決算委員会 第4号
- 発言数
- 278 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1967/10/13
会議録
○鍛冶委員長 これより会議を開きます。 歳入歳出の実況に関する件について調査を行ないます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。丹羽久章君。
○丹羽(久)委員 それでは、歳入歳出に対しましての決算、それに関連いたしましてお尋ねをいたしたいと思います。 まず最初に、文部省にお尋ねいたしたいと思います。 実は、私の要望では、剱木文部大臣に御出席いただきましてお尋ねいたしたいと思いましたけれども、大臣、御承知のとおり非常に多忙であるようでありますので、このたび新しく就任せられました大学学術局長と、立松情報図書館課長が御出席のようでありますから、お二人に私の質問に対して御答弁を願うことにいたしたいと思います。 四十年の予算からまいりましても、大学だけでなくて国立学校に対する一般会計は、一千三百五十六億という金が出されておる。そういう点からまいりまして、一般のことは別にいたしまして、特に国立大学においての文部大臣の権限の範囲というのを、大体きめられた法律によってわかってはおりますけれども、この際明らかにしていただきたい。この点をひとつ学術局長から御答弁を願いたいと思います。
○宮地説明員 お答えいたします。 文部省と国立学校の関係は、国立学校設置法に、「国立学校は、文部大臣の所轄に属する。」という規定もございますし、また文部省設置法におきまして、大学その他の教育、学術、文化に関する機関に対して、文部大臣はその運営に関して指導と助言を与えるといったようなこともございます。また直接には、国立大学の予算につきましては全部文部大臣が予算を計上し、各大学に予算を配付しておる、こういう関係でございます。
○丹羽(久)委員 それでは、文部大臣の権限というものは、一応私が調べた範囲におきますると、大学の運営に関する指導権、助言権があるだけで、行政上、運営上の監督権は法令に別段の定めがある場合を除き行使することができ得ないということになっておるようでありますけれども、この問題に触れて一々その問題を取り上げてまいりますると非常に時間もかかりますし、制限せられた時間もありまするので、一応簡単にいたしたいと思います。 そこで局長にお尋ねいたしたいと思いますことは、実質的に文部大臣の権限というものが現在のようなあり方であっていいのかどうか。端的に申し上げると、もう少し文部大臣が権限を持つべき点、非常に不便を感ずる点はないのか、こういう点をお尋ねいたしたいと思います。
○宮地説明員 一般的な問題といたしましては、特に文部大臣の権限を強化しなければならないというふうには考えておりません。ただケース、ケースによりまして、そういう場合には、これはかねてから問題のあるところでございますが、たとえば大学の管理運営等については、大学管理法といったようなものをつくって、もう少し権限関係を明確にしたらどうだといったような御意見もございますが、現在のところ、一応人事問題につきましては大学の自治にまかせておりますが、教育公務員特例法の規定にもございますように、文部大臣は人事についての任免権も持っておりますし、一般的な御質問であれば、一般論としては現状で特に支障があるというふうには考えておりません。
○丹羽(久)委員 文部大臣は大学学長の任免権も持っておるから、一般論としてはさほどにいま支障を感じていないとおっしゃいますけれども、大学管理機関を通じて答申せられてきたことに対しては拒否権はなし、その大学の管理機関におけるところの決議は、そこへ文部大臣が口出しすることもでき得ないし、自由気ままにいろいろの問題がそれぞれの管理機関によって論議をせられて、その結論が答申せられてくる。答申せられたことを許可するというだけのように思われる。そういうような場合において、大臣自体の権限というものは少しも認められるところはないけれども、それでも不自由を感じたり、何ら困るようなことは感じぬとおっしゃることばは、ちょっと意味を解することができませんが、その点どうですか。
○宮地説明員 大学の自治ということを考えます場合に、大きなファクターの一つがこの人事権であろうと思います。そういったような関係から、国家公務員法の特例として教育公務員特例法ができてもおりますし、文部大臣が大学の自治——これは日本だけではございませんが、古くからあります。また諸外国にも見られます。この大学の自治を尊重する以上、一応現在の教育公務員特例法の規定に従って適正に運営がされていけば、一般論としては特にどうしなければならないということはないと思います。ただ、個々の問題につきましては、これは多少いかがかというような点もございますが、お尋ねの一般論としては現在の状況でよいのではないかというふうに考えております。
○丹羽(久)委員 局長がそういうお考えだというならば、私は声を大にして少し申し上げていきたいと思いますけれども、新しい局長であるからそういうことを痛切にまだお考えになっていないのだろうと思うが、世論からいっても、大学の自治、大学の自治といって放任的になっておる面がたくさんあると私は思う。これは次回に一つ一つの具体的な例をあげて、そうしてあなたに迫って、あなたの答弁を聞くことにいたしましょう。一般論であっても、私はもっと文部省の所管そのものに対して大きな責任を持ち、大きな指導権を持ち、ある程度の権限を持つことが必要であるというように感じておりますよ。そういうことを考えている人が、社会にはずいぶんたくさんあるはずだ。うちの子供を預けていて、大学にまかしておいてそれでいいかどうかということに対しては、国立大学だからといって安心してまかし切ってしまうというわけにいかない問題がある。そういう点について局長が一般論としては何ら差しつかえないとおっしゃるなら、私は今度の機会にこの問題はまたあらためてお聞きすることにいたしましょう。局長がそういう考え方でいらっしゃるというのなら、私は新しい局長でまだ十分におわかりになっていないだろうと思ってごく簡単にお話をしただけであるけれども、個々の問題に対しては少しは直さなければならぬところがあるかもしれないけれども、一般論では全然そういうことは必要ないと考えておりますなんということを言明せられる以上は、私は今度は大臣に来ていただいて、実質的な問題を取り上げて、これでもいいかということを念押しいたしましょう。 第二点についてお尋ねいたしましょう。 名古屋大学医学部の紛争の実態をどのように調査をしてふただいたか、どのようになっておるのか、これも大学の自治であるから文部省としては調べることができないとおっしゃるのか、その点ひとつよくお聞きいたしたいと思います。
○宮地説明員 名古屋大学の医学部におきまして、教授の採用ということで種々トラブルがあり、外部に対しましても大学の信用を一部失墜するような風評もございますことは、国立大学を所管する文部省といたしまして、まことに申しわけないことだと思っております。 これは丹羽先生先刻御承知のことでございますが、要約して申し上げますと、名古屋大学医学部が、愛知県の地元にあります。まだ創設されて間もない愛知学院大学歯学部に対しまして、いろいろな面で協力していたその一つの態様として、名古屋大学が解剖体を三十数体、三十八年、三十九年、四十年と三カ年にわたって愛知学院大学に利用させた、こういったようなことが側面にございますが直接には……(丹羽(久)委員「局長さん、ぼくはその死体の問題はあとから尋ねることにして、いま紛争しておるがどういうことで紛争しておるか、それを聞くのです」と呼ぶ)そういう事件は一応これに関係があると思いますので、一応そのことを御紹介申し上げましたが、直接の問題といたしましては、小児科の教授が四十一年度末に定年退職いたしました。その後任者を四十一年九月の学内選考委員会及び教授会において数名の候補者を出し、特にこれはいろいろトラブルがございますので、教授の名前を具体的にあげることは控えさしていただきたいと思いますが、某氏が教授候補者として決定されました。ところがその某氏は、交渉を受けましたが、就任を断わられたようでございます。そのために、あらためて学内、学外の数氏が候補者にあげられまして、教授会で選考いたしましたが、そのうちの二名の方が特にきわめて相接近する賛成票で過半数に達しなかった。したがって、異例の決選投票をして、学外の某氏が教授の候補者に決定をみました。 ところが、その選考過程がいろいろ事情もあった関係で、学内の諸団体あるいは学外の人、こういったようなところからいろいろ声明なり要望書なりあるいは個人攻撃といったようなこともございました。したがいまして、決選投票で一票の差で候補者に決定した者を、学長としては文部省に上申をすべきかどうかということに苦慮いたしまして、一年余り経過しておりますが、いまだ文部省のほうへは、学内でともかく——その経過はいろいろトラブルがあったようでございますが、ともかく数の上では決定した某氏を上申してくるということは控えておるようでございます。 こういう事態に対しまして、文部省といたしましては、これは教育公務員特例法の規定にのっとって学内規則をつくり、その手順に従ってある候補者が決定した、したがって、それは学長が文部省のほうへ上申して、その上申を待って文部大臣は発令をするということでございますが、学長は、いろいろそういう面もございまして、いまだに上申をいたしておりませんので、文部省は上申のないものについては発令ができません。それで、大学当局に対しまして、この問題について、種々事情があるようでございますが、せっかく学校としては欠員教授の穴埋めをするための手続をとったわけでございますから、早急に明朗にこの問題を解決して、早く文部省に上申し、教授の採用をするようにということは、再三にわたって指導いたしておるというのが経緯でございます。
○丹羽(久)委員 いまのお話を聞いておりますと、四十一年の九月に部長の選挙をやってみたところが、それできまった。しかしそのきまった人は受けられなくて、すぐ次にいろいろやったら、その選挙の差が少なくて、そしてごてごて問題が起きてきて、いまだに答申をしてこないから、早く答申するようにとは言っておるけれども、学長はいろいろ考慮して答申をしてこない、答申をしてこないから許可を与えるわけにいかない、こういうことであるが、もしこの問題が、いつまでもいつまでも紛争をして、ずるずるべったりでこの先何年か続いたら、そういう部長制度というものはあってもなくてもいいということになるのか、それはすでにもうきめられた学内における規則によって、どれだけの期間内に文部大臣にそうした部長を選考して答申をしなければならないという義務的なものがあるのかないのか、あるいはそういう部長制度というものはあえて必要ないというものか、この点をひとつお尋ねいたしたいと思います。
○宮地説明員 ことばじりをつかまえる意味は毛頭ございませんが、先生が答申とおっしゃっておられますのは、私は上申と申しましたが、要するに学内である候補者を教授に採用しようということをきめますと、そのことを発令方を文部大臣に上申してくる。答申ではございませんで、上申してくると申し上げたわけでございます。 それから、部長とおっしゃいます意味がよくわかりませんが、この場合は、小児科の主任教授が欠員でございまして、医学部長とかいうものではないようでございますが、とにかく現在の制度におきましては、学長なりあるいは学部長、あるいはその他の教授、助教授等の教員の採用につきましては、大学の管理機関が、だれがよいかを選考してそれを文部大臣に上申してくる。文部大臣はその上申されたものに基づきまして発令していくという手順をとっておりますので、いろいろトラブルがあれば、それについてのできる限りの指導、助言は可能でございますが、上申をしてこない者に対しまして、文部大臣がこの人がよいからというふうな判断で発令をするということは、現行制度上では不可能になっております。
○丹羽(久)委員 わかりました。それじゃ私のいま言ったその点は違っておるかもしれませんが、そうすると教授は一名欠員ということになっておるのは、昭和四十一年四月以来なっておるはずでありますね。それでこの欠員はずっと上申が出てこなければ、そのままでおかれるのですか。その点お尋ねいたしたいと思います。
○宮地説明員 そのとおりでございまして、上申がなければ文部大臣としては発令ができません。ただ何も言ってこないから何もできぬのだという、形式的にはそうでございますが、明らかに欠員がありますし、また学内としては、ともかくだれかを後任として採用したいんだという意思は、はっきりしておるわけであります。ただ、いろいろその選考過程におきまして、皆さんが一致してこの人がよいという形にならないで、極端に言えば、まつ七つに分かれたような対立的な意見があるので、人事としては一票差のものを上申して採用するということは、学内にいろんなしこりを残すであろうといったような学長の配慮からしばらく時をかしてもらいたい、自分にまかしてもらいたいというようなことで、学長としても相当この問題には苦慮されておりますし、文部省としても穴埋めを早くするようにということは申し上げておるわけでございます。
○丹羽(久)委員 四十一年四月以来というと、もう四十二年の十月ですからね、一年有余たっているのですよ。その間、もうだんだんと空気はよくなくて、この問題をめぐっていろいろな紛争が続けられておるということは、その後の新聞でも報道せられていることは相当関心を持って文部省は見られておられたと思うのです。これが一そう何かこういうような問題から政治的な問題、学内的の自治とはいえども政治が含まれたような紛争、空気が生まれ出てくるようであるし、またそれに便乗して世間もわあわあいつて、関係のない者までが騒ぎ立てている実態があるようであるけれども、これに対する指導が、上申せられてこなければやむを得ない。学長がもう少しまかしてもらいたいと言っておると言われるが、もう少しまかしてもらいたいというのは、もう一年有余になるのであるから、こういう点に対しても、私は文部大臣の権限というものは何月幾日までには決定的なものを出せという必要が、やはりそこから生まれてくるという一つの問題からいっても、そのような権限があれば、そのような答えがきちっと出てくると私は思う。一つの例をあげてもそうじゃないかと思う。そう差しつかえないと言うが、新聞では毎日新聞が八月四日の日に取り上げて書かれておりますよ。それからずっと十月になってきている。それが一年有余の間は教授が欠員になっておる。これは別に局長を責めるわけでも何でもないけれども、これはひとつよく考えてもらいたいことだと思う。 この問題はこの程度にいたしまして、次に移ってひとつ聞いてみたいと思います。 死体貸与の問題でありますけれども、私はこれはつつしんで霊に対して全く申しわけないことだと思っているんです。このようなことが新聞に報道せられたり、そのような事実があったとすれば全く何と申しわけしていいのか、実にその霊に対して心から私はすまぬという気持ちでお聞きをいたしますから、そのつもりで御答弁を願いたいと思います。 これは私の調べた範囲におきますると、解剖するための遺体に対して二千円香華料としてお支払いになっておる。大体そういう予算で組まれておるわけですね。それから解剖体の経費として一万円以上の金が見込まれて予算に計上せられておる。そのようにまた決算にも出てくるわけなんです。そういうような金がちゃんと予算に組まれ、それが決算において出てこなければならぬけれども、何かその遺体を愛知学院大学へ売りつけたなんというような——私はそういう表現、ことばは使いたくないと思うのですが、必要に応じてお貸ししたものであるかどうであるか、この点について微に入り細にわたって、これは全国的な問題ですから、そういうような解剖教室を持っていない大学に対しては、どこもかもそういうような措置をとっているのかどうか、一ぺんその点を詳しく説明を願いたいと思います。
○宮地説明員 名古屋大学から愛知学院大学に対しまして——愛知学院大学に歯学部が創設されてまだ間がございませんので、種々な施設、設備等も完備していない、こういったようなことから三十八年、三十九年、四十年度、三年度にわたって解剖体を数十体便害供与したということは事実でございます。ただその結果といたしまして、かねてから、愛知学院大学の歯学部創設のころから、名古屋大学の医学部としては、これに種々協力するということで協力もいたしておりましたし、またそういうことでございますので、協力謝金として、名古屋大学の解剖学教室に愛知学院大学から支払われたようでございます。その金額は、三十八年度は三十三万九千六百円、三十九年度は三十八万二千五百円、四十年度は十七万九千九百円、計三カ年間で九十万二千円という協力謝金が払われております。これは先生が、売りつけたというような風評もあるようなお説でございますが、私どものほうの調べでは、この謝礼金は何も解剖体に対しての反対給付として、いわゆる売りつけた、その対価として一定額をもらうというものではございませんで、あくまで愛知学院大学歯学部に名古屋大学医学部が種々の面で協力をしておった一つの具体的な問題として、この解剖体の便宜供与ということがあったわけですが、それらを含めての協力謝金として、研究費として使用してほしいということで、名古屋大学医学部の解剖教室に贈られた、こういうことのようでございます。 したがいまして、先ほど申しました金銭を便宜供与のあった遺体の数で割ってみれば、一人何円に当たったという単価的なものが逆算すれば出るわけですが、そういう意味でもないようでございますし、あくまでもこれは道義的な問題でございますが、解剖体に対して、これを物件として扱うといった礼を失したことでなくし、学術研究上便宜供与をした。これに対しての協力謝金というふうに考えられます。ただ、この経費をいかような名目であれ解剖教室に寄付するということで、この金をもらった解剖学教室の教授等が着服したということではなくて、調査をしてみますと、その年に名古屋でありました日本解剖学総会に金を使うとか、あるいは学内で外国人の講演があったので使ったということで、その九十万二千円に五万円近くの利子がついたものが、そういう経費に使われております。しかしながら、そういう経理としては、これが不正かどうかは別といたしまして、事務的なはきわめて適当でない不当な経理のしかたであったというふうには考えております。このために、私どもといたしましても、これは事務的な経理関係にうとい教官がそういう金銭の授受に関与すべきではなくて、当然そのためにおります事務局長とか経理部長といった事務屋にその経理はまかせておけば、こういう失態はなかったのではないかというふうに考えます。したがいまして、くどいようでございますが、遺体に対して礼を失した、物品としての売買をやったということではなくて、扱いとしてはあくまで研究なり教育なりといったような観点から行なって、それに対しての謝金であるというふうに、受け取ったほうも解し、贈ったほうもそのように解しておるようでございます。 それから、こういったことがその他の大学に本あるであろうか。私もまだ現在のポストにかわりまして一週間程度でありまして、あまり全国的なことを存じませんので、この際、絶対にございませんと申し上げるのもいかがかと存じますが、そのようなことは聞いておりませんので、ないものと信じております。
