農林水産委員会 第6号
- 発言数
- 124 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1967/11/10
会議録
○本名委員長 これより会議を開きます。 農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。 まず先に、本委員会より東北地方及び九州地方に委員を派遣し、現地調査をいたしましたのでありますが、この際、派遣委員からその報告を聴取いたします。 第一班、高見三郎君。
○高見委員 去る十月十日から十月十四日まで五日間にわたり、閉会中の国政調査派遣委員として、新潟県では、主として八月二十八日の集中豪雨による災害対策及び阿賀野川水銀中毒の問題について、秋田県では、八郎潟新農村建設事業の現状及び国有林野事業の経営について、青森県では、北東北におけるてん菜生産の現状並びに転換対策、国有林野の活用及び九月中旬の長雨による災害対策について、山形県では、同じく八月二十二日集中豪雨による最上川流域の災害対策について、それぞれ調査いたしましたほか、各県における農林水産業の現状についても調査を行ないましたので、この際その報告を申し上げます。 まず第一に、災害関係について申し上げます。 八月二十八日新潟県北部及び山形県南部を中心にした集中豪雨の被害につきましては、すでに本委員会にも報告されておりますが、災害発生後四十日余を経過いたしました今日においても、山津波によって流出いたしました岩石は、いまだ累々として家屋、農地を埋め、土砂に埋没し、また冠水いたしました水稲はおりからの晴天によって発芽する等、まことに悲惨なものがあります。この間にあって、農民は、堆積した土砂、岩石の除去、冠水した種もみの乾燥等、来年の生産のため最大の努力を重ねておりますにもかかわりませず、その復旧に見るべきもの少なく、国に対しその復旧について早急な対策を期待するところ切なるものがあります。 特に、新潟、山形両県ともわが国の豪雪地帯に属しておりますため、春の融雪期までに一応の対策が講ぜられぬ場合、再び同様の被害を受けるおそれもあり、この結果、今後の農業経営に対し重大な不安を招来することになりかねないのであります。 さらに、青森県におきましては、九月中旬三戸郡、八戸市等を中心としました長雨によりまして、同県の生産の約七割を占めております紅玉を中心に、リンゴの異常落果が見られ、農家のこうむりました損害は約四億円に達し、同地方のリンゴ栽培面積の約三〇%が被害を受けたのであります。 このような新潟、山形及び青森各県の災害対策について、現地農民及び関係機関等から当面の対策として、天災融資法による貸し付けワクの拡大と償還期間の延長、自作農維持資金貸し付け限度額とそのワクの拡大、農地及び農業用施設災害復旧事業の査定の早期実施と農地の災害復旧に対する国庫補助の繰り上げ割り当て等を強く要望されました。特に、新潟県、山形県では、災害常襲地帯の農民及び激甚被災地の農民の強い希望によって、部落集団移転が行なわれようとしておりますが、これに対する国の積極的な援助を、青森県ではリンゴの異常落果に対する国の援助を、また、山形県では、わが国三大急流の一つといわれる最上川の早期改修と築堤により河川敷となりました農地の早期買収について、それぞれ強い要望がなされました。 さらに恒久対策として、局地的な異常豪雨に十分耐え得るよう現行治山治水五カ年計画を抜本的に改定し、この計画が完全に実施できるよう必要な措置を講ずべきことが要望されたのであります。 以上現地の要望は、 一、連年災であり、しかも被災地域が広範囲にわたるとき。 二、きわめて激甚な被災地区が数多くあること。 三、したがって、個人災害の性格を強くし、記録的な死傷者を出すとともに、部落の機能を全く失なわせたこと。 など、今次災害の特性から見てもっともなものがありますが、この際、特に一言申し上げますると、まず治山治水五カ年計画の改定にあたっては、予防治山及び中小河川に対する行財政上の配慮を濃密にするとともに、その実行にあたっては、農業水利、土地改良等との関連を十分調整した各流域ごとの基本計画を確立する必要があると思うのであります。 次に、集中豪雨等によって崩壊しやすい地帯につきましては、特にその地域を指定して、気象観測体制の整備、崩壊防止のための施設の拡充、危険部落の集団移転に対する措置等が行なえるよう必要な施策を講ずべきであります。 政府は、この際、今次災害の実情と復旧対策について十分検討の上抜本的な対策を講ずるとともに、災害地域の営農計画の立案、実施について必要な援助措置を講じ、もって被災農民の生活の安定と再生産の早期開始をはかり、離村、脱農のごとき悪状態を絶対に招来しないよう配慮すべきであります。 なお、今次新潟災害の復旧について、北陸農政局が中心となり、関東各県より約四十名に及ぶ応援職員が、その早期査定のため不眠不休の努力をしておりましたが、これら職員が今後とも十分活躍できるよう考慮すべきであることを付言いたします。第二に、青森県におけるてん菜の問題について申し上げます。 青森県のてん菜栽培は、今回視察いたしました上北部、三沢、十和田、八戸各市の篤農家を中心として、国及び県の大幅な指導助成により進められ、最近ようやく同地方の畑作経営の中に定着していたものであります。 ところで、フジ製糖青森工場の閉鎖によって、昭和四十三年度以降の栽培が中止されることとなったことはすでに御承知のとおりでありますが、これによって現地農民の受けた経済的、心理的打撃は非常に深刻なものがあり、この事態収拾策を効果的に実施しない限り農政不信、ひいては国政不信に連なることは火を見るより明らかであります。 現在農民は、特にてん菜転換後における畑作の総合振興対策の確立を強く要望しております。政府は、この現地農民の要望が、過去五カ年にわたり粒々深苦の結果、主要作物として農家経営の中に定着させ、ようやく安定のきざしを得た今日、栽培中止という深刻な事態に立ち至ったということに思いをいたし、てん菜転換後における畑作の振興対策について、県並びに関係団体と十分連携の上、早急に具体策を農民に明示し、その実行について必要な措置を講ずべきであります。 第三に、国有林野の活用について申し上げます。 国有林野の活用の現状については、時間の関係上遺憾ながら現地について十分調査する機会がなく、主として青森県庁において、営林局長より現在までの活用の実績と今後の見通しについて、県議会議長外地元関係者五名により国有林野活用の必要性と問題点について、それぞれ説明を聴取いたしました。 これらの説明を集約いたしますると、現地営林局では、戦後緊急開拓実施以来約十三万ヘクタールの国有林野を活用させているのでありますが、これに対し、現地関係者は、 一、現在の国有林野事業は、林業基本法に期待する国民的要請を十分果たしていないので、いわゆる経済林は民営に移管すべきこと。 二、軒先国有林地帯には、農用地として転換利用できるものも多いので、国土の高度利用という見地からも積極的に活用させるとともに、国有林野経営はもっと地元農家のことを考えて実行すべきであること。 三、農林業構造改善事業の円滑な実施、災害時における緊急復旧材の確保及び地域の特性に応じた模範的な林業経営等が行なえるよう、市町村も国有林野が活用ができるようにすること。等であります。 これらの意見及び要望は、国有林野の積極的な活用によって、これら地域の発展をはかろうとする現地関係者の切なる願いが込められているように見受けられたのでありますが、具体的にだれによってどのくらいの面積の国有林野がどのような形で活用されるべきか、また、そのためにはどのような点が障害となって地元の要望にこたえられぬのか等、今後十分検討すべき問題も多いように見られました。 しかしながら、国有林野地帯の農山村の発展には、国有林野事業の果たす役割りがきわめて大きいものがありまするので、今後専門的な立場で十分な調査を進め、これら地域の発展に役立つ具体的な政策を早急に準備し、関係地元住民の要望にこたえるべきであると考えます。 第四に、阿賀野川における水銀中毒問題及び八郎潟新農村建設事業の現状について申し上げます。 阿賀野川水銀中毒問題の経過等については、すでに本委員会においても審議されたところであり、この原因についても、目下当事者間において係争中でありますが、この公害は、現在なお関係漁民と地域住民に対し、大きい損害と深刻な不安を与えているのであります。現地におきまして、この中毒症にかかった住民より直接症状等を聴取いたしました際にも、この公害のおそろしさと、これに対する万全の対策を強く訴えられたのであります。 その原因のいかんを問わず、現実に漁業者並びに住民に重大な損失と不安を与えている事実にかんがみ、政府はすみやかに関係機関を動員してその対策を講じ、関係者の不安を早急に取り除くよう努力すべきであります。 次に、八郎潟新農村建設事業の現状について申し上げます。この事業は、八郎潟を干拓して広大な農地を造成し、大規模な機械化技術体系を導入した営農により、将来わが国農業のモデルとなるような生産性及び所得水準の高い農業経営をつくることを目的とし、現在水稲栽培をその中心作目としてこれに必要な施設その他環境の整備、入植者の訓練及び試験研究を行なっております。私たちが現地を訪れました際、大型コンバインによる稲の刈り取り作業が続けられておりましたが、まさに日本農業の明日を見る思いがいたしました。 しかしながら、このような新しい営農形態は、わが国でも初めての試みであり、今後検討すべき問題を多く含んでいることもいなめません。すなわち、現在水稲単作を前提としておりますが、将来ともこのような形でよいのか、また、農地をすでに個々の農家に配分しておりますが、機械化を進めるにあたって将来に問題を残さないのか、等々であります。 いずれにいたしましても、八郎潟新農村建設事業は、わが国農業にとっては初めての試みでもあり、これを成功させるには、十分な基礎的研究と実地試験を重ねた上、将来に対する確実な見通しをもってこの事業を進める必要があります。 なお、秋田県よりこの事業の実行について、計画どおり実施できるよう十分な予算措置を講ずること及び干拓事業負担金を軽減すること等について強い要望がなされました。 このほか各地において、農林水産業振興に関する多くの陳情を受けましたが、その内容を詳細に申し上げますことはかなりの時間を要しまするので、この際省略し、本委員会において同種案件を審査する際に譲りたいと存じます。 最後に、このたびの調査にあたり協力をたまわった新潟県、秋田県、青森県、山形県及び関係地方農政局、営林局並びに関係市町村、団体の方々に対し心からお礼を申し上げ、この報告を終わります。
○本名委員 長次に、第二班熊谷義雄君にお願いいたします。
○熊谷委員 委員派遣第二班の調査結果の概要を御報告申し上げます。 この班は、漁業の振興等農林水産業の実情を調査するため、私以下六名の委員が参加して、去る 十月十日東京を出発して以来、十一日及び十二日は鹿児島県、十三日は熊本県、十四日には長崎県と、三県下にわたって五日間に及ぶ調査をいたしてまいった次第であります。 さて、私どもは、調査にあたっては、まず県庁におきまして、知事をはじめ担当者から農林水産業全般にわたる実情を聴取するとともに、当面の問題点等について説明を聞き、また、関係業界の代表者から各種の御要望を承った後、それぞれ現地について視察を行なったのであります。 以下、調査日程に従い順を追って御報告申し上げるべきでありましょうが、今回の調査内容は、おおむね次の四項目に取りまとめることができます関係から、便宜各事項別にその概要を御説明いたします。 まず、第一は、漁港の整備についてであります。 漁港は、漁業生産あるいは水産物の流通のための基盤であって、漁港の整備なくして水産業の振興は考えられない最も重要な基本施設であります。 そこで、鹿児島県においては、県下の代表的漁港でありかつ第三種漁港である枕崎漁港、山川漁港、さらに種子島における第四種漁港である熊野漁港を、熊本県下においては、第二種漁港である佐伊津漁港を、また長崎県下においては、年間約二十五万トン、百七十八億円の漁獲物の水揚げを行なっている特定第三種漁港である長崎漁港を視察いたしたのであります。これらの漁港は、そのほとんどが第三次漁港整備計画に基づいて整備事業を実施中でありますが、いずれも計画を上回る急速な漁船の動力化、大型化等の伸展による利用漁船の増大、水揚げ高の伸長に十分対応することができず、漁港の狭隘を訴え、すみやかな拡張工事の必要を強く要望しているのであります。 現在実施中の第三次漁港整備計画は、昭和三十八年第四十三回国会において承認され、三十八年度から四十五年度までの八カ年計画で実施されているものでありまして、改修事業等をも含めて総事業費千四百億円の計画であります。本計画は、四十二年度をもって五カ年を経過し、あと三カ年を残しているわけでありますが、事業の進捗率は四十二年度末においてようやく五一%ということでありまして、工事のおくれが目立つに至っており、さらには計画を上回る利用漁船の増大が顕著になっている現状であります。 かかる情勢の推移に即応して漁港を整備するためには、第三次整備計画の最終年次である四十五年を待つまでもなく、早い機会に現行整備計画を改定する準備を進め、新たな計画を樹立し、新計画に基づいて漁港を整備して漁業の発展にこたえ、さらには、将来の発展に備える必要が迫っていることを痛感いたしてまいった次第であります。 第二は、宇宙開発と漁業との調整の問題であります。 科学技術庁が宇宙開発推進のためのロケット飛しょう実験を行なうため、新実験場の建設を進めている宇宙センター視察のため種子島へ参ったのであります。 まず、島の概要を申し上げますと、この島は長さ五十二キロ、幅十二キロの南北に長く横たわる平坦な地勢で、千メートル以上の山が三十以上もある隣接する屋久島とは対照的な島であって、鹿児島から船で約四時間、空路三十分のところにあります。島には、西之表市、中種子町及び南種子町の一市二町があり、人口約七万で、農林水産業がおもな産業であり、中でも、米、サトウキビ、カンショが代表的作目であります。昭和四十年は、中種子町に農林省のサトウキビ原原種農場が設置され、無病健全苗の供給に取り組んでいるのであります。 私どもは、西之表市にある鹿児島県熊毛支庁において、島内における農林水産業の概況を聞き、さらに関係者からそれぞれ要望を承ったのでありますが、その中心課題は、離島の後進性を脱却するための産業基盤の整備、特に港湾、漁港、道路及び農林道の整備促進を強く望んでいることであります。 さて、宇宙開発関係におきましては、特に種子島宇宙センターが設置されている南種子町長から、センター設置賛成の立場において、ロケット打ち上げ実験について早急にめどをつけてもらいたいとの強い要望があったのであります。 引き続き、私どもは、南種子町竹崎海岸に設置されている宇宙センターを視察するとともに、大型ロケット打ち上げに関する将来の計画をも含めて、同行の科学技術庁田中調整課長から説明を聴取したのでありますが、ロケット打ち上げ実験による漁業の影響を考える場合、危険海域は相当沖合いの公海上であって、この場合当該海域は、地元漁船よりはむしろ宮崎県等他県の漁業者が多数入って操業している実態であることから、本問題は、鹿児島県における関係者の意向のみでは決定できない性質の問題であること。宇宙開発の重要性については十分認識されているところであるが、漁業者のみの犠牲の上において問題を処理すべきでないこと、さらには、種子島における科学技術庁宇宙開発推進本部のロケット打ち上げ実験と、鹿児島県内之浦町における東大鹿児島宇宙空間観測所による同種の実験とは、危険海域の関係、その影響等から、関係漁業者にとっては関連性が深いものであること、また、日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約に基ずき駐留する合衆国軍隊に水面を使用させるための漁船の操業制限等に関する法律に基づき、二十七年以来設定されているリマ水域が隣接すること等の諸事情があり、これらの事情を彼此勘案しながら対処すべき問題であること等がうかがわれた次第であります。 いずれにしても、ロケット打ち上げ実験と漁業との調整をはかるためには、関係者間において十分な話し合いを重ねる努力をするとともに、お互いに誠意を尽くし、信頼して話し合うことが最も大切であることを感じてまいった次第であります。 第三は、浅海養殖業についてであります。 沿岸漁業の中にあって浅海養殖業は、水産物の需要の増大、とりわけ食生活の質的な高度化に伴い、構造改善事業の実施等もあって近年その生産量は増大し、漁家所得の向上をもたらす等将来が期待される沿岸漁業の一つであります。これら浅海養殖業のうち、今回の調査にあたっては、特に最近問題が起きてまいりました真珠養殖業及びノリ養殖業について現地調査を行なった次第であります。 まず、真珠養殖業につきましては、熊本県下における代表的な養殖地帯であります天草地方の養殖場を視察するとともに、長崎県においては業界代表者から事情の説明を聞き、御要望を承ったのであります。 養殖真珠は、従来わが国の特産品であるという有利な環境等に恵まれ、生産量及び輸出高とも年率一〇%の伸長を続けるという驚異的な発展を遂げてきたのであります。すなわち、十カ年前の三十一年における生産は七千貫、五十億円程度であったものが、四十年においては三万四百十六貫、三百十二億円の生産となり、うち約二万三千貫、二百三十一億円の輸出を行なっているのであります。 しかしながら、ようやく昨四十一年六月以降輸出の停滞傾向が顕在化し、現在においては関係業界は相当量の在庫をかかえている上に、十月から真珠の浜揚げ期を迎えたため、浜揚げ珠の価格維持対策等かつて経験したことのない困難な事態に遭遇し、真珠養殖業の将来に対しても不安を残している次第であります。 そこで、業界においては、すでにこの夏生産制限を実施するとともに、当面生産過剰になっている七ミリだまを中心とした調整保管だ行なうこと、及び品質の向上をはかるためくずだまの廃棄処分を計画しており、これらの措置に対する国の助成措置を期待するほか、基本的には制度の改正を要望しているのであります。 浅海養殖業に占める真珠養殖業の重要性あるいは輸出水産物としての真珠の果たしている役割り等にかんがみ、この際真珠養殖業のあり方について真剣に再検討する時期にきており、わが国の特産品である養殖真珠の声価を高め、輸出の回復を期するためには、真珠の品質の向上をはかることが最も重要な課題であり、これがためには、優良母貝の供給、養殖技術の向上、十分なる養殖期間の確保、浜揚げだまの検査の実施等一連の施策を講じ、これが実効を期すべきであり、それがためには政府の強力な指導あるいは制度の改善はもとよりであるが、関係業界が一致協力して事に当たる体制の確保が最も肝要であることを痛感いたしてまいった次第であります。 次に、ノリ養殖業につきましては、ノリの主産地であります有明海におきまして、ノリ網の張り込み作業を終わったばかりの状況を視察するとともに、三角町で熊本県立のり研究所においてノリ養殖業の実情、人工採苗等近代化された養殖技術等について説明を受け、また、干拓あるいは都市廃水等による沿岸水域における水質の悪化に伴い沖合い漁場の開発、さらには経営規模の拡大をはかることが今後の重要課題であること、国立の研究所を設置してほしいこと等の要望を承った次第であります。 第四は、干害対策についてであります。 本年七月以降西日本一帯は非常な干ばつに見舞われ、特に九州各地におきましては水稲をはじめ、カンショ、果樹等についてきわめて激甚な被害が発生していることは御承知のとおりであります。 私どもは、各県において関係者各位から農林水産業の被害状況を承るとともに心から御見舞を申し上げ、さらに長崎県におきましては、水稲については、島原半島における加津佐町、小浜町における干害状況を視察するとともに、給水源である小浜町小畑にある受益面積九十ヘクタールに及ぶという諏訪の池の全くかれている現状を視察し、説明を受けたのであります。また、果樹につきましては、大村湾に面した長与村におきまして、果実の被害は申すに及ばず樹体の枯死が心配されている、ミカンの被害状況を視察いたし、さらには千千石町海岸における松の被害状況を視察いたしたのであります。 各地の被害状況を視察して痛感されますことは、九州各県における干害は七十数年ぶりといわれる激甚なものでありまして、これがため被害農家はもとより、農業団体、県、市町村におきましては干害応急対策に可能な限りの努力を払っており、ばく大な費用をつぎ込んでいることであります。これらの対策に対し、政府はこの際従来の例にとらわれることなく、手厚い心の通った措置を早急に講ずべきであることを痛感いたしてまいった次第であります。 具体的な各県の被害状況、要望された対策等につきまして詳しく報告すべきでありますが、その内容の大部分は本院の災害対策特別委員会において審査されており、また、同委員会においては現地調査に引き続き十月七日には干ばつによる災害対策に関する決議を行ない、十二項目にわたってそれぞれ具体的対策を掲げて政府に措置すべきことをきめており、さらに政府においても十月二十三日、天災融資法の適用に関する政令及び激甚災の指定に関する政令を公布し、その他干害応急対策、救農事業、飲料水対策及び恒久対策についての方針を決定している等の関係から、この際は重複を避けるため具体的事項については割愛させていただきますが、これらの諸対策をすみやかに実施して現地関係者の御期待に沿うことが最も肝要であり、この点強く政府に要請する次第であります。 最後に、今回の調査にあたりまして御協力いただきました県、市町村はじめ関係諸団体の各位に対し、深甚なる謝意を表しまして御報告を終わります。
