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56回国会衆議院1967/08/18

商工委員会 第1号

発言数
107
登壇者
12
会派数
3
開催日
1967/08/18

会議録

島村一郎自由民主党

○島村委員長 これより会議を開きます。  国政調査承認要求に関する件についておはかりいたします。  今国会における当委員会の活動を円滑ならしめるため、議長に国政調査の承認要求をいたしたいと存じます。  調査をする事項といたしましては、  一、通商産業の基本施策に関する事項  二、経済総合計画に関する事項  三、公益事業に関する事項  四、鉱工業に関する事項  五、商業に関する事項  六、通商に関する事項  七、中小企業に関する事項  八、特許に関する事項  九、私的独占の禁止及び公正取引に関する事項  十、鉱業と一般公益との調整等に関する事項 以上十項目といたし、調査目的といたしましては、  一、日本経済の総合的基本施策の樹立並びに総合調整のため  二、通商産業行政の実情を調査し、その合理化並びに振興に関する対策樹立のため 国政調査の承認要求をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

島村一郎自由民主党

○島村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、議長に対する要求書の作成に関しましては、委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

島村一郎自由民主党

○島村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。      ————◇—————

島村一郎自由民主党

○島村委員長 次に、本日の請願日程全部を議題として、審査を進めます。  各請願につきましては、委員各位におかれましても、すでに文書表等により内容等は御承知のことと存じます。また、さきの理事会におきましても、十分内容を検討いたしましたので、ここに紹介議員の説明等を省略して、採決いたします。  本日の請願日程中、第三ないし第六の各請願は、いずれもこれを採択の上内閣に送付すべきものと決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

島村一郎自由民主党

○島村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次に、ただいま議決いたしました各請願に関する委員会報告書の作成等に関しましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

島村一郎自由民主党

○島村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————   〔報告書は附録に掲載〕     —————————————

島村一郎自由民主党

○島村委員長 なお、本委員会に参考送付されました陳情書は、お手元に配付いたしましたとおり三件でありますので、十分各位において御検討をお願いいたします。      ————◇—————

島村一郎自由民主党

○島村委員長 次に、閉会中審査に関する件についておはかりいたします。   内閣提出、液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律案 並びに  通商産業の基本施策に関する件  経済総合計画に関する件  公益事業に関する件  鉱工業に関する件  商業に関する件  通商に関する件  中小企業に関する件  特許に関する件  私的独占の禁止及び公正取引に関する件  鉱業と一般公益との調整等に関する件  以上各案件について、議長に対し閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

島村一郎自由民主党

○島村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次に、委員会が閉会中審査を行なうにあたりまして、参考人から意見を聴取する必要が生じました場合、参考人から意見を聴取することとし、その人選、日時、手続等に関しましては、あらかじめすべて委員長に御一任願っておきたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

島村一郎自由民主党

○島村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次に、閉会中委員派遣に関する件についておはかりいたします。  閉会中審査案件が付託になり、審査のため委員派遣を行なう必要が生じました場合には、委員を派遣することとし、その承認の申請等に関しましては、すべて委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

島村一郎自由民主党

○島村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。

島村一郎自由民主党

○島村委員長 通商産業の基本施策に関する件並びに私的独占の禁止及び公正取引に関する件について調査を進めます。質疑の申し出がありますのでこれを許します。田中武夫君。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 通産大臣とそれから重工業局長に競輪の選手の問題につきまして若干の質問をいたしたいと思いますが、この去る七月三十日の読売新聞の記事はごらんになったでしょうか。

高島節男通商産業省重工業局長

○高島説明員 私、拝見いたしております。大臣には御報告を特に申し上げてはおりません。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 それでは、その記事に関連をして、競輪選手の人権についてお伺いしますけれども、この新聞の記事によると、A級選手である鳥山厳也という選手が八百長をやったであろうという推定をせられて、二年間いわゆるあっせんの停止、その後登録の消除をせられておるわけなんです。そこで、この選手のあっせんとかあるいは登録に関しては、日本自転車振興会のほうに与えられた権利である。しかしながら、それには一定の原則がなくてはならない。そこで、自転車競技法を見ますと、十二条の十六の三号に「選手の出場のあっせんを行うこと。」こういうことになっておって、十二条の十八、これは業務方法書は通産大臣の認可を受けなくてはならぬ、そういう規定であって、その中の二項の二号に「選手の出場のあっせんの基準」というようなことがきめられてあるわけなんです。したがって、出場のあっせんを停止するにいたしましても、それぞれの基準がなくちゃならぬと思うのです。どういう理由によって、業務方法書のどの規定に基づいてあっせんの停止を行なったのであるか、お伺いいたします。

高島節男通商産業省重工業局長

○高島説明員 認可をいたしました業務方法書の中に第六章、「競輪に出場する選手のあっせんの基準」というチャプターがございます。それの中の百二十六条の三号、これに基づきまして八十七条の規定、これは登録消除の原因項目を並べておりますが、その中にいろいろな事由があがっております。十五項ほどございますが、この規定に該当するおそれがあって、それについて本会すなわち日本自転車振興会が調査を開始いたしましたときは、あっせんの保留の処分をするということの事由がございます。これに基づきまして日本自転車振興会としてあっせんの保留をした、こういう意味でございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 そこで、おそらくこの業務方法書百二十六条三号のうちで、「競輪の公正安全を害すると認められるとき」たぶんこれであろうと思うのですが、そういたしますと、八百長をやったということがはっきりしておるとするならば、私は当然競輪の公正かつ円滑な実施をすることを義務とするところの日本自転車振興会は、それに対して当然告発をすべきじゃないか。ところが告発はなされていない。そうしてこれは新聞の記事ですから、はたしてそのようなことを間違いなく言ったのかどうかは別といたしまして、この記事の中に自転車振興会の業務第二部長が、「八百長は間違いないと思う。ただ、内部の問題だから警察ざたにはしない」こういうようなことを言っておる。こういうようなことばを使ったのかどうかは知りませんが、競輪の八百長を内部の問題であると考えるようなことであっては困ると思うのです。一方において、はっきりとした理由があればこそあっせんの停止をしたわけでしょう。ところが、それならば当然競輪の公正、円滑な実施を義務とするところの自転車振興会は、そのことをもって告発すべきだと思う。ところがそうはやらずして、一方においてその嫌疑濃厚だというだけであっせん停止をし、警察ざたにしなかったのは内輪の問題だからである、こういう感覚であったら困ると思うのですが、その間の事情はいかがですか。

高島節男通商産業省重工業局長

○高島説明員 あっせん保留、あるいはひいては登録の消除といいます選手に不利益な処分をやっていきますための制度といたしまして、自転車振興会の立場としましては、八百長ということは、常識で考えましても、これはそうであるのかないのか非常にむずかしい問題で、頭を悩ませる点だと思いますが、犯罪事実として確たる証拠があると思料するという段階にはなかなかならないが、当該選手の出場が競輪の円滑な運営上、この人が出るとどうもとかくがたがたが起こりやすいという一つの状況判断が出てくることが一般的にございます。それで「競輪の公正安全を害すると認められる」という感触は、ややそこは広めて、一般的な状況判断に基づいて自転車振興会ができるたてまえになっておりますので、それに基づいてやった。したがって、犯罪であるということで直ちに告発するという感触ではなくて、やはりその人についてはそういうもんちゃくが起こりやすいということで押さえまして、やった処分であります。ただ、新聞に出ております事実は、いま私が申し上げましたのと、御指摘のとおりいささか違う感触でございます。この自転車振興会のほうの方の言われていることは、これが事実であるとするとちょっと語弊があるのではないかと思います。八百長は間違いないが、中の問題だから警察ざたにはしないというのは、これはちょっとたてまえとしては筋は通らないと思います。むしろそういう一つの何といいますか、客観的な状況がある、したがって、これはいま私の申しました公正かつ安全なレースの維持という運営上の問題として不穏当であるので、こういう処分にしたのだ、こういう気持のことと私は会長からは承っておりますが、そこの点、どういう発言をされたかは存じませんが、このとおりであるとすれば、これは穏当を欠くものと思いますので、私からも訂正をいたさせていただきます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 このとおりの発言をしたかどうかは責めませんが、そういったような認識、感覚があるとするならば問題だと思うのです。大臣、いまの局長の答弁と私の質問を聞いておられて、もしそのような感覚で、あるいはそのような認識で自転車振興会の幹部がやっておるとするならば、これは問題だと思うのです。大臣から何か適当な処置を望みたいと思いますが、どうですか。

菅野和太郎自由民主党通商産業大臣

○菅野国務大臣 この問題自体を私全然存じておりません。したがいまして、この問題自体についての私の答弁を申し上げることは無理かと存じますが、そのお話のこれを告発するかどうかというような問題は、結局八百長が一般大衆に悪影響を及ぼした場合は、これは犯罪になると思うのです。しかし一般大衆に悪影響を及ぼしたという証拠がなければこれを告発することは困難かと思うのです。その点において論点があるのではないか、こう私は存じておる次第であります。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 私の言うのは違うのです。八百長ありと認定しておるのです。だからこそその選手が出場することは公正な競走の確保ができないということであっせんを停止した。そうするならば、その件について調査を進むべきである。しかし自転車振興会は、選手については査問権があるとしても、それ以外のことについては力がないわけなんです。したがって、当然これは司直の手を待つべきだ。それを、八百長をやったことは明らかであるけれども、内部のことだから警察ざたにしなかったという感覚、これがどうかと言っておるわけです。そういう考え方を持つ自転車振興会の幹部がおるとするならば、これは大いに監督官庁である通産省においてもっと教育をし直すか、あるいはそういう人はかえてもらう、そういうことが必要じゃないか、こういう意味で言っておるわけです。

