産業公害及び交通対策特別委員会 閉会後第1号
- 発言数
- 122 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1967/11/09
会議録
○委員長(松澤兼人君) ただいまから産業公害及び交通対策特別委員会を開会いたします。 まず、派遣委員の報告に関する件を議題といたします。 先般、当委員会が行ないました産業公害の現状とその対策の実情調査のめたの委員派遣について、派遣委員から御報告願います。宮崎君。
○宮崎正雄君 松澤委員長、紅露委員及び私の三人は、去る十月十六日から十九日の四日間にわたって、千葉、三重、京都、兵庫の各府県における公害の実情を調査してまいりました。これから私が報告いたしますのは、各地の当面している公害の特徴の概略でございます。 千葉県の問題は、申すまでもなく、京葉工業地帯の産業公害であります。この工業地帯は、江戸川河口の浦安町から千葉市、市原市、木更津市を経て富津町に至る南北八十キロメートルにわたる臨海工業地帯であります。県の手で埋め立て地の造成が進められておりまして、昭和六十年を目途として計画が立てられ、造成の進捗は現在四八%でございます。すでに火力発電、石油精製、製鉄、化学など、関連企業も含め四百に余る会社が進出し操業しております。問題の中心は亜硫酸ガス等による大気汚染でございまして、市原市においては四十、四十一年において数千万円に及ぶナシの被害が発生しております。汚染濃度も逐年増加しておりまして、千葉市、市原地区にその傾向が強く、さらに今後の企業の進出によって、その範囲は南へ拡大することが予想されるのであります。先般、建設省が「京葉地帯は将来、人間の生活環境としては適さない」と発表した調査結果の当否は別といたしましても、高い濃度の汚染が現出することは確かなようであります。公害対策基本法に基づき特定地域に指定すべきものと考えます。 次に、四日市でございますが、市の警察署の屋上から街を眺めおろしてみますと、こんな狭い土地に、しかも住宅と密着してコンビナートができれば、四日市でなくてもぜんそくが発生するだろうと思いましたし、いまさらながら工業の立地規制、都市計画の重要さを痛感した次第であります。 市の公害関係医療審査会の認定によるいわゆる公害病患者は、先月十七日現在で三百九十四名でありまして、そのうち入院を要する者が三十名でございます。要入院の者の大半は生業を持ち、家計をささえなければなりませんので、昼間は健康な人と同様に外で働き、発作の起きる夜だけ入院するという日々を送っております。治療は全額公費負担なので心配はないのでありますが、その治療さえも、働かなければならないために満足に受けられなかったり、公害病のため、所得能力が低下したりということで、生活援護の道を講じてもらいたいという要望がありました。 また、塩浜病院に入院中の年老いた一人の公害患者は、公害発生者の責任を強く指摘した上で、基本法の肉づけとなる法律の制定、実施によって、私たちを公害病の苦しみから一日も早く解放していただきたいと訴えられたのであります。 いずれにいたしましても、四日市の公害は日本でも他に類例のないものであります。その意味では特殊ではありますが、見方によれば日本の公害問題が集約されているということにもなります。したがって、この問題の解決の成否が、今後の公害問題解決のかぎとなるわけでありますから、政府も、基本法の実施については、熱意と具体的な方法をもって当たらなければならないと思うのでございます。 当面急ぐべきことは、一日も早く救済制度を整備、確立することと、環境基準を設置すること、及び特定地域指定による防止対策を実施することであると思います。 京都における第一の問題は、淀川、宇治川の水質保全対策であります。府内の工場、家庭下水によって、最近河川の汚れが進み、古都の美観をそこね、下流の用水に与える影響も大きくなっております。そこで、先般、水質審議会は淀川の水質基準を改定するとともに、宇治川の水質基準を新たに設定して、この地域の排水規制を強める案を決定いたしました。このことが、染色工業をはじめ、中小企業の死活問題になるということで、地元の業者は規制の緩和方を要望しているのであります。確かに、私どもが視察したところ、経営規模が零細でありまして、新しい規則を守るために排水の浄化施設を各企業がつくるということには、幾つかの困難があるようでございます。また反面、色さまざまな廃水によってよごれた川を見ますと、規制を強める必要性も感じた次第であります。 対策としましては、中小企業に対して、特に公害防止の観点から、税制上、資金上の特別措置をさらに強めることが第一に必要でありましょう。第二に、水質汚濁問題の根本的解決は公共下水道の普及にあるわけでありますから、地方公共団体が事業がしやすいように、国が十分な財政の裏打ちをすることであります。特に京都は国際文化、観光都市であって、その美観を保つということと、種々の用途を持つ淀川中・下流の水質を保全するという二つの理由から、一般とは違う特別の国の援助が必要だということであります。 京都の第二の問題は、山砂利公害であります。宇治市の近くに城陽、田辺という二つの町がございますが、ここの丘陵地帯に合計四十社の採取業者が入りまして砂利を乱掘しております。むざんにも食い荒らされて赤肌をさらけ出している山々を見まして、全く驚いた次第でございます。一日三万トンの砂利が六千台のダンプによって運び出されております。集中豪雨によって土砂や泥水が流れ出し、人家や農地に浸水したり、川の伏流水に悪影響を及ぼしております。またダンプの往来で農道がこわされ、日夜騒音に悩まされ、交通事故も起こっているということでございます。地元は町ぐるみで対策に当たっておりますが、取り締まり法規が不備なために、有効適切な対策ができません。結局のところ、砂利採取法第九条の「公益保護」の条項の運用によって業者を規制するか、さもなくば、すみやかな法改正によって、業者の許可条件の中に公害防止義務を盛り込む必要があると考える次第でございます。 西宮は、山陽新幹線の騒音問題でございます。ルートはすでにきまっておりまして、西宮の東部の甲東地区を高架で通るために、将来の列車騒音が心配されるのであります。この区間は約一キロメートルでありますが、当地区は文教地区であるとともに良好な住宅地区でありますために、閑静な生活環境の保全については、地元住民の願いは切実なものがあります。 国鉄としては、線路の両側それぞれ十三メートルを買収の対象とする考えのようでございますが、東海道新幹線の騒音問題を調査研究した住民たちは、両側五十メートルは騒音の許容限度から考えて住宅地区たり得ないとして、買い上げを要求しているわけであります。国鉄の事業の公共性、公益性という理由でもって市民の日常生活を破壊することは許されませんし、先般制定された公害基本法の趣旨からいっても、公害防止に関する事業者の第一次的責任をうたっているのでありまするから、生活環境保全の見地に立って国鉄も善処するよう、一考を促したいのであります。 なお、詳細な報告書は、別途委員長の手元に提出してありますので、それによって御承知願いたいと存じます。 以上、簡単でございますが、御報告を終わります。
○委員長(松澤兼人君) ただいま御発言のありました詳細な報告書につきましては、本日の会議録の末尾に掲載することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(松澤兼人君) 御異議ないと認め、さように取り計らいます。 派遣委員の報告は、これをもって終了いたします。 ―――――――――――――
○委員長(松澤兼人君) 次に、産業公害及び交通対策樹立に関する調査を議題とし、昭和四十三年度公害対策関係予算について、関係各省から説明を聴取いたします。 まず厚生省武藤公害部長。
○説明員(武藤琦一郎君) 厚生省関係の四十二年度の予算要求の概略を御説明申し上げます。 お手元に、「昭和四十三年度公害対策の推進について」「厚生省公害部」とありますパンフレットを差し上げてございますが、それに従いまして説明したいと思います。 厚生省といたしましては、公害対策基本法の成立を契機といたしまして、パンフレットの一ページにありますように、五つの重点事項を来年度の予算要求の項目といたしました。一つは、公害の紛争処理及び被害救済制度の確立でございます。次に、環境基準の設定と基本法によります公害防止計画の策定の関係でございます。第三には、大気汚染行政の強化と未規制公害の規制でございます。第四には、これに伴います監視測定体制の整備強化でございます。第五には、公害防止事業団の事業の拡充強化。以上の五点でございまして、関係予算三十二億五千万円の要求でございます。財政投融資といたしましては、公害防止事業団の関係の七十億でございます。 まず第一の「公害の紛争処理及び被害救済制度」の関係でございます。国会の御審議の過程あるいは修正によりまして、公害の紛争処理と被害救済制度の確立が緊急の課題となっておりますけれども、これにつきましては、以下述べますような「公害の紛争の処理及び被害の救済に関する法案」の現在準備をいたしております。で、この紛争処理といたしましては、とりあえず人の健康と生活妨害に関する事件を救済する紛争処理制度、被害救済は人の健康に関する被害を対象として計画しております。 紛争処理の関係では、都道府県や主要都市に専門の公害苦情調査員を置きまして、公害苦情処理の窓口の一本化に当たらせるつもりであります。それから都道府県の段階に公害審査会というものを設けまして紛争処理を行なう予定にしております。それから厚生省の外局に中央公害審査委員会というものを置きまして、二都道府県にまたがる問題あるいは都道府県段階で処理するのが不適当、すなわち非常な高度の技術的判断を要する問題とか、あるいは当事者が中央公害審査委員会においての処理を希望するものを審査いたします問題、そういう問題を処理するために、中央のレベルに審査委員会を置く、こういうことでございます。 それから公害救済基金の関係では、厚生大臣が指定いたします地域の指定疾病につきまして医療給付と医療手当の支給を行なうために、公害救済基金というものを設ける計画でございます。これは、基金の財源につきましては、いわゆる発生原因者がある場合には発生原因者が八分の五、その残りの八分の一ずつを国、都道府県、市が負担するということでございます。それから発生原因者を具体的に追及することが困難なとき、たとえば大原交差点におきますような問題につきましては国、都道府県、市が負担するという関係でございます。こういう関係で、公害救済基金の制度を来年度考えております。 次に、環境基準の設定でございますが、大気、水、騒音について環境基準設定関係の事務費の要求でございます。ただいまの御調査の御要望にもありましたように、環境基準の設定が急がれているわけでありますが、これにつきましては一部現在厚生省で大気の問題については検討中でございまして、近く結論を見る予定でございます。 次に、公害防止計画の関係でございますが、これもただいまの御調査の中に、千葉におきましては、公害防止計画の策定の必要性を御指摘になりましたが、千葉等を含めまして、来年度は三地域につきまして基本法に基づきます公害防止計画関係の予算を要求しております。これは、まず国の段階で基本方針を示すに要する事務的経費と、それから都道府県がそれにつきまして具体的な公害防止計画を立てる場合の経費について二分の一補助をするという予算要求をいたしております。なお、申しおくれましたけれども、ただいま御説明いたしております事項のこまかい内容につきましては、別表で細目を書いておりますので、あわせてごらんいただきたいと思います。 次に、大気汚染関係でございますが、現在ばい煙規制法がございますが、これを大気汚染防止法というものに改める計画をいたしておりまして、この関係と、それから現在騒音関係につきましては統一的な法律がございませんので、この関係の法案の検討もいたしております。その関係の事務費が一千万円でございます。 次に、大気汚染監視関係の経費でございますが、これは現在都道府県に監視測定網についての補助金、あるいは国設の大気汚染監視センター等監視測定機構を持っておりますけれども、その関係の充実のため二億四千万の要求と、それから御承知のように東京あるいは大阪等におきましては広域的な汚染、たとえば大阪で申しますと、尼崎の地域のばい煙が大阪あるいは和歌山、奈良等、広域的に汚染するというような問題あるいは相互に汚染しているというような問題がございますので、来年度はとりあえず一カ所関西地区を考えておりますが、広域的な汚染監視センターを国の直轄で設ける。この関係の予算が五千万でございます。 それから第六番目には公害防止事業団の関係でございますが、政府出資金といたしまして二十億の要求をいたしております。現在政府関係の、こういう事業を行なっております事業団で出資金がないのは公害防止事業団だけでございます。したがいまして、公害防止事業団の事業が三年目に入りまして軌道に乗り、またその必要性、あるいは緊急性が要望されております段階で、ここで政府出資金二十億を要求いたしまして、事業の拡大とそれから利子補給の関係を充実したいと、かように思っております。財投としては七十億の要求でございます。この内容といたしましては、金利の引き下げ――四ページにありますように、現在大企業は七分、中小企業、地方自治体については六分五厘でございますが、御承知のように中小企業振興事業団が本年度から発足いたしまして、この関係では八割のものが無利子というような関係で、実質的には非常な利子の引き下げになっております。こういう関係で公害防止事業団につきましても大幅な利子の引き下げが要求されるわけでございます。来年度は、先般の基本法の国会修正によりまして、中小企業について十分な配慮をするようにというような修正等が行なわれました関係もありまして、特に中小企業につきましては、そこにありますように六分五厘を三分五厘、四分五厘に、大幅に、中小企業振興事業団との均衡も考えまして、利子の引き下げを要求をしているわけでございます。 そのほか現在、ばい煙規制法とか、あるいは工排法の指定地域だけにしかこの公害防止事業団の事業は融資できないわけでございますけれども、御承知のように指定地域以外でもいろいろの公害問題が起きているわけでございまして、その必要性が要望されておりますので地域制を撤廃する。それから単に産業公害のみならず、たとえば北海道のような都市公害で悩んでおります地域につきましては、その関係の融資も見たいということで、そういう関係の事業の拡大を来年度は考えておる次第でございます。 そのほか、公害調査研究費等で、現在一億ございますが、これの約二・五倍の要求を行なっております。 そのほか、公害基本法の関係で公害防止思想の啓蒙宣伝をやりますとか、あるいは基本法の修正で確定を見ました公害白書の作成とか、そういう関係の、少額でありますけれども、新しい予算の要求をお願いしておるわけでございます。 以上、厚生省関係の予算関係を概略御説明いたしました。
