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56回国会衆議院1967/12/01

物価問題等に関する特別委員会 第5号

発言数
69
登壇者
8
会派数
3
開催日
1967/12/01

会議録

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員長 これより会議を開きます。  この際、去る十一月二十八日経済企画庁政務次官に御就任になりました山下春江君を御紹介いたします。山下春江君。

山下春江自由民主党経済企画政務次官

○山下説明員 このたび経済企画庁政務次官に任命されました山下春江でございます。  物価問題は国民すべての関心事であり、物価の安定が最も重要な政策課題と存じます。当委員会の活発な御活躍にはかねがね敬意を払っておりましたが、今後何とぞよろしく御指導、お力添えを賜わりますようお願い申し上げまして、ごあいさつといたします。(拍手)

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員長 次に、経済企画庁国民生活局長八塚陽介君を御紹介いたします。八塚陽介君。

八塚陽介経済企画庁国民生活局長

○八塚説明員 私、去る二十四日に、中西前局長のあとを受け、国民生活局長に任命されました八塚でございます。  はなはだふつつか者でございますが、よろしく御指導をお願い申し上げます。(拍手)

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員長 以上で山下政務次官、八塚国民生活局長のごあいさつは終わりました。      ————◇—————

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員長 次に、物価問題等に関する件について調査を進めます。  本日は、まず、去る九月、物価問題等に関する実情調査のため、兵庫県及び周知県に派遣されました委員の報告を聴取することといたします。武部文君。