○本名委員長 以上で報告は終了いたしました。 派遣委員各位の御苦労に対し感謝申し上げます。
○本名委員長 引き続き、農林水産業の振興に関する件について質疑の申し出がありますので、順次これを許します。米内山義一郎君。
○米内山委員 私は、北東北におけるビート栽培の中止に伴う事後処理並びに今後の転換方針について、政府のお考えまた具体的にどういうことをやろうとしておるかをお伺いしたいわけであります。 その前に若干意見を申し上げたいと思うのでありますが、これは単に農業政策の中のビート砂糖の問題だけではなくて、国の政策の基本問題でもあると考えられるのであります。けさの新聞を見ますと、砂糖の相場は数年来の最高の高値を示しているということが報道されておるのであります。ところが、この四月におきましては、フジ製糖事業中止に伴いまして、あの地域において砂糖原料のビート生産を中止せざるを得ないその理由として、農林大臣が本院において言われましたことは、最近砂糖の相場が安くなって、そうして企業採算がとれないから工場閉鎖のやむを得ざる事態になったと、こう言われたのでありますが、このことから考えてみますと、国民の消費の点から考えてみますと、主食に次いで重要な砂糖政策を取り扱う農林省が、わずか半年の先の見通しがつかなかったということは、一体これは何だ、こういうふうなことで政策を進めていくならば、その結果というのは一体どうなるか、全くその場限りの無責任な行政のしかたではないかと思うのであります。国民の要求にこたえるでもなく、国の農業生産というものは総体的に低下しておる。しかも、生鮮食料品やその他においては、国民の消費大衆から見るならば異常なる高騰を示している。一体農業政策というものは何のためにあるか、農林省というのは何のためにあるかと言いたい。国家の要請にもこたえず、農民の要請にもこたえず、国民の要請にもこたえるでもない農林省というものは、これはあってなきがごときものである。こんなやり方であるならば、居眠りしてもできるはずだとわれわれは考えざるを得ない。国民の農政に対する不信というものは、こういうところにあると私は思うのであります。 したがって、農林省というものは国民からは信頼を得ない。同じ政府内部においても、財務当局大蔵省からは常に軽蔑されているじゃないか。そのために農業政策を進める上においても、農民の要求にこたえ得ないのが今日の現状だと思う。私は、農林当局のまず重大な反省を求めておきたいと思うのであります。 いま東北のビート栽培地へ行ってみればわかりますが、どういう事態が起きているか。農民の一年間にわたる粒々辛苦の結果の白砂糖になるべき原料が野積みされている。数十ヘクタールの畑を使いまして、人の背たけもあるほど野積みされておりますが、この砂糖原料は全部現地で腐敗せざるを得ない。これは、生産者農民に対してどのような心理的な影響を与えているかも政府は考慮しなければならぬ、十分な配慮をしなければならぬと思うのであります。 しかも、その事後対策において、しばしば農林大臣をはじめ国会において言明したのは何であるかというと、農民にはいささかの迷惑もかけない。さらに今後の転換策については、いままでよりもよい農業経営ができるように約束しておったはずであります。しかるに、いま農林省が計画している対策というものは、この要求の半分にもこたえるものではないといわれておるのであります。 このように生産者を裏切り、その上に、その場限りの言明で糊塗して十分なる事後対策をやらないならば、農林省に対する農政不信だけではなく、政治に対する不信感が高まると思う。これは単に金額に換算できるだけのものではなくて、まことに重大な損害であると思うのであります。政府はこういうふうな情勢を知っておるはずでありますが、いま今年度の生産農民に対する損害補償、さらに今後の転換対策に対して、国としてどのような責任を感じながら、どのような対策を考えておられるかをまずお伺いしたいと思います。
○草野説明員 農林大臣が申し上げたことが、見通しが誤っておるではないかという最初のお話の切り出しでございますが、見通しが誤っておるということでなくて、そのときのことを申し上げたのだと私は思っております。それが半年たち一年たったときに、若干情勢が変化してきておるという事実はございます。それだけに農政がむずかしいということでございます。 したがって、農林省に対する不信があり、それが政治不信につながるとことはきびしくおっしゃっていますが、私はむしろ、今日日本の政治の中で農政に対する信頼というものが着実に方向づけられて、しかもその上に、新たなる農政の展開に大きな希望が向けられておるということを信じております。その信頼の上に立って、今後農政を進めるべきだとも考えております。 ただ、こうした経済的にもあるいは諸般の問題において重大なる躍進期であり、したがって転換期でありますが、その躍進期と転換期にあたりましては、ときに凹凸を生ずる場合もありますが、そのことに対して細心の心づかいをしなければならぬことは当然であります。 その中で、こうしたビート問題が起こってまいりました。これに対していかなる処置をとるか、万全の処置をとるべくあらゆる手を尽くしております。なお不十分と仰せになる分は、もとより当事者としてはいついかなるときでもそうしたお考えをお持ちになることは当然でありましょうが、それの内容に努力をし続けながら、さらに転換につきましても十分の方法、万全の方法をとろうとして努力をいたしておるわけであります。したがって、農政に対する不信などという大きな問題ではなく、その努力しておることに対してひとつ皆さんからも御好意のある、さらに積極的な、農政をいかに確立するかというお気持ちでの御鞭撻も賜わりたい、御激励も賜わりたいと思っております。
○米内山委員 政務次官との論議は、時間の関係上避けますが、今年度のビート生産者に対するトン当たりの補償額というものは、すでに政府から示されておりますが、これは春の国会におきまして、衆議院におきましても参議院におきましても、農林大臣は、いろいろなこれまで会社等の補助をしておったものも含んで、実勢価格としては決して農民に損になるようなことはしないと言っておりますが、これは大臣の言明に反する、大臣の言うた価格よりもかなり低い価格で支払われると思うのでありますが、どういう根拠で今日の政府の案が出されたのであるか、これをお聞きしたい。 さらに、生産量が予想外に多い見込みであります。政府が今日見積もっておる金額で支払い額に不足を生じ、そうしてその結果だれがその不足額を負担すると考えておられるのか、県に負担させようとしておられるのか、国はさらにあの総ワクを追加しても、地元の県などに損害をかけないというお考えがあるのか、この点をまずお聞きしたいと思います。
○荒勝説明員 私から答弁いたします。 政府のほうでこのたび算定いたしましたトン当たり六千九百七十円のいわゆる補償金を交付するという考え方につきましては、大臣の春以来の御言明に従いまして、いわゆる法律的にわれわれが出し得る限度につきまして、この春告示いたしましたトン当たり六千九百七十円という政府の補償金額をそのままいただきまして、農民に対する今回の補償金というふうに決定した次第でございます。 なお、当初のいろいろな議論の過程で、この大根のできましたものを買い上げるとかなんとかというふうな話があったのでございますが、政府といたしましては、このトン当たり六千九百七十円の最低補償金額を農家に差し上げるとともに、大根もそのまま農家の自由な裁量で、自分のうちで家畜に食わせるなり、また、場合によっては余るものばその他へ転売するなり、自由にその処分を農家におまかせした、こういうことでございまして、これによって不当に農家に御迷惑をかけることはないものとわれわれのほうは判断している次第でございます。 なお、青森県地方のビートの一部につきましては、具体的に、あそこにあります合同酒精のアルコール工場のほうに、糖蜜と抱き合わせをいたしますことによりまして相当量のビートが、トン当たり四千円以上の値段でさらに売買される予定でありまして、それによります多少の利益もなお期待できるのではなかろうか、こういうふうに思っている次第でございます。そのほか家畜用の飼料等につきましても、現在いろいろな売買の話が多少進んでいるやに聞いておる次第であります。鱗それからもう一つ、第二点のほうのお答えでありますが、ことしのビートの栽培につきましては、非常な天候に恵まれました関係もありまして北海道を含みますいわゆる全ビート地帯すべて非常な高反収が出ておることも事実でございます。それでわれわれといたしましては、北東北では平均一ヘクタール当たり三・二トンの高反収というふうなことは、従来の、去年までの実績からいたしますとほとんど期待し得ないのでございますが、ことしは従来にない最高の平均反収で、大体北海道の道南の反収と、青森並びに岩手などの北東北の反収とは従来から多少の相関係数もございますので、一応見込みといたしまして三・二トン強の数字を出しまして、総面積二千二百ヘクタール弱の面積にかけまして、約七万一千トンの総収穫見込み量を現在算定しているような次第でございます。 本件につきましては、三県の関係者ともいろいろ九月以来打ち合わせしまして、おおむね七万一千トンの見込み収量があれば大体落ちつくのではないか、北海道の道南の反収も大体それ前後であるので、大体それぐらいではなかろうか、こういうふうに判断している次第でございます。こういう大根につきましては、いわゆる掘り取ってみないとわからないということで、現在の段階では、各県におきましてそれぞれいわゆる坪刈りによりまして、それぞれの見込み収量の作業を確定中でございますが、現在の時点におきまして、的確な数字はまだ最終的にはいただいていない、大体この数字の範囲でおさまるのではなかろうかというふうに、三県との間では話はなっているような次第でございます。
○米内山委員 私のお聞きしておきたいのは、もし生産量が政府の見積りよりも非常にオーバーしたときはどうなるかということでありまして、これに対するお答えを願いたいと思います。 さらに、この問題につきまして重要な問題だと思いますのは、本来からいうと、作付者に対するこのような損害補償というようなものは、政府が払うべきものじゃなくて、フジ製糖が払うべきものじゃないでしょうか。契約裁培をしておるわけであります。したがって、契約の相手方である製糖会社が一方的にことしでやめたというときは、契約を向こうが破棄したのでありますから、その損害は当事者の相手方であるフジ製糖が払うべきものである。これは民事訴訟の対象にもなる性質のものだと思うのでありますが、これに対して国としてはどのような見解を持っておられるかもお聞きしたい。 特に、現在いろいろな主産地形成や何かでこういう契約、特約栽培というようなものはたくさんふえておるわけであります。現に青森におきましても、あるビール会社がホップの栽培契約をしましたが、工場が他と合併したという理由でこれを破棄しました。ホップというのは、御承知のとおり多年生作物でありましていろいろな資本の投下が必要なんです。こういうたびごとに農民が一方的に泣き寝入りしなければならないというのは、法の不備もあると思う。農林省としての行政上の手落ちもあると思う。一方的に企業の利益だけを守るような、農民の損害を見て見ぬふりをするような手放しの状態では、今後の農業の発展の上に重大な問題があると思います。この点についての園芸局その他政府の御見解も、一応ここでお聞きしておきたいと思うのであります。
○荒勝説明員 お答えいたします。 ただいまの御質問は、オーバーした場合はどうするのかという御質問でございますが、われわれといたしましては三県と十分に納得づくでこの総収穫量を大体見込みで出したのでございますが、大体七万一千トンの総見込み量あれば十分ではないか。総金額は、先日の閣議で、大体四億九千五百万円前後と閣議決定をしておりまして、各県に現在その内情を知らせておるわけでありますが、もし万が一オーバーした場合はどうかということにつきましては、今後各県ともさらに協議するということは、各県と約束しておるような次第でございます。
○米内山委員 それでは、次の転換対策についてお聞きしたいと思いますが、すでに関係県からは開田や土地改良、さらに畜産、陸稲に対する転換、野菜の栽培拡大、土壌改良その他いろいろありますが、主としてこういう項目を中心に国に対して転換に対する積極的なる支援、助成を要望しているはずでありますが、これに対する農林省のお答えというものはきわめて貧寒である、冷淡であるということを私は聞いておるのでありますが、これはまことに遺憾なことであります。 農林大臣は、委員会において私にこういう答えをしておる。東北にビートを導入することによって東北の畑作を振興させようと考えたが、志と違ってこれはやめざるを得ない。そして大臣はこういうたとえ話をしております。学者にしようと思って教育したが不向きであったために、今後はこれを政治家に再教育しようと思っている。学者と政治家はどっちがいいかわからぬけれども、少なくとも以前の北東北のおくれた農業を、これを契機に一段と発展させるというような意味を含んだ答弁をしておりますが、いままでの補助率やいままで程度の細い長い計画では、七年かかって非常なる努力をして、それが一瞬にくずれた農村の大きな陥没状態というものを埋めるわけにはいかぬ。そこで、私はいま政府として、北東北の関係県に対してどれだけの答えをしようとしているのかを概略お聞きしてみたいと思うのでありますが、いかがでしょう。
○八塚説明員 私どもも北東北のビートを多年奨励してまいりました経緯から申しましても、結局見通しとしては、今後急速に生産量がふえそうもないという観点から、やむを得ず来年以降は中止せざるを得ないという結論を出したわけではございますけれども、中止せざるを得ないということに至ったことにつきましては、たいへん残念に思っておるのでございます。 数年にわたりましてビート栽培をあの地方にやられたわけでございますが、私どもの感じといたしましては、それ自体東北地方の畑作の相当なプラスになってきたと考えておりますけれども、いずれにいたしましてもそういう経緯、これは御承知のとおりございますから、私どもとしてはできるだけ転換に対して親切に、かつ、あの地方の営農形態に合致するように考えてあげることが、私どもとしての行政上の責務であろうというふうに考えております。 そういう意味におきまして、現在地元県と私どものほうでいろいろ転換策について打ち合わせをいたしておるのでございますが、いま申し上げましたように、私どもとしてはできるだけ親切に考えて構想を練っておりますが、地元県のほうの受け取り方は、いまの段階では、はなはだ遺憾ながらそれを不親切であるというふうに受け取られておる向きもあるやに聞いております。その点につきましては、私どもの考えが相当立ち入った親切な考え方であるということをさらに地元県に対して御了解を得たい、また、御了解を得るべく努力をいたしたいというふうに、一般的に考えておるのでございます。 なお、具体的な考え方につきましては、私どものほうから申し上げますならば、大体地元県のこういうことをやってもらいたいということについての、何と申しますか、柱につきましては、ほぼそれを採用し得るのではないか。ただ、そういう柱と申しますか、そういう要望を具体的にどういうふうに——補助であるとか、あるいは改良資金であるとか、あるいは県有貸付であるとか、そういういろいろなやり方といたしましては、必ずしも地元は、それで了承を現在の段階ではされていない向きもございますが、考え方としては、大筋において一致いたしておるのではないかというふうに思っておるのでございます。 なお、御参考までに付言をいたしますと、やはりこれもはなはだ残念なことであったわけでございますが、昨年南九州鹿児島におきましての暖地ビートの作付を、将来にわたって中止せざるを得ないという事態がございまして、私どももやはりそれに対する転換策ということを地元県の要望を入れて樹立をいたし、現在その転換策の事業を実施中でございます。南九州と北東北と、営農上の形態の相違等もいろいろございますけれども、一般的に見ますと、条件は非常に似ておるのでございます。そういう観点から、今後北東北のビート転換策を最終的に詰めます場合も、暖地ビート対策というものの例に準ずることが行政上のいわばけじめではなかろうかというふうに考えておるのでございます。
○米内山委員 局長は暖地ビートの事後対策に準ずるということを、さも理論が正しいようにお話しになっていますが、これは間違いです。暖地の場合は工場もできていませんし、試作自体本格的作付に入っていません。北東北の場合は本格的な栽培もでき、工場もできて、農家はこれを完全に自分たちの経営の中に取り入れて、さらにそれを中心に家畜までもふやしている、こういう段階なんです。しかも単作地帯で、二毛作のできない地帯であります。したがいまして、暖地ビートと均衡をとるということは、これは理論上決して妥当なことではない。行政的にそれに不都合を感ずるならば、暖地も北東北に準じてこれから拡大すればいいのでありまして、何もわずかな暖地ビートに均衡をとって、非常に問題の多い北東北の問題をそれに準ずるということは、これは理論にならぬと思います。 私どもは昨日関係県の知事さんその他の代表の皆さんと会う機会がありまして、いろいろ御意見を聞きましたが、政府の現在持っている対策に対しては非常な不満を持っておられました。青森県知事の陳情に対して、総理は閣議において、非常に気の毒だから何とかしてやれというふうな指示をされたということもわれわれは聞きましたし、さらに農林大臣は、いままでよりは困らないようにしようとかという意味のことを話されたという新聞報道も見ておりますが、農林省当局としては、こういうふうな総理大臣の意にも沿わなければならぬと思う。 青森県の農民は気の毒だというのは、いまに始まったものじゃなく、以前から恵まれない気象のもとに気の毒な状態を続けてきたのであります。今日、佐藤内閣のもとに政治災害を受けておる。したがって自然災害に対しても特別な措置があると同様に、政府みずからが起こしたこの災害に対しては、普通並みの補助率では済むものじゃないと思う。金銭、金額の問題じゃなく、為政者としての被害者、罹災者に対する補償だと思う。道路交通事故にあいましても、法律制度に基づいて賠償責任があるのであります。農民が政府のやり方の間違いから大けがをしたならば、単に病院の費用を払うだけじゃ不十分です。医者の経費を払うだけじゃ不十分じゃないですか。総理が言明したとおり、農林大臣がいままでしばしば言明したとおり、これを契機にこの地域の農業が将来発展し、農民が今日の痛みを忘れるような対策が当然なさるべきだと思う。 ところが、いま政府、農林省の考え方にはそれがみじんもない。現行の補助率、現行のワク内可能な限りをやろうというようなことは、これは関係県の知事さんなども非常に憤激しております。特に、青森県の場合はまっ先に政府の転換策に同調した。われわれがまだ政府の方針に抵抗すべきであると考えておるときに、すでに転換の相談を持ち出しておる。いわば政府の方針に従って転換策を有利にしようというお考えであったと思う。同じ時期に岩手県へ参りましたところが、県としまして、われわれはいまの段階では口が割れても転換などということは言えない、何としてもビート栽培の恒久化を要求しなければならぬということを言われておった。こういうふうな内容で、この程度の政府の熱意であるとすれば、政府に最も忠実であった——忠実であったというのはおかしいかもしれないが、政府の方針に沿うてその方向に収拾しようとして努力してきた青森県知事の知事としての立場というものは、全くこれは容易ならざるものとなる。農林当局としてはこういうことをも十分考慮しながら、事後対策、転換対策に対しては、もっと実質的に内容のあるものにしなければならぬと思うのであります。 そこで私は、次の具体策についてお聞きしたいが、このビート栽培につきまして、一般的に方針を変えなければならぬのは全部でありますが、わけても構造改善事業の主幹作物にビート栽培を取り入れた町村がございます。そのために市営の牧場もつくりまして、ビートから出ます副産物を活用し、そのためにたくさんのビート農機具も入れて、こういうふうにして農業構造改善の主要なる部分をビートによって将来計画を立てていた町村などば、全くとほうにくれている。いままでかけた膨大な借金や、経費や労力というものは水泡に帰した。こういう場合には、構造改善事業のやり直しをしなければならぬけれども、このために農民は二重の負担をするということは耐え得るものじゃない。こういう地域の構造改善事業に対しては、国が全額を持って、責任を持ってやらなければならぬと思う。特に、農林省の政策の中で構造改善事業というのは、ただ一つの金看板じゃないか。その金看板を農林省みずからが金箔をはいでしまうならば、当然農林省が別な色を塗りかえなければならないのじゃありませんか。こういう特別な例に対しては、農林省としてはどういうお考えを持っておるか、これもきょうはひとつお聞きしておきたい。