○委員長(松澤兼人君) 次に、通商産業省。
○説明員(矢島嗣郎君) お手元に「産業公害対策に伴う予算要求について――通産省企業局立地公害部」という縦書きのものがございますから、それに基づいて御説明申し上げます。 一ページに書いてございますように、通産省といたしましては、従来から産業公害対策については種々の予算措置を講じて遺憾なきを期してきたわけでございますが、来年度につきましては、基本法の成立に伴いまして、さらに一そうその方向に向かって施策を拡充強化いたしたいと存じておるわけでございます。 大きく分けまして当省の公害対策は、そこにございますように四つに分けられると思います。 一つは(1)の公害の事前防止措置、これは基本法で申しますと第十四条等に当たる点だろうと思います。 二番目は、ばい煙規制法、水質二法等に基づく規制措置で、これは基本法に即していえば第十条、第十三条の実施に当たると思います。 三番目が、これはやはり一番前向きの問題で、公害防止技術開発の促進、これは基本法で申しますと第十五条の実施に当たると思います。 四番目が公害防止施設設置等に対する助成措置、公害防止施設の設置について税制上あるいは資金上の助成措置をする。これは基本法に即していいますと第二十四条に当たると思います。これは今回の通産省の対策の大ざっぱな仕分けでございますが、特に四十三年度におきましては、ここにございますように、(1)として、事前調査の実施と工業立地適正化対策の推進ということで、立地適正化につきましては従来も検討しておりました立地適正化法を提案すると同時に、その施策を推進いたしたい、これは基本法の第十一条の実施ということに相なるわけでございます。 それから二番目が基本法に基づく公害防止計画、これは第十九条に書いてございますが、公害防止計画策定のための調査。 それから三番目は、先ほど申し上げました技術開発のうちで何が一番重点かと申しますと、やはり何と申しましても大気汚染関係のうちの亜硫酸ガス対策、これは先ほどの先生方の調査団の御報告の中でも随所に問題として御指摘になったわけでございますが、亜硫酸ガス対策といたしまして、脱硫――重油の中の硫黄分を取る脱硫の実施、このための技術開発がいろいろございますが、それを推進すると同時に、できたものをできるだけ企業に早急に実施させる、そのためにはやはり資金上その他の助成措置を講じなければならない、こういうことでございます。 それからページに参りまして、四番目といたしまして、公害防止対策強化のための機構整備ということでございます。この結果、ここにありますように、一般会計で四十四億六千九百万円、財政投融資で二百四十五億円、それぞれ前年度比二・八倍、三・三倍となっております。必ずしも伸び率としては十分でないわけでございますが、いろいろ大蔵省のほうの概算要求提出二割五分増しというようなワクもございまして、必要最小限にしぼってここに提案している次第でございます。 若干こまかく二、三申し上げますと、二ページの「一、産業公害の未然防止のための事前調査」、九千万円ばかりございますが、そこに書いてありますように、大気汚染関係六地域、前年度五地域。海域関係の前年度三地域に対して四地域。河川関係一地域というのが事前調査。 二番目は公害防止計画、先ほど申し上げました十九条のための調査。 三番目の公害防止対策、これは主として従来やっておりました公害防止対策、あるいはばい煙規制法、工場排水法その他の実施に要する費用で、おおむね従来の線の継続でございます。 四ページに参りまして、四、工業立地適正化対策でございますが、法案を出しますので、その施行費あるいは種々の調査費等で、一般会計ではわずかでございますが、この法案のねらいというのは分散の促進――過密地帯からそうでないところに分散を促進するという点が一番前向きの大きなねらいと相なっておるわけで、これによりまして公害を事前に防止するということになるわけでございますが、そのためにはやはり資金上の措置が一番大事なので、ここに掲げてありますように、開銀の四十億、北海道東北開発公庫の十億、中小企業金融公庫の二十億等の財政投融資に重点を置いておるわけでございます。 五番目が砂利の採取に伴う公害。これも先ほどの調査団の御報告で御指摘になった次第でございますが、これも金額としては、砂利採取法を改正するそれの施行費で、一般会計ではわずかでございますが、この問題については、法を改正して監督、取り締まりを厳重にするということ以外に、やはり砂利問題は、砂利の需給全般の問題がある。その点に問題点を合わせて検討しないというと、砂利問題は解決しないということで、この最後に書いてありますように、砂利採石の拠点開発、それから集荷集積販売基地。要するに砂利を安全に取れる拠点を開発していく。それを京浜地区あるいは阪神地区に持っていく。こういうことによりまして、御指摘の京都府の城陽町のような問題が起こらない、そういう需給態勢を考えなければならない。そういう点で振興事業団を通じて資金面の支援措置を考えております。金額はまだ正確にいっていないので掲げてございませんが、相当額を予定しておるわけであります。 それから五ページの六番目は、先ほど申し上げました公害防止技術で、金額的にも十五億円と一番大きいわけで、これは通産省としてはすでに三十八年からやっておるわけですが、逐年予算を増加しておりまして、来年度も非常に充実していこうと思うのですが、おもな点は亜硫酸ガス対策ということで、簡単に申し上げますというと、排煙から硫黄を取る、これが一つと、それから重油そのものから硫黄を取ってしまうということで、前者は主として火力発電所等の大規模なものに適するものであるし、それから中小のボイラー等につきましては、そういうこともできないので、重油そのものから硫黄を取って低硫黄の重油を普及して供給するということであります。すでに昨年四月の国会の御決議等もございまして、早急にこの技術を開発しなければならぬということで、大体スケジュールとしては前のほうの排煙脱硫のほうが先にできる見込みでございます。 それ以外に、自動車関係では自動車安全公害研究センターの拡充をはかりますし、それからなおまた、水の関係では、やはり工場排水処理技術というものを早いところ確立しなければならない。これも調査団の御報告で御指摘の京都の問題がありますが、ああいう問題も簡易な排水処理技術ができますれば問題は解決するわけなので、その点に対する研究開発を早急に進めたいと考えておるわけであります。 六ページに参りまして公害防止事業団。これは厚生省のほうから先ほど御説明がありましたので内容を省略しますが、これはやはり一番大事なことでございまして、この公害防止事業団の業務範囲を拡充し、それから融資条件を緩和することによって各企業に対して早急に防止施設を普及徹底させるということが大事な点であると思います。 八番目は開銀等の助成措置でございますが、おおむね方向としては公害防止事業団による助成措置のほうに資金的には持っていきたいと思っておるわけでございますが、一部石油の精製会社に対する重油脱硫装置あるいは精製会社が自分でやるバラスト水処理施設については開銀に依存しておりますし、それから従来の継続分――地盤沈下対策の継続分等についてはやはり開銀、中小企業金融公庫に依存してそれぞれここに掲げてあるような予算を要求しております。それから中小企業振興事業団では共同排水処理施設について特別に有利な条件でもってやるように措置しておりますが、将来の方向としては、これがパイロットと申しますか先導となって、ほかの公害防止事業団のほうの金利水準もこの辺にさや寄せすることを期待しております。 それから九番目に騒音防止の関係。いずれ規制措置が行なわれるわけですが、それのうらはらとして税制上の優遇措置を講じております。 最後に行政機構の整備拡充として、通産省の立地公害部を立地公害局に改編し、所要の定員増等を行なって、公害行政に遺憾なきを期したいと考えている次第でございますので、よろしくお願いいたしたいと思います。 以上でございます。
○委員長(松澤兼人君) 次に運輸省。内村大臣官房参事官。
○説明員(内村信行君) それでは運輸省関係の御説明を申し上げます。 お手元に「昭和四十三年度公害対策関係予算要求の概要」というのがございますので、それを御参考にしていただければ幸いに存じます。 運輸省関係の公害関係の問題といたしましては、まず海水の油濁防止、それから自動車の排気ガスあるいは騒音、こういったものの防止でございます。それから航空機による騒音防止対策、それから気象関係でございまして大気の汚染、気象関係のほうからそういったものの防止対策、こういった問題があるかと存じます。以下順を追いまして資料に基づいて御説明申し上げたいと、こういうふうに思います。 まず海水の油濁の問題でございますけれども、これは先般千九百五十四年の油による海水の汚濁の防止のための国際条約、こういう国際的な条約がございますが、これに先般加入いたしまして、それに基づく国内法といたしまして船舶の油による海水の汚濁の防止に関する法律というものが先般成立いたしまして施行されております。したがいましてこの問題につきまして、われわれといたしましては今後このいわゆる海水油濁の防止、先ほど申し上げました法律の実効を確保いたしまして油濁を防止してまいりたいということがわれわれに課せられた仕事でございます。そのための予算といたしまして総計六億何がし、それから財投といたしまして十一億三千四百万何がしを要求しておる次第でございます。 その内容について若干御説明申し上げますと、大体この法律の内容はごく大ざっぱに申し上げますと、船舶は海岸に近いある一定の水域に廃油を流してはいかぬ、船の中には廃油が外に漏れないような装置をしなければいかぬ、そうしてそういった廃油というものは、陸上の、まあ大体港付近にあるわけでございますが、そういうところの廃油処理施設に捨てなさい、こういうふうなたてまえになっております。したがってそれによりまして、まず港湾における廃油処理施設、こういったものができ、あるいは船舶の中に廃油を漏らさないようないわゆるビルジ排出防止装置、こういったものが設置されることが予定されるわけでございますが、そういったものが適正に動いているかどうかということをチェックして、それによりまして廃油が外に流れるということを防止していく、そういう検査体制を整備するための予算を要求いたしております。それから、現実に船舶が海上を航行をいたしまして、油を漏らすかどうか、そういうことはもっぱら海上保安庁において取り締まるわけでございますけれども、それを取り締まるためには、一体どのくらいの油が出ているか、そういった油の濃度の検出に必要な捜査用機材を整備する必要がございます。そのために予算を要求しておる次第でございます。それから、このようにして取り締まり体制を整備してまいるわけでございますが、みだりに捨ててはいかぬと申しましても、肝心の捨てるべき廃油処理施設というものができなくては何もならぬということから、二の廃油処理施設というものを早急に整備してまいるということが必要でございます。この整備の方法といたしましては、一つは港湾管理者にお願いをする。もう一つは民間にこれをつくることをお願いする。こういうふうな二つの方向からこの整備ということを考えております。そこで、助成策といたしまして、港湾管理者が整備するもの、これにつきましては本年度は六カ所程度、来年度はさらに五カ所程度というものを大体予定しておりますけれども、そういったものに対しては、その半額を国から補助するというふうなことを考えておりますので、それに必要な補助金として要求したものでございます。それからなお、こういった廃油処理施設についても、なお研究開発の余地がございますので、その研究開発のための補助金として若干を要求しております。これが五億八千四百万というものの内容でございます。一方、民間に対します助成措置としての融資の問題でございますが、これは開銀のほうからの融資というものをお願いすることにいたしまして、九億四千五百万というものを要求しておるわけでございます。それからなお、先ほど申し上げました船舶内の油が漏れないようにするビルジ排出防止装置を義務づけることになっておりますが、それに対しましては、船舶整備公団を通じまして融資を行なうというふうに考えております。この融資は、いずれも融資比率七〇%、それについて大体三年間七分、それから七分五厘というふうな金利を考えて要求しております。 次に、自動車の排気ガス並びに騒音の問題でございますが、こういったものにつきましては道路運送車両法という法律がございまして、その中の保安基準にどのくらいでなくてはいかぬということが示されておりますけれども、まず排気ガスについて申し上げますと、新車につきましては一酸化炭素が三%以下でなければならないというふうなことがきめられておりますので、そういうふうなことに基づきまして、新型車の排気ガスの検査をする必要があるわけでございますが、こういった新しい車の排気ガス検査を行なうとともに、運輸大臣に型式を指定されました自動車の製作者に対しまして監査を実施するというふうなことから予算を計上いたしております。次に新型車につきましては、先ほど申し上げました三%によって規制しておりますけれども、新型車でなしに、すでに走っているものについては、現在はまだ三%というふうな規制はされておりません。そこで、こういったものに対して排気ガスを少なくするような整備基準というものをつくっていかなければならない、こういうことでございます。それで、そのためには、排気ガスの出る問題の個所といたしましては、あるいは燃料系統であるとか、吸排気系統であるとか、電気装置関係系統であるとか、そういったことが種々問題になるわけでございますが、そういったことを明らかにするために、排気ガスが一体どういうふうに出ているかという実態調査を明らかにする。それで一般の走っている車が整備の前とあとで一体どういうふうにかわっているかというふうな実態調査をいたしますとか、あるいは走行キロがだんだん延びてまいりますと、それによって排気ガスの排出量がふえてまいります。そういうことによって特定の車を追跡いたしまして、一体走行キロがどのくらいになればどのくらいの量の排気ガスが出るかというような調査をいたすために追跡調査をいたします。それからさらに、そういった調査に基づきまして、排気ガスを出さないためには一体整備というものを、どういうふうな基準でやったらいいかというふうな基準を作成いたしまして、それによって、いままでの在来車の排気ガスの排出量を規制してまいりたいというふうなことでございます。さらにまた、排気ガスによります問題と申しますものは、そう古くから出てまいりませんし、また、外国においてのいろいろな規制状況とか、その他もろもろの事項を参考にいたさなければなりませんので、そういうふうな外国からの情報をいろいろ収集いたしたい、こういうふうに考えているわけでございます。