商工委員会 第3号
- 発言数
- 212 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1967/11/10
会議録
○島村委員長 これより会議を開きます。 通商産業の基本施策に関する件について調査を進めます。 質疑の申出がありますので、これを許します。古川喜一君。
○古川(喜)委員 アンモニアの大型化の件につきまして、少しばかり質問をしたいと思います。 最初に、今後のアンモニア肥料の需給の見通しについてどのように考えておられるか、お伺いしたいと思うのであります。
○吉光説明員 アンモニアの需給面につきまして、大体国内、内需の面でございますと、非常に固定的なと申しますか、二・八%ないし三%程度の需要増が見込まれておりまして、これは過去数年間ずっと同じような傾向を示しておるわけでございます。 それから輸出のほうでございますけれども、昨年は特に中国への輸出量がふえておりまして、したがいまして相当大きな量的な伸びとなっておりますけれども、その他の東南アジア諸国等におきましては、特に韓国自身が自給化いたしますし、あるいはまた台湾も自給化いたします。こういう状況があるのに加えまして、その他のいわゆる発展途上国におきましては、いずれかといえば外貨収支じりが悪くて、購買力自身、潜在的な購買力はございますけれども、現実の購買力というものは少のうございまして、そちらのほうに対しまする輸出の伸びという点につきましては、主として日本政府が行なっておりますところの円借款による輸出と申しますか、その関係が一番大きなウエートを占めておるわけでございます。そういう意味からいたしまして、そう大きな需要の伸びというものは全体的には期待できないというのが現実の姿であろうかと思うわけでございます。 これに対応いたしまして、供給力のほうの問題でございますけれども、日本の供給力それ自身につきましては、御存じのとおり、現在の需給にバランスするような形で現状はでき上がっておりますけれども、世界的な状況からながめました場合に、世界各国とも大型設備等の建設に着手いたしておりまして、どちらかといえば相当供給は増加してくるであろうというふうな状況でございます。とは申しますものの、やはり東南アジアを中心といたしまして、潜在的な需要の伸びというものは当然多大のものがございますので、それらの潜在的な需要をどのような手段で顕在化していくかということ、これ自身はそういう国々の食糧不足問題ともからみ合いまして、各国とも相当真剣に考えなければならないという状況でございますので、そこらの施策の方向いかんによりまして、相当量の需要も出てまいるであろうというふうなことでございまして、私どもの一般的な見方といたしまして、需給面自身は、いささか軟調の基調を持ちながら、なおかつその潜在的需要を顕在化するための方策さえうまくとられれば、そう大きな混乱を起こさないで済むのではないだろうか、このように考えております。
○古川(喜)委員 いまの局長の説明では、国内における需要増というものは大体二%ないし三%で、あまり大きく期待はできないということでありますが、輸出のほうは、日本のアンモニアの生産は、五割の輸出をいたしておるわけでございますけれども、やはり輸出のほうがウエートが大きくなるのじゃないかと思うのです。しかしながら、いま言われましたように、潜在的な供給をいかにして顕在化するかということを言われたわけですが、国内の需要増はやはり国内の生産によってまかなうのだから問題ないのですが、輸出ということになりますと競争相手があるわけですから、外国のほうで需要がどんどんふえたところで、日本がそれと太刀打ちして日本の製品をより多く輸出できるかどうかというところに問題がかかっているわけです。その潜在化、顕在化の問題ですが、どのように考えて潜在化しておるものを今後表面に出てくる需要に見合わすような努力、考え方をしておるのか、それを承りたいと思います。
○吉光説明員 まさに御指摘のとおりでございまして、潜在的な需要を顕在化するということが第一でございますが、先ほど簡単に触れましたように、まず第一は、何と申しましても発展途上国に購買力がございませんので、この購買力をつけてやるということであろうかと思うわけでございます。そのため、現実の問題といたしまして、円借款の対象品目に化学肥料を織り込むように、従来もつとめてまいっておりますし、将来もやはり食糧不足等の事情に対応しながら円借款を活用していくという観点から考えました場合には、どうしても円借款で購入する対象品目の中に化学肥料を大幅に取り入れてまいるということが必要であろうかと思うわけでございます。 それから、さらに、こういう発展途上国自身のいわゆる一次産品の輸入というものを積極的に行ないながら購買力をつけ、要するに化学肥料を輸出し、同時にそれに対応いたしまして、こういう発展途上国における一次産品の生産を振興すると申しますか、その一次産品自身をまた日本が購入するというふうな形で発展途上国に購買力をつけてまいるということも必要であろうかと思うわけでございます。そのために、実は本年度から海外技術協力事業団の事業といたしまして、そういう発展途上国に対しまして海外開発のための輸入事務所というふうなものを設けられることになっておりまして、さしあたり本年度はその準備のための予算として一億円が技術協力事業団のほうに組まれておるわけでございまして、一応の設置予定国といたしまして、インドネシアでございますとか、タイ、カンボジア、タンザニアというようなところが本年度の計画で予定されておるわけでございますけれども、こういう施策をも並行的に促進しながら、発展途上国自身に積極的な購買力をつけるというふうな方向で考えるべきではないかというふうに思っておるわけであります。 第二の問題といたしましては、やはり発展途上国における農民自身に肥料の使い方等について習熟してもらう必要があるのではないだろうかというふうに考えるわけでございますけれども、結局そういう農民に対する現地指導というふうなものと、化学肥料の効果に対する認識を高めていただくということが必要ではないだろうかというふうなことで、先ほど申し上げました海外開発の輸入の事務所を中心にいたしまして、今後そういう問題についてもさらに具体的に、あるいは積極的にこれらの運動を進めてまいるというふうなことにいたせば、先ほど申し上げましたような第一の購買力の付与の問題とからみ合いまして一そう効果があるものではないだろうかというふうに考えております。
○古川(喜)委員 大体局長の説明で、今後の需給の見通しということをほぼ了解できたわけですけれども、昭和四十年の春以来、大手六社が通産省の行政指導によりまして大型アンモニア設備の建設に着手いたしまして、現在ようやく完成し、もしくはまだ試運転中の工場もあるわけでありますが、にもかかわらず、もう第二次アンモニア大型化計画が通産省の指導によって各社から出されておるというふうに承っておるわけです。私はここに各社から希望されておる大型化の計画表を一部入手しておりますが、確認のために、一応どのような計画がなされておるのか承りたいのであります。
○吉光説明員 御指摘のように、今年の春以来着着と新しい大型のプラントが建設されたわけでございまして、現在まで大体一日当たりで申し上げましてアンモニアの生産能力おおよそ九千トン程度でございますけれども、そのうちの約三分の一に当たります三千トン程度のものにつきまして大型化計画が完了をいたしたわけであります。したがいまして、さらにまだ三分の二程度のものが大型化する余地として残っておるわけでございますけれども、先ほど申し上げました将来への需要の増加というふうなものを考慮に入れながら、アンモニア工業自身の体質改善をはかってまいるということが一応必要でございますけれども、現実に通産省自身ではまだ直接的に入手いたしておりませんけれども、硫安協会を通じて入手いたしました各社の計画につきましてお答え申し上げたいと思います。 現在会社別の計画が出ておりますのは十九社の工場についてでございまして、大体設備規模程度といたしまして、工場の規模では一千トンパーディ程度のものを考えているのが一番多うございます。この十九社の工場につきまして、大体でき上がりといたしましては十工場程度というふうなでき上がりの計画になっておりまして、この設備規模の全体で合計いたしまして九千百五十トンというのが各社別の増強計画のトータルの数字でございます。そのうち、これが完工いたしますまでに現に動いております設備を停止する、スクラップ化するというような数字が内訳に入っておりまして、その数字がやはり一日当たりにいたしまして四千三百六十四トンという計画になっておりまして、増加能力といたしましては四千四百五十一トンというのが各社別に出されておる計画の概要でございます。この完工時期につきましては、それぞれ会社のほうの計画では、早いもので四十四年の八月、一番おそいもので四十七年の六月というふうな姿になっております。
○古川(喜)委員 ここで私はどうも理解できがたい問題が一つあるわけです。ということは、第一次アンモニア大型化が完成するやいなや、さらに第二次アンモニア大型化の計画が進められておるということは、各社の見通しが甘かったのか、あるいは通産省の指導が誤っていたのか、どうして第一次大型化が計画されいま試運転中という工場のところへ直ちに第二次大型化ということが生まれてきたのか、そのことをひとつ聞きたいと思います。
○吉光説明員 第一次大型化計画が終わったとたんにすぐ第二次計画がどうしてこれだけあわただしく動き始めたのかという御質問でございます。実はすでに御承知のとおり、昨年、本年度に対するLT貿易の交渉が持たれたわけでございますけれども、その交渉の際におきまして、いわゆるヨーロッパの肥料連盟と申しますか、ニトレックスが非常に安い輸出値段で中国と契約を結び、その影響が日本と中国との間の価格の取りきめにも相当大きく影響いたしたわけでございます。これは普通考えられる以上に非常に安いものであったというふうな状況でございまして、少なくとも輸出価格と国内価格との価格差というものをできるだけ詰めてまいりたいというふうな角度からいたしますと、やはり国内に対する肥料価格自身も相当思い切って早く下げないと、輸出価格、国内価格の乖離の状況が非常に大きくなるということが心配されたわけでございまして、そういう意味でニトレックスの対中国安値攻勢と申しますか、これが非常に大きな刺激を国内の肥料業界に与えたという点が第一番であろうかと思うわけであります。 それから、第二の問題といたしまして、先ほども簡単に御説明申し上げましたように、すでに欧米諸国では一千トン程度あるいは千五百トン程度の計画も現在打ち立てておるところもございますけれども、相当大幅なそういう一千トン規模を基準にしたぐらいの設備増強計画が矢つぎばやに打ち立てられつつあるわけでございまして、日本の肥料それ自身が内需を完全に確保いたしますと同時に、相当数のものを輸出産業として依存いたしておるというふうな状況から考えました場合に、やはりこういう欧米諸国の大型プラントに見合うべきものを早急に建設しなければならないというふうな必要性が一段と迫ってまいっておるわけでございまして、ちなみに、先ほど五百トン程度の大型のものにつきまして、日本の場合全体の約三分の一と申し上げましたけれども、これをアメリカあるいはヨーロッパの場合と比較してみますと、アメリカの場合には、約六割程度が五百トン以上の大型設備に現実に占められておるわけでございます。また、ヨーロッパ諸国におきましては、約四割程度のものが現在大型設備になっておるというふうな状況でございまして、日本の場合、輸出量において世界第一でありながら、実はそういう設備の面で非常におくれをとっておる、こういうふうな客観情勢の変化から、急いで第二次計画を立案せざるを得なくなった、こういう事情になっておるわけでございます。
○古川(喜)委員 局長の説明は説明として理解できるのですが、私の言うのは、いわゆるニトレックスの輸出が中国に対して非常に安値で供給されてきている、あるいは第二の理由としては、欧州各国には一千トンあるいは一千五百トン・クラスの工場がどんどん建設されて、それにやはり対抗していくためにということですが、昭和四十年に約五百トンを中心とした大型化が進められたのですから、二年しかたっていないのです。だから、そのことが見通しが悪かったのじゃないのかということを申し上げておるわけです、経営者としても、あるいは通産省の指導としても。五年、十年たったのならいいけれども、着手してから二年。そうすると、対中国の安値というのは、これは国際競争力が激しくなればなるほど安値で供給されてくるであろうし、そのことのために大型化がどんどん進められるであろうということがわかっていたのじゃないのか。わからないとすれば、それは見通しの誤りであり、指導の誤りでないのかということを申し上げたわけであります。 そこで、先ほどの各社のプラントの大型化の計画でありますが、ほとんどが日産一千トンということであります。したがって、設備資金の調達ということが非常に大きい問題になってくるのじゃないかと思います。アンモニア一千トンの設備とそれに関連する大型尿素の設備建設では約百十億から百二十億といわれているわけですから、これは工場建設される会社としても資金の調達はたいへんであろうし、と同時に、この結果、大型化に進出できる企業とあるいはできない企業というものはますます限定されてくる。そして中小と大メーカーとの格差がますます大きくなってくればくるほど、中小のほうは窮地に立たされるのじゃないか、こういう大型化に進出できない中小の企業に対してどのような対策を考えておられるのか、それを承りたいと思うのです。
○吉光説明員 まさに御指摘のように、設備資金の調達というものが非常に大きな負担になるであろうというお話のとおりでございます。したがいまして、こういう百十億ないし百二十億の千トン級ブラントをつくります場合必要とされます資金につきましては、開発銀行の構造改善金融ワクと申しますか、そういうものから積極的にごあっせん申し上げたいというふうなことで、そういう意味の財投措置につきまして、しかもこれは低利でございませんと企業負担が非常に多うございますので、低利でしかも長期の財投資金を相当積極的に応援すべきではないであろうかということで、現在財政当局とも交渉中でございますが、ともあれそういうふうな形で、やはり資金の負担力というものについて積極的な援助が必要であろうかと思うわけでございます。 さらに、そういう大きな資金関係を伴う工事につきまして、中小と大手との間の格差がますます開いてくることになりはしないかという御質問でございます。私どものほうといたしましては、今度の大型化計画をポイントにいたしまして、できるだけ共同投資等の形をとりながら、そういう置き残されるもののないような形で今後の設備改善計画が進められるということが一番望ましいのではないかというふうに考えまして、各社の計画も一応そういう形で現在届けられておるやに伺っております。したがいまして、そういう意味での格差というものにつきまして、ますます開いてまいるという方向ではなくて、むしろ格差を解消しながらこの大型化計画と取り組みたいというのが基本的な姿勢でございます。 ただ、私、いま申し上げておりますのはアンモニアについてのお話を申し上げておりますので、肥料形態いかんによりましたら、これは中小的な企業も多々あるわけでございまして、これはこれといたしまして別途資金的にも応援を申し上げたい、こういうふうな考え方でおります。
○古川(喜)委員 局長は、中小と大手メーカーの格差をむしろ解消していくように、取り残されることのないようにということですが、先ほど言われましたように、スクラップされるのは予定としては四千三百六十四トンということでしたね。そうすると、現在一応日産千トンということで、約三千トンが第一次に大型化されたとすると、六千トンがまだ昔の型で残っているわけですね。その六千トン残っている中で四千三百スクラップされると、まだ古い形のものが一千七百トン残っているわけですよ。それを取り残される形のないようにやっていきたい。とすると、それらもどこかへ吸収してしまう、あるいは合併させてしまうという考え方なのかどうか。そうでしょう、残るわけでしょう。
○吉光説明員 具体的な計画を詰めてまいります場合に、はっきりといたしてくると考えておりますけれども、現在出ておりますのが、いずれかというと、一番非能率の面を多く持っておりますような企業形態のものについて新しい構造改善計画が出ておりまして、先ほどの数字の残があるわけでございますが、まだ比較的製造コストの安い工場と申しますか、そういうふうなものが現在においては残っておるものであるというふうに御理解いただければけっこうではないかと思うわけでございます。
○古川(喜)委員 さらに大きい問題として申し上げてみたいと思うのですが、先ほどの硫安協会へ出されておるといわれる第二次大型化の計画表を見ますると、いままでは、合理化だ設備の改善だといいますと、その工場内における機械化なり設備化なり合理化が行なわれておるわけであります。今度のこの第二次大型化によりますと、ごそっとその一工場がアンモニア生産をやめてしまうという点がたくさんあるわけなのです。そういう場合の生産転換に対する資金手当てなどはどうしておられるのか、これをまず承りたいわけです。
○吉光説明員 御指摘ございましたような工場も出てまいると思うわけでございますが、その場合におきましては、いま私どもの考え方といたしまして、現在財政当局とも交渉中でございますけれども、その工場自身が他の製品に転換できるように、そういう意味での転換資金につきまして、やはり構造改善と同じような意味で、積極的に大型のものをつくると同じような意味で資金的な面で応援をしてやるということが必要ではないであろうかということで、財政当局に現在話を持ち込んでおる段階でございます。
○古川(喜)委員 ぜひそのように努力をしていただきたいと思うのです。そのことはあとから御質問申し上げる労働問題とも重大な関係があるわけですから、ぜひ他の生産をする転換のための資金手当てということも十分考えていただきたいと思うのです。 それともう一つ、政府は新産業都市という計画を立て、指定をして、あるいは地域開発云々と盛んに言っておるときに、この大型化プラント計画を見ますると、やはり工場がやや太平洋沿岸ベルト地帯に寄せられてくるという考えが自然的でしょうが、出てきておるわけです。むしろこういうときにこそ思い切って分散をさせることを、あるいは地方都市の発展のためにもやるべきじゃないか、先ほど申し上げましたような同一工場内における設備改善じゃないのですから、幾つかの工場をスクラップしてどこかへ新しい工場をつくろうというわけですから、こういうときにこそ地方へ分散させるべきである、あるいは新産都市、地域開発という政府の考え方の線に沿ってやられるべきじゃないか。にもかかわらず、やはり太平洋沿岸ベルト地帯に集中してきている感があるが、これに対してもっと積極的に大胆に線を打ち出される意思はないのかどうか、それを承りたいのです。
○吉光説明員 現在各社で計画を出しておりますものにつきましては、相当部分がやはり御指摘のような太平洋沿岸地帯と申しますか、そういうところに集中しようというふうなことでの計画が多くを占めております。これはもちろんこういう大型設備になりますと、原料面あるいはまた輸送面等につきまして、相当経済的条件を満たすということが必要となってまいりますので、勢い企業の計画は太平洋沿岸地帯に集中するというふうなことになっておるのではないかというふうに判断いたすわけでございますけれども、ただ、先ほどお話ございましたように、裏日本自身についての地域振興というふうなものもきわめて重要な問題でございます。したがいまして、そういう意味におきまして裏日本自身に全然大型化計画がいかないというふうなこと自身もいかがかと思われる面もございまして、そこらにつきましては、より経済的条件を研究いたすことにいたしまして、さらに将来の立地問題等につきましても、それぞれの企業からの判断もあろうかと思いますけれども、そういう輸送条件等が充足されるという施策が並行的に行なわれるならば、やはり裏日本にも立地の可能性は十分あるというふうに考えざるを得ないのではないか、このように考えております。
○古川(喜)委員 既存の会社、工場を分散させるんだといっても、それはとうていできることじゃないのですから、こういうときにこそ地域開発の面から見ても、あるいは新産業都市建設を成功させる意味においてもやはりやるべきだと思うのです。あるいは経済的な立地条件ということも言われますが、それは現在の状態を見て考えられた場合はそう言えるので、それが経済的にも見合うような施設をやはり政府の力でやる、そしてこういう機会に工場を分散させるということが最も地域開発から見てもいいんじゃないかと考えるから、その点これから——まだ決定しておるわけじゃございませんでしょう、案ですから……。ぜひそういう努力をしていただきたいと思うのであります。 それと先ほどもちょっと触れましたが、労働問題でありますが、既存の設備がスクラップ化することによって余剰人員が出てまいります。いわゆる生産性の向上によって、大型化によって余剰人員が出てくる面と、それからスクラップ化されて完全に工場が転換をせざるを得ない、もしくは閉鎖をするという面が出てくるのじゃないかと思うわけです。そうすると、そういう場合の労働者対策ということをどの程度真剣に考えておられるのか、あるいは具体的にいろいろな案を練っておられるのか、あるいは労働省などとどのような話し合いを進めておられるのか、その点について承りたいのです。
○吉光説明員 まさにこういう大型化の集中計画にとりまして一番重要な、しかも解決困難な問題として労働問題というのは常に私ども頭の中に描かなければならないであろうかというふうに考えております。まさに御指摘ございましたように、スクラップ化されることによって、いままでの設備とのからみにおきましてその雇用の機会を失う、あるいは大型化されることによって、生産性が向上されるということによって、また労働者も少なくて済むというふうなことになるわけでありますので、まさに雇用問題というのは一番大切な問題であろうと思うわけでございます。したがいまして、まず第一の問題といたしましては、これは各企業自身でそこらについてどれだけの策を持っておるかどうかということが第一に重要な問題であろうと思うわけでございまして、企業自身もそういう労務問題等につきましては真剣に取り組んでいただくということが最も必要ではないかというふうに考えるわけでございます。 それから、第二の問題といたしまして政府のほうの立場でございますけれども、その場合、なおかつ転換事業をやるとかどうとかいうことで、できるだけ吸収される方向に政府も努力をいたすべきであると思いますけれども、現実の問題といたしまして、現在の計画が現実に終結いたしますその最初の例が大体二年ないし二年半あとの問題でございますので、もう少し具体的な実態を各企業と相談をいたしながら、同時に私のほうも、必要があれば労働省ともお話を申し上げて、そこらの間に遺憾のないようなそういう準備措置をとってまいりたいというふうに考えておりまして、現在政府部内でこういう問題についての思想統一というふうなことについてはまだやっておらない状況でございます。
○古川(喜)委員 各企業は、もちろん自分の会社の従業員でありますから、こういう大型化によって出てくる余剰人員あるいはスクラップ化される工場の生産転換などを真剣に考えられるのは当然だと思うのです。ただ政府も、必要あればじゃなく、政府はそのことのために指導し、そのことのために資金の手当てをするわけですから、政府が資金の手当てをして失業者を出すなんということではわれわれは好ましくないと思うので、政府が資金手当てをし、そういう国際競争力をつけるための指導をされるのですから、政府のほうでも積極的に労働者対策ということを考えてもらいたいと思うのです。他の産業に吸収する、あるいは先ほど言われましたように、スクラップ化される生産設備を他の生産に転換させるための資金、指導等をも含めて、政府のほうも真剣にひとつ考えていただきたいと思うのです。 以上で私の質問を終わりたいと思います。
○島村委員長 加藤万吉君。
○加藤(万)委員 いま古川委員からアンモニアの大型化問題についてアウトラインの質問がございましたが、私は少し中身を突っ込んで御質問を申し上げてみたいと思います。 一つは、アンモニア肥料全般の現状認識をどうとるかということがこの大型化の問題に対しては非常に重要だろうと思うのです。先ほどお話がありました国内の需要と国際的な需要の関係に対して、日本のアンモニア生産量全体としてどのくらいに行なうべきか、こういう判断がきわめて重要だろうと思うのです。そこで、いまの質問にもお答えがありましたように、国内の需要は全体で三%ないし四%前後のこれからの伸びだろう、国際的には潜在化した需要市場を顕在化する手段が必要だろう、こういう答えであります。そこで私は、潜在化した国際的な市場、特にアンモニアの場合には六〇%が輸出にたよっているわけですから、その潜在化したものを顕在化する手段として、先ほどたとえば海外技術協力事業団に対する一億円の予算計上によって後進国開発、こういう問題がありましたが、より重要なことはやはり中国貿易をどうとらえるかという問題だろうと思います。中国貿易が今日のような政治情勢の中できわめて困難な状況になっておるわけですが、一体現在の中国の特に肥料関係に対する輸出の、日本政府との間の話し合い、ないしはLT貿易を通しての問題点等をまず御解明を願いたいと思います。
○吉光説明員 対中国貿易につきましては、主としてLT協定を中心にいたしまして化学肥料の輸出が行なわれております。その他友好取引によるものもございますけれども、現在までのところではLT取引の関係が一番大きなウエートを占めておるわけでございます。昨年のLT交渉につきましては、先ほどちょっとお答え申し上げましたように、ニトレックスの安値攻勢というものがあって、そのために日本自身も相当安い値段で価格交渉をやらざるを得なかったという事情があったわけでございますが、実はそのLT協定そのものにつきまして、本年末でこの協定は切れることになっておりまして、来年度以降LT協定についてどうするかということがそれ自身として非常に重要な問題となっておるわけでございます。私どもといたしましては、あくまでも中国市場の重要性ということ、特に化学肥料にとりましての中国市場の重要性ということを非常に痛切に感じておりますので、円滑にこのLT協定の延長ができ、しかもなおその中で化学肥料につきまして従前にも増して対中国輸出ができるということが最も望ましいことであるというふうに考えておるわけでございますが、ただ、すでに先生御承知のとおり、このLT協定につきましては、いずれかといいますと、品物の収支バランスが合うと申しますか、そういうふうなことが常に要求されるわけでございまして、日本といたしましては、従来特に中国のお米の輸入を中心にいたしまして化学肥料の輸出との見合いを考えておったわけでございますけれども、お米のみならず、その他の食肉面等におきましても、できるだけ中国から輸入するというふうな方策を講ずることが必要ではないかというふうなことで、これは実はただ単に化学肥料の輸出というもののみならず、LT協定の延長問題全体とからみ合わせまして、現在関係省庁と協議をいたしておるという状況でございます。
○加藤(万)委員 四十一年度の平均輸出の額が、硫安では一八%、尿素では一九%下がった、こういわれておるわけです。中国のFOBがそのまま台湾あるいは韓国の肥料価格と同一になりますか。
○吉光説明員 お話のとおりでございまして、韓国あるいは台湾との取引の条件といたしまして、第三国との間の、要するに韓国または台湾以外のという意味でございますが、第三国との間の取りきめの一番安い分というふうなところで取引をするという取引条件がついておりまして、現実に本年の場合におきましても、対中国輸出の価格というものがほぼそのまま対韓国、対台湾の価格の基準になっておるわけでございます。
○加藤(万)委員 そうしますと、いわゆる千トンプラントという問題は、国際競争力の関係から見て、どうしても大型化をしなければならないのだということが輸出価格の面についても言えるわけですね。これは当然そういうことになろうかと思うのです。そこで昭和三十六年からずっと体質改善、大型化を行なってきたわけですが、四十二年度でおおむね完了されている大型化の生産コストをもって、その国際価格と対応ができるのでしょうか。いわゆる五百トンプラント、五百トン前後のプラントをもって国際的な価格との競争で太刀打ちができるかどうかということをお聞きをしておきたいと思うのです。
○吉光説明員 最近完了いたしました第一次の大型化計画によって現在運転いたしております工場にとりましては、大体とんとん程度のところというふうな状況でございまして、それ以外の設備につきましてはコストアップであるというのが現状であろうかと思います。
○加藤(万)委員 その体質改善、大型化の各企業における償却の度合いというのは、今日どの程度になっておるのでしょうか。
○吉光説明員 実はまだ設備ができただけでございますので、現実の償却自身には入っていないわけでございます。計算値ならあるいは計算できるのではないかと思いますが、私ちょっとただいま資料を持っておりませんので、計算値としての償却額というふうなものにつきまして後ほど御報告申し上げさせていただきたいと思います。
○後藤説明員 数字の問題でございますので、私からお答えさせていただきます。第一次大型化の設備の場合の減価償却費、試算値でございますけれども、大体二千円から三千円見当というふうに御承知願いたいと存じます。
○加藤(万)委員 私の承知する範囲では、償却年額が約半分くらいの年数として残っているというふうに聞いているわけです。昭和三十六年から四十二年度までの体質改善ないしは大型化に伴った償却額ということ、私の聞いたのはそういう意味なんです。