○丹羽(久)委員 局長さんの話を聞きますと、一方的に善意、善意に解釈せられるから、あえて私は悪意な解釈をして質問をしようとは思っておりませんよ。しかし、その金の受け取り方というものには、あまりいい受け取り方でなかったということばが最後につけ加えられたのですけれども、そんなことはあたりまえのことじゃありませんか。少なくとも国費で遺体に対しては二千円という金を、そして解剖そのものに対しても金がかかりますということで、ホルマリンづけにするとか保存に対しての費用というものが一万数千円ちゃんと見てあるでしょう。そしてそれを向こうにお貸しするなり、来てもらったのか、どういうふうであったのか知らぬが、新聞で見ると、白昼堂々と名大から愛知学院大学へ遺体が運ばれておるということを聞くと、ぞっといたしますというようなことが書かれておった。週刊朝日かしらんに、そういうことが書かれておった。あるいは老人クラブの扶老会の人のことば——扶老会はとういう人たちかというと、愛知県では、なくなったら、ひとつぜひあなたのからだを名大に寄付してください、そういうことで一つの会ができておる。この人たちは何と言っていらっしゃるかというと、もっと大切に扱っていただけるものだと思っておったら、こういうふうなら一応私は考ざるを得ませんということをちゃんと言っておりますよ。そういう記事がある。読んでいらっしゃらなかったら今度あなたに読んでお聞かせするが、そういう記事まで書かれている。しかもその金は、何という人がどういうふうに行なわれたか私は知らぬけれども、一体その経理は、その金がどこに入っていたか。大学にお出しして、謝礼であろうと何であろうと、個人でもらっていなかったとするならば、当然それは大学の会計に入るべき金である。それが入っておったかどうか。そういう問題が起きてから、それをあわてて一つの処理をしたということになったとするならば、それはある意味においては悪意に解釈ができるはずだ。局長はそれをどういうふうにお考えになります。
○宮地説明員 愛知学院大学から贈られました謝礼金は、解剖学教室の代表者の某教授の名義の預金として預けられておりましたが、先ほど申しましたように、この預金の中から解剖学会の第七十二回総会と、外国人講師の講演謝礼として、利子のついた金額全部が払われたということで、とにかく先ほども申しましたように、悪意か善意かということは、こういう場合ですからあまりどちらにも主観的に片寄らないように考えるといたしまして、現に当人が着服はしておらなかった。ただしかしながら、当人がそれを着服する意思はなくても、当人がその教室でそれを受け取り、預金すべきものではなかったということは、これははっきり言えると思います。したがいまして、こういうことによっていろいろな風評が立ったということは、真偽のほどは私もわかりませんが、これはそういう扱いをした教授の不明のいたすところでありまして、これは今後とも厳に戒めなければならない。いろいろな風評が立ったのが事実かどうかは別といたしまして、風評が立つような、必ずしも適当でない、ほめた形でない金銭の授受を行なったということは、これはよろしくないことでございますので、文部省といたしましてもその点は厳重に再三にわたって大学当局に対しまして、指導と申しますか、警告を発しておる次第でございます。
○丹羽(久)委員 約束の時間が過ぎたので早く結論にせよということでありますから、大体結論に入っていきたいと思いますが、もう一度局長さんに申し上げておきますがね。三十八年、三十九年、四十年にこの遺体を提供しておるのですよ。そして学会が行なわれたときにその金が使われた、こうおっしゃる。善意であるか悪意であるかという判断には、いまここでどう判断していいものか、少しわからないとおっしゃるけれども、これはもうそれでけっこうだと思うのです。しかしこの金が国庫に納めるべき性格のあるものであるのか、そういうものでなくて、謝礼金であるから当然もらって解剖学に自由に使っていいものであるか、その点をひとつはっきりしておいていただきたい。国立大学ですからね、その点をはっきりしてもらわなければならぬ。まだほかにそういうような問題があって、そういうようなお金が入ってきたときには、それぞれの教室が自由自在に使えるということで済むならば、これは重大な問題だと私は思いますけれども、その点をはっきりしてもらいたい。
○宮地説明員 先ほどから申し上げておりますように、これは解剖体を売りつけるとかいったようなことではなくて、学問研究に関しまして他の大学に協力をした。その協力に対しての謝金ということのようでございます。したがいまして先ほど来申し上げておりますように、適当なやり方ではなかった、不当であった。これは責められてしかるべきものであって、今後経理面でこういう扱いは決してしてはならないということは再三申し上げておる次第で、文部省としても遺憾に思いますが、ただこれが不正なことであって、当然これは国庫に納めるべきものであって、解剖学会等の総会に使用した金は返却さすべきであるかどうか、そういう不正事件であるかどうかという点につきましては、まことに恐縮ですが、現在のところまだ私どもとしては結論に達しておりませんので、しばらく御猶予いただきたいと思います。
○丹羽(久)委員 だから国立大学がそういうような問題で、金額の多寡は別としても、そういうようなものを国庫に納めるべきものであるかどうか、まだ研究中だといわれるが、相当日にちがたっておるので当然結論を出さなければならぬはずですけれども、まあ新しい局長であるからこの程度にしておきます。 この次に私はさらに時間をもらって質問をいたしたいと思いますが、こういう場合はどうなるのですか。これはひとつはっきりしておいていただきたい。ある講座の教授が文部省の補助金によって講座研究をして、研究したそのビタミンのあるものを薬品会社へ、特許をとってそれを売りつけた。そしてその売りつけたそれを何%かその製品に対して割り戻しをもらっておるというような事実があるということをぼくのところへ言ってきた人があるんだけれども、それはもうパテントの名もわかっているし、そういうような場合があるとするならば、これはどういうふうにお考えになるのです。もう一口加えておくが、公務員である場合においてはパテントをとることは自由であるのかどうか。公務員の名前においてパテントをとるのは自由であるのかどうか。数の多い特許のほうでは、公務員であるかどうかということはわからないで与えたかもしれない。
○宮地説明員 これはいろいろ大学の教授の研究あるいはその専攻分野によりまして、会社等との委託その他の問題で特許の問題につきましては非常に問題がございますので、文部省におきましてはこの特許の問題についての研究会を持って調査いたしておるようでございますが、一般的に申し上げますと、教室で研究し、教授がその大学に密接な関係のある学術研究の過程において得たものにつきましては、国が特許権を持つ。しかしながら、個人的な資格において教授が特許権を全然持てないということではない。まあ一般的にはそうでございますが、なかなか教授個人とはどういうものだ、学術研究に自分の教室でいろいろ実験研究をしておる、それが主たる材料となっての特許とかその関連、このボーダーラインあたりが必ずしもはっきりいたしませんので、それらの問題も含めて現在研究を行なっておるようでございます。
○丹羽(久)委員 では、質問を終わりますけれども、私はさらにこの問題についてもう少し追及というか、もう少しお尋ねいたしたい問題がありますから、後日日を改めて委員長の許可を得たい。 もう一つ、参考人としてぜひともひとつ医学部長なり、あるいは学長に御出席を願いたい。局長のお考えと私が調べた範囲とはだいぶ違います。局長のお答えに対して私が満足感を得るならばそういうことを申し上げませんけれども、局長も就任せられてから日が浅いので、まだ十分お調べになっていないと思うから、真実をひとつぜひ聞きたいと思う。皆さんの御承認を得たいと思います。
○鍛冶委員長 できるだけやります。
○丹羽(久)委員 どうもありがとうございました。
○鍛冶委員長 華山親義君。
○華山委員 防衛庁に関係いたしまして御質問をいたします。 十月七日の朝、防衛庁の装備局長が自殺されたというまことにいたむべきことが起きまして、知といたしましてはただおいたみを申し上げるだけでございます。この問題の原因等につきましてかれこれこの委員会でお尋ねしようとは思っておりません。ただしかし、あの際に報道機関が、これが原因である、あるいはあろうということで報道された事実、この事実は私は非常に重要なことであると思いますので、そのことについてお尋ねいたしたいと思います。重ねて、装備局長のなくなられたことにつきましては心からおいたみを申し上げる次第でございます。 ところで新聞等の報ずるところによりますれば、これはほんとうかどうかということをお尋ねいたすわけではございませんが、地対空誘導弾SAM部隊の装備に関しまして、ホーク、ナイキの開発に関する日本のアメリカ側に対する支払いの問題であるというふうに報道されておりますが、この報道の真偽は別といたしまして、この問題についてお尋ねをいたします。この問題は今日に始まった問題ではございません。すでに昭和四十年の七月に機械振興協会と経団連防衛生産委員会が出しております。そうしてその際に出されたこと、これはもう御承知のとおりと思いますのであらためて全部を読みませんが、その中におきまして、「原価の算定にあたっては、会計法上の問題もあろうが、いわゆるノーハウに対する対価を認め、研究開発費は全額算入すべきである。また企業努力によるコストダウンは」云々と書いてございますが、こういうふうにもうすでにいわれておる問題なのでございます。したがってこの点につきましては、防衛庁といたしましても当然研究をなすっていらっしゃる問題だと思う。しかし、ここには外国ということが書いてありませんが、日本におきましてはいまだ開発されていない問題でございますから、当然外国——アメリカに対する支払いの問題だと私は思うのでございます。それにつきまして伺いますが、これだけのもはや提起されておる問題でございますが、第三次防衛計画を作成するにあたりまして、このような経費、こういうものがあの第三次防衛計画の経費の中に入っておるのかどうか。その点をお伺いいたしたい。
○浦野説明員 大臣が参議院の内閣委員会に出ておられますので、私から御答弁させていただきます。 いまの経費の問題でありますが、これは第三次防衛計画の中には直接その項目としては出してありません。
○華山委員 項目の中に出ておらないことは私も存じておりますけれども、大蔵省との折衝の間におきまして、これらの経費が積算の基礎になっておりますか。
○浦野説明員 今次アメリカ並びに大蔵省と折衝をいたしてきましたその経緯の中におきましては、この費用も含まれておるわけでございます。
○華山委員 私お伺いしておりますのは、第三次防衛計画というものにつきまして予算を計上した、その予算の中に、予算折衝の過程等におきまして、これらの経費が積算の中に入っておるかどうか、アメリカとの交渉の始まる前に入っていたのかどうか、そういうことをお伺いしておる。
○浦野説明員 入っておりません。
○華山委員 入っておらない。こういうことはあり得ざるものとして入れなかったのか、どうなんですか。この点事務当局でもよろしゅうございますが、お伺いいたしたい。
○佐々木説明員 ナイキ、ホークの支出及び使用方法の計算は、第三次防を立てるにあたりまして米国の会社等からいろいろデーターを収集いたしまして、その内容等を検討いたしたのでございますが、当時いわゆる開発費の分担という問題は積算の根拠には入っておりませんでした。
○華山委員 私お聞きするのは、現実にアメリカから要求があったかどうか知りませんけれども、そういうことはあり得ざるものとして予算をつくる際には考えておられなかったのかどうか、こういうことをお伺いしておる。
○佐々木説明員 ナイキ、ホークの問題は先生御存じのように、非常に新しい問題でございます。したがいましてその問題を三次防に設定する場合には、いろいろ各方面からデータを集めまして一応セットしたのでございますが、しかしそのときにこまかい経費の積み上げ、輸送料あるいは器材費とか保管料とか、いろいろなコストから成り立っておるわけでございます。したがってその際は開発費の問題は表面上はあらわれておりません。
○華山委員 そういたしますと、いざこの予算の執行にあたって初めてこの問題がアメリカとの折衝において出てきた、こういうふうに了解をいたしましてよろしゅうございますか。
○佐々木説明員 さようでございます。
○華山委員 アメリカに支払われるかどうかという問題につきましては、特許権及び技術に関する日米間の相互援助に関する三十一年の協約がございますが、これに基準して行なわれる、こういうふうに了解してよろしゅうございますか。
○浦野説明員 今度の折衝ではそれを基準にして折衝に入ったわけでありまして、わが方といたしましてもこの特許権とかあるいは技術料というものはあくまで支払わないということで強く主張し続けてきたわけでございますけれども、やはり相手のほうの事情等もあり、またNATO諸国のこうした協定を結んでおる種類の各国の状況等を見ましても、技術料とか特許料はあくまで支払わない。しかし開発に要した経費についてある程度考えなければならないという段階に入ってきたわけでございます。
○華山委員 そうなりますと、この協約によっては支払う義務はないのだ、ただ、この協約外のものとして支払ったほうがいいだろう、こういう見解にいま立っておられるわけでございますね。
○浦野説明員 やむを得ず、そういうところへきておるわけでございます。
○華山委員 ことばじりをとらえるわけじゃございませんが、やむを得ずということはたいへん、足元を見すかされているのだからしかたないというふうに聞こえますけれども、まことに遺憾に思います。
○浦野説明員 いまのやむを得ずということは、諸般の情勢等を勘案してという意味でございます。
○華山委員 専門家にお聞きいたしたいのでございますが、協約によって支払わなくていいという根拠はどこにあるのですか。
○佐々木説明員 技術協定第五条との関係の問題につきまして、われわれのほうといたしましてもいろいろ研究したわけでございます。したがいまして今度の協定にあたりましても、特許料とか技術料という五条関係のものについては無償ということになっております。ただそれまでに要するいろいろな開発研究費、これは先生御存じのように、アメリカの予算におきましても相当大きなウエートを占めておるということで、開発費につきましては技術協定をやっておる各国から取らなければならないという強い要請が出まして、先ほど政務次官からも御説明のありましたように、NATO諸国においても支払っておる。これは条文の解釈上の問題でございまして、外務省等の見解もただしたのでございますが、一応開発的な経費というものはこの技術協定の五条の別ワクだという解釈をいただきまして、そういう状況から一応支払うということになった次第でございます。
○華山委員 この協定の第六条によれば、技術財産委員会を構成するということになっておりますが、これは構成されているのですか。
○佐々木説明員 構成されております。
○華山委員 アメリカと日本から各一人、場合によっては二人でもいいということになっておりますが、日本ではだれが委員になっておるのですか。
○佐々木説明員 装備局長でございます。
○華山委員 この委員会からはこの問題につきまして当然勧告があってしかるべきだと思うのでございますが、勧告がまだありませんか。
○佐々木説明員 勧告はなさっておりません。やっておりません。
○華山委員 私は局長がなくなられたことについておいたみ申し上げるだけであって、いまここでかれこれ申し上げませんけれども、こういうふうな協約に基づく委員会があって、この委員会が日米間の問題について勧告することができるとなっているならば、この委員会はこの段階において勧告すべきではないか。その勧告によって行なわるべきであって、これを一局長の責任においてなされたということについては、私はまことに了解しかねる。なぜ勧告がこの段階においてまだなされておらないのですが。
○佐々木説明員 委員会は、私も詳しく検討しておりませんのでほんとうに申しわけございませんけれども、従来の経緯は非常に技術的な細部にわたるようなものにつきましていろいろ審議をしておるというふうに聞いております。
