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56回国会衆議院1967/11/22

文教委員会 第6号

発言数
87
登壇者
10
会派数
3
開催日
1967/11/22

会議録

床次徳二自由民主党

○床次委員長 これより会議を開きます。  文教行政の基本施策に関する件について調査を進めます。  質疑の通告がありますのでこれを許します。斉藤正男君。

斉藤正男日本社会党

○斉藤(正)委員 去る委員会におきまして、私は唐橋委員の質問に関連をし、日本教職員組合のあり方、これに関連をするわが国の文教政策のあり方につき大臣にお尋ねをいたしました。その際特に私が承りたかったことは、WCOTPが大臣に対し要望書を提出している問題、これをごらんになったか、また、ごらんになったとすれば、この要望の事項に関しどのようにお考えになっておられるのかということを聞いたわけでありますけれども、不幸にして当時大臣はこの要望書をまだ見ていないということで、たいへん残念に思ったわけでありますけれども、その後かなりの時日を経過いたしておりますので、初中局長の答弁もこれあり、ごらんになっていることと思います。  そこで、これに関連をして承っておきたいのでありますけれども、三項目ほど私も抽出をして承りましたが、特にその中で第三項目に「当委員会は、教員の給与、勤務条件などの諸問題は「地位勧告」に示されているような特別の配慮をもって検討されるべきことを勧告する。特にこれらの問題を国内的に処理する方法を明記した「地位勧告」の第八二、八三、八四項に対し日本政府の注意を喚起する。」こういうようにいわれておると思うのでありますけれども、この教員の地位に関する勧告第八二項、八三項、八四項は一体どういう内容であるのか。教員の地位に関する勧告につきましては、これは大臣、もうとっくに御存じのはずでございますので、この八二、八三、八四項について、その内容はどういうものであるのか、ひとつ承りたい。

天城勲文部省初等中等教育局長

○天城説明員 教員の地位に関する勧告の八二、八三、八四項の内容でございますが、八二項は「教員の給与及び勤務条件は、教員団体と教員の使用者との間の交渉の過程を経て決定されるものとする。」それから八十三項は「教員が教員団体を通じて公の又は民間の使用者と交渉する権利を保障する法定の又は任意の機構が、設置されるものとする。」それから八十四項は「勤務条件から生じた教員と使用者との間の紛争を処理するため、適切な合同機構が設けられるものとする。この目的のために設けられた手段及び手続が尽くされた場合又は当事者間の交渉が決裂した場合には、教員団体は、正当な利益を守るために通常他の団体に開かれているような他の手段を執る権利を有するものとする。」以上でございます。

斉藤正男日本社会党

○斉藤(正)委員 いま局長から答弁のあったとおりでございまして、過日の答弁では、大臣は、日本教職員組合は日本の教師を代表する団体であって、これを無視することはできない、明らかに私の質問に答えておるわけでありますけれども、大臣もそう考えており、そしてまたWCOTPもこのような勧告をし、同時に教師の地位に関する勧告があのような形でなされている今日、やはりいま局長から答弁のあった八十二、八十三、八十四といったようなことについては、もう国際的な問題としても当然なことなのであります。しかるに現状はきわめて遺憾でありまして、大臣は、日教組が事をかまえるあるいは事をやったというようなことでは日教組と会う意思もなければ会う必要もないというようなことを言われておるわけでありますけれども、前回の委員会以後、このWCOTPの要請書をごらんになった今日、なお大臣の気持ちは少しも変わっていないのか、昨年教師の地位に対する勧告が行なわれ、そしてまた今秋こうした要請書が出された現状で、大臣のお気持ちはどうなのか、もう一度ここで確かめておきたい。これは大臣から聞きたい。

剱木亨弘自由民主党文部大臣

○剱木国務大臣 WCOTPのカー事務局長からの文書は拝見をいたしました。この文書によりますと、WCOTPアジア委員会の決議を考慮されたい旨の要望をしておるのでございますが、この純然たる民間団体の要望なり決議につきましては、私どもとしましては傾聴すべきものは施策の参考にするつもりでございますが、これによって直ちに何らかの措置をとらなければならないというふうには考えていないのでございます。

斉藤正男日本社会党

○斉藤(正)委員 世界の教職員の団体なりあるいは教育行政の機関の団体なりで、一体ほかに、民間団体、民間団体とおっしゃいますけれども、それじゃ世界的な機構としてどういうふうなものをお考えになっているのですか。何かあるのですか。

今村武俊文部省初等中等教育局審議官

○今村説明委員 世界の教育者団体としてWCOTPとFISEの二つの大きな団体がございます。御存じのことでございますけれども、WCOTPというのが自由主義諸国家関係を中心とする教職員の団体でございますし、FISEというのはいわゆる世界労連糸の教育者の団体でございます。大きくいって二つがございます。

斉藤正男日本社会党

○斉藤(正)委員 いの今村審議官から答弁のありましたように、二つの世界の教員団体の流れがある中で、WCOTPというのは自由主義国家群の教育者によってつくられている国際団体だ、これが他の社会主義国家群の教育者団体が勧告をしたというなら、日本の政府、文部省あるいは剱木大臣、いろいろな考え方がまた違ってくるかとも思うのですけれども、審議官がお答えになったような形の教員団体から来たものである。同時に、あなたは民間団体、民間団体と言いますけれども、私は実は聞きたかったほんとうのことは、民間団体のほかに、それじゃ政府間の、あるいは文部省のような機関の、あるいは地方教育委員会のような機関の世界の連合組織はどういうものがあるか、それもひとつ聞きたいわけでありますけれども、審議官のお答えのように、そういう性格の教員団体から来た要請だということを考えますれば、やはり民間団体の単なる要望書だ、参考にはなるけれども別に取り入れる必要はないというお答えにつきましては、どうしても納得できない。基本的に大臣なり文部省のお考えを直してもらわなければ、すべてが国連中心あるいはユネスコ尊重というようなことを言っている口の裏で、こういうことについては全く冷淡で、遺憾に思うのでありますけれども、それじゃ一体政府間の、あるいは行政機関の国際連合組織というようなものはどういうものがあるのですか。

天城勲文部省初等中等教育局長

○天城説明員 教育関係の機構といたしましては、御存じのユネスコが一番広範囲な機関だと思います。そのほかに政府をメンバーにいたしておりますものに国際教育局というのがございます。これは全部の国が入っておるのでございますが、日本が関係しております大きな政府間の関係の機構としては、いま述べたこの二つでございます。

斉藤正男日本社会党

○斉藤(正)委員 そこでもう一ぺん伺いたいのでありますけれども、昨年の十一月、いまユネスコの話がたまたま出ましたけれども、ユネスコの総会におきまして、教師の地位に関する勧告の採択が行なわれたことは御承知だと思う。この採択の内容、出席した国々の賛否の内容は一体どうなっていたのか。文部省の発表によりましても、あるいは日教組の発表によりましても、満場一致で採択されたというようなことを言っておりますが、事実はそういうように認識していいのかどうなのか、これは大臣御承知でないと思いますが、今村審議官知っているでしょう。

天城勲文部省初等中等教育局長

○天城説明員 これはおっしゃるとおり満場一致でございます。

斉藤正男日本社会党

○斉藤(正)委員 満場一致じゃないのですよ、実際は。八十一カ国が出席をし、賛成七十七、反対ゼロ、保留四というのがあって、完全な満場一致じゃないのですよ。その保留四ヵ国はどこですか。

天城勲文部省初等中等教育局長

○天城説明員 反対がないという意味で申し上げたのですが、日本も八十四項については保留しております。

斉藤正男日本社会党

○斉藤(正)委員 この保留した国は、日本とエチオピア、ジャマイカ、ベトナムですよ。ベトナム、ジャマイカ、エチオピア並みなんだ、日本は。何たることですか、これは。エチオピア、ジャマイカ、ベトナムと日本。一体どういう感覚でこの勧告の八十四項をお考えになっていたのか、全く狂気のさた。国際友好とか、国際親善だとか、国際連帯だとか、いろいろ言いますけれども、こういう態度が文部省の教師の地位に対する率直な態度表明になってあらわれてきている。これでは、日本教職員組合に対しずいぶんいろいろなことを言いますけれども、大臣の考え方、あるいは文部省の考え方、あるいは日本の教育行政全般に対する考え方について、政府、文部省、大臣、率直に反省をしてもらわなければならないと思うのでありますけれども、もう一度大臣の統一した見解を承りたい。

剱木亨弘自由民主党文部大臣

○剱木国務大臣 八十四項を保留したのは、これはストライキ権につきまして日本が保留したと承っております。ただ、日教組を含めまして公務員の労働基本権の問題につきましては、ただいま設置されております公務員制度審議会で検討されておるのでございまして、日本としましては、その公務員制度審議会の結論を待って処置すべきものだと考えております。

