産業公害対策特別委員会 第4号
- 発言数
- 128 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1967/10/11
会議録
○八木委員長 これより会議を開きます。 産業公害対策に関する件について調査を進めます。 先般、委員を三重県、大阪府、兵庫県及び岡山県に派遣いたしたのでありますが、この際、派遣委員から、その報告を聴取いたします。島本虎三君。
○島本委員 過日、産業公害対策特別委員会の委員派遣が行なわれましたが、その結果について報告申し上げたいと思います。 去る九月六日から、議長の承認を得て、三重県、大阪府、兵庫県及び岡山県下における産業公害対策状況等の調査をいたしてまいりました。以下、順を追ってその概要を、私が代表して御報告申し上げます。 まず、三重県について申し上げます。 県当局の説明によりますと、四日市地域で主として問題となっている公害は、大気汚染と水質汚濁の二つであり、大気汚染による公害は、重油専焼火力発電所を含む石油精製、石油化学の工場群を発生源とする典型的な産業公害であります。 亜硫酸ガスについては、平均的濃度は、他の工業都市と比べて必ずしも高いとはいえないが、主要発生源が集中しているため、気象条件に左右されて、局所的に高濃度の汚染を見るのが特徴であります。 最近では、主要発生源における高煙突の建設、ノズルアッブによる拡散希釈がはかられており、高濃度の出現頻度は減少しつつあります。 悪臭については、住民感情を最も刺激しており、苦情の七〇%を占めております。大気汚染が住民の健康に及ぼす影響として、いわゆる四日市ぜんそくの名で呼ばれる呼吸器糸の疾患の問題があり、これは昭和三十七年ごろから住民から訴えられるようになったもので、調査の結果によれば、汚染地区と非汚染地区の住民の健康状態に地域差があることが認められております。 水質汚濁については、二十八年ごろからいわゆる異臭魚の出現が問題となり、四日市港を中心として数キロから十数キロの範囲に分布しているようであり、この異臭魚の原因物質は油分で、石油系の工場排水の影響が問題視されております。 次に、現在までにとった対策の概要でありますが、四日市地域の公害については、去る一二十八年十一月、厚生、通産両大臣の委嘱により、黒川特別調査団が派遣されましたので、県、四日市市は、同調査団の勧告を指針として対策を講じてきました。法的規制としては、三十九年五月から、ばい煙規制法による指定地域とされ、昨四十一年三月に当地域の海域及び公共用水域が水質保全法による指定水域とされ、四十一年十月から規制が行なわれるようになりました。また、ばい煙、工場排水以外の未規制公害に対処するため、県独自の措置として、七月、公害防止条例を制定いたしました。県は、公害の発生防止をはかるのは基本的には企業の責任であるとの考え方に立って、工場及び事業場に対し、防除設備の設置及び操業方法の改善につとめるよう指導を行なっておりますが、各企業が四十一年度までに行なった設備改善のための投資総額は七十五億円にのぼります。 県は、昨年十一月には、全国に先がけて、四日市市内四カ所に設置する亜硫酸ガスの自動測定記録計のデータを一カ所に集中するためのテレメーターを設置し、さらに緊急時対策実施要綱を定めて、大気汚染が一定濃度以上になった場合に警報を発令し、工場側に燃料転換等を促す措置を講じ、また四十一年には、測候所の設置を見たのであります。 水質汚濁対策としては、水質基準に適合しない二十工場に改善命令を出すほか、海域及び河川の水質調査を行ない汚濁の監視につとめております。 都市改造事業については、四十一年度、平和町地区六十七戸の集団移転事業を実施中であり、本年八月には、中央遮断緑地を、公害防止事業として、建設に着手するとともに、塩浜地区の一部三十ヘクタールの改造計画を県市合同の委員会において検討中であります。 医療対策については、八月二十九月現在、四日市における大気汚染関係公害患者として認定された者は三百八十六人であり、四日市市はこれら認定患者の医療費の自己負担分を負担しておりますが、県はその経費の一部を補助してきました。なお、これら重症患者収容施設として、三十九年度には、県立大学医学部塩浜病院に二十四床の空気清浄化病室を設置し、一方四日市市も四十一年度に市立病院に十床を設置いたしました。 去る八月一日、県が四日市市内に設置した公害センターは、公害関係の検査、分析及び大気汚染の常時監視業務を一元化するとともに悪臭を含めて大気汚染構造の解明につとめ、四日市地域における公害問題の早期解決に取り組むためのものであります旨の説明がございました。 次いで三重県及び四日市市から、一、公害対策基本法の関連法令の早期制定をはかること。二、公害防止施設に対する融資制度の拡充強化、自治体の公害対策経費に対する財政措置及び公害防止施設に対する固定資産税の非課税ワクを拡大し、これを交付税等で補てんすること。三、保健対策として国立の、医療センターを設置すること。移転を希望する公害病患者やその家族に対する公営住宅入居ワクの優先確保をはかること。四、発生源対策として、ばい煙規制法の排出基準を実情に即した基準に改めるとともに、公害防止技術、とりわけ脱硫、悪臭の防除、排水の処理等の技術を早急に開発すること。また工場排水法に基づく監督権限を大幅に知事に委任すること。五、都市改造について、四日市市の公害防止のための都市改造には、巨額の経費を要し、地方自治体の負担能力をはるかにこえるので、国の援助を強化すること。等の要望がございました。 以上のほか、住民代表から、公害患者専用病院の設置、公害認定患者の生活保障の問題、中部電力四日市火力でテスト中の活性酸化マンガン法による排煙脱硫に関し、本年度の実験規模の拡大に伴うマンガンの有毒性の究明等の要望がございました。 説明聴取後、三重県立大学医学部付属塩浜病院を訪れ、病院長から公害患者の発生状況、症状等の説明を聞いた後、公害患者の病棟を見舞いました。その他、三菱油化四日市事業所、昭和四日市石油四日市製油所、中部電力四日市火力発も所を訪れ、それぞれの公害防止対策状況等を視察いたしました。 石油コンビナートにおける工場群と住居地の混在等により公害病患者の発生を見ている四日市においては、公害病患者の医療保護はもちろんのこと、生活保障の問題が、また中部電力と三菱重工業とに共同委託されております四日市火力における活性酸化マンガン法による排煙脱硫のパイロットプラントの成果と新たに提起されたマンガンの慢性毒性究明の問題が注目されました。 次に大阪府について申し上げます。 府側の説明によりますと、昔から煙の都といわれ、阪神工業地帯の中枢を占めた大阪の経済は、近年西日本経済、特に近畿圏の中に占める管理中枢機能の高まりとともに、急速な産業の発展につれて、大気汚染、水質汚濁、騒音振動、自動車排気ガス、地盤沈下等、産業公害都市公害を問わず、いずれも逐年、深刻化、多様化、広域化の傾向を示し、その影響は好ましくない状況になっております。 大気汚染の現況としては、大阪市内の降下ばいじん量は、最近における工業の急速な発展にもかかわらず、下降線をたどっており、逆に亜硫酸ガス量は増加傾向を示しております。しかし、大阪市を除く堺市等については、降下ばいじん、亜硫酸ガスともに漸増を示していますが、これは堺、泉北臨海工業地帯の稼動や、これらの地域への工業立地の進展によるものと思われます。これが対策として、近い将来、重油消費量の飛躍的増大が推定されますので、重油脱硫及び排煙脱硫技術の経済的促進をはかり、常時監視体制を強化し、緊急時の措置等を迅速的確に行なうため、公害監視センターを、昭和四十三年完成を目標に建設しております。また石油コンビナート等の大工場が進出しつつある堺、泉北臨海工業地帯における公害を防止するため、企業に対する指導監督を強化するとともに、後背地との間に一連の緑地帯を設ける計画で、現在その一つとして、事業費一億六千万円をもって泉北一区の緑地の造成を公害防止事業団に委託して行なっております。 水質汚濁については、淀川、大和川は全体的によごれがひどくなってきており、笹屋川、神崎川及び市内河川のよごれもひどくなっております。 大阪湾の海水汚濁の状況は、東神戸-大阪湾-泉大津に至る湾奥部沿岸海域は、汚濁がひどく濃茶褐色で、水泳はほとんどできない状況であります。これが対策として、水質汚濁は、下水道、し尿、ごみ処理施設等、都市施設の不備に起因するところが大きいので、これら都市施設の拡充整備をはかるとともに、河川の清掃、しゅんせつ等の諸事業を積極的に行ない、また河川ごとの水質基準を強化するとともに、汚染の発生源である工場事業場等に対し、技術指導と資金助成を強化して、汚水処理施設の整備を促進するつもりであります。 工場、事業場から発生する騒音振動は、公害陳情の件数が最も多く、毎年約一千件のうち六〇数%を占めており、陳情対象工場としては、従業員百人未満の小企業が大半を占めております。 これが対策として騒音、振動防止に関する立法措置を促進するとともに、その発生源施設について技術指導の強化をはかり、過密地域の騒音振動の激しい工場の集団移転を促進しております。 自動車排気ガスについては、府下における自動車交通量の急増に伴い、排気ガスによる大気汚染は年々著しくなっており、特に大阪では、交差点等における交通停滞が著しく、自動車のアイドリング時の一酸化炭素の排出による汚染が問題となっております。対策としては、道路整備と並行して、車両整備の強化、排気ガス浄化装置の研究開発とその実用化の促進をはかるほか、当面の対策としては、アイドリング調整により、一酸化炭素の規制を実施いたしております。 融資対策として、本府では、事業場公害防止条例の規定に基づき、中小企業者に対し、公害防止設備及び公害防止措置に必要な資金の特別融資を行なっております。昭和四十二年度の融資目標額は三億円で、一件当たりの融資額は、原則として五百万円以内、事業者の負担利率は年約四分八厘であります旨の説明がございました。 次に、大阪府知事、大阪市長及び堺市長から、大阪府、大阪市及び堺市において、公害問題に対処するため、公害審議会を設けて、種々検討を加え、その対策の実施に努力しているが、国においても次の諸点に格段の配意を願いたい。第一、公害基本法の制定に伴う関連実施法の早急整備について、(1)ばい煙規制法関係、自動車排気ガス問題を含めた総合的な大気汚染防止法とすること。電気及びガス工作物にかかるばい煙発生施設等についての監視規制の事務を一元的に地方公共団体の長に与えるとともに、これに伴う事業者の措置義務とそれに要する助成措置を明記すること。(2)水質保全法関係、淀川水源のうち、宇治川を早急に指定水域に指定するとともに、現行規制対象施設の拡大、水質基準の強化をはかり、あわせて水質維持に必要な水量を確保すること。水質保全法を強化し、山砂利洗浄、養豚、清掃施設等の排水の汚濁についても、水質基準の定義に加え、工場排水法に準じた規定を設けること。(3)工場排水法関係、工場排水法を改正して、規制権限の一元化をはかるとともに、ばい煙規制法と同様、法の規制対象とならない施設については、地域性を加味して、地方公共団体の条例で必要な規制措置ができる旨の規定を設けること。(4)環境基準の設定及び事業者の費用負担方法の法制化については、早急に措置を講ずること。(5)地方条例により規制を受ける騒音、振動及び臭気等の公害防止施設に関しても、工場排水法等の対象となる防止施設と同様、税制上の優遇措置、あるいは、中小企業近代化資金助成法による特別融資を講ずること。中小企業における公害防止施設の設置については、共同で防止施設を設置する場合の補助金制度の創設について検討すること。 第二、低硫黄原油の輸入壁の増加をはかるとともに、国内の石油精製工場における低硫黄重油の生産を促進するための強力な規制及び助成措置を講ずること。 第三、指定水域にかかる下水道整備については、補助率を引き上げるとともに、国庫補助の対象ワクを拡大すること。 第四、地盤沈下防止対策について、(1)地下水くみ揚げ施設の工業用水道への転換を円滑に進めるため、特別な融資につき強力な施策を講ずること。(2)工場用水事業については、建設借入金に対する利子補給、長期低利の地方債の充当、借りかえ債の発行を認めること。 第五、排水スラッジ、捕集粉じん等、産業廃棄物を、空地、河川海域等に不法投棄する者がふえ、公害問題を引き起こしているので、国においては、清掃法の改正等、産業廃棄物の処理体制の積極的な整備について、特別措置を確立すること。 第六、公害の人体に及ぼす影響の科学的調査研究に関する国の委託費及び補助額を大幅に引き上げ、本事業を推進すること。以上の要望がございました。 府下においては、堺臨海工業地帯の関西電力堺港発電所を訪れ、府当局より堺臨海工業地造成の概要説明を聴取し、さらに煙突、集じん装置、排水騒音防止等、関西電力及び堺港発電所の公害防止対策等の説明聴取後、同発電所を視察いたしましたが、現在百万キロワットを発電中で、最終には八基二百万キロワットの大容量発電所となる同発電所の規模に注目いたしました。次に訪れた西淀川清掃工場は、ごみを無臭で完全燃焼処理するもので、余熱で発電し、余った電力を関西電力に譲っているとのことで、スイス製の近代的ごみ処理装置が特に注目されました。 次に兵庫県について申し上げます。 兵庫県下においては、まず大阪国際空港におきまして、運輸省当局より、従来とってきた民間空港における航空機騒音対策、第五十五回国会で成立した公共用飛行場周辺における航空機騒音による障害の防止等に関する法律の政令内容等の説明を聴取した後、伊丹市、池田市、川西市等空港周辺八市で組織している大阪国際空港騒音協議会から、大阪国際空港は、阪神間の住宅密集地域のただ中に位置し、その騒音公害と危険感は周辺百五十万住民の日常生活に耐えがたい苦悩と焦躁を与えている実情であるから、(1)関西新国際空港の建設促進(2)航空機消音装置の技術開発の促進(3)空港周辺の防音緑地の設置(4)周辺住民に対するテレビ受信料の減免(5)夜間飛行禁止の徹底(6)外国機の乗り入れ禁止(7)防音工事費の増額(8)騒音自動測定塔の設置等の事項の推進につき、格段の配慮、協力を願う旨の要望のほか、防音工事の予算について、補助の対象として乳児院を加えること、学校の防音工事については、換気、冷房等についても十分配慮すること等の要望がございました。 その後、車上より、尼崎地区について、大気汚染状況、主要発生源等を視察し、兵庫県庁に向かいました。 兵庫県庁における県当局の公害行政の概要説明によりますと、水質保全法、工場排水規制法の適用状況について、加古川は四十二年九月水域を指定し、水質基準が設定されており、神崎川は近く水域が指定される予定であり、播磨灘海域は、昭和四十二年度において概況調査を実施中であります。 ばい煙規制法については、神戸市、尼崎市、西宮市等が第一次指定地域、姫路市が第四次、明石市、加古川市等が第五次指定地域となっております。 産業公害発生状況としては、昭和三十六年が四百三十七件で、これを一〇〇とすると、三十九年一五三、四十年一七六、四十一年二四六と年々増加の傾向にあります。大気汚染状況としては、降下ばいじん量、亜硫酸ガス濃度ともに、横ばいの状況であります。 次に、出光興産姫路製油所建設の問題につきましては、昭和四十一年五月、姫路市妻鹿地先に日産八万バーレルの出光興産姫路製油所が建設されることになり、その公害防止について、公害審議会に諮問があり、八月に答申されましたが、一部住民の反対のため、その直後出光興産側では千葉に移転することになりました。出光興産では、四十二年七月、石油審議会に日産十五万バーレルの姫路製油所を新設する認可申請を出しました。ところが八月、石油審議会でこの申請は見送りになりましたが、石油審議会では、特に同製油所新設については、昭和四十六年度設備までにおいて検討する旨の条項を付しているので、県では引き続き公害審議会で審議調査することとしております。その他、染色工場群、パルプ工場排水による加古川汚濁問題、皮革工場群からの排水による林田川汚濁問題等について説明がございました。 次に県当局から(1)大阪国際空港周辺の航空機騒音対策について、防音工事の補助予算を大幅に増額すること。(2)公害対策基本法の関係法令の整備強化について、環境基準及び未規制公害の排出基準の制定、ばい煙の排出基準等排出規制の強化、都市計画法等による公害規制の整備強化の早期実現。(3)公害遮断緑地の設置、大気汚染監視機構等の整備強化、試験研究機関の整備強化、中小企業に対する公害防止施設の設置促進等、地方公共団体等における公害防止対策事業等の諸事業に対する国庫補助の大幅な増額について。(4)タンカー事故等における海水汚濁等の対策並びに救済対策の確立について。以上の要望がございました。 その他、神戸製鋼灘浜製鋼所の公害防除施設等を視察した後、神戸港湾局より、神戸港の港湾施設、第五十五回国会で成立した船舶の油による海水汚濁防止法の運用等につき説明聴取後、第五管区海上保安部の巡視艇「みねゆき」に乗船、神戸港の港湾施設並びに廃油処理施設設置予定地等を視察いたしました。 次に、岡山県について申し上げます。 岡山県の公害の現状と対策につきまして、知事の説明によりますと、本県における公害問題は、新産都市の中核として、石油、鉄鋼のコンビナートの建設が急速に進んでいる水晶臨海工業地帯における大気汚染と水質汚濁が中心となっており、県としては、公害の発生を未然に防止することが先決であるとの考えに立って、公害防止基本計画の樹立を急いでおります。水鳥地区における大気汚染について、降下ばいじんについては、季節的変動はあるが、昭和三十九年以来横ばい状況であります。亜硫酸ガスについては、二酸化鉛法による傾向調査では、三十九年に比して四十年は二倍に、四十一年は四十年の丁五倍と毎年急増しており、本年五月の倉敷市福田町松竹梅における自動記録の月間平均値は、昨年同期に比して汚染が急速に増大していることを示しております。 一方現在の立地企業の操業度は工業用地及び企業の増設目標から見て約三分の一程度と推測され、さらに水島地区の特殊な気象、地形条件等を加えて考えると、今後の汚染が非常に心配される事情となっております。これが対策として、昭和四十年度には、気流動態調査を中心とする産業公害総合事前調査並びに環境汚染状況調査をそれぞれ実施しましたが、その結果に基づき、厚生省より今後の地帯整備の方針と、通産省より昭和四十五年時点を目標に立地各企業に対して行政指導が行なわれました。本県としては、同地区のフル操業がほぼ昭和五十五年-六十年と考えられるので、この時点における環境保全がはかられるべく、集合高煙突による拡散、緊急高濃度発現時の応急対策、農林産物対策、監視測定、試験研究施設の整備、国立公害センターの建設、気象官公署による気象観測の実施等のような基本対策の検討を進めております。 次に、水島海域における水質汚濁の中心は、工場排水または船舶からの含油排水の投棄による油濁であり、水鳥港周辺は、異臭無が発生して、漁民に不安を与えております。昭和四十一年水質保全法に基づく水質調査及び水象調査たる産業公害総合事前調査をそれぞれ実施し、これに基づき、現在水質汚濁防止対策として、工場排水の水質規制、工場排水処理施設の改善、共同廃水処理施設の設置促進等の発生源対策、関係海域の漁業権消滅、異臭魚の拡散を防止するための捕獲、水質監視体制の整備のような対策の検討を進めております。騒音振動については、当臨海工業地帯においては、いずれも小規模であり、それぞれ工場の努力で改善措置を行なうことにより、一応解決しております。 特に、イグサ等農作物被害防止応急対策として、昭和四十年度、背後農地約百三十ヘクタールにわたって、本県特産のイグサに異常な先枯れ現象が発生し、この原因が亜硫酸ガスによる大気汚染であると考えられたので、昭和四十一年及び四十二年には、イグサの生長期にあたる五月中旬より七月上旬まで狩川対策期間とし、環境汚染状況のパトロールを密にするとともに、環境汚染が一定基準を越えた場合、企業に通報し、高濃度が持続しないよう自主規制を求め、相当な成果をおさめております。 また、海水の油濁による異臭魚の発生については、特に昭和四十一年冬季以来、その分布範囲が拡大し、漁業に大きな問題となっておりますので、これら異臭魚を買い上げ、捕獲により、その分布範囲の拡大を阻止する目的をもって、昭和四十一年一月から県、市、企業により、水島海域水産協会を設立し、年間八百万円の事業費で買い取りを実施しております。等々の説明がございました。 岡山県側の要望として、第一、公害対策基本法の施行について。(1)環境基準の早急制定について、人の健康のみならず、産業相互間の調和がはかられるよう配慮すること。(2)排出規制について防除施設及び集合高煙突等についても規制すること。(3)土地利用上の必要な規制及び緩衝緑地帯の設置等、公害防止のための事業実施について早急に国において制度化するとともに、これら公共事業に対しても国の大幅な助成措置を行なうこと。(4)ばい煙等を拡散するためには、集合高煙突がわめて効果的であるが、その建設にばく大な資金を要するので、これを公共施設として建設し得るよう考慮すること。(5)公害防止のための事業に要する費用の負担法を早急に制定し、事業の種類別に企業が負担すべき経費の範囲及び国と地方公共団体の経費負担区分等を明確化すること。(6)公害救済制度として、政府及び企業者出資による基金を創設し、公害認定制度によって円滑になる救済がすみやかに実施されるよう措置すること。(7)国は、地方公共団体の公害防止に要する経費について必要な財政上の措置を講ずるとともに、これに要する財源として、たとえば石油関税収入を還元する等の具体的措置を早急に、実施すること。(8)従来広範囲多岐にわたっている公害関連法の所掌部局を公害対策基本法のもとに一元化し、統一ある効果的な公害行政が行なわれるようにするとともに、国都道府県及び市町村の分担する公害行政事務の範囲をも明確にすること。 第二、公審行政一般について。(1)気象、海象、環境汚染、水質汚濁等を常時観測するとともに、あわせて公害による被害防止対策の科学的研究を実施する国立公害研究センターを水鳥地区に設置すること。(2)公害防止事業団の中小企業者及び地方公共団体に対する貸し付け金利を大幅に引き下げること。その他、タンカーの衝突事故等による臨海工業地帯における大規模な災害を防止するための体制の抜本的整備について格段の配慮をすること。以上の要望がございました。 その他、岡山県下においては、水島地区の川崎製鉄水島製鉄所、日本鉱業水島製油所、中国電力水島火力発電所を訪れ、それぞれの公害防止対策状況等を視察いたしました。新産都市として発展途上にある水島臨海工業地帯の若々しい息吹きともいわれるものにある程度感嘆するとともに、今後の公害防止対策の重要さが認識されました。特に、完成後は世界一の規模となるといわれる川崎製鉄の敷地の広大さと諸設備に注目いたしました。また他地区に比べて煙突の高さに不十分なものを感じましたが、その点、県側の公共集合煙突構想に注目される点があったのであります。 以上石油コンビナートにおける典型的な産業公害都市の四日市、東京と同様、都市公害を含む慢性型の阪神、新産都市としてこれから発展途上にある水島臨海工業地帯、さらに空の航空機騒音、海の海水汚濁と産業公害対策の状況等につきまして、多方面にわたり、つぶさに調査できましたことは、本特別委員会における今後の審議の上からもまことに意義深いものがあると存じております。 特に公害防止の見地から既存公害都市、新産都市の別なく、都市計画あるいは、立地規制の重要性がいまさらながら認識され、また出光興産の市原製油所において重油脱硫実用化の第一歩を踏み出したと聞いておりますが、一日も早い全面的な重油脱硫、排ガス脱硫技術の実用化の必要性が痛感されました。 さきの第五十五回国会において成立いたしました公害対策基本法に次いで、今後の国会における環境基準の設定、事業者費用負担法、被害者救済制度等の関連実施法の制定にあたりましては、今回の視察の見聞を十二分に生かして、公害対策法体系の整備強化に全力を尽くす所存でございますが、政府におかれましても、各県からの要望事項は十分にこれを取り入れ、第二の四日市をつくり出さないよう、公害防止対策に万全を期せられんことを強く要望いたしまして、私の報告を終わる次第であります。(拍手) ――――◇―――――
