決算委員会 第6号
- 発言数
- 83 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1967/11/21
会議録
○鍛冶委員長 これより会議を開きます。 昭和四十年度決算外二件を一括して議題といたします。 本日は、通商産業省所管中小企業金融公庫及び中小企業信用保険公庫について、審査を行ないます。 まず通商産業政務次官より概要説明を求めます。宇野通商産業政務次官。
○宇野説明員 ただいま議題となっております昭和四十年度通商産業省所管の経費の決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。 まず、一般会計歳出決算につきまして御説明いたします。 昭和四十年度歳出予算現額は六百四十二億一千万円でありまして、これを歳出予算額六百二億六千万円と比較いたしますと三十九億五千万円の増加となっておりますが、これは総理府所管から移しかえを受けた額四億四千二百万円、大蔵省所管から移しかえを受けた額八千六百万円、前年度よりの繰り越し額二十六億三千六百万円、予備費使用額七億八千四百万円による増加であります。 歳出予算現額に対しまして、支出済み歳出額は五百六十億二千三百万円でありまして、翌年度へ繰り越しました金額は三十六億一千六百万円、不用となりました金額は四十五億六千九百万円となっております。 次に、当省所管の各特別会計の決算について御説明いたします。 第一に、アルコール専売事業特別会計でございます。 四十年度収納済み歳入額は六十一億四百万円であります。支出済み歳出額は四十八億二千九百万円であります。 第二に輸出保険特別会計でございます。 四十年度収納済み歳入額は百七十八億五百万円、支出済み歳出額は二十四億八千二百万円であります。 第三に、機械類賦払信用保険特別会計でございます。 四十年度収納済み歳入額は十二億三千百万円、支出済み歳出額は六億六千九百万円であります。 第四に、中小企業高度化資金融通特別会計でございます。 四十年度収納済み歳入額は三十四億九千三百万円、支出済み歳出額は二十八億四千五百万円であります。 以上が決算の大要でございまして、このうち特に重要な事項につきましては、お手元に配付いたしました資料をごらん願いたいと存じます。 最後に、四十年度通商産業省所管の決算につきまして、会計検査院より不当事項として指摘を受けたものがありますことは、まことに遺憾に存じております。 今後この種の事例の発生を未然に防止するため、より一そうの指導監督を行ない、かかる事例の絶滅に努力いたす所存でございます。 以上をもちまして、通商産業省所管の一般会計及び特別会計の決算に関する御説明を終わりますが、なお、御質問に応じまして詳細に御説明申し上げたいと存じます。 何とぞ、よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
○鍛冶委員長 次に、会計検査院当局より検査の概要説明を求めます。 鈴木会計検査院第四局長。
○鈴木会計検査院説明員 昭和四十年度通商産業省の決算につきまして、検査をいたしました結果の概要を御説明申し上げます。 検査報告に不当事項として掲げましたものは、中小企業近代化資金助成法に基づき、都道府県が中小企業者もしくは事業協同組合等に対しまして貸し付けを行なっているものの七件についてでございます。 まず二九一号は、都道府県の貸し付け金の財源として国が交付いたしました中小企業近代化促進費補助金のうちで、補助の目的を達していないと認められるものでございます。 次に二九二号から二九七号までの六件は、都道府県の貸し付け金の財源として、国から貸し付けました高度化資金貸し付け金のうちで、その目的を達していないと認められるものでございます。 以上、簡単でございますが、説明を終わらせていただきます。
○鍛冶委員長 次に、中小企業金融公庫及び中小企業信用保険公庫両当局より、資金計画、事業計画等について説明を求めます。佐久中小企業金融公庫総裁。
○佐久説明員 昭和四十年度におきます中小企業金融公庫の業務の概要について御説明申し上げます。 昭和四十年度のわが国経済は、金融緩和政策や財政及び財政投融資の繰り上げ支出等一連の景気振興策が講ぜられましたものの、総じて低調に推移いたしまして、わずかに四十年末の官公需増加や一部民需の持ち直しから、年度末に至ってようやく景気は底入れないし回復に向かいました。 かかる情勢下にありまして、中小企業は、前年に引き続き受注の減少、金融機関の選別融資、人件費資本費の増加などのため採算、資金繰りとも総体的に苦しい状況にありました。 中小企業の設備投資につきましては、不況の浸透と需給見通し難から投資態度が慎重化いたしましたため、前年に比較してさらに鎮静化するに至りましたが、他方経営安定のための長期運転資金需要は引き続き増加いたしましたので、全体としての資金需要は前年より旺盛となりました。 当公庫は昭和四十年度の当初貸し付け資金を千六百五十億円とほかに中小企業投資育成会社に対する貸し付け五億円と定められましたが、その後年末・年度末の中小企業金融対策として昭和四十年度末までに三百十億円の貸し付け資金の追加が認められましたので、これによりまして前年度実績に比較して二一・一%増の千九百七十億円の貸し付けとほかに中小企業投資育成会社に対する五億円の貸し付けを実行いたしました。このうち設備資金は千九百七十億円の六一・五%、千二百十一億円、運転資金は三八・五%、七百五十九億円であります。また直接貸し付けば千九百七十億円の二五・〇%に相当する二千九百三十二件四百九十三億円、代理貸し付けは七五・〇%の三万五千九百八十四件千四百七十七億円であります。 年度末総貸し付け残高は三千六百四十七億円で前年度に比較すると六百五十一億円二一・七%の増加となっております。 昭和四十年度の融資にあたりましては、技術革新の進展等に対応しつつ中小企業の体質改善につとめるとともに、後進地域・産炭地域等地域経済の振興開発にも留意することとし、さらに輸出産業・機械工業及び中小企業近代化促進法指定業種の設備の近代化・合理化に寄与するものについても特に配慮することとしてまいりました。 また昭和四十年度におきましては経済の沈滞により中小企業者の資金事情が依然として改善されない状況にかんがみまして、昨年度に引き続き中小企業者の経営安定をはかるために必要とする長期運転資金については特段の配慮を行ない、中小企業者の置かれた実情に応じ弾力的な運用をはかることといたしました。 なお昭和四十年度におきましては、中小企業者の便益に一そう資するため、東京に新支店を、青森、盛岡、水戸高知及び宮崎に新出張所を開設いたしました。 次に日本開発銀行から当公庫が承継いたしました復金承継債権等につきましては、回収促進に努力いたしました結果、昭和四十年度におきましては一千六百万円の回収と四百万円の償却を行ない、年度末残高は七千八百万円となりまして、当初承継した百十九億八千一百万円の九九・四%の整理をいたしたことになります。 最後に損益計算について申し上げますと、昭和四十年度におきましては、二十億余円の償却前利益をあげましたが、固定資産減価償却引き当て金繰り入れ額四千一百余万円を差し引きました残額十九億六千七百余万円は大蔵大臣が定めた滞貸償却引き当て金への繰り入れ額及び積み立て額の限度内でありましたので、その全額を滞貸償却引き当て金に繰り入れました結果利益金はなく国庫納付はいたしませんでした。 以上簡単ではございますが、中小企業金融金庫の昭和四十年度の業務の概要の御説明を終わります。 何とぞ御審議のほどをお願いいたします。
○鍛冶委員長 川戸中小企業信用保険公庫理事。
○川戸説明員 中小企業信用保険公庫の昭和四十年度の業務の概況について御説明申し上げます。 御承知のとおり、昭和四十年度におきましては、わが国経済は不況下にあって低迷を続け、これによる中小企業者の受けた影響は大なるものがございました。このような情勢から、中小企業金融の一そうの円滑化をはかるため、信用補完制度におきましても画期的な改善強化策が講ぜられた次第でございます。 すなわち、小零細企業者に対して特別な優遇措置を講ずることによって金融の円滑化をはかるため、無担保無保証人による保証を保険する特別小口保険制度が創設され、さらに十二月におきましては、中小企業者の不況克服策としまして、中小企業信用保険臨時措置法が制定せられまして、物的担保を提供させない保証を保険する無担保保険制度を創設、また取引先の倒産等によって企業経営の安定に支障を生じている倒産関連中小企業者の金融の円滑化をはかるための特例措置が講ぜられますとともに、第一種保険のてん補率の引き上げ及び各種保険の保険料率の引き下げが行なわれました。同時に、これらの諸施策を推進し信用保証協会の保証活動を一そう拡充強化するための原資としまして、国の一般会計の補正予算により特に当公庫の融資基金として十億円の追加出資が行なわれました。 これらの諸施策が行なわれました結果、保険事業におきましては、公庫が全国五十一の信用保証協会との間に締結いたしました保険契約に基づき、件数で七十万二千件余、金額で五千九百四十三億円余の保険引き受けを行ないました。これを前年度の引き受け実績と比較いたしますと、金額で七百二十一億円余の増、比率で一三%の増加となっております。 なお、保険金の支払いにおきましては、五十六億九千万円余となりました。これを前年度の支払い実績の三十八億二千四百万円余と比較いたしますと金額で十八億六千五百万円余の増、比率で四八%の増と大幅な増加となっております。これは不況の影響による企業倒産等の続出により、保険事故が著しく増加したことによるものと思われます。 一方、融資事業におきましては、昭和四十年度において国の一般会計から新たに出資されました七十億円と、既貸し付けにかかる回収金百八億一千万円との合計百七十八億二千万円を原資といたしまして長期貸し付け百五十九億三千二百万円短期貸し付け十七億一千万円、合計百七十六億四千二百万円の貸し付けを行ないました。この結果、前年度と比較いたしますと三一%の増加となり、また昭和四十年度末における貸し付け残高は二百五十六億二千二百万円となりました。 次に収支及び損益の概況について御説明申し上げます。 まず収支状況について見ますと収入済み額は五十六億一千四百万円余でございまして、支出済み額は六十一億一千五百万円余でありましたので差し引き、五億円余の支出超過となっております。 損益計算につきましてはさらに支払い備金等の整理を行ないましたので、総利益、総損失とも同額の七十五億一千三百万円余となり損益を生じませんでした。 以上、簡単でございますが、昭和四十年度の施策及び業務の概況につまきして御説明申し上げた次第でございます。
○鍛冶委員長 これにて説明聴取を終わります。 —————————————
○鍛冶委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、これを許します。白浜仁吉君。
○白浜委員 それでは、大臣がお見えになりましたらまた質問することにいたしまして、私はバナナの輸入貿易について若干お尋ねをしたいと思います。 バナナの輸入貿易につきましては、三十八年四月割り当て制度が自由化されましてから以来、非常にこの取引が混乱して、いろいろな悪評を生んだ。しかし、最近ようやく日本バナナ輸入組合というものが統合されまして、これを通産省が指導して正常な取引ができるようになったということでありますが、この経過なり並びにこの輸入組合なるものの意思を通産省は尊重してやろうとするのか、あるいは法律に基づいて、いわゆる貿易管理令でやろうとするのか、この点を明確に御答弁願いたいと思います。
○後藤説明員 お尋ねのとおり、三十八年の四月からバナナが自由化時代に入りまして、四十年六月までこれが継続いたしました。四十年七月以降、いわゆる輸入自動割り当て制ということで、割り当て方式を実施いたしておるわけであります。その間自由化時代と引き続きまして非常に多数の輸入業者が乱立をいたしました。御指摘のとおり、種々過当競争が発生いたしまして、通産省といたしましては、バナナの所管官庁でございます農林省とも十分連絡の上、この輸入業界の体制整備に意を注いでまいったわけでございますが、幸いにいたしまして、四十年の七月以降業界の間にバナナ輸入組合の設立の機運が高まりまして、当初は三つほど競願の形で認可の申請が出てまいっておったわけでございますが、業界の自主的話し合いに基づきまして、同年の九月半ばこれを正式認可をいたしまして、日本バナナ輸入組合というものが結成されました。当初は組合員も非常に多うございまして、六百社前後あったのでございますが、特に昨年の下半期以降これの業界の自主的な調整、話し合いによりまして、漸次それが統合合併いたしまして、現在におきましては、組合員総数二百六十社、うち台湾バナナを取り扱っておりますものが二百五十一社ということで現在に至っておるわけでございます。先ほど申し上げましたとおり、四十年の七月以降割り当てを実施いたしておるわけでございますが、この組合は漸次自主的な体制を整えまして、シェアの相談等もありまして、通産省といたしましては、その組合の意向を十分に考慮いたしまして、そうして法的根拠といたしましては、輸入貿易管理令に基づいて現在割り当てを実行いたしておる状態でございます。今後ともバナナの国内需要の点は、現在のところ一そう強まってまいる状況でございますので、国内産の果実との競合問題等につきまして、農林省とも十分協議をいたしつつ、でき得る限りバナナの輸入量を増大せしめるような方向で、同時にまた、組合員相互間の過当競争がなるべく少なくなるように、また消費者自体にはなるべく低廉な価格でバナナが渡るような状態に指導いたしていきたい。現在の割り当て方式を当分の間は続行いたしたい、かように考えておる次第でございます。