斉藤正男日本社会党

○斉藤(正)委員 まあ押し問答になりますのでその辺にしておきますけれども、いずれにしても先日から続いておりますウィリアム・カー氏の要請書、さらに昨年秋採択されておりますユネスコ、ILOの教師の地位に対する勧告のそしゃくと実践、こういうものにつきましては、大臣以下慎重に配慮をし、日本の教育の前進のために、ただ日本教職員組合を押える、あるいは日本教職員組合に対して文句ばかり言うという態度でなくて、前向きの姿勢でひとつ考えていただきたい。  なお、先日の長谷川委員の質問に関連をして、問題の教員の超過勤務手当について、当時大臣は十一月の二十日前後にはめどをつけますと、この席で言明をいたしました。約束の期日が参っておるわけでありますけれども、どのようになっておられるのか明快に承りたい。

剱木亨弘自由民主党文部大臣

○剱木国務大臣 超過勤務の問題につきましては、予算編成のときまでにということで、それにはやはり十一月の下旬まで、二十日ことにはきめたい、こう申し上げました。いま率直に申し上げまして、最後の決定にまではなっておりませんけれども、このいずれをとるべきかということについてせっかく検討を至急に進めておる状態であります。

斉藤正男日本社会党

○斉藤(正)委員 佐藤総理の帰国前後から、政府並びに自由民主党の動きが内閣改造へどうも重点が移行して、施策のほうの面が停とんしておるようにも思うわけであります。大臣は自由民主党の文教部会へもたびたび出席されておると思いますけれども、今日なおこの問題についてめどが立てられないということになりますと、今月一ぱいにはめどは立たぬというように解釈せざるを得ないのであります。十一月下旬も幅がございまして、あのとき長谷川委員が念を押したら、二十日あるいはちょっと過ぎというような答弁があったように思うわけでありますけれども、一体内閣改造前に——改造があるかないかわからぬと言われればそれまででありますけれども、はっきりめどをつけるのか、あるいはあなたが留任されればそこでまた一ふんばりするのか、あるいは食い逃げということばはありますけれども、置き逃げということばはいままであまり聞いたことないのでありますけれども、置き逃げをされたのではたまらないと思うのでありますが、一体その辺、内閣改造の、もしあるとすればですよ、時期との関連において、これははっきりしてもらわなければ困る。どういうようにお考えになっておるのか、これは決意のほどをひとつ承りたい。

剱木亨弘自由民主党文部大臣

○剱木国務大臣 内閣改造の問題で、私は先のことは予測はいたしておりませんが、しかし、私がたとえこの大臣の席を去りましても、私もやはり議員の一人でございますので、党内におきまして、政策の問題についてはやはり引き続き私といたしましての責任を果たすべく努力をしてまいる決意でございます。

斉藤正男日本社会党

○斉藤(正)委員 どうも弱いですな。期待の答弁でないのですけれども、一体あれだけ調査をし、あれだけ熱意を持って取っ組んだ問題でしょう。これはあなたの非常な功績ですよ。よく思い切ってやられたと思うのでありますけれども、この最後の詰めの段階へ来てもしものことがあれば、九仭の功を露見に欠くということばはまさにこのことを表現する。いまの答弁ではどうも承服できない。もう一度ひとつ教えてください。

剱木亨弘自由民主党文部大臣

○剱木国務大臣 私の最終段階で、現職にある限りにおきまして、最後までの努力は十分いたすつもりであります。

斉藤正男日本社会党

○斉藤(正)委員 まあひとつ精一ぱいがんばってほしい、要望をいたします。  次に、国体の問題について二、三お尋ねをいたします。  第二十二回国民体育大会が終わってというか始まってといいますか、ちょうど一ヵ月前に埼玉で行なわれたわけでございますが、この国体開催にあたって文部省が果たす役割りは何か。日本体育協会とか、主催県とか、あるいは文部省というようなことばが出てまいりますけれども、文部省の果たす役割りはどういうことなんですか。

赤石清悦文部省体育局長

○赤石説明員 御承知のように現在国体は、体育協会、開催県、それと文部省の三者の共同主催になっております。経過を申せば、当初一回から五、六回目までは、文部省が後援でございまして、体育協会だけの主催でございました。しかし、これは全国民的な、あるいは国全体の大会である。かような認識から、体育団体のほうからの希望もございまして、文部省も共同主催に入ったわけでございます。したがいまして、国体につきまして文部省は十分その開催の責任があると存じます。ただ経過から申して、また、体育団体に対する国家の関係、政府の関係からいたしまして、できるだけスポーツの自主的な発展、できるだけ健全なスポーツ団体を育成し、これらの団体によって健全に運営していただく、こういうたてまえから、現在は体育協会の中に国体常任委員会というものがございます。その中に私どもの関係の専門職員も参加いたしております。そこで体育協会、文部省、それから開催県の三者で緊密な連携をとっておりますが、ただいま申しましたように、できるだけ競技団体、体育団体の自主性というものを尊重いたします関係上、文部省があまりこれに立ち入るような形をとりませんで、できるだけ体育団体の意向を尊重して従来までやってまいっております。ただ、世論もしくは国会方面にいろいろ御意見ございますし、文部省の考えはそのつど、何と申しますか、監督というほどではなく、こうしてはどうであろうか、こういったような関係でときおり文部省の意向を体育団体に伝え、その意向の実現方につきまして善処方をお願いしておる、かような経過をたどっております。

斉藤正男日本社会党

○斉藤(正)委員 局長からお答えがございまして、文部省の立場がはっきりしたわけでありますけれども、当初数回の国体開催に比べ、いまお話しのありましたように、文部省の国民体育大会に対する発言力といいますか、責任といいますか、こういうものも強くなり深まり、そして取り組み方も前向きになり積極的になったということは、開催の歴史からいって間違いないというように思うわけでありますが、やはりスポーツというようなものの性格上、政治がこれにどの程度に参画をするかということについては問題もあるので、文部省の取り組みについては干渉がましいことはやっていない、こういうお話であります。本質的にそういうものであっていいかどうか、また後ほどいろいろな質問にお答えをいただく中でお尋ねをいたしたいと思うわけであります。  そこで一つ承りたいわけでありますけれども、「第四十二回体協国内発第二二九号、昭和四十二年九月十八日」ということで各都道府県体育協会長あてに財団法人日本体育協会国民体育大会委員会委員長栗本義彦という名前で文書が発送されております。これが一部で問題になりましたいわゆるGANEFOに出場した選手の国民体育大会参加についてという文書であります。国体開催要綱によりますれば、日本人であってプロでなければだれでも参加できるということが明記をされておりますけれども、一体この新興国スポーツ大会に出場した選手は国体出場の資格なしと断定をした根拠はどこにあるとお考えになっておられるのか。

赤石清悦文部省体育局長

○赤石説明員 御承知のようにGANEFOの大会は新興国スポーツ大会でございまして、いまの問題を起こしましたのは、昭和三十八年第四回アジア競技大会がインドネシアのジャカルタで行なわれたときの場合でございます。  御承知のように開催国のインドネシアが、政治的あるいは宗教的な理由で台湾とイスラエルの入国を拒否いたしました。これに対しましてIOC、国際オリンピック委員会並びに、IF、国際競技連盟が、こういうような政治的、宗教的理由で入国を拒否するということは、国際競技の精神からいたしましていけないことであるということで、これらの団体がその関係する国際競技参加の停止処分を受けたのでございます。それでIOC並びにIFは、このような性格のGANEFO大会に参加いたしました選手については、それぞれの主催するスポーツ行事への参加を現在認めておらないのでございます。御承知のようにわが日本体育協会はIOCの加盟団体でございます。そこで昭和三十八年GANEFOに代表選手を派遣しないことをきめておったのでございます。そのGANEFO大会に参加して資格を失った選手につきましては、体育協会の関係いたします国体に当然参加してはいけない、こういうような態度をとってきているのでございます。さような態度に基づきまして、今回そのGANEFOに参加いたしました選手はこの第二十二回埼玉国体に出場してはいけない、こういうような意味の通達を出した、こういうように聞いているのでございます。

斉藤正男日本社会党

○斉藤(正)委員 経過はそのとおりであります。これに対して文部省とし大臣とし、IOCに参加している日本体協であるし、IFとの関連においても、IOCあるいはIFがそういう決定をしているから日本も右へならえだ、したがって、ジャカルタの新興国スポーツ大会へ出場した選手については、日本の国内で行なわれる国体参加の資格も剥奪するという措置に対して、大臣は一体どういうようにお考えになりますか。

剱木亨弘自由民主党文部大臣

○剱木国務大臣 この問題は、やはりあくまでスポーツ団体の自主的な判断に私はまかすべき問題だと考えております。

斉藤正男日本社会党

○斉藤(正)委員 スポーツ団体のとった措置は、それでは妥当だとお考えですか。

剱木亨弘自由民主党文部大臣

○剱木国務大臣 もちろんスポーツにおきましては、私ども政治とか宗教とか、そういうもので差別待遇すべきものではないと存じますが、GANEFOの問題は、もともとそういったものに対しまして差別をしたことからスポーツ団体の中でこの問題を処理してきた問題でございまして、やはり精神はあくまですべての人が参加できるようにならなければなりませんけれども、しかし、この決定はあくまで日本がIOCに加盟しております限りにおきましては、日本の体育協会としてこういう処置をとりましたことはやむを得ないことであったと考えております。

