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57回国会衆議院1967/12/14

科学技術振興対策特別委員会 第3号

発言数
77
登壇者
11
会派数
4
開催日
1967/12/14

会議録

沖本泰幸公明党

○沖本委員長 これより会議を開きます。  最初に、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。  原子力発電に関する問題調査のため、本日、日本原子力発電株式会社常務取締役吉岡俊男君を参考人として意見を聴取いたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

沖本泰幸公明党

○沖本委員長 御異議なしと認めます。よってさように決定いたしました。     —————————————

沖本泰幸公明党

○沖本委員長 次に、このたび新たに科学技術庁長官に御就任になられました鍋島直紹君及び科学技術政務次官に御就任になられました天野光晴君より、それぞれ発言を求められておりますので、これを許します。鍋島国務大臣。

鍋島直紹自由民主党科学技術庁長官

○鍋島国務大臣 ごあいさつを申し上げます。  私は、このたび科学技術庁長官を拝命いたしました鍋島でございます。まことに浅学非才でございますが、拝命いたしましたこの重責を懸命に果たすことによりまして、わが国の科学技術振興に微力を尽くすべく念願しております。委員各位の御支援と御鞭撻を切にお願い申し上げる次第でございます。なお、特に私は参議院出身でございますので、おなじみのない方もございます。どうかよろしく御指導をお願い申し上げる次第でございます。  これからの世界を考えますと、豊かな社会の建設も、産業、経済の発展成長も、すべて科学技術の進歩とその利用に待つところが大きいのでございまして、わが国の科学技術行政の重要性は、あらためてここで申し上げる必要はないかと存じます。  この観点におきまして、第一につとめるべきことは、研究投資の拡大でありまして、経済社会発展計画に示されているように、国民所得の二・五%程度まで持っていくことが必要であります。また、その実現をはかるにあたって、国の負担割合の拡大に極力努力することが必要であるかと考えております。  また、原子力利用、宇宙開発等の超大型技術、科学技術振興の中心となる大型技術等の科学技術の研究開発は、国全体として計画的、総合的に進められることがきわめて重要かと存じまして、このため科学技術基本法をでき得る限り早く策定いたしたいと考えておるわけでございます。  また、国の総力を上げて取り組まなければならない超大型のテーマにつきましては、特別の研究開発体制がすでにとられているものもあり、また、宇宙開発等につきましても同様の体制を整備するよう、現在検討を進めておるのもございます。この必要な体制は、これをできるだけ早く実現すべく全力を傾けてまいりたいと考えております。  また、こうした研究開発の成果をあげますのには、資金の問題だけでなく、その基礎となりますすぐれた人材の養成と、研究環境の整備が必要でありまして、その促進にでき得る限り努力する所存でございます。  さらに、これらの施策を進めるためには、国民すべての御理解と御協力を得る必要があり、このため科学技術に関する普及啓発につきまして力を注いでまいりたいと考えております。  科学技術の振興は、国の繁栄の基盤をなすものでございますが、所要の体制の整備、または諸施策の具体化にあたりましては、目前に多くの難問題が山積いたしております。科学技術行政の円滑な遂行のために、委員各位におかれましても一そうの御支援、御協力を賜わりますよう特にお願いを申し上げる次第でございます。  以上をもちまして、私のごあいさつにいたします。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)

沖本泰幸公明党

○沖本委員長 次に、天野科学技術政務次官。

天野光晴自由民主党科学技術政務次官

○天野政府委員 このたびの内閣改造にあたりまして、はからずも予期せざる科学技術政務次官を拝命することになりました。  皆さま方御案内のように、私の科学技術政務次官というのは、ちょっと木に竹をつないだような感じがいたしますことをみずから自認をいたしておるわけでありまして、よほど勉強しないとおしかりだけをこうむるのではないかという感じがいたしております。一生懸命勉強いたしますので、委員各位の格別な御配慮によりまして、任期中つつがなく過ごさしてもらうようにお願い申し上げまして、ごあいさつにかえます。(拍手)     —————————————

沖本泰幸公明党

○沖本委員長 科学技術振興対策に関する件について調査を進めます。  先刻おはかりいたしました原子力発電に関する問題調査のため、参考人として日本原子力発電株式会社常務取締役吉岡俊男君に御出席を願っておりますので、この際吉岡参考人に一言ごあいさつを申し上げます。  本日は、御多用のところ、本委員会に御出席くださいましてまことにありがとうございます。どうか忌憚のない御意見をお述べくださるようお願い申し上げます。  なお、御意見の聴取は質疑応答の形式で行ないますので、さよう御了承願います。  質疑の申し出がありますので順次これを許します。石野久男君。

石野久男日本社会党

○石野委員 私は限られた時間がありまして、その時間内にすべてを終えなくちゃいけません。大臣が初めての位地につかれたのでございますから、実は全般的な御質問をしたいのでございますけれども、きょうは原子力だけのことで一、二今日問題になっておる点だけをひとつお尋ねしたいと思うのです。その間に参考人の意見もお聞きしたいので、ぜひひとつ答弁は簡潔に要点だけにしてくださるように、あとでまたこまかいことはお尋ねいたします。  最初に、いま原子力の開発について、昭和六十年に向かって約四千万キロワットの原子力発電をしようとする体制が、総合エネルギーのほうから出ておるわけでございまして、原子力委員会もそのことを着々と進めておりますが、私どもずっと見ておりますと、いま各電力会社がそれぞれに自分たちの企業の立場から敷地を求め、設営をしているという状態でございます。これからの原子力発電というのは、そのキャパシティーも非常に大きくなってまいりまするし、従来の水力や火力と違いまして、できることならば、これは今後国が大きなプロジェクトの中で炉の開発をしようとしているときでございますので、こういうふうに個々ばらばらに各企業が発電所の設営をするということにつきましては、事業団をつくった趣旨からいいましても、また、今後の電力行政の上からいきましても、原子力開発の上からいきましても、問題があるのじゃなかろうかと思います。そういう意味で、やはり動力炉開発及び原子力発電という問題については、できる限り全国的に統合の体制が行なわれていき、国がそれを全体として一元的に把握していくというような形がいいのじゃなかろうか。しかし企業等の現実から見ますと、なかなか一元化というのができないとするならば、むしろいま九電力あるものを、それを一つにできなければ、二つか三つに地域的に分割して、そして、そこで発電所をつくる。それを各電力会社に売電するというような形もあるのじゃなかろうかというように考えます。そういうような問題を含めて、電力行政、特に原子力発電に対する大臣の考え方がもしまとまっておありになるのならば、ひとつこの際所見を聞かしていただきたいと思います。

鍋島直紹自由民主党科学技術庁長官

○鍋島国務大臣 私も新米でございますので、十分のお答えはできないかと思いますが、簡単に申し上げたいと思います。  原子力発電がもうすでに実用の時代に入りまして、各電力会社もそれぞれ大きな資金をもって原子力発電の実現に当たられておる実情はすでに御案内のとおりでございます。そこで、いま石野委員が言われましたように、これの一元化というようなことにつきましては、まず科学技術庁の任務としては、確実に平和利用をしていくこと、あるいは危険防止のためのいろいろな規制あるいは危険防止のための指導、あるいはそういった観点から見るいろいろな抑制といいましょうか規制等が行なわれるわけでございまして、これは科学技術庁として、国として当然やるべき任務であろうかと考えております。  ただ、今度は各自においてこれを行なっていく場合、現在通産省が各電力会社のほうの行政をやられておる。したがって、一元化ということを考えていきます場合、科学技術庁と通産省と一緒になった一元化ということもありましょうし、電力会社だけ一元化して通産省の指導のもとに発電をしていくというような問題、二つあるかと思いますが、現在のところ科学技術庁としては、科学技術的見地に立ついわば平和利用あるいは危険防止というような技術的な面における指導をしていくことによって、各発電所の発電に関するいろいろなことにつきましては、そこまで一元化しようというところまではいっていないようでございます。まだそこまでいく段階まで考えておりません。各電力会社の日本における一元化というようなことは、通産省でおやりになることでございますので、これはまた通産省といろいろお話をしていきたい、こういうふうに思っております。

石野久男日本社会党

○石野委員 科学技術庁としてはそれ自体結局通産行政に類するような問題については考えていないにしても、事業団をつくって炉の開発をしようという段階で、事業団の仕事と、それから各電力会社が原子力の電力会社をつくっていくということとは、無関係なものじゃないわけです。そのことはやはり、二十年の長期にわたるところの事業団計画というもので高速増殖炉をつくろうという中では、当然一体のものとして考えなくてはならぬと思っております。  それからもう一つは、やはりこのキャパシティーが非常に大きくなっていくことと、それから設営する場所の関係等もありまして、たとえば東北電力と東京電力なんかは、当局がそう言わなくても、事実上、もう会社同士で話をして、共同で仕事をするというような事態が出てきていると思うのです。監督の衝に当たる通産省はもちろんですが、それを進めようとする科学技術庁のほうで、そういうことであとから追っかけているようなことでは、これはどうにもならないので、もっと先へ先へ——そして、しかも、原子力発電というものは相当金が要るわけです。一会社だけのものではとても——アメリカの軽水炉を買っている間はいいですけれども、高速増殖炉だ、新型転換炉だというような大きなプロジェクトに取り組んで、しかも、その取り組む中で、ユーザーである各電力会社が事業団に協力するという実情から見ますと、科学技術庁はそんなことを言っておったら、いつでもあと馬になっちゃっているということになるのじゃないかと思う。もう少し積極的な体制がなければならぬのではないか、こう思うので、私は大臣にひとつ所見を聞いたわけです。大臣が、やはり実業界のあとを追っかけていくんだというなら、これはやむを得ませんけれども、そんなことでは科学技術委員会を持っている意味も何もありません。だから、この際もし科学技術庁自体の問題でなければ、通産省と積極的にそういう問題を話し合うということが必要じゃなかろうかと思いますが、念のためにもう一度そういうことについて……。

鍋島直紹自由民主党科学技術庁長官

○鍋島国務大臣 ただいまのお話はごもっともだと考えます。なお、私も就任したばかりで事情がまだよくわからぬ点もございますが、いまのように、将来転換炉あるいは高速増殖炉等になっていけば非常な資金がかかりますとともに、相当国の力というものが一本になって、業界とともにこの開発に従事しなければならぬというお説につきましては、ごもっともだと思います。したがいまして、今後この問題につきましては——現在においては通産省と科学技術庁との関連においてなかなかおいそれとはまいりませんけれども、そういう意味における通産省との連絡なり協調なり話し合いなりということは、いまのような御趣旨によって積極的にやってまいりたいというふうに考えます。

石野久男日本社会党

○石野委員 電力行政上、原子力発電所の持つ意味が、現在もそうですが、過去における水力や火力のそれよりももっと大きなウエートで、日本の総合エネルギー問題を解決するために大事な問題になってくると思うので、そういう点についてはひとつ積極的に考えてもらいたいと思います。  原子力の開発については、先ほど大臣からお話がありましたように、これの平和利用及び安全性を確保する、危険防止のことについては、科学技術庁が特に注意しなければならぬ点だと思います。私は、原子力の開発の上について、炉の安全それ自体についてももちろん問題はございますが、各地に原子力発電所というものができてまいりますと、それらのものについての安全性の確保は、やはり科学技術庁自身が相当程度これに取り組んでいかなければならぬ問題だと思います。そういう意味で安全性に関する問題で、特にきょうは、最近この原子力発電について起きている問題で参考人も来ていただいておりますが、吉岡さんに、最近東海村の原子力発電所で起きた事故、これは放射能に関係するところまでの事故ではなかったようでございますけれども、しかし、もしこの事故の収拾がうまくいかなければ、やはり炉心にも影響するものであることは間違いないのでございまして、そういう点で、先般ありましたあの事故について、なぜ起きたか、それで問題はどういうところにあったか、それによって被害はどれだけあったか、問題点だけをきわめて簡単に報告していただきたい。今後の処置につきましては、きょうは時間がありませんから、あとでよろしゅうございますから。

