大蔵委員会 第2号
- 発言数
- 236 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1967/09/08
会議録
○内田委員長 これより会議を開きます。 質疑の通告がございますが、質疑に入るに先立ちまして、本日の委員会の取り運びにつきまして、理事会における打ち合わせの結果を皆さんにちょっと御報告を申し上げます。 本日は、十二時まで一応政府委員等に対する質疑を続けまして、一時間休憩をいたします。一時から再開をいたしますが、再開冒頭、大蔵省当局、これはだれが適当であるか私におまかせを願いたいわけでありますが、このたびの景気調整に関連してとられた財政金融措置等の全般的な考え方について、一応の説明を聴取をいたしたいと思います。続いて、通告の各委員からの御質疑を継続いたしますが、おおむね二時ごろから大蔵大臣、経済企画庁長官、日銀総裁等がそれぞれ一時間ないし二時間ぐらいの予定で出席をされます。これは三時間ないし四時間ぐらい出席を要求したいわけでありますけれども、たとえば大蔵大臣は明後日海外に出張せられる等、その他いろいろなことがございまして、委員諸君にはまことに御不満でございましょうけれども、ただいま申しますように、各大臣、日銀総裁等の出席時間がわりあいに短時間ということになりまして、この点委員長の不手ぎわを皆さん方におわびをいたすわけであります。 それからなお、きょうここにお見えであります、先般国会の承認を得て公正取引委員長に就任をせられました山田精一君から、答弁に先立ってごあいさつをしたいという申し出がございますので、これを許可いたします。山田公正取引委員長。
○山田説明員 ただいま委員長から御紹介をいただきました、今回公正取引委員会委員長を拝命いたしました山田精一でございます。 経済の情勢がとかくむずかしい時期に向かいまして、この大任を拝命いたしまして、私、いままで長く日本銀行に勤務いたしておりましたので、金融に関することは多小勉強いたしておりますが、知識経験も乏しく、ことにこの席に出ますような光栄をにないますことは、初めての経験でございまして、何ぶんにもふなれでございます。どうぞ先生方の御指導、御叱正をいただきまして、この重任を果たしてまいりたいと念願いたしております。何ぶんよろしくお願いをいたします。(拍手) —————————————
○内田委員長 それではこれから国の会計、税制、金融及び国有財産に関する件について調査を進めます。 質疑に入ります。通告がありますので、これを許します。武藤山治君。
○武藤(山)委員 きょうは経済全般あるいは景気、財政転換、非常に多くの問題点が現時点で論議を尽くされなければならぬわけでありますが、時間の都合で大臣の出席がありませんから、私は特に消費者の立場から、あるいは日本の大企業の姿勢の問題、さらに公取の今後とるべき態度の問題、そういう点を日本の経済全体という見地に立って少しくお尋ねをいたしたいと思うわけであります。 私は実にふしぎに思っておるのは、公取が不公正取引だと指摘をして審判をいたしました事案が幾つもあります。その事案がなかなか解決をしないで、かなりの時日を費やしている。そこで現在審判がなされておる事案はどのくらいあって、まだ未解決の、審判の出ていない件数はどのくらいあるのか。その辺をまず最初に明らかにしていただきたいと思います。
○山田説明員 お答え申し上げます。 ただいま審判中に属します件数は十一件ございます。私どもはできるだけ早く審決を取り急ぎたいと心がけまして、努力いたしておりますが、御承知のように私どもの役所は行政委員会の組織になっておりまして、裁判に準ずる手続をとっております。したがいまして、被審人側の申し分も、それから私どもの役所の審査を担当しております者の申し分も、双方の申し分を審判官がとっくりと問いただしまして、いわゆる明鏡止水の心境で審決を出すことになっております。多少の時日を要しますることはやむを得ないかと存じます。しかし、どこまでも早く処理をいたすことを心がけております。御了解いただきとうございます。
○武藤(山)委員 たとえば具体的にカラーテレビの問題も審判にかかっている。しかし、これは新聞の報ずるところでは、もう十三回も審判を開いたけれどもなかなか審決が出ない。その原因は、大企業側に独禁法というものの精神の理解のしかたが足りないために非常な時日を費やすような争いに発展をしているんではないだろうか。私は、公取が能力がなくて人数が足りなくて調査が不的確で、そういうためにこの判決が長引いているとは思いたくないのであります。だから、独占禁止法というものに対する受けとめ方が業者側に非常に希薄なんではないか、そういう感じがするのですが、新委員長はそういう点をどう感じておりますか。
○山田説明員 お答え申し上げます。 ただいま御指摘のございましたように、世間全般でございますが、特に実業界においては独占禁止法の精神が意外に理解されておりませんことを、私は就任いたしまして実はびっくりいたしておるのでございます。今後できるだけこの独禁法の精神、また公正取引委員会のいたしまする職務につきまして十分なPR活動をいたしまして、未然にそういう違反の事実の起こらないようにいたしてまいりますのが策の上々であると考えております。ただ先生の御指摘のございました審判が日数がかかります点は、これは参考人等の申し出がございまして、それをやはり十分に聴取をいたしまして公正な判断をいたしたいと心がけております結果、日数がかかっておりますわけでございまして、その背景に実業界の独禁法の理解の不足という点はございますと思います。今後はその点は十分努力をいたしたい、かように考えております。
○武藤(山)委員 もう一つの具体例で、育児用粉ミルクですが、明治、森永、和光堂でしたか、この三社に対する審判も、規則に基づくならばもうとうに結論が出ていいはずだと思うのですね。三十日以内でしたか、答えを出さなければならない。規則か何かありましだね。その審決がまだ出ていない。もうすでに六月段階ころには出なければならないはずだと、規則を私らが読んだ範囲では感ずるわけです。この問題もどうなっておるのですか。相手があまりにも大きな企業のために、だだをこねれば何ぼでも時間がかせげるというような傾向を感ずるわけです。この三社に対する審決というのは大体いつごろ出る見通しでございますか。
○山田説明員 お答え申し上げます。 ただいま御指摘の粉ミルクの件でございますが、これはできるだけ早急に審決を出すつもりで努力をいたしております。御了承をいただきたいと思います。
○武藤(山)委員 そこで、今回最も世間の注目を浴びているのは何といっても松下電器の不公正取引に関する審判開始だと思うのであります。独禁法ができてちょうど二十年、いまや独占禁止法は企業のじゃま者であるとか、独禁法は改正すべきであるとか、いろいろ国会議員の中にも立候補当時の演説を聞いておりますと、独禁法を改正、廃止、こういう論が非常に強いわけであります。こういう傾向のときに、あなたたちがき然とした態度で独禁法の目的を果たそうとなさることは非常にけっこうだと思うのでありますが、軽率に事案を取り上げて、きちっとした証拠やデータを持たずにもしおやりになった事実がありますと、たいへんな失望を国民に与えますので、私は少しく松下電器の不公正取引指摘についての根拠を、法の第何条のどういう点にどういう行為が触れるのか、その辺をまず明らかにしていただきたいと思います。
○山田説明員 お答え申し上げます。 私どもが松下電器産業につきまして取り調べました結果、違反をいたしておりますと認めました事項は二つございます。第一の点は、卸売り業者に対しまして松下か廉売業者に荷物を出してはいかぬ、また廉売業者に安売りをさせないようにしなければならない、こういう指示をいたしております点が第一点でございます。第二点といたしましては、卸売り業者に対しましてその卸売り価格、取引先の販売業者にその卸売り業者が卸します際の価格、それからリベート、これを松下電器産業が定めました価格によらなければならないという拘束をいたしておるわけでございます。この二点が私どもが法に違反するという認定をいたしました点でございます。 なお、ちなみにこの法律の適用は、直接には公正取引委員会が昭和二十八年に行ないました告示第十一号「不公正な取引方法」の「八」に該当いたしますものでございます。したがって独占禁止法第十九条の規定に違反するもの、かように認めました次第でございます。
○武藤(山)委員 そこで、ナショナルが不公正なる取引をした場合に、法第二条でいうならば七項のどれに該当するわけですか。五ですかそれとも四ですか。さらに一にも該当するのか、二条のどれとどれにその行為は該当するのかを明らかにしていただきたい。
○山田説明員 これは第二条で申し上げますと、第七項第四号「相手方の事業活動を不当に拘束する条件をもって取引すること。」これに該当いたします。
○武藤(山)委員 もう一つ、この五の「自己の取引上の地位を不当に利用して相手方と取引すること。」こういう疑いもナショナルの場合にあるように私は見受けておるのでありますが、その点は調査の結果いかがですか。
○山田説明員 これは第五も多少の疑いはございますが、証拠によりましてはっきりと私どもで認定いたしておりますのは第四号でまいりたい、かように考えております。
○武藤(山)委員 公取が審判開始決定書を出し、あるいは最初に勧告書を出した際に、松下の反応はいかがでございますか。勧告どおりでございますから以後気をつけますというような謙虚な気持ちが見受けられましたか、その点はいかがでございましたか。
○山田説明員 勧告書を受け取りました相手方の反応は、先刻先生から御指摘のございましたような、独禁法というものに関する理解が必ずしも十分でないように私は印象を受けました。したがいまして、勧告に対しまして具体的な回答ということではございませんで、自分たちがこれほど経済界、実業界のために骨を折っておるのに、勧告というむちを与えられることは心外だというような感情論がおもであったように判断をいたします。その後、御承知のように公正取引委員会で審判開始を決定いたしまして、今月十八日から審判を開くことになりました。その答弁書が松下から提出がございましたが、答弁におきましては、違法の事実を全部否認をいたしております。これはどういう根拠によりまして否認をいたしますかは、今後の審判の過程におきまして明らかになると考えております。
○武藤(山)委員 松下の回答書なるものは、松下自身がこういう大きな新聞で特別号をつくって全取引店に配り、かなり地域にPRしているわけです。その文章をちょっと見ると、まことに一方的な、しかも反省の色はみじんも見られない。ちょっと読んでみましょうか。「当社が傘下の代理店、あるいは販売店に対し、正しい商売のあり方を指導し、要望することは、当社として、当然なすべき崇高なる使命であると考えておるのでございます。」しかるに、公正取引委員会より当社の販売のあり方について、その真意を十分知らずに「一方的な解釈による勧告を受けた」こう指摘しているわけですね。しかもこれを全く当事者でない方々にまでだっと配って、松下は正しい営業方法だ、企業だといって宣伝をしておるわけですね。私は、一方的解釈による勧告を受けたという彼らの判断、それは、公取が正式な正確な資料というものに基づいて勧告を出したのではないという誤解を国民に与えると思うのです。一般大衆にも与えると思うのです。もしこちらを信用するとすれば、公取はまことに軽率なところだ、こういう公取の権威を失墜すると思うのであります。そこで公取としては、まあ審判がこれから始まって、その中身、内容で具体的に論争するのであるから、ここではこまかい点は言えないと思いますが、松下に限っては、きちっとした証拠と調査、きちっとしたデータを持っているのだ、こういう確信はございますか。
○山田説明員 私は、ただいまの御指摘の点につきましては確信を持っております。ただし、そのただいまお読み上げになりましたなには、回答書でございますが、回答書は、やはり根本におきまして、先刻申し上げました独禁法というものに対する根本的な誤解に立脚いたしておるものだと私は考えております。と申しますのは、あの昭和三十九年前後の不況、購買力の低下、したがいまして製品のストックの増加、これに対しまして、松下側として、何と申しますか、流通段階を乱れないようにいたすためにとった必要なる手段であるという解釈をいたしておるのでございますが、それは私どもの立場から申し上げますならば、不況対策として別に方法があると思います。それを再販維持契約で解決いたすというのは、これは目的はある程度容認できると思いますけれども、手段において全く違法である、かように考えております。
○武藤(山)委員 明快な解釈をされた御答弁でありますので、ぜひき然とした態度で——相手が大企業だから、日本の一流企業だからといって手心を加えたり、あるいは政治的な圧力によってこの事案が安易に取り扱われることのないように、私どもは十分監視もしたいと思いますが、公正取引委員会においても、き然とした態度でひとつ進んでいただきたいと思うのであります。 以下、松下電器と取引をしている業者からいろいろな投書がわれわれのところに参っておるわけであります。その項目の一つ一つを具体的に一、二お尋ねをしておきたいのでありますが、その解釈、違法性、そういう問題についてお尋ねをいたします。たとえば口頭で値引き禁止の契約をする。文書にはなっていない。ただしメーカーから小売り店に、このものはこれ以下に安くは絶対売ってはいかぬぞ、売った場合にはもうおたくとは取引しませんよ、こういうきつい口頭の約束というものは、いまの独禁法の規則の中には触れるか触れないか、その点はいかがでございますか。
○山田説明員 ただいまお尋ねの点でございますが、口頭でございましても、これ以下の価格で売った場合には取引をしないぞという約束を付しす場合には違法であると考えております。ただ、できるだけこの値段で売ってもらいたいという希望をつけました場合は、これは法に触れることはない、かように考えております。 なお、先ほど御激励をいただきましてまことにありがとうございます。私どもは、決して大企業と小企業によって差をつけるつもりは毛頭持っておりません。さよう御了解をいただきたいと思います。
○武藤(山)委員 第二には、文書や契約書で値引きが禁止されたという場合には明らかに独禁法に反しますね。それは間違いないことでございますか。確認をしておきます。
○山田説明員 文書によりました場合には明らかに違法でございます。
○武藤(山)委員 それから再販指定品目以外の品物を小売店が買いたい、現金で買いたいからという注文をする。しかし、あなたのところは売りたくない、こういう気持ちがある場合には、小売り店が要求をした場合におろさなくともいいのか、この場合は、断然閥行為は発生すべきなんだ、そこらの解釈はどうなりますか。
○山田説明員 ただいまお尋ねの点はなかなか微妙な点であると存じます。もしも再販価格維持契約を認められました以外の商品につきまして、これより以下の、指示をした価格よりも下でおまえのところは売るからと申しまして取引を拒否するならば違法の疑いが濃厚であると存じますけれども、ただおまえのところへは売りたくないと申しますと、これはある程度商業取引の自由でございまして、当該小売り商に売らなければならないということは申しかねるように思います。
○武藤(山)委員 そういたしますと、松下のチェーン業者といいますか、松下は小売り店を指定してある、卸も指定してある。そうすると、その小売り以外の小売り店が、あるいはマーケットが、消費協同組合が、何とかナショナル製品を売りたいと希望しても、そういう指定小売り店に加わらなければ松下の製品は取り扱いできない。それは商業道徳上今日許されている道である、こういう解釈ですか。
○山田説明員 チェーン組織をとりまして、それ以外のものに対して取引をしないと申しますのは、普通の程度では違法にならないように考えております。もしもこれが、先ほど御指摘のございました地位を不当に利用してということになりますと、これは違法になると思います。
○武藤(山)委員 そこの地位を不当に利用しているかどうかというところに非常な問題があると思うのです。私もこの事案をいろいろ調べてみまして、相手方が大企業という、あるいは大資本を持っておるという、あるいは自製品、どこでもできないという独占商品である、そういう立場を利用して、生協とかあるいは大きな店ではかなり利潤もあるから品物を安くする、そういうおそれがある、そこでそういうところには売らない、いまこういう状態だと思うのです。こういうものも少しく具体的事実を追及してみると、かなり法に触れるような行為があるのではないだろうか、こういう気がいたすわけであります。 次に、松下の場合は、末端価格を確実に維持するために、監視員なるものを派遣して、小売り店をぐるぐる見て歩く。こういう行為は、別にそのこと自体は、その商店がつぶれないように、貸し倒れがないように、そういういろいろな指導をするならばいいけれども、その商店が一個でも安く売ったのが発見された場合には、出荷停止、出荷制限、あるいは残余の商品を、トラックで来て全部現金で買い上げてしまう、この行為は独禁法に反しますか。
○山田説明員 監視員が小売り店を巡回いたします程度でございますると、これは当該商品のディスプレイがどういうふうに行なわれているかとか、そういう販売促進の見地で回っていると解釈される点が多いと思いますけれども、ただいま御指摘のごとく、一店でも安売りをしておったということに基づきまして、店頭の商品をトラックで持ち帰るというようなことがございますと、これは違法の疑いがかなり濃厚である、かように考えます。
○武藤(山)委員 しかも、値下げをした商店の品物を引き揚げていく際に、どこのだれが買っていくかわからない。松下が買いに来るわけではないのですね。ちゃんと松下にはそういう別働隊ができているわけです。それがトラックで来て、残った品物は全部現金で買い上げてしまう。しかも、その現金で買い上げられたものを、また卸屋に引き揚げたときの値段で現金で引き取らせる。したがって、松下のほうは一切帳簿上は通らないわけですね。引き揚げた科目はどこにも入れようがないわけです。また、買っていかれた小売り店のほうも帳面のつけようがない、こういう事態が起こっているという不満が私どものところにも来ているわけです。だから、やり方がまことに巧妙なんですね。しかも、委員長御存じですか、ナショナル製品には普通の製造ナンバー以外に必ずナンバーが入っている。しかも、紫外線を当てるとそのナンバーが出てくる。何のためにこういうナンバーをつけていると公取では御判断なさっていますか。何の理由で、何のためにそういう秘密ナンバーを必要としているか、どういう推測が立ちますか。
○山田説明員 ただいま御指摘のございました隠しナンバーを、いろいろ紫外線を当てなければわからないとか、あるいは普通の常識ではわからない裏のほうにつけてございますとかいう事実は承知いたしております。これは国民経済を能率的に運用いたします上から申しましてもむだでございまして、はなはだ好ましからぬもの、かように考えております。
○武藤(山)委員 むだばかりでなくて、何のためにそういうナンバーを打つかといろいろ考えてみますと、出荷するときにナンバーの何番から何番まではどこの卸へ出ている、それはナショナルではちゃんとわかるようになっているわけですね。消費者のところで、おまえのところは幾らで買ったか、二千円安かった、三千円安かったということになると、どこの小売りだから、その小売りはどこの卸から来たということがすぐわかる。そうすると、すぐそれに対する報復手段をとられるわけです。おまえのところでおろした小売り屋さんのどこかが安く売った、したがって、おまえのところへは来月は希望だけの品物は出しませんよと、出荷制限されるわけです。その出荷制限の事実を指摘した数字が私どものところへ出てきた。たとえば去年の八月に四百七万円売り上げて金を松下のほうに払った、九月も四百二万円、ところが、九月の終わりにその値引きをしたのが発見されたために、翌月は八十二万五千円しか売る品物が手に入らない。完全な出荷制限であります。こういう大企業が暖房器や扇風機や冷蔵庫あるいは洗たく機に、それぞれわからないところへナンバーまで打って小売り店の安売りを防ごうとする、安売りした場合にすぐ発見できるような手段をとる、まことに消費者の立場を無視した管理価格を維持しようとするこの行為というものは、私は即刻やめさせなければいかぬと思うのであります、こういうものをずっと許していいのかどうか、その辺の見解はいかがでございますか。
○山田説明員 一応わかりやすいところに通しナンバーをつけますことは、商品のアフターサービスの必要とか、あるいは流通過程において傷がついたとかいうことを発見いたします上から申して、メーカーとしては当然必要な措置と考えておりまするけれども、ただいま先生御指摘のごとく、安売りを防ぐ目的をもって特にわかりにくい場所に番号を付するということは違法性を濃くいたす一要素ではないか、これはしんしゃくをして考えてみたい、かように思います。むろん隠し番号をつけたということそのものが違法になるとは私は考えておりません。
○武藤(山)委員 ただいまの点も、隠しナンバー自身は違法ではないけれども、それによって廉売したことが発見される一つの手段として利用するとなると、これはちょっと悪質だと私は思うので、その辺はひとつ十分おたくのほうでも調査をしてもらって、私どものほうでも、投書が来ておりますから、もし公取からそういうものを知らせてほしいという場合には提示をいたしますから、十分ひとつその辺の状況を把握をしていただきたいと思います。 それから一つお尋ねをしておきたいのは、再販の製品ではない一般の商品をそれぞれの小売り店やあるいは協同組合が、自分たちの営業内容が比較的いいために値下げをしても採算が合うという企業もあるわけです。そういう場合に、一般商品だったら、新聞折り込みや、あるいは町内回覧や、いろいろな方法で値下げをするチラシや広告をしても違法にはならないと思うのです。松下や東芝や日立の電気製品をそういうチラシで安売りをするというような場合に、これをメーカー側が直ちに出荷停止や制限や取引停止をするという行為は違法ですか。
○山田説明員 ただいまおっしゃいました件は微妙な点があると存じます。と申しますのは、小売り店において流通の合理化をいたします。流通革命の時代といわれておるくらいの時代でございますから、流通過程の合理化によって安売りをいたしますことは大いに推奨すべきことでございます。これを新聞広告いたすことは何ら差しつかえないのみならず、奨励いたすべきことだと考えております。ただし、小売り店におきまして、その安売りの度合いが行き過ぎまして、従来ある小売り商をつぶしてそのお客をとろうというような目的で、不当な、コストを割るような安売りをいたしました場合には、また別の角度から検討をいたしてまいる必要がある、かように考えております。
○武藤(山)委員 ただいま五、六点にわたって私どもに投書のあった問題点を指摘したのでありますが、この数々のナショナルのとっている態度というものは、どう見ても不公正取引だと私は思うのであります。しかるに松下側は、この回答書を見ると、公取のとった処置によって——「これによって」という意味はそうですね。「これによって当社の国内外における信用を失墜し、」とたいへん不満をぶちまけております。「ご愛用直の方々に、疑念を抱かしめたことは、常に信用を重んずる当社としては、まことに堪え難いことであり、」さらに、これから反省をするのではなく、「〃為すべきこと〃を今後とも為しつづける決意でございます。」と、いままでやってきたことは全く間違っていない、当社の運営方針としては最も適切な方針なんだ、こういう意味のことをぶちまけておるわけですね。したがって、これは公取がもし事実指摘が不十分で、公取の摘発どおりに進まなかった場合には、損害賠償の要求やいろいろな問題が派生をしてくるような気がいたすわけであります。したがって、私は、本委員会においても、松下電器の社長や会長を本委員会に出頭を求めて、独占禁止法の精神と企業経営の態度について十分論議を尽くさなければならぬ重大な問題だと思うのであります。委員長におかれましては、ただいま指摘されたこの五、六点の問題等もありますし、日本の独占禁止法というものの運用を誤らぬためにも、今後、委員会に松下電器の社長もしくは会長を参考人として招致して、十分議論のできる場をつくっていただきたいと思いますが、委員長の御見解をちょっとお尋ねしておきたい。
○内田委員長 武藤君のただいま提起された問題につきましては、理事会等にも相談をいたし、また商工委員会等の関係もございますので、そういう点を調整いたした上で、今後善処いたすようにしたいと思います。
○堀委員 関連。実はいまの電機の問題でありますけれども、私ども昨年の九月に当委員会でカラーテレビの問題を取り上げました。これは皆さんの勧告が出て現在審判が行なわれておると思いますけれども、しかしそのかたわらカラーテレビについては価格協定が破棄されたようなかっこうになりまして、今日、私どもの願っておったように公正なる競争に基づいて国民により安い商品が提供されておるわけです。私はやはりものの考え方としては、カラーテレビの問題一つを取り上げましても、高い十九万円台に価格を協定して利益を上げるということよりも、自由な競争によってより安いものができることが国民の要求にこたえることであるし、そのことがやはり販売の数量を通じて企業にもはね返ってくるわけでありますから、本来的に資本主義の社会ならば資本主義的な原則によって経済が運営されるということであるべきだと考えておるわけであります。私どもが本日ここで松下電器の問題を取り上げたのは、単に松下電器の問題じゃなくて、現在起きておる電機業界全般における問題を集約的に松下電器という、再販価格その他において、流通に対して最も不公正な取引を強要しておるものをまずやり玉に上げて、徹底的にこれを国民の前に明らかにすることによって、私どもは軽電機業界における公正な競争が導入されることを期待したい、こう思っておるわけです。ですから、ただいま武藤委員が発言いたしましたように、私どもは今後商工委員会とも相談をいたしまして、場合によっては商工、大蔵合同の委員会を開いてでも、皆さんの審判は審判として、私どもは政治的な側面から見てもそういうことが行なわれておることをそのまま放置しておくわけにはまいらない、こう考えておりますので、また別途の角度でやっていきたいと思いますけれども、特にいま私が申し上げた、単に松下の問題ではなくて、現在の物価の問題に関連をして、公正取引委員会としてはひとつはっきりした態度で処置をしていただいて、自今そういうものを何回でもカラーテレビでやり、その他のものでやり、同じ業界に対して何回も同じことを繰り返さなくても済むような処置を特にお願いをしたいと思うのですが、これについての委員長の御見解をひとつ伺っておきたいと思います。
○山田説明員 ただいま堀先生の御指摘、全く同感でございます。管理価格を採用いたしますことは、いまの経済体制におきましては当該企業、ミクロの立場から申しますと、あるいは一時的にはプラスであるかもしれませんけれども、長い時点、それからマクロの立場から見ますと、国民経済のためにこれは全くマイナスばかりであると考えております。したがいまして、松下のケースもそのような見地から、お説のとおり審判の過程を通じまして独禁法の精神をよく松下にも理解をしてもらい、さらに広く進んで同業者、さらには実業界全般に理解をいたしてもらいまして、違反が再び起こらないようにしてまいりたい、これが私どもの切なる念願でございますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○武藤(山)委員 最後に、委員長に要望並びに激励をしておきたいのであります。 佐藤総理は、過般物価委員会において、七月十一日に管理価格問題について明快に触れております。その中で「いわゆる消費者保護の立場から、いままでの行き過ぎたものについてこれにメスを入れる、その考え方には変わりはございません。きょうも公取の委員長もこの席にいますが、法律ができない限りにおいては、やはりいまの現行制度のもとにおいて公取にもうんと活動していただいて、そうして効果をあげていきたい、かように思います。」総理みずからが公取に大いに期待をかけているわけでありますから、もとつ自信を持って消費者あるいは日本経済全体の運用を誤らせないために、公取として十分活躍をしていただきたいと思うわけであります。 そこで最後に、あなたは就任のときに独禁法に対する認識をいろいろ新聞などにも報道されておりますが、あらためて管理価格の問題について締めくくる意味で、私はこういう態度でこういうことはき然としてやらざるを得ないと思うという点、独禁法の運用全般についてのあなたの見解を聞かしていただいて、私の質問を終わりたいと思います。
