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56回国会参議院1967/09/08

地方行政委員会 閉会後第1号

発言数
82
登壇者
11
会派数
2
開催日
1967/09/08

会議録

仲原善一自由民主党

○委員長(仲原善一君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。  地方行政の改革に関する調査といたしまして、新潟、山形両県における集中豪雨による災害に関する件を議題といたします。  その被害状況について報告を願います。

三井脩警察庁警備局警備課長

○説明員(三井脩君) 羽越地方を襲いました集中豪雨の被害と警察措置等について御報告申し上げます。  八月二十八日から二十九日にかけて集中豪雨がありまして、新潟県の北部地区、山形県、福島県、それぞれ山間部において約三百五十ミリから四百ミリの降雨があり、平地におきましても延べ三百ミリないし三百五十ミリの大雨が降りました。このためこの地方を流れる加治川、荒川、阿賀野川、胎内川をはじめ、各河川が増水はんらんをいたしまして、各地で堤防の決壊、山くずれ等が起こりまして、岩船郡、北蒲原郡を中心に、県北地方に大きな被害をもたらしました。山形県下におきましても、新潟県との境付近の飯豊山系で約四百ミリ、吾妻山系、朝日山系で、二百五十ミリから三百ミリの大雨が降りました。このため最上川をはじめ小河川が急激に増水はんらんをいたしまして、小国町、川西町等を中心に、浸水による被害が発生いたしました。また、福島県下におきましても新潟、山形の両県境付近の小河川の増水、はんらんによって被害を出したわけであります。  被害の状況につきましては、お手元に配布いたしました資料の別表に数字が出ておりますが、その後、人的被害につきましては、死者八十五名、行くえ不明五十三名というように、行くえ不明者一名の死体が発見されましたので、数字が若干変わっております。負傷者は百六十九名でございます。建物の被害は、全壊は三百二十三棟、半壊七百十一棟、流失二百九十二棟、床上浸水二万六千六百四十一棟、床下浸水が四万三千七百二棟、罹災世帯数は二万八千九十九世帯、罹災者数は十三万九千三百十二名となっております。  以上の状況にかんがみまして、被害の予想された事前におきまして、たとえば関川村に対しまして十四名の警察官を事前に派遣をする等の措置を含めまして、昨日までに警察官延べ約一万四千名を出動させ、避難誘導、危険区域の警戒、また被害発生後におきましては、死体の収容、検死、行くえ不明者の捜索あるいは罹災者の救護、交通の確保等の活動を行なっておるわけでございます。  なお、本日も引き続きまして、新潟県におきましては、関川村、黒川村、中条町等を中心に四百名の警察官を派遣し、山形県におきましては、川西町、小国町を中心に、約百名をそれぞれ出動させて、行くえ不明者の捜索を中心に、罹災者の救護、交通の確保等を行なっておる次第でございます。  現在までのところ、行くえ不明者は五十三名でございまして、新潟県下におきましては、関川村の十六名、黒川村の十一名を主として五十一名、山形県下におきましては、米沢市における二名を含めまして、全部で五十三名の行くえ不明者でございます。これの捜索に従事しておる次第でございます。  なお、被災地の現在におきます状況は、電話は、新潟県関川村の一部を除きまして全線、約九九%が開通しております。まだ国鉄の米坂線は不通でありますが、特に坂町駅と金丸駅の間は復旧活動が難航いたしております。  現在避難中のものは、新潟県下で二百五十六世帯の、人数におきまして一千六十一名でございます。  今度の被害で土砂流入等が激しいところは、関川村、黒川村、中条町等でありまして、ここにおきます行くえ不明者の捜索につきましても、いわゆる土砂くずれによる圧死、その他土砂の下に埋まっておると思われるもの、これが全部で二十四名、水に流されて、あるいは海に流れ出たのではないかと思われるものも含めまして、流失が三十名という数になっております。  被害の状況並びに、現在の警察の措置は以上でございます。

仲原善一自由民主党

○委員長(仲原善一君) 次に、首藤自治省財政課長。

首藤堯自治省財政局財政課長

○説明員(首藤堯君) 今度の羽越災害の状況でございますが、ただいま警察のほうから御報告がございましたとおりの状況でございます。  その被害額につきましては、ただいまのところ、鋭意取りまとめ中でございますが、九月五日現在の当該県からの報告額を一応取りまとめて御報告申し上げますと、公共土木施設関係で約三百二十億、それから農地等の関係で二百五十五億、農作物関係で百一億、中小企業関係で三十七億、その他環境衛生施設、水道施設、都市施設あるいは国鉄、電力等の被害を含めまして約八百七十五億ほどの被害が報告をされておるところでございます。  災害の応急対策につきましては、目下地元におきましても鋭意努力中でございますし、関係各省ともそれぞれ措置をいただいておるのでございますが、さしあたり、地方公共団体の行ないます事業につきましての資金繰り、その他の財政措置が必要だと存じましたので、さしあたりの措置といたしまして、本日、新潟県、山形県及び福島県の三県、新潟県は県分及び市町村分、山形県及び福島県は市町村関係分につきまして、地方交付税の繰り上げ交付をいたすことといたす次第でございます。その額は総額で四十億五千四百万ほどになっております。  なお、今後の措置といたしましては、災害額の確定次第これが復旧措置が行なわれるわけでございますが、これに対しますところの地方債の充当措置、それからずっと自後の措置になりますが、要しました費用に対しまして特別交付税の配分の措置、このような点につきましては、遺憾のないように十分の措置をすべく検討を続行いたしたいと考えておる次第でございます。  なお、税の減免措置につきましては、国のほうも減免の指令が出ておるようでございますし、私どものほうにおきましても、減免条例の定めるところによりまして、適正な減免を行なうよう措置をいたしております。  また、そのほかの資金繰りの面につきましても、必要な向きにありましては大蔵省の資金運用部資金、それから郵政省の簡保資金等につきまして融通をしていただきますよう手配をお願いしておる次第でございます。  大体以上でございます。

仲原善一自由民主党

○委員長(仲原善一君) 次に、佐久間消防庁長官。

佐久間彊消防庁長官

○説明員(佐久間彊君) 今回の災害の被害の状況につきましては、警察庁のほうから御報告がございましたので、重複を避けまして、私は消防機関の活動状況につきまして御報告申し上げたいと存じます。  今回の災害におきまして、新潟県、山形県、福島県の三県の延べ七万七千四百四人の消防職員及び団員が出動いたしまして、情報の収集及び伝達、山くずれ、がけくずれ、河川の決壊等の危険個所の警戒巡視、水防作業、避難の指示及び誘導、避難所の管理、人命救助、被災者の救護、土砂、岩石の除去、行くえ不明者の捜索、被害状況の調査など各般にわたりまして、市町村における第一線の防災機関として災害活動に従事したのであります。  特に加治川の堤防の締め切り作業におきましては、他市町村の応援千五百人を含めまして、延べ二千五百人の消防職員及び団員が出動し、自衛隊、建設業者と共同して活躍いたしたのであります。災害の事前警戒からずっと引き続きまして、終始消防職員、団員が積極的に、みずから被災を受けた者も相当あるわけでございますが、それらのことも省みず、献身的に活動したことと認められるのであります。  この間、消防団員が九名殉職し、三名が行くえ不明になっているのであります。殉職いたしました者は、河川の堤防を警戒、住民の避難誘導中、堤防が決壊したために、濁流に流されて殉職したというような方々ばかりでありまして、まことに哀惜の念にたえない次第でございます。私どもといたしましては、これらの方々の救恤措置に遺憾なきを期することといたしたいと思っているわけでございます。  なお、今回の災害を通じまして、今後の防災対策上教訓として検討すべき問題もいろいろあるようでございますが、現地の実情をさらにつかみました上で、検討、研究の上、その改善に努力いたしたいと存じます。

仲原善一自由民主党

○委員長(仲原善一君) 本件に関する調査はこの程度にいたします。

仲原善一自由民主党

○委員長(仲原善一君) 次に、先般本委員会におきまして、市町村の行なう有線放送電話の運営の適正化に関する決議を行ないましたが、この決議に対し、藤枝自治大臣から発言を求められておりますので、これを許します。藤枝自治大臣。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(藤枝泉介君) 市町村営の有線放送電話につきましては、先日当委員会において御決議になりました趣旨を尊重しつつ、地域社会の実情に即しまして、この有線放送電話の特色を生かした健全な運営がはかれますように、今後とも検討し、努力をしてまいりたいと考えます。