○後藤説明員 御指摘のとおり、古い設備につきましてと申しますか、これからスクラップ・アンド・ビルドを行なっていこうというその対象廃棄設備でございますね、それにつきましては、大体法定耐用年数のあと半分くらい残っているのじゃないかというふうに承知いたしております。
○加藤(万)委員 いま一つお聞きしますが、例の硫安の輸出組合の売り掛け金ですね、企業の側からいえば売り掛け金、これは企業努力でそれぞれ償却する、こういうふうになっているわけですが、今日の時限、たとえばことしの四月ないし七月ごろに決済をやっていると思うのですが、その時限でどのくらい償却がされているでしょうか。これはパーセントでけっこうです。
○後藤説明員 最初のトータルの数字が御承知のように二百十五億円ございまして、最近残っておりますのは六十七億であります。したがいまして、大体三分の二見当は償却が済んでいるということでございます。
○加藤(万)委員 私、個別の企業の償却の度合いとそれから国際輸出価格、さらにかつての売り掛け金等々をお聞きしたのは、これから行なう第二次大型化に対して、大型化のこれからの展望として、企業の生産コストが単に一千トンプラントに対する百億とか百二十億という設備投資自身だけでなくて、潜在的な各企業におけるそういう償却の度合いのいかんによって企業格差が、たとえば千トンプラントが可能になる条件と千トンプラントの設備が非常に重くなる企業の条件があるだろう、そういうことを実は聞き出したかったわけです。先ほど古川委員が申し上げましたけれども、私はこの第二次大型化の傾向は、いわば大企業の場合には比較的兼業産業もあるわけですから、製品もあるわけですから、可能な条件が企業の体質としてあると思うのですけれども、単独メーカーないしは肥料中心メーカーはそういう意味での企業格差というものをしのぎ切れない条件を千トンプラントの傾向は与えていくのじゃなかろうか、こういうことを実は心配したからであります。それといま一つ問題なのは、第一次大型化の設備投資、これは開銀等を通して百六十億前後の政府資金を財投しているわけですが、この第一次大型化の通産省の指導ないしはあり方というものが、これから行なわれる一千トンプラント、しかもその設備は例の遠心方式といわれるコンプレッサー方式ですね、これに対応できるんだろうかということを一つ疑問に思うわけです。と申しますのは、今日の国際的な輸出価格では、新しく第一次で大型化されたメーカーは価格では対応できるだろう、競争できるであろうけれども、私は国際価格がこのまま推移するとはちょっと思われないわけです。全般的な状況から見て大体低下をする傾向にずっとあるわけですね。国内の硫安価格もずっと下がっている、アンモニア肥料系はずっと下がっております。この傾向はずっと続くだろう。そうすると、一千トンプラントになったときの国際価格と現在の五百トン前後のプラント肥料生産とで起きてくる製品の価格が、一体昭和四十六年時限で国際的に競争力があるものとして存置できるものだろうかどうだろうかということを非常に疑問に思うわけなんです。ここに古川委員が先ほど質問しましたいわゆる第一次大型化がずさんでなかったかという問題を指摘をせざるを得ないわけですね。すなわち五百トンプラントで昭和四十五年ないしは六年、いわゆる一千トンプラントの肥料生産が完全にできてくる条件の中に、生産コスト上あるいは国際競争上耐え得るだろうかどうだろうか、しかも第一次大型化予算については通産省の指導もこれあり、しかもそれぞれの企業が減価償却の度合いもその時限までまだ引き続いて持っているという条件の中で、生産コスト上対応できるものだろうかどうだろうか、この点についてはどうですか。
○吉光説明員 第一次計画でできました新しい五百トン程度のプラントでございますが、先ほどの中共価格とのからみ合いで、大体そこくらいまでは限度一ぱいというふうに申し上げたわけでございます。ところが、これはすでに先生御承知のとおり、ことしの対中国との関係のLT協定できまりました輸出価格というのは、実は異常な安値でありまして、その後のインドあるいはパキスタンその他東南アジア諸国で行なわれております入札値を見ますと、相当の回復を示しておるわけであります。おそらくニトレックス自身も非常な安値であったというふうに感じておるのではないかと思われるくらいに、その他の市場におきましては相当程度の価格回復が行なわれております。したがいまして、そういうふうなことをまず前提に置きまして、将来このプラントが完成するときにおける輸出価格の問題に対応できるかどうかということであろうかと思うわけでございますけれども、先ほども古川先生の御質問にお答えいたしましたように、国際的な肥料の需給価格はやはり緩和の方向にあるというふうなことは、基本的には考えておかなければならないのではないであろうか、これは供給力自身が、日本のみならずその他の国におきましても、千トンプラント等を中心にした形での大形規模での生産の面が相当ふえてまいっておりますので、したがいまして、相当基本的には需給は緩和の方向にある、したがいまして価格は下がっていくという方向で考えざるを得ないというふうに思うわけでございます。それにいたしましても、現実の問題といたしまして、この千トンプラント自身、現に建設済みの世界的な工場もあるわけでございますけれども、実際問題といたしまして高度の技術を必要とします関係上、相当運転開始の時期がおくれておるわけでございます。したがいまして、日本がいまから第二次の構造改善をやりました場合には、十分にこれらのものに追いつくであろうという余地が残っております点が第一点と、それから第二点の問題といたしまして、日本の輸出市場の構成が、先ほど御指摘ございましたように、日本から距離的に一番近い中国市場あるいはまたインド、パキスタン、インドネシアというふうな、比較的日本のほうがヨーロッパよりか運賃の安い、大体インドの西海岸で考えまして二ドル程度の運賃差があるわけでございますけれども、そういう意味での運賃差の日本の有利性というものを前提に置いて考えますと、私どもは十分に太刀打ちできるんではないであろうか、このように考えております。
○加藤(万)委員 対中国輸出の問題は、単にLTの内容的な問題だけでは私はないと思うんです。これは大臣がお見えになってから、いわゆる政経分離論といわれている政治の分野においてどう対処されるかということをお聞きしたいと思うんです。それから東南アジアの開発問題は、技術協力もさることながら、やはり何といっても借款の問題だろうと思うんです。今度佐藤総理が訪問されたわけですから、大体佐藤総理の訪問の中に肥料そのものは入ってないでしょうけれども、たとえばそういう問題についてどういう話し合いがなされたか等も、これはひとつ大臣がお見えになってから御回答いただきたいというように思います。 そこで、千トンプラントそのものに入っていきたいと思いますが、各社でいま千トンプラントの計画が出ております。先ほどの局長の話ですと、通産省は各社の計画に対してサゼスチョンを行なうという段階だ、大まかにいえばこういうお答えのようですが、実際そうでしょうか。いまたとえば労働組合関係の内部で申しますと、やはりいわゆる新しい合弁なりあるいは新しい千トンプラントの計画に基づく企業の体質改善のためのたとえば配置転換あるいは人事異動といいましょうか、人員整理等々が企業の側から提起されているわけですね。それから御承知でしょうけれども、東洋高圧の泉北地域では一千トン計画に対しての活動が始まっているわけですね。十月の五日だったですが、工業新聞に、すでに通産省は第一次先発というのですか、一千トン計画を行なうものに対して七十億の融資を予定をしておるということが新聞で報道されておるわけです。あるいは鹿島地区に新しいコンビナートの形成と同時にアンモニアの一千トンプラントの進出があるとか、業界ないしは個々の企業の中でも相当具体化をされているわけですね。聞くところによると、全体のプラントに対して特に工業用のアンモニアが二千トンの計画になるので、現在の工業用アンモニアの必要性からいってこの計画は少し多過ぎるというサゼスチョンを通産省がなされた。業界でいろいろ検討してみたら大体七百五十トン程度、しかしラクタム等の回収硫安等の関係から見て、約一千トンくらいは工業用アンモニアは拡大してよかろうというので、肥料用が一千八百トン、工業用が一千トンという形で業界を再指導をする。しかもそのサゼスチョンといいましょうか指示といいましょうか、それは通産省側から出ているというふうにいわれているわけです。そうなってくると、この第二次大型化計画というものは、業界内部の単なる調整という段階を越えて、すでに敷地、あるいは企業の中では体質の改善、あるいは通産省ではその財政的処置、こういう問題まで踏み込んでいるのではないかというふうに私は見るわけです。この現状について御説明願いたいと思うのです。
○吉光説明員 新聞でいろいろ伝えておりますので、通産省自身がすでに具体的なプロジェクトそのものに突っ込んでおるかのような印象を与えておるわけでございますけれども、現状を端的に申し上げますと、実はこの八日に業界関係自身で新しいあり方はどうあるべきかという基本的な考え方について意見をまとめたのでございまして、先ほども申し上げましたような各社の計画を私どもが検討するのは実はこれからでございます。ただ、要するに一番問題になりますのは、やはり四十六肥料年度を目標にいたしておりますけれども、四十六肥料年度における需給が一体どういうことになるのかという需要供給、要するに需要サイドでの分析といいますか、これをはっきりする必要があるわけでございまして、これは業界の相談に応じまして一部私ども意見を申し上げておりますけれども、さらにあらためて通産省自身として、四十六肥料年度における需給計画というものとして、要するにまず需要の面がどうあるべきであるかということ、これは化学工業局のみならず他の面をもあわせまして、他のいろいろな生産関係についてどういう動向になっていくかという面も一応参考にいたしまして最終的な決定を行ないたいというふうに考えておるわけでございます。 さっきお話の途中にございました工業用のアンモニア等につきましては、確かに現在各企業の計画いたしております数字は非常に大きなものでございまして、私どもそんな大きな工業用のアンモニアの需要というものはその段階ではまだ出てこないのではないであろうか、このように判断いたしまして、先ほどお話がございましたような、トータルとしての工業用アンモニアの数字のあり方、見方と申しますか、そういうものについて業界側に意見を申したわけでございまして、ただこれが個別具体的にどういうふうな形で各企業の計画の中に織り込まれてまいるかというふうなことにつきましては実は今後の問題でございまして、私ども自身といたしましても、この設備調整という問題は、これはただ単に通産省だけで決定できるというふうなものでもございませんので、具体的にきめるにあたりましては、さらに関係官庁とも御相談申し上げ、その上で具体的、個別的な問題に入りたいというふうに考えておるわけでございます。 なお、先ほど御指摘ございました来年度の財投要求とかどうとかいうふうな問題につきましては、実はすぐにでもスタートできるという意味で工場自身を固定化したわけではないわけでございまして、おそらく来年度からスタートするというふうなものとして年度一ぱいで考えました場合のスタートという意味でございますけれども、三件程度のものは出てくるのではないであろうかというふうな意味での見積もりを財投要求として出しておるというわけでございまして、これは個別的にどの工場に対して幾らというふうなことの割り振りを示したものではないわけでございまして、具体的な計画の進行状況と合わせて実際問題としては融資のあっせんを依頼するということになると思っております。
○島村委員長 加藤君に申し上げますが、大臣があまり長い時間ここにおられませんので、大臣に対する御質問を先にお願いできればと思います。
○加藤(万)委員 いまのところをもう少し突っ込んで、そのあとに伺いたいと思います。 いまの御答弁の中で、需要サイドの問題と関連してこれからの総合的な計画を業界にチェックをしないしは業界と話し合う、こういうことですが、アメリカのアンモニア製造と違って——アメリカの場合には輸出関係が一〇%前後ですね。日本の場合は六〇%をこえて輸出市場にたよっているわけですね。一体需要サイドの問題がここで確定できますか。と申しますのは、これは何といっても先ほど言いましたように潜在市場なんですね、それを顕在化するわけです。しかもそういう国としての政治的責任が一つはあるでしょう。いま一つは、諸外国、たとえばイギリスにしましてもドイツにしましても、あるいはイタリアにしましても、それぞれ大型化を行なっているわけですね。それがそれぞれの潜在的な市場に流れ込むことはこれまた必然なんです。そうなってくると、従来の中国貿易が相当需要を占めていますから、東南アジア全般という引き伸ばし方は少し無理かと思いますけれども、しかしそれにしても、後進国に対する全般的な市場で従来のままわが国が推移すると見て国内の全体の需要度合いをきめ、生産のプラントをきめるということは、きわめて不可能な条件を六〇%以上は持っている、輸出が六〇%以上ある以上はそれ以上持っている、こういうように私は見るわけです。そうしてくると、この大型化一千トンプラントの各社の計画に対して、通産省がこれが適当な量であると量的に示す尺度というものは一体何んでお示しになるのか、ひとつお聞きしたいと思うのです。このことは同時にアンモニアの二千トンプラントの問題も出てくるわけです。一応一千トンなら一千トンに押えておりましても、ものの本によりますと、今度火力発電で亜硫酸ガスを回収してそこで副生硫安をつくるということを考えておるようなんです。そうなってくると、脱硫のために硫安を使う、こういっておるのですが、これ自身、アンモニア自身が副生硫安化する可能性もあるわけですね。そうなってくると、工業用アンモニアを一千トンで押えても、それ自身のワク、一千トン自身は工業用じゃなくて実際は肥料用アンモニアに、肥料に回るということも考えられる。等々を考えてみると、一体需要というものをどの尺度ではかり、同時にその需要からどのくらいの生産規模がよろしいのかということを工業用のアンモニアを含めてどこできめようとするのか、その辺のところをひとつお聞きしておきたいというように思うのです。
○吉光説明員 御指摘いただきましたように、需要の測定ということは非常に困難な問題を伴っておるわけでございます。特にいまお話ございましたように、内需につきましては、一定の伸び率というものはもう固定いたしておりますので、この伸び方をはじくことはわりあい現実に合った姿でできるわけでございますけれども、六〇%程度のものを輸出に依存いたしておりますので、その場合の輸出市場自身の見方につきましては、いろいろの角度から分析検討してみる必要があるのではないであろうかというふうに考えるわけでございます。したがいまして、この輸出市場の需要がどのような形に推移してまいるか、これは見通しでございますけれども、できるだけそれぞれの市場別につきまして、たとえば先ほど申し上げましたように、韓国それ自身ではすでに自分で自給できる、あるいは台湾につきましても自給化が進んでおりまして、自分で自給できるという段階がいつの年度から始まる、あるいはまた、たとえばインドにおきましても自国の肥料プラントを持ちつつありまして、現にそれぞれの国で計画されておる供給量と申しますか、そういうふうなものがどの程度あるかということも、当然に計算に入れなければならない問題でございます。したがいまして、あくまでも従前の実績だけの伸びから全部を推定するというわけにはまいらない要素が多分にあるわけでございまして、一番大きな需要者でございます対中国貿易につきましても、隣地としての需要の伸びと申しますか、こういうふうなもののある程度の参考資料はあるわけでございますけれども、ただ厳密にそのとおりだというふうにぴしゃっとおさまるきめ手それ自身は持っていないわけでございます。ともあれ、できるだけ現実に落ちつくであろうと思われるところに落ちつけるような形で、あらゆる資料を入手いたしました上で、人口一人当たり、あるいはまた農地面積当たりの施肥料の関係でございますとか、その国自身で農業開発としてどういう計画を持っておるかというふうな問題をも頭に入れながら、そこらの需要見込みを考えてまいりたいというふうに考えておるわけであります。ただ、御指摘ございますように、非常にむずかしい問題を含んでおります。含んではおりますけれども、やはりこれだけの大型設備投資をやります以上、それが設備過剰になるということは最も警戒すべき問題でございますので、何と申しましても需要の推定それ自身は慎重の上にも慎重を期する必要がある、このように考えております。
○加藤(万)委員 いまお答えのとおりだと私は思うのです。特に私が先ほど指摘しましたように、この大型化を行なうことによって起きる、小規模はございませんけれどもいわゆる中規模ですね、の企業負担というものは、もし市場がオーバーフローになった場合には、いわゆるその一千トンプラントをつくっている新しい企業が非常に危機に瀕するということが考えられるわけですね。したがって私は、いま言った点は、相当慎重の上にも慎重にかまえてやってほしいと思うのです。特に工業用のアンモニアが、たまたま先回は宇部興産の六百トンが市場の活況でささえられたから混乱がなかったようなものの、もし一千トン計画が行なわれて、それが肥料用として相当使われるということになると、これまた同じような条件が起きるわけですから、これはぜひひとつ慎重の配慮をこの際にはしていただきたいというふうに思います。 そこで、ちょうど大臣お見えになりましたから、先ほど大臣に質問をしようと思って残しておったことが一つあるのです。それは中国貿易でございます。いま局長のほうから一応中国や東南アジアの後進国全体の肥料の需給についての、たとえば技術援助であるとかあるいは肥料の使い方の問題、それから食糧指導等々がある、こう言われたわけです。私は、中国への輸出問題は政治的課題に待つ面が多いだろうと思う。たとえば今日問題になっております吉田書簡をどう取り扱うのかという問題が一つございますね。それから東南アジアの問題は、技術指導の問題よりもむしろ円借款をどうするかという問題、いわゆる経済協力の問題、経済援助の問題、この辺が非常に重要ではないかというふうに実は考えているわけです。私の知る範囲、調べた範囲では、インドなりインドネシアにそれぞれ二千万ドルないし七百四十六万ドル等の肥料の買い付けの借款等が行なわれておるようですが、全般の経済援助のワクの中では、日本から輸出する肥料の総額の約一割程度くらいが直接対象買い付け等々の援助資金だ、こういうふうにいわれておる。大蔵省の最近の見解では、なおそういう面では、財政硬直化の問題にからんで削減をしていくというふうな方向をちらちら新聞でうかがっておるわけです。 そこで大臣に、中国の政治的な課題にまずどういうように現内閣は対処されようとしておられるのかが第一、第二には、先般の佐藤総理の訪問等に関連して、東南アジア後進国の開発あるいは経済援助等をどのような形で今後行なわれようとするのか、この二点についてお伺いをしておきたいと思います。
○菅野国務大臣 第一の御質問の中国問題でありますが、これはもういままでたびたび申し上げておりますとおり、日中貿易の拡大ということ自体については、われわれその点について大いに政府としても努力したい、こう考えております。しかし、問題は政経分離という立場で日中貿易の増進をはかりたいということでありまして、先般の日米合同委員会におきましても、日中貿易は日本としては大いに拡大したいということも言いまして、向こうでは決してこれに反対をしておりません。でありますからして、日中貿易のことについてはできるだけやりたい、こう考えております。 ただ、問題は吉田書簡のためにプラント輸出ができないというところで、これが今日LT貿易の問題についていろいろと問題があるわけでありますが、吉田書簡は、これは法律的の根拠はないのでありますけれども、あの吉田書簡を出したときの事情というものは、われわれとしても一応尊敬しなければならぬということでありますが、しかし吉田書簡というものは、要するに輸銀の金を使うか使わないかという問題でありますから、この問題についてはできればケースバイケースで考えてみたい、われわれこう思っておるのでありまして、中国側からそういう申し出があれば、その申し出に対してケースバイケースで裁決したい、こう考えております。要は、ともかく日中貿易を盛んにするということは政府の方針でありますから、どうかそのつもりでひとつ皆さん方も日中貿易の増進について御協力を願いたい、こう存ずる次第です。 それから海外経済協力の問題について、大蔵省が削るとか削らぬとかいう話を聞きましたが、大体国民所得の一%を出すということは申し合わせできまっておることであります。ただ財政硬直の今日、多少それを減らすべきではないかという意見が大蔵省にあるのであって、したがいまして問題は、一%を目標で経済協力をしなければならぬということについては、われわれはそれの目的を達成するように努力したいと思いますが、そこにやはりスピードの緩慢の差があるのであって、日本の財政が少し硬直したときには少し額を減らすが、財政が豊かになったときにはまた多く出すとかいうふうなことで一%を達成するように努力したい、こう考えております。申すまでもないことでありますが、南北問題といえば、問題は日本の経済協力の問題でありますから、日本が経済協力することによって東南アジア諸国との貿易関係がまただんだんと増進するのでありますから、したがいまして、日本の経済力の許す範囲内においてこの経済協力というものが増大するように進めていきたいというように私は考えておる次第であります。
○加藤(万)委員 国際的な市場の問題、内需の問題、それからブラントの計画についての問題は、財政投融資問題と含めて次期国会の予算委員会等でまた私どもの意見を開陳したいと思います。そこで、問題は、今度のアンモニア大型化は、先ほど古川委員から説明ありましたように、完全にスクラップ化されるわけです。ここが従来の体質改善ないしは従来の大型化の方向とは非常に違うわけです。そこで私どもの立場からいけば、残された人をどうするかという問題が緊急な課題に実はなってくるわけです。最近各社の労使間における団体交渉等の話等を見ますと、非常に人が少なく、大体今度の新しい第一次アンモニア大型化でトン当たり〇・七人、こう言われておるわけです。一千トンプラントになると、トン当たりの人員というものはどうでしょうか、何人くらいになるのでしょうか。これは推定の域を出ませんから、私もよくわかりませんが、これをまずひとつお伺いしたいのと、とりあえず起きてくる問題は、たとえば日東化学の八戸工場、横浜工場、それから東洋高圧の大牟田工場、砂川、東北肥料の秋田、日本水素は小名浜にできれば、これは小名浜で吸収できるでしょう。三菱化成の場合には、コークスガスを買えるわけですから、これは現地での転採用ができる。このいわゆる他コンビナート地域に移動する企業に伴って、残ったスクラップ化される企業の転換をどうするかという問題は、真剣に考えないと雇用問題まで発展するわけです。そこで、新しい石油化学産業等に対しては、非常な行政上の誘導政策や、あるいは税制上の優遇政策があるわけですが、スクラップ化される企業の再転換といいましょうか、これに対しては、石炭産業を除いては、今日まであまりないわけです。化学の場合に、これは私の推定ですが、おそらくアンモニア系に携わっておる労働者は、二万から二万五、六千じゃないかと思うのですが、これはわかりません。しかし、おそらくこれらの人員の三分の二前後が、もしそこに再生産の業種転換がなければ、転勤もしくは退職を余儀なくされる。したがってこの問題を一体どういうように考えるか。先ほど局長のほうから、もしスクラップ化される企業が再転換の事業を行なうならば、いわゆる事業転換の資金を政府側から考慮しなければいけないだろう、こう言われたのですが、大臣は一体この辺をどうお考えになるか、見解をお伺いしたいと思います。
○菅野国務大臣 肥料工場のみならず、日本全体の産業については、こういうように資本の自由化の問題、特恵の問題等いろいろの関係で、私は産業全体の産業構造をこの際断行すべきときだ、こう考えております。したがいまして、その産業構造の大転換をするについては、あるいは会社の合併、工場の廃止とかいうような問題が起こってきますからして、したがって日本の産業を今後繁栄させ生かすためには、どうしてもスクラップ・アンド・ビルドの政策をとらざるを得ない。その場合に、それじゃビルドするについては資金が要るじゃないかということ、それについては、私はこの際特別に安い金利で融通する方法をとらなきゃならないじゃないか、またそれをやらなければ、構造をなかなか思い切れないと思うのでありますからして、そこで産業構造の改善を促進する意味において安い金利で融資するとか、それから同時に、租税面についても考えてあげて、そしてひとつ転換のしやすいような方法を考えることが必要じゃないか、こう考えております。それから労力の問題についても、これも考えなきゃならぬ問題でありますからして、これは労働省ともよく相談しまして、工場が閉鎖すれば、したがってそこに失業者が出るということになりますからして、こういう問題についても考えなきゃならぬ、こう思っております。いずれにいたしましても、この際、いままでのような考え方でやっておったのでは、日本の産業が国際競争力を持ち得ないのでありますからして、国際競争力を持つがためには、そういう面でひとつ、租税面あるいは資金面あるいは労力の面で善処していきたいということで、私どももそれだけの準備をいまいろいろいたしておる次第であります。
○加藤(万)委員 時間があまりありませんから、具体的なことで二、三お聞きしたいと思うのです。たとえば、一千トンプラントをつくる場合に、各企業は通産省とそれぞれ接触があるわけです。そして総トータルの量的なもの、あるいは財政投融資等を含めて政府側の指示を仰ぐわけですが、その際に労務関係の解決策が出ない限りは、その計画そのものを差し戻す、ないしは差しとめるというお考えはありませんか。これは少し極端な議論になって申しわけないのですが、たとえば東洋高圧の北海道が大体いま千三百人前後いますが、六百人ぐらい必要なくなるだろう、こう言われているわけです。ここで次の雇用問題を考えてみるときに、私の意見で言うと、三つほど方法があるわけです。一つは、石炭があるわけですから、産炭地振興を含めて一ぺんコークスガスの問題をひとつ考えてみたらどうだろうか。それから札幌が暖房装置で非常に町がよごれて公害問題が起きていることは大臣御承知のとおり。そうすると、ここに都市ガスを供給することによって、一方では産炭地振興ができ、一方では公害問題が解消できるわけですね。しかもそれによって副生硫安をつくって、そこに雇用を拡大することができるわけです。いわゆる従来のアンモニア法を生かして千トンプラントをつくっても、この六百人のうちの何人かはそこで吸収できるわけです。あるいは日東化学の八戸等については石膏ボードの問題とか、エチレン加工技術とか、いろいろ考えられる要素が一ぱいあるわけです。そこでそれらを、大臣が言われたようにいわゆる転業関係の低利長期の資金の導入と、そういう事業計画を突き合わしてやるならば、雇用問題は解消できるわけです。ですから、私は単にその新しいスクラップ・アンド・ビルドのビルドのほうだけを見るのじゃなくて、スクラップ化の転業の問題が一つ、それから雇用問題をどうするかという問題、この二つ、このことが一千トンプラントの計画と同時に通産省なり政府に提起をされたときに初めて全体の総資金のワクないしはその計画、それに対して政府側が認可をする、ないしは、なければその差し戻しをする、そういう行政指導がないことには、石炭のように完全にスクラップ化されている場合は、政府があれだけの手を、たとえば雇用関係の手を差し伸べたわけですね。こういうことが化学産業全般の中には行われないと思うのですよ。この点についてはどうでしょうか。
○菅野国務大臣 いま御心配になっておられることは、われわれもそういう点については深甚な注意をしなければならぬと考えておりますが、そこで問題は、かりにある工場を閉鎖されるということで一カ所にまとめて、ある地域の工場を閉鎖するというような場合には、そのせっかくある建物なり機械などをそのまま放置しておくということは、これはむだなことでありますからして、それを何とか転換するということは、これは経営者自身も考えることだと思いますし、私どもも、もしそういうことで新しく工場新設あるいは合併、一工場に集中するというようなお申し出があったときには、古い工場を一体どうするかということについては私どもも注意をして、そしてその古い工場をいかにして生かすかということについては、これは経営者並びにわれわれもともに考えなければならない問題だ。そうして幸いにして古い工場がまたそこで何か転換ができれば、その労務者の問題もおのずからまた解決ができるということになると思いますので、そういう点についても深甚な注意を払いたい、こう考えておる次第であります。
