社会労働委員会 閉会後第1号
- 発言数
- 104 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1967/09/07
会議録
○委員長(山本伊三郎君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。 議事に先き立ち、一言申し上げます。 すでに御承知のことと存じますが、本委員会委員佐藤芳男君は、去る八月二十九日、不慮の事故により急逝せられました。まことに痛惜哀悼の至りにたえません。ここにつつしんで同君の長年にわたる御功績をしのび、各位とともに黙祷して御冥福をお祈りいたしたいと思います。どうぞ御起立を願います。 〔総員起立、黙祷〕
○委員長(山本伊三郎君) 黙祷を終わります。 御着席を願います。 なお、九月十日、新潟県亀田町において合同祭が執行されますので、霊前に弔詞をささげたいと存じますが、御了承願いたいと存じます。 —————————————
○委員長(山本伊三郎君) それでは、労働問題に関する調査を議題とし、公務員給与に関する件について質疑を行ないます。御質疑のある方は、順次御発言を願います。
○小柳勇君 公務員に対する人事院勧告についての質問をいたします。 まず、国家公務員及び地方公務員の給与の担当は、内閣では七人委員会が結成されまして、七人委員が責任を持ってこれが実施をはかるというおきめのようでありますが、七人委員会が今日までどのような審議をしてこられたか、その審議の概況について、七人委員会の中の事務的な責任者から御説明を願います。
○国務大臣(塚原俊郎君) 小柳委員が七人委員会と申されましたけれども、今日までこの給与関係閣僚会議というものは六人で構成されております。大蔵、経済企画、自治、労働、総務、官房であります。それも、何も六人委員会という名前をつけたんじゃなくて、やはり私の知る範囲では、マスコミ等でそれを六人委員会というふうにいって、これが一つの通称みたいになったものではないかと考えております。実際は給与に関する関係閣僚協議会であります。それから、七人委員会と申しましても、実はこの間、人事院勧告が出ましたときに、私から閣議にその内容について御報告いたしましたとき、文部大臣から、ぜひ委員会で、人事院から都市手当等を中心とした勧告についてお聞きをし、また、ただしたい点もあるという申し出がありましたので、次に開かれる関係閣僚協議会においては人事院の方からお話を承るから、その際御出席したらどうかというので、これは七人委員会といわれると思うのでありますが、実際には、この給与に関する関係閣僚協議会というものはやはり六人で構成されるというふうに御了承いただいたほうがよいのではなかろうかと考えております。 今日まで公務員の給与という問題、これは非常に重要な問題でありまするので、たびたびこの関係閣僚協議会が開かれてまいりました。しかも、昨年十二月に給与担当の大臣になりましてから、たびたび六人の方の御賛同を願って、いつでも申し上げておる人事院の勧告と、これに伴う諸問題についていろいろの御批判があるというようなことから、何らかの打開策を見出すべきではないかというようなことで、たびたび協議を重ねておりまして、今年度はやはり従来のマンネリを打破して少しでも前進させたいというようなことから、実は四月の人事院の調査の時期、つまり春闘が終わって人事院が調査をするというときまでに何らかの打開策ができないものかという会合もたびたび持ったのでありますが、結論から言って、とうとう四月の中旬、そして下旬に入りまして、人事院が従来どおり調査をし、八月勧告をするということになったわけであります。したがって、六人委員会と称せられるこの関係閣僚協議会は、この重要な公務員の給与の問題について今日まできわめて熱心に、また、真剣に討議を重ねてまいった委員会であります。今回、八月十五日に人事院から勧告が出ましてからも、さっそくその日に会合を開きましていろいろ御相談もいたし、また、明日午後この委員会——文部大臣も加わりまするが、この会合を開いてこの問題について御相談をいたすことになっております。
○小柳勇君 八月十五日にこの人事院の勧告が出ておるのでございますが、それからもうきょうは九月七日であります。二十二日を経過いたしておりますが、その間に一回お集まりになったという話でありますが、そのときにどういうお話があったのでしょう。
○国務大臣(塚原俊郎君) 今日までのわれわれの会合では、人事院勧告の御報告を承って、それぞれその御報告に基づいて、関係閣僚において、今後どういうふうにするかということについての御相談はこの次の会合ということになっておるわけでありまして、具体的にそれではこれをどういうふうに扱うかというようなところまではまだ入っておりません。ことに財政当局の意向というものが、まだ決算の問題その他からはっきりいたしておりませんので、今日までのところ、そのいわゆるいま小柳さんが御質問なさりたいというお気持ちだと思われる財政問題にまではまだ入っておりません。
○小柳勇君 第一回の六人委員会ではこの勧告の内容説明を受けたという話であります。その後今日まで一回もこの勧告をどうしようという話し合いはしてないと、こういうことでございますか。
○国務大臣(塚原俊郎君) いわゆるその関係の六人が一堂に会して相談したということはございませんが、別な意味において、個人的な話し合いというもの、あるいはそれぞれ関係各省の御相談はいたしております。
○小柳勇君 あなたは給与の担当の大臣ですが、各省に対してどういうお話をなさったのでしょう。
○国務大臣(塚原俊郎君) 私は給与担当の者といたしまして、人事院のあり方、人事院の勧告というもの、これを尊重するたてまえで今日まで臨んでおりまするから、従来の御批判もあることであるし、マンネリを打破して幾らかでも前進したい、そういう気持ちでひとつ御検討を願いたい、こういうようなことを私は申し上げております。 それから、なお、財政関係が問題になると思いまするが、このほうの御意向というものは、今日の時限ではまだキャッチいたしておりません。まだその御報告はいただいておりません。
○小柳勇君 労働大臣に質問いたしますが、国家公務員法におけるこの人事院総裁の国家及び政府に対する勧告と公企体労働委員会における仲裁裁定、これを政府としてはどういうように見ておられるか。言うならば、重みと申しましょうか、国家公務員が国家に奉仕する職員であるという点、公企体職員が公共企業体の職員として働いているその労働の価値、そういうものを比べまして、公企体労働委員会の仲裁裁定というものと人事院総裁のこの政府に対する勧告というもののウエートを労働大臣としてはどのように把握しておられますか。
○国務大臣(早川崇君) 公共企業体に対する仲裁裁定は、御承知のように、三公社五現業の使用者が公社自体を拘束するわけであります。法律にはっきり書いてあるわけであります。人事院勧告は政府に対する勧告ではなくて、国家に対する勧告でございます。それから、公務員に対する給与は、国会が法律によって金額の多寡、あるいは給与をきめるという性質でございまするので、そういう意味では法律上たてまえが非常に違うわけでございます。しかしながら、人事院というものができまして、最終的には国会できめるわけでありまするけれども、やはり大きくは、公務員に対するスト権、あるいはその他の権利を制限した代償措置の広義の機関でございます。そういう意味におきましては、人事院勧告というものは、財政の許す限り、できる限り尊重するという、法律上のたてまえの相違は別といたしまして、私は精神においては共通するものを持っておるということであります。
○小柳勇君 最後のほうがちょっとはっきりわかりません。そのウエートについて。
○国務大臣(早川崇君) 法律上のたてまえは相違いたしますけれども、まあ代償機関という意味におきまして、その精神においては、当然ああいう機関をつくった以上は、勧告をできるだけ——できれば完全ですけれども、国会で最終的に御決定するには財政事情も勘案されましょうけれども、尊重しなければならないという精神においては共通するものがあると考えております。
○小柳勇君 いま労働大臣おっしゃるように、公労法による仲裁裁定は公企体の労使に対する裁定であります。ところが、この人事院総裁の勧告は、おっしゃったように、国会に対する勧告、政府に対する勧告であります。それは国家の使用人である国家公務員に対して、その労働基本権を取り上げた代償措置としての人事院総裁の勧告であります。直接的に言うならば、公企体の仲裁裁定よりも人事院の総裁の勧告というものが政府にとっては直接的な問題であると考えますが、いかがでしょうか、労働大臣。
○国務大臣(早川崇君) 公企体以上にということは私は申し上げられないと思いますけれども、本来、ILOでも同じことでございますが、給与を国会できめるということ自体が最大の代償措置でございます。それに加うるに、日本では人事院の勧告制度というのができておりまするので、完全にそのとおり拘束するというわけにはまいりませんけれども、従来から、われわれといたしましては、財政の許す限りこれを尊重しなければならぬという基本原則に立っておるわけでございます。
○小柳勇君 尊重のほうはいいんですが、私の言っているのは、まだその前のほうです。公企体労働関係法における労使に対する仲裁裁定というものは政府に直接裁定を下すのではなくて、公企体の労使に対して裁定を下すわけです。この国家公務員に関する人事院総裁の勧告というものは政府に直接的に勧告されてくるわけです。結果的に財源を国会できめるのは同じでしょう。しかし、直接的に勧告が政府になされる。したがって、私は、今年の公企体労働関係法による公企体職員に対して五月三十一日に公労委の仲裁裁定が出ましたその日に官房長官は談話を発表して、この裁定については完全に実施したい、その日に尊重する意向を明らかにされました。そして翌々六月の二日には閣議で既定予算の移流用によって仲裁裁定を完全実施すると決定いたしました。公労委の仲裁裁定は五月三十一日に出まして、六月二日には閣議で既定予算の移流用によって仲裁裁定を完全実施すると決定いたしております。その間わずか二日であります。 総務長官に質問いたしますが、公労法及び国家公務員法のその条文の文句は違うかもわかりませんけれども、かつて一緒にその官公労働者がストライキ権を持っておりました。それが二十四年に、片や公企体労働関係法、片や国家公務員法と分かれました。一体どれだけ違うのでしょうか。国鉄職員、あるいは電電公社職員、あるいは郵政の職員と国家公務員と仕事の内容がどれだけ違うでしょうか。もちろん国家公務員法によって、法的には国の奉仕者であると規定されております。しかし、仕事の面からいって、その職員の仕事、実態についてどれだけ一体差があるでしょうか。最後の問題はあとでまた質問いたしますけれども、にもかかわりませず、人事院勧告が出ましたのが八月十五日であります。きょうはもう九月の七日であります。二十三日間経過いたしております。その間に勧告の説明を受けただけで、給与担当大臣としてはこれから一体どうするのか。会合もしていないということは一体どういうことでしょうか。国家公務員法における人事院総裁の勧告というものを一体どう受け取っておられるか、総務長官の意見を聞きます。
