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56回国会衆議院1967/10/24

地方行政委員会 第4号

発言数
219
登壇者
16
会派数
5
開催日
1967/10/24

会議録

亀山孝一自由民主党

○亀山委員長 これより会議を開きます。  地方自治及び地方財政に関する件について調査を進めます。  地方公務員の給与改定に関する問題等について質疑の申し出がありますので、これを許します。奥野誠亮君。

奥野誠亮自由民主党

○奥野委員 国家公務員に関しまする人事院勧告、この実施をめぐりまして、公務員秩序にも相当な混乱を起こさせる事態が生じていますことは、まことに遺憾にたえない感じがするのであります。しかし、それはそれといたしましても、国家公務員に関する給与改定と基本的には軌を一にして、地方公務員についても、給与改定の措置がとられるようにしてもらいたい。これは私たちの念願でございます。ただ、一般職の公務員の場合と、企業職の公務員の場合と、若干あり方が違ってもよろしいのじゃないか、こういう考え方も持っているわけなんです。というのも、国家公務員の一般職の場合と三公社五現業の場合と、若干の違いが年来生じてきているわけであります。これはやはり職務の本質から来ている差異だと思うのでございますけれども、これらについて自治大臣がどう対処しようとし、またどういう考え方をお持ちになっているか、それを伺っておきたいと思います。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 御指摘のように、この国家公務員のベースアップが行なわれた場合に、地方公務員についてもそれに準ずる措置がとられるのが例でございますし、今回もそう考えております。ただ、一般の地方公務員と企業職、企業関係の職員の給与とにつきましては、お話しのとおり、その性格からいたしまして、必ずしもたとえば国家公務員の引き上げ率にそのまま準ずるというようなことではないと考えるわけでございまして、企業関係につきましては、やはりそれが公営企業であるというワクがあるわけでございます。しかもそのワクの中におきましてどうするか。もちろん国家公務員あるいは一般の地方公務員についてのベースアップが行なわれた場合に、企業関係の職員の給与改定も行なわれることが望ましいことではございますが、しかし、それには一定のワクがあるということは、十分考えていかなければならないのじゃないか。したがいまして、また、一般の地方公務員の給与引き上げについては、あるいは交付税その他国において財政的な処置をしなければならない面がありますけれども、企業会計の職員につきましては、国においてその財政的な措置をするというようなことは考えていないわけでございます。

奥野誠亮自由民主党

○奥野委員 一般職の公務員の給与問題について、もう少し突っ込んでお伺いしておきたいのでございます。従来、国家公務員の給与勧告の基本的な立場は、官民給与差をなくするという立場であったように思うのでございます。今度の勧告の資料を見てまいりますと、一級地、二級地においては、あるいは国家公務員の給与のほうが民間よりも高く出ているんじゃなかろうかと思われる節があるわけでございます。そうなってまいりますと、特に地方公務員の場合には、引き上げられる国家公務員の給与にそのまま右へならえすることを強く指導することがいいのか悪いのか、現在の人事院の立場から考えますと、疑問が出てくるわけであります。反面また、この間京都市の人事委員会で、国家公務員を上回る給与勧告が行なわれているわけでございます。京都市内の民間給与というものを基本に考えます限り、官民給与差をそのまま頭に置いて勧告すれば、ああいう勧告も出てまいるのだろうと思うのでございます。こういうような事態になってくると、地方公務員の給与のあり方の指導も、単純に国家公務員に右へならえというだけのいままでの姿勢でいいのかどうか、私は疑問を持つのであります。民間給与といいましても、取り方によっていろいろ出てまいるわけでございますので、単純に右へならえといういままでの指導のあり方については、疑問を感じているわけであります。国家公務員でなくて、地方公務員でありますから、ある程度地方地方の実情をも参考にしなければならない。また、地方公務員法も、そういうことを書いていると思うのであります。そうなってくると、国家公務員の給与を上回ったからすぐ不穏当だという態度をとることにも、私は疑問を感じますし、同時にまた、民間給与が非常に低い場合、地方公務員について、国家公務員に全く右へならえしなければいけないというような指導のあり方にも、疑問を持つわけであります。もう少し弾力的な指導をしていかなければならない時期に来たのではないだろうかという感じを待つわけでありますけれども、この点について御見解を承っておきたいと思います。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 今回の閣議決定におきましても、「地方公務員についても、各地方公共団体において、それぞれの財政事情、給与事情等を十分検討のうえ、国家公務員に準じて給与改定を行なうものと考えるが、すでに国家公務員或いは民間の給与水準を上回っている地方公共団体にあっては、現行給与水準との調整を図る等、給与費の合理化について格段の努力を行なうものとする。」という閣議決定の一条項がございますことは、すでに御承知のとおりでございまして、そういう意味におきまして、国家公務員に準ずると申しましても、それはやはり地方地方のいろいろな事情もあることでございますから、ただ直ちに右へならえというばかりではないという点は、根本的にそうだと考えております。

奥野誠亮自由民主党

○奥野委員 なお自治大臣にお伺いしたいこと、いろいろございますが、別の機会に譲らしていただきまして、もっぱら人事院総裁にお尋ねさしていただきたいと思います。  私が人事院総裁に特に御出席いただいて、お尋ねしたいと考えた動機を、まず明らかにさしていただきたいのでございます。  御承知のように、教育公務員特例法や警察法で、地方公務員たる教員や警察職員の給与等は、国家公務員たる教員や警察職員のそれを基準として条例で定めるものとされておるわけでございます。不幸にして、国の措置と人事院勧告とが完全に一致しないまま、ここ数年混乱が続いております。国家公務員について責任を負っておられる人事院総裁にとっては、あるいは迷惑なことだと思っておられるかもしれない。迷惑なことだと思っておられるかもしれませんが、結果としてはこういう慣例を持ち、こういう混乱が続いているわけでございます。その結果は、人事院勧告が反政府熱をあおる結果にもなっておる。これも客観的において事実であるということを、お認めいただけると思うのであります。これが公務員と政府ないし地方公共団体との間の不正常な姿に、拍車をかける結果を招来しているわけでございます。教育者は、公務員は、ストを禁止されている。そのストについて、あえてストに突入するのだという宣言をしている。法を破る宣言をしている。教育者がこういう事態になる。このような不幸な事態、これを私は改善する道を、求めていきたい、こういうことが、人事院総裁にお尋ねをしたい一つの動機でございます。  なおまた、もう一つは、最近、あるいは宮澤構想とか、高橋構想とか、二、三人のたちから、年度の当初予算に政府が責任を持ってあるべき公務員給与を予算化すべきだという考え方を公にされてまいってきておるわけであります。私なりに国家公務員法等を読んでいろいろ考えてまいりますと、こういう考え方は、どうも人事院に対する一種の挑戦になっておる、こう思うのであります。また、そういう挑戦になっても、あえてこういうところに踏み切らなければならないのじゃないかということ、そういう気持ちに追いやられているのが、現在の姿だということも考えていただかなければならない、私はこう思うのでございます。私自身は、万やむを得ない場合は格別、あとう限り人事院勧告を受けている政府が、改正法を国会に提出する方式をとっていく、国家公務員法その他の法律をじっくり読んでみて、これが一番穏当な道だ、かように考えておるものでございます。したがいまして、また、このような人事院に対する挑戦措置をとらざるを得ないというような破局に追い込みたくない、ぜひ穏当なあり方を、その道を続けられるようなよい方法を考えたい、改善の道を求めていきたい、これが、私が人事院総裁にあえて出てきていただいてお尋ねをしたい動機でございます。  そこで、最初にお伺いしておきたいことは、当初、人事院勧告がありましても、経済の実態その他から、なかなか政府がこれを受け入れられない、そういうようなところで長い間混乱が続きましたが、三十年前後から経済も非常に上向いてまいりまして、勧告を受け入れやすくなって、最初はたしか四月実施で提案をし、その後十月実施になり、三年ほど前に九月実施をし、今度また八月実施にしたという経過をたどってきたように思うのでございますが、同時にまた、人事院勧告も、最初はいつから実施をしろということまではお触れになっていなかった。それを、私の仄聞するところでは、調査の時期が四月であれば、さかのぼって実施すべきではないかという質問に対して、人事院が別に実施の時期を明示していないから政府はこれでやるのだというような発議をし、それが人事院にとって転機になって、五月にさかのぼって実施しろというようなことを明示されるようになった、かように承知しているんですけれども、大筋の、その辺の経過をお教えいただければしあわせだと思います。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤説明員 いまのおことばの中には、私にとってはいろいろ気になるようなおことばも入っておりましたけれども、私どもはそのおことばのいかんにかかわらず、いかに公務員給与はあるべきか、正しい公務員給与のあり方ということをいちずに思い詰めて、正しい道を今日までずっと邁進してきておるつもりでございます。その点はとくと御了承を願いたいと思います。  そこで、いまおことばの最後に出てまいりました、初めはなるべくすみやかにという形で出してきて、最近では実施期日を勧告ではっきり申し上げるようになったということでございます。このいきさつは、奥野委員も御承知の上でお尋ねになっておることと思いますから、詳しいことは申し上げませんけれども、今日私どもが五月にさかのぼってということを強調しておりますゆえんは、要するに私どもの官民比較の調査が四月に行なわれる。しかも、この四月の調査というものは、実に大規模な、かつ精密な調査でございまして、その調査の結果得ました水準を民間と公務員側とを突き合わせて、これだけのパーセンテージが出ております。そのパーセンテージも、御承知のように七・九だとか、コンマ以下の数字まで出してパーセンテージをあげておるわけであります。その結果、官民の格差にこれだけの隔たりがあるということになれば、これが四月調査でございますから、最初では四月にさかのぼれという説もありますけれども、私どもは五月にさかのぼってこれを実施していただきませんと、民間の水準には追いつけないことになりますということが、話の当然の筋だと思います。したがいまして、その筋道をたどって、正確に実施期日を近年では勧告にうたっておる、一口に申し上げれば、そういうことでございます。

奥野誠亮自由民主党

○奥野委員 もう少し突っ込んで伺いたいのですが、時間の関係でもうその点は省略をいたしておきます。  いずれにしましても、昨年までは九月実施で、人事院の勧告との間に相当の開きがございました。それをさらに一月繰り上げることにつきましては、自由民主党内にも賛否両論激しくございました。しかし、これが八月実施になったということについては、人事院総裁の努力が大きくあずかっているということは、私そのとおりに理解しておるものでございます。ただ、いまのこういう賛否の情勢、賛成も反対も、それなりに私はそれぞれ理屈のあることだと思うのであります。反対の理屈は全く筋がないのだということではなしに、賛否両論とも一応私は議論としてはあると思うのであります。このような情勢の中で、人事院総裁は八月に勧告をお出しになって、五月にさかのぼって適用しろとおっしゃった。まさかずばり五月にさかのぼって適用という事態がくるとは、期待はされたにしても、そういう方向に向くとは、私は予想されていないのじゃないか、こう思うのであります。そしてまた、八月実施になったということについては、そういう賛否両論の中で、あえて反対意見を押えて、人事院総裁も御努力になったでしょうし、政府側のほうも思い切ってそれに踏み切ったわけであります。踏み切ったということについては、やはり人事院勧告尊重という面に大きく傾いた結果、こういうことになったのだ、こういうことに私は理解するのですけれども、そういう点についての努力も多とされるべきだ、こう私は思うのであります。五月実施でないからけしからぬのだということを、一点ばりに言っておることだけがいいのかどうか。やはり八月実施になったことは喜ぶべきじゃないか、こう私は考えたいのですが、この点についての佐藤人事院総裁のお考えを聞いておきたいのであります。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤説明員 私どもの勧告が五月実施とうたっておりますのは、先ほど申したような筋合いから、当然五月であるべきだということで申し上げておるわけでございます。しかも絶対にこれが不可能だということは、私どもは考えておりませんでしたし、また、ぜひそうなければならぬ、それを実現していただかなければならないということで、あらゆる努力をしてまいったわけでございます。これが今回閣議決定におきまして、私どもの理想とする、あるいはたてまえとする五月ということになりませんでしたのは、やはり依然としてこれは残念であると申し上げざるを得ません。しかし、いまおことばにもありましたように、別に私自身がいろいろ努力をしたせいだとは思っておりません。これはやはり政府与党の皆さん方の少しでもという理解と御努力の結果、従来よりもとにかく一月は繰り上げていただけたということに対しては、私は、率直にそれはそれとして評価もいたしますし、また敬意を表したいと思います。しかし、われわれの念願は五月であるということをはっきり申し上げておきたいと思います。

奥野誠亮自由民主党

○奥野委員 三年前に、十月実施が九月実施に繰り上げられました。三年を経て、ようやく八月実施に繰り上げられました。こういうような姿でかりに人事院総裁の御希望どおりに運ぶとして、五月実施になるのには十数年かかるのであります。世間にはいろいろな考え方があるわけであります。人事院総裁は、いちずに思い詰めてとおっしゃいました。私は、そのいちずに思い詰めてを、もう一ぺん違った角度からいろいろ考えられる。結果はもとへ戻ってもよろしいのであります。もとへ戻ってもよろしいのでありますが、いちずに思い詰めないで、もう一ぺんいろいろな角度から考え直してみて、私の当初申し上げたよい道を求める、そういう考え方に立っていただけぬだろうか、これが私のきょうの質問の一番の中心点であります。こんな事態になっているのは、一〇〇%政府に責任があるのだ、一〇〇%人事院がよいのだ、こういうことではなしに、相互にもっとよい方法を、善後措置を検討し続けるべきではなかろうか、そういう気持ちになろうじゃありませんか、こういうことについての御所見を私は伺っておきたいのであります。人事院総裁には気にさわる問題でありますけれども、客観的には、やはりこれが一つの動機になりまして、地方公務員にも関連を持ちまして、結果的には、五月遡及適用をやらないこと自体がけしからぬのだ、地方公共団体がけしからぬのだ、こうなってしまうのであります。不幸にして、現在のわが国の労使関係は、きわめて不正常であります。このことは御承知いただいておると思います。政府、地方公共団体の公務員と政府、地方公共団体の間が、きわめて不正常であります。順次正常化されつつありますものの、きわめて不正常であります。この不正常に拍車をかけているという事実も、私は客観的に御承認いただけると思うのであります。責任はどこにあるとは言いませんが、客観的にそういう事態になっているということは、御承知いただけると思うのであります。公務員にとりましても、五月にさかのぼって給与が引き上げられるという一つの理屈の立つものが、いろいろな事情で、やはり勧告の時期もございまして、そのとおりにいかない。公務員にとっても不可能な事態が起こっているわけであります。これはやはり何かいちずに思い詰めないで、もう一ぺんいろいろな角度から考える努力、これは私は必要じゃないかと思うのですが、この点についての総裁の御所見を伺いたいと思います。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤説明員 いちずに思い詰めてということばに対して、多少私なりの注釈を加えさせていただきたいと思うのですが、何もがむしゃらにいまの行き方でということを思い詰めて、獅子奮迅やっているわけではございません。それには幅の広いものがあると御了解願ってよろしいと思いますし、また、そのようにここ数年来率直に政府の閣僚の皆さまとともに一緒になって、名案はないかということで虚心たんかいに探ってきておるわけであります。不幸にしてまだ名案はありませんけれども、名案があれば、それにわれわれとしては転回をすることはいささかもやぶさかではない。ただ、いちずに思い詰めてということを私なりに申し上げるとすれば、とにかく人事院が何のために、どういう使命を負って国家公務員法上設けられておるか。これは今日ではもう一般に定説として、また常識としてお認めいただいておりますとおりに、いわゆる団交権の、あるいはその他の労働基本権の代償機関だ、これは公務員法の大改正によって勧告制度が入ったときのいきさつからいっても、きわめて明白なことなんであります。したがいまして、私どもの使命は、そのいわゆる代償機関としての使命をフルに達成する、そういう形によっていまの御指摘のような目的を達成したい、思い詰めておりますのは、その点だけでございます。

奥野誠亮自由民主党

○奥野委員 代償機関ということばは私は気にかかるのですけれども、これもまた議論しておりますと時間がかかりますから、ここではさておきまして、給与は法律や条例で保障されているのであります。しかし、私はここで議論は避けておきたいと思います。  次に、公務員の給与も、やはり予算編成の本筋に乗っけられないものかということを、希望を私は年来持っておるのであります。総裁は詳しいのですからたいへん恐縮でありますけれども、財政法や予算決算及び会計令では、各省大臣は、歳入歳出に関する見積もりの書類を前年度の八月三十一日までに、これを大蔵大臣に送付しなければならない、こう定められておるわけであります。しかも十二月中に予算案を編成して国会に提出しなければならない。さらに三月の期間を置いて、国会で慎重審議の期間が与えられておるわけであります。これらの予算の中には、物価とかあるいは国民経済の上昇率とか、そういうふうなことをいろいろかみ合わして考えなければならないものが、ほかにもいろいろあるのであります。生活保護費もしかりでございましょうし、失対事業に従事する労務者の賃金もしかりでございます。その他いろいろあるわけでございます。公務員の給与にかかる予算も、基本的には私はこれにならうべきが筋道だ、こう思っておるのであります。一年に二度、三度勧告されなければならないようなインフレ時代にあるのなら、私は人事院のいままでの態度に対してそう疑問は感じないのでございます。一年に一度以上勧告するような、これほど不幸な事態はない。だんだん安定してくれば、あるいは二年に一ぺんあるいは三年に一ぺんというような改定にもなってくるでございましょう。幸いにして高度経済成長が続いておりますので、毎年度勧告していただけるという事態にあると私は思うのであります。人事院勧告も、勧告であります以上は、大筋は政府はそれをそのまま採用すべきでございましょうが、若干の手直しを、政府が法律案として国会に提出する場合に、してはいけないということは少しもないと思うのであります。しないで済むことが一番しあわせだと思いますけれども、大筋を尊重しながら、若干の手直しを必要と感じた、だから手直しをして国会に提案をするのだ、これはあって何もおかしくないわけであります。やはりそういうための検討期間も必要でございましょう。同時にまた、国会も、国会としていろんな角度から慎重に審議をして、若干の手直しを必要と考える場合もあって私は何も不穏当だとは思わないのであります。そういう道筋を経て公務員の給与というものを私はきめられるべきではなかろうか、こう考えるのでありまして、したがって、人事院の勧告だけは、時期は問わないで政府はただ右へならえすればいいのだ、国会はそれをうのみにすればいいのだというようなことで、八月に勧告をお出しになって、五月にさかのぼってと言われる。本来の普通の予算なら、八月に大蔵大臣に予算を出しまして、十二月に国会に提出して、三月一ぱいででき上がるわけですから、九、十、十一、十二、一、二、三と、実施までの間に七カ月かかるのですよ。実施までの間に七カ月かかるものを、人事院の勧告だけはそんなことはないのだ、おれの言うとおりに右へならえすればすぐにできるのだから、五月にさかのぼってやれ、これはちょっと私は、財政運営の道筋から考えますと、昔の軍部以上の強圧的な態度にとれるのであります。これはやはり人事院としても、問題になるということはお考えになっていいと思うのであります。この点に関する限り、問題がある。いろんな人事院の御苦労も、私はよくわかります。よくわかりますが、この道筋、人事院勧告だけは予算化する、実施するのについても、ほかの予算とは別なのだ、だから時期を問わないのだ、この態度も、私はいかがなものだろうかと思うのですが、これについての人事院総裁の御所見を伺いたいと思うのであります。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤説明員 五年になりますが、毎年私自身、出しゃばったことかもしれませんけれども、足腰を痛めるくらいに努力をしてまいったわけであります。その努力の間に体験いたしますことは、なかなかなまやさしいことではない。これはもう身にしみて痛感しておるわけであります。したがいまして、われわれのほうで、さらに何か適切な方法、名案はないかということも、先ほど申しましたように、検討を真剣に続けましたし、今後も続けていくつもりでございます。私どもに率直に言わしていただければ、やはり私どもの周辺には、まことにうらやましい環境と見られるケースがあるわけなんであります。たとえばその唯一と申しますか、典型的な例は、要するに、公社・現業の場合に、公労委の仲裁裁定が下りますけれども、あれは御承知のように新年度に入ってから、いわゆる年度半ばの仲裁裁定でございます。それがいつもここ十年以上は完全に四月にさかのぼって実施されておるわけでございます。そこで、われわれが最もうらやましいと思いますのは、これが補正予算手続も何にもなしに、そこにできた、できたてのほやほやの予算ですね、当初予算のやりくりだけで数百億というお金が完全に出て、そうして四月にさかのぼって実施されておる。私どものお預かりしております一般職の公務員の諸君は、これらの現業の諸君と同じ省の屋根の下におる人々がたくさんおるわけであります。片一方の人々は、公労委の仲裁裁定に服する現業の人たちである。それが四月にさかのぼって完全に賃上げの恩恵を受けておる。われわれのお預かりしております一般職の方々は、先ほどおことばにありましたように、九月とか十月とか、あるいは今回は八月ということになるかどうか知りませんが、そういう形で実現をしておる。これはどういうわけだろうということで、私どもの立場としては最も痛切に響くところなんでございます。そこで、なぜそれがあちらのほうは完全に実施されておるかというと、当初の予算なら予算のやりくりができるような予算の組み方になっておるということに尽きると思います。したがいまして、われわれ一般職の国家公務員の場合につきましても、大体次年度の賃金上昇の趨勢というものがうかがわれますならば、幾ら、何%というようなことは申しませんけれども、ある程度の含みを一種のプールとして予算の中に組んでいただくという措置をとれば、いま最も身近にわれわれの感じております公社・現業の場合とだいぶ近づくのではないか。八月になってあらゆる財源を自然増収というようなことでこれを一生懸命に検討されるということなしに——足らないところは自然増収で補っていただかなければならないかもしれませんけれども、何かそういう当初の予算の組み方の形で相当完全実施に向かう基盤ができるのではないかというようなことを近年では痛感しておりまして、大蔵省当局、大蔵大臣等にもそういうことを念願しておるわけでございます。そういう方法などもひとつとつていただいて、何とか打開できないかという気持ちをここで申し上げさしていただきたいと思います。

奥野誠亮自由民主党

○奥野委員 私は、政府検討、国会審議の期間を置いて勧告すべきではなかろうか、こういうことを申し上げておるわけであります。それに対して、いま総裁は、三公社五現業はさかのぼってやっておるからやれるじゃないか、こういうお答えをいただいて、私は全くたまげました。ほんとうにたまげました。これは企業会計じゃありませんか。一般職の公務員は、一般官庁会計でしょう。企業会計では、歳入をあげるために歳出を使っていくのですよ。だから、バスに乗る人たちがたくさんあれば、バスを増発すべきですよ。その結果、ガソリンを買う歳出予算がなくても歳入がふえてくれば、予算がなくてもガソリンを買って差しつかえないのですよ、歳入をあげるのですから。これはもう企業会計の特色ですよ。一般会計はそうじゃないですよ。自動車が非常にふえてきた、だから交通整理がたいへんだ、だから交通警察官をふやすのだ、それだけの給料はふやすのだ、これはできないのですよ。国民に出してもらった税金の範囲内で仕事をするのですよ。歳入の範囲内で歳出をきめていくのですよ。企業会計と一般官庁会計とは、全く別ですよ。これは、私は全く驚いたことを伺いました。全く驚いたことを伺いましたが、職員の立場が全然違うわけですから、ここはもう一ぺん私は御検討いただきたいということをお願いしておきます。それをそのままずばり右へならえしていいとお考えになっているなら——私はそうじゃないと思います。希望的におっしゃっただけだと思うのですけれども、本質的に違うということを、御理解いただかなければならぬと思います。企業会計の職員というものは、官庁会計の職員というものと全く違う。また、労働関係についても違うことは、もう先刻御承知だと思います。また、法令のたてまえも違います。裁定をどう扱うかということについてのたてまえは、みんな違います。人事院勧告は、あくまでも勧告でございましょう。片方は団体協約と同じようにみなされるでしょう。裁定は全く違います。人事院総裁として、単に希望としておっしゃっただけならわかるけれども、理論的におっしゃったとすれば、ここでもう少し突っ込んでおかなければ、私はがまんがならないものですから、とにかくもう一ぺん伺いたい。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤説明員 ここで論争を申し上げるつもりは全然ございませんし、また、奥野委員はそのほうのなかなかの専門家であられますから、私がここでごもっともだというおことばを導き出すだけのことになるかならぬかわかりませんから、それは申し上げません。申し上げませんが、私どもはきわめて単純率直に考えているところを申し上げたので、予算の組み方に何かくふうが要るんじゃないかということだけ御了承願いたいと思います。