○森本説明員 構造改善事業でビートを主幹作物として取り入れまして、それが転換ということになった場合、いま二つの御指摘がございましたが、従来やってまいりました構造改善事業についてあとどうするか、それにかわる新しい構造改善事業についてどうやっていくか、そういうお話であったと思いますが、問題は、新しい構造改善事業につきましては、私としましては具体的な現地の事情はよくわかりませんけれども、いかなる主幹作物を取り入れるかということを十分検討を加えまして、適当な構造改善事業の計画が樹立されれば、構造改善事業の助成というふうなことはやっていきたいというふうに思います。 ただ問題は、従来やってまいりました構造改善事業について、いかなる事後措置をするかということになると思いますが、これはもしそういう事例がございますれば、私どもそれぞれ現地をよく調査いたしまして、十分御相談をしていったらどうかというふうに思います。
○米内山委員 関係地域の農家は、ビートのかわりに何をつくるかというアンケートをとりますと、一番多いのは陸稲でございます。ところが、政府としてはこの陸稲をやることをあまり好まぬというようなことを聞いておるが、その理由と根拠はどういうところにあるのか。外米を入れるくらいならば、国内でできるだけ多くとったほうがいいと思う。特に、いまの段階では若干技術的な研究の不十分から作柄の不安定があるとしましても、その省力性と申しますか、小麦並みの反当労働で収量が上がるとするならば、農家がオカボをつくることを希望するのは当然であります。 政府は、技術的やあるいは行政的にオカボは奨励していないようでありますが、つくれつくれという奨励はしていないけれども、実は大奨励をしておるわけです。あらゆる農産物の中で幾らたくさんとっても売れ残りの出ないもの、そうして価格の安定しておるというのは、こんな奨励政策はないわけです。米を中心としたいまの食糧政策というものは、こういう意味で最も有力な奨励をしておるのですから、若干の技術的な不十分があったとしても、若干の危険性はあったとしても、農家がオカボを多くつくりたいというのは、これは当然なんです。これに対して農林水産技術会議などは、こういうふうな農民の要求に何もこたえていない。 特に、作況不安定だといっても、若干の改良をされた技術を用いるならば、たとえばマルチ栽培などをやりますならば、ことしの青森県及び東北地方の陸稲というものは、一般的には非常な惨たんたる減収でありますが、この程度の改良をした場合には、十分採算のとれる生産が行なわれるわけであります。この問題に対して、政府として農民の要求にこたえるためにできるだけの研究努力や助成措置を講ずるのが、この転換対策の一つの問題として重要だと思うのでありますが、どのようにお考えになっておるかを承りたいと思います。
○森本説明員 転換対策として陸稲についてどうかということでございますが、御質問の中にも御指摘がございましたように、御来、北東北におきます陸稲栽培は、冷害なりあるいは干害なりということで危険度がかなり高い、作柄が不安定であるといったような経緯をたどってまいりましたことは御承知のとおりだと思います。ただ、御指摘がございましたようなマルチ栽培といったような新しい技術を導入いたしますれば、その不安定性の程度が相当軽減されるであろうというふうには思いますけれども、なおまだ十分とは思われないといったような節もございます。 したがいまして、私どもとしましては、そういう点を十分考慮しながら転換作物として取り上げていくことに対処したらどうかというふうに思っております。つまり、他の作物を導入するとしてもなかなか適当な作物がない、陸稲以外には見当たらないというふうな地域なり地帯に対しましては、陸稲も転換作物としてやっていくことはやむを得ないというふうな心づもりで対処したらどうかということであります。
○米内山委員 最後でありますが、これらの問題をずっと考えてみると、問題点は今日の糖業政策にあるのではないか。先ほど最初に申し上げましたとおり、今日砂糖の値段が高騰しているのは、決して原料の値上がりでもなく、国際糖価の影響でもなく、糖業資本が明らかに独占利潤をさらに高度なものにするためにやっていることであります。したがいまして、一面には生産を破壊し、一面には設備をスクラップ化して、農民の犠牲の上において利潤を高めようとしている。これのしり馬に乗っているのが農林省の政策だと断定せざるを得ないと思います。 そこで、このフジ製糖が青森県に工場立地したのでありますが、地元の町村では、これが立地することによって地元の経済的な繁栄を非常に期待をした。そのために工場用地その他フジ製糖に対して七十ヘクタールの土地を町村があっせんして、三・三平方メートル、坪当たり百円という、十アール当たり三万という安い値段で提供したのであります。しかるに、これが今日全くぼうぼうたる草原になっておる。これだけの土地を提供した町村としては、数年後、すなわちことしからは固定資産税をもらえることになっていた。これは条例によっていままでそれを免除してきたが、そのとたんにこういう状態になったので、たいへんな虚脱状態になっております。したがいまして、政府としては、あの土地は牧野その他の農地から転用したものであるから、この転用を取り消して地元町村の農民に返すのが、工場閉鎖後の国としての当然の責務だと思う。ここは面積の関係上農林大臣が転用許可したものでありますから、国はその点の責任を持つべきであると思うのですが、これに対する農林省としての対策、方針を明確にお聞きしたいと思います。 さらに、このような利潤追求の企業に対して、生産者並びに地元、さらには国に対してまで重大なる迷惑を及ぼしたフジ製糖に対して、国家の資金が北海道東北開発公庫を通して融資されております。これは法律に基づきまして静岡県の会社には融資できないものである。したがって、青森県の工場を閉鎖したならば、これは当然回収されなければならない性質のものだと思う。金融機関である北海道東北開発公庫の責任ある立場をお聞きしたい。今日まで融資の経過はどのようになっておるか、償還の状態はどうであるか、担保の状態はどうであるか、今後どういう方法ですみやかに、もうすでに融資の目的がなくなったこの融資を回収する御方針であるかを、総裁からお聞きしたいと思います。
○酒井説明員 ただいまのお話でございますが、なるほど私どもは昭和三十六年以来四回にわたりまして十三億五千万、これは協調融資でございますが、工場建設のために融資をいたしました。現在、残高が十一億何がしになっております。利子はずっと内入れをしておりましたが、最近七月になりまして利子のほうも延滞が起こりまして、元金は四億八千万ばかり全体で延滞をいたしております。 そこで、御承知のような事態になりましたわけでございますが、できるだけすみやかに回収したいとは思いますけれども、御承知のようにこれを非常に早く回収しようとすれば、差し押え、競売ということになりまして、そうなりますと、非常に価値がたたかれて価格が低下をするということもございますので、あれだけ水と側線を持った工場でございますから、何かほかに転用の道があるのじゃなかろうかということで、いま検討さしておるところでございます。 もちろん、清水の工場に対しても第一位の抵当権を持っておりますが、清水の工場は、お話しのように最近糖価がやや持ち直したので、多少収益はよくなってきておりますので、会社もさらに合理化をして、その合理化によって得た資金によって返済を続けていきたい、かように申しております。ただ現在のところ、清水の工場につきましても、御承知のように糖業界は非常に過剰設備でございまして、さっきお話がございましたように、本年の春ごろまでは非常な価格の低迷を来たしておったというところで、しかも、そこへ原料粗糖の手形の決済日が重なってきたということで、フジ製糖自身が金繰りに非常に困っております。そこで、東京にあります本社を清水に移転して合理化いたしますとか、あるいは東京の青葉クラブ、あの渋谷にある土地、建物でございますとか、あるいは銀座に土地を持っておりますが、これらを相当有利に処分して、その金でもって返済に充てていきたい、かように申しておるわけでございまして、われわれとしては、ここで一挙にフジ製糖をつぶしてしまうよりは、そういうふうなことによりまして、何か今後の合理化等によって漸次貸し付け金を回収していくというほうが、貸し付け金全体の回収率がよくなるものですから、いきなり差し押えというような強硬な手段に出ないで、しばらく模様を見たい、かように思っております。
○米内山委員 おそらく、この七十ヘクタールという土地と工場設備等が融資担保になっておると思いますが、かりに転用可能だとしても、これだけの広大な土地は不要なはずです。担保力としては債権者から見れば必要かもしれないが、少なからざる土地を会社が立ち直るまでだれもこれに立ち入ることができないというような不経済を、これ以上地域の市町村や農民に見させるわけにはまいらぬと思います。機械とか建物というものは、ビール会社になるか製糖会社になるかわからぬが、それはそれとして、この担保物件のうちの広大なる用地、これだけは処分さして、農業生産の用、地元経済発展のために活用すべきであると思うのですが、総裁としてこの点についてどういうようなお考えであるか。地元はどうであってもフジ製糖を助けるためには、債権を保全するためには、この土地は凍結しておくというお考えなのか、お聞きしておきたい。
○酒井説明員 ただいまの土地の問題でございますが、非常に広大な土地を必要とするような工場誘致ということができますれば、これは非常に幸いでございます。ただ、どうしてもそれだけの土地が必要でないし、売れないということになりますれば、それはまた別途売却措置等によって回収することになろうかと思いますけれども、何しろ最近急に操業停止という話が出てきまして、まだそこまでのめどがついておりませんので、いまこれをすみやかにどうするというふうな方針は立てておりません。工場の建物、機械、水、それから清水にあります工場の土地と建物、機械、東京にあります土地等を担保にとって貸しておりますので、担保貸しとしては一応評価額としてはございますが、金繰りの点でいまそれを急に処分してしまうということになりますと、フジ製糖自身が破産といいますかだめになって回収できなくなる。私どもも貴重な政府資金をお預かりしている立場から、貸し付け金はできるだけ多く回収したい、かように考えておりますので、いましばらくそれがどういうふうに活用されるか、これを検討するお時間を拝借させていただきたいと思っております。
○米内山委員 そういうことでわかりますとおり、結局、こういうふうな地元にも農民にも責任を持たない企業に対して膨大な国の金を融資し、そうしてそのしり馬に乗って、何も知らない農民に砂糖大根をつくることは教育作物だ、これをつくることによってこの地域の畑作農業が発展し、農民が豊かになるのだということを宣伝したのは農林省であるはずです。これこそまさに今日の誤った農政の一つの断面だ。私としては、国民、国家、地元や農民に甚大なる被害を与えたフジ製糖に対しては、金融機関としては国の金も大事であるが、それよりもその金を回収してもっと有効な、本来の東北・北海道開発のために回すべきだと思います。 以上申し上げて私の質問を終わります。
○赤路委員 ちょっと関連して。いままで聞いておったのだが、どうも政府の答弁ははっきりぼくにはのみ込めない。今度のビート作に対しては、生産された農民に、何か四億あまり金を出したのじゃないか。それはどうですか。
○荒勝説明員 まだ現金支出はいたしておりませんが、先日閣議決定いたしまして、大体十一月末から十二月の初めまでに、いわゆる年内に農民に現金支出ができるようにいたしたいと思っております。
○赤路委員 あまり詳しく言わないでいい。それで出したことは間違いない。その出した理由、どういう理由で出したか、それだけ聞きたい。
○荒勝説明員 お答えいたします。 先ほど少し申し上げましたが、糖価安定法によりまして六千九百七十円という最低生産者価格の告示を政府がいたしまして、農民に対するビート代金の決定をいたしている次第でございますが、それにつきましてことしは春、いわゆる播種後に、農家がビートの種をまいた直後に工場側が閉鎖をいたしました関係もありまして、政府といたしましてや農家に迷惑をかけない方向で解決したいということで、われわれとしましては支払うことに踏み切ったような次第でございます。
○赤路委員 関連だからやめるが、いまのあなたの答弁を聞いていると、政府がビート価格、基準価格をきめて告示した。そして農民はつくったが、それに対して会社が倒産してとらなくなったから、政府の責任でそれだけ出したのだろう。政府は責任を感じたから出した、そういうことでしょう。それでいい。それだけ聞きたかった。あとはまたこれから………。
○本名委員長 石田宥全君。
○石田(宥)委員 災害について、先ほど来調査班の班長さんの御報告にもあり、また新潟県町村長会長の要請にもございましたように、今次の八・二八羽越災害といわれておる災害にあたりましては、一市三郡にわたりまして部落の集団移転の問題が重大な問題になっておるわけであります。これはちょっとした大雨が降れば、さらに大きな土石流による崩壊現象が起こることはきわめて明瞭なんでありまして、住居地としては危険地域であるから、知事がこれに対して、同じ場所で住居を求めることは不適格である、こういう指摘をいたしておるところの移転に関しましては、これは現在のところ約五百戸ほどになっておる。 それで、先ほどの要請にもありましたように、この五百戸ほどの部落の集団移転は全部農家であります。したがって、災害対策というものは総理府が中心になりますけれども、しかしながら全部が全部農家である、こういう見地に立って、私はやはり農林省が相当責任を感じておられるであろうと思うし、今後農林省が相当な役割りを果たさなければならない問題であろうと思うのでありますが、今日まで各省庁の関係者の会合も開かれたと聞いておるのでありますけれども、まだまとまった結論にはなっておらないようであります。 〔委員長退席、高見委員長代理着席〕 そこで、政務次官から、この部落集団移転というものについて、農林省としての心がまえというか、基本的な方針、これをひとつ承っておきたいと思います。
○草野説明員 羽越災害による、その結果生まれた部落集団移転でありますが、ただいまお話しのありましたように、災害全般のとりまとめを総理府でやっておって、あそこに災害対策本部というものがあって、これは当然農林省、建設省など入り込んで構成いたしておるわけなんです。 そこで、基本的にはそこで問題が取り上げられるわけなんでありまするが、ただいまも御指摘のあったように、五百戸がことごとく農家であるということなんでございます。その農家というのは、やはり百姓ですが、ただ、このごろの農家というのは、農家経済が必ずしも農業収入一〇〇%というわけではありませんし、また、移転するとなりました移転地、それに関連した諸般の経済的な関係等が非常に複雑に作用してくると思うのであります。 したがって、総合的な立場で進めることは当然でございますが、農家であるという立場から考えれば、その五百戸の営農関係の問題も大きな主眼となってまいりますから、農林省として責任を持ち、かつ農政局等が主体になって、この問題の支障のないような方向は十分にとり進めていくべきである、さように考えております。
○石田(宥)委員 わかったようなわからないような答弁ではなはだ不満なんですけれども、何といっても農山村ばかりなんですから、総理府が中心になって災害対策をやるから、農林省は、建設省その他と構成要素の中の一部だというような軽い考えでは、これは解決できないと思うのです。何といってもやはり総理府よりはむしろ農林省のほうが中心になって、総理府にてこ入れをしてやるという姿勢でなかったら、この問題は解決しませんよ。具体的なことは、あとから建設省のそれぞれの所管の方に伺いたいと思いますけれども、これは農林省の基本的な姿勢の問題だから政務次官にお伺いをしておるので、その点はもう少しはっきりした答弁を伺わないと、政務次官は帰すわけにいきません。
○草野説明員 どうも先ほど申し上げたことで御了解を得ていないようでありますが、私の申し上げたことは、総理府の中に災害対策本部があるから、そこでやるべきなのでありますけれども、そこへ、農林省は重要なメンバーとして入り込んでおりますと同時に、この問題が農家であるという実態に即しまして、むしろ災害対策本部の方向を、この問題解決のためには、農林省が重要なる指導力を発揮しながらやるべきである、さように考えておるわけであります。
○石田(宥)委員 そういうことでひとつ。どうもいままでの姿勢はなっちゃおらぬ。今度はひとつ魂を入れかえてみっちりやってもらわなければ、これは解決つきませんよ。次官はほかに用事があるということですから、あとは具体的にそれぞれ担当の諸君に伺っておきますから、あとで経過をお聞きになって、そうして農林省としての態度を打ち出していただきたい、こう思います。 そこで、いろいろお伺いしたいことがあるのでありますけれども、やはり災害に関連いたしまして、農地局長見えておりますが、自作農維持資金の問題について若干お伺いをいたしておきたいと思いますが、これは八・二八災害ばかりでございませんで、西日本の干ばつ対策の中でも大きく出ておるわけでございまして、いずれにいたしましても私どもは、農林省の自作農維持資金に対する従来の取り扱いというものは、きわめて不親切であるというふうにいわざるを得ないわけです。 時間がございませんから、一々形式ばった議論はいたしませんけれども、昨年の七・一七災害にあたりましてとられた措置というものは、先般ちょっと総ワクなどを伺ったわけでありまするが、だんだん調べてみますと、維持資金は三〇%以上の農産物の被害率であって、また第二種兼業を除く農家を対象とするということになっておるにもかかわらず、北陸農政局の農政部長はちゃんと通達を出しまして、五〇ないし六〇%以上の被害率のものというワクをはめて県に責任を負わせておる。それから、同時に七十アール以上というワクをはめておる。だから七十アール以下の農家は切り捨てるという政府の方針がここにあらわれておる。 さらにまたその償還計画ですが、せんだって伺ったところによると、八五・一%は据え置きなしということになっておる。据え置きなしということにはわれわれどうしても了解がつかなかったわけでありますが、だんだん調べてみると、やはり行政指導で、据え置きをしなくてもよろしいという指導要綱で指導をしたわけです。その中で、二、三具体的な例まで私調べたのでありますが、その償還計画をつくるにあたっての経済余剰の算出などによりますと、ちょうど家族の生計費というものは生活保護世帯並みにしか生計費を見ない。生活保護世帯並みに生計費を見れば、やはり経営余剰というものが相当大きく出るから、据え置きしなくとも償還が可能である、こういうことになっておって、そういう文書が出ておる。私は課長にこれは見せたのでありますけれども、ちゃんと文書になって出ておるわけです。 一体こういうことでは、法律の範囲内においてすらこれを認めない。われわれが常に言っておるように、法律の拡大解釈をしてでも災害農家を救済しなければならない立場にあるものが、法律をさらに歪曲して、そういう制約を加えて農民を追い出そうとするような、いわゆる小農切り捨て的なものがはっきり数字に出ておる。これはもう許しがたいことであって、やはり農地局でこれを指示されたのではないかという疑いを実は持っておるわけです。この点については、農地局長がそういう指示を、文書なりあるいは電話なり会議なりでされたのではないか。されたとするならば、これは重大な責任問題と考えるのでありますが、どうでありましょうか。