武部文日本社会党

○武部委員 物価問題等の実情調査のため、議長の承認を得て去る九月十一日から十五日までの五日間、兵庫県及び高知県に派遣せられました派遣委員といたしまして、調査の概要を御報告いたします。  派遣委員は戸叶委員長外七名であり、他に地元選出議長の御参加を得まして、兵庫県及び高知県の物価問題等の実情について、つぶさに調査をいたしてまいったのであります。  まず、神戸市の施設である相楽園におきまして、兵庫県及び神戸市の物価対策の実情につきまして県並びに市当局から説明を聴取いたしましたので、以下その概略を述べますと、兵庫県におきましては、昭和三十九年四月企画部に生活課を設置いたしまして以来、どこよりも住みよい兵庫県を目標に、消費者教育の充実、消費者保護の強化及び消費者の自主活動の促進等の施策が進められております。その後消費者行政に対する県民の積極的参加と市、町当局の協力が得られ、実践活動が次第に活発化してまいりました。このような機運に対応いたしまして、県当局も、本年に入り新たに、  一、消費者行政の総合的推進のための県及び関係機関の企画調整機能の整備  二、消費者行政の強化のための消費者教育の充実、消費者保護の強化、消費者活動の育成  三、物価対策の推進のための物価問題懇談会及、び庁内物価対策連絡会議の設置  四、生活科学センター事業の拡充、特に移動生活科学センターの開設 などからなる昭和四十二年度生活科学化卒業実施計画を策定実施いたしております。  次に、神戸市におきましても、県の施策に即応いたしまして、昭和四十年に設置されました消費者経済担当主幹の制度を本年一月消費者経済部に改組強化いたしますとともに、市の消費者行政のスローガンである豊かな出荷、明るい取引、じょうずな消費実現のため、過去二年間の消費生活モニター、区消費問題懇談会等の運営によって得られた市民の要求と、市消費者生活安定対策協議会の答申に沿って、生鮮食料品の価格安定、消費者保護及び消費者教育の諸施策を実施いたしております。すなわち、生鮮食料品の価格安定対策といたしまして商品の流通実態の調査、野菜、乳牛、肉牛、魚介等の増産、中央卸売市場業務の機械化、生鮮食料品の直売事業、小売り業の近代化指導、ボランタリーチェーンの推進、冷凍施設の助成、公設市場の管理指導、生鮮食料品標準小売り価格制度の運営等が実施されております。  消費者保護対策といたしましては、従来からあるモニター制度の運営のほかに、消費者の芳情処理、計量の検査、食品の衛生検査等が実施されております。  また、消費者教育といたしまして、資料の発行、生活展、食べもの教室、消費者生活講座等の開催、栄養指導車による指道庁等の諸施策が実施されております。  これら県及び市当局の熱心な消費者行政推進の結果は、消費者の意識を高め、県名生活の合理化を促進し、生産者と消費打の相互理解を深めるなどの効果をあげつつあるのであります。特に、去る昭和四十二年七月の集中豪雨による水害罹災の際には、神戸市内二万余の商店が進んで罹災者に全商品の割引サービスを行なうといった、まことにうるわしい光景があったとのことであります。  なお、県及び市当局からは、消費者行政に対する国の助成及び消費者保護に関する立法措置について強い要望がありました。  以上、兵庫県及び神戸市当局の報告に基づいて概要説明を申し述べたのでありますが、次に、われわれ調査団の調査日程に従いまして、現地の交情及び要望事項について申し述べたいと存じます。  まず、株式会社ダイエーについて申し上げます。  本社は、昭和三十二年に従業員十三人、店舗面積三十坪をもって大阪市千林駅前に、主婦の店ダイエーとして開店され、主として薬品の販売を開始したのでありますが、定価では決して売らないディスカウント商法が流通革命の波にうまく乗り、その後驚異的発展を続けまして、現在では、京阪神地区を中心に九州福岡から東京にまで進出、傘下小売り店三十一を数えるに至るわが国最大のスーパーストアーにまで成長したのであります。また取り扱い品目におきましても、薬品から食料品、衣料品、化粧品、日用雑貨、家庭用電気器具等、家庭用品の全般にわたり、年間売り上げ高は昭和四十一年度におきまして四百七億円、従業員数三千二百人余を数えるに至っております。  われわれは、昭和三十四年に拡張移設されましたセンターダイエーと、昭和三十六年に増設されました電化センターのいわゆる三富店を視察いたしたのであります。この両店におきましては、食料品、衣料品、薬品、化粧品等日用品及びテレビ、冷蔵庫等家庭用電気器具が販売されておりまして、消費者の意見及び再販売価格維持契約制度の小売りに与える影響等について実情を聴取いたしたのであります。  次に、灘神戸生活協同組合でありますが、昭和四十一年度において創業四十五周年を迎え、組合員数は約十万世帯約四十万人、出資金は二十一億五千万円に達し、従業員数三千二百人余を数え、マーケットの総数十八、支部総数二十五、合計四十三の事業所と中央倉庫、とうふ製造工場及び冷蔵センターを有し、取り扱い商品は食料品を中心として年間取り扱い高は百四十八億円に達し、全国生協中第一位を占めておるのであります。このように灘神戸生活協同組合の活動が活発なのは、理事者に人を得て創業の精神がいまなお組織の末端にまでよく生かされていることに加え、京阪神地区の消費者意識の高いこと、商品の配達制、品質保証制により消費者の利便と信頼を得ていることが今日の発展を得たものと思われます。  組合理事者からは、国の消費者行政の積極的推進と、米、酒等政府管掌物資の生協に対する販売認可等につき要望がありました。  次に、丸葉市場についてでありますが、本市場は、市内長田区久保町にありまして、鮮魚、青果等生鮮食料品を重点的に取り扱っております。組合員数三十六名、業種数二十一、市場面積二千平方メートルでありまして、幅員二・六メートルの通路の両側に鉄筋三階建てのビルが建てられ、一階が店舗、二、三階が組合員住宅及び市場事務所等になっております。本市場は総工費二億三千万円をもって本年二月中旬に完成したものでありまして、民営市場の近代化の進め方のあり方として示唆深いものがありました。ちなみに、本市場におきましては、入場者数が旧市場当時より四〇ないし五〇%ふえたとのことであります。  次に、湊川、東山地区の丸神、湊川中央及び湊川の三市場について申し上げます。  丸神市場は、昭和二十二年六月、市内兵庫区東山町に開場され、組合員数二十四、市場面積一千八百平方メートルで、鮮魚、青果、乾物その他の日用雑貨を販売している小売り市場であります。  湊川中央小売市場は、昭和二十一年十一月、市内兵庫区荒田町に開場され、組合員数四十七、業種数二十三、市場面積三千百六十八平方メートルで、生鮮食料品、日用雑貨を販売いたしております。  湊川市場は、昭和二十三年十月、市内兵庫区東山町に開場され、組合員数六十九、業種数三十二、市場面積一千九百七十平方メートルで、乾物、雑貨を主とする日用品の小売り市場であります。  これら三市場に共通する問題は、いずれも終戦直後に開場されたもので木造店舗が著しく老朽化しておりまして、至急近代化する必要がある点と、近隣地区へのスーパー進出に伴い過当競争のおそれがある点でありまして、市場関係者からも、店舗の近代化資金並びに小売り市場とスーパーとの調整について国の助成措置の要望があったのであります。  次に、神戸生活科学センターについて申し上げます。  この生活科学センターは、兵庫県民の社会変動に即応した自主性と科学性のある生活意識並びに知識及び技術の向上に資するために、昭和四十年に県条例をもって市内生田区三宮町の神戸交通センタービル内に設置されたものでありまして、生活の科学化のための資料等の展示、講座の開設及び研究会、講習会、講話会の開催並びに生活相談等を目的といたしております。  これを業務の実際について見ますと、生活の科学化に必要な知識普及のためには、商品展示ホール及び商品知識に関する映画上映のための専用映写室、商品の使用テスト、品質、数量等の実験、実習用の実習室、住宅、生活設計、商品サービスに関する芳情等の相談に応ずるための相談室等が設けられております。  その他、生鮮食料品の情報提供、PR用パンフレットの発行等も行なっておりますが、特に申し上げたいのは、食品の色素、添加物、品質等を検査するための試験研究室が置かれ、県民からの委託により随時検査を行なっておることであります。  本施設に対する県民の利用状況も月一万人をこえるとのことでありまして、このため県当局も科学センター運営費を昨年の約七倍に相当する三千八百万円計上し、業務の充実を期しておりまして、県当局の熱意に感心してまいったような次第であります。  次に、われわれは神戸生活科学センターで開かれました消費者代表との懇談会に出席いたしまして、約一時間三十分にわたり活発な意見の交換を行なってまいったのでありますが、出席者はいずれも婦人団体の役員の人たちで、日ごろ熱心に消費者運動を指導している人々であります。これら消費者代表側からは、消費者保護に関する立法措置、国の消費者行政の一元化と積極的推進、流通機構の合理化、消費生活協同組合の育成、消費物資流通面に対するモニター、衛生検査員及び量目監視員等の増強、商品テスト及び再販売価格維持行為の再検討並びに苦情相談機構の設置等につきまして強い要望があったのであります。  次は高知県でありますが、まず、消費者物価指数の動きから見ますと、昭和四十一年の指数では、昭和四十年を一〇〇として全国平均をやや上回り、総合で一〇五・四%とし上昇しております。この傾向は本年五月まで続き、食料費、住居費、雑費等の値上がりが主原因でありまして、本年六月に入り、野菜、くだものなどの食料費及び光熱費、被服費、雑費などの値下がりによりやや安定傾向を示しております。  高知県の物価がこのように他県と比較して高いのは、鉄道輸送の発達が十分でないことと、道路整備の立ちおくれがおもな原因と考えられるのであります。本県では物資の輸送は伝統的に船舶輸送に依存しておったのでありますが、現在におきましても、他府県からの移入量の七四・三%、移出量においては九〇・四%が船舶に依存しておる状態でありまして、消費物資の価格も現地産以外のものが高いところからも、本県の物価安定のためには輸送手段の改善整備が望まれるところであります。  流通機構面では、小規模経営ながらもスーパーマーケットの進出が著しくて、七十店を数えるに至っております。特に農協がスーパーマーケットを経営している例が多く見られるのであります。  以上、高知県及び高知市当局の報告に基づいて概略説明を申し述べたのでありますが、調査日程に従って現地の実情及び要望事項について申し上げます。  まず、高知中央卸売市場について申し上げますと、本市場は、市内九反田町に昭和五年一月全国に先がけて開場されたものでありまして、鮮魚、塩乾魚、青果物を取り扱っております。また、取り扱い同一量は年々増加の一途をたどり、昭和四十一年度におきまして取引総量四十二万五千トン、四十八億円余であります。  中央市場における主要産地別入荷量順位を見ますと、鮮魚では高知、大阪、愛媛、山口及び徳島の順となっており、塩乾魚では高知、愛媛、兵庫、鳥取及び茨城の順となっており、野菜では高知、愛媛、香川、徳島及び兵庫の順となっております。  卸売り人は、鮮魚四社、塩乾魚二社、青果一社であり、鮮魚四社については大型化を進め、将来二社にしたいとのことであります。  仲買い人は、鮮魚百九十四社、塩乾魚四十九社、青果百四十五社となっております。  本市場の特色は、アジ、サバ、カツオ等大衆魚を中心とする鮮魚の取り扱い量が全取り扱い量の五五・三%を占め、水産物の合計が六七・四%で、金額にして三十九億八千七百万円余に及んでいる点であります。  本市場は、施設の狭隘化、老朽化がはなはだしいので、市では浦戸湾埋め立て地の弘化台に新たに一三万九千平方メートルの敷地を手当てし、建物面積一万九千八百九十三平方メートルの新市場を建設いたし、近く開場の運びになっております。この新市場には、遠洋マグロ漁船の接岸も可能な専用埠頭及び専用駐車場、鉄道引き込み線、せり機械、食肉市場の冷房化等の近代的設備を有しております。  なお、市当局からは、補助対象設備の拡大及び補助率の引き上げについて要望がありました。  次に、三里農業協同組合の行なっております野菜の礫耕栽培について申し上げます。  この三里地区は、早くから温暖多湿な気象条件を生かしてキュウリ、ナス、トマト、石川いも等の栽培が行なわれ、蔬菜産地として全国的に有名なところでありました。しかし、最近になりまして競合産地の出現、労働力の不足に加えまして、砂質のやせ地であること、古い野菜産地であったための連作障害が生じること、及び海岸地帯でありますので海水の浸入による塩害がしばしば起こる等の生産に不利な条件が重なり、栽培様式の根本的改善に迫られておりました。  このため、昭和三十六年に農林省興津園芸試験場で試験中の礫耕栽培に着目し、三里園芸組合で試験栽培を行なった結果良好な成績をあげましたので、昭和三十八年より農業構造改善事業として取り上げ、実施されているものであります。  栽培方法について簡単に申し上げますと、コンクリートパネルで縦四メートル、横四十四メートルの長方形のワクをつくり、内部をポリエチレン・シートで内張りし、その中に厚さ二十センチほどの砂利を敷き詰めます。この砂利の中にキュウリ、トマト、ピーマン等野菜の苗を植え込みます。別にパイプで培養液を送り、砂に浸透させて苗を生育させるのであります。  このような施設をつくるため、一セット(一アールに縦四メートル、横四十四メートルのベッド四)百九十万円余の設備費を要するとのことであります。現在五十七セットが設けられております。  この方法によりますと、ピーマン、キュウリ、トマト、ナス、メロン等を組み合わせ年間二作または三作の輪作が可能になるとともに、労力の大幅な節約と経済性の飛躍的向上が得られるとのことであります。このようにして栽培された野菜は三里農業協同組合の野菜集荷所に集荷され、選果から秤量、包装まで機械化され、きわめて高能率的に処理されております。  以上、視察日程に基づく実情調査の概要について御報告申し上げたのでありますが、今回の視察を通じまして感じました所見のうちから重要なものにつきまして報告申し上げますと、第一に、国の消費者保護施策の早急な実施の問題であります。  兵庫県並びに神戸市の行なっております種々の消費者保護施策も、地方公共団体の規模ではおのずから限界があろうと思われます。この意味で、国がこれら施策を積極的に援助推進するために、行政組織の整備強化等の措置を早急にはかる必要があると思われます。  第二は、流通機構の改善整備であります。  高知県において見られるように、いわゆる生産県におきましても現地産以外の消費物資が商いということは、従来の生産重点の投資リード型経済のひずみの一例証と思われるのであります。この意味で、鉄道はじめ道路、港湾、トラックターミナル、冷蔵施設等の輸送施設及び付帯施設への投資も積極的に進め、物資流通を円滑化する必要があると思われるのであります。  以上で報告は終わりますが、終わりに兵庫県、神戸市当局からの要望事項を一括して掲げますと、  一、消費者基本法の制定  一、消費者生活指導員(仮称)の設置  一、消費者保護のための商品テスト機関の設置  一、消費者デー(仮称)の設定  一、消費者物価対策の推進  一、消費生活協同組合の育成  一、家庭用品品質表示法に基づく対象品目の追加  一、改正計量法の行政運用の円滑化の促進  一、都市近郊農業の集団産地育成  一、中央卸売市場施設建設に対する補助施設の種別並びに補助率の拡大  一、食料品公設小売市場施設整備事業の補助強化  一、標準小売り価格表示制度に対する国の助成指貫  一、政令指定都市の行なう消費者行政事業に対する助成  一、消費者会議所法の制定と消費者情報センターの設置  一、水道料金原価の引き下げ等でありました。  以上をもって報告を終わります。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員長 以上で派遣委員の報告は終わりました。     —————————————

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員長 この際、質疑の通告がありますので、これを許します。有島重武君。

有島重武公明党

○有島委員 食肉の問題でございます。牛肉はもちろんのこと、豚肉につきましても、これは価格が上昇いたしまして家計に脅威を与えている。需給調整のためには、これは食肉の輸入政策が適切かどうかということが問題ではなかろうかと思うわけです。食肉の輸入は牛肉のように外貨割り当て制になっているものがありますけれども、その割り当て量というものがどのような算出基準になっておるか、まずそのことを伺いたいと思います。

