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57回国会衆議院1967/12/12

決算委員会 第2号

発言数
99
登壇者
11
会派数
2
開催日
1967/12/12

会議録

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員長 これより会議を開きます。  昭和四十年度決算外二件を一括して議題といたします。  本日は、運輸省所管及び日本国有鉄道について審査を行ないます。  まず、運輸政務次官より概要説明を求めます。金子運輸政務次官。

金子岩三自由民主党運輸政務次官

○金子政府委員 私は、このたび運輸政務次官に就任いたしました金子岩三でございます。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)  昭和四十年度運輸省所管決算の大要について、御説明申し上げます。  まず、一般会計について申し上げますと、歳出予算現額一千十三億七千六百余万円に対しまして、支出済み歳出額は九百六十五億二千八百余万円でありまして、差し引き四十八億四千八百余万円は、翌年度へ繰り越した額が四十一億三千八百余万円、全く不用となった額が七億八百余万円となっております。  次に、特別会計について申し上げますと、運輸省には、四特別会計が設置されております。  まず、第一に、木船再保険特別会計でありますが、収納済み歳入額は三億六千九百余万円であり、支出済み歳出額は一億八千五百余万円でありまして、差し引き一億八千三百余万円の剰余を生じ、剰余金は、この会計の翌年度の歳入に繰り入れました。  第二に、自動車損害賠償責任再保険特別会計でありますが、保険、保障及び業務の三勘定合わせまして申し上げますと、収納済み歳入額は六百八十二億六千余万円であり、支出済み歳出額は百七十二億四百余万円でありまして、差し引き五百十億五千六百余万円の剰余を生じ、剰余金は、この会計の翌年度の歳入に繰り入れました。  第三に、港湾整備特別会計でありますが、港湾整備及び特定港湾施設工事の二勘定合わせて申し上げますと、収納済み歳入額は五百三十八億二千三百余万円であり、支出済み歳出額は五百十八億二千七百余万円でありまして、差し引き十九億九千六百余万円の剰余を生じ、剰余金は、この会計の翌年度の歳入に繰り入れました。  第四に、自動車検査登録特別会計でありますが、収納済み歳入額は十九億三千三百余万円であり、支出済み歳出額は十七億三千四百余万円でありまして、差し引き一億九千九百余万円の剰余を生じ、剰余金は、この会計の翌年度の歳入に繰り入れました。  以上が決算の大要でございまして、このうち、特に重要な事項につきまして、お手元に配付いたしました資料をごらんいただきたいと存じます。  最後に、本決算につきまして、会計検査院から不当事項として指摘を受けた点がありましたことは、まことに遺憾に存じます。  指摘を受けました件については、直ちに是正措置を講じましたが、今後なお一そう厳正な態度をもって、これが絶滅を期する所存であります。  何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。  引き続き昭和四十年度日本国有鉄道決算書を会計検査院の検査報告とともに、本国会に提出いたしましたので、その大要を御説明申し上げます。  昭和四十年度における日本国有鉄道の収入は、旅客収入におきましては国民生活の向上にささえられてほぼ前年度と同様の伸びを示しましたが、貨物収入におきましては経済界の不況を反映してさらに前年度を下回り、結局雑収入の増収を加えまして営業収入は前年度より約三百三十九億円の増収にとどまりました。  他方、経費面におきましては、日本国有鉄道は極力経費の節約につとめ経営の合理化をはかりましたが、輸送量の増加に伴う経費の増加のほか、仲裁裁定による人件費の増加と耐用年数の改正に伴う減価償却費等の増加により営業経費は前年度より一千二百四十五億円余増加いたしました。  このため、損益計算上は営業外の損益を含めまして約一千二百三十億円の純損失となっております。  以下、収入支出決算の内容を勘定別に御説明申し上げます。  損益勘定におきましては、収入済み額は約六千三百七十二億円、支出済み額は六千五百六十億円余でありまして、収入が支出に不足する額は百八十八億円余であります。これに収入支出決算に含まれていない営業外の損益等の金額を加減いたしますと、昭和四十年度純損失は前述のように約一千二百三十億円となります。  この決算額を予算と比較いたしますと、収入におきましては予算額約六千六百六十九億円に対しまして約二百九十七億円の減収となっております。その内容は、運輸収入におきまして二百八十五億円余、雑収入におきましては十一億円余の減収となっております。  他方、支出におきましては、予算現額六千六百九十四億円余から支出済み額六千五百六十億円余を差し引きますと、その差額は約百三十四億円でありまして、そのうち翌年度への繰り越し額は約百二十四億円で残りの約十億円は不用額となっております。  次に、資本勘定におきましては、収入済み額三千八百六十億円余り、支出済み額は三千八百五十七億円余りであります。  この決算額を予算と比較いたしますと、収入におきましては、予算額三千七百八十七億円余に対しまして七十三億円余の収入増加となっております。これは減価償却引き当て金の増五百三十一億円余、資産充当による収入増加約八十五億円に対し、損益勘定からの受け入れが五百十九億円余、借り入れ金及び鉄道債券が約二十四億円減少したことによるものであります。  他方、支出におきましては、予算現額三千八百九十四億円余から支出済み額を差し引きますと、その差額は約三十七億円でありまして、そのうち翌年度への繰り越し額は三十三億円余で残りの三億円余は不用額となっております。  最後に、工事勘定におきましては、収入済み額は三千二百九十八億円余、支出済み額は約三千三百十二億円であります。  この決算額を予算と比較いたしますと、収入におきましては、資本勘定からの受け入れが多かったため、予算額三千二百二十億円に対しまして七十八億円余の収入増加となっております。  他方、支出におきましては、予算現額約三千五百二十七億円に対しまして二百十五億円余の差額を生じておりますが、そのうち二百八億円余は翌年度への繰り越し額であり、残りの六億円余は不用額となっております。  この工事勘定の決算の内容に関連して、主要施策の実績について申し上げますと、輸送の安全対策を推進するとともに、大都市付近の通勤輸送を改善し、幹線輸送を大幅に増強する必要があるため、昭和四十年度から昭和四十六年度までの七カ年間に総額約三兆円にのぼる第三次長期計画を実施することとなり、その第一年目にあたる昭和四十年度におきましては、主要幹線の複線化、輸送方式の近代化、車両増備等の諸工事を実施いたしました結果、事項別決算額は、東海道幹線増設三十一億円余り、通勤輸送四百二十八億円余り、幹線輸送一千九十六億円余り、電化・電車化・ディーゼル化百四十億円余り、諸改良・取りかえ約六百二十三億円、車両(通勤を除く)約八百三十四億円、総係費百五十九億円余、合計約三千三百十二億円となっております。  最後に、昭和四十年度の予算の執行につきまして、会計検査院から不当事項三件、改善事項一件、留意事項一件の指摘を受けましたことは、まことに遺憾にたえないところでありまして、今後さらに予算の効率的運用に一段の努力をいたすよう指導監督してまいりたいと考えております。  以上、昭和四十年度の日本国有鉄道の決算につきまして、その概要を御説明申し上げましたが、詳細につきましては、さらに御質問のつど御説明申し上げたいと存じます。  何とぞ、御審議のほどお願いいたします。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員長 次に、会計検査院当局より検査の概要説明を求めます。増山会計検査院第三局長。

増山辰夫会計検査院事務総局第三局長

○増山会計検査院説明員 昭和四十年度運輸省の決算につきまして、検査いたしました結果の概要を説明申し上げます。  不当と認めたものにつきましては検査報告の一一〇ページから一一六ページまでに記載いたしておりますが、不当事項の一つは、工事に関するものでございまして、宮古港の防波堤上部コンクリート工事及び大阪国際空港のA滑走路十四側エプロン等改修工事がいずれも設計と相違して施工したため、その強度が設計に比べて著しく低下しているという事案でございます。  次は、補助金に関するものでございますが、公共事業に対する国庫補助金の経理が当を得ないものといたしまして、護岸及び防波堤のコンクリート工事等が施行不良なものが、青森県外七都県におきまして十七事項、一千七十四万余円ございます。  最後に、災害復旧事業費の査定額を減額させたものといたしまして、青森県外四県におきまして査定工事費の設計及び積算が過大となっており、これを修正減額させましたものが二十九事項、三千二百四十四万余円ございます。  以上、簡単でございますが、説明を終わります。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員長 次に、日本国有鉄道当局より資金計画、事業計画等について説明を求めます。石田日本国有鉄道総裁。

石田禮助日本国有鉄道総裁

○石田説明員 昭和四十年度日本国有鉄道業務概要及び決算について簡単に御説明申し上げます。  昭和四十年度は、旅客の輸送需要は前年度に引き続き国民生活の向上にささえられまして、ほぼ前年度と同様の伸びを示しましたが、貨物は経済界の不況を反映して前年度を下回りましたので、営業収入総計では、前年度に対しまして三百三十九億円の増加にとどまりました。一方、営業経費は、前年度に対して仲裁裁定による人件費及び利子、減価償却費等、資本関係経費の増加がありましたので、総計においては千二百四十五億円の増加となり、この結果、千二百三十億円の営業損失を計上せざるを得ないことになりしまた。  このような営業状態でございますが、御承知のとおり、日本国有鉄道といたしましては、国鉄基本問題懇談会の意見書に示されてありますとおり、通勤輸送の改善、幹線輸送力の増強及び保安設備の強化をはかる必要が生じましたので、昭和四十年度から第三次長期計画に着手いたしまして、七カ年にわたり、総額約三兆円にのぼる設備投資を行なうこととなり、初年度としての昭和四十年度におきましては、三千三百十二億円が投資されたのであります。  この設備資金は、運賃改定期日のおくれもあり、主として外部資金によって調達いたしましたので、長期負債が著しく増加いたしまして、資本総額のうちに占める負債の比率が五〇%をこえるに至りました。  最後に、昭和四十年度の予算執行につきましては、会計検査院から三件の不当事項と改善事項、留意事項各一件の御指摘を受けましたことは、まことに遺憾にたえないところでありまして、今後さらに綱紀の粛正と予算の効率的運用に一段の努力をいたしたいと存じております。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員長 会計検査院当局から、概要説明を求めます。小熊会計検査院第五局長。