○加藤(万)委員 大臣にアンモニア工場を一ぺん見ていただきたいと思うのですが、古い工場を生かすことができないから、今度は完全にスクラップ化なんですよ。実はそこに問題が存在するわけです。ですから、古い工場を生かすとすれば、先ほど言ったように、東洋高圧の北海道が一番いいのですけれども、そういう産炭地振興と都市の公害問題と、同時に古い工場、こういう関連性がないとそれ自身が実は生きていかないような今度のスクラップ化なんです。従来のスクラップ化ですと、単に体質改善、大型化ないしは中の装置の一部変更で済んでわけですが、今度は従来の往復コンプレッサーが全然だめになって遠心方式になるわけですから、それ自身がアンモニア工場として存在するのはなかなかむずかしい条件が存在するわけです。 そこで、いま一つ雇用問題で考えなければいけないのは、古い工場をそういう形で転換をするということが一つと、実はそれに対して雇用政策がくっついてくるということと、やむを得ずどうしても土地を離れられないという場合に起きてくる離職の問題ですね。たとえば石炭の場合には、転業資金あるいはその間の技術、技能養成とか、いろいろな問題が政府の政策の面でとられたわけですが、こういうことが化学産業の場合にも今後は想定されるわけです。特に先ほど言ったように、工場そのものが今度は移動するわけですから、その場合に石炭産業の労働者が受けたようないわば政治的保護といいましょうか、肥料の場合にはおそらく国策として非常に大きな金を投資して行なうわけですし、単にその辺の機械工場が首を切ったという条件とは違うわけですね。いわば政府の政治的指導に基づいて行なうという面が相当強く入るわけです。そうなってくると、石炭産業における労働者のような形の保護政策というものが、かりに離職という条件が起きた場合に与えられてしかるべきだというふうに私は思うのですが、大臣どうでしょうか。
○菅野国務大臣 政府としてそういう場合にどうするかという問題でありますが、政府としてはこの点については慎重に考えなければならぬと思います。しかしいまの石炭の離職者の場合は、実は離職者が多いのであって、それをとめるのに苦労しておる、離職者に対する手当とかというようなことよりも。というのは、各方面に産業が盛んになっておりますからして、現に働いておる人を引っぱりにきておる、石炭業界じゃなくて、ほかの産業に引っぱられるという状態が多いのであります。したがいまして、いまの肥料工場などでも、もしそういう場合に、いまのように日本の産業が発展するとすれば、むしろ離職した人が引っぱられ、あちらこちらへ転職する可能性が多いのじゃないかというようにも考えられる。また経営者もその点については特に考慮すべきじゃないか。離職される人に対してはそれだけの手当を出すとかというようなことが考慮されるし、また転職についても経営者が特別な考慮を払ってやるようにわれわれとしては行政指導をしたい、こう考えておる次第であります。
○加藤(万)委員 私の予定の時間が参りましたから、最後の締めくくりをお願いしておきますが、この大型プラントの計画ですと、約一千億近い金が投資資金として必要になるように見られます。したがって、政府の財投も相当この中に含まれてくる。従来の例でいきますと、三〇%ないし四〇%ぐらい政府資金の導入ということが考えられているわけです。したがって、私は、これから起きてくる労使間の問題、特に労働者の離職問題、これを政府が一方では配慮をしながらこの計画を行なっていただく。特にそういう財投の関係では政府に相当の発言権が事実上あるわけですから、そういう意味の行政指導をしっかりとやっていただかないと、国際競争力はついたけれども、国内では労使間の不安問題や紛争問題が起きてしまって、事実上稼働に入れない、こういうむだな結果が起きないとも限らないわけですから、ひとつこの辺は十分配慮をしていただくようにお願いしておきたいと思うのです。 第二の要請は、先ほど局長との間で論議をいたしましたように、この大型化の計画によって、一つには国内市場、国際市場含めてオーバーフローになる可能性が多い。したがって内需、外需、輸出の関係の見通しと、それに伴うプラントの計画、ないしは各社の操業する進行の速度、あるいは段階といいましょうか、これを相当慎重に配慮していかないと、せっかく千トンプラントが形成されても、力のないメーカーはそれ自身行き詰まってしまう、そういう結果が起きるわけですから、これに対する問題を相当慎重に見詰めてほしいと思うのです。いずれにいたしましても、次年度の国家予算の中で問題が出てくるのでありましょうから、いずれは予算委員会で本問題に対する少し突っ込んだ財政投融資のあり方、あるいは労使間の問題のあり方等の質問を行ないたいと思います。とりあえずはいま申し上げましたような点を十分配慮して行政指導にあたっていただきたい、こういうふうに思います。質問を終わります。
○島村委員長 田中武夫君。
○田中(武)委員 大臣もあまり時間もないようですから、簡単に二、三の質問をいたしまして、残余の点は後日に譲りたい、こう思います。 ただいまの同僚委員の質問に関連をしてですが、肥料政策について若干の質問をしたいと思います。大臣、今後肥料政策を立てる上において、これは硫安にしぼってもよろしいが、内需を主として考えるのか、輸出を主として考えておるのか、もちろん双方ともだ、こうお答えになるだろうが、そうでなくて重点をどちらに置くのかお伺いいたします。
○菅野国務大臣 肥料というものは、大体内需を確保して、日本の農業生産を確保したいというところが主眼でありまして、それに余力があって海外に出しておったのですが、幸いに海外で肥料の需要が増してきておりますから、輸出をはかりたいと思いますが、輸出を主として内需をおろそかにするわけでは決してありません。やはり内需をまず第一に確保して、それから輸出という方針でいきたい、こう考えております。
○田中(武)委員 いわゆる肥料二法がございまして、それが三十九年に肥料価格安定等臨時措置法、いわゆる肥料新法にかわった。このいきさつは、東畑懇談会の答申とか、いろいろ硫安協会その他の業界からの意見等もあったのですが、それを一口に言えば、旧二法は輸出に重点を置いている、新法はそうでなくて内需ということに新たなる規定を設けた、これが特色であろうと思うのです。たとえば肥料新法を大きく分けると、目的は別として、国内価格制度の問題、これは二条から四条です。それから輸出体制のことが五条から上条ないし九条から十三条。それから内需確保措置、こういうふうに大体柱としては三本になります。この国内価格制度及び内需確保の措置というのが新法と旧二法との異なった重要な点だと思うのです。そういう新肥料法の上に立って、三十九年以来新しい肥料政策というものが立てられたと思うのです。それはこの新肥料法の第一条にいうところの、肥料の価格の安定をはかるため、そして取引を適正かつ円滑にして、あわせて肥料の輸出を調整する、そうして農業及び肥料工業の健全な発展に資する、こういうことなので、結局まず内需ということを考える、その中から輸出を調整していく、そして農業とさらに肥料工業との健全な発展、この要件の上に立って肥料政策が立てられたと思うのです。その肥料政策と、いま問題になっておりますところのアンモニア・プラントの大型化の関係、これをひとつ説明していただきたいと思います。
○吉光説明員 お話のとおり、まず優先的に内需を確保し、そして同時にまた輸出を振興するというふうな、内需を確保した後の余力で輸出を振興するということなんでございますけれども、その内需も、ただ単純に量的な面で確保するということのほかに、できるだけ安い価格の肥料を提供していって農業政策自身に寄与してまいりたい、こういうふうな感じがあるわけでございまして、そういう量的確保と同時に質的、同時に価格的な面におきまして国際水準並みに安い価格で提供してまいりたいというふうなことを念願いたしておるわけでございます。結局これが大型化政策の根幹につながるものであろうかと考えます。
○田中(武)委員 もうちょっと具体的に言ってもらいたいのだけれどもね。いいですか、肥料新法の三本の柱は、その一本は国内価格の制度でしょう。さらに一本は、この内需の確保ということですね。だから、あなたが言ったように、いいものを内需として確保し、かつ価格の安定をはかる。さらにもう一つは輸出体制。この三本の柱から成り立っておるわけですね。少なくとも三十九年以来の肥料政策はこの肥料新法の上に立って考えられたと思うのです。そうするならば、その一環であるアンモニアの千トンプラント、大型化の方針というものは、肥料新法との関係において考えられる、そうでなくてはならないと思うんですね。そうじゃないですか。そうするなら、この法律との関係においてどのような観点に立って、大型化を考えたか、その結果は何か、何を目的にしておるのか。もちろん大型化によってコストを下げていって合理化するということはわかります。それから、この新法のいうところの三本の柱から見てどのような効果をあらわすのか。
○菅野国務大臣 その根本問題は私からお答えいたしますが、この新法にいう三つの目的に対して大型化は決して私は矛盾してないと考えております。
○田中(武)委員 矛盾はしていない。これは、技術革新、あるいは大量生産という上に立って、コストダウンのためには大型化していく、いわゆる合理化することが技術的には望ましい、これはもう言わなくてもわかっているのです。しかし私の言っているのは、この肥料新法の三つの柱から見てどういう関係において考えられたのか。 それじゃ私のほうから申しましょう。この大型化の一つの理由といいますか、それに国際競争力強化ということをうたっておるのですね。これはもちろんガットの問題とかいろいろありますけれども、内需だけを考えるならば、非能率かは知りませんが、やっていけぬことはないと思うのです、内需を確保していく上においては。結局は輸出ということを考えて、国際競争力という考えに立ったんでしょう。そうじゃないんですか。したがって、この大型化の一つの大きな理由は国際競争力ということ、それをもっと演繹すれば、かつて当委員会で大きな問題となった特定産業振興臨時措置法、特振法、この精神が生きておる、私はそう思うのです。国会においてかつては法としては成立を許さなかったもの、それが通産省の行政措置によってまかり通っておる。これは現在通産省の前次官のあらわした本等を見ましても、特振精神は生きておる。もっと言うならば、協調体制、混合体制あるいは新産業秩序、いろんな呼び方がいわれておりましたが、その精神の上に立って自由化に対応して国際競争力を、こういうことじゃないのですか。いかがですか。
○菅野国務大臣 国際競争力ということは、輸出と輸入と両方があります。そこで、国際競争力を増すということは、価格も、輸入品が安くなりますから、したがって国内品も安くしなければならぬ。国内品が高くて輸入品が安かったら、どんどん外国品が入ってきます。でありますから、その外国品が入らぬために国際競争力を増していくということを意味しておるのであって、したがいまして私は、この国際競争力を増すということは同時に国内の価格を安くし、国内需要を確保するという意味も含んでおる、こう考えておる。単に輸出ばかりという意味では決してありません。
○田中(武)委員 私が最初言ったように、それはもちろん国内需要に対しての国際競争力ということは必要なんです。しかしそれは、関税とかいろいろな保護政策によって守ることはでき得るのです。もちろん自由化ということとは逆行しますけれども。しかもこの肥料新法の精神は、農業と肥料工業の両方、双方とも健全な発展というのでしょう。農業のためには、自由化に備えて、いろいろな障壁をつくって保護しておるではありませんか。いま私はここで日本の政府の農業政策を論じようと思いません。しかし、国際競争力という観点に立てば、日本の農業なんて一ころですよ。しかし必要であるということで、しかも多くの農業人口がおる、こういう国策の上に立って、もちろんわれわれもそれを唱えておりますが、いろいろな保護政策をやっておられる。この精神からいうならば、農業とともに肥料工業を健全に発達さすということ。だから、輸出を考えなければ、ほかに手はあるのですよ。そうじゃないですか。もちろんそういうような場合に、あなたがワシントンに行った場合に、貿易経済委員会等で皮肉られることは、それは確かでしょう。しかし、関税で守るとかなんとかいう方法によって——非能率をいいとは私は言っておりません。しかし直ちにそうしなくてもいい。これは輸出ということに観点を持っていったからだと思うのです。そうじゃないですか。そうしますと、では日本の硫安を使うのは一体どこかといえば、東南アジア諸国あるいは韓国、中国等々なんです。 そこで中国貿易というものが今後どうなるのかということが、このプラントの大型化と大きな関連を持ってくる。先ほど加藤委員が若干触れておりました。しかし、中国貿易については、国葬を終わった今日いまだに吉田書簡が生きておるとか死んでおるとかいっておる状態なんですよ。いいですか、この中国貿易の、ことに日中の肥料の協定、これは四十三年一月ころに行なわれるのじゃないのですか。いま現に新聞等でも報道せられておるが、LT貿易、これがもう期限がきて、この十二月早々に松村謙三さんかだれかが行って話をしようということなんです。このLT貿易と密接な関係が、直接なくても、あると私は思うのですよ。だから要は中国貿易に対して肥料をどう考えていくのか。それから、日中のいわゆる肥料協定、貿易協定ですね、これが四十三年一月早々でも行なわれるだろうと思うのですが、そのいきさつというものとこのプラント大型化というものは大きな関係があると思うのですが、いかがですか。
○菅野国務大臣 いまの田中委員の御質問について、私は二つに分けたいと思います。一つは、肥料もできるだけ安く国内で販売するようにしたほうがいい。したがって、その安い肥料によってできた農産物がやはり安くなることが、同時にこれがすべての産業のコストを安くするということになるのでありますから、したがって、この肥料ばかりが古い生産で高い肥料を国内で販売するということは、私はいろいろの意味において産業に波及するところ多いと思います。そういう意味で国内の価格を安くしようと思えば、やはり輸出もやって、大量生産をやって、そしてコストを安くすることが同時に国内価格を安くするということになると思いますから、したがって大量生産すること 自体について私はこれに反対する理由はない、こう考えます。幸いに日本でつくった肥料が海外で売れますから、だからこの機会に大量生産をやりたい、それについては新しい生産方法でやったほうがより安くできるということであるから、大型の千トンとかいうようなことが考えられて、外国は事実それをやっておるし、やろうとしておるのでありますから、それに競争するためには日本の肥料工場もやはり大型でいかなければならぬということに考えられると思うのであります。でありますから、今度の大型の問題は、輸出という問題と国内の問題と二つあわせ考えておるのであって、輸出ばかりでやっておるというふうにお考えにならぬほうがいいのじゃないか、こう思っております。
○田中(武)委員 私は、国際競争力には二つの意味があって、もちろん国内の問題がある、輸出の問題がある。だから私の言っているのは、輸出を考えなかった場合、内需だけを考えた場合には——私は何も非能率的なものを歓迎する意味で言っておるのではないのですが、とる手はあるのじゃないかと言っておる。農業とともに健全な発展を期するということであるならば、農業に施しておるような政策というか保護政策を肥料工場に及ぼすならば、私は両立すると思うのです。しかし私はそれをいま言っているのじゃないのです。そういう点も、内需ということを考えた場合だけだったら、話は少し変わったほうにくるのじゃないか。しかし輸出もやらなければならぬ。それならば東南アジア諸国あるいは中国等に対する肥料輸出についてどうしたことを考えておるのか。先ほど言ったように、日中のLT貿易協定に次ぐ日中肥料協定の問題等もあわせ見た場合に、今後どのような肥料政策を通産省はとろうとしておるのか、それを聞いておるわけです。
○菅野国務大臣 いま私は第一の問題だけについてお答えしたようなので、第二の問題を続いて申し上げることを忘れたのですが、そこで問題は、日中貿易あるいは肥料輸出の問題だと思います。 そこで、この日中貿易自体は、なるほど吉田書簡というものが非常にじゃまになっております。これは私もはっきり認めます。しかし日中貿易は吉田書簡が問題になってから減ったかというと、決して減っていない、ふえているのでありますから、したがって日中貿易というものは吉田書簡を別としても私は盛んになるという見通しをいたしております。しかし吉田書簡という問題がなければなお盛んになる、こう私は見通しをしておるわけです。そこで、この肥料の問題は、幸い中国という国は隣にあるし、そして広い土地でありますから、私は中国における肥料の需要というものは年々ふえてくると思います。そういう意味で、肥料の需要というこの問題については、先ほども加藤委員からいろいろと御質問がありましたが、私は将来とも拡大すると考えておりますし、また東南アジアの諸国を見ても、南北問題ということは、結局はわれわれが食糧をいかにして増産さしてあげるかという問題だと思います。田中委員も御承知のとおり、東南アジアなんかではまだ肥料を使っておりません、インドでも。これがもっとどんどん肥料を使ったならばもう向こうの食糧の問題も解決できるのじゃないか、そういう意味で肥料の海外の需要というものは決して減るものではない、ますますふえる。したがってそれだけ輸出量がふえるのであれば、やはり安くまた多量に生産する必要がある。そういう意味から大型化というものは私は必要である、こう考えておる次第であるます。
○田中(武)委員 東南アジア諸国は、もっと農業生産が近代化してくると肥料をもっと使うだろう。それから日本の東南アジア、開発途上国に対する経済協力の問題の中に肥料というものをあわせ考えていったときには、もっと需要はふえてくる、いわゆる借款の問題等も含めて。それから中国貿易というものももっと積極的な態度をとることによって伸びると思うのです。そういう観点から見れば、私は肥料産業というものは、先ほど石炭の安定臨時措置法との関連のような質問もあったようですが、決して斜陽とは考えていないわけです。国策というか、そういう方針の上において犠牲が出る場合は、それは雇用促進事業団等のことも考える必要があると思いますが、それはいま私は直ちに問題にしなくてもいいので、それよりか現在の肥料工場ないしそこに働く従業員、労働者の生活、職場をどのようにして維持していくかという問題であろうかと考えるわけなんです。それには、前国会で問題になりました特繊法、特定繊維工業構造改善臨時措置法によって紡機や織機をスクラップしていくというのとは違うと思うのです。これは中の機械を入れかえるだけ。もちろんアンモニアも機械というか設備になるわけなんだが、意味が違うと思うのです。一つの工場全体がなくなるということが問題になる場合が多いと思うのです。その場合は、それは石炭の問題で一つの山がつぶれる、買い上げてつぶすというのと同じような結果になる場合もあると思います。しかし私は、繊維の関係のときのように、スクラップ・アンド・ビルドをするのだ、こういうことで簡単に考えられるべき問題ではない、こう考えておるわけなんです。それは大臣わかると思うが、膨大な設備なんです。織機や紡機を入れかえるという問題と違うと思うのです。工場全体の問題になると思うのです。こういうように考えていきましたら、これは私は相当大きな問題である、こう考えるわけなんです。 きょうは大臣の約束は十二時半になっておりますし、これは半分公式なようなことですから、これ以上時間はとりません。しかし私は、きょう同僚二人の委員が質問をし、そうして私が最後簡単ですがこうしてやっておるのは、このアンモニアの大型プラント化という問題が大きな問題であるという問題の提起と、さらに、いままでのように安易に考えているとは思いません、しかしこの及ぼすところは大である、ひいては労働問題等にも大きな影響を及ぼす、あるいは固定資産税等々も考えた場合に、地方財政といいますか。その自治体に及ぼす影響も大きいと思います。したがいまして、これについてはいろいろな波及するところも考えて真剣に取り上げていっていただきたいことと、それからなお、きょうは、これでアンモニアを終わるわけではありませんので、引き続きわれわれもこれに大きな関心を持ち、ともに研究をしていきたい、このように考えておりますので、またあらためて予算措置等に関する財政投融資等についてもいろいろ質問をし、見解を明らかにしていきたい点がありますが、きょうは一応問題を提起したという程度で終わりたいと思います。そういうことですから、大臣も局長も、いいですか、あまり簡単に考えないように——考えてはいないだろうけれども、ただ単に国際競争力だとかあるいは合理化だというだけでは問題は片づかない。こういうことだけを申し上げて、十二時半の約束は守っておきましょう。
○菅野国務大臣 いま田中委員がいろいろ御心配になったことは、実は私ら自身も心配しておることであって、単なる大型化ということだけの問題では決してない、これが波及するところは非常に多いということからして、その点もあわせわれわれも研究してやっていきたいと思います。いろいろ問題の御提起がありましたから、われわれもその問題については今後真剣に考えてやっていきたい、こう存じております。
○田中(武)委員 きょうはいま申しましたように、アンモニアの大型プラント化の方針に対して一応問題を提起した、こういう程度で終わります。そうしてあらためて労働省あるいは農林省等、関係方面からもきてもらって、また一日みっしりとかけてやりたいとも思うし、また予算委員会等でも一つの大きな問題になろうと思いますので、その点だけを申し上げて、ちょうど時間となりましたので、私の質問を終わります。
○島村委員長 午後一時三十分から再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時三十分休憩 ————◇————— 午後一時四十七分開議
○島村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 通商産業の基本施策に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、これを許します。佐野進君。
○佐野(進)委員 私は、この前の国会で継続審議になっておりますLPガス関係の法案、液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法案について、その後の処置あるいはそれに関連した事項について、若干質問したいと思います。 前特別国会で、この新しい法律については国会に提案された時期が非常におそかった、こういうことで、できる限りこれを成立させたいということで、商工委員会に関係する四党で早期成立をはかるための努力をしましたけれども、時間的に非常に制約をされておったし、それからこれが消費者に与える影響あるいは取り扱い業者に関する事項、こういうものが非常に重大であるために一応継続審議にしよう、しかしこの継続審議は単なる継続審議ということでなく、その精神においてはこれをぜひ通したいものだ、したがってこれが通ったということを前提にして、当然措置しなければならない事項については、当局においてすみやかに具体的な措置を進めるよう、こういう附帯決議をつけて継続審議にいたしておるわけです。私はまず冒頭、この附帯決議の趣旨について通産当局はどのような措置を今日までしてきておるか、委員会としては九州あるいは大阪等において公聴会あるいはそれと同じような形の中において民意の反映等の措置を行なってきておりまするけれども、通産当局としてどのようにしてきておるかという点について、まず冒頭お伺いしておきたいと思います。
○吉光説明員 お話がございましたごとく、七月の二十日に特別の決議をいただいたわけでございまして、私どもといたしましてもこの決議の線に沿いまして、まさに可及的にできるものにつきましていろいろと準備体制を進めておるわけでございます。 その第一でございますけれども、まずこの法律に基づきます政省令の具体的な案につきまして準備を急いでおります。一応役所といたしましての案ができましたので、これをLPガス関係の第一線の取り締まり機関でございます都道府県及び通産局等に先月、十月の十六日に通しまして具体的な検討を依頼し、同時にまた今月の十四日、十五日と二日かけまして、そういう部局の担当課長会議を開きまして、さらに一カ月間の検討結果についての成果を聞くというふうな準備を急いでおります。同時に、この政省令案につきましては、関係業界にも御意見あろうかと思いますので、そちらのほうにも示してございます。 それからなお当面の間の申請書の受理の問題、現行法に基づきます申請書の処理の問題でございますけれども、これも事実上の運用といたしまして、新法が通りました場合の許可基準になるべき事項についても一応配慮した上で慎重に取り扱うようにという意味のことを都道府県の担当者会議等で指示いたしております。したがいまして、新法成立時におきます混乱をできるだけ小さくしたいということで、現在そういう仕組みで仕事をさしてまいっておるわけでございます。一応決議に基づきまして現在通産省でやっております措置につきましてお答え申し上げました。
○佐野(進)委員 それでは、これに関連いたしまして三点ばかり御質問をしてみたいと思うのです。 まず第一は、新法は法案ができる過程の中で各関係方面の調整、あるいは新しい法律であるがゆえに当然払わなければならないいろいろな配慮、こういうものがあって非常に難航した結果、前国会ではおそくなって提案されたということになっておるわけですが、その中でも一番問題になるのは、やはり保安の確保と取引の適正化という名の称するように、これを行政的にどうやって万全を期するかということが一番問題になってくるところだと思うのです。高圧ガス取締法の規定するところによってその措置がいままで進められておる、こう思うのです。それだけでは一般高圧ガスの対象業種、それに対する行政組織という形になっておったと思うのですが、この新法施行に伴う行政体制を一体どのようにしていくかということが非常に大きな課題になってくると思うのです。法律はでき上がった、さて施行する内容は依然として同じだということであっては何にもならないと思うのでが、これらについて、行政の体制についてどういう取り組みをしてきておるか、まず一点お伺いしたいと思うのです。
○吉光説明員 新法施行後におきます行政体制の問題でございますけれども、二つの面があろうかと思うわけでございます。 第一の点は、現在この施行責任者と申しますか、施行責任者の通産省自身の態度の問題と、それから第二の問題は、実は従来通産省あるいは都道府県知事という形で保安の確保をはかっておったわけでございますけれども、新法によりますれば、末端の関係におきましては消防組織の御協力をいただくというふうな形になっておるわけでございまして、現地に一番近い消防組織の御協力をいただいて保安体制を確保していこう、こういうたてまえになっております。 第一のほうの問題でございますけれども、この新法自身が、いま御指摘ございましたように、保安の確保と取引の適正化というふうな形になっておりまして、実は通産省内部でも、先生すでに御存じのとおりに、保安の確保面につきましては私のほうの化学工業局で所掌いたしておりますが、取引の適正化という問題につきましては、このLPGの生産、需給等を扱っております鉱山局のほうで所轄いたしておるわけでございます。したがいまして、この保安の確保という観点と取引の適化正という観点と合わせて一本の法律ができてまいります関係上、この事務処理体制というものは従前にも増して緊密な連絡体制をとってやっていく必要がもちろんあろうかと思うわけでございます。一応機構的に組織の一元化ということも考えてみたわけでございますけれども、いろいろの問題がございまして、さしあたりの問題といたしましては、両局密接なる連絡のもとにこの施行に当たる、ただし人員面におきましてややウイークな問題がございますので、来年度の定員の問題といたしましては、それぞれに所要の人員を確保いたしたいということで、現在折衝いたしておる段階でございます。
○佐野(進)委員 第二点目は、都道府県にこの新法施行に伴ってどういう役割りを与えるのかという問題です。あらゆる法律がそうですが、いわゆる住民の福祉のために、特にこの場合においては保安の確保を通じて事故を防止しよう、取引の適正化を通じて消費者の利益を守ろう、こういうことになるとすれば、直接住民に接する都道府県の新法施行に伴って果たさなければならない役割りというものは非常に大きいというぐあいに私どもは判断するわけです。しかしこの法案全体を読ましていただいても、その精神の中に、ともすれば通産当局の権限というか、行政の一元化というか、指導性の強化というか、もちろんそれも必要な面もありますが、そういう点が非常に大きく出てくるような感じのある条文がところどころに見られるわけです。いままで法律がなかった時代に比較するとそういうように考えられるわけですが、しかし、この法案が通る過程の中で、あるいは通ったあとで都道府県に協力を求めなければならぬ面が非常に多いし、特にLPGの取り扱いあるいは指導ということに関しては、各都道府県ともいまだ混迷の時代を脱していない、どうしたらいいのかといって迷わざるを得ない状態も多々見ることができると思うんです。したがって、そういうことに対して都道府県に十分なる責任を持って処置してもらう、こういうようなことが実際上生かされていかなければならないんじゃないか、こう思いますが、いま施行令——省令あるいは政令等の改正というか制定をしようとしておる、こういうさっきお話がありましたので、そういう点についてどのような形で都道府県の役割りを規定しようとしておるのか、いわゆる中央集権的な形の中でやろうとしておるのか、いままで以上にそれぞれの役割りを認めていこうという形でやっておるのか、基本的な見解と具体的なやり方があるなら、それをひとつ示してもらいたいと思うんです。