岡田覚夫農林省畜産局長

○岡田説明員 食肉につきましては、御承知のように牛肉と豚肉と羊の肉、それから鶏の肉、ヤギの肉、馬の肉というふうに非常にたくさん種類がございます。現在の制度で申し上げますと、綿羊、ヤギ、それから鶏肉、馬肉につきましては自由化をされておるわけでございます。割り当ての対象になっておりますものは、牛肉と豚肉でございます。入って国内で消費されます肉というものは全部相関的な関係がございまして、供給量だとか価格だとかいうふうなことによりまして、需要の代替性というものがあるわけであります。そこで全体的な需要というものをにらみまして、年度の一応の需給の推算をいたしておるわけでございます。まあ先ほど申し上げましたように、自由に輸入できるものもあるわけでございます。ただ豚につきましては、御承知のように、国内生産が昨年からことしの中ごろまでにかけまして非常に過剰であるというふうな状態もございまして、これは国内生産で消費を満たしてなお余りがある、こういうふうな状態であったわけでございます。そういうふうな関係から、牛肉につきましては全体の関係をにらみまして、昨年度は牛肉は一万トンという割り当てをいたしたわけでございますが、本年度におきましては上期におきまして一万四千トンということで、下期につきましては現在検討をいたしておる段階でございます。

有島重武公明党

○有島委員 いまのお答えでございますが、需要ににらみ合わせてきめておるというのですけれども、具体的に数字を出すためにはどういう計算要素を入れるのか、そういったことを聞きたい。

岡田覚夫農林省畜産局長

○岡田説明員 大体消費支出の伸びと、それから一つば需要の弾性と申しますか、弾性値と申しますか、そういったものを加味いたしまして、従来からどういうふうな傾向で伸びてきておるということから推算をいたすわけでございます。ただ、そのときどきの状況によりまして、たとえば鶏肉が非常にふえるとか、それから綿羊の肉が減るとかいうふうな事情がございますので、その個々の肉につきましてはいろいろむずかしい問題があるわけで、全体をにらみましてきめていくということを考えておるわけでございます。

有島重武公明党

○有島委員 いま、本年度の上期におきまして一万四千トンの割り当てがあったというお話でございますけれども、国内消費、特に牛についての総量から見まして、それが大体何%くらいを占めることになりますですか。

岡田覚夫農林省畜産局長

○岡田説明員 割り当てをいたしました一万四千トンというのは、国内生産のほぼ一割ということになっております。

有島重武公明党

○有島委員 これは非常に少ないように思うのですけれども、物価安定という立場からいえば、もっとこれは潤沢に輸入してもいいんじゃないか、そういうように思いますけれども、この点についてはどうでしょうか。

岡田覚夫農林省畜産局長

○岡田説明員 御承知のように、従来食肉としましては非常に牛肉の需要というものが強かったわけでございます。ところが、だんだん豚肉の国内の生産がふえるにつれまして、豚の需要というものが非常に強くなってまいっております。従来牛肉を食べておった方々でも、かなり、豚肉を食べるという習慣が出てまいった。本来から申し上げますと、関西は比較的牛肉の需要が強かった、関東は豚肉の需要が強かったという傾向があったと思うのです。最近におきましては、関西におきましてもかなり豚の需要というものが強くなって、牛肉に代替をするというふうな形で出てまいっておるわけでございます。そこで、豚肉の供給の問題と、それから牛肉の供給と需要というものとの関連を考えまして、本年の需給を推算いたします場合においては、上期におきましては豚肉は相当過剰である、それから下期におきましてはやや不足するのではなかろうかという推算をいたしたわけであります。そういうふうなことから、昨年は一万トンという割り当てであったわけでございますけれども、本年は上期として一万四千トンというふうな割り当てをいたしまして、その需給の情勢を見まして下期の割り当てをいたす、こういうふうなことを考えたわけでございます。

有島重武公明党

○有島委員 下期の見通しはどうですか。

岡田覚夫農林省畜産局長

○岡田説明員 現在検討をいたしておりまして、まだ最終的にきめるという段階にはなっておりませんけれども、下期につきましても割り当てをいたしたいというふうに実は考えておるわけでございます。

有島重武公明党

○有島委員 大体の数量の見通しを伺いたい。

岡田覚夫農林省畜産局長

○岡田説明員 現在どんどん上期の牛肉が入ってきておりまして、価格も若干低落しつつあるというふうな状態にあるわけでございます。下期につきましては、現在どれくらいにするかということは検討をいたしておる段階でございまして、まだ確定的に幾らというふうに結論を出す段階になっておらないわけでございます。いずれにいたしましても、輸入の必要はあるというふうなことで割り当てをいたしたいということで検討をいたしておる段階でございます。

有島重武公明党

○有島委員 これは私たちの実感でございますけれども、暮れから正月にかけてやはり牛肉の需要というものはふえるのじゃないか、それで牛は非常に高い、もう少しこれはどうにかならぬものか、これが実感であります。入れる、ゼロじゃないというお話でして、さらにそれを潤沢にやってもいいのじゃないか、そう思います。  それから輸入先ですけれども、中共からはどうして輸入を認めないのか、そういうことについて伺いたい。

岡田覚夫農林省畜産局長

○岡田説明員 食肉の婦人につきましては、御承知のように衛生上の問題があるわけでございます。そこで現在、家畜伝染病予防法に基づきまして食肉の輸入を禁止をいたしておる地域と解除いたしておる地域があるわけでございます。現在割り当てをいたしまして輸入をいたしますものは、家畜衛生上におきまして食肉を輸入してもよろしいというふうな禁止が解除されておる地域から輸入をするというふうなたてまえになっておるわけでございますが、中共は現有食肉の輸入を禁止する地域に該当いたしておるわけでございます。

有島重武公明党

○有島委員 実質的には中共は、戦後に特に口蹄疫なんかにつきまして非常に獣疫をやかましく取り締まっておる。今日、世界でもほかに比類がないほど獣疫が少ないというふうな報告を聞いておりますけれども、そういうようなことは岡田局長はどういうふうに考えていらっしゃいますか。