斉藤正男日本社会党

○斉藤(正)委員 やむを得ないという表現でありますけれども、スポーツというのは一がいに規定することのむずかしい、きわめていろいろな要素を持っていると思うのであります。そうすると、日本体協がとった——主として体協なりあるいは各競技団体だと思うわけでありますけれども、とった態度は、やむを得ないという程度のことですか。あるいは反対だったけれどもやられてしまったということですか。あるいは積極的に当然だ、賛成だということなんですか。その中間の、やはりやむを得ないという気持ちが大臣の真意ととってよろしいですか。

剱木亨弘自由民主党文部大臣

○剱木国務大臣 これは体育協会自体が自主的にスポーツ界の秩序を守ってまいりますために、いろいろな規定なり資格審査をやるとか、そういうことはあり得ることでございまして、また今回の場合におきましては、本人に十分納得をさして、そしてこの処置をとったというふうに私は聞いております。

斉藤正男日本社会党

○斉藤(正)委員 この通達が出されたのが九月の十八日でございまして、十月の二十二日を一ヵ月後に控えて出したわけなんです。したがって、非常な混乱を起こした県もあるわけでありまして、このことがやむを得ない、体協のとった自主的な措置に対して認めるという態度でありますけれども、私はやはり国民体育大会開催要綱に明示されている、日本人であってアマチュアならばだれでも参加できるというところに意義があるように考えるわけでございます。GANEFOに出場をしたから出場資格は剥奪だというような仕打ちはあまりにもむごい。なるほど、IOCなり日本体協なりあるいは世界競技連盟なり、いろいろな団体があります。これとても民間団体ですよね。先ほどあなたは教員団体の民間団体のことは云々ということを言いましたけれども、こういうことについては支持をし、協力をするという態度があるわけでありまして、どうもやはりスポーツ行政に対する文部省の態度も、もう少し改めてもらわなければならぬというように考えるわけであります。  さて、埼玉国体はたいへんな成功裏に終わったということになり、埼玉の優勝というようなことで終わりました。たいへんけっこうなことであったと思うわけでありますけれども、この国体をめぐり今日いろいろな議論がされている。閉会後、新聞、雑誌等いろいろな角度からこの問題を取り上げておるわけでありますけれども、私は数項目について大臣の考え方を聞いていきたいと思うわけであります。  優勝せんがためにたいへんな無理が開催県を頂点として行なわれていることは御承知だと思うわけであります。その第一は、これは新聞の記事でありますけれども、浦和西高校の先生の談話が出ておったわけでありますが、国体初日のわずか十分間の出場のために、五百人の高校二年の生徒が一年間で体育として学習したものはマスゲームだけである、こういうことが言われておるわけであります。御承知のように小・中におきましても、高校におきましても、何年で何を教えなければならない、何年で何を学ばなければならないということは規定がされておるわけでありますが、五百人の二年生全員が一年間マスゲームばっかりやっておって、鉄棒も飛び箱も球技も何も教えてもらわなかった、こういうような事実がある。また、その該当生徒の一人は、生まれた年が悪かった、ちょうどめぐってきて、高校二年のときに埼玉国体にぶつかったんだとあきらめるしかない、こういう発言をされておりますけれども、こういう無理な国体開催への強制的な協力というようなことに対して、大臣一体どう考えたらいいのか。

赤石清悦文部省体育局長

○赤石説明員 最初に私から、埼玉国体のいま御指摘のような事態につきまして、私ども見聞したことにつきまして多少申し上げさせていただきたいと思います。  マスゲームは確かに短時間に終わるわけでございまして、さような感想を漏らした方もいらっしゃるかもしれませんけれども、今日までの二十二回の国体におきまして、やはり国民的な体育の祭典といたしますためには、単に一部の選手の一、二等を争うようなものだけではなく、やはりおとなも、それから学校に学んでおる青少年も一緒になって国体に参加する、こういうことが望ましいことである、かような観点からマスゲームなるものが取り入れられてまいっておるのでございます。確かに御指摘のように、マスゲームはやはり各県が競争いたしまして、前の県よりもよくやろう、こういったような関係からどうしてもマスゲームに力が入り過ぎて、御指摘の傾向もなきにしもあらずであろうと考えますが、埼玉のいまの御指摘のような場合、一応私どもの調べたところによりますと、学校の正科体育を全然やらずにマスゲームだけをやったということは、これはいささかその新聞記事が誇張して報道しておるのではなかろうかと考えております。マスゲームの中にも、やはり正科体育に関係する分野がございます。そこで、できるだけ正科体育に関係する分野とマスゲームを関係させて、そのマスゲームの成果をあげる、こういうふうなくふうをこらしておることは事実でありますし、また、課外活動、学校行事等におきまして、やはりマスゲームを効果あらしめるために、どうしても他のものを少し遠慮してもらってそういうものをやる、こういう傾向はなきにしもあらずでございますけれども、いま先生御指摘のような、正科体育が全部マスゲームによって行なわれた、こういうことは事実ではないように伺っております。しかしながら、公平に見て、マスゲームの準備のために行き過ぎがあったかなかったか、かような問題になりますと、いささか問題が将来にわたって残る点もなきにしもあらずであろう、かように考えております。

斉藤正男日本社会党

○斉藤(正)委員 新聞記事が大げさであったかどうか問題はあると思いますが、それにしても、このマスゲームにつきましては、地元の上尾高校と大宮高校に当初の計画ではさまっておったわけなんです。ところが、大宮高校の校長さん、あるいは体育の先生は、私は偉いと思うのでありますけれども、これを返上した。返上したために順番が浦和西高校へ回ってきて、浦和が担当することになった。こういう経緯もあるわけでございます。ただ、局長のお答えのように、マスゲームも体育教科の内容にあるということならば、またわかるわけでありますけれども、しかし局長、やはり一演技種目のために、かなりの負担を特定な学校なり、あるいは特定な生徒にかけたということはお認めでありましょう。

赤石清悦文部省体育局長

○赤石説明員 国体を行なわない県で行なわれております体育の時間の行なわれ方と、国体の行なわれます県におけるそうした角度のマスゲームに対する参加の度合いを比較してみます場合は、御指摘のように、どうしてもそういう傾向があるということは指摘せざるを得ないと思います。ただ、それなら埼玉のときだけが従来の例から飛び離れて非常に行き過ぎであったかという問題になりますと、私は、埼玉の場合は、いろいろなそのほかの事情もございまして、いささかマスコミに必要以上に取り上げられ、少し誇張された傾向があったのではなかろうかという点も一応御指摘申し上げたい、かように考えております。

斉藤正男日本社会党

○斉藤(正)委員 このことは、順次そうした世論も高まり、何とか改善の方向にも行くだろうというような展望をも含めてのお答えであり、現状把握であろうというように、善意をもって私は受けとめますけれども、御承知のように、第十九回の新潟、第二十回の岐阜、第二十一回の大分、さらに今度の埼玉、開催県が四回連続して総合優勝なり優勝をしていることは御承知でありましょう。そうしてみますと、来年は福井ということになりますので、福井の問領は後ほどまた触れたいと思うわけでありますけれども、どうして一体開催県がこんなに強いのかということを考えてみますと、やはり数年前に決定をいたしておりますので、そのための選手養成もやる、選手強化もやる、施設も整える、あらゆる条件がここに結集をし、一つの県民総努力の花が咲いてこういう結果になったというように見れば見れる。まことにけっこうだと思うわけであります。しかし、しさいに検討してみますと、いわゆるジプシー選手なることばがここ数年来国体に関連をしてそのつど出てきているわけであります。局長も御承知だろうし、大臣も御承知だと思いますけれども、水泳の大崎恵子選手は第二十回には岐阜ヤクルトの所属で岐阜国体へ出場した。二十一回の大分国体へは大分ヤクルトの所属選手として大分国体へ出場した。そこらで終わると思ったら、今度はまた転勤命令が出たかどうか知りませんけれども、埼玉ヤクルトの所属として第二十二回埼玉国体へ出場をいたしておるのであります。この大崎恵子選手が国体に花を添えるという意味でヤクルトが協力をしたというならまた別でありますけれども、これは毎年出ていく、その開催県へ籍を移すというような、まさにジプシーですよね。これは大崎恵子選手のことを名ざしで申し上げて失礼な面もあるかと思いますけれども、これに類したことは幾らもある。どういうことなんだろうか。やはりこれは開催県が優勝したい、開催県が強くなりたいという端的なあらわれだと思うのでありますけれども、こういうことが許されていいのか。またこれに批判があるとするならば、文部省としてはどう対処をしようと考えておるのか、それは体協へまかせます、それは各競技団体へまかせますということなのか、文部省の見解を承りたい。