奥野誠亮自由民主党

○奥野委員 人事院総裁のお気持ちはよくわかります。  そこでもう一つ、これも総裁先刻御承知のことですけれども、日本の仕組みはアメリカの仕組みをまねておるのですが、今度アメリカであった事例は、給与問題は広範な角度から検討されるべき性格のものだという、一つの示唆に富んだ資料になるのじゃないかと思いますので、これについての御所見を伺いたいと思います。それがそのまま日本の実情に当てはまると、私は言っておるわけじゃありません。  御承知のように、人事委員会及び予算局の合同報告書に基づいて、大統領が議会に教書を送っております。その中で大統領は、官民給与差が七・二%ある、それを三年計画で引き上げていきたいという提案をしているわけでございます。本年の引き上げだけでなく、明年、明後年の引き上げにも触れ、この三年間で公務員の給与を民間のそれと完全に匹敵させるため、議会が必要な措置をとるように勧告しておるわけでございます。こういう表現を使っておるわけであります。「われわれは、彼らから並みはずれの奉仕を要求する。そのかわり、彼らは政府からその献身的奉仕に見合う報酬を求める権利をもっている。」同時に、官民給与差については、「この格差を一年で埋めるには平均七・二%の給与引上げが必要である。」「今日の財政および経済状況にかんがみ、私は、諮問委員からこの大幅の引上げは賢明でないとの進言をうけた。経済のインフレ圧力が最近数か月間に小さくなったとはいえ、まだ全く解消したわけではない。再発の可能性をはらんでいる。それゆえ、私企業の賃金決定に抑制を求め続けなければならないし、政府側の同様の措置にも規制を加えねばならない。」「私は、公務員給与を民間のそれと完全に匹敵させるため、今年、議会が最終的措置をとるよう勧告する。」そしていろいろ述べて、二段階の計画を提出するのだというようなことを言っておるわけでございます。日本の状態とアメリカの状態とは違うわけでありますから、これに右ならえせよということを要求するわけではありません。私の言いたいのは、官民給与差といっても、絶対にずばり右ならえしなければならない、そんな全く無傷の民間給与というものは許されるものではないと、私は思うのであります。公務員給与にそのまま当てはめるにふさわしい民間給与は、ずばり調査によって引き出されるものではない。やはりそこにはいろいろな考え方を加えて調整をはかってしかるべきものしか見出せない、こう思うのであります。そういうこともあるから、アメリカのような国で、人事委員会の勧告を受けて、しかも三年計画で官民給与の格差を縮めるのだという大統領提案になってきておるのだと思うのでありますが、これらについての総裁の所見を伺いたいのであります。同時に、この公務員の給与は、そのようにいろいろな角度から幅広く検討されなければならない性格のものだということについてのお考えをただしておきたい、かように考えるものであります。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤説明員 非常に適切な御指摘だと思います。アメリカの場合は、たしかそういうようなことでやっておることも承知しておりますが、ただ、問題の基本になりますのは、アメリカの公務員の給与と日本の公務員の給与とが、その絶対的な額においてどういうふうになっておるか、これが私どもとしてはやはり一番前提に考えなければならないことだと思います。ヨーロッパ、たとえば西ドイツあたりでさえも、私どもの調べてまいりましたところでは、日本の公務員の給与に比べると何倍という多額の給与になっておるというような、まことにうらやましいことが前提になっておるということを、御認識いただかなければならないと思います。  そこで、奥野委員も私も同じ時代に生きた、というと僭越でありまして、私のほうが年上でありますけれども、しかし、かつての戦争前の官吏というものは、民間の給与がどうなっておるかというようなことについて克明に調べるようなことなしに、大まかな形でわれわれは満足しておったと思うのです。そういう形が終局的にはうらやましい形なんで、公務員の職務と責任あるいは生活上の条件というようなものが基準になって、民間がどうあろうと、公務員は公務員としてかくあるべきだという形で白紙の上に給与体系を立てるという姿は、きわめて復古調だと言われるかもしれませんけれども、昔を思いますと、そういう時代になってほしいという気持ちが、私は個人的にはあるわけであります。ただ、御承知のように、現在のような社会情勢、経済情勢のもとにおいては、日本の公務員の給与は、まだ決して十分ではないと私は思います。現に、私ども人事院といたしましては、給与勧告ばかりやっておるわけではありませんで、上級職その他の公務員試験をやって、できるだけ多くの人材が官界に入っていただけるように、手に汗を握って、志願者の数から、その質から、毎年見守ってきておるわけであります。しかも、それは現実には民間との競争関係に立って行なわれておる。特に民間企業といっても、これはたびたび御不満の叱責を受けておりますけれども、百人以上の規模をとらえての水準なんです。これは大会社や大銀行などとはとうてい競争にならない水準なのであります。そういう条件のもとにおいて、少しでも優秀な人材を国あるいは行政府内に導入しなければならぬ。これは国家の将来の大計からいって、私はたいへん大事なことだと思います。公務員になる人が民間のえり残しの非常に素質の悪い人ばかりであったとすれば、大げさなことを申しますけれども、日本の国はどうなるかという気持ちさえ抱きながら、こういう問題に臨んでおるわけであります。今日の状態では、先ほど申しましたように、官民格差というものを現実にコンマ以下までもとらえて、せめてここまでやっていただくということでいきませんと、また、一方においては、給与のあり方に対して、やれ高過ぎるの、やれ低過ぎるのというような批判も、今日の情勢のもとにおいては相当深刻な形で起こるわけでありまして、やはりはっきりした数字をとらえて、ここでせめてこれまでということで、各方面にしぶしぶながら御納得をいただいておるという実情でもございますので、今日とっております官民格差を基本とするたてまえは、まだ当分の間はとても脱却できない。これが脱却できる時期の来たらんことを望みながら、これに即応してやっておるというのが実情であります。

奥野誠亮自由民主党

○奥野委員 総裁のお気持ちはわかります。お気持ちはわかるのでありますが、先ほどいちずに思い詰めておっしゃったことばから推測されるように、調査した時点の民間給与そのものをずばり公務員の給与にしてしかるべきだ、こういうように、少なくともとらわれた勧告になってきている。そこに、私は非常な疑問を持っておるわけであります。もう少し幅広く考えられて、勧告の時期からして実施の時期をいつごろに置けるか、その時点にあるべき公務員給与の勧告ということも、ひとつ検討してもらえるのじゃないか、こういう気持ちが消えないのであります。といいますのも、たとえば官民格差、官民格差と言われますが、教職員については、官公立の学校の教職員よりも、私立の学校の教職員のほうが、給与は低いのですよ。低いにかかわらず。官民格差を埋めるのだというて高くしろとおっしゃっておるじゃありませんか。これは矛盾ですよ。下げろと言わなければ勧告になりませんよ。あるいはまたお医者さんの給与は、公務員のお医者さんの給与よりは、民間病院等に勤務しているお医者さんの給与は、はるかに高いのですよ。いま勧告されているよりもずっと高いでしょう。こういうものじゃないかということを申し上げたいし、同時にまた、何千という事業所を調査されている御苦労はよくわかるのですが、企業規模百人以上の企業について調査されている。これは企業規模百五十人以上をとらえたら、おそらくもっと上がるでしょう。官民格差はふえるでしょう。反対にまた五十人以上をお調べになったら、官民格差は縮まるでしょう。そういうような恣意的なものじゃないか。恣意的なものであるとするならば、お調べになったものを実施時期にふさわしい公務員給与として調整を加えて勧告ができるはずじゃないかということを、私は御指摘申し上げたいのであります。いつの間にやら、人事院は調査したことにとらわれ過ぎているのじゃないか。木を見て森を見ないたぐいになってしまいはしないか。あまりにも長い間こういう争いみたいなかっこうになってしまったものですから、不幸な事態が続き過ぎているというふうに私は思うのであります。ことに国家公務員法では「俸給表は、生計費、民間における賃金その他人事院の決定する適当な事情を考慮して定められ、」云々の規定がございますし、一般職の職員の給与に関する法律では「各職員の受ける俸給は、その職務の複雑、困難及び責任の度に基き、且つ、勤労の強度、勤務時間、勤労環境その他の勤務条件を考慮したものでなければならない。」というふうに書いてあるわけでございまして、民間の給与がずばり公務員の給与でなければならないという規定は、どこからも出てこないのであります。むしろ私は、もっと幅広く検討していただきたいということをお願いしたいのであります。たとえば休日のとり方がどう違っているのか、勤務時間がどう違っているのか、退職手当あるいは退職年金がどう違っているのか、これらのことも総合的に検討判断されなければ、自信のある勧告は出ないはずだと私は言い切りたいと思います。自信のある勧告はできないはずだと言い切りたいのにかかわらず、いちずに思い詰められるような調査結果に自信を持っておられることについては、私は非常な疑問を感ぜざるを得ないのであります。あまりにも独善的ではなかろうか、こうまで言いたいのであります。しかし、先輩に対して申しわけないことばでありますから、この程度でそういう表現は慎しみたいと思いますが、私は、基本的には公務員は特別な任務を要求されている職種でありますだけに、単純な比較よりは、どちらかといえば、公務員の給与を上げていただきたい、そういう勧告をしていただきたい。質のよい公務員を確保していきたい、これは私ども年来の強い希望でございます。希望でございますが、もっと総合的な角度から調査、決定、検討をしていただけぬものだろうか、かようにお願いをしたいわけであります。この点についての御所見をお伺いしたいと思います。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤説明員 本来のお気持ちは、よくわかります。百万の援軍を得たような気分でございますけれども、ただ、いまの御質問の中に、恣意的、独善的ということばがちょっと耳にさわりますので、この点だけを一、二の例で弁明させておいていただきたいと思います。  百人以上にしたのは恣意的じゃないかというようなことを、ちょっとお触れになりました。五十人ならどう、五百人ならどうということもありました。これは私どもとしては、十分そういうことの条件を承知の上でやっております。百人以上というのは、現在の一般の全国労働者の数を見ました場合に、規模を百人以上で押えますと、大体全労働者の半数以上はそこでカバーされる。そこで適当だろうということで、もとは五十人以上でやっていましたけれども、数年前に百人にいたしました。だから、公労委の裁定の際にも百人というようなことでやっておりましたこともあるので、これはそれだけの理由に基づくもの。それからお医者さんの場合と学校の先生の場合、これはまさにおっしゃるとおりなんです。ただし、これは文部大臣をここに連れてきてお答えしていただければ、まただいぶ私どもの味方になるお答えをしていただけると思うのでありますけれども、私どもは、本年の七・九で申しますと、これは全体対全体で比べます。しかし、今度はその配分と申しますか、各俸給表に対してどういうふうにこれを盛りつけるかということは、やはり公務部内の均衡の原則ということもございますし、あるいは学校の先生に対する職務の特殊性なりあるいは一般の要請ということもございますからして、その点も勘案して、学校の先生と、それから看護婦ですね、看護婦さんは民間よりも国立病院のほうが高くなっている。これは高くしたからといっておしかりになる方は実はいままでいないのでして、やはりそこのところはほどよくいっておるなという感じを持つわけです。それからお医者さん、これはもちろんおっしゃるとおりなんで、五%以上格差が出ている。これは何ともあまりにひど過ぎるということで、悪戦苦闘しております。しかし、これはやはり部内の均衡の原則ということから、そう目のさめるようなことはできません。そのためにほかのほうからその配分を持ってこなければなりませんから、非常につらい立場におりますのですけれども、今度の勧告では、その辺はまた相当思い切りまして若いほうのお医者さんに対して手厚く手当てをいたしましたし、また辺地の関係も、初任給の関係では思い切った措置をとったというようなやりくりは、またそれぞれ私どもとしては理由のあるところでございます。決して恣意なやり方ではないということだけは、十分御了解をいただいておきたいと思います。

亀山孝一自由民主党

○亀山委員長 奥野君、申し合わせの時間もありますから……。

奥野誠亮自由民主党

○奥野委員 最後に、一問だけお尋ねしたいと思います。  いまそのようにやりくりをしておられる。私はそれでいいと思うのですよ。だから、そのやりくりを考えて、いま人事院の勧告と政府の措置の歯車が合っていない、そろそろ合わしていただけぬだろうか、こういう提案をしたいのであります。そういう提案について御検討をいただきたい、これが私の基本的なきようのお願いであるわけであります。物価や国民所得の上昇その他から考えますと、従来の例から考える限り、来年度もまた同様の混乱が起こってくるおそれが多分にあるわけであります。もう同じようなことをいつまでも繰り返させたくない、これは政治家として重大な任務だと考えます。こんなものをじっと見ておることは、一体政治家がどこにいるんだろうかいうことであります。その辺の苦痛も、私は人事院として察していただかなければならない、かように考えるものであります。公務員にとっても、真実五月から引き上げるべきものならば、八月実施では不利益ではないか。公務員の立場に立っても、私どもは考えていただきたいと思います。不利益を起こさせたくないと思います。そういう意味で、この辺で歯車を合わせる努力をしたい、こういう責任は人事院総裁としてもとる覚悟で検討していただけぬだろうか、こう言いたいのであります。したがって、また来年度かりに八月に勧告されて五月実施を言わなければならないくらいのことなら、いま一度目の勧告をやっていただきたい。十一月中になり十二月初めなりに、来年四月以降の公務員の給与はどうあるべきか、もう一ぺん勧告していただいたらいいじゃないか。そして政府はその勧告を受けて、四月から公務員の給与がさらに上げられるように四十三年度予算を組んだらいいじゃないか。将来それを機会に正常なベースに戻せぬものだろうかという感じを、私は持っておるわけでございます。また、国家公務員法で、人事院総裁は、俸給表に定める給与を百分の五以上増減する必要が生じたと認められるときには勧告しなければならないということになっておるわけでございますけれども、この数字がどのような数字になろうとも、五%以上上回るならば問題はないし、五%以下であっても、正常化するために勧告されて私は何も不穏当じゃない、こう思うのであります。同時にまた、現行法を基礎にするならば、両度の勧告は明らかに五%をこえておるわけですから、それに従ったとも言えるわけであります。大手を振ってやろうと思えばやれる勧告でございます。もし来年度同じような事態を起こさざるを得ないとお考えならば、私は十一月なり十二月なりに再勧告することの御検討をやっていただけぬものだろうか。これについての人事院総裁の御所見を伺っておきたいと思います。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤説明員 はなはだ具体的なお話になってまいりまして、ちょっと軽々しくここで思いつきのお答えはできないと思いますけれども、まず卒然として頭に浮かびますことは、私どもは二回でも三回でも精密を期する上において調査をし、また補正の意味の勧告を申し上げる労をいとうものでは全然ございません。しかしそういう調査というものが、いままでの経験から申しましても、納税大衆を含めて、あるいは公務員諸君を含めてあらゆる階層の人々によってよほど信頼され、信用されるものでないと、これは私として説得力は非常に乏しい、人事院勧告の権威にかかわることだという気がいたします。したがいまして、そのためにはよほどの予算と労力を必要とするだろうという、理想的な形を考えればそういう気がするわけであります。望ましいことではあるけれども、なかなかむずかしいだろうという気持ちがいたします。ただ、多少財源を保留していただく意味の勧告といいますか、財源の保留をお願いするという、そういう意味の勧告というようなことであるならば、それはもう政府側で御迷惑でさえなければ喜んでやっていいことであります。先ほど言いましたきついところから非常にやわらかいところまでいろいろな段階があると思います。いまお話の筋は、私は、奥野委員の真意は十分了解しておりますから、なおこだわりなく、先ほど申しました私どもの鉄則とするところは、やはり思い詰めておりますけれども、それを中心としながら、もっと幅広く、こだわることなくものごとを考えていって、いま御心配のようなことが少しでも減るようにあるいは完全に解消するという方向で、なお十分努力を続けていきたいと思いますし、また国会側のいろいろなお教えも進んでお受けしたいという気持ちでおります。

奥野誠亮自由民主党

○奥野委員 最後にお願いだけ申し上げておきますが、いまの人事院総裁のお気持ちはそれでけっこうだと思うのですが、ぜひ自分のやっていることが絶対正しいのだ、これ以外に方法はないのだというようなお気持ちを捨てていただいて、同時に私が指摘を申し上げましたように、人事院の調査そのものがずばり国家公務員の給与基準であっていいほどの広範な調査でないわけです。いろいろなところも総合的に判断しなければならないのじゃないかというような具体的のことも御指摘申し上げたわけでありますので、ぜひこだわらないで、いろいろな角度から再検討していただいて、混乱をぜひ四十三年度からはなくすようにしていただきたい、かようにお願い申し上げておきます。

亀山孝一自由民主党

○亀山委員長 林君。

林百郎日本共産党

○林委員 特別に順序を変えていただいて恐縮でございますが、最初に人事院総裁にこの勧告の性格について質問したいと思います。  この勧告が公務員労働者の切実な要求や春闘における労働者の戦いの結果などによって人事院としても出さざるを得なくなった、こういうようにわれわれは考えていますけれども、しかし、この勧告は公務員労働者の切実な要求である、たとえば一律八千円の引き上げとか、住宅手当六千円の支給だとか、扶養手当一人当たり二千円の支給、通勤手当の実費支給、退職手当の増額というような点は全然勧告で無視されている。しかもその内容を見ますと、一律大幅引き上げの要求が無視されて、したがって、下積みの労働者はほんのわずかしか上がっておらない。あなた先ほど部内の均衡の原則というようなことばも使っておりますけれども、しかし今日の公務員の給与体系は非常に下積みに薄く、上のほうに厚いというこの矛盾があるので、もし人事院の公正な立場で公務員の給与を是正するということを考えるならば、この点を直さなければ、圧倒的な多数の下積みの公務員は一体どうなるのだということになると思うのです。それでこのたびは、下積みの公務員労働者は最低八百円程度しか上がらない。せいぜい千円。それから部長、局長、事務次官など高級官僚になると、一万二千円から二万円という大幅な引き上げになる。同じ公務員でありながらどうして一方は八百円から千円、一方では二万円というような差の勧告を、少なくとも人事院がするかということが私は問題だと思うのですよ。ある地方の市の職員の、このたびの勧告に対する検討の内容にこういうことが書いてあるのです。これは長野県の飯田市ですけれども、「ちなみに飯田市職において行一表採用者でみるならば、本俸において平均額の三千百十一円以上の引きあげに該当するものは六等級、五等級には全然おりません。四等級の十一号俸以上、三等級(係長)の七号俸以上と二等級(課長)以上ではじめて平均引きあげ額を上まわるのです。  これは、組合員の実に約八五%が平均引きあげ額以下となります。また、初任給引き上げについても昨年六・〇%、新高卒千二百円に対し今年は七・〇%と一%多いのにかかわらず千百円しかあげられておりません。そうしておいて、今度は一方では住宅手当は支給しない、勧告なしにして、都市手当というような形で、甲地、乙地に分離して若干入れる、そうすると、お互いに今度は乙地の都市に編入してもらいたいとかなんとかというようなことで、かえって混乱が起きてくるわけです。だから、言いようによってはむしろ公務員の団結を阻害する内容を持った勧告とわれわれには考えられるわけですけれども、私は自民党とは違う立場でこの勧告に対しては意見がある。どうして公務員の諸君のこういう一律八千円とか、あるいは住宅手当だとか、扶養手当だとか、通勤手当だとか、退職手当の増額、あるいは一時金を五カ月と二万円にするというような要求ですね、国家公務員に対するほんとうに切実な要求にどうして全然勧告がないのですか、それをまずあなたにお聞きしたい。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤説明員 私どもの立場は、先ほど奥野委員にるる御説明したようなことでございまして、たとえば組合側から八千円アップの要求がございましても、私どもとしてはあくまでも民間給与の調査をやって得た数字と、公務員の水準とを突き合わせて、その格差をとらえての作業という立場に徹しておりますから、それは場合によっては、一万円の格差が出ればそれは一万円ということにもなりましょうし、三千円であれば三千円でがまんしていただかなければならぬということになる。これは先ほど来申し上げた鉄則のしからしむるところであり、その鉄則は私どもとしては今日の段階においては間違いではないという気持ちでおるわけです。  そこで、いま下積み云々のおことばがありましたけれども、これもこの機会に申し上げておきたいのは、御承知のように数年来いま申しました格差というものはわりあいに少ししか出なかったわけです。昨年は全体で六・九%しか出なかった、その前は七・二%しか出なかった。しかるに物価その他の関係からいうとなかなかきびしい数字になっているということで、ここ数年来はいま御指摘になりましたいわゆる下積みの方々に対して相当の力を注いでまいっておる。これは御要求があれば、たとえば行政職日表、行口といわれる方々の給与のいままでの上がり方をごらんに入れれば、よくやってくれたとおそらくおほめをいただけるくらいにやっているわけです。そこで今度は下積みが違う方面に出てきた。いま御指摘になったように、事務次官その他上のほうの人々はずいぶんがまんにがまんをしている、たとえば事務次官クラスであれば、一回ベースアップを休んでがまんしていただいたこともある。それから、それよりずっと下の中堅の人々はやはりいままで日陰に置かれておった、下積みになっておった。そういう人たちにこの機会に日の目を見せてあげなければ全体のバランスがとれないということで、いま御指摘のような筋からいうとそういう数字になったわけであります。しかし決して林委員のおっしゃるような意味の下積みの人を等閑に付しておるわけではない。たとえば結婚年齢に達して、いよいよ家族を形成するような調査階層にある人、これらの人々については特に考慮するというような、私どもとしてはきわめて行き届いた配慮をしておるつもりでございます。

林百郎日本共産党

○林委員 総裁のこれは基本的な考え方ですけれども、勧告を出すということが、民間賃金と公務員賃金との格差があるパーセントに達したから勧告を出すということ、それだけだとあなたも言っていませんけれども、しかしもっと重要なことは、公務員全体から憲法で保障されている団結権、団体交渉権を奪っているのですからね。それにもし人事院が公正な立場で、憲法で保障されている基本権と代償としての勧告を出すとするならば、公務員の中における不公正な賃金格差、こういうものをなくすという、そういう質的な面まで考慮して思い切った措置をしなければ、あなたの言うように部内の均衡の原則ということで高級官僚が日の目を見なかったと言うけれども、しかし月収十万、二十万、三十万という人たちが一年ベースアップしないのと、平均賃金月二万にも達しない人がどうしても通勤手当や住宅手当や一律八千円ほしいというのとは、質的に違うのですよ。しかもこの人たちは争議権が奪われているのですからね。これからの勧告ではそういう質的なことを考えなければ、公務員としては納得できぬと思うのですね、憲法で保障された団結権、団体交渉権まで奪われているのですから。そういうことについて、あなたは将来どういうようにお考えになりますか。時間の関係であなたばかりに質問するわけにいきませんから、この点を聞いてあなたの質問を終わりたいと思います。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤説明員 林委員のお耳に入りやすいように説明をすれば、民間水準に合わせてということは、要するに民間の方々は団交権、争議権をお持ちになっている、その団交権、争議権をお持ちになっている方々の得られた水準をめどにして、それに合わせてというのですから、その辺いささかもズレはないという自信を私は持っております。  それから、いま部内均衡と申しましたけれども、実はいまおっしゃった意味の下積みの方々ということになりますと、部内均衡よりも、先ほど申しましたような生活防衛の面に目を注がなければならぬということで、ことしは民間の給与、賃金の上がりを見ましても、上から下まで各階層、大体同率の上がりになっております。それを大きくわれわれはとらえてもおります。必ずしも部内均衡ばかりではない。  それから先ほど申しましたように家族形成時の人たちに対するパーセンテージは、八・何%という顕著な高率のパーセンテージになっておるということも申し添えておきたいと思います。