小熊孝次会計検査院事務総局第五局長

○小熊会計検査院説明員 昭和四十年度日本国有鉄道の決算につきまして検査いたしました結果の概要を御説明申し上げます。  検査報告に掲記いたしてありますものは、不当事項が三件、改善の意見を表示した事項が一件、その他留意を要すると認められるものが一件でございます。  不当事項として掲げましたものにつきまして説明いたしますと、三六七号は、東海道新幹線支社東京保線所で、保守用踏切舗装工事を施行するにあたりまして、保守作業の実態等を考慮しなかったために、踏切の舗装をほとんど使用することなく解体撤去し、不経済となっているものでございます。  三六八号は、下関工事局におきまして施行いたしました舗装工事におきまして、機械施行が可能であるのに人力で施行することとして積算したなどのため、工事費が高価となっていると認められるものでございます。  三六九号は、関東地方資材部ほか三カ所で、東海道新幹線電車線の吊架線に巻きつけるアーマロッドを購入するにあたりまして、検討が十分でなかったために不必要なベリリウム銅粉を塗布させることとして購入したため、不経済となっていると認められるものでございます。  次に、改善の意見を表示したものについて説明いたします。  自動信号化工事に伴いまして撤去した機械信号機等の大部分を廃用品としていながら、他方、この撤去機器とほとんど同規格のものを調達しているものもあり、撤去機器のうちには再使用できるものが多数あるので、極力その活用をはかる必要があるというものでございます。  また、留意を要すると認められるものは、交流電化に伴い電電公社に対して支払う通信設備の誘導支障補償の算出が区々となっていたり、あるいは電電公社との連絡協議が適切でないため、不合理な補償が行なわれているので、適切な補償基準を設けて、電電公社との連絡協議を緊密に行なう必要があるというものでございます。  なお、以上のほか、三十九年度におきまして、ケーブル埋設工事における労務費の積算及び隧道工事における工事費の積算並びに道路と鉄道との立体交差化工事につき適切を欠くものがございましたので、改善の意見を求めましたが、これに対する日本国有鉄道の処置状況につきましても掲記いたしております。  以上、簡単でございますが、御説明を終わります。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員長 これにて説明聴取を終わります。     —————————————

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。吉川久衛君。

吉川久衛自由民主党

○吉川委員 運輸省からお尋ねをしようと思っておりましたが、たまたま総裁がお見えでございますから、国鉄の関係についてお伺いをいたします。  四十年度の日本国有鉄道の業務概要、決算の説明等を伺いまして感じることは、国有鉄道は年々赤字の累積でございまして、ただいまは一兆数千億にのぼると聞いておりますが、一体どのように今後やっていったらいいのか、やらなければならないのか、総裁から、国有鉄道の基本的なお考え方と申しますか、ビジョンを伺いたいと思います。

石田禮助日本国有鉄道総裁

○石田説明員 お答え申し上げます。  国鉄のこの決算は、四十年度から始まりまして非常なまずい結果になっておるのであります。たとえば四十年度におきましては、ただいま私が読み上げましたように千二百三十億円の損になっておる。これは御承知のことでありまするが、第三次計画を実行するにあたりまして、この工事費に充てるために運賃の値上げということを基本問題懇談会において決定いたしまして、それによって四十年度から運賃の値上げを実行するということで始まったのでありまするが、政府の物価政策から急にこれはいけないということで、十一カ月その実行がおくれたのでありまして、それによって国鉄の失うところ約千三百億円、それがつまりこの千二百三十億円の損を四十年度において計上せざるを得なかった、こういう次第であります。  大体、この国鉄の経営の問題でありまするが、終戦前における国鉄というものは、日本の輸送をほとんど独占しておったということと、それから、いまから考えてみると運賃が少し高かったというようなことで、非常に余裕があった。いわゆる余裕しゃくしゃくで、その投資のごときも、しょっちゅう先行投資ということだったのでありまするが、終戦後その様相がすっかり変わっちゃった。まず道路というものが非常に発達してきた。そしてさらに自動車その他の輸送業というものが発達したということ、さらに……ということで、最近における国鉄の立場というものは独占性に非常な大きなひびが入ってきたということで、つまり収入の面において終戦前におけるような状態と全く変わっちゃった。  そこへもってきて経費の増であります。これが御承知のとおりえらい勢いでふえてくる。その一番大きなものは人件費であります。  人件費は、いま、国鉄の四十年度における人件費を見ますると、運賃総収入の六〇%以上をこえている。こういうようなことは、終戦前においては思いつかなかったことであった。  まあそういうことで、独占性にひびが入ったために、収入というものがなかなか思うようにいかぬ。支出というものはえらい勢いでふえていく。両方からはさまれて、国鉄の経営状態というものは非常に苦しい立場に立った。こういうことであります。  しかも、一方においては、通勤輸送、これが、過去における投資の不足その他によりまして、さらに都市における非常な大きな人口の増加、さらに団地の急速の建設というようなことで、いまや国鉄というものは通勤輸送においては交通地獄を呈している。これはもう国鉄としてはその責任上万難を排してやっていかなければならぬ。  ただ、この通勤輸送の改善につきましては、御承知のとおり東京、大阪が主でありまするが、その建設費用というものはいかにも高い。たとえば、昔山手線をつくった時分には、その建造費なんというものは三千万円そこそこの金でした。それに対する土地代というものは一割七分くらいしかない。ところが、最近における東京、大阪における通勤輸送力の増強につきまして、建設費を見ますと、土地代に四割から五割を使わなければならぬ。さっき申した山手線の場合には、現在これをつくるということ、どうしたって二千四、五百億円はかかるだろう。それに対する土地代は四割以上にのぼる。  こういうようなことで、工事費というのが非常に高くかかるところにもってきて、その収入というものは、御承知のとおり通勤、通学に対しては非常な大きな割引をやっているために、その工事費に比べて非常に少ない。その結果、輸送力を増強するについての資金というものは、普通の利息のつく金をもってしては、国鉄としてはいかんともすることはできない。収支は合わぬ。そこで、つまり、独立採算というようなものはできぬ、どこからかひとつ利息のつかない金を持ってこなければならぬ。こういうところに追い込まれているというのが現在の国鉄の状況であります。  幹線輸送につきましては、大体これは利息のつく金をもってしても収支が償う。  さらに、最近における自動車の発達その他によりまして、国鉄というものは、輸送の安全を保つ上において、輸送安全施設というものに相当に大きな金をかけなければならぬというようなことで、国鉄の経営というものはいまはなかなかむずかしいところにきておる。  現在直面しておるのは、通勤輸送の資金は利息のつかない金をどこから持ってくるかということ、これが一番大きな難問題であります。というようなことでありまして、詳しいことにつきましては、また御質問によってお答え申し上げます。

吉川久衛自由民主党

○吉川委員 総裁から詳しく御説明がございました。情勢が昔と全く変わってまいりましたので、それに対応するところの根本的な考え方をめぐらしていただかなければならないと思いますが、与えられた時間が十一時十分までですか、これでは、総裁ともっと今後の国鉄のあり方についての論議をいたしたいのでございますが、いずれの機会かに譲りまして、具体的な問題について伺いたいと思います。  日本国有鉄道の四十年度の決算では千二百三十億円の大幅な欠損を生じているということは、いまの御説明でよくわかるのでございます。旅客収入で三十七億五千三百万円、貨物収入で百六十八億七千七百万円、鉄道債券で二百九十億五千七百万円、雑収入七億九千三百万円、固定資産売却代が四億三千七百万円、合計で五百十億五千二百万円が未収金となっているのでありますが、その理由と翌年度における収納状況、また過年度未収金二億八百七十一万円は何年の分でございますか。

石田禮助日本国有鉄道総裁

○石田説明員 この問題につきましては、長瀬常務をして説明いたさせます。

長瀬恒雄日本国有鉄道理事

○長瀬説明員 ただいまの未収金の状況でございますが、未収金につきましては、旅客収入、貨物収入の後払い制度あるいは後納制度によりまして、三月中に支払いを受けるべき収入というものが、翌月、翌年度の四月に収納される、こういうものを全部未収金として計上してございます。したがいまして、その内容につきましては、たとえば交通公社等の収納がございますが、これらは後払い制度になっております。  貨物収入につきましては、これらがいずれも後納制度によって行なわれておりますので、未収金として計上されておりますが、いずれもこれらは納めるべき時期にはきちんと収納されております。  それからさらにもう一つの未収金としましては、私鉄との連絡未収金がございます。これも同じように制度として翌々月に精算をするという制度になっております。これもいずれも正当な期日に収納されております。  それから過年度未収金につきましては、一部ございますが、この内容につきましては、たとえば宿舎代、その本人がどこかに行ってしまったというような事態、あるいは外国の輸出車両につきましての手数料がまだ収受できないというようなものが若干ございまして、これらを合計いたしましたものが過年度未収金になっております。

吉川久衛自由民主党

○吉川委員 後払い、後納は制度と言われましたが、そういう制度があるのでございますね。そしてその制度に従って、いまお答えになったとおりに収納されていると了解してよろしいのですか。  それから家賃その他のこげつきについては、おそらく納めてないのじゃないかと思うのですが、そんな点はこまかい問題でございますけれども、答弁をしていただきたいと思います。

長瀬恒雄日本国有鉄道理事

○長瀬説明員 ただいま御指摘の点につきましては、後納制度によりますものは全部きちんと収納されております。  それから家賃あるいは外国輸出車両等につきましては督促をやっておりまして、逐次これは収納するように手配いたしております。

吉川久衛自由民主党

○吉川委員 石炭の未収金の残高が二十一億四百八万円ありますね。これは各石炭会社の運賃未払いと思われますが、その理由と徴収対策について、延納の場合担保の提供はどのようにされておりますか。

長瀬恒雄日本国有鉄道理事

○長瀬説明員 石炭の未収金につきましては、これは三十六年に運賃改正が実施されまして、そのときに石炭企業に対する運賃負担の増を一応半分を三十八年まで延納することが閣議で決定されたわけでございます。この延納額につきましては三十九年から四十一年までの三年間で徴収する予定になっております。しかし、その後におきまして石炭鉱業の合理化の目標年次が四十二年に延期されましたので、閣議決定によりましてその三十九年から四十一年までの徴収が、四十三年から四十五年までの収納に変わったわけであります。それから四十一年の三月の運賃改正にあたりましては、同様に延納の措置がとられたわけでありますが、これらにつきましては四十二年に納入するということが閣議で決定されました。それと同時に、先ほど申しました四十三年から四十五年までに徴収するというものにつきましては、四十三年から四十四年に徴収することに変わったわけでございます。したがいまして、ただいま御指摘の三十六年から三十八年までの延納分につきましては、約二十億ございますが、三十六年と三十七年の分につきましては四十三年に納入する予定であります。これは月賦で大体支払われる。それから三十八年度分の九億四千万円につきましては四十四年度に徴収する予定でございます。それから四十一年度の運賃分につきましては、約十七億ございますが、これは本年度毎月月賦で正確に納入されております。

吉川久衛自由民主党

○吉川委員 精算期日までに払い込みをしなかった場合にはどのような措置を講じられておりますか。精算期間中に会社が倒産した場合は欠損金として処理されるのかどうか、現在まで実例があれば件数と金額を示してください。

長瀬恒雄日本国有鉄道理事

○長瀬説明員 ただいまの御指摘の延滞償金でございますが、これは延滞いたしました場合には日歩四銭の延滞償金を取っております。それから担保につきましては、有価証券等の担保を取っております。  それから石炭の会社が倒産をしたというような場合におきましては、石炭合理化事業団からかわりに支払うというような事態がございまして、過去におきまして一、二件そういう例がございます。

吉川久衛自由民主党

○吉川委員 あとで件数と金額を資料として提出してください。  昭和四十年度は乗車券委託発売額は八百八億三千三百万円で、おもなものは日本交通公社の六百五十一億七千三百万円、日本旅行会の八十三億三千五百万円、近畿日本ツーリスト二十五億三千三百万円、その他全日本観光、東急観光、名鉄観光、日本交通観光社等となっておりますが、代金の収納状況と、これら委託する場合の選定基準、それから取り扱い手数料の算定基準について御説明を願いたいと思います。