○国務大臣(塚原俊郎君) 三公社五現業の場合と国家公務員の場合は、法的には労働大臣の申されたとおり、また、小柳委員も申されたとおりでありますが、私は給与担当の大臣といたしまして、この間の三公社五現業の場合には、当事者能力についてとかくのことが言われながらも、とにかく調停の段階で非常に明るいきざしが見えたというこの事態、そうして完全にこの問題の解決をみたということがあるだけに、いま言ったように、法的に違う面はあっても、公務員のことを考えた場合には、人事院の勧告というものを十分に尊重して、その趣旨どおり持っていきたいというのが私の偽らざる心境であります。そこで、いま、あれは二日で、今度は二十何日何もしておらないというおしかりでありまするが、それは私には私の考えがあり、小柳さんには小柳さんの考えがあると思いまするが、私は、何も従来何月何日にこういうものがきまったということにとらわれないで、先ほど申し上げました、この国民経済と財政との関連というものが非常に強い、したがって、大蔵当局の意向というものをすみやかにキャッチして、できるだけ早い機会に尊重するたてまえでこの問題の解決をはかりたいというのが私の偽らざる心境であります。したがって、そのための努力をしております。いままで開かれなかったというおしかりもありましたけれども、開いても前進をしない会合であったならばこれはやむを得ない。やはりある程度の見通しを持ってからでなければ六人が集まっても前進はなかなか困難だという気持ちから、私は私なりの考えでこういうスケジュールで進んでおるのでありますから、御趣旨のほどはよくわかっておりまするから、私もこの問題を真剣に取り上げて、この問題の解決をはかるための努力は続けてまいるつもりであります。
○小柳勇君 ことばじりとるのはおかしいのですが、解決をはかるのは当然なんですよ。それじゃ大蔵大臣に対してはどういうような折衝をしておられるのでしょうか。
○国務大臣(塚原俊郎君) もちろん国家財政との関連においてきまる問題でありましょうが、私は先ほどから申し上げておりますように、三公社五現業の場合、今日まで国家公務員に対しての人事院勧告とあわせていろいろと御批判があっということ、それから、繰り返すようでありますが、従来のマンネリを打破したいという気持ちから、ひとつ人事院の勧告を十分尊重してやるような措置を私も考えておるし、財政当局も十分考えていただきたいということを私は強く申し上げております。
○小柳勇君 大蔵省に聞きましょう。大蔵省は、いま総務長官がああいう答弁をなすっておりますが、その説明を受けてどういう検討をされておられますか。
○説明員(小沢辰男君) 私どものほうは、毎年こういうような人事院の勧告がございまして、当然これは財政上の見地のみならず、国民経済全般から見て非常に大きな重大な影響のある問題でございまするので、今後いろいろ補正要因等もございまするので、そういうようなものとの関連、それから、国民経済全般の運営というような面からの経済の見通し、あるいは自然増収が当初予想いたしましたよりも一体どうなるのか、これは当然九月期決算の法人税の推移を見ないとはっきりしたものが出てまいりませんので、そういういろいろ各方面の検討をいたしまして、その上で政府としての態度を毎年きめてきておりますので、そういうような意味から、現在のところでは、いま申し上げましたようないろいろな角度で検討いたしておる段階でございます。
○小柳勇君 そんな言いのがれだけでは通らぬのです。また旧来のマンネリを打破するとおっしゃいますけれども、毎年同じじゃないですか。昭和二十五年からもうそっくりそのまま十年ばかり推移しております。昔は公労法もそうでした。仲裁裁定が出ましても完全に履行しません。実施時期を延期するし、金額を値切りましたから裁判いたしました。現在最高裁に提訴中でありますけれども、その損失について争っております。いま国家公務員の過去三十八年からですか、その損失が約三千億、五月一日から実施せよと人事院勧告が出て、実施されるのが十月あるいは九月、その損失がおよそ三千億と概算されています。その損害は一体どうするのでしょうか。皆さんの手足となって働いている国家公務員が、人事院勧告を完全実施されないためにそれだけの損害をこうむっているわけです。 それじゃもう一回総務長官にお聞きしますけれども、いままでのマンネリを打破して、たとえば公労委の仲裁裁定が、かつては完全に実施されなかったけれども、ここ数年は完全に実施されるようになりました。しかも、裁定が出たら三日目ぐらいに閣議決定されるようになりました。たくさんの犠牲者が出ました。労働組合がやむを得ず実力行使をいたしました。したがって、このようになりました。もしこれでまた去年のようになされまして公務員の仕事がとまった場合には、総理大臣も外国旅行中というわけにはまいりませんでしょう。給与担当大臣としてどういう御意見ですか、もう一度決意を聞いておきたいと思います。
○国務大臣(塚原俊郎君) たびたび繰り返して申し上げておるとおり、私は人事院の勧告というものを尊重いたしまして、これの実施のために全力を注いでおりまするし、今後とも、関係閣僚協議会においても、皆さんとその方向に向かって進む考えでございます。
○小柳勇君 重ねて聞きますが、いつそれじゃきめるつもりですか。いつ五月完全実施を御決定になるつもりですか。
○国務大臣(塚原俊郎君) ただいま小沢大蔵政務次官もお答えいたしましたように、計算その他の関係で、私たちが考えているよりも大蔵当局のそれに対する回答がおそいようでありまするが、私は労働問題そのものから考えましても、また、先ほどから小柳委員が御指摘になっておる三公社五現業と決して比較するわけではございませんが、なるべく早い解決を望みたいという気持ちで、できるだけ早くやりたいと思いますが、それを何月何日にやるかということについては、いまここではっきり申し上げることはできません。
○小柳勇君 この六人委員会の問題は保留しまして、自治大臣が十一時まででありますから、自治大臣に質問いたしますが、三問質問いたしますから、一緒にお答え願います。 一つは、地方公務員に対して、人事院勧告が出ておるが、いままでは準じて措置してありましたが、自治大臣として地方公務員に対してはどういう御見解であるか、これが第一問です。 次に、これをやるために地方財政も非常に困窮するでありましょうが、財源の援助措置についてはどういう御決意であるか、新たな新規財政需要額などについて具体的に御説明願いたい。 第三点は、地域的に地方公務員の給与のアンバランスがあります。これをどういうように御指導なさっておるか、また、アンバランスを是正するように努力されておるか、この三点質問いたします。
○国務大臣(藤枝泉介君) 第一の地方公務員給与の改善でございますが、これは国が処置せられたものに準じてもちろんやるつもりでございます。 それから、それについての財源措置でございますが、これは地方税の伸び、あるいは国税三税の伸び等がまだ十分把握できておりませんからではございますが、国の方針がきまりましたならば、それに準ずるための地方財源の処置というものは、十分国において地方財政の状況を見ながら処置いたしてまいりたいと思います。 それから、御指摘のように、地域によりまして地方公務員の給与については国家公務員より高いところもありますし、低いところもございます。その低いところにつきましては、従来ともできるだけ国家公務員に準ずるような指導をしてまいりましたが、今後も、もちろん地方財政、その地域団体の財政の都合もございましょうと思いますし、また、その地域における民間の給与との比較の問題もありましょうが、できるだけその地方の財政の実情に応じながらこれを引き上げていくように今後とも指導してまいりたいと考えております。
○小柳勇君 自治大臣に対する私の質問は終わりますから、どうぞ。 さっきの質問に続けてまいりますが、大蔵政務次官に質問いたしますが、国家財政ということをいま中心におっしゃっています。大蔵省でありますから、当然な発言と思いますけれども、人事院勧告というものをどういうふうにとらえておられるか、大蔵省としての見解をお聞きいたします。
○説明員(小沢辰男君) 五月、六月、七月の参議院における本会議、あるいは予算委員会等ですでに大臣から何べんも申し上げておりますように、私どもはこの勧告は十分尊重しながら検討するという気持ちでありますことは変わりございません。
○小柳勇君 それでは、公労法によって仲裁裁定が五月の三十一日に出て、六月二日には大蔵大臣を含んで、既定予算の移流用によって仲裁裁定を完全実施することを閣議で決定しておる。そのような決定に大蔵大臣が入ってしておられる。今年度の予算の中に、この人事院勧告が出るであろうという予想をされて予算を組んでないこと自体問題です。これはあとで大臣が来られたら大臣に私は質問しなければならぬのでありますけれども、まず先に次官にかわって答弁してもらいますが、もちろん定昇の分は予算に入るでしょう。しかし、皆さんが、内閣が公団公社などの法律を提案する場合は、その公社公団法はきまらぬのに、ちゃんと予算を組んでおるわけですよ。しかも、春闘、あるいは毎年の物価上昇、あるいは景気上昇などによって、国家公務員に対する人事院勧告というものが毎年出ると予想される。にもかかわらず、予算を組んでないこと自体問題でありますが、人事院勧告が出て、優秀なる大蔵官僚が、そんなに一ヵ月も二ヵ月も計算に手間どるはずはないでしょう。いまなお国家的財政難で、検討いたしてみますというのは、大蔵省としても答弁にならぬでしょう。いま総務長官が努力しておると言っておられますけれども、ちっとも努力のあとが見えぬのです。いつきめるかのまだ日程すらきまっておらぬ。まず一番の壁は大蔵省であります。大蔵省の考えだけで五十万近くの国家公務員と、これに準ずる地方公務員の生活が全部抑圧されることは許せぬです。全般的な国家の労働者として、国家公務員として見てもらわなければならぬのでありますが、どのような検討をされておるか、検討されたような会議でもありましたら、その実績を御説明願いたい。
○説明員(小沢辰男君) 先生御承知のとおり、財政上といいますか、幾ら自然増収がありそうだから、したがって、財源については、この分だけを取り上げまして私どもが態度をきめるというわけにいかない。先ほど申し上げましたように、国民経済全般から見まして非常に重要な問題でございますので、したがいまして、国民経済全般の各方面にわたる検討というものを十分やった上でありませんとなかなか結論を出しにくい問題でございます。私どもは、明日もこの七人委員会が開かれるということになっておりますし、大蔵省内部では、御承知のとおり、当然九月期の法人税の推移というものを確実なところをつかみませんと、今後の一体予算で見込みました自然増収というものがどの程度増加をしていくものか、また、補正要因として災害等の見込みが一体今後どうなるのか、それが予備費でまかなえるものなのか、あるいは、また、米価の問題等もございます。あるいはそのほか、御承知のとおり、毎年いろんな意味で補正要因というものが出てくるわけでございますから、そういうものの見通しをつけませんと、なかなか国として、国民経済上、あるいは財政上の見地から、この給与改定についての態度を大蔵省できめるということが困難でございます。したがいまして、九月期決算の推移がはっきりしたところでできるだけ早く結論をつけて、しかも、前向きで検討するということで、鋭意事務的にも検討を進めておるところでございます。 なお、あらかじめ給与はどの程度になるかということはともかくとして、人事院勧告が毎年民間給与ベースに合わしてあるに違いないんだから、それを何らかの意味で予算上見ておいたらどうだという御意見でございますけれども、それを見ます場合には、当然一つの案として予備費にそれを含んでおくというようなお考えもあろうかと思いますが、しかし、こうした巨額の特定原資というものを、しかも、それが非常に大きな意味を持つ重要経費であるものを、しかも、それがやはり立法措置を要するようなものである、こういう点から考えまして、予備費に計上するような予算の性格から見まして、やはり少しそれは困難ではなかろうか。しかし、私ども、むしろ大蔵省として、毎年予算の年度の途中でこういうような問題が起こるよりは、事前にはっきりすべきだというようなこと、あるいはその時期の問題、こういうものを根本的にひとつ検討していただきたいという意向は強く私ども財政当局としても持っておるわけでございます。