剱木亨弘自由民主党文部大臣

○剱木国務大臣 ただいまのお答えに先立ちまして、前のマスゲームの問題でございますが、実は私もあのマスゲームを見たのでございます。埼玉国体としては全般的に非常に大成功で非常によくいったと思いますが、私、マスゲームにつきましては、実はその場で感じたことでございますが、やはり中に参加意欲というものにつきまして多少疑問を持たれるような者が一部にまじっておったということを見ました。やはりマスゲームについては、出場を希望する学校にやらせるべきであって、幾らか強制的な面があったのではなかろうか。この点は十分今後の開催する場合においては留意すべき問題だと私ども考えております。  それから開催県としまして、日本がかりにオリンピックをやります場合において、オリンピックで少なくとも相当な種目で日章旗をあげたい、それで選手強化をするとか、そういうことはこれは努力といたしましてやむを得ないことだと思います。やるべきことだと思いますが、しかし、最近におきまする国体の開催県が、優勝をするために少し度を過ごしたことがありますことは否定できないと思います。特にジプシー選手の問題につきましては非常にやはり世論の御批判も受けておりますので、私どもとしましても、体協その他競技団体に、これらに善処方を考えたらどうかと、先ほど局長が申しましたように、そういう面につきましての留意方を促したのでございますが、これは昨日であったか一昨日であったか、体協のほうにおきましても、国民体育大会常任委員会というのがございますが、これでいろいろ検討した結果、ジプシー選手をある程度阻止するという具体的な取りきめをやったようでございます。  そのきめ方によりますと、一般及び教職員のものでございますが、それについて、大会にある県の選手として出ました者は、自今二年間、同一の他の県の選手として出ることはできない、こういうような取りきめをいたしたようでございます。これは、先ほどもあれがございましたが、体協としましても、こういったような競技の秩序を守る意味におきまして、やはりある程度規制をいたしますこともやむを得ないことではないか。これが実際上行なわれますれば、会社等におきまして、転勤をさせてその県から出させるというような弊害はある程度防止できるのではないかと考えておる次第でございます。

斉藤正男日本社会党

○斉藤(正)委員 大臣もジプシー選手のあったことを認め、これはおかしい、何とか規制しなければならないということから、そういう措置を体協をしてとらせた、あるいは国体委員会ですかにとらせた、こういうように受けとめてよろしいですか。——わかりました。  そこで、当然なことだと思うわけでありますけれども、なお、いま大臣の答弁の中にもありましたけれども、マスゲームに対する出場者の心がまえといったようなものについても問題があったということでございますが、埼玉国体は非常に盛会であったという裏に、高校強化指導というようなものを設けまして、たとえば川口女子高校についてはソフトボール部、水泳部、四部を割り当てて、ほかの部は団体に対して選手を出さなくてもよろしい、水泳とソフトは特にそこで担当しろというような形を開催県としてとりまして、しかも水泳部あるいはソフトボール部、各部に対して強化補助金なるものを四十万円県が計上をして、特別に指定をした部を強化するために予算措置もとった、こういうことがいわれておるわけであります。幸いにして指定をされた部に入っている生徒は恩恵に浴することができるでありましょうけれども、ほかの部に入っている生徒は、国体とは全く関係ないわけで、そういうことがいわれております。これは確かな筋で調べましたので間違いはございません。こういう形で、選手強化とまでいえないかもしれませんけれども、各高校のクラブ活動の部を指定をして、それに県が補助金までつけて強化をさせるというようなことは、国体が済めば終わりですよ、国体までだ。ここまでして強化しなければならないのか、ここまでして優勝しなければならないのかということを考えてまいりますと、スポーツの精神あるいは国体開催の意義といったようなものをやはり疑わざるを得ないわけでありますけれども、こういう事実を大臣なり局長御存じでありますか。

赤石清悦文部省体育局長

○赤石説明員 ある程度存じております。ただ私どもの立場から、また弁解めいたことになりますが申し上げさしていただきますと、どこの高等学校でも、たとえばソフトボールが非常に自信がある、剣道に自信がある、大体スポーツごとに伝統がございます。そこで、国体を開催することになりますと、やはりいい成績をとりたいために、高校部会では、君のところは伝統的にこの部門がいいのだから、これをひとつ中心にやってもらおうじゃないか、君のほうの学校では陸上競技が強いのだからこの方面に重点を置いてやってもらおうじゃないか、こういったような関係者が集まりまして、それをしいて言うならばあるいは選手強化であろうかと存じますが、しかしながら、私ども学校体育の立場から申せば、やはり一つのクラブ活動にも伝統がございますので、そのクラブ活動を一そう発展助長する、こういう面でそういうものが結びついている、こう理解いたしておるわけでございます。ただ御指摘のように、それが多少行き過ぎがあって——これは一般にクラブ活動全般に通ずる問題でございますが、野球をやっておる学校におきましては、テニスの好きな子供さんにとってはたいへん不満だとか、さよういろいろな点が、国体ではなくてもすでにございます。さようなことで、国体を契機にして、クラブ活動が一部のものにだけ偏して他の生徒の不満を買うというようなあまり極端なことになるということは、クラブ活動本来の精神からいってどうかと思う。こういう点につきまして、やはり御指摘のように悪い成績をとるよりもいい成績をとるために一そうクラブ活動を助長するという面は肯定できても、その結果いろいろな弊害、悪については今後気をつけていかなければならないことであろう、こういうように考える次第でございます。

斉藤正男日本社会党

○斉藤(正)委員 局長のお答えのように、補助金までつけて、強化費をつけて、特定の伝統のある運動部を強化するのは国体開催の年までなんです。おそらく埼玉が来年も再来年も、あるいは福井がずっと、あるいは終わった大分がずっとということなら私はわかるのですよ。ところが、開催の年にそういうことをやってそれでもう終わりということになりますと、伝統も歴史も強化も、やはり勝つがために、開催県なるがためにということしか考えられないでしょう。その点がやはり、これは所管事項であるかないか知りませんけれども、問題だというように思うわけであります。  これに関連をいたしまして、埼玉国体は、国体選手強化要員ということで、三十九年以来県内の公立高校七十校に定員外の、しかも体育の教師と見られる教員を採用いたしております。私の調べたところによりますれば、三十九年度に十四人、四十年度に三十人、四十一年度に百人、合計百四十四人がこのために採用されておるわけであります。定員外の職員がすべてであるかどうか不明でありますけれども、いずれにいたしましても、とにかくこういう形で採用しておるわけであります。これが国体開催後も続いて、あるいは定員の中に含まれていくとか、定着していくということであればけっこうだと思うわけでありますけれども、百四十四人の体育指導の先生を国体開催のために定員外に採用して選手の強化に当たらせる。選手強化だけでなくて、その先生方は一流の選手であって、全国から抜いてきた、あるいは大学から予約をしておいて連れてきたということになりますと、これまた狂っていやしないかと思うのでありますけれども、そういう事実を御承知か、承知ならばそれに対する見解はどうなのか承りたい。

赤石清悦文部省体育局長

○赤石説明員 先生のお話のとおりの状態であるというふうには思いませんが、御指摘のように、教員として国体開催県で通常よりもよけい採っておるという事例のあることは、埼玉のみならず、大分その他でもあったということは私ども聞いております。ただその場合、三つの特徴があろうかと存じます。  一つは、団体に教員の部がございますから、勝つために、教員の部もいい成績をあげるために、やはり教員を一種のジプシー選手的に雇うという傾向のある場合、これもあるいは若干あったかもしれないと存じております。しかし大多数は、私ども聞き、また理解しているところによりますれば、国体は、何としても主催者として運営の責任に当たらなければなりません。かなりなれた練達の体育の指導者がこれに当たらなければ国体がうまく運営されないと存じます。そうしてみますと、やはりどうしても体育の先生あたりがこの運営に最もよく適しているのでございます。もう一つ申せば、やはり高校の部等もございますし、選手強化と申しますか、選手の養成のために体育の先生を充実する、こういう面もあろうかと存じます。  それで最初の第一点につきましては、先ほど大臣から申し上げましたとおり、それが教員であろうが一般選手であろうが、勝つために籍を変えて回って歩くということについては世論が支持しない、こういうことで、そういうことはないようにということは伝えてあるのでございますが、国体を開催する機会に、ともすれば体育が振興されていないような場合において、体育振興という観点から体育の先生を充実する。特に御承知のように体育には資格のない教員の数が一番多いとされております。そういう点から申せば、体育をあずかっておる私どもの目から見ればたいへんけっこうな傾向であろうと考えるわけでございます。同時に、それが大会の運営に非常によき結果を来たすということであれば、これまたけっこうなことではなかろうかと存じます。ただ問題は、将来においても、それらのせっかく国体開催のために採用いたしました先生が、単に国体の開催だけのための要員であったというふうな傾向になって、その人の将来の就職その他について非常に困ったことが起こるならば、これは問題であろうと存じます。そこでいろいろ調べてみますと、たとえば埼玉のような場合は、確かに非常に必要でございましたので採用いたしましたが、それらの先生はいま申しましたように正科の体育の先生として将来とも雇ってまいりたい、あるいはまた社会体育の面でいろいろな社会体育の指導員として雇うとかいうようなことで、決してジプシー的でなくそれらの体育の先生を十分将来とも使ってまいりたい、こういうふうに言っておりますので、私どもは一応それを信用いたしたい。しかしながら、定員外であっていろいろな面で悪影響を及ぼすようなことにつきましては十分くふうし、そういうことの弊害のないように善処していかなければならない。これは単に埼玉のみならず、今後福井県以降の国体開催県についてもさような希望は伝えていきたいものであると考えておる次第でございます。

