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56回国会衆議院1967/11/13

地方行政委員会 第5号

発言数
220
登壇者
17
会派数
4
開催日
1967/11/13

会議録

亀山孝一自由民主党

○亀山委員長 これより会議を開きます。  地方自治、地方財政及び警察に関する件について調査を進めます。  まず、昨十二日に発生いたしました一一・一二羽田事件について、政府当局から発言を求められております。これを許します。藤枝国務大臣。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 佐藤総理のアメリカ訪問に反対する全学連反代々木系各派などの左翼勢力は、これが阻止のため、十一月十二日、羽田空港の内外に約六千八百人の労組員や学生を動員、特に全学連反代々木系各派は、十月八日羽田闘争を上回る動員規模をもってこの闘争に臨み、今回も羽田空港周辺で常軌を逸した過激な実力闘争に出ました。  このため、反代々木系学生ら三百三十三人が公務執行妨害、凶器準備集合罪などで現行犯逮捕され、警察官二百十五人、一般通行人、学生ら三十九人が負傷いたしました。  警視庁は、警察官七千人を動員し、総理の安全かつ円滑な出発を確保することを重点に警備に当たり、反代々木系学生らの妨害行為を排除して万全を期した次第でございます。  警察処置としましては、警視庁では総理の安全かつ円滑な出発を期することを基本方針として、午前八時警備課長室に総合警備本部を設置し、同本部長統括指揮のもとに、第一方面警備本部、第二方面警備本部、第三方面警備本部を設置し、警察官七千人を動員して総理の身辺警護、沿道の警戒、反代々木系学生らの不法事犯の検挙に重点を置いて警備に当たりました。  この日の警備では、前回と同様、三派系全学連約二千三百人の全員がヘルメットを着用し、角材を振り回し、投石の雨を降らせて警察部隊に襲いかかるなど暴徒と化したために、京浜急行大鳥居駅付近でガス使用を含む規制措置をいたしました。また空港内侵入を企図し、投石をまじえて穴守橋の警察部隊に突っ込んできた革マル系全学連約四百人の排除をいたし、さらに産業道路で蛇行し、すわり込みを行なった反戦青年委員ら二千五百人の規制をいたし、さらに空港内ロビーでデモを行なった国貿促員ら百五十人の隔離措置などを行ないました。  この間、警備部隊に対して角材を振り上げ、攻撃を加えたり投石などを行なった学生ら三百三十三人を公務執行妨害、凶器準備集合罪などで現行犯逮捕をいたし、警察官二百十五人、うち入院二十名、一般八人、これは軽傷でございます、学生三十一人、うち入院四人が負傷いたしたほか、警察車両、派出所窓ガラスなどの警察装備品の破損及び付近民家のガラス、自動車など相当数が損壊いたしました。  また事件後、現場から石のかたまり約二百五十袋、角材約三十本、丸太三本などの多数を押収した次第でございます。

亀山孝一自由民主党

○亀山委員長 ただいまの藤枝国務大臣の報告について質疑の通告がありますので、これを許します。久保田君。

久保田円次自由民主党

○久保田(円)委員 ただいま国家公安委員長からいろいろ経過の報告がございましたが、一体今回のこの三派全学連の運動は、前回と同じようなことを繰り返しておるのでありまするが、前回と今回の運動に対しまして違った方向があるかどうか、この点をひとつお聞かせ願いたいと思うわけであります。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 この反代々木系の全学連の諸君の行動というものは、前回と何ら変わりがなく、むしろ前回を上回るような規模において警察部隊を突破して総理の訪米を阻止しようという非常にきつい決意でやったやに見受けられます。

久保田円次自由民主党

○久保田(円)委員 今回の暴徒と化したような行動でありまするが、国民はまた一つやった——国民の間におきましては、あるいはテレビを通しましても、なおまた新聞を通しても、学生運動に対しましての反発というものは前回よりも非常にひどいわけです。こういうふうな問題につきまして、抜本的に何かひとつ講じなければならないという、こういう感じを現在国家公安委員長としては持っておるかどうか、この点をお聞かせ願いたいと思うわけです。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 前回の十月八日事件のときにも、その後に私この席でも申し上げたかと存じますが、基本的には大学等のいわゆる学校管理と申しますか、学生管理と申しますか、そういうことに根本的なメスを入れていただかなければならないわけでございまして、十月八日以後御承知のように文部大臣は各大学当局を呼ばれまして、いろいろその問題について懇談をし努力をされておられるわけでございます。  警察側といたしましては、そういうことを背景にいたしまして、今回もああした企てがあるのを察知をいたしまして、各大学に対しましては、たとえば前日にその大学に学生を泊めないようにというようなことをやり、また文部大臣も声明を発して、学校並びに学生側の反省を促したというようなことがございますが、基本的にはやはりただいま申しましたように大学等の学校管理と申しますか、学生に対する扱い方、そういうものを改めていただかなければならないものではないかと考えております。

久保田円次自由民主党

○久保田(円)委員 この全学連の動向について、ただいま学校当局の御意見がこういうふうにあるというようなことも聞いたわけですが、私といたしましても、とにかくこの現在になるまでにつきましてのいわゆる教育というものを私どもは疑わざるを得ないわけです。最高学府に学んでおるところの学生諸君の一部がああいう行動を起こすと、ひいては今回の行動というものは国際的にも日本の地位というものが非常に野蛮国である。特に佐藤総理が渡米するにあたって、その阻止のために暴力をふるう、しかもその暴力が、事もあろうに凶器を持って、そうして多数の人畜に対しまして被害を与える、こういうふうなことは世界各国を見ましてもおそらく事例がないと私は思うわけです。こういうふうな点を国家公安委員長といたしましては、特に重点的に取り上ぐべき問題、たとえば学校の管理者に対しまして一体どういうふうな考えを持っておるか、こういうふうな点を克明に追及する必要があると思うが、この点につきましての御意見はどうか。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 まさに御指摘のとおりだと思います。ただ、学校当局の学生管理あるいは教育の方法、そういうものについて警察が直接学校当局にお話しするのがいいかどうかということも考えまして、文部大臣とも十分打ち合わせをいたし、文部大臣の発意において学校当局との話し合いをしておられるわけでございまして、今後も警察側としての学校当局等にしていただきたいことにつきましては、できるだけ文部大臣を通じて学校と折衝をいたし、そうしてこうしたことは何と申しましても、ふだん小さな悪を見のがしておくことがだんだん積もり積もって大きな問題になるということを考えますると、ふだんの学校の学生管理と申しますか、教育の態度と申しますか、そういうことを積み重ねていただかなければならないものではないかというふうに考えております。

久保田円次自由民主党

○久保田(円)委員 私は、前回において同僚の奥野委員からこの問題につきましてはこまかく追及をされておるわけで、あえてここにそれをさらに重複をして追及をすべき問題ではございませんけれども、結論としては、全学連の行動というものはまさに暴力団である。これは国民として許しがたい。けさのテレビを見ましても、一般市民の声というものは、もうこれは学生ではないのだ、むしろ職業的にこういうふうなことをやっているのじゃないか。あるいはちまたにおきましては、聞くところによると何か日当をもらって行動しておるということ、こういうふうになりますと、ひとつの職業意識というようなものにもかられておるというぐあいに考えるわけですが、そのような点から見た場合に、今回の行動が再三にわたっておりますので、むしろこの際破防法を適用してびしりとこれをやる必要があると私は考えるわけでありますが、国家公安委員長の見解をひとつ聞かしてもらいたい。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 十月八日といい昨日といい、またその他あらゆる場面におきまして反代々木系の全学連の諸君が動くときには、必ずいろいろな大きな問題を起こしておるわけでございます。もちろんそういう意味におきまして、昨日の騒動につきましても徹底的な捜査を行ない、検挙すべき者すでに三百有余を検挙しておりますが、さらに証拠をそろえまして他にも逮捕をすることがあろうと思いますが、そういう徹底的な事件の追及とその責任の所在を明らかにいたしたいと思います。  そしてその間におきまして、われわれ警察あるいは検察側の捜査と並行いたしまして、公安調査庁におきましては、はたして今回の問題あるいは十月八日の問題を控えまして、これらが例の破防法に該当するかどうかということを積極的に調査をされておられるようでございまして、警察、検察側の捜査と相まちまして、そのような研究をしていただくような方向で進んでおるわけでございます。

久保田円次自由民主党

○久保田(円)委員 私はテレビを見ている間に一、二の点に気づいたわけですが、第一点はこの学生の連中が鉄かぶとをみんなかぶっておる。一体鉄かぶとはどんなところから入手をしておるのか、この点で私も非常に異様に感じたわけでありますけれども、この点ひとつ国家公安委員長として入手の経路をすでに調査されておるかどうか。

三井脩警察庁警備局警備課長

○三井説明員 ただいま御質問の鉄かぶとでございますが、具体的にはヘルメットでございまして、これはそれぞれの派閥ごとに青あるいは黄というように塗り分けておるというところから見ましても、相当事前に周到に用意したものと考えておるわけでございますが、目下その入手先、同時にまた各人ほとんど一人に一本携行いたしました角材の入手先等については、厳重捜査中でございます。

久保田円次自由民主党

○久保田(円)委員 それからいま一点として、警察官が全学連諸君とやり合っているところを私も見ておりまして、むしろあまりにも警察官が私の目からは気の毒だ、こんな状態ではたしてほんとうの警備ができるかどうか。大衆の面前において警察官がなぐられておるというふうな場面、取り囲まれて非常に気の毒だというふうな感じを持ったわけでございますけれども、警察官が今後こういう暴徒と化したこういうふうな者を鎮圧するためには、やはりいま少し何らか積極的な方法を講じなくちゃならぬというぐらいに感じておるわけですが、この点は……。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 十月八日事件にかんがみまして、たとえば投石等に対する防御の方法等はずいぶん改良をいたしたのでございますが、まだまだ今回の事件におきましても二百人をこえる警察官の負傷があったということは非常に残念に思います。これらの点につきましてはさらに研究を重ねなければいけないと思いますが、そういう十月八日の事件にかんがみまして、実は近所の民家の方々には御迷惑ではございましたけれども、催涙ガスの使用などもわりあいに早期にいたしまして、できるだけ両者のけが人等のできることを防いだというようなことでございまして、今後さらにこうしたくふうを加えまして、警察官があのような犠牲を払うことなしに、こうしたものが鎮圧できるような方法をさらに研究をいたし、また警察官の士気の高揚に資したいと考えております。

久保田円次自由民主党

○久保田(円)委員 最後に、こういうふうな問題を再び起こさないようにするについては、国民がほんとうに全学連の連中に対しましていい方向に向ける必要があると思うのです。こういうふうな点につきましては、警察官といたしましても、やはりいろいろふだんの指導というものが大切であろうというぐあいに私は考えるわけでございます。  以上をもちまして私の質問を終わる次第でございます。

亀山孝一自由民主党

○亀山委員長 山口鶴男君。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 国家公安委員長の報告に関連して、この問題に限定して一、二お尋ねをいたしたいと思います。  実は、当地方行政委員会は、過般の羽田事件に関連いたしまして、この問題について議論をいたしました。その際、私も国家公安委員長に要請いたしたのであります。また、同僚の門司委員もこの点について質問をいたしました。問題は、あの南ベトナム訪問、国民大多数が反対をいたしている南ベトナム訪問に対して、佐藤総理がこれを強行したというところにこの事件の背景があるんじゃないか。これに対して国家公安委員長はどう思うかという門司委員の質問に対して、国家公安委員長は、この点についてはもっとやり方があったのではないか、こういう感想を漏らされたわけであります。そのような感想を漏らしましたあと、引き続いて昨日の事態が起こりました。私は、これは現在の佐藤内閣、佐藤総理の政治姿勢にこの問題の根底がある、かように言わざるを得ないと思うのであります。ただいまの久保田委員の質問に対して国家公安委員長は、政府とすればかかる事態を起こさないために文部当局、具体的には大学の学長等をして学生に対する説得に当たらした、こういうお話であります。しかし本日の新聞にもありますように、インドネシアにおいては、スハルト大統領はみずから学生に対して三時間に及ぶ説得をやったということもあるではありませんか。過般国家公安委員長も、もっと方法があったのではないかということをお漏らしになった。その上からいって、佐藤内閣といたしまして、今回のこの事態を回避するためのやはり対話というものないしは、国家公安委員長が感想として漏らした事態に対してもっと配慮すべきではなかったか、かようにまず私は考えざるを得ないのであります。この点に対して公安委員長の御所見を承りたいと思います。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 前回の羽田事件の際に申し上げましたことは、私は、総理が南ベトナムを含む東南アジアを歴訪するということは、現段階において必要なことである、ただその必要性の強調を、国民にもう少し知っていただくような努力についてあるいは十分でなかったかということを反省すると申し上げたわけでございます。今回の訪米につきましては、ずいぶん長い間、特に沖繩問題等を中心にして両国首脳が話し合うということで、各党の委員長方からもしっかりやってこいという激励を受けておる。こういうことでございまして、私は、今回の総理の訪米というものは、国民全般として、十分その意義等を御理解いただいておるものではないか、しかるにかかわらず、反代々木系の全学連を中心にしてああした問題が起こったということは非常に残念なことでございます。もっと対話をしたらよかったではないかという仰せでございますが、このような背景にある総理訪米すらあのような暴力をもって阻止しようとする、こうした人たちでありまして、なかなかそういうことはむずかしいのではないか。ただ、前から申し上げましたように、諸外国を総理が訪問する、それがいかに必要であるかということについては、十分政府としても国民に納得のいただくような方法をとるということは必要であろうと考えております。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 由比さんがあのような死の抗議をされたのであります。その抗議書の中には、次のように書かれておるそうであります。「佐藤総理の米国行きの日が近づくにつれ、沖繩、小笠原返還の声が小さくなってきた。はじめから拒絶を予期する交渉などは全くナンセンスと言わざるを得ない。」こう書かれて由比さんは抗議をせられたのであります。いま国家公安委員長は、各方面の意見は聞いた、こう言われました。しかしその中で、沖繩の住民はもちろん、日本国民の大多数も、何か、沖繩返還、小笠原返還に対して、佐藤内閣がだんだん要求する声が小さくなった、いわば後退しつつある、こういう印象を受けたことは、私は否定できないと思うのであります。そういう中で訪米することに対して、国民の人たちが大きな疑惑を持っている、不安を持っている、こういうことがやはりこの問題の背景だということを私は指摘をしておきたいと思います。  時間もありませんから、私は次に質問を進めたいと思います。それは警備体制の問題であります。八日の事件に対しましても、かぎを置き忘れるという事態がありましたために、山崎君が死亡するというようなきわめて遺憾な事件が起きたのでありますが、いわばこれも警備体制の一つの不備だと思います。今回の大鳥居町の状況について、大鳥居町の町会長さんが次のような談話を出しておるのであります。「こんどの乱闘は、学生たちよりむしろ住民を二の次にした警備体制に問題がある。十月八日の二の舞をしないよう、あらかじめ警視庁に十分な警備を頼んでいたのに無視された。さっそく被害状況をまとめ、当局へ抗議したい」かような談話を発表されておるのであります。ただいまガス弾を使用されたというようなことを言われましたが、このガスが無風のために非常に長時間大鳥居町に滞留して住民に非常な被害をかけた、こういう事実があるではありませんか。しかもまた住民の間からは、なぜ事前に警告をしてくれなかったのか、こういう不満も出ております。まさに、今回のこの警備にあたりましては住民不在の警備体制であった、かようにいって差しつかえないと思うのでありますが、この点に対する反省はいかがでしょうか。

三井脩警察庁警備局警備課長

○三井説明員 ただいま、住民に対する警察の被害に関する事前の警告その他について、十分でない点があったのではないかという御指摘でございますが、この点につきましては、町内会長、防犯協会長その他の方にはいろいろと協力をお願いし、申し述べましたが、商店会長さん、また一部の町会長さんについて漏れておった点があったようでございます。この点につきましては、さっそく昨夜のうちに、事情を申し述べまして、おわびに参上さしておる次第でございます。  なお、あの場所を選びました点につきましては、前回の経験もありまして、各種の処置を地元の住民のおもな代表の方々とも御相談をいたしましたが、他に適当な場所がなかったというのが、おもな理由でございます。  今後のことにつきましては、なお一そう各種の方法を検討いたしたいと考えておる次第でございます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 同じく警視庁の後藤警備部長の談話として、「住民のみなさんに迷惑をかけた点は、深くおわびする」と率直に言っているではありませんか。いまのあなたのお話では、言いわけばかりで、卒直に反省をしているという点がないではありませんか。どうなんですか、一体。

三井脩警察庁警備局警備課長

○三井説明員 ただいま申し上げましたのは、後藤警備部長が昨夜申し述べましたことを前提として申し上げておるわけでございまして、この手落ちの点については、われわれも深く検討いたしておりますし、昨夜のうちに、ただいま申し上げましたように、所轄署長がおわびに回っておるはずでございます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 警備体制の不備のために住民に迷惑をかけたということを、率直に反省されておる。とすれば、これの賠償は一体どうなるのですか。

三井脩警察庁警備局警備課長

○三井説明員 私が申し上げましたのは、警備体制に不備があったからあやまったと言っておるわけではございません。警備体制についてはいろいろいい方法を検討いたしておりますが、当日の状況につきましては、あの措置がやむを得なかったものであると申し上げておるわけでございます。ガス筒を使いましたために地元の皆さん方にいろいろ御迷惑をおかけいたしましたので、その点に事前にいろいろと了解を得ておくという点についてもっと配慮すべきであったという点については、率直に反省をいたしておるわけでございます。また、ガスを使いました現場におきましては、もちろん十分に広報をいたしまして、窓を締めるその他のことについては、現場広報によって措置をいたした次第でございます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 時間がありませんから、私は押し問答はやめたいと思いますが、具体的な例をあげましょう。  斎藤良正さんという方が、警備隊のために、学生と間違えられて、めちゃくちゃに警棒でなぐられて入院をしておる。先ほど国家公安委員長の報告では、八名一般人が負傷した、いずれも軽傷である、こういうお話をいたしましたですね。これは軽傷ですか。しかも、これは明らかに警察官の誤りのためにおかした傷害ではありませんか。これに対しては一体どうなんですか。

