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56回国会参議院1967/10/20

内閣委員会 閉会後第3号

発言数
89
登壇者
11
会派数
3
開催日
1967/10/20

会議録

石原幹市郎自由民主党

○理事(石原幹市郎君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について報告をいたします。  去る十六日、鈴木力君及び鶴園哲夫君が辞任され、その補欠として野々山一三君及び中村英男君が選任されました。  十八日、山本茂一郎君が辞任され、その補欠として小柳牧衞君が、十九日、小柳牧衞君が辞任され、その補欠として山本茂一郎君が、また本日、山崎昇君及び野々山一三君が辞任され、その補欠として鈴木力君及び柳岡秋夫君がそれぞれ選任されました。     —————————————

石原幹市郎自由民主党

○理事(石原幹市郎君) 委員の異動に伴い、理事が欠けておりますので、この際、補欠互選を行ないます。  互選は、便宜、委員長の指名に御一任願うことに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

石原幹市郎自由民主党

○理事(石原幹市郎君) 御異議ないと認め、八田一朗君を理事に指名いたします。     —————————————

石原幹市郎自由民主党

○理事(石原幹市郎君) この際、一般職の給与に関する人事院勧告に対する決議の件についておはかりいたします。  理事会におきまして御協議をいただき、意見の一致を見ました決議案を、便宜私から提案申し上げ、委員各位の御賛同をいただきたいと存じます。  案文はお手元にお配り申し上げてありまするが、一応朗読いたします。     一般職の給与に関する人事院勧告に対する決議(案)  公務員の給与については、人事院勧告を尊重  し、これを完全に実施すべきである。  よって政府はこの主旨に基づき、これが完全に実施せられるよう最善を尽くすべきである。   右決議する。  別に御発言もないようですから、採決をいたします。  本決議案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

石原幹市郎自由民主党

○理事(石原幹市郎君) 全会一致と認めます。よって本決議案は本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し発言を求められておりますので、この際これを許します。上村総理府総務副長官。

上村千一郎自由民主党総理府総務副長官

○説明員(上村千一郎君) 政府といたしましては、ただいま決議されました決議の趣旨に対しまして、善処いたしたいと存じます。

石原幹市郎自由民主党

○理事(石原幹市郎君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

石原幹市郎自由民主党

○理事(石原幹市郎君) 速記を始めて。     —————————————

石原幹市郎自由民主党

○理事(石原幹市郎君) 次に、国の防衛に関する調査を議題といたします。  千葉県下における自衛隊員の事故につきまして、御質疑の要求がございます。関係当局からの御出席は、増田防衛庁長官、中井教育局長、麻生人事局長、内海警察庁刑事局長、長野自治省行政局長、以上の方々でございます。  それでは御発言を願います。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 私はこの際、去る十月六日の夜、千葉県下で起こりました自衛隊員の暴行事件と申しますか、脅迫事件と申しますか、この問題について、関係当局の態度をただしてまいりたいと思うのです。  まず最初に、この事件の内容と、今日まで防衛庁がとってまいりました態度について御報告を願いたいと思います。

麻生茂防衛庁人事局長

○説明員(麻生茂君) お答えいたします。  陸上自衛隊の高射砲学校所属の第百二十三特科大隊は、先ほど御質問のありました今月の六日十六時から千葉県長生郡長南町におきまして民泊をしたわけでございます。民泊は二人一組で行なわれたわけでございますが、その中に森二曹と石井士長という組があったわけでございますが、事件はこの一組のうちの石井士長について起きたわけでございます。  ちょうど両人が分宿しましたところは荒井さんというお宅であったわけでありますが、このお宅で家族の方と夕食をし、森二曹は酒を飲まない非常にまじめな人物であったようですが、石井士長は荒井さんの好意によりまして酒を飲みまして、食後同家の子供と一緒に外へ出たわけでございます。それから川崎さんというところで、やはり分宿をお願いしました家に、同僚の二曹と二士がおりますので、そこをたずねました。そこでまた川崎さんの御好意に甘えて酒を飲んで、相当めいていしたという状況でございます。  そこで、まあ便所に行こうと思いまして、間違って戸をあけたわけでございます。便所に入るようなつもりで足を出して、下に転落をしたというわけであります。そしてカービン銃を持ちまして、その下にあります鶴岡さん宅に何か方向を間違えまして入ったわけでございます。川崎さんのうちと何か間違えたらしいのでございます。そこでまあ鶴岡さん方では、いや、うちが違うということで、外に出るように言われたわけでございますが、それから道を横断しまして、向かい側の隣の家の、広い庭があるようでございますが、そこで手踊りの練習をしておった地元の婦人会の人が、練習を終わったあと十一人ばかりおられたらしいのでございますが、そこに若干の恐怖感を与えるような行為をしたように見受けられるわけであります。いずれにいたしましても、この御婦人方に、程度の差はありましても、恐怖の感を与えたということは事実のようでございます。  それで、川崎さん方では、手洗いに行ったはずの石井士長が帰ってまいりませんので、子供がさがしに出たということでございます。そこで、まあ婦人たちのところに石井士長がおりましたので、これをまあ連れてきた。そのとき、まあカービン銃を川崎さんが持って帰りまして、自分の世話をしている隊員のでありますので、これはそれに渡しまして、その石井を分宿先の荒井さん方まで送り届けたという事情であったわけであります。  そこで、非常に石井はめいていしておったわけでありまして、同宿の森二曹は、これを就寝さしたわけでありまして、翌朝、先ほど申しました鶴岡さんの夫人と荒井さんの夫人との話から、何か穏当を欠くような行為が石井に泥酔してあったということを察知いたしましたので、先ほど申しました婦人会のメンバーの中の若干の方のところに石井を伴って謝罪に行っておるわけでございます。しかし、まあ婦人会の方々は、隊員さんに迷惑がかかってもというようなことで、あまり真相をお話しにならなかったようでありますので、森二曹は石井の行為についての正確な事実というものはどうも把握いたしかねたようでございます。しかし、いずれにいたしましても、不穏当な行為があったということははっきりいたしましたので、八時の集合時間までの間に、できるだけ回れる御家庭を訪問いたしまして、謝罪をしておるわけであります。  その後、部隊は集結して、部隊に帰ったわけでございますが、御承知のように、土曜、それから飛び石連休というようなことでございます。部隊に帰ってから森二曹と、それから石井が、この事件のことについて中隊長に報告をしておるわけでありますが、いま言った飛び石連休というような関係もありまして、十月の十一日に至りまして中隊長が、役場、その他関係の方々の一部の人に、森二曹同様に陳謝の意を表しに行っているわけでございます。  中隊長のこういうような事態に対する認識の程度でありましたので、報告も副大隊長程度にとどまっておりまして、学校の最高幹部にはいっておらなかったわけでございます。学校の幹部は、産経新聞の記者からの照会等によりましてこの事件を知ったというのが実情でございます。  われわれ、防衛庁の幹部といたしましては、新聞紙上によりましてこの事件を、実はうかつでございますが、知ったわけでございます。われわれといたしましては、早急に事件の真相というものを把握し、これに対して厳重に処分するという方針で今日まで臨んできておるわけでございます。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 翌日に森という方が本人をつれて謝罪をしたという事実については、これは私は把握をいたしておりませんし、おそらくしていないと思います。と申しますのは、役場当局では、七日の朝になって鶴岡さんという方からの通報によって、不法侵入をしてきたという事実だけを承知しておるわけです。そこで七日の日にさっそく自衛隊に報告をしておるわけでございますが、いまお話がございましたように、自衛隊の責任者並びに本人たちが現地に調査に来たのは十一日ですか、こういう期日のズレですね。いま認識が非常にこの程度だということを言われましたけれども、非常に大きな問題を起こしておりながら、それを責任者にも報告をあまりしない。しかも町当局からそういう通報があっても、なお飛び石連休というようなことで現地の調査なり謝罪が非常におくれておるということは、私は非常に問題があると思うんですがね。これはその辺はどういうことなんですか。