○華山委員 この協約によりますれば、委員会はそういう性格のものではありません。これは問題が起きたときに設置さるべきものではない。「常に」ということばがこの中にも見えております。この委員会におきまして両者のいろいろな問題について協議をして、あるいはまとまったことを防衛庁なりアメリカの政府に勧告して、初めてそこでできるのではないか。これを全く抜きにして局長の責任にしたということは、私はたいへん残念に思いますが、次官のその点についてのお考えがあれば承りたい。
○浦野説明員 私もまた政府委員の間でもちょっと聞いてみましたが、その点よくわからないと言っておりますので、あとから的確に調べて御報告申し上げたいと思います。
○華山委員 お調べを願って……。ある程度の下相談はあってもいいけれども、最終段階においてはこの委員会において行政府に対して勧告するのが当然だと思う。そのことがなされなかった。そういうふうなことは、私は残念に思います。 それから今年度予算におきまして、ことしから開発製造が始まるのでございますけれども、アメリカに対する支払いは今年度予算においてなすとすればなされなければならないと思いますが、どうなんですか。
○佐々木説明員 四十二年度の予算におきまして、予算審議の際にも先生も御存じのように、今年度の予算におきましてはホーク及びナイキ関係それぞれ予算に計上されておるわけであります。ホークにつきましては一次契約分といたしまして教導隊一個中隊及び三個中隊の分が計上されております。これは国庫債務負担行為及び本年度支払い分、それからナイキにつきましては教導高射隊の経費、これも国庫債務負担行為及び本年度予算上計上されておるわけでございます。
○華山委員 この予算の中から支払わなければ、この仕事が始まらないのではないか。支払うような気持ちでいらっしゃるようですが、支払うとすれば、この予算の中から支払われるのかどうかということをお聞きしている。
○佐々木説明員 この予算の中から支払われるわけでございます。
○華山委員 まだ確定していらっしゃらないかもしれませんが、それは何億でございますか。
○佐々木説明員 研究開発費につきましては、一応予算上は予算の項目から支払うわけでございますが、支払いの時期がずれる関係がございまして、直接上は本年度の予算の問題とはなっておりません。したがいまして、来年度以降の予算上の問題になります。ただ予算の費目といたしましては器材整備費等の一部として支払われるということでございますので、器材費の一部として支払われるということでございます。
○華山委員 ことばじりをつかまえて悪いですけれども、弾薬費からは出ませんか。
○佐々木説明員 もちろん弾薬費も加わります。
○華山委員 そういたしますと、これは来年度予算につきましては、その分を増額して予算もできるわけでございますね。いまの何カ年計画におきましてできておる予算に追加されるわけでございますか。
○佐々木説明員 この問題につきましては、先ほど御説明申し上げましたように第三次防の決定の際に一応の見積もりを立てたわけでございます。その中には各種のいろいろな経費があります。たとえば保管料とか輸送費だとか、いろいろな経費が含まれておりまする。したがいまして全体的に見た場合、研究開発費につきましては、その全体の予箕額でまかなわれる範囲内にとどめるというような努力をいたしまして、一応予算の範囲内でまかなうというような計算になっております。
○華山委員 この経費は日本の政府で財政の負担をするということがわかりましたけれども、これを受け取るのはアメリカの政府なのか、日本の業者なのか、あるいはアメリカの業者なのかお伺いしたい。
○佐々木説明員 最終的にはアメリカの政府でございます。
○華山委員 最終的といいますと……。
○佐々木説明員 この支払い方法は、たとえば防衛庁が業界を通じまして向こうのほうから購入する場合に、業界からアメリカ政府に納めるという形態もとりますし、直接買う場合にはそれを向こうの政府に納めるというようなことで、最終的にはアメリカの国庫に入るということでございます。
○華山委員 これはまさに経団連の主張のとおりになったということですね。経団連では日本の財政負担においてこれを支払えということを言っているのですから、まさに経団連の主張するとおりいとう結論に達するわけであります。 それでここにノーハウの問題につきまして、これは技術の問題——この協約の第八条に大体その定義があると思いますが、ノーハウにつきまして支払うというふうなことは、これは会計経理上できるのですか。法規上……。
○佐々木説明員 ノーハウとして払うものではございませんで、あくまでも器材費の一部として支払うというような形になるわけでございます。
○華山委員 器材費の一部といったって……。そうすると、原価計算の中に含める、こういう意味ですか。
○佐々木説明員 さようでございます。
○華山委員 そういたしますと、業者がノーハウの分につきまして払った、あるいは特許について払った、それを原価計算の中に含めて、これを政府が業者に支払う、こういう形態が原則になるわけでございますね。
○佐々木説明員 特許料じゃございませんで、これはあくまでも研究開発費でございます。
○華山委員 それはわかるけれども、形はどうなんですか。
○生田説明員 かわりまして御説明申し上げます。 三本立てでございまして、米国の国防省が持っております特許、それからノーバウにつきましての対価は、これは無償でございます。それから生産を担当いたしますアメリカの民間会社から技術導入をいたしますが、それに伴いまして頭金、それから特許使用料その他の支払いがあるわけでございますが、それは器材の原価計算の中に入ってまいります。そのほかに第三の項目といたしまして、開発経費の分担額がございまして、これも全体の器材費の中に織り込まれるわけであります。
○華山委員 何か私の受ける印象では、初めは、この協約によって支払う必要がないのだ、それからだんだんお尋ねをしている間に、支払う、その支払うのは特許権とかあるいはノーハウに対して支払うのではないのだ、そういうふうな御答弁があったと思うのでございますけれども、いまの御答弁になってまいりますと、特許権やノーハウに対しても払うのだ、そうすればこの協約とは違ってくるのじゃないか、その間の関係はどうなんですか。
○生田説明員 もう一度御説明させていただきますが、特許料それからノーハウ料の支払いは、これは民間ベースのものでございまして、今度の誘導弾の生産に関しまして使用されます技術、知識といたしまして、国防省が持っておりますものと、それから米国の民間会社が持っておりますものと二種類ございます。国防省の持っておるものは無償で提供されるわけでございますが、民間会社が持っておりますものは、民間会社ベースの技術援助の契約によりまして有償でございます。これは別途外資法によりまして政府が認可するわけでございます。その分につきましては、これは他の経費と同様に原価計算の中に入ってまいるわけでございまして、それはこの技術協定とは無関係でございます。
○華山委員 そうしますと、その分だけであって、この技術協定に基づく分については問題ないのですね。何か問題があるようなふうに、その点は払うとか払わないとかいろいろなことを言っていられたようですが、そういうことは問題はないのであって、日本の民間の会社がアメリカの民間の会社に支払う分についてのみ問題がある、こういうことに了解してよろしゅうございますか。
○生田説明員 先ほど政務次官、経理局長から御説明申し上げましたのは、技術援助協定と開発経費との関係でございますが、ただいま私御説明申し上げましたのは、それとはまた別の項目でございまして、民間べースの技術援助契約に伴いまして支払われる頭金あるいはロイアルティーにつきましては、これは別途他の諸経費と同様に、原価計算の中に織り込まれるわけでございまして、その点御説明申し上げたわけでございます。
○華山委員 そういたしますと、外国の民間会社が持っているところの特許権及びノーハウにつきましては、日本の民間会社が支払う場合には原価計算の中に入れる。そのほかに、先ほど次官や局長のおっしゃったように、アメリカの政府に対しても、この協定外のものとして支払う、こういうふうに二つになるわけでございますね。
○佐々木説明員 そのとおりでございます。
○華山委員 この協約からいいますというと、それはおかしいじゃないですか。協約ではちゃんと無償と書いてあるのじゃないですか、どうなんですか。われわれだったならば、ただでは申しわけない、済みませんからと言って、何か袋に包んで持っていくようなことも、礼儀作法としてはありますけれども、二国間においては、そういうことはあり得べからざることじゃないですか。
○佐々木説明員 技術協定の第五条は、これは国防省の持っている特許料等の問題でございます。したがいまして、民間ベースの問題は別の問題でございます。
○華山委員 私が聞いているのは、民間ベースのことは先ほど課長からお話のあったとおり、そういうことだということでございますけれども、次官及び局長の言われることには、アメリカ政府の持っているものに対しても、この協約とは別にお金を出すんだ、こういうふうに言われたように聞きましたので、その点をお尋ねしているわけなんです。ところが、出さないのですか。
○佐々木説明員 特許料等につきましては、無償ということになっております。ただ開発費については分担するということになったわけでございます。
○華山委員 アメリカ政府が、いままで政府自体として努力したところの開発に要する経費がかかったから、それについて日本も志を上げよう、こういうことですね。
○佐々木説明員 それだけのものを一応コストとして分担してくれという要望がございましたので、それの分担に応ずるということになったわけでございます。
○華山委員 あなたの言うように、分担する思想であるならば、協約に違反しますよ。無償と書いてある。
○佐々木説明員 分担するということばは誤解を招きますので、じゃ、器材費の一部として支払うというふうに訂正さしていただきたいと思います。
○華山委員 器材費の一部ということは、アメリカから買う器材ですか、日本の器材でしょう。器材費の一部として支払うと言ったって、これは日本でつくる器材なんであって、アメリカに対する支払いの中には入らないのじゃないですか。
○佐々木説明員 アメリカから買う器材も相当ございますので、そういうものを含めまして、器材費の一部として支払うということになったわけであります。
○華山委員 アメリカから買う器材につきまして払うのは、これはあちらの計算があるでしょうから、それはいいのですよ。日本でつくるところのホークなり、ナイキなりについて支払うかどうかということを私はお聞きしている。
○佐々木説明員 技術開発費につきましては、国産のものにつきましても支払うというアメリカ国防省の方針でございまして、先ほど申しましたNATO諸国のものにつきましても、それに応じましてやっているという次第でございます。
○華山委員 そうすれば器材費ではない。とにかくまだ研究が不十分なためでございますかどうか、私には了解ができない。そういうふうなことで全くまだ目安もつかないような状態、支払うことだけはきめたけれども、どういう理屈で、どういうふうにして支払うのか、なぜに支払うのか全く見当がついていないということです。これはここは内閣常任委員会でないから、そういう質問をしなくてもいいじゃないかというふうなことを言われた人もありますけれども、とにかく予算できめられたことが、いかに忠実に実行されるかということを見守っていくのが本委員会の責務であると思うから、私はあらかじめお聞きしておくわけでございます。会計検査院もその点につきましては十分の御留意を願いたいと思いますし、この問題については内閣常任委員会等でもお聞きいたしたいと思いますので、それまでにはまた十分御研究願いたいが、今日のところ、私のお伺いするところではまことにあいまいもことしてわからない、そう言わざるを得ません。また、おっしゃることがいろいろ矛盾しているのじゃないか、こういうふうに思います。私の結論から言うならば、この両国協定によって、民間ベースのものは特別といたしましても、政府の開発費を日本政府が負担するという理屈は、ここから出てこないと私は思う。その点を一言だけ申し上げておきたいのでございますが、私の最後のことにつきまして、何か御所見でもございましたら、伺っておきたい。
○浦野説明員 正直に申し上げまして、華山さんの意見と同じような気持ちがわがほうにも相当強くあったわけでございます。しかしながらいろいろ折衝しておる過程におきまして、NATO諸国の実例、あるいはいろいろな問題がございまして、特許料とか技術費は払わない、開発に要したばく大な金があるから、その一部はやむを得ぬだろうというような結果になったわけでございまして、御疑念がありまして、これを十分解明できないことも残念でありまするが、しかし円満に両者の話し合いがつきましたので、この方法でいくことにきめたわけでございます。
○華山委員 話し合いがつきましたそうですか、幾う払うのですか。支払いの内容をお願いします。
○浦野説明員 これはいろいろ問題がありまして、いま幾らということは、これは当然はっきりわかってくると思いまするが、いまこの場で申し上げることは差し控えたいと存じます。
○華山委員 そうしますと、ことしは払わなくてもよろしい、来年からの予算において支払う。その支払う分につきましては既往の計画の限度内においてくふうをする、こういうふうに了解してよろしゅうございますね。
○佐々木説明員 さようでございます。
○華山委員 ついでに一言だけお聞きいたしておきますが、最近財政硬直ということが言われております。財政硬直の問題につきましては、いろいろの点において公共事業の引き延べ等が行なわれている。財政硬直につきまして、軍備費というものが非常に大きな要因になっているのではないか。特に、いわんや今年度予算のほかに、今年度の契約によって国庫の負担すべき金額というものはばく大なものです。このようなことから申しまして、今年度のみならず将来に対しまして、財政硬直の要因に私は軍備費がなると思うのです。この点につきましていままで大蔵省から何らかの、軍備費のことにつきましてお話がございましたか、ちょっとお聞きしておきたい。
○浦野説明員 軍備が増大するということについては、これは十分気をつけていかなければならないことでありまするが、長官はお聞きになったかもしれませんが、私はまだ直接大蔵省からそういう話を聞いておりませんので、お答えすることができないわけでございます。
○華山委員 大蔵当局がおいでになっておりますならば、この軍備費につきましての財政硬直との関係、またこれを来年度からは国庫負担といたしまして多大の契約がことしじゅうになされるわけでございますが、これらにつきまして御考慮になっておられますか、どうですか。あるいは自分の受け持ちでないし、まだそういうことは政治上の問題なので聞いておらないということもあるかもしれませんが、知っておられる限度でお話し願いたい。
○福島説明員 来年度予算の問題につきましては、現在私どものほうで防衛庁の概算要求について査定中でございまして、その内容についてはまだはっきりめどが立っておりませんが、一般的にいま先生がお話しいたしましたような全体の財政状態、非常に苦しいおりでございますから、防衛庁に対しましては全体の予算の基調の中に四十三年度予算も編成されるであろうということを申し上げております。 なお、四十三年度におきましても、かなりの当然増が防衛庁予算の中におきましても相当大きな金額を占めております。今後、私どもの予算編成の方針といたしましては、できるだけ弾力を持たせるような予算を編成していきたいということを私どもとしても考えておるわけでございます。
○華山委員 しかし、今年中に今年度予算において認められたところの予算外国庫負担の契約が実行されたならば、大蔵省はどうしたってこれを縮小することはできないのじゃないですか。
○福島説明員 防衛予算につきましては、全体といたしまして、御承知のように第三次防衛計画がすでにこの春決定を見ておりまして、第三次防衛計画自体全体の筋は今後の経済力の伸長あるいは財政の規模等を十分に念頭に置いて決定された次第でございます。さらに、各年度の予算につきましては、各年度の置かれておりますところの財政の状況というものを十分勘案しながらきめていくのだということが、はっきり閣議決定の際にもきめられておる事項でございます。その限りにおいては、十分当該年度の財政の基調に沿った財政の編成が防衛庁予算につきましても編成できる余地がなおあるのだというふうに考えております。
○華山委員 いろいろお聞きいたしましたが、要領を得ないのでたいへん不満足でございますけれども、これで終わりますが、ひとつ自重いたしまして予算の執行に当たっていただきたい。 —————————————
○鍛冶委員長 次に、昭和四十年度決算外二件を一括して議題といたします。 農林省所管について審査を行ないます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。安井吉典君。
