農林水産委員会 第5号
- 発言数
- 278 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1967/10/09
会議録
○仮谷委員長代理 これより会議を開きます。 本名委員長が海外出張中につき、委員長の指名により、その職務を行ないます。 この際、御報告申し上げます。 長らく本委員会の理事として御活躍をされておりました東海林稔君が、去る一日、奇禍により急逝せられました。つつしんで御報告申し上げます。 この際、故東海林稔君の霊に対し、ここに哀悼の意を表し、黙祷をささげたいと存じます。御起立をお願いいたします。 〔総員起立、黙祷〕
○仮谷委員長代理 御着席を願います。 ————◇—————
○仮谷委員長代理 この際、理事補欠選任についておはかりいたします。 ただいま、理事一名が欠員となっております。つきましては、その補欠選任をいたさなければなりませんが、先例により委員長において指名いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○仮谷委員長代理 御異議なしと認めます。よって、理事に赤路友蔵君を指名いたします。 ————◇—————
○仮谷委員長代理 農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。 この際、でん粉等の政府買い入れ価格等について説明を聴取いたします。倉石農林大臣。
○倉石国務大臣 ただいま、委員長からお話がございました四十二年産イモでん粉の価格につきまして、本月七日に決定をいたした次第でございます。ただいま、それを事務当局から御報告いたさせます。
○大口説明員 四十二年産イモでん粉価格の決定につきまして、内容を御説明いたします。 まず、カンショでん粉三十七・五キログラム当たり、原料基準価格三百六十円、引き取り運賃十三円五十銭、基準歩どまり二四%、買い入れ基準価格二千円。 次に、カンショ平切り干し三十七・五キログラム当たり、原料基準価格三百六十円、歩どまり三五%、買い入れ基準価格千三百五十円。 バレイショでん粉(精製でん粉)三十七・五キログラム当たり、原料基準価格二百六十五円、引き取り運賃二十四円七銭、基準歩どまり一六・五%、買い入れ基準価格二千百九十円。 バレイショでん粉(未粉でん粉)三十七・五キログラム当たり、買い入れ基準価格二千百五十五円。 以上でございます。 ————◇—————
○仮谷委員長代理 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。芳賀貢君。
○芳賀委員 ただいま、農林大臣から報告のありました本年度産のカンショ、バレイショ並びにでん粉等の価格決定の内容について、農林大臣にお尋ねいたします。 まず、第一に農林大臣の所信を尋ねたい点は、昭和二十八年に農安法が議員立法をもって制定されて以来十五年を経過するわけでありますが、この農安法の定めるところによりますと、米価審議会のごとき独自の諮問機関というものはないわけであります。しかし、重大な農産物の決定を単に政府の行政権だけに恣意的にまかせるということは、往々にして大きな誤りをおかすことが考えられますので、審議会にかわる適正な審議の目的を加味いたしまして、政府は、価格決定前には必ず当農林水産委員会に対して、政府の決定上の方針の内容あるいは作業の内容等について事前に説明等を行ない、また所管の農林水産委員会としては、重要な国産のイモでん粉等の生産対策に関し、あるいはまた畑地農業の振興対策等については、国政の中で重要な問題でありますので、これらの角度からも十分な検討を加えて、政府が行政的に価格を決定する場合には、その以前に委員会としての意向をも十分反映して、適正な価格決定が行なわれるように委員会としては従来つとめてきたわけであります。これが十五年間にわたる歴史的な経過であります。 ところが、今回の場合には、一度も委員会等に対して内容の説明等を行なうこともなく、今日の委員会が先月の九月九日にすでに開催が決定され、本日の委員会においては、当然重要な案件であるイモ類でん粉等の価格の問題について審議を行なうということが予定されておったわけであります。それにもかかわらず唐突として、あたかも委員会を無視する態度で、逃げるがような姿勢で七日の日に、まことに不当に安いイモ類やでん粉の価格を決定したということに対しては、単に私ども社会党の委員という立場ではなくて、当農林委員会全体の立場から見ても、これは理解に苦しむところであります。したがって、このような今回の異例な農林大臣の価格決定に対して、その真意と目的が那辺にあったかということを明らかにしてもらいたいと思うわけであります。 それと同時に、あわせてお伺いしたい点は、十月の七日は、農林大臣は早朝東京を出発されて、新潟県の災害視察に出張をされておるわけであります。重要な価格決定を行なう場合に、しかも主管の農林大臣が不在である、こういうことは、部下に一任しておるということだけでは相済まぬ問題であります。一体農林大臣としては、この畑作農業の基本をなすところのイモ類でん粉等の価格の決定、あるいは最近イモでん粉の自給率というものは非常に低下いたしまして、農林省当局の説明によっても、四十二年イモ年度におけるでん粉類の需要見込みは百三十万トンであります。それに対して、国産のカンショでん粉の生産見通しは四十五万トン、バレイショでん粉については二十万トンという推定をしておりますが、これを合算いたしましても六十五万トンにすぎないわけであります。そうすると、一年間のでん粉の需要に対しまして国内の供給力は、すでにその半ばにしかすぎないというようなことになっておりまして、単にこれはイモでん粉だけではなくて、農林省が所管するところの大豆、なたねの問題等にしても、ほとんど国産の供給に期待することができないというほど生産の低下を示しておるわけであります。こういう大事な時期に当面した場合において、価格決定の最終段階に肝心の農林大臣が不在である、農林大臣不在のままでかかる決定を行ない、しかも、農林委員会無視の態度であえて決定したということに対しては、絶対にわれわれとして了解することはできないわけです。 もちろん、当委員会といたしましては、できるだけすみやかに適正な価格を決定すべきであるということは、しばしば政府に指摘した点でありますが、それは適正なる価格を適正な時期に決定すべしということであって、安い価格を早くきめるということは、われわれは一度も指摘したことはないわけであります。いま説明のあったような不当な低い価格で決定した場合においては、この決定というものが、いたずらに現在のイモ類あるいはでん粉の取引価格を冷却させるという作用しか持たないということは、これは農林大臣においても御承知のとおりであります。 したがいまして、まず冒頭に、この決定の態度に対しまして、農林大臣から具体的な理由に対する説明を願いたいわけであります。
○倉石国務大臣 イモでん粉の価格は、イモの生産農家の経営の安定と農家所得の確保ということを念頭に置きまして、いつも価格が適正に決定されておると思う次第でございますが、政府が農産物価格安定法に基づきまして定めることとなっておりますこの価格は、従来、農林水産委員会にイモでん粉対策についての小委員会が設けられまして、御審議をいただいてまいっておることもよく承知いたしておるわけであります。 このたびは、イモでん粉の価格につきましては、なるべくすみやかに決定すべきであるということをしばしば私どもにも申し入れがございまして、また、私は先般来、ぜひ羽越の豪雨災害の現状を見てまいって、政府部内に設けられてあります対策本部に対する私どもの発言に、自信を持って発言をいたしたいために、この目で災害の現状をよく視察してくる必要があると存じまして、七日、八日と地元の者の案内で新潟県を視察いたしたわけで、本日はまた、その対策本部の部長をいたしております総務長官も新潟に出てまいりまして実情をよく現地で見ており、その上でさらにわれわれの対処すべきことを相談いたしたい、こういうことで出てまいったわけでありますが、その出てまいる前日及び前々日、いろいろな方がお見えになりまして、たとえば農政調査会でありますか研究会でありますか、そういうような方々もお見えになりまして、そういう国会議員の方々も入っておられる会の方々も見えて、いろいろな要望もございましたが、なるべく早く価格を決定すべきである、こういう御要望がありましたので、私は事務当局を督励いたしまして、私が出発前に大体の計算をいたしまして、そこで大筋を指示いたして出発をいたした次第であります。したがって、最終的に政府部内において相談をいたしまして、私の指示いたしましたものと最終のものとの調整をはかって、最終的決定については、新潟県災害地の出先に私の指示を受ける電話の連絡もありまして、私は種々判断をいたしました結果、適正なものであるということを判断をいたして、これを許可いたしたような次第でございます。 そういうことで、生産者からもこのたびの決定につきましてはいろいろ御要望があり、なるべく早期に決定してもらいたいという御熱心な要望もありましたので、今回はこのたびのような決定の方式をとった次第であります。
○芳賀委員 いまの大臣の答弁によりますと、先月の九月九日に、本日の委員会を開催することが委員会において決定されておるわけでありますが、それは農林大臣としては十分承知しておられると思うわけですね。ですから、十月の九日に農林水産委員会が開かれる、しかもその委員会の主要な案件は、例年のごとくイモでん粉の価格決定に対する重要な審議を行なうということは、これは当然承知されておったと思うわけであります。それをあえて十月の七日に決定したということは、委員会を全く無視した疎外の態度であります。決定については、法律で定められておるとおり、農林大臣の行政的な権限できめることができるのであるから、委員会の意向とか委員会に対する審議の時間をとるということはする必要がない、ことしからは全然国会と無関係な立場で、農林大臣の権限でこれを決定していくということを、農林大臣が方針をきめて食糧庁長官に行なわしめた、こういうことですね、いまの御答弁は。
○倉石国務大臣 国会にもう何も協議する必要はないということを、私がそういう決定をいたしたということはございませんで、ことしは、いま申し上げましたようにいろいろな要望もございますし、また、生産者も早く決定してもらいたいという要望を出され、先ほど申し上げましたように国会に籍を置かれる方々もいろいろ御意見を述べられて、そして早期に決定することを要望されましたので、私はなるべく早いほうがいい、こういうことを考えた次第でありまして、別に他意あるわけではないのであります。どうぞその点は御了承願いたいと思います。
○芳賀委員 他意がなくても事実がこれを証明しているわけですね。しかも、昨年農産物価格安定法は、当委員会の一致の意見をもって根本的な改正を行なったわけです。改正直後の昨年の決定内容については、これは農林当局として改正法の内容を十分わきまえない、端的に言えば、法律の精神を逸脱したような政令附録算式等を設定してこれを行なったという、こういう経過があるわけです。したがって、これを根本的に是正するということになれば、当然法律を改正した当委員会が、今年度の適正な価格決定上に必要な事項については事前に検討を加えて、そして委員会が行なった法律改正の趣旨が、二年目の今年度こそ正しく反映できるようにしなければならないということをわれわれは期待しておったわけであります。 そこで、今後の問題でありますが、倉石農林大臣がいつまでも農林大臣をやっておるということはだれも考えておらぬわけでありますけれども、農林省として、今後の方針としては、ことし行なったような委員会無視、国会軽視の立場でイモでん粉等の価格決定を行なうということを方針としておるかどうか、その点をこの際明確にしてもらいたいと思うのです。
○倉石国務大臣 政府は、国会を無視する意思はちっともございません。
○芳賀委員 それでは具体的な内容について若干、特に大臣に対してお尋ねいたします。 昨年度の価格決定を行ないました際に、特に当委員会においては、イモでん粉類の価格対策に対する小委員会の議を経まして、次のような委員会決定を行なっておるわけであります。これは単に昨年度の価格決定上に重要な指摘を行なったということだけでなくて、現在においても将来においてもこの委員会決定事項というものは、政府において十分尊重し、実施さるべきものであるというふうに考えておるわけであります。 その内容の一は、「いもでん粉等の価格を速やかに決定すると共に、甘味資源の自給度向上と畑作地域の農業振興の立場から再生産が確保されるよう生産農家の要望に応えて妥当な価格水準を設定すること。」その二は、「右の価格算定に当っては、改正農安法の完全実施に留意し、適正歩留りの設定と完全スライド制の採用により原料基準価格を定めると共に、実際支出される原料運賃、でん粉工場の経費が適正に織込まれるよう留意すること。」その三は、「本年度でん粉類の不足対策として、専らコーンスターチ増産にたよることは長期的に見て畑作振興上悪影響があるのでコーンスターチ工場能力設備拡大の抑制措置及び関税割当制度は継続すること。」その四は、「でん粉工場の合理化を更に推進し、工場廃液処理施設に対する費用負担については国庫補助等の措置を検討すること。」この重要な委員会の決定事項というものは、昨年度の価格決定には十分反映されておりませんでしたが、今年の決定については、この四つの事項というものはどのように反映されたかということについて明確に説明を願いたいわけであります。 特に、この決定にあたりましては、大口食糧庁長官が、この決定事項に対しては、政府として十分尊重して実施に努力しますということを、政府を代表して言明しておるわけであります。どうして政府を代表して一介の政府委員が言明したかというと、この当時は、当時の農林大臣の松野頼三君が、いわゆる外国観光旅行に出かけておりまして物議をかもした時期であります。したがって大臣不在でありますので、観光旅行中でありますので、事務当局である政府委員がかわって政府を代表して尊重の意思を表明した経過があるわけです。 いまの価格内容によりますと、これらの問題というものは全然善処されておらないというふうに直観されるわけでありますが、以上の四項目に対しまして、農林大臣としてはどのような配慮を講ぜられたかを明確にしていただきたいわけであります。
○倉石国務大臣 ただいまお話のございました昨年決定のときのいろいろな要旨でございますが、今般私ども、先ほど御報告申し上げました価格決定にあたりましては、いまお話しのような事柄を、実は数日前から、農林省内部でもいろいろ私にも報告があり、私どももそういうことについて参酌をいたした次第でございますが、その全部がそのとおり行なえるかどうかということは、なかなか問題もあると思いますけれども、こういう御趣旨を尊重してひとつ決定すべきであるということについては、もちろん私どもも十分配慮をいたしておるわけでありますが、そういう諸般のことを考慮いたし、また生産者その他第三者で、こういう問題について非常に関心をお持ちになっておられる方々のお申し入れ等もございましたけれども、そういうものを参酌いたしまして、このたびの決定を妥当なものであると存じまして、決定をいたしたわけであります。
○芳賀委員 重点事項だけについて大臣にお尋ねしておきます。詳しいことは後刻事務当局から明確にしてもらいたいと思います。 そこで、昨年の価格決定の際にも問題になりましたのは、改正農安法に基づいて政府が閣議決定をもって公布されました、いわゆる政令の内容であります。 まず第一に、政令の附録第一算式の問題についてでありますが、政府が設定いたしました附録第一の算式というものは、これは改正された農安法から見れば、法律の趣旨を全く逸脱しておる、パリティ価格として計算するためには、その条件を具備しておらないということを委員会において指摘しまして、速急にこれが政令の改正を行なって、しかる後正しい算定方式をもって計算すべきであるということを委員会として指摘したわけでありますが、昨年は改正直後であるし、すでに政令が公布されておるので、いま直ちに政令公布を行なって価格算定を行なうということは事実上できがたい、しかし、その誤りを農林大臣の行なう勘案事項によって調整して、適正なイモ類及びでん粉価格の決定を行なうということで、小委員会あるいはしばしば行なわれた理事懇談会等において、政府から善処の言明がありまして、われわれとしてはそれでは明年の決定までには必ず政令の改正をすべきであるということを政府に言明させて、今日に至っておるわけであります。ところが今回の決定というものは、何ら政令の算式というものを、特に附録第一において改正しておらないということが明らかになっておるわけです。これは長官、あなたわかるのですか。ぼくの質問しておるのをよく聞いておきなさい。わかりもしないくせに、大臣に何もとかくの助言をする必要はないじゃありませんか。質問者の質問内容に農林大臣が答えればいいのですよ。農林大臣はあなたの部下じゃないのですからね。いいですか。 そこで、具体的に私は大臣に申し上げるわけでありますが、一体農業パリティ価格の定義というものを、あなたは常識的にでも御存じですか。農林大臣に聞いているのです。パリティ価格の定義を、専門的でなくていいですよ、しろうと流でもいいが、常識的に承知をしておられれば答えてもらいたい。わからなければわからぬでもそれはいいですよ。
○倉石国務大臣 私は不勉強でありますが、普通に私ども議員が心得ておりますパリティ指数というのは、物及び役務について農業者が支払う価格等の総合指数で、農林省令で定めるところによってきめられたもの、このようにわれわれは一般論として理解しているわけでございます。
○芳賀委員 それでは、価格として適用する場合にはどうするわけですか。
○倉石国務大臣 ちょっともう一度おっしゃってください。
○芳賀委員 いまの農業パリティ指数を価格算定上に適用する場合には、今回のイモ類の場合には、どうするのが原則にかなったやり方かということを聞いておる一わけです。
○倉石国務大臣 この場合は、いわゆるパリティ指数の変化をもってするべきだ、こういうように考えております。
○芳賀委員 ところが、このパリティ指数の変動率というものが、附録第一においては反映できない仕組みになっているのですよ。いいですか。それでは附録第一におけるパリティの変動率を、前年度の基準価格に対してどの程度適用しているかというと、これはわずかに一〇一・六九ということになっておるわけです。こういうばかなパリティ指数の変動率というのは出てこないと思うのですよ。これはもうすでに昨年当委員会において、こういうような附録第一の算定方式であっては意味がない、パリティ価格にならぬじゃないかということは、これは委員会一致して指摘した点なわけです。去年は間に合わないから、農林大臣の勘案事項であるいわゆる算式上の最後のガンマの点でこれは調整して、そして妥当な価格をきめますということで、去年は条件つきで見過ごしてきたわけです。ところが、ことしも依然としてこういうような算式を使うということは、これは全く事務当局としてわからないでやったわけじゃないでしょう。悪知恵を使って、そうして値段が上がらぬようにしたということにしかならぬわけです。 一体、最近の物価事情とかあるいは賃金の動向から見て、いわゆる本法において価格をきめる場合には、前年度のイモ類の基準価格に農業パリティ指数を乗じた価格ということになっておるわけです。とりもなおさず、一年間の農業パリティの変動係数がどうなっておるかということを、去年政府がきめたイモ類の基準価格に乗じて、そして今年度の決定時の八月の農業パリティ指数というものを使って、そうして附録第一算式であるところの、まず今年度のイモ類の基準価格をきめるということになっておるわけですが、一年間にわずか一〇一・六九というようなこういうパリティの変動係数というものは、どこを押したって出てこないのですよ。農林大臣、しろうとで考えてもそうじゃないですか。 たとえば、ことしの麦価の決定の場合においても、米価審議会で農業パリティ問題というものは論議されたわけです。どういう点が論議されたかというと、政府は政令を改正いたしまして、従来のパリティ指数は昭和三十五年度ウエートでやってきたわけですね。そのウエートでは麦価についてもあるいは他の農産物価格についても、この三十五年度ウエートの指数を使えば、相当これは計算上ごまかしなく上昇させなければならぬ。何とかこれを押えるために、低いパリティ指数を使うために、ことしから四十年ウエートを盛った新しい農業パリティ指数を採用することにしたわけです。ところが、これは従来パリティ指数に比較して、価格決定上生産者に対しては非常に不利益を与えるということが、米価審議会においても明らかになったわけです。いろいろ議論の末、答申の中でも新パリティを採用するということは、価格決定上非常に悪影響を与えるので、これを実施する場合においても、従来パリティとの間において調整を行なって緩和すべきであるということが、麦価決定の際の答申事項に明確になっておるわけであります。そういう審議会の意向があって、新パリティを使う場合には、特に農林当局としては、従来パリティと新パリティとの間における大きな差額分というものを、調整係数を使って調整したという経緯があるわけです。 ことしの場合においては、当然政令ですでにもう改正したわけでありまするからして、これに使用したパリティ指数というものは、いわゆる四十年度ウェートの新パリティであるということは、これはもう議論の余地がないわけです。しかも、麦価の場合には調整を行なって、そうして緩和措置を講じておるが、イモ類の場合においては何ら調整を行なわないで、不当に不利益な新パリティをなまのまま使っておるというところにも問題があるわけでありますが、それよりも先に、附録第一の内容というものは全然改正されておらない。こういう点に対して、一体農林大臣はどうお考えですか。おれは大臣だからそういうことは知らぬとは言えないと思うわけです。
○倉石国務大臣 政府委員のほうからひとつお答えいたします。
○芳賀委員 これは大臣にぜひ答えてもらいたい。こういうことを御存じなくて、食糧庁長官の意のままにあなたがこれを了承しておられるのか、わかっておってやらしておるか、わからぬでやらしたのか、だいぶこれは違うのですよ。わからぬかったということになれば、まあ倉石さんのことだからやむを得ぬということにもなるが、承知の上でやらしたということになれば、これはわれわれとしては絶対にその責任を見のがすわけにいかないと思うのです。その点をまずあなたからお答え願いたいと思います。
○倉石国務大臣 ですから、決定をいたしました過程を事務当局から御説明申し上げまして、そういう考え方に基づいて私がどういうふうに指示したかということをお答えいたしたい。
○大口説明員 附録算式第一のパリティ価格を算出いたしますこの字句の持つ意味につきましては、昨年の農林水産委員会の中に設けられました小委員会におきましても、芳賀先生から、いま御質問の際に御指摘になりましたと同趣旨の御指摘があったのでございますが、そのときにも私どものほうでお答えをいたしたのでございますが、この農産物価格安定法に基づきますイモの価格をきめます場合に、附録算式第一によって算定いたしますために、パリティ価格を基準といたしまして、さらに諸種の要素を勘案いたしまして最終的に決定をするということに相なっていることは、御承知のとおりであります。 そこで、このパリティ価格を計算いたします算式につきまして、芳賀先生の御意見によりますれば、現在のこの附録算式の内容が、ほんとうの意味でのパリティの変動を反映しておらないという趣旨の御意見でございます。私は、この御意見にまっこうから異議を申し上げるという趣旨ではございませんが、私どもの考えておりますことを御説明させていただきたいと思います。
○芳賀委員 どうして直さなかったでいいですよ。長々やったら時間がなくなるじゃないですか。詳しいことは午後でいいですよ。
○大口説明員 それでは別に時間をいただきまして趣旨を御説明いたしますが、小委員会におきましても、この附録算式第一そのものが全く間違いであるということが、小委員会一致した御意見であったと私は了承いたしておりません。御意見の意味されるところは、私どもも私どもなりに理解をいたしているつもりでございますが、この附録算式のみによって価格が算定されているわけではございませんで、他のいろいろな要素を勘案いたして最終的に決定をいたされているわけでございます。その勘案をいたします際に、やはり附録算式第一について、ただいま申されましたような御意見のあることも念頭に置いていることも事実でございまして、私どもは今年も同様な判断を加えました上で、最終的な価格は、各要素を総合的に勘案して決定をいたした次第でございます。
○芳賀委員 それでは、大臣にこのパリティ価格のやり方について具体的に私から申し上げておきます。 まず、一番実例として制度上しっかりしているパリティ価格というものは、何としても食管法にきめられた麦価の決定であります。これは非常に長い歴史的な経緯があるが、このきめ方は、政府が決定した昭和二十五年と昭和二十六年の麦価の平均価格を基準価格として、それに昭和二十五年から二十七年までの三カ年間の平均パリティ指数を分母として、今年決定する場合には、昭和四十二年の五月パリティ指数を分子にして基準価格に乗ずる、こういうやり方をとっているわけです。ですから、必ず計算上基準になる価格の基準年と、それからパリティの計算上分母になる基準年のパリティ指数というものは、その時点が一致しておらなければならぬというのが、パリティ価格計算上の原則になっているわけです。その原則は、麦においてまず明らかであります。 それから、昭和三十六年に決定しました大豆なたね交付金の場合においても、基準価格については、昭和三十一年−三十三年の三カ年間の政府が決定した大豆、なたねの基準価格に対して、分母となるパリティ指数は、三十一年−三十三年の三カ年間のパリティ指数というものを分母にして、そうして大豆でありますと決定年、ことしの場合においては、十月末までに大豆の価格を決定するのでありますが、その場合には、ことしの九月のパリティ指数というものを分子としてこれを平均基準価格に乗ずる。すべてこういうのは、原則の範囲内において適正に行なわれておるわけです。 ところが、イモ類の場合においては、基準価格というのは毎年移動しているわけなんです、前年度主義だから。麦とか大豆の場合には、基準年というものは二十五年、二十六年の平均とか、三十一−三年というような、そういう固定した基準年次というものをきめてあるが、イモ類、でん粉の場合には、その基準年次が移動するわけです。決定年の前年度の政府がきめた基準価格ということになるので、これは移動しておるわけです。ですからことしの場合にも、昨年政府がきめた四十一年度のカンショ、バレイショ基準価格に対してパリティ指数を乗ずるということになるわけです。ですから本来からいうと、この基準価格に乗ずる分子となるパリティ指数というものは、基準価格の年度に属する昨年のイモ年度、つまり昭和四十年の九月から四十一年の八月まで一年間の平均パリティ指数を分子として、ことし決定する場合においては、今年の八月のパリティ指数を分子にしてこれを乗ずるということにするのが、これが当然の措置であります。これが政府の算式によりますと、基準年は昨年度の基準価格、分母になる平均パリティ指数は、昨年の年度の平均パリティ指数ではなくて、ことしのイモ年度に属する昨年の九月からことしの八月までの農業パリティの平均値を分母にして、ことしの八月の農業パリティ指数を分子にするという、そういうやり方をやっておるわけですからして、この方式では正しい基準価格というものが、パリティ指数を乗じたいわゆるパリティ価格の中から生まれてこないということが明らかになっておるわけです。この証拠に、一年間の変動係数がわずかに一〇一・六九なんていう、こういうばかな答えしか出てこないわけなんです。 これを間違いだから直せということを、われわれは昨年から指摘しておるわけです。ですから、ことしこの価格決定前にきょうの委員会が開かれておれば、この問題は一番大事な問題として委員会で十分論議するわけです。それを、長官はわかっておるのですが、委員会で論議されてはどうすることもいかないからして、その前に、七日の日にきめるというのは、まずこの附録算式を改めないという全く卑劣な、謀略的な態度なわけなんですよ。どうしてこれを改めることができないかということを、この際明らかにしてもらいたい。こんな計算では、法律に定められた農業パリティ指数に基づいた基準価格を基礎にして、その価格を絶対下回らないようにして、あとは需給事情とか、経済事情とか、物価や賃金事情というものは、農林大臣の勘案事項として、再生産を確保して農家の所得安定のためにきめなさいということが生きてこないのですよ。そうじゃないですか。 この点について、農林大臣としても、理解力の旺盛な人でありますからして、私の指摘が正しいということはおわかりと思うのですよ。こういう問題があるから、われわれは委員会を開いて、政府の誤りを是正しなさいということを先々刻から言っておるわけです。ぜひこれは農林大臣から御答弁をお願いします。