麻生茂防衛庁人事局長

○説明員(麻生茂君) 先ほどお話し申し上げましたように、私どもの報告なり、あるいは調べたところによりますというと、七日の日には森二曹があいさつに行っておることは、これは間違いないと思います。そうして部隊に帰りましてから、中隊長に石井が森二曹とこの事件についての報告をしておるということでございます。で、中隊長が現地におもむきまして謝罪をしておるのは十月の十一日でございます。先ほど申し上げましたように、十月の十一日でございます。報告は副大隊長程度にとどまっておるということでございまして、中隊長なり、当時の出先の幹部の事件に対する認識の把握というものが低かったということは言えるんじゃないか、こう思います。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 そういう認識の低さ、甘さというものは、私は、防衛庁長官が記者会見をしても、十七日ですか、その中で、こういう事件は大臣がタッチするような事件じゃないんだと、これは警察か、あるいは警務当局にまかしておけばいいんだと、警察官だって人殺しをすることがあるじゃないかと、こういうことを言ったという報道が現地に流れておるわけです。これが事実とすれば、大臣そのものがそういう認識であるから、部下もそういういわばあたりまえというか、あまりたいしたことないんだという認識を持つんじゃないかと思うんですが、この点いかがですか。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(増田甲子七君) この事件は非常に遺憾であるということを、国会を通じて国民の前に明らかにいたしておきます。申しわけない事件だと思います。  私は、規律の点は就任以来きわめてきびしいのでございます。でございまするから、官紀という点、自衛隊の規律という点から厳重に処断をいたします。それから刑法上の問題その他の問題は、それでもまだ残るわけでございまして、官紀あるいは規律と申しましても、これは内部の綱紀の問題でございまして、社会的方面において畏怖の念を与え、あるいはカービン銃を携帯して御婦人に銃口を向けたというようなことは、いまのところまだわかりません。それから、自衛隊をばかにすると許さぬというようなことを言ったということは、まだよくわかっておりませんが、そういう関係、すなわち警察関係あるいは刑事関係、司法行政関係も厳重にやってもらうように、それぞれ当局にお話をしております。部内の規律の問題といたしましては、私はきわめてきびしいのでございまして、そういうきびしい態度で臨んでおるのでございまして、いろんなルーズな考えは持っておりませんし、そういう発言はいたしておりません。  この機会に柳岡さんを通じて重ねて申し上げますが、自衛隊は国民の皆さんの武器を預かっておるところでございますから、特に厳粛なる規律をもって、規律をきびしくするという態度で私は臨んでおります。結論を最初に申し上げましたが、もう一ペん繰り返しますが、こういう不始末な事件に対しまして、防衛庁長官として、まことに申しわけない、この意見を柳岡さんを通じまして、国民の皆さまに明瞭にいたしておきます。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 私が現地を調査した結果によりますと、大体先ほど御報告のあった内容と大差はございません。酒を飲んで子供をおぶって、ゆかたがけでげたばきで外出をした。それで川崎さんという同僚の泊まっているところへ行ってまた酒を飲む。そして廊下でもって川崎さんの子供が銃をいじっておる。そのいじっておるところへ行って、どれ貸せということでその銃を取って、そして垣根をこわして道へ出た。道路を出て、その鶴岡さんというお宅に不法侵入をしているわけです。鶴岡さんの家では老人が病気で寝ておる。奥さんは踊りの練習で表へ出ている。子供たちがいたわけです。そこで、座敷へ上がろうとしたので、老人がたしなめた。そうしたら、その自衛隊員は帰ったようでございますけれども、そこで引き返して、今度は踊りの練習をして一休みをしている、その円陣の中にカービン銃を持ったままで、自衛隊をばかにするな、ぶっ放すぞ、こういうことを言いながら来たというんですがね。これはもう明らかなんです。  私は現地で直接婦人の方々にも会いましたし、また鶴岡さんのお宅にも聞いてまいりましたけれども、そういうような問題を起こしておりながら、翌日部隊に帰って、森某という方が責任者に報告をした。なぜそのときに責任者は直接町役場なり、あるいは現地の迷惑をかけた方々に謝罪をしなかったのですか。そのまま帰ってしまって、そして七日の日に役場から通報があって、しかも役場から通報があったのは不法侵入をしたということだけなんです。婦人連中に対する脅迫については、役場は七日の日は承知していなかったのです。そういう不法侵入ということだけだということで、おそらく軽く見たのかどうか知りませんけれども、九日の日には、これは飛び石連休だといっても休みではないわけですから当然、あるいは休みであっても、少なくともその町の町民の方々の協力を得て民泊をしたわけでしょう、そういう協力を得ている自衛隊であれば、さっそく飛んできて謝罪をする、それがあたりまえじゃないですか。いま大臣が言われたようなことばは、ことばとしては非常にいいんですけれども、しかしその大臣の真意が部下末端の自衛隊員まで伝わっていない。末端の自衛隊員どころか、こういう責任者、副大隊長とか中隊長とか、そういうところまで伝わっていないところに私は問題があると思うんですよ。それはいかがですか。

麻生茂防衛庁人事局長

○説明員(麻生茂君) 先ほど申しましたように、七日はちょうど土曜日であります。それから八日は日曜で、九日が月曜日、十日が祭日だということであります。この事実がわかりましたならば、さっそく中隊長としては、役場なりあるいは関係のところへ行って謝罪をするというのが適当ではなかったか、あとから考えますとさように思います。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 こういうような非常に大きな問題の中で、私は若干の問題点を指摘したいと思うのです。  一つは、同僚が、少なくとも関係した同僚は三人いるわけですよね。で、聞くところによると、これはあとでまた私は質問したいと思いますけれども、一体民宿をする場合、どういうような指導をし、あるいはどういう規律をもって注意をして民宿をさしておるのか、その辺はあとで聞きますけれども、少なくとも外出をしてはいかぬということが一項あるということを私は聞いておるのです。その際にですね、森さんという人は酒を飲まない人だ。まあ一升五合その家では出したそうです、荒井さんの家では。その一升五合の酒は荒井さんのだんなさんと石井某という人が飲んだそうです。それで森さんはビールを二本、これは五時間かかって飲んだそうです。ですから、ほとんど森さんは酔っておらないのですね。酔っていない森さんがいながらですね、なぜ石井さんが、石井某が、子供をおぶって表に出るのを阻止できなかったかどうか、この問題が一つある。  もう一つは、川崎さんの家でまた酒を飲んでおる。そうして表に出ている。表ではわめいている。婦人たちがきゃあといって、とにかくこわいから逃げ出したわけですから、みんな。そういう騒ぎが家のすぐまん前で行なわれておるにかかわらず、川崎さんの家に泊まった二人は一体どうしていたかということです。しかも石井某を連れにきたのは川崎さんの子供、高校生じゃないですか。なぜ自衛隊の同僚が表に来て、制止をして、そうして連れていかないのですか、その辺が私は一つの疑問点なんです。それはどういうことですか。