林百郎日本共産党

○林委員 争議権を持っておる民間労働者と公務員を、そういう機械的な賃金格差だけで勧告の主要な要因にしてはならない。争議権を奪われている圧倒的な多数のいわゆる下積みといわれている公務員の諸君の賃金を公正にする。同じ公務員でありながら、一方では月何十万という人もある。一方では二万にも足りないという人がある。そういう中で、少なくとも切実な要求が公務員全体から出ている場合は、そういうことも考えるという、そういう質的な考慮を十分やらなければ、憲法で保障されている労働権の代償としての人事院の勧告の値打ちはないじゃないか、そういうことをあなたに言っているわけです。  そこでその問題にからんで、ここで政府というと大臣は自治大臣しかいないのですけれども、あなた、国務大臣としての連帯の責任でお聞きしますが、勧告は五月一日からというのですけれども、これはどうして八月からということになるのですか。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 とにかく中途での勧告でございますから、いわゆる補正の要因になる。したがいまして、その補正予算を組むにつきましては一定の財源のめどがなければならない。それが本年は、一般的には非常に税の自然増収等が多いであろうと予測をされておりましたが、現実に財務当局が推算をいたしますと、それほどの税の伸びが期待できないというような点もありまして、残念ながら五月までさかのぼることができなかった。しかし、そういう財政の状態ではございまするけれども、勧告の完全実施に一歩でも近づけるという意味におきまして、昨年まで九月であったものを八月にさかのぼらしたということでございます。

林百郎日本共産党

○林委員 これは後に各委員からも質問があると思いますが、私は政府のそういう考え方は根本的に間違いだと思うのですよ。ということは、憲法で保障されている労働基本権の代償機関である人事院勧告の完全実施ということは、人事院勧告の内容については、私は当初にわが党の見解を述べましたけれども、それにしても、憲法で保障されている労働基本権の代償として人事院勧告が出されるということになれば、これはもう財政の問題ではないのですよ。憲法との問題ですから、一切の政策に優先して行なわなければならない問題で、労使関係の問題であって、公労協の仲裁裁定の実施と同じ性格の問題だ。人事院勧告という制度が設けられてから、政府はそういうことを言って一度もこれを完全に順守したことがない。ところが、政府は公務員から団結権、団体交渉権、争議権を奪うときにはそんなことは言わなかったですよ。中途で勧告があったり、財政的な事情によって、これは必ずしもそのまま順守されるかどうかわからないということは一度も言ってないはずですよ。国民に奉仕する公務員としての誠実さを求めるためには、争議というようなことで国民に迷惑をかけることはやめてもらいたい、そのかわり人事院制度を設けて、この人事院制度については政府は誠意をもって順守するということを言っているはずですよ。これはもう何年間もそういうことが続いていますから、公務員諸君の立場から言ったらばどれほど被害をこうむっているかわからないと思いますね、政府が、もし、そういう憲法で保障されている労働基本権の代償機関としての人事院勧告を守らない、そういうものの権威を全然無視しているということになれば、公務員としてはやむを得ず基本的な立場に立って、それではわれわれもまた政府から不当に奪われた団結権、団体交渉権を行使せざるを得ないということになってもやむを得ないのではないですか。これはもう非常に素朴な刑法の理論から言ったって、自分の基本的な権利を守るために、生きる権利を守るためにやむを得ないでやった行為は違法性がないといわれておるのですからね。政府が人事院勧告を誠意をもって完全に実施する、それにもかかわらず公務員のほうが人事院勧告の内容について云々というようなことでもし実力行使をするということがあれば、それはまたそこで問題があると思いますけれども、少なくとも最も初歩的な人事院勧告を政府が守らない、そして労働基本権は奪う。それならば公務員としてはやむを得ず何らかのそれに対する抵抗の措置をせざるを得ないのではないでしょうか。正当防衛とか緊急避難とか、もし言えということならば理論は幾らでもありますよ。しかし、そんな刑法理論まで引っぱり出さなくても当然のことではないでしょうか。それを今度は何十倍という処罰をもって報いるということは政府の良心としてどうお考えになりますか。藤枝さん、まずそこからお聞きしたいと思います。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 もちろん人事院制度というものが代償機関であることは、われわれも承知をいたしておるわけでございます。ただ、残念ながら先ほど来お話がありましたように、年度の途中で勧告が出されるわけでございます。したがって、財政を全然無視して、基本的な問題だから国民の税金がどうであろうと何でもかんでも実施しなければならないということにはならないのではないか。そこにはおのずから、もちろん財政だけではございませんけれども、財政のめどでやり得る範囲でやらざるを得ないということでございまして、今回はそういう関係で、すでに御議決いただいた予算ではございますが、その行政費の七%程度を節約してこの給与改善に回そうというようなことでございまして、その辺の点もひとつ十分御理解をいただきたいというわけでございます。

林百郎日本共産党

○林委員 私とあなたの根本的な違いは、そういう補正予算を組む技術的な問題でこの問題は処理されることではないということですよ。国の基本の綱領である憲法で保障されている権限を公務員だけからとる。それを財政年度の途中からそういう勧告が出たから、いや今年度は補正予算は当初考えたより少し額が多いから、これは八月からだというようなことが許される問題ではない。ことに補正予算が多いとか少ないというのは、この人事院勧告だけの問題ではないじゃないですか。たとえば、食管制度のことから出てきた赤字がどうだとかこうだとか、そういう要因を入れているではないですか。  そこで私、お聞きしますが、そういうことで、公務員としてはどうしても十月二十六日には政府の反省を求めるために何らかの意思表示をしなければならない、政府の反省を求めるために何らかの行動に出ざるを得ないような状態になってきているわけです。これは生きるためにやむを得ないと思うのですよ。さっき人事院総裁は公務員に人材を集めるとか言いましたけれども、口でそんなことを言ったって、生きることもできないような状態にしておいて、政府が人事院勧告を守らないようなことをしておいて、一体だれが人材を結集することができましょうか。そういう意味で十月二十六日には、やむを得ず政府の反省を求めるための意思表示をせざるを得ないようになっていると思うのです。  それについて、聞くところによると、文部省としては教員に対してそれを弾圧する、抑圧するような通牒を出しているということを聞いている。また自治省でも出しているのではないかと思いますけれども、私は、政府みずからが法律を守らないでおいて、そうして公務員にそういうことを押つけること、しかも何ものにもかえられない労働基本権を奪っておいてそういうことを押しつけることは許されないことだと思うのです。事実をお聞きしますけれども、文部省ではどういう通達を出して、自治省ではどういう通達を出しているか、ひとつ事実を説明していただきたい。

鎌田要人自治省行政局公務員部長

○鎌田説明員 文部省は私の所管でございませんので存じませんが、自治省は公務員第一課長の内簡をもちまして先月、正確な日付を記憶いたしておりませんが、スト行為の準備をする、批准投票をやる、この段階を前にいたしまして事前に警告の内容の内簡を出しております。それからいよいよスト宣言をいたしました日に、政府におきましては総務長官名で警告書を公務員共闘にお出しになられたようでございますが、同日付をもちまして事務次官名で各都道府県知事あてに通達を出しております。それから先日、二十日の閣議決定の日に自治大臣の談話をもちまして人事院勧告に対しまする閣議決定の趣旨の説明、それから違法行為に対する自制警告というものを行なっておるわけであります。

林百郎日本共産党

○林委員 文部省がおらないのですけれども、文部省の通達の内容は、総理府ではわかりませんか。

増子正宏総理府人事局長

○増子説明員 私の承知しておりますところでは、文部省は十月九日に、初等中等教育局長名をもちまして、各都道府県の教育委員会、教育長、各指定都市教育委員会、教育長あてに通達を出しております。

林百郎日本共産党

○林委員 通達の内容を聞きたいのですよ。通達を出したことぐらい知っているんです。

増子正宏総理府人事局長

○増子説明員 「教職員のいっせい休暇闘争について」という表題をもちまして「公務員たる教職員が争議行為を行なうことはもとより、そのための準備行為を行なうことも地方公務員法第三十七条によって厳に禁止されているところであります。」ということを述べ、「貴教育委員会においては、教職員がかかる違法行為に参加することによって、学校教育の正常な運営を妨げることのないよう教職員の服務について十分指導するとともに、その服務の実態把握を的確に行ない、非違を犯すものについては厳正な措置をとられるようにお願いします。」という趣旨のものでございます。

林百郎日本共産党

○林委員 重大な事態を聞いたわけですけれども、もう一度、国務大臣としては藤枝自治大臣しかおらないのですけれども、これは法理論の基本的な原則からいっても、自分または他人の生命や身体や自由、財産に対する不当な侵害を避けるためにやむことを得ざるに出た行為は、それによって生ずる事態と要求する事態と比較してその責任は免除するとの規定があることは、これは私があなたに言うまでもないと思いますけれども、何年来政府が人事院勧告を一度も順守したことがないのに、政府のみずからのそういう責任は技術的な問題で言いのがれをしておいて、そうしてやむを得ず、全くもう春闘からの公務員共闘の要求である住宅手当だとか、通勤手当だとか、一律この際八千円引き上げてもらいたいとか、こういう要求は当然であるのに、人事院勧告はそれですら勧告をしていない。それをすらまた政府は守らないというときに、どうして公務員に対してそのような過酷な弾圧をしていいとお思いになりますか。政府は自分の責任を全然感じないのですか。それをあなたにお聞きしたいのですけれども、そんなことで公務員が積極的な意欲を持って、自分の職場で生涯を誇りを持って尽くすという気になりますか。私は重大な問題だと思うのです。これは賃金とか何とかという、そういう問題だけで終わらない問題だと思うのですね。命がけで、生涯をこの安い職場で、下積みの公務員や先生方が一生懸命で働いているときに、政府は人事院の勧告を守らない、それに対して、何とか守ってくれと言えば弾圧する。それでどうして自分の仕事に生きがいを感ずることができるのですかね。私は、厳重な抗議をかねて政府に考えてもらいたいと思います。その問題について、ひとつ大臣にお聞きしたい。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 人事院勧告は尊重されなければならぬことは当然のことでございます。しかし、先ほど来お話ししましたように、これは全然財政を無視してまでこの勧告を完全に実施しなければならぬかというと、そうではないと私は考えるわけであります。その点は、林さんと所見を異にするのは残念でございますが、そう考えております。したがいまして、ことにいろいろ勘案をいたしまして、初めは来年の四月からを十月にし、九月にし、今度は八月にさかのぼるというような努力を政府としましてもいたしておるわけでございます。一方、法によって公務員の争議行為等は禁止されておるわけでございます。動機があれば何をやってもいいではないかということにはならない。やはり法の定めるところによってそういう行為をしないように、またすればそれに対しての処分というものはやらざるを得ないのではないかというふうに考えておるわけでございます。

亀山孝一自由民主党

○亀山委員長 林君、申し合わせの時間もまいりましたので、ひとつ結論を急いでください。

林百郎日本共産党

○林委員 わかりました。  何をやってもいいということではなくて、低賃金の公務員の諸君は、生きるためにやむを得ず、政府に法律を守ってもらいたいという要求をやることなんですから、そこのけじめをあなたにきちんと考えてもらわなければならぬと思います。  時間の関係でやむを得ず次の質問に移ります。  これは地方行政ですから、地方公務員のこのたびの人事院勧告の裏づけとしての財政的な保証の問題ですけれども、これは言うまでもなく、財政需要額として当然中央政府に要求できる額なんです。したがってこれは中央が財政的な保証を確保してやらなければならぬと思いますが、この点について自治省と大蔵省ではどう考えているか、ひとつ答弁願いたいと思います。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 国家公務員の給与改善が行なわれれば地方公務員もこれに準ずるわけでございまして、その所要額につきましては、まだ完全な財政当局の税の伸びの見込み等はきまっておりませんけれども、私の考えているところによりましては、十分税の伸び、地方交付税の伸び等におきましてまかなえるものと考えております。

林百郎日本共産党

○林委員 重大な問題ですけれども、税の伸びというと、この負担を地方自治体の税の伸びでまかなうということは、これは許されないことじゃないですか。これはやはり財政需要額として当然本来中央政府に財政的な要求のできるものですから、これは中央で少なくとも補正予算に交付税としてこの分は組んで、そして地方に交付してやるべき性格のものじゃないでしょうか。それをもう少し具体的に、どう考えているか説明願いたい。金額がどのくらいになるのか、あわせてそれを聞きたい。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 金額については事務当局から申し上げますが、もちろん地方交付税等、国の補正予算の中には入るわけでございます。

林百郎日本共産党

○林委員 だから、それは全額をそれに入れるのですか。今度の人事院勧告に基づく地方自治体の負担額は、補正予算の中で交付税として全額を組むのが筋だと思いますが、そうするというのですか。

細郷道一自治省財政局長

○細郷説明員 八月実施に伴いまして、地方公務員の給与改定の所要額は、交付団体一般の一般財源としまして五百五十五億見込んでおります。御承知のようにこの財政措置につきましては、従来からもそうでありましたように、交付税の基準財政需要額の算定を直しましてこの分をそれに上乗せをいたします。そうして一方では基準財政収入額の計算で、法人関係の地方の税につきまして最近の実績の出た分を収入の見積もりを修正いたしまして、さらに、御承知のように交付税は、国税三税の見積もりが定まりますればその三二%分が当然に歳出として計上されるわけでございますが、その分と合わせまして措置をいたしたい、こういうことにいたすわけでございます。

林百郎日本共産党

○林委員 当然のことをやるのはあたりまえなんで、それが、当然のことがやられないことを大臣が答弁しておりますから……。交付税としてこのたびのベースアップ分を財政需要額として中央政府に要求することができるのですか。これをきっぱり、そのもの全額ずばりで補正予算に組む、そして後に地方自治体の負担にならないような措置をするということをはっきり言わぬですよ。あなたの答弁を聞いても、どうもその点がはっきりしないわけですよ。まあ、私はあなたの言動をいろいろ検討してみているのですけれども、あなたは公務員としての公正さを失って、自民党の一員のようなことを方々へ行ってあなたは言っていますよ。いまの地方自治体の財政の非常に窮迫した実情に対して、少なくともあなたは自治省の財政局長として十分その点を考えてやらなければいかぬ立場にいるわけですよ。たとえば、あなたは、民間との格差をどう縮めるかに重点が移った勧告のあり方はすでに時代おくれであるとか、ともかく公営企業は行き詰まっている、荒療治が必要だ、この現実を踏んまえ、ともに考え、協力を願い、ことしの賃上げは差し控えてほしいということを言っている。これは埼玉県の公務員共闘と自治省との交渉です。あなた、こういうことを軽率に言うべきじゃないですよ。局長ですもの。こういうことを言うのは、自民党の上のほうにいますよ。もっと、政府のそれぞれ言うべき立場の人がいますよ。あなたのいまの答弁を聞いても、ちっともはっきりしないわけです。  そこで私は大蔵省に聞きますが、政府は、今度のベースアップの地方公務員への財政的な保証の裏づけの一つの手段として、三十九年、四十年の両年度にわたって貸し付けた交付金、特別会計の貸し付け金です。これを全額繰り上げ返済させる、こういう方針をきめた、それから同時に四十年度の地方財政不足を補てんするために交付された特別交付金の五百十億、この返済を要求するということを検討中だと聞いていますけれども、これは、大蔵省では、小沢次官しかおりませんけれども、この三十九、四十、両年度にわたった交付金の特別会計の貸し付け金ですね、これは本来は中央政府が見るべきものだとわれわれは考えていますけれども、しかしこの条件は五年から七年の分割払いということになっているはずですね。これを全額繰り上げ返済させるという方針をきめたというのですが、それはどうですか。

秋吉良雄大蔵省主計局主計官

○秋吉説明員 先ほど自治省の財政局長からもお話がございましたけれども、交付税、基準財政需要に給与改定分を織り込み、同時に基準財政収入にどうなるかということでございますが、国税三税の増に伴う交付税、これが基準財政収入に入ることは私が申し上げるまでもないことでございますが、問題は、主税についてどの程度本年において、自然増収の確たる見通しがあるか。これが実は立ってないというのが率直なところでございます。おそらく十一月以降にならないとはっきりしためどが出ないのではないかと私、個人的には、考えております。したがいまして、地方税としての基準財政収入の伸びが今後どの程度になるか、それから三税の自然増収に伴う交付税の増がどうなるかということは、実はまだ確定をしてないわけでございますが、そういったものが確定をいたしまして、その際にかりに余りが出たという場合にどうなるかという御質問だと思います。まだその段階まで実は私ども検討しておりませんが、いずれにいたしましても、そういった段階で余りが出ましたならば、自治省ともよく相談をいたしまして今後検討しなくてはいかぬ問題でございます。給与改定原資として資金運用部から借り入れた三百億、まだ残っておりますが、等の返済についてどうするのかという問題につきましては、今後の経済情勢とかあるいは従前給与改定財源を受けてもなおかつ残った場合には翌年度に繰り越しておる例が従来もございますし、それから昨年は給与改定原資のうち、給与改定原資として借りましたものについて二十億の繰り上げ償還をした例もございます。そういった前例等を参考にしつつ、また今後の経済情勢等も総合勘案いたしまして、いずれにいたしましても自治省と十分相談をいたしまして今後検討いたしたいと思います。

林百郎日本共産党

○林委員 ちょっと大臣に聞きますが、先ほど、今度のベースアップで地方公務員に対する財政的な必要額は五百五十億という数字が出ましたね。これを今度の十二月当初に考えられる臨時国会になりますか、その補正予算の中には、それはそのもので組むのですか、あるいは組まないのか。地方交付税として今度の補正予算の中にはそれを入れるのですか入れないのですかということが一つと、それから、もし主税に対する交付税率を掛けたものが万一補正としての五百五十億に足りないような場合は、考えられるのか考えられないのか。要するに、三税の自然増に対して交付率をかけたもの、これが今度のベースアップの分に見合うものに足りないとすればどうするのか、そういうことは考えられるのかどうか。要するに、地方自治体の何らかの新たな負担として、地方自治体の財政負担になるのかどうか、あるいはそういうことは絶対−いずれにしても、今度の人事院勧告に基づく地方公務員のベースアップについては財政的な負担が、後々地方自治体の負担になるようなことはしないというようなことを、あなたはここではっきり言えるのか。その辺をもう少し煮詰めて話を聞かしてもらいたいと思います。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 まだその三税の伸びがわかりませんから、どうなりますかということでございますが、林さんは今度のベース改定のすべてを交付税で見なければいかぬという御所見に立っておられるようですが、私どもはそうではないのでございまして、一方、地方税そのものの伸びも考えられるわけです。また、国において七%の行政費の節約をするというようなことに準じて、地方公共団体においてもそういうことをやってほしいというようなことでございまして、何でもかんでも、今度の国家公務員の給与改善に伴う地方公務員の給与改定について、そのすべてを交付税で見るという趣旨ではございません。

林百郎日本共産党

○林委員 そこが私とあなたの基本的な違いでして、私はこれは財政需要額として当然計算をして、財政需要額の中に繰り込んで、そして中央政府に要求できるものであるし、中央政府は財政需要額としてそれを支払わなければならない性格のものだと思うのです。公務員の給与なんですから。それを中央政府は見なくて、これを地方自治体の財政に負担を転嫁させるということは、これは私は許されないことだと思います。あなたからお聞きしますと、これは何とか地方自治体にも負担をさせる場合があるようなことを言っておりますけれども、私はこれは許されないと思うのです。同時にまた、ましてやこれを機会にして、資金運用部から借りて、分割払いでいいという話で出ている三十九年度、四十年度の特別交付金ですか、あれを繰り上げ返還させるということをこわとからんでやられるなんということは、これはもう地方公務員のベースアップが地方財政に影響々与えるような、そういう地方自治体と地方公務員との対立を激化させることを中央政府が意識的にやることになるので、そういうことは私は許されないと思うのです。  時間の関係で、これにからんであと二問だけにさせていただきたいと思うのですが……。

亀山孝一自由民主党

○亀山委員長 林君、申し合わせですから……。

林百郎日本共産党

○林委員 それではもう一問にまとめますけれども、財政硬直を理由にして交付税率を二・五%下げるということが新聞に書かれてますね。これに対して、自治大臣は一体どう考えるのか。これは私がいままで質問してきたことにからんで非常に重要な問題だと思うんですよ。そういうことをほんとうに考えているのかどうか。もし、そういう余裕があるとすれば、もし地方自治体に財政的な余裕が若干できたとすれば、当委員会であれほど各委員が質問しているように、不当な人頭割りだとか、あるいは電気ガス税だとか、中央の税体系でも許されないようないろいろな前時代的な課税があるのですから、やはりこれを廃止し、減税、免税してやってやらなければならないということが、いま言われているときなんです。それを、財政硬直といったって、中央のそういう財政的な政策のしわを地方自治体に寄せて、交付税率を切り下げるというようなことは、私はとうてい許されないことだと思いますが、この問題がどうかということ。  それから、さらに、財政硬直を理由にして、二千百十二億円の支出繰り述べをする。これにあたって、地方自治体に協力を求める、その協力の内容についてはいろいろありますけれども、そういうことをして、地方自治体の公共事業への支出を、中央の二千百十二億の支出繰り述べと並行させて、これをチェックしていく、こういうことを政府は考えている。それに対して、地方の都道府県知事から、政府は一番やりやすいことだけをやっている、もっとほかに方法を考えるべきだとか、あるいは地方自治体の事業が国際収支を悪化させる原因ではないではないかという意見が出ていることも、これはもう自治大臣も知っているはずだと思うのですが、この二つの問題、これも今度の人事院勧告と地方公務員のベースアップとそれに対する財源と関係してきますので、この際、締めくくりとして聞いておきたいのですけれども、こういう二つの問題、交付税率を下げるという問題、それから、国際収支の改善を理由としての中央政府の二千百十二億の支出繰り延べに対して、地方財政も公共事業の支出をチェックするようなことを指示しているらしいのですけれども、それに対して自治大臣の答弁を聞きたい。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 第一に、交付税率につきましては、私どもは、これを引き下げるような考え方は持っておりません。  それから、繰り延べの問題でございますが、国の財政政策に地方も協力をしていただきたいということは言っておりますが、しかし、地方にいろいろ事情がございますから、決して一律にこれをやるというようなことを要請するつもりはございません。

林百郎日本共産党

○林委員 私の質問を終わります。

亀山孝一自由民主党

○亀山委員長 それでは、一時半に再開することとし、この際、暫時休憩いたします。    午後零時十七分休憩      ————◇—————    午後一時四十七分開議 ○亀山委員長休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。井上君。

井上泉日本社会党

○井上(泉)委員 人事院総裁の午前中の答弁、まことに気骨のあるりっぱな御答弁で、感心をして聞いておったわけですが、人事院として勧告についてはこれはもう絶対自信があるのかどうか、これは五月実施はどうしても認めてもらわないと、公務員の立場に立って、公務員の身分を守っていく上において、人事院としてはこれくらいの勧告は実施してもらわねばならない、こういう強い決意を持っておるのかどうか、これをもう一度承っておきたいと思います。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤説明員 おっしゃるとおり、たとえば今回の勧告についてはぜひ五月にさかのぼって実施していただきたい、そういう意味では強い決意も持ち、またその決意のもとにいままで努力をしてまいったわけであります。ただわれわれ人事院の立場としては、財政権も持っておるわけではありませんし、あらゆるポリシーにまたがっての判断というような点においてはわがほうの権限ではございません。したがって、国会にも勧告申し上げて、そういうことは広く国会で御判断の上、正しいと信ずる御裁断を願う。その際にはぜひ五月一日にということを申し上げなければならぬというのがわれわれの立場でございます。

