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56回国会衆議院1967/11/10

決算委員会 第5号

発言数
128
登壇者
15
会派数
4
開催日
1967/11/10

会議録

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員長 これより会議を開きます。  昭和四十年度決算外二件を一括して議題といたします。  農林省所管について審査を行ないます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。佐藤觀次郎君。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 草野政務次官にお尋ねしたいのですが、御承知のように今日の農業のあり方というものが非常に問題になっております。私はことしの春フランスへ行きましたが、フランスは御承知のようにパリのようなはでなところがあるけれども、農村が非常にしっかりしておるというような話を聞いておりました。調べてみると、現在フランスの農業人口は一九%という非常にひどい減り方であります。日本はどうかというと、日本は二二%というような状態で、農村の問題というのがわれわれ政治家にとっては非常に大事な問題だと思うのです。何かこの農業のあり方について御意見を持っておられると思うのですが、私は特に滋賀県から出ておられる農林政務次官の草野さんからお考えをひとつ伺いたいと思います。

草野一郎平自由民主党農林政務次官

○草野説明員 農業に従事する労働人口の減少につきましては、これは昭和三十五年あたりから非常な激減をいたしておるわけであります。ただいま御指摘のありましたように、二二%、お説のとおりであります。ここでとまるかと申しますと、まだとまらないようであります。行く行く、あるいはこれの半分くらいまで落ちていくのではないかという想定もあります。そういうことになってまいりまして、それで日本の農業がどうなるかといえば、土地の生産性を高めることは当然でありますが、労働の生産性を飛躍的に高める方向をとるならば、先進国の農業実態等をも勘案し、さらに日本の農業の立地条件、すなわち、非常に狭小な土地に立って、高度の技術の農業を推進していくという立場に立てば、これが機械化の方向をとることは当然でありますから、したがって、そこまで農業従事人口が減少していって、なお高い農業の生産性をあげることが可能であるという見通しには立っておるわけでありますが、そうなってまいりますと、そこで従事する者が二〇%を切ってどこまでいくかという問題もありますけれども、その人たちのいわゆる労働生産性でありますから、非常に高い技術といいますか、そうしたものを身につけながら、機械化の方向とマッチした農業生産というものが行なわれねばならぬのであります。それは、総合的な観点に立っての指導と、さらに日本の食糧需要構造の変化に合わせて大きな方向をとっていかねばならぬ。したがって、むしろわれわれは、その減少する部分に対して悲観的なものの考え方でなしに、減少する結果に対して、今後の非常に近代化された農業に対する希望というものをつないでいくべきである、さように考えているわけであります。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 政府は、いま草野さんの言われましたように、いろいろ農業人口の減少を見ておられるその穴埋めをどうやるかということについては、あとで農政局長なり、あるいは農地局長に聞くことといたしますが、もう一つ伺いたいのは、日本の農業の中で非常に重要な米の生産ということの関係上、食糧の自給自足という問題が、これは戦争前には問題になったのでありますけれども、その後いまの農業人口が減り、非常にうとんぜられておる。御承知のように、いま日本は、繊維業などは台湾や韓国に非常に押されていくという問題があるし、せめて食糧ぐらいは自給自足できないと、日本の経済というのは成り立たないように思っておりますけれども、そういう点について、自国の食糧で国の一億の人口を養うというような、そういう方針は一体農林省は立っておるのかどうか、この点ひとつ政務次官に伺いたいと思います。

草野一郎平自由民主党農林政務次官

○草野説明員 こういう問題が起こりますというと、しばしばその問題は引き起こされてまいります。特にその問題が農業関係以外の方面から出てまいるという事態があります。しかし、農林省は、食糧の自給自足の原則というものは厳として守っていくべきであると考えておりまするし、国際価格の問題だけに目を向けて、基本的な自給の原則というものを忘れるというと、将来もしひとつのつまづきの起こったときにたいへんなことになるというようなことも考えられますので、食糧自給の原則、人口の増加率がどの程度まで上昇し、どの程度においてとまる。そうした場合において、日本の今日の耕地の状態と、さらに生産性の上昇、そういうものをにらみ合わせながら、そこへ先ほどの御質問いただきました農業従事人口とのかね合いを考えながら、さらに食糧の、いわゆる需要構造の変化をも考えながら、いま基本的な問題を特に樹立して、その方向で前進をいたしておるわけであります。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 もう一点農林政務次官にお尋ねするのですが、私は日本の農業というものは、やはり保護政策をやらなければ、なかなか自営ができないという見地に立っておるわけです。そこで、あとで食糧庁からお伺いするつもりでありますが、米の値段は政府がきめてとにかくやっておる。いまつくったものを政府がきめるのは米麦だけでありますが、こういう観点に立ってやれば、当然国がある点までその保障をすべきであるというように思っておるわけです。そこで、私どもの近くに清洲というところがありますが、ここに麒麟麦酒の大きな工場が建ちまして、この付近は知県でも麦の非常にたくさんとれるところであります。実際にビール麦をどういうふうにしておるかというと、外国から買っておって地元のほうには全然買い出しをやらない。何でやらないかと思って調べてみますと、ビール麦をつくっておったのでは採算が合わぬということで百姓はやらない。こういう事例が全国にあると思うのですが、そういう点で私は、ビール麦など外国から輸入するくらいなら、国内である点までこれに補助を与えてやってつくらしたほうがいいんじゃないかと思っておるのです。これは一つの例でありますけれども、農業の実際の保護政策ということをやはり堂々とやるべきである。食管の赤字の問題もありますけれども、そういう問題も考えておるのですが、どういうような見解を持っておられますか。これは農林省の政務次官にお尋ねしたいと思います。

草野一郎平自由民主党農林政務次官

○草野説明員 農業に対しては、国が補助政策をとるべきではないかという御意見と承りますが、先ほどもお触れいただきましたように、農村のきわめて有能なる労働力が都市、工業生産のほうに流出いたしまして、そのこと自体が日本の工業の飛躍的な発展に大きな奇与をいたしておるわけでありますし、日本がこれだけ経済的に発達して、しかも加工貿易によって大きな利益をあげておるのでありますし、そのささえとなった農業労働力というものがそこへ流れていって、いわゆる支柱のごとくなって発展さしてきたのでありますから、国全体として考えては、その半面の農業に対して、国策としてこれをささえていくということは、当然のことであろう。したがって食糧問題に対し、さらに農村全般に対して、国の大きな方針として、農業は徹底的にささえるべきものであって、そのささえることによってバランスもとれるのであるし、日本のいわゆる経済の高度発展に対するところの基礎というものが私は安定してくる、さように考えております。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 いろいろ聞きたいことはたくさんありますが、きょうは農林水産委員会もあるそうですから、農林政務次官への質問はそれくらいにとどめまして、食糧庁の方にお尋ねしたいのですが、御承知のように毎年米価の問題が非常にやかましくなるわけです。そこで米価問題は、日本の大きな政治問題ともなるし、それから全国のいろいろな関係者の関係もあって、いま国民的な運動になってきたのですが、米価というものは御承知のように買い上げの値段、あるいは消費者負担との間の差額もあるし、それから米価というものは、御承知のように生活と密接な関係がある。われわれ子供の時代には米の値段というものはその当時の物価の水準になったのですが、いまは政府が押えておる関係で、米はさほど上がっていないけれども、それにしても非常に重要な要素になっておるわけです。しかし、現状は、米の値段が上がる前からもうすでに物価が上がってくるような情勢で、これはいつでも米が中心になってそういうことになって、一番被害を受けるのは農家じゃないかと思うのですが、そういう点について米価が来年はどういうことになるか知りませんけれども、米価審議会というものが有名無実な問題もあるし、それから今後どうするかという問題もあると思うのです。実際はそれは政府がやることでありますが、あなた方の立場から一体米価問題をどのように処理されるか。これは御承知のように消費者米価の決定ができないで予算が組めぬようなこともありますけれども、この問題は非常に日本の農村の興廃に関する重要な問題でありますので、あなた方は現在の時点でどんなふうにお考えになっておられますか。伺いたいと思います。

大口駿一食糧庁長官

○大口説明員 御承知のように生産者米価並びに消費者米価は、現在食糧管理法の規定に基づいて決定されておるわけでありますが、生産者米価は生産費所得補償という考え方で、生産費を償うのみならず、米価を通じまして米の生産に従事をする家族労働というものが他の産業の所得と均衡できるような評価変えをするという方法によって決定されておることは御承知のとおりでございます。消費者米価は消費者の家計の安定を旨とするという観点から、前回に決定をされました消費者米価に対しまして、その後の国民各層の可処分所得の伸びに応じた計算をした家計米価というものを計算上求めまして、その範囲内で決定をするということで従来きめられてきておることは御承知のとおりだと思うのです。  最近におきます両米価の関係の実態を申し上げますと、現在昭和四十二年産米の米価が石当たり一万九千五百二十一円というふうな金額に決定をされ、さらに先般十月に消費者米価の改定に伴いまして、内地米につきましては精米十キログラム当たり千三百九十五円という価格が決定されたわけでありますが、現在の消費者米価を玄米に換算をいたしますと、生産者米価よりも消費者米価のほうが若干安いというかっこうに実はなっておるわけでございます。その結果、米を全国的に管理をいたしますために、生産地から消費地まで運びます運賃、保管料それから必要なる金利あるいは政府経費等が、大ざっぱに申しまして石当たり約二千円かかっておるわけであります。それから食糧庁が販売業者に米を売り渡しまして、その販売業者が消費者の家庭に届けるまでのいわゆる米屋のマージン、これも大ざっぱに申しまして石約二千円かかっておるわけでございますが、との政府経費の二千円と販売業者のマージンである二千円、つまり石四千円というものが全部一般財政負担になっておるために、現在食糧管理特別会計への一般会計からの繰り入れ、通称赤字と言われておりますが、生じておることは御承知のとおりであります。  私は食糧庁でございますから、この財政負担云云の問題について多くを述べることはいたしませんが、現在の食糧管理法の規定に基づいて決定をされる生産者米価並びに消費者米価というものは、それぞれ別個の法的根拠があるのであるから全く無関係にきめられてさしつかえない、本来二重米価を予想しておるんだという議論があるわけであります。私はこの二重米価、本来別個の配慮からきめられるべきものであるという点については何ら異議がないわけでありますが、しかしおよそ一つの物の値段で生産者から買い上げる値段のほうが消費者に配給する値段よりも高いという事態は、これはやはり公平に見てやや不自然ではないかというふうに考えております。食糧管理制度が生産者米価の決定を通じて米作農民の所得向上に大いに役立ってまいったことは、十分一般の評価を受けておると思いまするし、私どももそのとおりだと思います。それから消費者米価の決定が家計の安定を旨とするという配慮できめられました結果、長年にわたって食糧の配給制度を続けて、国民が食糧の配給なり価格についてそれほどの不安がない、つまり安定した価格で一定の必要な配給を受けられるという意味で、これまた非常に大きな役割りを果たしてまいったと思うのでございますが、この両米価の関係が現在いかにも不自然な形になっておるという問題は、これはやはり真剣に考慮すべき問題だと思います。したがいまて、私どもといたしましては両米価の決定を通じて国民経済の中に果たしておる役割りというものを見失わない範囲内で、両米価の決定というものについて現在の不自然な形をいささかなりとも自然な形に戻して、食糧管理制度の健全な運営をはかっていくということが、当面私どもに与えられた課題ではないかというふうに考えております。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 大口食糧庁長官の意見はよくわかりましたが、実は私大蔵委員を長くやっておりまして、食管法が必ず大蔵委員会にかかるので——これは毎年かかるのですが、そういう関係で食管の赤字という問題についていろいろ考えみのですが、どうも食管の赤字というものがややもすると農家にのみ責めを負わされるような形になっておる。ただいま言われたように生産者米価と消費者米価が別だということ、それによる食管の赤字はぼくは一般会計が当然背負うべきものだという考えを持っておるわけですが、これは大蔵省じゃないので自由な意見は言えぬと思いますけれども、食管の赤字が一千五百億から二千億という声が出て、いかにもこれが農家のほうの責めになるような形になってきているのですけれども、私は食管の赤字というものは国が一般会計から背負うべきものだという考えを持っておるわけ。こういう点について、米価問題と食管の赤字という問題が大きくクローズアップされて毎年騒がれるのですが、正直どのようにお考えになっておられますか。もう一点食管の赤字という問題でお伺いしたいと思います。