○山田説明員 ただいま武藤委員からたいへん御激励をいただきまして、まことにありがとうございます。 私の独禁法を運用いたしますにあたりましての態度は、結局突き詰めますところ、この独禁法の第一条の条文、これをそのまま適切に実現いたしてまいりたい。申し上げるまでもなく、「公正且つ自由な競争を促進」いたし、これによって「事業者の創意を発揮させ、事業活動を盛んにし、雇傭及び国民実所得の水準を高め、以て、一般消費者の利益を確保するとともに、国民経済の民主的で健全な発達を促進することを目的とする。」この条文のとおりに運用いたしてまいりたい、かように考えております。
○平林委員 関連。いまのお話で公取委員会の今後の活躍にわれわれも大いに期待をいたしておりますが、問題は、委員会の機構が十分でないために突っ込みが足りない、あるいは果たすべき役割りが十分でないというようなことがあってはならぬということを考えまして、いま大蔵省の予算の編成期でございますから、あなたのほうもその点は遠慮なく要求をされて、そして国民の期待にこたえるという態度をとってもらいたいと思うのですけれども、その問題についてあなたはいまどういうふうにお考えになっておりますか。
○山田説明員 ただいま平林委員から御指摘のございました点につきましては、私ども率直に申しまして、痛切に手不足を感じております。幸いにして五十五国会の本院の附帯決議によりまして、公正取引委員会の機構を充実せよということをおっしゃっていただきましたので、これを百万の福の味方と考えまして予算を折衝をいたしております最中でございます。
○内田委員長 公取関係の方、どうぞ御退席いただいてけっこうです。
○武藤(山)委員 次に、証券局長にお尋ねをいたします。私あまり証券のことは詳しくわからぬのでありますが、わからぬ点は堀キャップに補足してもらって少しく質問をしてみたいと思います。 証券局長、まだなられたばかりで、あまりこまかい規則や法律はわからぬと思いますが、証券会社の役員が仮空名義の口座をつくって株式の売買をやり利得を得る行為は、何の法律に触れますか。あるいはどういう規則に違反をしてどんな罰則がございますか。
○吉国説明員 私、ただいま仰せのとおり実は就任して間もない状況でございまして、はなはだ不正確な答弁を申し上げるかと存じますが、証券会社の役員、使用人が信用取引等を行なうということにつきましては、御承知のとおり証券業協会の公正慣習規則の中にこれを禁止する規定がございます。したがいましてそれに違反すれば、証券業協会の定める処分が行なわれることになります。
○武藤(山)委員 これはあくまで自主的な規制で、法律や規則には——たとえば証券会社の社長、重役が顧客から預かった金を運用して適当に株の売買を年度内にやって利益をあげる、それを架空名義口座で動かしている、こういうことをやっても、法律や大蔵省の省令その他の公的な規則では罰せられない、あるいは取り締まりできない、そういうことになっておりますか。
○吉国説明員 大体におきまして、現在の証券取引法は、たてまえといたしましては証券業協会あるいは証券取引所の自主的規制というものを強く考えておりまして、ことに道義的な行為の禁止等につきましては、主としてこれに譲っているという傾向持っております。そういう意味で、ただいま申し上げましたように、公正慣習規則というようなものをつくりまして、証券業協会が自主的規制を行なっている面が強いわけでございます。
○武藤(山)委員 もしそういう行為を社長や重役がやったという事実があった場合、大蔵省としてはその検査なり監督はできないのですか。
○吉国説明員 その事実というよりも、大蔵省といたしましては、常に証券会社の健全な運営ということを基礎にいたしまして検査をいたしておるわけであります。そういう事実があれば、その事実に基づいて注意をするということは当然でございます。
○武藤(山)委員 それは注意だけで、別にその証券会社に対する罰則とか制裁というものは全くないのでございますか。
○吉国説明員 ただいま仰せになったような点につきましては、正確に処分をする規定は現在のところございません。
○武藤(山)委員 ことしの三月ごろ、あなたがまだ東京国税局長ごろだと思いますが、野村証券株式会社に対して証券局が検査をやった。その検査をやった事実はございますか。その検査の内容についてはあとでお尋ねしますが、検査をした事実はございますか。
○吉国説明員 私が来る前のことでございますが、時日ははっきり記憶しておりませんが、検査をいたしたことは事実でございます。
○武藤(山)委員 その検査の過程において、野村証券が架空の口座をつくって、五年ぐらいの間に十五億から二十億程度の利得をあげた。それがその口座の中にずっと残っている。これが発見されたといううわさがあるのでありますが、証券局は御存じですか。
○吉国説明員 これは証券局が行ないました検査でございますから、そのうわさとは関係ございませんが、私も実は証券を離れておりまして、あまり証券のほうを注意しておりませんでしたので、当時の新聞等を読んでおりませんが、あとで聞いたところによりますと、いま御指摘のようなうわさが、かなり新聞関係あるいは兜町方面で流れていたという話は聞いております。したがいまして、大蔵省が検査してそのようなものを発見したといううわさでございますならば、これは全く虚偽でございます。そういう事実は発見いたしておりません。
○武藤(山)委員 全くうわさの程度だとおっしゃられるわけでありますが、当時検査官として派遣されていった人はどなたですか。
○吉国説明員 その点私十分存じておりませんので、あるいはいま問い合わしてまた後刻お答えいたしたいと思います。
○武藤(山)委員 うわさによりますと、同口座は瀬川社長、辻村寅次郎専務、前株式部長太田治郎の三名が共謀してこの架空名義の口座を設けたといわれております。真偽のほどはわかりませんよ。おたくのほうは調べればすぐわかることだと思うのでありますが、しかも、その十五億か二十億の金の行くえがまた非常に不明朗なうわさが流れている。さらに国税庁がそのことを聞いて、国税庁としては不当利得であるというので、かなりの追徴金を保したというようなうわさが流れている。こういううわさがそのまま明らかにされずに証券界に渦巻いているということは、証券業発展のためにも好ましくないことでありますから、この際ひとつ証券局としてはきちっとその事実関係を調査を願いたい、こう思いますが、局長いかがですか。
○吉国説明員 ただいまの仰せでございますが、私もこの八月まで東京国税局長をいたしておりました。野村証券の課税は東京国税局の所管でございます。したがいまして、そういう十五億というような多額な不当利得に課税をしたという事実は、私は責任を持ってないと申し上げることができます。 また、そのうわさにつきましては、実は私も着任いたしましてから聞きまして、数カ月にわたってこのうわさが流れているということは事実のようでございます。新聞関係等もずいぶんこれを追っておるという話も聞いておりますが、現実にそういう事実が報道されたことはないようでございます。また、私どもの検査におきまして、いま御指摘のような事実はないことも、これは明らかに申し上げられると思います。
○武藤(山)委員 それから、同じ野村証券で柳谷一雄という人が手張りによる巨額の不当利得を得た、このことについては証券局は十分御承知でございますね。
○吉国説明員 この件につきましては、検査の際にすでに投書があったそうでございまして、検査をいたしております。 なお、この件につきましては、結果として、野村証券社内における規律違反の問題がはっきりしてまいりました。野村証券自体としても仮の処分をして目下当人を取り調べておるという段階のようでございます。この点につきましては、大蔵省といたしましては、顧客に対する関係がないということを確認いたしましたので、当面その社内の規律違反としての処置の進行を見て、当方の考え方を定めるという立場に立っております。
○武藤(山)委員 それは社内の規律違反と言われるけれども、内容はどういう程度の手張りをやって、どの程度の利得をあげて、どんな状況になっているかということは、検査の結果わかっているわけでしょう。それはどんな状況なんですか。
○吉国説明員 御承知のとおり、この検査も課税の調査と同様に秘密を保っておりますので、この場でこれを公開して申し上げるのは差し控えさせていただきたいと思います。
○武藤(山)委員 いまの池袋支店長に左遷をされた柳谷一雄と称する人が、明らかに間違いをおかしたということを公表したけれども、実際はこの人が一人で責任をかぶった形にさして、実のところは社長、重役陣が共謀してその架空名義の口座をつくった。そのうわさがいつまでも渦巻いていたのでは経営上好ましくないので、責任者を一人出して、この人に一切責任をかぶせたようなかっこうではなかろうか、こういううわさがある。しかも、罷免をされるとか左遷をするとかと称された本人が、現在は本社へ戻って本社のかなりのポストについて社長ともゴルフに行き、社長とたいへん親しくしているといううわさが最近かなり強く流れております。 そうしてみると、これはどうも一人の人間に責任をとらしたかっこうだけれども、その真相は、前段私が指摘したようなことがあるいはあるのではないだろうか、こういう疑いかまだ晴れないのでありますが、その辺をひとつ証券局としては今後十分調査をして次の委員会までにひとつその状況をつまびらかにできるように要望いたしますが、いかがでございますか。
○吉国説明員 ただいま御指摘の点でございますが、はなはだ不正確かもしれませんが、私が聞いておりますところでは、この事件と申しますかその行為は池袋支店長時代に池袋で行なわれまして、とりあえず池袋支店長をはずして本店勤務にして停職処分にしておる、こう聞いておりますので、本店の行為ではなかったように思います。 それからこの件につきましては、いま申し上げましたように、野村証券としてはこれを刑事処分にするかあるいはどうするか、その辺がまだきまっておりませんが、私どもといたしましては、その処分の結果を十分ながめた上で事後報告を申し上げたいと思いますが、検査内容等についてはあるいは場合によっては発表しがたいところがあるかもしれませんが、事実の輪郭を申し上げることはできると思います。やや時日をおかし願う必要があるかと思います。
○武藤(山)委員 ただいまの点はひとつ十分調査の上、また私どもに報告を願いたいと思います。 次に、あと二十分しかございませんが、かつての閉鎖機関台湾銀行の清算並びに清算後の日本貿易信用株式会社なるものについて少しくお尋ねいたしたいと思いますけれども、これは国有財産局と理財局も関係がありますか。理財局来ていますね。もし答弁者側、理財局も必要でしたら理財局も答弁をいただきたいと思います。 そこで、まず最初にお尋ねいたしますが、この閉鎖機関台湾銀行の清算の中で、まだそう遠くはありませんが、昭和三十九年に台湾協会に一千万円、その金は女子寮建設の名目で支払われているという話でありますが、事実はどうなっておりますか。昭和三十九年に台湾協会へ一千万円金を出したかどうか、それをまず先に明らかにしていたたきたい。
○大村説明員 お答えいたします。 昭和三十九年の七月二十三日に財団法人台湾協会に対しまして、当時大森にございました建物を女子育英寮に改造するという目的で一千万円ほど寄付しておるという事実がございます。
○武藤(山)委員 寄付というのはどういう意味ですか。清算費用の中から寄付をしたのですか。どこからその一千万円は出てきたのですか。
○大村説明員 清算費用の中から一千万円支出しております。
○武藤(山)委員 閉鎖機関台湾銀行は昭和三十二年に清算結了してすべての業務は完了しておるはずだと聞いておりますが、それは間違いですか。
○大村説明員 旧台湾銀行の清算事務は、第一回は昭和二十年九月から開始いたしまして、その終わりましたのは昭和三十二年七月でございます。それから第二回目に、外地における凍結資産の解除等がございまして、それに伴う清算事務が開始されております。これが昭和三十三年の七月でございます。それの結了いたしましたのが昭和四十年の四月でございます。その間にただいまの一千万円が清算費用から支出された、そういうことでございます。
○武藤(山)委員 三十三年七月から四十年四月までの間、もうすでに三十二年に清算は一切結了したと称するのに、翌年の三十三年七月からまた清算事務が開始したという、その意味が私にはよくわからない。それは何か当時の台湾銀行の債権が三十三年になったら入ってきたのですか、何か清算をしなければならぬような金がとれてきたのですか。それはどういう経過なんですか。
○大村説明員 二回目に清算を始めましたのは、当時インドその他から外地におきますところの凍結資産が解除されました金が返ってきましたのと、それから連合国財産返還善後金というのが入ってまいりました。その金を受けまして、その金に伴なう清算を行なった、そういうことでございます。
○武藤(山)委員 そういたしますと、一たん結了した三十二年七月以降に入ってきた金額はどのくらいあるわけですか。
○大村説明員 二回目の清算は、昭和三十三年七月から昭和四十年四月までかかっておるわけでございますが、その間たとえばインドの凍結解除金が百万円、円単位で申し上げますが九千六百万円、それからセイロン関係で二千万円、それからポルトガル、ペルー関係で約二百万円、あるいは連合国財産返還善後金が三千九百万円、その間連合国財産返還善後金というのは国債で支払われておりますから、その国債利子とかあるいは預金利子等がございまして、その間の資産、負債関係の金額トータル約二億七百万円ということになっております。
○武藤(山)委員 二億七百万円入ってきたわけですね。その後その資金というのは大蔵省の国庫へ納入したのか、それともその金はどこへどういうふうに流用したわけですか、二億七百万円の金は。
○大村説明員 資産関係トータル約二億七百万円でございますが、そのうち清算費用に三千八百万円使われております。それから国庫に対する納付金が約七千万円ございます。それから清算に伴う税金は五千七百万円、残余財産が四千百万円、こういうふうでございます。
○武藤(山)委員 この残余財産四千百万円の中から台湾女子寮に一千万円出したわけですか。それとも全く別ですか。そしてこの四千百万円の行くえは現在どうなっておりますか、残余財産の処理は。
○大村説明員 一千万円は清算費用の三千八百万円の中から支出されておるわけでございます。残余財産四千百万円は、旧台湾銀行一株につきまして百十円ということで株主に分配されております。
○武藤(山)委員 清算事務、これはきょうの質問の時間の範囲内ではちょっとむずかしい込み入った話になりますから、あとでまた中身は資料をもらってやりますが、当時台湾銀行に対する債権者、これに対してはどの程度補償したのですか、みだりにこの入った金を処分をしておるようだけれども、当時の台湾銀行に対する債権者に対しては配当は一〇〇%してないでしょう、それはほんのわずかしかしてないでしょう。それはどうなんですか。
○大村説明員 旧台湾銀行は、御承知のとおり台湾に本店がございますほかに、内地に支店等を持っておりました関係で、国内預金それから外地預金とあるわけでございます。清算事務は国内預金の支払いから行なわれておりますが、国内預金につきましては一〇〇%預金者に払い戻しされております。清算事務が始まりまして、途中におきまして外地預金につきましても支払い事務が行なわれたのでございますが、その支払いにつきましては、当時の台湾銀行券と日本国内で流通しております日本銀行券との通貨価値等という点を勘案されまして、外地預金一円五十銭に対しまして国内一円という割合でもって元金の支払いが行なわれております。
○武藤(山)委員 清算事務の中身について納得のいかぬ点は、あとで詳細、いまの続きは時間のあるときに質問をいたしたいと思います。 私は、ここで一つ奇異に思うのは、台湾銀行の清算残金三億七千五百万円を資本金として日本貿易借用株式会社なるものをでっち上げた。しかもこの会社は手形割引、金貸し、言うならば町の金貸しですよ。そういう業務を行なっている。この会社は、利子、割引料は幾らとっていますか。
○大村説明員 日本貿易信用は、ただいま御質問のとおり旧台湾銀行の残金をもとにいたしましてできました新会社でございますが、現在主として手形割引等の業務を行なっております。 それの利子でございますが、表面日歩一銭八厘ないし二銭五厘そのほか保証金を一五%ないし二〇%とっております関係で、実質金利は二銭二厘五毛とか二銭九厘程度になっている、そういう状況のようでございます。
○武藤(山)委員 これはひとつ銀行局長、その動きのようでありますじゃなくて、手形を割る場合に、この日本貿易信用なるものは大体二割、手形の期日まで金を預けなければならない。これはたいへんな高利ですよ。しかも日本貿易信用の兄弟会社に協和商工信用株式会社というのがあるのを知っていますか。全くこれと兄弟会社になってやっているのですよ。この日本貿易信用で割れないような手形は、その協和商工信用株式会社で割るわけです。これになると、今度は利息が倍くらいになるわけです。まさにやみ金融ですよ。日本貿易信用株式会社もこの協和商工信用株式会社も正規の銀行じゃありませんよ。こういうものに大蔵大臣が株主の筆頭に載るということは業者に対する信用を与える。好ましくないと思うのですよ。どうですか、好ましいですか、好ましくないですか、それまではっきり答えてください。
○澄田説明員 日本貿易信用株式会社は、業務としては先ほどお話の出ましたように手形の割引、これは貿易に関する手形というようなものをねらいまして、手形の割引並びに資金の貸し付け、こういうような業務を業務内容といたしておりまして、これは出資の受入、預り金及び金利等の取締等に関する法律によって貸金業ということになっておりまして、貸金業の届け出をいたしております。お話のように、いわゆる町の金融業者も貸金業の届け出をしているということになっておりますので、法律の規制の上においては広く貸金業者という中に入るというで、同じような面を持っているわけでございます。 この日本貿易信用株式会社に対する政府の持ち株は、これは閉鎖機関である旧台湾銀行に対する政府の持ち株に対して、日本貿易信用株式会社なる株が割り当てられまして、そして現在までこういう株を保有しておるわけでございますが、これは旧台湾銀行に対する株に対して、それの第二会社であります日本貿易信用株式会社の株を割り当てられた、こういう関係でございまして、したがって特定の政策目的で政府が出資をしてその株を持っているという場合とは違います。かつての出資に対する割り当てとして持っているわけでございまして、その後増資が行なわれたということがございますが、この増資の際も増資の新しい株は引き受けませんで、昔の割り当て株をそのまま持ち続けている。しかし、これは政策目的で持っているわけではございませんし、状況を見て処分をするということで、政府のこのような持ち株という関係は状況をまって逐次減らしていく、やがてはできれば政府の持ち株をなくするというようなことを考えてしかるべきことと思っております。
○武藤(山)委員 私に指摘されたからだんだんこの株は減らそうということで、黙っていればいつまでもこれは続けているでしょう。第一、この日本貿易信用株式会社要録という中に、株主筆頭に大蔵大臣と名が載っておるのですよ。これは信用を与えますよ。町の業者は大蔵大臣が株主の筆頭ではこの会社は心配ないということになりますよ。こういう町の金融屋に大蔵大臣の名が筆頭に載るような出資というものは、私は好ましくないと思う。だから、好ましいか好ましくないかお答えをしてほしいという質問をしたのですが、好ましいか好ましくないか、どうですか。好ましいか好ましくないかをまず答えてください、その後、もう少し調べますから。大体大蔵大臣名で持っている株数は何株で、時価にすると幾らになりますか。
○大村説明員 いま持っている株でございますが、その前にちょっと若干経緯を申し上げますと、旧台湾銀行の株は、実は百円払い込みの旧株と二十五円払い込みの新株と両方ございましたが、それで百円払い込みの旧株は、清算当時政府といいますか、皇室が持っておりますのを含めまして一万七千六百三十二株、そのうちいわゆる台湾銀行に対する一般会計の出資が二千五百株でございます。残りの一万五千百三十二株は皇室が持っております。それから二十五円払い込みの新株は一万五千百三十二株ございまして、これも全部皇室が持っておりまして、これは戦後は憲法八十八条の関係で国庫に帰属するということになりまして、トータルは百円払い込みの株に換算して二万一千四百十五株でございますので、これが日本貿易信用株式会社ができましたときに、旧台湾銀行の一株につきまして日本貿易信用の株が二株という割になります。そういう関係で、現在四万二千八百三十株政府が持っているということでございます。 ただこれの持っておりますのは、ただいま銀行局長が申し上げましたように、政策目的で持っておるものではございませんので、適当な機会に処分したいというふうに考えておりますが、この株が実は市場で取引されるようになりましたのは、昭和三十八年に東京店頭の登録銘柄になりまして、それからだんだん流通するようになったわけです。当初三十八年、三十九年ごろまでは株価が額面の五百円を割って四百円台という状況でございましたが、やっと最近になって六百円をこえるようになりました。そういう時期になりましたので、そういう処分は、適当な時期を見計らいまして——そしてまた商いは比較的薄うございますから、一ぺんに四方株売りますと、値をくずすということになりますので、そこらも勘案しながら時期を見て逐次処分してまいりたい、かように考えております。(武藤(山)委員「概算時価幾らになるか」と呼ぶ)現在約六百二十円でございますから、四万二千八百三十株の六百二十円ということでございまして、約二億五千万円程度でございます。
○武藤(山)委員 この会社は一割配当しておるようですが、いままで政府に配当金として総額幾ら入っておりますか。
○大村説明員 配当を受けましたいままでの総額の数字は、いま持ち合わせておりませんが、当初は、配当は六%ないし九%、逐次好転してまいりまして一割あるいは一割二分、あるいは一割三分というような配当になっております。
○武藤(山)委員 その配当は年々きちっと大蔵省に入っておりますね。
○大村説明員 そのとおりでございます。
○武藤(山)委員 私はきょうは一時間という持ち時間、もうすでに時間が到来したからこれ以上こまかい点を尋ねようといたしませんが、どうもこの台湾銀行の清算事務の処理のしかたというのは不公正である。しかも、台湾銀行につとめていた当時の支配人あるいは部長代理、そういうような者をずっと役員に入れて、清算すべき金をこういう町の金融会社にでっち上げて、その金をこちらに利用する、こういうようなことは、預金者の立場から見るならば、債権者から見るならば非常な不満でありますよね。しかも、その中に元大蔵大臣が相談役にいたり顧問にいたり、大蔵省の役人が、四国財務局長が取締役をしておったり、こういうような失業救済的な色彩が非常に強い。しかも、町の金融機関でありながらそういう旧歴をだっと要録の中にあげて、この会社は政府のえらい経歴のある人たちがみなやっておるのだという信用を持たせる。これは私は誤解を町にばらまく最大のもとになると思うのです。こういう点はすみやかに——いま澄田さんも国有財産局長も、時期を見て処分をするという発言でありますから、これはもう本委員会における約束だと私は思いますから、その状況についてはまた報告を聞くことにしたいと思います。 それからいまの答弁の中でもふかしぎに思うのは、三十二年に一切清算事務は完了しましたといって関係者には断わって、もう何もないのだと断わっておきながら、三十九年になって一千万円の金をぽんと女子寮に、台湾協会に出したり、あるいはその後、いまだんだん話を聞いてみると、二億七百万円も資産が入ってきている、こういうような、結了していないのに結了したといって、三十二年に一切を終わらせたような回答を債権者には出している。あなたがその当時の係でないからわからぬと思いますが、そういう当時の閉鎖機関からのいろいろな通知や資料を私のところに持ってきて、その後の金の使い方がまことに不明朗であるといって、不満をぶちまける債権者もおったわけであります。だから、私はそういう中身についていまここで追及をしても、もう過去のことじゃということになるから、問題はいま処理しなければならない問題について大蔵省としては真剣にひとつこの問題を処理するように強く要求して、一応約束の時間ですから終わりますが、あとでまたおりを見て一回清算事務の中身についてお尋ねしますから、それまでに資料をきちっとつくって出してみてください。いいですね。清算事務の状況を全部出してみてください。 以上で終わります。
○大村説明員 ただいまのお話の点、十分注意いたしまして、今後の処理に当たりたいと存じます。 なお、先ほどの政府の手持ちの四万二千株の時価でございますが、約二千六百万円程度でございますので、訂正申し上げます。
○内田委員長 この際暫時休憩いたします。一時から再開をいたします。 午後零時五分休憩 ————◇————— 午後一時十三分開議
○内田委員長 これより会議を再開いたします。 この際、当面の財政、金融問題等について、政府より説明を聴取いたします。小沢大蔵政務次官。
○小沢説明員 先般来とってまいりました景気調整のためのいろいろな措置について申し上げたいと思います。 まず、経済情勢でございますが、わが国の経済は、昨年以来根強い上昇基調にありまして、昭和四十二年度に入ってからは、特に設備投資の増加傾向と消費需要の堅調を中心に拡大を続けてまいりました。卸売り物価は、年初にやや波乱模様を見せましたが、その後落ちつきを取り戻しまして、最近は強含みの横ばいというような状態で推移しております。 しかし、この間、国際収支は、輸出の伸び悩みと輸入の増大傾向を主因といたしまして、次第に均衡を失いつつありまして、本年に入ってその赤字基調は明らかであります一季節差修正済みの経常収支と長期資本収支との合計、いわゆる基礎収支は、昭和四十一年の十月−十二月にマイナス三千八百万ドルというような状態に転じまして、その後今年の一−三月七千六百万ドル、四−六になりますと、これが二億三千五百万ドルというふうに赤字幅を広げてまいっております。このため、四十二年一月から七月までの間に、総合収支は五億五千四百万ドルの赤字となりまして、外貨準備残高は六月以降漸減を続けております。このような国際収支の悪化は、海外の景気不振にもよりますけれども、基本的には、わが国経済の成長テンポが早過ぎたためと考えられるわけでございます。 このような情勢にかんがみまして、私どもは、政府全体として、去る七月、国債、政府保証債、合計千二百億円の発行減額を決定をいたしまして、景気上昇局面における財政の節度を示すことにいたしたわけでございますが、それと同時に、景気の先行きに対しまして抑制的態度を明らかにすることを示したわけでございます。この措置の直後に、日本銀行は、金融機関の資金ポジションの指導強化を決定いたしまして、そうして金融面からする景気に対する警戒的態度を明確にいたしたのであります。 その後、今日まで事態の推移を見守ってまいりましたが、総需要を抑制いたしまして国際収支の均衡を回復し、わが国経済の安定的成長を確保することがどうしても必要じゃないかというように考えまして、今回の引き締め措置をとることにいたしたわけでございます。 この措置の概要でございますが、まず金融面からは、日本銀行が、御承知のとおり、九月一日から公定歩合を一厘引き上げました。同時に、都市銀行等に対しまして、貸し出し増加額の規制を行なうことを決定いたしたわけでございます。 これと相呼応いたしまして、財政面からは、九月五日に財政の執行の繰り延べ措置をとることを閣議決定をいたしました。この措置は、一般会計、特別会計及び政府関係機関を通じまして、公共事業費等の投資的経費につきまして、施行時期の調整をはかることといたしまして、公共事業系統経費の七%を目途といたしまして、事業の実施を繰り延べるものでございます。財政投融資計画対象事業につきましても、これと同様の比率を目途といたしまして、繰り延べ措置を講ずることといたしたわけでございます。 さらに、地方財政についても、地方財政は、御承知のとおり国全体の財政の中に占める比重が非常に大きいわけでございますから、この点にかんがみまして、国と同一歩調のもとにその運営をはかる必要があるわけでございます。そこで、国のこうした施策に相呼応いたしまして、地方財政におきましても、公共事業系統の繰り延べを行なうことといたしますとともに、地方の実情に応じて、単独事業、公営企業についても、自主的な繰り延べ措置を講ずるように要請をしておるわけでございます。 なお、今回の引き締め措置におきましては、輸出の振興や国民生活に特に重大な影響を及ぼすと思われる災害復旧事業、中小企業金融に関係のあるもの、それから特殊な事情にございます万博関係の事業、あるいは地域的な特性を考慮いたしまして、北海道における公共事業、これらにつきましては、いろいろときめこまかい配慮をしてまいりたいと考えておるわけでございます。 これら財政、金融両面からの施策によりまして、総需要の調整が公共部門、民間部門を通じて行なわれまして、国際収支はおそらくそう遠くない時期に改善の方向に向かってくるものと考えております。その結果、適切な均衡のとれた経済成長が実現できるものと私どもは確信いたしておる次第でございます。 以上、最近の経済状況、情勢といいますか、そういうものに対する認識と、これに基づきます今回の諸般の財政措置につきまして、概要を御説明申し上げた次第でございます。 —————————————