○倉石国務大臣 いまのは算式のことですから、一ぺん政府委員から申し上げます。
○芳賀委員 政府委員はあとでいいですよ。政府のやり方が間違いであるかどうか判断ができるだろうと思うのです。
○赤路委員 議事進行。大臣は時間に制限があるわけです。だから大臣に質問をしているわけです。だから事務当局が説明するのではなしに、大臣がやっていただきたい。もし大臣に時間があるならけっこうですよ。問題はそこなんですから、その点ひとつ十分留意してやっていただきたいと思います。
○倉石国務大臣 いまお話のありました算式につきましては、私よりも事務当局は詳細に——私に計算を示して、それによって私が裁定したものでありますから、そのあなたの御意見との違うところを申し上げ、そうして私が裁定をいたしましたことについて申し上げるほうがより合理的ではないか、こう思いますので、いまのこうあるべきであるという算式についての政府側の考え方のお答えを先にするほうがいいのではないか、こう思ったわけであります。
○芳賀委員 それは、事務当局については午後ゆっくり時間をかけてやるつもりです。ただ、私の申し上げたパリティ価格算定の基本原則というものは、私の言った以外にないんですよ。だから、あなたが理解できればそれでいいし、理解できなければ、無理解の大臣であるという非難を受けるだけですから、それだけを申し上げておきます。 そういうことですから、たとえば昨年のバレイショの基準価格は、三・七五キロ、一貫目当たり二十五円五十銭であったものが、今年度のパリティの計算をやっても二十五円九十三銭にしかならぬ、四十三銭しか上がらぬ、こういう不当な答えしか出ない。一番大事な基準価格をきめる場合にこういうことになってしまうわけですから、おのずからその決定というものは、当を得ない安い価格ということになるわけです。これを、もし政府と与党との間だけのなれ合いできめればきまるかもしれぬが、権威ある国会に持ち出した場合においては、こういう不当な価格決定というものはまかり通らないですよ。それを避けるために、七日の日にあえて委員会を無視して価格決定を行なったということを、私は重ねて指摘しておきたいと思います。 時間がありませんから、もう一点だけ申し上げておきますが、この法律の中には農林大臣が定める勘案事項あるいは尊重すべき事項の中に、イモ類の生産費というものが適正に反映されなければならぬということになっているわけです。ところが、ただいまの説明によりますと、バレイショの生産費に例をとってみますと、ことしは三・七五当たり二十二円七銭というような、こういう解釈に苦しむような生産費というものが資料として出されているわけです。一体この一貫目当たり二十二円七銭という生産費、あるいはまた一貫目について三十三円二十三銭というような不当に安いカンショの生産費というものは、ことしの実態というものを反映しているかどうかということをお伺いしたいわけであります。 先ほども、九州はじめ農業地域の皆さんから干害の実情が当委員会において述べられ、特に長崎、宮崎あるいは鹿児島、熊本等においては、農業の条件上不可避的にどうしてもカンショを耕作しなければならぬという状態の中で、七十年来の大干ばつに見舞われているわけです。先ほど被害を受けたイモの実物もわれわれは拝見したわけでありますが、そういう異常な災害の年の生産費というものが、わずかに一貫目当たり三十三円二十三銭というような、こういう不当な生産費というものは、一体農林大臣がどのような指示を与えて計算をされたのか、その点をお伺いしたいと思うわけであります。
○倉石国務大臣 芳賀さんよく御存じのように、こういう生産費に計上してくるべき項目というものは大体きまっております。ただ、米の場合と違いますのは、米は、五人以上のあらゆる製造業の平均労働賃金に評価がえをいたしておりますが、そのほかの農作物については一般の農業賃金ということで、近隣の農業賃金をもとに計算されている。そういうことの違いで、あとのことは大体農業生産物の生産費のデータというもので決定いたしておるわけであります。私どもが見まして、ここに書いてございます。いまお話のありましたカンショ三十三円二十三銭、バレイショ二十二円七銭、こういう数字が、そういうことの結果出てまいったわけであります。特に生産費を安く見積もるというような、そういう悪意は別にないわけであります。当然そんなことがあるはずはありませんし、そういうことで、適正な生産費として計上いたしたものの数字が資料に出ておるわけであります。
○芳賀委員 いや、そうじゃないのですよ。どだい農林省はことしの生産費調査というのはやってないのですよ。昭和四十一年度のイモ類とか、米とか、麦とかの生産費調査はすでに公表になっておるが、当年度の生産費調査なんというのは、いままで農林省がやったこともないし、そんなものはできるはずがないのですよ。どうしてあえてことしの生産費というものをここに計上しておるかということに問題があるわけです。この点は昨年も議論して、食糧庁長官にただした点でありますが、判明したその当年度の生産費算定の内容というものは、農林省の統計調査部が行なっておるいわゆる経済調査ですね。これば今年の場合には、昭和四十一年のカンショ、バレイショの生産費調査というもの、これはすでに公表されておるわけですが、これを基礎にして、これを昭和四十二年の生産費に置きかえる、こういうやり方をやっておるのですよ。どういうふうにやっておるということを去年聞きましたところが、前年度政府が公表した生産費の項目のうち、物財費に関係する部分については、今年度に合わせるためのいわゆる物価修正を行なうというのです。いいですか。ですから昨年度の物財費を経済変動等に基づいて当然物価修正をやるということは、これは各農産物価格決定の場合に行なっておる点であります。米価の場合にもそれをやっている。もう一つ、生産費というものは、反収が幾らであるかということが重要な要素になるわけであります。まさか前年度の反収を採用するわけにはいきませんので、反収については、今年度のいわゆる実収反収を適用する。昨年の場合においては、カンショは第二回の予想収穫高の反収、バレイショについては最終の実収高の判明した実収平均反収というものを収量に置きかえておるわけです。元来農林省の反収というのは、これは実収平均反収ではなくて、わずか千数百戸の調査農家の平均反収というものを使っておるので、不当に生産費が安くなるということになるわけです。実収よりも大体三割くらい調査農家の反収が上ですから、生産費が安くなる、そういう仕組みなわけです。私が検討したところによると、ことしの生産費の計算は、まず昨年度の物財費に対して物価修正を行なっていないという点が一点です。行なっておれば、これは午後に当局から説明してもらいたいと思います。それから実収反収というものをどういうふうにとったかということが不明であります。カンショの場合には、第二回の予想収穫高が出ておるが、バレイショの場合には、七日にきめる時点では、従来実行してまいりました実収高の決定を待って、それをこの農林大臣の勘案事項の、いわゆる需給事情に適用するということができないわけですからして、必然的に八月十五日現在の予想収穫高に依存する以外には、農林省としての数字がないわけであります。ですから、そういうでたらめの基礎の上に立って行なっているという点です。 もう一つ生産費決定上重要なことは、それではこのイモ作農家の自家労賃をどういうように評価するかという点であります。従来委員会においてはたびたび指摘しておりまして、農業の日雇い労賃というものは、他産業の平均労賃の二分の一程度の賃金にしかなっておらぬ。ことしも全国の平均は、大体一日八時間当たり八百五十円程度であります。したがって一時間にして百円、この不当に安い農業のニコヨン労賃というものを、あえて農林省は生産費計算に使っているわけです。ですから、ことしのイモ類の価格算定の場合においても、生産費の場合において、これはおそらく——おそらくではなくて、必ず農業日雇い労賃の一時間百円何がし、一日八百円程度の不当な自家労賃というものを計算の中に入れたからして、カンショについては、こういう大凶作であっても、一貫目当たり三十三円二十三銭にしかならぬ。バレイショについては、わずか二十二円七銭にしかならぬというような、こういう生産費というものをここへ持ち出して、そして正常な価格決定を妨げるというようなやり方というものは、これは農政のあり方ではないと思うのですよ。 賃金問題については、農林大臣は権威の人であるということは私たちも知っておりますが、それは単に労働者に対する労働政策とか、賃金政策の権威者であるというよりも、一朝農林大臣としての任を帯びた場合には、農業におけるいわゆる生産農家の所得の問題、自家労賃の問題等については、当然労働者の賃金に対応したいわゆる自家労賃のあり方というものを、あなたこそ打ち出す適格の人であるというふうにわれわれは考えているわけです。それが、依然として一時間百円程度のニコヨン労賃で農民はいいというようなやり方は、これは一体どこからそういう方針というものが出ているわけですか。これは毎年議論しているところですよ。したがって最近においては、ようやく加工原料乳についても、保証価格は、ことしから原料乳の主要生産地域における都市の他産業の均衡労賃ということにこれは実現したわけです。ひとりイモでん粉だけが、依然として二分の一の日雇い労賃に押しつけられるということは、これが日本の食糧の自給度を低下させる最大の要因であると思うのですよ。食糧庁長官はえらそうな顔をして、いかにも適正なことしのイモ類やでん粉の値段をきめたようなことを言っても、何もやっていないじゃないですか。 時間がないから農林大臣にはこの程度にしておきますが、そういう重要な問題について、あなたはこれを全部部下まかせにして、内容を検討しておらぬじゃないですか。いまからでもおそくはないと思うのですよ。七日の決定というものをすみやかに取り消して、正しい算定の上に立った、確信の持てる、全国の農民が納得のできる価格というものを、農林大臣の責任において決定して、すみやかに告示してもらいたいと思いますが、その点はいかがですか。
○倉石国務大臣 ただいまいろいろ御研究の、造詣の深い、示唆に富んだお話を拝聴いたしました。たいへんいろいろ参考になるわけでありますが、算定の方式につきましては、先ほど私どものほうからお答えいたしましたとおりでありますが、ここに申しております生産費につきましても、ただいまのところ——先ほど私が申し上げました中にちょっと抜けましたのは、いま芳賀さんのお話の中にありました牛乳の不足払いのときの換算の労賃であります。したがって、他の農作物につきましては、現行の状態でまいった生産費がこういうことであるということを申し上げておるわけでありまして、なお私どもは、皆さんの御協力を得て、農業一般について、さらに農業を情熱を持って維持してもらわなければならぬのでありますから、そういう角度から、もちろん多くの改善を要することがあれば改善するにやぶさかではありませんが、今回のイモ、バレイショでん粉の決定につきましては、諸般の事情を勘案いたし、いろいろデータに基づいて検討いたしました結果、七日に決定いたしましたものが今回の場合においては妥当である、こういう考え方で決定をいたしたわけでありますから、さようにひとつ御了承をお願いしたいと思います。
○芳賀委員 大臣に対する質問はこれだけにして、午後に食糧庁長官に対して十分な質問をいたします。
○仮谷委員長代理 川崎寛治君。
○川崎(寛)委員 大臣にひとつ明確にお答えいただきたいと思います。御承知のように時間がたいへん限られておりますから……。 作付面積が減少する。特にカンショの場合ですね。生産量も減る。しかし、でん粉の需要量は年々増大をしておる。要するに、価格の不安定ということに基因をいたしております。 そこで、国内産でん粉のウエートというものをどこに置くのか。そのための原料イモの生産の長期安定策というものについて、これは毎年質問いたしておりますが、長期の判断が農林省にありません。ですから、長期の判断をどのようにしていくか。その判断をする機関を設けるのかどうか。イモ作については、つくってもらいたくないのか、あるいは代替物がないから、この問題については農業振興安定策をやっていくのかどうか、これだけお尋ねします。
○倉石国務大臣 イモだけではありませんけれども、わが国の一般農産物につきまして、特定のものを除きましては、非常に国際競争力が弱いわけであります。これは御存じのとおりであります。私どもといたしましては、したがって農作物についての国際間の競争については根本的に考え直し、また、どのようにその競争力を維持していくかということは非常に問題であると思いますが、いまお話しのものといたしましては、私どもは全部これを放置してしまうような考え方を持っておるわけではありませんので、生産振興につきましては、もちろん用途が御承知のように原料用を中心としてでありますからして、適地におきましては、カンショの近代的な集団産地の育成整備をはかるために、四十二年度から地域特産農業推進事業等も実施をいたしておるわけであります。それから高性能農業機械、集荷施設等の導入につきまして、農林省は助成をいたしておりますほか、カンショ優良品種の普及をはかるための生産地における原々種及び原種圃などの設置等について特段の考慮を払いたい、そういう考えで、こういうものの生産コストを低くして、そして競争力を維持できるようにしてまいりたい、こう考えておるわけであります。
○仮谷委員長代理 中村時雄君。
○中村(時)委員 私は質問する前に、どうせあとから大事な問題がたくさん出てくると思うが、農林省と大蔵省とのおそらく災害に対するところのものの考え方の基本的な食い違いがあろうと思う。そういう意味において、大蔵大臣をやはり呼んでおいていただきたい。これをひとつお願いしておきます。 実は、これは農林大臣も御承知のように、今般の四国、九州における干害というものは、非常な大激甚になっておる。そこで、一つ一つを取り上げておりますと非常に時間がかかりますので、愛媛県を一つの例にとって私が話をしてみたい。 本年の五月中旬から六月の下旬にわたって、七十年来の異常干天と、さらに七月中旬以降三カ月に及ぶところの異常高温干天が続いて、降雨量は現在、年平均三百八十八ミリのそれがわずか三十七ミリ、すなわち年平均の九・五%で、そのために飲料水及び農業用水の不足は非常に深刻をきわめて、非常な被害をこうむっておる、こういう状態になっておる。その間に県や市町村、関係団体、住民が一体となって、用水確保、干害防止に昼夜を分かたぬ努力を続け、ほとんど徹夜の状態でやっておる。しかし、飲料水については、県下の水道給水人口が九十七万人、そのうち三十九万人、すなわち四〇・四%が断水、時間給水で、そのために、変な話だが、たとえば便所にも行けないというような状態になっておる。そういうような強い制限を受けて、現在はトラック輸送等緊急措置を講じておるものの、住民の日常生活は非常な支障を来たしているのであります。 また、農業関係の被害というものは、果樹、水稲、野菜等農作物あるいは樹体等において二百四十五億三千七百万円、シイタケ、苗木等林産物が十億一千四百万円、また干害応急対策事業費も二十八億六千万円、このような状態になっておる。しかも、被害を阻止する程度の降雨量というものは、その後やはり依然としてない。そのために、毎日被害の状況がだんだん大きくなっておる。県下といたしましては、非常に憂慮にたえない状態に追い込まれておる。 そこで、県においても、今次干害の重大性にかんがみて、去る十月三日の日に干害非常事態宣言、これを行なうとともに、官民一同が一緒になって干害合同対策本部を設置して、県民総ぐるみの干害に対するところの対処をしておるわけです。 そういう県内の状況、これはおそらく四国、九州全部そうでありますが、そういう状況に関して、実は県から農林省あるいは各関係省、それらに二十三項目にわたって要望書を提出しておる。これは後ほど農林省にも私から提出いたします。これを読み上げますと非常に時間がかかりますので、速記のほうにも出すから、これを省くとして、重要な点に対して四、五点農林大臣に私は伺っておきたい。 まず第一の問題は、これに対するところの応急施設の関係であります。これは一々質問しますと非常に長くかかりますので、またあげ足をとることもないと思っておりますが、そういう意味において、農林大臣の考え方を明確に私はお答えを願いたいと思う。ということはどういうことかといいますと、まず一般の農業地帯の市町村は、非常に財政が困難なために、水源が乏しいためにどうしても数人の人が共同で施設をやっておる。そういうような状態で、これはみずからが求めて共同施設をやっていくのではない。すなわち、財政が困難なためにやっておる。そういうような意味で、どうしても応急施設に対して補助金を高率に出してもらいたいということ。これはどういうことかといいますと、簡単に言えば、現在樹園地における市町村営が大体四〇%の補助率であります。ところが市町村では、いま言ったように財政が困難なためになかなかできない。そこで、団体営であった場合は二十町歩以上となっておる。急傾斜の場合には十五町歩以上となっておる。ところが、いま言ったように、財政が困難なためになかなかそれができない。できないから共同施行をやっておるわけです。共同施行をやると、樹園地の市町村営に対して四〇%の補助率に対して共同施行が二五%、田畑の市町村営五〇%に対して共同施設が三〇%、このように田畑で二〇%、果樹園で一五%の差があるわけです。だからこの共同施設も一般の団体営として、要するに四〇%のところまで持っていっていただきたい。これは先ほど言ったように、小さいところがたくさん集まってやっているところですから、これが今度のような干害にあいますと非常な問題が起こってくるわけです。市町村に依存するわけにもいかない。そこでどうしても国のほうでやってもらわなければやっていけない、こういう状態になっているわけです。この差をなくしていって、団体営あるいは急傾斜と同様にこの共同経営の方向も取り上げていただきたい、こういうことが考えられるわけです。これは現地に行ったらおわかりになりますが、たいへんな問題を起こしておる。そういうような意味において、この共同経営の方向も四〇%の方向に繰り上げができるかどうか、配慮ができるかどうか、そういう点をひとつお答え願いたい。
○倉石国務大臣 共同施行者が応急工事を実施した場合の補助率については、市町村それから土地改良区と同様にしております。
○中村(時)委員 それは間違いないですか。ほかの者は黙っておれ。
○倉石国務大臣 間違いないです。
○中村(時)委員 それはたいへんうれしいことなんです。私のほうは水源が乏しかったり採択基準が高いため、非常にこの問題が中心になっておる。だから具体的に言いますと、三町歩、五町歩のところも大体同様にその考え方でやる、そういうことですね。それをちょっともう一回はっきりお答え願いたい。
○倉石国務大臣 共同施行者が応急工事をした場合は、いま申したように同様でございます。
○中村(時)委員 第二点は、揚水機並びに施設を補助対象とするかどうか、この点お答え願いたい。わかりにくければ詳しく言いますけれども、小型口径ポンプあるいはパイブ等の性能によっては、補助対象外とする意向が農林省では非常に強いのであります。そこで資材不足のために、入手可能なものを緊急購入措置をし、応急対策を実施しているのが実情なんです。というのはどういうことかといったら、毎分十五リットル以下は対象にしていないのであります。ところが十五リットル以下のもの、そういうものを対象にしなくてはならない。なぜならば、百メートル、二百メートル、こういう高い地域へ水をどんどんくみ上げなければならぬ。それには水が少ないのですから、大きな動力でもってどんどん出すわけにはいかないのです。だから小さいもので何本もこれを通していかなければならない。すなわち、十五リットル以下のそういうような水揚げポンプでも一応対象の中に入れてもらわなくては、いまの干害地では困っている。それはどこの干害地だって同じことだと思うのです。だから、そういう問題をどういうふうに取り上げていくか。
○倉石国務大臣 中村さんが最初におっしゃいましたように、農林省としてはもうできるだけやりたいという考えを持ちますけれども、そうばかりもいきません。そこでいまのような小口径のものと、それから高いところへ揚げてまいりますもの等につきまして、いま適性な基準について政府部内で相談をいたしているわけであります。
○中村(時)委員 それは一歩前進の形ですから、ぜひ実現してほしいのです。というのは、ほんとうは山岳地のほうへ参りますと、水源がないのですから大きなポンプでくみ出せない。そうすると、小さなポンプ何本もで効率をあげていかなければならぬ、こういう状態にまで追い込まれてしまっているわけです。ところが、十五リットル以下のものでは対象にしないといういままでの言質をあくまでもたてにとられるということになれば、これはおかしいことではないか。せっかくそこまでいって、特に樹園地というものは樹勢回復が三年、四年かかるのです。ところが稲作地帯では、一年間でものの勝負はつくわけです。片方では、要するに後遺現象といいますか後遺症が残ってくるわけです。だから四年、五年かかるものに対処し得るものの考え方をしないと、樹園というものは結論的に残っていかない。だから、そういう意味においてこれは当然考慮し、また何らかの方針を打ち立てなくてはいかぬ、これがほんとうの姿であろう、私はこういうように思っているわけです。その点は、農林大臣は一歩前進しているお話し方をしていらっしゃるようです。 農林大臣にもう一点聞いておきたいのは、そういう実情でおわかりだと思いますから、もう一度努力をしていくというお考え方があるかどうか。
○倉石国務大臣 大いに努力をしてまいるつもりであります。
○中村(時)委員 この農林大臣の努力は、私は実現可能というふうに踏んでいきたいと思うのです。農林大臣は積極性があると思うから、私はそういう期待をかけて見守っておりますから、ぜひよろしくお願いいたします。 それから、第三点としては応急かん水施設について、草地、森林あるいは種苗、特にいま山のほうは薪炭の生産がなくなりましてシイタケ栽培に移行しているわけです。ところが、シイタケというものは干害には非常に弱いわけです。このシイタケ栽培に対して、そういう助成対象として考えられるかどうか、そういうような点で農林大臣の基本的な考え方をひとつお聞かせ願いたい。
○倉石国務大臣 これは森林のほうで扱っておりますので、私どもにも直接産地からいろいろなお訴えがありまして、研究いたしておるわけでありますが、いまのところはちょっと手の施しようがないということで、何とかならないであろうかということを心配しているというのが現状であります。
○中村(時)委員 心配しているのはみな心配しているのです。問題は、やってくれるかどうかということだけなのです。結論は、やるような努力をしているかどうかということです。横のほうで、それはだめだというような合い図はせぬようにしてください。君に尋ねているのではないから、出しゃばったようなことはするな。
○倉石国務大臣 私が心配しているというのは、全然関係のないものがただ手をあげて心配しているというのではなくて、これをどのように救済できるかということを心配している、こういうことを申しておるのでありまして、事務当局のほうでは前から非常に心配しているわけなので、いまそばでいろいろ言っているのは、何とか努力をいたしておるという形で心配をしているわけであります。
○中村(時)委員 そこで心配しているのは、そううい意味で努力をしているかどうか、そこまでは追及しません。 次に、時間がありませんから問題がどんどん飛びますけれども、過去において干害応急対策事業を実施した地域、これは、一応政府として干害対策をやってしまったというと、重複をして云々はしないということがたてまえになっておるようです。ところが、こういう不意に事故が起こって、もう七十年来のこういうような状態になっているときには、どうしてももう一つ積み重ねをしないとほんとうの効果があがってこない。そういう場合に、やはりもう一度それを対象にできるかどうか、その問題について。
○倉石国務大臣 いまお話しのような点は、なかなか事務的にはいろいろあるようですけれども、ことしは特段にひどいわけですから、これも何とかしたいと心配しているわけです。
○中村(時)委員 次に、かん水の輸送費、燃料費に対して直接補助を行なうことができるか、これに対してどういうようなお考え方を持っているか。
○倉石国務大臣 先般、災害対策委員会でもこの点についていろいろお話がありましたけれども、この消耗費等につきましては、農林省としてはこれを対象として考えることは不可能である、こう思っておるわけであります。
○中村(時)委員 農林省としては不可能であるなれば、ほかの省であれば可能な省がありますか。
○倉石国務大臣 いま御承知のように、政府部内でこれの被害の対策本部がございまして、関係各省が集まりまして、その下に幹事会を置きまして、できるだけのことをしたいということで相談いたしております。したがって、こういうものについて、とにかく、相当な支出を伴っておることはあるでありましょうから、そういうことについて何らかのその救済の手を差し伸べる方法はないかということについて、たとえば、自治省あたりは特交について特段の考慮を払うとか、いろいろ手はあるだろうと思いますけれども、そういうことについても、私どもも政府部内でいま相談をいたしております。
○中村(時)委員 それでは、こういう認識をしておっていただきたい。というのは、二十キロ、三十キロと水を運んでいるわけですね。二十キロ、三十キロ運んでいるが、あるいは個々のものはドラムかんだけでは間に合わない。そこで、新しいまたそれに類似したようなものをつくらしては買っておる。これは地元の人はみんなそうです。一個に対して二千円、三千円を出して買っておる。そういう場合に、たとえば交付税制度でやっていこうというようなことになって、県に交付税を出してみましても、それは個々に渡るものは非常に少額になってしまう、てんで救済の対象にならない、こういう状態が生まれてくるからひとつ配慮願いたい、こういうことになってくるわけなんです。筋道を立てるということなんです。だから、自治省でやっているような一つの交付税率によって何とか解決をしようとしても、それは個々の災害を受けた農家に渡る場合には非常に微々たるものになってしまう。だから、そこでいま言ったような一つの直接的な方向を、農林省内で検討してみたらどうかという考え方が生まれてくるわけなんです。だから、そういう点でもう一歩突っ込んだ真剣な態度を私たちは考えてもらいたい、こういうことで言っているわけなんです。だがしかし農林省として絶対にそれが省としてはできないということなれば、そういう実情をはっきりと把握した上で、今度は閣僚協議会でも何でもけっこうですが、そういうような実情を訴えて、ほかの省に責任をとってもらうという考え方は、大臣としてどうでしょうか。
○倉石国務大臣 事務的には、これはなかなかばかにならぬ話ですから、何とかならぬだろうかということを種々検討させたのですが、いま申しましたようなものは大体において農林省としても不可能であるということでありますので、いまお話しのように閣僚協議会等においては、さらに何とかならないだろうかということについて相談をしているわけであります。
○中村(時)委員 その相談をひとつぜひとも具体的に、明確に何らかの方針を打ち立ててもらいたい、これを要望しておきます。 その次に、金融対策の一部でありますが、時間がありませんから自作農の創設維持資金——創設はなくなっているから維持資金、この貸し付け限度が五十万円です。ところがその五十万円は、いままでもうほとんど借り入れてしまっている。そこで、そのワクの拡大ということが考えられるかどうか。
○倉石国務大臣 個人の対象の限度につきましては、できるだけ上げたいと思います。これは、御承知のように天災融資法が発動いたしましてから自農資金のワクを決定いたすことでありますが、何とか増額をいたしたいと思いますけれども、これも非常に困難であるというのが現状であります。