吉岡俊男日本原子力発電株式会社常務取締役

○吉岡参考人 今回、東海発電所におきまして火災事故を発生して人身の死亡、傷害の事態を引き起こしたことにつきましては、まことに遺憾に存じております  先ほど石野委員もおっしゃいましたように、このたびの事故は原子力発電所の事故ではありましたけれども、原子炉に直接関連するものではなく、また、放射能の障害を伴う性質のものではなかったのでありますけれども、私どもといたしましては、このような事故が再び起こらないように最善を尽くす所存でございます。  事故の概況を申し上げますと、事故が発生いたしましたのは昭和四十二年十一月十八日十一時二十分であります。事故の発生いたしました場所は、東海発電所の二号ガス循環機室でありまして、この事故の起こりましたときには、ちょうど十六万六千キロワットの全出力運転をいたしておりましたが、東海発電所の日常の点検、手入れといたしまして、この循環機の潤滑油の清掃をいたしますストレーナーといって清浄機がございますが、それにだんだんかすがたまってまいりますので、それをきれいにするための作業が大体月に一回ずつ行なわれているわけでございます。それで、それを行なうためには通常使っておるストレーナーと、その横に予備のストレーナーがございまして、それを切りかえまして油圧のないことを確認した上で、よごれている清浄機をきれいにするという作業が行なわれるわけでございます。こういう作業につきましては、われわれといたしましては非常に気を使っておりまして、手順がはっきりきめられております。まずそういう作業を行なう場合には、あらかじめ運転課員の作業許可というものをとるわけでございます。そのために、まず運転課員がそれを予備のほうへ切りかえます。そして、それが切りかわったことをさらに確認しまして、作業員に作業を命ずるわけでございます。その手続は全部踏みまして、そして十一月十八日の十一時二十分ごろに、当社の工務部の水野というのが指揮者となりまして、下請の太平電業の作業員三名を使ってこの清掃作業に着手したわけでございます。念のために、清掃作業をやる前にもう一度運転課員二名が立ち会いまして、その切りかえが行なわれているということを確認しまして、そうして作業を始めたわけでございます。清浄機はふたがございまして、ふたには四つのボルトがあるのですが、それを通常の手順に従って初め二つ取りはずして、次の二つを取りはずしかかったところが、急に油がふき出したのでございます。それで作業員は驚いて切りかえレバーを動かしたのでございますけれども、切りかえがうまくなくて油がふき出し、そして、その油が上部にふき出したために火がつきまして、それで火災事故が起こった。このときに、火災発生と同時に、大部分の作業員は直ちに退避したのでございますけれども、当社の水野氏は、さらに事故の原因を確かめようということでございましょう、奥のほうに入ったために逃げおくれまして火傷を負いました。そして、私どもとしましては、直ちに本人を晴嵐荘に運んで手当いたしたのでございますけれども、不幸なことには水野氏は翌日死亡したわけでございます。  しかし、その火災事故に戻りますと、火災事故は、ちょうど循環機室にはスプリンクラーと申しまして、温度が上がりますと水を注水する装置がございます。それで約一分後ぐらいにはスプリンクラーによる注水が開始されまして、火災事故は非常に短期間に終わっております。そういうことで被害の状況といたしましては、循環機室が二号の隣に一号がございますが、そのまん中に循環機を制御する制御盤がございます。その制御盤あたりが水をかぶったり油がかかったりしましたために痛みまして、あるいは一部ケーブルの表面が焼損したものもございますが、そういう被害がございまして、発電所は約一週間ほど停止いたしました。そして一週間後に、その二号の循環機を除きまして、四つ循環機がございますので、三つの循環機で運転しております。残りの一機につきましても、近く完全に点検、手入れを終わりまして、今週中には運転開始する予定でございます。  ところで、このような事故を起こしました原因といたしましては、清浄機の、バルブで切りかえる切りかえの操作機構が、レバーでもって右左に切りかえるのでございますけれども、そのレバーとバルブ本体とを結んでおりますピンがございます。そのピンがどうした事態か折損いたしておりまして、レバーは十分に回って切りかえたことをはっきり示しているのでございますけれども、実際の中身のほうが動いていなかったということでございます。そういうことで、作業に従事しておる者としては、もう所定どおりの手続をやり何ら遺漏はない。それから、われわれのほうの運転規程につきましても十分な注意が払われているわけでございますけれども、何ぶんそういうピンが折れるということまではわれわれは予想しておりませんでした。これはステンレススチールの五ミリ八分ぐらいのピンでございまして、そう折れるものではございません。それが、どういう原因か、折れた。これについては、さらに金相学的の究明をいたそうといたしておりますけれども、そういうことでこの油がふいたという事故は非常に不幸なことで、われわれ予期せざることであったのでございます。その油がふきますと、油は大体発火点が三百五十度から四百度ぐらいのものでございますが、ベーパーになりますと、噴霧状の場合は、引火点が二百数十度ぐらいになるわけでございます。ですから、どういう原因で油に着火したかということにつきましては、いろいろな考え方があるわけでありまして、たとえば上部のほうに循環機を回すタービンがございます。そのタービンには一部高温部があるわけでございます。三百度以上ぐらいのところがございます。そういうところに触れて着火したのか、あるいは電気回路もございますので、電気回路に触れて着火したか、その辺のところは確実にはわかりませんが、その二つのいずれかだろうと思います。この油そのものの発火点はいま申しましたように三百何十度でございますから、簡単に引火するものではございまんけれども、不幸にしてそういう噴霧状になったために火がおこったということでないかと思います。私どもとしましては、今後こういうことを二度と起こさないようにしますために、さしあたりといたしまして、関係の機器につきまして十分いろいろ調査しまして、今後はかりにピンが折れておっても、確実に切りかえが確認できるような方策をもうすでに全部講じております。それからまた、かりに不幸にして油がふくようなことがあっても、上に飛び散るようなことがないように、作業のときにはカバーをつけるとか、そういうような作業手順等についても、今後はそのようにする予定でございます。したがって、今後はこのような事故は再び繰り返すことはないと思いますけれども、今回私どもとしては非常に不幸なことだと思っております。  そこで、負傷者及び被害者のことをちょっと簡単に申し上げますと、あとの若干の負傷者、軽い負傷者は全部退院いたしまして出社しておりますが、水野氏は、先ほど申しましたように、不幸にして死亡されましたので、私どもとしては、できるだけのことをしたいと思いまして、社葬としまして氏の霊を慰めまして、同時に、法定されておりますいろいろ一時金だとか年金等も遺族にありますが、それ以外に、会社としてのできるだけのことをするということで、補償金等を支払いまして、そうして遺族の方と十分御相談いたしまして、現在は、今後の問題を含めまして円満に解決いたしました。それで遺族の方も、奥さんは看護婦をしていらっしゃいますし、長男の方は仕事をしていらっしゃいますが、次男の方はまだ学校に行っていらっしゃるのですけれども、その方の職業についても、将来必ず職業につけるように手配いたしてございます。  以上、簡単でございますが……。