岡田覚夫農林省畜産局長

○岡田説明員 それでは特に申し上げますと、衛生状態がどうであるかという問題でございます。  この問題につきましては、過去二回にわたりまして中共の衛生状況についての調査が行なわれたわけでございます。その調査報告に基づきますと、中共の治下にシナ大陸が入りましてから、かつてのときとは非常に違って飛躍的に衛生状態は改善されておるという報告がなされておるわけでございます。したがいまして、そういう意味ではかなり進歩をいたしておると思うわけでございます。獣医学的な水準だとか技術者の問題につきましては、わが国よりはまだかなり劣っておるというふうな報告がされておりますけれども、衛生状態につきましては、かなり改善されてよくなっているということが報告されておるわけでございます。  問題は、どういう病気があるかということでございます。実は牛肉を輸入いたします場合において一番問題になりますのは口蹄疫という病気でございます。それぞれの肉につきまして違った病気があるわけでございますけれども、牛並びに綿羊、それから豚、ヤギなどのようないわゆる偶蹄類と申しますひづめが二つある動物でございますか、この動物につきましては口蹄疫という病気が一番おそろしい病気でございまして、この病気ほど伝播力が強くて流行の早い伝染病というものはないわけであります。  そこで、口蹄疫がどんなものであるかということはなかなか一般の方々御存じない点が多いと思いますので、若干時間をいただきまして口蹄疫の御説明を申し上げたいと思うのですが、この口蹄疫というのは、この病気にかかりますと突然四十度くらいの発熱がありまして、牛がよだれを流してくる。そのうちに、口蹄疫というのは口とひづめの病気と書いてありますが、口とひづめに水泡ができまして、それがだんだんびらんをいたしてきまして、そこで起立が不能になってくる。足のひづめにそういう状態が出てくるものですから、起立不能になってくる。それから口にできる関係から食物がとれないという状態になってまいりまして、それで相当な部分のものは死ぬというふうな病気でございます。特に処女地におきましては、この病気の伝播力というのが非常に激しいわけでございます。その病気は、発生する場合には、大体集団的に大流行という形で周期的に発生をいたす傾向があるわけでございます。最近イギリスにおまましてこの口蹄疫が大流行いたしておるわけでございますが、新聞でも御承知と思いますけれども、先般、十月から始まりまして十一月の二十一日までに十三万頭程度の家畜の口蹄疫が発生いたしておりまして、それを殺処分をいたしておるわけでございますが、その後、新聞等の報道によりますと、十八万頭程度にふえておる、こういうふうなことでございまして、イギリスのように非常に衛生状態も良好な国におきましても、一たびこういうふうな口蹄疫が発生をいたしますと、たいへんな大流行を来たす。しかもその患畜は全部殺処分をするというふうな状態でございます。十八万頭と申しますと、わが国の肉牛が大体百五十五万頭でございますから、それと比較しますと一割以上のものが殺処分にされる。その殺処分したもののために殺処分手当として、約十三万頭の当時に約七十億の殺処分手当の支払いをしたというふうな状態にあるわけでございます。戦後二十年の間に、世界的に発生を見ておりません国はわが国とアメリカ合衆国、ニュージーランド、豪州等の国でございまして、それ以外の国はもうほとんどこの口蹄疫が発生をいたしておりますか、あるいはもう常住地帯ということになっておるわけでございます。  それで、伝播の原因でございますけれども、大体、口蹄疫にかかりますと、ビールスがからだじゅう全部に入り込んでいくわけです。したかいまして、排せつ物であろうと分泌物であろうと、あるいは肉であろうと土であろうと、すべてにビールスが入っておるわけでございますので、特に冷凍肉から伝染するというふうな可能性が、過去においても非常に強かったわけでございます。そういうふうな状態でございます。また、極端な場合には、人だとか物資の移動によりましても、それに伴って伝染をするということもあり得るという状態にあるわけでございます。  こういうふうに実におそろしい病気でございまして、過去におきましても相当な被害が出ておりまして、たとえば一九四六年にメキシコで大流行いたしましたときには、アメリカが自国への侵入を防ぐために一週間に使った経費だけでも一億五千万、防疫のために配置された人が八千二百人、この間に殺処分した牛は百万頭、こう言われておるわけでございます。実におそるべき病気でございまして、これがわが国にいまだかつてなかったということは、わが国の畜産にとっては非常にいいことであった。このことを私たちは忘れてはならない。特に日本のように牧場が——外国では牧場も非常に大きいわけでございますから、そこで発生しましても、その牧場を全部殺処分してしまえば隣にうつらないということがあり得るわけですけれども、日本のように非常に密生して動物が飼われておりまして、しかも移動が非常に激しいという状態におきましては、おそらく、これが発生をいたしましたら、もうたいへんな流行を来たすのではないかというふうな心配を実はいたしておるわけであります。  そういうことで非常に口蹄疫をおそれておるわけでございますけれども、中共に行きまして調査いたしました係の調査官の報告書に基づきましても、ほかの病気につきましては非常に詳しい説明が受けられるわけです。非常に詳細な資料も得られるわけでございますけれども、事口蹄疫に関しましてはなかなか十分な御説明をいただけない。一九六二年に発生がございまして、それ以後ないというふうなことは説明を受けておるわけでございます。しかし、説明が受けられないという点について非常に問題がございますのは、一つは、どういうビールスの型であるのかということがわからないわけです。ビールスについては、大体基本的には七つのタイプがあるわけでございますが、それがまた分かれまして、ビールスの種類としましては四十数種類があるわけです。ワクチン、いわゆる死毒ワクチンは開発されておりますけれども、それぞれのビールスの型に応じまして、全く別なワクチンを用意しなければならないということになるわけでございます。生ワクチンにつきましてはヨーロッパ各国においても非常な研究がされておりますけれども、まだ実用に供せられる状態になっていないわけでございます。中共におきましてはどういう型のビールスがかってあったのか、一九六二年以降はないと言われておるけれども、かつてどういう型のビールスがあったのかということについての十分な説明が受けられないという点が一つでございます。したがいまして、中共から肉を輸入いたしますというような場合には、あるいは口蹄疫が入ってきたときにどういうふうな措置を国内でとるかということについても、十分な検討ができないということがあるわけでございます。  それからもう一つは、生ワクチンを使って現在予防しておる、こう言われておるわけでございますけれども、ヨーロッパ各国においても研究されておりますけれども、十分有効な生ワクチンというものがまだ完全に開発されておらないという状態でございますが、中共では生ワクチンを使っておる。生ワクチンがどういう製造方法で、どういう性能を持っておるのか、そういうふうなことに  ついても十分な話を伺えない。  もう一つは、診断方法でございます。一九六二年以降ないということでありますけれども、一体どういう診断方法をしておるのか、その結果によってないのかということになるわけでございますが、たとえば血清学的なこういう診断、あるいはウイルス学的なこういう診断方法だというような、診断方法につきましても明らかにされない。それ以外の病気につきましてはかなり詳しい説明を受けるわけでございますけれども、事口蹄疫に関しましては十分な説明を受けられない、こういうことであるわけです。そこで、そういうふうなことが明らかにされまして、口蹄疫がないということが確認されませんと、この食肉の輸入をするということにつきましてははなはだ危険ではなかろうか、こういうふうに実は考えて、現在のところ、まだ輸入禁止を解除するというところには至らないというふうに考えておるわけでございます。

有島重武公明党

○有島委員 たいへん詳しい口蹄疫のお話を承りましたけれども、先ほども申しましたように口蹄疫がもう数年間ない、ないところに昔あったビールスがどういう型であるかわからないからと言うのは、これは少々無理な話ではないか、それが一点です。  それからもう一つは、診断方法について、これは問い合わせているように伺っておりますけれども、その問い合わせを積極的にやっておるのか、一ぺん問い合わせてそのままに放置してあるのか、そういった点。これは中共から入るようになれば有利だということは考えられるわけでありますから、それをそういうふうなことを理由にして——いま口蹄疫のおそろしい話を伺ったのは、中共の話ではなくてイギリスとメキシコの話ですよ。中共のほう、これは昨年春の調査団は、獣医学界では最高権威の一人だと言われております田中良男畜産振興事業団副理事長ほかの方々がいらっしゃったそうですけれども、そういった報告などを聞いておりましても、非常に周到な、特に  口蹄疫に関しては周到な処置をとっておる。たとえば国境近くには牧場をつくらない。外からそういうばい菌が絶対入らないように、そういうふうな処置をとっておるようにも聞いております。それで、いまの診断方法の不明、これについてさらに積極的に問い合わせるようにしていらっしゃるかどうか、その点を伺います。

岡田覚夫農林省畜産局長

○岡田説明員 第一点から御説明いたします。  一九六二年に口蹄疫がなくなったと言っておるわけでございますけれども、口蹄疫の撲滅宣言という宣言を発してないわけでございます。牛疫につきましては、すでに発生がなくなってからしばらくたって牛疫の撲滅寛喜というものを出しておるわけでございますけれども、口蹄疫につきましては、いまもって口蹄疫の撲滅宣言というのを出してないということが一つあるわけでございまして、そこで、その口蹄疫の本来の性質からいいまして、現在のところまだビールスがなくなっておるというふうなことを明確にするわけにはなかなかまいらぬ、そういうふうなことで口蹄疫の撲滅宣言を口をしていないのであろうというふうな推定をしておるわけであります。したがいまして、田中報告書にもございますように、口蹄疫というものはもうないのであろう。しかし、たとえばわれわれが聞いてもワクチンの種類について教えてくれないとか、ビールスのタイプについて教えてくれないというふうなことに着目して考えると、少なくとも表面化していないのであろうというふうな推論を下しております。  なお、この調査団が参りました調査の内容でございますけれども、これは生産地その他の、要するに現実にそういうものに対する防疫がどういうふうに行なわれているかというふうな調査は全くないわけでございまして、特に都市を中心としました屠場その他の設備等につきまして調査は行なわれておりますけれども、生産地その他につきまして実態的な調査は行なわれておらない、こういうふうなことでございます。したがいまして、これをもちましてわれわれといたしましては、いまや口蹄疫は全く存在しないというふうなことでは、これはなかなか了解できない。それから、従来も、各国から食肉の輸入を要請をし、禁止解除の要請があります場合には、各国から調査の派遣の要求がありまして、こちらの要求いたしますデータにつきましてはすべてのデータの提供を受ける、見たいというところにつきましてはすべて視察をするというふうなことになっておるのが普通でございますけれども、いままでの二回の調査におきましては、そういうふうな状態には必ずしもなっておらないということを申し上げておきたいと思います。  それから第二の御質問の点でございますけれども、この点につきましては、御承知のように直接国と国と交渉するというわけには現在のところまいらぬわけでございますから、民間の団体を通じまして、それらの点につきましてわれわれとして必要な資料の提供なり話し合いの機会を持ちたいということを伝えてあるわけでございますけれども、これについて正式な回答を受けるという段階になっておらないわけでございます。

有島重武公明党

○有島委員 いまの口蹄疫撲滅宣言の話でありますけれども、これは世界じゅうでどことどこが撲滅宣言をしたのか、現在牛肉を輸入しておるその輸入先の国が、では撲滅宣言をした国なのかどうか、その点はどうですか。

岡田覚夫農林省畜産局長

○岡田説明員 現在輸入しております国、輸入してない国もございますけれども、口蹄疫のないところにつきましては、先ほど申し上げましたように、戦後全く口蹄疫というものは存在しないわけでございます。したがいまして、もともと日本なんかは口蹄疫がございませんので、口蹄疫の撲滅宣言のしようも実はないわけでございまして、現在のアメリカだとか豪州、ニュージーランド等につきましては、口蹄疫の発生してない国でございます。

有島重武公明党

○有島委員 その撲滅宣言をした国はどことどこですか。

岡田覚夫農林省畜産局長

○岡田説明員 先ほど申し上げましたように、アメリカ、豪州、ニュージーランド、日本を除きましては、すべていまもって口蹄疫のある国でございますので、口蹄疫の撲滅宣言はいたしておりません。

有島重武公明党

○有島委員 それでは、いまの、撲滅宣言をしないから輸入しないというのは少々おかしな話ですね。中共に関してだけ撲滅宣言をしなければいけない。ほかの国もみんな撲滅宣言をしてないのですね。

岡田覚夫農林省畜産局長

○岡田説明員 撲滅宣言というのは、何も法律上の義務ではないわけでございます。ただ、中共につきましては、牛疫につきましては牛疫がなくなったという撲滅宣言をいたしておるわけでございます。したがいまして、それから考えれば、口蹄疫につきましても、なくなれば口蹄疫の撲滅宣言はするであろうというふうに考えるわけでございまして、調査団も、なぜ撲滅宣言をしないのか、したほうがいいではないかということを聞いておるわけでございますけれども、それについての回答はないわけでございます。

