文教委員会 第4号
- 発言数
- 102 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1967/10/23
会議録
○床次委員長 これより会議を開きます。 文教行政の基本施策に関する件について調査を進めます。 質疑の通告がありますので、これを許します。唐橋東君。
○唐橋委員 時間がありませんので要点だけを御質問申し上げたいと思いますが、簡単に申しまして、過日の新聞報道において、今度の人事院勧告を八月実施に二十日の閣議できめた、こういうことでございますが、従来文部大臣は、人事院勧告の完全実施をできるだけやります。こういうことを明らかにしてきたのでございますが、いわばいままでの主張に対して、屈せざるを得なかったというような結果が閣議の中に出たと思うのでございますが、その理由をひとつ明らかにしていただきたいのであります。
○剱木国務大臣 私といたしましては、人事院勧告につきまして完全実施を最後まで主張してずっと努力してまいりました。しかし、財源関係でございますとか、経済の現状等からまいりましてそれが絶対不可能という線が非常に強く主張されました。しかし、私どもとしては、最終段階におきましては、いままでの、いわゆる昨年までとってまいりましたとおりの決定ではどうしても承服できない。そこで、非常に不十分ではございますけれども、九月実施を八月実施、少なくともそれまでにはしなければ私どもは承服できないということで最後まで話しまして、残念でございますが、八月実施ということで一応私どもとしてもこの一致した結論に従わざるを得なかった状況でございまして、この点は私としましてもまことに申しわけなく思っております。
○唐橋委員 そうしますと、政府のいままでの財政政策のいわばひずみとでもいいますか、そういう中において財源の見通しが甘かった、こういうような点、あるいはまた財政の面に弾力性がなくなってくるんだ、こういう財政上の理由だけで公務員の給与という、いままで大臣も当然完全実施すべきだというこの点に対して、八月実施という単に一カ月を繰り上げただけですべて公務員にしわ寄せしてこれをやっていく、こういう結果になった。こう判断せざるを得ないのでございますが、このような財政政策の結果を公務員にしわ寄せさせて解決した、こういうように判断していいと思いますが、大臣の所見はどうですか。
○剱木国務大臣 私どもも財政上の問題を公務員の給与にしわ寄せすべきでないという主張をずっと七人委員会でも主張してまいりました。けれども国の財政全体の問題から申しますと、やはり本質的には人事院の勧告のやり方そのものにこの問題は理由が内在するのではないか。今後の問題につきましては、やはり人事院の勧告の時期、その他やり方につきまして基本的に検討すべきであって、年度の途中におきまして、さかのぼって給与を改定するというような方法については、考え直さなければならぬのじゃないかとつくづく考えたのでございますが、本年におきましては、私ども相当閣内におきましても主張してまいりましたけれども、国全体の財政的理由によりましてやむを得なかったと考えまして、私どもその最後の決定を承認したわけでございます。
○唐橋委員 いま大臣が言われましたように、公務員にしわ寄せさせない、こういうことになると、人事院の勧告というこの制度そのものに問題がある。こういうような答弁でございますが、御承知のように本年度の勧告に際しては、人事院は特に過去七回にわたって不完全な実施であるからということを指摘して勧告しておるわけでございまして、そのような点を考えますと、いま大臣がちょっと発言されましたように、人事院の勧告そのものを、人事院の制度そのものを政府自体が否定してくる、こういう結果になってきた。こういうように判断せざるを得ないのでございますが、どうですか。
○剱木国務大臣 人事院を否定するというのではございませんで、その勧告の方法、時期等について、これはずいぶんわれわれも検討してまいったのでございますが、他に適当な方法がないので、こういう状況を繰り返しておるのでございますが、この問題はやはりどうしても年度当初において、予算編成期に何とか考慮できるような方法を考えるべきではないかと思っております。
○唐橋委員 人事院の勧告を年度当初にすべきだ、こういう考え方も了解します。しかし、それが現実としていまの中においてできない、こうするならば、人事院のいまの勧告そのものを、制度としても人事院のいまのあり方そのものを、私は政府自体がみずから否定しておるのだ、こういうように判断せざるを得ないわけでございまして、そういう点をもう少し明確にしていかないと、あとでも御質問いたしますが、ここがやはり基本になってくると思うのでございまして、この点に対してもう少し明快に御答弁願いたい。
○剱木国務大臣 はっきり申し上げますが、人事院の存在そのものを否定しておるのでは決してございません。その方法について改善する方法はないかということを申し上げておるわけでございます。
○唐橋委員 人事院の存在そのものを否定するということでないとするならば、いまのやり方について、一つの政府の機関である人事院が勧告したものをのめないということを考えていきますときには、あとでその制度といまの当初予算に組むか組まないかというような問題と関連して、それが解決しないうちは人事院は実質的に政府がその機能を認めていない、こういうような状態に私はやはり解釈をせざるを得ないんじゃないか。こう考えますと、人事院が存在する最大の理由たる罷業権、団交権との関係はどうなるんだ、こういうように私は考えざるを得ないのでございますが、他方において、人事院が罷業権、団交権の代償機関としてありながら、それが不十分である、機能が果たせない、これはもうはっきりしているわけです。だとするならば、罷業権、団交権に対しての考え方は、その時点において、他方の機能がないときにはこの権利に対してはどうなんだという考え方、これをひとつ明確にしていただきたい。
○剱木国務大臣 実施時期、勧告の時期、方法については、いま私が申しましたような多少の問題があると思いますけれども、しかし、政府としましては、人事院勧告の本来の意義を尊重しまして、その勧告をできる限りこれに沿って尊重して決定するという趣旨については何ら変わりはないのでございまして、そういう意味から申しましても、いままで九月実施でありましたのを、これは財政その他の当局からは相当反対が強かったのでございますが、少なくとも一カ月これをさかのぼって八月実施に決定したというのは、私どもとしてはやはり人事院勧告を尊重してとった決定だと考えております。
○唐橋委員 ことばの上では勧告を尊重しますということは言い得ると思います。しかし、ほんとうに尊重というのは、人事院の勧告文にあるとおりこれをおやりください、こういうことで五月から実施しなければならないということ、その趣旨にのっとることが尊重だと思うのです。単に一カ月繰り上げたからこれが尊重だ、こういうようなことはやはり単なる弁解にすぎず、そういうような簡単な弁解が、今後いろいろな問題を生ずる基本になり、そこが政府としての責任のあるところだと私は思うのでございますが、少なくとも法律というものは、一つの政府のもとにおいては、やはり相関的に一体的に考えていかなければならない。一方が不完全であるときに、他のほうだけに完全を要求するということはできない。しかも、その法の責任の所在という場合には、やはり責任ある政府が完全に行なっていてのみ初めてそれに関連する一つの罷業権あるいは団交権を禁止しておくというこの条項も生きてくるが、そうではなくて、一方に不完全さを置きながら、他方だけに完全を要求していくということは間違いである。こういうように考えざるを得ないのでございますが、それに対してはどうですか。
○剱木国務大臣 従来も人事院の勧告を十分尊重してまいりましたが、財政その他の事由によりまして九月実施が最高限でございましたが、本年は特別に財政上の困難をも考慮しつつ八月まで、それも無理だということでございましたが、私ども主張してこれまで人事院の勧告の線に近づけてまいったわけでございますので、その点については、私どもとしてやはり人事院の勧告を尊重してまいっておるということだけははっきり申し上げることができると思います。
○唐橋委員 大臣の答弁の、尊重していこう、いきたいということだけは、そこまでは理解できますが、しかし、結果として、尊重したということは単なる言いのがれにすぎないのではないかと私は考えざるを得ないのでございます。だとするならば、人事院のあの一つの制度の中で、そして繰り返すようですが、団交権、罷業権というものの代償機関としてあり、その代償機関が完全な機能を果たしていないという場合に、その代償としてあるいわゆる公務員のスト禁止というような条項が、それに対してだけ強く要求するという法の一体性に対してはどうなんですか。この点の私は大臣としての明確な所見をお伺いしたいのです。
