物価等対策特別委員会 閉会後第1号
- 発言数
- 94 件
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- 13 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1967/11/09
会議録
○委員長(櫻井志郎君) ただいまから物価等対策特別委員会を開会いたします。 まず、派遣委員の報告に関する件を議題といたします。 先般、当委員会が行ないました当面の物価等対策樹立に関する調査のための委員派遣について、それぞれ派遣委員から御報告を願います。 まず、第一班——東北班でございますが、第一班の御報告をお願いいたします。山本君。
○山本杉君 第一班について御報告をいたします。 第一班は、去る十月一日から六日までの六日間にわたり、渡辺勘吉委員と私の二人で、秋田・岩手両県を視察いたしました。調査の重点を農林水産業と病院、発電等の地方公営企業におきましたので、以下、事項別に申し上げます。 まず、青果物関係について申し上げます。 御承知のように、東北地方は積雪期間が長い上、所得の向上や都市化等によって需要が多様化したため、農業地帯でありながら、他県からの移入が多く、季節的な価格変動が大きいのであります。両県のうち、秋田県は三分の二を、他県から仰ぐ野菜需要県であり、岩手県は生産県でありますが、特定の時期に大量に出回る地場ものは別として、それ以外は東京、仙台等の市場を経由し、あるいはこれらの大市場と競争しながら荷を引くことになる上、流通業者が一般に零細であるため、その消費者価格は概して割り高となっておりまして、私どもが岩手県庁で消費者代表の意見を徴しました際には、仙台より盛岡のほうが物価高であることを強く訴えられたのであります。 青果物関係では、秋田市民市場と盛岡中央青果市場を視察いたしました。前者は協同組合、後者は株式会社でございます。 秋田市民市場は、戦後秋田駅の近くに発生したやみ市から発展したもので、三十九年に自己資金一億円を含め四億四千万円で近代的な設備に改築したのでありまして、生鮮食料品のほか、衣料、雑貨が二百三十一名の業者によって販売されております。そうして、やみ市から発展したものであるため、卸売り市場であると同時に小売り市場として機能しており、すべて相対売りで販売しております。現在、秋田市でも、県及び市当局を中心に中央卸売り市場設立の動きがありますが、一番大きい市民市場がかように複雑な性格を持っていることもあって、中央卸売り市場は、流通業者や消費者のためというより、むしろ生産者対策であるという認識が支配的でありました。 一方、盛岡中央青果市場は、仲買い人もおり、せりで売買しております。その年間取り扱い高は十億円余であります。盛岡市では中央卸売り市場の開設がすでに決定され、四十三年から青果、四十四年から魚介の設備が完成する予定であります。同市では既存の四市場とも設備が狭くなり、雨天に備えてダンボールも使用できないような状況であるため、中央市場開設に反対は見られませんが、荷受け機構を大型化してほしいとの産地筋の要請が強い等の事情から、盛岡のような中小都市については、卸売り人の数は、最近になって政府が指導する複数制でなく、単数制にすべきだとの要望がありました。 両県はいずれも独自の生産対策、価格補償等の施策を講じておりますが、秋田県からは、全国的な規模に立った抜本的な需給対策を確立し、国の大幅な助成によって流通対策を促進すること、また、岩手県からは、地方卸売り市場法を制定し、その施設を整備するとともに、野菜生産出荷安定法による指定消費地に札幌及び仙台を加え、すべての指定野菜を国の価格補償制度の対象にすること、等の要望がありました。 次に、岩手県において視察した畜産及び水産関係について申し上げます。 畜産関係では、個人の経営する菊池牧場、県畜産試験場における肉用牛・飼料作物等に関する試験、岩手畜産公社及び小岩井農場を視察いたしました。岩手県は、その立地条件から、酪農及び肉用牛の振興にきわめて熱心であります。特に肉用牛については、ヘレホード・ショートホン等の外国種を導入して和牛との一代雑種をつくり、肉質は劣るが放牧に適し産肉量の多い肉用牛の普及につとめております。しかし、現在肉用子牛の価格が十万円をこえるに至っており、他県の家畜商が、せっかく作ったF1を買いあさって県外に移出するほどのブームでありまして、県当局では、この傾向を肉牛の育成肥育経営の健全な発展上好ましくないとして頭を痛めているようでありました。 菊池牧場は、農用地十六、五ヘクタール、常従労働力五人、育成牛八頭を含む三十八頭の乳牛を擁する大経営でありまして、経営者が熱心であることと、もとの経営地が盛岡市郊外にあって地価が上昇し、当初からかなりの資本を投入できたことにより成立したものであります。菊池氏は将来二十ヘクタール、五十頭に拡大したいと言っておりましたが、わが国では数少ないこの種大規模経営を育成するには、農林省が最近発表した総合資金制度等の金融をはじめ、各般の施策の拡充強化の必要性を痛感した次第であります。 また、岩手畜産公社は、昭和三十六年に設立され、農協系統五二%、地方公共団体四四%、業者四%の出資による食肉の集荷、屠殺、解体、販売、加工を行なう株式会社でありまして、埼玉県越谷にストック・ポイントを設ける等、新しい流通経路の開拓につとめるほか、養豚農家に子豚を供給するとともに、県内販売についても農協等を通じ注文に応じてプリ・パッケージを行ない、さらに、高能率の高周波による冷凍肉解凍の企業化試験を国の助成を得て行なう等、きわめて積極的な経営を行なっております。事業量は年々大幅に伸びており、岩手で生産される肉牛の一二%、肉豚の四〇%のシェアを持つに至っております。公社側では、畜産プロパーの問題だけでなく、コールドチェーン等関連技術を開発し、銘柄を確立すること等を指摘しておりました。 岩手県では、公社のストック・ポイントの成功から、食肉のみならず、野菜をも包含したストック・ポイントの構想が論議されておりました。また、学校給食用牛乳が値上がりすることによる父兄負担を軽減するため、国庫補助単価の引き上げについて県当局から強い要望がありました。 次に、水産関係では、本年四月に開所した宮古の県立水産種苗センター、産地市場である宮古漁港及び釜石漁港並びに宮古と釜石の中間にある山田湾の養殖漁業を視察いたしました。 岩手県は、サンマ、スルメイカ、イワシ、サバ等の大衆魚の生産量が大きく、ワカメ等の養殖も最近盛んになっておりまして、県内主要五漁港の水揚げ量の五五%が京浜地区、三七%がその他の県に出荷され、自県内出荷はわずかに八%にすぎないのであります。その利用配分状況を見ると、生鮮向けが全国平均五三%に対して三二%、冷凍向けが全国平均二〇%に対して五一%、加工向けが同じく二七%に対して一七%というように、生鮮向けと加工向けが少なくなっております。また、近年のトラックの進出はまことに顕著でありまして、たとえば釜石漁港では、三十六年には鉄道とトラックは九九対一の比率であったのが、四十年には三三対六七に逆転しております。仙台から三陸海岸沿いに八戸に抜ける国道四十五号線は現在二車線の舗装道路に改良中でありますが、現状では、鉄道は運賃が割安であるが東京へ一日おそくなるため、トラック輸送が増加しているのでありまして、道路改修の要望はきわめて強かったのであります。また、盛漁期における貨車繰りにも問題があるということであります。 宮古漁港は岩手最大の四万四千トンの水揚げ量でありまして、早朝にせりの状況を視察したほか、全漁連が国の助成で需給調整用に建設した冷凍庫を視察いたしました。この冷凍魔は、買い取りにより魚価調整を行なっておりますが、宮古には大小あわせて十三の冷蔵・冷凍庫があり、サンマの不漁が続いていることもあって、処理能力は十分であるとのことであります。ここでは、海上における気象予報の充実、漁業災害補償制度における補償限度の引き上げ、中小漁業振興対策の強化、漁協合併助成の拡大等が要望されました。 県立水産種苗センターは、漁業構造改善事業の一環として設けられたものであり、全国の三割に及ぶが、豊凶の差の著しいアワビの生産を安定するため、その稚貝の育成放流をさしあたりの業務としておりました。八百個の親貝から三千万個の卵をとり、八十万個の稚貝を育てる計画で業務を進めておりました。 山田湾は風光明媚な三陸海岸のほぼ中央にあり、天然の良港であるため、年間一万四千トンの水揚げ量をもつ漁港でありますが、同時に、ノリ、カキ等の養殖が非常に盛んであります。構造改善事業により全県的に普及したワカメも最近急速に伸びております。養殖漁業は漁船漁業より安定しているため、沿岸漁家の安定に寄与しておりますが、新興地であるため技術の改良普及がおくれていること、カキは広島等の主産地の動向に左右され、価格変動が大きい等が指摘されました。 釜石漁港は水揚量三万六千トン、宮古に次ぐ漁港であります。すでに申し上げた輸送問題のほか、漁港施設が狭隘になった等が指摘されました。次に、病院、発電等の地方公営企業関係について申し上げます。 秋田県は、国立病院等を引き継いだ七百五十床の県立中央病院を経営しており、医療費制度改定期以外はおおむね若干の赤字となっております。この病院は秋田県全体の総合的な中央病院として高く評価され、施設の整備はかなり進められております。しかし、医師の不足に悩まされておりまして、同病院を視察しましたとき、院長から、秋田県が人口十万人当たり七十八人と全国平均百十一人より四割も医師の数が少ないが、これは全国的な傾向から見て医学部がないためであり、四十ないし五十億円の設備費を要するが、ぜひ秋田大学に医学部を設置されたいとの強い要望があったのであります。 一方、岩手県は、農協等が経営していた病院や診療所を引き継いだ県立病院が各地にあり、現在三十病院、十四診療所を擁し、ベッド数では県全体の四割を占めております。ここでは、全国的な傾向と同様、小規模なものが赤字、大規模なものが黒字となり、全体として六百万円弱の赤字となっておりました。 次に、発電事業は、両県とも黒字を計上しておりますが、秋田では、すべて東北電力にコスト価格で売電している上、送電距離が長くロスが多い等の関係から、キロワット時三円以上になる発電事業に着手できないということでありました。 また、秋田県当局は、市町村を含む県内公営企業の累積赤字は九億五千万円に達しているので、地方債の財源には金利の安い政府資金を一そう大幅に活用し、その償還期限も償却期間に見合うよう延長されたいと要望しておりました。 このほか、秋田県において、八郎潟干拓事業及び能代市の秋木製材株式会社を視察し、木材業者と懇談したのでありますが、秋田杉に主として依存してきた能代の木材業界は、木材資源の減少と素材価格の上昇、外材の比重増大等の影響を受けて激しい競争にさらされており、国有林材の価格引き下げ、能代港の修築等の要望がありました。 消費者行政については、岩手県は本年七月、秋田県は本年八月から県民生活課を設けて、その強化につとめておりますが、岩手県庁における消費者代表との懇談では、米価や公共料金を中心とする物価上昇に強い批判が述べられ、エンゲル係数の低下も、いわゆるデモンストレーション効果による消費生活の底上げから、耐久消費財を買うため目立たない食費等を切り詰めるといった傾向があるのであって、この際強力な物価安定対策を樹立されたいとの強い要望があったのであります。 かように、地方の中小都市の物価問題は、大都市と同様深刻な面が多いのでありまして、これらに対する対策の必要性を痛感した次第であります。 以上、調査の概要を申し上げまして、報告といたします。
○委員長(櫻井志郎君) 次に、第二班、近畿・中国班の御報告をお願いいたします。木村睦男君。
○木村睦男君 第二班は、去る十月二日から五日までの四日間、田代理事、前川委員、中沢委員と私の四名と、一部兵庫県下においては岸田委員の参加を得まして、大阪府、兵庫県、岡山県下の消費行政、地方公営企業の実情、公正取引委員会の地方機関の実情、野菜指定産地の実情を調査し、再販売価格維持行為に関連して民間企業の意見を聴取する等、官民各界と意見の交換をしてまいりましたので、以下日程を追って、その調査の概要について御報告いたします。 まず、大阪府の消費行政でありますが、大阪府では、企画部府民生活課に消費生活係を設け、消費者行政対策として、消費者問題協議会、消費者対策会議が設けられ、消費者行政の実施計画として、消費生活合理化普及資料の作成、苦情相談、消費者相談、担当職員の研修、消費生活コンサルタントの育成等を進めるとともに、民生、衛生、商工、農林、建築の各部が消費対策の調整を行ない、消費者行政の強化充実を期しております。しかしながら、最近における生鮮食料品、サービス料金等をはじめとする物価の上昇傾向には根強いものがあり、日常生活に大きな影響を与えておりますので、消費者物価の安定と消費生活の向上をはかることが現下の急務であり、大阪府においても鋭意消費者対策の強化拡充に取り組んでいるところであります。 まず、消費者行政についてでありますが、消費生活の改善向上を目標とする各般の諸施策を強力に推進する必要に迫られております。すなわち、生産流通対策の強化、危害及び損害の防止、消費者教育等の推進であります。次に、大型精米工場の建設についてでありますが、米穀の配給秩序の改善及び米穀流通の合理化をはかり、消費者行政の円滑化に資するため、昭和四十二年度から三カ年計画で大型精米工場の建設計画を進めておりますので、積極的な推進をはかるため、国庫補助制度の改善及び補助対策の拡大について要望がありました。また、地価対策については、大都市地域の地価の高騰は社会資本の充実をおくらせ、活動を阻害し、ひいては諸物価の高騰を招いて住民生活を著しく圧迫している原因となっております。地代、家賃の安定化対策については、大阪も大規模な宅地開発等により供給面から解決に当たっております。なお、社会開発の基本的な事項として、公的施策住宅の供給と、これに伴う関係地方公共団体への財政援助の強化について一そう強力な施策を推進されるよう要望がありました。 次は、大阪市地方公営企業について申し述べます。 まず、市交通事業は、わが国最初の公営事業として明治三十六年路面電車開業以来今日まで、路面電車、バス、トロリーバス及び高速鉄道を総合的かつ一元的に経営しています。近年産業経済の発展に伴い、市周辺部及び隣接都市への急速な流入人口により、需要は増高し、輸送難はますます激しさを加えています。しかしながら、交通事業の財政は、昭和三十五、三十六年度を転機として急速に悪化して、昭和四十一年度末における累積赤字は約二百八億円の巨額に達し、経営は重大な危機に直面しています。財政悪化の原因として、料金改定の抑制による減収、道路交通の渋滞による効率の低下、高速鉄道建設に伴う支払い利子等の増加、人件費の増加、経済の合理化、近代化の困難性等の種々の要因があげられ、なお苦境打開のため尽力しているものの自力再建は困難であるので、昭和四十一年地方公営企業法に基づく再建団体の指定申請を行ない、昭和四十二年一月、その指定を受けております。 次に、水道事業でありますが、昭和三十八年以降経営収支が急速に悪化し、昭和四十年の料金改定により剰余金を生じましたが、四十一年以降また減少し始めております。このような実情から、国家的見地に立っての十分なる財源措置が講ぜられるようにとの強い要望がありました。 次に、公正取引委員会大阪地方事務所について申し上げます。 大阪地方事務所は、全国七地方事務所のうち定員十九名を擁する最大のものでありまして、現在、総務課と審査課の二課よりなり、総務課においては、独占禁止法による株式の保有、役員の兼任、合併、営業の譲り受け、再販売価格維持契約に関すること、下請代金支払遅延防止法及び景品表示防止法の施行等に当たっており、審査課においては、違反事実の報告受理、違反事件の審査等に当たっておりますが、最近の事務量の増大と地方機関の一そうの充実のため、定員を五名程度増員することと取引課の増設の要望がなされました。 続いて、再販売価格維持行為に関連して、武田薬品工業株式会社においては、わが国医薬品業界の現状や国際的地位などについて説明を受けたほか、私ども委員の、医薬品の流通機構における小売り、卸し売り、メーカーの各マージンが高過ぎるのではないかと指摘したのに対し、欧米の医薬品メーカーに比し利益率は必ずしも高くないという説明がなされるとともに、医薬品の再販問題に触れ、医薬品の品質保持などから再版制度の存続の要請がありました。 次いで、松下電器産業株式会社においては、現在、公正取引委員会の審査事件となっている独禁法違反の勧告についてただしたのに対し、弱電メーカーは、三十九年から四十年にかけて不況に見舞われ、流通機構が疲弊していたので、これを建て直す必要があり、公正取引委員会が指摘している行為は、当社の代理店、販売店に対し、正しい商売のあり方を指導し要望したことで、メーカーとして当然のことをしただけであるとの見解が示されました。 次に、三ノ宮に本社を有するスーパー・マーケット・ダイエーにおいては、実際に消費者の消費態度、消費者の声を聞くとともに、小売店側としての再販売価格問題に対する見解を聞きました。その中で、再販売価格維持制度は流通の近代化をはばみ、消費者物価を不当につり上げる原因となっているので撤廃すべきである。また、大手家庭電器メーカーは再販売価格類似行為によって値引きを規制し、指示価格より安く売るスーパーなどへ製品を回した販売会社に出荷停止などの制裁を加えていると強調し、某メーカーは、スーパーなどで安く売られている製品がどこから納入されているかを調べるため、製品に隠し番号や秘密番号を記しているとの説明がありました。 次に、兵庫県の消費行政でありますが、兵庫県では、昭和三十九年四月、全国に先がけて企画部に生活課を設置し、消費者教育の充実、消費者保護の強化、及び消費者の自主活動の促進を三本の柱として生活の科学化の総合的推進がはかられてきたのでありますが、県民の積極的な参加と市、町当局及び各界各層の協力により、県下全域にその気運も高まり、活発な実践活動が見られるようになっております。 昭和四十一年四月設けられた移動生活科学センターが、市及び町をはじめ、婦人団体、経済団体等の参加を得、保健所、農業改良普及所等の県地方機関の積極的な活動と相まって、三十五カ所で開催され、地域における豊かで明るい家庭の経営に、生活の科学化の浸透に相当の成果をあげ得たものと考えられます。