大口駿一食糧庁長官

○大口説明員 お答えいたしまする前に、赤字ということばは実はあまり適当な表現ではないと私は常々思っておるのであります。本来特別会計その他こういうふうな事業を運営をしておる場合に、その運営のしかたが非常にまずいために生じた場合のことばが赤字ということだと思いますので、いまの食管の財政負担全部がいかにも食糧庁の運営がまずいために生じておる赤字というふうに一般の国民に印象づけるようなことばを使われることは、私は非常に適当でないと常々実は思っておるのであります。これは余談でございます。  現在の食管特別会計の赤字は、先ほど申し上げましたような両米価の関係から生じておるわけでございまして、四十二会計年度予算の当初では千二百三十五億という一般会計の繰り入れ、また今年産の生産者米価の改定並びに大豊作を背景とした政府買い入れ数量の増加に伴いまして、今年度中に補正予算を計上をして一般会計の繰り入れ増加を仰がなければならないという現状でございます。私は現在の生産者米価並びに消費者米価の決定を通じて一般の国民経済に果たしておる役割りということを先ほど申し上げましたが、その役割りを考えます場合に、一般会計からびた一文も負担をすべきではないという議論には賛成をいたしかねるのであります。しかしながら先ほど来申し上げておりますように、およそ一つの物の値段で、買うほうの値段のほうが配給をする値段よりもいささか高いという形は、少なくともやや不自然ではないかという気持ちを持っておりますので、そこらあたりに常識的な限度というものが考え得るのではないかというふうに考えております。したがって無制限に一般会計から負担をすれば両米価の関係はいかようになっても差しつかえないのだという議論には、私はいささか問題があろうと思うのであります。しかしおよそ財政負担をすべきでないものというふうには、全く考えておりません。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 食管の赤字の問題を食糧庁に負わそうという考えは毛頭ございません。しかしこれがややもすると米をつくるほうに背負わされるような形になっておることは遺憾に思っておるわけです。食糧庁への質問はこれで終わりますが、これは政治論にもなりますけれども、御承知のように、いま一番農村で困っておるのは、いまの二世が百姓をやらない。それから百姓にお嫁さんの来手がない。これはどこの村でもあると思うのですが、こういう問題がいま社会問題になるほど農村ではやかましく言われておるのですが、こういう問題についてどういう対策を考え、どういう方法でこういうことをなくするのかということについて御意見を伺いたいと思います。

中澤三郎農林省農政局参事官

○中澤説明員 御質問でございますが、昭和三十年以前ですと、約四十万程度の後継者がございましたけれども、先ほど政務次官からお答え申し上げましたように、三十五、六年ごろから十万を割っております。最近数年間の状況を見ますと、大体六万人の横ばい状態が続いておるわけでございます。もちろんこれは御承知のように、わが国経済の高度成長に伴いまして、非常に若い労働力に第一次産業部門等が旺盛な需要があるということによるものでございます。最近の補給率の横ばい状況を見ますと、やはり農業に対する関心が高まるにつれて、またその前提といたしましては農業がある意味において将来性がある、魅力があるという事実も芽ばえていることによるだろうと考えております。そういうことから考えますと、何よりも若い人たちが農村に残るためには、農業そのものを将来性があり、魅力あるものとすることが基本的なことだと思います。農政の一つの中心的な課題もそういうところにあるというふうに考えておるわけでございまして、そのためには御承知のように構造改善事業だとか土地基盤整備事業だとか、あるいは住みよい農村をつくるという意味の各種の事業を行なっているわけでございます。しかしまた直接的には、何といいますか、農業を魅力あるものにするためにも優秀なる方々に残っていただかなければならないと思います。優秀なる方々というのは、やはり今後の農業を背負うような資質を持ち、また技能を持つ方に残っていただくことが必要でありますし、現に残る方々にそういう技術、技能を身につけていただくということも肝要でございますので、そういう観点からいいますと、各種の研修施設、研修農場とか、あるいはまた青年研修館、そういうものの拡充を通じまして、そこにおきます若い方々の研修を通じまして、そういう方向に持っていきたいということで、各種の事業の拡充を心がけておるわけでございます。  御質問にございましたいわゆる嫁不足の問題でございますが、確かに御指摘のようにそういう事実もございますし、風潮もあるだろうと思います。これも先ほど申し上げましたような、青年男女を含む研修施設というものを通じまして、確保をはかりたいというふうな方向でまいりましたが、特に四十二年度におきましては、仲間づくり運動というものを推進いたしまして、これは県の内外を問わず県が中心になり、普及所が中心になりまして、若い青年男女がお互いに訪問し合う、そこにおける農業を語り合い、人生なりいろいろの若い人たちの持っている課題を語り合うというようなことを通じまして、相互の理解、交流を深める、そこにできれば好ましいカップルが生まれるというふうな方向で事業を進めております。これは非常に好評でございまして、各県に広がりつつございます。そのほか嫁不足という観点から申しますと、住宅事情と申しますか、農村社会における若い夫婦の生活環境の快適化というようなことをはかる関係もございますので、端的なことばで申しますと、若い夫婦の寝室づくりというようなことを、県によっては運動を進めているところもございますので、農林省といたしましても、そういった面の資金手当というようなことにつきましては生活改善資金等を通じまして役立てさせよう、こういうふうに考えておるわけでございます。いずれにいたしましても、問題が関連する要因が深いものでございますから、それぞれの関連施設の拡充を今後はかっていきたい、こういうふうに考えております。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 なかなかむずかしい問題で、中澤さん一人に責任を負わせるわけじゃありませんけれども、ひとつもう少し農村で明るい面がふえるように、みな都市のいわゆるレジャーの中に入り込まぬような形をとるような方策をとっていただきたいということを考えております。  あとでまたちょっと質問がありますが、その前に農地局長にお尋ねしたいのですが、最近大小河川の汚水、それから汚濁問題がやかましくなっております。私は釣りが好きでございますので、釣りのことでもいろいろ問題があるのですが、阿賀野川の事件もあり、実は私は愛知県の木曽川の流域に住んでおるのですが、ああいうふうな第一級のりっぱな川が——あれは日本で第三番目の川でございますけれども、非常によごれがひどくなりまして、前には紡績の問題などで問題を片づけたことがございますが、最近はある製紙会社の汚水がひどく影響しまして、私どもの郡の中でも八ヵ町村が被害を受けて、先回公害対策で、キンギョが六千万匹も死にましたので、その対策で質問したことがありますが、最近調べてみますと大体一反に十一、二俵とれた米が、ことしはとても豊作でございますが六、七俵しかとれぬというような現象が出てきたわけでございます。キンギョはすぐ死ぬからわかりますけれども、米はすぐ死なないですから、あとで反収を調べるときにこんなに少なかったというような現象が出ているわけです。これは当該の農政局長も知っておられるし、最近おびただしい陳情がございますから御存じかと存じますけれども、何かこういうものに対してはいい対策を講じていただくか何かしていただかないと、非常に大きな不平が出てきておるので、そういう点について農林省の農地局はどういう考えでどういう方法を講じてもらえるのか、この点をひとつ伺いたいと思います。

佐々木四郎農林省農地局参事官

○佐々木説明員 一般的には、木曽川の川の水質が悪いために農業用水に被害を及ぼしておるということが起こっておるわけでございますが、現在とられておりますこれに対する解決の方法といたしましては、水質基準を水質保全法という法律できめまして、汚水を出しておる者にその基準を守るように規制する、そういうことによりまして河川の水質をきれいに守る、こういう制度ができております。いまお話しの木曽川につきましては三十八年に水質基準が決定されまして、自来これは製紙会社でございますが、そのきめられました基準によって水質がある程度改善されたわけでございます。ところがその後排水量が工場規模の拡大によって多くなったり、逆に今度は木曽川の水のほうが川の流れでございますので減ったりするものですから、そういうような傾向で河川の水質が悪くなっておる、こういう現象が起こってまいりました。最近その傾向が非常にひどくなってきておりますので、さらに愛知県のほうからもこれを何とか改善すべきであるというお申し出もあって、私どものほうといたしましては、この水質基準をきめる場合には、河川の流量が変わったり、あるいは悪水を出す水の量が変わったりした場合には、一たんきめられた水質基準であってもこれを変更して、再びこれを改定すべきであるというようなことから、この水質基準の改定を申し入れまして、現在これをさらにきびしく規制するように、実はそちらのほうの関係の企画庁水資源局でございますが、そこと交渉いたしております。これは一ぺん木曽川の水質をきめた経緯もございますから、関係資料等もある程度整備されておるのでございますから、そう長い時間をかけないで、新しい水質基準ができ上がるものと思います。もしそういうことになりますならば、木曽川の水もまたもとに復す、きれいな水になる、工場のほうもそれを守ってもらう、こういうことで対処していきたい、こういうふうに考えております。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員長 ちょっと——いま富山県の立山製紙でも同じ問題があるのですが、あなたのほうに言うてきておりませんか。これらも調べて——私などもほんとうに弊害があるのかどうかわからないのですが、立山町の立山製紙ですね。

佐々木四郎農林省農地局参事官

○佐々木説明員 川はどこですか。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員長 川は常願寺川の下流です。

佐々木四郎農林省農地局参事官

○佐々木説明員 調べてみます。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 大体いま委員長の言われるように、そういう問題が相当起きていると思います。阿賀野川の問題もありましたが、それはやはりぜひひとつ相当強く中央から催足していただきたいと思います。  それからもう一つ、私の地元の問題ですが、排水機の問題が非常に大きく問題になってきた。御承知のようにこの排水機の問題は新潟県の一部とか、茨城県の一部とか、愛知県南の一部と非常に部分的に限られておるわけですが、御承知のように最近私のほうは伊勢湾台風がありまして、その関係で日光川の樋門というものができて、それで大きな国の排水の問題をやっておるけれども、そのほかにも実は一つの町、村に十ぐらいずつの排水機を百姓の組合の経営で持っておるわけです。ところが、戦後になりましてからだいぶん悪くなりますし、それから非常に雨が降るとばく大な水が増水するような形になって、私の生まれたところなんかでも、わずか一千戸足らずの字でありますけれども、雨が降ると水につかるというような現象が出てきたわけです。いろいろ調べて県のほうへも話しましたが、どうも中央からたくさんの金がこない。ぜひひとつ国会で質問してくれということになりましたから、たまたまここを利用させていただいたのでありますが、やはりこの排水機の問題というのはおそらく農林省では十分御存じでございますが、何といってもこれはもう米にとっては絶対な問題でありまして、部分的ではあるけれども重要であるので、何とかもっと国の補助をふやしてくれるとか、全部国家にするというわけにはいかぬだろうけれども、ある程度まで補助率を高めてもらわないと、農家が立ちいかぬというような問題がたくさん出ております。これは一部分の問題であると思いますけれども、こういうふうなところでやはり同じように米をつくっておる、こういう農民の立場も考えて、ぜひひとつこれを善処していただきたいと思いますが、こういう問題をどのように処理していただけるか、伺いたいと思います。