○中村(時)委員 たとえば北海道のような場合には、この前いまの維持資金の問題が出ました。この農林委員会でも問題になった。そういうところの対象は比較的しやすいのだけれども、特に九州、四国あたりのような場合に、少なくとも今期に限る別ワクということは一応考えられると思う。だからこういう機会に、今期に限る別ワクという一つの限定点をはっきりさせておいた方向の打ち出し方というものが考えられるわけですから、その点の配慮方をぜひとも強力に考えてもらいたい。ほとんど自作農維持資金というものはもういままで借りていますから、今期に限って一つの別ワクの配慮というふうな方向の御勘案を願いたい。 それから種苗及び樹勢の回復の関係で特にお願いをしておきたい。 御承知のように、種苗共同育成の助成というのはわずかぐらいな見込みはありますけれども、共同購入は対象外となっておる。先ほど言ったように、米であれば一年間でその手当てができるけれども、特に果樹地帯の樹園というものは、ミカンならミカン一つ例にとっても三年から五年かかります。そこで、三年、五年苗木をそのまま共同購入していった場合に、それを一つの補助対象とすることができるか、そういう点はどういうようにお考えになりますか。
○倉石国務大臣 苗木であるとかそういうものについては、なかなか困難でありますけれども、いまお話のありました設置事業を行なったような場合につきましては、今回の干ばつにつきましても、その最終的な被害状況が判明した上で、その実施について検討いたしたいと、実はいまも部内において考えておるわけであります。
○中村(時)委員 それからもう一点は、樹体被害の影響というのは、御承知のように数年後になって出てくるわけなんです。だからその間において肥料であるとか、農薬であるとか、そういうような問題が、一年作でありませんから当然問題になってくると思う。そこで、その間の樹体を回復さすという意味においても、あるいは肥料とか農薬とかいうものを何らかの形で援助ができるかどうか。
○倉石国務大臣 いまお話しのようなものにつきましては、いろいろ検討いたしてみましたが、困難であります。
○中村(時)委員 私が大蔵大臣を呼んでくださいと言ったのはそこにある。要するに、ものの考え方が樹園地と米作地と違うのです。樹園地のほうは、要するに四年、五年かかる。しかも、それが後遺症が出てきて、四年、五年後にその問題が取り上げられてくる。だから一つの対象にする場合に、四年、五年の長期にわたった一つのものの考え方を基本に持っていらっしゃらないと、この樹園地の救済というものには何の意味もなさなくなる。このことがやはり災害に伴う基本的原則になってくるわけです。一方、水害等によってその場でやられて一年後にどうなるか。要するに農業には周期があるから、一般の作物としては一年に一作、こう考えられるけれども、片一方は五年を周期としてのものの考え方でその災害に取り組まないと、将来とも意味をなさなくなるという事柄があるわけです。この点はひとつ根本的に農林大臣の頭に入れておいていただきたい。そうしてその上に立って施策・方針というものを明確に打ち出していただきたい。 いま私が言ったようなことはたくさんありますけれども、重要な観点は、おそらく四国にしてもあるいは九州地区にしても、干害地帯においては全部同じ考え方を持っていると思う。その考え方の根本を間違えると、ただ一般の災害と同じようなやり方になって非常にむずかしいと思うのです。非常に無理がありますが、何とか考えますという答弁にしかすぎないという結果が生まれるのじゃないかとおそれるわけです。その点を強く頭の中に入れておいていただきたい。 最後にもう一点、牧草がこのために非常に不足をしておる。そこで、それに対するところのふすまの増配であるとかそういうふうな事柄が考えられるか、これは畜産に関係して……。
○倉石国務大臣 この点は、御要望に沿うようにいたしたいと思います。
○中村(時)委員 それじゃ最後に大臣、いま申しました事柄を全部総括いたしますと、要は、何回も言うように後遺症が出てくるところの樹園地と、それからいま言った水稲地ということの判別を明確にやはりしておっていただいて、その上に立ってすべての施策、対策を考えていただきたい。このことは、おそらく賢明な大臣だからすぐおわかりだろうと思うけれども、その上に立って今後とも各省、あるいは省議、あらゆる観点でひとつ御努力が願えるかどうか、最後にお聞きしておいて私の質問を終わりたいと思います。
○倉石国務大臣 大事なことでありますので、十分そういう意を体して努力したいと思います。
○仮谷委員長代理 倉成正君。
○倉成委員 農林大臣にお尋ねいたしたいと思います。 御承知のように災害対策特別委員会でも、私は農林大臣に今回の干ばつについていろいろお伺いしたわけでありますけれども、実は、今度の干ばつに対する農林御当局あるいは大蔵当局の認識が、私どもの認識と根本的に違うような受け取り方をしたわけであります。私自身、実は九月中旬、九月二十日、九月末、また今月初め、主として九州でありますけれども、九州の災害の現地の実情を見まして、日に日にこの災害が深刻になるという実情を身をもって見てまいりました。われわれが一週間くらい前見た状況と一週間後に見た状況とは、非常に違うということの感を深くしたわけであります。 さらに、大臣も御承知のように、テレビ等で報じておりますように、天草あたりでは一日バケツ二はいの水を船で運んでおるという実情でございます。また、乳牛もどんどん死んでいくということであります。また、北九州においては工場生産が水の不足のために、八幡製鉄その他だんだん操業度が落ちてきて、非常に産業生産自体に深刻な影響を及ぼしてきておるという状態で、いわば普通の干ばつとは全然様子の違う干ばつが、今回の干ばつの実態であるというふうに私ども考えておるわけでありますが、農林大臣、一体この干ばつをどういうふうに認識されておるかという点が一点。 それからもう一点は、政務次官を長とする現地調査団が、農林省から十五日から二十二日まで回っておられますけれども、もちろん、これはもう今日の状態よりはるかにやさしい状態での調査であったと思いますけれども、この調査団が帰ってきて、従来と同じようなことをやればいいと御報告になったのか、あるいは特別立法でもして、本格的にこの干ばつに取り組まなければならぬという御報告があったのかどうか。この調査団は何をされたのか。私はいささかこの調査団が、せっかく調査をされましても、干ばつの実態を大臣やあるいは政府の首脳者に伝える努力が欠けておるのじゃなかろうかという感じがするわけでありますけれども、この点について最初にお伺いいたしたいと思います。
○倉石国務大臣 今回の西日本の干ばつにつきましては、いまお話しのように、農林省は、政務次官を長とした調査団を各班に分けて現地に派遣をいたしまして、その御報告をわれわれは受けておるわけでありますが、その報告には、今日から見ると時間がかなりたっておりますが、従来経験を経ないような西日本の干ばつでありますので、これには特段の配慮をしなければならない、結論はそういうことであります。したがって、政府もさっそく、先般申し上げましたように災害対策本部において、いまの報告のような趣旨に基づきまして特段の措置を考慮しなければならぬ、たてまえはそういうことでやっておるわけであります。したがって、たとえば天災融資その他の自農資金ということにつきましても、銃意なるべく早くそういう処置の講ぜられるように努力を続けておるわけであります。
○倉成委員 大臣が、ほんとうに心から前例のない未曾有のものであるという御認識があるなら、おそらく対策もそれに合わせて進んでいるはずでありますけれども、私が災害対策特別委員会で承知しておる範囲においては、ほとんど従来の例とあまり変わっていない。天災融資法の発動その他が、災害の進行途中に発動される程度のことではなかろうかと思うわけです。その点について私は、大臣は十分お考えになっておるわけでしょうけれども、まだ最終的な結論が出ていないのでこの席で御答弁がないと思うのですが、すみやかに農林、大蔵、自治三大臣で御協議いただいて、単なる事務ベースを越えて基本的方針をひとつ確立していただきたい。たとえば、時間の関係上こまかいことは申しませんけれども、国のやる面と、県のやる面と市町村のやる面、また災害を受けた個人が一生懸命やる面と大体分かれてくると思うわけです。しかし、とにかく現地の農民はそろばんを度外視して一生懸命やっておるわけですから、早く具体的な対策を、この点は国が見てあげましょう、この点は県でやっていただきたい、この点は市町村でやっていただきたい、最後の点は、ひとつ御苦労だけれども被災民で一生懸命やってください、こういうふうにやはり具体的に対策を明示することが、民心安定上大切なことであると思うわけです。 先ほど来中村委員から、いろいろ果樹についての御質問がありました。私は基本的には果樹もやはり水田、畑作と同様の補助を、また激甚として同様の高率補助をすべきだという考え方を持っておるわけであります。また燃料費、電力代等についても、前にはこれは金額が少額でありましたからいいのでありますけれども、今日の段階ではもう億の二けたの単位に達するということになると、やはり国が何らかの面でめんどうを見なければならぬ。しかし、国が直接個々の農家の要した燃料費、電力代を見るわけにいかないなら、交付税で見るなら見るということをはっきりすることが必要ではないかと思うわけですけれども、その点についてどういうお考えを農林大臣はお持ちであるかお伺いしたいのです。 もう一回繰り返しますと、農林、大蔵、自治三大臣で、事務ベースを越えた基本施策についての御協議をされておるかどうか。また、県や国や市町村の事務分担と申しますか、こういう点はこうするという具体的なめどをお立てになっているかどうかということをお伺いしたいと思います。もう事務ベースで片づかない問題ばかりになってきておるというのが現段階です。
○倉石国務大臣 その点につきましては、干ばつについて対策本部ができまして、総務長官を長として各省の連絡をやっておることは、先般御報告いたしておるとおりでありますが、その後もときどき災害関係の関係閣僚協議会をいたしまして、そのつどそれぞれの省の担当事務当局も出席いたさせまして、事務的にそこで方針をきめましたことを、各省はそれぞれの県の当局に連絡をいたし、県当局もしばしば上京いたして緊密な連絡をいたしまして、ただいま措置を講じておるわけでございます。現在の段階においては、地方の県と中央とは、特に総理府の対策本部としては十分な連絡をとっておるわけであります。
○小澤(太)委員 関連して。大臣はいまお時間がないそうでありますので、詳しい質問をいたしたいと思いましたが、一応大臣に二点だけ御決心のほどを伺いまして、あと詳細にわたっては、政府委員から後刻お伺いしようと思います。 第一は、先ほどから中村、倉成両委員から御質問申し上げましたとおりでありますが、今度の災害、この干ばつは異例なものだと思います。特にいままでのような考え方、施策では行き届かない点がたくさんあると思います。したがいまして、この災害に対する特別な、新しい、いままでの例によらない処置をおやりになる決心があるかどうか。これは農林大臣お一人では無理だと思いますが、関係閣僚、政府としてその御決心があるかどうか、まず第一に伺いたい。 それから、第二点といたしましては、実は私、昨日まで干ばつの地帯をずっと歩いてまいりました。まだ昨日まで雨が全然降っておりません。この被害は毎日急速度にふえております。そこで、従来九月三十日までを調査の時期として対策を講じられたように聞いております。先般太田参事官を中国地区に派遣していただきまして、つぶさに見ていただきましたが、あの当時とはまた比較にならぬほどひどくなっております。したがいまして、その時日を干害が終わるまでもっと延ばしてやる、そのようなお気持ちがあるかどうか、この二点を一応伺っておきます。
○倉石国務大臣 ただいまのお話のことにつきましては、おそらくしばしば各省大臣も申し上げておると思いますが、今回のような異例な干ばつにつきましては、政府としては従来の例にとらわれないで、ひとつできるだけめんどうを見てあげることを考えなければならない。そこで、いま申し上げましたように、各県当局とも緊密な連絡をいたしまして情報をとり、指示をいたしております。当面、とりあえずの問題といたしましては、先般の災害対策特別委員会等でも申し上げましたように、救農土木的なことをいろいろ考慮をいたしてやる決意をし、そのことの計画について県当局からすでに申し入れのありましたものにつきましては、たとえばため池のひび割れ等についても、人力をもってやることでありますから、そういうことにつきましても手段を講ずるようにいたしておりますし、それから、さっき中村さんにもお答えいたしましたように、小口径のポンプ等につきましては、いままでは補助の対象にしておらなかったのでありますが、こういうことも今回のことにつきましてはひとつ考慮をすべきではないかといったように、いろいろできるだけのことをいたしたいということで苦慮いたして、努力を続けておるわけでございます。 なお、九月三十日を延ばすことはけっこうでございます。
○小澤(太)委員 大臣のいまの御答弁、やや満足するのですが、きょういただきましたプリントの「昭和四十二年七月以降の干ばつについて」、これの第四に書いてあるところを見ますと、「昭和三十九年度の例に準じて」と書いてあるのです。農林省の気がまえがその程度のものではないかと私どもそれを心配しておるわけであります。ですから、いま大臣がおっしゃったように、いままでの例によらずに、新しく今回の実態に応じた処置をするといまおっしゃったと思いますが、そのようにひとつ間違いなくやってもらいたい、このことをお願いしたいのです。
○倉石国務大臣 ここに申し上げておりますのは、水田の補助率の引き上げのことを三十九年の例に準じてと申しておるわけであります。一般的には先ほど申し上げましたように、できるだけのことはやりたい、こういうことであります。
○倉成委員 それじゃ最後に一問。私ども西日本を代表する国会議員としては、今度の干ばつに対してはほんとうに異常な決意をもって臨んでいるわけです。また現地の実情は、いまいろいろとお尋ねがあったりお答えがありましたけれども、ほんとうに深刻なものです。したがって、大臣にひとつ決意のほどをお伺いしたい。 従来の例にとらわれないということと、それから事務ベースでは解決できない諸点について、すみやかに関係閣僚で御協議をいただいてそして結論を出していただく、この決意をひとつお伺いすればけっこうです。あとは、小さな個々のことはけっこうです。ですからひとつすみやかに結論を出して——具体的にどうするということが大切なことです。ですから、幾らそうする、努力するではもう聞き飽いているわけですから、具体的にどうするということを、事務ベースを乗り越えて、従来の例にとらわれないでやるということをひとつ言明していただきたい。果樹についても、大体園芸局が窓口ですけれども、園芸局は何も実権を持っていない。大部分が農地局の所管であるというような点にいろんな問題点があるわけです。ですからひとつ大臣が指導力を発揮して、そういう御決意があるかどうかということを承ればけっこうです。
○倉石国務大臣 私のほうから見ました災害は、農業災害が一番大きいわけでございまして、その意味においては閣僚の協議会をいたしましても、一番大きな被害者側でございますので、われわれは先ほど来申し上げておりますように、多少事務的には困難な点がありましても、何とか方法を講じてこの急場の間に合うような応急の処置を講じて、民心を安定するようにいたしたい、こういうたてまえでしばしば関係閣僚と協議会をいたしておるわけでありますが、本日ここで皆さま方のお話がございましたことを、明後日閣議がございますので、そういう点を披露いたしまして、今日まで閣僚協議会でやってまいりました方針が実施されました経過等も聞きまして、さらにわれわれとして最善の努力をするようにいたしたいと存じております。
○仮谷委員長代理 午後二時に再開することとし、暫時休憩いたします。 午後零時四十八分休憩 ————◇————— 午後二時二十二分開議
○仮谷委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。 農林水産業の振興に関する件について質疑を続行いたします。川崎寛治君。
○川崎(寛)委員 毎年同じような質疑が繰り返されていくわけであります。昨年もでん粉の需要増に対して、作付面積の減少、イモ作あるいはでん粉企業に対する経営の安定、こういう問題が繰り返しやられてまいっております。しかし、常に議論は、長期の問題としてはまだ判断が立たないのだ、こういうことで事態の推移にまかせておるというのが実情ではないかと思います。 そこで、ことしは西日本等における干ばつ等もあって、作付面積の減少の上にさらに原料イモの収量の減ということが明らかになってまいっておるわけでありますけれども、議論を少し進めますために、ことしの作付面積が二十一万ヘクタール、こういうことでありますが、収量の予想を何ぼと見るか、まずお尋ねしたいと思います。
○大口説明員 今年の見込みは、収穫高三百九十二万四千トン、したがって反収としては一・八三〇キログラムというふうにつかんでおります。
○川崎(寛)委員 先般の九月九日のこの委員会で、兒玉委員から質問がありましたので、それを一応前提にして簡潔にお答えいただきたいのでありますが、昨年度の需要が百二十万トン、カンでんの供給が締めて五十四万トン、こういうふうに答弁をされておるわけであります。バでんが十三万トンでありますね。そうしますと、ことしは百二十五万ないし百三十万トンの需要、これに対してカンでん並びにバでんの供給予想数量はどうなりますか。
○大口説明員 現在の見込みといたしましては、カンショでん粉四十五万トン、バレイショでん粉二十万トンというふうに見込みを立てております。
○川崎(寛)委員 そうしますと、コンスが昨年度で三十七万、ことしのコンスの見込みをどういうふうに見ますか。並びに他のでん粉ですね。
○大口説明員 私どもの現在の時点でもって考えております本年度の総需要量は約百二十六万トンというふうに見込んでおりますが、この数量をもとにいたしましてでん粉の種類別の供給見込み量といたしましては、カンでん四十五万トン、バでん二十万トンというのは先ほど申し上げましたが、小麦でん粉が昨年と同様に約八万四千トン、残りをコーンスターチ並びに輸入でん粉等でまかなうという見込みを立てておりまして、一応コーンスターチは本年度の下期の数字を基準といたしまして、明年度約四十万トンというふうに見込みまして、残余を輸入でん粉等でまかなうというふうに一応の見込みを立てておる次第でございます。
○川崎(寛)委員 毎年価格決定の際に、長期の安定策をあわせて明確にしておくようにということが議論になるわけでありますが、先ほど大臣も、四十二年度の予算説明の際にあったようなことを繰り返して説明したわけでありますけれども、地域特産農業推進対策事業、そういうようなことをやってまいっておるわけでありますけれども、依然としてカンショの作付面積は減っていく。しかも主産地の形成というのは、ここ十年ほどの間に大体明確な主産地の形成がもうなされているわけであります。そういう中で作付面積が減るということは、好ましい傾向なのであるかどうか、あるいは農安法は、再生産の確保をやる、農家の所得安定をはかる、こういう精神に立っているわけでありますけれども、それが機能していないゆえに作付面積減になるのか、あるいは蔬菜なり果樹なりという転換が行なわれて、農林省の農政上考える好ましい方向に進んでいると見るのか、いかがでありますか。これは食糧庁長官と同時に、園芸局長も見えておりますから、園芸局長からも御答弁願います。
○大口説明員 カンショ並びにバレイショで作付面積が減少いたしておる状況は、私どもも承知をいたしておるわけであります。減少したのは、他の農産物に転換をしたために減少したという事態が起こっていることも、これまた事実でございます。農業政策の観点から見て、このことが好ましいか好ましくないかというお尋ねでございますが、きわめて端的に御質問になっておりますので、答弁も端的に申し上げたい気持ちはやまやまでございまするが、このことを、単に好ましいとか好ましくないとか、二つのことばで右か左に決定づけることは適当ではないと思いまするし、また、決して御質問の趣旨に適合しないと思います。私ども農業政策をやりまする場合には、やはり農業生産の安定的な成長並びに農業所得の確保ということをねらっていくべきであると同時に、農業経営の安定、まあいろいろな見地から、一言にして言えば農民のためになる政策を講じていくということが農業政策の基本ではなかろうか。 そこで、農家が種々判断をいたした結果、自分の経営なり家計の中でどの農産物を選択したほうがより有利であるかということになって選択をし、その結果、その農家の家計なり経営が安定をしたといたしますれば、その選択の結果というのは、その農家にとっては望ましいことであるというふうに思います。しかし、他面、農産物の国内自給をはかるという別の政策配慮というものもあるわけでありまするから、従来のイモの作付面積の減少の結果、他の農産物に転換をしたということが、個々の農家にとってそのことが結果的に所得の向上なり、経営の安定に資した場合があったといえども、そのことだけをとらまえて、単に好ましいことであるというふうに断ずるわけにはまいらぬというふうに思っておりますので、先ほど冒頭に申し上げましたように、ただいまの端的な御質問に対して、農林省の立場で、これは好ましいことであるとか好ましくないことであるとかいうことを、軽々に申し上げることは適当ではないというふうに考えております。
○川崎(寛)委員 毎年同じことが繰り返されるわけでありますけれども、けさほど陳情されました農民の代表も、いまの価格あるいはいまの振興策というものの中では、農家の所得安定ははかられないのだ、こういうことで切々たる訴えがあったわけです。けさほど時間があれば、与党の皆さん方が推賞しております労働問題のたいへん専門家であるそうでありますから、そういう立場から、都市労働者の賃金なり都市労働者の生活向上なりというものと比較をして、産業間の格差をなくすという立場に立った農林大臣の明確な答弁を聞きたかったのでありますけれども、これは時間の関係で聞きませんでしたので、省くわけでありますけれども、しかし、現に減っていくということ、それはやむを得ず減っていくわけで、鹿児島のように、三十九年までは一応でん粉工場にいたしましてもふえてきた。それから一工場当たりの生産量もふえてきておるわけです。しかしこの作付面積も、鹿児島のようなところでも今度は減り出しているわけですね。ですから、台風常襲地帯であり、特殊土壌地帯であって、他に農家の主作物としては転換作物がない。しかし、それでもなおかつ徐々に減っていく、こういう傾向にあるのです。 そういたしますと、全国的に見てこういう減る傾向、この減る傾向というのは、大体いまの程度の割合で減っていくという予測の上に立っているのかどうか。そのことは、一方では、先ほど答弁いただきましたでん粉の需給関係というものを見ますとき、国内産のでん粉の供給というのはやはり減っていくわけですね。でありますから、ここでお尋ねいたしたいことは二つ。一つは、でん粉総需要がふえる中で、国内産でん粉のウエートというのをどう考えていくかということが一つ。それから作付面積の減少の傾向というものを、長期に見るのかどうかということの二点であります。
○八塚説明員 これは、先生いまお話にございましたように、たとえば三十五年当時から見ましてもかなり顕著に減っておるわけでございます。それ以前の食糧増産時代から見ればさらに減っておるわけでございますが、ただ、これはやはりお話があった主要産地、九州あるいは東海、関東というようなところが、ほぼ全国的には八〇%以上を占めておるわけでございますが、そのうちで関東あるいは東海等は、これは他の作物に対する転換も立地上比較的容易であるというようなことで、他の作物に転換すること自体の価値判断、それがいいと思うか悪いと思うかというお話につきましては、先ほど食糧庁長官から申しましたようなことでございますが、いずれにいたしましても九州等におきましては減ってはおりますが、まあ比較的減反率は低いわけでございます。 もうちょうちょうするまでもなく、九州等におきましては、最近は台風が比較的参りませんけれども、やはり台風に対する配慮というものは絶対に必要でございますし、それから土壌条件等からいいましても、そういう点については必要欠くべからざる作物でございますが、大体私どもの見ておりますところでは、そういういわば加工原料地帯では、もうそう顕著に減らないであろうというふうに見ておるのでございます。ただ今後、これはいろいろな他の作物との関係、あるいは労賃との関係、あるいは非常に不確定な要素でございますが、国際的な状況等も考慮いたしますならば、具体的にどういうふうになるかというのは、計数的にいますぐ出すのはなかなか困難であろうと思いますが、大体落ちつくところに集約されてきたのではないかというふうに見ておるわけでございます。
○大口説明員 後段のお尋ねのでん粉の問題でありますが、御案内のように、ここ数年間でん粉の不足傾向というものが逐次顕在化してまいりまして、昨今、コーンスターチ等の供給によって需要をまかなっているという事態になっておることは御承知のとおりでありますが、本年においては、総需要量の中で国内産のでん粉の持ちまする持ち分と申しますか、シェアと、それからコーンスターチに依存しなければならない数量というものが、その差においてあまり違わなくなってきておるということは、やはり今後でん粉の需給をいかなる形で運用してまいるかということと、それからトウモロコシの輸入原料に依存するコーンスターチ産業というものを、今後どういうふうな位置づけもしくは育成をしていくかという問題は、非常に基本的かつ緊急の問題になっておる認識は私どもも持っておるわけでありまして、現在、御承知のような関税割り当て制度等の運用によってこの問題を処理し、またコーンスターチと国内産のでん粉の調整等の措置を講じておるわけでありますが、それらの措置は、あくまで長期的な施策というわけにはまいりませんので、やはりでん粉の将来に対して、国内産並びにコーンスターチの関係をどういうふうに理解していくかという問題は、先生のおことばによれば毎年申しておることではございますが、より深刻な問題として私どもは理解をしておるつもりでございます。
○川崎(寛)委員 深刻な問題として理解をされ、また基本的な態度を緊急に定めなければならない、こういう事態に至っておるという長官の御答弁、また園芸局長の主産地における一つのタイプといいますか、一つの型が大体落ちついてきたのではないか、こういう答弁を両方あわせて考えますに、いまそうした基本的な、長期的な判断と施策を立てなければならないということになるわけでありますが、そういう基本的なものを判断し、長期政策を立てていくということについて、調査会等を設けて、これらをここで抜本的にというか、きちんと固めることはどうかということについて、ひとつはっきりした御答弁をいただきたいと思います。
○大口説明員 私ども、まず政府部内なり食糧庁、農林省部内でこの問題を少し堀り下げた検討をすべきであるということで、現在、検討の緒についておるところでございますが、調査会等というただいま御指摘のような機関を設けて、そこで御検討願うということも、あるいは一つの方法かと思いまするが、ただいま御指摘になりましたような、私どものほうでそういうものを設けて検討するということは、実はまだ検討しておりませんが、せっかくの御意見でございまするから、大臣にも報告をいたしまして研究をいたしたいと思いまするが、まず、少なくとも私どもの手で各方面の資料等を収集して検討するということを、手始めにやってまいりたいと思います。
○川崎(寛)委員 そうしたら、事務当局でそういう資料等の検討を固めていこうというのでありますが、大体いつごろまでにそういう方向を定めて、それを農林省全体のものとされるのかどうか。そうじゃないと、毎年同じことをされることになるので、ひとつその点の大体のめどを伺いたい。私は昨年も、価格を決定する際にはそうした長期策を出しなさい、それでなければ農家は——昨年は鹿児島だって決して基準価格より悪くないのです。悪くないのだけれども減っていくのです。ですから、長期安定策というものが明確でないから、あっても少しだから、農林省に対していま農民の不信というものは、端的に言わせてもらえば強い。ビート等は、いやというほど痛手を受けているわけでありますから。 そういうあれからいたしますと、やはりここででん粉全体の需給策、国内のでん粉の度合いというものを明確にし、その中で原料イモについてはこうするということが、いま長官が言われたようなそのことが、価格決定の際にあわせて出なければ、農政の方向としては、明確に農民の信頼を得ながら進んでいくということにならないと思うのです。 でありますから、いまの御答弁をさらに詰めて伺いますが、大体そういう資料の分析結果を出す、そういう方向というものをいつごろまでにめどを置かれるのか、明確にされたいと思います。
