内閣委員会 第2号
- 発言数
- 125 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1967/08/22
会議録
○關谷委員長 これより会議を開きます。 公務員の給与に関する件について調査を進めます。 去る八月十五日に出されました一般職の職員の給与の改定に関する人事院勧告につきまして、人事院当局より説明を聴取いたします。佐藤人事院総裁。
○佐藤説明員 去る十五日、人事院は国会及び内閣に対しまして、給与改定の勧告を提出申し上げたのでございますが、勧告早々本日の機会をお与えいただきましたことに対しまして、人事院当局者として当委員会の御配慮に対し、深く感謝を申し上げます。 そこで、簡単にその要点を御説明申し上げたいと思います。 まず、勧告をめぐる経済情勢でございますが、これは本年四月までの一年間におきまして、毎勤がどう違っておるかと申しますと、毎月勤労統計によりまして民間給与が二・四%上昇を示しておる。それから一方消費者物価におきましては三・一%の上昇、生計費は七・〇%の上昇ということに相なっております。 そこで、人事院といたしましては御承知のとおり、毎年の例に従いまして、ことし四月におきまする官民給与の正確な比較を行ないますために、国家公務員に対する実態調査をいたしますとともに、片方、民間事業所につきまして約六千七百の事業所をとらえまして、公務に類似する九十一職種の民間従業員、これを職種別に調べまして、民間給与の実態調査を行なった次第でございます。これは民間従業員四十五万人をとらえております。その際に、これも例年やっておるところでございますが、その民間給与調査の一環といたしまして、最近おくれがちになっておりますいわゆる春闘、これによって四月にさかのぼって実施されておる給与改定、これもあわせてとらえ得る限りとらえてまいったわけでありますが、その結果を見ますと、やはりことしも春闘のおくれの著しいものがあって、非常な事態を示しておるということが認められたわけでございます。したがいまして、本年の民間との格差を求めるにあたりましても、それらのデータをも総合いたしまして七・九%、これだけ公務員給与が民間におくれておるという事実を発見したわけでございます。 そこで、民間に対するおくれをいかにして埋め合わせるかということが勧告の内容になるわけでございます。ただいま申しました実質で七・九%というものをいかに配分するか。 その第一点は申すまでもなく俸給表の改善でございます。今日、ことしの民間給与の結果相当顕著にあらわれましたことば、民間の場合につきまして、各階層を通じて大体同率の引き上げになっておるということがことしの顕著な事実でございます。公務員側といたしましてもそれを無視するわけにはいきませんから、その民間の姿を基盤に置きながら初任給の引き上げでありますとかあるいは中位等級の昇給間差額の是正でありますとか、それらのものを含めまして全俸給表にわたって改定を行ない、これが七%に当たるわけでございます。 なお各業種別にこれを見ますと、それぞれの俸給表の改定につきまして一番目立つのはお医者さんでございます。これが去年は官民格差が大体四〇%台であったのでありますが、ことしはさらにそれが飛躍的に開きが大きくなりまして五〇何%と、五〇%をこえる大きな格差が出てまいりました。昨年も相当の手当てをしたつもりでございますけれども、とてもこれはこの格差をほってはおけないということで、医者につきましては、やはり昨年に引き続いて特段の引き上げを行なっております。同時に、研究職でありますとか、あるいは教育職あるいは看護婦の人たちなどについても引き上げについて相当考慮をいたしております。なお、指定職の俸給表でございますが、これは過去数年来非常に低く押えられ、なお一年据え置くという時代もございました。これも今回民間の諸情勢とにらみ合わせまして相当の思い切った引き上げをいたしたわけでございます。 これが俸給表関係の特殊の俸給表についての御説明でございます。 なお、初任給の面をとらえてみますと、初任給につきましては、一般の事務、技術系の職員の初任給については、これもやはり民間のそれと均衡を考慮いたしまして、高校卒については千百円、大学につきましては千八百円の引き上げを行なっております。そのほか、やはり医師、お医者さん、大学の助手、刑務官等の初任給につきましても格段の引き上げをいたしております。そのほか、勧告そのものには出ておりませんが、電話交換手の人たちの初任給のきめ方、これも今回改善を必要と認めてその措置をとる気がまえでおります。かくして、先ほど触れましたように、俸給表全体の改善率は平均七%ということになっております。 次は諸手当の改善でございます。 まず特別給でございますが、これは昨年は民間ととんとんでありましたので据え置きにいたしたわけでございますが、ことしは民間と比べまして〇・一月分公務員のほうが低くなっておるということを発見いたしました。そこで、これは三月に支給いたします勤勉手当、これに回しまして、勤勉手当を〇・一月分増額するということにいたしております。 それから次に、地域別の官民の給与格差、これをいかにして埋めるか、これは御承知のように一般職の給与に関する法律の第二条第六号に明らかにこれは人事院の職責としてそういった地域別の格差に対応する是正措置をとれ、あわせて暫定手当の整理をしろということが明文をもって命ぜられておりますが、なかなかこれが実行までに至りません。われわれは大きな宿題と感じておりましたのでございますが、ことしその機会が参りましたので都市手当を新たに設けまして、物価、生計費、それから民間給与、これの特に高い地域に在勤する職員の方々に対してこれを支給することにいたしました。一方暫定手当につきましては、三年計画で漸次整理をしていくということにいたしております。都市手当は、甲と乙と地域別に分けておりますが、甲は六%、乙地は三%ということにいたしております。 それから、先ほど述べましたお医者さんの関係でありますが、これは初任給調整手当の点においても相当配慮しなければいかぬ。と申しますのは、辺地その他における国立病院のお医者さんの採用が非常に困難な状況にある、民間においてもそれらの地域においては相当高い初任給をお与えになっておるという事実を確認いたしましたので、この際、辺地の医者の採用関係では、初任給調整手当として一万円の初任給調整手当、それから中段階のものとして七千五百円口を設ける、それからその他は従来どおりの五千円というような、初任給調整手当について特にお医者さんについては三段階を設けてこの異常な事態に対応することにいたしておるわけでございます。 それから次に、大学院担当の助手あるいは長期航海を常態としております船員の一部の方々に対しまして、その勤務の特殊性に応じた調整額を支給するということがもう一つございます。 さらに、宿日直手当でございますが、これは今年の民間調査において調査いたしましたことは御承知のとおりであります。この調査の結果やはり相当の隔たりが認められましたので、これに対する措置をいたしております。 なお、最後に、夜間通信業務に従事する、たとえば航空関係の通信の方々、特に深夜にわたって非常に過酷な勤務状態にあられる方々に対しまして、深夜を含む夜間勤務一回について百円、特に勤務時間の長い場合については百五十円という特殊勤務手当を支給することといたしております。 以上がポイントでございますが、以上の俸給あるいは諸手当の改善を合わせますと民間に見合う給与の改善が行なわれることになる次第でございます。 なお、実施時期につきましては、かねがね申し上げておりますとおりに、四月調査の結果に基づくものであります以上は、これはぜひとも五月にはさかのぼって完全に実施していただかないとわれわれの勧告の筋が通らないわけであります。従来不本意にしてその辺について遺憾ながら繰り下げを見ておりますけれども、ことしこそはぜひこれが五月から完全に実施されますようにここで強くお願いを申し上げて、私の御説明を終わりたいと思います。
○關谷委員長 質疑の申し出があります。これを許します。大出俊君。
○大出委員 総務長官は何時ごろお見えになりますか。——私への総務長官からの御連絡は、十時半から午前中、こういう連絡であります。 それから申し上げておきますが、六人委員会の関係の皆さんに連絡をとって御出席方をお願いをしたのですが、大蔵大臣があした何か外国にお立ちになるということで、事情やむを得ないと私も了解しております。それから木村官房長官がお国入りをされておりまして、たいへん歓迎をされておる最中でございますから、呼び返すわけにもまいりませんので、けっこうだということにしておきます。それから、早川労働大臣が十二時二十分に出席をするという連絡をいただいております。それから藤枝自治大臣が十二時半ごろここにおいでになる。こういう実は連絡をいただいておりますから、まあ六人委員会のうち三人おいでになるわけであります。ただ、総務長官が午前中というお話ですが、主役で給与担当大臣ですからちょっと困っておりますけれども、時間が大体わかればそのように質問したいと思いますので、御連絡をいただきたいと思います。 時間がもったいないようでありますから、せっかく総裁からいま御説明をいただいておりますので、総裁に御質問を申し上げておる間にお見えになれば重ねて御質問したい、こう思います。 ところで七%かつ実質で七・九%の勧告をなさったわけでありますけれども、実は問題の焦点は完全実施というところに旧来から焦点がありまして、いまのお話の最後に言われておる点でありますが、そこで念のため、どうも毎回同じような質問をして恐縮なんですが、これは五月実施が完全に行なわれないままに何回か過ぎてまいりましたが、ことしはいよいよこれは何回目になりますか。
○佐藤説明員 ことしのことはわかりませんから、去年までで七回繰り下げられておる、こういうことであります。
○大出委員 去年私は総裁に、三回目のときに、仏の顔も三度だと言ったのだけれども、あなたのほうは、一生懸命やっているのだ、いても立ってもいられないのだけれども、政府はなかなかやってくれない、こういうお話だったわけです。昨年私は、世の中にラッキーセブンなんということもあるので、ことしは七回なんだからと言うと、ことしは何とか総裁も言っておりまして、いても立ってもいられぬ人がそこにいられちゃ困るじゃないかと言ったら、いても立ってもいられぬのだけれどもすわっているのですという話を去年されておった。実はけさも五人の大臣を歩いてきた、こういうお話だった。ときに、森総務長官いわく、新聞がいろいろ書いておりますけれども、きめておりません、きょうもいまから六人委員会が開かれるので、最終的に長時間にわたる御質問を承ってよくわかりました、あくまでも完全実施を六人委員会に出て主張いたします、実は、こういうお話だったのであります。かつ、総裁は、一昨年、声明でも出して総裁の立場を世の中に明らかにしようと思うというようなところまでおっしゃったのですが、以来、これこそ仏の顔も三度で、だんだんと総裁も政治性を帯びてきて、どうも実施されなくても落ちつき払っているように変わってきたのですけれども、ことしこれが完全実施されないとなると、人事院の存立の価値、制度そのものにさえ影響を与えるようなことになりかねないと私は実は思っているわけです。ILO問題をめぐって、人事院から勧告権を持っていってしまうという動きを一生懸命とめておった私どもの立場からすると、いよいよこれは捨ておけぬという私どもの考えなんですが、本年完全実施をさせるについての決意のほどをひとつ承りたいのです。
○佐藤説明員 だいぶ落ちつき払っているというような御観察でございますけれども、心の中は煮えくり返るような気持ちを持っております。これはもうお察しいただけるかと思います。ことしこそはという強い決意を持って臨んでおることも事実でございます。従来、政府一本やりでわれわれ努力してまいったのですが、ひるがえって考えてみると、どうも終着駅は国会じゃないか。国会にわれわれ直接御勧告を申し上げておる。どうも国会に対してももう少しお願いのしかたがあるんじゃないかということも考えまして、近ごろは両建てで政府は政府、国会は国会として、ひとつ最終御判断の際には、ぜひ適切なる御判断をということでお願いをいたしておるわけでありまして、いま、この席は国会の席でございますから、政府に対しても十分やっておりますが、なお国会に対するわれわれの勧告について何とぞ適正な御処置をいただきたいということを強くお願いするということを申し上げておきます。
○大出委員 そこが、いまおっしゃることが、実は私は解せない。というのは、昨年の議事録をここに持ってきましたが、私は、一昨年、昨年二年にわたって経緯を説明をしておりますが、一昨年、完全実施されなくても勧告の出しっぱなし、それでいいのかという質問を私はした。あなたはたいへん御立腹で、憤然色をなして、とんでもない、何としても完全実施をしなければと思って政府の手元を見ているんだ、完全実施はしそうもないので、目下いても立ってもいられない、したがって、もうやめろといわれたらやめようかと思うくらい、あなたと質問者である私と全く同じ気持ちで、責任を明らかにしたいくらいの気持ちで実はおるのです、こういうふうにお答えになった。そういう御心境だっただろうと私は率直に思います。ところで、いても立ってもいられないといったって、あなたいても立ってもいるじゃないか、何言っているんだと言ったところが、そこであなたが何とおっしゃったかといいますと、勧告というものは、御承知のとおり、国会に直接提出申し上げて、あわせて内閣にも申し上げることになっている。したがって、たまたま内閣の政府原案作成の段階において、人事院としては、人事院の意に沿わぬことがあるということでそれを取り上げてやっているんだけれども、今度は国会に対する勧告の面からいうと、このまま国会で論議されるというのに、政府原案という段階でがたがたすることも、たとえば私の責任上、実施されなければ責任が負えないのだということを世の中にあなたが言うことは、国会審議という場所が一つある限りは不適当だ、だからとりあえず、その政府原案という段階で全力をあげる、そこで一区切り、今度はもう国会に出てきたら、国会という段階で全力をあげる、あなたはこういう答弁をされた。ところが私は、これはあなたらしくないと思うのですよ。いまの情勢、ここ七年間ながめてみて、政府原案が国会に出てきて、大筋の手直しが国会でできたことは一度もない。してみると、いまの政党政治のたてまえからいけば、政府原案がきまるというところが勝負どころであることは、あなたは百も承知であるはずだ、そうでしょう。そうすると、いま、あなたは国会でなどという、ことしあらたまったようなことを言うけれども、去年も同じようなことを言った。ことしあらたまってじゃない。だとすれば、去年だって、政府原案がきまってしまったら実際は国会でどうにもならぬ。そうすると、やはり人事院の立場として、政府原案がきまるところに勝負どころをあなたは置いてくれなければ困る。あとたいへんな矛盾があれば、それは少数野党だって通りますけれども、かつて国会は、百円ばかり修正したこともあるのだから、したがって、あなたはそこに中心を置かなければ、国会に勧告をしたんだから、国会に重点なんということを言われても、それは責任回避ですよ。そこのところはどうお考えになりますか。
○佐藤説明員 国会の場で決意を述べます場合には、国会を全然無視した態度で申し上げることは、これはまたたいへんな失礼になると思います。国会に対する冒涜であろうと思います。私は国会は国権の最高機関であり、唯一の立法機関であるという憲法四十一条の条文を頭に置いておりますから、国会に対する敬意は常に失っておらぬわけです。しかしながら現実は現実で、いますぐ議員立法してくださいと申し上げても、なかなか腰をおあげにならぬことは承知しております。やはり政府は予算の措置も整えてお出しになるのが普通の状態でございますから、先ほども触れましたように、政府にはもちろん全力を尽くして当たって、この勧告をした段階にも閣僚を全部回って歩いて、ひざ詰め談判で、ことしこそはぜひということを強くお願いをしておるわけであります。今後これはまたいろいろおきめになるが、どういう政府案がきまりますかわかりませんけれども、それまでの間に強く御要請を申し上げていきたい、こういう決意を持っておるわけであります。
○大出委員 内閣委員会で長年理事をおやりになっている与党の皆さんでも、内閣委員会の理事をおやりになっているときは官僚出身の方々が多いせいもありましょう、完全実施、よくこう言われるのです。永山さんだってしきりに完全実施を主張されておった。ところが自治大臣になると、私は永山さんにあのときにも直接質問したけれども、国民経済の全体をながめてみなければとか、大蔵省の財政事情も考慮しなければとか、とたんに君子百八十度豹変をする。今度は一昨年の勧告をめぐりまして本委員会で附帯決議がついております。予算措置その他を積極的にやって完全実施しろという意味で、このときは藤枝自治大臣も内閣委員会の理事でおいでになりました。あとからお見えになりますから聞いてみたいのでありますが、内閣委員会の理事でこの決議に賛成だといって賛成されておいて、今度は自治大臣になると、また何を言われるかわからない。そういう世の中なんです、いまの議会は。だから、どうしても今回は政府原案がきまるまでにどんなことをしても完全実施をさせるという決意で、勧告をなされた以上は、人事院もその決意で、私どももそういうつもりで、そうしてこの内閣委員会で予算措置も積極的に講じてなどということで賛成をされて附帯決議に参画をされた方も含めて、かつまた労働大臣内閣などといわれるいまの内閣ですから、倉石さんだって古い労働大臣だし、大橋さんだって労働大臣だったし、六人委員会でいつもがんばった方々ですから、そういう意味で、ことしは完全実施させる絶好の機会だというふうに私は思っているんだが、どういうふうに情勢を見ておられますか。ことしこそ、公労協の賃金闘争も調停の段階で話し合いがついていることは総裁も御存じだと思います。してみると、まことに本年はまたとない機会だ、こう見なければならぬと思いますが、その辺をどうお考えですか。
○佐藤説明員 たまたま大出委員のいまおっしゃったようなことを私は述べながら各大臣を歴訪している、正直に言うとそういうことでございます。
○大出委員 どうも私が言ったように話してきたというのでは、これはまさにそれ以上追及のしょうがなくなるわけですが、ともかくことしをおいてはまたとないという点はおそらく総裁のいまの御発言で一致していると思います。ひとつそういう意味で、例年御努力をいただいておりますけれども、ことしはまたとないほんとうの機会だという気迫で総裁にがんばっていただきたい、こういうふうにこの点は思うわけであります。 それから、念のためにここで総裁に一ぺん聞いておきたいのですが、旧来七回にわたって完全実施が行なわれなかった根本的な理由というのは、一体どこにあるのだとお考えになりますか。
○佐藤説明員 これはたいへん無理な御質問だと思います。私どもはその理由を究明すべき権限も何も持っておりません。ただ普通の常識を持って心の中でそれを批判しておるだけであります。これはそれこそ国会の権威においてその辺のところをはっきりさせていただければ幸いだろうと思います。
○大出委員 勧告を出しておいて完全実施してくださいと言っておって、しかも閣僚を走り回っておられて、それが完全実施できなかった。出した張本人の人事院が、それは国会の問題で、私のほうはまことに迷惑な質問だ、そういう言いぐさはないと私は思う。どうですか。