今村義夫日本国有鉄道理事

○今村説明員 乗車券の代売につきましては、いま御指摘のとおり交通公社以下あっせん業者にやらせておるわけでございますが、資力、信用十分なるものにつきまして適宜選んでおるわけでございます。  その手数料につきましては、これは過去においていろいろ変遷してきておるわけでありますが、一般の普通乗車券につきましては、その後手数料の率を据え置くのはいかがということで、運賃値上げのつど手数料を少し安くしておる。たとえば三十六年以前でございますと五%でございましたのを三十六年の値上げのときには四・七%に下げ、四十一年度においては四%に下げるということで、妥当な措置を講じたと思っております。その他の周遊券の割引等につきましては据え置いて、五%でございます。それから団体乗車券は、これも三十六年以前の一・八%を一・六%、四十一年度には一%というふうに値上げに応じてそのまま手数料があっせん業者の手に入るようなことのないような措置を講じております。それから団体の手数料につきましては月によって、お客さんの多い月には安くし、お客さんの少ないたとえば六月とか十一月とかには少しふやして、そのお客さんが少ないときに、そういうあっせんの努力によって営業増進ができるような措置を講じておるわけでございます。

吉川久衛自由民主党

○吉川委員 もう一点。昭和三十九年度の決算で建設仮り勘定として九十二億三千四百万円余を計上しておりますが、これらのうちには、三十九年三月建設公団の成立以前に国鉄が中止しているもので建設公団にいまだ引き継がれていないものなど、それから改良工事で継続工事計画が全くなくなったものが五十五億一千四百二十八万余円ございます。これらについては日本鉄道建設公団法の改正をはかって、同公団への引き渡しをするなど適切な措置を講ずべきであると思うのでございますが、いかがでございましょう。また現在はどのように処理されておりますか。

増山辰夫会計検査院事務総局第三局長

○黒住説明員 ただいま御指摘の財産でございますが、その中には三つ種類があるかと思います。  当初公団が設立いたしました場合に、公団で工事を国鉄から引き継ぎまして続行いたしました場合におきましては、公団法の附則の第六条、第七条によりまして財産を承継いたしております。これは美幸線ほか二十一線で百六十七億八千三百万円、それから工務施設作業資産というもので四億一千五百万円でございまして、これは三十九年の三月二十三日でもって公団に引き継ぎまして、現物出資ということに相なっております。  それから、その次のグループといたしましては、国鉄におきまして戦前に工事をやっておりましたが、その後工事を中止いたしておりまして、さらに公団に移りまして公団で工事を再開する、運輸大臣が基本計画におきまして工事線として指定いたしましたために工事を再開したというもので鷹角線ほか四線ございます。これの資産につきましては合計約九億二百万円でございますが、本件につきましては検査院からも昨年の十月に御照会がございまして、運輸省、国鉄、公団と協議いたしました結果、日本国有鉄道の中止線における工事施行に関する協定書というものが本年の四月にでき上がりまして、国鉄から公団に無償貸し付けをするということで処置いたしております。これは法律的根拠といたしましては公団法の第三十七条にございます。  それから第三のグループといたしましては、戦前に工事をやっておりましたが、その後中止いたしまして、現在のところでは予定線でございますけれども、公団におきます工事線としては指定をしていない津軽線ほか五線ございますが、これの資産価額は二十二億四千三百万円でございます。本件につきましては検査院からも御指摘がございまして、その管理につきまして遺憾のないようにするということでございます。これは国鉄もそれに対しまして遺憾のないように管理方を指導いたしております。それから将来かりに予定線が工事線になるような場合におきましては、第二のグループと同じような方法が考えられるかと思います。さらに将来工事線ということが予定されない場合におきまして、地元等から公共施設等に利用するというふうな計画等がありました場合におきましては、そのケースに応じまして検討いたしたいというふうに考えておる次第でございます。

吉川久衛自由民主党

○吉川委員 国鉄は三十九年度中に横浜ゴム株式会社ほか八十六社と車扱い貨物の貨物運賃割り戻しに関する契約を締結しています。割引前の運賃総額二十七億余万円のうち約七・二%に当たる一億九千余万円を荷主に払い戻しているものがあります。いまの国鉄の経営の状態を見るのに、このような割り戻し制度の理由と法的根拠、それから国鉄はこの制度で何か利益をこうむっているのかどうなのか、はなはだ私には理解できないのですが、その辺ちょっと御説明願いたい。

今村義夫日本国有鉄道理事

○今村説明員 お説のとおり、ただいま国鉄では営業割引と称しましておっしゃったような割引を実施いたしておるのでございますが、これは先ほど総裁が申し上げましたように、国鉄の体制はいまや独占の時代でございませんで、非常な競争に立たされておるわけでございます。したがって競争におきましては、もちろんサービス競争もありますけれども、運賃の問題が非常に大きな問題になっておりまして、やはり運賃を少し安くして競争機関にたえる運賃制度をとりませんと国鉄に乗ってこないという場合があるわけでございます。なお、国鉄の貨物輸送はお客と違いまして一方通行で、到着して、それから空車を回さなければならないということで、空車を相当動かしておりますので、その空車回送方向に対しては運賃を割引してもコスト的には十分償える、そういうことで割引をしておるわけでございますが、結局営業の増進をはかるためには、これは全部ではございませんけれども、割引をすれば必ず国鉄に載せてもらえるということで、特に責任トン数を荷主の方に負っていただきまして、これだけのトン数以上を運べばそれから先は割引をするということで国鉄の営業増進になる、そういう確信のもとにこれをやっておるわけでございます。その割引の根拠につきましては、国有鉄道運賃法の第八条に「全体として日本国有鉄道の総収入に著しい影響を及ぼすことがない運賃又は料金の軽微な変更は、日本国有鉄道がこれを行うことができる。」という条文がございますので、この「軽微な変更」という条文を適用して、これをやっておるわけでございます。  割引の額は、先ほど申し上げましたように四十一年度で約七億五千万円程度だと思うのでございますが、七億五千万円程度の割引きをいたしました結果、国鉄の全体の増収額としては、割引きした貨物だけについて見まして五十三億程度の増収になっておるという計算でございまして、私ども一部を割引きしても全体としてそういうプラスになれば、これは国鉄営業としては当然じゃないかというふうに考える次第でございます。

吉川久衛自由民主党

○吉川委員 最後に一点。  複線電化のねらいは主として長距離列車の輸送力増強と運行時間の短縮にあると思います。したがって竣工の後は主たる列車は長距離急行または特急として、短距離通勤列車はすべて一定経済圏を中心とする二、三両連結の電車のようなものを短時間間隔で運行されることが必要だと思います。例をとってみますと、北陸線においてはこの計画で進められていたと聞いているのでございますが、最近国鉄の上層部では、過密都市の通勤緩和に手一ぱいだから、通勤量の少ない地方まで手が回らぬといって、これを放棄するようなうわさを聞くのでございます。これでは都会が過密となるばかりであるし、地方はさびれて人口が減る一方となることが必然でありますので、地方格差の是正を国策とする国の政策に反することとなるのでございますから、そこでこれを是正するとともに、まずこの北陸のような地域の通勤列車を、当初考えているとおりに運行されんことを考えているものでございますが、それについてはいまどのようなお考えを持っておいでになりますか。

今村義夫日本国有鉄道理事

○今村説明員 ただいま先生お話しのとおりに、先ほども総裁が申し上げましたように、私ども現在は大都市の通勤輸送緩和のために全精力を傾けておると申しますか、これはもういまの交通地獄を若干でも緩和するためにはやむを得ない措置であろうということで、非常な最大の努力を傾けておるわけでございますが、しかし、さらばといって、地方の通勤輸送について目をつぶっているわけではございません。車両の増備、たとえばディーゼルカーの増備とかあるいは複線電化というようなことも——これは複線電化ができますならばそういう措置ができるわけでございます。そういう幹線の輸送力の増強あるいは車両の増備等によりまして輸送力の緩和につとめておるわけでございます。  いまお話しの北陸線の場合には、これはもう複線電化が着々と進んで、来年あたりはかなり大幅に進むわけでございますけれども、ここですぐ電車化をするかという問題が一つございます。私ども電化をいたしますれば、電気機関車で牽引する、これでばい煙からの苦痛を免れる、非常な快適な旅行ができるようにすることが一つと、それから電化によって輸送力の増強ができるわけでございますが、それと同時に電車化ということも、これは地方交通のためにはなくてはならぬものだというふうに考えますけれども、ただいま申し上げましたように、大都市の通勤は一日もゆるがせにできないので、そちらのほうに重点を置いているわけでございます。したがって私ども決してこれを放棄したわけではございませんけれども、もう少し国鉄の財政がゆとりができるまでお待ち願いたいという気持ちでございます。  なお、大都市の過密化、地方の過疎化という現象につきましては、もちろんこれはいろいろな問題があると思います。ただ電化、電車化をしただけでそれが解消するものだとは思いませんけれども、しかしそれも一つの原因だということは先生のお話しのとおりであろうと思いますので、今後もそういう方向に努力はいたしますけれども、いますぐと言われましても、私どもの財政の力では十分だと申し上げるわけにはまだいかない、今後検討させていただきたい、かように考えております。

吉川久衛自由民主党

○吉川委員 国鉄の基本問題懇談会の意見書にもありますように、通勤輸送の改善ということをうたっておるわけです。ですから、もし電車化が急行、特急のためにできないとするならば、せめてその区間を国鉄バスを運行させるとかなんとかくふうがあってしかるべきと思いますが、そういう点について今後十分御検討いただくように要望をいたしまして、私の質問を終わることにいたします。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員長 総裁、私これに関連してお聞きしますが、先ほどからあなたのおっしゃったように都市の過密、交通の処理に心血を注いでおられることはよくわかります。しかしあなた方一生懸命やっておられますが、やればやるほど都市の交通が便利になりますからますます人間が寄ってくる。あなた方それをどれだけやったって、いまの日本の都市へ寄ってくる人口を押えられないと私は思う。だから、都市は現実に迫っておる問題だからやられるのは私は無理とは申しませんが、これと同時に地方の通勤輸送を便利にするということが地方から都会へ来る者をとめる方法ですから、これはどうあってもやられなければならぬとわれわれは思うが、総裁どうですか、この点は。

石田禮助日本国有鉄道総裁

○石田説明員 これはまことにごもっともなことで、都市の通勤輸送に関しましては政府がどういう政策をとるか知りません。やはり何か根本的の政策をとってもらわなかった日には、国鉄独自の力でもってしてはいかんともすることができない。と同時に、われわれはいま都市の交通通勤問題について一生懸命やっておりますが、地方のほうの通勤問題は決して忘れておるわけではないのであります。(「忘れてないけれども、やらないだけだ」と呼ぶ者あり)力の及ばないところはありますが、地方の通勤輸送の改善につきましては電化という問題がありますが、つまり車両をふやすとかあるいは車両の種類を変えるとか等のことでこの問題の解決はそうむずかしい問題ではない。これはわれわれとしては決して忘れておるわけではありません。相当にやっておるつもりでありますが、御指示によりまして、この点については十分今後注意いたしまして御要望に沿うようにいたしたいと存じます。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員長 今村理事、いまあなたはもうちょっと待ってくれ、それはできなければなんだが、いま総裁言われるとおり一日も早くやってもらいたいと思うが、その気持ちですかどうですか、あなた方事務的には。