三井脩警察庁警備局警備課長

○三井説明員 その点については、目下調査中でございます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 現に入院をしているではないですか。あらゆる新聞を見てごらんなさい。警棒でなぐられたために、まわりの住民が、この人は学生ではない、一般人だという抗議をしたにかかわらず、警棒をふるって負傷をさしたということを、各紙がみんな報道しているではありませんか。各紙の報道が誤りだというのですか。

三井脩警察庁警備局警備課長

○三井説明員 その点については、目下詳細調査中でございます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 公安委員長にお尋ねをしたいと思います。  各紙を委員長もごらんになったと思います。誤りのために警察官が負傷さした、これが調査の結果、事実ということになりましたならば、これは国家賠償法ですか、こういうものでもって一体いかなる賠償をするつもりですか。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 ただいま申し上げましたように、目下詳細を調査中でございます。調査の結果によりまして、法の命ずるような処置をとりたいと考えております。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 法の命ずるような措置といいますと、警察庁ですか、警視庁ですか、一体どこがその賠償の責任に応ずるのですか。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 調査中でございますので、具体にだれがどうということにつきましては、その調査の結果にまたざるを得ないのでございますが、調査の結果によりまして、ただいま申しましたように、法の命ずるところに従いまして処置をいたすということでございます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 警察官の誤認により警棒をふるったために負傷したということが明確になるならば、この点は一体だれが賠償の責任に応ずることになるわけですか。

三井脩警察庁警備局警備課長

○三井説明員 国家賠償法に規定されておるところのとおりでございまして、国または地方公共団体でございます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 この斎藤さんの場合ももちろんでありますが、当該の大鳥居町の商店は、自動車をこわされる、店舗をこわされる、いろいろな被害があったようであります。この点については、ひとつ厳正な調査をいたしまして、誤りなき処置をされることを強く要請をいたしますと同時に、今回の警備体制において不備があったということは、これは報道陣その他万人の認めるところであります。いまのお答えでは、いろいろな言いわけはされておりましたが、この点についても、警察当局の誤りは誤りとして、厳正な措置をする、今後のことも考えまして、警備体制の不備等については、率直におわびすべきものはおわびをする、こういうことが必要ではないかと思うのでありますが、この二点について、公安委員長の所見をお伺いして終わりたいと思います。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 警備体制の不備と言われますけれども、昨日の状況におきましては、私どもは最善の処置をとったと考えております。ただその結果、地方の住民の方々に損害を与えたり御迷惑をかけたりということにつきましては、さらに研究をする必要があろうと思います。また、万一警察官の誤認等によりまして被害を受けた方々につきましては、ただいま申しましたとおり、法の命ずるところに従いまして処置をいたしてまいりたいと考えております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 公安委員長に関連によってひとつお尋ねをいたしますが、きのう佐藤総理は羽田においでになるのに、装甲車に乗ってお出かけになったのですか。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 普通の乗用車で、高速道路を通過して入られたわけでございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 普通の乗用車というのは、特別につくった防弾用の、狙撃されるおそれもあるから、狙撃されても安全だという構造による自動車、そういうことですか。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 私はよく存じませんけれども、乗られた乗用車は、防弾ガラス等は使っておるようでございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 これは、うわさによれば、非常に世論の危険ですか、沸騰というのを気にして、そのためにいかなる事態が起きるかわからないから、生命の危険を感じて、自動車には特殊の改造を加え、かつて池田総理が乗られた、岸さんか、池田総理でありましたか、装甲車にひとしい自動車を持ち出された、こういううわさなんです。ここのところが、私はその自動車を現認しておるわけではありませんから、あなたたちが普通の自動車だとおっしゃるならば、普通の自動車だと信じましょう。そうあってほしいわけだ。というのは、先ほどもあなたは、各党の御了解と激励をいただいて佐藤総理はアメリカにいらっしゃったと言うけれども、決してわが党は、日本社会党は賛成しておるわけではない。ああいって反対し、そのことは非常に危険だということを御指摘は申し上げておるわけです。そのうしろにたくさんの世論があることは、これはあなたたちもまさか御存じないわけじゃありませんでしょう。反対の世論ですね。反対の世論が非常に強いということは、どこかでお感じになっていらっしゃったのか、それはどうなんです。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 反代々木系の全学連を中心にいたしまして、どんなことであろうとも総理の訪米を阻止する、そのためにはあらゆる手段を使うというような情報は、われわれ入手をいたしております。ただ私、国民全体の方々が、沖繩問題を中心にして佐藤総理が訪米するということについて、それを実力をもって阻止するというような、反代々木系の全学連以外の方々においてそういう国民世論があったというふうには考えないのでございまして、もちろん社会党さんも訪米は反対だということを声明されておることも、私ども存じております。ただしかし、一方において勝間田委員長とのお話し合いの中でも、とにかくしっかりといいますか、沖繩の返還について断固たる決意を持ってやれというようなことは言われておられ、その方法その他についていろいろ御意見の違いはあったにしましても、そういうことでございまして、国民世論が、何が何でも総理の訪米を阻止すべきであるというようなことであったとは、私は考えておりません。

太田一夫日本社会党

○太田委員 とにかく、それは大臣、あなたは公安委員長としておっしゃったことで、学生のことだけのお話のようでありますけれども、幅広い、層の厚い反対の世論というのが国内にあるということは、社会党が反対したという点からでも御想像ができると思うのです。そこで、そういう世論が非常に沸騰しておるときにお出かけになるのだから、コースについて特別な配慮をする、いわば裏をかいて出発をするというようなことをおやりになるわけです。私は、堂々と行ってほしいと思うのですよ。おいでになるならば堂々と行ってほしいのであるけれども、どうも時間を変えてみたり、コースを変えてみたり、あるいは自動車でさえも防弾用の完全武装の自動車をお使いになる。こういうことについて、すでにいささか何かうしろめたいものがそちら側にあるような気が非常にする。佐藤総理の身辺にうしろめたい気持ちがたくさん漂っているような気がする。そこのところを私は心配すると同時に、公安委員長の立場からいうと、日本の国の公安を維持しなければなりませんから、もしも要人があちらこちらに行く場合に、みんなそのようないわゆる飛び道具に対する、鉄砲で狙撃されるのじゃないかというような心配を常にしながら特殊な自動車をつくらなければならぬというような時代が来るならば、たいへんな事態じゃありませんか。そういう心配は要りませんか。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 昨日の総理の出発されるまでの行動等につきましても、平素と変わりないことでございまして、別に阻止運動の裏をかいてこっそり立つとか、そんなことではなくて、普通の、平素使っておる自動車で、しかも正々堂々と入られたわけでございまして、そういう意味におきましては、もう何ら——一部にはたとえばヘリコプターで空港に行ったらいいじゃないかというような御議論がありましたけれども、そういうことはせずに、正々堂々と行かれたということでございます。その点は、何ら総理の周辺にうしろめたいようなことを考えてやったわけではない。ただ、反代々木系の全学連を中心にしまして、あらゆる手段でこれを阻止するというような情報を入手しておりましたから、それに対応するだけの警備体制はしいたということでございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 長い議論はいたしませんが、先ほどの久保田さんの御発言、あるいはまたこの前のときの奥野さんの御発言から、だんだん機動隊の装備を強化するとか、破防法を適用して、何か非常に騒乱状態が起きたごとき認識を国民に与えるとかいうような、そういうような方向に動くような気がするわけです。しまいには鉄かぶとをかぶって、たてを持っているだけではいかぬ、よろいかぶとに身を固めて出陣するということになるのですよ。公安委員長、そんなばかなことを考えてもらっては困る。もっと国民を信頼して、日本の議会制民主主義というものを信頼してやってください。その点のあなた方の認識なしに、さあ機動隊を強化しなさいの、そんなたいへんなことばかり考えていらっしゃるようでは、私は時代錯誤だと思うのです。非常に賢明な公安委員長は、まさか妙なところの御意見だけに足をとられちゃって、片寄った見解を明らかにされるようなことはないと思いますけれども、ひとつ国内の治安維持の責任者として、もう少し堂々と考えてほしいと思うのです。御所見をいただきたい。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 私は、国民の大部分の方々がそうした常識を持ち、議会制民主主義を守っていくということに非常な努力をされておられるし、したがいましてむちゃなことをやるとは思いませんが、しかし、十月八日といい、昨日といい、あのように鉄かぶとを持ち、角材を持ち、あるいは石を準備して警察官に襲いかかるというような集団のあるということは、やはりそういうものに対する警備体制は十分にしなければならないというふうに考えるわけでございます。また、警備の強化と申しますけれども、こうした事件のたびに警察官が相当数負傷するというようなことは、これはできるだけ避けなければならないわけでございまして、そういう負傷から身を守るような体制につきましては、これはいろいろとくふうをしていかなければならない、さよう考えておる次第であります。

亀山孝一自由民主党

○亀山委員長 門司亮君。

門司亮民主社会党

○門司委員 ごく簡単に二、三の点だけをお聞きをしておきたいと思うのです。  この前の事件のときにもお聞きをいたしましたように、一つは警察官自身の問題でありますが、偶然であったとはいっても、キーを自動車の中に置いてきたということが、一つの遠因というよりも、あるいは直接の原因といってもいいかもしれないぐらいに近い原因として一人の人が命を失った。これはこれとして、いろいろお話しがございましたが、今度の場合も、やはりせっかく四人の者を逮捕して、手錠をかけて、そうしてそれに警備車の中から逃走されたという事実がある。こういう点を考えると、どうも警察の行き方自身について、多少の教育の徹底に欠けている点がありはしないかという気がする。私は現場を見ておりませんから、やむを得ない現場であったかどうかということは何とも言えませんが、そういう点に対する警察の処置というのは、一体どうなんでしょう。何といいますか、もう少しはっきりした態度はとれないものですか、警察官というものの教養は。起こった事件についてあとから責めるわではございませんが、どうも、前の事件といい、今度の事件といい、警察自体のあり方というものについて考えてくると、そういう気がするのですが、これは一体どうなんでしょう。

三井脩警察庁警備局警備課長

○三井説明員 ただいまの被疑者四名が奪還されたという事態でございますが、これは萩中公園の付近でございまして、学生集団に対しまして規制をし、逮捕いたしました。逮捕いたした四名を隊員が後方に護送してまいりまして、そこに待機しておりました護送車に乗せるという事態でございました。ちょうどそのとき、道路両側にはやじ馬が多数おりまして、そのやじ馬の中にまじっておりましたいわゆる全学連の闘士たちが、やじ馬の間から出てきて、これが角材その他によってこの護送車を襲ったわけでございます。部隊は前面におりますので、後方を、被疑者を護送車に乗せて護送する途中のことでございまして、この護送車には警察官、運転手と助手二名しか乗っておらなかったというところを、突如多数に取り囲まれたというような実情でございます。当時これにつきましても、やじ馬の中からいつ何どき現われるかもしれないというような——だから、これに対しても護送車を警備していくとなりますと、具体的には一個分隊あるいは一個小隊というものをつけなければならないわけですが、この点にむずかしい点があったわけでございます。この逃げました被疑者につきましては、その後一名は逮捕いたしましたが、まだ三名は捜査中でございます。

門司亮民主社会党

○門司委員 そんなことを聞いているのではないのですよ。そういうことを私はお聞きしているのじゃないのです。こういうものの本質というものは違うのです。一つの戦いです。そこで、取られたものを取り返すというのは、戦いの意識の中には、非常にその意識が高揚するのです。勝ったという意識が。これが私は非常におそれる問題なんです。処置がどうこうというのはあとの祭りであって、戦いの現場というのは、お互いにそのことを考えないと、勝ったか負けたかということを意識してやっておりますから、一応は四人つかまったけれども、これを奪還したのだ、おれたちの力だという、こういう考え方が片方に出てくる。こういう考え方が出てくれば、争いはますます激しくなる。私は、その辺は、よほどこれらの闘争についての戦術というものは考えてもらいたいと思う。羽田の事件にしても同じことです。彼らはやはり自動車を奪ったという、あるいは自動車を焼いてしまったという優越感と勝利者としての誇りから——間違った誇りであろうと何であろうと、誇りであるには間違いないのですが、そういう行動に出るものなんです。だから、こういう点等についても、たとえば人が少し足りないとか足りるとか言っておりますけれども、警視庁にたくさんおまわりさんおいでだし、普通の犯人護送の場合でもかなりのおまわりさんが乗っているわけでありまして、ことにこういう戦いの場所のものには、ひとつ気をつけてもらいたいというよりも、むしろ考えてもらいたいということ。  それから次には、これは事件の本質的な問題でひとつ聞いておきたいのですが、公安委員長、どうお考えになりますか。私は、この前の事件も今度の事件も見て、佐藤総理の外国に行くことを阻止するということが一つの目的である、これが最大の目的であってほかにはないんだというのなら、これは警察側にも言うことですが、佐藤総理がすでに出発して、立ったあとは目的がなくなっているはずなんです。警察の警備の目的もなくなっているし、片方も、何も阻止をするという——デモをするという意思表示の問題は残っているかもしれないが、阻止をするという最大の目的はなくなっているはずなんですね。そしていずれも時間的にいうと、その後にがたがたやっているのです。この辺をどうお考えになりますか。警備のほうもそれ以上——警備の目的は一応総理が出られるだけで一段階ついているはずである。両方とも一段階ついているはずである。そこで、どうしても国民の立場から見ると割り切れないものがある。そんなことをいってけんかをしてみたって、総理はとっくに立っちゃったじゃないかということで、あとの祭りみたいな感じがする。そういうものに対する警備のしかたというものは、ある程度最初の目的から離れたものに考えを及ぼすということがあっていいのではないか。学生の諸君だって、最初からそこにいないなら、警察官になぐりかかろうといったって、警察官がいなければなぐりかかれないのだし、また民衆を相手にしてあばれようとしたって、なかなか簡単にいくものじゃありません。その辺の感じはどうなんです。何が何でもとことんまであれをみんな追っ払ってしまわなければならない、目的はどうでもいいんだ——総理が行ってしまったからということで一応なくなっていると私は考えるのですが、これがあとまでずっと尾を引いて、警察と暴徒——暴徒というようなものとの対峙が残されるということについて、ちょっと割り切れないものがあるのですが、その点どうお考えになっているか、ひとつ聞いておきたいと思います。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 元来ならば、たとえば訪米阻止ならば、立ってしまったあとはまさにあとの祭りということで、十月八日以前におきましては、しばしばそういうことが行なわれましても、総理が立たれてしまったあとは、一種の集会等でだんだん解散するというのが普通であったわけでございます。ところが、十月八日に至りましては、総理が立ったあとが非常な大騒ぎになり、昨日ももちろん総理の立たれる以前にいろいろ相当な騒ぎがあったわけですが、その後もやる。それじゃ、総理が立ったら警察側が全部警備体制を解いてしまえばそれで相手方も解散するかというと、十月八日のあの状態等を見ますと、必ずしもそうでない。あるいはそれがそのまま勢いの余るところ、空港内に乱入するというようなことも考えられる。そしてああいう集団が空港内に乱入するというようなことになりましたら、非常な空港の混乱を起こすというようなことも考えられますので、もちろん、警察側としても所期の目的を達したあとは、できるだけ早く警備体制を解くことの方向で考えなければなりませんが、反代々木系の全学連の諸君のこのごろの行動を見ますと、必ずしも単に訪米阻止ということばかりではなくて、それを機会に相当な事件を盛り上げていくというような意図もあるわけでございます。その辺の意図とにらみ合わせながら警備体制も考えていかなければならぬと思っております。

門司亮民主社会党

○門司委員 大体いまの大臣の答弁のようなことで、いわゆる一つの政治目的があって、単にその手段と機会を総理の外遊に求めた、こういう見方をすれば、そういう見方もできます。私は、あるいはそういうことがほんとうかもしれないと思います。がしかし、そうだとすると、この種の事件というものが、単に偶発的のものでない問題といわざるを得ない。そこで問題になってまいりますのは、これはここで議論しても非常に長くなりますから議論する必要もないと私は思っておりますけれども、率直に言えば、先ほどからお話しのございますように、そうした政治目的のための行動を誘発しなければならないというようなこと自体に、一つの原因がありはしないか。それは、総理がいろいろな事情の中で、国民に十分な理解と納得をさせることができないままにおいでになったということに、一つの原因がありはしないかということが考えられる。しかし、それは善意の解釈であって、行動するものの目的とは違うのだということになりますと、ここには思想的な背景が当然出てくるわけでありまして、その思想的な背景が当然出てきて政治目的のために行動しておるということになれば、いまの学生全体をひっくるめた、たとえば三派とかなんとかいわれておりますけれども、それらの集団を全部ひっくるめたものを一つの対象として考えてよろしいかどうかということ。私がこういう質問をいたしますのは、先ほどの質問の中に破防法適用の問題が出てまいりましたので、破防法の制定等の実態、あるいはこれの効果、あるいはこれの作用というようなことを考えてまいりますと、非常に重要な問題でありまして、私は、いまの学生諸君の中に、ほんとうに破防法の適用をされなければならないような一つの強い意思の中で何人動いておるかということについて疑問がある。したがって、ここでもう一つ大臣に聞いておきたいと思いますことは、あの行動を起こしてまいりました思想的背景が、アナーキストにあるのか、あるいはその他にあるのかということは別にいたしまして、純然たる学生だけの行動とお考えになっておるか、あるいはそうでない、すでに学生としての籍も何もない諸君が、ただ中に潜入してきて、これを扇動しあるいはこれを指導しておるというふうにお考えになっておるのか、その辺もしお気づきであったら、聞かしておいていただきたいと思います。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 いろいろ捜査もし、調査もいたしております。ただいわゆる学生自治会の運動と見ることは当たらないので、どういう形でどうされておるかは別問題といたしまして、何らかの意図を持った一部の、一握りのものではございましょうけれども、一部のものがああいう学生運動に名をかりていろいろ行動を起こさしておるということは、考えていかなければいけないのじゃないかと思っております。