○佐藤説明員 迷惑な質問だと申し上げたつもりはありませんけれども、それはわれわれの人事院の権限というものは、法律をごらんになればはっきりおわかりになっているところなんで、もっと法律論的にいえば、これは人事院は、勧告するまでが人事院の責任と書いてある。勧告した後は、これは国会なり政府なりの良識にまつほかはないということしか、実は条文にはそこまでも出ておりませんけれども、そういう含みしか条文にはあらわれていない。しかしそんな法律論でこんな重大問題をわれわれが見ておったのでは、とてもわれわれはその立場に立ち得ない、つとまらないということで、法律上の義務なり責任なりは別として、とにかく責任を持ってわれわれは苦心をして正しいと信じてお出しをした勧告が、これが違った形で、あるいは時期においていえば繰り下げられた形で実現するということは、とうていわれわれの立場として忍び得ない。これはあたりまえのことです。したがってこん身の勇気をふるい、あらゆる努力を重ねて今日までいろいろとその辺の完全実施のためにつとめてきたということでございます。したがいまして、その完全実施が何ゆえにできなかったかということについて、それを取り調べる職権も何もございませんから、もっとできそうなものだったのになあということは当然思いますけれども、そういうような点について確たる根拠は持ち得ない、はなはだ不満であるということは事実であります。こまかい財政計算まではとてもわれわれはできない。したがって大きな不満を持っておるというところで推移しているわけです。
○大出委員 ほんとうなら、ここで総裁を問い詰めてもしようがないので、役者がそろっておれば、総務長官がいらっしゃればこういう質問になるが、いないわけだ。 もう一ぺん伺いたいのだが、私は勧告の出しっばなしで終わってしまうというのは制度上よろしくないと思うのですよ、代償機関ですからね。そういう意味で承りたいのですが、これは政策の問題か金の問題かということ。確かにあなたの所管でない防衛庁はじめ、いろんな所管があります。ところが、あなたのほうの予算計算をして、ことしは何か参考的になっておりますね、三百十九億。ちょっと出し方が違う。ここらもちょっと微妙だと私は思うのですけれども、つまり毎年予算額を勧告の中に書いておられる。そうでしょう。そうすると、書いておられる以上は、予算に原因があるのか、あるいは政策の問題かというふうなことは、お考えになっていないとすれば、いないほうがどうかしている。そこらの関係はどうなんですか。どうお考えになっておるんですか。
○佐藤説明員 勧告に直接関係のある御指摘としては、勧告文の書き方、これが所要経費三百十九億というものが参考という形になっておるということは、これはわれわれは勧告した当面の責任者として御弁明申し上げなければなりませんので、この機会に申し上げておきますけれども、これはこの間も、実は大蔵委員会でその点御指摘がありましたが……。
○大出委員 いや、地方行政です。地方行政で細谷さんから御質問があって、あなたが答えた。しかし、ここが本番の委員会ですから、私は聞いておったけれども、伺うのです。
○佐藤説明員 これは問題になりまして、いままで非常に人事院の算定額は少ないじゃないか、一般の常識からごらんになると、大蔵省当局から新聞に御発表になっている数字はたいへんな数字になっている、何だか、人事院はわざわざ内輪に見積もって出しているのじゃないかという、これはあられもない疑惑だと私は思いますけれども、これは考えてみると、ごもっともだと思う。これははっきり申し上げますが、私ども勧告の扱っておる一般職の国家公務員で、しかも現業職員を除いた給与法適用者に対する勧告であって、それらの人々にこの勧告の結果直接幾らかかるかということで、参考のためにこれは算定したものであって、いまお話しの防衛庁の職員だとか裁判所だとかその他の分野における職員の方々というものは入っておりませんし、これが退職金だとか、どこまではね返るということは押えていないので、単なる参考のために実はお出ししておったのでありますけれども、間々そういう疑惑が出てくるということは、確かに常識的に考えてみると無理もないということで、ことしは参考と、こうやったのですけれども、しかしこの間の御批判では、大出委員もお聞きになったのでしょうが、あれはいやみじゃないかと言わんばかりの御批判も、なるほど考えてみればもうやめてもいいのじゃないかというところまでいっております。それは何も勧告に直接関係のあることではありません。したがって財政上の数字の問題は、われわれとしてはそれにこだわった気持ちは持っておりませんということをちょっとこの機会に御説明さしていただきたい。
○大出委員 増子さんおいでになるので、総務長官がお見えになるまで……。かつて増子さん自身がどこに問題があるということをこの委員会で答えたことがある。したがって私は再度伺いたいのですが、昨年の状態をながめておられて、人事局長という立場で、何が一体勧告が完全実施されない原因かという点についてお答えいただきたいのです。
○増子説明員 現在の勧告のシステムによりますと、調査の時期あるいは調査の集計に要する期間等から見て、いわゆる年度中途における勧告ということになりますこと、すなわち年度の予算が国会できまって、それがいわゆる支出の段階に入って進行しておる、その進行の途中に勧告がなされるということ、しかもその勧告を勧告どおりに実施することによって相当多額の財政支出が追加される。予算的にいえばそれが補正予算という形をとらざるを得ないということ、しかもそれが相当の多額であるということ、こういう点が従来から、まあこれは主として財政当局的な立場から非常に問題として指摘されておるということ、これは大出先生もよく承知のところと存じます。財政的な観点からいえば、このいま申し上げたことは非常に大きな問題でありまして、根本的に検討しなければならぬ問題じゃないかというような、いわゆる問題提起がしばしばなされておるわけですが、しかしそれではどうすべきかという問題、これも従来関係閣僚間で、あるいは事務当局間でもしばしば論議されておりますけれども、問題とされながらもその解決策といいますか結論を得ておらないということ、これが私今日まで問題の解決を困難にしておる一つの問題だと思います。 それから、現実にいまの制度に伴う問題のほかに、何といいましても年度途中で多額の財政支出を行なうという二とは、いわば既定の予算というものがその年度内においてほぼ見込まれる収入というものを予定してつくられておったとすれば、補正予算の内容としましてはどうしても追加財源というものがなくてはならぬわけですけれども、これがいわゆる景気の上昇というような場合には相当のいわゆる自然増収というものが見込まれる。その自然増収が見込まれれば、その範囲内でこの人事院勧告を処理するためにどの程度の追加補正ができるかというような形になるわけでございます。しかし、その自然増収が必ずしも十分見込まれないということ、あるいはその見込みになかなか困難を伴うというようなこと、そういうことが具体的な問題としましてこの勧告の実施を困難ならしめるということがあろうと思います。 それからもう一つは、かりにある程度の自然増収というものが見込まれた場合におきましても、その見込まれる自然増収を財政支出の上でどういうふうに予算化するかということ、したがって人事院勧告の完全実施ということも、これも一つの歳出要因であり、重要な項目でございますけれども、そのほかに災害対策でございますとか、あるいは食管会計の問題でございますとか、その他相当喫緊な支出要因、予算の補正要因というものがあります場合に、それらの補正要因との間の調整といいますか、そういう点がいわば内閣部内においては相当大きな問題になるということ、それからもう一つは、単に国の予算ばかりでなくて、一方では地方財政に相当大きな影響を持つ。地方財政をどういうふうに仕組んでいくか。それをまたこの新しい支出要因に織り込んでどう手直しをするか、これもまた大きな意味の国の財政全体として非常に大きな問題になるということ、それからもう一つは、それだけの新たな財政支出というものは、当然国民経済上に相当大きな影響を持ってくるわけでございますし、またあるいは民間の賃金等についても、あるいは物価等についても、これは影響なしとはしないわけでございます。そういったいろいろの観点があるわけでございまして、御承知の関係閣僚のいわゆる六人委員会におきまして最終的な決定をいたしますまでには、いま申しましたいろいろな問題が真剣に論議をされる、こういう状況でございます。したがいまして、人事院勧告の完全実施というような点は、少なくとも私どもこの問題を私どもの所管として考えておる者の立場としましては、ぜひとも実現したいという気持ちでいろいろ努力をいたしておるわけでございますけれども、内閣全体といいますか、政府全体という立場になりますと、またそれぞれいろいろな立場からの御意見もあるということで、遺憾ながら今日まで私ども考えているような結論には達していなかった、これが私どもの見ておる実情でございます。
○大出委員 総務長官がお見えになりましたので、午前中だということですから御質問申し上げたいのでありますが、いま私は人事院の総裁並びにおたくの人事局長の増子さんに、人事院勧告、五月実施の勧告が出て、昨年までで七回も完全実施されていない、こういう状態について、総裁の御発言によれば、本年は私が考えているようにまたとない機会だ、しかもこれは八回目だ、したがってどうしても完全実施をしてもらいたい、こういう強い意思を持っている、こういうところまできまして、しからば今日まで七回にわたって完全実施が行なわれなかった原因は一体何かという点の御質問をしていたところなんですが、給与担当の当面の責任者である国務大臣である総務長官から、ひとつ完全実施がなぜ過去七回にわたって行なわれなかったかという原因について承りたいと思います。
○塚原国務大臣 閣議のため遅参いたしまして申しわけありません。 この前のときには、私は当面の責任者ではございませんから、その場に居合わせたわけではありませんが、いろいろ伺っているところでは、国の財政状況との関係においてそれができなかったというふうに私は承っておりまするし、また関係省庁の答弁などもそういうふうになっておると私は考えております。 そこで、今回、十五日に勧告をいただいたわけでございまするが、給与を担当する閣僚といたしまして、私は今日まで何回も当委員会あるいは予算委員会、大蔵委員会等においてもお答えをいたしておりまするように、人事院のあり方、人事院勧告のあり方、これを尊重するたてまえから、これを完全に尊重して、そして完全な実施ということが一番望ましい姿である、この気持ちは変りありませんし、勧告を拝見いたしましても、ぜひそうあらねばならないという気持ちでおるわけでございます。十五日に六人委員会を開きましたが、これは報告にとどまっておりまして、実質的な討議はおそらく今月下旬か九月の初めになると思っております。問題はやはり財政当局にあると思いまするが、私は給与を担当する者の一人といたしまして、また今日まで六人委員会で従来から批判されている問題点を究明してまいった者の一人といたしまして、勧告を十分尊重し、御批判を少なくする方向に向かって最善の努力をいたす考えでございます。
○大出委員 いまの長官の御答弁は御訂正いただきたいのです。と申しますのは、昨年この当面の給与の責任者ではなかったから、居合わせていないというのですが、財政事情が最大のファクターだという意味の答弁なんですが、昨年この論争をいたしまして、森総務長官が大蔵省の財政事情というものを横目でにらんで考えていくのだ、こう言ったのです。そこで私のほうから、大蔵省の当局の諸君もお見えになっておった席上で、それでは一体財源がないというなら、昭和三十八年の人事院勧告のときに、自然増収等を入れて財源があとになって余った、この点については大蔵省の主計局次長武藤氏が、確かに三十八年はそうでございましたとお認めになった。そこで、金が余っておっても完全実施ができなかったということになるとすると、最大のファクターは、はたして財政か国民生活に影響を与える国の経済かという追及をいたしましたら、森総務長官答弁をしていわく、「いまのことを私は記憶しておりませんのですが、何年か前に財源が余ったという例があったそうでございます。私もそれは聞いております。」つまり完全実施をしなかったのだが財源が余っていた、そのことを私は聞いております。こうお答えになって、「そこで、私が先ほど来、単に財源だけではなくて、その他の問題もいろいろ影響してくるということを申し上げたのは、そういうことが理由でございます。」というところから答弁を訂正された。その先を読みます。「先ほど私は大出さんの質問に対して、財源その他を横目でにらみながらという表現をいたしました。ことしの場合につきましても、私は、やはりこのものが絶対の判断の材料にはならない、」つまり財源が絶対的の材料にはならない、「むしろそういうことはしてはならないとすら考えているわけでございます。」つまり財源だ財源だというようなことを、そういうことを言ってはいけない、こういうふうにさえ私は考えておるということで、あくまでも財政事情にかかわらず、政府の政策だから、ただいまから六人委員会に出席をいたしますが、あくまでも完全実施ということで給与担当大臣の職責を果たしたい、こうお答えになって退席をされたんです。したがって私は、財政事情が最大のファクターというだけの御答弁では、先ほど長官がおっしゃった、前任者、当局がおそらくそう答えているはずだとあなたはおっしゃるのだけれどもそうではない、そこのところをもう一ぺん御答弁願います。
○塚原国務大臣 森君がどう答えられたか、いま伺ってみて初めて知ったようなわけでございますが、しかも今度勧告いただいてこれをどういうふうに扱うかということについての六人委員会は、先ほども申しましたように報告を受けた程度で、扱い方についての協議はまだ大蔵省、まあ私が言う財政当局が案もまとまっていないようでありますから論議にはならなかったわけであります。したがって、本年度大蔵省がどういう態度であり、どういう財政状況であるかということは、私はまだここで申し上げることはできません。ただ私は、先ほどの御質問に対してお答えいたしたのは、従来やはりその財政状況によってそれが左右されておったということを申し上げたのでありまして、財政状況と申しましても、広い目でそのお金をどういうふうに使っていくかというふうな財政当局の考慮もあったと私は考えております。そのことでありますから、別に私は訂正申し上げる必要はなかろう、いずれ六人委員会等で財政当局の意向も表明されるでしょうから、その際、私は私なりの立場で大蔵大臣と折衝していきたい、このように考えております。
○大出委員 大蔵省お見えになっておりますね。——そこで、大蔵当局、大蔵当局というお話が出てまいりますので承りたいのですが、昭和三十五年から四十一年までにわたる税金の自然増収、二種類に分けてお答えをいただきたいのですが、一つは、当初予算に対する自然増収、つまり税制の改正等がありますと変わってまいりますが、つまり税制改正なきものとして計上されている自然増収、大蔵省に数字がございます。これを三十五年、六年、七年、八年、九年、四十年、四十一年まで。なぜ三十五年からかと申しますと、三十五年から完全実施をしないのであります。したがって、この七年間を承らないとわかりません。それからもう一つ、決算にあがってまいります決算上の自然増収、同じく三十五年から四十一年まで大蔵省にこれまた数字がございます。これをひとつ大蔵省当局から明らかにしていただきたい。
○中橋説明員 ただいまの御質問は租税に関する御質問でございますから、主税局からお答え申し上げます。 まず第一の御質問の、税制改正なかりせばという場合の自然増収額を各年度について申せということでございます。これは私どもは、これまさに自然増収と毎年の予算編成のときに申しておりますけれども、この額は、すなわち昨年度の当初予算額に対しまして、本年度予算編成すべきとき、税制改正なかりせば、本年度税が幾らふえるかという金額でございます。この点につきましての御質問だと思いますから、その金額をまず申し上げます。三十五年度二千九十六億円、三十六年度三千九百三十億円、三十七年度四千八百七億円、三十八年度三千百三十一億円、三十九年度六千八百二十六億円、四十年度四千六百四十七億円、四十一年度一千百九十億円、四十二年度七千三百五十三億円でございます。 なお、念のために申し上げておきますが、この第一の意味におきますところの自然増収額は、予算編成すべき年度の歳出の増あるいは税制改正によりますところの減税額に充てられておるものが大部分でございます。 それから、第二の御質問の、当初予算額に対しまして、決算額として税収がどのような状況であったかという点でございます。これも実は二つに分けてお考えいただかなければならぬと思います。と申しますのは、税収の当初予算額に対しまして決算額として、一体税がどの程度増収になったかという問題がございます。これは後ほど触れますように、その増収額をさらに補正予算でもって使う部分がございますから、その点を後ほど御説明いたしますけれども、そういう点を差し引きまして……(大出委員「いいです、それだけ答えてくだされば」と呼ぶ) まず、その点を申し上げますと、決算額の当初予算額に対します税収は、三十五年度二千八百十六億円、三十六年度三千五百二十七億円、三十七年度千五百三十八億円、三十八年度二千二百四十九億円、三十九年度四千五百四十億円、四十年度マイナス二千三百八十一億円でございます。そのうち、補正でもって税収の増あるいは減を計算いたしました。その補正後の予算額に対しまして決算の税収においてどういう状況であったかという点を申し上げます。三十五年度九百三十七億円、三十六年度千九百八十一億円、三十七年度百七十五億円、三十八年度百八十一億円、三十九年度マイナス百九十六億円、四十年度二百九億円でございます。 なお、念のために追加いたしますと、私が申し上げましたのは、租税及び印紙収入のいろいろな数字でございます。その他税外収入がございますけれども、手元に資料がございませんので……。
○大出委員 私のほうからも念のために申し上げておきますが、私が当時主税局に聞いたときに、四十年度の例からいきますと、マイナス二千八百八十三億円という決算上の数字が出てまいりました。ところがこれは補正のときの見積りがえということで結果的に赤字になっていない。これは予算技術上そういう操作をしておるわけです。だから、そこのところはマイナスだからといって結果的にそうなるかというとそうではない、こういう理解を私はいたしております。たとえば四十一年度の数字からいきますと、私のほうのとりました四十一年度の租税及び印紙収入の実績、当初予算見込みでいきますと、千四百六十億円が途中で補正予算計上分です。したがって三千四百五十八億円、これが四十一年度の実績ですね。それから決算にあがってまいりますと六百二十一億円、だから合計したものはおおむね二千八十一億円、こういう数字が私の手元に調べてもらいましたら出てまいりました。これは四十一年度なんですけれども。つまり歴年ながめておりますと、補正予算要因がどのくらいあるかということを見合わせて、その年の自然増収というものが操作をされて最後に決算にあがってくる、こういうかっこうになっておるわけですね。そうしますと、つまりこれは金がないのではなくて、補正要因をどう見るかという政策の問題にからんでくる。そうなると、財源が云々ということによりも、何を一体補正要因として求めるかというときに、あるいは災害関係が幾ら幾らであるとかいうところから始まりまして、あるいはことしの場合などは公債発行を幾らか減らしていこうじゃないかというふうなことなどを含めまして、さて最終的に公務員の給与とこうなると、がまぐちの一番最後の帳じりになって、こういう補正要因で考えてみたら金がなくなったと言えば言えるかもしれない。しかし、問題は公務員の給与を政策的に政府がどう見るかということ、重視をするかしないかということ、ここに中心を置く限りは財源がないということはどこからも出てこない、こう考えなければならない問題である。公務員給与より災害だということになると災害政策ということになる。生きた人間が行政に携わる事務をやっておるわけですから、そうだとすると、政府の政策として一体公務員賃金というものは、しかもストライキ権にかわる代償機関としての人事院で出しておる勧告だということになると、それをどう扱うかという政府のものの考え方、これがポイントでなければならない。ここに一番大きな問題点がある、こういう理解を私はしておるわけです。ここのところは、総務長官、どうお考えになりますか。
○塚原国務大臣 どれを重点的に扱ってどうこうという議論を私ばいたそうとは考えておりません。私は先ほど申し上げたように、また常日ごろ申しておるように人事院のあり方、人事院勧告のあり方、これを尊重すべきたてまえというものを私は堅持をいたしておりまするので、今度の勧告につきましても誠意を持ってその実施に向かって努力いたす考え、これだけでございます。