○白浜委員 いま次長の説明を聞きますと、自主的にできたというか、これは当然常識的に考えて諸君が指導してできたものだ、私はこういうふうに理解しているわけですが、そのできた輸入組合の意見を十分尊重して、貿易管理令でやるというふうなことでございますので、私ちょっと個々の法律的なことに詳しくないのでお尋ねしますが、貿易管理令の第三条でしたか、いろいろなものを公表しなければならないというふうなことが書かれているように思うのでありますが、従来からこの問題はどういうふうな方法で公表されておったのか、その点を御説明願いたいと思います。
○後藤説明員 お答えいたします。 先ほどお答えいたしましたとおり、四十年七月以降AIQ、すなわち自動割り当て制による割り当て制を実施いたすことになりまして以来、そういう方式でバナナを割り当ていたしておるわけでございますが、自動割り当て品目とそれからさらに全般的な非自由化品目というものと二つございまして、これが輸入割り当てを受けるべき品目ということになっております。それでAA物資、いわゆる自由に放しておるというものにつきましては、申請どおりに輸入の承認をいたすわけでございますが、このAIQ、すなわちバナナ等が該当いたします自動割り当て品目につきましては、原則として申請どおりの割り当てを行なう、こういうことに相なっております。原則としてと申し上げましたのは、申請どおりのままに、そのままにはできない場合がある。この場合は輸入貿易管理令によりまして、これは通商産業大臣の権限といたしまして、輸入貿易管理令の第九条以下によりましてその割り当てを受けるのに適当である、十分なる資格を有すると認定した輸入業者に対しまして、通商産業大臣が割り当てる、こういうことになっております。公表の問題でございますが、これは御指摘のとおり第三条に、「通商産業大臣は、輸入割当てを受けるべき貨物の品目、輸入についての許可を受けるべき貨物の原産地又は船積地域その他貨物の輸入について必要な事項を定め、これを公表する。ただし、通商産業大臣が適当でないと認める事項の公表については、この限りでない。」こういう第一項に規定がございますが、バナナについて申し上げますと、四十年の七月以降は特にその割り当てを輸入の業者にそれぞれ個別に通知し、同時にまた組合員に対して一般的なその割り当ての状況を知らせましたが、特にいわゆる発表というかっこうはいたしておりません。ただ、組合の内部が、漸次組合員の整理統合、それからいわば整然と秩序を得てまいるに従いまして、事態の進展に伴いまして、昨年の下期以降はこれを発表するという形をとっておる次第でございます。
○白浜委員 非常に回りくどく、ぼくらしろうとにわからないような説明ですが、公表しなくてもいいのか悪いのか、その点はどうですか。
○後藤説明員 この第三条の一項本文にございます公表というのは、これは輸入公表の形で輸入割り当てを実施いたしたときからやっておるのでありまして、先ほどの私の御説明、若干ことばが足りなかったかと存じますが、輸入業者に対する通商産業省告示によりまして、これを公表いたすわけでございますが、いつ割り当てるかとか、どれだけの数量を割り当てるかというような細目につきましては、これは先ほどお答えいたしましたとおりに、昨年の下期以前はこれを個別に通知をいたしまして、全般的にはいたしておりません。
○白浜委員 それはこの管理令に違反するというわけではないのですね、公表しなくても。
○後藤説明員 全般の輸入公表自体の大もとのほうは公表いたしておりますので、個別のものを業者にこれこれの内容を割り当てるということを通知いたしまして、同時にそれを全般に公表する州どうかということは、これは違反ではございませんと考えます。
○白浜委員 そうすると、ぼくが冒頭に聞きましたその公表の方法については、いろいろな形があるということなんですか。そういうことですか。たとえば官報に出すとかあるいは通商産業省の告示に出すとかいろいろな方法がある。あるいは個別に出すというふうなそういう方法でもいいということなんですか。どうですか。
○後藤説明員 説明のしかたが非常にまずくてなんでございますが、法律に、第三条に定まっております輸入公表は、通商産業省告示といたしましてこれを官報に掲載いたします。あとの事務的な手続と申しますか、個別の業者に対する一つつの割り当ての通知というものは、これは昨年の下期以降は全般的に発表いたしておりますが、特にこの輸入公表というものとの関連はないかと存じます。
○白浜委員 あとでまた私は機会を見て、それもよく調査しましてから質問をいたしたいと思いますが、先ほど次長は、輸入組合の意思を尊重して云々というふうなこと、私も、それはせっかく通産省のほうで指導してつくった輸入組合の意見を尊重するのは当然だというふうに思います。ところが、昨年私はいろいろな問題から、輸入組合も意思が尊重されたのかされぬのかというふうなケースが起こったということで、ある特定の業者でございますが、その諸君が非常に困った、自分の商権の問題だというふうなことで、いろいろし私のところにも相談し、いろいろなほかの業界の方々からも、不平不満が並べられるというふうなことがありまして、私自体もあまり勉強もしていないし、実はわからないのでありますが、ここに諸君のほうで、通商局輸入業務課ということで出しておる「バナナ輸入関係資料」というものについては、これは全く手落ちのないりっぱな資料のように私思うのですが、そのとおり理解していいのですか。
○後藤説明員 現在これはそういうように御理解願って差しつかえないと思います。
○白浜委員 これはずっと読んでみますと、一七ページあたりを見ますと、反対陳情が出ているとかいろいろなことが書いてあるようでありますが、たとえば九ページの上のほうにありますが、三月三十日に第二回の臨時総代会が開催された。これは補充理事の選任がなされた。しかも、カッコして(業界の統合なり一本化する)と書いているがこの前に、前段を見ますと、先ほど次長が言われましたように、競願の三組合はすでに四十年の七月から八月に統合をはかる、そういうふうなことになっているのにあらためてまた四十一年の三月三十日に(業界の統合なり一本化する)というカッコ書き、これはどういう意味なんですか。こまかい内容はその担当のだれか、それを指導している者が御承知かと思いますので、次長でなくてもほかの説明員でけっこうです。
○後藤説明員 私も当時の事情をさほど詳しくは存じないのでありますが、組合が四十年の九月に成立いたしまして以来やはりバナナの関係と申しますのは業界が非常に複雑でございまして、各業者間の利害が非常に対立をいたしております。したがいまして、一応大同団結して一本の組合とはなりましたが、以後役員の選任その他をめぐりまして、いろいろ内部的に議論が分かれておったように聞いております。 御指摘のこの資料の九ページのところでも、三月三十日に臨時総代会を開催して補充理事の選任ということがはかられたわけでありますが、(業界の統合なり一本化する)と書いてございますのは、組合自体としてはやはり現在の日本のバナナ輸入組合をそのままやっていく、しかし、組合自身のあり方あるいは組合の中のいろいろな意思の決定方法あるいは理事の人選その他につきまして、議論が組合内部の問題としてあったように聞いております。
○白浜委員 三月三十一日に特別調整割り当て実施というので六万一千かでですか、この割り当てを実施しておりますね。その前に、業界あるいはその総会あたりでも役所のほうからはこの特別調整割り当てをするということについて相談も何も全然なかった。 その以前におきまして、すでにこういうふうなうわさが業界に漏れたために、相当数の人からそういうふうないろいろなことは日華親善のためにも、あるいはまた業界の混乱を招くからやってはいかぬじゃないかという反対陳情が相当猛烈に出たというふうなことを私は承っておるのでありますが、あとのほうではいろいろ事こまかに、先ほど申し上げましたように、ここに反対陳情があったということを書いておるのに、なぜことさらそういうふうな反対陳情を資料の中に落としてあるのか、その辺はどうも勘ぐって考えると、いかにも不明朗な何かがあるような気がいたすわけであります。しかも、私は、声を大きくして言うわけではございませんが、この特別調整割り当て自体がもうすでにおかしな行政だというふうに私は思うのでありますが、同時に、その当時の業務課長が出てきて、同じようなケースが出た場合には、自分たちのほうでもやはり特別調整割り当てを当然やらなければいかぬじゃないかということを、組合の理事会か何かでまたあとで言明している、そういうふうなことであるならば、おそらくこれは諸君の事務的な段階ではいろいろな問題でむずかしかったろう、あるいは日本と台湾政府との間の政治的な問題もあって、あるいは貿易じりの問題、いろんな問題もあって、いろいろなことをしなければならなかったその苦衷はわかりますし、また政府としてしなければならぬことであったかもしれませんが、それにしましても先ほど申し上げましたように、また君の答弁にもあったように、組合の、あるいは総代会の意思を尊重するということは、口で言いながら全然尊重されてないというふうな、そういうふうないき方は、どうも昨年来から新聞その他をにぎわしているように、何かしらもやもやしたものがあるというふうに私は感じられてならない。私ども与党の立場でも、また通産行政そのものを信頼して一般国民がやっている上において非常な誤解を招くもとじゃないかというふうなことを考えて、実は非常にこまかいような問題でございますが、事は重大でありますので、私はきょう特にこの決算委員会に相談をして質問をいたしておるようなわけであります。その矛盾した、そういうふうなことが行なわれないように今後私はしてもらいたいと思うわけでありますが、一体そういうふうな反対陳情や何かをことさら落としたのかどうか。そういうふうな点は、いまの次長はかわったばかりでお気の毒だけれども、君に尋ねてもどうもちょっと困るし、課長もまたかわったというようなことでその当時のいきさつはわからないと思うけれども、それは君の責任で、おそらく君は九月何日に赴任したのかわからないけれども、九月十四日に出ているのだから、おわかりのところだけひとつ御説明願いたい。
○後藤説明員 私、十月九日に着任をいたしましたので、当時まだその衝に当たっておりませんでしたのですが、この特別調整割り当てという四十一年の三月三十一日のものをやるかどうかという点につきましては、組合の内部におきましても、それからまた当時通産省事務当局におきましてもいろいろ議論があったということを、私、現在聞いております。しかも当時といたしまして、いろいろその前の四十年の上期、下期の割り当てに関しまして、その割り当ての方式等をめぐりまして、組合のインサイダー内部にも非常にこれは公平を欠くではないかというような意見が多数出まして、組合としても一本化した特別調整割り当てを実施すべきかどうかという意見は通産省事務当局に提出はされなかったと聞いております。組合としては、この問題について特に結論を出して通産省に出したということではなく、それからまた通産省としては事務当局で種々検討いたしました結果、上のほうの決済を得まして、そして従来の割り当てに伴いまする公平と申しますか、バランスを失しておるという声に対する埋め合わせということでこの特別調整割り当てというのを三月三十一日に行なった。したがいまして従来いろいろ変遷のございましたバナナの割り当て関係は、一応これで従来のでこぼこ是正と申しますか、そういったものをこの際ここで一応大掃除を——ちょっとことばが適当でございませんが、きちんといたしまして、そうして四月以降の割り当てに入りたい、こういうことでこれを実施したというように私聞いております。特にこの資料の中にそういうただいま御指摘ありましたように、特別に組合の中でいろいろ意見が分かれたというようなことが書いてございませんのは、ことさらに意識的にそういう点を落としたのではないと私は考えております。