石野久男日本社会党

○石野委員 この事件につきましては、いろいろまだこまかく聞きたいことがありますが、問題は結局レバーの、とめてあるピンが折れているということ、しかも、これはステンレスでできているもので、折れるはずがないと思うようなものが折れているというところに問題がある。出たものが、あるいは油圧管なりあるいはタービンなり電気回路とかいうものに当たって発火したかどうかは、ピンが折れないで、ふたが所定のとおりの位置に回っておれば——私も現場を見ておるわけです。それで惨状は、たった三分間ぐらいの火事でございましたけれども、天井までずっと突き抜けて、あっちこっちみな黒焦げになっているわけです。それは、ここで言うような簡単なものではございませんでした。幸いにして、あまり大きい事故でなかったことは喜ばしいことだと思いますが、おそらく想像もつかなかったような事故がああいう形で起きておる。ここで私は、安全性の問題についてやはり炉の——炉本体もそうでございますが、それに関連する付属の設備とか、あるいはそれの末端設備にしましても、設計上の問題とか操作上の問題、いろいろあると思います。そういう問題でこれは十分注意してもらわなくちゃならぬと思っております。会社のほうでは、事故のありました水野さんに対する扱いをいろいろなさっておりますので、これは組合の諸君や何かもいろいろ努力していることですから、それはまた別の機会に論議するといたしましても、ここで私は大臣のおる時間に、短い時間の中で参考人にこのことを話してもらって時間をさいたのは、ほかじゃない、安全性の問題について、どんなにささいなものでも私たちは注意をしなければならぬということをここで考えてもらいたいのです。潤滑油の問題については、幸いにして、事故はあまり大きくなりませんでした。それはスプリンクラーがうまく活動しまして、火災はほんとうに二分か三分でおさまったのですから、けっこうなことです。だけれども、もしこれがとまらないでおれば事故は大きくなります。それだけではなくして、もし操作がうまくいかないで潤滑油が順調に動かないというような事態がかりにあったとすると、今度は炉心に影響が来るわけですね。こういうことでございますので、私は安全性の問題についての関心をもっと高めてもらいたいということは、このわずかな——わずかといっても、人を殺しているのですから、たいへんなことですが、非常に末端の、炉心からはるかに遠い、ただ建屋に入ったすぐそばのところですよ。あけっぱなしのところでございますが、こんなものがと思うようなところで事故が起きているのです。この事故を通じて、やはり安全性に対する重大な関心を、施設者もそうでございますけれども、監督官庁も十分持ってもらいたいということをここで申し上げたいわけでございます。これは、和知ダムにおけるところの事故などにつきましても、まさかと思うようなことがああいう事故になっておる。これは下流に人がいなかったから事故が少なくて済みましたけれども、しかし、もし下に人家がたくさんあればたいへんなことになっている。だから、私は安全性の問題について、もっときびしい監視が必要であるということをここで強調したいわけです。  先般、私が科学技術庁のなにで海外旅行しまして、それで十カ国の施設を見てまいりました。特に先般私は二階堂前大臣のときに申し上げたのですが、私は炉の施設と立地条件についてもっぱら調査をしてまいりました。その結果としましては、東海村におけるところの施設が周辺地域との関係において、その立地条件的な立場からしますと、非常に過密であるという結論を私は持ってきておるわけでございます。  問題は二つございます。一つは、炉の設計についての基準をどうするかという問題で、時間がございませんから、私はここではもう論議を展開しませんが。すでにこの九月からアメリカでは、原子力発電所の建設認可のための一般設計基準というものを七十項目について出しておる。この基準は九月十九日でございましたか、期日新聞もその内容について若干の紹介をしておりまするが、これは非常にきびしいものです。たとえば安全性についてのいろいろな設計基準というものについては、一つの理論だけのものじゃだめだから、二つの理論のものを併置しろということまで書かれておる。電源をとるについても、一つの回路ではだめだから二つの回路をとりなさい。その上になおかつ自家用発電機も一台ではいけないから二台置きなさいということまで書いてあるほど、きびしいものなんです。このアメリカの設計基準に対して、日本ではどういうふうにこれを受けるか。おそらくこれは産業会議なんかでもいろいろ検討しているし、当局もこの問題は論議しておるところだと思いますが、こういう問題についての資料なりあるいは考え方等もここでひとつ述べていただきたい。私がなぜそういうことを言うかというと、アメリカなどは、日本と比べまして、敷地の関係では、日本よりはるかに潤沢な敷地を持って、周辺地にはほとんど人がいないようなところで炉をつくっており、発電所をつくっておる。これらでさえもこれだけのきびしい基準を設計基準として付与しようとしております。ところが、日本の東海村はわずか百万坪、多くても百二十万坪でございますが、その百二十万坪くらいのところで、先般も私は申しましたように、五キロか十キロのところには五十万も六十万もの人がおる。世界にはこんな稠密な人口をかかえたところの施設を、しかも、あのように原子力研究所やあるいは燃料公社——いまは事業団でございますが、それにやはり営業用の原子力発電所、それで新しくまた再処理工場などもつくろうという考え方を持っておるわけでございまして、そういう立地条件からするところの周辺人口に対する配慮というものは全く皆無だといってもいいような状態でございます。先ほど参考人からもお話があったように、ステンレスのピンは、おそらくこわれるはずはないものだと思っているようなものでございます。それがこわれているわけです。しかも、操作した人は、バルブを回したときに、そのハンドルは適切に動いたという認定をしておるわけです。一度認定して、また再度の認定をしておるけれども、ふたはこちらへ動かなかったわけですね。前のふたはあいておって、しまったふたはそのままになっているというような、これだけ二重の点検をしても事故が起きておる。こういうことを考えるというと、人知の及ぶところはなかなかすべてをきわめることができないということがここで証明されておると思うのでございます。原子力発電所、特に放射能の危険性というものは、これはもちろん四日市もガスの危険も大きゅうございますけれども、より以上に大きいことは、日本人自身が原爆の被害の中でよく知っておるわけです。私は、原子力開発については、積極的に開発をしなくちゃいけないけれども、同時に、積極的に安全性を確保しなければならぬというふうに考えております。それについては、設計上の問題と、それから立地条件というものがきわめて重大です。立地条件におけるところの過度集中、私は事業団の法案をつくるときに、この過度集中の問題では適切な配置ということばで附帯決議に入れましたが、この過度集中は絶対に許してはいけないと思います。そういう観点について、私は大臣に十分な配慮をしていただきたい。その配慮の上にいろいろな敷地をつくってもらわなければいけない。そういうこともかね合わせて、私は、原子力の施設をつくるについては、各企業体がばらばらにやるようなことではいけないのだということ、国が、そういう問題については、規定の敷地なら敷地を国の責任において求めるくらいのことをすれば、周辺地域の人々との話し合いももう少しうまくいくはずなんです。  私は各国を見まして、いずれの国においてもみな周辺地域との間にはオープンに、きわめて民主的に、公開の原則に基づいて、危険なものは危険なんだということで話を進めているのです。日本の場合には、周辺地域の人には原子力はあぶなくないのだ、あぶなくないのだということで話を進めていっておる。たとえば静岡県におけるところの問題にしましても、地域で反対がある。今度は中部電力がやろうとする。ところが東海村については、東海村はこういうふうになっているのだからだいじょうぶなんだということで推し進めていこうとしておる。それだから、地域住民は賛成しないですよ。だから、もう少し謙虚な立場で、あぶないものはあぶないのだ、しかしこういうふうにするのだから、あなた方も安心してくださいよというやり方をしなくちゃいけない。私はベルギーのユーロケミクでそのことを現実に聞いてきているわけですよ。向こうでは、あぶないから地域住民には退避訓練もやりますけれども、あなた方は安心してくださいよというやり方をしている。そういうようなやり方をもう少し大胆に取り上げてもらいたい。私は、あまり時間がありませんから、この安全性の問題について、アメリカが示しておるこの設計基準については、日本はどういうふうに受けとめようとしておるのか、それから立地条件については私の先ほど来申し上げておることについて、大臣はやはり十分配慮して、事業団の法案が成立するにあたって附帯決議の第五項に書かれておるところの適切な配置という問題について十二分に配慮する用意があるかどうかということだけを聞いて、時間がありませんから、私の質問は終わらしていただきたいと思います。ひとつ御答弁いただきたい。

鍋島直紹自由民主党科学技術庁長官

○鍋島国務大臣 ただいまの石野議員のお説は、私自身まだ日浅いのでございますが、十分肝に銘じて、いろいろな点につきましては今後研究をいたしたいと思います。特に、アメリカにおける安全性を確保するための炉の設置基準あるいは今後いろいろな施設、原子力関係、放射能関係の施設を講ずる場合の安全性に関する設計基準といいますか、設置基準といいますか、それらにつきましては、これはもうすでに原子力局においてそれぞれ受け取ってやっておるかと思いますが、私、初めて伺いました。したがって、この点については十分検討をさせまして、そして、日本は日本なりにひとつ十分安全性を確保できるような形で進めてまいりたいと思います。  次に、立地条件の問題でございますが、この問題につきましても、いまの日本のような狭い国であれば、アメリカのような広大な国、ソ連のような広大な国とはおのずからその設置、そのほかについて違ってくるかと思います。これは国土の広さ、そのほか、人口の分散、あるいは社会事情、経済事情その他いろいろな要素が入って、やはりおのずから国の特徴がございますので、なかなかアメリカのようにはまいらぬかと思いますが、要するに、その立地条件をきめ、あるいはそれを設置する場合に、PRしていく場合、いまのような、ただ安全性だというのじゃなくて、日本の教養水準からいえば、よりよく今日の原子力の事態はわかっていただけるかと思います。したがって、そういう意味からいえば、もちろん危険性は危険性として、それは十分お話しをし、しかも、その上に立って、こういう安全性を持っておるのだ、安全装置をしておるのだ、防止をしておるのだというような、いまお話しのような形において十分当該地の御了解を得るような形でひとつ今後努力をいたしたいと考えております。

石野久男日本社会党

○石野委員 私はこれでおきますが、ちょっと一言だけ。いまの御答弁で、日本は狭い国で人口が多いからということをよく言われるんです。この点はちょっとそういうふうに言われると、もうどこへ行ってもそれがあたりまえのように感じられるのでございますが、そうじゃない。決して狭くはないのです。人口は確かに過密でございますけれども、施設をつくるのに適切な土地は、求めようと思えば幾らでもあるんです。ただ、しかしそういう土地は、企業をやる方々が、コストを安くするために、便利な地域を求めようとするから求められないのです。しかし、各国を見てみますと、決して日本のように市街地に近いところに設営してはいないんですよ。水力発電所のように、非常に山奥だとか、あるいは人家から非常に遠いところをみな求めておるのです。ベルギーなどという国は、日本より大きくはないのです。それでもやはりいいところを求めております。これはやはり企業をやろうとする人々が、採算本位で、自己の採算をとるためのことばかり考えて、周辺地域の人々の安全性を考えない。人口が多くて国が狭いということを常に言うのだけれども、そうじゃない。そんなことは日本では通らないのです。幾らでも日本にも適地がある。だからそういう点は、大臣はひとつ思いを新たにして、もう少し積極的に原子力の開発と周辺地域の人々に対して安全性を確保するということを配慮してもらいたい。これは私の希望ですから、申し上げておきます。  私の質問は、時間がありませんから、これで終わらしていただきます。

沖本泰幸公明党

○沖本委員長 次に、三木喜夫君。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 いま石野さんから原子炉の問題について、その安全性の問題をお話しになったと思うのです。私も、大臣新しく御就任いただいて、まだこういう問題に詳しくタッチされていないと思いますので、ややこしい論議はしようと思いませんけれども、しかしこの安全性の問題は、いよいよ今後各地に電力会社が原子力発電をやる段階になってさましたら、考えなければならない科学技術対策の重要問題だと思うのです。私たちが聞いておる範囲内では、原子炉を納めるところのアメリカの会社が原子炉の安全性については責任は完全によう持たぬ、これくらいまで言い切っておるわけなんです。だから、日本は日本として、原子炉の問題につきましては、十分その安全性について特別な配慮をしなければならぬ。これは重大な命題だと私は思うのです。  それからまた、イタリアに原子力発電所をつくって、その廃棄物を地中海に流すという問題が起こったときに、地中海は絶対によごさない、こういう強いイタリアの国の姿勢があるようであります。いま日本海の沿岸にずっと次々と電力会社が原子力発電所をつくるわけなんですが、これについても廃棄物の処理は、原子力委員会では、それぞれ専門の委員会があって検討はされておると思います。しかしながら、廃棄物がたまって最終的な処理といったらたいへんなことになると思うのです。これなんかもひとつ十分に考えていただいて、恒久的な策を立てていただく必要が私はあるんじゃないかと思うわけです。私たち動燃事業団をつくるときに、高速増殖炉あるいは転換炉をつくることは日本の急務であるという観点から、この点を推進してまいりましたけれども、一方で、そうしたただいま石野さんが言われた点、それから廃棄物の処理というものを誤りますと、国家、民族の将来に影響するところの汚点を残すのではないかと私は思いますので、十分御配慮をしていただきたいと思うのです。これはつけ加えになって失礼なんですが、それだけ石野さんの質問に対して加えておきたいと思うのです。その他、参考人の方にも聞いておいていただきまして、私も参考人の方に個人的にまた御意見を承りたいことがありますので、この場では御質問は省略させていただきたいと思います。  それでは、私きょう新大臣に二つ御質問申し上げるというよりも、御覚悟のほどをひとつお聞きしておきたと思うのです。  それは、原子力と宇宙開発とは重要な科学技術庁の問題になっておるだろうと思うのです。前大臣からもよくお聞きになっておるだろうと思いますが、宇宙開発につきまして私たちは非常に心配しておる点があるわけなんです。それは一元化体制がうまくいかないんじゃないかしらん。なるほど現在審議会にもかかっております。きのうも審議会の会長に来ていただいていろいろお話を伺ったのですが、どうも迫力がないと私は思うのです。あれなら審議会の結論も非常に弱い結論が出るんじゃないかしらんと思って、実は心配しております。二階堂さんの構想は、去年は言い切られたのですよ。まず事業団をつくって一元化します、そうして宇宙開発局をつくり、宇宙開発委員会もつくって、そうして具体的に一元化が軌道に乗るように本年中にやります、こういうことだったのです。新大臣はこのことを引き継がれておられると思うのですが、どういう覚悟で一元化をやっていただくのか。それから審議会にかかっておりますけれども、東大と科学技術庁との間が、私はまだうまくいっていないと思うのです。これはまた日を改めて、こういう点はどうか、こういう点はどうかということは申し上げますけれども、きょうは時間がありませんから、端的に二つお聞きいたしたいと思います。

鍋島直紹自由民主党科学技術庁長官

○鍋島国務大臣 使用済み燃料再処理の問題についての安全性の問題と、それから宇宙開発の一元化の問題についてであったと思いますけれども……。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 大臣、宇宙開発だけでけっこうです。再処理のほうはけっこうです。