○内田委員長 午前中に引き続き質疑を続行いたします。只松祐治君。
○只松委員 ただいま政務次官から異例の御報告がございました。本来ならば、そのような問題を中心に大臣と論議をいたす予定ですが、大臣の時間がきわめて少ないようで、きょうは、大臣がお見えになるまで、私は税制の問題について質疑をいたしたい。 私は、きょうは土地の税制の問題についていろいろお尋ねをいたしたいと思って、準備をいたしてきました。その前に、一般的な税制として、これはあとで大臣に質問する関係もありますので、現在の税収状況、自然増収というものが大幅に見込まれておりますが、そういう点について、おわかりになるところをお答えいただきたいと思います。
○塩崎説明員 四十二年度の租税収入につきましては、七月末までの収入実績が判明いたしておりまして、この点につきましては、もうすでに資料といたしましてお手元に配付済みと思います。 御案内のように、私どもの見ておりました経済見通し以上の経済成長が進みつつある関係から、租税収入状況も見通しよりも好調であることは間違いございません。七月末の前年度の収入歩合は三一%でございましたが、今年度は三三・一%、約二・一%の上昇が見られるのでございます。特に法人税は、前年度は三六・三%でございましたが、これを四・七%上回る四一%の収入歩合が見込まれるのでございます。さらにまた、七月末だけとってみましても、前年度七月中だけの法人税の収入は七百一億八千九百万円でしたが、今年度は八百七十億四百万円、このような収入状況でございまして、二割以上の上昇が法人税については見られます。もちろん予算において増を見ておりますが、この二割が全体収入といたしまして自然増収になるわけではございませんけれども、何ぶん好調の最大原因は法人税でございます。そこで、ことしは、私が特に法人税を取り上げましたのはこういう理由でございます。 いままでのわずか四カ月半だけの資料で、四十二年度全般を通ずる自然増収を見通すのはなかなかむずかしい。特に法人税が、先ほど申し上げておりますように、これからの皆さま方の御関心の自然増収の大部分だといたしますと、これはよほど慎重に検討する必要がある。何と申しましても、法人税の企業収益は非常に変動するものでございます。さらにまた、先般来の引き締め措置が講ぜられますと、常に法人税の収益は非常に微妙な反応がございます。これらの関係で、私どもといたしましては、現実の政策として持ち得る自然増収を申し上げ、あるいはこれを利用するには、何といっても九月決算の状況をひとつ正確に調査して、それから判断をするべきではないか、こんなふうに考えております。予算三兆八千五十二億円以上の自然増収がおそらく出てくることは私ども否定する気持ちはございませんけれども、はたしてどの程度生ずるか。これは今後、先ほど申し上げましたように、その自然増収の大部分が法人税であると考えますと、九月決算の状況その他を十分検討して申し上げるべきではないか、かように考えております。
○只松委員 この税の増収でございますが、ただ増収といいましても、その内容にはいろいろある。その法人税にいたしましても、大法人と、それからいまの日本の税制上の矛盾から法人成りをいたしております零細企業者の法人税といろいろある。特に昨年末から本年にかけてリベートあるいはデパートへ納入する——リベートとも何ともつきませんが、納入するときにいろいろ手心を加えてもらうためにする、こういうものの否認というものが非常に強く行なわれております。薬局、あるいは現在東京都内でも新宿区内等においては、歯科医の調査というものは非常にきびしく行なわれて、出さなければ抜き打ち調査をいつでもやるぞ、それでもかまわないかというようなことを、税務署が歯科医の幹部に一種の脅迫をする、こういう状態が行なわれておる。したがって、私は、税の自然増収というものはただ単に企業の伸び、法人税、しかも大法人の伸びだけとは見ておらない。できるならば、私はその税の増収内容について資料をひとつ出していただきたいと思っております。九月決算でないと確実でないということですが、七月末における状態でも出していただきたい。 その資料は資料といたしまして、特に私は、いま言いますように、一昨年あたりまで見られなかった公債政策が取り入れられてから、そういう面におけるいわゆる諸経費を差し引いた後におけるいわば脱税の発見でございますから、もろに課税対象になる。こういうものの摘発というものが強く行なわれてきております。私はきょうはそれが本論ではございませんから、そういうことは詳しく申し上げませんけれども、どうかひとつ逆な意味で、そういうふうに税の自然増収があるとするならば、法人税が、あなたたちがおっしゃるように、零細企業でない、特に大法人が伸びているんだ、こういうふうな角度からおっしゃるならば、そういう零細企業の苛歛訴求といいますか、非常にきびしい調査、もっとも悪質なものは例外といたしまして、一般自由業のそういうものに対する業界を通じての脅迫的なきびしい取り調べ、そういうものはひとつ十分皆さん方のほうで御配慮をしていただきたい。こういうことをまず要望しておきたいと思います。 私はきょう聞こうと思うのは、そういうふうに零細企業や自由業——もちろん労働者の勤労所得税は一〇〇%脱税することなく取られておるわけですが、いま日本の社会問題の中でも非常に大きなウェートを占めております住宅の問題、それと密接な関連を持ちます土地の問題、この土地の税制について、皆さん方がきょうお配りになりましたいろいろな本を見ましても、私たちの所得とは違って、不動産所得についてはきわめて限られた課税対象しか行なわれておりません。一説に言われておりますように、私たちがこの前から要求いたしました、なかなかお出しになりませんが、秘密のとらの巻というようなものが国税庁内部にあって、それでお取りになっておるというならこれは別でございますけれども、法定主義に基づいて、しかも国税庁が公にお出しになっておりますものを見ましても、不動産の権利、賃貸借、いわゆる譲渡所得と臨時所得というものしか大体取られていないわけです。あとで新しい税制あるいは長期的な土地に対する税制は別個お聞きいたしますが、現在皆さん方がおとりになっておる不動産についての税制についてお述べをいただきたいと思います。
○塩崎説明員 もう御指摘のような仕組みをとっておることは言うまでもございません。不動産所得、土地につきましては、年々土地から生ずる所得に対しまして、これを不動産所得として取り扱っております。不動産所得という意味は収入金から必要経費を控除いたしまして、それを普通所得といたしまして総合累進課税とする、こういうことでございます。もう一つは、土地の売却から生ずる所得でございますが、これは譲渡所得といたしまして、ただしこれは普通所得と違いまして、例の三十万円を控除いたしますし半分にいたしまして課税する、こういう二つの体制がございます。 なお、譲渡所得のほうは変動所得の一つでございまするけれども、半分課税という形で平均課税という思想を出しておりますが、不動産所得の中にもいろんな形態がございます。簡単に毎年毎年発生する地代、家賃のような所得は普通の所得といたしまして課税することが適当でございますが、只松委員御指摘になると思いますけれども、例の更新料、不動産を売却したのではないけれども不動産を使用させることによりまして一時的に所得する対価、つまり譲渡所得といたしましてはあまりにも金額が小さい場合もあるし、また半分課税をすることも適当でない場合がございます。使用せしめる期間あるいは賃貸期間に応じまして初めから予想いたしまして徴収するという対価でございますので、これは臨時所得といたしまして課税するということを、たしか昭和三十四年でございましたか改めまして、不動産所得の中でも臨時所得といたしまして更新料あるいは名義書きかえ料、あるいは地役権の設定の対価のうちの一部のものというようなものを臨時所得の中に含めまして、できる限り支払い能力に適合するような課税体系をとっておるつもりでございます。その課税の中身と申しますか、実際の税務執行におきましてなかなか問題がございますけれども、税務執行を担保する意味におきまして、法人の支払う地代、家賃、あるいは買った場合の土地の対価についての支払い調書、これは三十二年からでございましたか、税法の改正と同時にお願いいたしまして、できるだけ執行の適正化につとめておるつもりでございます。
○只松委員 国税庁のほうで、さっき言いましたようにとらの巻ですか、秘密の徴税のものがあるのですが、そういうものに基づいてこの土地関係でどういう課税がありますか。したがって、どう捕捉され徴収されておりますか。国税庁の実際に捕捉しておる面からひとつ御説明をいただきたいと思います。
○川村説明員 不動産所得の課税状況でございますが、まず四十年分につきまして、人員と所得金額について申し上げますと、課税人員は八十一万五千人でございます。所得金額が二千八百二十五億七千九百万円。これを前年と対比してみますと、三十九年分の課税に比べまして人員で一五%の伸びでございます。それから所得金額では三一%の伸びとなっております。 お話の譲渡所得あるいは不動産所得ということになりますと、現実に、ただいま主税局長から御説明いたしましたように、総合して課税されます関係で、譲渡所得によってどれだけの税が収入され、あるいは不動産所得によってどれだけの税が収入されたかということは、実はきわめて推計が困難でございます。そこで、いま申し上げました計数をもとにいたしまして、従来の課税統計から類推されます平均税率で一応推計してみますと、四十年分におきまして申告所得税の税額が二千三百九億でありますが、そのうちその他所得、いわゆる資産所得による税額が約六一二%余りでございます。その他所得のうち譲渡所得にかかるものが約二七%、不動産所得にかかるものが三五%でございます。このような形になっております。したがいまして、先生のおっしゃるいまの賃貸料等に基づきます不動産所得による所得税額は総体の申告所得税額のうちの約二割程度を占めるというような状況に相なっております。
○只松委員 具体的にどういうものがありますか、そういうことをお尋ねしたわけです。具体的にお答えをいただきたい。
○川村説明員 具体例は二、三の税務署につきまして個別的なケースを調べております。非常に個別的でございますので……。
○只松委員 個別的じゃなくて、体系的に具体的に……。
○川村説明員 おっしゃるとらの巻というのがちょっと私もあれなんでございますが、まあ不動産所得といたしましては賃貸料のほか権利金あるいは更新料、その他契約更新等に、あるいは地上権の設定等にからみます礼金というような支払いがなされるわけでございます。こういった性質のものは全部不動産所得として課税されるわけでございますが、国税庁といたしましてどういう資料に基づいてそういう所得を把握しておるかということについて若干申し上げたいと思います。 第一は、ただいま主税局長が申し上げました所得税法の二百二十五条によります法定資料、その法定資料を活用するということが一つであります。これは御承知のように不動産の賃貸あるいは譲渡がありました場合に、その対価を支払う法人あるいは不動産業者である個人、これらに支払い調書を求めるということになっておるわけでございますが、これは一つのカードに登載いたしまして、常時その更新状況あるいは賃貸料の値上げ状況を把握する、これが一つであります。 それから第二に、何といいましてもそういった更新あるいは設定等が行なわれます機会は建物の新増築が行なわれる機会でございますので、これは市町村等から建築届けにつきまして調査をすることによりまして建築主をつかまえる。この建築主にいろいろ照会をし面接をして、賃貸料あるいはそういった権利金の支払いの実態をつかむということでございます。 それから第三に、青色申告書の決算書あるいは不動産処理の明細書がついて申告されてまいりますが、こういうものについて契約の内容、特に賃貸期間、これを記録しておきまして、常時更新時期における権利金の授受等につきまして調査をするということであります。その他市区町村で課税しておりまする固定資産税、これの課税実績をつかまえまして、そこから土地及び家屋の賃貸の資料をつかむというようなことによりまして、種々調査を行なっておる次第でございます。
○只松委員 ただいまのようなことだから、私がきょうは質問をしているのです。いまからもするわけなんですよ。その程度のことは大体聞かぬでも私は知っているわけです。もっと知っていますよ。いまから私が知っていることを教えますからね。 あなたたちが書いているように、価格の二分の一以上の場合は譲渡所得を取ります。その問題が一つ。二分の一以下の場合がありますが、これはきわめて例外ですね。それから権利の書きかえ、これは、ちょうどいま戦後二十年、二十年契約が多いわけです。戦後の二十年を経まして、いま書きかえどきになっている。これもありますから、一つはこの問題をあげておる。二十年ないし三十年で書きかえる。それから、増築をした場合の増築の承諾料、これはあとで具体例を幾つか示します。いま並べるだけ並べますが、増築の承諾料。これは、たとえば住宅公庫から金を借りる場合でも、地主の承諾がないとだめなんですね。したがって、判こをもらうために国家が——公庫は直接国家じゃありませんが、地主に金一封を持っていかなければ判こがもらえないというようなことに、政府機関はしておるわけなんです。そういうことは、たとえば子供の勉強部屋一つつくるという場合でも、下に建て増す場合は当然でありますが、二階に建て増す場合でも全部敷地面積として増築料を取ります。それから、皆さん方が赴任され、家を買われる場合がある。官舎があればいいわけですが、またどっかに赴任されるので、永住しようと思ったけれども売られる。その場合には、やはり地主の了解を得なければ売買ができない。そこでまた判こ料を取られる。あるいは家屋を持っておる人が家屋の賃貸人を変えます。この場合にも取られる。ざっとおもなものをあげましても土地にからむものはこういうふうにあるわけです。これがどの程度取られておるかということになりますと、なかなかむずかしいわけです。たとえば、権利の書きかえの場合に、通常五%から二〇%。四、五日前判決が出ましたね。判決じゃない裁定ですか、第一号が出た。池袋で地主と借家人が争った。そして五百三十万円支払えという決定書が出ましたね。これは五十年間です。おそらく坪二十何万円かに当たっているわけでしょう。たとえば百万円とすれば約二〇%をこすわけですね。こういうふうに二〇%、小さいうちならば五%、それから増改築の場合は安くて三千円から一万円、このくらい取られるわけなんです。家屋売買のときもその売り値の五%ないし一〇%くらいは地主が取るわけです。こういうものを皆さん方が捕捉されておるといいますと——私も幾つかの税務署を回り、あるいは売買した不動産業者も知っております。それから家屋を建てた、あとで一例を示しますが、税務署の人手が足りないとかなんとかいうことは別ですよ。課税の捕捉対象になっていないですよ。なっていると思うのなら、皆さん方例をあげなさい。あなたたちが私のところに資料を幾つか持ってきておりますけれども、そんな資料なんてちゃんちゃらおかしくって見られない。浦和の税務署に行って、あなたたちと立ち会いで、増改築をしたところをどの程度あなたたちが調べたか、やってもいいですよ。したがって、これは戦後最大の脱税だと私は言いたいのです。それをあなたたちから見るならば、責任の問題が生じてくるからどういうことをおっしゃるか知らないけれども、のれんを掲げてやっている中小企業者なり、歯科医がわずか一つか二つ金冠をかぶせたのを落としたものがあるとかなんとかいうことをとことんまで調べていく。こうやって、一種の不労所得ともいうべき——しかも、いま近郊都市では、何がいいといっても、土地ほどいいものはない。この恵まれた人々の不労所得というものをほとんど徹底的に調査をしておらない、こういう事態があるのです。確かに、あなたがさっきから述べられたような、二分の一以上の譲渡あるいは賃貸、そういう法律面でできている面はそう——それでも相当インチキがあるわけですよ。十万円でも、八万円にしてくれ、七万円にしてくれという形でないと地主さんは貸しませんから、そういう面でも全国的には相当大きな脱税があるわけです。そうでなくて、私がいま言っているようなことは、法人ならばこれが出てくるのです。個人の人が、サラリーマンの人が貯金を引きおろして子供の勉強部屋を建てようと思って住宅公庫から借りた。ところが、いざとなってみると、地主が坪一万円で、十坪なら十万円、五坪なら五万円だと言う。その金がない。こういうことで悩んで相談に来られる人がたくさんあるのです。そういうものを皆さん方が地主さんの所得として捕捉されているかというと、実際上この捕捉はなかなか容易ではないのです。捕捉なり課税対象面での困難性はありますけれども、しかし、他の生業を営んでいる人に皆さん方が非常にきびしい調査をなさっている態度から見るならば、私はこれは脱税だと言いたい。これを全国総計いたしますと実に膨大なものにのぼると思う。 ここで、私は東京都内の一つの例をちょっと申し上げてみたいと思う。これはデータのとり方がなかなかむずかしいのですが、東京都の固定資産税でとっているもので、一億二千二十九万坪くらいある。その中で二十三区の住宅敷地面積が一億六千九百三十四万平方メートル、坪にいたしまして五千百三十二万坪ぐらい。うち、借地が千七百三十七万坪ありすまから、大体東京都の三分の一は借地になっているわけです。この東京都の二十三区の三分の一が借地になっておって、平均の土地価格が二十万円といたします。二十万円として、これに単純掛け算をいたしますと、三兆四千七百五十二億円、さっきから言いますように、一番安い五分の権利金を支払うといたしまして一千七百三十七億円、鉄筋のように、二〇%といたしますと六千九百五十億円、これだけかかるわけですね。これが大体ことしから明年くらい、いわゆる木造家屋の場合は相当数の更改が行なわれて、権利金が支払われる、こういうことです。これは皆さん万の言う譲渡価格、譲渡の問題として、しかも登記所で登記されて、法律上相当明確にあらわれてきているのですね。私がさっき言いましたのは、明確にも何も、ほとんどあらわれておらない部面、しかも東京都と違って、千葉、埼玉、神奈川のような近郊都市の住宅が非常に急増されておる。こういうところの、ただいま申しますような課税というものは、税務署に行って皆さん方さがしてごらんなさい、どの程度取っているか取ってないか、台帳も何もありませんよ、言っておくけれども、課税対象になっておらない。二十年ごとの書きかえとしてこういう試算をいたしましても、少なく見積もって一千七百億、多く見積もれば六千九百億、約七千億くらいありますけれども、こういうものを全国で、東京都のものを一割といたしまして十倍いたしますと幾らになりますか。少なく見積もっても一兆七千億からなるでしょう。多く見積もれば六兆九千億、約七兆億になるでしょう、権利金だけでですよ。この課税を皆さん方のほうでどういうふうになさっておるか。これは皆さん方は理論的になり何なりここでお答えになりますけれども、実際に税務署に行ってみなさい。ほとんどそういう課税対象はありません。ちょうど呉服屋さんなら呉服屋さん、石屋さんなら石屋さん、そば屋さんならそば屋さん、こういうものを各税務署がおよそ把握して、にらんで課税しているみたいな形で地主さんに対する課税は行なわれでおりません。行なわれておるというならおっしゃってください、どこの税務署がどういうふうに行なっておるか。ぼくも一緒に調査に行きますから。だから、私はこれは戦後最大の脱税であるというのです、表面上の権利金の問題だけをやっても。あとで具体的なこまかい例をさらに見ていきますが、そういう点に対して皆さん方はどういう努力をされてきたか、あるいは今後されるか、どういうふうにお考えになっておるか、ここで一回お答え願いたい。主税局のほうにも今後の課税の問題についてお答え願いたい。
○川村説明員 ただいま只松委員からるる御指摘がございましたが、確かに、私どもいろいろ努力はしておりますものの、なかなか努力が徹底しないという面が少なくないのではないかと思います。そのむずかしさの点を、これは言いわけのようにお聞き取りになっては困るのでございますが、一応実情を御説明いたしますと、先ほど御説明しましたような資料を、税務署では所得調査カードのあるいは不動産調査カードに打ち込みまして、これを常時把握しておく、またその権利の移動あるいは権利の追加払い、そういう事実を常時把握するということに使うべきであります。ただ、この資料を打ち込みますときに非常にむずかしいことなのでございますが、実は、たとえば固定資産税の課税台帳から家屋の所有者を見つけ出す、家屋の所有者のうち自己の所有している土地以外の、いわば借地に家屋を所有しておる者の名前を取り出しまして、これを一つの資料とするわけでございますが、個々に税務署から一々当たっているひまがない。そこでこれに呼び出しをかけるわけでございます。あるいは呼び出しをかけませんでも、たとえばはがきで所要の調査事項に記入してくださいというお願いをするわけでございますが、東京の税務署の例で見ますと、大体三割が回答を出してくださいます。ところがあとの七割につきましては、そのちの三割は大体出署して説明してくれる。したがって、六割までは一応税務署のほうで面接あるいはその他の方法で何らかの状況を知り得るのでございますけれども、残りの四割につきましては、全然タッチすることができない。そこでこのタッチすることのできない四割の部分に、個々に税務署員が出かけていって調べるという仕事が残されるわけであります。そういうような状況がございまして、いまの資料の活用を有効にいたします段階でいろいろの問題がございます。それからもう一つの問題は、その次に用意いたしましたそのカードの年々の動きを常時とらえておくということにつきましても、やはりこれもいま申し上げましたような方法で、できるだけ納税者の御協力をいただきたいわけでございますが、これがなかなかいただけない。となりますと、その事実確認のために、綿密に足でかせいで税務署が調査しなければならぬ、こういう問題になるわけでございます。 そういうようなことから税務署員の不足、あるいはその他の調査事務が集中してまいりますと、つい現実に地押しして調べるということが手抜かりが生じてまいりまして、結果的には只松委員の御指摘のようないろいろな問題が起こり得ることは十分想像がつくわけでございます。しかしながら、不動産所得あるいは譲渡所得というものは相当担税力がある所得でございますので、私どもとしては今後とも一そう努力していきたいと考えておるわけでございます。
○塩崎説明員 ただいま直税部長からお話し申し上げましたように、なかなか課税の実態は十分ではないのでございます。申告所得税でございますので、本来ならば地主の方々が誠実な申告をしていただければいいわけでございますが、現在の申告水準ではなかなかそれも期待できない、結局は税務官吏の努力と、それからまた第三者の方々、あるいは支払う方々の資料によってこれを裏づけするしかないかと思うのでございます。このような意味で、先ほど申し上げました昭和三十二年の法人からの支払い調書は、不動産所得課税あるいは譲渡所得課税にも大きな功績を果たしたように見受けられるわけでございます。しかし、そう申しましても、いま申されましたような、個人の帳簿のない借地人の方々から資料をとるということも現在の税制のもとでは適当でないような気がいたします。私どもはこういったことをどのように考えてまいりますか、登記資料あるいは市町村の固定資産の課税に関する資料、あるいは建築資料、あるいは電気関係の資料、それらをひとつどういうふうに収集していくか、多分に税務執行上の問題でございましょうけれども、税制上の問題といたしまして、これをどこまで適正化し得るか、これを検討してまいりたい、かように考えております。