○剱木国務大臣 人事院は一応勧告をいたしまして、その勧告の線に沿って尊重して公務員の給与改定を行なうのでございますから、これは法の趣旨に対しまして本質的には反しておるとは考えておりません。しかし、これは政府として、でき得る限り人事院の勧告を完全実施ができるような状態に将来とも私どもとして努力していかなければならぬ、こう思っております。
○唐橋委員 どうも大臣の答弁が私のお聞きしたい点に触れておいでにならないのですけれども、人事院の制度というものをわれわれは承認する、そしてその人事院の制度を承認したならば、その制度がやはり完全に行なわれることによって、初めて他方の団体交渉権なり罷業権というものを行使してならぬという法の二つの相関関係があるわけです。これは私から申し上げるまでもなく、大臣みずからよく御承知のことであるわけです。そして他方が不完全であるときに、他方だけを強く行政の責任者として責め得るかということなんです。しかも他方というものは何かといえば、政府が責任を持ってやらなければならないものを、財政上の理由というようなことによって不完全さがある。これは認めているだろうと思う。その不完全さの上に立って、他方だけを完全に行使しようということを行政の責任者は強く要求できるのかということを聞いているのです。
○剱木国務大臣 他方と申しますのは、公務員の例の争議権とかそういう問題だと思いますけれども、これは本質上法律で禁止されておるわけでございまして、人事院の勧告は、それを救済する意味で人事院という制度を設けられておりますが、しかし、人事院が本来存在いたしますのは、政府及び国会に対して勧告をする、そこで決定いたしますれば、その決定した線にやはり公務員は当然に従わなければならぬのでございまして、そこの本末は、私は、人事院の勧告を聞かなければ公務員の争議権を与えよとか、そういう問題ではないと考えております。したがいまして、政府としては、人事院勧告の制度の本質にかんがみまして、できるだけこれを尊重していくべきであるということは間違いないのでございますが、しかし、人事院の勧告がなされて、それが完全に実施できなければ公務員の争議権をとがめるのは無理ではないかということとは本末は逆に考えておるのでございます。
○唐橋委員 いまの答弁をお聞きしますと、私は非常に疑問になってくるわけです。憲法に保障されている罷業権、団交権を禁止するという代償機関として人事院が設置され、そして人事院が、その点については、これは明らかに完全にやってくださいということを政府に要求しておる。勧告ということばであるが、やはり私たちはこうやりなさいという一つの要求だと思う。団交権、罷業権の禁止条項というものの代償に人事院というものを設置し、そして勧告を政府に出す。これはいわばこうやりなさいという一つのものだと思うのです。そうした場合に、こちらのほうは、尊重する精神によってやりましたということばだけのものであって、内容は何かというと、単に一カ月繰り上げたことがこれが尊重でございますから、あとはあなたたちの保障されておる権利というものは一切認めてあげませんという姿勢は、私はいまの政治の中においてはやはり間違いであるということだけははっきり考えざるを得ないのでございます。ともかく大臣は閣僚の中における一つの責任者なんです。その責任者の立場から、責任ある政治ということを要求する場合には、私はやはりいまの点を明確にしておかなかったならば、今後このようなことが繰り返され、そしてそのことが政治の一つの大きなガンとなり、悩みとなり、混乱の原因になっておるとするならば、この原因は、すべていまの責任の所在というこの中にあると私は思うのでございますが、それに対してもう一度お答え願いたいのでございます。
○剱木国務大臣 いままで十月のときもあれば九月のときもあったわけでございますが、ことしは八月にさかのぼって、それより見れば前進した姿で決定をしております。いま、もしそういう理論で申されるならば、十月や九月の過去のときにおいても、不完全実施であるから公務員はストライキなり実力行使をやってもいいというような結論は、過去においても出ていないのでございます。いま八月にさかのぼって実施して、そういう問題には私ならないと考えております。
○唐橋委員 過去に出していないからこそいまの政治の間違いが起こり、そしてあらゆる新聞論調は、常に同じようなこの混乱を繰り返すのには、そこに繰り返す原因がある、こういうことなんでございますが、いままでそのようなことをやっていないから、だから正しいのだ、こういう議論は責任ある大臣としてははなはだ遺憾な答弁であって、そういうふうな押してたたくというようないままでの考え方が政治の間違いであり、閣僚の一人としての大臣が、私としては真剣に完全実施を要求したい、そういうように実現していくことが正しいことなんだ、こういういままでの態度と非常に矛盾するものを私は感じておるのでございますけれども、どうもいまの答弁については納得いきません。もう一度御答弁願いたい。
○剱木国務大臣 これは、完全実施ということをわれわれは努力をしてまいるべきだと思っておりましたし、その努力をしてまいりました。しかし、さきにも申し上げましたように、国会の承認を得た予算が確定をいたしておりまして、政府には予算の執行の責任があるわけでございますから、やはり予算の編成のたてまえから申しますと、当初から人事院勧告を盛り込めるような制度というものを考えなければならないのではないか、私は、完全実施をいたしますためにはそういうことを考慮すべきだと考えます。したがいまして、人事院勧告につきましては、予算等の関係におきまして、勧告に従いましてそのとおり実施できなかった過去の歴史もございますし、また事実上そういう困難な事情もあると思いますが、将来に向かいましては、完全実施ができるような仕組みを考えなければならないのではないかと考えております。
○唐橋委員 時間がありませんので、この点については私も理解できない点が多いのでございますが、質問を先に進めてみたいと思います。 といいますのは、いま大臣は、今後はやはりこのような点が出ないようにすべきだ、こういうことでございますが、それならば、このような問題をどのような展望のもとに立って解決するのかという 一応八月は了承する、こういうようなことをしても、責任者としては、いま議論されたような中において、将来は必ずこのような不明確な責任の所在は置いてはならぬ、こういうようなお気持ちは十分おありだと思います。だとするならば、今後どのような展望のもとに、見通しのもとにこの種の問題を解決していくかということもまた明らかにしていただかなければならないと思うのでございます。このことは、私から申し上げるまでもなしに、いま一〇・二六を控えながら、たとえ八月をのむとしても、それならば今後こういう計画のもとにのむんだ、二、三年後には必ずこういう点は解決していくんだ、人事院の勧告というものを必ず完全実施できるような仕組みができるんだ、こういうことを加えてのみ、初めて八月実施ということが意義づけられるだろうと思うのです。将来これは解決しなければならない問題だ、八月でもしかたがないんだ、これだけではやはり私は責任のがれだと思うのです。いま大臣が言われるように八月を決定せざるを得ないとするならば、繰り返すようですが、今後これに対する見通し、取り組み、これを明確にしない限りは大臣が八月を主張する根拠は薄い、こういうように理解せざるを得ないのでございますが、これに対する将来の展望と申しますか、解決への取り組みとでも申しますか、この点についてひとつ明らかにしていただきたいのです。
○剱木国務大臣 これは全く私見でございますから、政府が決定したわけでもございませんし、また党その他とも相談しているわけじゃございませんけれども、一つの方法として私自身はこう考えている。 それは、終戦後の傾向をずっと見ますと、年々ベースアップが民間においても行なわれております。そういたしますと、民間と公務員との格差というのは当然に開き、これに対して一定の限度においてベースアップが毎年繰り返されております。今後おそらくこの傾向は持続するんじゃなかろうかと想像するわけでございますが、これにつきまして、ある限界のベースアップを年度当初にいたしまして、そして現在の、人事院が四月現在におきましてベースアップをした形におきます公務員の給与と民間の給与とを比較調査いたしまして、その差額につきまして、もし民間よりも低いという場合におきまして現在のような時期において勧告をする。そうしますと、その差額につきましては財政的にも相当少額になってくるのではなかろうか。そうすると、これは年度途中でも実施しやすい状態が起こるのではなかろうか。これは私、機会があればよく御相談をして、何とかそういう方向にできないであろうかということをいま考えております。しかし、これが実施できるかどうか、また、皆さんに御賛成いただけるかどうかわかりませんけれども、私見としましては、そういう何らかの方法をとって、人事院勧告を完全実施できるような方向に持っていくべきではなかろうか、こう私は考えております。