鍋島直紹自由民主党科学技術庁長官

○鍋島国務大臣 それじゃ宇宙開発につきまして、実は二階堂長官と引き継ぎをいたしました際に、この問題については特に前長官からその間の事情を伺いました。と申しましても、三木先生のほうがより以上御承知であろうかと思いますが、私はどうしてもこの一元化ということは、前長官のそのとおりの気持ちを受け継いで私自身として実現化したい。しかも、いま審議会でやっておられます。審議会もどうか年内あるいは二十日ぐらいまでには結論を出していただきたい。そうして、それに基づいて、具体的な面はあるいは文部省と、あるいは東大関係とでもけっこうでございます。また、いろいろなそれぞれの立場立場によって、御承知のとおり主張が違う点がございます。あるいは予算の組み方をどうするとか、いろいろこまかい点はあろうかと思います。しかしながら、少なくともソ連もアメリカも、ああいう大国ですら一元化しなければできない宇宙の開発という問題については、日本がおくればせながらこれに追いつこうとしておる今日、どうしてもその体制をつくっていくことに、私は全力を尽くして当たりたいという気持ちを持っておるわけでございます。  したがって、その構想をどういうふうに盛っていくかということは、やはり宇宙審議会というものがございますから、かつてにこちらでこうだこうだというわけにまいりません。やはり宇宙審議会の会長にも、もうすでに二度ばかりお会いいたしました。そしてひとつよく議をまとめていただいて、そういったおまとめの上に、科学技術庁の立場においてまた御意見を申し上げていきたいというふうな気持ちで、現在あっちこっち実は私自身ひまをみてお会いしたりしてお話を聞いておるところでございます。  以上のようなつもりでひとつ全力を尽くしたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 次にお聞きしたいのですが、まあ新大臣としてはその程度の御答弁しか得られぬだろうと私思いますし、それ以上求めても無理じゃないかと思います。しかしながら、これはいま言われるような抽象的なお話やお考えだけでは、まあきれいごとだけではいかないですよ。私はなかなかむずかしいんじゃないかと思うのです。  きのうも審議会の山県会長にもお話ししたのですが、私はこれを端的にあらわしておるのは読売の十月十二日の特集だということをきのう申し上げたのですが、「宙に迷う宇宙開発」こう出ておるのですよ。この見出しは私はよく書いてあると思うのです。ほんとうに宇宙だから宙に迷うかもしれませんけれども、宙に迷うておるわけなんですよ。どこへ行くのか、ふわふわと宙に迷うてしもうておるわけなんです。それに二階堂長官はぴちっと方向づけをして、この委員会で約束されたのです。それを受け継がれた大臣はどういう覚悟かという意味でお聞きしたのです。どうかこの宙に迷うておる宇宙開発を、各方面の意見をよく調整していただいて、早く一元化の方向に持っていっていただかなかったら、本年それを見失うたら一元化もできないし、私は極端な言い方かもしれませんけれども、人工衛星も上がらないと思います、一元化の方向を見失ったら。しかしながら、この宇宙開発審議会の審議の様子、経過を聞いておりまして、これはなかなか難航しておると思います。  そこで、これはわかり切ったことかもしれませんけれども、佐藤総理がこれについて宇宙開発審議会に諮問せられておるのですが、長官も宇宙開発審議会に何を要求されておりますか。いわゆる政府は佐藤総理の命を受けて何を要求しておるか。きのうの審議会の会長のお話では、どうも私の気持ちにぴったりこなんだのですが、ほかの方はどうだったかわかりませんけれども、ほかの方の意見もちょいちょい聞いてみますと、あれだったらだめだぞという人も多いわけです。具体的にどうこう言いませんけれども、ひとつそれについて……。

鍋島直紹自由民主党科学技術庁長官

○鍋島国務大臣 宇宙開発審議会に対しましてあまり——現在やっておるときでごさいまし、私も不勉強でございますが、率直に、あるいは間違ったお答えになるかと思いますが、その点を御了承願いたいと思います。  科学技術庁としましては、御承知のとおり、一元化の内容については、今後において個々にいろいろな面についてそれぞれお話をしていくけれども、もうすでに三木先生御承知のとおり、中心となるべき宇宙開発の委員会、それに事務局の整備、それからそれを実行に移す事業団というような三段階、これを考えながらぜひひとつそのもとに、国の総力をあげてこれができ得る体制へ一日も早く進めたい、こういうつもりで現在一生懸命になっておる。非常に抽象的なお話でございますけれども、私はそういう気持ちでひとつ進めてまいりたいというふうに思っておりす。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 私も、いま大臣がおっしゃったそういう考え方を、きのうは審議会の会長に申し上げた。国の総力をあげて一元化の方向には行くんだけれども、それに対してはどういう機関を設置して、そうして、どれくらいの金を使ってというぐらいのところまでの青写真ぐらいはつくっていただきたい、こういうお話をしたのですが、いや、そうじゃありません、機関についても、そういう予算的な問題についてもわれわれがやるべきものじゃなくて、むしろ一元化の方向を出したらいい。幸い大部分の委員は一元化の方向をたどって、御意見としては一元化の方向にあるのでまとまると思います、こういうことですけれども、まあ二階堂長官も言われておったし、佐藤総理のお考えも、新長官のお考えも、おそらくこれだけ大きな問題に日本としてもぶつかって、他国と比べますと十年もおくれておるのですから、それには強力にやらなければいかぬので、審議会もひとつ各界の方々の意見を結集して、ベテランばかり寄っておられるのですから、少なくとも朝永さんがサイクロトロンに対するところの要請をされたように、これだけの期間かかって、これだけの予算を盛って、こんな機関をつくってやっていきたい、こういうように要請されたような強力なものができるんだ、私はこう思っておった。しかしながら、きのうお話を聞いておって非常にもの足らぬ感じがしたのですけれども、しかしこれは審議会の性格があります。あるいは皆さんの意見もありますから、そんなことをわれわれが強制すべきじゃないのですけれども、どういうお考えか、大臣の考えを聞きたかったわけであります。  それから三番目は、時間がございませんので、これも端的にお伺いしたいのですが、いろいろ皆さんこういうように計画を立てられ、国の総力を結集してやる、こういうことになりましても、さて打ち上げる場所ですね、現場は一体どうなっているのか。内之浦と種子島と前々から両方がお互いに牽制し合うといいますか、場所は貸せないんだとか、貸すんだとか、何だとかいうことで、一元化といっておきながら、完全に二元的になってしまっておるわけです。そうして二元化だけでなくて、地元の漁民の対策が全然無視されておる。わが党は、このことにつきましては漁民の側に立って、どうも政府のやり方はいけぬということで、いま漁民の立場を支持しております。こういうやり方では、国の仕事のためにはそういう零細漁民とか農民等は黙っておれということになると私は思うのです。そういう態度ではございませんけれども、結論的にはそうなると思うのです。  そこで、鍋島新大臣も九州でもありますし、この方面のことには気をつかっておられるようでありますので、具体的に作業を進めておられることも聞いておりますけれども、どういうような対策を立てておられるのか、漁民の納得線が出るのかどうかということですね。私の聞いておる範囲内では、年間百億円の収入がある。それに現在二億三千万円ほどの補償費を積み立てて、そうして、これでどうかというような方向にあるように聞くのですけれども、これとても——もう議論する時間もございませんから、現在どういうぐあいにやっておられるかということと、どういう方向におさめようとされるかということをひとつ承っておいて、後日この問題についてはお話をしたいと思います。

鍋島直紹自由民主党科学技術庁長官

○鍋島国務大臣 ただいまの基地の問題、また、その基地を使用する以前の問題で、現在もうすでに一年ですか、こうなっておることはほんとうに私残念だと考えております。そこで、二階堂前長官から引き継ぎを受けまして以来、御承知のように漁業補償といいますか、漁業関係で問題になっておる件は数件ございます。一番問題になっておるのは、いま現在宮崎である。そのほかに、鹿児島あるいは愛媛、広島といったようにございますが、やはり現在一番問題になっておるところは宮崎の問題であろうかと考えます。実は、今日までの経過は、私は引き継ぎによってそれぞれ承知いたしておるわけでございますが、宮崎県の問題が、ようやく十二月前後になりまして宮崎県庁のほうも本腰を入れて——このことばは語弊があるかもわかりませんが、あっせんと申しますか、その間の解決に宮崎県自体が乗り出すというような形にもなってまいったようで、それによってやはりこちらとしても、十分宮崎県の御意見を伺いながら、その間ひとつ解決点へ向かってできるだけのことをしてまいりたい。なお、その間におきまして宮崎県出身の自由民主党関係の代議士の方の非常な強いごあっせんもありまして、これはもう御承知だろうと思います。したがって、そういう方々、漁業組合の方といいますか、漁民の方々が納得でき得る妥結点を見出す。それについては政府としても十分のことができ得るように——まあこの妥結点がなかなか、お互いの主張がまだ違っておるかもわかりません。これをどう調整をとって納得をしていただくか、この点、間に宮崎県庁も入っておるわけでありますから、早急にひとつ、と言いましても右から左、きょうからあしたというふうにまいらないかもしれません。これはなかなかデリケートな問題でもございますので、この点の解決へひとつ私もあらゆる手を講じて、県民の納得のいく解決をしていきたいというふうに考えております。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 これで終わります。

沖本泰幸公明党

○沖本委員長 次に、石田宥全君。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)委員 私は、昨日御質疑を申し上げました阿賀野川の水銀中毒事件について御質問を申し上げたいと思うのでございますが、本問題はすでに数年前からの論議もあり、かつまた、二階堂前長官から特に引き継ぎがあったはずでございますので、長官に対して御質問を申し上げたいと思うのであります。  なお、現在どのような状況にあるか。死者五名、患者二十一名ということでございましたが、本年に入りまして胎児性水俣病が一人確認されたことと、患者が一人確認されたと報ぜられておりますが、この点は厚生省の環境衛生局の課長のほうから御確認を願いたいと思います。

野津聖厚生省環境衛生局食品衛生課長

○野津説明員 本年になりまして、新たに一名の患者が出たということについては聞いております。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)委員 新潟大学付属病院で胎児性水俣病という診断が下されたということは、お聞きございませんか。

野津聖厚生省環境衛生局食品衛生課長

○野津説明員 その件につきましては、まだ聞いておりません。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)委員 大臣、大体そういう状況でございます。大臣は九州の出身でございますから、熊本県における水俣病の問題はよく御承知だと思うのでありますが、死者四十一名、現時点で入院加療中の者十九名、自宅療養中の者五十一名、こういう状況でございます。この問題は、経済企画庁が担当いたしまして、いまだに政府の結論は出ておらない、こういう状況もまた御承知であろうと思うのであります。  そこで、すでに本年の八月三十日に、厚生省の食品衛生調査会並びに厚生省の結論が出されまして、科学技術庁に引き継がれたわけでございます。政府の窓口は科学技術庁でございます。これに基づいて科学技術庁は、九月の二日と八日に関係省庁会議を開いたということが報告されておるのでございますが、この関係省庁会議の関係省庁と申しますと、どことどこでありましょうか、この点が一つ。  それから八日の申し合わせで、それぞれの省庁が文書をもって意見を出すということになっておる。これは前の長官が答弁をいたしておるのでありますが、その状況をお聞かせ願いたいと思います。