○安井委員 この機会に国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の国有林交付金の問題につきまして若干のお尋ねをいたしたいと思います。 いわゆる交納付金法の適用問題で、国有林の問題は以前その評価とそれからそれについての交付金の多寡の問題について関係の市町村から非常に大きな不満が表明されておりました。その後私も、幾度もこの問題を国会で取り上げたことがあったわけでありますが、逐次農林省において改善措置が講ぜられてきております。きょうは、現段階におけるそれらの措置についての新しい問題提起というよりも、いままでお進めをいただいております措置についての総括というふうな形でお尋ねを進めてまいりたいと思うわけです。 昭和三十九年当時は、民有林七百二十六万ヘクタールに対して、固定資産税は二十三億円余り、国有林は面積においてはそれよりも多い七百四十八万ヘクタール、ところがこれについての固定資産税にかわる交付金は六億二千八百万円余り、しかも国有林の評価と近隣の民有林との評価のアンバランスが目立ったわけで、その点が市町村の側の大きな不満であったわけです。ところがその後逐次改善措置が講ぜられて、三十九年度、四十年度、四十一年度と交付額も増額をして、四十二年度ベースで九億九千三百万円でしたか、約十億円近くにまで交付額が伸びてきたということであります。その問題のために昨年は三月の第五十一国会の段階におきまして、衆議院地方行政委員会で評価を適正化すべきであるとの附帯決議を行ない、参議院もこれを受けて同じく附帯決議を行なったわけです。そのことが一つの大きなきっかけになって、農林省側も国有林の実態調査をお進めになったはずであります。その結果が暫定的にしろ四十二年度の交付金額の増額というふうな形であらわれてきているのではないかと思います。私の知る限り大ざっぱにいままでの経過を申し上げてきたわけでありますが、そこまで進んだいまの段階において、残っております二、三の問題点、それをひとつきょうはお尋ねをしてまいりたいと思います。 まず、四十一年度に実施されました実態調査はどういうふうな経過で行なわれ、どういうふうな結果となっているか、その点をお尋ねいたしたいと思います。
○片山説明員 実態調査につきましては、四十一年三月三十一日の調査時期をもちまして、民有林の基準地の評価時期につきましては、三十六年一月一日並びに三十九年一月一日を時期といたしまして、評価の方法につきましては、固定資産税の評価基準に準じて評価したわけでございます。 なお、三十九年一月一日の固定資産税の評価は時価評価に改めたものでございます。
○安井委員 おそらくその調査は固定資産税における負担調整率方式をこれにも導入するという関係から、昭和三十六年一月一日現在と三十九年一月一日現在と、この二つについて行なわれたと思うのですが、どうですか。
○片山説明員 そのとおりでございます。
○安井委員 その全国集計の結果がまだ公表されていないようであります。また、市町村別の結果も、関係市町村に明らかにされていないようであります。そのために市町村側が、行なわれた調査の適正度について若干疑問を持っているようです。すみやかに発表されるというお考えはありませんか。
○片山説明員 ただいまの実態調査の結果に基づきまして評価方式は固定資産税評価方式をとっておるわけでございますけれども、この調査の実態につきましては、各営林局署で行なったわけでございます。したがいまして、その詳細の把握につきましては、各営林局署から、いま資料の収集をして取りまとめる、整理を行なうつもりでおるわけでございます。中央といたしましては、いまの段階では把握しておりません。
○安井委員 そういたしますと、四十二年度の交付の方法はどういうふうな形でおやりになるわけですか。
○片山説明員 これらの作業は営林局署でやるわけでございますので、交付金につきましては、営林局署に照会をいたしましてとったわけでございます。それによって配付をいたしたわけでございます。
○安井委員 そういたしますと、公表はされないけれども、全国的な実態というものは——交付が行なわれる段階までは実態把握というものが完全に行なわれなくてはならぬと思うのですが、それはそうですね。
○片山説明員 そのとおりでございます。
○安井委員 そういたしますと、全体的な結果が明らかになって、公表される時期はいつですか。
○片山説明員 先ほども申しましたように、交付金につきましては、営林局署から積み上げましてしたわけでございますが、それの評価額につきましては、非常に膨大なものでございますので、営林局署ではやっておりますが、私のほうではまだ集計いたしておりません。したがいまして、それらにつきましては集計いたしまして、そういう形で努力してまいっておる段階でございます。
○安井委員 いや、私が申し上げているのは、いつごろまでに結論が出て明らかにされるか、その時期はいつかということを伺っているわけです。
○片山説明員 極力努力いたすわけでございますが、年度一ばいくらいはかかるのではないかと思っております。
○安井委員 そうすると、四十二年度分は暫定的なもので交付する、こういうことですか。
○片山説明員 四十二年度の交付につきましては暫定という意味ではございません。いま評価額を押えた中で交付を決定しておるわけでございます。
○安井委員 整理ができて発表できるのは年度末だと言われるのと、四十二年度分は一応きちっとした資料で出すのだというのと、お話がどうもちぐはぐになっておりませんか。何かきちっとしたものがいまできておるなら公表されてもよかりそうなものを——交付時期がもう来ておるわけですね。整理が全部できるのは年度末ということになりますと、三月三十一日ということなんですか。その辺のちぐはぐがあるように思うのですが、どうですか。
○片山説明員 中央で集計いたすものが三月一ばいくらいかかるのではないか、こういうことであります。
○安井委員 交付金は予算があるはずですね。この予算は中央の林野庁で総額を押えておられるわけですから、全国の各局署がかってに交付をするというふうな仕組みでは——予算総額との関係がどんな形であらわれるかわからないわけですよね。だから、どこかで、全国の形を林野庁で集約をしなければ私はいかぬように思うのですがね。その点はどうです。
○片山説明員 先ほどお話し申し上げましたように、交付金といたしましては、各営林局署に照会しまして積み上げたものをもって算定するわけでございます。ただ実態調査した評価額につきましてはいろいろ複雑でございますので、まだ集計ができておらないということでございます。
○安井委員 評価額といいますか、算定される基礎に対して百分の一・四を掛ければ交付金が出るわけですから、交付額が出るということは算定の基礎額がなければ交付金は出ないわけですよ。だから、それはもう同じことじゃないかと思うのですがね。交付金額は営林署でわかるけれども、調査の結果の額がわからないということはどうも——じゃ一体計算は何によってなされておるのかということが一そう疑問にならざるを得ないわけですよ。市町村側の言い分によりますと、固定資産税が、もし民有林に賦課されるということになりましたら、それについての固定資産評価台帳が縦覧に付せられる。そして不服申し立ての期間を置いて、住民のその問題についての気持ちを十分に反映をした形で税金がかけられる、こういう仕組みに現行法はなっておるわけですね。その固定資産税にかわるものとして交付金の制度があるわけですから、交付金の問題だって、民有林の場合はそれだけしっかりした仕組みになっておるのに、根拠のわからないような形で交付金がきまってくる。何かそこでいいかげんに処理されておるのだとは思わないけれども、どうも明朗さを欠くのではないか、市町村側はこういう言い分のようです。だから、あくまでも秘密主義というふうなことではなしに、調査の結果がわかりましたら、一日も早く公表すべきである、私はそう思うわけです。その点はよろしいですね。判明した際には。
○片山説明員 市町村の方々の御不満、あるいは御理解ができないということにつきましては、今後つとめてそのようなことのないように努力してまいりたいと思っております。
○安井委員 その内容を表に出すと何かまずいことがあるというふうにとれるわけですけれども、どうもはっきり公表するということをおっしゃらないものですから、どういう点にまずい点が出てくるのかよくわからないのですが、調査の内容に完全な自信を持てないからなのか、それとも予算折衝に差しつかえがあるからなのか、あるいはまた、市町村側がそういうようなものを公表することによってまた新しい問題が起きてくるからなのか、その辺が私よくのみ込めないのですが、とにかくその結果はすみやかに発表していただきたい、そのことをひとつ申し上げておきたいと思います。 そこで、交付金の算定のルールでありますが、今度の調査の結果に基づいて交付がなされる場合に、調整率は、固定資産税の仕組みの改正にあたって、三十六年度と三十九年度の比率を見て調整をするという仕組みができているわけでありますが、それも今度のルールの中に適用されていると思うのでありますが、その点はどうなんですか。
○片山説明員 先生のおっしゃるように、四十一年三月三十一日の実態調査に基づきまして、かつ改正された地方税法の附則三十項がございますので、それにより負担調整率を乗ずるという方法で出しております。
○安井委員 それなら、調整率一・一、一・二、一・三と三段階あるわけです。だから、調査の結果において、両年度の引き上げ率の段階別の基礎がはっきりつかまれていなければ、この調整率の出しようがないわけですね。だから公表はできないし、それから、まだそういうことを市町村に知らせる段階ではないと言われるのだが、実際はその調整率までかけた形で計算がなされているのだとすれば、いよいよもって中身がはっきりしないと納得がしにくくなる、こういうことじゃないかと思いますが、この三段階の部分がそれぞれどれくらいあるのかということも、きょうの段階ではお話し願えないわけですか。
○片山説明員 率その他につきましては、一・一、一・二、一・三というものをそれぞれ適用しているわけでございますが、そのグループ別にどれだけかということはまだ整理しておりません。
○安井委員 基礎がなしに数字が出るわけはないのですから、私は、交付金の算定のルールまでお話しになって、それで交付をなさると言いながらその基礎を明らかにされないというのは、どうしても理解できないような気がするわけです。その点は「先ほど申し上げたようにはっきりしていただかなければいかぬと思いますから、申し上げておきたいと思います。 保安林の関係については、御承知のとおり、従来からこの国有林交付金についての争点の一つだったわけです。今度の評価の中では、国有林の中の保安林については適正価格から減点をしたという形であらわれているのではないかと思うのですが、その点と、これも数字が出ないのですが、どれだけ国有林分が減点になったかということですね。全体の割合の中で国有林分の減点分がこれだけであったということの割合も発表願えませんか。
○片山説明員 保安林の評価でございますが、これは普通林の固定資産税というものとの見合いでやるということになりますと、民有林の保安林については固定資産税がかからないわけでございます。しかし、国有林といたしましては、単なる均衡の意味のかからないということではなしに、保安林に対しての課税、交付金をどうして判断するかということにつきまして現在とっておりますのは、相続税、財産評価に関する基本通達というのが四十年十一月に大蔵省から出ております。それに基づきます保安林の減額を適用いたしまして算定しているわけでございます。ただ、市町村におきまして算定する場合には、普通林と保安林とを込みにした形で負担調整率がかかっているわけでございます。別々に分けないでトータルでかかっているわけであります。そういうような形で保安林の面積というものははっきりしていますけれども、それぞれの問題についてはなかなかはっきりつかみにくいということであります。
○安井委員 いまの御答弁のうち、市町村ごとの交付額の中には保安林と区別なしに込みになっているという意味なんですか、それとも市町村ごとの基礎額の中に保安林の算定額も込みになっているのですか。同じことかもしれませんが、集計をすれば込みになるのはあたりまえなんですけれども、集計以前の段階においてはっきり両方の部分は区分されているわけですね。
○片山説明員 保安林の交付金額の市町村別算定については、保安林だけを別個に算定しておりません。全国の保安林の評価額類型をもとにいたしまして、かりに負担調整率を乗じた場合には百分の一・四でございますが、厳密な意味では、保安林だけ交付金を抜き出すという形ではやっておらないのであります。
○安井委員 そういたしますと、その市町村ごとの普通林としての評価額が一たん算定されて、保安林の分は一応全国平均の率を出して、それを各市町村ごとに一律にかけていったという形ですか。
○片山説明員 ちょっと事務的に担当課長から説明させます。
○新井説明員 保安林の評価でございますが、市町村段階で、普通林は普通林として三十六年度と三十九年度で評価いたしまして、それから保安林につきましても三十六年度と三十九年度について評価をいたします。それを保安林と普通林を集計いたしまして、それに負担調整率をかけるという形で交付金を算定しておるわけでございます。したがいまして、交付金算定標準額は両方足したもの、普通林と保安林を足したものということになるわけでございます。そういう関係で、保安林だけについての交付金というものは明らかにならないわけでございます。
○安井委員 保安林がどれだけあるかという比率、保安林の評価額がどれだけあるかという率は、全国一律の率をかけて出したというのですか、それとも市町村ごとのやつでやったというのですか。
○新井説明員 評価につきましては市町村ごとでございます。これは何といいますか、経済林をもととして比準をいたしまして、そしてそれに減点評価をいたしまして保安林の評価額をつくるわけでございます。その減点評価の割合は、これは相続税の基準に従いまして全国一律でございます。そういうわけでございます。
○安井委員 保安林の問題については、従来からの論争の中でも、地方税法第三百四十八条第二項第七号、これによって固定資産税は非課税になっている。ところが交納付金法第二条第三項第七号では交付の対象からはずされていない。この二つの食い違いについて、保安林に対する交付税が法律論としてどうなのかという議論がいままであったわけです。私もずいぶんした記憶があるわけですが、それについて、課税対象論とでもいいますか、課税対象という議論では、林野庁のほうは一応肯定をされたわけですね。しかし評価論という形で調節をとるというふうな形にされたというふうに理解されます。つまり対象論の議論を評価論にすりかえたというふうな形ではないかと思うのですが、それはそれとして、現在国有林の中の保、安林の総面積はどれくらいありますか。
○片山説明員 四十二年におきまして百九十三万八百八十四ヘクタールでございます。
○安井委員 今度保安林の整備計画を林野庁お持ちなわけでありますが、今後の展望につきまして、ちょっとお聞かせ願いたいと思います。
○片山説明員 御承知のように、保安林整備臨時措置法の十カ年延長に基づきまして、水源涵養林を主体としまして、保安林を増加するという計画でございますが、一応われわれが想定いたしております保安林の増加につきましては、目標を三百四十四万弱ヘクタールに置いております。
○安井委員 何年目ですか。
○片山説明員 これは四十六年度でございます。
○安井委員 評価の問題で保安林の問題が新しく取り上げられるという形になったわけでありますが、現在、二百万ヘクタール足らずのものがこの四、五年のうちに三百四十四万ヘクタールになる、こういうことになりますと、市町村に対する交付額は、保安林面積がふえることによって減るわけですね。普通林から保安林になることによって評価額が下がるから交付額が下がる、こういうことになるわけです。私は、対象論と評価論をきょうは争うつもりはありませんけれども、その評価論というたてまえからいっても、相続税のものと国有林とを比準したというような形でありますが、この国有林に対する保安林の問題は、国有林なり保安林を所有しておるのも国だし、保安林に認定する一あるいは認定から解除したりする、それも国なわけですね。どちらも国です。相続税の場合は、これは所有権はその個人にあるわけですが、認定や解除するのは国の権限だということになると思います。 そこで相続税における評価の仕組みと、それから国有林における評価の仕組みというのは、ハンディキャップの負い方において若干違いがあるように思うのです。つまり国有林のほうは保安林の指定もどんどんふやしていく、これは交付金をあまり払いたくないから保安林にしていくということでは決してないと思いますけれども、とにかくどんどんふえていく。そしてまた適当な時期になったら適当に解除することもできる。伐期調整もできるし、それによって適当に収盟をあげることもできる。保安林における収益も、これは相当あるはずであります。どうも保安林の目的を私は別な方向に取り違えて話をしておるように聞こえるかもしれませんけれども、いま交付金の問題を中心にしての議論ですから、そういうことを申し上げるわけです。 そういう点から民有林においては、保安林指定によってのハンディキャップというものが相当重いものだし、その重荷を自分自身で自由に処理するということは非常にむずかしいわけです。しかし国有林の場合の保安林のハンディキャップは、同じ重荷においても幾らか軽いような気がするし、その重荷を処理することも、民有林に比べれば相当容易なような気がするわけですよ。そういう点からの評価論のたてまえからいっても、相続税の評価をそのまま国有林に比準ずるということについて問題がありはしないか、この点についてはどうですか。
○片山説明員 先生のおっしゃる評価の減額のやり方と申しますか、そういう問題でございますが、前に保安林という問題でなしに、われわれの判定しておったのは、地利級簡易判定表というので普通林はやっておったわけです。それが客観性がない、林野庁独自のものであろうというような御批判をいただいたわけであります。そういうような意味で、林野庁独自というよりも、何らかの客観性がある、何らかの税そのものの対象になるというような意味で検討いたしました結果、相続税というものに準拠したほうがいいのじゃないかというような意味で実は決定したわけでございます。