さらに国民生活上最も関心の高い物価問題に取り組むため、昭和四十一年物価問題懇談会を設置して、物価問題に対する提案報告、昭和四十二年に物価安定推進会議を設けるなど積極的な姿勢を示しています。しかしながら、このような活動をよそに消費者物価は全般的に上昇の一途をたどり、消費者に不安を与える問題も続出し、消費者行政の強化が一そう望まれております。 生活科学化が県民に拡充浸透し、県民生活に密着しつつあると見られる現時点に立ってみますと、すでに生活科学化の第二ラウンドとして昭和四十二年度は新しい前進を踏み出しているかに見受けられるのであります。すなわち、県民個々に芽ばえつつある生活者意識をさらに盛りたて、これをグループとして組織し、消費者の発言、生活者としての行動をとるよう促進する一方、これら消費者意向を反映した、消費者行政を強力に進めております。そのため、従来の事業に再検討を加えつつ、新しく生活科学化週間の設定、生活大学、生活科学教室の開設等を実施し、市及び町行政との連係を密にした一体的運営を目的として、昭和四十二年においては、生活行政の総合的推進をはかり、その実現に努力しているのであります。 消費者教育の一環として設けられております神戸生活科学センターでは、生活科学講座、生活大学など、消費者教育の現況や商品テストで見つけた不良食品の販売の実態について説明を受けましたが、委員からも、消費者が商品の善悪を判断できるような材料をこのセンターが積極的に提供すること、テスト機関を一そう充実させ、業者が不良製品を販売できないようにすること等、同センターが消費者保護のため十分に機能を発揮するよう要望もしてまいりました。 次に、灘神戸生活協同組合でありますが、本生協は、組合員数十一万五千人、年間取り扱い高百四十八億円、出資金二十五億円、従業員数三千三百名に達する全国最大のものであり、物価問題、生活問題において消費者に与える影響は多大であります。特に運営面での消費者の組織化による家庭会等、組合員の声を反映させる組織機構等示唆に富むものであり、流通業界の競争が激烈をきわめている今日、新たな経済秩序をつくり出すものであると思います。なお、当生協から、先般の政府の豚肉放出方法に対する要望と政府の許認可を必要とする酒、米穀等の販売店の設置、牛乳の販売業務を困難としている牛乳メーカーと牛乳小売商業組合によるカルテル類似行為について、その解決策の検討を要望されました。 次に、岡山県の消費行政でありますが、岡山県では、昭和四十年九月の県臨時行財政審議会の答申に基づいて、昭和四十一年四月、企画課に消費生活係を設置し、消費者行政として主として行政の意義と必要性について、市町村、消費者団体等を通じてその認識を深めるとともに、消費者利益を守るため県民生活優先の考え方に立脚した、行政体制を確立することに重点を置いております。昭和四十二年度における重点は、漸次整備されつつある消費者行政の充実整備及び今日まで手薄であった消費者保護、消費者教育などの施策の積極的推進をそのねらいとしております。こうした認識に立って、四十二年度の消費者行政の重点事項として、消費生活モニター制度を設置すること、生産流通対策として、野菜、食肉、牛乳対策を推進すること、消費者を啓発するための資料の提供と地域の消費者リーダー養成などの消費者教育を充実すること等、積極的な姿勢を示しています。 次に、野菜の流通、生産問題でありますが、岡山市中央卸売り市場は、昭和三十七年五月、全国二十二番目の中央卸売り市場として、青果部をもって開場し、現在、生鮮食料品の流通改善と市周辺地区五十万人の消費生活の安定に寄与しております。年間取り扱い数量は四千五百万トン、取り扱い金額は二十五億円余であります。現在、市場では鮮魚部が入場しておりませんが、開場以来、市当局と業者間の検討が続けられており、早急の解決が待たれております。現在、卸売り会社は単数制をとっておりますが、月別の集荷計画を提出させ、安定した集荷の確保がはかられている模様であります。 次に、昭和三十九年、野菜生産の出荷安定のため、指定を受けた夏秋キュウリの指定産地についてであります。私どもの行きました矢掛町の抑制キュウリの生産は、三十六年ごろより年々生産面積がふえ、現在一戸当たり七アール程度の生産が行なわれ、作付戸数は九百月を数えておりますが、平均作付面積の少ない原因は、栽培から出荷まであまりにも労力がかかり過ぎる点に原因があり、安定産地化するために、省力化の実現と商品性の高揚を目指して農協において選果機を導入するとともに、塩蔵加工を行なって出荷の最盛期における暴落等に対処していました。県経済連の九月の追跡調査によりますと、岡山中央卸売り市場の卸売り価格六キロ当たり五百五十円、小売店販売価格千五十円であり、これに対する出荷経費を差し引いた農家手取りは四百二十五円余で、一キロ当たり七十円見当で、昨年の実績では十アール当たり収量は二千八百キロであり、一人当たりの労働報酬は六百二十円程度というのが実情であります。 県の価格政策としては、農協単位の加入による販売金額の五%の賦課金により設定されている野菜生産出荷安定基金が運営されております。 最後に岡山市医療生活協同組合の経営する保育園を視察いたしました。本組合は、昭和二十七年働く人々の協力によって設立され、以来、診療所、病院を経営し、昨年九月地域の働く市民の要望にこたえ、保育園が設立されたのであります。医療生活協同組合による保育園の経営は全国的にも数少なく、本保育園は独立採算で維持されており、今後の保育園経営に確たる自信を示しております。なお、経営上の問題として、保母の待遇、保母の定員確保の問題、保育単価の改善等について要望がありました。 以上、日程を追って調査の概要について御報告申し上げたのでありますが、地方公共団体の物価対策にはおのずから限界があり、今後、来年度予算編成に当たっては物価安定の見地から強力な諸施策が必要であると思います。 以上、簡単でありますが、調査結果の概要を申し上げまして御報告といたします。
○委員長(櫻井志郎君) ありがとうございました。 別に御発言がなければ、派遣委員の報告はこれをもって終了いたします。 —————————————
○委員長(櫻井志郎君) 審議に先立ちまして、公正取引委員会委員長及び事務局長から発言を求められております。山田公取委員長。
○説明員(山田精一君) 私、先般公正取引委員会委員長を命ぜられました山田精一でございます。 資本の自由化がその緒につきましたきわめて重要な時期に、この重要な仕事につきました。ただただ心の引き締まる思いをいたしております次第でございます。私、役所の生活の経験は初めてでございまして、とかく不行き届きがちかと存じますが、どうぞ諸先生方の御指導御鞭撻によりまして、その職責を全うしてまいりたいと存じております。よろしくお願いを申し上げます。 なお、この機会に一言お礼を申し上げとうございますが、先ほど御報告のございましたごとく、先日木村委員を団長とされまして、委員方に私どもの役所の大阪地方事務所をつぶさに御視察をいただきまして、いかに少ない人員で一生懸命に仕事をいたしておるかということを直接親しくごらんをいただきまして、いろいろ御鞭撻を賜わりましたことを、この機会を拝借いたしまして、厚くお礼を申し上げる次第でございます。どうもありがとうございました。
○委員長(櫻井志郎君) 柿沼公取委員会事務局長。
○説明員(柿沼幸一郎君) 先般事務局長を拝命いたしました柿沼でございます。諸先生方の御指導によりまして一生懸命やってまいりたいと思いますので、何ぶんよろしくお願いいたします。 —————————————
○委員長(櫻井志郎君) 次に、当面の物価等対策樹立に関する調査中、物価問題に関する件を議題といたします。 本件について質疑のある方は順次御発言を願います。木村美智男君。
○木村美智男君 きょうは、全体的に時間が非常に少ないようでありますから、せっかく企画庁与官も見えられておりますが、持ち時間の中で時間がありましたら企画庁長官のほうにもお伺いをしたいと思っております。きょうは公取委員長を中心に当面の物価問題についてお伺いしたいと思います。 まずお伺いをしたい第一点は、きょうは山田委員長たいへん簡単にごあいさつをされましたが、本来ならば、もう少し公取として、この時点で物価の問題をどう扱っていくかという基本的な考え方をお伺いをしたいわけであります。 なぜかと申しますと、ただいまの木村委員の視察報告の中でも再販の問題に触れられて、やはり前国会で相当問題になったことを具体的に当委員会として視察をしておられます。あるいは前国会についに再販規制法というものが日の目を見ず流産になった。こういういきさつから、今日の国民の消費者行政に対する大きな期待が、実は失望した形になったままになっておる。そこへもってきて、山田委員長は、この前の北島さんと交代されて、就任早々の記者会見で、少なくとも新聞の発表に関する限り、そういった情勢の中で新委員長もまた消費者行政を相当やってくれるのだ、こういう印象を消費者に与える新聞談話をあちこちで発表された。で、新聞の報道でありますから、的確にそのことを言質みたいに申し上げませんが、少なくとも筋としては、あなたは消費者行政を擁護する、消費者の利益を擁護することに力点を置いた政策をとるべきだと思うというようなこと、それから再販の問題については、これはできるだけ実態調査をして、そうして適正な法案をつくって早い機会に国会に提出をしたい、それから三つ目には、現在指定品目になっている医薬品であるとか、化粧品であるとか、きわめて問題の多い五業種の品目についてはひとつ洗い直しをして、不適当なものがあれば削除したい、こういうふうに、当面の、まあ何といいますか、いままで当委員会が長い間議論をしてきた、事再販に関する限りは、的を射た一つの政策的なものを発表された。 そこで、私は、もうすでに委員長就任になられましてから三カ月たっておるわけでありますので、その就任当時の記者会見で明らかにしたものが、一体どの程度今日進んでおられるのか、お伺いしたい。そのことによって、いろいろ困難な点があれば、私どもとしても、消費者の立場を守るという意味を含めて、これは政治の立場から大いに御協力も申し上げたい。しかし、デビューははなやかだったけれども、率直に言って、私は、その後の公取の活躍は必ずしも委員長の言ったようなことが目に見えた形に現実が出ていないような気がする。そこで、お伺いしたいのでありますが、前国会で総理も約束をし、また当委員会としても、できる限り次の国会に提出するように要望決議をしてあるこの再販規制法が現在一体どうなっているのかということについて、まず第一に知りたい。
○説明員(山田精一君) お答えを申し上げます。 木村先生から非常に御懇篤なおことばをちょうだいいたしまして、まず厚くお礼を申し上げます。私が三カ月前就任いたしました当時新聞記者に語りましたことは、ますますその信念を強めておりますが、少しも減っておりませんことをまず第一に申し上げたいと思います。 再販法案についてどういう扱いになっておるかというお尋ねでございましたが、率直に申し上げまして、前回用意をいたしました法案は法律的にはある程度検討が積んでおったようでございますが、その経済的の基盤ないし流通機構の改善との関連等につきましては、率直に申しましたところ、突っ込み方が足りなかったように私は思うのでございます。ただいまその見地から、事務局及び委員会総力を結集いたしまして、そのほうの調査、詰めを急いでおる次第でございます。たとえば、一例を申し上げますると、外国の再販規制の法案等につきましては、なるほど法律の条文等は全部収集してございましたけれども、その法律ができました、あるいは実施されておる経済的の背景等につきましては、ほとんどその実態の調査がなかったわけでございまして、現に先月の半ばでございまししたが、OECDの取引制限慣行委員会の第二分科会に、私どもの委員会の有賀委員が出張いたしました。その機会を利用いたしまして、そのときにはフランス、イギリス、西独、デンマークの再販規制のほんとうの実態を聞き取り調査をしてもらい、それから今月も、明後日でございますか、また販引制限慣行会議の総会がございますので、それに有賀委員が再び出席をいたしますので、その機会に、今度はオーストリア、イタリア、アメリカ合衆国、これの実情を調査してもらうことになっております。さようなわけで、目に見えましたところは動いておらないように見えますかもしれませんが、実体においては作業を進行させておりますということを御了解いただきたいと思います。さようなわけで、すみやかに成案を得まして、私どもが確信を持って御審議を仰げる成案を得ました上で御審議を得たいと、かように考えております。 それから、現在指定されております品目でございますが、これは、おっしゃいますごとく、指定いたしましてから相当年数たっておりますが、そのままになっております。西独のごときは、指定しました品目を半年ないし一年ごとに洗い直しをしているということでございまして、そのとおりにはまいらないと思いますが、目下鋭意洗い直しを進めておりまして、これも近くその結果が出てまいると思います。
○木村美智男君 ただいまのお答えによりますと、目下調査中だということのようで、委員長の考えとしては、できるだけその調査を待って早くまとめて成案を得たい、こういうお話のようであります。事その流産といういきさつのあった再販規制法であるだけに、それは少しお答えが抽象的であるので、私は、少なくとも、調査の段階が大体こういうファクターに基づいて調査をやっておるので、それが今日の時点では五割程度進んだとか、あるいは七割方進んでいるのであと日限的には、たとえば一カ月くらいで大体その法案の案文作成に取りかかれるだろうと、そういう具体的な答弁をしてもらわないと、これはもう抽象論的なやりとりをやっている段階ではない。そのことについて私は率直に現状をひとつ聞かしていただきたい。そうすることによって、それは何も委員長だってまだ就任されて間もないことなんですから、いろいろそのためには、あとでお伺いをしたいですが、できるだけやりにくい面や困難な面があれば当委員会としても障害を打開するということに御協力申し上げることはやぶさかでないんで、もうちょっと具体的に、ひとつこの法案を大体いつごろどういうような状態でいまのところやっていけるという——委員長は頭の中に当然考えておられるだろうと思うんです。そこら辺をひとつお答え願いたい。
○説明員(山田精一君) 作業が何割方進んでおるかというお尋ねでございましたが、何割と申し上げるのもちょっと私申しづらいのでございますが、相当程度進行していると御了解をいただきたいと存じます。なお、当然私どもの役所は行政委員会の組織を持っておりますものでございますから、これから一応の成案を得ました上、要綱の成案を得ました上で委員会の席で討議をいたします。その上で疑問点が出てまいりますような場合には、さらにその調査をいたさなければなりませんので、何月半ばごろにどうということはちょっと私から申し上げるわけにいかないのでございますが、できるだけすみやかに、しかし拙速におちいらないようにという気持ちて努力をいたしておりますことを御了解いただきたいと存じます。
○木村美智男君 公取委員長ね、たいへんくどいようですがね。しかし、そのいまのお答えだと、これは一年先か、半年先かわからぬ。だからそこら辺を……。七割とか、六割というのはたとえばの話で私は申し上げたので、それは委員長が当然判断されていることで、そういう立場からいけば、大体十二月当初臨時国会が持たれるというような関係になるので、一体そこら辺は間に合うのかどうか。かりにそうでないとすれば、引き続いて再開をされる通常国会の中ではこれは確実に審議に付すことができるとか、大体そういう見通しを言ってもらわなければ、この問題はいま委員長が言っているようなことでは——決してのんびりしているとは申し上げませんけれども、そういうものではないのです、これは。なぜそういうふうに聞くかというと、従来国会の委員会なんちゅうようなものは、そのときそのときの掘り出し物を持ってきて、ニュースの種になるようなことばかりをやっているから、いつまでたっても消費者行政がうまくいかない。そういうことは、事やはり物価問題のごときは国会としても考えてみなければならぬという意味で、ずっと積み重ねて、委員会の議論、それを一ぺんで終わりのものにしない、それがいかなる系統でかそこに議論が発展をし、一つの法案なりあるいは具体的な政策として打ち出されるというふうなやり方をやっていかなければ、これは物価問題を抽象論で何時間かけてやってみても、ほんとうのところ三文の価値もないということは委員長も御承知だろうと思う。そういう意味で、私はやはりひとたび流産した、あれだけ世論の問題になった問題だから、大体この辺でいつごろにはどうなるのだという目安ぐらいはこれは出してもらわなければ、われわれとしてもこれは責任を果たせない。そういうことを、もし見当がつかないというなら、何ゆえに見当がつかないのか、見当のつかない中身を話してもらわないと、これは納得できない。したがって、とにかく大まかにしか私は言えないと思いますから、その大まかな見当でいいけれども、大体いつごろには何とかできそうだ、あるいはぜひしたいというような立場を含めて、これは少しもうちょっと……。いまみたいな、いつになるかわからぬような答えでは困る。そこをきちっとしてもらいたい。
○説明員(山田精一君) 私どもは、半年とか、一年とかいうようなゆうちょうなことは決して考えておりません。大体の目標は持っておりますが、おそくともここ二、三カ月うちにはある程度の見当がつくものと確信をいたしております。
○木村美智男君 たいへん具体的で、私はいまの答弁で、これは今日の交代をされた委員長として、その答えで本日は了承いたします。ぜひいまの立場で法案作成を急いでいただきたい。 〔委員長退席、理事木村睦男君着席〕 ところで、委員長、そういう時期に実際に具体的な案をつくって、ここ二、三カ月のうちにという、そういう立場から、われわれとしても議論をしてきたことでありますので、大体法案の方向というものは一体どういうところに重点を置いてその成案をしていこうということで今日調査をし、あるいはその作業を進めているのかということについて、少し委員長のほうから、差しつかえがない範囲でお話しをいただきたい。
○説明員(山田精一君) まだ委員会で討議を十分いたしておりませんので、私の口から、こういう点、こういう点という個条にいたしまして申し上げるわけにはまいりませんことを御了承いただきたいと存じますが、私どもの大体の目標といたしましては、物価問題との関連、それから流通機構の改善の問題との関連、こういう辺に重点を置きまして考えておる次第でございます。