斉藤正男日本社会党

○斉藤(正)委員 これは自治省に主として関係をし、地方行政の問題になるわけでありますけれども、特に関連をして伺っておきたいことは、膨大な施設を直接、間接やるわけであります。県営あり、市町村営あり、あるいは特定な団体あり、いずれにいたしましても、国体受け入れのためにばく大な経費を投入して施設をつくります。埼玉につきましても主競技場、上尾市の総合運動場等きわめて豪華なものであり、りっぱなものであります。しかし、過去の開催県を見てまいりますと、県庁所在地に多く主競技場が設置されましたけれども、たとえば山口国体のごとく、県庁所在地からはるか離れたところに設置をされたところもあります。今日山口の主競技場はペンペン草がはえて、あれが山口国体が行なわれた主競技場ですというバスガイドの対象にこそなっているけれども、山口県がこの主競技場をどれだけ活用しているかという点になると、大きな疑問がある。結局、宝の持ちぐされであって、生かされていないということもいわれておるわけであります。私は埼玉はさようなことはないと思いますし、大分も新潟もさようでない。もちろん岐阜なども、ああしたところでございますからそのようなことはないと思いますけれども、それにしてもあまりにも資本を投入し、過分な設備をやり過ぎて、これがその後の学校体育なり社会体育にどれだけ生かされているかという点を考えると、きわめて疑問だと思うわけでありますけれども、こういう点につきどういう見解があるのか、承りたい。

赤石清悦文部省体育局長

○赤石説明員 御指摘のように、確かに国体を開催する県といたしますと、単に競技施設の整備資金のみならず、道路、橋梁その地万般の経費が必要でございます。その額は少なからざるものがあると考えられます。そこで自治省、文部省も同じでございますが、国体開催にあたりまして、必要以上な規模、必要以上の経費を投入することのないように、あるいはまた、せっかくつくりました施設が活用されないことのないように十分な注意を払うようにという指導は従来からしてきておるのでございます。それで、いま先生具体的に山口の例をお出しになりましたが、まあそれは多少見方の相違になるかもしれませんが、たとえばオリンピックを開催いたしました国立競技場、これをどう見るか。関係者といたしましては、できるだけ活用しているつもりでございますが、活用するにはその運営費が若干伴わなければならない。ところが、その若干の運営費がけちられることによって十分活用されないといったような面、逆にこういう指摘を受けたりしております。そこで私どもは、やはり活用のためには、活用する人からたとえば参加費とか入場料とか、そういうものを取りまして活用するという面があると同時に、公費でもってその活用につきまして十分配慮するということがなければならないと考えるのでございます。山口の場合でありますが、私もまだ詳しくいたしておりませんが、いま聞きますと、山口県もさようなことのないように、たとえばスタンド下は宿泊施設に充てるとか、それからまた競技場は県内のいろいろな催しものに使うとか、いろいろなくふうがなされていると聞いておりますが、あるいは時には使われないでおる場合もあるかもしれませんが、ペンペン草がはえているといったような状態は山口競技場といえどもないようにいま聞いておりますし、調べまして、さようなことがあれば十分指導してまいりたいと思います。  それからもう一点、この競技施設が非度に各地にできているものですから、何となく他の分野の領域から見ますと、一時的にですけれども、非常に体育施設がよくなったのに自分たちの分野のほうがどうも十分でないといったような比較をされまして、どうもスポーツ施設だけがいい、あれが十分使われていないじゃないかという、ややひがみ的な見方でもって一般に見られる傾向またなきにしもあらずでございますが、やはりこういうスポーツ施設は、機会あるごとに整備してまいりますと、単に東京とか大阪とか、そういう中央的な大きな都市だけにつくるのではなく、全国すみずみまでこういう競技施設を普及する、こういう使命からいいまして、国体の持つ役割りが大いに果たされておるし、また国体は、今回の埼玉の場合でも、単に浦和とか上尾とか一部のところばかりじゃなく、県下のすみずみまで会場を設定いたしまして、将来その施設が県民全部に利用されるような細心の配慮をいたしておるつもりでございます。

斉藤正男日本社会党

○斉藤(正)委員 だいぶ開催県に肩を持っておられまして、文部省の立場にすればあるいは当然かと思うわけでありますけれども、せっかくつくった施設が国体で終わりだということになりますれば、たいへんな損失であります。どうかひとつこういう点につきましては適切な指導をしてもらいたいと要望をいたしておきます。  そこで、大体二十二回やったわけでありまして、まあ一等県、二等県というのがあるかどうか知りませんけれども、みんな一等県だと思いますけれども、来年は福井、再来年は長崎、さらに岩手、和歌山、鹿児島、千葉、茨城というような形で、相変わらず、地方都道府県持ち回り国体が方向としては決定もしくは内定しているわけであります。福井県は御承知のように県民七十七万人、二百万、三百万という県民を持っている県とはだいぶ違った、県民の数からだけいえば小さい県であります。この福井が来年開催をする。福井の知事をはじめ要路の方々が埼玉国体を参観をして、これはえらいことになった、どうやって一体福井国体を埼玉国体並みにやるかということで頭が痛いというような新聞談話も拝見したわけでありますけれども、一体四十六都道府県全部開催するまで持ち回りをやるつもりなのか。どうも四十九年まですでに決定あるいは内定しておるという点から推察いたしますれば、やるのだ、都道府県単位でやるのだというようにしかとれませんけれども、持ち回り国体続けるつもりなのかどうなのか、この辺の見解を承りたい。

赤石清悦文部省体育局長

○赤石説明員 これは主催者である体育協会の一つの大きな方針の問題であろうかと存じます。したがって、私ども十分このことにつきまして明確にいつまで続けるのかということを打ち合わせたことはございませんが、一応私どもは、従来からの慣例その他からいって開催団体として了解し合っておる事柄といたしましては、国体の果たす役割りは単に体育、スポーツ振興のみならず、いろいろな意味で国体の持つ効果、役割りが非常に大きかった。それは東京で開催しないためにかえっていろいろな効果があった。この点は、どの県でも開催したいという県があります以上、やはりそれは承認してまいらざるを得まい。したがって、いままだ半分ほどの県が残っておるわけでございますが、いまのところ残っておる県全部やるというふうにまだきまっておりませんから、はたして全部やるまで国体持ち回りかということになりますれば、いろいろ議論があろうかと思いますが、いまのところ各県とも苦労してでも国体をやりたい、この傾向がある以上は、いろいろの指導なり善処方をお願いしなければならぬ点は多々あるといたしましても、国体の持つ役割り、効果が非常に大きいという点にかんがみまして、この持ち回りの方針はやはり当分続くのではないか、かように考えております。ただ、まだ二十二回でございまして、まだ半数ほど残っておりますので、今後の問題、二回目にもしやるような段階になりますればまた違った段階に入るのではなかろうかとも予想されますが、いまのところさように考えております。  それからもう一つ、先生御指摘のように来年の福井大会以降は、失礼な言い方でございますが、人口その他からいたしましていわゆる一流県、一等県ではなく、非常に規模その他から少ない県になってまいります。したがって、その国体に要する費用その他を従来の大府県と同じようにやるということについては県財政がとうてい許しません。さようないろいろな傾向もございますので、やはり開催県が絶対優勝しなければならないのだといったような妙な考え方は来年度以降はやめてもらって、従来の成績以上に若干伸びる、こういったようなところで国体開催県としてはよろしいのではないか、こういったような考え方に今後は徹していくべきであろう、かような考え方が非常に深まってきておりますので、そういう意味からいたしましても、国体持ち回りにおいていろいろ考えられます弊害は今後徐々に除去され、いい国体、皆さま方にも喜んでいただけるような国体が将来の県において開催されるのではないか、かように期待いたしておる次第でございます。