○大出委員 実は、それだけでは少し困りますので承りたいのですが、つまり、先ほどの御答弁からいたしますと、財政事情というものが最大のファクターであるとお答えになった。そうして歴年の自然増収の動きというものをいま明らかにされておる。この中で人事院勧告の実施できない予算内容ではない。ただ、それを重点的に見るか見ないかという結果になる。補正要因の中で、これこれあるけれども、人事院勧告実施ということを補正の面で見る気はない。これは予算上金がないということが言えるだけであって、問題は、人事院勧告の、いま長官がおっしゃっておる性格、これを考えてみたときに、実施しなければならないものであるという解釈をとる限りは、やれない筋合いではない。これがポイントだと思う。だから、長官、そう形式的に表街道の答弁をされずに、ここのところまで突っ込んでものを言っていただかぬと、何しろ本年で八回目なんですから、それは公務員諸君にすれば相当しびれを切らしちゃってどうにもならぬというところにいるわけですから、その辺をもう少し親切に御答弁いただきたいのです。
○塚原国務大臣 私は、決して表街道、裏街道の答弁をいたしておるつもりは毛頭ございません。たびたび特別国会で両院においてもお答えいたしておりますように、給与を担当する閣僚といたしまして、また、今日の公務員のあり方、人事院のあり方から考えて、特に十年になんなんとする間のいろいろな御批判というものは、私は、鋭いことばで突かれておりますこともよく承知いたしております。したがって、この間の大蔵委員会でも、従来のマンネリを打破し云々ということばを塚原が使ったがどうかという御質問を受けましたけれども、御批判を幾らかでも少なくする方向に向かっての努力というものはいたさなければならないという気持ちは、人一倍持っておるつもりでございます。したがって、昨年の十二月末私はこの問題にタッチしたのでありますが、従来の御批判から脱却するためにも、従来のあり方について何とかこれを打開しなければならぬというので、野党の方々からもいろいろお知恵を拝借いたしましたし、いろいろな案を持ち寄りましたが、四月中旬になりましても結論を得るに至らず、やはり四月調査、そして八月勧告という従来の方式をとらざるを得なかったわけであります。これは私としてはまことに残念でありますが、しかし、勧告が出ました以上、私は前から申し上げているように、決して裏も表もございません。何とか御批判をなくするような方向で努力しなければならないという気持ちでございます。
○大出委員 というお話になりますと、それは完全実施に向かって全力をあげて努力する、こう受け取っていいのですか。
○塚原国務大臣 そうであります。
○大出委員 そこで、念のためにもう一回承っておきたいのですが、昨年私が給与局長尾崎さんに御質問を申し上げまして、昨年が六%、実質六・九%の勧告か出てきたわけですね。人事院が出しております勧告にあげている予算というのは十一カ月分だったわけですね。間違いないですね。ところで、六%勧告、これは実質でなくて、俸給表の改正をした。この面でいくと、世の中に六%、こう新聞発表をするんだけれども、これがはたして九月実施で終わってしまったら何%になってしまうのか。おそらく来年の八月中旬にもう一ぺんまた勧告するだろう。してみると、どこまでという先がきまっている。そういう解釈で、一年間十一カ月をとらえて九月実施、こうなった場合にどういうふうになりますかと言ったら、七割でございますという御答弁、そうすると、四・二%勧告をしたにすぎないということになる。間違いないのかと言ったら、ない、こうおっしゃったのですが、九月実施で六%、六%といったって、去年は実は四・二%の実施である、こういうことになるのですけれども、そこらをもう一ぺん明らかにしてもらいたいのです。
○尾崎説明員 ただいまのお話でございますけれども、私どものほうの勧告といたしましては、四月に調査をいたしまして、その間の格差を見つけまして、それを埋めていくように勧告をしているわけでございます。不幸にして実施が勧告どおり五月に行なわれないで、九月ということになりました場合には、年度内で計算をいたしますれば、いま大出委員のおっしゃったようなことになるわけでございます。もちろん、勧告そのものは、将来に向かってパーセンテージを上げてもらいたいという勧告でございますが、年度内のお話といたしましては、先生のおっしゃったとおりということでございます。
○大出委員 それだけ、公労協の諸君と比較いたしまして、公務員というのが、官公労働法体系そのものからいって非常に不利な条件に置かれている。そこにこの人事院という代償機関があるにもかかわらず、勧告の面でかくのごとく不完全実施が続くということであっては、これは昨年じゃないけれども、皆さんがいろいろな問題を言われても、一〇・二一なんということをやりたくなるわけです。自己防衛、生活防衛をせねばいかぬのですから。だから、そういうことは少なくとも本年はやらせてはならない、こう考えるわけであります。したがって、そういう意味で、長官ひとつ、本年は公労協でさえ——これは後ほど早川労働大臣がお見えになると思いますけれども、調停の段階で額的な話し合いはついていた、こういう実情を考えますと、ことしはどうしても早目に、公務員の皆さんが満足する、納得をする解決をはかってあげなければならぬところにきていると思うのでありますが、その辺は長官どうお考えでございますか。
○塚原国務大臣 三公社五現業の場合、もちろん、給与の諸問題について国家公務員の場合と違う面もありますけれども、しかし、本年度はいま大出委員がおっしゃるように、調停の段階で当事者能力が云々されながらもあれまで話がいったということと、今度行なわれた人事院勧告と比較が常に行なわれてわれわれは追及されるわけであります。それだけに、給与の問題点について、財源その他法のあり方について違うとは言いながらも、これを比較した場合に、やはり大出委員おっしゃるように、御趣旨に沿うように努力をしなければればならないという強い意欲に燃えることは、これは当然でありまするので、十分御趣旨に沿うよう努力いたしたいと考えております。
○大出委員 大蔵省の方にもう二つばかり承っておきたいと思うのでありますが、四十二年度、つまり、本年度の自然増収の動きは九月決算を見なければということになると思いますけれども、いまの段階でどういうふうにごらんになっておりますか。
○中橋説明員 本年度の税収を見まして、法人税等を中心として相当に好調であることは事実でございます。この経済基調が続きますれば、ある程度の自然増収は出ると思います。ただしかし、それが幾らであるかという点になりますと、実は、私どものところでいまはっきりとわかっておりますのは六月末現在の数字でございます。四月、五月、六月、三カ月分しか実はわかっておりません。やがて月末近くなりまして七月末の数字はわかるかと思います。現在のところでは六月末までの数字でございます。 その事情を申し上げますと、大体昨年度の六月末におきます一般会計の税収、租税及び印紙収入は、決算額に対しまして二一・六%入っておったわけであります。それが本年の六月末におきまして予算額三兆八千五十二億円に対しまして二三・六%入っております。一応この表をごらんいただきますと、約二%去年よりは六月末現在で収入はよくなったということであります。 ただ、ここで一つ割り引かなければなりませんことは、月末が日曜日であるということがございます。本来ならば昨年度の収入に入るべきものが四十二年度の収入に入っているということがございますので、そういうものを調整いたしますと、本年は実質約一%六月末で昨年の状況よりも収入がよくなっている、こういうふうに考えております。これが一体今後どういうように推移いたしますか、ちょっと現在では申し上げかねるようでございます。
○大出委員 昨年小沢政務次官がお見えになりまして、私はここで質問いたしました。そのときに、新聞紙上ではおおむね千二百億ぐらいの自然増収ではないかという書き方がされておった。小沢さんの答弁は最初八百億、それから九百億ぐらいだろう、こういうのですけれども、去年質問をしたのは十月ですから、したがって、九月決算を横目でにらめる時期なんですね。ところが、結果的に上がってまいりましたのは、補正の段階で二千八十一億円ぐらいになっている。ですから、そういうものの見方からいきますと、いまのお話のような去年の各期別の数字の動きを承っているというよりは、昨年は皆さんがおっしゃらないから私のほうで調べてみたのですが、昨年、お話の三十五年からのものも後ほどお答えさせてくれということだったのですが、とうとうお答えにならぬ。私が大蔵省を通じて調べたのを昨年私のほうで申し上げたのですが、そういうふうにいままで四年になりますが、ことしはじめて自然増収云々の説明が明らかにされたのですが、それからいきますと、小沢さんが去年八百億、九百億と言っているが、結果的に二千億からになっているわけです。そうすると、本年新聞紙上は二千四百億ぐらいといっている。昨年の倍、そうなると、いま慎重に御答弁をいただいておりますが、相当のところに行くであろうことは明らかである。おおむね見当がつく、こう見なければなりません。そうすると、その意味ではますますもって、最大のファクターだと当初お答えになった財政事情というものについては——もちろんこれは補正要因等にも関係があります。ありますけれども、人事院勧告が実施できないという筋合いのものではない。なお強くそう考えなければならぬと思うけれども、あわせてもう一つ承りたいのは、いままでの大蔵省の人事院勧告実施に関する予算の発表を見てみますと、だいぶ違うのですね。これは人事院、それから大蔵省、あるいは実施するときの予算の内容、これは総理府人事局とも関係があります。なぜこういうように違うのかをひとつ承りたいと思うけれども、昭和四十年、四十一年、それから今度は四十二年、この足かけ三カ年にわたりまして、新聞発表による所要経費というのがまずあります。新聞は大蔵省試算と報じている。いいですか。それからもう一つ、それは予算計上をするときの、補正のときの所要経費というのがある。組み込むときに最後に補正計上額というのがある。これ三つが非常に大幅に違う。地方行政で、総裁相手に細谷さんがいろいろ質問された。大蔵省は秋吉主計官が来ておられた。全くちぐはぐなやり取り、それでは私は世論をまどわすことになると思う。したがって明らかにしていただきたい。まず、四十年八月の勧告についての大蔵省試算、新聞発表によりますと、五月実施として見た場合に、一般会計で五百四十五億円かかるというふうに新聞発表されている。どの新聞も一緒です。特別会計で幾らかかるかというと、百五億円かかる。一般会計、特別会計含めまして六百五十億円、これが大蔵省試算。それから、地方公共団体につきましては七百四十億円。地方の負担分は除いております。これまた大蔵省の試算。さて、九月実施ということになりますというと、一般会計で大蔵省試算が三百六十億円、これは四十年です。それから特別会計で七十億円、合計四百三十億円というのが大蔵省試算。これが地方公共団体の場合には、九月実施で四百九十億円、こういうふうに大蔵省は試算をされております。さて、これが所要経費というところにまいりましての発表の中身からいきますと、特別会計の重複分を除きまして、長くなりますから結論だけ言いますと、四十年で三百七十七億円になっています。発表のほうでは、これは九月実施で四百九十億だ。四百九十億が、予算計上の段階になりますと三百七十七億円に減っている。さて、これが最終的に補正予算額——補正計上額というのが正確でしょうね。補正計上額がさらに減りまして三百七十二億円、つまり、マイナス五億円、これまた減っておる。これはおそらく不用額が出ているからだろうと思います。当初の言いぶりからすると、なんと四百三十億というのですが、最終的に幾らになったかというと三百七十七億、これはたいへんな差があるわけですね。地方公務員についても同様なんです。何か知らぬ、えらいたくさんかかるんだなんという印象を世の中に与える。そこにあとになるとたいへんな差が出てくる、こういう結果になるわけですね。三十九年の例でいきますと、当初の新聞の試算発表からいきますと、四十五億円多いわけですね。こういう状態で、四十一年の場合は同様の数字でいきますというと、五月実施で六百五十億、これが大蔵省試算。それから九月実施は四百二十億、こういう試算。それから四十二年、今年の勧告からいきますと、新聞の報ずるところによると、大蔵省試算は、五月実施で八百九十億、そうでしょう。それで、九月実施ならば五百九十億、こう大蔵省は言っていますね。さて、地方公務員関係でまいりますと、五月実施をすると千四十億、九月実施は六百六十五億、こういう発表をされている。一体どうしてこういうたいへんな食い違いになるんですか。ここのところをひとつ明らかにしていただかぬと、まことに迷惑です。
○海堀説明員 先生御存じのとおり、人事院勧告は一般職公務員について勧告を受けるわけですが、実際給与改定を行なうときには、一般職の国家公務員だけではなくて、防衛庁その他特別職の公務員についても行なわざるを得ない実情にあることは御存じのとおりでございます。したがって、まず試算をいたす場合に、国の分につきましても、特別職の公務員が同様の率で改定されたと想定された率を算定いたしております。それから地方公務員につきましては、国は別に一応関係がないわけでございますが、従来の慣例によりますと、地方公務員につきましても、大体国家公務員に準じまして給与改定が行なわれているのが実情でございます。したがって、そういう改定が行なわれ石であろうということを想定いたしまして、所要額を算定いたしておるわけでございます。これがまず人事院のおっしゃる数字と非常に違っておる点だろうと思います。 それから、いま計上額の相違という問題でございます。これは勧告がありましてすぐその日の新聞に、幾ら要るかという算定をいたさねばならぬわけでございますので、一般会計は一般会計として計算をし、特別会計は特別会計として計算をいたしておる。したがって、その間に多少の重複、つまり、一般会計から繰り入れられて、その額で特別会計で処理される額というものがございます。先ほどの御質問の相違は、ほぼその重複分の差というものに当たっているかと思います。 最後に、いよいよ予算に計上する場合には、できるだけ正確に予算として必要な額を計上するわけでございまして、欠員あるいは昇給の見込み額その他によって予算に多少の余裕がある場合に、もう一度その補正を組む時点で正確な所要額を見込みまして、追加必要額を計上するわけでございまして、当初概算的にはじきました額と多少の差が出てくるということでございます。この大きな差は、一般会計と特別会計の間における重複分の差であるというふうに考えます。
○大出委員 これは、人事院との差なんというのは、おっしゃらぬでも、私も人事院ができた昭和二十三年十二月からつき合っているから、百もわかっている。そうでなくて、大蔵省が発表する額がこう違ってはたいへん迷惑をする。六十億も違うなんてばかなことはない。重複、そんなものは、私自身が重複額を除いてさっき申し上げている。いいですか。重複分というのは幾らあるかというと、三十六年八月で二百四十二億円ですよ。三十七年で二百九十二億円、三十八年三百一億、これは全部一つ残らず出ている。重複分を除いた数字が全部出ている。こんなくらいのことは初めからわかっているのです。なぜ一体こういうばかでかい数字を出しておって、計上時についてみるとなぜこんなに開くのか。何か知らぬが、べらぼうにかかりそうなことを言うておって、最終的にはこういうことになっている。欺瞞ではないかと言いたい、正直に言って。 鎌田さん、おいでになっているから、あなたに聞きたいのですが、四十二年の大蔵省の試算による地方公共団体六百六十五億円というのが出ている。あなた、今度は公務員部長におなりになったわけですが、公務員部長、初答弁をひとつしてください。
○鎌田説明員 九月実施で六百六十五億でございます。
○大出委員 そうすると、大蔵省の試算と一致していると確認していいですね。
○鎌田説明員 そのとおりでございます。
○大出委員 総務長官が時間のようでありますので、一つだけ承っておきたいのですが、今度の人事院勧告の中に宿日直手当改正の問題、常直手当改正の問題があります。この税金の問題ですね。これは大蔵省の方もお見えになっておりますから——総務長官、特に聞いておいていただきたい。税金はどうなっているのですか。
○中橋説明員 ちょっと私、いま正確にお答えができませんが……。
○大出委員 どうも大蔵省連絡がまことに不十分で、ひとつ御記憶願いたいと思うのですが、地方行政委員会で私は傍聴しておった。わが党の細谷委員からこの税金の問題が出た。秋吉主計官はわからないから、早急に調査いたしますと言ったが、さっぱり調査されない。いまの税金の問題があるから、私から御説明をいたします。 宿日直手当については、昭和二十九年の国税庁長官の通達、直所二の十二号、これが根本法規です。金額が少額で通常の食費等の額に相当すると認められる程度のものは、昭和二十九年一月一日以後課税しない、こういう通達が出ている。法律じゃありません、通達です。それからその後、昭和三十年の通達、直所二の二十八号、この額が五百円まで非課税とされた。これは勤務一回につき五百円までのものは非課税で、五百円をこえると金額が課税対象となる、こう書いてある。明確にあなた方出された。したがって、この筋からいきますと、今度は五百円こえるでしょう。五百十円ですか。そうすると、五百円まではいままで非課税ですよ。現在では勤務一回につき五百円まででまるまるもらえる。今度は五百十円になると全額課税対象になるでしょう。これだけ重大な問題を地方行政委員会で一ぺん質問があって、わかりません、わからぬじゃ困るじゃないか、早急に調べておきます、こうおっしゃっておって、きょう私はわざわざ税金問題をやりますから大蔵省おいでいただきたいと通告をしておるのに、どうもあまりにも不熱心きわまるじゃないですか。公務員諸君おこりますよ、そんなことでは。この点が一つ。これは前の通勤手当のときもそうです。これは総裁も私が質問したときおられたから御存じです。支離滅裂だ。大蔵省の主税局長に聞いて答えておる。これまたむちゃくちゃだ。いつから実施するのだと言ったら、十一月からやる。冗談じゃない。十一月の税金は、民間については取っちゃった。日産自動車も取っちゃった。取っちゃっておるものを返すわけにいかない。そこで、官房長官だった橋本さんを中心に国税局長みんな集まって相談された。私のところにメモを持ってきて、何とか再質問をしてくれ、一月実施するということをお答えしますから。私はがまんして、一月実施でいいと言った。何べんもこれじゃ困るじゃないか。官房長官がメモを書いて持ってこられた。八田さんから私はもらったが、できるわけがない。取っちゃっておるものを返せますか、何十万の人から取ったものを。民間の人にも影響します。それで、税法改正をしてくれということを執拗に私は育った。一月実施でがまんするけれども、税法改正はどうしてもしてくれ。税法改正はされたでしょう。自動的に今度は非課税ですよ。そうでしょう。だからそうなると、これは大きな問題なんです。税金を取られると、額によっては一つ間違えば減るのですから。 それからもう一つ、常直手当、これは昭和三十九年十二月、手当制度ができた。これは人事院がいろいろ方々から責められて、苦しいところをやっと踏み切って常直手当をつけられた。一所一人庁と言われるようなところ、庁舎の管理権まで持っているところ、特許事務所なんかそういうところです。これでいきますと、国税庁の長官通達これが直審(源)五十五、これを見ますと、三千円支給のときは千五百円、千五百円支給のときには七百五十円まで課税しないものとする、こうなっている。そうでしょう。今度は三千六百円になるでしょう。こうなりますと、全額非課税としない理由が明らかになっている。どういう理由かといいますと、自分の勤務場所に家族を含めて住んでいる、だから家族と一緒に食事ができる、だから一般職員とは異なる状態にあるから、人事院がせっかく三千六百円支給ということにしたけれども、三千円もらう人は千五百円、千五百円の人は半分の七百五十円まで、こうなっているのです。これが三千六百円になる。ほうっておいたらたいへんな税金を取られる。こういう点を皆さん方のほうでどうもわかりませんということでは、私も質問した以上は、これは総務長官お聞き及びのとおり——だから私は質問したのですが、お答えいただければ何も言いませんけれども、こういう点は、長官、所管は違いますけれども、給与担当をされる人事局をおかかえになっておる長官として、やはりこういうこまかいところを配慮してあげませんと、これは宿日直手当をせっかく人事院が苦心惨たんして調査をされて、民間のところで四〇%何ということで改正をされたが、されたことに意味がない。改正したって税金をとられるのだから、そういうことでは、公務員の方から見ればせっかくの人事院勧告が意味をなしません。そういう点については特に長官ひとつ御配慮をいただいて、六人委員会その他の中でも強調をしていただいきたい。私はここで要望申し上げますが、この種のものは実費支弁によると見ていい筋合いのもので、一勤務五百円未満のものは非課税となっておるのですけれども、これが五百十円になりますと、はみ出した分だけ税金がかかる。これは政策とすれば話にならぬ政策だ。だとすれば、やはり全額非課税というふうに扱ってもらわなければならぬ筋のものだ。したがって、そこをひとつ総務長官ぜひ頭にお入れを賜わりまして、六人委員会等で善処いただきたい、こう思うわけです。 長官の時間がございませんようですが、先ほど来の御質問に対する御答弁で、マンネリを排してということばを途中からおっしゃいましたが、何とか完全実施の方向に向かって、しかも公労協の状態等を頭にお入れになって、全力をあげて完全実施するという努力をぜひしていただきたい、こう思います。 一言答えていただきましょう、税金の問題で。