菅野和太郎自由民主党通商産業大臣

○菅野国務大臣 その間の事情を私ははっきりいたしませんが、そこで問題は、ほんとうに八百長をやったかということについての確証が握られないがために内部的な処分をとったんじゃないか、こう私は考えておる次第でございます。これがほんとうに確証があるのであれば、それは当然司直の手によって審判、裁判されるべきだ、こう存じます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 いわゆる告発をする、それを司法警察官が受け取って送検する。そうして送検できるだけの証拠があるのかないのか、あるいは検察庁において起訴をして公判を維持していくところのそれに足る証拠があるのかないのかということは、それは検察の仕事なんですよ。しかし自転車振興会とすれば、あくまでも自転車競技法によっていろいろな権限を与えられておる。そのことは何かといえば、一口にいえば自転車競技の公正かつ円滑な運営ということが使命なんですよ。それに少しでも疑いがあるようなときには、当然自転車振興会が動くべきだ。ところが、自分の権限の及ぶのは選手だけだということで、選手だけにその疑惑を押しつけて、そしてこれはずるずると二年間にわたってあっせんを停止しておる。すなわち、干したわけです。これによると、その選手はA級選手であったので、それまでは毎月二十三万円以上の収入があった。そして家族七人が生活をしておった。ところが、二年間収入ゼロ、生活に困る、そういうことで人権擁護部へ人権問題として提訴をした、こういうことになっておるのですが、二年間あっせんの停止をしたことは事実ですか。

高島節男通商産業省重工業局長

○高島説明員 二年間あっせんの保留を自転車振興会としてやってまいっております。それで、私の意見もやや入りますが、経緯を申しますと、その結果、結局公正かつ安全な競走を行なうのに不適当と認めまして、登録消除をいたして、現在異議申し立てが出てまいっておるという形になっております。ただ、二年間こういう状態でまいったということは、私は、結果的に見まして非常によろしくない、むしろ、登録の消除なり何なりするならするで、ある時期で決断をすべきではなかったのか、こういう感じがいたしまして、その点は遺憾に存じておりますが、現在の制度でまいりますと、非常に不正な行為をした、競技法違反といいますか、そういうたてまえのところまでいっておるということのほか、公正かつ安全な競走を行なうに不適当と認められる理由がある場合、現在の認可を受けました業務方法書の事項の中で登録消除に至ります根拠規定がございます。この根拠規定によって、ある時期にむしろよしあしの決心をみずからすべきではなかったか、あとからでございますがこういう感じがするわけでございます。それでこういう手続をやってまいります際に、自転車振興会の気持ちをそんたくいたしますと、途中でやはりできるだけ自発的に退いてもらうというところをねらいまして、何回も事情を聴取したりいたしまして、穏やかに済まそうという気持ちがどうも強かったように見受けられます。それが先ほどの、少し筋が乱れておりますが、新聞における発言等の気持ちにもどうも反映しておるようにも見られる。それで今後のやり方としましては、こういった人の権利に関する問題でございますから、慎重に大いにやらなければいけないという面はございますが、それが逆に、解決をつけないでいつまでも長くなってしまうということはかえって逆効果になるので、公正かつ安全な競走を行なうのに不適当だということが認められているという認定は、ある時期においてはっきりとやって、問題の処理をきれいにしていくということは必要ではないか。この点は特に振興会のほうにも注意をいたした次第でございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 業務方法書の百二十七条、これは、この選手は百二十六条であっせんを留保したのか知りませんが、百二十七条では期間は一年以内となっています。「一年以内、出場あっせんをしない。」ということになっているのですね。したがって期限の最長は一年ではないか。それとも一年以上やってもいいというような、業務方法書に根拠がどこかにありますか。

高島節男通商産業省重工業局長

○高島説明員 私の御説明がちょっと足りませんで恐縮でございましたが、百二十七条はあっせんの停止という処分で、ずっと読んでみますと、問題はどちらかといいますと、秩序を乱したとか不節制とかいうような事由でございます。競走行為自体で公正と安全を害するという競走のビヘービアの問題と関連しましたものが百二十六条のほうでございまして、これはあっせん保留、これのやり方は一応一カ月という形になっております。三号でございます。その三号で自転車競技会のとってまいりました処置は、「当該選手の参加が甚だしく競輪の公正安全を害すると認められるときは、これを延長することができる。」というたてまえになっておりますから、この百二十六条のほうで期間を更新しながらやってまいった、こういうのが今度の処分内容でございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 これは「一月以内においてその調査中および審議中の期間」は留保する、こういうことでしょう。あっせん停止処分というのは百二十七条ですね。じゃこの選手の場合は、百二十六条のあっせんを保留するという処分ですか。

高島節男通商産業省重工業局長

○高島説明員 百二十六条のあっせんの保留という形でまいっております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 それによると、一カ月以内において調査中、審議中に限るんですよ。したがって、その結果は白か黒で決をつけなくちゃいけないのですよ。そうでしょう。もしそうだとするならば、一カ月以内にやったのは二十四回ですか、それを更新をし、かっこの業務方法書の百二十六条三号にいう、その調査及び審議が一カ月ごとに二十四回続いたのかどうかということです。そうでなかったら、不当の処分保留だということになるでしょう、どうですか。

高島節男通商産業省重工業局長

○高島説明員 私もその間の調査、審議の実態はよく存じませんが、振興会の立場といたしましては、本件は非常にむずかしい案件と思いまして、調査をし、審議をしながら、その期間をこれに基づいて更新してまいった。そして二年まで更新してきた、こういうことでございます。それに気がつきましたので、むしろある段階において——それだけあっせん保留の期間を長くするということは、むしろかえってこちらが何といいますか穏やかに済まそうという議論だけでいっておっては、かえってものごとの本質を誤るゆえんではないか、これも適当なところで、保留の期間を延ばしてはいかぬとは申しませんが、適正な良識があるわけで、早く決意して打ち切って、登録を消除するかしないかということをやるべきではないかということを警告しました。その結果、登録消除に踏み切った。非常に長くわたりましたことは、私よろしくないという感じを持っております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 これは先ほども言っているように、あっせん停止処分ではない。停止処分は一年以内。ところが、これは停止処分でなくて保留なんでしょう。保留であるならば、一カ月以内の期限を切ってその調査及び審議をやっている期間、そして「これを延長ずることができる。」ということは、一カ月というもので、若干その間に調査なり審議が長引く、こういう意味だと思うのです。それが二年も続くという意味ではないと思うのです。  そこで、たとえば労働基準法においても、就業規則において懲罰する場合に、本俸の何割まで何カ月以内というようにきめておるわけなんです。二年間にわたって干すということは、これは悪いなら悪いで処分してしまうなら話は別です。しかし二年間にわたっていわゆる殺さず生かさず、ヘビのなま殺しという状態に置くということは、まさに私は人権問題だと思うのですが、法務省の人権擁護局長さんかだれか来てもらっているはずですが、いかがでしょう。

堀内恒雄法務省人権擁護局長

○堀内説明員 私どものほうの東京法務局長に鳥山厳也という方から申告がありまして、東京法務局で調査をしました結果、人権擁護上も問題であるということで処理をいたしております。どういう点に問題があるかと申しますと、先ほど来御質問にありましたように、出場のあっせんを保留いたしましたが、その保留の期間が不相当に長いという点が、この選手の生活上の地位を不安定にしたままにおいて、そうして生活権を侵害している。こういう立場から人権上問題であるとして説示をいたしたわけであります。先ほど来先生の御意見にもありましたように、「競輪に関する業務の方法に関する規程」の百二十六条の一項第三号に、八百長をした疑いがあって日本自転車振興会が調査を開始したときは、一月以内においてその調査中及び審議中の期間その当該選手に対する出場あっせんを保留することができる、なおその保留期間は一カ月以内である。そういうふうに規定をいたしまして、保留期間というものは一カ月であるということを明らかにしておるわけであります。  なお、ただし書きがついておりまして、この期間を延長できるという旨を規定しておりまして、しかもその延長期間につきまして制限する規定はございませんけれども、右の本文の規定の趣旨からいたしますと、調査及び審議に通常要する以上の期間を保留するということは妥当でない、こういうふうに考えるわけであります。したがいまして、本件の場合、振興会におきまして約二年もの間保留期間を延長した、そしてその二年の間におきまして三回程度本人から事情を聞きまして、また警察などから情報を集めたほか、関係者、選手一名につきまして事情を聞いた、そういう程度であることがわかりましたのでありますが、振興会は本人から結論を早く出すようにという要望があったにもかかわらず、同人が自発的にやめるというようなことを期待いたしたらしくて、結論を出さないままで放置しておいたということが認められたわけであります。  これは先ほども述べましたように、この選手をしまして不当に長期間に不安定な状態に置いたということになりまして、生活権が侵害されておる、こういうふうに考えられましたので、東京法務局におきまして振興会の業務第一部長らに対しまして右の点を説示いたした次第でございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 そこで大臣、これははっきりと期間は一カ月、こう言っておる。それを期間は延長すことができるといっても、常識からいっても一カ月の期間をなおこえるということはあり得ないと思うのです。それを二年間何もせずにほおっておいたということです。そういうことは許されないと思うのですが、その間の日本自転車振興会の考え方、態度についてはどうなんですか。

高島節男通商産業省重工業局長

○高島説明員 自転車振興会のほうから私の承っておりますところの内容を御説明いたします。先ほど法務省からもお話がちょっとございましたが、事情聴取を三回にわたってやっておりますが、その間に自転車振興会側として非常に苦慮いたしましたのは、こういう形で登録の消除ということは極力避けたいという気持ちがあったわけであります。これは気が弱い面もあると思いますが、かどが立たないように処理したいという気持ちがかなり強かったことと、それから自発的な退職かそうでないかでは共済会の退職給与にもいろいろ響いてくるという実際上の問題もございまして、そこらを頭に置いて極力自発的に退職されることを勧奨してまいった、こういう感じのようでございます。それは先ほど私が申しましたように、ややそちらに流れると今度は秩序が立たなくなるし、かえって当人自身をつらい立場に追い込んでいくということにもなりますので、やり方はぴったりとやっていくべきではないかと思います。ちょっと私の感じで申しますと、業務方法書のあっせんを保留をいたします際に、一カ月で調査がはたしてつくのかどうかということになりますと、非常にむずかしい性格の問題で、どうするかということの判断もいろいろできるかと思います。一カ月ということは短きに失するのではないかという感じは一つございますが、これを延長することができるというたてまえになっておるからといって、ただ延長するということはどうも処分として妥当性を非常に欠くのではないか。したがって、その点は厳重に注意いたしまして、今後の運営方法もひとつ考えてみたい、こういうように感じております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 どうも答弁が少し長過ぎるから……。これは調査期間と審議期間ということです。それを除いてみだりに保留してはいけない、こういう趣旨だと思うのです。それを二年間実際調査と審議をやっておったのかというと、やってないと思うのです。それなら私は自転車振興会自体がこの業務方法書の違反行為だと思うのです。さらに、ただ延長することができるだけではこういうこともあり得るので、たとえば一カ月なら一カ月ときめる。事によって一カ月では済まないと思う。それならばなお一カ月にわたってとか、それを何回までどうとかというような刑事訴訟法の勾留期間の更新のようなことまでやらなくてもいいけれども、そのような更新規定は必要だと思うのです。そうであればもっと早く片がつく。この問題につきましては、この選手の地元の畑和議員からもあとで事実問題等について質問があるようですから、私はあえて深くは言いません。しかしこういう規定も検討する必要があるし、自転車振興会の態度についても、もっと強く通産大臣から監督というかあるいは命令すべき必要があろうと思います。  次に、この選手に対しましてはこういうことが問題になって、あわててといえば語弊があるかしらぬが、登録の消除をやったわけです。業務方法書九十一条では、登録の消除は審議委員会の決定に基づきこれを行なう、こうなっておるのですが、この審議委員会というものがどういう目的で置かれ、どういうメンバーによって構成せられ、どのように運営せられるかということについては別に定めるとも何もないわけです。規定はあるかもしれませんが、少なくとも選手の生活権を奪うところの問題です。しがたって、広義な意味において法律あるいは法律に基づいて出ておる通産大臣が定めるところの政令、省令、命令、あるいはこれによって認可を与えたところの業務方法書に根拠がなくてはいかぬと思うのです。ところがここにぽんと審議委員会というものが出てきて、審議委員会というものが業務方法書からはいかなる構成であり、どのような運営をせられて、何をやるのか、こういうことが明確でないということはいかがでしょう。