○吉光説明員 御指摘いただきましたとおり、都道府県の持つ役割りは非常に大きいわけでございまして、一見法律のたてまえだけから見ますと、高圧ガス取締法の時代と違いまして、通商産業大臣ということばがわりあい多く出てまいっておるわけでございますけれども、現実の問題といたしましては、実はあの法律自身に書いてございますように、政令によりまして都道府県知事に通産大臣の権限を委任できることになっております。その委任の基本的な考え方といたしまして、地元で処理するのに最も便宜である、同時に最も目が届くというふうな事項につきましては、つとめて都道府県知事にやっていただく、こういうことで、各条文につきまして、条文ごとに都道府県知事にやっていただく事項を定めつつあるわけでございます。したがいまして、都道府県でおやりいただく仕事が非常に多くなりますので、これに伴いまして、実は先般の都道府県の関係部長会議あるいは知事会議等の席におきましても、都道府県自身でこの保安取り締まり体制の強化に応じます標準的な体制と申しますか、私のほうで、各都道府県ごとに、現にございます各事業所の数でございますとか、そういうふうなものを頭に入れました上で、標準的な定員というものを作成いたしまして、これは自治省にも連絡いたしてございますけれども、現実に県の定員でございますので、各都道府県知事のほうに、そういう点について、定員等足りない面については極力他部面から回してでも充足していただきたいということで、都道府県ごとの標準取り締まり体制について、現在協力方を要請いたしておる次第でございます。
○佐野(進)委員 附帯決議の趣旨に基づく最後の質問ですが、この附帯決議の中で、すみやかに準備体制その他遺憾なき体制をつくって施行できるように、こういうことが述べられておるわけでありますが、臨時国会が来月召集され、本法がそこで審議されて可決されるということになると、早くいっても十二月の中旬以降ということになろうかと思うのですが、この法律の施行に基づいてそれぞれ待望する面も多いと思うのですが、そういう見通しの中で、一体いつごろ施行することができるか、そういう見通しについて最後に質問しておきたいと思うのです。
○吉光説明員 すでに法案の中に書かれておりますので、先生御存じのとおりでございますけれども、この政省令等ができます過程におきまして、この政省令の基準につきまして、一つは高圧ガス保安協会の意見を求めます。さらにまた、これが一般の利害に非常に密接に影響いたしてまいっておりますので、法律的な必要事項といたしまして、公聴会を開くということも規定されております。それから長年の慣例によりまして、私のほうにございます保安審議会に一応この保安基準について付議いたしたいというふうに考えておりますので、公布になりました後にそこらの手続的要素を完了いたしました上で実施するということになるかと思うわけでございますが、先ほどお答え申し上げましたように、政省令案そのものについての検討自身はすでに相当進んでおりますので、おそらく公布された後に一カ月くらいの時間をいただければ、いま申し上げましたような諸手続が完了するのではないであろうか、このように判断いたしております。
○佐野(進)委員 それでは附帯決議に関する面は終わりまして、次に、保安の確保に関する面について若干の質問をしてみたいと思います。 法案提出の経緯及び理由の中で、家庭用燃料としてのLPガスの急速な普及で、必然的に事故というか災害というか、そういうものが増加した、特にその中で一般消費者向け、すなわち今回の新法対象者になっておる人たちに対する事故が多くなっておる、こういうことで、この前も盛んに当局から説明があったわけですが、私どももそういう面が一番心配だ、こう思っておりますけれども、この事故がその後どういう状況になっておるか、この際保安の確保について質問する前に一応お伺いしておきたいと思うのです。
○吉光説明員 本年一月から九月までの統計が出ておりますので、それによりましてお答え申し上げたいと思うわけでございますが、この一月から九月の間におきますLPG関係の災害事故の総計は百二十六件でございました。これはちょうど去年一年間が百五十一件であったのに対しまして百二十六件でございます。なお、この事故件数のうち、今度の法案に関係ございます一般家庭等消費先で起こりました事故件数は、百二十六件中百六件でございます。したがいまして、年間合計を推定をいたしますと、残念でございますけれども、昨年を少し上回る事故件数になっておるのではないであろうか、このように判断いたしております。 なお、一般消費先で起こっております百六件の事故件数の内訳でございますけれども、原因別に見てまいりまして、消費者自身がもう少し注意しておればという、いわゆる消費者の不注意に基づく事故件数が四十九件ございます。また、販売店の保安サービスがもう少し徹底しておればと思われるような事故件数が二十四件でございます。また、販売店自身の処置に欠陥があって起こりました事故、これが九件でございます。それから燃焼器具等器具の故障による事故が七件ございます。その他十七件というふうな状況になっておるわけでございまして、依然として消費者の保安上の注意能力の不足、あるいはまたこれを何らかの形で補完しなければならない、こういうふうな事態が非常に強く出てまいっておるように判断いたしております。
○佐野(進)委員 いまの説明によると、去年の例は、この前の資料の中にあるように、消費者の不注意が三三%であるのに対して四九%になった、販売店の処置が一三%から九%、器具の欠陥が一二%から七%、こういうような形ですから、事故件数そのものが増加しておるとはいいながら、実際上さらに対象取り扱い消費者の数が増加しておるのに対応して、消費者のこれらに関する知識の不足、こういうことが事故件数の増加の原因になっている、こういう説明のように聞き取れるわけです。したがって、それと関連して、いま世上いろいろやかましくしている問題の中で、LPスタンドができる、こういうことになると非常にたいへんだということで、一種のLPGの恐怖症というようなのが社会的な一つの通念になっておるような状況であろうと思うのです。東京の墨田区におけるLPGスタンド建設については流血の惨事さえ招いておる。あるいは名古屋はじめ八王子その他全国的にそういうようなLPG恐怖症というものが非常に蔓延しておるような形になっておる。それに対応するこれらの許可の権限は都道府県知事にあるということで、都道府県知事は許可条件に適合したものについては許可を与えなければならないということで、住民感情にそぐわない面があっても許可条件に適合したということだけでどんどん許可を出す、許可を出せば地元で反対が起きる、反対が起きると収拾できなくなって、またそれぞれの地方公共団体の長なり議会なりがそれに乗り出す、こういうようなことが繰り返し現在行なわれている実情です。そういうような状況に対して、直接責任官庁であるべき通産当局は全然手をこまねいて、これに対する具体的な指導なりあるいはそういう許可条件なり何なりに対する解釈なりというものを統一的に出していないという点が、それぞれ地方における関係当局や住民あるいは業者間における非常に不満の原因になっておるわけです。いまの御説明によると、実際上消費者の不注意ということが大部分であるとはいいながら、一つの事故が起きれば、消費者はそれがすべてLPG、プロパンによって起きたんだという恐怖観念につながることは当然のことだと思う。したがって、こういうような各充てん場設置が行なわれる際地元との間に起こる必然的なトラブル、そういう恐怖感、こういうものに対して保安の見地から、あるいはまた指導の見地から、私どもは何にも通産当局はやってない、こう思って非常にいらだたしい思いをしておるのですが、的にどのような取り組みをしておるか、この際具体的にこういう事例についてこうやりましたということがあれば聞かせていただきたいし、なければ、さらに私のほうから引き続いて質問をしてみたいと思う点があるわけです。
○吉光説明員 ただいまお話にございましたように、最近特にLPGのスタンドの設置をめぐりまして、そのスタンドを設置される場所の地域住民の不安感と申しますか、そういうふうなものとの関係で、これは東京だけではなくて名古屋地区にもございますし、至る所で相当数多く紛争が起こっておるという状況でございまして、ただいまお話ございましたように、直接的にこの解決に当たっておりますのは各都道府県そのものでございますけれども、ただ問題の発展いかんによりましては、通産省自身が直接乗り出したほうがより解決しやすいというふうな例も間々ございまして、そういう場合には私どものほうの担当官自身が直接現場におもむいて、お互いの話を聞くというふうなこともやっておりまして、それによって解決した事例もございます。 ただ何と申しましても、ただいまお話ありましたように、高圧ガス取締法自身は、あくまでもスタンドの位置なり構造等について一定の技術上の基準に適合いたしておりますと、原則としてこれを許可するというたてまえをとっておりますので、したがって現在の高圧ガス取締法自身に基づいては許可せざるを得ないというふうな面があるわけでございますけれども、ただ先ほどお話ございましたように、技術上の基準に適合いたしておりましてもなおかつ不安感があるというふうな状況でございますので、実際にそういうふうなトラブルが起こっておりますところにつきましては、先ほど役所自身と申し上げましたが、さらにそのほかに高圧ガス保安協会の専門家の方にお願いいたしまして、その場合の技術上の基準に現実に合っているものがどういう形であるかということについて付近の方々とお話し合いをしていただいたり、あるいはまた本来的に要求されている技術上の基準以上の基準を現実の問題としてある特定の場所については適用してまいる、そういうふうなことを勧奨すると申しますか、そういうふうなことで処理しておるケースが多いわけでございます。実際問題としまして直接的には都道府県でやっておりますので、先ほどちょっとお話ございましたように、東京都の件につきましても、現在東京都知事自身がごあっせんに入っておられるという状況でございますので、したがいまして、東京都のケースにつきましては、現在私どもは東京都知事にお願い申し上げておる、こういう状況でございます。
○佐野(進)委員 いま都知事にあっせんに入ってもらっておるということですが、その都知事のあっせんということが、高圧ガス取締法という法律の中での許可基準、それに適合したということになっているという解釈で、東京都当局は一昨年あるいはことしというように許可をしてきているわけです。したがって許可をしているという現実の前には、許可を与えた本人が、それはいけない、いけるというわけにはなかなかいかないというところのジレンマに悩まされておるという事例もあるのですが、いずれにしても、その許可を求めた立場の人たちも、許可を与えてくれなければこういうことにならなかったじゃないか、それから許可を与えられたことによってそこに事業所がつくられようとする住民の人たちも、あれほど許可についていろいろむずかしい問題があったのになぜ許可を与えたのかということで、両方で関係当局とこの問題については都当局に詰め寄っておる、こういうような実情になってきておるわけです。したがってその実情の中においては、このLPGというものの持つ、さっき言った消費者の層における無理解というか、まだこれらについて十分理解しておらないという一種の恐怖的な感情があるという形の中において、いまの高圧ガス取締法が、市街地の中に単に許可基準に合致したからといって設置するということだけでは律し得ない非常にむずかしい微妙な問題があるように思う。私は、その問題は、いま新法とは直接関係のないいわゆる自動車燃料については、これは除外されておる問題ですから、特にここで時間を長くかけようとは思いませんが、しかし、いずれにしても関連した問題は当然処置しなければならぬ問題になってくると思うので、いま申し上げたような点について通産当局は、特に地元のほうにおいても都の当局においても通産当局の指導を仰がなければならない、こういうような意見が非常に強くなってきておる段階の中で、単に都のほうにまかせておるということだけでなく、積極的なひとつ取り組みをしてもらわなければならぬじゃないか、それがやはり新法をつくる精神と一致していくのじゃないか、こういうぐあいに考えるわけです。特に現在においてはいわゆるかえ地ということが具体的な爼上にのぼって、そのかえ地に該当する地域が工場街にある、工場移転に基づく措置によるならばそれが何とかなるというところまできておるけれども、東京都という行政庁の力だけではなかなかむずかしいというような見解等もあるわけですが、この機会でありますので、これらLPG関係についての住民とのトラブルその他について、通産当局としてもっと積極的に取り組んでもらいたいという考えを含めて、通産政務次官の見解をひとつ聞いておきたい、こう思うわけです。
○宇野説明員 先ほどから仰せのとおり、プロパンのガスの消費人口もふえたことでございますし、特にそういうようなトラブルがあちらこちらに起こることも私たちは承知をいたしております。したがいまして、当然新法をここにつくったゆえんもそこにあるわけでございますが、やはり通産省というものがその総元締めとしてしっかりした態度で臨まなくてはならない、それによって消費者にも不要な不安を取り除き、なおかつ保安の確保と同時に、消費者保護をあわせて行ない得るような体制を今後とも強力に進めていきたい、かように存じております。
○佐野(進)委員 その次に、いまこれに関連して、保安の確保の問題で、局長のほうから高圧ガス保安協会のことについて説明がありましたので、保安の確保上、いわゆる新法の中でも、あるいはいままでいろいろの説明の中でも特に強調せられておる高圧ガス保安協会のことについて、二、三質問をしてみたいと思います。 高圧ガス取締法の五十九条の二以下に高圧ガス保安協会の内容等が詳細に記されておるわけですが、私はそれと関連して、新法の中で保安を確保するという部面における内容が幾つか条文としてあるわけです。その中で、通産当局は、その保安の確保の最重点として、法律の中に、いわゆる都市ガスのほうには全然そういう文句が盛られておらない「高圧ガス保安協会」、特に「協会」と略称をつけている、その文章を用いて保安の責任を保安協会のほうにまかせる、委託する、それによって保安を確保するんだ、こういうように何か一つ責任を回避する、そのための手段として保安協会をあげておる、こういうような印象を各所に見ざるを得ない。これは私の印象であるかどうかわかりませんが、そういうものがあるのですが、私は、この高圧ガス取締法における保安協会の果たさなければならない役割りということについては、当時の状況として、高圧ガスというものが急激に社会情勢の中で発展した過程の中でこういう考え方があらわれて、それが一つの機関として、特殊法人として存在したという歴史的な役割りは、これは認めなければならないし、また現在においても、それぞれの立場において果たすべき役割りがあろうかとも思うのです。しかし、こういうような特殊法人は必要でないというのが、現在の政府部内における一つの機関である行政管理庁あるいは監理委員会等において意見として出されておる。そういう状況は一体何によってあらわれてきておるのか、このことについて、そういうつくっておることと現在の状況について、これは局長でけっこうですから、まず最初に説明をしてもらいたいと思います。
○吉光説明員 ただいまお示しいただきましたように、高圧ガス保安協会は、高圧ガス取締法に基づきましてできておる協会でございますけれども、先ほどお示しいただきました五十九条の二のところにも書いてございますように、これはあくまでも高圧ガスに関します技術的な事項についての調査、あるいは研究あるいは指導あるいは保安に関する検査というふうな業務を所掌いたしておるわけでございますけれども、この保安協会の一番大きな任務といたしておりますのは、やはり技術上の基準につきまして全国的に統一さるべきものというふうなものにつきまして、これを作成してまいる。そうすることによりまして、あくまでも保安それ自身については業界の自主性による保安体制というものができていないと、取り締まりだけでは保安体制は完ぺきではないというふうなところに根ざしておるわけでございまして、そういう意味から業界自身の自主保安体制を高めるためにあえて設けられた機関であるというふうに私ども考えておるわけでございまして、今度の新法の中におきましても、実はその目的の範囲内におきまして、技術上の全国的な統一的基準をつくるというふうな、そういう意味の補完的な役割りを果たしていただこう、こういうつもりで条文の中に組み込まれておるわけでございます。したがいまして、あくまでも保安の前提になるべきものは、民間企業はもちろんのこと、それぞれの民間団体自身において自主的に果たしてもらわなければならない、そういう事項が多々あるのではないであろうか、このように考えておるわけでございます。 なお、先ほど行政監理委員会のほうのお話が出ておりましたけれども、その現状でございますが、一応事務的に私のほうに示されております段階におきましては、高圧ガス保安協会という特殊法人をそのままの形で民法法人に移管したらどうであろうか、こういうふうなお示しをいただいておるわけでございます。ただ、これが通常の検査機関等と違いまして、あるいはまた通常の特殊法人といいます場合に、国から相当の出資金がございますとか、あるいはまた補助金が出ておりますとかいうふうな機構ではないわけでございまして、実は特殊法人にはなっておりますけれども、いずれかといえば、社団法人に近いようないわゆる会員制度でございまして、会員の会費がこの協会の財源収入でございます。同時にもう一つは、協会自身の事業活動、たとえば講習会をやります場合の講習料でありますとか、あるいは書籍等を頒布いたしました場合の収入でございますとかというふうな、そういう会員組織によります会費と、そしてそういう意味での事業収入と申しますか、この二つが主たる財源でございまして、他のいわゆる特殊法人に見られるような国からの資金的援助というふうなものは一切いたしていないわけでございます。ただ現実の問題としまして、委託事業費というのがございまして、これは先ほどお話ございましたような消費者への啓蒙、教育の問題でございますとか、あるいは先ほど私ちょっと話しましたLPGスタンド等の点検、指導等をやるための経費でございますとかというものにつきまして、一部国が保安協会自身に委託して事業を営んでもらっておる面があるわけでございます。しかし、これはあくまでも補助金でございますとか出資金でございますとか、そういうものとは全然性格を異にいたしております。したがいまして、いますぐにこの際高圧ガス保安協会というものについての特殊法人としてのベールを脱ぐのがいいか、あるいはまたもう少しそこらの自主的な——何と申しましても技術上の基準につきましては、全国的に画一的な基準が適用されるということが必要でございますので、そういうふうな状態が関係業界に成熟いたしますと申しますか、そういう段階になってこのベールを脱ぐのがいいのか、そういう意味で私ども自身も現在検討を加えておる、こういう状況でございます。
○佐野(進)委員 私は、いまの問題は、いわゆる新法の中に、行政管理庁のほうで、監理委員会のほうで指摘し、いま局長が答弁しておるような通産当局の考え方があるという中で、特に十八条に一項を設けて、高圧ガス保安協会というものがこれらの仕事をなすのだ、以下協会と称する形の中で、協会というものが保安行政の中心にあるのだ、いわゆる保安協会というものを通じてLPGの保安行政をやるんだ、こういうように受け取られなければならないような考え方、あるいはそれに基づく指導のしかた、こういうものがいまの局長の答弁とは非常に食い違っておるんじゃないか、またそれが実際上、何というか、いろいろの部面に新法運営にあたって障害を起こすのではないか、こういうような気がするわけです。特にそれらについてこの十八条は、保安教育という問題で出ておるわけですが、十九条のほうにおける業務主任者その他についてはあとでまた触れますが、せっかくこの機会ですから、関連して三十九条ですか、検定の場合に器具の検定というのがありますが、それとの関連の中で、ここで別に保安の内容に入って質問するわけではありませんが、関連がありますから聞いておきたいと思うことは、この中で「通商産業大臣、協会又は通商産業大臣が指定した者(以下「指定検定機関」という。)」という項がありますが、この項との関連を考えたとき、一体高圧ガス保安協会というものと、特に以下指定検定機関、大臣が指定した者という形との表現の中にどういうような関連を持つのか、あるいはどういうような関連ということでなく、協会云々ということがこの新法の保安確保の上の基本的なバックボーンというのか、そういうものであるということとの関連の中でひとつ明らかにしておいてもらいたいと思います。
○吉光説明員 ただいまの御質問は二つの問題があったかと思うわけでございますが、まず第一に、保安教育そのものについて高圧ガス保安協会が仕事をやるということについての問題と、第二は、器具の検定業務についてやり得る立場にある、これはどういうことであるかということとの二点であろうかと思うわけでございます。 保安教育の問題につきましては、実は新法自身で創設したと申しますよりか、むしろ現行法の二十七条に、保安協会自身が保定教育計画をきめ、これを公表しろというような、保安教育それ自身について現在やっておる立場があるわけでございますので、それをそのまま踏襲いたしたというわけでございます。 それから、機械器具の検定関係でございますけれども、私ども現実に考えておりますのは、民間の団体の指定されました者、いわゆる指定検定機関と申しますか、このほうでやっていただくことを中心に考えておるわけでございます。ただ、こういう制度をつくりました場合に、指定検定機関が全然名のりをあげないと申しますか、これはちょっとあり得ないことだと思いますけれども、万一の場合そういう事態があったというときに、通商産業大臣と書いてございますのは、これは実は工業品検査所を持っておりますので、そこでお手伝いするということになろうかと思いますけれども、全国的な問題でございますので、それだけでも足りないというときに、これは万一の場合を想定いたしまして、ここに協会ということばが入れてあるわけでございまして、現在協会にこういう仕事を具体的な問題としてやらせようというふうなことで考えておるわけではございません。あくまでも民間のほうの指定検定機関でやっていただく、これが第一であるというふうな考え方をいたしております。
○佐野(進)委員 私はさっき質問の冒頭申し上げたとおり、保安協会というものが過去に持った歴史的な役割りと、いま持つ各界における認識ないし果たさなければならない現在の役割りというものについては、時代の変化とともに相当変わってきておると思う。したがって、そういう変わってきておることをいまの時代にどう適応して直していくかというのが当局の当然考えなければならぬことだろうと思うのです。にもかかわらず、いま局長が答弁しておるように、新しい法律をつくるに際して、この古い法律の変わり得べき、変わってきておる、現実に目をおおって、あえてそれをこの法律の中に生かしていこう、こういうような形の中で十八条に項を起こすというようなことは、この新法を運営していく基本的な姿勢に何か便宜的なものを感ぜざるを得ない。私がさっき言ったとおり、一般の消費者はこれらの取り扱いについて非常に恐怖感と無知というか、そのために災害を起こしておる、こういうような現実、それを除去することが法律をつくることの精神だとするならば、これらの対象者に対して親切丁寧かつ具体的に、その恐怖感を取り除くような、そういう措置を講ずる直接の取り扱い者に対し、責任というかその依頼をするというか、そういうような形を法文の精神の上でも実際的な運営の上でも考えていくことがいいのではないか。そういう考え方に立つと、非常に古くさい、何かおっつけてやれ、かっこうつければいいのだ、こういうような考え方に結論づけざるを得ない。いまの答弁を聞いても、局長の答弁とこの表現されている文章とではだいぶ違っているような感じがするわけです。これはしかし、また次の国会に提案されたとき、私ももっと研究して、十分ただしてみたいと思うことですが、局長のほうでもこれらの面について、この文章上の問題と運営上の面についてどうあるべきかということについては、もう少し明確なる見解を出していただけるようにひとつ研究してもらいたい。この要望をして、この項における質問を終わりたいと思います。 その次に、この新法の中で一番の問題になるのは、さっき言ったとおり事故をなくする、保安の確保をする、こういう面から、実際消費者が安心してプロパンを使うことができる、そういうような形のために、取り扱い者である人たちがよくその取り扱いの内容を熟知して、心配のない措置をするということが当然必要になってくるわけです。そういう意味において第十九条以下それぞれの条文が設けられておるということは、私はきわめて適切だと思うのですが、ただ考えられることは、何でもここで制限を強化することによって問題が貫徹でき得るのだというような形が、この中ではあまりにも形式的にあらわれているように考えられてしかたがないのです。いま、政省令を検討している最中だというお話がございましたので、あえてその点についてお聞きしたいのですが、第十九条以下で販売事業者が販売主任免許を持ち、それから業務主任者という者をこの法律に基づいてきめて、さらに業務主任者の職務を代理する者をきめて、それがなければ一つの販売所としての体をなさないのだということになるわけです。ところが、現実の問題としてプロパン業界が全国に六万あるとして、六万の業界の中には大きいのもあれば小さいのもある。いわゆる小は五百戸か三百戸程度のプロパンを配給することによってその営業を成り立たせているものもある。ところが、この規定に基づいて、高等学校を出て以来何年以上実務に携わり、大学を出てどうというような、おそらく施行規則でそういうことになってくると思うのですが、そういうのが現実に三名もいなければ一つの事業所は成り立たないということは、いわゆる弱小業者の切り捨て、形式は整ったけれども、実質的には大企業に集中するという形の中でなければ処理ができないというような印象を与えるのです。それはそうでないということになるかもしれませんけれども。いずれにしても、どの業種にしても非常に高給を出さなければ採用することができ得ないような資格条件を前提とした販売主任者、業務主任者、業務主任の代理者、こういう重複した形がはたして現在の取り扱い状態の中において可能かどうかということになると、たいへん問題があるような気がするのですが、それらについての考え方について一応伺っておきたいと思います。
○吉光説明員 お話がございましたように非常に困難な問題があろうかと思うわけでございます。これらは、申し上げるまでもないのでございますけれども、現在の高圧ガス取締法におきましても、販売所ごとに国の試験を受けました免状を持っております販売主任者を置くことになっておりまして、現在五百戸以上の顧客に販売をいたしておるという場合には、この販売主任者免状を持っている人を二人以上置かなければならない、それより少ない場合には一人以上必ず必要であるということになっております。したがって、そういう販売主任者免状を持っておる人につきましては、実は現行法と同じでございますけれども、御指摘のございましたように、販売主任者の代理者と申しますか、業務主任者というふうに呼んでおりますけれども、その代理者を置くという制度が実は新しく設けられた制度でございまして、この代理者の資格につきまして、どういうきめ方をすれば、最も現実の実態に合った形で、しかもなお保安サービスをすることができるか。これを、あまりにも資格の面を強調いたしますと、現実自身の姿に合わなくなりますし、逆にあまりにもルーズに扱いますと、実は何のために置くかというようなことにもなるわけでございまして、そこらの実際の経験と申しますか、それをどの程度に判断したらいいかという点につきまして、現実の実態、あるいはまた取り締まり官庁でございます都道府県等の意見をも聞きながら最終的にきめてまいりたいと思っておるわけでございます。たとえば、先ほどお話がございましたような零細のほうの問題につきましては、実はその奥さんあるいは子供さんであるか、成年に達したただ一人だけの主任者がおられて、それが不在のときにはどういう相談にも応じられないというような事態ではなくて、そこらの人でも相談に応じ得るくらいの、それくらいの何らかの知識経験と申しますか、そういうようなものが立案できないものであろうかということで、実は現在保安の確保の必要性の面と、現実の実際上の要請の面と、そこらをあわせ考えました上で最終的な決定をいたしたい、このように考えております。
○佐野(進)委員 時間がだいぶたちましたので、保安の確保の問題については終わりたいのですが、政務次官に最後にお尋ねしておきたい。それは、いわゆる保安の確保が本新法の一番大きな柱になっておるわけです。そういたしますと、保安の確保をどうやって守るかということについては、何といっても一番大切なことは、これを取り扱っておる人たち、これを使用しておる人たち、こういう人たちがこん然一体となって、プロパンの使用によって利益を得、生活を向上さしておる、その中に危険をなくするというところに気持ちが一体にならなければならない。それをこの法律によって保護し育成していくということでなければならない。いやしくもこの法律ができることによって、この法律を利用することによって、自己の権限なり自己の立場なり、そういうものを擁護しよう、擁護されようというようなことがあったのでは法律の精神は失われていくと思うのですが、そういう面で一番気になるのは、やはり先ほど来申し上げておる保安協会の果たす役割りが、必然的に業界の圧迫なり使用者への高圧的な指導ということになる、こういうようなところがあったのでは、都道府県におけるそれぞれの役割りもまた縮小せられてくるというような形になってくると思うのです。したがって、こういう点については、通産当局として十分なる配慮をしていただきたい。この法案を読む中で、保安協会の果たす役割りを非常に曲げて、無理して、こちらのほうへ持ってきているような感じがする。こういうような点もありますので、こういう点について、これから取引の適正化に入りたいと思うのですが、一応政務次官としての見解をこの際お伺いしておきたいと思うわけであります。