井上泉日本社会党

○井上(泉)委員 その場合に、五月一日実施ということについて強い決意を持って人事院としては勧告された。それを政府が八月からやろうと閣議決定された。それに対して、公務員としてはこれではどうも納得がいかない、どうしても人事院の勧告どおり五月実施にしてもらいたい、こういう要求が出るのは当然だと思うわけですが、この公務員の気持ちについて、人事院としては、一方では一つの準立法的な作用と、そしてまた準司法的な任務とこの二つを持っておるわけですから、そういう場合に、公務員が人事院の勧告どおりぜひ尊重してやってもらいたいというこの気持ちに対して、人事院総裁としてはどうお考えになっておるか。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤説明員 申すまでもなく、その気持ちの方向はわれわれと同じでございますから、その限りにおいては大いに同感に思うということであります。

井上泉日本社会党

○井上(泉)委員 そういう場合に、公務員がその気持ちを貫くためにはどういうことをしたらよいのか、あなたが公務員の立場に立って考えた場合に、何とかこの五月実施の要求を実現さすために許された行動というものはもう公務員には何にもないのか、あるいは一〇・二六に予定をされておる抗議行動、当然公務員として日本の民主政治を守る全体の奉仕者としての立場から考えて、その機関の決定を尊重する行為をとる、これくらいのことはもうやむを得ないものと、こう理解をしていいのかどうか、あなたの御見解を伺いたい。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤説明員 私が組合の幹部であり指導者であれば、いろいろ秘策を練って大いにリードしてまいりたいと思いますけれども、残念ながらいまのところは人事院の一人の職員にすぎない私どもとしては、勧告をした者としてそういう公務員諸君の御要望をも背中に負いながら努力をしてまいりましたし、今後も続けたい、こういうことでございます。

井上泉日本社会党

○井上(泉)委員 大臣がお見えになったですから。人事院の制度が生まれたこと、その存在意義についてはもう論議する必要はないと思うのですが、やはり国の機関の決定の尊重ということが柱になくてはならないところで、大臣は勧告が年度途中で出たからこれが八月実施あるいは九月実施ということになって、人事院の勧告どおり五月ではできないというふうな答弁をなされたのですけれども、いまの制度から考えて、人事院の勧告が八月に出てくるのをより早く出せよというほうが無理じゃないか。あなたが人事院総裁であったら、年度途中ではなしに年度当初に人事院の給与改定の勧告がなされるような仕組みになっておるのかどうか、ひとつ大臣の見解を承りたい。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 現在人事院でやっておられるような四月調査という形でやりますならば、なかなか年度初めに勧告をいただくようなことにはならないと思います。ただ先ほど奥野さんからもお話がございましたように、何か年度当初に給与費が組めるようなくふうを人事院側においても御研究をいただけないものだろうかということは、私も実は内々考えておるわけでございます。現在のようなやり方では八月以前に勧告をいただくということはむずかしいことだと私も考えます。

井上泉日本社会党

○井上(泉)委員 八月以前にそういう勧告を出すことは現在の状態をもってしては当然困難なことで、これを四月に勧告を出せよといっても予算編成は十二月か一月ですから、とてもとても勧告ができる道理はないわけです。結局奥野さんが言われるようなことは何か人事院の機能というものをつぶしてしまえというふうな感じを非常に強く受け取ったわけですが、そういう点についての大臣の見解はどうですか。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 新聞の報ずるところによりますと、たとえば自民党の高橋さんの構想なども出ておりますが、私はやはり人事院が設立された趣旨に従いまして十分その機能を発揮していただくようにしなければならぬと思うのでございます。私のいま申し上げたのはそういう意味で、人事院そのものが当初予算編成前に来年度の給与のあり方等について御研究をいただけないものだろうかというふうに考えておるわけでございます。あくまで人事院の機能というものを中心にして考えておることを申し上げたいと思います。

井上泉日本社会党

○井上(泉)委員 いまの大臣の見解に対して、佐藤総裁のお考えをお聞かせ願いたいのであります。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤説明員 いまの四月調査でいけば、諸般の計算上のスピードの問題からしてどうしても八月にならざるを得ない。これはいまのお話に出たとおりであります。そこでこの勧告のあり方の基本問題として、先ほども触れましたようにいろいろな考え方がございまして、いろいろまた検討いたしましたが、その一つとして出てくる案は、いま御指摘になっておりますたとえば来年四月以降の賃金情勢を見越して勧告したらどうかということは、必ず皆さんの脳裏には一応浮かんでくる案だと思います。ただ、これに対しまして私どもの立場として懸念を持ちますことは、先ほどの答弁にも触れますけれども、いまのやり方はがっちりと六千数百の事業所をとらえて、四十七、八万人の民間の従業員を一人一人個別に当たって、四月中に支払われた給与を個別のカードでとってそれを集計した結果をもって水準をとらえておりますから、その意味では非常に信憑性が高いあるいは強いということが言えるわけです。したがって、これも先ほど触れましたように、公務員の方々には結果においていろいろ御不満がありあるいはその他の反対の立場の方々からも御不満がありますけれども、これだけのデータに基づくものであるということのゆえに、相当御不満ながらも納得していただいておるということが言えるわけであります。かりにそのやり方を変えまして、人事院が諸般の過去のデータを基礎にして来年四月からこうなりますという勧告を申し上げることになりますと、過去のデータと申しましてももう数カ月前の古いデータしかないわけです。物価の趨勢、生計費の趨勢、それらを過去の資料にとらえて、今度は約半年先以降の情勢を判断してきっちりした勧告を申し上げるということは、現在やっておりますやり方とは根本的に違ってくるわけであります。結局一種の見積もりにすぎない。とすれば、これはきめ手のないことになってしまう。先ほど申しましたような、現在やっているような意味の信頼性、権威というものがなくなってくるわけでございます。そういう意味で、われわれとしてはそこまで踏み切るという勇気を現在のところ持っておりません。こういう立場できておるわけでございます。

井上泉日本社会党

○井上(泉)委員 国民が政治に対する信頼をするかしないかということは、やはりきめられた法律を守るか守らないかというところにあるわけですが、公務員の労働権を守るために人事院制度があって、そして人事院が民間の給与その他からずいぶん綿密な調査をされて、これだけの給与を出すべきが適当と思うという勧告をしたことに対して、これを財政の都合だからといって一方的に実施を八月にするとかあるいは九月にするとかいうようなことは、そういうことをすること自体が国民の政治に対する非常な不信を招く大きな原因になる。それで公務員として国民の全体に奉仕するという立場に立つならば、法律を守らすために公務員が身を張って戦うということ、このことは何も公務員が自分の賃金勧告を完全実施するための戦いというだけではなしに、国のきめたことを実行さすための国民的な願いを公務員の方たちがやってくれておるものと解釈をして何ら差しつかえないのじゃないか。それに対していろいろな弾圧的な通達を出すとかいうようなことをする前に、何で人事院勧告を完全に尊重するような態度をとらなかったかということについて、非常に不満を持つものですが、いま公務員の給与改定がかりに五月から実施をされたといたしましても、その五月の時点と今日米価の値上げを契機として一斉に物価が非常な値上がりを示しておる。そういうことから考えまして、私は経済企画庁の方にお尋ねをしたいのですが、四月から八月、そして九月まで消費者物価の生計指数というものがどれだけの上昇を示しておるのか、この機会に承っておきたいと思います。

小島英敏経済企画庁国民生活局参事官

○小島説明員 お答え申し上げます。  消費者物価の動きでございますけれども、四月には前月に比べまして〇・三%と上がりましたけれども、五月、六月、七月と〇・六、〇・六、〇・一、三カ月にわたって合計一・三%ほど下がりました。ところが、八月からこれがまた上がり始めまして、八月には〇・八%上がっております。したがいまして、どうも消費者物価につきましては、やはり八月以降また根強い上昇傾向に入っているんじゃないかというふうに考えられます。

井上泉日本社会党

○井上(泉)委員 経済の見通しとしては、この九月、十月、あなた方自身の生活の内容から見ても、ずいぶん上がっておるんだというふうに想像がつくと思いますが、経済企画庁としては、物価が十二月ころまでには大体どれくらい値上がりをすると予想されておるのか。

小島英敏経済企画庁国民生活局参事官

○小島説明員 四月から九月までの平均を前年同期と比べますと、約三%くらい——まだ九月がはっきりしておりませんけれども、約三%アップと見ております。したがいまして、十月以降米の値上がり、その他公共料金の関係も上がりましたし、ある程度便乗値上げ的なものもございましたので、現在われわれの見通しております下期の平均は、前年度の下期に比べまして五%強くらい高い数字になるのじゃなかろうか。したがいまして、年度平均で見ますると、上期が三%、下期が五%強、平均いたしまして四・五%という政府見通しの数字の中に本年度は一応おさまるのではないかというふうに見ております。

井上泉日本社会党

○井上(泉)委員 物価の顕著な上昇ぶりから考えましても、五月実施をいたしましても、公務員給与というものは、とてもとても現在の物価水準に追いつくような状態にはならない、こういうことがはっきり言えるわけですが、これは地方行政委員会ですから、私は特に地方公務員の場合の給与の問題についてお伺いをしたいと思うのです。  午前中の林さんの質問のときに、八月実施をする場合に五百五十五億財源措置が必要だ、こういうことを言われたのですが、これについての答弁というものが何か明確に受け取れなかったので、この際、大臣から、この五百五十五億の財源措置について地方公共団体の財源措置をどうするのか、承りたいと思います。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 国家公務員に準じて上げるということでございまして、この五百五十五億——交付団体でございますが、それは財政需要額の引き上げになるわけです。一方、最近の情勢と申しますか、補正予算の編成時と申しますか、そのときにおける地方税等の収入の見積もりをもう一度やり直しまして、これであるいは法人関係の税などは伸びるかもしれない、そういうものを彼此勘案いたしましていくわけでございます。そしてまた、国税三税の明確な数字がまだ出ておりませんから、これが明確になりまして、その三二%は当然地方交付税になる、こういうわけでございます。

井上泉日本社会党

○井上(泉)委員 もう補正予算を組む——きょうは十月二十四日ですから、かりに十一月に臨時国会を開かれるとすれば、それまでに補正予算は組まれなくてはならない。もう大体こういう財源措置についての一応の見通しというものは立っておるのだろうと思うわけですが、大蔵省のほうで、小沢政務次官がいないようですから、主計官にお尋ねしたいのですが、どうなっておるのか、その点をひとつ御説明を願いたいと思います。もうすぐですから、まだわからないということを言わないように……。

秋吉良雄大蔵省主計局主計官

○秋吉説明員 お答えいたします。  まだ何せ九月決算がはっきりしないと、実際問題といたしまして、国税の増収がどうなるか、またそれと関連いたしまして、地方税の増収がどうなるかという確たる見通しがつきにくいのは御案内のとおりでございまして、そこで、これがどのように確たる見通しが立つかというのは、やはり十一月になってみなければわからないというふうに私ども承知をしておるわけでございます。したがいまして、国税三税がどのようになって、どれだけ交付税がふえるか、また一方、地方税がどのくらいふえるかということで処理するわけでございますが、国と同様、地方公共団体におきましても節約をやってもらい、また足らない点は、地方財政の現状を考慮いたしまして、適切な措置を講ずるという考え方でございます。

井上泉日本社会党

○井上(泉)委員 それではもう一回自治大臣にお伺いしますが、いずれにしても、地方公務員の給与改定に必要な財源については、このことによっては、地方団体がいろんな事業の繰り延べをしたりする必要のない形において、政府としては財政措置がとれるという確信が持たれるのかどうか、そういう措置をとれる自信を持っておられるのかどうか。その辺の御見解を承りたいと思います。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 国においても、八月実施につきまして行政費の七%の節約を財源に充てるというようなこともやっておるわけで、先般の閣議決定におきましても、地方公共団体においても国に準じてそうした節約もしていただきたい。ですから、この点は、あるいは井上さんがおあげになりますと、地方の負担になるということになるかもしれませんが、その程度の節約をしていただきたいとわれわれは考えております。その他の問題につきましては、まだまだ財政当局の見通しがわかりませんので、いま確固たる御返事をするのはいかがかと思いますが、私の考え方では、地方に御迷惑をかけないでやれるのではないかというふうに考えております。

井上泉日本社会党

○井上(泉)委員 自治省に公務員部ができたのですが、いま地方公務員の給与ベースというのは、県、それから六大市、町村と、ずいぶん格差があるわけです。やはりそれぞれの地方自治体の均衡のある発展をはかっていくのが自治省としての役目と考えられますが、いま市町村の、つまり、人口二十万あるいは十万以下の市町村の公務員の給与というものはきわめて低いわけです。こういうふうな地方公務員全体を国家公務員並みの給与水準にこの勧告を契機として引き上げるとするならば、どれくらいの財源を必要とするのか、その点をひとつ御説明を願いたいと思います。

鎌田要人自治省行政局公務員部長

○鎌田説明員 たいへんむずかしい御質問でございます。実は地方公務員の給与実態調査を御案内のとおり指定統計という形をもってやっておりまして、来年がその五年目の年になっておるわけでございます。したがいまして、得られます一番新しい資料は、昭和三十八年七月現在の資料ということになるわけでございます。これによって見ますと、都道府県の場合には国よりも七・九%高い、それから大都市の場合には三四・二%高い、市の場合には八・三%高い、逆に町村の場合には八七・二%でありますから、一二・八%低い、こういう数字が出ておるわけでございます。ラスパイレスの比較でどういう形が出てまいりますか、来年の実態調査を見てみなければわからないわけでございますけれども、町村を国家公務員並みまで引き上げるということになりますと、都道府県、大都市、市というのは、ほとんど高いところは引き下げられますので、結局その差し引きの計算をやりませんと、国家公務員に準じた地方公務員給与のプラスマイナスをしての数字というのは出ないわけでございまして、実はそういう試算は現在いたしておりません。

井上泉日本社会党

○井上(泉)委員 そういう試算をいたしていないでは、あなた、どこでどういう調査をされておるのか。私、ほんとうに仕事というものを役人の方は能率をあげてやらない、こう思わざるを得ないのです。私の調べたところによると、これは自治省調査というものにあるのですが、四十一年の四月現在の地方公務員の一般職員の平均賃金が三万四千二百二円、町村職員が二万六千四百七十九円と、町村職員の給与は約八千円低いわけです。この事実はお認めになっておるのですか。

鎌田要人自治省行政局公務員部長

○鎌田説明員 そのとおりでございます。

井上泉日本社会党

○井上(泉)委員 そういうふうな状態の中にいつまでも地方の自治体を置いておくということは、地方の自治体の職員としては、非常な負担の中で、しかも低賃金の中でやっておるので、それを今度の公務員の給与改定に対して自治体で自主財源をもって充てるというのはとてもできっこない。その点、大臣は、別段地方財政に負担をかけないような方法をもって、公務員のベースアップについてはその財源措置はとり得るというお話であったわけですが、自治省としては、そういうふうな県、市町村と国家公務員との給与の格差を、高いものは低くせよというわけです。ところが、低いものは上げよとは言わないわけです。これはどういうお気持ちでそういうお話をなさるわけですか。これは財政局長でもどちらでもいいです。

鎌田要人自治省行政局公務員部長

○鎌田説明員 財政措置の面におきましては、御案内のとおり、国家公務員に準じて給与改定をやる場合の財源措置を全都道府県市町村に対してやっておるわけでございます。現実の給与の決定にあたりましては、従来自治省の指導方針は、国家公務員に準じて給与改定は行なえ、こういう指導をいたしておるわけでございます。したがいまして、財源措置といたしましては、国家公務員並みの給与改定をやるだけの財源措置は毎年完全に行なわれている。ただ、個々の都道府県なり市町村なりにおきまして給与をどのように決定するかということにつきましては、やはり当該団体の国の公務員なりあるいは民間の従業員の給与水準との比較でございますとか、あるいは当該団体の財政事情でございますとか、その他もろもろの事情を勘案して決定されていく、そういうことがこういう形になってあらわれて出ておるのではないか、こう考えておる次第でございます。

井上泉日本社会党

○井上(泉)委員 そうではないのですよ。私の問うておるのは、国家公務員より高い水準にある地方団体の給与はそう高うならないように押えよ、こう言うでしょう。ところが、低いところは上げよとはあなた方言わないわけです。一体どういうお気持ちで低いところを上げよと言わないのか。低いところは低いでけっこう、それでやれというわけですか。

鎌田要人自治省行政局公務員部長

○鎌田説明員 繰り返しになるわけでございますけれども、低いところを国家公務員まで上げよ云々ということは、私ども積極的な指導はいたしておりません。これは財源措置の面におきましてそれだけの手当てはしておるわけでございますし、国家公務員に準じた給与改定ということを給与改定の原則にしておるわけでございます。ただ、たとえば今度の人事院勧告の別表の第五によって明らかでございますように、たとえば暫定手当の未支給地あたりでございますと、官民給与の格差もほとんどない、こういう数字が出ておるわけでございます。私推測いたしまするに、町村あたりでございますと、当該町村の区域の中で民間の給与水準というものと比較をいたしまして、現在出ておるような給与の決定というものが、それぞれの団体において自主的に行なわれておるのではないかということを申し上げておるわけでございます。

井上泉日本社会党

○井上(泉)委員 そこの地方団体が自主的にやっておることに対して、高いといってどうして文句を言うのですか。そのお気持ちをひとつ。

鎌田要人自治省行政局公務員部長

○鎌田説明員 高いところに対する指導でございますけれども……。

井上泉日本社会党

○井上(泉)委員 時間がないからできるだけ簡単に……。

鎌田要人自治省行政局公務員部長

○鎌田説明員 大都市あたりでございますと独自の給料表を持っておりまして、その上にまたさらに運用の面において非常な改善、是正が加えられておって、国家公務員に比べまして、ただいま申しましたように三四%も高い、こういう形になっておるわけでございます。当該団体が金をどう使おうがその団体の自主的な決定にまかせられておるわけでございますけれども、やはり地方公務員法の給与規程によりまして、国家公務員の給与に準じて給与改定を行なう、こういうたてまえでございますから、そのような高いものに対しましては常時是正の努力を行なうべきである、こういう指導を行なっておるわけでございます。

井上泉日本社会党

○井上(泉)委員 低いところを上げるようにするのが、地方自治体の均衡のある発展をはかっていくために自治省のお役人としては当然なすべき仕事じゃないですか。その低いところを上げるということについては、これは全然指導はしてないし、お気持ちもないというわけですか。

鎌田要人自治省行政局公務員部長

○鎌田説明員 地方公務員の給与、特に町村あたりの給与でございますと、町村の中におきまして、おそらく私は現在の段階におきましては町村役場の吏員が一番高給取りであろう、こう思うわけであります。やはりその町村の地域社会の中における民間の給与というものもあわせて考えながら、給与の決定が行なわれておるであろう。そういう団体の実情というものを見ますと、一律に国家公務員のレベルまで引き上げなさい、こういう強い指導をするというととは、その団体の民間給与との比較、こういう面から見ていかがなものであろうか、こういうふうに考える次第であります。

井上泉日本社会党

○井上(泉)委員 それでは大臣にお伺いしますが、国家公務員の給与関係で人事院があると同じように、地方にも人事委員会があって給与の勧告を毎年毎年やっておるわけですが、この決定というものについては、自治省としてはこれを守れという方向で指導されるのか、あるいは国並みに人事院の勧告がこうだったから国のとおりにせよというのか、そこら辺どういう指導のしかたをされるのか、承りたいと思います。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 もちろん、地方の人事委員会等の勧告というものは尊重されなければならぬわけでございますが、ただ国としましては、たとえば財源措置等については、国家公務員に準じて行なうものとしての財源措置等を考えておるわけでございます。

井上泉日本社会党

○井上(泉)委員 たとえば高知県の人事委員会が、政府が閣議決定で八月実施ということをきめた、そのときに、五月から高知県の地方公務員の給与を上げるのが適当と思う、こういう勧告をした。これは高知県だけでなしに、おそらく全国の県なんかではこれと同じような勧告をなされておるわけです。つまり、地方自治団体としては、そういうふうに五月実施の勧告を議長あるいは知事に出しておるので、これを守るように自治省としては指導し、それに対する必要な財源措置については考慮するのか。これは自治体としては自治団体の均衡ある発展をはかっていくため、そしてまた地方自治体の民主化のためにどうしても必要なことではないかと思うのですが、そのことに対して各地方公共団体が人事委員会の勧告どおり五月に実施しても、自治省としては別段これについてとやかく文句は言わない、こういうふうに理解をしておってよいですか。

長野士郎自治省行政局長

○長野説明員 地方におきましても、お話しのとおり人事委員会で給与の勧告をいたすわけでございますが、人事委員会の勧告を尊重するということにつきましては、ただいま大臣から申し上げたとおりでございますけれども、地方公務員の給与決定の基準といいますか、法律上のたてまえは、要するに国家公務員に準ずるという考え方で基本線が貫かれておるわけであります。この関係につきましては、府県の人事委員会もそういう法律上のたてまえ、原則というものの前提に立って給与勧告をいたすべきものだと私どもは思うのでございます。そういうことで考えますと、国の給与決定が八月なら八月実施というような場合におきまして、人事委員会のほうで五月実施ということを勧告をいたしました場合に、給与決定は国家公務員の給与に準ずるという考え方は、自治省としては実施時期をも含めて問題を考えるべきだという考え方をとっておりますが、そういう点で考えてまいりますと、人事委員会の勧告はかりにそうであるといたしましても、全体としてはやはり八月実施という線を守るべきであるというふうに考えるわけでございます。その点では、政府と人事院の勧告との関係と同じような関係になることはやむを得ないものだと思っております。

井上泉日本社会党

○井上(泉)委員 守るべきものだとはあなたもお考えであるけれども、そのことを自治団体に対してこうせよというような指示は、圧力は——ことばはわるいかもしれないが、圧力は加えないか加えるか、それだけの返事を……。

長野士郎自治省行政局長

○長野説明員 八月実施というのを五月実施にするということは適当でないという指導は、従来からもいたしております。

井上泉日本社会党

○井上(泉)委員 それは地方の自治権というものを非常に自治省は自治権を尊重しなければならぬということで指導をし、均衡ある地方行政の発展をはかっていけということを絶えず指導していることと全く反対の方向ではありはしないか。つまり、自治省が逆に地方の自治体を自分の言いなりに掌握をしてしまう、こういう自治体行政というものを全く中央集権の方向に、こういうふうな人事院制度ができ、人事委員会の制度ができるごとにそういう方向を顕著に示してきておるものと言わざるを得ないのであります。そういう点について、これはもっと地方の自治権を拡大をするような方向で、政府が八月実施ときめたんだから、政府としては八月実施に伴うところの財政措置については見るけれども、かりに五月からの分についてはこれは政府は見ないよ、それは地方自治体でかってにやることならいたしかたないけれども、やむを得ませんよというくらいの態度を持ってするのが、地方の自治体の自主性を尊重するということになりはせぬかと私は思うのですが、その点、長野さんどうお考えですか。

長野士郎自治省行政局長

○長野説明員 先生のようなお考えも確かにあると思います。ただ、私どもが申しておりますのは、国家公務員の給与に基ずるというものの考え方から考えました場合には、実際の実行の場合におきましても、八月実施と五月実施というものはたいへん違うわけでございます。内容が違うので、そういう国家公務員の給与決定に準ずるということとしての意味をはっきりさせますためには、やはりそういうことで考えるべきだという指導をいたしております。ただし、自治体でございますから、自主的な決定権をもちろん持っておりますから、そういう意味で、中には、八月実施というものを守らないで、七月実施とか五月実施にするとかというところがあるかもしれません。あるいはまた逆に十二月実施で考えておるところもあるかもしれませんけれども、しかし、これは終局的には自治体の決定が当然に自治体自身としてきめることになるわけであります。そこで、指導にもおのずから限界がございますけれども、たてまえとしてどうかということになりますと、それはこう考えるべきだということを通じて指導をいたしておるような状況でございます。