門司亮民主社会党

○門司委員 そうなりますと、これはよけいなことのようで、少し行き過ぎた話になるかもしれませんが、破防法の適用等については、やはり慎重に考えないと、私はあやまちをおかしやしないかという気がいたします。  それから最後に聞いておきたいと思いますことは、ここで自治大臣にこんなことを聞いたってどうしようもないと思いますけれども、やはり政府の姿勢というものがもう少しはっきりした姿勢でなければ、私はいけないのじゃないかと思います。これは総理にしましても、少なくともいま日本の国民で、戦後二十年たってまだ十分に日本国民としての自由と権利を持っていない者が、御承知のように沖繩に約九十七万だと思います。小笠原からこちらに追い返された諸君は約八千かと思います。国後、択捉から追い出された連中が大体一万六千ないし二万と考えて、私はたいして間違いはないと思う。これを全部加えてまいりますと優に百万になるわけでありまして、これらの諸君が一つの民族の闘争として、あるいは民族の一つの大きな悲願としての今度の問題であります。にもかかわらず、佐藤総理は行かれるときに、これは藤枝さんに言うんではなく、佐藤総理に言うべきことばだったと思いますが、帰ってくれば、何か内閣を改造するかのようなことがいわれておる。私は何も、百万の日本民族全体がほんとうに日本国民の取り扱いと権利と自由を獲得するためには、内閣などは三つや四つつぶれたっていいと思います。またつぶすべきだと思っております。そのくらいのものの考え方がなければ、こういう問題が解決するはずがない。にもかかわらず、何か帰ってくればすぐ内閣改造をしてやり直すような、佐藤三選体制をとるんだというようなことは、不謹慎きわまる話だ。民族の立場から考えればきわめて遺憾だと思います。こういう問題がやはり一つの背景をなしておる。これはいなめない一つの事実だと思う。この種の諸君だけではなく、私は全体の中に、国民の中にそういう背景があると思う。こういう問題等についても、ここで藤枝大臣にこんなことを言ったって、それは総理大臣に言えというようなことになろうかと思いますけれども、しかし、少なくとも閣内においでになる一人として、やはり沖繩の、あるいはその他の諸君の問題についてはひとつほんとうに関心を持ってもらいたい。私は一人の自治大臣でも、内閣の閣内でそういうことを強く主張してもらいたい。何も日本国内の政治のことは佐藤さんじゃなければならぬはずはございませんし、だれが総理大臣におなりになろうと、そういうことを、われわれがいまからとやこう言う必要はありませんけれども、少なくとも日本の百万の国民が異民族の支配——世界のどこにこういうところがごさいますか。全部の世界を見渡せば、多少植民地的傾向を持っている英国の連邦国家もありますし、その他の連邦国家等もありまして、多少の、例の植民地政策にひとしいようなことをやっている国がないわけでもございませんが、しかし、どういった小民族といえども独立して自活している。民族自決が国際関係で認められている。その時期に、アジアの先進国だとか世界の大国だとか能書きを言う反面に、百万の日本の同胞が世界に類を見ない取り扱いを受けておることについて内閣の運命をかけるというようなことの、十分国民に理解し、納得させることの意思表示をしないでやっていること自身が私はおかしいと思う。だから、これらの問題についてはひとつ、大臣に要求する問題でもありませんしするが、しかし、この種の問題に関連して、どうしても私は言わざるを得ない。そうして、国内では日本人同士が血を流し合うという——外国に対する全く大きな醜態だと思う。そういう問題について、ひとつ閣内におられる大臣としては、特に治安関係には最も深い関係を持っておられるとすれば、おれが困るからということが言えないことはなかろうと私は思いますし、ひとつそういう意味でも、大臣の所信をこの際聞かしていただくことができれば非常に幸いだと思います。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 お考え方につきましては、私も十分理解申し上げられるわけでございます。政府側としてもいろいろやるべきと申しますか、覚悟をきめてやらなければならない問題があろうと思います。もう一つは、政府として国民全体の方々に十分いろいろな事態を納得していただき、国民の御協力がいただけるような、そういう努力をさらに積み重ねていかなければならないというふうに考えておるわけでございます。

亀山孝一自由民主党

○亀山委員長 小濱新次君。

小濱新次公明党

○小濱委員 私も若干藤枝公安委員長にお尋ねしたいと思います。  今度の問題について、国民は大きな不安をまた一つ持ったわけであります。また地元住民は、いま非常なる恐怖感にとらわれているわけでありまして、時が時だけに、国威を失墜することにも通ずるのではないか、こういうふうに考えるわけであります。近い間に同じことを二回繰り返してしまった。しかも今度のほうが地域住民の被害が非常に大きかったということに対して、やはり何らかの努力の意思表示をしていただかなければならない、こういうふうに思いますが、ひとつお考えを聞かしていただきたいと思います。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 十月八日の事件にかんがみまして、警備体制といたしましてもいろいろ万全を期した次第でございまして、昨日のあの時点におきまして、大鳥居付近においてあのような規制をせざるを得なかった。これは警備の側から言えばやむを得なかったと存ずるのでございますし、また、あそこでやることが全体としては妥当な方法であったと考えます。ただ、その結果地元の方々に非常な御迷惑をかけるようなことになりました。この点は非常に残念に思います。もちろん事前におきましても、町内会長さん、防犯会長さん等にいろいろ連絡はいたしておりましたが、その十分でなかった点は、さらに今後手を尽くさなければならないと思うわけでございます。実は、ことに東大の駒場に泊り込んだ反代々木系の諸君の行動に対しまして、どこでどのような規制をするかというようなことにつきましては十分考慮をいたしたのでございますけれども、いずれにいたしましても、やはりあの地点までは——より以上一般の方々に御迷惑をかけるんではないかという心配もありまして、あの地点を選んだというようなことでございます。今後もそうした点につきましては、十分地元の皆さまの御理解がいただけるような方法と、地元の皆さんの御迷惑を最小限度に食いとめるような、そういう措置はやっていかなければならないと考えております。

小濱新次公明党

○小濱委員 私は催涙ガスについて少しお尋ねしたいのでありますが、新聞によりますと、当日は非常に風がなかったようであります。また曇天でもあったがために、催涙ガスの煙が低く地面をはい、夕方になっても幅五メートルの路上にこもっている。また住民や通行人は、充血した目や鼻の痛みをハンカチでこらえながら、不安そうに二階の窓や路地から、血なまぐさい市街戦を見つめていた、こういうふうに書いてあるわけであります。五メートルの道路で催涙ガスを使った。戦時中はこれはもう秘中の秘であって、非常に危険視されておったわけでありますが、これは用具ということで使用許可になっているようでありますが、どうしてこういうところで使わなくちゃならなかったのであろうか。公安委員長の説明によりますと、先ほどは最善の処置をとったと、このように言われましたし、また、ただいまはやむを得なかった処置であった、こういうことで理解をしているようであります。私どもは、どうしても目や鼻にくるし、またのどにもいきますし、のどに浸透していけば痛みも感じますし、それで倒れていくような危険性も非常にあるわけでありまして、そういう催涙ガスの使用許可の命令を出す時期とその場所というものの見解を誤ってはならないと思うわけですが、私は被害が非常に大きかっただけに、その問題を通して、今後もまた起こり得るであろう、第二次、第三次と続いていくであろうこういう暴徒のふるまいに対して、今後住民の憂いということで非常に心配をするわけでありますが、その点についてひとつお答えをいただきたいと思います。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 御承知のように、催涙ガスそのものは武器ではないわけでございます。しかしながら、やはりただいま仰せのように、いろいろ一般の方々に迷惑をかけるような問題もございますので、武器の使用と同様に、非常に厳重にいろいろ規制をしながら、最高責任者の判断によってそれを使うということをさせておるわけでございます。昨日の事態におきましては、そういう総合的な判断の上に立ちまして、負傷者等を最小限度に食いとめる、また警備の万全を期すという意味において、あの時期に催涙ガスを使ったわけでございまして、その判断そのものは私は決して誤っていなかったと思います。しかし天候のぐあいその他からいたしまして、地元の方々に御迷惑をかけたという点については、非常に残念に思う次第でございます。今後ともガスの使用ということにつきましては、武器に準じまして十分その場所、ところ等を総合判断して適切な処置をするように研究を重ねてまいりたいと考えております。

小濱新次公明党

○小濱委員 武器ではないということでございました。(「兵器じゃないか」呼ぶ者あり)それは見解の相違だと思いますが、そうすると、今後もこの催涙ガスは使われることになっていくわけですね。その点、もう一度お答えいただきたいと思います。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 事態によっては使わざるを得ないことが起こり得ると思います。ただその使用のやり方その他、また現在のような形のものがいいのかどうか、そういう問題につきましては常に研究をいたし、そうして特に地元の一般の方々に御迷惑をかけることのできるだけないように、今後とも研究を重ねてまいりたと考えております。

小濱新次公明党

○小濱委員 三井警備課長は現地におられたのでしょうか。

三井脩警察庁警備局警備課長

○三井説明員 当日現地には参りません。

小濱新次公明党

○小濱委員 現地の指揮官が、この催涙ガスのいわゆる使用命令を下されるのだと思いますが、もちろんそれは本部と連絡をとるでしょう。ですが、どうしてもあそこで使わざるを得なかったのかどうか、ほかにどこか場所がなかったものか、ひとつ考えを聞かしていただきたいのです。課長さんでけっこうです。

三井脩警察庁警備局警備課長

○三井説明員 私はあのときの事態の推移を見ますと、さらに検討の余地もあろうかと思いますが、当時の状況では、あそこで使うのもやむを得なかったのではないかという感じを持っております。

小濱新次公明党

○小濱委員 私はどうしても、五メートル道路の商店街で催涙ガスを使ったということは納得できないわけなんで、その点を聞きたかったわけでありますが、けつこうであります。  先ほどのお話によりますと、地元の住民がシャッターをこわされたとか、あるいはけが人が出たとか、商売ができなかったということは、これはまた考えようがほかにあると思いますが、いろいろと地域住民に対して、その補償の話を持ち込まなければならないような事態が起こっているわけであります。先ほどの話ですと、いま調査中ということでありますが、どちらにしても、シャッターがこわれたのはいつまでも調査中では済まないわけであって、こういう地域住民の補償問題についてはどういうふうにお考えになっておられるか、これは委員長でございましょうか、ひとつお答えいただきたいと思います。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 地元の住民の方々の受けた損害の大部分は——大部分と申しますか、ほとんどは、暴徒と化した学生の投石その他によって生じたわけでございますから、第一の責任者と申しますか、は、それをやった学生たちということになると思います。ただ、だれがどこのものをやったかという立証等はなかなかむずかしいことになるのではないかというふうに考えますが、いずれにしましても、そういうことで、われわれとしては捜査の段階におきましてできるだけそういうことをやり、責任者に責任を負わせなければならぬと思います。ただそれ以外に、やはりガスを使用した、あるいはあの地点でああいう騒動が起こったということに対する有形無形の住民の方々の損害と申しますか、そういうものについて、いわゆる国家賠償責任という意味ではないけれども、何らかのお見舞いをするというようなことにつきましては、目下検討をいたしておる次第でございます。

小濱新次公明党

○小濱委員 今後一そう努力をお願いいたしまして、私の質問を終わります。

亀山孝一自由民主党

○亀山委員長 次に、広域行政に関する問題等について質疑の申し出がありますので、これを許します。木野晴夫君。

木野晴夫自由民主党

○木野委員 私は広域行政、ことに目下継続審議になっております都道府県合併特例法案につきまして、藤枝大臣に対して質疑をいたしたいと思うのでございますが、ただいま公安委員長として報告がございました件につきまして、三百質疑をいたしたいと思うのでございます。  それは、ただいまの公安委員長の報告の中に、産業道路に反戦青年委員会の者が約二千人すわり込んだという話があったわけでございます。反戦青年委員会といいますものは、私も実態はわからないのでございますが、先ほども同じ全学連の中に三派、四派あるという話がございましたが、一体どういった傾向のものであるか、お話をお聞きいたしたいと思います。

三井脩警察庁警備局警備課長

○三井説明員 反戦青年委員会は学生、労働組合の青年部といったような人たちから構成されておりまして、都内等で行動のときには、よく地区反戦——各地区にあります反戦委員会がその傘下団体として構成しておるものであります。この中には、社青同の一派が学生としては入っております。労働青年と学生がその構成員になっておりますので、今回の場合でも、社青同の解放派というのはこの関係で行動をいたしておるわけでございます。したがいまして、先ほど申し上げました、二千五百名が産業道路にすわり込みまして、警察官がこれを規制してようやく立ち上がる、こういうような行動をとった主力はそういうものであろうというように見ております。もちろん、これの指導団体は社会党、総評等の指導を受けておるようでございます。

木野晴夫自由民主党

○木野委員 先般の新聞を見ますと、大柴さんの名前が出ておるのですが、大柴さんという方は、一体、国会議員の大柴さんでございますか。

三井脩警察庁警備局警備課長

○三井説明員 そのように承知いたしております。

木野晴夫自由民主党

○木野委員 時間もございませんので、簡単に申し上げますが、私は今回の羽田事件につきまして、学生運動の名のもとにやっておる。学生運動の名のもとに、と言って悪ければ、学生運動を表に出してやっておる。先ほど門司委員の話の中にも、学生でなかった人がおるんじゃないかということで、全学連といいますと、全部が学生だと思っておりますが、学生でない人もおる。そういった学生運動を表に出しておる傾向があるかと思うのでございます。したがいまして、国家公安委員長においてはひとつしっかりと実態をつかまえて、しっかりと実態を把握した上で何かにつけまして判断していただきたい。このことを特にお願いいたす次第でございます。その点につきまして公安委員長の御意見を聞きたいと思います。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 確かに羽田事件あるいは昨日の事件等を考えますと、いわゆる全学連と称しておりますが、その中で指導的な立場にある者は学生でない者もございます。たとえば現在逮捕されております三派系の委員長である秋山君なんというものは、すでに除籍をされておるわけでございます。したがいまして、そういう学生運動と称せられる中に学生にあらざる者が相当に入っておることは私どもも確認をいたしておるわけでございまして、これらの点については、その実態を十分把握しつつ対処してまいりたいと考えております。

木野晴夫自由民主党

○木野委員 私は、実は先般の羽田事件の際に、社会文化会館というものがあるということは聞いておりましたが、それが社会党本部と同居しておるというふうな話も聞きまして、実は驚いた次第でございます。そしてまた、ただいま学生運動を表に出してということでお話し申し上げましたが、それには学生でない人が、学生を除名になった人が活躍しているということを聞きまして、実は実態をしっかりつかんでいただきたいということを申し上げたのでございます。また大柴国会議員がおるということでございましたが、実はいろいろ考えてまいりまして、暴力を排除することが一番この際大事なことではないかと思うのでございます。特に国会議員といたしまして、私はそう考えるのでございます。国会議員の中にも、人生観も違いますれば社会観も違いますれば、世界観も違う、政治観も違う方、いろいろございますが、私はまず第一に、国会議員といたしまして暴力を排除するということが一番大事であると思って力を尽くしていきたいと思っておるのでございますが、どうか国家公安委員長におかれましては、暴力排除ということにつきまして堂々とひとつやっていただきたい。この点をお願いいたす次第でございます。公安委員長の御意見を……。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 いかなる理由があるにせよ、またどういう思想から発するにせよ、暴力というものは絶対に排撃しなければならぬことは仰せのとおりだと思います。警察といたしましてはそういう観点に立ちまして、暴力の絶滅のために最善の努力をしてまいりたいと考えております。

木野晴夫自由民主党

○木野委員 時間の関係上……。本年は自治法を施行いたしまして二十年、地方自治も内容的に充実して成人期に達したといわれています。また明治百年にあたりまして、いろいろ地方行政の関係でも画期的な時期になっておると思うのでございます。また万国博覧会が開かれまして、大阪並びに各地では、この際府県合併をいたしたいというふうな発言も聞いておるのでございます。私は、地方公共団体の基礎が強化するということは非常に喜ばしいことであると思っておりまして、こういったことの議題になりましたこと、このことを非常に関心を持って見ているものでございます。大臣もたしか、明治百年を迎えてこの府県合併を積極的に取り上げてみたいという御発言がございました。先ほど申し上げました各地の知事の中にもそういった者が出ているわけでございます。この際私は、この特例法に対する自治大臣の気持ちといいますか、考えといいますか、その点をまず伺いたいと思うのでございます。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 確かに日本の社会経済の非常な激変に伴いまして、明治時代から変わっていない現在の都道府県というものがはたして総合行政をやるのに適しているかどうかということは相当検討しなければならない、そうしてやはりもう少し基本的にも大きくする必要があるのではないかというふうに考えているわけでございます。しかしそれと同時に、あくまでこうしたものは地元の発意と申しますか、自主的な合併ということにいかなければならないのだと思います。そういう意味で現在の合併特例法案は、そういう地元の盛り上がる合併機運に対しまして、それの障害となっているものを排除するということを目的としておりますことは御承知のとおりでございます。私は現在の社会経済の情勢からいたしまして、この合併特例法案をぜひ国会において御決議いただき、そうして地元の盛り上がる意欲に対しましてそれを助長するような方向で進めたいということを現在考えている次第でございます。