○八木委員長 昭和四十二年度の産業公害対策について、厚生省、通商産業省、運輸省及び建設省から、逐次説明を聴取いたします。通商産業省矢島立地公害部長。
○矢島説明員 お手元に「産業公害対策に伴う予算要求について、通商藤業者企業局立地公害部」というのがございますので、これを見ながら御説明したいと思います。時間の関係もあると思いますので、この中における数字等は書いてございますので、重点事項を中心にして、簡単に説明さしていただきます。 まず一ページ、通産省は、公害対策基本法の成立を契機として、今後は、基本法の各条項で定められた方向で施策を拡充いたしたいと思いまして、予算要求その他を考えておるわけでございます。そこに(1)(2)(3)(4)と、従来からもやっているおもなところが書いてあります。すなわち(1)は、公害の事前防止装置、総合事前調査、その他いま島本先生御指摘の水鳥その他でやっておるような件でございます。さらに引き続いてやってまいります。(2)番目が、ばい煙規制法、水質二法等における規制措置の、実施、(3)番目が、通産省は非常に重点を置いておるわけですが、公害防止技術の開発の促進。(4)番目ば、公害防止施設設置、たとえば皮革業者その他の中小企業が排水処理施設をするについて、これに対して助成をする。かようなものがございますが、特に四十三年度におきましては、(1)(2)(3)(4)とございますが、産業公害の未然防止のための事前調査及び工業立地適正化、これは立地適正化法などを用意しておりますが、そういうことでございます。(2)番目が公害防止計画策定のための調査。(3)番目が亜硫酸ガス対策。これ後ほどお話が出るかと思いますが、重油脱硫実施促進のための技術開発、あるいはそれに対する財投要求その他がございます。(4)番目が公害防止対策強化のための機構整備というようなことでございます。 これを若干各柱について御説明申し上げますと、二ページの、一、事前調査約九千万円。大規模な工業地帯における産業公害を未然に防止するため、その地域の自然状況等について科学的調査を実施。行政指導、その他をやりまして、今後の防止措置を企業及び地方公共団体にやる。これは大気汚染関係、海域関係、河川関係、そこに書いてあるとおりでございまして、これはすでにやり始めましてから四年になるわけでございます。二番目が公害防止計画策定のための調査。三番目が公害防止対策。従来からやっておるもろもろのものに加えまして、未規制公害――騒音、振動、悪臭、そういうものの未規制公害の問題がございますので、そういうものの準備その他啓蒙普及をやることも予算化いたしたわけでございます。 それから四ベージに参りまして、工業立地適正化対策、これはもうすでに御案内のことかと思いますが、ここに書いてありますように、過密の原因をなした無秩序な工業立地の調整、あるいは産業公害というものの弊害を起こさずに企業が効率的な操業を行なうような地域へ立地を積極的に誘導し、それから弊害の激しいところの企業はそっちへ行ってもらう、そういうことを誘導するための立法並びに予算措置並びに財政投融資――財政投融資というのは、そういうところに行く企業に対して所要の資金のあっせんをする。なお、これにございませんけれども、税制上の措置も考えている次第でございます。 それから五番目に、砂利の採取に伴う公害防止というのがございますが、これは、砂利は必ずしも基本法にいう六つの公害に直接該当するかどうか若干疑問でございますが、いずれも砂利の公害というものがいま非常に問題にされておりまして、川砂利からだんだんおか砂利のほうに参りますと、そこでむちゃくちゃに山をくずしたりして、それを野放しにしておくと、子供が入る、子供が落っこちるというような問題もありますし、砂利トラックなどは、言うまでもなく公害と言わざるを得ない。そのために、砂利採取法を改正いたしまして、砂利採取業者に対する監督を厳重にする。他方、円滑な砂利の供給を確保するという意味で、砂利採取拠点、たとえば西伊豆のほうに砂利採取の拠点を開発し、それを秩序立てて都市に持ってくるというようなための措置を、資金面その他によって講じたいと思っております。 それから五ページの六番目、これは産業公害防止技術の開発というわけで、ここに書いてありますように、大型工業技術研究開発費約九億円、あるいは試験所の特別研究費六億円、いろいろございますが、おもなものを申し上げますと、そこにあります排ガスからの脱硫、煙突から出るガスの脱硫と、それから直接重油そのものから硫黄分を取ってしまう、この二つの面から、やはりやらなければならぬ。この研究がおくれておりますが、すでに四十一年四月の当公害対策委員会における御決議によりまして、われわれ指示された次第でございますが、それに基づきまして、早急に結論を出すように、予算を計上しているわけでございますが、それ以外にもろもろの件、たとえば自動車安全公害研究センターを発足いたしましたが、その拡充その他をよく検討しております。詳細は御質問があってから御説明いたします。 七番目に、公害防止事業団の事業。これは厚生省のほうから御説明もあると思いますが、公害防止事業団の行なっている事業の拡充強化、要するに七ページに書いてございますように、公害防止事業団における対象業務の拡大、たとえば都市集中暖房、事業所に限らず、そういう事業所以外のものについてもやるというように、業務範囲を拡大するとともに、片方、融資事業等についての金利の大幅引き下げ、こういうことを考えておりますし、あるいは個別融資の対象地域を全国的に広げる、かようなことを考えております。 次に開銀等の関係でございますが、公害防止事業団と融資対象をはっきり仕分けいたしまして、いま言いましたように、共同施設あるいは個別のものの排煙関係、排水関係は、原則として公害防止事業団に区切りまして、開銀の関係は、来年度におきましては、製油所等の重油脱硫施設そのもの、それから同じくバラスト水の処理施設、それから地盤沈下、その三点にしぼるとともに、融資条件を緩和してもらおうと思っております。 それから九番目に、騒音防止の関係と保安のほうをいろいろ考えておるわけですが、それに関連して、騒音防止施設に対する税制面で、特別償却あるいはそれに伴って固定資産税の減免、そのようなものを要求することにして、折衝中でございます。 最後に、行政機構の整備でございますが、増大する立地公害行政に対応するために、ただいま本省において立地公害部がございますが、これを立地公害局に改編し、所要の定員その他をお願いしているわけでございますが、なお公害防止技術の関係で、通産省工業技術院機械試験所に自動車安全公害部がございますが、これを二部に拡大したい、かように考えております。 大体以上でございます。
○武藤説明員 厚生省からは、昭和四十三年度公害対策費概算要求額事項別明細書というガリ版のものがございますが、それにつきまして、新規事項と、並びに重点事項について、概略の御説明をいたします。 まず、最初の公害防止対策企画等事務費の中で、新しいものとして、基本法七条で年次報告を国会に出すことになっておりますが、その関係の事務費を新しく要求しております。 それから二番目の公害問題啓蒙普及費、これも、政府は、公害に関する知識の普及をはかるとともに、公害の防止の思想を高めるようにつとめなければならないという基本法の条項に従いまして、展示会をやりますとか、あるいは現地視察、あるいは中央からいろいろ関係者がそこへ行って現地の啓蒙をはかるというような予算でございます。 三番目のばい煙規制等強化費の中では、例年要求しているとおりでございますが、内容といたしましては、ばい煙地域指定基礎調査、それから特定有害物質発生源調査費というものが、例年どおり、額をふやして要求してございます。 四、騒音規制法施行費の関係は、現在府県で騒音防止の条例等あるいは規制措置がとられていますが、法律の段階で規制する必要があるということで、現在騒音防止法というものを検討しております。その関係の事務費でございます。 五番目の、特定毒物による環境汚染規制法施行費とありますのは、例の有機水銀はじめいろいろ危険毒物がございますが、それに対する特別な立法をしたらどうかという意見がございますので、それについて検討を進めておりますが、その関係の事務費でございます。 次は、環境基準の関係でございまして、環境基準に関する法律を施行するために関係の経費を要求しております。 次は、WHOから公害技術の専門家を招聘するという費用でございます。 それから、公害対策会議、公害対策審議会は事務的なものでございます。 次の公害調査研究等強化費の中では、本年度ばい煙等影響調査で、三府県学童検診等をやって、汚染地域を非汚染地域の学童もしくは成人の疾病等の比較をしておりますが、それの関係でございます。次に、開発整備地域等調査指導費とありますのは、大気拡散調査あるいは環境大気調査を例年やっておりますが、これを特にふやしております。 それから、公害調査研究費でございますが、いま申しました調査等の、府県に対する委託費でございます。本年は一億でございましたけれども、特に来年度は二億五千万の研究調査費を要求しております。 三ページに参りまして、特定地域公害防止計画策定費、これは基本法で、特定地域につきましては政府が基本方針を示しまして、公害防止計画を各府県知事に作らせるようになっておりますが、その関係の費用と、府県公害防止計画を具体的に策定いたします府県に対する補助金でございます。 次の公害監視測定体制整備費とありますのは、いわゆる国の大気汚染の測定網として現在七都道府県に設置しておりますが、来年度は新しく名古屋、岡山に設置したい、かように思っております。二の国設大気汚染監視センターでありますが、先生方御視察のときに、大阪地区で、尼ケ崎の煙が大阪に行くとか行かぬとかいう話がございましたけれども、要するに、阪神地区のようなところでは、大気汚染が広域的にありますので、ぜひ国のレベルで広域的な監視センターをつくる必要があるということで、新しい施設の大気汚染監視センターをつくる予算要求をしております。三の地方公害監視設備等整備費でございますが、これは本年度地方の監視設備の整備補助金を出したのでございますが、これにつきましての増強と、それから新しく移動監視測定車とか、あるいは逆転層監視装置等が考えられる府県に対する特殊なものとか、あるいは特別の器具機材を特に要るような府県につきましての予算要求でございます。 次に、公害防止事業団法施行費でございますが、この関係は、いま通産省の矢高部長からお話がございました問題でございますが、内容といたしましては、まず第一に利子の引き下げを考えております。特に中小企業につきましては特段の配意をするというような基本法の修正等も行なわれましたので、特に中小企業振興事業団とのかね合い等も考えまして、大幅な利子の引き下げ等も考えております。それにつきまして、特に出資金を二十億要求しております。そのほか、公害が特定地域のみならず、全国的に及んでおりますので、地域制を撤廃する。それから産業公害のみならず、特に地域暖房等の都市公害にも、この制度を広げるというような業務内容の拡充を考えております。 次は、公害紛争処理及び被害救済対策費でございますが、公害紛争処理に関しましては、第一段階としまして、地方には公害調査員、府県段階では都道府県公害審査会、中央では中央公害審査委員会というような紛争処理の機構を考えております。それとは別に、いわゆる公害の公的救済措置として、公害救済基金というものを来年度特殊法人として設立しようとしております。その内容は、紛争処理につきまして、とりあえず来年度は健康及び生活公害についての紛争処理を内容とする紛争処理機関でございますが、公害救済基金のほうは、健康問題についての救済基金を考えておるわけでございます。その内容としましては、企業に八分の五を負担させる、その八分の五を負担させる内容につきましては、中央の公害審査委員会が決定をする、そして強制的にその財源を取り立てさせる、不服があれば裁判に訴える、というような制度を現在考えておりますが、この点につきましてはいろいろ意見もあるようでございますので、これから関係方面と折衝いたしたい、かように考えております。 次の科学試験研究費補助金で、現にやっておりますのは、四日市、阿賀野川、水俣等につきましては、医療研究費という名目で、患者の自己負担分等が援助されておりますが、これを基金のほうに肩がわりしておりますので、半年分の減を見ておるわけでございます。 それから、中央公害審査委員会を厚生省の外局として設ける費用が一番最後の項でございまして、これには調停と裁定というそれぞれの職務を持った委員を三名ずつ、計六名を特別職として置きたい、かように考えておるわけでございます。 そのほか、このプリントに漏れております国立公衆衛生院の公害衛生学部及び国立衛生研究所の環境科学部の関係で、人的、物的にも予算要求をしております。 以上でございます。
○内村説明員 運輸省の予算要求について申し上げます。 資料といたしましては、「昭和四十三年度公害対策関係予算要求の概要」というものがございますので、それをひとつごらんいただきたいと思います。 当省といたしましての公害関係の問題といたしましては、まず海水の油濁の問題、それから自動車の排気ガス及び騒音の問題、それから航空機の騒音の問題、それから大気汚染の問題、これは気象庁の関係でございます。こういったものがおもなるものかと存じますけれども、そういった問題につきまして、順を追いまして簡単に御説明申し上げたい、かように思います。 まず、海水油濁防止の問題でございますが、これは先般八月に、船舶の油による海水の汚濁の防止に関する法律というものが成立をいたしまして、今後はいかにしてその施行を確保してまいるかということ、か、今年度並びに来年度のわれわれに課せられた問題でございます。 ごく大ざっぱにその内容を申し上げますと、まず船舶から特定の水域特に陸地に近い水域に油を流してはいけない、船舶の油というものは外へ出さないような装置をしておきなさい、たまった油というものは廃油処理施設に捨てなさいというようなたてまえになっておりまして、廃油処理施設というものを一定の基準によって逐次つくっていく、大体これが法の体系になっております。そういうことからいたしまして、まず予算の内容といたしましても、各港湾に廃油処理施設というものができるわけであり、また船舶の場合、ビルジの排出防止装置、たとえば油水分離機といったものができるわけでございますが、そういった施設が適正に作動をしているかどうかということをチェックいたすために、これは検査をいたさなければなりません。そういった意味で、検査のための装備を充実するということをいたしまして、この検査体制を整備していくための予算といたしまして、六百四十三億何がしが計上されております。 それから、船舶から油が流れているかどうか、そういうことを現実に取り締まらなければいかぬわけでございますが、これは海上保安庁がその取り締まりに当たるわけでございまして、そのために捜査用の機材、たとえばいま油がどのくらい流れているか、それを検出してみたら一体法律に適合するかしないか、そういったことを検査してまいる体制が必要でございまして、それに必要な装置を整備いたしますために、千百五十万何がしというものが計上されております。 それから、先ほど申し上げました廃油処理施設でございますけれども、これは港湾管理者がいたしますものと、それから一般民間でいたしますものと、この二通りに分かれております。そして港湾管理者が整備するものにつきましては、国が五〇%について補助をするということになっておりますので、そのための予算として五億八千四百万というものを掲げてございます。そしてことしすでに整備進行中のものが六カ所ぐらいでございまして、来年はさらに五カ所程度を整備してまいるというふうな考え方でございます。それから民間で設備いたしますもの、これに対しては国の補助はいたしませんけれども、その必要資金の七〇%につきまして、開銀から融資をつけるというたて支えにいたしておりまして、その必要な額といたしまして九億四千五百万というものを計上してございます。 それから、先ほど御説明申し上げました、船舶内のビルジ排出防止装置の設置につきましては、船舶整備公団というものがございますが、そこからやはり七〇%について融資をするということにいたしております。金利は両方とも三年間は七分、それからは七分五厘というふうに考えております。その額といたしましては、一億八千九百万というものを考えております。 以上が、海水油濁防止に関してわれわれが考えておる来年度の施策でございます。 次に、自動車の排気ガスの問題でございますけれども、自動車の排気ガスにつきましては、現在われわれは一酸化炭素というものを一応規制の対象にいたしておりまして、これを三%以内に押えなければならないというふうに保安基準でもって定めております。そういう保安基準を守らせるために、まず新型車の排気ガスがどういうふうに出るかということを検査いたしますとともに、こういった型式を指定された自動車製作者に対しまして監査を実施するというようなことをいたします。それから、新型車ではなく現在使われている車、これが排気ガスを出さないためには、一体整備上のどういうふうな基準をつくったらいいだろうかというようなことが次の問題でございまして、このためには、排気ガスというものが整備前と整備後において一体どういうふうに変わるだろうかというような実態調査をするとか、あるいは特定の車について、走行キロに応じて排気ガスがどの程度多くなるか少なくなるかというふうな追跡調査をいたします。そういった調査をいたしました上で、排気ガスが発生するその原因と思われます燃料関係であるとか、吸排気関係であるとか、電気装置関係、こういったところの機械装置といったものをどういうふうに整備してまいったらよろしいかという、整備基準を制定いたすということをやるということで、この費用につきましては、五百六十八億何がしかの予算要求をいたしております。 さらにまた、排気ガスによる大気の汚染ということにつきましては、比較的新しい現象でございまして、外国においてもいろいろな例がございますので、そういった外国の規制状況とか、あるいはその効果というものを的確に把握する必要がございますので、そういったものの情報を収集いたしまして、これを有効に活用したいというふうに考えております。 それから排気ガスによる大気汚染の防止ということは非常に重要な問題でございまして、われわれ運輸省といたしましては、道路運送車両法に基づく実際の保安基準をつくるという必要がございまして、どういった保安基準をつくればいいのか――さしあたり三%という数字を押さえております。それが三%でいいのか、あるいはもう少し、環境基準がきめられた暁に、そういった個々に排出するものをいかに押さえるべきか、あるいは米国などで行なわれておりますように、炭化水素というようなものについても規制しなければならぬか、あるいは規制するとしても一体どういうふうな方法で規制したらいいかというふうな問題が多々ございます。そういった自動車の使用に関しましての規制という問題から、いろいろな研究をまだしてまいらなければなりませんので、従来こういった研究は、わが省にございます船舶技術研究所というところで行なっておったわけでございますが、この際一そう責任体制を明らかにする意味におきまして、これを独立させまして、独立の交通安全公害研究所というものをつくりまして、そういったものを明確なる責任体制のもとに研究させる、こういうふうに考えておる次第でございます。 それからなお、こういった排気ガスに関する研究補助金として、気化器テスターの研究、自動車排気ガス中の炭化水素の実用的測定器、こういつたものに対する研究補助をいたしております。 次、航空機の騒音対策でございますけれども、これは先ほどお話ございましたように、こういつたものに対する法律ができまして、それに基づきまして、今後施薬を進めてまいるというわけでございますけれども、来年度におきましては、まず航法というものを規制してまいりたい。つまり騒音がやたらに一般民衆の迷惑にならないように、騒音というものが散らばらないと申しますか、一定の人に迷惑をかけないような方法なとらなければならぬということから、航法を規制する必要がございます。そういったことのために、航空機騒音が一体どういうふうになっておるのかということにつきまして、東京及び大阪の国際空港周辺における航空機騒音の実態というものを調査いたします。またその調査のためには、騒音測定塔というものが必要でございますので、東京についてはすでに羽田のそばにできてございますけれども、大阪のほうにおきましてはまだございませんので、そういった騒音測定塔というものを大阪国際空港のそばに設置いたします。そしていろいろなデータをとりたい、そういうふうに考えております。 それから、大阪国際空港の周辺におきましては、航空機が非常にひんぱんに離着陸いたしますので、農業経営上損失をこうむった者に対する補償を行なうということで、三百十万というものを予算要求いたします。 それから、騒音防止対策事業に対する補助といたしまして、東京及び大阪の空港周辺の学校の騒音防止工事に対する補助といたしまして、五億七千万円というものを要求いたしております。 それからさらに、大阪空港の周辺付近にいわゆる共同利用施設、そういったものの整備についての補助、そういうものといたしまして、これは川西、池田二カ所を予定いたしまして、二千六百万円というものを要求いたした次第でございます。 それからあとは、工場排水の規制というものも、これは従来どおりやってまいるということでございます。 さらに、先ほどちょっと申し上げましたけれども、大気汚染の対策といたしまして、現在問題になっております四日市、そこにはさらに大気汚染対策のために気象観測施設を増強いたしまして、もう少し定常的な観測をいたしたい。それから、さらにまた北九州の大牟田、川口・鳩ケ谷、そういった地区に気象観測施設を設けまして、調査観測をいたします。それによりまして大気汚染に関するデータをとりまして、大気汚染に関する予報業務ということでやってまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。 なおそのほかに、新潟の地盤沈下対策事業として、四十三年度には六億五千六百万というものを要求いたしてまいりたいと思います。 以上が、大体予算の概要でございますけれども、さらにちょっとつけ加えますと、それに必要な人間として、海水油濁防止には二十九人、それから自動車の排気ガス及び騒音の防止のために二十二人、それから航空機の騒音防止対策に十人、大気汚染の気象業務として十六人、合計七十七人というものを要求いたしておる次第でございます。よろしくお願いいたします。