○白浜委員 当時の経緯については、おそらく後藤君とすれば前任者の関係もあるし、いろいろなこともあって御説明がしにくいだろうと思いますので、私は深追いはいたしません。しかしいずれにしましても、大掃除をするとかなんとかいうりっぱなことばを使っておりますが、これは逆に大掃除をしなければならないようなことをつくり上げた、私はそういうふうに理解をいたしております。ところが、それは問題といたしまして、私は根本的なことを、ちょうど大臣がお見えにならないので、ここで宇野政務次官の御意見を承っておきたいと思うのでありますが、日本国民があげて外貨を幾ら保有するかというようなことは、これは実は大きな問題であろうかと思います。したがいまして、いかに日本人にバナナというものが愛好されておるとは申せ、無制限にこれを入れるというふうなことは、われわれが反面、国内の農林水産物資を助成し、何とかして日本の農村を立ち直らせようとするその最中でございますので、そういうふうないろいろな面を含めて、ただ一片の割り当てでもって膨大な利益をあげる。これがしかも何かしらぬどこかに片寄ってうやむやになっている。四月、五月十五日あたりのいろいろな新聞、その他にも、またこの毎日新聞ですか、あるいは産経あたりにも出ておりますように、いろいろな問題がそのために派生して、通産行政に対して国民が疑いの目を持つ。そういうことになりますと、これはゆゆしき問題だと私は思います。ひいては、せっかく日華親善のためにわれわれが努力をしている最中に、国内におけるバナナの輸入の問題でいろいろな問題が出るということは、これは台湾政府に対しても私はまことに申しわけないというふうな気が実はいたすわけであります。したがいまして、商社である以上は、これは利益をあげるために一生懸命になってくるというのは私は当然だと思いますが、しかしながら、そこにはおのずから自主的な自省も必要でしょうし、また同時にそのために膨大な利益を得る。そういうふうなことであっては国民に対しても相すまないと思いますので、どうかそういうふうな点は賢明な通産当局と十分御相談をして、今後この指導を十分にやってもらいたいと私は思います。 日本人の生活がだんだん向上して、特に、昔から言われておりますバナナ一本が牛乳一本にカロリー的にも匹敵するんだと言われているくらいでございますから、いろいろな問題でバナナの需要がだんだんふえてくるというふうなことは、これは私は避けられない事実だと思いますが、それだからといって無制限に、特定の諸君に割り当てられたその割り当ての一枚の紙で膨大な利益をあげなければならぬ。しかもいまの国民の消費経済から見ると値段はさっぱり安くならぬというふうなことでは、これはどういうふうな行政をやっているんだろうかとわれわれは疑わざるを得ないというふうなことを感ずるのであります。そういうふうな点なども勘案して、今後のバナナ行政、貿易行政というものに十分御注意を払っていただきたいと思うのでありますが、宇野政務次官、大いに御意見があろうかと思いますので、この機会に御開陳願えれば幸いでございます。
○宇野説明員 よく言われる例でございますが、バナナの輸入量はわが国の特産品の真珠の輸出量に匹敵する、したがってあまり輸入することは貿易振興上感心しないことではないか、こういうような意見もございます。確かにその面だけを比較いたしますとさようなことも言い得るのではないかと思います。しかし先生も御指摘のとおりに国民の需要が非常に高まっておりますし、さような意味合いにおきまして、バナナが今日はすでに自由化された商品でございますので、輸入秩序というものを乱さない限りは私たちは輸入をいたしまして、そして消費者に対する低廉なバナナの供給に大いに貢献いたしたい、これが通産省の考え方でございます。しかしながら反面におきましては、国内の果樹等の生産にも重要な影響を与えますので、この点もやはり考慮していかなければなりません。したがいまして、とにもかくにも現段階といたしましては、あくまでも輸入組合というものを育成いたしまして、輸入秩序を守っていきたい、かように存じておるのであります。 しかしながら、先ほどからいろいろ御意見が開陳されまして、私も承っておりましたが、確かにその経緯あるいはまた今日までのいろいろな行政上の処理におきましては、いろいろとその当時の混乱を避けるための善後策が講じられたわけでありますが、若干の矛盾なきにしもあらずというような面も私は多少あるのじゃないかと思います。しかしながら今日といたしましては、通産省はやはりあくまでもそのような行政措置をとってまいりましたので、現段階においてこれをどうこうするということは非常に至難なことではないかとは存じますが、万一重大な矛盾というものが発見され、あるいはいま御指摘のとおりに、いかに輸入秩序を維持しておったとしても、高まる需要に対して消費者に低廉なバナナが供給されておらないではないか、これはどうするのだというような問題等に関しましても、いろいろと国民の側の声も私たちは聞いておる次第でございます。したがいましてさような点を今後は総合的に十二分に判断をいたしまして、国民の側からも決して疑惑を抱かれないような行政を推進してまいりたい、かように私としては考えておるような次第でございますが、特に今日は輸入組合の育成を一つの主眼にいたしておりますので、組合全般の声といたしまして、今日までの経緯にもし重大なミスがあり、もし重大な過失がございましたならば、当然われわれといたしましてもそうした面を今後いかに処置するか、これは私は考慮をしてもいいのではないかこういうふうに考えておる次第であります。
○白浜委員 いま政務次官から御抱負を承って、私もそのとおりだと思います。先ほど私がちょっと触れましたけれども、いろいろとこの前の特別調整割り当てとかという問題につきましては、その当時反対した二、三の業者がことさらに通知を受けてない、同じ条件のものが通知を受けてないというふうなこと、また特別割り当てを受けたものがいわゆる実績方式で、これが実績になっているというふうな割り当てをやっているというふうなことなどにつきましては、私はこれは非常に問題が重大じゃないかというふうにも考えておりますので、そういうふうな点を十分あわせ考えて、いま政務次官が言われましたように、今後の問題につきましては十分再検討されんことを特に希望して、私一応質問を終わります。
○鍛冶委員長 華山親義君。
○華山委員 私は、予算がある以上その予算は全部使うべきだというふうな、ややもすれば起こりがちな弊風を警戒をしなければいけないと思いますけれども、多くの不用額の出たことにつきましては、予算編成上のあるいは予備費支出上の間違いがあったのではないか、そういう点が考えられますので、この決算におきまして不用額の特に多く出た点につきまして理由をお聞きいたしたいと思います。 その第一点は、炭鉱保安緊急対策費、これは非常に重要な問題でございまするし、しかもこの点は予備費で出しておるのでございますけれども、その中で石炭鉱山緊急交付金、これが一億四百万円に対しまして千三百七十五万円という少額を出しているにすぎない。また災害防止のための機器整備費において九千七百四十万円の予備費に対しまして五千五百五十万円という半分しか出しておらない。御承知のとおり炭鉱災害は非常に緊急を要するところの保安設備がなされなければいけかいのでございますけれども、緊急に予備費まで出したものをどうしてこれだけしか使わなかったのか、その点につきまして理由を伺いたい。
○西家説明員 ただいま先生の御指摘ございました、第一の石炭鉱山整理交付金の点でございますが、この制度は、石炭鉱山保安臨時措置法に基づきまして、炭鉱の自然条件、経理的基礎及び技術的能力等を総合的に調査をいたしまして、その結果保安を確保することが困難であると認められましたときに、通産大臣が廃止を勧告いたしまして、事業者がこれに応じた場合一定額の交付金を交付するものでございます。 昭和四十年度の廃止勧告は、当初におきましては年間出炭規模にいたしまして十万トンということを予定しておったのでございますが、二月から六月にかけまして、炭鉱のガス爆発を含む大きな災害が連続をいたしましたので、より一そう保安の確保をはかりたいということで、さらに二十万トンの廃止勧告をするものといたしまして、予備費に計上をいたした次第でございます。 その後総合的に調査を行ないました結果、予備費の充当分といたしましては、三炭鉱、二万九千百九十八トンに対しまして廃止勧告を行なった次第でございます。その他の炭鉱につきましては、調査後十分検討を行なったのでございますが、改善の可能性があると判断をいたしまして、廃止勧告を留保し、改善を行なわせました。その実施状況を厳重に追跡したのでございますが、良好でございましたので、廃止勧告を行なわなかったのであります。その結果といたしまして、多額の不用額を生じたような次第でございます。かくして、当初の予算額一億四百万円に対しまして、実績は千三百七十五万一千八百円で、九千二十四万八千二百円の残額が残った次第でございます。 また、第二の炭鉱保安専用機器整備費補助金の点でございますが、炭鉱保安専用機器整備費補助は、中小炭鉱に対しまして、その二分の一を補助いたしまして、設置を促進させるものでございますが、その機器の種類は、ガス自動警報器ほか三機でございます。その主たるものはガス自動警報器でございますが、本機器は新たに開発された製品でございまして、当時初めて坑内で使用するものでございましたが、工場で十分テストをいたしまして、当時の七月から八月にかけまして鉱山に設置をしたのでございますが、坑外では十分な成果があったのでございますが、坑内に入れますと温度湿度等の過酷ないろいろな条件によりまして機が正常に動かない。ガスが一%出ますと警報が鳴るように設置をいたした場合でも、〇・五で鳴ったりあるいは一をこしても鳴らなかったりというようなことがございまして、機器の機能を十分に発揮できないこと等、技術的な欠陥がございましたので、これを引き上げましてメーカーあるいは通産省の資源技術試験所等で改良をいたしたわけでございますが、これの解決に時間がかかりまして、十二月ごろにやっと改良型ができたような次第でございまして、鉱山における設置が一月以降ということになりましたので、設置がおくれたような次第でございます。 設置がおくれたガス自動警報器につきましては、翌年度の予算におきまして整備を促進したような次第でございまして、予備費の当初の予算額九千七百四十万円に対しまして実績は五千五百五十万七千百三十六円、残額は四千百八十九万二千八百六十四円残ったような次第でございます。
○華山委員 いまおっしゃいましたことにつきまして、かれこれ私もよく研究しておりませんので御批判は申し上げかねますけれども、要するに大蔵省に対して予備費を請求した際に十分な検討がなされておらない。その上に予備費を請求なすった。大蔵省もまたこれにつきまして十分な検討なくして予備費を出した。この点、私は予備費の性質上からいっても重大な問題があると思うのでございます。なぜ廃止する鉱山が——初めに廃止ができるかできないかということを究極まで詰めてみて、そして予備費を請求すべきじゃないか。しかし、その前に大蔵省に対しましてこの問題についてこの程度の予備費の要求をしなければいけないかもしれない、そういう事前の了解を得ることは私は必要だと思います。詰めに詰めていざという段階において予備費というものを請求し、またその段階において大蔵省は予備費を認めるべき性質のものじゃないか。その点ただばく然とやれるだろうということでやったのですか。どうなんです。その鉱山の廃止の問題……。
○西家説明員 当初要求をいたしましたときは、実は具体的に鉱山数にいたしまして十一炭鉱ばかり、おそらく自然条件その他から推しまして操業が保安上むずかしいんじゃないか、こういう予測に立ちまして要求をいたしたような次第でございますが、調査の結果、勧告改善を行なう炭鉱が多数にできてまいりましたので、ただいま申し上げましたような三炭鉱になったような次第でございます。したがいまして、当初要求のときにはかなり詰めては要求したのでございますけれども、確かに、先生の御指摘のように詰める点が十分でなかった点もあるかと存ずる次第でございます。 なお、ガス自動警報器の件につきましては、実は坑外で十分に試験をいたしまして、通産省の試験所におきましても試験をいたしました結果、十分使えるというような判定をいただいておりました関係上、これを設置できるというふうに判定をいたしましてやったところが、技術的欠陥を生じ、これが解決に思わぬ時間をかけたということでありまして、その設置時期が三ヵ月以上ずれたような次第でございます。この点につきましても、先生のいま御指摘のような点があったかとも思います。
○華山委員 大蔵省の主計官がおいでになると思いますが、こういう点に対して、この問題のみならず、予備費の支出というものについてどういうふうにお考えになっておるか。たとえば災害でございますれば四次、五次の査定をして詰めに詰めた結果について総金額がきめられている。しかるにこういうふうな問題につきましてはただばく然ときめておる。予備費支出についての大蔵省の考え方は一体どうなのか。予備費というものは、具体的詳細の点については国会の予算審議の範囲外にある。したがって、これを支出する場合には個々の具体的な問題について慎重でなければいけない。しかるに、このような一割にもならない、半分しか支出しないような予備費を認めることは私はおかしいと思うのです。大蔵省は予備費支出の全般についてどういうお考えを持っておるのか、主計官のお考えを伺いたい。
○岩瀬説明員 予備費支出につきましては、いま先生御指摘のような非常に綿密な審査をいたしまして、緊急やむを得ないものについて支出をいたすというたてまえは変わっておりません。ただ、今回の御指摘の問題につきましては、実は、この保安関係の予備費の支出は四十年の六月十八日に閣議決定になったものでございますが、四十年の二月から非常に大きな炭鉱の爆発が相次いで発生いたしまして、四十年二月に夕張炭鉱、四月に伊王島炭鉱、それから六月に山野鉱というように、非常に人命に関する大型の被害が出ましたので、とりあえず通産省として緊急に対策を検討したわけでございますが、事人命に関することでございますので、予備費をまず計上いたしまして審査をして、直ちに発動できるものは発動するという体制に入ったわけでございます。したがいまして、通常の予備費に比べますと審査のほうがあとに回るというようなものも若干あったかと存じます。そういう関係で、実はガス爆発につきましてガスの計器というものが十分まだ整備されておらない。その機器そのものがまだ完全には開発されておりませんけれどもとりあえずそういう計器をつけられるものならば早くつけて、保安不良の炭鉱について事前の防止をやろうという措置でございましたので、このような実際に実行してみますと予備費の執行上に不用額があったということではございますれども、この際はやむを得ない措置であったかと思います。
