大蔵委員会 第4号
- 発言数
- 213 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1967/11/14
会議録
○内田委員長 これより会議を開きます。 この際、おはかりいたします。 本委員会におきましては、先般、各地に委員を派遣して、税制及び金融等の実情を調査いたしたのでありますが、その報告書が各派遣委員より提出されております。これを本日の会議録に参照として掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○内田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は本号末尾に掲載〕 ————◇—————
○内田委員長 今般、新たに就任されました大蔵省主税局長吉国君、証券局長広瀬君が出席しておりますので、この際両君を御紹介申し上げます。 吉国新主税局長。
○吉国説明員 このたび、前主税局長の塩崎が突然に辞任をいたしまして、はからずも私が後任を命ぜられました。 はなはだ浅学非才でございますが、どうぞよろしくお引き回しのほどお願いいたします。(拍手)
○内田委員長 次は広瀬新証券局長。
○広瀬説明員 このたび証券局長を拝命いたしました広瀬駿二でございます。 まことに至らぬ者でございますが、どうぞひとつ十分御指導くださるようお願い申し上げます。(拍手)
○内田委員長 なお、前証券局長の吉国二郎君より発言を求められておる事柄がございます。この際、これを許します。吉国二郎吉。
○吉国説明員 私、前職の時代に、九月の委員会におきまして武藤委員からの御質問にお答えいたしました際に、当時、私、証券局長就任直後でございまして、十分事実を把握しないで御返答申し上げました。そのために、あとで調べましたところ、事実が違っておりましてたいへん御迷惑をおかけしたわけでございます。それにつきましては、文書をもって武藤委員に御報告申し上げております。その文書は正確なものでございます。 私が間違えましたと申しますか、不正確であった点と申しますのは、柳谷という野村証券の株式部次長の処分につきまして、一つは、その問題が起きたのが池袋支店長在任時代であったと申し上げましたのと、野村証券の社内問題であるので、野村証券において処分が確定した後、必要があれば御報告申し上げますということを申し上げましたが、この事件は池袋支店時代だけではなくて、かなり彼の各在任に関係しておったという点と、処分はすでに野村証券において七月に六カ月の停職処分をいたしておりました。その点、私の知識が不十分でございました。つつしんで御訂正を申し上げます。
○内田委員長 吉国君の発言を了承するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○内田委員長 御異議なしと認めます。
○内田委員長 次は、国の会計、税制及び金融に関する件について調査を進めます。 本日は、ただいまから開会をいたしまして、十二時で一応会議を休憩いたしまして、午後一時から再開いたしますが、その間、大蔵大臣は午後一時から出席をされます。午前中は只松委員から地方税制等に関する事項について御質問がありますが、きょうの質疑予定者は、社会党の只松君、村山君、阿部君、それから民社党の永末君、公明党の田中君、こういうことになっておりますので、御了承ください。 なお、途中年末金融並びに年末徴税行政等につきまして、当委員会として決議をいたすことに理事会で打ち合わせになりましたので、その案文等を別途用意いたしておりますので、これも議題にいたします。 質疑の通告がありますので、順次これを許します。只松祐治君。
○只松委員 大蔵省のほうではすでに来年度予算に取りかかっておりまして、国の明年度予算あるいは本年度の補正予算についてのことがいろいろ論議をされておりますけれども、ほとんどそれと同規模を持つ地方財政につきましては、あまりはでなといいますか、表面立った論議が少ないのであります。民主政治の確立ということは地方政治の確立にもつながり、また前提ともなるわけであります。ここで若干地方財政の問題についてお聞きをしたいと思います。 国の補正予算に相当する地方の追加予算が、各級議会が開かれたり終わったりして組まれておりますけれども、自治省のほうでこの各級自治体における補正予算と申しますか、この状況をどういうふうに把握されておるか、概況がわかればお知らせいただきたいと思います。
○松島説明員 補正予算の編成状況につきましては、私、直接担当いたしておりませんので、詳しい事情は承知いたしておりませんが、御承知のとおり、本年度は国の予算の成立が選挙等の関係でおくれたという事情もございます。また、地方選挙が行なわれたという事情もございまして、当初予算がどちらかといえば骨格的な予算で編成されたという経緯もございまして、その後補正予算でこれを肉づけしていく、あるいは国の事業の決定に伴って追加をしていくということが行なわれているのが、今年の特別な事情かと考えられます。したがいまして、補正予算を見てまいりますと、補正予算としてはかなり規模が大きいように見受けられますけれども、それはただいま申し上げましたような事情に基づくものと考えております。 なお、財源につきましては、今年は幸いにして税の増収もかなり期待されている状況でもございますので、ただいままでのところ、補正予算の編成が非常に困難であるというふうには、必ずしも見ておらないのでございます。ただ問題は、今後給与改定というものがどういうように行なわれるかということによりまして、その財源がどうなるかというようなことは、やはり地方にとって大きな問題であろうというふうに考えております。
○只松委員 きわめて楽観的なお話がありましたが、具体的に、全国のトータルが幾らになったか、それから税収が幾らふえていくか、そういうことの数字、まだできておりませんか。
○松島説明員 いま申し上げましたように、私、財政のほうを直接担当いたしておりませんので、補正予算の集計が現在どの段階に進んでおるか、こういうような資料を持ち合わせてはおりません。税収につきましては、八月末現在の府県分だけは一応出ておりますけれども、大体財政計画を若干上回るような数字で推移してきていると思います。
○只松委員 そういたしますと、地方公務員の国家公務員に準じたベースアップの問題が出てくるわけですね。いまのような財政状態の中において、やはり地方公務員が国家公務員に準じてベースアップ等を行なう。いままで国は何だけれども、地方は財源がないから、こういうことで逃げたり、自治省のほうでもとかくそういう問題にいろいろサゼスチョンされたりするわけでございますけれども、いまのような状態からすれば、いいほうにサゼスチョンされるわけであって、あまり出すなというようなことは言わないでいいと思いますが、そういう点に関して、サゼスチョンをしたり指導されたり、何かしたことはありますか。あるいは今後どういう意向をお持ちですか、政務次官。
○松島説明員 私から事務局にお答えさしていただきますが、給与改定の問題につきましては、国においても補正予算が近く編成されるように承っておりますので、それによって地方交付税に相当の計上がございますれば、現段階において、見通しとして、一応地方団体においてもそれに準じた措置はできるのではないかというふうに考えております。
○只松委員 少なくとも、財政の面から見て、国家公務員より下回る、こういうことはしないでもいい、そういうふうにお思いですか。
○松島説明員 いま申し上げましたように、国に準じた措置はとることができるというふうに考えております。
○只松委員 今年はそういうことで、自然増収もあるし、地方財政はどうだ、こういうことのようですが、それでは明年度予算について、すでに国と同じように、その編成の骨格なり、あるいは主としてこういうことをやるなり何なり、地方に対しての一応の指導、どういう角度から明年度財政に取り組んでいくのか、その基本的な方針、あるいは特徴とでもいうか、そういう点をお示しいただきたいと思います。
○松島説明員 明年度予算につきましては、国の予算も、最近新聞紙上等で伝えられておりますように、いろいろ問題が多いようでございます。御承知のとおり、地方と国は、財政的には非常に密接な関連を持っておりますので、国の予算編成の推移によって非常に要素が多くございますので、ただいまの段階で来年度の地方財政がどうなるか、あるいはまたそれに対してどういう指導をするかというようなことについて、具体的な方向まで私どもでいまお話しできる段階にはございませんが、ただ言い得ますことは、国においても財政硬直化ということが非常にやかましくいわれているようでございますけれども、地方におきましても、私どもの見るところでは、昭和三十七年度を境といたしまして、次第に硬直化的な傾向を強めてきておるということはおおい得ないところではないかというふうに考えております。したがいまして、来年度の地方財政の運営にあたりましても、そうした意味において、地方財政の体質を改善していくという努力が払われなければならぬ、かように考えている次第でございます。
○只松委員 国の方針がまだ固まっておらないから地方もなかなかきまらない、こう言うのですが、しかし、地方は地方でやはり独自の方針があるわけです。それは各県知事、市町村長、その他にまかせるといえばそれまでですけれども、やはり大きく国家の方向と見合わせた編成方針、あるいはその裏づけになる交付税率の問題等がいま問題になっておることですから、そういうこととにらみ合わせてやはりいろいろ何らかの方針というものを示す必要があるのではないか。これはあとで聞きますけれども、税制その他が国、市町村等といろいろ違ってきている。バランスなり、矛盾があるというようなこともいろいろ問題になってまいります。それはそれとして、きょう私がそれを聞くのが本題でございませんのでその程度にいたしておきます。 もう一つ、ついでに明年度の税収見込みその他も、先ほどからお答えになっているように、わりあい楽観的な見通しといいますか、そういうふうに判断してよろしゅうございますか。
○松島説明員 来年度の税収見込みにつきましては、私どもも何とか早くその見通しをつけたいと努力をいたしている段階でございますけれども、これもまた、法人関係の税収入が国税においてどの程度見込まれるかというような問題が、地方税におきます法人関係税収見込みにも大きく反映してまいります。最近、国のほうでは、新聞だけで承知しておるのでございますけれども、いろいろ数字があがっておりまして、けさの日本経済新聞などを見ますと、従来よりはかなり違ったものが出てきているような決定でございます。それがどれほど正しいか正しくないかという問題は、私、承知いたしませんけれども、そういった事情でいろいろと数字が動いておる現段階においては、来年度の地方税収入がどれだけあるかという見通しを、いま申し上げましたように、私どもとしても早く出したいと努力はいたしておりますけれども、なかなか困難な状況でございます。
○只松委員 それでは個々の税金の問題についてお聞きしてまいりたいと思います。 最初に、住民税についてお尋ねをいたします。住民税は国税の所得税ときわめて密接な関連を持っております。私たちは、本委員会において国税の問題については常に論議をいたします。所得税の問題についてはいつもその討議をいたしておるわけであります。住民税について討議をする機会は非常に少ないわけであります。私たちが委員会でこの所得税についていろいろ論議をいたします。これは午後から私論議いたしますけれども、所得の上昇に比例して確かに大体引き下げてきている。ところが、住民税のほうは本委員会で論議しないからか、あるいは地方行政委員会の論議が弱いのか、あるいは自治体の財政事情が苦しいからか、いろいろ原因はありましょうが、とにかくほとんど引き下げられてきておりません。その結果、せっかく所得を引き下げましても、全体の国民の税率というものは一向に下がらない。勤労者というものが非常に過酷なといいますか、重税に悩んでおる。その重税の最たるものは住民税だと思う。そういうふうにお考えになりますか、なりませんか。
○松島説明員 住民税が重税の最たるものであると考えるかどうかというお尋ねでございますが、たいへんお答えしにくい御質問でございまして、私どもがいろいろと世間の方々のお話を承っておりますと、地方税が重いということばをしばしば耳にいたすのでございます。その場合に私どもが、地方税が重いとおっしゃいますが、地方税の中でどの税金が重いのですかというふうにお尋ねいたしますと、それはやはり住民税だというお答えでございます。そういうことから申しますと、世間一般の納税者の方々が住民税が重いと感じておられるという事実は、私は否定できないというふうに考えております。
○只松委員 こういうデータは私が示すより皆さん方でお持ちですから、ほんとうは示す必要はないわけです。参考までにしますと、昭和三十一年を一〇〇とした場合に、都道府県民税は本年で七八九となっていますね。約八〇〇近く、市町村民税が四二八ですか。これは都道府県民税があまり伸びがいいので、きょうもある市長さんに電話いたしましたところ、もう少し市のほうに回してもらいたいという要望がありましたが、それはそれといたしまして、とにかく都道府県民税の伸びと申しますか、倍率のあがっておることは全く驚くべきものだと思います。この数字に間違いございませんか。
○松島説明員 ただいま御指摘になりました数字、私ども昭和三十一年度を基準にして指数を出したものはございませんが、三十年度を基準にいたしまして四十年度との決算同士の比較をいたしてみますと、大体同じような数字に相なりますので、先生の御指摘になった数字には間違いはないのではなかろうかというふうに考えております。
○只松委員 この数字に大体間違いがない、まあこの前後だ、こういうことになりますと、所得税の伸び率と対比いたしました場合に、非常な住民税の負担ということになっておるわけです。本年だけの課税最低限を見ましても、国税で七十四万円かになっておるのに、住民税では四十三万円だ、こういうことですね。さらに納税者を見ましても、所得税の納税者が二千万人、住民税の納税者はさらに大きくそれを上回って三千万人というふうに、国税でも私たちはたいへん重いと思っておる。独身者なんかにも相当の重税がかかってきておりますけれども、これを上回ること一千万人、三・三人に一人というような形できているし、その住民税の中で、所得税からくる住民税を納めておる方が二千五百万人、こういうことになっておりますね。だから、勤労者階級、特に所得税を納めておる勤労者階級から見るならば、所得税だけではなくて住民税を同時に納めなければならぬわけですから、これを含んで考える場合にきわめて重い税金になっております。これは新聞の投書欄やあるいはいろいろな論説等にもたびたびあらわれてきておることでございまして、私がここであえて繰り返す必要はないと思いますけれども、こういう点をお認めになりますかどうですか、重ねてお聞きいたしたいと思います。
○松島説明員 先ほど御指摘になりました昭和三十一年度を一〇〇といたします指数につきましては、先ほど申し上げたとおりでございますが、ただ、まことに弁解めいて恐縮でございますけれども、市町村民税の伸びに比べまして県民税の伸びが非常に大きいということは、御承知のとおり昭和三十七年に所得税から住民税、府県民税へ税源移譲がございました。これは私から御説明申し上げるまでもなく御承知のとおりでございまして、所得税を住民税に移すということをいたしたわけでございます。その結果、県民税の伸びが御指摘のとおり非常に高くなっているという事情がありますことを御理解いただきたいと思います。 それから、なお、住民税の納税義務者が三千万人で所得税の納税義務者に比べて五割も多いというお話でございますが、確かに均等割りを含めました納税義務者は三千万人でございますが、そのうち所得割りを納めておられる方は御指摘のように約二千四百万人強でございます。あとの五百万人ないし六百万人の方は均等割りだけしか納めておらない方でございまして、所得税との課税最低限が違うから、その方が納めておるというわけではございません。その点も御理解をいただきたいと思います。しかし、いずれにいたしましても、所得税に比べて納税義務者も多く課税最低限も低いということは事実でございます。
○只松委員 まあいま重税の負担感が国民の中にある、それから課税最低限も低いということは事実であるというふうに大体お認めになったわけですけれども、そういうことを認めれば、少なくとも国税に準ずるくらいの課税最低限なり何なりをすべきだ、こういうことに論理的にはなる。ところが、財源が云々というようなことでまあわかっておるけれどもなかなかできない、こういう答弁をなさるだろうと思うのです。そういうふうに、わかっておってもできないというのはやはり財源だけの問題ですか、ほかに、国民にはやはり均等に最低の住民税というものはそこの地域に住んでおる住民は負担すべきであるというような別の論理的な結果、こういうふうにたくさんの方々に課税をする、税金を納めさせる、こういうことをおとりになっておるか、何かおもなる原因をひとつあげてください。
○松島説明員 住民税と所得税との関係につきましては、税制調査会でも指摘されておりますように、所得税はどちらかといえば所得再分配的機能を強く持つ税であるといわれております。したがいまして、相当の所得の方から納めていただいて、それを国なり地方団体の歳出を通じて所得の少ない方の施策に還元をしていく、こういう趣旨であろうと思います。一方、住民税は地域社会の費用を自治体の住民としてできるだけ共同的に負担をしていこう、こういう趣旨の税金であるといわれております。したがいまして、所得税は所得の高い方には非常に急激な累進税率等によってたくさんの税金を納めていただきますけれども、住民税はできるだけ広く薄く納めていただくことが性格上適当であるということがいわれております。そういった点から均等割りというような制度があったり、あるいは課税最低限も所得税とは違うというような体系を今日までとってきているわけです。それでは、課税最低限というものはそういう趣旨ならどんなに低くてもいいのかという問題は、また私はおのずから別の問題であろうと考えます。やはり社会経済の推移に応じまして、住民税にあっても課税最低限の問題は逐次引き上げていかなければならない面を持っているというふうに考えております。
○只松委員 いま住民税は広く薄く全住民に、こういうお話がありました。私もそうだろうと思うのです。所得に応じたり、あるいはいろんな財産に応じたかけ方は、私もあとで一、二問題を提起いたしますけれども、もっと考えればあるし、現在の税制でも適用すればそれはできると思うのです。こういう住民税のように、一応その他城に居住しておるからある程度の応分の負担をしていただく、そういうものはできるだけ低いほうがいいだろう。そういう意味で先ほど私が一番最初に例をあげましたように、国税の所得税は、物価の上昇——賃金が上がるというけれども、これは物価が上昇しておりますし、インフレが進んでおりますから、実質所得はそんなに上がっておらない。こういうふうにインフレが進みますと、それに対応して引き上げてきておりますね。ところが、住民税のほうはほとんどこれが引き下げられてきておらないというところに一番大きな問題点というものがあるわけです。その地域に住んでおるから地域住民としての応分の義務を果たすということであるならば、私は国税に準じてやはりこれも引き上げてくる。ほんとうは所得税の率と同じく何か法律の別表できめるように形ですべきではないか。そうして財源というものは別個にもっと見渡せば取れるものがあるし、取るべきだ、こういうふうに思うのです。あるいは市町村と県との税制のあり方について、税財源の問題についてももっと研究し、論議したらいいだろう。それはあとで言いますし、それはそれとして、とにかくもう少しこの住民税に対する考え方を——いま税財源という問題はあまりおっしゃらなかったけれども、財源という面にあまりに重きを置き過ぎておるのではないか。その考えを改めて、住民としての応分の義務をそこで果たしていただくということになるならば、これはもっと薄くして、少なくともやはり国税の所得税に準じた取り扱い方をするというくらいの考えを持つ必要があると思うんです。政務次官どうです。政務次官せっかく来ているんだから、たまには答えなさいよ。
○松島説明員 ちょっと私から先に答えさせていただきたいと思います。 ただいま御指摘の点は私どもも常に検討いたしているところでございますが、住民税を薄く広くという場合に二つの考え方があるのではないかというふうに考えます。これはできるだけたくさんの方に納めていただきながらなお個々の納められる税負担は安くということでございますと、その場合には税率をむしろ下げるという形で問題を考えるということが一つの考え方であろうと思います。 そうでなくて、やはり課税最低限を、ここからは税は取らないというところを中心にして考えるということになりますと、いわゆる課税最低限の引き上げという形になるわけでございます。課税最低限の引き上げをいたしてまいりますと、これは私から申し上げるまでもなく、納税義務者は減ってまいるわけでございます。その減り方が、これはまた地方税の特異性でございますけれども、所得税などと違いまして、どこの団体において減るかということも地方税としては考えてまいらなければならぬ点がございます。御承知のとおり、最近は都市がどんどん発展してまいりまして都市に人口が集中する。人口が集中するのはそれなりにまた財政需要もあるわけでございますから、そこに税が集まることも当然ではございますけれども、いなかには結局相対的に所得の停滞があるということもいわれておりますが、そういうことになりますと、課税最低限を引き上げるということは、そういういなかにおける納税義務者の数をどんどん減らしていくという問題にもつながってまいります。その間の調整ということも考えてまいらなければならないというふうに考えますが、しかし、私どもといたしましては、所得税の課税最低限が毎年度引き上げられております現状におきましては、当面はやはり住民税においても課税最低限の問題を中心に考えていくのが適当ではないか、かように考えております。
