは募集の状態の中に無理があるのではなかろうか、いろんな角度から検討をしていく。そうして、そうした自殺あるいは精神病におちいっていくような人たちを守っていく、それを解消していくという方向でなければならぬと思うのであります。自衛隊員であるから、これがそういうシステムになっていないのだからいたし方がないのだという考え方は答弁にならない。しかし、きょうは三次防の問題もそれからいまの自衛隊員の死亡の問題も、これは正確に答弁をする方がおりませんので、質問になりません。委員長、適当な機会に責任を持って防衛庁の問題で再度質問をする機会をおつくりになるように、あなたがそういうお取りはからいをされるかどうかお伺いして、私の質問をこれから待って続けてやるかあるいは打ち切るか、いずれかにしたいと思いますから、お答えを願います。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員長 機会があったらおやりになることはけっこうです。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 機会をおつくりください、こういうことです。——それではつくるということですから、きょうはこれで一応質問を保留して終わります。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員長 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後五時十九分散会

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