佐々木四郎農林省農地局参事官

○佐々木説明員 いわゆる木曽川の下流地帯に例をとりますならば、あの海部郡一帯、御承知のようにいわゆるゼロメートル地帯と称しまして、非常に潮位よりも土地の高さが低い、こういう地帯でございますので、実は古くからこの地域につきましては、排水機をつけましてやってきております。やってきておりますけれども、非常に低いために常時排水をしなければならない。それから雨が降ったときにはフル運転をしなければならない。やる場合にはオーバーロードがかかるわけでございます。というようなことから、その寿命もだんだんなくなってくるというようなことで、改修に改修を重ねてきております。なお、残された地域もだいぶありますので、実は今回計画しております濃尾第二、別名では木曽川総合事業と称しておりますが、この事業で、片や木曽川を締め切って用水を確保すると同時に、下流部一体について残された地域の排水を、これは比較的大規模な排水機によりまして完全排水をする。この事業はすでに計画もでき上がりまして、一部着手に入っておりますが、これが完成しますならばあの一帯は揚水、排水ともに、先ほどお話のございました水質の問題も合わせて、およそあの辺の農業の水と土地に関する限りはほぼ完全な状態になるのではないか。これにはもう少し時間を要しますけれども、どうしても地形的にも大型の排水機によらないと、いままでやってきておるような小型のものでは寿命もございませんので、そういうような計画で進めるつもりでおります。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 だいぶ土地を御承知でございますから、くどいことは申しませんけれども、現実に非常に重大な問題になってきまして、それはどういうわけでそういう問題になってくるかと申しますと、御承知のように名古屋市の郊外でたくさんの住宅ができまして、農地がどんどん住宅に変化しておるわけです。そういう関係で農民だけに負担がかかってそういう人には負担がかからないわけですから、結局農家が泣いておるというような現状でございますので、そういう点も合わせてひとつ御勘案を願いたいと思います。  それから、時間がありませんので、最後に、日本農業の近代化あるいは機械化という問題について、耕うん機などでだいぶ機械化をされておりますが、これは部分的には私のほうでは、いま言われるように、悪水をさく井で補っておる面もあります。それからもう一つは、耕うん機のようなものはどうにか買っておりますが、さて稲を刈る機械とかいろいろもう少し高い機械を買うのには、いまの農民の財産ではなかなか買い切れない問題があるわけです。こういうものについては、私は根本的には、やはり日本の農家には何とか国の補助をやるべきだという意見を持っております。もう少し農家が立ち行くような形で機械化を促進するということが必要じゃないか、そういう点についてどのようなお考えを持っておられますか。農政局からその点についての明快なお知らせを願いたい。

中澤三郎農林省農政局参事官

○中澤説明員 先ほど政務次官もお答え申し上げましたように、機械化が、ある意味で今後の日本の農業をささえていく中心になるわけでございますが、御質問にございましたように、個々の農家では持ち得ない大金でございまして、こういういわば大型の農機具の導入につきましては、これまでも補助体制をとっておるわけでございますが、構造改善事業におきましても、御指摘のような農機具を主として対象にしておりますし、また米麦の高度集団栽培事業というものを通じまして、そこにおいて個々の農家が機械化をはかるということでなくて、一つの集団組織によって大型機械を利用し、農業経営の効率を高めるという観点から、従来も助成をしてきておりますし、また融資措置などもあるわけでございます。今後ともこの面の充実につきましては、もちろん一そう努力してまいりたいというふうに考えておりますので、その方向で努力を重ねていきたい、こう思っておるわけであります。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 要望ですが、いろいろな問題がたくさんありますから、あとで同僚委員華山君あたりからも質問が出ると思うのですが、私がお願いしました悪水の問題、汚水の問題、それから排水機の問題、地方的にわたって恐縮ですけれども、私どもの海部郡、大体農家が二万戸ばかりあるのですが、そこのものが死にもの狂いでやっておる現状を考えられまして、ひとつ適当な配慮をしていただくようにお願いしまして、私の質問を終わります。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員長 華山親義君。

華山親義日本社会党

○華山委員 農業構造改善事業につきましてこの前伺ったのでありますが、農政局お見えになっておりますので、ちょっとここで伺いますが、具体的に青森のてん菜のことが失敗に帰したわけでございますけれども、あそこに農業構造改善事業が行なわれててん菜ということを目的にした事業が行なわれておりませんでしたか。

中澤三郎農林省農政局参事官

○中澤説明員 はっきりお答えできないでまことに恐縮でございますが、主幹作目としてビートが入っておったところ、きわ立ったところはないように記憶しております。

華山親義日本社会党

○華山委員 察するのに私は、おそらく農業構造改善事業は青森県でてん菜事業につぎ込まれているのじゃないか、そのあと始末をどうするかということをこの次聞きますので、準備をしていただきたい。  これから大体、時間がございませんので、お互いに時間を節約する意味から、検査院の検査報告に基づいてお聞きいたします。  会計検査院に伺いますが、会計検査院の報告に、不当事項等につきまして随意契約によるとかあるいは指名入札によるとかいうことが書いてありますけれども、会計検査院は、この契約が随意契約によった、あるいは指名契約によった、その場合に、随意契約ということがよかったのか、やむを得なかったのか、そういうことを重点的にお調べになりますか。

鈴木治久会計検査院事務総局第四局長

○鈴木会計検査院説明員 検査院といたしましては、随意契約による場合、あるいは指名競争契約、一般競争契約による場合というふうにきめられております予決令によりまして、その各条項に該当する場合であるかいなかということにつきましては、検討いたしております。

華山親義日本社会党

○華山委員 いままでそういうことについて会計検査院から指摘をされたということはあまり聞きませんけれども、審査をなすった結果、大体それでいいものというふうな概念を持っていらっしゃいますが、これは不当であるという場合もございますか。

鈴木治久会計検査院事務総局第四局長

○鈴木会計検査院説明員 私どもいままで検査いたしました範囲におきましては、契約の方法その他につきまして、書類等によりまして検討いたしておりますけれども、特に契約の方法について指摘いたした例はございません。

華山親義日本社会党

○華山委員 会計検査院に出される書類には、なぜこれが随意契約によったかということをちゃんと書いてあるのでございますか。

鈴木治久会計検査院事務総局第四局長

○鈴木会計検査院説明員 証拠書類の中には、こういう随意契約によった場合、特にその理由が書いてございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 ちょっと検査報告をお開き願いたいのでございますけれども、五八ページの一三七、随意契約によってその見積もりが過大であるというふうなことが書いてありますが、この契約がなぜ随意契約によったのか、農林省のほうから御説明を願いたい。

佐々木四郎農林省農地局参事官

○佐々木説明員 いまお話しの一三七にございますこの工事は、大井川のため池工事でございます。これは三十九年度と四十年度の二カ年にまたがります工事であるために、第一年度であります三十九年度、これが最初の契約をする時期でございます。その時点で全体見積もりを各請負業者から出させまして、そのときに、その全体工事についての見積もりによりまして業者を決定する。そういたしますと、第一年度にその施行業者がきまりますので、自然第二年度は第一年度にやりました業者が引き続き第二年度の仕事をやっていく。こういうことになりますから、四十年度につきましては随意契約によっても差しつかえない。こういう考え方でこれは随意契約によってこの仕事を四十年度は始めた、こういうことでございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 私は少し了解できませんがね。そうすると、二カ年間の分を初めにもう入札させたのですか。

佐々木四郎農林省農地局参事官

○佐々木説明員 ため池工事は、単年度単年度で、一年分だけ区切って仕事をやるわけにいきませんので、仕事の性質上二カ年で一つのセットになってやる。ところが予算のほうではどうしても単年度という予算の仕組みでございますので、これを全部一ぺんにに契約するわけにいかない。予算ですから、二カ年全部契約するわけにいかない。そこで単年度ずつ契約をしているわけでございます。そこで、やり方といたしましては、第一年目に、その仕事を始める前に、全体の二カ年分がどういう姿で工事が設計されるか、見積もられるかということを見まして、それを見届けておいて、一番その中で妥当なものにその仕事をやらせる。それで契約は一年分ずつやっていく、こういう仕組みでございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 その場合に、予算外の負担の契約ということはできないのでしょう。

佐々木四郎農林省農地局参事官

○佐々木説明員 その場合には別に予算外の、たとえば国庫債務負担行為というようなこともございますけれども、そういう方法でやる場合もございます。それから、このように、池ケ谷のため池工事というのはさほど大きな工事でもございませんし、いま申し上げたような方法でやることも可能であるということから、こういうふうになったのではないかと私は思います。

華山親義日本社会党

○華山委員 随意契約によるところの不当の指摘ということについては、特に私は留意せざるを得ない。そこにいろいろな問題が起きやすい。今後十分に気をつけていただきたいと思います。随意契約のときには特に見積もり合わせをするとかなんとかいうことによって、厳重にやりませんと、見積もりが甘くなるのではないか。そして、そこに、いろいろな不正等が行なわれやすいのではないか、こういうふうな気もいたしますし、単に二カ年のもので初めに見積もりをとったのが一番妥当であったから、安易にこの次にはこの人だというふうなことではいけないのではないか。やはりそこに何か見積もり合わせをするとか、ほかの業者の意見を聞くとか、いろいろなことがあってしかるべきじゃないかと思いますが、そういうことはやっていらっしゃいますか。

佐々木四郎農林省農地局参事官

○佐々木説明員 御指摘のように、随意契約そのものだけを取り上げて考えますれば、そういう危険、そういうおそれがないとはもちろん言えません。しかし、このため池の盛り土の転圧というようなこういう工事は、その工事分量として一年ではやれない、どうしても二カ年かかるという場合に、その二カ年全体の見積もりができておりますならば、その全体見積もりによってそのセットになった仕事を二年かかってやるわけでございますので、その中のある部分だけを別な方法でやったり、あるいは不正なことをやったりするようなことはまずあり得ない。そういうことから、ため油の転圧は、御承知のように土を盛ってやっていくわけでございますので、連続した仕事であるということからいたしまして、こういう仕事につきましては、私どもといたしましてそういうおそれはまずない、こういうふうに考えておるわけでございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 大蔵省がおられませんから質問が不徹底でございますけれども、こういうふうなものは、私はやはり予算外の負担——次の年は随意契約ということはもう実際上やっているのだ。次年度の予算外の国庫の負担、そういう契約をもう実際上やっているんですね。そういうふうなものは会計的にもなすべきじゃない。これは大蔵省のほうにもお聞きしたいと思いますけれども、こういう点につきまして、随意契約ということはよほど注意していただかないといけない。そうして次年度の契約をしているのですから、次年度に残っている仕事の部分というものはわかるわけです。そうだったならば、残っている仕事についてさらに見積もり合わせをする等のことがあってしかるべきじゃないのか。そうして二カ年間といえば、その間に一番初めに出した予算よりも物価の問題等も違っているだろうし、多少の設計変更だってあり得ると思う。そういうふうなことで細心の注意をもってやっていただきたいと希望いたします。  次にお願いいたしますが、七五ページ、「公共事業に対する国庫補助金等の経理当を得ないもの」につきまして、会計検査院は「検査の結果についてみると、地理的条件の悪いへき地で施行した比較的工事費の少額な工事において不良な事例が多く見受けられる」と書いてある。私は重大なことだと思うのです。  最近、山村等につきまして洪水等によるところの被害が非常に多い。山村に被害の多く出るということについては別の原因がございますけれども、こういうふうなこと、山村は見捨てられがちで、しかもその仕事がずさんである、こういうことでは山村はたまったものではない。なぜ山村につきましてはこういうことが起きるのですか。

佐々木四郎農林省農地局参事官

○佐々木説明員 確かに、ここで指摘を受けておりますように、地理的条件の悪い山村僻地におきましては、しかも少額の工事につきましてはそういう事例があることにつきまして、私どもといたしましても、たいへん気をつけなければならないと思います。ただ一般的に申し上げますならば、工事の施行上の不便さがあるために、決してこれを肯定するわけではございませんが、そういうことになりがちである、そういうことになる傾向、おそれが多分にございますので、なお今後の問題につきましては、こういう点について厳重に私どもも監督をしていきたいと思います。

華山親義日本社会党

○華山委員 厳重に監督と、抽象的に言われたって困るので、具体的にどういうことをするのですか。

佐々木四郎農林省農地局参事官

○佐々木説明員 その現場現場、その場所場所におきまして工事中の監督、それから指導、それからまた設計上の問題もあると思いますが、そういうあらゆる面についてその現場現場で監督者、指導者がよくこれに注意いたしまして、たびたび現場工事を検査するとか、工事途中においてもよくその施行の内容を注意するとか、そういうことによってこれを防ぐことが一番いいんじゃないかと思います。

華山親義日本社会党

○華山委員 まことに常識的なことで心細いのですが、山村僻地については山村僻地の工事の施行なりあるいは監督のあり方なり、特別なことがあっていいんじゃないか。最近の山村僻地の水害、災害、これを考えますと、ほんとうに私は非常に重大なこれは会計検査院の指摘だと思う。何らかそこにつきまして、ただ指摘されましたから、さようでございますか、これから厳重にやります、というだけではだめなんです。その点につきまして、特に山村僻地における工事の監督についてはいかにあるべきかということを具体的に、この次私がお聞きをするまでに研究をしていただきたい。  その次に伺いますが、この九二ページの「別表第1」というところをごらん願いたいのでございますけれども、この表を見ますと、われわれはちょっとわからないのですね、なぜこんなふうに直轄工事がおくれるのか。これはまるで計画ではないですね。一つ一つの例について御説明を願いたいのでございますけれども、東北農政局の西津軽地区でございますが、着工年度が十八年、完了予定年度が三十二年、そしてこの検査のときにはまだ六二%しかできていない。これはどういうことでこんな結果が出たのですか。