○伊東説明員 所得税の課税最低限を引き上げるということと住民税の問題とは、おのずからその税の性質によって違うことは御承知のとおりでありまして、住民税はやはり薄く広くかける点から申しまして、むやみに引き上げないほうが一般に及ぶという点におきまして、初めから課税が薄くなっておるものでございますから、その趣旨でやっております。所得税のようにやや社会政策的な意味を含んでおるということがどちらかというと非常に薄いので、ただいま局長から申し上げたとおりであります。
○只松委員 いま薄く広くということをおっしゃいましたが、松島さんもそういうことをおっしゃった。私はそれに乗って話をしたのです。政務次官は私らと同じ歳費をもらっておいでになるから地方税は幾ら引かれておるか。東京にお住まいですか。東京にお住まいでしょうから多少安いかもしれないが、地方におった場合に薄いですか。たいへんに厚く広くじゃないですか、重く広くじゃないですか。あなたが地方税を差っ引かれておるのは薄く広くですか。自分の歳費から差っ引かれておるのにあまり意に介しないでは、私は庶民的感覚を疑う。私は、薄く広くではなくて厚く広く住民税は取られておる、こういうふうに思う。そこで私は問題にしているわけで、だから薄く広くなら薄く広くもっと税率を下げたらいい。さもなくて厚く狭くなら、課税最低限をもっと引き上げるなり、もっと私は住民税の取り方があると思う。ただ、いままできたから、なじんだものをそのままに適用するのはこれは行政としては安易です。多少変える場合には抵抗があったりめんどうなことがあったりするけれども、これだけ問題になってきた地方住民税というものは何らかの形で私は変えていく必要があると思う。いま言いましたように、厚く狭くという形にしろとは言わないけれども、そのためにも課税最低限を引き上げようとするならば、一挙に明年度国税八十四万円以上ということにもなるわけです。そこまではいかないにいたしましても、巷間伝えられるように明年は、地方行政委員会によって附帯決議がなされた十万円相当額を引き上げる、こういうことがいわれておるけれども、少なくともこれを下回ってはならないし、もっと引き上げを行なって、住民税に対する問題を一歩前進さすべきではないか。財源財源とおっしゃるけれども、財源はあとで私はお教えいたしますが、財源だけを考えないでもっと住民感情というものを——勤労所得者にかかってきておる国税としての所得税は負担感を多少軽減しておるけれども、住民税を合わした場合に非常に重い。これを何とか改善していくのが政治の任務である。最低限も地方行政委員会で附帯決議があった額を下回るというようなことは明年はないということをひとつここで断言をしていただきたい。
○松島説明員 本年の地方税法改正にあたりまして、衆議院において附帯決議が付せられたことは御指摘のとおりでございます。私どもといたしましては、来年度税制の問題につきましては、税制調査会の御審議を経てさらに政府決定に至るわけでございますので、私がいまここで絶対に幾らやりますやりませんと申し上げる権限もございませんし、また段階でもないのでありますが、ただ、事務当局の気持ちといたしましては、できるだけ附帯決議の趣旨を尊重するように努力をいたしてまいりたいと思っております。
○只松委員 そこで、私は自治大臣の出席を要望しておったわけです。局長さんとしてははっきり答えはできないでしょう。政務次官お見えでございますから、政務次官としてもひとつ御答弁いただきたい。
○伊東説明員 五十五国会におきまする決議の趣旨は、ただいま局長の言われたとおり尊重する趣旨で自治省としても鋭意やっております。その具体案ができてないのは非常に遺憾でございますけれども、その趣旨はどこまでも尊重してまいる趣旨でやってまいりたいと思います。住民税に関して非常に重いことはみんなひとしくこれを何とかしなければならぬということは、自治省においても同様に感じております。
○只松委員 いま局長、次官からきわめて明快な御答弁がありましたが、ぜひそのように御努力をいただきたい。単に附帯決議を実行するにとどまらないで、重いということはみずからお認めになっておるわけですから、住民税に対する抜本的な方針をあわせてお考えをいただく。少なくとも所得税と並行した形でやはりこの税制を扱っていく、こういうふうにお願いいたしたいと思います。蛇足のようになりますけれども、少なくとも課税最低限というものをもう少し引き上げないと、明年度扶養家族に対する手当等が引き上げになりますと、まごまごしていまの状態でまいりますと、とにかく保護家庭も住民税を納めなければならぬ、こういうことになりかねないわけですね。だから、政治のミスあるいは自治省のそういうミスから保護家庭やこういう最低の人々が住民税を納める、こういう誤ったことがないようにひとつ御努力をお願いしたい。 そういうことと関連いたしまして、私は税の財源の問題についてひとつ討議をいたしたいと思います。その一つとして、外国の地方税を見ますと、財産税というのが、国によって多少は異なりますけれども、その中心をなしておる。非常にウエートが大きいわけです。日本の場合は必ずしも私はそのように見受けないわけです。そういうものの一つに固定資産税というのがありますけれども、固定資産税の取り方について私は問題がいろいろあると思う、これも時間がございませんから、特徴的なところだけしか申しませんが、一つは、固定資産税についての評価ですけれども、国が取っておる遺産相続あるいは贈与その他のときに見られる評価の価額、それから法務省が行なう登記のときの評価価額、それから自治省で行なう固定資産税の評価額、これは同じでございますか、ございませんか、どうです。
○松島説明員 ただいま御指摘のございました固定資産税の評価と登録税の価額と相続税等の価額の評価の統一の問題につきましては、固定資産評価審議会においてもそういう方向に進むようにという御答申がありまして、そういった趣旨を体しまして、昭和三十八年度に全面的な再評価を行ないまして、そういった方向をとるように努力をいたしたわけでございます。しかし、固定資産税につきましては、御承知のとおりその後いろいろな問題がございまして、価額を据え置いてきておりますのみならず、評価は三十九年一月一日現在の評価によって課税することにいたしておりますけれども、政府はさらにそれに対して負担調整の措置を講じながら進んでいくというような形になっております。したがいまして、現実の固定資産税の課税標準とその他の税とは異なるという点がございます。それからまた、評価それ自体も、いま申し上げましたように、ほんとうは昭和四十二年度、三年ごとに評価がえをいたしますので、昭和四十二年度が評価がえの年でございましたけれども、いま申し上げましたような事情から、昭和四十二年度は評価がえをしないで据え置きにいたしております。ところが、相続税なり登録税なりはそのつど税を徴収してまいるわけでございますから、評価時点のズレというものがございます。そういった面から現在では必ずしも同じになっていないという点がございます。なお、登録税につきましては、本年の改正で原則として固定資産税の評価額を基準とするということになっております。
○只松委員 同じ国家の機関でそれぞれ違っておる。これはいまだいぶさや寄せをしてきておるというお話がございましたけれども、現実にはまだたいへん違っております。これはある面から見るときわめて重要な問題なんです。重要というよりも重大だと思うのです。固定資産税を取るとき、あるいは遺産相続するとき、多少の時間のズレとか時間のズレとか、そういうことをいえばそれまででございますけれども、単にそれだけではなく、同じ時点におきまして——私、けさもある市に電話して、君のところの駅前は幾らかというと大体三十三万円くらい。じゃ国のほうは幾らで見ているかというと四十万円くらい。いまの時点でも国と市の見方に約七万円くらいの相違がある。三十三万円と四十万円の七万円の違いといえばたいしたことはないようですけれども、千円の土地は山の中でしょう。七万円の土地といえば相当の市の住宅街です。このくらい違うわけです。千円だったら税金がかからない。七万円くらいだと税金がかかる、こういうわけです。同じ国民が・七万円も十万円も違えば片一方は税金を納めるし、片一方は税金を納めなくてもいい、こういう評価が出てくる。いろいろな問題がそこから出てきますね。だから、これはほんとうは局長ではなく自治大臣、法務大臣、大蔵大臣に来ていただいて、この評価額というものを一体何を基準にして算定するか、どれをほんとうにしていくか、よほどこの問題を煮詰めていかないとこれはたいへんな問題に私はなると思う。これもどこかで論議されたことがあるかどうか、私も知りませんけれども、本委員会においては少なくとも私の知る限りにおいてはこの問題を論議したことはまだないわけです。ここで一番えらいのは政務次官ですか、こういう問題について政府としてどういうふうにお考えになりますか。
○伊東説明員 これはお説のとおり確かに重大な問題でございますので、これはひとつ適正な価額で評価するように委員会でも設置してきめる必要があると感じます。
○只松委員 これは、いまの政府を構成しておる自民党がいかに土地問題に対して無為無策であるかということにもつながってくるのですよ、自民党の皆さん。こういう問題を放置して、宅地政策なりあるいは課税対象なりを自治省は自治省でやる、法務省は法務省でやる、国税庁は国税庁でかってにやっておる。こういうでたらめな政策というものはあまり世界にも例がないのです。土地問題に真剣に取り組んでおらないという一つの証拠として——きょうはあと十分くらいしかありませんから、この問題を全部追及はいたしませんけれども、その無為無策の一つの証拠として私はあげておきます。もう少し土地問題について真剣に取り組むべきである。税制の面からだけ見てもこの問題はたいへんな問題を含んでおります。追って私はこの問題を討議いたしたいと思います。これはそのくらいにいたしておきますが、土地評価額という問題をぜひ皆さん方のほうで問題にしてきめていただきたいということをここでお願いをしておきます。 それから、固定資産税を評価する場合に、土地の面積、地価あるいは住宅、そういうものは調査になりますけれども、植木、樹木ですね、あるいは庭石等、庭園等の問題についてはほとんど調査の対象になっておりませんし、課税の対象になっておらない、こういうふうに思いますが、どうです。これはしておいでになりますか。
○松島説明員 料亭やホテル等におきます庭園は、法人税法、所得税法の取り扱いにおきましては減価償却資産ということになっております。私どものほうといたしましては、減価償却資産に対しましては、御承知のとおり償却資産に対する固定資産税を課税をするということになっておりますので、私どもが二、三の市について調べましたところではそういう形で課税をいたしております。
○只松委員 椿山荘、般若苑での庭園は幾らに見ておりますか。
○松島説明員 いまそういう個々の庭園につきましては、どういうふうに評価しているかという資料を持ち合わしておりませんので、お答えをお許しいただきたいと思います。
○只松委員 椿山荘と般若苑くらいはひとつ調べておいていただきたいと私は言っておいたはずですが、何でしたら都庁に問い合わしてひとつ調べてください。 少なくとも一般の家庭の庭園は何百坪、何千坪あろうがかかっておらないわけですね。たとえば一万坪の宅地を持っておるところに、百坪か二百坪の住宅に住んでおる、あと九千七、八百坪というのは庭園だか何だか、こういうことになりますね。庭園には膨大な庭石から何からある。私がおとといあるところに行って、この石は幾らするのですかと聞いたら、大体百万円はいただきたいのですが、まあだんななら八十万円でどうでしょうと言う。ある代議士のうちへ私のうちからトラック四十台、石を運びました、こういう話をそのおやじさんから聞きました。こういうふうにいたしますと、そのある代議士のうちにおそらく石だけでも何千万円という石が入ったことになる。財界人においてはなおさらそういうものがたくさんあると私は思う。庶民が百万、二百万円の家を建てかねておるときに、建ててもそれに固定資産税がかかる。ところが、片一方は何千万円という庭石。庭石が入れば当然にこれに伴って植木というものが入ります。そうしてもそれは一向に税金がかからない。これは私が先ほどちょっと言いました、諸外国が財産税を中心に大体地方税を取っておるということとはたいへんに離れてくる、矛盾する問題だと思います。そういう問題についてどういうふうにお考えか。
○松島説明員 現在の固定資産税は御承知のとおり土地、家屋、償却資産、この三つの資産に対して課税をするというたてまえになっております。そのほかに、いま御指摘になりましたような石がある、あるいはその他の動産で別な財産がある、預金がある、あるいは金のかたまりを持っておるというようなのを一応課税対象にはしていないわけであります。したがいまして、一般財産税というような形で固定資産税を構成し直すということになれば、いまお話しのようなものを課税対象としてとらえられるという問題になろうかと思います。いまのたてまえそれ自体が、いま申し上げましたように、土地、家屋、償却資産といういわば限定したものについて課税をするということになっておりますので、償却資産の範囲内に入らなければ庭石というものも課税対象にならない、こういうことでございます。
○只松委員 先ほど言いました住民税も、広く薄くでなく、広く厚くみんなから取り上げておる。庶民からも取る。三人に一人は国民から取り上げる。固定資産税のように多少財産税的な性向を帯びるものも、本来そういう財産税的な面でとらえないで、広く重く、こうやってわずかな土地、わずかな住宅を持っておると税金を取る。ところが、植木や庭園や何か、あるいは諸設備をして、そこにばく大な財産を持っておる者には税金をかけない。これはどこか大きな矛盾というか誤りがありやしませんか。私はまだ国税を論じておりませんから、書画骨とうその他にもかけろということはいま言っておりませんけれども、こういうものも本来は課税対象として含めなければなりません。しかし、これはなかなか容易ではない。また、庭園その他の問題は、その庭園を造園したときにするか、あるいは毎年その価額を評価していくか、これは植木なんか枯れていったり何かしますから、なかなかむずかしい点があります。そういう点については、あるいは一千万円のものを住宅なんかと違った評価をされて五分の一なり十分の一と見る、こういういろいろな課税のしかたはあるでしょう。しかし、全然これに一指も触れないということはたいへんな片手落ちになる。むしろ住宅や何かは最低の人間の住む住宅として課税をしない。ずっと税金を下げる。そうしてむしろそういう広大な庭園を持って住宅の建設を妨げたり、あるいはぜいたくざんまいを尽くして、石を何千万、何億と入れておる、そういう者から税金を取るのが本来の税金のあり方じゃないですか。そういうことを全然しないで財源がない——きょうは皆さん方財源がないということを言わなかったから、ここではうまく逃げましたけれども、そういうところにたくさんあるわけです。だから、私は大蔵省の人も国税庁長官も来ておると思うけれども、もっと地方自治体についてまじめに研究をし、あるいは税金の問題に取り組めば、そういう問題は私はいろいろあると思う。あとでもう一度質問をいたしますが、もう少しそういう問題と真剣に取り組んだらどうです。
○松島説明員 御指摘の庭園の問題につきましては、固定資産税として現在の体系の中に取り入れるということは私はむずかしいと考えておりますけれども、それとは別の意味で、そういうものに課税をすべきかどうかという問題は一つの考え方であると考えますので、さらに検討をいたしたいと思います。
○只松委員 だから、その問題も、財源がないないと言わないで、ひとつ国民が公平な税金を喜ぶようにぜひ研究をしていただきたい。
○武藤(山)委員 ちょっと関連して。 局長、これは認識の問題だけれども、農家の場合、イチゴをつくる、トマトをつくるといってビニールハウス、簡単な軽金属のビニールをかける小屋をつくると、これは全部いまは村によっては固定資産税の対象になる。それからたばこの乾燥も、鉄骨の簡単なものでも乾燥室をつくると固定資産税の対象として調べられている、片方は庭園に一個百万、五百万円の石を並べ芝をはやしてぜいたくざんまいをしておっても、いまの法律では税金の取りようがない。こういうアンバランスは自治省としてはもう少し真剣に、ぜいたくなものに対する庭園税なんか考えてもいいのですけれども、そういうものを検討する御意思はありませんか。庭園税とか広壮な石べい、そういうものが検討に値するかしないか、ひとつあなたのこれからの覚悟のほどをちょっと聞かしてもらいたい。
○松島説明員 いま農家のビニールハウスにまで課税をするというお話がありましたが、私どもは役人であるためにこういうことを申し上げるのかもしれませんが、税金の課税対象というものをぎりぎりまで詰めていくと、どうしても形式的になる面がございます。屋根があって柱があれば家だというふうな問題が出てまいりまして、そういった観点からいまのような問題も出てくるかと存じます。それとはまた別の意味で、庭園税を取ったらどうかという御意見でございますが、地方税にはたしか昔、法定外普通税で庭園税をやっていた団体もあるように私は承知いたしております。ただ、庭園税と申しましても、評価がなかなか困難であるとか、どこからどこまでが庭園であるかというような判定の問題でありますとか、いろいろか問題が多くて結局長続きしなかったということでございます。したがいまして、いま御指摘のようなことは私どもも今後研究をいたしたいと思いますけれども、現実の税という形になりますと、むろん税金を納めていただくわけでございますから、だれがどういう形で納められるかということが明確な形で定められるものでなければ、何か金がありそうだから税金を取るということだけでは……。(「現実にあるんだよ」と呼ぶ者あり)そういった点も含めまして、今後研究いたしたいと思います。
○只松委員 きょうは時間がありませんから、その問題もその程度でやめておきます。 時間がなくなりましたけれども、もう一つ問題を提起して、午後からの大蔵大臣のときに問題を詰めたいと思います。 自治省のほうで特に関係があるからですが、私は、自動車税をもっと取ったらどうだろう、こういうふうに思います。これは税財源としても一つの問題ですし——ちょっと先に、自動車が一台走れば地方自治体でどのくない費用がかかるか、ある市で調べたのを参考までに言っておきますが、自動車が購入されたとするならば、一台当たりその市において大体七百万から一千五百万くらい費用がかかる。建設省でも大体八百万くらいかかるというようなことをこの前発表いたしておりますね。そういうふうに、地方自治体の費用という面から見ましても、自動車が一台そこに購入されて走れば負担がかかる。あるいは市内は大体舗装してある。郊外に家が建つ、郊外のその人が自動車を持った。そういたしますと、そこに砂利を入れてやらなければすぐ文句を言われる。砂利を入れる。そういたしますと、その砂利代が何千円、何万円とすぐかかる。こういうことになりまして、地方自治体の財源というものは、自動車を持つことによって非常に負担が増しているわけです。一般的な社会の公害その他については、これは時間もありませんからここで言う必要はないわけですが、そういう面から受益者応能の原則からいっても、私は、もっと自動車の税金の問題を新たな角度から考究する必要があると思う。これはあなたたちの諮問されておる地方財政の委員会で一つの答申が出ましたように、自動車取得税というものもあるでしょう、あるいは物品税を引き上げるという問題もあるでしょう、あるいは間接的にはガソリン税を引き上げるという問題もある。それから、いま取られておる自動車の税金そのものを、三百五十CCから取られておるのを上げていくという問題、いろいろあると思う。私は、ここで多少の私なりの方針は持っておりますが、時間がありませんからそのことは述べませんけれども、何らかの形で、これだけ社会に問題を提起しておる自動車に対しては、私は、それだけの応分の税金を取る必要があるのではないか、こういうふうに思います。大まかな基本的なことだけでもいいのですが、自治省としてはどういうふうにお考えですか。