○華山委員 先ほど申し上げましたとおり、こういうふうな問題について概念的にあるいは概算的に大蔵省が通産省に対して了解を与えることは、私はやむを得ないと思うのです。しかし予備費というふうなものは、たとえばこの鉱山、この鉱山と一つずつやったって差しつかえないわけなんです。それを、初めからもうワクをこれだけ出すのだというふうになってしまう。そういうところに決算と予算との矛盾が出るのじゃないか。まとめてやらなくたっていい。一つずつの鉱山について予備費を出したっていいと思う。あらかじめ概念的な総額的なワクがあっても、一つ一つについてやるべきじゃないのか、そう思うのです。こういうことが六月にきまっておりますけれども、御承知のとおりあの当時大きな爆発が続いた。これに対して緊急の対策をしなければいけない。その際に、これだけの予算のワクを予備費から出しましたという政治的ゼスチュアがあったものじゃないか。やってみたところが、そういうふうなことで一割も使えない、こういう実態が生じたのじゃないか。政治的ゼスチュアで国費を使うとか——これは使わなかったのですけれども、予備費を出すというふうなことは慎んでもらいたい。予備費というものは、くどいようでございますけれども個々の問題について出すべきものであって、総ワク的な了解を与えても、個々に、一つ一つについてやるべき性質のものじゃないか。不安定な要素を持ったものについて出すべきものじゃない、こういうふうに思いますが、主計官にもう一度、これは基本の考え方でございますので、お伺いいたしておきたい。
○岩瀬説明員 予備費の考え方については、まさに先生のおっしゃるとおりであると思います。ただ今回の御指摘の件につきましては、あらかじめそのワクをきめたと申しますよりも、審査をすればボーダーライン、どちらに入るかわからないという非常に保安の不十分な炭鉱というものがたくさん見込まれたわけでございます。しかしながらこれを一々審査しておりますうちに、また保安の不良の原因で炭鉱爆発が起きる可能性があるというので、とりあえず予備費としてある額をきめましてその中で緊急に調査をして、保安不良のものはどんどんそこで閉山にきめていく、こういうかまえをとったわけでございまして、従来の予備費の件につきましては、先生の御指摘のとおりでございますが、事人命に関する問題でございますので、緊急の措置をとったというわけでございます。
○華山委員 事人命に関すると言われると、華山は人命には関係ないのかといわれるから私は言っておかなければいけない。私も重大なことは知っておりますよ。重大なことは知っておるけれども、それですからやりなさい、それについてはどのくらいの金が要るのか、その限度で調査を進めてやりなさい、調査が済んだら出しましょうということでいいんじゃないのか。むしろこういう予備費の出し方をしますと、これは少なかったからあれですけれども、これ以上オーバーした場合には事人命に関する金がないから出せないということになるんじゃないですか。そういう予備費の使い方について御意見があればなお伺いますけれども、今後のことについて、こういうことが起きたんだ、金はどんどん出します、そういうふうなものの考え方でやっちゃいかぬということを私は言っている。何か御意見があれば伺いますが、そうでなければ別に伺わなくてもいい。人命に関しては、私も尊重しております。
○岩瀬説明員 基本的な考え方は先生のおっしゃるとおりでございます。ただ今回の支出につきましては、私の御説明した内容で支出をいたしました。
○華山委員 その次に不用額の目立つものは、いまのは非常に重要な問題であるところの鉱山保安の問題でございますが、それからもう一つは中小企業に対することでございます。 中小企業高度化ですか、間違えていたらおっしゃっていただきたいのですが、高度化資金、これにつきまして、五十六億八千五百四十万、それだけの予算をつけている。ところが実際には二十七億六千二百幾ばくという支出しかしておらない。これも、政府は中小企業に対してはたくさんの予算をつけました——われわれからいえば非常に少ないのでございますけれども、つけましたというゼスチュアだけであって決算から見れば半分も使っていない、これはどういうことなんですか。
○乙竹説明員 お答え申し上げます。 四十年度の中小企業高度化資金融通特別会計の補正後の歳出予算額は、先生いま御指摘のとおり、五十六億八千五百四十万七千円でございます。それに対しまして歳出実績が二十七億六千二百二十八万六千円、不用額二十九億二千三百十二万一千円を生じました。この理由でございますが、先生御指摘のとおり、中小企業の企業内部の近代化のみならず高度化が喫緊の要務とされておりまして、この特別会計が設けられたわけでございます。これによりまして、工場団地でございますとか、商店街の整備でございますとか、卸売りの団地でございますとか、自由化を控えまして、また労務不足を控えまして、これに対します中小企業の生きる方策が講ぜられたわけでございます。遺憾ながら四十年度はただいま御指摘のような結果に終わったわけでございます。 その理由でございますけれども、私たち調査いたしましたところ、まずこの年次は非常に経済不況が激しかったということでございます。当初私たちが中小企業者のためにこの予算を組みましたときに、こういうふうな団地をつくりたい、こういうふうな商店街改善をしたいというふうな希望がございまして、それによりまして実は全部用途別のこの計画がございます。たとえば工場団地は八十二件予算に計上し、商業団地は十七件予算に計上した。ところが経済不況のために業界側の投資意欲が非常に減退をいたしました。で、計画の縮小が続出し、さらに経営悪化によりまして計画の繰り延べが出てまいりましたのが一つでございます。第二は、この高度化資金特別会計は、御承知のように政府の助成比率が四分の一でございまして、これに対しまして県が四分の一を貸しまして、総事業量に対しまして半額の助成が行なわれるわけでございますけれども、このような不況時期におきまして、また現在の中小企業者の底力と申しますか、半額程度の助成では思い切った高度化への踏み切りができなかったということでなかったかと思うわけでございます。したがいまして、先ほど申し上げました工場団地八十二件のうち、実際にできましたのが六十二件、商業団地十七件のうち十四件しかできなかった、こういうことでございます。
○華山委員 社会党は、二分の一の補助ではとても中小企業が高度化するというふうな事業をすることができないだろうということは、その当時から指摘していた。ごらんのとおりの結果になってきた。あなたのいま言われるとおりなんです。そしてそれを反省されて、このたびから別の組織に改められたわけでございますけれども、大体、二分の一といっても、ほんとうは二分の一いっていないのではないか。出し方についていろいろな制限がある。それだけでは間に合うものではない。したがって、中小企業者は資本を持ちませんから、他から融資をしなければいけない。その際に中小企業者として多額な融資ができない。そういうことの結果、こういうことになったのではないか。不況については、もちろん私も一応了解はできますけれども、そういう点があるのではないかと思う。したがって、中小企業対策にはただ予算をつければいいんだ、ことしはこれだけの予算をつけました、そういうことでは対策にならぬということなんです。この決算が明白に示している。そういうことについて大蔵省の主計官のほうにもお願いしておきますけれども、ただかっこうをつけて、これで中小企業対策がなったのだというふうなものの考え方はやめてもらいたい。そんな予算ならないほうがいい。やはりほんとうにそれが中小企業対策として役に立つものでなければならないと私は思う。その点につきまして、これは予算の査定の過程もあると思いますけれども、おそらく、私存じませんけれども、これは二分の一で出したのじゃないんじゃないか。私間違えていれば別ですけれども、それは大蔵省との査定の間において、二分の一ぐらいでいいじゃないかというふうなことで二分の一になったのじゃないのだろうかというふうなことも、私知りませんけれども、推察される。二分の一だったならばとてもできないのだということであるならば、全然やめからいいのだ。あるいは、うんとそれでもやるという人は少ないからといって予算額を少なくするのなら、そういうような過程があってしかるべきじゃないか。中小企業振興のためにこれだけの予算をつけましたというふうなことをよく大臣等が言われますけれども、実績はこのとおりなんです。その点は、これは政府に対して批判の材料にもなるわけでありますけれども、そういう点は、主計官も中小企業庁も十分に——中小企業庁と中小企業者とは、金がないのをどうして出すかということなんですから、その点気をつけていただきたいと私は思います。何か私の申し上げたことについて御意見でもございましたら伺っておきます。
○乙竹説明員 先生御指摘のとおり、名目は、国と府県を足しまして半額の補助でございますけれども、実際は予算単価の査定等がございまして、先生御指摘のような事例がなきにしもあらず下あったようであります。このようなことでは、御指摘のように中小企業者の高度化を急速に行なうことが困難であるという反省に立ちまして、中人企業振興事業団の設立をお願い申し上げ、本年から発足したわけでございますが、この事業団におきましては、国と県の両方の足した助成率は六五%に上がっております。 それからもう一つの、いま申し上げました、また先生御指摘の、事実上の単価査定というようなことで助成比率が下がるという問題を深く反省いたしまして、これはもう実額で助成をいたすというふうに改善をいたしました。
○華山委員 不用額の問題につきましては、他にも気のつく点がありますけれども、時間もありませんのでこの二つだけにとどめておきます。 次に、会計検査院が不当事項として御指摘になったことについて、一、二気のついた点をお伺いいたしたいと思います。 私は、この前に、農林関係で、農業構造改善事業についての不当事項の会計検査院の指摘、これは繰り返して申し上げますけれども、農業構造改善事業で目的どおりに使われていってもそれが効果を出しておらないというふうなことが指摘されておる。農業構造改善事業で豚小屋をつくる計画を立てた。ところが、豚小屋がただ建っているだけで、中に豚が飼っていないとか、そういうことがいわれている。だけれども、豚を飼わないほうがあたりまえなんであって、それが不当事項だからその豚小屋の資金を返せなんということは、私はおかしいと思うのです。そういうふうなことが、この高度化資金につきましても、私は会計検査院の報告の中に気づく点がございますので、これは会計検査院のほうからも御答弁を願いたいと思うわけです。 それを具体的のことで申し上げますが、福島県の木材工場につきまして、集団的な工場をつくるのに、砂利道について、砂利を買ったのが不当だと、こういっている。これはどういうわけで不当なんですか。ひとつこれは会計検査院のほうから御答弁を願いたい。
○鈴木会計検査院説明員 ただいまの御質問でございますが、私ども高度化資金の検査をいたしましたが、通産省でおきめになりました、全国的にきめられております基準によりまして検査をいたしております。その中に、土地造成費の中には道路造成は含まない、こういうふうになっております。なお、道路として貸し付けの対象といたします場合は、舗装道路、コンクリートあるいはアスファルトでございますけれども、そういう舗装道路とするものに限るというふうにきめられておりますので、私どもといたしましては、この基準に従いまして、全国的な標準もございますので、それによりましてこれを指摘したわけでございます。
○華山委員 昭和四十年の六月二十二日に一つの基準が通産省から示されて、その中に、道路造成費として中小企業協同組合が造成する道路については、一平方メートル二千円以下、造成面積が団地面積の百分の十一以下、こういうふうに書いてあるのですね。何も舗装だなんということは書いてない。そしてこれが八月四日に内示をされている。その計画に従ってやったに違いない。ところが昭和四十年の九月に、いまおっしゃったように、コンクリート舗装でなければいけないというふうなことに改められた。内示をしたよりもあとで改めているわけです。それで検査をなすったのが昭和四十一年の八月、そういうふうなことを見ますと、この業者というものには何の罪もないんじゃないか。内示されたとおりにやっている。四十年の八月に内示されて、九月に内示が改まったとするならば、しかしその際に、改まったからそれはやめなさい、やめろとは言えないでしょう。そういう点につきまして、これは、この時間的な経緯というものを会計検査院は十分お認めの上におやりになった指摘でございますか。
○鈴木会計検査院説明員 先生のいまのお話でございますけれども、四十年の八月にあらためて基準が変わりましたとおっしゃいますのは、私おそらく聞き違えでございませんでしたら、従来は道路は入っていなかった、ところが今度道路を、道路造成として貸し付けの対象にするということになったのではないか。したがいまして、その時間的なずれと申しますか、私どものほうで検査いたしました時点におきましては、先ほど申し上げましたことでよかったのではないかと思っております。