仲原善一自由民主党

○委員長(仲原善一君) 次に、朝鮮大学校の各種学校としての認可問題に関する件を議題といたします。  御質疑のおありの方は御発言を願います。

占部秀男日本社会党

○占部秀男君 文部大臣が五分ぐらいで来るそうですからちょっと……。

仲原善一自由民主党

○委員長(仲原善一君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

仲原善一自由民主党

○委員長(仲原善一君) 速記を始めて。

占部秀男日本社会党

○占部秀男君 私は、朝鮮大学校の認可問題について文部大臣と、それから自治大臣にお伺いをしたいのですが、御存じのように、美濃部都知事がこの認可の問題について、小平の朝鮮大学校から各種学校としての申請があり、そこで二日の私学審議会へ諮問をしたこの内容が、十一日の日に審議会から、いずれか答申があるということになっておるそうでありますが、ところが、五日の日の新聞では、五日の閣議後に、文部大臣は新聞記者の方々と会見をされたときに、これはもうこの問題については、単なる警告ではなくて、実際に認可できないような行政措置をとるのだということを言われたと言っておるわけです。その話された内容として、警告を出すことも考えているけれども、それだけでは無視される可能性が強いようだ、そこで実効のある行政上の措置をとりたい、このことについて内閣の法制局と協議しておると、こういう談話と言いますか、会見でお話しをされたということなんでありますが、これは御存じのように、各種学校の認可を扱うのは、当然都道府県知事のこれは権限になっていることですが、新聞のその後のいろいろな報道によると、相手が美濃部革新知事だから、ことさらに大きく大臣が取り上げたわけではないでしょうが、どうも政府は、革新都政と対決をしようというようなこの気がまえでこういうことを言われたというふうに報道されておるのですが、その間の事情について、文部大臣にお伺いしたいと思います。

剱木亨弘自由民主党文部大臣・通商産業大臣臨時代理

○国務大臣(剱木亨弘君) まあ朝鮮人の学校、大学の問題がいま問題になっておりますが、少しく御説明を申し上げたほうがいいと思いますが、この外国人学校の問題は、日本の終戦後における一つの歴史的な課題であろうと思います。まあ事実上、世界的にもほとんどこういう例はないのでございますが、世界相互に、相互の各国間におきましては、たとえば外交官でございますとか、あるいは商社の滞在者の子弟の教育のために、短期間に滞在する者は帰るわけでございますが、その母国に帰りました際の教育上のギャップを補う意味におきまして、その滞在する国におきまして本国の教育をいたすことは、まあ相互におきまして認め合っておるというのが現状でございます。相当長期にわたりまして滞在をしております者、あるいはその国に永住するといったような場合におきましては、各国の例としましては、その滞在する在留国の教育になじんでいく、いわゆる受けるというのが原則でございます。  ただ、日本におきましては、終戦後の特別の事情で朝鮮の方々が相当多数に、しかも永住的に住んでおられる。したがって、その子弟に対しまする教育をどうするかということは、これは非常な問題がある問題でございます。たくさん、小学校、中学校、高等学校に類する、いわゆる第一条の学校に類する学校を経営いたします場合において、これを現在外国人の学校において第一条の学校として認める方法は日本の法制にはございません。また、この学校教育法は、日本人の日本の学校に対する教育法でございまして、外国人に対して適用する方法はないのでございますが、そのいわゆる第一条に相当するような学校でございましても、これを各種学校として認可してほしいという希望がございまして、事実上今日、都道府県知事が全国におきまして相当な学校数を各種学校として認可してまいりました。  これは純法律論としましては、非常にまあ日本人のための学校教育法でこれを認可するというのは、法制上きわめて疑義がある点でございますが、しかし、外国人に対しまする、特に朝鮮人の方と日本との歴史的な関係におきまして、外国人学校として認可する法制がない現在時点におきましては、小学校、中学校、高等学校に類するような、第一条学校に類するような学校といえども、各種学校として事実上認可してまいりましたのを、これを行政上これは不当であるから取り消すというわけにまいりませんので、今日まで事実問題として残ってまいったのでございます。しかし、文部省としましては、どうしてもこれは外国人の学校制度を設けて、その祖国の民族教育を保障するという意味において、外国人学校制度を創設して、そうしてその法制上の現在までの矛盾を解消していく必要がある、こう考えて、実は国会にそういう提案をいたそうと努力をして今日までまいっておるのでございます。しばしば文部次官通牒等におきまして、この各種学校の取り扱いにつきましては、そういう欠陥がございますので、文部省としては、都道府県知事が認可をしないようにという通牒を出してまいりました。しかし、事実問題として高等学校以下の制度におきまして認可してまいっておるのが現状でございます。  そこで、今回の朝鮮大学校の認可問題でございますが、御承知のように、私立学校の設置、廃止と監督につきましては、地方長官に委任をいたしておるのでございます。地方知事に委任をして、いわゆる国の機関委任になっておりますが、ただし、その委任の範囲は、私立学校法におきまして、大学及び高等専門学校はこれを除いてございます。それで今回の朝鮮大学校の問題につきまして、私どもは、実際上は朝鮮大学校と申しましても、実質的には、まあ日本のもし学校でありせば、日本人の学校でありせば大学として認めらるべき実質的な内容を持っているものと考えております。そういう大学のランクにおきますものは、これは知事に委任をいたしましておる範囲から、地方自治法その他から考えまして、範囲の中にないのでございますが、しかし、いままで私学として、いわゆる各種学校として認可−高等学校以下について認可してまいりました関係から、これが認可権なしと断定するのは多少ちゅうちょをされます。しかし、行政的な措置といたしましては、やはり日本の法制上、大学は文部大臣が直接に処理し、それから高等学校以下につきましては地方団体の長に委任しておる、こういう秩序がございますので、今回の朝鮮大学校の認可につきましては、行政上、知事が認可をいたしますということは適当でない、日本の法制上の問題が起こり得る可能性がございますので、これに対しましては、何らかの措置を文部大臣として講ずる必要がある、いわゆる行政上の法的秩序を守る責任のある文部大臣としましては、その行政上の責任があると、私は感じておるのでございます。  いかなる措置をとるべきかということにつきましては、先ほどもお尋ねの中にありましたように、ただいま政府部内におきましていろいろ検討をいたしておるのでございますが、世上、新聞等におきまして、私が何か圧力とか加えまして、事実上認可させないように措置をとりたいと、こういうことでございますが、この措置の内容につきましては、まだ確定的にきまっているわけじゃございません。いまどういう措置をとるべきか、ただ何らかの措置はとらなきやならぬということだけは考えておりますが、その措置の内容につきましては、なお検討中でございます。

占部秀男日本社会党

○占部秀男君 いま大臣からの御答弁の中で、外国人学校の取り扱い、特に朝鮮人学校の取り扱いについて、文部省として問題を扱っていかなきゃならぬし、苦慮しておると、そういうようなお話はお話として、そのもの自体としては私はわかるんでありますけれども、しかし、二つ問題点がその大臣の答弁の中からもあるんじゃないかと思うんです。  一つは、いま大臣も言われたように、この朝鮮人学校が各種学校としての取り扱いを受けておる、この歴史的な事実から見て、今度の朝鮮人大学校ですわね、大学校の問題について、知事に認可権なしとは一がいには言えないと、こういうようにあなたは言われたわけです。一体、今度の美濃部さんの認可についてのいままでのとってきた手続というものは、これはもう地方自治法と私立学校法に従って法的な手続をとったにすぎないわけなんですね。つまり、これはもう私が言うまでもなく、学校教育法や、また私立学校法で、特にいま大臣の言われたように、公立、私立の問題、あるいは大学、高専の問題、中小、幼稚園等の私立学校の問題、この認可の問題は、文部省と知事との間には画然と分かれておりますけれども、この種の各種学校の問題については、これはもう学校教育法八十二条あるいは八十四条を見ても明らかなように、また自治法の別表第三においても明らかなように、知事の認可事項になっておるわけですね。  そこで美濃部さんは、そうした現在の法律的なたてまえというものを、それをただ踏んで、私学審議会に結論を出してもらいたいということを諮問したというにすぎないんじゃないかと私は思うんです。で、それだのに、正式な適法な手続を踏んでおるのに、文部大臣が、警告だけでなく、実効のある行政措置をとりたい、こういうふうなことを言われることは、合法的な手続を踏んでおるそのものに対して、政府の中央権力によって、これを何らか押えようというような、自治権に対する私は侵害といいますか、干犯といいますか、そういう問題に政治的には発展していくんじゃないかと私は思うんですが、この点はいかがでございますか。