○木村美智男君 私がお伺いしょうとしておるのは、実は委員長ももうずっとこの委員会の速記やなんかにもある程度目を通されていると思うのです。そういう意味で、物価問題あるいは流通機構の関係というようなこと、これはもちろんそうですが、包括的にはそういうことも言えると思うのですけれども、そうじゃなくて、やはりこの問題の発端がどこにあったかということから、委員長、出発をしてもらいたい。これはやはり昨年の六月の、いわゆる物価問題懇談会の提案、勧告から出発をしてきているという筋に立たれているのかどうか。あまり流通機構だの物価問題だのというふうに抽象化されると、そこら辺がどこかにいっちゃっているようなことでは、私ちょっと具体的に——今日の法案、規制をしなければならない必要性と問題点はきわめて具体的なものだというふうに考えられるものだからそういうふうに申し上げるのですが、それは物価問題懇談会の勧告に出発点を置いているということについては間違いございませんか。
○説明員(山田精一君) むろん、物懇の意見書にのっとりまして作業を進めておる次第でございます。
○木村美智男君 したがって、私は、やはりあの物懇の提案の筋というものは、これは今日の国民の批判というか、消費者の批判として、とにかくあの再販の制度ができた当時はやはりそれなりの意義と必要性がある程度——まあある意味じゃ、ないようなものだったけれども、とにかくその後そういうことが自然的に生まれてきて、そうして今日になってきているのですが、いまの段階では、むしろこれはこの前、七月の委員会のときに宮澤長官とも全く意見が一致したわけですけれども、大体再販というものが物価を下げない役割りを今日——変なことに受け取れるかもしれませんが、前段を省略していますから、説明を抜きにして申し上げますと、物価を下げないほうの役割りを果たしているという要素が非常に強くなってきている。これはいまここでまた、それぞれのメーカーがどうやっているかということを、前国会でやったことをやったら時間が長くなりますから省略さしてもらいます、委員長、もうすでに読まれていると思うから。 そういう意味で、今日廃止をするのか、それともある程度規制をするのかということになれば、私はそれは、党の立場なり私個人の立場から言えば、本来なら再販制度というものはここでこの際廃止をする、あるいは廃止をしなければいけないのだという考え方に実は立つのですが、物懇は少なくとも廃止というよりも、いまのままほうっておいたのでは弊害のほうが大きいものですから、規制せんければならぬというのが物懇の趣旨なんです。私どもは一歩譲って、その線までおりていいと思う。おりていいと思うが、そこでやはり原則的には、一体この再販というものについてはこれは物懇は原則的に禁止をするという立場をとっておるわけです。そうすると、原則禁止の立場は一体堅持されるのかどうかということです。かりに例外として認める場合においても、これはごく限られた場合で、しかもこれこれの場合という、明確にみんながわかるようなことで再販制度をやはり認めていくのだということにしない限り、今日の再販の弊害というものはこれはきわめて物価の問題に悪影響を及ぼしておるということが、この前の委員会のやはり結論なんです。そういう点、並びに先ほどの報告にもありましたように、今日医薬品や化粧品についてきわめて大きなリベートあるいはマージンを払っておる。これは具体的に私も問題提起したのですから、十分御承知だろうと思います。あるいは広告宣伝についても、こんなものはメーカーに聞いたって、広告がどのくらいの割合を占めておるかというようなことは、まあ、しいてとぼけているのかどうか知りませんが、計算が全然できていない。そうだとすると、やはりこういうことについても、これは明確に規制していかなければならぬのだし、規制という形をとるか、あるいは指導という形をとるか、いずれにしても、行管あたりでさえ勧告をやるのですから、ぼくは公取というものは物価問題についてはしょっちゅう問題を提起して、企画庁こんなものをやったらどうかとか、あるいは通産省はこういう問題について少しやってみたらどうだというような、むしろ投げかけ方もやり、一面では独禁法の番人としての役割りを果たすという、やはりそういう活動をされていかなければ、今日の時点の中での公取の活動としては私はどうしても不十分だと思う。そういう意味も含めて、今度の一体法案作成の方向については、まあこまかいことはいろいろ……。今度は逆に反攻軍が結集する可能性もあるようだから、そういうようなことも含めて、ぼくはこまかいことを伺おうとはしませんけれども、しかし、それは一応方向だけは国民の前に明らかにできることぐらいは堂々と明らかにして、筋は、旗は高く掲げて、そうして法案を作成していくという気がまえを持たなければ、また再び、この前の日の目を見なかったような結果になる心配があるから、これは委員長の決意を実は促す意味も含めて、せめて大旗だけくらいは——大骨でもいいのです。小骨は除いておいてもいいから大骨だけでも、こういう点だけは大体今度の法案には盛っていきたいということぐらい明らかにしていただきたい。
○説明員(山田精一君) ただいま木村先生がおっしゃいました前段のいわゆる大骨でございますが、私個人といたしましては、ただいまおっしゃいました大骨と大体において同じ方向で考えておりますことを申し上げておきたいと存じます。 それから後段でいろいろとおさとしをいただきましたが、ありがたく拝聴いたしまして、今後できるだけその線に沿いまして仕事をいたしてまいりたいと思います。
○木村美智男君 いろいろ公取の仕事がやりにくくなってはいけないと思いますから、いまの関係はそういうお答えで、きょうのところは了承したいと思います。 で、もう一つ委員長にお伺いしたいのですが、例の五業種三十一品目についての不適正なものがあれば取り消すという、こういうことも言われておる中で、とにかく洗い直しをするということは、特に委員長の考え方というか、方針的なものとして記者会見でも言われているわけです。この一体洗い直しの作業の現状というのは、いまどういう状態にあるのか。これは特に、何といいますか、前のいきさつからいって、法案はつぶれたが次の法案をつくるまでの間は現状維持ということでほっぽっておくということではなく、これはきわめて問題が多いので、さっそくこれは手をつけて、法案がどっちにどうなろうとも、洗い直しの問題はその過程において進めていくのだ、こういうことで実は前委員長も答えられた。委員長就任早々引き継ぎを受けたのかどうか知りませんが、さっそくその問題について答えられている。現状はどうであるのか、少し荒筋だけでもいいですから、それを聞かしてもらいたい。
○説明員(山田精一君) 先ほどもちょっと申し上げましたが、法案の準備と並行いたしまして、現在の指定品目の洗い直し作業は相当進んでおります。ただ、業界との関係もございますので、どの業種についてどの程度に進んでいるかということは、この席で申し上げますことを、作業の円滑をはかります上においてごかんべんをいただきたい、かように存じておりますが、抽象的に申し上げまするならば、かなりの程度進んでおると御了解をいただきたいと存じます。
○木村美智男君 非常にむずかしい答え方になると思うのですが、そうすると、かなりの程度進んでおる問題の取り扱いをいつごろの時点でとれは——これはもう公取で告示の取り消しをすればそれで終わりなんですからね。そういう意味で、大体いつごろにはそういったようなかなり進んでいる作業に決着をつけることができるのかどうかというようなことを答えてもらいたい。
○説明員(山田精一君) 大体において、法案の提出の目安と同じ期間ぐらいを目標といたしております。
○木村美智男君 できるだけたくさん伺いたいと思いますから、解説抜きでいきますが、そうすると、委員長、この前、洗い直しにあたって、実は基準ということがたいへん問題になったわけです。前委員長のときは、一つのものさしというものが、ほんとうにそれらしきものが、言ってみれば今日の公取の判断といいますか、自由な競争が行なわれている、日常使用されている——きわめて抽象的な二つが大体洗い直しのものさしだというようなことだった。それは委員長うまくないじゃないか、どうしてうまくないかというと、やはり北島さんから山田さんにかわった、そのときに、かわられた委員長なり委員会の、これは日常使用しているもの、これは自由競争が行なわれているものというようなことを、そのときどきの判断でものさしが違うようなことはまずいじゃないか、だれが見てもわかるようなものさしで、これに当てはまらないというものはこれはふるい落とす、それに当てはまるものは場合によったらつけ加えるということもあるかと思うのですが、そういった一つの基準というものがつくられなければいかぬじゃないかという話をしたわけです。そのことについて北島さんも、ぜひ正しい基準をつくりたいという——これは速記を読んでいただいたらおわかりだろうと思うのです、と言われたのです。今回の洗い直しの問題についても、あとでどうだこうだ、あるいはその取り扱いが公正でなかったというようなことに議論が出ないようにあることが私どもも望ましいと思うのですね。そういう意味で、特に基準の問題についてはこの前うるさく、といってはなんですが、強く要望をしておいた。したがって、このことについて、委員長、基準は一体できているかどうか、それとも運用上大体こういう筋で内部で意思統一をしているとかなんとかいう、そういうのがあるのかないのか、その点をお伺いしたい。
○説明員(山田精一君) ただいまおっしゃいました二つの基準は、おっしゃいましたとおり、まことに抽象的でございまして、いかようにも解釈できますので、私どもはさらにもっと具体的な客観的な基準を幾つか考えております。現行法の解釈といたしまして適用できますものはむろんこれを採用いたしますし、場合によりまして、新しく法律の規定を必要とするような場合には所要の措置を講じてやってまいりたい、かように考えております。
○木村美智男君 それはそういうことのようですから、ひとつ、何といいますか、第三者的にも明確にできるような基準をいずれかの機会にひとつ成案をして、そうして私どもにも御提示をいただきたい。 次に、もう一つ。先ほど視察の中でもちょっと松下電器の問題が報告をされておりまして、メーカーのほうとしてはメーカーとして当然の指導としてやっているので、何ら問題がないといったような意味のことが報告されていましたね。私、この問題に関連をして、最近山田委員長になりましてからも、不当景品問題で特に児童雑誌の付録の問題を取り上げましたね。で、ああいうものがちょこちょこ出れば、これは公正取引委員会もなるほど動いているなとわかるのですよ。しかし、私はあまり不当景品だとか不当表示だとかいったようなことは、どっちかといえば、公取本来の仕事ということからすれば、私はこれは、幹なのか枝なのかというお話をすれば、私は枝なのじゃないかと思う。やはりそれは、いまの再販等について、たとえばよく言われるやみ再販といったような問題、言ってみればいまの松下問題といったような、今日審判で争っている問題ね、これが大体本来の公取の仕事の重要なやはり一つだと思うのです。で、そういう立場から考えてみますと、一体今日どのくらいこのやみ再販の摘発の件数があるのか。それからそれらについて、現状——まあ、委員長就任後でいいですよ、目下審判中であるとか、これは一応取り上げた程度だとか、そういったようなことについて概要だけひとつ聞かしていただきたい。
○説明員(山田精一君) お答え申し上げます。 ただいまのところ、審判継続中のものでいわゆるやみ再版に属しますものは、審判継続中の総数十一件ございます中で、五件までがいわゆるやみ再販に属するものでございます。なお、審判になりませんが、現在審査中のものがかなりございます。
○木村美智男君 委員長、いま審査中のものがかなりあると、こう言われたのですがね、これははたしてそのものに該当するかどうかわかりませんが、私、実は最近の特別な問題として起こってきておるしょうゆの問題、これについて少し聞きたいのです。 というのは、要するに、よく管理価格ということが言われますね。まあプライス・リーダーシップというようなことで、外国なんかでもよく問題になっているようですが、とにかく明確な何か価格協定というようなものはないけれども、どこか一カ所上げていけば、それに準じてほんとうに実質上協定をやったと同じような形がずっと一連の動きに出てくるという関係から見ると、実はこの管理価格というか、ある意味では実体は横のカルテルみたいのものだと私思うのですけれどもね。そういう意味で、このしょうゆの問題について、一体これは何らか公取としてタッチをしておるかどうか、この点ひとつ伺いたい。これはどうも、私きょうは、どこのしょうゆが幾らという関係については、私もちょっと資料をここへ準備がおくれましたから、ですからそれはおそらくやっておられれば必要ないと思いますし、やっていないとすれば私どものほうから提示をしてもいいと思うのですけれども、この点は、要するにいま審査中という問題の中に入っているのか入っていないのか、という点ですね。
○説明員(山田精一君) 具体的の銘柄につきまして申し上げることは御容赦いただきたいと思いますが、現在、抽象的に申し上げますと、一部現存審査中に属するものもございます。全般の問題といたしまして私どもは関心をもってこの推移に注目いたしておるわけでございます。 なお、他方におきまして、しょうゆの安売りが、異常な安売りが行なわれておるという申告も同時にございまして、たとえば二リットルびん詰めを九十五円で売っておるというような申告もございますことをあわせて御報告申し上げておきます。
○木村美智男君 一部審査の中にということで、そうすると具体的に、たとえば公取の審査のほうとしては、そういう問題についてもとにかく今日調査というようなことに無関係ではない、こういうふうに理解をしていいわけですね。 それじゃもう少し公取委員長に伺いますが、何といいますか、いま調査とか審査とかというようなことが件数にしてどのくらいやられているのですか。という意味は、これはよそからながめてみれば、いろいろほんとうにやっていても、あるいはやっていないように見えるということもあるかもしれませんから、決してそういうふうにだけ受け取っていただかなくてもいいのですが、経済部というようなのがありますね。経済部の中に四つぐらいの課がある。そういう場合に、調査あるいは調整といったような、ここら辺が、私、人数についても的確にあるいは何ですけれども、どうももう少しフル回転させていいのではないかという気持ちを持っているわけですよ。そういう意味で、これは委員長、十分まだ内部機構のことについて点検をあるいはされていないのかどうかわかりませんけれども、公取の動きがにぶいとか活発だとかという問題は、一にかかってこの調査、調整、ここら辺の経済部の活動に私はかかる気がします。したがって、何か具体的にこういうことで動きが悪かったとかいいとかということの問題でなしに、公取がほんとうに世の中に真価を問われるとするならば、経済部をどう動かすかということが実は問題のかぎだという意味で一つ問題点を出しているわけなんですが、そこら辺については、委員長、まあ答えられる範囲で、どういうふうに考えられ、現実にはどういう指導をされているか、ちょっと伺いたい。
○説明員(山田精一君) ただいまおっしゃるとおりでございます。私は着任以来、公取の調査機構をできるだけ充実拡充いたしてまいりたいということを常々申して今日に至っております。したがいまして、経済部の調査課、調整課を人員のやりくりのできます限りにおいて充実をいたしてまいりたいと思っております。 なお、調査のほうは件数を申し上げるわけにまいりませんけれども、審査のほうは、先月十月中に審査を開始いたしましたものが——これは記憶でございますから若干相違いたすかもしれませんが、たしか十二、三件ございました。それからそれ以前から繰り越しまして審査中のものが、たしか六十数件あったと記憶いたしております。
○木村美智男君 審査の問題については全く同意見であるということですから、ぜひそういう立場で今後とも指導をしてほしいと思いますが、もう一つ気がかりなのは、ときどき新聞に審判の問題が出ておるわけですね。で、何かこう、公取の審判というと、世間一般の認識からしても、何か裁判というといかめしい感じ、公取の審判というとちょっとやわらかいような感じが感じとしてするわけですが、私は、この問題は単に感じというだけじゃなしに、どうも審判の審理というか、そのテンポがおそいように考えられてしようがない。こういう問題は、やっぱりすかさず手を打って、ばちばちとやっていかなければ、実は物価問題としてはあまり有効にならないのですね。時間がかかればかかるほど、どっかでうやむやになっていくという、こういう傾向が従来感じられるので、この審判が遅々として進まない原因は一体どこにあるのかということを、これは委員長、率直に聞かしてもらえませんか。
○説明員(山田精一君) これもおっしゃいますとおりでございまして、私どもは、いつも審判をいかにして促進するかということに頭を悩ましておるわけでございます。しかし、ただいま先生もおっしゃいましたごとく、私どもの役所の審判はなるほど行政処分でございまして、裁判よりはある意味において軽いものではございますけれども、しかし、かりに審判を受けました者がその審決に不服で上級裁判所に訴えました場合には第一審の役目をいたします関係上、審判を受けます者の側の言い分なり提出いたしてまいります証拠あるいは参考人からの聞き取り等も手順を踏んでこれを認めてやりませんと、人権の保護に欠けることにつながる懸念もございますので、その辺に私どもは苦心をしておる次第でございます。むろん、先方から提示してまいりました参考人等を全部認めておるわけではございませんで、ある程度審判官の判断によってこれを切っておるわけでございます。しかし、相当数の参考人の意見も聞き、また証拠調べをいたしておりますので、どうも一日数が長くかかる、こういうことを私どもも常々痛感いたしておりまして、できるだけこの促進をはかってまいりたいと、こういうふうに考えております次第でございます。