麻生茂防衛庁人事局長

○説明員(麻生茂君) 最初の荒井さん宅で夕食をごちそうになったわけでございますが、そのとき森二曹は、先ほども申しましたように、酒をたしなみませんので酔ってはおりません。ただお子さん二人と出かけられたので、まず安心だなという気持ちで軽く森二曹は見たのではないかと、こう思います。一人だけで酔って表に出るのは非常に危険でございますが、子供さん二人と一緒であったということが、非常に軽く考えさした原因ではなかったかと思います。  それから、第二軒目のこの川崎さんのお宅でございますが、川崎さんのお宅では、まあ便所に行くつもりで戸を間違えてあけて、そこから落ちて出ていったようなかっこうであったわけであります。まあそういう点から本人が出て行くことに、樋口二曹なり、あるいは桜井二士はあまりまあ気がついてなかったということでございます。したがって、あとで川崎さんが銃を持ってきたとき、これはと思ったというような状況でございまして、桜井二士は隣の部屋に子供と一緒にまあトランプか何かして遊んでおったという、こういうような状況であったわけであります。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 私はそういうところにもですね、先ほど言った、長官の言われることばとは逆に、この最近の自衛隊の綱紀紊乱と申しますか、士気が非常にたるんでおる、そういうところがあるのじゃないかと思うのです。ですから、まずこれをですね、私は正す、これに対して責任を持つ、一体だれが持つのか知りませんけれどもね、この責任をやっぱり明らかにまず第一点としてしていただきたいと思うのです。

麻生茂防衛庁人事局長

○説明員(麻生茂君) われわれといたしましては、この事件を起こしました石井士長はもちろんでございますが、これの監督の地位にある者あるいは同宿した者、あるいは銃を簡単に持っていかれたというような者につきましては、それぞれ適当に処分をしたいという考えを持って調査をいたしております。

石原幹市郎自由民主党

○理事(石原幹市郎君) 柳岡さんに申し上げますが、先ほど申しましたように、防衛庁長官ですね、できる限り早く、時間がまいっておりますので、長官にひとつ質問を集中してくださいませんか。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 まあ単にですね、私は当事者を処罰する、あるいは中隊長や副大隊長を処罰するというだけでは問題の解決にはならぬと思うのですよ。これはやっぱり、大臣がいくらいいことばを言っても、ちょっとこう新聞に報道されるようなことばが出るように、自衛隊全体として、防衛庁全体としてこの際反省をしなければ私はならない問題と思うのです。これは、防衛庁長官急いでいるようですから、ほんとうはあと銃の問題、民泊の問題についてもこの際大臣の見解を聞きたいのですけれども、これは局長にひとつそういう権限をまかしてもらって、局長の答弁が大臣の答弁だ、こういうふうにひとつ私は受け取りますから。大臣にもう一度、そういう自衛隊のこうした事件などを起こす根本原因というか、どういうような反省をし、今後どうしようとするのか。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(増田甲子七君) 私は、先般衆議院の内閣委員会におきまして、たしか盛岡の市長をなすった山本さんから、われわれが非常に苦労した暗い時代の話から、ずっと将来の自衛隊のあるべき姿ということにつきまして厳粛なる立場で御質問がありました。そのときにも、私はお答えをいたしました。私どもの仕事をしておった時代は、私は内務省警保局というところにいました。つまり、軍縮会議がワシントンでありまして、ロンドンでありまして、それからいろんな、当時のことばで申すと、陛下から預かっている武器を自分が正義だと思う問題に使用したということが結局五・一五、二・二六となり、日本が亡国敗戦のうき目を見た原因であると私は考えております。その点におきましては、盛岡市長を三回もした山本さんと全然同意見でございまして、規律ということを生命と考えておるというのが防衛庁長官増田甲子七の考えでございます。先般師団長会議のございましたときに、自衛隊を最も愛しておるのは増田甲子七であります、がしかし、ただしなんということは言わない、それと同時に——同時にというのは、五〇、五〇という割合である、同時に規律の点は、だがしかしとか、ただしなんということじゃないのだ、同時に非常にきびしく考えておるから、これを司令官は部下に周知徹底せしめられたい、仮借なく規律は取り締まれということを、私はあらゆる機会に申しております。先般の七十数人の司令官、師団長の会議におきましても、末端まで徹底するように、それぞれ訓示をいたしたのでございます。これは九月のことでございます。こえて十月のことになりまして、こういう事件が起きたということは、柳岡さん御指摘のとおり、まだ末端まで徹底しないのじゃないかと言われてもいたし方ないわけでございまして、私は監督者として十分恐縮いたしております。とともに、これから後はなお一そう、武力の団結体である自衛隊というものは、武器の扱いはもとよりのこと、規律そのものが上命下従の関係を厳粛にやらなくてはいけない、その上命というものの最高は内閣総理大臣でございます、それを監督するのはお互い私服を着ておる国会でございますということを、私はこの特別国会におきましても、自分の熱意を傾倒して、皆さま方国会を通じまして国民の皆さんに、シビルコントロール——シビリアンがコントロールするのだ、政府が絶対優先である、その規律の最高のものは、行政として自衛隊はあるわけでございますから、行政としての自衛隊は立法府という国権の最高機関の監督を受けまして、その行政としての最高のピラミッドの頂上は内閣総理大臣であって、これを受けて隊務を統括するのが同じく制服でない私服を着ている国会議員の防衛庁の長官である、こういうことはきわめて明瞭にいたしました。今回も、できればきょうじゅうに厳重処分いたしたいと思います。  それから、柳岡さんの御指摘の、同僚や幹部でぼやぼやしているんじゃないか、その点についてはどうするんだというお話も、御指摘があることは当然だと思っております。  そこで第一、同僚等が自分の武器が持ち取られたのを知らずにトランプなんかやっておるなんということは、これはとんでもないことでございまして、しょっちゅう武器のことについては眠っている際にも気をつけなくてはいけない。先般、カービン銃をキャンプ場でとられた、盗まれた、結局返ってきた事件がありましたが、これはもう厳重処分しております。今回も、森二曹が自分の部下である石井陸士長が遊びに行ったのを知らなかったという点は、懲戒に当たるかどうかわかりませんが、これも訓戒を加えたいと思っております。  それから、自分のカービン銃をとられた二曹なんというのは、とんでもない。樋口二曹でございまするが、とんでもない不注意でございまして、これも相当の私は懲戒に値することである、こう考えております。  それから、全体を取り締まるべき中隊長等は特に監督上の責任を負わせるつもりでございます。また、学校長等におきましても反省を促すつもりでございます。下志津の学校長でありますが、これが最高の責任者であります。それからその上の最高責任者というのは防衛庁長官でございますが、私といたしましては、再三ではございますが、皆さまに遺憾の意を明瞭にいたしまして、これから後はより一そう厳粛に規律を取り締まってまいる、綱紀の維持をはかり、官紀の振粛をはかる、これが私の考えでございます。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 先ほど申しましたように、単に処罰するということだけで問題は解決しない。問題は、自衛隊長官なり最高責任者がやっぱり私はまずえりを正していく、これが大事だと思うんですが、そういうことをやらない。いま防衛庁では内局と部隊との間がうまくいかないということを私は耳にしているんです。だから、自衛隊の中でいろいろな事件、おそらくこれと同じような事件はあるんじゃないかと思うんですよ。ところが、それについて内局があまり把握をしていないんじゃないですか。そういうような防衛庁、自衛隊全体を、やっぱりもっとすっきりした系統的な監督と申しますか、あるいは隊の指導、そういうものを私はやる必要があると思うんです。そういうところをひとつ今後防衛庁長官として十分注意をしてもらいたい。きょうは、またいずれ次の機会に来ていただきますから、けっこうです。  そこで第二の問題は、民宿の問題です。この民宿について、一体防衛庁なり自衛隊としてはどういう法律的な基礎をもって民宿というものをやっておられるんですか。