○只松委員 いま国税庁のほうで何かそういうカードがあるようなことをお話しになりましたけれども、ありますか、それはあったらひとつお見せいただきたいと思うけれども、私が行った税務署はそれはないので、つくったらどうかと言ったら、なかなか手がないのでつくれません、こういう話でお話ししたわけですがね。つくってないところが多いのではないですか。どこかにそういうものがあればひとつ私は一緒に行って見たいと思う。 それで、ただいまは東京都の全体をお話ししましたけれども、今度は私が調べた小さい面、A、B、Cの各個人、Aさんのうちでは三十九年度に二十五坪の家を増築いたしました。これは七万円地主に取られました。それからBさんのうちでは昨年四十一年度に六坪、これは二階だけしたのですが、これは一万五千円払いました。ことしに入って建てたうちで、Cさんのうちでは七・五坪、これも二階だけで四万円取られました。それからDさんのうちでは九坪、これも二階だけですが、九万円、ちょうど一万円ずつ取られました。Eさんのうちでは十二坪、これは上下でございますが、三万六千円取られました。あるうちでは二百万円の売買をいたしまして、地主さんに謝礼として十万円渡した。私がちょっと近くを調べましただけでも、各個人のうち——このうちいわゆる法人は一件しかないのです。こうやっていわゆる昔地人が家を建てる、二階に建てるのは、たとえば子供の勉強部屋とかなんとかで建てられる。下は、もうすでにその当時十万円なら約七割の七万円が借地権ですから、一ぱい一ぱい払って借りているわけですね。しかも、その二階に建てるのさえも、みんなこうやって坪五千円から一万円ぐらい取るわけですよ。住宅金融公庫等でなければけんかしてでも多少引き下げさせられますけれども、住宅金融公庫等から借りる場合には、地主さんに泣く泣く払わなければ判こを押してくれない、こういうことで無理やり取られてくる。しかも、これが課税対象として捕捉されているかというと、さっき言いましたように、権利譲渡やなんかは別ですが、私がほんのわずかの範囲を調べてきたのですが、それがこれだけの金になる。さっきから言いますように、中小企業者のように、わずか一万円や二万円のリベートなんかでも皆さんは非常に強く否認され、調べられますね。あるいは不渡り手形が出ましても、相手の会社が倒産してどうにもならなくなるまで否認されますね。しかし、一方こうやって庶民がささやかな家をつくる、そして地主から取られる、こういうものは、皆さん方は地主に対する課税対象としてほとんど捕捉されていないわけです。私の近くのものだけ調べてみましても、これがすぐ百万円近くになるわけですから、これをある地域、あるいは全国に広げてごらんなさい、何千億の金になりますか。東京国税局管内のそば屋さんだけで、三十七億の申告に三十億の増差益をかけて六十七億にしている。こういうことで、皆さん方が全国を推計される場合には、こういうものだけで優に一兆円をこす、私はこう言っているのです。しかも、これが最も恵まれておる地主さん方の課税対象額から実際上はずされておる。私から言うならば脱税ですよ。皆さん方から言えば怠慢。こういうことはあってはならない。 私は昨年も、家庭の奥さん方からは年間五万円で税金をお取りになる。そこでびくびくして内職をしなければならない。しかし、ホステスは月に二十万、三十万、五十万取っても一銭も税金を払わない、けしからぬではないか、こういうことを言って、ことしから日給二千円以上は取るようになりましたけれども、やはりこういうふうなまじめにのれんを掲げて仕事をしている中小企業、零細企業からは、とことんまで洗って取っていくけれども、こうやって恵まれて、しかもいま何と言ったって、とにかく地主さん、特に近郊都市の地主さんぐらいいいものはないでしょう。いい例ではありませんけれども、何か十万円や百万円の詐欺をしても、えらい刑罰を食いますね。地主さん方はじっとしているだけで何十万円、何百万円という金がどんどんもうかっていくわけです。 そこで、私は、きょうは大臣もお見えになりましたから、今後の土地税制の問題について、多少税調でもいま論議が進められておるようですから、この問題とも関連して、ひとつ論議をしたいと思いましたけれども、これは次会の税小にでも譲って、きょうはこの問題はおきたいと思います。 私は繰り返し言いますけれども、これだけのいろいろな脱税があるけれども、これが皆さん方が脱税と認められるかどうかは——皆さん方はなかなか脱税と言わない。私から言わせるならば、戦後最大の脱税だと言っても過言ではない。しかも、これは千億台ではなく、兆を数える額になる脱税である。これはひとつ皆さん万が試算してごらんなさい。さっき私が皆さん方に多少資料を出しましたけれども、私が幾ら国税当局に要求しても、そういうことはないといって出さなかったんです。しかし、建設省の住宅局に行ったり、東京都庁に行ったり、どこかへ行って、東京都なり日本の住宅面積なり、そういうものを調べて、そうして私なりにこういう試算をしてきた。そうしてこれだけのものが出てくるわけですから、私はそれをもって職務怠慢と言わずして何と言いますか。脱税と言わず何と言いますか。私は、もっとこういう面について税務当局は公平であり、慎重であらねばならぬ、こう思います。 あとでお聞きいたしますが、大臣もせっかくお見えになりましたから、話の途中で話の内容がよくわからないかと思いますけれども、いま土地に対する課税の問題、長期税制の面からは、私はまた別途聞きますけれども、現在土地に対する税制があまりにもルーズ過ぎやしないか、こういう面から御質問しているわけです。 ここで大臣のお考えをひとつ聞いておきたい。
○水田国務大臣 いまおっしゃられたようなものは、当然課税対象になるべき所得だと思うのですが、十分把握されていないことは事実だろうと思います。今後事務当局においても、こういうものを十分把握するように努力いたさせたいと思っております。
○只松委員 そこで、これは具体的に要望いたしておきますが、まあ三十坪、五十坪ということは別にして、一定水準以上の土地をお持ちになっておる地主は、税務署管内にそれほどないわけですから、ひとつそういう人の名簿をつくって、いまあるとおっしゃったけれども、いま登記所以外にないわけです。国税庁にないわけです。登記所にしかない。したがって、国税庁にもそういう大地主の名簿というものをつくって不動産所得——不動産というものは完全な産業であり、日本の産業における相当大きな地位を占めておるわけですから、そういうものに一つの税体系がないというのはおかしいですよ。長期税制の面はきょうは時間がありませんから言いませんが、長期税制の面からも、この土地税制の面については、皆さん方は勉強して努力しなければならぬ。これは言っておくけれども、きわめて不勉強です。だから、そういう点についてぜひそういうことをやっていただきたいことが一つ。それから、たとえば、これは関係当局と相談しなければならぬでしょうけれども、住宅金融公庫や何かが、いままでこうやってだんだん借地人の権利が強くなって認められているときに、いたずらに地主の承諾なり判こなりをもらわなければ、わずかな金でも貸さない。こういうふうに、ことさらに地主の権力を強めたり、あるいは地主に対して名義料を払わなければならない、こういうことを避けるといいますか調整するといいますか、そういう点についてもひとつ御努力をしていただきたいと私は思います。 それから、これは繰り返して申しておきますけれども、土地はいまの日本の社会における一大産業ですから、そういう形態から課税対象というものを今後考えてやっていただきたい。これは長期税制の問題とも関連いたしますが、きょうの新聞にも、英国の税制あるいはイタリア、アメリカ等の税制が参考に載っておりますけれども、こういうことを論議されると思いますけれども、ぜひそういう面から考えていただきたい。 以上で、大臣がお見えになりましたから、土地の税制に対する私の質問を終わりたい思います。 次いで、大臣にお尋ねをいたしますが、私がまず最初にお尋ねをする前に、前の国会で、たとえばこういう情勢の中で、自然増収もあるし、国債の減額をするのではないか、こういう質問に対して、いやそんなことはしない、まだ考究中だ、こういうことを言っておきながら、国会が終わったあくる日、新聞をごらんになればわかりますけれども、国債は減額するのだ、こういうことを御発表なさっていますが、大臣が発表されたか、事務当局が発表されたか知りませんけれども、とにかく国会で論議して、それを国民に知らしめるのが国会のあり方だと思いますので、きょうの御答弁等も、委員会なり国会は適当に乗り切って、あと終わったならば、またそこで適当に発表していく、こういう形でなく、まあ国民の代表として私たちも論議をし、お尋ねをしておるわけですから、そういう観点からひとつお答えをいただきたい。私はこの前の国会が終わったあくる日にいろいろなことが発表されたのを見て、実に腹立たしく思った一人でありまして、ぜひその点はお願いしたい。 さっき小沢政務次官のほうから今日の経済情勢について、いわば異例の御報告があったわけでございます。私はこういう点に関しまして、国債の発行あるいはいろいろな国内の情勢から輸出がなかなか伸び悩む、こういうことでいまのような状態がくるであろうことを再三警告を申し上げておったわけです。皆さん方としては、いや国債も必要だ、こういうことで、輸出も順調に伸びておりますからそういう御心配は要りません。こういうことでお答えになっておりましたが、ついに来るものが来たと申しますか、こういうことになっておると思います。時間がありませんから、ひとつ重複を避けて簡単に今日に至った経過、政府の欠陥といいますか、ミスといいますか、そのことがわからなくて今後の対策もないわけですから、一応のことをさっき小沢政務次官から聞きましたが、大臣の現在の経済情勢に対するお考えをお聞きしたい。
○水田国務大臣 ただいまの経済状況は、もうこれは御承知のとおりでございまして、経済成長のテンポが当初予想しておったよりはテンポが早い。そうして、しかもそのために輸入も予想より多くなっておりますし、内需の旺盛のために輸出も伸び悩んでおる。こういうことから、国内においてはきわめて経済が均衡しておるようでございますが、この国内の拡大均衡というものが、事実は、国際収支を犠牲にして均衡しておるという状態でございますので、これはこのまま長続きさせるというわけにはまいりません。ここで、適当に総需要を押えることによって、国際収支の改善をはかるという措置をとらざるを得ない時期である、こういう経済状況の判断をいたした上で一連の措置とっておるという次第でございます。
○只松委員 それに関連して、具体的に一、二お聞きしておきますが、いまの状態が皆さんの思うとおりにいかなければ公定歩合をさらに引き上げる、こういうことをお考えになっておりますか。次に、自然増収ということ、これもさっき私がお聞きしたのですが、いまのところ九月決算がはっきりしないとわからないけれども、大体大幅に見込まれておる。いまの経済のいわば圧縮といいますか、そういう自然増収というような問題とかね合わせて、国債をさらに大幅に発行を減額する、あるいは延期する、こういうことをお考えになっておりますか。
○水田国務大臣 さらにまたもう少しの措置をとるかというお話でございましたが、私は、従来こういう経済に際会したことが過去において三回くらいございます。このときは金融政策によって切り抜けてきたというのでございますが、今回は国債発行ということの行なわれておるもとにおける最初の事態でございますので、そこでこのやり方も従来と違います。私どもはいろいろ検討しました結果、財政政策を中心にして金融政策と一体になった措置をとるという方針で今回の措置をとった次第でございますので、大体公定歩合の問題にしましても、これ以上の措置をとらなくても済む。そうして、所期の国際収支の改善というものが期待されるのじゃないかというのが、いま私どもの考え方でございます。ただ、その場合、この国債については、市中消化を原則としておる関係におきまして、いろいろの情勢の変化から、私どもはまだ税収の見込みのないときに思い切って七百億の削減をいたしましたので、これからも、私どもの気持ちとしましては、自然増収が期待されるなら、それに応じてさらにもう一歩公債の削減をしたい、こういう考え方でございますが、いま自然増収がどれくらい見込めるかという確かな推定ができませんので、国債をいまどれだけどうするということは言いませんが、この見合いにおいて国債の減額ということは私どもは考えていきたいというふうに思っております。
○只松委員 こういうふうに引き締め政策が行なわれますと、本年の一月から六月まででも、中小企業者が四千五百三十件の倒産、これは前年度比五七%の増、あるいは銀行取引停止が六千四百二十一件、これは三七%の増になっておりますが、こういうふうに中小企業の倒産がふえております。さらに、この傾向は加速度的に強まると思います。したがって、中小企業対策というものはきわめてこまかく別個にやはりいろいろなことをお考えになる必要があると思います。たとえば、商工や金なり国民金融公庫なり何なりの貸し出しをもっと安易にするとか、あるいは額をふやすとか、いろいろあると思うのです。そういう点について特に何か御考慮になっておりますかどうですか。
○水田国務大臣 この引き締め措置を行なうにあたって、中小企業を不当に圧迫しないように、これは十分ただいま配慮しております。過去何回かの経験におきましても、公定歩合一本の措置をとりましたために、中小企業へ非常にしわ寄せしたという事実は経験がございますので、今回の場合は、特に私どもはこの点に配慮しておるつもりでございます。今回は財政措置を中心としております関係で、繰り延べ措置につきましても、財政投融資の対象事業を繰り延べる場合にあたりましても、中小企業関係の金融に関するものは対象から除外するという措置を現にとっておりますし、また民間の金融機関に対しましても、中小企業の、特にこれから年末に際して、流動資金そのほか必要な資金を詰まらせないようにということを要望いたしまして、市中銀行においてもこのことを十分配慮するというふうになっておりますので、この点は十分気をつけておるつもりでございます。
○只松委員 いまお話がありましたように、いまから年末に向かうわけですし、引き締めの効果があらわれてくるわけでございますから、口を開けば自民党は中小企業者の味方だということをおっしゃいますが、ひとつぜひ格段の御配慮をお願いしたい。 それから、そういう引き締め政策とは別個に、これは経済の全部を論ずる時間がありませんから、根本は申しませんが、とにかく間もなく米あるいはパス、都電あるいは水道、酒、みそ、しょうゆ、ふろ代あるいは近く電話料、学校関係の授業料や給食費等々、年末から来春にかけて非常に値上がりというものが予測されております。時間があれば、私は、せっかくお見えになりましたから、宮澤長官にもお聞きしたいと思っておりますが、こういういわゆる値上がりと、一方それに対応する労働者の給与、サラリーというものはなかなか上がってこないし、人事院が勧告しても引き上げを完全実施しない。きのうあたり参議院でいろいろ質問をされても、大臣は所用もあったでしょうがお見えにならないで、皆さん方から言えば慎重な立場ということになるかもしれぬが、なかなか答弁をなさらない。こういうことで、国民は緊縮政策をとられ、物価はしがってサラリーは上がらない。うしろのほうにお見えになっておられる官吏の方はいずれも、どういう形で実施されるか、給料が上がるか下がるかということをお考えになっておると思うのですが、大蔵大臣の——ほんとうは宮津長官に物価の問題を聞いて、それから大蔵大臣に聞くのが順当だと思いますが、時間がございませんので、ひとつ大蔵大臣のほうにあわせていまの物価の問題と賃金の問題、特に公務員の賃金についていかなるお考えをお持ちになっておるか、お聞きしておきたい。
○水田国務大臣 公務員給与の問題につきましては、実はもう勧告を受け取っておりまして、各省別にいろいろ検討はしておりますが、きょう関係閣僚大体八人の相談をこの三時からするという日程になっておりまして、三時から私どもはこの勧告についての各省別の研究の結果を持ち寄って、きょうから、これが第二回目になりますが、相談会を開くということになりますので、逐次政府の態度を、さらに何回かの会合によってきめていきたいというふうに考えております。 〔「腹がまえぐらいあるだろう」と呼ぶ者あり〕
○只松委員 いまどなたかからお話がありましたが、腹がまえはあることと思いますから、まだ全部言えなくても、これを尊重する方向で大蔵大臣は努力するとか、あるいは極端にいうならば、財政困難のおりからできないとか、腹がまえはあると思います。こういうふうに自然増収なんかも見込まれておるときでありますから、ひとつ何か腹がまえを——せっかくの大蔵委員会が開かれて、理事会の話ではこの次は来月の十八日までない。その間に大体結論が出るわけですから、大蔵委員会で論議する時間がないわけでありますから、ひとつ多少の腹がまえぐらいお聞かせいただいたほうがいいかと思います。
○水田国務大臣 これはいつも言っておりますように、尊重する方向でいま検討いたしております。まだほんとうに関係閣僚で内容の検討をやっておりませんので、きょうはもっぱら内容についてのいろいろな意見の交換をやると思いますが、財政上から云々ということでございましたならば、この点はまだいまのところ見通しがつきません。もう少したてば自然増というようなものの見通しもついてまいりますので、そうすれば、いろいろたくさんある補正要因についての対処のしかたも、私どもはきめられるわけでございますが、いまのところ全くその問題にはまだ入れないということでございますので、しばらく内容を私どもは検討したいと思っております。
○只松委員 最後に一つ、前も私聞いて、きょうの新聞にも大蔵省と会社との問題が出ておりますけれども、いわゆる逆粉飾の問題について、これは証券市場の問題から始まって税制の問題、全部にも関連をいたしますので、論議する時間がございませんから、ひとつ質疑というより要望にとどめておきます。 こういうふうに逆粉飾という問題につきましては、社会的にいろいろな問題を持っておるわけですから、大蔵省側としては正しい方向でひとつ努力していただきたい、善処していただきたいということを御要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○内田委員長 次は堀昌雄君。 なお、ただいま宇佐美日銀総裁が参考人として出席されましたので、当面の金融問題についての質疑をあわせ行ないます。 宇佐美日銀総裁には御多用中御出席いただきまして、まことにありがとうございました。委員会を代表して私からお礼を申し上げます。
○堀委員 最初に、宮澤企画庁長官にお伺いをいたします。 実は宮澤長官はたしかことしの一月であったと思いますけれども、私ども新聞で承知をしたわけでありますが、日本経済について警戒信号をお出しになりました。その後いろいろと意見があって、それはそのままになったように思うのでありますが、あのときに宮澤さんが警戒信号をお出しになるについては、企画庁長官としていろいろなデータとしての背景もお持ちになっての判断だと私は考えておるわけであります。あの時点におけるああいうお考えをお出しになった背景と、そのときのお考えをちょっと最初に承っておきたいと思います。
○宮澤国務大臣 たしか四十二年度の本予算の編成についてその骨格がほぼ明らかになった時点であったと考えておりますが、私の当時の感じでは、大企業を中心といたします設備投資が昭和四十年、四十一年、いわば半ば休戦状態にございました。諸般の情勢からかなり需要が出てきたように見えましたので、おそらく四十二年度は相当大規模な設備投資があるであろうというような見通し、これは機械受注などにおもにぼつぼつあらわれておったと思います。そのことと、それからやはり財政の規模、これは大蔵大臣もしばしば言われることでありますが、財政がいわゆる既定経費、事務的経費が非常に大きくなっておりますために、何といっても昔日のような弾力性を欠いておりまして、財政当局が非常に努力をされましても、財政の規模というのは一定以上にはなかなか下がらない。四十二年度もそういう感じがございまして、その二つのことからあわせ考えますと、この経済は相当大型のものにならざるを得ない、そういう感じで申しましたと思います。
○堀委員 実は宮澤さんはあのときにああおっしゃったのですが、その次に、四月でございましたか、予算委員会で、分科会で少し経済の見通しを承りましたときには、ややはっきりしない御答弁を実はそのとき私どもは承ったわけであります。ところが、この前からしょっちゅう申しておりましたのですが、企画庁で最近はクイック・エスティメーションによるところの国民総生産の算定試算というものをおやりになるようになって、そういう資料なんかをずっと見ておりますと、あるいは経企庁がお出しになるところの二十五系列によるところの指標とか、いろいろなものをずっと見ておりますと、確かにこれは少し——いま今日の時点でそういうことを考えることになるわけではありますけれども、もうすでに一月当時にはかなり過熱、過熱というのはどうかと思いますが、少し拡大傾向が強まる傾向は、すでにかなり出ておったように思うわけであります。ただ、それじゃその時点からいまを見てみますと、そういう指標だけ見ると、実はいまだって非常に過熱かというと、これは逆に機械受注も少し下がりつつあってみたり、まことに各指標ばらばらになっているわけですから、主犯なき過熱といわれておるものだと思うのでありますけれども、しかし、そういう意味ではせっかく一月にああいう意見が出されていて、いま財政の硬直性の問題がありますけれども、それを、六月から予算を組んだものを八月に繰り延べをしなければならぬという政府の見通しというものは、これは私は政府としては責任があるのではないのか、こう思うのであります。私、戦前の内閣でこんなことをやったら総辞職ものじゃなかったかと思うのですが、少し大蔵大臣は責任をお感じになっておるかどうか、ひとつ承っておきます。
○水田国務大臣 私どもはここで言いましたように、経済情勢を見ていろいろな弾力的な対策をとるんだと言っておりましたとおりで、きょうまで相当いろいろな対策を立てながら、経済の推移を見てまいりましたが、やはりここで総需要を若干押えるという措置はとらざるを得ないということから、いまの繰り延べ措置をやったのでございます。全体から見まして、まあ北海道の繰り延べを三%までは結局やりませんでした、三%以内にとどまったわけでございますが、内地のほうも各機関、全体の工事量の七%程度を繰り延べるということでございまして、これが政府施策として政府の最初の予算の組み方が大きい間違いだったとかなんとかというようなほど大きいものでないのじゃないかと私は思います。
○堀委員 問題は、私はこれまで大蔵委員会に長くおりますから、しょっちゅうやってきているわけですが、私どもがかなり意見を述べておるわけですね。もう少し財政は圧縮すべきである、これはもう池田さんのときからそうなんです。そのときに迫水さんであったかだれであったか覚えておりませんけれども、いわゆる所得倍増計画が始まって三カ月したら、大かた十年目くらいの設備投資が行なわれるということが起きた過去の例がありまして、私は何回かここで議論をしてきて、おおむねどうも私が言ったとおりになっている可能性のほうが多いわけです、確率から見ると。昨年の自然増収の問題でも、昨年の八月に私は、ことしの年度末において二千億という自然増収が出るのは間違いないとはっきり言ったら、ちゃんと出たわけでありますから、そこら辺——実はきょう大蔵委員会を開くについては、皆さんいろいろ御用事があろうと思いますけれども、われわれ一時間ぐらいしか時間がないのです。しかし、私は民主政治というものは、やはり国会の中でこういう経済政策の転換等についても国民の声をわれわれを通じてもう少し聞いていただきたい。政府の独断だけでものが処理されておることに間違いがあるのではないか。これまでのわれわれの意見がもう少し取り入れられておれば、問題はもう少しなだらかになったのではないか、こういう感じがしますので、もう少しその点は大蔵大臣もこれらの財政規模の問題については真剣にお考えを願いたいと思うのです。 それから、いまの問題で、財政繰り延べのところに入っておりますからちょっと伺っておきたいのですが、過去においては財政繰り延べをいたしましたものはおおむね翌年度に繰り越しをすることに、過去三十二年、三十六年はなっております。おそらく今度も、今度繰り延べをなすったものは四十三年度に繰り越すことになるだろう、こう思うのですが、その点についての大蔵大臣としての御所見を先に承っておきたいと思います。
○水田国務大臣 今度の措置の効果の問題でございますが、なかなか所期の効果がおさめられないというようなときにはそういうことになるかもしれませんが、一応削減ではございませんで、これをずらすという考え方でいまやっておりますので、国際収支の改善の方向が出てくるというようなときには、その情勢いかんによっては、この繰り延べはまたもとへ戻すということもいま私どもは考えておりますので、この点はいまのところ何とも申し上げられません。 それから、御要望に沿って来年度の予算編成はやるつもりでございますが、確かに予算が大き過ぎたとかとなんとかいうことを言われるかもしれませんが、私としては、御承知のとおり、一年を通じてこの国会でみんなもっと経費を出せ出せという要望に相当抵抗して、できるだけこの予算のあれを圧縮するという方向で来たのですが、今後も方針としては、その方針で私はやりたいと思っております。
○堀委員 実は二年ぐらい前でしたが、予算委員会で佐藤総理にこう申し上げたのです。ともかく予算を組まれる前に少し予算委員会でも開いて、もう少し予算編成方針等についての国民の声を聞かれる必要があるのではないか、こう言っておるわけです。それがなかなか実現をしておりませんから、われわれはこういう大蔵委員会その他でわれわれの意見を何とか政府に反映させたいと思っておるわけです。 過去の三十二年六月のときの繰り延べ、三十六年の九月の繰り延べ——三十六年の九月の繰り延べのときには、予定した繰り延べ以上に繰り越しになっておるわけですね。そこで、いま大臣は、情勢によってはそれは削減ではないからやるのだ、こうお話になるわけですね。どういう情勢、何をメルクマールにしてそれをゆるめることになるのか。これはあとでひとつ日銀総裁にも承りたいわけでありますが、今後の一番大きな問題は、どこで公定歩合を下げるのか、どこでそれでは繰り延べたものを追加をして使うかという、ここに問題があると思うのですね。このメルクマールは何になるのか、大蔵大臣ひとつ先にお答えをいただきたいと思います。
○水田国務大臣 さっき申しましたように、国内経済だけ表面から見ておりますと、非常にいま均衡がとれておる。需要も多いかわりに生産も毎月伸びておって、需給が均衡状態になっておる。したがって、物価というものもわりあいにこの均衡のためにいま落ちついているという状態で、国内経済として見ましたら、非常にいい状態だと思うのです。これだけの大きい需要をささえるためには、私どもの予期しなかった輸入の増というものがあり、海外市場の問題もございますが、しかしやはり内需の旺盛という国内の要因によって輸出の伸び悩みも事実でございます。これを直すためにはどうするかということから出た措置でございますので、問題は、国際収支が改善の方向へ向かうか向かわぬかがこの措置の勝負だと思っております。したがって、こういう措置をとり、この国内需要が一応鎮静して、そうして輸出入の動向が変わってきて心配ないという方向にさましたら——もともと国内経済が悪いのじゃなくて、国際収支との関係の措置でございますから、この改善が見られるという動向が出てさましたら、それに応じて逐次この措置の緩和は私はやっていいんではないかというふうに考えます。
○宇佐美参考人 御質問が、いつごろ、どういうときに緩和政策といいますか、いまの引き締め政策を直すのかということでございますが、結論を申しますと、いま大蔵大臣がおっしゃったとおり、国際収支が均衡に向かってはっきりと傾向的にあらわれてきたならば、いまの政策解除といいますか、もやっていいのじゃないか。その均衡ということになりますといろいろ考えなければならぬこともあります。国内の情勢によって輸入がどういう傾向を示すか、あるいはまた海外の情勢その他からいいまして、輸出がいま考えておるようなことが出てくるか、さらに季節性も考えなくちゃなりませんから、そういうものを総合的に考えまして、明らかに傾向的にもういいというときがきましたら、なるべく早く解除したいというふうに考えております。
○堀委員 実は私は過去の例を少しずつと調べてみたんでありますが、私、山際前総裁にもよくお話をしておりましたのですが、公定歩合操作の一厘操作ということは、一体金融政策として有効に働いたかどうか。過去の例をずっと見ておりますと、それは多分に金融に依存した例という状態があったかもわかりませんが、しかし、一厘で済んだことはないわけです。必ず一厘して、しばらくしてまた一厘、またしばらくしてもう一厘というようなことで、そのことが結局、私は政策発動の効果を徐々にさせる結果、あとからのアク抜けがおくれるような感じがするのです。少なくとも諸外国が一%の公定歩合の操作をする以上は、日本の場合は二厘が最低ではないだろうかということを、私、だいぶしばしば山際前総裁とは議論をいたしました。その結果、三十九年の六月には二厘という形で行なわれたわけでありますが、これはあとから考えてみると、その引き下げのタイミングが少しおくれたということがかえって長期の不況を招いた、こういう議論になっているわけでありますが、私はやはり今度の場合も、いまのこの下がっております貸し出し金利の状態から見て、ここで一厘公定歩合を上げることは、心理的効果はあるいは多少あるかもわかりませんが、金融政策としての効果については私は非常に疑問がありますし、これは一厘やったためにそれだけの効果が出ないし、いまの財政繰り延べも、私はこれはかなり先にしか影響が起こってこないと思うのでありまして、どうもなかなかこの改善の状態というのが期待されるようにいきにくいのじゃないか。やはりやるのなら二厘を引き上げて今度の三千億の繰り延べそのままやって、そうして少しさっと下がってきそうになったらそこで解除を早くやるということのほうが、私は金融政策、財政政策として機動的とおっしゃっておるのに適しておるのであって、どうも私は今度の中身をずっと拝見をしておりましても、この一厘操作というのは逆に引き下げる時期を非常に先に延ばすし、どこで引き下げていいかわからないような、何かあいまいな条件になる可能性のほうが多いんではないだろうか、こういう感じがするのでありますが、この点についての総裁の御意見をちょっと先に承りたいと思います。