それからこういった問題につきましては、先ほど申し上げましたように、まだまだ研究を今後要することがたくさんございます。たとえば排気ガスにつきましても、さしあたりは一酸化炭素というものを押えておりますが、さらに炭化水素というふうなものも規制しなくてはいけないのではないかというふうな問題もございます。そういうふうなこともございますし、あるいは騒音につきましても、加速した場合の騒音がどうなるかというふうなことにつきましても、さらに研究いたしたいというふうに考えております。それからなを、研究補助金といたしましては、気化器テスターの研究であるとか、あるいは一酸化炭素ないし炭化水素の内容というものを、さらに研究いたしたいということでございます。 次に、航空機の騒音対策について申し上げますと、まず第一に考えられますのは、東京と大阪における国際空港の周辺の航空機の騒音というものの実態調査を行ないまして、それによって飛行機の飛び方というものを規制してまいる。それによって騒音がなるべく一般に迷惑のかからないようにしよう、こういうふうな考え方でございます。そのためには、大阪の国際空港のそばに騒音の測定塔というものを設置いたしまして、それによって調査をいたす。東京のほうではすでに羽田近辺に四十年に測定塔ができております。そういったもので、さらに実態調査を行なってまいるということでございます。それから大阪国際空港周辺におきまして、航空機が非常にひんぱんに発着いたしますので、それによりまして付近の農業というものが阻害されるという点から、そういったものの損失補償を考えてまいりたいというふうに考えております。その次には、騒音防止のために、東京とか大阪の国際空港の周辺にはいろいろ学校がございまして、非常に授業に迷惑になりますので、そういったものの騒音の防止工事に対して補助を行なってまいる。さらに共同利用施設、そういったものに対しても補助を考えていく。そういうふうなことから、総計六億二千二百万何がしというものが要求されているわけでございます。 次に、「工場排水規制」とございますが、運輸省の管轄下にある造船所、造機工場、鉄道車両工場、こういったものの汚水処理を適正に行なわせるための費用でございます。 さらに最後に、気象関係の問題でございますが、大気汚染と申しますものは気象条件によって非常に左右されることでございまして、したがいまして、あらかじめ大気汚染が一般にひどい迷惑をかけるというふうな状況が気象条件によって予知されるわけでございまして、そういった場合には、あらかじめ予知して、それを通報することによりまして、たとえば燃料についても、もっと良質の燃料をたくとか、そういったような措置を講ずることによって大気汚染というものを少なくしてまいる、こういうふうなことに協力する意味におきまして、気象関係におきまして四日市地区とか、あるいは北九州地区においてある程度施設をつくり、観測というものを綿密にするということから、四千四百万ぐらいを要求しているということでございます。 以上簡単でございますが、御説明を終わります。
○委員長(松澤兼人君) 次に建設省。
○説明員(竹内藤男君) お手元に建設省の「公害対策予算要求について」というのがございます。これによりまして御説明申し上げます。 第一ページには全体の項目が書いてございますので、内容に入りますために二ページから申し上げます。 二ページの一番最初は、大気汚染対策でございますが、最近の主として石油を中心とする公害というものに対処いたしますために、都市計画の再検討を特定の地区において行なっております。住宅地と工業地というものを分離する。この間に緩衝緑地を配置する、あるいは住宅地と工業地の間に特定の重化学工業というようなものを避け、しかも住宅を入れない特殊な用途地域を設けるというようなことが必要になってきておりますので、そういう観点から個々の都市につきまして都市計画の再編成をやっておりますが、それの基礎調査費というものを一千万ばかり要求しております。 二番目は、総合的な公害対策の推進についてでございますが、それの内容といたしましては、防災緑地の整備をはかる。これは先ほど各省から申されました公害防止事業団で緩衝緑地造成をやっておられますが、これに対して建設省から補助金を交付しようというのが三億四千百五十四万という内容になっております。これは新しく考えたものでございます。 それからもう一つは、工場が入っておりまして、これが公害でいろいろ問題を起こしておりますので、大都市の既成市街地の中の工場は出ていっていただくということにつきまして、工場あと地の買い取り資金、それから都市開発資金融通特別会計というものが建設省にございますが、これを公共団体に全額融資いたしまして、そして工場あと地の買い取りをやっていただくということでございますが、これを拡充強化していく。それで九十八億を要求いたしております。 それから、あとは特定の地区でございますが、住宅の移転費、それから新しく住宅団地を建設するための費用、あるいは交通広場というものをつくりまして住宅地と工業地の間の遮断をはかるというような意味の区画整理事業費というものをそれぞれ要求いたしております。 二番目は水質保全対策でございますが、これは下水道の水質あるいは河川そのものの水質の調査をするという意味で水質調査費を要求いたしております。 それから、河川の汚濁対策といたしましては、まず第一は浄化用水を流し込むという事業、これが河川汚濁対策の一つでございます。それと川の底にたまっておりますどろをしゅんせつするという事業、これを三ページの下に書いてございますように調査費及び事業費でそれぞれ要求しておるわけでございます。 それから、水質保全の三番目といたしましては、何と申しましても下水道を整備するということが最も根本的な対策でございますので、下水道整備事業費を三百八十九億要求いたしております。 それから、地盤沈下対策といたしましては、建設省関係は河川の堤防のかさ上げということで地盤沈下対策事業費を要求いたしております。 その他騒音、振動等の関係といたしましては、建設工事に伴います騒音、振動というものに対する対策のために調査費及び指導経費を要求いたしております。 以上でございます。
○委員長(松澤兼人君) それでは、経済企画庁宮内参事官。
○説明員(宮内宏君) 経済企画庁におきましては、このガリ版刷りの「四十三年度公害関係予算」によって説明さしていただきます。 御承知のとおり三十三年に制定されました公共用水域の水質の保全に関する法律というものによりまして、従来指定水域の指定あるいは水質基準の設定をはかってまいっておるわけでございます。これに要する来年度の予算要求といたしましては約六千八百万、大体前年に比べまして二千七百万円増の要求をしております。その中で一番大きい問題は水質調査費でございまして、約四千九百万円、これはいま申し上げましたように指定水域を指定し、あるいはそれの水質基準の設定をはかるためでございますけれども、四十一年度から緊急五カ年計画というものをつくりまして、これにのっとってやっております。そして、さらにアフターケアといたしまして水質保全調査というふうなことを強化するつもりでございます。 なお、四十三年度におきましては、従来縦割りに水系ごとにやっておりました調査を、業種ごとに能率よく水質基準を設定するために産業排水処理技術の水準的なものはどういうものであるかということを調査したいというふうに考えております。 以上簡単でございますが、水質汚濁関係の予算要求の概略を御説明いたしました。
○委員長(松澤兼人君) 次に、地盤沈下対策について山下参事官に御説明をいただきます。
○説明員(山下武君) 次に、地盤沈下対策審議会に必要な経費について御説明申し上げます。 企画庁には地盤沈下対策審議会が設置されておりまして、経済企画庁長官または関係各大臣の諮問に応じて地盤沈下対策に関する重要事項を調査審議しております。この審議会は昭和三十四年に設置されまして以来、尼崎、大阪、東京等における工業用水、冷房用水等の採取規制、東京湾及び大阪湾の高潮対策、新潟地盤対策等の地盤沈下に伴う災害の防除事業などについて答申や建議を行ないまして、逐次具体的措置の実現をみており、最近におきましては、大都市周辺部の上水道用の地下水くみ上げに関して建議をいたしております。 このようだ審議会に対しましての運営に要する経費として五十六万三千円の要求をいたしておる次第でございます。以上でございます。
○委員長(松澤兼人君) ちょっと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長(松澤兼人君) 速記をつけてください。 御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
○柳岡秋夫君 時間がありませんので、大ざっぱな質問になろうかと思いますが、さきの国会で公害対策基本法というものが成立をして、国民は非常に期待をいたしております。しかも、公害は日に日に増大をいたしておりまして、健康の問題にいたしましても、あるいは生活の面においても国民に大きな影響を及ぼしておるわけですが、いままでの説明を聞いておりますと、せっかく基本法ができて、あるいは国会の中で総理がここに出席をして、積極的に進めていくという、そういう決意が表明されたのでございますけれども、どうも公害行政にしても、あるいは財政問題にしても、統一的な推進策というものがうかがわれないような気がするわけです。たとえば地盤沈下のいま出された問題にしても、建設省あり、運輸省あり、経済企画庁あり、どこが一体中心になってやるのかということについても、いままでと何ら変わりないような、ただ予算だけをふやして推進していくという、こういうような感じがしてならないわけです。しかも政府の「経済社会発展計画」の中では、最初のほうに「経済の効率化」ということをうたっておるわけですね。こういうような予算要求では、はたして経済が効率的に公害防止のために使われるかどうかということについても、私は疑問を持つわけです。 それからもう一つは、この来年度の予算編成にあたって、政府は財政の硬直化ということを言い出して、とにかく新規事業施策に対してのおそらく制約があるのではないかと私は思うのです。そうなりますと、各省がまあいま説明されたような積極的な姿勢をとっておっても、はたしてそれが予算編成の中で生かされるかどうかということについては、私は第二の疑問を持つわけです。基本法の中には、公害対策会議――総理を会長とした会議を持つ。公害対策審議会を設置する、こういうことをきめられておるわけです。一体これは、公害対策会議なり公害対策審議会はもう設置をされて、具体的に運営されているのかどうか。少なくとも各省が公害対策を進めるための予算要求を出すという場合には、私は、公害対策会議において各省から集められた予算要求について厳格に審議をして、そして公害対策の予算として大蔵省にぶっつけていく。そういう姿勢がなかったら、大蔵省も各省からのばらばらな要求に対しては、財政の硬直化ということを理由にして押えつけてくる、私はこういうふうに考えるわけです。こういう公害対策会議なり公害対策審議会というものがそれぞれ各省の予算要求に対してどういう意見を持ち、あるいはどういう審議をしてきたのか、まずその辺からお伺いしたいわけです。
○国務大臣(坊秀男君) 御指摘のように、財政の硬直化ということ、これは非常に無視できない問題であろうと私も考えます。しかしながら、財政が硬直したからといって、どうしても国民にとって必要なものを、これをおろそかにしているというふうなことであってはならない。財政の硬直化であるならば、私は、その硬直化を打開していくためには、財政全体を検討いたしまして、政府の施策全体を検討いたしまして、これに対処すべき方策を考えていくということは、これは政府としては当然だと思います。ところが、いまや公害という問題は、これはわれわれの生命、健康に直接関係のある問題でありまして、そのためにこそ、幸いこの公害対策基本法というものが制定せられて、そして、この基本法に基づきまして諸般の施策が、あるいは制度上、あるいは行政上打ち出されていくということになっておるのでございまして、さような点につきましては、これはやっぱり国のどうしてもやらなければならない問題であると、重要施策であるということで、真剣にその実現を期していかなければならないと思います。なお、御指摘の対策会議といったようなものは一体どうだと、こういうことでございますけれども、ただいま予算の要求を各省がそれぞれの立場からやっておりますけれども、これは予算を要求していく、四十三年度の予算を編成していくという上におきましては、私もその過程におきまして、対策会議というものを一応これを持ちまして、そして思想の統一、総合的な判断といったようなものを、そこを通してやっていかなければならないというふうに、私は考えております。
○柳岡秋夫君 公害基本法に基づいてこれから総合的な施策をしていく、それについては公害対策会議で審議をしてきめるということになっているわけですね。ですから私は、少なくとも各省がいろんな施策をきめる段階で公害対策会議を開いて、そして基本的な問題点について意思統一をして、幸い総理が会長ですから、これは予算的にもそこではっきりきまってくると思うんです。そういうことがなされて、初めて各省の予算要求も現実化してくると思うんですけれども、これから公害対策会議にはかってどうということになりますと、私はどうも姿勢として積極性に欠けているんではないか、こういう感じがするわけです。まあこれは、いずれまた機会を見てやりますが、まだ公害対策会議とか公害対策審議会というものも設置をされておらない。したとすれば、どういうメンバーがこの公害対策会議あるいは公害対策審議会に入っているわけですか。
○国務大臣(坊秀男君) ただいまのところは、対策会議または審議会は設置はされておりませんが、現在慎重にその範囲、人選等について検討を行なっておる段階でございます。
○柳岡秋夫君 国会を通ったのは、たしか七月でしたか、しかも、この法律は公布の日から施行すろ、こういうふうになっている。来年度の基本法に基づく実施法をこれから審議をして、そうして来年度から実施法を成立させて運営していこう。こういう段階で、いまだに公害対策会議なり公害対策審議会が設置されておらないというのは、これは私は、これまた非常に口だけであって、積極的な公害対策の姿勢が見られない、そう言わざるを得ない、こう思いますね。時間がありませんから、これはいずれ批判をしてまた政府に対して追及をしていきたいと思います。そこで、この実施法の問題ですが、環境基準あるいは救済制度、紛争処理、いろいろありますが、これらについての具体的な問題として、一つは紛争処理と救済制度の確立について当面は人の健康と生活妨害に関する事件を対象とする。特に被害の救済には、人の健康だけに限定をしているようですが、これは健康はもちろんですけれども、今日農林水産業に対する公害が非常に大きいわけです。これがまた補償をめぐって今日まで紛争があるわけです。なぜこの農林水産業については除外をしたのか――したのかと言うより、これから除外しようとするのか、その理由をお聞きしたい。