有島重武公明党

○有島委員 いずれにせよ、世界じゅうどこにも撲滅宣言をした国はないのだ、そういうことですね。それもあまり理由にはならないように心えるわけです。  それから、去年の十一月でございましたか、岡田畜産局長が高碕事務所に対していろいろな照会をなすった。そのときに、中共政府の家畜衛生のある程度の責任者が日本に出向いて説明するように要求された、そういったことがございましたですか。

岡田覚夫農林省畜産局長

○岡田説明員 昨年のLT貿易の交渉の際に、高碕事務所を通じまして私のほうがいたしましたのは、必要なデータをもらうことと、それから必要に応じては中共から衛生技術者にこちらへ来てもらって、こちらで話をするというふうな機会を持つことも必要ではないかということで、そういう提案を向こうにいたしたわけでございます。

有島重武公明党

○有島委員 その際に何か非常に答えにくいような、そういうふうな問題が含まれていた。それでなかなか答えが返ってこないのだ。また、答えが返ってこないからその先が進まないのだ。そういうような話を私も聞いておるのですけれども、それで、これは先ほどから言っておりますように、この中共からの輸入が実現すれば、ずいぶん有利であろう。おそらく国民の側、消費者の立場から見ればそう思うのです。それをいまどうしてもできない。その口蹄疫の問題ですけれども、いまはなくなってしまったバイラスの形を報告しろとか、それから診断方法が不明だ。不明ならばそれをさらに追加して聞くこともできるわけでしょう。あるいは撲滅宣言のことに至っては、それはちょっと常識はずれな難題であるように思います。業者側にとっては、品物不足でもって値が上がるほうがあるいは有利になるかもしれませんけれども、消費者の立場に立って、中共の牛肉の輸入についてはもう一ぺん積極的に取り組んでいただきたい。そのことを要望いたします。

岡田覚夫農林省畜産局長

○岡田説明員 先ほどからお話しいたしましたように、私のほうは衛生上の問題だけが問題でございまして、国内の肉を外国からある程度入れざるを得ないというのは事実でございまして、その場合に、できるだけ輸入ソースが多いということは望ましいというふうに考えておるわけでございます。したがいまして、中共というものを特に制限するつもりはないわけでございますけれども、問題は、国内資源に非常に重要な影響を与えるというふうなものであり、今後の世界的な肉の需給関係から申しましても、肉が世界的に潤沢であるというふうには必ずしも考えられない点があるわけでございます。国内生産というものもやはり相当やっていかなければならないというふうに考えておるわけで、そういうときに生産増殖に非常な影響があるというものにつきまして、危険をおかしてまで食肉を輸入するという必要は私はないのではなかろうかと考えておりまして、衛生状態なり口蹄疫の状態がはっきりいたして心配がないということであれば、私は中共からも肉を買うということを拒むべきではないというふうに思っておるわけであります。ただ、その食肉の輸入をいたします前提条件につきましてもっとはっきり知らなければいかぬということで、たとえばビールスの型だとか一桁疫の診断方法だとかその他の事項につきましても知りたいということを言ってあるわけでございます。特に私のほうが、答えられないような難題を言っているわけではございませんで、禁止を解除します場合に通常世界的に共通に行なわれております事項についての調査を求めておるだけでございまして、それ以上の無理を申し上げておるつもりは全くないわけであります。そういう状態でございますので、今後もこの衛生状態が明らかになるように私たちのほうも努力をしてまいりたいということで、業界等がおいでになります場合には、そういう趣旨で何らか話し合いができるような状態に持っていってもらうような努力をしてほしいということを実は要望をいたしておるわけでございますので、今後も努力をいたしたいと思っております。

有島重武公明党

○有島委員 それでは、食肉の中共からの輸入については積極的に検討していく、そのように理解いたします。よろしいですね。  では、もう時間が参りましたので、実は米の卸売りと小売りのことについて伺いたかったのでございますけれども、これは次回に保留いたすことにいたします。     —————————————

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員長 この際、宮津経済企画庁長官から発言を求められておりますので、これを許します。宮澤経済企画庁長官。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○宮澤国務大臣 先般内閣改造がございましたが、引き続き現在の仕事を担当していくようにという総理大臣のお話でございましたので、さようにさせていただくことにいたしました。したがいまして、今後とも何かと御教導にあずかることが多いと存じます。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)     —————————————

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員長 それでは質疑に入ります。武部文君。

武部文日本社会党

○武部委員 十月の十一日に当委員会で物価に関する審議を行ないました際に、宮津長官の出席がありましたが、この委員会が終了されたその日に、いま問題になっておる宮津構想なるものが発表されまして、今日まで約五十日間当委員会には宮津長官の出席がなかったのでありますが、大体きょうの理事会の打ち合わせでは、公共料金の問題についてということで質疑をすることになっておりますので、主としてそういう問題についてのみ、時間もありませんので限定をして質問をいたしたいと思います。  いままでの当委員会における宮澤長官の説明によりますと、本年の上期の消費者物価の値上がりは三・一%程度であって、かりに下半期に五%ないしこれを若干上回っても、予想どおり四・五%にとどまるだろう、大蔵大臣も新聞紙上でそのように述べておられるわけであります。私どもはしばしば、そういう数字が非現実的な数字ではないか。確かに総理府の統計局の数字から見るとそういう数字が出るかもしれないけれども、現実に国民の生活の実態から言うと、そうした数字は全く当てはまらない数字ではないか。特に最大の値上がりの原因である消費者米価のはね返りの数字について、前回長官の意見を問いただしたのでありますが、〇・七%を若干上回るかもしれないという程度のことであります。そうすると、全く政府の思っておるような物価の上昇率であって、佐藤さんのことばをこの間はたいへん否定されましたけれども、しあわせではないような御発言も長官からございましたが、あまり危機感がないように思うのでございます。  したがって、私がこの際お伺いをしたいのは、内閣改造後における宮沢長官なり大蔵大臣の各新聞社の座談会等の記事を見ましても、大体四・五%程度に落ちついて、ただ心配なのは下半期の値上がりで、これが来年度にいった場合に若干心配がある、こういう程度にしかとれないのでありますが、いまでもそのようにお考えになっておるか、まずこの点をお伺いしたい。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○宮澤国務大臣 十月の消費者米価値上げに伴いまして、それが統計上のウエートより大きな波及効果を持つということについては、武部委員も従来から御指摘でありましたし、私も過去の経験から見てさように思うということを申し上げておったわけでございます。そのことは、やはり現実にそういう結果になってあらわれてきたように思います。したがいまして、十月は、東京都におきましても全国におきましても、相当な消費者物価指数の踏み上げがございました。十一月でございますが、はっきりわかっておりませんか、おそらく東京都はまず横ばいくらいではないかという感じがしております。ただ、在来十一月という月は少し下がってよい時期でございますので、横ばいであるとしても、この一、二年に比べますとやはり強含みだという傾向になるかと思うのでございます。  それで、この下半期上昇のようなカーブになりますから、はたして年度内は前年度対比四・五%でいけるかどうかというお尋ねでございますが、私は、よほど不測なことがない限りまずいけるであろうということをただいまも考えております。しかし、その点はこの生活の実感とは違うというふうに仰せられますと、生活の実感というのを計数でなかなかとらえにくうございますから、やはり内閣統計局の調査について申し上げるしかございません。それに関する限り、私ども、まず四・五%という目標を突破することは、不測の事態がない限りはないといま判断していいのではないかと思っております。