○宇佐美参考人 確かに一厘と二厘と限定しますと問題はあろうかと思います。私どもも今度の政策決定につきましていろいろな条件を考えたわけであります。その中の一つとしてその問題も確かにございます。しかし、いま外国が一%とおっしゃいましたが、これはイギリスなんかむしろ例外で、五%くらいが多いのであります。これは外国のことでございまして、日本としてどうしたらいいかということを考えましたときには、いろいろな考慮があったわけであります。 まず第一に、私どもが心配しておりました海外の情勢でございますが、これはアメリカあるいは西ドイツ、ここいらはやはり大体底をついたというように判断いたします。むろん、これがどういう速度で回復するか問題でございますし、さらに日本の貿易にそれがどういうふうにはね返ってくるかということも問題でございますけれども、それらの世界の先進主要国がまずこれ以上悪くならぬという状態をひとつ認識いたしまして、それからもう一つは、むろん、これだけを当てにできないわけでありますが、日本の状態を考えましたときに、いまおっしゃいました点もございますが、今度はわりあいにいままでよりは早く日本の情勢——いま最も大事なのは国際収支の問題だということについては非常な認識を持っておられ、たとえば言いますと鉄なんかも、私どもが政策を発表する前に輸出についていろいろな案を考えておられるということを聞きましたし、各業界において一そうやろうという気分といいますか、それは相当強くなってきておる。そういう面において政策転換の時期と民間のそういう気分とはいままでよりは非常に何といいますか、時間のズレが少なくなっておるという点も期待いたしましたし、また輸入につきましても、いろいろ伺いますと、これから必ずしもこの勢いでどんどん伸びていくというわけでもない、それぞれ考えていこうというような気分もございました。またさらに、いま堀さんが効果が出るのはおそいとおっしゃいましたけれども、大蔵省その他の見通しからくる政策、そしてそれを繰と延べしようというお話もかなり大きいというふうに伺いましたので、それらを総合しまして、私どもは根本的に言いますと、不況にならない限度においていま非常に過度に伸びようとしている勢いを縮めるならばこの際一厘が適当ではないか、こういうふうに総合的に考えた次第であります。
○堀委員 実は一番問題は輸入でありますけれども、昭和三十六年のときを見ますと、三十五年、三十六年の通関輸入の増加は二八・九%、たまたま三十七年と八年を見ましても二八・九%とほぼ数が同じに引き締めの前の輸入がこのときふえておりますが、大蔵省で計算をしていただいた一月−二月、四月−七月、こう見ましても大体二二%くらいですから、あのときに比べるとまだ六%ぐらい、伸びは高くなっていないわけですけれども、しかし中身の構成なり一いまちょっと鉄鋼の話が出ましたが、鉄鋼の輸出についても四十一年は上期が五五%、下期四五%という形で出ておりました。今度はいまの目標を達成するためには上期四五%、下期五五%、さか立ちさせなければ鉄鋼の輸出はそううまくいかないだろう。同時に、いまたとえばベネルックスにしてもあるいはイギリス、西独にしても、かなり安い鉄鋼の輸出が行なわれているようでありますが、これが日本のように国内景気が底をつくとすぐすうっと上がるような成長性を持つ国の状態だとわれわれ思っておりません。少なくとも、西独におきましては底をついたかもわかりませんが、回復は必ずしもそんなにすみやかではないだろうと思いますから、鉄鋼一つを例にとりましてもEEC、ないしはイギリスの輸出とこちらの輸出の問題はそう簡単ではないだろう。計画どおりにまいらないことは間違いがないと私は思っておりますし、それでは輸入のほうはどうかというと、鉄鉱石を含めて銑鉄の問題は、多少スローダウンするかもわかりませんが、上期がすでに三百万トンですか、輸出をしておりますから、下期がこれが二百五十万トンになるのか三百万トンになるのかわかりませけれども、銑鉄を含め鉄鉱石を含めて、現在の生産の状態は、輸入についてはスローダウンする見通しはない、輸出は期待するほど伸びないんじゃないかというふうな、個別な問題を一つ取り上げてもそういう感じがいたします。ですから、そういう個利の問題を含めて、ずっと一つずつミクロの問題を考えながらマクロを見るときに、そうどうも簡単にいまの需要というのが、どこかが主力になっておればそこをさわれば非常に簡単でありますけれども、さっきちょっと申し上げたように、機械受注にしても、必ずしもどんどんふえておる一方ではございません。しかし、今度輸入承認のほうを見ますと、八月の輸入承認のほうはたいへんに大きな額になってきておるわけでありまして、現在の時点から見れば、なかなか国際収支の改善というのは問題があるんじゃないか。 そこで、大蔵大臣に、特に今度はIMFなんかへもいらっしゃりもするから申し上げておきたいのですけれども、ほとんどずっといまの日本の外貨準備は二十億ドルなんですね。貿易はどんどんふえても二十億ドル。私は本会議でも一年半ぐらい前にこのことに触れておいたわけですけれども、ところがこの前二十億ドルの話をしたら、いや形は二十億ドルですけれども、ポジションはたいへんよくなりました、こういう話でした。確かにあのときのポジションはよくなっておりました。いま形は二十億ドルですけれども、中身のポジションはどんどん悪くなって、同じ二十億ドルですね。私は、やはりこれは形がよくなれば二十億ドルでいいなんという考え方にはどうしても問題があるんじゃないか、どうしても長期的に外貨準備をもう少しふやしておかなければ。もちろん、いまの日本の成長は私はノーマルとは思いません。実質で一四%も一五%もいくというようなことは、かつての安定成長ということばがいまどこかへいっちゃったような感じがしまして、どうしても数の問題ではないという議論があるかもしれませんけれども、私はやはり成長率の数量の問題というのはいろいろなところに波及する問題があると思いますから、そこらを含めてもう少し経済の運営をほんとうの意味のバランスのとれた安定成長——この前予算委員会で伺ったら、大体七、八%というのが最も望ましい安定成長だというのが、当時の大蔵大臣、企画庁長官及び総理の答弁であったわけですが、今度はそれの倍近くもいこうということになってくるのは、私はやはり政府の態度に非常に問題があるんじゃないか、こう思うのですが、大蔵大臣、来年度予算を含めて、来年度はよほど考えていただかないと、いまの三千億ばかりのものを繰り越したら、これは第一・四半期にそれは使っちゃうことになる。来年度の四十三年度予算でまたそれを普通にやるんだということになれば、ちゃんと落ちついたのが、そこにいってまたぽんと飛び上がるという問題が、四十三年度の四−六に起こるわけですから、これはやはり根本的に国際収支問題に対応して、二年から三年おきにこんなことをやっておるようでは、私はロスが非常に大きいと思うのですが、大蔵大臣、これに対する基本的な対策をひとつお答えいただきたい。
○水田国務大臣 これはもうおっしゃられるとおりだと思います。一時外貨ポジションが非常によくなっておりましたが、御承知のようにいま内容が悪くなっておるときでございますので、したがって、この問題が大きくなって一連の政策をとっておるということでございます。これが少しよくなったからといって、すぐにこういう大きい成長率を確保しようというようなことをすれば、また同じになりますからして、やはりことし企画庁が試算しましたようなああいう一つの長期の見通しでどの程度の成長率が一番いいかという、この線に沿って経済運営をやるということが、この国際収支の問題に対する長期対策のやはり一番基本的な問題だろうと思いますので、それには予算編成のあり方、来年度における国債の依存率、こういうような問題が大きい影響を与える要素となると思いますので、この点はさらに私どもは慎重に来年は臨みたいというふうに考えております。
○堀委員 それはけっこうなんですがね。去年はたしか実質九・七%という目標で、実際はずっと上回った。ことしも宮澤さん、当初見積もり実質は九%ですね。私、いまどうやってブレーキかけてみても一二・五%から一三・五%ぐらい、ブレーキがかかったとしてそこじゃないか。ブレーキがきいたときはそれで、ブレーキがきかなければ一五%こえるんじゃないかと思うのです。これはどうでしょうね。当然この十月にはひとつ改定見通しを出していただかなければならぬと思うのです。私、昨年藤山さんに、ちょうどやはり八月ごろの委員会でこのお話をしましたら、確かにこれだけ動いたら改定見通しを出すべきだ、こういうことで実は十月に改定見通しを出していただいたのですが、ことしもこれだけ動いたら政府の改定見通しを出していただけるでしょうね。
○宮澤国務大臣 過去大体十月の時点でいわゆる見通しの改定をやっておりますが、それはほぼその時期に補正予算を組むという問題もありまして、税収見積もり等との関係から、その際にあらためて見通しをやり直すということであったわけであります。ところで、今年度は御承知のように二月暫定予算がございましたし、その他いろいろな関係から補正予算の提出の時期、提出いたすといたしましてあるいはもう少しおくれるのではないだろうかという感じがいたしております。したがって、見通しを見直すといたしましても、ふだんの十月よりはもう少しおくれた時期になるのではなかろうか、こう思っております。
○堀委員 そうすると、改定見通しは時期は十一月になるにしてもお出しになる、こういうことでございますね。
○宮澤国務大臣 それはやはり見直したほうがいいのではないかと思っております。
○堀委員 実は皆さんのほうのこのQE法によるところの資料をちょっと拝見して、これは速報の速報ですから誤差があるのは当然だと思うのでありますけれども、四十二年の四−六について、いま個人消費は非常に高くなっている、こういうふうなあれでありますが、これは年率で二十一兆四千五百五十億円、政府の見通しの年率は二十二兆四千五百億円でありますから、これから見ると個人消費は必ずしもこの一クォーターはそんな高くなっていない。その他民間の設備投資でありますけれども、これは年率六兆四千三百九十七億円でありますか、それに対して政府見通しは六兆二千億円くらいで、こちらもうしろへいって少しふえるのがたてまえでありますが、このデータをこうずっと見ておりますと、あとでそれは誤差修正が起きるのは当然でありますけれども、これだけで見ると、いまあまりどうもそんなに問題はない、そんな感じが実はするわけです。アメリカはすでに一クォーター、二クォーターの資料がはっきり出ておりますから、これはかなりコンクリートなんだろうと思いますが、こういう資料をひとつ十分考えてみますと、私は一番問題になる点の一つは、これはさっきお話ししましたが、長期的な問題として触れられておらないのですけれども、どうしても日本の企業の資本構成を改善をする何らかの処置をとらない限り無理なんじゃないか。というのは、この前もちょっと申し上げたと思うのでありますけれども、昭和四十年度はたいへんな不況ということだったのでありますけれども、あとで見ますと四・七%の実質成長ということになるわけです。結局借り入れ資本が非常に大きいものですから、少し不況になると企業がすぐ非常に影響を受ける。これがもし自己資本が逆に八〇%もあるなら、あれくらいの不況ならそんなに大騒ぎしないでも済みますから、政府もそんなフィスカルポリシーだ何だとどんどん拡張政策をとらないでも越せる。ところが、借り入れ資本が大きいために、非常に企業のセンシビリティーが高いといいますか、ちょっと生産が下がってくるとすぐ影響が企業収益にはね返る、損益分岐点の高さのためにはね返るということになるわけですから、私はやはり長期的に見ると、いまの日本経済の安定長成ということを考える場合には、資本構成の中身ですね。借り入れ資本によるのか自己資本によるのかという問題を、もう少し政府が政策面全体を通じて考えなければいけないのではないか。私はこれをさっきの国際収支の問題とあわせてもう少し真剣に考えてもらいたいと思うのです。大蔵大臣、これについてもうちょっと来年度の中で、輸出振興というような小手先もいいですけれども、輸出振興の前に、やはり企業の体質が改善されるということにならなければ、自由化の問題もあるし、これは根本的に解決しないのではないかと思うのですが、これに対してもう少し何か政策的に考える余地はないのですか。
○水田国務大臣 私はやはり税制が相当大きくこれに影響する問題だというふうに考えております。
○堀委員 税制がそんなに影響しているなら税制を直したらどうですか。どうなんですか、大蔵大臣で直せるのでしょう。これはだれが直すのですか。
○水田国務大臣 その点で私どもはいま税制調査会にもお願いしておるのですが、私ども自身でも、もしこの税制を直す場合にはいまの税の体系だけではうまくいかぬ。新しい税というようなものも取り込んでこないとこの税制がいじれないというようなむずかしい問題もございますので、こういう点との関連でいま研究しているということでございます。
○堀委員 その次に、これもやはり財政に非常に関係がありますから申し上げておきたいのは、政府が予算書につけて出しますところの「予算に基づく財政資金民間収支見込」というのがあるんですね。これがまことにでたらめで、私はことしは当初から当然相当な揚げ超になる、こう言っていたのですけれども、政府は三百二十億円の散超だというのを予算書にくっつけてあるわけですね。昨年の場合なんか差引五千億円ほど違うんですね。散超になるといっていたのが揚げ超になって、差引五千億円も違う。こういうものはもう少し実態に即応したものをつけないと、私はこれは国会を侮辱するものだというような感じがするのです。当初にそんなふうにだれでもわかっているのになぜこういうものがつくのか。大蔵大臣、あんまりこれはばかげているから、もう少し検討してもらいたいと思うのですがね。ただ形式的につければいいというものじゃない。予算書に添付して国会に出す以上、政府としてはもう少し責任のあるものを出すべきだと思うのですがね。ことしのあれは最終的には三百二十億円の散超だとこうなっています。ことしの財政対民間収支、これは散超になりますか。大蔵大臣どうです。
○鳩山説明員 ただいまの国庫金の対民収支の問題につきましては、予算の編成のときにおきまして、各種の予算の計上のしかたに応じまして一定の理屈があるわけであります。たとえば前年度の剰余金はこれだけあります、しかし本年度は剰余金が出ないという前提で予算を組まざるを得ない関係がございまして、したがいまして結果においては当年度は剰余金は出なくて、過去の剰余金が本年度に持ち越されて支出になるというようなことから、一般会計をとりますと必ず形式上散超という形をとるのでございます。これが各会計にわたりましてみなそのような前提で予算が組まれますので、それが集積されますと、どうしても散超という形に組まれておるのでございます。それで、私ども常識的に考えまして、今年度も、やはり決算をしてみれば相当な剰余金が出るのではないか、こういうふうに思われるのでございますけれども、その点が、形式的な説明からいきますとそういうことはいえないものでございますので、やむを得ずそのような形をとっております。実態面におきまして、それに加わりまして、経済情勢の変化というものがその間にございまして、税が相当あがるというような結果を来たしましたので、昨年度におきましてはただいま御指摘のように往復四千億という程度の見込みが違うわけでありますが、これは私どもも、形式的な説明に堕するということは十分わかっておるのでございますが、その点はもう少し実態的な説明もつけたようなふうに改善をしてまいりたいと思います。
○堀委員 実は、ここらにいまの政府の予算の持っておる問題点があると私は思うのです。予算があのとおりになるのだと思っているから、それにただ合わせればそういうことになるのでしょう。これは項目別に時間があれば少し議論したいわけですよ。一般会計が二十億、食管が一千百十億、資金運用部三百五十億と、いろいろこう書いてあるわけですからね。これは個別に議論しても、けっこう一日、二日楽しめるだけの問題が実はここにあるわけですね。しかし私はそれはかまえの問題ですから。そういう計算をしたらこうなりますというのならそれは話は別ですが、ちゃんとそうは書いてないのですよ。「予算に基づく財政資金民間収支見込」なんですね。予算というものはやはり生きものですし、経済というものも生きものであって、使い万によっても違うわけでしょうし、いろいろあるわけですから、ここらが——私は経済見通しの問題についても実は宮澤さんに一つお願いしたいのは、政府は一ぺん出したら出しっぱなしとか、次に補正予算を出すから経済見通しが要るんだということでなしに、場合によっては、要するに四半期別の国民所得統計がどんどん出てきたら、そういうものも入れながら、現在の経済指標を入れながら、ともかく現在の状態はこうですよということぐらいは、もう少し、いまの政策配慮も入っていいから、出ていいんじゃないかと思うのです。だから、せっかくこれだけの作業がいろいろきれておるのなら、もう少しそういうものが民間の人たちにも利用されて、こうなればやはり少しこうすべきだというようなことが、政府が指導性を持って行ない得るようになっていいんじゃないかと思うのですが、その点企画庁長官、どうですかね。大蔵大臣、これはこんなことじゃ困るから、二つ出すなら二つ出してもらっていいですよ。形式的にはこうなります、しかし実態経済を見込んだらこうなる可能性があります、幅はこれだけです、幅くらいつけてもらったっていい。その点を大蔵大臣先にお答えいただいて、あとでそういうものの背景になっておるいまのいろんな制度からもう少し実態的な見通しというようなものを企画庁でお考えいただいたらどうだろうか。四半期別くらいに出てもいいんじゃないだろうかと思うのですが、これはひとつ大蔵大臣と企画庁長官にお伺いいたします。
○水田国務大臣 今後できるだけ御要望に沿うように検討いたします。
○堀委員 最後に、さっきちょっと中小企業の問題、地方財政の問題が出たわけですが、何か大蔵省は地方交付税率を引き下げるとけさの新聞等が書いておるわけですが、財政繰り延べでも、今度の中の政府のほうが延ばすのが二千二百億ばかりで、それで地方に九百十億延ばさせるとか、ずいぶん地方にしわ寄せをしようという勢いが強いのですが、一体来年度地方交付税の税率を引き下げるなんということをまともに大蔵大臣考えているのですか。ちょっとその点をひとつはっきりお答えをいただきたいのと、それからいまの地方財政九百十億の問題、それから中小買いオペをやるようですが、大蔵省としていま千億なんということをいわれておるけれども、これまでに千億、今度も千億じゃたいして効果がないのじゃないかと思うのですが、それらの点だけお答えいただいて、御退席いただいてけっこうです。
○水田国務大臣 交付税率の引き下げ、きょう確かに新聞に出ましたが、どこからああいう記事が出たかということをいま調べましたが、大体みんな出所は私からじゃないかと全部が言っておるのですが、実は私からも出ていません。ただ、御承知のようにいま地方財政の公経済に占める比重というものは非常に大きゅうございまして、国が五兆の予算規模を持っているといっても、二兆二千億円以上は地方に行って、国固有の経費というものは二兆六千億円ぐらい。そうしますと、地方財政と国の財政の規模は、国が一に対して地方が丁八から約二というので、比重はもう中央財政の二倍になっておる。国民の税負担はどうなっているかと申しますと、国民の税負担全体の六兆何千億という負担を見ますと、いま国税三税のうちでも三割二分は地方へ行きますもので、それから一兆三千億円以上は地方の補助金になるということを見ますと、税は七対三で、国が使うのが三、地方が使うのが税は七ということで、これは国の二倍以上になっているということになっております。また、政府の国民経済の中の財貨サービス購入の点を見ても、国の比重より地方のほうが大きいというようなことでありますから、今度の引き締め措置みたいなことをやるときには、地方財政が協力してくれなかったらこれは効果が出ませんので、したがって、地方財政に協力をいま要請しているところでございますが、一応今回は自治省を中心にして非常に協力体制をとってくれまして、大体九百十億ぐらいの繰り延べについての協力はしていただけるという状態になっております。ただ、こういうものを検討している結果において今後の財政のあり方を見ますと、国の苦しさと地方の苦しさとでは相当いままでの考えと違って地方のほうが少しよくなるという傾向になってきておりますので、そこでやはり交付税率というようなものは、毎年ずっと上げっぱなしで来たのですが、今後悪いときには上げるがいいときには下げられるように、今後の税率は若干途中で動かせるような、恒久のものにならぬような仕組みはないかというようなことが研究課題として出たことはございますが、いまのを今度は切るというようなことはまだ大蔵省の中で議題にしたことはございませんので、これは御承知願います。
○堀委員 ちょっとはっきりしないのですが、要するに、そうすると三二%は当分こういく。いまあなた上がってきたから上げるトレンドはどうかしたいという、それはあるでしょうが、やっぱり横ばいにくいのと下げるのとえらい違いますかち、その点もうちょっとはっきり、来年度において下げるようなことはないというのかどうか。下げたいのなら下げたいと言ってもいいですよ。そこをはっきり。震源地だから。
○水田国務大臣 まだ来年度の予算編成が始まっておりませんので、いまどこでも議題になっておりませんので、どっちとも言えません。
○堀委員 中小買いオペは。千億じゃ足らぬ。
○水田国務大臣 これはやっぱり検討事項でございます。私どももこれは揚げ超対策の一つとしてもいろんなことをいま考えておりますので、情勢に応じてそういうことも十分考えたいと思っております。
○堀委員 いまちょっと最後に触れました中小買いオペ問題でありますけれども、実は資金運用部で中小買いオペをやろうという話ですが、一体日本銀行として、この前たしかこの問題が出ましたときには、二元化問題というのがあって、日本銀行としては必ずしもこういう問題に賛成をしていらっしゃらなかったと思うのですが、日本銀行でこれらの対象機関に対してオペレーションをやってもちっともかまわないんじゃないでしょうか。これは何か制度上制約があるのでしょうか。私はどうも自分で調べた範囲ではあまりないように思うのですが、資金運用部がやろうというなら、資金運用部にそれだけ資金があるならそれは逆に国債をそれだけ買って、全体の風通しをよくする方向にいって、そうして金融政策としてのそういうオペレーションは、私は日銀がおやりになるのが至当じゃないか、こういう感じがするわけでありますが、総裁、いかがでございましょうか。
○宇佐美参考人 ただいまの御質問にお答えする前に、ちょっと一言訂正させていただきたい。 先ほど、御質問に五%金利を上げると言いましたのは、〇・五%です。 日本銀行の資金オペレーションは、金融市場全体をながめてどうするか、足りないか、不足しているかという見地からやっておることは御承知のとおりであります。そういう特定のものはやらぬことにいまはなっております。しかし、この問題につきましても、今後大蔵省がどうしてもできない、しかし必要だというときは、大蔵省と相談して考えても私としてはいいと思っておりますが、だま議題に出ておりませんので、詳しくは研究をいたしておりません。今後そういう問題が出てきて、大蔵省から相談があったときは、ひとつ考えたいと思います。それだけお答えします。
○堀委員 私はちょっと先ほど申し上げましたように、確かにそれは全体という問題から見ましての揚げ超、散超に対応するオペレーションというものではないと思いますけれでも、一つの公定歩合引き上げとかあるいは財政繰り延べというような特殊的な処置がとられておることに対するはね返りを防ごうということでありますから、一般恒常的な問題とは私はちょっと性格を別途にしておるのじゃないかと思うのであります。ですから、結局公定歩合操作なりそういうもの、あるいは金融がこれからタイトになる影響から、都市銀行その他を含めてやはり中小企業が選別をされる。そうすれば、ここの部分に対して、当然そういうことが目的ではないしわがこちらに寄ってくるわけですから、これはやはり一つの金融政策の補完的処置と申しますか、そのうちに含まれるのじゃないだろうかと思いますので、そういう意味では、私は、こういう対策は本来やはり金融政策であるべきで、大蔵省が資金運用部でやるというのは、その金融政策の補完をするという場合なら話は別、どうも私はちょっとこれはさか立ちをしているのじゃないかという感じがするわけです。銀行局長、どうですか、そう思いませんか。いまの私の中小買いオペの問題、本来金融政策だから、日銀がやって、なお不十分なときに資金運用部でやるというのが、私は金融政策としては筋ではないか、そう思うのですが、その点はどうでしょう。
○澄田説明員 ただいま日本銀行の総裁からお答えしたのと私も同じようなことを申し上げることになるかと思いますが、一般的な資金の過不足というものを日本銀行が金融調節としてオペレーションを行なわれる、これが根本的なたてまえでありまして、中小金融の面で一種の条件つきと申しますか、ひもつきのような形でオペを行なうということは、日本銀行の金融調節の本筋の問題ではないだろうと思います。したがいまして、運用部の資金を使うか、あるいはこれを日本銀行で行なうかということは、両方とも可能であって、むしろ便宜の問題と言っては語弊があるかもしれませんが、両方とも可能なことではないか、かように考えるわけであります。
○堀委員 両方可能なんでしょうけれども、私は資金運用部の資金というのは、本来そういう目的のためにある資金ではないだろうと思うのですね。だから、資金運用部の資金というものは、もしそれが余裕があるならば、逆に国債をそこで買ったほうが私は筋道なんではないだろうかという感じがするわけです。もう一つは、そういう買いオペは日銀でやっていただいたほうがいいではないかというのは、やはり中小金融機関その他に対しても、そういうことを通じて日本銀行としての影響力が不断に浸透するといいますか、行なわれてくることのほうが、たとえば公定歩合が上がりましても中小金融機関はあまり実質的には影響は受けない、逆に、どっちかというとコールが高くなってかえってそのほうがいいんだなんということになっておるのでは、これは金融政策としても問題があろうかという感じもいたしますので、やはりそこらは中小金融機関を含めて金融政策の対象になり得る方向というものを考えておく必要があるのじゃないかというのが私の考えでございますが、ちょっと総裁の……。
○宇佐美参考人 ただいま申し上げましたとおり、私どもは全体としての調節をやっておるわけであります。その中には中小企業金融機関も入っているわけですから場合によっては、あるいはまた一般の銀行でも、たとえば年末のごときは資金が足りなくなる、そういう場合にはオペレーションを多額にやらなければならぬ。そういう場合にそういうルートを通じてやって、直接出すということはなるべく避けたほうがいいのではないか、かように考えております。
○堀委員 次に、今度窓口規制を新たに復活をなさいました。昨年の四−六でございますか、七月でございましたか、何かに対して基準を置いて増加割合を割り出しておられるようでございますけれども、これまで私は、公定歩合操作より日本でよくきいたのは、実は窓口規制のほうが実質的にはよくきいたのじゃないか、こう思っておるわけであります。ですから、今度の問題も、一厘プラス窓口規制でちょうど一本だな、こう感じておるわけでありますが、しかし、この窓口規制というのは前に比べて、これはちょっといろいろな情勢が違いますが、この点に対するきき万といいますか、今後の資金需要に対するきき刀、−私は全銀協にはこの前こういうときもあろうかと思って、融資ルールの問題をかなり熱心に取り上げてお願いをしてきましたけれども、今日その融資ルールはどこやらあがっていったような感じで、必ずしもほんとうに必要なときにはあまりこの問題に対しての真剣さというものが欠けているような感じがするわけでありますが、そういうものを含めて、量的調節というものがどの程度に有効に働くのか、その点を少し承っておきたいと思います。