○華山委員 ただ、ここで議論をするのもどうかと思いますけれども、この業者が内示を受けた当時はよかったのです。したがって、これを不当事項としてあげるということについては、私は相当問題があるので、特にこの点につきまして私は希望するのでございますけれども、不当事項ということにあげられますと、会計検査院は非常な権威を持ちますので、——当然持たなければいけないのでございますけれども、この業者から金を返させる、こういうことをやるのでございますけれども、私はこの点につきまして、この不当事項ということは、不当事項でない何らかの形で留意を求めるべきじゃないかと思う。業者の内示の中には、そういうことはなかったのですから。そして返させるということにしましても、通産省やそれから府県におきましては、業者に対する相当な損害を与えない面において指導をしていただきたい。こういう点をお願いいたしますが、この点につきまして、この金の引き揚げにつきましてどうでしょうか、何か指導なすっていらっしゃいますか、通産省に伺いたい。
○乙竹説明員 私たちのほうで調べましたところによりますと、本件は、非常に業者のほうが気の毒な事情であったと思います。 まず第一に、砂利の申請があったわけでございますけれども、その砂利は、土地を造成するための砂利と道路をつくりますための砂利と両方が一緒になりまして、土地造成費として国に貸し付け申請がございました。ところが当時の制度といたしましては、道路造成用の費用として申請があればよかったわけでございますけれども、福島県のほうでは、砂利のすべてが土地造成用の砂利であるというふうに解釈いたしまして、助成対象として国に申請をし貸し付けをいたした。ここに、いま考えれば悪意はなかったと思いますけれども、道路造成用の砂利と土地造成用の砂利と二つにはっきり分けるという指導を県または国においていたさせればよかった、しかしこの辺は業界も県も気がつかなかったということで、悪意はなくても非常に気の毒なことになったと思うわけであります。この辺につきましては、先生御指摘のように自後制度が変わりまして、その年の九月十日に通達が出ておりますけれども、その通達からは、道路造成用につきましては舗装工事をしなければならない、単なる砂利敷きではいけないというふうになったわけでございます。しかしそのときも、考えますならば、まず砂利を敷いておいて翌年舗装するというふうに指導をいたさせれば、これは不当事項として検査院からわれわれもしかられないで済んだ。業界もそれでよかったわけでありますけれども、その申請もなかったということでございまして、現在におきましては、これは完全舗装の道路であろうと砂利敷きだけの道路であろうと、両方とも助成対象にしておるわけでございますが、こういうふうに助成のやり方が変わって、その間私たちといたしましても、もう少し親切に指導をいたさせればよかったというふうに反省をいたしております。
○華山委員 これはたとえばの話ですけれども、もう一件伺います。 これはたまたま同じ県になりましたけれども、私は山形県ですから何の関係もありませんので、その点ひとつ御了承いただきたいと思いますが、福島県に漆器工場がある。その漆器工場ができてみたところ、共同施設には使われておらない。したがって目的に沿っておらないからということで指摘されておるわけでございます。これも私は、初めはそういう考え方がなかったのじゃないかと思うのです。県庁でも相当指導もしておりますし、相談にも乗っておりますから……。ところがいろいろな事情の変化のために、いざというときになるとできない場合が出てくる、そういうことの問題じゃないのか。私はこの問題についても実際を調べたわけではありませんけれども、このように推察されるわけであります。それでそういうふうなものにつきましては、金の返し方等につきまして特別な考慮がなければいけないと思うのでございます。 伺いますが、会津のあの辺になりますと、非常に高級なものは別ですけれども、高級なものだけでは成り立ちませんし、あそこの漆器工場の素地、生地というものは現在ではプラスチックス、ユリア系合成樹脂が使われておる。そのユリア系合成樹脂につきましてたまたま有毒ではないかというふうな問題が起きて、ユリア合成樹脂界が非常な衝撃を受けたことがある。その影響を受けてこのような結果になったのではあるまいかというふうにも私は思うのでございますけれども、その間の事情につきまして中小企業庁のほうでお調べにでもなっておりましたら御説明願いたい。
○乙竹説明員 いま御指摘の問題は、お話しのように福島県会津の漆器工場団地の問題であろうと思います。漆器の素地、生地でございますが、労働力もだんだん足らなくなりますので、生地を合成樹脂のユリアにかえようということとともに、いろいろな作業場なり倉庫なり、これも共同にやったほうが経済的であるということで団地計画が進んだわけでございます。いまお話のありましたように団地計画が進み、倉庫ができ、また共同作業場等もできた後におきましてユリア樹脂の毒性問題が起こって、したがって団地に入る予定の組合員はいずれも非常に多量の在庫をかかえて、団地に入ることができなくなった、こういうことのようでございます。そのままでは共同作業場なり共同倉庫なりが立ちぐされになるものでございますので、組合員の一人がこの共同作業場を、それでは自分が使いましょうということで活用したわけであります。経緯を考えますと非常に気の毒と申しますか、そうするより有効な手はなかったのじゃないかとも思いますけれども、ただしかし、高度化資金の助成対象は、申すまでもなく共同施設にきまっております。その辺は助成基準で非常に明定しておるものでございますので、やむを得ず、これは共同施設であるはずが個人使用になったということでございますから、助成の金を早く返してもらうということをせざるを得なかったわけでございます。一千五百万円ばかりの金を期限前に償還をさせることになったわけでございますが、その経緯におきましてやむを得ない点もありますし、また一時にこれを償還させますことは団地の壊滅にもなるものでございますので、分割償還を認めまして、そして一応五年でもって償還をしてもらうように措置をいたした次第でございます。
○華山委員 会計検査院の御指摘になったのも、形から見ますればいま中小企業庁のほうからおっしゃったとおりでございますから、それはそれなりにうなずけますけれども、やはり検査をなすったあとの処置、そういう面につきましては中小企業庁と、あるいは農林省等もございますが、会計検査院との間でよく協議をなすって、そして悪意のない、やむを得ざる経済上の波紋、そういうことでできたところのものについては、返し方なりあるいは今後の使い方なりについて考慮をした措置をしていただきたい、こういうことを私は会計検査院にもお願いしておきたいと思うのでございますけれども、会計検査院のほうでは不当事項として指摘して、それだけでいいということでもないと思いますので、その点についての考慮をいただきたいと思いますから、会計検査院のお考えを伺っておきたい。
○鈴木会計検査院説明員 私ども検査いたしまして取りまとめの段階に入りますまでに、検査に行きましたいろいろの事態につきまして書面なりあるいは口頭で打ち合わせも行ないますし、従来ともこの問題につきまして、中小企業の実態というふうなものからも十分に検討いたしまして、意見の交換もやっておるつもりでございますが、ただいま先生おっしゃいましたとおりでございまして、私どもも十分意思の疎通を欠かないで、同時に私どもといたしましては、通産省でおきめになったこの基準というものは、やはり全国的に各県に通達されておりますので、それに従いまして均衡を失しないように、そういう点も十分考慮いたしたいと思っております。
○華山委員 せっかくの制度がむだにならないようにひとつお願いいたしたいこういうふうに思います。 それできょう大臣でもおいでになったらお聞きしょうと思っていたのですけれども、おいでになりませんのでお伺いできませんが、今度のポンドの切り下げ、それから各国の公定歩合の引き上げ、相当の影響があろうかと思います。新聞で見ますと、通産省のものの考え方と金融界、そういう方面のものの考え方とには微妙な違いがあるようでございます。いまここで、専門の委員会でもございませんし、時間もございませんので省略いたしますけれども、一つ伺っておきたいことは、関税によって日本の輸出をとめていく保護関税主義的なことについてはいろいろ問題があると思うのです。私非常に気のつくことは、最近日本に洋服地であるとかウィスキーであるとか、くだもののいろんなカン詰めであるとか、そういうふうな日本で問に合うものを多くの人々が買う傾向が出てきているのじゃないか。それをとめるということは私は輸入を抑制する意味で大切なことだと思うのでございますけれども、そういうことについての運動、そういうことは通産省はなすっていらっしゃいますか。
○宮沢説明員 いま先生御指摘のような日本でできるようなものの輸入が最近相当ふえているようでございます。しかし日本のいろいろな条件を考えますと、できるだけやはり日本も輸出をしなければならない。そのためには相手国の輸入制限を撤廃させなければならない、こういうようなことで、できるだけ自由貿易を進めるということでいままで進めておりまして、ただいま御指摘になった洋服地にしましても、たとえば欧州諸国と日本との問の貿易協定などにおきましては、現在のところ非常に日本の品物に対する差別待遇をしている国がたくさんございまして、そういう国の差別待遇をやめさせるために日本もできるだけ自由化する、ついてはあなたのほうもやめてくださいということでだんだん進めてきましたいきさつもございまして、いまおっしゃいましたようなことは、日本の人々が日本の品物のいいことを自覚して、自主的に日本の品物を使ってもらうというようなことを考えざるを得ないので、輸入面でもってとめますと、また対抗的に日本の輸出品をとめられるということもございますので、そういう面でなしに、昔は国産奨励と申しましたけれども、最近は国産品のいいことを認識してもらって、そして輸入面で政府が直接的な制限をすることなしに、いまおっしゃいましたような事態が解消されることが望ましいというふうに基本的には考えております。
○華山委員 そういう認識をしてもらうということについて何か通産省やっておるのですか。
○乙竹説明員 実は中小企業、非常に関係が深いものでございますので、私から申し上げます。 基本的にはいま通商局長の申したようなことが政府、通産省の方針でございますが、と申しまして、日本人の外国品尊重といいますか、これは依然として非常に牢固たるものがございまして、国内に非常にいいものがあるにかかわらず、案外、外国製ということに幻惑されておる例も多いのじゃなかろうかということで、国産品が十分外国品に対抗できる、ないしはむしろそれ以上いいものだということを大いに訴えよう、啓蒙しようではないかということで国産品愛用運動というを通産省はやっております。各地の商工会議所等を動員いたしまして、所要の宣伝もいたしますし、また品質を具体的に調べてみまして、これはライターでも行なわれましたし、時計でも行なわれたのでございますけれども、日本の銘柄と輸入銘柄と品質を調べてみまして、これだけ日本のものが十分——むしろすぐれておるのだというふうなデータをつくって啓蒙しておる、こういうふうなことをやっております。
○華山委員 この点につきまして私は考えるのでございますけれども、たとえばウイスキーにしましても洋服地にしましても、使っているのは一体だれなんだ、金のある連中でしょう。実業人ですよ。洋服地なんというものは、一般の庶民の人は外国のものなんか買いはしない。しかもそれが交際費でまかなわれておるのじゃないか。洋服地等については皆さん方、私もそういうことはありませんけれども、お仕立て券つきロンドン製の洋服地を配ったり、ウイスキーだって自分で飲みやしませんよ。そしてそれが交際費等で、本ものかうそものか私は存じませんけれども、その辺のキャバレーとかああいうところで飲まれておる。お歳暮や何かには外国のウイスキーを配ったり、これは全部財界なんです。通産省は財界に一番顔がきくことでもあるし、私は、根本のことはその辺から直してもらわなければいけない。庶民が外国品を買うなどということはない。その点から、現在の日本の外貨収支の危機に対しましてそれがたいしたものではないにしても、そういう精神が私は必要じゃないのか、こう思うのです。時計にしてみたところが、私は日本製の時計を持っておりますけれども、何年も狂いませんよ。何で外国の時計をする必要があるのか。そういうことをするのは一般大衆じゃない。そういう点で、財界の人がとにかく自分のものは外国に売りたい、売りたいから外国のぜいたくなものを買わなければいかぬなどというものの考え方は私は間違えておると思う。何も私は関税を上げろとかそういうふうなことを今日の段階で言うつもりはございませんけれども、そういう金を持っておる連中の外国品崇拝からやめてもらいたい。そういうことについて、次官ひとつ大きくやっていただけませんか。