今村義夫日本国有鉄道理事

○今村説明員 先ほど申し上げましたとおり財政問題がございますので、いますぐというわけにはまいりませんけれども、その方向で検討させていただきたいと思います。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員長 そこで、いま北陸線の話も出ましたが、北陸線については岐阜の前の工事局長、それから金沢管理局長等が、複線電化ができれば必ず小さい電車を通しますということを地方の者に約束しておるんだ。それをあなた方に言うと、どうもそんなことは困ると言われるが、いま言うところの大きな問題から見ても必要なことであるし、また地方の者もそういうことができると思ってやっておるのだから、そういう地方の者に約束しておること並びに地方の者の要望にこたえてもらいたいと思いますが、今村理事どうです。

今村義夫日本国有鉄道理事

○今村説明員 地方の工事局長が地元にお約束しておるのは、新駅設置の問題のようでありまして、新駅設置は北陸本線の複線電化が完成し、全面的に電車運転が開始された時期に検討するということを申しておるようでございます。したがいまして、これは電車運転の前提としてそういうことを申し上げておるようでございますが、これはもちろん私どもも、地方の者が約束したことで知らないということは決して申し上げません。当然電化した以上は電車化もやっていくべき問題だというように考えますが、先ほどから申し上げますように、国鉄の財政能力がこれにまだ追随できないということでございますので、今後ともそういう問題も含めながら検討さしていただきたいというふうに思います。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員長 それと同時に、電車を通せば、いま停車場がなくて困っておる駅にも電車だけの簡便な停車場をつけてやるということはどうですか。たとえば市振と越中宮崎との間の境にもそういうものをつけてやるとか、また魚津と黒部との間に高等学校が二つもできますので、そこにもつけたい、こう思いますが、これらのこともひとつ考えてもらっていいと思うが、どうですか。

今村義夫日本国有鉄道理事

○今村説明員 いまお話しの二件につきましては、駅間距離も短こうございますし、一般の列車をとめるほどの駅にはならないんじゃないか。したがって、三、四両の電車をつけたときということが考えられるのでございまして、したがって、岐阜の工事局長も全面的に電車運転が開始された時期に検討するということを申し上げておるのはそういう意味だと思います。したがって、御趣旨のようなことで電車化しますれば、そういうことは考え得るというふうに思います。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員長 ではひとつ考えてください。  小山省二君。

小山省二自由民主党

○小山(省)委員 国鉄は、昭和四十年度を基点として、第三次長期計画というものをお立てになったわけです。今日この四十年度の決算を拝見して、少なくとも千二百三十億に近い大幅な赤字を出した。言うならば、この長期計画の年度当初においてすでにこれだけの計画と実際の数字との間に大きな破綻が出ている。私はこれらから推測して、はたしてこの第三次長期計画というものは完遂できるかどうか、いま総裁の話を聞くと、値上げの時期がたいへんおくれた、十一カ月もおくれたことによって、こうした大幅な赤字が出た。もちろんいろいろ原因はあると思いますが、一口に言えば、そういうお話もあった。しかし四十一年度の決算を見ましても、依然として赤字は解消されておらない。値上げによって国鉄の経営は黒字になるかというと、必ずしもそういってないのです。この点から考えて、一体この大幅な赤字の原因というものはどこにあるのか、もちろん一口に言って、これだということはないようです。われわれ見ましても、いろいろ人件費の値上がりであるとか、あるいは金利の利払いであるとか、その他赤字路線の整理がまだ完全でないとか、政府出資が少ないとか、いろいろの要因をあげておるようですが、少なくとも三十八年度までには国鉄は千五百九十五億、約千六百億という黒字をかかえていたのです。それが三十九年になりまして、三百億、四十年には千二百三十億、四十一年度の予算にもすでに六百一億というような赤字が計上されておるわけです。したがって、もう過去の黒字というものは今日は存在し得ない。少なくとも三十八年までは国鉄が健全経営を続けておったんです。三十九年、四十年、四十一年と急激に国鉄の財政が悪化したということについて、もっと根本的な問題があると私は思うのです。私は専門家ではないからわかりませんが、少なくとも国鉄は全路線の約九〇%近いものが赤字だと一口に言われているのです。私はここに考え方を持っていかなければ、少々人員整理をし、あるいは値上げをする程度では、しょせん大国鉄の台所というものは黒字転換は困難であろうと思うのですが、賢明な総裁の見通し、お考えをひとつこの機会にお聞かせ願いたい。

石田禮助日本国有鉄道総裁

○石田説明員 国鉄の収支の体制につきましては、さっきも申しましたとおり、道路の発達その他自動車の発達等によりまして、収入は前に比べるとずっと減ってきておる。そこへ持ってきて、一番大きな問題は人件費の増、これがずっと以前には総収入の五〇%内外であったものが、今日においては六〇%を突破しておるというようなこと。これは人件費は御承知のとおり、一割以上上がっております。これが一番大きい。収入は思うにまかせず、だんだん悪くなる。支出はそういったぐあいにふえてくる。ことに赤字線のごときは、地方人口の希薄というようなことでもって、収入はますます減るばかり、しかも経費はますますふえるばかりということ。赤字の問題と、全般に対する収支の状況というものは、非常に変わってきたということなのでありまして、この問題につきましてはわれわれとしても留意いたしまして、まず国鉄は経費の問題については思い切った対策を考えなければならぬ。たとえば、今度作業時間を二時間短縮する。それに対して二万人の人間を必要とする。さらにまた第三次計画の完成によりまして、輸送力がふえる。そこで輸送量というものがふえてくる。それに対しては三万人の人間を必要とする。つまり合計五万人の人間が、来年の十月一日までに必要となるのでありますが、これを入れるとなると、すぐに六、七百億の経費増になる。そこで、われわれは四十六万七千の現勢力をもってして、そのうちから五万人の人間を各種の合理化手段によりましてしぼり出して、新たに人間をふやさないようにした。将来においてはさらにまた合理化の徹底によって、どっちかと言えば人間を減らすように持っていきたい。いま組合は非常に合理化反対と言っておりますが、何もこれは労働量をふやすわけではないのだ。いろいろ合理化によってやるので、決して労働量はふえはせぬ。したがって、これはもう反対すべき理由はないのです。組合がいかに反対しても、国鉄としては断然としてこれはやる。同時に、幸いに第三次計画によりまして、輸送力がふえてまいりますので、このふえた輸送力というものをうまく使って収入の増加をはかる、こういうようなことで、プラスの面、マイナスの面において最大の努力をいたしまして、何とかこれを切り抜けたいということも考えておりますが、しかし赤字線の問題については、これはいかにやろうとしても、いかんともすることはできない。何とかこれは政府に考えてもらわなければならぬ。  さらに私が申し上げたいことは、公共負担の問題です。つまり政府の政策というものを国鉄の犠牲においてやっている。これは公共負担です。たとえば四十二年度における公共負担というものは、八百九十億です。二十四年から四十二年までの公共負担を合計すると、一兆をこしている。全く国鉄というものは国のために犠牲を払っている。国鉄というものは昔と違うのです。新しい情勢に直面した国鉄に対しては、政府もこういうことについて考えてもらわなければ困るということで、赤字線の問題、公共負担の是正の問題にひとつ取り組んで、国鉄の健全財政というものを維持しつつ、りっぱなサービスをしたいということが私の希望であります。

小山省二自由民主党

○小山(省)委員 国鉄赤字の主たる原因を、人件費の膨張だと総裁は断ぜられているようであります。確かに人件費を見ますと、長期計画による最終年度、昭和四十六年度には、その人件費は六千四百億というようなことが予想されております。すなわち、運賃収入の六割が人件費に食われるというような勘定になるわけですから、私は確かにこれが国鉄赤字の主たる原因の一つであるというふうな感じを持つのであります。しかし、また一面には、来年度のあれを見ましても、国鉄の長期負債というものは一兆八千二百億、要するに、利払いだけでも、年間一千二百億の金を払わなきゃならぬ。こういう外部負債というものが非常に厚くなってくるということになりますと、私は、こういう面の対策というものもまたゆるがせにできないというふうに実は考えておるのであります。国鉄は非常に公共負担を多くになっておるというような総裁のお話しですが、そういう公共性を持てばこそ、国鉄にほとんど独占的な輸送を認めておるわけですから、ある意味においては、私はそれはやむを得ないと思うのでありますが、しかし、四十年度の決算を見ますると、三十九年度に比べてその支出の最も大きかったものは、人件費の三百五十五億増、減価償却費の三百七十五億増、その次に利払いの二百五十九億というものがふえておる。修繕費百二十三億増。おもなものはそうでありますが、一方の収入のほうを見ますると、確かに旅客の収入が四百二十四億ふえております。しかし貨物収入というものが逆に百七億減収になっておる。そうして、旅客収入の四百二十四億の内容を見ますると、このうちの三百五十三億というのは新幹線であげている収入増。したがって、その他の国鉄からの収入というものはほとんど前年度並み。一方において、人件費であるとか利子払い、非常に支払面においては経費増がかさんでおる反面、収入はわずかに新幹線がその主たる収入増の財源になっておる。逆に言うならば、貨物収入などは大幅な減収になっておるわけであります。私はこういう点を考えると、将来、国鉄のあり方そのものに根本的な検討を加えていきませんと、今後日本の道路網というものがさらに整備されて、高速自動車道路網というものが整備されればされるほど、貨物の輸送というものがトラックに依存する度合いというものは多くなるということを考えると、国鉄の将来の主たる収入というものは、ほとんど九割九分は旅客方面に集中されると思う。したがって、この面に国鉄の使命がほんとうに果たせないということになると、私は、いろいろな面で将来国鉄に対する依存度というものは変わってくる、こういうふうに実は考えておるのであります。この国鉄の赤字解消のために、人件費の問題もさることながら、それ以外の主たるいろいろな原因が、先ほどあげたようにあると思いますが、それらに対する国鉄の考え方というものをこの機会に開陳していただきたい。