剱木亨弘自由民主党文部大臣・通商産業大臣臨時代理

○国務大臣(剱木亨弘君) これは地方自治体の固有の権限ではないと考えます。私どもは、やはりこれは機関委任をしたことでございますから、地方自治法の百五十条でございますか、によって、これに対しては、機関委任をした事務については、主務官庁として指導監督をする当然の権限もあれば、また実際上そういう必要があればすべき問題だと思っております。

占部秀男日本社会党

○占部秀男君 その点も大きな問題なんですね。確かに機関委任であることは事実ですが、その点はあとで私触れますけれども、少なくとも、美濃部さんがいまやっておることは、私学審議会に対して、認可していいかどうかということについての諮問をしておる段階なんですね。その結論は十一日に出るというんです。で、十一日に結論が出た後に、その結論をどういうふうにするかという行政的な措置をとるのが美濃部さんの役割りになっておる。したがって、私学審議会の結論が出て、美濃部さんがどういうふうにか行政的な処分をしよう、こういうことになったときに、文部大臣としての見解を発表したり、あるいはまた、文部大臣として言うことを言ったりすることは、私はこれはまあ一つの問題としてあり得ると思うのです。しかしながら、少なくとも適法な法的手続を行なっておる最中に、そういうような、法それ自体を否定するような、そうした言動をするということが、あるいは文部大臣としての見解を発表するとか、文部省の態度を発表するということは、そういうこと自体が、法に定められておる手続というもの、地方自治が持っておる法的な権限というものに対して制約しておることじゃありませんか、そうあなたはお考えになりませんか。

剱木亨弘自由民主党文部大臣・通商産業大臣臨時代理

○国務大臣(剱木亨弘君) 私は、これは文部省からしばしば東京都なり各都道府県には申しておることでございまして、通知で、外国人学校の取り扱いについてはしばしば通知したのでございます。朝鮮大学校につきましては、すでに東京都に認可申請いたしましてから一年以上たっております。いままで東京都知事としましては、これに対して認可の手続をすべきその発動状態になかったものでございますが、今回、私どもがあらかじめそういうことについて通知を申し上げておるにもかかわらず、私学審議会に答申を求めたということは、諮問をしたということは、いよいよ認可をしようという段階に入ってきたと考えるのでございます。したがいまして、その認可ということの事実が起こった場合において、行政上適切でない状態を招来するおそれがございますので、それに対しては文部大臣の責任として、これは当然にその以前に防止する必要があると、文部大臣としては考えておるのでございます。

占部秀男日本社会党

○占部秀男君 その機関委任の問題に対するいまの文部大臣の答弁は、これは越権じゃないかと私は思うのですよ。というのは、確かに自治法の第百四十六条に、国の機関としての長に対する監督権の問題があって、そしてこの国の方針、もしくはこの法に適法でないようなことをやった場合には、これを押えるような事項を命令することができるとか、あるいはまた、そうして知事がそれを聞かない場合には、裁判にかけてこれを押える、あるいは変更を命ずる、こういうようなこともできるし、また、代執行なんかもできるように法は規定しております。しかし、それは知事がそういうような事態を行政的な行為として行なったことについてやれるということであって、まだ知事は、それをやろうかやるまいか、審議会に答申を求めておる。審議会に諮問しておる最中じゃありませんか。認可をするという行政的な行為というものはどこにありますか。それにもかかわらず、あなたは未然に防止するというようなことを言われておるが、一体未然に防止するだけの権限というものは法的にはどこにありますか、それを明確にしてもらいたい。

剱木亨弘自由民主党文部大臣・通商産業大臣臨時代理

○国務大臣(剱木亨弘君) この地方教育行政の組織及び運営に関する法律の第五十二条でございますが、「地方公共団体の長文は教育委員会の教育に関する事務の管理及び執行が法令の規定に違反していると認めるとき、又は著しく適正を欠き、かつ、教育の本来の目的達成を阻害しているものがあると認めるとき」には、いわゆる例の措置要求というのが出てくる。これはその行為があったあとの問題でございます。いま占部委員が申されましたのは、そういう行為があったときに発動すべきものであると、こうおっしゃるのでございますが、私どもの行政的な、この地方自治法百五十条に申します機関委任のその場合におきまして、指導監督をいたしますということは、そういったようないわゆる著しく適正を欠くような結果が起こらない以前に、一応そういう結果を阻止する、そういう状態が起こらないように行政上指導するのは、私は当然の措置だと考えておるのでございます。

占部秀男日本社会党

○占部秀男君 いまあなたは未然に防止するためにというふうに言われたけれども、未然に防止するためにということは昭和四十年ですか、文部次官の通達でこれはすでに通達されておることなんですね。通達をされておるけれども、しかし、実際は法律上できることを、法律に適法なことを朝鮮大学校のほうから申請してきたんだから、したがって、法の手続を踏むということもこれはもう知事として当然しなければならない責任の問題ですね。そこで、知事としての責任をとったんであって、もちろん知事は知事としての責任上これをやった。それに対する責任は持つわけですから。したがって、そういうような結論、実際の行政行為になったときに、初めてあなた方のほうの文部省としての、これはまた何と言うのですか、いろいろとこれを変更さしたり阻止したりするところの法的な権限というものはあるのですから、それでもってやるならやってもいい。それもまだきまらない前にやるということ自体に、政治的な影響といいますか、この知事の認可に対する、あるいは知事の法的な手続に対して、あらかじめ政治的な影響によってこれを阻止しようと、こういうことに出たことは、これは明らかなんであって、そのこと自体は地方自治に対する侵害じゃありませんか。どういうふうにお考えになりますか。

剱木亨弘自由民主党文部大臣・通商産業大臣臨時代理

○国務大臣(剱木亨弘君) まだ手続をしているから手続中はだめだとおっしゃいますが、知事が私学審議会に諮問したことは、その諮問の結果によっては認可し得る状態があるという意思を表明したものと私は解釈いたします。したがいまして、知事が認可の過程の中にすでに行動を起こしたということは、これは明白な事実だと思います。占部さんは、この認可したあとで適当な措置があるじゃないかと申しますが、普通の行政措置と違いまして、大学の場合においては、たとえ各種学校として認可しましても、同時にこれは学校法人の法人格を与えるわけでございます。これは伴うわけでございます。おそらく学校法人の認可もあわして申請しているものと考えます。そうしますと、一たん法人格を与えたものに対して、普通の行政措置のようにただ変更させれば済むという問題では事柄は解決できません。したがいまして、これはできるだけそういう状況が起こらない以前におきまして知事に私どもとしてはあらかじめ指導する必要があると、こう判定しておりますし、そのことが決して私は誤っておるのではないと確信をいたしております。

占部秀男日本社会党

○占部秀男君 審議会に諮問をしたことはすでに認可をしたと同じような、その中の手続に入っておるのだと、こういうふうに言われますが、それは文部大臣としての独断的な判断じゃありませんか。美濃部さん自体が審議会にこれは法的手続をとって諮問をしておる。その諮問の結果をどういうふうにするかはこれからの問題である、こういうふうに美濃部知事自体が言っておるのですね。で、この審議会に諮問をして、その答申が出たと、その答申が認可なら認可というように出たとか、あるいは認可してはならぬというふうに出るか、どっちかわからぬけれども、それは将来の問題であって、かりにまた認可なら認可をするべきだという答申が出たときに、文部省としてこれについてはこうだ、美濃部さんの行政的な行為はついてこうすべきである、こういうことを言うことは、また私はそれなりに一つの立場であると思う。ところが、審議会で何らの結論も出ないうちに、しかも手続をしたというだけで、法的な手続を踏んだというだけで、そのこと自体がすでに認可されるものであるというふうに前提を置いて、そうしてこれを阻止する実効のある行政的な措置をとるんだとこういうことを天下に明らかにするということは、これは明らかにぼくは行き過ぎじゃないか、中央権力の乱用じゃないか、地方自治の干犯じゃないかと、こういうふうに思うのですが、その点はくどいようですが、どうですか。