中井亮一防衛庁教育局長

○説明員(中井亮一君) お答えいたします。  有事に際しまして宿営をいたすわけでございまするが、そういう際の原則は天幕露営でございます。状況によりまして、あるいは天候のかげんとか、あるいはそのときの状況の様子とかによっては、民泊ということも考えられると思うわけでございますが、演習の際には、民泊の実施をいたすことによりまして地域の住民の方とつながりを深めることもできますし、また民泊をいたすことによりまして隊員としての自覚を高めるということもできるという利点があると考えております。従来根拠になるものについてのお尋ねでございますけれども、民泊の実施に関しまして中央としての規程とか指示というものはいたしておりません。現地の実情に応じまして部隊長等が判断をして実施をしておりまして、自衛隊全体でも年に二、三回程度行なわれているという、そういう程度のものでございます。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 民宿というものについて防衛庁全体として何ら指示、規程というものがないということは、私は非常におかしいと思うのです。現地の部隊長に全部まかしてあるのだ、こういうことは、私は、少なくとも自衛隊という一つの、あるいは防衛庁という一つの機構を持っているものが、これは公務ですよ、公務として野外演習をする場合に、そうした民宿についての内規と申しますか、そういうものがない、あるいは注意事項というものがない、これはおかしいのじゃないですか。普通の民間人が夏房総半島のほうにたいへん民宿に来ますけれども、そういうものと私は全然違うと思うのですよ。それはどうしてそういうものをつくらないのですか。すると、民宿に対する最高責任者は部隊長ということになるのですか。

中井亮一防衛庁教育局長

○説明員(中井亮一君) 演習等に宿営をいたしますのには天幕露営が原則だと申し上げましたが、それ以外の方法としていろいろあるわけでございますが、演習訓練をやります場合に、あるいは土地の公会堂の部屋を借りるとか、あるいはときによっては国民宿舎というようなものを借りるというようなこともございます。それからまた、防衛庁等にもございますけれども、共済組合の持っておりますクラブというようなものに泊まるというようなこともございます。これはもちろん原則ではございませんけれども、そのときの状況でいろいろとやっているわけでございますが、そのうちの一つとして一般の民間の方の御理解を得てお世話になるという形のものもあるということでございますので、現在のところは部隊長が演習訓練等の実情に応じていろいろとそういう宿営の手段を講じているということでございまして、先ほどお話いたしましたように、非常に例外的といいますか、少ない回数の実施をしているということでございます。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 少なくとも、一般民間人のそうした民宿などと違って、自衛隊員は武器を持っているわけですよね。銃を持っているわけですよ。あるいはその他の兵器を持っているわけですよ。そういう兵器を持っている人が、何ら防衛庁の最高方針と申しますか、そういう一つの規程すらなくて、かってに部隊長の判断で泊まらせるということは、私は納得できないのですがね。何らかの私は内規、この部隊内の、いわゆる防衛庁内の規程あるいは何らかの指示というものがすでにあって、その指示なり規程に基づいて部隊長が民宿をするというならば、これはわかりますけれども、全然そういうものがないということは、これは防衛庁というか、自衛隊全体としての機構の中でばらばらな行動をしているということになるのじゃないですか、それはどうなんです。

中井亮一防衛庁教育局長

○説明員(中井亮一君) 武器の保管とか取り扱いにつきましては、もちろん十分監督を厳重にするためのいろいろな規程というものはございます。しかし、ただいま申し上げましたように、原則的に天幕で露営をするということはきまっておりますけれども、あとの例外的なものについては、借り上げをするような施設については、公民館でなければならないとか、公民館でやるときにはどうやるのだとか、あるいは民泊——一般の民家に泊めていただくときはどうするのだというところまで、防衛庁のレベルまでの規程されているものはないということでございます。ただ、部隊におきましては、もちろん民泊をいたしますときには厳重な注意をそれぞれのレベルにおける部隊長が指示や訓示をいたしておりますし、各人につきましても、民泊の心得というようなものを渡し、説明をして、本人たちに間違いないようにくれぐれも注意をしながら、民泊をお願いをしておるということでございます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 関連。民泊する場合に、何か天幕露営が原則だというのだが、民泊をする場合に、御好意に甘えてただでやるのですか、それとも、民泊をしたならば、お礼とか、謝礼とか、一人幾らとかいうものを出すのですか、出さないのですか。

中井亮一防衛庁教育局長

○説明員(中井亮一君) この千葉県の事例の場合には、一人二百円ずつ泊めていただいたお宅にお払いをしておるということでございます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 その二百円というのは、旅費規程みたいな形で、二百円のところもあるし、三百円のところもあるし、それは話し合いによって百五十円のところもあるしと、こういうことですか、場合によって違うのですか。

中井亮一防衛庁教育局長

○説明員(中井亮一君) 民泊を今回いたしました際には、朝食、夕食は持参し、寝具も持参をして泊めていただくようにお願いしたわけですが、地元の代表の方と部隊側とで事前に十分お話し合いをしまして、昨年も二百円でお願いしたわけでございますが、昨年に続いてことしも同じようにお話しをして泊めていただいたということで、別に各人それぞれが少しずつ違うということではございませんで、同じ二百円でございます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 だから、そういう話し合いによって民泊した場合には、原則として食費とあれは持参するのだというような規程がないというのですから、それは向こうの御好意で、持っていったものだけ食べないで御迷惑をかけているのじゃないですか、酒まで飲むというのですから。だから何か出ているのでしょう。だから、そういうようなことが、その部隊は二百円で去年もやったし、ことしもやったが、ほかの部隊はどうなのか。民泊はどういうふうにやれとか、何か指示なしに話し合いで適当にやりなさい、こういうことになっているのですか。