木野晴夫自由民主党

○木野委員 ただいま大臣から、最近の経済の伸展、地方行政の充実に伴いまして、都道府県を合併する必要があるのではないかということで、理由の御説明がございました。そして、そのやり方も自主的に運用していきたいという話がございました。私は非常にけっこうかと思うのでございますが、理由をいろいろあげますと、多々あると思うのでございますが、すべてにわたりまして議論いたしますのも時間がございませんので、私はその府県合併の出ました理由としましては、消極的かと思う点でございますが、実は大阪のような府県におきまして、途中に大きな指定都市がある、そういった場合に、指定都市が大きくなってまいりますと府県の意味がなくなってくる、そこで府県といたしましても当然に合併をする必要が出てくるのではないか。これはきわめて消極的な意味から申し上げる議論でございますが、そういったような事情も実はあると思うのでございます。先ほど自治大臣のおっしゃられました積極的な広域開発の意味からもあるということは申し上げるまでもございませんが、私の申し上げましたような実情も実はあるのではないかと思うのでございます。そういった面から見てまいりますと、私も正式には見ておらないのでございますが、先般の新聞に大阪都制案というものが出てまいりました。大阪都制案につきまして、私も内容を十分承知しておりませんので議論できませんが、自治省におきましては、すでに内容も持っておられたと思いますし、また御意見も一応あるかと思いますので、大阪都制案のねらいと、それからそれについての考え方を承りたいと思うのでございます。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 このいわゆる大阪の府中合併と申しますか、そういう議論があることは承知をいたし、私ども研究はいたしております。その理由はやはり、いまおあげになりましたような府の中に大きな指定都市がある。それがあるいは二重行政になり、あるいは消極的なギャップができるというような問題も含めて議論されておるように承知をいたしております。ただ現実の問題として、はたして府市合併というようなことが実情に即して妥当であろうかどうか、東京都の例もございまして、いろいろ利害得失があると思います。したがいまして、いまこれをどういう方向づけをしようというようなことは、自治省としてはまだ考えていないわけでございますが、いろいろな御意見をいろいろと研究をしている段階でございます。

木野晴夫自由民主党

○木野委員 大阪都制の問題が出てまいりました一つの根本的な考え方には、現在の府県と市町村とを同じ種類の地方公共団体に見ておる、そこにあるのじゃないかという意見があったと思うのでございます。地方公共団体とそれから市町村、これはどういうふうに考えておられるか。市町村が大きくなれば府県からの仕事を持ってやっているとなりますと、指定都市の問題になってまいります。指定都市になってまいりますと、それだけ府県の権限がなくなってまいるということになってまいります。それで、市町村が地方公共団体としてあるんだ、その上に府県が監督機関としてあるんだという時代もあったと思うのでございます。現在は地方公共団体とそれから府県とが同じ種類の地方公共団体としてあるんだ、こういうふうな解釈かと思うのでございますが、この地方公共団体のうち、府県と市町村はどういうように見るか、これにつきまして自治省の考え方をお聞きしたいと思います。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 地方自治体としてという範疇から考えれば、府県も市町村も同じということになると思いますが、しかし、府県はそれだけ広域的な範囲を持ち、しかもその中の総合的な地方の行政をやっていくという意味と、市町村は直接住民に接してその住民福祉の向上をはかっていくというところに、やはり機能的には市町村と府県との差異が出てまいるというふうに考えております。  ただ、少し先走ったことを申し上げますと、はたして現在のような地方自治法という一つの中で府県あるいは市町村、ことに市も町村毛、その中には大都市も中都市も含めて、そういうものを同じような法制で律することが、はたして日本の経済社会の激変に応ずるゆえんであろうかというような点は、現在実は相当研究をいたしておるような次第でございます。

亀山孝一自由民主党

○亀山委員長 木野君、今後質疑を三十分にひとつお願いしたいと思いますから、そのつもりで質疑を願います。

木野晴夫自由民主党

○木野委員 地方行政の府県と指定都市の関係、この関係で二重行政の何と申しますか、不経済というようなのがあるんじゃないかといわれておりますので、こういった点につきまして、自治省におきましてもひとつ十分に御検討願いたいと思うのでございます。  次に、今回の特例法案は特例法といっておるわけでございます。したがいまして、それなら普通の合併法はどういった形であるか。そうして特例法はどういった点が特例であるか、簡単に説明していただきたいと思います。

林忠雄自治省行政局行政課長

○林説明員 現在継続御審議願っております都道府県合併特例法は、一般の手続に対するいろいろな面での特例を定める法律なので、特例法といっておるわけでございます。一般的な手続というのは、たとえば都道府県の合併そのことをとらえれば、現在は地方自治法で法律でやることになっている。これに対して、その法律でやる道を一般原則として残しながら、自主的な合併をやれるような道を開く、この意味でも特例法にそれを書いた。さらには、普通に合併をいたしますと、たとえば議会の議員がその場で全部職を失う。そのことは合併に対して支障を与えることを懸念いたしまして、ある期間議会の議員の任期を延長する。これも一般原則に関する特例でございます。そういう特例をいろいろ集めまして一つの特例法案というのをつくったわけでございまして、これに対する一般的なまとまった手続があるというものではございません。そういう合併の手続の特例、議員の任期の特例、その他区域の特例その他を集めて特例法案と呼んでいるわけでございます。

木野晴夫自由民主党

○木野委員 その場合に、憲法九十五条の適用はあるのでございますか。

林忠雄自治省行政局行政課長

○林説明員 この法案自体は、一般的な制度として、特に、たとえば大阪なり和歌山の合併に関する法案、あるいは愛知、三重、岐阜の合併に関する法案というものではございませんので、この法案自体は憲法九十五条の適用はございません。

木野晴夫自由民主党

○木野委員 合併特例法案は憲法九十五条の適用はないということは承知いたします。一般の合併の場合は九十五条の適用はあるかどうかでございます。

林忠雄自治省行政局行政課長

○林説明員 従来あると解釈されております。

木野晴夫自由民主党

○木野委員 九十五条に「一の地方公共團體」とありまして、これは一つの地方公共団体じゃなしに、あるという意味でございますか、それとも、一つのでございますか。

林忠雄自治省行政局行政課長

○林説明員 ある特定の、具体的の、という意味でございます。一つには限りません。

木野晴夫自由民主党

○木野委員 それでは、たとえば首都圏整備法というのがございますが、あれは九十五条の適用はありましたでしょうか。

林忠雄自治省行政局行政課長

○林説明員 首都圏の法律につきましては九十五条の適用はなかったと記憶しております。それは、考え方としては、首都圏のうちの特定の地方公共団体というものに適用する考え方ではなく、首都圏という一つの区域に適用する法律だという考え方に立ったものと記憶しております。

木野晴夫自由民主党

○木野委員 一つの地方公共団体に適用される場合には九十五条の適用がある、一つの地域と見た場合には適用しないでいい、したがって、おそらく首都圏の場合も近畿圏の場合も適用はなかった、こういう解釈かと思います。地域だからいいんだということでございますが、府県合併の場合も、たとえば三県なら三県、それに適用あるのだからということで、この地域に適用あるということでこれを適用しないでいけるのだというふうな解釈はございませんか。

林忠雄自治省行政局行政課長

○林説明員 具体的に三県を廃して一つの県を置くとなりますと、大阪府なり奈良県なり、具体的な県を廃止するということで、したがってそれは、単なる地域だけの問題でなくて、公共団体の存廃に関係する問題ですので、その「一の公共團體」に適用があると読まざるを得ないというふうに従来考えられておるようでございます。

木野晴夫自由民主党

○木野委員 いまの地域の解釈で、首都圏の場合、近畿圏の場合、その場合には地域だからいいんだ、いまの三県合併の場合には、県がなくなるからこれは関係あるのだということでございますが、やはり一つの網をかぶせるということにおいては同じでありまして、地域の観念ということにつきましては、私、多少疑問があるのでございますが、三県の場合にもそれと同じように適用しなくていいのじゃないか、こういうように読みたいということで質問いたしたものでございます。北海道開発の場合には適用あったのでございますか。念のためにお聞きいたします。

林忠雄自治省行政局行政課長

○林説明員 私自身はっきり記憶しておりませんが、何か、なかったという話でございますが、かりになかったとすれば、おそらくこれが北海道という公共団体そのものへの適用でないと考えたものではなかったかと思います。  なお、たとえば、私の所管でありますれば、奄美群島が返りましたときの奄美群島特別措置法、これも地域の振興をはかるあの地域としてとらえたものであって、鹿児島県の一部ではありますけれども、鹿児島県という地方公共団体のみに適用するというふうには考えなかった。それで住民投票を行なわなかったのであります。

木野晴夫自由民主党

○木野委員 時間の関係もありますので質問をやめますが、私は、地方公共団体の最近の成長発展、国の発展から見まして、そしてまた、時期も明治百年、地方自治二十年の青年期に達した時期でもございます。こういった時期から、この際いろいろ検討してみるという時期でもあると思いますので、前向きでひとつ検討していきたいと思っておるものでございますが、ただいまこの法案にありますとおり、地方公共団体の自主的な発展にまってやるんだというところにこの法案の非常な意義もあるんじゃなかろうかと思いますので、どうかこの問題につきまして、いろいろ住民の間の意見もありましょうし、利害得失もあるかと思うのでございますが、前向きで検討されることを希望いたす次第であります。  これで質問を終わります。

亀山孝一自由民主党

○亀山委員長 次は、依田圭五君。   〔「いまのは法案の審議か。どういう関係があるのだ。君も法案に関係のないところでやれよ。」と呼ぶ者あり〕

依田圭五日本社会党

○依田委員 私は、法案に関係ないということで、同じようにこの問題について御質問申し上げげます。おもに区長公選問題に関連して自治大臣並びに担当の局長にお尋ねしたいと思います。  最近、区長の問題が非常に各区で混乱をしてまいりまして、ひどいところはもう半年以上もきまっておらない、お話にならない状態であります。ちょっと例を申し上げましても、渋谷区が百五十五日、大田区が七十九日、世田谷が百二十五日きまっておらないのであります。練馬区のほうは、六月から始まっていまだに見通しが立たない。二、三日前の様子ではまた白紙に戻った。その隣の文京と新宿も、もう二カ月以上たっておりますが、まだきまっておりません。一体こういうような状態に対して、地方制度調査会、都政調査会におきましても、すでに区長は公選にしなければならぬ、こういうことを答申いたしております。また昭和二十七年ごろ——私は速記録を読ましてもらいましたが、ここにおいでになっておる門司先生はじめたくさんの委員が半年以上審議しまして、この間接選任の問題は憲法違反だから、これは重大な問題なんだと言って、口をすっぱくして議論されてまいりました。ようやく三十八年でありますか、最高裁で垂水裁判官は、これは少数意見を保留といいますか、附帯意見をつけておりますが、どうにか合法だというていさいを最高裁判決で出しておるわけであります。しかし、これは政策問題、立法技術の問題であって、憲法解釈の問題ではないから、できるだけ早く公選制にすべきであるということを、裁判官がその判決理由の中でいっております。もちろん、一審の地裁では、憲法九十三条違反だから話にならないという判決を明瞭に出しておるわけであります。それで飛躍上告を起こしたといういきさつがあります。こういうように、東京で一千万以上にふくれ上がりました膨大な人口をかかえておる各区の区長というものがきまらないところがたくさんにある。これから続々出てまいります。目と鼻の先の都庁に総務局なり行政部がございますが、これはもうほんとうに、距離からいっても、いろいろな点の連絡からいきましても、自治省が本腰を入れてこの問題に対処すべき時期がとっくに来ておる。こういう時点におきまして、まず大所高所から、ごく最近の情勢を踏まえて、自治大臣が区長公選問題をどのように処理されようといたしておるか、これをお聞かせ願いたいと思います。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 区長の選任がいろいろもめまして、いまおあげになりましたように、なかなか区長がきまらないというような事態で、いろいろ区の行政に支障がありますることは、私ども承知をいたしておるわけでございます。いまおあげになりましたように、自治法の改正によって区長を間接選挙にするときにもいろいろ御議論のありましたことは、承知をいたしておりまするし、また、そうした理由はそれなりにあったわけでございます。しかしながら、現在のような状態になりますと、これをどうすればいいのか、ただその区長を公選にすればすべてが終わるということではないのじゃないか。やはり東京都というもの、この大都市の行政をどうするか、また、特別区というものをどういう性格を持たせるか、そういうこととあわせてこれを検討すべきであるという意味において、目下検討をいたしておるような次第でございます。

依田圭五日本社会党

○依田委員 大臣の御答弁でありますから、非常に敬意を払うわけでありますが、内容のほうは、もう十年前の本委員会においてこの問題が提案され、質問されたときに御答弁になりましたのといつも同じなんです。大都市行政の一貫性から、各区の公選問題とからめて、この調和点をどう探すか、現在慎重審議中であります、調査中であります、こういう答弁が当局によって年じゅうなされてきております。もうわれわれは聞きあきておる。もうそんな状態ではない。実際どの区もきまらないで混乱しておる。ひどいところは警察まで入っております。こういうような状態の中で、もう少し具体性を持った対策というものが——きょうは行政局長がおいでにならぬというので非常に残念でありますが、何か調査中であるとか、その対策を考えているとか、おざなりの答弁でなくして、もっと具体的に、いまの東京の実情を踏まえて、一体どうしたらよろしいか、これをもう一度突っ込んで、ひとつ御決意のほどをお聞かせ願いたいと思います。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 十年一日のごとき返事だとおっしゃいますが、東京都そのものの社会経済情勢というものは、もうその十年前と非常な違いを持ってきて、そうして、どうしても大都市問題というものの解決をはからなければならない、そういうとき、また、先ほどお話がございました広域行政というような問題の解決をしなければならない、こういう事態を踏まえますと、やはり区のあり方、都のあり方、あるいは都と区とどういう事務の配分をするか、そういうものを一方において考えながら、区長の公選というものがはたしてそれに適応するかどうかということを突っ込んで研究をし、考えているという段階でございます。

依田圭五日本社会党

○依田委員 最高裁の判決の中に書いてありますように、百万に近い、また膨大な面積を持っておる、しかも利害関係の対立をしておる世田谷あるいは足立、そういった大きな区が、いまだに地方公共団体ではない、であるから憲法九十三条の二項による直接公選の首長を出さなくても憲法違反ということには相ならないのだという意味合いのことを、非常に苦しく言っております。その根拠にするのが、昭和二十二年、都制の発足当時、また自治法の一部改正で二百八十一条が改正されまして、区長の選任が間接になりました当時の東京の実情を根拠にいたしておるわけであります。二十年当時はまだ東京は三百万。二十七、八年当時でせいぜい五、六百万程度であります。いまはすでに一千万をこえております。なおまた、事務、事業の移管が、これは佐久間局長の時代からすでに実行に移されてまいりましたが、膨大な量が区に移管をされまして、自治体としてはもうたいへんな内容、力を持っておる。もちろん課税権、立法権、一切のていさいを整えております。こういうような状態の中で、まだ二十七年当時の、しかも憲法違反が騒がれておるそういう当時の実情を相変わらず想定いたしまして、まだ一貫性がどうのとか、あるいは都区の問題がどうのとか、こういうことでは、私たちは納得できない。もう実情からいっても、実情がこういうことであるから各区で混乱をいたしておるわけです。ですから、昭和四十二年のいま、一千八十万という実情の上に立って、その力、課税権あるいは立法権、そういったものをやっておるのです。わずか一万か一万足らずの大島その他はみんな完全自治体であって、いまだに世田谷が不完全な自治体である、まだ行政区なんだ、行政区に近いものなんだという言い方は、もう納得できない。ですから、そういうことをも含めて、練馬問題に入る前に大臣からお答え願いたいと思います。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 確かにおあげになりましたように、当時とは非常な違い——一千万をこす大都市と申しますか、過密都市、そこで、それでは一体そういうものを、東京都ということで一体化をはかるために特別区を不完全な自治体にしておいていいのか、あるいは、それでは特別区というものを市町村と同様の完全な自治体にした場合に、一千万をかかえる、ことに広域行政等がいわれておるときに、そういうことにすることが、はたして東京都の行政運営というものをよくするか、これは相当考えなければいけないものだと私は考えるわけでございます。  もちろん、一面において、特別区というものを独立させ、市町村並みにして完全な自治体にするということのほうが、行政の能率があがるのだという言い方もあろうと思います。あるいはまた、東京都というものは、ことに二十三区は一体として考えなければ、なかなか広域行政の面からいって支障が多いのではないかという議論もあろうと思います。そういう点を都市問題全体としてどれが最も地域住民の福祉に合うのかという観点から見ていく、そうして、そういう観点からまた区長の公選というものの是非を考えていかなければならないということで、十年一日のごとき返事だと仰せられますが、実は現在の東京都というものを踏まえて、どうしてもそういう点において解決をしていかなければならないという熱意を持ちまして研究を進めておるわけでございます。