○塚原国務大臣 ただいまの質疑応答を聞いておりまして、大蔵省と話し合ってみるつもりですが、人事院で非常に緻密な調査をされて得た結論でありますから、そのことが公務員の方のお役に立たないということでは意味ないことでありますから、そういうことのないようにすべく努力しなければならないと思っております。 いまの問題で私がお答えする筋合いではございませんけれども、よくわかりましたから、六人委員会等で話し合って、出したものが結局むだにならないように、喜ばれるような姿へ持っていきたい、きめのこまかい政策を実施するような方向に持っていきたいと考えております。
○中橋説明員 税金の問題について。先ほど御指摘の宿日直手当につきましては、実は私、詳細の金額を存じておりませんので、お答えできなかったわけでありますが、その考え方はこういうことでございます。 本来でありますれば、すべて現物給与にかわるものでございますけれども、こういう零細な金額までは一々追及しないという観点から、国税庁長官の通達でもって非課税の取り扱いをしておりますが、同じような考え方が実は通勤手当にもあったわけでございます。だんだんその金額がふえてまいりました。それで、先ほど大出委員の御指摘のように、昨年からこれは所得税法の中に入れまして、その金額も通常必要な通勤手当というところまでは非課税にするというようなことにすると、その金額を幾らにすべきかという問題も実はございまして、私どもいろいろ検討の結果、人事院がきめられました、いわゆる公務員に支給されております——その中でも、あるいは全額支給、半額支給のところもありますが、そこは全額支給の線までを一応私どものほうの基準にいたそうということで、二千四百円という現在の金額を政令によって規定いたしました。 しからば、今後新たに宿日直手当等について金額が改定になった場合はどうするかという点は、なお今後国税庁といろいろ相談をいたすことにいたします。
○大出委員 あまりよけいな答弁をなさらぬほうがいいと思いますが、法改正ということについては、主税局のほうからも来られて大論争をやった。どうしても法改正はしないとおっしゃった。しなければだめだということで、さんざ、一時間くらい私はここでやった。結果的にはあなたのほうは法改正をされた。しかし、初めはしないとがんばった。そうでしょう。八田さんもおられて全部聞いておられた。通勤手当はそれで片づいた。今度は宿日直手当、常直手当をどうするのだと質問しているのであって、これからこれは検討しますというのでは、これは答弁にならない。この間、地方行政で、こうこういう問題があるから、したがって、ここまでのこまかい点には触れてないけれども、上がったのだけれども、上がったのに課税されたのじゃ困るからと言ったら、わからぬと言う。わからぬじゃ困るじゃないかと言ったら、早急に調査して御答弁をいたしますと、こうなっておるのですよ。だから、私は申し上げているので、お忙しい方々だから、なかなかそれは全般に行き渡らぬとは思うけれども、ひとつそういうところは、やっぱり皆さんも公務員だから、きめこまかに手をつけていただかなければ困ると私は言いたいわけです。これはお願いします。 ところで、労働大臣がお見えになりましたので、ひとつ承りたいのですけれども、大臣、来て早々恐縮ですけれども、いま塚原総務長官が給与担当国務大臣というお立場で、最初の御答弁は、人事院勧告がなぜ七回も完全実施ができなかったかということに対して、財政上の理由等が大きなファクターでなかなか完全にいかないと、こういう御答弁だったのですが、大蔵省に私質問いたしまして、昭和三十五年、つまり、不完全実施に入った最初から七回、さらに本年を入れて八回、この足かけ八年間に及ぶ税の自然増収について御質問申し上げて、当初予算に対する自然増収、決算上の自然増収、先ほど全部御答弁かありました。結果的に財政上の問題が最大のファクターということではなくて、補正要因その他の中で、ほんとうに公務員給与というものを完全実施する、こういう腹が政府にきまるかどうかの政策の問題、こういう筋書きから、どう一体今回の完全実施に対処なされるかということについて、総務長官は、完全実施ということで、旧来のマンネリを排して、本年は公労協のほうも調停段階で話し合いでまとまったということもあるので、何としても完全実施で努力をする、こういう実は明確な御答弁をいま賜わりまして退席をしていただいたのでありますが、労働大臣に二つ三つ承りたいのは、まずもって本年の公労協の賃金引き上げは、労働省の調査されておる数字でいくと何%の引き上げになるかという点ですね、これをひとつ承りたいのです。
○早川国務大臣 公労委の仲裁裁定は、基準内賃金の六・五%プラス三百円でございまして、定昇分を除きまして二千八百二十九円、定昇分を加えますと平均四千五百十六円でございまして、これを率に直しますと一一・六%となっております。
○大出委員 定昇分を含む一一・六%、こういうことでよろしいわけですね。そうしますと、これ定昇分を除くとどうなりますか。
○松永説明員 七・三%でございます。
○大出委員 七・三%ということですね。そうすると、ここで総裁にひとつ承りたいのでありますけれども、公労協の七・三%と人事院の今回の七%、実質七・九%、これを計算をしていきますと、金額でどういう結果になりますか。
○尾崎説明員 七・九%は三千五百二十円ということになります。
○大出委員 国家公務員の一般職のうちの行(一)の四ないし八等級のところで勧告を見ていきますと、引き上げ額が約二千九百円、定昇が約千五百六十円、計四千四百七十円になる。この公企体職員と公務員の賃金、これを、いろいろな要素がございますけれども、どうやって比較するかという視点が一つ違いますけれども、国公一般職のうちでいまのところをとって比較いたしますと、金額的にはそう変わらない金額になる。これは公務員共闘の諸君が人事院の、おそらく尾崎さんだろうと思うのですけれども、いろいろやりとりをした中から出てきているのを読んでみますと、ふたごぐらいこれは金額がうまく一致するじゃないかと言ったら、まさに人事院勧告の科学性、合理性が明らかになったのだという御答弁だったそうでありますけれども、そうなると、労働大臣に承りたいのですけれども、六人委員会のお一人ですから、この七・三%の、先ほどお話がございました定昇込みの一一・六%、この数字からいきますと、四千五百十六円になりますが、ここで、公労協のほうは、もういやもおうもなく完全実施されているわけですね。そうだとすると、せっかくの御努力で、途中から組合が横を向いたりして、大臣、まじめにおれが努力したのにけしからぬと言ってだいぶ御立腹だった時期もあったのでありますが、たいへんな御努力をいただいたので、感謝しておりますけれども、そういったお立場で、六人委員会の中で、私は、ことしをおいてまたとないくらいことしは完全実施の好機会であるというふうに考えておるのでありますけれども、そういう意味から、ひとつ大臣の御所見を、完全実施をすべきであるとお考えであると思うのでありますけれども、承っておきたいと思うのであります。
○早川国務大臣 私も六人委員会の一人でございまして、ストライキ権のない公務員の、ある意味では代償機関である人事院の御勧告でございますので、最終的には国会への勧告ということですが、政府といたしましても、労働大臣の立場からは、むろん完全実施をしてもらいたい、そういう趣旨で努力をいたしておるわけでございますが、何ぶん地方自治体、地方財政の問題もからみます、国の財政事情もございますので、よく財政担当閣僚に対しましても、その完全実施の方向に努力をいたしたいと思っております。
○大出委員 そこで大臣、大臣の御性格で、私は、自治大臣を赤澤さんにおかわりになる前に、内閣委員会で、地方公営企業制度調査会というものがつくられるときに御質問をいたしておりますから、大臣の性格を存じ上げておりますので、まじめな御答弁をいただいておることはわかっておるのでありますが、それだけに心配なんですね。いまもちょっと口に出ましたが、財政当局のというお話が出てまいりました。もちろんそれは必要なことでしょう。しかし、例年歴代の労働大臣がいろいろな苦労をされておるにもかかわらず、完全実施ができていないというのが現実である。そこで、私は先ほども質問をしているわけでありますけれども、人事院勧告が、大臣、これはどういうわけで七回にもわたって完全実施ができていないのかということ、その根本的理由というのは一体どこにあるとお考えになりますか。
○早川国務大臣 公労協と違いまして、御承知のように、一般公務員は、給料の金額、等級まで、全部国会で法律できまっておるわけでございます。しかも、この勧告がいつもおくれまして、予算の性格上、公労協のように彼此流用ができないというような法規上の問題もあるのではないかと思います。まあ、そういう関係で、財政事情に常に左右される。いわゆる勧告の時期というものをどう見るか。民間給与の前にとなりますと、法律できまっておる民間給与を参考としてという字句が生きてこない。そこで、勢い民間の春闘がきまったあとで人事院の勧告を出さざるを得ないという制度上の問題もございます。 それからもう一つは、民間給与の場合には、一二%のベースアップ、完全実施ですけれども、多少公務員と私は違うと思うのは、今回の春闘を見ましても、五割近くはいわゆる職能給、能率給というものにいたしておりまして、業務成積をあげていこうというような賃金の形態であるのであります。これに比較いたしますと、公労協、一般公務員というものは、そういうのでなくて、ずばり法律できまっている。いろいろそういう事情もからみ合いまして、せっかくの御勧告が完全実施の実行にこぎつけていけないということになっておるのではないだろうか。そこで六人委員会といたしましては、こういった根本の制度自身をどう改喜したら御要望のようにずばりいけるようになるかと常に検討いたしておるわけでございますが、残念ながら今年は従来どおりの制度で勧告ということになりまして、これを踏まえまして六人委員会ではできるだけひとつ前向きにこの問題を処理してまいりたいと、担当大臣の総務長官も非常に張り切って御努力されております。労働大臣といたしましては、労政全般の立場から大いに努力、応援をいたしたい、かように思っておる次第でございます。
○大出委員 最後のほうの、総務長官が張り切っておるので労働大臣という立場で大いに応援したいというお気持ち、たいへん感謝するのですけれども、それにしても心配な点が二つばかりいまの御答弁の中にあります。できるだけ前向きにと、こうおっしゃるので、完全実施とおっしゃっていないわけであります。できるだけ前向きになんていうと、昨年でも、八月十五日実施はどうだろうというアドバルーンが上がったこともあるので、八月実施だというのじゃ、これまたまことに迷惑なのです。できるだけ前向きということは、たいへんくどい質問で恐縮なのですが、どういうことなのですか。
○早川国務大臣 完全実施を目ざしてひとつ努力をする、こういうことであります。
○大出委員 どうも答弁がむずかしくなってまいりまして、完全実施を目ざしてというのですが、とにかく完全実施を目ざしてひとつがんばっていただきたいと思うのであります。 そこでもう一つ、民間の給与体系に触れてものをおっしゃったのと、それからもう一つ、公務員法体系、労働法体系の中の公労協関係の諸君、公務員関係の諸君の違いをいま大臣が触れておられますが、これはちょっと大きな問題なので、念のために承っておきたいのですが、民間がいろいろな体系をとっております。たとえば電気関係なんかは、大きなところは週体制、隔週週休の形で隔週土曜日休んでおりますね。しかも職務給が十数%ずつみな入っている。こういう形になっておりますね、東芝にしても日立にしても。そういう事情はわかっておるのですが、しかし六千七百の事業所を直接人事院は官民比較の形で比較をされているわけですね。ここに一つのポイントがあります。労働省の毎月勤労統計や総理府の家計調査というものを出しますけれども、これはいわばアクセサリーで、対応等級等をながめて適当に——適当にと言うと言い過ぎだけれども、その辺で科学的にという理由のもとに額をきめる、こういうわけですから、そこで大臣に特に承りたいのは、いろいろな体系になっているけれども、人事院が比較をしている。そうすると、それらのことも踏まえて比較をしている、こいうことになるわけであります。中労委が昨年の六月に民間給与の調査をされているわけであります。この中で民間の実在者の基準内賃金の調査をやっております。それからまたモデル賃金、最近よく労働組合なんかでも給与担当の方々がモデル賃金方式をとっていろいろ計算をしております。このモデル賃金、中労委が出しておるこの六月のものを見ますると、五万四千四百八十四円、これが三十五歳で勤続十八年、六万九千三百二円、四十歳で勤続二十三年などという数字が出てきているわけであります。これは労政局長御存じだと思いますけれども、これと公務員のほうを比較してみますと、公務員の四万四千三百三十五円というところが三十八・一歳で経験年数十六年六カ月になるのですね。もう一ぺん言いますが、一般職の国家公務員の三十八・一歳、経験十六年六ヵ月、これで四万四千三百三十五円なのですね。ところで、民間基準内のモデル賃金のほうでいきますと三十五歳、三・一歳若いわけです。勤続が十八年ということで五万四千四百八十四円、それかう四十歳のところをとりますと、勤続二十三年で六万九千三百二円、こうなっているんですね。これを直して比較してみますと、やっぱり六千円くらい、明確に違うんですね。そういう点からいきますと、どうも私は今回の人事院勧告というものは、私どもがながめてみた官民比較という立場からすると、実は人事院にものを申し上げなければならぬのですが、人事院のほうで、そんなことを言うならあとで見せろと言うかもしれませんが、資料を出しております。これが皆さんのところにいっていると思いますが、「別表第一 官民の職種別給与較差」というのがあるのですけれども、この別表第一の基礎になる資料がないのですよ。これをこのままぽんと出されますと、この「官民の職種別給与較差」というものは、はたして正しいのかどうかという点の判定ができない。ここまでしかお出しにならぬから、これじゃ人事院が調べたらこうなんだから、これで認めろ、おれのほうで膨大に調査したものは皆さんに見せないんだから、どうせ見せたってわかりはしない、こう思っておるかもしれない。あるいはうっかり詳細に見せたらとんでもないことが出てくるかもしれない、こう思っておるかもしれない。とにかく出ていない。わからないことを前提にして、とんでもないことがあるかもしれないということを前提にしても、なおかつ非常によくないですね。低い、こういうことになると私は思っておるのですがね。労政局長、中労委の調査等を比較しまして、どういうふうにお考えですか。
○松永説明員 ただいまの先生御指摘になりました中労委のモデル賃金は、御承知のように毎年とっておるわけでございますが、実際の賃金よりは高く出る傾向が毎年ございます。それは先生も御承知だと思うのですが、要するに中途採用者その他を除きまして、あるべき給与でやった場合にどうなるかという、いわば給与体系と申しますか、制度と申しますか、そういう観点からの調査をいたしておるところでございますので、現実にどれだけの給与を支払っておるか、先ほど例示としてあげられました勤続年数、年齢というようなものでとらえました場合には、個々によって違うかもしれませんけれども、一般的には、そこで先生がおあげになりましたモデル賃金よりは、現実の傾向といたしまして低く出る傾向にある。従来もそういう傾向はあるわけでございます。したがいまして、賃金の見方、いろいろございますが、モデル賃金方式というものから見ればこうなるという一つの資料にはなると思うのでございますが、現実に官民較差という場合にはやはり現実に支払われておる賃金がどういうものであるかということを比較すべきではなかろうか。人事院が御比較になりましたのは、そういう観点から比較をされたのではなかろうかと思います。
○大出委員 モデル賃金を申し上げたほうがおわかりいただきやすいかと思って申し上げたのですが、じゃ、民間の実在者の基準内賃金、これも中労委はとっておりますね。これでいきますと、四万九千八百十二円というのが三十五歳ないし三十六歳ですね。それから五万九千八百二十六円というのが四十歳から四十一歳ですね。これを比較をいたしますと、あなたは高く出ると言ったが、高く出るほうは一、二万円違うでしょう。そうでしょう。だから私はモデル賃金をあげましたが、六千円と申し上げた。それは一番低いところを私は申し上げた。一、二万円開きがあるとは言っていない。あなたのおっしゃるように高く出るのは百も承知だから、実在者を言うといま申し上げたようなことになる。そうしますと、実在者とモデル賃金と両方あわせて比較しますと、六千円から二万円くらい開く。その中の一番下をとってみても六千円開くじゃないかと私は申し上げておる。これは労働大臣、そこを頭に置いていただいて、塚原総務長官に御努力を願うことについて、六人委員会の一人として、労働大臣という立場から大きくバックアップをされるという発言ですから、ここらのところもひとつ踏まえていただいて、大きくバックアップしていただきたいという意味で——私が一、二万円開くじゃないかと言うたなら、あなたの答弁が当たります。そうじゃない。だから、つけ加えていま申し上げたわけですが、そういう意味で、いまの人事院の官民比較というのは、人事院の立場もありましょう、だから必ずしも高く出ていない、足りない、こう私は思っておりますが、これは私の私見です。そこで、いま申し上げたのを例に引いて労働大臣に所管の数字を申し上げて、ぜひひとつこの点は踏まえていただいて御努力をいただきたい、これが一点。 それからもう一つは、先ほどお話にございました法体系の相違でございますけれども、ドライヤーミッションについてはこれは大臣の所管でございますから、十分御承知だと思うのでございます。私は、また労働大臣にずいぶんこの質問もいたしております。ILOに提訴した張本人の一人でございますから。そういう意味で、実は日本の官公労働法体系というものは非常に未熟である、代償機関の性格というものについてもいろいろな疑義がある、地方の公営企業なんというものは特にひどいものだという意味の指摘もあるわけであります。だから、公務員制度調査会の中で十分これを討議しろ、こう言われているわけですが、これが宙に浮いているという現実等があるわけであります。したがいまして、そういう労働法体系の違い、はたして完全な代償機関になっているのかいないのか。一番簡単なのは、人事院が完全拘束権を持てば、これは一ぺんで片づいてしまう。持っていいと私どもは思っております。そういう点を、ひとつ労働省の立場、労働大臣の立場で踏まえていただければ、もっと積極的に——先ほど労働大臣ちょっと気になる答弁が重なりましたが、完全実施を目途にがんばる、こういうことでございますから、より強くそこのところをお考えをいただけるのではないか、こう思うのです。いまの民間賃金のやりとりを労政局長と私いたしましたが、そこを踏まえまして、もう一ぺん、削られ続けている公務員労働者の立場というものを労働大臣どうお考えになるか、御答弁を賜わりたいと思います。