中井亮一防衛庁教育局長

○説明員(中井亮一君) この経費は、訓練、演習費を使っているわけですが、この場合の宿舎の借り上げにつきまして、一応契約をして支払いをするという形式をとっておりますし、その相手側の方の御好意というものもありまして、安いところはもっと安くて泊めていただいているところもあります。それから、ただいまお酒の話も出ましたけれども、お酒は遠慮しろということを心得としては言っておりまして、どうしてもたってすすめられた場合には、礼儀正しく最小限度のものをいただいておくようにということを注意もいたしておりまして、お酒をいただくということは、何も泊めていただくための前提の話にもないことでございます。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 そういう民泊にあたっての全体的なというか、一般的な規程と申しますか、そういうものが全然ないというところに私はこう事件が起こる可能性を秘めていると思うのです。今度の場合にも一人二百円で食糧、寝具持参だ、こう言ってもこれは現地の町民からすれば、ひとつ頼むと町長から言われれば、これはいやだとはなかなか言えない。したがって、今度も二百二人が百戸に分宿をしているわけです。そして二百円では足りないから、部落費から一人三百円あて泊めた家に出しているわけです。それからさらに、持ってきた食糧ではかわいそうだからということでごちそうをつくって食べさせて、しかも、町当局は一人当たり二合の酒を全部配っているんですよ。それで自衛隊は酒はあまり飲むな、こういう指示なんですね。あまり飲むなということは少しは飲んでもいいということだと思うのですけれども、そういうことをいままでおそらくやってきたんじゃないですか。これは今度だけじゃないと思うのです。過去もそういうことをやってきた。そういう一つの慣習というか、そういうものが、あたりまえだというような気持ちになって、それでこうした事件が起きると私は思うんですよ。ですから私は、この際民泊ということについては一切もうやらない、こういうことが必要ではないか。民泊をしなくても、たとえば今度の場合でも、ほかの隊員が全部学校に泊まっているわけです。学校も一つの問題はあるかもしれませんけれども、町民に迷惑をかけて、しかも、どういう事件が起こるかわからないような問題をはらみながら民泊をさせて、どうして住民との密着をはかるなんということが言えるでしょうか。私は、この際民泊は自衛隊はやめるべきだ、しかも六日の日はもう終わって帰る日ですよ。四日から始まって何も六日に泊まらなくてもいいですよ。そういう全体的な規程なりそういうものがないから、やはりかってなことになり、町民に迷惑をかける、そして事件を起こす、こういうことに私はなると思うので、この点ひとつ民泊はこの際はっきりもうやらない、こういうことをひとつここで言明してもらいたいと思うのです。いかがですか。

中井亮一防衛庁教育局長

○説明員(中井亮一君) やはり民泊というものは実施をするということによってそれだけの意義も感ぜられますので、民泊の実施に際してはくれぐれも隊員に注意をいたしましてやはり実施をいたしたいと、いまのところは私自身は考えております。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 そういうことであるから、しかも、いま言われたことばだけで、あとは規程をつくろうとか何か防衛庁全体として一つの法律のようなものをつくろうとか、そういうことが言われていないでしょう。ただ単に一つの意義があるからやるんだということでございますけれども、しかし、実際にこれは国民は迷惑していますよ。確かに各市町村には自衛隊協力会というものがあるかと思います。一人百円の会費だそうですけれども、しかし、今度の場合には町長が契約当事者になっているわけですよ。ですから、町長がそれぞれの人に頼み込んでやっているようですけれども、しかし、国民は迷惑していますよ。町長だって、何もやりたくないんです。やりたくないんだけれども——あとで自治省の方がいたら質問したいんですけれども——道路の整備だとか、中学校の建設に自衛隊のお世話になっているからやるんだと、こういうことなんですね。泊めたうちでは、ごちそうつくって、それで酒を出して接待をしなくちゃならぬと、これは決して自衛隊のために私はならぬと思うんですよ。ですからこの際、私は民泊はやめるべきだと、このことをひとつ主張したいと思います。  それからもう一つの問題は、銃の保管の問題です。聞くところによると、銃を民泊の際持っていくのは国民に自衛隊がいかにいい銃を持っているかということを見せるためだと、こう自衛隊員は言っているんですよ、これはどうですか。

中井亮一防衛庁教育局長

○説明員(中井亮一君) 広報のために武器の展示をするというようなことは、方法として幾らでもほかにございますので、特に民泊のときにこんないい銃を持っているからといって見せるというような意図を持って持たしているということではございません。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 そういうことであれば、いま戦争やっているわけじゃないのですから、しかも、学校にはほかの隊員が一ぱい泊まっているのですから、一カ所に銃を全部集めて、そうして見張り番を立てるとか、そうしてこれの保管を厳重にしていくということが必要じゃないんですか。何か指示によりますと、寝ても銃を絶対放すなと、こういう指示をしていると言いますけれども、現実には子供がかってに持ち出せるようになっているのでしょう。もしこれがほかのだれかに持ち去られた場合に一体どうなりますか。たとえ実弾が入っていなくても、からであっても、強盗ぐらいできますよ。警察官のピストルが盗まれるということがいま大きな問題になっている中に、自衛隊のこうしたカービン銃というようなものが、そういう保管の状態でこれでいいですか。

中井亮一防衛庁教育局長

○説明員(中井亮一君) 今回の事件につきましては、先ほど長官からも申し上げましたとおり、たいへん遺憾な事件でございまして、いろいろと注意をし、訓示をしていることについて守っていないようなことから起こっているということを十分言えるわけでございますが、銃の保管につきましては、状況によりましては、もちろんまとめて、先ほどお話しのありました学校等に集めて保管をし、警戒をするというような場合ももちろんあるわけでございますが、たてまえとしましては、演習等野外で実施いたします場合に、各個人に持たしております。銃というようなものは、各人がそれぞれ携帯をするということをたてまえとしているということでございますので、今回もその原則的なほうの各人携帯、それで各人が厳重に注意をするということをやらせるということで今回の場合は措置しているわけでございます。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 これは非常に凶器にもなり得るものですから、私はこの際、こういう事件をきっかけに自衛隊がこの銃の保管、特にこの民泊等にあたっての銃の保管についてはやはり一カ所にまとめてそうして厳重に警戒をする、こういうふうないままでのたてまえを改正すべきだと思うんですよ、それはいかがですか。

中井亮一防衛庁教育局長

○説明員(中井亮一君) いろいろと事件もございますししますので、検討さしていただきたいと思います。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 警察庁の方はおられますか。

石原幹市郎自由民主党

○理事(石原幹市郎君) 刑事局長が見えています。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 警察庁はこの事件をいつ把握されたのですか。

内海倫警察庁刑事局長

○説明員(内海倫君) 十七日の産経新聞でございますか、新聞記事を読みまして、このときに事件のいきさつを知りました。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 警察は三里塚の国際空港のほうに動員しておそらくそっちのほうに力をとられて、こういう問題はなおざりにしていると思うけれども、少なくとも私は自衛隊員を変な目で見るわけじゃないですけれども、自衛隊員が兵器を持って民宿しているのです。どういう事件が起こるかわからないですよ。警察はやっぱり国民の立場に立つならば、その民宿している時点では十分注意を払うということが必要じゃないかと思うのですがね。しかも今度の場合は、これは六日の夜起こっているのですからね。それを十七日の新聞に出るまでは何も知らなかった。これは職務の怠慢じゃないですか。