○木村美智男君 いまの委員長の審判の問題について、私なんかのしろうと考えですが、どうも何というか、名簿を見ると、たとえば弁護人というか、こういう問題ですよ。弁護人の中には、これはもう、もちろん弁護士だから、だれを頼んでもそれは自由ですけれども、実際問題として、公取委員会に籍を置いた委員であるとか、あるいは部長クラスであるとか、公取のいままでやってきたことをよく知っておる人、そうして現在いる人たちのはるか先輩という人たちがやっておるというような態勢は、私はどう考えてもこれは八百長に近い印象を受けますよ、それは。何だかんだいっても、それはちょっと実際に事務局の人たちでもやっぱり困るだろうと思う、こういう関係は。したがって、これは何かの形で——またそういうことを言うと、あなたまた基本的な人権、職業の自由の問題の関係がひっかかってくるのなんのと言うかもしれぬけれども、やっぱり公取のそういう審判を、これをほんとうにあるべき姿に置くという立場からは、何かここでちょっと考えてみなければならぬことがあるんじゃないかというふうに、これは全くのしろうとですけれども考えるんですが、この点どういうふうにお考えになりますか。
○説明員(山田精一君) ただいまおっしゃいましたごとく、弁護人の中に、かつて公取に籍を置きました者がある程度入っておるのは事実でございます。ただ、まず第一の問題といたしまして、法制上の問題から申し上げますというと、独占禁止法によりますと、審判を受けます者は弁護士またはその他の者をして代理させることができると書いてありますが、弁護士以外の者の場合には公正取引委員会の承認を得なければならないということがございますので、私どもがこの人はいけないといって排除できるのでございますが、弁護士の資格を持っております者は私どもがこれを排除はできないのでございます。ただ、弁護士法のたしか、うろ覚えでございますが、第二十五条であったかと思いますが、弁護士法の規定で、官職にあった場合に自分が手がけた事件は弁護士として取り扱ってはならないという規定がございますので、その点は十分チェックをいたしておるわけでございます。それから沿革的に申し上げますと、従来独禁法関係の審判になりました案件が比較的少なかったものでございますから、一般の弁護士さんは独占禁止法についてあまり経験がおありにならない、経験のおありになる弁護士さんが少ない関係上、やむを得ず審判を受けるほうの側が経験者を依頼なさるということがあるかと思いますが、昨今、幸か不幸か、審判の件数がだいぶふえてまいりましたので、一般の弁護士の方も次第に独禁法に対する御経験が積んでまいっておりますので、ある程度の時日を経過いたしますると、この傾向も是正されてまいるんではないか、かように考えております。
○木村美智男君 さらに最後に、委員長、三カ月ばかりたったんで、ある程度公正取引委員会全体の事務局体制というか、委員会全体の運営といったようなことにも、いろいろと考えられているんじゃないかと思うんですが、その点でお伺いしたいんですが、やっぱりさっき委員長が、かりに一つの成案を得たら、委員会は合議制になっているから、そこでやっぱり相談をして、そして方向、方針をきめて成文する、あるいは表に出す、こういうような答えられ方をしたのは私はきわめていいことだと思います。それはぜひ、委員長が新聞に一言ものを言うときには、必ずそれは委員会の方針であるということがちゃんと裏づけられた上に立ってものを言う、したがって、委員長の言ったことは大体公取はそれを進めていくのだ、時間的におそい早いはあるにしても、そういった体制というものが私どうしても必要じゃないかということが一つ。 それから事務局と委員会との関係で、委員会というのは、三人なり、委員長入れて四人ですか、それと事務局との関係、委員会が方針を一つきめたら、そのきめた方針がさっと事務局の担当部門に対して流れていくような、こういうことについてどうなっているのか。変なことを聞くようですが、これはもう過ぎた事柄ですが、実は再販規制法案の流産に関連をして、多少そこら辺が問題であったということもちらほらあちこちから実は聞かされておる。そういうこともあるので、かりにそういうことになっておれば、いかに委員長が熱意を持ち、委員会が方針をきめても、そういうことがきちんと通らぬようではうまくないので、その点では、委員長と事務局長というもの、委員と事務局長という、こういう関係はやっぱりほんとうに水も漏らさぬチームワークをとってもらって、それが必ず、これは経済部門である、あるいはこれは何か審査の関係だとかということが、やはり委員会の決定がさっと流れるような関係で、意思が統一され、そうして行動がその委員会の方針に従って的確に動いていくというような委員会の運営になってもらわなければ実は困ると思うのであります。そこら辺についての委員長としての考えなり、現状について、まあそれはおまえのよけいな心配だと言われればこれはそれで私もあれしますが、一時そうでないかのようなことを聞いておりましたので、ここら辺も実はぎわめて私大事な問題だというふうに思うものですから、その点……。 それからさっき委員長が委員会の視察にお礼を述べた要員の問題。委員長、三カ月間たって、大体公取委員会がいまの活躍をしていくのに、たとえばさっきの調査、こういう問題はきわめて大事だということで全く同感だと言われましたけれども、はたして現状でいいのか悪いのか、いまの要員はですね。委員長が考えているような公取の活動をするのに十分な要員であるのかないのか。不十分だということになるならば、これは今度の予算要求にどういう要求をすればいいか。もし十分でないと思っていながら要求していないとするならば、それは委員長怠慢だからね。要求をしたがくれなかったという関係にあるなら、委員会はこの手伝いをする、それは。そのことはできますけれども、要求しなかったというようなことになったんじゃ、これは全然だめなんです。まあ、佐藤内閣全体として要員不増の方針というのを一応立てていますけれども、しかし、人命の安全であるとか、今日の最大緊急の物価問題であるとかというようなことで緊急欠くべからざるような要員について何もかも押えるということでないということが、これは内閣の方針として明らかにされているのですから、したがって、そこら辺は委員長考えて、今日の物価問題の重要性ということからいけば、公取内部で、必要以上の人員は要りませんけれども、最低限度これだけはどうしても必要だというやつは今度の四十三年度の予算要求の中でどういうことになっておるのか、そのことをひとつ聞かしていただきたい。
○説明員(山田精一君) ただいまの御発言の前段の点でございますが、私先ほども申し上げましたごとく、わが国ではいま行政委員会の組織というものは数少ないものになっておりますので、この精神を十分生かしてまいりたいと、これは私の抱負の一つにいたしておるわけでございます。現状においては、委員長と委員、それから委員会と事務局、全く一心同体である、むろん意見の相違はございましょうが、しかしそれは民主的な経路をもって決定された上においては一体となってその方針を貫いてまいる、こういう現状であることを信じております。今後もさらにその方向で努力してまいる覚悟でおります。 それから、後段の問題でございますが、人員はまさに不足でございます。非常に不足でございまして、過労のあまり病気になる者も一、二出ておりますようなわけでございまして、私はその点を一番心配をいたしております。先般の五十五国会のときの本院の附帯決議もいただきましたので、その線に沿いまして次年度の予算には増員の要求を出しておりまして、極力これは貫徹をいたしてまいる覚悟でございます。
○木村美智男君 委員長ね、その次年度の予算には増員の要求を出していますと、極力貫徹しようとしている、そういうことを言っているからあなた方なかなか予算が通らないんだ。本委員会にも話をするんですよ。公取委員会はこういうことで要求しました、その理由はこういう仕事がどうしても実は残っておる、やらなければならない、ということを本委員会に明らかにして。これはさっきの再販の問題で何か一つ規制の方向が具体的に出たら必要以上に抵抗を生むという問題とはちょっと違うのですから、そういうところまで遠慮しておったら、委員長、それは増員要求ゼロかもしれないよ。ちょっと言い方が悪いかもしれないが、ほんとに委員長、委員長も物価問題に、特に新任早々だけれども、きわめて真摯な態度でほんとに消費者行政に重点を置くという新聞発表そのとおり誤りない、そういうことを私は率直に受け取っているから……。しかし、いま言われたような、過労のために病気の者が出るというような状態の中で、あなたがなんぼそうやろうとしても人手不足だったら活動はできませんよ。公取全体としてのやはり任務が果たせないですよ。そうすれば、まじめに考えれば考えるほどこの要員充足の問題というものは、これはやはり委員長、これっぽっちも遠慮する必要はないので、それが結果として削られた、どうだという問題は、これはまた別の問題である。問題は、これから公取委員長としてこの公取の活動をとにかく国民にも見てもらう、役所としてもやはりりっぱだというのにはどうしてもこれだけの仕事をしなければならない、そのためには人間はこれだけ要るんだということで具体的に四十三年度の要員要求をしたんでしょう。それを私は聞かしてほしいと言っているわけです。いま具体的な数字を出せなくても、あとで文書で出してもらえばいいです。そういうことについて、ただ委員長が遠慮するということだけは、これはきわめて私らにとっては不満ですね。真意を疑うなんということは言いませんけれども、しかし、やはりこういう問題はきちっきちっとものを言うべきことは言う。かりに私がいろいろ質問している中でも、間違っていれば、そのことはやはり間違っていると十分やり合っていいのですよ。遠慮しなくてもいいところに遠慮していたのではいかぬので、そういう意味で委員長は勇気を持って、やはり今後の公取の活動を通して十分にその任務を果たしていくんだという、そういう自信の上で、ぜひそれこそ堂々と自信を持ってがんばってもらいたい。 これは、大体割り当ての時間がきましたので、要望ですから委員長答えなくてもいいです。人員の問題は、もしなんでしたら、いま持っていなければ、あとで文書でもけっこうですよ。そういうことで……。 —————————————
○理事(木村睦男君) 委員の異動について報告いたします。 本日、大竹平八郎君が委員を辞任され、その補欠として植木光教君が選任されました。 —————————————
○理事(木村睦男君) 田代君。
○田代富士男君 ただいま木村委員から、おもに再販問題につきましていろいろ質疑がございました。私も再販問題につきましては後ほど——先日そのために視察に参りましたし、薬の問題、また現在焦点になっております松下との問題で、はたしてやみ再販が行なわれているかどうか、いま審判の問題が云々されてまいりましたが、私は実地に見てまいりましたありのままの実態をこの委員会において取り上げまして、そうして今後あくまで消費者の立場として、大衆の立場として、その点を取り上げていきたいと思いますが、きょうは宮澤経企庁長官が幸いにも御出席なさっていらっしゃいますし、毎日の朝刊、夕刊をにぎわしているところの宮澤構想の問題につきましてひとつ……。ただいま木村委員もおっしゃいましたとおりに、きょうは休会中であるから、あまり突っ込んだ質問はよそうじゃないかという委員長からの話がありまして、時間の制限がされておりますが、しかし私は、休会中であろうと、消費者の立場として、いま問題になっている物価問題におきましては突っ込んでいく必要があるのじゃないかと思います。しかし、規則は規則でありますから守ってまいりますが、深く突っ込みたいと思いますが、問題点を一、二にしぼって、御質問を最初に経企庁長官にお願いしたいと思います。 財政硬直化の打開策として提案されました今回のいわゆる宮澤構想の問題でございますが、財界あるいは労働界に対する波紋は意外に大きく、オーバーな言い方ではありますが、果ては日米安全保障条約にからんで一九七〇年のわが国の財政の危機というようなことまでも言われるような始末になっておりますが、この財政の硬直化というものは、いまがいま始まったわけじゃないと思うのです。わが国の財政硬直化は、すでに四十年度の不況対策として、戦後続いてきた均衡財政を転換して、四十一年度は御承知のとおりに七千三百億の赤字国債を発行して、財政によるところの景気刺激政策をとられてきたことは御承知のとおりじゃないかと思いますが、それ以来、政府は当面の景気政策に見合った弾力的な国債政策を強調してきましたけれども、与党の自民党や、あるいは各省みずからの圧力によりまして、毎年毎年期待がはずれまして、選挙区向けの放漫財政によって、御承知のとおりに、米価やあるいは公共料金その他諸物価の上昇を刺激し、われわれ国民生活を圧迫してきた。そのことが予算面において既定経費の当然増、経費の増大となって今日に至り、そうして大蔵省では来年度予算の編成難を訴えているというような経過をたどってきているのじゃないかと思いますが、国民の側からこれを見ますれば、今日は景気もそう悪くない、また税金の自然増加も、来年度は、一応の試算でありますが、九千億円から一兆円も見込まれているのに、財政硬直化あるいは編成難とか、なかなか国民大衆にとってはこれは理解しがたいことじゃないかと思う。そのように思っているところに、今度突然宮澤長官が、来年度の減税取りやめ、そうして公共料金の値上げは全面的にストップする、それで生産者米価は凍結する、そのような非常手段をとることを提唱されまして、国民にとりましては何が何だかさっぱりわからないというような今日の状態じゃないかと思いますが、そこで私は、今回の宮澤構想につきまして、財政硬直化による非常時予算を強調しているが、財政硬直は大企業優先政策など政府自民党の行なってきた予算運営に責任があるのであって、これが、いまも申すとおりに、公務員給与であるとか、あるいは生活保護費引き上げの抑制、あるいは生産者米価の据え置き等によって国民大衆にしわ寄せする、その責任を一般大衆に転嫁するというのは私は好ましくないと思うわけなんです。まず、この点につきまして長官から御答弁をお願いしたいと思うのです。
○国務大臣(宮澤喜一君) いわゆる財政の硬直化の原因が、政府が大企業に特に恩典を与えた結果であるというような御発想からのお尋ねであるといたしますと、私はそのようには思っておりません。財政硬直化の裏面にありますものは、やはり広い意味での行政の硬直化であろうと考えております。それは、戦後これだけ大きく成長いたしましたわが国の社会、経済、各方面、十数年の間にいろいろに変化をいたしましたけれども、それにもかかわらず、戦後行なわれてきたいろいろな制度であるとか、慣習であるとか、ものの考え方であるとか、そういったようなものがそのまま、あまり基本的な反省をすることなしに今日まで続いてきた、そういうことが政府全体の行政の能率を落とす結果になっておると思いますが、たまたま、それが予算という計数でとらえられる形で昨今あらわれてきた、顕著になってきた、こういう理解をいたしておりますので、したがって、財政硬直化のもとにあるものは何かと端的にお答えするとすれば、それはやはり広い意味での国の行政の硬直化であるというふうに考えております。
○田代富士男君 長官はいま、大企業への恩典でなくして、広い意味の行政の硬直化である、そういうお話でございましたが、私は、このような公務員の賃金の抑制とか、生産者米価の凍結など、物価を賃金面から押えようとするのか、物価上昇の原因を賃金上昇に片寄せているというところに問題があるんじゃないかといまも申した次第なんです。だから、わが国の労働生産性の分配率は、御承知のとおりに欧米に比べてまだまだかなり低い状態にある。だから、現在、賃金のみ考えれば、私はさらに引き上げるべきものである、そのように思うわけなんですが、その上昇について物価上昇と多少の関係があるからといって、直ちにそれを二側では賃金上昇に原因があるかのように、そうしてその抑制をはかるということは妥当でないと思うのですが、この点にしぼった考えはいかがでございますか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 私は、この際賃金を大いに抑制する必要があるというようなことは申してはおりません。私どもの基本的な考え方としては、過去の経済成長というものが、やはり国民が年とともに高い所得を得る、そのことによってささえられてきた、また輸出の振興も、結果としては、国内における十分な消費が製品の価格を下げることに役立ってきた、それは大量生産を通じてでありますけれども、そういうふうに考えてまいりましたから、従来賃金が適当に毎年上昇してきたということは、わが国の経済成長のもとをなした要素であるというふうに認めております。 ただ、ここで問題になりますのは、わが国も大まかな意味での完全雇用にかなり近づいてきたように見受けられます。ことに、新規学校卒業者に関する限りは、需要が供給をはるかに上回っておるような状態であります。中学校、高校につきましては。そのようなときに、大企業においては賃金の上昇を生産性の向上によってカバーをすることが従来できましたし、これからもできるであろうと思いますけれども、労働の需給関係が逼迫いたしました結果、そのような大企業における賃金の上昇が、それ以外の分野、中小企業でありますとか、あるいはその他の産業に波及せざるを得ない、足りない人間をお互いに取り合うわけでありますから、当然そういうことになります。そういたしますと、そのような中小企業、サービス業、あるいはそれに類似する産業では、生産性でカバーできないところの賃金を払う結果になりますので、それは勢い、消費者あるいは利用者に価格して、または料金として転嫁せざるを得ない、こういう現象がここ一、二年起こっておりますし、これからもおそらく起こり続けるであろう。その問題は、あまり急激にそれが起こりますと、消費者物価の問題となって国民生活を脅かす。したがって、本来理想的にいえば賃金の上昇というものは国民経済全体の生産性の向上と見合ったものであることが望ましい。ただ、これは理論上そういうことが言えるのでありまして、実際上そういうことが簡単に行なわれるかというと、簡単には行ない得ないと思いますが、少なくとも過去のいわゆる所得を逐年ふやしてきた政策というもの、これは間違っておると思いませんけれども、ここで労働の需給の逼迫というものとからみ合いまして、もう一度、どの程度の賃金上昇がわが国経済として適当であるかといったようなことは、お互いに一ぺん考えてみる必要があるのではないかと、実際にそういうことが政策としてできる、あるいは望ましいとまでは、なかなか申し得ないわけでありますけれども、その間の関係は一ぺん考える必要があるのではないか、こう思っておるわけでございます。