高島節男通商産業省重工業局長

○高島説明員 ただいまの御指摘の点でございますが、業務方法書の中に審議委員会の規定が御指摘のようにございまするが、業務方法書の三十一条のところに、登録の消除をやりますときは審議委員会の決定に基づいてこれを行なうと書きまして、その第二項に「審議委員会については、別に定める。」というだけでこの業務方法書を認可したということになっております。この点私自身も今回の問題とも関連して考えたわけでございますが、この規定だけから申しますと、審議委員会の中身というものがこの業務方法書の中に具体的に浮き上がってこない。詳細にあまり規律をいたしますことは、自転車振興会に独自性を与えて——その特殊法人であることが一面ではいろいろと議論になったりいたしておりますが、ここに独自の権限を持って自主的な規則をつくってやっていってもらいたいと思いますが、本件はいろいろとこういう基本的な人の問題にもかかってまいる事項でもございますので、審議会の内容につきまして、業務方法書との関連におきまして、将来ひとつ検討いたしてみたいという気持ちで現在考えてみたいという心境でございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 ここにぽっと審議委員会というものが出てきて、「別に定める。」こうなっておる。これからいうならば、この業務方法書は通産大臣の認可を受けなくてはならない。「別に定める。」というやつは、別に審議委員会設置規程とかなんというのをつくる場合、これは当然認可事項になると思うのです。ところが、そういうことが全然出てこない。もちろん自転車振興会に与えられた権利の行使ですから、そのメンバーを自転車振興会の会長が任命するとかいうようなことで私は差しつかえない。しかし、少なくとも業務方法書に「審議委員会については、別に定める。」というような規定があるなら、もっとはっきり運営なり、メンバーはどういう者をもって構成するとか、そういうことをやる必要があると思う。それが全然ないということはやはりおかしい。しかも、この審議委員会の議を経ることによって、選手の生殺与奪の権利を持っておるのですね。もちろん発令は自転車振興会の会長の名でやるだろうと思うのですが、その審議委員会ですが、さらに本件についてもそうですが、選手から異議の申し立てがなされておる。じゃ、その異議の申し立てを受けて再審議をやるのはどこかといえば、この審議委員会なんです。世の中に、処罰したものが今度は異議の申し立てを受けたときに、同じメンバーによってそれを再審するというようなやり方はあるでしょうか。処分して、被処分者が異議を申し立ててきた場合、それを受け付けてやるのが、同じ処分をしたものが行なうのですよ。異議の申し立てに対する再審は同じメンバーがやる、こういうような法はどうなんです。しかも私が言ったように、その審議委員会は何ら業務方法書等々によっては明らかにならない、こういうことになってくると、少しおかしいと思いませんか。異議の申し立てがなされたときには審議委員会でやるでしょう。そうじゃないですか。そうだろう。どこに行ったって、異議の申し立てを処分したものと同じものがまた再審するというような法がありますか。どうです。異議の申し立ての道を開くならば、人格の異なったものがあらためて審議をし直すことによって異議の申し立ての再審の意義があるんじゃないですか。そうじゃないですか。あえて上級機関とか何とか言いません。がしかし、そうでなかったら異議の申し立ては意義をなさんじゃないですか。どうなんです。

高島節男通商産業省重工業局長

○高島説明員 ただいまの御質問は、制度的に私も答えますだげの知識を持っておりませんが、乏しい私の経験を一つ申しますと、昔、公益事業令というのがございまして、これはいま電気事業法に変わってしまっているのですが、昔の例で恐縮でございますけれども、当時同じ行政庁でございます公益事業委員会というもので料金の認可等の行政処分をやっておったわけです。それに対しまして異議がありましたら、同じ公益事業委員会に対してさらに異議申し立てをするという規定がございました。そうすると、いま田中先生のおっしゃいますように、再び同じ人間がそれをやっていくということにもなりますが、その際は中の機構等をくふうがいたしてございまして、特にそういう異議申し立てを受けたところの課長は今度はずれるわけでございます。私の身近な経験でございますが、料金課長というので料金をやっておりましたら、その認可に対して異議の申し立てが行なわれた。それは今度は審査という別の手続の課がございまして、しかし、結局公益事業委員会がまとめる。しかし、その審査の内部で分課の区別をいたしまして、少し違った角度からこれが検討できるようにくふうをいたしているように思います。そういう点も頭に置きまして、今後自転車振興会の中でこういった案件を取り扱うのに、先ほどの、いつまでもひまがかかるとか、あるいはルールとしての承認を、組織なり何なりについて受けないではたしていいかということともあわせ含めまし七、この機会にひとつ検討をいたしてみたいと思っております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 いまあなたが答えられた問題は、電気料金等に関する審査会ですか、異議の申し立てをするのは同じ機関だというけれども、問題が少し違うと思うのです。経済問題です。片方はそうじゃないですよ、いわゆる処罰に対する異議の申し立てですよ。それを同じ機関が取り扱うという。しかもあなたのいまの答弁は、そういう経済問題についても、同じ審査会ですか、受け付けたとしても、角度を変えた、あるいは人数をふやすとか減らすとかいう方法でやる。この場合は何らそんなことについて明確な規定も何もないのです。それでいいのか、こう言っているのです。  それからさらに、自転車振興会の処分に対しての異議の申し立ては、同じところへ持っていったってだめだ、こういうことを言っているのですが、これを訴訟的に考えた場合、自転車振興会がやる処分は行政処分じゃありませんね。特殊法人がやるのはいかがですか、民事訴訟になるのでしょうね。これはどうです。この処分の性格は行政処分じゃありませんね。行政処分ですか。

高島節男通商産業省重工業局長

○高島説明員 私、その点についてははっきりお答え申し上げるだけの知識を持ちません。法務省もきょうおいでの方はそちらのほうの担当でないと思いますので、残念ながらはっきりしたお答えはできません。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 これから離れて、こういう特殊法人のやったことは行政処分になるのかならないのか。ぼくはならないように思うのだがね。そうすると、特殊法人の性格に戻らなければいかぬですね。これが民事訴訟か行政訴訟かという点は、あとで畑委員の質問で明らかになると思います。この処分の性格は何か、行政処分ということであるならばちょっと疑問ですね。ともかくこういう自転車振興会の行なう処分、性格についていま答弁ができないとするならば、あらためてやっていただきましょう。  それから先ほど来申し上げているように、自転車振興会の業務方法書についてはなお検討をし、直していかなければならぬ点が、たまたまこういう事件があってちょっと見ただけでも二、三カ所出てくるのですね。したがって、全面的な検討をやり直す用意がありますか、いかがですか。

高島節男通商産業省重工業局長

○高島説明員 こういう規定と申しますものは、起り得るいろいろなことを頭に置いて書くわけでございますが、とかく私どもの経験で申しましても、前例にならうというような形で一つの組織を考えてやっていくことが多いと思います。ただ前例と申しましても、機関それぞれの性格の差がございまして、自転車振興会は、設立以来相当の年数も経てまいっておりますし、いろいろな経験を経てきているかと思います。部内及び振興会その他の方々の知識をかりまして一度全面的に見直しをしてみたいというように考えております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 畑委員がこの問題についてよく御存じだから、質問せられますので、私はこの程度でおきますが、たとえば先ほど来言っているように、業務方法書百二十六条の三号の一カ月、これを延長するということについて、もっときちっとした更新規定を設ける必要があるのではないか。さらに審議委員会の性格を明らかにし、その根拠を大臣の認可にかかるところの業務方法書の中において定める必要があるのではないか。異議申し立てに対して、これを受け付けて再審議をするところが同じ人格であってはならない。したがって、それについて違った観点からこれを再審査するとか何かの方法をとるような機関、機構が必要ではないか、ちょっとこの問題だけでも三点ばかり疑問が出てまいりました。こういう点については速急に検討をし、これはむしろ法律のたてまえからいえば、自転車振興会がこしらえて大臣の認可を受けるというかっこうになるのだが、監督庁としての通産省からそういう点を指摘して、直ちに認可を申請するようにやっていただきたい。  それと、今日までの自転車振興会、これは一つは温情であったかもしれないが、しかし、そういったようなけじめのつかないようなことをやっていたことに対しては十分なる警告を発してもらいたい。こういうことを申し上げまして、きょうは五十六回国会の最終日だし、そうかっかとやるほどのこともありませんので、私の質問はこの程度でやめます。