石田禮助日本国有鉄道総裁

○石田説明員 ただいまお話しの国鉄の収支の状況でありまするが、いまの国鉄の収入の大部分をなしておるのは旅客収入。貨物収入というものは約三分の一強ぐらいでありまするが、この点につきましては、旅客収入も、つまり輸送力の余裕があってこそ旅客収入の増が期待されるわけです。第三計画を実行するまでの国鉄の輸送力と輸送量というものの関係を見ますと、あまりたいして余裕がない。たとえば、在来の東海道はもうにっちもさっちもいかなくなっておる。このままでいった日にはどうにもならぬということで新幹線というものをつくった次第でありますが、東海道だけの関係を見ましても、新幹線をつくる前の東海道の収入というものは、三十八年が収支のバランスにおいては最高潮だった。それは約六百二十三億くらいあったと私は思う。ところが、そのときにはもう東海道の輸送力というものは何の余裕もない。だから、つまり、いまの運賃の値上げをする以外には、収入をふやす道はない。それで、一方に経費というものは人件費でもってえらい勢いでふえていくというので、もしも新幹線というものがなかったと仮定した東海道の在来線だけを見ますと、三十八年が頂上だった。それから収支の状況がだんだん悪くなってきた、こういうような状態。そこで結局どういうことになるかというと、ある時期においては運賃の値上げをする。これは国鉄ばかりでなくて、私は私鉄や何かも同じだと思う。私鉄や何かも、いまのところ鉄道収入よりは、鉄道外の収入のほうが多い。これは十四の私鉄の状態からいけば数字にあらわれておる。彼らはつまり土地でうんともうける、デパートでもうける。鉄道が主か、鉄道以外の仕事が主か。むしろ現在のあの数字を見たところでは、鉄道外のほうが主。じゃ鉄道というものはどうなるのだということになると、生きる道は運賃の値上げ。そこにおいて三年、四年、五年をおいて運賃の値上げというものが行なわれるのはそういうこと。国鉄もその例に漏れるわけじゃありませんが、そこにおいてわれわれが考えておるのは第三計画、つまり輸送機関としての任務が尽くせないばかりでなく、収支の上からいったって、輸送力を新たにつくる以外には道はないということで、これはあなたが非常に先を悲観して言うようでありますが、第三計画が完成したところで国鉄の状態はどうかということを、ひとつ新たに見てもらいたい。第三計画では、幸か不幸か、赤字線というものはほとんどありませんから、第三計画が完成しますと、いわゆるすべて幹線にわたって、輸送力の余裕が出てくる。そこに輸送量というものをふやして、収入をふやしていく、こういうこと。さらにいま言ったような人件費というものは、とことんまで徹底的にやらなければならぬ。  さらにつけ加えて言いますと、いままでは旅客収入というものは非常に順調にいっておるのでありますが、貨物収入というものは、ある時期におきましては減っておる。これについては国鉄としても反省しなければならぬところがある。要するにいままでの国鉄の頭というものは、いわゆる運んでつかわす式の頭。一向企業精神というものはない。これは私は非常にやかましく言いまして、最近においてはだいぶ変わってきておる。それで最近においては貨物収入というものは、四十二年度の収入状態なんかを見ても、だいぶ改善されておりますので、これは今後とも一生懸命やれば、そう悲観したものじゃない、こういうふうに考えます。  まあどうぞ、第三計画が完成したところで国鉄はどうかということを、気持ちを新たにして見ていただきたいと思います。

小山省二自由民主党

○小山(省)委員 だいぶ総裁は、第三次長期計画に期待をかけておるようであります。私は先ほど言ったように、四十六年には六千四百億人件費が膨張する。言うならば運賃収入の六割が人件費に食われるという点から推して、必ずしもこの長期計画が、明るい見通しの上に立っておるとは考えない。しかも国鉄四十六万人の職員の年齢層は、もうすでに中高齢層になりつつある。国鉄の若返りは、まずこの辺から十分検討をしていかなければならぬと私は思いますが、そういう面にどのような御計画をお持ちになっておるか存じませんが、先般国鉄で合理化計画に対する具体的な案をつくられて、労組のほうに提示されたというようなことを承っております。その合理化計画なるものはどういうものであるのか。また、その案は労組によって理解され協力され得るような見通しであるかどうか、その辺について一言。

石田禮助日本国有鉄道総裁

○石田説明員 この国鉄の年齢層の問題でありまするが、これは実にえらい、いわゆるガンであります。三十五から四十五までのこの年齢層は四割以上を占めておる。そこにおいてこの人件費が非常にかかるということの大きな原因がある。これは、国鉄が好きこのんでやったわけではないのです。御承知のとおり、戦争によって国鉄職員というものが大部分徴発され補充しなければならぬ、補充をする、ところが戦争が終わって帰ってくる、これを見放すわけにはいかぬ、またこれを入れるということで、それが非常な大きな原因。そこで思い切って、昭和二十五年か六年でありまするが、十数万の人間を首切るというような思い切ったことをやったのであります。この年齢層というものが現在の人件費の大をなしておる大きな原因であるとともに、私がおそれるのは、これが退職期へ来た時分に、この退職金をどうするか、これが問題なんです。もしも、国鉄に余裕があるなら、そういうものに対していまからでも準備金を積んでおくということをすべきでありまするが、国鉄の状態からそんなことはできぬ。まずもって目先の問題を一番先に努力するということであります。  さらに、この合理化の問題でありまするが、さっきもちょっと申しましたように、作業時間を一週間に二時間短縮しておる。それによって二万人の人間を必要とする。さらに、今度来年の十月一日輸送力がふえる。したがって輸送量というものはふえていく。それによって三万人の人間がふえていく。五万人の人間をふやさなければならぬ。これをふやすということは、そこにすぐ六、七百億の経費を必要とする。これはひとつあらゆる方法をもって合理化しなければいかぬ。だから、現在四十六万七千の人間からそれだけ人間をしぼり出して、配置転換によって何とかしてまかなっていきたい。これについては、われわれとしても二、三年思いをこらしてやっておりますが、私はこれはできると思う。  ただ、これを実行するにつきましては、一応やはり労働組合の了解を得なければならぬのでありまするが、別にこれは何も労働量をふやして各人の労働負担をふやしてやるわけじゃない。あらゆる合理化の手を打ってやるのです。たとえば保線の問題なんかありますけれども、あの人海戦術式のあれで、多くの大衆がリズミックな声を出してやる、あんなものではこれからどうもならぬ。第一人間をそんなことをして集めろと言ったって、人間を集めることはできない。そこで、機械化によって人間を減らす。  さらにまた、一日に乗降客がきわめて少ない駅なんかに対しては、一々ここに駅を置くということは、非常に人件費がかかる。これをいわゆるCTC、中央統御装置によりまして無人駅にいたしまして、そして人件費の節約をはかる。  さらにまた、事務のことやなんかについても、できるだけ電気計算機を導入いたしまして、人件費の節約をはかるというようなことで、これはとことんまでわれわれとしては研究しなければならぬということで、着々この点については進めておりまして、私は来年の十月一日までに五万人の人間を配置転換でしぼり出していくことは決して見込みがないことではない、大いにあると思う。  現に、これまでの国鉄の輸送量というものは、昭和二十五年ぐらいに比べますというと、倍以上にふえている。それにもかかわらず人間というものは一つもふえていない。これは相当に過去においてもかなり人間の合理化というものはやってきたんだ。労働組合がどうしてこの合理化に反対するか私はわからぬ。要するに、事業の合理化に反対するなんというものは、東に日本あり、西にイギリスありだ。何もわれわれはイギリスのまねをする必要はない。アメリカのごとき非常に労働攻勢の強いところでも、労働合理化に対しては大賛成だ。それによって船というものは航海できるのだ。合理化をしない事業なんというものは生存する力はありませんよ。それは労働組合が何と言ってもかんと言っても、国鉄としては万難を排してもひとつやり通す、そこに私の信念があるということで考えております。  まあひとつ、おそれ入りますが、将来を見てもらいたいと思います。

小山省二自由民主党

○小山(省)委員 総裁の不動の決意を承りましてたいへん心強く感じたわけですが、しかし国鉄が健全経営に立ち戻るために、ぜひその路線というものは曲げないで引き続き御努力をひとつお願いしたいと思います。  それから、それとは多少関係を持つわけですが、最近におきます都心の殺人的なラッシュの解消策ですね。一体何年ぐらいたったらあの殺人的な混雑から通勤客が解放されるのか、これらの見通しについて伺いたい。

石田禮助日本国有鉄道総裁

○石田説明員 これは国鉄としてはいま最善を尽くしてこの問題の解決に努力しているということは、さっきから申し上げたとおりでありますが、これは国鉄だけの力をもってしてはいかんともすることができぬ。やはり政府というものが何とかこの都市の人口政策というものについて根本的の方策をつくってもらわなければ困る。たとえば最近における状況なんかを見ましても、三十五年から四十年度までの都市郊外へ伸びていく状況、住宅のふえ方についてみると、つまり三十分以内のところにおいては一割七分くらいしかふえてない。ところが一時間以上、それからさらに一時間半の範囲においては、おのおの七割以上ふえている。それなりに国鉄の輸送量というものがふえている。これは国鉄としては最善を尽くしてやりますが、現在の五カ年計画でわれわれが目途とするところでは、現在の交通地獄の解消をすることはできぬ。せめて二四〇%くらいまでに下げていこう、こういうことでありまするが、はたしてこれはできるかできぬか、それは政府の政策による。建設省の政策というものは非常な大きな原因をなしておるものでありますからして、これはこいねがわくは国鉄に対してそういう問題をぶつけるとともに、政府に対してひとつぶつけてもらいたいということが、私の切なる希望であります。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員長 佐藤観次郎君。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 どうも与党ばかりやっていて、時間の予定は私は十一時半にやることであった。こういうようなことをやるというのは、あと三十分で野党三人やれということなのか。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員長 あとまた考えましょう。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 その前に現実ができているのだから、これは約束が違う。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員長 いま総裁と相談します。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 その総裁にいろいろお尋ねしたいのですが、私四月に総裁にいろいろ意見を聞いたのですが、実は赤字の問題を人件費、人件費と言われますが、実は何も国鉄だけが人件費六割ではなくて、ほかの事業でも六割五分、七割くらいずつ現在とられている。石田総裁が昔実業界のベテランで相当活躍された時代とは現在は時代が違うのです。だから私らが考えます、たとえば国鉄の地方の鉄道が非常に犠牲になったようでありますが、通勤列車なんというものは、これは国の政策がこういう政策をやっているから、実は国の責任で私は負わすべきではないか、国鉄がこういうものをしようというところに、私は無理があると思う。だから一体どうやったらこういうような国家的な問題までをしょって——運賃は御存じのようにちゃんと規制を受けているわけです。そこに大きな原因があると思う。私は人件費ばかりのための赤字じゃなくて、やはり国家全体とすればこの都市の過密化、東京とか大阪、名古屋を中心として、そういうところの通勤電車のために国鉄が一番大きな犠牲を払っていると思うのですよ。そういうことをほかっておいて、ただ合理化をやるとかというような問題は、これは石田さんなかなからつ腕の士でありますけれども考え方が古いのです。だからあなたは政府に、一体こういう赤字になる問題をどこまで負担させるのか。小山委員が言われましたけれども、いまの情勢を続けていきますと、ますます都市は過密になって、その地方鉄道をやる前に、どんどん通勤列車をふやさなければならないような状態になる。これこそいま国鉄のガンだと思うのですよ。そういう点で、あなたは政府にどのような要求をされるのか。どういう考え方で国鉄は赤字をなくするか。というのは、これは第三次計画なんということを言っているけれども、あなたはその時分にはすでに引退ですよ。現在一体どうやってこの赤字を補うかということの根本的なことを、ひとつ石田総裁から伺いたいと思います。