○宇野説明員 ただいまの国産愛用という問題に関しましては、先生が御指摘のとおりだとわれわれも考えております。ただ、それが行政上においてどのような措置がとれるかということは、先ほど通商局長が御説明いたしたとおりでございます。非常にむずかしゅうございまするが、特に財界を問わず、一般国民すべてに国産愛用の認識の培養をひとつ今後も進めていきたいと思います。 一つのエピソードを申し上げますと、われわれも財界の方にお願いし、また大臣も先般申されたのですが、特に貿易の自由化がなされた今日であり、また資本の自由化も推進しておる今日、やはり財界人が率先じて国産品を愛用するということが必要じゃないか。だから、社長さんはもう外車はやめなさい、国産車に乗りなさい、こういうような調子で常に申し上げておりますので、言われたことは非常に重大なことだと思いますから、通産省といたしましても、そういうような国民の態度というものに関しましては今後も十分な指導をしていきたいと考えております。
○華山委員 とにかく私は、イギリスの例を引くわけではございませんけれども、そして、ほんとうかどうかも十分に確めたわけじゃございませんけれども、よほど前の話でございますが、イギリスの外貨危機の際、イギリス人は自分の国のウイスキーを飲まなかった。そして、それを全部外国に向けるというふうなことをした。別に、そうだからといって国除上の問題が起きたわけじゃない。洋服にしましても、できるだけ洋服の新調はやめよう、そして、できたイギリスの洋服地は外国に出そう、こういうような意気込みでやったわけですね。今度もそうなのか私存じませんけれども、そういうふうな貿易上、行政上、あるいは法律上の問題はなくとも、日本人の気持ちの持ち方、そのことによってできると私は思うんです。私はとにかく、ぜいたくの規範を財界が国民に示すことだけはどうしてもやめていただきたい。財界のみならずとおっしゃたけれども、私は財界のことを言っている。その点を一つ申し上げまして、私の質問を終わります。
○鍛冶委員長 大臣がきょうおられないので、まことに遺憾とします。 イギリスのポンドが切り下げになって、財界ではたいへん問題になっておるのですが、大臣おられなくても、あなた方のほうでポンド切り下げについて、わが国の輸入及び輸出に相当影響があるのじゃないかと思うが、その点どう考えておられるか。影響があるとすれば、どの点にどういう影響があると思われるのか、これをお聞きしたい。 さらに、それならば、それに対して何か手当てをしなければならぬと思うが、手当てを考えておられるかどうか。この点をひとつきょうは、大事なことですから、大臣がおられぬでも、係の方から承りたいと思います。
○宇野説明員 今回の英国のポンド引き下げ及びそれに追随する一部諸国のレート引き下げ措置等によるわが国への影響は、貿易と資本取引の両面にわたって考えられると思うのであります。 まず輸出面でございまするが、直接的には英国等のレート切り下げ国への輸出が一部の商品については困難になるであろうということが予想されるわけであります。当然、輸出レート切り下げを決定いたしました国及び現在切り下げを検討中の国への輸出は、わが国の総輸出の約一五%程度を占めておりますので、これまた相当考慮に入れおく必要があろうと存ずるのであります。 また間接的には、第三国市場におけるレート切り下げ国との輸出競争が相当激化するのではなかろうか、こういうふうなことも考えておるのであります。またアメリカあるいはカナダ等が英国に追随いたしまして、金利の引き上げを行ないました。当然それらの国内の需要というものが減退いたしますから、わが国を取り巻くところの輸出環境というものはいま一そうきびしさを増すことであろう、こういうふうに考えられます。 その次は輸入面でございますが、輸入面においては、レート切り下げ国からの輸入について若干輸入数量が増加するということも考えられますが、輸入単価が低落いたしますから、輸入金額としてはかえって減少する可能性もある、こういうふうに考えられるわけであります。 第三番目は資本の収支面についてであります。先ほど申し上げましたとおり、米英等の金利の引き上げに伴いまして、短期、長期の資本取引の動向について特に注意する必要があろうかと思われます。特に短期資本の流出、このことはわが国にも相当な影響があるんじゃないかということが予想されるわけであります。 第四番目は、今回のレート引き下げを予想して、大手貿易商社では為替操作等の自衛対策に努力いたしておりましたので、為替損の発生は少ないと見られておりますが、そういうような為替操作によるメリットの少ない中小輸出専門商社の一部には損害を生ずるおそれがあるのではなかろうか、このことは今後十分検討していかなければならないと思うのであります。 いずれにいたしましても、今回の措置によってわが国の貿易収支が当面大きな影響を受けることは考えられませんが、これを契機として国際競争は激化する、このことは当然予測しなくちゃなりませんので、今後ますます官民協力して輸出振興に努力する必要があろうかと存じておる次第であります。 なおこの際、単に当面の問題にとどまらず、英国がこのような緊急措置をとらざるを得なくなったという理由も、通産省といたしましては十分検討する必要があると考えます。すなわち、英国とかわが国のように貿易に依存する国は、設備の近代化、大型化、技術開発、産業構造改善等根本的な国際競争力の培養を一日もゆるがせにできないのであって、これを怠りますと国際競争場裏において生き延びることが非常に困難になるということを痛感する次第でございますので、今回のポンド切り下げに関しましては、商品別、市場別にすみやかに、十二分に検討を進めまして、万全の措置を講じたい、こういうふうに考えておる次第であります。
○鍛冶委員長 吉田賢一君。
○吉田(賢)委員 ちょっと簡単に伺います。実は大臣に種々伺ってみたい問題はあったのですけれども、きょうは出席がありませんので、補足的な意味におきまして若干伺いたいと思います。 第一点は、次官に聞きます。当委員会におきましても国政——国の財政の運用と行政改革の問題は最も重要な関連があるのでして、しばしば取り上げてまいったのであります。そこで、過般、総理がアメリカへ出発前の今月の十日の閣議発言を端緒といたしまして、各省の一局削減問題が課題になりました。本日午前の閣議で、閣議としては決定を見たはずであります。あるいは、これは最終的には例の閣僚協議会に付すべき案件かと思いますけれども、この一局削減につきまして、通産省の考え方、また、大体問題になっておること、きょうの時点における案、それを一度御説明願いたいと思います。
○宇野説明員 一局削減問題に関しましては、本日の閣議におきまして、通産大臣より正式に通産省の考え方を報告をせられた次第であります。なおかつ、これに関しましては、総理よりも大臣に対しまして、事務当局の考えを聞くことなく、大臣の識見に基づいて決定してほしい、そういう特別の御下命がありましたので、今回の措置に関しましては、菅野通産大臣もそのようなお考え方で次のように決定されたということを御報告いたしておきたいと思います。すなわち鉱山保安局を整理し、鉱山保安部を設置する、これが本日通産大臣より閣議において報告された案でございます。
○吉田(賢)委員 局の削減という問題は、もとをただせば、一つは行政及び制度運用の簡素化、それから半面におきましては国の財政負担の合理的な軽減、こういうことに連なると思うのであります。したがいまして、そのあとの二点が結果的に得ないならば、名前を変えるにすぎません。そこでそういう行政の簡素化、制度運用の簡素化、それから財政負担の合理的な軽減あるいは適切な配分、こういうことの結果が国民の期待しているところなんです。ですから名前が変わって実が変わらぬ、実はほとんど変わりなしというのであっては、これは欺瞞になります。したがって、その点についてやはり総理の一言に国民は重大な関心を持って成り行きを注視しておりますので、真剣に各省大臣は、長官の立場で、一致した目標に協力していくべきでないか。もちろんことばは検討をせよとかしてくれとかいうふうに伝わっておりますけれども、要するにこれはまことに重大な発言でございます。この異例な発言に対して、いやいやながら賛成する、名前を変えて実は同じ、結果的には何をしているのだ、こういうことにならざることを国民は期待します。それほどやはり切実な重要な、真剣に取り組むべき案件であろうと思う。行政改革の一端としまして、局削減の問題は、国民は非常な関心を持っております。もちろん国会はこの角度においてこの問題と取り組むべきだと思っておりますが、こういう考え方はどうなんでしょう。宇野説明員 総理の一局削減問題に関する思想も、いま先生が御指摘されたところにあったと思います。またわれわれといたしましても、当然行政の簡素化並びに財政の軽減化、この両面のメリットを生み出すように心がけなければならない、こういうように考えておる次第であります。今回の通産省における一局削減に関しましては、先ほど申し上げましたとおり、大臣の個人の御意思をもってなされましたので、そのことにつきましてはわれわれがとやかく申し上げる立場じゃございませんが、一応総理の伝えられました意向というものは十二分に大臣は尊重してやられたことである、こういうように私は考えております。
○吉田(賢)委員 ちょっとはっきりしません。行政改革はすでに池田内閣の末期に提案をせられた。古くは戦後吉田総理が三回にわたって行政改革を試みたが、十分な成果を得られていない。これにはやはり官庁の内部が十分な理解を持たず、協力をしないということが指摘されているのです。これはやはり国のためにもしくはよりよい行政を行なうために、よりよいお互いの良心的な仕事をするためにはほんとうにどう取り組むか、私は大胆に、真剣に取り組んだらいいと思うのです。だからいまの場合、大臣の個人の意思を聞くのじゃないのです。大臣個人のといいましても、大臣が省全体の意向あるいは考え方を無視して個人の意向があるはずはございません。ですから、やはり末端の部局課係のそれぞれの平素血みどろに仕事をしている人のその辺は、率直にだんだんと集約して吸い上げて、そして大臣は高い視野に立ってこれに判断を加える、これが私は大臣の意見であるべきだと思う。だから、菅野大臣個人の意見は国会は求めません。かかる意味におきまして、この問題の焦点はやはり省として真剣に前向きに取り組もうというようなお気持ちであるのかどうか。それならばやはり可能な範囲で簡素化する。しかしそれはできないならできないでもいいのですよ。なぜならば、いま行政需要は無限です。何ぼでも仕事はあります。国会と同じことです。すれば何ぼでもあるのです。その際ですから、単に形式的に減らすとかいうことを私ども望みません。 それがノーならばノーで、ノーの理由を明白にいたしまして議論は尽くしたいと思うのです。ここに私は問題の扱い方があると思うのです。それでお考え方を聞くわけです。省全体として積極的に前向きの姿勢で取り組む、そういう態勢であるのかどうか。いやいや、何かしらん局を部に変えるとか、あるいは部に変えても実は同じだとか、変えなければはたと調子が合わぬからというような消極的態度がであっては、私は今後のこと思いやられるのです。それで伺うのです。
○宇野説明員 先ほど来お答えいたしましたとおり、結論は大臣個人が御決定なさいました。しかしその過程におきましては、当然役所は役所なりの考え方がございます。率直でございますが、具体的に申し上げますと、たとえば石炭局を廃止する、そういう案もございました。あるいは、石炭と石油が今日非常に重要な関係にございますから、鉱山局に統合するという案もございました。あるいはまた、石炭局と鉱山保安局、これを併合してはどうか。いろいろな案がございましたが、やはりわれわれといたしましては、総理が発言されました以上は、そのような実効をあげるべく、最善の努力をしたものでございます。今後もそのような努力を払っていかなければならないと考えております。そういうような意味合いにおきまして、大臣が、先ほど御報告したとおりの案を出されたということでございます。
○吉田(賢)委員 官房長あるいは会計課長に伺ってみるのですが、通産省の予算は、いうならば通産行政を執行する上において必要な血ですから、非常に重要な生命だと思います。いま、通産政策、行政、通産省の置かれておる立場は、他の省に劣らない最も重要な案件をかかえていると私は思うのですが、一方また、大蔵省が指摘しました現状、日本の財政硬直化状況、これに対処せねばならぬような状態にあるようであります。一方また、国民は行政改革を要望しておる。こういう立場にありまして、通産行政をどう行なうかという上におきまして、予算の面から相当新機軸をくふう、検討するというようなことが必要ではないであろうか。私はしろうとですから、多く言う材料はございませんけれども、しかし、たとえばあらゆる事物、情勢の判断に最近電子計算機なども用いられておるようであります。相当高度な発達と運用の状況であるらしい。こういうことから見ましても、やはり通産省はそういうことにかなり高い技術、見識等があるべきだと思う。しかし、いまずばと電子計算機をすぐに問題にするというのではなしに、そういう時代ですから、技術革新の時代でもあるし、科学の進歩がすばらしい時代でもあるし、そういうときですから、この財政硬直化の現状、行政改革の国民の要望なり通産行政はきわめて重大な問題をたくさんかかえている、こういうときに、予算の編成、予算の執行という面において、相当真剣な取り組み方で、改善くふうの検討の方面は見つけなかったかどうか、これも聞いてみたいのだが、これも事務的な面からひとつ伺ってみて、どなたからか適当に補足もしていただきたい、こう思うのですが、どうでございましょう。