斉藤正男日本社会党

○斉藤(正)委員 大体国体開催に関して文部省の考え方はわかったわけでありますけれども、私の質問によって明確になった点は、ジプシー選手排除のための措置はとるということだけであって、ほかのことは、どうも開催県がおやりになったことで、批判をされ、改善をしなければと思うようなことについてもどうも消極的なようにしか思えないわけでありますけれども、たとえば埼玉国体に対しましても、本年度予算で四千五百万の国庫支出しかない。これに対しまして百億国体といわれておるわけであります。県の表に出た予算だけで四十七億ということがいわれておるわけでありますけれども、文部省が、言いかえれば国が四千五百万ぽっち出して、百億の国体をやれということにつきましては、これはどうも、お手伝いしてます、主催団体の一つですとはおこがましい。大臣が行ってあいさつをする、局長が行って会場回りをするということだけで主催者だとは、ちょっと言い過ぎではなかろうかと思うわけでありますけれども、こういう点も含めて、締めくくりに大臣から、国体に対する文部省の態度、あるいは今後ジプシー選手解消以外になお指導しなければならない点等ありましたら、ひとつこの際承りたいと思います。

剱木亨弘自由民主党文部大臣

○剱木国務大臣 この国体の問題につきまして、いろいろ御批判もございますけれども、また私は、国体開催そのものにつきまして相当な意義もまたあることだと思います。ただこれによって地方財政を相当圧迫してまいりますということは、この点は否定できない事実でございますけれども、しかし、いま国体の回り持ちということがございますが、相当長期にわたりまして開催県を予定いたしておりますのも、これは急激に地方財政で一ぺんに出さないように、あるいは準備期間を相当おいて地方財政に対する影響をなるべく少なくしようという意図もあるわけでございます。  なお、文部省の補助いたしておりますのは、この国体そのものの運営に関しまする問題でございまして、それ以外に対して、たくさんの設備その他投資等におきまして地方が相当多額の金を使っておるのでございますが、設備でございますとか、道路でございますとか、そういったような面につきましては、やはり問題は、それだけの設備投資をいたしましたのが、後に県に対しましてその利用価値と申しますか、これがどのように利用されるかいなかということによって判断しなければならない問題だと私は思います。そういう意味におきまして、国体において支出をいたしましたものが事後十分に活用できますように、これは私どもとしても十分指導してまいりたい、こう考えております。

斉藤正男日本社会党

○斉藤(正)委員 了解。

床次徳二自由民主党

○床次委員長 関連質問の申し出がありますので、これを許します。有島重武君。

有島重武公明党

○有島委員 私は、本日は一局削減問題をめぐりまして文化行政について、また私学振興の問題などについて伺いたい。もう一つは、羽田事件等の暴力事件をめぐりまして、教育の民主化ということについて、この二点について文部大臣に伺いたいと思います。  昨日の新聞によりますと、「佐藤首相が訪米直前の閣議で全閣僚に指示した一省庁一局削減についての各省庁回答が二十日までにほぼ出そろった。政府は二十一日の閣議で、この回答について大筋を決め、さらに行政管理庁に各省庁回答が適当かどうかを検討させたうえ、十二月初旬に予定されている臨時国会召集前に第三回の臨時行政改革閣僚協議会を開き、最終的な裁断を下す方針である。」こういうように報道されておりますが、文部省といたしましてはどのような回答を出されたのか、それについて伺いたいと思います。

剱木亨弘自由民主党文部大臣

○剱木国務大臣 文部省といたしましては、ただいまの文化財保護委員会と文化局とを統合いたしまして、仮称でございますが、文化庁と申しますか、そういったようなものを統合してつくるという回答をいたしております。

有島重武公明党

○有島委員 そのことはほぼ新聞を通じて承知しているわけでありますが、このようになされました理由について、さまざまな検討が当然加えられたと思います。このような考え方もあった。このような考え方もあった、だけれどもこの中でこういうふうにした、そういうような経過、理由などを伺いたい。

剱木亨弘自由民主党文部大臣

○剱木国務大臣 これは、この一省一局を削減という指示がありましたのは事実でございますが、しかし、その目的とするところは行政の簡素化と申しますか、あるいは行政の整備につながるものだと考えます。ただ問題は、一局をなくするということだけでは実際のその目的を達するものではないと思いますし、その内容を今後どう取り扱うかということは重要な問題だと思います。ただその際、私としましてはいろいろな局の廃止について考えました。ただ文部省におきましては、実は御承知いただいておると思いますが、終戦のときにおきまして、これは自治省もちょうど同じでございますが、文部省の権限を縮小すると申しますか、そういう方向に占領治下において強制されまして、相当局の廃止等も受けましたし、またその後におきまして、局の必要に応じた増加ということもほとんどとり行なわないで今日までまいりました。したがいまして、行政事務から申しますと非常に膨張してまいっておりまして、この際機械的に一局をなくするということについては非常に困難な事情にあったことは御推察いただけると思います。でございますから、いろいろな面を考えたのでございますが、私としましては、現在の文化財保護委員会が文化財の保存ということを主としてやっておるのでございますが、文化局は文化、芸術等の振興と申しますか、こういった面を取り扱っておるのでございまして、保存と振興との対象は一つでありますので、その行政についても一元的な行政機構としてやるべきではなかろうか。そういう意味におきまして、将来日本の文化行政の一元化という意味合いから申しまして、むしろ積極的な意味において、私は文化庁を設置するということが今後行政として望ましいことではないか、こう考えまして文化庁の設置ということに踏み切ったわけでございます。

有島重武公明党

○有島委員 管理局の問題でありますけれども、管理局をどのように今度は処置されていくのか、そのことについて伺いたい。

剱木亨弘自由民主党文部大臣

○剱木国務大臣 行政機構の中で常に問題になりますのは管理局でございます。管理局の処置につきましては、現在いろいろな仕事が管理局で処理されておりますので、仕事の性質によってこれを分割しまして、本来のところに管理局を解体してつけるということは不可能ではないと思っております。また、それが行政上にも適当と思われる面もございます。しかし、実際におきまして、この管理局を解体して他の局に配分するという考え方を、私最終段階において捨てましたのは、ただいま管理局を解体しますと、その大部分が大学学術局に入るということになります。大学学術局のほうにまいりますと、ただいま十一課ございまして、一つの局といたしましてもすでに限界に来ておると思います。したがって、大学学術局の行政から申しますと、むしろこの際、私どもとしては、大学等の学校行政の面と、学術行政の面とを分離しまして、そして二つの局にするほうが行政的にはいいのではないかということで、一応四十三年度の予算要求をいたしておるのでございます。そういうふうに、現段階におきましても大学局が非常にふくらんでおりますのに、なおこれに管理局を解体しまして、現在ございます施設部でございますとか、あるいは常識的に考えられます私学問題の関係課というのを大学的にかりにつけるといたしますと、非常に膨大な局になりまして、行政組織としては、非常に各局間においてアンバランスでございますので、行政の組織のあり方として非常に適当でないと私ども考えまして、管理局の問題は将来の問題として考慮いたしてまいりたいというので、さしあたりの問題として、積極的な意義を持ちまして、私たちとしては文化庁の設置ということは踏み切ったわけでございます。

有島重武公明党

○有島委員 そういたしますと、管理局については今度は動かさない、そういうことでございますね。

剱木亨弘自由民主党文部大臣

○剱木国務大臣 はい。

有島重武公明党

○有島委員 管理局の中の、ただいま大臣も言われました私学振興を扱っておるところでありますけれども、大学の中で私学の占めるパーセンテージはどのくらいになりますか。

宮地茂文部省大学学術局長

○宮地説明員 管理局の所管でございますが、管理局長見えませんので、大学学術局長の私がかわって御答弁いたします。  私立大学と国立大学と国公立の比率は、学校数で大体七、三くらいの割合、学生数も七、三くらいの比率でしょうか、大体私立のほうが過半数でございます。

有島重武公明党

○有島委員 私学について、これをさらに充実するようなお考えであると承知しておりますけれども、これを国立の大学と事務的に特に差別待遇をしていく、そういう印象をとても強く受けているわけでありますが、およそ大学学術局に、今度はこれと並行したような大きな意義を持たせるほうがいいんじゃないか。私どもは、むしろ今度の問題とは逆行のような形になりますけれども、私学についてはさらに充実した行政組織をつくってもいいんじゃないか、そのくらいに私どもは考えているわけです。  それから、文化行政のあり方について基本的なことを伺いたいのでありますけれども、これはあと回しにいたしまして、先日の羽田事件はきわめて遺憾な問題でございます。その前に、教師が生徒に暴力をふるった、そういう問題が幾つか報道されております。先日文部省のほうに調べていただいた橿原市の暴力事件について、この状況とその処置についてお伺いいたしたい。

天城勲文部省初等中等教育局長

○天城説明員 奈良県の橿原市の私立でございますが、橿原学院高等学校において、教師の生徒に対する暴力事件があったということでございます。この事実はすでに御存じのことと思いますので省略いたしますが、私たちといたしましては、御案内のとおり、教育上必要があると認めるときは、教師は生徒に対して懲戒を加えることができる。しかし、体罰を加えることはできない、こういう法令上の規定がございますので、その線に基づいて従来からも指導いたしておるわけでございます。このことは国公私立を問わず同じ扱いをいたしておりますし、特に生徒指導につきましてはいろいろ困難な問題がございますので、生徒指導の資料等も配付いたしまして努力をいたしておりますが、今回の事件につきましては、もし教師が一時の感情に支配された結果の軽卒な行為であるとすれば、これは非常に遺憾なことであります。なお詳しい事情は調査中でございますが、文部省といたしましては、いずれにいたしましてもこのような暴力事件ということが根絶されることについて、関係者の一そうの努力を期待するものでございます。