○安井委員 私は、相続税の評価に活路を求めたというそれはたいへんうまい思いつきを林野庁はされたと思うのですよ、固定資産税ではないわけですから。何かないかと思って探したら相続税のものがあったというのでそれに飛びついたというそれは、非常にいいものがぐあいよくあったというふうに私は理解するわけでありますけれども、ただその相続税における比準というものの重荷よりも国有林のほうがその重さにおいて違うのではないかということを、いま議論しているわけです。長官は問題点がおわかりになったのかならぬのか、あるいはなりながらわざとそのまま質問を先へ進ませるために、これからお聞きしても同じことを繰り返されるような気がするわけですから、重ねてお尋ねはいたしませんけれども、この点はひとつ今後の評価問題の考え方における宿題としてお考えおきを願いたいと思います。特に保安林がどんどんふえてくる段階では、市町村によっては、国有林はあるけれども一〇〇%保安林だというところもあります。県によってはずいぶんいろいろ差がありますけれども、普通林の部分が多いところもありますけれども、半分ぐらいが保安林だというところもあるわけですね。保安林の所在というものはそういうふうに片寄っております。特に山村地帯ほど保安林部分が多いわけです。そしてまた山村地帯ほど財政が豊かでなしに、ほかに財源を求めることができないわけであります。それだけにこの保安林の問題についての関心が山村市町村において強いということを、ひとつ御記憶願いたいと思います。特に保安林がこれからもまたどんどんふえてくるということになりますと、一そうこれは問題が大きいと思うのですよ。その問題とからんでひとつお考えおきを願いたいと思います。 そこで、保安林は水源涵養であるとかその他幾つもの目的を持っているわけでありますが、国の公益が目的だということになると思います。受益をするのはむしろ下流のほうであって、その山村地帯そのものはストレートに受益がくるわけではない、こういうふうな事情にあり、つまりその負担というのは、本来的な負担と、それから収入が減るという形での負担と二つあるわけですけれども、そういう形での負担は現地にあって、受益は下流のほうにある。これが保安林の一つの特徴ではないかと思います。その点は固定資産税の場合にも言えるわけで、保安林がたくさんあることによって固定資産税の収入が減ってくるわけです。それから国有林の場合においても、保安林がたくさんあることによって交付金が減ってくるわけです。それらの点について自治省のほうで御検討になったことがあるかどうか、これをひとつ固定資産税課長から伺いたいと思います。
○森岡説明員 御指摘のように固定資産税法では保安林につきましては非課税といたしておりますが、これは多分に旧地租当時の沿革的なものを踏襲したという面があるわけです。御意見にありましたように保安林につきましてもやはり地元市町村として財源を求めたいという面もございますので、おりおり検討は進めておるわけでございますが、何ぶんにもいま申しましたように非常に古くからの沿革でございますので、なかなか課税するといたしましてもいろいろ関連して問題も出てまいりますし、なお慎重に今後検討いたしたいと思います。 なお、林野の交付金につきましては、私どもは当初から民有林の非課税とは別に、国有林野交付金の性格上、ぜひ保安林についても交付していただきたい、こういうことで現在交付対象からはずしておりません。 なお、評価の問題につきまして、いろいろ私どもといたしましては保安林として限定するということでなくて、普通林と同じようなベースで評価してやっていただけないかということを、おりおり林野庁とも打ち合わせいたしておるわけでございますが、なお十分な結論に達していない状態でございます。
○安井委員 それではひとつ結論を申し上げて結びたいと思いますが、いま自治省側の御答弁を一つの重要な考え方として林野庁のほうでもさらに御検討を願いたいと思います。 いままで保安林を含めた国有林のこの評価の問題につきまして市町村側の相当大きな不満があったのは、最近の段階の実態調査等に対して非常に好感が持たれておるようです。その点は私もはっきり認めます。農林省当局のその御努力は多としたいと思います。しかし、私はちょっと申し上げたような保安林の評価の問題や、あるいはまた具体的な内容をはっきり示してもらいたいということについてどうもまだはっきりなさらないという点について、なお不満が残っておりますので、そういうような点を解消するようにぜひ御努力を願いたいと思います。 あと、まだ少しあるのですけれども、委員長のお話ですから協力をして、これできようのところは終わります。
○鍛冶委員長 吉川久衛君。
○吉川委員 だいぶ時間が経過しているものですから、数点について初め担当局長にお答えいただいて、そしてあとで結論的に大臣の御意向を伺うことにいたします。 〔委員長退席、小山(省)委員長代理着席〕 最初に、農村金融についてお伺いをするのですが、農林中央金庫は農協の組合員である農民の金融機関であることは申すまでもございませんが、事実はその機能を果たしているとは言えないように私は思うのです。それは金利が高過ぎて農民の期待にこたえられない状態になっております。金利のコストダウンの方途について農林経済局長はお考えになったことがございますか、どんなふうにやっておいでになりますか。
○大和田説明員 資金源といたしましては、農協、信連を通ずる農業関係資金と、それから若干の農林債券を発行しております。それとで成り立っておるわけでございますが、おもな資金源としては、農林債券よりは信連を通ずるいわゆる系統資金のほうが圧倒的に多いわけでございます。したがいまして、中金といたしましては、この二、三年の間だんだんに、国債発行下におきまして金利全般が低落ぎみでございますから、系統資金として他の金融機関等々の関係におきまして、漸次金利を引き下げていく努力をいたさなければなりませんので、中金自身も経費の合理化等々努力をいたしますと同時に、信連に対する預金の奨励金を少しずつ落としてまいっておりまして、全体として資金のコストの低下を中金自体がはかっておるわけでございます。しかしこれも、何せ系統金融と申しますのは単協、信連、中金という三段階でございまして、中金のコストだけを下げることを目的として施策をやりますと、信連、に対する影響が非常に大きいわけでございますから、全体の様子を見ながら非常に慎重な態度でいまのようなことをやっておるわけでございます。問題は、実は中金だけの問題ではございませんで、その末端における単協の金利といいますか、資金のコストを引き下げることがやはり問題の要点でございますので、私どももまた系統機関も相呼応して、単協の経営の合理化、資金コストの引き下げ等々については、この二、三年間相当の努力をいたしておるつもりでございます。
○吉川委員 相当努力していることはうかがえるのですけれども、具体的にどうも私には納得がいかない。何か農協の民主化ということが叫ばれて、そして政府任命の理事長や監事、これを自分たちで選任してやるような形になったのでございますが、そのことはちっとも金利のコストダウンにはなっていない。監督官庁の干渉をのがれて、自分たちでその金融をスムーズに運んでいこうという意図であったのでございましょうが、にもかかわらず、共和製糖グループのようなああいう事件も起きている。私はこういった問題についての一連の何かもっと改善策はないものかということを考えるのですが、具体的にどういうふうにお考えでございますか。とにかく組合員である農民からは非常に奨励をして資金集めをやっている。その金がみんな上へ上がってきてちっとも農民のところには還元されていない。これで一体農民の金融機関かということを痛切に感ずるのですが、もう少し具体的にこういうふうな努力をやっているのだというようなものはないのでございますか。
○大和田説明員 農協関係の資金は最近相当豊富になって、資金自体としては不足いたしておる状態ではございません。ただ、御指摘のように金利が高いという問題がございまして、農業自体に系統資金がなかなか還流しないという問題がございます。そこで私ども農業金融全般といたしましては、たとえば公庫資金の制度の改善ということを考えますが、同時に、系統資金ができるだけ農協に還元することができますように、実は先般から農業近代化資金制度というものを打ち立てまして、国と県とで利子補給をいたしまして、末端の農家が六分の金利で農業経営資金が借りられるようにしておるわけでございます。これはことしで九百億、昨年が八百億で、最近毎年百億ずつふえて、相当大きなウエートを占めておるわけでございます。信連等で資金繰りが多少苦しいところは、これに対して中金が貸し付けを行なうという形で、中金自身の金もある程度近代化資金を通じて出回っておりますし、また場合によりましては直接信連を通じて農協に共同施設の資金を中金が貸すというふうになっております。 それで、御指摘がございました共和製糖等々の問題との関連でございますが、私どもかつて中金の民主化と申しますか、理事長、理事、監事の政府任命制度をやめまして、理事長と監事が総代会で選任されるということにいたしました意味は、これは先生よく御承知と思いますけれども、かつては政府が中金に出資いたしておりましたところを、最近は出資金がゼロでございます。したがいまして、政府が出資いたしておりません金融機関に理事長その他の任命制をとることはいかがかということも大きな理由でございました。 そこで、いわゆる民主化の過程を通じてその後、これは決して私ども中金の民主化をしたから、それが直接いい影響を生じたというふうにも必ずしも思いませんけれども、その後の農業事情の変化あるいは農産物価格の動き等によりまして、農協の系統資金が相当量集まりまして、系統の単協、信連、中金を通じて、中金の資金も一兆をこえる大きな額になっております。そこで私ども農業金融を、近代化資金あるいは中金に相当低い水準で農業共同化施設等に直接貸しを奨励いたし、中金もその方面について相当充実した事業をやっておりますけれども、現在の時点におきましては農業に貸し出し得ない形で余裕金が相当残ることも、これまた現実問題でございます。私ども関連産業融資というものは、実は農業とは無縁でございませんで、加工業をりっぱに育てることがまた農業の近代化に大きな影響があるわけでございますから、関連産業融資ということもきわめて重要な問題だと考えております。 そこで中金は五千億に近いほどの関連融資を現在やっておりますが、将来の方向といたしましては、一件一件政府が中金の貸し出しについてチェックをするということではなくて、どういうとろに金を貸せるか、これは当然系統金融機関としての本質からいって制限があるわけでございますから、融資の対象の範囲を明確にすることと、それから関連融資というのは、何と言いましても農家に対する貸し付け金あるいは土地改良に対する貸し付け金とは違って、それなりの審査あるいは調査が重要でございます。残念ながら最近中金について起こりました問題は、そういう審査機能あるいは調査機能が十分でなかったところに一つの原因があろうと私は思いますので、中金につきましては、関連融金資を行なう場合の審査機能あるいは貸し付け機能の強化ということで中金の指導をいたしまして、方向といたしましては一件一件の審査を農林省がチェックするということよりも、おおよその誤りない指導をして、あとは中金の貸し付け機能あるいは審査機能を充実させるという方向でいくことが、今後長い目で見て、農業、関連産業あるいは中金の融資体制にとっていいことではないかというふうに考えておる次第でございます。
○吉川委員 私は、形はその民主化、非常にけっこうなんですが、それは形だけで、その実態には私反対をしていた一人なんであります。それよりはやはり理事長や監事や、あるいは理事は政府任命であっても、政府の余裕金を預託するとか、あるいはその他の低利の金を入れて、そうしてプール計算をしてコストダウンなんかを考えてみてはどうかというようなことを考えております。河野さんが農林大臣でヨーロッパからアメリカを旅をされたときに、私は西独とアメリカの農業金融の制度を特に見てきてもらいたいということを進言いたしました。帰ってまいりまして、農業金融については二段階、その他農協のあり方についての一つの意見を述べられて、たいへん反撃をかったことがございますけれども、やはりそこまで踏み切って、もう少し合理化を考えるべきではないか。形だけではだめなんで、内容がコストダウンに役立つようなそういった形をとったらどうかということをかつて考えてまいりましたし、いまもまだその考え方は変えておりません。 そこでいま局長のお話のように、系統金融が非常に資金が集まって、第二次世界大戦の際のスイスのように、金は集まった、金利を払わなきゃならない、借り手はないということで、お手上げになったこともございますが、農林中金がそういう事態に立ち至ったことは数年前にあったんでございますが、そのときに近代化資金という、私から言わせればこれは金融の邪道とも言うべきものなんですが、これをやることによって民間の金に利子補給をしてやるということは、これはほんとうに邪道なんです。しかしそれによっていま農林中金も救われているんじゃないかと思うのです。ある意味において非常にけっこうなことですが、制度金融と系統金融というものの交通整理というものが考えられないのか。しかしいまのような食管制度を持っている限りなかなかむずかしい問題ではございますが、そういうことは考えられないものかどうなのか、局長の御所見を伺いたいと思うのであります。
○大和田説明員 私ども農業金融に関係いたしておりまして、先生御承知のとおり制度としては、また実態としても、私は日本の農業金融制度はどこに出してもそんなに恥ずかしいものではないと考えております。公庫の制度にいたしましても三分五厘の資金が相当多くて、全体としては農家の支払う金利が五分程度になる資金は今年度におきましては千六百億程度になっておりますし、近代化資金も、利子補給は邪道だというふうに言いましたけれども、私はある程度コストの高い系統資金を農業に還元させるためには、これは適当な制度であろうというふうに思っておりますので、それも現に九百億程度になっておるわけでございます。そこで私ども公庫につきましては、今後は単に資金量をふやすとか、あるいは利子の引き下げをするとかということだけではなくて、むしろ農家が資金を欲する場合に的確に農家に行くように、現在は農協を媒介として公庫資金を流しておりますけれども、担保の問題、その他いろいろこまかい技術的な問題がございますので、そういうものを一つ一つ直していって、いわば農協パイプとする公庫資金の融資の道ができるだけスムーズにいくように、今後努力をいたしたいというふうに考えております。
○吉川委員 農地などを取得する金融制度に非常にまだ不十分な点があるのでございますが、こういう問題はどういうふうに考えていらっしゃいますか。
○大和田説明員 農地を取得する資金といたしましては、公庫で土地取得資金で三分五厘の相当長期の資金をやっております。これは昨年までは一農家当たりの借り入れの限度が八十万円でありました。最近の時点におきまして百万円に改めたわけでございます。これを、全国的に百万円という限度を改めることはなかなか問題が多いわけでございますけれども、私ども、現在来年度の予算として、また法律制度として検討いたしておりますいわゆる相互資金制度というものでは、利子はそれほど安くなくても、伸びようとする農家が必要とする資金をできるだけ公庫関係と系統資金とで施設資金あるいは運転資金の両方見合って貸し付けられて、伸びようとする農家にとって資金量として不足がないような制度を現在検討中でございます。
○吉川委員 農林大臣にお伺いしたいのですが、いま局長は三分五厘の農地の取得資金制度があると言われたのでございますが、実は赤城農林大臣、坂田農林大臣二代にわたって農地管理事業団法案なるものを提案されました。そのときに、農地の取得資金として三分の三十カ年間の年賦償還の内容を持つものであったのでございますが、西独やフランスへ参りますと、年利二分五年据え置き四十カ年間の年賦償還、イタリアへ参りますと年利一分で三十カ年間の年賦償還というような制度がございます。局長は外国と比較しても遜色のない金融制度を持っているとたいへん誇らしげにおっしゃいましたけれども、そういう先輩の国もある。私は西ドイツで、ずいぶん日本では後継者育成資金として五十万円ずつ無利子の金融制度を持っておるというが、無利子なんという金融制度はそれは金融じゃないのだということを言っております。それからまた、どの後継者を持つ農家にも均てんするものではなくて、数カ町村の中に一人か二人というようなそんなチャチなことで後継者をとどめることができますか、私の国は農民年金というようなものをやって後継者をとどめることができるようになったというお話を聞いてまいった。 私はこの農地管理事業団については年利二分五年据え置き四十カ年間の年賦償還というようなものでなければ、とても後継者を押えておくことはできませんし、これからの農家がほんとうに安定をするとは考えられないので、農林大臣は、過去二回提案されて、流れましたが、内容については私は坂田君と同じ批判をする立場にあったのですが、年利二分五年据え置き四十カ年間の年賦償還というような内容を持った農地管理事業団法案のごときものをお考えになっておいでになるか、将来ともどういうようにお考えになっておいでになりますか、御所見を伺っておきたいと思います。 〔小山(省)委員長代理退席、委員長着席〕