○大慈彌説明員 先生御指摘いただきました通産政策のいま置かれている立場、それから予算の重要性、これもほんとうに御趣旨のとりでございます。ちょうどいま私たちが置かれている立場は、資本取引の自由化、それから発展途上の国の工業化が非常に進んでまいりまして、わが国産業に対する追い上げ、こういう問題があります。国内的には労働力の不足というようなことで、産業の問題は、産業構造なりは根本的に体質の改善をしなければならない、こういう状況にございます。そういう観点から来年度予算の要求も編成をしておりますが、現在の予算の執行につきましても、そういう観点から有効な使い方ということをしなければならないと思います。実際上は、予算の制度とか、いろいろございますが、構造改善、それから技術開発力の強化、貿易の振興と、いろいろ問題をかかえておりますので、予算は、そういう意味で有効な意義を持つ、そういう働きをするように使わなければならないと思います。 先ほどの電子計算機による技術革新の時代という御指摘でございましたが、これも全くお説のとおりでございます。いかにして役所の機構にこういう新しい科学的な管理技術ないし計算機等を採用していくかということは、これからの大きな課題であろうかと思います。すでに私のほうも、特許庁におきましてこういう新しい事務機構というのを採用しておりますが、今後役所のいろいろな情報といいますかデータの整理等にも、こういう方向で勉強してまいらなければならないと思います。 なお、一つ付言さしていただきますと、行政の簡素化なりでございますが、四十二年度には、役所直接ではございませんが、特殊法人が二カ所スタートいたしましたが、四十三年度は、現在の状況にかんがみまして、特殊法人の要求はいたしておりません。それから人員等につきましては、従来から一般行政の定員を極力査定をしまして、特許庁、それから工業技術院の各試験所というほうに移管をしております。そういうことで、中ではできるだけそういうふうな定員の移管等で緊急な部面をまかなうという方針でやっております。
○吉田(賢)委員 予算の作成の問題につきまして、制度のことを伺います。 しばしば大蔵大臣にもお尋ねもし、佐藤総理にも申したのですが、事業別予算制度を採用するということは、この機会に、日本として最も重要な財政制度のあり方でないかと思うのです。まあしろうとで、あなた方専門家のおられるところで失礼ですけれども、もっと合理性を予算制度に与える——言うならば、大福帳の使いっぱなしがいまの制度でございます。何のために使うか、どんな効率が一体あったのか、どのような実績があったのかということでなしに、だれが使うかということが主でございますから、したがいまして、こういうようなやり方を繰り返しておりましては、これは一つは財政膨張の重要な原因になることは申すまでもありません。そこで、 アメリカ、国連、フィリピンなどですでに採用いたしておりまする事業別予算制度、相当古い歴史もあるようでございますが、これをすみやかに可能な範囲において採用するということは、わが国で、いまこそ決意を持ってやらねばならぬときです。 そこで、大蔵大臣もすでに調査官をアメリカに派遣して、向こうの実地を調べて財政制度審議会にかけるということをここで言うたのです。 本年まだかけておらぬらしい、あるいはかけたかもしれない。しかしいずれにしましても財政硬直化の打開が緊急重大な課題になっておる現在、予算編成の基本方針というものは大きく取り上げられなければならない。その取り上げる場は、私は特に通産省に求めたい。通産省のごとき、このような通産行政の重要な責任のあるところが率先してこうしてはどうか、もっと企業性といいますか、合理性を、もっと財政の投資に対する効果を考慮するようなことを考えてはどうかということ、そういう真剣な縦の取引を大蔵省とやらねばいかぬ、私はこう思うのです、次官。やはりこれは大蔵省に金を下さいというけちないままでのような予算の要求、取引的な査定を求めるというようなへっぴり腰ではなしに、やはり一国の財政を、半面実施面を担当しておる通産省でございますから、どうしてもこのごとき相当果敢な態度をもって臨む時期だと私は思うのだ。そこで何かそういうことをひとつ事務的にでも検討なさって、そしてしかるべく首脳部に同意をさせて閣議にもかけというふうに持っていくには、通産省が打ってつけの省だと私は考えるのです。ですからさっきのように電子計算機、技術革新の例もあげたのですが、予算作成という面において、同時に予算執行というその過程において、したがってまた同時に一転して四十年度決算というものを通じてどのように反省するか、一体何を参考にするか、何を検討するか、何が重要な材料であったかということを、さらに四十三年度の予算にこれを織り込んでいくというところまで発展せしめなければならない、こういう一連の関係を見ますと、どうしてもやはり予算制度というものに手をつけることが、実施官庁といたしましては、私は通産省及び建設省が最も適当な省であろうと実は考えておるのであります。この点について何か通産事務行政的な問題でないかもしれませんけれども、しかし積み上げていって、積算して予算ができるのですから、また使うのはあなた方ですから、使ったあとを直接見るのはあなた方なんですから、どうしても事業別予算制度の採用を通産省が率先してやるということをなさってしかるべきではないかと思う。事務的にでもよろしいからこれについての何か御意見、お考えはどうです。
○大慈彌説明員 予算の要求及び使用の効率化という問題でございますが、現在予算の要求は従来どおりの方式というようなことで、御指摘のようなことでやっております。四十三年度につきましては前年度に比較いたしまして二五%増というワクがきめられておりまして、このワクの中ではどこに使うのが一番有効かというのは相当真剣に議論をしたつもりでございます。これは従来のように幾ら要求してもいい、あるいは対前年増のワクが非常に多いということになりますとあまり突っ込んだ議論も必要ないわけでございますが、こういうふうなワクがあるために、極力必要最小限度のものにしぼるということで実際は要求をいたしております。 それから使用後のことでございますが、従来の予算あるいはもう少し大きく広げまして従来の政策がほんとうに効果をあげているかということは、絶えず事後の検討が必要であろうかと思います。 そういうことで最近特に問題になっておりまして検討いたしておりますのが中小企業対策でございますが、これは私のほうの予算からいいまして非常に比率が多いわけでございます。もともと通産省の予算といいますのは、一般会計では一千億程度のものでございまして、そう大きなワクではございませんが、その中で中小企業予算の占める比率は大きいわけでございます。それがほんとうに中小企業のために効果をあげたかどうかということをこの際もう一度反省してみようではないか。非常にたくさん中小企業の対策というのはとられておりますが、そのおのおのにつきましてもう一度見直しをやってはどうかという勉強をしております。ただし先生の御指摘いただきました事業部的な運用のしかたということにつきましては、申しわけございませんが不勉強でございまして、いまの予算制度とどういうふうにからめていくか、いずれにしましても、できるだけ予算の獲得なり使用というのが、融通性のある、流動的なことでやりたいという気持ちは私個人としてはありますが、制度的な問題はたいへんむずかしい問題でもございますし、あまり知識がございませんが、なお勉強させていただきたいと思います。
○吉田(賢)委員 これはわれわれがたとえば決算を調べようとしまして、大蔵省から出しました決算書を見ましても、全部見ぬとわからぬのです。わかりません。大蔵省から毎年出すこれくらいの決算書では、これは要するに何に使った、何に使った、何に使ったということになりますが、しかしどこが使ったかということはわからぬ。どこが使ったかということはこんな本に書いてあります。どこが使ったかということはわかるけれども、内容はよくわからぬ、去年の実績はどうか、おととしの実績はどうか、おととしの予定はどうか、予算はどうかというのをひっくるめまして一覧表ができておるが、これはわからぬ、こういうことになっておりますので、容易じゃないのですね。だから国会におきましても、予算執行についての正確な情報がないのです。ほんとうを申しましたら、部分的なんです。ずばっと一覧表でわかるようになっておらぬのです。どれだけ不便を感ずるかわかりません。これはしばしば言うておりますけれども、長い間の習慣があります。この習慣を打破せねばだめです。いま西独の新首相もドイッにおけるいろいろな悪習慣ということまで、少し露骨なことばも使っております。財政的な悪い習慣というものを改めるということは容易じゃありません。それはよくわかりますけれども、いま日本はそれをやらなければならぬときです。いまやらなかったら問題は次から次へ悪循環していきます。だからいろいろな問題を取り上げましても、私はやはり去年の計画とその実績と、ことしの計画と求めるべき実績ということを、予算と執行と決算を通しましてずばっと一ぺんにつかみ得るようなことにしなさらぬと、国会も不便ならば、あなたらにおきましても部分的にしかおつかみはできますまい。大蔵省が予算編成権を握っておるわけであります。それは、事務的なことはどうかわかりません。予算というものは内閣です。内閣というのはあなたの大臣も閣僚の一人ですよ。しかし総理大臣ですよ。総理大臣というものは予算編成の方針は演説をしますけれども、実際は大蔵省が予算をきめちゃって、大体の編成の方針がきまりましたら、それが文章化したものが総理大臣の来年度の予算編成方針になってあらわれてくる。逆です。イニシアチブは全部大蔵省が握っておるということになりますので、いままでの実績から見ますと、それは相当反省をする必要があるのではないかというのがわれわれの痛感するところなんです。その反省、対策の一つといたしまして、事業別予算制度を進んででき得る限り実施していただいて、全部実施するということは不可能です。外交の成績を事業別で計算することは不可能であります。裁判の成績を事業別化することも不可能でしょう。したがいまして、そういう不可能な面もあるが、可能な面がずいぶん多いです。だから通産省におきましても、ひとつ事務的に十分御検討あってしかるべきでないか。幾らでも財政需要はふえていきますよ。幾らでも中小企業について——先ほども華山君の御質問にありましたように、半分くらい中小企業を国庫負担せよというような意見も出るのです。幾らでも財政需要がふえます。財政需要がふえますけれども、どのような成果をあげるか、あげる予定はどうであったか、結果はどうだっただろうということはわかるようにしておきませんと、言うならば企業的合理性を予算に盛り込んでいきませんと、これは解決しません。幾らでも膨張しましたら、それは財政インフレになってしまいます。財政インフレになりましたら悪循環です。どんなに議論いたしましても、それは群盲象を何とかになってしまいます。解決の対案が出ません。これは理屈を申し上げましてえらい失礼でしたけれども、申し上げておきます。どうぞひとつ事務的に今後すみやかに御検討になって、でき得べくんばそういう方向にどんどん進めるように御希望申し上げておきます。 最後に、中小企業庁の長官がおられますので、少し中小企業問題につきまして伺っておきたい、こう思うのであります。 この中小企業の問題は、いま官房長もおっしゃったとおり、通産行政の相当大きなウェートを占めた諸問題をかかえていると思います。一体中小企業振興とか、高度化というのは何だろう、何が重点だろう。率直に言いまして何が一体高度化になるのか、何が一体近代化なのか、何が一体振興なのか、一体何かということをずばっと一言で言うとどうなるのですか。
○乙竹説明員 非常にむずかしい御質問でございますが、結果といたしまして、中小企業に従事する労働者と中小企業に従う経営者とが大企業並みの賃金、大企業並みの収益、大企業並みの蓄積をなし得るようなかっこうで国民経済が順調に発展していくということになれば、それが目的であろうと思います。
○吉田(賢)委員 あるいは大前提かもわかりません。しかし、私は行政の実施官庁としての振興、高度化、近代化の具体性を持った柱は何かということになりますと、ちょっとそこは少し雲の上にあがったような感じがいたします。大企業と同じと言いましても、日本の経済が二重構造であることは、これはもうわかりきったことであります。いま大企業と同じといっても、同じになり得る道程はずいぶんとまだ困難な道があろうかと存じます。したがいまして、それは大前提であろうかもわからぬが、きょうの実施官庁としての通産省の中小企業庁の長官のお立場からすると、もっと具体性を持った重点、ねらいの急所は一体何だろう、第一の大きなバックボーンは何だろう、こういったとらえ方は一体不可能なのかどうか、こういったとらえ方はどうですか。