依田圭五日本社会党

○依田委員 私がお聞きしたいのは、その熱意を裏づけする研究の内容を聞きたいのであって、そういう内容を少しもお話しにならなくて、十年一日のごとき御答弁だけでは、この問題をここで繰り返してやってもしかたがありませんので、次の質問点に移っていきます。  練馬がいまちょっと新しいことを始めました。従来、二百八十一条の三によりまして、区長の選任というのは、知事の同意を得て区議会で選任することできまっておりますが、選任方法について具体的な規定がないために、各区がいろいろくふうをいたしております。一つは公募方式、一つは一部抽出をいたしまして、世論調査のような形での抽出方式というようなことをやっておりますが、どれもこれもなかなか満足するような形が出てこないというので、この六月に、練馬におきましては、いろいろ問題がありました区でありますが、住民に対して直接投票をしてもらいまして、どのような候補者がよろしいかということを住民に選定させる。しかし、そのことを、現在の法律と抵触をいたしますので、法律の範囲内でやろう、ですから百条に基づきます権限に関連をいたしまして、条例をつくってその中に委員会を置いてやっていったらどうだというような話が出まして、それが具体化してまいりました。練馬は、御承知のように、非常に公法学者あるいは弁護士さんといった人の多いところでありまして、その人たちに御意見を聞きながらやっておるわけであります。東京における目ぼしい学者は全部ここに集まっているような形が結果的には出ておりますけれども、そういう中でやってまいりましたが、手続上なかなか区長の代理者はやらない。そこで、各党が話し合いまして、手続上これを直接請求の条例制定要求という形に、自治法の七十四条でありますか、これを援用いたしましてやることになりましたが、その手続の一つとして、まず直接請求の代表に専修大学の大島教授を予定いたしておるわけです。その大島さんに対して、条例の手続上代表の証明書を出してもらいたいというようなことを区に対して要求をいたしましたところが、区は都に、都は自治省に対して、公文書が往復いたしております。それを、手元にありますので一通り読んでまいったのでありますが、一口に言うと、条例制定事項でないからまかりならない、キャンセルさせなさいという意味の行政指導が行なわれているわけであります。  私は、まず、これに対して、この直接請求の代表者の資格証明を出すことは、届け出なのか、許可なのか、認可なのか、確認行為なのか、この法律上の性格をここで明確にお答えを願いたいと思います。大臣から。

林忠雄自治省行政局行政課長

○林説明員 これは法的性質の問題でございますので、いま大臣の御命令を受けましてお答え申し上げます。  法的な性格といえば、確認行為に属するものであると考えます。

依田圭五日本社会党

○依田委員 確認行為ということになれば、一体その要件は何ですか。あなたのほうは、練馬区の区長代理者に対してどういうような指導をしたのですか、指導の内容についてお答えを願います。

林忠雄自治省行政局行政課長

○林説明員 この問題につきましては、いま依田委員のおっしゃいましたように、二度、三度、いろいろな問題につきまして御相談も受け、さらに文書照会もいただいたわけであります。それによりますと、まず一番最初のころと申しますか、九月ですが、こういう趣旨の条例が条例として制定できるかどうかという趣旨の御質問がございました。それに対しまして、現在の法律の体系上、区議会に区長の選任権がゆだねてある、したがって、それを拘束するようなことを制度としてつくることはできない。これは従来どおりの解釈でございますが、それをお答えしたわけであります。  ところが、その後に今度は、一つの条例制定事項でない問題につきまして直接請求が出た場合の取り扱いについて照会があったのであります。条例制定事項でないものについての直接請求の取り扱いというのは、実は法律、政令、どこにも書いてありません。法律、政令は、当然、条例制定事項であるものについて直接請求が出ることを予想してつくられているわけであります。したがって、このないものについての御照会につきましては、自治省に昭和二十四年当時の先例がございまして、条例制定事項であるものについて代表者証明書の交付申請が出た場合には、それはそういう制定ができるものであるかどうかの確認だけの意味でございますけれども、条例制定事項でないものについてのそういうものが出たときにどう取り扱うかという問題につきまして、昭和二十四年に自治省としての考え方が出ておりまして、これは、条例制定事項でないものについては、直接請求権というものもないのであるから、その交付申請を受理すべき限りでないという回答が出ておりますので、その回答に準じまして、設問のケースが条例制定事項でない場合は受理すべき限りでないという考え方をお伝えしたのであります。

依田圭五日本社会党

○依田委員 実は、重要な直接請求というものが国民の基本的な権利に関連をいたします問題でありますから、大臣に聞きたいのですが、非常にこまかな問題にも関連いたしますので無理だと思いますから、局長の答弁がほしいのですが、きょう、どういうわけかあなたのほうで御答弁いただくので、どうも不満でありますがやむを得ないと思います。  そこで、ちょっと聞きますけれども、二十四年にどうのこうのという行政実例でありますが、その内容について、簡単に一言でいいですからあて名と、それから発信者、それから、もちろん大臣名でありましょうけれども、事実上の起案者、それから内容をお答え願いたいと思います。

林忠雄自治省行政局行政課長

○林説明員 実は二十四年の実例、いま手元にまいっておりませんので、それはすぐ調べさしてお答えいたします。

依田圭五日本社会党

○依田委員 私のほうで若干——私もあまり調査能力がないからやりませんけれども、これは福岡県のある村長に対して、昭和二十四年に、全然思想上の問題でどうにもならぬ特別のことを聞いてきたのです。それに対して自治省の当時の行政課長が通達で出しておるのです。今回の問題には引用できないのです、内容からいって。今回の問題は違うのです。これは一千八十万も直接関係のある、しかも、もう昭和二十七年当時から憲法違反の問題で最高裁までいっておる問題なんです。当然あなたは、行政実例だから、これは条例制定事項だからその限りではないと言うて練馬区長代理者に対して指導をいたした。それに対する根拠はたった一つの根拠だ。九州の福岡県の村長に対して、内容は全然違うんです。あなた、これは一番大事な問題だからここへ持って来て、一番前に置いてもらわなければ困る問題なんです。それが、いま行政官庁の根拠なんです、私の知っている限りでは。受理さしてやったらどうです。四十万近い区民の直接請求のあれじゃありませんが、どこに区議会の選任権の侵害のおそれがあるのですか。

林忠雄自治省行政局行政課長

○林説明員 その質問に対する回答というのは、現在起こっておる問題に対する価値判断について示したものではないつもりでございます。条例制定事項でないことについての直接請求の取り扱いという意味で同断であると考えたので、その示した理由は、それぞれのケースでいろいろ違うのではないかと考えた次第でございます。

依田圭五日本社会党

○依田委員 それがまずいのですよ。そういうことを言うから、われわれは自治省を——ぼくらは委員会におって自治省に対してはたいへんな信頼をつないでおるわけです。そういうことをおっしゃるからこういう質問をしたくなっちゃうんです。価値判断がどうのこうのといって一般的な指導をして、そして具体的に、このケースがこれを受理すべきケースであるかどうかについては、練馬区の寺本某という代理者の、あなたの判断ですよ。自治省の責任じゃないですよというのがあなたの言い分だと私は思うのですが、それじゃまた反論しますが、もしこの二十三区の中で、どの区でも同じようなケースでもって受理させて、直接選挙をさしたらよろしいのですか。また練馬区の問題ができ上がりますよ。自治省はそのときに傍観しておりますか。関与していくでしょう、何かの形で。かまわないですか。はっきり答弁してください。

林忠雄自治省行政局行政課長

○林説明員 もちろん、起きた問題に対してそれぞれのケースによって当省の考え方をそのときにきめるつもりでございますが、この件に関してはそのように扱ったのであります。

依田圭五日本社会党

○依田委員 私は、仮定の問題について御質問しているんじゃないのです。これはその場のケース・バイ・ケースでもってやっていくというお答えでは納得できないのです。どこの区でもあるのです。ぼくの区にもあるのです。隣の新宿区でもあるのです。もうどんどん見えておるのですよ。ですから、もしあなたが、自治省は関係はない、練馬区において、条例制定事項で、あとその判断をその代理者がしたならば受理してもよろしいのですかどうか、明瞭に答えてください。

林忠雄自治省行政局行政課長

○林説明員 これと同様の趣旨のものであれば、それはそういう判断が間違いだと考えております。ただし照会がなくて、それぞれの区において判断される場合に、そのできてきた状態についていろいろ区のほうと相談し、指導申し上げるということはあるかと思いますが、現在ほかの区でどのような動きがあるかよくは存じませんけれども、それによって全く同じケースについての判断であれば間違いである、こういわざるを得ません。

依田圭五日本社会党

○依田委員 あなたは行政課長ですよ。よその区がどういう状態であるかよく知っていてもらわなければ、貴重な時間を費やしてこういう質問を私はしませんよ。あなたが一番知っていると思うから、無理してここで質問をしているのですよ。大体同じような場合には拒否をしているというのですね、結局。拒否するようにあなたのほうは指導をいたしましても、あなたのほうに責任はないのだな。実集にやるのは各区なんですね。区の当事者がこれを受理したら、一体どうなりますか。そのことを聞いているのです。受理したあとの発展について自治省がどういう指導をするのかと聞いているのです。裁判でも起こしますか。

林忠雄自治省行政局行政課長

○林説明員 受理してその手続がかりにあったといたしましても、そのもとに瑕疵があれば、その手続の問題には有効無効の論議が当然出てくると思います。それにはそれで、それぞれの機関が争うことになるのではないか。ただ、行政指導といたしましては、私どもとして初めに瑕疵のある問題について手続を進行するというのは、むだな経費とむだな時間を使うことになりますので、そうしないように指導するということになるのではないかと思います。

依田圭五日本社会党

○依田委員 結局、自治省か自治大臣が裁判を起こすより手がないのですよ。問題は、裁判を起こしても勝てますか。どうなるかわからないのです。憲法九十三条に、住民の選挙によって首長は選ぶべしということが書いてあるわけです。最高裁でも、少数意見ではあるけれども、はっきりとその点については保留がついているわけです。こういう案件を、あなたのほうで裁判の当事者になってやりましても、これはわからないのです。私の言いたいのは、裁判の結果がどうであるよりも、そういう状態になって、もしも自治省が負けるようなことがあったら、大臣が負けるようなことがあったら、一体どうしますか。腹を切っても追っつかないですよ。ただそういう政治的な実情を踏まえまして、展望しながら、いまじんぜんとしてこれに対して手を打たない。これに対して相談をしない、もっと調査を進めて具体的にいろいろなこともやってもらえない。ですから、区民のほうがおこっているわけです。もう各区におきまして、区長が半年や一年きまらないのは常識になっています。自治省のほうへくると、こういう区長制の一貫性から、都区の問題から、目下研究中だ、こういう答弁しか出てこない。これは裁判する以外にないのです、権力的な介入じゃないのだから。自治法の二百四十五条以下に、国と地方団体との関係が規定してあります。この問題は、決して権力的な介入はできないのです。地方団体の事務については、地方団体が判断をするのがこれはたてまえなんですから、そういう問題について、なかなかいまの、民度いいますか、この時代におきましては、わりあいお上の御意見というものが通るから、アメリカなんかと違いまして弱い。これは地方団体と政府との間の訴訟判例があります。行政課長はそういう盲点において巧みに——私はちょっと言い過ぎがありましょうけれども、区を、特に練馬に対して行政指導をいたしてきたと、私はあえて申し上げたいくらいの気持ちを持っているわけです、実際からいって。もっと極論すれば、じゃ社会党の議員なり、共産党の議員なり、革新系の議員が、区議会の議場において、議員提案したらどうなりますか、そうして成立したらどうなりますか、そのときにどうしますか。

林忠雄自治省行政局行政課長

○林説明員 私のほうは現在の区長の選任方法が万全である、これで間違いないと思っているわけではございません。これに固執しているわけではございません。したがって、それに反する動きを意図的に指導したつもりは毛頭ございません。ただ法律問題として考えたわけでございます。それで法律問題は最終的には裁判所において決定が下されることは当然でありますが、裁判所ていく前に、行政機関として、行政機関みずからの法律解釈に従って指導もし、解釈を下すのは、これは当然であると思います。それが疑問がある場合には訴訟によって解決を受けるようになるかと存じますけれども、そこに至る前に、行政機関が自分の解釈を持って、それによって指導をするのはあたりまえであると思います。現在特別区の区長の選任について、議会において選任権を持っておる場合には、おっしゃるような条例を選考手続としてつくるということが違法であるか適法であるかということについて、いろいろな御見解をお持ちだと思いますが、当方では自活法にこういうふうに改正したときの経緯その他から考えまして、その選考手続を条例として制度化することは法は認めておらない、こういう解釈によって進んでおるわけでございます。ですから、いまの最後の御設問の、もし直接請求ではなくて、議員提案としてこれが議会に出、それが成立したらどうなるかということでございますけれども、もちろん現在国として権力的にこれに関与する方法はない。しかし、違法な条例が地方団体の議会に成立した場合には、これに対する手続がまた自治法中に書いてございます。区長の再議ということは義務づけられておりますので、これをしたものかどうだろうかという相談があれば、すべきだろうとお答えすることになると思います。それも実は区長から知事に行き、最後には、なお見解が合わない場合には、違法かどうかについて裁判所が結論を下すように、これも自治法に書いてございます。

依田圭五日本社会党

○依田委員 違法かどうかというのは、あなた簡単に言うけれども、これはむずかしい問題なんです。あなたの解釈では違法だと言っておるのです。住民側の解釈、特に公法学者の一致した解釈は、違法ではないと言っておるのです。あなたが行政官として、自分がそのように判断をしてそのような指導をすることは、それはかってなんですよ。ただ、それには相当な説得力が伴わなくてはならない。われわれも含めて、ごもっともだという感想を与えるような行政指導をしなければ、それは単に押しつけになるのです。高圧的な権力の乱用にも近いものになってくるのです。全部反対しておりますよ。私は一々ここでもって日本の代表的な学者の名前をあげたってしかたがありませんけれども、みなそういう見解を持っておるのです。それはあなたは自治省の行政課長ですから、絶対の権威と自信の上において御発言になる、それはけっこうであります。そのように措置をなさるのもけっこうでありますが、客観的には権力的関与でないから、裁判でもって黒白を争う以外方法はないのです。負けたらどうするかと私は言っておるのです。勝ち負けは問題でないのです。そういうような状態にまで放置しておく政治責任について、私はあなたにお聞きしています。これは大臣に対して聞くべきでありますが、前後の事情もありましょうし、行政課長が自治省ではこの問題をやっておるわけですから、ここではけっこうです。せめて局長に聞きたかったのですがね。その政治責任をどうするかということを私はあえてお聞しておるのです。  こまかな点にもう一ぺん突っ込んでお聞きしますけれども、この問題が出てまいりましたのは、選任の方法に具体的な規定がないということが原因なのですね。ですから、私は一つの提案をここでしてみたいと思うのです。これはすでに二、三学者の中で言われておるのですが、区議会の選任権に何らの影響を与えない区民の意思の調査、現実には三十万人おれば三十万人の投票をやります。二、三百万の金があればできるのですから、カンパニアによってもできますし、あるいは適法な費用の支出によってもできます。また、それがいけないという反対の区民があれば、監査請求を住民の権利としていつでも提起できるわけなんです。監査請求はできるわけですから、そのことによって間接的にまたこれは証明されるわけです。また区長のほうで再議に付することもできるわけなんです。いろいろの方法があるわけです。この百条に伴う調査の委員会、これは区議会の独自の委員会をつくって、その結論に何ら拘束をされないで、区議会が独自の権限でもって区長を選任をする。一方では全然区議会と関係のない合法的な形でもって調査委員会だけ——調査ですよ、区長選任じゃありませんよ、また区長の推薦じゃありませんよ。世論の調査の委員会を区の独自のお金でもって、手続でもってやるという委員会を百条で設置をいたしたい、こういう場合に対する行政課長の御指導の方向をひとつここでお答えを願いたいと思います。

林忠雄自治省行政局行政課長

○林説明員 ある権限をある機関にまかせたという、自治法中にいろいろございますが、このまかせた場合は、一応法律上ではそのものが一〇〇%フリーハンドでこれを決定する自由を与えた、こう考えなければならないと思います。たとえば知事に副知事の選任権を与える場合に、知事はこれと思う人であれば、もちろん一定の年齢とか日本国民であるとかいう条項はございますけれども、その適格条項に当たる人間であれば、これと思う人間を持ってきて議会に出す自由がある。それをその事前に知事は副知事をこういう人から選ばなければならないというような、もし拘束を与える制度であれば、それは制度として成立する余地はない。これは依田委員も御同意だと思います。したがって、議会に何らの拘束を与えない調査ということをいまおっしゃったと思いますが、ある機関にある権限を与えられている場合に、それに事実上影響を与えるような陳情とかあるいは推薦とか、そういう行為が行なわれることは当然でございます。これは全く自由でございます。しかし、事実上の影響を与えるにしても、それが制度としてつくります場合は、全く影響を与えないとおっしゃいますけれども、全く影響を与えないものはまた制度として無意味でございます。制度として何らかつくる以上は、法的な拘束を与えないけれども、事実上の拘束を与えるとか、事実上の影響を与えるといったことが目的になっておると思います。そういうものを事実上の陳情、調査その他の活動としておやりになることについては、法は何ら制限はございませんけれども、一つの制度としてつくられることについては法は認めてない、こう考えております。ですから、いまの御設問の、そういう調査をなさるということについては、これは議会の権限といいますか、事実上の行為でございますから、何ら法的な問題はございませんが、そういう調査をしてある結論を出す目的で委員会を設置する条例をつくるということになりますと、これは制度をつくることになり、その制度は、全然拘束を与えないというのは制度として意味がないと思いますので、そこに矛盾を生ずるのではないか、そう考えております。

依田圭五日本社会党

○依田委員 あと一点です。とにかくそういう包括的な、全く最大限に概念内容の広いお話を伺いますと困まってしまうのですよ。何だって法律的には関係ないけれども、事実関係で影響を与えない制度、そんなものがありますか。これはそういう意味でいえばもう全部そうですよ。そんなことをこの貴重な時間を費やしてこんな場所であなたにお話をお聞きするとは実は私は考えなかったのです。大島代表のあれに対して練馬の寺本という代理者がキャンセルいたしておりますが、これは施行令の九十一条によって資格認定だけ確認をすれば出さなければならないのじゃないですか。前の問題にちょっと触れますけれども、どうなんですか。