○唐橋委員 内容が、時間がないためだと思いますけれども、非常に理解できない点が多いのでございますが、時間がありませんので、それらに対する文部大臣としての構想等に対しては、あとでまた議論の場があると思いますので、あとにしたいと思います。 ただ、先ほど申しましたように、他方が不完全であるという場合に、いわば罷業権なり団交権を認めていない点に対して、これだけは完全にやるべきだというようなかまえを大臣談話として発表しておるということが新聞に報ぜられておるのでございますが、ここにいまの政治の一つの大きな混乱がある、こう考えざるを得ないので、あの談話を出された理由−私からいえば、責任者が自分の責任を実施していないで他方にだけ責任を押しつける、他方にだけ法律を守らなければだめですよということは、これはやはり行き過ぎであると考えざるを得ない。いままで大臣が完全実施をしますということを非常に言っていて、それが自分の意に沿わないということ、了承せざるを得なかった。こういう経過の中においてわざわざ談話を発表して、そして罷業権、団交権に対する取り締まりといいますか、そういうものに対する一つの考え方を発表するということは、私は、政治のあり方としてはあまりにも不公平である、それが混乱の原因になる。こういうふうに考えておりますので、そのときの考え方をお聞きしたいと思います。
○剱木国務大臣 私としましては、いわゆる完全実施につきまして最善の努力をしたつもりでございます。昨年よりも一カ月前進した姿において決定をいたしましたので、この点につきましては、少なくともその努力のあとは認めてほしいと考えます。なお、罷業権の問題は、法律上明らかにこれは禁止されておりますので、特に私は、教育者といたしまして実力行使ということは絶対に避けていただきたいというので、実力行使を避けるようにいたしますことは私の責任であると考えまして、ああいう談話を発表したわけでございます。
○唐橋委員 罷業権の行使を避けさせたいという気持ちもわかるし、その行使を避けるようにということは、何回も繰り返すようですが、いまの人事院の勧告と相関的にやって初めて生きてくる。こういう考え方は先ほど申し上げたとおりでございまして、それを他方が不完全なものを、他方にだけ完全を要求してということは私はどうしても了承できないし、あの大臣の声明を聞いても、見た者自体は私は法を守るという気持ちの人であったとしても、私がいま申し上げたような気持ちにならざるを得ない。このことだけは大臣でも否定できないのではないか、こういうことを私ははっきりと申し上げておきたいわけでございます。 時間がありませんので、もう三、三項目あるのですけれども一つだけ——委員長、時間はとうですか。
○床次委員長 時間は、先ほど大磯に行かれるということでお話しいたしましたけれども、こちらの関口の教会だそうですからその点お含みおき願いまして、十二時十分くらいまではいいそうですから……。
○唐橋委員 それではひとつ大臣に明白に、これもいわば文教の府の最高責任者としての考え方をお聞きしたいのでございますが、国会と政府機関との関係ということでございます。何かあまり形式的なんですが、政府と国会の関係についてはどう考えるかということをお聞きしたいのです。といいますのは、私から申し上げるまでもなく国会も勧告を受け、衆議院議長はその勧告を受けて、御承知のようにはっきりと完全実施すべきであるということを政府機関に申し出ておる。そしてきょうの新聞等には、参議院の担当の内閣委員会が、これまた満場一致をもって政府に完全実施をするようにということを、国会の機関として申し出ておる。こういう場合に、たとえ国会が閉会中であったとしても、閉会中のものとして国会はそれなりのいままでの慣例、手続等の中から国会意思として政府にこのことを伝えられていると思う。それを政府はいろいろな理由で八月というように、いままで議論したような状態の中において決定したとしたならば、やはり国会意思というものに対してそれを実施できなかった。こういうことが明確に国民の疑問として出てくるだろうと私は思う。そうすれば政府の一つの閣僚の責任者として、しかもそれは文教の責任者として、あらゆる国民の、あるいは教育上の一つの疑義として、国会と政府のあり方に対して大きな疑問が出てくる。この疑問に対して大臣はどのように御答弁をなされるのか、どのような考え方を持っておられるのかということも、これまた心ある国民がはっきりとお聞きしたいことだろうと思います。要は、国会と政府機関というものをどのように考えられているかということを、文教の責任者としての大臣から明白にしていただきたいということでございます。
○剱木国務大臣 国会のみならず、われわれもこれは完全実施ということを努力してまいりましたが、しかし、財政その他の関係によって八月実施ということを政府は決定いたしました。しかし、これは結局給与改定その他につきまして国会において最終的に御検討いただけると思います。したがいまして、国会で、財政その他の状況に応じて政府が八月に決定したことは不当であると国会意思が決定すれば、もちろんこれは政府が責任を負うべきものでございまして、国会に対して責任を持って実施いたしますが、国会の政府に対する最終意思は国会自身でおきめいただけることと存じますし、その結論によりましては、これは政府が責任をそれによって国会に対してとるということは間違いない問題だと思います。
○唐橋委員 そうしますと、一応衆議院議長なり各担当の委員会等が政府に申し入れたのは、申し入れたことだけをお聞きして、財政等の理由で予算を組んで国会に出すので、そのときの国会意思の決定に従う、こういうことになる、こんなようなお考えなんですか。
○剱木国務大臣 衆議院議長が申し入れたということは、私、どういう意味で申し入れたかまだ聞いておりませんが、衆議院議長が国会の全体の議決によってこれは申し入れたとすれば、それは国会の意思だと思います。しかし、これは財政上の問題がございますので、そういう国会の議決で、あらかじめ国会がこの完全実施を決定するというようなことは、私には考えられないのでございます。これは政府が決定をいたしまして、その結論について適当、不適当は国会が論議していただく問題だと考えておりまして、あらかじめこういう問題について国会が完全実施を意思決定をされて、衆議院議長が申し入れられたというようなことは、私は承ってもおりませんし、また、事実上そういうことはあり得ないのじゃないかと考えております。
○唐橋委員 私はきのうこちらの院内に来たものですから、その点は明確に確かめておりませんけれども、新聞には、衆議院議長の申し入れもあった、こういうような記事がちょっと出ておりますので、形としてはどういう形であるかということを確かめなかったのでございますけれども、その点についてはもう少し保留をしておきたいと思います。もう少し検討したいと思います。 ただ、担当委員会のほうで、これは参議院の内閣委員会ですが、満場一致で決定して申し入れてあるということは事実ですが、聞いていますか。
○剱木国務大臣 私もよく存じませんでしたが、そういう議決があったということは事実のようでございますが、それをどういう形で政府が受け取ったかは、まだ聞いておりません。
○唐橋委員 閉会中のいろいろの政府機関との関係の持っていき方というのは、いまの衆議院議長の問題等も含めまして、これは検討しなければならない問題だと思うのですが、少なくとも両院のうちの一つの担当委員会がはっきりと決定しているというような点について、やはり尊重する。国会と政府との関係ということに対する一つの大きな運営といいますか、機関同士のあり方といいますか、そういう点は非常に問題になってくるだろうと思うのでございますが、少なくとも国会でそのような意思表示があれば、当然政府機関としては、これはのむべきであるという考え方はこれはあたりまえのことですが、それに対しては否定できないでしょう。国会が正しく意思表示をしていくということについては、政府はこれに従うということだけは、動かし得ないわけでしょう。