石田禮助日本国有鉄道総裁

○石田説明員 これはもうごもっともな御心配だと思うのです。それで、私がいまこの問題について取り組んでおりまするのは、要するに、通勤の問題なんかにしても、工事費が非常にかかる。ところが収入というものは、大きな割引をするために非常に少ないということで、まず収入のほうの問題でありまするが、御承知のとおりに通学なんかは最高九割まで、政府の政策によって割り引きしております。それだからして、これはやはり利用者負担というところに持っていかなければいかぬということで、たとえば具体的に申しますと、四十三年度における予算の問題につきましては通勤、通学の割引の是正をする。それで通勤のほうの問題と通学と分けて申しますが、通勤のほうは、いま平均六割七分の割引率になっておる。これは四十一年度において第一回の割引是正をした上でそうなっているのでありまするが、これはひとつ四十三年と四十四年の二回に分けてこれを法定の五割まで下げていく。これによって国鉄というものは二百七十億収入を得よう。通学の問題につきましては、これは平均して八割七分の割引でやっておるのでありまするが、これは、通勤のごときは、大部分は企業者負担でありまするからいいのですが、通学のほうは現にこれは個人の負担である。はなはだ気の毒だからして、まず四十三年度においては約三十億だけの増収を得るような助成にしたい。そしてまた四、五年をもってして五割までに下げていきたい。これによって両方でもって三百億の収入を得ようということで、つまりそれだけの利子のつかない工事資金が得られるわけであります。通勤のほうの問題も、これはつまり工事資金というものは低利の資金でやれればこれはちゃんとペイしてくるのだ。だからこれはやはりやらなければいかぬ。少なくとも大衆が国鉄の駅に集まってくる以上は、だれの責任だとかどうだとか言っているわけにはいかない。われわれとしてはどうしてもやる。そしていまの通勤、通学の乗客の増加に関しては政府の政策——団地なんというものも非常に大きなものがありますので、これは政府としてもひとつ片端を持ってもらいたいということで、四十三年の予算におきましては、とりあえず三百九十五億円の出資をしてくれということで希望しておるのでありまするが、大蔵省あたりでは出資ということに対しては非常に難色があるから、出資と同じような利子の補助をしてもらいたい。たとえば七、八年の利子の補助をしてもらいたい。こういうようなことで、まず通勤輸送の運賃の是正によりまして自己資金というものをつくり、さらに政府の出資というものを足してやれば、通勤のほうに非常に大きく金がかかっても、これは収支というものを償っていくということになる。  さらに国鉄がいま大声疾呼して地方納付金——委員長、詳しく申し上げていいのですか。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員長 ええ。

石田禮助日本国有鉄道総裁

○石田説明員 地方納付金というものは、これは御承知のとおりだと思うが、昭和三十一年から始めた。昭和二十八年の地方税法においては、国鉄の輸送施設に対しては地方税をかけることはできない、こういう規則があるのであります。別に固定資産税というものも入ってくる。これはたとえば町の中における寄宿舎だとかあるいはいろいろの国鉄の施設、これはもう当然町のやっかいになっておるのであります。しかし輸送の施設というものに対しては、これの八割というものは地方開発のために役立っておるのだ。とても国鉄としては引き合わない犠牲において施設をつくり、そして犠牲において経理しておるというのがこれまでの状態だ。これに対して納付金、固定資産税というのは私は言語道断だと思うのです。三十一年において地方財政が苦しいということで、国がやるべきものを国鉄に肩がわりした。国も国だがこれをしょって立った国鉄というものもどうかしていると私は思う。ただその時分には金額は少なかったからいいのですが、今日においては、四十三年度においては百二十億になっておる。これは、第三次計画が完成する四十六年度においては百八十億くらいになるということで、三十一年から今日まで払ったやつは千億になるということで、この地方納付金というものをひとつ解決しよう。かくのごとくにしてまず利子のつかない資金を得る、これを通勤輸送の問題に打ち込むということで、国鉄というものはちゃんとやれる。そのほかにも赤字線というものがあるのですが、そういうものを維持しつつ、国鉄の任務ができるようになるのではないかというふうに考えております。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 国鉄の総裁としていろいろ意見はけっこうですけれども、労働組合には断固としてやると言いながら、運輸大臣中曽根君は通勤列車も通学列車も上げないと言っていますよ。あなたどうやってこれを断固としてやられるのか。片側だけではだめだ。弱い者ばっかり断固として、政府のほうには、強いほうには断固としてやらないというのではどうかと思うのですがその点は……。  それから地方納付金のことが出ましたから、私は私の選挙区の話ですが、稲沢という日本で一番大きな機関区があります。そこでいまあなたの言うような納付金、固定資産税を納めないといわれれば、この町はこの機関区のために非常に被害を受けているわけです。町の三分の一くらいは機関区のために鉄道の——御承知のように、吹田の操車場、鶴見の操車場と同じように三大操車場の一つなのです。そういうことになると地方は地方財政に大きな赤字が出てくると思うのです。これはもうあなたのところは自分のところだから、おそらくわかると思うのですが、そういうようなことは弱いものはいじめて強いやつには何も刃向かわぬでは石田さんの値打ちはない。総裁の値打ちはないですよ。そんな地方のちっぽけな町の納付金や、国鉄の合理化の人間を首切ることばかり力を入れて、国がどうやってこの処理をするかということに対しては何もしない。御承知のようにこの前の利子補給の問題もまだ片づいていないでしょう。こういうような強いものには何もやらなくて、弱いものばかりいじめるということでは、総裁の値打ちはないですよ。そういう点でひとつ政府に対して、佐藤榮作総理に対してもう少し断固としてあなたはやる必要がある。あの人は運輸省の出身でしょう。そういう点でどうも弱いものばかりに強腰で、強いものには刃向かわぬようなことでは石田さんの値打ちはないですよ。その点一体どうお考えになっているのかお伺いしたいと思います。

石田禮助日本国有鉄道総裁

○石田説明員 地方交付金の問題でありますが、これは決して私の態度が弱いとは言わない。問題はこれからなんです。この問題は自民党の本部のほうにも申し上げているのでありまして、交通部会あたりでも非常に強腰にやっておる。それで国鉄総裁としては、いままでやっただけのものではなくて、これからの問題なんです。これからの状態を見て、国鉄総裁はいくじがない、こう言われるなら何をか言わんやですが、これはひとつこれからの態度を見てほしいと思います。  いままで言った運賃値上げというか通勤、通学の問題でありまするが、これはきょうの新聞によると、運輸大臣がどうも不賛成であるということを書いてありますが、はたしてどうかということはいま確かめ中であります。これはかつて——かつてといって、この間、経済企画庁の宮澤さんが反対された、副総裁を通して反対されたということで、私は言ったんです、違う、そういうことは。たとえば物価の問題に影響があるからいかぬということなんですが、一体、三百億のこの問題のうちで通学の問題が三十億なんです。これは物価問題に影響しますよ。そして通勤の問題だって、そのうち大部分というものは企業家の負担ですから、これは物価問題なんかに影響しやせぬ。通勤のうちで物価問題に影響するというなら、私は、三、四十億ぐらいのものだろうと思う。結局七十億ですよ。それで、三百億全体が物価問題に影響するという認識は間違っておる。わずかに七十億だ。それは物価問題に影響しないとは言わぬが、たった七十億なんです。七十億のために三百億の通勤、通学の工事というものをドロップするということがいいかということは、これは大きな問題じゃないですか。通勤なんてものは国鉄の責任じゃない、政府の責任です。だから、政府がそういうことをてんびんにかけてどっちに重きを置くかということが大問題だ。国鉄としてはこういうことができなければ通勤、通学の工事の増強などできやせぬ。その場合に一体だれが責任をとるか、これは大きな問題です。これは理をもってすればちゃんと了解してくれるのがほんとうだ。了解しなければこれはどうかしているということで、これはひとつ私としては今後とも最善を尽くしてこの目的の達成に努力いたしたい。あなた方もひとつせいぜい御後援をお願いしたいと思います。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 それから、合理化の問題はいつかまたお伺いしたいと思いますが、先ほど委員長も言われましたように、通勤電車、列車に夢中になって、地方の鉄道が非常に大きな犠牲を受けておる。これは今村理事さん、やりますとは言いますけれども、現在の赤字の状態ではやれない。そこで私がお願いしたいのは、赤字路線をどれぐらい徹底的に整理されるのか。  それからもう一つは、私のほうで昔から関西線というのがあります、名古屋から大阪へ行く。これなんかは、四日市まではかすかに改正されていますけれども、ほとんどもう旧態依然、それだから、全部近鉄に押されてしまって、あの鉄道は御承知のように、何といっても一番いいところを走っていたのでございますけれども、これは近鉄が、日本の私鉄としては近代的な優秀な関係もありまして、もう十対一ぐらい、いや、もっと大きな比率じゃないか、二十対一ぐらいにしか、長い伝統のある関西線が利用されていないという現状なんです。これはいま赤字になっていると思いますが、全国的にそういうような例はたくさんあると思うのです。  そこで、鉄道というのは公共的なあれがあって、それは損をしてもやらなければならぬ点がありますけれども、しかし、こういう点はやはり改正していかないとますます減ってくる。二時間に一ぺんぐらいずつ汽車が出るようなことでは、これはもう発展がないと思うんですよ。そういう点について、私は、先ほど申されました通勤列車などについてはわかりますけれども、実際地方の鉄道——私は御承知のように、名古屋の近くでございますけれども、新幹線になってありがたいということを感じておりますけれども、そのありがたい新幹線というものは、そういう地方の鉄道の犠牲が非常に大きいと思うのです。この点は総裁どのようにお考えになっておりますか、この点もついでに承っておきたいと思います。

石田禮助日本国有鉄道総裁

○石田説明員 お説の問題は、通勤の問題、それから幹線輸送の増強に注入して地方線のほうを忘れておるというような御批判については、これは見方によってはごもっともでございます。決して地方線を全然忘れておるのじゃありませんが、しかし力足らずしていかんともすることはできぬ。しかし何とかこの改善については、地方の、ことに通勤の問題でありますから、そう非常に金のかかるものじゃありませんからして、ひとつできるだけこの問題についてくふうをしてやりたいと思いますが、しかしあまり大きな期待はひとつお持ちにならぬようにお願いしたい。これはどうも力が足らない。どうぞひとつ御了承願いたいと思うのです。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 それから、先ほどちょっと、赤字のある鉄道をどのぐらいに処理されていくか。これはもう総裁でなくてもけっこうでございますけれども、おそらく地方には赤字の多い鉄道がたくさんあると思うのです。それはどういう方針でおやりになるか、ちょっと伺いたいと思います。