○宇佐美参考人 先ほど公定歩合を考慮したと申し上げた中に、窓口規制のことはあとで御質問がありゃしないかと思って省いたわけであります。今度それをやることにいたしまして、この七月から一まあ私どもの考え方は、どうせ経済が動いていくのです。同時に、目的としています国際収支がどういうふうになっていくか、また経済成長がどういうふうに向かうかという点を考慮して、実は三カ月ごとにいろいろ勘案いたしましてやっていこう、一年を通じてこういうことをやるというのではなくて、かなり弾力的に考えておるわけであります。したがって、どういうふうにやるかはそれらのいろいろの結果を見ながらやっていこうと思っております。ただ、私どもが今回——前回もそうでありますが、前年度の経済成長に伴って、貸し出しが増加している。それを基準にいたしまして、そのうちたとえば、これはまだ全くわからない数字でございますが、一〇%か一一%くらい減らしたならば相当きくのではないか、かように考えておるわけであります。したがって、もう少し具体的に申し上げますと、都市銀行でいいますと、去年一兆三千億くらいふえましたか、それからお考えくださいますと、そこいらのところでやりますと、かなりきくのではないか、かように考えております。
○堀委員 いまのお話で、従前に比べてどうかというのが私の感じでございまして、これまでは資金需要というものがうんと上り坂になっていますから、窓口規制はかなり有効だったと思うのですが、今度のは上りつつありますけれども、カーブが非常にゆるいものですから、ゆるいカーブには案外そういう規制も影響が少ないといいますか、設備投資の内部資金の問題等いろいろありましょうししますから、一説によると、輸入ユーザンスを利用できるものもまだ利用しないでいるような大企業もあるなどということになりますと、いよいよ詰まってきたらそっちから回そうというようなことも起きかねないのではないか、また外銀からのいろいろそういうローンを通じてでも処置できないわけではない。それはかえって逆にいえば国際収支は多少プラスになるというようなことにもなりかねないと思いますので、そこらがこれまでと今度とではききぐあいはちょっとききにくいのではないかという感じがするのですが、その点だけを……。
○宇佐美参考人 その点は確かにあろうかと思いますけれども、今後規制につきましてはただいま申し上げたとおり、二カ月ほどよく注意いたしまして、そういういま御指摘のような問題が起こっている銀行に対しては、適当にワクの配分のとき考慮してまいりたい、かように思っておるわけであります。
○堀委員 非常にむずかしい経済運営の時期でありますし、財政指導型といわれましても、私はやはり金融政策が負っております分担部分といいますか、かなりやはり大きいものがあると思います。 そこで、ずっと拝見しておりまして、この前委員会へおいでいただいて、私はやがて九月がまいりまして、また都銀の九月決算の問題が出るのについては、新聞紙上では預金を含めて——要するに預貸並進ということでなしに、預金を含めて少し指導をなさるということを新聞で承知をいたしましたし、それから期末の預金高につきましても、平残の平均をとろうというようなことをお考えいただいておるというようなことで、われわれが考えているノーマルな方向へ一歩進めていただいておると思うのでありますけれども、この問題について現在おとりになっておる——いろいろな新聞で承知しておるだけでありますから、そういうウインドードレッシングをできるだけ改善をするということを、この前、私、銀行協会長にも強く要望いたしたわけでありますが、それについてのお考えを九月末決算を前に、少し承っておきたい。
○宇佐美参考人 この七月でございましたか、その前に私どもはこの景気の先行きについて、ただいま御指摘のように銀行の中で指数だけを見ていてはだめだということで、一般の会社に乗り込むわけにもまいりませんので、まずおもなる銀行に対しまして、六月の初めから七月にかけて調査をいたしたわけでございます。その調査の結果は、経済政策というか金融政策にも反映いたしましたが、その結果やはり日本銀行の融資につきましても従来の方法でなく、資金ポジションを重点にして、ほかから金を借りてやっているような人は、それはやはり注意して、融資限度額の方でかげんするというような資金ポジションを中心にした政策をとって現在進めておるわけであります。したがって、今度のいろいろの窓口規制などもその思想といいますか、その思想に基づきましてやっているつもりでございます。ただ預金、貸し出しの金額が多いものは、よけいに日本銀行が金を貸すというのではなく、そういう内容をよく検討しまして、そうしてたとえ大きな銀行でも、私どもから考えていろいろ事情はあると思いますけれども、不適当と考えるようなものにつきましては、やはりそういう考慮をしながらやっていくということにいたしております。したがって、七月に出しました融資限度額の考え方が今度の窓口規制にもずっと続いておる、さようにお考え願いたいと思います。
○堀委員 最後に、総裁も比較的今度の処置は効果が出るだろう、こういうお話でございました。私は、少し時間がかかるたろうという感じが——これは感じのことでございますから、結果は先へ行けばわかるわけでございますけれども、その中で残っておりますのは、あとの処置をするとすれば、さらに財政をどうするかという問題もありましょう。金融政策をどうするかという問題もありましょう。しかしこの際は、いまの合わせて一本という表現を私はとりましたけれども、非常に悪化すれば別でありますが、一向に改善はされないという程度ならば、公定歩合の操作は、よほどの場合は別でありましょうが、しばらく見送って、たとえば窓口規制をさらに強化するということでも、実は用が足りるのではないかと私は感じておるわけです。いまの国債発行下における諸情勢というものは、ただ二厘すぱっとやればよかったのではないかと思いますけれども、それはもうこうなっておりますから、ですからその際は公定歩合操作のほうをおとりになるのか、窓口規制を強化するということになるのか。これは仮定のことでございますけれども、比重は一体どちらかにかかるのかという点だけをお答えをいただいて、私の質問を終わります。
○宇佐美参考人 ただいまの御質問でございますが、私どもは、九月一日からとりました政策はこれでいける。むろん何月からどうということは申し上げられませんけれども、だんだん改善していくのではないか。ただ、これは何といいましても財政も必要でございますが、民間の各企業にも協力してもらわなければならぬ、そういう考えでただいまのところいろいろいま御指摘になりましたような、どちらをとるというようなことよりも、これでひとつ何とかいきたい、かように考えておるところでございます。
○堀委員 終わります。
○内田委員長 次は広瀬秀吉君。 広瀬君に申し上げますが、日銀総裁は諸計画の都合上、ここを三時四十五分にはどうしてもお出になりますので、あなたの御質問で日銀総裁に関連するものがありましたら、その時間内にひとつお願いをいたしたいと思います。
○広瀬(秀)委員 日銀総裁にお伺いいたします。 いま堀委員からいろいろ公定歩合の引き上げの問題をめぐってあったわけでありますが、最後の答えで、今後もう一厘上げるというようなことがあるのかないのかということを伺いたかったわけでありますが、大体いけるという目算だという御返事があったわけであります。総裁はことしの四、五月ごろはこの問題についてはまだ非常に慎重な、いわば中立的な立場をとられた。七月から八月にかけては急激に、特に諸外国の景気の情勢が予想外に悪いぞということで、非常に警戒警報を発せられた。そういうようなことからいえば、おそらく大かたの予想は九月——これは私も大蔵大臣に尋ねたわけでありますが、景気調整に対する政策判断をいつやるか、九月だ、こういう御返事もあったわけでありますが、そういう中ではおそらく二厘くらい上がるのではないかという予想が非常に強まっておったわけであります。政策委員会等でも、その点二厘か一厘かということで非常に問題があった、最後にはおそらく大蔵大臣からの総裁に対する強い要諦で一厘になったのではないかというようなことが巷間取りざたされておるわけでありますが、最近のアメリカに対する日本の貿易の割合、そして日本が減少した分を埋めておるのはどういうところかということを見でみましても、かなり西ドイツあたりからの輸出ドライブがかかって、ものすごい売り込みをやっておるというようなことがありますし、また、特に特恵関税の問題で後進国諸国からの強い要求がある。そういうようなものについて、アメリカも百八十度の転換をして特恵を認めるという方向にきておる。こういうようなことになりますと、日本の特に軽工業なんかの場合にそういうものとの競争というようなことで、景気の問題ももちろんございますけれども、その問題などもからんできて、そう輸出が好転するという状況はなかなかむずかしいことではないか。しかもこの一厘引き上げということで、どれだけ一体大企業を中心とした設備投資に抑制の効果が働くか、こういう点でもかなり疑問が持たれる。そういった場合に、やはり輸出が伸び悩み、輸入が増大するという傾向はかなり長い期間にわたるのではないか、こう私ども思うわけなんですけれども、そういう点でもう一ぺん一厘引き上げが五、六カ月後くらいに、前回の引き締めのときにやられたようなことになるのじゃないかというようなことも予想されるわけであります。そういう外国の景気情勢というようなものについて、これは八月の下旬ごろだと思いましたが、新聞でも総裁が非常に警戒されておる、なかなか情勢は好転しないという気持ちを新聞記者諸君なんかにも述べられたということが報道されておったわけでありますが、それらのところをもう一ぺんひとつ情勢の分析をお話しいただければと思います。
○宇佐美参考人 ただいまのお話で、景気の見通しにつきましては、ことしの初めから私どもは非常に注意深く見ておったようなわけであります。ところが、その後に至りまして、やはり輸出の伸びはどうもおもしろくないし、また輸入のほうはかなりのスピードで上がってきておる。一月から七月まで、最近わかっておる数字を見ましても、輸出は七%しか前年度比上がっていないのに対して、輸入は二三%というようなことで、国際収支あるいは外貨準備が非常におもしろくない情勢になってきております。そこで私どもは何とかして、もう単に警戒的なことだけではいけない、政策的に処置をとる時期が来たのではないか、かように考えたような次第であります。いまおっしゃいましたとおり、海外の情勢もいろいろ聞いてみますと、なかなかそれだけをたよりにしていられないという状態でございます。 そこで、財政のウエートが従来に比較いたしまして相当上がってきておりますいまのような情勢にあるときは、引き締め政策をやるならば財政と金融と両方からやらなければならないということで、私は大蔵大臣あるいは大蔵省の皆さんとも直接間接に連絡いたしまして、経済の見通しをどう見るかという点につきましては相当研究し、大蔵省とも話し合いをしたと思っております。そこで大体意見の一致を見ましたので、私どもとしては、日本銀行の政策をきめる上において、財政がどういうことをされるかということも非常に大事な要素だと思いまして、確かに大蔵大臣に財政の決心を伺ったわけであります。そうすると、相当やるというお話でありましたので、そこでわれわれのほうで三十一日に政策委員会できめたわけでございますが、先ほど何か大蔵大臣から圧迫があったというようなお話がありましたけれども、これははっきり申し上げておきますが、一厘にしろとか二厘にしろとかいう、そういうことは一言もございませんでした。これは新聞にいわれましたとおり——そんなことを新聞に出すのがもうすでにおかしいくらいなんですが、日本銀行に一任したということを大臣が言われたそうでありますが、それは私どもから言うと、もう言われるのがおかしいくらいにはっきりしていることだろうと思っております。したがって、いま御指摘のような点は全然なかった。ただ、私が大蔵大臣に伺いましたのは、日本の今後の金融情勢をどう見るかということ、それで私も意見を申し上げました。それからもう一つは、財政もひとつ何とかやってくれぬと、欧米の各国がやりましたように金融にあまりウエートがかかり過ぎますと、どうしても高金利になります。日本の重美として高金利にすることは望ましいことじゃございませんので、その点で大臣の決心を伺った。この二点だけでございます。どうぞ御了承を願います。
○広瀬(秀)委員 大臣から圧力は別に一厘にしろというようなことではなかったとおっしゃられるので、そのことを別にどうこう申しません。ただ、いままでの例ですと、この公定歩合をどれくらい上げるだろうか、その時期はいつだろうかというようなことについては、これは景気調整の面からいえば、いままでは財政よりもむしろ金融政策でやってきた、こういうことで、いわば秘密裏に、日銀総裁が中央銀行の立場として、通貨調節というような問題を考えながら、また通貨価値の維持というようなことを根本に置いて、国家目的に沿ってやらなければならぬという日銀法に基づいて断行されたわけですね。すぱっといわば伝家の宝刀を抜くというような形でやられた。ところが、今度の場合には、もちろん最近の景気調整の問題としては、もう金融と財政がいわばポリシーミックスの時代に入っておるというようなこともいわれておりますから、そういうこともあったのかと思いますけれども、総裁の新聞記者との会見等における印象だとかそういうようなことで、たとえば八月二十九日あたりには、おそらく二厘上げになるだろうということで、とたんに株が下がる。九月一日には一厘になったというので、また今度は株が若干上がるというようなそういうような動揺を、そのことによってそういう面に与えるということは必ずしも好ましくないことではないかというようなことを考えるのが一つであります。そういう問題と、やはりこれから財政が景気調整において果たすべき役割り、フィスカルポリシーというものもこれは重視していかなければならないことはお説のとおりだと思いますし、それと金融政策と相まっていくということはたいへんけっこうなことだと思う。そうなりますと、これからは金融政策というものも財政との見合いで大体きまっていく、こういう方向になってくる。したがって、そういうような過程において、かなりいままでのような伝家の宝刀的な立場から、何といいますか事前からある程度警戒警報を発しながらやっていく、金融政策も公定歩合操作というものもやっていく、こういうような方向になるだろう、こういうことでしょうか。それらの点をひとつ。これからの金融調整というものが、かっての不況克服というような問題、あるいは景気過熱を押えるというような問題、そういうような場合の公定歩合の操作等のやり方、そういうものもかなり違ったものになってくる、こういうようにお考えでしょうか。
○宇佐美参考人 やり方なんでございますが、私はやはりこういう場合に申したら多少問題があるのかと思いますが、私どもがいろいろ内外を調査し研究していることをときどき財界の方にも——財界の方はどうしてもミクロ的にものを見ますので、マクロ的に見るというわれわれの立場と両方違いますので、ときどき財界の方に日本の経済はどういうふうになっているんだろうかということを理解していただく。また、われわれもミクロ的のいろいろの事情も知るという上において、私はときどき話し合いをするということは非常に有益だろうと思っております。ただ、公定歩合それ自体につきましては、あるいはそういうことにつきましてはおっしゃるとおりすぱっとやるべきものだと思う。いまおっしゃったような新聞にいろいろ出ておったということにつきましては、ここに新聞の方もだいぶ見えておるようですが、一厘だの二厘だのということは私は一言も言ったこともにおわしたこともございません。それはひとつぜひ御理解をいただきたい。いろいろ新聞の方は熱心に研究されたようでありますが、しかしそういう問題はほんとうにすぱっとやるのがいい、これは従来と同ことであります。しかし、平常はやはりお互いに、国民といいますか皆さまとお話し合いをする、こういう国会に出ていろいろお話をするのもその一つではないかと思っておる次第でございます。
○広瀬(秀)委員 けっこうでございます。 それで、話題を変えまして、日本銀行法の第四条に、必要に応じて支店を置くということで、たしか今日二十六くらいの支店が設置されておると思いますが、この必要に応じてという基準と申しますか、どういう角度で判断されているかということであります。 それから、実は栃木県の宇都宮にぜひひとつ日銀の支店を置いてほしい、こういう問題が提起をされておるわけであります。この問題も非常に地元においては熱心に取り上げられておる問題でございまして、本委員会においてはこの支店設置の問題等についてあまり議論をしたこともございませんが、きょうはその問題について、首都圏として、金融面におきましても、また産業の発展等も近時非常に目ざましいものがありますので、こういうところにやはり必要ではないか、こういう見解を私は持っておるわけであります。この点についておそらく総裁も陳情を受けておられるだろうと思いますが、この点どのようにお考えでしょうか、この際、お考えを聞かせていただきたい。
○宇佐美参考人 支店設置につきまして、基準というようなものを特に設けておりません。私どもは必要に応じて、何のために日本銀行があるのか、支店があるのかという立場から考えております。したがって、必要があれば設置するということもございましょう。ただ一般論として申し上げますと、もうこのごろは交通機関もあるいは通信網も非常に発達しておりますし、また方々の支店にも非常時といいますかそういう態勢も十分整っておりますので、一般論としてはもうそう支店を設けなくてもいいではないか、かように考えております。しかし、どんな事情があってもふやさぬというわけではございません。特に支店がなければどうにもならぬという御不便があれば、ぜひひとつおっしゃっていただきたいと思うのでございます。そういう見地から検討はいたしますけれども、いまの情勢からいいますと、まず支障なくいっているのではないか、かように考えております。 いま宇都宮のお話がございまして、私もお話を承りましたが、まあいまのところ特に設けなければならぬという理由は薄いのではないかと考えておりますので、なお特に理由があればこの場所でなく……。
○内田委員長 宇佐美日銀総裁には御多用中を当委員会に御出席いただき、まことにありがとうございました。どうぞ御退席ください。 質疑を続行いたします。広瀬秀吉君。
○広瀬(秀)委員 銀行局長にお伺いをいたしますが、いままで必要に応じて支店を設置するという規定に従って全国にそれぞれ二十何カ所設置してきたわけでありますが、許可をするにあたって、必要に応じてというものをどういう角度から、いわば許可条件がどういうところにあって許可をされてきたか、そういう点について大蔵省の態度についてお伺いをいたしたいと思います。
○澄田説明員 何ぶん中央銀行たる日本銀行の支店でございますので、一般の銀行の店舗というような場合と違いますので、あらかじめ基準を設けてその基準に従って判断をする——日本銀行の設置の認可の申請をする場合でも、基準がないということを先ほど総裁が答えておられましたが、政府のほうで日本銀行の申請に対して認可をする場合にも、そのときの状況によって判断をして、日本銀行の申請が出てきた場合に、その状態によって判断をしておるということで、あらかじめ定めたような基準はないわけでございます。当然既存の他の店舗とか当該地方の経済状況というようなものを見まして、ことにその地方の金融の状況とか、あるいは距離的な関係とかいうものを見まして、その場、そのときに応じまして十分考慮の上、総合的に判断する、かようにしておるわけでございます。したがいまして、特にどういう点に重点を置いてというよりは、いま申し上げましたようなことの総合的判断、かように申し上げるほかはないかと存じます。
○広瀬(秀)委員 いま、そういうきまった基準というものはない、総合的に判断をされるということでありますか、たとえば北関東で栃木、群馬、茨城とこうあるわけでありますが、茨城と群馬にはある、ちょうどまん中の栃木県にはない、こういう関係になっておるわけです。たとえば群馬と栃木の経済的な、あるいはまた金融面での規模と申しますか、経済の活動状況は大体似たり寄ったりのところなんですね。そういうようなところで栃木にはないので、いま前橋の日銀支店の管轄に入っているというようなことで、県全体としても、やはり金融の問題、産業、経済活動の問題で非常に不便だということで、地元でも非常に熱心に陳情活動もされておるわけでありますが、これは将来支店を設置する可能性というものがないのなら、また大蔵省あたりでも、そんなものはもう必要ないんだということで、総裁も、通信機能が非常に発達している段階では特にそういう必要性は減退しているのじゃないかというようなことも言われておるわけでありますが、もしそういう方向をたどるのなら、これはやはりはっきり地元の陳情の人たちにも、こういう不便はある、しかしそれはどういうようなぐあいで不便をかけないようにするというような、はっきりした返事をしていただいて、むだな労力と費用を使わないようにしてもらったほうがいいのじゃないかと思います。ある程度その可能性があるような形で、何回も何回も陳情に——地元の人たちは前橋に行ったり来たりするということは非常に不便だということもあるわけでありますし、大体同じような県で、同じような規模で、むしろ栃木のほうが最近発展の可能性も秘めて、現にそういうきざしも工場誘致等をめぐって出ているというようなことを考えますと、やはり栃木県としてはそういう希望が強く出されてくる。こういう問題に対して適正な指導といいますか、将来どうなるんだというようなことについて、やはり相当しっかりした態度で臨んでいただかないとぐあいが悪いと思うのですね。そういう点で、もう少しこの問題について考慮をしていただきたい、こういうように思うのですが、いかがでしょう。
○澄田説明員 一般的なお話は、先ほど申し上げたとおりでございます。これは日本銀行があくまで日本銀行として判断をして、そうして政府に認可を申請してくる、こういうことでありまして、そういう意味から、いまお話しのように地元が非常に強く要望しておられるということに対しては、日本銀行でその判断をしかるべく地元にも当然連絡をすることであるし、またされておることと思うわけであります。一般的には、先ほど日本銀行の総裁も申しておられましたように、その土地の経済や金融の情勢もそうですが、交通、通信というようなことで、そういう点から申しまして、本店から近いというようなことがございまして関東には支店が非常に少ない。やはり遠隔の地のほうに多い。日本銀行の支店を設けてきましたいままでの経緯等を見ますと、まず北海道、最初は函館に設けられたようでございますが、函館、北九州、これは最初は門司に設けられたようでございますが、門司というようなところに、明治のかなり古い時期にまず設けているというようなことで、やはり日本銀行券をそこから流通のために出すということを一番基本的な任務としておりますので、そういうために遠隔の土地というところをまず出して、したがって、関東ではいまもお話のありましたように群馬県の前橋に一店だけ支店がございます。事務所が水戸と横浜にあるというようなことで、関東全体で千葉にも埼玉にもないわけでございます。栃木にもお話のようにないわけでございます。そういうようなことで、いろいろ地元の経済の発展等から見ますると、前橋にあって宇都宮にないのはどうかというような、全くそういうようなことになるわけでございますが、日本銀行券の流通という前提から考えますと、やはり地理的な条件、距離の遠隔かどうかというようなこと等々を勘案して配置をする。各県に一つずつというようなことにはたてまえ上なっておらないわけでございます。さような次第で、いまのところは、先ほど宇佐美総裁のお話にもありましたように、これをどうしても設けなければならぬ積極的な理由というのはないのではないか、日本銀行はさように判断しているのではないか、私どもそういうふうに考えておる次第でございます。
○広瀬(秀)委員 日銀がおりませんから、一問だけでこの問題は終わりますが、支店あるいは出張所というようなことで、たとえば栃木に、日銀が必要性を主体的に認めて大蔵省に認可を申請するという場合、日銀の判断がそういうことになった場合には、そうむずかしいことを言わずに認可はされる、そういう方針でおりますか、それとも、もうこれから先は支店、出張所は一切設けないのだという方向でいくのか、その辺のところの判断をひとつ伺っておきたいと思います。
○澄田説明員 仮定の御質問でございますので、はっきりした答弁はいかがかと思いますが、これは日本銀行のほうであくまで判断すべきことで、一切支店をこれから認めない、そういうようなことではもちろんございません。あくまで日本銀行のほうで総合的に判断すべきことと、かように存じております。
○広瀬(秀)委員 終わります。
○内田委員長 次は、広沢賢一君。
○広沢(賢)委員 まず第一番目に、大蔵政務次官に聞きます。 先ほど、公定歩合の引き上げの問題がいろいろ議論になりましたが、今度の国際収支悪化の真犯人はだれかと、新聞で非常に騒いでおります。財政である。結論を先に急ぎますと、私は、民間設備投資という問題が今度の場合非常に大きな問題で、公定歩合引き上げによってあんまり影響を受けてない、かってなことをするということで、そういうところに非常に原因があると思いますが、政務次官の考え方はいかがですか。
○小沢説明員 先生の御意見ではございますが、もちろん設備投資の異常な拡充といいますか、そういうものも犯人といえばやはり一つの犯人でございます。また、消費の非常な旺盛な今日の現況というものを考えますと、それもやはり一端をになっているわけでございますし、とにかく犯人をだれだと、こうきめつけることはなかなか困難でございまして、総合的にこういうような結果があらわれているわけでございますから、財政、金融全体にわたっての調整政策をとるという方針をとったわけでございます。
○広沢(賢)委員 犯人がだれかわからないと、ほんとうの対策はできないと思うんです。あれもこれも、これもあれもということではないと思うんです。財政投融資と財政支出の繰り延べをされましたけれども、それについて、たとえばそれをやられた地方の人たちとか、そういう人たちがこういうことを言っております。新聞でお読みになったと思いますが、つまり、私たちは、早くこの公共事業をやらないと、災害がまた起きる、来年に繰り延べたらどうなるか。私たちは、国際収支悪化の真犯人とは思わない。美濃部さんもそういうことをはっきり言ってます。もちろん財政支出全般のこと、さっき大型予算と言いましたが、そういう人たちに責任は私はないと思うしこれはあたりまえだと思うんです。 そうすると、たとえばここにこういう記事があります。これは毎日新聞の論説室の顧問の人が書いたものですが、去年の国民所得の統計が出ました。「名目で一六・四%も伸びており、なかでも法人所得は景気上昇を反映して前年度比三三・五%の増で、そのうちでも法人留保は七五・二%の急増となっているのに対して、サラリーマンなどの雇用者所得は一四・八%増と、」これは確かですね。「過去四年間の伸び率のなかで最低であるし、国民総支出のうち、個人消費支出が占める比重も五四・三%と過去五年間の中で最低の水準に下がっている」これは去年の国民所得の統計です。というところから見ると、何と七五・二%の急増、内部留保がある。さっき堀委員が言いましたが、自己資本がどんどん出て、それでたとえば、今年度の初めに大蔵大臣が、自己金融力が非常に増した、景気がよくなったと、非常に誇示しておりました。今度の公定歩合引き上げによるいろいろな意見が——日銀の総裁の対話が非常に長かったものですから、その間にわっさわっさといろいろかってほうだいのことを言ってます。公定歩合を一厘引き上げたって、わしのところは何ともない、設備投資は強行するんだ。これは自動車の社長です。公然とあっちこっちでみんな言ってます。そうすると、設備投資の増加というのは、これは去年の例もそうだし、ことしも同じですね。先ほど、民間設備投資の伸びの率が相当ある、一四・八%が二一〇%くらいになるのではないか、これについてはどうですか。