○剱木国務大臣 国会の意思決定は、やはり最終段階では、正規の総意というものの決定のしかたをおのずから国会法で決定していると思いますが、その方法によって意思決定されましたら、これは政府はもちろんそれに従わなければならぬと思います。ただ委員会で決定いたしましたこと自体が国会の総意であるとは、しかも参議院でございますから、衆議院の御意思決定とは必ずしも現段階では認められないのではないかと思います。
○唐橋委員 その点についてはこのぐらいにします。 都市手当についてはずいぶん議論があった、こういうようにお聞きし、そしてあの八月実施ということを決定すると同時に、具体化については検討する、こういうような条項の中で都市手当が承認された、こういうことでございますが、そのとおりですか。
○剱木国務大臣 都市手当につきましていろいろ論議があったことは事実でございますし、また、これにつきましては政府部内におきましては暫定的措置として一応これを認める、しかしその実施その他につきましては今後十分検討していくということについては、間違いありません。
○唐橋委員 検討するという内容なんですが、その中でやはり問題になったのは、これを実施していくことによって地域格差というものが非常に大きくなるというのが中心になっておるだろうと思います。そうしますと、検討するということは、必ず都市手当の設置に伴う格差の増大を縮小していくんだ、こういうことでなければならないと思うのですが、この点についていままで大臣としては、文教の責任者の立場からはこの格差の増大ということに対して、都市手当設置については非常に批判的な立場をとっておられたということも聞いておるわけでございますが、単に検討するというこの内容は、どの辺までどういう方向でこれを持っていこうとするのか。もう少し具体的な点をお伺いしたいわけです。
○剱木国務大臣 仰せのとおり、この都市手当の決定、この問題につきまして一番関係が深いのは教育公務員の問題だと思います。そういう意味合いにおきまして、この論議につきまして、私強くこの都市手当を検討すべき問題として取り上げましたことは事実でございます。ただ、最終決定といたしまして暫定的に取り上げますということを決定いたしましたのは、いままで人事院勧告について、その時期につきましては、これを変更——勧告のとおり聞かなかった例はずっとございますが、しかし、これはいろいろ論議された点でございますが、もし時期と内容ということにかりに区別できるといたしますならば、その内容面につきましては、いままで人事院勧告を変更したことはないのでございますので、今回におきましても、都市手当にはいろいろ論議の点があるけれども、しかし、その内容を変更するということは思わしくないであろうということで、暫定的にこれを採用いたしまして、本質的には今後都市手当につきましては再検討するということで、私ども了承したわけでございます。 この内容の実施につきましては、特に私ども強く要望いたしましたのは、また人事院もそれを考慮しますということで私は了承したのでございますが、さしあたりの問題としましては、都市手当を支給いたしました際において人事の異動に対して支障のないような具体的な方法を人事院としては考える、その具体的方法等についてこれから検討するということを、私としては条件をつけまして承知をしたわけでございます。
○唐橋委員 そうしますと、具体的に問題になってくるのは僻地手当、通勤手当だと思うのですが、これを増額していく、こういうような考え方が出てこなければならないと思うのですが、その点は相当検討されたのですか。
○剱木国務大臣 僻地手当及び寒冷地手当と都市手当は、その性格は全然違うのでございまして、都市手当は、その人事院の全部の勧告の基本になっております都市におきまする一般の給与と国家公務員との給与の差額、これが都市手当を決定する基本になっておったと思います。寒冷地手当及び僻地手当は、この給与の差額というような問題とは全然観念を異にするものでございますから、この問題については都市手当と対照的に考えるという問題にはならぬと思いますが、しかし、全教員の配置その他の問題から申しますと、これらの僻地手当等につきましては、その増額等について、私どもとしては都市手当との関連においてではなしに、当然にその増額その他においては今後努力してまいらなければならぬと考えております。
○唐橋委員 都市手当と僻地手当との性格上の問題は大臣おっしゃるとおりであり、私たちもそのように理解しています。しかし、実際は人事の異動というような点、特に僻地の人事がめんどうだ、こういうような点はいつでも人事を行なう上の最大の障害になっているわけです。ですから性格としてはそうであっても、給与を受ける立場から見れば、やはり相関的に考えざるを得ない。そして必ず格差というものが増大にならないようにしていくことこそが給与の一つの原則でないのか、こういうような考え方を私は常に持っており、そしてそのためには僻地手当あるいは寒冷地手当また通勤手当のアップ等による手当の増額というようなことは、そのつどそのつどやはり実情に応じて、都市手当設置の理由というようなあの状態がもう必ずこの中に出てくると思うのですが、そういうような理由によってこの増額ということをしなければならない、こう考えていて御質問を申し上げたのでございますが、ともかく今後検討していくというだけでなしに、もう概算の予算要求が文部省としては出されているのですから、その中においてどのような形でいまの、私からいえば性格上は別としても、相関的なものと考えざるを得ない現実の中においては、都市手当とからみながら、この種の手当の増というものをやはりあらためて検討して概算要求等に生かさなければならないと考えるのでございますが、これについてはどうですか。
○剱木国務大臣 いま申しましたように別個の問題でございますが、ただ私どもとして都市手当というものについて相当研究をしなければならぬと申しましたが、教員の配置の問題等につきまして、もちろん都市に居住するがゆえに相当民間給与との差額があるということだけは認めざるを得ぬと思います。しかし、その差額の点については、やはり都市手当というような形式でなしに、あるいは住宅手当でございますとか、あるいは現実に教員に住宅を与える、そういったような方法においてこれを解決すべきではないかということを私どもはいまも考えておるわけでございます。僻地手当、寒冷地手当等につきましては、将来に向かいましてその増額その他については考慮いたさなければならぬと思いますが、現在この僻地等につきましてはいろいろな問題点がございますので、十分検討した上で、いかなる具体的な案をつくらなければならぬかということで、いまいろいろな問題につきまして検討いたしておるのでございます。四十三年度の予算におきましては、一応僻地手当等につきましては従前どおりの予算要求をいたしておりますが、しかし、この問題については十分検討してまいりたいと考えております。
○唐橋委員 それでは人事院関係の質問に入る間、給与関係でなくて、大学の授業料についてひとつ大臣のお考えをお願いしたいのですけれども、当然その時期になってきていて父兄の関心というものは、特に大学の急増期において国立の大学は授業料が上がるのか、もし国立大学が上がれば私立などがまた大きく上がるのじゃないか、こういうような非常な不安等も出てきているわけでございますが、新聞報道等によれば、大臣としては授業料を上げない、こんなような報道があり、あるいはまた財政当局のほうでは上げなければ非常に困るのじゃないか、こんなようなことも報道されておる。だとすれば人事院の勧告にあったと同じように、いつでも強いのはもう財政当局であって、文部省はいつでもそれに屈せざるを得ない、こんなような状態であるとすると、この授業料値上げについて非常にやはり危惧の念が出てきておるというわけでございますが、まず一つは国立大学の授業料に対してことしはほんとうに上げないでいけるのかどうか、この点をひとつ明らかにしていただきたいと思います。
○剱木国務大臣 文部省といたしましては、国立大学の授業料を上げる意思はございません。四十三年度の予算におきましては、授業料値上げ等につきましては何ら考慮いたしてないわけでございまして、なお、大蔵省その他財政当局から私のほうに授業料値上げについての交渉もまだ受けておりません。また、もし交渉を受けましても、私は絶対に授業料を上げることにつきましては、いたしませんとはっきり申し上げていいと思います。