佐々木四郎農林省農地局参事官

○佐々木説明員 一般的に国営土地改良事業につきまして工事がたいへんおくれておるということは、これはこの表にもあらわれておるとおりでございますが、実はこの国営の土地改良工事と申しますものは、いろいろな事業の性格がございまして、たとえばダムを建設するとかあるいはポンプを設置するとかいうような性格のものにつきましては、これはおのずから工事施行の定められた期間というものは守らざるを得ないし、そうしないと困るわけでございますので、そういうものは予定どおりの工期を守っておりますけれども、いま御指摘のたとえば西津軽、これは御承知のように津軽平野全般にわたります土地改良事業でございまして、あの地域の、あの広大なる平野部の土地の条件、基盤の整備、これを進めておるわけでございますが、十八年という古い年次と現時点とでは、一つは事業のやり方、進め方にも相違がございます。こういう古い時期に始めました仕事は、現在のように、最初に全体計画をつくりまして、すべての将来を見通した計画が必ずしも立っていなかったということは認めざるを得ません。しかもこのころは戦時中のことでもございまして、食糧増産を緊急にやらなければならぬという事態もあったかと思います。まあ、いろいろ言いわけがましいことを申し上げるのもどうかと思いますけれども、ああいう大きな地域につきまして仕事を進める場合に、自然条件の差異、洪水が出たりあるいは農業の態様もだんだん進んでまいりまして、ある時点では表面水だけを排水すればいいと考えておったのが、生産力をもっと増強させるために地下水までも排除しなければならないとか、あるいは水路の舗装はコンクリートでやらなくともよかったと思っておったのが、だんだん進んでまいりまして、そういうものもやらなければいけない。それから水の手当ても、だんだん農業の耕作のしかた、作物の転換等がございますと、もっとたくさん必要であるというようなふうに変化してまいります。これらのことは、実は工事が非常に延びるからそういうことになるのだということにもなりますけれども、一方ではまた財源措置というものも実は思うにまかせないというような事情もございまして、延々こういうふうな事態にきておるわけでございます。現在では、御承知かと思いますけれども、国営事業は特別会計で始めておりまして、原則としては、七年という期間を守ることを原則としておりますが、これも実情は必ずしもそうはいっておりません。ただ、最近わりあいに予算措置もだんだんよくなっておりまして、ものによってはそういう完了時期を守る。場合によっては、多少の変更があって延びるものもございますけれども、ここにございますような、こんな超長期を要するようなことは今後はあり得ない、こういうふうに考えております。

華山親義日本社会党

○華山委員 西津軽はいつ終わるのでございますか。

佐々木四郎農林省農地局参事官

○佐々木説明員 現在の見込みでは四十三年に終わると思います。

華山親義日本社会党

○華山委員 西津軽は別に私の選挙区でもありませんし、私は何も地域の問題を取り上げて言うわけではございませんけれども、一つの例を——とにかく戦争中とおっしゃいますけれども、それからもう二十年の歳月を経ている。しかもまだ六二%しかできていない。こんなことじゃもう計画じゃないですね。私も県庁なんかにおりましたけれども、起工式に行きますと、いまはそうでもなくなったかもしれませんが、いやなことを申し上げますと、起工式では大体何カ年計画ということを言うわけです。そうしますと、いろいろな祝辞なんかがありますけれども、祝辞の際には、これは五カ年計画なんだけれども、大体五カ年計画というのは十カ年だと思えばいいのだ、少なくともこれは八年ぐらいでやってもらうようにわれわれは努力しようじゃないかというふうなことを代議士さんがおっしゃる。もうおくれることが常識になっている。こういうふうなことは一体どこに欠点があるのですか。あまりにも予算がちょびりちょびりつくからか。予算全体を考えないで、たくさんの場所を農林省が選ぶためなのか。どこかに基本的な問題があるのじゃないか、どうなんですか。

佐々木四郎農林省農地局参事官

○佐々木説明員 御指摘のように、国営工事が、そういう占いものでなくとも当初の計画完了の目標年次がさらに延びまして完了がおくれる、こういう事実はいまなおあるわけでございますが、先ほども申し上げますように、一つは事業計画の内容の変更が間々起こる。これはやむを得ざる理由がある場合にはその変更を認めまして、それに応分の事業費の増高を来たすためにおくれる。それからもう一つは、やはりいま御指摘のように、予算規模が全体事業分量に比較いたしましてつり合いがとれないということも認めざるを得ません。それではその予算規模に見合うように全体の事業規模を縮小したらいいじゃないかというようなことも御意見としてあるかと思いますけれども、今日私どもがやっております全国の基盤整備事業、土地改良事業の現状からいたしまして、また日本の耕地の実情からいたしまして、この規模を縮小するなどということはちょっと考えられない。やはりどうしても必要なところに必要な仕事は進めていかなければならない。で、私どもの努力も足らないのでございましょうけれども、あくまで土地改良事業に投下される資金の増大をなお努力いたしまして、工事進度をできるだけ早めるようにやるつもりでおります。

華山親義日本社会党

○華山委員 ぜひそういうふうにお願いをしまして、予算をできるだけ多くして、そうして重点的にこれを実施していく、こういうふうにお願いをしたいと思うのですが、私はこの表を見まして、いま一つの例ですけれども、昭和三十年前に始めた仕事でまだ半分もできてないところも幾らもあるんですね。  それから国有林野の交換について、この問題は昨年非常にいろいろな問題で取り上げられました。ここでもあの際に大きな問題になりました。那須と新潟県の関川村ですか、あそことの交換であるとか、あるいは共和製糖の問題に出されました高槻の国有林野の問題であるとか、そういうふうなことがあって、いろいろ農林省でもおっしゃったようでございますけれども、結局これが不当なものとして会計検査院も指摘している。いまこの問題を私は蒸し返して追及しようとは思いませんが、会計検査院も指摘したぐらいでございますから相当な問題があったろうと私は思わざるを得ない。それで、このようなことが起きまして、林野の交換ということは当分やめよう、新しく規定を設けて出発しようということであったと思いますが、そのとおりでございますか。そのとおりであるとすればいままでどういうふうな規定で、また新しく出発されたのであるかどうか、その間の経緯、事情をお伺いいたしたいと思います。

片山正英林野庁長官

○片山説明員 ただいま先生のおっしゃいましたように、昨年の五十二国会におきましていろいろ交換の問題の御審議がございました。なおまた会計検査院のほうからここに御指摘がございます三項目についての御報告、御指摘がございました。したがいまして、林野庁といたしましても国会開会からことしの四月十八日までの間は先生おっしゃったように交換の一時ストップをいたしました。それから、そういう姿の中でいろいろ慎重に検討いたしました結果、四月十八日付をもちまして「国有林野の管理処分の事務運営について」という新しい通達を出したわけでございます。その通達の内容の交換の問題につきまして、要点だけを御説明申し上げておきたいと思います。  従来、交換につきましては御承知のように国有財産法の二十七条によりまして格別な制限をしておらない交換をやっておったわけでございます。今度新しい通達に基づきましていわゆる交換で取得しようとする場合の制限を付したわけでございます。制限の内容につきましてはこまかくなりますので、また御質問があれば御説明いたします。  それともう一つは、私財産についての期限を五年から十年の間、用途指定ということをいたしたわけでございます。  それから第三点、これは検査院の御指摘もございます価額の評価の問題でございます。評価の問題につきましては、一番注目されました保健、休養の場所、そういうような場所の評価でございます。それにつきましては、今後資料をできるだけたくさんとるという意味におきまして、売買実例を従来の町村単位ということじゃなしに、広い範囲の売買実例をとりまして、その売買実例を通して評価してまいるということに変更したわけでございます。  それから検査院のもう一つの、事務機構の統合、事務機構を整理したらどうか、一元化したらどうかという御指摘、それにつきましても、国有林のそういう処分、交換につきましては、一元化するために管理課というのを新しく設置いたしました。これはすでに発足いたしております。  大体以上でございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 大綱でよろしゅうございますから、交換の制限につきましてちょっと……。

片山正英林野庁長官

○片山説明員 それでは、大綱につきましてお話し申し上げますと、従来大体制限はなかったというのに対しまして、まず国有林の境界整備。これが一つ。もう一つは保安林の取得関係、保安林関係の交換、これがございます。それから相手方につきましては、公共用、公益事業、そういうその他国有林活用にふさわしい用途に供する場合、こういうものに制限をいたしております。それから先ほど申しました用途指定の五年ないし十年、評価資料について広範囲の資料をとる、こういうことでございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 会計検査院の報告によれば、こういうふうな交換は、国のあるいは役所としては林野庁かもしれませんが、その利益になる、そのためになるということから行なわるべきものであって、希望があるからといってやるべきものじゃない。主導権は、林野庁が必要を認めて、林野庁のほうが積極的なものの考え方でいくべきものであるということがいわれているようでございますが、会計検査院、そのとおりでございませんか。

鈴木治久会計検査院事務総局第四局長

○鈴木会計検査院説明員 私ども申し上げておりますのは、国有林野事業の経営に有利になるように考えて、交換、受け渡しについて考えていただきたい、かように考えておるわけでございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 文章の書き方違うのじゃないでしょうか。

鈴木治久会計検査院事務総局第四局長

○鈴木会計検査院説明員 意味は私ただいま申し上げましたけれども、大体おっしゃるとおりに払えております。

華山親義日本社会党

○華山委員 会計検査院に申し上げますが、もう少しすぱっと言いなさい。あなた方、政府と独立した機関じゃないですか。何か政府を弁護するみたいなものの言い方しなくていいでしょう。ここにはちゃんと書いてある。政府の必要があった場合に交換ということをやるべきであって、民間が必要だからといって交換というふうなことはやるべきじゃないということを書いてあるじゃないですか。その原則は貫いてもらいたいと思うのですが、林野庁どうです。

片山正英林野庁長官

○片山説明員 そういうような方向でやってまいりたいと思います。

華山親義日本社会党

○華山委員 それから、私よくわかりませんけれども、話によりますと、いまおっしゃった、ストップをなすった、そのあとで通達をなさった、その間にも交換があったという話を聞きますけれども、そういう事例がございましたか。

片山正英林野庁長官

○片山説明員 先ほど申し上げました四月十八円までのストップの間は一件もございません。

華山親義日本社会党

○華山委員 ストップのあとは全然ないのでありますね。

片山正英林野庁長官

○片山説明員 四月十八日付で新しい通達を出しました以降でございまして、以降につきましては処理済みのものが一件、現在手続中のものが八件ございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 このことにつきまして、林野庁のほうで進んで民間に対しまして交換を申し出るということがいままであったのですか、どうなんですか。

片山正英林野庁長官

○片山説明員 交換の御指摘もあったのでございますが、これは普通財産として必要ないというようなものにつきましては、それを積極的に計画的にやろうということの点が欠けてはおったと思います。しかし林野庁としてそういう個々の問題について、たまたまそういう事例についてはこちらとしても必要なものだ、あるいは不必要である、こちらとして持っておく必要はないというものを十分検討いたしました結果による交換はございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 それではこれで終わります。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員長 吉田賢一君。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 水産庁の漁政部長に伺いますが、来国会に海上交通法案が提出されるということを承っておりますが、これは特に沿岸漁業の関係上相当重視すべき法案と見ております。つきまして、海上安全審議会において過日答申も出されております。これには農林省も参画されたはずでございます。そこであなたの承知しておられる範囲でこの法案が来国会に出る見込みかどうか、まずその見通しだけ聞いておきたい。