○大口説明員 ただいま根本的な検討をするということを申し上げておりまして、もちろん私どもも根本的な検討をするわけでありますが、根本的な検討をした結果、何らかの対策を講ずることの一つの目標が、国内のイモの作付面積の減少を食いとめるということのみを目標にしてやっておるということではないわけでございまして、そういうふうに御理解にはなっておられないと思いますけれども、ちょっといまの御論議の展開のしかたから……。私どもとしましては、先ほど園芸局長が答えられましたように、主産地におけるでん粉用のイモというものは、そろそろ落ちついたんではないかというふうな見方をしておるのでありますが、そういうような事実に立脚して、今後のでん粉需給をどうするかという問題を検討いたしたいと思っておるわけでございます。 いろいろ各方面の御意見の中には、現在の関税割り当て制度の仕組みその他についても堀り下げた検討すべきではないかと、具体的な数字も入れて御提案になっている向きもあるわけでありまするから、その問題は関税に関係する問題でございまするので、何らかのめどをつけるには、それ相当の制度からくる必要な時点というものがございます。したがいまして、もうここでもって検討は終わるんだという最終時点をつけることはむずかしいと思いますが、しかし、少なくともコーンスターチの問題については、ことしの暮れごろをめどに何らかの方向というものを打ち出さなければ、具体的には来年の四月以降の関税割り当て制度の問題をどうするかということには間に合わないわけでありますから、それぞれの検討項目に応じてそれぞれ必要なタイムリミットというものがあり得ると思います。 しかし、ここで根本的に検討しますということだけを申し上げておいても、期限をはっきり切るべきものと、そうでないものとあると思います。また来年のこの時点に立って、同じことを繰り返すのではけしからぬということをおっしゃるつもりでおっしゃっておられると思いますけれども、しかし、やはり検討する項目によっては、相当長期にわたって検討すべきものもあり、また目先大急ぎで解決しなければならないものもあると思いますので、一般的に期限はいつかという御質問に対しては、ちょっとお答えしにくいわけでありますが、ただ、私が先ほど来からお答えをしております内容から、そこら辺の点はごそんたくいただければ幸いかと思います。
○川崎(寛)委員 当面措置をしなければならない問題は、検討し措置をしなければならぬというのはあたりまえのことであります。ただ長期という場合に、ここ数年間を見通したこと、あるいは五年なり十年なりそういうものをやはり見通して——それは計画ですから狂うことはありますし、改定をしていかなければならぬ点もあるでありましょうけれども、やはりここ数年間を見通した長期のものを早期に立てられる、こういうふうに理解してよろしいですか。そのいつという時期は大体わかりますが、それはまだいつと言えないかもわからないけれども、しかし、ここ数年間を見通したものを、少なくとも早い機会に出そうということですね。
○大口説明員 農林省の中で相談をしなければならぬ部局もございまするので、私がここで独断で、よその局に関連のあることをかってに申し上げるわけにもまいらぬと思いまするが、少なくともでん粉の需給問題ということになりますると、私どもが主として取り扱い、かつ検討しなければならぬ問題でありまするので、この問題につきましては、やや長期的な見通しが立ち得るならば立てたいということで、根本的に検討いたしたいと思っております。
○川崎(寛)委員 それでは次の問題を、時間の関係がありますからお尋ねいたします。 現在カンショでん粉の全国の工場数は何ぼであるかということ。それから四十一年度の稼働工場数というのは、私の手元にあります資料によりますと一千百十二、こういうことになっておるのでありますが、大体こういうものかどうか。四十二年度において、この工場数のうち稼働率が何ぼになっておるか。
○大口説明員 数字を当っておりますので、ちょっとお待ちください。
○荒勝説明員 私から答弁いたします。 四十二年の分は、現在まだ資料を全部集計いたしておりませんのでわかりませんが、四十一年の大まかな、一部推定も入るのでありますが、カンショでん粉工場は、農協系で約二百七十五、それからいわゆる業者の方が八百三十二で、全体で千百七ぐらいだと思います。それからバレイショでん粉のほうにつきましては、約三百八十五ぐらいでございまして、おおむねこの両工場は、昨年は稼働されたのではなかろうかというふうに理解しておる次第でございます。
○川崎(寛)委員 いまのは稼働工場ですね。そうしますと、生産能力に対していま何割稼働しておることになりますか。
○荒勝説明員 いずれにいたしましても、バレイショにいたしましてもカンショにいたしましても、大体二カ月ないし三カ月しか稼働いたしませんので、その年の豊凶の差にもよりますが、いわゆる設備能力からしてどのくらいの年間の稼働率かということになりますと、実ははなはだ推定がむずかしい。当該工場の、一工場一工場ピックアップいたしまして、その工場がどのくらい稼働したかということはわかりますが、全国的なことはなかなか把握はいたしにくいということであります。
○川崎(寛)委員 鹿児島は、鹿児島の地元新聞によりますと、原料イモが不足ですね。作付面積の減少、それから干ばつ、これで原料が不足し、そのために、現在もう大体見込まれておりますのが、五十一工場程度はことしは操業中止するのじゃないか、こういう予測が出ておるわけなんですね。現在すでにすり込みも始まっておるわけなんですから。そうしますと、原料が不足、そのために操業中止、こういう事態にいま追い込められてきているわけなんです。しかしでん粉の総需要はふえておる。カンでんは、昨年は五十四万トン、本年度は四十五万トンで、また減るわけですね。こういたしますと、どんどん操業中止か統廃合か、そういう方向に、いやおうなしに自然淘汰の方向に進んでおるわけなんです。この点は、国内でん粉の需給安定ということを立てます場合の一番大事な点でもあろうと思うわけであります。こうした操業中止の工場が、どんどん出てくるという深刻な事態にあるわけですね。ですから、そういう中で、特にカンでんの場合は、北海道のバでんのように合理化工場という形に近代化されていないという弱点がたくさんあるわけでありますけれども、こうした趨勢について、食糧庁としては自然の勢いにまかせるつもりなのか、このことを適正規模の方向に持っていくつもりなのか、その指導方針をひとつ聞かしていただきたいと思います。
○荒勝説明員 私たちのほうで、カンでんの場合につきまして、たびたび県並びに業界の方に対して、ただいま指導しているところまでいきませんけれども、まあ話し合いを進めているわけでございますが、ただいま御指摘がありましたように、北海道のバレイショ工場につきましては、むしろ北海道のバレイショは、ことしは面積こそ多少減ったかとも思いますけれども、全体として、この五年間の趨勢値といたしましてはバレイショはふえてきている、反収増が見込まれて傾向としてはふえてきております関係もありまして、従来の古い型のでん粉工場を逐次整理されまして、そして近代的な大型の合理化工場への再編成というかっこうで、道の、いわゆるバでんのほうは進んでおりまして、私たち役所のほうといたしましてもそういう線を強く進め、またお願いしているようなかっこうでございます。 しかしながら、カンショでん粉のほうは、面積的にも数量的にも下降傾向をたどっておりまして、北海道と同じように、一律にとは申しかねるのでございますが、しかし、南九州のいわゆる鹿児島あるいは宮崎、こういった大主産県におきましては、今後ともある程度カンショというものは継続して残られるのではないかというふうに私どものほうも理解しておりますので、カンショでん粉の工場のほうが戦後二十数年間、あまり近代化といいますか、近代的な工場をつくられずに、古い型の工場でつくられておられますので、われわれとしましては、県当局あるいは業者に対して、北海道のように近代的な合理化工場をつくって、いわゆる合理化を進める余地があるかどうかについて、現在大いに検討するように、また検討された暁には、われわれとしてもその結果について御相談に応ずるということで、強く現在指導しているようなかっこうでございます。
○川崎(寛)委員 日本生産性本部に相談をして、鹿児島県としても実態調査というか、分析を頼んで、最近結論も出たようでありますけれども、しかし、今後の方向としてはなかなか明確に出ていないと思います。いま部長から御答弁があったわけでありますが、自然淘汰の形で現実には進んでいる。そういう中で、部長はいまそういう方向を主産県の当局と話をしながらやっていこう、こういうことでありますが、ではもう少し具体的にお尋ねをしたいと思います。 園芸局長も、第二部長も、鹿児島へ行かれてでありますか、あるいはこっちですか、いろいろ話もしておられると思うのですね。そこで、具体的に転廃業あるいは協業、そういう転廃業する、合理化していく、協業化していくという方向に対して、資金あっせんというものを明確にやっていくのかどうか。業者自身も自主的に、再編成に対しては、今日の原料の状況等から体制はつくりたい、こういうことも言っておるわけなんですが、そこらの点についてどのように具体的に一いまは検討、こういうことですけれども、そういう政治的な答弁だけでなくて、もう少し明確にその辺の方向というものを、現にどんどん操業中止になっているのですから、ひとつ明確に出してほしいのです。
○荒勝説明員 ただいま私、カンショでん粉の件で大型化、近代化を進めておりますという答弁をいたしたわけでございますが、これにつきまして県当局のほうは、ある程度バでん式に、あるいは再編成してみたいという強い御希望はあるようでございますが、具体的に、業界の場合になりますと、個々の企業の合併あるいはその業界としての再編成というような気分にはまだなっておられませんで、いろいろ御注文というか、御意見が多くて、われわれとして最終的には決着、結論を出す段階に至っていない。今後ともわれわれとしましては、何らかの形で、この活路を見出したいというふうに考えておる次第でございます。
○川崎(寛)委員 先ほど園芸局長も、大体主産県の方向というものは一つの型にきたというお話だったわけですね。そうしますと、国内産でん粉というもののでき過ぎ、つまり、国内ででん粉が過剰になってどうにもならぬというふうな事態は、数年前のそういう事態というものは、今後考えられないということは、長官、それはよろしいですね。大体それは確認がとれると思うのです。そうしますと、主産県の型は一つの型にきた、こういうことになりますと、これはいろいろまだ検討しなければならぬ点もあろうかとも思いますが、原料イモについては契約栽培にする、そういうふうな形で、より安定をした作付の方向に持っていけないかどうか、そういう点の検討はないかどうか、お尋ねします。
○八塚説明員 私、先ほど申し上げましたように、九州等におきます主産地はほぼ、型と申しますか、大体のところへきたというふうに申したのでございますが、ただそれは、別に客観的にいまの事態を放置しておっても何をしてもそうなるのだということではもちろんございませんで、先ほど付言をいたしたと存じておりますが、やはり労賃が、今後とも農村等におきましても上がっていくというようなこともございますので、当然省力化であるとか等の努力を払うことによって、そういうことになるのだと思うのでございます。 そういう意味におきまして、今後作付がこれ以上顕著に減らないというようなためには、いま申し上げましたような省力化のためのいろいろな努力をなすことが必要でございます。反面、契約栽培等の御議論もございましたが、契約栽培ということばの概念がきわめて広いわけでございます。永年作物の契約栽培、あるいはその年々の一年生の作物の契約栽培、同じ契約栽培をいたすにしましても、前年のうちに価格をきめておけるとかおけないとか、いろいろ技術上の問題もございますので、一般論として、すぐ契約栽培でどうこうということは、なかなか困難だろうかと思いますが、いまでもやっております予約で、できるだけ農協と工場と話をしていくというような線は、必要なことであろうかと思います。
○川崎(寛)委員 この点は、早くきちんとしないと、国内のイモ作というものは、バレイショにしてもカンショにしても、今日の事態の趨勢からすれば、やはり壊滅的な状態になりかねないという要素をはらんでおると思うのです。ですからその点は、ほうっておいたらと、そういう局長の御答弁ですけれども、それはほうっておけばあたりまえのことであって、少なくともここ十数年の間の傾向として一つのタイプができておるわけなんだし、そして国内産のでん粉が必要なんだ、こういうところでいけば、それを安定をさせる、さらには増産さしていく、振興していくという方向というのは、ひとつここで明確に確立をしてほしいわけです。ですから、これは先ほどの長期安定策とも関連をいたしますわけでありますけれども、この点は、主産地の農民にしてみれば、こうした契約栽培の方向に持っていってほしいという形で、いま原料のイモ作の安定の要望が強くなってきているわけです。これはぜひひとつ検討してほしい、こう思います。 時間の関係で、やっておりますとまたおしかりを受けますから、もう終わりたいと思いますけれども、最後に一つ長官にお尋ねしたいのです。 私は、午前中大臣に対して、農安法が有効に作用したかという点をお尋ねしたのですが、それは明確なあれはなかったわけです。そこで、今回のカンショについての三十六円にそれが有効に作用しているかどうか、あるいは農安法の精神というものが——つまり議員立法であります。議員立法でありますから、農林当局として、その議員立法の精神の解釈にはずいぶんいろいろと抵抗もあるのじゃないかとも思いますが、第二算式によれば三十九円五十六銭という価格が出ていると思うのです。第一算式で三十四円五十七銭、生産費で推定して三十三円二十三銭。第二算式でまいりますと三十九円五十六銭、ここまでいけば、少なくとも生産者団体の要求をした価格に近いわけですね。ですから、当然算式として法律の中に書かれておるわけだし、この三十九円五十六銭という第二算式に出ておるそれらを考えますならば、けさほど芳賀委員からも労賃のとり方についての御質問があったわけでありますけれども、少なくともこれならばのめるのじゃないか、こういうように思うわけです。その点どうですか。
○大口説明員 議員立法の法律の運用について、われわれ事務当局は一切抵抗を感じておりませんので、冒頭に申し上げておきます。 農安法が十分機能したかどうかということは、私はいろいろな言い方があると思います。ただいま川崎先生がおっしゃいましたように、労賃というものをできるだけ奨励的な意味での評価がえをするということによって、価格政策の面で大いに生産を振興するという方法、いろいろあると思いますが、私は農産物価格安定法という法律は、やはり法律に書いてありますように、再生産の確保を旨としてと書いてありますが、そこの読み方について、いろいろ御見解が分かれるところであろうかと思いますが、私どもは、やはり生産費を割るような価格をきめるべきではないと思っております。しかしながら、絶対量として前年の生産量と本年の生産量と、同じかそれ以上にしなければ再生産の確保ということばに当てはまらないという御解釈であるといたしますと、他の農産物の価格の法律に全部同様なことばが使ってあります。たとえば、麦の場合におきましてもそういうことばが使ってございますが、私どもとしましては、やはり価格の面で生産費を割らないようにということが、再生産を確保しということの意味であろうと思います。ただ、その場合の生産費に何をとるかということについて、これは政策判断が入るわけでありますから、農産物の種類ごとにそういう政策判断を異にしておることは、けさほどの大臣の答弁にあったとおりでございます。 それからもう一つは、農安法を制定して価格が下落したときに、政府がでん粉を買い入れる仕組みになっておりますが、最近ちっとも買わないから、農安法は意味がないということをおっしゃる向きがよくあるわけであります。私は買い入れが少ないということは、下落をしなかったということでむしろけっこうなことだと思いますので、その意味でも、私は農安法が機能しておらないということは、必ずしも言えないのではないかと思いますが、ただ私は、農安法の制定されました趣旨を事務当局として忠実に尊重して、価格算定をしておるつもりでございます。
○川崎(寛)委員 終わります。
○赤路委員 ちょっと関連して。答弁は求めません。一点だけ注文をつけておきます。 いろいろ川崎君の質問で御答弁を聞きましたが、これだけ言っておきたいと思います。昨年、原料基準価格は三十四円、ところが、現地における売買価格が大体四十二円から四十三円、これは御承知のとおり。本年三十六円、売買価格はおそらく四十五円から五十円にいくだろうことが考えられる。そうすると、政府の出した原料基準価格というものは、何も意味がないということになる。それだけ高い値で売れるなれば農民は喜ぶだろう、こうおっしゃるかもしれぬが、それだけでは私は解決のつく問題ではないと思います。こういうことは、先ほど来話のありましたように減反してくる。これは単に労働力が不足してきて減反するというだけの問題ではないように私は思う。 その一つは価格の点にある。昭和二十八年に千七百七十円、そうするとことしで十三年目で二千円、値上がりは二百三十円。これをパーセンテージにすると一三%。米の場合は、ことしの価格は平均して一万九千五百二十一円。そうすると、二十八年の米に比しますと大体二三〇%くらいになる。あまりにも開き過ぎておる。こういうような現状のもとでこれを再検討せぬということになれば、それはイモ作しかやれないような農家は、見殺しにするということと何ら変わりはないと思う。これは真剣になってやはり取っ組んでほしい、これを注文をつけておきます。答弁は要りません。いい答弁はもらえぬから。
○仮谷委員長代理 芳賀貢君。
○芳賀委員 午前に引き続いて食糧庁長官にお伺いいたします。 まず第一の点は、今年の価格決定における手続上の問題になるわけでありますが、改正農安法の第五条に買い入れ価格の規定があるわけであります。この中で、特に農林大臣が価格を定めようとするときは、まず「生産者団体にはかり、その意見を尊重して農林大臣が定める。」ということになっておるわけでありまして、今年の価格決定にあたり、この法律に定められておる生産者団体に対して正式に意見を聴取したかどうかという点と、生産者団体から正式な意見書というものが、どのような内容をもっていつ提出されたか、この点を長官から説明してもらいたいと思います。
○大口説明員 農業団体の意見を聞いてきめるということになっております。そこで、価格の決定に先立ちまして、農業団体に正式文書で意見を求めました。正式文書で返事をいただいております。
○芳賀委員 その正式文書の意見の内容というものを、この際明らかにしてもらいたい。
○大口説明員 文書をいま手元に持っておりませんので、正確な表現は御容赦いただきたいと思いますが、あまり満足をしておられないというような趣旨の返事だったように思います。
○芳賀委員 長官は、その文書の内容をごらんになったのですか。
○大口説明員 文書そのものは見ておりませんが、文書を受け取ったことは、十分部下から報告を聞いております。
○芳賀委員 これは法律にわざわざ、農林大臣は生産者団体にはかり、その意見を尊重して定めるということになっておるが、農林大臣もおそらく見ておらぬでしょう。一番肝心な食糧庁長官がそれを見ておらぬということになれば、そのような意見書が出ても、これは全然一顧だに値しないということですね。これはほごにして捨ててあると私は思うわけです。おそらく農林省ではもうほご入れに入れてないと思いますので、その控えを持っておりますから、私から読み上げて、委員会の記録にとどめておきたいと思います。 生産者団体ば省令で指定しておるわけでありまして、全国販売農業協同組合連合会、この会長理事は横山摂治君であります。昭和四十二年の十月七日決定の日付で農林大臣倉石忠雄君に対して、正式に書面をもって意見を具申しておるわけです。内容は、 昭和四十二年産いも類の原料基準価格並びにでん粉等の政府買入基準価格について このことにつき本日諮問のありました価格については生産者団体の意見を無視されたものであり、特に下記事項については甚だ不満でありますので再度御考慮賜り度く御回答申上げます。 記 一、原料基準価格について 甘しょ、馬鈴しょの原料基準価格については到底再生産の確保が困難であり、農産物価格安定法の趣旨に則り再生産の確保と農家所得の安定を図るよう引上げられたい。 二、加工経費については食糧庁並びに農業団体の調査に基く要請額であるのでその額まで引上げられたい。これが、正式な生産者団体として農林大臣に提出した意見の内容であります。これはだれもごらんになっていないんだから、本ものか何かわからぬでしょう。どうですか。
○大口説明員 ただいま芳賀先生がお読みになった文書と、私どもが正式に受け取りました文書とは、表現が同一であるように思います。
○芳賀委員 これはばかったわけじゃないですね。きめる寸前に、去年と同じように一応こうきめるがどうだという最後通達のようなものを出して、どのような意見が出てもそれは取り上げない、中身は見ないぞということで出させておるわけでございますか。
○大口説明員 内容は、たまたま私が手に取って読まなかったということでそのようなことを仰せられておるのかと思いますが、私どもとしましては、法に定められております規定に従って、農業団体の意見を文書をもって聞いたのはそういう内容でございますが、しかし、日ごろ農安法の運用につきましては、価格決定の最終日に先立ちまして、いろいろ農業団体あるいはそれ以外の方々からも御意見を承っております。私どもこの法律の運用にあたりましては、そのような御意見を初めから全然無視するというような態度はもちろんとっておりません。いろいろな立場からする御意見を勘案して、最終的な判断を農林大臣に求めておるつもりでございます。
○芳賀委員 われわれとしては、最近の農協を主体とする生産者団体の行動というものは、非常になまぬるいというふうに考えておったわけですが、そのなまぬるい生産者団体がよほど腹にすえかねて、政府の今回の決定寸前の案に対しては絶対これは了承できない、改正された農安法の精神から見ても、生産者として納得できないということで、強く反発したものであるということは明確であります。いま川崎委員からも言われたように、いまの自民党政府あるいは農林省の施策というものが、イモでん粉について毎年毎年自給度を低下させて、今年においては九州の干害のせいもありますけれども、総需要量百三十万トンの推定に対して、カンでんが四十五万トン、バでん二十万トンとしても六十五万トンでありますから、総需要のちょうど五〇%しか国内の供給力がないというところまで低下してきておるのです。この傾向が将来さらに進んで、国内生産のでん粉が五〇%を割って、輸入でん粉や原料輸入によるコーンスターチ等の供給が国内において五〇%以上になるということになれば、全く主客逆転ということになると思うわけです。これは午前中言ったとおり、大豆、なたねが自由化された後の政府の保護政策の欠陥等があって、もうすでに大豆にしてもなたねにしても、国産には依存するだけの占有率がないわけですから、全く壊滅したようなことになるわけです。一朝誤ると、イモでん粉の場合もやはりそういうことになって、従来は国内のでん粉が主体であって、不足分を補完的に輸入に求めてきたわけでありますが、これが逆転して、輸入が主体になって、むしろ国内の生産に補完的な役割りを期待するということになった場合においては、取り返しのつかないことになると思うわけです。ですからこのことに思いをいたした場合に、単に価格決定だけを何とかやればいいという問題では断じてないと思います。したがって、根本的な対策等についても、これは速急に確立する必要があるということを、まず指摘しておきたいと思います。 次に、手続上の第二の問題としましては、昨年までは価格算定に必要な需給事情、たとえば、今年度の供給量がどうなるかというような問題、あるいは生産費を算出するような場合において、今年度のカンショ、バレイショの生産数量の的確な把握というものが当然必要になるわけです。従来は、カンショについては、実収高の公表が十二月になるわけですからして、どうしても予想収穫によらなければならない。バレイショの場合には、十月の上旬に実収高の公表が行なわれるので、バレイショについては最近時の、いわゆる最終の実収高によって試算をするということを大きな主張点として農林省はきたわけです。 ところがことしは、本日バレイショの実収高が公表になっておるわけですが、それを待たないで、バレイショについても第一回の予想収穫高によって試算をしたということになっているわけです。去年までは、バレイショの実収高が公表にならないので、価格決定の作業に入れぬということを頑強に主張してこられたわけでありますが、ことしは豹変して、本日の収穫高の発表を待たないで価格決定をやったということは、大きな方針の変化であると思います。したがって、ことしのような方針でやるとすれば、来年以降については、カンショについてもバレイショについても、いずれも予想収穫高をもって必要な試算を行なうということになると思いますが、そのような方針でこれから進むかどうか。
○大口説明員 昨年のイモ並びにでん粉の価格を決定いたしまする御論議の際に、バレイショについては十月十日の結果を見た上で計算をいたしたいということを申し上げたことは、ただいま御指摘のとおりであります。 〔仮谷委員長代理退席、赤路委員長代理着席〕 今年のバレイショの生産の状況は、芳賀先生も十分御承知のとおり、北海道におきましては、平年と比較をいたしますると、比較的順調な部類に属しておると思います。そこで、私どもといたしましては第二回の数字において、従来私どもがつかんでおります傾向と著しく違う数字が出るということはまずまずなかろうということは、私どもも内部の連絡等によって内々承知をいたしておったのでありまして、このバレイショの数字を価格決定の際に使用いたしまするのは、御承知のように反収でございまして、昨年の生産費調査の結果を本年に置きかえまして、それを単位収量当たりに換算いたしまする際に使用いたしまする反収を、できるだけ新しい数字によってきめるということに使うわけでありますから、ただいま申しましたように、本年のバレイショの場合におきましてはさしたる変化はない、悪いほうに変化をすることはまずなかろうという推測のもとに、私どもといたしましては作業を取り進めた次第でございます。 したがいまして、私どもは、よほど最終の数字を見なければ責任のある正確な計算ができないという事態がある場合を除きましては、本年のような作業によって取り進めることも、今後可能ではなかろうかと思っておりまするが、ただ、それまでに発表されました数字と最終的に発表されまする数字との間で、著しく下降する危険があるということが、諸般の情勢から考えられまする場合には、あるいは数字の明らかになるのを待った上で算定をするということが、必要になる場合もあるかと思いますが、そうでない場合におきましては、本年と同様な裁量の試算をしても、結果においてひどく実態と食い違うことがないのではなかろうかというふうに考えております。
○芳賀委員 それで間違いないですか。去年まではバレイショの実収高が公表にならないので、最も的確を期するために——昨年の場合には十月十一日に公表になった。一昨年も同様です。従来からバレイショについては、実収高の公表を待って正式な作業を進めることになっているので、実収高の公表がある以前にきめることはできません、作業することはできませんということを十数年来唱えてきておったわけです。それがいまのような長官の説明に変わると、来年からは御都合主義で、都合のいいときは八月十五日のまだイモの未熟なときの、不確実なものをつかんでもやるということになるわけですね。そうであればそれでもいいのですよ。だからあいまいでなくて、カンショもバレイショも来年度からはことしと同様に、不確定な予想収穫高によって試算をするならするということを明確に言ってもらいたいと思います。
○大口説明員 私が申し上げておりますことは、十月十日の数字が出る前であれば、もっと著しく早い時期でもできるということを申し上げているわけではございません。しかし、先ほど申されましたように、従来、毎年価格の決定は早期に決定をすべきであるという御要望は、当委員会におきましても、また外部の団体等からも非常に強く要望されております。しかし、農林省の中の統計調査部の作業並びに発表時期にかかわりまして、一定の時期以前には早くできないということもいかがかと思いますので、本年は比較的バレイショについての数字は安定をしているということでありましたので、前の発表の数字を使って試算をいたしたのでありまして、先ほど来申し上げておりますように、なるべく早く決定をするということが必要であり、かつまたそれがたいして誤差を生じないであろうということで、最大限の安全度をもって私どもが判断できます場合には一今年と同様の手続をとるということも、来年以降可能ではなかろうかというふうに考えております。