鍋島直紹自由民主党科学技術庁長官

○鍋島国務大臣 阿賀野川事件につきましては、ただいま石田先生の言われたような経過をたどっておりますが、もう一ぺん科学技術庁としての経過を繰り返してみます。  厚生省から正式見解を受け取りましたのが本年の九月二日付のことでございます。しかも、それ以外の関係省庁といたしましましては、農林省、通商産業省及び経済企画庁の関係各省庁に対しまして、それぞれ技術的といいましょうか、医学的と申しますか、そういった見解に対して結論を科学技術庁のほうに御提出を願いたいということを文書をもって発送いたしております。それは本年九月三十日の日付となっておると聞いております。  そこで、現在におきましては、十月二十四日付で農林省からは正式に意見の通知が科学技術庁のほうへ参っておりますが、通商産業省と経済企画庁の面からは現在受け取っておりません。したがって、この両省庁に対して、科学技術庁としてでき得る限り早く、といいましても、やはりこういったことは時間を十分かけてあげぬと、なかなかできないという、いろいろな側面もあるわけでございまけれども、ほかの省庁もすでに結論を出されておることでございますので、いまのように通産省と経済企画庁からも、ひとつその見解を明らかにしていただきたいということを督促中でございます。これがそろいました後におきまして、科学技術庁としては科学技術庁としての見解を明らかにしていきたい、そのように思っております。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)委員 今日までの審議の中で、科学技術庁の研究調整局長は常に参画をいたしておるのでありまして、科学技術庁独自の見解があってしかるべきものではないかと考えるのでありますが、これについて、担当の省庁としての科学技術庁としては、いかようにお考えになっておるか、独自の考えは必要ないということではなかろうと思うのですが、どうでしょう。

鍋島直紹自由民主党科学技術庁長官

○鍋島国務大臣 いま現在独自の考えを持っておると申し上げるわけにもまいらないかと思います。各省庁の見解をそれぞれいただいて、具体的に言いますと、通産省及び経済企画庁の見解をいただいた上で、それをさらに科学技術庁において検討を加え、場合によりましては特別な専門の方を委嘱するというような形をとることもあるかと思います。そうして、公平な立場に立って全く白紙——白紙というのはおかしいですけれども、全く公平な立場に立って、科学技術庁としての見解をその後に出したい、こういうつもりでございます。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)委員 引き継ぎの際にお話ございませんでしたか。これは記録をお読みいただけば明らかなんですが、二階堂長官は、別に委員会や調査会は持たないということを何回も答弁をしておるのです。新しい長官は、そういうこともあり得るというお考えだとすると、これは振り出しに戻る、こういうことが考えられるのですが、もっと具体的なことをあとで申し上げますけれども、どうでしょう。

鍋島直紹自由民主党科学技術庁長官

○鍋島国務大臣 いま委員会を持ったり、研究機関を持つという意味ではございません。ただ、科学技術庁としても、これの結論を出すために、専門家の意見を参考として徴する場合があり得る、こういうことでございまして、委員会で研究するとかどうとかという、そういったものではございませんので、御了承願いたいと思います。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)委員 だから、これについては先ほど私は申し上げておるのです。四十年以来厚生省では、日本におけるトップクラスと表現して差しつかえないと私は思うのですが、学者が、臨床班、試験班、疫学班の報告書を、しかも熊本事件当時から関係をしておった学者が参画をして出された。それに基づいて、さらに食品衛生調査会にこれをはかって、あらゆる学者の参画された機関にかけ、これは国際的な会議でも報告がなされ、これは国際水準のレベルにある問題です。そして、その討議が終わっておるわけです。いまさらここで専門学者の意見を聞くなどということは許しがたいことだ。そういう考えであるとすれば、私はこれは問題だと思うのです。一体、長官がそんな必要を本気になってお認めになっておるのかどうか、もう一度はっきり答弁していただきたい。

鍋島直紹自由民主党科学技術庁長官

○鍋島国務大臣 いま石田先生のお話はよくわかります。責任ある日本の各省庁が、それぞれ長い間かかって見解を明らかにしたわけでございますし、まだ二省庁が見解を明らかにされておりません。ただ科学技術庁としましては、これは公けのどうこうという意味じゃなくして、内部的な問題として技術的見解を明らかにする際に、技術庁の職員のみじゃなく、やはり二、三の専門家、といってもどういうことになるか私もまだはっきりわかりませんが、念には念を入れる意味において、内部的に意見を聞く場合もあるということを、率直に申し上げたわけであります。これはあくまで科学技術庁の責任のもとに見解を出すわけでありますから、決して石田先生お考えのように、そう大がかりなものでもないのでありまして、この点はひとつどうぞ御了承をいただきたいと思います。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)委員 まだ通産省、経企庁の意見が出ておらないこういうことでありますが、実は私は熊本事件の際にも関与いたしておりますが、熊本事件が、先ほど申し上げますがごとき非常に深刻な惨たんたる被害を及ぼしており、それからチッソといういまの社名がありますが、この会社は天下に謝罪するとまで実は広言をしており、新聞にも載っており、現在記録もある。にもかかわらず、これをその責任にすることができなかったのは、通産省の策謀によるものなんです。同時に、経済企画庁は何ですか。経済企画庁は各省庁連絡会議を一年に四回開いたが、あとはしり切れトンボにしてしまったじゃないですか。その最後の会議の記録は行方不明であるとまで言ってごまかしてきた。私が追及に追及を重ねて、ようやく四回目の記録を出してきた。しかし、その四回目の記録で打ち切ったときには、熊本大学の最終の結論が実験データーによってまさに出ようとする瞬間であったのです。その瞬間につぶしたのは、どこですか。経済企画庁と通産省ですよ。経済企画庁と通産省がどういう態度をとるかなどということは、初めからわかり切っておる。一体、科学技術庁と経済企画庁は、これは独自の政府機関であるけれども、大部分の重要なポストにおる者はどこからきております。おわかりですか。おわかりなら伺いたいのでありますが、重要なポストはことごとく通産省から出ておるじゃないですか。通産省は企業の手先といっても言い過ぎではございませんよ。通産省というものは企業の代弁者であって、その代弁者の中から科学技術庁と経済企画庁の重要なポストはみな占めておるじゃないですか。ここに日本の政治、なかんずく公害問題に対し今日まで明確な結論が出されないところの重要な原因があるということを、私は指摘しなければなりません。ひとつこれに対する大臣の答弁を求めます。

鍋島直紹自由民主党科学技術庁長官

○鍋島国務大臣 いまの石田先生のお話はよく私も承っておきます。なお、科学技術庁の場合におきましても、各省庁からそれぞれ役人といいますか、官吏の方が見えて、それぞれポストをとられておるし、通産省出身の方が多いのも事実でございます。ただ、これは抽象論議でございますが、少なくとも公務員として仕事をする場合、通産省の味方だ、あるいは企業の味方だという形において、そういういわば色彩をもって仕事を進めておられるとは、私、考えたくございません。やはりもっと役人は役人としての公正な立場に立って、その省の仕事をやっておるという意味において、仕事をしていただかなければならぬし、また、そうであるべきはずだと私は考えるわけでございますが、そういった石田先生のお話のようなうわさといいますか、話があるということも聞いております。したがって、この結論を出す場合におきましても、そういうことじゃなくて、私は私なりに公正な立場に立って結論を出すように、私は私の責任において努力をしていきたいというように思います。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)委員 ぜひひとつそういう独自の権威をもって臨んでいただきたいと思います。いやしくも通産省や経済企画庁に中毒事件などというものに何の理解があるか。通産省に中毒事件に対して一体何の見識があるか、無知もうまいなる行政官にかくのごとき高度の科学技術の問題の意見を問わなければならないなどということが、そもそも私は科学技術庁の権威を冒涜するものだと言わざるを得ないのです。  そこで時間が制限されておりますから多くを申し述べませんが、本年の春予算委員会で、この水銀の問題は最近非常に重要になってまいっておるのでありまして、国際連合でもWHOやFAOの会合が昨年開かれました際に、従来は水銀の許容量というものはゼロであったけれども、今日の分析技術の状況では再検討を必要とするのではないかという記録があるわけです。したがって、日本においても、きのうもちょっと触れたのでありますが、何百何千という水銀を含んだ農薬、あるいは人体に与えるところの薬品等があるわけでありますから、日本は日本独自の許容量というものを決定すべきではないか。厚生大臣はこれを了とせられておるわけです。これはやはり厚生省にも責任があるが、こういうものこそ科学技術庁が真剣に取り組まなければならない問題であろうと思います。これについてはどの程度に準備が進んでおるか、これをひとつお伺いしたいと思います。

梅澤邦臣科学技術庁研究調整局長

○梅澤政府委員 WHO等で水銀の許容量の問題が分析方法として出てきたということは承知しておりまして、それにつきましての水銀の問題についての検討はいたしておりますが、しかし、いまその水銀対策として住民にどうするかということについての各省との打ち合わせその他は、県体的にまだ進めるところまで至っておりません。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)委員 いま御答弁を承っておりますと、各省庁の間で、こういうお話です。いやしくもこの水銀の許容量というような、これこそ専門的な、学術的な問題は、何らかの意見を、原案をもって各省庁の連絡会議を開くにあらざれば前進いたしませんよ。こういう問題があるからどういたしましょうなんと言って、一体どうして進展がありますか。政務次官だいぶうなずいておられるようでありますが、どうですか大臣、そんなことで、こういう許容量の問題をどうしましょうかなんという省庁会議で一体前進しますか。

鍋島直紹自由民主党科学技術庁長官

○鍋島国務大臣 いま石田先生が言われましたように、省庁会議をやればいろいろあるかと思いますが、科学技術のことであれば科学技術庁としても一応の原案をもって話をし、各省の意見を聞くというのが本筋であろうと思います。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)委員 次に、これは厚生省の方に伺いたいのでありますが、農薬の中に含まれておる一種の水銀でありますところのフェニル酢酸水銀といものは、これは避妊薬として直接体内に注入するものなんですね。相当長期間にわたってこれを使っているわけです。これによって患者が出たとか、被害があったということを聞いておらないわけですが、何かそういう事実はございませんか。

野津聖厚生省環境衛生局食品衛生課長

○野津説明員 避妊薬によります事故については、私ども現在聞いておりません。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)委員 したがって、単なる水銀と申しましても、体内に注入しても被害のないものもある。ここにそのむずかしさがあると思うのです。だから、私はきのうも触れたのでありますけれども、私どもの論議の中で結論をつけるということは、これは困難なのではないか、やはり厚生省がとられたように、日本におけるトップクラスの技術者の論議というものを尊重すべきである。それを尊重しないで行政官やあるいは国会議員の中にも、それは専門家もおられるでしょうけれども、それには限界がある。この立場を堅持すべきではないかと思いますが、大臣の所見を伺いたい。