剱木亨弘自由民主党文部大臣・通商産業大臣臨時代理

○国務大臣(剱木亨弘君) 私の申しましたことを誤解されていると思いますが、諮問されたことが認可になることと同一であるとは考えておりません。しかし、私立学校、いわゆる各種学校を認可する場合においては、私学審議会の諮問を得なければなりません。でございますから、私立学校を認可せんとする場合に諮問をする行為が起こるわけですから、認可せんとする意思がないところに諮問はないわけです。ですから、その答申の結果あるいは認可すべしとあるかもしれません。あるいは認可してはならぬと答申があるかもしれません。しかし、法律上申しますと、これは極端なことを申しますと、答申においてこれを認可すべからずと出ましても、諮問をしたという事実が起これば、あるいは知事が答申の結論いかんにかかわらず認可することもあり得る。ですから、認可をしようとする行為が、もう意思がそこに表明されたということは、これははっきりした事実でございます。でございますから、私は、文部行政の——日本の文教行政の法的秩序を守るということについては、文部大臣としてやはり責任がある問題だと思います。したがいまして、これはその著しく適正を欠くような状態が起こらない前に、これに対しまして文部大臣としてのこの行政上の指導をいたしますことは、これは当然の責務と存じますし、私は越権とも考えませんし、むしろ責任を果たす道だと考えておるのでございます。

占部秀男日本社会党

○占部秀男君 どうもいまの大臣の御答弁には納得できないのですが、時間の制約がありますからこの点についてはあれしておきたいと思いますが、いま大臣が、認可しようとする意思があるから私学審議会に諮問したんだと言うけれども、そういうこと自体が大臣の独断であって、認可すべきかすべからざるかということを諮問したにすぎないのであって、そういう点については水かけ論になると思いますから、この点については私はこれ以上入りませんが、少なくとも審議会の答申が出る前に文部省としてああいうことを発表するということは、行政的な実効のある措置をとるんだということは、これはもう審議会の審議に対して一つの政治的な圧力をかけたことは明らかだと私は思うのですが、この点はこのくらいにしておきます。  それから、大臣はいま、大学校は私立であろうと公立であろうと、これは公立はもちろんですが、文部省の認可の事項の中に入っておる、したがって朝鮮大学校というもの——大学は、各種学校ということを言っておるが、事実上大学であると、こういうふうに言われたのですが、一体、朝鮮大学校の当事者が各種学校として出しておるものを、これをどんな基準で大学校であると文部省として独断的に認定をしたのか、その点をお聞きしたい。

剱木亨弘自由民主党文部大臣・通商産業大臣臨時代理

○国務大臣(剱木亨弘君) まあ実質上の大学であるかどうかということは相当調査を内面的にしなければならぬと思いますが、しかし、一応大学のランクと、それから中等学校以下のランクというのは、大体のその内容から一応判別をすることができると思います。朝鮮大学校におきましては、高等学校程度の卒業者を入学資格者とし、大体修業年限は四年、六学部ですか、学部を持ち、実質的には私どもはこれは大学のランクであると判定して間違いないと思っております。

占部秀男日本社会党

○占部秀男君 まあ判定自体が、私はこれは問題があると思うのですよ。私は娘だと言うやつを、いやおまえは奥さんだと人がかってに言うのと同じであって、向こうは、私のほうは大学ではない、各種学校としての大学校である、こういうふうに明らかに名のってきておるものを、文部省自体が無理に大学であるという認定を下すこと自体に、私は問題があると思うのですが、この点については、もう時間がありませんからこれ以上は触れません。  そこで最後に、一体大臣は、阻止すると、あるいは行政的に実効のある形でこれを阻止するのだと言われておりますが、一体どういうような方法であなたは阻止されようとするのか、その点を明らかにしていただきたい。

剱木亨弘自由民主党文部大臣・通商産業大臣臨時代理

○国務大臣(剱木亨弘君) 私どもは、実はこの問題について私の考え方を申し上げないと、いたずらに不当なことを申しておると思いますが、私としましては、このような事態が起こりますので、やはり外国人学校制度というものを設けて、日本政府として、外国人に対しまして、これははっきりとその当時にも私申しておりますが、民族教育を保障して、そうしてこの一つの別の法体系の中で正規にこれを認める方法を講じようと、これは私どもが努力してまいったことだけはお認め願えると思います。しかも私は、この最近の国会が開かれる場合におきましては、ぜひこれを、こういう状態を是正する意味におきまして、文部大臣としては、この外国人の学校の処遇について、その所を得るような方途を講じたい。これは私も努力をいたしますし、国会におきましても、どうかひとつこれは、この日本の法制の混乱を正しゅうする意味におきまして御協力を願いたいと、こう思っております。

占部秀男日本社会党

○占部秀男君 そうしますと、文部大臣の言われる行政的なこの措置というのは、結局、学校教育法の改正を早く通して、そのことによって問題の決着をつけたいと、それ以前の、かりに美濃部さんが許可をしたというような場合に、たとえば自治法の百四十六条、あるいはまた自治法の百五十条、二百四十六条というように、いろいろな手段があるわけですが、そういうような非常的な手段を用いないのだと、あくまでも正々堂々とこの学校教育法の改正を行なってこの問題を根本的に解決をするのだと、こういうような意味に解してよろしゅうございますか。

剱木亨弘自由民主党文部大臣・通商産業大臣臨時代理

○国務大臣(剱木亨弘君) まあ私どもが考えておりますこの前の原案どおり出すかどうかは別としまして、この外国人学校の問題は、中学校とか、高等学校とか、大学のランクとか、そういうことにかかわりませず、一応、これは国際的な問題でございますので、文部大臣の直接の認可の対象にしようという原案を持っておったわけでございます。でございますから、かりに現に地方各都道府県におきまして認可しておる各種学校がございましても、これは新たなるこの外国人学校制度によって、新たにこの認可行為というものが起こってくるわけでございます。でございますから、われわれ文部省の立場としましては、できるだけ早くそういう制度をつくるのだと、いままで一年以上申請書を出して待っておったんでありますからここ数カ月の間待たれないということはないと、私は確信を持っております。

占部秀男日本社会党

○占部秀男君 くどいようですが、文部大臣になぜ私はこういうことを聞くかというと、美濃部さんが私学審議会に諮問をしたと、とたんにあなたが閣議でもそのことを首相に報告をし、首相の同意見を求めて、そうして、勧告を出すことも考えていたが、それだけでは無視される可能生が強いので、そこで実効のある行政上の措置をとりたい、こういうふうに発表されておる。そこで、都議会をはじめこの関係の都下のほうでは、これは非常手段に出るのじゃないかということを非常におそれているわけです。先ほども大臣が言われたように、これは機関委任の問題だ。機関委任の問題なら、国の一般的な指揮監督権がある。その指揮監督権の発動としては、これは指導、助言、あるいは勧告もあるだろうけれども、しかし、変更の命令もできるし、代執行もできるし、美濃部さんのこの許可について取り消し、停止等の命令もできる。最後には知事罷免もできる。こういうふうに問題が発展していったならば、これは現在の都の政治と国の政治とが正面衝突するのではないか。そのこと自体は、まあ保守という言い方は悪いかもしれないけれども、佐藤政府の革新都政に対する一つの対決ではないかということで、この問題非常にいま注目を浴びておる。しかも、私は時間がありませんから言わなかったのですが、地元の都議会では満場一致で早く認可すべきだと採決している。小平をはじめ各市あるいは市議会でも、こういう地元では賛成している問題、そういうようなこの問題が、政府の一方的な強力——まあ強権といいますかね、強権という言い方はおかしいかもしれませんが、自治法上に基づく強権によって非常的に押えられる。——非常というのは、常にあらず。こういうことになると、大きな政治問題になるということで心配をしておるのですが、いまの大臣のお話では、そういうような措置はとらない、あくまでも学校教育法、具体的に言えばですよ、これは一つのあれをしたのですが——従来流れていますからね。学校教育法の改正等によって堂々と根本的にこの問題解決するのだ、こういうような答弁であったと思うのですが、さように了承してよろしゅうございますか。

剱木亨弘自由民主党文部大臣・通商産業大臣臨時代理

○国務大臣(剱木亨弘君) その学校教育法を改正していくということについては、お説のとおりでございます。ただ、現段階におきまして、その圧力を加えることではなしに、私どもとしては、日本の教育制度というものがございますから、やはりこの日本の教育制度に混乱を来たさないように私は守る責任があると思いますので、その守るための何らかの方法はとってまいりたい。それが手段としまして、強権をもって発動するとか、そういうものであるかどうかは、私もまだ決定しておりませんから、ここでどういうことをするということは申し上げることはできませんけれども、しかし文部大臣としては何らかの行政的指導をする責任があると、こう現段階では考えております。