○松島説明員 自動車が増加することによって、自動車の通行のためにあるいは交通安全のためにばく大な経費のかかりますことは御指摘のとおりでございます。そこで、自動車に伴う経費については、受益者負担と申しますか、そういう観点からもう少し税金を上げるということについて検討する必要があるのではないかというお尋ねにつきましても、私どももその方向でただいま検討をいたしておるのでございます。ただその場合に、どういう税金でその負担を求めるのが一番適当であるかという問題があろうかと思います。自動車が走ることによって道路が損傷される、あるいは道路がそれだけ利用されるということであれば、走るに応じて負担するという税が一番適当であろうとも言えると思います。そうなりますと、燃料課税というものが一番実態に合うのではないかという理論もあり得ると思います。しかし、燃料課税になりますと、これはバス、トラック等にもかかるわけでございますから、運賃の問題に影響するという問題がございます。そういった面から、この問題が適当であるかどうかという点も検討されなければならぬと思います。それから、ただいま御指摘の自動車税の問題も一つの検討の事項であろうかと思います。 自動車税につきましては、昭和四十年に自家用車につきまして五割の税率引き上げを行なっております。しかし、その際にも、営業用の自動車につきましては税率を据え置いたわけでございます。これはいろいろ運賃その他に及ぼす影響も考慮してのことであったと考えますけれども、道路をより多く使うのは何かということになりますと、トラックとかあるいはバスとかいう営業用の自動車のほうが多いのではないかという問題もございます。現に外国などでは、乗用車等に比べましてそういう大型車両の税負担というのはかなり重くなっておる事例もございます。しかしながら、この問題は、それではトラックとかバスのようなものは、自動車税の税率を引き上げることが適当かと申しますと、これまた別な面から、いろいろな問題等もあろうかと思います。 さらに、自動車取得について課税をするという考え方はどうかという問題もあろうかと思います。自動車を取得するということは、要するに自動車を使うということだから、それの際に税金を納めてもらう。要するに、自動車を取得するということは、道路をこれから使いますという意思表示にほかならないのだから、そのときに道路の費用というものの一部を税の形で負担してもらう、こういう考え方も成り立ち得ると思います。 そういった点、いろいろ問題がございますが、道路整備五カ年計画の改定に伴います地方財政措置の問題とも関連いたしまして、私どもも、いろいろな角度から各種の税についての利害得失等を検討している段階でございます。
○只松委員 時間がなくなりましたからもう一問だけ。 いまの問題、ひとつぜひ研究するとともに、市町村と県との税金のあり方も、三百六十以下は市町村だ、それ以上は県ということになっておりますけれども、こういうふうに自家用車族の急増その他で自動車業界の諸関係も変わってきているわけですから、三百六十CC以下が必ずしもいいかどうか。千九百以下は市町村にくれという要望も出ておりますので、ぼくは、税額を変えるときに税体系そのものも検討して、市町村と県との配分という問題もぜひ考えていただきたい。地方に車が入ってくるようになって、市町村道も非常に痛めつけられるようになってきて、その被害が大きくなってきておるわけです。だから、そういう点もぜひひとつ考えていただきたい。 時間がないから、ついでにお答えをいただきたいと思いますが、この前、私がちょっと聞いたときに、青色申告で国税は明年から実施になるわけですが、松島さんはそのときに、地方税も国税に準じて完全給与制の問題に取り組みたいというお話があったわけでございますが、その後その作業を進めておられるかどうか。明年から国税が実施されますので、地方税もそれに準ずるということになれば、明年の国会にはそれに準じた関係法案なりを準備されなければならぬと思いますが、ひとつお考えを聞かせていただきたいと思います。
○松島説明員 第一番目の、市町村に道路財源をもう少し強化するあるいは与えるということは、御指摘のとおり非常に大きな問題でございまして、私どももこれからぜひ解決していかなければならない課題の一つであるというふうに考えております。ただその場合に、どういう形で市町村に道路財源を与えるかという問題につきましては、先ほど申し上げました自動車あるいは燃料というものについての課税のしかたと関連をして、その一環として同時に解決をはかっていきたいというふうに考えております。御指摘の自動車税の一部を市町村に移譲するという問題についても、私ども技術的な面をいろいろ検討したことがございますけれども、自動車の登録の関係とかそういった問題がいろいろ複雑にからんでおりますので、徴税技術上の問題もありまして、市町村のほうは、むしろ県で取ったものを分けてもらいたいというような意向を最近非常に表明されておる向きもございます。そういった点もございますので、なお検討させていただきたいと思います。 それから、専従者控除の青色申告等の完全給与制の問題でありますが、国税では昭和四十三年からその制度をとるということになっておりますので、私どもといたしましては、国税の取り扱いの実態毛十分検討した上で、地方税においてどうするかということをきめてまいりたいというふうにお答えいたしたわけでございます。私どもといたしましては、いずれにいたしましても、ともかく現在の段階でも両者に相当の開きがありますので、その開きをいかにして詰めていくかということを目標として努力をしながら、国税の実施の状況も勘案してこの問題を処理していきたい、かように考えております。
○只松委員 結論的に、準じてやるように準備を進めてあるわけですか、どうですか。そのことを……。
○松島説明員 いま申し上げましたように、まだ再来年度の段階でもございますので、いまここで完全にそれをやりますというふうにお答えをすることができない段階でございますが、国税の取り扱いがそうなりましたことも十分念頭に置きまして、私どもとしましては、国税の取り扱いの実態を十分研究して、この問題に対処していきたい、こういうことでございます。
○内田委員長 午後一時まで暫時休憩いたします。 午後零時十二分休憩 ————◇————— 午後一時十四分開議
○内田委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。 質疑を続行いたします。只松祐治君。
○只松委員 新聞その他では、もうすでに補正予算は固まったように報じられております。あるいは明年度予算の大綱もすでに基本方針がきまったようにいっておりますが、そういうことならば、ひとつ新聞辞令だけでなくて、本委員会において、補正予算の大綱、明年度予算に取り組む基本方針についてひとつお示しをいただきたいと思います。
○水田国務大臣 明年度の予算については、まだ編成方針も未定でございます。一切大綱というようなものもまだきまっておらない段階でございますので、いまのところは何とも申し上げることができません。 補正予算につきましては、いま鋭意検討を急いでおる段階でございますが、わかっている範囲のことを申し上げますと、内容は、公務員給与改善に必要な経費、災害対策に必要な経費、食管繰り入れに必要な経費、義務的経費の不足補てん、税収増に見合う地方交付税交付金の増額等でございます。大体の金額の査定はできておりますが、まだ一部査定中の経費もございますので、金額は確定しておりません。これをまかなう財源については、税の収入とそれから税外収入の増加、この二つを充てるほかに、既定経費のうち不用となったもの、既定経費の節約を行なうことによってまかないたいと考えておりますが、これについてもいま計数を一応整理中でございます。したがって、いまのところ、補正予算の金額とか規模というものもまだ確定していないところでございますが、大体今年度の当初予算に比べて、予算のワクのふえ方を二千六百億円以内にとどめるというような規模で編成をしたいと考えて、いま検討中でございます。
○只松委員 本年度補正予算については大体その前後だろうと思います。来年度予算については全然方針がないということを言っておりますが、すでに事務当局では本年度予算に対する二五%増ぐらいの概算要求を出せというようなことが出ておりますね。そういうことになりますと、これは全然方針がないとは言えないと思うんですけれども、それは単なる事務的な処理の段階としてそういうことを出しているにすぎないのですか、それともある程度のもの、たとえば総理は各省一局は減らせ、こういう基本方針を出しておりますね。そうすると、予算をとる場合にも、当然に一局減らした概算要求を出させる、こういうことになろうかと思いますが、あとで国債の問題その他をお聞きいたしますけれども、ただ何にもなくて概算要求を出せ、こういうことに私はならないと思いますが、そういう基本方針も何もない、こういうことですか。
○水田国務大臣 従来は、概算要求は前年度予算の三〇%以内ということでやっておりましたが、御承知のような経済情勢でもございますし、来年はどうしても抑制ぎみな予算を組む必要があると考えましたので、概算要求も二五%以内で出してもらいたいという方針をきめて、それ以内の要求をいまとって査定中でございます。いずれにしましても、予算をそう従来のようにふやさないという方針は、大体私どもは基本の方針としてとりたいときめておりますが、具体的な編成方針というようなものについてはまだこれから検討しようと考えておるところでございます。
○只松委員 明年度予算を編成するにいたしましても、あるいは当面の財政の諸問題を論議します場合にも、一番大きな問題点は公債の問題であろうかと思います。御承知のように、公債はすでに発行額を下回りまして、九十八円六十銭の発行額でなくて、九十八円そこそこに落ち込んできております。こういうことになれば、新規公債を買うよりも旧債を買ったほうがいい、こういうことになって、公債の買いかえが出てきておる、四大証券にいまでも百五十億からの手持ちが残っておる、こういう現象を来たしております。このことについてどういうふうにお考えになっていますか。
○水田国務大臣 国債のいまの市場の状況から見ましても、やはり量的な考慮をしなければならぬというふうに考えておりますので、来年度の予算編成においてはできるだけ国債の依存度というものは下げたいという考えのもとに、いまいろいろ構想を練っておるわけでございます。
○只松委員 一つは下げることと、一つは高利にするということ、利率の変更その他についてはまだお考えになっていませんか。
○水田国務大臣 やはり長期金利の中心をなすものが国債の金利でございますし、長い間かかって私どもは日本の長期資金の金利を下げることに努力しておったいきさつもございまして、なおまた、さらに資本の自由化というような国際化の問題を前に控えて、できるだけ長期金利をこの際上げたくないという考えから、この条件改定は安易にやらない、それをなるたけ避ける方法によって、この国債の問題を解決したいという方向でいま検討しております。
○只松委員 利率を変えないし、来年は減額するということですが、あとで具体的な減額を聞きたいと思います。当面四大証券に百五十億手持ちがあって、その中で百億くらい年末を控えて日銀で買いオペしたい、こういうことが巷間伝えられております。御承知だと思いますけれども、新聞なんかでも散見いたしております。そういうことになれば、私たちが一番最初懸念いたしておりました、おそらく今年あたりからぼつぼつ金融機関が買うのを渋るから、明年あたりになったら金融機関はたいへん圧迫を受けて困ってくるんじゃないか、こういうことを私たちは一昨年あたりからすでに指摘をいたしております。その現象が出てきた。その結果、おそらく日銀が直接買うような結果になりはしないか、こういうことを言っておりましたが、ベトナム戦の拡大ではありませんが、ほとんど私たちの予言が悪い意味で的中をしてきておるわけであります。もしそういうことにでもなればたいへんなことになるし、インフレ傾向というものが別な意味で心理的に拍車をかけると私たちは思うのですけれども、そういうことは絶対しないということをここで当時福田さんは断言をされておったわけでございます。その後、水田さんが断言されたかどうか私もよく覚えていませんが、あらためてここで明言をしておいていただきたいと思います。
○水田国務大臣 国債を日銀引き受けでやるということはやらない、市中消化の方針で国債を発行する、この方針はずっと今後も変えないつもりでございます。
○只松委員 そういたしますと、昨年度、本年度の当初予算に占める公債の割合は一五、六%に及んでいますね。当初予算の中にそれだけ高い率——全体の公債総額というものはまだ日本より高い比率のところがありますけれども、予算の中に占める一五、六%というのは、現在諸外国にはほとんどその例を見ないわけですね。一昨年は赤字だということで正直に赤字公債になったわけでございますけれども、その後赤字でない、赤字でないと言いながら、一五、六%の高率の公債を発行しているということになりますと、これはたいへんなことになる。時間がありませんから、財政硬直化の問題等についてそうこまかく論議ができませんけれども、財政硬直化の別の大きな要因というのは、租税収入が落ち込んだときに、予算額を減らさない、そのままに放任経済で、結局赤字公債を出していった。確かにそのときは若干景気は浮揚したわけでございますけれども、長期的な目で見るならば、これは大きな財政硬直化の一つの要因になっておるわけであります。そういう硬直化の論議はここではいたしませんけれども、わが国の今後の財政を考える場合、予算の中にどれだけのウエートを占めさしていくかという問題は、これはきわめて今後に残された大きな課題だと思うのです。そういう意味で明年度もやはり一〇数%という比率のものを続けていかれるのかどうか、お考えを聞きたいと思います。
○水田国務大臣 最初は御承知のように一六・九です。約一七%の昨年は依存率でございましたが、本年は、ことしの七月に七百億円を削減するということによって、公債の依存度が本年は一四・九%前後にただいまなっておると思いますが、来年はさらにこの依存度を思い切って減らすつもりでいまいろいろ検討しておるところでございます。
○只松委員 思い切って減らすといっても、その限度がある。たとえば諸外国では大体三%から五%ですね。いま公債を出しておるほとんどの国でも三%から五%くらいが当初予算に占める比率です。ところが、いまおっしゃったように、本年度では一六・二%、七百億減額しても一四・九%、こういうことですね。諸外国に比して非常に商いわけですね、これがこのままで続いていけば。ことし租税収入がわりあいよかったわけですから、来年もこのままでいけば 租税収入はそんなに悪くない。租税収入が悪くないときに、やはり一〇数%の公債を発行していくということになれば、そうこの景気というものは必ずしも続かない。不景気になればよけいに租税は取れないわけですから、公債発行というものは景気を浮揚させるために増すわけにはいかない。こういうことになって、公債の悪循環——別な意味で悪循環という現象を生ずると思うのです。やはり景気のいいときに大幅に、少なくとも諸外国並みに、五%並みに押えるという、こういう形のことをしておかないと、それこそ人気取りだけの政治をやっておるならば、西ドイツと同じ現象を、この公債政策の結果、あと何年か後には来たす、こういうことを憂えるわけです。そういうお考えは誤りとお思いですか。
○水田国務大臣 誤りじゃございませんで、私はそのとおりだと思います。さっき公債発行が硬直化の原因というふうに言われましたが、そうじゃなくて、硬直化の結果ということだろうと思います。好況のときに思い切ってというよりは、もう公債に依存しないというような弾力的な政策をとりたいというのが私どもの考えですが、これがとれないところが財政硬直化の問題でございまして、不景気になったら公債を出すということはあり、好況のときにはこれを削ってしまうというような、弾力政策がとれるためのいろいろな財政の基礎をここでつくっておかないと将来どうにもならぬというのが、いま私どもが言っている硬直化の問題でございまして、この硬直化のために、もう少し切りたいというものがなかなか切れないというところに問題があるというふうに考えております。
○只松委員 だから、具体的に何%という線まで出ないと思いますけれども、少なくとも西欧諸国並みの公債——西ドイツやその他はいま相当景気が落ち込んでいるわけですね。落ち込んでいても、なおかつそのくらいでとどめている。そうして財政全体を締めている。日本のように景気がいいときに押え切れなければ、悪くなった場合にはなおさら、よほどの勇気がないことには——西ドイツが社民党と連立政権、手を結んでまでそういう手を打った。社会党に連立政権を呼びかけられてそういうことをするかどうか知りませんけれども、なかなか自民党の力だけで……。いまのような公債を十数%も発行していくという状態を続けておられるとたいへんなことになる。そういう意味で、今年の租税収入の状況から見て、明年もそんなに私は悪いとは思わない。来年度は諸外国並みくらいに下げる、こういう基本方針、これはいろんな党内の圧力その他で幾らずれ上がっていくか知りませんが、大蔵大臣としては、単に財政硬直化だけをマスコミにPRしていくということだけではなく、財政の基本方針、公債発行の態度についても、そういうことが私は必要ではないかと思うのです。党の立場は異なりますけれども、国家財政を見ると、私はそういうことを痛感します。要望とともに、ひとつそういう努力をお願いしたいと思いますが、ある程度の一つの、諸外国並みとかなんとかいうような線というものは出せませんか。
○水田国務大臣 そのつもりで考えております。
○只松委員 次に、税制の問題について少しお尋ねをいたしたいと思います。これは財政硬直化の問題ときわめて関連があるわけでございます。あるいは物価の問題と関連があります。そういう硬直化の問題や物価の問題を抜きにして減税の問題だけを論議するのも、多少一方的な論議になりますが、時間がありませんので、ひとつごかんべんをいただきたいと思います。 この前の委員会から所得税の減税について論議がなされました。委員会の附帯決議どおり、四十五年度百万円の目標に向かって努力するというようなお話があったわけでございますが、その中で、単に所得税全般の軽減ではなくて、これも前国会において武藤委員や私たちがいろいろ質問いたしましたが、独身者、青少年に別な意味の希望を持たせるために、独身者の課税を大幅に引き下げていく、去年は中堅所得者にわりとウエートを置いた減税をなされたわけでありますけれども、四十三年度は独身者をやるということ、これはたぶん水田さんがお答えになったと思いますが、そういう方針で所得税の減税というものに取り組んでいかれるかどうか、お聞きしておきたいと思います。
○水田国務大臣 まだ、来年度の税制につきましては、ただいま税制調査会でも研究してもらっておるところでございまして、政府の方針としては、まだ全くいま未定のところであります。
○只松委員 しかし、そういうことなら前国会の論議というものは空論ということになる。前国会の論議、附帯決議、あるいは大臣の答弁その他から、前回広瀬君がお聞きしてそういうお答えがあったわけであります。この前の国会において、独身者に重点を置いた所得税を減税していくということは、ここの場でお答えになっておるわけですからね。それを税調なり何なりで検討中だから全然白紙だ、こういうことになれば、前国会のやつは空論だということにもなるわけです。そういうことではなくて、やはり所得税というのは突如としてできて、突如としてどうされるというわけではありませんから、ずっとその中でのいろいろな論議があり、そしてその処置がなされておる。明年度は所得税の減税の中でも独身者にウエートを置くということは、この委員会で大体の意見が一致しておりましたし、大臣もそういう御答弁があった。これは速記録をお調べになればわかりますが、あるわけであります。それも白紙にする、こういうことですか。そのことはそのこととしてわかっておって、ほかのところは白紙だ、こういうことですか。
○水田国務大臣 この前の委員会でも申し上げましたように、税制においては、いろいろ政府が公約した問題もございますし、こういう財政硬直化のときでございますが、一応所得税の減税というようなものは政府としてもさらにやる考えであるということをこの前述べましたが、いま言われたような問題は、その際における内容の問題になることでございましょうが、まだこういう減税をしようというようなものを具体的に政府の中ではきめていないということでございます。
○只松委員 減税は減税とし、たとえばとるべきものはとるというのが、私は、基本方針ではないかと思います。硬直化ということの名のもとに、そういうふうにすぐお逃げになるわけですが、それならば、明年度租税特別措置法で期限の到来するものがたくさんございます。この租税特別措置について、ひとつ全部おやめになって、期限の到来するものはとる、こういうことになさると、財源の硬直化は一ぺんで解決すると思うのですが、なかなかそうはおっしゃらないだろう。しかし、それだけ独身青年の減税の問題をわずかでも渋られるならば、もうちょっとこの特別措置については、勇断を持ってこれは対処されても、私は、そう自民党でもお困りにならないと思うのですが、明年度の減税の措置について、そういうお考えをお持ちであるか、お聞きします。
○水田国務大臣 御承知のように、明年度の予算編成の中心になるものは、やはり明年度の経済をどういうふうに見るか、この経済見込みが確定しないというと、予算の性格というようなものもきまっていかないというふうに考えられますので、こういうものが見通しがついたときから、初めて来年度の予算の方針といいますか、骨格というものがきまるだろうというふうに考えております。したがって、私どもは、それまでいろいろな準備はいたしますが、来年度の税制をどうするとか、何をどうするということは、いま全く未定のところでございまして、いまのところは何とも申し上げられません。