○小柳勇君 大蔵省としては完全実施するべく予算をいま検討しているということですが、いつごろできるんでしょうか。
○説明員(小沢辰男君) いまおことばではございますが、私どもたいへんこういう責任ある立場でございますから、一言申し上げておきたいのでございますが、完全実施すべく検討ということをいままで大蔵大臣が各種の本会議や委員会で先生方に申し上げておりますのは、尊重するたてまえで検討するということでございます。できるならば、もちろん総務長官がおっしゃいましたように、内閣としても人事院の勧告を尊重して、その実施時期や内容についてできるだけの前向きの努力をするわけでございますけれども、私どもとしては、いまその内容とか実施時期について一つの結論を持ちながら検討しておるということではございませんで、できるだけ国民経済全般から見て、財政上の見地から見て、できるだけ尊重しながら検討していこう、こういうことでございますので、その点は、いまの時期については御了解をいただきたいと思います。
○柳岡秋夫君 先ほど言われたマスコミがつくったという名前だそうですが、六人委員会ですか、その性格と権能というものはどういうものですか、ちょっとお伺いしたい。
○国務大臣(塚原俊郎君) 公務員の人事院勧告に基づくいま論議されておるような重要な問題につきましては、閣議で決定する前に、やはり国の財政、あるいは国民経済に重要な関連のある問題だけに、関係の深い関係閣僚が集まって御相談をして、そこで結論を得て、これを閣議決定する、最終決定するというたてまえの、言うなれば事前の会議でありますから、別に職務分担がどう、だれがどうということはございません。関係の深い閣僚が集まって御相談をして、そこで地固めをして結論を得て、これを閣議決定するというための関係閣僚協議会であります。
○柳岡秋夫君 人事院勧告を、これはまた見解の相違だと言われれば別ですけれども、公務員の争議権の代償の機関として人事院が設けられ、人事院勧告は、少なくとも公労労の仲裁裁定と同じような立場で尊重するという立場になれば、私は、何も人事院勧告の問題について相談をするこういう関係閣僚協議会なんてつくる必要はない。これは公労委の場合に仲裁裁定が出たら、じゃ関係閣僚協議会をつくって相談をしますということはないわけです。ですから、人事院勧告を完全に実施するというたてまえならば、私はこういう協議会は必要はない。つくったということは、完全実施ができないという前提に立って、幾らかでも前向きのものにしようと、どこまでできるかということを相談をするための協議会だと、こういうふうに理解されるんですが、それはいかがですか。
○国務大臣(塚原俊郎君) それはちょっと行き過ぎたお考えじゃないでしょうか。私はそうは思っておりませんが、給与に限らず、閣議決定前に関係閣僚できめなければならぬための関係閣僚協議会というものはほかにたくさんあります。一々例をあげません。 それから、いまおっしゃった三公社五現業の場合ですね、調停の階段で云々、何月何日か官房長官の談話が出たことを先ほど小柳委員が申されました。そのときにはやはり関係閣僚が集まりましていろいろ御相談もいたしているようなこともございますので、あのときは設けないで、今度は設けて云々というようなことは、これは行き過ぎじゃなかろうかと私は考えております。
○柳岡秋夫君 完全実施をするという前提に立てば、少なくとも、六人委員会を去年から設置して、人事院勧告が出てもいまだに長い期間結論が出ないというようなことなら、それは必要はない。少なくとも、先ほど言った各大臣の職務が全然ないと言われましたけれども、私は、それぞれの大臣のこの委員会の中での職務というものはあるんじゃないかと思うんですよ。完全実施をするというたてまえならばこういうものは必要がなくて、塚原総務長官一人で自由に大蔵大臣なりと相談すればできることじゃないですか。
○国務大臣(塚原俊郎君) この関係閣僚協議会、いわゆる六人委員会は、何も今度の問題でできたのじゃなくて、私の記憶では三十五年ごろからあるんじゃなかろうかと考えておりますよ。ですから、それだけまあ世の中の批判もあり、むずかしい問題であるから、何とか打開点を見出したい、前向きに進めたいという気持ちで六人委員会がここ数年続けられていると考えているんです。何もこういうことがあるからこういうものができたというわけじゃない。その意味は御存じと存じますが、誤解ないようにお願いしたいと思います。
○柳岡秋夫君 関連ですからやめますけれども、私の理解するところは、完全実施というものが前提になくて、幾らかでも、どこまで前進できるか、そういうところの限界をお互いに話し合う機関と理解していいんですか。
○国務大臣(塚原俊郎君) 少なくとも、給与担当の私といたしましては、人事院勧告を尊重し、これを完全実施するための努力を、また、口はばったい言い方でありますが、リードもしなければならない、こう考えておりますし、先ほどから大蔵当局も申し上げておりますように、まだ決算の見通しもつかない、そこでおくれているではないかという御批判もありますが、財政状況とにらみ合わして解決ということもありますので、その間いろいろな論議はあるでしょう。しかし、給与を担当する私としては、その従来の批判をなくしたいという、それは結論からいえば完全実施ということが一番望ましいわけでありますが、現実問題としてそれが困難ならば、ベストが望めないならばベターのものを望むというところに従来のマンネリを打破したいという私の気持ちもあるわけです。結論からいえば完全実施の努力を続けてまいる考えであります。
○小柳勇君 大蔵次官、国家財政の検討が九月期決算を中心にして考えておられるようですけれども、それではとても完全実施などということばにほど遠いんじゃないですかね。人事院勧告を完全実施するということが政府のたてまえでなければならぬと思うんですが、そういうたてまえで大蔵省としてまだ検討していない、財政の検討もしておらぬ、こういうことですか。逆に質問いたします。
○説明員(小沢辰男君) 御承知のとおり、私どもは、勧告が出ますと直ちにその内容の検討をいたしましたり、また、それが中央、地方の財政に及ぼす影響等も検討いたしましたり、まあ完全実施をするといたしますと、中央、地方を通じまして千八百九十億というような非常に大きな金額になるわけでございます。そういう点をいろいろ検討いたしましたり、あるいは、また、日本経済全般の推移が今後どうなるのか、補正予算要因その他どうなるのか、まあいろいろな点で、一方、国会では先生方からの強い要望が臨時国会等においてもありましたように、できるだけひとつ国債を減らすような方向で、あるいは、また、将来その国債発行のいろいろな問題点をめぐりました議論がございまして、そういうようなことも言われておりますから、国全般の財政経済の動きと、それに対する財政運営というものをどうすべきかという点を毎日のように実は検討をいたしておるわけでございまして、決して手をこまねいておるわけではございません。九月期決算と申し上げますのは、この三税のうちで一番大きな要因をなします法人税というものの、しかも、それが地方財政にも相当大きな影響を来たしますので、これらの確たる見通しをつけませんと、なかなか実施時期等も含めました全般の結論を出しにくい。これは当然先生も御了承いただけると思うので、したがって、その見通しがつき次第、できるだけ早くというので、昨年もたしか十月十四日に閣議決定をさしていただいて、できるだけ前向きで早く安心のいくような措置をとりたいという態度で来たわけでございますので、私ども、いま何も検討しないなんて言われますと、十分もう毎日いま申し上げましたような線で検討をいたしておるわけでございます。
○小柳勇君 また大蔵大臣に来てもらって決意を聞きましょうが、総務長官、もう一回重ねて聞きますけれども、いま言われたように、大蔵省としてはまだ九月期決算を見なければならぬと言っておられる。例年、八月ごろ勧告が出ますというと、十月の中旬ないし下旬ですね、これがきまりますのが。そして五月一日の勧告が出ておっても、実施は十月や九月に値切る。そういうことはことしはやめたいと、これがマンネリを打破するということだと思うのでございますが、そうでございますか。
○国務大臣(塚原俊郎君) もちろんこれを決定する最後の要因は財政当局のことであろうとは思いまするが、先ほどから申しておりまするように、私はこの問題の早い解決をはかりたい。従来十月の中旬がどうだったからことしもそうであろうなんていう考えは毛頭持っておりません。私はできるだけ早い機会にこの問題の解決をはかりたいということで、いま関係閣僚と御相談もいたしております。ことに今回は関係閣僚でかなり渡米されたり、外遊というか、外に出張される方がおられまするので、その日を合わせるのに、これは率直のところ、私も苦慮しておるわけでございまするが、それだけに、早い機会にこの問題の解決をはかりたいという気持ちを強く持っております。 それから、マンネリの打破というものはそういった面だけではございません。従来批判のある問題全般について打破していきたいという考えでございます。
○小柳勇君 閣議決定は総理が外遊中でも閣議では決定がされるという話を聞いておりますが、総理がおられなければ閣議決定できませんとなると、総理がこれからずっと外国に行かれるスケジュールがきまっていますからね。そういったものとの関連で、いまあなたが力んでマンネリを打破なんておっしゃるけれども、いつごろになったら大体きまるのでしょうか。
○国務大臣(塚原俊郎君) 総理大臣が御出張中にできないということはないと私は考えております。そのために総理が臨時総理というものをきめて出るわけでありまするから、これにこだわる必要はないと思いますが、やはり問題が問題だけに、やはり佐藤総理がいるときにこれをきめたいという気持ちは、私個人は強く持っております。総理の外遊が東南アジアが三回でありまするか、アメリカが一回でありまするから、前後四回でありまするが、その間の日などを私も実は盛んに繰っております。そこで、早くやろうという気持ちは強く持っておりますから、いま何月何日に、じゃあ九月二十日にやれとか二十五日にやれと言われても、私はそれは答えられない。大蔵からある程度の見通しというものがきておればいま答えられますが、しかし、それがまだまだ私のところにきておりません。九月全部かかるとか十月初めにかかるということは言うてきておりますが、少し早く見通しをつけてくれということはお願いしておりますが、従来よりも早くこの問題の解決をはかりたいということは私は強く考えております。