○説明員(武藤琦一郎君) 御指摘の点につきましては、人の健康なり生活妨害の問題が非常に緊急を要するもので、もちろん農林水産業の問題も緊急を要するわけでございますけれども、まず第一に取り上ぐべき問題として来年度に厚生省は要求したわけでございまして、その他の問題につきましては、それ以降におきまして当然制度を考えていかなくてはいけない、かように思っております。
○柳岡秋夫君 その理由を聞きたいわけですね。人の健康だけじゃなくて、やはり現実に農林水産業に対する公害による被害というものは、いままでのこの委員会におきましても、非常にばく大な額になっていることは明確になっているわけです。ですから私は、せっかくこの基本法に基づいて、こうした法律をつくるなら、そういう農林水産業に対する被害についても、この際救済制度を確立をしていく、こういうことが私は必要だと思う。なぜ第二次的に扱おうとするのか、その辺がわかりませんので、お伺いいたします。
○説明員(武藤琦一郎君) 厚生省の範囲としましては、農林水産問題は含まっていないわけでございますけれども、やはり緊急を要するものとして健康、生活妨害の問題を取り上げたわけでございまして、結果として第二次的に取り上げるようになったということでございます。
○柳岡秋夫君 ちょっと納得ができないのですがね。農林省は来ておりませんからあれですけれども、農林水産業に対する被害というものについては、これは所得が喪失されるわけですから、人の健康を保持すると私は同じウェートを持つと思うんですよ、生活がそれでとだえるわけですから、生活費というもので。ですから、やはりそれに対して早急に紛争処理と救済制度というものが確立されなければ、これは生活ができないわけですから、健康の問題と私は密接に関係があると思うんです。ですから人の健康だけを当面対象として、あとはあと回しだということは、私はちょっとこれまた積極的な公害対策の姿勢に欠ける、こう言わざるを得ないわけですね。 それからもう一つは、特定地域の指定についてですがね。これはまあ具体的に三地域と、こうなっていますが、先ほど千葉を含めてということですけれども、その三地域をもうちょっとお教えを願いたいということ――具体的にどことどこと、どこなのか。それからこの指定によってどういうような施策を考えておるのかですね。どのような効果がこの指定をすることによってあらわれ、どのような施策がなされようとするのか、あるいは国の財政というものがどういうふうに強化されるのか、その辺をちょっとお伺いしたい。
○説明員(武藤琦一郎君) 御質問の特定防止計画地域の問題でございますが、厚生省といたしましては来年度三地域を考えております。これは予算が取れましてから具体的に、最終的に公害対策会議等にかけましてきめるわけでございますけれども、私ども事務当局のほうとしましては、千葉を含めまして、たとえば千葉とかあるいは四日市、あるいは水島、そういうふうな地域が第一候補にあげられると厚生省では考えております。 それから、どういうふうな具体的な効果を生ずるかというふうな御指摘でございますが、この点は地域が指定されますと、それに伴いまして内閣のほうで公害防止計画の基本方針を示すわけでございます。この関係の予算も要求しております。それは、具体的にいろいろの都市計画をはじめといたしまして、その他の公共投資の方針等を示すわけでございますが、それに基づきまして関係都道府県知事は具体的な計画を策定するわけでございます。したがいまして、御質問になっておりますのは、都道府県の関係がそれに基づいて計画の実施をやる場合に何か具体的な援助がないのか、こういうふうな御指摘だろうと思いますが、その具体的な問題の実施につきましての援助計画につきましては、来年度以降におきまして関係各省と相談していきたい、かように現在のところ考えておる次第でございます。
○柳岡秋夫君 まだ要求の段階というか、どうも要求をするにはやはり確たる具体的な内容を持って大蔵省と折衝しなければ私はなかなか予算が取れないと思うんですけれども、もう少しやっぱり具体的に当局がやろうとすることについて、ひとつできるだけ詳しく説明をしてもらいたいと思うわけです。 次に、公害防止事業団の関係ですが、この出資金を新たに要求をする、こういうことについても私どもは、かねてからの主張でございますけれども、特に緩衝緑地帯の整備費について現在県と市と企業と三者で分担をして、国の補助金というものがないわけですね。こういう公害防止の一環としてやる事業について、私は国が全然補助をしないということについては問題があろうかと思うんです。この点について、たとえば具体的に千葉県の例をとりますと、三十億をかけていまやっているわけですね。これをいまの三者でもって分担をしていく。こういうことになりますと、地方公共団体の負担が非常に大きいわけです。ですから、この際国としてこれに対して四分の一なりの補助を出すということがやっぱり必要ではないか、こういうふうに思うんですけれども、 この点についてはどういうお考えであるか。あるいは金利の引き下げですね、現在七分ですか、初めは六分五厘と三年間はなっているようですけれども、これについてもこの際、今度の要求ですとどういうようになりますか、ちょっとわかりませんけれども、金利の引き下げもこの際やらないと、非常に地方団体に対する財政の圧迫というものが出てくるのではないか。現実に出ていると思うんですけれども、こういう点について、ひとつお伺いしたいわけです。
○説明員(武藤琦一郎君) 前段の緩衡緑地につきましての補助の問題でございますが、こういう点につきましては地方のほうで非常に要望が強かったので、厚生省といたしましては建設省と相談いたしまして、ただいま竹内局長のほうからお話がありましたように、来年度新たに補助金の要求をいたしております。それから利子の問題につきましては、厚生省の関係資料の四ページにございますが、中小企業・地方自治体に対しましては現在六分五厘でございますが、これを共同処理施設にきましては三分五厘、その他の施設につきましては四分五厘に利子の引き下げを来年度要求しております。
○柳岡秋夫君 次に、工業立地についてですが、先ほど来説明がありましたように積極的に進められていると思うんですけれども、たとえば石油とか電力事業なんかの新設あるいは増設については、現在のところは石油業法あるいは電源開発促進法とか、そういう法律に基づいて通産大臣が審議会にはかって、審議会の議を経て認可をする、こういうことになっているんですね。ところが今日、この公害の問題については石油関係の企業が一番大きく取り上げられているんです。したがって各地方団体も、この石油企業あるいは電力事業などの進出については非常に注意をしているわけですね。ところが、その新設、増設については全然地元に相談もなしに、一方的に審議会にはかって通産大臣が認可をすることになっていますから、地元としては公害対策を立てる上に非常に困るわけです。公害対策のためにいろいろな基本的な施策、方針というものを打ち立てておるけれども、中央は中央でかってにそういうふうにやられると、これは公害対策を立てる上に非常に迷惑をしているわけですね。千葉県等では、進出している企業と公害対策についての協定というものを結ぶようになっているのですけれども、そういうものを結ぶ場合にも、やはり事前に地元との何らかの話し合いがあれば、私はもっと協定もしやすいと思うんですけれども、一方的に上のほうでやられるということになりますと、これは問題がある。したがってこの際、私はやっぱり、そうしたどうしてもある地域に進出をしなければならぬというような場合には、これはあらかじめ地方公共団体と協議をするとか、話し合いをするというような、やはり中央のそうした配慮というものが必要ではないか、こういうふうに思うんですが、その点はいかがですか。
○説明員(矢島嗣郎君) 御指摘のとおり、火力発電所とそれから石油会社の精製所は、いずれにいたしましても公害の発生源としては非常に大きなものでございまして、地元の方がその新増設について深い関心を持っておられる、それから都道府県知事としては、何といいますか、そのあと始末に頭を悩まされるということは十分察するところでございますが、御指摘の発電所の関係と石油の関係ですが、片方は電気事業法、片方は石油業法でやっておりますが、発電所のほうは、許可するに際して十分地元と御相談して、地元の動向を見きわめた上でやっているものと了解しております。 個人的な経験を申し上げて恐縮ですが、二、三年前、私が公益事業局で電気のほうをやっていたときに、たとえば横浜の磯子の火力とかあるいは兵庫県の高砂の火力とかというようなことでいろいろ問題がございましたが、そういう際に、許可する際には、形式上の協議とか何とか、そういうことは別にいたしまして、実際上十分地元と話しを詰めましてやっておった次第でございまして、現在においてもそういうようなやり方はとられているものと思います。 それから、問題の石油でございますが、石油につきましても、おそらくそういう配慮が全然ないことはなくて、十分地元の動向を見きわめた上で許可をやっているわけで、たとえばことしの八月の際におきましても、姫路におけるある製油会社につきましては、いろいろ問題があったので、そういう点を解決するまでということでペンディングにしておられますが、はなはだ遺憾なことに、先生御指摘のとおり、千葉県のある製油所につきまして、わずかな増設分について都道府県知事その他と御相談する機会がなかったわけでございまして、この点は問題だと思いますので、私もこの間千葉県に行きましてそういう話を聞きまして、さっそく担当の鉱山局長に伝えましたところ、すでに鉱山局長も千葉県知事からの申し入れがございましてその点を十分承知しておりまして、今後は何らかの意味において地元のほうと十分許可に際しては意思疎通ができるような方法を検討することといたしております。
○柳岡秋夫君 この基本法の審議の過程で、企業の社会的責任というものを論議されているわけです。単に企業の利潤追求のためにのみこの進出なり増設をするということではなしに、やはり工業立地をする場合でも、やっぱり第一に私は健康なりあるいは生活環境の保全というものを優先的に行なわなければならないということは、これは審議の過程で何回も繰り返され、そうしてまた総理もそういうような発言をしたと思うのです。したがって、今後、工業立地の適正化法という法律もできると思いますけれども、そうしたものについては、ひとつ十分そうした原則というものを前提として、この企業の社会的責任というものを明らかにしていただきたい、まあこういうふうに要望しておきます。 それから、船舶の汚水、いわゆる油性汚水の問題ですけれども、これについて大体一つの処理所をつくるのに三億八千万くらいかかると、こういわれているわけですね。これが大体国は五〇%の補助だと、こういうふうになっているわけですけれども、この補助はちょっと低過ぎるんではないかというのがこの現地の意見です。少なくとも五〇%から七五%くらいまでにこの補助率を引き上げてもらいたい。 それからもう一つは、この運営費ですね。これが非常にばく大なものになり、年間三千万円くらいになるんではないかと、こういわれているわけです。そうしますと、こうした補助率の低さ、あるいは運営費の増大によって、処理コストが非常に高くなる。そうしますと、船がなかなかそこを利用しないでやっぱり海に捨ててしまう、こういうような危険性が十分今後考えられるわけですね。ですから、この際やっぱり五〇%の補助率をもっと引き上げる、あるいはこの運営費の三千万円についても、国がある程度の補助をするなり持つなりする。こういうやはり要求をしないと、せっかく金をかけてつくっても何にもならない、こういうことになるんではないかと思うのですが、その点はいかがですか。
○説明員(内村信行君) いまお話のございました点は、五〇%の補助ということは公共団体の処理施設についてでございますので、その点かと存じますが、さしあたり公共団体が処理いたしますのは一般の内航船舶、こういったような程度のものを予定しております。それでその施設費その他どのくらいにつくか、実際やってみませんとわからない点もあるかと存じますが、さしあたりは一応五〇%でやれるのではないかというように考えておりますが、さらにそういうような御指摘がございますれば、今後の経営状態その他をみまして、今後の検討問題かというふうに考えます。さらにこの点につきましては、石油業者あるいは造船業、そういったようなところでもこういったような廃油処理施設というものは必要になってまいりますので、そういうこととの関連も考えながら、さらに検討してまいりたいと思っております。
○柳岡秋夫君 もう一つ地盤沈下の対策ですが、先ほど言いましたように、経済企画庁にそういう一つの機関があり、あるいは建設省がやはりやっている、それからまた運輸省に――この資料の最後に、「ほかに、新潟地盤沈下対策事業費として」というようなのがあるのですが、運輸省としても地盤対策をやっている。こういうことで非常に私は地盤沈下対策についての一元的な施策というものが、どうもはっきりしていないのじゃないかというふうに思うのですけれども、この点はどういうふうになっていますか。
○説明員(山下武君) 御説明いたします。経済企画庁におきましては、先ほど御説明いたしましたように審議会がございまして、これを中心として地盤沈下の関係についてのいろいろの問題を討議調査していただいているわけですが、関係各省との十分な連絡をいたしまして、具体的な施策等についての連絡、あるいは施策の実施等を行なっております。新潟等におきましては、すでに通産省、農林省、運輸省等におきまして、具体的な地盤対策に関する措置は、従来からとられておりますし、さらにまた具体的な工業用水法に基づきました工業用水に関する規制等におきましても、すでに古くから川崎あるいは四日市、尼崎、西宮、大阪市等において規制区域をきめまして、実施をしているところでございます。それからまた、ビル用水規制等におきましても、いろいろの関係の施策――まあ建設省等におきまして具体的な地域に実施してもらっておりますし、またガスの地下分離実験等につきましては、新潟県あるいは通産省等におきまして具体的な施策を調査、研究いたしておりまして、関係各省とも十分連携を密にして仕事をしているつもりでございます。