○田代富士男君 いま、賃金の抑制等はしていないと、まあそのように申されまして、今回の構想というのは、再具して、いまもお話ありましたが、財政難の打開策として、物価と賃金の悪循環を断ち切って、そうして、賃金の上昇率を生産性向上のワク内におきめようとするいわゆる宮澤構想の所得政策につながるものじゃないかと思います。その所得政策を、なしくずしにして採用しようというねらいがあるのじゃないか、そのように、曲解かわかりませんけれども、感じられてならないわけなんですが、これらの点につきましては、今後対策を起こしていかなくちゃならないとおっしゃるとおりに、多くの問題も控えているわけなんです。この問題につきましては、先進国でありますアメリカ、英国におきましても行なわれたことでありますけれども、特に民間労働者側においては不満が非常に強かった。それを、いま日本におきましても所得政策を導入してということでございますけれども、この点については私は一、二異論があるわけなんですけれども、その点につきましてお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) いわゆる所得政策を導入し実施をするということは、私はいま考えておりません。それは、一つには、賃金、物価、生産性といったようなも一のについての、国民のすべて、各層の人々が共通に使えるような資料なり研究が現在のところ欠けておりますから、おのおの自分の持っておるデータなり何なりで議論をするということになりまして、議論がかみ合わないというのが現状でございます。したがって、かりにそういう議論が行なわれるにしても、客観的、第三者的な共通の事実というものがまず発見されなければならないということが一つであります。もう一つは、かりにそのような共通の議論の基盤ができたといたしましても、賃金の協定といったようなものは、労使の相互の信頼感がやはり不可欠でありますから——力による協定以外は。そのような信頼感が現在のところ十分にあるとは思えない、そういったような理由から、いわゆる所得政策というもの——このことばにはいろいろな意味がございますから、あえていわゆると申し上げるわけですが、いわゆる所得政策というものを導入するということはこの際適当ではないし、また可能でもないというふうに考えております。ただ私ども、これはわが国ばかりでなく、いわゆる先進国といわれている国はそうでございますけれども、マルクス以後のニュー・エコノミクスと言われるもの、ケインズから始まりましたいわゆるニュー・エコノミクスと言われるものが、完全雇用を達成したあとどのような政策をとるべきかということについて、国際的にも実ははっきりした理論もないし、先進国は実際その辺のところでいろいろに苦しんでおるわけでございますが、わが国も遠からずそういう事態に直面せざるを得ないであろうと考えます。これは、国民全体のやはり一つの課題となってくるのではないかというふうに思っております。
○田代富士男君 いま話がありましたとおりに、今後の残される問題、じゃないかと思います。 で、いまここに十の項目が出ておりますけれども、時間もありませんから、これを一つ一つお尋ねしていきたいと思いますが、一つには、公務員給与をあらかじめ予算に一定額、たとえば消費者物価の上昇率の見込み程度を計上し、四月一日から、実施するという第一項目がありますけれども、公務員の給与につきましては消費者物価の上昇の見込み程度の改定を当初予算に一応紀むようになっておりますけれども、給与の上昇を消費者物価の上昇率の範囲内にとどめるというのはどういう根拠であるのか。また、現行の公務員給与の引き上げの基準は民間の賃金ベースとの比較であって、物価の上昇率と対比しているのではないわけなんです。現行では、給与の改定は、御承知のとおりに、第三者機関であるところの人事院の勧告によって行なわれておりますけれども、この構想が実施されると、人事院の勧告というものは必要なくなり、給与の引き上げは政府の手で一方的に行なわれることになるんじゃなかろうかと、かように思うわけなんですが、まず第一の問題についてはいかがでございましょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 初めに御了解をいただいておきたいことは、ただいま御指摘のありました十何項目の問題提起というのは、今後わが国として恒久的にそういう施策をとる必要があるという、そういう意味合いのものではございませんで、恒久策をいろいろ考える上で、明年一年いわば一種の停止状態に近いものをつくっておいて、これ以上実情を悪化させることをとめておいた上で、一年間各方面の衆知を集めて恒久策をしようではないか、そのための一年間のいわば臨時緊急の措置でございます。これはそのように御理解願っておると思いますけれども、誤解があるといけませんので、あらかじめ申し上げておきます。 そこで、公務員の給与並びに米価につきましては、先般来、総理大臣の諮問機関でありますところの物価安定推進会議において、これらのものが年度途中の補正要因になるということは、それ自身でインフレ的な心理を助長させることにもなるし、また、当初の歳入見積もりをいたしますときに補正というものを財政当局が頭に置いておかなければならないというような不自然な要因にもなっておりますから、本来ならば当初の予算から組み込むことを考えるべきである、こういう提言があったわけでございます。私も、この提言の趣旨はそのとおりであると思います。ただ、将来恒久的な方法としてそれをどのようにいたすべきかということは、先ほど申しましたとおり、明年一年考えてみる必要がございます。そこで、とりあえずこの際、明年一年としては、いやしくも消費者物価のある程度の上昇を政府が認めざるを得ない以上は、公務員給与をいかに停止と申しましても据え置くということは生活水準のそれだけの初り下げになるおそれがございますので、そういうことにならないだけの配慮はやはり国としてしておくべきではないだろうか、こういう見地から、とりあえず消費者物価の上昇分だけは年度の始まりから給与改定ができるようにいたしておくべきではないか、いかに臨時緊急策と申しましても、どうしても消費者物価が上昇するであろうということが事実であれば、それに目をつぶるということは現実的ではないじゃないか、かように考えたわけでございます。
○田代富士男君 いまのこの点については、臨時措置であるということは、ようわかっております。一応これだけの構想が出ておりますからお尋ねしているのですから、その点も御了承願いたいと思います。 それで、御承知のとおり、二の問題、三の問題でございますが、これにつきましての構想では食管制度そのものについては何も触れてない。これでは、たとえ米価を据え置いて一時しのぎをしたところで、私は、まあ暫定措置だということもわかりますけれども、これは解決にはならないじゃないか。これにつきましては米価審議会の検討を待つことになっているけれども、もっと積極的な解決策を出すべきじゃなかろうか、そのように思うわけなんですが、この点いかがでございましょうか。二、三の問題を含めまして。
○国務大臣(宮澤喜一君) 米の管理制度は、戦後これだけ長いことやってまいりましただけに、衆知を集めて国民の大部分の賛同を得るというような形でなければ、いかにいい知恵がありましても、何人かの人間がそれを言っているだけでは、なかなか実現し得ないくらい背景の長い、かつ重い問題だと思っております。ただ、今年の米の生産状況、それからおそらく明年も予想されるでありましょうような収穫量を想像いたしてみますと、明米穀年度の末ごろには、国が持ち越します米の量というものは、少なくとも国民消費の三カ月分以上になるのではないかと思われます。そうして、年とともに技術の進歩等によって米の生産の水準がこの程度に維持され得るといたしますと、従来から考え行なわれてきた管理制度というものに相当な改善を加え得る環境が生まれてきたのではないかというふうに、実は、私個人は考えております。そこで、明年一月から新たに米価審議会を発足をいたしまして、今度は、価格決定の時期だけでなく、毎月定例的にこの問題の検討に当たるということに農林大臣が方針をきめておられますので、数カ月そこで討議をしてもらいますと、このような環境の中で国民の多数が納得されるような制度の改変というものが私はできるのではないか、それを期待することはどうもあながち無理ではない環境であるというように考えましたので、したがって、そういうことを促す意味もあって、明年は両米価を一度押えてみたらどうであろう、こう提言をしておるわけでございます。
○田代富士男君 一つ一つの問題について深くお聞きしたいと思いますが、ずいぶん項目がありますから、一つ一つの問題だけにしぼっていきたいと思います。 いま、米価の問題も出ましたけれども、公共料金の引き上げストップにつきましては、御承知の昭和三十九年にその例がありましたけれども、一時的なたな上げ措置であったために、その翌年にはその反動で値上げの連鎖反応を招いた経験がございます。そのことから考えますと、この問題は臨時措置であるということはわかりますけれども、これのあとの事後措置を講じていない。ただ単なる値上げたな上げは意味がないじゃないか。その後の手当てについては検討するとか、そういう審議をするとか、ただ一片のことばでもっては国民大衆は納得できないと思いますが、そのような事後措置を講じない単なる値上げあるいはたな上げは意味がないと思うんですけれども、この点についてはいかがでございましょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 私がここで公共料金と申しておりますのは、広い意味の公共料金ではございませんで、政府が財政等の措置によって直接に左右できる範囲の料金を考えておるわけでございます。たばこでございますとか、鉄道でございますとか、郵政関係のものでありますとか、電電関係のものでありますとか、そのようなものを申しておりますので、たとえばどこかの地方のタクシー料金を上げないんだという意味のことを申しておるのではございません。その点で、前回、昭和三十九年でございますか、いたしましたものとは、その範囲も考え方も違っておるわけでございます。 そこで、これらのうちで、もし米につきまして先ほど申しましたような改善策が実行されることになりますと、この問題は、公共料金の中で、いわゆる消費者価格の中で、一つ大きなものについて、その少なくとも合理的な新しい制度が生まれることになります。これはまあ大きな長い間の問題でございますから、それができれば私としては非常に消費者物価の問題はともかく一つ合理的な方向に出るであろうというふうに考えるわけであります。その他、鉄道あるいは電信電話関係、これらのものについて、その原則は受益者負担であるべきものだ、そうして、どの部分を財政がいわば国民の租税によってまかなっていいのか、どれから先が受益者が直接に負担すべきものであるかというような、そういうこの規則、原則が今日のところはっきりしておりませんので、やはりそういう原則をこの一年の間に打ち立てて国民各位の御了承を得たい。と申しますことは、何でもかんでも政府の負担になるべきものであるというような気持ちが、多少国民の中にございますから、それは必ずしもそうではない、この部分は公共の負担であるが、これから先は直接に利用なさるあなたに負担していただかなければならないんだというような、そういう、これは一種の、何と申しますか、ものの考え方の原則を打ち出したい、こういうことからこのようなことを申しております。 なお、ちなみに、実は明年度の物価情勢を考えますと、本年度は私ども経済見通しでお約束いたしました程度の物価上昇でおそらく済むであろうと思いますが、年度の後半からしり上がりになってまいりますために、かりにこれらの政府が直接関与し得る料金が明年度当初から引き上げられますと、このしり上がりの傾向にさらに刺激を与えることになる。しかも、それがあたかも政府がそれを主導したといったような印象を与えやすい。計数的に分析すればそうでありませんでも、しかしそういうふうに国民は受け取りやすいものでございますから、その結果、何となく値上げムードというものが一般に広がって、便乗といわれているようなものを誘発しやすい。その最後の部分をおそれているわけでございます。したがって、この際はできるだけ財政等々で手当てをしておく、そして明年一年、受益者負担の範囲、程度といったようなものについての原則を打ち立てて、国民の理解を得ていきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○田代富士男君 ただいま受益者負担の問題が出ましたけれども一、この問題は、原則としてですね、受益者負担を押し通して料金値上げをすることは、私はこれは好ましくないんじゃないかと思うんです。まあ、これでやる以外ないとおっしゃいますけれども、いままでの経過をたどってみますと、これが諸物価上昇の原因をつくっておりますし、まだまだ問題はそれ以外にあると思うんです。それは、諸物価のいろいろな抑制策も政府はとってまいりましたけれども、流通機構の改善、あるいは後ほど問題にいたしますところの再販制度の問題とか、カルテルの問題だとか、そういういろいろな問題ですね、まあそういうことも解決策を講じてきたけれども、努力はしておるというけれども、その証拠が出ていない。そうして物価は年々に五、六%くらいの上昇を招いている。このような段階で考えたときには、私はきめたことは実践することが先決問題じゃないかと思うわけなんです。それを、公共料金にしても米価の問題につきましても、たな上げだとかあるいは凍結だとか、広い意味の公共料金とかあるいはこれは狭い意味の公共料金とか、そういうことではなくして、そういうしわ寄せを受益者負担の原則で押し通すんでなくして、政府自身が責任を持った、もっと抜本的な対策を講じてもらわなければならないのではないかと思うわけなんです。このことについてお聞きしたいんですが、時間がないですから、これは私の要望としてお聞き願いたいと思うのです。 四番目の問題に、減税の問題についてここで取り上げられております。国税の減税については特に輸出振興に必要なものを除き行なわない。たばこの額は据え置く。——いまのお話のように、たばこの額は据え置くとなっておりますが、減税を原則として行なわないとなっておりますけれども、これは政府・自民党の公約にも反することでありますし、さらに消費者物価の上昇という事情を考えた場合には、実質上の増税にもなるが、その点はいかがでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 私ども国会に対しまして、いわゆる標準家庭の課税最低限を百万円に昭和四十五年までに持っていくということはお約束をいたしておるわけでございます。そのことは今日でもそうすべきものと私も考えております。で、ここで国税の減税については輸出振興関係を除いて行なわないというふうに申しましたのは、来年度の予算を私なりにいろいろ歳出、歳入、目の子で勘定いたしてみますと、どうもこの提案全体を実現するためには、かなり歳入が窮屈でございます。ことに、国債発行額を依存率の問題にしても実額にしても相当押えるべきものだというふうに考えてまいりますと、財源という観点から予算の編成が相当つらい、こういうふうに私自分で目の子で考えました。そうであるとすれば、もし物価の安定と減税、二者択一であればどう考えるか、それから非常に国債が多くなってもなお減税をすべきものであるか、といったようなことから詰めてまいりますと、万やむを得ない場合には一年間国税の所得税の減税を国民にがまんをしていただくということも、それ自身好ましいことではないと思いますけれども、やむを得ないのではないか、ただ、いろいろな租税収入の見積もり等から、何もそこまでしなくても予算編成ができる余裕があるということであれば、国民生活を守る立場からは、ことに消費者物価の上昇が見込まれますので、その程度の所得税減税はこれはかまわない、というよりは、むしろ望ましいことであります。しかし、これは計数について、もう少しはっきりした議論をいたしませんと、要するに程度問題のことになると考えまして、私は思想として、この際国税の減税は悪いことであるというようなことは、もとより考えておるわけではございません。
○田代富士男君 いまもお話ありましたとおりに、減税の問題は、国民総所得は高度経済成長のために世界でも上位にわが国はありますが、それに引き比べまして、一人一人の国民所得は世界で二十七番目にある。そうして国民の実質租税負担も非常に高いわけです。こういう点から、国民生活を安定な方向に向かしていくには、当然減税はやるべきじゃないかと思うのです。これも要望をしておきたいと思います。 それから五番目の問題でございますが、五番目の構想では、地方財政について既存の債券の償還あるいは地方交付税交付金の繰り延べなど、その余裕を見越した考え方に立っておりますが、実際は、一部を除いて、地方財政はもう窮乏しているのが実情じゃないかと思うわけなんです。構想は、国税の減税取りやめなど、国の財政のことばかりを取り上げて、地方財政への配慮がされてないという、そのような感がするわけなんですが、この五番目の問題についてはいかがでございましょう。
○国務大臣(宮澤喜一君) 私の趣旨は、むしろ御指摘なさいましたのと逆でありまして、従来、国と地方との行財政の再配分ということがもうここ十何年も言われ続けておりますけれども、今日まで実現をしていないわけであります。その結果は、俗に三割自治というようなことが言われるに至っておるわけであります。幸いにして、地方制度調査会が過般行政の再配分については答申を出されたわけであります。しかし、財源の再配分が伴いませんと、仕事だけが地方へ移るという結果になりまして、それだけでは行ない得ない。そこで、明年夏過ぎごろには財源の再配分についても地方制度調査会が答申を出されるわけでございます。それが出ますと、どのような形で中央地方の間に行財政の再配分をすべきかという指針が出ることになりますので、この長い間言われておった問題をこの際片づけることが好ましいのではないか。たとえば補助金をつけて地方に渡しております仕事なんかの中には、むしろ財源を渡すことによって地方の単独事業にしたほうがよほど気がきいているといったようなものも数多くあるかと思います。非常にむずかしい問題ではございますけれども、この際地方を通じての行財政の再配分を行なうことが望ましい、そういうことを実は頭に置きながらこういうことを申しておりますので、その点は、むしろ田代委員が本来あるべきだと思われるようなことを私自身も考えておるわけでございます。