○和田説明員 結論から申し上げますと、ただいま御指摘のようなことを、私どもとして電話なり文書なりで指示をいたしたことはないのでございます。 なお、御指摘の点三つほどございますので、それぞれの項目ごとについて若干御説明を加えますと、石田委員もただいまおっしゃいましたように、自作農維持資金の貸し付け対象農家としては、第二種兼業農家を除くというのが基本的なルールでございますが、新潟につきまして、昨年県庁が独自に、七反未満のものには貸し付けをしないという県としての行政指導方針をつくりましたことは事実でございます。今年はそれはいたさないようにいたしましたが、なお県としてそういうものをつくりました理由としては、実は新潟地方におきます二種兼業農家の統計調査部の農家経済調査による基準によりますと、一ヘクタール未満の農家の農家経済調査では、農業所得が当該農家の三六・五%ということに統計資料上なっておりまして、個別の農家では、いろいろその中にも一種農家や専業農家もございましょうが、一応一ヘクタール未満のものは、所得の比率から見て第二種兼業農家に平均的にはなっておるというところをとらまえて、一ヘクタールをそのままとるのはひどいからというので、七十アールというのを一応基準にしたというのが県庁側の説明でございますが、実際には、調べてみましたところ七反未満の農家にも貸し付けをいたしておるケースもあるようでございます。ただ、そういう画一的なことでなしに、二種兼業農家には貸さないという考え方で処理するようにということで、本年につきましては、特に昨年は特別の指示をその点についてはいたしませんでしたが、昨年の例にかんがみまして、本年の運用については、このような指示をいたしております。決して農林省の本省あるいは北陸の農政局から、七反云々という指示をいたしたという事実はございません。 それから、前回も申し上げましたように、確かにおっしゃいますように、据え置き期間の設定について、実際には設定をしていない農家が多うございます。 ところで、いま何か経済余剰の計算のしかたが非常に低過ぎるからというようなお話がございましたが、実は本年の四月に、昨年の水害後の新潟におきます自作農維持資金の貸し付けにつきまして、いろいろ事務的な困難がございましたので、この四月十一日付で北陸農政局の農政部長が県の部長あてに指示をいたしましたものは、当時の実情に応じて全体の再調査をするための再調査の基準の指示をいたしたのでございますが、その中では、現在県の調査による経済余剰が、統計調査部の資料から出されたものに比べると全般的に低くなっておるから、むしろ再検討したらどうか、自分のほうで調べてみると、経営規模別的にはこのようになるよという参考資料を付したのでございまして、むしろおっしゃる意味とは逆な指示をいたしておったように理解をいたしております。 ただ、一般的に申しますと、やはり農家はいろいろ苦しい中でさらに借金をいたすということについては、非常に消極的と申しますか、しり込みをする傾向がございます。そういう意味で、まさか翌年、つまり本年も同じような被害を受けるとは農家自身も考えておりませんでしたので、でき得れば早く返してしまいたいというような気分で、借金に対する消極的な気分で、でき得れば早く返して身軽になりたいというような気持ちもございまして、据え置き期間を設定しなかった等の事情があったかと思います。決して私どものほうから画一的に、据え置き期間の設定をしてはいけないなどという指示をしたわけではございませんで、むしろ農家側のそういう借金に対する基本的な考え方が、そのような契約になってあらわれてきておるというふうに考えておる次第でございます。
○石田(宥)委員 局長は非常に認識不足で、そういう実態ではないのです。そんな答弁をされると、これは記録を読ませると農民が農林省へ押しかけてきますよ。そんなものじゃないのですよ。それは七反歩は指示してない。なるほど農政局の文書には七反歩は書いてない。県がやった、こうおっしゃるけれども、県がなぜそんなことをやらなければならなかったのですか。問題はやはり総ワクの問題からきておるのですよ。総ワクが足らなかった、ここからきておるのですよ。 あまり議論をいたしませんが、経営余剰の問題については、私はこれは多過ぎる、こう言っているのです。そして生計費というものを低く見積もり過ぎるから、償還能力があるかのごときものになっている。それを末端の農業委員会にまで文書の作成、それからそれに対する点検を農政局は命じております。点検の際に、こういう基準に当てはまらないものは全部却下すべし、こういうことになって、県は苦しまぎれに、今度は足らない分二億二千万円ほどは信連から借りて、そうしてその利子補給を県がするという、おそらく前代未聞ですよ。いままで全国でいろいろ災害があって、自作農維持資金の取り扱いがいろいろありましたけれども、県が信連から借りて利子補給をするなどという取り扱いをしたことは、いままでございませんよ。そういうところに問題があるのであって、私は、少なくとも七反歩以下は一律にこれを切り捨てたということは許しがたいと思う。一部ある、こうおっしゃるけれども、それは実は早く手続をしてしまってそういう指示をしないうちに貸したのが七反歩以下でも貸してあるのであって、あとで今度別の基準で一たん貸し付けたものまでも押えつけておる、こういうような状況で、これは全く許しがたいことである。 しかし、今度はそういうことはしない、第二種兼業という線で、同時にまた災害の農産物被害程度三〇%以上、これも動かさない、こういうことでしょうね。
○和田説明員 先ほどもちょっと申し上げましたように、七反歩というのは、第二種兼業農家の基準として一応県が行政指導したことは、昨年については事実でございますが、やはりそういう画一的な指導は好ましくございませんので、経営面積のいかんということではなしに、第二種兼業農家には貸さないということで今年はやらせるようにいたしております。 それから被害率も、おっしゃいますように、制度上三〇%以上の被害者が融資を受ける資格を持っておるということでございます。
○石田(宥)委員 そこで、過去のことをそう責め立てておってもしようがないわけですけれども、ことしは、まず一災害は五十万円、二災害七十万円、三災害連続災害を受けたものは百万円まで、こういうことがきめられたようでありますが、この据え置きなしという去年の指導というものは全く意外なことであって、農家や地方の農業委員会に聞きますと、これはたいへんな問題で、この間も東京に来まして大騒ぎをやっておるわけです。 そこで今度は、新しいのは当然三年据え置きせざるを得ないと思うのですけれども、昨年度あるいはその前に借りたものもあるわけですが、そういうものについては一体どういう措置をお考えになっておりますか。償還能力との関係で、私はやはり一定年限据え置きをし、利子を補給するという措置が必要だということを指摘しておるのでありますけれども、その据え置きについてはどういうお考えで指導になるおつもりですか。
○和田説明員 据え置き期間を設定しないようにという画一の指導をしたことは実はございませんし、また新潟に限らず全国的に、災害の際に自作農維持資金の貸し付けをいたしました場合の調査もいたしてみておりますが、先ほど申しましたように、農家自身の方の立場から、むしろ据え置き期間を設定しないケースのほうが全国的に多いわけでございます。そこで、別に自作農資金と限りませんが、一般に金融を受けておりまして償還期に来ております部分について、災害を受けました場合には、それの償還を延ばしてやるといいますか、償還をしないでも先にいって償還ができるように契約上してやるというようなことは、災害対策として、公庫資金一般論としていたしておるわけでございます。 そこで、すでに借り受けております自作農資金につきましても、本年再度にわたる災害を受けた農家につきましては、当然償還余力もないわけでございますから、そういうものにつきましては、それぞれの実態に合わせまして、法律で許されている範囲における契約のやり直し等の方法、あるいは事実上の延納措置等を認めまして、実態として償還可能なような償還計画になりますように、それぞれ現地で指導させたいというふうに思っております。
○石田(宥)委員 あなたは農業経営というものの実態をよく理解していないように思うのですがが、収穫皆無になった場合、ほかの産業と違って一年に一作しかできないのですから、単作の場合に、一年間の所得が全然皆無になったような場合、据え置きなしでやれるなどということは、これは考えられるものじゃないのです。今度は二年収穫皆無でしょう。そういうものについてどうも非常に軽く考えておられるようでありますが、三年据え置きというのはゼロということになっておるわけですね。二年が六・五%しかない。八五・一%も据え置きなしとは何事だということで、現地へ行ってみたら、強力なそういう行政指導のもとに、金融機関もそれと調子を合わせて据え置きを認められないという態度をとったので、やむを得ずやったのだと、こう言っておるわけです。 そこで、その議論をしてもしょうがないのですが、いまお話を承れば、ことし借りる分について三年の範囲に据え置きをすることはこれは当然だが、去年の分についても、償還能力を考えて、実情に合うようにということばは、去年の分についてもやはり据え置きを認める、こういう取り扱いができるということなんですか。その点はどうなんですか。
○和田説明員 申し上げました趣旨は、法律制度のワクの中での据え置き期間なりあるいは償還能力とか、そういうようなことを考え合わせて、契約の一部の手直し等をやりまして、おっしゃるような趣旨に即するように指導したいと思っておる、こういう意味でございます。
○石田(宥)委員 その点は、法律の範囲内においておやりになることは当然だと思うのです。しかし、私はどうもそれでは処理し切れないのではないか、やはり何年間かの据え置きと利子補給はどうしても必要じゃないかと思うのですが、これはここで議論しても始まらないので、法律の改正を必要とするわけでありますから、との程度にいたします。 そこで、もう一つ聞きたいことは、天災融資との関連なんですね。天災融資等を受ければ自農資金を貸し付けない、こういうような関連があるわけです。天災融資というものは再生産資金というふうに限定されておって、その使途が厳密に制限をされておる。買いものをした場合の受領証まで持っていかなければ貸し付けないという性格のものなんだから、これとは切り離して融資さるべき性質のものだ。ところが、それと関連させておるというのは一体どういうわけなんですか。
○和田説明員 天災融資と切り離すべきではないかという御意見でもございますけれども、御承知のように自作農維持資金というのは、災害に伴いまして収入がなくなりまして、それらを今後回復して再生産を進めていく上に借金を外からいたしたために、農地を売らないと再生産ができないような状態になることによって自作農家でなくなるので、それを防いで、農地を売らないで農家として引き続き生産が維持できるようにしたいという趣旨でできた制度でございますが、天災融資は、おっしゃるとおりに再生産資金でございますので、もしそれを借りなくて済むということであれば、それはどこかから資金繰りをしてきたのだろうから、そういう農家については、農地を売らなければならないという状態にはならないであろうというふうに考えておるわけでございまして、やはり再生産資金も、自分の預金その他では措置ができないから制度金融を受けなければならない、そういう人であるから、借金のカタに農地を売ったりしなければならなくなっては、経営規模が減ったり、あるいは自作農が小作農に転落したりするから、それを防ごう、こういう趣旨でございますので、やはり再生産に必要な資金を借りなくても済むような農家を対象にするということは、この制度の趣旨として適当ではないのではないかというふうに考えておるわけでございます。
○石田(宥)委員 その趣旨はわかるのですけれども、問題は、総額として額をきめる場合に、それを含めて額できめられてしぼられるから、結局は再生産資金というものは、まあ商人なら利息も取らないで借りるところもある、農協はちょっと利息を払わなければならぬけれども借りられる、それを含んだ額で上のほうから割り当ててくる、そういうところに問題があるのです。だからそういう関係は、いま局長の説明のように、それはそれでほかに調達ができるということであるならば、自作農維持資金というものをすっきりして、それはそれなりで処理するということであればそれでよろしいのです。この関係が総額で問題になってくるわけです。だから、その点は必ずしも関連しなくともよろしいというふうに理解してよろしいのですね。
○和田説明員 ちょっと御趣旨がよくわからなかったので、恐縮でございますが……。
○石田(宥)委員 あとで聞きますけれども、大体今年度十五億、去年、県の信連から借り入れて利子補給をした分を含んで十五億というふうにきまったということなのですが、そういう中にこのものをも含んで処理をされることになると実際の維持資金のワクが小さくなる、こういうことなのです。そこに問題がある、こういうことです。それは資金計画の中に、これもあるいは県がやるのかもしれないけれども、やはりその数字をちゃんと入れるんですよ。それから共済金の金額だとか、みんな入れてくるんですよ。その資金計画の中にそれが入るか、それをはずされるかによって、農家が実際借り得る金額に相違が出てくる、実際その自作農維持資金というもののワクが削られる、こういうことになるから、だからそれは関連をさせるべきでないのではないか、こう言っておるのです。
○和田説明員 おっしゃる意味は、農家が必要とする資金額が幾らかあって、それから共済掛け金で支払われる分が幾らあり、あるいは天災融資分が幾らあり、あるいは貯金その他の自己資金が幾らありというものを差し引いた残りだけにしか自創資金は貸さないのか、そういうことであるなら個々の農家として困るので、こういう御趣旨かと思います。 やはり自創資金の総ワクの計算も同様でございますが、農家が農地を売って必要な資金を得るということではなくて、売るかわりになるべく金利の安い、また条件のいい資金を貸し付けようという考え方でございますので、農家が経営として必要とする資金のうち、天災融資で貸し付けられる分、あるいは収穫皆無を補てんをいたします意味で支払われます農業共済の部分、それから、もしその農家が自己資金を持っておりますればそれを差し引きまして、ほんとうに困る部分の経費を自創資金という形で貸し付けるというのが自創資金のたてまえでございますので、お尋ねの趣旨が、もし冒頭私が申し上げましたような趣旨でございますれば、個々の農家の必要資金の中から、借りた天災資金、あるいは支払いがあった共済の共済金、あるいは自己資金があれば自己資金というものを差し引いた残りを貸し付けまして、できるだけ多くの人たちがこの資金の恩典にあずかるようにしたいというのが本来のこの趣旨でございます。御趣旨のように、それは別ワクだと計算することは不可能ではないかというふうに思います。
○石田(宥)委員 時間がありませんから……。そこでさっきちょっと触れましたが、ことしは、昨年の県が処理した分をも含めて十五億という内定ですか、決定ですかをされたその考え方、その数字の積み上げというものは、どういうふうな積み上げでお考えになったのですか。
○和田説明員 御承知のように、今年の新潟の災害は、昨年の災害と比べまして、面積的な広がりは非常に大きゅうございますので、農作物の総被害額は、たしか昨年より多かったかと思いますが、自作農維持資金の貸し付け対象となります三割以上の被害の面積は、実は昨年の半分程度の状況でございます。したがいまして、単にそのことだけをつかまえますれば、むしろ昨年より自作農維持資金として貸し付けを要する額は減るわけでございますが、そこのところは、やはり連年災害でございますので、自己資金で調達する能力は、昨年はある程度あったにしても、今年はもはやゼロになっているであろうというようないろいろな事情を勘案いたしまして、それに昨年県が自分で始末をいたしましたものも、この機会に政府側で肩がわりをしたいということを含めまして、十五億という数字を決定いたしたわけでございます。
○石田(宥)委員 大体いまの時点で決定をするということが不自然、不合理なんですよ。いまようやく手続中なんですからね。またこの手続も非常に繁雑過ぎるのでありますから、これから相当時間を経ないというと、実際の要望額、実際の必要額というものは、まだしばらくわからないわけですね。それを、さっき私が申し上げたように、被害額はどの程度で、そして共済のほうから幾ら入って、天災融資で幾ら入って、だから自作農維持資金は幾らだと、こういうようなワクをはめられる。そうすると、そのワクの中で処理しようとするから、七反歩以下は貸し付けないとか、あるいは五〇%から六〇%、最後は六〇%以上の被害総額でなければ貸さないということになってしまう。三〇%以上ならば貸し付けることができる規定のもとにおいてそうです。また貸し付けば、三年以内据え置きができるというものが据え置きはさせない、そうして六〇%以上の被害でなければ貸せないということは、これは少なくとも大蔵省あたりの、農業なんかいいかげんつぶしてもいいんだという考えならば、そういう考えが出てきても不思議じゃないが、農林省がそんなことで六〇%以上の被害でなければ貸さないなどという、そうして据え置き期間がなくたって何とかできるのだというそういう考え方、この認識が根本的に誤っていると私は思うのです。 この問題だけでそう時間をとるわけにもまいりませんが、そういう点で、ことしはそういう間違いを再び繰り返すことのないように、法律の範囲内において農民の要求、要望に沿えるように行政指導をやっていただきたい。それは、かりに町村長がやる、あるいは県知事がやるとしても、やはり責任はあなたのところにあるのですから、それをわきまえて、去年のようなそんなでたらめな文書を出すようなことのないように、いまからひとつ行政指導を考えていただきたい、こう思うのです。あなたは、直接おれが出したんじゃないとおっしゃるだろうけれども、北陸農政局の農政部長がちゃんと出しているんだから間違いない。直接指示しないとおっしゃるかもしれぬけれども、そういうことを繰り返してはならないということを私は指摘しているのです。
○和田説明員 どうもたびたび北陸農政局の文書のお話が出ますので、私もちょっとそのことに触れざるを得ないのでありますが、これは本年の四月に出しましたもので、御承知のように災害で自創資金の割り当てをいたしまして以後、なおいろいろな混乱がございましたので、それを調整いたすための再調査の際の資料でございまして、それを指示した通達でございまして、本来の自創資金の貸し付けの基準というふうなものを指示したのではないのでございます。 なお、今年につきましては、先ほども申し上げましたように、三割以上の被害面積が、昨年に比べまして半分よりももっと少ないような実情にございますが、自己資金も調達できない等の事情も考えまして、むしろ昨年よりも大目のワクを設定いたしたのでございますが、三割以上の被害がございますれば、当然五十万円までの範囲における自創資金の貸し付けを受ける資格を本人としては持っております。 なお、二回、三回とダブリますものにつきまして、個人の貸し付け額をこえました農家は、すでに前々からそういうルールでやっていることは石田委員も御承知のとおりで、天災融資法での特別被災農家として五割以上の被害を受けました農家について、二回目は七十万円、三回目は百万円というふうにいたしております。 なお、総ワクにつきましては、県知事もたびたびお見えになりまして、事務的にも、被害の実態等にあわせて十分打ち合わせをした上に御了承を願っているようなわけでございまして、行政的に、本年は昨年のような混乱を起こさないように、県庁でも十分措置できるように知事からもお話がございましたし、私どももまた二度と同じことを繰り返すことのないように、十分考慮してまいりたいというように思っております。