○倉石国務大臣 農林省が日本の将来の農政を考えまして構造政策について鋭意研究をいたしました。その間にいまお話しのような農地管理事業団についても、そういう構想についてもいろいろ検討いたしましたが、やはり二回にわたって廃案になりました経緯等にもかんがみまして、ただいまそれを提案するという意思は持っておりませんが、やはり私どもの考えております構造政策というふうな形で推進してまいるには、ああいう制度というものは非常に必要なものではないかという感じも持つわけであります。いまそれについて具体的な意見を決定いたしておるわけではありません。 そこで、農林金融につきまして専門的なお話がございました。御存じのように日本は一般に金利は諸外国に比べて高い国ではありますし、それからまた、先ほど来お話がありました中金等の資金コストが非常に高い、こういうことは努力をいたしてわれわれは引き下げていくことにつとめなきゃならぬと同時に、農業に対する財政投資というものはもっと私は逐次増額されていくべきものであるというふうに考えておるわけであります。したがって金利のことにつきましては、四十二年度の予算の編成のときにも、それぞれできるだけの努力をして金利を引き下げることに努力をいたしてまいりましたが、今後もそういう方向でわれわれは農林金融の金利引き下げについてはさらに努力をいたしてまいりたい、こう考えております。
○吉川委員 次に農地局長にお伺いをしたいと思います。 国営の土地改良事業は、事業開始からおおよそ何年くらいで完了しておりますか。
○和田説明員 過去におきましては御承知のようにわりあい完了までの間に年数がかかってまいったわけでございますが、現在、昭和四十二年度におきます残事業量を最近の予算計上の割合で考えますと、着工から終わりまでにほぼ七年くらいで完了するというふうなテンポで予算を組んでおります。
○吉川委員 過去においては早くて十二、三年、長いのになりますと二十年近くもかかっておりました。こういうことでは資金、資材、労力が寝てしまって、経済効果が早くあらわれてまいりませんから、いろいろの問題をかもし出してきたわけであります。今後はこういう点については、できるだけ、傾斜方式といいますか、集中方式と申しますか、一つの事業を早期に完了するような措置をひとつ講じてもらいたいと思います。 そういったことも関連をしてでしょうと思いますが、この受益者負担金の徴収状況が非常に悪いように思うのです。ここに愛知用水の資料もございますけれども、驚くべき数字が上がっております。その他の国営土地改良事業についても、会計検査院で指摘をされているものもあるのでございますが、これは一体おもなる理由はどういうところからきておりますか。
○和田説明員 国営の土地改良事業の受益者負担の状況につきましては、四十年度は徴収決定済み額に対して二五%ほどが未納になりました。四十一年度につきましては一八%程度ということで、最近は若干まあ好転はいたしておるわけであります。ただ、それにいたしましても、私どもとしては、そういう未納が生じませんように、いろいろ努力をいたしておるわけでございますが、ただいまお話の出ました愛知用水公団につきましても、いろいろ努力をいたしました結果、ついせんだって話し合いもまとまりましたので、今後は徴収も軌道に乗るかと思います。 こういう未納金につきましての理由は、いろいろ地帯によって理由はあると思いますが、特に大きな問題点は二つあろうかと思います。 一つは、御承知のように現在の国営事業のやり方は、国の補助金の残りの部分につきましては、県が一応国に納入をいたしまして、県はそのうちの一部を地元に賦課をすることができるという土地改良法の制度になっておるわけでございます。地元の土地改良区なりあるいは農家と県との間で、どの程度に分担をし合うかということについて相当意見の対立がございまして、それの調整がつきませんために、収納がおくれておりますようなケース。もう一つは、地元の土地改良区自体が非常に弱体であって、組織が不備でございますとか、内部の役員等の間にいろいろ対立関係がありまして内紛がございますとかいうことで、納入体制の整っていない地区がある。おもな理由は、以上申し上げたような二つであろうと思いますが、私どもといたしましては、今後できるだけ改善につとめまして、土地改良区の整備強化をはかるようにしてまいらなければならぬというふうに思っております。
○吉川委員 農林省が会計検査院からいままで不当事項として指摘された事項が、最近、農林省の努力のほどがうかがえて非常に喜ばしい次第でございますが、非常に減っております。今後も大いにひとつ努力をしていただきたいと思いますけれども、いまの土地改良事業の負担金の問題等については、完了までの期間の長いことが、上流地帯と末端の地域との間にあまりに年数がかかることが、問題の大きな原因の一つになっていると私片思いますので、ひとつ、できるだけこの期間を短く完了するような、そういう計画を立て、そういうような指導をしていただきたいものだということを特に大臣にお願いをいたしておきます。 次に、蚕糸局長、生糸の輸出は、四十年度、四十一年度で、どのくらいのものが、どこの国にどのくらい出ておりますか。また、輸入は、同年度内にどういうふうになっておりますか。その数字を明示されたい。
○池田説明員 まず輸出でございますが、御承知のように、最近非常に減っているわけでございますが、四十年度におきましては生糸は一万七千俵でございます。国は、アメリカが主でございまして、アメリカが約一万三千俵、その他は非常に小量でございます。たとえば、フランスが八百俵、スイスが九百俵という程度でございます。それから、四十一年につきましては、さらに数字が減ったわけでございますが、全体で九千俵でございます。やはりアメリカが大部分でございまして約七千俵、あとその他はやはり非常に少量でございます。 ただ、つけ加えて、御説明させていただきますと、このほかに絹織物等の製品がございますので、それをあわせて申し上げますと、四十年におきましては、生糸と絹織物と合わせまして約四万俵でございます。それから四十一年におきましては約三万俵でございます。 それから輸入でございますが、生糸の輸出と逆に、これは最近かなりふえてきておるわけでございますが、四十年におきましては約五千俵でございます。大部分中共でございまして、中共が四千八百俵でございます。四十一年におきましては二万俵でございますが、内訳は中共が一万二千俵、ソ連が二千六百俵、韓国が二千俵、その他でございます。
○吉川委員 生糸の海外の消費拡大のために宣伝、調査をやっているはずでございますが、日本絹業協会に補助している金はどのくらいの金額ですか。
○池田説明員 年次によりまして若干の移動はございますけれども、最近の年次をとりますと、大体一億六千万が補助金でございます。
○吉川委員 輸出がだんだん減ってきている。いまお話しのように、四十年が一万七千俵、四十一年が九千俵、四十二年になりますと、これはまだ半年分でございますからわかりませんが、二千五百俵、倍と見て、一年分を通して見ましても、五千俵くらいでしょう。だんだん減ってくる。それで一億六千万も金を使ってよその国のために宣伝をし、消費の拡大をやっておる。一体この金を使うだけの値打ちがあるのかどうなのか。私はニューヨークでいろいろアメリカの連中の意見も聞いてみたのですが、何か韓国や中共のために——中共糸はストレートにはアメリカには行かないで、ヨーロッパから回り回ってアメリカに入ってきます。それはまるでよその国のために需要の拡大、消費拡大調査等を行なっておるということになりはしないかと思うのですが、その点はどうでございますか。
○池田説明員 実は、いま先生がお述べになりましたような御意見がかなりあるわけでございます。それで、ただ私どもの考え方といたしましては、この絹、生糸の絹業協会を通じてやっております宣伝なり調査事業というものの基本的な考え方でございますけれども、ヨーロッパなりアメリカにおきます絹の需要というものをなるべく盛んにしていきたい、こういう基本的な考え方があるわけでございます。そういう需要が結局最終的には日本の蚕糸業の繁栄にもつながる、こういう考え方があるわけでございますが、御承知のように、最近生糸の需給がかなり国内において逼迫をいたしているわけでございます。これは国内の内需が非常に強い、これに対しまして供給のほうはなかなかふえないで、現状におきましては横ばいでございますので、その間に若干ギャップができまして、国内の生糸価格がかなり高い水準に上がっているわけでございます。海外の需要というのは、どうも従来の傾向から見てまいりますと、なかなかそういう価格の変動に耐えられるような需要でない。潜在的な需要はかなりあるということは、これは各方面で確認されているわけでございますけれども、急激な価格の変動になかなかついていけない。そのために現在比較的価格が安定しております中共糸等に市場がかなり奪われている現状でございます。 そこで私どもといたしましては、これに対する基本的な方策としては、極力生糸の需給をバランスをさせる。そのためには、基本的には繭の増産を進める必要があるのではないかということでいろいろ対策を講じつつあるわけでございますけれども、そういう状態が実現いたしまして、増産ある程度実現しましたならば、やはり日本の生糸というのは相当海外に行く余地があるのじゃなかろうか。その間は現状のような状態が当分続くのはやむを得ないのじゃなかろうか。将来に備えまして、やはりそういう絹、生糸に関します消費宣伝というものは継続していく必要があるんじゃなかろうか、こういう基本的な考え方でございます。
○吉川委員 私は、輸出の振興ということは、これからも依然として価格の安定ということが第一。それから第二は、やはり国内で加工したものを輸出をする、生糸そのもので輸出するのではなくて加工をして輸出をするということを考えながら指導をしていく必要があるのではないかと思っております。昔の話ですが、大澤蚕糸局長の時分に、蚕糸業は斜陽産業であるから桑園を整理しなさい、そうすれば奨励金を出します。そのときに私は参議院議員の小山邦太郎氏と二人で、農林省には申しわけないけれども、株落ちは補植をしなさい、老朽株は改植をしなさい、桑園の整理はとんでもない話だという農民指導をやりましたのが、そのとおり当たりまして今日の蚕糸業になっているわけであります。 そこで、いま特殊法人の整理の問題が行政管理庁方面から流れておりますが、その一つといたしまして、蚕糸事業団の問題がうわさにのぼっているやに伺っているのであります。私は、この蚕糸事業団というものは、自分たちでも金を出す、政府にばかりおんぶしないのだ、たよりつきりにしないのだ、両方で金を出し合って事業団を強化して価格の安定をはかっていこうじゃないかというところまできたことは非常にけっこうなことでございますが、今後とも私は一貫目について二十円、三十円の金を出資させまして、そうして自分たちの金で百五十億や二百億ぐらいの資金をもって、韓国とも中共ともみんなで話し合って価格の安定をはかっていくような、そういう自主的コントロールのできるところまで事業団を育てていくべきじゃないか。そういうときにこの事業団を廃止すべきである、整理すべきであるというような、これはうわさでございましょうけれども、それはとんでもない話で、私は公団、公庫、事業団の中で使命を終えたものはどんどん整理すべきである。行管長官を督励して大いに整理賛成でございますが、しかし使命を終えないところの蚕糸事業団とかあるいは森林開発公団とかいうようなものを爼上にあげるということは、私はとんでもない話だと思うのでございますが、この点について農林大臣の御所見をお伺いいたします。
○倉石国務大臣 蚕糸業の将来についてはただいまお話のありましたとおりで、私どもといたしましても、現在の農業全体を見て蚕糸業の将来には特段の関心を持ち、これを助成してまいりたいと思っておるわけでありますが、ただいまお話しのような日本蚕糸事業団につきましては、構造がすでに御存じのようなことであり、民間がこれに非常に協力をし、またこの運用の妙を得て、価格安定、輸出増進等にも多大の期待を寄せておるのでありまして、私どもとしては当然蚕糸事業団は存続すべきものであると思っておりますが、行監委員会の正式な意見をまだ私どもは承っておりませんので、これから事務的にもそれぞれ折衝いたしますけれども、農林省の方針としてはいまお話しのような今日の蚕糸業の状態を考え、将来を考えまして、蚕糸事業団をなくするなどということは害があって益はございませんので、私どもとしてはこの存続を強く待望しておるわけであります。
○吉川委員 農林省の関係でございますけれども、園芸局の所管でコンニャクの問題がございます。コンニャクのことを伺っているのではございません。これはバノコンといいましてバナナとノリとコンニャクは黒い霧の三璧であるといわれていたのでございますが、生産県の国会議員でコンニャク議員懇談会をつくりましていろいろ検討をした結果、農林省とも話し合いまして、日本こんにゃく協会なるものが創立された。これは一時F氏なるもの等が介在をいたしまして、非常に紙上をにぎわし、週刊誌等にも出されたのでございますが、少なくともコンニャクについて輸入する場合には協会を通す、差益は積み立てて自主的コントロールの資金にする、こういうことになって、完全に黒い霧を払拭する基礎ができたことは御同慶にたえませんが、これに農林省の指導でそういう形になりました。これと同じようにこの蚕糸事業団に輸入生糸を扱わせるようなことをお考えになったことはないのか。資金が必要ならばもっと増額するとか、それから民間にも持たせるとかいうことにしてこれのコントロールをやらしたならば、価格の安定に相当寄与するのではないかと思うのですが、そういうことはお考えの中にございませんか。
○池田説明員 実は先般の国会で事業団法の改正ができたわけでございますが、この改正法案の検討の際に、ただいま先生が御指摘になりました輸入の生糸を事業団が管理をするという案が検討されたわけでございます。これは現在一五%の関税がかかっているわけでございますが、若干関税のほうをいろいろ操作いたしまして、差益が出ました場合に、その差益を生糸の輸出のほうに何らか使うというような方途ができないものかというような点につきまして、いろいろ検討が行なわれたわけでございます。ただ、これにつきましては、関税制度一般の問題にも実は関連をいたしますし、それから生糸につきましては御承知のように現在自由化されているわけでございます。従来、たとえば関税割り当て制度というようなものもございますが、それは従来割り当て制度であったものを自由化する際に一つの過渡的な手段として関税割り当て制度を採用するということがあるわけでございますけれども、自由化されておりますものに、逆にたとえばそういうような方法を採用するということになりますと、やはりそこに若干の困難があるわけでございます。そういうようなことで検討はいたしましたが、関係省庁と調整ができませんで結局見送りになった、こういう経緯でございます。
○吉川委員 局長はむずかしい事情があるようにおっしゃいますけれども、この物資に関する限りさようなむずかしいことをお考えになる必要はない、一番大きな取引先の国は国家管理で貿易を行なっている国なんですから。その他の国は回り回って日本に入ってくる程度であって、これは自由化の問題に逆行すると言われても、さような大きな問題にはならないと私たちは考えている。これは将来ひとつ検討をしてもらいたい。 それから林野庁長官にちょっと簡単に伺いますが、森林開発公団の行なっております事業量といいますか、現況といいますか、お聞かせをいただきたい。
○片山説明員 昭和四十二年度におきます事業量を申し上げます。 造林におきまして、水源林造林でございますが、金額で四十四億円でございます。その事業は、新植が二万三千ヘクタール、保育が十万五千ヘクタール、それから林道でございますが、予算といたしましては十九億四千三百万円でございます。その内容としましては、一番大きいのが特定森林地域開発林道、特にスーパー林道でございます。低開発の林道でございますが、それが十二億八千万円、それから関連林道が五億五千万円、それから熊野の公団林道の改良が一億一千三百万円、大体以上でございます。
○吉川委員 行管で森林開発公団を検討された当時は、こういうスーパー林道の事業等については十分検討がなされてなかったようでございます。これも特殊法人の整理の対象に入っているとかいいますけれども、これは、公団のただいまやっている事業はこのほかにもまだいろいろあるわけです。森林開発公団自体でなくて、たとえば水源林の植林、造成事業とか、もと直接やっておりましたところの官行造林、そういったような仕事からいろいろ拾い上げてまいりますと、この公団を整理するなんということは、これは全くとんでもない話でございますので、これも大臣お胸にとどめておいて、もし行管からお話のあった場合には、十分その使命を終えてない、むしろ強化すべき内容を持っているものであることを強調することをお願いをいたしまして、私の質問を終わることにいたします。
○鍛冶委員長 吉田賢一君。
○吉田(賢)委員 きょうはひとつ倉石農林大臣を中心に、少ししろうとの農村談義をやってみたいと思います。 農業基本法ができまして以来、農林省の重要施策のバックボーンは農業構造改善事業の推進にある、どうもそういうような感じがいたします。最も重要なことに違いございませんが、反面非常に大きな、むしろ見落とされたような問題点は、農村における福祉対策の貧困でないか。将来福祉国家を目ざす限りは、農村における福祉対策というものは相当重視しなければならぬと思いますが、構造改善は経済開発でございます。生活とかあるいは地域とか社会開発的な面は、その一つの重点はやはり福祉対策にあるのじゃないだろうか。とりわけ農村においてその感を強くするのであります。この点につきまして、ひとつ大臣の御所感を伺っておきたい。