○田代富士男君 じゃ、今後ともそのように推進をしていただきたいと思います。 六番目の問題でございますが、ここでは公共事業費の問題でございますが、公共事業費の抑制につきましては、現在でも民間資本と上下水道などの社会資本とのアンバランスが著しい状態でございます。これは御承知のとおりでございますが、経済の規模では日本は一流国並みと言われておりますわが国でも、このような社会環境施設は四流国程度と言われるわけなんです。それだけにその整備が急がれるわけなんですが、このような場合、公共事業等については、ここに六番目に載っておりますけれども、抑制するのでなくして、むしろ促進をはかるのがたてまえじゃないかと思うわけなんですが、いまの五番の問題とも関連した問題でございますが、六番の問題はいかがでございましょう。
○国務大臣(宮澤喜一君) 基本的にはそのとおりであると思っております。この問題は、結局国債の発行量を一般財源との関係でどの程度に適正に置き得るかとの関連であると思います。
○田代富士男君 七番目の問題は、社会保障費の生活保護の問題でございますが、社会保障費、特に生活保護費を消費者物価の上昇率程度にその引き上げを押えようとする考え方が問題じゃないかと思うわけなんです。これは生活保護費の基準を実質的に据え置こうとするもので、物価上昇の責任を低所得者層にしわ寄せするものであるんじゃないかと、このように思うわけなんです。生活保護は、中間所得者層と低所得者層との差の縮小、さらに大きく言うならば、福祉国家の理念に基づいて言えば、当然その引き上げは積極的に行なうべきであるけれども、これを七番目に説いてあるような結果であったならば、これはちょっと考えなくちゃならないのじゃないかと思うのですが、この点はいかがでございましょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 私も、基本の考え方として、今日生活保護法の水準がいわゆる最低勤労世帯のそれに比べてほぼ五〇%をこえたばかりのところでございまして、まだまだそれで十分であるとは考えておりません。明年度の場合には物価の安定等々に主眼を置き、最終のところは通貨価値の維持ということになるわけでございますが、それとの選択において、一年間、ここのところを一年間に限ってがまんしていただくことが考えられるのではないか、こういうことを申しているわけで、長期的に見て生活保護水準が非常にまだ低いということは、仰せられるとおりだと思います。
○田代富士男君 次いで、八番の問題ですが、これも同じ部類に属すると思いますが、失業保険については季節労務者の圧縮を前提に保険料率の引き下げを行なう、このように言われて、失業保険について季節労務者への支給の抑制は国会でも議論されたように、問題があるのではなかろうかと思うのですが、この八番の問題はいかがでございましまう。
○国務大臣(宮澤喜一君) 失業保険の被保険者は大体一千八百万人くらいでございますが、季節的な受給者というものは数で申しますと全被保険者の三%くらいでございますけれども、受給額は実に全体の三割を占めているわけでございます。本来、失業保険というものは、失業という予期しない事態、時として起こり得る事態に備えるものであって、毎年定例的に繰り返されるような事態を考えてできた制度ではないというふうに考えます。したがって、これについては、その季節的失業があるということ自身は、それ自身問題でございますけれども、それなりの対策を必要とすると考えますが、そういう繰り返し繰り返し毎年同じように起こる失業に対して常に失業保険を給付するということは、私は制度としてこれは問題がある、こう思います。
○田代富士男君 九番目の医療費について、薬価基準の問題でございますが、これは当委員会が視察に参りました実情を訴えたいと思います。そうして、薬価基準が現在どのような実情であるかということ。前回も私は当委員会におきまして薬の問題を取り上げましたけれども、調べれば調べるほどこの問題は問題が大きい。再販価格と問題がからみまして、再販価格といま問題になっております物価高との関係というものを、視察を通じまして見ました結果、一つの実地のデータを申し上げまして検討したいと思うのです。 現在、再販価格を認められている品目は、御承知のとおりに、医薬品、化粧品その他ございますが、概観しましてそのような種目になっておりますが、この再販価格以外のやみ再販という名前のもとに、これもだれがつけたかわかりませんが、そういう固有名詞になってしまっておりますが、それも三千六百くらいあると一説にありますけれども、その再販価格によって利益をどのくらいもうけるか、これが自由価格になればどのくらいの価格で販売することができるかという一つの例でございますが、大正製薬のサモンゴールド、これは、百錠入りの場合、再販価格は最終価格値段が千六百円です。これが小売り店に回るときの金額が八百五十六円八十銭、それであとの七百四十三円二十銭というのが小売り店の口銭となる、利益となる。%に直しますと四六%というのが利益なんです。そこで、再販価格という名前のもとに千六百円の指示価格が指定されているわけなんです。これを、たとえばスーパーマーケットであるとか、あるいはそういう多量に販売しております量販店で扱う場合は四六%の利益等は要らないというんです。だから、仕入れ値が八百五十六円八十銭であった場合の利益等は、それは店によって違いがありますが、スーパーマーケットの例をとりますと、一割ないし一割一、二分あれば経営は成り立っていくと。そうしますと、一割一分、一一%と見なしますと、利益が百三円二十銭ということになるわけです。百三円二十銭。そうしますと、小売り価格は、仕入れの八百五十六円八十銭、それに百三円二十銭を足しますと九百六十円。自由価格にした場合には千六百円で買わされているところの品物が、千円以下の九百六十円で提供できるということなんです。まあ、こういう薬の問題が一つです。 時間がありませんから続けざまに申し上げますが、再販の中でも一番多いのが薬と化粧品ですから、次に化粧品を申し上げますと、カネボウのコールドクリームです。これが、再販価格と自由価格に分けますと、再販価格の指示価格が六百円なんであります。これが仕入れ価格で三百七十八円。で、小売り店の利益が二百二十二円、三七%。これが六百円の指示価格になっておるわけなんです。ところが、自由価格でいきますと、まあ化粧品を一割と見ましょう、四十二円です。そうすると、仕入れ価格の三百七十八円プラス四十二円、四百二十円ということになるわけなんです。このように、再販価格六百円のクリームが自由価格になりますと四百二十円で可能である。 そこで、再販のそもそもの出発は、まず、日本に昭和二十二年に独禁法——経済憲法といわれる独禁法ができまして、そうしてそれが二十八年に緩和されまして、再販問題が大きく出てまいりました。その趣旨というものは、あくまで乱売を禁止するというような、そういう趣旨のもとに進められたのがそもそもの出発じゃないかと思うんです。だから、御承知のとおりに、再販の問題につきましては、独禁法の十九条の不公正な取引方法の禁止規定という問題からいろいろ検討されておるわけなんです。しかし、最近は、このような最初の趣旨と違いまして、大企業あるいはメーカーを擁護するような形になりまして、値が下がるべきそういう値も下がってないし、かえって国民全体の立場から見るならば、これは大いにマイナスであるし、物価問題がこれだけ大きな社会問題になっているときにおきまして、この問題は大いに検討しなくちゃならない問題じゃないかと思うわけなんです。まあ、そういう面におきまして、当初の出発と最近とはずいぶんの違いがありますが、こういう問題に対しまして、物価の取り締まりをするところの公取の立場として、どういうお考えであるか、まずお答え願いたいと思うのでございます。
○説明員(山田精一君) ただいまの御指摘のような事実がございますので、現在、従来指定になっておりますところの再販維持契約を認められております品目について洗い直しの作業を進めております。お話のような数字でございますというと、これは自由競争が行なわれておるとは申しにくいように思われますので、判断をいたします重要な資料として拝聴いたしておきたいと存じます。
○田代富士男君 まあ、重要な資料として、自由競争が行なわれていないという事実があるから、今後やっていただくと……。私もきょう初めて山田委員長にお会いいたしますけれども、いま木村委員からも、ひとつ本腰を入れてやってもらいたいと言われましたが、いまの一言を私は生涯忘れませんから、そのつもりで大いにがんばってください。あのときは張り切った上でのことばでございますというようなことのないように。 それで私は、この薬の問題ですけれども、きょうは坂元さんもお見えになっていらっしゃいますが、この前から薬の問題を追及しておりますけれども、薬価問題がいま焦点になりまして、十二月から新しい制度が実施されることになっておりますが、私は、薬価基準は、この宮澤さんの構想の中にもありましたけれども、もっと引き下げなくち牛ならぬと思うのです。 その実情を申し上げますと、これは薬品乱売の実例ですが、大阪の東住吉区の丁薬品株式会社です。名前を出しますと、あとで厚生省から圧力が——いかないと思うんですけれども、聞きたいとおっしゃればいつでも出しますけれども、T薬品会社が、大阪の西成区の同じく丁医院です、産婦人科・内科医です、ここへ売っている実態を調べました。そうしますと、明治製薬のキャソサイクリン、これは品物も実際きのう薬局へ行って買ってきました。薬局で何ぼで売っているかということです。これです。明治製薬のキャソサイクリン、これは抗生物質です。二百五十ミリ百錠を病院へ納めている値段は二千五百円で納めているんです。それで、五十万円買い上げにつきカラーテレビ一台、時価にしまして、少々の変動はありますが、十八万円添付するということになっております。このこともあとで坂元さんにお聞きしたいと思うんですけれども、この前は、そういう景品を添付することは私は極力指導しまして、ございません、まだあったんですかという、この前の委員会の御発言でしたが、きょうは続々とその実例を出しますから……。指導怠慢というわけじゃないんですよ、それも含んだ上の……。 それで、これが薬価では——ここに薬価表も持ってきております。乙表も持ってきておりますが、薬価では一錠が六十円。一錠六十円で一日四錠まで、そうしますと二百四十円の薬価になるわけなんです。二百四十円の薬価。それを点数計算をいたしますと、ここに基本表がありますが、この点数計算は、数字でいいますと、二百四十割る十、これで点数が出てまいります。二十四点という点数が出てきます。これに、六十円以上の場合は二・八点加算されますから、二十四点に二・八点加算しますと二十六・八点。要するに二百六十八円の請求ということになるわけなんです。そうしますと、百錠買ったお医者さんは健康保険の点数でどれだけの請求ができるかといえば、六千七百円の請求ができます。百錠で六千七百円。そうすると二千五百円で買って六千七百円の請求ができる。まして、五十万円買えば景品がつくというんですから、五十万円の金額のキャソサイクリンを個数に直しますと二万錠になります。そうすると、二万錠のこのキャソサイクリンの健康保険での請求金額を出しますと、百三十四万円になります。百三十四万円。二万錠ぐらいは、大きいお医者さんは一カ月ないしそこらで全部使ってしまいます。そうしますと、百三十四万円健康保険で請求できるのに、お医者さんの出したお金は五十万円、数字を計算していただきますと、マイナス八十四万円はお医者さんがもうかるわけです、薬代で。それに、おまけにカラーテレビ一台、十八万円つくという。十八万円で計算しますと、百二万円。五十万円で薬を買って百二万円もうかる。私はこのような実態を掘り下げていくならば、もっと薬価基準を——いまもうほとんど煮詰まっていると思いますが、もっと安くすべきだと思うのです、大衆の立場からするならば。 また、もう一つの例をあげますと、これは参考に言いますが、これはお医者さんで二千五百円ですから一錠二十五円。私は東京都内の薬局で買ってきましたが、これは二錠でありますが二百円です。一錠百円です。私が買ってきたのは一錠百円。二百円出してきました。いずれ飲む機会があるかと思いましたけれども、一応参考に……。これが実情です。小売りでは百円です、これが。そういうことからするならば、薬価基準の問題につきましては、厚生省はもっと突っ込み方が足らぬと思うのです。そういう医者からの圧力とか、そういうものに負けずにやらなくちゃ、だれがやるかというわけなんです。 それと、もう一つは、これはネオラミンという日本化薬の製品です。日本化薬の製品。これも同じ二十五ミリ一万錠、これが五万五千円です。二十万円買い上げるごとにカラーテレビ一台が当たる。これは大阪北区のH病院です。これはエッチなHではなくて、H病院ですから……。(笑声)薬価は六円ですから、一日三錠で十八円、それで点数は四・九の四十九円になるわけです。そうしますと、一万錠で請求できる金額というものが十六万三千三百三十三円になります。そうしますと、二十万円買い上げますと四万錠、これが点数計算しますと、六十五万三千三百三十三円です。そうすると、六十五万三千三百三十三円、いまの方法で二十万円引きますと、四十五万三千三百三十三円のもうかりになります。これにカラーテレビ十八万足しますと、H病院の利益というのは六十三万三千三百三十三円ということになります。これは事実です。私は民の声を、事実の声をこの委員会に反映さしたいのです。この事実を盛った上で、薬価基準ははたして適正かどうかということを知ってもらいたい。また、もう一つは、いまのネオラミンという、これはいまの場合は景品の添付でございましたが、今度は阿波踊り招待がついているネオラミンの注射液です。持続性活性ビタミンB1です。これが、五十ミリグラム五十アンプルがお医者さんへ入るのが七千百円です。 〔理事木村睦男君退席、委員長着席〕 これを五十万円買い上げますと阿波踊り二人で二泊三日の招待、別に医療機器、心電計二十万円相当を添付する、そういうことでございます。それで、私が言う丁診療所はこれを七十箱買った。アンプルにして三千五百アンプル、金額にしまして四十九万七千円、健康保険の薬価は百六十一円、だから百六十一円を十で割りまして十六・一プラス二・八の十八・九、百八十五円が点数の請求。そうしますと、百八十九円を三千五百アンプルで計算しますと六十六万一千五百円、これが請求金額になります。そうして、いま申すとおりに購入金額は四十九万七千円ですから、それを引きますと、病院の利益は十六万四千五百円になります。それに二人二泊三日の阿波踊り招待を三万円と見積って、これに三万円をプラス、心電計二十万円を加えますと、三十九万四千五百円という利益になる。こういうところから考えまして、薬価基準は下げるべきであると思うのですが、これは厚生省の立場としてどうでございますか。きょうは時間がありませんから、時間があれば一つ一つ何でございますけれども、この点につきまして率直に、そうして坂元さんはこの前景品等は出しておりません、私は出しておりますがと言ったけれども、こういうことが事実あるという問題に対して、厚生省として指導監督がどのようになされているか、その点もあわせてお願いしたいと思います。
○説明員(坂元貞一郎君) たびたび医薬品の問題で御指摘をいただきまして恐縮でございます。 薬価基準の改定の問題でございますが、これにつきましては、先般来からも当委員会で田代委員から強い御指摘を受けまして、私どもとしましても、従来から薬価基準の改定につきましては、できる限り毎年一回ずつ実施をし、そうしていわゆる市場価格、実勢価格というものを適正に反映させるということに考えておったわけでありますが、たまたま過去数年できませんで、本年の二月にようやく実施しました。その結果、先般十月一日から本年の薬価基準の大改定を実施いたしたわけでございます。それによりまして、御案内のように、一割以上の薬価の引き下げを実施したわけであります。これは従来厚生省として一割以上の薬価の引き下げがあった例はほとんどないわけでございます。もちろん、この一割以上の薬価の引き下げが十分じゃないというただいまの御指摘のように受け取ったわけでございますが、私どもとしましては、約半年間以上かかりまして、全国の卸業を通じての薬価の実態調査をやったわけであります。この結果につきましては、個々の全国の診療所なりあるいは病院なり等も数多い中で、実際の取引価格がそのまま的確に反映しているかどうかについては、いろいろな見方があるかもしれませんが、先般の当委員会でも御説明しましたように、薬価基準のきめ方として現在九〇%バルクライン方式をとっておりますので、その点から、若干のそういうごく少数の事例が、非常に低い価格で取引されているという例はあるかもしれませんが、これはむしろ薬価基準のきめ方の問題に基本があるだろうと思います。したがいまして、これから薬価基準の九〇%バルクライン方式というようなものをどうするかについては現在中医協が審議をいたしておりますので、いずれその結論を待って当局として一つの方式をきめたいと思いますが、いずれにしましても、薬価基準の改定というものは毎年毎年実施をしまして、そうして実勢価格というものを適正に反映していくという方針をことしからきちんとルール化していきたいというのが私どもの考え方でございますので、そういう方法、そういう方式で今後も考えてまいりたいと思っております。 それから添付なり景品等についてもたびたび御指摘を受けまして、私も逃げ口上みたいなふうに受け取られた表現をしたかもしれませんが、先般の当委員会で御指摘のあったような事実についても、当該メーカーを呼びまして調べましたところ、確かにそういう事実をやっておりますということを申しましたので、今後一切そういうことはやらないということの誓約書を取り、また今回の十月一日の薬価基準でもその点若干価格を操作して収載をしたわけでございます。いま御指摘のように、大阪等の某方面で某メーカーが添付なりあるいは景品等なりあるいは招待旅行等をやっているという事実を初めてお聞きしましたので、私どもとしましては、その事実が見つかり次第今後厳重な措置をとってまいりたいということで考えておりますので、この事実はさっそく調査いたしまして、その事実が判明いたしましたら、そのような方針で措置をいたしていきたいということと、それから当委員会の御指摘も受けましたので、先般来から医家向けの医薬品メーカーの大手の最高責任者を二回にわたりまして厚生省に招致いたしまして、今後そのような添付なりあるいは景品、招待旅行等の過剰サービスを一切自粛するようにということを厚生事務次官からも厳重に警告を発しているわけでございます。ただいまメーカーのほうも、そのような事実が一部にあったかもしれませんが、今後自粛するというムードを真剣につくり上げつつあると私どもは思いますが、なお、全国的な数多いメーカーの中に、個々にそういうことをやっているかもしれませんが、そういう事例は判明次第厳重な措置をとってまいりたいと、かように思っておる次第でございます。