○石田(宥)委員 時間がたいへんおそくなりましたから、建設省の関係とそれから自治省の関係はあすの災害委員会でやりますから、恐縮ですけれどもお帰り願いたい。あまりおそくなってもと思いますから、そういうことにしていただきたいと思います。 次に、ちょっと林野庁関係で、林野庁もだいぶ調査をされておりますから、実態はおわかりだと思いますけれども、先ほどから申し上げているように、特に山村地域で、部落全部壊滅してしまっているようなところがあるわけです。そこで部落の集団移転について、国有林に移転をしたいという希望があるわけです。そこで、この国有林に移転をしたいという希望地に対して、二、三の問題点をあげて善処を願わなければならぬと思います。 まず、安全地帯として国有保安林に用地を求めざるを得ない地域が多いわけです。これはやはり部落全体の移転でありますから、合理的な集落形成に必要な面積を一括して解除してもらいたい。部落としての体系をなせるような配慮をしていただきたい。それから次に、これはほとんどが市町村が中心になって、住宅は公営住宅です。建設省はお帰り願いましたけれども、部落でやるのだけれども市町村がほとんどやるわけです。したがって、その市町村に対して一括して払い下げるということは、これは財政上の事情がございまして非常に困難だと思いますので、貸し付けの方式にしていただきたい。三番目には、貸し付けにあたっては、農家の拡大再生産が可能な範囲の価格、こういう点もひとつ御配慮願いたい。従来も必ずしも高くなかったようでありますけれども、小作料の値上げその他もございますので、特別な配慮をすべきではないか。それから次に、公営住宅の建築用材の払い下げに対しましては、前例もあることでありますので、一般の価格よりはやはり安値で払い下げをするような措置のとられるようにという、この四点について地方から強く要請がございますので、林野庁としてのこれに対する考え方、どの程度までできるのかということを、具体的に少し御答弁を願いたいと思います。
○木村説明員 まず第一点は、保安林の解除の問題でございますが、保安林は、御案内のように公益のために指定されておりまして、また公益のために解除もできるわけでございまして、その両者の公益性の比較検討ということが問題になるかと思うのでございますが、具体的な地域が決定いたしましたならば、具体的に早急に区域が決定し得られるように、ひとつ関係各方面に十分指導していきたいと思っております。 それから二番目の公営住宅、これは全部市町村がやられるわけでございますが、公営住宅用地の貸し付けの問題でございますが、現在国有林野のそういう面におきます優遇措置といたしましては、地方公共団体が建設し貸し付けるための公営住宅用地につきましては、売り払う場合あるいは貸し付ける場合におきまして、時価の四割の低減措置をいたしております。それに適用できるのじゃないかと思っております。それから、貸し付けの場合も同様でございます。 それから三番目は、国有林野に移られた場合の一般農家の方の農耕地に対する貸し付けの問題かと存じますが、これにつきましては、貸し付けることはできるのでございますが、貸付料につきましては、現在のところ農地法に示されております小作料の最高価格以内におきまして、それぞれ現地で決定さしていただいておるような現況でございますが、現実の姿から見れば、一般のあれから見て高いような関係にはならないように私らは期待しておりますが、詳細につきましては、さらに十分検討さしたいと思っております。 それから四番目は、公営住宅に対する用材の払い下げの問題でございますが、これは現在地方公共団体の長に、いわゆる復旧用材を払い下げる場合には、五割を限度とした低減優遇措置があるのでございますが、今回の集団移住に対しましてどの程度、数量の関係等もございますので、具体的な計画がまとまりましたならば、十分ひとつ検討さしていただきたいと思っております。 以上簡単でございますが……。
○石田(宥)委員 地元と本省と協議の上では、多少考える余地がありそうな話をしておるそうですから、その点御相談を願いたいと思います。 それから、この集団移転の問題で、太田参事官が各関係省庁の会議に出席されておるということでありますが、実は災害対策本部ができまして、何かかえってぼけてきたような、農林省の責任があるようなないような形になってきて、非常に進めにくいということがいえるのですね。それでいままでのところ各省庁の間で、行政措置としてどの程度までできるのか、あるいはどういう程度はこれは立法しなければならないのかというようなところまで協議が進んでおるのか、あるいは新潟県の具体的な案が十五、六日ころまであがってこないということですから、それがあがってきた上でそういう具体的な話し合いが行なわれるのかどうなのか、そしてその中ではやはり総理府がリードすることになって、農林省の発言権というものは必ずしもあまり強くないのではないかという心配もあるのですが、それらをひとつ総合的に、いままで会議に参加された参事官から御答弁を願いたいと思います。
○太田説明員 去る十月二十五日だと思いましたが、新潟の県知事がお見えになりまして、私のほうの次官室で、次官、官房長、私も立ち合いまして、実はいま先生御指摘の部落集団移転計画の概要につきましてお話を伺ったわけでございます。それで新潟県知事といたしましても、実はこの集団移転対策は単に農林省だけではなしに、建設省の関係、あるいは厚生省の関係、あるいはいま御指摘の災害を総括いたします総理府の関係等につきまして、それぞれお話をなさったようでございます。そこで、官房長からの御指示もございまして、私総理府に連絡いたしまして、一応総理府が音頭をとって関係各省を集めて、これにどう対処するかということをとにかく至急検討しようじゃないか、そのための会合を開くということで、先般十一月八日の日に関係各省集まりまして、総理府の審議室長の部屋で、お互いにこれをどう対処するかというような相談をいたしたのでございます。 そこで、建設省等におきましては、宅地の造成、あるいは住宅建設の金融等につきまして、現在の段階では一応既存のいろいろな措置で対処できるのではないかというようなお話がございました。私のほうの関係で申しますと、いずれにいたしましてもいま先生がおっしゃいましたように、全部落につきましての集団移転計画が、私のほうも実は当初十五、六日ころにあがってくると聞いておりましたが、きょう伺いましたところでは、大体二十日ころに出てくるということでありますので、これを受け取った上で一応各省で検討して、既存の措置で対処できるかどうか、あるいはさらに踏み込んで、場合によっては予備費で要求するものがあるかもわからないということについて検討をした上で、もう一度集まりまして、そこで最終的な態度を決定しよう、こういうことで別れておる現状でございまして、一応現在の段階では、県の集団移転計画というものにつきまして提出待ちというような状態になっておるのでございます。
○石田(宥)委員 時間の関係もございますから、大体この程度にいたしまして、きょう予定しました残余の質問は、あす災害委員会もございますので、そこでいたしたいと思います。 以上で質問を終わります。
○高見委員長代理 午後二時十分に再開することとして、これにて休憩いたします。 午後一時九分休憩 ————◇————— 午後二時十五分開議
○倉成委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。 午前中に引き続き質疑を行ないます。赤路友藏君。
○赤路委員 質問をいたしますが、できるだけ簡潔に私のほうも質問したいと思いますので、答弁のほうもあまり深い説明でなくして、簡潔に、わかりやすく御答弁を願いたいと思います。 まず、一番初めにお聞きしたいことは、四十一年度の漁業白書、これの第一の「漁業経済の概観」、ここのところで、世界の水産物の需要は増大している、だが漁業総生産の伸びは鈍化している、世界各国においてはこの実情を踏んまえて、資源維持のため漁業専管水域の設定がなされ、漁業への進出が行なわれつつある、こういうふうに国際漁業の一端を分析しておるわけでありますが、私はこの分析は正しいと思っておる。では、こうした国際環境、この世界的傾向に対してどう対処していくのか、この点がここでは明確にされておりません。もちろん、漁業白書は沿岸漁業を中心にしての白書でありますから、そういう意味もあるかもしれません。しかしながら、沿岸、沖合いをも含めて日本漁業の将来というものを考えるなれば、当然出されなければならぬ答えだ、私はこう思っておる。 そこでお尋ねしたいのは、そういう国際環境の中でどうこれに対処していくのか、こまかい点はけっこうですから、基本的な大筋だけ、国際漁業に対する考え方をひとつ御説明願いたい。
○山中説明員 先生御指摘のとおり、わが国は世界の漁業では先進国の、最も進んだ国の一つでございます。政府といたしましても国際漁業の秩序ある発展につきましては、従来からも努力を続けてまいったわけでございますけれども、今後は、水産物の供給の不足ということが世界的にも予想され、また国内におきましても、近い将来さらに不足が顕著になってくるということが考えられます。また一方、世界の各国が海のほうに注目するようになりまして、漁業に進出してくる点が非常に活発化してまいる傾向がございます。 したがいまして、わが国といたしましては、基本的には、今後開発を可能とする漁場も含めまして、できるだけ国際漁場における日本の漁船の操業実績を早急に確保してまいりたいということが一つ。それから第二に、国際漁業に関するいろいろの規則がございますが、これは、資源の保存と資源の有効な利用に関しまして十分科学的な根拠がある限り、国際法の原則に立脚するものである限り、これに従って関係国と必要な協調を保ってまいりたいというふうに考えております。 しかしながら、一方、近年沿岸国が国内法によりまして、一方的に自分の沿岸の外側に漁業水域を設定して、いわゆる専管水域の問題というのがだんだん多くなってきておりますが、これらの問題につきましては、わが国との間に同意がない限り、話し合いがない限り、わが国といたしましては、従来どおり漁業に関する水域も領海も三海里というふうに考えておりまして、わが国といたしましては、話し合いも何もなく、沿岸国がかってに自分で設けました水域におきましては、ここでの漁業実績をできるだけ確保するという点を、基本的な立場としてとっております。なお、今後もこの方針に基づきまして、わが国の漁業の権益と擁護のために万全の努力を尽くしてまいりたい、このように考えております。
○赤路委員 漁業経営者と申しましょうか、漁業をやる立場から考えると、おっしゃるとおりだと思います。ただ、この際考えなければならぬことは、分析にもあるように、国際的な諸条件というものがいままでとはかなり違ったものになりつつある。そういう段階で従来どおりの線を堅持していく、もっと率直に言うと、基本的な態度というものがないといいましようか、もっと言うと、相手によって違いが出てくる。たとえば、いまおっしゃっておるように、国際法だというのでわが国の同意がない限り、一方的にやった場合は、わが国としては三海里以上は認められないんだ、こういう基本線を持っておるんだが、それがはたしていまの国際漁業全体の面から見て妥当なのかどうか、これはひとつやはり十分検討する必要があるんじゃないかと思います。いままでの惰性、いままでの慣行、いままでのやり方、そうしたものが絶対的なものではない、こう私は考えざるを得ないのじゃないかと思う。 おっしゃるように、向こうさんからどうだと言ってくればいい。一方的にばんとやられるというのが最近のすべてのケースだ。そういう場合、向こうからやられるのを待ってそれに対処していくというのでは、あまりにも消極的ではなかろうか。私は、やはり国際漁業の場では、この際積極的に日本側のほうが関係各国に対して、むしろ呼びかけていくという態度をとっていいんじゃないのか、こう思います。 これはそれぞれ考え方の相違、また議論の余地もあろうかと思いますが、これに関連して、それでは一点お聞きしますが、西アフリカのスペイン領サハラの国、これが専管水域十二海里を宣言した。これは御存じでしょうか。どういうふうになっていますか。
○山中説明員 スペインあるいはそのすぐ近くにございますモーリタニア、これらの国がやはり十 二海里の専管水域を設定いたしましたのはことしの夏でございました。しかし、このスペイン及びモーリタニアに関しましては、わが国の遠洋漁業の底魚に関する漁業で若干の実績のある点、関係のある点もございます。これがスペインとの間で、相談をいたすべく種々現在検討中でございます。 なお、一方民間が、政府とは別に、モーリタニア及びスペインにつきましても民間の漁業使節団が参りまして、いろいろ話があったわけでございますけれども、これらにつきましても、まだ具体的な両者の同意が得られるというような段階には至っておらないわけでございます。
○赤路委員 私は、これはおそらくまだ相手国との交渉の段階になっていないのじゃないかと思います。サハラは、ちょうどカナリア群島の前の大陸であります。日本のほうは、カナリア群島のラスパルマスなんと申しましても、最近二百三、四十隻の船はあそこへ集結しておるはずである。それだけにかなり重要な影響を及ぼしてくると思いますが、サハラのほうの言い分は、一九五三年の一月一日から一九六二年十二月三十一日まで十年間、同水域において慣習的に操業をしておった国の操業実績は認める、こういうことを言っておるようです。ところが、わが国がここで操業を始めたのは一九五九年。そうしますと年数が足らぬというので、サハラの言う実績を認めるというそれとは相反するわけです。 これは、一つの例ですが、こうしたものが漸次後進国の間に出てくる。いまちょっとお話があったかと思いますが、ガーナにいたしましてもリベリアにいたしましても、そういう措置に出てくる要素が多分に含まれておるとするならば、ただこちらのほうへ言うてきた場合は話に乗ろう、言ってこなければ話に乗らないのだというようでは、日本の国際漁業というものの立場から考えてみて、後手を踏むと申しますか、そういう結果になるのじゃないかと思います。この点が一つ心配でございましたので、この点に対する基本的なあり方というものを御検討願いたい、こういうので実は質問を申し上げたわけでありますから、ただ漁業経営という立場からだけこれを考えるのではなしに、全体として、国際海洋法の四協定は全部発効しておるおりからでもあるし、日本自体が国連に加盟しておりますし、いろいろな観点から考えてみました場合、もう三海里に固執しておるときではなかろう、もっと積極的に国際漁業というものと本格的に取り組んで、前向きで進むべきではないか、私はこう考えたから御質問申し上げたので、ひとつ十分御検討を願いたいと思います。 その次に、私は漁業白書の項目の中で、六項目に分かれておるものの一とそれから五と六、この点について質問をいたします。 まず第一は、「水産資源の維持増大と漁業調整」、この項目です。これは非常に重要だと思います。「水産資源の維持増大」、この中で私は特に聞いておきたいのは、水質汚濁による漁業損害はかなり大きい。この水質汚濁による漁業損害は、四十二年の一月の調査、これは水産庁調査だと思いますが、四十年は七百五十三件で九十八億七千万円の損害額になっておる。これがすべて沿岸の漁民に負いかぶさってきておる。これは事実であります。こういうようにだんだん年を経るに従って水質汚濁による漁業被害がふえてくる。それが大手とか会社とかいうのでなしに、ほとんどは沿岸漁民がその被害をこうむっている、こう考えていいと思う。これに対して、最近公害基本法ができ、あるいは科学技術庁等でいろいろ手を打っておるようだが、一体水産庁はこれに対してどういうような措置をとっておるか。 そこで具体的に聞きたいのは、四十二年度、ことしの予算は、水質汚濁に対して水産庁としてはどれだけ見たか、四十三年度どれだけ現在要求しておるか、それだけひとつ言ってもらいたいと思う。
○山中説明員 ただいまの御質問の水質汚濁対策でございますが、これには二つございまして、一つは、現在の水質汚濁の状況を十分に調査し、これを防遏すると申しますか、防ぐほうの役割り、それからもう一つは、積極的に水質汚濁による資源の損失を回復していく考え方、この二つの面につきまして申し上げます。 水質を調査し監視するという面では、来年度から五カ年計画で、全国のおもな漁場の水質調査を実施することにいたしております。これを四十二年度と四十三年度というふうに分けて申し上げますが、まず、現在の水産資源の保護対策全般といたしましては、今年度が十一億四千三百四十九万三千円でございます。それから来年度が十四億三千九百五十九万六千円になっております。 その内訳は、ただいま申し上げました汚濁調査の費用、これが四十二年度が二千六百二十八万八千円、四十三年度が四千八百万円でございます。それから汚濁の監視事業でございますが、これが今年度、四十二年度が六百二十万円、四十三年度が二千三百三十六万円でございます。それから一方資源の維持増大という点のほうからの面は、保護水面の管理事業というのがございます。これが今年度が千四百五十五万九千円、四十三年度が千八百七十九万五千円でございます。それから漁場を改良造成するという事業をやっておりますが、これが今年度が五億二千三百四十四万六千円、来年度が六億八千四十八万円になっております。それからなお漁場改良のさらに大きい水産動植物の育成環境をさらに増す、あるいは漁業の生産基盤の開発、改良という面の大型魚礁の設置事業、これの補助金が、今年度が五億七千三百万円、四十三年度が六億六千八百九十三万一千円になっております。金額につきましては以上でございます。
○赤路委員 それは政府各省関係全体の水質の保全に関するあれですか。農林省だけのものですか。
○山中説明員 これは水産庁だけのものでございます。
○赤路委員 水産庁だけだとすると、かなりこれは組んでおるということになるわけです。私の知る範囲内ではこうはないように思っておったもんですから、後ほどよく資料を調べた上で、御質問する点があればまたこの次にやりたいと思います。 それから次は「昭和四十二年度において沿岸漁業等について講じようとする施策」、これのページの(4)の一番最後のところに、「明治百年を記念して行なう水産資源保護事業についても援助を行なう。」こういうことが書かれております。これは一体何を意味し、どの程度の援助をしたのか、これをちょっと説明を願いたい。
○山中説明員 明治百年の記念事業の一環といたしましてあげてございますのは、これは、水産庁の淡水区研究所の日光の支所というのがございます。そこの敷地の中には天然の河川あるいは人工の養殖池等がございますが、ここを利用いたしまして、水産資源保護協会という、これは資源保護の教育、普及宣伝等をおもなる任務とする社団法人でございますけれども、これにその普及教育のための魚の繁殖、稚魚の育成等の展示施設を行なわせ、それに関する助成をするということで種々予算要求等もいたしたわけでございますけれども、実際に国として援助できました額はわずか百万円でございましたけれども、これらの普及指導のための経費として計上することができたわけでございます。
○赤路委員 これはなお調査の段階を脱していないので、具体的なものとしてはまだだ、こういうことに理解していいですか。
○山中説明員 ただいまのになお一つ追加させていただきますが、ただいまの百万円の中には、普及教育のほかに水族館その他池等の設計料等も含んでおります。