占部秀男日本社会党

○占部秀男君 その何らかの行政的措置をする必要があるという中に、一見して強権的に見られる問題もあれば、あるいは勧告であるとかその他の、非権力的といいますか、話し合いといいますか、そういう行政措置もあるわけなんですが、いま大臣のお話では、権力的な——この権力的ということはおかしいのですけれども、法的に見れば権力的な阻止の行政措置もやはり行なう場合もあると、こういうふうにどうも言われたように私は感ずるのですが、そうでございますか。

剱木亨弘自由民主党文部大臣・通商産業大臣臨時代理

○国務大臣(剱木亨弘君) 私はそういうことは考えておりませんけれども、そういうふうにとられたら、これは私の気持ちとは大いに違うということだけを申し上げておきます。

占部秀男日本社会党

○占部秀男君 大臣が十二時までということだから、まだ聞きたいことはあるのですけれども、いまの大臣の御答弁で、ひとつ非常事態的な権力的措置だけはしないようにしてもらって、法的に堂堂と抜本的に解決してもらわなければ、これは国家上の問題ですから、そういう形でしていただきたいということをお願いしておきます。  それでは、大臣に対する答弁をこれでおしまいにいたします。

仲原善一自由民主党

○委員長(仲原善一君) 本件に関する本日の調査は、この程度にいたします。     —————————————

仲原善一自由民主党

○委員長(仲原善一君) 次に、地方公務員の給与問題に関する件を議題といたします。  御質疑のおありの方は御発言を願います。

占部秀男日本社会党

○占部秀男君 実は、自治大臣もいまの問題に関連をして機関委任の扱い方について聞きたかったのですが、文部大臣が十二時までというお約束ですから、これはまたあとでひとつお伺いしたいと思います。  きょうは、人事院の勧告の問題について、特に地方行政委員会ですから地方公務員の問題点に私はしぼって、時間の関係もありますからお伺いしたいと思うんです。  そこで、勧告があったわけですから、六人委員会ですか、いま七人委員会になっていますか、これはこの問題についてどういうようないま検討をされておるか、その点についてまずお答えを願いたい。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(藤枝泉介君) 給与関係の閣僚協議会は、人事院勧告のありました八月十五日に早々に開きまして、人事院側から勧告の内容について詳細な報告を受けました。当日は報告を受けただけで別に論議をいたしませんでした。その後各関係省がそれらの人事院勧告について詳細な検討をいたしておる最中でございます。本日午後三時からまた給与担当の関係閣僚協議会を開く予定でございます。現在まではそういうことで各関係の省庁が勧告の内容について詳細な検討をいたしておる。一方、特に財源問題が重大な問題でございますので、財政当局のほうは財源関係について現在検討をいたしておるという段階でございます。

占部秀男日本社会党

○占部秀男君 いまの大臣の御答弁では、まあ実際上は報告を受けただけの範囲であると、こういうまあ御答弁だったわけです。そこで、きょうの三時からやるわけですが、もちろん、国家公務員にしろ、地方公務員にしろ、労働基本権を剥奪された代償としてのこれは人事院勧告は性格があるわけですから、これはもちろん尊重して実施してもらう責任は政府にあると思うんですが、この点について大臣の、まあ事ここまで来たんですから、はっきりしたひとつ御答弁をしてください。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(藤枝泉介君) もちろん、御指摘のように、人事院勧告は代償機関としての性格を持っているわけでございまして、その勧告を尊重しなければならぬことは当然だと思います。われわれもそういう観点に立ちまして、関係の閣僚協議会等も論議をいたしていくことに相なるものと考えております。

占部秀男日本社会党

○占部秀男君 そこで、人事院勧告の内容については、きょうは時間の、衆議院の関係がありますから、またこまかい点はひとつあとにしたいと思うんですが、いま一番問題となっておるのは実施時期の問題なんですね。そこで、三月の二十八日でしたか、給与関係の、当時はまだ六人委員会ですが、六人委員会で、勧告を受けた場合には人事院勧告を尊重して実施の時期も前向きに検討しようじゃないかという方針をきめられたと、こういうように私は承っておるんですが、今度はひとつ完全実施をしてもらえるんだろうと私は思うんですが、その点についてひとつ大臣の……。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(藤枝泉介君) もちろん人事院勧告を尊重するわけでございますが、一方においていろいろ財政の問題もございましょう。財源の問題、それからまた、現在いろいろ措置されておりまする一連の財政措置と申しますか、引き締め政策を中心にいたしまして、そういうものもございまして、それらを総合的に勘案をしなければならない事態であろうと思います。しかし、私どもはできるだけこの人事院勧告尊重、人事院の性格からいたしまして勧告尊重という線に沿って努力をいたしたいと考えておる次第でございます。

占部秀男日本社会党

○占部秀男君 私は特にこの点をまあこのまま二、三お聞きしたいと思うんですが、というのは、あとでお伺いしますけれども、東京の電車であるとか六大都市の交通の場合は再建計画の問題があって非常にやりにくくなっているわけですね。これはあとでお伺いしますけれども、そういう関連がありますので、特にひとつ念を入れてお伺いをしたいと思うんです。前向きでやってくれる、こういうことはわかるのですが、そのときに、毎年政府が、ぼくがこの委員会で完全実施の問題を質問したときに、国家公務員分だけならばどうにか財政でまかなうことができるけれども、その年その年のですね、それの二倍ぐらいかかる地方公務員の分も含まれておるので、財政上なかなか完全実施はできないのだ、こういう答弁がこの完全実施のできなかった大きな理由であったと私は思うんですが、本年はだいぶその財源の事情が違うように思うわけです。  そこで大蔵省にお伺いしたいんですけれども、前の予算委員会でしたか、たしか主税局長さんでしたか、国の税金の伸びが、その後の伸びが七千三百億以上は見込まれるのじゃないかということを答弁したというのを、私、塩崎主税局長ですか、この程度は見込める、こういう答弁をされておるんですがね。これはまあ速記録にも載っておるんですけれども、現在の国の税の自然増はどのくらいに見積もっておられますか。

秋吉良雄大蔵省主計局主計官

○説明員(秋吉良雄君) 御指摘の予算委員会で七千三百億という数字については、実は私詳細に存じておりませんが、私どもいま、いろいろ自然増収がどうなるかということについては、正直に申しまして、主税局は非常に渋いことを言っているようなこともございまして、なかなかまだ確たる数字を出せないような段階でございます。何せ御案内のように九月決算というものが勝負でございまして、いまの段階では確たる見通しがつかないという状況でございまして、しかし自然増収があるということはこれはまあ事実でございますが、どの程度ということはひとつごかんべん願いたいと思います。

占部秀男日本社会党

○占部秀男君 どうもばかに、人事院勧告が出たら、今度税の問題でやわらかくなっちゃったんでどうもあれですが、九月決算ですから、もう九月決算のある程度の大勢は出ているのじゃないかと私は思うのですがね。その点はどうですか。

秋吉良雄大蔵省主計局主計官

○説明員(秋吉良雄君) 御承知のように、九月決算、それから申告になりますと二カ月おくれるわけでございますが、まあ主税局としましてもその前にいろいろ大口法人の調査等もして見通しは立てるわけでございますが、まだやはり立ちにくい段階ではないかと思います。

占部秀男日本社会党

○占部秀男君 どうもこっちが資料持っていないんで、禅問答のようになってしまうから、これ以上は入らないつもりですけど、しかし少なくとも塩崎主税局長が、大蔵委員会でしたか、国会の会期末に、七千三百五十億程度は見込めるということをはっきりと言っているんですよね。少なくとも今度の税の自然増というものは千億や二千億でないことは明らかであると私は思うのですが、まあ相当な額にのぼるんじゃないかとこう思うんですけれども、大よそのワク的なものはどのくらいになるかめどは言えませんか。