○八木委員長 建設省、大塩都市総務課長。
○大塩説明員 お手元の、四十三年度建設省公害対策予算要求一覧表で御説明申し上げます。 建設省の公害対策は都市局で総括しておりまして、その都市局が窓口になっております。ここに掲げられておりますのは、各局にわたる公害対策事業費の一覧でございますが、大体都市のサイドの公害をまとめたものがこの表になっているわけでございます。 まず、公衆災害防止指導経費と申しますのは、建設業法等できめられておりますが、工事の騒音とか震動とか、そういう建設工事に伴う公審を防止いたしますために、基準をつくって、夜間、昼間に分けたり、あるいはへいをつくらせたりというような指導を行なっておりますが、そのための指導経費でございます。 それから、次の広域公害対策調査経費、これは四十年からやっておりまして、すでに八地域済んでおり、あるいは実施中のものが残っておりますが、さらに常磐・郡山とかあるいは駿河湾とか播磨・岡山、広島・呉、大分・鶴崎等につきまして、産業公害による大気汚染の将来予測を行ないまして、特に、先ほど来問題になっております一酸化炭素SO2に重点を置きまして、その分布図をつくって、開発の将来のパターンをここできめていこうというのがねらいの調査でございまして、継続的にやっている事業でございます。以上が計画局でございます。 次に、緩衝緑地造成事業費、これは公害防止事業団がすでに緩衝緑地対策と称しまする、公害発生源と公害を受ける側との地域の中間に緩衝的な緑地をつくる、こういう事業についてすでに一部特許いたしまして、都市計画専業としてやっておりますけれども、それに対しまして、ある一定の条件のもとに、この公害事業団の当該事業に対して、ここにありますように交付金を与えていこう。この対象として考えておりますのは、四日市、市原のほかに、赤穂、徳山を一応考えております。これにはこの事業団法の改正が必要かと思われますので、関係省と折衝いたしておるわけでございます。 次に、工場あと地の買い取り費、これは昭和四十年から発足いたしました都市開発基金という制度がございまして、その中で、工場が関東あるいは関西におきまして制限を受けておりまして外に出ていく。出ていく工場のあと地を買い取ってやらないと、また工場ができたり環境が悪くなる。そこで一定のマスタープランに基づきまして、あと地利用計画というものを再開発計画で立てまして、それに必要な敷地として認定されましたものにつきまして、その工場あと地を買い取っていく制度でございますが、この基金成立以来日が浅うございまして、三十一億円が四十二年度の予算でございますので、これを大幅に増額いたしたい。来年は九十八億円を要求する予定にいたしております。 次に区画整理事業費、これはその一部でございますが、特に市原、四日市につきまして、都市改造という区画整理を行なう。これは公共施設を生み出し、適当なグリーンを生み出し、同時に環境を整備する事業でございます。 次に、下水道専業費の中で、特に重要河川汚濁対策費、工場排水対策費、地盤沈下対策費、三つ中身をあげておりますが、要するに公共下水道の汚濁対策の効果及び特別都市下水道と申しまして、非常に質の悪い水を川に流し込む、あるいは川に流し込む前に特別処理をして流し込むようにしたい、あるいは不良排水地域におきましてポンプアップしなければならないというようなものを拾ったものが、この事業費の中に含まれております。 下水道事業調査費といいますのは、処理場の規格等について調査-するものであります。 次に、水路水質調査費というのは、汚濁のはなはだしい河川に流入する下水道の排水口あたりの水質を調査する費用でございます。 公害対策都市計画策定経費、これは補助金を予定いたしております。一市約百二十万円くらいを調査費に充てたいと考えております。以上、都市局について申し上げました。 次に、河川水質調査費、これは八十六河川につきまして水質を調べまして、排水規制をするための調査、河川汚濁対策調査費、それから河川汚濁対策事業費、いずれも水系を指定いたしまして、その調査をする費用でございます。 次に、地盤沈下対策事業費と調査費、これは新潟が中心でございます。 それから住宅関係といたしましては、四日市につきまして、団地をつくりまし七、公営住宅の、出ていく人たちの優先入居をはかる、あるいは雨池等につきまして、不良住宅の改良、移転を行なう、こういう費用を要求いたしております。(島本委員「水島はないのか。」と呼ぶ)水島は、先ほどの広域公害対策調査費の中で、もうすでに調査を終わった段階でございます。まとめ中でございます。 ―――――――――――――
○八木委員長 質疑の申し出がありますので、これを許します。島本虎三君。
○島本委員 私は、だいぶ時間が経過しておりますので、短時間の中で終了したいと思いますから、要点を申し上げますので、答弁のほうも核心に触れて、遠慮要りませんから、ずばりと言ってもらいたいこういうふうに思うわけであります。 まず第一点は、過般の視察の経過につきしまては、その結果と合わせていま報告済みであります。その中で、個人的に私が感じておる点、二点ございますので、その二点を、この場で、報告と合わせて、質問したいと思います。 その第一点は、経営者の公害に対する考え方の問題であります。いままで方々ずっと公害の問題、またそれに対処する企業の実態等を視察してまいったのであります。大かたその努力は、県知事をはじめとして、中には消極的な点もいなめません。しかしながらその努力は認められるのであります。その中で、特に経営者の面で、十分もう手を尽くしておるという自信過剰とあわせて、公害病患者が公害云々といって訴訟を起こしたりするのは、これは一定のイデオロギーの持ち主である、こういう考え方を持っている人もないわけではないようであります。企業全体として、これはそういう考えはあるかとも思うのでございまするけれども、企業道徳として今後公害行政を強力に指導する上から見て、このままの状態でいいということは考えられないのでありまして、この点、企業道徳、公害に対するいわば責任観念というような点について、通産省自身がこれにどのように対処し、指導していかんとするものであるか。同時に厚生省自身も、こういうような具体的な問題に対しては、今後びしびしと対処しなければならないのではないか、こう思うわけですが、この問題等についていかがでしょう。通産省、厚生省、順にお伺いいたします。
○矢島説明員 若干個人的なことになって恐縮でございますが、私、先般三週間前に立地公害部長になったのでございますが、その前にいろいろな原局を回っておりまして、公害問題というものが逐次重要問題となってきておるので、その際、及ばずながら公害業界に対して強力なる指導を原局の段階でもやってきたつもりでございます。この際、立地公害部長になりましたので、ますます通産省の各主要公害を発生するような、公害の犯人となるような業界に対しては強力なる指導を一そう続けたいと思うわけで、そのために、省内における発言権を大いにふやしてもらおうと思っておる次第でございます。先生御指摘のような業界、企業が、今回調査に行かれた際にあったということは、まことに遺憾な次第でございまして、通産省の指導のしかたにおいてやや遺憾の点があったのではないかと思うわけで、深く反省している次第でございます。 先生御指摘の会社の名前、業界等はどこかいまわからないわけでございますが、後ほどお伺いして、さらに具体的に公害業界について指導をやりたいと思うわけであります。ただ私、立地公害部長になる前に、電力その他におりましたこともありますが、その際において、ある程度の方向づけをやっておりまして、業界によりましては、全部先生御指摘のような態度ではないと思うわけで、ある程度前向きた態度でやっておる業界もある。はなはだ遺徳ながら、御指摘のような業界がありましたので、これに対しては十分な注意を払っていくつもりであります。よろしくひとつ……。
○武藤説明員 公害基本法ができましてから、経営者を含めまして、公害に関する熱意は相当前進していると思いますけれども、やはり公害防止が企業の経営の重大なる条件であるというような認識を、企業者が持っていただくことが先決であろうとわれわれも考えております。したがいまして、公害問題につきましては、ガラス張りの中で、地元の関係機関なり全住民の信頼を得て、企業がその経営をやっていくということが絶対必要だろうと私は思っております。 しかるに、地元公共団体は、ともすれば、従来は企業誘致に非常に熱心のあまり、公害問題についてやや消極的な面があったわけでありますが、こういう点につきまして、やはり企業誘致の熱意と公害防止の熱意は必ずバランスがとれていかなければならない、そうでなければ地元の発展は考えられない、かように考えておりますので、そういう面で地方を指導しております。
○島本委員 そういうような特定の名前や何かは一切ここで申し上げません。ただそういうような事実に対して、広範な意味から、これはもう対処しておいてもらいたいと思います。これだけ強く要請をし、この対処を怠った場合には、具体的な名前をあげて、今後仮借なく追及いたしますから、その点をよろしく御了承願いたい。 第二点、四日市のマンガン利用の浄化装置についてであります。先ほどの報告にもありましたように、この企業努力は十分われわれは認めてきたところであります。しかしながら、やはり三重県の四日市市で、これは中部電力では、三菱重工業が開発した活性酸化マンガンを使用して排煙脱硫装置についての初めての試験プラントが、高浜の中部電力四日市火力発電所でやっているわけです。そしてこれはテストし、実用化に踏み出すことになるという報告をわれわれは、受けてきておるわけであります。しかしその後、その脱硫方法について不十分なため、粉末が完全に回収されないで飛散する、それがマンガンの毒性、いわゆる脳神経を侵す結果になり、これが水俣病その他、こういうような水銀中毒に劣らないほどのものに、十年間を出ずしてなるものである、こういうようなことがいわれ、住民はそのために、有毒な試験プラント建設を国は認めるのかどうかという点で多大な疑問を持っている、こういうようなことを聞いているわけであります。これもやはり国が、通産省が積極的に指導し、脱硫方法のうちでも最も近代的だといわれるこういうような方法を採用し、これを実行せんとするやさきに、こういうような疑問があるということは、われわれとしてはまことに遺憾だと思うのです。こうなりました以上、その疑問を完全に解明して、そして何ら住民にも不安を与えず、これを実行に移すのでなければ、公害の対策にはならないのであります。また指導にもならないと思うのであります。この点について、通産省のほうでは、また厚生省のほうではどのように考え、本問題を指導したか、また指導の結果はどうするのか、この点も率直にお答え願いたいと思います。
○矢島説明員 御指摘の四日市における活性酸化マンガンによる脱硫装置というのは、通産省が、技術開発費として大型プロジェクトというのがございますが、それで全額を見る、すなわち全額国の予算でやっている事業でございまして、その場として、中部電力の四日市その他を使っている次第でございますが、御案内のとおり、昨年、四十一年の四月二十一日、当産業公害特別委員会におきまして決議がされまして、亜硫酸ガスの脱硫技術対策の開発は焦眉の急であるから、四十二年末までには研究開発を終わって、何らかの結論を出して、火力発電所等に対して必要な設備をせいということがございまして、昨年来諸般の措置を講じているわけでございます。その中の一つがこの研究でございますが、そもそも亜硫酸ガス対策の脱硫というもののためにやったのですが、それが万一御指摘のとおり逆の結果となって、脱硫ができるどころではなくて、逆に人体に害を与えるというようなことに相なるということは、これはまことに重大な問題で、本件は慎重に取り扱わなければならないと考えている次第でございます。 先に結論がましいことを申し上げますと、そういう次第でありまして、通産省が国費でみずからやっていることなんですが、それがあだとなるようなことがあっては、これは全くまずいことで、慎重に研究して――まずかようなことか新聞等に出たということは、住民の方々に非常な不安を与えるので、こういう点は十分そういう不安を払拭した上で――そのためには厚生省のほうにも権威のある方々がおられるので、さらに一そう厚生省と緊密な連絡をとりまして、本件を慎重に取り扱わなければならないと考えておる次第でございます。 ちょっと若干あれですが、技術的なことにも触れさしていただきたいと思います。実は脱硫装置には、重油から直接取るものもございますが、やはり大規模な火力発電所等において一番いいのは、排ガスから脱硫するというのが一番いいので、そのためにいろいろな方法が、触媒と関連してございますが、通産省の研究では、とりあえず二つの方法、すなわち一つは活性酸化マンガンを触媒に使う、もう一つは活性炭そのものを使う。要するに亜硫酸ガスを抱き合わせて吸い取る材料として、一つは活性酸化マンガン、一つは活性炭ということで、中部地区と関東地区でそれぞれやっているわけですが、その中部地区のものが本件、御指摘になった四日市の例でございます。もとよりこれが、マンガンが多量に人体に入るというような結果になればこれは大問題であって、そういう点は十分配慮して研究しておったのですが、このマンガンが出るのは非常に少ないわけで、大気中の浮遊ばいじん中のマンガン量よりも少ない濃度に拡散され、人体には悪影響はないというふうに考えまして、この研究を始めたわけですが、なおその数字を申し上げますと、いま説明いたしましたように、亜硫酸ガスを活性酸化マンガンに反応させ、排ガス中の亜硫酸ガスを硫酸マンガンとし、これらのマンガンダスト、マンガンの入っている煙を五つの段階の集じん装置で捕集して、そうして外に出すわけでございます。この場合、全然出ないわけではなくて、ここにマンガンが出るので、これが御指摘の点の問題でありまして、これをわれわれとしては慎重に考えなければならないわけでありますが、一応いままでの段階でわれわれが考えておりますマンガンダストは、一方メートル当たり二十四ミリグラム以下、こういう設計になっておるわけです。要するに、こまかいことは省略しますが、五つの段階でもって集じん装置がありまして、その五つの集じん装置を通ってまいりますと、一立方メートル当たり二十四ミリグラム以下になる。これは発電所の試験的なテストプラントでございますから、ほんの一部が使われる、約五分の一ぐらいのものがこれに使われるわけで、結局また親の煙突に入るのでありますから、マンガンのない空気と一緒に出る。そういたしますと――失礼いたしました。これは煙突の排ガスによって、親の煙突で希釈されまして、四倍に薄められて出るわけでございますから、二十四ミリグラムというのがさらに六ミリグラムになるわけでございます。そうして一立方メートル当たり六ミリグラムのものが煙突から出ると、さらに煙突の効果によって拡散されて、地上濃度というものは、いろいろな算式がございますが、悪条件下においても、一立方メートル当たり〇・〇〇〇一ミリグラムのマンガン量になる、かような結果になるわけでございます。これは現在日本では規定されておりませんが、ソ連等において定められ、直接的にも間接的にもいわゆる人に何ら影響も認められない濃度といわれるマンガンの大気汚染濃度が一立方メートル当たり〇・〇一、これがたとえばソ連等で適用されているわけですが、この〇・〇一に比べますと、その〇・〇〇〇一というのは百分の一ということである。またこの大気中に浮遊しているばいじん中のマンガンの十分の一であるわけであります。そういう急味で、一応われわれとしては人体に悪影響を及ぼすことはないと考えて、この研究をスタートしたわけでございます。 私はここにくどくどしく言いわけを申し上げるわけではないのですが、一応慎重な配慮をしてやったわけでありますが、しかし、とにかくこういうことが新聞等に出まして、現地の住民の方々に異常なる不安を与えた、しかもその地域が公害に関しては非常に問題となっている四日市であるという点については、通産省としては、そういう地域社会に与える影響というものを非常に重要視して、そして本件の取り扱いはさらに慎重に扱わなければならぬと考えております。そのためには、やはり通産省だけでいいということではなくして、厚生省の専門家の方々の意見もよく聞いて、実施に関しましてはとにかく密接な連絡をとって、そうして住民に対する不安を十分払拭しなければならぬ、その上で実施に移すというふうにしなければならぬと思っておる次第でございます。 われわれの現在考えているのは、以上でございます。
○島本委員 今度は厚生省にちょっとお伺いいたしますけれども、いまのような通産省の意図がはっきりしているわけです。それで、研究結果はどうなるのかというのがまた問題だと思う。まず住民に不安を与えたというこの前提の上に立って、不安を除去し、解明するように今後持っていくのでなければならない。その中には、亜硫酸ガスの除去装資のマンガン捕集率が九九・九七%である、こういうようなことが中部電力のほうから発表されたということで、そもそもの問題が発生したというふうに私は思っている。というのは、やはり完全じゃないじゃないか、一〇〇%じゃないじゃないか、〇・〇三%だけ漏れているじゃないか、これがたび重なったら、現在われわれが受けているこういうような公害以上に、また足腰が立たなくなるような脳神経細胞が侵されるような結果になってしまうのじゃないかというおそれだと思う。私も一これに対しては、まだ試験中ですから、あえてとやかくは申しません。したがって、これは完全に解明するところまで研究の結果を発表して、そして不安を少しも与えない、こういうようなところまでやってほしいと思う。やはりアメリカではこれは中止したというし、ソ連では飛散した場合には問題がある、こういうことをいろいろな研究会で発表したというし、こういうような問題は、故障の場合を考えた場合にも、一つやはり問題があるのじゃないか。工業技術院の報告、こういうようなものの安全性の完全証明をしなければならないのじゃないか、それまでやるべきじゃないか、こういうように思っているわけなんです。したがって、今後の対策として、厚生省は――いま通産省の言った点はわかりました。厚生省のほうでこれをどういうふうに持っていくか。
○武藤説明員 マンガン問題が起きまして、政府部内としては、やはり慎重に検討する必要があるという考え方から、厚生省は通産省のほうにいろいろと装置あるいは実験の内容につきまして、安全性の確認につきまして、いま技術的に意見なり疑問なりを提供して検討中でございます。そのほか、いま御指摘のソ連、アメリカのほうにも連絡をいたしまして、その確認方の返事を求めております。そのほか、先生御承知のように、マンガンは現在の空気中あるいはその他植物あるいは水等にも微量が含まれておりますから、四日市につきまして、そういう環境上の調査も現在やっておるわけでございます。いろいろ技術的に検討いたしまして、また学者の意見等も聞きまして、この実験が適か否かということについて現在慎重に検討中でございます。その結果につきましては、住民に不安を与えないように、十分納得のいくようなことで対処したい、かように思っております。