林忠雄自治省行政局行政課長

○林説明員 これは先ほどお答えしたところでございまして、また非常に機械的な答弁とおしかりを受けるかもしれませんが、条例制定事項についてのみ直接請求権が与えられておるので、その前提の上での確認行為でございます資格認定でございます。これはあるいは御質問の外にわたるかもしれませんけれども、私自身も、直接公選が悪い、これにさせたくない、こういうような趣旨でやっておるのではございませんで、現行法としてはこう解釈するよりしかたがない、したがって、もし直接公選にする場合は、立法措置をとってやるしか現在方法がないのであろうというふうに考えております。

依田圭五日本社会党

○依田委員 ぎりぎり決着のところで、立法措置以外に方法はないという課長のお話が出ましたから、ここで打ち切りますが、最後に大臣に。とにかくお話にならない実情になっております。どの区もどの区も、スムーズに、はい、きょうやめまして、次の人をきょうきめましたという区はないわけです。しかもどんどん人口はふえて、面積も大きいものですから、利害関係その他ローカル的ないろいろの事情がふくそうしてきておる。地方自治がやはりサービスの行き届いた、親切な、きめのこまかな、人間生活の原始的な意味における最も重要な組織であり、団体であり、基本的な権利であるという規定をされて、その上に九十三条の地方自治の理念がうたわれておる。こういう状態の中で、世田谷のように膨大な人口と面積を持ったものが、いまだに地方公共団体でないのだという規定のしかたから、いまの制度が行なわれておるわけです。もう各制度調査会、全部区長は公選にすべきであるという答申を行なっておる。こういうような現実を踏まえて、私最初の第一問に戻りますが、この際、ひとつ大臣の前向きの御決意のほどをお聞かせを願いたい、こう思います。それをお聞きして、この質問を終わりたいと思います。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 現実の区長の選出につきましていろいろ問題があり、長い間空席になっておるというような事態から、住民にいろいろ迷惑をかけておるということは、率直に認めるわけでございます。そういう意味で区長公選ということは、一つの前進と申しますか、であろうと思いますが、繰り返すようですが、やはりこれは東京都全体をどうするかという問題とからめていかなければならない。区長公選にすればすべての問題が解決するということではないと思いますが、いずれにしましても、地方におきまして、相当論議をされておることでございますから、この問題については積極的な取り組み方をしたいと考えております。

依田圭五日本社会党

○依田委員 ひとつ区長問題にほんとうに積極的に取り組んでいただくよう、こういう質問を何度もする必要のないような状態に早くなるよう要請いたして、質問を終わります。

亀山孝一自由民主党

○亀山委員長 華山親義君。理事会の話し合いで、ひとつ三十分程度でお願いいたします。

華山親義日本社会党

○華山委員 三十分ということでございますが、よけいなことも入りましたので何ですが、三十分で切り上げるようにいたします。  私が要望した質問以外にお聞きいたしたい。先ほど木野委員から御質問がありましたが、これを繰り返すようなことはいたしませんけれども、社会党は学生のこのたびの行動に対しまして何か責任があるように警察当局はお考えになっておりますかどうか、それを明確にお答え願いたい。   〔委員長退席、久保田(円)委員長代理着席〕

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 どういうことか存じませんけれども、反代々木系の全学連のあのような暴動的な行動について、社会党が責任を持っているというようなことは全然考えておりません。

華山親義日本社会党

○華山委員 次に伺いますが、一昨年でございましたか、公共事業を景気の回復のために繰り上げて実施するというふうなことで、現地の地方の公共関係の職員、特に技術職員が非常に労働を強化された場合があります。それからまた、これはその場合のみならず、社会施設等における婦女子の人が足りないために、超過勤務、宿日直等におきまして、労働基準法から見まして毛非常に問題があるということを私が指摘いたしまして、これに対する処置をお願いしたのでございますが、そのときの大臣——いまの大臣でいられたかどうか存じませんけれども、労働基準法等々の関係についてはよく研究して、労働強化等のことにならないようにいたしたい、こういう答弁をされた。いま公務員部もできたのでございますけれども、自治省におきまして、あるいは公務員部におきまして、地方公務員とこの労働基準法との関係につきましてどういうふうな研究をしていらっしゃいますか、お伺いいたしたい。

鎌田要人自治省行政局公務員部長

○鎌田説明員 お答え申し上げます。  地方公務員につきまして、労働基準法の適用が原則的にあるということは御案内のとおりでございます。特に勤務時間の関係につきまして、例の労働基準法三十六条の規定の適用があるということは、原則的にはそのとおりでございます。ただ、労働基準法第三十三条第三項の規定によりまして、公務のために臨時の必要がある場合は、第八条第十六号の職員、要するに行政事務を行なう官吏、公吏その他の職員ということでございますが、については、この規定にかかわらず、超過勤務をさせることができる、こういう規定がございますので、三六協定がなくても一般の行政職員には超勤がさせられる、こういうことに相なっておるわけでございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 相なっているということを聞いているのじゃない。私はそんなことは知っていますよ。ただ、あのときに大臣が、そういうことにつきまして地方公務員の労働強化ということはないように今後とも十分に検討してまいりたい、こういうふうに言われたから、私お聞きしている。公務員部というものは、世の中の一般の人が考えるように地方公務員を何か圧迫するようなことのためにできたのじゃないでしょう。地方公務員の福祉の向上に立って相当の力をいたさなければならないと思います。それで、労働強化の面につきまして、いまあなたがおっしゃったとおり、労働基準法では規定がしてある。そういう面から一体どういうふうなことを——お答えになってから弔う二年もたっている。どういうふうなことをなすったかということをお聞きしておるのです。

鎌田要人自治省行政局公務員部長

○鎌田説明員 ただいまお話がございましたように、地方公務員の勤務の状況というものにつきまして、常時調査をし、適切な指導を行なっていく、これは申すまでもなく公務員部の基本的な仕事の一つでございます。そういった意味合いにおきまして、常時私どもといたしましては調査をし、適切な指導をいたしているところでございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 抽象的にはそういうことでございますが、いまおっしゃいました三十六条の協約、これは各地方団体において結ばれておりますか。

鎌田要人自治省行政局公務員部長

○鎌田説明員 率直に申しまして、この三六協定が結ばれておりますところは、いわゆる公営企業に関連しては結ばれているところがほとんどだというふうに承知をしております。ただ、一般職の職員につきまして、いわゆる三六協定というものの締結状況というものにつきましては、ただいままでのいわば行政庁の指導方針、考え方というものが、いまの労働基準法の三十三条の三項の規定によりまして、いわゆる一般的な公務に従事する、こういうものにつきましては、三六協定によらないで超過勤務を命じ得るのだ、こういう考え方に立っておったものでございますから、全般的に三六協定というものが結ばれているという状態には相なっておらないようでございます。たとえば、いま私手元に持っておりますところでは、秋田県あたりでございますと、一般職員についての三六協定というものが結ばれている、こういう状態でございますが、全般的にそういうものが結ばれているという状態にはまだ至っておらない実情でございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 部長のお話によると、三六協定というものは、ほかの条文があるから無意味のものであるというふうにも聞える。しかし、法律にはちゃんと書いてある。三六協定を結ばせるようなそういう指導はいままでなすっていないのですか。

鎌田要人自治省行政局公務員部長

○鎌田説明員 全般的にその面での指導というものを明確にいままで打ち出してまいったということはないと思います。ただ、最近こういった事例に関連をいたしましていろいろ問い合わせがございます。そういったものにつきましては、私ども適宜適切な指導をいたしている、こういう状態でございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 とにかく労働基準法に規定のある協定なんですよ。それが行なわれていないということがおかしいのであって、公務員としては、自治省としては三六協定の締結ということを推進すべきじゃないのか、その点について伺いたい。

鎌田要人自治省行政局公務員部長

○鎌田説明員 その点は、実情が千差万別でございまして、私個人の経験をもってしましても、私はある県で管理者を、最近まで総務部長、副知事という人事管理の立場にあったわけでございますが、やはり病院につきまして三六協定が結ばれないままに超過勤務を命じている、こういう事実が判明をいたしまして、急遽直してまいる、こういうことを私自身がやったようなぐあいでございまして、まことにお恥ずかしい次第でございます。基本的には、それぞれの地方団体の人事管理当局というものが労働法規、人事関係法規というものにもっともっと習熟し、マスターしなければいけないだろうという気がいたしておるわけでございます。私のつたない経験も含めて申し上げておるわけでございますけれども、自治省といたしましても、さらにそういった面での指導に遺憾のないように期してまいりたいと思う次第でございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 いままでの答弁によると、もう全然労働基準法というものと地方公務員ということについて強い関心を自治省は持っておられない、こういうふうに言わざるを得ないわけでございます。  それから、ただいま一般職員、こう申されましたけれども、一般職員以外の職員、そういうふうな人々、社会施設の職員、現場の土木職員、そういうふうなものは三六協定以外のものというふうにお考えになって、これは当然労働基準法が適用されるというふうにお考えになっていますか。

鎌田要人自治省行政局公務員部長

○鎌田説明員 そのとおりでございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 私はここで実情を申し上げたいと思います。山形県に、これは新潟県も同様だと思いますけれども、山形県に大災害があった。復旧をしなければいけない。その結果、今日までもう約二月半ばかりに相なりますけれども、現場の土木職員、山林関係の職員、それから農業災害のための職員、この連中は連日連夜超過勤務をしております。統計によりますと、二百二十時間、実働百八十時間の超過勤務をやっている。そして最近あまりにひどいので、これらの職員をすべて身体検査をしました結果、約七〇%はさらに細密の検査を要するということに相なった。一斉に職場を休んだのはただ一日しかない。毎日一時、二時までの勤務をしている。こういう状況です。しかも、これらの職員は黙々として働かざるを得ない。これらのことは、一体何によって黙々として働かなければいけないのか、何条によってやらなければいけないのか、伺いたい。

鎌田要人自治省行政局公務員部長

○鎌田説明員 基本的には、先ほど申し上げました労働基準法第三十三条第三項の「公務のために臨時の必要がある場合においては、」云々という条文がございます。この条文が働いてまいるという理解をいたしております。

華山親義日本社会党

○華山委員 山形県におきましては、いち早く労働協約を県庁職員組合がしております。その協約の内容は、原則として月に四十時間、特に必要のあった場合は六十時間、六十時間以上の超過勤務はこれはしないという協約になっている。こういうふうな場合、特にその中では、土木職員は現場職員として扱われている。こういう場合には一体どうなるのですか。この法条の適用は、現状に対しましてどういうふうな措置がなされるものでしょうか、伺いたい。

鎌田要人自治省行政局公務員部長

○鎌田説明員 いまお伺いいたしました範囲におきましては、やはりいまの三六協定がある場合、こういうことになるのだろうと思いますが、三六協定があるわけでございますので、その時間内についてはこれは当然問題がないわけでございますが、これをオーバーする場合は、やはりこの三十三条の三項の規定の適用を受けて仕事をしておるのだ、こういうふうに理解をいたす次第でございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 現場職員はどうですか。

鎌田要人自治省行政局公務員部長

○鎌田説明員 現場職員につきましても、「官吏、公吏その他の公務員」という表現になっておりますので、同様である、こういうふうに考えます。

華山親義日本社会党

○華山委員 それはあなたの言われるとおりだと思うのです。したがって、地方公務員、あるいは国家公務員も入るでしょうけれども、あなたの言われたとおりとすれば、まことに労働基準法というものの保護を受けておらないということになるわけです。そういうことでいいのか。労働基準法の第一条に、私はここで読むのをやめますけれども、人間らしい生活をさせると書いてある。地方公務員もこの例外ではあるまいと思うのです。二月半もの間、毎日一時か二時でなければ帰れないということは、人間らしい生活ではない。必要がもるからといって、官庁がかってにこういう勤務をさせるということは、私はどうかと思うのです。それで私申し上げますけれども、私の県では、このことにつきまして労働組合に対して協約があるけれども、協約以上のことをしなければいけないということで、労働組合に対して了解を求めている。労働組合といたしましても、つらいけれどもその了解に応じて、一応私は労働基準法の労働の筋道は通していると思うのです。あなたの言われるとおり、そういう協約があっても、三十三条があるからかってにやっていいのだなんという解釈はしませんよ。そこに、自治省の公務員部というものは感覚が少しずれているのではないか。そういうふうな協約があるならば、管理者は労働組合に対して了解を求めてやるべきだということをどうしてあなたは言わないのか。黙ってやってもいいのだというふうなものの解釈では、私は、公務員部としての地方自治体の職員の福祉を守る立場じゃないと思う。山形県のほうのやり方のほうがいいと思いますか。いまあなたがお答えになったほうがいいと思いますか。

鎌田要人自治省行政局公務員部長

○鎌田説明員 全般的に、労働基準法というものを公務員についても適用ありとせられる面につきましては、これが的確な適用をはかっていくべきである。その面について指導を強化していくということは、先ほど私個人の率直な反省も含めまして申し上げたところでございます。ただ、ちょっとここから議論になるかもしれませんけれども、私は、やはり災害等の場合に、一応この場合は職員団体であろうと思いますが、職員団体あるいは労働組合と一々相談をしなければ超過勤務が命ぜられない、これはいかがなものであろうか。一方においては一日も早い救援、災害復旧というものを待っておる被災者がいるわけでございますので、この場合こそは、やはり三十三条第三項の規定によって、任命権者がき然として超勤を命じてもらいたい。もちろん、それに対応する手当その他の給与の面で考えるべきことは当然だと思うわけでございますが、その場合に一々話し合いをしてやらなければ災害復旧に私は行くのはいやだ、こういう体制は、服務の体制としては私はおかしいのではないかという気がいたす次第でございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 私はそういうことを言っているのじゃない。やはり公務員は公務員としての責任を持っているわけです。災害のときに、労働協約があるからといって勤務しませんなんということは言えるものじゃない。そこに労働組合の良識があるわけだ。地方公務員としての良心がある。したがって、あなたの話によると、そういう協約があったってかまわないからじゃんじゃん命ずればいいのだ、こういうふうに言われるけれども、一応は組合に話をすべきじゃないのか、こういうことを言っているわけなんです。どうなんです。法律でもってただ割り切ってしまうというものの考え方、どうなんです、大臣に対し伺いたいのですが、大臣も何か副知事さんの御経験がおありのような状態ですが、どうなんですか、その点。法律があるから何でもやればいいんだ、こういうことで労使の間の関係というのはうまくいくものでしょうか。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 法律的な筋としては、公務員部長からいまお答えしたとおりだと思います。ただ、職員に、ことに災害の場合等にほんとうに一生懸命働いてもらうために、管理者側が職員団体によく納得のいくような話をするということは、これはけっこうなことでありまして、別に法律をたてにとって何でもやるという意味で公務員部長はお答えしたわけではない。それは、やはり管理者と組合側との平素の、何といいますか、接触その他によるものだと考えております。

華山親義日本社会党

○華山委員 現在県庁職員組合では、とにかく災害であるから、ひとつ県庁のほうの仕事の模様によってやるということには、不同意は示しておりません。しかし、現実に現場の職員は、もはや耐えられない状態なんです。労働組合も、この間に入って非常な苦慮をしておるわけです。私は、できるかできないのか別問題といたしまして、そういう実態というものをよく知っていただきたいということなんです。県庁職員組合とか、地方公務員の組合とかといえば、ただめちゃくちゃなことを言ってストライキをするんだなどというふうなものじゃありません。そういうことで、あなた方はやっぱり地方公務員を保護する、そういう立場かものの考え方が、私は必要だと思うのです。先ほどお聞きいたしますと、まことに困った実態、たとえば話は変わりますけれども、一時的災害といったって、これはほんとうに一時的のことを考えているんだと思うのですよ。これが二月半も続いて、今後査定の終わるまで幾ら続くかまだわからないのですよ。そして、今日七〇%は医師の精密な診断を要するというふうな実態になっている。決して地方公務員は、あなた方お考えになっていないかもしれませんけれども、そんなめちゃくちゃに労働者とか労働組合の権利ばかり主張しているわけじゃない、こういうことをよく認識していただきたいために、私は申し上げているわけです。それで、こういうふうな実態があった場合に、私は考えるのですけれども、ほかの公共団体なり、あるいは国なり、そういう面につきましての一時の手助け、そういうふうなものは行なわれてはおりますけれども、やはり制度としてお考えになっておく必要があるんじゃないか。その点につきまして、大臣どうでございましょう。あんまりひどすぎる。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 確かに大災害等が起こりますと、その地域を管轄する地方公共団体の公務員の諸君が、非常な労働過重になることは、御指摘のとおりだと思います。これをどう緩和していくか、もちろん、その地方公共団体としてもいろいろ考えていただかなきゃなりませんが、制度として、たとえば、他府県からの応援というふうなものが考えられないかというお話でございます。なかなかむずかしい問題でございます。応援の処置、たとえば自衛隊の災害派遣というようなものは考えられますが、他の地方公共団体から手伝わせる、それも制度的にやるということについては、なかなかむずかしい問題を含んでおると思いますが、しかし、全体のこうした大災害のときに、政府としてどういうことをやらなきゃならぬかという問題等を含めまして、そういう政府職員が臨時にその仕事を手伝うというようなことは、何らかの意味で考えていかなければならないんじゃないかと思います。