○赤路委員 同じく施策の十ページ、この中に「指定漁業の認可の一斉更新」という項目があるが、ここにこういうことが書かれていますね。「最近の指定漁業をめぐる内外の諸情勢を総合的に勘案し、指定漁業の今後の基本的方向にそった許可の一斉更新を行なうこととしている。」こういうことですね。それから最後の後段のところで、「一斉更新の時点で大幅な変更を行なうことはさけ、一斉更新後もひきつづきその合理化を検討する。」とあるが、これは率直に言うと逃げのことばになっている。私は、この漁業の一斉更新というものは重要な目的を持っておったというふうに思うわけなんです。一斉更新の目的は、日本の漁業の将来への発展を踏んまえて秩序ある漁業資源の維持増大と、そしてそのための漁業調整、こういうことが行なわれるために一斉更新をしていく、一斉更新をすることによって将来の日本の指定漁業のあり方というものの方向づけをするのだ、こういうふうに私は理解をしておるわけなんですが、もうすでにこれはやってしまったんだからあとへ戻すわけにはいかない。だから、やったそのねらいは一体どこに置いてやったのか、この点をちょっと簡潔にひとつ御説明願いたい。
○山中説明員 一斉更新のねらいにつきましては、本質的な点につきましては、確かに先生御指摘のようなものが基本には底流としてあるわけでございます。しかし、現在行ないました点はそれほど大きな変更その他が加えられていないという点につきましては、これまた先生御指摘のことに実はなっておるわけでございますが、それではこの一斉更新という点のねらいということになりますと、やはり許可というものは五年ごと、あるいは国際漁業関係ではいろいろのそれらの変化に備えまして、さらに短い許可期限になっておりますが、その許可期限の切れると申しますか、新たに変わるという時期におきまして、その漁業漁業につきましての総点検を行なうというような点にも、大きな効果があるのではないかというふうに考えております。また、事実そのような点におきまして、経営をはじめ漁業の調整、あるいは資源と許可隻数との関係その他につきましても一わたりの点検は行なって、従来の隻数でよいか悪いか、あるいは従来の規制関係でよいか悪いかというような点につきましての検討をいたしたわけでございます。
○赤路委員 いまの御答弁では私はちょっとうなずきかねるんだが、水産庁が現業庁として漁業者の立場を十分考えてやる、そうしてあたたかい、愛情のある行政指導を行ない、そうしてこれを指導していく、これは当然だと思うし、そのこと自体はそういったふうになければならぬと思うわけなんです。しかし、その反面冷徹な面がないといけないんじゃなかろうか。あまりにも愛情に過ぎて、やってしまいさえすればあとで何とかなるさというような気分を漁業者に起こさすようであったのでは、漁業の秩序というものは保っていけないんじゃないか。やはり漁業秩序を保つということは非常に重大なことです。特に今日のように資源が問題になるとき、資源の問題と漁業秩序というものとは有機的な一体化したものでないといけない。これはばらばらのものであってはならぬのじゃないか。 そう考えてまいりますと、愛情はいいとしまして、やはりそこにはきびしい指導体制と申しますか、指導精神と申しますか、それがございませんと、かえって混乱をするんじゃないか。今度のこの一斉更新の場合——もうこの次は五年後ですが、ややそういうきらいがある。私が先ほど申しましたように、この白書の下のほうに、大きな変更を行なうことは云々と書いてある。よくわかるわけなんです。わかるわけなんだが、少なくともやはりき然とした態度の指導性というものが、水産庁にないとならぬと私は思います。この点、私の言っておることが間違っておれば別ですが、私はそういうふうに思うわけです。だから、自分の思うことだけ言っているんだから、あなたのお考えとは違うかもしれませんが、この点十分御留意を願いたい、このことです。 具体的にお尋ねしますが、これは八月に一斉更新をやった。その中で一つだけ具体的に取り上げるのですが、近海カツオ・マグロについてはどういう措置をとられるのか。
○山中説明員 近海カツオ・マグロにつきましては、御案内のとおり、従来原則といたしまして北緯十度から東経百六十度の間の区域を操業範囲としておりまして、そのうち、従来から特に認められている船だけにつきまして、さらに赤道を越えた海域まで若干行けるものがあった。これは、現に出ていたものを特に認可したわけでございます。 しかし、これを一斉更新の機会に、海難防止あるいは乗り組み員の労働とか健康等も考慮いたしまして、船の安全性をはかるために、遠くのほうへ出る、赤道以南に出ます船につきましては七十トンまで大型化することができるようになり、それ以外のものにつきましては六十トンまで、今後代船を建造する場合に大型化し得る道を開いたわけでございます。
○赤路委員 そうすると、いままであったみなし許可とか、区域内のものと区域外のもの、これはそのまま残す、やはり依然として区域内で操業するものと区域外で操業するものとがある、こういうことになりますか。
○山中説明員 区域外、区域内という表現でいいかどうかあれですが、漁場の範囲といたしましては南緯五度、東経百八十度までになっておりますのが従前の特別の認可になっておったものでございます。それから一般のものが北緯十度、東経百六十度の漁場でございます。
○赤路委員 いや、そのまま残るのかということです。そうすると、七十トンまでにしたというんだが、七十トンのものになって、いまの北緯十度、東経百六十度または東経百八十度よりも外へ出られるのか出られないのか、こういうことです。
○山中説明員 それより外へは出てはいけないということです。
○赤路委員 そうすると、その区域の中で限定されて船が大きくなったということですが、この点は最初、中央審議会のカツオ・マグロの小委員会でしたか、三九型の小さいものでは事故も多発するし不安定であるから、できるだけすみやかに大型化するようにという答申がたしかあったと思う。そういう線をも加味したんだと思います。あるいはまた業者のほうの要望、いろいろな条件を考慮しておやりになったのだと思いますが、いまの資源状態から考えてみて、これは妥当ではなかったのではないか、私はこういうふうに思うわけです。というのは、私の計算は少し違います。これは訂正してもらいますが、四十一年の四月一日現在で千六百九十一隻というのが水産庁の統計です。これだけの船で総トン数が六万四千八百五十三トン、はんぱはほうっておいてそういうふうになりますから、平均が三十八トン三五になる。これがかりに七十トンになるということになりますと、五万三千五百二十トンふえることになる。これは小学校の生徒のそろばんのようになるが、とにかく七十トンまでするというのならこういうふうになる。 私が心配しますのは、現在のような資源の状態で、一体そういうような増トン方式をとっていいのかどうか、率直に言えばこういうことなんです。これはずっと調べてみたのですが、三十六年、三十七年、三十八年の統計が出ておりますが、この統計をとって見てみますと、マグロの場合やはり漸減しておるわけですね。それから水産庁のほうでも、マグロ漁業については将来に対して大きな希望を持てるとはおよそ考えていないはずなんです。そういう段階でなぜこういうふうにトン数をふやさなければならぬのか、これがどうにも私にはわからない。だから水産庁は、現在の資源の状態等を考慮の中に入れて考えた場合、一体こういうふうに増トンされた場合、経営に対して、あるいは資源上の問題に対して自信があるのか、自信があってそういうことをやったのかどうか、これが私の一つの疑問なんです。 まあ私なりに考えさせてもらえば、むしろそういうようなことをして千六百九十一隻、千七百に近いものを増トンするよりも、三隻なら三隻をまとめて一つをやる、隻数が減ってトン数がふえるという方法もあったはずです。そういう配慮がどうしてなされなかったのかということなんです。しかし、これももうすでにやってしまったものだから、あとへは引っ込めるわけにはいかぬでしょう。いかないが、資源状態から考えてみても私は少し慎重さが欠けたのじゃないか、こういうふうに思うわけなんです。それは何かあなたのほうで自信があったのですか。
○山中説明員 確かに資源の面からの観点で判断いたしますと、先生御指摘のように、カツオ・マグロは決して楽観できるような状態とは考えておらなかったわけでございますが、この今回の近海カツオ・マグロの大型化につきましては、漁船の設備基準を設けて、乗り組み員の居住区を改善するとか、あるいは乗り組み員に相当した飲料水あるいは食料その他の水とい夢ようなものを確保して、なお喫水線を保持して船の安定性をよくするとか、このような安全性と労働環境の改善という点に主眼を置きまして、その許容トン数の計算にあたりましては、魚をしまっておきます魚倉の容積については、いままでとほとんど変わっていない程度の四十八立方メートルということで設計基準を設けてございます。したがいまして、全然資源をよけいとることにはならないということはあるいは言い過ぎかもしれませんけれども、御心配のほど大きな漁獲努力の増大ということにはつながらないというように考えて処置したわけでございます。
○赤路委員 これは議論をしたら水かけ論になりそうですから、私は議論をいたしませんが、そんな単純なものではありません。わかっていながらそういう答弁をせざるを得ないところに問題がある、私はそう思う。 それから、もちろん三九型の小さいのが、最近においてでもやはり依然として海難事故等を他のものよりも余分に起こしておるような状況でありますから、これが六十トンになり、七十トンになるということは決して悪いことではない。しかしながら、全体から、大所高所から見た場合は、もう少し私は慎重であってほしかった。おっしゃるように、乗り組み員の設備改善等もわかる。しかしながら、乗り組み員の設備改善をするために、以前たしかボーナス・トン数を出したはずですね。そのボーナス・トン数を出したものが、ほんとうに設備改善に使われておるかということですね。それすらも私は水産庁は十分調査できていないと思う。できておれば数字を見せていただきたい。それはできていないはずなんです。ですから私は、先ほど言いましたように、愛情を持つことはいいが、やはり締めるところは締め、処罰するところは処罰する、この冷厳なものがないと水産行政というものはまっすぐなものにならないのじゃないか。そういうふうにいかないのじゃないか。あまりにも私は経営者の連中と申しますか事業者の人たちは甘え過ぎると思う。そういうふうに甘えさせておってはいけないのではなかろうか、私はこういうふうに思います。ただそういう意味でこのことを私は言いたかったわけなんです。 ついでですから言いますが、四十年一月一日から四十年十二月三十一日まで、この一年間で、専業で代船建造一回のものが百二十八、二回のものが三十五、三回のものが十、兼業で代船建造が一回が三十六、二回が四、四回が一、こういうことで、一年の間に代船建造を四回もやるなんておかしい話です。実際上の問題としてそんなことがあり得るのかどうか。これは、このこと自体に対しては答弁を求めませんから、水産庁のほうで数字をひとつ調べておいていただきたいと思いますが、私が要求しますのは、専業たると兼業たるとを問わず、何か法の裏をいっておるような面がある。 これは大体許可のあり方に問題があると思うのですが、いまここで許可のあり方を論議しながら結論を出すなんて、そう簡単なものじゃないと思う。いま出しておる指定漁業の許可というのは、物権でも何でもないはずなんです。ところがこれが物権化して、トン当たり二十七万も三十万もといわれておるわけです。いまあまり出ないようですが、北洋の鮭鱒になればトン当り百万だという。そういうべらぼうな価格をつけられるように物権化しておる。これが金融機関の担保物権にもなっておる。そういうあり方が一体いいのかどういということなんですが、いまそれで動いておることは事実です。あるいは大混乱もないかもしれません。しかし、それでいいかどうかということは、やはり許可のあり方というものに対して真剣になって考えてみる必要があるのではないか、十分討議をしてみる必要があるのではないかと私は思います。 ここでカツオ・マグロの専業のものの一切を出せと言っても、これは非常に無理なことで出せませんが、兼業は百三十隻そこそこです。このカツオ・マグロを兼業しておる百三十隻くらいのものは、数字としてはあまり大きな作業をしなくても出るのじゃないかと思う。これの過去三カ年間の動きをひとつ資料としてもらいたい。兼業許可を持っておる経営者みずからがマグロ漁業をやっておるのなら、これはどんどん落としていけばいいわけです。そうでなしに、これを他に貸した、もっと率直に言えばチャーターという名義で他に貸しておる、しかもそれが何年間か続いている、こういうことになると、やはり私は問題が出てくると思う。本来ならば専業も兼業も通じて出していただきたいのですが、専業のほうはなかなか数が膨大なものになりますので無理ですから、兼業だけを資料として御提出願いたい。これは日を切りませんが、出していただけますか、それだけちょっと……。
○山中説明員 御要望の資料につきましては、できるだけ詳しく調べまして整えたいと存じます。
○赤路委員 もう一点お聞きいたしますが、FAOを中心にする国際マグロの保存委員会が設置されて討議に入るといっていますが、これはいまどういうふうになりましたか。
○山中説明員 ただいまFAOの総会において、FAOの事務当局から、世界の水産資源の保存と確保のための措置の一つといたしまして、許可をFAOが中心に出すという考え方で案が出たわけでございますけれども、日本といたしましては、このような案はなお時期が早い、それからまたFAOの性格から申しまして、そのような点までいくことはいかがかという点で、これは賛成はいたしません方針でまいっております。
○赤路委員 いまの御答弁のとおり、いますぐ割り当てなんということになりますとこれはたいへんなことになろうと思います。しかしながら、世界的に生物科学者の諸君が寄り、もう割り当てにしなければいけないのじゃなかろうかというような、そういう線が出るほど資源的に問題がある、こういうことは事実のようです。それだけに国際漁業については非常に注意をしなければならぬのですが、南氷洋の捕鯨の二の舞いを繰り返さないように、ひとつ十分検討をして対処していただきたい、私はこう思います。一応次長の話は了解いたしますが、それだけではこれもまたすぐ解決がつくという問題でもありません。ひとつ十分御検討を願いたい。 そこで、一言この際、変なことを言うようでありますが、以西底びきの乗り組み員なんですが、こういう話があった。これはお聞きおき願ってけっこうですが、若い乗り組み員が漁労長に対して、おやじ、あんたはもう十年もすれば船はおりてしまう、われわれ若い者はこれから長い間海で働いていかなければならぬ、だから種も残さないでとり尽くしてしまうということはやめてほしい、まあ笑いながら漁労長にそういうことを若い船員が言った。これに対して漁労長の答えというのが、孫や子供のものまでも根こそぎとろうとは思わぬ、子や孫はおれのあと取りじゃないか、殺すようなことができるか、こう言って笑い話で済んだというのです。私はこの話を聞いたときに、冗談であれ笑い話であれ、いままでと違ったものが乗り組み員の中に生まれてきておると思う。 いままでの日本の漁業というのは、率直に言えば、諸外国からは海賊扱いにされた。何かもう魚を見つければ領海もくそもあったものじゃない、山の上でも上がって追っかけていくなんというようなひどい話まで出るほど、漁業に携わる諸君が、たとえ冗談にもせよそういうふうに資源のことを考えてきていた。だから、これは私は大きな成長だと思う。あるいはまた労働組合自体もそういう空気の中で成長してきておる、私はこういうふうに思います。それだけに、私はやはり経営者の人たちもそういう面ではひとつ十分に反省をしてほしい、こういうふうに思いますし、同時に、水産庁でも行政に当たる諸君は、少なくともそういうムードが漸次出てきておるということをやはり踏んまえていかなければいけないのではなかろうか、こういうふうに思います。話が変なほうへそれたようでありますが、この点、たまたま私たちが研修会の中で発言をし、聞いた問題でありますので、参考までに申し上げたまでであります。 ここで、ついでですからお聞きしておきますが、六日から日米加漁業委員会が開かれておる。ここでアメリカ側の代表が第一日目に、北極洋におけるサケ・マスの操業はけしからぬというので発言をしておるわけです。私はこの問題については少し意見があるわけなんですが、おそらく無断でもって北極洋でサケ・マスをとった、それがアメリカのアラスカ北部の住民の食糧を非常に窮屈なものにしたのだ、こういう言い方のようです。私はあそこへ何隻も行っておるとは思っていないのだが、一体あそこへ何隻行っておるのですか。
○山中説明員 試験船として一隻、会社が出しておるわけでございます。
○赤路委員 一隻だけ試験操業という形で行っておる。試験操業という内容もいろいろありましょうけれども、少なくとも学術的な面をも加味した試験操業——従来日本は北極洋で、いかなる魚をとったということは私は聞いていないわけですが、北極洋へまで出ていって、そして学術的なものをも含む試験操業をやる。もしこれがアメリカの言うようにいけないのだということになれば、一体新漁場の開発なんというものはできっこない。どうしてやれます。行くところ、行くところそれぞれの関係国から何とかかんとかと言われたのでは、新漁場開発は成り立ちません。 もちろん、これはほかの魚と違いまして、サケ・マスでありますから遡上性があって川へのぼっていくのだかち、それはアメリカの言うこともわからぬことではありません。しかし、大挙押しかけていってあそこで操業したというのではない。ほんとうに学術的な面でなされておる。しかも、アメリカの北部だけではないはずなんです。私も調べてみたが、やったのはソ連側のほうの沖でも一やっておる。しかも、それは十二海里から中へ入っていってやったなんという船はないはずなんです。こういうものに因縁を——因縁と言うとおこられるかもしれないが、私は因縁だと言いたいくらいなんだ。やはりこういう面でも政府のほうはき然たる態度でもって、そして学術的な試験操業なら試験操業ときちっと割り切る。そしてほんとうに相手の国に迷惑を及ぼすような漁獲があり、あるいはまたそういうようなことをやっておるなら、辞を低くして相手国に交渉するなり、あやまるなりしていいと思う。ただ、まだまだ不明な海洋が多々あるわけなんです。もうこれからの日本の漁業というものは、新漁場を開発しなければならぬ宿命的なものを持っておる。その新漁場開発すらもできないのだということになると、私は非常に問題だと思う。この点、別段答弁を求めるわけではありませんが、いまついでだから申し上げたのですが、今後こういう面では十分御留意を願いたい、こう思います。 それから、年次報告の一六八ページ、この沿岸漁業関係ですが、「沿岸漁業および中小漁業従事者の福祉の向上」、この項ですね。ここにずっとこう書いて、「行政指導を実施した。」の次に第一として、「全歩合制を固定給プラス奨励金制に移行させるとともに、固定給部分を各人の平均報酬月額の六割程度の金額に引き上げ、また歩合金の算定基礎を直接総水揚高に置くようにする(大仲経費の廃止)こと。」第二に、「報酬支払簿に歩合金の計算過程を示す計算書を添付するとともに、報酬支払に当たっては、各人に支払明細書を交付すること。」とある。それから間は飛びまして、五番に、「船員に雇用期間一年について十二日以上の有給休暇を与え、一カ月について二日の休日を停泊時に与えること。有給休暇中の給料としては、1により定められた固定給部分および食費を支給すること。」この三点ですが、これは非常に重要な面だと思います。いままで日本の漁業というものが、ともすると国際信義を誤り、いろいろな面で問題を起こした最大のものは、やはり私はこの賃金制度がいけなかったんだと、こう思っています。 そういう面で、今度新しくこれを出されたということは、私は大きな進歩だと思う。 〔倉成委員長代理退席、委員長着席〕 こういうような行政指導をされたんだが、この結果はどういうふうにあらわれておるか、これなんです、知りたいのは。