○倉石国務大臣 お説のように、私どもは、六年前に農業基本法を国会において制定され、この方針に基づいて、引き続き農業政策を進めてまいっておるわけでありますが、御存じのように、その間を振り返ってみますと、やはり日本の産業構造というものはいわば若干破行的——非常に伸びているものとやや立ちおくれているもの、そういう状態が現出いたしておるわけであります。したがって、これから政治のやるべきことはそういうでこぼこのあるものに政治的な考慮を加えて地ならしをして、比較的平等に平均のとれた形で日本経済が伸びていくことは期待されると思うのであります。いま御指摘になりました構造改善事業等は、私どもが将来の農業を展望いたしまして、こういうことを十年の計画で着手をいたしてまいったわけでありますが、必ずしも農業構造改善を初め、土地改良その他、政府も国民も期待いたしておるほどに成果をあげる段階にはまだ至っておらない。着々功を奏している面もありますが、これからなお大いに農業投資をいたしまして、そして日本の農業がりっぱな国際競争力を持ち得る体質を完備したものにしなければならない、こう思っているわけであります。 そこで、そういうことにつきましては、それぞれ種々検討をいたし、施策を実行いたしてまいろうと思っておるわけでありますが、いまお話のございましたようないわゆる社会保障関係、そういう点にかんがみますと、これは吉田さんもご存じのように、わが国の社会保障制度というのは、終戦後いわば実力を伴わないのに身分不相応に非常にりっぱな柱を多く立てました。したがって、財政力がございませんので、この理想とする柱に肉つけが行なわれておらないから、ただいまいろいろな社会保障の制度に問題があるわけでございます。一般論としてはそういうふうにわれわれは考えるのでございますが、ことに水準のおくれておる、つまり経済成長率が他の鉱工業等に比べて劣っております方面について考えますと、いまの社会保障制度というものは、もちろん十分どころではない、まだまだわれわれが考えて不十分な点が多々あると存じておるわけであります。したがって、そういう面を補いつつ農業を守ってもらうためには、農林省としてはできるだけの施策を講じておるわけであります。一応前段的なお答えを申し上げます。
○吉田(賢)委員 大臣のお考え方大体わかるのでございますが、しかし、社会保障ないしは農村地帯における社会福祉の充実という問題は、途中で御説明になりましたように、わが国におきましては一面において少し理想に過ぎる、十分に消化しないままに何か案が立てられ、実行に移される、そこで行き過ぎになる、手直しをせねばならぬという面も確かにあるわけでございます。そういうことが原因ですか、わが国におきましては、やはり社会保障というもの、あるいは福祉国家へのあらゆる諸条件というものに対する国民の理解が乏しいような感じがいたします。 そこでいま私どもが見ておりますと、そのような基本的なお考えは一応わかるのでございますけれども、構造改善政策というようなのが非常に大きく打ち出されておる反面、福祉対策というものが同じくらいなウエートでこれを並行的に実現するのでなければというほどの意気込みで打ち出されておらぬ。そこに弱さがあるのではないだろうか。もう一つは、日本の行政機構といたしまして、社会保障もしくは福祉対策というものは農林行政のように行政的に一本化しにくい面がございますから、とかく農林省にしましてもある担当の分野、他の面においては厚生省の担当事務あるいは文部省、建設省、そのように行政事務の分野が分かれておりますので、農村における社会福祉の業務を推進する施策を行なおうといたしましても、農業の対策と比較しますと非常に影が薄い小さい存在である、こういうことになってきまするので、そういうところにもこの問題の解決しない一つの原因があるのではないだろうか。私の考えるところによれば、農村がほんとうに食糧の需給度を落とさずに、あるいはまた人口の過疎化でうろたえることがないようにするためには、少なくともそういう面においても農村は非常に大きな福祉対策への期待を抱いておる。その立場におきまして国の高度な施策の大きな柱とせねばなるまい。そこででき得べくんば、農林省がその中心的な立場に立って総合施策が行なわれねばならないのじゃないだろうか。 私は先般来日本の行政のあり方を見まして、ばらばら行政ということを痛感いたします。ばらばら行政ということではどうも身が入らぬ。力が入らぬ。成果がなかなかあがってこない。そこである施策はもっと総合的に、もっと統一的に、省は分かれておっても国民に対する責任とか行政の責任は一本でありますから、もっと行政は総合せねばならぬ、こういうふうに思いますと、この福祉施策というものの影の薄いゆえんもわかりますので、そこでこの機会にほんとうに構造改善の施策を成果あらしむるためにも、また本来の日本の農村の問題をほんとうに建設的に解決するためにも、きわめて重大な課題であるという認識を国民とともにいたしまして、政府が各省の総合施策というくらいな打ち出し方をする必要があるのではないだろうか、こういうように思うのですが、この点はどうでしょう。 これを思いますと、たとえば行政需要の実際に見ましても、ちょっといま私の手元の統計は古いのですけれども、自治省の三十八年の行政投資の比率の調べでありますが、これによりますと、全国平均一人に一〇〇としますると、都市部に対しては一一九から二二九、農村地帯におきましては五〇ないし一〇六であります。もちろんこれは全国全部調べたわけではありません。主として九州、東北、北陸が中心でございます。こういう点を見ますと、行政にしましても非常に行政投資の比率は低い。財政もそうだ。国の施策としての発言のウエートも小さい。ばらばらである。こういうところにその病根があるのではないか。やはりここはあなたのように建設的な御意見を持っておられる方が大臣のときにぐっと押し出して、積極的な施策として大きな柱を立てる、そしてどこが統合政策をいたしましょうとも、内閣が一本になって進めていかれる、こういうふうにせられる必要があるのではないかと痛感するのですが、この点はどうでしょう。
○倉石国務大臣 農政の基本に関するたいへん大事なことをきょうは御指摘いただきまして、たいへん私どもも感銘いたすわけでありますが、いまお話のございましたように、財政投資、行政投資の面において、一般論としてはもっともっと農漁村には投資をすべきものである、また投資が行なわれればそれだけの効果が発生するものである、私はこう考えておるわけであります。 さて先ほど御指摘のように、農林省が構造改善事業をいたすにしても、土地改良をいたすにしても、やはり私どものねらっておりますことは、農村民の所得が他産業に比べて劣らない程度のものにしなければならないということがまず第一に考えられておるわけであります。そういう方向で諸般の施策を進めてまいるわけであります。したがって、たとえば全国各地にございます比較的おくれております農山漁村の施策等につきましても、いま農林省は国民の食糧の需給の傾向にかんがみまして、選択的拡大ということを申しておりますが、畜産を奨励するにしてもあるいは野菜、果樹を増産せしめるにいたしましても、いまのような道路の事情では御存じのとおりお話にならないのであります。したがって、そういうことについては私どもはさらにそういう面に行政投資を重点的にやっていくべきである。幸いに四十三年度の予算の編成にあたりましては、内閣総理大臣は建設大臣に特にそういうことを指令をいたしました。 それからまた、地方のブロックの知事会議などでも、今日の比較的跛行的に伸びてまいっております日本の経済というものを平均化していくためにも、ぜひひとつ農山村に対する特段の施策がほしいということを要望し、われわれも同調いたしておるわけであります。したがって農林省におきましては、あとでもお話があるかもしれませんが、たとえば後継者を育成していくためには後継者育成資金あるいは農業を守り抜いていっていただく方のためには農業者年金制度というような考え方を幾つか打ち出しまして、このことはいま政府部内におきまして、それぞれ財政当局あるいは保険を扱っております厚生省当局とも緊密な連絡のもとに鋭意検討中でございます。したがって私どもが農政を進めてまいります基本の考え方は、先ほど申しましたように農業全体の所得が他産業に比べて劣らないように、同時にまたわが国の農業をほんとうに体質を改善して国際競争力を持ち得る農業を推進してまいるためには、農山漁村の振興に力を入れなければいけない。そういうようなことをすることによって、その仕事に従事しておられる農山漁村の人々が所得が増大いたしてまいるわけでありますからして、農林政策の施策としては、ただいま申し上げましたようなところに重点を置いて進めてまいりたい、こう思っております。
○吉田(賢)委員 農村における福祉対策の非常に重要なものの一つといたしまして、私はここに保健施策の徹底充実を特に強調してみたいと思います。 この問題は農村地帯における国民の健康管理の問題ですから、政府の事務分掌からすればあるいは厚生省が主管かもわかりません。あるいはまた、よって来たる原因が労働省関係にある面も多いので、それも加わってまいります。いろいろございますが、しかし改善政策の貫遂のためには農家の健康をよくする、りっぱにするということは一つの欠くことのできない重要な課題でありますので、こういう意味におきまして農林省行政の大きな課題としてひとつ指摘してみたいと思います。 特にこのことを私が発言するに至りましたのは、実はこの間兵庫県におきまして十二指腸患者がやたらに多いという部落が発見されたのです。ちょっと具体的に例をあげますと、三木市の瑞穂小学校の校区内のできごとでございますが、これは神戸市に近いざっと二百戸ばかりの純農家でございます。そこで夫は付近の小さな金物工場に通い、主婦は毎朝、早朝にトラックに迎えにこられて、神戸あたりまで出て重労働をやっておる。そのために小学校の子たちが暗がりに朝めしを食らこともあり、ときにはおかあさんがトラックに乗りそこなうというので、めしを食わずに学校へ行く子供も出てくる。こういうことが相当ひんぴんとありまして、部落の婦人会がたいへん心配いたしまして、このことに手をつけかけたのであります。ところが親たちを調べたところによりますと、十二指腸虫というのですか、学問的には鉤虫というのですか、それが四百人のうち二十五人出たそうなのでございます。四百人のうちの二十五人ということになりますと、通常の百倍だそうです。というのは全国的には百人に〇・〇六だそうですから。そこで別の面から学校の教師たちが心配いたしまして、どうも近ごろこの学校は体位が全く劣っているという見方をした人がございまして、そこで精査いたしましたところが、背が低い、体重が少ない、力が乏しい、胸の幅が狭い、そういうようなことで、県下で最も悪い体位だったそうです。全国平均よりももっと低いのだそうであります。付近の三木市の中心の小学校の四年生とこの瑞穂小学校の六年生が同じくらいの体格だ、こういうことなんです。こういう数字が出てきたそうです。そこでいろいろ原因を調べてみますと、主婦の八割の者がいま私が申しましたように、冬も暗がりにトラックに乗せられて神戸市まで重労働に行くという村なんです。その被害が全児童に及んでおる。村全体が十二指腸患者でないだろうか、こういう状態に実はおちいっておるのでございます。 そこでつらつら思いますと、これは第一に農業の問題も関連するが、同時に保健の問題も関連するし、それからまたそのような一種の出かせぎ的な労働をしなければならぬというその労務の保護の問題にも関連しまするし、いろいろな関連がありまするが、ともかく付近の保健所で調べたところがそういう結果であり、すっかり心配してしまって、これが県の教育委員会でも報告せられたそうでございます。こういうことを私は村へ行って聞きました。これはたいへんなことだというので、最近はこの村では健康なる町づくりが婦人たちで起こってきました。これは一つの自然発生的な現象でございますけれども、見のがすことのできない一つの事実だ、こう私は思います。 おそらくは全国的に相当類似の弊害がかもされておるのではないであろうか。これは全体の農村の健康管理の面から申しましてゆるがさせにすることができない。もしそこにすぐに手を打つことがあるならば、これは一つの施策として取り上げるくらいにせなければならないのではないか。こういうふうにも実は考えるのであります。この点は行政的には厚生省の分野と思いますけれども、しかし農村の生活を預かる主帰がこのような労務に服しまして、そしていまのような不幸な状態が起こっておるとするならば、農林省としましても何か善導の手がなければなるまい。これは生活改善の普及事業等の関連ではないかもしれませんけれども、これは積極的に福祉対策、保健対策を立てるようにしなければなるまい。この点は国務大臣として、やはり他の閣僚とも御相談があって注目すべき問題として御検討になってしかるべきでないか。こういうふうに思うのでありますが、これはどういうふうにお考えでありますか。
○倉石国務大臣 国民全体の健康管理につきましては、これは非常に大事なことでございます。先般厚生省の発表いたしました厚生白書等にもそういうことについては非常に強調いたしておるのでありますが、社会保険全体についてただいまお話しのようなことを政府部内においてとくと相談をいたして善処してまいる必要が絶対にある問題だ、このように考えます。私もそういう点について十分努力をしてまいりたいと思います。
○吉田(賢)委員 農村における道路整備の問題は、これまた行政的所管は主として建設省にあると思いますが、同時にいまも最初に御指摘になりましたように、きわめて重要なことでございますし、やはり私はこういうことが一つの大事な点でないかと思うのですが、いま国の道路整備の計画といたしましてはことしは例の第五次道路整備五カ年計画というものの第一年のようでございますが、主として従来は基幹道路の整備でございましたが、ことしは建設省も地方の町村道路等に至りますまで相当重視する計画を持っておるようでございます。私は、この機会にやはり建設省とも協力せられまして、地方公共団体を適当に指導し、協力を求めまして、日本の地方における農林道を中心といたしまして整備を必要とするもの、高度の必要性のあるもの、やや第二次的なもの——基幹道路が全国的にできますることは御承知のとおりでございまするが、この地方道路の完備というものをあわせてするのでなければ、全国的な基幹道路の整備も経済的、効率的、社会的福祉の見地から見まして、十分にその成果をあらわすことはできないはずでありますので、やはり第一に必要な基本調査を、農林省は、建設省並びに地方庁と御協力になってせられてはどうであろうか。そうして全国的に何万キロになるのかは存じませんけれども、やはり段階的に一つの大きな計画を立てまして、いうならば、農村における道路整備五カ年計画、十カ年計画というものを立てまして、その上に立って道路政策を実施する、こういうふうにすべきでないかと思うのですが、この点についてはどうでございましょうか。
○倉石国務大臣 ただいま御指摘のように私どもも同感でございまして、大きな基本幹線につきましては、非常に努力をいたしてまいっております。しかし農村の経済力が劣って、立ちおくれておる、面があるとすれば、その大きな一つの理由は、私は道路だと思います。先ほどもお話し申し上げましたように、知事会議等においても、あるいはまた国会議員諸君がそれぞれ選挙区の状況をごらんになって、いまや御指摘のようなことについてどなたも痛感しておることでございます。大体いま農業従事者の八%ぐらいしか車を持っておらないといわておりますが、十年後には、私は、著しい勢いで農山村に車が入ってくるだろうと思うのです。そういうことについて、たとえば先ほどちょっと私が申し上げました、草地を開発して畜産を奨励するとか、あるいはまたその奨励されて生産された牛乳のコストを安くして引き合うようにするとかいうふうなことを考えてみましても、一番ネックになっているのは道路であります。これをいまのように放置しておいて、そして農山村の振興なぞを叫ぶことは、私はから念仏だと思うのであります。したがって政府は、こういうことに全力をあげるべきだ、そういうことについていまお話しのように、農林省だけではございませんで、政府部内においてとくと協議をいたしまして、そういう方向に全力をあげてやってまいるつもりでございます。
○吉田(賢)委員 あなたの農林委員会における施策の壁頭にもお述べになっておりましたのを私は拝見したのでございますが、農村から青少年の流出することを非常に憂えておいでになります。この点は、しごく私も同感でございまして、これはいろんな施策につながってまいりまするけれども、一つの問題といたしまして、やはり社会教育の面につきまして、これは文部省の青年学級とか婦人学級の問題もございますけれども、生活改善普及の仕事との関連も加味して、また反面におきまして労働省所管になると思いますけれども、職業技術の訓練ということも加えまして、公民館活動とかあるいは公立青年の家というような、言うならば、少し中途はんぱのものじゃなしに、ほんとうの、青年が農村に住みついて、一生をそこに打ち込んでいこう、こういって、壁頭お述べになりましたように、農村に骨を埋めるということを一つの喜びとするような、そういうふうな青年をつくりまするためには、やはり農村の使命とか、あるいは農業の重要性というもの以外に、総合いたしまして、社会認識を高めていくということに積極的な施策を打ち込んでいく必要があるのではないであろうか。そうしてずっと大きな共同計画施設が必要ではないであろうか、こう思うのです。 この間さる学者の方に会いましたときの話に、世界的に日本人の知能がすぐれているという話がちょっと出まして、それはまた何でであろうかという一つの原因としまして、日本は長い間農業に非常に緻密に頭を使ってきた珍しい国民である。したがって、この長い間の精度の高い農業に努力してまいりました日本人が、知能において非常な発達をしておるのである。それが原因だということをちらっと言うたことを私は覚えているのです。こういうこともあれこれと想像いたしてみますと、百姓の長男、次男の新卒者が四十年には五十五、六万都市へ流出したはずでありますが、ともかく目標もきめずに、方針も立てずに、一つの確固とした自信もなしに、理解もなしに都市へ流出していく者が相当ございますので、そういうことをあれこれ思いますと、やはりここに一種の高い視野に立った社会教育活動というものが、この際は積極的にせられる必要がないであろうか。内容は豊富にせねばなりません。私も若干青年の家も、公民館活動も存じておりますけれども、こういう程度ではどうにもいきません。ですからこれもむしろ文部省のそれと合わしいてく、そしてもっと高い視野に立って計画するというように、農村の危機突破はこの青少年の新しい教育から、そしてまたそれは勢い保育とかあるいは児童の教育にもつながってまいり、あるいは主婦、母性、胎児教育にもつながってまいる等々、縦横の関係がございますけれども、いずれにしても青少年の流出を防止するという一つの手は、徹底的な教育活動をやるということが必要ではないであろうか。私はそういうふうに思いまして、戦前の茨城県の加藤完治先生でしたか、あの方の国民学校のことをふっと想起したのでございますが、この人の国民学校運動というものは、デンマークあたりにおきましても有名になっておりました。そういうことも思い出しますので、やはりこの際、もう一ぺん農村の青年が目ざめる一つのきっかけを、契機を、教育活動によってやるということを農林省は率先しておやりになってはどうであろうか、こういうふうにも考えるのですが、この点はどうでしょう。