華山親義日本社会党

○華山委員 人によっては、そういうふうな設計等を民間に出したらいいじゃないかという話もあります。県でもそれをやったようでございますけれども、民間に委託するということでは、大体において査定が通らない。民間のある委託を受けた人は、査定が通らないということで責任を感じて自殺をしたという話があります。自殺をしたということは事実なんですけれども、そのためなのかどうか、私本人に聞いておるわけじゃありませんからわかりませんが、そういうふうにいわれておる。そういうふうに県庁の職員は現場に、また市町村には能力がありませんから、市町村に出てみんなやっておる。長い間家庭を捨ててやっておる。そういうふうな実態というものを考えていただかなくてはいけないと私は思うのです。  それから、もう一つ申し上げますが、土木の職員は、現場職員で、一般職員じゃありませんから、その点だけよくお考えおき願いたい。地方の建設事務所の職員は、現場の職員で、労働法規の適用が違いますから……。  もう一つその点について伺いますけれども、社会施設に勤めておる婦女子で、宿直が毎日のように続く。その人をかえようと思ってもかえられない。これは法規に基づきまして、基準監督署に届け出をしなければならない。基準監督署は、婦女子の深夜労働を一週間のうちに四へんも五へんもやらせるということについては、そういうことをやってはいけないという指導を当然いたします。しかし、県庁では人がいないからとれない。そういうふうな実態です。しかし、これにつきましても、労働組合は何ともしない。本来ならば、労働組合は拒否できるはずです。単に公務員のためならば、現場の職員でも、一般職員でも、何でもかんでも超過勤務は幾らやってもいいんだというふうなことを考えていらっしゃらないでしょうけれども、そういうふうにもあなたの御答弁はとれるわけです。そのことにつきまして、これはいろいろ定員の関係もありましょうし、給料の関係もあるでしょうけれども、地方公務員のそういう超過勤務、深夜作業につきまして、特に調査を進められまして、そしてこれに対する適切なものの考え方をしていただきたい。公務員部ができたのですから、そのくらいのことをしなければ、公務員部は恨まれるだけですよ。ちょっといやみになりますけれども、ひとつそのことを申し上げまして、私の質問を終わります。大臣、ちょっとそのことについて御答弁を願っておきたい。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 確かに地方公務員は、ことに災害時等におきまして、非常な労働強化になりまする場合がございます。そういうことにつきましては、私どもも平素から十分地方の実態を把握しながら、適切な指導をしてまいりたいと考えます。

久保田円次自由民主党

○久保田(円)委員長代理 山口鶴男君。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 最初に事務的なことをお尋ねしたいと思いますが、共済組合の長期給付の問題でありますが、長期給付の組合の掛け金率の改定は、組合会が定款の変更をすることによって成立すると思いますが、そのとおりでございますか。

鎌田要人自治省行政局公務員部長

○鎌田説明員 組合会を設置しております共済組合については、おっしゃるとおりでございます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 大臣にお尋ねしたいと思いますが、地方財政計画では、地方公務員の共済組合の長期掛け金について率を引き上げることを予定して、地方財政計画にその見積もりをいたしている、こう承知をいたしているわけです。ところが、いま御答弁ありましたように、定款を変更することについていろいろと問題があるようであります。その問題の解決策といたしまして、自治大臣の権限でございます共済組合法の附則三十三条による告示をいたしまして、この紛争を延期をする、こういう御意思はございますか。まずお伺いしたい。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 本年十一月三十日で切れますあれを変更する告示を出す所存はございません。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 その点はあとでまた議論するとして、たいへん遺憾な御答弁でありますが、一応聞きおいておきましょう。あとでまた議論をいたしたいと思うのです。  事務的なことをお伺いいたしますが、地方の職員共済千分の四十二を四十五に引き上げる、負担金も千分の五十七を六十二・五に引き上げる、こういう結果が財源率の再計算で出ておるというふうに聞いております。しかし、当衆議院の地方行政委員会でも、この点は議論いたしました。また、参議院の予算委員会の分科会でも、この問題について議論をされたようでありますが、予定利率は五分五厘、しかし現実には六分以上の運用利率でこの運用がされている、こういう現実を聞いているわけであります。そういたしますと、その予定利率と運用利率との差によって、地方公務員の共済、数たくさんございますが、運用利率が予定利率を上回ったことによって、このよけいな収入と申しますか、これは全体でどのくらいになりますか。

鎌田要人自治省行政局公務員部長

○鎌田説明員 四十一年度のこれは概計でございますが、約百億でございます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 昭和三十七年の十二月一日から実施をされたわけですね。今日までの累計は、一体幾らになりますか。

鎌田要人自治省行政局公務員部長

○鎌田説明員 ちょっとそこまでの資料の持ち合わせがございませんので、後刻、概算になると思いますが、調査をいたして御報告いたします。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 それは私はたいへん遺憾だと思いますね、いまの御答弁は。  それならば、次いでお尋ねいたしましょう。今回財源率の再計算をやりました場合、本年の五月二十三日の山本委員の質問に対して、再計算をする場合は、すべての要素を織り込んで再計算すると言っていますね。この再計算の場合に、予定利率と運用利率の差の金額は織り込んでおるのですか。

鎌田要人自治省行政局公務員部長

○鎌田説明員 予定利率は政令の定めるところによりまして五分五厘で計算をすることになっておりますから、いまおっしゃいました五分五厘をこえる部分の利益というものは、再計算の基礎には入っておらない、こういうことでございます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 おかしいですよ。私は再計算なしていく場合の利率を何も六分にせよと言っているのじゃないのですよ。再計算をする場合には、すべての要素を考えて再計算するとあなたは言っておりますね。そうでしょう。そうすると、三十七年から今日まで運用利率と予定利率の間に差があって、相当な収益があった。四十一年度だけでも百億あった。当然数百億という金額になるでしょう。そういうものが剰余金としてあるわけです。そうすると、その剰余金というものがこれだけある。予定したよりこれだけふえる。その剰余金を次の再計算の際には、これだけ要る、しかし剰余金がこれだけあるということで算定するのが当然じゃないですか。すべての要素を織り込むということは、そうでしょう。私が聞いているのは、そういうことですよ。

鎌田要人自治省行政局公務員部長

○鎌田説明員 運用利率を幾らにするかということではございませんで、五分五厘ということできまっている。それを前提として計算をいたしておるわけでございますので、いまの点は、それ以外にやりようはないのじゃないかというように考えております。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 いまの答弁はおかしいですよ。参議院の予算委員会分科会の資料をあなた方持っていますか。持っていなければ、私は言いますよ。山本議員がその問題について質問しています。で、それにつきましては多くなるわけでございますが、再計算の結果というのは、将来のことすべてを計算するわけであります、こう言っているのですから、今日まで剰余金があれば、そのことも含んで当然財源率計算のときにはそれを考えなければおかしいじゃないですか。そういうことをはっきり答えているのですよ、あなた方のほうは。

鎌田要人自治省行政局公務員部長

○鎌田説明員 いまの剰余金というのは、剰余金ではございませんで、これは御案内のとおり責任準備金、将来の給付に対する引き当て金に相なるわけでございますので、これだけ剰余金というものを見込んで再計算をするというのは、いかがなものだろうと思います。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 責任準備金を予定していますね。運用利率が高いために、その金額がふくらんでくるわけでしょう。そのふくらんだ利率というものは、当然すべて織り込むという中に入るのじゃないですか。

寺本力自治省行政局公務員部福利課長

○寺本説明員 その再計算と申しますのは、今後におきましてどれだけの費用が必要であるかということを計算するわけでございます。したがいまして、これまで出てまいりました剰余金というものをその計算の要素に入れるということはいたさないわけであります。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 私の聞いていること——どうもおかしいですね。それじゃ違った角度から聞きましょう。それじゃ、今度掛け金率が上がりますね。それから負担金率も上がりますね。それで地方公務員の共済組合関係、一体幾ら金額がふえるわけですか。十二、一、二、三の四カ月間ですね。

寺本力自治省行政局公務員部福利課長

○寺本説明員 負担金にいたしまして、全体で約二十億でございます。それから、掛け金にいたしまして十五億でございます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 とすれば、三十五億でしょう、合計が。ところが、昭和四十一年度においては、さっき言ったように百億からの、とにかく財源率計算で計算をして、そうして準備金が積み立たるわけですな。その予定した準備金以外に百億ふえているわけでしょう。そうじゃないですか。とすれば、今回掛け金を上げたところで三十五億しか影響がないとすれば、この会計全体の上からいって、上げぬだってりっぱに済むじゃないですか。どうですか大臣。これは小学校の算術だ。

寺本力自治省行政局公務員部福利課長

○寺本説明員 先ほど申し上げました負担金と掛け金の増の額は、これは本年度十二月から三月までのものでございまして、これを平年度にいたしますと負担金で六十一億、掛け金にいたしまして四十五億、こういうことになるわけです。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 私はそんなことを聞いているのではないですよ、平年度幾らになるなんてことを。百億あれば三十五億を補って十分おつりがあるでしょうと聞いているのです。どうですか。

寺本力自治省行政局公務員部福利課長

○寺本説明員 現在の財源率の再計算におきましては、ベア分等の不確定の要素につきましては計算の根拠に入れておらないわけでございます。したがいまして、今後のものを計算いたします場合にも、そうしたものにつきましては計算をいたしておらないわけでありまして、したがいまして観念的なものの言い方になると思うのでありますけれども、やはりそうしたものを含めましてものを考えておる、こういうことでございます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 あなたがそういうことを一言えば、私もまたいままでの議論を繰り返しますよ。山本質問に対して、再計算をするときには、すべての要素を考える、こう言っているのです。とすれば、確かに財源率計算ではベースアップのことは考慮していないでしょう。ネグってるんですからね。とすれば、再計算の時点で非常にそのために会計に穴があいたということになれば、あなた方だってそれを考慮しないわけにはいかないでしょう。そのことも考え、それから運用利率と予定利率の間に数百億の剰余金があったとするならば、それも考えて、再計算のときにその要素も織り込む。これが会計全体をあずかる立場の当然の責務じゃないかと私は思うのですよ。そうでしょう。それではベースアップのために膨大な穴があいたらどうするのですか。あなた方はそういうことには一切かまわずに財源率を計算するのでしょうか。

寺本力自治省行政局公務員部福利課長

○寺本説明員 そういうことも含めまして、実は五分五厘という予定運用利回りというものがきめられておりまして、そうしてそれを上回るものを責任準備金の中に織り込んで積み立てておる、こういう実情になっておるわけであります。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 そういうのは詭弁ですよ。ですから、会計をあずかる者とすれば、財源率で計算をした計算が合っていけばいいじゃないのですか。片方でベースアップのためにマイナスの要因があるとするならば、片方でこの予定利率と運用利率を考えましてプラス要因がある。差し引きましてプラスの要因があるならば、排け金と負担金率を上げるのは、四月一日までだって三十五億ですから……。それは百億に比べてですよ。とすれば、何もこれを強行する必要は全くないじゃないですか。大臣、どうですかこのことは。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 いろいろいまお話がございましたが、結局運用利率の違いが準備金として積み立てられる。いわばそういう過去の蓄積をこの再計算のときに食いつぶすというようなことは、こういう制度としてはあまり好ましいことではないのじゃなかろうかというふうに私は考えるわけです。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 私は、食いつぶすということを積極的にやれと言っているわけではない。しかし、大臣も認めているように、また国会の議決にもありますように、とにかく長期給付、短期給付でも非常に高いのがあることは、大臣御案内でしょうね。そういう組合員の掛け金の負担が非常に重た過ぎるということは、大臣も認識しておられるのじゃないですか。そうして、片や相当な蓄積がある。何も無理して上げぬでも、それを補って余りある蓄積というものが現にある。そうした場合に、しかも会計自体に大きな影響を与えるというなら別ですけれども、会計自体が何もそのために回らなくなるというような事態ではない。そうした場合には、当然この組合員の負担というものも考えて善処すべきではないですか。この前の委員会のことばをもってすれば、善導すべきじゃないですか。その善導を、私は冒頭にも質問申し上げた大臣の告示を延ばすという形ではやるべきじゃない、かように私は言いたいのであります。何かそれに対して特に差しつかえがあるのですか。大蔵省なら大蔵省が文句を言うのですか。

鎌田要人自治省行政局公務員部長

○鎌田説明員 ただいま大臣から御答弁申し上げましたように、掛け金率の改定は、これから昭和四十二年の十二月一日から先に向けての掛け金率の改定であるわけでございまして、その過去の蓄積ということが適当であるかどうかは存じませんが、そういう蓄積があるから、それでもって全部埋めたって掛け金率を上げなくてもいいではないか、こういう議論にはならない、これはいま大臣が申し上げたとおりでございます。しからば、これから先の掛け金率というものをどういう前提に立って計算をするかということになりますと、やはり五分五厘の利率というものを上げるということには問題があるわけでございましょうし、かたがた先ほどからも話が出ておりますようなベアというものを見込んでない、将来の不確定要素を見込んでおらない、こういう面があるわけでございますので、その点はやはり五分五厘ということで計算をして今後の掛け金率というものをきめていかざるを得ないのではないか、そういうふうに考える次第でございます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 参議院の議事録ですがね。山本委員がそういう予定利率と運用利率の議論をやった上で、志村説明員ですね、すべての点を計算に入れるんだと答えているんですよ。そうすると、この議事録を一体自治省はどう考えられるのですか。

鎌田要人自治省行政局公務員部長

○鎌田説明員 そのすべての点ということでございますが、すべての点と申しますのは、やはり掛け金率に影響を及ぼす職員のいわゆる脱退率でありますとか、あるいは失権率でありますとか、あるいは給与の月額でございますとか、そういうもろもろの要素ということを言っておるわけであって、過去のいわゆる剰余金というものがどうだということまですべての要素という中には入らないんじゃないかというふうに理解しております。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 私はそんな解釈を聞いているんじゃない。とにかく、そういう議論をやったあとはっきり答えているんですからね。鎌田さんがお答えになるのは私はどうかと思うのですが、とすれば、この際おりましたのは自治大臣と、それから自治省では行政局長ということになるわけですから  財政局長もそのときおいでだったようですけれどもね。志村さんを呼んでいただきましょう。委員長、志村さんをお願いしますよ。とにかく、国会において、参議院において答えておるのといまの答えとは全く違うんですよ。これじゃ議論になりませんね。志村さんを呼んでいただきましょう。

久保田円次自由民主党

○久保田(円)委員長代理 連絡をとります。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 じゃ、この問題はおきましょう。  大蔵省の給与課長さんがお見えだと思いますのでお尋ねしますが、国家公務員のほうは昭和四十四年に再計算をするわけですね。としますと、この時期はちょうどあれでしょう、厚生年金、国民年金のやはり再計算の時期になっているわけですね。とすれば、地方公務員と国公その他の問題がばらばらになっている。特にこの問題については、長期給付については二〇%厚年と同じように国庫資金を入れたらどうだという議論もあるわけです。とすれば、その時期に合わせるために、とにかく地方公務員の掛け金率はくぎづけしておいたって、いまの議論のように、財源の計算には会計には穴があかないですからね。それまで待つという気持ちは大蔵省ではございませんか。待っても大蔵省は文句は言わないか。

津吉伊定大蔵省主計局給与課長

○津吉説明員 お答えいたします。  大蔵省といたしましては、まず法制制度上の問題を申し上げますと、地方公務員共済につきましては、御承知のように、警察、文部、自治というような主務大臣がございますが、主務大臣の認可のもとに定款が変更されまして、掛け金率が変更されるならばされるということになってございます。その主務大臣は、自治大臣に対しまして協議をするということになっております。その際自治大臣が協議を受けました場合には、われわれ大蔵大臣のほうの意見をお聞きになるというシステムになっております。したがいまして、制度上はその定款の変更の内容、あるいはその要不要が判定できる実態がわかりますまでは、これはいかんとも形式的な御答弁はできないという点が一つでございます。  それからもう一つは、私、中途で参りまして非常に恐縮でございますけれども、先ほどの予定利率と現実の利回りの問題につきましては、これはすべて脱退差損でありますとか、あるいはベースアップによる差損というようなものを総合して勘案いたしまして、御承知のように、反面には、公的年金制度全般につきましては、五分五厘という予定利回りを、一応はとっておりますという点の反面も考えまして、予定利回りに対して、現実の利回りがかりに上回っておる。しかしその反面、脱退差損が出ます。それから、ベースアップによる差損というのが非常に大きく出てまいります。  御参考までに申し上げますと、われわれ国家公務員の場合におきましては、昭和三十四年の一月一日から、現業が共済年金の制度に入っております。非現業は三十四年十月一日から入っております。それぞれ法律の規定によりまして、少なくとも五年ごとに再計算しなければいかぬということになっておりますので、それを三十九年にやったわけでございます。三十九年にやりました際に、予定利率に対しまして、連合会だけで例を申し上げますというと、現実の利差益は十九億何がし出ております。しかし、反面、脱退差損等の不足が十四、五億出ておるのです。さらに、ベースアップの分につきましては、四十数億の差損が出てまいりまして、総じて計算をいたしますというと、連合会では四十数億のマイナスが出たわけでございます。しかし、これを、先生すでに御承知のように、財源率として反映をさせまして、掛金と国の負担金——もちろん公経済たる国の負担金と事業主たる国の負担金でございますけれども、その負担金とによって分けていくわけですが、財源率全体として見ますと、そのマイナスが千分の零コンマ以下になっておったわけでございます。したがいまして、そういう予定利率と現実利回りの差益というものと、脱退差損、ベースアップによる差損というものも全部総合いたしましたが、財源率として千分の零コンマ以下であるということで、それは無視して三十九年には計算をしております。ところが三十……(山口(鶴)委員「いいです、聞いておらぬことはいいです。時間がないのだから」と呼ぶ)そういうことで、要するに全部総合して考えておるということでございます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 五月のときには、何かなったばかりでというので、津吉さんには、たいへんおどおどお答えになっておったようですが、きょうはたいへん勉強されてきたと見えて、質問しないことまでお答えいただいてたいへんありがとうございました。時間がないのですから、あまりよけいなことにお答えいただかないでけっこうです。  そうすると、いまのお話では、そういうものも考慮したと言っているのですね、大蔵省のお答えでは。問題は、財源率にあまり響いてこなかったからネグレクトした、こういうお答えのようでしたが、とすれば、当然このことを考慮しておやりになったって差しつかえないということになるだろうと思うのですが、そういう立場で、大臣どうですか。百億もおつりがあるのに、三十五億の影響に何もそんなにこだわることはない。大臣のお答えをいただきたいと思います。