○唐橋委員 国立の大学の授業料は上げる気もないし、予算要求もあるいは財政関係等の状態等も御説明があって明確になったわけでございますが、国立関係はいいとしても、私立関係の授業料の値上げということについて文部省はどのように現段階において把握されているのか、この点をひとつ伺いたい。
○剱木国務大臣 四十三年度の予算におきましては、私立大学関係につきます援助を文部省の重点的施策の一つとして予算要求をいたしておるわけでございますが、これも人件費につきましての援助ということはいたしておりませんので、私立大学におきまして現在の状況で私学が授業料値上げをするということにつきまして、これを禁止する方法は現段階においてはございません。しかし、私どもとしては、できるだけその他の援助をいたしまして、授業料値上げをしなくて済むような形においてぜひ援助を実現したいと思っております。ただ、この人事院勧告の問題は、私も実際私学に関係したことがございますが、私学におきましては財源関係が非常に限定されておりまして他に収入がございませんので、ベースアップをやっていくという場合において、その財源関係をどうするかということは各私学とも非常に困っておる問題だと思います。この私学の授業料値上げということを完全に阻止してまいるためには、将来の問題といたしましては、やはり人件費に対します国の援助というものを考えなければいかぬのではないか。しかし、私学懇談会の答申によりまして、いろいろ論議されました結果、人件費についての援助は適当でないという一応結論が出まして、将来の問題として考究すべきだという答申になっております。しかし、授業料の値上げを阻止するというたてまえから申しますと、やはり人件費というものを考えないと、国が人件費に対する援助なしに授業料だけを阻止するという立場は非常に困難であろうかと思いますが、四十三年度の予算が成立いたしますれば、私学全体の経営面からいいますと相当余裕ができてくると存じますので、各私学がそんなに従来のような大幅な値上げのしかたはいたさないで済むというふうに私どもは考えております。
○唐橋委員 大臣の答弁で、禁止することはできないが、他の方法によって私学を援助して最小限度にその値上げを押えていくということでございますので、その趣旨は了解もできます。またその内容等についてどのような予算要求をしておるかというような点の具体的な質問等もいたしたいのでございますが、時間の関係で次回に譲りまして、ただここで申し上げたいのは、最小限度これだけいろいろ私学との話し合い等においてやめていただくことができないのか。ということは一つは、二つの学校を受けた、そして入学金を納めた、こちらのほうに入った、こちらのほうの学校に入らなかったというときに、実際に入らなかった学校からは、一たん納めてあったとしても、これはやはり戻してもらえないものだろうか。これはやはり具体的な点の問題として、こういう点はやはり話し合いによれば解消できるのではないか。私も私学の連合会の事務局の方々のお集まりのときもその点を話して、やめていこうという空気も多少あります。そういうような点も出ておりますが、そのような一つのきめのこまかい問題を、ひとついまの大学の非常な急増期の中において、あの大学進学の生徒が苦しんでおる状態の中においてはやはり必要だ、こう考えておるのでございますが、それについて何か文部大臣としてやってみようというような気がおありかどうか。
○剱木国務大臣 この問題は、入学の手続をしまして、入学金を納めて、それから入らなかった場合にそれを本人に返すということでございますが、これは強制的には命令するわけにいかぬと存じますけれども、しかし、行政的には十分私学のほうと話し合いをいたしまして、そういうことのないようにできるだけしてまいりたいと思っております。
○唐橋委員 それから、父兄で特に要望されておりますのは、子供を大学に出しておる——高等学校の場合もそうでございますけれども、特に大学の場合は金がかかる。しかし、一定の収入の中で子供を大学に出していても税の免除というものがない。しかし、教育費の免除額というものはある程度やはり今後十分検討すべきじゃないのか。こういうことは常識論としても正しいと思うのですよ。ですから、たとえば高等学校に一人がいれば免税点がこれだけで、大学に一人がいれば免税点は月二万なら二万ずつをやはり免税点として見られる。当然これはかかっている金であって、かかっている金に税金が賦課されるということは、収入であっても、これは非常に問題があると思うのでございまして、こういうような点は、大蔵当局から出てくるのでなくて、文教の責任者のほうから、当然教育費の免税という、いわゆる控除の設定ですね、そういう点に対するものは今後の行政府の中において大きく取り上げていくべきだ、私は、いままで文部省の状態を見ていますと、何かそういう方面への働きかけというものが非常に少なかった。だから、ひとつ大臣、大勇断をもって教育費の免除という制度を設置していくという大きな一つのかまえを出していただきたいと思うのでございますが、これに対してはどうですか。
○剱木国務大臣 実は四十二年度の予算編成にあたりまして、いま申されました点について強く財政当局に要望いたしまして、最終段階におきまして、たとえば私立学校に対しまする寄付金その他のワクの免税につきましては相当広げてもらったわけでございますが、教育費の免税につきましては、最終段階までずっと論争を続けてまいりましたが、ついて教育費の免税は四十二年度の予算におきましてはこれを実現することができませんでした。しかし、四十三年度のこの予算編成にあたりましては、私どもとしては、強力にこの問題を取り上げまして、教育費の免税をぜひ実現したい。これをいま大蔵当局と相当の折衝をいたしつつございまして、私としては、この教育費の免税をぜひ実現するべく努力をしてまいるという決意をいたしておるわけでございます。
○唐橋委員 あと人事院関係にちょっとお聞きしたいことがあるのですが、斉藤委員の質問後に時間があればやらせていただくことにして、私の質問を一応終わります。
○床次委員長 斉藤正男君。
○斉藤(正)委員 先ほど唐橋委員の質問に答えて、大臣の答弁の中から、どうしても理解できない点がございますので、関連して二、三伺いたい。 人事院勧告の完全実施をめぐって大臣が特に六人委員会へ入っていって努力されたことについては敬意を表するものでありますけれども、私どもが期待していたほど大臣の働きがあったと評価するわけにはまいりません。非常に残念であります。しかも大臣は、スト権が剥奪されている日教組が実力行使などということは違法である、一カ月繰り上げて八月にしたんだから前進ではないかというような言い方をされておりますけれども、基本的な問題を忘れておられるのではなかろうか、このように思いますので伺うわけでありますけれども、大体無実の罪の者に対して、例は悪いんですけれども、九カ月の懲役の判決があった、それをいろいろやって八カ月に短縮したんだというようなことであって、これは五月に実施をして初めて無実が無実になるんですよ。だから九カ月の懲役を八カ月にまけたからといって無実の罪が晴れるわけじゃない。これは非常に例は悪いですよ。悪いけれども、勧告がやはり五月と出ておるならば五月にやって初めて制度上は完全ということになる。内容的に技術的にいろいろ問題はありますけれども、そこに非常な問題がは私はあると思うのであります。したがって、人事院制度の生まれた原因は何かということから思いをいたすならば、九月を八月にしたからといってこの問題が関係者を説得させるだけの理由にはならない。全く不法だと思うんです。不当だと思うんです。不当にして不法だと思う。この点をもう一ぺん大臣、どのようにお考えになっているのか承りたい。
○剱木国務大臣 公務員の実力行使は、これは国会で通過しました法律で明定されているわけであります。この問題で、いかなる理由がありましても、文部大臣として、法律を守る必要がないというようなことは絶対に法治国家として言えません。いやしくも法律上禁止されておりますものを、われわれ法律の実施に対する責任者として、法律を守っていくということを教育公務員に対しまして要求するのは当然のことだと思っておりすす。