○柳岡秋夫君 それは、それぞれの所管としてやってもらうことは当然であろうと思うのですけれども、ただ地盤沈下という一つの現象に対して、やはりそのために企画庁あり、建設省あり、運輸省あり、こういう形がどういう指揮系統というか、行政を進めていく上に一貫した筋をもってとられているかということを私は聞きたかったのです――わからないのです。経済企画庁のほうでも調査している、ところが建設省のほうも調査費を含めて予算要求している。それぞれやるのはいいでしょうけれども、調査をするのは一カ所でもってきちんと予算を使ってやったほうが、よりりっぱな調査ができるのじゃないかというふうに私は思うのです。そういうところにこの公害行政の非常に複雑なところもあるのじゃないかと思うのです。そこで、いずれあとで、またあるかと思いますけれども、特にいま新潟の問題がありましたけれども、東京湾の地盤沈下も非常に大きくいま問題化されているわけです。浦安等におきましては年間で一八・六センチでしたか下がってしまう。こういうことで住宅にしても、あるいは農水産業にいたしましても非常な大きい影響を受けているわけですね。これは工業用水のくみ上げ、これが非常に多くなっておりますし、特に東京都の関係が千葉県の場合は大きいわけですね。したがって千葉県だけの対策ではどうにもならない。やはり東京都を含めた、江東六区等を含めた、ああいう江東地域との一体化した対策というものをとられないと、この地盤沈下を防ぐことはできない、こういうふうにいわれておるわけです。したがって、そうした広域的な行政というか対策、そういうものを国としては当然考えなくちゃならない問題だと思うのですがね。こういうことについては一体どういうお考えなのか、調査をしておられるのかどうか。
○説明員(山下武君) 前半のことについてお答えいたしますが、地盤対策審議会のメンバーでございますが、学識経験者十人、それから関係省庁の次官九人にその審議会のメンバーになっていただいております。したがってこの審議会でいろいろ議題とし、あるいは内容とするものは、関係各省が全部この審議会におきましていろいろ連携をとりまして、またさらにそれぞれの省の具体的な仕事の分担関係を当然分担いたしまして、各省の施策に反映しておるわけでございます。 それから浦安地区の関係につきましての御質問でございますが、これは三十九年の七月十八日の審議会におきまして意見が出されておりまして、浦安地区の地盤対策について次の事項をすみやかに措置すべきであるというようなことで、四つの具体的な内容等を示されております。これにつきましては県で具体的な対策をとっておりますが、さらに国のほうにおきましても関係各省のそれぞれの分野におきまして具体的な調査をやっておりますが、特に東京関係でのゼロメートル地帯におきます水需要の増大を抑制し、あるいは土地利用の基本的な計画の策定、その実施に必要な具体的な方策に関する検討、軟弱地盤における建設工法等、建設省において研究していただいております。また、いろいろ企画庁にあります調整費等を具体的な調査費に充当いたしまして、国といたしましてもそれに対する対策を立てておる次第でございます。
○柳岡秋夫君 私は、きょうはこれでやめますけれども、とにかく最初に申したように、いろいろ聞いておりましてもせっかく基本法ができて、これから積極的にやろうという、そういうかまえがどうも私には見られない。これはこれから大蔵省と予算折衝をするに当たって、よほどの決意を持って各省が当たらなければ、これらの予算はおそらく認められないのじゃないか、こういう危惧をいたします。したがって、ひとつ厚生大臣はじめ各省は、やはり早く公害対策会議なり公害対策審議会というものを設置をして、そこで国の大きな方針として公害対策の積極的な方策をきめて、そして大蔵省に持っていく。こういうようなやはり予算の要求をしていかなければ、私はならないと思うので、この点にひとつ強く要望して、きょうのところは私の質問を終わりたいと思います。
○小平芳平君 柳岡委員から指摘がありますように、まあ概算要求の段階ですから、そうこまかい政策的なことは御答弁願うのは無理かもしれませんけれども、要はこれから大蔵省と折衝の段階でも、これ以上に地域が拡大されるとか、これ以上に予算がふえるということはあまりないわけですね。ですから、いまここでもってどういう姿勢で取り組んでいくかということが非常に大事な問題だと思うのです。で、これも柳岡委員のおっしゃっているように、公害対策会議なり、あるいは公害対策審議会、これはいつお持ちになる予定か、これはいかがですか。
○国務大臣(坊秀男君) 御指摘のように、予算の要求ということはたいへんむずかしい問題になっておりますけれども、しかしながら、本年度におきまして公害基本法ができて、政府が一歩この公害対策に飛躍的に乗り出すというスタートを切った年度でございます。そういったような年度に、何らかのそこに一つの画期的なと申しますか、一つの契機というものができるということが、私は公害基本法が樹立せられた一つの意義だと思いますので、どうしても公害基本法の趣旨が、その全部が全部四十三年度に実現されるということは困難といたしましても、少なくとも四十三年度に公害基本法のできた趣旨というものが盛り込まれなければならない。かような意味におきまして、私はこの予算の折衝の過程におきまして、できるだけ早く対策会議といったようなものを持って、そこで政府の骨子なり意気込みというものを、これを総合的にきめてかかる必要があろうということを、私も痛感いたしておりますので、できるだけすみやかにそういった会議を持ちたい、かように考えております。
○小平芳平君 こういう問題がその会議にかかるべき問題かどうか、ちょっとまあ私もよくわかりませんけれども、たとえば紛争処理制度は、これは「厚生省に外局として中央公害審査委員会を置く」となっておりますが、この紛争処理制度は、これは地域が限定されるのじゃないわけですね。これは日本全国が該当すると思いますが、それはよろしいですか。
○説明員(武藤琦一郎君) 紛争処理制度の問題につきましては、第一段階といたしましては、都道府県並びに主要都市に公害苦情調査員というようなものをまず置きまして、軽微な問題は処理させようという考え方でございまして、それから都道府県の段階では都道府県公害審査会というものを置こう。厚生省で考えております中央公害審査委員会というものは、これは二府県間にまたがる問題とか、あるいは府県の段階で非常に高度の技術的な判断を要するので中央で処理したほうがいいというような問題、あるいは当事者が中央公害審査委員会で、府県ではなかなか処理がむずかしいので中央段階でやることを適当というふうに要望するような問題、そういう問題を中央でやるということでございまして、二審制度をとっているというわけではございません、考え方といたしましては。
○小平芳平君 各県に置くことと、それから中央に置くことと、それは二審制度ではない、こういうわけですね。で、ここでもって紛争処理の事件が相当殺到するのではないかということも考えられます。それから調停なり、仲裁なりに、どういう人をこの委員としてお願いをするか、それからまた、この委員会で「調停と仲裁にあたらせる」となっておりますが、どういう問題が調停になり、どういう問題を仲裁するか。また調停の場合と仲裁の場合、その結果は当事者を拘束するようなものをお考えかどうか。
○説明員(武藤琦一郎君) 現在立案の過程で考えておりますのは、調停と仲裁に分けて考えておりまして、別個にそれぞれの専門家を依頼したいと、かように考えております。専門家の人選でございますが、来年度設置を考えております紛争処理の範囲ば、そこにありますように健康の問題と生活妨害の問題を考えております。したがいまして専門家といたしましては、法律の専門家あるいは医療の専門家、あるいは経済の専門家、かような方々を御依頼するというようなことを現段階では考えております。
○小平芳平君 それでどういう事件を調停し、どういう事件を仲裁し、拘束するかどうか。そういう点はどのようにお考えになりますか。
○説明員(武藤琦一郎君) 紛争処理の範囲の問題は、二ページに書いておきましたように、「人の健康と生活妨害に関する事件」をその紛争処理の対象としております。 それから、調停が強制制度かどうかという点につきましては、現在は両当事者がそれに承服しなければ、調停が具体的に働かないということになります。したがって、調停で話し合いがつかない場合には、場合によっては裁判ということになろうかと考えております。
○小平芳平君 ちょっと調停と仲裁がはっきりしませんけれども、この点はよりよく検討される段階でもあろうかと思いますから、このぐらいにいたしますが、やはりいま大臣が公害基本法ができて初めての予算編成であるという、そういう積極的な姿勢の上からいって、この各都道府県及び主要都市に委員会が設けられる、また中央に設けられるということは、これは前進だと思うわけです。思うわけですが、この人の健康に限るということは、これはやはり柳岡委員からも指摘があったように、現実問題としての紛争は――紛争といいますか苦情は、これは直接にもう健康を害するという段階は、二項の公害救済基金の設置のほうにむしろなってくるのであって、実際問題としては騒音が非常にひどくて眠れない、あるいは健康に影響する、あるいは特に農産物、水産物について、こういう影響で、こういう結果が出て困るではないか。こういう問題がむしろ大多数になりはしないかという気もするわけですがいかがですか。
○説明員(武藤琦一郎君) 御指摘の前段の人の健康と生活妨害に限るべきではなくて、そのほかの問題も当然紛争処理なり、被害救済制度の問題で取り扱うべきでないかということにつきましては、先ほど柳岡先生から御質問のとき申し上げたとおり、来年度につきましては厚生省といたしましてはその点に限ったわけでございますけれども、当然先生がいま御指摘になったように、そのほかの問題も当然取り扱っていかなくちゃいけないと、かように考えております。この問題につきましては、なお政府部内――主として農林省でございますが、にも申し述べまして、早急に問題の処理に当たりたい、かように思っております。 それから、いまの騒音等の問題のことでございますが、現在でも苦情処理のほとんど大部分は騒音それから、においの問題でございまして、これは専門の機械とか、あるいは専門家の調査を待たなくても、われわれの日常生活ですぐにわかる問題でございまして、こういう問題がやはりこの事件の中心になろうかと、かように思います。
○小平芳平君 大臣、いまの問題については、大臣はもちろん同じ御意見だと思いますけれども、四十三年度はさしあたって健康に限った、しかし将来において農林水産物も当然考える必要があろう、また騒音等も考える必要があろうという点についての大臣の御意見と、それからいまの部長さんの御答弁ですと、そういう問題は専門家をわずらわすまでもなくわかる問題もあるのだと言われましたが、ここに、ある工場があるとします。どうもそこの廃液なり、ばい煙なりの影響によって、周囲の田んぼからの米の収穫が著しく減ったと、こういう訴えがあった場合に、これがしろうとでも納得できる簡単な問題ならそれで済むわけですが、はたしてほんとうにその工場が原因なのかどうかということですね。そういう問題があるわけなんですね。ですから、そういうような問題を含めた、こうした苦情処理というもの、紛争処理というものを考えていかれる。こういう点が必要じゃないかと思いますが、いかがでございますか。
○説明員(武藤琦一郎君) 私の説明が不十分でしたので、あるいは御理解いただけなかったかと思いますが、来年度からでも騒音の問題等につきましては、生活妨害の問題が起ころうかと思いますので、当然扱ってまいります。 それから、いま私が騒音とか、あるいはにおいとかという問題は、専門家の調査を待たなくてもすぐわかる問題だと申し上げましたのは、その発見なり苦情がその被害者から直接直ちに申し出られるだろうということでございまして、その因果関係その他につきましては、当然科学的な専門の方、あるいは調査機関等によりまして、それが科学的に究明されるべきであろうと、かように考えております。
○小平芳平君 じゃ、要するにここにあるように、「人の健康と生活妨害に関する事件」ですから、私がいま言っておるようなことは四十三年度から全部入るわけですね。
○説明員(武藤琦一郎君) そのとおりでございます。
○小平芳平君 それでは次に、公害救済基金の設置についてのことでお尋ねいたしますが、これは前国会でもって公害関係の問題があったときに、四日市と阿賀野川と水俣、ここには医療研究助成補助金として二百万円ですか、これが四十二年度で出ております。これが四十三年度では百八十五万九千円ですか、こういうように減って、医療研究助成補助金というものが出ております。ところで私たちは、この医療救済については、これも四日市、阿賀野川、水俣と、あげられておりますけれども、こういうような問題が起きたから、あとからやむを得ずお金をつけるというのじゃなくて、もっと恒久的な制度が必要じゃないか。また、公害対策基本法でも恒久的な救済制度というものを規定しているわけですから、そういう意味の制度ができるものと期待をしておりましたが、現在考えていらっしゃる制度は、それでよろしいですか。
○説明員(武藤琦一郎君) 現在考えております制度は、被害者の方が発生いたしますと、直ちに被害者の方は基金に請求をして、それが厚生大臣が指定する地域であり、かつ指定する疾病でありますれば、当然直ちに医療給付が開始されるわけでございまして、そのあとで財源関係を、そのあとに書いてありますように、ここではだれがどの程度財源を負担するかということにつきましては、その一番最後に書いてあります中央公害審査委員会が決定するということでございまして、被害の救済につきましては、直ちに救済基金から被害の救済につきましての医療手当なり医療給付が行なわれるということでございます。 それからなお、研究補助金が減っているじゃないかという御指摘の点につきましては、いままでに医療研究助成金として実際には医療自己負担分の医療給付についてめんどうを見ておりました分につきましては、それは基金ができました暁にはそちらのほうに移行するという形で、これは来年度の後半から基金が発足するという考え方でございますので、減っているわけでございます。
○小平芳平君 ですから公害救済基金の設置によりまして、少なくとも医療給付及び医療手当については全部負担する。しかも地域が千葉、四日市、水島ですか、何かそういうような限られた地域では非常に困るのですね。たとえば四日市だけがそういうように限られますと、企業は何も四日市に行かなくても、その百メートル離れた別の町へ行けばいいというようなことにもなる、そういう点はいかがですか。
○説明員(武藤琦一郎君) 先ほど千葉、四日市、岡山と話が出ましたけれども、その問題は公害基本法によります公害防止計画の地域のことを、一応来年度三地域を大蔵省のほうに要求しているという御説明でございまして、基金の問題とは全く関係ございません。基金の問題につきましては、公害が起こりましてその地域に公害病という認定がされました地域は、当然給付の対象になるわけでございまして、この別表の六ページの始めのほうをごらんになると、おわかりになりますように、大気汚染公害十地区、水銀中毒事件二地区、それからそのあとで、自動車排気ガス公害六地区九十交差点とありますように、予算的には相当の地域を予想して予算を要求しているわけでございます。