島村一郎自由民主党

○島村委員長 畑和君。

畑和日本社会党

○畑委員 本件につきましては、先ほど田中委員から話がございましたように、実は私、この記事になっておりまする鳥山厳也選手の住所が選挙区なものですから、私のところへ陳情がございました。そういう関係で相当具体的に詳しく、あるいは一方的かもわかりませんけれども、事情はある程度承知をいたしております。さらに、たまたま鳥山の弁護人が私のところに弁護士の修習にきておった若い弁護士でございまして、そういう点でもよく承知しております。さらにまた、実は自転車振興会の顧問弁護士であります方が、私の浦高、東大時代の後輩でございました。そういう関係で、私がこうした関係について質問をするというような話をどこかで聞いたらしくて、私のところへ参りましたので、そのほうからの話も実は本人に話す以上のことを私に話してくれました。そういうことで、両方の話を聞いておりますから、必ずしも一方的ということではなかろうと思いますが、そういうことを織りまぜて若干伺いたい。田中委員から相当法律的に詳しく質問もされたのでありますが、さすが法規に明るい田中委員だと思いました。  実は、この鳥山厳也さんのほかに、ほとんど同じような案件が一つございます。それは赤岡照美という岐阜出身の選手です。これがほとんど同じような、やはり二年間近く保留になっておりまして、これも鳥山と同時に消除になりました。調査関係等もほとんど同じような経過をたどっておりまして、この赤岡のほうも同時に異議を出しておるはずであります。この点はひとつあとでお調べいただければわかるのでありますが、そこで自転車振興会のほうの側が申しますには、やはり八百長の疑いがある、こういうことなんでございます。この点は先ほど局長からもお話がございましたが、新聞の記事がもし事実とすればそれは間違っているんだ、こういような話がありましたが、自転車振興会の顧問弁護士も八百長だと言うておりました。ところで、なぜ八百長だとあなたは断定できるのだ、こういうことを申しますと、この鳥山選手の出場した保留処分になる前のレースが四、五回にわたって異常売り上げ、その日のレースが異常売り上げだった。こういうことが一番の根拠です。これは異常売り上げといっても、その選手に対する券をたくさん買ったというのでは必ずしもなくて、相対のそのレースの売り上げが、本来は第一レースからだんだんとなだらかなカーブを描いて上昇するというのが普通のならわしだそうでありますが、それが途中でちょっと高くなった、それからまた下がる、こういうようなことで、常識に反するんだ、こういうことなんです。鳥山選手によけいにたくさん投票があったのかというと必ずしもそうではない。要するに、その参加をしたレースが異常な売り上げだったんだ、これが第一の根拠です。この辺はわれわれもよくわからぬのですが、統計的にそうなるのかどうか、この点についてはむしろ私のほうは、この際に当局のほうで振興会のほうに照会してもらって、それで逆のデータを出してもらいたい。すなわち、警察関係のほうで八百長で刑事処分ということになって裁判を受けた選手が何人かいるはずです。そうした選手が当該の犯罪事実とされたレース、そのレースのときの売り上げ、それがはたして異常売り上げであったかどうか、こういう点をずっと最近の例のものを、全部の刑事処分になった選手のしかも疑われたレース、それでその当該レースが異常売り上げであったかどうか、これをひとつ調べるように当局のほうから自転車振興会に資料を提出させていただきたい。そうでなければ、なかなか私としても納得いかないのです。非常に偶然な事実もあるはずでありますから、これをもってきめつけるということはけしからぬ話です。そのほか、自転車振興会側のほうで言うには、いろいろなうわさがあった、あるいはまた警察から照会があった、この男についていろいろほかの選手の問題のときに名前がときどきちらほら出ている、こういった情報がある、こういったようなことを実は言うておられますけれども、それが実は鳥山のほうに聞きますと、警察関係に呼ばれた事実は一度もない、こういうことなんです。これは事実のようであります。  それから、八百長というのは、御承知のように一人では八百長はできません。少なくとも複数の人がお互いになれ合って、そうして正当に競走すべきところを競走せずに、なれ合って着順をわざと変える、こういうようなこと、それと、それをあやつり車券を買ういわゆるボスと申しますか、そういうものが存在している場合がほとんどでありまして、どうしてもこうした三者がなければ競輪の八百長ということはできないはずであります。そうであるとすれば、そうした共犯の人たちが、刑事処分にならなくても、少なくとも何らかの自供を自転車振興会側のほうにしでなければ、断定するのはちょっとむずかしいのではないかと思うのです。そういう点が実はないようであります。そうだといたしますならば、長いこと保留にしてあった、先ほど田中委員から指摘がありましたような、長いことあっせん保留、二年間ですからね。これは二十万円も三十万円もの収入のあった人が急に二年間も、しかもいつまでという期限の定めもなく、二年間もほったらかされたのではたまらぬ。いわゆる田中さんの言われるとおり干されたということになると思うのです。これは私は非常な人権問題だと思うのです。もしこの人がほんとうに不正を働いた、八百長をやったということならば、これは厳重に刑事処分もされなければならぬわけでありますが、そういった証拠がないのに長いこと保留になって、しかも消除になったということは、どうしても人権問題として私は許せないと思うのです。  それに関連をいたしまして、先ほどあっせんの法律的な性格の問題、あっせん保留ですか、それの保留が一カ月だ、それでさらに延長されることがあり得る、こういう勾留の延長みたいなもの、勾留の延長でも御承知のように二カ月ずつで勾留は延長されます。ちゃんとした勾留延期の決定がなされまして、裁判長の命令が本人に送達されなければ効力がないわけであります。ところが、今度の場合には、まことに安易に延長されたままであります。しかも、私はいま関連して聞こうと実は思ったのですけれども、一回しか延長の通知がありません。鳥山君についても、赤岡君についても、一回の延長があっただけです。しかも、その延長が実にばかにしているんですね。ずいぶんあとになって、延長の通知が来ている。鳥山君の場合のごときは、四十一年八月十五日の日付で四十年八月十一日付の通知。あっせん保留してあるけれども、四十年九月十日、すなわち、それより一カ月後ですね、以降については「競輪に関する業務の方法に関する規程第百二十六条第一項第三号ただし書の規定に基づきさらに貴殿に対するあっせん保留を延長しましたので、御通知します。」通知の行ったのが四十一年八月ですよ。四十年の八月にあっせん保留になったものが、ちょうど一年たった八月に——一カ月があっせん保留の期間ですから、八月十一日以後、九月十日以降についてはあっせん保留にいたしておりますと、あとになって、あっせん保留の通知が一年もたってから来ている。しかも、前からずっと続いていますよ。こういったような一片の通知が来たきりです。赤岡君の場合についても同じです。赤岡君の場合には、八月六日ですから、一カ月たった九月の五日以降ずっと延長になっております。こういうことを四十一年に、やはり八月十五日に、同じ日に通知いたしておる。こういう不親切というか、法規を無視したやり方。先ほど法務省のほうから言われましたように、きちんきちんと、これは勾留延長のように、一カ月と書いてあるんだから、そうすべきではなかろうか。この辺は知っておられたか知っておられなかったかわからぬけれども、この辺について、ひとつ局長のほうから御返答願いたい。それほどいいかげんにされておった。こういう点からも、先ほど田中委員から指摘されたようなルーズさをもっと法規的にもはっきりさせなければならぬのじゃないか。人権問題だから、こう思うんですが、いかがですか。

高島節男通商産業省重工業局長

○高島説明員 私からお答えいたします。ただいまの後者のあっせんの延長のしかたでございますが、当人に対しまして、通知は親切にしていかなければならぬと思います。自転車振興会の権限であるたてまえから、逐次やっておったのだという気持ちかと思いますが、私もそこの事情はよく存じません。やはり延長いたしますならば、当然当人には利害関係がございますので、何らかの形においてきちんと通知をしていくように、そこははっきり注意をいたしたいと思います。  それから認定の問題でございますが、これは事実上なかなかむずかしいといいますか、実情を聞きながらその場で自転車振興会が、法規に基づいて権限を持っておりますから、そこが一つの非常にむずかしい判断でございますが、専門的にやっていかねばならぬ性格のものでございますので、役所といたしましても、売り上げの状況とか、そういうところは具体的には私はこまかく承知をいたしておりませんが、どんな状況になっておりますかは、なるべく調査いたしてみたいと思っております。ただ、全般的に制度といたしまして、やはり役所はきちんとしていくのが監督官庁の一番の責任であろうかと思いますので、個々の処分についてのことは、その妥当性等はあるいは裁判で争うとか、そちらのほうの問題になってまいりますが、役所としては制度的にきちんとしていくということが最大の責務ではなかろうかと思います。両先生の御指摘のとおり、業務規程等を中心に見直しをいたしたいと思います。

畑和日本社会党

○畑委員 そういうことで今後厳重にやってもらうということは了解いたしました。  その次に、いろいろ本人に詳細を聞いたんです。それが、二年間で先ほど法務省の話だと三回、本人から私が聞いたところによりますと二回、しかも、これは保留になる前に三十九年十一月に一度呼ばれております。その後も呼ばれております。四十年八月三日です。そのほかに二回呼ばれておりますけれども、それはほかの選手のことについて聞かれた。だから当該の鳥山君のことについて聞かれた機会は、あっせん保留になる前が一回、その後ずっと、四十年八月三日ですか、あったきりだ、こういうことを言っておりますが、いずれにいたしましても、若干違うかもしれませんけれども、ほったらかされておりまして、逆に本人のほうあるいは義理の父親のほうからずいぶん何度も催促に行ったそうです。いろいろつっかかることもあったでしょう。そういったようなことで感情問題が相当根本にあるのではなかろうか。根拠がないだけに、本人も身に覚えがないだけに、やはり正しく調べてくれ、こういうことを言うもんだから、感情問題になっておる点もあるいはあったのではないかと思うのです。しかも取り調べというか、事情聴取の経過等も、一問一答の形のものを自分で記録しておったのが私の手元にありますけれども、それを見ましても、非常に不親切な聞き方をいたしておるようです。非常に官僚的な——大体お役人が天下った人が多いようですから、そういう関係かもしれませんけれども、非常に官僚的な聞き方、しかも一日呼んで、それで聞く時間は非常に少ないんだそうです。それでその部屋のことを選手たちは、何とか変な、監獄部屋のようなことばでみな言っているんだそうです。それで長いことほったらかしておいて、一人でおらされるそうです。それで調べる時間はほんとうに短い。こういうようなことを本人は訴えておりますけれども、それは赤岡選手の場合も同じです。二人が言うんだから、ほんとうだと思うのです。そういう不親切なやり方。ところが、どこか悪ければ悪いように警察でもどこででも調べてください、具体的に警察その他でうわさがあるのか、それを知らしてくれと言っても、それを知らさない、知らせようとしない。それは君の胸に聞いてみればわかるじゃないか、こういったようなことを言う。しまいには、君のほうで白だという積極的な証拠があれば出してみろ、それでなければだめだ、こういうことなんです。そういうことはあるはずがないのです。自分のほうで白だという積極的な証拠を出さない限りお前は有罪だ、こういうことはいまの日本の警察でも裁判所でもあろうはずはない。それを自転車振興会はどうもやっておるようだ。そういう態度を改めなければいかぬ。そうでなければ、第二、第三の鳥山あるいは赤岡が出てきます。これは生殺与奪の権を、田中さんじゃないが、握っておるんですから、これはよほど慎重にしていかねばならぬ。裁判所ですら、疑わしきは罰せず、こういうのがあるんです。したがって、はっきりしなければしようがない。おかしいと思いながら不起訴になるということもあるし、起訴になっても無罪になるということもある。そういうことでありますので、相当な証拠がなければぼくはできないと思うのです。ところが、どうもそういう確かなものはないらしいのです。しかもそれを長いことほっておいて、そうして本人が音を上げるのを待っておった、こう思うしかないと私は思うのです。その点どうお考えですか。