○田代富士男君 委員長から再度、きょうは時間のことを言われましたので、視察の報告をさしていただくわけなので、もう一問だけ。 いまは薬の問題でございましたが、今度は、まず、いま松下電器を公取との問題があるわけでありますが、やみ再販であるか、やみ再販でないかという議論をするのは時間がないから省略しますが、実地に参りまして、このような通称やみ再販、だれがつけたかわかりませんが、いま申しましたとおりに、これはああいう大手メーカーから指示価格で受け取って、指示価格を守らなかったならば取引上の制裁を受けるという第十九条の精神に反するような行為が——大メーカーとすれば、電機メーカー各社はそういうことをやってないと言っておりますけれども、事実においてはやられております。と言うのは、実際この目で見てまいりました。 いまここに持ってきましたが、どうしてわかるかと言えば、テレビであろうと、電気洗濯機であろうと、すべて番号が打ってあります。一番から何番まではどの販売店、どの小売店を通っているということが番号ですべてわかるようになっております。そうすると、スーパー・マーケットとか、そういうところに指定価格より安く出ている商品がありましたならば、一括してそれを購入しまして、メーカーが番号を調べますと販売の経路がわかる。どこどこを通っているかわかる。そうしてわかったならば、これはスーパー・マーケットで買ってきた値段でその問屋は買わされる。それで、業界紙にはいまそういうことに対するさまざまな批判が出ている。時間があればやりたいと思いますが、ここにいっぱいあります、そういうことに対しての批判が。そうして、利益をあげたらリベートをやると言っておりますが、これは本人には渡さずに、メーカーがそれは積み立てをしている。利益は小売店のもの。その陰でメーカーは税金を免かれる。小売店は自分の金でありながら自分の金でない。税金は払わなければなりません。こういう不合理なことが、業界紙ですが、もう非難こもごもに出ております。 時間がありませんから詳細は省略しますが、番号を打っているのは、これは一つの特殊なマジックインクです。いまここに数字を書いてみます。——何と書いてあるかわかりますか、これが。書いたときにはわかりましたが、乾いたら全然わかりません。全然わからない。委員長、ごらんになってわかりますか。
○委員長(櫻井志郎君) わからない。
○田代富士男君 わかりませんね。ところが、このライトを当てますと、ちょっと見えにくいですが、よく見ていただいたらわかりますが、12345と書いてあります。委員長おわかりになりますか。
○委員長(櫻井志郎君) ああよくわかります。
○田代富士男君 12345、これはごらんになればわかる。これがさまざまな数字になっているわけなんです。もう一つやってみましょう。乾いたらわかりませんけれども、これは何と書いてありますか。だれかごらんになっていただきたい。83318、これを予算と同じようなぐあいにもじりますと、ヤミサイハンと、こういうことになります。(笑声)83318、ヤミサイハン。これがそれぞれの品物によりまして書き場所が違います。このマジックは部外秘です。部外に出さない。それで書いてあります。だから製造ナンバーによってパッキングケースに記号が打ってあります。あるいは見えない個所に製造ナンバーを打ち込んである。一定期間を経過すると消えてくる薬品で記号が書き込んである。それが、いま申しますとおりに、このブラックライトを当てると、これが出てくるわけなのです。製品によりまして、電気洗濯機はどこである、テレビはどこである、暖房器具はどこである、ズボン・プレッサーはどこである、クリーナーはどこである、電気冷蔵庫はどこである——委員長から時間ですとおっしゃられるので、時間がありますれば克明に私は視察をいたしましたから報告しなければならない義務がありますが、委員長が時間だとおっしゃいますので、これは省略いたしますけれども、一つの例をとりましても、このようなことが行なわれておる。これをメーカーは、不良品が出た場合にすぐ見やすいようにそういう番号を書いそあると言っておりますが、であるならば、すぐわかる番号を打っておけばいいじゃないか、このような見えない番号を打つ必要はないじゃないか、そのように思うわけです。こういう事実があるとするならば、ひとつ物価の取り締まりであるところの公取委の山田委員長はいかがでございましょうか。この点、この事実。いま時間がありませんから簡単に概略を話しましたけれども、こういう事実があるならばどうするか。
○説明員(山田精一君) ただいま御指摘の事実は、私どもの役所の審査の結果つぶさに承知いたしております。現在ある家庭電機メーカーが審判にかかっておりますので、特定の審判事項について申し上げるのはいかがかと思いますが、審査官から証拠の一つとして審判に呈示されておりまして、審決をいたします上における有力な審判官の心証材料になるだろうと、こういうふうに考えております。
○田代富士男君 それで、いま委員長のおっしゃるとおりに、今度新しい再販の規制法案につきましては二、三カ月かかるということでございますが、前委員長の北島委員長は、法案だけは通したいということで、うしろ髪を引かれる思いで立ち去って行かれた。そのあとを受け継がれた山田委員長は、最初の意気込みはよかったけれども、こう言っては失礼ですけれども、だんだんとソフトになられたんじゃないかと、そういううわさがあるのですが、だからそういうことにめげずに、大衆のためにひとつ期待をもって今度の次期国会には再販の規制法案を出していただくように要望いたしたいと思います。これは要望だけでございます。 以上でございます。
○委員長(櫻井志郎君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(櫻井志郎君) 速記を起こして。中沢君。
○中沢伊登子君 先ほどから木村委員、田代委員から全般的ないろいろの質問がございましたが、私はちょっと、年末を控えておりますので、個々の問題について二、三質問をさせていただきたいと思います。 その一つは、ズルチンの問題についてでありますけれども、ズルチンの毒性から考えて、ことしの四月の二十四日に食品衛生調査会では、一部の食品については一定基準量を定めて使用を認めるほかは使用を禁止すると、こういうことになったようでございますが、世界各国でいまズルチンを使用しているところは日本と西ドイツ、オーストリアと聞いておりますが、なぜ日本が全面的にこれを禁止することができないのか、その点についてひとつお伺いをしたいと思います。特に西ドイツにおいては糖尿病の患者にだけズルチンを使用することを許していると聞いておりますけれども、一体日本では、この毒性がずいぶん方々で論議され心配されておりますのに日本ではまだこれが禁止されない、こういうことについてひとつ質問をさせていただきたい。
○説明員(松尾正雄君) お答え申し上げます。 ただいま御指摘のように、ズルチンの食品添加物としての使用の問題でございますが、第一点といたしましては、そのズルチンの毒性というものにつきまして日本でもいろいろな試験が行なわれたようでございますけれども、国際的に見ましても必ずしも決定的な毒性というものが裏づけられているという状態ではない、ただし、食品の中に化学的なああいう添加物が入っていることでございますから、非常に慎重な態度で臨むべきだということは当然のことでございます。 第一に、日本でなぜ認めているかということでございますけれども、添加物自体について、原則論的に申し上げますれば、御承知のとおり、化学的な合成品というものは原則としては使用を禁止してございます。ただし、健康上安全であると考えられる場合に限り、厚生大臣が指定をいたしましたものに限って許可をするという、そういう条件になっておるわけでございます。また一面、そういう添加物を認めます本質的な問題の一つといたしましては、食品に入っております以上、反復あるいは継続的に長期的に摂取されるわけでございますから、当然、その安全性あるいは慢性毒性ということについて十分な検討を必要とするわけでございますが、同時にまた、一面、消費者側の利益というものも、食品でございますので考えてまいらなければならない、このような観点から、規制をかける基準というようなものをいろいろ検討しておるわけでございます。 ズルチンにつきましては、ことしの六月十六日から半年間の猶予期間をもちまして、十の品目に限りまして、できるだけ使用制限をする、それ以外のものにつきましては、従来認めておりましたのはこの半年間を経過いたしました十二月以降においては全面的に使用を禁止するということでございます。その品目と申しますのは、つくだ煮でございますとか、あるいは魚介かん詰めでございますとか、ソースでございますとか、ジャムとかしょうゆ、みそとかいう十品目でございます。これは、たとえば加熱処理をいたしますときに、他の人工甘味料を使ったのでは分解してもう役に立たないという場合がございます。あるいは塩濃度、塩でございますが、それの濃い場合やはり化学的に分解いたしまして、甘味料として役に立たない、こういう場合、そういったような条件の中で……。砂糖を使えばいいじゃないかということでございますけれども、それは、砂糖を使いますと、御承知のとおり、たいへん高くなったりいたします。ただいまのような品目に限りまして、しかも比較的少量のものが使われるという限りにおいてはやむを得ないということで残しておるという事情でございます。
○中沢伊登子君 いまのお砂糖の問題でございますが、私はけさのテレビで見ましたけれども、またお砂糖が一キログラム当たり十円くらい値上がりをすると……。これは値上がりしたのか、これからされるのか知りませんけれども、ズルチンは非常に甘度が強い、砂糖の大体二百五十倍くらいの甘さがある、こういうことで、砂糖が一キログラムについて十円くらい値上がりする、こういうことになりますと、ズルチンは相当私は使われると思うんですね。その毒性が十分まだ認められていないというようなお返事でございましたけれども、世界各国でこれを使用禁止しているということは、アメリカやイギリスやフランスやいろんなところでは、やはりズルチンの毒性というものに非常な危惧の念を持っておることは確かだと思うのです。日本でも原則的に使用を禁止しているといういまの御答弁でございましたけれども、そういった中で一キログラムについて十円砂糖が値上がりをする、甘度が砂糖の二百五十倍であるといたしますと、もしも値上がりをしないで一キログラム砂糖が百円だといたしましても、ズルチンの同じ甘さを得ようとするならば、お砂糖は二万五千円ぐらいに相当する、こういうことになってまいりますと、私はやはり相当ズルチンが使われるんではないか、こういうことが非常に心配なのでございます。そうすれば、そのズルチンを十二月には、大体先ほどおっしゃっていられたように、使用禁止される部面もありますけれども、今後まだまだ相当使用されるのではないか、こう思いますと、一体そのズルチンの許容量を守らせることができるのかどうか、どうすれば守らせることができるのか、こういうことが非常な心配の種でございまして、実は婦人団体なんかが集まるたびに、このズルチンの問題が出てくるわけでございます。この点をひとつ伺ってみたいと思います。
○説明員(松尾正雄君) 御指摘のように、そういう情勢の中では、せっかく禁止をいたしましたにもかかわりませず、そのほかのものに使われるという可能性があるという御心配ごもっともだと存じます。これはズルチンのみならずでございますけれども、こういう添加物の違反につきましては、従来から非常にきびしい態度で検査をしてまいっております。特に年末年始におきましてはこういうものの食品というものが非常に出回ってまいります。年末年始にかけましては特別に食品検査の強化を全国的に実施をしているわけでございます。たまたま先ほど申し上げましたように、ズルチンにつきましての期限がこの十二月の半ばで切れてまいるわけであります。私どもといたしましては、その後におきましてこういう新らしい禁止が十分守られているかどうか、食品を随時収集いたしまして科学的の検査を加えて摘発をしてまいる、監視の目を届かせまして、違反のないように期したいと思っております。
○中沢伊登子君 その六ヵ月の猶予期間を置いたというのが、どうにも私には納得がいかない。それならば、それが毒性があるからこれをぜひ禁止しよう、こういうことでありながら、それじゃその六ヵ月の間は毒性が入っているものを食べさせて、あるいはまた悪く考えれば、その間にいままで買ったものを早く使ってしまいなさい、こういうことをすすめているように私どもには受け取られるわけです。 それから、ただいまお話に出ましたような着色剤の問題についても、それからいろいろなそういう添加物についても、私どもは一日に大体七十種類ぐらいの添加物を知らない間に体の中に取っているんですね。昨年私、着色剤の問題について予算委員会で質問をさしていただきましたときも、大体昨年の七月ごろに、タール系の赤だの黄色、それから今年の七月に緑を禁止する、こういうことでございましたが、いまだにまだ相当毒々しい色の食品がはんらんしているようでございます。こういうものは一体どういうふうにしてやめさせるのか、まだそのままほったらかしてあるのか、その着色剤だとか、そういうものがなくなるまでやはり使わせているのか、その点のこともあわせて伺いたいと思います。 そこで、話は違うんですけれども、日本の農薬の問題も水銀が入っているとかいろいろなことで問題にされながら、やはりそういうものがかわりがないということで使われている。そうすると、外国から見ますと、日本は農薬の実験場であるというふうな悪口まで言われるように、私どもは、このズルチンとか着色剤だとか、そういう添加物の問題も、何だか農薬と同じような立場でほったらかされている。こういうふうなことを思うわけでございますが、その点ひとつ御答弁いただきたい。
○説明員(松尾正雄君) 最近の食品の加工技術や、あるいは国民の嗜好の変化というものによりまして、非常に多数の食品が次々と生まれてまいります。したがいまして、御指摘のように、例をあげますと、一日に七十種類ぐらいの添加物があらゆる食品から入るのだということも十分あり得るわけでございます。基本的には、私どもは個々のそういう添加物、着色剤というものの一つ一つの問題について検討するのみならず、ただいま先生の御指摘のように、私どもがこれだけ多数のものを取るのだ、そういう前提に立ちまして、一つ一つ以外の、全体としてのひとつ安全ということも考えて、今後はそういう基準をだんだん検討しながら強化してまいって、もっとすっきりしたものに持っていきたい、これが一応基本でございます。ただし、ズルチン、色素等におきましても、せっかく禁止をいたしましたのに、大体半年間猶予期間がある、その間に毒のあるものを食べさしている、あるいはそれを使い切るような指導をしているというようにおとりでございましたが、御存じのとおり、現に禁止をいたしますると、それまでつくっておりました生産者というものは、その瞬間から生産をやめなければならないという問題がございます。また、個々の特性として非常に零細な企業がつくっている場合もあるわけでございまして、国はそれらも考慮いたしました上で、一応普通とられるような猶予期間というものをとっておりますが、この間におきまして、決して野放しで認めるという方針ではございません。その間に、たとえば生産者に対しては生産の停止を求める、あるいはあります製品につきましては回収をするというふうに、その猶予期間内におきましても極力使わないという方向で指導しているわけでございます。もし猶予期間外といたしますと、食品衛生法違反ということが直ちに起こってまいりまして、いろいろな罰則その他が翌日から適用されるという問題が起こりますので、その初は普通の常識的な方法でなるべくすみやかに回収しつつ目的が達成されるような意味で期間を設けて、決してその間野放しでいいという意味ではございません。そういう指導をいたしておるわけでございます。 それから着色剤につきましては、これも一年々、前から問題でございましたけれども、だいぶ整理をいたしまして、ただいまのところ、おそらく世界的な水準程度のレベルにはみな整理をし尽くしているというふうなところまで来ているはずでございます。 農薬につきましても、米の農薬といたしましての水銀の農薬の残留問題がたいへん問題になりまして、これは農林省等とも十分厚生省は打ち合わせをしていただきまして、少なくとも来年度中には、四十三年度におきましては、特別の虫害が起こるようなたいへんな事態が起こらない限りにおいては、一般的に水銀農薬は使わないであろう、四十五、六年に至りましたときには全く使わないというような方向でただいま作業が進められているわけでございます。 なお、水銀の農薬以外の、たとえばリンゴでございますとか、トマトでございますとか、キュウリとかというふうなものにつきましても、散布いたしました農薬が残留をしているという問題がございます。これも、ただいま農林省との間に鋭意検討を続けておりまして、おそらく近いうちに、ここ二、三カ月のうちには、特定の品目につきましては残留農薬の許容限度をきめることができるようになるかと思います。これは御承知だと存じますが、許容量だけをきめましても、農家の方々がどういうふうに薬を使ってまけばいいかという散布基準のほうが十分徹底をいたしませんと実現が期せられないわけでございまして、そういう点は散布基準を十分農林省のほうで準備していただき、御指導願うという前提に立って、両省でただいま作業を進めております。おそらく、来年の二、三月ごろまでにはそういう基準が公示できるようになるかと思うわけでございます。