○早川国務大臣 先ほども申し上げましたように、六人委員会の一員として、主管大臣ではございませんが、人事院の勧告というのは厳密に代償機関かどうかは、議論があるところでございます。公労協には仲裁裁定という制度もございますし、できれば完全実施すれば、ちょうどうまく公労協と平仄が合うわけであります。今後とも完全実施ができますように、微力ではございますけれども努力をいたしたいということを重ねて申し上げておきます。
○大出委員 どうも少しくどいようでございますが、そういう御答弁をいただきましたので、先ほどの塚原さんの御答弁と合わせまして、六人委員会のうちお二人は完全実施で、片や大いに張り切って、片や大いにこれまたバックアップをする、こういうことでありますので、いま三分の一進んだということになるわけでありまして、後ほど自治大臣がお見えになりますから、自治大臣からもしそういう御答弁をいただければ、半分はそちらのほうにいくということになるわけでございまして、どうかひとつそういう意味でがんばっていただきたいと思うのであります。そして労働問題としてとらえた場合に、昨年の一〇・二一ストといわれるようなことを再び起こすことのないように、公労協としてもちょっと手が出たり足が出たりしましたが、せっかくの御努力でまとまったわけでありますから、どうかひとつそういうことで御検討いただきたいと思うわけであります。どうも労働大臣ありがとうございました。 ところで、人事院に承りたいのでありますが、この春闘の積み残しといわれるもの、この皆さんのほうの中身からいきますと一二・六%からマイナス四%かける四分の三、こういう計算になりますね。四月に昇給という者は、しているという前提に立って計算をされますから三%見込まれるわけでしょう。給与局長、いま私の申し上げていることわかりますね。そうなりますと、かける二三%ということで二・二%が出てくるわけですね。この二・二%の算出の基礎になっております事業所別のものを見ますと、皆さんのほうの参考資料の一九ページにあるわけです。この中でベースアップと昇給の同時実施をしているところ、ここをとらえなければ三%の差し引き云々が出てこないわけですね。この資料は私非常に読みにくい資料のような気がするのでありますけれども、表題は「昇給およびベース改定等の実施状況」というのであります。おそらく皆さんの意図は、区分のところに言うところの「ベース・アップと昇給の同時実施」とございますのは、おのおのこれは独立した考え方に立っている、こう見なければならぬと思うのです。そうなりますと、「ベース・アップと昇給の同時実施」に言うところの実施事業所の割合というのは、五二・七%になっているわけです。半分をちょっとこえている。ここをとらえてみると、全体の五二・七%がベースアップと昇給との同時実施になっている。そういうことになりますと、こちらの数字からいくと一二・六からマイナス四%かける四分の三かける二三%で二・二%、こういう算式になるのですけれども、ほんとはこれは全事業所ということでながめてみると、半分ちょっとなんですね。二分の一をかけなければいかぬのじゃないかという気がする。つまり一二・六%マイナス四%かける二分の一かける四分の三。つまり昇給に一期抜いているという勘定で三%。そうなると、これは四・四になる。私のこの考え方が間違っているかもしれない。そこで承りたいわけですが、ここに言うところの資料というのは、一・九%、二・三%、六・二%というのはどういう基礎で出てきたのかという点の説明がない。憶測をすれば二一・八%という事業所の割合があって、平均八・六%のベースアップが行なわれていて、それをまた全事業所に引き直したような算式をとっておられるのではないかという気がする。そうすると、これは一・九%。同様に三二%の昇給をしたところの事業所、これで平均昇給率が七・一になる。三二%の事業所で昇給しているのだけれども、これを全事業所に引き直してみると二・三になる。同様の計算をベースアップと昇給の同時実施のところでも使っているのだとすれば、つまりこの三つ、一・九プラス二・三プラス六・二合計一〇・四というのは、人事院が言いたい民間給与の昇給及びベース改定等の実施状況ということになるのかもしれない。ただし、説明がないから、ここのところはわからない。だから、ここのところを給与局長とりあえず御説明をいただきたい、これは今回の勧告の基礎ですから。ずいぶん不親切きわまる資料です。
○尾崎説明員 ただいま御質問になりました勧告資料の第九表にございます「昇給およびベース改定等の実施状況」につきましては、先生がたがただいま御指摘になりましたように、この表そのものはまさにベースアップによって上がった事業所が全体として一・九%あった、それから昇給によって金額が上がったところが二・三%あった、ベースアップと昇給の同時実施で上がったのが六・二%あったというので、全体の合計はそれを合わせたものでございまして一〇・四%という計算に、かりに計算をいたしますとそういうことになるわけでございまして、これは注に書いてございますように、昨年の四月の次の月、つまり四十一年五月から最近の四月まで、この間に民間の、私のほうで調査をいたしております事業所において改定になったという、これだけいわゆる給与水準が上がったという調査の結果でございまして、それがいわゆるベースアップ、あるいは昇給、あるいは同時実施という形で、どういう方法で上がったかという調査をここで差し示しているものでございまして、全体として民間の上がり動向につきましては、労働省の毎月勤労統計などもございますけれども、私のほうの調査によりますと、こういう形で上がっているということを参考にお示ししているデータでございます。 それと、いま御指摘になりました民間における遡及改定の影響、つまり本年四月で官民を比較をいたしまして、その結果五・七%の格差が計算されたわけでございますけれども、それ以外に、実際に調査員が参りましたときに、いわゆるベースアップその他の給与改定が行なわれる四月の支払い時期には入らなかったけれども、それがはっきりきまっておって、しかも四月に遡及して改定するということにきまっておった。そういう事業所が全体として二三・二%あったということでございまして、その関係はこの参考資料とは全然別の関係でございます。そういう関係は別に資料として提出しておりませんけれども、本調査におけるいわば付帯的な調査でございまして、本調査においては四月においてどういう格差があるかということが調査の基本でございますので、ほんとうはそれ自体が問題なんでございますけれども、この一両年の間非常におくれて、しかも四月に遡及してやる事業所が多いという事実がございますので、特に付帯調査としてことしもそれを調査いたしました結果、二三・二%という事業所があったということでございます。そういう二三・二%における改定率というのが、昇給込みでことしは一二・六%あったということでございましたので、五・七%をさらにどう調整するかという点のことをいろいろ考えたのでございますが、これは去年どおりの方法といたしまして、一二・六%から今後の年度内におきます公務員の昇給の率を控除をいたしまして−三%でございますが、公務員の昇給分を考慮いたしまして、つまり一二・六%から三%を控除いたしまして、二三・二%の事業所の割合を調整いたしますと二・二%ということになりましたので、その分を特に四月に支払われた官民格差というものに調整を加えたということでございます。
○大出委員 これはずいぶん不親切きわまると思っているのです。だから、私はあとから間違いがあるとすればと言っているのですが、資料がないですね。あなたが出していないとおっしゃるのだから、ない。出さないで、こうなんだからと言ったって、これはわからぬでしょう。大事なところの資料をあなたは出さない。だから、何をやっているのかさっぱりわからぬということになる。私は、ここ二年ばかり人事院を信用して中身について触れないできたのです。ところが、ことし中身を少し調べてみると、そこらあたり矛盾だらけ、いよいよ矛盾が拡大をしてきた。いまここであなたが説明したのは、こう見ればいいのですか。つまり一・九、二・三、六・二を足せば一〇・四になる。傾向として、民間の規模の実態としてはこんなことになっているんだ。それを言いたい。実質七・九%の勧告をしている。定昇を一回抜くから、三回三%でいくと大体一〇・九になる。これも一つの傾向だ。それから製造業における管理、事務、技術者、これが一〇・六、四千三百円といっている。こういう傾向になっているんだということを示しておきたい、こういうことですか。
○尾崎説明員 第九表の資料として提出しておるわけでございますが、これはずいぶん前から提出しているものでございまして、その例にならっておるわけでございますが、ただいまお示しのように、民間におけるわがほうで調査いたしました結果といたしまして、どういう給与改定の種類があり、それがどのように行なわれてきておるかという内容につきましての概略を御説明しておるというものでございます。
○大出委員 私は時間がもったいないからやめますけれども、これはこの資料を端からずっと全部当たってみた。そうすると、何か少しいま言われる積み残しのことなんかについても意味のある資料があるのかと思ってみたら、ないですね。せめてこんなところじゃないか、ひっかかりがないかと思って調べてみたら、資料も説明もない。そこのところから先はさっぱりわからない。それから公にこっちのほうに出されている、さっき私が申し上げました官民給与の比較、これもどうしてこうなるか、何もない。片りんもない、こうなりましたよと言っているだけです。どうしてこうなりましたか、何もない。そういうことでは、実際に審議のしようがないでしょう。国会に出したんですからと、こう言っているんですけれども、あなたのほうはずいぶん無責任きわまる話だと思うんですがね。 そこでひとつ具体的に聞きますが、いまあなたが言っている、歩いてみたらたまたま上がっていたんだ、それを集めてみたら二三%だったんだ、こう言うんでしょう。そうでしょう。これはいずれにしても、わがほうの考える推定による該当従業員率というのがありますね。おおむね四〇%あるんじゃないですかね、上がっているところが。あなたのほうの調査によると、春闘で言うあなたのほうで歩いてみて実施事業所率が二三%、そうすると 従業員率でいきますとどうなるんですか。事業所の大小おのおのあるんだから……。数字がありますよ。あなたのほうの数字が四〇%ですよ。
○尾崎説明員 いま民間におきまして遡及改定をいたしました事業所について、調査員に調査をしてこいということで調査をしてきてもらっているわけでございまして、その事業所の割合が全体の割合に対しまして今年は二三・二%あったということになるわけでございます。 なお、その関係につきまして、それぞれの事業所において人員があるから、その関係をいわゆる従業員ウェートで計算したらどうなるかというお話がいろいろございます。これにつきまして、そういう考え方がないわけではございませんけれども、もともとこの遡及改定の影響をどのように加味するかという点に一つの問題の本質がございまして、それは実際の問題にいたしまして、本質的に言えば四月に支払われました賃金、民間賃金につきまして公務員と比較をするということが、私どもの基本でございます。ところが、その関係につきまして、やはり非常におくれているところが多いという関係が一昨年特に見られましたので、そういう関係を調整いたしますために、いわゆる付帯調査といたしまして調査をしておるわけでございまして、したがって、調査員が参りましたときにおいて、四月実施がすでにきまっておってしかも四月に支払われなかったという事業所について調べてくるという関係に相なっておるわけでございまして、調査員が出かける時期によってやはりそれはいろいろまちまちに出てくる可能性があるわけでございます。したがいまして、その事業調査のやり方によりましてそういう関係は必ずしも明確ではございませんので、本来的に言えば、やはりその問題はもう少し日にちを、実際の調査月を四月でなくてずらして調査すればはっきりとするわけでございますけれども、私どものほうの調査といたしましては、先ほど申し上げましたように、両方の官民の格差をこまかく計算をする。つまり、先ほど御指摘がございましたように、第一表じゃなかなかわからぬというお話がございましたが、実際問題といたしまして、それぞれの職種別、職務の等級別、学歴別、年齢別、それから地域別ということで非常にこまかくそれぞれの比較をしているわけでございまして、その関係をお出しをするということも、その原票が非常にたくさんございますので、その関係をお出しするということは、実際問題として不可能でございます。そういう関係を、したがって第一表のように非常に簡単な形式で御報告申し上げておるわけでございまして、そういう関係についてほんとうはやるべきところを、非常にそれをアジャストメントするということは、遡及改定の影響でございますので、事業所ウェート、事業所を調査してきておるという意味合いにおいて事業所をやっておるわけでございます。
○大出委員 簡単に尾崎さんお答えいただきたいのですか、時間がたいへんもったいないので……。いろいろ御答弁いただきましたが、結論を言えば、この全部出すのはたいへんだから、簡単に傾向としてアジャストメントした、こう言うのだけれども、これを出した以上は、この勧告の性格はどうなのかということを審議してくれということになるのですよ、国会に出したのだから。そうでしょう。そうなると、審議するに足るだけのものがなければ審議できないですよ。どんなに山のようにあろうと、こういう数字がどうして出たかということが明らかでなければ、正しいのか正しくないのか、それもわからぬ。そうでしょう。だから、私のほうで人を使って人事院に行って、それじゃあなたのほうではこまかい調査諸票を全部調べ直してくれと言ったら、そうさしてくれますか。やったっていいですよ。それをほんとうに一ぺんやってみないことには、例年いろいろおっしゃっているけれどもさっぱり見当がつかぬから、一ぺんやりたいと思っている。実は給与局をこっちでつくって、あなたのほうの調査諸票を全部持ってきて、こっちは人の数は山ほどいるから、各労働組合の給与担当者を二百人、三百人集めて摘発をやろうと言えば、人事院のでたらめを喜んでやりますよ。こんなところに対応等級をとっているのはでたらめだということになってしまう。そのくらいあなたはやはり責任を持ってくれなければ困る。だから、これはそうさしてもらいたい。総裁、これをひとつ答えてください。 それからもう一つ、いまのこの事業所率というのは、これは明らかにごまかしです。従業員率でいかなければいかぬのです。現実に金をもらって上がっているのだから、従業員率でいくと、私のいろいろ聞いたり調べたところによると、おおむね四〇%。そういう資料を出してください。私の言うように四〇%弱であるとすれば、あなたのほうで調べた事業所率でなくて、でっかいところも小さいところもあるから従業員率、これで四割やるとすればどういうことになるかというと、四割の方々が春闘で上がっていた。そうするとあなたは二割三分で計算しているのですから、そうなると二三%だ。そうなると、従業員率でいけば四〇かけなければいかぬ、そうでしょう。そうなると、明らかに二・二というのは倍近くになる。私さっき申し上げたように、これに二分の一をかけなければいかぬ。だから、この点、いま資料要求する従業員率、さらに調査諸票を全部出していただきたい。従業員率のごまかしがきかぬようにそうしていただければ、この積み残しというものを二三%かけたということはでたらめだということになる。実質七・九%の勧告が根本的に間違いだ。その資料を二つ出してください。これは総裁どうですか。
○佐藤説明員 私どもの調査の正確性については、かねがね絶大な御信用を得ておると私は思います。それがいまおっしゃるように、もとからこれはこっちでやってみなければだめだということになったら、これは勧告制度の自殺になります。私はそのくらいに強く考えます。したがって、御質問があれば、それに対してはできるだけお答えをし、御納得をいただくというかまえで、この計算なども正確を期するべく何度も何度もやりかえておるわけです。その点は、十分御信頼をお願いしたいと思います。 ただもう一つつけ加えておきたいのは、いま給与局長も触れましたようにこの積み残しの問題は、それ自体いろいろな困難性を持っているのは、おわかりになるでしょう。これは数年前までは、人事院としてはそういうことはやっておりません。現実に四月に支払われたものということのみをとらえて、これは調査としては完全無欠であるということは、御承知のとおり。ところが、遺憾ながら春闘はおくれてきた。わが方としては、これは従来のやり方を堅持してもよかったのですが、しかし、大所高所から見た合理性という点から見ると、これをみすみす見送ってしまうということは、人事院の立場からいっても、妙な時期にその積み残しが出てくるということからいいましても、これは拾えるだけ拾って、私たちとしてはたいへんな決心の上にやったことでございます。これをまた精密な御議論をなさるとすれば、それはやめるか、あるいはもっと調査時期をずらすか、春闘をうんと繰り上げていただくか、それ以外には方法はございません。
○大出委員 総裁、重大なことをあなたはおっしゃるのですけれども、私はいままで信用してきたと申し上げている。だから、この二年間中身については御質問していない、そこまで申し上げている。ところが、いま言うように精密な質問をされるならやめるというならば、あなたのほうの積み残しを拾っているのは、逆に言えば精密でないということになる。そうでしょう。精密に議論されたらやめるのだということならば、不精密な数字をここにあげているということになる。そうですね。それは間違いないでしょう。いまそう言ったじゃないですか。あなたは精密な御議論をなさるならばやめると。精密な議論をされたら困るほど不精密な数字をあなたのほうは出しているということになる。だからこそ、従業員率は幾らになるかといえば、尾崎さんはわからない。それは精密な議論をされたら困るということです。それは私もわかる。わかるが、しかし、一点明確にしておきたいのは、完全に積み残しを拾っていないということになる、それだけは間違いない。そうなるでしょう。精密な議論はしませんが……。
○佐藤説明員 精密な議論をしないとおっしゃられればそれはしようがないですが、私が先ほどお答え申し上げました趣旨は、これはポイントとして申し上げたかったのは、これを完全に拾おうとすれば、調査時期をずらすなり、調査員の出発時期をずっとおくらして、用意どんと一斉に出かけさせるということでいけばこれは拾えるだろうと思いますが、現在のところはそういう形にはなっておらぬ。早く調査員が行けば、あるいは拾い残すかもしれない。おそく行ったら、たまたまつかまえるかもしれない。それはいまの調査からいえばやむを得ないことで、それをできるだけ精密に分析し、それから仕事は精密にやっておる。精密かつ正確に分析をやって、その根本の用意どんで行くか行かぬかという問題は、調査時期をずらしていただくか、さっき申し上げたように春闘時期を早くしていただくかより、その意味では正確性を期しがたい、こういうことを言っているわけです。