秋吉良雄大蔵省主計局主計官

○説明員(秋吉良雄君) はなはだ失礼ですが、ごかんべんを願いたいと思います。

占部秀男日本社会党

○占部秀男君 こう逃げられちゃどうにもならないんだけれども、まあいずれにしても自然増があることは事実だし、その自然増が少なくとも——塩崎局長の答弁された七千三百五十億まであるかどうかわかりませんが、少なくともそれに近いものがあることは今日は常識になっている問題だと思うんですよ。しかも、その税の伸びはやはり三税が中心になるわけですから、その三税に伴う交付税の問題はもちろんこれはふえてくる。これはもう明らかなんで、本年は例年とは違って地方財政のほうでも給与財源は相当私は十分にあるのじゃないかと思う。そこで、これはもう国家公務員のほうはもちろん税の伸びがあるんだし、それから地方財政のほうも、そういう形で地方税収の伸びがあり、交付税の伸びがあるんですから、ことしこそひとつ完全実施に踏み切ってもらいたい、こう思うのですが、大臣の御意見はいかがですか。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(藤枝泉介君) 第一にお断わり申し上げたいのは、何かいままで完全実施ができなかった犯人が地方財政にあるように従来言われがちなのは、私実は非常に心外なんでございまして、国の方針として国家公務員について何月から実施するとすれば、そしてそういう方針が立てば、それに従ってやはり地方財政というものについてもし足りなければ国が何らかの処置をするというのが当然なことなんで、ほんとうは国はやれるんだけれども地方財政が苦しいから右へならえで引きずりおろすんだということではないと私は考えておるわけです。  それから、いまの財源の問題でございますが、これは大蔵当局からお答えがありましたように、実際、現在まだめどをつけられる段階ではないと思います。したがいまして、一方地方税におきましても、法人関係の税はある程度の伸びはあろうと思いますが、肝心な国税三税の伸びについての見通しは立ちませんが、一体どの程度のたとえば交付税の伸びになるかちょっといまのところ計算が立たないということでございますが、冒頭に申し上げましたように、国として一体国家公務員の給与をいつからベースアップするんだという方針がきまれば、それに準じて、もし地方財政でまかない切れない分につきましては国が何らかの処置をしなければならぬ、そういう考え方であろうと考えております。

占部秀男日本社会党

○占部秀男君 考え方はわかるんですが、地方財政がこの完全実施の障害になるのであるということ、私も実は大臣と同じ意見なんですよ、とんでもない話だと思うのです。ただ、それは、おととしでしたか、安井総務長官がそういうことを言ったんで、ぼくは言っただけの話ですが。そこで、それでは今度の勧告を五月実施としますと、地方公務員分としてはどのくらい現実に金が要るか、九月実施にすると現実にどのくらい金が要るか、この点をひとつお聞きしたいです。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(藤枝泉介君) 五月実施をいたしますると、特定財源を抜きまして約千億でございます。それから、九月実施でございますと、同様特定財源を除きまして六百六十億。

占部秀男日本社会党

○占部秀男君 そのうち、これはもちろん交付団体と不交付団体とがあるわけですが、その交付団体分は幾らぐらいですか、おのおの。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(藤枝泉介君) 五月実施で、付交団体は七百四十億、不交付団体が二百六十億です。それから、九月実施で、交付団体が四百九十五億、それから不交付が百七十億。九月実施の分六百六十億と申しましたが、六百六十五億でございます。

占部秀男日本社会党

○占部秀男君 いまの数字を見てみますと、五月実施と従来のような九月実施のこの数字を比べてみますと、二百四十五億五月実施のほうが多いことになるわけですね。で、大蔵省も、それから大臣のほうも、まだ九月決算がはっきりしないから税の伸びは云々ということで、まあ率直に言えば逃げられていると思うんですけれども、二百四十五億程度の問題は、今度の国税の伸びからくるところの地方交付税の増加と、それから地方税収の伸びと——これはまた九月決算ではっきりすると思うのですが、これから見て、これは明らかに二百四十五億程度の問題はできる問題じゃないか。やはりこれは完全実施に持っていくように努力するのだということを自治大臣にひとつ言ってもらいたいのですがね。きょうはもうその段階に私は来ているんじゃないかと思うのですが、まあ大臣の御意向をひとつ。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(藤枝泉介君) 私どもも人事院勧告尊重、そして国でそういう処置がされれば、地方はこれに準ずるわけでございます。ただ、先ほど申しましたように、単に財源のあるなしという問題ばかりではないんじゃないか、全体の財政政策というようなものもにらみ合わせていかなければならないということでこれは御理解いただけると。ただし、そうは言っても、一方において、人事院というものの性格からいたしまして、代償機関としての性格からいたしまして、これを尊重しなければならないことは当然だと思います。ただ、いま御指摘のように、二百四、五十億の問題なんだから、そのくらいはこの景気上昇の時期において捻出できるではないかとおっしゃられますと、まあそれだけを考えますと、そういうことではございましょうけれども、いろいろただし、その根っこになります、たとえば九月実施で約五百億交付団体で要るわけでございますが、それ自体がはたして十分にまかない得るのかどうかというような問題もございますので、これはまあ逃げるわけではないのでございまして、もう少し財政関係を詰めてみませんとちょっと申し上げにくいわけでございます。ただ、心がまえとして、人事院の勧告を十分に尊重するという心がまえで今後も検討いたしてまいりたいと考えております。

占部秀男日本社会党

○占部秀男君 やはり財政的に詰めるということになれば数字をあげなくちゃならないので、したがって、まだ数字がわからないということになると、まあこれ以上突っ込みようがないことは事実なんですけれども、しかし、いま言ったように、相当な国税も地方税も伸びがあることは、これはもう常識的になっておるんだし、それであるといって、それをそのまま私は給与財源に回せと言っているわけではないので、やはり行政水準の向上の問題も考えなければならないだろうし、ある場合には地方財源の問題も考えていかなければならない場合もあるかもしれませんし、少なくとも今度くらい税収の伸びがあるときには、これをもうやはり前進をしてもらえるのが、これは公務員全体の要望なんですね。そこでぼくは一言だけ逆にお伺いしたいのですが、九月実施でいいんだという考え方は、これは毛頭大臣にはないと思うのですが、その点は明確にひとつしてもらいたいと思うのです。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(藤枝泉介君) 従来から、人事院勧告が期限をつけてやられまして以来、これで八回目でございますか、そういうことでございますから、われわれといたしましても、できるだけ人事院勧告に近づける努力をしなければならないことは、これは当然そういう努力を払わなければならぬと思いまして、この給与関係の閣僚協議会におきましても、そういう意味において検討をしてまいりたいと考えております。

占部秀男日本社会党

○占部秀男君 その閣僚会議のときに、ぼくは大臣に少なくとも九月実施の壁は破るようにして主張してもらいたいのですが、このお約束はひとついただけませんか、この程度のことはいいでしょう。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(藤枝泉介君) まあ私ども、いまずっとお答え申し上げたことで私の気持ちはお察しいただいておると思うのでございまして、できるだけ給与改善について最善の努力をいたしたいと考えております。

占部秀男日本社会党

○占部秀男君 次に、地方公営企業体の給与の問題についてちょっとお伺いしたいのですが、御存じのように、今度の人事院勧告が出ても、特に六大都市方面では、まだまだ去年の給与アップが残っておるところが相当あるわけなんですね。そこで、今度の給与アップということになりますと、これは全く電車、バス等の従業員はお先まっ暗だ、こういうことになるのですが、この点について自治省としては何らかのことをお考えになっているのじゃないかと思うのですけれども、その点はどういうようないまお考えがございますか、お伺いしたいと思います。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(藤枝泉介君) 占部委員も先刻御承知のことなんでございまして、そういうふうにまっ正面から御質問になられると、私もそっけない御返事をするほかないのでございまして、企業の内部におけるやりくりにおいてやってくれというほかはないわけでございます。ただ、その企業内部の努力という問題についていろいろ自治省としてお手伝いができるものにつきましては、お手伝いをするというようなことは、これはもう当然でございますが、まつ正面からの御質問だと、私そっけない御返事をするほかないということなんでございます。

占部秀男日本社会党

○占部秀男君 それじゃ、まつ正面から言わずに、そろりそろりと具体的にひとつ質問したいと思うのですが、結局この前のやつにひっかかると思いますが、今度の人事院勧告を実施しようという場合には、いま出されておる再建計画を変更しなければ、これはとうてい問題にならないんですね。もうたいてい再建計画の中には給与面と定数の問題が入っておりますからね。したがって、この点については、大臣じゃなくてもいいですが、少なくとも給与の問題だけは、やはり現在いる方については他の者と同じように上げていかなければ、生活上の問題なんですから、この再建計画の変更の問題については、自治省としても各企業体からの申請があれば、この相談に応じてもらいたいと思うんですがね。そうしないと、根本的に解決することができないんじゃないかと思うのですが、この点自治省のほうとしてはいかがでございますか。