○下浦説明員 お答えいたします。 ただいま御指摘の問題につきましては、これは毎年、実は運輸省の船員局長通達をもちまして、各都道府県あるいは各海運局長あてに通達が出されまして、これによりまして指導を行なうということになっておるのでございます。四十年度におきましても、運輸省と水産庁との間で協議をいたしまして、その船員局長通達を運輸省から水産庁長官のほうにいただきましたものを、水産庁長官名をもちまして各都道府県に流して指導を行なっておるのでございます。 そこで、この結果がどうなったかというお尋ねでございますが、ちょっと手元にこまかい資料を持っておりませんので、若干の間違いがあるかとも存じますけれども、一番の賃金体系の問題につきましては、これは漸次固定給を加味いたしました賃金体系というものが増加をしてきておるという傾向を見せております。ただ、全歩合給あるいは最低保障つき歩合給制度いうものもなおかなりございます。たしか私の記憶では、全歩合給が四五%程度になっておる。それから残りの二七%ずつくらいが最低保障つき歩合給とそれから固定給プラス奨励金、こういうような数字が出ておるように存じております。 それから、全体を平均いたしまして、この固定給部分がどのくらいに当たるかという問題でございますが、これもちょっと手元にございませんのであれでございますが、私の記憶ですと、約二割程度であったように記憶をいたしております。 それから、五番目の有給休暇の問題でございますが、この有給休暇の取り扱いにつきましては、御承知のとおり船員法上は、漁船の乗り組み員につきましては適用除外になっておるわけでございます。ただ、適用除外で放置をしておくというわけにはまいりませんので、このような指導通達を出しまして指導をいたしておるわけでございますが、なおこの問題につきましては、たしか本年に入りましてから、漁船乗り組み員につきましての労働時間の問題ということで、船員中央労働委員会ですか、船中労委で取り上げて、現在検討中でございます。ただ、検討が終わりましたのは、母船式漁業についてでございまして、逐次他の漁業種につきましても検討を加えていく、こういう段階になっております。
○赤路委員 いま御説明願ったように、賃金体系が逐次固定給に変わっていっている、そのことは私も押えてあるわけなんですが、私がこれを持ち出したのは、一ぺん通達を出したらそれでオーケーというものではなく、常に、どうだ、やっておるかと言うことによってやはりこれが進んでいく。ほっておけば、進むのでなしに逆に後退する懸念もありますから、十分ひとつこの点は御配慮を願いたい、そういうことです。 それからその次は、一六九ページの保健衛生の面ですが、「中型さけ・ます流し網漁業およびさけ・ますはえなわ漁業に従事する約一万三千名ならびにかつお・まぐろ漁業に従事する約一万六千名を対象とする洋上診療事業を行なう北海道水産会および日本鰹鮪漁業協同組合連合会に対し、医師および看護人の給料、旅費等を助成することとした。」とある。これは洋上診療に助成をしたというのですが、これはカツオ・マグロ及びサケ・マス関係、北海道水産会にどういうようなことをやっておるのか、それからこれに対する助成は一体どの程度出ておるのか、それを承りたい。
○下浦説明員 私からお答え申し上げます。 漁船の乗り組み員の保健衛生対策でございますが、これは御承知のとおり、一たん海に出ますと、陸上におきますところの無医村と同じような状態になっておるわけでございまして、特に集団的に漁船が操業をいたしておりますところにおきましては、とにかくいろいろな問題が過去において起こっておったわけでございます。たとえば、緊急入域をしなければならぬ、あるいは引き返してこなければならぬ、こういうような問題がございます。三千トン以上で乗り組み員百人以上の船舶につきましては、たしか船員法上でございましたか、医師を乗り組ませる義務というものが課せられておりますけれども、それを下回る規模の船が大部分であるということがございますので、四十一年度からこのような助成の措置をとるようにいたした次第でございます。 そこで、先ほど申し上げましたように、集団的に漁船が操業をいたしておるという漁業種類に着目いたしまして、北洋におきますサケ・マスはえなわ漁業、それから太平洋におきますカツオ・マグロ漁業という二つの業種につきまして、助成を始めたわけでございます。 なお、助成の内容といたしましては、医師と看護婦を乗せるということでございまして、それぞれその給料、手当て等につきましての定額助成、こういうことでございます。これは四十二年度に入りましてから、カツオ・マグロ漁業につきましてはインド洋が加わりまして、予算の規模といたしましては六百万円弱の金額ということになっております。カツオ・マグロ漁業につきましては、これに書いてございますとおり、日本鰹鮪漁業協同組合連合会に対しまして、それから北洋の鮭鱒につきましては、北海道水産会に対しまして助成を行なっております。
○赤路委員 もう金額のことは申し上げませんけれども、この洋上診療ということは非常に重要なことと思います。だんだん操業日数が長くなって、そして海上にいる期間が長くなってきているということは、これは事実なんです。それだけに、やはり洋上診断ということは、これは欠かせないことだと思う。ところが、御承知のとおり陸上でもなかなか医者が手に入らないというので、無医町村ができてはたついておるんです。船はなかなかそれ以上に、やはり医師を見つけ出すということは困難じゃなかろうか、こういうふうに思う。ある大手の会社は、二十八人医師があったのがたった六人に減った。それを十六人にようやくしたんだが、もう相当な経費をかけておる。そうすると、実際洋上診断と称しながらも、洋上診断という形には、よほど大きなものでないと、普通の中小企業のものは当てはまらない。おそらく私は現在はそうだと思う。洋上診断なんていってみたところで、病院船を出してやるというようなことはできるとも思いません。 ただ、この医師を三千トン以上の船、母船関係は全部入れなければならないが、そういうようなものですら雇い切れないというような状態、これで一体いいのかどうかということが問題になる。たとえば、早い話ですが、前に言ったように、せめてカツオ・マグロあるいはそれぞれの船の出るときに、出航前に一ぺん診断をやって、帰ってきたらまた診断をやる、このくらいのことは実施してもらわないと……。それすらも、一時やっただけであとはやっていないんです。そんなことをすれば乗り組み員が少なくなるというような考え方、これはいかぬと思う。だからこの面については、ひとつ水産庁は本気になって取っ組んでほしい。 もっと言わしていただきますならば、私は業界があげてこの問題と取っ組んで、何でもいい、海上医師事業団であろうと何であろうと名目はいいからつくって、それに政府が思い切った助成をして、そうしてもう義務制で、学校へ行くときからこちらのほうで確保して、その義務年限が終われば、さあ自由にしなさいというような思い切った措置を、私は政府だけでやれとは言わないが、こういう点に対して、業界も一少し考え方が甘過ぎる。もっと真剣になってこの点は取っ組んでほしい。そのことを、やはり水産庁のほうで御指導を願わなくてはならぬと思います。 だから、こういうことで変なイライラ病ですか、起こるわけです。これは週刊朝日ですが、「急増する漁船員の”洋上犯罪”」、「イライラそして殺人!」こういう事態が起こっていることは事実なんです。間違いない。しかも、これに対する会社側の批判、これだけ私は読みますが、「私たちも睡眠時間をまとめてとらせ、労働時間を短縮したい、とは思っている。しかしそのためには貧困な水産行政の姿勢を変えてもらわぬ限りムリだ。いまの政策は農業には厚いが、漁業は船主や船員の犠牲で支えられているようなもの」である、こう言っている。これはちっと言い過ぎだろう。言い過ぎではあるが、こういう空気のあることは間違いない。それだけに、私はやはり乗り組み員の保健衛生という面では真剣になって考えて取り組んでもらいたい。ともすると、乗り組み員のことは水産庁は関係のないように言って逃げる。それは運輸省の関係でございましょうが、これからはそうはいきません。だから真剣になって取っ組んでください。海難防止については、うしろに控えておる斎藤君がやるというので、斎藤君に譲って、私は海難防止はやらない。 それから、最後に聞いておきたいことは、災害関係です。白書にも書かれておるのだが、漁災、漁船保険の充実ということについては触れておる。ところが、それ以上のことは触れていない。特に先ほど言いましたように、漁業がだんだん機械化されていき、機械化されていく中で負傷者がかなりふえてきている、こういう事実がある。ところが、労働災害ということは一つも考えていない。だから、この点は相当水産庁のほうでも取っ組んでもらわなければならぬ。たとえば、もう北洋の母船などというものは、これはもう陸上の工場とほとんど変わらない。船の上にある陸上工場です。だから、そういう段階にあるだけに負傷者が非常に激増してきておるから、これは十分注意してもらいたい。これは希望です。 それから、答弁をもう一つもらいたいのがある。漁災制度の基本的な改善、拡充、こういうことを取り上げておられる。これはまことにけっこうなんです。できるだけ簡素化して、より多数の加入者を求めてやっていけるようにしていきたい、こう思いますが、この漁災と漁船保険のほうとが別々にあるのだが、これでいいと思いますか、その点だけ一点聞きたい。
○山中説明員 この漁業共済保険事業と、それから漁船再保険の事業、これは、究極の漁業経営に役立てるという点につきましては共通の問題があるわけでございますけれども、直接保険事業としての対象となりますると、対象もあるいは仕組み等も全く別のものでございます。それからまた、これができてまいりましたいきさつと申しますか、歴史のようなものも、一方は戦前すでにかなり以前からで、もう四十年になります。それから片一方は、まだほんの十年くらいでございます。したがいまして、現在の段階におきましては、両方の事業を統合するというようなことは、直ちには考えられないわけでございますけれども、今後は、このような問題につきましては、その関係しております団体とか、あるいは関係の漁業者の意向なども十分勘案いたしまして、慎重に検討してまいらなければならないというふうに考えております。
○赤路委員 もうこれで終わりますが、いまの漁災と漁業保険の問題は、できるだけいじりたくないというのが水産庁の考えです。率直に私は申し上げる。しかし、これはいまのままで放置してはいかぬ。対象は同じなんです。やはり対象は経営者なんです。いろいろといままでの経緯がありましょうから、だからそんなものは短時日の間にすぐひねり出せるというものではないと私は思うが、しかし、逃げちゃいかぬ。やはりまつ正面からこれに取り組んでいく、こういう態度を私は確立しておいていただきたい。 以上で私の質問を終わります。
○本名委員長 斎藤実君。
○斎藤(実)委員 最初に海上保安庁にお尋ねをいたします。時間もありませんから、簡単に御質問申し上げますので、ひとつ要領を得た答弁をお願い申し上げます。 日本の中小漁業の今後の問題点としてはいろいろあると思うのです。というのは、若年労働者の確保の問題であるとか、あるいは水質汚染の公害問題であるとか、さらにまた国際的な漁業規制による漁場の問題とか、あるいは海難防止の問題とかいろいろありますが、私は、その中で海難防止にしぼって御質問したいと思うのです。 先ほど申されましたように、沿岸漁業の不振、したがって、当然遠洋へ出ていくようになるわけです。ところで、その中でいろいろな悪条件が加わって海難が起きてくる。それで、昭和三十七年から四十一年までの海難による人命の損失の数字を見ますと、昭和三十七年には千百九十九人、三十八年には千百八十八人、三十九年には千百四十六人、四十年には千百五十三人、四十一年には千百四十五人というふうに、依然として千人以上、しかも、この場合は全損の被害による人命の損失だ。依然として横ばいである。陸上と違って死体が見つからないということ、これはあとに残された家族のこともさることながら、人命の尊重という意味で、現在の政府が常に公約しておる人命尊重の施策について、私は根本的欠陥があるのではないかと思う。依然として海難が絶えないし、どうして貴重な船体や人命が失われていくのか。私は、海上保安庁が海上における人命及び財産を保護するという役目を持っておるので、最初に、ひとつ海上保安庁の海難救助に対する基本的な考え方を承っておきたいと思う。
○井上説明員 海難事故が、従来と今日までほぼ横ばいの状態でおりますことは、私どもまことに遺憾に思っておるわけでございます。私ども海上保安庁は、ただいま先生の御指摘のとおり、海上における安全のために、人命尊重のためにい何よりも力をいたさねばならぬと思っております。そのように努力しているところでございます。 海難の発生のいろいろな原因はきわめて複雑だと思いますが、不可抗力による場合よりも、人為的な海難が相当数を占めているのではないかというふうに考えますので、私どもとしては、海難救助に出るよりも先に、海難の未然の防止ということが何よりも肝要と思いまして、その方面にもできるだけの努力をやってきているつもりでございます。 たとえて申しますと、これらの海難の諸原因を解析いたしますと、人為的の海難では、エンジンの不整備だとか、あるいは荒天のキャッチがおそかったとか、あるいは荒天に対して避難方法が適切でなかったのではないかとか、いろいろの状態が考えられるわけでございますが、これらを考えまして、漁労に従事する船の方々に対しまして、こういった荒天の対処の方法、気象の解析の方法、エンジンの整備の方法、あるいは航法に関するいろいろな海技関係の知識、そういったことを前広に教え込むといった形で講習会を実施しております。四十一年度におきましては千三十回ほどいたしました。また、北海道のほうのサケ・マス等の漁労に一斉に出ていくわけでございますが、そういった場合に、出発前に訪船指導をいたしまして、いま言ったようなことをよく理解してもらうというような措置を講じておりますし、また、天候をキャッチするためのラジオだとか、こういったものを必ず携行させるように、こういった指導をいたしております。また、単独の出航は、これは危険でございますので、集団操業するようにというようなことを勧奨しておる次第でございます。 何よりも海難は未然に防止したいという念願でございまして、事前の措置としてそういったことをやっております。
○斎藤(実)委員 次長さんからいろいろお話がありましたけれども、私が先ほど指摘をしたように、ここ数年来依然として減少していない。横ばいだ。そこで、たとえば行政は農林省、水産庁、それから救助のほうは海上保安庁、気象のほうは気象庁、船舶の安全については運輸省というふうにいろいろ分かれているわけですね。 そこで、一体この総合的な海難に対する責任をどこが持って、具体的にどういう仕組みになっているのか。私は、いろいろ漁民からも、また地方自治団体からも話を聞いてみると、非常に困るというのです。二十トン未満の船舶の検査も相当費用がかかるし、人手もかかる。それで、地方自治体のほうにやらしておるけれども、当然これは国でやってもらわなくちゃいかぬ仕事である。こういう声も聞くのです。気象庁のほうといろいろ錯綜しておるわけです。私は、こういった多岐にわたる行政の欠陥が、その運営の上に効率的にあらわれていかないのじゃないか、こういうふうに考えるのです。先ほど申し上げましたような水産庁、保安庁、気象庁、運輸省にわたるこの総合的な調整を、一体どこが持っているのか、その点をひとつ聞かしてもらいたいと思います。
○井上説明員 この問題は、私が御答弁してよろしいかどうかと思いますが、まあ私から申し上げますと、なるほど船舶構造あるいは設備の問題につきましては、船舶局がこれを監督指導しておる。また、乗り組みの方たちの技術の問題あるいは資格の問題、労働条件の問題等につきましては、船員局がこれを監督いたしております。航法、船の運航のしかたにつきましては、私どものほうが監督いたしておりますし、また、漁船の行政全般の問題につきまして水産庁が監督されておる。それぞれ分化されておりますし、また、この分化されることもある意味においては、専門化という意味でやむを得ないのではないかというふうに思っております。 ただ、これが海難防止のことに結集して、総合的な効果をあげるという点におきまして、私ども運輸省全体といたしまして、また、水産庁とも連絡いたしまして努力しているつもりでございますが、まだまだこの点は不十分かと思われます。今後ともその点はなお改善していきたい、こういうふうに考えます。
○斎藤(実)委員 いろいろな要素もあり、条件が加わってそういう海難が起きるということは想像がつくわけですが、不可抗力というようなものも、私は、行政の力で解決することも不可能ではないと考えるのです。後ほど私はいろいろな実例を申し上げます。 次に、気象庁に対して御質問申し上げますが、御承知のように海上の風の強さは、陸上よりは五割ほど強いということは常識になっております。海上気象は陸上に比べて非常に不安定であるということも、これまた同じだと思うのです。しかし、観測体制については、陸上から比べれば非常におくれている、こういうふうに言っても過言ではないと私は思うのです。陸上であれば、正確な予報を出すに必要な高層気象の観測は、全国には十数カ所あります。ところが海上では、定点観測が南方のほうに、四国沖ですか一カ所よりない。北方のほうには依然としてない。この点について非常に問題が多い。 そこで、特に私は北洋海域の事故について若干申し上げたいと思うのです。昭和三十五年には、漁船の海難件数は三百五十三そうで二百四十五人の人命が失われておる。昭和四十年には、三百八十三そうで三百八十二名の人命の損失、四十一年には、三百八十七そうで二百六十四人。ですから、全国における漁船の海難事故の三〇%を占めている、こういう現状です。それで人命ばかりではなくて、船体、機材等やはり一年間に百五十億程度の損害をこうむっている。こういう北千島あるいはカムチャツカ、沿海州等の広大な地域を持っている北方に対して、定点観測がなされていないということは問題である。この点について、気象庁の考え方をひとつ聞かしていただきたいと思います。
○今里説明員 ただいま先生のおっしゃいましたとおり、地方に定点観測船を配置しておりません。私どもは、大洋における高層気象観測は、海難事故の防止のためだけでなく、全般に気象予報の確度を向上させるために非常に必要だと感じております。 ところで、定点観測の問題でございますが、これは世界気象機関におきまして、世界じゅうで最も緊急なところ、そこへ、さらに現在あるよりも七点ばかりふやすということを国際会議できめております。その点は全部南半球にございまして、北半球にはございません。七点全部南半球でございます。そういうわけで、北方に定点を置く必要がないということは全然おかど違いのことでございまして、それとは無関係に、日本はやはり日本の立場から考えなければいかぬと思うのであります。 ところが、一つの定点観測を開始し、それを運用していきますためにはばく大な費用がかかります。それで、私どもは世界気象機関のいろいろな討議の結果等を参酌いたしまして、定点観測と同じような効果のある他の方法を研究してまいりました。それは、たとえば移動する船舶の上に高層気象観測を行なうところの班、チームと申しますか、それを乗せまして高層気象観測をするというような手段を講じますと、定点観測を実施するよりもはるかに経済的に、しかもより多くの観測点で高層観測を実施することができるわけであります。 それから、そのほかにも、たとえば、ある程度の高い上空に浮遊気球を放ちまして、それによって連続的にゾンデ観測と同じような効果のある観測を実施するというような案も考えられており、一部ではすでに実行されたところもございます。そういうふうないろいろな手段を考えまして、より経済的に定点観測と同じような効果のあがる観測を実施したい、こういうふうに努力しております。 以上でございます。
○斎藤(実)委員 予報部長さん、私は稚内の地方気象台、それから釧路の地方気象台に行きまして現地の声を聞いてきたわけですが、こういうことを言っているんですよ。函館と札幌に気象台がありますが、この範囲は大体二百キロ程度が限度であり、洋上の遠いところの予報観測までは全然わからない、もっと的確な予報が出せないものだろか、われわれとしては別になまけているわけではないのだ、こういうふうに訴えておりました。稚内では、各地のデータを聞いてあとは勘で補う以外にないのだ、それからあとは漁船からの気象情報提供を待つのだ、ところが、大体漁船からの気象情報というのは、たいてい目測か不正確なデータが多い、さらに、その漁場の穴場を知られたくないというのでなかなか教えてくれない、もっと適切な気象観測ができるように力を入れてもらいたいというふうに、真剣になって言っておりました。あなたもおっしゃったように、そういう設備を考えているというが、それではいつ、どういうふうにやるのか、具体的にひとつ聞かしてもらえませんか。