高島節男通商産業省重工業局長

○高島説明員 本件につきましては、要するに長期にわたって問題を引っぱっていった、これは見方はいろいろあるかと思います。自転車振興会側にしては、ある意味では温情を考えておったということもありましょう。また、それと接触される選手のほうからいえば、あるいは感情的な問題なんかもあろう、こういう気持ちが出てくる。これはこういった事件の性質上、そこはいろいろむずかしくなってくる性格のものではないかと思いますが、ただ権限を持ちましてやりますことでございますし、慎重であると同時に、やはりきめるときにきめて、いくということが、行政の面からはどうも必要なように私は考えられます。それで、今回の事案それ自身は第二といたしまして、まず制度のたてまえというものを一回洗い直してみることが一番大事なことではないかという感じがいたします。  それから、自転車振興会のこういった問題に対しての接し方でございます。これはいろいろと具体的に接されたほうのお話も聞いてまいりまして、そしてできるだけ明るい形でものごとが処理できるようにしたい。こういうことは本来とかく暗くなりがちの性格でございますから、処理のしかたが非常にむずかしいし、当事者も腐心はいたしておるかと思いますけれども、親切に片がつけてあげられるようにしたい。私ちょっと小耳にはさんでおりますところでは、問題を調べます際の部屋等も、従来とは変わって、明るいというと何でございますが、そのように改めたり、具体的に多少心がけてまいっておるようでございます。その点はさらにいま一段とよく注意をいたしてまいりたいと存じております。

畑和日本社会党

○畑委員 先ほども言われましたように、八百長であるというのだから、八百長であるとするならば、刑事問題にならなければならぬ。刑事問題になるような証拠もなければ、なかなか処罰ができないはずです。あっせん保留にするのは、何も八百長だけに限った事由ではありません。まだほかにも何かあるようです。そういう場合なら別なんですけれども、そういった刑事問題に限るとすれば、八百長だとすれば当然——それができないのを温情という名に隠れていうのはおかしいと思うのですが、しかし自転車振興会のほうは温情からこういうふうになったという言い方をしておるようでありますが、そういうときには、どんどん告発をすべきだと思う。もっとも、この間私が会いました弁護士の話によると、結局競輪なんていうものは、あまり世の中から快く迎えられているあれじゃないから、したがってこういうものを告発をすると、ますます競輪の評判が悪くなる、そういうようなことで結局やりませんでした、こういうけれども、しかし私は、それだけの理由がなかったから、証拠がなかったから、できなかったんじゃなかろうかと思うのです。それでまあ人権擁護委員会のほうから、いろいろ催促をされて、あるいは仮処分の申請が出るということで、ようやくみこしを上げざるを得なかった。その結果、結局消除という形で、えらい強く出た、こういうことだと思う。消除の事由があるかどうか、私は非常に疑問だと思いまして、いずれこれは裁判上のほうでも争われると思うのですが、その辺田中委員が言われたように、もし八百長だとすれば告発すべきだ、私も同様に考える。そうでなければ、それだけの証拠がなければ、やはり監視づきでしばらく競輪をやらせる、そういう例がだいぶあるようです。そうして監視づきでやらせてその後のあれを見守る。温情だとすれば、やはりそれがほんとうの温情だと思う。これを温情主義だというのは言いのがれだと思う。私は少なくとも鳥山あるいは赤岡の場合だけについてはそのように考えざるを得ない。同時にまた、本人たちがそういうことでいろいろ、なぜ早く処置をしてくれぬかというようなことで申し込んだり何かするようなケースもあったので、若干うらまれたり、ほかのみせしめというようなこともあったのじゃなかろうかと思うのです。そういう点も考えられないではないのでありますけれども、しかもこの鳥山選手に対しては、赤岡選手に対しても同様ですけれども、消除の処分が出る前に、これこそ温情というかもしれませんけれども、退職勧告——そうすれば依願退職になれば共済会のほうから相当退職金がおりるということで、だいぶ選手会あたりを通じて両方の選手に対して話があったようです。しかし二人の選手は、自分がそういう身に覚えがないからというので、そうした金銭には目をくれぬということで、断固としてはねつけた。しかも期限が切れてから逆にさかのぼってやってもいいのだ、こういうことを言ったというようなことを申しておりますけれども、そういう点が、どうも何か取引というような感がなきにしもあらずというような感じがいたします。  それからこれは参考にひとつ、同じように保留になったけれども、結局消除にならずにあと出走しておるという選手の例があるようです。石内という神奈川県の選手、伊藤という三重県のやはりこれまたA級選手、福島県の選手の五名、こういう人たちはいろいろ保留になったあと、結局ことしの五月あるいは七月ごろに出走を許可されておるわけです。ところが本件の二人の選手の場合は、逆に消除というきつい処分になったというようなこと、こういう点もいわゆる疑われている内容が違うのかもしれませんけれども、若干どうもいま言ったような要するに正義派というか、自分の身に覚えがないということで、しつっこく早く処置してくれと言っていった者に対する処置がこうなったような感じがいたさないわけでもないのです。  それからもう一つついでにちょっと調べておいていただきたいものがあります。それは立入雄次という人、この選手は東京都の競輪選手の会長をやっておりまして、日本の競輪選手会の理事もやっております。この人は四十年のしまいごろか四十一年の初めごろに逮捕されて、四十一年の夏ごろ有罪判決があったはずです。ところがこれに対して退職金が支給されておる、こういうようなうわさがあるのでありますが、それはこういった立場にあるというような関係でか。もしそれが事実とすればえらい権衡を失すると思う。私はこれは事実でないことを望むのでありますが、これもちょっと調査をしていただきたいと思います。  それからもう一つお願いいたしたいのは、今度の消除決定の審議会での一番最後の審議書というのですか、消除の決定書、これがどういう内容になっておるか、わかれば伺いたい。もしわからなければあとで資料として出さしていただきたい。どういう理由になっておるか、その理由が具体性が欠けておるのじゃなかろうかという感じがいたします。

高島節男通商産業省重工業局長

○高島説明員 御指摘の事実の点、私まだいずれも承知をいたしておりませんので、調査いたしまして、後ほど消除の処分の内容書等も先生のお手元にお届けさせていただきたいと思います。

畑和日本社会党

○畑委員 警察庁おいでですね。先ほど来、赤岡選手と鳥山選手についてお聞きになっておられたと思うのですが、この選手が結局八百長をやった疑いがある、こういうことがやはり消除の理由のようであります。それは明確に八百長をやったということは、おそらく審議書にはないと思いますけれども、それがどうも中心のようであります。そこで、警察庁のほうの関係で本人は一度も調べられたことはないと言っておりますけれども、警察庁のほうの関係でこれを調べ、あるいは調べなくとも本人にそうした八百長の疑いがあるということで内偵をした事実がいままであったかどうか、あるいは一緒にやったという共犯者——八百長であれば必ず共犯者があるはずだから、その共犯者あるいは暴力団、こういった関係から鳥山あるいは赤岡の話がいままで事実出たことがあるかどうか、こういうことをもしいま調査し得た結果があるとすればお話し願いたいのですが、もし調査していないということでありますれば、可及的すみやかにその当時の関係のもので、あるいはほかの関係の選手、あるいはほかの選手でもよろしゅうございますが、そういうことが出ているかどうか、御苦労でもひとつお調べ願いたい。本人が私に切実に訴えることは、ともかく刑事問題も警察庁のほうでよく調べてもらいたい、こういうことを盛んに二人とも言っております。疑われるのはかなわぬ、全然そういったことをやったことがないのに、そういったことで消除になるのは何としても忍びぬ、そういうことを言っておりますので、これが事実かどうかわかりませんけれども、その辺をひとつ調査ができているかどうか、あるいはできていないとすれば、今後やっていただきたいと思います。

今竹義一警察庁保安局長

○今竹説明員 まず鳥山選手について申し上げますと、これは今日まで私が聞いておることでございますので、御了承願いたいと思いますが、警察が鳥山選手につきまして取り調べと申しますか、本人に事情を聞いたということはございません。したがいまして、それの共犯、そういうものについて事情を聞いたというようなこともございません。ただ鳥山選手につきまして、いろいろ捜査の必要がございまして、自転車振興会に対して資料の提供を求めた、これはございます。

畑和日本社会党

○畑委員 調査をしたことはあるのですか。

今竹義一警察庁保安局長

○今竹説明員 ございます。  次に赤岡選手についてでございますが、この選手につきまして、警察庁が本人について事情を聞いたことはございません。またこの選手について振興会に資料を求めたことはない、かように思っております。

畑和日本社会党

○畑委員 そうしますと、鳥山選手については、何かの関係で、調査をする関係で必要があって、それで自転車振興会に調査を依頼したという事実があるというわけですね。

今竹義一警察庁保安局長

○今竹説明員 捜査の必要がございまして、自転車振興会に対しまして、たとえば競輪報告書というような資料を要求したことはございます。

畑和日本社会党

○畑委員 そうすると、鳥山選手に不正があるという容疑で、それで自転車競走の報告書というようなものを求めた、こういう意味ですか。

今竹義一警察庁保安局長

○今竹説明員 警察としまして、取り調べる必要がございまして、そういう事情を聞いたわけでございますが、具体的なことについては、この席で申し上げることは遠慮さしていただきたいと思います。