○小沢説明員 設備投資の伸びの見方は、当初、いまおっしゃいましたように、大体一四・八%の伸びを見込んでおったわけでございますが、これが相当上がるということについては、これは私ども同じように考えておるわけで、それがいま二割になるのか、あるいは二割以上になるのか、あるいは一八%くらいになるのかということについては、いまここで確たる見通しを申し上げる材料を私持ち合わせておりませんが、いずれにいたしましても、相当な率になるという予想で、景気調整政策というものを早目にとるようにいたしたわけでございます。
○広沢(賢)委員 もう一つ、国民消費が原因でないという一つの理由をあげますと、国民所得計算の中で、個人消費がやや低目である、同時に貯蓄率が世界で最高で、手取り収入のうち一八・五%。これは社会保障がないからそうなった、こういって非常になけなしの金をためておるわけです。そうすると、国民の消費、総需要が上がったから国際収支が悪化した、今度は外の要因がありますが、国際収支が悪化したんだということは、総需要ということではばく然として原因を突きとめることができない。 そこで、お聞きしますけれども、こういうようないろいろな資料から見て、民間設備投資、会社の大もうけ、内部留保の充実、ここに原因があるので、国民の消費は、貯蓄が非常に高い率——幾ら所得が上がっても、貯蓄に回すというのだから、ここが原因ではない、そういうふうに考えてよるしゅうございますか。
○小沢説明員 私どもは各方面の御意見の中で、いろいろな御意見がございますけれども、やはり消費傾向というのも内需を非常に強めている。それが輸出入の状況に相当影響があるというようなことは、これは当然考えていいんじゃないか。こういう意味で、先生のいろいろ御意見ではございますが、そういう面における対策等もあわせ考えないと、今度の景気調整の目ざす効果が出てこないのじゃないかということで、総合的にいろいろ対策をとっておるわけでありますから、この点はひとつ御了承いただきたいと思います。
○広沢(賢)委員 それでもう一回、しつこいようですが申し上げますが、それは根本的な問題があるので、たとえばこういう記事が出ています。「国際収支の赤字が重大なのか、それとも住民の生命に直接関連する問題が重大なのか」これは思い詰めた一言い方で、国民経済を知りません。しかし、日本経済新聞にこういう「国際収支より住民の生命」という記事が出ている。来年災害になったらたいへんなことになる。そうすると、国際収支の赤字を回復するのは来年やるとして、その引き締めの中で手つかずでもって、そう緊急でない——資本自由化だから、緊急緊急といって非常に宣伝しておるのでありますが、民間設備投資については、先ほど私が言いましたように、ちっとも響かないんだ。石油も鉄も、それから機械も、重要産業のほとんどは自分の設備拡張は変えないんだ、これを変えると資本自由化に対して、国際競争力に対して対処できないんだ。これは私は、緊急に迫った、来年災害になったらどうするかという住民の問題よりもずっとおくれて成り立つ議論だと思う。もしくは、成り立たないかもわからない。それはよく原因を突き詰めていろいろ討論しますと、へ理屈がずいぶんある。資本自由化に備えて、自己資本の充実とかそればかり考えていると、それがにしきの御旗になっているということは、私がこの間話をしました、たとえば技術開発の問題その他一ぱいある。国際投資協定の問題だとか、そういうことを考えますと、やはり財政支出で繰り延べられた住民の非常にたいへんな問題ですね。公共事業の繰り延べによる河川の問題、それから住宅の問題と比較しますと、民間設備投資、それから財界の問題、大きなもうけについて、何らかの対策を講じなければならないということになるんです。 そこで、お伺いしますが、大蔵政務次官も非常にいいことをしゃべったと思うんですが、大蔵省の方針で、八月三十日に特別償却を一時停止するという問題が出ております。これは、この前のときに私がいま述べたようなことを言って、それで財界がかってなことをするのだったら、やはり大蔵省としては、日銀が通貨維持のために伝家の宝刀を抜くと同じように財界のかって気ままな設備投資のいろいろな動きをぴちっと押えるということが必要なのじゃないか、その手段方法を持っているのではないかという質問をしました。これはこの前の国会の質問です。そうしたら大蔵省ちゃんとやってくれたと思うのです。特別償却を一時停止する。これについては財界と自民党と書いてあるのですが、これはまあ……。財界が非常に猛烈に抵抗しているということなのですね。そのまま新聞記事にあらわれていないのですが、特別償却一時停止の問題はどうなりましたですか。
○小沢説明員 お答えする前に、先ほど来何か災害関係のことに関連しまして、今度の景気調整対策で災害関係のものまで繰り延べて住民の生命が大事かというような新聞記事を御引用になりましたのですが、災害関係の対策工事は除外をいたしております。また、中小河川の問題が災害になりますと非常に大きいものでございますから、災害の直接の対策工事でなくても、中小河川の対策につきましては相当配慮をして、一般的な七%というようなものの例外としていろいろきめこまかい対策をとろう、こうしておりますので、この点は御理解をいただきたいと思います。 なお、ただいま特別償却をやめたいというような記事が出ておったが、たいへんおれが言うたように英断をふるってけっこうだ、こういうおほめがございましたが、実はまだやっておりません。目下検討中でございまして、いまの一番のねらいが輸出入関係の改善ということにありますと、これを私どもが一体やるほうがいいのか、あるいはやはりこういう問題については企業の輸出産業自体の輸出振興という意味から考えまして、かえって対策としてはマイナスの要因も考えられるのじゃないか、いろいろなものがございますので、目下慎重に検討中だということであります。
○広沢(賢)委員 何かというと輸出振興、資本自由化と言うと何でも通るという、これがやはり非科学的じゃないかと思うのですね。これで何でも通されたら国民はもう世界企業に対して、この間話したとおり、勝つまではほしがりませんで、どうにもならないです。 そこで、お聞きしますが、たとえば特別措置ですが、三十八業種に及ぶ近代化のための設備投資をした場合に、総額で予算八百億のうち二百億に達する特別償却が認められている。これはいま設備投資について自主的な態度、節度ある態度をとらなければやりますよという形でやったって来年の輸出には響きません。これは長いことの年月をかけての問題だと思うのです、いま言われたのは。したがって、来年そういった形でぴちっとした態度を出すということは、これはやったっておかしくはないと思うのですね。いつも租税特別措置というのは一、二年でいろいろ措置しますから、この点でこのくらいの態度をぴちっと出すということはいいと思うのですが、結論はいつごろつくのですか。
○小沢説明員 そういう御意見もございますので、目下慎重に検討をいたしておるのでございます。
○広沢(賢)委員 それでは、慎重に検討すると言ってあと御返事ないのですけれども、もう一つあります。 これは九月七日の「大蔵省租税特別措置を再検討、法人税関係廃止へ」ということで「同省ではいまのところ資本構成を改善した場合、および特定設備を廃棄した場合の法人税の特別控除制度についてほぼ廃止の意向を固めた」と書いてあります。云々とまた書いてありますね。あぶないんですね。まだきまらぬかもわからない。それについて、これもこの前の租税特別措置のときの審議でいろいろ明らかになったのですが、堀委員から、やはり日本の企業の安定、しっかりした安定性を保つためには、資本構成の充実ですね。七〇%、八〇%以上にずっと充実するということが望ましい、これはそのとおりです。 〔委員長退席、吉田(重)委員長代理着席〕 ところが、こういう例があると、この前質問したのです。たとえば、金融引き締めがありそうだというと、各産業、大会社は金を借り始める。そうすると、せっかく自己資本が最近充実した——大蔵大臣が自慢したとおりです。充実したために、政府の言うことや、さっき言った懇請ですか、要請、それから日銀総裁も言われました協力を要請する。要請、懇請なんて聞きはしないんですね。新聞に書いてありますね。利己主義者、短期的なものの見方しかしないとか、そういう一局部しか見ない、自分の会社がよければいいという、そういう多くの会社が銀行からどんどん金を借ります。そうすると、新聞記事に出ていましたが、大蔵省の最近の調査によると、また資本構成が悪化してくる。金を借りるから悪化するのです。そうすると、租税特別措置でもって、たいへんな国民の税金の問題について、ここで資本構成が改善した場合にこうこうするということになりますが、そのほかの要因で全然まとまらないじゃないかという意見を申し上げました。そうしたら、ここにちゃんと、「資本構成を改善した場合」には云々と書いてありますが、この方向はどういうふうになっておりますか。
○小沢説明員 どうも、私しろうとでございますので、御質問の御趣旨があまりつかめないのでございます。先生の前の御質問はよくわかったのですが、いまのは、新聞記事の関係を、標題みたいなかっこうだけをお読み上げになって言われるからよくわからないのですけれども、もう少し詳しくひとつ……。
○広沢(賢)委員 もう一回申し上げます。 「大蔵省は四十三年度税制改正にからんで来年中に適用期限の切れる租税特別措置の存廃について検討をはじめた。」これは塩崎さんといつも約束したあれですね。「同省ではいまのところ資本構成を改善した場合、および特定設備を廃棄した場合の法人税の特別控除制度についてほぼ廃止の意向を固めたほか、」云々と書いてあるのです。そのほかのところはいけないのですがね、物品税の値上げになりますから。前のところは非常にあれですから、その点……。
○小沢説明員 租税特別措置の再検討につきましては、前国会におきまして、先生方のいろいろな御議論がございまして、私どもとしては、この点は新しい資本自由化の時代あるいは貿易自由化の進んでまいります時代に即応して、一体どういうような考え方でいくべきかという点を今後十分検討しますというお約束を申し上げておるわけでございます。しかしながら、御承知のとおり、税制調査会というものを私どもはやはり大事な諮問機関として持っておりますので、たしかこの前の委員会で申し上げたと思うのですが、税制調査会に来年度並びに来年度以降長期にわたる、ことに企業減税につきまして、あるいはまたお話がございました法人税そのものの本質に関しますいろいろな議論等もございますので、そういうものをひっくるめまして御諮問を申し上げて、いま検討を始めていただいた段階でございます。したがいまして、税制調査会の意向等を承りながら慎重に検討しているというのが現状でございまして、まだ検討を始めたところでございますものですから、私ここで特別措置についての方針を、将来これにきまったとかあるいはこういう方向だとかまだ申し上げる段階でございません。こまかい点の議論でございましたら政府委員が間もなく来ると思いますが、私どもの省として方向は、この前委員会でもお話がありましたように、新しい考え方のもとで租税特別措置も含めまして税制のあり方を税制調査会にはかっている。こういう段階でございます。
○広沢(賢)委員 細見調査官来られたそうですから、来た早々おそれ入りますが、それではひとつ聞きますが、こういう問題です。 最近税制面で景気を抑制するために特別償却の一時停止をする。これはいま御質問しました。それからその次に、税制調査会でこの間から問題になっていた自己資本の資本構成を改善した場合に特別償却制度をやるということも一時廃止する、そういう措置をとっていて非常にいい傾向です。租税体系の公平の原則、体系、制度を守るために非常にいいことである。 それからその次に、今度は新しい質問です。今度反対の問題が出てきたのです。反対の問題は、資本自由化に備えて政府の政策として通産省の方にもお聞きしたいのです。つまり通産省は「自己資本充実のため投資調整準備金を創設、所得の一定割合を準備金として積み立て、税制上損金扱いとして無税とするとともに、これを利用して景気動向に対処した投資調整を行なう」なかなか一石二鳥らしいのですが、何とその税金の額ですね。「所得の一割を準備金として認めた場合は、四十年度の法人所得から計算すると九百億円の減税となり、」二割だと千八百億円の減税だというたいへんな減税なのですが、こういうことは通産省からすでに申し入れがあるのですか。
○細見説明員 そういうお話をごく概略につきまして先般お聞きしておりますが、具体的にいまおっしゃるような非常に大きな規模の、しかも外国にだって、例はございますが、私どもが知る限り必ずしもうまくいったというふうにも聞いておりませんので、そういう制度がわが国ではたして適用できる制度であるかどうか、具体案も聞いておりませんので、今日確たる意見を申し上げることはできないと思います。
○広沢(賢)委員 まだ決定していなくて、まだ十分あれしてないという話ですから、その決定する前に一言申し上げておきたいのです。 私は、さっき政務次官にも申し上げましたが、去年の国民所得の計算によれば法人のもうけ、所得が非常にある。ことに内部保留がばかでかい。七五%という急増をしていますね。たいへんな額ですよ。しかも政府に対して一つも言うことを聞かなくて設備拡張をどんどんやっていますね。こういうことから国際収支の第二番目の真犯人、これは民間の設備拡張、つまり財界の自由競争、わがままに基因しているのではないか。ところが、資本自由化ということをいえば何でも聞くという、そういう風潮に乗って通産省はこういうものを出したのであろうと思う。そういうことは代々の税制、主税局の申し送る立場からいうと、それは租税体系を乱す、これは税制調査会の答申にあるとおりです。したがって、前の措置と今度の措置と全然違うし、こういうものは断固としてはねつけていただきたいと思うのです。そうすると、今度は通産省のほうは非常に不服だと思うのです。それで通産省の方にお聞きします。 大体これを持ち出してどういう効果があるか。租税体系を乱してもこれだけのことはやる、スウェーデンでいい例があるというけれども、どういう効果があるか。ことに現在の大企業がずっともうかっている、これは御承知のとおり。ところが、中小企業は倒産のうき目にあっているし、今度の公定歩合の引き上げは中小企業に一番響く。ここに書いてありますが、租税特別措置のこの措置によってある程度収益をあげている企業、日本の場合大企業ですね。でないと恩恵にあずかれないのではないか、こういうふうにいっております。そこで、お聞きしたいのですが、大体、どのようなどういう規模の企業にこういうものが適用されるかということを、ひとつお聞きしたいと思います。
○下山説明員 先ほど大蔵省のほうからお答えをいただきまして、この問題は実は現在通産省といたしましてなお検討中でありまして、十分通産省としての考え方をまだまとめるに至っておりません。その過程におきまして大蔵省のほうに、通産省としては現在こんなことも考えているのである、大蔵省のほうでも御研究願いたいということでお願いをしておるような段階でございます。この考え方といたしましては、資本の自由化に対処いたしまして、何と申しましてもやはり企業の自己資本を充実するということが必要であろう。従来企業の自己資本の充実策につきましてはいろいろな案があったことは御承知のとおりと思うのでござますが、自己資本充実策を講ずるにあたりまして、それが単に何と申しますかその効果といたしまして一般的に設備投資をただ促進するというだけでは、どうもこれは逆効果もあるいはあるんじゃないか。したがって、そこに若干設備投資の平準化と申しますか、そういう効果を入れたような考え方ができないものであろうか、こういうことで実は通産省に現在資本自由化特別委員会というものを置きまして、そこの専門委員会で御相談いたしまして、そういうような方向で考えたらどうかという御議論でございましたので、現在せっかく検討中でございます。まだいまの先生のお尋ねのような点につきましては、十分成案を得ていないという段階でございます。 〔吉田(重)委員長代理退席、委員長着席〕
○広沢(賢)委員 それでは、先ほど大蔵政務次官に説明したときにお聞きになっておるからおわかりだと思いますが、自己資本の充実ということはこれも非常ににしきの御旗みたいになっているけれども、先ほど申しましたとおり大企業が金をどんどん借りるということになれば、即座に自己資本の充実は戻ってしまう。現に先ほど政務次官の言ったことをもう少し詳しく言うと、ことしの四月から六月までの法人企業統計速報及び年末までの予測調査発表を見れば、その中には設備投資は四−六月、これは最高、今後もさらに増加が見込まれる。公定歩合なんかへとも思わないというわけですね。それから在庫投資も大幅に増加している。それから資金事情の先行き締まり状況でもって、自己資本比率は引き続き低下の傾向と書いてあります。つまり、税制措置でこのくらいそういうことをやっても大きな経済の動きで自己資本の問題は解決する。反対に国債を出して、こういう国債発行下で資金の流れが変われば自己資本の充実は一ぺんにできてしまうと思いますが、そういう点について通産省のお考えはどうですか。この税制措置でもって自己資本を充実するのか、経済全般、政策全般で自己資本を充実するのか、どちらが手っとり早いかお答え願いたい。
○下山説明員 もちろん経済全体の流れによりまして自己資本が充実されることは望ましいことではございますけれども、しかし、何と申しましても長期的にはどうも下がっております。やはり資本自由化も非常に差し迫りつつありますので、この際、税制措置によりまして、何らかの自己資本の充実ができないだろうか、こういう点について検討しているわけでございます。
○広沢(賢)委員 資本自由化がまた出てきたのですが、この資本自由化ですけれども、来年、再来年にかけて行なわれる資本自由化は中堅企業、食品など中小企業へだんだん進んでいきます。それで、資本自由化の問題の前に中小企業の問題を一回ちょっとお聞きしますが、これは中小企業の問題について国民金融公庫調査部で出しているものです。これは塩崎さんにもお聞きしたい問題ですが、いろいろ懸案になっている問題です。 これは女子大の教授の伊藤さんという方が書いたのですが、相当確かないろいろ数字的な点からずっと積み上げまして、「大蔵省主税局の推定によれば、昭和三十年度においては、所得金額に対する準備金、引当金の比率は、資本金一千万円の企業では九・五%、一千万円以上の企業では三〇・一%に達しており、いわゆる「利潤の費用化」については、中小企業が大企業ほど活用していない。」歴然たるものですね。「さらにまた三次にわたる資産再評価についても、中小企業は不徹氏に終わっているため」これは中小企業のほうにも責任がありますが、「本来資本に還元されるべきものが、租税として吸収されていることも無視できない。」と書いてありますね。つまり、やはりこの前大蔵大臣は租税特別措置やなんか中小企業のためにあるということを言われたのですが、大蔵大臣いるといいのですけれども、これはうそなんですね。やはりいろいろの数字の積み上げでいうと、大企業に非常に力点が置かれている。そういうことから考えると、これはもうずっと前から議論しているのですが、やはり引き当て金とか準備金とか、今度は所得の二割だったら千八百億に及ぶ投資調整準備金なんというのがある。これはやはり租税体系全体の上からいったら効果が少なくて、国の政策全体がそれで租税体系を乱す、こういう点でいま通産省にお聞きしたのですが、大蔵省の主税局長のお考えどうですか。
○塩崎説明員 二つ問題点があるように思います。まず第一は、中小企業と大企業との間の引き当て金及び準備金に関する格差の問題、第二は投資調整準備金のお話のようでございます。 第一の点につきましては、広沢先生にもずいぶんこの点の御指摘を受けましたが、確かにそういった様相もあり、そのような措置から大企業について準備金あるいは引き当て金の金額が片寄っていることもまた事実でございます。しかし、よく考えてみますと、本質的に私は中小企業、七十四万五千までの法人の実態と資産構成と、一億円をこえますところの法人の資産構成、実態の非常な違いがあると思うのでございます。御案内のように、たとえば価格変動準備金を考えてみますと、これはまさしくたなおろし資産についての危険の分散でございます。将来の準備でございますが、こういった引き当て金はどんなにいたしましても現金商売の多い中小企業には引き当てしようもない。中小企業の利益というものは多分に自分の労力から生ずるものが利益として出てくるわけでございます。そういった意味では、私は課税所得の計算原理あるいは支払い能力のしんしゃくというものはそういった引き当て金で行なうべきではない。中小企業につきましてはたびたび申し上げておりますように、これはどの程度がいいか問題でございます。多分に常識できまると思うのでございます。やはり軽減税率というものは企業に対する税金として適当ではない。日本女子大の先生でございますか、厳密に分析いたしますればそういう結果になっても、これは一つは資産構成が違うということ、大企業はまさしくそういったたなおろし資産も多い。あるいは現金商売でございません。大きな設備も持っております。減価償却も多い。それからまた、輸出というものはそういったところを通じて行なわれる。しかし、それらを総合しまして、税負担というものは私は準備金、引き当て金だけで判断すべきではない、税率を含めてそれがどうなっているか、それもいろいろと先生から御指摘で、大法人、中小法人との間の実効税率の問題といたしまして国会にも御提出申し上げ、おそらくお手元で御検討中だろうと思うのでございます。そういった角度からこれから私は御検討願い、準備金、引き当て金だけじゃなくて、総合的な税の構造として御検討願いたいと思うのでございます。 第二の投資調整準備金、これはスウェーデンが実施しておる。その問題で私もいま直ちに入ってどうかわかりませんが、古くから私どもも研究したことがございます。しかしその実効性、さらにいま申し上げましたように、それがはたして実効的に動くかどうか、これらにつきまして慎重に検討しなければならぬ問題であると思いますし、現在行なわれております、いま申されました各種の引き当て金、これとの関連の調整あるいは配当軽課法というものは、景気がよくなれば留保の割合が多くなりまして税負担は高くなる、こういった点は最初から意識したわけではございませんけれども、現実問題を見ますと、支払い配当の割合というものは景気がよくなってまいりますとだんだん減ってまいりまして留保がふえている。そうなれば自然に税金は多くなってくる仕組み、これは一つの税制上の景気調整措置が自然に進んでいると思うのであります。そんなような現行制度との関連で私は考えるべきではないかと思うのでございます。いたずらに日本の税制、先生のおっしゃるようにとにかく、まさしく制度のよしあしを検討せずに新しいものだけをつけ加える、外国がやっているからあれもつけ加える、これもつけ加えるというような中途はんぱなものが多分に積み上げられておって全く効果も少ない、こんなことは私は適当でないと思うのでございます。やり得るならばひとつ大きな施策を思い切ってやる、それからほかのものをやめるというようなことを前提としないと、何にも効果がなく、ただ税制が複雑になって不公正になる、こういう批判だけにとどまるので、これは慎重に検討きしていただきたいと思います。
○広沢(賢)委員 それを聞いて大体納得しましたが、もう一つ問題があります。それは、税制調査会で今度は法人擬制説に立ったいろいろな問題については決着をつけることになっていますが、まだ税制調査会の内容に立ち至って報告は受けていないし、大蔵省も同じだと思いますが、先ほど言われたのをもう一回確かめて言ってみますと、シャウプ税制以来、シャウプ税制でも資本に非常に有利な点がある。しかし、そのかわり租税特別措置は全部やめるという、全部というかほとんど。それはいけないのですが、それが次々に雨後のタケノコのように出てくる。そうすると、あっちで優遇、こっちで優遇だから、いけないから整理して、法人擬制説をとらないで、法人実在説にして、いろいろ税体系をきちっとするということになっていましたね。その点についてはどういう、ふうに進んでいるか、いろいろなことをおわかりになりましたら……。
○塩崎説明員 この問題も通常国会におきましてはずいぶん御検討願った点でございます。私どもの考えますところも申し上げまして御批判を仰いだわけでございます。現在の法人税制、企業に対する課税、配当受領者に対する所得税の課税、これらを含めまして、非常に私どもの見るところ擬制的な点が多い。何らか常識的な点に直したい。これは法人を独立の納税義務あるもの、一つの課税主体と考えることが最も簡単な方法ではないか、それが常識に合う方法ではないか。そのことは決して私は恣意的な課税を意味するものではないと思うのでございますが、そういった角度から法人に一つの実在説的な利潤税的なものがそれに合う方法として考えられる。しかしながら、それに転換する——何と言っても旧税は良税ということばもございますように、古い税といたしまして経済社会の中に溶け込んでおるものでございますので、現在の税制を一つ転換するには、よほどの準備が要るであろう。この点につきましては、堀先生がどのあたりから糸口を見つけたらいいかという御提案もございましたが、昨年は税制調査会におきまして大きな方向だけ展開いたしてございます。これをどういうふうに今後具体的に進めていくか、特に糸口をどういうふうに求めていくか、これから税制調査会で検討していただくつもりでございます。まだ、きょうは土地税制の問題が始まったばかりでございます。企業税制の問題といたしまして、来年度期限の切れるような特別措置がございますし、これが多分に自己資本比率改善の場合には税金が軽くなるという仕組みを通じて、いわば基本的な仕組みの変更を避けて、現在の、当面の要請であります自己資本充実というものに役立つような一つのインセンティブというものを考えたわけでございますが、これは期限が来年やってまいります。はたしていかなる仕組みが基本的な観点から適合するか、いま御指摘の問題とあわせてやはり慎重に検討し、さらにまた私は、シャウプ税制がいわば擬制的にとどまり、不自然な、観念的な感じを受けておりますのは私の印象だけかもしれませんけれども、昭和二十四年の勧告の際に、朝野におきまして納税者、企業、株主、これらを含めてのほんとうの議論と申しますか、その効果についての認識、これらが少なかったことが今日の大きな原因でございます。私どもは時間をかけ、あせることなく、どちらの方向がいいか、私どもはやはり経済の成長に即するような方向、さらにまた世論のおもむく方向でひとつ検討すべきだ、そういう意味で時間をかけてPRをしながら進めていきたい、かように思っております。
○広沢(賢)委員 その時間をかけてですが、それではそれに関連して、中小企業の金融の問題を今度はお聞きします。 やはり金融の問題でも、先ほど私が申し上げたとおり設備過剰ですね、この設備過剰がそのままほとんど公定歩合引き上げで影響を受けない、まあいろいろな新聞に書いてあります。先ほど申しましたとおりです。たとえば鉄、鉄は最近の——きょうの新聞ですか、きょうの新聞では少し影響を受けたような顔をしていますが、自動車、石油産業、石油化学ですね、その他の産業、全部やはり設備投資を既定どおりやる、こう言っています。つまり国債発行下の資金の流れが変わって、自己資本が非常に充実して、非常に肝が太くなったというか、ずうずうしくなった。金融引き締めを何とも思わない。そういう財界が一方であると同時に、この一厘の引き上げでも影響を受けるのではないかといわれているのが中小企業だと思うのです。こういうような形ですね。これは先ほど日銀総裁に聞くべき点だったのですが、つまり公債発行下の公定歩合の引き上げの問題については、日本では預金準備率は非常に低い。それからオープン・マーケット・オペレーションというのは、簡単にいうと証券業者までいかないで、金融機関を相手にしている。外国とは違うやり方、こういう形になった場合に、どうやってそれじゃ民間設備投資や何かをきちっと規制することができるか。そのことについていろいろお考えになっておると思いますが、一言お聞きしたいと思います。