○大出委員 人事院が困るから春闘の時期を先にやってくれと言ったって、そういうわけにいかぬですよ。だから、そうだとすれば、精密な議論をされるならいいけれども、私がさっき質問したように、事業所率を出しておられる。従業員率はどうなっているのだと聞いたら、それもお答えにならぬ。私もさっきから申し上げているように、人事院とはずいぶん長いおつき合いだから、知らないわけはない。わけはないけれども、ここまでくると、いつまでも不完全実施、不完全実施で、仏の顔も三度と言ったら、ラッキーセブンで、ことしは八回目でしょう。そうなると、総裁としてはいても立ってもいられなくなる。世の中はお互いさまだ。そうでしょう。 次に、時間の関係がございますので、藤枝自治大臣せっかくお見えいただいたので伺いたいのですが、一昨年、この内閣委員会で人事院勧告の完全実施に向かって決議をした。そうしたら、おれはそのときはいなかった、そういう責任のがれはいかぬですよ。去年はたまたま理事会で、ひとつ完全実施でもう一ぺん附帯決議をつけようじゃないかという相談になっておった。ところが、あなた方は一方的に審議を強行したのだから、単独審議をやった。あなた方は理事会で附帯決議をつけるようになっているやつを、単独審議で通してしまった。そうしておいて、理事会でことしもそうしましょうということになっておるのに、一昨年はおれはいなかった、こういうことを藤枝さんのような良心的な方が言われるのはいかぬ。やはり内閣委員会においでになったのだから、前のひっかかりは十分御存じの上で、特に数字に詳しい藤枝さんのことですから——本年自治大臣におなりになっておられるのだけれども、前の永山さんのように、内閣委員会では完全実施を私どもよりも強硬に主張しておられて、自治大臣になったらとたんに君子豹変されちゃ困るのですが、いま総務長官並びに労働大臣からも答弁をいただきました。総務長官は、旧来のマンネリを排して、もうここまでくれば完全実施を努力しなければいかぬ、非常にそういう決意をされておりました。それから労働大臣がすれ違ってお見えになっておっしゃったことは、塚原総務長官が非常に張り切って、ことしは完全実施に努力している。したがって、労働大臣の立場から大いにバックアップして努力をしたい。その努力の方法はと言ったら、完全実施を目途に努力をする。三回答弁をされておられるわけなんであります。地方自治体をおかかえになっている藤枝さんのことですから、非常にむずかしい立場におありとは思います。思いますけれども、先ほど来、私、大蔵省にも御質問申し上げてきたのですが、本年は珍しく、初めて昭和三十五年以来の当初予算額に対する税金の自然増収、印紙税も含みますが、各年ごとに四十一年まで御説明いただきましたし、それから決算上に、補正予算を踏まえて出てまいります自然増収というものについての御説明もいただきましたし、さらにまた本年の自然増収の傾向についても、一−三間でございますけれども、おおむね二%ということで、昨年よりは伸びてきているというお話でございます。これは国税三税、法人税あるいは所得税、酒税が伸びるということは、交付税率等の関係をながめまして、地方財政にはね返ることはそのとおりでございますから、そうなると、国税三税の伸び率が非常にいいということは、四十二年単年度を踏まえてみれば、地方財政の状態というものも先年、先々年に比べて悪くないというはずであります。確かに各種の補正要因等はございましょう。ございましょうが、はたして政策的に公務員給与の位置づけをどう見るかということによって、補正要因の中でどういうふうにするかという結論が出る。したがって、金はあるわけでありますから、財政上の問題が最大のファクターということにならない。つまり政策的に公務員給与というものをどう見るかというところに中心がある、こう私は思うわけであります。したがって、実は本来ならば、鎌田さんお見えになっておりますから——公務員部ができまして初部長でありますから、先ほど初答弁を一声いただきましたが、細郷さんもお見えのようでありますから、ほんとうならば地方財政計画に基づいてずっと質問をしていかなければいけませんけれども、その時間がございません。したがって、大臣からそこのところを何とか——これは八回目なんですから、仏の顔も三度、ラッキーセブンから始まって、まだ実施できないのですが、官僚出身の国会議員の方がこんなにたくさんおって、自分の出てきた宿の公務員のことを考えぬというばかなことはあり得べきことではないと思いますので、大臣はこの辺でどういうお考えかを、完全実施のほうに向かって努力するということで御答弁をいただきたいと思います。
○藤枝国務大臣 まず最初にお断わりをしておきますが、附帯決議の問題は、ただ事実を確かめただけで、別にそれに対して私が責任がないとかなんとかいう問題ではございませんので、御了解をいただきたいと思います。 人事院勧告に基づいて国家公務員の給与改定が行なわれますると、地方公務員についてもそれに準じて行なわれるわけでございます。まず第一にその財政の問題でございますが、これはまあ大蔵省からどういうお答えがあったか存じませんけれども、もちろん三税が伸びれば交付税はふえるわけでございます。法人関係の地方税も、景気がよくなれば伸びるわけであります。しかし、国と違いまして、前年課税だとか一月一日課税のものがありますので、景気の伸びが、国ほど地方財政に直ちに響くという問題ではないことは、御承知のとおりであります。そこで、一体金があるかどうかということで、何か一部には、いつも完全実施のできない犯人は地方財政にあるようなことをいわれているのは非常に心外なんでございまして、国が方針として何月から実施するということがきまれば、地方に金がなければ、それは国がめんどうを見なければならぬわけでございまして、そういう意味では、地方財政が苦しいから実施時期を、ずらすのだということではないと考えております。 根本的にそれでは一体人事院勧告をどうだということになりますと、確かにお話のような問題、財政の面もさることながら、それ以外の問題であろうと思います。特に、いまの大蔵大臣は、金の問題じゃない、三月に議決していただいた給与総額を五月からすぐ変えるということは、議会に対して変な話だというような御議論をされておるわけでございます。そういういろいろな問題もあろうと思いますが、人事院勧告を尊重いたしまして、できるだけこれを完全に実施するという方向で努力をしなければならないというふうに考えておる次第でございます。
○大出委員 総務長官が給与担当大臣でございまして、労働大臣も密接な関係のある大臣でございまして、特に自治体をおかかえになっておる自治大臣がもう一つのポイントになられるわけでありますが、きょう三人の方に私質問を申し上げたのですけれども、皆さんが完全実施ということで全力をあげて努力をされる、こういうわけでありますが、官房長官は三重県にお国入りでございますから、きょうお見えになれぬという——日の丸の旗で迎えられて、非常に感謝感激ということでありまして、それをどうも出てくれと私も言えないので、御遠慮申し上げました。さらに大蔵大臣のほうからも、あした何か外国においでになるというので、実は大蔵委員会でいろいろ答えておるということでございますから、質問者である堀昌雄さんに、私直接どういうふうに大蔵大臣がお答えになったか聞いてみましたが、大蔵大臣も、社会党さんがおっしゃるように、公債の多少の調整をしたいというふうなことも補正要因の中にはある。また、災害その他数々補正要因がある。あるというならば、しからば、公務員給与についても、景気調整その他の関係のしわを公務員給与に寄せずに補正要因を考えないのか、こう言ったら、いや、確かにこれは公務員給与というものも考えなければならぬ、景気調整のしわをそこに寄せるわけにいかない、こういう趣旨の答弁を大蔵大臣がされたということを堀さんが私に言っております。まだ議事録ができておりませんが。したがって、ある程度前向きの御答弁だという受け取り方を堀さんもしております。したがって、特に問題の地方自治でございますから、そういう点でぜひこの際、いまの御答弁のように、犯人が自治省だということでないようにひとつ——それは間違いだというお話もございましたが、政府の政策できめる、やる、きめれば行なえるということでございますから、ぜひそういうことでひとつ御努力をいただきたい、こう思うわけであります。 そこでもう一つ承っておきたいのは、公営企業の関係なんです。ずばり聞きます。私はしり込みしたってしょうがないですから、ずばり聞きますが、公営企業について、先般内閣委員会で私は三日にわたって、そのために外堀を埋める質問をしていったつもりなんでありまして、労働法体系から何から全部質問したつもりなんでありますが、いかに公営企業の置かれておる状態が労働者の側から見て、従業員の側から見て苦しい状態にあるかということを申し上げたつもりなんです。再建計画を出しましても、物価が上がったりなんかしましてベース改定が行なわれなければ何も心配ないのでありますけれども、物価が上がっていくに従って賃金が上がるとなると、再建計画にベース改定は、八賃分が含まれていないということになる、こういう性格であります。したがって、公営企業法の改正を昨年行ないましたワクの中でお考えになって、あくまでも独立採算制、経済性を主張するという立場でほうっておくということになると、公営企業関係はベース改定ができないというところが出てくる。六大都市などは特に問題がある、こういうことになると思うのでありますが、その辺はどうお考えになりますか。上げないで一切切ってしまえ、こういうことでございますか。
○藤枝国務大臣 まともにお聞きになられるとまともに率直にお答えして、そっけないお答えになるわけなんでありますが、企業法の精神からいきますれば、企業内のやりくりしかないと申し上げるほかないわけなんであります。
○大出委員 昨年も一昨年も政府は何にもしないわけですね、公営企業に関しては、一般地方公務員は別として。そういうことですね。だから、ことしも何もしないということになって、これはあたりまえです、昨年並みです。ところが、今度は何にもしないのでは——去年もおととしも何かやっているのなら、特に皆さんのほうで公営企業の再建でもやっているのなら、そんなら問題ない。別ですよ。ところが、政府は何にも手を打ってない。その会計の中でやれといってやってきた。それだけのことです。だから、別にそういう答弁があったって、こっちに何もマイナスはない。同じことなんですよ。ただ、違うのは何かというと、ことしは、車掌さんがうしろに乗って電車が走っていたものが、ワンマンに変えて、ボタンを押して、そしてそれがすぐあいて、乗ったときに出ていくというように変えた。電車をワンマンにするので一台八十万も金をかけて直しているでしょう。それから、さあ今度はもっと合理化だというので、バスのほうもワンマンでいけというので、これまたワンマンカーに変えた。今度は、利用者の少ない不採算路線はとってしまえということになった。それで通っている人もあるから、いろいろ意見もあったけれども、とってしまった。とるのを早めなければうまくないといって早めにとってしまった。七つばかりありますが、やることはずいぶんやってきた。四十八時間——四八を四四に変えろということで、これはしようがないからそうしろというので、泣く泣く片時に超勤で幾らか手を打っていこうということもあってやってきた。これ以上もうやることがないですね。そうかといって、いま強制的に首を切るなんということははやらない世の中だ。そうなると、ここまで来ると、いよいよとどのつまりということばがありますが、まさにとどのつまり、ここまでつまってしまって、それがことしの八賃——第八次賃金改定です。たとえば、名鉄の例なんかをとりましても、幾らほかに比べて、名古屋の交通関係のほうは低いといっても、名鉄よりは高い。そうすると、これだってそう簡単にいかない。東京都だって、ここに再建計画を持っておりますが、みんな所々方々に問題がある。大阪でもそうです。そうすると、私がここで申し上げたいと思うのは——理屈の上のことは除いているのです。こっちは理屈を言っていれば切りがない。何とかしなければ、交通関係のたまたまそういうところにおった人たちだけがベース改定ができない、こういうままになってしまわざるを得ないのではないか。もちろんそこにも組合があるのですから、それだけで済ませないでしょうけれども。だとすると、公営企業法そのものに返って、かつまた、地方財政そのものに返って考え直してみる必要がある時期ではないかという気が実は私はするのです。本市会計から繰り入れるということについて、先般たいへん御配慮をいただきましたが、しかし、この繰り入れを、風通しをなおよくしてみて、なおかつ地方財政というものはそんなに楽なのかという問題が出てくる。対大蔵省の問題も出てくる。こういう問題がある。だから、いまの答弁は、それなりにわかりますよ。ワクの中ではそうなる。ただ、それだけで一体済ませるかという問題が出てくる。これから社会問題に発展していくだろうと思う。ほかはみんな上がるのに、おれのところだけ上がらないということになって、市民の足をかかえているこの種の業種、あるいは市民の飲入水、あるいは病院で患者をかかえているところが、みんなそういう形になってくると、これは非常に公共性に対するマイナスだと私は思う。そこらのところは、法律は法律として、さてどうお考えになるかというところをお聞きしたいわけです。
○藤枝国務大臣 大出さんのおっしゃることわからぬでもないのです。十分わかっているのですが……。ところで、たとえば東京都の交通関係の再建計画を持ってこられたときに、美濃部都知事は、物価が四%程度ならば何とかなるのですというようなお話でした。あるいは、そういう御自信を持っておられるのじゃないかと思います。一般論としては、そっけない御返事を申し上げれば先ほどのようなところでございますが、しかし、一面において、こういう地方の企業体に従事しておる職員の方々の生活の問題もあるわけです。しかし、また一面、同種の民間の給与水準とどうであるかという問題もあろうかと思います。その辺はひとつケースバイケースと申しますか、問題にぶつかって、それをどう打開していくかということで、経営者側も、職員側も、また、地方財政をおあずかりしておる自治省側も、お互いに努力をして研究をしていくということだと思います。
○大出委員 私は、少なくとも職員の皆さんに罪はないと思っておるのであります。これは、地方公営企業制度調査会を内閣委員会が通しまして、あそこの委員の方々がいろいろ論議された中で、民営論も出て、いろいろ意見が出てきましたが、環境の変化ということが非常に強くあのときも言われております。したがって、働いている方々に罪はないとすると、やはりこれは、国が政策を論ずるときにどうするかということを考えなければいかぬ。なま殺しにしておくわけにいきませんからね。したがって、そうなると、自治体の当事者、あるいは、昨年企業法改正が行なわれましたから、改正に基づく理事者、それから自治省の皆さん、あるいは政府そのもの、あるいは国会で論議するわれわれ、衆知を集めて、将来——これは今回だけで終わるならばどんな改正をしてもよいが、そうでなく、来年また出る、再来年また出るということになると、一ぺんも完全実施をしたことはないけれども、八回連続して出ておるのですから、そうだとするならば、衣を脱いでものを言えば、やはり何らかの英知をしぼって解決しなければならぬ問題であると私は思うので、なおその点を、せっかくここで給与論議をしておるのでありますから申し上げておきたいという趣旨であります。御答弁の趣旨はわかりますから、与野党云々ではなしに、どうするかということを、ひとつこれから相談をさせていただきたい、こう思います。そこを私は特に藤枝さんに念のために申し上げておきたかったのでおいでいただいたわけであります。 あわせてもう一点、都市手当につきまして、これも地方行政で自治大臣が珍しくずいぶんたどたどしい御答弁をされまして、大臣の写真が載っかっている新聞を見せたらよいと思ったのでありますが、「地域給の復活だ、地方から人材逃げる」写真は藤枝自治大臣で、「公務員の都市手当、自治省、人事院勧告に異論」と書いてあるわけです。サンケイ新聞の八月十八日です。これで、柴田次官が次官会議に出かけていって、何だこれはとんでもないと言ってだいぶ毒づいておられる。次官は説明要員ではないからということで来ないからしょうがないけれども、そこで大臣がおまけに輪をかけたようなことを言っておる。あなたは、そんなことを言った覚えはないと言わんばかりのことを言ったが、うしろに来ている新聞記者の皆さんが、人をばかにするな、けしからぬと言っておりました。今度は厳重に注意しておいてくれと新聞記者の方に言われた。地方行政委員会で私も傍聴していたが、新聞記者が、とんでもないことだと言っておいてください、われわれはほんとうのことを書いているのだと言っている。したがって地方行政でお答えになったのは、私も聞いておりましたが、真偽のほどをこの席でもう一ぺんお答えいただきたい。いかがですか。新聞記者の皆さんの要望もございますので……。
○藤枝国務大臣 都市手当につきましては、都市と地方との民間給与について明らかな差異が認められるということで人事院勧告がされた。それが、現在の給与決定の法則に従って勧告されたものと私は解しておるわけでございます。ただ、地域全般に職員を配置しなければならぬ地方公務員、ことに警察官だとか、教員だとか、こういうものが、都市手当がついている場所とついていない場所との間で交流をやるために支障がないかどうかというような問題しかも、すでに大出さん御承知のように、僻地の教員などにつきましては、便宜的な処置をやってまでもやらなければならないという時期に、こういう問題が出る。そういう面から相当これは検討をしなければならぬということを、私は一貫して申し上げているわけでございます。
○大出委員 これは、私は、こういうふうにしていただきたいという考え方があるのです。というのは、給与法の二条の六号、ここにございますが、給与法の二条の六号に書いてあるんですね。給与法の二条の六号、「給与を決定する諸条件の地域差に対応する給与に関する適当と認める措置(一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律(昭和三十二年法律第百五十四号)附則第二十三項に規定する暫定手当の整理を含む。)を国会及び内閣に同時に勧告するため、全国の各地における生計費等の調査研究を行なうこと」、こうなっておるんですね。これは国会へもです。つまり給与に関する法律の二条の六号ですね、これを正当に順守しようとされれば、人事院が今回の勧告をしたことは、何も唐突ではない、あたりまえのこと、当然過ぎるくらい当然なことです。まずこう私は理解しなければならないと思います。この点をまず御理解いただきたい。 法律上明確にあるのですから、人事院が出したことについては明確な根拠がある、こういうふうにまずひとつ理解をして、さて、そこで問題になるのは、言われるとおり、甲地、乙地、六%、三%、こういうことなんですが、現在暫定手当の四級、三級もあります。ゼロ、一、二、こうなっておるわけですね。これについてどういう影響があるか、どうなるかということについて、やはりこれは、そういう意味でまず法律的にあること、これを前提にして検討する。何かしらぬけれどもけしからぬということでなくて、けしからぬといったって、給与法にある。そうでしょう。そういうことでなしに、何かけしからぬという調子になることは、これはちょっとお控えをいただきたいと思っておる。だから、この法律根拠は明確になっておるのですから、これに基づいて人事院が出したのだという限りは、やはりその線に沿ってどうなるかということを検討する責任が、国会にもあるし、勧告を受けた側の各省にあるはずです。だから、不用意に、柴田さんが言うような、あるいは大臣が言うた——あなたは言わぬと言うかもしらぬけれども、そういうふうな形でとらえるのではなくてということを私は前提にしたいと思っているのです。 そこで、人事院に承りたいのですけれども、特に地方に影響があるので承りたいのですが、実は中身をずっといって都市手当までいく筋合いなんですけれども、さっき大蔵省の関係もありましたから、税金の問題が一つ片づきまして、都市手当が先になりました。 尾崎さん、六千三百七円ベース勧告のときに、昭和二十三年十二月の人事院の第一回勧告、このときに地域給の勧告が出されているわけですね。このときは勤務地手当は五〇%、一〇%の二段階、こういう勧告をした。ところが、これに対して、実施内容というのは、勤務地手当は三〇%、二〇%、一〇%の三段階で実施している。勧告どおり実施していない。私は、実は人事院勧告というものは、人事院を信用すればこそ完全実施ということをたてまえとすべきであるという理解をまずする。そういった前提で実は検討さしていただきたいと思っておるのです。 そこで、当時尾崎さんが人事院研究課長におなりになって、宝珠山さんが係長で、二人おいでになって、何のことはない、研究課長の尾崎さんというのは地域給課長みたいなもので、朝から晩まで陳情ひっきりなしで、席にいたたまれないくらい。私は官公労事務局長でしたが、官公労事務局長ではなくて、地域給の事務局長みたいで、年じゅう朝から晩まで陳情攻めで、私は地域給大会を開いて、尾崎さん、あなたに来てもらって説明をしてもらって毎日やっておった。都市手当と名称は違うけれども、ああいうことになるとあなたはお思いになりませんか。いみじくもあなたは、今回給与局長だけれども……。