岩本道夫水産庁漁政部長

○岩本説明員 御質問の海上交通法案につきましては海上保安庁の所管でございまして、いま海上保安庁で法案の準備をされておると聞いております。したがいまして、法案の内容につきましては、海上保安庁のほうに御質問してそちらから御答弁いただいたほうが至当かと存じますので、直接触れませんが、海上安全審議会におきます審議には、水産庁の代表として水産庁次長が出席をしましてその内容を承知しておりますので、漁業に関係いたします問題について私から御説明申し上げたいと思います。  あとで海上保安庁のほうから御説明があるはずでございますが、現在の海上交通を整備いたしますための法制としまして海上衝突予防法や特定水域航行令あるいは港則法等がございますが、それぞれ国際条約とかあるいは特定の目的のためにつくられた法制でございまして、現在のように船舶航行がふくそうする時代には十分でないということで、新しく海上交通法を制定いたしまして、港則法や特定水域航行令が発展的に解消するということをお考えのようでございます。これはひとり漁業だけでなしに、ほかの一般商船についても関係ある問題でございますが、漁業について特に問題がありますのは、一つは、狭水道を指定をしまして、狭水道の指定水域におきまして、漁労に従事する漁船に対する避航義務を課しましたり、あるいは、必要やむを得ない場合に特定の漁労を制限禁止するということをお考えのようでございまして、これは漁民の生活にとって非常に重要な問題であろうかと考える次第でございます。その他、いろいろこまかい点では関係ございますが、最も基本的な点は、いま申し上げた点でございます。これに対しましては、水産庁といたしましては、海上保安庁にこちらの見解をいろいろ伝えまして、漁民の声も聞いた上で要望しておる次第でございます。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 それでは順序としまして、海上保安庁の井上次長が見えておりますので、来通常国会に海上交通法案を提出する予定になっておると聞いておりますが、大体のねらい、理由、骨子だけ、こまかいことは要りませんから、ひとつ御説明願っておきたい。

井上弘海上保安庁次長

○井上説明員 御説明申し上げます。  最近海上輸送状況が非常に悪くなってまいりまして、ということは、日本の沿海を航行いたします船舶の量が著しく多くなった、また、船の態容が大型化あるいは高速化する趨勢にあるとか、またフェリーボートとか、押しはしけとか、新しい形態の船も進水しておりまして、こういった状況でございますので、海上の船舶の流れが多くなったことに対処して、いままでの交通規制のやり方でいいかどうかということを、私ども反省したわけでございます。  そこで、これにつきまして、運輸大臣の諮問機関でございます海上航行安全審議会に、本年、先ごろ諮問いたしまして、いろいろ御検討いただいたわけでありますが、その答申が先月出されたわけでございます。その骨子をかいつまんで申し上げますと、先ほど申しましたように、交通の激しさという事態から考えて、現行の法制では不備である。したがって、新しい法制を整備する必要があるということでございます。現行の法制と申しますと、先ほど水産庁の方から御説明がございましたが、大づかみに申しまして、三つございます。  その一つは、海上衝突予防法という法律でございます。これは世界共通の条約で、規定されたものを国内法に持ってきているものでございます。これは主として一つの船対一つの船、ワン・ツーワンの航行に際しまする航法の秩序化といいますか、権利義務を骨子としてつくったものでございます。それからもう一つの法律は、航則法でございます。これは港の中、あるいは港の付近におきまする交通の規制を主とする法律でございます。それからもう一つは、法律ではございませんが、海上衝突予防法によって得ましたところの政令で、特定水域航行令という政令でございまして、これは特定の水域に関します特別の航行を規制したものでございます。  そこでこれらの法規は、海上衝突予防法では、一船対一船の関係にあるので、いまの船舶の大きなかたまりの流れというものを規制するには不十分である。しかしながらこれは国際法規でございますので、そのまま存続する必要がある。第二の港則法につきましては、これは港の内外だけでございますので、現在交通量のふくそうしております港の外の狭水道等までには及びませんので、その空白を埋める必要がある。特定水域航行令につきましても、ある意味では狭水道を指定してございますが、これでも不十分で、よって港則法と特定水域航行令と二つを、この際発展的に解消いたしまして、一つの仮称でございますが、海上交通法という形で規制することがよかろう。こういう趣旨でございます。  かいつまんでこの内容を申し上げますと、まず港内関係の規制でございますが、これは現行の港則法で一応ございますけれども、現在の状況をよく調べまして、実情に合うように、規制の内容を整備していきたいというふうな考えでございます。その例といたしまして、たとえば港内におきまする危険物の積載船舶に対する取り扱いが、現在では行政指導でやっておりますが、これを規制の内容といたしまして、危険物積載船舶付近に通行することをある程度制限を加える。また危険物積載船舶が荷役をいたします場合には、その当該船舶に対して何か事故があります場合には、即時移動することができるように、待機の姿勢をとらせることを義務化する。あるいは引き船等の準備をさしておくというようなことを考えております。また危険物を積載いたします大型船が入港あるいは出港いたしますときには、予定時刻をあらかじめ港長に通報させる。そしてその時間帯をよく認識いたしまして、それの十分な措置をとる。本船といたしましては、必要な引き船を持たして入出港させるというようなことを考えております。そのほかこまかい事項が考えられると存じます。また港の外の狭水道等の場合でございますが、これは現行法では空白の地帯でございます。したがいましてこの点を埋めたい。その内容といたしまして、大体港内の規制の方法を準用いたしたいと考えております。しかし港内と狭水道は事情が違いますので、その違った点を、特殊性に応じた規制をとっていきたいというふうに考えております。具体的に例を申し上げますと、狭水道等におきまする航路の設定の問題が出てまいりますが、これは審議会といたしましては、できるだけ航行の区分帯を設けて大型船、小型船の摩擦がないように考えていくというような要望をされております。また必要なる航路標識を設置すること、あるいは信号所を設ける、こういったような御要望がございます。また狭水道を行きかいいたします大小船舶の権利義務の問題になりますが、これにつきましては先ほど申し上げました危険物を積載していく大型船につきましては、これは操船が非常に不自由でございますので、これに対するいき方といたしましてなるべくこういう船舶は航路の中央を通すようにしむけていく。また航路の曲がりかどだとか特殊な地域におきましてはそこにアテンドするところの引き船を配備させる。そのためにはそういう水域を通りまする予定時刻をあらかじめもよりの保安部長のほうに通告させるというような義務を課していきたいというふうに考えております。  それからその他、大型船と小型船の関係でございますが、一応一定の大きさ以上の船舶に関して航路を守らせる。それ以外の船舶同士につきましては対等の関係で一般航法の原則に従っていくというふうに考えております。  また漁船の関係でございますが、特に交通量のふくそうする水域におきましては漁業の漁種に応じましてある程度制限あるいは禁止という事態もあるいはあるかもしれませんが、そういったことを考えたいと思います。  それからもう一つ申し上げますことは、一般海上におきまして一般船舶の航行に支障を与えるようなおそれのある工事だとか工作物の設置だとか、そういったことに対しましては許可事項にいたしたいというふうに考えておる次第でございます。  こういうことが内容でございますが、これらの法律を制定いたします場合に、たとえば制限だとか、禁止だとか、こういった場合も考えられるわけでございますが、これにつきましては個々の水域の特殊性がございますので、政令または省令におきましてこれを水域ごとに検討していきたいと思いますし、その場合に関係者の意見は十分に伺って制定していきたい、こういうふうに考えております。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 ちょっと本論に入りますから簡単に一問一答にしていただきたいと思います。  それでは伺いますが、漁業の関係ですね。沿岸漁業、これは全国で五十万といわれておるのですが、ことにこの狭水道の指定が沿岸漁業に相当大きな影響があると見ておりますが、航行の安全、それから漁労の保護、この二つの問題がぶつかってきやしないかと心配しております。ついては伺いたいのでありますが、狭水道の指定の場合に漁労の制限禁止、これは法律で規定するつもりなのか、もしくは政令でするつもりなのか、その点はどうですか。   〔委員長退席、高橋(清)委員長代理着席〕

井上弘海上保安庁次長

○井上説明員 海上交通法はきわめてグラウンド的な規定でございますので、ここには特に必要な場合に漁労を制限または禁止することができるという条項はつくりたいと思います。しかし具体的に水域についての制限その他につきましては、政令または省令に譲っていきたいというふうに考えております。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 その際立法の準備過程における、法律案にどの程度の字句を盛り込むか、それから政令を制定する場合にどういう内容にするか、対象をどうするか、対象事業ないしは漁労種類、これは農林省との間に、特に水産庁との間に十分に隔意なき意見を交換するという、そのつもりでいくのでしょうか。それはどうでしょうか。

井上弘海上保安庁次長

○井上説明員 先生のおっしゃるとおりでございまして、水産庁等と隔意なき意見をかわしていきたいと思います。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 漁政部長にその点を伺いたいのですが、やはり沿岸漁業の問題は地上の零細農業と同じように日本の特殊な零細漁民の、言うなら斜陽的産業の一群でございます。この点につきましてあらゆる意味におきましてもっと行き届いた政策が行なわれねばならぬということはこれは長年の課題であります。この際にまた一つのこの種の問題が起こってきたのですが、これにつきましてはまず漁業の実態、事情につきまして調査はしておられると思いますけれども、さらに航路の安全との接触面、起こってくるであろうと思う問題点、こういう点につきましては全国的に予定される狭水道地域を中心に十分に精査して現状を認識把握しておかれる必要があると思うのですが、この点の御用意はいかがでしょう。

岩本道夫水産庁漁政部長

○岩本説明員 かりにこの法律案が国会を通過しまして制度化されました場合に、沿岸漁業にどういう影響を与えるであろうかということを考えますと、非常に重要な問題でございます。一応考え得る地点を想定をいたしまして、そこの漁業の実態なりもしある種の規制が行なわれた場合にどういうことが起こるであろうかということについて、目下現地に照会をして事情を調査中でございますが、基本的にどの水域が具体的に指定されるか。かりに指定された場合に、そこにおける制限、禁止の内容が具体的にどうなるかということはまだはっきりきまっておりませんし、海上保安庁からも十分こまかい連絡は受けておりませんので、そういうこまかい点についての調査はまだ不可能でございますけれども、おおよそどの程度の漁船が出てどういう漁業をやっておる、かりにある種の規制が出た場合にどうなるであろうかという調査を現在やっております。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 この法律案は来年度、四十三年度に実施の運びに予定されておるのですか。それとも来々年度が目標でしょうか。それはどちらです。

井上弘海上保安庁次長

○井上説明員 来年度に施行したいというふうにわれわれとしては考えております。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 四十三会計年度から実施するということになるならば、これは当然予算が伴わなければならないと思います。と申しますのは、たとえば漁業の制限、禁止のある種のものが予定されるということになりますと、これに対しまして漁業補償の問題も起こるのではないか。補償は業務補償もありましょう。あるいは転業補償もありましょう。あるいは船の補償もありましょう。その他資材補償もありましょう。あるいは新しくおかに上がって職業に従事するんならば職業訓練の準備も必要でありましょう。そういうような労働省等の関係もありましょうし、あるいは地域地域によりましては幾多の制限、禁止をめぐりましての財政負担が伴うのではないか。そうしますと四十二年度の予算、こういうものは予備費で使えないことは当然でありますので、当然四十三年度に頭を出さなくちゃなりはせぬか、こう思うのですが、このようにしておるのであろうかどうであろうか。今日における、過去における農林省の一切の予算執行の状況を通じてみましても、これをずばっと横に流用していくようにはならないはずでありますので、こういうような点につきまして予算措置のこともあろうから来年実施ということは無理じゃないだろうか、こういうふうに考えるのですが、予算要求はしたのでしょうか。これは両方から御説明願っておきたいと思います。

井上弘海上保安庁次長

○井上説明員 補償の問題につきましては予算要求してございません。漁労禁止をするような場合には補償は必要だと考えます。しかしながら、特定の水域を指定いたしましてそこで制限あるいは禁止のことを具体的に詰めて政令の形をつくっていきたいと思うわけでございますが、その内容につきましてはまだいろいろ検討中でございますし、水産庁当局ともよくお話し合いをした上で定めていきたいと思っているわけでございます。  それから、先ほど、来年度に法律制定を希望してございますが、実際に法の施行をいたしますときはやはり政令なり省令なり整備いたしましてやっていかなければならぬというふうに考えております。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 これは漁政部長に確かめておきたいんですが、やはりこの種の立法は非常に海上安全、航路安全のためには急ぐ必要もありましょうし、同時にまた社会的な、産業的な影響もかなりありますから、そして零細な対象が多いんですから、問題は深刻であろうと思います。したがいまして、予算の用意なしにぱっと法律だけが先行するということはもちろん考えられません。ことに財政硬直といわれているおりからですから、この辺につきましても相当慎重なかまえでこの財源措置、それから法律案、その内容、あるいはまた政令の用意、万般の用意を、これは農林省と運輸省の間に全く隔意なくおやりにならぬと後日災いの種をまいていくのではないだろうか、こういうふうに考えるのですが、そういう用意は両方ともお互いの意見を交換しながらしていかなければいくまいと思うのですが、どうですか。