武部文日本社会党

○武部委員 いまの説明によりますと、内閣の統計局の数字をあげて説明する以外にはない。したがって、私は、そういう説明から見ると危機感というものは出てこないように思うのでございます。ところが、十月一日に消費者米価が上がって、一連の公共料金が上がってからの佐藤総理なりあるいは宮津長官の各所における発言をずっと見ますと、だんだん変わってきておるのであります。この席で言われることと、あるいは閣議なりあるいは経済閣僚懇談会の席上で言われたり、ないしは一日物価会議で言われておる閣僚の皆さんのことばの中に、非常に大きな食い違いがあると思うのであります。  その一つは、まず佐藤総理は、十月二十七日、政治不信につながるおそれが非常に多い、こういう発言をされております。宮津長官は、十月五日の大阪の一日物価会議のあとの記者会見で、同様に政治不信を強調されておるのであります。その結果が、あとで申し上げますが、宮澤試案なるものになってあらわれておるのではないかと私は思うのでありますが、生活の実感というものの中から出てきた声を、私はこれからひとつ具体的な数字を申し上げますが、この点について一体宮津長官はどういうふうにお考えになるか。いま四・五%のところで大体落ちつくだろう、四・五%の消費者物価の値上がりならば、以下申し述べるような数字は出てくるはずがないのであります。  二つの数字を申し上げます。  一つは、これは長官もおそらく見ておられると思いますが、日本世論調査会、これは共同通信の全国調査であります。これは十月二十一、二日の調査でありますから、消費者米価の値上がりから相当日にちがたっております。去年に比べて生活がやや苦しくなったというのが三〇・三、苦しくなったというのが一八、これで合計四八・三%が、生活が去年に比べて苦しくなったというのであります。  もう一つ、ある全国新聞の世論調査によれば、窮乏化したと思うというのが五九%になる。半数以上を占めておるのであります。よくなったというものはわずかに七・二%しかない、こういう事実が出ておるのであります。これは少なくとも新聞社が責任を打ってやった全国の世論調査の結果ですから、私どもは相当信用度が高いと思うのであります。そうして、その値上がりの大半以上が食料費の値上げだ、それが家計に非常に大きな影響を来たしておる、こういうことをいっておる。同時に、こういうように生活が苦しくなったという原因は一体どこにあると思うかという問いに対しての答えが問題であります。政府の物価政策が貧困だから、こういう回答がトップで三七・五%を占めておる。公共料金の値上げからこういうようになったというのが一二・二、これを合わせると四九・七%、もう一つの全国新聞の世論調査でも、同様なものが五三%という数字になっておる。政府の物価政策の貧困、ここからこういうように生活が苦しくなってきたんだ、こういうことが現実に二つの世論調査の中から十月に出ておる。  私は、そういう現実の生活感の中から、総理なりあるいは授賞が指摘をされるように、政治不信ということはここにつながっていると思うのであります。こういう実態について長官はどういうふうにお考えになるか、先ほどの答弁とあわせてお伺いをしたい。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○宮澤国務大臣 実は、まず現状について説明せいというお尋ねでございましたので、いずれこれからあとのことはお尋ねがあろうと思いまして、申し上げませんでした。  おまえは少しも心配していないのかというお尋ねになりますので、いや実はそうではございませんで、非常に心配をいたしておるのでございます。それは第一に、四・五%というもの、かりにそういう目安が達成できたといたしましても、別にそれはあまり自慢ずべき数字ではないわけでございます。かなりの消費者物価上昇であることに変わりはございません。それが第一でございます。第二に、経済成長等々の結果としてそうなったという場合と、それから、それが、政府がかなり関与をしていわば主導したと申しますか、そういう印象を与える場合とでは、国民が受けられる受け方が違うと思うのであります。ことに十月の消費者米価の引き上げというものは、これは政府の意思によって決定されたものでありますから、国民がどうも、政府が先に立つとまで言わなくても、かなり関与して上がっているではないかというふうに感じられることは、私はそのとおりだと思います。その点が政治の姿勢につながるというふうに実は感じておるわけです。しかし、第三に、それよりももう一つ私が心配しておりますのは、現状のまままいりますと、年度内の消費者物価が、年度前半がむしろ低下をして、後半がしり上がりになるという姿になりますと、昭和四十三年度を四十二年度と対比いたしましたときに、四十三年度は非常に高いところから消費者物価が出発することになります。このカーブが逆になりますと、低いところから出発することになるのでありますが、おそらく一番高いところから出発するようなことになるかと思います。そういたしますと、四十三年度の四十二年度との対比で申しますと、かりにその高いところから年度間全部横ばいであったとしても、四十二年度に比べてなお三%何がしかの上げ底に乗っておることになるわけでありますから、四十三年度中かりに全く横ばいであっても、三・三%あるいは三%程度の上昇が計数的にはどうしてもそれを根に置かなければならないわけであります。その場合に、四十三年度の当初に、ただいまいろいろ報道されておりますように、政府関係の料金、価格というものが引き上げられますと、かりにそれらのものが統計上のウエートが少のうございましても、いかにも政府が主導したということに、その印象がますます濃くなるであろう、こう思っておりますので、何とかしてその事態を避けたい。そういうやや先を見ますと、なお政治の姿勢として消費者物価の問題が問題である、心配すべき状態である、こう申しておるわけです。

武部文日本社会党

○武部委員 時間の関係で先を急ぎますか、先ほど申し上げるように、十月の十一日に私どもは昭和四十三年度の財政経済運営の基本方針についての宮澤私案なるものを新聞で知ったわけです。内容については残念ながら知ることはできませんでした。ごく最近全文らしきものを雑誌において見ることができたのであります。  そこで、公共料金の問題についてこれからお聞きいたすわけでありますが、この宮津私案なるものの全文の中に公共料金ということばは全然載っておりません。そういうことばは一語も見ることができないのでありますが、この中に、一年限りということと、生産者米価と消費者米価の据え置きと、たばこの価格の据え置きと、国鉄、電電などに財政投融資をあわせて優先的に振り向ける、それだけのことばが載っておる、このように理解ができるのであります。そこで、前回中西局長から説明を受けたわけでありますが、大体三十四、五の、政府が主導的に認可したり、あるいは許可を与えたり、あるいは国会の決定なり、そういう広範囲の項目について説明を受けました。この私案によると、大体政府が責任を持って行なえる、財政の措置をすれば大体値上げを食いとめることができるという程度の項目について、ここに載っておるわけであります。  そこで、私がお伺いしたいのは米の問題であります。特に宮津長官は、この米の問題が非常に重要な意義を持つ、したがって、どうしても特に消費者米価については値上げをしては困る、このことを先般もある新聞の座談会で、大蔵大臣同席の席上で述べておられるようであります。ところが大蔵大臣は、一四・四%ではないけれども、消費者米価は上げざるを得ぬ、こういうことを言っておられる。これが三とか四とかいうふうに報道されておりますが、その数字をとってみても、大体四、五百億という数字になるようでございます。そうなってくると、私案が出て今日まで約五十日間の過程の中で、もうすでに大蔵省は、一番重要な消費者米価の値上げについて、宮津長官の意図と相反する構想のもとに予算編成が行なわれつつある、こう見なければならぬと思います。ことに先日運輸大臣に当委員会に出てもらって、国鉄の定期運賃について質問をいたしましたが、定期運賃は上げざるを得ない、こういうことを言っておられるのであります。このように宮澤構想なるものの精神と相反する発言がどしどし出てき始めておるのであります。そうなってくると、この中で言われるように、消費者米価、生産者米価、たばこ、国鉄、電電、このいわゆる公共料金の値上がりについて、宮澤長官は、一体確信を持って、この私案なるものが四十三年度の予算編成の場に生かされる、そのようにお考えでございますか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○宮澤国務大臣 公共料金ということばを私案の中に使いませんでしたのは、御指摘のとおりでございます。これが私案でございましたために、そのような報道がなされましたが、あえて訂正しようとは実は私いたさなかったのでございますが、公共料金ということばを使いませんでしたのは、まさに武部委員が正しく御理解いただいておりますように、昭和三十九年に起こったような事態をもう一度起こすことはどうも適当でないと私が考えたからでございます。そこで、米の問題になるわけでございますが、私がこの一年間の措置を申しまして、その後にとるべきいわゆる恒久策について言及いたしませんでしたのは、故意に言及をいたさなかったわけであります。すなわち、米の問題一つとりましても、あるいは中央、地方の財政の関係につきましても、公務員給与の問題につきましても、戦後非常に長い間のこれは慣行、制度でございますから、かりにこれを改めるとしても、それはやはり多数の人々が、それぞれの機構なり機関を通じて、いわゆるコンセンサスの出たところで新しい制度を生むというのがほんとうであって、少数の者が先ばしって考えを言うことはいい結果にならないであろう、こう思いましたので、申しておらないわけであります。しかし、私の気持ちの中で、向こう一年間の間に、米の管理機構について、あるいは管理制度について、何か新しいコンセンサスが生まれることを期待しておりますことは確かでございます。そこで、物価との関係では、ただいま御指摘のように、米、たばこ、国鉄、電電、国立大学の授業料等々がございます。その中でやはり一番むずかしい問題は米の問題であろうと思います。私は、両米価ともとにかく一年とめてみて、新しい制度の発足を促してはどうかということを私案として申しておりますし、いまも実はそれを望んでおります。ただ、おそらく問題になってまいりますのは、結局来年度の予算を想像してみますと、いわゆる当然増、既定経費で削減できないものが非常に大きゅうございますから、食管会計の赤字と国債の発行額と減税の規模と、その三つのものはどうしてもからみ合ってくると思うのでございます。減税は、物価調整減税ぐらいはいたしたいということは、国民生活に直接関係いたします私としては当然に考えます。それからまた、国債の額は、いろいろな観点からできるだけ圧縮したいということも、これも経済の全体として私としても考えざるを得ない。他方で消費者米価は、どうぞ来年は上がらないでほしいということも、これも当然思うわけでございますから、その三つを、計数について最後にどういうふうな同時的な決定をするかということが、予算編成のおそらく最初にきめられなければならない基本問題であろうというふうに思っております。したがって、いま伝えられているところの消費者米価の値上げ案等々、おのおの各省の立場からいえば、それぞれの理由があることでございますから、最終的には、その点は、やはり責任者全部が集まりまして決定をすべきことであろうと思っております。