○斉藤(正)委員 私がちょっと大きな声を出したり、言い方ががんこだと、大臣もすぐそういうふうにぶっきらぼうな答弁をされますけれども、もう少し理性的に答弁してください。 なるほどそのとおりなんですよ。しからば、なぜ公務員あるいは教職員にストライキを禁止した法律をつくったのか。そしてまた、ストライキを禁止する法律をつくっただけでは片手落ちだということで人事院制度が生まれた。これはもう御案内のとおりです。この点については大臣も異議ないと思うのでありますが、そうしてまいりますと、やはり人事院の勧告を完全実施することによってのみ公務員の皆さんはストライキを打たなくてもまあまあがまんできる。実力行使に訴えることもないだろう。こういうことになることもまた現象的に明らかじゃないですか。ただ禁止だけしておいて、あてがいぶちをあてがっておいて、これでがまんせよ。一体どこに客観的に科学的にそうした皆さん方を説得する理由を求めようとするのか。法律できめてあるからだめだ、その一点ばりではこの事態は解決できない。したがって、唐橋委員の質問にもありましたように、当初予算に来年から盛るとか、あるいは勧告の時期と方法について考えるとか、一ぺんで無理ならば協定を結んで年次計画を立てるとかいうような配慮があってこそ、私は前進であり、進歩だと思うわけなんです。こんなことを一カ月ばかり繰り上げてごまかしておったって、抜本的な解決にならぬ。大臣もそのようにお考えになっておると思うのでありますけれども、その辺については、先ほど個人的な見解だがという前置きを置かれて、若干いい方向に行きかかったのに、途中で気がつかれたのか、あまり個人的な見解も述べておらない。一体どうなんですか、そこら辺。もう一度聞きたい。
○剱木国務大臣 人事院勧告を完全実施することについて私どもは努力しなければならぬことは事実でございますが、しかし、人事院勧告について政府がとりました措置につきまして、最終段階においては、これは政府は国会に責任を持つべき問題だと思います。このことによって法律上規定されておりますこのストライキの禁止が解除されるとか、そういう問題とは別問題だと考えております。
○斉藤(正)委員 別問題と言いますけれども、いま非常に重大な事態を迎えて、なに十月二十六日が済んでしまえば、また来年の十月を待てばいいんだ、私はその間にやめるんだというようなお気持ちがあってこの貴重な質問に対する答弁をいいかげんにされちゃ困るわけなんですよ。別問題ということはわかりますよ。議会の立場と政府の立場はいろいろありますからね、わかる。わかるにしても、先ほどあなたがちょっと触れかかったように、個人的な見解でもけっこうでありますよ。一カ月繰り上げたんだからがまんせいというだけで、がまんするほうががまんしっこないということなんですよ。もっとここに日本の文教政策を考え、国政を考える大臣ならば、このような方法はどうでしょうか、このようなことで当事者とも話し合ってみたいと思いますというような覚悟のほどはないのですか。一生懸命にがんばったけれども、六人委員会で、あるいは閣議で八月ときまったから私はもうこれでお役ごめんだ、せいせいしたということなんですか。その辺もう一ぺん聞いておきたい。
○剱木国務大臣 まあ八月にきまること自体が非常に困難であったと思います。それについて私が、自分のことを言うわけじゃございませんが、自分のできるだけの努力をしたつもりでございます。ただ、現在の公務員制度の上から申しまして、やはり国家公務員に対しまする現在の法制上からいいまして、人事院勧告をできるだけ全面実施のできるような形に持っていきたい、この具体的な問題については十分今後考えてまいりたい、かように考えております。
○斉藤(正)委員 まあ何度聞いてもやはり申しませんので、ちょっと角度を変えますけれども、あなたは世界教職員団体総連合という団体がWCOTPという略語で呼ばれていることを、さらにそういう団体があることを御存じですか。
○剱木国務大臣 存じております。
○斉藤(正)委員 このWCOTPが九月十九日付ウィリアム・G・カーという事務局長名であなたに対し、日本の教職員の待遇その他のあり方について正式な文書が来ているはずでありますけれども、ごらんになりましたか。
○天城説明員 私たちのところまで届いております。
○斉藤(正)委員 大臣見たですか。
○天城説明員 大臣にまだお目にかけておりません。
○斉藤(正)委員 その当時天城さんは初等中等局長でしたか。
○天城説明員 私の前任者のときでございます。
○斉藤(正)委員 あなたはいつ見たですか。
○天城説明員 初中局に参りましてから、課のほうからその報告を受けました。
○斉藤(正)委員 それは初等中等局長あてに来ているのじゃないでしょう、大臣あてに来ているんでしょう。
○天城説明員 私あてじゃございません。大臣あてでございます。
○斉藤(正)委員 それは大臣に見せてないんですか。
○天城説明員 私はまだ報告しておりません。
○斉藤(正)委員 困るね、それは。それじゃいまから大臣に聞こうと思ったことが、大臣では全然答弁できなくなっちゃうじゃないか。大臣、こういうあなたに対する要請書が来ているんですよ。さる八月のWCOTP執行委員会に提出され、同年次総会(カナダのバンクーバー)で承認された「日本の現状に関するWCOTPアジア委員会の決議」について十分留意するよう、文相の注意を喚起したということになっておるわけでありまして、そのうちの一は「日教組が二十年前結成された時は政府から承認されストライキ権を持っていた事実を注目する。しかし一九四九年以来日教組と日本政府の関係が悪化しILO特別調査委員会の実情調査がなされた。当アジア委員会は、ILO条約に盛られた諸権利を日教組に与えるべきであるとのILO特別調査委の勧告に注目する。」二つ目は「日教組はよく組織された日本最大の教員団体である。したがってわれわれは「日教組の実態は勧告に述べられている教員団体のイメージに合わない」という日本政府の」この日本政府というのは文部省のことだ。「見解を理解することができない。日本政府の見解には教育的配慮よりむしろ政府的観点のほうが強く打出されている。日本政府が日教組に対する考え方を再考し、I」O・ユネスコの「教員の地位に関する勧告」のなかに述べられた諸権利と教員団体としての地位を日教組に与えるよう強く要請する。アジア委員会は「教員の地位に関する勧告」が、国の発展と国際理解、質の高い教育の重要性の認識に立ってなされたことについて、日本政府の注意を喚起する。」三番目に「当委員会は、教員の給与、勤務条件などの諸問題は「地位勧告」に示されているような特別の配慮をもって検討されるべきことを勧告する。特にこれらの問題を国内的に処理する方法を明記した「地位勧告」の第八二、八三、八四項に対し日本政府の注意を喚起する。」ということになっておりまして、大臣が見ていないとなると、これはもう話にならぬ。これでは給与の問題に真剣に取り組んでいますとかいろいろ言いますけれども、真剣に取り組んでいるのかどうなのか、きわめて疑問にすら思うわけであります。 特にここに言っておりますように「「日教組の実態は勧告に述べられている教員団体のイメージに合わない」という日本政府の見解を理解するこができない。」と言っておりますが、御承知のよに十月二十六日に統一行動を計画していることは御案内のとおりです。この事態を迎えてきょうは二十三日だ。先ほど私がちょっと触れましたように、ことしはこうであるけれども来年度から人事院勧告の完全実施についてしかじかかように考える、ぜひ一〇・二六はやめようじゃないかという話を日教組の委員長とお話し合う意思はありませんか。
○剱木国務大臣 日教組と話し合うという必要はいま感じておりません。ただ、いまの日本政府の注意を喚起するという問題につきましては、十分内容を検討いたしまして考究してみたいと思っております。
○斉藤(正)委員 いまごろ局長からその勧告書を受け取って、これから検討するじゃおそいですよ。もう関ケ原が二十六日に迫っているわけだ。大体前局長にしろ新局長にしろ、大臣あてに教職員連合から来た文書をなぜ見せなかったんですか。こんなものは局長が握りつぶしていいものだというような理解をされているんですか、天城局長。
○天城説明員 私、いろいろ引き継ぎました仕事の中で、どこまで大臣に報告されておるか判明いたしておりませんでしたので、手落ちがあったかもしれません。
○斉藤(正)委員 どうもやはり日本の教育を語るに、日教組を度外視して語れないでしょう。これは大臣、認めますか。
○剱木国務大臣 日教組を度外視したことはございません。
○斉藤(正)委員 そうでしょう。そんならやはりもっとこういう基本的な問題を、しかも国際的な視野と連帯の上に立って日本の教育なり、あるいは日本の教員組織に対して関心を持っている文書がですよ、九月の半ばに来ているのに、十一月を迎えようとする今日、それが局長のところに握りつぶされておるなんというばかなことが行政上あっていいものかどうか、大臣どう思いますか。