畑和日本社会党

○畑委員 いろいろ具体的にどうこうということは、ちょっとこういうところだから申し上げられないと言われるわけで、それはわかるのですけれども、ただ、その報告を求めた結果どういうことになったのですか。

今竹義一警察庁保安局長

○今竹説明員 いろいろと報告を求めて検討いたしたのでございますが、具体的な犯罪の容疑というか、そういうものがございませんので、先刻申しましたように、捜査に着手していない、こういうことでございます。

畑和日本社会党

○畑委員 以上で終わります。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 関連でございますので、一、二点だけ簡単にお尋ねをいたします。  七月二十日に法務委員会で通産省に次のようなことをお尋ねいたしました。若干資料が古いのですけれども、ことしの六月三十日現在でいわゆるA級と呼ばれている選手の数が二千六百八十六名、B級と呼ばれている選手が千五百四十九名、合わせて四千二百三十五名というのが登録されている競輪選手の数でございます。そこで大臣にお尋ねをいたしたいと思うのですけれども、その選手について社団法人全国競輪選手会のほうで調査いたしました調査統計によりますと、昨年四十一年度で鎖骨骨折、頭部、顔面部外傷、頭部骨折、胸、腰などの骨折、脳震盪、肩胛骨骨折、上肢部骨折、上肢部外傷、胸腰椎部外傷、こういうものが全部で九百三十四件あるのだそうです。さらにいわゆるレース中でない参加外の事故というのがほとんどこれに匹敵する。といたしますと、一年間のうちに競輪選手三人に一人が大けがを含む相当なけがをしているということに相なるというふうなお尋ねをして、法務委員会で人権問題として問題を提起した。そうすると、私がそういうお尋ねをいたしました七月二十日以降今日まで再び今度二人の選手が命を失うという事故が起こっているそうです。そこで幾ら自転車競技法という法に許されている競技とはいえ、とうとい命が失われる、三人に一人がけがをするというようなレースのあり方というものについては、事故防止というようなことについては、競輪だからけがをしてもしかたがないのだというような考え方ではたいへんだと思います。抜本的な対策というものを講じなければならないと思います。この点について、ひとつどういうふうな措置をすべきだろうかというような点について大臣の御所見を承りたいと思います。たとえばヘルメットの帽子をかぶらせて事故防止をしているというようなことは現在やっておりますが、それではとても追いつきません。さらに前回私が指摘いたしましたように、自転車振興会のほうでお医者さんを競技中には必ず待機させなければならないということでありますけれども、その問題のお医者さんというのが、選手の話によりますと、産婦人科のお医者さんで、ひどいときには歯医者さんが来ておったというふうな話を私は聞くわけです。真偽のほどはわかりませんが、ひとつ抜本的な対策というものについて局長のほうから御答弁をいただきたいと思いますが、まず最初に大臣のほうから——大臣、実情を聞かれてひどいと思われておると思いますが、そういうふうなことがないような行政指導をしようということ、五千人に近い選手のためにも、あるいは競輪というようなものについては賛否両論がありますけれども、少なくとも現実に行なわれておる競輪というものが陰惨なものでないためにも、ひとつそういうふうな御答弁を最初に大臣からいただいて、局長のほうからあと御答弁をいただきたい、このようにお願いいたします。

菅野和太郎自由民主党通商産業大臣

○菅野国務大臣 いまのお話、私初めて聞いたのでありまして、私も実はびっくりしたのです、三人に一人というけが人が出ておるということは。そこで、自転車競技というものが、それほどのけが人を出す競技であれば、この競技自体についてもこれは検討しなければならぬというように考えまするし、またそういう事故の防止ができる何か方法があるのであれば事故防止をして、そして競技させるということも考えなければならぬというように思います。いまのお話で私も初めて承ったので、そういうような感じを持っております。

高島節男通商産業省重工業局長

○高島説明員 ただいま御指摘の点につきましてお答え申し上げます。事故防止のためには、これは何よりも万全の措置をとっていかねばならぬ、競輪自体の問題は別といたしまして、やる以上は事故防止に万全を期すべきであろうと思います。ヘルメットについては、少しこれは改善をしていくというくふうが要るようでございます。先般の御指摘に基づきまして、現在その点特に踏み込んで、運営委のほうでも、単にかぶっているというだけ、員数をそろえているというだけでなく、一くふう重ねるという意味で検討を始めておるところでございます。それからお医者さんの配置状況は、現在のところは全部それぞれの専門の、外科を中心にいたしました配置に切りかえておりまして、全体の競輪場で専門外の人がいるというような事態は解消いたしたわけでございます。ただ、そういう措置をとりましたが、不幸にしてけがが出ておるということも、これはまた事実でございます。さらに一そう御指摘の点について万全を期してまいりたいと考えております。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 この問題について法務省の人権擁護局長さんに調査をお願いいたしました。もし現在までの、人権擁護の立場から見た改善策というようなものについての、若干の中間的な御見解でもひとつ御答弁いただけるようでしたら御答弁いただきたいと思います。

堀内恒雄法務省人権擁護局長

○堀内説明員 この問題につきまして、私ども寄り寄り資料を集めておりますけれども、まだ集めている途中でありまして、本日お答えするまでに至っておりません。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 では、関連質問でございますので、あと一点だけお尋ねをいたします。  要するに、私のお尋ねをいたしている気持ちは、選手というのは、職業でいえば非常に特別な仕事についている人だと思うのですけれども、この人たちが選手でなくなったときどうなるんだろうかということについて、私は関心と、そうしてこの問題について一つの要望したい事項がございます。と申しますのは、先ほど自転車競技法に基づく登録規則二十一条、登録の消除の問題に関しまして、競輪選手の特定の人の人権が守られていないのじゃないか、要するになま殺しの状態にあるのじゃないかというふうなところの田中委員あるいは畑委員の御質疑であったと思うのですけれども、競輪選手が、将来競輪選手をやめた後に、いろいろな転業をして、しあわせな職についている人もいると思うけれども、自転車振興会の役員に競輪の選手であった人がなったというふうな話を私はあまり聞かないわけなんです。四千人以上もいるわけなんですから、そういうようなことがあってもいいのではないかと思う点が一つ。この点についてひとつ考えていただけないかどうか、これが一点です。  いま一つは、自転車競技法に基づく業務方法規程に三つばかり委員会がある。この点については先ほど指摘があったとおりでありますけれども、たとえば現在問題になっておりますところの登録消除審議委員会、選手出場あっせん規制委員会及び選手資格審査会、こういうようなものがあるようでございます。しかしたとえば選手の出場あっせんという問題を一つとってみましても、ことばはあっせんだけれども、選手はどの競輪場へ出て出走するというような選択権がないということは、これは明らかな事実でございます。そういうような点についてあっせんの問題についても選手は若干の不満があるようであります。そこで登録消除審議委員会あるいは選手出場あっせん規制委員会等について、この点実は私詳しく実態を知らずにお尋ねをして、もしそうであれば非常に恐縮をするわけでございますけれども、選手のOB、こういう人たちがこういう審議委員会の委員になって悪いというはずはないのじゃないか、こういう感じがするわけです。たとえば登録規則の二十一条の規定によりますと、「競走に関し不正な行為をしたとき。」、そういうふうな場合に消除の対象になるということは規定されている。しかし、先ほどから論議されておりますように、どういうふうなものが不正な行為なのかというようなことについては、審判員であった人も詳しくそういうことはわかるでしょうけれども、かつて選手であった人、そういう人が、いわゆる選手の気持ちあるいは選手の実情というものは一番よくわかるのではないかというようなことを考えるわけなんです。したがいまして私は、先ほどのような八百長をしたというふうな、本人のことばをもってすればぬれぎぬを着せられて、しかもそれがあいまいな形であるという状態をなくするためにも、選手のOBというようなものが審議会の構成員に、実態がそうであればもうけっこうですけれども、そういうことになることができたならば、現在起こっているような問題はある程度防止できるのではないかと思う。この点についてはいかがでありましょうか。  それから、擁護局長さんに一言だけお答えをいただきたいと思いますけれども、問題の御調査は大体いつごろまでに御調査が完成するか、この点についてお答えをいただきたいと思います。

高島節男通商産業省重工業局長

○高島説明員 具体的な御要望の点が多うございますので、今後検討してやることが非常に多いかと思いますが、現在選手というものは一種の自営業というたてまえでやっている形ではございます。しかしながら、共済会が退職給付という制度によってその退職後の保障につとめておりますほかに、病気休場等の場合には休場給付等がございます。そういう形でやっておりますが、退職後の職場のあり方の一つの道として、自転車競技を中心にしました、自転車振興——必ずしも自転車振興会ということに限りませんが、そういう場を中心にしたところに一つの拠点を求めていくということが一つの方向であろうかと思います。現在のところ、たとえば、ちょっと思いつきますのは、競技会について、検車とか審判とか、こういうものは、やはり、野球の場合なども同様でございますが、一番そのタレントを生かし得る場ではないか、また現にそういうほうに採用をいたしている例も若干あるわけでございます。それと、役員等ということになりますと、これはまたひとつ違った見方をしてまいらねばなりませんので、選手としての習熟度合いが必ずしもこういうことに適するかどうかということに疑問もございます。道をふさいでいるわけではございませんが、なかなかこれは事実上むずかしい問題ではないかと思います。  それから、審査会、先ほどから非常に議論がされておりました点につきましては、選手の代表も、選手会の組織の上に立った代表がこの中に入っているという形で一つの審査をやる、いわゆる最後の決定をする前の意見を述べる機関になっておりまして、一つの専門家という代表になっておるわけでございます。  今後なお、御指摘の点につきまして、要するに選手の将来というものと、こういった直接競技をやらなくても、しかるべき職場というものとの間には、関連を極力つけていくというような方向で検討をいたしてみたいと思います。

堀内恒雄法務省人権擁護局長

○堀内説明員 先ほどの御質問の件ですが、この件に関しまして私どものほうで資料を集めますのを、今月末という目標でいま努力しております。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 登録消除審議委員会あるいは選手出場あっせん規制委員会、こういうふうな、たとえば選手の身分あるいは選手自身の生活に直接かかってくるような委員会の委員等についても、前向きの形においてひとつ検討してみよう、こういうふうな御答弁をいただけたと思うのですけれども、いま一度この点について確認をしておきたいと思います。