井上泉日本社会党

○井上(泉)委員 地方の公務員は人事委員会をたよりに自分の身分を守ってもらっておるわけですが、その人事委員会の勧告が受け入れられない、守られないということになると、地方公務員は一体何によって身分が守られていくのか、こういうことをお考えになっていただきたいと思います。時間がありませんので、それでは公営企業法による公営企業の職員のベースアップについては、その企業の実態によって云々と、こういうふうなことを言われておるのですけれども、公営企業といいましても、地方のいわゆる後進地域といわれる県の公営企業法による公営企業というものは、職員の異動というものがひんぱんに行なわれておる。一般の県庁職員と、そういう病院局とかあるいは電気局とかあるいは水道局とかいうところの職員の異動は、毎年定期的に行なわれておるわけで、それぞれの企業の中での給与はその企業内の経営の実態によってやれ、こういうことを言ってもたいへん無理だと思います。そういう事実、実態についてはどうお考えになっておられるのか。これはやはりそういう公営企業は公営企業としての採算の中で給与をきめよ、こういう指導を自治省はなされておるのかどうか。その点について御見解をいただきたいと思います。

細郷道一自治省財政局長

○細郷説明員 公営企業の職員の給与については、御承知のように、公営企業法の定めるところによりまして、国の職員の給与あるいは地方団体の職員の給与あるいは民間同種の企業の給与、それから生計費とかその他経営の状況等を参酌してきめる、こういうことになっております。したがいまして、公営企業体自体はやはり地方団体の一般の公務員とは違った企業の中のワクに入るわけでございますので、当然にその企業の状態というものが給与の面にも反映することがあるということはやむを得ないことだと考えております。

井上泉日本社会党

○井上(泉)委員 それではなにですか、あなたの場合には、たとえば自治省から派遣した高知県の総務部長なり財政課長を公営企業局のほうへ転出さす場合に、これはもう県庁内の人事になるのですから、県庁内の人事でおまえは公営企業局のほうへ行けというようなことで行く場合に、そこに給与の格差があってもこれはいたし方ないというお気持ちですか。

細郷道一自治省財政局長

○細郷説明員 その点は、結論的にいえばいたし方ないと思います。ただ、先ほど申し上げましたような給与の基準というものを定める過程におきまして、それが非常な障害になるような格差というものがあるかどうか、これは個々の企業体によっていろいろ違うと思います。一般の地方団体の間におきましても、現在でも本庁に勤務する者と出先の機関に勤務する者とでは給与の扱いが違っておる。たとえば手当等の扱いが違っておるというようなこともあるわけでございますので、そういった事情をのみ込んだ上で人事の異動をすることもまた必要だろう、こういうふうに思います。

井上泉日本社会党

○井上(泉)委員 公営企業に従事する職員の問題については、またいずれ次の機会に質問をいたしたいと思いますが、大きいところならいざ知らず、小さいところの公営企業は、いつも職員が年じゅう異動しておるのですから、一つの企業に三年も五年もおるという職員なんかほとんどないのですから、そういうふうな職員と一般の地方団体の職員との間に格差をつけるようなしかたでやるとたいへんなことになるので、やはりそこの地方自治体の実情に応じてこれは処置すべきであって、何も自治省が、あなたが言われるように、公営企業法が成立しておるから公営企業に働いておる者は公営企業の会計でやれ、こういうきめつけ方をされるということは、たいへん間違っておると思うので、私はその点については改めてもらいたいと思います。  最後にもう一点、都市手当の問題について、先般大臣に申し入れに行った際に、大臣も都市手当について非常に反対の意思表明をされたのでありますが、自治大臣としては、このたびの勧告に基づく都市手当についてはどういうお考えを持っておられるのか、それをどう処置をされようとされておるのか、承りたいと思います。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 人事院総裁のそばで申し上げるのは非常に恐縮なんでございますが、その都市手当制度というもの自体について相当問題があるのではないかということでございます。しかしながら、先般の閣議決定にあたりましては、やはり人事院が法律に基づいて勧告をされたのでございますから、この都市手当を創設されようとする人事院のお考え方はこれを尊重しなければならないということで、都市手当については、実質的に勧告の趣旨を尊重し、具体化について検討するということでございまして、実質的に尊重しながらどういう形でやるかということは、法律案をつくるまでにさらに検討をいたしたいというふうなことでございます。

井上泉日本社会党

○井上(泉)委員 たいへん理解に苦しむ御答弁ですが、私は、要するに、きょうの大臣の見解として承ったと承知をして確認をしておくことは、つまり、今度の公務員の給与ベースの改定に伴って、地方財政に対してはこれによってしわ寄せを与えるようなことはしないということが第一点で、その次には、これが地方公務員の中でも非常にアンバランスがあるわけです。市町村職員と県の職員、そういうようなものとは非常に職員給与のアンバランスがあるわけで、それを公務員部長は、低いものについてはこれを上げようという意思は全然お示しにならないわけですが、大臣としては、やはり地方行政の、地方の自治体の均衡ある発展をはかるためには地方公務員の給与ベースというものはおよそ平均化すべきである、こういうふうなお気持ちであってしかるべきであり、そういう方向で自治行政というものを担当していただかなくてはならないと私は思うのですが、この点についての大臣の御見解を承って、私の質問を終わりたいと思います。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 財政的な処置は十分考えるつもりでございます。それからその財政的な処置というのは、御承知のように、国家公務員に準じて地方公務員の給与改定が行なわれた場合の必要な経費について財政的措置をいたしておるわけでございます。したがいまして、財政的な処置の面からいえば、全国同じようなことをやっておるということになるわけでございます。ただ、低いところを上げろと積極的に言わないのは何だとおっしゃられますが、これは先ほど鎌田君からお答えいたしましたように、いろいろ地方の実情もございましょうから、その地方の民間給与等とのバランスというものを考えなければなりませんので、民間給与が低いのに、それを公務員だけ上げろというようなことも、非常にその地方の事情としてできないのじゃないか。全体として地方公務員の給与が充実していくことは望ましいのでございますから、そういう意味で財政的な処置は国家公務員に準じてやっておるということを御理解いただきたいと思うのです。

亀山孝一自由民主党

○亀山委員長 細谷君。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 六人委員会のメンバーは自治大臣だけでありますから、大臣に閣議決定の問題についてお尋ねしたいのであります。  先ほど来の質問で、ことしの人事院勧告は、財源の問題というよりも、むしろ大蔵省がしきりにPRしております財政硬直化というような問題で、いろいろ六人委員会もめてまいったように新聞等で承っておるのであります。ところが、先ほどの大臣のことばによりますと、ことしもまた財政的な問題、税の自然増収等も予想よりも伸びない、こういうことから、ことしもやはり財政的な問題で完全実施ができなかったんだ、ただ、一歩を進めて八月にという結論を出したのだ、こういうことなんでありますけれども、人事院勧告を完全にのむことができなかった理由というのは、やはり財政的な問題ですか、まず承っておきたい。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 当然補正予算に組まなければならないものでございますから、財源的な問題が非常に大きく浮かび上がることは、これは御理解いただけると思うわけでございます。もちろん、先般二十日に閣議決定をいたします段階において、財政当局が的確な見通しを把握しているわけではございませんけれども、ただ方向として、一般世間に伝えられたような税の伸びはない、なかなか苦しい財政であるという見通しを立てましたけれども、しかしながら、いろいろな諸般の情勢からいたしまして、人事院勧告に一歩近づけるために八月に繰り上げたということでございまして、その間にはそういう財政以外の要素があったということは言えると思うわけでございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 おそらく八月の税収の状況等は判明しているでありましょうけれども、大切な九月の法人決算等が明確でない、こういうことから、当初は財政的な問題よりも他に原因があるのだ、こういうことで人事院勧告の完全実施を渋っておったのでありますけれども、二十日ごろから急にとにかく財政事情ということにウエートが置かれて、十五日過ぎに大蔵大臣から四十二年度の財政見通しが出るので、それに基づいて佐藤総理が帰ってか帰らぬでかは別として、六人委員会できめるのだ、こういうことになりましてきまった内容が、大臣のことばを借りますと、やはりことしもまた財政的な理由だ。去年のいまごろこの委員会で言ったときには——小沢政務次官きょうは先ほど帰られたのですけれども、五百億円しか自然増がないと言っておったのです。そんなことはないだろう、新聞でも千二百億円ぐらいあるのだぞ、こう書いてあると言ったら、最後には八百億円ぐらいあるでしょうと、こう言ったのです。そして十一月の補正予算のときは幾ら出したかというと、千六百億円の自然増収を出したのです。ことしいま新聞に書かれてありますのは、それは六千億とかなんとかいう自然増収は別として、大体国債を七百億円削った、こういうことで、とにかく未曾有の大規模な補正予算を組むのだということになっておりますから、少なくとも二千三百億から三千億円ぐらいの自然増収がある、こういわれているわけですね。そうなりますと、大臣、私はものごとをはっきりしておきたい。財政的な理由で完全実施できなかったのかどうか。いままではそうだったのです。しかし、少なくともいままでとは違うのでありますから、あるいは財政的な長期見通しの上に立って、長期的には苦しいから、こういうことなのか。とにかく先ほどの御答弁では、財政的な理由というのがどうも結論を支配したように思いますから、この点をはっきりと承っておきたいと思います。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 大蔵大臣からの報告によりますと、九月の決算について大企業の数個について試験的にこれを調べますと、非常に予想外に業績が上がってないと申しますか、これはまあいろいろ金融引き締めその他の景気調整手段を講じておりますから、翌期の三月決算についてのいろいろな配慮もあろうかと思いますが、いずれにしましても、そういう税の自然増収が世間一般にいわれているようなことではないということでございます。しかしながら、そういうことではあるけれども、いろいろな情勢を入れまして、人事院勧告の完全実施に一歩近づくために八月に一カ月繰り上げたということでございます。したがいまして、財政の問題が非常に大きなウエートを持っておることは当然でございますが、それ以外の配慮もあったということを御理解いただきたいのでございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 それ以外というのは何ですか。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 ですから、現在の大蔵省の税収の見込からいきますと、なかなか八月にすること自体も困難であるというふうなことでありましたけれども、しかし、人事院勧告の精神に従いまして、完全実施はできませんでしたが、そういう財政的な面を越えてやはり一カ月近づけたということでございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 いまのおことばによりますと、財政的には問題があるけれども、その限界を越えて人事院勧告の線を尊重して一カ月繰り上げた、こういうことですか。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 そのとおりでございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 人事院総裁にお尋ねしたいのでありますけれども、人事院勧告というのはもう数回にわたって行なわれておるわけでありますが、五月一日から実施すべし、こういう期日を付して勧告をいたしたのは昭和三十五年からと思うのであります。そうしますと、三十五年、三十六年、三十七年と三カ年が十月実施ですね。三十八年、三十九年、四十年ですか四十一年ですか、何か三年目ごとぐらいに一カ月ずつ変わってきているのですね。そうでしょう。先ほど十数年という奥野委員の質問があったのでありますけれども、いままでの実績から考えてみますと、佐藤総裁は人事院の与えられた職務を全うしようということでずいぶんがんばられておるのでありますが、いまの政府の姿勢ですと、私の質問に対して、本来は四月にさかのぼるというのが理論上正しいですと総裁は答えているのです。そうしますと、理論上正しいところまで、四月までいくには十二、三年かかるわけですが、これでよろしいでしょうか。総裁にひとつお気持ちを承っておきたい。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤説明員 よろしいと申し上げるはずのないお尋ねなんでございます。これは困るというお答えになります。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 これは困るどころの問題じゃなくて、そうなってまいりますと、労働基本権を奪った代償としての人事院は今日まで八回の勧告をしてきた。そしてこれから勧告が完全に実施されるだろうというのが、いまのベースでいきますと十三年目くらいにならぬと実施されないということでありますから、これはもう困るというような問題ではない、私はこう思うのであります。しかし、あとで勧告と財政制度の問題が議論されることになっておりますから、時間がありましたらまたその点をお聞きしたいと思います。  閣議決定の内容についていろいろ聞きたいことがありますけれども、具体的にお聞きいたします。「都市手当については、実質的に勧告の趣旨を尊重し、具体化について検討する。」と第一項にうたってあります。先ほど御質問がございましたが、これは法律を出すときまでに結論を出しますというのですが、具体的にはどういうことでありますか。これは人事院勧告を完全にのむということじゃないわけですね。藤枝構想なるものをひとつお聞かせいただきたいと思います。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 別段藤枝構想なんて大それたものを持っておるわけじゃないのでありますが、人事院総裁をそばに置いてこういうことを申し上げるのは恐縮なんですが、人事院が勧告された都市手当制度については、いろいろ検討の余地があるんではなかろうか、六人委員会の議論の過程においては、暫定的にやるとか一年でもう一度考え直すとか、いろいろな議論がございました。人事院が勧告された都市手当、要するに、大都市においては官民格差が非常に多いから、これを埋めるんだという意味の人事院の都市手当についての勧告の趣旨と申しますか、それは、これは法律に基づいて勧告されたことでございますから尊重しなければならぬ。ただ、人事院の勧告どおりにずばり都市手当としてやるのがいいのか、その他の制度で現在の制度を活用してやるのがいいのか、この辺はもう少し検討させていただきたい、こういうわけでございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 新聞で拝見しましたら——自治省のほうはこういうところで質問しますと、すぐそんなことないというので否定するんですけれども、藤枝構想なるものは、当初はなかなか皆さんが賛成しなかったのでありますけれども、閣議決定の段階においては藤枝構想というのが非常に浸透いたしまして、支持者が非常にたくさんになったと承っておるのであります。その構想というのは、人事院が勧告いたしました都市手当三と六、これはそのままで、現在の暫定手当三級地と四級地というのが残っておりますから、それに三と六をかぶせていくというたてまえが藤枝構想だと承っておるのであります。そういう構想がこの中に含まれて、こういう閣議決定をなされておるように承っておるのでありますけれども、念のために、もうあとは聞く機会がありませんから、ずばり答えていただきたい。藤枝構想ですから、新聞に書いてあるのを持ってきておるのですから……。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 都市手当という制度をつくらないで、現在の暫定手当の制度を活用して、しかも人事院の勧告の実質を盛るようなことができぬだろうか、要するに四級地に六%、三級地に三%という形でやれないであろうかというようなことは、私、六人委員会で申したことがございます。それも一つの方法、その他、あるいは暫定的な処置としてやる、あるいはまた人事院の勧告どおり、そのものずばりでやるというような方法がございますので、これらはまだ結論に至っておりませんので、もう少し検討させていただきたい、こういうことでございます。私自身は、四級地六%、三級地三%でいいんじゃないかというような提案をいたしたことはございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 藤枝構想というのは、大体現在の四級地六%、人事院勧告によりますと、現在の定額はおおむね五・五、六%に当たる、それから三級地は平均いたしまして二・五、六%に当たる、こういうことから、三と六というのが出たそうであります。問題点はありますけれども、やはり給与体系の混乱を来たさない暫定的な措置としては藤枝構想も一つのいき方じゃないかと思います。藤枝大臣、だいぶ努力して、それが芽が出てきて、やがて茂ろうとしておるそうでありますから、これはやはり初心忘るべからず、がんばってやっていただきたい、こう思うのであります。  次に、お尋ねいたしたい点は、総体的に言いまして、今年の閣議決定は、昨年の閣議決定の内容よりもきびしいことばが使われておる。これはどういうことでしょうか。姿勢がきびしくなったのですか。ことばがただ副詞として入ったのか。これは総務長官のほうにもお尋ねしておきたい。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 きびしいことばというのは、どれをおさしになるのか、ちょっとわからないのでございますが、しかし、やはりこういう給与改定をする以上は、一面において、十分公務員諸君が能率を向上して国民の負託にこたえてほしい、あるいはまた、これをやるためには、行政費用の一部を節約してほしいというようなことは、これは例年やってきたことでございまして、特に本年姿勢がきびしくなったとか、そういうことではないと私は考えております。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 例をあげてみますと、本年度の閣議決定の4の(1)に「もって総定員を計画的に縮減する。」これは昨年になかったことばであります。4の(2)に、七%節約を目途とする、これもそうであります。それから、これはあとで質問したいのでありますが、財政制度と人事院勧告のあり方を検討する。それから、国家公務員の給与水準を上回る、と書いてありますけれども、昨年は「著しく」という字句が入っておったのですよ。著しく上回るというのと、ただ上回るというのとでは日本語では違うのですよ。いま例をあげたようなことからいきますと、全体として非常にきびしい感じを受ける閣議決定なのでありますが、これはことばだけであって、別に腹の中とか姿勢というのは従来と変わらないのだということなのか、いやきびしくするのだということなのか、大臣の率直なお考えを伺いたい。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 まあ御指摘のような点、あるいはきびしいとおとりになったかと思いますが、こういうことは、やはり公務員諸君に望む政府の態度として、もう当然のことを言ったと私は考えるわけでございます。ことに「総定員を計画的に縮減する。」というようなことは、いろいろ言われておりまして、定員の問題につきましても、例の欠員不補充制度というようなものとにらみ合わせてもう少し考えなければいけないんじゃないかということを、これも閣議で了解しておるような次第でございます。したがいまして、言うなれば、ことばはいろいろあろうかと思いますけれども、従来政府の堅持していた態度に変わりはないわけでございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 従来の政府の態度と変わりないということでありますが、いまことばは確かにきつく出ておることは、私はこの閣議決定を読んでそう感じたのであります。  そこで、お尋ねいたしたいのでありますが、二十二日のある新聞に、ベースの高い地方団体、賃上げ幅押えよ、自治省近く通達、こういう記事が出ておるのでございます。これは読売新聞、産経新聞に出ております。読んでみますと、半数以上の地方団体が国家公務員より高い。このため、これらの団体に対しては、昇給期間の延長、役職者などの格づけ基準の引き下げ、給与表の構造是正、こういうものをお考えになっておるようであります。そして二十四日ごろ通達を出す、こう新聞に丁寧に書いてあるわけです。この内容の通達は出されたですか。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 そういう通達は出しておりません。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 通達は出しておらぬというと、いつごろ一これは通達は出すことはあるでしょう。たとえば、法律でもきまりますと、こういうことでやってもらいたいということになるわけでありますから、国会に法律案が出されて、通過して法律が出されていった場合に、いつか出すのですか。二十四日とかなんとか、近くこういう意味の、賃上げ福々押えよというような通達は出す意思はない、こういうことですね。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 国のほうの法律案ができるころにおきまして、それにならってやってもらうように通達を出すのが例年でございまして、本年もそれと変わりはございません。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 通達は出ておりませんけれども、よく使う内簡というのが出ておるでしょう。その内簡はどういう内容ですか。二十一日かに出ておるでしょう。

鎌田要人自治省行政局公務員部長

○鎌田説明員 二十日付で給与課長の内簡を出しております。この給与課長の内簡は、一つは、ことしの人事院の勧告で、先ほど来議論になっております都市手当の創設ということがあったわけでございます。この都市手当の取り扱いについて、人事委員会が、各県五大市、勧告を出すわけでございますが、その勧告を出すのにあたってどういう取り扱いをしたらいいだろうかという指導方を求めてまいりました。それで、これにつきましては、この給与課長の内簡をもちまして、人事委員会から都市手当の取り扱いを中心にした指導方の要請があるけれども、政府の方針がきまり次第当方の指導方針というものはお示しをするということで、各県、それから指定都市の人事委員会に通知をしてあったわけでございます。政府の方針がきまったわけでございますので、これに対する私どもの指導方針というものを約束どおり示してやらなければならない。ところが、先ほど来お話がございましたように、閣議決定におきましては、都市手当については実質的に尊重して、その具体的な方法については検討する、こういうことになったものでありますから、そこで、事ここに至りましたまでの経緯というものを各県に連絡してございます。  それから、先ほどお読み上げになりました閣議決定におきまして、毎年、給与改定のつど、給与水準の高い地方団体における給与水準の是正、調整ということがうたわれるわけでございます。そういうことが、地方団体の給与のあり方、つきましては地方財政の運営のあり方、あるいは地方自治のあり方というものに対して一般的に不信の念を助長する、こういうことも私ども心配でございますので、その点についても適切な措置を講ぜられるよう、この二点を内容にした内簡を出した次第でございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 大臣、御存じかどうか知りませんが、通達は出しておらぬと言いますけれども、内簡というのはくせ者なんです。この前も大先輩の門司さんから、東京都だけで一万通以上の一課長からの知事あてのものもきているじゃないか、こういうことを言われておったわけでありますけれども、通達は出さぬと言っておりますと、ちゃんと内簡が出ておるわけであります。その内簡を見てみますと、書き出しは拝啓からきておるようでありますけれども、その内容は、給与表の内容に触れて、いわゆる「わたり」は困るとか、いろいろな点が指摘されております。こういう内簡ですと、せっかく大臣が通達は出さぬ——こういうことが現実としてはひっくり返ってまいるわけです。それは大臣御存じですか。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 そういう内簡の出ておりますことは、私も承知をいたしております。ただ、いま鎌田君から説明申し上げましたように、一つは都市手当についてまだきまらぬからということですし、もう一つは、国家公務員の水準を上回っているものについては、常々われわれが言っておる注意を喚起しておるところでございまして、そう言ってはしかられるのかもしれませんが、当然のことを言ったというように私は承知しておるわけでございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 内簡は、私は詳しい内容は存じておりませんけれども、大臣が考えている以上の具体的な問題に常に内簡というのは触れておって、通達は出さぬと言っておるところでは通達同様の内簡が出ていっている。こういうところに私は問題があると思うのであります。  そこで、やはり国会で約束したことは、自治省のベースアップについての方針というのは、正式な通達が必要なら通達、それも法律がこういう形で国会に提案されて、そして議決された、だから地方団体はこういうふうにやってほしいという指導の意味ならよろしいのでありますけれども、きまらぬうちから、通達は出さぬけれども内簡を出すということには、問題があろうと私は思うのであります。   〔委員長退席、久保田(円)委員長代理着席〕 特に、いろいろ内簡で問題になっているのは、公務員部は新設早々で張り切り過ぎているようでありますから、あんまり勇み足はやらないように、内簡等も気をつけたほうが地方団体合理化のためによろしいのじゃないかと私は思います。  そこで、もう一つそういう関係のやつがあるのでありますが、新聞によりますと、この点は最後に質問したいのでありますけれども、公営企業の給与引き上げ方針なるものが自治省から出ております。これも、新聞によりますと近く通達を出すということでありますが、私が持っておる新聞は九月十八日の新聞と九月十日の新聞であります。予ての内容は、地方公営企業の職員というのは、とにかく再建団体はベースアップをやってはいかぬ、これが一つであります。それから、普通の赤字でない、再建団体でないところの公営企業も、合理化によってのみベースアップ財源を認めろ、こうきわめてずばりとした書き方でその通達を出すというのであります。新聞が十日に出ておるのでありますから、出されたのですか。あるいは通達が出ないと、内簡か何か出ているかどうか、お尋ねしたい。