鍋島直紹自由民主党科学技術庁長官

○鍋島国務大臣 こういった複雑なといいましょうか、新しい医学的な、あるいは科学的な技術の中におきまして、行政官の意見というものがどの程度に比重を持つかということは、それはやはり専門家の意見をあくまで尊重して、そしてその見解に従っていくという原則論は当然だと思います。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)委員 そこで、私は、ここでちょっと触れておきますから、研究調整局長あとでお調べ願いたいのでありますが、東京大学工学部の宇井純という博士が、昨年の「科学」という雑誌の第三十六巻第九号に、新潟県の水俣病の原因は昭和電工工場排水によるものであると断定し、次のごとく述べておるという論文がありますから、これをひとつお調べを願いたい。それからもう一つ、新潟大学医学部の滝沢行雄助教授、これは第二十三回日本公衆衛生学会、昭和四十一年十月十九日に開会されておりますが、新潟県阿賀野川流域に発生した有機水銀中毒の原因究明についてという表題で、これまた阿賀野川における水銀中毒事件というものは、水俣病というものは、昭和電工の廃液によるものであると断定いたしておって、意見を開陳しております。同時に新潟大学の椿教授は、これまた同じように、この二人の方はずいぶん長く検討されたわけでありますが、この原因は昭和電工の廃液によるものであると断定する、こういう意見を述べておりますから、これをひとつ御参考にしていただきたい。  次に、これは前からの関連がございまして、中にはよくおわかりにならないで意見を述べておられる方があるようでありますが、私は厚生省の資料に基づいてこれを確認いたしたいと思うのでありますが、阿賀野川に現在住んでおる魚の中にも、相当高い水銀の含有量を持っておるものがあるということです。ごく最近では、本年の四月二十二日ですか、きのうもちょっと触れましたが、横越村の横雲橋の周辺でとれた六歳の魚ですが、八・九PPMの水銀をいまだに含有しておる。その他いろいろございますが、やはり四十一年では、これは水原町字分田の地点で、五歳魚で四・五〇PPM、それから患者の発生した一日市で四十一年一月二十二日に七歳魚で五・六〇PPMの魚が出ておる。これは厚生省の資料だから否定されることはなかろうと思うのですが、御確認を願うと同時に、これはいわゆる抽出調査であって、全調査ができるはずはない。とすると、まだ相当の量の、高齢の魚の中には高度な水銀を保有しておる魚がおると考えられるわけです。これはひとつ厚生省のほうから所見を承りたいと思います。

野津聖厚生省環境衛生局食品衛生課長

○野津説明員 石田先生御指摘のとおり、現在魚齢の高いものの中から、ある程度の水銀を検出いたしております。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)委員 調査の方法について、結局抽出であって、総調査はできるはずはないので、そうすると、まだまだ相当なものがおると判断せざるを得ないのでありますから、その点はどうですか。

野津聖厚生省環境衛生局食品衛生課長

○野津説明員 御指摘のとおり、抽出して調査してございまして、とりました魚を魚齢別に分けまして水銀の分析をやったわけでございます。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)委員 時間がないわけでありますが、二階堂長官とのお引き継ぎがどうもあいまいだったようです。二階堂長官は本年の八月十六日に、私ども社会党で特別委員会を持っておりますが、その中の川村継義議員と赤路友藏議員と私の三名で、科学技術庁の長官室で高橋研調局長立ち合いで、その他新聞記者もおりましたが、そこの席上で、こういうことを言っておるのです。まだ厚生省の結論が出ないが、厚生省の結論が出れば、その結論をもって科学技術庁の結論とする。通産省や経企庁が言うことがあったならば、科学技術庁が結論を出したあとで聞きましょう、こういうことをはっきり言っておるのです。この言明というものは、私どもは尊重しなければならない言明であると考えておったわけです。しかも、その後も個人的に会談をした際に、しばしばそういうことを二階堂長官は言っておったわけですが、はたしてそういうことにまで言及されたかどうか存じませんけれども、私は先ほど来申し上げるように、本問題についてはすでに二年半も検討をしてまいりまして、その中には常に科学技術庁からも参画しておられるわけでありますから、やはり二階堂長官のとられたような態度を中心としてすみやかに結論を出していただきたいと思うのです。  同時に、現在の時点では、通産省、経済企画庁が意見を出さないのではないか、何年たっても出さないのではないか、そういう場合に、長官としてはどういう態度をおとりになるか、経済企画庁がこの前の熊本における水俣事件の際に、ついにうやむやに葬り去った。私は、この問題は何年かかってもその結論を出させなければならないと信じておる。なぜならば、あのときに明確な判断をしておけば、経済企画庁で結論を出しておけば、第二の水俣病は出なくても済んだのです。今日またこの時点でこの問題をあいまいにするならば、第三、第四の水俣病が出るおそれが十分にある、こういうことを考えるときに、これは何としても、国民の生命身体に及ぼす被害が、前段申し上げるがごとく深刻なものである以上、これをこのままに葬り去ることは許しがたい問題であり、そうしてまた、すみやかに結論を出さなければならない問題であると考えるのでありますが、ひとつ大臣の所見を伺いたい。

鍋島直紹自由民主党科学技術庁長官

○鍋島国務大臣 経済企画庁あるいは通産省にせっかく現在意見を聞き、その回答を待っておるところでございます。なお、意見がないならばない、あるならばあるという、少なくともこの結論だけはつけていきたい、現在出しておる以上は、そのように私は考えますので、速急にひとつ見解を明らかにしていただくように、両省に対しては、事務当局なりあるいはそれぞれひとつ督促をいたしたいと考えておるわけでございまして、現在そこまで段階がきておりますので、通産省、経企庁をそのままほっておいて、科学技術庁が結論を出すわけにまいらぬ事態にきておるかと思います。一方、この結論は二年有半出ておりません。したがって、何とか科学技術庁としてもこれに対する見解を明らかにしたいという気持ちは十分ございます。したがって、その辺のところはひとつもうしばらくお待ちを願って、通産省及び経企庁に対しても結論を出してもらうように——あるいは結論ということがどういう結論であるか、あるいは意見がないという結論であるかもわかりません。そういう専門的なことだから、自分のほうは専門家にまかせるという意見かもわかりませんが、少なくともそういった形において科学技術庁としての意見を述べていきたい、かように現在考えております。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)委員 大臣の決意のほどを承りまして、たいへん喜んでおるわけですが、九月二日に科学技術庁に渡された本問題を今日まで放任されておる。九月三十日に文書で出してそのままになっておるということは、私は新しい長官を責めようとは存じませんが、やはり科学技術庁として怠慢であったというそしりは免れないと思います。何としてもその責めを免れるわけにはいかないと思うのです。そこで、いままでのような態度でなくて、もっと積極的に、意見がないならないでしかたがない、反対なら反対だ、どういう点に問題があるなら、どういう点に問題があるということを明らかにしてもらいたいということを、新しい長官のもとにぜひひとつやっていただきたい。  それからもう一つつけ加えさしていただきますが、実はこのメチル水銀中毒並びに職場における無機水銀中毒の患者もおるのです。それからまた、新潟県が、昭和電工の社宅に住んでおる一千百六十八名の人たちの健康診断をしたいということで、ことしの六月二十六日にやろうとしたわけです。ところが、会社側はこれを拒否しておるのです。拒否されて県議会でも問題になりましたが、県としてはどうにもしかたがない、こういうことですね。私はその社宅の中に、水俣病患者がおるとはちょっと考えないのでありますけれども、現に無機水銀患者が、一人は新大で診断を受けて、これは確認を得て、それぞれ手当てが行なわれておる。ところが、その無機水銀の患者がまだ数名おって、中には、二人、私のところにぜひこれはひとつ問題にしてもらいたい、こういってきておる。けれども、みずから新大に行くことは、会社側から、いま従業員でありますから押えられておって、行くことができないというのです。だから、私もここで氏名は発表しませんけれども、そういうような事態に対して、これは厚生省の所管だと思いますけれども、無機水銀の患者は相当おるようでありますが、そういうものがおって、新大の診断を受けたいというものを、会社側がこれを押えておるということは許しがたい問題だと思われるわけでありますけれども、これに対して、県としてはお手あげだという状況でありますけれども、厚生省、科学技術庁でひとつ御協議の上で、そういうようなことのないように、何らかの手配をお願いできないものであろうか、こう考えるわけでありますが、厚生省、それから科学技術庁のお考えを承っておきたいと思います。

鍋島直紹自由民主党科学技術庁長官

○鍋島国務大臣 いまのお話でございますが、大体の所管は厚生省であろうと思いますので、厚生省とよく打ち合わせをいたしたいと思います。

野津聖厚生省環境衛生局食品衛生課長

○野津説明員 現在の法律のもとでは、強制的に健康診断を行なうということはできない状態にございます。やはり了解を得て実施というような形にならざるを得ないと思いますので、この点につきましては、科学技術庁と十分打ち合わせをしてみたいと思います。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)委員 持ち時間を超過して恐縮でございますが、先ほど長官の決意のほどを承っておりまするので、ぜひひとつ長官の先ほどお述べになりましたような決意のもとに、すみやかに結論と申しますか、最終的な取り扱いについて決断をしていただきたい。強くこれを要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。

沖本泰幸公明党

○沖本委員長 次に、小沢貞孝君。小沢(貞)委員 だいぶ時間が超過しておるようでありますので、主として新大臣に要望だけを申し上げたいと思うわけです。  いま石田先生の御質問にありましたように、阿賀野川の河口に起こった中毒事件について——私は実は長野県で、どうも農薬でコイがやられてぱくぱく浮いてきた、あるいはまた、長野県の信濃毎日新聞というのがこの農薬問題を非常に追及して連載をしており、またパンフレットまで出しておるわけです。そういうところから関連して、だんだんいろいろ調査をしておったら、たまたま阿賀野川の下流の中毒事件にぶつかったわけです。そういうような関連からこれを追及していってみると、これはたいへんいろいろな問題が出てきたわけです。そこで私は、科学技術庁においては、やはり科学的な態度で——真実は一つだと思いますから、科学的な態度によってひとつ結論を出していただく、こういうことが必要ではないかというように考えます。  私は、前にも厚生省その他に申し上げましたけれども、やはり現地においては患者が出ておりますし、こういう人々の救済はなるべく早く政府がやっていただいて、それを早く何とかしなければならないのだということが、拙速に結論を急がせる原因にならないように、これは私が最初から言っている大前提であるわけです。まず原因探求までは患者等に迷惑をかけない、できるだけのめんどうを見ていただく、こういう前提のもとに、この中毒事件については慎重に検討をしていただきたい、こういうように私は考えるわけです。  そこで、なぜ厚生省が科学技術庁に結論らしいものを持ってきた後にこういうことを私が言わなければならないかという点を一、二申し上げておきます。  まず、厚生省の、あるいは食品衛生調査会あるいは疫学班その他の三班の調査、こういう調査を見ておれば、調査の過程において幾多の誤謬を犯しておる。これは八月末に食品衛生調査会が結論を出したあとで、朝日新聞の社説にまで実は載っているわけです。科学技術委員会でいつかも読み上げましたけれども、新大臣にちょっと聞いておいていただきたいと思います。「不備だった原因調査」、ずさんだった厚生省の態度と、こういうことで朝日新聞の社説にまで載っているわけです。これは食品衛生調査会や厚生省が結論を出した後に出された社説なんです。その中には「特別研究班の原報告と昭電側が提出している反論資料の両方を、先入観なく検討すれば、特別研究班の調査にもいくつかの手ぬかりがあったことを認めないわけにはいかない。」「とくに昭電側が指摘するように農薬の保管と流出の状況については、地震直後の県当局の通達をみても、かなりの混乱があったと認められるにかかわらず、その調査を最初から軽視したふしがある。中間報告は、信濃川と阿賀野川を結ぶ通船川の途中に閘門があるとしていたが、地震当時にはそれがなかったという昭電側の指摘で訂正している。これなどは、調査全体の信頼性を傷つけるといわれても弁解の余地はあるまい。」まだいろいろ書いてありますが、「さらに、患者が下流流域のみに発生し、上流には発生していない理由の説明も、必ずしも十分人を納得させるものではないように思われる。」云々、これは朝日新聞の社説に載っているわけです。  そこで、そういう事実誤認がその後もなかったかどうか、こういうことについて、私は若干研究をしてみました。ところが、重大なことについて事実誤認、捜査不十分、そういうような点が次々と出てくるわけです。だから、そういう問題が出されたときに、厚生省の結論がこういうふうに出ましたといって科学技術庁に出された、それを各省庁に研究してみろ、こうやっただけでは、私はこの真実を追及するに不十分だ、こう思うわけです。だから、厚生省から申達された後に新しい事実が幾つも出されてきたならば、科学技術庁としては、農林省や通産省、経済企画庁へ新たに通達をして、これもひとつ参考として結論を出せというように親切な態度でやるかどうか。これは厚生省から出されたあとのことです。あとから新しい事実が出てきたら、そうやるかどうか。原則的なことですが、最初に大臣にお尋ねしておきたいと思います。