岩本道夫水産庁漁政部長

○岩本説明員 全く先生の御指摘のとおりでございまして、水産庁といたしましてはこの法案の準備につきまして海上保安庁に要望いたしております。要望の要点を申し上げますと、第一に狭水道を指定いたします場合には必要最小限度の水域に限って指定をしてもらいたい、これが第一点でございます。  第二点は、漁労の制限禁止をやります場合にも必要最小限の範囲に限ってやってもらいたい、これが第二点。  第三点は、かりに漁労の制限禁止をやります場合にはこれに対する補償を十分考えてもらいたい。  第四点としまして、狭水道の地域を指定しましたり、あるいは特定漁業について漁労の制限禁止をいたします場合には十分に関係漁民の意見を聞いてその意見を反映させるようにしてもらいたい。  まあこまかい点いろいろございますが、大きくこの四点について保安庁に要望いたしていま折衝しているところでございますが、御指摘の補償の問題につきましては海上安全審議会におきましても、漁労の制限または禁止は、真にやむを得ない場合のみに行なうものとし、これにより損失を受ける漁民に対しては補償措置、転業措置等を含めて十分配慮することというふうに指摘をされております。したがいまして、立法化にあたりましてもこの漁労制限禁止に伴う補償措置について十分配慮するように海上保安庁と隔意のない意見を交換して、実際沿岸漁民が困らぬように努力をしたいと考えております。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 私は、直接この制限禁止を受ける漁民が転業する、あるいはその他の何か道を開くということもすぐに起こってくる問題ですが、同時にまた漁民が陸上に上がってすぐにほかの仕事につくというのはちょっと考えられません。冬、土木業の雇われ人に行ったりしますけれども、これとても健康なときだけでして、少し老いぼれてくるというと役に立たないので、みんなだめになっております。そう思いますと、今度は制限のない地域に進出してきはしないだろうか、そうすると漁民同士のまた仲間げんかになってしまう、狭い漁業権の取り合いみたいになりはしないだろうか、そこの争いということになりはしないだろうか、そういうことまで実は考えまするので、この点はよほど慎重な御調査、研究をしながら、そして両方とも政府は一体ですから、農林省と運輸省と何もお互いが対立しているわけでも何でもないんだから、政府は一体といたしまして国民のためにいかにこの種の海上の安全、交通の安全を確保し、また漁民については生業の保護をする、この両全を期するということで、そこにみじんも食い違いがないように、錯誤がないように調査、協議をしながら進んでいただきたい。一刻を争う問題でありますけれども、同時にまたそそつかとやって、あとで手直し手直しになったり、次々と問題になったり、予算の浪費になったり、そういうことにならぬようにしてもらいたいというのがわれわれ国会としての強い要望でございますから、そういう辺につきましては準備段階が一番大事だと思います。もう一たん法案が国会審議にかかっちゃいましたらせいぜい一部修正をするか、あるいは附帯決議をするのが関の山です。そういうことじゃだめでございます。   〔高橋(清)委員長代理退席、委員長着席〕 やはり法案が出る前に政令の御準備もあらかじめ両方とも十分に検討し、また机上の検討だけではなしに実地の調査も十分やって、そして実際の実情に即して具体的事実を前提にいたしまして過誤のない準備を双方進めてもらいたいということを強く御要望を申し上げておきます。  そこで、さっきちょっと気がかりになりました水産庁の御答弁ですが、四十三年度から実施する、法律になるというふうにおっしゃっていましたが、これは少し冒険で、無理になりはしませんか、どうでしょう。

岩本道夫水産庁漁政部長

○岩本説明員 法律の具体的内容についてまだ詳しい御連絡を受けておりませんので、その内容をどうするか、またその実施をいつにするかということについても十分な知識を持ち合わせておりませんが、かりに四十三年度から実施するといたしますと、ただいまおっしゃいました補償についての予算措置をどうするかというのが直ちに問題になるわけでございまして、これから保安庁とこの話し合いをいたすわけでございますが、そういう関係もございまして、はたして四十三年度から法律はかりに実施するとしても、この漁労の制限禁止を直ちに実施できるかどうか、いまのところ十分な自信を持っておりません。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 他の省との関係もいろいろあろうと思いますが、これはやはり、私はきょうは漁労保護の角度から見ておるのですけれども、しかし漁労保護と申しましても農林省だけじゃなしに、労働省もあるし厚生省もあるし、いろいろ公害のひっかかりもできてまいりますし、ことに大きな海上の災害事故が起こったようなときを想定しておるようでありますから、そういうときには各省の関係がありますので、これは漁労を中心とした考え方に立ちましても各省との連絡もしながらやってもらいたい。公害につきましては厚生省、労働については労働省ないしは大蔵省につきましてもこれは十分な説得をしながら進んでいくのでないと、新規政策費ということになったらまた問題になるのじゃないかと思うのですが、その辺はあらかじめそれぞれとわたりながら話を進め、準備を進めておいでになるのでしょうか。

井上弘海上保安庁次長

○井上説明員 これは確かに水産庁ばかりでなく、たとえば罰則などの関係では法務省などとも相談しなければなりませんし、また工作物等の関係につきましては水産庁その他と関係がございます。そういった面との調整は進めておりますが、御指摘ございましたような厚生省、労働省との関係、これは私どもも留意いたしてお話してまいりたいと思います。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 いまの問題はそれで終わります。  農林省営農課長見えておりますか。——農地局管理部長に開拓の営農のことをちょっと聞いてみたいのですが、農林省の構造改善とかあるいは開拓営農対策というようなものにつきましては、これは問題が多過ぎますので、きょうは時間の関係もありますから、大事と思われる点を一、二伺ってみたいと思うのですが、この開拓営農につきまして、振興計画が大体ことし終わるのじゃないかと思うのですが、そうなんですか。

中野和仁農林省農地局管理部長

○中野説明員 開拓営農振興対策につきましては、先生御承知のように、第二次対策といたしまして、昭和三十八年から五カ年計画で、政府がてこ入れすれば立ち上がれるだろうという農家を対象にしまして、ずっと計画を進めてまいっております。そこで五カ年計画をずっとやってまいりまして、計画を立てたのを知事が認定するわけでございます。その認定につきましては、本年度をもって大体所期の目的どおり終わります。認定をいたしました農家につきましては、その翌年度から二年ないし三年にわたりまして政府資金を貸し出すということでございますので、認定は終わりますけれども、これからまだ、ことし、来年、場合によっては再来年まで政府資金は貸し出す。その農家の営農の目標がいつ達成するかということは、計画では、大体計画を立てましてから六年目に完成をするということでございます。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 開拓営農がうまくいかぬので都市へ去っていきたいという農家の問題ですね。この問題も、なかなかこれも最近の都市状況から見ましても、また開拓営農に従事しておったような人の労働力の生産性の問題から見ましても、なかなか都市へ行ってうまくいかぬ状況なのでありますので、そこで私、二、三歩いたところの実見からいたしますると、もう一ぺん開拓営農について振り返って、これを去って都市へ行くというようなことではなしに考え直すということはできぬものだろうか。そうして新しい開拓営農振興対策をもう一度立てる必要はないであろうか。こういうふうに実は考えるのですが、そういう意見は省内には出ておらぬのですか。

中野和仁農林省農地局管理部長

○中野説明員 先ほど申し上げましたように、現存の対策がだんだん終わりに近づいております。私たちとしましてはその成果を見た上で、その先のことは考えなければならないだろうというふうには基本的には考えるわけでありますが、この振興対策を計画いたしましたときに、当時既存の中庸農家の水準を目標にするということにいたしておるものですから、基本的に申し上げますと、その段階で漸次一般の線に移行していくということではないかと思います。ただそう言いましても戦後入植した農家は、既存の農家と比べてみまして、負債の問題から考えましても、営農の生産手段の整備状況から見ましても劣る面もあろうかと思います。一挙にもう全部あとは知らぬ、こういうことにはまいらないと思います。その間のいろんなつなぎは考えていきながら、順次一般的には一般農政に移していくほうがいいのではないか、こういうふうに考えております。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 開拓営農者が酪農に従事しておる実情を見てみましても、土地は持っておりまするけれどもやはり交通が不便でありますし、また革牧地帯などもかなりあるようでありますけれども、購入飼料の高いために、たとえばおととしか去年行きまして私の見た実例でも、豚屋さんが豚を飼っておってとうとう夜逃げしてしまったというのがあるのです。あちらこちらに借金をしていて夜逃げしましたというように、これは悲惨なことでして、どこに行ったかわからなくなったというような実例もございます。そういうふうに、生産品の市価の不安定ということも伴いまして、開拓営農につきましてはさらに一段と深い配慮から、もう一ぺん振興対策を練り直す段階に来ておるのじゃなかろうか。私も若干資料を持っておりますので、次の機会に、現地のいろいろなあちこちの資料に基づきましてもう一度——その振興対策を立て直す必要あるのじゃなかろうか。でなければ、農村の一つのガンになっていくだろう、こういうように実は考えておるのです。これは全体の問題とは言いません。全体をよく私は存じませんから、主として関西地域でございますが、開拓営農を別の角度から見まして、これはもう一ぺん考え直す必要がある。普通の、もう十年前に立てましたような計画の進め方というのでは、たとえば各県庁におきましても、開拓営農問題は事実上はもう、残務的な扱いしかしておりません。もう中心的な新しい日の当たるような考えでは扱っておりませんですから、その辺から見ましても、今後再検討の一つの課題としまして考えてもらいたい、こう思います。もっとも、これは少し資料に基づきまして、首脳部ともまた十分に質疑応答いたしまして、その改善対策を立ててもらいたい。そうして資金面にしましても同様です。資金面にいたしましても、資金の使い方にしましてもそのように考えております。いろいろな点でそうしたいと思いますけれども、ぜひひとつ新しい角度から、さらに再検討するというような機運をつくり上げることが、農林省の一つの役割りじゃなかろうか、こういうふうにも考えております。それにつきましてお考えを聞いておきまして、時間の関係もありますので、きょうは私は質疑を終わりますが、どうでございましょうね。

中野和仁農林省農地局管理部長

○中野説明員 先ほどもお答え申し上げましたように、確かに先生御指摘のような、地域によりましては、その地域が立地条件が非常に悪くて不振な地区も私どもいろいろ聞いて知っております。ただ私先ほど申し上げましたのは、全般としては今度の振興対策で相当程度は立ち直ってきておる。立ち直っていない農家も部分的には地域によってはあろうかと思いますが、その農家についてはどうするかといった場合に、先ほどもちょっと先生からお話もございましたが、土地がせっかくあるのだから、そこを何とかしょうという場合に、本人が意欲がある場合には私たちとしても何とか考えなければならぬという気がいたします。同時にやはり、経済情勢その他が変わってきておりますから、外に出たいというのもかなりあるわけでございます。そのためにわれわれとしましても、もう何年来離農対策として、対策農家には特別に補助金まで出してやっておるということでございますので、その辺を十分見きわめましていろいろやっていきたい。そのためには、これまたこれから来年、予算要求との関連になってまいりますけれども、一つには負債の問題があるかと思います。そういう問題につきましてもかなり綿密な調査をいたしまして、どういう対策をとるかということも現在検討しております。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 私その問題を申しますのは、離農対策にしましても、いまの離農対策では離農できないのです。  それからまた負債の処理の問題にいたしましても、なかなかほうっておくわけにいきませんし、さりとて一種の焦げつきみたいになっておりますので、それを償還するということはえらいことなんです。でありますから、日本も戦後開拓営農の大きな政策を一たん立てたのですから、有終の美の立場から見ましても、どうしても現状を十分に御調査になりまして、再検討の段階がきておりますので、また別な機会に質問することにしまして、きょうは終わることにいたします。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員長 浅井美幸君。