○芳賀委員 それは去年のあなたの答弁と非常に違うのですよ。カンショの場合は、十月三日に公表になったのは九月二十日現在の第二回予想収穫高で、バレイショの場合は、予想収穫高というものは八月十五日現在一回しか出していないのですよ。ですから、八月中旬の北海道のバレイショの成育状態というものは、的確に、どういう収穫の結果になるということは非常に捕捉しがたいわけです。それで去年もこの議論をした際、松田統計調査部長は、やはり確実な実収高を把握するということはどうしても必要であるし、実収高の公表時期を大きく繰り上げるということはなかなか至難である、ですから、価格算定上必要な資料ということになれば、方法論としては、第一回の予想と実収高の公表の中間においてもう一度、正式なものでないとしても確実性のある予想収穫高というものを把握して使うという方法は、研究の余地があるということを松田部長も言っているわけです。あなたは去年もきょうと同じようにつかみどころのない答弁で終わっているのですよ。ここをはっきりしてもらわないと、カンショもバレイショも予想でいくのか、バレイショは従来どおり、ことしは特例としても、来年からできるだけ実収高の公表を早めて、それによって確実な試算をやるのか。これは事務当局として方針が打ち出せると思うのですよ。しかし、はっきり言えぬと言うならそれでもいいですよ、そう言ってもらえば。
○大口説明員 昨年の御論議並びに本日のただいまの御指摘を十分肝に銘じまして、統計調査部で今後検討して研究をいたしたいと思います。
○芳賀委員 それじゃどうするというのですか。どうするためにどういう研究をやるのですか。
○大口説明員 どうしたらいいかを、これから研究するわけでございます。
○芳賀委員 それでは、先ほどの発言は取り消しになりますね。
○大口説明員 取り消しをする必要はないと思います。と申しますのは、先ほど申し上げましたのは、本年のバレイショの事情からすれば、十月十日の発表の数字の前であっても、それほど大きな食い違いはないであろうという判断をいたしたわけでございますが、そのような判断を腰だめでなくて、正式なものにすることができるかどうかを相談するわけでございますから、先ほどの答弁は取り消す必要はないと思いますが、しいて取り消せとおっしゃれば、取り消すにやぶさかではございません。
○芳賀委員 無理やり強引に取り消させるつもりはありませんが、しかし、あなたの発言が自信がないということだけは指摘したいと思うのです。それでは大きな狂いがあるのですよ。きょうの公表は、あなたは見ておらぬですね。
○大口説明員 見ています。
○芳賀委員 予想収穫高の反収は二千四百二十キロですね。きょうの発表は二千五百三十キロですから、反収で百十キロ、六十キロにして二俵違うのだから、これは統計調査の上から見れば軽々しい数字じゃないですよ。そうでしょう。そういう狂いが一日おくらすことによって是正できるのですよ。そうじゃないですか。従来はその主張を貫いてきたわけです。ただ、あなたの時代になって豹変して、全く不確定な収穫の数字を使ったというところに問題があるのです。これは生産費を出すために必要じゃないのですよ。附録第二算式もありますとおり、旧法の算式においても供給量というものは、非常に価格算定を左右しているわけですね、商品化率とかあるいは弾性値の問題からいって。今回の改正法の内容によると、あまりに供給量だけによって価格を左右するということはできない仕組みになっておるわけです。需給事情ですから、毎年五%以上需要が増大するというこの絶対的な傾向を前にして、国内生産が五〇%しかないという場合に、過去三年の供給の平均とことしの供給量を比較してどうこうするというわけにはなかなかいかないのです。しかし、附録第二の算定上からいえば、むしろ重要な要素は、生産費における反収が幾らかということよりも、今年のカンショあるいはバレイショを原料にしたでん粉の供給量というものが、実収高から見てどうなるかということのほうが必要な要素になっているわけです。そのくらいのことをあなたは知らないで、でたらめの生産費をつくるためにだけ必要であるから、それであれば予想収穫高でもいいなんというもんじゃないのですよ。そうじゃないですか。どうもあなたはたよりないですから、第二部長からこの点ははっきりしてもらいたい。
○荒勝説明員 ただいま御指摘のように、新しく公表されました北海道のバレイショの点については、単なる生産費のみならず附録第二算式の算定にも重大な影響力のあることは事実でございます。 ただ、私があえてこの際ちょっと補足説明させていただきますと、去年は北海道の場合は冷害が非常に強く出ておりまして、統計調査部の統計が常にわれわれの判断の中心的資料となっておったわけでございますが、そのほかにも、道庁の調べとか、あるいは試験場の調べとか、あるいはホクレンの調べとか、そういったいろいろな情報というか資料を参考にしながらやってきておったのでございますが、去年までは、ここの当委員会でも御指摘がありましたように、作柄の発表といいますか、日に日に作柄は悪く出ておりました関係もありまして、これでは算定は非常にむずかしい、やはり最終的な統計調査部の統計を十日の日にいただかぬことには、どうにもならないということで判断して去年の作業はいたした次第でございますが、ことしはどちらかというと、八月十五日現在の統計の発表以降、比較的本年は天候に恵まれまして、各種資料を取り寄せたり、それから九月に入ってからすでに稼働されておられるところのでん粉工場のデータ等も参酌いたしますと、むしろ豊作目といいますか、いい数字が出そうだということで、無理に待ってするよりも、この際思い切って早くきめたほうがいいのではなかろうかということも勘案いたしまして、作業を進めたような次第でございます。
○芳賀委員 次に、午前中議論を保留しておきました附録第一算式における現在の政令上の誤りの点については、これは昨年来議論した点でありまするし、パリティ価格の原則的な算定の方式というものは、多様性はあるとしても、しかし、算定上基準になる基準年の価格と、分母となる基準年のパリティの平均値というものを、これを年次を違えるというようなやり方は、これはパリティの計算としては絶対成立しない点でありますので、この点は昨年の議論の延長というようなことにもなるが、速急に政令の誤りというものを是正して、すなおに法律の趣旨というものが生かせるような附録算式に改める必要があると思いますが、この点は長官いかがですか。
○大口説明員 この附録算式第一の問題につきましては、昨年来芳賀先生が主張されておる問題につきましては、私どもは私どもなりに、その御主張の内容は十分理解しておるつもりでございます。また、それに対しまして私どもが申し上げている点もなかなか御理解いただけないので、その点は非常に残念でございますが、私どもはこの算式が、ただいま先生の申されたように、全く誤りであるというふうには実は私ども考えておらないのでございまするが、しかし、やはりこの問題をめぐってのいろいろな御意見につきましては、私どもも今後の研究問題として研究することはもちろんいたしまするが、ただ、誤りであるというふうには私ども残念ながら思っておりませんので、その点は私どもの意見としてお聞き取りいただきたいと思います。
○芳賀委員 いずれにしても、昨年政府がきめた四十一年度のカンショ、バレイショの基準価格に対して、パリティの変動率が一〇一・六九というようなことは、これは常識のあるものとしては考えることのできない変動率であるというふうに私は考えるわけです。この点は、法律では、第一算式に基づいて算出した基準価格を下回らないようにして、第二算式の勘案事項というものをこれに加味して、再生産が確保されるように農林大臣はきめなければならぬということになっておるので、第一、第二とあるが、むしろこの第一が価格形成上の柱になるわけです。この柱が全然伸びないようにして、むしろ柱を縮めるようなやり方を故意に農林省は政令でつくっておるというところが、われわれには了承できないわけです。しろうとが間違ってやったというならまだこれは許せる点もあるが、私よりも皆さんのほうが、それで給料をもらっているわけだから、専門的であるということは言えると思うのですよ。その専門的に仕事をしている人たちが、こういうあつかましい第一方式を出して、いまだに改めぬというのは全くけしからぬですよ。 大口さんいいですか、あなたはあと何年も長官をやっているわけではないでしょう。一説には、内閣改造と同時に、今度は大口君が事務次官になるかもしれぬというような話もあるのですよ。そのあとは、檜垣君が長官になるかもしれぬということです。これは流布されている推測ですから、的中率は非常に薄いでしょうが、その場合、大口君が長官の時代に農安法の附録算式というものをつくったが、いまになってみれば、よくおくめんもなく、優秀な官僚が附録第一のパリティ算式をつくったものだというそしりがあとから生まれると思うのですよ。いまあなたは長官として厳然としてそのいすにおるから、後輩も何も言わぬですよ。しかし、いつまでもそういう権威というものは続くわけではないのですから、自分の時代にこういう間違った算式をつくったわけですからして、少なくとも、たとえば事務次官になる前に、こういう誤りというものを正していけば、やはり大口長官というのは、誤りは誤りとしてこれを正すにやぶさがでなかった、なかなか筋の通った男だという称賛が生まれるかもしれない。これは大事なところなんですよ。いまは休会中ですから、何日も委員会をやるとか、法案の審議はできませんが、われわれは来年までこういうことを許す気はないですから、ことしはもう寝首を取られたように知らぬ間にやられちゃったから、今度はわれわれとしても十分注意して、来たるべき臨時国会とか通常国会においては、必ずこの農安法の問題を中心に、農安法の精神に反した政令等について、当然政府の責任でこれを直させるということをわれわれはやりますよ。それは国会としても委員会としても、そのくらいの力がなければ何も仕事はできないですよ。決しておどかすわけではありませんが、やはり誤りは誤りとして正すという熱意というものがなければ、国会における議論というものは前進しないですからね。その点についてもう一度、大口長官から率直な答弁をしてもらいたいと思います。
○大口説明員 この附録算式第一の問題は、私どもの説明をなかなか御理解なりお聞き届けいただけない点が非常に残念でございまするが、この附録算式第一というものは、現在は確かにパリティが年々上昇しておるという日本経済の現状でございまするから、そういう状態において、ただいま芳賀先生が御指摘になりましたように、この算式はそれを十分反映するに足りないという点があることは、その意味では私も理解をいたします。しかし、現在の農産物価格安定法におきまする価格というものは、この附録算式第一の価格並びに附録算式第二の価格、それから生産費、あるいは物価の事情、あるいは他の経済事情として、副産物と申しますか、第二次製品の価格から逆算をした価格等をいろいろ勘案してきめておることは、すでに先生十分御承知のとおりだと思いますが、私どもまた別に、およそ現状を離れた空理空論というようなおしかりを受けるかもしれませんが、パリティ価格というものは、最近のように恒常的に上がっておる姿ではなくて、年々変動していくという時代には、こういうような算式というものは、やはりこの算式なりの意味を持ち得るものではなかろうかということを私どもは御説明いたしておるつもりでございまするが、残念ながらそういう御説明は十分お聞き届けいただけないのでありまして、現在の時点に立って、この算式の持つ意味が、いろいろ議論の余地があるという点は、私は理解はできまするが、この農産物価格安定法の施行令に一つの基準としてきめるべき算式として、これが全く誤りであるというところまで申されますと、私どもは私どもとしてまた意見を申し上げたいというふうに、先ほど来申し上げておるのでございます。 ただ、先ほども申し上げましたように、この算式につきましては、芳賀先生の申されておるような御趣旨の御意見もありますれば、そうでない御意見もいろいろ私どもも伺っておりまするが、しかし、いずれにしましても非常に論議の多い問題でございまするし、また、非常に重要な問題でございまするので、私ども今後研究はいたしまするが、先ほど来申し上げておることの繰り返しになりますが、算式が理論的に誤りであるというふうには思っておりませんので、そういうことだけはぜひとも御理解をいただきたいと思いまするが、私ども、この算式ができ上がっておりまする意味というものは、先ほど私が申し上げましたような意味に理解いたしておるつもりでございます。
○芳賀委員 私は老婆心で言っておるのですよ。あなたが長官の在任中につくった間違った算式だからして、長官在任中にまたそれを正しく直しておいたほうが、将来のためにもいいじゃないかということで言っておるわけでして、あなたが直さぬと言ってもわれわれは直しますからね。その点は明確に言っておきます。また、私とあなたの議論に相違があるとしても——それは御用学者は別ですよ。この種の学者にしても、パリティ価格とかその指数をつくったあなた方の先輩に聞いても、大口君のやったのは間違いだと率直に言われるにきまっておるのですよ。 そこで、次にお尋ねしたいのは、もう一つパリティの用い方について問題があるわけです。麦価の場合には、四十年ウエートによっていわゆる新パリティを使ったわけですね。イモ類については、昨年まではもちろん従来パリティを使っておるわけです。ですから、従来パリティと新パリティにおけるその不利益性というものがある。これは麦価審議の場合の米価審議会で明らかになった結果、これを緩和するということで、食糧庁としては、いわゆる調整係数なるものを案出して、そして新パリティの欠陥というものを補正して今年度の麦価をきめたことは、これはあなたがやられたからわかっておるでしょう。その場合麦に対しては、米価審議会の指摘があったのでそのような緩和措置を講じたが、イモ類については委員会も開かれない、委員会にもかけないで、政府と与党だけのなれ合いできめた関係もあって、こういう当然の問題というものは議論にならなかったと思うのですよ。しかし、指摘されなかったとか議論にならぬから、イモの場合には、不利益のある新パリティをなまのまま使っていいということにはならぬと思うのですよ。同じ農林省、同じ食糧庁長官が、ことしの麦の値段はそういうふうな配慮をしてきめた。イモの場合には、第一算式の間違いはもちろんでありますが、新パリティの用い方についてのあたたかい配慮というものは、何らイモの価格決定には講ぜられていないじゃないか。これは一体どういうわけなんですか。
○大口説明員 パリティ指数のウェートを、従来の三十五年のウェートから四十年のウェートに変更いたしましたのは、最近における農家の支出構造の内容が、経済の伸展に伴いまして変わってきておるということを、より忠実に反映すべきであるということが一つと、それから他のやはり同様な事情で、政府が発表いたしましたもろもろの指数を、すべて三十五年のウェートから四十年のウェートに変更するという一連の手続が、現在進行いたしておりますので、その一環としていたしたのでございます。 麦の場合におきましては、御承知のとおり現在の麦の政府買い入れ価格の決定は、パリティ価格そのもので実は決定をいたしております。そのもので決定をいたしております事情の理由は、長くなりますので省略をいたしますが、そのもので決定をいたしております関係上、ウェートを改正いたしますことに伴いまして、昨年と本年との価格の連続性という見地から、農家に不測の衝撃を与えることが適当でないという判断から、調整係数というものを考えまして米価審議会に御諮問を申し上げたのでございます。 イモの場合におきましては、先生も御承知のとおり、パリティ価格そのものだけで決定をされておるわけではございません。他の要素等を相当勘案して決定をされておりますので、パリティのウェートを改定いたしましたことの結果が、そのままの形で農家にショックとなってあらわれることは、麦の場合に比較をいたしますと非常に少ないということもありまして、私どもといたしましては、イモの場合にはすでにウエートが改正になった、いわゆる当時のことばで申しますと新パリティを使用して計算をいたしたのでございまして、そういう麦と米との価格を決定いたします際の判断要素の相違というものの実情を反映いたしまして、さような取り扱いにいたしたのが私どものほうの理由でございます。
○芳賀委員 四十二年六月二十八日の米価審議会の答申の第一項に、「政府買入価格については、現行パリティ指数による額を基準とすべきであるとの意見もあるので、新パリティ指数による場合には、現行パリティ指数による額をも参酌し、再生産の確保を旨として善処されたい。なお、農業パリティ指数のウエイト改定については、十分な審議に必要な時日の余裕のないような諮問のしかたは遺憾である。」ということさえもつけ加えてあるわけです。これを受けてあなたはしかたなしに、おそらく不本意ながらでしょうが、一・〇四五二なるものを、いわゆる三十五年ウエートを四十一年五月パリティに乗じて調査して一七九・九三という係数を得た、こういう経過があるわけじゃないですか。大体これは二・九%補正しておるわけですから、これを麦に当てはめて、イモに当てはめるわけにはいかぬということにはならぬと思うのですよ。そういう冷淡な態度はないでしょう。ウェートのパリティの時点が、麦は五月、イモは八月ですから若干ずれるとしても、従来パリティと新パリティの指数の差は、だんだん向こうへ行けば行くほど開いてくる、こういう弊害がすでに出ておるわけです。 ですから、たとえばこの一〇一・六九というものがなまのままであるとすれば、これに麦と同様の、たとえば変動係数等を加えた場合においては、おそらくこの指数というものは一〇四%以上になると思うのです。そうなるでしょう。そうすれば、このカンショの三十四円五十七銭とか、バレイショの二十五円九十三銭というものは、附録第一を改正しない場合においても、今回告示された以上の価格というものがそこから算出されるということは、もうすでに明らかになっておる。そういうことをやらないで、ただいかにも生産者に恩恵を売りつけたような形で、ことさらに一番大事な附録第一の計算というものをおろそかにして、そうしてことしの価格をうやむやに決定するというようなことは、これは断じて許すわけにいかぬですよ。一体温情味のある、人情味のあるような役人の態度で、今回のパリティの取り扱いをしたかどうかということを率直に表明してもらいたい。
○大口説明員 ただいまの麦の場合に、調整係数を当てはめましたことにつきましての理由は、先ほど申し上げたとおりでありまして、イモの場合には、パリティ価格そのものの価格で実際の価格を決定するということになっておりませんことも考え合わせまして、経過措置をあえて適用しなかったということでございますが、ただ麦の場合に、いわゆる旧パリティと新パリティというものが、あの当時としては両方の数字を作業して決定いたしておりましたが、その差をいま直ちに附録算式第一の数字に当てはめました作業は、実は厳密にいたしておりませんので、作業いたしておりませんことで御答弁を申し上げることは差し控えたいと思いますが、ただ、今回決定になりました価格よりも調整係数を当てはめた価格のほうが、上に出るおそれは私はないと思っております。私どもが麦の場合のパリティ価格を決定いたします際に、新しいパリティ指数の計算方法に変えるという趣旨は、先ほど申し上げましたので御理解をいただきたいと思います。また、麦のようにパリティ価格そのもので価格が決定されておりますのを、パリティのウエート改正がいかほどの意味がありましても、現実には、連続性という意味で農家にショックを与えるということを緩和したいということで、調整係数というものを編み出しまして米価審議会に諮問を申し上げたのでございまして、そのことと、このイモの、現在私どもが計算をいたしましたこととの間に、私どもがやはりイモの価格を決定いたします場合には、イモ作農家のことも考え、またイモを原料にいたしますでん粉類の事情等も考え合わせまして、いろいろな要素を勘案して真剣な態度で決定をいたしたつもりでございます。
○芳賀委員 ですから、きょうの委員会を通じて価格をきめれば、こういう問題は残らず指摘されるわけです。注意を受けて、ちゃんとした姿勢で計算をすれば、こういうばかに安い、カンショが三十六円でバレイショが二十六円五十銭ということにはならないのです。少なくとも改正農安法の目的に沿って基準価格を算定すれば、バレイショ二十九円、カンショ三十九円、またでん粉価格は、バレイショでん粉二千四百円、二十五キロで千六百円、カンショでん粉二千二百円の数字が、これは出てぐるのですよ。 次にお尋ねいたしたい点は、午前中にも大臣に尋ねましたが、ことしの四十二年の推定生産費というものは、一体どういうような計算でカンショ三十三円二十三銭、バレイショ二十二円七銭ということで出たのか、この算式の内容について説明してもらいたい。これは計算ですから、担当の課長さんでもいいですよ。
○荒勝説明員 では御答弁いたします。 カンショにつきましては、統計調査部のほうからいただきました四十一年産の生産費を基礎にいたしまして、それでいたしますと、結論的に申し上げますと三十七・五キログラム当たりのカンショの生産費が二十九円八十二銭と算出されておる次第でございます。それからバレイショのほうは、四十一年産は比較的凶作でありました関係もありまして、結論といたしまして、バレイショは三十七・五キログラム当たり二十七円十銭という生産費をいただいております。 これに対しまして、ことしわれわれの算出いたしましたのは、お手元に差し上げましたとおりでございますが、ことしはカンショにつきましては、比較的干害というか、干ばつ現象がありまして、これを計算いたし直しますと、三十三円二十三銭というふうに出ておる次第でございます。それからバレイショにつきましては、昨年は二十七円十銭でございましたが、ことしは御存じのようにたいへんな豊作でございますので、いわゆる八月十五日現在の、ただいま御指摘がございましたが、古いほうの反収をかけまして修正いたしますと二十二円七銭でございます。 なお、これを詳細に申し上げますと、バレイショを一つ例にとって申し上げますと、四十一年産の実績生産費のうち、いわゆる物財費というのと労働費でございますが、これについては農業経営パリティの四十二年四月−六月を分子にいたしまして、分母に四十一年四月−六月のパリティを入れますと、一〇五・一一のアップ率になっておるような次第でございます。それにさらにこの副産物の価格につきましては、逆に飼料パリティというものを使いまして、多少下がっておりまして九九・七というものを入れていたしますと、大体基本の物財関係のコスト計算が出てまいるわけでございます。そういたしますと、バレイショは一ヘクタールあたりの差し引き生産費が本年は一万五千七百二十五円と出ておりまして、昨年の一万五千一円より多少生産費は上がっているわけでございますが、これを十アールあたりの、いわゆる反収といいますが、十アールあたりの収量で割りますと、これが昨年は、バレイショの場合は二千七十六キログラムだったのが、ことしがこれが二千六百七十二キログラムというふうに出てまいります。これは八月十五日現在の時点の分でございますが、先ほどの一万五千七百二十五円をこの二千六百七十二キログラムで割りますと二十二円七銭、こういう結論が出ておるような次第でございます。
○芳賀委員 そうしますと、基本は四十一年の統計調査部の生産費を基礎にして、そして物財関係については一年間の物価修正を行なった。それから反収については、生産費の場合には調査農家の平均反収ですから、実態に合っていないのですよ。しかし、置きかえる場合には、ことしの予想収穫高によるところのカンショ、バレイショそれぞれの平均反収というものを使ったわけですか。そういうことになると、こういう低い数字にはならないのですよ。
○渡辺説明員 生産費調査対象農家の反収と、全国の平均反収というものが、毎年多少ズレておるのであります。バレイショの場合は、大体一割程度生産費調査対象農家のほうが高くなっているというのが従来の実績でございますので、計算的に、過去三カ年間の一般反収というものと、過去三カ年間の生産費調査対象農家の反収の平均比率をとりまして、先ほど申し上げました予想収穫高の反収に乗じます。その比率が大体一〇・四%くらい、その乗じまして得た数字が二千六百七十二キロという数字でございます。
○芳賀委員 だから、そういうものを乗ずる必要がないでしょう。米の場合は過去三カ年間の平均反収にさらに一五%の標準偏差を設けて適正を期しているわけでしょう。実際の平均反収がないものを、いかにもあるように水増しをして生産費を計算するものだから、当然結果はこれは安くなるわけですね。このやり方というものは全くでたらめなんですよ。これはおそらく大口流のやり方でしょう。科学的根拠がないわけですからね。 もう一つは、一番大事な農家の自家労賃というものはどういうふうに計算に入っているのか、カンショ、バレイショの一時間当たり、一日当たり、この計算で幾ら見ているのですか。
○荒勝説明員 一応ただいま申し上げました生産費計算の中で算定いたしました計算でいたしますと、いわゆる家族労働評価といたしまして、四十二年産の推定は、カンショで一時間当たり男女込みで百一円、八時間労働にいたしますと八百六円というふうに計算されております。バレイショにつきましては、いわゆる男女込みで一時間当たりが百十七円でありまして、これを八時間労働にかえますと九百三十九円でございます。
○赤路委員長代理 芳賀委員にちょっと……。質疑者があと三人おりますので、できるだけ結論を急いでください。
○芳賀委員 これは安くなるのがあたりまえですよ。ことしの自家労賃の推定を、カンショの場合には一時間百一円、八時間労働で一日八百六円しか見てないでしょう。バレイショの場合には、一時間百十七円の一日八時間労働で九百三十九円。これは米価算定の場合の自家労賃のちょうど半額ですからね。こういう自家労賃を使えば、幾らでも生産費は下がるのですよ。そして反収も架空な高い反収を使えば、生産費は幾らでも下がる。こういうことで、たとえば三つの方式の中で附録第二が一番高いが、それから今度は生産費で足を引っぱる、附録第一で足を引っぱるということになれば、結局、先日きめたようにカンショは三十六円、バレイショは二十六円五十銭ということになるのですよ。一体あなた、一日八百円の自家労賃で、生産条件が一番悪い、カンショしか、バレイショしかつくれない農業地帯にこういう不当な、半額にも満たないような自家労賃を押しつけてイモ類の価格をきめるなんということは、これはどこに目的があるのですか。こういうことを毎年やっているから、一年一年自給度が低下して、大豆もなたねも日本にはなくなってしまう。やがてカンショ、バレイショについても日本から姿を消すでしょう。これをわれわれは心配しておるのですよ。 ですからこういう問題も、きょうの委員会の審議を経た後に価格を決定するということになれば、まさか政府と自民党となれ合いでこういう不当な値段をきめることはできなかったと思うのですよ。そうじゃないですか。こういう点は国民の前にも、生産農民の前にも明らかにしないと、実態がわからぬのですよ。何のためにイモ作農家が滅びていくか、国内の農産物の自給度が低下するかという理由と原因は、他にもあるが、価格政策上のこういう冷淡なやり方というものが結果を生んでいることば、長官よく御承知でしょう。このやり方というものをどう考えているのですか。