○小柳勇君 これ新聞ですから、あまり論議したくありませんけれども、きのうの新聞の夕刊には、明日の六人委員会でこの問題を論議するが、八月実施に異論もあるというようなことまで書いてある。私ども言っておるのは、八月とか九月とか、あるいは九月を一ヵ月早めるがよろしいということを言っておるわけじゃないのです。公労委の仲裁裁定が完全に実施されますように、人事院勧告というものを完全に実施するということが国家公務員法のたてまえではないか。まだ早い、あしたのその六人委員会をやる前に、「八月に異論か」などということが新聞に出るということは、その六人委員会の中で、まあ去年は九月だったが、ことしは八月にでもするかと、いや、それはならぬというようなことが話題に出ているのではないかということを心配するのでありますが、そんなことをお聞きになったことございましょうか、総務長官。
○国務大臣(塚原俊郎君) その記事は私読んでおりませんが、まあ少なくとも給与担当の私は、きのうも記者会見をやりましたが、一言も触れておりません。先ほども言うておるように、完全実施のために努力しておるということ、それから、ほかの閣僚もそういうことを申したとは私は考えられません。しかし、私もマスコミ出身でありますが、その時期になりまするといろいろ予想記事を書きます。ことに最近は非常に頭のいい方が多いですから、いろいろ勘ぐってお書きになったのじゃないかと、まあこれは問題があったらあとで取り消しますが、私や閣僚からそういったニュースソースがあったとは私は考えられません。
○小柳勇君 さっきからのマンネリを打破するということばとか早期とかおっしゃるものですからこういう記事が出ると思うのですがね。そうしますと、あなた一人だけに質問するわけにまいりませんから、少し結論的なことを聞いておきたいのですが、毎年毎年人事院勧告が出まして、それを値切ることに政府は精一ぱい、そうして十月実施したり九月実施したりいたします。しかも、それを決定するのは十月の中旬から下旬ですね、ここ三年の統計とってみますと。ことしは、少なくとも、その決定の時期については、十月の中旬とか下旬ではなくて、もっと早くやりたいと、首相が外国に行っておられても閣議では決定できますと、これが一つありますね。それから、もう一つは、この八月とか九月とか言われておるけれども、政府としてあくまで完全実施の線で財政的に検討したい、この二点を確認してよろしゅうございますか。
○国務大臣(塚原俊郎君) これは何回も繰り返すようですが、私が給与担当の大臣になりまして、小柳さん御承知のように、私のところは非常に守備範囲が広いのですよ。しかし、これが非常に重要な問題であり、また、先ほどから議論があり、ほかの委員会、衆参両院でも出ておりますようなたいへん強い御批判がありますことも私よく承知しておるし、これを何とかしなければならぬという気持ちは強く持っております。それから、関係閣僚協議会の諸君、六人委員会の諸君も強く持っております。だから、できるだけ早く幾らかでもマンネリを打破したいという気持ち、それから、完全実施の線に持っていかなきゃならぬ気持ちはだれも持っておると思うのです。ですから、今度の場合も、四月の人事院の調査までに、先ほどもちょっと予算でどうこうというような議論も数点あちらこちらで問題の出ておることは御承知だと思いまするが、そういった問題を中心として今度は何らかの打開点を見出したいということをやっておりましたが、時期的にやはり調査をしなきゃならぬときがきて、四月調査八月勧告という従来の方式をとったわけでございますが、じゃあ結論は従来の方式でいいのかというと、そんな気持ちは毛頭持っておりません。あくまでも人事院勧告というものを尊重しまして、完全実施のための努力を続けていかなければならぬ、そういう気持ちを強く持っております。
○小柳勇君 六人委員の一人である経済企画庁長官に御質問いたしますが、いままで私の質問並びに各大臣の答弁はお聞きのとおりです。私どもの考えは国家公務員法というものが労働基本権を取り上げた、きびしいことばでありますけれども、取り上げた。そのかわりに国家公務員法ができて人事院というものができている。そして人事院総裁がその給与の実態を見て、適当な時期に勧告する。勧告されたものを完全に実施してこそ労働基本権の代償措置であろうと考える。ところが、これが勧告が出ましたが、大蔵当局に聞きますと、国家的経済、財政、そういうものをいま検討中であります。そして大蔵省としては当然でありましょうけれども、その財政的な余裕があったらこれをひとつ幾らか出しましょうという、そういう立場でおられるように思います。経済の変動、いまの経済成長の伸び、あるいは消費者物価の伸び、生計指数の伸び、そういうものから考えまして、人事院勧告が出されたいま、あなたは経済閣僚としてこの勧告についてどういう御見解をお持ちであろうか。私は、当然完全実施、しかも、早い機会に完全実施しなければ公務員の作業能率はあがらぬと思いますが、経済企画庁としてどういう御見解でございますか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 基本的には先ほど塚原国務大臣が答弁をされたとおりに考えております。おそらく財政当局としていまいろいろに考えておられますのは、先ほど小沢政務次官が答弁をされましたことのほかに、御承知のように、最近多少経済を引き締める措置をとりましたので、これがどのように影響するであろうか。あるいは、また、国の建設投資につきましても、これも御案内のように、国債を発行いたしておるわけでございます。そういう意味で、昔の均衡財政の時代とも異なるそういったような要因をもお考えであろうと思います。財政当局としてはそういうことも考えてみてということは当然のことであろうと思います。基本的には、先ほど塚原国務大臣の言われたとおりに考えております。
○小柳勇君 内容の問題についてはあとでまたお聞きいたします。経済企画庁の問題も、人事院勧告の調査の過程における数字の問題はあとで質問いたしますが、どうも六人委員会の中で、真剣に人事院勧告の早期完全実施が取り上げられてないような気がしてならぬのです。総務長官はえらい力んで答弁されますけれども、六人もおられるのですから、給与担当大臣一人にまかせないで、労働大臣も経済企画庁長官も、公務員給与について早急に何とか形をつくらなければという動きがあってしかるべきだと思うが、どうもそういうふうな動きは見えません。これはさっきから何度も言いましたように、公労法の仲裁裁定については三日の後に閣議決定して、もうそれで公企体の職員は一まず安心して作業に従事している。国家公務員は四月の実態で八千円を要求している。それが八月に人事院の勧告が出て、しかも、それは不満足な勧告です。総裁見えておりますけれども、不満足な勧告です。その不満足な勧告すら、出て二十二日になるきょう、まだ検討されておらぬということは、国家公務員にかわりまして、強く遺憾の意を表明しなければならぬと思う。総裁見えましたから質問いたしますが、公労委の仲裁裁定が五月三十一日に出まして、その日に官房長官は完全実施する意向を漏らし、新聞記者会見し、六月二日の日には閣議決定いたしました。予算の移流用で完全に実施することを決定いたしております。人事院勧告をあなたがお出しになりましたのが八月十五日、今日までただ説明を聞いただけで、六人の大臣が名を連ねているにかかわらず、ただ説明を聞いただけで、これをどうしようかと一回も論議されておらぬ。大蔵省に聞きますというと、九月決算を見ないと金があるかないかわからぬと言う。人事院勧告というものはこういうものでしょうか。これでは国家公務員に労働基本権を与えて、当事者をきめて、交渉して即座に賃金をきめるという往時の立場に返りませんとほんとうの作業能率はあがらぬのではないかと思いますけれども、総裁の御見解を聞きたいと思います。
○説明員(佐藤達夫君) 率直に本心を言わせていただきますと、勧告を提出いたしましたら、打てば響くようにこれは完全に実施するという決定をしていただくのがわれわれとしては最も望ましいことであることは申すまでもございません。ただ、いまお話のいろいろな事情について政府部内でどういう段階にありますのか、これは遺憾ながら私ども部外として批判をすることはできませんけれども、しかし、いずれにいたしましても、私どもの結論は、完全に五月にさかのぼって実施していただきたいということでございますから、少しぐらい待たしていただいても、五月に実施していただけるならば、これはお待ちしてでもぜひ五月に実施していただきたいというのが私どもの結論でございます。
○小柳勇君 官房長官が見えておりませんから、総務長官にお聞きするのが妥当かどうかわかりませんが、総理大臣は政府の首脳及び官僚の一番最高の統率者として、この公務員の給与をきめないまま外国に外交折衝その他でおいでになりますが、どういうお気持ちでしょうか、お聞きになったことはございますか。
○説明員(亀岡高夫君) 総理も、国家公務員の給与につきましては日ごろ非常に重大な関心をもっておられる次第でございまして、今回も、人事院勧告が出ますと、官房長官を通じまして、できるだけ早く結論を出すようにしたらどうか、また、人事院の性格にもかんがみまして、国家公務員の諸君の生活保障という面から考えましても、完全実施したいという気持ちはお持ちのようでございます。しかしながら、先ほど来の、国全般の問題、ことに財政、国民経済等から考えまして、この調整をどういうふうにしてまいるかという点について、まあ六人委員会といわれております各閣僚に長官を通じまして対処いたしているのでございます。
○小柳勇君 あとのほうはよくわかりませんでしたけれども、総理大臣は自分で使っている、手足となって働いている国家公務員の給与をきめないまま、二カ月も三カ月も外国を御旅行なさるが、それで気にかからないであろうか。御存じと思いますけれども、国家公務員のほうでも組合がありますから、組合でも、ひとつどうしてもきまらなければ朝一時間ぐらいでも自分たちの時間をつくって政府に反省を促そうではないかということをきめているようであります。もちろん政府も御存じであろうと思います。なぜ早目におきめになろうとされないのか。何度も繰り返しますが、仲裁裁定も、初めは完全実施されませんでした。何年か値切られました。私の委員長時代に何年か値切られました。裁判にかけまして、第一回のときは十二億ばかり損いたしましたから、すぐ東京地裁に提訴いたしましたら、完全に実施しなさいという判決が出ました。最高裁で現在係争中であります。国家公務員は過去数回の政府の不履行によりまして三千億損しております。ことしもまたそれを損しようとしている。新聞の情報によりますと、九月といっている閣僚もあるが、八月といっている閣僚もあるようだ。しかし、八月実施に異論もと書いてある。人事院勧告は五月ですよ。それがもうこの新聞では九月に大体きまりそうだと書いてある。こういうのをごらんになって総理大臣は何か官房長官や副長官におっしゃらなかったでしょうか。もう一回聞いておきたいと思います。
○説明員(亀岡高夫君) 副長官たる私自身は総理のお気持ちは直接聞いてはおりません。しかしながら、官房長官を通じまして総理の意向というものを聞いております。先ほど来各関係大臣から御答弁がありましたように、各大臣のお気持ちそのものが総理の気持ちであるというふうに御了承いただきたいと思う次第でございます。