○只松委員 税調なり何なり、委員会で論議されるのも一つの方法ですし、いまやっているわけですが、しかし、そういうところでしたやつを国会にかけて、もうにっちもさっちもいかなくして、それを押し通すということでなくて、やはり国会のこの場において、明年度の税制なり何なり論議をして、そうして与党なら与党の意向も聞くし、野党の意向も聞いて、そうしてそれを進めていくというのが、私は、国会のあり方、民主主義のあり方、民主政治のあり方だと思う。そういうことをあまりなさらないから、いろいろな弊害が起こってくるわけであります。もう少し——未定だ未定だと言わないで、すでに税調あたりでは相当の討議が行なわれているわけです。大蔵の事務当局あたりにおいても、そういうものの準備が進められておるわけですから、ひとつ具体的にお答えをいただきたい。 私は、やめろという問題だけじゃなくて、前にいろいろ言いましたけれども、きょうも午前中、地方財政の問題で多少問題を提起いたしました。たとえば自動車税の問題にいたしましても、いま自動車は膨大な数にのぼってきております。たとえば被害だけ見ましても、昨年度の死傷者が五十三万人、違反者が五百万人、この中で罰を受けた者が四百万人、参考までに言っておきますが、免許所有者は二千二百万人、こういう膨大な数字になってきておる。これがいろいろな公害や、県道、市町村道その他、そういうものを損壊し、それの補修やあるいは建設のため、舗装等のために、国や地方がどれだけ膨大な予算を使っておるかということは、これは私が言うよりも、専門家のあなたがよく御存じのとおりであります。こういうものに対しては——どうしても無制限に自動車がふえている。確かに自動車に対する課税をすれば、自動車産業界は強い反対運動を起こすでしょう。ガソリン税だっていまいろいろの陳情が来ております。しかし、一産業のために、日本全体、もう少し大きくいえば人類がそれだけ被害をこうむるのに、またその産業を保護育成していかなければならないか。自動車産業というのはすでに保護育成の段階を越えていると私は思う。むしろそれを越えて社会問題に転嫁されてきているわけです。そういう段階で、自動車に対する課税の問題、自動車の取得税であるか、あるいは年間の自動車にかかっておる税金の率を引き上げるか、ガソリン税を引き上げるか、それはいろいろあるわけでございますけれども、こういう大きくいえば社会構造の変化、経済構造の変化、それに対応する税金のあり方、税制のあり方ということを考えなければならぬわけです。自動車なんかその最たるものの一つだと思って、私はきょうその例を引いておるわけですけれども、そういう問題に対する課税というのは、いままでどおりのありきたりの課税のしかたでは、私はその実態に即応しないと思います。そういうものについて何かお考えがございますか。たとえば建設省とかあるいは自治省が委嘱しておる地方財政の委員会等では、そういうことが一つの答申としてすでに出てきておりますね。大蔵省としてもそういうことについて何らかお考えがあるかどうか、お聞きしておきたい。
○水田国務大臣 いま税制調査会その他で検討の対象になっている問題についての一応の御説明を、それじゃ主税局長から……。
○吉国説明員 現在税制調査会におきましては、前回の総会まで実は長期の税制の問題を論議いたしておりましたが、この次の総会、十七日の総会から来年度の問題に入るという予定になっております。 なお、新しい税を起こす、あるいは増徴するというような問題は、長期税制の問題といたしましては、御承知のとおり、たとえば売り上げ税の検討でございますとかイギリス式の法人税の検討とかいう問題があげられておりますけれども、来年度の問題としては、いまのところ、まだ論議の場になっておりません。 なお、自動車につきましては、御承知のとおり、だれに課税するかという問題があるわけでございます。自動車の使用者につきましては、御承知のとおり相当高いガソリン税が課税されておりますし、また軽油引取税も課税されております。地方税としては自動車税が課税されておりますし、取得にあたっては物品税が課税されておる。なお、先ほどおっしゃったような自動車の国家に対するいろいろな負担をかけるという問題から考えまして、それでなお不十分であるかどうか、あるいは消費者の負担としては適正であるかどうかというような問題は十分検討の余地がある問題だと思いますが、そういう問題を含めて、現在税制調査会としてはまだその検討に入っておりませんが、地方税関係として一つの課題に出てくることも十分考えられると思います。
○只松委員 午前中もちょっと論議しましたし、時間もありませんから、こまかい論議をしようとは思わないわけですが、たとえば一台自動車を取得することによって、国なり県、市町村が支出する費用というのは七百万から一千五百万、建設省で八百万、こういう数字をはじき出しておりますね。そういう面からいたしますと、自動車に課税されている額というのは非常に低いわけです。あるいは野っ原に新興住宅が、埼玉あたりでも郊外ではどんどん家が建っておりますけれども、家が建つ、そうすると自動車をお持ちになる。普通ならばたいして道をこわさないのに、自動車が通るから砂利をたくさん入れなければならない、こういうことで、町の中を舗装しても、今度は郊外のために予想外の費用がかかる。こういうことで、新興都市の各市町村は、そういう別な面で非常に悩んでおるのです。そういう面を皆さん方、これは国から見るとそれほどぴんとお感じにならないけれども、市町村財政というものは、特に末端に行けば行くほどそういうものに食われまして、市町村は三百六十CC以下の自動車しか税金が取れないということで、支出だけはたいへん多くなっている。だから、自治省の段階で、そういうことも含めて税の配分についても考えたらどうかということを言ったわけです。そういうことから考え、いまの社会問題全般を含んで、ひとつ自動車課税の問題について私は御研究をいただきたい、こういうふうに思うわけです。 それから次に、これは大臣の一つの念願であり、課税方針のようでございますけれども、税調でもその方向が徐々に固まってきておるようですが、間接税を引き上げていく。その中で物品税を引き上げるか売り上げ税を創設するか、そういうことの御論議があるようでございますが、明年はそういう税の新設、あるいは新設しない場合には物品税の引き上げ等をなさるつもりであるかどうか、ひとつ大臣からお答えをいただきたい。
○水田国務大臣 税制調査会で、長期税制の観点から一応売り上げ税の問題を検討しているということは事実でございますが、この種類の新しい税の創設というようなことには非常に問題がたくさんございますので、いま検討を始めておっても、これがすぐ来年度どうこうということにはおそらくならないだろうというふうに考えています。したがって、いま税制調査会も、長い先の税制としての検討を始めている段階だというふうに思います。
○只松委員 売り上げ税は長期的な展望に立ってということですが、そういたしますと、物品税の引き上げあるいは専売益金、酒税等の間接税の引き上げ、そういうものを明年度は考慮に入れておられますか、入れておられませんか。
○水田国務大臣 これもまだ検討の段階で、私どもとして来年こうしたいという方針は全然きめておりません。
○只松委員 事務的な段階では相当進んでいると聞いておりますが、どうです、進んでおりませんか。
○吉国説明員 来年度の税制につきましては、財源の問題もございますし、税制調査会の進行の段階から申しましても、まだ具体的に内容が固まってないということは事実でございまして、間接税の増徴というような問題につきましても、まだ検討が進んでいないと申し上げたほうがいいと思います。 ただ、御承知のとおり、昨年発表いたしました税制調査会の長期税制に関する中間答申におきましては、一方において間接税については、従量課税をとっているものは、物価、生活水準の上昇に伴いまして見えざる減税が行なわれることになるので、これについては、その点を考慮していくことが必要だという長期的な答申を出しております。それで来年に適用するかどうかということは、これはまた今後の税制調査会の審議にもかかっておりますし、財源その他にも関連して考えるべきことだと思いますが、現在としてはまだ準備をしておるというようなことはございません。
○只松委員 所得税を若干下げましても、物価は当然に上がってきておりますが、間接税を上げたり、専売益金等を上げますと、これは何にもならないことは、私が申すまでもないわけでございます。ひとつ、いまわからないということではなくて、ぜひ所得税のすりかえを間接税で行なうという——しかも間接税といってもいろいろあるわけですけれども、大衆消費の間接税という形でしないで、たとえば自動車なんかそう言っちゃ何ですけれども、取得のしかたによってはある意味ではぜいたくになっているものが、そういう公共のものを阻害したりいろいろなものがあるわけですから、これは別な社会政策の角度からも考えるべきだと思う。 あるいは、きょう時間がございませんから言いませんけれども、不動産の税制についてもいろいろ研究を進められておりますけれども、私がこの問題を前回提起をいたしまして、あるところでこういうふうにやっているからということで研究に参ったわけでございますが、その一カ所だけ見ても、わずか三百坪くらいのところで、私が指摘したとおり、本人の申告が一千二百万円くらい、実際上は六千万円からの権利金を取っている。ちょっと調べれば五千万円からの大きな脱税がある。こういうことがすぐ明らかになるのですね。こういう形で調査をすれば、それこそ当然に取得をしておる人の税金が大幅に脱税している。わずか調べたって、ここから何十億という脱税が出るだろうといわれておりますけれども、そういうことがあるわけです。 これも午前中指摘しました不動産の固定資産税の中で、植木とか庭石とか、こういうものが何百万、何千万円と一家の中に入れられておる。住宅よりももっと高い、こういうものもあります。私が指摘しました、たとえばAとBというような庭園を主体に営業をしておるところがある。住宅ならばこれは膨大なものになるけれども、そこでは金額を出してくれといっても出さなかった。あとで持っておいでになったけれども、それを見れば三千六百万円くらい、しかもいま減価償却をして二千何百万円にしか膨大な庭園というものが評価されておらない。私からいったら、全くこういうものはでたらめですよ。そういうものをちゃんと取りさえずれば、税金というものはもっと取れますよ。そういうものは取らないでおいて、さっきから言う所得税もあまり下げない、あるいは間接税もどうかわからないというような、大衆的な取りやすい面に行く。もう少しそういうものの姿勢について、特に苦しいときはお互いさまですから、国が苦しいならば個人のそういうたくさん持っておる人からも応分のものは出さす、こういう形の課税対策を私はすべきだと思う。 国税庁の人は、よろしゅうございますと言って、お帰りになりましたけれども、国税庁の人がうんとおいでになれば、そういう角度から私は土地税制のあり方について多少論議したいのだが、午前中しようと思ったのですが、時間がありませんでしたから、午後までお残りになるのはたいへんだと思って帰っていただきましたけれども、大臣、そういう面からの土地税制その他についてぜひひとつ突っ込んだ研究をしておいていただきたい。きょうは私はしませんけれども、いずれ日を改めまして、また土地関係の税制問題について私は御討議をいたしたいと思っております。 最後に、あとで御決議にもなるようでありますから簡単な質問にとどめますけれども、中小企業の倒産というのが依然として増大をして、前月では、調査の方法にもよりますけれども、八百数十件の一千万円以上の会社の倒産がある。一千万円以下は無慮何千件になるでしょう。金額にいたしましても六百二十四億円、これが一つ問題になるのは、件数においては前月に比べて二六%、前年度に比して四五・九%、金額では前月に比して四九・四%、前年度に比して三六%それぞれ多い。こういうふうに非常に膨大になってきておる。自民党としては、独占資本の強化で、中小企業に対してはそれほどの関心がないのかもしれませんけれども、これは私は経済政策からも社会問題からもたいへんな問題だと思うのです。そういう中で年末を迎えまして、年末融資というものがいろいろ論議されておりますけれども、またここで一つの問題は、本年度は一兆九百億円融資するというようなことがいわれておりますけれども、これは完全に貸し付けになれば別ですけれども、ひどいときには昭和三十九年度のときには、都市銀行なんかは五八・四%と、この半分くらいしか国から融資された金を貸し付けてないのですね。幾ら国で出しましても窓口で締めてしまったのでは、これは何にもならないわけでございまして、政府から融資されたものはこれが全額中小企業者の各人に渡るようにひとつそういう貸し付け方をぜひお願いいたしたい。いかがですか。
○澄田説明員 ただいまお話のありました年末の融資関係、御指摘のように企業の倒産が非常に多いというような点につきましては、いろいろ見方もあるわけでございますが、倒産の件数はふえておりますが、小型化をしてきて、一件当たりの平均金額等は少なくなってきている。全体として見て、金融の梗塞による倒産というようなものよりは、やはりいろいろ求人難の関係でありますとか、あるいは需要の変動、変化、これが早いためについていけないというようなもの、あるいは経営がやはりずさんであったというようなもの、あるいは計画倒産であるとかいろいろなものが指摘されておりまして、金融によって、いままで経営としては順調にいっておったものが資金繰り上急に倒産するというようなものは、最近はほとんど見られなくなってきておるというようなことが指摘されておりますので、倒産の原因というものもいろいろ変わってきている、こういう事実はあろうかと思います。 それはそれといたしまして、年末金融につきましては、これは現在の経済情勢、引き締め下であるということも十分考慮いたしまして、不当のしわが寄ることのないようにということで、政府関係中小三機関につきましては貸し出しワクを千六十億といったようなものを追加いたしまして、また、いま御指摘のありました一兆九百億という民間の金融機関の中小向けの貸し出しの目標額というようなものについても、昨年度の目標額に比較いたしましても一五%もふえておるというようなことで、目標額としては相当多い目標額を設定いたしておりますので、こういう目標額が実績においてそれと非常に違うというようなことのないように、そういう点は今後民間の金融機関に対する指導というものにも十分意を用いてまいりたい、かように考えております。
○只松委員 時間の関係でこれでやめます。
○内田委員長 次は村山喜一君。 〔委員長退席、毛利委員長代理着席〕
○村山(喜)委員 私は、中小企業金融の問題並びに中小企業政策の問題にしぼりまして、若干の問題をお尋ねしてまいりたいと思うのでございます。 従来の引き締めの経過といたしましては、親企業からの支払い現金比率が悪化をする、あるいは手形の検収期間なりサイトが長期化をする、そうして企業間信用の膨張が起こる、あるいは市中銀行が大企業中心の融資を中心にやってまいりますので、中小企業貸し出しワクが縮小をしている、その結果は中小企業の資金繰りが悪化をする、あるいはそれに加えて親企業からの受注が減っていってそして滞貨の増大が生まれる、そうして好況時のときに設備投資に回しておりました返済資金に追われて倒産件数が増大をしていくという、その過程をたどりながら中小企業が倒産をするという件数が多かったわけでございますが、一体現在の時点における中小企業金融の情勢は、どういうふうにこれを把握し、そうして年末の金融をどのような姿の中で見るかという問題については、私は見方が非常にむずかしいと思うのであります。 そこで、最近におけるいろいろな指標を拾ってみますと、十月の倒産が七百九十件で新記録をつくった。金融の引き締めが選別融資、これはこのごろに始まったのではなくて、三月ごろからもうすでに金融の引き締めが行なわれている、こういうようなこともよくいわれるわけでありますが、年末はとにかく越せるとしても——これだけ政府のほうでも政府系統金融機関の融資増を財投で見てまいりましたし、あるいは民間の金融機関の場合でも一兆九百億円という資金ワクを用意したので、これで年末はとりあえず越せるのではなかろうかと私たちも見るのであります。しかしながら、一体この年末に、最近の民間金融機関の預貸率を見てまいりますると、資金ポジションが非常に悪くなっていることは事実でありますから、もう限度ぱいの貸し付けをしてしまって、年度末になりましてからもう貸し出しをする資金ワクがない、こういうようなときに、年末に切りました手形の返済期が、九十日の分が三月の末ごろにやってきたらそのときにお手あげになる企業が多いのではなかろうかという見方がだんだん最近強くなってきたように私は思うのでございますが、今回政府のほうがとられました一千六十億の中小企業金融対策のための融資ワクの設定、財投として六百九十五億の追加でございますが、これは年末から年度末にかけましての対策として打ち出されたものであるのか、それともそのほかに三月の末ごろになってさらにそういうようなのが、中小企業の倒産が金融引き締めの結果訪れた場合には、それに対する手だてとして中小のオペレーションを大体一千億くらいやるのではなかろうかという見方もあるようでございますが、そういうような第二段的な見方というものも考えておいでになるのか、この点についてその長期的な見通しというものについて説明を願っておきたいのであります。
○澄田説明員 ただいま御質問の点でございますが、今回の三政府系金融機関に対します財投の追加融資のワクといたしまして千六十億ということになるわけでございますが、これは年末に際して追加するという、時期的にはそういうことになりますが、当然に三機関の貸し出しの年度間の計画を見まして下期に追加をする、こういうような形になっておるわけでございまして、いま御指摘の、年末を越えて年度末の金融の逼迫するような時期に対するものも見てあるかという点でございますが、そういう点も計算に際しましては考慮に入れまして、第三・四半期、第四・四半期分ということで追加をしておるわけであります。中小金融向けのための特別オペをやるのではないかというようなそういううわさもあったわけでございますが、これは過去には実施したこともございますが、金融のやり方といたしましていろいろ技術的な点もございますし、それから実効確保上の点もございますし、いろいろの問題点もございますわけで、現在そういうようなオペレーションをやるというようなことは考えておりません。
○村山(喜)委員 いま説明を承ったのですが、民間の金融機関の貸し出しというのは、一兆九百億というのは目標であるわけですね。昨年の貸し出し実績を見てまいりますると、昨年は九千五百億の設定をしたけれども、実際は九千百六十億にとどまっているわけです。これは、相互銀行あるいは信用金庫の分が金利差の問題をもちましてその目標に達しなかったということでありますから、かりに今度一兆九百億円という目標が設定をされましても、実際は金融機関の都合によりましてそれがそのとおり消化できないという事態も生まれてくることも予測しなければならないと思うのです。そうなってまいりまして、まあいまのところは、これだけの措置をとられる以上は年末における問題点はそう深刻な問題は派生をしないのではなかろうかと私も思う。しかし、年度末において一番の金融の引き締めがこれから強くあらわれてくるという形で出てまいりますると、企業の倒産がさらに増大をしていく可能性というものが私はあろうかと思います。そういうような社会不安が出てまいるような事態においては、やはりオペレーション政策というものも年度末のあたりにおいてはそういう情勢が出た場合には考えるという、それぐらいの含みを持った上で対処願わないとならないのではないかと思いますが、その点は大蔵大臣、いかがでございますか。
○水田国務大臣 この千六十億円の追加措置をとるときは、十日の閣議でございましたが、私から了解を得ました。そのときに、通産大臣からいま言われたような御要望がございまして、年末はこれでしのげると思う、ただ経済のことですから第四・四半期においてこの金融の引き締めが不測の状態で中小企業にしわ寄せされないとも限らぬ、こういうときにはまた起こった情勢に応じて考慮してほしいという要望がございました。これはもっともなことと存じますが、私どものいまの見方としましては、従来ですといまの一兆九百億の目標額をつくってもなかなかそのとおりの貸し出しがなされなかったということはございますが、今度の引き締めにおきましては、——さっきお話がありましたように、国債を発行しないときの引き締めは一番先に親会社へくる、したがって、それがすぐに手形の期限を延ばすとか支払い遅延とかいろんな形で中小企業へしわを寄せたということは事実でございますし、また、コールの金利が上がりますので、中小金融機関が貸し出しよりもコールへ運用するという傾向が強かったために中小企業が困ったということはございますが、今回の場合はそういう点が従来とは非常に違っておりますので、ある程度、政府関係機関の資金追加と、いま言った目標の設定で、これを銀行局が指導すれば、そういう不測の問題は起こらないのじゃないかというのが私どもの予想ではございますが、しかし、そういう問題が出たというようなときにはその事態に応じた対策は私ども十分考えたいというふうに考えております。