高島節男通商産業省重工業局長

○高島説明員 先ほど申し上げましたのは審査会と審議会と二つございますが、審議会は日自振の中において最後の決定をとる、会長が最後の決定をやる場でございます。これは中の機構だけの体制になっております。ただ、それだけでやっておりますことは、非常に専門的な面、また選手の立場というものに欠けるところもありますので、その前に審査会というものを置いて、そこで専門的な意見を大いに聞くという制度をとりまして、そこに選手会の代表も入ってもらう、こういう形で考えておる次第でございます。中の組織は中の理事によってきめております。一つの、理事の職制を基礎にいたしましての決定をいたしておりますので、ここの点につきましては、私は、むしろあまり適当ではないんじゃないか、ここは内部において権威を持って最後の決定をしていく場としたほうがいいのじゃないか、しかし、事前において大いに専門意見を入れて、そして最後の決定をする際の基礎にしていく審査会には入れてまいりたい、こういう姿勢で考えておる次第でございます。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 最後に一点だけお尋ねをしておきますけれども、要するに七月の二十日に人権問題として事故の問題についてお尋ねをしたあと、二名命を失った。一人は何か和歌山の関係の人だそうですが、非常に私は衝撃を受けたわけです。それで、ヘルメットの問題、専門医の問題というふうに、私が申し上げた問題に限らず、事故防止という観点からやはり公営の競技、法によって許されたそういう競技の中で人の命が、端的に申し上げますと、あたりまえのようなかっこうといわれるようにも思われるようなかっこうで失われていくということは、許しがたいことだと思うのです。監督の立場にある通産省として、人命尊重という観点から事故防止に抜本的な対策をお立ていただきたい、このことをお願いをしておきます。  この問題については、あらためて私のほうから抜本対策についてお尋ねするということで、本日は終わっておきます。

島村一郎自由民主党

○島村委員長 中村重光君。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 二、三質問しますから、答弁は簡明にお願いいたします。  自転車等公営競技を廃止する場合は、廃止届けを出すことになっておりますね。

高島節男通商産業省重工業局長

○高島説明員 廃止いたします場合には、廃止届けの手続は必要でないことになっております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 長崎競輪は、御承知だろうと思いますが、いま廃止されております。それはどういうことになっておるか。移転開始するということまでいわれておるけれども、あなたのほうへそういった申請等が出ておるのかどうか。

高島節男通商産業省重工業局長

○高島説明員 現在休止中ということに相なっておると思います。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 現在休止中というのだけれども、長崎市の駒場町にある従来の自転車競技場というものは、完全に別の設備をやっている。したがって、休止という形にはならないんじゃないですか。実態調査をしておりますか。

高島節男通商産業省重工業局長

○高島説明員 ちょっと、私自身実態をよく存じておりません。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 従来の競技場が全然別の用途に使われていくということになってくると、それはもう休止という形ではなくて、事実上の廃止である。そのようにお考えになりませんか。

高島節男通商産業省重工業局長

○高島説明員 長崎の件につきましては、説明員から若干御説明をさせます。

阿部新七通商産業省重工業局車両課長

○阿部説明員 私から簡単に申し上げますが、長崎の場合は、競輪場の移転問題と申しますか、いままで使っておりました競輪場が県の関係で使えないという状況に立ち至りまして、その間休みたいという意思表示が市のほうからございました。私どものほうとしましては、現在は休止しておるものというふうに考えております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 長崎市はこの統一地方選挙で市長がかわった。そのときに市長は、競輪はやめたい、だがしかし、多くの人に競輪をやったほうがよろしいという意見があるならば考えましょうということであります。そこで、事実上これは廃止している。しばらく休みたいということにはならないと私は思う。その競技場が別の用途に使われるということでやめなければならぬ。直ちにどこか別のところに移転開始をしようとするならば、そこでその申請というものがなされなければならない。ところが、ただいま私が申し上げたように、市長選挙においてこれはやめるのだということを選挙の公約として明らかにした。ただし書きがついておったというだけなんです。だから長崎競輪の場合はしばらく休みたいということではない。これは事実上廃止である。廃止届けというものは必要がないのであるならば、これは廃止であって、今度またやろうとする場合は新規の、いわゆる新設の申請というものがなければならぬと私は思う。そのようにはお考えになりませんか。常識的にそうなるのじゃありませんか。

阿部新七通商産業省重工業局車両課長

○阿部説明員 競輪につきましては、先生御承知のように競輪場の施設の許可を通産大臣がやるわけでありますけれども、競輪の施行そのものは、長崎市のように市がやる場合は、自治大臣のほうから指定市の指定をやるわけでございます。現在長崎市はまだ指定を持っておりまして、指定の解除というか取り消しをやっておりませんので、私どもは施行権は持っておるものと思います。ただ現実に競輪を行なう場所を持っておらぬというだけでございまして、もし今後長崎市がどこかでやりたいというなら、もちろん移転の問題になるわけでございますが、やらないということになれば、当然自治省に対しまして指定の返上を申し出るはずでございます。そうなれば自治省から私のほうに通報がございますので、その段階において施行権がなくなるというかっこうに相なろうかと思います。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 それではあなたのほうでは、できるだけ競輪をやらせようというような便宜主義的な考え方なんですね。私はそういう考え方は適当ではないと思う。三十六年七月二十五日の公営競技調査会の答申からいっても、競輪は好ましくない、だがしかし、財源の肩がわりといったようなことはいま急に発見できないし、従業員のいわゆる失業対策というような面等もあるので、いま直ちにこれを廃止するということは適当ではないであろうから、現在の状態にこれをとどめておかざるを得ない、そういう答申がなされた。だから精神としては好ましくない。やめたほうがよろしい。移転して開始しようという場合等におきましても、できるだけこれをやめさせるという指導があってしかるべきだと私は思う。それが答申の趣旨なのだと思う。特に長崎市の場合には、いま私が申し上げたように、市長選挙においてこれをやめるということが公約になっておるという事実がある。しかもこれは移転をするという場合においても、長崎市の名義を貸すというだけのことであって、長崎市と島原市あるいは諫早市というものがこれをひとつ交代でやるようにしたらどうだろうか、そういったこと等もいろいろ話が出されておるというようなきわめて消極的な状態であるという事実であります。したがって私は、単にいま休んでいるのだというような判断をもってこれに対処するということは適当ではないのじゃないか。しかし、きょうはあとの質問者の関係等もありますから、あらためて質問いたしますけれども、いまあなたが御答弁になったように、直ちにいま申請が出たならばこれはひとつ認めていくのだというような考え方ではなくて、現実の、私が申し上げましたような選挙の公約といったようなこと等も現実にあるのだから、そういう点等も十分調査してこれに対処していくということでなければならぬと私は思う。いまあなたの答弁の中からは、そういうようなこと等、私が申し上げた点は考慮しなければならぬというような考え方は出てこないのじゃないですか。私はその考え方は適当でないと思う。通産大臣からこの点はひとつ御答弁願って、あと一点お尋ねをすることにいたします。

菅野和太郎自由民主党通商産業大臣

○菅野国務大臣 いま長崎市がどういう意思を持っておるのか、私もはっきりわかりませんが、市長が選挙のときにただそれを利用したかどうか、問題はやはり長崎市の意向にまたなければならぬか、このように思いますが、しかし、もう事実上そういう場所がない、競技場がないということであれば、そういうようなことをよく調べまして、また自治省とも相談の上で何とか善処したい、こう存じます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 それから日本自転車振興会の廃止、整理統合ということについて、御承知のとおり、かつて臨時行政調査会が答申をしておる。最近に至って行政監理委員会が三十の中にこれを含めた。日本自転車振興会はこれを民間に移行するか、あるいはまた他の方法をもって整理統合というようなことで進めていかなければならないのだというようなことが一応打ち出されておる。そこで、この日本自転車振興会の整理統合の問題について、通産省としては方針を決定されたことがあるのかどうか、その点どうです。

高島節男通商産業省重工業局長

○高島説明員 日本自転車振興会の問題は、公団、公社等の整理の一環として考えておられまして、行政監理委員会のほうの御意向としては、私も新聞等で承知している範囲でございますが、現在のところ、いわゆる民間法人に移るべきものだというグループに入れてあるようでございます。その点につきまして、最近ようやく方向が出てまいりましたので、私どもいろいろな角度から検討をしてみたいと思っておりますが、一つ非常に根本的に私どもの考えております点は、先ほどからいろいろ御指摘がありましたように、こういった法人というものは、むしろ、ある意味で非常に監督を厳重にして、その設置の本来の姿から政府意思で設立された、そこへ毎日の実務は預けますけれども、そういう形をとってきて、監督規定を置いているほうがいいのではないかということで、十数年前に、むしろ民間法人といいますか、公益法人的な性格のものであったものを改組して、自転車競技法が今日の姿になって今日までまいっておるわけであります。いろいろやりておりましても、今後いろいろな角度から両方の間で政府の意思とのタイアップというものは緊密にしなければならぬ面が多分に出てくるような感じがいたしますので、その際、片方、公社、公団を減らすといいますか、という思想と、それから、監督を厳重にしていき、性格が公的なものに極力なっていくというところの要請と、どこに接点を置いたらいいか、その点については、いま一息掘り下げて検討してみないといけない問題ではなかろうかと考えております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 局長答弁のとおり、あらゆる角度から慎重にこれは検討していかなければならぬ問題である。それならば、あなたのほうで、臨調答申というものは行なわれておるけれども、特殊法人としての日本自転車振興会の整理統合の必要なしということを表明することは、これは私はどんなものであろうかと思う。かつて決算委員会において、与党の委員でありますが、これを廃止することは考えていないのか、整理統合についての必要を感じないのかということに対して、あなたのほうの赤沢次長は、これを廃止する考えはありません、はっきり答弁された。私もそれを聞いておった。だから、通産省において整理統合の必要なしということを決定しての上の答弁であるならば、わかる。しかし、いまあなたの答弁によって、十分あらゆる角度から検討して態度を決定しなければならぬ、私もそのとおりだと思う。やはり公団、公庫、事業団等を整理していかなければならぬということは、少なくとも今日では国民的な要望でもあると私は考えておる。少なくとも、臨調があらゆる角度から検討して、これを廃止しろ、あるいは統合しろという答申が出てきた。これを受けて総理も、答申を尊重して、できるだけその趣旨を生かしていきたい、あるいは廃止する、あるいは統合するという方向へ持っていきたいということを言っておるのだから、あなたのほうの事務当局、あなたの次長が、これを廃止する必要はありませんということを堂々と表明するということは、私は行き過ぎであると思う。だから、いまあなたの御答弁のとおり、十分慎重にこれに対処をしていくという態度でなければならぬと私は思う。その他の問題等もありますから、大臣からこの点はひとつお答えを願って、私の質問は終わります。