○澄田説明員 従来の金融引き締めの場合と違うという点は、確かに今回は企業の手元の流動性が多角なってきている。昨年の前半あたり非常に高まってまいりまして、自後それがふえどまりというような形にはなってまいりましたが、従来の引き締めに比べますと、まだかなり手元流動性は高いというようなことがあって、したがって、ストレートに金融の引き締めによってそれが直ちに企業の設備投資資金を圧迫して、設備投資がスローダウンする、そういう形になりにくいという面を持っておることは事実であります。しかし、御承知のとおり、日銀の公定歩合操作は、これは一つには金融機関の資金コストを高め、さらに企業の金利負担を高めるというような面を通じて企業への貸し出しを抑制するというような面と同時に、それが経済の動きに対する警戒信号として受け取られるというような二面性を持っておって、あとの面も決してこれは軽視できないということになりますし、さらにはいわゆる窓口規制といわれております貸し出し増加額規制というようなものも行なうわけでありまして、そういうものを通じて、直接設備投資資金に影響がない場合であっても、流動資金等を含めた全体の企業の手元資金というものをやはり詰める、こういう効果は当然出てきますし、さらには全体としての経済の先行き見通し等に対する警戒観というようなものを高める、こういうようなことにもなってくるわけであります。したがいまして、やはり設備投資、さらに在庫も含めた企業投資に対する金融の締めるということの力は、これは決して従来に比べて非常に弱まってこれではきかないというようなものではないわけであります。それに財政面の抑制等も、これも業種、直接には公共事業に関係のある業種ということになりますが、間接にその他の業種にも響いてくるというような形において、そういった公共投資等の面を通じての需要面からの企業への需要の減ということになって、これが企業の投資態度にも影響する、いろいろな面から影響が当然あるというふうに考えられるわけであります。そういうようなことによって、結果的には企業の投資というものが相当にスローダウンされる、引用されましたような新聞等で、投資計画というものは変えないというようなことを業界では言っておるというお話でございますが、これは必ずや、直ちに変えなくても、タイミング——スローダウンするとか、やはり全体の金融の状況によって直接、間接の影響があらわれて、結果的にタイミングを含めた投資の全体の遂行というものに影響があらわれてくる、かように考えております。
○広沢(賢)委員 長い目から見ればそうだと思うのです。だんだん、だんだん、それはずっとやってくることはあたりまえだと思うのです。それでひとつその時期ですが、時期でこういうことが毎日新聞に書いてあります。選別融資の強化ですね。日銀が窓口規制をすれば、中小企業にはこうですよと幾ら言っても、市中銀行は自分の大きな企業の系列融資その他を第一番目に優先するし、それで選別融資の強化になってくる。これはあたりまえですね。弱肉強食、これは説得力じゃきかない。それでその結果、毎日新聞では、「自己資金力のある大企業はともかく、金融調整力の強くない中小企業はかなり大きな影響を受けるものとみられる。資本自由化を迎えて、産業構造上の限界企業を中心に好況下でも多数倒産が発生していたが、さらに増加することが予想される。」ということなんです。それで、私がお尋ねしたいのは、中小企業に対する金融措置全般もお聞きしたいのですが、その中で特にこの問題ですね。これは大蔵省がこの間出された資料によりますと、四十年度末の金融機関の総貸し出し額の三十兆円のうち四〇%が中小企業で、そのうち四七%が全国銀行、それから四四%が相互銀行、信用金庫等の民間中小企業金融専門機関、残りのわずかかすかすの九%が政府系中小企業三金融機関ということになっているのです。そうすると、このほとんど多くのところではぎゅうぎゅうと締められる。まあ信用金庫や相互銀行はそれほどでないとして、全国銀行の四七%、これは相当締められる。九%しか中小企業の金融機関がないということ。それからもう一つある。もう一つは、零細金融ということが一つもこの場合問題にならぬし、先ほどの税金の議論の中でも零細企業というものは忘れられている。資本自由化の話の中でも忘れられている。何でも忘れられているのです。その零細企業に対して——これは下請会社、さらに今度はその次の下請の二、三人でやっているところとか、一人でやっているところとか、環境衛生金融公庫以外にはみ出されたいろいろの、八百屋さんだとかその他の人たちに対する金融の問題ですね。つまり国民金融公庫で扱うのだと思いますが、今度の公定歩合引き上げに伴って、この問題についてどのくらい手当てをしておるか、それについてお聞きしたいと思います。
○澄田説明員 ただいまわずか九%と、こう仰せになりましたが、膨大な全体の資金量の中で、何といっても金融というのは民間の資金量というものが圧倒的に大きな比重を持っておるわけであります。その中で政府金融機関のウェートが全体の九%、かようなことでありまして、九%というものは決して小さいものではない。これは次第に比率としても高まってきておりますし、量的にあるいは質的に民間金融機関を補完する政府金融機関という役目から申しまして、この比重そのものは決して低いものではない、かように存ずるわけでございますが、いま御指摘のような零細な金融というようなもの、これはお話しのように国民金融公庫を中心として、もちろんそのほかに民間の金融面でも中小企業専門金融機関といわれます相互銀行や信用金庫、信用組合というような資金というものがございますから、それを補完する、国民金融公庫の金融はそういう目的でもって行なわれておるわけです。 本年の国民金融公庫の資金量は、いまのお話のような環境衛生営業の特別融資関係を際きました部門につきまして見ますれば、前年度に対しまして一八%の増ということになっております。かなり資金量もふやしてあるわけでありますが、今後の問題といたしましては、今回のような引き締めというようなことも行なわれましたし、季節的にもこれから次第に資金需要の多くなる年末を迎えるというような形にもなりますし、今後の資金需要の動向に応じまして、これから情勢を見ながら、状況によって所要の措置を講ずるというふうなことにいたしております。
○広沢(賢)委員 国民金融公庫は。
○澄田説明員 国民金融公庫のことで申し上げましたが、一八%、あるいは中小企業と申し上げたかもわかりませんが、国民金融公庫であります。
○広沢(賢)委員 大蔵省の資料によりますと、中小企業は付加価値の四割、というと国民の富の大体半分近くを中小企業がかせぎ出しているのですね。これは統計上載っていないところがあるのでもっと大きいと思うのです。だから、国民の半分を背負っているその中小企業関係が、たとえば資本金で見てみますとこういうぐあいになっています。政府関係金融機関の資本金一覧表があります。これを申し上げますが、これは事実かどうか。日本開発銀行が二千三百三十九億、それから日本輸出入銀行が二千百二十八億、それから農林漁業金融公庫が千六百八十二億、住宅金融公庫が九百七十一億、それから中小企業信用保険公庫が四百十四億、中小企業金融公庫がわずか二百四十九億、それから国民金融公庫が二百億なんです。何ということだろうというわけですね、つまり国民の四割をかせいでやっているそういうものが。日本開発銀行、日本輸出入銀行、これが中小企業だとは澄田さんもおっしゃらないと思うのです。そうすると、資本金が貸し出し量その他の死命を制しまして、資金コストにも響きます。圧倒的にこっちが少なくて、開発銀行や輸出入銀行——ことにインドネシアとか韓国とかいうようなところへどんどん貸して、利子補給などがどんどんくるでしょう。そういうところに圧倒的に多い金額ですよ。中小企業のほうはわずかです。こういう関係は、銀行局長としてはどう思いますか。
○澄田説明員 政府金融機関の出資金というのは、これはただいま御指摘のような数字になっておりますが、しかし、出資金につきましては、これが資金量というものとは必ずしも関係がない、これは御承知のことでございます。そして資金コストにつきましても、かつては一種の金利のコストを下げるために出資をする、出資によって資金コストを下げて、それで低利の融資をするという形がとられてきておったわけでありますが、しかしこれは、その後補給金を支給いたしまして、そしてそれによって、金利を下げた部分のコストを補給する、こういうやり方も併用してきておるわけであります。輸出入銀行につきましては、そういうふうな金利の補給をするということは、これは輸出に関する補助金というようなことで、ガットその他で国際的に輸出補助金として見られる、こういうようなことがございまして、輸出入銀行につきましては補給金というようなことはやっておりませんが、そのほかにつきましては補給金をいたしております。国民金融公庫にもこれが行なわれておるわけであります。したがいまして、出資金が決して資金量をあらわすものでもなく、また金利の高低をそのままあらわすものでもないわけでありまして、いままでの過去のいきさつ、それからいま申しましたように、途中で補給金制度に切りかえたこと等がございまして、出資金は非常に区々になっておるわけでありますが、出資金が少ないということが中小金融を軽視している、決してこういうことには相ならない、かように存ずる次第でございます。
○広沢(賢)委員 国民金融公庫総裁にお聞きします。 私のところの手元に資料があるのですが、こういうことが書いてあります。「四十一年度から公庫も赤字になり利子補給を受けましたが、四十二年度も赤字で、五億円の利子補給を受けることとなりました。そればかりではありません。四十二年度決算には、三月末日現在で未収利息を計上する(払込日の翌日から、三月末日までの利息を未収利息として決算書にのせること)こととなったのですから、実質赤字はもっと大きくなります」。つまり「国民公庫の仕事は、もともと採算が合わないから、政府関係機関でやることになった仕事です。赤字にしないためには、どうしても資本金を増やさなければなりません。それなのに公庫の資本金は二百億円になった昭和三十年からビタ一文増えず、貸付原資の増加はすべて利息のつく借入金によってまかなわれています。そして今では、資本金の額は大手の公庫、政府銀行の中では最低になっています。その結果が利子補給です。一方、独占資本向けの政府関係金融機関である輸出入、開発の二銀行はどうでしょうか。輸出入銀行は、資本金の増加で赤字にならないようになっています。四十二年度も三七〇億円の増資が予定されています。開発銀行は、利子補給は、借主である独占資本家が受ける建て前で、銀行自体は赤字にならないようになっています。この違いはなぜでしょうか。」こういう問題が提起されておりますが、国民金融公庫総裁としては、やはり資本金の増額、そういうことをしないと、——これこそ一番大切なんですね。これが一番恵まれてないし、私は非常に感服したのですが、澄田銀行局長がこの前、今後の資金の流れは中小企業に回して、公のものに回さなければならない、こういうふうに言われている。したがって、こういう事実があれば資本金増額はどうしてもやらなければならぬと思いますが、総裁のお考えはどうですか。
○河野説明員 お話の筋からいいますと、いま広沢委員が御指摘になったとおりだと思います。銀行局長の御答弁は、いろいろな事情があって、財政事情その他の関係から、制約を受けた結果の事実であろうと思いますけれども、企業体としての自主性を維持し、経営をりっぱにやってまいりますためには、当然いまあるような状態であってはいけないのであって、資金コストをもっと下げられるようにいたす。それはいわば赤字補てんという形で、補給金をいただくという形であってはいけないと私は考えます。いまもお話がございましたように、この公庫は、昭和三十年以来資本金の増額がないわけであります。昭和三十年当時におきましては、資本金二百億円に対して、借り入れ金が二百三十億円であります。大体、フィフティー・フィフティー。ところが、いまは資本金二百億円に対して、三千四百億円の借り入れをやっております。しかももっと大切なことは、三十年当時においては、われわれの貸し出し金利は九分六厘であった。それがいまは八分二厘です。この数字がどういうことを意味するかは、これは詳しく御説明するまでもないような状態であって、企業体として自主的に問題を運んでまいり、りっぱにその使命を果たしてまいりますためには、政府は大幅なる出資をぜひともしていただきたい、私は切に望んでおります。何もきょうただいま望んだわけではありません。何年にもわたって望んでまいっておりますが、ただいろいろ政府におかれても、財政上の事情その他がございましょう。したがって、そういう理由のもとに、現在までは遺憾ながら実現の運びに至っておりません。補給金というものは、これはやはり公庫の企業体としての運用に対して、非常に悪い影響を与える。したがって許されるならば、私は大幅な出資をぜひともお願いしたい、かように考えておる次第であります。
○広沢(賢)委員 まことに切々としたあれですが、銀行局長と政務次官は、これについてどうお考えになりますか。
○澄田説明員 まず私から申し上げまして、あとから政務次官として、あるいは大臣にかわっての御答弁をいただきます。 ただいま公庫の総裁からお話がございまして、公庫として出資を要望されるというのはまことにごもっともなことと思います。私も所管の銀行局長という立場といたしましては、経営体としての公庫の出資金が十分あるという状態は望ましいことと考えておりますが、ただ、いまも総裁から、財政事情その他があってというようなことがございましたが、出資というものは多々ますます弁ずるわけでございますが、最低の出資というとちょっと語弊がございますが、必要な限度の出資という意味におきましては、公庫として存在するに必要な、十分な物的な設備、あるいは基礎的な機能を維持するに必要な基本財産的なものとしての出資、こういうことになるわけでありまして、現在国民金融公庫の収支の状況は、これは結果的には赤字のような形になるわけでありますが、これは直接その赤字を埋めるために、先ほど申し上げましたように、国から補給金が交付されておる、こういう仕組みになっておるわけであります。この赤字は、主として八分二厘という基本的な公庫の金利という点ではなくて、特に低利であります恩給担保貸し付けとか、あるいは国債担保貸し付け、これは六分でやっております。そういった貸し付けによって生ずる赤字、この部分を補給するというようなことでありまして、この面はこれは考えようでございますが、国民公庫の業務のうちでやや特殊な業務、法令の規定に基づいて、特に国から委託されてやっておると言うと、ちょっと語弊があるかもしれませんが、そういう特別な委託業務的な業務、こういう業務でありまして、この貸し付けによって生ずる赤字部分というものはやや全体から切り離して考えることができるものではないか、この切り離した部分について赤字を出資でカバーするということでなしに、補給金で埋めるという考えで現在補給金を出しているわけでございます。出資は、御案内のように年々政府出資というのは非常に要望も強く、予算におきましても非常に強く要求され、また、年々増額の傾向の強いものでございまして、そういう面から、必ずしも出資ではなく補給金によって処理されることも適当とされるものは補給金をもって充てる、かようなことでやってきております。国民金融公庫の現在の補給金はそういう性質のものではない、出資があればこれに越したことはございませんが、やむを得ない場合には補給金でも公庫の業務の運営上は支障はない、かように考えておる次第でございます。
○小沢説明員 私は昨年着任をいたしまして、予算編成を一回経験をいたしたわけでございますが、私、実はこの問題について、今年度の予算編成のときに議論されたことをちょっと省議でもなかったものですから、きょう初めて聞きました。総裁のおっしゃったこと、私もしろうととして聞いておってもっともだと思います。また、銀行局長からいまの特殊な、低金利でやっておるような、まず本来政府がやるべきものを肩がわりしておる面について補給金で充てていくというようなこと、他のものは一応採算をとっていけるというようなことを聞きますと、なるほど大蔵省が事務的にいろいろ検討した結果、十年も据え置いてきておるのにも何かやはり理由があったのだろうと思うのでございますが、しかし、考えますと、国民金融公庫は、ほんとうの意味での設立の目的からいいましても、漁民金融といいますか、零細な対象者に対する政府の金融機関でございます。三公庫のうらでも最もそうだと私は思いますので、十分勉強いたしまして、私の力がというよりも、その前にいつ首になるかわかりませんから、どの程度お役に立つかわかりませんけれども、できるだけ私検討いたしまして、ほんとうに必要性があるということの認識に立ちました場合には、ぜひひとつ努力していきたいと思っております。
○広沢(賢)委員 名政務次官ですから今度残ると思いますので、もう断固としてやっていただきたい。いま問題になったのは、これは佐藤内閣全体の政策のしわ寄せがきておりますから、したがって政府全体の、これは政府全体が責任を持たなければならぬ。大蔵省だけがやきもきしているのではなくて、政府全体の責任として、やはりこれには大幅な増額をしなければならぬ。国民金融公庫は非常に大切なんですから、自民党もそれで非常に評判がよくなるということになると思いますから、これは今度の予算編成の懸案にしていただきたいと私は思います。 最後に、金融と社会保障、厚生関係とはやはりつながるものだと思うのですが、御承知のとおり、環境衛生金融公庫法案というのが今度通りました。それについて附帯決議がありますが、この付帯決議についていろいろと問題が出ているのでお聞きしたいと思うのです。まず環境衛生課長さんにお伺いしますが、この附帯決議は御存じですね。
○柳瀬説明員 承知しております。
○広沢(賢)委員 この附帯決議の中でこういうふうに書いてあるのです。「対象業種を更に、生鮮野菜、魚介類及び米穀販売業及び酒類小売業並びに食品製造販売業に拡大すること。」ということが一つ載っております。これは環境衛生関係ではございませんね。関係していたならば、この拡大するという特利、つまり利子が安く、それから融資期間も長いこの特利をどうやってこの附帯決議どおり拡大していくかということの案がおありになりますか。そちらのほうでお答えにならなければ銀行局長にお聞きしたと思います。
○柳瀬説明員 食品等の営業が環境衛生業であるかどうかという問題につきましては、環境衛生関係営業の運営の適正化に関する法律の指定業種にはなっておりませんで、その環営法の指定業種という狭い意味の環衛業という意味ではそれに入いておりません。 それから環境衛生関係の融資の関係で、食肉等は従来その対象になっているけれども、魚屋さんも同じような性質の種類のものか、あるいは同じような食品衛生業の規制を受けたり、あるいは要許可営業であるのに、はずれているのはおかしいではないかというような批判なり御意見も相当あったわけでございます。そういう点については、よく今後の制度について検討してまいりたいと思います。
○広沢(賢)委員 その分野の問題はとにかくとして、こういう恵まれない国民の衛生、生活に一番関係のある環衛業——たたし、キャバレーとかパーは除きますが、そういうもの、それからそれと同じような意味合いで、生鮮野菜とか、八百屋さん、魚屋さん、とうふ屋さんというものにもそういうものをやってくれ、環衛公庫ができたのならおれのほうもこういうものをやってくれという、まことに当然な要求が出てくると思いますが、その場合に、銀行局長としてはどう考えますか。たとえば、そうすると、その次にまた出てきますね。わしらのほうにもやってくれということが、国民生活上大事な仕事だからどんどん出てきますが、これがずっと出ていくことを許しますか。それとも国民金融公庫をもっと大きくしてそこでぴしっとやるとか、何か構想がおありになると思いますが、それについてお聞きしたいと思います。
○澄田説明員 環境衛生関係の業種というのは、ただいまも厚生省のほうから御説明がありましたように、環境衛生の適正化に関する法律等によりまして、衛生水準を高めるということと同時に、業種の近代化、合理化をはかるというようなことを通じまして、その業種の経営の安定をはかるというようなことが目的とされている法律の適用を受ける、そういう業種であります。したがって、金融上の措置については、その衛生という見地のほかに、やはり近代化促進のための措置というようなものを含めて考えられる、こういうことでありまして、その他現在食品衛生法というのがございますが、これは全く衛生の見地からだけの規制が法律でされております。そのように業種によっていろいろ法律の適用関係が違うわけであります。その環境衛生関係業種と同様なと考え得るようなもの、そうしてそれがやはり近代化促進というような見地も含めて、現在の制度、行政上の指導等も含めまして現在やっております。そういうような制度上の点から見まして同様に見られるというようなものは、環境衛生業種についての公庫ができましたことでもありますので、今後どういうふうにいたしますか、その業種によって均衡をとって考えなければならない。もちろん国民金融公庫は、従来からもこれらの業種に広くわたってやっておりますし、また昨年からは環境衛生の特別融資ということも担当してきたわけであります。したがって、国民金融公庫の中で、今度できます環境衛生金融公庫と均衡をとりつつ考えるというようなことも考えられる点ではないか、かように存ずるわけであります。 御指摘のように業種に、よって次から次へといろいろ公庫ができていくということは、これは財政資金の効率的な利用というような意味からいっても、それから、いろいろなそれぞれの業種の間の均衡という意味からいいましても、非常に問題があろうか、かように存ずるわけで、その業種の実態、それから各種の制度上の規制とか、行政上の指導とか、そういうようなものの態様とあわせまして国民金融公庫等を活用するというような線で考えていくべきではないか、かように存ずるわけでございます。
○広沢(賢)委員 そうすると、ほかにそういうものができた場合にはやはり許可する——許可するというか、そういうことに大蔵省としては賛成をするという意味にとれますね。そういうふうに理解していいですか。
○澄田説明員 私、いま申し上げましたのは、そういう意味ではございませんで、業種によって独立の公庫が次から次へできてくるというようなことは、これはバランス上も、それからその財政資金の効率的な利用というような意味からいっても非常に問題であろう、かように存じまして、ただ、ただいま引用されました附帯決議にもございますように、きわめて類似な態様の業種というものが、今回独立の公庫ができましたその十七業種のほかにあるわけでございます。そういうような業種の法律的な現在の規制の状態、環境衛生の適正化の法律の適用は受けておりませんが、そのほかの食品衛生法等の、そういった法律の規制の状態等とにらみあわせまして、ことに環適法は、先ほど私が申し上げましたように、近代化、合理化の促進というようなことを目的といたしております。食品衛生法はそういうふうな目的が入っておりません。そういう違いもあります。そういうようなところを考慮いたしまして、そしてその類似なものには類似なような均衡のとれたような金融をやっていかなければならない、こういう前提で、その場合は、従来からこういう業種について広くその融資をやっております、その融資を任務としてまいりました国民金融公庫を活用するというような方法で考えてまいりたい、かように申した次第でございます。
○広沢(賢)委員 それは確かにとうふ屋さんも近代化しなければいかぬですからね。これは大事なたん白源。そうすると、環衛金融公庫は環衛金融公庫で、もう一回環衛課長さんに聞きますが、これはこれでやっていく。その次に銀行局長さんに聞きますけれども、そのほかの業種もある。今度いろいろできますね。それは国民金融公庫でやるんじゃないか。現在の環衛金融公庫は国民金融公庫に仕事を委託していますね。そうすると、将来とうふ屋さんがそういう形に近代化する場合はそういうふうになる、特利の幅を広げる、私は、これは財政効率を悪く使うということにならぬと思います。なぜなら、国民はみんな毎日毎日とうふを食っているんだから。そういう点からいうと、健康をよくするためには効率は非常にいいと思うのです。したがって、この環衛金融公庫ができたというのは、もとをただせば、やはり国民金融公庫——利子の安い、特利で、融資幅をもっと大きくするということを、国民金融公庫に大きく許せば、こういう要求は出てこない。したがって、国民金融公庫を今度は大きくする。環衛金融公庫のいろいろな仕事を委託されれば職員の労働強化になる、仕事がうんとかさんでくる。そういう場合に、もう一つ職員の人たちが非常に心配しているのは、環衛金融公庫ができる、何ができる、何ができるということで、それで国民金融公庫のさっき言った切々たる要求が通らないようでは、これはどうにもしようがない。そうすると政府三機関の中で一番大事な国民生活につながるものがないがしろにされ、不安に追いやられるということになる。環衛金融公庫が成立したのは非常によろしい。特利という安い利子でワクを拡大する、その次にとうふ屋さんもやってください、それは国民金融公庫で、そういうふうにやっていく、そういうふうになると思うのですが、大体それでよろしゅうございますか。
○澄田説明員 先ほどから私だいぶいろいろ申し上げましたけれども、どうもなかなか趣旨が徹底しなかったかと思いますが、現在国民金融公庫でいままで融資をしてきております環衛関係業種に対する融資を、今回は独立の公庫ができて、その委託を受けて行なう、かような形になります。したがって、それに伴って業務量は逐次増大はいたしてまいりますが、それによっていまのお話のように公庫の仕事が非常に過大になるというようなことはないわけであります。従来からその実態に当たることはやってきておるわけであります。 まず一点はさようなことでございますが、次に環衛業種に非常に近いような業種について今後どうなるか。この点につきましては、これは今回環衛公庫ができましたので、それとの均衡ということも十分考えまして処理をしていく。ただその場合に独立の公庫を次々つくっていくということは、これは先ほどから印しておりますように、幾つも乱立をいたしまして、そうしてこのために財政資金の利用として、そういう形になって、効率化を非常に妨げるというようなことのないように、そのためには環衛公庫は独立いたしましたが、そのほかの類似の業種等については、国民金融公庫を活用していく、こういうことで対処していくべきではなかろうかと、かように考えておるわけであります。 ただ、その融資条件等につきましては、環衛公庫の条件というものを考慮いたしまして、それとの均衡をとりまして、そうして、環衛公庫は特利で低利、こういうふうに言われておりますが、しかし、基準金利はやはり国民金融公庫と同様な八分二厘であります。そのうちで、もっぱら衛生関係に用いられるというようなものについては六分五厘というような金利もございます。それから近代化の計画に基づいて近代化をするという施設については七分七厘というような金利もございます。それと同じような体系をほかの類似する業種等についてはやはり考えていくべきではなかろうか。したがいまして、類似しておりますような業種につきましても、やはり近代化計画というものをつくって近代化していくというようなことが一方必要ではなかろうか、そういうものに乗るものであれば、これに対しては、同じような条件をやはり適用していくべきではないか、かように考えております。
○広沢(賢)委員 大体わかりました。 さっき言ったとおり、国民金融公庫をでかくするということ、それから融資幅やなんか、特利やなにかそういうことができるようにずっと大きくすること、政務次官、ひとつしっかと約束していただきたいと思います。 終わります。
○内田委員長 本日は、これにて散会いたします。 午後五時三十一分散会