武部文日本社会党

○武部委員 問題は、消費者米価の問題が一番主であるということについては、いまの御発言の中でわかります。私どももそう思うのです。問題は、一つがくずれた場合に、消費者米価の据え置きがかりにくずれた場合、少なくともこの宮澤私案なるものの特に公共料金の問題については、一挙にくずれていくというような気持ちを私は持つわけですが、そういう点はございませんか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○宮澤国務大臣 何ともただいま予断ができない問題でございます。私一人できめられない問題でございますから。ただ、私としましては、片方で物価の安定を願うと同時に、他方で、長い間たいへんな問題でありますところのこの米の管理機構の問題がこの際、来年一ぱいで片づくかどうか、そのことにも同様に比重を置いて考えておるわけでございます。

武部文日本社会党

○武部委員 時間の関係で、それではもう一つ。  最近、宮澤長官は、しばしば受益者負担の原則は正しいということをおっしゃっておられます。これは非常に重要なことだと思うのであります。私がこの際お聞きしたいのは、所得の再配分とからんで、日本の現状からして、一気に受益者負担ということが行なえるものかどうか、これは非常に問題があろうと思うのであります。若干研究したらどうだというような構想も見えるようでありますけれども、受益者負担ということと、それから所得の再配分と日本の現状とについてどういう  ふうにお考えでございましょうか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○宮澤国務大臣 これも実は私見を申さずに、明年研究をしてもらいたいと思っております課題の一つであります。私がいま申しておりますことは、受益者負担という原則はやはり尊重されなければならないであろうが、しかし、どの部分を受益者が負担をし、どの部分を公共が負担すべきかということについて、公営企業には、やはりおのずからその全部が受益者負担というようなことはあり得ないのではないか。ただ、何でもかんでも公共が負担するということもまたあり得ないであろうから、公営企業の場合に、公共負担と受益者負担とを分ける原則は何であるかということについて、やはり一年かかって検討すべきではないのか。たとえば、地下鉄のようなものについて、今後非常な建設費を想像してみますと、これを全部受益者負担でやるべきだというようなことはなかなか言えそうもないと思いますし、他方で国鉄の通勤、通学定期券のように、八割も公共負担であるというようなことも、またいつまでもやっていいことであろうかという問題もございます。おしなべて、やはりそういう公営企業については、公共負担と受益者負担を分かつルールというものがこの際再発見されなければならない、こう思っております。

武部文日本社会党

○武部委員 宮澤私案なるものは、一応お出しになった場合はたたき台の程度だ、たたき台にしてもらって、いろいろ意見を言って、それに基づいて四十三年度の予算編成の一つのめどにしてもらいたいというふうな意向があって出したのだということば、しばしば言明されておるようであります。これを見た国民は、マスコミの報道によれば、公共料金は一年ストップだ、こういう報道をされるから全部がストップすると思う。昭和三十九年に、前年が七・六%、一年間公共料金をストップしたら半分の三・八になった、また翌年になったら七・六になった、こういう事実を知っておるわけであります。したがって、マスコミ報道によれば、一年間公共料金ストップというから、みんな公共料金がストップする、こういう淡い期待も持っておると思うのであります。したがって、宮澤構想なるものについては、あなたの私案についてはいろいろ見方はあるにしても、非常に多くの期待があると思うのです。ところが、現状の姿を見ると、たたき台としてお出しになったものが、政府の都合のいいところばかりはとられて、たたいてたたいて、石橋をたたいて渡るということがありますけれども、一つも渡らずにたたいてばかりおる、あげくの果てはたたき過ぎて橋か折れてしまう、こういうような懸念すら実はいまの段階では見られるのであります。したがって、政府の都合のいいところばかりをとって、そして食い逃げをしてしまう、こういうように、いまの改造後の内閣の各省の大臣のいろいろな発言を見ておるととれるのであります。これは非常に重要なことであります。少なくともこの私案なるものは、全般的な問題として取り上げて初めて効果がある。それをただ一つ、政府の都合のいいところだけとって、次に四十三年度の予算編成だということで、国民の目をごまかすようなことをしてもらっては困る。したがって、当面特に便乗値上げについては、これは厳重に監視をしてもらわなければ困るということを、長官は大蔵大臣に申し入れをされて、前回も言うように、便乗というものはもとがあっての便乗なんですから、そういう点について、キッコーマン醤油あたりの問題についても、せっかく大臣が農林大臣にお述べになったって、これは馬耳東風ですよ。全部キッコーマンのしょうゆはそのまま。問題は、大阪の主婦の団体が不買同盟をやりました。これは、宮澤長官の発言が非常に私は意義があったと思っております。しかし、現実にはキッコーマン醤油の便乗はそのままなんです。こういう点を考えると、公共料金の物価に与える影響というものは非常に大きいと思う。したがって、伝えられるところの消費者米価の三ないし四%の値上げだとか、あるいは通勤定期の値上げをするとか、こういうようなことがいまの段階で非常に報道されていることは、私は不可解だと思うのです。せひひとつ公共料金の問題について、長官は非常に強い意見を持っておられるわけでありますから、その点も十分閣議に反映をしていただいて、公共料金の値上げの持つ重要性を、再度政府部内において討議をしていただきたい。たいへん時間がなくて残念でありますが、次回にこれは譲りたいと思いますので、最後に長官の意見をひとつ聞いて、終わりたいと思います。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○宮澤国務大臣 都合のいいところだけを抜き出して実施するということでは困るではないかと言われますことは、私も私案を書きましたときにさように、それ以来そう思っております。  そこで、先ほど同時決定ということを実は申し上げたわけであります。公共料金につきましては仰せのような気持ちでおりますが、やはり経済法則に反することをしますと翌年報いが出るということは、三十九年の例で言われましたとおりであります。したがって、公営企業であろうとあるいは政府関係企業であろうと、かりにそういうことをいたさなければならないというときには、それにかわる財源なり何なり、そういうものは当然手当てをしておきませんと、一時を糊塗するにすぎない、こう考えます。

武部文日本社会党

○武部委員 終わります。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員長 木原実君。

木原実日本社会党

○木原(実)委員 時間がございませんので、一、二武部委員の質問をしたこと等に関連をしながらお伺いいたしたいと思います。  予算の編成も本番にかかるところですけれども、明年度の消費物価の動向について、どれくらいのところを見込んでおられますか。来年度は、いろいろ引き締めの中で、しかも消費の非常に旺盛な側面も出ておりますし、また予算の編成等に関係をして多少の見通しの差異は出てくるだろうと思いますけれども、おおむねこのまま推移をしていけば、明年度は大体どのくらいの消費物価の値上がり率を見込んでおられるか、御見解をお伺いしたいと思います。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○宮澤国務大臣 それはまだ、お答えの基礎になるような作業を全然いたしておりませんので、正確に申し上げることができません。ことに財政か、先ほど武部委員の御賛同との関連もあって、どのような姿で組まれるかということが、実体的にも心理的にも消費者物価に及ぼす影響は大きいと思います。私といたしましては、できるだけ財政を抑制して組みたいということを考えております。大蔵大臣もその点は同様に考えております。そのできぐあいによりまして、やはりたいへんに予測が違ってくるであろうと思います。ただ、私がただいま悩んでおりますのは、先ほど申し上げましたように、今年度の物価上昇が、前半が低く後半が商いという姿をとりましたために、明年度を四十二年度と対比いたしました場合には、どうしても三くらいなものはこの下に土台としてあるというふうに考えなければなりません。そういたしますと、年度内一切消費者物価の上昇がないということは、従来の経験から申しまして現実的でないと思いますので、やはりありそうなものはその三に加えて足さなければならないということになるかと思います。他方で、定期預金の利子ほどの消費者物価の上昇を見込まなければならないということになれば、しかもそれに相当政府が関与をしておるということになれば、これは経済政策としてはうまくないわけでございますから、何とかそうならないように財政も組み、また公営企業につきましても、財政で補えるところは補っていきたい。したがって、考え得る範囲は、その根っこにあります三と、それから定期預金の利子と、その間のところへ落ちつけなければならないし、落ちつけ得るかということがいまの問題だと思います。

木原実日本社会党

○木原(実)委員 なかなかむずかしい局面だと思うのですけれども、望ましい数字も、値上げ率の幅というものも大体その辺のところだ、こういう見通しでございますね。  そこでお伺いをしたいのですが、総理の発言として消費を抑制をしたいんだ、こういう発言が新聞等に見えておりましたけれども、予算の編成の問題とからんで消費を抑制していくということについて、何かお考えがあるのでございますか。総理は、こういう状況ですから消費を抑制していくんだ、精神的な号令をかけたのか、それとも何か含むところがあって施策の面で実施に移していきたい、こういうような気持ちがあってのことか、その辺の判断はわからないわけですが、長官としてはいかがでございますか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○宮澤国務大臣 総理大臣のお考えは、私は、いわゆる乱費、浪費ということはやめなければならぬではないかという意味に受け取っております。そうして、そういう風潮を国民の中に育てていきますためには、やはり第一に、政府自身が自分の姿勢を正さなければならないということがあると思います。  それから、第二に、健全な消費をするために、あるいは乱費、浪費をなくするためには、個人個人が自分の将来のために資本蓄積をするという、何のためにという目標を政治か設定する必要がある。それが土地とか住宅とかいうことをさしずめ一番多くの人が望んでおることと思いますが、やはりそういう政策が伴わなければならない、私はそのように理解をしております。