石田禮助日本国有鉄道総裁

○石田説明員 赤字路線の問題につきましては、これはただいま特別の民間の識者を集めました委員会をつくっておりまして、来年の四、五月ごろぐらいまでには結論が出ると思いますが、それによってひとつ善処したいということに考えております。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 もう一つ、総裁は国鉄の合理化の問題についていろいろ断固たる御意見がございましたが、これはなかなか重要な問題で、私は、きょうは総裁がおいでになるということがわからなかったものですから、材料もありませんけれども、しかし、よほど慎重にやらないと、すでに十五日には国鉄、動力車とも二時間ストをやるというようなことも聞いております。  それからもう一つ総裁にお願いしておきたいのは、幸いにして新幹線はいままで事故がありませんけれども、しかし、今度の合理化の中には、この機関助士をなくするとか、こういう汽車の非常に重大な事故が起きる危険のあるような考え方もあるように聞いておりますが、こういう点について、もし万が一そういうような事故が起きるような場合には、幾ら人件費を節約するといっても、そういうような将来性のある問題と、それから、新しい機械によっていろいろ起きる問題があると思うのです。そういう点で、何といっても、それは石田さんは昔は若かったけれども、いまは年取って見えるわけです。だから、考え方が老化している。われわれもそうなってきましたけれども、そういう点の考え方をやはりあなたも、いろいろおもしろい構想を持っておられますけれども、そういう点について欠けるところがあるんじゃないかと思う。そういう反省だけは持ってもらいたいと思うのです。それは昔のような状態には、いま人件費というものはやかましくなりましていろいろな問題があるし、それから、人件費をよけい食うといわれますけれども、これは政府の政策によって物価が高くなったり人件費が高くなるということで、何も国鉄だけじゃない。人件費が上がるということは、どんな工場でもどんな産業でもそうなっております。そういうことについて、安心していける、これだけのこういうような機構を変えて、そうして列車なんかの輸送を強化されるということはいいけれども、そういう点についての配慮があるかどうかということも、他日また、総裁がいないならほかの方に聞きたいと思いますけれども、そういう点についてはどういうお考えを持っておられますか、お伺いいたします。

石田禮助日本国有鉄道総裁

○石田説明員 ただいまの人の合理化の問題につきまして、運転士及び助士二人乗っておったやつをある部門についてはこれを一人にしようとか、いわゆるいろいろの合理化をやっておりますが、これは安全というものを犠牲にしてやるということは絶対にしない。つまり、国鉄というものは、輸送の安全があって初めて輸送力がある。輸送の安全のない輸送力なんていうのはナンセンスだということは私は肝に銘じておりますし、国鉄人というものはその点については実に骨にしみてよく考えておりますので、この人の合理化をやるからといって、輸送の安全を犠牲にするということは絶対にないということを私は確言しておきます。たとえば二人運転のものを一人にするということは、一面から見るというと、二人を一人にすると非常に危険を増すように考えておりますが、実際において二人運転のときと一人運転のときと事故がどっちが多いかということになると、やはり二人運転のときのほうが多いのです。これは理屈の問題じゃなくて事実なんです。ということは、この問題につきましては、たとえば新幹線のごときにつきましては「こだま」なんというのは、運転士が一人、それから技術者が一人ということでやっております。それから、もう一つのほうは、これは運転士、それから助士、機関士が乗っておりますが、これは安全の観点から見たからといって、運転士というものをあすこに三人も乗せておく必要はないということで、これは労働組合とよく話し合いをしまして三人を二人にする。つまり、助士というものは機関助士であり運転助士であるというようなことで、こういう点につきましてはきわめて慎重にやっておりますので、この点は御安心願いたいと思う。  これはさらに、この点について参考に申し上げておきたいのは、例の青函連絡船の問題です。つまり輸送の安全という点からいけば、青函連絡船なんというのはずいぶんいままでえらいことをやっておった。あのぼろ船に千二百人ものお客さんを積んで九そうの旅客船を配置しておった。あれは戦標船ですよ。青函航路なんというものは非常に危険なところです。そこであの九そうのぼろ船をすっかりやめちゃって、最も優秀なる八千三百トンのあの船を七そう配置するということにしたというようなことも、いかに国鉄というものはこの輸送の安全というものについてきめこまかにやっているかということの何よりの証拠でありまして、この点についてはどうかお気づきの点がありましたら今後とも御注意、御注文願いたいと思いますが、われわれとしてはこれについては最大の関心を払っておるということを申し上げておきます。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 もう一点お伺いしたいんですが、例の新幹線の利益がどれくらいあがったか、あなたの目算どおりいっておるのか、それから将来新幹線をどんどんふやされるのですけれども、その考え方をどのようにお持ちになっておるか、その総裁の抱負をひとつ承りたいと思います。

石田禮助日本国有鉄道総裁

○石田説明員 新幹線は三十九年の末から発足したのでありまするが、三十九年も損、四十年も損でありまするが、四十一年になって約百六十億のプラスになっています。四十二年においてもこれは急速にまたふえてきております。最近における新幹線というものは非常に旅行者に喜ばれておりまして、えらい勢いで旅客数がふえております。これは当分はずっと私はいままでの勢いでいくんじゃないかということを考えております。ただ問題は、新幹線ができたために在来線のほうの収入が減っております。これは新幹線を考えるときには在来線と結び合わせてどうかということを考えざるを得ぬのでありますが、いずれにしてもやはり人間というのは速力、スピードというものを好むのですね。スピードのあるところ必ず旅客というものは集まってくる。新幹線なんというものはこれは何よりの例だと私は思いますが、これは遠き将来においては全国の主な幹線というものはやはり新幹線式なものになるんじゃないかということを考えておりますが、いずれにしても新幹線というものに対して私は非常に楽観しております。  現在は東京−大阪十分ごとに走っていますが、あれがさらにいまの勢いで旅客がふえていく場合には五分間隔にする、さらにこれがふえるともう一本新幹線をつくらなければならぬというような時期が、あるいは近き将来にくるかもしれない。まあいずれにしても、私のほうとしては岡山までは延ばす、岡山から北九州までは延ばす。これは相当に輸送力に対して輸送需要というものが一ぱいになっていますから、もうどうしてもふやさざるを得ぬ。そのほかの北陸のほうとか、あるいは東北のほうをどうするかということはまあしばらく模様を見てやるというように考えております。いずれにしても新幹線というものに対して私は非常に楽観しております。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 まあいろいろ承りたいと思いますが、大体時間がきましたから、国鉄がもっとやはり安全で、いまの新幹線が、いままでも安全でありますが、ひとつ事故のないように十分に注意されるように総裁にお願いしまして、私の質問を終わります。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員長 華山親義君。簡単にやっていただきましょう。

華山親義日本社会党

○華山委員 私は簡単にしようと思ったんですけれども、自民党議員のお話で、とにかく労働攻勢を盛んにやるんだというお話でありますから、私の話は短くいかないかもしれません。終わらなかったら、あしたまたやります。  伺いますが、今度の労働問題につきまして、整理をなさる、そういうことと、それからそういうことだけで鉄道の経営内容がよくなるんですか、どうなるのですか、見込みは。どれだけの部分がそのことによってよくなるのか、それをちょっと承りたい。

石田禮助日本国有鉄道総裁

○石田説明員 国鉄の経営が将来どうなるかというようなことは、国鉄人のくふう、努力と申すよりも、政府の政策というものが非常に大きなファクターをなしておるのでありまするからして、これはやはり政府の政策というものを見なければ将来というものを私としては予測することはできぬ。ただ問題は、いずれにしましても国鉄としては政府に対していろいろのことを要求しておるのでありまするからして、要求するためにはまずみずからの姿勢を正す必要がある、姿勢を正すという点からいえば、われわれとしては積極的な合理化によって国鉄の投資効果をふやすということとともに、経費というものを削減して積極、消極よろしきを得て国鉄のコンデションをよくする、こういうことであります。

華山親義日本社会党

○華山委員 そうしますと計数といたしまして、計数的に私聞くのですけれども、今度の合理化によるところの六百億とかおっしゃいましたそれによって、それがあればもうそれでいいのですか。それがあれば鉄道は赤字を脱却することができるのですか、どうなんですか。

石田禮助日本国有鉄道総裁

○石田説明員 国鉄の赤字を脱却するためには、赤字線をどうするかという問題、さらにいま直面しておる通勤輸送の問題なんかにしましても、これはやはり低利の金を持ってこなければならぬ、その低利の金をどうして得るかということは、これは四十三年の予算の問題だけではなくして、つまり今後の問題、四十六年までの、第三次五カ年計画の完成時までの問題であります。  御承知のとおり通勤の問題につきましては、第三次計画においてわれわれは約五千二百億の資金をもってやるということで始めたんでありまするが、その後における通勤輸送の客の増にかんがみて、とてもこんなことじゃだめだということで、五千二百億を七千百億にふやすということでありまするからして、その一端はつまり今度の政府の出資だとかというようなことで出たのでありまして、これはやはり今後とも通勤輸送の工事が完成するまでは続々として出るんだということ。そういうことによって資金を得なければこの完成はできぬ、こういうことであります。

華山親義日本社会党

○華山委員 労働組合に対してこれから交渉なさる上でも、これだけの合理化をやってどれだけの人を減らすんだ、そしてこういうことがあれば国鉄の赤字がなくなるんだという説得力がなければ、おまえのほうだけやるんだ、ほかのほうはわからぬのだ、これから交渉しますということでは説得力がないじゃないか。そういう説得力がなくて断固としてなんておっしゃったって、おかしいのです。ほかの労働組合だってそうでしょう。うちの会社はこういう状態なんです。これをこういうふうにして立て直すからひとつがまんしてもらいたいという、そういう説得力なくして、これからは政府に頼むんだ、一生懸命精力的にやります、しかしおれのできることは労働者の数を少なくして、やれることだけはおれが自分でやるから、そのほうは断固としてやる、ひとつがまんしてもらいたいといったって、労働組合はそういうことじゃ説得されませんよ。そういう説得力なくして労働組合に断固としてやるといったって、それは無理だ。それはだれだって鉄道を愛する、労働組合の人といえども鉄道を愛するだろうと思う。そうしてまた現在心配しておるだろうと思うのですよ。それで、こういうことで政府から取りつけたんだ、こういうことで政府から取りつけた、それについてはひとつ皆さん方も協力願いたいという態度でなければ、労働組合を説得できません。それがまた労働組合と経営者との間の一つの軌道なんです。鉄道員だけの問題じゃない。それを労働者の数を減らすことによって初めて政府を説得できるんだというふうなものの考え方は私は間違っておると思う。それは総裁、考えていただきたい。

石田禮助日本国有鉄道総裁

○石田説明員 私はどうも少し誤解されていると思うんですがね。国鉄というものは普通の民間企業と違うんです。つまり利潤が出たからその配当を労働者にやるという、労務者にやるというものとは違う。全くこれは公務員ですよ。公務員である以上は、国鉄総裁としての国鉄職員に対する義務、責任というものは、とにかく少なくとも三公社並みの給与というものをどこまでも主張していくということで、今日まで私としては足らぬなから国鉄労務者のために大いにやってきた。今後ともこの点を大いにやりながら一それで、これは民間の企業と違いますからして、何も利益が出るというだけが国鉄の仕事じゃない。いかにして国鉄というものに課せられたる仕事をするかということ、満足させるかということが国鉄職員としてやることなんだ。そしていまわれわれが合理化と言っているものは何も国鉄の職員を犠牲にしてやるのじゃない。この点はひとつ誤解のないようにしていただきたい。各人の労働量をふやしてその犠牲においてやる合理化と全然違う。国鉄というものはつまり相当の大きな出資をして、電気計算機だとかあるいは保線における機械化とか非常な金がかかるということでありまして、これは国鉄職員の犠牲においてやるものじゃないということだけはひとつ御承知願いたい。  それで私がこの合理化反対なんというものについていやなのは、要するに合理化することによって国鉄はりっぱな船になる。もしも合理化しなかったら穴だらけになってしまう。国鉄職員としては自分の乗っている船、自分が働いている船はほんとうにりっぱな船であるということになれば、これは喜んでしかるべきものだ。そこにおいてアメリカあたりの労働組合なんというものは、たとえば自動車労働組合のルーサーなんて者は合理化大賛成だ。これによって初めて自動車工業というものは生きていくことができる。そういうことで合理化によって国鉄は生きていくことができる、こういうことを考える場合には国鉄の労働組合あたりでも反対する理由は全然ない。要するに、国鉄の職員を犠牲にしてやるのじゃない。国鉄職員のためにやるのだ、こういうことをひとつお考えになれば、あなたの私に対する反論というものも少し根拠がくずれてくるんじゃないかというふうに考えます。