○村山(喜)委員 最近の市中銀行の資金ポジションが悪化をしてまいりました関係もありまして、できるだけ中小企業のシェアだけは確保しておきたいというねらいもそれらの全国銀行の場合はございますから、自分の資金でない外部資金を利用してやっていこうというねらいも確かにあろうと思うのでありますが、最近の調査によりますると、都銀なりあるいは地銀の場合は中小企業金融公庫の代理貸しの申し込みの件数等の増加が非常に大きくなっているわけであります。だから、中小企業資金は中小企業金融公庫資金でという考え方がやはり指導面にあらわれておるのではなかろうかと私は思うのであります。ところが、彼らに言わせると、景気調節、金融の引き締めというものが行なわれてきたけれども、一体引き締め効果というものが現実にどれだけ実効性があるのかという点をとって考えてみると、われわれ全国銀行のほうにだけしわ寄せがあって、そしていわゆる引き締めの対象外になっている金融機関等においては、その逆にかえって積極的な貸し出しをやっているじゃないか、だからこの金融引き締めのしわ寄せというのがそういう全国銀行にだけしわ寄せになって、あるいは地方財政の繰り延べの状態はさっぱり進んでいないじゃないか、国のほうがやった公共事業の繰り延べ政策というものもさほど進んでいない、そこへ持ってきて補正予算でさらに財政の増因がふえてくる、あるいは来年度の財政がさらにまた大型化していけば、それだけいわゆる財政面からの引き締めというものの効果は期待ができないのではないか、だから、われわれ一方に片寄った政策が行なわれているということに対して不満だという声も聞くのでありますが、一体今日の引き締め効果はどういうふうになってあらわれているというふうに把握をしておいでになるのか、そのあたりについて説明を願っておきたいと思います。
○澄田説明員 私から金融面の点についてお答え申し上げますが、引き締めのやり方につきましては、御承知のとおり日本銀行が公定歩合を引き上げますとともに、貸し出し増加ワクの規制というのを設けまして、日銀と取引のある金融機関につきまして、これは前から指導をしておったわけでありますが、資金ポジションの指導に加えまして、前年の貸し出し増加ワクに対して第三・四半期の貸し出し増加ワクはその一五%をカットをするというやり方をやっております。波及は、御指摘のように、まず日銀がコントロールをするそういう金融機関、都市銀行、それから相当の地方銀行というようなものを中心に行なわれる、あるいはもちろん信託銀行とか長期信用銀行も入りますが、そういうところを中心に行なわれてきておりますが、当然公定歩合の引き上げに伴うそういった引き締めの効果というものもございますし、そして債券市場、公社債市場あるいはコール市場等を通じまして全体に影響をしていく、こういう経路は当然働くわけであります。そういうようなところから引き締めの浸透が逐次行なわれていく。ただ、従来の場合と違いまして、企業の手元の流動性というようなものも、今回の場合には引き締め前に比べますと流動性がかなり減ってきているということはございますが、過去の引き締めの場合のように、非常に手元が苦しいというような形に必ずしもなっていないというような点もございますし、また、企業間信用がふえるというような点についても、今回はそこまでいっておりません。そういう点で、全体としては金融引き締めというものが従来のように非常に強く末端まで及ぶというような形になっていないという点は確かにあろうかと思います。しかし、これは従来のほうが非常に異常に資金需要の強い状態における引き締めというようなこともありまして、今回はそういう点が若干変わってきているという点であります。しかし、引き締めの効果は、当然それは逐次及んでくる、従来のように引き締め直後に直ちに及ぶというようなことではない、ある程度時間がかかって及んでくる、こういう性格であろうか、かように存じております。
○村山(喜)委員 おっしゃる金融上の問題はそれなんですけれども、最近の引き締め効果というものがはたして影響をどの程度もたらしているのかということについて、非常にいろいろな見方があるわけであります。大蔵省、日銀は非常にシビアーな見方をしておりますが、十月二十六日の日に佐藤総理が生命保険の全国大会において述べられたその発言の内容は、もちろん前提がありますけれども、国際収支は比較的近い将来に均衡基調を回復しようということを言っておられるわけですね。だから、短期に終わる引き締めになるのではないかという見方を裏打ちされたような発言に私たちは見るのであります。これに対しまして、通産省の見方はやはりそれに近いようであります。総合収支は四億ドルぐらいの赤字にとどまるだろう、来年度は民間の設備投資の伸びが鈍って需要が落ちついてくるだろう、だから引き締めは早期に解除したほうがいい、そういう見方をしておられるようであります。その理由としては、いわゆる鉱工業生産指数が落ちついている、あるいは出荷指数は微動にとどまっている、あるいは設備投資の先行指標の機械受注の状態を見てもさほど大きな波がない、あるいは十月の信用状の収支関係は三億五千万ドルの黒字だ、こういうような輸出認証等の指標を見てみますと、短期に終わる引き締めになるのではないかという見方を金融機関筋が希望をし、期待をするのは、またそういうような見方になるのではなかろうかと思うのであります。これに対しまして、日銀の総裁は、十月の二十三日から二十五日にかけまして全国の支店長会議を招集されたときに、中小企業保護という名前のもとに、中小企業の金融が安易に流れては困る、だからこれは厳重な態度で臨めというような指示をしておられるようであります。そうなると、一体現在の経済の見通しというものはどういうふうに見ていくべきであるのか。私もいろいろ拾ってみたのですが、いま経済企画庁では、経済の見通しについては作業中で、まだその数字が出ていないようであります。今月の末ごろにはその作業が終わるのだということを聞くのでありますが、こういうような状態の中において、大蔵大臣はどういうような考え方で対処しようとしておられるのか。政府部内におきましてもいろいろな見方があるようでございますので、大蔵大臣としての考え方、並びに、日銀総裁が中小企業保護という名に隠れて中小企業金融が安易な形で流れないようにという指示をしておられる、そういうようなのに対する大蔵大臣としての指導はいかにあるべきかという点を説明を願っておきたい。
○水田国務大臣 今回の引き締め政策のねらいは、総需要を少し圧縮したいということでございますので、従来は金融政策だけでこの効果を求めたのでございますが、国債発行下における総需要の圧縮ということは、結局財政政策が担当すべきもの、財政政策を主力にすべきものという考えから、公共事業費の繰り延べということを中心にして、これに金融政策を加えたというやり方をとったのが今度の引き締め政策の特徴でございます。したがって、この効果が早急にあらわれてくるというふうには私どもは考えておりません。そのときからお話し申し上げましたように、おそらくこれは来年度になってその効果が初めて出てくるものと思うと申しましたが、いまでもそう考えて、そうして推移の状態をいま注視しておるところでございますが、私は、すでにもう効果は出てきておるんじゃないかというふうに最近は考えております。具体的に、たとえば輸出入の関係が特に改善されたとかいうような問題はございませんが、しかし、あの措置をとらなかった現在を考えてみますと、いまよりも相当悪い状態になっているということは確かでございますので、そういう意味で、この効果を正確につかむということは困難でございますが、もうすでにその効果は出てきて、来年ごろにはっきりとこれがあらわれてくるんじゃないかというふうに私どもは考えております。需要を圧縮しないで、これを金融政策だけでやろうとしましたから、いろいろ産業へのしわ寄せと申しますか犠牲というものがいままで大きかったのでございますが、今回のような措置によったら、そう大きい犠牲を払わないでこの効果をあげることができるだろうということが私どもの一つのねらいでございますので、引き締めにおきましても、国民全体の需要ということが問題なときに、この犯人を中小企業であるというふうには考えておりません。したがって、引き締めがすぐ中小企業にだけしわ寄せされるというようなやり方ではいけない。その効果が少しはおくれるかもしれませんが、こういう年末みたいなときに際しては、中小企業の金融というようなものも相当に見ながら、この引き締め政策をやっていかなければならぬというふうに私どもはいま考えております。したがって、全国銀行大会におきましても、あまり中小企業金融を完全にやれというんなら、引き締め政策との関係はどうだというような質問まで出たことでございましたが、結局、引き締め政策ではあるが、一番弱い中小企業にだけしわ寄せさせるような引き締め政策にならぬようにとにかくわれわれはやりますから、その点なまぬるいといわれることがあるかもしれませんがというので、全国の銀行は、大体私どもの示した目標に沿って年末中小企業金融については自分たちは骨を折るというのが最後の結論でございましたが、そういうような形で、もっぱら財政政策を主にした引き締めでございますので、その効果は少し長くなるんじゃないかと思いますが、必ず所期の効果は出てくるものと思っております。したがって、これはごく短期にこの効果が出てきて国際収支の改善ができるというふうには、私どもは最初から考えておりません。ですから、いろいろ政府の施策は短期をねらっておるようだというようなことがいわれますが、決してそうではございません。短期という誤解を受ける点があったとしますと、こうだろうと思います。方向が出てくるまで相当ひまがかかる。一定の方向が出てきて、国際収支も黒字基調がはっきりしてきたというものが見えたら、それ以上長くやっていることが弊害がある。過去の経験から見ましても、そういう時期に来たら、もう緩和することを急ぐことがいいんだ、こういうふうに私どもは考えておりますので、この点が間違われて緩和が近いのではないかというような印象を与えたとすれば、それは間違いでございまして、私どもはそう簡単に、国際収支の黒字基調というものがはっきりしていくというふうには、いまのところ考えておりません。相当じっくりとやらなければならぬ仕事だと思っています。
○村山(喜)委員 日銀総裁が、中小企業保護を口実にして、中小企業金融が安易に流れないようにやりなさいという指導を支店長会議においてやっておられる。それに対して大蔵大臣は、全国銀行大会の会場において、微温的な形になる、あるいはしり抜けになるようにもとられては因るけれども、しかし、中小企業というものについては十分な措置をとってやっていくのだ、こうおっしゃることは、私は内容的にどういうふうな違いがあるかわかりませんけれども、中小企業の中でも、やはり中身によって非常によいのと悪いのとあると思うのです。ですから、手形のサイトを見ましても、最近においてはかえって短縮されているのもあるようであります。ところが、全体的には金融環境が悪化をして受け取り手形の期間が長くなりつつある、こういうような問題が一般的な問題としては私は受け取れると思うのであります。したがって、中小企業の資金繰りの不安が高まってきたという見方の上に立って、年末金融もこのような態度をおとりになったものだろうと思うのであります。 そこで、この受け取り手形の長期化の問題について、一体どういうような対策をこれから中小企業保護という立場の上においておやりになるのか。ただ金融の問題だけでは私は解決ができない問題があろうと思うのであります。中でも中小企業なり零細企業といわれるものについては恒常的な資金不足に悩んでおりますし、一般的な資金供与の上に、政策的な金融を行なわなければやっていけない問題があると思うのであります。いま倒産をしている状態のものを調べてみましても、八七・二%が資本金五百万円以下の中小企業ということになっているわけでありますから、きわめて零細な——といいましても、一千万円以上の負債を背負うくらいの力があるわけですから、その意味においては中小企業の中ではわりあいに大きなところだろうと思うのでありますが、その中小企業の中でもそれらの優劣の企業差がある。あるいはまた、経営の規模というものによってもそういう差がある。あるいは第二次産業と第三次産業における企業の条件の差もあろうと思うのでありますが、そういうような問題を見てみますと、これはただ金融政策だけで解決できる問題ではなくして、政策面からくるところの一つの構造政策というようなものが柱にならなければ、中小企業の問題は解決できないと思うのであります。この問題について、どういうような新しい態度をもって臨もうとしておられるのか。特に中小企業が倒産を続けております今日の段階の中について、通産省としての態度について説明を願っておきたいのであります。
○乙竹説明員 いま先生お話しのように、中小企業の間に格差が生じつつあると思います。中小企業と大企業との格差ではなくして、中小企業の間に格差が生じつつあり、また業種別にいろいろ格差が生じつつあると思います。したがいまして、従来のように中小企業の経営の内部だけにとどまります合理化、近代化のみをもってしては、この中小企業内部に広がっておる格差の是正はできないというふうに考えます。特にいまの日本の経済は、いわゆる開放体制下に向かいつつございまして、資本の自由化の問題、特恵関税の問題等々、非常に中小企業——弱い中小企業に大きな打撃を与える危険性のある問題が次々に起こりつつある。さらに国内の労働事情は逼迫し、労賃ははなはだしく高騰をいたしております。したがいまして、これに対します通産省の対策、中小企業庁の対策といたしましては、単に経営内部の近代化、合理化を進めるだけではなくして、業種ぐるみの構造改善対策を思い切って考えていく必要がある。したがいまして、その手段といたしまして、規模の拡大を要するものにつきましては協業化を思い切って進めるというふうなことで、先国会に協業組合法の成立をお願いいたしたということもその一つでございますが、さらに業種ぐるみの近代化を進めねばならぬということで、そのはしりといたしまして、中小企業の中の最も代表的な業種でございます繊維におきましては、繊維の構造改善に関します立法及び財政、税制上の諸措置をお願いし成立していただいた。こういうふうな方向で考えておるわけでございます。いずれにいたしましても、従来のような、中小企業が単に景気の波を越えていくという方向だけで考えていてはどうにもならぬ、体質的に構造的に根本から考え直さなければいけないというふうな角度で勉強をしておる次第でございます。 〔毛利委員長代理退席、委員長着席〕
○村山(喜)委員 時間がありませんので、中小企業の構造政策の問題等はまた他日質問をさせていただきたいと思います。 最後に、経済企画庁お見えになっていらっしゃるわけでありますが、この引き締め下においても依然として物価が上昇をしている。これはやはり総需要が根強い増加を続けているから物価が上昇するのだという見方もありましょうし、あるいは今日の流通構造の中において、そういうような物価上昇の原因がひそんでいるのだという見方もありましょう。あるいは物価上昇の経済寄与率を調べていく中において、農産物が上昇をしたために物価が上がったのだという見方もありましょうし、最近の卸売り物価が依然として根強い上昇を続ける、消費者物価は四・五%でおさまると宮澤さんは言っているけれども、これまたおさまりそうにないという状態が続いていくことは、今日物価政策が十分な効果をあげていないのだというふうに私たちは判断をしているわけでありますが、これに対するいわゆる対策は、いままでも幾たびも述べられております。述べられておるけれども、なかなかその実効があらわれてこないということは一つの大きな問題点であろうと思うのですが、特に流通面から見た物価上昇に対してどういうようないわゆる政策をあなた方お持ちであるのか、これは中小企業政策との関連性もございます。したがって、その点について、構造的なものが私はあると思うのですが、それらに対するところの、いま経済企画庁の国民生活局が、中小企業庁あたりとどのような連携をとりながら物価安定に努力をしているか、その実績について中西さんのほうからお話しを願っておきたいと思います。
○中西説明員 実績ということになりますと、寄与率がどういうふうになったかということになるのですが、これはなかなか計数的には把握が困難でございます。私どもの率直な感じは、三十五年ごろから消費者物価が上がり始めまして、生産性の低い分野、特に農業、中小企業、その辺に問題の発端があるのではないかという認識に始まりまして、その後は構造の問題、経済構造全体に物価を上げている原因があるのではないかというようなことに、だんだん認識が発展してきております。御指摘の中小企業の問題、流通の問題をとらえるにしましても、やはり同じような観点から見たいと思っておるのですが、特に最近は、ある分野では技術革新あるいは経営革新等が起こりまして、通産省でいろいろ促進しておられますボランタリーチェーンの問題にしましても、科学技術庁で研究しておりますコールドチェーンの問題にしましても、かけ声と同時に、それぞれ小さなウエートしかまだございませんが、しかし新しい芽はどんどん伸びつつある。それらが広がりまして、それぞれの近代化に果たす役割りは相当大きいんではないか。しかし、これも時間のかかることでございまして、すぐにどうこうというふうにはお答えしかねるのですけれども、競争の過程でそういう芽が伸びてくるのは、すばやくそれをキャッチしまして、それぞれ所要の援助あるいは指導をしていくというようなことで進めてまいりたいと思っております。 ————◇—————
○内田委員長 この際、山下元利君より、中小企業に対する年末金融及び徴税に関する件について発言を求められておりますので、これを許します。山下元利君。
○山下(元)委員 私は、自由民主党、日本社会党、民主社会党並びに公明党の四党共同提出にかかる、中小企業に対する年末金融及び徴税に関する件の決議案について、提案者としてその趣旨を御説明し、満場一致の御賛同を得たいと存じます。 最初に、案文を朗読いたします。 中小企業に対する年末金融及び徴税に関する件 今回の財政、金融の引締めは、国際収支の悪化に対処するものであるが、その影響は景気抑制と関係のとぼしい零細、中小企業にきびしくしわよせとなって現われ、不渡、倒産件数は急増している。 殊に、年末を控え、これら中小企業の経営は更に困難の度を加えつつある。 よって、 一、政府はこの際、引締め政策の所期の目的にそうよう政府、民間金融機関に対し強力な指導を行なうと共に、不渡倒産を防止するため、財政資金はもとより民間資金についても中小企業向け年末金融の拡大を図り、都市銀行をはじめ各金融機関が実効ある措置を取ることを求め、万遺漏なきを期すべきである。 二、税務官署は、年末年始の徴税に当っては、甚だしく悪質の場合を除き、納税者に対する調査、検査、滞納処分並びに納税者の呼出等の行為を行なわないよう中小企業の実情に十分配慮すべきである。 以上のとおりでありますが、以下簡単に提案の理由を御説明いたします。 本年は、景気が予想外に急激な上昇を示し、輸出の伸びの鈍化と輸入の伸びの拡大から、国際収支にかなりの悪化と赤字が予想されるに至りました。そこで、国際収支の改善をはかるため、去る九月、金融面から公定歩合の一厘引き上げ及び窓口規制の強化が行なわれるとともに、財政面からも、国及び地方を通じ三千百億円に達する公共事業費の繰り延べの措置がとられました。これら引き締め政策の効果は、着々とあらわれつつありますが、反面、その影響は経済力の劣弱な零細中小企業にきびしくしわ寄せとなってあらわれようとしております。現に企業倒産、ことに中小企業の倒産の高水準が目立ち、東京商工興信所の調べによると、全国企業倒産件数はこれまでの最高の記録を示しております。 このような現象は、中小企業の経営難を如実に反映するものでありまして、これを放置すべからざることは言をまたないところであります。ことに、中小企業の資金繰りは年末を控えて一段と困難の度を加えつつある実情にあります。 よって、政府は、この際、中小企業向け年末金融の拡大をはかり、万遺漏なきを期すべきであると信じます。 次に、年末は特に事業経営にとりまして繁忙のときにあたりますので、税務官署は、年末年始の徴税にあたっては、十分中小企業の実情を配意すべきであると信じます。 以上が趣旨説明の理由でございます。 何とぞ慎重御審議の上、満場一致の御賛成を賜わりますようお願い申し上げます。(拍手)
○内田委員長 ただいま山下元利君外四名より、中小企業に対する年末金融及び徴税に関する件について、本委員会において決議されたいとの動議が提出されましたので、本動議について議事を進めます。 討論の申し出がありますので、これを許します。村山喜一君。