有島重武公明党

○有島委員 同じような事件でありますけれども、先日は荒川区の尾久の第六小学校でありますか、これもやはり教師が生徒をなぐったという事件がありました。それは御承知でしょうか。

天城勲文部省初等中等教育局長

○天城説明員 これは教師が生徒をなぐったのではなくて、教師が校長をなぐった事件でございます。尾久の第六小学校における事件と私たち承知いたしております。

有島重武公明党

○有島委員 校長もなぐられたという話でありますが、生徒もなぐられておりました。それで二つは似たような事件でありますけれども、橿原のときには、PTAのほうが教師の処置について学校側に行ったときに、学校側で校長のほうが教師を擁護しておりました。それから荒川の場合には、これは校長もなぐられたのですが、教師側に対して解任のような話も出たようであります。PTAのほうとしても、いろいろに意見があったようでありますけれども、これは教師側のほうで、組合側のほうでこれを擁護したようであります。一面には生徒になぐられた教師も、またこれはずいぶん前ですけれども、そういった事件もございました。  こういった一連の暴力問題がございましたけれども、それで、先日の羽田事件は、これは警察と大学生の問題でございますが、この前の委員会におきまして、山田太郎委員の質問に対して剱木文部大臣がこのように言われている。「教育的な立場におきまして、将来に向かいましてこういう不祥事が起こらないように最善の努力をいたしますということだけは、はっきり申し上げることができると思います。その方向に向かいまして努力を続けてまいりたい」云々と仰せられております。にもかかわらず、再び羽田の第二番目の事件が紀きました。これについての大臣の御所見を伺いかい。

剱木亨弘自由民主党文部大臣

○剱木国務大臣 十月八日に引き続きまして、十  一月十二日に再度羽田周辺におきまして、学年の運動としてははるかにそれを逸脱しております暴力的な行為が行なわれましたことにつきましては、私、その責任を深く感じておりまして、まことに申しわけないことだと存じます。この点につきまして、十月八日の事件が起こりましてから、私どもとしましては、できるだけこういったような学生運動につきまして指導をいたしまして、将来こういう問題の起こらないようにということについて努力をいたしてまいったのでございます。その第一着手としましては、御承知のように国公私立の大学の学長の代表を呼びまして、これは直接的には大学の学生指導の問題でございますので、またこの事件の様相から申しまして、単に一大学だけがこれに当たりましても、とうていそれを防止するわけにはまいりませんので、各大学は協力いたしまして、そして全力を注いでその学生活動について指導を行なうようにということについての話し合いをいたしました。その後、十二日が近まるにつれまして、八日の場合よりもより大きな規模において、あの羽田周辺においてこの問題が起こるような情報も十分ありましたので、各大学に十分情報を伝えますと同時に、各大学の学生部長等に数回にわたりまして文部省に来てもらいまして、そして情報交換なり、あるいはあらゆる努力をしまして、それに参加学生を出さないように各学校の努力を要請してまいりました。  そういうわけでございまして、もう一つの点は、あのときに四つの大学が順番に学生に宿泊を許しまして——許したのではないのでございますが、事実上宿泊されまして、そこで準備行為が行なわれたということでございましたので、これらの大学に対しまして、極力そういったことのないように、実は私どもとして大学にその努力を促してまいったのでございます。ところが御承知のように、あのときにおきまして一応は前に泊まりました各大学に集合したのでございますが、最終段階におきまして、その四つの大学の非常な努力でこれの泊まるのを防いだのでございます。その防いだものが、学生が夜中に、十二時ころでありますが、急遽東大の駒場の教養学部に全部移動いたしまして、東大のほうとしては学長以下全部出席しまして極力学外に出ることを勧奨したのでございますが、ついに明け方まで出すことができないで、十一時ごろから羽田のほうに全員移動して行った。そして例の羽田の周辺におけるああいう事件を起こしたのでございます。  こういう状況でございまして、私どもといたしましてはできるだけ阻止をしたいと考えたのでございますが、この学生運動の実情から申しまして、これらの大学の努力にもかかわりませず、結果としてああいう問題が起こりましたことについて、これは私どもとして非常に残念しごくでございます。  そこで、その後の私どもの措置としましては、今後これらの学生の指導についてどうするか、これはやはり真剣に各大学がこの問題に取り組んでもらわなければなりませんので、関係の大学と、国公私立を通じまして、私いろいろ会談を重ねてまいり、また今後ともこれらの学生の指導につきまして十分努力をしてまいりたい、こう考えている次第でございます。

有島重武公明党

○有島委員 ただいまのお答えでありますが、当然責任ある大臣の身として申しわけないというおことばがございました、それから遺憾であると。最善の努力または十分な努力をすると言われましたけれども、この前の場合には最善であったにもかかわらずこういう事件が起こってまいりました。となりますと、これはもう限度がきたのじゃないかということも考えられますし、これはやはりもう少し根本的に考えていかなければいけないのじゃないか、そう思わざるを得ません。大学側が学生の人たちと話し合いをする、一応形式の上はそうなっておりましょうけれども、学生と話をするといっても、これは学生の代表と話をすることになります。その代表が、それじゃほんとうに多くの学生たちの気持ちを代表しているか、ほんとに代表しているのかどうか、そういった点についてはどのようにお思いになりますでしょうか。

剱木亨弘自由民主党文部大臣

○剱木国務大臣 これは大学によって相当事情が異なりますが、非常にたくさんの学生がおります場合においては、これはいま申されますようにその代表者と学校が話し合うというよりほかに方法がないと思いますが、しかし、まだ地方の大学等におきましては、非常に少数しかああいう派に入った学生がいない学校におきましては、全員と話すことも可能であると思います。ただ、この問題について各大学の学長等の意見を聞きますと、単なる話し合いではなかなかこれを指導できないというのが、各大学の学長側の、大多数の学長の発言でございました。しかし、まあ一部の少数しかいないところにつきましては、全教職員をあげてこういう問題について学生と話し合っていけば、十分指導の可能性があるという大学もあったわけでございます。これは大学の実情によりまして相当内容は違ってくると思っております。

有島重武公明党

○有島委員 話し合いということでございますけれども、話し合って解決していく、暴力は用いないというのが民主主義のルールであると思いますけれども、小さくいえば小学校において、高校において、そういった教師の側にも、生徒を説得しないで、この場合には生徒をなぐってしまっているわけです。しかも、そのなぐった教師に対してどのような処置がなされておるか、いまもってこれはこのような処置をしたということを聞いておりません。  そうなりますと、ここで問題になりますのは、やはり今度はみんなの考え方というのが一体どういうところにあるのかということを、やはりこれは文教政策の一番前提としてよくつかんでおかなければならないんじゃないか。これは、ことしの初めから申し上げておりましたけれども、教育理念の問題につきまして、初めからもう教育基本法の問題から実は文部省の見解もあいまいである。この委員会でもってはっきりとその内容についてのお答えもなかった。そのかわり、これはアンケートを取って、そのアンケートというものは当局側も出す、教育者側も出す、また青少年側も出す、あるいは父兄側も出す、そういうような形態でもってなさったらどうか。これは来年にはなさるというお答えがございましたけれども、ことしの四十二年の分については、あれはどうなっておるのか。これは「文部広報」にお出しになるようなお答えがございましたけれども、これはどうなっておりましょうか、伺いたいと思います。

剱木亨弘自由民主党文部大臣

○剱木国務大臣 この前申し上げました、現在は、青少年を対象としましたアンケートにつきましては、ただいま総理府広報室に依頼をいたしまして、全国で青少年の意識調査ということで約一万人の青少年を対象といたしまして、目下調査を続行中でございます。したがいまして、最終調査結果は明年の三月には集計ができると考えております。

有島重武公明党

○有島委員 そのアンケートの内容でございますけれども、これについてどのようなアンケートを出されるのか、これを伺いたいと思います。これは初めからお願いしてあったんですが、とうとうお答えがなかったのです。アンケートと申しますのは、聞き方によって答えが大体限定されてくるという性格を持っておりますので、アンケートそのものがもう相当これは議論していかなければならないんじゃないか、あらゆる角度から検討していかなければならないんじゃないか、そう思うわけです。いまお話ですと、それはもうすでに始まっておるというお話ですけれども、その内容について承りたい。