○宇野説明員 この法案はあくまで保安確保であります。大きく言うならば消費者保護でございます。かねて私申し上げましたとおり、消費者保護ということを完全に実施せんがためには、やはりそれに対する業界の安定も必要でございます。ところが安定ばかりを叫んでおりますと、結局いま仰せのとおりに権限を振り回すというようなことがあってはならないと私は考えます。もちろん、この法案の中には、いろいろとそうした販売機関に対しましては十二分なる義務も課しておるわけでございますから、いやしくも販売業者といたしましては、みずから自主的に保安を確保する、そうした精神を持っていただいて、やはり消費者保護というこの行政に協力をしてもらわなくてはならない、これが通産省の目的でございますから、いま仰せの点は今後も詳細に検討いたしまして、いやしくもこの法案の趣旨を逸しないような行政措置がとり得るように十分の配慮をいたしたいと考えております。
○佐野(進)委員 次に取引の適正化について若干質問したいと思うのです。 取引の適正化という形の中では、この法案の中でもいろいろ具体的にしるしてあるわけですが、私は、第二条の解釈問題と、第三条、第十三条、第三十条に関係する表示と残ガスの処置の問題、第三十九条の検定機関の問題等について質問してみたいと思うのです。 まず第二条の解釈問題の中ですが、「この法律において「液化石油ガス」とは、プロパン、ブタンその他政令で定める炭化水素を主成分とするガスを液化したもの(その充てんされた容器内において気化したものを含む。)」こういうぐあいに書いてありますが、ボンベの中からいわゆるガス器具へいく間にいろいろな過程があると思うのです。いわゆるベーパーライザーというものを通して供給するとか、あるいは直接的に供給するとか、その供給の方法についてはいろいろあると思うのですが、この精神は一体どういうようなことなのか、その点について、まずこの文章の中で私の解釈と合っているかどうかということについて聞いてみたいと思うので御質問するわけです。第二条の一項についてひとつ御説明をしてください。
○吉光説明員 第二条の一項の解釈の御質問であろうかと思うわけでございますが、すでに先生十分御存じのごとく、液化石油ガスということで定義いたしておりますけれども、この定義の主体になっておるものは、ガス化されたものと申しますよりか、液状のものと申しますか、そのもと自身をつかまえたいという意味で定義をくだしておるわけでございます。したがいまして、「プロパン、ブタンその他政令で定める」こう申しましても、やはりエタンとかプロピレンだとか、いろいろこれに似通ったようなものがあろうかと思いますが、そういうふうなものも規定いたすつもりでおるわけでございます。もちろんこのカッコ内でいっておりますように、充てんされた容器の中で自然に気化しておるものもございます。普通の場合で申し上げますと、たとえば八〇%程度液体自身を充てんいたしますと、二〇%程度のものは液から気体になっておるというものも同じボンベの中に入っておりますので、その程度のものは中に含むということにいたしまして、現実に液体の状況であるそのものを実はさしているつもりでおります。
○佐野(進)委員 非常にむずかしい問題になりまして、私もそれほど研究をしているわけじゃないのでよくわかりませんから、質問もぴんとこないと思うのですが、いわゆるガスボンベの中に入って液化しておるものが、立てておくことによって気化する、これは一つの条件で、したがって、その中では気化されたものも含むということになるわけですが、そのボンベから家庭の器具に出るまでの間に、たとえばアパートならアパート等にある場合、一つの何か気化するために必要な装置を通る場合もあろうかと思うのです。そういうものも当然含まれるのかどうか、そういうことはどういうことになるのか。
○吉光説明員 ちょっと技術的な問題で、私質問をあるいは取り違えておるかもしれませんけれども、その際はお許しいただきたいのでございますが、この法律で、定義の二条の一項でいっております液化石油ガスというのは、あくまでも液化石油ガスそのものの定義でございまして、要するにそれが液化された形で入っているものということを意味しておるわけでございまして、現実の取引形態といたしまして、液化されたものが調整弁を通りまして、あとガスの形でずっと実際に使用し得る形になっていく、その過程におけるガスそのものは二条一項自身には入っていないわけでございます。これは、実は一番大きな問題になります三項の液化石油ガス販売事業の場合のガスが、どの段階でのガスであるかということとからみ合ってくる問題ではなかろうか、このように考えております。
○佐野(進)委員 これは、いま局長の言ったように非常にむずかしい問題があります。私もまだ十分研究しておりませんので、その点についてはしばらくおくといたしまして、第三項に関連する問題ということでいま局長が言われましたので、その問題について若干質問してみたいと思うのです。 今度の法律が出る際に一番問題になったのは、都市ガスとの関連の中で導管供給をどうするかということであり、私どものほうへも両方から陳情なり要請なりがきて、非常に私どもも研究をしてきたところです。そこで、結局それらの問題については一応たな上げして、保安の確保と取引適正化をはかるんだということで、今度の法案が出されてきておるわけです。しかし、これはこの前私が通産大臣あるいは政務次官に質問した中で、エネルギー審議会の中で一年間ぐらいの間に結論を出して、その問題についてどういうぐあいにするかということをきめるんだ、こういうお話で、エネルギー審議会のほうへげたを預けたということになっておるわけですが、しかし、どうしても、そういうような形になっておりながらも、現実の問題として、いまやられつつある導管供給ということと、各地方における都市ガス業者とLPG業者との中における問題、これはこの前福岡等においても問題が発生して、地元の議員さんが中へ入って調整したという話もあるようでございますが、そういう点等における問題がございますので、この際ひとつ都市ガス事業との関連の中で、導管供給という問題について、当局として、いまの時点の中でどう取り組もうとしておるのか、あるいはこの法律の第二条第一項、第三項の形の中でどういうような表現としてこれを位置づけようとしておるのか、この点についてひとつ局長の見解をお聞きしておきたいと思います。
○吉光説明員 ただいまお話ございましたように、実は第三項自身は、根本的な解決をつけていない形で、その調整自身につきましては将来にゆだねたという形をとっておるわけでございまして、先ほどお話ございましたように、総合エネルギー調査会の中にこのガス部会を設けまして、そこで検討していただくということで、実は昨日そのガス部会の第一回が持たれております。したがいまして、ある一定のスケジュールをもって、そういうガスの転換等に伴いますガス供給形態というものはどのようになったらいいかという点につきまして、現実の都市ガス業者、現実のLP業界というふうなものについて、どういう事業形態であれば最もふさわしいかという点についての検討を開始いたしたところでございます。したがいまして、そこの結論が出るまでのいまの時点においてどのように処理するか、こういう御質問でございます。現状におきましては、すでに先生御存じのとおり、現行の高圧ガス取締法だけの取り締まりを受け、その許可を受けてLP事業のいわゆる導管供給をやっておるという事業者はございます。それからまた同時に、相当数まとまりました集合団地等におきましては、ガス事業法の許可を受けまして、ガス事業者として現実にガス事業をやっておるというものもあるわけでございます。現在までのところ、そこらの現実の確固たる——確固たると申しますか、具体的な数字でどうだという意味での結論等までには至っておりませんので、非常に恐縮でございますけれども、何と申しますか、実際問題として、そのガス事業の認可に当たっております部局と、LP関係等の保安の任に当たり、あるいはまた生産、需給等の任に当っておる部局と密接な連絡をとりながら、一件ごとについてと申しますか、相談し合いながら具体的に処理をしてまいっておるというのが現状でございます。
○佐野(進)委員 いまの局長の答弁でも、だいぶ困っておるということがよくわかるのですが、私はその困っておるということが、この新しい法律ができ、そしてそのエネルギー調査会のほうの結論がなかなか出ないという形の中においてはますます助長されていく危険性というか可能性、そういうものが当然予想されるわけです。したがって、そういう面において、できる限り早くこういう点についての考え方をまとめなければいけない、少なくとも一定の基準というものを早く出さなければいけない、こういうような感じがするわけです。そこで参考までに、これはこの次の審議の必要上聞いておきたいのですが、ガス会社、いわゆる都市ガス業者であって、LPGの配給というか、ボンベによるガスの供給を行なっておる会社、そういうものは全国的にどのくらいあるのか、それからLP業者であって、都市ガスを経営しておる、あるいは経営に参加しておる、こういう業者はどのくらいあるのか、この際参考までに聞いておきたいと思います。
○吉光説明員 実はいまお示しの資料でございますけれども、手元に持ってまいっておりませんので、後ほど資料の形で御報告申し上げたいと思います。
○佐野(進)委員 私は、非常に大切なことなので、いたずらにけんかばかりしておるのが能ではないだろうと思う。そういうような形の中で、お互いに食い違うような形が出てくるのがはたしていいかどうかという議論があるのですが、資料でということですから、資料でがまんしておきます。 その次にもう一つ重要なことは、LP業者と都市ガス業者の対立点ということの中で供給区域というのがあるわけです。ガス事業法の中で、供給区域というのが重要な法律の何といいますか原因になっておるわけですが、そこで、この供給区域というものを設けておる精神、それは私も幾らかわかるつもりですが、これはどういうような精神で設けておるのか。その供給区域というものの中では、ガス事業法によれば供給の義務を負うとなっておるわけですから、したがって、供給してくれという申し入れがあれば、どの程度離れておっても、当然供給しなければならない。供給に該当し得ないところについては、供給区域として指定することは法律の精神に合わない。しかし、合わないけれども、現実にはそれがあるという矛盾がある。したがって、供給区域内における問題というものが、内容を検討していくと、新法の中における重要な問題になってくるわけであります。したがって、供給区域というものをきめた経過と、それからそれらについて、その供給区域を拡大するということがどのような条件の中では発生するのか、非常に幼稚な質問のようですが、原則的な問題なんで、この際聞いておきたい。
○井上説明員 ただいま先生から、ガス事業法でガス事業者に対しまして許可を与えますときに、供給区域を定めて許可することになっておりますが、その趣旨は何かというようなお尋ねでございます。御承知のようにガス事業は、先生に申し上げるまでもないことでございますが、特に都市ガスの形態をとりますときには、多数の消費者に対しましてガスを供給する相当広域にわたる場合があります。製造形態あるいは各家庭に導管をもって供給する。特にガス事業法では、導管をもって供給するものをガス事業者という考え方をとっております。したがいまして、そういう形態で広域にわたってガスを供給していくという場合に、当然この供給区域という問題がございます。特に許可を与えるに際しまして、消費者の利益とかあるいは公共の安全というような観点から、そういった形態で供給いたしますときにやはり供給区域という問題が当然起こってまいります。ガス事業法におきましては、そういった観点から、ガス事業の許可をいたしますに際しまして、消費者といいますか家庭に導管供給をもってサービスする区域、これはどういう範囲かということを許可の条件にいたしております。その区域を与えますと同時に、その反面、これは完全独占とは思いませんけれども、独占的な形を付与することにもなりますし、したがいまして、その当該ガス事業者に対しましては、その反面供給義務を課している。消費者の利益のために、特にこの供給区域内におきましては、正当な事由がなければガスの供給をこばんではならないというような義務を課して、消費者の便益を保護するというような考え方をとっております。概括して簡単に申し上げますと、供給区域につきましては、ガス事業が導管供給を行なうガスの供給者というような意味合いからして、供給区域というのを関連して設けておるというような考え方でございます。 それから、供給区域を広げます場合には、当然ガスの需要者があるわけでございますから、ガスの需要が拡大される。導管供給の区域がありますが、さらに都市が過密化したりあるいは周辺地域の発達につれましてガスの需要が増大し、導管をさらに延ばして供給する必要があるといいます場合には、消費者の要望によりましてガスの供給をする。その場合には事業許可にいたしておりますので、供給区域も拡大させる必要があるというように考えております。
○佐野(進)委員 公益事業局長かわったばかりだから、あまり質問しても悪いから、きょうのところはこの程度でやめておこうと思うのですが、ただ私は、導管供給の問題が新法運営とこれからのLPGの保安の確保と取引の適正化をはかる上に非常に重要なポイントになってくるわけですから、これは避けようとしてもどうしても避け得られない問題になってくるわけです。都市ガス業者もそういうことについてそれは困ると言いながら、みずからそれをやろうとするようなかっこうもあるわけですから、これらについてはきょうは時間的な余裕もありませんからこの程度で打ち切りますが、第二条の一項と三項の問題については、当局、あなた方のほうも十分研究してください。私のほうも研究してこれに対する考えをひとつまとめてみたいと思います。 それからその次に第十三条と三十条の問題です。非常に法律の条文に入るような形であれですが、施行政令や省令をつくるということがいま言われておりますので、その面に関連して、できちゃったあとで法律の精神と違っているとかどうとかいうことになっても困ると思うので、一応聞いておきたいと思うのです。 これによると、封印された、封を施した容器に充てんされているものでなければ販売してはならない、こういうことになっておるわけです。そして三十条では表示について規定しておるわけですね。いわゆるどういうものであるかという形の中で、その表示を行なっておるわけです。ところが一番最初新しいボンベができて、そしてその表示が一級、二級、三級となるのかあるいはAクラス、Bクラス、Cクラスになるのかわかりませんが一応表示をやる。一応一番最初ボンベができてなまガスを充てんする、そのときはAだった。それが、一回使ってしまって、そのあと新しいものをまたボンベを買ってきて入れる、こうすれば問題はないのですけれども、現実の問題としては、あいたところへまた入れる。そうすると、いいガスは先に使われてしまって、悪いガスが残る、残ったところへまた入れるという繰り返しになれば、最初一級であったものが二級になり三級になり、その繰り返しの中では、ボンベの表示は一級であっても、内容は何級かになってくるんじゃないか、実際上の考え方としてはこういうような気がするのですね。それはそうじゃないというんなら、そうじゃないということをひとつお示し願えればいいのですが、そうするとこの十三条と三十条の級をきめるということの中で、どのように消費者に対してサービスを徹底することができるか、こういうことになってくるわけです。表示と内容と違うものが売られるということになってくると、またたいへんなことだと思いますが、これらについてどういう措置をしようとしておるのか、ひとつ聞いておきたいと思います。
○吉光説明員 現在検討を加えておるところでございますけれども、そもそも販売制限あるいは表示ということで消費者を保護いたそうというねらいそれ自身は、現在実際に販売されておりますボンベ等で申しましても、その中の成分もまちまちである、ブタン、プロパンその他それぞれの成分がまちまちであるというところからきておるわけでございますけれども、そのまちまちであるという分について、お話のこれがA、B、Cになりますか、一級、二級、三級になりますか、何かの符号をつけることになると思いますけれども、あまり細分したものではそれほどの意味ないわけでございますので、ある程度大まかな幅を持った規格基準というものがきめられることになろうかと思うわけでございます。したがいまして、いま御指摘のような問題、実はボンベの中に常に残ガスがなくて、からっぽのままで充てんするということになれば、これは明瞭でありますけれども、残ガスを伴う場合もあるわけでございますので、したがって、その場合には、残ガスの量それ自身がある一定度のところでなければ新しいものを——何といいますか、残ガスの量それ自身について一定の基準を設けると申しますか、そういうふうなことでもすればそこらの点もわりあいうまくいくのではないであろうか、もちろんこれはまだ研究いたしている段階でございます。残ガスを全部洗い出せというほどのこともないということもございますし、もう少し技術的に詰めさしていただければ幸いだと思っております。
○佐野(進)委員 そこで、そうなると実際上ただ表示をする、それは検定機関ないし通産大臣の指定した者がそういうボンベをつくって表示をするのですが、取扱い者というのは業者であり、使う者は消費者だということになるわけですね。したがって、ここらの面をやはり十分考えた処置をとらなければ、単なる表示だ、うそ言っているじゃないか、こう言われてしまって、法律ではこうなっておりますが、実際上はそんなことは単なるあれだということになると、消費者はますますばかにされたような形で受けとめざるを得ないということになってくるわけだし、事実上表示が違えば値段が違う、安いのを高く売ったり、高いのを安く売らざるを得ない、こういう矛盾が出てくると思います。いま研究するということですから、これ以上追及してもしょうがありませんから、ひとつ十分そういう点について研究をして、省令施行の際に誤りないよう期していただきたいと思います。 その次は、取引の適正化の問題のもう一つに三十九条の検定機関の問題があるわけです。さっき関連して聞きましたけれども、さっきのは保安協会の業務が非常に強化されるという形の中で時代錯誤ではないかという点を中心にして質問したのですが、検定機関といったものについて通産大臣が指定するということが、さっき言ったとおり通産省は科学技術研究所ですか、ガス何とかいう形で言われておりますが、これらの点については実情に合うよう、これは時間がありませんから、質問というよりも実際の実情に合うように十分ひとつ処置していただきたいという要望を申し上げておきたいと思います。 最後に、時間がだいぶ過ぎて恐縮でしたが、私は大きな四つ目の問題として需給及び価格の安定の問題についてこの際質問をしておきたいと思うのです。 保安の確保と取引の適正化ということがこの法律の精神であるとはいいながら、実際上の問題としては、保安の確保をするについても、取引の適正化をするにしても、消費者も安心してガスが使える、これを供給する業者も喜んで供給に携わることができる、常に心配なくその業務に携わることができる、そういう背景をやはり法律の中でつくってやらなければいけないと思うのです。そうすると、需給と価格の安定ということがどうしても問題になってくると思うのです。ところが、プロパンそのものがここ十数年にわたって急激に発展してきている業種だけに、全国で五千万人消費者がいるといいながら、事実上まだ戦国時代的な様相。これを供給するほうも、供給を受けて消費するほうも、十分なる体制にあるとは言えないと思う。したがって、中東動乱の際、石油の貯蔵がどうかということでだいぶ議論になりましたが、大臣も政務次官もだいじょぶですというようなことを言ってきておりましたが、プロパンはそれ以上に不安定な一つの業種、業界だと思うのですが、需給の将来の見通しについて、ずっと先ということでなくて、当面の将来の見通しについてどのような状況になっておるか、この際聞きたいと思うのです。
○両角説明員 LPGの低廉かつ安定した価格によりまする供給を確保するということは、ただいま御指摘をいただきましたように、一般消費者にとりましても、またLPG産業の健全な発達のためにも、きわめて緊要なことであろうかと存じます。さような意味におきまして、まずLPGの価格の安定ということは、やはり御指摘のように需給の安定をはかっていくということがその基礎でございまするために、LPGの供給を安定的ならしめ、また需要に対応する弾力的な供給体制を整えるという意味から、一つはLPGの貯蔵設備、いわゆる備蓄タンクというものの増強に現在業界を指導いたしておる次第でございます。 さらにLPGの供給ソースというものは、輸入あるいは石油化学、石油精製、いろいろなほうから入ってまいりますので、それぞれの供給体制が常に安定的であるようそれぞれの業界に要請をいたしておる次第でございます。 また、今後の長期的な見通しにつきましても、中東動乱によりまするわが国に対する石油のLPGの輸入が、一時的な多少の遅延は起こったわけでございまするが、この十一月期からは一時的な供給の不足と地方的な不足といった事態は改善をされることになっておりまして、われわれとしましては、今後のLPGの需給関係につきましては平穏に推移するものと考えております。
○佐野(進)委員 貯蔵設備の施設の増強をはかっておるということですが、具体的にどういう形ではかるかということが問題になってくると思うのです。いわゆる供給業者が貯蔵設備をつくるのか、中間供給業者ですね、いわゆる業者がそれらのものをつくるのかということが一つの問題だと思うのです。したがって、そういう面における通産当局の指導の方法、これに対する育成の方法、これはどのようなことでどの程度の——幾日分くらいといった表現が適切かどうかわからないけれども、あるときはあり余って価格は安くなる、なくなったときは高くなるということがあってはいけないと思うのです。長期的な、応ぜられる程度をどの程度と見通しておるのか。
○両角説明員 LPGの貯蔵タンクの増強でございまするが、これにつきましては開銀の融資あっせんということで推進をはかる体制をとっておりまするが、これを行ないまする主体は、お話にございましたように、主として石油精製業者並びにLPGの輸入業者というものに、われわれのほうからは特にタンクの能力の増強を要望いたしておる次第でございます。また、タンク能力につきましては、少なくとも現在の水準におきましては一カ月分程度の能力の維持拡充を必要とすると考えております。
○佐野(進)委員 それでは、これに関連してということになるかどうかわかりませんが、二つとも関連するのですが、いわゆる価格の安定とそれに相関連する中小零細企業対策ということになるのですが、この二つの面について最後に質問してみたいと思うのです。いわゆる価格の安定というのは、実は私もこの前九州の公聴会に出て非常に驚いたのです。ということは、同じ熊本県で、ある主婦の人の話ですが、五割程度、これは極端な例ですが、同じ地域の中で三割程度、配給する、持ってくる業者の違いによって値段の差がある。もちろん内容に若干の差があるのでしょうけれども、そういうことは使う人はわからない。一つの地域の中で同じ消費者に対して配給してくれる人、業者によって値段が違う、こういうことが非常に問題になって、どの業者を選ぶかということがたいへん頭の痛いことです、こういうことをある奥さんが公聴会の席上で言っておられました。この価格というものが、さっき言われたように品質の表示が行なわれ、一級、二級、三級、A、B、Cということではたしてこの価格をそれに対応して決定することができるのかどうかということが非常に問題になってくると思うのです。現在いわゆる取り扱い者の不注意と消費者の不注意によって事故がたいへん多くできるという形の中で、取り扱い者がどうしてもせっぱ詰まって、もうければいいんだということになってそういうことになってくるということも考えられるわけですが、この価格ということについてはどういうようなきめ方をしようとしておるのか、指導としてどういうようにされようとしておるのか、この点ひとつお聞きしておきたい。
○両角説明員 LPGの家庭用の小売り価格というものにつきましては、ただいまのお話にございましたように、小売り業者の自由価格でございます。したがいまして、各小売り業者がその系統のLPGの卸売り業者から受け取りました価格に適正な経費並びに利潤を見積もりました値段でもって販売をいたしており、現在のところでは全国的におおむね八十円程度、安いところではさらにそれを下回ります七十円台もございますが、おおむね七十円から八十円というところでございまして、非常に極端なぶれというものは出ておらないかと思います。しかしながら、非常に不当な廉売をいたすといったような事態は、当然これは消費者の利益のためにも是正をいたさなければならないことでございますので、さような点の監視体制といいますか、注意につきましては、十分LPGの業界を通じまして要望をいたしておる次第でございます。
○佐野(進)委員 その要望しているのも、それは業界を通じての指導もいいけれども、実際売るということはその業界だけで売るのじゃなくて、個個の売る人のやり方によってきまるわけですから、だからその品質が表示され、取り扱いが非常に重要になってくる。こういう形の中で、価格が非常に不安定で、同じ地域で同じ条件の家庭に、ただものを売るという形が違うことによってその差ができるというところにいろいろな問題がまた出てくる。こういうことについては私どものほうでも、これはどうしたらいいものかということを研究しておるのですが、当局もこれらの点についてはやはり、業界にまかせる、指導する、こういう形の中でなくて、需給の安定と価格の安定ということがこの法律をつくった非常に重要な裏づけの一つにもなっておるわけですから、いま少しく、ひとつこの次に法案が正式審議されるまでの間に検討しておいていただきたいと思うのです。私もさらに研究してこの面でも質問をいたしたいと思います。 一番最後の締めくくりとして、先ほど来業者のいわゆる取り扱いの指導の面について、今度は、代理者を含めて三人の資格者がなければ業務をやることができない、こういうような形になってきておるとすると、この法律が施行されたとき非常に問題になることは、零細業者に対する対策だと思うのです。これについては、この前の法案説明並びに審議のとき私もいろいろ質問して、それに対して、ああやります、こうやりますという答弁もいただいておりますけれども、この法律施行に対応する形としてどういうようないまの取り組みをなされておるか、この際ひとつお聞きしておきたいと思います。
○両角説明員 LPGの販売に携わります中小の零細業者というものにつきましては、中小企業の一般的な施策をこの業界にも適用する道を開きまして、近代化資金の助成その他の適切な助成策を適用してまいりたいと考えております。
○佐野(進)委員 いまの答弁は、何もやっていないということと同じなんですよ。この前ぼくが大臣なり局長に質問して、ああやります、こうやります——速記録を見てもらえばわかりますけれども、こまかな質問をしておるわけなんです。したがって消費者保護がこの法律のねらいである、これはだれでもがそう認めておるわけです。私どももその面でたいへんいい法律である、できるならばこの前の国会でも通してやりたい、こういうことで協力してきたつもりです。現実には通らなかった。それは時間がなかった。時間がなかった原因は、いわゆる都市ガス業者との調整だった。これはだれもがわかっておることなんです。だから、そういう法律であるとするならば、前向きにこれをとらえて、これに派生するいろいろなできごとに対して、いま政令、省令をつくろうとしておる段階の中で十分配慮してやらなければならぬ。消費者が喜ぶことは、それを供給する人も喜ばなければならぬ。供給する人も喜ぶと同時に、皆さん法律を起案した人たちもわれわれも、ともによかったなということにならなければならぬ。それにはやはりそれだけの努力をしなければならぬ。この前と同じ質問をしていまのような答弁では、私はたいへん不満です。したがって、この次、来月この法案が提案されたとき、もう一回私は質問したいと思いますが、そういう点について、もう少しあたたかみのある答弁を具体的にできるようにしておいてもらいたい。 最後に、政務次官に要望というか質問をして締めくくりたいと思うのですが、先ほど来たいへん長い時間をかけて、この前からこれに取り組んでまいりました経過から、私も十分研究さしていただいて——十分というより、まだいわゆる内容のそれぞれこまかな点までは突っ込みが不足しておる点は、私もたいへん残念だと思うのですが、しかしこれは単に理事者に対して御答弁を詰まらせようとかどうとかということではなく、先ほど来言っておるように、プロパンガスが無用な恐怖を呼びまして、また災害が現実に起きる、また価格の安定を欠く、需給の安定を欠くという形の中で、どうしたら消費者が迷惑するようなことがないようにできるかということで取り組んできたつもりです。したがって、いま政令、省令の検討をしておるという状況の中ですから、これからひとつ一そう、あとこの次の法律を審議するまで時間がありませんが、各局長、通産当局、ひとつ一生懸命いろいろな部面について最大の配慮を払って、この法律をよくするための内容をひとつ打ち出してもらいたい、こう思いますが、抽象的でもけっこうですから、ひとつ御見解を聞いて質問を終わりたいと思います。
○宇野説明員 先ほど来非常に長時間にわたりまして、まことに御親切な、しかもまた思いやりのあるところの御質問をちょうだいいたし、われわれといたしましては感謝いたしております。しかも閉会中であるにもかかわりませず、むしろ法案審議を促進するという意味合いにおきましても、非常に大きな力をお与えくださいまして感謝いたしておりますが、御忠告賜わりました点に関しましては、私も最高責任者の一員といたしまして、当局を叱吃勉励して、すみやかに御期待に沿うような内容の法案を提出いたしたい、かように存じております。