○尾崎説明員 今回、都市手当を設けました趣旨は、報告書に報告してございますように、官民の平均的な格差は、先ほど申し上げましたように、五・七%でございますけれども、地域によりまして、官民格差が非常に違います。いわゆる地方でございますゼロ、一、二級地におきましては、民間との格差が一%しかないわけでございます。三級地のほうは七・六%ございますが、四級地、つまり七大都市におきましては一二・七%もございまして、平均的な七%程度の格差を埋めるようにいたしましても、なお七、八%の格差が大都会においては残るという関係がこのところずっと続いているわけでございます。それで、現実にそういう関係があるわけでございまして、実際問題といたしましては、いなかのほうにおきましては小さい企業と比較をする、大都会におきましては、大きな企業と比較をするという関係も中に含まれているとも思いますけれども、現実にそういう関係がございます。そういう関係は、結局人を公務員としてとります場合に、非常に困難を来たしているわけでございまして、特に大都会における最近の試験の応募状況、あるいはその質の状況ということを考えますと、現在の公務員の採用状況が非常に困難になっているという状況が明らかでございます。こういう関係をずっと続けるということは、今後の公務員の構成を考えますにあたって、非常に憂慮すべきことでございますので、今回都市関係者につきまして、何か重点的な措置をする必要があるということを考えたわけでございまして、その関係は、現在すでに採用されております職員を維持する場合についても同じことがいえるわけでございます。そこで、そういう措置を都市関係者についてやや厚い措置を講ずるということをやりました場合に、どうしても、いわば交流という問題につきましては、逆に今度は阻害するマイナス面が出てくるということも事実でございます。その関係は、教員その他につきまして特別にそういう関係が多くなるということもいえるわけでございまして、そこにプラス、マイナスの要因がお互いに出てくるわけでございまして、その辺を彼此勘案をいたしまして、今回はどうしても、現在の状況といたしましては、公務員を採用し、維持するという観点から、その格差一二%を埋めるということではございませんで、現在の暫定手当の格差が四級地におきましてはちょうど五%程度になっておるわけでございますが、それを別表第四に御報告しておりますように、消費者物価の格差といたしまして六%程度をめどにいたしまして、それをとりまして都市手当という格差といたしたのでございます。 なお、異動の関係につきましては、できるだけ緩和をするということにいたしまして、異動保障をする期間を一年を二年に延長する等を考慮しているわけでございまして、そういうやむを得ない措置としまして、今回の都市手当を創設したわけでございます。 なお、都市の格づけその他にあたりまして、いろいろ問題があるわけでございますが、従前のいわゆる勤務地手当は、全国各地を、ほとんど一万の市町村を無給地から数段階に格づけした関係であったのでございますけれども、それが現在におきましては、すでに二段階になっておりますし、対象地域も非常に限られておりますので、往年のような、格づけの問題について妙な状況を繰り返す——状況は変わっていると思いますけれども、わが方といたしましても、その関係を特に注意してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○大出委員 いま、あと二人質問者があるからという注意をいただきましたので、ごく簡単に終わりたい思いますが、尾崎さん私は経験上はっきり言っておきますが、尾崎さんが考えているようにはなりません。これは間違いなくたいへんな騒ぎになります。例を申し上げますと、あなたのほうの資料からいくと、地域別に分明でない。つまり消費者物価地域差指数、これは今日の中心資料だと思います。かつてはCPS、CPIなんというものを中心にしてやっておりました。これで見ますと、ここに昭和四十一年平均消費者物価地域差指数、総理府統計局昭和四十二年五月、こういう数字があります。こういうのをあなたのほうでぴちっと出しておいてくれぬと、一々こういうものを見つけてきてものを言わなければならぬ。これを見なければ、あなたの資料ではわからぬですよ、せっかく都市手当を出しておきながら。そういうところをさっきから申し上げているように、どうもまことによろしくないんじゃないかと私は言っているんですよ。そうなると調べなければいかぬ。見てごらんなさい。都市別の地域差は全部出している。これは三十八年から四十一年までです。そうすると、全国を一〇〇とした場合にどうなるかというと、三十八年で東京は一〇九・四、横浜は一〇六・九、名古屋が一〇七・五、京都が一〇五・〇。名古屋というのはいつも問題がある。大阪が一〇七・六、福岡が一〇四・一、神戸が一〇七・一、千葉が一〇四・一、宮崎は九七・五、広島は一〇六・八、札幌が一〇五・〇、こうなる。これを東京を一〇〇に直しますと、横浜九七・七、名古屋九八・三、京都九六、大阪九八・三、神戸九七・八、福岡九五・一、千葉が九五・二、宮崎が八九・一、広島が九七・六、札幌が問題なんですが、九五・九、こうです。これは三十八年ですよ。四十一年でいきますと、めんどうだから東京一〇〇しか言いませんけれども、数字は全部つくりましたから。東京一〇〇でいきますと、横浜九八・六、名古屋九五・七、京都九五、大阪九七・五、神戸九七・六、福岡九二・五、千葉が九五・二、宮崎八九・四、広島九六・七、札幌九七・〇、こうなる。あなた方は甲地といのは六大都市、こう言っておるわけです。北九州を入れるかどうかという問題がひっかかっている。いま四級地基準からいけば、それでは一体、受田さんの出ておられる下関はどうするんだということになるのです。これは事件ですよ。下関、これを落とせば黙ってないですよ。そうでしょう。札幌これは一体どうなんだ。三級地にはなるだろう。薪炭手当、寒冷地手当があるから札幌は抜いてもいいだろうとあなた方考えておられると、北海道選出の山内さんたちが黙っておりませんよ。福岡は一体どうなんだ。福岡だって事件ですよ。この数字からいってそうでしょう。こう言われれば、ちょっとながめてみて、まず下関はどうなんだ、福岡はどうするつもりだ、札幌はどうなんだ、まずこうなるでしょう。さて三級地のほうは乙になるでしょう。皆さんの出し方からいけば、三級地の中から乙になるところを拾う勘定ですよ。落ちるところのほうが多い。これまた事件です。そうなると、さて東京と横浜の間の川崎はどうなるのですか。これは官署指定しなければいかぬでしょう。全部官署指定されたらどうなるんだということになる。そうでしょう。官署指定も昔からあったことですよ。そうなりますと、さっき藤枝さんが言っているように、私は心配だから法律にあるんですよということを前提にして言うけれども、人事院の勧告というものは、完全実施なんですよということを前提にして言うけれども、問題が出てくる。そこらをどういうふうにするかということがもう一つなければ、あなたは昔と情勢が変わっておりますと言うけれども、あなたが考えるほど変わっておらない。この指数を見てごらんなさい。この指数全部、これはこの資料の中に並べてないから、こまかく並べてごらんなさい。これは大きな事件です。だから、ここから先言ってもしようがない、町間がありませんから。しかも、あなた方の暫定措置、やり方、経過措置は、四十三年の一月にゼロ、一、二級地、第一段階の五分の一まずつけるんでしょう。尾崎さん、そうでしょう、計算からいえば。今度四十三年の四月、この段階のゼロ、一、二級地の一段階の五分の一は本俸に繰り入れでしょう。そのときに、ここでまた一段階の五分の二つけるんでしょう。それがずっと四十四年四月また五分の二本俸へ入れるでしょう。最後の段階の五分の二、これを四十五年四月まで持っていくんでしょう。そこで全部入れます、こう言うんでしょう。その間は、両方ぶつかっておるのは差額だけ。三年から先になると妙味がある。しかし世の中は変わっておる。筋道は、そうでしょう。そうなると、もう少し人事院の立場、考え方というものを詳細に説明をしてくれないと、これは問題です。しかもこの予算というものは、人事院の三百十九億に入っていない。どこからその金は持ってくるのですか。差額だけですよ。まずそこから聞きましょう。
○尾崎説明員 現在の暫定手当から都市手当に移行いたします部分につきましては、積み上げ分だけは、いわゆる官民格差の中といたしまして、財源からさいてその内ワクということになるわけでございますけれども、暫定手当を無級地に逐次支給をいたしてまいりまして、底上げをしていくという方法といたしましては、これはいわゆる制度の合理化という関係に相なりますので、格差とは直接関係がないということでございます。
○大出委員 ほんとうに時間がないから、詳しく追及しませんが、そこのところは大したことはないと思いますから、しかし扱いによってはたいへんだから心配になる。 ところで、これは実施されるとすればいつから実施するのですか。勧告の俸給体系その他と時期は一緒でしょう、甲地、乙地というものは。
○尾崎説明員 そのとおりでございます。
○大出委員 しかもこれは人事院規則で地域はきめられるんでしょう。
○尾崎説明員 法律措置は今後考えてまいりたいと思っておりますが、現在の心がまえとしては、人事院規則できめたいというふうに考えております。
○大出委員 国会あたりで法律できめろと言い出しはせぬかと思って、あなたは答弁しておるのでしょうが、そんな意地の悪いことは言いませんよ。かえってみんなおのおの出身地があるから大騒ぎになる。だけれども、同時実施ならば、人事院規則というような案がちゃんとできておって、甲地はこことここだ、乙地はこことここだ、残りは官署指定、全部一緒に出さなければ一緒に実施できないでしょう。そこをどうするつもりですか。
○尾崎説明員 格づけ方針といたしましては、今後慎重に検討いたしまして、早く成案を得たいと思います。
○大出委員 今後といったって、同時実施といったって、そっちだけ出しておいて同時実施するなんていうことはできないでしょう。大蔵省に承りたいのですが、予算の相談はできておるのですか。入っていないですよ、三百十九億というものの中には。
○海堀説明員 先ほど給与局長からお話がありましたように、地域給を、現在出していない地域を、本俸にだんだん繰り入れるために要する金は、一応人事院の計算には入っていないと承っております。
○大出委員 入っていないとすれば、三百十九億に入っていないのはほかに幾つもあります。三つばかりあります。ありますけれども、私は一つだけあげた。まさか三級地のところをばたばた落として掃除しちゃって、そっちへ持ってきて、ゼロ一、二級地にやっておけばいい、もしそうお考えならば、これは驚天動地の大騒ぎで、こんなものは、幾ら法律があろうと何があろうと認めない、こういうことになりますよ。そこはどうなんです。だから、詳しく説明してくれなければわからないと言っておるのです。
○尾崎説明員 都市手当の指定につきましては、今後検討いたしたいと思っておるわけでございますが、予算の上では、一応計算して官民格差のうちで〇・七%というふうにして予定をいたしておるわけでございますが、その関係は、暫定手当が、四級地につきましては現在五%になっておりますのを六%、それから三級地が二・五%になっておりますのを三%という関係によって、そういう関係になっているわけでございますが、なお、その中におきまして、指定の方法につきましては、大体都市についての地域指定と都市周辺についての官署指定について行なう予定にいたしていることは従前どおりでございますが、甲地の地域指定につきましては、現在四級地で、消費者物価、生計費及び先ほど申し上げましたように民間賃金が非常に高い、こういう六大都市程度を基準とする程度につきまして行なう予定でございまして、乙地につきましては、現在三級地以上で、消費者物価、生計費及び民間賃金が甲地に次いで高いというところをめどにしているわけでございます。
○大出委員 どうもいま私が質問したことにお答えいただいてないのですけれども、私の聞いているのは、五分の一、五分の二、五分の二、こういう形で三年間、ゼロ、一、二級地につけていくわけですよ。そういたしますと、これは同時実施だというふうにさっきちゃんと御確認いただきましたから、そうなると、そこですぐ予算がちゃんと出てこなければならぬ。いま大蔵省に予算を承ってみたら、全然話がないんだから入ってないと言う。そうだとすると、その予算は、あなたのほうが、三級地から落とすものは落としていって、ゼロ、一、二級地に、いまもらっていないところに全部均てんできるという計算書きがあるなら、それでもやれるという勘定になる。そうでなければ、予算ということに触れないというのはおかしな話です。そうでしょう。たとえ幾らであっても国の税金なんだから、もし前者であるとすれば、これはそれだけの、ゼロ、一、二級地にくっついていくものは片っ方が落ちることになる、暫定手当のほうが。そうでしょう。そうなると、また妙なことができ上がる。だからそこのところは、あなたのほうのいろいろな答弁のしかたがあるのでしょうけれども、ふに落ちないから聞いている。そこから先、突っ込むと、また、さっき総裁の言うように、あまり精密な議論は困るということになってくる。 そこでもう一つついでに聞きますが、三百十九億の中には七・九%、これは本俸が七%で都市手当が〇・七ありますね、プラス〇・二、これははね返り、こうなっているでしょう。そうすると、宿日直手当、それから勤勉手当、夜勤手当——宿日直手当は百二十四円ですね。それから勤勉手当〇・一ですから三百九十八円ですね。そうでしょう。三百九十八円、間違いないですよ。それから夜勤手当、これは一人一人にならせば六円、それは間違いないですね。その合計したもの五百二十八円ですか。それと、さっき申し上げた、つまり過渡的措置でやるもの、これはこの予算に入ってないのです。何も過渡的措置のこれだけ入ってないのじゃない。入ってないものがほかにもある。あわせて、この辺のところ、一体どう操作をするのか、説明してください。簡単でけっこうですから。
○尾崎説明員 質問を取り違えましてたいへん失礼いたしました。 暫定手当で現在支給されていない地域につきまして、勧告の実施後に一段階の五分の一の手当をつけていくということを企図しているわけでございますけれども、その金につきましては、いわゆる制度の合理化ということで、官民格差という関係の問題とは直接関係はございませんので、入れていないわけでございます。 なお、先ほど大出委員から、三級地の中で落ちるものがあった場合にその関係の財源がどうかというお話がございましたれども、現在の三級地は、先ほど御説明申し上げましたように、二・五%程度の格差の分をもらっておるわけでございまして、その関係を一挙に落とすということはもちろん考えていないわけでございまして、むしろ下のほうからだんだん積み上げてそこまで至るというプロセスになっているわけでございますから、その関係の、三級地そのものの、かりに落ちるところがありましたといたしましても、それ自身が財源だとかいうことにはならないわけでございます。 なお、いわゆる格差外といたしまして宿日直手当や勤勉手当、夜間通信手当等につきましては、格差の外ではございますけれども、制度の趣旨からいってなるたけ早く実施をするということ、これに関連して実施をするという形になっているものでございますので、この勧告を実施しましてから後において五分の一を支給していくという、制度のいわゆる合理化というのとはちょっと性格が異なるというふうに思っておるわけでございます。
○大出委員 それ以上詳しくやりますとまた時間がかかりますから、後ほど、来月の八日か何かにまた内閣委員会の予定があるようでありますから、あとの質問の皆さんの関係もありまして割愛させていただきますけれども、念のために申し上げますけれども、そう簡単なものではない。尾崎さんが経験をして一番よく御存じのことですから。法律があるのですから、それをお出しになった立場は認めます。それから、人事院勧告は完全実施をたてまえとしていきたい、これもそういう考え方でやっていただきたいと思いますけれども、にもかかわらず、自治大臣がおっしゃっておるように、問題はたくさんある。だからそこらのところをもう少し整理をしてみていただきたい。いろいろな疑惑だらけではおそらく職場の公務員の皆さんだって戸惑うことになると思いますから、三年先のことを考えればなおのことそういうことになりますから、そういう点を十分ひとつ御配慮いただきたいと思います。 私、珍しく中身を詳細に今度検討してみたのですけれども、さっき一例をあげていったら、一例のところでぶつかってしまいましたから、あと時間かなくなってやめましたか、この中には七等級、六等級、五等級、特に六等級が、皆さんの出しておる数字で見ましても職員分布か圧倒的に多い。ここのところの間差額を二百や三百直してみたところでどうなるものでもない。しかも最近四十年、四十一年なんというところは、官民比較の中で非常にわずかしか差がないようにできてきておる。ここも、さっき信用しないのかと総裁はおっしゃるけれども、説明していただかぬと信用しかねる点があるというふうな問題。それから特に五等級なんかの場合の民間との比較の面で、資料で見ましても、民間の係長以下の職員のところですね、これとの比較で見ましても、実は五百人以上、五百人以下の数字をとって平均を出してみまして公務員と比較をすると、やはり六千円くらい、どう考えてみても数字が合わない、つまりそういうこしらえ方になっておるという感じがする、そういうふうな問題。 それから特に行(二)の問題です。行(二)の中卒で計算しておられますけれども、これは五等級一号俸の引き上げ額、わずかに八百円でしょう。こんなところは人はろくにいないといわれればそうかもしれない。しかし俸給表のたてまえ上、八百円なんて五・六%。ところが逆に今度は指定職なんかは、甲七号というのは二十五万円を二十七万円に、二万円も上げているでしょう。これはたいへんなアップですよ。いいところはそんな上げ方をして、片っ方の行(二)のほうはわずか八百円しか上げない。五等級の一、五・六%。ところが高校卒の初任給、同じく(二)の四級の一、千円でしょう。これは六%ですよ。おそらく行(二)はいろいろ手を加えてこられていることは知っています。知っていますけれども、去年の勧告でも、引き続いて留意をするというふうに書いておられる。だとすると、行(二)でいって二人世帯のところ、これは三万二千四百二十円、ここらをながめてみると、つまり生活しようのない数字ですね。これは行(二)で一番たくさんの二万一千百七十二名いるところです。こういうふうなところもノータッチですね。だから、標準生計費等からいきまして、これは私ども非常に納得できないところです。研究職でもたくさん問題があります。 それから、特に初任給のところで、いままでと方針を変えましたね。標準生計費をはじいて、ぼくに言わせると、十八歳のところはいいかげんですよ。いままでの方式をなぜ変えたか。民間の初任給が上がり過ぎちゃって、標準生計費を出して苦しいところを切り抜けてきましたけれども、追っつかない。追っつかないものだから無理している。だから、そうなると標準生計費自体がいいかげんになる。エンゲル係数を見てごらんなさい。食料費ばかり上がってしまって、光熱費なんかないでしょう、これでは佐藤総理がおこりますよ。佐藤総理が、国民生活水準は向上したなんて言っている世の中に、このエンゲル係数を見てごらんなさい。文化国家日本は、文化程度が年々下がっていく。そうでしょう。一体説明がつきますか。あなたのほうで詳しい質問をしないでくれというならやめますけれども、これはどこから考えても合わないのです。これは標準生計費とからむからこうなる。これを見ると、昨年の一人世帯のエンゲル係数は東京で四三・三%です。五人世帯で四二・六%。ことしのエンゲル係数は、一人世帯で東京では四四%で、去年より高いのですよ。全国で一人世帯が四四・三%、五人世帯で四三・六%、去年よりエンゲル係数がぐっと上がってきている。食料費の占める割合が高まるということは御存じのことでしょう。生活程度が低い。それだけ日本人は困窮している。文化程度が年々低くなる。そこへもってきて、総理府統計を見てごらんなさい。総理府統計の全国全世帯のエンゲル係数は三五・六%ですよ。人口五万人以上の都市の勤労者のエンゲル係数は三三・八%。そうすると、総理府がとっている全国五万人の都市の三三・幾つだといっているのか、何と四四%などということにならざるを得ぬことになるのです。食料費のほうをうんと下げれば、あなた方がメニューを出してみろといわれたときに、大根だのさしみ二きれだの、減らさなければならぬ。こんなばかなことかあるかといえば、答弁できない。だから、その分だけ食料費のほうは上げていかざるを得ない。そうして光熱費のほうにしわ寄せしてこしらえたということになる。だから、総裁、さっきあなたはああいうふうにおっしゃったけれども、やはりまずいところはまずいというふうにしませんと、私は筋が通らぬと思うのですよ。そうなると、初任給と生計費と合わせようとするから、今度は全体にそれが波及するから、最初間違ってしまうと、みんな間違ってしまうのです。こういうことばかりやっていると、マーケットバスケットのとり方だって問題です。だから、これはこまかくやっていきますと、それこそ皆さんに御無礼な言い方ですから取り消しますが、あなた方は調査資料を全部出してくれ、おれのほうで調べるからなんて言ったが、総裁、しろうとが見ているんじゃないのですから、そう言いたくなるのですよ。これは答弁は要りません。言えばまた言いたくなりますからね。こういうことは困るから、そういうことで出ておる勧告ですから、その六人委員会の一人ですから、そういういいかげんな矛盾だらけの中身を持っておる勧告だから、しかも、それが完全実施はできないなどというばかなことがあっていいはずがない。したがいまして、大臣はここに藤枝さんしかいないから、最後に、総合的に、六人委員会をこれから推進しよう——地方自治体をかかえておる大臣ですから、重ねてひとつことしは一〇・二一などというつまらぬ火力行使なんか起こらないように、早く完全実施ということで御努力いただけるものだと期待したいのですが、そういう点で御答弁願いたいと思います。