○小柳勇君 次は、労働大臣に、古い話でありますが、古いといっても二年前の話でありますけれども、ILOの結社の自由に関する実情調査調停委員会の報告、いわゆるドライヤー報告というのがあります。その中に国家公務員についてのいろいろ意見が出ております。これは言うならば国際的な労働問題の最高裁定でありますけれども、その中に、たとえば公企体、あるいは国家公務員のようなもの、それが民間にあまり変わらない仕事もある。それを国家公務員は全部労働基本権をとっておる。そして、もうストライキがないから政府は人事院勧告も完全実施しない。したがって、その中から選びまして、どうしてもストライキしない仕事と、それから、これはほかの仕事とあまり変わらぬという、そういう仕事と分けてやりなさい。そして、賃金は団体交渉で労使対等の原則できめるべきだという勧告をしておりますが、すでにもう二年半たちましたが、何かこういうもので国家公務員法の改正などをお考えになったことがございますか。
○国務大臣(早川崇君) ドライヤー報告の中で、お説のように、国家公務員と限定しておるわけじゃございませんが、いわゆる現場労働のようなものがある。民間企業と変わらないようなものがある。たとえば専売公社なんというようなものは、これはひとつ民営に移したらどうかということもございました。それから、その他現場的な仕事を一般公務員と離して、普通の民間企業的に扱えという勧告もございました。非常に私としては、何といいますか、検討に値する意見だと思っておりまするが、同時に、国家公務員については、あまりにも政治的な運動に走り過ぎるというレポートもございまして、そういったいろいろな貴重な御意見を参考にいたしまして、いま労働省では、ILO条約のみならず、そういった勧告、決議、一切がっさい、当委員会の御要望もございまして、尊重すべきもの、改めるべきもの、目下事務当局で真剣に検討いたしておるわけでございまして、いま御指摘のような問題もその検討の中に含まれておるということをお答え申し上げます。
○小柳勇君 これもこのドライヤー報告の中にありますが、「総理府公務員制度調査室長は、その冒頭陳述において、給与の勧告その他いわゆる代償的措置は人事院によって公正かつ客観的な方法で備えられている、と述べた。」、これは二年前の公務員制度調査室長でありますが、人事院で完全に給与の勧告その他で労働基本権の代償措置は備えてあると、そういうふうに述べておるわけです。ところが、いま申し上げたように、人事院勧告というものが完全実施されたら一ここに次にこう書いてあります。「証人は、一九六〇年以来政府が給与の引上げについての人事院勧告の実施を五カ月おくらせる慣行をとっているとの申立についてコメントするよう求められた。彼は、政府はこれらの勧告を十分尊重するが、一般職職員の給与の引き上げを行なう場合には、特別職の職員および地方公務員の給与も同時に引き上げるのが慣行であって、これには多額の経費を必要とする、と説明した。」、ちょうどいまおっしゃったようにこの証人が説明した。でありますから、そのあと、私はただいま言ったように、それでは国家公務員というものがほんとうにストライキをやったら、国の直接国民に奉仕する事務がストップするものとそうじゃないものと分けたらどうかということを言っておるわけです。人事院の現在のその勧告が出ても五カ月間ずらしているようなもので労働基本権の代償措置と考えられるでしょうか。これは労働大臣に御答弁願います。
○国務大臣(早川崇君) むしろ日本は、たとえば西ドイツの場合には国会で給与を法律できめるということを——ILOでは一般論といたしまして国会で法律できめるということが代償措置であるという一般見解でございまするが、日本はさらにそれにプラスアルファーと申しますか、プラスをいたしまして、人事院総裁をもとにする人事院勧告というアドバイスの代償機関を設けておる。そういう意味におきましては、西ドイツやその他に比べまして、より大きい代償機関の法的な機関が設けられてると見ていいわけでございまするので、私といたしましては、せっかくこういう手厚い代償機関ができたのだから、人事院というものの意見をできるだけ尊重し、育てていくというようなことが、やはり労働行政としては最も必要なことではないかと考えておるわけでございます。 それから、小柳先生の御指摘のように、実際にいわゆる現場労働である人までも一般公務員でしばってスト権とか団交権を制限しているというような感じのする現業部門がたくさんございます、国家公務員には。こういったものは、先ほどお答え申し上げましたように、ドライヤー・レポートにもある趣旨を尊重いたしまして、目下労働省で総ざらいに検討いたしておる段階でございますので、結論を待ってこの問題の結論を出したい、かように思っておるわけであります。
○小柳勇君 労働大臣、それはいつごろ出るのでしょうか、結論は。
○国務大臣(早川崇君) 期限は切っておりませんが、藤田委員なんかの強い御要望もございまして、総ざらいをやっておりますので、本年一ぱいぐらいには結論を出したいと、鋭意いま事務当局で検討しておるわけでございます。
○小柳勇君 人事院総裁に質問いたしますけれども、同種の百人以上の業種を比べまして官民の比較をやるわけですけれども、その比較するとき、その同種の産業というもの、大体これはまあ具体的に一つ二つでいいんですけれども、国家公務員と比べました同種の産業、そういうものを御説明願いたいと思います。
○説明員(佐藤達夫君) これは十分御承知のとおり、事業所の範囲を申し上げましても六千五百の事業所をとらえて、規模は百人以上でございます。それをとらえてやっておりますので、そうしてその中で全然公務に関係のないものは別といたしまして、大体公務と同じような務、技術というものがございます。その職種を今度はとらえまして、その従業員の四十数万人というものについて個別の調査票をとって、そうしてその者が四月中に幾らもらったかということで集計いたしまして、さらにそれを公務部内の職員の構成に今度はウエートをかけて突き合わしておるということでございますから、一応は無差別で六千何百を抽出するわけで、相当幅広くなっていると御了解いただいてよろしいかと思います。
○小柳勇君 具体的に職種を伺いますと、みなほとんどストライキ権を持っておる職場だろうと思うのですけれども、そういう人は会社側とちゃんとその職員とが団体交渉して賃金きめてまいるわけです。それと今度は公務員が比べられてまいる。五%以上の差が出ましたから勧告が出たということになっておりまするが、そこで、総理府の総務長官、ひとつこれは具体的な問題でございますが、いま人事院がございますけれども、それは公務員を使用している使用者ではないわけですね、人事院というのは。政府は使用者でありますけれども、人事院はこれは客観的に見ていまして、生計費や、あるいは民間賃金を見ておって、給与が、あるいは労働条件がどうかという、その変化を見ている機関です。いま政府が執行機関であると同時に、行政機関である、その被使用者である公務員と使用者である政府、政府の中のあなたは給与担当大臣でございまするから、給与自体ではその関係者と相談をされますけれども、あなたが国家公務員を使っているわけじゃない。いわゆる交渉の対象にはならないわけです。いまの国家公務員法は、その使用者と被使用者との関係、労使関係というものを明確化してないわけです、労使関係というものは。ただ、「国家公務員は」といってずっと記述を連ねて、任免もあります。労使関係というものは、ただその間に横に人事院を置いておいて、この人事院は認めますよということだけきめてある。そこにこのいまの公務員賃金決定の一番のガンがあるのではないかと思うのですが、この国家公務員法がそういう弱点を持っているが、これについて平素どのような御見解を持っておられますか。
○国務大臣(塚原俊郎君) 小柳委員のようなお考えもあると思いますが、私は、国家公務員の諸君は国民の奉仕者である、国民に対する奉仕者であるという考え方から、いまのようなやはり人事院というものを重視いたしまして、代償補償機関としての人事院があってこの問題の解決をはかっていくのが望ましいのではないか、私はこのように考えております。
○小柳勇君 それでは、さっきの同種の産業の話が出てまいります。おたくにも卑近な例を——私は現業をよく知りませんから、たとえば自動車を運転される方がありますね。この人は国民に奉仕するよりも、長官に奉仕しておられる。その人は、たとえば会社の社長の運転手さんが社長の車を運転しているのと同じように、それは労使の仕事でしょう。労使でしょう。その人は国民の奉仕者ではない。ただし、やっぱり国家公務員の俸給表に入っているでしょう。したがって、そういうような公務員が、全部国家公務員法にある者は、それは法律上は国家公務員でございますけれども、それは国民の奉仕者であるからそういうような労使関係はないということは当たらぬのではないか。この点いかがでしょう。
○国務大臣(塚原俊郎君) 小柳さんのようなお考えもあるということを先ほど前提に申し上げたので、そういうお考えもあると思いますが、私は、繰り返すようでありまするが、やはり国民の奉仕者である国家公務員に対しましては、いまの人事院制度というものが一番望ましい姿である、こう考えております。
○藤田藤太郎君 私は、総務長官に、関連して一言。 労働大臣にも御見解を承りたいと思うのですが、いま国家公務員は、国民に対する、主権在民国家の奉仕者である、このことを強調されました。しかし、行政国家権力の執行者である。いまの佐藤内閣のきめた行政上の執行権を執行をする役割りにあるわけですね。そうしてその公務員が、いま小柳委員の質疑の中にありましたが、その使用者というか、むしろ国家権力執行の補助者としての公務員というものは、私は国家形成の中における一番重要な位置にある。あわせて、それが国家機構の中における奉仕者としての任務を持っておる。新しい民主国家、民主社会を実現するための公務員の役割りというものは、私は何をおいても一番大きな役割りを自治国家の中には持っているのではないか、私はそう思う。ですから、何としても日本の国家公務員における、たとえば賃金、労働条件をきめるときには、労働基本権を取り上げておいて、そうしてその賃金は人事院の勧告という経路を経て、いま人事院総裁がおっしゃられたように、勧告がおくれたけれども、五月にさかのぼって実施することがいまの国家組織の中においてどうしてもやらなければならぬ。これがやはり労働力を通じて国家に貢献している公務員に対しての代償措置と申しましょうか、当然やるべき措置というぐあいにおっしゃっていいと私は思う。私もそう思う。だから、そういうことで尊重するというお話が出るのだけれども、それでは尊重するというのは何を物語っているか。人事院という機関が民間の給与、公労協関係の給与、それから残された代償措置としての人事院勧告という人事院機関の制度、それが公務員給与を決定していく、生活を守っていくという道筋で、これが最善だと私は思う。そういうことで人事院はお出しになったと思う。毎年何か尊重するということだけで終始して、五月からの実施を十月から、また、九月からというぐあいに、一応そのワクの中においては一歩前進したと言えるでしょうが、公務員給与をきめるというたてまえからいったら、私は邪道を政府は進んでいるのではないか、邪道を進めているのではないかと私は思う。だから、そういう一般労働者が労働力を通じて社会に貢献している度合い、特に国民に対する奉仕者であり、国家の行政執行の補助者である公務員というものについて、なぜいまのような連綿としたかっこうのようなものを、いつも毎年五月から実施——一般の労働者階級全体のバランスの中にそれ以上の勧告は私は出せないと思う。