臼井亨一文部省社会教育局審議官

○臼井説明員 ただいまの御質問に対しましてお答え申し上げます。  調査項目は大体六つに分かれておりまして、その第一は、職業観ということでありますが、それは自分が職業選択をする基準といたしまして、自分の個性を生かすのを中心として考えるか、あるいは世の中の役に立ちたいというようなことを中心として職業選択をするのかというような点につきまして聞きたい。  第二点は、集団志向の点でございまして、自分個人を中心として考えるか、また仲間、団体的なことを中心として考えるか。と申しますのは、自分が努力をいたします場合に、個人として努力をするのか、または仲間との協力ということのバランスを考えていくのか、どちらに重点を置いて考えるか、両方を並行して考えるか、そういうようなことについて取る。さらにまた、公衆道徳の点におきまして、禁煙の車内でたばこを吸っているというような場合に、これを傍観するか、やめなさいと言うか、そういうような点につきましての意識を調べたい。  第三点は、理想像でございますが、自分が理想として尊敬している人物は一体どういう人であるか、また、その理由はどうか。さらにまた、社会生活におきまして、法律とか社会道徳をどういうような方法において尊重しなくてはいけないと思っているか、また、ある場合においては尊重しなくてもいいと思っているかというような点につきましてアンケートを取る。さらに生活の目標といたしまして、現在の生活を楽しむ、あるいは将来のために現在は苦労していてもやるというような生活の目標。また、これと関連いたしまして、将来の目標をどういう点に置いているか、自分の生活を楽しむか、国家社会のために尽くしたいかというような将来の目標について調べたいと考えております。  さらに第四点は、国家観でありますが、自分の国に対する誇りあるいは満足感というようなもの、さらにまた愛国心、さらに国際社会での役割りに対してどう考えているかというような点について調べたいと存じております。  あと若干、五、六は、ほかの省の御要望をいれたアンケートの項目になります。

有島重武公明党

○有島委員 いまの各項目について、これは文部省の御意見が十分反映されておると思ってよろしいですね。

臼井亨一文部省社会教育局審議官

○臼井説明員 ただいま私が申し上げました点は、主として文部省、私たちが考えまして、総理府のほうへ意見を具申したものが大体採択されてございます。

有島重武公明党

○有島委員 大臣に伺いますが、来年度のこのアンケートについての構想はどのようになっておりましょうか、また、どこでもってこれを管轄してなさる御予定でしょうか。

剱木亨弘自由民主党文部大臣

○剱木国務大臣 政府内におきまするこういうアンケートの問題は、大体各省で提案しまして、総理府の広報室でもってこれを取りまとめて行なう。何を行なうかということにつきましては、広報室でいろいろな点を考慮いたしまして、ことしは何を行なうというふうに決定してまいると考えております。

有島重武公明党

○有島委員 いまお伺いしました一つのほうはわかりました。その構想について、検討はどういうふうになさるか。そのアンケートの内容について……。

剱木亨弘自由民主党文部大臣

○剱木国務大臣 これから来年度のこのアンケートにつきまして項目をきめてまいりたいと思いまして、いま検討中でございまして、まだ確定をいたしておりません。

有島重武公明党

○有島委員 それから、これはついででありますが、「期待される人間像」についての御回答をいただけるようにたびたび委員会で申し上げた。これは、もう近くすぐにも何か出していただけるようなお話でありましたけれども、いまもって出していただけません。これはさらに要望しておきます。  そうして、こうしたアンケートのことをどうして——民主主義といいますと、やはり大ぜいの人たちの意見、世論というものをバックにしてきめていくというのが、これはルールだと思うのです。先日も、羽田事件に関しまして、私は警察署長の何人かとも会いました。学生側とも会いました。警察側で言っておりましたけれども、やはり国民の世論の背景があるからああやって飛んでくる石の中でも人がきをつくってがまんしていることができるけれども、もし国民の世論がなければ警察官はみんな逃げ出してしまうであろう、そういうようなことを実感した、そういうふうに言っておりました。大学教授が学生を説得するということも、これは大切なことでありますけれども、その限度がきたときに、これはやはり学生としての大きな世論、学生なら学生なりの大きな世論をもってこれを説得していく、ただ教授の個人的——と言っては多少弊害があると思いますけれども、それ以上に強いもの、やはりいまの大きな世論の力を借りるのがいいんじゃないか。そのように了解しておりますけれども、文部大臣としてはその点はどのようにお考えになりますか。

剱木亨弘自由民主党文部大臣

○剱木国務大臣 今回の事件につきましては、私どもすべての国民的の世論といたしまして、学生のああいう暴力行為に対して非常なきびしい世論が、これはもう一致しておると思うのでございます。ただ、この世論を背景にいたしまして学生の指導に当たると申しましても、現在のこの学生の動向から申しますと、そういう世論というものとはほとんど考え方がかけ離れた考え方をして、世論によって動かされるという程度の状態ではないのではないか、そこに今回の学生の暴力行為を背景としました学内の学生指導について非常な困難な問題があると考えております。

有島重武公明党

○有島委員 たとえば先ほど言われました少数の学生ならば一人一人と話すことができる、これは可能性があるが、大ぜいの学生になると、これは代表者と話す以外にない、非常に困難なことになってくる、そういうお話がございました。そのようなことにつきましても、これは一人一人全部ほんとうにその人の意見を平素からやはり話し合えるというような状態を——現在ではこれはもう学生の数が昔と違いますから、もうすでにこれは教師とのつながりがなかなか持てないという一つの限度にきている。これがいまの現状でございますが、これをどう打開していくか、その一つの方法として、もっともっとアンケート活動ということをなすったほうがいいんじゃないか、まめになすったほうがいいんじゃないか、そう思うわけでございます。  もう時間がきましたので、文化行政のことについての問題が中途はんぱになりましたけれども、いま文化局でもって宗教に関する情報資料を収集しておられるようでございます。これは十八万からある宗教法人に対しての実態調査をなすっているということでございますが、これが非常に散発的な、局所的なことに終わっている、そのように伺っておりますけれども、これについての状況をちょっと簡単に……。

安達健二文部省文化局長

○安達説明員 文化局の宗務課におきまして、宗教に関する情報資料の収集の仕事といたしまして、一つは宗教年鑑というのをつくりまして、これに各年における宗教行政あるいは宗教団体における状況などを集めて、これを発刊しておるということが一つございます。  それから、ただいま御指摘になりましたのは、宗教団体の行なう事業につきまして、四年計画でもって宗教団体が公益事業その他の事業を行なうその実態を調査する仕事を続けておるわけでございます。

有島重武公明党

○有島委員 いま、ちょっと不明確な点がございますけれども、これも一種のアンケ−トを出しておられるわけなんです。これをさらに徹底化することは、現在の科学技術では可能なことであると思います。電子計算機がこれだけ発達しておりますから。それでごくごく少数な範囲にわたって、まあこれは統計学の上からやっておられるのでしょうけれども、それでは御し切れない部分がたくさんある。さらに綿密にやっても十分こなしていかれるだけのいまは科学技術の水準になっております。それで文部省内にもやはり電子計算機くらいお持ちになったらどうか、そういうふうに思っておりますが……。

剱木亨弘自由民主党文部大臣

○剱木国務大臣 御説のように、いま設置をいたしまして、十二月から利用を開始する予定でございます。

有島重武公明党

○有島委員 それはたいへんけっこうなことだと思います。  それで文化行政、これはいろいろ問題がございますけれども、今度文化財保護のほうと、それから文化局の仕事と一緒に統合していらっしゃる、そういうような御構想であるというふうに承りましたけれども、こうなってまいりますと、これはやはり文化そのものが生きているものであるし、片方は過去のものであるし、こういったかなりいろいろな問題を含んでくると思うのであります。どちらが主奪権を持つか、いろいろなことがあると思います。文化の問題につきましても、多くの情報を的確にこれを集めて、活用して、それで次の文化創造に向かってこれが十分生かされていくということが大切なことじゃないか。これは文化財にしても、現在の文化行政にしても、全部そういったことに、次の時代の文化創造ということに関連を持って行なわれるべきだと思うのでございますけれども、この問題も、やはり大ぜいの、多くのところから情報を集めて、それをどのように処理していき、どのように活用していく、そこに帰着されていくと思います。先ほどのアンケートの問題にいたしましても、これは民主主義というものを、ほんとうにそのよさを十分に発揮した教育をやっていくためには、これを今後も強化していただきたい、そのことをここで要望しておきます。大臣からひとつお答えをいただいて終わります。

剱木亨弘自由民主党文部大臣

○剱木国務大臣 ただいまの文化行政に対しまする各般の情報なり実態を十分科学的に把握する必要があるのではないかという御意見、私はきわめてごもっともな御意見だと思います・特にわが国の、日本のいままでの行政は、そういったような基本的なデータに基づきませんで、そのときどきに応じたような思いつきの行政が多いのでございますが、やはり基本的には科学的な調査に基づきまして今後行政を立てていかなければならない、特に文化行政につきましては十分に御意見に従いまして考慮してまいりたい、こう考えます。

有島重武公明党

○有島委員 お答えいただいて非常に期待を持っております。質問を終わります。どうもありがとうございました。

床次徳二自由民主党

○床次委員長 本日はこれにて散会いたします。    午後零時三十九分散会

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