○村山(喜)委員 簡単に賛成の意思を表示いたしたいと思います。 最近の中小企業の倒産件数は七百九十件という異常な高さに達しましたが、これは金融の引き締めによるものもありますけれども、それ以前に、構造的な日本の中小企業の危機の内容をあらわすものだと思うのであります。それにかてて加えて、さらに最近の金融引き締めが加わってまいりますと、年末にかけまして、あるいは年度末においては、中小企業の倒産件数がさらに増大をするであろうという不安感は、これは十分に予測されるところでありまして、九月の銀行取引停止処分の内容を見てみましても、一千万円以下の資本金をもつものが九四%も占めているという状態でありますし、七百九十件の十月の倒産の内容においても、八七・二%は資本金が五百万円以下の中小企業であるという実態から推してみましても、そのことは十分に言えることでございます。 ここに、政府は一千六十億のいわゆる中小企業制度資金のワクを設定をいたしましたけれども、しかしこのワク自体は、中小企業の年末融資に当たります民間の一兆九百億に対比いたしますと、まだ不十分なものでありまして、しかも一兆九百億の民間の資金ワクというのは一つの目標にすぎないわけであります。 なお、この内容を見てみますと、全国銀行の場合には四千八百億で昨年よりも四百十八億の減ということになっているわけであります。これはもちろん全国銀行の手元資金が減少をしているという事態もございますけれども、そういうような状態の中において、はたしてこれだけの資金ワクが確保できるかどうかということについては、さらに政府が十分な監視をやってもらわなければならないことだと思うのでございます。 そういうような点から見てまいりますならば、今日、年末を控えました中小企業の経営上の苦しみ、また金融のその苦しみというものは相当大きなものがあろうかと思うのでございます。それらの問題が倒産という事態に発展をした場合には、単に中小企業の経営者のみならず、それに関連をいたしますそこで働く労働者をはじめ、社会不安を惹起すること等も十分考えられますので、これらの対策と十分な措置をこの決議に基づいて政府が行なわれますことを要望いたしまして、私の賛成意見といたします。(拍手)
○内田委員長 これにて討論は終局いたしました。 おはかりいたします。 自由民主党山下元利君外四名提出の動議のごとく決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○内田委員長 御異議なしと認めます。よって、山下元利君外四名提出の動議のごとく決議するに決しました。 なお、本決議は、大蔵大臣及び通商産業大臣あて参考送付いたしますから、御了承ください。 本決議について、水田大蔵大臣より発言を求められておりますので、これを許します。水田大蔵大臣。
○水田国務大臣 ただいま決議のありました内容につきましては、御趣旨とするところも十分考慮しまして、今後の行政を運営してまいりたいと存じます。 ————◇—————
○内田委員長 次に、阿部助哉君。
○阿部(助)委員 たいへん時間が制約されておりますので、簡潔にお伺いいたしたいと存じます。 まず、さきの国会が終わると国債消化の不良化が表面化したり、また、国会中はなかなかお話しにならないことが、国会が終わるといろいろな問題が出てまいります。 とりあえず、まず質問の前提として、いまいろいろ財政硬直化ということで問題になっておるようでありますが、大臣にこの財政硬直化の原因というか、まあいろいろありましょうが、一番おもなものをお示しを願いたいと思います。
○水田国務大臣 おもなものはいわゆる当然増といわれておるもの、たとえば地方交付税交付金、国債費、医療費等の社会保障費、ガソリン税等の道路財源見合いの歳出とか、あるいは法律上、制度上義務的に増加を余儀なくされるという経費、これがいわゆる当然増でございますが、そのほかに準当然増ともいうべき経費をあげますと、道路、港湾、治山治水、住宅、下水道、農業基盤等の公共事業費につきましては、いずれも長期計画が策定されておりまして、この計画の進行に伴って増加をはかっていかなければならない事情にあるもの、その他所得や物価の上昇に伴って当然に増加していく経費、生活保護費とかあるいは失業対策費というようなもの、こういうものが財政需要の大部分を占めてしまう。そうして経済、社会がどんどん進歩していくに従って新しい財政需要がたくさんあるのにかかわらず、そういう新規政策的な需要をほとんど満たし得ないというふうに財政の構成がなってきたということを、私どもはいわゆる財政硬直化というふうに見ておりまして、ほとんどいま言ったもう当然に毎年上がっていくという経費が国費の大部分になったということが財政硬直化の現象であるというふうに見ております。
○阿部(助)委員 いまのお話だとわかるのでありますが、宮澤構想が出された、あるいはまた、最近のマスコミといいますか、そういう新聞等のあれを見ておりますと、何かひとりでに、政策でなしに自然に財政が硬直化する、物価も自然に上がってくる、それで一番の焦点は、何か賃金と米価の値上げが一番ガンであるような形で報道せられております。 そこで、私は、いま米価の問題で少しお伺いしたいのでありますが、まず食糧庁にお伺いしたいのは、来年度からは場合によれば当初予算で生産者米価もきめていこうというような検討に入っておるやに報道されております。これだけ問題になっているときでありますから、当然食糧庁も担当のあれとしてその検討をしておられると思うのだが、その検討のいまの段階はどの程度までいっておるのか、どんな構想でやっておるのか、まずお伺いしたいと思います。
○小暮説明員 明年度予算の編成並びに明年度の生産者米価、消費者米価の決定の方法等をめぐりまして、部内で目下慎重に検討しておりますことは事実であります。ただいま御指摘のように、予算の段階から生産者米価を予算上組むかどうかというようなことにつきましては、これまたいろいろと議論のあるところでございます。その方向で検討するというふうに私どもの検討が相なっておるわけではございません。生産者米価、消費者米価、いずれにおきましても、予算上これまでもさまざまな組み方があったわけでございますが、いろいろな場合につきましての利害得失並びに考え方をあわせて検討するということでございます。
○阿部(助)委員 大蔵省もこの検討に入っておるようにお伺いしておりますが、大蔵省のほうの検討はどの程度までいっておるか、担当の局でもけっこうですからお伺いしたい。
○水田国務大臣 単に予算の編成のしかたということだけでなくて、問題はやはり食管制度の改善というような問題も含んでおりますので、したがって、来年度の予算編成については、まず食管制度の問題をどういうふうに改善していくか、また生産者米価、消費者米価についてどういう考えを持っておられるかというようなことは、一応主管官庁である農林省に研究していただくということになっております。そして農林省の意見がいろいろ出されましたら、今度は財政当局としてのわれわれの意見も加えて、来年度の予算編成のときにこの問題をどう扱うかを政府の方針として決定したいということで、いま私どもは私どもとしての一応の検討はしておりますが、まだ全然結論を得ておりません。
○阿部(助)委員 まあそういう御答弁だろうとは想像しておりましたが、これが予算の場合にきめられるとなると、この食管のいままでの生産者米価の決定のしかたが全面的に変わってくるのじゃないか。たとえばいままでは生産費所得補償方式という方式で行なわれておりましたが、予算どきになって、当初予算で組まれるとなれば、当然これは物価に、まあ指数化方式というような形にならざるを得ないだろう。まさか去年の都市近郊の労賃をとるわけにいかないのだ。そうすれば物価をこれにかけていく。ことしの米価審議会でもあれだけ論議があって、それで答申不能になったというスライド制の問題、あるいはまた指数化の問題、こういう問題が出てくるだろう、こう思うわけでありますが、その辺まだ食糧庁のほうも大蔵省のほうもそこまでの検討はなされていないということでございますか。
○小暮説明員 予算の組み方並びにその場合の米価の考え方ということにつきましては、先ほども申し上げましたように、慎重に検討いたしております。ただ、生産者米価の具体的なきめ方につきまして、今後もちろん各方面の御意見を伺いながら慎重に検討を続ける考えでございます。食管法の規定に基づきまして、生産費及び所得補償の考え方に基づいて生産者米価を適正にきめてまいりたいという考え方は、何ら変更はございません。
○阿部(助)委員 そういうことにはならないのじゃないですか。当初予算で組むとなれば、生産費所得補償方式をとるということはできなくなるではないですか。何を基準に、たとえば自家労賃をとろうとするのか、そうなれば、昨年の労賃をとるというわけにはいかなくなる。どうしてもその年の賃金をとるとなれば、それはやはり物価をかけざるを得ないということになりはせぬですか。
○小暮説明員 先ほども申し上げましたように、予算上の米価の取り扱い方も含めて、あらゆる角度から検討いたしておるわけでございます。予算をもって生産者米価を確定するという方向で検討いたしておるわけではございません。
○阿部(助)委員 それは大体いまの見通しでいつごろになるわけですか。最近、この食管の問題が新聞で報道されて、米作農家は非常な不安というか、強い関心を持っておるわけでして、どういう方向かというのはやはりできるだけ早く農民の人たちにも示す必要があろうと思いますが、それはいかがですか。
○小暮説明員 御指摘のようにきわめて大切な問題でございますので、慎重に検討してまいる必要があろうかと思います。今後、予算の編成を通じ、さらに引き続きその後米価審議会等の御意見も聞きながら検討を続けてまいりたいと思います。
○阿部(助)委員 当初予算にのせる方向でやっておるとすれば、当然もう相当なところまできておらねばいかぬし、米価審議会があのような形の米価審議会で、あるいはまた答申ができるかできないかわかりませんけれども、現在まである制度でありますから、当然米価審議会を開くという必要があろうと思いますが、そのめどというのは大体見当がつかなければ予算には間に合わないということになるのじゃないですか。
○小暮説明員 繰り返してたいへん恐縮でございますが、目下慎重に検討しておる段階でございますので、ただいま御指摘のような具体的な段取りについてはここで申し上げる段階でございません。
○阿部(助)委員 大蔵大臣、当初予算にこれをのっけるという考えですか、それとももうことしは見送りということになるのですか。
○水田国務大臣 私のほうとしては、当初予算にこういうものが盛れるかどうかということも検討はしておりますが、そうきめたわけではございませんし、盛らない場合にはどうするかという、幾通りものことをいま考えておりますが、いずれにしましても生産者米価というような問題は農林行政の問題でございますので、最後は農林省と相談をしなければ、予算の盛り方についても、かってに財政当局できめられる問題ではございませんので、私のほうはあらゆる問題について、幾通りもの考え方をいましているという段階でございます。
○阿部(助)委員 これ以上お伺いしてもなかなか出てこないようでありますが、ただ念のために申し上げておきます。前はパリティ方式できめられた。長い間農民の要求で、生産費所得補償方式という形がとられた。しかも、それもいろいろな形で曲げられてはきております。けれども、一応、生産費所得補償方式ということで、農民の米作の自家労賃というのが一番重点に置かれてきたわけでして、それが今度当初予算で盛られるということになってまいりますと、おそらくこれは指数化方式といわれるものと同じように、物価指数をかけていくだろうということになってくると、いままでの米価の算定方式が全面的にこれは変わってくるわけでして、これはたいへん重大な問題だと思うので、その辺のことも十分考慮のうちに入れておいていただ一きたい。 もう一つ、総務部長ですか、食糧庁にお伺いしたいのは、何か食管の赤字というものが財政の硬直化であったり、あるいは米価の値上げが物価の値上げのもとであるような報道がなされておるわけでありますが、食管の赤字というが、その中に、人件費であるとか、あるいは運賃であるとか、あるいはまた証券の金利であるとかいうものは大体どの程度あるのですか。去年の食管の赤字と、その中でその金額が幾らあるかということをちょっと質問したい。
○小暮説明員 昭和四十一年度の決算の場合の国内米管理勘定の中間経費は八百八億、これは集荷経費、運賃、保管料、事務費の割り掛け分、金利の割り掛け分の合計でございます。 八百八億の内訳を申し上げますと、事務費の二百十六億、それから集荷経費百三十五億、運賃百八億、保管料百二十億、金利が二百二十九億、こういうことでございます。
○阿部(助)委員 大臣、いまお聞きのようなことで、食管の赤字というけれども、その中にはこのように、ほかの役所ではちょっとない、食糧庁だけじゃないですか。人件費も独立採算というか、この食管の会計の中から出しておる。それで赤字が非常に大きく目につくようになっておるわけでして、これはほんとうは行政費なんじゃないですか。こういうのをとってくると、食管の赤字というけれども、あれだけの食糧の問題で、たいした大きな金額ではないと思うのですが、やはりこれが何か新聞なんかの論調からいくと目のかたきのようにされておるわけですね。宮澤構想にしても、その後のいろいろな発表においてもそういうことなんですが、いまのまま、食管法をどうしても改正と言われるが、大蔵当局はやはりこれを改正していかなければならないというお考えですか。
○水田国務大臣 物がなくて国民に公平に食糧が行き渡らないというときでございましたら、またいろいろ考え方があろうと思いますが、現在のような状態で、食糧を国民に不安のないように供給するという制度のために国費を、捨てておけば三千億をこすでしょうが、三千億かけてやるということが、全くここで改善策として考究される対象にならないかということは問題でございまして、これは当然私どもとしては、本制度の効率化と申しますか、合理化と申しますか、これはもう少し真剣に研究すべき問題だというふうに考えております。
○阿部(助)委員 何か物価が上がってくる、逆にいえば貨幣価値が落ちていくということが、ますます公共料金の問題や食管の問題になってくるわけでありますが、農民や労働者の場合には、いやがおうでも政府に、税金の面でもいろんな面で協力させられておるわけですし、結果としてはしておるわけです。ところが、それで物価が上がってきたとか財政が硬直化してきたとか、何か自然現象かそういうような形で言われても困るわけでありますが、政府自体それに対して、ことに大蔵財政当局ではその責任というものはどのようにお感じになって——その原因を十分に究明し、責任を明らかにしなければ、次からの対策というのはほんとうは出てこないんじゃないか。まさか場当たりでやっておるわけじゃないとすれば、その責任と原因究明というものはやはりきっちりとする必要があると思うのですが、その点について、まあ水田さんは池田内閣の高度成長のときに大臣でおられましたし、いままたこういう段階での大臣をしておられるわけでありますが、その点での責任とその原因究明というものはどういうお考えでおられるわけですか。
○水田国務大臣 財政硬直化の問題はさっきお話しいたしましたが、私はこうなった原因がこの食管制度であるというふうに考えているわけではございませんで、もう経費の当然増というようなものがこうなった原因というものは、これは御承知のとおりいろいろございます。私どもはこれを一番よく経験しておりますから存じておりますが、ちょうど日本のインフレを押えるためにドッジさんが来られて、日本の予算編成の指導をされましたが、あのドッジさんの指導によって日本のインフレがおさまっただけ、別にいろいろな問題を起こしてきました。戦後であるし、特に荒廃した国土の復興が急務であるにかかわらず、そういうものが全部おくれてしまうということについては、これは国会としても非常な関心を示しまして、国会としてどうしてこういう経費を確保するかということについて、司令部の管轄にあったこの予算を編成するというためには、国会が、こういう予算、こういう経費は盛らなければならないという法律を出して、法律で縛ることが一番いいじゃないかというようなことで、経費の予算計上を縛る法律というものが昭和二十七年ころから非常にたくさん出てきて、当時こういう立法について、はたしてこれでいいか悪いかということはずいぶん論議された問題でございましたが、必要に迫られて、国会の与党、野党はみなそれに同調してやったという経験がございますが、いまから考えたら、やはりこれらが財政硬直化の一番の大もとをつくったことであるとも私は考えています。(発言する者あり)その功罪を言うわけじゃありません。こういうことによって、当時非常におくれた公共投資というものが確保されたり、いろいろな形で今日の日本の経済の成長を得られたという大きい功績はあると思いますが、この功績は同時に財政硬直化の原因をつくっているということは争われないことでございまして、私はこれをいいとか悪いとか言っているのじゃないので、こういう原因が積もり積もってここに来ている以上、ここらでそういうものについてどうするかということを、今後この予算編成において考えていかなければならぬ時期にぶつかったというふうに感じておるのでございますが、原因はたくさんで、そういういろいろな近因、遠因の累積が今日の硬直化を来たしておるんだというふうに私は考えております。
○阿部(助)委員 もう時間がありませんので、この問題深くは入りませんが、何かドッジ・ラインが責任であったり、国会がとおっしゃるが、わが党は、いつも修正案を出したり組みかえ案を出したりするが、一ぺんも採用されたことがない。これはあげて自民党政府の責任だとこう思いますけれども、この問題は省きまして、時間がありませんので、国税庁長官にお伺いしたいのであります。 この前の選挙は、金と政治家とのくされ縁を断ち切るというのが主要なテーマでありましたし、政治家に対する課税の問題がいろいろ疑惑を呼んでおるということは御承知のとおりであります。それで、たまたま自民党の大ものが、河野さんがなくなられたり、池田さんがなくなられたり、あるいは大野さんがなくなられたりしておるわけでありますが、聞くところによると、そのうちの大ものの相続税がいろいろともめておるやに聞いておるわけでありますが、どの程度の相続税を取ってきたのか、終わらないところはいまどの段階であるのか、それをちょっとお知らせ願いたいと思います。
○泉説明員 御承知のとおり、相続税に関しましては申告書の公示の制度がございまして、課税財産価格二千万円以上の場合には申告書を公示いたしますが、それ以外につきましては、私ども税務職員として知り得た秘密を漏らすわけにまいりませんので、その点をあらかじめ御承知をお願いしたいのでございます。 それで、いまお尋ねの方々につきましては、それぞれ申告書が出ておりまして、その申告書に出たところに基づきまして、本年度において調査を進めておるわけであります。そのうち二件につきましてはほとんど調査を終了いたしました。一件について目下調査が進行中でございます。
○阿部(助)委員 それは公示以下なんですか、それ以上なんですか。それと、私も聞いておりますけれども、千万台なのか、億台なのか、その程度はしゃべってもいいんじゃないですか。
○泉説明員 それでは当初申告で申し上げますと、大野伴睦氏の場合には、課税財産価格の申告額は六千四百六十四万円であります。河野一郎氏の場合には、課税価格の申告額が四億九百三十七万円。池田勇人氏の場合は、課税価格の申告額が九千八百三十二万円、こう相なっております。
○阿部(助)委員 これで終わりますが、話によれば、私の聞いておるところでは、いろいろもめておるそうであります。政治家に対する課税というのはいろいろと国税庁のほうもむずかしい問題があって、なかなか難航しておるようでありますが、ことにだれ大臣は、昔関係の派であったとか、いろいろな義理人情もあろうとは思いますけれども、国民の疑惑のないようにひとつ厳正な態度で臨んでいただきたい。ことに私の聞き及んでおるところでは、初めは何か一千万台の課税だったが、いろいろやっておるうちに億になってきたというような話もありまして、もしそれがほんとうだとすると、三千万と四千万の差であれば多少の間違いということも認められるけれども、飛躍的にマルが一つ多くなるなんということになると、これはちょっとの間違いでは済まされない質の違いだということにもなりかねないので、その辺慎重に、国民の疑惑を受けないような形で進めていただくことを要望して、私の質問を終わります。
○内田委員長 永末英一君。
○永末委員 先ほど大蔵大臣は、財政は硬直化しておる、何とかこの辺で正さなくてはならぬと思っておる、こういうことを言われました。その正す方向の内容をひとつお知らせ願いたい。
○水田国務大臣 これはよってくるところが非常に遠いものでございますから、来年度の予算編成で一ぺんでこういうものが正せるというふうには考えておりません。こういう方向でやはり解決していかなければならぬという、その芽を来年度の予算から出したいというふうに私は考えて、いろいろのしかたをいま考究中でございます。
○永末委員 窮屈になったのだから、とるものはたくさんとりたい、出すものは少なくしたい、こういうことが基本的な考えのように思いますが、そんなことを考えておるのですか。硬直化ということは、やりたいこととやれる量とを比べた場合に、その差がなくなっておる、窮屈になっておる。したがって、大蔵大臣としては来年度予算を組むにあたって、国民からもっととりたい、それから出すものは減らしたい、こういうことを考えておられるかどうか。
○水田国務大臣 硬直化対策というものはそういうものでございませんで、予算に対して新規政策を随時実施できるような弾力性を予算の中へ持たしたいというのが硬直化対策でございますので、別になるたけ歳出を減らして、そうしてとるものはとろうという考えではございません。弾力性をいかにして予算につけるかという問題だと思います。