○剱木国務大臣 私は日教組がやはり日本の教職員、地方教育公務員たる身分を保持する限りにおいて、法律に違反するストライキを二十六日に決行するということを決定——いわゆる法律違反の行為をあえて決定いたしました状態において、これと私は話し合いをするという意思は毛頭ございません。(「完全実施をすればやらない」と呼ぶ者あり)完全実施をする、しない前の事態において、すでにそういう方針を決定しておるのです。そういう性格的にいわゆる法律無視の動向がある限りにおきましては——これを一切取りやめて、一切そういう法律違反の行為をしませんと、これは日教組だけじゃありません。日本教師会及び日本教職員連合会ですか、これらははっきり声明書を出しまして、その日教組がストライキをやるということについて、教員としてははなはだこれは遺憾であるとはっきり言っております。同じ教員でも。やはり法律に順守するという精神にまず基づいてもらわなければ……。そういう法律違反のことをあえてやるという団体に対しまして、文部大臣が話し合いをするというわけにはいかないと考えております。
○斉藤(正)委員 私、そんなこと聞かないですよ。斎藤局長のときも天城局長になってからも、このような重要な文書を握りつぶされていて、あなたのところに届いていないけれども、これについてあなたはどう思うかと聞いている。それをこちらのほうに答えてしまっている。そんなこと聞いていませんよ。
○剱木国務大臣 おそらく調査してみなければわかりませんが、内容等について検討中で、検討の結果私のところに持ってくるという原局の考え方であろうと思います。
○斉藤(正)委員 こんなことで私は実は突っかかるつもりはないので、もっとすらすらと、日教組と二十六日までに会います。約束をしますと言ってくれれば、それで済まそうと思っていたのですけれども、どうも変なことになっちゃって、たいへん事志と違っておるわけですがね。閣議決定なり議会の決定を待たずしてストライキを計画したような団体にはもう全然会う気持ちはないんだと、こう言う。いまでもまだやめられるんですよ。こんなことは何もやりたくないんだ。だれが一体やらせたのかという点に問題があるわけなんだ。やりたくてやっているんじゃないですよ。大体、やればどうなるかぐらい、皆もう全部知っている。それでもあえてやろうとしているのですよ。そこら辺がわからないようじゃ、とてもじゃないが話にならぬと思います。人事院制度の完全な実施を望んでいるだけなんです。完全実施をやればやらないですよ。そこら辺に非常な——立場の相違ももちろんありますけれども、考え方の相違があって、非常に残念に思うわけでありますけれども、もう時間が来ましたから何ですけれども、あなた、どんなことがあっても日教組と会わないという言い方は、決して前進ではない。日本の文教政策を推し進める上においても得策でないということは、腹では思っているのじゃないですか。何なら会って、何とかこういう方法で、建設的に前向きに考えるからやめようじゃないかという気持ちがあるんじゃないですか。二十六日の統一行動を阻止する意味でも、中止させる意味でも、この際飛び込んで会う。大臣が首になろうが、自民党から除名されようが、おれは日本の文教政策進展のために会うというだけの気持ちはないですか、どうなんです。
○剱木国務大臣 これは、私の就任以来はっきり申し上げておるのでございまして、いままで歴代の文部大臣が踏襲いたしました日教組に対しまして三つの条件を出しておるわけですよ。私は少なくとも今度のストライキについて、教職員といたしましてストライキをやめる、はっきり明確にそういう決意をいたしてもらえばいつでも会う、こう申しております。ストライキをやるという決行の意思を捨てないで、私がそれを会ってやめさせる、こういう問題ではないと思っております。
○斉藤(正)委員 もう約束した時間ですね、非常にいいところまで来ていて……。私、この次また質問を約束しておきます。 ほかから来た通達などはよくセレクトして、これは大臣が見るべきもの、局長段階で押えるもの、部長でいいもの、課長でいいものもあるでしょうけれども、しかし、やはりこうした国際的なもの等については、部局長によく言って、全部おれのところによこせと、じかに見てもらいたい。こういうものを見ていないから、あなた、とんちんかんな考え方なり答弁になってしまうのです。きょうの答弁は非常に残念でありますけれども、質問を保留して終わります。
○床次委員長 引き続き唐橋東君の質問を許します。唐橋君。
○唐橋委員 人事院にお伺いしたいのですけれども、忙しいところを急においで願いまして、御苦労さまです。 先ほど文部大臣のほうから、いろいろ都市手当の問題についての議論の経過等も一応お伺いしたのでございますが、今回の人事院の勧告の中で一番議論されたものは、時期と都市手当であったと思うのです。時期については、人事院のほうはいつでも完全に実施していただきたいというような、勧告のとおりでございますので省略するとして、この都市手当について人事院が勧告をし、そしてそれが一番問題化されたという点はどこにあるか、私たちいろいろ予想はつくのでございますけれども、直接担当された方から、都市手当の議論の焦点をひとつお伺いしたい。問題になった焦点はどこなのかということをひとつお伺いしたい。
○尾崎説明員 今回勧告いたしました中身におきまして、いろいろ問題になりますのは、御指摘のとおり都市手当でございます。それで、都市手当につきましては、私どもの立場から申しますと、やはり職員がなかなか都市において採れないということ、かつ、現在の暫定手当が定額的になっておるということで、ますますその関係が悪くなるという見通しにございますので、勧告を申し上げたわけでございますけれども、そういう関係につきまして、私どもの説明も何でございますけれども、いわば都市手当という名前によりまして、非常に一般的に何か都市に手当がつくといったような、そういう感じもあったのではなかろうかという気持ちもするのでございますが、そういう私どもの必要性に関する趣旨について十分理解がしていただけないところがあったという点が一つあると思っております。 それからもう一つは、そういういわゆる地域的な給与でございますから、地域的な給与の運命でございますけれども、人事交流の円滑化という関係が、実際に現在の暫定手当と今度の都市手当とはほぼ同様な制度でございますけれども、やはりもっと人事交流を円滑化したいという御要望が、たとえば教員関係等におきまして強うございます。そういう面から申しますと、若干その点に問題があるのではないかというような御意見がございました。 それ以外には、たとえば自治省関係におきましては、地方公務員給与に対する指導についてどうしたらよかろうかといったような問題、それから、昔勤務地手当という制度をかなり広範な地域指定をしてやっておったことがございまして、それが現在の暫定手当制度に凍結されてきておるわけでございますが、そういう地域手当制度におけるいろいろな不合理な点が再現されるのではなかろうか、こういういわば疑心暗鬼と申しますか、そういう不安感、そういった点が問題点であったのではないかというように私どもとしては理解しておるのでございます。
○唐橋委員 そのように議論された経過の要点でございますので、一応了解できますが、ただここで、それだけ地域手当なり都市手当あるいは暫定手当というものは非常に問題になる性質のものだと思うのですが、私たちから申しますならば、この前の委員会等においても申し上げましたように、住宅手当、通勤手当というものを当然考えなければならない。都市手当というよりも、むしろ現実はそういう点に問題の焦点を与えないがゆえにこのような問題が出てくるのではないかということも考えざるを得ないのでございますが、これに関連して、この議論の中において、どうしてもいま住宅手当やあるいは通勤手当の問題等が議論され、そしてそれがいわば前向きの姿勢で相当解決すべきであるというような意見がいままでの間に出ておったかどうか、それをお伺いしたい。