細郷道一自治省財政局長

○細郷説明員 通達は出ておりません。(「内簡は」と呼ぶ者あり)内簡も含めて出ておりません。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 それでは、ちょっとこの閣議決定の第一項にあります財政制度と人事院勧告のあり方について少し質問したいと思うのであります。  佐藤総裁にお尋ねしたいのでありますけれども、最近宮澤構想というものが出されたわけですね。宮澤構想というのは、消費者物価の値上がり程度のものを当初予算に計上しておけ、こういうようなことでございますから、これは四・五%消費者物価が上がると四・五%組んでおけ、そうして四月から実施する、こういうことになりますと、人事院は要らないと思うのですよ。人事院は要らないということになりますと、これはやはり公務員に対して労働基本権を与えなければならぬということになるわけです。それから高橋構想なるものが出まして、その高橋構想は、与党の相当の人たちの賛同を得ておる、こう新聞には書いてあるのでありますけれども、それは、高橋構想の内容を見ますと、分子と分母が入れ違っておる。入れ違っておりますから、いままでのベースアップの財源の大体八割くらいを上げていけということでありますから、これは、労働団体等が、所得政策じゃないか、しかも四十六年まで区切ってしまうというのですから、これは所得政策だと申し上げなければならぬと思うのであります。そういうことになりますと、これも人事院無用論、こういうことが起こってまいります。そういうことは当然民間に影響を及ぼすことははっきりいたしております。労働省あたりは、いまの日本の労働賃金というのはどうきまるのかといいますと、まず民間が春闘でベースアップをやる。それから三公社五現業等が公労委を通じてベースアップされます。仲裁裁定あるいは調停が出てやります。そういうものを見ながら、不完全ではありますけれども、一部ながめながら人事院が八月勧告をする、こういうことでありますから、言ってみますと、民間主導型の給与決定というのがなされておる、これが労働省のいままでの考え方だと思うのであります。今度宮澤構想とか、あるいは高橋構想、あるいは大蔵省の一部、問題を投げかける意味においてそういう方面に同調しつつあるようでありますけれども、労働省の賃金決定の方針と違って、公務員中心の公務員主導型の賃金決定、こういうことになることは明らかであります。それが所得政策になることは間違いないと思うのであります。こういう問題について、時間がありませんから問題点だけを提起して、人事院のお考えと、それから労働省のお考え、それから大蔵省も、新聞等に出ておりますから、言いたいことがあったらひとつお伺いしたいと思います。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤説明員 宮澤構想といい、高橋構想といい、非常に権威のあるものであろうとは思いますけれども、まだ今日の段階では私は個人的の御構想であろうと了解しております。その意味では、佐藤構想というものをそこに一枚加えていただいてもいいのじゃないかというぐらいに思っております。佐藤構想は、先ほど奥野委員に一喝されましたけれども、当面の勧告の完全実施のための財政措置としては、少しでも当初予算にということに尽きるわけであります。その面では、あるいは伝えられる宮澤構想、高橋構想も、当面当初予算に組み込んでいただくという点では相当私どもとしても同感するところがありますけれども、それから先のことは、いまのおことばでも触れられましたように、どうも先のことははっきりいたしませんので、おかしな話ですけれども、私の佐藤構想に一致する限界においてはたいへんけっこうだということになるわけです。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 佐藤総裁にお尋ねしたいのでありますけれども、給与は、社会経済の発展計画というのがありまして、その伸び率とか、いわゆる経済の実質的な伸び率、こういうものによってきめらるべきである、そのワク内によってきめらるべきである、こういう思想が高橋構想の中にも宮澤構想の中にもあるわけです。これはやはり所得政策に通ずるものでしょう。総裁の言うことは、つかみで当初予算にある程度の財源を組んでおいて、そうして勧告が出て、手直しすべきものはしなさい。二次勧告とか三次勧告をやったって同じですね。人事院が厳然として存在する限りにおいては、つかみではいけないわけであります。予測ではいかぬわけでありますから、民間との均衡というものはぴしゃっととって、出されたものは、そっくりそのまま実施しなければならぬということになるわけであります。私は人事院総裁の見解ならば、これは大きな財源を年度途中でやるということについては、財政上の問題としてあるわけですから、技術的な問題ですから、それだからといって、基本権を奪った——人事院の勧告をなくして政府がきめちゃうんだ、こういう尺度で、経済の伸びによってきめるんだということになりますと、給与決定なんというのは、これはもう全くの所得政策だ、こういうふうに申し上げる以外にないと思うのでありますが、そういう問題を含めて、人事院総裁からもう一度、それから労働省から、さっきのあれについてお答えいただきたいと思います。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤説明員 他の構想のことについての批判は、私としては申し上げるだけのデータも持っておりませんから、先ほど述べた程度にしておいていただきたいと思うのですが、私は、許されるならば佐藤構想をぜひ実現さしていただきたい、これに尽きます。

松永正男労働省労政局長

○松永説明員 ただいまの御質問でございますが、御指摘のごとく、最近におきましては、賃金の決定が大部分春でございますが、夏、秋にきめられる産業もございます。まず、大体におきまして民間の賃金がきめられ、それから三公五現関係がこれに引き継ぎまして、それからその民間賃金の実情を調査されまして、人事院勧告に基づいて公務員がきまるという経過、時間的な配置になっております。ただ、これは昭和三十九年前におきましては、一時期でありますが、三公五現関係が先にきまりまして、そしてそのあとで民間がきまるというような時期もございました。それからまた、さらにそれより前におきましては、公務員の給与がきまりまして、その影響が何がしか民間賃金にも響きまして、公務員も上げたからおれのほうも上げてくれというような賃上げの要求が出されまして、そういう主張もなされて、実質上何がしか民間に公務員給与が影響を与えたというような時期もございました。結局二十年間の賃金決定のいろいろな試みの中で、最近におきましては、御指摘のような民間先行型の賃金決定の状態になってきております。私どもといたしましては、やはりこのような、公労協も含めまして、民間産業、各産業の労使の間でこのような実績を経ました結果、こういう型になった。この実績はやはり非常に貴重なものであるというふうに私どもは評価をいたしております。  ただいま先生御指摘になりました宮澤構想、高橋構想というようなものがどういうものであるかということにつきましては、まだ詳細私どもも存じておりませんし、それからまた、高橋構想等につきましては、私が承知している限りでは、当初予算に公務員給与のアップ分を組みますと同時に、人事院勧告という制度も併用するんだというような構想であるようにも承っておりますので、このような構想が直ちに先生のおっしゃいましたような公務員先行型の賃金決定のタイプを生み出すことに直結するかどうかということにつきましては、私どもは必ずしもそうなるだろうというふうにも考えられないのでございますが、いずれにいたしましても、こと数年間定着してまいりましたこのような賃金決定の一つのパターンというものは、やはりそれなりの意義とそして価値があるというふうに私どもは評価をいたしております。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 労働省、そういたしますと、これは労働者の生活の安定・労働条件の維持、改善ということに日夜没頭しておる。総裁のことばを借りますと、思い詰めていらっしゃる労働省のことでありますから、六人委員会のメンバーでありますけれども、ずばり申し上げますと、やはり人事院勧告を八月に値切ったということは、これは悪いことだ、好ましいことじゃない、こういうふうな結論になるわけでしょう。あなた方は、所得政策はだめだ、所得政策は時期尚早だ、こう言っている。そうして現在は、民間主導型の、先行型の給与決定がなされておるのだ。これは長い間そうなってきたのだ。こういうことから言って、それに基づいて人事院勧告を出されたことでありますから、これはやはり完全実施すべきだ、こういうお考えに立っているわけでしょう。それをひとつ、六人委員会には同格であなたのところの大臣も入っていらっしゃったのですから、ずばり言ってくださいよ。

松永正男労働省労政局長

○松永説明員 たいへん高度の御質問でございますので、あるいは大臣からお答え申し上げるべきかと思うのでありますが、おっしゃいましたように、人事院勧告完全実施が望ましい、すべきであるということにつきましては、六人委員の閣僚の方々もそのお気持ちだと思うのでございます。しかし、ものごとにはベストかベターかという問題がございますが、昨年より前進したという意味においてベターである。しかし、まあベストではないかもしれないというふうに考えます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 労働省は、大臣の話を聞いても、財政事情その他、こうきているわけだ。ですから、労働省としては、これは九月が八月になった。私は冒頭申し上げたように、これから勧告どおり実施すると、いまのペースでいきますと十何年かかる、こういうことで、九月が八月になったからベターなんというものじゃないわけですよ。私は、公務員が二十六日に、事をかまえると言うと少しことばが過ぎますけれども、何としてでも自分たちの手で自分たちの生活権を守らなければならぬということで、やむにやまれず立ち上がっていると思うのです。私は思うのに、ことしはやむを得ない、八月だときめたらば、少なくとも「今後」はという、内閣委員会の決議もあるわけでありますけれども、今後は十二年後ということではなくて、来年でも人事院勧告を完全実施できるように、具体的にはこういたします。労働省はこういうことで努力をしますということを言ってやらなければ、とても二十六日の問題は片づかないと思うのですよ。ですから、十月が九月、九月が八月になったからといって、一カ月先になったからベターだなんということでは、ものの比較にならないですよ。本質は何年たっても解決できない。十何年先でなければ解決できないかもわからぬ。これはおそらく解決できないでしょう。そういうことでは、ベターだとかベストだとかグッドだとか、そんなことばで表現しちゃだめなんですよ。もう一つ、ずばり言ってくださいよ。問題は本質の問題なんだ。   〔久保田(円)委員長代理退席、委員長着席〕

松永正男労働省労政局長

○松永説明員 内閣の基本方針に関する問題でございますので、一局長の私から御答弁申し上げるのもどうかと思うのでございますが、おっしゃいましたように、確かに、何とかして完全実施ができるような体制にするという方向で、六人の閣僚の方々も御努力をなさっておられますし、私どもも、及ばずながら補佐の役目を持っておりまする者として、そういう方向で努力をいたしたいというふうに考えております。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 もう時間がありませんから、大臣、九月が八月になってベターだ、こう労働省はちょっと言ったんですけれども、どうも本心はそうじゃないようでありますけれども、大臣、ベターとお思いですか。先の見通しがまつ暗やみで、それでベターだとかベストなんと言う資格はないでしよう。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 九月にするよりは八月のほうがいいというふうには考えます。  そこで、実は、いまいろいろ御質問がありましてお伺いしておったのですが、私、率直に申しまして、補正で組むという限りにおいて、相当財政的な制約があるということはやむを得ないのじゃないか。したがいまして、先ほど来お話がありましたように、何か別の方法で人事院の勧告が当初予算に盛れるような方法がないか、そういうことを考えることも、やはり公務員諸君に安心感を与えると申しますか、報いる一つの方法として研究しなければならないのじゃないかというふうに考えております。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 毎年毎年そのことばが繰り返されて、去年もおととしもそうでありましたが、新聞論説等に書いてありますように、ことしもまた、来年もまた繰り返されるでしょう。ですから、それは、労働者の皆さんも公務員の皆さんも、納得できるような形で、年度途中で組まないで済むような佐藤構想も一つの行き方でありましょう。高橋構想とか宮澤構想というのは、やはりちょっと問題がありますから、これは問題になりませんけれども、藤枝大臣、佐藤構想も発表されておりますから、そういう形で御研究いただくことを、私は拒むものではありません。  そこで、時間がありませんから、最後の点に入りたいと思います。  先ほど、公営企業については通達を出さぬ、また内簡も出さぬということでありますが、私は、大臣に冒頭伺いたいのでありますが、地方公営企業職員というのは地方公務員でしょうか。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 そのとおりでございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 そういたしますと、地方公務員である企業職員と一般職員とはどこが違うのですか。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 やはり一つの公営企業という、一般の行政をつかさどるものとは違った形の中にはおるわけでございます。したがいまして、その公営企業というワクはやはりはめられると考えます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 わかったようなわからぬようなことばですけれども、わかりやすく御質問いたしますと、大臣が確認されましたように、企業職員というのは地方公務員である。ですから、地方公務員の当然の権利であり、また地方公務員にやろうとする国家公務員に準じたことは原則として適用されなければならぬ、それが地方公営企業法でチェックを受ける、こういう考え方だと思うのでありますが、世間では、往々にいたしまして、企業職員というのは一般職員とは本質的に違うのだ、だから、企業が赤字なら、もうベースアップはやる必要はない、再建団体なんていうものにはやる必要はない。これが新聞に書かれてございます。「地方公営企業職員のベースアップは一般会計からの繰り入れによって行なってはならず、企業内の努力でねん出すべきである」「財政再建指定団体に指定されている公営企業は給与引き上げによる再建計画は認めず、給与体系の合理化の中で処理する」、そしてこういう趣旨の通達を出す、こう新聞は結んでおるのでずが、これになりますと、大臣、地方公務員という本質はもうなくなった、こういうことになるのでありますが、そうじゃないでしょうか。地方公営企業の職員というのは地方公務員である、地方公務員でありますけれども、地方公営企業法でチェックされるのだ、こういう考え方が自然な姿だと思うのですが、いや、公営企業は万能で、一般職員と違うのだ、だから、企業で一切がっさいが支配されるのだ、こういうお考えに立つこの新聞記事のような自治省の考え方かどうか。そうなれば「企業努力でねん出を」「公営企業給与引上げ方針」という自治省の結論が出てくるのです。その辺の出発点を明らかにしていただきたい。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 一般の税金でまかなわれる一般の地方公務員と、企業の利益と申しますか、企業の収益によってその給与がまかなわれる企業体の職員、これは、そういう意味においては、違うと言えば違うということは言えると思いますが、もちろん地方公務員である。しかし、そういう意味で、公営企業法の中におきまして、一般の職員の給与条例を排除いたしまして、この法律に従っての給与の基準をきめておるわけでございます。したがいまして、そういう意味におきましては、公営企業法という一つのワクがあるということを申し上げておるわけでございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 ですから、私は、本末が転倒しないようにということを申し上げておるわけであって、企業職員でありますから地方公務員でありますけれども、地方公営企業法という法律でチェックされておる。それがかぶさっている。これは私は認めている。かぶさっているから、もうおまえたちは名ばかりの地方公務員であって、もう地方公務員の本質は何もないんだ、だから、人事院勧告があろうとなかろうと、金がなければベースアップせぬでもいいんだ、こういう考えは本末転倒ではないか、こういうことを私は申し上げておるわけです。そういう考えが、どうもこの新聞に書いておるような記事を生んでおるのではないか、こう思っております。  そこで、私は、大臣に少し具体的にお尋ねしたい。先ほど井上委員がおっしゃったように、非常に大きな地方公営企業でありますと、そこでたらい回しで人事異動が行なわれておりますけれども、一般の中小の地方公営企業でありますと、一般職の問と人事異動が行なわれることは当然でございます。そういうことからいって、これは現実にはこの一般職と格差をつけるということはとてもできないと私は思うのであります。そこで、先ほど井上委員の御質問で、たとえば府県の人事委員会が勧告した場合には一体どうするのか。たとえば京都では今度は八・二%の人事委員会勧告が出ているのです。これは七・九%が人事院勧告でございますけれども、人事委員会では七・五くらいのところもある。そこの給与体系で計算すると、都市手当との関係もあるでしょうが、七・五になるんだ。それから八・二というところもあるわけですね。人事院勧告にそっくりそのまま準じて人事委員会で検討すると、数字は違ってくるようでありますけれども、たてまえとしては、人事院勧告は国家公務員について適用されますけれども、人事委員会というのは、これは府県を優先的に支配とはいきませんけれども、拘束しているわけですね。そういう考えに立ちますと、やはり地方団体にとっては、人事院勧告に準じて、それを尺度として給与改定がなされることに私はとやかく文句を言っているのではございませんが、やはり地方の人事委員会の勧告が優先していくんだ、これはそういう考え方だと思うのです。しかし、自治省の指導が、国の公務員に準じてという原則になっておりますから、それにのっとってやれ、そういう指導をしておりますということであります。そこで、私はお尋ねしたいのでありますが、大臣、具体的に、地方公営企業というのは独立採算がたてまえでありますけれども、全部が全部独立採算でいけるような条件になっておりましょうか。なってないでしょう。企業努力ばかりで解決できますか。その辺ひとつお尋ねしたい。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 先ほど来、公営企業法というワクはある、それにチェックされるということはお認めいただいておるわけです。しかしながら、とにかく、公営企業といいましても全国で六千もあって、あるいは公営企業というものに当たるかどうかというものもございますから、いろいろ複雑な問題が個々の企業についてはあるだろうと思います。  ただ、私どもの申し上げたいのは、公営企業の職員の給与を引き上げるのにこれを一般会計から埋めてやるというのは、税金でやるというようなことは好ましくないと思うわけでございます。やはり企業努力という一つのワクの中で考えていかなければならぬと思いますけれども、いま申しましたように、たくさんの、六千もある企業体でございますから、個々の事情によっていろいろと——御質問になりたいと思われることを御推測申し上げますと、そういう点については十分今後も考えていかなければならないのじゃないかと思って一おります。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 たとえば、今度自治省は、大蔵省に対して、これからも過疎過密というのがどんどんできてくる段階においては、やはり地下鉄というのを推進してやらなければいかぬ。しかし、地下鉄というのは、五五%か六〇%は穴掘りにかかるのだ。モグラにかかってしまうのだ。これは路上であれば要らぬ金なんだ。そういうような金をかけて地下鉄をつくるということになれば、これはとても独立採算ということはできない。独立採算ができるようにするためには、元利等を国で考えてやらなければいかぬ。国が考えてやるのは、これは税金です。  そういう観点から、私は、やはり公営企業が希望しているように、独自で歩けるように、いろんな問題、諸条件を解決してやるということが大切でありますけれども、これは一気にいくわけじゃありません。そういうことからいろんな条件で——いま再建団体というのがたいへん多くなっているのでありますが、再建団体にもいろいろありましょう。都も再建団体でありますけれども、いろいろありましょう。その場合に、先ほどの公務員に対する人事院と人事委員会との関係と同じように、たとえばある地方団体が、執行部も議会も一緒になってこういう形でこの問題を解決していこうじゃないか、こういう議論で意見が一致いたしまして、そして、こういう形で再建案等も手直ししようじゃないか、こういうことで地方団体としての意思がきまって、こういう形でひとつベースアップ等も含めて問題を処理してまいりたいということになりますと、これは地方団体の意思が優先するわけでありますから、自治省も、おれは金を貸してやったのだ、だから心臓部を何でもかんでも押えて、おれの言うことを聞かせるぞ、こういう形でなくて、国と地方自治体との関係というたてまえに立って、十分そういうものを聞き届けてやるために努力をしてやらなければならぬのじゃないか、こう私は思うのでありますが、いかがでしよう。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 地下鉄などに対するお考え方は私ども同感なんでございまして、そういう方向に進みたいと考えておるわけでございます。そこで、いま仰せの、議会側も長のほうもこうしてやろうというようなことがあったら、おまえらよけいなことを言うなということでございますが、ただ、先ほど申し上げましたように、公共企業体の職員のベースアップを一般の税金でやるというような形は私どもはとりたくない。しかし、先ほど申しましたように、六千もある企業体でございますから、いろいろ事情がありましょうから、それは十分親切に受け答えをするつもりでございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 大臣、私が言っているのは、お支えら文句を言うなということでなくて、自治省はより高度な立場から、そういう意見が出てきたら押えつけるということじゃなくて、指導してやる、善導してやるというのがたてまえだろうと思うのです。そういうたてまえでやるべきであって、何でもかんでも押えつけてやる、おれはおまえに再建債で金を貸してやっているのだぞ、利子も補給してやっているのだぞ、こういう権力ずくで押えつけるのではなくて、高い立場から善導する、指導するというのが自治省の立場、たてまえであって、それを強硬にやるという場合には、問題をよく話し合って、これが解決のために努力してやるというのが私は自治省の立場ではないか、こういうことを申し上げておるのであって、おまえらくちばしをいれるなと言っているのじゃない。押えつけてはいかぬぞということを言っているわけです。おわかりになったでしょう。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 何でもかんでも頭から押えつけるつもりはございませんで、文字どおり善導をしてまいりたいと考えます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 そこで、私は、善導するということでありますから——いろいろ問題点はございます。そして私自身も、地方公務員である企業職員というのは、やはり地方公営企業法という法律にかぶさっておるのだ。その給与は、したがって三十八条の三項できめられていくのだ。大臣がよくおっしゃるように、一つ一般職より多い要素が加わっているのだ、こういうことを認めていま議論をしておるわけです。  そこで、最後に、一つお尋ねしたいのでありますから、大臣もひとつお答えをいただきたい。地方公営金業の職員についても、一般職員と同様に給与改定ができるように自治省としても努力をすべきではないかと思うのであります。これについてひとつ大臣の所信のほどをお聞かせいただきたいと思うのです。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 公営企業職員の給与、これは御指摘のとおり公営企業法で示されておるわけでございます。しかしながら、先ほど来申し上げますように、全国六千もある公営企業でございまして、いろいろ事情があろうと思います。したがって、その個々の事情に応じまして、御質疑の御趣旨のような点を十分勘案して処理してまいりたいと思います。いわゆる文字どおり善導をいたしてまいりたいと思います。

亀山孝一自由民主党

○亀山委員長 門司亮君。

門司亮民主社会党

○門司委員 だいぶ政府のほうもお帰りになったようで、あと幾らもおいでにならないようでありますから、それから、同時に、同僚から各点にわたってかなり詳細に聞かれておりますので、私からはごく簡単に二、三の点だけお聞きをしておきたいと思います。  最初に人事院総裁佐藤さんにお聞きしておきたいと思います。いままでいろいろ議論されておりますが、一体どうすれば毎年こんなことを繰り返さなくともいいのかということのはっきりした構想については、いままで答弁は伺いましたけれども、一向はっきりしないのですが、率直にひとつ人事院としての意見を聞かせていただきたいと思います。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤説明員 先ほど来そういうことをめぐっていろいろお話がございまして、私もお答えいたしましたが、いまひるがえって顧みてみますると、これもだめ、あれもだめということを申し上げ過ぎて、非常にかたくなにお感じになっているのじゃないかとも思いますので、もう一ぺん表からお答えをいたしたいと思います。  要するに、この勧告時期の問題につきましては、数年前から、地方公共団体もそうでありますし、政府筋もそうでありますし、あらゆる面から、もっといい時期を選ぶことができないか、財政上の関係からそういうことが考えられないかという御指摘もありまして、私どもも、私どもの立場からいっても、現在の制度のままで完全実施が不可能だとは思いませんけれども、しかし、よりよくこれがスムーズに完全実施に至る道があればそれに越したことはございませんから、謙虚に検討を続けてまいりましたし、かたがた数年来やはり内閣の閣僚の委員会でもその点を熱心に研究していただいて、普通の場合であれば、中立機関である人事院総裁が閣僚と席を同じくしてどうこうというようなことはほんとうはないのでありますけれども、いま申し上げましたように、目的は同じ目的をねらっての研究だということから、私どもも率先して閣僚の皆さまと席を同じゅうしてあれこれと研究を続けたわけで、また現にこれは宿題ではございますけれども率直に謙虚な態度で研究を続けてまいりましたけれども、なおかつまだ名案を得るに至っておりません。したがって、ことしは従来どおりの形で行なわざるを得ませんでした。なお、しかし、これは執拗に検討を続け、謙虚な立場で検討を続けていくべきことだろうというように考えておるわけです。  そこで、当面どうしたらいいかということについての私どもの考えは、先ほど、おこがましくも佐藤構想と申し上げましたけれども、私どもは、当面やはり当初予算で——幾らとは申し上げませんけれども、ある程度のパーセンテージを保留しておいて、プールしておいていただければ、勧告のどたん場になって、洗いざらい財源をそこからさがさなければならないということなくして、そこはスムーズにいくんじゃないかということを、当面の対策としては方々に訴えておるということであります。