○島本委員 完全にその結果が出、安全性が十分解明されるような段階になってこれを実行に移すように、こういうような努力だけは、両省ともに手を携えて、十分これは住民に当たってもらいたい、このことを強く申し上げておきます。現在の段階では、試験の段階ですから、この点等についてはこれ以上追及は差し控えておきたいと思いますので、善処をお願いして、この質問はこれで打ち切ります。 あと三点ほどで終わるわけでございまするけれども、次に都市公害の問題について質問したいと思います。もちろんこれは産業公害でございまして、最近のいろいろ累発しております都市公害の問題について関心がないのかということにつきましては、第五十五特別国会の席上で、これはもう基本法審議の際に、厚生大臣はもちろん胸を張って、第二条によって処理するものであるし、これは重大な関心を持っているものである、こういうふうに言ったわけであります。また総理もいろいろな意味ではこれに賛成を表して、今後十分考えた上で善処していく、こういうようなことを言明したわけであります。 そこで、一つ具体的な問題としてここで通産省並びに厚生省にお伺いしたい。 それは、冬季オリンピックを目前に控えて、冬の北海道の場合には特に各戸がばい煙を発生するので、これは都市公害の中でも特異の様相を呈していることは、皆さんも御存じのとおりなんであります。それに対する対策は集中地域暖房、こういうようなことによってこれを解決したいという構想が明らかにされているわけであります。もちろんこれにはいろいろな条件があるでしょうけれども、やはりこの方法によって、できれば現在の積雪寒冷地帯――北海道のみならず、東北並びに北陸方面もやはり解決の糸口ができるわけでございまして、今回の集中地域暖房事業、こういうようなものに関心は意外に高いのであります。ことにオリンピックを控えているという重大な問題等もありまして、政府のこれに対する態度を皆が注目しておるわけであります。それで、いわばばい煙都市といわれる札幌市も、昭和四十三年度にもいよいよ腰を上げまして、いろいろ問題はありましたけれども、都心部に集中暖房計画を進めるということが決定したようであります。そしてその事業を遂行するために、形態も株式会社組織で設立するような形態でいきたい、こういうこともできたようであります。そしてそれによって、今度は北海道並びに札幌市からも直接これに出資するということが決定したようでありますし、政府の関係資金の融資、出資、こういうようなことにつきましても、いろいろと考えられているというふうに聞いているわけであります。四十三年度からというと、もうすでに予算の構想もそろそろ明らかにされなければならないのじゃないかと思うわけでございまするけれども、各戸から排出するばい煙を一カ所に集中、または集じん、脱硫、こういうような装置をつけるわけでありまして、これはなかなか並みたいていではないのであります。それとあわせて、需要者への安価な熱源の供給とそれから経営の健全化、この二つの両立する問題を控えまして、これは並みたいていじゃないと思います。こういうような意図のもとに、この施策がいま進められていますけれども、政府では、ことに大蔵省――大蔵省関係の人は来ておりませんか。まだ来ておりませんか。――それでなければ、厚生省は来ております。通産省も来ております。そのうちに来たならば、この問題は特に大蔵省には申し上げなければならない問題なんでありますが、出資の場合、融資の場合、こういうような場合に分けて、具体的な問題としてどのように考えているのか、これはまず通産省、厚生省に聞きたいと思うのです。
○武藤説明員 いまお話しの地域暖房の問題でございますが、具体的には、オリンピックを控え、また黒い雪が降るといわれております札幌市の問題でございます。この札幌市の地域暖房の計画につきましては、都市公害の見地からして、きわめて有益なものがあると厚生省としては考えております。したがいまして、昭和四十三年度から公害防止事業団の融資対象として取り上げ、その実現をはかるべく、所要の予算――これは融資でございますが、要求を財政当局に行なっておるところでございます。現在、公害防止事業団は、融資対象を産業公害に限っておるわけでございまして、この点、都市公害に関する事業に融資するためには、公害防止事業団の法律改正が必要でございます。したがいまして、この点と、それからいま申しましたこの第一期工事としまして約五億七千万円が計画されておりますが、その初年度分として一億円を計画しております。それから、厚生省の所管でございませんけれども、北海道東北開発公庫から三億の出資をこの株式会社に支出するように、北海道開発庁が出資要求を大蔵省のほうにしておる、かように聞いております。
○島本委員 構想としてはいいと思います。そういうようにして、やはりこの先駆と思われる都市集中暖房の問題については、十分手当てをして完成させるようにしてやってほしい、こう思うのです。それで、それはいいのですが、大蔵省関係のほうではなかなか腰が重いということを聞いているのですが、その点皆さんも政府部内ですから、通産、厚生両者とも、大蔵省来ておりませんが、これはだいじょうぶですか。
○矢島説明員 通産省といたしましても、かねて都市公害の解決のためには、札幌における集中暖房を早急に実施に移すべきだと考えておるわけでありますが、外国の例を引くまでもなく、むしろおそきに失しているわけで、オリンピックに間に合うとかなんとかいうことでなしに、これは早急に実施するということで、内容はいま厚生省の武藤部長から説明していただいたとおりですが、相手は大蔵省のことで、一省、二省だけでばらばらに当たったのでは、これはなかなかむずかしい点もあるので、各省共同でもって折衝いたしまして、ぜひとも実現いたしたいと考えております。
○島本委員 委員長に要望いたします。 せっかく呼んであるのですが、大蔵省、来ないのであります。来ないけれども、通産省とそれから厚生省ともに、この計画は――総理大臣さえも調査の結果の言明があるのであります。厚生大臣は胸を張って、それはもうやると言っているのです。しかしながら、これまで腰が重い原因の一つは、やはり大蔵省にあるわけであります。通産省、厚生省はいま言明のあるとおりですから、委員長からも、この委員会として、両省そろって完全にこの対策に当たれるように、大蔵省に要請しておいてほしいと思いますが、委員長にその意思がおありかどうか。
○八木委員長 島本委員の御要望のとおりに努力をいたしたいと思います。
○島本委員 あと二点で終わりたいと思うのです。 その一つは、通産省の石炭局、来ておりましょうか、前へ出てください。これはもう具体的にその辺まで問題が参っておりますが、石炭価格の安定方策の確立について直接伺いたいのです。というのは、いま言ったように、この集中暖房方式で、これが使用燃料は大気汚染防止――これは北海道独特のものでございますけれども、そういう点等を考え、また産炭地の振興等を考えて、ある程度効率のある重油燃料から、やはり石炭を使いたいというのが現地の考えであります。そうなりますと、これはもう設備の問題でも経常費の問題でも、ある程度ハンデキャップがあるわけであります。しかしながらあえてこれをやらんとすることの意図は、十分石炭局の皆さんは御存じだと思うのです。したがってこれをやるためには、価格の安定方式というようなものをひとつはっきり出しておかないといけないと思う。長期にわたるわけです。それが全部市民または道民全体にわたり、それが成功するならば、東北六県、北陸まで全部影響する重大な段階にあるわけです。したがって、この石炭の価格安定策というか、一つの恒久対策というものは、まことに重要な要素を帯びてくるわけなんでありますけれども、この問題について、石炭局のほうではどのように考えておりますか。
○千頭説明員 現在、石炭の価格につきましては、電力用炭と防衛庁の炭につきましては、石炭鉱業合理化臨時措置法におきまして、基準炭価が設定されております。そのほかの炭につきまして、一般産業炭が同じく設定せられておりまして、御指摘の暖房炭については、はっきりした公定価制度はないわけでございます。店頭表示価格というものを行政的に指導するというふうな形でやっておるわけでございます。御承知のように、石炭産業の経理事情からいっても、石炭価格を下げて重油とコンペティティブにするかという問題が一つございますが、これとても、昨年の九月に石油の生産調整が撤廃せられまして、キロリットル当たり六百円から八百円程度の石油の値下がりがあった今日におきまして、なかなかこれに追いつくということは困難なことでございます。したがいまして、昨年の最終答申におきましても、石炭の値段については上げることもならず下げることもならず、現行水準を維持しようということでいまセットしてありますが、集中暖房方式になりますれば、その辺は石炭の効率も上がることでございますので、わりあいに石油と石炭の格差が少なくなりまして、ある程度対抗できるような値段が現在の時点においてもできるんじゃないかというふうに考えております。御指摘の点がもしも、石炭の値段をもっと下げなければいかぬのじゃないかということであれば、これはまた石炭の経理事情からいっても、これをいま、さらに五百円なり六百円なり下げるということは、それだけ山元手取りが減るわけでございますから、非常にその辺は石炭業界としてはつらいことじゃないか。しかし、下げなければ全部需要がくずれていくということでありますならば、やはりそこは考え直さなければいかぬ。ただいまの時点としては、石炭の価格については現行水準を守っていきたいというふうに考えております。
○島本委員 流動的な問題でありますから、それは経営の面と将来の計画の進展の面をあわせて、これも十分考えておいてもらいたい、こういうように思うわけです。安定するにこしたことはないわけであります。いつもふらふらであったら困るわけです。下がれば住民はいいのですが、炭鉱労働者も困ることがあってはいけないわけです。ですから、そういう点については十分考えておいていただきたい。これを要望しておきます。 それとあわせて、今度は通産省あたりに対しては、地域暖房事業というようなものが、これは将来の発展の見通しの上に立って行なわれておるわけでありますが、やはり特別立法として、こういうような点を将来考えなければならない時点が来るのではないか、こう思われますから、あらかじめ注意を喚起しておきますが、こういうような点等についても考えておいてもらいたい、こういうように思うわけであります。これは要望であります。 最後に、需要確保の支援について、これは大臣がいないのでまことに残念でありまするけれども、こういうような地域集中暖房は、やはり一つの国家的行事と申しますか、オリンピックを契機にして、この寒冷地、ことに黒い雪が降るといわれておる札幌で、自然的にこういうような世論としてこれは出てきた問題であります。その解決策であります。したがって、これが方法として、具体的な一歩を踏み出したわけでありますから、すべての点で、これはもう待望されるはずなんであります。しかし、具体的な問題になりますと、なかなかこれに難点があります。その難点の一つは、政府関係にあるわけであります。どういうようにあるかというと、もうすでに政府では、こういうように集中暖房を指定されたが、そこにそれぞれの暖房を持っているわけであります。したがって、その暖房については、来たるべき場合、可及的すみやかに、それを切りかえるようにしていかなければ、この計画は成功しないのであります。それからばい煙等についても、いままでのように出しつばなしでは、これは政府自身が法律や行政を施行しながらも、それに反対する行動をしているという結果になってしまうわけでありますから、やはり政府やこういうような政府機関は、進んでこれに協力する姿勢を示さなければならない、こういうように思われるわけであります。したがって、いま申し上げるような各官庁に対しては、やはりこの計画に対して協力するように、いろいろと方策を講じてもらいたい、皆さん方のほうからこれを要請するようにしておいてもらいたい、こういうように思うわけであります。その一つは、これは日本国有鉄道関係では札幌鉄道管理局があります。また郵政省関係では札幌中央郵便局があります。大蔵省関係では札幌第一合同庁舎があります。林野庁関係では、札幌営林局があります。同じく郵政省関係では札幌郵政局があり、農林省では北海道食糧事務所、それから電電公社関係では、北海道電気通信局、中央電報局、大通電話局、こういうようなのが、大きい官庁としてそれぞれあるわけです。それと国民金融公庫札幌支所、農林中央金庫札幌支所、こういうようなのがそれぞれあって、それぞれ独特の暖房方式をとっているわけであります。将来、これも集中暖房に協力するという態勢を示すのでなければ、せっかくの計画が画餅に帰するわけでありますから、政府部内でもこういうような調整を十分して、可及的すみやかにこれに切りかえるような指導をしなければならないと思うわけでありますが、これに対してはどのようなお考えを持っておられましょうか。
○武藤説明員 当然、札幌市の集中暖房計画も、地域内にあります各事業所及び関係官庁がそれに参画しなければ、せっかくの集中暖房計画が非常にマイナスの面が出てくるわけであります。したがいまして、先生御指摘の関係官庁等につきましては、そのような御趣旨を十分伝えまして、この計画に参画するように努力いたしたい、かように考えます。
○島本委員 これで最後ですが、先ほど報告があった中で、通産省では立地公害局にしたい、こういうように言っているのだが、肝心の厚生省のほうでは、さっぱりそういうような計画が発表されない。まあ部のままでやっていけるというような構想のようですが、熱意が足りないのじゃありませんか。こういうようなことに対して、ほんとうにそういうような姿勢ですか。将来はやはり公害局にして、この行政の万全を期したいという考えはないのですか、委員長にかわってお伺いいたします。
○武藤説明員 本年の六月に、厚生省に公害部ができたばかりでございますので、機構関係につきましては、来年度要求いたしておりません。もちろん先生の御激励のように、厚生省はもっと機構面につきましても、局なりあるいは庁なり要求すべきであるというような御意見につきましては、私ども賛成でございますけれども、明年度は、いまのところ、現体制で中身の充実につとめたい、かように思っておるわけでありまして、将来の問題として検討させていただきたいと思います。
○八木委員長 和田耕作君。
○和田委員 私は、厚生省と建設省とそれから警察庁の三カ所の方々に御質問いたしたいと思います。 質問の内容は、深夜公害という名前で呼ばれておる問題でございますけれども、この問題につきましては、せんだって大阪の府議会が決議をいたしまして、深夜映画館とかボーリングとかプールとか、そういうふうなものを禁止する法改正の要望があるわけでございます。また東京でも、せんだって美濃部知事ともお会いしたのですけれども、そういう問題がむろんございますが、それに加えまして、深夜に特殊な飲食店が無制限、無秩序に広がっていって、文教地区並びに住宅専用地区の住宅の人たちをたいへん脅かしておるという問題があるわけでございます。これは東京の原宿地区にもございますし、六本木地区にもございますし、目黒あるいは新宿周辺あるいは中野、各地ですでに住民の問題として、住民大会その他が行なわれておるわけでございまして、都知事のほうも、それに対しては何とかしなければならないということで、いろいろ手を打っておるような問題でございます。また、この問題は、厚生省の関係の局課長の方々も、特に厚生省は政務次官も現地を見られたようでございますし、警察庁の方々も、その内容についてはよく御存じのことでございますから、ここで私、時間もございませんから一々申し上げません。ただ問題は、最近非常に急テンポに発展しておる都市化の問題を背景にして、現在有効な措置をしなければ、土地問題と同じように手のつけられないような問題になってしまうおそれがあるわけでございまして、これは単に東京、大阪の問題ではなくて、広く日本の問題だと思うわけでございます。都市化対策の社会的な、精神的な対策の一つの柱というふうな意味で、日本の関係各庁がこの問題について真剣にひとつ対策を講じてもらいたいということを要望申し上げたいと思うわけでございます。 私に与えられた時間は十分でございますから、こまかいことは申し上げません。また他の機会にいろいろ御質疑をしたいと思いますけれども、二つの問題について御質問したいのは、たとえば現在、その実態は、風俗営業ということになれば風俗営業の取り締まり法があるわけでございますけれども、内容は風俗営業のようなことをしていて、しかし外面は普通の飲食店の形をとっておるということでございますが、この問題につきまして、即刻にでもやれることは、たとえば深夜に営業をしておるスナックバーだとか、あるいはお握り屋だとか、いろいろな名前でやっておる普通飲食店で、内容は風俗営業をしておるというようなものについて、許可の条件として、便所をつけなければならないということがないのですね。したがって、外へ公然と出て立ち小便をしたりする問題がある。あるいは、そこに集まるのは、住宅地区ですから、自動車がどんどん集まってくる。しかも、排気音をしないようなものをはずしたままの自動車が来る。こういうような形の騒音が、付近の住宅の人たちを非常に脅かしているわけです。むろん風俗の問題もありますけれども、そういう問題は即刻でもできる問題ではないかと思います。そういう、いまの、たとえば食品衛生法の問題でも、あるいは風俗営業等取締法の問題でも、できる範囲でやるべきことをどんどんとやっていくということが一つあると思います。このことについては、至急関係各庁で打ち合わせ願ってやっていただきたい。やっていただく意思があるかどうかということを御質問いたしたい。 もう一つの問題は、これは先ほども申し上げたように、都市化の問題として、かなり広範に、しかも急テンポに広がっていく問題だと思います。したがって、ここで考えるべき問題は、私、厚生省の方とも警察庁の方ともいろいろ具体的にお打ち合わせしたのですが、現在の食品衛生法とか風俗営業等取締法とか、あるいは建築基準法というふうなものだけではなかなか取り締まりが困難だということもよくわかります。よくわかりますけれども、起こっている問題は、取り締まらなければならない問題なんでございまして、このために、たとえば文教地区とか住居地区とか、あるいは住宅専用地区とか、商業地区とか、いろいろすでに区分している地区がございますので、そういう文教地区とか住宅専用地区では、今後そのような内容的に見ていかがわしいものは禁止するとかいうような、深夜営業の禁止あるいは時間制限の措置をとれる総合的な法律をつくっていただきたい。これは住民の非常に強い要望でございますけれども、こういう問題を取り扱う準備として、各お役所としてどういうようなお気持ちがあるのか。この二つの問題をお伺いしたいと思います。これは厚生省、警察庁並びに建設省の関係の方にお願いをいたします。
○武藤説明員 和田先生御指摘の深夜公害の問題でございますが、形式的には、厚生省が所管しております食品衛生法の許可を得て、この種の飲食店がいろいろな問題を起こしておることにつきましては、厚生省としてもはなはだ遺憾に存ずるわけでございますが、食品衛生法でも、この問題を直ちに解決することはなかなかむずかしいわけでございます。そのほか、厚生省が現在考えております騒音関係の法律の中でどう扱っていくか、これも研究問題でございます。さりとて、この種の営業を、単に社会道徳の改善に待つばかりでは、現在の状況としては不可能なようでございますので、御指摘のように、警察庁、建設省と早急に連絡をとりまして、いま御指摘の総合的な法律にするか、あるいは現行の法律それぞれの改正によって実効が期せられるかどうか、あるいは各都道府県の条例で特別な措置を講ずるかどうか、そういう点につきまして、早急に実効ある措置をするように検討さしていただきたい、かように思います。
○今竹説明員 さっそくにも取り締まりその他によって対処すべきじゃないかという第一点の御指摘でございますが、警察としましては、風俗営業等取締法、それに基づきます。東京の場合は東京都の条例であるとか、あるいは騒音防止の条例であるとか、あるいは道路交通法等のいろんな法令を活用いたしまして、関係の機関とも密接な連絡をとりまして、この問題が大きな問題になりましたことしの夏から特に取り締まりを強化いたし、また青少年等の補導も強化いたしております。御指摘のございました問題で、この深夜における深夜飲食店が、風俗上いろんな問題があるということにつきましては、現に風俗営業等取締法の第四条の二で、風俗を害する行為を防止するための必要な制限というものは、これに基づく条例で規制できるということになっておりまして、この深夜飲食店が風俗営業まがいの行為をするとか、あるいは少年の非行防止上よろしくない行為をするというような点につきましては、現在でも条例で規制がございまして、これに基づきましてきびしく指導、取り締まりを行なっております。これらの風俗上の問題及び少年補導上の問題、あるいは少年が車のマフラーをはずして暴走するというような問題については、現在ほとんどそういう問題がなくなる程度にまで問題が解決いたしておる、かように考えております。ただしかし、先生御指摘のように、なおこうした営業がたくさん一定の地域にあるということのために、そこへ集まる車の音だとか、あるいは乗客が出たり入ったりする際の車のドアをしめたり、あるいは人声がしたりというようなことのために、住居専用地区であるとか、あるいは住居地区であるとか、あるいは文教地区である、本来静穏であるべき地域の方々が、騒音の問題で悩まされておるということは事実でございます。これらにつきましては、騒音防止の条例なり、あるいは道交法のいろんな適用なりによって、現在も取り締まりを行なっておるところでございますが、取り締まりだけではなかなか解決しない御指摘のような問題もございます。これらにつきましては、私どもも取り締まりを通じての意見を、厚生省なり、あるいは建設省なりによく伝えまして、相ともに問題を解決する方向に向かって検討してまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○上野説明員 現在、建築基準法に基づきまして、若干の規制は行なっておりますけれども、建築基準法そのものが、建物の敷地、構造、設備を中心といたします。どちらかといいますと、建物そのものの防災あるいは避難ということを中心にいたしておりますので、御指摘のような場合については、若干その取り締まりといいますか、規制の方法に問題がございます。ただ先ほども御指摘ございましたように、たとえば東京都の条例の文教地区条例で、とりあえず住宅のマンションの中にあるようなものについては規制をしようというような方向が出ておりますけれども、なお先ほどからお話ございますように、風俗関係あるいはまた騒音その他の問題ともからみまして、建築基準法上どう対処するかということを各省とも相談いたしたい、かように考えております。