こういう給与の改善が、民間があり、公労協があり、そうして公務員だけは十月でよろしいというような勧告は、私は人事院としても出せないと思う。これが真実だと思う。この真実の問題をこういうかっこうでいつも尊重するということをおっしゃるけれども、それを削って九月か十月、まあ実際には九月でありますけれども、そうすると五、六、七、八と四ヵ月分、四、五、六というと五ヵ月分、いま勧告は五月から実施というのですから、四ヵ月は取り去って、労働者の生活を守る、そんな物価の問題、生計費の問題その他の問題はどうそれでは政府は対策として対処していくかという問題がここに出てくるわけであります。ですから、私はそこのところは給与担当六大臣は真剣に討議をして、この公務員の労働再生産に対する生活をどう引き上げていくか、奉仕者としての任務を、または行政執行の補助者としての任務をどう最高度に上げていくかということは、当然私はもっと真剣に考えるべきではないか。大蔵省はまだ討議したとは言っていない。六人委員会もまだ十分に突っ込んでやっていないということでは、どうも毎年同じことを繰り返している。人事院総裁が来て、五月から実施してもらいたいとおっしゃる。それに対してあまりにも取り組み方が足らぬのじゃないか。働いている労働者、この立場に立ってもっと真剣に考えるべきであり、国家できめた組織、規律に従って、政府は、公務員給与の問題は人事院勧告を尊重するという抽象的な問題ではなしに守っていくということでなければ民主主義というものは芽生えない、私はこう思う。この見解を総務長官と労働大臣からお聞きしたい。 それから、関連ですから、時間もたちましたから、宮澤経企長官に一言聞いておきたいと思いますが、この前の国会でもいろいろ議論をいたしましたが、国家資本の形成については世界一ウエイトが高い、国民の生産、需要については、主要国でありますが、世界一下だ、これでは経済のバランスがとられないのはさまっている。アンバランスがあるのはさまっている問題だと私は思う。だから、あまり長く議論はいたしませんけれども、そういう立場からして、宮澤経済企画庁長官がこの六人委員会に入っておいでになる。あなたもこの前の国会では、こういうものは直していかなければいかぬのだ、経済の発展のためにもこういうところに手をつけなければいかぬのだとおっしゃっている。そういう全体の日本経済の今日の状態、今後の経済の計画進行の状態の中からいまのようなかっこうで繰り返していっていいのかどうか、私は、全体の経済のバランス、日本が生産と消費のバランスの中で発展していくという立場から、もっと真剣にこれと取り組むべきではないか。あなたの先ほどの発言を聞いておると、いまだれだれさんが言われたから大体同じですというような、私はあなたはそういう立場に置かれてないと思う。国家経済をどう発展し、成長していくか、その具体的な内容はどうか。私は、やっぱり日本経済、一億の国民を含んだ日本経済というものが正常な形で発展していくという立場からこの問題に取り組むべきだと思う。その点について私は宮澤長官から聞きたいと思う。
○国務大臣(塚原俊郎君) 公務員が国民全体に対する奉仕者であるというこの考えはだれでも同じであると私は考えております。そこにいわゆる使用者、被使用者という関係、小柳委員、また、藤田委員からも同趣旨の御発言もあったのでありまするが、少なくとも、代償機関である、保障機関であるところの人事院が専門的な立場から御検討なさったものに対して、政府がこれを尊重するということは、口先だけでなく、これは当然のことであります。私はこれは強く考えておる次第であります。したがって、繰り返して申し上げておりまするように、人事院の勧告というものを十分尊重いたしまして、完全実施のために努力いたしておるわけでありまするが、両委員のお話によれば、まだその努力が足りないという御批判のおことばも私は拝聴いたしました。私は私なりに、なるほど委員会の会合の度数は少なかったかもしらぬが、あらゆる機会をとらえて関係閣僚と御相談をいたしており、人事局も私のところにありまするので、人事局とも緊密な連絡をとり、報告を受けて、また、組合の関係の方、あるいは共闘会議の関係者のいろいろなお話を承りまして、よき改善の道、よき解決策というものをとることが、すなわち人事院の勧告を尊重し、これを完全に実施することであるという強い気持ちを持ってこの問題に対処しておるわけであります。いろいろ御批判はおありでしょう。なまぬるいというおしかりはあるでございましょうけれども、私はその考えで進んでおります。
○国務大臣(早川崇君) 私は、日本の労働行政で、公務員の労使関係、給与問題は非常に重要な現在の政府の課題の一つだと思っておるわけであります。三公社五現業という公労協関係は大きく前進をいたしまして、この一般公務員の問題が残っておるわけであります。単に今回の人事院勧告の問題のみならず、公務員制度審議会というものがございますから、ここで、先ほど小柳委員の指摘されましたように、あるいは現業的な、民間と変わらぬようなものの問題も御討議願って、一刻も早くこの日本の公務員の労働問題について、はっきりした見通しを持つというようなことで、労働大臣としてもせっかく努力をし、また、労働面からいろいろ考えておるわけであります。
○国務大臣(宮澤喜一君) それは藤田委員の仰せられますように、わが国の所得水準はまだまだ決して高くないわけでありますから、国民経済全体を見て他国と比較いたしますならば、そういう乏しい中から国民経済の資本の蓄積をしているのだということは、私はそのとおりだと思います。したがって、考え方としては、できるだけフローが大きくなればストックが大きくなるわけでありますから、フローが大きくなることが根本的に望ましいということもそのように思います。 そこで、企業の場合には、賃金というものは、企業側からいえば、非常に長期的にはやはり生産性の上昇というものの中において決定をしたいという考えを持つであろうと思います。短期的に必ずそうでなければならないとは思いませんけれども、長期的には、やはり生産性の上昇に伴って賃金というものが上がっていくと、こういうことだと思いますが、国家の場合、その奉仕者である公務員に対しては、国には生産性というものははっきりした概念はございませんし、それから、力関係も、先ほどから小柳委員が御指摘のように、違うわけであります。でありますが、やはり同じような考え方が基本としては当てはまるべきであろうと思うので、つまり国が国民からお預かりした税金その他の財源、それをさき得る限りにおいて奉仕者の生活向上のために資していくと、そういう考え方であるべきであろうと思うわけであります。
○小柳勇君 総務長官もお急ぎのようだから、最後に、完全実施の問題、俸給表の問題だけ、私の希望意見と、長官の見解を聞いて質問を終わりますが、一昨年が七・二%の勧告であります。ところが、これが九月実施にいたしますと、改善率は四・五%になります。表面上は七・二%上げたといいながら、実質は四・五%しか公務員は上がっていない。昨年が六・九%ですから、これがやはり九月実施にいたしまして四・三%、したがって、表面は国家公務員に対して七%なり、あるいは八%のアップが勧告されましても、実質は四・五%なり四・三%になっておる、完全実施しませんと。だから、人事院勧告がこれだけ現在七・九%出ておりますけれども、五月一日に実施しないというと、実質は公務員は年間に四・二、三%のアップしかないということになります。あまりにも民間との差がひどいから、ことしは五月一日の完全実施をぜひ考えてもらいたい。特に俸給表の中に、これはあとで人事院総裁にもちょっと質問いたしますけれども、いま給与準則がないから、俸給表の中に一切が含まれています。生計費から民間賃金から、あるいは、また、勤務時間から、一切が俸給表の中に入るわけです、国家公務員の俸給表というのは。したがって、あの俸給表というのは、私は国家公務員そのものであろうと思う。したがって、これは生計費がどうとか、数字の問題ではなくて、誠意をもってやらなければ、民間の企業との、仕事の量はふえながら、実質的な待遇というのはうんと差が出る、こういうことを私は痛切に感ずるわけですが、総務長官のこの点についての見解を聞いておきたいと思うのです。
○国務大臣(塚原俊郎君) いま小柳委員からこまかい数字をあげての御説明がございましたが、私にはまた私の考えもございますが、いずれにしろ、せっかくの勧告というものがこういった削限された形で、不満のうちに問題の解決がなされていくということは好ましいことではございません。ですから、完全実施の方向に向かってできるだけの努力をいたします。
○小柳勇君 人事院総裁に二、三点、これは実際上の問題でありますが、一つは、いま申し上げました俸給表に給与準則がないものですから、一般職職員給与の法律だけで処理しておりますけれども、俸給表というものが実際に総裁考えておられるような公務員の生活実態じゃないわけですよ、実施時期が五月一日から毎年九月にずれるものですから。そういうことでございますから、いま生計費ということばが入っています。ところが、十八歳程度の男子の標準生計費しか表面に出てこない。あとの世帯別の標準生計費というのが出てこない。現在の国家公務員の俸給表というのは、非常に重要な生活実態を示しておるにかかわりませず、これは実態と非常にかけ離れている。かけ離れておると私は考えておるわけでございますが、この点が一つ。 それから、今度の勧告で住宅手当を要求しておるにかかわらず、これはお考えになりませんで、都市手当にすりかえてある。この点については納得できません。 それから、第三点は、初任給の非常に低いところの給料の人と、それから給料の高いところの人のその較差が増大しておる。較差が、たとえば一番最低のほうで八千円、上のほうにいきますと二万円という、昇給率も昇給の金額も違いますが、そういうふうな傾向にあります。で、人事院としては現在の公務員の実態をそういうふうにとらえておるのであろうかと、まあこういうふうに私は遺憾に思うわけでありますが、この点について、こまかい問題でありますけれども、これは基本でありますから、御答弁願いたいと思うのです。