門司亮民主社会党

○門司委員 どうもよくわからないのですな。何が何だかちっともよくわかなない。ものの解決にはならぬと私は思うのです。  そこで、問題になりますのは、たとえば地方公務員法の中にもこういうことを書いているんですね。情勢の適応性ということの原則、しかも「原則」ということばを使ってある。その中を見てみますと、給与その他の問題は情勢に適応したものを随時ということばを使って、そこだけの字句を読んでみますと、「社会一般の情勢に適応するように、随時、適当な措置を講じなければならない。」、「随時」と書いてある。ところが、最近の人事院勧告というのは随時ではないのですね。きまっているのです。地方公務員法の中にはきちんとこう書いてある。そして、地方の人事委員会は随時これを勧告しなければならない、こう書いてあるのですよ。そこで、そうかたくなに考えなくても、随時勧告ができる、しなければならない、こう法律に書いてある以上は、この適応性の原則というのは守られてしかるべきだと私は思う。現実にこれが守られていないところに問題があるんじゃないかと考えるのです。だから、この点はどうでしょうね、人事院としては、あるいは地方の人事委員会も公平委員会も私は同じだと思いますが、何か内閣から言われたからそれに基づいてやるんだというようなことでなくて、随時これをやる原則が打ち立てられてくる。したがって、適当な時期におやりになるのならいつでもできるんじゃないですか。ことに地方公務員法にはこう書いてあるのです。その辺はどうでしょう。藤枝大臣のほうにひとつお考えを願いたいのだが、この適応性という、「適応の原則」と「原則」という字をわざわざ使っているんですから……。どういうお考えですか。私は、いまのような形でなくて、随時これをやらなければならないということになっている以上は、随時これをおやりになるのなら、先ほどからの予算の時期がどうのこうのというようなことはないのじゃないかと考えられるのですが、その辺をもう一度お聞きしておきたいと思います。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤説明員 私からお答えいたします。  私どもは、申すまでもなく、随時諸般の情勢をにらみながら対処してまいっておりますが、この給与勧告につきましては、特に一年に一回、毎年一回ということがうたわれておりまして、報告と同時に、必要があれば勧告するということでございまして、年一回出す形で従来やっております。このことが一つであります。  そこで、この勧告の基盤になります材料をいつ求めるかということになるわけでございますけれども、諸外国であれば、民間の賃上げもばらばらに行なわれております。年じゅう年間を通じて行なわれておりますようでありますけれども、日本の場合においては、御承知のように、春闘という名前がございますように、大多数の民間企業の賃金が上がりますのは春でございます。したがいまして、私ども、先ほど来申しましたような、民間の水準ということを大きく柱にとっております立場から申しますと、やはり民間給与に大きな異動のあった時期をとらえて、そこで水準を比較するのが一番適切であろう。そういう立場から四月調査ということになっておるわけでございまして、したがってまた、計算上の都合から八月になってしまう、いままでのやり方は、そういう立場からやっておるわけでございます。

門司亮民主社会党

○門司委員 これもどうも私は水かけ論になる。私はいま条文を見つけようと思っているのですが、見つからないのですが、確かに、私の記憶に間違いがなければ、「情勢適応の原則」という条項が一つあるわけでございます。そしてそれには、最後に、いま申し上げましたように、「随時、適当な措置を講じなければならない。」と、こうはっきり書いてある。しかもその前提には、「給与」という文字が入っているはずであります。給与及びその他の条件というようなものが入っている。人事院勧告の趣旨と全く同じような形でここに書いてある。そうだといたしますと、いまお話のございましたように、一年に一ぺんということは私はおかしいと思うのです。法律には「随時」と書いてある。いつでもやれるはずなんです。だから、何も四月をとるからこうなるのだということでなくて、秋をとれば、秋の予算編成前にある程度できはしないか。ただ、ものの考え方として、いまの行き方というのは、従来からある問題と多少変わってきておって、民間給与の上がったときにこれに追随していくという考え方がいまのような結果になっていると思う。だから、この民間給与の問題に追随するとしないとにかかわらず、私は地方公務員にしろ、国家公務員にしろ、本来労働者としての主体的の権利である団体交渉権やあるいはストライキ権というものを取られているのでありますから、政府はやはり随時これを見守っていくという親切さと誠意がなければならないと思うのです。にもかかわらず、依然として民間に追随するというものの考え方のところに誤りがあるのじゃないか。法律と全く逆の形がきているのですよ。  そういう点を考えていきますと、いまの行き方については、どうも先ほどの御答弁を聞いておりますと、何も考えがないということになれば、何も考えがないものをここで何とか言えと言っても無理だと私は思うのです。もう少し政府も、あるいは人事院も考えてもらって、そうして法律がこういうものを認め、こういう条文を書いている以上は、これに基づいてやっていただけば、地方公務員にしたところで、あるいは国家公務員にしたところで、いまのようなごたごたは起こさないで済む。また、政府もこういう法律を書いている以上は、その予算措置は当然やるべきであって、いつ勧告されるかわからない、それに対応するものが何かということが絶対わからない。こういうふうに考えておりますが、きょうは時間もありませんので、そういうことをひとつ考えてもらいたい。そしてほんとうにこの法律の趣旨どおりに、公務員の身分というものとの関連を考えていただいて、あまりしゃくし定木にならぬようにしていただきたいということをきょうは申し上げるだけで、先に進みたいと思います。  そこで問題になってまいりますのは、地方公務員の問題として、現実の問題として自治省が通達を出される、あるいは出されたというようなことについてもいろいろと議論はございましたが、国が七%とか幾らかを節約するとおっしゃたのですが、地方の自治体で行政費の節約ができるという実情があるといらふうに自治大臣はお考えになっておりますか。節約の中から給与の改定に必要な費用が幾分かでも出されるという実情であるということをお考えになりますか。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 個々の自治体については、いろいろ実情があろうと思います。しかし、やはりその中におきまして何とか行政費も節約をして、そして国家公務員並みの給与改定ができるようにしてもらいたいというふうに考えておるわけでございます。

門司亮民主社会党

○門司委員 私の聞いておりますのは、そういう気持ちはわかりますよ。気持ちはわかりますが、ただ、そういう余裕があるようにお考えになっておるかどうかということでありまして、社会資本の非常におくれているわが国の地方行政というものは、実際はやるべき仕事が幾らでもあるのですよ。そして国が当然やらなければならない仕事が、地方にたくさん押しつけられておる。にもかかわらず、給与改定をするからおまえのほうでこれを節約せよというようなことは、私は、少なくとも自治省として、あるいはそういうことを言わなければ国に対して義理が悪いのだという考え方が多少あろうかと思うが、だからと言ってこれを押しつけるようなことがあってはならぬと思うのです。その辺の通達はどうなっていますか。押しつけるような形で通達を出すつもりですか。いままで出ているとすれば問題だと思います。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 先般の閣議決定の中で、地方公務員の給与改定が行なわれる場合の必要な財源については、国と同様、地方公共団体において行政経費の節約を行なうほか、地方財政の現状を考慮して適切な措置を講ずるものとする、ということでございまして、やはり行政経費の中で節約できるものは節約してもらいたい、こういう趣旨でございます。

門司亮民主社会党

○門司委員 さっきから通達の問題が問題になっていますが、地方の自治体を現実に見てみますると、通達というものは、理事者に非常に都合のいいようにこれが利用される危険性がたくさんあるのであります。たとえば、いまのような通達が出てまいりますと、当然地方ではやらなければならない仕事があっても、何か予算の関係で、それを捻出することのために、自治省からこう言ってきているんだから、それは課長であろうと——いまの通達は係長級あるいはそれ以下の係員級の通達みたいなものが出ているということでありまして、この前の委員会で私が申し上げたとおりでありますが、それでもやはりにしきの御旗になって、本省からこういう通達が来ていますからということで、これで市議会の意見なんというものは抹殺されてしまう。そうして住民の意思というものがかなり減殺されるような空気のあることは大臣も御存じのとおりだと思う。したがって、この種の問題に対しての通達を出される場合には、特に気をつけていただきませんと、ことに給与の問題でありますから、服務規程の問題その他とは全然違うのであって、人間の死活の問題であります限りにおいては、これは気をつけて出していただきませんと、それが非常に大きな影響をしてくる。そして、やらなければならない仕事があと回しになったりするようなことがあろうと思いますので、その辺に対する通達の効力性というものについて、一体大臣はどうお考えになっていますか。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 何か通達が理事者側のにしきの御旗になるようにおっしゃいますが、あるいはそういうことを利用しておる理事者が皆無とも考えませんけれども、そのようなものではないと思います。  なお、いま節約を要望しておるのは行政経費でございまして、事業費等を繰り延べたり節約するようにということを言っておるわけではないのでございまして、したがって、やらなければならない仕事をやらなくなるというようなところまでは私どもは考えていないわけでございます。

門司亮民主社会党

○門司委員 大臣はお考えになっていなくても、地方のほうではそういうことを考えるので、非常に問題を起こす危険性があるということです。  それから、もう一つ、二つ聞いておきたいと思いますことは、先ほどから聞いておりますと、何か国と地方との職員の給与の差がだいぶん開いているようであります。ことに大都市では三四%ぐらい高いんだ、町村において初めて二六%くらい安いんだというような統計をお話しになっていますが、しかし、聞いてみますと、この年度はかなり古い調査のようでありますが、一体自治省ではこういう調査をいつされていますか。そうむずかしい調査じゃないですよ。人事院は毎年やられて、そうしてこういう勧告を出されているのですから、それを受けて立つ自治省の調査は、もう少し新しいのはありませんか。こういう極端な例だけを聞いたって、私もそれでさようでございますかというわけにいかぬのですがね。ほんとうのことはどうなっていますか。もう少し現実に近いものをひとつ発表してもらいたいのです。これはないのですか、あるのですか。

鎌田要人自治省行政局公務員部長

○鎌田説明員 全数に近い非常に精密な調査を五年おきにやっておるようでございます。したがいまして、それに基づいて申し上げておるわけでございまして、これが、一番近いのが昭和三十八年、それまでの間のものはかなり中間的な報告で、簡単な調査になっておるようでございます。したがいまして、公表にたえ得る数字ということになりますと、五年ごとの悉皆調査、こういうことに相なるようでございます。

門司亮民主社会党

○門司委員 これは非常な問題ですよ、あなた。少なくとも人間の生活費の基準をきめるものを、五年前のやつを持ってきて、これで議論するというようなことが一体許されますか。これは人事院のほうはどうお考えですか。あなたのほうはそんな古いのじゃないでしょう、四月のやつをいま検討されていますから。人事院でできることが自治省でできないという理屈はないですよ。

鎌田要人自治省行政局公務員部長

○鎌田説明員 ちょっと誤解があるようでございますが、私のほうでやっております給与実態調査、これは何もそれをもとにして給与をきめる、こういうことではございませんで、地方公務員の給与の現在の実態はどうなっておるのか、そういう資料をとりまして、それをもとにいたしまして、いま申しております国家公務員との給与の比較をとっている、そういういわば実態調査的なものであります。これによりまして給与をきめる、こういうデータとして使っておるというものではございません。

門司亮民主社会党

○門司委員 データとして使っているのではないと言ったって、ここで発表されておりましょう。それでは地方公務員と国家公務員との給与の差はわからぬというふうに言って差しつかえないでしょう。データとして使わないのなら何にもなりはしない。ただ紙に書いて報告する報告書の一端だとすると、給与をきめる場合の参考に何もなりはしない、したがって、自治省では、地方公務員の正しい給与のデータは持っていないという結論に達せざるを得ないでしょう。これは四年も五年もたっているのですからね。昔のことをいまごろ持ち出してきて——学者が何か統計を調べる場合の参考にはあるいはなるかもしれない。しかし現実の政治を行なっていって、あすの給与をどうするかという現段階で、四年も五年も前のことを持ち出してきてここで議論されたのでは、議論にも何にもなりはしない。どうです。大臣にこの点はひとつはっきりしていただきたいのですが、一体、地方公務員というのはそういうことでよろしいのですか。これはここであなた方が説明されれば、速記録に載ってくるでしょう。そうすると、これは五年前はこうなっていましたが、いまは何だかわかりませんということで書いておいてもらわないと、国家公務員と地方公務員はちゃんとこんなに差があるのだ、だから地方公務員のほうを上げるというのは少し多過ぎはしないかということが言われないとも限らない。また、私はそういうことが一般的に常識になると思う。これはもう少しわかりやすく、現実の問題として取り上げていただきたいのです。給与の関係ですからね。ほんとうに生きていくということなんだから。これはできませんか。

鎌田要人自治省行政局公務員部長

○鎌田説明員 私、実は三月前に公務員部長になったばかりでございまして、いままでの経過を詳細に知らないわけでありますが、五年おきに悉皆調査をやって、間に簡単な調査をやる、こういう方式は、率直に申しまして人手の問題——地方団体に全部調査を依頼いたしまして、あと集計、それから統計実務処理、こういうことをやっておるようでございますが、予算の関係、人手の問題、こういうことがあってこういう形に相なっておるのだろうと思います。幸い来年度がちょうど五年目の実態調査の機会でございますので、これを契機にいたしまして、なお方法の改善に努力をいたします。

門司亮民主社会党

○門司委員 私はこういうことがあろうかと思って、最初に随時適応の原則ということを聞いてみたのですがね。法律には随時適応の原則とはっきり書いてある。私、いま条文を見たけれども、何条かちょっとまだ見つからないのですが、確かにあることには間違いないのであって、そういうことがちゃんと法律に書いてある。だから、随時にやるということになればどういうことになる。地方の自治体は、本省のほうでは五年たたなければほんとうのものはつかめない。しかし、それがわかるころは、ずっと五年も経過しているのですから、どうなっているかわからない。その間に随時にこういう勧告ができるようにちゃんと法律では書いてある。その辺がわからないでここで私ども議論すること自身がおかしいと実際は思っている。地方公務員の給与をどうするか、こうするか、現状がわからないで、上げるか下げるか議論することはおかしいと思う。だとすれば、やむを得ませんから、自治大臣にお聞きをしておきたいと思いますことは、少なくとも地方の公務員については、人事院勧告を下回らないように、やはり自治省は指導すべきであると私は考えておるが、どうなんです。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 最初に、自治省が全国の都道府県並びに市町村の職員の実態調査を全部をやるのは五年ごとということでございます。したがって、正確な実態をつかむのは五年ごとになるわけでございますが、その地方のたとえば人事委員会というものは、自分のところの地方公務員の給料の実態は十分把握をいたしておるのでありますし、国家公務員の水準もわかっておるのでございまして、その地方の人事委員会がその地方の公務員の給与について勧告をいたすということにつきましては、十分な資料があるわけでございまして、自治省が勧告をするわけではないのでございますから、その点は五年ごとの実態調査がいいか悪いか、もっと年度を詰めてやって、自治省も実態を把握している必要があるかどうかということについては研究をいたしますが、現在の地方の人事委員会が勧告をするに足る資料は十分持っておるものと私は考えるわけでございます。  それから、国家公務員を下回らないように指導したらどうかということでございますが、先ほどもお答えいたしましたが、やはりその地方の民間給与等もございます。申し上げるまでもなく、財源的には国家公務員に準じて引き上げられるような財源的処置をいたしておるのでございますが、その地方の民間給与等との関係もございましょうから、一律に下回るなという積極的な指導はいかがかと考えるわけでございます。

門司亮民主社会党

○門司委員 大臣のせっかくの答弁ですけれども、私の聞いておりますのは、基本的に高いか安いかということを自治省が知らないでおいて、わからないでおいて、そして給与の問題について指導するということ自身に私は誤りがあると思うのです。いまお話しのように、地方の人事委員会は、それは知っているはずだということは、私も知っていると思います。そうだとすれば、それを自治省が集約されるのはたいしてむずかしい仕事じゃない。指令だけは幾らでも出しているのだから、その指令が返ってくるというのはたいしてむずかしい仕事じゃないと私は思う。そういうことが全然考慮されないで、そうして財源処置云々ということになってこういう問題を引き起こすことについては、私は非常に大きな欠陥を持っておると思う。だから、もう少し実態に即した議論のできますように——ただ、いま聞いておりますると、かりにこれが新聞なら新聞に報告されてごらんなさい。地方の公務員が国家公務員より三四%も高いんだということになったらえらいことになってしまいますよ。現実はそうじゃないでしょう。必ずしも高いということにはならぬでしょう。ただし、これは五年前だと言ってごらんなさい。これまた妙なことになってしまって、議論すること自身がおかしいような気持ちにならざるを得ない。  そこで、問題になってまいりますのは、もう一つその次の問題としてお聞きしておきたいと思いますことは、国と地方との間の人事の交流が特に自治省はなされております。それらの場合に、もう大体わかっておるはずだと思いますが、そういう場合にどういう処置をとられております。いまのようにかりに三四%高いんだということになると、給与を下げて地方にやらなければならぬことになろうかと私は思うのだが、その辺はどういうことになっていますか。具体的に私は聞いておきたい。

長野士郎自治省行政局長

○長野説明員 直接担当しておりませんのでよくわかりませんが、昔私ども携わっておりましたころとあまりやり方は違わぬと思いますから、便宜お答え申し上げますが、地方との関係で、人事交流などいたします場合に、給与の差があるということはそのとおりでございます。その場合には、私どもは、高い場合も安い場合もあるわけでございますけれども、大体その団体の給与の決定方式に従う、これを原則にいたしております。

門司亮民主社会党

○門司委員 そういう答弁をしないわけにはいかぬでしょうな。これは上げるというわけにもなかなか答弁しにくいでしょうから。しかし、現実の問題として、三四%も違っておるということになると、そう簡単に、一体地方に出る人がありますか、事実上の問題として。地方といっても同じ東京に住んでおって、自治省に住んでおるのと東京都庁に住むのと同じことですから、三四%下げられて都庁に出るという人が幾らかございますか。私はそういうことはなかなかむずかしい相談だと思うのです。しかし、これは実態がわかっておらない。現実はわかっておらない。それは五年前の話だということになると、そういうことになるかもしれない。そうなってくると、何が何だかちっともわからない。  そういう議論をいつまでもしているわけにもいかないかと思いますが、それでは大蔵省に聞いておきたいと思いますことは、今度のことでしばしばいわれておりますように、九月決算を見なければわからぬとか、あるいは十一月にならなければわからぬとか、いろいろなことをいわれておりますが、一体ほんとうに大蔵省はそれを見なければわからぬほど機能が薄弱なんですか。大蔵省というのは、私はそういう役所じゃないと思っている。ここだけでそういう紋切り型の答弁をして——それは分けると九月決算もございましょうし、十一月決算もございましょう。しかし、最近の私企業の決算は必ずしも九月とか十二月というそういうものではないでしょう。それぞれまちまちになっている。ことに十二月決算というものは少なくなっている。そうすると、四半期区切りの九月決算というのは、私はあまりたくさんないと思う。ただ、大蔵省は何かそういうことばで、九月決算と言いさえすればこの場がのがれるのだというようなことで言うっているんじゃないか。四月決算あるいは七月の問題はどうなっていますか。

秋吉良雄大蔵省主計局主計官

○秋吉説明員 私が非常に味けない御答弁でそういうお感じを持たれたかもしれませんが、財政当局ともなりますと、どうてもやはりかたくならざるを得ない宿命的な立場に立っていることも御賢察願えるかと思います。最近までの決算から見た租税収入の動向でございますが、これはあるいは記憶違いかもしれません、八月でしたかまでは、過去の前年対比収入歩合のデータでとる。七月か八月かわかりませんが、それによりますと、おそらく全体で収入歩合が昨年よりか一。九%程度高い数字が出ています。ところが、これは主税局に言わせますと、実は四十二年の四月三十日が日曜日でございましたから、したがって、四十二年度にずれ込みが相当あるんじゃないかというような問題がございまして、そういう調整を要する点もございます。そうすると、一・九%の収入歩合の増をそのまま本年にフラットに適用していいかどうかという問題は、主税局といたしまして非常に心配するわけであります。そういったいろいろな問題からいたしますと、なかなか確たる数字——二千億はというようなことの数字はちらほら聞いておりますが、やはり主税局といたしましては、どんぴしゃりの数字はなかなか言ってくれないのが率直なほんとうの姿でございます。

門司亮民主社会党

○門司委員 そういう率直な姿かどうかわからぬですが、われわれとしては、ここで先ほどからの答弁を聞いておりましても何だかちっともわからない。みんな九月にならなければわからぬというなら、これはいまごろ勧告されてもどうにもならない。私は、政府が少なくとも八月に踏み切られたということについては、これの財源の処置はできるんだという見通しのもとにおそらくやられておると思います。だから、ただここで八月にならなければわからぬのだ、九月にならなければわからぬのだということでなくて、財源の処置についてはひとつ十分考えてもらいたい。  それでは、自治大臣にもう一つお聞しておきますが、この財源処置について、公営企業だけではありませんで、まだ地方の自治体の中には、再建整備団体は少なくなったかもしれませんが、財源的にかなり窮屈な、財政の非常に困難なのがたくさんあります。これらの問題についてはそんなことはないと言われておりますけれども、かつてあったことだから私は心配するのでありますが、他の名目で起債その他が充てられて、そうしてそれが公務員の給与のベースアップに使われておるというようなことは、私はないわけではないという気がどうしてもするのです。なるほど、ベースアップをするからこれだけ起債をしてくれということは言わないかもしれない。あるいは政府も今度そういうことは指導しないかもしれないが、しかし、形の上では異なっておっても、実質的には借金でやるというような地域が私はあろうかと思いますが、この辺の問題に対する自治省のお考えを聞かしておいていただきたいと思います。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 確かに、個々の地方団体にとりましては、ベースアップをするのは財源的になかなか困難なところもあろうかと思います。しかし、これは、先ほどからお話しの財源の見通し、ことに主税の増収の見通しがわかりませんので、どの程度の交付税になりますか、まだ数字的には固まっておりませんけれども、交付税その他の処置で今回の国家公務員に準ずるベースアップはやり得るもの、また、そうさせるように努力をいたしてまいりたいと思います。

門司亮民主社会党

○門司委員 どうもそれ以上の答弁はできないかもしれないと私は思いますけれども、大蔵省の意見と全然違わぬですね。大蔵省は、九月にならなければわからぬと言うし、自治省のほうでは、例の主税がふえるだろうから、交付税で何とかまかなうだろうと考えているし、また大蔵省も、この間の新聞を見ると、三二%を削りたいということを言っておるところを見ると、やはりかなり税収の伸びがあるんじゃないかというようなことが考えられる。それだけ地方の自治体の税収が伸びたとは考えておりません。これは地方の自治体の税収というのは伸びたように考えられておりますけれども、非常に不均衡があるから伸びたように見えるのでありまして、たととば住民税のような問題にしても、地方はここ五年ぐらい基礎控除を上げておりませんからね。こういう税の非常な国と地方との不均衡が是正されていないままに今日過ごされておる。地方の自治体として、私どもの立場から考えれば、そういう問題を是正していきたい。やはり所得税並みに住民税の基礎控除を上げていくということになりますと、かなり大きな減収が当然見込まれるということである。だから、大蔵省のものの考え方は、この機会に聞いておきたいと思いますが、どうなんです。地方のほうは、住民税などの税率も下げなくてもいい、基礎控除なども上げなくてもよろしい、いまの四十二万円ですかに据え置いてよろしい、そういう原則の上に立って地方の自治体の財政を見込まれているのですか。これを国と同じように七十二万円まで上げて、なおかつ地方財政が豊かであるというようにお考えになっているのですか。それをこの機会にひとつ聞いておきたいと思います。

秋吉良雄大蔵省主計局主計官

○秋吉説明員 たいへんな重要な御指摘でございますが、国の財政も最近御承知のように硬直性ということがよくいわれておるわけでございますが、地方の財政も、四十年度から比べますと、私どもの立場から見ますとかなり改善されてきているのじゃないかという率直な感じを持っております。と申しますのは、国の財政は、御承知のように、債務の点から申しますと、もうすでに四十二年度末にはおそらく歳入規模に対しまして現債高で四割をこすような状況になるのじゃないかというような感じを持っております。のみならず、御承知のようにこれは野党の方々からいつも御批判を受けるわけでございますが、国債の依存率は世界に例のないほど高い依存率が国の一般会計でございます。したがいまして、そうした財政の体質の改善をはからなければならないというような、いわば国の財政は非常ににっちもさっちもいかないような壁にぶつかっているのが四十三年度の私どもに課せられた国の予算の姿ではないかと思うのでございます。もちろん地方財政につきましても、四十年度、四十一年度におきまして、国の適切な措置等もございまして、あるいは経済の回復過程におきまして、私どもから見ましたならば、過去にないほどの実質収支、それから積み立て金についてのいわゆる実質剰余金が出ているわけでございます。四十年度決算では、御承知のように千四百億、それから昭和四十一年度末でございますが、これは自治省のほうから御答弁をするのが適切かと思いますが、多少推計が入るかもしれませんが、おそらく千九百億をあるいはこえるのじゃないかというような予想も立つわけでございます。それに対しまして国のほうはどうかというと、御承知のように四十年度の決算はわずか七十億の剰余金にしかすぎません。それから四十一年度末は五百三十数億の剰余金しかないような現状でございまして、私どもから言わせれば、ちょうど昭和二十八年から昭和…十年にかけまして、地方財政が非常に危殆に瀕したのと同じように、国の財政は、当時の公債依存率はたしか九%か一〇%くらいでしたが、それをはるかに上回るような現在の国債依存率になっています。何とか国の一般会計の財政の体質改善をしなくてはいかぬというような状況でございます。私は、とにかく国も地方も、やはり国の財政、地方の財政は一体となって運営して初めて日本の国はよくなるものだと思っております。その意味からいたしまして、国の財政も、地方の財政も、ともかく公経済が全体といたしまして健全化した姿でいくという方向で今後ものごとを考えてまいりたい、かように思っておるわけであります。