○佐野(進)委員 終わります。
○島村委員長 中谷鉄也君。
○中谷委員 同僚委員の質問があと残っておりますので、大体四時までに終わるめどで、三つの問題についてお尋ねいたしたいと思います。お尋ねいたしたい一つは、沖繩における外国資本、特に石油産業を中心とする外国資本の進出に関する問題、いま一つは万博に関する二、三の問題、三つ目はいわゆる産業スパイの問題、これらの問題について簡単にお尋ねをいたします。 簡単な問題からというか、質問時間をとらない問題からということで、沖繩における石油産業に関する外国資本の進出の問題についてお尋ねをいたしたいと思いますが、まず最初に通産当局から、これはひとつお教えをいただきたいと思うのですけれども、大あわてにあわてまして、この点についての分析が不足をいたしておるので、明確にしていただきたいと思いますが、要するに沖繩における外資を制限しあるいは規定するところの法律というものは、いわゆる布令第十一号琉球列島における外国人の投資というその布令と、そのほかに布告、あるいは御承知のとおり沖繩においては書簡あるいは口頭による伝達等のものも法源であるようでありますけれども、そんなもの、それからこの場合は正確に申しましていわゆる琉球立法院によって制定されたそのようなものが、どのような関係で沖繩におけるところの外資に関する規定をなしているのか。この点からひとつ、これはお尋ねというよりも、まず最初導入的に、前提になることですので、お教えをいただきたいと思います。
○両角説明員 沖繩におきまする外資の規定に関する法的根拠につきましては、私ども責任をもって御答弁申し上げる立場でございませんが、ただいまお話のありましたように、やはり外資規制に関する立法に基づきまして、外資の導入を審査する委員会が設けられておりまして、そこにおきます委員会の審査を受けまして、認可制をしいておるというふうに承知をいたしております。
○中谷委員 正確に申しますと外資審議委員会でございますね。外資審議委員会の一番基本になるところの布令が、布令第十一号であるということはすぐわかることなんでございます。ただ分析をしていく上において、御承知のとおり、沖繩というところは法源において非常に不合理なところだと私は思うのですけれども、いわゆる布告があり、さらに書簡、手紙でございますね、これがあり、さらに口頭による伝達さえも法源になり得るというようなことで、一体どうなっているのだろうか。この出だしを一応明確にしてほしい。それから、立法院において議決したところのものがどうなっておるのかということなんですけれども、一応今度は事実関係についてひとつお尋ねをいたしたいと思います。 実は私自身の経験から申しますというと、ことしの九月に私は沖繩のほうへ行ってまいりましたけれども、本年の七、八月ごろ、いわゆる米国石油の沖繩進出ということが、沖繩において非常に問題になっている。そういたしますると、通産省を中心とせられまして、十月の初旬からこの問題について、通産省が非常に御注目になった。その御注目になっておる点というのは、要するに数社のいわゆる米国資本が沖繩にとにかく進出してこようとしておる、こういうふうな状態の中で、当然外資法の適用を受けない。そうすると、そのかっこうにおいて、資本非自由化という観点から、あるいは外国資本の進出というものをどう規制するかという観点から、沖繩におけるところの外国資本による石油産業の進出というものについては野放しの状態になる。こういうようなことでは、沖繩の全面返環後、いわゆる別なことばでいえば、復帰後影響が大きいということで、通産省としては、この問題について関係各省と論議をされて、総理府を通じて沖繩の行政府のほうに対して話し合いをされたという事実、さらにいま一つは、この問題を日米協議委員会の議題としてひとつ提起をしようというようなことをお考えになっておられたということを聞いておりますけれども、その事実関係と、この問題に対する対処の方針についてひとつお答えをいただきたいと思います。
○両角説明員 沖繩におきまする米系石油資本の進出問題につきましては、沖繩の現地にございまする日本政府の南方連絡事務所を経由いたしまして、総理府の特別地域連絡局長に照会がございました。それにつきまして、同局長から九月七日付をもちまして、当省に対しまして意見の回報方の依頼がございました。それにつきまして、十一月四日付をもちまして当省の見解を申し述べた次第でございます。 その内容につきましては、ただいまお話のございましたように、わが国内におきまする外資系の石油精製業に対しまして従来とってまいりました基本方針、すなわち外資の参加比率というものは五〇%以下に押えるということ、また今後の外資の進出につきましても、その要件に将来とも適合させていくということを特に強調いたした次第でございます。しかしながら現在の時点におきましては、沖繩におきまする米系資本の進出につきまして、日本政府といたしまして、これについて何らの権限を持っておる問題ではございませんので、わが国の石油精製業に将来なることがございましたら、その瞬間からのわが国の外資系石油精製業に対して適用さるべき基本方針というものを、現在の時点においてあらかじめ明らかに御承知おき願いたい、さようなことを要望いたした次第でございます。
○中谷委員 現在、行政府のほうでは、ガルフ・オイルという会社でございますか、そこの石油貯蔵庫の貯蔵施設には認可をすでに与えている。そうして、これは私自身が現地で聞いてきた話なんですけれども、行政府の考え方としては、沖繩にいわゆる競合する資本がなければ、外資の進出はいいじゃないかというふうな一つの考え方をお持ちのような意味にもとれるような話を聞いて、私、これは非常に危険であるし、間違いだろうというように指摘をしておいたわけです。そういうふうな状態の中で、いま一つ念のために私お聞きをしたいのですけれども、すでに新聞等の報道では、この問題を日米協議委員会の議題に供するということを、通産省は関係各省と考慮をしておられるということが報道されているけれども、そういう事実があるのかどうか。この点は非常に大事なことだし、日米協議委員会の議題に供すべきだと私は思うけれども、この点が一つ。 いま一つは、いわゆる沖繩の統治構造について、沖繩問題等特別委員会でございませんので、論議することは差し控えますけれども、日本の法律が適用されていないという現実はともかくとして、いわゆる平和条約第三条、そうして基本をいえば、大統領行政命令によって統治されているという統治構造がおかしいじゃないかという有力な議論があることは当然なことです。そういうふうな状態の中で、この問題については、もちろん通産省は総理府等を通じてしかタッチできないのだけれども、いわゆる沖繩の問題なんだから、沖繩におけるところの外資についてどのようなかっこうになろうとも、現在その点については適切な方針というものを打ち出すわけにはいかないのだということかどうか。それとも布令との考え方からいって、いわゆる布令の廃止、変更、修正ということを待たずして外資への規制はできるではないか。そうだとすれば、むしろ行政府と特連等を通じて、ひとつこの資本攻勢について話し合いをするという方針を通産省の立場においても当然早急にきめるべきではないか。こういうような諸点をお尋ねし、方針を承りたいと思います。
○両角説明員 ただいまお話のございました沖繩の米資進出問題と日米の協議に付するという点につきましては、現在のところさような意向は当省としては持っておらない次第でございます。 なお、ただいまお話のございましたいろいろな法制上の問題との関係で、われわれがただいまの段階において何か申せるかということは、たいへんむずかしい問題であろうかと思いますが、要は、かりに日本の市場と沖繩の市場とが経済的にもまた法制的にも一致する時点が将来くるならば、その時点において、沖繩にある石油精製業に適用さるべき原則というものは日本政府としてはこう考える、その原則を十分前提に置かれて本問題を処理していただきたいというのが、ただいままで特連を通じまして現地に申し上げているすべてでございます。
○中谷委員 現地というのはどちらなんですか。御承知のとおり行政府と民政府がございます。そうして民政府というのは、高等弁務官、いうてみれば陸軍の一将官でしかないわけです。要するにワシントンとの交渉というのが問題になってくる、極端にいえば。それほどむずかしい問題なのかどうかということ。だから、私はまずその分析から、布令十一号というものがどういうかっこうになっているかということを申し上げた。現地で申し上げておりますというのは、現地のどこに対してどのように申し入れているのか。これはもう少し熱心になってもらわなければいかぬと思うんですよ。 いま一つは、その見通し、一体その見通しとしてどのような成案があるのか。この問題についてだけ時間をとるわけにいきませんし、四時に終わりますというお約束のもとに質問を始めましたので、ひとつ明快にお答えをいただきたいと思います。
○両角説明員 総理府の特連事務局を通じまして現地に対する回答は、南方連絡事務所に対して回答いたしておりますが、南方連絡事務所は、当然沖繩の行政府に対しまして、日本政府の意見というものにつきまして十分な連絡をとっていくことになっております。 なお本件の今後の処理あるいは動向等につきましては、ただいま御指摘のようないろいろな問題がございますので、当省としても大きな関心を持って事態の推移を見守ってまいりますとともに、わが国の将来の石油精製業のあり方もしくは石油政策に好ましい結果を持つような方向で解決されるよう前向きに対処してまいる所存でございます。
○中谷委員 沖繩へ行って一口話のように出てくる問題というのは、例のサンマ事件の問題なんです。要するに布令について、沖繩のいわゆる上訴裁判所を含むところの裁判所には布令の審査権はないのだということでございます。行政府に対して南連が交渉するだろうというふうなことであってこの問題が解決にはたしてなるのかどうか。要するに問題は、少なくとも現地においては民政府、布令十一号が根拠法規なんですから、民政府、この民政府自体において、この問題について明確な態度が示されない。国益に反するような、将来の日本の産業のあり方についての一つの方針に反するような、布令がそのようなものだとすれば、布令そのものについて、しかも民政府が明確な態度を示さないということがあれば、この問題は日米協議委員会の議題にするということは当然あってしかるべきだ。そのような方針がなくして、ただ現地だとか、あるいは南連を通じて行政府だというだけでは、少しこの問題について、全面返還、別のことばで言えば復帰ということがあれほど国民的な課題になっているときに、非常になまぬるいといいますか、通産省のこの問題についての取り組みとして理解しておったこととワンテンポほどおくれておるのじゃないかという感じがいたしますが、いかがでしょうか。
○両角説明員 現在の段階におきまして、私どもは本件、外資進出問題が実態的に解決されることを特連を通じまして現地に要望いたしておる次第でございますが、その推移を見守りまして、ただいまの御指摘のような問題がかりに将来出てまいりますならば、必要な対処をいたしたいと考えております。
○中谷委員 次に、厚生省から環境衛生局長さんにおいでをいただきましたので、この機会にお尋ねをいたしておきたいと思います。 実は、先ほどから問題点を一応私なりに指摘さしていただきましたとおり、外資に関しましては、布令第十一号というものが一応曲がりなりにも沖繩にあるわけでございます。ところが、いわゆる公害などというものについてきわめて不十分な、きわめてあいまいな、非常に保護に値しないようなものであったとしても、布令布告というものが一体あったんだろうか、どうだろうか。この点について、私の記憶ではたしかなかったと思うのです。そういうような状態の中で、いま石油産業に関する外国資本の進出の問題が現実の問題として日程に上がってきております。そういたしますと、沖繩の将来の中で、私自身沖繩経済をどうするかということは専門家でありませんけれども、少なくとも水産業、特に沿岸におけるところの養殖漁業、一つの経済の発展の方途としてそういうものがあるだろうと思うし、いま一つは、現在の粗笨農業と申しますか粗雑な農業を、集約度の高い農業に転換さしていかなければならないというような問題もあるだろうと思うのです。しかし、外資が野放しになっている石油産業ではなしに、公害が野放しになっているようなところの石油産業というふうな状態の中では、全然全面返還も成り立たないであろうと思う。そこで、いまお尋ねをいたしましたのは、通産省の所管する委員会でございますから、その関係で、この外資の攻勢に対してどのように対処するかということをお尋ねをしておるわけですけれども、厚生省が沖繩における公害問題について特に係官を派遣されたとか、あるいはこの問題についての適切な指導をされたとか、あるいは外資によるところの石油産業の進出について適切な措置をおとりになろうという動きを示されたというようなことは、私あまり聞かないわけです。この点についての御見解を承りたいと思います。 念のために申し上げておきますと、これは必ずしも産業公害という問題として論議するわけにはまいりませんけれども、私は地声が非常に大きいわけですが、私がその演説会に行って演説をやっても聞こえないのです。軍事基地の近くの村では、公害基本法が予想いたしているところの騒音というのは工場専用地区において七十ホーンから大体八十五ホーンくらいだと思いますけれども、百二十ホーンくらいあるというのです。だから、いわゆる騒音というようなものではなしに、感じとしては、いわゆる暴力的な感じがするというような問題もある。こういうような問題について、非常にむずかしい問題があるけれども、従来、行政府においてなかなか取り組めないという状態です。いまこそ厚生省は、こういう公害問題について、医療の問題、社会保障の問題といろいろありますけれども、少なくともこの委員会との関係においては取り組むべきではないか、こういうようなことを私は感ずるわけで、特にその点についてお尋ねをいたしたく御出席をいただいた次第なんです。
○松尾説明員 お答えいたします。沖繩の公害問題につきましては、これはちょっと年次がさだかではございませんけれども、二、三年前以来、一般的な公害の資料提供、技術的な援助という形で、厚生省の環境衛生局から係官が現地に参りまして、いろいろと御指導を申し上げたということはございます。具体的には、個々の問題が起こりましたときに、特連を通じまして技術的な援助の要請があれば、私どもはいつでも最大の努力をもって御援助申し上げるという体制をとっているわけでございます。ただいまのところ、具体的なものとしてこういうものをやってほしいというものはないわけでございますが、御指摘のような石油精製の問題につきましても、私どもも、必ずしもつまびらかにそういう計画をしておったわけではございませんが、そういう計画があるということと、それから、御承知のとおり、現地における技術的な陣営というものはまだ比較的弱体でございます。そういう意味におきましては、内地における石油精製に伴ういろいろな公害問題及びそれに伴う防止対策というものの資料については、あるだけのものをあげて沖繩に送りたいといま準備をしているような段階でございます。
○中谷委員 せっかく局長においでいただきましたので、もう一点だけお尋ねをしたいと思います。 沖繩のいろいろな厚生行政というものは、本土と格段の格差があると私は思うのです。そういうような中で、たとえばいろいろな資料ということですが、そうすると、亜硫酸ガスなどを中心とするところのいろいろな器材器具、そういうようなものについても、厚生省は、ことに外資による石油産業が上陸をしてくるというような状態の中で適切な処置をおとりになる資料というのは、ただ紙に書いた参考書というだけではなしに、ほんとうに防止に直接役に立つ、そのような、ものを持っていくおつもりでいま御答弁いただいたかどうか、その点をひとつ念のためにお聞きしたいと思います。
○松尾説明員 さしあたりはそういう技術的な指導に役立つような資料を送るというのが第一でございますけれども、御指摘のように、そういう問題が具体的な問題として発生するようになる過程におきましては、すべての環境の事前調査等を十分やっておくということは、これはもう当然常識でございます。現地のいろいろなそういう施設、測定能力、その他のもの等を具体的に詰めた上でいろいろな政府を通じましての援助計画というものがあるわけでございますので、そういうものの中に具体的に織り込んで実現をするような努力はしたいと考えております。
○中谷委員 沖繩の問題については終わりたいと思いますけれども、外資の問題については、いわゆる上陸をしてしまってからあとで規制しようといったって、これは非常にむずかしいと思うのですね。だから、上陸する以前におけるところの規制、撃退、いい意味での撃退、それから、ことに公害については、口がすっぱくなるほどわれわれは言ってきた。厚生省の考え方としては、排除よりも予防だという考え方で、われわれはそれを支持してきたわけでありますから、この点について、もうすでに上陸が現実の問題となっている中において、沖繩の住民は非常にこの点を心配しているわけですから、ひとつ格段の御努力を私はいただきたいと思います。鉱山局長と環境衛生局長さんに対する私の質問はこれで終わります。 あと万博の問題についてお尋ねをいたしたいと思います。三つばかり問題があります。私は次のような観点からお尋ねをしたいと思います。 実は、政府出展懇談会、これはいろいろな職業、いろいろな年齢の方でメンバーを構成されたわけですけれども、この中に、たとえば女優の吉永小百合さんであるとか、あるいは歌手の坂本九ちゃんだとか、こういう人を選ばれたということについて、私は非常にいいことだと思うのです。いろんな批評はありますけれども、こういう若い人の感覚を入れていこうという考え方は、実効があるないにかかわらず、私はいいことだと思う。 そういう観点からまず一点だけお聞きしたいのは、この問題についてはひとつ前向きに御答弁いただきたいと思いますけれども、いわゆる勤労青年に対する入場料について割引をしないのだ、そういうふうな決定と申しますか、話し合いというか、たしか九月の十一日の万博協会の幹事会でそういうことがきまったということ、これは私は非常に世間の非難を浴びたとは申しませんけれども、世間をがっかりさせたと思うのです。そういうような状態の中で万博入場料等についての通産省などのお考え方というものをある程度お伺いいたしますと、おとなは六百円、学生は四百五十円、子供は三百円なんだということで、勤労青年についてどうするかということについては、むしろ労働省等の意向もあって、また通産省等も前向きにひとつ学生並みにしようじゃないかという考え方をお持ちになっているのではないかというふうに私思うのですけれども、ひとつこれは明確に、勤労青年の入場料については学生並みなんだ、いろんな確認の方法はこういうふうにしたいということで、ひとつ御答弁をいただきたい。勤労青年はそういうことを期待しておると思いますので、お答えいただきたいと思います。
○橋本説明員 簡単にお答えいたします。この件につきましては、幹事会でも確認の方法を検討した上で結論を出すということになっておりまして、労働省の地方の労働基準局で容易にそういった証明の方法がとられれば割引を実施するということになっておりまして、現在、労働省とその辺の話し合いをしておりますが、大体可能のような見通しでございますので、学生と同じような方向で、割引の方向で現在検討を進めております。
○中谷委員 そういうことになってまいりますと、それで私、非常にけっこうだし、勤労青年も喜ぶと思うのですけれども、私自身の質問の中でむやみに勤労青年、勤労青年ということばを使っているわけですけれども、一体おとなというのはこれは何でございますか、あるいは子供というのは何なのか。学生というのは大体わかりますけれども、勤労青年とか勤労少年というものの範囲を、ひとつ年齢的に確定をしてやっていただきたいと思います。
○橋本説明員 現在考えておりますのは、十五歳から二十二歳までの間というふうに考えております。
○中谷委員 要するに十五歳から二十二歳までを勤労青少年として理解するわけですね。
○橋本説明員 さようでございます。
○中谷委員 そうすると子供さん——おとなさんというのはないのですからおかしいのですけれども、子供さんというのは一体幾つまでを子供として理解すればいいのか。これはもうすでにしばしば報道もされていることですけれども、確認的な意味でお尋ねをいたします。
○橋本説明員 十四歳まででございます。
○中谷委員 ちょっと子供のほうが渋くなってきたような感じがするわけですけれども、それはそれとして、それから、じゃ一つだけこの機会にお尋ねをしておきたいと思います。 全体資金計画案総括表はすでにおつくりになっているわけですけれども、そういうふうな資金計画案総括表は、勤労青少年の諸君の割引をするのだという前提で入場料収入をお組みになっているのかどうか、この点が一つ。 いま一つ、入場人員については次第次第に多くなるというかっこうのお見通しをお持ちになっておるのが現在の趨勢だと思いますけれども、入場人員について三千万だということが一番新しい見通しの中でいわれておりますが、この万博というものについて、参事官といいますか、通産省のお考え方として、三千万には押えておるけれども、実際はこういうふうな計算も成り立つのだ、実際もっと強気の計算もしてみたのだ、いわゆる観測的な希望じゃなしに、というふうな点を、この機会にひとつお答えをいただきたいと思います。
○橋本説明員 お答えいたします。現在の資金計画におきまして勤労青少年の割引は計算はしておりません。しかし先ほどのようにそういった証明の方法ができますれば、これは組み入れることになっております。 それから三千万の問題につきましては、野村経済研究所でいろいろ検討していただきまして、大体二千八百万から三千七百万の間がおそらく想定されるであろうというデータを実はもらっておりまして、そういう意味におきまして、資金計画としては一応三千万人を有料入場者と踏んでおりますが、実際にはそれ以上三千七百万もあるいは四千万も観客の動員をしたいというふうな考え方を実は持っております。
○中谷委員 非常にけっこうなことですが、ちょっと気にかかる点が一点だけありますので、蛇足ですがお尋ねをいたします。 確認する方法というのは、通産省としては、これは労働省とそういうことで交渉をしておられるのだけれども、別にそんなにむずかしいことではないものだと思うのですけれども、たとえば具体的にはどんなことで確認をするわけなんですか。非常に簡単な確認ということで私はいいと思うのですが、いかがでしょうか。
○橋本説明員 現在勤労青少年につきましては、暮れ、盆にくにへ帰るという場合の国鉄の特別割引がございます。これは地方の基準監督署でやっておりますので、それと同じような方法でやっていきたいということにいま話を進めております。
○中谷委員 万博についての二つ目の質問です。 次のような問題についていわゆる建築士会などで確かに不満が出ておることを私は確認をしてきたのです。要するに万国博の会場について、いわゆる本部を含む会場については公募された。ところがその余の会場については、ことしの三月ごろ手紙で公募してもらいたいという申し入れがあったけれども、現在その会場設計については公募しないのだというふうな御方針らしい。そのことについて若い建築士さんの中から、それは非常に非民主的だし、本来こういう国家的な行事については公募によるべきだ、時間がないというのはおかしいじゃないか、三月にすでに公募すべきだということを申し入れしたじゃないか、それについてじんぜん日時を経過しておいて、いまごろになって急ぐから公募できないというのは非常に納得がいかないという批判が上がっております。この点については、私はなるほど批判のほうがもっともだと思うけれども、どういう手違いでそういうことになったのか。若い建築士さんたちのそういう意向がどこでそういうふうにねじ曲げられたのか。あえてそういうことばを使いますけれども、この点についてひとつお答えをいただきたいと思います。
○橋本説明員 建築には、建築の設計と、現実に工事をやる行為と、二つあると思います。建築の設計段階におきましては、現在の一般的な設計の事務につきましてもほとんど一般的な公募はございません。非常に例外的の場合にのみ公募をしておるという実態でございます。ただ現実の工事の実施になりますれば、これは建築が公募であるという形になると思うのでございます。ただしかし、万博の場合には、おっしゃいますように非常に国民的な事業であるので、できるだけ国民各層の知恵を出し合うべきであるというふうな観点が当然考えられる。しかし、こういった設計につきましては、いろいろ施主のほうからの要望、並びに全体の施設のバランスを含めての設計というものが必要でございますので、協会で現在六名の、たとえば建築センターの理事長とか、あるいは建築協会の会長とか、それからあるいは大学の先生方といった六名の顧問をもちまして、こういった施設についてはいかなる設計の方法をとるべきかというふうなことをその顧問会議にかけておりまして、そういった顧問の人たちが従来の専門的な角度から、これは公募にすべきである、これは随意契約にしなければならないといったような専門的角度からの検討において下された決定を、大体協会としては採用しておるというふうな実態でございます。
○中谷委員 じゃ、もう一点だけお尋ねしておきます。 三月に、公募してもらいたいということ、だからそれ以前に公募ということは当然だろうと思っていただろうと思うのです、若い建築家の人たちは。そうしたら、どうも公募じゃないかもしれないというようなことで、三月に公募にしてもらいたいという申し入れをした。その後、先ほど参事官御答弁になりましたところの顧問会議というのはいつごろから開かれて、何回ぐらい会議をやって、いつ公募にしないという方針がきまったわけなんですか。いつこれらの申し入れについて返事がなされているのかどうか、この点についてはどうでしょう。
○橋本説明員 三月に公募にするという原則を立てたということは承知はしておりませんが、建築につきましてこういったいろいろな問題があるということで、たしかことしの春だろうと思いましたが、六名の顧問を設けまして、その人たちの考え方によるのだということでございますが、しかし現在のところで、いかなる施設をどういうふうな形においてやるべきかということが決定しておりますのは、たとえば本部ビルといったような形のものだけが決定をしておりまして、それ以外の施設につきましては今後その委員会にかけるというふうな段階でございまして、それ以外のものをどんな形で設計を依頼すべきかはまだ決定はしておりません。ただそのときに、すべてが公募でいくという結論はおそらく出ないであろうということで、そういう御答弁をしておるわけでございます。
○中谷委員 結論だけお答えをいただきたいと思います。万国博は建築家にとっては晴れの舞台なんだ、だれでもが参加できるように門戸を開くべきだということ、そうしていま一つは、したがってそういう設計は一部の建築家に設計を独占さすべきではなかろうという考え方については、担当官として原則的には正しいというふうにお認めになりますかどうか。
○橋本説明員 御質問のとおりでございまして、われわれはできるだけ広い角度からいろいろな方の英知を結集すべきであると考えております。
○中谷委員 万博についての三番目の質問になります。この問題は労働力の確保に関する質問で、簡単にいたします。 日本万国博労働力確保対策要綱というふうなものができまして、主要供給県として二十四県ありまして、とにかくそこから受け入れる目標数としては四万人、大阪だけでとにかく二万人の労働力を確保しようという考え方のようでございますけれども、結局そういうふうな問題について沖繩の問題がまた出るのですけれども、沖繩の労働力、いわゆる万博青年隊などというふうなこともちょっと聞いておりますけれども、そんなものについての見通しは一体どういうことに相なるのか。同時に気にかかる点で一つだけ申し上げておきますけれども、沖繩の万博に従事した勤労者の人たちが、万博が終わったあと、他の企業に就職ができぬとか、あるいは万博労務者というようなことで最初から非常に定着性がないというふうなことであれば、沖繩から本土に来て、一そう本土と沖繩との一体感を養うというのではなしに、かえって疎隔感を醸成するだろうと思うのです。こういうような点から労働力の確保、特に沖繩に対する労働力の確保ということについては格段の配慮が必要だと私は思うけれども、この点についてはいかがでございましょうか。
○橋本説明員 労働力の確保の問題でございますが、全体の一般的な対策といたしましては、四十三年、来年がピークでございまして、五万人の新規の労働者の受け入れがどうしても必要であろうということで、現在、労働省を中心にいたしまして地元と話し合いまして、大阪に専門の職業安定所をつくるなり、あるいは宿舎を用意するなりというふうなことでその準備を急いでおるわけでございます。 それから特に沖繩の問題につきましては、労働省並びに大阪府のそれぞれ担当者が沖繩へ先般参りまして、さしあたっては原則的に向こうの御協力を得るという話し合いをいたしまして、その結果、近くどれだけの人を向こうから受け入れるべきか、それからまた労働の条件等をどうすべきかという具体的な問題を今後向こうと話し合うという考えでおります。ただ、労働省といたしましては、労働の条件といたしましては、国内の労働者と同じ条件でこれを受け入れるというふうなことにしたいという考えを持っております。 それから将来これが定着するかどうかという問題につきましては、具体的な問題として今後検討していかなければならないと思いますが、まだ確定的な方向は実は出してないわけでございます。