○小平芳平君 それはいただいてないでしょう、その別表のあるのは。
○説明員(武藤琦一郎君) 先ほど御説明いたしました「昭和四十三年度公害対策の推進について」という、この活版印刷の別表に載っております。 〔委員長退席、理事柳岡秋夫君着席〕
○小平芳平君 わかりました。この地域の指定については、いまの御説明でよくわかりました。地域を指定する場合には、現に病気が起きているかどうか、それを問題にしていかれるというので、それでわかりますが、地域指定については、私は先ほど言ったような問題も起こるわけだと思うのです。地区指定する場合と、何々市何々町というような指定をする場合とあると思いますが、そうしたものを市町村で指定しますと、そこへ行かなくてほかへ行くということになる。そこで住民は泣き寝入りする。泣き寝入りするようなところへはそうした企業が行って、また公害をまき散らすというような結果にならないように申し上げておるわけです。この点はむろん同感だと思いますが……。 次に、四日市の場合と言ってあげてありますが、発生原因者が企業の場合は、その八分の五を企業が持つと、これはだいじょうぶですか。要するに企業に八分の五持たせるということは、その企業がまた大企業あり、中小企業あり、また煙突のないような企業が、そうしたばい煙のほうを持つ必要はもちろんなかろうと思います。そうした点についてはどうお考えになりますか。
○説明員(武藤琦一郎君) 前段の御懸念の、公害病患者と考えられるのに、指定地域外になるようなことはないかというような御心配につきましては、私どもとしてはそういうことは絶対ないように制度を考えていきたいと、かように考えております。 それから、御質問の第二点の、企業の負担についてうまくいくだろうかという御疑念につきましては、現在の制度としては中央公害審査委員会におきまして、企業の範囲、それから負担割合等を決定するということを考えております。これにつきましては、企業から出す原因の量とか、そういうものを当然科学的に究明いたしまして公平に考えていく。その際に中小企業等についていろいろ配慮すべきじゃないかということにつきましては、制度の過程におきまして合理的な範囲で考えていくべきだ、かように考えております。
○小平芳平君 それではちょっと時間もおそくなりましたので、次の問題を――通産省では自動車安全公害研究センター、この拡充をはかるということをさっき説明されましたが、運輸省のほうでは排気ガス及び騒音防止の研究で七人増員して、この研究をしていくということを御説明になりましたが、この関係はどういう関係になりますか。特に運輸省のほうの増員七人というのはどこの増員か。この表の説明では、四十三年度に新しく増員七人を要求してどこを強化されるかということ、この点について説明していただきたい。
○説明員(内村信行君) ただいまの御質問でございますけれども、まあ公害それから安全についてもそうでございますが、通産省のほうでも、安全公害に関する研究センターというものが要求されております。また私どものほうでも、交通安全公害研究所、こういうものを設けたい、このようなことでございます。これはまあ所管につきましてはいま始まった問題ではございませんで、いままで私どもといたしましても、運輸省の中にございます船舶技術研究所、こういうところの注文で、自動車の安全公害に関しての研究というものは進めておったわけでございます。ただここで出しましたのは、今日公害とか安全とかいうものは非常に重要な問題であり、なおかつ、これについては研究を進める事項が非常に多いということから、この際独立させまして、責任体制を明らかにして強力に進めたいという意向から今回提出した次第でございます。したがいまして、この通産省と運輸省の問題は一応割り切られた問題でございまして、ここで新たにその所管の問題が出るという問題ではないと思います。この点につきましてもう少し申し上げますと、大体通産省のほうは生産面から所管しておる。運輸省というものは、これに対しまして、たとえば道路運送車両法というような法律がございまして、 〔理事柳岡秋夫君退席、委員長着席〕 それによって、あるいは自動車の検査であるとか、整備であるとか、そういう方面を担当しております。主として使用の方面から担当しております。したがいまして通産省のほうにも官房長同士の覚え書きがありまして、通産省は生産の面から、運輸省は規制の面からこれを担当するというふうなことがはっきりいたしております。また、それについての摩擦というものはないというふうに考えております。 それから先ほどの増員につきましては、自動車交通安全公害研究所、そこで安全の問題、交通の問題、ともにやるわけでございますが、これに出してございますのは公害の予防について、そういうふうなことをやるということでございます。
○説明員(田中芳秋君) ただいま運輸省のほうからお話がございましたけれども、さらにちょっとふえんする形になりますが、運輸省のほうでは自動車の整備あるいは検査という面を中心に技術の研究をやっておられる。私どものほうは自動車の生産、こちらのほうを担当しておりますので、いま御指摘の排気ガス、この面につきまして生産技術からどこまでこれを引き下げ得るか、また目標を掲げて技術の開発をさせる、こういうことを中心にやっておるわけでございます。自動車をつくりまして、あと、これが運行段階に入りますと、必ずしも当初生産いたしましてまず数カ年はこれでいけるということになりましても、それぞれの自動車の運行の状況と申しますか、そういう面で、当初の目標とは違った性能と申しますか、そういう状況にもなろうかと思いますが、その点がいま運輸省からお話がございました整備あるいは検査等を通じましてチェックをしておられるわけでございます。したがいましてこの辺は、生まれるときと、それからさらにそれが使用されるときとの関係になりますので、先生御指摘のように、まさに裏腹と申しますか、表裏一体をなすものでございます。私どもといたしましても、両者間の密接な連絡をとりながら、この辺の開発に全力を注いでおるわけでございます。
○小平芳平君 この運輸省の問題は、私は何もそういうように行政が繩張り争いをしているということを言っているのじゃないのです。私が前国会でも申し上げた点は、船舶技術研究所の中で自動車の排気ガスを研究しているのはむしろ少しおかしいと、もっと排気ガスでどのくらい大衆が悩まされているかということを考えたならば、船舶技術研究所の中で、わずかの人数で、わずかの研究費でやっている段階ではないではなかろうかということを申し上げたことがあったのであります。ですから、要はこの七人が、この面の担当をなさるわけですね。こういう面をとにかく排気ガスが減るように、すっかりなくなればなおいいけれども、すぐそうはいかないまでも、それを期待しているわけですから……。 最後に建設省にお尋ねしますが、さっきの厚生省のときにお尋ねすればよかったのですが、ちょっと順序がおかしくなりましたが、建設省では都市開発資金という中で住宅移転費、新住宅団地建設費、区画整理事業費というふうに、総合的公害対策事業というものを都市計画の上から考えていらっしゃるわけでありましょうけれども、どういう観点で新しくこうした住宅団地をつくり、あるいはまた都市が行き詰まったから都市を移転させるというようなことは、どういう基準で取り上げていらっしゃるか。かりにさっきの四日市の例でいけば、コンビナートの間にはさまれた何十軒か何百軒かの人は、とても人の住めるところじゃない、早く移転したいのだという問題が起きているわけですね、現実に。それを今度はどこへ持っていっていいかわからないわけですね、はっきりと。じゃ、それはどこどこで扱うということがはっきりしないと困るわけです。で、建設省のこの住宅対策、都市計画に対する考え方、いま言うような四日市のような移転の問題は、建設省としては手がけるべき問題であるかどうか、その点はいかがですか。
○説明員(竹内藤男君) 四日市の例で申し上げますと、四日市の場合には、いわゆる石油公害でこの地域につきましては相当大気汚染が進んでおるというようなことが、厚生省あたりの調査からわかってきておるわけです。それをもとにいたしまして、特に大気汚染のひどい地域につきまして、何とかまず取り上げていきたいと思うのは、何とか既存の住宅と、それから重化学工業と申しますか、そういう埋め立て地に、あるいは内陸にございます重化学工業の間にはさまれております住宅を、何とか分離していきたい、そういうことで、一つは区画整理事業によりましていわゆる遮断的な広場をつくっていくということをやっておるわけでございます。 それからもう一つは、その山手のほうに団地の開発をいたしておりまして、そしてそこに新しく建つ住宅あるいは既存の住宅から移りたいというような人の住宅を、そこに収容していこうということで、郊外部のほうにむしろ住宅地を考えておるわけでございます。具体的な住宅移転につきましては、公営住宅あるいは不良住宅というのがございまして、そういう不良住宅の移転改築――除却して改築するというような移転事業、あるいは公営住宅の移転というようなことを、ここへ掲げておる金額では考えておるわけでございます。いわゆる民間の方が持っておられる住宅につきましては、これが個々に移転させるというような話では、ちょっと政策として取り上げにくいものでございますので、昨年度いろいろ地元の方と打ち合わせをしたんでございますけれども、なかなか集団でお移りになるという形にまだ現在なっておりません。四十三年度におきましては、いわゆる民間の住宅部分を移転するということは現在のところ考えていないわけでございます。ここに書いてございますのは、書き方がまずうございまして、都市開発資金の中に住宅移転費その他が入っているように書いてございます。そうではございませんで、都市開発資金のほうは、主として大都市の既成市街地の中の工場が移転しようという場合に、一番問題はあと地を買い取るという点にございますので、その資金を公共団体に融資しようという資金でございまして、いわゆる住宅の移転につきましては、先ほど申し上げたような考え方で進んでおるわけでございます。
○植木光教君 先ほど視察報告がございましたが、それに関連をいたしまして、砂利採取規制の問題について通産大臣に御質問したいと思います。大臣には非常にお忙しいところを来ていただきましたので簡潔に質問を申し上げたいと思います。 先ほど報告にありましたように、京都府の城陽町、田辺町という、いわば平和な田園都市の中に、最近一日六千台のダンプカーが入ってきて砂利、砂を採取しておる。地元では、ふるさとの山河が阪神地方に移動していくということで非常に胸を痛め、対策を練っているわけでありますけれども、大臣は主管大臣として、また万国博覧会にも関係があると思いますので、この際、この地方の砂利採取の被害についてどれだけ認識を持っておられるか。それからまた、今後、この規制についてどのような方針で対処される御決意があるのかということを、まずお聞きをいたしたいと思います。
○国務大臣(菅野和太郎君) いま植木委員の述べられたことは、京都府の城陽町のことじゃないかと思いますが、実はこの間城陽町の町長等、有力者が大ぜいまいりまして、私、詳細にその実情を承りました。なお、この問題につきましては、大阪の通産局が主としてあたっておりまして、通産局側からもいろいろ情勢を聞いております。まあ御存じのとおり、この砂利採取法というものは十年前に制定されたものでございまして、いわゆるおか砂利というような問題は当時あまり予想しなかった問題でありますからして、したがって今日、そのおか砂利の採取については非常な弊害があるということはわれわれも十分に認めておりますので、この際、この砂利採取法をひとつ抜本的に改正をして、そしてひとつそのおか砂利の採取や何かで住民に被害を及ぼさないような、防止をするような法律にしたいということで、いま通産省ではその法案について目下検討中でありまして、必ず次の国会にはその法案を出したいと、こう考えております。
○植木光教君 法改正については、あとでお聞きをすることといたしまして、現実に人家、田畑、道路が非常に荒れてきているわけです。また、騒音だとか交通事故で非常に悩んでおる。そこで現在の砂利採取法第九条の中に公益保護の規定があるわけですが、これは京都府議会においても全会一致で、これをなぜ適用しないのかといって非常に強い要請をしているわけです。この間、委員長をはじめとして皆さんがここへ行って、この点についての陳情も受けたわけでありますけれども、なぜこの適用ができないのか、これの運用ができないのか、明らかに公益を侵害されている。また、損害防止のための必要な措置を、なぜ業者にもっと強くこの法を活用して――不備でありますけれども、この現在の第九条を活用してその措置をとらせないのか、この際お聞かせをいただきたい。
○国務大臣(菅野和太郎君) ただいまのお尋ねの件ですが、事実上行政指導はやっておりますけれども、しかしお話のとおり、いろいろ道路をいためたり、田畑をいためたり、あるいは騒音などで相当の損害を、公害を受けておりますので、したがいまして、いまの第九条の適用については具体的に町長などとも相談して、これをひとつ適用したいということで、目下いろいろと話し合い中であります。
○植木光教君 第九条の適用については、もう早急にその態度をおきめいただきたいとともに、すでに損害が、被害が生じているわけでありますけれども、この被害の補償について当然業者に責任を取らせるべきであるというふうに私どもは思うんです。この間視察をいたしましたときには、まだ業者というものの把握が十分にできていない。まあ、これは特にトラック業者についての把握が十分にできていないということでありましたが、これをもうすでに何日かたっておりますので、完全に把握されているのか、そしていま申し上げたように、トラック業者あるいは砂利採取業者に補償の責任を取らせるべきであるというふうにお考えになっているかどうか、お聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(菅野和太郎君) トラック業者などについては、道路の修理とか、そういうようなことについては具体的にやらしておりますが、しかし、その損害の補償という問題になってきますると、これはやっぱり法的根拠が要るのでありまして、したがいまして、そういう問題は第九条の問題で解決したいということで、具体的に町長などとも相談して、この問題を解決したい、こう思っておる次第でございます。
○植木光教君 それでは、大臣にその措置を期待いたしたいと思いますが、先ほどお話がありました、現行法については非常に不備があり、法改正をしたいということでありますが、先ほどの予算説明の中にも、砂利採取法を改正しようということを表明されているわけでありますが、一体、どういう内容にしようとせられているのか。たとえば採取業者を許可制にするのだとか、あるいは許可条項の中に公害防止の義務を盛り込むとか、あるいは罰則を強化するとか、そういうような方向で法改正を練っておられるのかどうか。