○今里説明員 ただいま先生が御指摘になりましたのは、気象レーダーのことかと存じますが、そのことについて、私どもの計画を御説明いたします。 御指摘のように、現在気象用のレーダーがございますのは、北海道におきまして札幌と函館の二カ所でございます。函館は道南地方の沖の海をカバーいたします。それから札幌では道西と申しますか、向こうの海の一部をカバーしております。ところが、道東、道北につきましては、現在のレーダーの観測網の体制では全然カバーはできません。そこで、レーダーネットワークの年次計画に基づきまして、昭和四十四年度には釧路に、それから四十六年度には稚内に、気象用のレーダーを設置したいと努力しておるところでございます。 それから、漁船からの気象情報につきまして一言申し上げますと、そういうようなレーダーの威力も及ばないような海面からの漁船の気象情報というものは、私ども気象関係者にとりまして非常な価値がございます。でありますから、函館、釧路の気象官署は気象庁本庁とテレタイプ回線で直接に結びまして、気象庁の本庁のほうから海上警報その他気象概況を常時最新のものを伝えるとともに、漁船からの通報を、所在の漁業無線局に入りましたものを、所在の気象官署経由で本庁のほうに集めていくという施設をつくりまして、それによりまして、従来よりも漁船の情報をよりよく入電するようにしたいと思っておりますが、遅々としてなかなかすみやかには実効があがりませんけれども、漁船のほうにもお願いいたしまして、そういう方法で気象状況の把握につとめ、それをもとにして予報なり警報なりの的確性の増大に資したいと努力しておる次第であります。
○斎藤(実)委員 予報部長さんから真剣になっていろいろ御答弁がありましたが、特に台風ですと、年に二、三べん来るということは大体わかりますけれども、冬の北洋は低気圧が発生する率が非常に多いし、暴風圏内も一千キロから二千キロというふうに大型なんですね。したがって、私が先ほど申し上げたゆえんは、北洋の海の気象は非常に複雑できびしいという現実の中から、特に北洋の操業の安全という意味で力を入れてもらいたいということを申し上げておるわけですから、予報部長さんがおっしゃったように、何よりも的確な予報観測というものを漁民は期待しておるわけですから、ひとつ今後も力を入れてもらいたいということを要望して、気象庁のほうは終わります。 次に、海上保安庁にお尋ねしますが、先ほど申し上げましたように、一向に減らないこの海難事故に対して、警備体制が質、量ともに非常に弱体であるというふうに私は言わざるを得ないのですが、保安庁としては警備体制について将来どういう構想を持っておられるのか、聞かせていただきたいと思うのです。
○井上説明員 まず、救助体制の一環といたしまして、海難発生の情報を確実に、しかも、いち早くキャッチすることが必要だと思います。したがいまして、現在私どものほうの体制といたしましては、各出先の保安部長にも、二十四時間ウォッチの体制をしく場所、あるいは時間を区切りましてウォッチする場所を含めまして、全部署がそういう体制に入っております。また本年五月に、指摘されましたように沿岸区域以上の航行区域を航行する一般船舶並びに二十トン以上の漁船につきまして、遭難信号の自動発信機の設備を義務づけたわけでございまして、これが非常に役立っていると思います。海上保安庁は、この自動発信機から発信いたしますものが呼び出し符号と遭難信号とございまして、その位置をキャッチするために方位測定局を設けておるわけでございますが、本年度で、日本国沿岸ほぼ全域にその装備が完成するような状態になっております。それからまた漁船は二十七メガの周波数の無線機を持っておるわけでございますが、これに対応しまして私どものほうの巡視船艇にも、それがいち早くキャッチできるような体制に着々整備しつつある状況でございます。 以上は、主として通信関係のことでございますが、救助体制といたしまして、海上保安庁では巡視船八十八はい、それから巡視艇が二百八はい、航空機が十六機、これだけをもって全国の基地、部署に配置しておりまして、海難の情報をキャッチいたしますと、これをそれぞれ出しまして救助に当たらせるわけでございますが、なるべくすみやかに現場に到達できるようにということで、ただいまの体制といたしましては、海難の多発する水域、ここには常時船がかけつけられるような前進哨戒というような制度をとりまして、必ず現場には一ぱいは近くを航行している、情報をキャッチすればすぐにその場から現場に短時間で行けるようにというふうな体制にいたしておりまして、先生から、現在の八十八はい、二百八隻のこういった船、これは質として貧弱ではないかという御指摘でございますが、私どもも、これらの船の中には老朽船もかなりございますし、こういった船がなるべく早く新しい船に代替されることを希望いたしますし、なお、より性能のすぐれた船を増強していきたいという希望は切実なものがございます。そのために努力は惜しまないつもりでございますが、国全体の財政の関係で、一気にそういうところまでいくわけにはまいりませんので、質の向上には、年々改善しつつ、新しい施設その他の増強もはかっていくという現況でございますので、御了承願いたいと思います。
○斎藤(実)委員 私は、実例を申し上げたいと思う。一管区、これの受け持ち範囲は、北海道の十倍ですから七十八万平方キロメートルですね。この中で、北海道は三十四隻が配置されております。そのうちの半分は大体二十トンから三十トン級で、中には廃船寸前のおんぼろ船も相当入っておるわけです。これは当てにならぬ。残った船は、大体百三十トン三そう、二百七十トン二そうで、これも基地周辺を走り回るのが精一ぱいだ。そうすると、十一そうで北海道の十倍の広さの海を分担せざるを得なくなるわけです。ですから、ほとんどの船は巡視船からはるかかなたのところで操業しているわけです。三百五十トンから四百五十トンの巡視船は中部千島が限度でしょう。「えりも」あるいは「宗谷」等はこれは千トンから二千トン、こういう船があと三ばいか四はいほしいというのが切実な漁民の声なんです。ですから、私は、人命尊重ということは何の施策よりも優先して、はるかかなたの海で氷と荒波にもまれて操業している漁民の立場を考えて、当然これは重点的にやるべきだと思う。あなたは総理大臣みたいなことを言っておりましたけれども、ひとつその気持ちでがんばってください。 それから、もう一つ海難救助に要求されるのはスピードです。海では、御承知のように五分以上つかっていれば死んでしまう。いまの巡視船の平均速力は十二ノットです。大型の「宗谷」でも十六ノットです。ですから、五百キロから千キロ離れたところへ行くのには一日か二日かかるわけです。これはある巡視船の乗り組み員の話ですが、北海道から千キロくらい離れた北千島からSOSをキャッチした、一管本部では、最大の努力をして待てというふうに返信するわけです。それで十六ノットでも二日かかる。もう沈むのだといってSOSを発した船が、二日間も待てるわけがないでしょう。ですから巡視船の乗り組み員が、われわれは船員の死亡を確認するために出動するのだというふうに言っておるわけです。これでは何のための救助体制か。理由はいろいろあるでしょうけれども、最大の効果をあげて人命救助に効果あらしめるという、そういう政治姿勢が必要ではないか。ひとつこの点もう一度強力にやってもらいたいと思う。 それで、いま次長から話がありましたように、造船計画は年度別にきまっているのですか。何トンの船が何年にというふうに、そういう計画があればひとつ示してもらいたい。
○井上説明員 大体私どものほうで、現有勢力の老朽部門がどういう船で、船齢が何年で、これは代替建造の対象としてやるという振り分けができておりまして、私どもの一つの試算として、何カ年計画かの計画を持っております。しかし、これはきまったものではございませんが、本日資料を持っておりませんので、先生のところに別途御報告申し上げてよろしければ、そうさしていただきたいと思います。
○斎藤(実)委員 けっこうです。 さらにお尋ねしますが、救助状況の推移を見てみますと、昭和三十七年に保安庁が救助したという数が千百十九名、それから民間の漁船、船舶、それが救助した数が七百六十一名、昭和三十八年保安庁が千三十九名、民間が八百十七名、昭和三十九年保安庁が九百四十七名、民間が八百三十四名、昭和四十年保安庁が九百二十二名、民間が八百三十六名、昭和四十一年保安庁が千四十九名、民間が八百五十二名、こういうふうに民間の船舶が救助しているのは相当多いわけです。 そこで、救助する場合には油もかかるでしょうし、消耗品だとかあるいは食糧、人件費等相当かかるわけですけれども、この点について、政府として、民間のそういう救助した人に対して何らかの助成措置なりをいままでやっているのかどうか、お答え願いたいと思うのです。
○井上説明員 海難の救助につきまして、船体の救助あるいは積み荷の救助という財産の救助に関しましては、これは有償のたてまえで律せられておるわけでございますが、人命の救助につきましては、これは国際的にも有償の制度はないわけでございます。しかしながら、最近のように一般船舶が非常にスピード化されて、そういったような状況におきまして、僚船なり付近を航行する船舶が海難船の救助にあたるということはたいへんなことだと思います。そういった意味で、人命救助した場合も救助費用の負担制度を何らか考えるということがいいのじゃないか、また、それが海難救助意欲を促進するものではないかという意見もございまして、私どももこれを検討いたしました。 しかしながら、実際にこういった制度をつくりますときに、賦課金の徴収の問題だとか、救助費用の支払いの問題等、なお詰めなければならない問題が多々ございますので、それを十分に検討いたしませんと、こういった形の制度はいまのところむずかしい、もう少し時間がかかるような感じがいたします。
○斎藤(実)委員 私も、人命救助をした民間の漁船の船長なりあるいは漁労長と会って話を聞きましたが、とにかく前には三重衝突で、助けに行ったほうも事故を起こしているわけです。それくらい危険な作業なわけです。それで、航海途中にそういう問題があれば、とにかく自分の仕事を投げてそれの救助に当たる。それは時間的にもあるいは経済的な面からも相当な犠牲を払うかっこうになるわけです。ですから、当然これは海難救助基金というようなものを設けて、そこに政府が何らかの助成をすべきである。何らかのそういう財政的な援助を与えなければ、救助しようという意欲は失われてしまうのじゃないか。そういう一つの大きな財政的な裏打ちというか、政府がもう少し力を入れなくちゃいかぬのじゃないかというふうに私考えるのでありますが、この点についてどうでしょうか。
○井上説明員 先生のおっしゃるとおり、こういった出動費あるいは燃料費の補助という形を国も加わってやることは、私も好ましいと思うのです。したがいまして、そういう意欲はございますが、先ほど申し上げましたように、それを実行いたします場合のいろいろの費用の徴収方法だとか、支弁の方法だとか、なお詰めなければなりませんので、ただいま検討しているという段階でございます。
○斎藤(実)委員 水産庁来ておりますか。——いま私が申し上げましたように、民間の海難救助に対する救助基金という構想に対して、水産庁として、財政的な裏打ちをして、より一そうその海難救助の効果あらしめるという態度をお持ちになるかどうか、伺いたいのです。
○山中説明員 海難救助基金の制度は、先ほど保安庁の次長からもお話がございましたように、保安庁のほうで昨年度いろいろ研究され、私どもも御相談を受けております。私どもも御趣旨は全く賛成で、できるだけ早い機会にこのようなものができればよいと考えております。 なお、私どものほうの関係の、遠洋マグロの漁業組合の中には、自分たちが漁業協同組合の中で基金を積み立てまして、それらに対しましての課税の軽減あるいは免除という点を希望いたしておりまして、それらの措置によって、ある程度救助に向かう場合の燃料費その他の相互扶助ということをやっておる例もございます。
○斎藤(実)委員 漁業協同組合とかあるいは船主間において、互助的な立場でやっているところもあるでしょう。けれども、性質が性質だけにもっともっと、先ほど私が申し上げましたように、人命尊重、人命救助という施策に最大の力を入れなくちゃならぬじゃないかと私は思うのですが、その点について、ひとつ本腰を入れてやってもらいたいと思うのです。 次に、運輸省にお尋ねをします。現在二十トン以上の船舶に対しては、船舶安全法によって検査をするという規定がありますが、二十トン未満にはないわけですね。それで、たとえ二十トン以下でも、車に車体検査があるように、船舶の安全、人命保護という立場から、これはいろいろな悪条件があるでしょうし、人手の問題も経費の問題もあるでしょうけれども、船舶安全法を改正して、船舶の安全という意味から船体検査をすべきではないか、最近海難の事故が減らないという中から、こういう声が非常に強いのです。これに対してどうでしょうか。
○藤本説明員 船舶局長が海外に出張しておりますので、かわりまして先生の質問に対して私からお答えいたします。 ただいま御指摘になりましたのはごもっともなことと存じます。総トン数二十トン未満の漁船につきましては、御指摘のとおり船舶安全法の適用を除外されておりますけれども、都道府県知事が運輸大臣の認可を受けまして、規則を制定し得る制度となっております。これらの小型船の安全性を確保することにつきましては、現在、造船技術審議会で審議していただいておりますが、この種の小型の船舶は、全国的に見まして、その船の形とかあるいは操業実態が千差万別でございまして、また、ローカル色が非常に強いものでございますので、船舶安全法を適用いたしますために適切な施設基準というものを作成いたしますことが困難でございますし、なおまた、作成いたしますにつきましても相当の期間が必要でございますので、現在のところ、水産庁とも協力いたしまして、まず、この種船舶の安全基準作成のための調査研究を行なう予定にしておる次第でございます。
○斎藤(実)委員 先ほど、二十トン未満の船舶に対しましては、都道府県知事が認可を受けて必要な規則をつくることになっておるということですが、地方自治体は国の委任事務が非常に多いし、たいへんなんです。財政も苦しい。なるほど地方自治体にそういう権限を与えていますけれども、それじゃ財政的な何か裏づけがあるかというと、何もない。ですから、地方自治体も非常に困っておるわけです。予算があるわけでもないし、何らの助成措置もない。人命保護という立場からいけば、船舶の安全は国で全部責任を持ってやるべきだという声が非常に強いのです。今度の地方自治体の知事に権限を与えるというものは、私はとるべきじゃないかと考えておる。どうでしょうか。
○藤本説明員 先生のおっしゃる点はごもっともと存じます。ただし、大型船の場合は国が責任を持ちまして安全性というものを確保いたしております。それから、小さな船につきましては地方自治体においてやってもらおうということは、航行区域の問題も出てまいりますので、こういう問題が解決いたしましたならば、そういう方向になるのではないかと考えます。
○斎藤(実)委員 私が申し上げておるのは、海難事故の七割は大体二十トン未満の船が多いわけです。ですから、当然そこに正しい、そしてまたきびしい検査が必要ではないか。それで初めて不慮の海難を減らしていくということになる。そういう意味で私は申し上げておるわけです。二十トン以上のものは非常に大型だ、先にやるのだというそれは逆じゃないか、私はこういうふうに考えるのです。それこそ乗り組み員も多いでしょうし、設備もいいでしょうし、船も大型だ。それよりも、遭難が多い二十トン未満の船をどうするかということが、最重点に考えられなくちゃいけないというように考えるのです。そういう意味で申し上げているのですから……。 次に、船舶の遭難防止に無線あるいは救命具、これもまた大きな問題だと思うのです。これは実例ですけれども、第十二栄登丸という三十九トンのスケソウ船ですが、留萠沖で操業中にSOSがあったわけです。たまたま二日前に消息を断った漁船を捜索中の巡視船がそこにおったわけです。ですから通信を送りながらすぐ行ったわけです。ところが、八人の乗り組み員というのは全然姿も見えないし、もちろん船体もない、こういう実例。またもう一つは、これは釧路沖で起きた事件ですが、小型流し網の六・九トン、これもSOSを発したので僚船が現場に急行して、二日後に現場へ行った。前のほうは二十五分くらい、これは二日後です。ところが十三人が残っていた。ゴムボートに乗って漂流していて救助された。ですから、前の実例は二十五分か三十分の間にもうそこでなくなっていた。ところが、この船には救命ボートが積んでなかった。これはいずれも小型船舶です。 それで小型船舶に対しても、救命具あるいはSOSの無線機材というものを、どうしても何らかの法規制をして、それに対して何らかの財政措置を考えて、それをスムーズにやれるような政策が必要ではないかと考えるのですが、この点どうでしょう。
○藤本説明員 ただいま先生のおっしゃるとおりでございまして、当面の措置といたしまして、先ほど申しました都道府県知事が規則を制定するために、特にことしの六月六日に運輸大臣の通達で、都道府県知事及び地方海運局長に、具体的な規則の手本例を添えまして、積極的に規則の制定方を促進するように依頼しておるのでございます。その中に、先ほどおっしゃいました最大塔載人員とか、救命具とか、消防とか、そういう事項につきまして、規則の手本の中に織り込んでおる次第でございます。ただいまそういう措置をとっておるのでございます。
○斎藤(実)委員 二十トン未満には、そういうふうに法で、当然これは設置しなければならないという基準があるのかないのか、どうなんですか。
○藤本説明員 二十トン未満につきましては、そういう基準はきめておりませんが、その手本の中に、そういうものをつけなさいというように書いてございます。
○斎藤(実)委員 そういうものをつけなさいというふうに行政指導しているわけでしょう。これは、北海道の村や町では、当然国でやってもらいたいといっている。ところが、そういうものが何もないものですから、乏しい財政の中から七十万なり八十万出して、そしてゴムボートをつけさしたり、あるいは補助をしたりしているわけです。ですから、一片のつけなさい、やりなさいということではなく、それを今度は助長するような何らかの措置が必要ではないか。あまりにやりっぱなしな、責任を回避するような、そういう政治姿勢ではならないと私は思うのですが、そういう考えがあるのかどうか、伺いたいと思うのです。
○藤本説明員 先生のおっしゃるのはごもっともでございまして、いまの段階におきましては、すでに御説明申し上げた方向でやっておるわけでございますが、当然そういう設備がつけられることが必要であると思います。
○斎藤(実)委員 時間もありませんので、質問はこれで終わりますが、先ほどからの答弁を聞いておりまして、私は非常に残念だ。と申しますのは、先ほども申しましたように、この数年間依然として減らないという事実、それから、それでは具体的にどうするかという積極的な姿勢というものが見られない。ではかわいそうなのはだれだ。漁民だ。私も、北海道ですからずいぶん陳情を受けるわけです。非常に悲惨なのは、陸上であれば死体が見つかりますけれども、とにかく死体が見つからない。その精神的なショックというものはたいへんなものなんです、あとに残された家族の立場に立って考えてみれば。そういう方たちが全国に相当いるわけですよ。千何百人というものが毎年なくなっておるわけですからね。それから北海道だけでも、船体、機材だけでも年間何十億という損害を受けておる。それに対して政府がほんとうに責任を持って、少しでも海難をなくしようという姿勢が見られない。こんなことでは、人間尊重という政治の姿勢がくずれてしまうのではないか。 きょうは大臣も長官もいらっしゃいませんから、くどくど申し上げませんけれども、当事者である皆さんが、ひとつより一そう覚悟を新たにして、この問題に取っ組んでもらいたいことを最後に要望して、私の質問を終わります。
○本名委員長 本日はこれにて散会いたします。 午後四時三十五分散会