高島節男通商産業省重工業局長

○高島説明員 中村先生のただいまの御質疑の点でございますが、私、次長から報告を聞いておりましたところでは、通産省の中では、自転車競技法の元来の趣旨に沿ってむしろ公的性格を強くしていくべきではなかろうかという意見が相当強いという感触がございます。次長個人としてもまた、そう思っておる点も強いかと思います。私も、どちらかといえばそういう感触を持っておりますが、片方、御指摘のとおり、公団、公社というものを国全体の方針として減らしていくのだ、とにかくそういうものの数を減らしていくという強い要請が、施策として一つ強く出てきたわけでございます。実体のほうでそれに耐え得るかどうかということを、今後四つに組んで慎重にひとつ検討しなければいかぬ性格のものじゃないかと思っておりますので、私も、それについて、通産省の中で決定があったとか、あるいは大臣の御意向も別に承っておらない段階でありますので、突き詰めたところまでいったとかいうようなことは全然ございません。また次長も少しことばが過ぎたかもしれませんが、そこまで申し上げたつもりはなかったように私も報告を受けておりますので、御了承いただきたいと思います。

島村一郎自由民主党

○島村委員長 岡本富夫君。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 時間があまりありませんので、次の機会にもう少し突っ込んで聞きますけれども一応——特許庁の長官、それから大臣、それから総務部長来ていますか。  四十一年度に起きました特許庁のこの汚職問題について、先回の国会におきましては、全然国民の前に明らかにされておりません。したがいまして、この四十一年度の事件の真相をひとつ聞きたい、こう思うわけであります。

荒玉義人特許庁長官

○荒玉説明員 個々の具体的事実、この席上でいかがかと思いますので、大体トータルの概略を申し上げたいと思います。  事件関係者でございますが、休職になった者が六名、それから懲戒免職、この者が四名、退職者四名、それから、これは直接いろいろ問題があった関係者でございますが、これの上司、監督者でございますが、このうち監督者五名に訓告をいたしております。その他の訓告者が三名、これがこの前問題になりました事件に対するわれわれの処置でございます。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 当時の新聞の報道によると、「汚職新案の特許庁」こういう見出しで、わいろを取ったのが締めて一千二百万、最高一人百五十回やっておる。こういうような四十一年度の、この当初におけるところの特許庁の汚職に対しまして、これをよく検討いたしますと、第二部農水部門ですか、これは定員二十名のうち三分の一が逮捕されておる、こういうふうに出ておりますが、その当時の第二部長はどなたですか。

荒玉義人特許庁長官

○荒玉説明員 当時の審査第二部長は吉藤でございます。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 それから、その農水部門の審査長ですか、そこに坂田順一という人がいたらしいのですが、この人がやめることによって不起訴になっておりますが、調べたところによると、四十一年の一月一日付で第二部の農水部門の審査長をやめている。そして第三部の審査長になっている。そして、四十一年五月七日依願退職の形で百十三万七千円の退職金を受けている。こういうことはまことにおかしいと思うのですが、こういう不純な動機で責任をとって退職した者が退職金を受けた前例がたくさんあるのでしょうか。これをひとつお聞きしておきたいと思います。

荒玉義人特許庁長官

○荒玉説明員 ほかの事例がたくさんあるかどうか、私いま確かに申し上げられませんが、坂田氏は依願退職という形でやめておりますので、そういう形の場合には退職金を支給するという形にしたわけでございます。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 当時の調べによると、坂田審査長は、三十八年七月から昨年末まで審査第二部の農水部門関係の審査長の地位にいたが、その間、摘発されたメーカーから十回にわたって神戸、それから東京、京都、徳島の料亭でもてなしを受けた。それから、地方に出張した際には、東京−大阪、東京−大分、東京−徳島などの飛行機の切符など十数万円の金をもらっていた。そして特許、実用新案などの審査を有利に取り計らっていた。こういうようなはっきりした事実が出ておっても、依願退職によって退職金を支給できるような現在の制度のあり方かどうか、この点大臣にお聞きしたいと思います。どうですか。

菅野和太郎自由民主党通商産業大臣

○菅野国務大臣 私は、そういうような取り扱いのことについて、詳しいことを知りませんが、いま聞きますと、起訴猶予になったそうでありまして、起訴猶予の際には、本人が申し出れば依願退職にすることができるということになっておるそうであります。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 大臣は博士ですし、そういうふうになっているそうですという言い方はちょっとおかしいと思うのですが、その答えはぼくは満足できないのです。きょうは時間がありませんので、もう一度今度のときに、詳しく、要するに、いままでもこういう例はたくさんあるのだ、こういう悪いことをしてやめたけれども、依願退職でやめたから退職金を払っているのだ、こういう例をひとつ私の前に明らかにしていただきたいと思います。  次に、そうやって、特許庁の元上級官吏であった人が堂々と特許庁に弁理士として出入りをしていること、それ自体まことにゆゆしい問題だと思うのであります。そして、ちょうど当時、やはりもと審査長をやっておりました牧順史郎弁理士、これがやはりこの事件に関係をしている。こういうことを考えますれば、特許庁の中でもとそういう業務に携わっておりまして、そして悪いことをしてやめたこういう人を、また弁理士として堂々と特許庁の中に出入りをさせるということは、まことにゆゆしい問題であると私は思うのですが、大臣、どうでしょうか。

荒玉義人特許庁長官

○荒玉説明員 いま先生がおっしゃっていますのは、起訴された者が弁理士に登録になっているのはけしからぬじゃないか、こういう問題かと思いますが、これは普通のこういった資格の場合でございますが、刑が確定すれば、もちろんのこと、これは資格がございません。ただ、起訴中のものをどう取り扱うかということでございますが、その点、いろいろほかの制度もございますが、起訴されただけで欠格だというようないまの制度にはなってございません。ただ、それが、本件の場合、弁理士会の秩序でございますが、全体としてそれあたりの秩序または信用を害するおそれがあるかということになりますと、事後の判断になるわけでございますけれども、それは起訴その他の状況によってそういう場合もあり得るかと思いますが、起訴されただけで資格を得られないという性質ではないと考えます。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 悪いことをして起訴されて、まだ裁判のはっきりしない間は堂々と特許庁に出入りをしてもいいというような現在のあり方である、こういうふうに聞きましたのですが、これはまことにゆゆしい問題で、今度新しく長官になられた荒玉長官、あるいは通産大臣になられた菅野大胆に、ひとつ今後の処置について御意見を伺いたいと思うのです。

菅野和太郎自由民主党通商産業大臣

○菅野国務大臣 日本の法制上、いままでの法律の取り扱い上、起訴されただけでは失格しないということになっているのは、たとえば、選挙違反で起訴されておっても、また次の選挙のときには立候補しておりますから、そういうことで、日本のいままでの取り扱いがそういうような取り扱いになっているのじゃないか、こう思います。それが起訴されて刑が確定すればもちろん失格するわけですが、確定するまではそういう弁理士の資格が付与されるのじゃないか、こう存じますが、しかし、問題は、やはりそこで綱紀を乱すかどうかということが問題だと思います。であるからして、そういう人が出入りすること、そういうようなことについて、われわれもやはり厳重にその人たちに対する取り扱い方を考えていかなければならない、こう思う次第であります。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 そこで、第二部の農水部門の、先ほど話の出ました吉藤第二部長、この人に対してはこんなにたくさんの部下が、これを読みますと、たいへんなことです。役所内で堂々とポケットをとらえて、金をくれというような、そういうような催促をしておる。またこの現金収賄が四十七回、たくさんあるのでしょうけれども、飲み食いが百二十回、取り締まりの係官はどろぼう並みの件数だとあきれておる。こういうような当時大事件がありながら、まだそのまま特許庁に——特許庁においてどういうような処罰をしたのか。おそらくこのままでいきますと、これはまだ氷山の一角だという。相当これは責任をとらなければならぬと思うのですが、現在はどうか知りませんが、今後におけるところの長官の決意をひとつお願いしたいと思うのです。

荒玉義人特許庁長官

○荒玉説明員 実は、いま先生がおっしゃいましたように、私、就任間もございませんが、長年の経験で特許行政の何たるやを知っておるつもりでございます。と申しますのは、御承知のように、特許庁というものはそういうことを厳重に注意すべき必要が特にあるかと思います。と申しますのは、非常に長年同じ仕事をやっていくという点がございます。同じ技術分野を長年やっていくということがございます。それと、審査官自身が、これはいろいろな理由でございますが、独立して仕事をやっていく、こういう仕事の性質から申しまして、普通の役所より特に厳重にその点を考慮していかなければならないという点、重々承知しております。したがいまして、一般の役所以上に、そういった外部との接触、特に出願人あるいは出願を代理する者との接触に普通以上に注意を要するというふうに、私自身、特許行政の性質からいって、特にそういう必要性を感じておるわけであります。その点につきましては、私ども最重点の仕事といたしまして、そういった従来のコネクションといいますか、そういうものをできるだけ公正に保つというふうに心がけて、部下を指導監督してまいりたい、かように思っております。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 次の機会にもう少し詳しくいろいろとお聞きをしたいと思うし、要求もしたいと思います、きょうはこれで本会議がありますので終わりますけれども。  それからその当時の第二部長と審判部長、この審判部においてもいろいろな大きな事件が起きております。この一番の責任であるところの関係の方々の処分につきましては、国民が納得いけるところのやり方をやっていただきたい。  それから、これは長官もかわり、また総務部長もかわられたのでありますから、ひとつ通産大臣の強力な御指導と監視といいますか、次の機会のときにはっきりとお聞きしたい、こう思います。  では委員長、これできょうは終わります。

島村一郎自由民主党

○島村委員長 本日は、これにて散会いたします。    午後三時五十五分散会

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