寺本力自治省行政局公務員部福利課長

○寺本説明員 御命令でありますので、お答えさせていただきますが、これは財源率の再計算を国共はすでに三十九年にやっておりますので、その後におきまして、前のこの計算とその再計算の結果との比較をしてみるわけであります。その分析を国共でおやりになったものと、そういうぐあいに考えております。したがいまして、私のほうでもこの再計算が終了いたしました定款変更が行なわれた暁におきましては、それを比較検討いたし、そういう分析をする考えでおります。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 有能な大臣がさっぱりお答えにならぬで困るのですけれども、じゃ、また法律で議論したいと思いますが、結局この再計算については、五年ごとに再計算をするということが書かれているだけなんですね。これだけでもって、上げろとか下げろとか法律には書いてないでしょう。そうですね。しかも定款でもってきめるわけですね。かりに、私は聞きますけれども、指定都市共済の中で定款が変更できなかったらどうですか。それはそのまま従来どおりの掛け金でいいわけですね。この点ひとつ大臣のほうからお答えいただきましょう。

鎌田要人自治省行政局公務員部長

○鎌田説明員 事務的な問題でございますので、私からお答えさせていただきたいと思います。  ただいまかりにということで指定都市共済について定款の変更ができなかった場合にはどうなんだというお尋ねでございます。御案内のとおり、現在の掛け金率は昭和三十七年の十二月一日から地方公務員等共済組合法が施行になるその時点におきまして、掛け金率を、本来ならば、現在ここで問題になっておりますようなもろもろの要素を勘案した計算根拠の上に立って掛け金率がきめられるべきものであったわけでございますけれども、何分にも制度発足早々の間でございまして、そういう資料というものが得られないということから、自治大臣の告示をもって、腰だめでとりあえず告示をもって率を定めた、こういう歴史的な経過なり背景なりがあるわけでございます。したがいまして、これはすみやかにこの地方公務員等共済組合法第百十三条第一項第二号の規定の定めるところによりまして、本来の計算に基づいた掛け金率というものが定められなければならない、こういうふうに考えておるわけでございます。  ただいまのお尋ねのように、告示の期限が切れる。そこで定款の変更もできないという事態になりますというと、明らかに地方公務員等共済組合法第百十三条第一項第二号というものが予定をいたしておらない状態、言うなれば、この法律に違反をしておる状態というものがそこには現出をしている、こういうふうに理解をせざるを得ないわけでありまして、そういう違法の状態というものを解消するために適切な措置がとられなければならないというふうに考える次第でございます。当然それまでの掛け金率で済まされるということにはならないのだろうというふうに考えます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 適切な措置というのは一体どういうのですか。先ほど華山委員から、この問題とは別ですが、公務員等の姿勢の問題についてお尋ねがありました。十分話し合いでやるというのがたてまえだと思うのです。そうすると、適切な措置というものは、結局この組合会で定款変更もできなかったということになれば、当該の組合と相談をするなり、あるいは理事者側のほうと懇談するなりということであって、職権告示というようなことを、まさか自治省はお考えになっていないと思うのですが、適切な措置とは一体どういうことか、お答えしていただきます。

鎌田要人自治省行政局公務員部長

○鎌田説明員 ただいま申し上げましたような前提に立ちまして、私どもといたしましては、これは何も自治省のために、自治大臣のために掛け金率を上げるとか下げるとかいう問題ではないのでございまして、それぞれの組合において将来にわたって長期給付の財源というものが赤字を生じ、後世代の者が高い負担にあえぐということにならないように掛け金率を改定をしてまいる、こういうことでございますので、当然そういう見地に立ってそれぞれの組合会におきまして善処されるのではないかというふうに思うわけでございますし、また善処されない場合におきましては、やはりその段階におきまして、私どもといたしましても、法律制度上考えられる措置をとってまいらなければならないだろうというふうに考えます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 最後がどうもちょっと気になりましたけれども、具体的にはどういうことなんですか。法律制度上とるべき措置とはどういうことなんですか。

鎌田要人自治省行政局公務員部長

○鎌田説明員 仮定の状態で議論をするわけでございます。現実に議決ができないという事態に立っての議論でないものでございますから、まことに歯切れの悪いことを申し上げておるわけでございますけれども、そういう変更の議決というものが得られない場合におきましては、やはり再度議決をしてもらう、あるいはそれができない場合におきましては、そこまで申し上げることはいかがかと思いますけれども、専決処分なり、あるいはその他あまり先走ったことを申し上げてはなんでございますけれども、法律の定めておる指示、こういったことも考えられるだろう、そのほかの措置も考えられるだろうということを申し上げておるわけでございます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 専決というようなことを軽々しく私はお答えになることは遺憾だと思います。  とにかく、財源の上からいって、いま私がるる説明したように、上げなくても回っていく可能性は多分にあるわけじゃないですか。そうでしょう。それから、この点について、大蔵省のほうも特に文句を言うつもりはないようでありますからいいんじゃないですか。とすれば、これはあくまでも話し合いで問題の解決をするということで一貫をすべきだと思います。また、小委員会も予定されておるようでありますから、私はこれ以上議論いたしませんが、大臣、どうですか。こういったことについて紛争が起きないように、文字どおり話し合いによって解決するという立場で対処いただきたいと思うのですが、ひとつ御決意のほどをお伺いしたいと思います。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 いろいろの事態が考えられますけれども、とにかく、もし定款変更をしないというようなことになれば、十二月一日からは法律的には違法状態になるわけなんです。したがいまして、そのような違法の状態を起こさないように、組合等は、十分それこそ善処していただけるものと私は確信をいたします。しかしながら、不幸にして、そういう違法な事態が起こるようでありますならば、十分もちろん事前に組合等とも話し合いをいたしますが、しかし、それでもどうしてもという場合には、やはり法律的な措置をせざるを得なくなるということも考えられるのでございますから、そのようなことになることは決して好ましいことでないと思います。したがって、組合側の善処を事前においても十分求めたいと出与えております。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 私が質問いたしました、三十七年から今日までの利率の関係による財源は一体どのくらいになっているかということもお答えになっておりませんでした。また、聞くところによると、志村さんは御出張でおらぬようであります。といたしますと、御答弁できなかった点は次回に御答弁をいただくとして、この問題についてはまた志村さんが参りましてから論議をすることにしまして、これは一応保留しておきたいと思います。  幸い小委員会も予定されておるようでありますから、少なくともこの問題については十分話し合いの上で解決をしていく、こういうことで対処していただきたいということを要望いたしまして、この問題については一応保留して終わっておきたいと思います。  あと、一、二簡単にお尋ねをしたいのですが……。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 関連。先ほど小委員長を通じまして、いまの質問に関連する資料を要求しておきました。二十八日に委員会終了後小委員会をやりますから、それまでに私から要求いたしました資料は、ひとつ詳細なものを出していただきたいということをお願いしておきたいと思います。

津吉伊定大蔵省主計局給与課長

○津吉説明員 先ほどの先生のおことばを、私、聞き間違えて申し上げておるとすれば非常に失礼でありますけれども、大蔵省においても文句はないようでありますので、という点につきましては、われわれは、先ほど、要らぬことまで答弁するなとおっしゃいましたところの次に実は申し上げておこうと思ったのでございますけれども、ベースアップの差損というものは、これは幸いにいたしまして、三十九年まで、再計算の際はおろおろとしないでお答えをできる実態でございましたが、今回、四十四年の改定の際には、相当な差損が出るような方向になっておるわけでもございますので、それを一がいに掛け金率に一挙にはね返させるというようなこともできませんので、予定利率で言いますと、五分五厘というようなある程度の安全性を見ました利率というものも——五分五厘を絶対に動かさないということではございませんですけれども、現在の現実の利回りというものが五分五厘をこえておるではないか、そのこえておる分全体を、掛け金をとらぬでもいいではないかというほうに回してよろしかろうというふうには考えておりませんので、念のために補足を申し上げておきたいと思います。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 いまのは、質問以外の雑音ですから、そのように聞いておきましょう。  細郷さんにお尋ねをいたしますが、過般の地方行政委員会で、地方公営企業職員の給与改定が問題になりました。わが党の細谷委員がこの問題についてお尋ねをいたしまして、大臣から総括的なこの問題に関する見解の御表明があったわけでありますが、その間におきまして、細谷委員が、新聞にいろいろ伝えられておるけれども、通達、内簡というものは一体出すのかという質問をしたのに対して、「通達は出ておりません。内簡も含めて出ておりません。」こう明確にお答えになっているわけでありますが、聞くところによりますと、この答弁がありましたのが十月二十四日で、しかるに四日過ぎました十月二十八日には、自治省の公営企業第一課長近藤さんの名前をもちまして内簡が出ておりますね。これは一体どういうことなんですか。国会で出さぬと言いながら、たった四日しかたたぬうちに内簡を出す。どうもたいへん国会を無視すると申しますか、そういう御態度と思われるのですが、その点はいかがですか。

細郷道一自治省財政局長

○細郷説明員 先般の当委員会で、そういう書簡を出したかということに対しまして、私は、出ておりませんということを確かに申し上げました。それは、そのときまでの議論が、ちょうど地方公務員一般について出しておる問題にからんで実は出ておったわけであります。したがいまして、そのとき現在で私は事実をありのままに申し上げました。ただ、その後のいろいろな推移等を見ておりますと、やはり、当然のことではございまするけれども、内簡をもって一応地方関係者の関心を新たにしておくほうがよかろう、こういう判断で二十八日に出した次第であります。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 おかしいですね。ここへ議事録を持ってきましたが、細谷委員は、公務員部はあまり張り切らぬほうがいい、新聞によりますと、近く内簡、通達等を出すように伝えられておるが、一体出すのか出さぬのか、と聞いておるわけですよ。だから、将来のことを含めて細谷委員は聞いておるわけだ。そうですね。それで出さぬと言ったのですからね。いまの御答弁はおかしいじゃありませんか。

細郷道一自治省財政局長

○細郷説明員 私の記憶では、出したのか、こういうお尋ねであったと考えておりますし、私自身も、そのとき現在で出ておりません、こういうふうにお答えをしたわけであります。そういう意味合いで、そのとき現在ではっきりしたことは申し上げたわけでございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 関連。一般職については通達は出てないけれども、すでに内簡が出ているじゃないですか。新聞によると、公営企業の問題についても近く出すと新聞は書いてある。そして一般職のやつは通達は出てないけれども、内簡は出たのか。出ました。私はその資料を要求したのです。それから大臣に、通達、内簡等は、新聞に書いてあるように出すのかと言いましたら、いや、関係の法律が通った際にそれは出しますけれども、それまでは出しません、こうはっきり言っておるのですけれども、一般職ばかりではなく、地方公営企業についても同様の大臣の答弁を得ております。これは、あなたここでごまかそうたって、はっきりしておると思うのですよ。公営企業も含めての話です。

細郷道一自治省財政局長

○細郷説明員 私、別にここでそういうことで適当なごまかしをしようという考えは毛頭ございません。ただ、あのときは、確かにそういうお答えをしたものですから、そういうことを繰り返したわけでございます。ただ、いまお話がありましたように、正式の通達は、御承知のとおり、政府の法律その他がきまって、その段階において出すというのが従来からの例でございますから、そのこと自体はこの前大臣がお答えしたとおりでございます。ただ、今回出しましたものは、正式の、国の国家公務員についての扱いの法律的な決定を待たずしても、現に地方公営企業法等によりましてすでに明らかにされておりますところにつきまして、注意を喚起する意味において私のほうで内簡を出したわけでございます。したがいまして、内簡自体につきましては、御承知のとおり、従来からの行政官庁の扱いといたしまして、いわゆる公式の通達というのとは違いまして、いわば私的の書簡、こういう意味で内簡と申し上げておるものでございます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 当行政委員会でも、門司委員からもあったと思うのですが、通達、内簡のたぐいが東京都に対して年間一万通も出ておる。こういったものをたくさん出すことは自治権の侵害であり、不当ではないかという議論がずいぶんあったはずだと思うのです。そういう議論の上を受けて細谷委員が、給与改定に関連をして通達並びに内簡の議論をいたしました。そうしてあのような財政局長からの答弁もあり、その前、総括的な自治大臣からの御答弁もあったわけであります。ですから、いまのお話でありますと、私的のもので云々ということになりますと、確かに「時下ますます御清栄のことと存じます。」と書いてありますけれども、私的ではないでしょう。これは最後の文章、おどかしですよね。近藤さんもおられるから読んでみますと、「法の定める財政再建計画変更の手続を経ないで給与改定を実施し又は実施しようとする企業があれば、法の定めるところにより断固たる措置を講ずる予定であること。」、まさにおどかしじゃないですか。とにかく、前の委員会では、公営企業職員も地方公務員である、この前提を確認をし、しかも公務員に準じて給与改定はするべきであるという上に立って議論を進めて、あのような問答があり、局長の答弁もあったのです。大臣、時間でお帰りのようですが、少なくともああいう議論があって四日もたたないうちに内簡を出したということは、われわれ全く遺憾ですよ。まさに国会を愚弄するものじゃないですか。無視するものじゃないですか。このことは厳重にひとつわれわれ申し上げておきたいと思うのです。内容の議論をしようと思いましたけれども、時間もありませんからこれまた次回に譲って、そのことだけを指摘いたしておきます。  最後に、鎌田さんに一つだけお聞きいたします。  最近新聞で、処分がある、マンモス審理が行なわれるというようなことで、地方公務員法を改正して審査員制度を創設したいというようなことが新聞に出ておりました。これは全くけしからぬと私は思うのです。こんなことをやるつもりですか。

鎌田要人自治省行政局公務員部長

○鎌田説明員 いまのお尋ねの点でございますが、私どもはマンモス審理は行なうべきでない、マンモス審理というのは、当委員会でも議論になったわけでございますけれども、審理の技術的な限界を越え、また、請求者の権利の保護という面から見ましても、これはプラスにならない、こういう意味から、マンモス審理というものは行なうべきでないという強い指導をいたしておるわけでございます。したがいまして、マンモス審理を前提としていまおっしゃいますようなことを言うということは、これはいわば矛盾撞着になるわけでございます。ただ、その問題は別にいたしまして、公平審理の促進という面から見ました場合に、御案内でございましょうが、国家公務員の場合でございますと審理官という制度がございまして、その審理官が公平委員会というものを組織をして、そこでいわば事実関係、それから公開口頭審理、こういったことを全部積み上げてまいりまして、いわば判定書の基礎になるようなものをつくり上げまして、そこで人事官会議で最終的な御判断をお下しになる、こういうシステムになっておるわけでございます。人事委員会あるいは公平委員会の場合も同様の問題があると思いますけれども、非常に識見すぐれたりっぱな方々ばかりでございますが、何ぶんにもフルタイムでないわけでございます。したがいまして、審理を最初から最後までやっていただくということも、ある面におきましては物理的な限界というものもございましょうし、かたがた、現行の地方公務員法の規定によりまして、審理の一部というものを事務局長をして行なわせることができるという制度が現在あるわけでございますが、事務局長のほかに、いわば国の専門審理官的な人材をそれぞれの人事委員会等に設けまして、その審理官のところでいわゆる審理から判定書の前提になる判断のところまで一応まとめていただいて、それを人事委員会にあげて、人事委員会で人事委員さんたちの集まりの席でそれを判断をしていただく、こういうことが職員の失われたとする権利のすみやかな救済という面から見て、技術的にかなうのではないか、こういうことで、これは実は私が言い出したのでございますけれども、検討を命じておるところでございます。これを直ちに公務員法の改正をやってどうこうというところまで現在考えておるわけでございませんが、公平審理の促進、それによる権利の保護、救済というもののすみやかな実現、こういう非常に善意から私は出てこの問題を取り上げて考えておるつもりでございます。  経過はそのとおりでございます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 そういうお話なら、裁判官のいまの制度はどうなんですか。結局、裁判官がああやって一々尋問をするということは、単に書類の上だけではわからぬ。そのときの関係者の方々の発言の態度なり、あるいは顔色なり、そういったことで総合的に判断をして事実をつかもうとするから、ああいった裁判所の制度ができているのじゃないですか。それを何ですか、そういった実際の真理を追求する手だてというのは一般の職員にまかせて、そして書面だけで判定しようなどということは、これは少なくともストライキ権、団体交渉権を奪われた代償措置としてできている人事委員会、その人事委員会が救済機関としてその権能を行使しようとするその根本的な精神に反する、こういうふうに私は言わざるを得ないと思うのですよ。そういうことは、私は、おやめになったほうがよろしい、こう考えます。まだ検討の段階だというのですから、何も法律改正しようというのじゃないと思いますから、せっかく公務員部ができて、華山さんが言われたような問題もあるわけです。そういったことを据え置いて、基本的な、公務員制度の原則に相反するようなつまらぬ改正は、お考えにならぬほうがよろしい。どうですか。

鎌田要人自治省行政局公務員部長

○鎌田説明員 御注意の点は、十分肝に銘じてと申しますか、判断の素材にさせていただきたいと思うわけでございますが、ただ、ちょっと私として申し上げたいと思いますのは、いまの人事院の場合がそういう形で運用をされており、それなりに職員の公平審理という面で効果を発揮しておる。その制度を導入するという全くの善意に出ておるわけでございまして、人事院においてすでにそういう制度が実施をされておるんだということも、ひとつ先生のほうで御判断の中に加えていただきたいと思う次第でございます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 問題は、審理をされる側の職員側の意見も十分聞くべきではないかと思います。そうでしょう。そういう点の御意見も十分聞いた上で慎重に扱っていただきたいということをお願いいたしまして、質問を終わりたいと思います。

久保田円次自由民主党

○久保田(円)委員長代理 本日はこれにて散会いたします。   午後二時十一分散会

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