○永末委員 弾力性がなくなった原因は、われわれはあなたの先輩——あなたもその一人だけれども、歴代の自民党の大蔵大臣なり総理大臣がめちゃめちゃな、あとは野となれ山となれ、新規政策らしいものをやって、国民の税金を乱費に近いような形でやってきた、その最終決着点がいまのような形になっておる。ただその中で、とるものはそうとらぬのだ、こういう御意見がございましたが、あなたは五月ごろに売り上げ税の創設をやりたいというようなことを発表をいたしました。そこで、町では売り上げ税は新設されるのだと反対運動が起こっておるわけですね。ところが、これの対象になりそうな業者は、あの悪評高かった取引高税を思い起こしていわば悩まされておる。あなたはどういうつもりで言われたか知りませんが、来年度予算に売り上げ税なんというものを創設される御意思はございませんね。
○水田国務大臣 当然長期的な税制という観点から検討する必要はあるとあのとき申しましたが、したがって、いま税制調査会にもお願いしてこれを検討しておるという状態でございますが、こういう新しい税制がそう準備なしに簡単にできるものではございませんし、来年度これを実施するというような運びにはとうてい至らぬものと考えております。
○永末委員 税制調査会は、昨年度もこういうことはやるべきではないという答申を出しておる。それにもかかわらず、いまのおことばですと、またことし考えてくれろというようなことを言われたらしいですか、いまのあなたの判断では来年度は実施できないということですが、それは確認をいたしておきます。物品税の拡大も考えませんね。
○水田国務大臣 同様税制調査会の検討事項でございます。来年度の税制についての検討をこれから税制調査会が始めるという段階でございますので、まだ税制調査会でもやっておりませんし、したがって、私どものほうも物品税をどうするかという方針をいまのところきめていないということでございます。
○永末委員 あなたのこれまでのやり方を見ておりますと、居合い抜きがうまいですね。刀を抜かない、抜かないと思っておるうちにすぱっと抜いてやってしまうという例があるわけです。それを心配しておるわけですから、あなたのほうはいま物品税をやろうという意思がない、抜く意思はありませんね、もう一ぺん確認しておきます。
○水田国務大臣 やはり消費についての抑制というようなことから、当然来年度あたりはこういうものが税制調査会の議題になるというふうに私は考えております。しかし、どういう結論が出るか、また、その結論があっても政府としてわれわれがそれをするかしないかということはこれから考える問題でございまして、いまのところまだ何とも考えを持っておりません。
○永末委員 私伺ったことは、税制調査会がどう考えているかを伺ったのではない。あなたが大蔵大臣として在任中は、そういうことを税制調査会に考えてくれろ、こういうことはお言いになりませんね、これを聞いておるわけです。お答え願いたい。
○水田国務大臣 この物品税の課税範囲の拡大といいますか、現在の物品税を強化するということになりますか、こういう点について私は具体的にいまのところ何も考えておりません。
○永末委員 売り上げ税と物品税はわかりました。 そこで、ちょっと角度を変えまして、地方団体がいま戦々恐々としておりますのは、どうも交付税率がそのままでふくれていくとしますと、交付税の対象になっておる三税が上がってくれば分量が上がる。それがどうも財政硬直化の原因であるかのごとく喧伝せられる。そこへ、どうも来年度は大蔵省としては交付税率を引き下げたり、あるいは交付金の一部を凍結をしたりしたいような気配が見えておるというので、地方団体としてはいわばこの予断に対して苦しんでおるわけでございます。そういうお気持ちであるのですか、伺いたい。
○水田国務大臣 さっき財政硬直化についてどうしようというのだという質問がございましたが、硬直化に対する解決策はあらゆる部門にわたって考える必要があると考えまして、いま私どもは当然増とされておる経費についても再検討をしておるという段階でございますので、いま言われました物品税というような問題についても当然考えておりますし、どうそれをするかということはこれからの問題でいまきわめていないと言ったと同様に、交付税の問題も当然検討すべき問題でございまして、三税についてこういう形で地方へやるのがいいのか、全体の税収に対して何%という形でやるのがいいのかというようなことも、当然ここらで検討すべき問題だと思いますので、これは検討しております。しかし、来年この問題を急に変えてどうこうするということができるかできないか、これは別の問題でございまして、まだ私どももこうするとはきめておりません。しかし、あらゆる問題についていま検討しております。
○永末委員 あらゆる問題で御検討中でございましょうが、われわれもあらゆる問題で検討しておって、その中の一番焦点の当たりそうなところをきょうは伺っているだけで、したがって、いまの御答弁を私のほうの角度から整理いたしますと、交付税の問題は三税対象であったけれども、三税にかかわらず全国税の収入に対してある一定の分量か、一定の歩合を考えることも大蔵省は考えておるが、現在のところ、来年度予算編成についてドラスティックな変化は考えない、こういうことで了解してよろしいか。
○水田国務大臣 さっき申し上げましたように、まだこの論議の一つもしていないところでございますので、いまのところ何とも申し上げられません。(「検討はしているの」と呼ぶ者あり)検討はしています。
○永末委員 していないという御答弁をいただきました。そこで、われわれが心配するのは、居合い抜きでございますから、急にはひとつやらぬように……。 そこで、もう一つの問題に移りますが、窮屈になってきたというので、政府は財政新時代というので国債を出しました。その場合の国債発行につきましては、われわれ民社党としては、これは完全に建設的用途に使われること、そして完全にいまある民間資金によって吸収せられること、この二つの歯どめが完全に行なわれるならば必ずしも反対するものではないということでこの国債発行を見てまいりました。ところで、伺いたいのは、すでに国債発行して二年以上になっておるのでございますが、これが一応民間引き受けといわれながら、結局買いオペの対象になって、日銀がこれを、いわば回り回って現在保有しておる、こういう現象が非常に顕著にあらわれてきたと思うのです。ひとつこの委員会で、民間引き受けになった国債が回り回って日銀にどのように保有されておるか、この現状を明らかにしていただきたい。
○澄田説明員 日本銀行の国債に対する買いオペレーションの現状を申し上げますと、御承知のとおり日本銀行は、金融の繁閑によって、必要な資金不足の場合にその必要な資金量を買いオペレーションによって調節する、かような処置をとっておるわけでありますが、その際の対象証券は国債、それから政府保証債ということになっております。しかも、これは市中消化されて一年以上経過をしているもの、そういうものをオペレーション適格な債券として買いオペをやっておるわけでございますが、いままでの買いオペを行ないました状況は、本年の二月と六月、それから七月、八月と四回行なっておりまして、本年二月、これは国債を初めてオペレーションを行なったときでございます。そのときに六百五十三億、それから六月が七百九十八億、七月が九百九十八億、八月千三百四十七億、合計いたしまして三千七百九十六億、約三千八百億でございますが、それだけ買いオペレーションをいたしております。この間、四十一年の一月から現在までの国債の市中消化の累計額は一兆一千八百五十億でありまして、このうちの約三千八百億を買いオペレーションをいたしておる、かような状況でございます。
○永末委員 いままで伺ったところでは、国債発行後一年経過したものを買いオペする。ところが、最後に言われたのは四十一年一月から現在までの市中消化分。それでは計算が合わぬのですから、一年経過分はどれだけでしたか、それと買いオペで買い込んだものとの比率をちょっと教えてください。
○澄田説明員 御指摘の点はそのとおりでありまして、市中消化の累計として一応一兆一千八百五十億と申し上げました。そのうちで発行後一年未満のもの、オペレーションの適格とならないもの、これが四千七百五十億ございます。したがいまして、差し引きオペの適格債券は七千百億ということでございまして、七千百億中三千七百九十六億をオペレーションとして買った、かような数字に相なるわけでございます。
○永末委員 ただいま七千百億が買いオペの対象だと言いましたけれども、そうじゃないのでしょう。現在のところ、銀行が保有しておるものは買いオペの対象になっておるが、市中消化といいましてもその他の消化が含まれておるから、結局銀行に引き受けさしたもので一年経過というものを見ないと数字が合わぬのと違いますか。
○澄田説明員 先ほど私が申し上げました過去四回の国債の買いオペレーションは、必ずしも市中銀行が保有しているものだけでなくて、証券会社手持ちの分、それからもオペレーションをいたしておりますので、いま申し上げました数字がオペ適格の全体、かようなことでございます。
○永末委員 私が申し上げましたのは不正確でございました。あなたのおっしゃるとおりだと思うのです。そこで、市中銀行の部分と市中銀行以外の部分とを分けて数字を明らかにしていただきたい。
○澄田説明員 日本銀行のオペレーション、先ほどの三千七百九十六億のうちで、いわゆる金融機関以外のものから買ったオペ——それ以外は全部金融機関に入るものでございますが、いわゆる金融機関以外のものから買いましたものは二百四十三億でございます。
○永末委員 それと相対する消化したほう、つまり金融機関とそれ以外のもの、それを示してもらいたい。
○澄田説明員 先ほど申し上げましたオペ適格債七千百億、そのうちで金融機関以外のものが保有しておりますのは、これは十月末現在で千二百七十六億ということになります。したがって、この千二百七十六億に対して二百四十三億のオペが行なわれた、かような数字になっております。それ以外は金融機関である、かようなぐあいになっております。
○永末委員 いまの事情で明らかになりましたように、結局金融機関だけをとりますと、大体一年経過したもので買いオペの対象になるものが約五千八百億程度、その中ですでに三千五百億程度が買いオペの対象になって日銀に回っておるということが確認をされました。大体比率にしてこれは約七割程度だと思います。そこで、大蔵大臣、大体国債を発行するときには、日銀引き受けはいたしませんというのが大きな声で言うたあなたの方針あなたの前の人ですけれども、あなたもその方針を継いでいる以上はあなたの方針だと思うのです。これはどういうことですか。一年たったら七割程度が日銀に回っておるという状況が続いているということは、最初、これは日銀引き受けではございません、そんなことをやればインフレになるおそれがございますからそんなことはやりませんと言いながら、買いオペの対象になっているというクッションを通じながら、すでに七割程度が日銀に回ってきておる。結局のところ、一年後の停止条件つき日銀引き受けの国債を発行しておる、こう見られてもしかたがない現象が起きております。大蔵大臣は一体こういう現象を通過していいとお考えかどうか、お伺いしたい。
○水田大蔵大臣 日銀が引き受ける国債の消化のしかたと、一ぺん市中消化をして一年たってから日銀がオペで買うというやり方については、本質が全く違っておりますので、その点は前々から十分御説明申し上げておるとおりでございます。必要通貨の供給方式として従来はいろいろのことをしてまいりましたが、今度新しいやり方としてこういうオペによって供給するということをしたのですから——従来はこのオペの対象というものがなかったので、ほかの方法で必要通貨の供給をしたという事情もございますが、こういうふうに国債を発行いたしましたので、一年たったものをオペの対象としてやはり必要通貨を供給するという形は、これはやむを得ないことであります。形としてはむしろ従来よりいい形になっておるのではないかとさえ私は考えているところでございます。
○永末委員 大体年末から年始、特に寒い間には金融が縮まるわけでありますから、したがって、その間にはまた買いオペが行なわれる。そうすると、いまは七割程度でございますけれども、またふくれ上がってくる、こういうことは当然予想せられる。あなたは直接に日銀引き受けの場合と、一ぺん民間の金融機関に引き受けさせるのであるから本質的に違うとおっしゃったけれども、結局のところ、大体一年という期間を別にいたしましたら、引き受ける側は、引き受けるときは苦しくとも、一年後にはこれは日銀が引き受けてくれるのだ、こういう意味合いでそれを引き受ける。結局、一年経過という条件つきの日銀引き受けが実質的に行なわれる、こういうことになるとするならば、日銀が買いオペで買う分量というものに対して何らかの制限をしなければ、これは初めから、先ほど申し上げましたように、日銀引き受けを予定しつつ国債を発行しているということと本質的には変わらぬ問題だと私は思いますが、その制限を付する気持ちはあるのですか、ないのですか。
○澄田説明員 私からお答え申し上げます。 御承知のように、日本銀行が金融調節をするときには、そのときの市中の資金の状況を見まして、その資金の不足量というものをオペレーションする。オペレーションの対象とする債券は、最も信用度の高い金融機関の手持ちの債券というものを買いオペをするか、かようなわけでありまして、あくまでオペレーションをするときの市中の資金需給の状態を見て、金融の繁閑、通貨の状況というようなものを見まして、必要量をオペレーションする。そのオペレーションの対象とする債券の選択については、最も信用度の高いものからこれを選ぶというようなことで、国債、政保債というようなことにいたしておるわけでありまして、決して資金の必要量、資金不足量というものをこえてオペレーションをするわけではありません。当然そのオペレーションの数量というものは市中の状況によって制約をせられている。また、そういうものであってしかるべきでありまして、そういうふうな形でオペが行なおれておりますので、これに制限を付するというようなことは、当然にそこに制限があるわけでありますし、必要のないことである、かように存ずるわけであります。
○永末委員 オペレーションだけを取り上げれば、それはそのとおりです。私が大蔵大臣に聞きたいのは、いま国債を発行してからすでに二年以上の経過があって、そしてその発行した国債の足取りというものがわかってきたわけだ。だから、銀行局長が日銀と相談をしてどうするか知りませんが、そのときの買いオペはそれでやるのはあたりまえであって、一番信用度の高いものが国債でなかったら困りますね。信用が高くてあたりまえだ。このごろは値段が低いですがね。ただ、われわれが聞きたいのは、日銀引き受けではございませんと言いつつ、結果的にそうなっておる。それを野方図にそのまま認めるならば、いまは七割でございましょうが、もし二月ごろやってまた一千億とかぱっと出せば、一年経過ものがほとんど入ってしまう、こういう形になる。それを外から見ておるわれわれからすれば、なるほど一年の期限つきだけれども、大体国債はそう流れていくのだ、こういうつもりでこれからあなたのほうが発行する国債というものを見なければならない、こういう気持ちになるわけだ。したがって、その意味合いで一年経過したものはもう買いオペ対象可能物であるからどんどんやってよろしいといって、無制限に一〇〇%でも日銀がオペの対象にするのだ、こういうつもりなのか、それとも、民間引き受けというようなことを大きな声で言われた以上は、その辺に何らかの歯どめをしようというお考えなのか、大蔵大臣から伺いたい。
○水田国務大臣 問題は、国債の市中消化の状況に無理があるというようなことでございましたら、これは国債の発行量を制限する、削減するということが必要だということをあらわしていることでございますので、そういう意味で、いまおっしゃられるような問題は、やはり国費の一〇何%という公債の依存率というものが、すでに相当異常な形でございますので、私どもは今後これをできるだけ量を減らすということがやはり対策の基本だというふうに考えていますので、いま苦心しているのは、それを中心とした問題でございます。
○永末委員 引き受けのときの引き受け側が困難かどうかという問題は、いまのように一年たったものが買いオペにするするいくのだということになれば、あっちがそれを計算してやりますから、困難かどうかの計算の基礎はぼくは変わってくるかと思う。ただ、あとでそれを聞きたかったのでありますけれども、国債依存度が現在のところ異常だと言われておる。あなたは下げるつもりですね、これを伺っておきたい。
○水田国務大臣 下げるつもりです。
○永末委員 どの程度まで下げるつもりですか。
○水田国務大臣 いま一応の見当はつけて作業はやっておりますが、まだ正確な数字はちょっと……。
○永末委員 これはやはり明らかにしていただきたい。われわれがあなたのほうの国債政策を見る場合に、大体どういうかまえで出ておるのかということをはっきりしませんと、財政が硬直しているのかどうか、これに対して政府が責任ある弾力性を持たせようとしておるのかどうかがわかりませんから、きょうお答えできなければ近い機会に、国債に対する財政の依存度はどんなもので進みたいと思うかという自民党内閣の方針をひとつ国民の前に明らかにしていただきたいと思います。 時間がございませんから、最後のお尋ねをしたいのでありますが、財政硬直化の一つの原因として、政府出費、義務費が多いというような問題があろうかと思います。それかあらぬか、佐藤総理はアメリカに飛び立つ前に最後の閣議で、イタチの最後っぺみたいに、ひとつ行政整理をやれ、各省一局を減少せいということを言われた。大蔵省は何局をやめるおつもりか、お答え願いたい。
○水田国務大臣 きょうの閣議で、各省大臣は来たる二十一日の九時半までに、どこをどうするというものを内閣官房長官に出すというお互いの申し合わせをしましたので、二十一日までには何局をどうするという方針をきめたいと思います。
○永末委員 それは内閣総理大臣が日本へ帰ってくる前でございますから、その答案のいかんによっては留任かどうかがきまるかどうか、私は知りませんけれども、それでは、きょうの段階でお答え願うことはむずかしいですね。しかし、断固として一局減らしますか、それだけひとつ伺っておきたい。
○水田国務大臣 率先して減らします。
○永末委員 質問を終わります。
○内田委員長 田中昭二君。
○田中(昭)委員 まず大臣に、久しぶりでございますがお尋ねしたいと思います。 政治家の税金還付についてでございますが、この問題につきましては、大臣も当委員会において、国税庁の申告指導の誤りであった、だから直ちに調査をする、また近く処理されることになっておるとか、また調査ができたので適切な処置をとりたい、このように答弁されております。その後、いままでこの委員会におきましても、大臣から何の説明もされておりません。そこで、先日の税制小委員会で、私の質問に対して泉国税庁長官は、みずから国税庁の指導の誤りである、ミスであったとして深く陳謝しておられました。ここで問題をはっきりするために申し上げるわけですが、その重要な点を申し上げますと、国税庁が法規に従ってその説明書、参考の書類まで配って還付ができることを知らせたわけであります。 〔委員長退席、吉田(重)委員長代理着席〕 申告書はそれに従いまして、再度国税庁の係官に電話までして確認の上に、税金を還付してもらったのです。その一ぺん還付してもらった税金をさらに取り上げたのです。その取り上げ方にも問題がありますが、それはあとに譲るとしまして、そこで一番の被害者は政治家の該当者であります。また、善良なる納税者並びにその納税意識を傷つけ、政治に対して一そうの不信を抱かせたことは間違いない。当時の世論としましても、その結論は私がここで申し述べるまでもありませんが、国会の名誉のためにも、議員の品位保持のためにも、その責任を明らかし、その詳細なる実態並びに該当者の氏名を一人一人でも発表していくのが正しいという世論であったと思うのです。詳しいことは省きまして、ここで大臣に、このようなことに対する責任はあると思われますか。まさか私の知るところでないということはおっしゃらないと思うのです。この問題は、そうすれば、どのようにするならばその責任を果たすことができるのか、その方法をお伺いしたい、その処理されたことについて、結論の責任はどうすればよいのか。再度念を押しておきますが、その答えの次第によりましては、最後まで私はこの問題については追及していくものでございます。 以上、その最後の責任を大臣としてどのようにとるのが正しいこの問題に対する結末であるか、その結論だけをお伺いしたい。
○水田国務大臣 いま御指摘を受けましたように、所得税の申告について、税務当局の指導が明確でなかったという点があったためにこういうことを起こしましたことは、非常に私は遺憾であると存じています。したがって、この還付を受けた議員の名を公表云々というようなことがございましたが、これは議員の責任ということばかりではございませんので、むしろこういうものは発表しないで、われわれのほうの手落ちであったということで御了解を得てこの問題の結末をつけるということのほうがいいと存じて、いまそういうふうにしておりますが、しかし、今後こういう問題をまた再び起こすことは困りますので、やはりここで税制上こういう問題が起こらないように、はっきりここで解決することが必要であるというふうに考えて、この問題の検討をただいましておるというところでございます。