内海倫警察庁刑事局長

○説明員(内海倫君) 結果から逆に見てみますと、そういうふうな印象をお持ちになることも確かにあり得ると思いますけれども、先ほど防衛庁から御説明がございましたように、関係の土地の方々もそういう点には、遠慮されたのかどうかわかりませんけれども、非常に口がかたかったようであります。警察としましては、みずから規律を維持する組織を持っておる自衛隊のことでございますから、そういう点においてまかり間違うというふうなことをあまり予想できませんし、かつまた、そういうふうな事態がありました場合は、当然自衛隊のほうから警察のほうに連絡通報があるものと考えますだけに、自衛隊が民宿しておるから、それについていろいろ警察的事犯が起きるかもしれないという観点から特に注意するということは、私どもとしては、万事注意することは肝要でしょうけれども、特にしなかったからといって、非常に怠慢であった、あるいは手を抜いておったというふうには感じておりません。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 それは詭弁ですよ。三里塚では農民がどういうことをするかわからぬということで、それで三本くいを打つのに二千名からの警官を先頭に立てて来ているのですよ。まだくいを打てるかどうか全然判断されない、わからないのに、農民を暴徒扱いにしてやっているわけでしょう。そして一方では、自衛隊はそんなことはないだろうからと言ってやらないというようなことは、私はこれは国民というか、善良な市民の立場に立った警察とは言えないと思うのです。しかも、自衛隊の事件については、うやむやにしていくような傾向があるんじゃないですか。今度の事件については、一体どういう犯罪になるんでしょうか。不法侵入が一つあります。それからゆかたがけで銃を持っているんですよね。これは一体銃砲刀剣類所持等取締法にはひっかからないでしょうかね。あるいは婦人連に対して銃を向けているのです。脅迫です。どういう犯罪に当たりますか。

内海倫警察庁刑事局長

○説明員(内海倫君) 犯罪につきましては、現在本人あるいは本人のうしろにおりました関係者、さらに被害を受けられた関係の方々、いずれも事情をいろいろ自衛隊の関係については取り調べ、また、地元の方々についてはいろいろ事情を話してもらって聞いております。これらを総合しまして、私ども現在の段階におきましては、先ほどお話しのように、銃砲を持ち出しました件につきましては、銃砲刀剣類所持等取締法に関する違反が考えられますし、また、踊りをしておった婦人の方たちに対して銃を向けて恐怖の観念を生ぜしめたというふうな事態を考えますと、暴力行為等処罰ニ関スル法律に違反するものと、こういうふうな容疑で現在取り調べを進めております。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 自衛隊が独自の規律を持っているからそういう事件は起こらないであろう、こういうことで、それほど警備は必要ないのだ、こういうお話しでございましたけれども、やはり私は、警察としては、これは市民の生命財産を守るという立場から、十分に今後の注意を喚起しておきたいと思うのです。  自治省いますか。——地方自治体に、こうした自衛隊への協力と申しますか、民泊等について自治省としては自治体に対して何らかの通達なり指示をしておりますか。

長野士郎自治省行政局長

○説明員(長野士郎君) お話しの点については特別に指示はいたてしおりません。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 そうしますと、全くその地方自治体の独自の判断でやっておると、こういうことですか。

長野士郎自治省行政局長

○説明員(長野士郎君) そのとおりでございます。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 先ほどちょっと申し上げたのですが、自衛隊が、町の工事ですね、林道の整備なり、あるいは中学校の建設に当たるというようなことは、これは法的に何か根拠があるのですか。

麻生茂防衛庁人事局長

○説明員(麻生茂君) お答え申し上げます。  自衛隊法の百条を見ますと、こういうぐあいに書いてあるわけでございます。防衛庁「長官は、自衛隊の訓練の目的に適合する場合には、国、地方公共団体その他政令で定めるものの土木工事、通信工事その他政令で定める事業の施行の委託を受け、及びこれを実施することができる。」と、こういう自衛隊法の規定がございます。こういうこの規定によりまして、長南町は地方公共団体ですから、この町が土木工事を自衛隊に対して行なってほしいという委託を申し出てまいりました場合に、その委託を受けて実施をするということが自衛隊としてはできるということに立法上なっているわけでございます。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 前段があるわけですね。自衛隊法の、いま申された前段があるわけでしょう。

麻生茂防衛庁人事局長

○説明員(麻生茂君) 前段と申しますのは、「自衛隊の訓練の目的に適合する場合」ということでございます。土木工事を大体やっている部隊は、これは施設部隊でございます。施設部隊の訓練にもなるからということで土木工事を行なっておるわけでございます。訓練目的を逸脱して土木工事の受託をしておるとしいうことはないわけでございます。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 その場合に、いわゆる工事費と申しますか、いろいろな経費についてはどうなっていますか。

麻生茂防衛庁人事局長

○説明員(麻生茂君) 経費の分担につきましては、自衛隊法施行令の百二十四条に規定がされてございます。この規定を読んでみますると、「第百二十二条の規定による土木工事等の実施に必要な費用のうち、次の各号に掲げるもの以外のものは、当該土木工事等の委託及び実施を申し出た者」——この場合ですと長南町のような地方団体でございますが——それが「負担するものとする」。一は「隊員の給与(旅費を除く。)」「二隊員の糧食費」「三自衛隊の車両、航空機、船舶、機械及び器具の修理費」、この三つを除いたものを委託の申し出をした市町村が負担をする、こういうことになっているわけでございます。したがいまして、隊員の給与なり、糧食費、自衛隊の車両、航空機、船舶、機械及び器具の修理費は、これは自衛隊が負担するということでございます。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 限られた時間でございますので意を尽くせませんが、いずれにいたしましても、今度の問題は非常にこれは自衛隊の今後の民泊の問題に大きな示唆を与えたと思うのですね。したがって、私が当初から申し上げたように、一つは、自衛隊に対する防衛庁全体の規律の問題、一つは、この民宿に対する今後の中止を前提とした防衛庁の取り組みですね、この規程とか、あるいはその他が全然ないという問題、もう一つは、やはり銃の保管の問題、こういう問題をもっとよく検討して、そして、こういう問題が二度と起こらないような、そういう措置をとる、そのことが必要だと思うのです。大臣がいませんから、またいずれ——もう一つあるんです。私は実は誤爆の問題もあるんです。きょうは時間が限られておりますから、いずれあとに回しまして、きょうはこれで終わりますけれども、ひとつ、きょう私が申し上げたような問題については、早急に検討して、何らかの回答をわれわれのほうによこしてもらいたい、こういうふうに思います。

麻生茂防衛庁人事局長

○説明員(麻生茂君) いま御質問なり御要請のありました点につきましては、今回の事件にかんがみまして、民泊の際の銃器の取り扱い、あるいは規律、風紀の維持ということにつきまして、さらに一そう監督を厳重にするという措置を今後検討してまいりたい、こう考えます。

多田省吾公明党

○多田省吾君 私は防衛局長に、七月の二十日に続きまして、ABMの問題について若干質問さしてもらいます。  まず初めに、マクナマラ・アメリカ国防長官が九月十八日に、中国の核攻撃力の急速な開発に対処するために薄いABM防衛網を配備するということを決定したわけでございます。そのことにつきまして、今後の日米安保、あるいは沖繩返還、あるいは核防条約等に相当な影響があるのでございますが、防衛局長はどのようにその問題をお考えですか。