○和田委員 よくわかりました。各省とも相当に熱意を持って、この問題をお考えになっておられる点はたいへんありがたいと思います。特にいまお約束されましたように、将来有効な方法、つまり法律改正によるかあるいはその他いろいろな方法によるか、各省連絡をして、そうして有効な方法をとりたいという御言明があったわけですけれども、たいへんけっこうだと思います。 この深夜公害の問題が、公害基本法の問題に当たるかどうかという考えもあるようですけれども、やはり先ほど島本さんもお話しになったように、この第一章の第二条には、これをはっきり規定しているわけでございますね。この法律においては、公害とは、事業者の事業活動その他の人の活動に伴って生ずる大気汚染、水質汚濁、騒音等々の、人の健康、生活環境等々の被害と、はっきりあるわけでございまして、この公害対策基本法というものを実施するためにも、いまの関係各省が連絡的なものをつくって、先ほどの有効な法律の改正その他の方法を検討していただきたい。これは強い住民の要望としてお願い申し上げたいと思います。 これで私の質問を終わります。ありがとうございました。
○八木委員長 河上民雄君。
○河上委員 いろいろ御質問したいことがございますけれども、時間がだいぶたっておりますので、できるだけ簡単に済ませたいと思います。 本日、公害関係に関する来年度の予算要求についての各省の御説明がございました。またわれわれ委員会におきましては、先般視察団を派遭いたしまして、現地を親しく調査いたしまして、その報告が、本日鳥本委員よりなされたわけでございます。したがって、私はこの先ほどの御説明に基づき、またわれわれ自身の調査結果に基づきまして、数点お尋ねしたいと思います。 第一は、きょういろいろ御説明いただきました公害関係の予算でございますけれども、拝見いたしますところ、いろいろ新しい意欲に満ちた予算要求が新設されておることに対して敬意を表するわけでございますけれども、たとえば通産省など公害防止事業団関係分を除きますと四十四億というようなことでございまして、まだまだ十分であるという感じはあまり受けないわけでございます。きょうの数字を読めばわかるわけでございますけれども、最初にちょっとお伺いしたいのは、各省でそれぞれ立てられました公害関係の予算要求が総計どのくらいになりますか、また、開発銀行のワクなどを通じて公害に向けられまするところの資金の量というようなものについて、伺っておきたいと思います。
○矢島説明員 河上先生の御質問に対して、直ちに全部お答えするあれがございませんが、一般会計その他の予算のほうは、いま検討中でございますが、開発銀行の件について御質問がございましたので申し上げますと、通産省の関係で、開発銀行は九十五億円でございますが、従来この九十五億円は、当初三年七%、自後七・五%であったのですが、これに対して六・五%の特利を要求しております。その内訳が御質問の内容でありますが、九十五億円の内訳は、七十八億円が重油脱硫装置でございまして、これは主として石油精製会社の重油脱硫装置の設備資金に充てられております。それから五億円がバラスト水処理施設。それから七億円が地盤沈下の関係であります。それから、それ以外に、今度は開銀では立地的成果の関係ですね。過密地帯の工場を内陸の、比較的過密でない、しかも工場適地に誘導してまいるについては、そのために必要な設備資金のあっせんもしなければならぬ。開発銀行の四十億円、北海道東北開発公庫十億円、中小企業金融公庫二十億円、それだけを要求しております。 以上が大体開銀の関係でございますが、一般会計のほうは……。
○武藤説明員 四十三年度の公害関係の要求額はどれだけであるかという御質問でございますが、先ほど通産省、厚生省、運輸省、建設省等、予算を述べましたけれども、このほかにも農林、文部、法務、科学技術庁あるいは経企庁等の関係もございます。この関係で本年度の予算額は、総理府の調べによりますと、三百六十億円であります。これに対しまして、昭和四十三年度の要求額は六百二十四億、約二百六十三億増の要求になっております。それから、財政投融資でございますが、四十二年度は九十一億でございますが、四十三年度は二百七十一億。したがいまして、百八十億増の要求になっております。
○河上委員 私がただいまそういう数字を伺いましたのは、こまかい内訳というよりも、全体として、日本がいま公害関係にどれだけの金を投じようとしているか、政府がどういう姿勢を持っているかということの、一つの指標として伺っておきたかったわけでございます。先ほど申しましたように、予算は要求は必ずしも十分ではないというふうな感じを受けるのでございますけれども、しかし、いま国民は、非常に公害に切実に困っているわけでございまして、先般、厚生省が、公害対策で、救済基金などを予算要求の中に新設したというような新聞報道が、非常に大きく各紙で取り扱われましたことを見ましても、国民の来年度の予算に対する期待というものは、非常に強いのじゃないか、こう思うのでございます。一般の方々には、新聞を読んだだけで、すでに予算は実現したのだというふうに思っている方が多いと思うのでございまして、もし、これが何らかの事情から削減せられたり、あるいは非常に著しく後退するというようなことがありますると、国民一般の失望、落胆というか、政治に対する不信感というものは非常に強くなるおそれがあろうと思うのでございます。そのような意味におきまして、ぜひとも各省ひとつ一致協力して、この予算獲得のために努力をしていただきたい、こういうふうにお願いするわけでございます。各省ひとつ御決意を披瀝していただきたいと思います。
○武藤説明員 厚生省の本年度の予算は、公害関係でわずか四億でございまして、公害につきまして、国民から非常に期待を持たれております厚生省としてははなはだ少ない額でございます。本年度は公害防止事業団の融資二十億円を含めまして、三十二億の要求でございますが、これにつきましても、従来の行政費の要求としましては、決して膨大なものであるとは、私ども考えておりません。したがいまして、これにつきましては、最小限の要求として、財政当局といま折衝をやっておるわけでございます。
○矢島説明員 通産省の関係は、公害防止事業団の関係が厚生省と共管の関係でダブっているので、一応これを除きますと、本年度の予算が十四億五千万、それに対して来年度は二十一億に相なるというわけでございまして、そのほかに、先ほど申し上げました財投の要求があるわけでございますが、これは御指摘のとおり、この字づら、数字から見ますと、財投のほうは別といたしまして、一般会計のほうは、要求の伸びが非常に少ない感じがあると思うのでございますが、私も、立地公害部長になる直前に会計課長をいたしておりまして、予算全般をいろいろ考えましてやったわけですが、御承知のとおり、各省の要求を二割五分に押えろ――前年度比二割五分に押えろということになりまして、当初要求では非常に膨大なものがあったわけですが、ぎりぎりのところまでこれを、圧縮するというと語弊がございますけれども、選択したわけでございまして、その点、はなはだ残念だったのですが、しかしながら、これに前年度比約六億三千万ばかり増加しておりますけれども、この分だけはほんとうにぎりぎりの最小限の要求でございまして、これだけ詰めて大蔵省に持っていけば、大蔵省のほうも十分お認め願えると信じておりまして、今後十二月までの間、あらゆる機会をとらえて極力説明して、この実現につとめたいと存じております。
○内村説明員 運輸省といたしましても、いままで通産、厚生両省が述べられておるところと、決意といたしましては御同様でございます。数字的に見ますと、四十二年度の予算は約六億四千万、それに対しまして四十三年度の要求は十三億九千三百万、財投のほうは、四十二年度一億に対しまして、来年度十一億三千四百万という要求で、絶対的な数字といたしましては必ずしも大きいとは申せませんが、比較いたしますと、相当の増加率になるかと思うのでございます。何ぶん、私ども運転名といたしましても、何よりも消費者行政と申しますか、一般大衆の立場に立った行政というものが現在一番必要であるというふうに痛感しておるわけでございまして、その意味から、この公害というものに対する防止、公害に対処するということは、私どもとしても非常にその必要性を痛感しておるわけでございます。というようなわけでございまして、この点につきましては、各省いろいろと立場立場でもってやっておるわけでございますけれども、決してこれがお互いに割拠することなく、お互いに協力しながらこの大目的を遂行したい、このように考えております。
○河上委員 いま、各省からの責任者の方が認められましたように、絶対量から見ますると非常に少ないわけでございますけれども、ぜひひとつこれを一銭も欠けることなく確保するようにしていただかなければならない、こう希望するわけでございます。 なお、大蔵省の方おられますか。大蔵省では、いろいろ査定をする場合に、前年度との対比ということを基準にして、いろいろされるようでございますけれども、御承知のとおり、公害は最近急速に社会の関心事となり、あらためて日本全体があげてこの大事業に取り組む、こういう姿勢で起こってきた費目でございますので、他の一般の項目のような角度でやるべき問題ではないというふうに私は考えるのでございます。大蔵省におかれましても、この各省にわたる公害関係の予算については、ひとつ新しい角度で非常な強い決意をもって確保せられるように要望したいと思うのでございますが、大蔵省のお考えをこの際伺いたいと思います。
○辻説明員 公害対策につきましては、財政当局といたしましても、最近特に努力してきたところでございますけれども、御承知のように、全体としての財源事情なり、あるいは他の経費とのバランスという問題もございます。そこで来年度予算につきましては、これらの点も十分考慮いたしました上、今後慎重に検討してまいりたい、かように考えております。
○河上委員 先ほど各省の方が認められておるように、各省のほうはだいぶ遠慮しておるようでございますので、少なくともこれが大前提であるという気持ちで、ひとつ予算の審査に当たっていただきたいと思うのです。 実は先ほど御説明のありました各省の予算の細目について伺いたいと思っておりましたけれども、すでに時間が五時に近づいておりますので、それは割愛させていただいて、追ってまた別な機会に検討させていただくことにいたします。 前五十五特別国会におきまして、公害基本法が通過したわけでございますが、この公害基本法は、その後どのようにその内容が具体化せられているか。また次の国会、来年度に向けてどのように実行化されようとしているかというようなことにつきまして、確認の意味でお尋ねしたいと思うのであります。 その第一は、公害基本法では、公害対策会議、公害対策審議会というものが設置せられることになっておるわけでございます。そうしてまた、厚生省の予算の中にも、それの事務費が織り込まれておるわけでございますけれども、いまだこれが設置せられて発足したということを聞いておらない。法律が通りまして成立いたしましてから、すでに数ヵ月がたっているわけでございますが、一体その組織、運営などについて、厚生省はどういうふうに考えておるのか、一体いつごろこれを開く考えなのか、そういうことにつきまして、責任者の御答弁をいただきたいと思います。
○武藤説明員 公害基本法には、先生のいま御指摘の、公害対策会議と公害対策審議会と、二つの機構があるわけでございます。公害対策審議会、公害対策会議は、いずれも公害対策につきましての基本的な重要事項について、それぞれ審議を行なうわけでございますが、現在、公害対策審議会のほうは、総理府のほうで、いま審議会委員につきまして人選を進めている段階でございます。それから公害対策会議のほうはこれは閣僚を構成員といたしまして、いま申しましたように、公害防止計画その他の重要事項につきまして決定をするわけでございますが、これにつきましては、現在各省でそれぞれ来年度の予算を要求中でございまして、こういう基本的な問題につきまして、年末までに公害対策審議会それから公害対策会議というものを開きまして、検討を進めたい、かように考えております。
○河上委員 いまのお話ですと、何とかする段階であるというお話でございますけれども、見通しはまだ全然ないというふうに理解してよろしいのですか。
○武藤説明員 早急に、公害対策審議会のほうは人選を進めまして、審議会を開くようにいたしたいと思います。対策会議のほうは、基本的な問題につきまして、各省来年度の予算とも関連しまして、できるだけ早く会議を開きたい、かように、総理府と現在打ち合わせ中でございます。
○矢島説明員 通産省としましても同様に考えておりまして、いずれにしても、対策会議、それから審議会、これができないことには、公害に対する諸対策も進まないし、基本法の審議も進まない。これは早急につくらなければならぬと考えておりまして、先般来、この審議会の委員については、厚生省と総理府とも協議して人選を進めて、ほぼ人選もでき上がったものと私は考えております。対策会議についても、必要な政令を早急につくってもらいまして、年内には、一、二回は対策会議ができるというふうにいたしたいと思っております。
○河上委員 ただいまのお話ですと、少なくとも年内というようなおことばがありましたが、ひとつ、単に早急とかそういうことではなくて、ともかく通りましたのはこの夏でございます。もう三、四カ月はたっておるわけでございますから、やはりちょっと怠慢というか、いまお話しのように、これがきまらなければ手がつかないということでございまして、ひとつなるべく早く、ともかく早くやっていただくように。 それから第二に、公害基本法の内容でございますけれども、第二十一条、筋二十二条に、被害の救済についての事業者の費用負担というようなことが問題になっておるわけでございます。先般の新聞などによりますと、それについて厚生省はある意見を持っておるようでございますが、こういうものについての予算的な関係あるいは原則、組織というようなものはどうなっておるのか。また、前国会で非常に論議になりました無過失責任の法理というものがどういうふうに貫徹されていくのか、そういうふうなことにつきまして、厚生省の御見解をいただきたいと思います。
○武藤説明員 いま御指摘の、第二十一条にあります公害にかかる紛争の処理及び被害の救済の問題でございますが、これにつきましては、厚生省といたしましては、来年度、健康問題や生活妨害に関します公害につきまして、苦情及び紛争処理のために、第一線の都道府県もしくは政令市に公害苦情処理調査員というものを設けて、都道府県の段階では都道府県の公害審査会を置く、それから特別の二府県にまたがるような公害問題、あるいは都道府県の公害審査会で審議するには技術的にいろいろ問題がある、あるいは高度な科学的な原因究明が必要であるというものにつきましては、中央公害審査委員会で紛争処理をやる、そういうふうな三つの段階、これはもちろん一審制、二審制、三審制ではございませんけれども、それぞれの機能を持ちました紛争処理機関を設けるという構想を現在考えまして、紛争処理につきまして、関係各省、関係方面へこれから折衝に入りたい、かように思います。これに必要な経費も財政当局にお願いしております。 それから、それとは別に、現に公害によりまして疾病にかかった方につきまして、法的な救済措置を講ずる措置としまして、公害救済基金というものを設けまして、疾病につきまして、医療給付、医療手当というものを給付するという考え方を持ちまして、これの財源につきましては八分の五を企業に持ってもらう、残りの三分の一、三分の一、三分の一を国、県、市で持つという構想を立てまして、これにつきまして、これから関係各省、関係方面と折衝したい、かように考えております。
○河上委員 ただいま御説明の、厚生省の案にある救済基金というのは、これは疾病その他人身の事故に限られたものと解釈してよろしゅうございますか。
○武藤説明員 来年度の計画として考えておりますのは、そうでございます。
○河上委員 この前のわれわれの視察の際に、現地の方々の非常に強い要望は、単に医療費の負担というだけではなくて、むしろ生活保障に対する希望が非常に強かったわけでございますが、そういうものについて、厚生省は今後どういうような方針を持っておるか、どういう考えを持っておるか。またいま厚生一省の原案によりますと、経済的な損害というものは全然含まれておらないというふうに見受けられるわけでありますけれども、実際には、水産関係で、統計に載っているだけでも百二十何億の損害が申請されているわけであります。そういうような経済的な損害に対する救済という問題について、これはあるいは厚生省の関係でないかもしれませんけれども、どういうふうに考えておるか、御答弁いただきたいと思います。
○武藤説明員 御指摘の第一点でございますが、生活保障についてどういうふうなことを考えているか、こういうことでございます。か、生活保障の問題は、現行のいろいろ社会保障の面でとられております関係からいたしまして、特別の制度を考えるということにつきましては、いろいろ現行制度との均衡、あるいは調整等を要しまして、慎重に検討すべきもの、かように考えております。 それから第二点の、農水産関係の被害についての解決策をどうするかという御指摘でございますが、これにつきましては、もちろん基金の構想を捨てているわけではございませんけれども、とりあえず非常に緊急を要するものとして、来年度は健康に関する公害につきまして、基金構想を厚生省としては考えたわけでございます。したがいまして、来年度以降におきまして早急にこの問題は解決すべきものか、ように考えております。なお、決して農水産関係の被害につきましての解決を二次的に扱ったわけじゃございませんけれども、比較的に、農水産関係の問題につきましては、従来ともいろいろの先例なりあるいは解決が行なわれているようでございまして、その点、来年度以降に送った点につきましては残念だとは思っておりますけれども、決して軽視したわけではございません。
○河上委員 いまの経済的損害の関係は、厚生省は所管ではないと思いますので、多少無理かもしれませんが、これはどちらのほうでしょうか、経済企画庁ですが、農林省でしょうか、いまおられませんか。
○武藤説明員 その問題につきましては、当然先ほど先生御指摘の、公害対策会議なり公害対策審議会で慎重に検討して、解決の方向なりあるいは計画を実施していくという方向を、政府部内としてとるべきことだと考えております。
○河上委員 この問題は重大でございますので、委員長にお願いしたいと思いますけれども、しかるべく、来年には、単に厚生省の言うような人身事故だけではなく、経済的損害に関しても救済の道を講ずるように、政府において格段の努力をされるよう、委員長より御要望願いたいと思います。
○八木委員長 河上委員の御発言に従いまして、委員長より政府に強力な要望をいたします。
○河上委員 どうもありがとうございます。なお、いま武藤さんも言われましたように、こういうことは結局、公害対策会議あるいは公害対策審議会でやらなくちゃならぬということでございますので、その意味からも、一日も早くその発足に努力されるように希望いたしたいと思います。 最後に、前国会で残した成果というものがどういうふうに生きてくるかという観点から、お尋ねしたいのでありますけれども、公害基本法の一つの特色は、従来ありましたような排出基準というカテゴリーに加えて、環境基準というものを打ち立てたことだと思うのでありますが、こうした新たに導入された概念に伴いまして、従来ありました広い意味の公害関係法規も整備を迫られていると思うのであります。たとえば、ばい煙規制法でございますならば、当然そういうことが必要になってくると思うのであります。そこで、そういうような公害基本法が通ったことによって、従来ありました法律を再整備する必要、あるいは新たな公害に対処するための新たなる法律、あるいは新たな観点から、広い範囲にわたって公害規制の法律などが必要になってきていると思うのであります。 そこで、来国会に政府において提出を予定されているところの法律につきまして、その講和心と、どういうものがあるかというようなことを、ここで一応国民の前に明らかにしておいていただき、そしてその作業がどういうふうに進んでいるかというようなことについて、ここで述べていただきたいと思います。