浅井美幸公明党

○浅井委員 昭和四十年度の決算検査報告にも指摘されてありますけれども、「政府所有食糧等の運送に伴い支払われる諸掛の契約単価」、この問題についてお伺いしたいと思うのですけれども、昭和四十年度、四十一年度にどのくらいこの運送費を支払っておるか、その明細をまずお伺いしたいと思います。

田中勉食糧庁次長

○田中説明員 昭和四十年度におきまして、食糧庁が米麦等につきまして運送いたしております運賃の支払い額は、鉄道運賃も含めまして百十三億七千万円、四十一年度におきましては、同じく鉄道運賃も含めまして百二十六億六千九百万円ということに相なっておるわけでございます。

浅井美幸公明党

○浅井委員 このことについて、一応この運送の元請というのですか、これはいま日本通運が引き受けておる、そういうように伺っております。日本通運の全国組織を通じてやっている。ところがそれが下請のほうに委託をされておるというふうなことがありますが、このことについてはどういうふうになっておりますか。そのことについての内容を聞かしてもらいたいと思うのです。

田中勉食糧庁次長

○田中説明員 政府が日通と契約いたしておりますのは、国内産の米麦、それから外国産の米麦、こういうことで日通と一括運送契約をやっておるわけでございます。その中で日通が他の運送業者と運送契約をしておるのがどういう状況になっておるかというお話でございますが、大体日通そのものが全国的な組織を持っておりますので、相当な割合、自力で各末端の営業所で運送をやっておるのが大部分であるわけでございますが、その中におきましても、たとえば産地におきまして農業倉庫から駅に運搬をする場合におきまして、日通のトラックもありまするけれども、便宜農協のそういうトラックを利用するというような協約を結んでおるものがございます。これは現実問題といたしまして、発地のほうにおきましては全体の中の年間では一八%の協約を結んでおるわけでございますが、現実には三%とか四%のような実績になっておる。  それからなお日通ができました際におきまして、いわば各地で旧免業者というものがございます。旧免業者の多いところは、関東で申しますと大体北関東地帯、茨城県、栃木県、旧免業者は、これは独立の運送業者になっておるわけでございますが、そういうところとの間においては運送の下請契約をやっておるというような地帯がございます。したがって大部分、その他の地帯におきましては日通独自で現地の営業所を持ち、現地の運送機関を持ってやっておるというのが現状であります。

浅井美幸公明党

○浅井委員 この運送を長年の間日通が引き受けておるということでありまして、この一社で大体契約しているというふうなたてまえになっております。これはどういう根拠か、会計法上の運用面ですが、このことについて御説明願いたいと思います。

田中勉食糧庁次長

○田中説明員 まず法的な根拠といたしましては、会計法第二十九条の三の五項に、「政令で定める場合においては、」「随意契約によることができる。」ということが規定されておるわけでございます。またこれを受けまして予算決算及び会計令におき・まして「随意契約によることができる場合」がいろいろ列記をされておるわけでございます。その中で、予算決算及び会計令の第九十九条の八号の規定に基づきまして随意契約をやっておるというのがたてまえであるわけでございます。  法的根拠は以上のような根拠に基づいてやっておるわけでございますが、なお現実の実体的な私どものほうの認定といたしましては、食糧庁は全国的に米の配給責任を持っているわけでございまして、したがいまして、全国至るところに、生産者のほうから買い上げました米を、各県ごとの配給計画にのっとりまして、生産地から消費地へという運送を全国的な規模におきまして、しかもまた計画的にこれをやらなければならないということでございますので、そういう全国的な大量の貨物を計画的に、しかもその配給計画にマッチして処理をするというような運送の相手方ということになりますと、これは日通の持っております現在の機構、資産、信用、またその規模というようなものからいたしまして、日通以外には他に適当な運送業者がないというような認定に立っているわけでございます。

浅井美幸公明党

○浅井委員 その九十九条に随意契約ができる場合がございますけれども、それと関連したほかの条項なりあるいは項目で、現在日通と契約の際、農林省あるいは食糧庁ではやっておられるか、詳しく説明していただきたいと思います。日通の随意契約についていろいろと法的なことがあると思うのですが、いまの条項だけでおやりになっておるのでしょうか。

田中勉食糧庁次長

○田中説明員 その点につきましては、いまの法的な根拠は先ほど申し上げたとおりでございまして、随意契約によることができるということになっております。その場合に、随意契約によるという私どもの実体的な考え方といたしましては、先ほど申し上げましたように、全国的な規模においてこの国内食糧を配給計画に沿って、そして計画的にこれを運送するというような相手方ということになりますと、現在の食糧の需給操作の観点からいたしまして、日通のようなやはり全国的な組織網を持ったところ、しかもそれを実施する相手方といたしまして、資産、信用等が確実であるというような認定のもとに、この日通を随意契約の相手方としてやっておるわけでございます。

浅井美幸公明党

○浅井委員 それは日通の現況あるいは状況等のお話であって、私が聞いておるのは九十九条の八号に伴っていろいろとほかにも関連した条項があるでしょう。それをどのようにいま実施をしておるかということを聞いておるのです。何も日通の会社の状況等を聞いているのではないのです。

田中勉食糧庁次長

○田中説明員 そのほかの条項の中には、たとえばなるべく二人以上の者から見積もり書を徴するというような規定が実はあるわけでございますが、この問題につきましての私のほうの考え方といたしまして、これはなるべくやはり見積もり書を提出するということではございますが、必ずしも二人以上の者から見積もり書がなければならないというようなことは解釈をいたしておりません。  なおまた随意契約を行なうにあたりまして、予決令の第百二条の四の規定には、原則として大蔵大臣に協議しなければならないというような項目があるわけでございます。しかしながら、これにおきましても、ただし書きにおいて協議をしなくてもよい場合を一号から七号まで列挙してあるわけでございます。その七号には、予決令の第九十九条の八号「運送又は保管をさせるとき」の規定により随意契約によろうとするときには大蔵大臣に協議しなくてもよいというようなことになっておるわけでございますので、すべてこういうような規定の意味するところに従いまして、私のほうは現在日通を一括運送契約の相手方といたしているわけでございます。

浅井美幸公明党

○浅井委員 いまあなたは、「なるべく二人以上の者から見積書を徴さなければならない。」という第九十九条の六は必要がないという答弁でありましたけれども、確かにこの九十九条の六には「見積書の徴取」ということをうたってあるわけです。いかなる根拠でこれを必要がないというふうに認定されておるのか、その根拠をはっきりしてください。

田中勉食糧庁次長

○田中説明員 いま日通と契約をいたしております運送契約の料金の内容は、通運料金というようなものがほぼその主体をなしておるわけでございますが、通運料金等におきましては運輸大臣の認可または運輸大臣への届け出の料金になって、いわばこれは定額制の料金、現在の日通の料金の中にはほとんどそういうものが占めておるわけでございますので、現実問題として見積もりを取るというようなことについての契約の内容からいたしまして、その実益がないというような観点で徴しておらないのでございます。

浅井美幸公明党

○浅井委員 公定料金がきめられておるから、見積もり書のいわゆる徴取は要らないというあなたの考え方ですね。そうすると、その点について、では今度は日通が下請に出しておる場合に、下請料金と元請料金の差はどのくらい出ておるのでしょう。

田中勉食糧庁次長

○田中説明員 下請料金等につきましては、運送の実態の内容等によっていろいろ違うと思うわけでございます。私ども一例として承知いたしておりますところは、たとえば私が先ほどちょっと申し上げました生産地で、駅に運送する場合、トラックで駅出しする場合に、農協との間においての契約がございます。その場合におきましては、その駅出し料金の公定料金の三%というものが日通の側において、いわば元請的運送の事務処理というようなことで、そういう契約になっているというようなことを一例として聞いているわけでございます。

浅井美幸公明党

○浅井委員 今回この問題が初めてではなくて、ことしの予算委員会でもいろいろ問題になっておりますが、その席の質問の中に、日通から支払いを受けておるというある通運業者のその支払いの明細書を調べてみますと、通運取り扱い料、貨物取り扱い料、配達料、入庫料というようなことになりまして、合計トン当たり四百二十一円、こうなっておる。しかるにトン当たり日通が受け取っておりますのは四百七十円四十八銭、差し引き四十九円四十八銭が一トンについての日通のピンハネだ、こういうふうになっておる。これでいきますと、三%どころではないわけです。ですからいまあなたのおっしゃった、どこの例かわかりませんけれども、こういう例もあるということになりますと、日通自体の受けている利益と、さらにそれに上積みをして下請へ回していく、そのいわゆる利益との差はどういうふうになるのでしょうか。

田中勉食糧庁次長

○田中説明員 予算委員会の一運送業者のというようなことで例に引かれたようなことについては、その信憑性については私ども調査をいたしておりませんので、ここでその数字に基づいてお答えすることはいたしませんが、先ほど私が農協の例を引いて申し上げましたことはそういうことになっておるわけでございます。おそらく先ほど先生が御引用されたその中におきましては、日通に対しまして私どもの払っておりますのは、年間のプール単価というものを一応算定をしてその運送賃を支払っておるわけであります。と申しますのは、個々に現実の実態運賃を算定して支払いする場合におきましては事務分量も相当膨大になってくるわけでございますので、毎年現実に行なわれた運送の実態をよく調査をいたしまして、そうしてそれを翌年度プール単価というようなことで現実にその翌年の運送を実施しておるわけでございますが、プール単価ということになりますと、たとえば一つの地域の問題とそれから全国的な問題と、やはりその現実の事態が違ってくるわけでございます。そういうようなプール単価のような料金と現実の支払い料金というようなものとの何か数字的なそういう差というようなことでおそらく引用されたのじゃなかろうかというふうに考えられるわけでございます。いずれにいたしましても、その信憑性のほどにつきましては私どもまだ調査をいたしておりませんので申し上げる段階ではございません。

浅井美幸公明党

○浅井委員 その下請会社に運送を委託している、その委託をした費用がどのくらいだかあなたのほうでおわかりになりますか。食糧庁から日通、日通から下請会社とお金が支払われていくわけでございますけれども、この日通と下請会社との手数料の取り扱いは一体どのようになっているか、その点について明快に数字をあげて説明していただきたいと思います。

田中勉食糧庁次長

○田中説明員 日通と下請の関係につきましての具体的な運送の内容等につきましては、日通と現実問題としてその下の下請をする業者との関係になっておりますので、どれだけの運送料、現実にその金額がどの程度になっているかということは現在ちょっと手持ちに持っておらないわけでございますが、いずれにいたしましても、先ほど申し上げましたように日通自体が末端の営業所を動員して全部自力でやるという実態でないことは確かでございます。したがいまして、たとえば農協に先ほど申し上げましたああいう割合のもの、それから先ほど申し上げました北関東地帯のようないわば旧免業者がおるようなところにおいては、その旧免業者を活用するというようなことが行なわれているわけでございますので、そういう運送業者との間において授受された金額なりあるいは数量ということについては、いま手持ちは持ち合わしておりませんからちょっとお答えできかねるわけでございます。

浅井美幸公明党

○浅井委員 そうするとこの関係性ですけれども、いわゆる日通が元請で食糧庁から受けて、それが下請に今度いきますね。下請にいって、その中に手数料としての名目でどのくらいの金額が支払われておるか、はっきり掌握しなければ、日通との今度の契約の場合に、第九十九条の五に「契約担当官等は、随意契約によろうとするときは、あらかじめ第八十条の規定に準じて予定価格を定めなければならない。」こういうふうにうたってあります。そうすると、その予定価格を定める場合に下請の実態——公定価格だから、あなたはわざわざ二人以上の者から見積もり書を徴さなければならないという規定は必要はない、そういう御答弁だったわけです。そして今度はどこの業者から出さしても同じ見積もり書が出るということでありながら、じゃあ今度日通が下請に出しているところの実態あるいは手数料、そういうものを掌握しないで、九十九条の五の八十条の規定に準じて予定価格を定めるということは、どういうふうにしてやっているのか、その点を詳しく説明していただきたいと思います。