○中谷委員 万博についての質問は、何か非常にかけ足みたいなかっこうでございますけれども、これで私のは終わります。 あと、質問の通告の題をどういうふうにつけたらいいかよくわからなかったのですが、産業スパイ問題についてということで通告をさしていただきました。一番最初に法務省の石原刑事課長さんに御答弁をいただきたいと思うのです。御答弁願いたい点は次のような点なんです。本件については、法務委員会でございませんので、事実関係だけを簡単にお聞きするわけですけれども、神戸地方検察庁で現在訴訟の対象になっておるわけですけれども、要するに、東洋レーヨンという会社、そうして日本レイヨンという会社、この二つの会社の中で機密書類というふうなものを東洋レーヨンの従業員が日本レイヨンの某に対して売り渡した。日本レイヨン全体としてこれは非常に会社としても重大なことであると思いますけれども、会社ぐるみなのかどうかという点に捜査のポイントが求められておる、こういう事件だと思う。ところが、その点で私がきょう刑事課長さんにお尋ねをいたしたいのは、要するにこういう機密書類といいますか、企業機密というか、いわゆる工業所有権と同時に、私自身もこの問題については非常にむずかしい問題なので明確に分析するわけにまいりませんけれども、いわゆるノーハウといわれておるところの企業機密に関する問題ということとの間には、いろいろ公開性であるとか新規性とかいう問題で違うわけでございますが、そういういわゆる特許権あるいは工業所有権、すなわち特許権を含むところの工業所有権を持っていないところのいわゆるノーハウ、そういうふうなものについて、たとえば本件については日本レイヨンのほうは何か盗品故買だということで調べを受けておるようです。ところが、問題は、かりに実務家の中で話し合ってみたのですけれども、Aという会社にあるところの機密書類というものを写真にとってそのAの会社の従業員がBの会社に売ったという場合に、写真にとったというようなことであれば臓物故買ということは成立しないのじゃないかというような問題がありますので、そうすると結局、そういう会社の機密というものを入手しても刑事処分の対象にならない場合があり得るじゃないか。さらにまた、いわゆる産業スパイといわれる人たちの手口というものを分析した、いわゆる「ノウ・ハウ」という本がありますけれども、たとえば一番素朴な立ち聞きだとか、あるいは盗み聞きだとか、あるいは盗聴だとか、そういうふうな問題については、住居侵入などというふうな罪が成立しない限りは、それ自体としては刑事事件が成立しないということになるのじゃないか。そうすると、ノーハウというような問題は、非常に重大な問題でありながら、非常に反社会性を持った問題でありながら、予防保護的な立場からいうと野放しにされているということが言えるのじゃないか。そんな問題についてひとつ法務省の御解釈を承りたい、こういうことでございます。
○石原説明員 お答え申し上げます。御指摘のように、一つの物件を手に入れたという場合でありますと、窃盗あるいは横領その他の犯罪を構成するわけでございますし、一方、窃盗等でございますれば、それを買い受けたほうについて贓物の故買、寄蔵その他の犯罪が成立するわけでございます。それ以外の点につきましては、現在捜査中の事件でございますので、事件を離れまして一般的にお答えすることをお許し願いたいと思います。 現在の事件につきまして一つの犯罪となっておりますのは背任でございます。したがいまして、物がない場合についての適条は、捜査の過程においても非常に苦労するわけでございますが、背任と、そうすれば買い受け、あるいは入手したほうはその共犯ということでいくわけでございます。いま御指摘の中に立ち聞きその他という点がございますが、立ち聞きはなるほどなかなか適条を探すのにむずかしいわけでございまして、住居侵入あるいはそれの前後に脅迫あるいは暴行等があればそれで立件するわけでございます。それ以外の場合でありますと、特別法で電波法あるいはその他の法規を用いなければいけないことになりますが、御承知のように、刑法犯でやるのを原則としておりますのは、刑法犯のほうが刑が重いわけでございます。それでかりに背任でいたしましても、その損害の程度が非常に多いものになりまして、ほかの法規の場合よりも刑法犯でやったほうが法定刑が上でございますので、そういう事件の実態になるべく合致した適条——その構成要件に該当する行為につきまして捜査をし、それで厳正なる処罰を行なっていきたい、かようなのが一般的な方針でございます。
○中谷委員 刑事課長さんの御答弁で私は非常にけっこうだと思うのですけれども、それではこういう点については課長さんのほうからお答えをいただけますか。 要するに、こういうふうな産業スパイ事件というのは、いろいろなきれいごとを言う人はいるけれども、実際は氷山の一角なんだということがいわれているわけなんです。たとえば、その事件で言えば、贈収賄事件というのは被害者がいないために隠れたところの犯罪というのが非常に多い。そうすると、この種の事件については法務省としてはどういうふうな見方をしておられるのだろうか。これは全く二つの大きな繊維会社の中におけるところの偶発的な事件と見るのか。もちろん過去に、あえて会社の名前はあげませんけれども、すでに確定判決もあったところの、いわゆる産業スパイ事件といわれているところの業務上横領事件であるとか、その他の事件が数件ばかりありますけれども、そういうふうないわゆる隠れた部分の氷山の一角と見るのか。それとも企業に対する忠誠心がない、企業との間の信頼関係というのが全く失われたきわめて異常な人による単なるごくまれな犯行として見るのか。これはひとつ刑事学的にも私はぜひともお聞きしたいと思うし、刑事課長さんの御答弁をいただいたあと、通産省等のこの問題についての見解を承りたいと思うのですけれども、その点がお答えをいただきたい一点。 いま一点は、要するに刑法犯で、たとえば窃盗だとかあるいはまた贓物故買だとか、業務上横領だとか、背任だとかいうようなことで処罰をしているけれども、そういたしますと漏れてくるものがありますね。そうなりますと、いわゆるノーハウを保護するところの新法をつくるべきじゃないかという考え方がある。もちろんこの点については、京大の刑法の平場教授のように、新法をつくることに賛成しないのだという考え方もあるし、あるいは世論は新法をつくらなければこれはたいへんなことになるのではないか、そういうことが野放しになっておっては困るではないか、処罰されない場合があるらしいというようなことに対する非常な不安を持っている。このあたりについての検討をされるかどうか。新法をつくるというようなことを課長さんからここで直ちに御答弁をいただくわけにいかぬでしょうから、そういうことを検討の対象とされるかどうか、この点はいかがでございましょうか。
○石原説明員 最初の御質問の、現在の事態をどう見るかということでございますが、非常にむずかしい御質問でございまして、簡単にお答えできないのでございますが、私どもといたしましては、犯罪がありと思量いたしますときには、もちろん第一次的な責任を有します警察とともに厳正なる捜査を行なう予定でございます。政治秩序あるいは経済秩序等が発展かつ複雑化するに従いまして、犯罪もまた一言で言いますと複雑巧妙化といいますか、きわめて隠秘巧妙化といいますか、そういうことになっておりまして、今後の捜査につきましてはそうした知能犯的なものに対して重点を置いていかなければならないのではないかということが現在の方針でございます。その一環といたしましていわゆる産業スパイ事件につきましても対処していきたい、かように考えているわけでございます。 二番目の、新しい取り締まり立法をつくるかつくらないかという問題でございますが、先ほども申し上げましたように、産業秩序あるいは政治秩序、その他の複雑化に伴いまして、法益の保護ということが非常に大切になってくるわけでございます。その意味におきまして産業スパイ、特にノーハウ等の保護をどうするかという点につきましては、やはり新しい形の犯罪として、それに対応する立法その他を考えなければならないのではないかということは当然われわれも考えているわけでございます。そこで、先生御承知のように、現在刑法の全面改正の検討をいたしておりますが、作業がややおくれておりまして、いわゆる各則のその部分にはまだいっておりません。したがって、検討しているということは言い過ぎになるだろうと思いますが、検討の対象になるべきものではないか、かように考えておる次第でございます。
○中谷委員 特許庁の長官においでいただきましたので、さっそくお尋ねをいたしたいと思います。 せっかくおいでいただきましたのに一言だけお尋ねするだけなんですけれども、特許侵害の問題については、私自身が、特許関係の仕事はやっておりませんけれども、自分の特許が侵害されたとか、あるいはまた自分はいま特許を侵害したということで文句を言われておるというような話はしょっちゅう聞くわけでございますが、この際、特許侵害というのは一体どのくらいの件数があるだろうか。だからといって、きょうそれをお聞きするつもりはないのですけれども、要するにあばかれた産業スパイ、捜索されたときの記事ですけれども、「暗い表情の日レ本社」という見出しの記事ですが、その中にあるこの問題の機密の対象になっているナイロン66というのですか、一体特許庁のお立場から見まして、いわゆる工業所有権というのはそうむずかしいものではないと思いますけれども、こういうのは工業所有権の対象になっているのか、あるいは工業所有権の対象になっていない、いわゆる企業の秘密という、いわゆる出願も何もしていない、そういうことでノーハウといわれているものなのか、この事実関係がよくわからないわけです。そうしてそういうことについて、これは特許庁の御管轄でも何でもないわけですけれども、特許庁長官として、もしそういう点についての御関心をお持ちで、この問題について御観察になっておられるようでしたらお答えをいただきたい。 そこで、ほんとうにお尋ねをしなければいかぬことは、ノーハウといわれているようなこういうもの、いわゆる工業所有権とは別個の企業の秘密、こういうふうなものについて保護さるべき何らかの法律が必要ではないんだろうか、あるいは、どのような形においてこのようなものを保護していくべきだろうか。要するに、本来の特許出願ということをせずに、あるいはその他の手続をとらずに、工業所有権の対象になる手続をとらずに、企業の秘密としていわゆる隠秘な形に置いておく、そういうことで盗まれたのだからといって、本来それは刑法あるいはその他特許庁の御管轄の諸法律の保護の対象にはならないんだ、これは対象にすべきでないんだというような考え方が正しいのか。あるいは不正競争防止法等の範囲内において、その程度においての保護をすべきであるのか。こういうような問題についてひとつ、質問がきわめてざっぱくにわたりましたけれども、お答えをいただきたいと思います。
○荒玉説明員 御質問の第一点で、現在問題になっております東レのノーハウというのがどういう保護になっておるかということでございますが、現実に東レはナイロンの紡糸機とかスチーム・コンディショナーについての出願は数多くございます。ただし、いま具体的に問題になっておりますのが出願中のものかどうか、これははっきりいたしませんが、かりにそういう出願があって特許されるということになれば、相手方がその特許発明を実施するという段階になれば、権利になった後には保護されることは当然でございます。ただ問題は、いわゆるノーハウといいますのは、御承知のように特許の保護を受けてない、あるいは権利者自身が受ける意思もないというような、広範ないわば企業の秘密といいますか、トレード・シークレットと申しますか、そういう広い範囲の問題ではないかと思います。そういうものが特許発明とどこが違うかといいますと、御承知のように特許発明というものは、権利者に独占権を与える半面には公開をしていく、そういう私益と公益の調整の上に特許権というものは成り立っておるということは御承知でございますが、いわゆるノーハウというものは企業の秘密でございます。一般には公開しない。そういったものに対してどういう保護があるかといいますと、これは大体いまの日本では、そういう保護は残念ながらございません。と申しますのは、直接的な保護といたしましては民法、刑法、これは法務省の所轄でございますから私から申し上げるあれはございませんが、はっきりした保護はないというふうに承っております。あるいは不正競争防止法というのが現在ございますが、これはいわゆる違法な行為の類型を法律で限定列挙しております。したがいまして、その限定列挙された中にはいわゆるこういった企業の秘密という一般的な保護は残念ながらございません。 ただ問題は、日本の社会におきましても、だんだん産業、技術が発達してまいりまして、こういった保護を、将来やはりこのままでいいかという問題につきましては、私自身やはり新たな事態に即応して何らかの法的保護というものは必要になるというふうに感じております。ただ、先ほど言いましたように、特許法その他とは、公開しないという原則で、あくまで法体系は違うわけでございますので、一般的な不正競争防止法の一つの態様として、将来こういったものにどういう保護を与えていくかということは、私自身必要ではないか、かように考えておる次第でございます。
○中谷委員 ただいまの御答弁で了解できるのですが、ノーハウの保護に関する法律などというものについては、たとえば国際商業会議所の決議というようなもの、あるいはまた発明に関する発展途上国のための模範法とか、いろいろなそういうものはあるけれでも、おっしゃるように、適切といいますか、これだというふうなものがない。御答弁のとおりだと思うのです。ただ、この問題について世論の関心が非常に高いのは、いわゆる授受されている機密売買のお金というのも何百万というお金だし、その保護さるべきいわゆる企業の秘密、それをノーハウと言っていいのかどうか別として、これもとにかく開発だけに何億という金を使っているということになってくるということで、しかも先ほど刑事課長さんに私若干疑問を提起したのですけれども、たとえば、機密書類がある、それを写真にとる、そうしてそれを売った人間は背任罪になるだろうけれども、その写真を買った人間は、背任の幇助だとか教唆だということにならなければ、全然処罰されないで野放しになるじゃないか。こういうふうなことだと私は思うということを先ほどお尋ねしたのですけれども、だとすると、そういうことが野放しにされていいはずがない。ただしかし、直ちに新しい法律をつくるというわけにもいかぬだろう。そうすると結局、先ほど長官から御答弁いただいたような、不正競争防止法か何かをひとつ検討する。このあたりで、これらの保護について、いわゆる機密があちらこちらへ動いてしまう、散逸する、取られてしまうというようなことが野放しにならないような措置だけは、刑法以外の観点からもひとつ配慮さるべきではないか、少なくとも検討さるべきではないかというふうに私自身思うのです。たいへん恐縮ですけれども、いま一度、そういう点について検討されるのかどうか、御答弁をいただきたいと思うのです。
○荒玉説明員 大体これは、英米法でありますと、いわゆるコモンローと申しますか、道徳的悪なものはコモンローである程度罰せられるという観念が一般的でございます。日本の不正競争防止法自身が、これは昔の法律でございまして、さっき言いましたように、限定列挙をされておりますが、おそらく、いま先生おっしゃったような点を構成要件と考えますと、非常に一般的な構成要件、たとえばいわゆる商業慣習に反する行為は不正競争だ、こういうおそらく広い概念でとらえるということに、これはまだ法律段階でございませんが、おそらくそういった形になるかと思います。ただ、どこまでそれが当てはまるか。いま先生のおっしゃった、ただ非常に限定された場合だけでなく、おそらく広く広がっていくわけだろうと思います。したがいまして、そういったものを含めまして、やはり日本もだんだんそういった商業道徳というものに対する関心は高まりつつあるし、またそういった新たなる法規制ということも当然必要ではないかと思います。ただ、そういった広い、おそらく考えるとすれば包括概念になるものですから、どこまでそういった行為が及ぶかというあたりになりますと、少し問題はやはり広範囲に及ぶかと思います。いずれにいたしましても、通産省といたしましても前向きで検討していきたい、かように考えております。
○中谷委員 通産省にもうあと一点だけお尋ねいたします。 やはり人を処罰するということですから、一般的な規定だとか白地規定だとかいうふうなことでは、これは非常に問題で、その面からの問題も非常に残すだろうと思うのです。長官のほうから刑法の非常に専門的な御答弁をいただいたと思うのですけれども、その点の問題がやはり私あると思う。これはひとつずいぶん慎重に御検討を私お願いいたしたいと思います。 通産省の審議官の方がおいでいただいているわけでございますね。そこで、お答えをいただきたいと思うのですけれども、これは、特許庁の長官というお立場から長官に御答弁いただくと同時に、繊維局の審議官のほうからも御答弁をいただきたいと思うのですけれども、こういうふうな産業スパイという事件につきましていろんなことを言う人がいるわけでございますね。先ほど法務省の課長さんからも御答弁をいただいたのですけれども、要するに、これらの問題というのは、日本の大企業にこういうふうな産業スパイ事件が起こるような素地が残っておる。その素地というのは、それが古い近代化されない面なのか、あるいは過当競争ということなのか、むずかしい技術革新の波の激しさということなのか、いろんな見方があると思うのですけれども、こういう産業スパイというような問題について世間で一般的に言われているのは、これらの事件というのは小説とかいろんなことに書かれているけれども、実際には企業間におけるところの機密に対するいわゆる奪い合いというのは非常に激しくなっているのだというようなことも言われております。これは直ちにそのことがひょっとすると法に触れるようなことでありますので、軽々にそういうことだというふうに断定はできないと思うのですけれども、そういうふうに言われている。しかし、いずれにいたしましても、特許庁の長官のお立場から見て、こういうふうな産業スパイ事件というものを防止するためには、新法をつくる、あるいは現在ある法を改正するというふうな法の改正以前の防止の方法としては、一体どういうふうなことであるべきだろうか。ことにまたこれは直接繊維局の対象になるいわゆる日本レイヨンさんと東洋レーヨンさんとの間の事件と言ってもいいと思うのですけれども、繊維局という立場からと同時に、通産省という立場から見て、審議官のほうは、この種事件の防止のために一体どういうふうな配慮あるいはまた防止手段等が講ぜらるべきであろうかということについて、質問それ自体が非常にざっぱくですけれども、ひとつそういうふうな点について最後にお答えをいただきまして、私の質問は終わりたいと思います。
○楠岡説明員 ただいま先生から、産業スパイというような現象は近来非常に激化しているんじゃないかというような御質問でございました。私どものほうも実態はよく承知しておりませんけれども、聞くところによりますと、技術ブローカーというようなものも近来非常に横行しておるようでございまして、かような傾向は決していいことではないというように考えております。企業の本来のいき方からいたしますれば、自己の技術を開発するよう極力努力すべきでございまして、相手の情報を知るということ、これは競争の行なわれます以上ある程度必要かと思いますけれども、商業道徳をこえました手段によります情報の収集というのは決して好ましくないと思います。むしろ私どもとして業界に要請したいのは、自己の技術を独力で開発するという努力でございまして、それと同時に、やはりそのモラルは守っていくという態度を要請したいと存じております。
○荒玉説明員 中谷先生の御質問に対して直接お答えになるかどうかあれでございますが、結局特許庁といいますか、全体の不正競争防止法のものの考え方自身を日本ではさらに高めていく、こういうことだろうと思います。もちろんこれは道徳的に悪であることは間違いないわけでございますが、そういう道徳的悪から何らかこれを法律的に保護を高めていくということが一つの解決法ではないかと思います。特許庁プロパーといたしましては、この間で特許で保護するということでございますが、おそらくいまの問題は特許以前の問題と思います。やはりそういった不公正なものは何らかの制裁を受けるということを今後はっきりしていくということが、この問題に対する一つのあるいは唯一の解決策ではないかというふうに感じておる次第でございます。
○中谷委員 終わります。
○島村委員長 近江巳記夫君。
○近江委員 時間も相当おそくなりましたので、私もできるだけ簡潔にお聞きしたいと思います。政府委員の方々も長時間にわたってたいへんと思いますが、私が最後でございますので、あとしばらくがんばっていただきたいと思います。 まず、私は年末融資の問題をお聞きしたいと思うのでございますが、ことしに入って十月一ぱいでどれだけの倒産があったか、昨年の十月までのデータとあわせてお聞きしたいと思います。
○井上説明員 お答え申し上げます。本年に入りましての倒産は、一月から八月までに五千荷五十四件でございまして、前年の同期に比べまして三三・三%増加をいたしております。九月には六百三十五件、前年に比べまして三六・六%の増加でございます。十月は七百九十件でございまして、前年に比べまして三六・七%の増加でございます。
○近江委員 先ほど御答弁いただいたように、倒産数は戦後最高の記録を示しておるわけであります。ここで、このような倒産がなぜ多くなってきたか、これについて見解をひとつお聞きしたいと思います。
○井上説明員 倒産の原因につきましては、売り掛け金の回収難、放漫経営の比重が増加をいたしておりますほかに、販売競争の激化によります販売不振が増加をいたしてまいっております。このように倒産の原因は種々でございますが、好況時にも倒産が減らないで高水準で続いておりましたことを考えますと、中小企業をめぐります一般的な環境が非常に困難になりまして、これによる経営の不振ということが全般的に倒産の原因につながっているかと存じます。
○近江委員 いまいろいろと原因について見解を聞かしていただいたわけでございますが、確かにそれもそうであると思います。しかし中小企業が一番困っておる問題は何か。金融の問題であると私は思うのです。この金融の点につきまして先ほどもお話がございましたように、特に十月に入ってからは相当倒産件数がウナギ登りに上がってきておる。今後さらに公定歩合一厘の引き上げ、さらに日銀の窓口規制、あるいはまた年末にかけてボーナス等の問題もあります。当然きびしい情勢になってくる。したがって、これから倒産はますますふえてくると思うのであります。そこにおいて応急にこの金融の対策をいまここで立てなければ、中小企業はほんとうにたいへんな状態に追い込まれる。ここで政府として年末の金融対策としてどのような手を打っていらっしゃるか、それについてお聞きしたいと思います。
○井上説明員 中小企業の年末金融対策といたしましては、政府関係の三金融機関、中小企業金融公庫、国民金融公庫及び商工組合中央金庫につきまして、今年度は財政の繰り延べの関係で、政府関係機関の支出を七%繰り延べをいたしておりますが、三機関につきましては繰り延べをいたさないことにいたしておりますほかに、特に年末に財政投融資を追加をいたしまして、年末金融の需要に対処いたしたいと考えまして、三機関合わせまして千六十億円の貸し付け規模の増加をいたすことにいたしました。これは昨年度の年末の追加に比べますと、規模で二四%の増加でございまして、また、これに必要な財政資金といたしまして六百九十五億円の追加をいたしておりますが、これは昨年度に比べまして五六%の増加に相なってございます。 なお、市中の金融機関におきましても、年末の中小企業に対する金融を円滑にいたしますために、貸し出しの目標額を定めております。昨年度は九千五百億円の目標で年末の融資を行ないまして、実績は九千百五十七億円になっておりますが、本年度は、昨年度の目標に比べまして一五%増の一兆九百億円の目標で年末融資をいたすことにいたしてございます。
○近江委員 確かにパーセントの上で若干の上昇は見られるわけです。しかし、客観情勢というものは、前年度に比べて相当きびしい情勢になってきておる。あなたのほうでも、相当大蔵省とも折衝なさっておると思いますが、それだけの手当てだけではいまの中小企業の倒産はなかなか防げない。私が見たところでは、少なくとも八千件ないしは一万件の倒産があるということは予想されるわけです。しかも、それは一千万円以上の倒産でございます。したがって、一千万円以下のそうした倒産を考えると、これは膨大な数になるのじゃなかろうか。ここにおいてそれだけの対策は立てていらっしゃるが、しかし現実論から考えるとまだまだ手ぬるい、このように思います。そこにおいて一応千六十億という線がきまったような御答弁でございましたが、さらにこの政府の融資を増額していく、そういうお考えはないか、まずこの点をお聞きしたいと思います。
○井上説明員 年末に際しましては、一応千六十億円の融資の追加でしのげると考えておりますが、金融引き締めがさらに進みまして、来年の春にさらに引き締まることが予想をされますので、不測の事態が生じまして倒産が増加をするというような事態になりました場合には、さらに新たな対策を打つように検討をしてまいりたいと考えております。
○近江委員 いまあなたの御答弁にあったように、倒産がさらに増加すればさらに手を打つ、要するに後手後手になっては、これはどうしようもないわけです。倒産が増加することはわかっておる。そういう点において、さらにここで強力な手を打つということが大事ではないか、私はこのように思うわけです。さらに、日銀の引き締めによりまして、それで考えられることは、選別の融資ということがここで考えられるわけです。結局金を借りたいものが借れない。そういった選別の融資の問題について、さらに今後どのような対策をとっていかれるか、その点をお聞きしたいと思います。
○井上説明員 日銀の金融引き締め政策によりまして、日銀取引のあります銀行は、窓口規制で、前年の融資増加額よりは一五%低い金額に押えられております。したがいまして、これらの銀行では、融資の削減をいたさなければならないことに相なりますので、いわゆる選別融資というような問題が出てまいっております。そこで、これらの金融機関から、日銀から窓口規制のない金融機関に融資を転換するという問題が出てまいっております。したがいまして、これらの転換が十分に円滑に参りますように、政府関係金融機関あるいは中小企業専門の金融機関の融資を増額いたしまして、これらの資金需要に対処をいたしてまいりたいと考えております。
○近江委員 いまお答えいただいたわけでありますが、それだけで選別融資のそういう不公平をなくすことができるか、この問題が一点です。 それと、さらに融資ワクを千六十億、これで防げるとあなたは先ほど言われたわけでありますが、その根拠を聞かしてもらいたい。なぜ防げるか、その点をお願いします。
○井上説明員 千六十億の政府関係機関の融資ワクの追加だけでは防げる問題ではないと存じます。政府関係金融機関の融資は、中小企業金融全体の一割以内でございまして、これだけで防げる問題ではないと存じます。ただ、年末金融につきましては、先ほど申し上げましたように、民間の金融機関におきましても、前年度の一五%増の目標を定めて、一兆九百億円の融資をいたすことにいたしておりますので、これと相まちまして、年末の金融は何とか円滑にしのげるのではないかという考えでございます。
○近江委員 選別融資は、むしろ民間の金融機関に多いわけです。さらに一五%の窓口の引き締めをやっておる。当然民間の機関でその選別が行なわれるわけです。そうしたときにどこにたよってくるか、政府の三金融機関にたよってくるわけです。これはもう目に見えているわけです。したがって、この融資の申し込みだって、数十%これは十月に入ってからも増加してきております。そういう点から、千六十億というそれだけの額で間に合うのか、この点を私は申し上げているわけです。今後その増額をなさるお考えはないのか。さらにまた、民間のそうした金融機関にも呼びかけてワクを広げていく、そういう積極的な対策を今後なさるのかどうか、その点を再度お聞きしたいと思います。
○井上説明員 民間の金融機関には、先ほどお答え申し上げましたように、昨年度より一五%増の年末融資をするように呼びかけまして、民間の金融機関でもそのような決定をいたしたわけでございます。 それから、政府関係の金融機関につきましては、現在の状態では、この千六十億の追加でほぼ金融需要をまかなえると考えておりますが、もし不測の事態が生じました場合には、さらにこれの増額について検討をいたしたいと考えております。
○近江委員 検討するとおっしゃいましたけれども、年末の時期には、実際上それからでは間に合わないわけです。したがって、この点をさらに関係当局でもう一ぺんよく検討していただきたい。この点を要望しておきます。 それから、これは体験みたいになりますが、私も中小企業に昔つとめておりました。年末に集金を行ったことがありますが、これは一つの話でありますけれども、そこの社長がおらない。おるはずがおらない。さがしてみたところが、工場の片すみのぼろくずの中に何か動くものがあるから、見たら、その社長なんです。私は、隠れおったという怒りよりも、かわいそうでほんとうに泣けてきました。ほんとうに中小企業はいまきびしい立場に置かれております。そういう実情をほんとうによく知ってもらいたい、私はこのように思います。 まだほかに中小企業が困る問題は歩積み・両立ての問題です。それだけ引き締めあるいは選別が強くなってきますと、当然そのことも考えられるわけです。この点についてどのように今後手を打っていかれるか、この点をお聞きしたいと思います。