○武藤説明員 厚生省の関係でございますが、厚生省といたしまして、次の国会に提出の予定で現在準備中の法律としまして、二、三簡単に御説明させていただきます。一つは、いま先生から御指摘のありました公害の紛争処理及び被害救済関係の法律でございます。これにつきましては、いま内容を簡単に申し上げましたので、それに譲らしていただきます。第二は、先生いまちょっとお触れになりました、ばい煙規制法の改正問題でございますが、現在のばい煙規制法はざる法だなどと悪口を言う人もいますけれども、こういう点につきまして大幅に改正いたしまして、排出基準の強化とか、届け出制の再検討、それから、現在地域の指定制をとっておりますけれども、これを予防的に拡大する方法はないか、あるいは都市公害の最重点として、自動車の排気ガスをも大気汚染関係の対象として取り込んだらどうか、こうような意見もありますので、そういう観点から、ばい煙規制法を、外国のように、大気汚染防止法というような総合立法はできないものか、かように検討しております。 それから、先ほど公害の話が出ましたけれども、騒音につきましては、各都道府県あるいは各都市におきまして、それぞれ騒音防止条例あるいは公害防止条例の中で騒音の規制をやっておりますけれども、その間におきまして、いろいろ調整を要する問題、あるいは基準等につきましてもアンバランスの問題がございますので、こういう問題につきまして、たとえば工場騒音あるいは建設騒音、交通騒音等を対象に、統一的、総合的な騒音規制の方法が相当ございますので、こういう点の準備ももちろん進めております。 それから、先ほど島本先生から御質問がございました公害防止事業団法の改正でございますが、これにつきましては、現在、公害問題が単に既存の工場地帯のみならず、各地で、たとえば現在長野県とか長崎県とか、それぞれ地域外でいろいろの公害問題を起こしておる点がございます。しかも、その対象としましては、中小企業等がございますので、こういう上既存の地域以外の地域につきましての融資もできるように、あるいは先ほどの都市公害につきましての融資もできるように、公害防止事業団の法律改正等も準備を進めております。 そのほか、いま先生御指摘の環境基準の問題でございますが、法律的には、基本法を受けまして、環境基準は逐次制定できるわけでございますけれども、これにつきまして、やはり制定の手続とかあるいは監査体制とかの十分の措置を法律にしたらどうかというような意見もございますので、あわせてこの点につきましても検討を進めております。 それから、先般来、水俣、阿賀野川等におきまして水銀事件が起きましたけれども、有機水銀その他のいろいろの特殊の重金属につきまして、特別の規制をやるべきだという意見もございますので、この点につきましても、現在あわせて検討を進めております。厚生省関係としては以上でございます。
○矢島説明員 通産省関係で提案を予定しておる法案を申し上げますと、多くのものについて、ただいま厚生省から説明があった点とタブる点があるかと思いますが、最初に、基本法第十一条関係で、過密都市化による公害を防止するということで、工場分散等を目的とする工場適地適正化法案を準備しております。 それから、先ほど予算の際に説明いたしましたが、砂利の問題が非常に深刻になっておるので、砂利採取法の改正、これによりまして、現在事後チェックしかできなかったのを、登録制にして事前チェックにするという点を考えております。 あと、厚生省の方が言われた点と関連いたしますが、公害防止事業団法の改正、これは共管でございまして、内容的に全く同一歩調で実現するようにします。これによって、この集中暖房その他ができる。それから、水俣あるいは阿賀野川等の関連で、水銀、クローム、カドミウム、その他重金属関係が問題になってきておるのですが、これはまだ法案のていさいはできておりませんで、どういう考え方でやるかまだはっきりしませんが、何らかの新しい法的規制が必要ではないかと考えて勉強中でございます。 それから、騒音防止法、これは運輸省、建設省その他各省にまたがるわけでございますが、私どもの守備範囲の工場騒音の防止ということについては、法案の要綱をつくっております。 それから、大気汚染の関係、これはいろいろ考え方がございますが、いずれにしても、先ほど厚生省の方が指摘されましたように、現行のばい煙規制法だけでは十分な規制ができないことは、これは間違いない、相当穴がある。規制法を全面的に改正して、大気汚染防止法という総合的なものにするか、あるいは交通、自動車関係その他をみんな入れて、一部改正にするか、これは技術的な問題でございますが、これは法改正が必要なことは間違いないので、研究をいたしております。 それから、環境基準の問題でございますが、これも考え方の問題でございまして、直ちに環境基準法案というようなものをつくるかどうかは検討を要する問題で、私ども現在考えておるのでは、環境基準というものは随時そのときの事情によって変える必要があるかもしれませんが、基本法には明らかに、これをレビューし必要になったら変えるというように弾力的に運用しなければならぬ点もございますので、これを政令によって手直し等ができるように、独自でやるという案も考えておるわけでございまして、どちらがいいかどうか、これは技術的な問題が中心で、さらに検討してみたいと考えております。 それから最後に、先ほどから先生御指摘の公害の紛争処理、被害の救済につきましては、厚生省が一案を出していただいたので、私どもとしても、これは基本法の二十一条にうたっておる関係で、これは原則的には賛成で、やらなければならぬと思っておりますが、いろいろ費用負担の方法、その他企業の擁護と関係する点があると思うので、その点はさらに詰めていかなければならぬと思っております。いずれにしても、この種の法案が出ることについてはけっこうだと思っております。 以上でございます。
○内村説明員 画運輸省といたしましては、先ほど申し上げましたように、公害関係といたしまして法律を持っておりますものは、船舶の油による海水の汚濁の防止に関する法律、それから公共用飛行場周辺における航空機騒音による障害の防止等に関する法律、こういうものが現在ある法律であります。こういうものはいずれもごく最近にできましたものでございます。この制定の過程におきまして、十分公害基本法との関係あるいはその他厚生省との関係、あるいは通産省との関係、工場排水等の関係、そういうものを調整してつくったものでございまして、いわば親子の関係になっております。そういう関係で、特段のこの改正の必要もあるかと考えております。 それから自動車の排気ガスの問題は、従来道路運送車両法ですか、それの中の保安基準としてとられておったものでございまして、一応その環境基準がきめられるといたしますならば、その環境基準に基づいて、個々の排出基準をどうしたらいいかというようなことによって、その保安基準をきめるということで、さしあたって何か法律改正の必要等も考えられませんけれども、なお、先ほど厚生省のお話のように、あるいは大気汚染との関連における排気ガスの問題であるとか、あるいは騒音一般の問題とかいうようなことまで考えられてまいりますと、それとの関連において、いろいろ御相談を申し上げなければならぬ点が出てくるか、こういうふうに考えております。
○河上委員 ただいま各省から、来年、いわゆる次の国会を目標に準備しておる法律案について大体御説明がございました。その内容については、まだ私どもから検討する立場にないと思いますけれども、大体政府のお考えがわかったように思います。ただ二つほどいまの御説明の中で伺っておきたいことに気づきましたので、質問を申し上げて、終わりにいたしたいと思います。 その一つは、環境基準の設定は、その作業の主体はどこでやっておられるか。政府としては、どこが主体、責任を持ってやっておられるかということが一つでございます。 もう一つは、有機水銀に関して特別な立法をするというお考えのように伺ったわけでございますけれども、先般来阿賀野川事件については、この委員会においても再三質疑が行なわれたわけですが、食品衛生調査会の結論を厚生省は認めたというようなことでございますが、なお国全体としては、まだはっきりとした結論が出ていないと思うのです。これは一体いつ出るかという問題。これは科学技術庁の方にでも伺いたいと思うのですが、国としていつ結論を出すつもりか。 第二に、阿賀野川あるいは水俣の場合ですが、相当の患者がまだ呻吟しておられるわけでございますけれども、そういうことに対しまして――公害基本法が制定された後すでに数カ月たっておりますけれども、一体そういうことについて、何らかの新しい措置を講ぜられたのかどうか、そのことをちょっと伺っておきたいと思います。
○武藤説明員 環境基準の制定の問題でございますが、この問題につきましては、厚生省といたしましては、昨年の暮れから、もとの公害審議会、現在の生活環境審議会の中で、環境基準のSO2の基準につきまして現在諮問中でございまして、近く結論が出る予定でございます。したがいまして、環境基準につきましては、厚生省がイニシアチブといいますか、世話役といいますか、それでそういうものを作成いたしまして、関係各省、対策審議会等にはかりましてきめていくということになろうかと思います。
○高橋説明員 お答え申し上げます。 御指摘のございました、阿賀野川の水銀中毒に対しまするところの特別研究に対します国の総合的な見解でございますが、この点につきましては、先ほど先生から御指摘がございましたように、八月の末に厚生省の見解が示されたわけでございます。現在、科学技術庁といたしましては、関係省庁でございます農林、通産並びに経済企画庁の各省庁に対しまして、技術的な見解を求めております。この省庁の見解が出そろったところで、これらを技術的に取りまとめたい、こういうふうに考えております。いまのところ、まだ各省庁からの正式な見解が出ておりませんので、以上の経緯だけを申し上げておきます。
○河上委員 いまの問題は、まだあまりはっきりとした御結論はいただけなかったように思いますが、事は非常に重大でございますので、いま厚生大臣に直接これを伺いたいという気持ちでございますが、大臣は社労のほうがもうすぐ終わるというようなお話でございますので、しばらく待って、大臣のお答えをいただきたいと思います。
○八木委員長 佐藤觀次郎君。
○佐藤(觀)委員 実はこれは部分的な問題でありまして、農林省と通産省の方にひとつお伺いしたいと思うのです。 河川の汚濁の問題で、いろいろ問題になっていると思うのですが、これは私どものほうの木曾川だけではなくて、おそらく全国的にそういうことが行なわれておるのじゃないかと思うのです。そこで、通産省と農林省の方にお伺いしたいのですが、一体、政府はこういう問題について、最近は御承知のように、交通問題と公害問題は非常に重要になってきておりますので、したがって何かの処理をされておるのか。いま河上君からもいろいろ質問がございました公害の問題、私は四日市の近くにおるが、四日市の公害問題もたいへんでございますけれども、木曾川という一級河川の中にいろいろな問題が派生しておりまして、これは黙っておられないような形が出ておるわけです。 そこで具体的な話になりますが、実は私のほうの弥富というところで、日本で三つよりない金魚の生産をしておるわけです。金魚は、御承知のように、八木委員長の郡山と、東京の砂町と愛知県の弥富という三つのところよりやってないわけです。こういうところで、この間見てみますと、一度に数千万尾の金魚が死ぬという現象が起きて、愛知県会でもだいぶ問題になったのですが、その点について、通産省や農林省はどのようにお考えになっておりますか、お答えを願いたいと思います。
○竹原説明員 ただいまの佐藤先生の御質問でございますか、弥富地区の金魚の養殖につきましての被害の状況でございますけれども、養殖池で使っております水でございますが、これは佐屋川からとっておりますのが六〇%か七〇%であります。この佐屋川の水が非常によごれておるわけであります。そのために金魚の弊死、あるいは成長が悪い、品質が低下する、あるいは産卵が悪いというような影響が非常に出ております。これは愛知県からの報告でございますけれども、大体年間にいたしまして、推定で約六千七百万円ばかりの被害があるというふうに報告が来ておるわけであります。 まあそういうような状態でございまして、水産庁といたしましては、現在木曾川に三十八年に設定されました水質基準がございますが、これを改定いたしまして、金魚の養殖に影響のないような、きれいな水にしていただくように、水質基準の改定方につきまして、経済企画庁のほうへ申し入れをいたしておる、そういう段階でございます。
○佐藤(觀)委員 実は木曾川には、そのほかに東洋紡というような紡績の工場がバルブをやっておるのです。その問題も、実は十年ぐらいかかって私が解決したのですが、その被害がなくなったとたんに、いまの報告によりますと、これは一地方の問題でありますけれども、私は、いまの日本の河川の汚濁という問題は、これは木曾川のことばかりではなくて、全国的に非常にこういう問題があると思うのです。そこで、たとえば先進国のロンドンのテームズ川とか、あるいはパリのセーヌ川というのは、木曾川のような水質ではございませんけれども、非常によごれておらない。ところが日本の、非常にきれいな木曾川のような川が、金魚が死ぬばかりでなくて、最近は米の生産に非常に被害がありまして、佐屋川用水から水をとっておるのですが、そういう点から考えまして、何らかの方法をとる必要があるのじゃないだろうか。すでに県会ではだいぶ問題になりまして、これは私のところに写真も来ておりますけれども、金魚のような非常に弱い――金魚はフナより弱いのですが、人間ならば逃げられるけれども、魚は逃げられない。そういう点で非常に各方面に陳情しておるわけですが、こういう点についてもう少し――これはおそらく木曾川ばかりではないと思うのです。私が大学のころに、信濃川や石狩川を見たことがありますけれども、これは四十五、六年前になりますが、その当時、信濃川や石狩川にもサケやマスが泳いでおったことを思い出します。これは時代の進歩ですからやむを得ませんけれども、ただ工業化――これは通産省の人がおいでになると思うが、ただ工業化、工業化ということをやる反面に、こういう犠牲者がたくさん出るということはたいへんなことじゃないかというように思うのですが、通産省は一体どういうふうにこのことを解釈しておられるのか、伺いたいと思います。
○矢島説明員 先生御指摘の、木曾川下流の製紙工場の排液の公害につきましては、通産省といたしましては、もうすでに数年来より問題を承知いたしておりまして、現地の名古屋通産局に命じまして、種々これが解決策について努力をさしておった次第でございます。そして、現在のところ、恒久的な対策と過渡的な対策があると思いますが、恒久的な対策といたしましては、もちろん水質基準をある程度いじるということも考えられますが、それにはそれを守れるだけの十分な施設を、会社をして整備させなければいかぬ。これが根本的な解決策であるというふうに考えまして、先般来会社対して、通産局が排液の濃縮燃焼装置を建設するように行政指導いたしまして、会社はこれを了承した次第でございまして、四十三年度末に完成するはずでございます。これができますれば、恒久的にこの問題は解決するんではないか、かように考えておりますが、しかしそれまで待つわけにはいかない。ことしの渇水期においてもすでに相当問題がありましたように、来年もまた渇水その他の問題があった場合どうなるかわからない。過渡的な問題といたしまして、ことしの三月プレスファスナーというものを設置いたしまして、この結果、排水の質はCOD九百PPMから七百五十に下がっております。これでもまだ、異常の場合には不十分でございまして、異常の場合というものは、これはいろいろあるかと思いますが、一番問題なのは、渇水期の場合においては、これでできましたものが、予定どおり希釈されないために、集中的に特定の農作物あるいは金魚その他に被害がかかるわけで、そういう場合においては問題が起こるわけであります。実は本年の三月くらいまでは、これでどうやらいけると思いましたが、やはりことしの五月ごろの渇水期においては問題が起こったので、この場合においては、やはり操業の一部休止ということをやる以外にしょうがない。これは会社としてもなかなか問題があると思いますが、いろいろ操業を差し操ってやるということで、問題の田植えどきその他を中心として、数日の操業停止を懇請するということで、これでもってことしの渇水期もある程度解決したのでありますけれども、来年の田植えどき等につきましても同様な行政指導が要るのではないか、かように考えております。全般を通じて、これはまた何が起こるかわからない。本件製紙工場を含めまして、木曾川下流の排水問題について、名古屋通産局が責任を持って常時監視態勢にあるように指示しておりまして、現にそういう態勢にあるものと思っております。
○佐藤(觀)委員 もう一点通産省にお伺いしたいのです。私どものほうは、御承知のように繊維の非常に盛んなところでありまして、染色とか繊維のような問題で、そういう河川へ水を流すことについて、いろいろ通産省に苦労をかけているのですが、実際にはなかなか守られない。現実にまつ異な水は木曾川には流れておりませんけれども、その支流やその他の河川の間に、非常にきたなくてしかも有害なような水が出ていると思うのです。私は、製紙工場だけじゃなくて、そういう水も下流のほうに行っているのじゃないかと思うのですが、そういう点について通産省はどういうような方針を持っておられますか。これも将来――いま地元でも相当問題があると思うのです。そういう問題が、これは金魚ばかりじゃなくて、そのほかの農家の被害が出てくると思うのですが、そういう点についてどういう対策を持っておられるのか、これもついでながらお伺いしたいと思います。
○矢島説明員 御指摘のように、昔、非常にきれいな川であった川――木曾川に限らず――が、もろもろの汚水――これは工場排水だけに限りませんけれども、もろもろの汚水その他でもってよごれている点は、はなはだ遺憾なのでありますが、現在の水質保全法並びにそれを受ける工場排水規制法の体系でいきますと、それの発生源である工場がそれぞれ排水施設を整備して、一定の基準以下の量に守るということが中心になっておるわけでありまして、私どもといたしましては、これが監督については、都道府県知事あるいは通達局その他地方の機関がそれぞれやっておるわけで、その監督が十分であると思っておりますが、その工場の出口に関する限りは、まずまずの規制をあげているのではないかと思うのですが、それが集積しまして川全体を濁していることは、これはちょっといまの法では縛れない。これは別途、基本法の環境基準といいますか、水の場合には流水基準とでもいいますか、そういうものを制定いたしまして、総合的に、各河川別に、複合した汚水の結果が是正されるようにやらなければならぬと思いまして、これは基本法の実施とも関連して、真剣に考えたいと思っております。
○佐藤(觀)委員 農林省の方に伺いたいのですが、いま公害のあれは、熊本の水俣病、それから新潟の阿賀野川の問題が出まして、だいぶ世間の関心をかったのですけれども、私はいま釣りの会の全国の会長をやっております。そこで魚族の保護ということについていろいろ検討もし、東京湾のハゼを守る会の会長もやっているのですが、産業を復興させるために、あとは野となれ山となれという――そういう意思はないにしろ、そういう形が全国的に出ていると思うのです。こういう魚の資源とか、あるいは農家のほうに被害があるという点についても、陳情や苦情が相当地方から来ているはずだと思うし、そういうことに対して、農林省はどのような対策を講じておられるのか、その点をひとつ農林省から伺いたい。
○竹原説明員 農林省ということでございましたが、私は水産庁でございますので、水産関係だけについてお答え申し上げます。 水産庁といたしましては、今回公害対策基本法が制定されまして、特にそういう水産業におきますところの公害対策、これを重点的に水産庁としても取り上げていきたい、そういうふうなことで、先月の初めに、水産庁の中に公害対策室というのを設けまして、それで、そういった、いま先生の言われましたようないろいろな問題を、制度的にもあるいは技術的にも十分検討していきたいということで、機構を整備しております。
○佐藤(觀)委員 水産庁なら、ちょうどいいのですけれども、一体水産庁はこの公害に対して――これは大体海の魚が主だけれども、内水面のこともあるのですが、そういう点の魚族保護ということについて、ただ一片の公審基本法があるからというが、法律では魚はなかなか育ちもしないし、被害が絶滅するとは思わないんのです。そういう点について、公害基本法があればだいじょうぶということではなくて、ほかの方法で魚族保護ということについて何らかの手だてを講じておられるのか。われわれは声を大にして、魚を守れと言っているのですが、そういう点について、具体的にこういうことをやっているのだというようなことがありましたら、ひとつお知らせ願いたいと思います。
○竹原説明員 まず水産の資源保護ということにつきましては、これは従来からもずっと実施しておるのでありますが、水産物の生育に適しておる、あるいは繁殖に適しておる、こういうところを保護水面としてきめまして――これは水産資源保護法がございまして、それに基づきまして保護水面を設定いたしまして、そこではかってに魚をとってはいけない、あるいはそういう種苗が繁殖することを妨げるようなことをしてはいかぬというようなことで、各地に、内水面、それから河川、それから海面でも、両方にございますが、そういうものを設定いたしまして、そこに国のほうから補助金を出しまして、水産化物の資源の保護に当たっておる、そういうようなこともやっております。 それから、実質的な水質の汚濁等につきましては、水質が汚濁される状況を常にパトロールする、そういうことで汚濁を防ぐというような考え方で、水質パトロールという制度も設けました。これも国が県に対して助成をしていく、そういうような施薬を講じておるわけであります。これからさらにそういった面を進めていきたい、強力に実施していきたいというふうに考えております。
○佐藤(觀)委員 坊厚生大臣見えましたから、私これで最後にしますが、実は私たちは地元の問題としてでなく、全国的な問題として、この金魚の問題を取り上げたのです。全国至るところにこういう問題がひそんでいることは事実でございます。通産省は、たとえば、この問題は名古屋の通産局にやらしておるからだいじょうぶだということでなくて、やはり本名から十分な警告を出してもらいたい。これは愛知県ではだいぶ問題になりまして、愛知県だけではとても処理ができないということで、大挙陳情に大ぜいの人が来たわけです。この点について何らか具体的に、こういう方法をやらせるとかなんとかというような腹案があるかとうか、それから水産庁にも――水産庁は、金魚はそうたいしたことないと思っておられるかもしれないけれども、地方の国民にとっては死活にかかわる問題でございますので、事は小さいことではございますけれども、一つの例として具体的な問題が出てきたわけですから、そういう点についての何らかの方法を講じていただきたいと思うのですが、その点について、通産省、水産庁、どういうようにお考えになっておるのか、その結論を伺いたいと思います。