○尾崎説明員 住宅手当、通勤手当につきましては、人事院といたしましても、かねてからいろいろ留意してきているところでございまして、特に通勤手当につきましては、職員の通勤状況、特に都会におきます通勤状況が困難でございまして、そういう関係におきまして、かつ、民間におきましても通勤手当、こういったような手当がかなり広範に出てきておるという関係を考慮いたしまして、通勤手当を特に新設をいたしまして−もっとも通勤手当の新設のときにもやはりいろいろ問題点があったわけで、たいへんこういう議論があったわけでございますけれども、やはり現在におきましては、民間において非常に普及した手当になっているわけでございます。この通勤手当につきましては、現在民間の状況を調べまして、その民間の状況に合わせるように勧告をいたしまして、それによって制度を維持してまいっておるわけでございます。去年通勤費用の値上げがたいへんございましたので、去年この関係につきましてさらに相当程度の改善を行なったわけでございます。ことしは、そういう関係にありまして、通勤費用につきまして特別の大きな値上げの関係がございませんでしたので、ことしはそういう関係におきましては特別な措置をいたさなかった次第でございます。 一方、住宅手当の問題につきましては、これもやはり職員からたいへん要望がございまして、私どもとしましても毎年民間における状況を調査してまいっております。そういう意味合いで、たいへん大きな問題というふうに意識はいたしておるのでございますけれども、民間における状況といたしましては、住宅手当の普及度というのがまだそれほどでございませんで、ことし調査した場合におきましても四割足らずということでございます。毎年少しずつふえてきておりますけれども、まだそういう状況でございますので、手当を新設する場合においては、民間において相当普及しておるという場合に取り上げることがやはり適当だというふうに考えておりまして、ことしはそういう関係について措置をいたさなかったわけでございますけれども、住宅関係におきましては、やはり都市における住宅が問題でございます。都市のいろいろな生計費に対しまして措置をするという関係の措置のしかたでございますけれども、都市手当というのはいわば一般的な形で措置をするという方向でございまして、住宅手当のように住宅関係に非常にリジッドに手当をするという関係ではございませんけれども、そういう関係も広く含みまして手当をするようなことで都市手当を勧告申し上げたわけでございます。
○唐橋委員 いまお答え願ったのは、この前の委員会等においても一応お答え願った趣旨でございますが、私のお聞きしたいのは、都市手当制の設置に伴って、通勤手当の増や住宅手当の設置というような点が、あの勧告後どのような議論が出ておったか、こういうことを実はお聞きしたかったわけでございますが、その点については省略します。 それから特にお聞きしておきたいのは、寒冷地給の地域の指定が、いまの指定がきまりましてから三年ですか、たっていて、各地で非常にでこぼこが起こってき、このでこぼこをひとつ直してもらいたいという要求がお手元にずいぶん行っているんじゃないかと思うわけでございます。しかもそれは全体的な問題でなしに、いま現実の中で最小限度やはりこれだけは当然改めるべきものだ、こういうような点もある程度あれが実施されてから今日までの間ですから煮詰まってきておると思うのでございますが、この寒冷地給の地域の指定を是正することは、方針としては持っておるということはこの前の答弁でお伺いいたしました。だとするならば、いまどのような作業状態であり、そしてそれは最小限度いつごろまでにひとつ是正をしたい、こういうような方向に進んでおいでになると思うのですが、その間の取り組みをお伺いしたいわけです。
○尾崎説明員 寒冷地手当につきましても、御指摘のとおりいろいろ問題がございます。私どもといたしましては、寒冷地手当は、やはり気象条件という自然科学的な条件によりまして適正に支給をするということを心がけているわけでございますが、三年前に勧告をいたしました以後、新しい資料等につきまして気象庁から資料を得ましていろいろ検討をしておるわけでございます。しかしながら、いま御指摘のございましたような都市手当その他一般勧告等もございまして、いままで都市手当と同じ関係においてやっておるものでございますので、若干そういう方面、都市手当のほうにウエートがあったということでございますけれども、さらにできるだけ早い機会に結論を得るように今後努力をいたしたいというふうに考えております。
○唐橋委員 できるだけ早く努力するという点は了解できますけれども、具体的な例をあげてみれば、福島県の場合は、阿武隈山系で一カ所、会津地方で一カ所、やはりどうしてもここはでこぼこだというように−県全体が、やはりいろいろな組織もございますので、全体的な底上げ、あるいは是正というようなことが出てきておりますけれども、やはり煮詰まってきたものはこの三年間のうちにその二、三カ所、こういうことがあるわけでございます。国全体の資料というものは、私の手元に全体的なものはございますが、いまのような中に、いわば現実に書類としては出てなくても、いろいろ局長のもとに陳情なり何なりで、最小限度ひとっこれだけは当面是正していただきたいというような資料がもう集まっていらっしゃると思うのですが、最終的な結論は出なくとも、そのような資料が集まって検討の段階ではあるわけでしょう。
○尾崎説明員 ただいま申し上げましたように、寒冷地手当はいわば自然科学的な条件によって適正にやりたいというふうに考えておりますので、現実問題といたしまして、自然科学的な、そういう気象条件が非常に変動するということはあまり考えられないわけでございますけれども、私どもが実際に格付げした場合の現地の状況あるいは新しい条件、そういったものにつきましてなおいろいろ伺ってもおりますし、現実に具体的な調査もいたしていろいろ検討をいたしておるわけでございまして、そういう意味合いで現在非常に具体的なところまで検討はいたしているところでございます。
○唐橋委員 具体的なところまで検討に入っておるということで了解できますが、いままでは非常に全体的な勧告の取り扱い、こういうことでこの種の作業がおくれていたということは了解できますが、もうこの作業に当然かかっていい時期であり、一応人事院勧告の全体の結論が近く出てくるという時期になってきたのでございますから、具体的な一つの目安として、いつごろまでに整理して最小限度の——この前総裁から御答弁いただいたように、全体は直さない、しかし最小限度の級地の一つの不合理というようなものがあれば直したい、こういうような御答弁の趣旨もあり、どこかで一線を画するとすれば、必ず他にいろいろな問題があって非常に困難な問題ではあるというような趣旨も答弁として承っておるのでございますけれども、要はこの取り組みについていままで議論してきたような、お答えいただいたような経過の中で、実際に最小限度の級地の是正の目安はまだ立ちませんか。立っている、こういうことならば目安だけでも、ひとついつごろまでという時期的なものだけでいいのですが、要するにどこどこという個所でなくて、いつごろまでには一応作業を終わりたい、こういうような目安だけでもお聞かせ願えれば非常にいいと思うのです。
○尾崎説明員 たいへん事務的な答弁で恐縮でございますけれども、私どもといたしましては、事務的に具体的ないろいろな問題、先ほど申し上げましたような形で問題をいろいろ検討しているととろでございまして、できるだけ早く結論を得たい、こういうふうに考えているわけでございます。
○唐橋委員 終わります。 ————◇—————
○床次委員長 次に、本委員会におきましては今国会の閉会中、文化財保護状況に関する調査及び国立大学の研究施設に関する調査のため、奈良県、大阪府、京都府、愛知県に委員を派遣したのでありますが、その報告が派遣委員より提出されております。 この際、久保田藤麿君から発言を求められておりますのでこれを許します。久保田藤麿君。
○久保田委員 先般行ないました国政調査について御報告申し上げます。 本委員会の国政調査派遣委員は、河野洋平君、床次徳二君、中村庸一郎君、広川シズエ君、三ツ林弥太郎君、唐橋東君、斉藤正男君、長谷川正三君、平等文成君、鈴木一君、山田太郎君及び私の十二名であります。 われわれは九月十一日から十四日までの四日間、一、文化財保護状況に関する調査、二、国立大学の研究施設に関する調査を目的として、奈良県では藤原宮跡、平城宮跡及び法隆寺、大阪府では難波宮跡及び大阪城、京都府では京都大学付置霊長類研究所、愛知県では京都大学付置霊長類研究所建設予定地及び犬山城をそれぞれ調査してまいりました。 調査結果の詳細については時間の関係上、委員長のお手元に提出いたしました報告書を、委員長において会議録に掲載されるようお取り計らい願い、それをごらんいただくこととし、この際省略させていただきたいと思います。以上、御報告申し上げます。 —————————————
○床次委員長 この際おはかりいたします。 ただいま久保田藤麿君から発言がありましたごとく、派遣委員からの報告を会議録に参考のため掲載することにいたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○床次委員長 御異議なしと認め、さよう取り計らいます。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時二十九分散会 ————◇—————