○藤枝国務大臣 私ども人事院の勧告を尊重するという立場でございまして、できるだけそういう方向で努力をいたしたいと思います。もちろん財政ばかりの問題ではございませんけれども、財政の見通し等ももう少し立たないとできぬと思いますので、それらともあわせて考えてまいりたいと思います。
○大出委員 どうもたいへん御無礼しました。
○關谷委員長 受田新吉君。
○受田委員 藤枝自治大臣は、いわゆる六人閣僚会議の構成メンバーでいらっしゃるので、すかっとお答えを願いたいと思います。 私は、個人藤枝先生のお気持ちは、一緒に内閣委員会で御苦労された当時から、この公務員給与については、人事院勧告の完全実施の線にいらっしゃったことをよく承知しております。大出委員が質問されたとおり、閣僚になるとなかなかむずかしい問題にぶつかるわけで、これも私には理解できる。ただ、昭和三十五年に、五月からの実施を要求された人事院勧告が、三十九年、四十年、四十一年と九月実施、その前は十月実施という手続がされておるわけであります。少なくともわれわれの立場ではない、あなた方のお立場から見られて、このたびは財政上の理由その他の問題をひっかけて考えれば、もとより高度の政治性から考えても、政府の側からして、われわれが完全実施を主張するのに対応して、せめていままでよりは一カ月繰り上げて、すなわち八月実施とかいうような方向へでも、大臣個人としては十分持っていこうという熱意を持っておられるのかどうか。私は、内閣委員の一人として、理事として、御苦労された藤枝自治大臣としては、だれよりもこの問題には誠意と熱意を持っておられると思いますので、いま私が指摘した人事院勧告に対して、本年は少なくとも政府側の立場で実施期を一カ月ぐらい繰り上げるという強い御熱意を持っておられるかどうか、自治大臣藤枝先生御自身の熱意のほどをお示し願いたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○藤枝国務大臣 私といたしましては、公務員給与の改善というものは絶対に必要であると考えております。したがいまして、ただいま御質問の一カ月繰り上げるというようなことでは御満足いかないかもしれません。むしろ完全実施という方向だと思いますけれども、少なくとも前進しなければならない、そういう気持ちでございます。
○受田委員 完全実施とまではいかなくても、いままでよりは前進するといえば、八月とか七月とかからの実施という、一歩前進という熱意を持っておられるわけですか。
○藤枝国務大臣 さようでございます。
○受田委員 自治大臣のその熱意をもって、当委員会の理事として御苦労された公務員対策に対する強烈なる御熱意を、実施面を早める点において六人委員会で大いにリーダーとなってやっていただきたいと思いますが、よろしゅうございますね。
○藤枝国務大臣 きょうの閣議で、今度は文部大臣も参加されるようでございますので七人委員会になるかもしれませんが、いずれにいたしましても、この給与関係の閣僚会議におきまして、十分にそういう点は主張いたしたいと私は考えております。
○受田委員 私は時間を三十分に限定してやります。もう時間もたっておりますし、鈴切先生もおられるようですから、私は早く切り上げますが、大臣、人事院勧告完全実施という努力目標をわれわれは持ち、また、政府もそれに熱意を持っておられるとするならば、このたび、問題の都市手当の制度が掲げられているわけです。それに対して、自治大臣もいろいろ個人的な見解があるようでございまするが、この人事院勧告の中に新たに採用された都市手当制度そのものを否定されるような形で法案をお出しになるということは、これはやはり相当な問題だと思うのです。都市手当制度というものは住宅手当制度をある程度織り込んである。これは私たちが見てもわかる。暫定手当の整理という法律の要請にこたえる面においても、私としては、この都市手当制度の創設は不満足ながら一応了承しておる。この人事院勧告を手直しして、この都市手当制度などを削除するという扱いをされることになると、なかなか問題があると思うのでございまするが、大臣個人の見解もあるようでございまするが、人事院勧告を完全実施という線で御努力をされる熱意があるかどうか。
○藤枝国務大臣 先ほど大出さんにもお答え申し上げたように、そうして大出さんから御指摘がありましたが、給与法の中にもあるその法律に基づいてやっておられることであり、しかも実際の調査の結果、都市と地方において生計費その他の物価等の差異が明瞭に認められる、それによって人事院勧告が出されたわけでございますから、これは尊重していかなければならないという前提に立ちまして、しかし、特に地方公務員とか警察官とか教員とかの人事交流が一体それでうまくいくだろうかどうか。したがって、そういうものを実施する場合に、他に補完的な方法を考える必要があるのではないか、あるかないか、そういうような面もあわせて検討をさせていただく、初めから否定を申し上げておるのじゃないのでございます。勧告が法律に基づいて出された、それを前提にいたしまして、しかし人事管理の面におきましてどういうことになるのか、これらを検討させていただきたいということなのでございます。
○受田委員 どうぞお帰りください。御苦労さま。 時間をもっと縮めます。 私、きょうは人事院総裁に、勧告に関して重大な政治責任をただしたい問題があります。それは、私、お盆にちょっといなかに帰っておったのでございまするが、はしなくもふるさとへ帰って拝見した八月十五日の朝刊、それに人事院勧告の構想が出ておるわけです。大体有力紙にはどの新聞にも出ておる。ところが、その日の十時半に正式に勧告書を総理に渡され、国会へ渡されたわけです。その前に、ほとんど符節を合するがごとき、多少の数字のズレはありましても、その日の朝のいわゆる大新聞をほとんど網羅した形で、公務員共闘会議を通じて新聞社が入手したようなかっこうで人事院構想が打ち出されておる。今度のベアにつきましても、七・八%から八%という数字、少なくとも七・九%というのをにおわすような形でベアの数字まで明らかにされております。都市手当という制度も、すかっと明らかにされておる。こういう二つの問題をいま取り上げたわけですが、一々読む時間がありません。人事院というものは、あなたが政府委員として、私が昭和二十三年決算委員会で、おそらく私の発言量はあの国家公務員法をつくるときに最大の発言量を持っておると思うが、人事院の中央人事行政機関としての最高の権威を与えるために国家行政組織法からはずしてある、適用を受けないことにしてある。そうして、人事官の独立性というものは宣誓をもって認証官たらしめておる。さらに内閣の所轄のもとに属しておっても、指揮を受けることはない。そういう強大な権限、いわゆる政府の機関ではあっても、独立機関としての権威が、この公務員の労働基本権を擁護するために、これにかわる機関として人事院に付与されたわけです。その人事院が、ある一部の組合の代表者にその人事院構想を漏らしたような形に、大新聞が筆をそろえて宣伝をしておるということは、これは重大な問題であると思うのです。私は人事院の独立性、中立性から見て、過去二十年間人事院を擁護し、人事院の存立意義を国民に普及徹底させ、政治的問題で人事院を廃止しようとか権限を縮小しようなどというあらしの中に、人事院の存在こそ労働基本権を公務員の側に立って守る機関であるとして擁護してきた。その人事院が、特定の一部の組合の代表者に——新聞に報道されていることの中を見ると、総評の公務員共闘会議のほうから材料が出たようになっておるが、これは独立性、中立性を保持する人事院としての存在意義に対して根本的問題が発生したと思うのでございまするが、人事院総裁の御所見を承りたい。
○佐藤説明員 いま受田委員から、はしなくも、二十年前のお話から説き起こされまして、私事にわたりますけれども、まことに感慨無量なものがありますが、最初の国家公務員法のときに、私は政府当局側で御提案申し上げて、受田委員は審議をなさるほうの側で、いまお話しのとおり、ほとんど発言の大部分は受田委員、しかも受田委員の御修正の条文がたくさん入っておるということも、いままざまざと思い出しました。私どもは、たまたまそういう関係から、公務員法の立案にタッチいたしましたがいま受田委員のおっしゃるとおり、人事院のあるべき姿あるいは人事院総裁のあるべき理想の姿をそのころからまざまざと頭に描きながら立案をしたわけであります。まさか、そのときに、私自身が人事院の総裁になるとは夢にも思いませんでしたが、こうあるべきだというイメージだけは十分抱いてやってきたつもりでございます。その点は、受田委員とたびたびまたこういう機会にお会いしております私の気持ちは、依然としてそういうところにあることは十分御了解いただけるだろうと思います。 たまたま、いまの新聞記事のお話がございましたけれども、これは御承知のように、もう給与勧告の前になりますと、いろいろパーセンテージの問題などをめぐって新聞記事が出まして、そのたびごとに、私はここでまたいろいろと御追及を受けているということは御承知のとおりでございます。ただ、いま特定の組合とかなんとかいうお話がございましたから、さらに基本的に私どものとっております態度をここで申し上げさせていただいて、御批判なり何なりを受けたいということでございます。 そもそも、私どもの基本的の態度は、やはり人事院は独立機関、中立機関とは申しますけれども、独善機関であってはならないということでございます。机上の空論によって、地に足のつかない立案はできない。そこで、各方面の要望だけはやはり十分承らないと、地に足のついた勧告はできない。したがって、御承知のように各省の当局者もいろいろ要望を携えて私どものところへおたずねになります。組合関係もたくさん来られます。そういう方々も要望を持っていらっしゃる。あるいは薬剤師の団体あるいはまた学術会議方面その他の各方面のグループから、書面でお出しになる向きもありますし、私自身がお会いする場合もございます。給与局長がお会いする場合もございます。これはやはりわれわれの独善を避けるという立場から言えば、各方面の御要望をやはり一応は十分に承っておいて、地に足のついた勧告を申し上げなければならぬ、これはあたりまえのことだろうと思います。ただ、その場合に、私どものほうから案を示して、これについてどうだというサウンドをするというようなことは絶対にいたしておりません。御要望は十分に承る。その過程において、もちろん論説することもございますけれども、あくまでもわれわれの基本的態度は、御要望を承る、それが合理的と認められる点は実現するという点でやっておるわけであります。したがいまして、ただいま御心配のような、特定の部分についてサウンドをするとかなんとかいうようなことは絶対にございませんから、御信頼を願いたいと思います。私どもは、やはり結果としてあらわれたこの勧告自身が国会に提出されて御批判を仰ぐわけであります。勧告の中に不公正なところがあるか、へんぱなところがあるかというようなことは、これまた御指摘を受けて、われわれはここで十分に自信を持って御説明を申し上げます。勧告自身が勝負であるとかいうかまえで臨んでおりますので、その点は、いまおっしゃるおことばは非常に人事院に対する御激励としてまことにうれしいと思います。私どももまさにその気持ちで臨んでおるということだけは、ここではっきり御了承を願っておきたいと思います。
○關谷委員長 このあたりで切りましょう。
○受田委員 一、二問で済むから……。いま行きがかった分だけやらしてください。
○關谷委員長 それではなるべく早く……。
○受田委員 それではもう一、二問……。 総裁、私、あなたとの一問一答を通じて、二十年間の感無量な思い出が出てくるのです。この独立機関、中立機関としての人事院の権威を守り抜いてあなたのほうもわれわれも今日まできた。その段階で、新聞報道というのはやはり権威のあるものです。いまだかつて勧告の正式書類が発表される前に、その内容がある特定の組合から発表されるような形というものを私自身は体験しておらない。これは国家公務員法第七節の服務の関係の中にもある、公務員は秘密を漏らしてはならない。人事院の中にだれか公務員共闘会議の人々にそっと秘密を漏らすような者がいるんじゃないか、不用意に秘密漏洩をする、公務員の義務違反をしているのがいるんじゃないかという懸念さえ私は持つのです。いかがですか。
○佐藤説明員 私どもの立場は先ほど申したとおりでありまして、そういういま御指摘のような忌まわしい事実というものはわれわれは絶対ないと信じております。ただ新聞の報道は、これまた新聞は新聞で報道の自由をお持ちになっており、言論の自由を憲法上持っていらっしゃるわけでありますから、これはまたお書きになったことに対して私どもはとやかく申し上げません。しかし、私どもの立場はこうであるということを申し上げます。
○受田委員 私は、やはり新聞は天下の公器である、国民の世論をバックにしておる。公務員の給与の改善というものは国民的規模でなされるべきもので、国民全体が知らなければならぬ。したがって天下の公器である新聞社が、人事院から報道機関の立場でこれをつかみとって天下に発表するというのであるならば私は納得します。しかし、公務員共闘会議から資料をもらって発表するという形になっているところには、何かそこに天下の公器たる新聞社と公務員共闘会議とにおいて、公務員共闘会議にウェートを置いている。新聞社そのものが共闘会議から資料をとっておるというような形では、人事院というものは報道機関にそっぽを向かれておるという懸念さえ私自身は持ちます。これは天下の公器が、一部の組合の代表者からその材料をつかみとったものがたまたま符節を合するような内容になっておるということは、天下の公器たる新聞としても残念ではないかと思うのです。これは組合にも、小なりといえども全官公という組織もあるわけであります。それらも公平を十分期して、人事院の権威は中立、独立である、独善でないとおっしゃったけれども、しかし世論を背景にする報道というもの、天下の公器でなされる報道というものは公正でなければならぬ。一部の組織を通じて報道というこの形は、人事院としてはどこかに何か欠点があった、総裁としてはそれは欠点は何もないのだ、これは新聞がかってに書いたのだ、あるいは国家公務員共闘会議がかってに想像して書いたというのでは、あまりにも符節を合しておる。私は何かそこにあると思う。全然責任がありませんか。感じませんか。もう一度それで……。
○佐藤説明員 新聞の内部のことは私ども全然わかりませんし、また批判をすべき立場でもありませんが、いまちょっとおことばに、そっぽを向かれているというようなおことばがありましたが、これはなるほど見方によってはそういうお感じは成り立つことではないか。そうすれば、それは私の不徳のいたすところで、これは考えなければならぬ。報道機関からそっぽを向かれるようであってはならない、これはよくわかります。それだけお答えをいたします。
○受田委員 実は各省から御足労願って長時間お待ち願ったことをたいへん済まなく思いますけれども、いま委員長からも、この辺で質問をやめろという御注文もあるので、これに協力しまして、各省から来られた方には次にひとつ御足労を願いたい。 ただこの機会に、資料だけ要求さしていただきます。大蔵省、総理府、いずれからでもけっこうです。公務員の服務に関しては、勤務時間中は責任を持って厳正に勤務しなければならない規定がある。したがって勤務時間に、私がとかく懸念しているのは、管理職の方々が自動車で運転手さんを通じて運んでいただいて、出勤時間がおそくなっているという懸念が各省であるようななにもある。自動車で局長以上の者は送り迎えをされておるようですが、それはやはり一般公務員五十、六十で、つり皮にぶら下がっている老齢の公務員もあることでありますから、局長もお一人の出勤のためにわざわざ車を迎えに来てもらうようなおろかなことをやめて、運転手も要らぬ、車も要らぬ、つり皮にぶら下がってラッシュアワーを乗り越えてくるという、公務員の陣頭に立って指揮をするという意気込みがほしいのでございます。各省に割り当てられている自動車の数、それが局長以上あるいは課長にも一部使っているのだが、送迎に用いてある自動車の数、これをお示し願いたい、各省別に。一般公務員ではそういうおろかな者はないと思いますから、管理、監督の地位にある方々にたいへん相済みませんけれども、管理職の局長以上の方々の出勤時間、ごめんどうではあろうが、官紀、綱紀粛正の陣頭に立つ大切な管理者の立場の方々の御出勤時間というものを、名前要りません。大体どのころ出るというのをお示し、願いたい。 公務員宿舎につきまして資料要求をします。公務員宿舎で、現にどれだけ公務員の数に対して公務員宿舎を提供されているか。その宿舎は局長以上、一等級と指定職、それから二等級の課長、それから三等級、四等級の課長補佐それから五等級以下の係長、一般係員というくらいの分類で、公務員宿舎がどのくらいの比率で利用されているか。これは都市手当との関係を、この次の委員会で質問する種でございますから、私、ひょっとしたらこの次の委員会は出られないと思いますけれども、きょうは約一時間質問の時間がほしかったのでございますが、委員長の御指摘のこともあるので、これで質問を終わらしていただきますが、資料を御用意願いたいと思います。 質問を終わります。御苦労さまでした。
○關谷委員長 この資料は、どこが責任を持ちますか。
○海堀説明員 宿舎と自動車は大蔵省、出勤時間は総理府……。
○關谷委員長 それでそろいますね。 本日はこの程度にとどめ、本件に関する質疑は次会に続行することといたします。 本日は、これにて散会いたします。 午後二時十九分散会