鍋島直紹自由民主党科学技術庁長官

○鍋島国務大臣 いまのような御指摘があったことも、科学技術庁のほうでは十分知っておるかと思います。当然、科学技術庁としては各省から出ましたデータ及びその後の状況を総合的に判断をして見解を出すわけでございますから、そういったいま御指摘の点につきましても十分調査をして、そして、それに伴う見解も明らかにしながら、最終的な結論を出すようにするのが当然であろうと思います。

小沢貞孝民主社会党

○小沢(貞)委員 そこで、そういうような態度で科学技術庁が十分検討をしていただいて結論を出す、こういうこともあり、先ほどの石田先生に対する御答弁も、各省庁から回答がきたならば、その上に立って専門学者等の意見も十分聞いて慎重にやろう、こういうことなので、さらにそれにつけ加えようという考えは、私は持っておりません。ただ、先ほども、厚生省だけは非常にすぐれた人がいて、通産省だとか経済企画庁にはばかばかりいるみたいなお話もありましたけれども、そういう冗談はさておいて、たとえば厚生省が結論を出したあとに、こういうような事実誤認が二つも三つもあるわけです。この中毒事件というのは、河口の十キロか、その辺にだけ集中して起こったわけです。集中して起こったその中に、原因をなすであろうと思われるようなことが幾つもあるわけです。毎々私は申し上げておるけれども、地震の直後に農薬が埠頭倉庫から大量に流出したというような問題、それから、そのすぐ近くに日本ガス化学という会社があるのではないか、そのすぐ隣に農薬を調製だか、つくっているところの北興化学という会社もあるのではないか。あるいは、これとは全然別ですが、いもち病その他の農薬を散布していて、それによって常に河川を汚染している、そのメチル水銀の量のほうが、いま厚生省が一応疑問としているところの鹿瀬電工の疫学班の結論をそのまま聞いたとしても、年二百五十キロほど流しておった、こういうように言っておりますけれども、その量よりは毎日まいておったいもちの農薬のメチル水銀のほうが川にはるかに多く流れておった。こういうような三つも四つも問題があるわけです。そういう問題を回避して今度の結論が出されている、こういうように考えます。  それにはそれなりの理由がありますけれども、その中の一つだけ、きょうは時間もないようですから申し上げておきますが、たとえば厚生省から結論を出されたあとに、この患者の出ているほんとうのどまん中に日本ガス化学という会社があって、それは新井郷川という小さい川です。こちらは阿賀野川という川です。だから、厚生省の結論にはどう書いてあるかというと、阿賀野川から新井郷川に水が流れておったから、日本ガス化学は調べる必要がない、こういうような意味のことが書いてあるわけです。ところが、私の指摘にあって、正式な文書答弁によっても、その逆である。逆に日本ガス化学の近くの新井郷川のほうから阿賀野川のほうに水が流れておった、こういう事実が、違ったことが出てきているわけです。これは科学技術庁に結論を出したあとです。そういう事実が出てきています。また、実は前回の科学技術のこの特別委員会で私が質問したらば、厚生省からこういう新しい事実がまた出てまいりました。私は厚生省の結論、科学技術庁に申達した結論とをよくしさいに検討してみると、メチル水銀が原因だということにおいては異議がないと思いますが、そのメチル水銀が出たのは、昭和電工の下流の水ゴケか何かにガスクロによってそういうものが出た。このガスクロはよくはわからないわけなんだけれども、一応はそういうことが出ておるわけです。それが実は重大な理由となって、鹿瀬電工がその犯人ではないかということをやっておるわけです。ところが、この数日前文書による私への回答には、捜査をしなかった日本ガス化学の排水の中からもメチルが出ている。私への文書回答でそういうように出ておるわけです。そういう事実はいままで全然発表されておりません。科学技術庁にもそういうことは言っていないと思います。私への文書回答にはそういうことが出てきているわけです。だから、メチルが出たということは、すぐ隣りの日本ガス化学の排水の水ゴケの中からも出たし、七十キロも上流の鹿瀬電工の排水の水ゴケからも出たのだ、こういうように、やっといまになってわかってきたわけです。そういうことは、いままでひた隠しに隠してありました。こういう新たなる事実が出てくるならば、患者がほんとうに発生したもとにおけるものをまず捜査をしなければならなかったのじゃないか、こういうように、私たちは客観的に見て、そういう事実を指摘するわけなんです。どうでしょう、そういう事実が出てきたとするならば。

鍋島直紹自由民主党科学技術庁長官

○鍋島国務大臣 先ほどお答えいたしましたように、一応厚生省からの見解は明らかにされております。また、その後、そういうものが正式に科学技術庁に——科学技術庁自体としても調査をいたすでしょうし、あるいはそういうものが通達されれば、それに基づいてのやはり調査もするというようなことになるであろうと思います。したがって、ただ、出てきたものだけを比べてどうこうじゃなくて、やはり技術庁は技術庁としての独自の立場、その意味において、先ほど石田先生にもちょっとお答えいたしましたように、内部的な専門家の意見を徴することもやはりあり得るというようなことで、ひとつ慎重に結論を出してまいりたい、このように思っております。

小沢貞孝民主社会党

○小沢(貞)委員 おおむね長官の答弁で私は満足しますが、もう一つだけたいへんずさんな問題がある一例として——幾つも持っていますが、一例としてだけ申し上げておきます。  実は、この前の科学技術の特別委員会で、私は、鹿瀬電工のすぐ下の下流と、はるか上流の福島県の付近と、川の付近の農民の毛髪の水銀量を調査したところが、別に違った差はない、有意の差がない、こういうように申し上げたわけです。下流と中流には、極端な有意の差があるにもかかわらず、鹿瀬電工のすぐ下と、それからはるか上流の福島県と比較してみたらば、毛髪の中の水銀量には有意の差がない。したがって、原因を遠い上のほうの鹿瀬電工に持っていくには無理がありはしないか。こういうようなことの中から、厚生省へ資料を出していただくようにお願いして、どれだけ婦人の毛髪水銀量なり何なりを調べたか資料を出していただいて、これも私の手元に届きました。そういう中で鹿瀬電工の下が極端に高いぞ、こういうようにいうようなために資料をゆがめて出してきているわけです。たとえば、これは特例なんですけれども、これは全国に一〇〇PPMというような人が、農薬を扱ったり、いろいろ無機水銀を扱っている人の中には、高い水銀量を持っておる者がいるわけです。遠藤ツギという御婦人が一〇〇PPM以上持っている。これは非常にふしぎなことだ。鹿瀬電工のすぐ下ですね。これは一人だけそういう特例があったわけです。これは現在のところは、若月先生から、元熊本大学の先生からいって、全国至るところにそういう特別な高い水銀量を持っておる者がいる、私はその特例だと思いますけれども、そういうもののほかに、遠藤好三郎というその主人が、実は疫学班第一回の報告によっては五・〇〇PPMしかない。こういう報告であったわけです。そうしたら疫学班の報告には七五PPMある、こういうように出てまいりました。この一週間ばかり前、私のところに持ってきたのには、一〇七・五PPMある、こういうようにいってきているわけです。私は、これは厚生省の作為だと思うのです。厚生省のロッカーの中に書類を置いておいて、それが時間とともに、ある人の毛髪水銀量が、最初は五PPM、その次は七五PPM、この間私に出した資料では一〇七・五PPM、こんなにふえていくばかな話はないわけです。魚のメチルの含有量をどこでどういうふうに調べたかといって私は資料をもらいましたけれども、これがまたずさんな資料です。これをきょう一々申し上げているわけにいきませんけれども、そうしておいてわざわざ二人も水銀の量の高い者がいるのだ、こういうようなぐあいに添書までつけて私によこしているわけです。これは厚生省のロッカーの中で人の毛髪水銀量というものが、最初は五PPM、疫学班の中間報告です。疫学班の最終報告には、いや間違っていました、七五PPM、こうなっています。この一週間ばかり前に私によこしたのは一〇七・五PPM、こういうようなでたらめな資料に基づいて出しているわけです。先ほど厚生省だけがたいへん頭がいいと、こう言われましたけれども、そういうことを書くについては、確かに頭がよかったかもしれませんけれども、これは真実とまるではずれたような資料を出しているわけです。こういう事実があるということをひとつ科学技術庁では十分考えていただいて、私たちは阿賀野川と信濃川の魚についてはかったものについても、この前申し上げました。信濃川のほうのは、塩水くさびもない、四十キロも三十キロも上のものをとってあり、片方は塩水くさびで汚染された河口のものと比較しているのですから、比較のデータにならぬというのです。そういうデータのもとで行なわれているわけです。資料を調べれば調べるほど、そういうゆがめられた作為的な資料、こういうものが出てくるわけです。だから、それだけを申し上げて、ひとつ先ほどの御答弁のように慎重にこの結論を出していただくことを、私は何ものにもとらわれずに、政治的にとらわれずに慎重に結論を出していただく、こういうことをひとつきょうは要望だけですから要望をして、私は時間がなくなりましたので、質問を終わりたいと思います。

沖本泰幸公明党

○沖本委員 次に、三木喜夫君。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 きのうに引き続きまして、文部省と科学技術庁にひとつ確認しておきたいと思いますので、質問したいと思います。  まず、文部省にお伺いしたいのですが、きのうの話では、ミューロケットを既定の計画に従って、これを大学受験の子供にたとえるならば、大学を受けるまでやらしてもらいたい、こういう話でしたが、そうすると、それまでは一元化というものを進められるのですか、られないのですか。また、一元化というものに対してどういう協力のしかたを文部省はしょうとしておるか承りたい。