○井上説明員 歩積み・両立ての問題につきましては、昭和三十九年から大蔵省が歩積み・両立てを解消するように金融機関に指導をいたしまして、漸次解消に向かってまいっております。ただ、金融が逼迫をしてまいりますと、金融機関の資金量の関係から歩積み・両立てがまた復活をするような懸念もございますので、今後中小企業の金融がさらに逼迫していくことが考えられる事態において、このような事態が出ることははなはだ望ましくないことだと存じますので、大蔵省に強力に要請をいたしまして、歩積み・両立てが解消に向かうように金融機関を指導してまいりたいと考えております。
○近江委員 従来までの御答弁で、いつもそのような御答弁をいただいてきたわけです。しかし、現実の融資の点において歩積み・両立てで非常に苦しんでおる。ですから、言ったけれども金融機関が聞かない、こういう対策では私は非常に手ぬるいと思う。この点について今後政府のほうとして強力な指導をなさるのか、その点を再度お聞きしたいと思います。
○井上説明員 大蔵省に強力に要請をいたしまして、歩積み・両立てが解消をいたしますように指導をいたしてまいりたいと考えております。
○近江委員 それではそのようにお願いしておきます。 それから、この貸し付けの手続でございますが、従来は大体二カ月ぐらいかかっております。一番金がほしいときに手続でなかなか借れない。特に年末を控えて、この手続の簡素化についてどういう手を打っていかれるか、この点についてお聞きしたいと思います。
○井上説明員 政府関係金融機関につきましては、できるだけ手続を簡素化して、申し込みから融資までの期間を短縮いたしますように従来から指導をしてまいっておりまして、漸次手続を簡素化して、貸し付けまでに要する期間が短縮をしてまいっておりますが、今後とも手続を簡素化いたしまして、特に年末の資金が間に合わないというような事態が生じないように強力に指導をいたしてまいりたいと考えております。
○近江委員 政府三金融機関ということを言われましたが、民間の金融機関についても政府は当然監督をしていく責任があるわけです。そうした点にもその旨を徹底されるのかどうか、それが一点です。 それから、特に小規模等の企業についても、倒産の非常に危険な状態にいまきております。したがって、いまここで信用補完制度、これについて、たとえば一定額以下には担保あるいはその保証人をなくしていく、いまもその制度がありますが、そのワクをさらに広げる考えはないか、その点をお聞きしたいと思います。
○井上説明員 民間の金融機関につきましても、年末資金が手続上間に合わないというようなことがないように、強力に指導を大蔵省に要請をいたしたいと存じております。 それから信用保証の問題につきましては、現在無担保保険と無担保無保証人保険がございますが、現在無担保無保証人保険は他の保険と併用ができないことになっております。これを将来改めまして、無担保無保証人保険と他の種類の保険が併用できるようにいたしまして、この範囲を拡大をいたしてまいりたいと考えております。
○近江委員 私はいま特に年末金融についてお聞きしたわけでありますが、実際に年末の段階になってこういったことで毎年ばたばたしていく、これは非常に政治の貧困を物語っておるわけであります。今後、日本の構造自体から考えて、中小企業はほんとうに保護していかなければならない。そういう立場から、今後の金融政策といたしまして、まず一点は、公庫の貸し出しの増大をはかっていく、政府関係金融機関の貸し出しを大幅に増大する、したがって政府の財政投融資からの支出を三〇%ぐらいに上げていく考えはないか、これが一点であります。 それから融資方法の改善でありますが、要するに代理貸しをなくしていく、中小企業に関しては直貸しをしていく、そうして貸し出し利率も相当大幅に下げて、目標としては五分ぐらいに持っていく、将来そのような引き下げあるいはまた直貸しの方向に持っていかれるかどうか。 三点は、民間貸し出しワクの確保であります。いま金融再編成の問題が出ておりますが、中小企業向け、特に小規模企業への貸し出しの専門機関を設けて、融資ワクを広げていく、これが三点であります。 それから信用補完制度の拡充です。これは大体社会政策的なそういう意味があるわけでございますが、現在の制度を改善して無担保無保証人の企業に対して保証の拡大をはかっていく、そうしてさらに地方公共団体からの出資額も増大する、当然保証額の拡大をはかっていく、そういう措置を政府のほうとしてやっていく考えがあるか。 以上四点について、今後の問題としてお聞きしたいと思います。
○井上説明員 お答えを申し上げます。政府関係金融機関の貸し付け規模につきましては、できるだけこれを拡大してまいりたいと考えております。 それから貸し付けの直貸しと代理貸しの比率の問題でございますが、現在国民金融公庫は直貸しが大部分になっておりまして、中小企業金融公庫につきましてもできるだけ直貸しの比率を上げてまいりたいと考えております。 それから金融の質につきましては、金利の問題あるいは貸し付け期間の問題等ございますが、できるだけ良質の資金を中小企業に金融をいたすことが望ましいと考えておりますので、将来これらの金融の質をできるだけ改善をいたしてまいりたいと考えております。 保証の問題につきましては、保証規模及び保証の条件をできるだけ改善することが望ましいと考えておりますので、この点につきましても、規模の拡大と条件の改善につきまして、将来できるだけ改善をはかってまいりたいと存じております。
○近江委員 意向はわかりました。非常に抽象論であると思うのですが、いまの立場ではしかたがないかと思いますが、今後具体的にそういった方向を進めるようにひとつやっていただきたい。また次の機会を見てその点についてお聞きをしたいと思いますから、そうした問題について早急に関係当局で御協議いただいて、具体的な方向に進めていただきたい。この点を要望しておきます。 それから次にお聞きしたいことは絹の問題でございますが、皆さんも御承知のとおり、日本はシルク王国ともいわれまして、海外市場においても非常に大きなウエートを占めておったわけでございます。しかしながら、最近その減少が非常に目立ってきておる。この現況並びにその原因についてひとつ御見解をお聞きしたいと思います。
○楠岡説明員 最近の生糸、絹織物の輸出でございますが、ここ数年生糸の生産高はほとんど三十二万俵程度と横ばいでございますが、国内需要が年々旺盛となりましたので、輸出余力も少なくなるし、価格も上がってくるということで、いずれも減少しております。数字を申し上げますと、生糸は、たとえば昭和三十七年七万七千俵の輸出がございましたが、四十一年は九千俵を割っております。絹織物も、同じく生糸に換算して申し上げますと、三十七年四万二千俵ございましたが、四十一年は一万七千俵程度となっております。本年一月−九月の実績も、去年と比べますと、やはり大体減少ぎみでございます。
○近江委員 その原因をお聞きしておるのです。
○楠岡説明員 原因を申し上げますと、ただいま申し上げましたように、一つは内需の増加でございまして、ただいま申し上げました数字に即して申し上げますと、昭和三十七年内需として引き渡されました生糸は、約二十万俵でございましたが、昭和四十一年で申しますと、二十九万八千俵程度になっております。つまり内需、これは主として着尺もの、つまり女の人の着物でございますが、そういうものの需要が旺盛となってきたということで、内需が強いようでございます。こういうような内需の増加に対しまして、生産のほうは、先ほど申し上げましたように、ほとんど横ばいでございますので、価格が上がってまいりまして、たとえば三十七年に、平均いたしまして、生糸の横浜の相場四千六百三十一円でございましたのが、四十一年になりますと、六千二百六十一円というようなことで価格が上がってまいりました。勢い輸出のほうにも影響してまいっておるわけでございます。
○近江委員 これは一昨日でございますが、取引所開所以来の八千二百五十円という値をつけておるわけであります。御承知かと思いますが、この生糸の暴騰しておる原因として、内需が非常に高まってきたという需給関係は当然でありますが、そのほかに要因として、投機性、仕手が入っておるのじゃなかろうか、こういうようなうわさも出ておるのでありますが、こういった点どのように見ていらっしゃいますか。
○池田説明員 ただいま御指摘いただきましたように、この数日非常に糸価が高うございまして、従来ない高値を出しておるわけでございます。その原因につきましては、先ほど通産省から御説明がございましたが、一般的に申し上げますと、内需が非常に強い、それに対しまして、供給が必ずしも農産物でございますので伴わない、そういうことで需給がかなり逼迫をしておる、こういう事情があるわけでございます。そういう事情のほかに、ただいま先生御指摘になりました取引所の清算取引をめぐりまして、何か投機的な仕手というようなものがあるかどうか、こういうような問題でありますが、これにつきましては、実は私どもは従来から非常に注意を払っておるわけでございます。御存じと思いますが、実は昭和三十八年にそういう事例がございまして、非常に短期間の間に非常な高値、七千円をこえる高値が出たわけでございます。このときは、明らかに仕手がございまして、相当膨大な資金で買いあおった、こういう事実がございます。そういうことがございますので、われわれも非常に注意をしておるのでございますが、実はしばらく前に、ことしの秋でございますけれども、そういうようないろいな情報もございましたので、私どもといたしましては若干その調査をいたしたのでございます。その調査をいたしました段階のことを申し上げますと、仕手と言えるような大きなものは実はなかったのでございます。若干まとまった数量の買い玉はあったのでありますけれども、それも比較的短期間の間に手じまいをいたしまして、非常に大きな、取引所全体の相場をリードするようなものはなかったわけでございます。ごく最近の情報につきましては、まだ十分承知いたしておりませんけれども、そのときの経緯等から見ますと、基本的な原因といたしましては、そういうことではなしに、やはり内需、実需が非常に強い、これに対して、このような際に糸の手当てを怠りますと、さらに高いものを買わなければならないというようなことで、かなりあわてて買い継いできておる、こういうようなことが原因ではなかろうかと考えておるわけでございます。
○近江委員 先ほど御答弁をいただいたわけでありますが、輸出が非常に後退してきておる。今後の生糸あるいは絹製品の輸出に関して、通産省としてこのままジリ貧の状態で見ていかれるのか、あるいはそれを重大視して、今後も輸出の発展をはかっていこうとなさっておるのか。根本的な考え方をひとつお聞きしたいと思うのです。
○楠岡説明員 お答え申し上げます。最近の輸出の不振は、根本的には、いわば供給の不足でございます。そういうことでございますので、私どもといたしましては、ただいま農林省でいろいろ努力しておられます生糸の増産に非常に期待をしておるわけでございます。御承知のように輸出は一時の波があることは当然でございますけれども、一たん市場を失いますと、あとまた回復するのが非常に困難でございますので、いわば貿易振興の波打ちぎわから外の施策と申しますか、海外におきます宣伝等につきましては、かような状況におきましても引き続き努力いたしますとともに、生産面におきましては、先般御審議をいただきました特定繊維工業構造改善臨時措置法に基づきまして織布業者の構造改善を行ないまして、設備を改善いたしますとともに、高級品化あるいは技術の向上といった点に努力いたしまして、やはり生糸あるいは絹織物は日本の大事な輸出品でございますので、将来とも伸ばしていくように努力いたしたいと存じております。
○近江委員 それで意向はわかりましたが、生産が非常に伸びない。確かに私もいただいておるデータで見てまいりますと、昭和三十年のときよりも四十一年のデータを見ると下がっているわけです。十年間たって生産が全然ふえてない。下がっている。この繭の生産が伸びてない根本的な原因はどこにあるか、おも立ったところを教えていただきたいと思います。
○池田説明員 一番大きな原因は、私どもの理解では、農村におきます労力不足の問題ではなかろうか、こういうふうに考えているわけでございます。養蚕と申しますものは、御承知のように農業の一つの部門でございますけれども、実は労働が非常にたくさん要る形の農業でございます。いろいろ技術的な進歩によりまして、労働生産性はかなり顕著にはなっておりますけれども、それにいたしましても、かなり労力がよけい要る農業でございますので、最近の農村におきます労力事情からいたしまして、なかなか生産が伸びない、こういう原因があるわけでございます。 それから、これは最近におきましては、ややそういう考え方は薄くなっているようでございますけれども、実は過去におきまして、昭和三十三年ごろでございますけれども、絹というものの需要が非常に減退をした時期がございます。これは化繊あるいは合繊との競合がございまして、ある分野が化合繊に変わった、こういうことで需要が減退したために価格が大暴落をした。政府としてはいろいろな手を打ったわけでございますが、なかなか価格の低落を食いとめられなかった、こういうことがございます。それで農家の考え方としては、現在は比較的糸価は高いし、農家の手取りもいいわけでございますけれども、またそういう事態がこないとは保証ができない、そういうことで実は桑園の作付をふやすということがどうも十分行なわれない、こういうような事情がいろいろあるようでございます。私どもといたしましては、そういう事情はございますけれども、今後いろいろ施策を強化いたしまして繭の増産につとめまして、生糸の需給の安定をはかりたい、こういう考え方でございます。
○近江委員 私は商工委員でありますから、農林省のやり方について直接こういったことを言うのはなにかと思いますが、あの東北のビートの問題にしても、これは非常に大きな問題になっております。要するに、そうした需給関係を見合わせた上で生産計画を立てていく、そういった点が非常にあいまいではなかろうか。ほかにもあげれば野菜等の問題も幾らでもあるわけであります。そうした点、いま通産省は、生糸あるいは絹製品の輸出については今後伸ばしていきたいという。事実輸出業者等にしましても、もう現在のそうした価格であると全然製品にしても引き合わない。完全に市場からは締め出しを食ってきておる。これは今後の貿易政策から考えても重大な問題だと私は思います。通産省としても何とかして伸ばしていきたい、農林省のいまのあなたの御答弁でも、今後増産をしていきたい。その点は一致するわけでありますが、そういった点ほんとうに通産省と農林省で、この生糸あるいはまた綿製品等の生産について真剣な討議がなされているのかどうか。桑だって、少なくとも三年間植えてからかかるというのが常識であります。そういった点において、今後この生糸、絹製品の問題について、農林省、通産省で特別調査あるいはこれは仮称でありますが、対策班を設けるとか、そうした連絡会議を設けるとか、そういう緊密な連携をとってこれからの状態に対処していかれる、これは一例でありますが、今後通産省あるいは農林省としてどのような態度で根本的にそうした問題に取っ組んでいかれるのか。そういった点をひとつお聞きしたいと思います。
○池田説明員 生糸につきましては、実は通産行政と私どもといろいろ密接な関係があるわけでございます。原料の生産あるいは中間製品であります生糸の流通といったようなものは私どもの所管でございますが、その先の輸出でございますとかあるいは織物の段階になりますと、これは通産省の所管でございます。そういうようなことで非常に密接な関係がございますので、従来から非常に密接な連絡をとりまして、いろいろなことを御相談してまいっているわけでございます。先ほど輸出の話が出てまいりましたが、私どもも実は輸出については非常に強い関心を持っているわけでございまして、先般の国会で日本蚕糸事業団法の一部改正という法律ができました。これはいまの輸出不振を何とか打開するといいますか、非常にはっきり申し上げますと、基本的には生糸の需給が改善されませんと大幅な輸出の増進というのは不可能でございますが、大事な市場は十分確保しておきたいという意味で、最小限度の日本生糸の海外市場における地盤は極力つなぎとめておく、こういう趣旨で事業団が輸出用の生糸の手当てをいたしまして、それを一定のコンスタントな価格で海外市場に供給をする、こういう趣旨の法律改正ができたわけでございますが、これも十分通産省と密接に連絡をした上でやったことでございます。今後ももちろんそういうふうな線で極力——当面この二、三年の間に前のような輸出量を確保するということはちょっと困難ではないかと思いますが、いずれ生糸の需給が改善されました暁には、再び従来のような輸出ができるような体制はこの際極力整備しておきたい、こういう考え方でやっておるわけでございます。
○近江委員 繭の生産等についても、実際に稲作ができない山間地帯に非常に多いわけです。そうした農家の収益を上げていくという点から、繭の問題は私は非常に重大な問題だと思います。そこで、実際のそうした輸出という面からいたしますと、これは非常に相反する問題が出てくるのではなかろうか、このように私は思うわけです。そこにおいて生産者も成り立つようなそういう対策、さらに日本のそういう輸出の点においても、市場を失うどころか、さらに積極的に開拓をしていく、これは非常にむずかしい問題でありますが、そういう点をはかっていかなければ、片一方を生かして片一方を殺していく、これであっては私はならないと思う。いま蚕糸事業団の話も出ましたが、それじゃ蚕糸事業団はどれだけ手当てをし、買い付けをしておるか。数字をいま言ってもらうように言っても、おそらく私はゼロに近いのじゃなかろうか、現状は私はそうだと思います。そうした点において、蚕糸事業団でその対策を立てておるとはおっしゃっておりますが、さらにそのような複雑な問題を今後真剣に連絡、調整をし、政府として抜本策を立てていかなければ、これは結局片一方が倒れてしまう。ですから、その点を深く政府としても考えていただいて、現在あるそうした制度がよしとするのではなくして、さらにひとつもう一歩の強力な対策を立てていただきたい、このように思います。 この問題についても、時間がございませんので、またいずれの機会にその後の進捗状況をお聞きしたいと思いますから、よくひとつ御検討願いたいと思います。 以上で、この問題については終わらしていただきます。 ————◇—————
○島村委員長 次に、私的独占の禁止及び公正取引に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、これを許します。近江巳記夫君。
○近江委員 時間も非常にないわけでございますが、この問題について、同じようなケースで二回、三回と質問の機会をはずしておりますので、できるだけ簡潔に終わらしていただきたいと思いますから、委員長のほうもよろしくお願いしたいと思います。 厚生省にお聞きしたいと思うのですが、これは化粧品の表示の問題であります。薬事法の第六十一条には、化粧品の容器等に記載すべき事項を規定しておりますが、ホルモン含有等のものにだけその成分の名称及びその分量を記載することを義務づけているわけです。これはどのようなところからそういう理由があるわけでございますか。
○野海説明員 お答えいたします。御承知のように、厚生省におきましては、化粧品につきまして薬事法に基づいて国民の保健衛生の確保、いわば保健衛生上の危害を防止するという立場から化粧品の規制を行なっておるわけでございます。ところが、化粧品につきましては、薬事法の化粧品の定義に明確に書いてございますけれども、「人体に対する作用が緩和なもの」というふうに規定されております。もともと化粧品は人体に対する激しい作用がない、有害作用がないという前提に立っております。したがって、薬事法上の制度におきましても、個々の医薬品のように、個々の品目について成分を審査して承認をするというたてまえをとっておりませんで、原則として製造業の許可ということでやっておるわけでございます。その際に審査いたしますのは、個々の化粧品が緩和な成分によって成り立っておるかどうか、要するに激しい作用の成分を持っておらないかどうかということを審査するわけでございまして、全部の成分についてその内容を審査し、チェックするというやり方をやっておらないわけでございます。そういう意味で、もともと化粧品がそういう性質のものであるという前提に立っておるわけがございます。ただ、ホルモンのように若干最近は作用が複雑なものを使うようになってまいりましたので、現在はホルモンだけでございますけれども、そういった場合を考えて、そういうものにつきましては製造業の許可だけではなく、品目ごとの承認の制度をとり、その場合には成分についても表示をする、そういう道を開いておる、そういうたてまえをとっておるわけでございます。
○近江委員 作用が緩和なものといういま御答弁があったわけでありますが、しかしこうした化粧品の使用によって非常にはだが荒れてしまったとか、もういろんなそういう弊害をよく聞くわけです。私は男性でありますから、そういうことはあまり詳しいわけでありませんが、聞くところによると、アイシャドーとかあるいは口紅とか、健康上非常に害を及ぼしておる、こういうようなことも聞いておるわけであります。この化粧品については当然医薬品に準ずる、そのようなものであると私は思うのであります。ホルモン等については非常に作用がきつい、だからホルモンだけは記載するということをおっしゃっておるわけでありますが、そういう医薬品に準ずるような化粧品の成分であります。したがって、ただホルモンだけを表示していいものかどうか、根本的にいま討議をしなければならないときではないか、私はこのように思うのですが、御見解を賜わりたいと思います。
○野海説明員 先生の御質問のように、確かに最近化粧品について皮膚にかぶれを生じたとか一皮膚障害を生じたということが間々出ております。これにつきまして、われわれも一つの検討課題としておるわけでございますけれども、こういうふうな皮膚障害等が出てくる場合を考えてみますと、まず第一には消費者の使用方法に問題がある場合があります。たとえば化粧落としが非常に不十分で、皮脂線であるとか汗線がふさがったというような場合があります。それから化粧品の原料中に不純物がまじっておった、そういうことによって障害が起こる場合があります。それからさらに消費者の異常体質といいますか、体質的にアレルギーの問題に関連して起こる場合がありますが、そういった場合、まあそのほかの場合もあるかもしれませんけれども、大まかに考えますとそういった場合が考えられますけれども、いずれをとってみましても、消費者の使用方法に問題がある場合、あるいは成分そのものではなくて、原料の中に微量の不純物が含まれておる場合、あるいは消費者の体質に問題があるといったようなことで、実は成分そのものの表示をかりに考えるとしましても、それによって保健衛生上の危害が防止できるかどうかという問題が残るわけであります。そういう点、われわれも実はいま検討を進めておるわけですが、ただ、先ほど申し上げましたように、薬事法上もそういう承認品目にし、またこれに表示をする、この表示を義務づけるという道も開かれておりますので、そういった皮膚障害が多発するようなものがありますれば、これはわれわれはもう少し実態を調査し、また学問的にも究明しました上で、そういうものについては、さらに、ホルモンだけではなくて、その範囲を広げていくということも検討いたしたい、このように考えておる次第でございます。
○近江委員 一般の消費者はそういった化粧品の成分についてどれだけ知識を持っておるか、いまお話あったようにほとんど私はないと思います。それは、詳しい人もあるとは思いますが、しかしそれをほとんどの大衆は知らない。しかし、それを表示した場合においては、そのことを一般大衆が知識として身につけていくし、またさらに、その表示を見て、自分の体質にはこれは合わない、そういった判断も私はできるのじゃなかろうか。さらに、アレルギーの人にはこれはまずいとか、そういうような親切な表示があれば特にそうした弊害が避けられるのじゃなかろうか、このように思うわけであります。その点で、成分の表示をどうして化粧品までやらないか。それは製造方法の問題とかいろいろなことがあると思いますけれども、しかし、ここで一般消費者ということを真剣に私は考えなければいけない、このように思うわけです。値段の点等についても、これは一説でありますが、五、六百円のクリームでも実際の原価というのは五十五円ぐらいじゃなかろうか。これは一説ですよ、私は言い切るわけじゃありませんが、結局そのようなものから、あるいは何千円するようなものまでやはりあるわけであります。内容の表示さえきちっとしてあれば、そうした買いもの等についてもやはり相当な判断ができるのじゃなかろうか。こういう消費者を守るという立場から、これは絶対に表示をすべきであると私は思うわけです。この点について再度御見解を聞きたいと思います。
○野海説明員 消費者の立場からの意見としましては、確かにおっしゃるような意見がいろいろ出ておりますし、主婦連その他の団体からもそういった意見を聞いておるわけでございますが、先ほどから申し上げておりますように、一つは制度のたてまえといいますか、法律の面から見まして、どの辺まで成分の表示を義務づけることができるかという問題と、それから内容的に見まして、どの辺まで意味があるか、また必要があるか、その両面からわれわれも検討いたしてまいりたいと思っております。 さらに、そういった皮膚障害の実態なりあるいはその成分の科学的な面からの究明ということも、なおまだ十分行なわれておりませんので、そういった面からも十分追及いたしまして、さらにそういった表示というワクを広げるという必要があれば、そういう方向で考えてまいりたい、こう思うわけであります。
○近江委員 今度は公取にお聞きしますが、公取としては化粧品の表示ということについてどのように考えていらっしゃいますか。
○吉田説明員 お答えいたします。公取といたしましては、不当景品類及び不当表示防止法、法律自体の規定に成分あるいは原料の表示を義務づける規定はただいまのところございませんが、たとえば薬事法等におきまして、そういう成分表示の規定がございます。したがいまして、厚生省とも緊密な連絡をとりまして、今後はやっていきたいと思いますが、必要がございますれば、今後の問題といたしまして、そういう成分表示をさせるというふうに法改正あるいは告示で規定するように検討いたしたいと思っております。なお合成レモン等につきまして、公正競争規約というものが設定されておるわけでございますが、これにつきましては、これは業者間の自主規制でございまして、自分たちで不当な表示行為をやらない、そういう自主規制を業者間でつくっておるわけでございますが、それには原料の表示ということは、そういう規定を設けまして、やらないということになっておりますので、こういう前例もございますので、化粧品についても、もし不当な表示をやらないということで公正競争規約をつくりたいということでございますれば、そういう原料表示をさせるという指導をやっていきたい、こういうふうに思っております。
○近江委員 いま必要があればということばが何回も出たわけでありますが、これは必要があるわけです。先ほどから申しますように、消費者が受けるいろいろな価格の問題、あるいはまたそうした化粧品が実際にいろいろな弊害を及ぼしておる点から考えて、これは当然表示が大事である。これは消費者の立場から言うならば当然だと私は思う。そういう点で一ぺんに一〇〇%の表示をするということは、これは段階的にいろいろな問題があると思いますが、少なくともその全面表示が無理な場合、主成分、あるいは先ほど申し上げたアレルギーの体質の人には向かないとか、そうした特異体質の人々に対する配慮、人体に及ぼす影響等、そうしたおそれのあるものについては表示すべきである、私はこのように思うわけです。これで最後でありますから、これについてひとつ厚生省、公取の両方から御意見を伺いたいと思います。
○吉田説明員 お答えいたします。先ほど必要があればと申し上げましたが、緊急の必要性があることは公取としても十分認めております。ただ現行法上は義務づけの規定がございませんので、できればその点至急検討いたしまして、改正すべき点は法令上義務づけができるようなふうに至急に持っていきたい、こういうふうに考えております。
○野海説明員 厚生省といたしましては、薬事法上の問題として制度的な面にも問題がありますし、法律あるいは制度的にどの辺までやることが適当であるかどうか、それから自主的な表示と保健衛生上の問題との関連、そういう面からどの辺まで表示をすることが必要であるか、また意味があるかということを十分検討いたしまして、またこれにつきましてはやはり科学的な面からの研究ということも当然必要になってまいりますので、そういった面からも追及いたしまして、あわせて今後ホルモンのみならず、どの辺まで表示を広げていくかということについて検討を進めたいと思っております。
○近江委員 両方から御意見をお聞きいたしましたが、いずれにしましても前向きの姿勢で今後進んでいかれる、この点をお聞きしました。また今後の機会にお聞きしたいと思いますし、また両省の間でそうした討議がさらに進みましたら、その時期にひとつ私のほうにもその点を連絡していただきたい。あくまでも一般消費者の立場ということから考えて、これは人体にも影響がありますし、あるいは価格の点等にも非常に大きな問題もあるわけでありますから、これはいま答弁したからまた今度の次でいいだろう、そういう安易なことではなくして、早急にひとつ厚生省、公取のほうで話をしていただいて、私も近々またお聞きしたいと思いますし、この点についての一歩推進をやっていただきたい。このことを特に要望しておきまして、私の質問を終わらしていただきたいと思います。 長時間たいへんにありがとうございました。
○島村委員長 本日はこれにて散会いたします。 午後五時三十八分散会