○説明員(佐藤達夫君) なるべく時間をとりませんように、要領よくお答えしたいと思いますが、ただいま第一番に御指摘の生計費の問題は、私どもの基本的の立場は、先ほど触れましたように、民間における賃金水準をとらえて、それとの較差を埋めるというたてまえでいっておるわけでございますが、その民間賃金の中には、おのずから物価もそうでありますが、生計費も織り込まれているじゃないか。先ほどいみじくも小柳委員ちょっと触れられましたように、春闘、たとえば団体交渉その他の賃上げの交渉において賃上げのほうを要望される方は、生計費が苦しいとか物価も上がるとかいうようなことを主張されました結果、まあ団交なり、あるいはその他の闘争の結果として賃金が一応民間ではきまっている。ほとんど全部が私はそうだろうと思う。みんな団交権を持っている人たちはほとんどそうでありますが、そこの賃金の中には、いま申しましたようなことから、当然生計費、物価等ももちろん民間賃金には織り込み済みで妥結しておるものであろう。そこで、そのものずばりそれをつかまえて公務員の給与と突き合わせてみて、公務員がこれだけ低い、これだけ絶対に埋めていただかなければ困るということでまいりますけれども、一応事は済むだろうと思います。しかし、いまおことばにありますように、私どもの今度勧告に使いました報告その他の資料でも、ちゃんと東京における独身男子の標準生計費はこうである。しかも、何人世帯の分までも、実は私どもとして言えば、実にフェアプレイのようなことだと思うのですけれども、直接勧告にないような数字でありますけれども、やはりその辺のところは一般に公開して皆さんの御批判を仰いでいるわけです。そこで、その標準生計費を直接使いましたのも、これもたびたび御説明申し上げていると思いますが、高校卒の人たちの初任給をきめます場合に、ここにそのてこ入れと申しますか、ささえの意味で標準生計費を実は露骨にこれは使っているわけです。従来その標準生計費のささえによって少し上のところの額が上がっておったのでありますが、ことしはこれは例外的な現象と思いますが、標準生計費が実は高く出ませんで、したがいまして、初任給は標準生計費を上回る初任給の形になっておりますけれども、原則は標準生計費、特に独身男子をとらえましたのは、高校卒の初任給のところでこれを大きなささえにしようということでございました。その他の数人の世帯の分については、実は各等級内における給与号俸額をきめます場合に、もちろん私どもとしては一応それは拝見をいたしますけれども、表向きの材料にはそれは使っておらないわけであります。したがいまして、個々の公務員の皆さまの御要望を聞いておりますと、いや、何人世帯でこの月給じゃとてもだめだというような訴えを私どもたびたび伺っておりますけれども、まあ私どもとしては、期末、勤勉等を合わせて何とかなるはずですというようなお答えを申し上げておりますけれども、たてまえは、やはり民間給与にその辺のところは合わせた結果であるというふうに御了解願わねばならないと思います。 それから、第二点の住宅手当は、これはもう私どもの多年の、何と申しますか、悩みでございまして、これに対する要望が非常に強い。したがいまして、私どもも、過去数年、これも御承知のとおり、毎年の民間調査の際に、民間における住宅手当の支給状況というものをしつこいまでに追及してまいっております。これは非常に多数の、圧倒的というとまた言い過ぎになるかもしれませんが、少なくとも、圧倒的多数に近い多数の民間事業場が住宅手当を支給しておるという確証をつかみますれば、これはわれわれとしても大いに乗り出して検討せざるを得ないというかまえのもとに、長年引き続き調査してまいったのでございますけれども、ことしやはり四〇%台にまだ達しません。したがいまして、ことしは住宅手当の問題は実施に至らない、したがって、勧告には出ておりません。ただ、いまこれに関連して都市手当のお話がございましたが、都市手当は、実は理論的には全然発想の根拠が住宅手当とは違うわけです。性格は私は全然別だと思います。ただ、結果においては、もちろん都市における家賃、間代は高いのですから、都市手当の支給によってその辺が多少カバーされるという実際上の効果は、これは否定できませんが、発想は違うのです。発想の根本は、私どもが先ほど触れましたように、官民の給与の較差をとらえます。あるいは、また、その較差をとらえるについては、お医者さんはお医者さん同士、技術の方は技術の方同士、各職種別にまたその均衡をはかっておるわけであります。ところが、今度地域的にもやはり官民の較差というものを見ていかなければならない、これを放置はできないということで、御承知のとおり、従来、過去の遺物として暫定手当が、四級地は五%でございましたか、五級地は何%というような暫定手当が残っておりますけれども、この暫定手当はいずれは整理すべきたてまえに法律上はなっております。給与表の表は、暫定手当を整理すると同時に、地域別の較差に対応するような給与上の措置を人事院は国会、内閣に勧告せよというものが給与法第二条のわが人事院に対する至上命令としてあるわけです。これが過去数年来、私どもはその機会をうかがいながら、なおその機を得ずして今日まで延びてまいりました。この際、暫定手当は、御承知のように、固定額でございますから、もちろんベースアップのたびごとに暫定手当のパーセンテージは下がる一方です。一方において、給与法の二条には、いま言ったような地域上の較差による給与上の手当をせよということがあります。これをいつまでもほうっておくわけにはいかないというわけで、ことしは実は都市手当という形で三級地、四級地の中から大都会の特に顕著なものを引っぱり出して、そこに都市手当の形で支給しよう、そうして暫定手当は三カ年計画で解消していこうという、きわめて簡単に申しますとそういう発想なんでございます。 それから、第三番目の、上下の幅の率の問題であります。ことしは、まさに御指摘のとおりに、大体指定職は、これはちょっと別で、あと回しにいたしますが、一等級以下ぐらいのところが七%で、ずっと各等級がこれはちょっといままでにない珍しい形をとっている。これは先ほど申しました民間給与を調査した結果、特にことしの顕著なる特徴は、どうも上下解消と申しますか、階層別のパーセンテージがほとんど一律の形にあるのがことしの民間の傾向であります。したがいまして、私どもは、まず基調的にはそれをとらえ、ただし、初任給の問題とか、世にいう中だるみの問題とか、そういう要請がございます。これは役所内部のまた調整を要する事柄ですから、それはそれとして、それももちろんからみ合わせましたけれども、基本的には大体上下同率の形になって勧告申し上げたことになっております。指定職は、これは御承知のように、過去数年来据え置きとか、また、上げましても非常に低率の上げ方で、相当がまんしてきていただいているわけであります。これは民間あたりとの隔りも相当出てまいりました。ことしはちょっとはでな形になりましたけれども、これはいま御指摘のような程度の手当をしないと全体の秩序は立たないということで、私どもとしてはこれで一応体系が成り立った。上と下の格差の開きは、開きもせず狭まりもしないで、同率で掛けております。従来のあり方を維持した形に結果においてはなってきていますというふうにお考えいただいてけっこうです。
○小柳勇君 都市手当の問題は、それ自体またいろいろありますから省略いたしますが、標準生計費にいたしましても、これは参考として出ております二人世帯のものを考えてみましても、ただいまの俸給表の三万二千円になりますのには十二年間。そういたしますと、三十歳二人世帯といいますと、結婚して妻を持つということになりますが、三十歳にならぬと妻を持てぬというような実態なんです。したがって、そういう矛盾がありまして、標準生計費から見ましても、現在の公務員の給与というものが矛盾し、低いということ、したがって、まあ人事院勧告はせめて完全実施しなければならぬ、せめて仲裁裁定並みに扱わなければならぬというのが私どもの基本的なたてまえ。しかし、その人事院勧告にいたしましても、内部の問題は、もう少し統計の扱い方、あるいは対比の事業所の問題とか、いろいろ問題がございますけれども、時間がありませんから、もう出たものですから、将来の問題として、また別の機会にいろいろ御見解を承りたいと思っておるのでありますが、最後に、労働大臣、締めくくり的質問でありますけれども、何度も言いますように、仲裁裁定と人事院勧告というのは、むしろ私は、政府にとっては人事院勧告のほうが直接的な問題であろうと思います。それを仲裁裁定は出てすぐ完全実施がきまるのに、人事院勧告につきましては、もう総理が外国から帰ってからにしようとか、あるいはなかなか外遊するというからきまらぬということでは、国家公務員の長として、皆さん公務員に申しわけがなくはないのか。いま総裁からもおっしゃいましたように、俸給表は、これは民間と比べて上がろうが下がろうが、公務員の生活実態を示しておるものと私は思います。それだけの権限が総裁にあるわけですね。そういたしますならば、その俸給表というものは、勧告された即時に実施して妥当な生活を守ることが、これは政府の責任であろうと思うわけです。したがって、完全実施と早急実施、この二つの点について、六人委員会の中の一番労働問題の担当として決意を御披瀝願いたいと思います。
○国務大臣(早川崇君) 私も六人委員の一人といたしまして、特に労働者側からものごとを見ておりますので、人事院の勧告尊重のために最善の努力をいたしたいと思いまするし、また、総理大臣に対しましても、きょう外遊されますが、私も二十日ほどお目にかかる機会がないわけです。お見送りに行ったときにこの委員会の空気をよく伝えて、私の意見を総理にお伝えしておきたいと思っております。
○小柳勇君 最後にもう一点。これはこの前の、去年の完全実施のために公務員が相当処分されました。実力行使によって処分されました。私ども——私どもといいますと何ですが、公労協でも公企体のほうでも、かつて仲裁裁定を実施しないために実力行使をやりまして処分されました。法律を守らないのは政府であるにかかわらず、処分されるのはその職員であり、労働者であるということ、これは許せぬです。これがあともし完全実施されない場合は、やはりそのかんにん袋の緒が切れますから、公務員だって奉仕者であると同時に、生きているなま身の人間ですから、働く労働者ですから、その点について最悪の事態がありませんように私は勧告しておきます。そういうことがありましたらたいへんな問題でありますから、したがって、そういうものがありませんうちに早急に実施していただく、そのことを最後に要望いたしまして、私の質問を終わります。
○委員長(山本伊三郎君) 他に御発言もなければ、公務員給与に関する質疑は、本日はこの程度にとどめておきます。 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(山本伊三郎君) 速記を起こしてください。 —————————————
○委員長(山本伊三郎君) 次に、大分県津久見市の採石場における爆破事故に関する件について質疑を行ないます。御質疑のある方は、順次御発言を願います。
○小柳勇君 実態について御報告願います。