○田中(昭)委員 その議員の名前を発表することだけにこだわってはおらないわけなんです。その国税庁の誤り、並びに大臣としましても、その誤りをそれでは内部で処理することにおいてその責任が果たされるか、その内部でのやり方も問題があるのです。大臣はどの程度そのことについて長官並びに係のほうから聞いておるか知りませんけれども、この問題は、もしもこのままでそのような状態でいくならば、今後に大きな禍根を残すということを申し上げてもけっこうです。事実その処理をしたためにどの議員さんはどのように困った、ただそれだけでその処理をするということが済むかどうか。そういうことでなくて、私は、これは当委員会でも、いままでのいきさつからいきましても、当委員会並びに理事会にでもはかって、そうしてある線を打ち出して、その線に沿って処理するのが正しい筋じゃないか、こう思うのです。聞くところによれば、当委員会にはそのようなお話はない。理事会でもない。ただ、理事のほうに国税庁のほうからいろいろ相談に行った、そのようなこともありまして、この委員会以外の国会の中において、その問題をそのままにしていきたいということは、この問題はこれで打ち切ってあやふやにしたい、そういうことまで話し合いがされたということを聞いて、私は当委員会でいろいろ大臣にもお尋ねして、大臣もはっきりと国税庁の誤りがあるということにおいて、そういう姿勢でいっておるものに対して、そういう委員会以外、理事会以外でそのような話し合いがあったということも、いま御存じないようでございますね。それであればなおさらでございます。私はこの問題について、国税庁が内部的な処理によってやることは、かえって今後問題を残すと思うのです。ですから、もう一回、その問題に対してはどうすれば一番だれも傷つかなくて、そして納得のいく解決ができるか、その方法をもう少し考えてもらいたいと思うのです。
○泉説明員 本件の処理につきましては、田中委員御承知だと思いますが、なるほど正式な理事会は開かれませんでしたけれども、政治活動に伴う必要経費をどういうふうに収入から引くべきかという問題につきまして、各党の理事の方にいろいろ御相談いたしまして、その方々の御了承を得ましたので、そういう方針で処理するということにいたしたのでございます。なお、当委員会以外のところで事をあやふやにするというような御発言がございましたが、決してそのようなことではないのであります。そういう明確な方針のもとに処理するということになっておるのでございます。ただ、その氏名を公表するかどうかという点につきましては、これは国税庁の間違いでもありますし、議員の方の責任というわけにまいりませんので、その氏名は公表しないと、こういう扱いになったのでありまして、事をあやふやにするという趣旨では毛頭ございませんことを御了承いただきたいと思います。
○田中(昭)委員 私は国税庁長官と話しておると、そういう問題だけでは終わりませんよ。あなたとは税制小委員会でも話したように、事を解決する方法はあるのです。あなたと話しておると専門的になりまして時間がだいぶ長くかかります。あやふやなということばを使いましたけれども、じゃ当委員会以外でそういうことをやったということを大臣に報告しておりますか。そういうことになります。ですから私は、それは大臣もいまお聞きになって、とにかくこの問題をどうすれば一番いい解決法になるか、これを大臣に聞いているのです。あなたに聞くことはまた別にあります。主税局長もおいでになっておりますから準備しております。ですから、まず大臣からどういう方法が一番この問題の解決の妥当な方法なのか、これはここだけじゃないのですよ、国民も知りたいのです。知らしてなりませんか。国民に迷惑をかけたということについて責任を持たぬでいいのですか。そこを私は言いたい。ただ、ここの委員会なり議員なり、また政府の部内のことだけであるならばそれで済みます。しかし、それでは済まない。私も九州をずっと回っていろいろこういう話が出ましたときに話をしますと、それだけではこの問題は済みませんよ。そういうことからもう一ぺん大臣のひとつこれに対する正しい解決方法をお願いしたいのです。
○水田国務大臣 私がこの問題の報告を受けておりますことは、最初の方針どおりでございまして、誤った場所は訂正する、そうして正確な計算によってやはり戻していただくものはいただく措置をとる。ただ、時期の考慮とかいま言った氏名の発表とか、こういうものは当然われわれとしてすべきものだと思いますが、これをうやむやにするということではございませんで、皆さん方の関係された各党の理事の方の意見も聞いて、正しい計算によってこれを処理するという方針は少しも変わっておりません。
○田中(昭)委員 どうも先に進まないのですが、なぜその氏名を発表して明らかにすべきであるかということの起こってきた問題をもう少し考えてもらいたいのです。これはあくまでも私はそれの方法しかない。何もそれを外部に、国民に、こういう議員がこういうことになりましたなんと言える柄じゃないんですよ、政府は自分たちの間違いなんですから。先ほど申し上げましたように、説明書まで渡して、そうして再度議員もおかしいと思ったから係官に尋ねて——国税庁の人間が法律をつくっておるようなもりなんです。税金のことは、特に国税庁の役人がこう言えば、だれもああそうですが、そうなるのです。そういうことから考えれば、私は必ずしも氏名を国民に全部発表するというような方法でなくても方法があると思うのです。 そこで、もう一回大臣に申し上げておきますが、私が当委員会以外でと申し上げましたが、それはあとでよく長官にいきさつを聞いておいてください。ことばのあいまいな点、ことばだけをとっていけばおかしいかもしれませんが、その事実はあったのです。その事実に対するそれじゃ目的は何なのか、その目的を私は言っておるわけです。目的の表現をあらわしたのです。そういうことにすぎないわけです。もう一回、大臣その点について……。
○水田国務大臣 その後の経過を特によく聞きまして善処します。
○田中(昭)委員 それじゃ主税局長にお尋ねしますが、この政治資金の「雑所得については損益の通算を行なわないことが至当ではないかと考量される。」このように結論しております。これは前塩崎主税局長がこの問題につきまして、いろいろ苦心して、私たちに一応の説明を持ってこられました。この書類の中にあるのです。そうしますと、いま申し上げたようなことが主税局の結論であります。いいですか、「損益の通算は行なわない」、これが結論です。ところが、現に国税庁においては、その反対に損益の通算を行なっている。そのために納税者は二重の苦しみを受けておる。主税局長はそのようなことを知っておるのか、知っておられると思いますが、知っておるとするならば、そのように主税局と実行機関において間違った見解の行政が行なわれておる。これは一体だれの責任でしょう。そのしりぬぐいはいつも国民にしわ寄せされている。納税者に迷惑をかけておる。その責任は一体だれがとるべきか、はっきりとお答え願いたい。
○吉国説明員 ただいま抑せになりましたが、雑所得の損失を他の所得から控除することができるかできないか、一般論といたしましては、これは当然税法上に通算できる。これは税法上は明らかに通算できるわけです。塩崎前局長が通算すべきではないという見解を示したと、いま仰せになりましたが、これはおそらく私の——私自身まだ実は引き継ぎを十分に受けておりませんので、想像でございますけれども、立法論として、雑所得の中にもある程度性質の異なる所得があるので、それについては通算をしないことにするのが適当であるという見解を表明したものであると私は理解しております。(「現行法ではどうなんだ」と呼び、その他発言する者あり)
○細見説明員 当時のことでございますから、私がちょっと補足させていただきます。 現行法では、いま主税局長申しましたように、通算できるわけでございますが、将来の問題として、政治家のいろいろ政治的な収入、それに伴ういろいろな政治的な経費というようなものを、かりに雑所得とすれば、これは通算しないほうがよくなかろうか、こういう意味で立法論としてそういうことをおはかりすることも考えますということを塩崎が申し上げたわけであります。 以上、補足だけ申し上げます。
○田中(昭)委員 少し勉強不足ですね。大体こういう問題を局長が引き継ぎを受けていない、そんな簡単な問題ですか、これはそんな小さな問題ですか。それで先ほど申し上げたのです。いま細見調査官からいろいろ話がありましたけれども、政治資金を雑所得にすることについての問題なんである。ここにはっきりありますよ。いろいろなことを想定をして、そうして政治資金の雑所得については損益の通算をしないのが至当であると考えると書いてある。それで私の聞いたのは、そのように行政官庁において主税局はこう言い、国税庁はそれと反対のことをやって、そうして苦しむのは国民なんだから、それはどうするのか、そこが問題なんです。ここで雑所得の論議をしておるのではない。いいですか、わかりますか。その点をお答え願いたいのです。
○吉国説明員 ただいま細見調査官からも御返答申し上げましたように、立法論としては、仰せのとおり政治家の所得についてもっと明確な処置をつけるべきだと私は思います。したがいまして、現行法で四十一年度の所得税につきましていろいろ混乱が起きたということにつきましては、政治家の所得、政治家の経費というものの特殊性が、現行法では十分に処置し切れない点があったということも考えられますので、そういう意味で現在私どもといたしましても、この所得に対する考え方を立法上整理をいたしたい、かように考えまして検討いたしている次第でございます。
○田中(昭)委員 そういう行政の面において、主税局と国税庁との見解の相違、それが実際実行されて、そのためにいろんな問題が起こった、この問題に対しては主税局としてはどうですか。そこを聞いているのです。
○吉国説明員 ただいま申し上げましたように、立法論として述べておりますので、現行法としては解釈の違いはなかったと私は思っております。
○田中(昭)委員 これ読んでみましょうか。途中からですが、「しかし、政治家の活動というものは、収入をうることを目的とするものではなく、政治活動を行なうことを目的とするものであることを考えれば、対価性のあることをその属性としている雑所得の範ちゅうに政治家の所得を入れることには、若干の疑問が残る。」そのあとには、はっきり「雑所得については損益の通算を行なわないことが至当ではないかと考量される。」これが主税局の見解なんです。「対価性のあることをその属性として」というような問題がありますが、これには、先のほうにありますが、「非営業貸金の利子、身元保証金の利子、会社役員の勤務先預け金の利子、作家以外の人の原稿料、郵便年金、果樹・家きんから生ずる所得で事業の程度にいたらないもの、生計簿記入者のうける謝礼等が含まれる。」こういう、つまり対価性のある所得、収入を得ることを前提とした所得、こういう判定で雑所得の範疇に入れておった、こういうことなんです。ですから、そこでいまの主税局長の答弁は、一番初めの答弁から——この問題につきましては国税庁も一生懸命になってその問題の処理に当たっている重要な問題なんです。それを引き継いでなかった、そういう出発点から私は間違いのあることを指摘したい。そういう点は十分引き継ぎも受け、検討もしなければ、税制の改正、そういう方向について誤るんじゃないかと私は思うのです。もう一ぺん主税局長の——主税局と国税庁の内部で処理したものが違っていることは事実なんです。その点を聞きたい。
○泉説明員 主税局長新任でございますので、従来の経緯をよく御存じないので、私から便宜申し上げますが、田中委員が仰せられましたように、政治家の所得に対する課税の方法をどうすべきかということにつきまして、当委員会の理事の懇談会が開かれまして、その席上前の主税局長塩崎から配付いたしましたのがいまの文書でございまして、この文書は現行法の解釈論というよりも、むしろ政治家の所得に対する課税はいかにあるべきかという立法論の見地から述べられておるのでありまして、したがって、現行法の解釈といたしまして、もう何度も申し上げておりますので、繰り返すようで恐縮でありますけれども、給与所得だけの場合には政治活動に伴う必要経費を控除することはできない。もっとも、その場合に非課税の通信交通費とそれから給与所得控除、これでまかなうことのできる部分はありますけれども、それ以外に必要経費の控除は認められない。しかし、政治活動に伴う収入があります場合におきましては、政治活動に伴う必要経費を控除することができる。ただ、その場合に控除のしかたとして、どういうふうに控除すべきかということになりますと、いろいろ問題があるわけでありまして、給与所得だけの場合の人が、全然必要経費の控除をされないということとのバランスからいきますと、そういう場合におきましても、政治家としての収入、つまり歳費など政治家としての収入がありますならば、それと政治献金等の収入、この両方で必要経費を控除すべきものである。したがって、政治献金のみから必要経費の全額を控除するということは適当でない。こういうことで、そういう点においては国税庁と主税局の間に見解の相違は一切ございません。ただ、立法論として主税局長が述べられたのが、先ほど仰せられたとおりであります。
○武藤(山)委員 関連して。ちょっと長官の御説明がどうもはっきりしないのは、理事懇談会で説明された当時には、これまで歳費だけの国会議員がこれこれの経費をこれだけ見てくれという申告があった場合にはこれは認めない。五万円なり十万円程度しか雑所得がないのに、歳費の中からも経費部分を七十万円なり百万円なり認めてくれという申告をした者もあるわけでしょう。申告には二種類あるわけでしょう。そこで今度国税庁が戻しなさいと言って、全部金を返させるのは、両方とも戻させるのか、それとも歳費だけの者で経費として引かれたものを返戻させたのか、その辺どうなんですか。ぼくらそのことについては全然報告は聞いておりませんよ。
○泉説明員 お話しのとおり、いろいろの態様があるわけでございますが、私どもといたしましては、従来そういう政治活動に伴う必要経費の申告がされまして、その結果、税額の還付をした人がございます。その還付をした人の中には、いま申し上げましたように給与所得だけ——歳費以外の給与所得がある場合がありますが、そういう給与所得だけの場合と、それからそれ以外に雑所得の収入はある、しかし必要経費もある、こういうふうにして申告された方があるわけでありますが、その中で還付いたした人たちについて修正申告の提出を求めまして、税金を納めていただくようにしておるわけでありますが、その中には政治献金等の雑所得の収入より必要経費が多いということで還付の請求をされておる場合があるわけでございます。その場合にも、先ほど申し上げましたように、そういう必要経費はそういった雑所得の収入だけで全部まかなうべきものでなくて、政治家としての歳費等の収入と両者で必要経費の案分計算をすべきものだ、こういうふうに考えて処理いたした場合もあるわけでございます。
○武藤(山)委員 そうすると長官、十万円しか雑所得がない人が、七十万円経費として、歳費の中から経費を控除してもらった、こういう人が現実にあるのです。そういう人には今度は一回還付したものは取り返すことはしないのですか。たとえ五万円でも十万円で毛雑所得のある者は歳費の部分から経費を目一ぱい引くことを認めているわけですね。それはどうなんです。
○泉説明員 お話しのように、そういった場合におきましても、その七十万円の必要経費というのは全知十万円の雑所得の収入でまかなうべきものでなくて、雑所得の収入十万円、それからそれ以外の議員としての歳費などの収入、それで案分して負担すべきもの。したがって、その必要経費七十万円をそのまま収入から引いておるのは適切でありませんので、もちろん十万円のほうで経費分担すべきものもありますから、その分は認められますけれども、それ以外の分については、もしそれによって還付いたしておりますれば、還付した金額をお返し願うことにいたしておるわけであります。
○田中(昭)委員 この問題はいろいろ問題があるようですから、もう少し——先ほど大臣に申し上げましたように、処理の方法をいえば、まだ問題がたくさんあるのです。いま長官、主税局長のお話を聞いておって、大臣もほんとうのところすっきりわからないでしょう。そういうことなら、もう少し内部でよく大臣も知ってもらって——この問題は事柄は小さいですけれども、私は大事な問題だと思うのです、そうでしょう、大臣。そこをお忘れなくしていただきたいのです。いま長官は、主税局長はなにだというようなお話もございましたが、主税局長は国税局長として、最近まで第一線におって、この問題については一番詳しいはずなんです。それを、そういうふうにいろいろいま言われることはわかりますよ。国税庁長官が言われることはわかります。しかし、質問している問題点をはずさないようにしてもらいたいのです。主税局と国税庁が違った見解でやっていいのだ、そういうのならいいのです。違ってやっていいというのでしょう。いま長官のお話は、主税局の見解と国税庁の実行面におけるやり方は当然違ってよろしい、それはいいでしょう。しかし、そのために起こってくるいろいろな問題があるのです。それで逃げてもらっては困るのです。 もう一つ主税局長に言っておきますが、雑所得の見解については、政治家の受ける政治献金の収入を雑所得とすることは、さっき対価性のあることをその属性としている雑所得に入れることには疑問がある、このようにいっている。ところが、実際には雑所得にして課税しておる。このように実行面としては問題の処理がなされておりますが、ここで出てきますのは、いま長官も言っておりました収入に見合う案分で必要経費を出し、所得を計算して税金をまた徴収している。これがまた、主税局の見解とはなはだしく違う税務執行がなされておるのです。このようなあいまいな点を残しておくことが行政官庁の欠陥であると思うのです。その欠陥を大臣は認めますか。あいまいでしょう。おそらく認めざるを得ないようないま結果になっておるのです。いつも申し上げるように、その犠牲になっているのは正直な納税者なのです。 検査院の方も来ておると思いますが、もう一つ最後に、この主税局の見解の中に、「税金の還付については、三十七年頃までは調査した後でなければ還付しないという制度となっていた」そのように税金の還付については、調査したあとでなければ還付しないという制度になっておったのは、法によって規定されておるのか、取り扱い規程なのか、一つそこに問題があります。またその後は、検査院の指摘により、「特に問題のあるものや金額の大きいものを除いて、」は還付するということになった。そこで、検査院から、そのように法律が厳然とありながら、いままでは還付していなかったと指摘されたからもう全部還付する、一体そのような拘束力があるものなのか。次の問題としまして、「特に問題のあるもの」となっておりますが、「特に問題のあるもの」というのは、具体的にはどういうものを想定しているのか。また「金額が大きいもの」というのならば、その金額は幾ら以上の金額は調査しなければ還付しないのか、こういう点が残るわけです。 私が検査院のほうにお答えを願いたいのは、そういう検査院の指摘が、現行法の規定の中において還付するとかしないとかいうものを、そのように拘束する力があるのかという点をお聞きしたい。
○斎藤会計検査院説明員 検査院といたしましては、法律に規定してあることについて法律を励行するということは申し上げますけれども、法律に規定してあることに違反して、こういうぐあいにやったらどうかということは申し上げておらないつもりでございます。
○田中(昭)委員 いまここで言っているのは、——それは官庁が全部法に違反してやっているというようなことがあるわけはないじゃないですか。私の言っているのは、一つの税金を還付するという問題で、検査院の指摘で、いままで還付しなかったものを全部還付しろ、こういうことになっている、実行面においては。そういうことは御存じでしょう。ところが、その全部還付するということが、中には還付しないほうがいいものもあるし、還付すべきものもある。その検査院の指摘は、還付すべきものをなるたけ早く還付してやりなさいという趣旨によってそういう指摘がなされていると思うのです。それならわかる。そういう趣旨であるものが、いま言ったように、いままでは調査しなければ還付しないでおったものを、検査院の指摘によって全部すぐ還付するようにした、ここが問題だ、こう言っているのです。
○斎藤会計検査院説明員 私のほうの指摘といたしましては、調査をしないで還付しろという指摘をいたしたことはございません。調査して返すべきものは早く返さなければ、還付加算金等もつきますので、国としても損になりますので、お返ししなさいということを言っているだけです。
○田中(昭)委員 そうすると、ここに書いてあることは間違いですね。あとでよく見てごらんなさい。 時間もございませんから、最後にお願いしておきますが、この問題は、いまのようなことでは最終結末は出ておりません。その点十分御検討いただきまして、委員会も国民もみなが正しい方向で納得できるような線を出していただきたい、こう思います。 以上を申し上げまして終わります。
○吉田(重)委員長代理 本日はこれにて散会いたします。 午後四時十八分散会