○大口説明員 生産費計算におきまする自家労賃評価の問題でございますが、私どもの基本的な考え方といたしましては、米の場合は、現在の食糧管理法に基づきまして、全量政府以外には売ってはならないということになっており、また価格につきましても、その価格以外の価格で流通を認めておらないという、いわゆる直接統制という制度のもとに置かれておる価格でございまして、特に政策的な配慮から、米の場合においては生産費・所得補償方式という方式に基づきまして、自家労賃部分につきまして、五人以上の製造業賃金の一時間当たりの単価に置きかえて、労働時間をかけて計算をしていく手法をとっていることは、すでに私から申し上げるまでもなく十分御承知だと思います。 それと他の農産物、イモもその一つに入るわけでありますが、他の農産物におきましては、一応自由流通を前提といたしまして、価格が著しく低落をいたしました場合に……(芳賀委員「長官、どうしてそうやったということを言ってください」と呼ぶ)全部私が悪いように申されましたので、私言うことだけ言わしていただかないと非常に損になります。自由流通を前提にした農産物で、価格が著しく低落をしたときに、それをささえるという制度をとっておる制度であることは御承知のとおりでありまして、その場合の生産費というものの計算の考え方は、私は、やはり現在やっておるような生産費の方向ではなかろうかと思っております。 したがいまして、米の場合には生産費ということばで呼ぶには適当でないのでありまして、生産費は、イモと同じように計算したのが生産費であり、所得部分という考え方を織り込むことによって、その生産費を計算し直しておるというふうに私どもは理解をいたしておりまして、そのことの可否等は政策的な判断でありますから、ここで申し上げるのは時間の関係で省略をいたしますが、生産費の計算は、農産物ごとにそれほど著しい隔たりはないのでございます。午前中大臣の御答弁にもありましたように、加工原料乳の不足払いにおきましては、本年新たな手法を織り込んでやった部分があることは大臣も答弁で指摘をされたのでありますが、ただいま問題になっておりますイモと米との違い、制度上からくる違いというのは、いま私が申し上げたようなことでございまして、やはり農産物の価格政策というものと、それから農産物の価格政策以外の政策を総合的に講ずることによって、農業生産の維持並びに農家所得の確保ということをはかってまいるのが基本ではなかろうかと思っております。 いささか理屈めいたことを申し上げてはなはだ恐縮でございますが、私どもはイモの価格と米の価格との違いを、いま申し上げたようなふうに理解をいたしておるつもりでございます。
○芳賀委員 あなたは公務員ですが、人事院勧告によると、去年よりベースアップが七%行なわれるでしょう。定期昇給が四%で一一%です。長官はじめ公務員の皆さんは——五月から実施すればいいですが、政府はなかなか五月にやりそうもないが、とにかく一一%上がるのですよ。これは民間の製造工業百人以上の規模に準じているわけですからね。おそらく一時間当たりにすれば、この賃金は二百四十円ぐらいになるのですよ。だからイモつくり農民の自家労賃の三倍ということになるのですよ。長官はもうだいぶ上のほうですから、月給で一万八千円くらい上がるでしょう。自分の給料が毎年一割以上上がるのはあたりまえだ、一番不利益なイモ作農家の、これは自家労賃なら給料と同じですから、それが一日営々と働いて八百円でいいなんという、そういうセンスで行政を担当されちゃやり切れるものじゃないですよ。 これはすべて大口君の責任とは言わぬが、しかし、いまの自民党の政治の方針を唯々諾々と受け継いで、委員会は軽視しても、毎日毎日自民党に日参してごきげんをとらなければならぬというようなやり方では、伝統的な農林省の役人の野性味のある反骨精神というものは、これは全く地に落ちたことになるんですよ。ひとつこれはしっかりしてくださいよ。 きょうはこの程度にしておくが、最後に時間がありませんから、でん粉の加工経費の問題と、それから原料イモの歩どまりに対する完全スライドの二点についてどうなっておるか。第一の加工経費の問題については、昨年、委員会に加工経費三百七十二円の内容を資料として出しなさいと私が言ったが、これも長官が言を左右にして逃げ回って、松野農林大臣は十月十九日の委員会にようやく観光旅行から帰って、そうしてことし正式な資料というものは無理だからして、芳賀委員にだけ内容の説明を申し上げて、しかる後委員会で御協議を願う機会を私が必ずつくりますということを松野君が言って、それで去年はおさまったわけです。ことしはそういうわけにもいかぬし、倉石農林大臣もいないから、まあまあと言う者はいないでしょう。ぜひことし、この計算の中に入っておる加工経費の、カンショでん粉については四百二十二円二十八銭、バレイショでん粉については四百三十六円六十四銭の内容を、この際明らかにしてもらいたい。 なぜそう言うかというと、去年の私の指摘があった関係もあって、その後農林省においては生産者団体と共同して、四十一年のでん粉の加工経費の調査を行なっておるわけです。この結果によりますと、平均して副産物収入を差し引いた場合に五百七十四円二十六銭というふうにでん粉の加工経費はなっておるわけです。わざわざ生産者団体と共同調査を行なった昨年の結果がこういうことになっておるのに対して、ことしまた去年よりは若干上がりましたけれども、四百三十六円のでん粉の加工経費、こういうことについても、数字だけで了承はできませんので、これは内容の説明は時間がかかると思いますからして、ぜひ今回は加工経費の内訳について、これは資料として当委員会の委員各位にも配付してもらいたいと思いますが、この点はいかがですか。
○大口説明員 後刻調製をして提出いたします。
○芳賀委員 それから完全スライドの問題ですが、ことしはまだ官報の告示を読んでおらぬが、たとえばカンショの場合には、二四%を上回る歩どまりについては、上限に向かってスライドをやることにしたか、バレイショについては一六・五%以上の含有率のあるものについては、同様の措置が講ぜられるようにしてあるか、これはまだ読んでないからしてわからぬが、この点ははっきりしてもらいたい。
○大口説明員 完全スライドの問題につきましては、昨年と同様の方法で告示をいたしております。理由は、あるいは長くなるので簡単に申し上げまするが、昨年も御質疑の過程において答弁をいたしたつもりでございますが、現在の歩どまりごとの価格を決定いたしまする趣旨は、歩どまり率の非常に高歩どまりのものは、その歩どまりに応じた価格で取引が行なわれることが可能であるのに反しまして、低歩どまりのものについては、不当に買いたたかれるおそれがあるということから、低歩どまりのものにつきまして、一定の格差を設けた価格を告示いたしておる考え方でございまして、いろいろ御意見は伺っておりますが、私どもはやはりそのような考え方で、低歩どまりのものについて不当に買いたたかれることを防止をするという配慮から、本年も、カンショについては二四%以下、バレイショについては一六・五%以下のものについて、歩どまりごとの価格を決定して告示をいたしております。
○芳賀委員 その理由は、上限を上げておけば、今後毎年の価格決定の操作上、歩どまりを二四%を二五%に上げて価格をいかにも上がったようにするとか、あるいはバレイショが二六・五を二七とか二八に上げて、いかにも十円とか二十円上がったようなことを今後もやる余地を残すために、上限スライドというのはやられるのでしょう。これは率直に言ってもらえばいいのです。当然上回るものは有利に取引されるであろうからということであれば、むしろ容易に実行できる上限へのスライドというものは、これはやりなさいとしてしまったほうがいいじゃないですか。そうじゃないですか。
○大口説明員 明年以降歩どまりを上げたときに、よるべき価格を算出をし、それによってやることが便利であるという趣旨でやっておるのでは決してございません。
○赤路委員長代理 倉成正君。
○倉成委員 午前中の質疑がたいへん時間がなかったものですから、ひとつ引き続いて質疑をいたしたいと思います。 まず、天災融資法あるいは自作農維持資金の割り当て等の基礎とたる、十月七日に推計されるという農林省の被害統計、この中で、果樹の樹体損害はどういうふうに評価しておられますか、お伺いしたいと思います。
○松田説明員 私のほうは、果樹の損害については損害の尺度をもって、現在その尺度に基づいて調査中でございます。
○倉成委員 もっとはっきり言ったらどうですか。果樹の樹体損害については、十月七日推計される被害の中に入るのかどうかということを伺っている。
○松田説明員 樹体損害についても含めて、調査いたす手配でやっております。
○倉成委員 それじゃ、十月七日に推計される被害額の中には樹体損害は入ると、そういうことで理解していいわけですね。——それじゃわかりました。 そこで、災害対策委員会あるいは午前中の大臣との質疑で明らかなように、従来の例にとらわれず積極的にやるということでありますので、これからの御答弁は、ひとつ農林省としてこうやりたいという点、決意のほどを特にお伺いしたいと思うのです。 現地の実情に合わせて災害対策をやっていただきたいのです。たとえば応急対策として、車に載せるタンクをつくっておる。具体的に言ったほうが明らかでしょうが、私の郷里の長崎県のある町村では、佐世保のSSKに大きなタンクを注文しました。これを一つトラックに載せまして、このタンクで水を運んでおるわけです。こういうタンクは、少し固い頭で考えられても、当然助成の対象になると考えるわけですけれども、どういうふうに取り扱っておられますか。
○和田説明員 前回の災害対策委員会の際にもお答えを申し上げましたが、干害の応急対策事業は、災害復旧という感覚ではなしに、将来にわたりますかんがい排水事業の考え方で処理をしたいということで、従来からその補助率等につきましても、土地改良事業として実施をいたしますかんがい排水事業の補助率等を基準として補助率を決定いたしておる経過もございます。ただいま御指摘のような問題もいろいろあろうかとは思いますが、私どもとしては、やはり補助対象として直接対象にいたしますのには、今後にかんがい施設としての効果が残ると期待される範囲に限定をしたいというふうに考えております。
○倉成委員 全くもって現地の実情に合わない御答弁です。たとえばタンクは、これはどこに逃げも隠れもしないし、残るし、将来もし干ばつがあったら、十分これは利用できる施設なんです。ですから、将来の恒久対策に連なるものと解釈して、これは当然助成の対象にしてしかるべきものであるというふうにわれわれは理解するわけですけれども、農地局長、干ばつの応急対策を、もちろんかんがい排水事業等の関連で考えるということもよくわかります。しかし現地は、できるところとできないところとある。それを知恵をしぼって死にもの狂いになってやっておるというのをどうやって救うかというのが、私はやはり応急対策事業の根本の精神だと思うわけです。それをにべなくそういうふうにお答えですけれども、そういうのについては十分助成の対象にするように努力する意思があるかどうか。なければないと、はっきり答えてください。
○和田説明員 干害が応急対策事業の実施が、御理解をいただきましたように、土地改良としてのかんがい事業との関連で考慮をいたしておりまするので、ただいま申し上げましたような、将来にかんがい施設として効果の残りますものを施設として補助するという考え方で御了承いただきたいと思います。
○倉成委員 将来かんがい施設として残るではありませんか、タンクがあって水を運ぶ場合。どこが残りませんか。その点ひとつお答えをいただきたい。
○和田説明員 毎回同じお答えを申し上げて恐縮でございますけれども、先ほど来申し上げておりますように、効果が持続するものをたてまえとして助成をいたすという考え方でおりますので、御了承いただきます。
○倉成委員 園芸局長、いまお聞きのとおりですが、園芸局長としてはどう考えられますか。それは井戸を堀って、それから一定の規格に合ったパイプで水を運ぶ、これは農林省の机の上ではお説のとおりです。しかし、現地ではそういうことができるところとできないところとある。水源があるところとないところとある。そして非常に遠くから無理をして、そろばんを度外視していろいろなことをやっておるわけです。これについて何らかの形でひとつ助成をしていく、これは一つも変わらないと思うのですが、どうも農地局長の頭は石頭のようですが、園芸局長はどうですか。
○八塚説明員 もし石頭ということでございますと、農地局長だけが石頭でなくて、やはり私どもも石頭ということになろうかと思います。ただ現地では、確かに用水タンクを付設した車、あるいはダイハツにビニールを張って水を運んだり、いろいろ努力をされておるようでございます。そういう努力については、私どもも非常に涙ぐましいと申しますか、何とかしてあげたいという気持ちはもちろんございますが、干害応急という基本的な考え方からいいまして、農地局長のようなお考えということになるわけでございます。そういう意味におきまして、私もやはり石頭のそしりを受けざるを得ないかと存ずるのでございます。
○倉成委員 私もことばの遊戯をここでやっておるのではないのです。こういうのはどうしたらいいと思いますか。それじゃほったらかして、おまえたち好きなことをやっているんだから、それはもうわれわれの基準に合わないというふうにお答えなんでしょうか。園芸局長というのは、少なくとも日本の果樹園芸についてはやはり政府を代表しており、果樹農家というのは非常にたよっておるわけですね。ですからその立場で——大蔵省が財政当局としていろいろな発言をするのはよくわかります。少なくとも農林の衝に当たる責任者として、現地の実情をよく御承知であるならば、ただいまのようなお答えは私は納得いたしかねるのですけれども、いま一度お伺いしたい。
○八塚説明員 災害、特に今回の干害につきまして、なお残念なことには、雨が現在に至っても降っておりませんので、いろいろ私どもとしても苦慮をいたしておるわけでございますが、ただ災害につきまして、あるいは干害につきまして、いろいろそれに対応して対策を講じるのに、そういう万般のいろいろな態様を持っております対策に対しまして、すべて国のほうから一々について補助をするということは、補助といういわば政府の気持ちをあらわす、あるいは政府の応援のやり方としての補助ということに、うまく適合するものとしないものとあり得るわけでございます。あるいはけじめをつけるというものがあるわけでございますから、すべてについてなかなかできないのでございます。これはどうしても一定の限度があろうということで、むしろ気持ちの問題、政府の姿勢の問題もございますが、反面、行政的に補助をするという技術的なけじめの問題、あるいは技術的なやり方の問題からくる制約ということがある程度あるわけでございますから、そういう意味におきまして、私の立場としましては、何もかも見てあげられないということはたいへん残念でございますけれども、やむを得ないのではないだろうかということでございます。
○倉成委員 官房長、どうです。ただいまお聞きのとおりです。私はいまの両局長の御答弁は遺憾であります。私は与党の一員でありますし、多少とも行政の実態を知っているつもりでおりますけれども、今日の干害に対する現地の状況に対して、あまり実態を御存じないからこういう御答弁をされておるのじゃないかという感じすらするわけですけれども、何もかも国が補助金を出せとか、何もかもやれなんということは私は申しておりません。しかし、少なくともこういうふうな問題があるので、これについて何らかの形で国としてひとつ誘い水を出してやろう、こういう前向きの姿勢があるかどうかということを伺っておるわけです。 先般の災害委員会あるいは午前中の大臣に対する質問も、そういう意味で、従来の例にとらわれずということを繰り返し繰り返しお話し申し上げておるわけですが、不幸にして大臣がおられませんが、官房長、これはどういうふうにお考えになっていますか。
○檜垣説明員 送水用のタンクをつくったことに対して、それを農林省の応急災害対策の助成の対象にする考えはないかということについて、両局長から、どうも助成対象としては困難であるというお答えがあったのでございますが、私は、ざっくばらんに言って、中央の助成の対象になるかならぬかは、どうもはなはだ微妙なところだろうという感じがするわけです。 一般的に申し上げまして、私の考え方としては、農地局長からかなりはっきりしたお話があったわけですが、農林省の、中央政府の助成としては、やはり固定的な施設なりあるいは効果の持続するものを助成対象に取り上げ、また、それが全国を対象とする行政であるという意味から、ある程度の共通性と、それからある程度の基準の設定を可能にするものが、中央の行政対象としては適当なのではないだろうか。ただ、こういう大災害に際してのそれぞれ地方の事情に応じた活動というのは、当然なければならないわけでございますので、裏返しに申し上げますと、中央助成が考えにくいものがあるとしても、それが直ちに災害に対する対応策として無意味だというふうに理解をすべきではないと思うのでございます。 そういう意味からいいまして、地方の行政指導あるいは一種のサービス的な行政という、住民に直結した行政という立場からいえば、これはやはり簡単に見のがすわけにはまいらないという性格を持っておるのではないだろうか。ということでございますれば、やはり地方行政の弾力的なサービス行政、指導行政という範疇に入れて考えるほうが適当ではないか。それに対しまして中央政府として適当な支援、援助の措置がされないかどうかという問題ではないだろうかというふうに思うのでございまして、その点は、きょう午前中、大臣のお答えもありましたように、私どもとしては現在の災害の実情から考えまして、少なくとも農林省としても積極的にこの問題を取り上げて、検討の対象とすべきではないだろうかというふうに考えております。
○倉成委員 官房長からやや前向きの御答弁がありましたけれども、農林省で考えておられますいろいろな送水管の規格その他も、現地に現物がない。したがって、とにかく何とかしなければいかぬということで走り回って、気違いのようにやって、やっとビニール管をさがして送水をしているという現況ですから、机の上でいろいろ考えた規格でやるということは、一見公平のようでありますけれども、かえって行政のバランスを失するということにもなるわけでありまして、現地の実情とあまり離れた、ただ机の上で書類だけをつくるのに便利なやり方で指導することは、ひとつぜひ改めていただきたい。 これは、いずれ閣議でいろいろ御検討をいただくことになると思いますけれども、しかし、やはり担当の事務当局があまり消極的に事なかれ主義で、やれ会計検査院、やれ何だということで消極的にやられれば何にもならないということになりますから、ことにこの点は、非常に卑近な例をあげて一例として申し上げたわけでありますから、とくとひとつ御検討をいただきたいと思います。現地の農民は非常に真剣なんです。ですから、行政当局者として非常にむずかしいお立場はわかりますけれども、しかし、やはり一生懸命やっているのに、何か知恵をしぼって国が手を差し伸べてやるという姿勢が大切じゃなかろうか。これがなければ、私はやはり農民の信頼を失うことになるというふうに思っておりますから、あえて申し上げておるわけです。 それじゃ、次の質問に入りましょう。自作農維持資金は、各県からいろいろ要望額が出ておると思いますが、どの程度の要望が被災県から出ておるか、また、国としてはどの程度の額を割り当てるつもりがあるか、大体の心づもりを伺いたいわけです。 どうしてこういうことを聞くかと申しますと、あまりに多くの要望が出ておるにかかわらず、現実に元金が非常に少ない、ちょっぴりだということになると、またこれも非常にたいへんなことになる。したがって、これは予備費から自作農資金の中に繰り入れることができるかどうかというような財政上の問題等にも発展するかと思いますから、お伺いしておくわけです。
○和田説明員 各県からは、自作農維持資金の災害ワクの割り当てをほしいという抽象的な要望がございますが、数字的にはまだ取りまとめたものとしては出ておりません。天災融資法が発動になりまして初めて、自作農維持資金のワクをどのように考えるかという計算ができるわけでございまして、その場合には、農業共済の支払い金額等が計算の根拠として必要でございますので、そういうものが出そろいました上で、現地の実情に合わせて検討いたします。 ただ、御承知のように、自作農維持資金の災害のためにとりましたワクは、当初七十五億ございますが、まだほとんど大部分が使わずに残っておりますのと、それから、例年秋に災害がございました場合には、公庫の総ワクの中での実際の資金需要に対応いたしまして、公庫の項目ごとのやりくりで一応従来はカバーができておったという実情でございます。
○倉成委員 各県からの要望額はおとりになっておりますか。いつごろまとめるようになっておるでしょうか。私が承知している範囲では、各町村では徹夜で、交代でずっと被災農民を呼んでいろいろなことをやっておるわけです。おそらく、あらかじめそういう調査をやっておるはずなんです。ですから、非常にばく然と、まだ県から抽象的にきているだけというお答えですけれども、どうも私はその感覚が実態とかみ合ってないような気がするのです。わかっておって抽象的にお答えになっておるのか知りませんけれども、この委員会で私ども質問しているのは、だてや酔狂でやっているのじゃありません。ほんとうに真剣な気持ちで、どういうふうになっているか見守っている農民に私は少しでも安心感を与えてやりたい、こういう意味で質問をしておるわけですから、何もできないことをでかせとか、無理なことを言っているわけじゃありませんから、もう少し実のある御答弁をいただきたいと思います。
○和田説明員 たいへん恐縮でございますが、御質問ももちろん真剣にお尋ねになっておると思いますが、私もちゃらんぽらんなお答えをしておるわけではないのでございまして、先ほど来申し上げておりますように、自作農維持資金の災害ワクの決定をいたしますためには、天災融資法で幾ら出たか、農業共済として幾ら支払われたか、そういうものと、それから統計調査部の被害調査と、そういうものを合わせて計算をするわけでございますから、県とはもちろん相談はいたしますが、一応の計算ルールできまった数字が出てまいるわけでございます。そこらの不確定要素が確定をいたしました上で、実情に即した数字を計算いたします。
○倉成委員 しかし、きょうはもう十月九日ですから、統計調査部の資料も一応出そろっておることだし、大体の見当はついておるのじゃないですか。そして各県も、われわれが知っている範囲では、かなり具体的にいろいろ数字をまとめておると思うのですけれども、そういう具体的な数字は全然出てきておりませんか。
○和田説明員 県からの数字というものは具体的に聞いておりませんが、県の数字が幾らかということとは別に、何県の天災融資法のワクが幾ら貸し付けをすることになったとか、共済金のほうは幾ら支払いをすることになっておるというようなことが明確になりませんと、計算ができないわけでございます。
○倉成委員 そういうことは私もわかっておりますよ。しかし共済金の支払いは、これはかなり時間がおくれるわけです。共済金の概算払いを、収穫皆無のところにはやるということにはなるでしょうけれども、あとの調査というものはかなり、一月かそれ以上おくれるわけですから、それを待ったところでないと割り当てをしないということになると、これは非常に時期がおくれるし、この前農林大臣が言明されたことと反することになるわけですけれども、その辺はどうなんです。
○和田説明員 たとえば七月の新潟の水害に対する割り当ても、まだ終わっておらないわけであります。なるべく早くするという趣旨には、私も努力はいたしますが、幾らのワクを決定するかという根拠になります数字がある程度把握できない段階では、計算のいたしようがないわけであります。そういうものが相当程度固まってまいりました上で、なるべく早く設定をするつもりでございます。
○倉成委員 私の理解する範囲では、十月二十日ごろには天災融資法を発動して、そして自作農維持資金も同時に割り当てをするというふうに、この前の災害対策委員会で農林大臣から承ったわけですけれども、そうじゃないわけですか。
○和田説明員 私も同席をしておりましたし、私からもほかの方の御質問にお答えをいたしましたが、天災融資法の発動があった上で、追っかけてなるべく早く割り当ての努力をいたしますというふうに大臣も答えておられるわけでありまして、先ほど来申し上げておりますように、同時にということは、従来の計算ルールその他から考えても無理でございますから、なるべく早く設定をするように努力はいたします。
○倉成委員 しかし、それはいろいろお答えの技術はあるでしょうけれども、少なくともこの前私の受け取った感じでは、それは同時に二十日に直ちにということが、一日二日おくれるということはあり得ると思いますけれども、なるべく早く共済金の支払いがきまってからだ、何だかんだというようなニュアンスではなかったと思うのですけれども、そういうふうにやれないというわけですか、農地局長。
○和田説明員 計算のルールがございますので、そのルールに従って計算をするためには、二十日に同時にということはできないわけでございます。
○倉成委員 二十日に同時にと私は言っておりません。しかし、少なくとも二十日から一日二日おくれではわかりますけれども、二十日から月を越したりあるいはもっと長くかかって、共済金の支払いという数字がはっきりわからなければできないということですか。
○和田説明員 そのとおりでございますので、やはりなるべく早くは努力いたしますが、これは交渉ごとでもございますから、十一月になりませんと決定はできないかと思います。
○倉成委員 それでは、経済局長おられますか。
○赤路委員長代理 局長はおりませんが、参事官が来ております。
○倉成委員 それでは参事官にお尋ねしますが、共済金の支払いはいつきまりますか。その確定するときですね。
○内村説明員 共済金の仮払いについては、先生御存じのように、おそくとも十一月末までに農家に渡るように共済団体を指導し、現在手続を進めております。 それから共済金の本払いでございますが、これも共済団体の行なう損害評価を一応チェックしなければならぬという問題もございますので、西日本については、従来一月ないし二月になっていたことも御存じだと思います。その点につきましては、本年は激甚災害のことでもございますし、なるべく早く事務処理を終わるようにいたしたいとは思っておりますが、やはり場合によっては年を越すこともあり得るということだと思います。
○倉成委員 官房長、お尋ねしますけれども、私の知っておる範囲では、天災融資法の発動その他も、災害の進行中であるから、本来からいうと、一応一段落してから、天災融資法の災害被害が確定してから発動するというのがたてまえであるけれども、今度異常な災害に際会しておるので、天災融資法もひとつ災害の途中で集計して発動し、それに合わせて自作農維持資金等もなるべくすみやかにワクの設定をしよう、こういうふうに理解しておるのですが、ただいまお聞きのとおり、共済金については概算払いがやっと十一月の末、本払いが年を越す、そういうのが固まらなければ自作農維持資金は割り当てしないというような、担当局長のまことにもって奇怪千万な御答弁ですけれども、そういう方針ですか、農林省は。
○檜垣説明員 天災融資法の発動につきましては、先般農林大臣が災害対策特別委員会でもお答え申し上げましたように、九月二十五日現在の統計調査部による被害調査の集計が終わり次第、閣議に報告した上で天災融資法の発動をする。さらに今回の災害の実態から見て、激甚法の適用も同時にやりたいということをお答えをいたしたわけです。その上で自作農資金につきましても、なるべく早期にワクの追加設定をするようにいたしたいということを申し上げたわけでございますが、自農資金につきましては、発動がある条件が満たされて発動され、激甚法がある条件を満たして適用されますと、貸し出しの限度額はもうすでにきまってしまうことでございますので、厳密な意味の最終の被害を待たなくてもいいのではないかということで、この災害については中間集計を用いるということを私どもは決意いたしたわけでございます。自農資金に相なりますと、これはやはり各県のバランスといいますか、災害ごとのバランスの問題もございますし、予備ワクの使用等の問題も弾力性がございますが、いずれにしましても総ワクに限度のあることでもございますので、そこで一定のルールに従った配分をせざるを得ない。その際に、いま農地局長もお答えいたしましたように、共済金の支払われるであろう見込み額が少なくともわかりませんと、算定はしようがないということでございますので、仮払い等でけっこうだと思いますが、支払い予定額といいますか、そういうものがきまり次第算定をして、なるべく早期に追加ワクを設定するというように努力をいたしたい、そういう考え方であるわけでございます。
○倉成委員 農地局長、もう一度だけお尋ねしておきます。自農資金は、大体局長の見込みではいつごろ割り当てができると思いますか。
○和田説明員 先ほどもちょっと申し上げましたように、新潟の水害の場合にも共済金の仮払いが九月の上旬に一応固まりまして、現在大蔵省と折衝中ということでございます。そういう段取りから申しますと、ただいま経済局からお話のありましたような、共済金の仮払い等がある程度数字的に固まりましてからでないと手が打てませんので、やはり十一月になりませんと話を固めていく段取りになりません。
○倉成委員 十一月のいつです。
○和田説明員 それは何とも言いかねます。
○倉成委員 それでは申し上げておきましょう。そういう手続のことは一応事務的にはわかりますけれども、やはりこれは大体見当がついたら自作農維持資金を割り当てて、安心してやりなさいというのが私は政治の姿勢だと思うのです。これは事務当局に御要望申し上げてもこれ以上は無理かもしれませんが、どうも今回の災害の実態というものを十分認識しておられないから、そういう事務的なことをおっしゃるのではないかと思うのですけれども、これはとくとひとつ、そういうなまぬるいことじゃいけないということを官房長はじめ関係局長に申し上げておきます。 もう私も質問する意欲を失いましたけれども、ちょっと官房長、恒久対策について何か補助率を上げたり、あるいは財政基準を引き下げるという意図は、いまのところ農林省としてありますかどうか。これば農地局長の所管でありますか。