○説明員(西家正起君) このたび大分県におきまして、石灰石鉱山におきまして大きな災害が発生いたしまして、先生方にたいへん御迷惑をおかけいたしました。監督官庁といたしまして心から申しわけないと思っておる次第であります。鉱山の災害の状況につきまして、簡単に御説明申し上げたいと思います。 災害の発生いたしました鉱山名は米庄鉱山と申します。所在地は、大分県の津久見市の市内の西北部にございます。鉱業権者は、薬師寺和寿と申します。災害の種類といたしましては、これは保安法上分類をいたしておりますが、ハッパによる災害ということでございます。災害の起こりました年月日は昭和四十二年九月五日夕刻の七時三十分ごろでございます。災害の起こりました場所は、ここは露天掘採をやっておりまして、坑外で露天掘採をやっておりますが、その露天掘採場でございます。罹災者の数は、死亡者が十二名、重傷者が一名、これは約三ヵ月間の重傷者でございます。鉱山の規模は、鉱山労働者といたしまして三十五名、比較的小鉱山でございます。生産量は、月産石灰石は二万五千トン程度出しておるわけでございます。 さて、本論の災害の状況に移りますが災害の状況に移ります前に、ちょっとこの鉱山の採掘方法を便宜上説明させていただきます。大体、当鉱山におきまして石灰石を掘っておる掘り方でございますが、ほかの鉱山にもこういう掘り方が多いのでございますが、斜面に対しまして階段をつけまして、斜面に垂直、あるいは階段から下向きにさく岩機で長い穴を掘りまして、その中に爆薬をしかけまして、これをハッパをいたします。これを幅三十メートルくらいにわたりまして一斉にハッパをいたしまして石灰石をくずし落とすということでございまして、これを通常大ハッパと申しております。その次に、大ハッパによりまして落としました鉱石は、なお中には非常に何トンもする大きな大塊がございますので、これにつきましては、やはりその石に対して短いさく岩をいたしまして、その中に爆薬を詰めてこれを再ハッパをする、こういうことをいたしまして、小さくなりました石を運び出す、こういうことになっております。このあとのハッパを小割りハッパといっておるわけでございます。 災害当時でございますが、罹災者が十三名、小割りハッパをこれからやろうということで、災害個所付近に待機をしておったわけでございます。これが午後七時ごろでございます。そのときに、ちょうど大ハッパのほうもその前にハッパの準備が完了いたしておったわけでございます。で、大ハッパのほうは電気ハッパを行ない、小割りハッパのほうは、それぞれの石に対して導火線による導火線ハッパを行なう、こういうことになっておったわけでございまして、まさに導火線ハッパに火をつけようという態勢にありました直前に、遠くのほうから操作をしております大ハッパの電気ハッパが突然に鳴ったわけでございます。こういうことによりまして、下のほうで小割りハッパにかかろうとしておりました十三名の者に対しまして、大ハッパの爆風及び大ハッパによって飛んできた岩石によりまして罹災をしたような次第でございます。 で、その後十時過ぎに一名を救出いたしまして、これは重傷で済んだわけでございますが、残りの十二名につきましては、六日の朝の四時二十分までかかりまして全員の遺体を収容したような次第でございます。 以上が災害の概略でございます。
○小柳勇君 第一は、ハッパ火薬の取り扱いは国家試験合格者でないと扱えないが、新聞によると無資格の者が扱っていたようでありますが、そろいう者がどうして扱うようになったのか、その実態について御報告を願います。
○説明員(西家正起君) 鉱山におきましてハッパ作業をやります場合には、鉱業権者が所定の教育を行ないまして、地方の監督局長、あるいは監督部がそれを証明することにいたしております。これを有資格者と称しているわけでございますが当日電気ハッパの点火器を回しましたと思われる新納という労働者でございますが、この人につきましては監督部の証明はいたしておりません。したがいまして、いま先生のおっしゃったようなとおりの状態でございます。これにつきましてどうして無資格者を使ったかという点につきましては、目下監督局並びに保安局のほうから人を派遣をいたしまして調査中でございます。と申しますのは、実は災害の直後、昨日の朝、早い者は一昨日の夜から監督官が行ったのでございますが、きょうの午前中まで関係人が警察のほうに逮捕されまして、一般過失致死罪というようなことで取り調べを受けておりました。保安局関係の捜査はきょうの午後からいたすというふうに検事のさいはいでなっておりまして、詳しいことはまだこれから調べるということに相なっておるわけでございます。 なお、鉱業権者のほうも、遺族の方々に対する対策等の関係がございまして、なかなかまだゆっくり調査が進んでいないような状態でございますので、あしからず御了承願います。
○小柳勇君 言うまでもないことですけれども、保安規則では、百四十四条の十号に、「あらかじめ定めた危険区域への主要な通路には見張人を配置し、その他の通路には警標を掲げ、必要があるときはその内部に関係人以外の者を立ち入らせない設備をし、附近の者に発破をする箇所を知ることができるよう警告し、かつ、危険がないことを確認したのちでなければ点火しないこと」とあります。この会社は、昭和三十八年十月から四十二年五月まで、千四百日無災害表彰を受けたばかりというが、このような保安規則を守っておらないのかどうか。千四百日の無災害表彰を受けたような会社がこの保安規則を守らないような会社であるのかどうか、そういう点お調べになったでしょうか。
○説明員(西家正起君) そういう点につきまして、目下鋭意調べておるのでございますが、一般的には、鉱山が隣接いたしております隣接の間ではそれぞれのとりきめを行ないまして、第三者に対する警戒態勢というのは十分にやっておったのではないかというふうに考えられる点が多いのでございます。ただ、大ハッパと小割りハッパを同時にいたしまして、小割りハッパの終わった者が退避することを確認して大ハッパをやっておったかどうか、この点につきましてはもう少し厳重に追及いたしまして調査をいたしたいと考えておる次第でございます。
○小柳勇君 こういう問題は、逮捕されようが逮捕されまいが、会社のほうを調べればわかるのですから、現地にも課長が行っているようですから、早急に調べてもらいたい。ただ何日無災害だから表彰されるというような会社に案外こんなところがあるのではないかというような気がいたします。炭鉱の爆発でも、この間表彰を受けたばかりだったというような会社が爆発しましたですね。そういう点について早急に調べてもらいたいと思います。 もう一つは、この五社が石灰石業者であるようでありまして、同じ山の外から五社が並んでやっているものだから、施業案の認可のときに、隣のサイレンを間違えるようなそんな近隣の五社の認可ができるものかどうか。これは局長からお聞きしたいのですが、これは保安局ですか、担当は。
○説明員(西家正起君) 施業案の認可につきましては通産局長がやっておるわけでございますが、その中で、保安に関する事項につきましては保安監督局長並びに保安監督部長が監督するということになっている次第でございます。したがいまして、施業案が出てまいりますと、通産局長は保安監督局長並びに監督部長と協議をいたすことになっておりまして、その際、保安に関する事項につきましては十分検討をいたすことにしております。今度の場合の米庄鉱山の施業案につきましては昭和三十八年四月二十九日に認可をいたしまして、施業案上、災害防止につきましては、隣接鉱業権との操業上の保安上の調整につきましては相互に十分協議をするという項目が施業案にうたわれておる次第でございます。
○小柳勇君 法律上は、その五社が同じ平面から隣同士で採掘をやっておっても法律上違反ではないと、こういうことですか。もう少し詳しく説明しますと、ハッパをかけるときにサイレンを鳴らします。隣のサイレンを自分の山のサイレンと間違ったと、警笛を間違えたという新聞もありますが、具体的事実はわかりませんけれども、そういう新聞がありますが、隣の山の警笛を自分の山と間違えるくらい近隣のそういう採掘が保安上は非常に危険だと思うが、施業案の認可のときには、この五社も並んで同時に認可できるものなのかどうか。それは法律上は許されておるのかと、こういう質問をしておるわけです。
○説明員(西家正起君) ただいまの場合に法律上はできると思います。あまり接近してまいりまして、十メーターか二十メーターというふうな狭い範囲になりました場合には調整が必要かと思います。
○小柳勇君 法律上はいいのであれば、あとは保安上ですね。法律上の許可があればよろしいとすれば、あとは保安上、協定か、きびしい規制がありませんと隣の山の警笛を間違える、あるいはサイレンを間違えるということもあり得ると思いますけれども、そういう問題は今後のまた検討を待ちますが、最後は労災の問題です。この罹災者の臨時人夫など、労災補償の問題はどういう調査になっておりましょうか。
○説明員(村上茂利君) このたび不幸にも罹災されました十二名の方々につきましては、すでに平均賃金の算定その他、もう行ないまして支払いの準備をいたしておるわけであります。まあ手続的に一時金としてもらいたいか、年金として支給するかといったような本人の——本人と申しますか、遺家族の御意思を聞きまして判断する問題はありますけれども、労働省といたしましてはできるだけ早く支給できるように準備をいたしておる次第でございます。
○小柳勇君 最後の質問ですけれども、こういう石灰石の事業場が千六百ぐらい全国にあるようでありますが、この災害後、通産省がおとりになりました保安措置対策についてお聞きし、質問を終わります。
○説明員(西家正起君) 災害後、ただいま監督官並びに本省から鉱山課長を派遣いたしまして、いろいろ直接原因のほかに、間接原因につきまして十分探求をいたしたいと思っておりますが、それに基づきまして、まず第一に、石灰石業界全体に対しまして、こういう事故が二度とないように十分警告を発したい。それから、二番目に、やはりこれから監督を厳重にいたしまして、はっきりいたしましたそういった保安法規違反ができるだけないように監督官庁といたしまして努力いたしたい。それから、なお、鉱山労働者並びにその上の係員、さらには中小の鉱業権者に対しましては、十分保安意識につきまして教育をするというふうにいたしたい。それから、係員、労働者につきましては、私ども若干予算がございますが、大手の技術者に指導者になっていただきまして、技術的な指導、教育指導というものをさらにいまよりも一そう拡充いたしまして、二度とこういう間違いのないようにいたしたいと、かように考えている次第であります。
○藤田藤太郎君 今度の事故は、いま小柳委員が質疑しましたから、深くもう触れませんが、ただ、千六百の中には、私は、管理が少し緩慢過ぎやせぬかという気がするのです。だから、大きい作業場の場合は、山のどこか目的地でやるんでしょうけれども、いずれにしても、道路ぎわで採石をやっているところがたくさんある。だから、そういうところは子供が遊びに行って、爆破せぬでも、くずれてきて下敷きになるとか、子供ばかりじゃない、普通人が被害を受けるようなことなきにしもあらずだと私は思う。だから、そういう点の管理がどうも危険だなと感じるところが各所にぼくはあると思う。ですから、やはり採石場は、作業が終わればいつくずれるかわからぬような危険な問題も継続しているわけですから、採石場は何かさくでもして、一般人は入れぬようやらないと、今度は爆破だったのですけれども、爆破以外のときでもそういう危険があると私は思うのです。だから、そういう点は全然管理がなされてないように——私も歩いてみますと、作業が終わったらそのままほっぽらかして自由にそこへ入れる、子供が遊びに行くこともできる。ここらの管理もやっておかぬと問題だと思うのだけれども、それはしておいでにならなければ、いままでそういうことがなければ、この機にそういう処置をとってもらいたいと私は思うのですが、いかがですか。
○説明員(西家正起君) 確かに先生のおっしゃいましたような事態があると思っております。一般的にはハッパ等の飛び石による被害がないように、ハッパをいたしました場合に石が飛ぶような場合には金網のさくを設けまして、道路あたりに飛ばないようなふうに、これは規則にもございまして、実施をいたしております。ただ、相当広いものでございますので、全部だれも入れないようにすることにつきましてはなかなかむずかしい面があると思うのでございますが、逐次非常に急傾斜のような採掘場につきましては階段方式等に切りかえまして、あまり石がころがってきて人に当たらないように、そういうような指導をいたしておるつもりでございますが、なお、おっしゃいました点につきまして十分検討いたしまして監督いたしたいと考えております。
○委員長(山本伊三郎君) 他に御発言もなければ、本調査に関する質疑は、本日はこの程度にとどめておきます。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時三十四分散会