華山親義日本社会党

○華山委員 議論になりますけれども、国鉄職員を犠牲にしないというけれども、やめた人は犠牲になるのでしょう。それはいままで総裁が鉄道職員に対しまして非常に賃金その他の面で勇敢になされたことについては私どもよく知っている。犠牲にしない、犠牲にしないと言われるけれども、やめた人にいままでの給料をくれているというならこれは犠牲じゃないのですよ。やめた人は必ずいままでよりは何らかの意味で損害をこうむるのですから、これは犠牲でしょう。大体労働運動あるいは争議、そういうふうな場合は、労働時間とか労働の賃金とか、そういうことについても問題はもちろんありますけれども、多くの犠牲者が仕事を離れていくということに争議の争点が置かれる場合が多い。そういうふうなやめていく人については、五万人の人というのはやっぱり犠牲じゃありませんか。そういう意味において私は申し上げるのです。犠牲じゃない、犠牲じゃないとおっしゃいますけれども、そこに多少の違いがあるのじゃないでしょうか、どうなんです。

石田禮助日本国有鉄道総裁

○石田説明員 これはだいぶ誤解なさっていると思うんだ。結局、現在国鉄の職員というのは四十六万七千おりますが、来年の十月の一日までに五万人の人間をしぼり出すといっている。それは何も首にして出すのじゃないのですよ。依然としてやはり四十六万七千の人間はおる。ただ、仕事のやりっぷりを変えるということです。決してこれはあなたの御心配なさっているような国鉄職員の血によって国鉄が生きていく、こんな無法なことは考えてやせぬ。依然としてやっぱり来年の十月一日までに五万人の人間の合理化をやりますが、これは首じゃないのですよ。配置転換だけなんです。仕事をかえるのですよ。いままで百人のところが五十人、五十人のところは三十人にするということで、余った人間を必要とする部面に配置転換を指示する。むしろ配置転換というものについては、これに付帯して相当の犠牲がありましょう。しかしこの犠牲というものについては住宅その他の問題についてできるだけわれわれはひとつめんどうを見て、そういう犠牲というものは少なくするというあったかい気持ちがあるのは当然のことです。

華山親義日本社会党

○華山委員 それは私も少しものの考え方が違っていたようでした。首を切るのじゃないのですね。特に生ま首を取るわけじゃない。

石田禮助日本国有鉄道総裁

○石田説明員 絶対にそういうことはしません。

華山親義日本社会党

○華山委員 それから伺いますが、赤字線、赤字線とおっしゃいますが、現在の賃金の態様において、これから地下鉄駅を東京駅の前につくる、たいへんな金がかかるそうです。また総裁がおっしゃいましたとおり、今後通勤のためにはこの近郊線を拡大していかなければならない、そういうことで非常な投資が要るわけでございますけれども、この東京近郊——いままでは黒字線だったと思いますが、これが将来赤字線に転落することはございませんか。

石田禮助日本国有鉄道総裁

○石田説明員 通勤の問題については非常に大きな金がかかります。たとえば東京駅の前につくる地下鉄駅なんというものは二百四十六億もかかるということなんで、それについてはつまり普通の利息のつく金をもってしては国鉄というものは収支が合わないために独立採算がとれない。そこにおいてつまり通勤輸送というものは政府の住宅政策の一環であると考えるために、政府としてとうとい犠牲をしてもらうということで、私はそういう体の資金さえ得られれば、通勤輸送なんて決して収支の点については悲観する必要はない。それでこれは決して国鉄職員のために不幸にならないということを考えておる。

華山親義日本社会党

○華山委員 そうしますと、前提として政府からそういう投資がなければ赤字線ということは明白なんですね。

石田禮助日本国有鉄道総裁

○石田説明員 そのとおりです。

華山親義日本社会党

○華山委員 そうしますと赤字線はどうというふうなことは問題にならないじゃないですか。赤字線になるのは、つくらない、そういうことだったら全部できない。そういう見込みもなしに、将来赤字線の明白なものをやらなければいけない、そうだったならばこれは国から金をもらうことはあたりまえなんです。そういう見通しなくして、赤字線があるから国鉄は困るんだということは言えないはずなんだ。将来赤字線になるものはつくらないということだったならば東京近郊もやれない、こういうことになってくるのじゃないかと思う。そこに国鉄の特殊性がある。赤字線だからできないというふうなことは軽々にして言うべきものではないと私は思う。赤字線はやらないのだというふうな原則をお立てになることは私は非常に危険だと思う。そういう意味で、赤字線は整理するとか赤字線は今度建設しないとか、そういうふうなことは言うべきじゃない。またそういう原則は立つべきものではないと私は思うのですが、どうなんですか。まだ国から出るか出ないかわからないんですよ。

石田禮助日本国有鉄道総裁

○石田説明員 私は赤字線はやらないとは言わない。ただ現在の赤字線というものについて国鉄は非常な大きな損を負担しておる。しかも一方において独立採算制というものを維持していかなければならぬ。この矛盾をどうするかということで、赤字線をつくるとかつくらないとかいうことは国鉄総裁の関知するところではない。われわれとしては政府の命令なるがゆえにこれはどこまでも従順につくっていく、それによって非常な損が出た場合に、一方において国鉄というものは独立採算制というものを維持していかなければならぬ、こういうワクをはめられておりますからして、この矛盾をどうするかというのが赤字線の問題です。御了解願いたいと思うのです。

華山親義日本社会党

○華山委員 現実に矛盾が目の前に来ている。東京近郊についてはその問題はいま解決したいといっても、おかしいじゃないですか、解決にならない。おっしゃるとおりもう赤字が目の前に来ている。東京近郊といえども赤字線に転落することは目の前に来ている。その問題を解決しないで計画を立ててもしょうがない。独立採算制の原則、そういうものを破っていかなければ国鉄はやれないのじゃないか。

石田禮助日本国有鉄道総裁

○石田説明員 東京近郊の赤字線というのはこれは通勤通学線のことだと存じますが、ここにおいて、つまり国鉄がつくってそして赤字が出たからどうしてくれ、こういうことではなくて、つくる前に、こういうことで赤字線が出るがゆえに、独立採算制を維持するために、政府がこれに対して出資してくれとか援助してくれということを申しておりまして、これはちょっとあなたが誤解されておるのではないかと思う。これは非常な赤字になる。ゆえに政府がひとつ出資してくれということにちゃんときまって、そういう線でやっておるのでありまして、いまの国鉄がかかえておる赤字線とは違う。あれは政府の命によってつくったので、これは赤字はどうにもならぬ。これは独立採算制を維持する上に何とかしてくれということなのであります。

華山親義日本社会党

○華山委員 そうしますと、いまどうしてもやらなくちゃいけない東京の通勤通学の線に巨額の投資をやるといっていらっしゃいますけれども、あれは政府のほうと赤字は出さないという約束のもとにやっておる、こういうことでございますか。

石田禮助日本国有鉄道総裁

○石田説明員 つまり通勤輸送の増強によって、普通の借金をもってしては赤字が出るというのははっきりしております。だから、この通勤輸送の問題というのは国鉄の責任でもあるが、政府により大なる責任がある。政府で出資すれば国鉄としては低利の金をもってこれを建設することができる。そうすれば通勤輸送のほうは赤字にはならぬということなんでありますから、その赤字線に備えての準備行為なんで……。

華山親義日本社会党

○華山委員 政府と約束のできないうちは着手なさらない、こういうことですか。

石田禮助日本国有鉄道総裁

○石田説明員 これは独立採算制というワクを取ってくだされば別ですが、独立採算制のワクの中でやれといってもできない。だからして、そういう金がなければやれぬ、こういうことです。それははっきりしております。

華山親義日本社会党

○華山委員 それから、最後に聞いておきますが、総裁はこの前おっしゃいましたけれども、第三次計画というものはちっとも変更する考えはない、そういうふうにおっしゃった。そのためには国からのいろいろな出資、そういうものを期待する。しかし現在のところ変更する、延長する気持ちは少しもないとおっしゃった。いまでもそうでございますか。いまでもやはり第三次計画は、あの沿線の看板に書いてあるとおり全部年次内にやるおつもりでがんばられるということですか。

石田禮助日本国有鉄道総裁

○石田説明員 こまかい点につきましては多少是正しておるところがありますけれども、大体の大ワクについては第三次計画のあのままの線というものは必ず完成しなければならぬ。これは国鉄としてぜひやらなければならぬというふうに考えております。  ただ問題は、通勤輸送につきましては初め五千二百億というのを、その後の情勢によって五千二百億では足らぬ。これは七千百億くらいにふやしていこうというようなことで、全然もとどおりじゃありませんが、とにかく大体において通勤輸送以外の問題につきましては、ほんとうにこまかい点につきましては是正する気持ちはありますが、大綱においては変わらぬということを申し上げておきます。

華山親義日本社会党

○華山委員 政府からの出資等期待しなくてもだいじょうぶですか。

石田禮助日本国有鉄道総裁

○石田説明員 私は、通勤通学の問題以外は、これはほとんどが幹線でありますからして、高利なら別ですが、普通の利息のつく金をもってすれば大体収支というものは償っていく。したがって政府の援助というものは受けぬでも済むのではないかと考えております。

華山親義日本社会党

○華山委員 そうしますと、通勤通学の問題は政府のほうが考えない以上はやらぬ。そうして片一方は四十三年度はやるのだ、こういうことになりますと、通勤通学のために金がかかるから、地方等におけるところの四十三年度の計画は延びる、そういうことはないのですね。

石田禮助日本国有鉄道総裁

○石田説明員 つまり地方の幹線の輸送力増強というものは利息のつく金をもってしてもできるのでありますから、その金を通勤のほうに回すわけにいかぬ。幹線のほうは、大体予定どおり政府が借金のワクさえ認めてくださればやる。この点については全然変わっておらぬのであります。

華山親義日本社会党

○華山委員 原則はわかりましたから、そういうことで私はくにに行きまして、四十三年度の計画どおり、たとえば奥羽線はやるのだ、通勤通学のために金が要るから延びるということはうそだ、こういうことを言ってもよろしゅうございますね。

石田禮助日本国有鉄道総裁

○石田説明員 差しつかえありません。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員長 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。    午後零時四十五分散会

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