門司亮民主社会党

○門司委員 えらい御答弁を拝聴したわけでありますが、なるほどそういうことになっているかもしれない。しかし実態は、先ほどから言いましたようなことで、これはあなたに聞いたってしょうがないのですが、大臣がおいでになれば大臣に聞くことであり、自民党の一つの税制の政策ですから、国税のほうは選挙のたびにこれが中心になる。結局、減税をする、減税をするといって、四十五年度ころまでには基礎控除を百万円まで上げるということを言って、ことしは七十二万円ですかに上げられた。ところが、地方の住民税のほうは五年据え置きなんですね。だから、所得税は納めなくなったが、地方税はふえたということですね。財政に余裕があるというけれども、これは税金の取り方なんですよ、地方の自治体が国と同じようなレベルでずっと歩いていって、そして所得税を下げたから住民税もそれに見合って下げるのだ、いわゆる国民負担を軽減していってなおかっこれで余裕ができたというならわかる。しかし、地方の住民にはかなり過酷な住民税が課せられておる。このことは、私はここで申し上げることばではないと思いますけれども、やはり地方の自治体の公務員の給与改定その他についても、実はこういう毛のが非常に大きく響いているのである。なぜかというなら、地方の住民の自治体に対しまする感情というものが非常に悪い。国のほうの税金は下がったが、自治体のほうは税金をたくさん取っておるじゃないか。一向下がらぬじゃないか。下がるどころかふえているじゃないか。人によっては、所得税はなくなったけれども、住民税はふえたという連中が出てきている。そして、やることは十分にやってくれないし、けしからぬという地方の自治体に対する住民の不信感というものをだんだん助長してきている。これは単に財政だけで議論すべき問題でないと私は思っているのです。行政全体の一つの議論である。ところが、そういう状態になっていることをたてにして——それは、あなたの言われることばは、事務当局として数字の説明をされたことは私は了としますが、しかし、これを政策的にものを考えていくことは非常に大きな誤りだと私は思う。地方の自治体が必ずしも余裕があるとはいえないということで、それは非常にたくさんの税金を取っているからこういう結果になるのである。これは責めれば、自民党の税制政策が悪いということ、けしからぬということに私はなろうかと思いますけれども、それはいまここで議論するわけではございませんが、実際の問題として、今日地方の自治体のやるべき仕事はたくさんあるのにかかわらず、国がこの人事院勧告に基づいてやるというような問題についてもいろいろ指図されておる。  最後に、私は一言だけ聞いておきたいと思いますが、もし地方の公共団体で法律のとおりに——私は違法ではないとはっきり申し上げて差しつかえないと思いまするが、いま京都の例がちょっと出ましたが、あるいは八月、あるいはそれ以前にさかのぼってベースアップをするというような団体がないとは私は限られないと思う。そういう団体に対して自治省はどういう処置をおとりになるのか。処置をとるということになると、少し言い過ぎかもしれませんが、どうお感じになるか、ひとつこの際聞かしておいていただきたいと思います。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 地方公務員の給与は国家公務員に準ずるということ、それは給与表ばかりでなく実施の時期等も含めて準ずるということでございますから、あるいは七月、五月というような実施時期をきめられるということは好ましくない、避けてもらいたいという気持ちでございます。

門司亮民主社会党

○門司委員 もう一つだけついでに聞いておきますが、好ましくないというお気持ちである、おそらく大臣としてはそういうことを言われるかもしれない。しかし、好ましくないというそのお考えが、地方の自治体の行政の上にどういうふうに影響するかということ。こういう法律があるんですからね。随時これをやれ、やってもよろしいという法律がある。たまたま人事院の勧告が出たからということでこれに準じてやる。地方で財政の余裕のあるところが、政府のほうは八月にしたんだから、うちのほうは去年のベースアップが足りなかったとか、あるいは去年も繰り延べたとか、そういうような事情でこれを七月にするとか、あるいは六月にするとかいうようなところが、私はないわけではないと思っているのです。そういうものに対して、好ましくないからといって、何かさっきの話のような通達を出されるようなことがありますか。そんなことをしてはいけないという通達を出されてはかなわぬと思うのだが、そういう措置をおとりになるかどうかということを、少し窮屈な質問のようでありますが、もう一つだけ聞かしておいていただきたいと思います。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 私は、先ほど来門司さんが御指摘になっているように、地方財政はそんなに余裕のあるものではないと思うのでございます。したがいまして、たとえば、国が交付税等の処置をとりましても、国家公務員以上に、七月だ、六月だ、五月だというようなことを実施する、そんな財政的なゆとりもないと思いますし、また国家公務員に準ずるという意味からいきまして、そういうような処置はとってもらいたくないというふうに考えております。

亀山孝一自由民主党

○亀山委員長 小濱君。小濱君、恐縮ですけれども、五時までに全部決議まで終わりたいと思いますから、よろしく御協力願います。

小濱新次公明党

○小濱委員 本日は、先ほどから長時間にわたって政府のいろいろの方々の御答弁を聞いておりまして、特に私は、人事院の佐藤総裁の力強い御答弁を感じておったわけでありますが、そうした非常に責任感を感じられた御答弁の中から、私は一、二点お伺いをしたいと思うものでございます。  先ほど総裁は、あくまでわれわれの念願は五月完全実施である、このようにおっしゃいました。わが公明党としても同じであります。また、先ほど総裁は、今日まで正しい道を歩んできた、このようにも思っている、こういうふうに確信のほどを述べられたわけであります。五月実施を目途として今度の人事院勧告がなされた一わけでありますが、残念なことには、閣議決定は八月になってしまいました。特に総裁としてそう結論づけられた面についてお感じになったこと、私は、特にいままでに重点的に留意してきた問題は何かと、こう聞きたかったのでありますが、こういう結果になってしまいましたので、そういう立場から、今後のためにも伺っておきたいと思うのでありますが、総裁のお考えをひとつ述べていただきたいと思うのであります。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤説明員 午前中にもこの点に触れたのでございますけれども、また先刻はベターかベストかというような話もございました。率直に申しまして、今度の閣議決定について、とにかく従来の九月という線から八月に進められたということは、これはおそらくいろいろな困難な情勢の間で、政府としては相当努力された結果であろうということは、私どもも率直に評価いたします。そしてその御努力に対してはやはり敬意を表せざるを得ない。これは藤枝自治大臣がおられるから申し上げるわけではありませんけれども、これは率直にそういう意思を表明していいと思いますけれども、いまおことばにありますように、私どもの勧告は五月にさかのぼって実施していただきたいということであり、これは国会にもそのことで御勧告申し上げておるわけであります。したがいまして、私どもとしてはまだ依然として五月実施が念願である。これは今後の国会の御審議によって——私どもは財政上の問題とかその他の高水準の政治問題についての最終的の判断力はございませんから、これは国権の最高機関としての高い視野から御検討いただいて、そして何とぞ適正なる御裁断を仰ぎたい、そういうことに尽きるわけでございます。

小濱新次公明党

○小濱委員 総裁は非常に長い間この衝に当たってこられた方と伺っております。そういう点で、人事院勧告がかつて一度もその勧告どおり実現が見られなかった。そういう点で、私どもも非常にその内容については反省の必要を感じているわけでありますが、その完全実施のための強い態度が人事院に不足しておったのではないか。何かこれの実現のためのPRといいますか、努力が必要であったのではないのか、そのことの誤りも、勧告が完全実施されない一つのゆえんではないのか。私どもはこうも考えておるわけでありますが、総裁としてはどのようにお考えになっておられるか、ひとつお答えいただきたいと思います。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤説明員 政府の一機関であります人事院、その総裁が非常に大きな期待を持たれて、いわば買いかぶられておるような面も、私いろんな機会に実は感ずるのでございますけれども、それらは別といたしまして、私自身としては、とにかく勧告の当の責任者でございます。しかも勧告には、これこれの内容でこれこれの時期からということをはっきりうたって御勧告申し上げておるわけでございますから、その実現にあらゆる努力をいたすのはこれまた当然のことだろうと思います。いまおあげになりましたいろんな面における活動については、お気づきの点もありましょう。あるいは、この点は不足じゃないのかというお気づきの点がございましょう。そのことは、またそのつど御指摘をいただき、いろいろお教えをいただいて遺憾なきを期してまいりたいと思いますけれども、幸いにことしの場合は、たとえば新聞の社説あたりを拝見いたしますと、勧告に対する支持の面の社説が非常に多いように思われまして、私どもその辺はたいへんうれしく思うわけでございますけれども、そのほかの一般の国民大衆から支持されるような勧告でなければならぬ。われわれは、いつも申しておるのでありますけれども、これはやはり納税大衆を含めての一般の国民から、ぜひ公務員に対してこれだけの給与を上げてやりたいという声が出るような形というものが一番望ましい形だと思います。したがってまた、公務員の諸君にも、一般国民大衆の支持を受けるような行動なり規律なりを私たちとしてはずっと念願してまいったわけであります。そういうような理想的な形に持っていくためにはどうしたらいいか。もちろん私自身の一人の力では限界がございますから、大きなことは申し上げられませんけれども、その方向に向かっての努力はしております。何ぶん最終的には最高機関である国会のおきめになることでございます。したがいまして、国会に対してもぜひ適正な御裁断をお願いしたいということを、声を大にしてあらゆる機会に申し上げておるという次第でございます。

小濱新次公明党

○小濱委員 私どもが耳にしておりますことは、六人委員といいますか、大蔵大臣と総務長官が、この問題についてはいつの場合でも相当論議をかわされて、そして総務長官が終わって廊下に出てこられるときには必ずその相が変わって見えた。そこまで真剣にその委員会で討議をされたということの内容が示された話を私どもは聞いているわけであります。こうしたことが、二十四年以来ですか、もう十八年にわたって一度も答申が実施されなかったという。同じことを繰り返し繰り返し今日まできているわけであります。なおそういう状態がこれからも続いていくとするならば、これはゆゆしい大事であろうと私どもは考えるわけでありまして、こういうこともぜひひとつなくしていただきたい。それには何かもっと適切な進歩的な処置が講じられていかなくちゃならないはずであると私どもは考えておるわけでありますが、将来計画といいますか、最後にひとつ総裁のお考えをお伺いしたいと思います。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤説明員 先ほども触れましたように、勧告のあり方自体についても、私どもはやはり謙虚に反省をして、さらに完全な、あるいは円滑にこれが実現できるような方法はないかという態度をもってずっと検討を続けておるわけでございまして、いままで不幸にして名案はまだ得ておりませんけれども、さらに、いまおことばにありますような基本的な態度によって、今後も検討を続けてまいりたいというふうに思っております。

小濱新次公明党

○小濱委員 ありがとうございました。  国務大臣としての藤枝自治大臣にお伺いいたします。  私どもは、いろいろとお教えをいただく立場でありますからお伺いしたいのでありますが、国の最高機関たる国会の意思を聞かずに閣議決定をした。内閣、文教、地行と、各委員会でもこの問題については大きく取り上げられて、あるいはまた四党が共同決議案も出しているという、そういう面の活動が行なわれているわけでありますが、こういうことについて、私は、国会無視になるのではないかというふうに考えますが、ひとつ大臣のお考えを聞かしていただきたいと思います。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 国会で人事院勧告をめぐっていろいろ御意見があります。あるいは委員会の決議をされた点も承知をいたしておるわけでございますが、人事院勧告は、国会にもまた内閣にも勧告されておるわけでございます。また、内閣は、いわゆる使用者としての立場も持っておるわけでございまして、そういう意味から国会の御意思の決定を待たずにやりましたということにつきましては、これはやはり内閣の持っておる機能からいたしまして、やってしかるべきものと私は考えております。ただ、いずれにいたしましても、給与は法定されるものでございまして、それを御審議いただく過程において十分国会の御意思も反映できるものと心得ておるわけでございます。

小濱新次公明党

○小濱委員 内閣の機能ということでいま御答弁をいただいたわけでございます。納得ができませんのでお伺いをしたわけでございます。そういう御答弁でございますので、私はその点を受け取りまして、そういうことでまた今後は研究もしていきたい、こう思っております。  それから、政府は五月実施の人事院の勧告を八月に実施することをきめた、そのことに対しては、私どもは総裁のことばを聞いておりまして、非常にかたい決意でこの勧告をされたものと思いますが、この誠意を踏みにじった、このように私どもは感じているわけです。したがって、人事院制度を政府みずから否定したことになるのではないのか、このことについて、また大臣のお答えをいただきたい〜思います。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 人事院総裁が非常にかたい決意で五月実施を望まれておりますることは私どもも十分承知をいたし、また、政府といたしましても、できるだけ完全実施の線に近づけたいということで、いろいろ六人委員会等では討議をいたしたわけでございます。  午前中からしばしばお答え申し上げましたように、何と申しましても補正予算を組まなければならない。当然その点については財政がからんでくるわけでございまして、財政を無視して補正予算を組むわけにもいかないわけでございます。そういう点で、世間一般にいわれておるような税の伸びというものは、なかなか期待できないような現在の財務当局の見通しでございます。したがいまして、あるいは従来どおり九月実施が妥当ではないかというようなこともあるわけでございます。しかし、われわれといたしましては、完全実施に向かって努力をしなければならないというような関係もございまして、そうしたあまり芳しくない財政見通しのもとではございまするけれども、一月繰り上げたというようなことでございまして、今後も完全実施に努力をいたしたいと考えますが、先ほど来人事院総裁がお答えになったように、あるいは当初予算に組めるような何らかの方法がないであろうかということで、今後も鋭意検討をしてまいりたいと考えておる次第でございます。

小濱新次公明党

○小濱委員 公務員共闘との無用の摩擦は避けるべきである、このように私どもは常に主張してきておりましたが、聞くところによりますと、また行なわれるようであります。これは当然実施期間を勧告どおり五月にしろという、その願いをかけての戦いでありまして、もうすでにあさってこれがまた行なわれようとしておるわけであります。この前の例もありますし、憂えられる一応の状態であると思うわけですが、この点については、大臣はどのようにお考えになっておられますか、お伺いいたします。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 公務員共闘等が、二十六日に、いわゆる違法の、法律に認められていない行為をしようとされておることは非常に残念でございまして、私どもは、しばしば関係大臣その他から警告を発し、そのようなことのないように御注意を申し上げておるわけでございます。もちろん、いろいろ完全実施でないというところに公務員諸君の不満もありましょうけれども、しかし、それがあるからといって、一般の国民に迷惑をかけるような、そういう法律に許されざる行為をするということは、これは認められないんじゃないか。もちろん、いろいろな適法な行動によって自分らの意思を発表されることは自由でございますけれども、国民に迷惑をかけるような違法の行為については、これは厳に慎んでいただきたいと考えておる次第でございます。

小濱新次公明党

○小濱委員 いま違法ということばがございました。非常に残念なことでありますが、教育の任に当たられるような、そういう常識豊かな方々が、法をよく知る立場の人たちが、あえて法を犯そうとしておる、そうした心情も、やはりきょうのこの委員会で焦点になった人事院勧告にあるわけでありまして、この点については、自治大臣としては、地方自治体の育成を心から願っておられる立場の大臣としては、大きく取り上げていかなければならない、このように私どもは考えておるわけであります。どうかひとつ、こういう問題を通して、反省すべきところは反省をし、努力をするべきところは努力をして、もう十八年も繰り返してきたような愚は、私どもは一日も早く解決すべきである、このように思っておるわけでありますから、そういう点でお答えはいただきませんが、これから大いにひとつ反省をして、努力をしていっていただきたいことをお願いしておきます。  それからもう一つお伺いしたいことは、これはやはり自治大臣として当然お考えになっておられるだろうと思うのであります。先ほどもお話がございました地方公営企業職員の問題でございますが、朝も五時ごろ起きてみますと職場についている。うちを出てくるのはもっと早いでしょう。夜も十二時ごろにてくてくと家路に向かって帰路についているようであります。もうまっ黒くなって朝早くから夜おそくまで働いている、こういう職員がおります。こういう人たちは、公務員であるけれども、公営企業というワクにはめられている、そういう対象であるから、今度の人事院勧告には、これは対象に当てはまらないということであったけれども、私どもは、いろいろと現実の問題を知っております。たええば、先ほどもお話がございましたが、年間二億も赤字を出すような赤字路線を、あえて涙をのんで走らしている。あるいはまた、いまは水源地も非常に遠い、したがってその水源地から水を引くには、もう千億、二千億の投資をしなければならぬ、そういうことで、サービスを第一義に考えている公営企業は、赤字でありますが、そういうことから、あるところでは二年もベースアップをやらなかった、返上しておった、こういう話も聞いております。こういう点で、どうかひとつ将来のために、ぜひとも公営企業の職員に対する考え方を、先ほど伺いましたけれども、もう一度自治大臣としてお考えをお聞かせいただきたい、このように思います。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 公営企業の中で、先ほど来御指摘のありましたような、たとえば地下鉄であるとか、ただいま御指摘のありました非常に水源地が遠いというような問題、その問題につきましては、何とかそれを解決する努力を政府といたしましても考えなければならないとは思います。ただ、この公営企業職員の給与の問題ですが、これはしばしば繰り返してお答えいたしますように、生計費及び同一または同種の類似の国家公務員あるいは地方公務員の給与の水準、民間の給与水準、それと企業の経営の状況、こういうものから決定されるのでありまして、一般の住民の税金で支払われる一般の地方公務員とはやや趣を異にするわけでございます。したがいまして、この企業の経営の範囲において給与が考えられる。もちろんいまおあげになりましたように、朝早くから夜おそくまで働くというようなことにつきましては、一般公務員とは違ったいろいろな手当も出しておるというようなことでございます。ただ、そうは申しましても、やはりだんだん生計費がのぼる、あるいは物価が上がるというようなこともございますので、これらの問題につきましては、先ほどお答え申し上げましたように、具体的な個々の問題につきまして十分検討をいたしてまいりたいと考えておる次第でございます。

小濱新次公明党

○小濱委員 先ほども総裁からそのかたい決意のお話があったわけでございますが、たとえば農林省の同じ屋根のもとでふしぎな現象が起こっておる。いわゆる三公社五現業、こうした同じ公務員でありながら、この公共企業体にはすでに四月かう実施をされている。しかもこの問題については、二日間ぐらいしかその審議の期間がなく、完全実施に入られたという話を聞いております。本省のほうの今度のこの問題については、八月十五日以来もう二カ月以上たっているわけですが、いまなおこうやって問題を取り上げて、そうして論議を続けているわけでございます。とにかく十八年という長い間同じことが繰り返されている。このことについて、先ほども申し上げましたけれども、この辺で何としても進歩的な対策を講ずるべきである。これはもう、やはり自治大臣は、国務大臣としてでも当然でありますが、かたい決意の上に立たなければこの実現は不可能であろうと思うわけであります。こうした問題をふしぎな現象と言っております。また、その人事院勧告はいつになるであろうかと、もう首を長くしてその結論を願っている人たちの立場に立ってみたとき、これは不平等、不公平ということで、どうしても一日も早くこの人事院勧告の完全実施のために努力をしていかなければならない、このように私どもかたい決意の上に立つわけであります。その進歩的な対策ということで、大臣、もう一度お答えをいただきたいと思います。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 まあ企業収入でまかなわれる三公社五現業等の職員と、一般の税金でまかなわれる一般の国家公務員と、これは給与のあり方その他もある程度は違ってまいるわけでございますが、いま御指摘のように、同じ屋根のもとにいて、一方は現業であるからといって四月から実施されている、一方は、今度でも八月だというようなこと、これはまあ現象的に見てはなはだいろいろ問題を起こすことであろうと思います。  そこで、先ほどもちょっと触れましたが、また人事院総裁もおっしゃっておられますが、何としてでも補正予算を組むということになると、財源の問題がどうしてもからんでまいるわけでございます。そこで、むしろ当初予算に相当の予算が組めるような方法が何かないものであろうか。しかし、それが単なる政府の恣意で組んでもいけませんし、それに準ずる地方公務員に至ってはなおさらでございます。その辺に何かくふうがないであろうかということで、実は真剣に人事院総裁もまじえて検討をいたして、まだほんとうの名案がないわけでございますが、何とかそのほうもまず考えて、そして人事院勧告が完全に実施できるような、そういう財政と人事院勧告との関係が円滑にいきますように、今後さらに検討いたして近く解決をいたしたい、そういう決意でございます。

小濱新次公明党

○小濱委員 最後に一言申し上げたいと思います。勧告は尊重する、尊重するけれども、財源がないので完全実施ができない、このことはいつでも繰り返されて言い続けられてきているようであります。どうかこういうことの一日も早い解決を私どもは心から願っておるわけであります。今後一そう努力されますことを心から希望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。おそくまでありがとうございました。      ————◇—————

亀山孝一自由民主党

○亀山委員長 ただいま委員長の手元に奥野誠亮君、山口鶴男君、門司亮君及び小濱新次君から四派共同をもって、地方公務員の給与改定の財源に関する件について、決議されたいとの動議が提出されております。  この際、本動議を議題とし、提出者から説明を求めます。奥野誠亮君。

奥野誠亮自由民主党

○奥野委員 私は、自由民主党、日本社会党、民主社会党及び公明党の四党を代表して、地方公務員の給与改定の財源に関する決議案の趣旨説明を行ないたいと思います。  まず、決議の案文を朗読いたします。    地方公務員の給与改定の財源に関する件(案)   政府は、国家公務員に準じて地方公務員の給与改定が実施できるよう必要な財源について適切な措置を講ずべきである。   右決議する。 以上が案文であります。  御承知のごとく、最近の地方財政は漸次好転を見ているのでありますが、個々の地方団体について見ますと、必ずしも楽観を許さないものがあります。  このたび、国家公務員の給与について、去る八月の人事院勧告に基づき、政府の決定がなされたのでありますが、地方公務員については国家公務員の給与改定に準じて給与改定が行なわれるたてまえになっております。したがって、この際政府は、前述の地方団体の状況にかんがみ、従前同様、一般職の地方公務員の給与改定が国家公務員に準じて実施できるよう、その必要な財源について適切な措置を講ずべきであると考えるのであります。  以上が本決議案を提出する理由であります。何とぞ各位の御賛同をお願いいたします。

亀山孝一自由民主党

○亀山委員長 本動議について採決いたします。  奥野誠亮君外三名提出の動議のとおり決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

亀山孝一自由民主党

○亀山委員長 御異議なしと認めます。よって、奥野誠亮君外三名提出の動議のごとく決しました。  この際、藤技自治大臣から発言を求められておりますので、これを許します。藤技自治大臣。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 ただいまの御議決の御趣旨を尊重いたしまして、努力をいたしたいと存じます。

亀山孝一自由民主党

○亀山委員長 なお、おはかりいたします。  本決議に関する議長に対する報告及び関係方面に対する参考送付につきましては、その手続等、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

亀山孝一自由民主党

○亀山委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  本日は、これにて散会いたします。    午後四時五十二分散会

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