渋谷敬三文部省大学学術局審議官

○渋谷説明員 昨日、大学入試の例を引きましたのは、まあ実力、それなりの力があるときめた親の場合は、信頼をしてやらせるということが大事だろうという意味で、ちょっと例が悪かったわけでありますが、申し上げたわけでございます。  そこで、三木先生のおっしゃる一元化という意味がきのう必ずしもはっきりしなかったわけでございますが、私どもとしては東大がいまやっておりますミューの開発につきましては、それが信頼性を得られるというところまではやらせるのが適当である、そう考えておるわけであります。  それから、先般の宇宙開発審議会の計画部会におきます報告によりましても、東大側の科学研究計画あるいは各省関係の実用衛星関係の計画が一応報告されておるわけでございますが、その場合、ある時期は並行して開発をする、その間お互いに緊密な連絡をはかっていくという趣旨の報告になっておると思うわけであります。そういうわけで、ミューの開発におきます成果というものは、実用衛星関係のほうの成果とあわせまして、お互いに緊密な連絡をはかりまして、さらにお互いに改善に資していくべきである、そう考えておるわけでございます。  それから、各科学衛星なり通信衛星なり実用衛星、それを打ち上げる手段としてのロケットの開発、打ち上げ、発射、追跡、そういう業務を一元的に処理する支援機関、これは特殊法人になりますか何になりますか、これはいま宇宙開発審議会で審議いただいておるわけでございますが、ロケットの開発、打ち上げ、追跡、そういう支援業務を行ないます一元的な機構ができるという場合には、それに対しましてできる範囲での協力はいたすべきである、そういうふうに考えておるわけであります。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 一元化に対していま非常に急いでおるのは、四十三年度に大体やりたいという考え方を持っておるわけですね。それから、審議会もその方向で審議してくれという命題があるわけなんですね。だから、一元化は、何を一元化するかということはもうおわかりのとおりです。あなた方が研究されておる、東大が研究しておるところの科学的なものまで一元化するかどうかということはいま論外になっておるわけですね。打ち上げのロケットと衛星を実際にやる、こういうことで一元化をせなかったらいけない、こういうことなんですね。それは、科学技術庁はそれでいいですか。一元化は何を一元化するのですか。

梅澤邦臣科学技術庁研究調整局長

○梅澤政府委員 科学技術庁では、一元化いたします場合に、衛星と、それからロケットの考え方がございますが、一番問題は、やはりロケットの打ち上げ、上に乗ります衛星の作成とございますけれども、まず最初には、やはり一番もとになりますロケットの関係の試作その他の一元化、これが一番大事な問題だと思っております。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 それに対して私は文部省の考え方を聞いておるわけです。一元化しなければいけない。あなたのほうでは、なるほど計画部会のほうではNとMとは並行的にやるように答申が出ておりますけれども、これは、自民党でも、社会党でも、審議会でも、みな一つにしたらいいという考え方を持っている人が多いと私は思うのです。答申はそうなっているのですけれども、あなたは二本立てでいけるということなんですね。そうでしょう。  そこで、まず、いま科学技術庁から話が出ましたように、一元化は、ロケットと衛星と、それに付随するところの打ち上げ業務とかあるいは追跡試験とか、こういうものを一元化しなかったらいけない、こういうことなんです。しかし、あなた方のお話では、ミューだけはこれまで育ててきたんだからこれをひとつやらしてくれ、やりたい、この気持ちもわかるわけです。そうすると、そのミューまでやりたいというお考えがあるならば、一元化はその間ではやれないとおっしゃるのか、一元化の中でもそれは可能なんだとおっしゃるのかということと、それから、ミュー自体の種類もいろいろありますね。ミュー4Sだけの話か、もっと次の段階までの話なのか。高木さんの話を聞いておりますと、四年かかると言っておるでしょう。だから、そういう点はどこまでかということです。

渋谷敬三文部省大学学術局審議官

○渋谷説明員 御質問の趣旨がだんだんわかってまいりました。  いま東大がやっておりますロケットの開発は、科学衛星を打ち上げるためのロケットということであると思います。それから、科学技術庁が中心になりまして、関係各省の実用衛星、そのためのロケットは、そういう実用衛星を打ち上げるためのロケット、こういうふうに理解しておるわけでございます。将来はNという非常に大きなロケットによりまして実用衛星を上げたい、こういう御計画だと承知いたしております。そのNに至る段階といたしまして、いわゆるQといわれているロケットがあるように聞いておるわけでございますが、そのNに至る段階におけるQ、これもやはり実用衛星を上げるためのN、それに至る前段としてのQロケット、こういうふうに理解しておるわけでございます。それで、それぞれMとQは、打ち上げんといたします衛星の目的、大きさその他機種等、それに従って構想されておるわけでございまして、それが固体燃料を使うとか液体燃料を使うとか、あるいは制御の装置とか、それぞれ違っている点があるわけでございます。そこで、やはりMとQは目的なり機種なりが違いますから、これを一緒くたにということにはならぬかと思いますが、しかし、同じく技術の開発でございますので、Mの成果がQにも十分使えるという面があろうかと思います。  そこで、一元化といいます場合に、MをやめてQだけにするとか、あるいはQはやめてMだけにするとか、そのほうがいいということでありますならば、おっしゃるような意味はわかるわけでございますが、現在計画部会でも慎重に御検討いただいた結果、やはりそれぞれ目的なり機種なり、それに使う燃料なり、違うわけでございます。それから、とにかく実績を持っておりますのは、現在Mなわけでございますし、Qはいまのところ、端的にいいますれば、まだこれは机上計画といいますか、でございますから、とにかく実績を持っておりますMというものを、東大もその後いろいろ研究をいたしておるようでございますので、これをまず成功させるということが一その技術というものは、機種は違うにいたしましても、その成果というものはQにも相当反映できると思うわけでございます。そこでまずそのMを、私どもとしては、とにかく東大もその後研究を重ねているわけでございますから、それから東大は、とにかく科学衛星を上げるためのロケットでございますから、将来、Nとか、そんな大きいものを考える必要もございませんし、また、やるべきでない、こう考えております。そういう趣旨で、Mが信頼性を得るまで東大にやらせるということが、日本の宇宙開発の真の発展のために、現時点では適当である、私どもはそう考えておるわけであります。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 科学技術庁のほうどうですか、いまのお答えに対して。あれでいいですか。

梅澤邦臣科学技術庁研究調整局長

○梅澤政府委員 ただいま文部省のお話がございましたが、現在文部省のお話で私たちが承っておりますことは、Qロケット、Nロケット、Nロケットと続いてまいりますが、それらは確かにいま計画の段階でございます。それで、M4Sのロケットの基礎技術を十分にわれわれがちょうだいしてそれを進めていくというところのつながりは当然やらなければなりません。ただし、そのつながりをやっていきます場合に、いまの東大のM4Sロケットが十分にうまくいったというところにいきますと、私たちのほうの仕事も、その点は非常にいいと思います。その点のある時期の並行と申しますか、こちらの実用ロケットにつながって向こうのロケットが、いつM4Sのものがこちらとうまく一本化になってくるかというところが、実際技術的にいまの部会でも問題でございました。というのは、私たちのほうの計画、それから今後私たちのほうでやります事業団、それのほうの体制、これが非常に信頼を持った十分なものとなりますかどうかというところに、委員の方々もいささか危惧を持っておられます。そういう関係から、いまのM4Sからこちらに移ります時期その他についての信頼度と申しますか、その点のところを勘案するというところについては、われわれもやはり十分考慮しなければならない、そう考えております。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 一時にはやめなければなりませんので、私、Mの信頼度という問題についてお聞きしておきたいと思うのです。  なるほど渋谷審議官の言われるように、東大は、宇宙科学、いわゆる観測ロケットとしてのロケットは、私は非常に成果があったと思うのです。カッパーからラムダにかけて。しかしながら、これを衛星にするのだといってラムダをやられましたね。三回とも失敗しましたね。ある一定の高度に上げて、そして衛星の軌道に乗せるためには、私たちは、誘導装置をつけなければいかぬ、こういうことを言っておるわけなんです。能代の実験もあとで聞きたいのですけれども、能代の実験は成功したと言われておりますけれども、私たちは成功と見ない点があります。疑問点があります。そこで、私が終始一貫して申し上げておったことは、とにかく衆知を集めて衛星に取り組まなければいけないのだ、こういうことです。しかしながら、あなたのお話では、ミューは大学へ入るところの力があるのだ、だからおれたちでやるのだ、いまこういう説明なんです。だから、Nはずっとおそくなるか、そういうことはおれの知ったことじゃない、おれは科学的な方面でロケットを打ち上げておるのだから、それが衛星になろうがなるまいが、そういうことはわれわれとしては、国の考え方はどっちでもいいのだ、われわれはミューを科学衛星としてやりたいのだ、実用衛星としてミューを使ってもらうのはけっこうだけれども、成果が反映することはけっこうだ、Qに反映してもNに反映してもいいけれども、こういうことなんです。  そこで、実力あるミューだという判定をあなたが言われるなら、一体どこでその判定をなさったわけですか。ミューは確かに上がる、衛星になる。これはまだあなた方のところまではっきり聞いておりませんけれども、ミュー4Sからミュー4SC。ミュー4SS、ミュー4SHまで考えておられるようでありますが、どこまで続くか長い道ということをわれわれ心配するのと、これは総力を結集して衛星を開発することをやったらどうかと、こう言うのだけれども、いやおれらがやる、科学技術庁なんか知らない、おまえら来てもらわなくてもいい、一緒になりません、Nをやりたかったら、Qをやりたかったら、それだけやりなさい。これでは二階堂長官の言っておることも、あるいは総理の言われる一元化という考え方も、私たちの言う考え方も、自民党の政策委員会で決定したところの方針も全部踏みにじっていくことになりませんか。その実力は、ミューが科学衛星として上がるという確信は一体どこにあるのですか。私は、これはとてもむずかしいことを前の国会でずっと言っておったわけです。それは審議官、どこが判定したか、あなたの判定だったらいいかげんなことですから、それをひとつ言ってください。

渋谷敬三文部省大学学術局審議官

○渋谷説明員 宇宙開発は、現在日本におきましては開発の段階だと思います。三木先生のおことばですが、やはり三回失敗したからといって、これはもう見込みがないと断定するのは、私どもはいささかどうかと思います。ものごとにもよりますが、失敗は成功のもとというたとえもあるわけです。これが何回やりましても成功しないというのなら論外でございますが、その後、三回の実験によりまして、それの欠点その他あらゆる角度から、技術的な環境試験なり動作確認試験も行ないまして、とにかく衛星になる。QなりNは現在机上計画の段階なわけでありますから、まず、とにかくMを衛星に上げるというのが現時点の問題であります。ただ、そちらのQのほうも当然並行してやるわけでございますが、先般の計画部会におきましても、宇宙科学研究計画と実用実験衛星計画とでは、必要とされる誘導制御の精度なりロケットの完成時期において差があるであろう、この二つの計画のため誘導制御技術を並行して開発することが適当だ、しかしその間両者の技術開発の過程におきましてお互いに緊密な連絡をはかって、その誘導制御技術というものを並行して開発することが適当だという趣旨に聞いておるわけでございます。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 渋谷さん、時間がないですから、また、この次に御高説をお聞きしたいと思うのですが、ただ一言言いたいのは、三回失敗したからだめだと私言ったのとは違うのですよ。東大は、人工衛星になるのだ、なるのだといって、確信をもってやっても三回ともできなかったのです。首がちぎれたけれども、どういう原因であったか、わからない。そういうことで、技術の報告書を私は求めたわけです。それでいろいろ論議を呼びましたけれども、あなた方のほうが人工衛星になるのだ、こう言うたのです。そういう夢を抱かせたのです。だから私は、そんな確信のないことでは困るのではないかということで言ったのでありまして、三回失敗しても、四回失敗してもけっこうなんです。これは研究だからやってもらってもいいので、そんなことをとがめてはおりません。それから、あなたがきのうおっしゃったのには、失敗したらそのときにやめます、それまでやらしてくれ、こういうことなんですが、五回も六回も失敗したらかないませんよ。一基五億円もするものを、失敗ばかりやってもらっておったら困るのです。そういう点で、衆知を集めてその衛星開発、ロケット開発はやれないのかということを言っておるわけでなんです。その点、まず御理解いただきたいのです。  これでおきます。

沖本泰幸公明党

○沖本委員長 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会します。    午後一時一分散会

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