○説明員(吉光久君) 先ほど大臣からお答えございましたように、一般の河川砂利がだんだんと枯渇してまいっておりまして、山砂利、おか砂利の採掘がだんだんと量的にふえてまいっておるようでございます。現行法自身ができました十年前は、河川砂利を中心にして砂利の採取が行なわれておりました。したがいまして、そういう実態の変化に伴います状況に即応したような、そういう形での砂利採取法の改正を考えておるわけでございますけれども、基本といたしておりますところは、あくまでも公害防止の観点から、採取法の改正をやろうというふうな立場でございまして、その第一点といたしましては、従来砂利採取業は営むこと自身は自由営業でございました。だれでもできる。ただ、営業したあとに届けさえすればよろしいというたてまえになっておったわけでございますけれども、そのたてまえをさらに強化いたしまして、むしろ、砂利採取業者自身について事業登録制というふうなことで、ある一定の要件を備えておる者のみがこの砂利採取業ができるというような形に、自由営業から登録制への改正という点が第一の柱でございます。 それから、第二の柱といたしましては、現在、採掘行為そのものが事前に調整できない、いわば事後の監督命令というようなことでカバーいたしておるわけでございますけれども、具体的な掘採行為自身について許可制と申しますか、認可制と申しますか、ちょうど鉱山を掘ります場合に、鉱山保安上のたてまえと、それから地下の掘採等、数多くございますので、施業案認可という制度があるわけでございます。詳細な、その現地ごとの掘採計画を通じまして、それを事前に認可するという制度があるわけでございますが、そこらのたてまえと同じような形で、そういう事前に掘採計画について施業案を立て、それについて認可を求めるというような、そういう内容に改正いたしたいというのが、第二点でございます。 それから第三点は、これも先ほどお話のございましたように、いわゆる公益保護命令と称しております現在の命令が、河川砂利を中心にして考えられておりました関係上、発動要件が非常に狭くなっておりますので、これを現実に合った形でその発動要件をさらに広くするということ、あるいはまた、状況いかんによっては営業停止処分ができるというふうな、そういう形にまで強化してまいりたいということが第三点でございます。 その他さらに、公害防止の観点から、それぞれ強化すべき事項があるわけでございますけれども、一応、大きな柱といたしましては、以上の三点を考えておるわけでございます。
○植木光教君 時間がございませんので、あと一点だけお聞きをし、また要望しておきたいと思います。 万国博覧会の建設工事がこれから大々的に起こります。それから全国的にも、こういう砂利公害というものはいろいろな面で大きな問題になってくる。公害は早いうちに芽をつんでおきませんと、たいへんなことになると思いますので、ひとつこの際、現実に起こっているいまの京都府の特殊な大きな問題を、早急に解決するということを強く決意をしていただくとともに、今後、他山の石、というよりも他山の砂利と申しますか、このことを教訓としてこの問題に取り組んでいただくということについて、大臣の御決意をお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(菅野和太郎君) 現実の問題といたしましては、先ほどお答え申しましたとおり、第九条の発動ということで、いま具体的に検討いたしておりますから、それによって解決したいと思います。 それから砂利の問題については、これはもう少し私としては根本的に考えなければならぬ、砂利にかわる代替物をこの際つくるということ、それからあるいは砂利が、もし日本国内においてもうすでに枯渇しておれば、海外から輸入をするということも考えなければなりません。私はこの間、韓国に行って、韓国の川を見て、韓国では相当まだ川砂利が取れるじゃないかと思いました。そういうようなことも、この際考えてみる必要があるのじゃないかということで、今後この砂利の問題を根本的にひとつ検討したい、こう思う次第でございます。
○大倉精一君 時間がないようですから二、三の点について端的に御質問申し上げたいと思います。 まず国鉄当局にお伺いしますが、先般山陽新幹線の建設に伴う騒音公害の問題で現地の視察をいたしましたが、そのときに現地からいろいろな要望がありましたので、この点について端的にお尋ね申し上げたいと思います。 まず第一番には、現地の諸君は非常に静かな環境に住んでおるのですけれども、今度新幹線ができるというと非常に騒々しい地区になるのではないか、こういうことを心配をされておるわけであります。したがってそれがために、この新幹線の両側の地区に対しまして、より広範な土地の買い上げをやってもらいたい、こういうような要望があるわけであります。ところが、いま国鉄のほうでは両側十三メートルという買収の範囲をきめておられるようでありますけれども、十三メートルというのは根拠があるのか、これをまず第一番にお答えを願いたいと思う。
○説明員(内村信行君) 本件につきましては、ただいま国鉄当局がきておりませんが、あちらで待機しておりますのでいま呼びましたので、参りましたらさっそくお答えいたさせます。
○大倉精一君 じゃ、通産大臣お忙しいようですから先にやりますが、その前にこれは公害全般の総括的な責任者というのはどこですか。公害全般、騒音あるいは排気ガス等を含めて総括的な責任担当省はどこですか。
○説明員(武藤琦一郎君) 公害基本法の主務大臣といたしましては、厚生省が公害基本法の制定につきまして努力いたしましたので、いろいろの連絡等につきましては厚生省がやっております。
○大倉精一君 連絡じゃだめでして、やっぱりちゃんとやらせる権限を持った総括者がいなければ、指令官がおらずに戦争をやっているようなものですよ。ですからここで公害対策特別委員会なんて大きなものをつくってぎゃんぎゃんやっておっても、組織ができなければしかたがないのです。で、その一例を申し上げますけれども、いろいろな法令ができ、あるいは省令を出し、あるいは勧告をし、通達を出しても、実施されなければ何にもならぬということなんです。実はその一例といたしまして、高圧ガスの貯蔵に関しては地下貯蔵式にせいという省令があるはずなんです。しかも現存のものについては地域指定をして、地域指定した場合においてはこれは地下貯蔵式に改造せいという省令があるはずなんだけれども、東京都の場合はこれはどうなっているか。これはどこでお答え願うか……。
○説明員(吉光久君) お尋ねの件でございますけれども、高圧ガス取締法というものがありまして、この高圧ガス取締法に基づく取締規制でいまのような、ある特定の都市で、ある一定の区域に入っておりますものにつきましては、貯蔵タンクについて地下ピットに入れるという形になっておるわけでございまして、お尋ねの東京都につきまして、実は私突然の御質問でございますので、東京都自身がどこまでできておるかという点についての数字を持ち合わしておりませんので、後ほど御報告さしていただければ幸いだと思います。
○大倉精一君 これは通産大臣の所管だと思うのですがね。突然の御質問なんてあなた言われますけれども、省令を出したんでしょう。あなたのほうで省令を出した。しかも東京都というのは足元ですよ。一体東京都のどの場所が省令どおりに指定をされて改造しましたか。それはわかるでしょう。通産大臣どうですか。そんなものわからないんですか。
○説明員(吉光久君) 実は先ほど申し上げましたように、何にもきょう資料を持ってまいらないで来ておりますので、間違ったお答えをいたしましても恐縮かと存じますので、いずれあらためて御報告さしていただきたいと思います。
○大倉精一君 まああまり上のほうじゃわからぬかもしれませんけれども、係官の方見えていますか、そういうのを担当してみえる窓口の係官は。
○説明員(吉光久君) 実は本日砂利の担当者は参っておるのでございますけれども、そちらのほうは実は本日参っておりません。
○大倉精一君 そんなこと一々調べなきゃわからぬのじゃ、どうも公害対策特別委員会もなめられておりますね、われわれは。一体その省令は、既存のものについては地域指定はいつまでにするというぐあいに行政指導をやっておいでになるか。どなたかわからんですか。通産省に伺ったらわかるでしょう、これは。
○委員長(松澤兼人君) 武藤公害部長お答えできますか。
○国務大臣(菅野和太郎君) ただいまお尋ねの件ですが、やはりここで答弁する以上は正確な答弁をしなきゃいけませんので、資料をいまここに持ち合わせていないものでございますので、これはあらためてひとつ大倉委員にお答えしたいと思います。
○大倉精一君 資料は要らんですよ。既存のものについて地上に出っぱっているものですね。これは地域を指定して地下埋蔵式に改造しなきゃならぬが、地域指定をするのはいつまでに指定せいという行政指導の方針があるのかないのか。省令を出しっぱなしで知らぬ顔をしているのか。大体いつごろまでに地域指定せいという行政指導の方針があるのかないのか。これは資料も何も要らないでしょう。
○説明員(吉光久君) まさに御指摘のとおり、そういう制度はあるわけでございます。都心部におきましては全部地下に埋設するというふうな基準になっておるわけでございますが、厳密に何年までにどうという点について実はいまはっきりとお答え申し上げるだけの自信がございませんので、後ほど御報告さしていただければと思うわけでございます。
○大倉精一君 これ以上聞いてもわからなければしようがないが、これはきつくしかりおきます。こんな簡単なことを委員会で答弁できないような、そんなばかなことはない。ですから冒頭に私は総括責任省はだれかと聞いた。厚生省が総括責任者であれば知っているでしょう。特に最近においては、プロパンガスの、あるいは高圧ガスのタンクで火災が起こったという想定のもとに消防庁では大がかりな演習をやっておったでしょう。これは御存じでしょう。そういうものを知っておって、私はこういう簡単なことまで答弁ができないということについては、推して知るべしなんだ、公害に関するあなた方の熱意というものは。ですから、これはもうこの次の委員会までにはっきりしておいてもらいたい。 じゃ資料を要求しますけれども、住宅地あるいは準住宅地といいますか、こういう東京都において地域指定をしなければならぬような場所は何カ所あるかということとを、ひとつ図面をもって知らせていただきたい。その一部を視察に行こうと思う。そうでないと、これは法律ができても何にもならぬ。それをきょうは要求をしておきます。 それからもう一点は、そういう危険な場所ですね。プロパンガスなり、あるいは高圧ガスなり、そういう現地の指導というものはどういうぐあいにやっておいでになるか。ときどき現地へ行って指導しているのか、見ておられるのか。この点について点検は、あなたは係じゃないのですか、だれか係の者を。
○国務大臣(菅野和太郎君) 局長からちょっとお答えをさせます。
○大倉精一君 言えますか。わかりますか。
○国務大臣(菅野和太郎君) 一般的なことは……。
○大倉精一君 それでは言ってください、現地指導の実態について。
○説明員(吉光久君) すでに先生御存じのごとく、高圧ガス取締法に基づきますそういう取り締まりそのものは各都道府県知事がやっておるわけでございまして、実際問題としまして、各都道府県の担当官が現実に現地へ出向いて監督する、これがたてまえになっておるわけでございます。ただし、それだけでは十分でございませんので、実は高圧ガス保安協会というところの点検、指導等を――昨年、本年にかけて、逐次全部にわたりまして点検、指導を現在行ないつつあります。
○大倉精一君 じゃ、この点についてもう一点だけお伺いしますけれども、現実にそういうものがあるために、その付近住民が非常に迷惑をこうむって、生活の安寧といいますか、これに重大な影響がある、こういった場合に、ある時間を区切ってその企業活動を停止する以外にない、企業活動をやめさせる以外にない。こういうケースがあった場合に、たとえば深夜営業をやめさせるというような行政指導というものはどこがやるのですか。そうして、そういうことができるものか、できないものかわかりませんが。
○説明員(吉光久君) 現在の高圧ガス取締法におきましては、まさに爆発そのものについての取り締まりを中心といたしておりますので、深夜におきますところの一般騒音公害等につきましては直接の規制の対象になっていないわけでございますけれども、ただ営業者自身が付近住民に迷惑をかけるというふうなことは、これはやるべきことでございませんので、事実上の行政指導という形で各都道府県を通じて指導に当たらせておるというのが実情でございます。
○大倉精一君 大臣お帰りになるそうですから一点お伺いしますけれども、いまのようなことで、精神訓話だけじゃなかなかこんなものはだめですよ。それで大臣にこの際お伺いしておきたいのだが、いまのプロパンガスなり、あるいはガソリンスタンドの許可基準というものは、危険防止という点に考慮が払われておって、騒音その他の公害については考慮が払われてないのですね。この点についても私は法改正をしなければいけないと思うのですけれども、そういう点について、いま公害の問題が非常に大きな問題になっておりますから、騒音等の公害に関しても許可をする場合に、基準の中に含めるという法改正を考慮する必要があると思うのですけれども、大臣御所見いかがでしょうか。
○国務大臣(菅野和太郎君) いまのLPガスその他いろいろ騒音の問題ですが、こういう問題については、いまのLPガスの保安の問題について私ども検討して、できれば前国会に出したいと、こう考えておったのでございますが、いろいろの関係でなかなか法案審議がおくれましたので、前国会に出すことができなかったわけでございます。LPガスの問題が近ごろ頻発いたしておりますので、したがいまして、いまの高圧ガス取り締まりのみならず、LPガス自体の保安の問題についてもう少しわれわれも突っ込んだ研究をして法案を出したいということで、目下いろいろ審議をいたしております。
○大倉精一君 答弁が違っていますね、私の質問とは。つまりLPガスの認可をする基準というものが、保安ということに、危険防止ということに考慮が払われておって、騒音その他の公害に対して考慮がなされていない。こういう点を改めなければならぬのではないかと思うのですけれども、これに対する答弁が、いま違っているのですね。保安の問題はむろんですけれども、同時にいま公害が非常にやかましい問題になっておりますので、この公害の問題も付随的に重大な問題になっておるのです。そういう問題も認可もしくは許可基準の中へ入れる、こういうことを検討しなければならぬと思うのですけれども、これはいかがでしょう。