○檜垣説明員 具体的な補助率の問題になりますと、農地局長から補足してお答え願うほうが適当かと思いますが、恒久対策という意味で補助率の問題を取り上げるかどうかという御質問でございますが、干害その他の災害の補助率については、災害以外の本来のかんがい排水事業等の補助率との関連で従来からきまっておることでございますので、災害の補助率の問題を扱おうとするならば、もとの一般土地改良の補助率の問題に触れずには手が出せないのではないだろうかというふうに思うのでございます。非常な激しい災害であるということの意味の中には、量として非常に大きな災害であるという問題、また質的にも災害の度合いが激しいという二つの問題があろうかと思うのでございますが、それらにつきまして量の問題は、当然規定の補助率にいたしましても政府としては大きな責任を負わざるを得ないということになってまいります。質の問題につきましては、先ほどお話にありましたような、中央助成としてはなかなかむずかしい問題等もありますが、こういう災害については、何らかの対応策を講ずる必要があるだろうと思うのであります。けれども補助率の問題になりますと、この際少なくともいろいろな意味で不合理があるというような問題について農林省として取り上げて、財政当局と協議することは何ら問題はありませんけれども、一般的に申せば、補助率の問題は、本来一般補助事業の補助率の問題と並行して検討さるべきものであろう、こういうふうに思っております。
○倉成委員 それでは畜産局長、いま牧草がほとんど枯れておる。私の郷里のことを言って恐縮ですが、長崎県では北海道から牧草を運んでおるわけです。貨車で二十車ばかりいま発注しておる。ところが、室蘭線が不通のため——二十日ごろ開通するのですが、従来貨物列車が通ってない小樽線回りで客車の後方に貨車をつけて輸送するというふうにして、非常にたいへんなことをやっていま牧草の確保ということをやっておるというのが私の県の酪農の実情であります。これはおそらく大なり小なり九州各県、あるいは山口、四国でも、地域は違うでしょうけれども同じような状態になっておるわけですが、こういうものに対して、畜産局としてはどういうふうに対処されようとしておられるか、ひとつ畜産局長のお考えを伺いたい。
○岡田説明員 干ばつの結果、自給飼料作物の不足が出てまいっております。はなはだ酪農農家に対しましてお気の毒に思いますが、これの対策といたしまして、まず粗飼料といたしましては干草、ビートパルプというものが考えられるわけであります。そのほかアルファルファミルの確保もあります。 これらに対しまして、まず干草につきましては、これはできるだけ北海道等からあっせんをいたすということにいたしまして、各県に状況の照会をいたしておるわけでございまして、近く必要量等もまとまると思いますので、できる限りあっせんをいたしまして、スムーズに輸送ができるようにいたしたいというふうに考えております。 ビートパルプにつきましては、御承知のようにこれからビート糖の生産が始まるわけでありますので、それに従いましてビートパルプが生産されるということになってまいります。したがいまして、これにつきましても需要量を調査いたしまして、ビートの協会と連絡をとりまして、どの程度どういうふうに供給できるかということを現在検討いたしておる段階でございます。 アルファルファミルにつきましては、御承知のように国内生産はございませんで、自由化いたしておるわけでございますので、これは適宜適量が入手できるということになっておるわけでございまして、現在飼料団体等が持っておりますのを必要に応じてあっせんをいたすということにいたしておるわけでございます。 なお、粗飼料が必ずしも十分入らないという状態のもとにおいて、若干濃厚飼料を代用するということも考えられるわけでございますが、そういう点につきましては、政府の手持ちのふすまを売却するということで、必要量等について現在至急調査を取りまとめておる段階でございます。倉成委員 助成の方法は何か考えていませんか。あっせんだけはいまわかりました。
○岡田説明員 自給飼料作物の再播用の種子につきましては、助成をするということを検討いたしておるわけでございますが、その他のものにつきましては、できるだけ新たに入手できるようにあっせんをいたしたいというふうに考えておるわけでございます。
○倉成委員 輸送の助成なんということは考えていませんか。
○岡田説明員 輸送経費につきましては、先ほどから水の輸送というものにつきましても問題があったわけでございまして、ただいまのところ、輸送について助成するということはむずかしいのではなかろうかというふうに考えておるところでございます。
○倉成委員 大体北海道から輸送しまして、キロ八円ぐらいかかるわけですね。大体キロ二十九円で三十七円という干し草になっておるわけです。そういたしますと、いま大体二十八円程度でペイするということになっておるわけですから、酪農は非常に苦しいわけです。ですから輸送費を助成するかどうかという問題、いろいろな点があるかもしれませんけれども、こういう状態になっておるということを十分認識していただきまして、何らかの形で酪農を——せっかくこれだけ酪農が伸びてまいりまして、これから伸びようとするときに水をさされた形になりますので、酪農が停滞しないように格段の配意をしていただきたいと思います。 同僚議員で質問者がおられますので、これでやめますが、従来の質疑の過程で私は非常にたいへんなことがわかったわけです。従来は、私は大蔵省がさいふのひもを握っておるから、どうも災害対策が思うように進まないと思っておりましたが、私は大蔵省だけでなくて、農林省自体の姿勢の問題にいろいろな問題があるような気がいたします。これ以上申し上げてもなかなか話は進まないと思うわけですが、官房長、あなたの郷里も愛媛ですけれども、これはとにかくいままでのような考え方、いままでのようなことではもう絶対だめなんです。従来こうだから、新潟でこうだったからこうだというような感覚でこれを処理されたら、被災民は迷惑な話です。ですから、これは私どもひとつ政治家として政治的に大所高所からこの問題を取り上げてまいりたいと思いますけれども、大臣がここにおられないのがまことに残念ですが、大臣にぜひひとつこの旨をお伝えいただきまして、農林大臣として災害対策に非常に遺憾であったというようなそしりが与党から出ないように、とくと私から申し上げておきますから、お伝えいただきたいと思います。 あらためてまた質疑をいたします。
○赤路委員長代理 小澤太郎君。
○小澤(太)委員 たいへん時間も経過いたしておりますので、また私のお尋ねしたいと思いましたことも、同僚の各委員から質問いたしておりますので、私はきわめて簡単に御質問申し上げようと思います。 〔赤路委員長代理退席、仮谷委員長代理着席〕 まず第一は、午前中の農林大臣の御答弁、先ほども倉成委員が言われましたように、今回の干ばつ災害に対しては従来の例にこだわることなしに、政府としては行き届いた、その事態に応じた処置をとります、こういうことを言われました。私はこの農林大臣の御答弁をもとといたしまして、若干政府委員の関係各位の御意見を伺いたいと思います。 私がお尋ねしますのは、実はこまかいことばかりでありまして、そんなこまかいことは国のあずかり知るところではない、こういうような御答弁がある可能性が多いのであります。しかし、事こまかにと申しますよりも、きめのこまかい施策をこの際農民に対しまして国としてとってやるのが、ほんとうに行き届いた愛情のある政治ではないか、かように考えるのであります。もう百日も降らない、毎日空をながめて、文字どおり長嘆息をいたしておる農民でございます。そうして自分の丹精を込めたミカンの木が、一本なりと二本なりと助かるようにと、ビニールの袋に水を自分の家の井戸から入れて、おいこでかろうて坂道を上がっていく、その実情を私も見てまいりました。あるいは小川と申しますよりも小みぞをせいて、そこで細いビニールのパイプ、これも名古屋まで行かなければ手に入らぬ。そういうようなのを持ってきまして、一生懸命やっているその姿を見まして、何とかしてこういう人たちに国の手の届いた、きめこまかい、愛情のある施策をしてあげるべきではないか、このように痛感いたしたのであります。 先ほど倉成委員の質問に対しまして、官房長のお答えがございました。前向きなお答えだと倉成さんは批評されましたが、さすがに官房長たいへんいいことを言われたと、私もやや心のうちで明るい感じがしたのであります。御答弁の要旨は、農地局長の答弁と違いまして、国がやることであるか、あるいは地方自治体にやらせることか、あるいは農民自身が負担するべきことかという、そのけじめはまことにデリケートなものである、こういうお話でございました。私は、そのデリケートなものをできるだけ国の力で何とかしてやろうという努力こそほしいのであります。この干ばつに対する応急施策が、ただかんがい排水事業の一環として、平時におけるかんがい排水事業の一環としてやるという方針であるから、そのようなことは応じきれないというような御答弁がございました。ほんとうに火事場に臨んでやったことと、平常のときにやったことが同じレベルで考えられて、それでなければ手をつけてやらぬというような冷たい考え方を政府がお持ちになるということなれば、農民は政府の施策に対してほんとうについていかない。もうだんだん政府から離れてまいります。私は、そこで檜垣さんの言われたように、少しでも、一歩でもこれを応急の対策として拾ってやる気はないかという努力がほしいのであります。この点をぜひとも政府の、ことに農林省の御当局としての姿勢としてお願いいたしたい、かように思います。 例をもって申しますれば、たとえば午前中に中村さんからの質問に対して、大臣は、事業費ということを繰り返して言われました。事業費に対しては大いにやりましょう、こういうことを言っておられます。事業費ももとよりでありますが、やはり機械費に対する補助も、事業費、機械費、こう分けてやらずに、できれば一本にして何とかしてやろう、こういうお考えを持てないだろうか。先ほど例にとりましたように、大きな事業をほとんどやってないのです。やれないのです。農民が自分で、もうそのときのあらゆる手段を自分なりに講じて、いろんな機械を持ったり、消耗品は対象にならぬと言われましたけれども、たとえば、一キロだけではなく、四キロにも五キロにも及ぶパイプを引きまして、そして小みぞに引いてそこから送っておる。これは太田参事官も現状を見てくれたのであります。 そういうようなことを考えますと、事業費だあるいは機械費だという区別をして形式的にやらずに、全体合わせてどれくらいだ、これくらいならば見てやろうというようなことがとれないだろうか、こういうこともお願いしたいと思うのであります。これにつきまして、まず官房長のお考えを伺いたいと思います。
○檜垣説明員 具体的な補助対象の問題になりますと、私よりもそれぞれの担当の局長からお答えがあることと思いますので譲りたいと思いますが、お話のように大災害に際しまして、私ども農業行政にあずかる者としては、中央からの直接の助成の対象として、先ほど申し上げましたような性格のもとで、取り上げられるものがあるならばできる限り取り上げていくような方向でものを考えるべきであろう、また、従来の助成の基準なり内容なりというものについて、現実の災害対応の姿としてそういうものでは不十分であるということであれば、これはやはり現実に近いものを実現できるように努力する必要があるのではないかというふうに思いますが、ただ、実現をする行政手段としては、これはいろいろなことを考えていくことがいいのではないだろうか、そのほうが災害対策として実施が円滑になり、あるいは助成、援助の方法が迅速に行なわれ得るということになるのではないだろうか。その点は、われわれも事務的に検討した上で、さらにわれわれの力の足らないところは、大臣あるいは閣僚協議会等の政治的な御判断で結論を出していただくようにしていくことがいいのではないだろうか、というふうに思っているのでございます。
○小澤(太)委員 いま官房長がお答えになりましたような趣旨で私も御質問しようと思いますので、これからはそういう意味でお答えをいただきたいと思います。 と申しますのは、何も国が直接手を下してやることに限らないのでありまして、国が直接やることと、地方自治体がやることとおのずからけじめがあろうかと思います。そこで、いま考えていただきますことは、国はこれだけしかやらないのだ、国はこれだけだということだけではなしに、国はこれしかできないから、これから先は地方自治体がやってもらいたい、しかし、それに対しまして国としては別の方法でいろいろ考えましょうというように、官房長の言われた行政的な、財政的な措置というものをあわせて考えていただかなければ、地方自治体は財政が苦しい。目の前でほんとうに農民が困っておる、それを何とかして助けてやりたいが、どうもふところ勘定が心配だ、思い切ってやるとあとで国が何も見てくれない、こういうことになりかねないために、勢いちゅうちょいたしまして憶病になりがちです。ですから国としては、国の補助金の対象になるのがどれくらいだ、これしかやりませんということでなしに、これしかないからこれしかできない、しかし、それも極力努力をするということももちろんでございましょうが、されば地方自治体がどうするのだ。これをただおまかせするのではなしに、行政上の手段でここまでやってもらいたいというようなことを、あわせてひとつやっていただきたい。これが私の考えでございますから、その意味でひとつ各政府委員の方も御答弁をいただきたいと思います。 先ほどちょっと例を申しましたような、工事費あるいは機械費に対する補助の問題ですが、高率補助をしてもらいたいと思いますけれども、これなども、しからばどの程度国がやるのか、その基準もうんと引き下げて、たとえば、合わせて一団地五万円以上のものもひとつ見てやろうというくらいにするとか、こういうふうなことができるかできないか、できなければ、それはどこでやってもらうように指導されるか、そういう点について、農地局長ひとつお願いいたします。
○和田説明員 一般に、たとえば台風とか大雨等の場合に、農地局としては農地や農業用施設の災害復旧の工事に助成をいたします。その場合に国として補助をいたしますのは、一カ所十万円以上の工事の場合で、それ以下の小災害については、自治省のほうで起債その他のめんどうを見るというたてまえになっております。 干害応急対策につきましては、応急事業でございますので、災害復旧の場合の応急工事に要しました経費は、一カ所五万円以上については補助をする、それ以下については、自治省で平衡交付金等でめんどうを見ていただくというふうに一般的になっておりまして、この干害応急対策につきましても、一応工事費につきましては、国としては一般の台風等の場合と同じように考えて五万円というようにいたしておるわけでございます。五万円以下のものにつきましては、自治省と十分打ち合わせをして、平衡交付金等の裏づけについて配慮はいたしてまいりたいと思います。
○小澤(太)委員 先ほど私は五万円以上と言ったのですが、以下ですから、あれは間違いです。 今回の干ばつの状態を見てみますと、まず特徴の一つは、果樹の樹園地です。私も長い地方での経験がございますが、今度初めてこういうことにぶつかりました。しかも、樹園地はかんがい施設がまことに不十分です。いままでそういうことにあまり考慮を払っていなかった。そのためにかなり大きな被害を受けておりますし、もう一つは、山口県の場合規模が大きくないのです。非常に大きな団地をやっておらないのです。われわれが県におりましたときにも奨励いたしまして、ようやく軌道に乗りかけたのですが、まだ零細な個人個人がやっておるようなのが多いのですから、規模が小さいということと、かんがい施設が非常に不十分だったということが一つ。それから水田につきましても、大きなかんがい施設があったところは、今回は比較的助かっておるのです。ところが、小さい地域で小さなため池にたよっておったようなところ、これがほとんどやられているわけです。 そういうことから考えてみますと、普通の災害、風水害、これで大きなところがやられたと同じような応急施策、同じスケールでものを考えるとものさしが合わないわけです。小さいところが、そしていままで行き届かなかったところがやられております。それが一区画では小面積であるけれども数多くありますために、あわせて大きな被害になっております。被害を受けた農民の数からいきますと大きなものになります。そういうことからお考えいただきまして、いままでの五万円までということでなしに、五万円以下まで何とか特別の施策として考えられないか、このことをお聞きしたいと思います。
○和田説明員 五万円をもっと切り下げられないかという御意見でございますが、実はことしも、御承知のように春ごろからある意味では全国的に干ばつの被害をもたらしました。そのときに私どもとしては通達を出しまして、市町村営とか土地改良区営とかいう形でものごとを処理して、合理的に対応していくようにということを十分指導してほしいということを、繰り返し中央農政局長を通じまして各県にも申しましたが、おっしゃるように個別団地でございましても、土地改良区とか市町村がまとめて村として考えた場合には五万円以上になるわけでありますから、そういう形で救うことにいたしたいということで、従来からも指導してまいっております。 いま五万円を下げるよりは、やはり将来のこともあわせて考えて、井戸を堀りますとかその他そういう将来も効果の残ります事業、土地改良区の仕事あるいは市町村営の仕事というふうに考えて処理をしていただけば、個所を一まとめにしてそれに対処もできるのではないかというふうに思っております。
○小澤(太)委員 その場合に、改良区なり市町村営に対しては、国としてはどういう協力をするのですか。いまの場合、市町村営や改良区に、五万円以下の場合はまとめさして五万円以上にするということですか。それができないようなところがたくさんありますが……。
○和田説明員 団地としてまとめた一つの工事というふうになるべく把握をして、五万円という制限以下のものを拾っていくつもりでございますが、もしどうしてもそういう団地としてとりまとめてつかまえ得ないようなきわめて小面積に対応する工事ということになりますと、これは国から直接補助金を交付するというわけにはいかないので、一般の災害全体としてのバランスというような問題もやはりございますので、残念ながら国から直接はできませんので、先ほど申しますような小災害というような考え方で、できるだけ多く処理していくということで対処せざるを得ないであろうというふうに考えております。
○小澤(太)委員 私も、実は改良区の関係の仕事もしておりまして、実情から申しますと、改良区は非常に小さいのです。貧弱な改良区ばかりです。ことに災害を受けたところは、とても自分の力でやることができないようなところばかりなのです。こういう点について、改良区の力ではとてもやれないし、市町村としては多少なりともやれるのじゃないかと思いますが、それはそれといたしまして、時間の関係でそれに関連いたしまして恒久策についてお願いしたいと思います。 いま農地局長が言われましたように、零細なところをまとめて何とかしなければならぬ、してやりたいと言われるわけですけれども、実は今回災害を受けたところを見ますと、先ほど申しましたように、小さなため池をたよっているようなところばかりなんですね。そして将来そういうため池をさらに大きなものにするとか、あるいはまた新しくため池をつくるような場合に、いままでの採択基準に合わないわけですね。どうしても大きなものだけ国が取り上げていき、小さなものは基準に合わないためにほうってあるわけです。ですから、この採択基準をうんと引き下げてもらいまして、かんがい排水の事業としての基準を、たとえば、極端なように思われるかもしれませんが五ヘクタール、そういうところへ下げるとか、そういうようなことができるものかどうか。やってもらいたいと思うのですけれども……。
○和田説明員 ため池の今回の干害に対しまする当面の対策といたしまして、実は先生御承知のように、相当長いこと日照りが続きましたために、ため池の底なり堤体なりに亀裂等を生じておるものを相当見受けまして、現在各県からの報告を受けましただけでも、五百十八カ所のため池についてそういう事実があるようでございます。そのほかに水路なども、水がかれましたために干割れを生じたというようなものも、県の報告によりますると、約二千六百ぐらい個所数がございます。これらにつきましては、やはりそのまま水をためますと、干割れのところから今後水が漏水をいたしましたり、あるいは場合によっては堤体そのものがひっくり返るような危険性もございますので、今度のそういう実情に対処いたしまして、これらを一般の災害応急事業として取り上げる考え方であります。 それで現在、現地に査定官を派遣いたしまして、一年でできますものもございましょうし、あるいは水がございませんので、ことしとりあえずそういう干割れをふさいでおいて、来年水をためました上で漏水等をさらに手を打つというふうに、二年がかりで復旧いたさなければいけないものもあるいはあろうかと思いますし、現在、現地に査定官を派遣いたしまして、代表的な事例について工法等について現地指導を続けております。そういう形で処理をいたしますと、先ほど申しましたように、ため池の受益面積がどうこうということではなくて、工事費十万円以上ということで補助対象にできますので、そういうことで処理のできますものが、現在報告を受けましたものだけで、ため池で五百十八カ所ほどございますが、そういう方法で処理いたしたいと考えております。 それから、今後一般的にため池のかさ上げをいたしますとかその他は、先生すでに御承知のように、一種のかんがい排水事業として国営。団体営あるいは県営で処理をいたしているわけでございます。それに対応いたしませんものについては、農林漁業金融公庫の国庫補助の三分五厘の融資ワクが制度としてございますが、やはりかんがい排水事業全体としてどのような採択基準でものを考えるかということは、土地改良制度全体の基本でございますので、従来も毎年いろいろな面で必要に応じて採択等の基準の緩和ははかってまいったわけでございますが、当面、おっしゃいますように、五ヘクタールまでというふうにかんがい排水工事の対象としての受益面積の採択基準を引き下げるということについては、土地改良制度全体としていかがかと思っておりますので、そこまでの引き下げについては、今回実は考慮をいたしておらないわけでございます。 三分五厘の融資で今後恒久対策に取り組みたいという希望も、各県から相当数字的にも出てきておりますが、御承知のように、景気過熱対策との関連で財政投融資も一時繰り延べというような措置もとられておりますが、国庫融資のワクも現状のままでは必ずしも不十分であろうと思いますので、そこらのところは、現在大蔵省と鋭意折衝をいたしまして、今後追加融資等の措置でできるだけ対処していきたいというふうに思っております。
○小澤(太)委員 ため池の災害復旧として、いま御答弁のありましたようなことをやっていただく、これはまことにありがたいと思いますが、やはり新しくため池をつくらなければならぬところが相当あると思います。そういう場合に、この干ばつの常襲地帯というのは大体わかっているのです、私どもの県にしましても。そういうところに限って特別に受益面積をうんと引き下げるというようなことをやってもらいたいということが、先ほどお願いした趣旨であります。 それから三分五厘の融資のワクの拡大、これも強く地元では要求いたしておりますが、これを大きく拡大しまして、対象にならないところをぜひともお願いしたいと思います。 さらに、今回の状況から見まして、たとえば樹園地におきまして、ため池ではなしに水槽をつくりましてやっておったところもあるようですが、そういうところはかなり助かっております。将来これも団体営のかんがい排水事業の一つに取り入れて、そうしてああいうところですから、そう広い受益面積は考えられませんので、やはり五ヘクタールくらいのところを受益面積といたしまして、採択基準をそこに置いて、そういうものも団体営の中に入れるというようなことをお考え願えないものだろうか。
○和田説明員 実はもうだいぶ前になりますが、愛媛で干ばつがございましたときに、いまおっしゃいますような樹園地の傾斜地にコンクリートの水槽をたくさん設けて、ふだん天水をためておいて、それを干ばつのときにも使うし、あるいは農薬散布のときにも使うということで、これを農林漁業金融公庫の共同利用施設で相当多数建設ができますように応援をいたしたことがあるわけでありますが、現在でもたぶんその制度は生きておると思いますので、とりあえずはそういうものを今後とも活用してもらいたいと思うのですが、おっしゃるように、実は現在団体営で、そういう水槽をつくるということよりは、基本的にはダムなり頭首工なりをつくりまして、恒久的な対策ということで各地の水資源解決の対策をいたしておりますのが農地局の仕事でございます。当面、いまおっしゃるようなものを団体営の事業対象にするかどうかということについては、今後の土地改良事業のあり方等ともいろいろ基本的にからんでくる性格もあろうかと思います。御意見の点は伺いまして、今後検討さしていただきたいと思います。
○小澤(太)委員 たいへん時間も経過いたしまして、一つ一つお尋ねすると切りがありませんから、この程度にとどめておきますが、最初お願いしましたように、これだけは国がやるからあとは地方にまかせるんだというだけのことでなしに、これも国がやるが地方もやってくれというような、地方と国とが一体となった施策、ぜひそういう考えで進めていただきたいと思います。そして地方でやった場合につきましては何らかの形で国が援助する、そして地方にはできるだけやりやすいような基準を示す、こういうことで、農民の期待しております愛情のある農政がこの際行なわれるのじゃないか、こう思いますので、この点をお願いいたしまして私の質問を終わります。 —————————————
○仮谷委員長代理 この際、農産物価格安定法の運用並びにいも、でん粉の価格安定、生産の振興に関する件について決議をいたしたいと存じます。 本件につきましては、先刻来各党間において御協議を願っていたのでありますが、ここに協議がととのい、お手元に配付いたしておりますとおりの案文を作成いたしました。 便宜私から提案をいたすことにいたします。 まず、案文を朗読いたします。 農産物価格安定法の運用並びにいも、でん粉の価格安定、生産の振興に関する件(案) 政府は現行農産物価格安定法制定並びに改正の経緯にかんがみ、甘しょ及び馬鈴しょの原料基準価格並びにでん粉及び甘しょ生切干の政府買入価格等に関しては価格決定に際し当委員会における決議等充分配慮して行なってきた慣行を尊重するとともに昭和四十二年産のものについては、農家所得の安定を旨として左記事項の実現に努めるべきである。 記 一、国内のいも作及びでん粉の長期的生産振興施策及び処理流通対策を早急に確立すること。 二、年度内需給計画に基づく原料、でん粉類の輸入は必要やむをえざる限度にとどめることとし、コーンスターチ工場能力設備拡大の抑制関税割当制度の継続等必要な措置を講ずること。 三、国内産でん粉の使用を主体とした需給調整が図られるよう外国産でん粉の輸入ならびにコーンスターチの製造について販売調整等適切な指導を講ずること。 右決議する。 以上であります。 本件については、別に発言もないようでありますので、これより直ちに採決いたします。 ただいま朗読いたしました案文を、本委員会の決議とするに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○仮谷委員長代理 起立総員。よって、本件は本委員会の決議とすることに決しました。 ただいまの決議について、政府の所信を求めます。大口食糧庁長官。
○大口説明員 ただいま賜わりました決議につきましては、内容を十分熟読玩味をいたしまして、尊重いたしたいと思います。
○仮谷委員長代理 おはかりいたします。 ただいまの決議の参考送付等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○仮谷委員長代理 御異議なしと認め、さよう決しました。 —————————————
○仮谷委員長代理 引き続き、農林水産業の振興に関する件について質疑を続行いたします。柴田健治君。