田中勉食糧庁次長

○田中説明員 日通の下請との関係におきましては、政府の側におきましては、現実にたとえばことしの運送単価を決定いたします場合におきましては、昨年に実際に行なわれた運送の実態基にづいて、各それぞれ通運料金なりあるいは倉庫料金なり、現実にそういう法定で定められた料金に基づいて、それを積み重ねて現実の運送単価をきめているわけでございます。したがいまして、日通が個々の下請の業者と契約いたします場合におきましても、通運事業法に定めるところの通運料金あるいは倉庫業法に定めるところの倉庫料金ということがはっきり定額にきまっておるわけでございますので、それに準拠して大体日通と個々の下請業者との間においては契約が行なわれておる。私のほうはそういうぐあいに考えておるわけであります。したがってその中におきまして、日通が総括的に運送を食糧庁との間において処理をするというような観点から、くどいようでございますが、農協関係の例等におきましても三%ぐらいのものになっておるというぐあいに理解しておるわけでございますが、現実問題としてやはりそういうふうな形において行なわれているというぐあいに私どものほうは理解をして現在の契約をやっておるわけでございます。

浅井美幸公明党

○浅井委員 政府の大事な米を保管させたりあるいは運送させたりしておるわけです。それを下請会社がその間運送あるいは保管をするわけです。その実態は、そのように三%ぐらいの程度で下請業者との契約がなっておるんだろうという推測ですか。私は実際問題として、これは運輸省できめた定額の運賃だから、農林省の口をはさむところではないという考え方が非常におかしいように思うのです。やはり予定価格を定めるときに、明らかにそういう実態を掌握して、日通自体の業務といいますか、そういうものの掌握を明らかにすることによって、この予定価格の決定も成り立つと思うのです。なぜ私がこのようなことを言うかというと、この昭和四十年の指摘事項の中にあるものは、いたずらに、俵、かますあるいは麻袋等の米の運送の形式があった。それが俵が非常に多かった。だから運送料が故意にふえておったということを、ここで会計検査院から指摘を受けているわけです。したがってそのような指摘を受けている実態を、予定価格としてきめる場合に、たとえば四十二年度は四十一年度の実績に応じて予定価格をきめておるように伺っております。そのときに下請会社にどのくらいのマージンがあってどのくらいもうかっているのか、そのことを調べないで、ただ安易な方法、契約によるということは、私として納得いかないように思うのです。そこであなた方自体の、今回昭和四十二年度の運送費の決定にあたって四十一年度の実績に応じてきめられたと思うのですけれども、たとえば麻袋が俵からどのように変化してきたか、あるいはかますがどのように麻袋に変化していくか、その実績の推移といいますか、それを想定された計算でもって運賃を算出されたかどうか、お伺いしたいと思うのです。

田中勉食糧庁次長

○田中説明員 いま包装の問題が出たわけでございます。確かに御指摘のように最近包装の関係におきましては、いわば俵、かますのような古来伝統的に使われたものから近代的な包装にだいぶ変わってきているわけであります。麻袋の比率が非常に逐年増加してきておることも事実であります。それから紙袋が軽量化の方向の一翼といたしまして、紙袋三十キロというものが出てきていることも事実でございます。現実問題としましてことしの単価をきめる場合におきまして、会計検査院のほうから御指摘をいただいたのは、四十年度の包装別の単価ということで御指摘をいただいたわけで、私のほうといたしましても四十一年度におきましてこれが実態を調査いたしまして、四十二年度から実施をいたしておるわけでございます。  そこで現在の運賃契約の単価の建て方といたしましては、実績をもととしてやっておるわけでございますので、四十二年度においてそれが現実に俵、かますとそれから麻袋、紙袋の比率がどういうぐあいの推移になるだろうかというととは、これはやはり現実にはそういう方向——俵、かますが減少傾向の方向にあり、また麻袋なり紙袋のほうがふえるというふうなことは予想されるわけでございますが、現実にどの程度になるかということはなかなかこれは、推定をせざるを得ないというふうなことにもなりますので、ことしの単価をきめる場合におきましてとにかく一番近い時点の過去の実態を極力ことしの分に反映させていくというようなことで、いまやっておるわけでございます。

浅井美幸公明党

○浅井委員 一番近い年というのは、ことしの場合はどの年のことを参考にしたのでしょうか。

田中勉食糧庁次長

○田中説明員 ことしの場合におきましては、たとえば四十二年にこれをやる場合におきましては、資料の収集のこともありますけれども、昨年は大体十二月ごろまでの実態等もよく調べまして、それでそれに基づきまして本年度の契約単価の内容に反映させるということにいたしております。

浅井美幸公明党

○浅井委員 その問題、私にとって非常に解せないのは、いわゆる実態の運賃というものではなくて、過去の実態をデータにしたもので、現実よりも安いものを高く支払っておる。食管費が赤字だ赤字だと大騒ぎをされておるけれども、その中の流通機構であるところのそういう事務費やあるいは運送費というものに焦点が、何とか節約できないかということを言われておる。それほど世間の関心、消費者米価の値上げ等に伴って物価の値上げを誘発しておるという観点から、この運送費の節約ということについても当然目を向けなければならない。しかるに実態と違った、一番近いデータでもってと言っておりますけれども、過去のデータにおいて非常に誤りがあった、いわゆる麻袋の包装の変化が非常に激しかったと言って済ましておられる問題ではないと思うのです。ですから、税金を使うこういう公金の場合の使い方として一これは私は一般会社で言えばそういうことはあり得ないと思うのです。過去の実績においての運賃の支払いということではなくて、その実態、トン数、それによって払うというのは、これは物の取引といいますか、運送契約というか、そういうものの実態に即しておる。ところが、米だけは実態に即さないで、あえて安いものを高く支払っておる、そういうふうにきめつけられても、これは弁解の余地がない問題ではないかと私は思う。その点の合理化といいますか、その辺のいわゆる運送の運賃契約に対してもう少し全面的に改正するという考え方をいまお持ちなんでしょうか、その点について伺いたいと思います。

田中勉食糧庁次長

○田中説明員 いま包装の問題についてお話が実はあったわけでございます。その他の問題につきましても、やはり前年の実態をことしに反映させるということになりますと、そのときどきの作柄の変動とか配給計画の違いとか、いろいろな予測せざる事態がございまして、そういう点を厳密にほんとうにその実態に即して狂いのないようにやるためには、やはり現実問題としては実費払い、ほんとうにことしやった場合に、その現実の事態に即した実費払いにすることが、これが理想になってくるわけでございます。そこで、その問題につきましては、私のほうは、現在の年間を通じての運送をいまやっているわけでございます。しかも、それには緊急性も要するというようなことのために、現地の職員の実態に即した——すぐその支払いを窓口でやるということにつきましては、過去におきましてもそういう考えはもちろん理想としてはございましたけれども、それがなかなか現実問題として事務分量の問題からも行なえないというようなことからいたしまして、ことしの運送をやる場合におきましては、できるだけ直近の時点においての実態を反映せざるを得ないというようなことに立っているわけでございます。将来これらの問題について、現実問題としてどういう実態に即した形が理想であるというようなことからいたしますると、私のほうも、現在の事務分量なり、あるいは事務処理の能力等からいたしまして、これをどうやっていくかというようなことがここに出てくるわけでございます。たとえば一つの例を申し上げますると、昨年おととし——最近日通の運送賃の中におきましても、トラックを使うという場合がございまして、トラックの場合におきましても、やはり六トン車とか四トン車とか、あるいは八トン車とか、いろいろな形態のトラックの使い方があるわけでございます。それを一本のたとえばプールというようなことにいたしますると、やはり非常に問題があるわけでございまして、なるほど直近の時期における現実のそういう使った車種に合わせて、そうしてできるだけひとつそれを翌年に反映さしていくということをやっているわけでございます。  なお、今後の問題につきましては、そういう意味で理想は、実費が一番の理想であるわけでございますので、なるべくそれと現実が食い違わないように、プールをやっておりましてもそれが食い違わないように配慮なり改善の努力を続けていかなければならぬ、こういうぐあいに考えております。

浅井美幸公明党

○浅井委員 それから、消団連ですか、消費者団体連合会の全国大会で、日通の米の元請輸送費に三十億円の不当な水増しがあったというふうにいわれておりますけれども、去年の九月の話でありますけれども、こういう事実はあったんでしょうか。

田中勉食糧庁次長

○田中説明員 昨年、消団連から何かそういうような資料が出たのは記憶いたしておるわけでございますが、私のほうといたしまして、いろいろ詳細にその内容等も検討をいたしました。その計算の基礎になっております計算のしかたに非常な問題がある事項と、それから、現実問題として計算の数字に非常な間違いがあるというようなことがはっきり出ておるものもございました。この点につきましては、私のほうとして、その資料の信憑性については、これは事実非常に大きな間違いがあるというぐあいに、いまそういう理解をいたしております。

浅井美幸公明党

○浅井委員 私もその内容の点について詳しいことは知りませんのでこの辺でおきますが、大体三十年間も一社に独占をさしているということで非常に批判がございます。物価懇談会のいろいろな意見の中にも、競争原理の導入ということが一貫した態度でございます。そういうことでありますから、関係各省でも、そういう基本方針に沿って研究をしているという宮澤さんの発言もございます。この点について、米麦輸送についての日通独占、これを、物価の引き下げということからあなたはどのように考え、あるいはまた、庁内においてどのようにいま検討されておるか、あるいは、将来どのようになさるのか、その点を明確に御答弁願いたいと思います。

田中勉食糧庁次長

○田中説明員 現在食糧管理を運営している立場といたしまして、米麦輸送を全国的に行なう立場といたしまして、いまのところ、これを効率的に、しかも確実に実行する相手方といたしまして、やはり日通のこの機構に匹敵するものはないという認識に立っているわけでございますが、三十四年ごろの衆議院の委員会等におきましても、運輸大臣なり農林大臣なりあるいは経済企画庁長官が出られた席に私も出たことがございますが、やはりそういう中小のそういうもの、政府の扱う貨物等につきましては、日通以外のものについても、やはり条件が整ってくれば、ある程度そういうものも考慮したらどうか、こういう意見がございました。その当時、全国通運株式会社というのが出ておったわけでございます。何ぶんにもやはりそういう日通以外の会社等におきましては、国鉄を中心とする輸送体系からいたしまして、駅の免許を得ておるような末端機関を包含しておるというような度合いがもう極端に少ないわけでございます。私のほうは、たとえば日通の状況でありますが、貨物駅としては全国で二千二百程度のものが日通で配備しておる末端の状況でございますが、全国通運のほうにおきましては、五百というような駅ということになっておるわけでございます。これらをやはり県間輸送を一体的に責任を持って運送する相手方としては、日通以外にないといま実は考えているわけであります。しかしながら、やはり運輸省のほうにおきましても、そういう新しい業者の育成というようなことは、運輸行政の一環として考えておられるわけでございまして、逐年そういうものが増大していく傾向にもあるわけでございますので、そういうものがほんとうにかなり末端の機構なり組織なり体系を整備された暁におきましては、私のほうといたしましても、あえて日通のみでなくて、そういうものも相手にするということも考えていかなければならぬというぐあいに考えております。それからなお、いまの運送の御指摘もございますが、やはり食管会計の中におきましても、各種の中間経費の節減ということは、これはもうで曇るだけ私のほうとして全職員をあげて努力していかなければならぬというぐあいに考えているわけであります。たとえば日通のこの受け持っておる運送の形態にいたしましても、極力、たとえばLP計算というようなことによりまして運送距離を極力最短距離、そして不経済輸送を排除するという、基本的にはそういう輸送体制を確立いたしまして、それで現在の運送法をやっておるわけででございます。そういう面において、全国的な規模でいろいろ各地の米をあちらこちら動かすわけでございますが、その動かし方等につきましては最短輸送、そして不経済輸送を排除する、あるいは、鉄道輸送と船輸送との彼此両者において安いほう、鉄道が安ければ鉄道のほうをとる。さもなければ船輸送をとる。あるいはトラックで運んだほうがむしろ鉄道にかけた場合よりも安ければそのほうを採用する。いろいろそういう基本的な輸送の節減ということをはかると同時に、運送の引き受け者であるところの運送業者におきましても、先ほど申し上げました日通以外のものにつきましても、将来そういうような条件なりそういうものが整備されるというような機会等におきましては、十分それらの方々のほうも考慮していかなければならぬというふうに考えております。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員長 本日はこれにて散会いたします。    午後零時五十一分散会

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