木原実日本社会党

○木原(実)委員 先ほども話が出ました米の問題でございますけれども、すでに三、四%は上げたいのだ、こういう大蔵大臣の発言などが伝えられておるわけなのですが、先ほどの話と関連いたしますけれども、この食管の問題につきましては、私どもの見通しでも、どうもなかなかむずかしい問題じゃないかと思う。しかも、これを押えていくためには、長官はストップということを私案の中で述べておられるわけなのだけれども、 しかし、それにプラス何かの案がないと、これはどうもストップの効果というものも出ませんし、 ストップ令だけではどうにもならぬわけです。  それから、米価審議会が開かれまして何か案をつくるのだ、こういうことも伝えられておりますけれども、ただ、その前提の中に、御承知のように生産性の低い農業、しかも生産性の上がっておる、たとえば農家の購入する工業製品等が上がっているわけですね。しかも生産性が上がっていても、一つの管理価格のようなもので値下がりしない、こういうものがあるわけですから、生産性の低い生産者米価を押えるというだけでは、これは理屈にも何にもならぬわけです。だから、その辺についてお伺いをしたい点があるわけなのですが、これは、たとえば農家のコストを下げるために、肥料なら肥料についてもやはり何らかのてこ入れをしていく、こういう形でコストを下げることによってストップをするのだ、こういうような考え方が出るとすればストップの裏づけにもなると思うのですが、そういうお考え方はございませんか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○宮澤国務大臣 私は、長きにわたって生産者米価をストップしようという考え方を持っているわけではございません。明年度の場合、新しい制度を考えるためにそうしたらどうかと申しておるわけであります。  それから、消費者物価対策の基本は、片方では生産性が上がりながら、共同行為等の結果価格がいわゆる下方硬直をしておる、そういう商品については共同行為等を排除するというのが、一つのこれは何といっても正道でございます。そういうものがございますれば、今後とも公正取引委員会にもお願いをして、そういうカルテル的なものはこわしていかなければならないと思います。  他方で、生産性の低い部門については、生産性を上げるための投融資をするということがもう一つ大事なことでございますから、農業については仰せのようなことがございますので、やはり農業の基盤整備であるとか諸種の改良事業、これには今後ともますます金を使っていかなければならないと思います。むしろ問題は、そのような財源があるとすれば、それをいきなり生産者価格の上昇に持っていくのがいいのか、あるいは農業基盤改良のために使うのがいいのかという選択の問題ではないかと思うのでございます。そういったようなことを考えながら、明年新しい制度が発足するということを私としては期待しておる。何がどうあるべきかということを私が個人で先ばしって言うことは、どうもいい結果はなさそうに思いますので、幸いにして明年の一月から米価審議会が新しい姿で新しい使命を持って発足されますので、おそらく出来秋ごろまでには、何か有益な、かつ実行し得る結論を米価審議会が出してくれるのではないかということに期待をかけております。

木原実日本社会党

○木原(実)委員 あわせて、宮澤さんがお出しになった私案に関連をしてですが、あの私案の中には、先ほど述べられましたようないろいろな問題について一年間ストップをして考えていくのだ。こういう提案があるのですが、あの中に、予算の硬直化の問題と関連をして、いろいろな整備をしていかなければならぬ側面があると思うのです。その中で、ことしから発足をいたしました防衛力の増強の問題があるわけなんです。しかも、御承知のように、防衛問題がにわかに、また新しい政治の日程にのぼりまして、早くも三次防の修正というような考え方がちらほら内閣委員会等でも出ておるような状況でございます。そういたしますと、いまの防衛力の増強のために使われておる費用、そういう費用の問題についても何らかのチェックをやはりしていく、そういう考え方というものも一面あってもいいのじゃないか、こういう感じもするわけです。ドイツの問題がよく例に出されるわけで、しかもドイツの状況とはだいぶ違いますけれども、軍事費の問題について長官はどんなふうにお考えでございますか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○宮澤国務大臣 この点は、私忘れて触れなかったのではなくて、はっきり意識して触れなかったわけでございます。と申しますのは、私自身は、やはりわが国の防衛のための支出は最小限に切り詰めておると考えておりますし、国民経済が十分負担できる限度だと思っております。のみならず、その防御のための支出が非常に大きくて、国民経済に影響を与えておるという現状ではないように思います。また、この経済成長率いかんに従って防衛費を増減しなければならないというほど、大きなものでもないと思っております。  それからもう一つ、三次防のこれを年次割りに見てみますと、予想される経済成長率ほど伸びておらないのでございます。したがって、この点は何も言う必要がないと、こう考えまして何も申しておりません。

木原実日本社会党

○木原(実)委員 仰せのとおりだと思うのですけれども、しかしながら、これが五ヵ年間と長期にわたって一つの財政を拘束する、こういう仕組みになっております。しかも防衛費の性格からいきまして、浪費とは申しませんけれども、きわめて消費性の強いもので、再生産を伴わない出費でございます。しかも別の観点から申しますと、各国との対比をしましてかなり商い軍事的な支出になっておる、こういう側面もあります。それからまた、軍備につきましては、これは過去の経験等に照らしましても、どこかで歯どめがなければならない。その歯どめについてはほとんどないままに、しかもわれわれの考え方からしますと、ほとんど対象のはっきりしないような形で軍事費が出されておる。こういう側面もあるわけなんです。ですから、そうなりますと、軍事費をどこかでやはりチェックするというのは、いまのような財政の硬直化という問題が問題になった時点で、ある程度の歯どめの方式というものを確立しておかないと、先行き情勢の変化、いろいろな条件のもとで、さらにこの軍備が拡大をされていく要因というものが強くなっていくのじゃないか。こうなった場合の財政的な面からの負担増というものを、私どもはいまから心配をするわけなんです。しかも、議論があちこちしますけれども、近代的な軍隊というのは、一方で軍備を拡大をしていくという面があれば、同時に、やはりその裏側でこれに歯どめをくれていく、あるいは軍縮、こういったような考え方というものがあわせて裏側になければ、バランスがとれないのではないか、こういう感じがするわけです。そうなりますと、やはりこれだけ財政の硬直化という問題が問題になっている時点ですから、そういう形での問題の提起が一つぐらいはあってもいいのじゃなかろうか、こういう感じがするのですが、いかがですか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○宮澤国務大臣 この点については、木原委員の御見解と私の考えとが多少違っておるかもしれないと思いますが、私は、いまのわが国の防衛費というものが、GNPあるいは予算総額に占める割合から見ましても、経済発展の撹乱要素になっておるというふうには思っておりません。諸外国との対比においてもそれは言えることではないかと思っておるのでございます。  三次防というものでございますが、これはある意味では、やはり防衛費の適当以上な上昇を長期計画で押えるという逆の歯どめの意味も果たしておるというふうに私は考えております。もちろん防衛費は、御説のように特段の生産的意味を持ちませんので、かりに無意味な、効果的でない支出があるとすれば、これはそれだけよけい気をつけて考えなければならないものだということは、御説のとおりでございます。

木原実日本社会党

○木原(実)委員 お伺いしたいことがほかにもございますけれども、最後に一つお伺いしておきたいと思うのです。  予算の編成にからみまして、先ほど来いろいろ議論がございました。これから本番にかかるわけで、私どもとしましても、宮澤さんのお出しになりました私案の中には、いろんな問題点を持っておるわけです。しかしながら、いずれにしましても、物価という観点から見ますと、ほとんどとどまるところを知らない形で動いておるという状況なわけなんです。そこで、そういう調整の衝に当たられる立場からああいう私案をお出しになったわけなんですが、これからの予算編成の過程の中で、先ほども武部委員が申し上げましたように、すでにいろんな宮澤構想をたたく材料、発言が山積しておるわけなんです。そういう中で、お出しになりました私案の中で、長官として最後に、これだけはぜひ今年度から明年度にかけてやりたいのだ、選択ということばで迫るのはどうかと思いますけれども、これだけはどうしても貫徹をしたいというお考えはございませんか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○宮澤国務大臣 ちょっとそれは全部が関連しております私案でございますから、一つ取り出してとても確認はむずかしいのでございますが、やはりわが国の通貨は、申し上げるまでもなく管理通貨でありまして、いままで比較的管理が適正であったために今日の成長を遂げたと考えておりますが、この際、管理通貨を内外から危うくするような予算を組むべきでない、こう思っております。まあ外の要因は別にいたしますと、内の要因として言えば、やはり国債の発行額が非常に大きくなるということは、管理通貨に対する信を疑わせるものになると思いますし、また物価、これは消費者物価並びに卸売り物価がそろそろ問題であると思うのですが、これが適正な範囲の上昇におさまるということが、管理通貨に対する国民の信をつなぐゆえんである、こう考えております。

木原実日本社会党

○木原(実)委員 では、いずれ予算案ができ上がりまして、臨時国会なりあるいは通常国会の中で、またひとつ御見解を伺いたいと思います。  終わります。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員長 本日は、これにて散会いたします。    午後零時十九分散会

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