○矢島説明員 本件に関しては、数年来通産省としては重要問題と考えておりまして、種々の施策を講じてきまして、先ほど申し上げました恒久的対策と過渡的対策が出たわけでございますが、その検討、指導は、もちろん窓口といたしましては現地の通産局にやらしておるわけでありますが、決して本省といたしましてこれを等閑視しておるわけではございませんで、本省におきましては繊維雑貨局、そこに紙業課というのがございまして、製紙業関係を管擁しておりますが、その課において十分問題を認識しておりまして、このような恒久的対策、過渡的対策が曲がりなりにもできたのも、単に通産局、だけの努力ではないと私は思っております。今後もさらに問題が円満に解決するように、いま申し上げました恒久、過渡の両対策が完全に実施されるようにするためには、通産局だけではなくて、本省の繊維雑貨局のほうで十分監視の体制もとらなければならぬと思いますし、私、立地公害部長として、繊維局のほうに、この点再度警告を出していきたいと思っております。
○竹原説明員 水産庁といたしましては、特にそういった無難に及ぼすところの悪い影響をできるだけ排除していきたいと考えておるわけであります。それには水質の基準を定めまして、きれいな水を流していただくということがまず先決ではなかろうかと思います。しかしながら、この水質基準を重要な各河川に決定するにいたしましても、農林省なり水産庁だけで進められるものでもございません。経済企画庁あるいは通産省など関係各省と十分協議いたしまして、できるだけ住民の納得のいくような、満足いくような水質の保たれるように、大いに努力していきたいというふうに考えております。
○佐藤(觀)委員 最後に要望事項。いま通産省からも水産庁からも説明が、ございましたが、これは厚生省にも企画庁にも農林省にも関係がある問題でありますから、ひとつ一地方の問題とするのではなくて、一級河川、木曾川のような川にそういう問題があるということを十分お考えの上、善処方をお願いして、私の質問を終わります。
○八木委員長 佐藤委員の御発言につきましては、委員長からも各省に伝えまして、善処方をお願いいたします。
○河上委員 先ほども、公害基本法通過に伴って、その後その内容かどのように実現されてきているかということについて伺っておったわけでございますが、その中に、一つ有機水銀に関する特別立法を用意しているというようなお話がありましたが、それに先立ちまして、非常に重要な問題が一つあると思います。それは阿賀野川事件に対する政府の結論でございます。先般、食品衛生調査会の結論を厚生省が認めたというような話をわれわれも承知しているわけでございますけれども、国としての結論はまだ出ていない。これは一体いつ出るのか、厚生大臣としての責任ある御見解をいただきたいと思います。
○坊国務大臣 お話のように、阿賀野川の水銀事件につきましては、食品衛生調査会の答申が、厚生大臣に行なわれまして、厚生大臣がこれを認めまして、厚生省の意見として、これを科学技術庁へ差し出しておるわけでございますが、できるだけすみやかに、科学技術庁において――むろん厚生省あるいは農林省、通産省、それから科学技術庁自身あるいは経済企画庁、各関係省庁でこれを爼上に乗せて、すみやかに政府としての結論を出してもらいたい、こういうことで申し出ておるのでございます。私どもといたしましては、すみやかにこの結論が出てくることを期待いたしておりますが、いつ出るか、こういう御質問に対しましては、はっきりとここで確答を申し上げることのできないことを御了承願いたいと思います。
○河上委員 阿賀野川の事件は、厳正な科学の基礎に立って結論を出すべき問題ではございますけれども、同時にこれは一つの政治問題でございます。当然、その結論をいつ出すかということにつきましては、政治家としての政治上の責任として、府政の関係者の一人として、厚生大臣、大体どういう見通しというか、こういうようにしたいというようなお気持ちはいまのところ全くないのでございますか。ただ科学技術庁にもうまかせたから、私の分野は終わったというようにお考えになっておられるのですか。その点を伺いたい。
○坊国務大臣 決して、もう意見を出したから、そこで能事終われりといったようなことは考えておりません。私どもといたしましては、できるだけ厚生省の立場から、犯人というとおかしゅうございますけれども、原因者をはっきりと、しかものんべんだらりではなしに、できるだけすみやかにその原因者というものを見つけて、そしてそのとるべき責任は、原因者というものを見つけて、そうして、とるべき責任は原因者がとる。なお、いつまでたってもその原因者が判明しないといったような場合には、これはまたこれで、被害者の救済、いろいろな問題がございすから、そういったことにつきまして、厚生省としての措置というものを検討していかなければならない、かように考えております。
○島本委員 関連して。 ただいま河上委員に対する大臣の答弁、どうも私は納得しかねる点があるのであります。私は、大臣が出て、厚生大臣としてその問題に対する意見の発表並びに答弁が明確になされた場合は、これは政府の答弁だ、こういうように思っております。すなわち、そういうような大臣の答弁自身は政府を代表するものである、こういうふうに思っているのですが、いま、厚生省の意見が出た、厚生省の意見が出たけれども、国の意見でないので、今度科学技術庁その他いろいろ国の意見をまとめるとすると、大臣の意見は、内閣を代表する意見じゃないのですか。厚生省の意見が出たならば、それは国の意見が出たものと同じ意味じゃないか、こう私は思うのですが、厚生省の意見は国の意見ではないのですか。
○坊国務大臣 公害の問題は、島本さんよく御存じのとおり、加害者があり被害者があり、被害者を守るという立場、これは私、救済もせなければならぬ。ところが、都市公害あるいは産業公害、いろいろな公害がございますけれども、その公害については、公害を発生する原因者といったようなもの、これがあるわけでございまして、そこで、そういったようなところの意見も無視してしまうわけにはまいらない。そういったような関係で、厚生省といたしましては、防疫だとか、そういったような見地からこれを調べて、厚生省の所管において調査班を組織して調べる、さらにまた食品衛生調査会といったようなところで調べておりますけれども、これはやはり関係各省があるものでございますから、その関係各省の意見というものも、これはやはり聞かなければならない。さような意味におきまして、科学技術庁と申しまするか、そういったようなところでこれを総合いたしまして、そして政府の意見というものが総合的に打ち立てられる、こういうふうな経路であると申し上げます。
○島本委員 公害問題については、公害基本法を審議する際に、厚生大臣が、主管官庁は厚生省である、こういうふうに、あなたは私に明言したのですよ。そうすると、公害の問題では、原因者があろうと傍観者があろうと何があろうと、この問題に対する主管官庁は厚生省であり、その大臣は厚生大臣、坊厚生大臣であります。そうなると、政府を代表する意見はあなたの意見だ、はっきりこうなるじゃありませんか。だれに遠慮するのですか。したがって、そうなった場合には、加害者があるのはわかる、それを考えないであなたは結論を出すわけはない。また、傍観者があるのはわかる、それも考えないであなたは結論を出すわけはない。すべてこれを考え、なおかつ自信ある結論を出したのが厚生省の意見じゃございませんか。厚生省の意見が出、そして主管官庁であるあなたが、これを国の意見だと、言ったって何ら差しつかえない。それなのに、もしそれがだめだとするならば、今後は主管官庁があり主管大臣があるにかかわらず、公害の問題に対しては、総理大臣が認定するもの以外には、これはもう国の決定ではないんだ、結局、自分の決定をいまあなたは破棄することになり、いままで私に対する答弁はみなうそだった、こういうことに相通ずるものがあると思うのです。これはちょっと許せませんぞ。いま河上委員が育ったのは、そういうような簡単な意味じゃない、あなたは責任を持って――これは厚生省の意見として出したのならば自信あるのでしょうから、あくまでもこれが正しいのだ、総理大臣といえどもわれ引かぬ、こういうような気持ちでやるのがあなたの任務ですよ。主管官庁の大臣ですよ、あなたは。いつの間にそれを忘れたのですか。社会労働委員会へ行って忘れてきたのですか。これじゃいけません。もう一回はっきりした答弁をしてやってください。
○坊国務大臣 私は厚生大臣として、公害基本法の所管をしておるということを忘れておりません。公害基本法について、これをどういう、ふうに解釈していくか、あるいはこれをどういうふうに措置して、改廃していくかといったようなことについては、これは私が主唱いたしまして、そしてやっていくということに相なろうと思います。だがしかし、その公害をいかに処理していくか(島本委員「公害事件ですよ、これは」と呼ぶ)公害事件をいかに処理していくか、それから公害対策をどうしていくかということにつきましては、基本法にもはっきりとうたっておりますとおりに、公害対策会議というものがありまして、その会議において最高方針をきめられるということであって、それに従いまして私はやっていく。こういうことで、今度の阿賀野川の災害という問題につきましては、私の厚生省としての意見というものは出ております。だから、私は厚生大臣といたしましては、自分の省でこれを策定いたしましたこの自分のところの考え方というものは、私としてはあくまで正しいのだ、こういう確信を持っておりますけれども、これはやっぱり国としては関係各省というものがございます。そういったものと意見をお互いに交換いたしまして、そして政府としての最後の結論が生まれる、こういうことであろうと私は思います。
○河上委員 私が先ほどお尋ねいたしましたのは、一応食品衛生調査会で結論が出て、厚生省はこれを認められたわけであります。これは先ほど申しましたように、科学的な厳正な基礎に基づいて断定すべきものでありますけれども、同時に、起こった事件は、あくまで政治的な責任を問わるべき事件であります。そういう趣味において、大臣としては、ひとつ政治的な責任を持って結論を出されるように希望したいのです。単に手続上こういうわけだからというようなことだけじゃなしに、こういう問題について、時々刻々たつうちにも、この水銀中毒事件によって患者になって、一生を台なしにしている方がたくさんおられるわけであります。そういうことを考えましても、これは単に科学的な判断であるというにとどまらず、その上に立った一つの政治的な問題であるというふうに考えますときに、結論を出すということは、やはり大臣の一つの重要な政治的な課題として受けとめて、早急にというよりも、自分の責任において結論を出すようにつとめられることを希望したいわけでございます。 なお、いまおことばの中にございましたが、中央における公害対策会議でこれを問題にするのだ、というようなことを言われたわけでございますけれども、われわれまだ、公害対策会議あるいは公害対策審議会というものが公害基本法の中できめられておるにもかかわらず、法が成立いたしました後、これが発足したということを聞いておらないわけでございます。法律によりますれば、大臣は当然その公害対策会議のメンバーであるわけでございますが、一体この発足に対してどういうように努力せられたのか、一体発足の時期はいっとお考えになっておられるか、あなたの責任ある立場でお答えをいただきたいと思います。
○坊国務大臣 御指摘のとおり、まだ公害対策会議というものが開かれて現実には動いておりません。と申しますることは、私どもといたしましては、いろいろと公害対策基本法に伴いまして、その具体的な事項について、あるいは環境基準にいたしましても、あるいは救済の規定にいたしましても、そういったようなものを、今日それぞれの各省、厚生省、もちろんのことでございますが、今日策定を急いでおるというような段階にございます。そういったようなものを、いよいよ案がまとまりまして、いまのところは事務的にこれを検討さしておる。また、厚生省はそうでございますが、そういったような段階におきまして、いまの公審対策会議あるいけ審議会といったようなものを動かしてまいらなければならない、かように考えております。
○河上委員 先ほど事務当局のほうの御答弁では、その発足の時期の見通しとして、少なくとも年内にという希望が述べられておるわけでございますが、大臣としては、いま、いろいろの問題が、この対策会議が発足しない限り解決しないということを一言われたわけです。それである以上は、どうしてもいついつまでにやりたいというような、そうした積極的な御答弁をこの際いただきたいと思います。
○坊国務大臣 事務当局がお答え申し上げましたとおり、私も、おそくとも年内あたりにこれは動かなければならない――と申しますことは、先ほど申し上げました諸般のものをきめていくというような場合には、これはやはり予算を伴うものもございますし、いろいろな関係上、私も、本年末までにはそういったようなことをやっていかねばならない、かように考えております。
○河上委員 いま大臣からお答えがあったわけですが、先ほどの阿賀野川事件一つ取り上げましても、これは一刻も早くやるべきものでございます。ひとつそういうことを絶えず念頭に置きながら、単に事務的な準備に追われることなく、的な判断をもって発足を急いでいただきたい。そういうことを希望いたしまして、私の質問をこれで終わりたいと思います。
○島本委員 これは関連であります。大臣でなければこれは答弁できないので、この問題に対しては、一つだけどうしてもあなたに伺って、すぐ岡本委員に引き継がなければならない、これはまことに重大な問題です。 公害問題に対する熱意の強力なことは、私十分わかっているのですが、先ほど予算の説明があった際に、今度通産省のほうでは、最近立地公害部長のほうで、将来はこれを局に持っていって、その対策の万全を期したいという来年度の構想の発表があったわけです。そうしてそのあとから、厚生省のそれに対する発表がございました際は、残念ながら、局にして公害対策の万全を期したいというような強力な意思表示もなかったわけであります。そうして、機構についての考えはあるのかないのかと聞きただしましたところが、いまのところ大臣より何ら指示はない、聞いてもおらない、こういうようなことであったかのようであります。したがって、これは大臣に聞きたいのであります。通産省では、最近のこの事情からして、強力な体制を機構的にも打ち立てて、これに臨まんとしておるわけであります。その主管官庁である、大臣のおる厚生省では、まだ部だけにとどめて、将来局にまでし、これに強力なる施策をやる意思がまだきまってもおらないということは、行政的にも、機構的にも少し手おくれじゃないか、こう思っておったわけでございますけれども、大臣は、通産省のほうでできておるのに、厚生省のほうでそれは必要はないとお考えなんでしょうか。それとも、現在のままでも十分これをやりこなせる、こうお考えなんでしょうか。他のほうが十分それをこなしても、厚生省のほうだけは現状維持でやっていける、このようなお考えなんでしょうか。そういうようなことからして、局にする意思があるのか、ないのか、この構想を承っておきたいと思います。
○坊国務大臣 こういうふうに公害の問題が非常に重要なる問題と相なりますし、国会において、諸先生方の御意見も、非常に強い御意見がある。そこで私は、将来におきましては、この公害というものを処理していくためには、厚生省におきましても公害局でも、さらにまた外局でも、必要に応じてこれをつくっていかなければならないということを考えます。四十三年度の予算でどうだ、こういうふうに聞かれますと、実は四十二年度におきまして公害部をつくって、そうしてその公害部か、厚生省といたしては非常に大事な――大事は別として、非常に優秀なるスタッフをもって構成もされておりますし、現段階におきましては、それは局であるほうがあるいはいいかもしれませんけれども、どうしても四十三年度の予算において局をつくらなければならないというふうには、私は考えておりません。
○島本委員 要望をかねまして……。やはりさっき言ったとおりに、公害基本法をはじめ、公害問題の主管官庁は厚生省だということははっきりしているし、その主管大臣はこれはあなただということははっきりしている。しかしながら、通両省のほうで積極的にそれを来年度の目標にしてやるというのに、それに劣らない体制で、やはり通産省のほうに劣らない体制で、機構的にもこれに取り組んでもらいたい。これを強力に要請して、私は終わりたいと思うのです。異議があるならば答弁をしてもらいたい。異議なければ、それでよろしい。
○坊国務大臣 将来の問題としては、大いに御意見を尊重いたします。
○八木委員長 河上委員の御質問に関連いたしまして、委員長から発言をいたします。 先ほど厚生大臣の来られたあとに河上委員が言われた問題を、その前に非常に強調しておられました。公害対策会議と公害対策審議会の急速な発足について、厚生大臣は責任を持ってこれに対処されたいと思うのであります。 それからもう一つ関係の事項があります。公害対策関係の予算についてであります。質疑応答中に、各官庁からの答弁がありました。その中で、第一次予算要求は前年度の二五%に省のワクがきめられているから、そういうために、なお要求したいことがあったけれども、これができなかった事情があるということを了察される答弁がございました。これは一省の答弁でございまするが、各省ともに同じような条件ではないかと私は推察をいたしております。そこで、国務大臣としての坊厚生大臣及び大蔵省の主計官に申し上げておきたいと思います。この予算の第一次要求のワクをきめることについては、国会において、これは方法としては不適であるという論議がかわされておったわけであります。その点については、財政のアクセントを、第一次要求において一律的に各省の予算要求の比率を定めることによって、財政の必要なアクセントがそこで消されるというおそれがあるという論議が展開されたことがしばしばあるわけであります。その際に大蔵大臣は、しかし財政のアクセントは消してはいけないけれども、実際に予算を編成する際にそれは十分考えるから、御了承願いたいという答弁に終始されておったわけであります。しかしながらいままでの現状で見ると、そういう答弁があっても、やはり第一次要求のワクが、数年前においては五割、二年前においては三割、今年においてはさらにきびしくて二割五分という要求ワクをきめることによって、そのアクセントが減殺されている状況がいままであるわけであります。そこで国務大臣としての坊厚生大臣は、厚生省という省は特別に新規財源を要する省でありますし、また公害の関係の、通産省も運輸省も農林省もあるいは建設省も、あるいは科学技術庁あるいは経済企画庁も、おのおの新しい事態に特に対処をしなければならない任務を持った省であります。したがって公害対策関係以外においても、予算を飛躍的に増大することを要求しなければならない部面をたくさんに持っている各省であります。各省のワクを二五%で制限をされる、公害対策において、たとえば五百割、三百割の要求をすることが担当者として至当であると思っても、その省のワク内において、それをつづめられていく危険性が多分にあるわけであります。いまの予算要求の金額を見ると、現状はそうであると思います。その弊害を極力少なくするためには、査定の時期において、少なくとも公害関係――新しい事態に対処をしなければならない、国民の命と健康と生活環境を守るためにしなければならない予算については、査定の段階においてはびた一文も削減をしないということによって、その非常な悪い弊害を幾ぶんでも食いとめることができることになろうかと思う。この問題は、具体的には各省と大蔵省の折衝の問題であろうと思いますけれども、最終的には、閣議において決定せられなければならない問題であります。国務大臣の坊厚生大臣は、第一次予算要求ワクをつけることについて、ただ一人閣僚として反対をせられた。その他については、坊厚生大臣について推奨すべきことも非難すべきこともありますけれども、この点については非常にりっぱな態度を示されたと伺っております。ただ一人この問題についてほんとうの決心を持っておる国務大臣として、その趣旨を貫徹して、今後の査定において、そのような新しい大事な公害のような予算が、各省のすべての予算が一文も削減されないように、閣議において主張し、努力し、実行をせられる決心を持たなければならないと思いますし、また大蔵省のこの予算の査定に当たる担当官としては、そのような第一次要求ワクをつけることによって、予算のアクセントが非常に減殺をされるという大きな事象を踏んまえて、その事象を残さないために、その査定においては、公害関係という大事な問題については、むしろ削減をするよりも、これがもっと要るのではないか、要求が少ないではないかというようなことも、問題によっては主張せられるという態度で、一文も削減をされない。そういうような態度でこの問題についての対処をされる必要があろうと思います。その点について強く要望をしておきたいと思いますが、坊厚生大臣とそれから大蔵省の主計局の担当官から、それについての前向きの決意を伺っておきたいと思います。
○坊国務大臣 予算の編成にあたりまして、財務当局としては、ワクをはめたり何かいたすのも、これは私はやむを得ないと思います。しかし、それはたとえば厚生省なら厚生省の予算の中で、あるいは国全体の予算の中で、これも歳入歳出の関係がありますので、おのずから限度がある。ことに硬直財政といったような――この真相については、私はまだ究明はいたしておりません。おりませんけれども、しかし、大体の傾向といたしましては、これは承認せざるを符ないのじゃないかと思います。しかし、それだからといって、すべての予算の項目が、たとえば公害対策の中のすべての項目が二五%のワクにはめられるとか、あるいは三〇%のワクにはめられるとかというようなことではなくして、各項目の中には一〇%でいいものもありましょう。五%でいいものもある。あるいはもうゼロにしてしまってもいいといったようなものもあろうと私は思うのです。そういうものがある反面におきまして、ある項目の中には、二五%どころではない、三〇%もあるいは五〇%もふやしていかなければならない費目といったようなものもあろうと私は思います。さような意味におきまして、これは弾力的に考えてまいらなければならない。しかしトータルにおいては、これはいろいろな財政上あるいは金融上、そういったような観点から、あるワクと申しますか、そういったようなふえ方におのずから限度があるということも認めてまいらなければならないと思います。ただ個々の費目については、いろいろ弾力的に考えていかなければならないのではないか、かように考えます。