鎌田要人自治省行政局公務員部長

○説明員(鎌田要人君) 公営企業の再建計画は、御案内のとおり、大臣が認可をいたしまする最終の数字が帳じりになっておるわけでございます。何ぼの赤字というものを毎年解消していく、その中でこの給与費をどうする、あるいは建設事業費をどうする。これは結局最終の帳じりの赤字の解消額だけを押えておりまして、その中身は一応企業の中でそれぞれ知恵を出していただく、こういうたてまえになっておるわけでございます。したがいまして、端的に申しますというと、今度の給与改定をどうしても行なわなきゃならない、これはこれ自身に、私ども率直に申しまして一つ問題がある。と申しますのは、これはもうすでに占部委員御案内のとおり、また私どもいつもここで申し上げておりますように、公営企業、特に大都市交通あたりの場合をとってみまして、その企業水準というものがはたして今日の他の公務員の給与水準、国家公務員の給与水準、民間同種企業の給与水準というものと比較をいたしまして、改定をしなければならないような水準であるかどうかという問題が一つあると思うわけでございますが、かりにどうしても給与改定を行なう、こういうことになります場合には、その所要財源はやはりこの既定の財源の中でやりくりをしてもらう、こういう形でこのいまの最終の赤字の解消額というものを動かす。と申しますことは、結局、解消額をそれだけ減らすということになってまいるわけでございますので、それだけは何としても公営企業の管理者のほうで遠慮をしていただくといいますか、という形で処理をしてまいりたいというのが公営企業の経営全般の指導を含めましての給与問題についての基本的な考え方でございます。

占部秀男日本社会党

○占部秀男君 その最終の締めくくりの数字ですね、その問題はまあ一つあると思うのですけれども、そうなれば、いまも企業努力をしていて、もうぎりぎりのところへみんなきておるのですね。結局は給与アップができないということに大部分はなってくるのじゃないかと思うのです。で、ちょうど十二、三年前に一般会計の赤字再建の問題がありましたね。あのときには給与アップした部分は、これは一般会計ですから、国からの財政措置が多かれ少なかれあったわけです、交付税依存の措置が新しいやつについては。ところが今度は独算で企業体別ですからね。したがって、従来の一般会計の時代の例の地方財政の赤字の問題のときとは様相が全く違うわけですよ。そこで少なくとも、やむを得ないときには再建期間を延長するとか、いろいろ方法はあるんですがね。何らかの方法でひとつ給与アップの率については、これはまあおのおのの企業体で具体的に問題点があるとは思うのですけれども、少なくとも給与アップが全然できなかったのだ、それは再建計画に縛られて全然できなかったのだと、こういうことだけは何とかしないように自治省のほうも努力をしてもらうことが、今日、労働政策の上からも必要じゃないか、こうわれわれ考えるのですが、いかがでございますか。

鎌田要人自治省行政局公務員部長

○説明員(鎌田要人君) 公営企業の財政再建と申しますのは、結局いわば企業一般の、民間企業で申しますと破産寸前の、あるいは更生決定を受けた、会社更生法の適用を受けておる企業みたいなものだと思うわけでございます。そういう状態の中で、四十年度末の赤字に対しましてこれをたな上げをする。それに対して国庫から利子補給を行なっておるわけでございます。結局、この赤字を再建をする、そのための手段として片方で国庫から利子補給を受けるという事態の中で、なおかつ給与改定だけは七・九、毎年毎年スライドアップしていくのだ、これでは私ども率直に申しまして、結局何のための公営企業の財政再建であろうか。やはり公営企業の財政再建をするということは、給与費を含めてやはりこの企業自身の努力というものが、血の出るような努力というものをやっていただく。これがやはり基本ではないかといま考える次第でございます。私どもそういうことを申し上げますのは、現実の公営企業の給与水準というものを念頭におきながら申し上げておるわけでございますが、そういう形がございますことが一つ。もう一つは、やはり公営企業のたてまえと申しますのは、これはいわゆる特別報償関係と申しますか、利用者というものを特定して、その利用の効果というものがその利用者個人に帰属するわけでございますので、これはやはり基本として、あくまでも独立採算ということでなければ、この一般の会計から税金をそこにつぎ込んでいくということは、これは考え方として矛盾ではないか。それが公営企業法第十七条というもので独立採算というものを明確にした趣旨であるわけでございます。したがいまして、やはり公営企業の給与改定に要する財源というものは、あくまでも企業自身の努力でこれは捻出をしていただく、こういうことでございませんというと、私どもはやはりおかしいのではないか。国としてそれに所要の財源措置をするということはやはり考えられないのではないかというふうに考えております。

占部秀男日本社会党

○占部秀男君 自治省の所管の方としてはあるいはそういうことばが出るかもしれませんけれども、企業努力と言っても、あの各企業体の再建計画を見ればわかるように、一体、給与アップの金が出るほどの企業努力をしようとするならば、事業の打ち切りを早めて、これに見合う首切りをしていかなければ現在ではもうできないように再建計画そのものがなっているのですね、これは一口に私は言うとですよ。それじゃ首を切るか、首を切らなければアップしなくてもいいのだ、給与引き上げをしなくてもいいのだ、こういうことになるので、それでは少し地方公務員を保護する立場にある自治省として、あまりに冷めたい仕打ちではないかと私は思うんですが、少なくとも一般的な公務員の給与アップというような場合には、これは決して再建計画をぐずぐずにしろとか何とか言わぬけれども、何らかの特別措置というものをある程度考えなくちゃならないのじゃないか。まあ金を貸すとか、貸さないとか、いろいろ問題はあると思うんですけれども、あるいはまた再建計画を延長して年ごとの切りをふやしていって、そうしてそれによって給与アップの費用を生み出すとか、いろいろの手段があるのじゃないかと私は思うんですけれども、そういう点についてもっと親切な話し合い的なものを企業体とするのが、私は当然じゃないかと思うんですが、この点はいかがですか。まあ大臣、ひとつこれは大綱の方針の問題ですから、大臣のひとつ情のあるところをお願いしたいんですが。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(藤枝泉介君) 筋としましては、いま公務員部長がお話申し上げたのが筋だと思います。また赤字の団体の職員でございますから、一般の公務員がたとえば七%上がった、七・九%上がったからそれに準ずるということでもないと思います。また、現在の給与水準そのものも、一体他のそうした同種の企業等から比べてどうかというような問題もあると思います。ただ、そういうことを全部詰めてみて、どうしてもやはりベースを改定して上げなければならぬ、物価上昇その他から見ましてならぬというときに、いろいろ企業側が努力されることについて、自治省としても親切にいろいろ相談に乗るということは、これは当然だと思います。先般、東京都の再建計画を持ってこられましたときに、美濃部知事は、大体物価が四%台でとどまれば何とかこれでやっていけるというような自信を持っておられたようでございます。どういうふうな計算をされておるか存じませんけれども、そんなことも言っておられました。まあ私は態度としてそういうことだ。しかしまた、その赤字の企業体に勤務されている勤労者の方々も、やはり再建途上にあるのだということは十分認識されて、努力をしていただかなければならぬことだというふうに考えております。

松澤兼人日本社会党

○松澤兼人君 いま占部君からいろいろお話がありました。自治省のお考えはよくわかります。あまり人情がある措置をとられれば、結局再建等はできないと思いますが、しかし、端的に言って給与は上がらない。それから労働は強化される。そういうところに若い人がくるかどうかという問題です。それから年とった人だって、もうこんなに窮屈なんだ、やめるということになるんです。電車は撤去はするわ、バスはワンマンになって強化されるわ、それだったら再建計画はできても、結局そういう交通とか水道とかといったような公営企業というものがなくなってしまうということを考えなければならないと思います。私もこの前ワンマンバスというやつに乗りましたけれども、その運転手さんというものは、いろいろなことをやるんですね。回数券から、おとなだか子供だか、そういうところから、それから定期は見るし、それから金を払わないで乗った人は、また呼び返して金をもらわなければだめだ。もう運転し始めてから忘れたといって金を持ってくる人もある。一方では運転手さんは交通安全のためにそれこそ左、右を見ながら運転している。その上にまたいわゆる車内の料金の徴収と、それこそ一人で運転手さんがやっていたことが、まあ三人分もやらなければ自動車が運転できないわけです。それだけ苦しい目をして、しかもほかの地方公務員は給料が上がるのに、自分たちは再建だから上がらぬということになったら、一体、来手がありますかという問題。ですから、やはりそこは何かこう人情のあることを考えなければ、再建計画ができたって対象になる企業がなくなってしまったら何にもならぬと思う。そういう人情のある措置というものは、ここで言明はできないかもわかりませんけれども、やはり企業と、そこに働いている従業員とがともに繁栄していくということでなければいけないと思います。机上の計算ばかりやって従業員がだんだんとなくなってしまうということではいけない、こういう御注意を自治省としてしていただきたいと思います。どうです。