宍戸基男防衛庁防衛局長

○説明員(宍戸基男君) お話のように、アメリカのマクナマラ国防長官は、九月十八日に記者団に対して、ABMの配備の決定を発表しております。これについて日米安保条約、安保体制等にどういう影響があるかというお尋ねでございますけれども、御承知のように、われわれの防衛体制というものは、自衛隊の受け持つものは局地戦、通常兵器による局地戦に対処するということでございまして、核による攻撃に対しましては、もっぱらアメリカの核による抑止力に依存しております。今度のABMの展開はアメリカの核抑止力の基礎を強固にするものであっても、減殺するものではもちろんございません。したがいまして、日米安保体制は、このABMの展開によりまして、日米安保体制の基礎がゆらぐというふうなことはないと、かように判断いたしております。

多田省吾公明党

○多田省吾君 昭和三十六年ごろ赤城元防衛庁長官が、防御用の核兵器ならば、日本がこれを持っても法理論的には憲法に抵触しないと、こういうことを述べておるわけでございますが、防衛庁としては、現在もその見解に変わりはございませんか。

宍戸基男防衛庁防衛局長

○説明員(宍戸基男君) 変わりはございません。

多田省吾公明党

○多田省吾君 それで、結局、この九月二十日ですか、新聞によりますと、外務省の高官筋でも、その防衛用の核兵器ならば沖繩返還の際に置いておいてもいいじゃないかというような発言をしておるわけですよ。いま沖繩返還に対して、政府自民党では、下田構想としては核つき返還である、そういう構想も述べておりますし、また、外務省筋では、まあ核は廃止するけれども、基地の自由使用を認めるというような見解を言っておるようでございます。で、その中間をとって、核兵器は防衛用の核兵器のみを残しておく。で、この前も、久住さんという防衛評論家もそういったことを主張しておるようでございますけれども、防衛庁としましては、その沖繩返還にからんで、防衛用の核兵器ならば置いておいてもよろしいというような、そういう見解はお持ちなんですか。

宍戸基男防衛庁防衛局長

○説明員(宍戸基男君) 先ほどのお尋ねに対する答えを若干補足させていただきたいと思いますけれども、防御用の核兵器なら、憲法問題として、しかも、憲法上の仮定の上に立った理論上の問題として、もっぱら、そういう他国に脅威を与えないような核兵器であれば、理論上は憲法違反ではないというふうに、当時の長官なり、あるいは法制局の見解が示されているというふうに承知いたしておりますが、しかし、そういう防御用のものであれ、わが国は核を持たないという政策も明白になっております。そういう意味で変わりはないと私お答え申し上げましたので、念のためにちょっと申し上げておきます。  それで、次に、沖繩の問題につきましてお尋ねでございますけれども、この沖繩の問題は、現在防衛庁としましては、直接タッチはしておりません。新聞に報道されますようないろいろな意見もありましょうし、これからのいろいろな外交交渉によって、いろいろその帰趨がきまるものだと存じます。で、防衛庁としましては、直接これについてわれわれ事務的にもタッチしておりませんし、お尋ねの問題についても、別に現在のところ、具体的な検討はいたしておりませんので、ちょっとお答え申し上げかねるわけでございます。

多田省吾公明党

○多田省吾君 この前も、島田前防衛局長に尋ねたわけでありますけれども、その当時は、防衛局長としては、アメリカは巨額な金も年月もかかるから、ABMの効果というものはあまり期待してないから、装備に踏み切らないのではないかというような予想を、非常に安易な予想でありますけれども、述べております。私はそんなことはないだろう、もうモスクワ近辺にも装備しているし、アメリカも初めは中共用の、次にはソ連用のABMを開発することは必至であろうということを述べましたら、まだそういう心配はないみたいなことを答弁されたわけですよ。その後幾ばくもなく、二カ月足らずのうちに、もうアメリカは五十億ドルを使って中共用の薄いABMを開発すると決定をしたわけです。さらに、マンスフィールド上院議員あたりは、四百億ドルぐらいを使ってソ連用のABMを開発することも必至であろうという観測を述べているわけです。で、当然、日本の近海にも、潜水艦や艦船を使ってのABM網を、スプリントあたりを敷設するのじゃないかというような意見も非常に強くなっております。で、これはもうアメリカ一国のみならず、これは日本にとっても重大問題だろうと思います。ある識者は、今度のABMのアメリカによる決定は、過去においてルーズベルト大統領が原爆生産に踏み切ったと同じ、また、それ以上の重大決定であろうということも述べているわけでございます。そういった点にからんで、防衛局長のいままでの御答弁を聞きますと、何だか対岸の火事のような非常な安易な考えにおちいっておるように思いますけれども、一体こういった点に関して、どういうお考えなのか、もう一回お聞きしたいと思います。

宍戸基男防衛庁防衛局長

○説明員(宍戸基男君) 七月のこの委員会におきまして、多田先生からお尋ねがありまして、ABMの展開はまだ遠い将来のことと考えているのかというふうなお尋ねが前島田局長にございました際に、当時の島田局長は、必ずしも遠い将来を考えているとか、あるいは逆に近い将来だとかいうようなお答えはしておりませんで、いろんな情報に注目しておる、いろいろ関心は持っておる、しかし、防衛庁としては具体的な検討はしていないというふうなお答えをしていると承知いたしております。  その後、まさに先生のおっしゃるように、二カ月後にマクナマラ長官は配備の決定をいたしたのでございますけれども、この配備の決定につきましては、先ほどもちょっと申し上げましたように、われわれとしましては、もちろん、安保体制を基礎にいたしましてアメリカの核抑止力というものに期待をいたしております。そういう意味でわれわれ非常に関心を持たなければいけないし、勉強もしなければいけないと思っておりますけれども、その帰趨につきましては、先ほど申し上げましたように、アメリカの強大な核抑止力によって大国間の戦争が防止されているこの力というものは、ABMによって全然減殺されることはない、むしろ、基礎が強固になるというふうに考えられる、こういうふうに思っております。また、わが防衛体制が、これによって直接自衛隊をどうするああするというふうな問題に直ちには波及するものではない。基礎について、それがゆらぐとかいうことになりましたら、もちろん心配でございますけれども、そういうことはない。また、自衛隊個々の問題については、このABM展開が直接直ちに波及するわけではない、従来どおりの基本に立って防衛体制を整備していくべきだ、こういうふうな考え方に立っているわけでございます。

多田省吾公明党

○多田省吾君 アメリカの核抑止力といいますけれども、確かにジョンソン大統領が二年ほど前に、日本を防衛するためには、もし他国の攻撃を受けた場合には、あらゆる兵器を使って防衛しようというような約束をしたというようなことを伝えられておりますけれども、もう当然、核兵器の攻撃を受けた場合には日本は全滅しているのであって、そんな、他国のそういったアメリカが原水爆を持っているから抑止力になるだろうというふうな考えだけでは非常に甘いと思うのです。すでにフランスなんかではガロア理論とかいって、そういった核抑止力には期待できないと、はっきりそういう理論を持って自国が核装備をしておるという現状もございます。ほんとうに防衛局長は、もういかなる場合も、アメリカが核兵器を持っている場合は、日本は核攻撃を受けないだろう、そういう厳然たる確信を持っておられるのですか。それで攻撃を受けてからではおそいじゃありませんか。その問題はどうですか。