○中沢伊登子君 いろいろ考えていていただくことを御答弁でよくわからしでいただきましたが、食品の着色をしてあるものと着色をしないものと、私どもはその着色をしないほうが、ほんとうは手数もかからないし、着色剤も買わないで済むので、そのほうが安いのであろうと、まあこういうふうに思って、この間も物価の視察のときに、いろんなところでショーウインドをのぞいて見て歩いたわけですが、いいところで値段は同じだ、どうかすると着色していないほうが値段が高い、こういう実例も見てまいったわけですが、それをいろいろ考えてみますと、どうも鮮度が落ちたもの、そういうものは着色をしてしまって、何かごまかすといってはたいへん語弊がありますけれども、着色をして何か消費者の目をごまかしてしまう、まあこういうふうな実例も多少あるのではないかと、こういうふうに私ども思って、その着色の問題については、害毒性とともに、何か消費者がだまされているのではないか、こういうふうなことも非常に心配を持って見てまいったわけでございますので、まあ今後ともそういう問題については神経を使って、よい指導をしていただきたい。 同じような問題が、たとえば一つのワイシャツならワイシャツを買うときでも、りっぱな箱に入っているワイシャツも、箱に入っていないワイシャツも値段が同じだ。こうなってまいりますと、ほんとうはりっぱな箱をつくって入れれば、その箱代というものがそれに当然加算されるべきであると思う。ところが、私どもが、幾らいろんなところで、ワイシャツなどというものはわざわざ箱にみんな入れてもらわないでも、セロファンか何か、それに入れてていただけばけっこうですと、こう申し上げても、やっぱり箱に入れられている。そうなりますと、その箱の値段だけ、入れてないほうのものよりも高いのであれば納得がいきますけれども、どうもそれが値段が同じだというと、こういうところにも私は問題があると考えておりますが、きょうは私も三十分だけというようなことで、時間を非常に急がれておりますが、そういう問題についても再三私どもは視察に行くたびにいろんなところで問題にしているわけでございますけれども、やはり資源が少ないのに相変わらずデラックスな箱に入れてもらっている。これは結局消費者が悪いんだと、こういうふうなこともいつも言われるわけですけれども、まああとで最後に中西局長のほうから御答弁をいただきたいと思っておりますけれども、こういうようないろいろな問題があるわけでございます。そういう中で、消費者が何だか、まるで大きな船に揺られている小舟のような立場に置かれておりますので、国民、消費者を守る立場から、ずいぶん着色の問題、添加物の問題、またそういったような箱の問題やいろいろの問題で十分考えていっていただきたい、このように要望さしていただきたいと思うわけであります。 それから次に、年末を控えて主婦が非常にいま心配をしておりますのは、お正月に牛肉や豚肉、そういった肉類があまり高くなってしまって、食べられないのではないか、こういうことを非常に心配されているわけです。いまですらなかなか肉は食べられない、こういうときに、年末を控えて特にその問題が主婦のいま悩みの種でございますけれども、ひところ、この夏ごろでしたか、農林省のほうから豚肉のひれ肉を放出していただきましたけれども、おそらく年末を控えて、またそういうことが行なわれるであろうかと思うのでありますけれども、そういう肉に対して、ハム業界というものが大量に仕入れてしまって、結局は私ども消費者のほうにはそういうものはあまり回ってこないのじゃないか、こういうことをいま私どもは心配しているわけであります。そこで、年末を控えて、またそういうような放出の計画がおありになるかどうか、あるいはそういうものを、消費者側に、いわゆる民間団体に放出してくださるような考えでいてくださるかどうか、その点をひとつお伺いをしたい。
○説明員(岡田覚夫君) ただいまの御質問の点でございますが、七月ごろから豚肉の価格が騰貴をしてまいったわけでございます。したがいまして、これに対処いたしまして、畜産振興事業団が買って保管をしております肉の売り渡しを始めたわけでございます。で、七月に四千トンばかり出したわけでございますけれども、現在出しておりますものと七月に出しましたものとの出し方につきましては、性格が違っておるわけでございます。現在出しておりますものは、価格の騰貴を抑制するというふうな需給調節の意味から、中央の御売り市場を通じまして売却するというのが原則になっておるわけであります。これは卸売り価格の騰貴を抑制するということをたてまえとしている。七月に出しましたのは、当時非常に大量のものを保管をいたしておったわけでございますが、一つはまあ保管上の理由もございまして、できるだけ市価に影響を与えないということを旨として売り出しをいたしたわけであります。したがいまして、中央卸売り市場を通しませんで、直接小売りなり消費者の団体に売却するというふうな考え方をいたしておったわけでございます。 そこで、現在は需給調節という意味で、中央卸売り市場を通じまして売却をいたしておるわけでありますが、八月九月はかなり高い水準にあったわけでありますけれども、十月から逐次価格が下がってまいりまして、最近は上限価格に近い水準、四百円を割りまして三百九十円台の水準まで下がってまいっております。で、今後年末についての需要というものが相当予測されるわけでございますけれども、これに対しましては、現在畜産振興事業団で持っております豚肉を重点的に放出するというふうなことを考えておりますので、著しく価格が騰貴するというようなことはないであろうというふうに私たちは考えておるわけでございます。で、売却の方法につきましては、先ほど申し上げましたように、原則として中央卸売り市場を通じまして売却するということをたてまえといたしておりますので、したがいまして、現在のところ、特にこの方法を変える必要はないのではないかというふうに考えておるわけでございますけれども、法律の規定にも、中央卸売り市場への放出が不適当であるというふうな場合には、随意契約その他の方法で売り渡すことができるという規定もございますので、今後の推移を見ながら検討してまいりたいというふうに実は考えておるわけでございます。
○中沢伊登子君 その問題は、もうぜひ私は民間団体に少し放出をしてほしい、こう思います。中央卸売り市場を通して放出されますと、どうしてもハム業界が大量に仕入れてしまう、こういうことが非常に心配ですね。それからハムも五円ほど値上げをもうしておるわけですね。そうしてそのハムも、農林省のほうから出された資料なんですけれども、昭和三十三年ころには、いわゆるプレスハムあるいは寄せハム、そういう中にも相当豚とか牛とかが入っていたわけですね。七〇%余り入っていたわけです。ところが、最近、これは昭和三十九年の農林省のほうの調査ですけれども、三十九年になってまいりますと、豚とか牛とかの入っている。パーセンテージが三四%ぐらいしか入っていない。約半分に下がってしまった。こういうところで、その補充は何でしたかといいますと、やはりマトンとか水産資源——魚ですね。それからまたその他の肉というのがだいぶ入ってきているわけです。こういう中で、私はハムをそれほど値上げをする必要はないんじゃないか、こういうふうに思うわけですけれども、こういうことやなんかで、私はハムの業界というものが相当もうけると言ったら語弊があるかもしれませんけれども、そういう肉を大量に仕入れて、ボンレスハムとか上等なハムには確かに豚肉を相当使っていると思いますけれども、むしろそういうボンレスハムなんかはなかなか買えないのですから、普通のプレスハムとか寄せハムとかというものを普通の消費者は買うわけですから、ならば、豚肉でその消費者の買えるような、そういう態勢をとっていただきたい、こういうふうに思います。 それと同時に、その他の肉というのは一体何が入っているか。その二つについてお伺いをいたします。
○説明員(岡田覚夫君) 中央卸売り市場で売ると特定の加工業者のところにいって、小売り業者を通じて消費者にいかないのではないかというふうな御質問でございますが、実は、中央卸売り市場というのは食肉の流通を合理的に行なうために設けられた機構でございまして、したがいまして、ここの買参人と申しますのは、加工業者等も入っておりますけれども、いわゆる仲買い人あるいは小売りの代表というふうな者が入っておりまして、そこを通じて、仲買い人を通じまして小売り業者にいくなり、あるいは小売り業者か直接買うなりというふうな形になっているわけでございます。で、実態的にどういうふうな形で取引されているかということを調査をしてみたわけでございますが、加工業者に集中しているという事実は必ずしも明らかではございません。したがいまして、御心配のような点はそれほどないんではなかろうかと実は私は思っておるわけでございます。ただ、先ほど申し上げましたように、中央卸売り市場を通じて売るのを原則にして、それで十分価格効果が出ないようであれば、これはもちろん別の方法を考えなければならぬと思いますけれども、現状ではやや効果が出てきておるというふうに実は判断をいたしておるわけでございます。 それからハム、ソーセージ等の食肉加工品でございますが、これはいろいろの種類がございますが、現在わが国で販売されておるものは、日本農林規格、いわゆるJASに規定されております十八品目でございまして、この十八品目は、検査を受けまして合格したものはJASマークをつけて出すということになっておるわけでございますが、JASマークをつけておる加工品の中にも、豚肉、牛肉を入れているもの、あるいは豚肉だけのもの、あるいはそのほかの畜肉だとか、魚類を入れているものとか、いろいろなものがあるわけでございまして、したがいまして、現在のところ、国民の消費の実態に応じましていろいろなものがつくられておるというふうな状況にあると思われるわけでございまして、全体的に見ましても、牛肉だとか馬肉だとか鳥肉だとか羊肉だとか水産物とかいうようなものがどういうふうに入っておるかということを、ずっと過去の記録、統計を調べてみますと、やはり馬肉だとか水産物だとか、その他の肉というものは非常に減ってまいっております。で、牛肉は、御承知のように生産量は非常に減っておりますので、これは減らざるを得ないと思いますけれども、豚肉が非常にふえておるというふうな実態があるわけでございますので、傾向的に見ますと、内容は非常によくなってきておるというふうに判断していいのではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。 それから最後に御質問のございましたその他の肉と申しますのは、主として鶏の肉と、それからウサギの肉、そういった種類の肉でございます。
○中沢伊登子君 ハム、ソーセージの質がだいぶよくなっておると伺って安心をいたしました。まあどうぞ、その他の肉でも多少まだ問題がありますけれども、それは置いておくことにいたします。十月一日から消費者米価が上がって、いろいろなものが次から次へとメジロ押しになっておるものですから、主婦は非常に何かノイローゼぎみになるほど物価物価ということで日常頭を悩ましておるわけですから、どうかお正月にほんとうに肉が食べられるように、何とかそのように考えていただきたい、このように考えます。 それから最後に、公正取引委員会のほうに、おしょうゆの値上げの問題で伺ってみたいと思いましたが、先ほど木村委員から質問がありましたので、これはどうもお答えもいま十分になされないようなことでございましたから、これは置いておくことにいたしましょう。 それから公取にもう一つお伺いしてみたいのは、きのう実は私も久しぶりでパーマ屋さんに行ったわけです。そうしたら、いつの間にかパーマ代が三十円ばかり値上がりをしておりました。こういうのも私の知らない間にどんどん値上げをされておるわけですね。そうして、何だかあらかじめ値上げをするような話が、たとえばおしょうゆのようにありますと、それがもうすでにいろんなところで問題になってきて、またやり玉に上がるといったようなことで、行ってみれば、実は済みませんがもう三十円上がっておりますので——こういうふうなことで……。私は、パーマ屋さんや散髪屋さんあたりが少しずつ上がるということは、これは了解できないものではないわけですね、いわゆるサービス料金ですから。しかし、こういうこともあるかと思えば、ノリのこんな包んだものを買ってみれば、何だか内容は全部乾燥剤みたいなもので、ノリはちょっぴりしか入っていない。こういうようなことで、しかも乾燥剤の石灰が目に入って子供が目がつぶれたというような話がありましたし、危険はしょっちゅうわれわれの生活のまわりに山ほどころがっている。こういう中で、インスタント食品などについても、たとえばインスタント汁粉というようなものについても、汁粉と書いてあるので何かアズキのような感じがしておりますけれども、ほんとうはインスタント汁粉というのはアズキなんかほとんど入っていないで、内容はブドウ糖とでん粉と着色料と香料と、こういうものでつくられている。あるいはインスタントワサビもほとんどワサビが入っていない。あるいはインスタントジュースなんかも、ほんとうの天然のジュースからとったようなものは何も入っていない。こういうものがどんどん売られているわけです。インスタント食品というものについて公取は一体どういうふうに考えておられるか、この表示はあのままでいいのか、こういう問題をひとつお伺いしてみたい、こういうふうに思うわけです。
○説明員(山田精一君) インスタント汁粉のアズキの入っておりませんようなものは、それが一般消費者の選択を惑わすというようなことになりますというと、不当表示といたしまして私どもの立場からこれを規制いたすわけになっております。常時そういうところ——各地方にモニターを御依頼いたしております。モニターがおりまして、そこから情報を得て所要の措置を講じております。先般一番大きく問題になりましたレモン飲料のごときは、御承知のような措置をいたしましたわけでございます。ただいま御指摘の汁粉、ワサビ、ジュース等につきましては、必要に応じてそういう措置をとりたいと思います。それからノリを異常にふくらませて乾燥剤を非常に大きくしたものも、傾向といたしましてはそういうものが逐次減ってまいっておりまして、いい傾向のようではございますけれども、私どもといたしましては十分注意をいたしまして、そういうものには所要の措置を講じてまいるつもりでおります。
○中沢伊登子君 それでは最後に、国民生活局長のほうから御答弁をいただきたい問題は、いま二つ三ついろいろ問題を取り上げてまいりましたが、いまの乾燥剤の問題にしても、子供がこれをおもちゃにして目に入って目がつぶれた、こういうような問題があるわけですね。こういうときに、厚生省のほうにこういうことを、苦情を申し上げますと、何も乾燥剤は子供が持って遊ぶようにおもちゃにつくったものではない、あるいは目に入れるようにつくったものではない、こういうふうな答弁しか厚生省のほうからは出てこないわけですね。それから先ほどからズルチンの問題やいろいろ取り上げてみましたけれども、確かに許容量というものは一応きまっておりましてね、一つ一つは着色剤にしても添加剤にしてもわずかでございましょう。しかし、それをずっと毎日毎日私どもが食べておりますと、それが一体将来どういうことになるのか。いまガンが非常にふえてきて、五分間に一人ずつガンでなくなっていくと、こういうような問題もありますものですから、こういうすべてのことをひっくるめて、一体国民の健康のほうが大事なのか、やっぱりそれでも小さな零細企業がつぶれていくほうをもっと保護してやらなければいけない問題なのか。それは当然国民の健康のほうを守らなくちゃいけないのでしょうけれども、国民生活局としては、こういういろいろな問題を取り上げてみて、今後どのようにこういう問題に対処していかれるのか、もう少し大きな力がふるえないものかどうか、こういうことで締めくくりの御答弁をいただきたいと思います。
○説明員(中西一郎君) 非常にむずかしい答弁をせざるを得ないのですが、危険とか衛生、人権の問題も含めまして、何といっても生活というようなサイドからものを全部見直していく、そういう時代に入ってきていると思っております。で、昨年は国民生活審議会でいろいろ審議していただいて、農薬の問題、あるいは添加物、着色剤、それぞれいろいろ御提案がありました。それの進行の途中での先ほど来の質疑応答がございました。いま国民生活審議会は、実は改組をする、人事の何といいますか、任命がえをする時期になっております。御指摘のような問題をどういう角度からとらえていくかということと関連して人選を早急にきめよう、新しい第二段階の活動に入りたいと思っております。国民生活審議会を運営していく過程で経済活動も新しい前進もできるし、各省でもいろいろお考え直しをしてもならうようなことも出てくる。そういうことを着実に積み上げていく、そういうことによって生活優先の原則を、実績をあげながら進めていきたいと思っております。何といいますか、消費者保護の基本法案ですか、各党でも御勉強になっておるようでございます。で、そういう法案を考える場合も、単なる原則論だけでなしに、行政手続として効果が積み上がっていくような、そういう内容のものがもしできればわれわれとしても考えてみたい、まだ具体的には煮詰まっておりませんけれども、各党でも御提案がありますので、あわせてわれわれも検討いたしたいと、かように思っております。
○中沢伊登子君 最後に、それじゃ一つだけ要望をさしていただきたいと思います。 先ほどから薬価の問題が出ておりまして、広告費が非常に使われておる、こういうことでございましたが、私どもは消費者としてやはりいろんなことを知る権利があるわけです。それと同時に、いま局長のほうから御答弁になりましたように、われわれもまた安全である権利があるわけです。そういう中で、私どももほんとうにいろんなものをよく知る、広告に惑わされない、ほんとうのことを教えてもらう、こういうことや、そして日常生活も非常に安全に守られる、こういうことで、さらにいろんな方面にお力添えをいただいて、どうかわれわれ消費者を守っていただきたい、このように要望して、私の質問を終わらしていただきます。どうもありがとうございました。
○委員長(櫻井志郎君) 本日はこれにて散会いたします。 午後一時三十二分散会