鎌田要人自治省行政局公務員部長

○説明員(鎌田要人君) 御指摘のようなことがあるものでありますから、企業の財政再建というのは非常に血のにじむような苦しいことであるけれども、短期間にやってしまわなければいけない。だらだら、だらだら結局赤字が続いておる状態でございますというと、まさに御指摘になるような事態というものがそれだけ長くなる、こういうことなものでございますので、私ども再建期間はできるだけ短期間に集中してやってもらいたい、こういう気持ちでおるわけでございます。ただ、この再建期間におきましては、やはりいわばその企業自体にとりましては非常事でございますので、これはやはり一般の平時の場合と同じような給与の扱い方というものでは、これは結局、まさにただいま御指摘いただきましたような再建の基本それ自身がはずれてしまう、こういう気持ちを持っておるわけでございます。それから来手があるないという点でございますが、これは確かに初任給というものも民間の同種企業というものに比べて低下される、あるいは先の見通しもない、こういう状態でございますというと、やはり来手はないだろう。ただ、再建企業の場合でございますというと、初任給を下げるということは何もないわけでございまして、現在の給与体系そのものはそのものとしてダウンしないで続いていく、ただその上にどれだけ上乗せをしていくかということは、再建の期間の間は慎重に、もっと露骨に申しますというと、むしろ昇給をやられるべきではないという感じを持っておる、それはしかし短期間の間のがまんである、まあこういうふうに考えておる次第でございます。

松澤兼人日本社会党

○松澤兼人君 もう一つ。ワンマンバスというようなものは、これはまあ労働強化といいますか、合理化ということからも来ていると思います。しかし、現実に車掌さんを募集しても、女の車掌さん、男の車掌さんでもなり手がない。だから、人手不足ということからもワンマンカーというほうに走らなきゃならぬわけです。現実に来手がないという事実は否定できないと思います。非常に魅力のある企業であるならば、何も募集しなくたってどんどんくるでしょう。先の見通しがないという現実を考えてみて、若い人のなり手がない。初任給はもちろん下げないかもしれないけれども、それだけでは私は将来を約束してくれる仕事でなければ若い人はこないと思う。この点どうです。

鎌田要人自治省行政局公務員部長

○説明員(鎌田要人君) くどいようでございますけれども、将来が約束できるかできないかということ自身が、まあ私どもは今度の公営企業の財政再建にかかっておるという感じを持っておるわけでございます。非常に思い詰めたものの言い方をするようで恐縮でございますけれども、企業の財政再建ができませんというと、これはもう全く先の見込みのない企業ということになってしまうわけでございますので、再建をやはり一日も早く確実になし遂げることによって、やはり魅力のある職場というものに私はなり得るのではないか、またそういうふうに持っていかなきゃならないというふうに考えておる次第でございます。

松澤兼人日本社会党

○松澤兼人君 それじゃ大臣に。何か新聞を見ますと、地方公務員の給与については、どうも国家公務員に準ずるというやつがじゃまになってしようがないから、新しく給与制度を検討するというような動きが自治省の中にあるのですか。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(藤枝泉介君) 具体的にどうと考えているわけではございません。ただ、たとえば今度勧告になりました都市手当、その指定されるであろう市の職員などというものは、むしろ都市手当というよりも給与水準が一体公と民とどうか。むしろ都市手当を勧告された人事院のお話などを聞きますと、そういうところでは官民の較差が非常に多いからということが一つの理由のようでございます。そういう場合に、一体、準ずるというのは、たとえばその都市手当支給地に指定されたような市の職員については、何もわざわざ都市手当という形で出さなくても、給与水準そのものを、もし低いなら上げればそれでいいんじゃないかというような問題もありますので、いろいろ研究はいたしておりますが、具体的に、準ずるというのをどうするかというようなことをいま考えているわけではございません。常にいろいろ給与体系については考えていますが、話題になりまして、あるいは報道されましたのは、いま申した都市手当などの性格についてどう考えるかというようなことも一つの研究課題であるという意味で報道されたのではないかと思います。

松澤兼人日本社会党

○松澤兼人君 何か給与問題研究会というのをつくる——これはどういうのですか。自治省の中にそういうものをつくるのですか、あるいは諮問機関みたいなふうにしてつくるという考えですか。

長野士郎自治省行政局長

○説明員(長野士郎君) 給与問題につきましては、いま大臣が申し上げられたように、いろいろ地方公務員の給与決定について、従来も国家公務員に準ずるということで考えているわけでございますけれども、地方公務員における特殊性と申しますか、そういうものも要素の中に入れて考えていかなければならない問題というものが、これからだんだんふえてまいるだろうということもありますので、やはり給与問題の掘り下げを行ないたいということで、学識経験者だとか、専門家の意見も聞きたいし、そういうものを中心にしてもっと実態把握につとめていきたいというようなことで、できれば今後そういう研究機関をつくりまして、そして研究を進めてまいりたい、こういう構想を現在持っておるわけでございまして、その機関はどういう性格で考えるかというようなことについては、まだ最終的にはかたまっておりませんけれども、一種の諮問機関、ある程度内部的な機関を考えております。

松澤兼人日本社会党

○松澤兼人君 研究会の性格ですけれども、大臣の私的な諮問機関とか、あるいは自治省が特定の学者、あるいは学識経験者に嘱託して、あなた方と一緒に研究するというのか、その性格が非常に結論に大きな影響を持つと思うのです。もしその結論を尊重して自治省の行政あるいは政策を決定するということであれば、何かもう少し法的な根拠を持ったものでなければいけないと思う。非常にプライベートな、懇談的なもので、ある一人の委員が一つの発言をする、それはいいということで、大した論議をしないで一つの結論が導き出されたとしますと、たいへんなことになる。その性格であるとか、あるいはどういう内容のことを審議してもらうのかということは、これは厳格に考えないといけないと思います。もしそういう構想がおありならば示していただきたいし、現在なければ、将来この委員会におきまして、今度はこういう給与問題研究会というものを、こういう性格でこしらえるということをはっきりここでおっしゃっていただいて、われわれにも相談していただきたい、これはもちろん行政の範囲であることをわれわれはとやかく言うわけではございません。

長野士郎自治省行政局長

○説明員(長野士郎君) 従来から給与問題につきましては、部内で、名称は研究会という名前で内部の関係者が集まって研究をしておるような組織が実はございます。ただ、従来から内部のものだけでいろいろ研究をするだけでは、やはり少し考え方が狭いものになってしまうおそれもあるというような懸念もございますので、いわゆるこの問題についての学識経験者というような人たちの意見も聞きたいというようなことで、共同してそういう研究をいたしたいということでございまして、この、いま考えておりますようなものが、法的な、あるいは諮問機関でありますとか、審議機関でありますとかというわけではもちろんございません。それからその結果をもって直ちに給与政策というようなものに仕上げてしまうということになり得るというふうな見通しまでついておるわけでもございません。とにかくいままで部内で研究しておりますものの中に、多少そういう専門的な意見を加えまして、さらに勉強会を続けていきたい、こういうことで考えておるわけでございまして、先行きどういう結論が得られるかというようなことまで予定してかかっておるわけではございません。何せ問題も広範でありますし、なかなかむずかしい、取り組み方にもいろいろやり方もあると思いますので、そういう勉強会を重ねてまいりまして、そうして地方公務員の給与についてのあり方というようなものについての、できれば方向を見出していくことはできないだろうか、そういう手がかりの一つにはならないだろうかということで考えたいというところでございます。

松澤兼人日本社会党

○松澤兼人君 最後に。自治省の関係の方と学者と一緒に勉強会を持ちたいということはよくわかります。しかし、やはり自治省は自治省としての立場もありますし、あるいは法律というものもあるわけですから、非常に逸脱した問題を結論づけるということ、これは厳に慎んでもらいたいと思います。さっき大臣が言われました都市手当問題、この問題はわれわれ自身としてもどういうふうに受け取っていいか判断に迷っておるようなわけです。しかし、この都市手当の問題は別として、他の全般的な問題としては、先ほど占部委員が実施時期の問題について御質問がありました。そういうことも含めて、やはりこの際は国家並みではいけないというような全般的な結論を自治省としては出さないようにしてもらいたい。都市手当の問題はこれは別個にまたいろいろ検討していただくとして、全体としてはやはりベースアップなり、あるいは俸給表なりというような問題については、人事院の勧告をどこまでも尊重して国に準じてやっていただきたいということを希望しておきます。

仲原善一自由民主党

○委員長(仲原善一君) 本件に関する本日の調査はこの程度にいたします。本日はこれにて散会いたします。    午後零時四十九分散会      —————・—————

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