宍戸基男防衛庁防衛局長

○説明員(宍戸基男君) おっしゃるように、確かに万一そういうことがありまして攻撃を受けた場合にはおそいということはそういうことかと思いますけれども、ただ、その前提としまして、人間の理性がそういうことをやるかどうかということだと思います。つまり、アメリカの核抑止力というものはきわめて強力なものでございまして、単に一都市をせん滅するとか、あるいは一部の地域に被害を与えるとかいうものではなくて、もしそれが発動された場合には、もう一国そのものが現代的な意味において生存することができないという、それほど大きな抑制力、つまり、核攻撃力を持っておりまして、それがどこの国の先制にも耐えて、その第二撃として攻撃し得るだけの核兵力を持っておる、こういうのが現状だと思います。そういう場合に、ある国が自分の自殺にひとしいことを、つまり、かりにアメリカなり日本なりに、そういう核兵力を用いて日本の都市を攻撃するという場合には、アメリカの第二撃によって自国の滅亡を賭さなければならぬ、こういうことがわれわれ普通の人間に明らかであります。別に軍事専門家とかいうことでなくて、世界の常識ある人々にきわめて明らかになっておりますので、そういう常識とか理性ということを前提として国際問題を考える限り、アメリカの核防止力によって核戦争は防止できるというふうに考えるのが妥当ではないか、したがって、われわれはアメリカのほかに核を持つ必要はない、しかも、その核戦争をもちろん防止しなければなりませんので、従来どおり、アメリカのいま申し上げた強大な核抑止力を期待する、しかし、同時に、核を用いない局部戦というものは現に各地で起きておりますし、これからも起きる可能性が絶無とは言えない、それに対処する能力は十分持たなければならない、こういうのが従来の考えでありますし、お尋ねの、われわれの現在の立場、考え方であります。

石原幹市郎自由民主党

○理事(石原幹市郎君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

石原幹市郎自由民主党

○理事(石原幹市郎君) 速記を始めて。

多田省吾公明党

○多田省吾君 そういうわけでございますから、防衛庁長官もいらっしゃらないし、理事会もあまりまとまっていないようですから、簡単に二、三問続けます。  三次防の原案作成のときに、最初に非核兵器の開発研究が組み込まれて、最終段階で削除されたということを聞いたのですが、それは事実かどうか。  それからもう一つは、防衛庁から米国防総省に、ナイキXについての資料提供を正式に依頼しておるかどうか、この二点をお聞きしたいと思うのです。

宍戸基男防衛庁防衛局長

○説明員(宍戸基男君) 最初の御質問、私わからなかったのですけれども、三次防の計画のときに……

多田省吾公明党

○多田省吾君 非核ABMの……。

宍戸基男防衛庁防衛局長

○説明員(宍戸基男君) そういう全体で考えたことはございません。

多田省吾公明党

○多田省吾君 それからナイキXの資料提供の問題はどうですか。

宍戸基男防衛庁防衛局長

○説明員(宍戸基男君) ナイキXとおっしゃるのは、ABMに関連いたすナイキジェースの……。これもそういう事実はございません。

多田省吾公明党

○多田省吾君 ですから、防衛庁から米国総省にナイキXの資料提供を依頼した覚えはないと言うのですか。

宍戸基男防衛庁防衛局長

○説明員(宍戸基男君) さようでございます。

多田省吾公明党

○多田省吾君 先ほど防衛局長は、ABMの展開は日米安保にも全然関係がない、また、核抑止力にも影響がないというようなことを述べられましたけれども、私はそんなことは絶対ないと思うのです。もしアメリカがこれから、マンスフィールド上院議員の言うように、もうすでに議会においても、人命よりも四百億ドルのほうが安いじゃないかというようなことで、それに対するABMの展開ということも十分考えられるわけでございます。そうなれば当然現在の核抑止力が真空状態になって、そういう核抑止力がなくなっちゃうというおそれが多分にあるわけでしょう。現在のアメリカのABMの展開も、結局は、ソ連が弾頭の多数化の開発に成功したというようなことがありまして、これはイギリスの国防省でも、アメリカの国防総省でも認めていることです。そういったことに対応して、第二次的な報復力というものが期待できないと、そういう関係もあってABMに踏み切ったということも考えられるわけです。ですから、こういうABMの展開に対して、日米安保に全然関係ないとか、あるいは核抑止力に変化がないとか、そういう考え方は非常に安易な考え方だと思うのです。この点どうですか。

宍戸基男防衛庁防衛局長

○説明員(宍戸基男君) 私が申し上げましたのは、日米安保体制の基礎がゆるがない、なぜかと申しますと、日米安保体制の基礎には強大な核抑止力というものが前提になっている、その力がABM展開によって減殺されることはない、減ることはない、したがって、基礎がゆらぐことはないと申し上げたつもりでございまして、安保体制と全く関係がないというわけでは、御指摘のように、そういうふうには考えないわけでございまして、関係はあるけれども、その基礎はゆらぐことはないというふうに判断していると、こういう意味で申し上げたわけでございます。  次におっしゃいました、ABMの効果と抑止力との関係でございますけれども、別に私、安易に考えているつもりではございませんで、マクナマラ長官の発表——ステートメントによりますと、われわれはこれを信頼すべき情報だと思っております。また、判断の基礎に置くべきだと思っておりますけれども、それによりますと、ABMをソ連もある程度展開している、また、アメリカも展開しようとしている。しかし、同時に、アメリカはソ連に対しても、ABMによってお互いにむだな費用を費やすことをやめようじゃないかという交渉も一方にはしている、そういうことをしている、なぜそういうことをやるかというと、結局、ソ連のABMにしましても、アメリカのABMにしましても、どちらもそれを突破し得るだけの巨大な攻撃力を持っておって、それが減殺されないということをマクナマラは詳しく述べております。したがいまして、そういうところから判断いたしまして、安保体制の基礎になっているアメリカの抑止力、攻撃力というものはゆるがないというふうに考えていいのではなかろうかというふうに申し上げたわけでございます。

多田省吾公明党

○多田省吾君 防衛庁としては、最後に聞きますが、そのABMの展開ということを好ましいものであるか、それとも、好ましくないものであるか、どうお考えですか。

宍戸基男防衛庁防衛局長

○説明員(宍戸基男君) 防衛庁として見解を述べるような問題でもちょっとないかと思いますので、私個人の感じだけでお許しを願いたいと思いますけれども、お尋ねがございますので、個人としての立場で申し上げることをお許し願いたいと思いますけれども、これもマクナマラのステートメントにたよるしかないわけでございますけれども、今度のABMの展開というものは、中共の核攻撃に対する防衛信頼度はかなり高い。また、アジア諸国に、中共の核の脅威を防止するアメリカの威信を示して、核拡散を防ぐ効果も持つものだという意味のことを述べております。おそらくそういうふうなことが客観的に言えるのではないかと思われます。そうであるとすれば、お尋ねの、好ましいか、好ましくないかという点にしぼってのお尋ねであれば、やはり展開しないよりは展開したほうが好ましい、やはり核拡散の防止に役立つということであれば好ましいということが言える、かように個人的には存ずるわけでございます。

石原幹市郎自由民主党

○理事(石原幹市郎君) それでは、本日はこの程度にいたします。  散会いたします。    午後一時三十四分散会

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