○乙竹説明員 現在、中小企業行政のバックボーンと申しますか、最大の眼目にすべきねらいと申しますか、中小企業を取り巻く環境と申しますか、経済の前提条件と申しますか、これが変わってきたということであります。この変わってきた前提条件をどういうふうに乗り越えて中小企業は進んでいくかということであろうと思います。その第一は、労働力の不足と労賃の高騰であります。御承知のように、従来数年間をとりましても、七、八年で約倍に賃金がなっております。今後も相当賃金は上がっていく、この賃金の上昇を消化して、しかも中小企業が収益を上げていくのにはどうしたらいいかということがまず第一に大きな問題であろうと思います。それから第二は、国内の問題から申し上げますが、第二は国内の消費の状況が変わってきております。従来の中小企業のマーケットと申しますか、中小企業分野——当然中小企業製品の分野であった家庭用品等もどんどん大企業が入り込んできております。中小企業がその消費のパターンの変化と申しますか、これに対してどういうふうに対応していくか、これと非常に関連があるわけでございますけれども、従来の比較的少量生産、比較的少量消費、これを前提にいたします流通が中小企業者によって分担されておったわけでございますけれども、大量生産になり、大量消費になる。当然その間の流通が変わってくるということ。しかし、ときによりまするとさらに所得が増大するに従いまして、趣味的、文化的な商品がふえてくるわけでありますし、そういう面からの中小企業の流通分野に占めるべき地位が新たに出てくるかと存ずるのでございますが、この問題をどういうふうに考えていくかというのが国内問題の大きな第二であろうと思います。 それから第三は、海外からの影響でございまして、かって日本が先進国を追い上げましたように、発展途上国が豊富低廉な労働力で日本の中小企業を脅かしております。これをどういうふうにしのいでいくかということが大きな問題。さらに資本の自由化問題にどう対処していくか、この辺が私たち行政をやります場合に一番大事な問題として、問題意識として考えておりまするが、これに対します対策といたしましては、これは業種別によって違うと思います。しかしいずれにいたしましても、従来のような単なる経営内の合理化を進めるだけでは不十分であるというふうに考えます。いわゆる構造問題としてこれらの問題をとらえ、構造問題として対処していくという必要がおると思います。したがいまして、まず第一にどういうふうにしてこの労働集約産業から資本集約産業へ脱皮をしていくかというふうな方法、それがためには当然規模の拡大が必要でございまするから、協業化、共同化の問題を進めてまいらなければならないというふうに思います。 それからさらに中小企業に即した商品を開発して先進国並みの商品を開発していくということのために、技術開発が非常に大事であるというふうに考えます。 以上のようなところが現在のところ一番大事か問題であり、大事な考え方であろうというふうに思います。
○吉田(賢)委員 二、三枝葉の問題になるかわかりませんけれども伺ってみたい。 私ども、中小企業に対する政府の施策、あるいは行政の実施ないしは企業者自身のこれに対処するかまえ、こういったものは日本におきましてはやはりきめのこまかい手を打たざるを得ないと思います。これはちょうど日本の農家に対する農業政策と似た面が多いと思います。これは中小企業の工場にしても、あるいは商業にいたしましてもサービス業にいたしましても同様でございまするので、したがいましてこれらのきめのこまかい施策が必要であるという観点は絶対に失ってはいかぬ、こう思っております。 私はこういうような辺もこういう角度から一、二観察してみたいのでございます。たとえば労務対策につきまして、雇用対策につきましても勉強家の乙竹長官のいまの説明を聞きましたが、中高年齢層、特に婦人の中高年齢などを含めてこの雇用はいま供給過剰であることは申すまでもございませんが、若年労働は一方枯渇しております。中小企業は労務倒産というものも真剣に考える段階でございます。したがっていかにして中高年齢層の男女を中小企業に活用するかというようなこと、これは真剣に取り組まなければいかぬ。これはひとり通産省と労働省だけではなしに、内閣全体の施策として、また人口問題にもつながっていくことでございまするので、内閣全体の立場から取り組むべき案件であろう、こう思うのであります。もっと中高年齢層に対しまして積極的に手を差し延べるというのは、この間、労働大臣がどこかで発言したとか、閣議で発言したとか、新聞にちょっと出たことを私は注目したのですが、一つの傾向としてこれは当然ですが、官公庁とか公社公団は率先して、たとえば婦人を雇用するということの道をもっと大胆に開くということ、それから民間の企業に対しましても行政指導を積極的にやるべきこと、ことに一つの具体的方法といたしましては、私は技術ないし一般の労務訓練あるいはまた労務管理の訓練、こういうものをもっと積極的に、これは国の施策としてやるべきではないか。こういう面をおろそかにいたしましたら、どんなに太鼓をたたきましても、中小企業は振興も近代化もこれはありません。それほどの立場にあるのがいまの中小企業の実情であることはいまさら申すまでもございません。特に私はそういう面が重要で、そのような方法がすみやかにとられねばならぬと思うのですが、それは一体おとりになるのかどうか、またどうすればいいのだろうということについて、ひとつ御意見を聞いておきたいと思います。
○乙竹説明員 お答え申し上げます。 私も最近までやっておりました繊維の職場におきまして、現実の問題として労働力の不足が特に中学卒の部分に強く出ておる、その中でも繊維業におきましては女子の中学卒が非常に欠乏しておるということでありまして、業界としてはまず女子の中卒者を獲得いたしますために、一人十万円以上の募集費を払っておるという状態であることを聞いておるわけでございますが、問題は、いま御指摘のように女子の中卒だけにこれをたよっておりましてはどうにもならぬ段階でありまして、それ以外の労働力に当然着目をせざるを得ないと思います。実は業界におきましてもすでに繊維の業界で、たとえば秩父の織布産地、これを私たち見に行ったのでございますが、ここの秩父の絹合繊機はいま全部家庭婦人でありまして、平均年齢三十五歳以上になっております。それで十分やっておるというふうなことでございますので、実は役所で手を打つよりも早く業界側でいろいろ苦心をされておるようであります。ただそれがためには中高年齢層をすぐ労働力化できるかと申しますと、いま先生御指摘のような、非常にきめのこまかな対策が要るようでありまして、実は業界からも要望されており、労働省、厚生省にも要請をしようと思っておるのでありますけれども、たとえば託児所の設置とか、それから巡回バスに対する助成とか、このような措置が行なわれれば非常に労働力化することが可能であるというふうな御意見もいただいておるわけであります。 私たちのほうで調査いたしたところによりますると、最近の調査でございまするが、労働力の不足対策として業界でいろいろ考えておられますけれども、その中で一番大きなのが設備近代化によって労働力不足をしのいでいこうということでございますが、第二が中高年齢層の採用ということでございまして、製造業におきましては調査対象の二割以上をこれが占めておるということでございます。私たちといたしましては、労働省と毎月定期的に隔意なき懇談の場を持っておるわけでございまするけれども、労働省と密接にタイアップいたしまして、いま御指摘のような、比較的まだゆとりのある部門への対策をとってまいりたいというふうに考えております。
○吉田(賢)委員 この点は、中高年齢層は男女含めまして過剰でありまするので、もっと真剣に積極的に取り組まなければ、これはますます悪い面が生まれやしないだろうか。たとえば若年労働が少ないために、中学校卒業の少年に対して二万七、八千円も出しますということを言って、そして引き入れようという工場があらわれてくる。それが一つの相場になる。それよりも安くては行きませんということになってくる。そういうことになりましたら、正当な労働評価というにあらずして、そのような労働枯渇が生んだ一つの産業への新しい脅威になるんではないであろうか、こういうことも考えます。適正に、正当な報酬を出すべきであって、そして給与水準ももっと充実、上昇せしむべきだということは原則論としてはもっともですけれども、こういうことさえあらわれてまいります。一たん新聞にそれが出ますると、何か地方の相場をつくる、土地の価格みたいになっちゃう、そんなような投機的な気持ちが起こりましたら、これはたいへんであります。労務倒産するよりもそのほうがましですと、こういうような工場主があらわれるおそれがあります。でありまするから、私は中高年齢層の男女を含めまして、雇用対策というものをもっと積極的に全国策といたしまして、労働、厚生はもちろん、自治省とも地方公共団体ともあらゆる角度から提携をなさって進めていくということが必要ではないか。もう若年の労働力のピークは済んでおりますから、だんだんと老人漸増の傾向であることはいまさら申し上げるまでもございません。要らぬところへ優秀な若手の男女を持っていくような、そんなむだなことをよしちゃって、でき得べくんばつまらぬサービスに殺到するような風潮を早くなくしてもらいたい。これには社会の力も必要です。国民の協力も必要です。けれども、政府は政府なりの可能な範囲で、ひとつあらゆる施策を積極的に立ててもらいたい。 時間がありませんので、まだいろいろ聞きたいのですけれども、それでおきます。 最後に、検査院の局長にちょっと聞いておきたいのですが、検査院全体の問題で、ほかの局長にも申し上げたことがあるんですが、検査院の結論として、不当は出す、通産省不用がこれだけ出ておるとずばっと出る、これもよろしいが、たとえば一千万円の予算を組んだ。そしてコンクリートその他を使ってある仕事をした。そのときに経費を節約して、そして合理的にこれを運用して、できるだけ安く買って九百万円で同価値の結果を得たというときは、これはもう形の上では不用になるわけですね。不用であって、別にほうびをやりなさいと私は言わないけれども、いずれにしてもそういう事績がある限りは、これを参考にしまして次の予算執行によい資料にすべきではないか、このぐらいの配慮をもって見る半面が検査院にあってしかるべきだ。検査院は何かGメンのような感じだけではとてもいまの時勢に間尺に合わぬと思う。そうじゃなしに、よい面は伸ばしていく、悪い面はそうでない。検査院法を見ましても、どうも窮屈な法律ですから、悪い面に対する指摘は、三十六条なんかに改善意見が出ておりますけれども、よい面について何か積極的に意見を内閣に言うというようなことは、何も書いてなさそうです。しかし行政の問題の財政執行の面を検査なさるのは一般的な権限でありますから、何かこれは改善されておれば改善されたことを、つまり言わずして改善した、あるいはまたくふうした、検討した、進歩したというようなことがあって、予算執行がきわめて効率的に行なわれておる、適切な予算執行であるということであれば、そういうことを進んで実施官庁との間に一つの話題、議題にしまして、日本の予算の執行が適切に効果的に行なわれるように持っていかれるようにするのも、検査院のとるべき一つの仕事でないか。ただ不当だ、違法だというようなことばかりやいやい言うておるだけでは、いつも私は言うのです、交通警察が交通で違反者をあげるのと同じようになってくる、検察庁があげるのと同じようになってくる。もっと高い視野で、国策に協力する、国策に協力するのは、悪い面のほかによい面があるから、よい面は伸ばしていくということに検査院は活動する余地はないのか。もっとそれを積極的に毎日やったらどうか。それをどんどん進めていきますると、私はもっといろいろな意味において別の見えざる効果が生まれてくるのじゃないかと思うのです。局長、御意見どうですか。
○鈴木会計検査院説明員 先生おっしゃいますとおり、検査報告には不当事項あるいは改善の意見を表示した事項というふうなものを掲げておりまして、予算の執行上非常に合理的にやった、あるいは効率的な予算の執行がなされたという点につきましては、何も書いてございません。私どももその点につきまして検査報告の記載の方法というふうなものもおいおい検討いたしたいとは存じておりますけれども、何ぶん検査院が決算の計数を相手にいたしております関係上、予算の執行上確かにこの点はいいというふうな点がございましても、私ども検査の現場で、あるいは市町村あたりに行きましたときに、その執行状況などを見まして、いい点は、そこはなかなかよくできておりますというふうなことを申し上げております場合がございますけれども、検査報告といたしましては特に書いてはございません。今後の問題といたしまして、確かに先生おっしゃる御意向などを私どもも十分考えて検討いたしたいと存じております。
○吉田(賢)委員 たとえば民間の企業の株主総会、これは年度末の財政の決算であります。したがって、そこにあらわれた一切のよしあしの効果、その功罪は、すべて翌年度に相当な影響を持っていきます。非常によい成績をあげた社員、ある課がもしあるならば、それは株主総会で表彰さえすることがあります。こういうことを考えましたら、いまの局長の発言は国会に対する発言として承って、でき得べくんばひとつ局長会議にでも検査官会議にでもおのぼしになって、そうして積極的によりよい財政運営が行ない得るような、それに協力する一つの手として、私は新しい視角からこのような問題と取り組んで具体案をつくってもらいたいと思うのです。少なくとも憲法によれば、会計検査院は行政に独立する一面がないとはいえません。四権分立とさえいう人があるくらいなんですから、検査院はそのような地位に立って、いまの段階は私はきわめて重大な財政状況だと思いますので、そういうふうな面は積極的に検査院方針としておきめになるように、ぜひひとつ内部で御協議あってしかるべきだ、こう思いますので、よろしく御希望申し上げておきます。 終わります。
○鍛冶委員長 本日は、これにて散会いたします。 午後一時二十九分散会