○八木委員長 続けて要望をしておきたいと思います。 厚生大臣の御答弁は、半分大蔵大臣に似たような御答弁であります。全部の予算をワクの中におさめなければならないことは、これは言うまでもなく、あたりまえな話です。しかしながら、そのワクにおさめるために、最初に第一次要求を押えるということは、大蔵省の主計局の作業としては楽でありまょう。しかしながら、そのようなワクでなしに、これだけ必要であるという各省の、ことに公害のような新しい予算について、要求を全部出さしておいて、それを全部の総体のワクの中で、これは入れよう、これは省こうということをするのがほんとうの財政のつくり方であります。最初から各省別に二五%をかぶせたから――たとえばあらゆるものが三〇、四〇の増大をしなければならない案件を持っている厚生省は、おのずからその中で必要な問題を、国民の意図に反して、縮めなければならないということが起こるわけです。財政総ワクでどれを入れるかどうかをきめるべきであって、各省が二五%というやり方は、イージー・ゴーイングのやり方である。そのために、必要な財政のアクセントがそこで消えてしまうということになるわけです。 ところで、いま二五%を要求されているわけです。したがって、その二五%を査定するにあたっては、そのような大きな削減を伴う方法をとっておるんだから、その弊害を起こさないような査定をしなければならないということは、当然国務大臣としては認識をせられなければならないと思う。ことに公害の問題については、いま二五%という例をあげられたけれども、とんでもないことであります。公害の問題は新しい問題で、ほとんどが、新しくつくるか、ちょっと出したものを新しく前進するかという問題であります。その場合に、比率の問題は、二五%というような比率は問題になりません。三倍であるとか五倍であるとかいう要求が当然出なければならない。それを二五%という例をあげられるのは、厚生大臣、ちょっと誤りだと思います。この点は反省をしておられると思いますから、総ワクで全部国家財政に入れることは、当然大蔵省としては考えられるけれども、その前にアクセントを削るような方法をとっておられるんだから、査定のときには、そういうような弊害の一切起こらないような態度をとらなければならない。閣議決定においても、そういう方法をとらなければならない。そのときに、新しく重大な問題として対処した問題については、当然二五%どころではない、三〇〇%の増、五〇〇%の増というものが部分的に当然ある。総体的にも五〇、一〇〇%の増ということは、そのアクセントをわずかながら生かす点において必要である、という認識に立ってもらわなければならないと思う。坊厚生大臣は大蔵政務次官をやられて、この前大蔵大臣代理をやられました。非常にりっぱな大臣である面もあるわけでございまするけれども、どうも大蔵大臣式な考え方があって、それもりっぱな大蔵大臣として、必要なものは大蔵省みずから増額をしよう、というような積極性を持った大蔵大臣ではなしに、ただ予算を削減すれば、ワクの中に財政をおさめれば事足れりというような、そのような消極的な、観念的な、形式的な大蔵財政を頭に入れて考えていただいたら困る。そういう点で、坊厚生大臣は、問題は新しいから、比率においては二五じゃない、一〇〇、二〇〇へ三〇〇というものも当然ある、総体において一〇〇が五〇であっても少ない、そのくらいアクセントを出さなければならない問題であるという観点において、今後の予算決定について、閣議で、公害を防止するために奮闘をせられなければならないし、また大蔵省の主計局の力も、そういう財政方針にのっとって、大蔵省の必要によってとったことによって起こる弊害の消滅のために、査定の段階においては、そのことを十二分に考えて、少なくとも新しい問題である公害の問題については、一文もこれを値切らない、そのような決心で対処をしていただかなければならないと思う。坊厚生大臣と大蔵省の主計局から、重ねて前向きの決意を伺いたいと思います。
○坊国務大臣 非常に御激励を受けまして、微力でございますが、全力をささげたいと思います。
○辻説明員 申し上げるまでもありませんが、二五%のワクと申しますのは、名全体の問題でございますので、先ほど来の各省からの御説明にもございましたように、公害対策関係の予算の御要求は、二五%を相当上回った大幅な増額の御要求になっているわけでございます。財政当局といたしましては、先ほど河上委員の御質問に対しましてお答え申し上げましたとおり、従来から、公害対策の予算につきましては、いろいろ配慮を払ってきたところでございますが、来年度の予算につきましても、全体としての財政状況、他の経費との均衡等も考慮いたしました上、さらに慎重な配慮を払ってまいりたいと考えます。
○八木委員長 辻主計官に要望いたしておきますが、いまの全体的な調整、他のものとの均衡というようなことでは、新しいものに対するアクセントが出ないわけです。そういうことばは、主計局では、当然常に使わなければならない立場に、いままでの大蔵省の財政編成方針としてあったと思いますけれども、いま公害対策委員会の各委員の気持ちを私は想像いたしまして、公害対策委員長として発言をした気持ちでは、その御答弁でははなはだ不満足なわけです。全体の他との均衡という問題は、すでに制度が完成して、そしてそれをちょっとずつ上回る制度と、新しく対処しなければならない緊急な事態が出て、飛躍的に増大しなければならない問題とを比較するときに、均衡ということばを使われれば、ひとりでに新しく積極的に対処しなければならないものの対処のスピードが鈍るということになろうと思う。問題の重要性を考えて、問題の内容を考えて、この問題に対処していただかなければならない。均衡という問題は、財政のアクセントを失います。当然そのことは辻さんも御存じだと思いますが、ことばとして、大蔵省の主計官の方は、いつもそういう答弁をなさいます。それはいままでの形式的な財政編成方針だ。国民の大事な金を使用するためには、国民にとって必要な重大な問題については、急速に有効にこれをつぎ込んで対処するという立場が、大蔵省のほんとうの意味の積極的な財政方針でなければならない。いまおっしゃったことにこだわりませんけれども、そのような均衡ということばだけではなしに、公害を防止するための予算については、重点的に、公害を防止するための予算がたくさん出るように、懸命に対処するという決算をひとつお聞かせを願いたい。
○辻説明員 私どもといたしましても、公害問題が新しい財政需要であることは十分承知いたしておるわけでございます。その意味におきまして、来年度以降の予算につきましても、十分検討いたしまして、対処してまいりたい、かように考えております。
○八木委員長 岡本富夫君。
○岡本(富)委員 いま予算の話がありましたが、先ほど運輸省のほうから説明をいただきました三ページ目の騒音防止対策、これにつきまして、もう一度詳しく説明をいただきたいと思います。
○内村説明員 それでは、もう一度御説明申し上げます。 先ほど申し上げましたのは、まず騒音の調査をいたします。その騒音の調査は、東京と大阪の両国際空港の周辺における航空機の騒音の実態調査をいたしまして、それによって航空規制を行ないますもので、そのための実態調査でございますが、そのために二百八十一万五千円の予算を計上しております。 そのほかに、大阪国際空港の周辺におきましての騒音測定、これをいたしますために、騒音測定塔というものを設置いたします。これは川西市の小学校のそばに設置をいたしますが、この予算が二千万円でございます。先ほども申し上げましたけれども、東京におきましては、羽田のそばの大森小学校のほうに、昭和四十年度においてこういう塔を設置いたしておりまして、それによって調査をすでにやっております。 それから第三番目に申し上げましたのは、大阪国際空港の周辺において、航空機が非常にひんぱんに離着陸いたしますために、農業の経営上損失をこうむるという人がございます。したがって、そういう方々に対する損失の補償という意味で、三百十万円の予算を計上しております。 その次に申し上げましたのは、いわゆる騒音防止工事に対する補助でございまして、これは東京及び大阪の国際空港の周辺におきまして、学校の騒音の防止工事をいたしますわけで一ございますが、それにつきましては、来年度、東京三カ所、大阪十五カ所、こういうものを予定いたしまして、それに対する補助といたしまして、五億七千九十万円というものをこれに計上いたしております。 それからもう一つ、共同利用施設の助成と申し上げましたのは、大阪国際空港周辺所在の市町村が、航空機騒音による障害の緩和に資するために行なう一般住民の学習等の用に供するための施設の整備に対する補助といたしまして、川西に一カ所、池田に一カ所、おのおの千三百万円ずつ、合計二千六百万円というものをこれに計上いたしております。 こういうことが予算の内容でございます。
○岡本(富)委員 この予算を見ますと、先国会の五十五回国会のときに、六月三十日に、澤航空局長が、この騒音の問題については、五カ年で百億ぐらいの予算をつけなければ問題は解決しない、こういうようにはっきり発表しておりますけれども、そのときまた、金丸運輸政務次官は、昨年の四十二年度は三億円で、スズメの涙みたいだ、こういうようにみずからおっしゃっておりましたけれども、この五億七千万円あるいは二千六百万円の基礎ですね。どういうような配分の基礎に基づいて要求しておるのかを、お聞かせ願いたいと思います。
○内村説明員 本件につきましては、所管の航空局の管理課長が参っておりますので、そのほうから御説明させたいと思います。
○梶原説明員 お答えいたします。 第五十五特別会におきまして、公共用飛行場周辺における航空機騒音による障害の防止等に関する法律につきまして御審議をちょうだいいたしました際、私どもの局長から御説明を申し上げたわけでございますが、その際、五年間につきまして公害対策の予算の見積もりといたしまして大体百億を考えております。こういうような御説明を申し上げたかと存ずるわけでございます。これは、この三月二十二日に、空港整備五カ年計画というものにつきましての閣議了解をいただきましたが、総事業費千百五十億の作業をいたします際に、運輸省といたしまして、公害対策事業費といたしまして約有徳というものを見込んだわけでございますが、その数字を、法律審議の際に局長から申し上げた、かように存ずるわけでございます。 それで、航空機騒音対策に関します当省の予算といたしましては、御存じのように、四十二年度におきましては、東京国際空港、大阪国際空港の周辺における小中学校の防音工事助成のために三億の予算をいただいておるわけでございます。来年度は、先ほど御説明申し上げましたように、倍の六億を要求させていただいておるわけでございます。それで、この三億なり六億という数字と百億というものとの食い違いということの御指摘だろうと思うわけでございますが、実は公害対策の中で非常にお金がかかりますのは、先ほど申し上げました法律の九条の関係でございまして、飛行場周辺における移転補償、それから土地の買い入れに相当お金がかかるわけでございますが、これにつきましては、申し出に基づきまして、予算の範囲内において実施をいたしていく、こういうことになっているわけでございます。現在のところ、いまだその申し出がございませんしいたしますので、さしあたり、私どもといたしましては、来年度の要求として、小中学校の防音工事――先ほども御説明申し上げました、東京三校、大阪十五校についての防音工事の助成、それを五億七千九十万円で実施をする。それから共同利用施設につきましては、川西市と池田市に予定をいたしまして、それぞれ一つを要求したい、かようにしておるのが内容でございます。 それから、法律の第十条関係の損失の補償、これは防衛庁の基地におけると同じ基準でもって算定をいたしました損失補償額を予算要求をした、かように相なっておるわけでございます。
○岡本(富)委員 そうすると、この五億七千万という金額は、何校で、それからどういう配分をするか、これをひとつはっきりしてもらいたいと思うのです。
○梶原説明員 現在、大蔵当局に対しまして、要求資料として出しておりますけれども、本年度の実施計画がまだきまっておらない段階でございます。これにつきましては、先般調査をいたしました結果が出ておりますので、それに基づきまして、四十二年度の三億の予算配分につきまして、この一ヵ月ほどの間に予算の内定をしたい。その後に、この四十三年度予算というものは関連をもってきまるということになると思うわけでございます。それで一応の積算はいたしております。(岡本(富)委員「それではそれを教えてください」と呼ぶ)現在、ちょっと手元にございませんので、また後ほど申し上げたいと思います。
○岡本(富)委員 どういう配分あるいはどういう積算に基づいてできたか、これについて私は詳しく聞きたいと思うのです。なぜかならば、東京都の大田区におきましては、公明党の学校公害対策特別委員会というのができまして、ほとんどの学校に防音教室ができた。十校、か完成しておりますが、この標準をとってみますと、大体坪出たり十五万円、そして大体一教室が四十二坪としますと、六百三十万くらいかかる。そうすると一校について一億二千万ないし一億五千万かかる。こういうようになりますと、この前、津航空局長のお話では、全国に百八十六校がある。これを比率をとってみますと、大体百億の予算ということはうなずけるわけでありますが、いまのあなたの説明とずいぶん違うと思うのです。これについて一言。
○梶原説明員 私どもの予算要求をいたします内容につきましては、防衛庁と全く同じ工事基準あるいは補助基準を適用してまいっておるわけでございます。総額につきまして、十八校について五億七千九十万ということを御指摘、だと思うわけでございますが、たとえば木造の校舎を鉄筋に改築するような場合、私どもの承っておるところによりますと、防衛庁の基地におきましては、約一億から一億二、三千万円、こういうことであります。ただここで、私ども四十三年度予算の要求にあたりまして、すべての学校について、木造のものを鉄筋に改築するというのではなくて、鉄筋のものに対して防音工事をする、たとえば二重窓にする。ですから、それは金額が少ないわけであります。また、一部木造のものがある。鉄筋の校舎と木造の校舎があるものにつきましていたしますので、総額につきましての比較はできないのではないだろうか、かように考えるわけでございます。そのはじき方につきましては、先ほども申しました、防衛庁と同じ方法でやっておるわけでございます。東京都におきましては、防衛庁でとられ、また私どもがとろうとしている基準より若干上回った措置で、学校の校舎の改築なり防音工事をやっておられるように承っておるわけでございます。その間、若干の開きがあろうかと思うわけであります。
○岡本(富)委員 若干の開きとか言いますけれども、前国会で、金丸運輸政務次官が、三億円なんていうものはスズメの涙だ、こういうようにも発言しておる。しかもまた、今度の予算要求においても、その倍額もない。そうすると、いつになると伊丹あるいは東京の羽田空港、この周辺の学校は安心して授業ができるのであるか、この見通しは立てていらっしゃるのかどうですか。
○梶原説明員 四十二年度予算が三億、来年度予算六億要求しておるわけでございますが、私ども、地元の住民の方々から、航空機騒音による迷惑に対して苦情を述べられておりますのに比べまして、決して十分とは思わないわけでございます。今後、騒音対策につきまして鋭意努力を続けてまいりたい、かように考えるわけでございます。ただ、この航空機騒音対策といたしまして、第五十五特別国会において御審議をちょうだいいたしまして八月一日に公布になりました、いわゆる航空機騒音対策法による措置だけをもって、私どもは十分措置できるとは考えていないわけでございます。たとえば周辺におきます立地規制、土地利用計画、こういうものを、関係の省庁並びに地方公共団体と十分協議をいたしまして、適切な対策を講じていくということも、騒音対策を積極的に効果的に進めるゆえんではないかと考えておるわけでございます。こういうようないろいろな立場、方法をもちまして、地元の方々に御迷惑をかけることを一日も早く少なくするように努力してまいりたいという決意でございます。
○岡本(富)委員 私がなぜそれをやかましく言うかと申しますと、実際に伊丹空港周辺は学童が非常に困っておる。この苦情が非情に多い。これはすでに御承知だと思うのです。 それで、私のうなずけないのは、四十二年度の三億円の予算について、そのうち二億円を大阪空港付近の助成にする、こうきめられたのはもうずいぶん前だと思うのです。六月三十日でしたか、そのときも大体きまっておる、こういう話であった。しかしながらいまだにその助成金が実際に使用されておらない、これについてはいま調査中である、調査中であるとおっしゃっておりますけれども、調査はもうすでにあらゆる団体がやっておる。特に八市なんというところでは、この問題については非常に権威あるところの調査資料を出しておるわけです。それで、変な考えですけれども、それに基づいてでも早く――これて完全であればそれはよろしいですけれども、いまのお話のように、まだ完全ではない。したがって、早くしなければならぬところからどんどんやっていくようにしなければならぬと私は思うのですが、まあお役所仕事というと非常にかかるということも聞いておりますけれども、それではあまりにも無慈悲な、また実際的な効果のない方法ではないか、これを常に感じておったわけです。これについて、梶原さんから、はっきりした、じゃいつどうするということを、もうここらで結論は出るはずなんです。その見解を聞きたいと思います。
○梶原説明員 四十二年度予算の三億の執行が現在なお実施できていないことにつきましては、まことに遺憾でございます。ただ先ほどの法律が八月施行になりまして、それに基づきます施行令を九月七日に施行していただいたわけでございます。それに基づきます告示、省令などの作業を目下急いでやっておるわけでございますが、大体十月中ぐらいには何とか目鼻がつくのではないだろうか、かように考えております。 なお、この対象校をきめます調査、すなわち四十二年度予算の執行のための実施計画策定のための調査でございますが、これは大阪につきましては八月の下旬に終了したわけでございます。その結果が間もなく出てくるわけでございます。その調査結果に基づきまして、各市の計画とも合わせまして、十一月の初めごろには、大体この補助の対象校をきめたい、かように考えておるわけでございます。これには、もちろん大蔵省の実施計画の承認を取りつけることが前提でございますが、大体十一月の中旬ぐらいにはきめなければならないのではないか、そして十二月の各市会において、それを各市で予算化してもらう、こういう段取りに進めたいと考えております。なお、この予算の実施計画の策定にあたりましては、先生御指摘のように、非常に音の激しいところから重点的に配賦をしてまいりたい、かように考えておるわけでございます。御了承をちょうだいしたいと思います。
○岡本(富)委員 大体わかりましたが、できるだけ早くこの配分について――わずかな配分ですけれども、子供たちは待っております。 それから、こまかいことですが、一つだけ聞いておきたいのは、この補助率はいま何割になっておるのですか。
○梶原説明員 今度出ました騒音対策法の施行令の第三条に規定されておるわけでございますが、補助の割合は、原則として十分の十でございます。「ただし、補助に係る工事が補助を受ける者を利することとなるときは、その利する限度において、運輸大臣の定めるところにより、補助の割合を減ずるものとする。」、こういう規定がございます。端的に申し上げますと、木造の校舎を鉄筋に改築いたします場合、補助を受ける者を利するという考え方から、二割五分あるいは一割を減ずる、こういうことに相なっております。この細部につきましては、後刻内部で基準をつくりたい、かように考えておるわけでございます。
○岡本(富)委員 二割五分あるいはまた一割減、こういうことになりますと、約一億の校舎ですと、八千万とかあるいは七千五百万とか、九千万とかこういうことになるわけです。相当な金額が必要でございますが、全国の、特に大阪伊丹空港、あるいはまた東京都の羽田空港の周辺の学校の生徒が非常に困っておる。この面について、公害対策会議の席上において特に強調してもらいたいと思うのですが、これは運輸省の関係だから私は関係ない、こうは言わないと思うのですが、坊厚生大臣から、見解を承って終わりたいと思うのです。
○坊国務大臣 公害対策の重要なる問題につきましては、当然、公害対策会議で議論、検討をする問題になろうと思いますが、そういうことに相なりますれば、私もできるだけの意見を述べたい、かように考えております。
○岡本(富)委員 厚生大臣、小中学校の人たちは次の時代を背負う青少年です。ですから、特にいままでのデータを見ますと、そういう学校においては、非常に病気が起こったり、あるいはまた発育あるいは勉強に差しつかえをしておることは重大だと思うのです。ですから、公害問題については、こうおっしゃいましたけれども、私のいま申し上げたのは、騒音防止工事について、特別にあなたが発言をして考慮をしてもらいたい、こう思うのです。いかがですか。
○坊国務大臣 児童の問題は非常に大事な問題であるということは、私も全く同感でございます。児童に対する騒音対策というものは非常に大事なことと私も考えますので、私は私としての意見を申し述べたい、かように考えております。
○八木委員長 本日はこれにて散会いたします。 午後六時四十八分散会