○国務大臣(菅野和太郎君) 私が申したのも、そういう意味も含めて申し上げたのでありまして、なおこの騒音の問題につきましては、これは騒音全体についてひとつ何か取り締まり法を設けたらどうかという意見がいま持ち上がっておりますので、これは運輸省なり、ほかのほうとも相談しなければならんでしょうし、騒音というものが今日公害の重要なエレメントになってきておりますから、そういうことも根本的にわれわれのほうとしては検討いたしておるわけでございます。
○大倉精一君 これは、資料を要求しましたから、出てまいりましてからさらにお伺いしたいと思います。詳しくひとつ具体的にやろうと思っております。ともすれば、公害というと四日市とか何とか、はでに公害が取り扱われておりますけれども、個々のそういう陰に隠れた公害、これが東京都には一ばいあるわけです。これに対する配慮がほとんど行なわれていない。こういう現状をどうしても、これは改めなければならない思っております。 特に、これに関連いたしまして――警察庁おりますか――たとえば騒音の中の自動車騒音で一言申し上げますと、坂道がある、そこが夜中の交通が非常にひんぱんである、道路も非常に狭い。こういった場合に、当然これは坂の上からおりてくるような一方交通とする。これは一日中とは言いませんけれども、時間を限ってでもいいから一方交通としなければならないと思うのですけれども、そういう場合に一方交通という規制はできないものか、これも一つお伺いしておきたい。
○説明員(関忠雄君) 自動車の騒音にからみまして一方通行の問題でございますが、一方通行という規制を行ないますためには適当な迂回路――ある道を一方通行にいたしますと、その反対の通行の道がやはり適当のところにあるといった状況等がございませんと、なかなかむずかしい場合もあるわけでございます。個々具体的な場合につきましては、坂の条件等によってそれぞれ一方通行の指定ができるような場所も、これはかなりあるわけでございまして、そういう場所につきましてはそのような措置も必要に応じて順次とっておるわけでございますが、その道路の形状等からしてそうできにくい場合もある。そのような状況にあろうかと考えます。
○大倉精一君 どっちつかずの答弁で、結局わけのわからない答弁です。非常に事態は明瞭なんです。非常に明瞭なんで、道幅は五メーター六十あるいは七十ですから、交通がひんぱんになれば当然一方交通にしなければならないところです。しかも、いまも申し上げましたが、大体、深夜に坂の下から上にブーツと上がるものですから、付近の住民はほとんど寝られない。こういう場合には坂の上から来るような一方交通にすべきであると思うけれども、そういう一方交通の規定というものはないのですか。
○説明員(関忠雄君) いささか弁解じみる面もあろうかと思いますけれども、道路交通法に基づきますところの交通の一時制限――一方通行はその中に入るわけでございますけれども、交通の安全円滑ということがその目的になっておるわけでございます。したがいまして、公害問題と申しますか、付近住民の迷惑といった問題に対してあまり強い規制はむずかしい場合もあるわけでございます。しかし、実際問題としまして付近の住民の方の迷惑ということと、交通の安全円滑の問題とからむ場合が多うございます。それらの場合に、道交法に基づくところの禁止、制限の指定は当然できるわけでございまして、現にそういうものも実施をいたしておるわけでございます。個々の具体的な場所につきまして、その場所が一方通行になれば非常に好都合であるが、まだできておらぬのはなぜかというようなことは、ちょっといまお答えいたしかねる面があろうかと思いますけれども、理屈の面では一応そういうふうに考えております。
○大倉精一君 わかりました。それは、あとから場所を申し上げますから、その場所を見てもらって、そうしてそこに一方交通をしなければならぬかどうかを、ひとつ判断してもらわなければ、抽象的に申し上げてもまずいと思いますから、場所を申し上げますから、調査をしてもらいたいと思う。特に、警察のほうで立て看板等をして、静かにしてくださいとか何とか書いてある。書いてあるけれども、立て看板のしっぱなしで、さっぱり指導しない。あるいは場所によっては、ここでタクシーに乗っちゃいけません、乗せると罰金を取られますと言ったって、知らぬ顔してタクシーに乗っておる。百五十メートルくらい向こうには交番がある。そういうことでは、いかに公害対策をやったって何にもならぬことになる。ですから、いまの問題は、あとから場所を申し上げますから、そこをひとつ現地を見てもらって、そういう簡単な措置がとれるものならすみやかにとってもらいたい。まあ、この問題は、あとでまた公害の問題その他で申し上げますが、きょうは時間がありませんからやめておきます。 最後に、きょうは交通問題をやる時間がないのですけれども、この次に交通問題をおやりになるときの基礎として、ひとつこの際注文しておきますけれども、運輸省の方見えていますね。それから行政管理庁――。この次に私がお尋ねしたいという重点は、交通運輸関係の要員についてお尋ねしたいと思うんです。特に、この前の国会においては、俗に言うダンプカー規制法、こういうものができましたけれども、これに伴うところの要員はどういう計画になっておるか、こういうことを重点にしてひとつお伺いをしたいと思います。つまり、言うなれば交通関係はどんどんどんどん激増しておりますけれども、これを取り扱う人間はさっぱりふえていない。しかも行政管理庁のほうでは公努員はふやさないとか、減らすとか言っておりますけれども、これはふやさない場所と、画期的にふやさなければならない場所があると思います。特に交通関係がそうだと思う。そこできょうは、そう時間がありませんから、いまから申し上げるものを読んでもらって、この次の冒頭に、ひとつこれに対する所感を伺ってから質問に入りたいと思う。これは一九六七年十月に、全運輸省労働組合から出しておりまする「陸運関係要員・予算要求書」、副題として、「職場の実体と問題点」、こういうのがあります。これはひとつ、これを全運輸のほうから取り寄せて、これを読んでいただいて、この次の委員会の冒頭にこれに対する所感をひとつ報告をしてもらいたい。それだけきょうは要請しておきますが、よろしゅうございますか。運輸省、行政管理庁、ちょっと返事をしていただきたい。
○説明員(内村信行君) よろしゅうございます。
○説明員(大国彰君) 承知いたしました。
○大倉精一君 それじゃ、この問題はこの次の委員会にいたします。 仁杉さん来られたようですから、先ほどちょっとお伺いしたんですけれども、山陽新幹線の建設に関連をして、騒音公害の問題で地元民が非常に心配をしているので、この現地調査をしてきたわけでありますけれども、これに関連をして国鉄当局にお尋ねしておきたいのだが、現地の要望では相当広範囲に用地を買ってもらいたい。こういう要望があるのですが、国鉄のほうでは十五メートルという範囲に限っておられるようですけれども、十五メートルというのはどういう根拠があるのですか。
○説明員(仁杉巌君) 山陽新幹線、これは山陽ばかりではございません、東海道新幹線もそうでございますが、高架を高架橋にいたします場合に、高架橋の幅がほぼ十一メートルでございまして、それで東海道の場合には十二メートル前後買っておるのでございますが、山陽新幹線の場合には少し規格をよくいたしましたので、高架橋の幅が十二メートルございます。したがいまして、場所によって異なるかと思いますが、十三ないし十四メートルくらいの幅を買うというのが、われわれの原則になっているということでございます。
○大倉精一君 十二ないし十四メートルというのは、公害関係じゃなくして、国鉄の鉄道建設の必要上から十四メートルというぐあいにお考えになっておるのか、あるいは騒音防止という観点から十四メートルという幅をとっておられるのか、この点はどんなものですか。
○説明員(仁杉巌君) 高架橋を建設するための幅でございます。公害防止その他に関しましては、現在のところまだ白紙ということでございます。
○大倉精一君 そこで現地の要望としましては、相当もっと広く買ってもらわないというと、とても生活がやっていけない、住まいがやっていけない。こういう心配をしておられるのです。今度の飛行場周辺の騒音防止に関する問題にいたしましても、あるいは成田空港でも両方が四百五十メートルですか、そういう広い場所をとっておりますけれども、この新幹線の場所におきましても、ああいう静かな、特殊なところにおける住民の要望というものは十分ひとつ国鉄も耳を傾けて聞いて、そうしてできるだけその要望にこたえる措置をしてもらう必要があろうかと思うのです。特に、現地へ行った私の率直な感じは、文明開化がまかり通るのだからお前たちはがまんせい、そういうことでは、私どもは国鉄たるものの態度としてはまずいと思うのですね。したがって、そういう騒音防止に必要な用地買収費を新幹線建設の予算の中に含む、何メートルになるか、これは地元の人たちと十分相談してもらわなければなりませんけれども、基本的な方針としましては、騒音防止に関する必要な買収経費を予算の中に含むという、こういう方針をとってもらわなければならぬと思うのですけれども、こういう点についてはどういうふうにお考えですか。
○説明員(仁杉巌君) 騒音防止について、山陽新幹線をつくる場合に東海道新幹線の騒音防止ということもいろいろ反省をいたしまして、どういうふうにかしなければいけないということで、まず第一に研究いたしておりますのは音を出さないということができないかということでございますが、あしたにも実用できるというような形の鉄道をつくう場合には、どうも音を出さないということはむずかしそうに思います。しかし、これにつきましても、いま鉄道技術研究所でいろいろ勉強さしておりますが、なかなか解決案が出にくいと思います。それ以外に比較的安くて音を出さない方法といたしましては、高架橋等の場合に壁の高さを高くするというようなこと。極端な場合には、それをトンネルのようにクローズしてしまったらどうかというような案もございます。これらにつきましては、ただいまいろいろ実情につきまして検討をいたしておりますので、これらは一つの大きなきめ手になるのではないかというふうに考えまして、力を入れております。 それから、ただいま先生から御指示がありました幅、両側に緑地帯のようなものを設けるというような案、これは確かに一つの案であると思うのでございますが、西宮等におきましてもかなり膨大な予算、金を要することになりますので、なかなか実現しにくい。そこで、ただいまお願いいたしておりますのは、県あるいは建設省といろいろ御協議をしまして、両側に何かの道路のようなかっこうのもの、あるいは緑地帯のようなものを設ける計画等をしていただけないか。その中で、決して国鉄は何もしないというのではございませんので、でき得る限りの知恵を出しまして――たいした知恵もございませんが、でき得る限りの知恵を出しまして御協力するというようなかっこうを考えたらどうかということで、いま具体的に煮詰めようかと思っておりますが、なかなか地元の方々とのお話が進みませんし、県、市との話もスムーズにまだ十分煮詰まっておりませんので、具体的に申し上げるところまでいっておらないわけでございます。
○大倉精一君 まあ、一向に知恵がないとおっしゃるけれども、東海道新幹線のようなりっぱなものをつくられた知恵がおありになるんですから、そういう知恵を公害のほうにも回してもらって、そして新幹線のために、ありがたい反面、みんなの生活が奪われるという、こういうことのないように、ひとつしてもらいたいと思う。特に最近におきましては、太陽まで返せというようなことになっているんですから――そういう点にまで配慮せられておるんですから、特に国鉄というものが、新幹線をつくるにあたって関連するところの公害については、当然万般の措置を講じてもらわなければならぬと思うんです。結局お金だろうと思いますけれども、この金もやはり新線建設に付随する当然の予算として組み入れてもらわなければならぬと思うんです。いま、話がまだきまっておらんとおっしゃいますから、これから煮詰めてもらわなければなりませんが、出先の国鉄の職員の人だけではなかなか解決がつかない問題で、中央のほうで決着をつけてもらわなければならんと思うのです。どうか、そういう意味で現地の人の心配を取り除いてもらうように、さらに現地の人と十分話し合いをしてもらって、要る金は使って、自分のところで出せなければ政府から出させる、あるいは建設省その他とも協議するという、こういうことで、一そうこの問題については真剣にひとつ取り組んでもらいたいと思うのです。最後に、もう一回、ひとつ仁杉さんの御所見を承って、きょうはこれで終わります。
○説明員(仁杉巌君) ただいまお説のように、現地でいろいろ煮詰めてもらっておりますが、現地だけでは――私のほうの現地だけでも、それから市、県だけでも処理はできないと思います。やがてといいますか、現在でもすでに建設省等ともいろいろお話し合いをいたしておりますが、われわれも今後誠意をもちましてこの問題の解決にあたるとともに、私どもとしましてもできるだけの方法を考えるということで御了解を願いたいと存ずる次第でございます。
○委員長(松澤兼人君) 本件に関する本日の質疑はこの程度といたします。 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(松澤兼人君) 速記を始めて。 ―――――――――――――
○委員長(松澤兼人君) この際、おはかりいたします。 委員長及び理事打ち合わせ会において御協議をいただきました申し合わせ案を、便宜私から提案申し上げ、委員各位の御賛成を得たいと存じます。 まず、案文を朗読いたします。 申し合わせ(案) 昭和四十三年度予算編成にあたり、当委員会 は、公害防止対策を推進するために、次の事項 の実現に努力するよう申し合わせる。 一、公害対策基本法に定めた施策を具現するた めの各実施法について、早急にその整備を図 るため、次期通常国会に関係諸法案の提出を 促がすこと。 二、一の事項を実現するための十分な予算の確 保に努めること。 三、公害防止施設に対して税の減免措置を拡大 することに努めること。 四、公害防止事業団に対して、その機能の拡充 と活動の円滑化をはかるため、大幅な政府出 資を行なうよう努めること。なお、地方公共 団体及び企業の公害防止対策を助成するた め、事業団の貸付金利の引き下げを図る措置 を促進すること。以上でございます。 別に御発言もなければ、ただいまの申し合わせ案を本委員会の申し合わせとすることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(松澤兼人君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたします。 本日の調査はこの程度とし、これにて散会いたします。 午後一時三十五分散会 ―――――・―――――