○柴田委員 干害問題についてはもう省略さしていただいて、高速道の建設に関して、それに関連するいろいろな問題について、当局にお尋ねをいたしたいと思うのであります。 まず、建設省の方にお尋ねしたいのですが、国土開発幹線自動車道の建設について、いま着々と準備をしておられると思うのでありますが、これに関連して、この高速自動車道を建設する目的というものをどう認識しておるのか、まずその点お尋ねしたいと思うのです。
○栗田説明員 高速国道建設の目的は、国土開発幹線自動車道建設法の第一条にもございますように、国土の普遍的開発をはかり、地域の一体性を確保するために、全国に高速の幹線自動車道網を建設しよう、そして地域開発を促進していこう、こういう趣旨で建設しております。
○柴田委員 抽象的な大ざっぱな答弁でありますが、それはそれでよろしいが、時間もございませんので、できるだけ事務的な問題を——政治的な問題についてはいずれまた次の委員会ででもお尋ねしたいと思うのですが、先ほど御答弁願いました中で、地域開発ということを申されましたが、たとえば全国五道、縦貫道に関連して、それぞれの地域で具体的にもはや協議に入っておると思う。その協議に入っておる府県について、特に、私は岡山県ですが、岡山県はもう用地買収の協議に入っておる。そういう場合に、それぞれの県の地域開発計画というものとその高速道とのかね合いというものを、どういう考え方で取り組んでおられるか、府県の地域開発というものに目を通しておられるかどうか、その点をお尋ねしたい。
○栗田説明員 県の地域開発を十分考慮いたしまして、建設を進めることにしております。そういうこまかい県の地域開発と高速道路との関連というような問題につきましては、これを密接に結びつけるために、今回の建設につきましては、県の積極的な協力というものを要請いたしまして、従来の高速道路の建設とは様式を変えて、むしろ建設省と府県との緊密な連携のもとに建設を進める方針のもとに、いろんな計画の調整を行なっておる次第でございます。
○柴田委員 県との密接な話し合いをしてやっておられるということは、これは当然のことと思いますけれども、しかし話を聞くだけでは、これは地域開発に結びつくとはいえない、こう私は思うのでありまして、具体的にその高速道建設に伴って、たとえば農業の問題と関連して私は申し上げるのですが、農業という産業との結びつき、そういうものについての考え方をひとつ明らかにしてもらいたい。
○栗田説明員 農業という個々の産業等につきましては、それぞれの所管省もございますし、具体的には、県の総合計画の中で農業振興計画等ございまして、それと高速道との結びつきを考えて、今後どのようにそれを発展させるか、それぞれ担当部門で考えて進めております。そうした計画とも関連を持たせるために、従来のやり方を変えまして、県の積極的な参加を求めてやっておるような次第でございます。 高速道路と農業との関係については、いろいろと問題がございますが、名神等の建設後における農業地域周辺の変化については、いろいろ調査しております。徐々に変化も出てきておるようでございまして、やはり相当大きな効果といいますか、利用効果というようなものについては、期待が持てるのではなかろうかというように考えております。
○柴田委員 農林省の農地局長にお尋ねしたいのですが、先般の五十五国会中に委員会で、私は農林大臣に、高速道建設に伴っての農政のあり方の中で、農業政策をどう進めるかということをお尋ねしたところ、農林省としては建設省とよく話し合いをして、十分万全の処置をとるようにやっていきたい、そういう答えをいただいておるわけですが、その後農林省として建設省とどういう話し合いをせられておるのか、その点をちょっと……。
○和田説明員 いま建設省で計画をいたしております五つの自動車国道につきましては、従来の東名道路あるいは名神の道路と違いまして、非常に低いと申しますか、要するに、橋のような形で高く上げない道路を計画しておるようでございます。そのことに伴いまして従来よりも、法面その他の関係から、その道路が農業用地を通ります場合には、つぶれます面積が、従来の橋のような高いものになります場合よりは多くなるということが一つございます。 それから二番目には、高い道路でございます場合には、従来の農業用の水路とか道路というものがその橋の下を通るというようなことで、わりあい容易で可能なわけでございますが、高さが低くなりますと、従来からあります農道なり水路なりを、どのようにその新しい自動車道路と交差させるかということが、従来の東名道路等に比較いたしましてさらに一そう問題になってきます。 それらの点につきまして、先般来農林省としては、農業側の立場で建設省に申し入れをいたしておるわけでございます。建設省のほうでは、それが工法に関します限りは、必ずしもまだ具体的に固まっておらぬ点等もございまして、そこらの点はなお現在折衝をいたしておる段階でございます。 そこで、農地のつぶれます面積が多いことと関連をいたしまして、従来東名道路等の場合にも、私どもとしては高速道関連の土地改良事業というものを、本来の土地改良事業とは別ワクに予算計上いたしてまいったわけでございますが、今後の自動車道路につきましても同じような考え方で、今後の建設が進むにつれまして、残りました団地の土地改良事業等を道路の建設とあわせて実施して、土地の利用の効率を高めることとか、あるいは近くに開拓の可能地等がございますれば、それらを提供して開拓パイロット事業として経営面積の減少をカバーするとか、そういう方向で対処いたしてまいりたいというふうに、基本的には考えておる次第でございます。
○柴田委員 お答えを聞くと、まだ十分話し合いをしていないように思うのでございますけれども、もはや用地買収の段階に入っているところは、非常に農民は心配いたしておるわけであります。道路の建設に反対するのではないけれども、用地だけ取られてあとは営農上非常に不便なことになってくる。そういう問題について、何ら具体的に話し合いにならないで用地の買収だけを急ぐという、そういう県の姿勢であるし、また建設省のほうも県に一任しておるのだというような、御協力願うんだというような手で逃げられておる。これでは、その土地を提供する農民の側からいうと、非常に不安がつきまとうということになるわけであります。 それから、高速国道課長にお伺いしたいのですが、この幹線自動車道のいま出ておる建設計画の路線と延長キロ数、その一キロ当たりの建設工事費というものはどの程度見られておまりすか。
○栗田説明員 現在着工中の五道につきましては、いま千十キロについて着工しておりますが、一部六車線区間もあり、あるいは四車線買収して二車線建設という個所もございますが、総額で五千六百四十億でございます。したがって、キロ当たり約五億六千万円というのが現在のところでございます。
○柴田委員 全国平均で、四車線、六車線を含めて一キロ当たり五億六千万。そうすると、それは用地補償も、付帯工事、関連事業も全部含めてそういうことなんですか。
○栗田説明員 建設費でございます。したがって用地補償、工事費も入りますが、関連事業は入ってまいりません。直接補償として行なうべき事業は入っておりますけれども、たとえば土地改良の関連事業であるとか、あるいはその他アクセス道路のつけかえであるとか、そういうものは別途事業になります。
○柴田委員 用地補償の直買方式や区画整理方式、いろいろとられて、全線においては違っておると思うのですが、原則としては直買方式をとられるかどうか、その点をお尋ねしたいと思います。
○栗田説明員 直買というのがどういう……。
○柴田委員 区画整理方式をとらないものです。たとえば換地で区画整理をして、そうしてそのつぶれ地を提供する者には新しく換地をやるとか、代替地をやるというような区画整理方式……。
○栗田説明員 できるだけ区画整理方式等によって、広い地域から道路用地を生み出すようにということは要望しております。それで、地元の事情等あるいは協力いかんによってはできるところとできないところとございますが、積算その他においては、直買方式の価格で考えております。
○柴田委員 区画整理方式のとれるところととれないところとあって、農村地帯は区画整理方式というものはとれないと思うのです。やはり直買で、そのまま要るだけの坪面積を買収していく。耕地だろうと、山林原野だろうと、畑だろうと、宅地だろうと、何でも買収していく。ところがその場合、営農に非常に影響してくる農家が出てくるわけですね。いま大体一ヘクタール、昔のことばで一町歩で、三人なり四人の家族がいろんな換金作物というか、経営の合理化をはかりながらやっておるが、その中で土地を一反歩なら一反歩、二反歩なら二反歩取られた。ところが、結果は営農に非常に影響してくる、生活に影響してくるという場合に、そのかえ地やなにかをしてやるのかどうか。それはもう土地は直売であるから、要るだけ買ったのだから、あとはおまえの補償金で新しい土地を求めるなり、未墾地を開墾するなり、またほかの、たとえば畜産なら畜産、山林なら山林なり、何かの方法でやっていけというような投げやり的なやり方をするのか、その点聞かしていただきたいのです。
○栗田説明員 補償のしかた、あるいは買収の際の積算というものは、道路の用地そのものについて行なうわけでありますが、買収されたあとの、何と言いますか、営農対策とかあるいは生活再建の問題等については、できるだけその実情に応じた方法で便宜をはかっていこうということでいまやっておるわけであります。そういう形で考えていく場合に、建設省あるいは道路公団だけのやり方では十分なことができません。そこで、県の協力を求めたわけでありますが、もちろん県単独ではできませんので、たとえば、いま農林省のほうからお話しございましたように、代替地対策のための開墾というような問題になりますと、それぞれ所管の県から農林省のほうに申請が出てまいる、こういう形でいろんな各方面の協力を受けながら対策を講じていく、こういう姿勢でやっているわけでございます。
○柴田委員 施行令の第五条を読んでみると、この建設に伴う事業推進によっていろいろな問題が出る、その問題を適切に、こういう方法で措置しなければならぬというような、抽象的ではございますけれども、いろいろ具体的に載っております。こういうことを考えると、建設省も相当の責任があると思うのです。おそらく責任を回避せられぬと思いますけれども、大体上で考えておるように末端に行っていないと思うのです。本省で考えておるような、十分理解というか、そういうものが末端ではなかなか理解されていない。担当の第一線の職員が、いろいろ県と話し合いをしていると、十二分に理解されていないという点もありますから、今後の運営というか、折衝については、十分やってもらわなければならぬと思います。 同時にお尋ねしたいのは、そういうもろもろの農家に影響を与える、農業経営に影響を与えるような問題が出た場合、それに関連する施設をしてやらなければならぬ、環境整備という立場から。また営農の改善というか、そういうものでいろいろなことを考えてやらなければならぬ。その経費については、建設省は農林省へ出すのか、農林省は農林省でかってに予算を組んでください、そういう態度をとるのか、その点は、建設省はどういう考えを持っていらっしゃいますか。
○栗田説明員 たてまえとしては、それぞれ農林省で予算を組んでやっていただくということになっております。もちろん、その間にいろいろな問題がございますれば、そういう事情を連絡いたしまして、予算等で検討していただくということになります。建設省が予算要求したり、あるいは予算を持っておって、農林省に委託したりというような方式はとっておりません。
○柴田委員 農林省は農林省で予算を組めというような意見も出たのですが、その場合に、農林省独自でそういう高速道路に関連するいろんな予算が、いま三億足らずあるということは聞くのですけれども、そんなことで解決するものでないと思うのですが、農林省独自で予算が組めるのですか、どうですか。
○和田説明員 高速道路の建設に伴います補償につきましては、少なくともその用地の取得に要します経費は、当然道路公団なりでめんどうを見てもらう。その場合に、当然普通の公共補償の場合に、生活再建ということも含めた補償になります。それから、農道とか水路とかいうようなものにつきましては、少なくとも現在の効用が生きる範囲までは公団側の補償工事としてめんどうを見てもらう。もちろん、そこで土地改良等の計画がございますときには、その計画に合わせて公団の補償工事をやってもらいたいというような、基本的な考え方で建設省とは打ち合わせをしております。 その場合に、先ほどちょっとお話が出ましたように、道路敷地を直接公団等で買収をいたしますと、たまたまその敷地予定にかかっておりました農家だけが、著しく経営規模が減るというようなところもございます。従来の前例としては、その場合の補償金を村でとりあえずプールをしておきまして、そこで土地改良、圃場整備等をやりまして、土地改良による減歩の方式をとって、部落全体で少しずつ消化するというようなことでやるように指尋もいたしてまいっておるわけでございます。 現在、新しく建設を予定しております五つの道路に限って申しますならば、道路にとられました残りの集団農地の今後の農業経営を合理的に実施いたしますために、各種の土地改良事業を実施いたしたいということで、県から上がってきております希望の総額は、事業費で約五百八十億ということになっております。従来、東名道路等の場合にも、農地局独自で毎年必要に応じて予算を計上して、関連の土地改良事業を実施いたしてまいりましたが、明年度につきましては、具体的に五百八十億ほどの事業費のうち、当面建設省が工事に手をつけます部分の関連のものとして、事業費約十億の予算要求を現在大蔵省に出しまして、目下折衝をいたしておる段階でございます。
○柴田委員 高速国道課長にお尋ねしたいのですが、いまの岡山県内を通るところの、いま協議をしておるところですが、聞くところによると、路面が非常に低い。低盛り土で、中盛り土でない、高盛り土でないのだ、こういうことで低い道路をつけられると、その道路をはさんで、北と南の通路というものが農業用に非常に不便になる、こういうことです。たとえば、いま国道がある、汽車も走っている、小さい川もある、残っておる耕地は幾らもないところをこうやられてしまう。そうすると、道路をはさんで、家は北側に残った、耕地は南側に残った、耕地は北側で家屋だけ南になった、こういうことでは、その営農者に非常に不便になってくる。そういう意見があって、通路は大体千メートルおきだ、いや五百メートルおきだ、いまは二百五十メートルおきだ、いろいろ声が出ておるようであります。設計書を見たわけではありませんけれども、どちらにしても通路を十分つくってやらなければならぬと思うのです。その場合、道路が低かった場合に、たとえば暗渠みたいに低くなってしまう。雨が降ったら——集中豪雨がよく出るところなのですが、集中豪雨でその通路へ水がたまったらどうするのだろうか、こういう気がするわけです。そうすると、排水の場合ポンプをつけておくのか、ポンプをつけたら電気代も要るだろうし、いつも通るのに、暗いから電気もつけなければならぬだろう、こういう心配があるわけです。そうすると、電気の施設だけはするけれども、あとの電灯料は地元が払えなんて言うている。こんなことでは理屈に合わぬと思うのです。 一方、道路は有料道路なのだから利潤をあげていく。それはペイするために利潤をあげるのは当然です。もうけなければ払えないのですから、それはわかりますけれども、住民からいうと、自分らの道じゃないのだ、有料道路で排気ガスと騒音だけ残るのだ、大きな迷惑だ、こういう意見もあるわけです。そういう低盛り土でやる道路構造なら地元はありがたくない、こう言うのですが、そういう点については、あくまでも低盛り土でやるのかどうか、その点課長にお尋ねしたい。
○栗田説明員 低盛り土方式というのは、今度の計画で打ち出した線でございますが、これは御承知のように高盛り土、従来のようなやり方では建設費が非常に高くつく。それでなくとも日本の高速道路は世界各国に比べて非常に高い。これを安くしなければならぬというのは、私どもの一つの課題であるわけであります。そこで、いまの低盛り土方式というものによって建設費の節減がはかれないかというのが今回の試みでございます。御指摘のように低盛り土にいたしますと、通路の問題で高盛り土に比べてつけにくくなるということがございますが、これは低盛り土といっても二メートル五十ないし三メートルぐらいの高さはどうしても必要になってまいりますので、若干の掘り下げ程度で通路が確保されるのではなかろうか。 いずれにいたしましても、堀り下げた場合には排水の問題が出てまいりますから、排水についてはもちろんポンプ排水ということになるわけでございます。それらの施設については、高速道路の費用で持とうということにしておるわけであります。将来の維持管理についてどうするかについても、これはいま検討をしております。いろいろと問題もあるようでございますので、適切な方法で解決をはかっていきたいと考えております。何メートルぐらいに設けるかということはこれからの検討でございまして、個々に事情もございますので、一がいにこうだということも言えませんですが、一般路といたしましては、これからの圃場整備の基準等から考えて、二百メートルないし三百メートルぐらいに横断施設があればいいのではなかろうか、また自動車等の通路については、八百メートルないし一キロぐらいの間隔に設けられれば大体間に合うのではなかろうかというのが、一応の基準として考えておる線でございます。 それらの問題は、いずれ設計がまとまりましたところで、いわゆる設計協議という形で地元の意見を聞きながら調整する考えでおります。名神等の実例等から見ましても、横断については、どちらかというと必要以上に設けられている傾向がございますので、それらを参考にいたしまして、適正な配置、適正な数ということで話をまとめていきたいというふうに考えております。
○柴田委員 時間がありませんので、こまかいことを確認するところまで御質問申し上げることができないのは残念ですが、もう少し住民の納得ができるように——課長は本省にいつもおられるのですけれども、第一線のほうは説明が非常にあいまいで、先ほど言ったように、排水工事の維持管理は将来地元でやってくれなんて不用意に言われるから、そんな維持管理を地元でやらされてはかなわぬということになる。通路が暗いために電気をつける、電気の施設だけはしてあげるけれども、電灯料は地元で払いなさいということでは、何のために地域開発ということで道路をつけていただくのかさっぱりわからない。要するに、地域の住民に喜んでもらえるような、そして地域の産業が発展するような、そういう考え方でやってもらわないと、こまかいことは全部地元の犠牲だ、こういうことでは住民は納得しないと思うのです。 それから、いままである施設ですね。農林省の補助だとか県なりでいろいろ土地改良でやりた事業に対して、どういう形で補償をするのか。それから農林省は、公共用地として道路敷地に取られる場合に、土地改良事業でやった施設に対する補償の基準というものがあるのかどうか。これは両方から御意見を聞きたいのですが、その点はどうですか。
○和田説明員 農林省といたしましては、そういう施設は現在の効用が今後も維持されるところまでは公団の補償工事の範囲で処理をしてもらいたいというふうに考えております。
○柴田委員 建設省のほうはどうですか。そういう場合には万全の措置を講ずるということと、もう一つは土地改良事業で借り入れ金なら借り入れ金をしてやっておる。ところが、土地を取られるとかんがい面積が減ってくるわけです。かんがい面積が減ってくると、借り入れ金は農林公庫や何かから借りておるが、それの償還に、用地が減ってくると非常に将来の運営が困るということになってくるわけですが、そういう場合にどういう見方をせられるのか。それから水利の位置が変わってきて、水利権の問題がまた出てくるわけですが、そういう水利権の問題について、建設省はいままで東名道路やいろいろやっておられるのですから経験があると思いますが、そういう点に十分御配慮を願いたい。 いずれまた次の委員会でお尋ねしたいと思うのですが、もう一つ、関連事業で県が考えておる、また国でもそれぞれ建設省にもあるのですが、河川、道路の建設省関係と、それから農林省関係の林道であるとか、また林務砂防地、そういういろいろな建設省、農林省とにまたがっておる関連公共事業については、その仕事は全部建設省がやるのか、地域開発とのかね合いを考えて府県にそうした関連公共事業——直接補償についてはもう道路建設と並行してやらなければなりませんから、その点は切り離すわけにはまいりませんが、関連の公共事業については、県の地域開発とのかね合いを考えて、工事を切り離して県に委託させていく、こういう方法をとられるかどうか、その点建設省にお尋ねしたい。
○栗田説明員 水利の問題や何かについては、いろいろな補償事業として解決していくことになりますので、それぞれ個々の設計の問題あるいは補償工事の問題として検討されます。 それからいまの関連事業の問題でございますが、関連と称する中に、いま申し上げましたように直接補償的な意味、いわゆる補償事業として行なうべきものがございます。これは当然道路公団の事業として行なわれるわけでございます。それから直接関連といいますか、いわゆる合併施行のような形で解決していったほうが非常に合理的だというものについては、同時施行でそれぞれの事業者において行なわれることになります。それから非常に広い意味で、これは地域開発との関連において仕事が進められるということになります。もちろんそれらについて、補助事業等に該当するものは補助事業、あるいは単独事業で行なわれるもの等々は、それぞれの事業の性質によって行なわれるものと考えております。
○柴田委員 農地局長にお尋ねしたいのですが、たとえばいまいろいろな土地改良事業の計画を立てておる。それは採択基準がある。農林省の採択基準によって採択を受ける。ところが、道路ができたために面積が減ってくる。そうすると計画変更しなければならぬ。計画変更した場合には、採択基準の面積から非常に少なくなってくる。こういう場合に、その道路付近の基準の引き下げというものが考えられるかどうか、その点どうですか。
○和田説明員 従来の東名道路や名神の場合には、その道路敷地がとられましたために、計画中の土地改良事業について受益面積が採択基準以下になるというような前例がなかったわけでございます。もし今度のものについてそういうことが具体的に出てまいるようでございますれば、別途少し研究してみたいと思います。
○柴田委員 時間を急げ急げとけつをたたかれるから急がなければなりませんが、高速国道課長にお尋ねしたいのです。もう一ぺんいずれお尋ねするのですけれども、聞いておきたいことは、いま県に用地買収の協力を求めて、県が個人個人の財産の買収の折衝にあたっていく、そういう場合には法的にはどうなるのですか。どういう法的な根拠で県にそういう買収をやらせるのか、その点ひとつ聞いておきたいと思います。
○栗田説明員 法的には何もございません。両者の任意契約ということになっております。
○柴田委員 法的にない。ただ任意で御協力をいただく。その場合に、訴訟でも起きた場合には県は引いてしまって、あとは建設大臣と訴訟を起こすということになるのですか。
○栗田説明員 内容によりますけれども、最終的には事業の執行者、すなわちいまの仕事では道路公団が事業の執行者ですから、道路公団が最終的な訴訟の対象になると思います。委託契約を受けた中での訴訟事件だと県ということになりましょうけれども、訴訟が起きた場合の内容によるとは思いますが、最終的には公団ということだと考えております。
○柴田委員 農林省の官房長にお聞きしたいのですが、高速道ができることによって土地がうんと狭められてくる。よそに出ていくこともできないし、たとえば土地改良を思い切ってその地区にやらせるとか、構造改善事業として畜産の奨励をうんとやらせるとか、農民というものは土地に執着が非常にきついので、未墾地の開発などをやらせる。それで畜産のほうで、和牛か乳牛か、養鶏か養豚かという場合に、現行の法律からいうと、たとえば今度畜産をやりたい、豚舎をつくりたい、鶏舎をつくりたい、また和牛の畜舎をつくりたいというふうに、耕地がなくなったからいままでの山林原野のほうに向けて開墾していき、宅地造成をして畜舎をつくる。こういう場合に、資金の問題なりいろいろ法的にあって、構造改善事業で優先的にめんどうを見てやるとか、そういう方法がとれるかとれないかということです。いまの法律からいうと、いままでの原野を開拓して、畜舎や鶏舎を建てるとすぐ宅地に変換をして、固定資産税がうんとかかってくるのです。原野にしておくほうが固定資産税が安い。ところが、宅地にしたためにすぐ固定資産税が上がってくるということになるのですが、そういう国策事業としてやっている道路建設に伴って、多大な犠牲を払う農家に対して、自治省との話し合いをして、そういう犠牲のあった農家に対しては何とか特例でも設けて、税金が安くなるような方法がとれるものかとれないものか、これは農林省としてひとつ検討してもらいたいと思うのですが、検討できるものかできないものか、お尋ねしたいのです。
○檜垣説明員 高速道路敷地に農地を譲渡いたしました結果、経営規模が縮小するということで困難になります農家、あるいは農家群のために、畜産用地の取得なりあるいは開発なりということについては、農林省としても優先的に助成、金融その他のことを考えていくということは可能でございます。また、そういうふうにつとめたいと思います。 固定資産税の問題につきましては、これはそういう場合のみでなく、鶏舎等の敷地になった場合に問題があるわけでありますが、担当の農政局長が参っておりますので、そちらから御答弁をいたします。
○森本説明員 固定資産税の問題でございますが、先ほど言われたようなケースは、確かに実態としましては何かそういった点で軽減措置を講じていくというか、そういう配慮をしてやりたいというふうなお気持ちはよくわかるのでありますが、税制は税制としてまた一定の原理原則でやられておりますので、いまそういう問題について直ちにどういう取り扱いをするのが至当であるかということを、はっきりお答えすることはできないわけでございまして、十分ひとつ検討させていただきます。
○柴田委員 もう一つだけ、あとは次の委員会まで保留いたします。農林省のほうはいずれ次の委員会でお尋ねしたいのですが、高速国道課長、ぜひ守ってもらいたいことがある。それは道路公団でやることだから知らぬ、こう言われるか知りませんけれども、いろいろ請負の会社が違うので、末端では農民がえらい迷惑をこうむり、心配をするのですが、測量は測量会社でかってにやる、ボーリング調査をやるのはボーリング会社が別に受け渡しをする、ばらばらに受け渡しをするので、農民はどこに不服を申し出ていいやらわからない。役場に行けばそれは県だろうと言う、県へ行けば、測量のほうは公団で独自でやっているんだからということで、末端では連絡が不十分なために農民が非常に迷惑する。承諾なしにかってにくいを打つ、測量会社は、私は測量会社として請け負っているんで、文句があったらどこか別に言っていってください、ボーリングで木をかってに切る、まああとから補償をもらいなさい、こういうことではどこへ出ていいかわからぬ。ボーリングをする会社はボーリングだけで請け負っているんだということで、ばらばらの調査なり事業がなされておる。こういうことはミスだと思うので、民間会社へ工事を請負させることはあり得ることでありますから、これはいたし方ないとしても、できる限り指導面で、そういう農民からの不平不満を起こさないように、万全の適切な指導をしてもらいたい。 これをお願いし、きょうは道路局長に来てもらいたかったし、官房長にも来てもらって、私は四時間ほど御質問を申し上げたいと思っておったのですが、そういう意味では私は最大の被害者でございますけれども、これでやめますから、委員長どうぞよろしく。
○仮谷委員長代理 松田統計調査部長より発言を求められておりますので、これを許します。松田統計調査部長。
○松田説明員 先ほど御質問の中で、干害の被害調査につきまして、私は作物のほかに樹体の損傷のほうも調査が要るかというふうに理解いたしまして、調査をしているようにお答えいたしましたが、なおそれに補足いたしまして、調査の取りまとめでございますが、作物のほうの調査の取りまとめは、一応われわれのほうで推定いたしました庭先単価でもって被害金額として取りまとめておりますが、樹体損傷のほうにつきましては、この樹体の被害の程度別の面積は調査いたしますが、取りまとめといたしましては、その段階でわれわれのほうでは終わりまして、これを関係部局のほうへ資料として提出する、こういうことに計画しておりますので、補足をさせていただきます。
○仮谷委員長代理 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後六時二十一分散会