○倉石国務大臣 ただいま御指摘のようなお考え、私は全く同感でありまして、教育は実際に必要であります。精神面におきましても、物質面におきましても、教育がぜひ必要である。私は東南アジアの低開発国などを見てまいりまして、わが国や台湾がああやって農業についてともかくも非常に進んできております大きな力は、教育のたまものだと思うのであります。したがって、そういう面において大いに力を入れてまいりたい。四十三年度予算で農業大学校、かねてから検討いたしておったわけですが、その実現の予算も要求いたそうと思っているようなわけであります。その他、またいまちょっとお話のありました農家の住宅改善のための農家生活改善資金、あるいは農村託児所、それから簡易上水道等の設備に対する農業近代化資金の融通、あるいはまた農村青少年を対象とする各種の研修施設、そういうものの整備等の指導をいたしますほか、建設省とも相談をいたしまして、農村漁家住宅対策としては、住宅金融公庫資金の確保等の措置を進めるなど、農林省といたしても、いままでも努力を続けてまいっておるわけでありますが、私は、ただいま吉田さんのお話のような考えにつきましては全く同感でございますので、政府部内におきましても緊密な連絡をとりながら、そのような方向に向かって、とにかく農村を愛し、農村を守り、国の堅実なる中核になってもらえるような農村をつくってまいりたい、こういうふうに思っておるわけでございます。
○吉田(賢)委員 生活改良普及員の活動せられておることはよく存じておりますのですけれども、しかし現状におきましてはあまりに陣容が貧弱でございます。これはやはり急にはいくまいかと思いますけれども、しかしきめのこまかい、手の行き佃きましたこういった活動というものは一挙にはやれますまいけれども、もっと全国的に一つの波のようになって起こす必要はないでございましょうか。それには仕事に対する適性の問題もありましょう、あるいはまたその地域の特殊事情によって人材を得ることがむずかしいという問題もございましょうが、一つは農家の近代的生活というものがよくいわれます。近代的生活というのは何であろうか、私もそんなことを感じます。よく使われることばですけれども、近代化、近代化といっているのは何を意味するのであろうか。はでな着物を着て、レジャーを楽しんで、そして至るところへ旅行をしたい、なるべく個人的な欲望を満足したい、こういったような個人のしあわせということを最大のねらいとした人生をおのおの送ることが農家の生活の理想であるか、そんなような家庭づくりが若い夫婦を指導する目標であろうかということを思いますと、一体近代化生活指導というものはナンセンスだというふうにも思います。これらにつきましても、生活改良普及員の任務の重要なことはよく存じておりますし、もちろん指導に関する書物のあることもよく存じておりまするが、できるだけ現実に即しました、そして農家がほんとうの意味におきましてもっと合理性を持った、農村の実情に合ったよりよい生活を営み得るような、何か相当権威のある基本的な内容、目標、具体的路線を明らかにしたようなものが必要ではないであろうか、どうもそういう感じがいたします。もしできましたならば、これによってまた人材を育成する手もございます。人を得る手もございます。そして改良普及というものがほんとうに農村のすみずみに至るまで成果をあげていくのではないであろうか。 もう一点は住宅改良、改善の問題でございますけれども、これも最近都市に近い農村に参りますと、デラックスな住宅が農村にもちらほら出てまいります。見ると、農地を宅地化して、幾らか金が入ったというので、思い上がったような生活の状況でございますが、これはほんとうの姿ではない。たとえば公庫で金を借りて、そして住宅の建設もわかりますけれども、反面におきまして、こういうことは非常に時代おくれでございましょうか。よくカナダあたりにおきましては日曜大工さんがはやりまして、見たことがあるのです。こういう日曜大工さん、しろうとでもやはり自分の住む家を、農村でありますから、少しは手をかけて、一から十まで坪六万円の家を建てるという流儀で、またあれありこれありという、いわゆる文明の道具がそろうということだけを理想にするんじゃなしに、住宅というもののほんとのよさ、その必要性というものはどこだということを考えながらやる、そこに自分の手も使って、そしてよりよい改良あるいは建設をするという、住宅改善につきまして手はないものであるか、こういうことは、これはほんの思いつきでありますけれども、私はそういう気風がほしい。そうなりますと、夫婦は夫婦で、壁も塗りましょう、夫婦して何かはかもやりましょうということになったら、必ずしも青いかわらには限りませんし、必ずしもしゃれたセメントで積み上げるということにならぬということになりまするので、こういうほうが日本も農村としては適切ではないであろうか、こういうふうに感じるのですが、その二点はどういうふうにお考えになりましょうか。
○倉石国務大臣 私どもが農業の近代化と申しておりますのは、御存じのように、他産業が非常に著しい勢いで成長いたしました影響もありまして、農村の労働力が、これも大きな勢いで流出をいたしました。あと、農業の生産を落とさないためには、これは能率のいい経営をしなければなりません。そのためには、やはり農家それ自体の構造についても合理的な方向を考えることが必要であるし、また、先ほどお話しのような社会環境を考えましても、上下水道の設備をすることによって衛生を守ることができるというようなことで、立ちおくれないような、能率のよい農業を経営してまいるために、どのように配置をしたらいいかというようなことを考慮いたしてまいりたいというのが一つの大きな近代化の考え方でございます。 したがって、ただいまお話しのようなことは全く私どもも同感でありまして、そういう堅実なる思想を持ち、そして都会地に働いておる青年たちは非常に空気の悪いところで、畳八畳間で四人も五人も寝泊まりしておるというふうなところから見るならば、空気はよろしいし、天然の資源を相手にし、何びとにも制肘を受けない独創的な農業それ自体を経営してまいるという誇りに燃える青年たちを育成してまいる、そういう考え方から立ちますというと、私はやはり能率のいい農業経営ができるようにしむけてやることが必要ではないか、そういう考え方が私どもの農業近代化という趣旨でございます。
○吉田(賢)委員 時間もおそくなってまいりましたので、ちょっと異質の問題を三つ並べまして御答弁をいただきたいと思います。 一つは、農業と公害の問題はこれからだんだん大きくなってくると思いますが、これはみずから農家自身も農薬等によりまして他へ被害を及ぼしておるという問題もございますし、あるいはまた付近に工場がやってまいりまして悪水が農地に流れ入る、こういうこともございます。あるいはその他騒音等々ありますが、私はやはり、公害対策はすでに法律もでき、あるいは事業団もできる等々いたしまするが、農業の立場から考えてみまして、ずっと先を見通しまして、農業の公害を受ける、あるいは与える限界等を一切想定いたしまして、農林省といたしまして、あらゆる公害問題を積極的にお取り上げになって自他を守っていく、こういう施策が必要ではないかと思うのでございます。これはおそらくは今後相当発展的に充実していかれる御意図があると思いますが、若干その点について、ひとつ御意向をお漏らしを願っておきたい。 もう一つは、これは主として都市近郊になるかもわかりませんが、最近——最近とはいいませんが、引き続いて生鮮食料品の価格の不安定な問題でございます。これも園芸局を通じまして、ずいぶんと特産地の指定だとか、その他いろいろと流通機構の改革等おやりになっておりますが、こういう不安定、たとえばキャベツを三つに切って四十円で買わねばならぬ、そういうようなことが起こってまいりますと、これがやはり全体の物価に影響するし、それから同時に、都会の生産原価、その他家計にも影響しますし、それがはね返って農村の支出、経営費の増大等々にも影響してくるものと思いますので、この点は、特に物価問題が大きく政治的にもクローズアップされておる段階でありますので、この際、あらゆる施策につきましてさらに再検討せられまして、そしていろいろ打ち出してこられましたところの安定施策についても一そう充実して、今後安定の成果をあげていくようにしてもらいたい。これが農民あるいは国民すべてが望むところであって、国民の健康のためにも生鮮食料を毎日口にできるということは日本人の一つの特権でございますので、どうかそういう点におきまして今後一そう充実した施策をさらに打ち出してもらう、こういうように特に御要請申し上げておきたいのでございます。 もう一点は、全く異質のことでございますが、実は瀬戸内の沿岸漁業の対策の問題でございます。瀬戸内の沿岸漁業は、沿岸漁業としては一つの典型的な特質を持っておりますので、この点は水産庁の方の御答弁でけっこうでございます。実は播磨灘というところがございますが、ここに東西十二キロ、南北八キロの漁場がございます。鹿ノ瀬といっておりますが、ここが稚魚、幼魚の巣であります。ところが、それが最近、五百トンくらいの砂船で二時間くらいでずいぶんとたくさんに砂をとっていくので稚魚、幼魚の住む場所がなくなる、こういう問題が数年来なおあとを絶たぬのであります。そこで、この対策の問題と、もう一つは、瀬戸内海における沿岸漁業、水産業の将来は、やはり徹底的な抜本的な培養対策——パイロット漁場というようなことばもこのごろ行なわれておるようでございますが、そういうふうにでもいたしまして、瀬戸内は何といいましても、専門家の説明によってみますと、天然のえさが豊富な海だそうでございますので、そういう栽培漁業をぐっと画期的に盛んにするということが、瀬戸内の沿岸漁業を解決する一つの手じゃないだろうか、こういうふうに考えております。 同時にこの問題は、瀬戸内海は重要な航路にもなっておりますので、やがて来たる国会には運輸省を中心にして一つの航路についての法律案が出るようでございますが、そういうふうなこととの関連もございまして、沿岸漁業、特に瀬戸内沿岸漁業というものにつきましては、相当大規模な栽培漁場を設定するというような意気込みでいかれることが、内地漁業の一つの開発になるのではないだろうか。外国における漁業も重要でございますが、内地におけるそれは、漁村、漁業者の生活、それ等々の関係がございますので、農村と同じウエートにおいてそういうような方向を積極的に打ち出したらどうか、こういうふうに考えておるのですが、その三点につきまして御答弁をいただいて、私の質問を終わります。
○倉石国務大臣 大事なことを御指摘になりまして、農林省といたしましては、いわゆる公害問題は一部には加害者のような立場に立ち、一部は被害者の立場も多いわけです。農薬につきましては、昨年六月に農林次官の通達を出しまして、一挙にいまの生産をやめるわけにはいきますまいが、逐次三年間に水銀性の農薬は皆無になるように指導をいたしておるわけでございますが、その他公害につきましては、公害基本法が施行されておることでもございますし、その法の定めるところに従いまして、農村部における公害につきましても着実に施策を進めてまいることにただいまいたしております。 それから、生鮮食料品につきましては、御指摘のように、私どもは生産を増強させること、一方においては価格を安定して消費者に妥当なる価格で供給する、二つの任務があるわけでございます。御存じのように、沿岸等におきましては、兵庫県などはたいへん高度に進んでおるほうが多いようでありますが、第一に、輸送において非常にロスがかかっております。したがって、先ほど私が申し上げましたように、農山漁村の産出物を適正な価格で消費者に供給するためにはやはり輸送のロスを省かなければなりません。もう一つは、市場を整備いたしまして、適正な価格で流通できるように農林省といたしましては全力をあげてやっておる次第でありますし、農政の中で、将来この流通機構の改善対策ということが大きなウエートを占めておるという決意でやっておるわけでございます。 最後に御指摘の瀬戸内の沿岸漁業につきましては水産庁のほうからお答えいたします。
○山中説明員 瀬戸内海の水産の振興につきましては、基本的にはただいま吉田先生の御指摘のとおりであろうかと存じます。水産庁といたしましても、瀬戸内海におきまして栽培センターと申しまして、水産資源の維持、増大をはかるためにクルマエビでありますとか、ガザミでありますとか、そのほかタイでありますとか、その他人工培養のできますものから順次卵をふ化して、その稚魚を放流して資源の維持、増大をはかってまいりたいと考え、かつ、その事業を実施しております。毎年一億三千万円あまりのお金をつぎ込みまして、個所をすでに現在瀬戸内海におきましては三カ所、それから瀬戸内海の外側でありますけれども、やはり瀬戸内海の資源の培養には一環となりまして役に立ちまする場所も大分県の外側で一カ所、そのほかハマチ養殖が盛んになっております。これらの繁殖の人工ふ化の研究に役立てるためにも一カ所鹿児島県にというふうに、五カ所の場所を栽培センターといたしまして資源の維持、増大をはかっております。 それから御指摘の鹿ノ瀬の土砂の採取ということにつきましては、鹿ノ瀬には御案内のとおり漁業権もございます。これは県当局とも十分連絡をいたしまして、その土砂の採掘業者に対して厳重なる注意を与えるとともに、漁業権の主体であります連合会の漁業協同組合からも申し入れをさせるよう指導してまいりたいと考えております。 なお、瀬戸内海におきます今度の海上交通法案の問題につきましては、ただいま運輸省、海上保安庁が審議会を設けまして種々検討いたしておる段階でございますが、水産庁もその中に専門委員として加わり、また、審議会の委員の中には漁業代表者を二名加えて十分漁業者の意向を反映させてまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。
○吉田(賢)委員 終わります。
○鍛冶委員長 華山親義君。
○華山委員 大臣はぎりぎり何時ころまでおいでになりますか。
○鍛冶委員長 あなた必要なだけ、お差しつかえなければ大臣に先にやっていただきたい。
○華山委員 それでは、私の質問は長くないですから、質問の順序が違ってまいりますけれども、大臣にお聞きしたいことをまずお尋ねいたします。 先ほどの吉田委員の御質問等に関連いたしまして、大臣は農村地帯における道路の整備がどうしても必要だというようなことを言われたのでございますけれども、そのとおりだと私は思います。むしろ最近では地方道に大きな車が入っておりますので、十年前の地方道路よりももっともっと荒廃をしている、こういう状態でございます。 それにつきまして伺いますけれども、このたび財政硬直ということでございまして、公共事業をある程度削除をするということを政府が言っているようでございます。一面におきまして、地方交付税の税率を下げるということも考えているようでございます。御承知のように、地方交付税は、これは特に財政の弾力性の少ない農村地帯に格差是正の意味で多くいっているものであって、これが税率が下がるということになりますと、そのしわを多くこうむるのは農村地帯だと私は思うのでございます。このような財政のもとにおきまして、一体大臣の考えられるような地方道路の整備ということができるのかどうか、非常に危惧の念を私は持つのでございます。しかも、国におきまして、地方道路につきまして昨年国で金を出しましたけれども、これも二十億というふうな、まことに何ともならない金でございます。この辺につきまして、今後予算折衝の面があると存じますが、地方道整備について大臣はどういう御方針で大蔵省と折衝され、また実現されるおつもりですか、伺っておきたいと思います。具体的に御答弁願いたい。
○倉石国務大臣 道路の必要性はもはや強調する必要もないと思いますが、そこで、先ほども私が申しましたように、政府の方針として、主要道もさることながら、これからは地方道、なかんずく枝葉になっておる道路を整備してまいらなければ平均的に日本の経済を伸ばしていくことは不可能だという総理大臣の指令もございまして、建設省においてはそういう方針で道路整備をやるはずでありますし、私どもは、御存じのように、私どもの範囲内ででき得る、たとえばガソリン見返りの農免道路におきましても、逐年予算がふえておりますので、こういうものに全力をあげてやってまいりたい。 そこで、いわゆる財政硬直化防止のために各省に向かって一応一律の制約は財政当局も加えておりますけれども、やはり緩急の度合いを考慮いたしまして、緊急必要な施策につきましては財政当局もそういうことにこだわらない。したがって私どもは、政府全般として決定いたしました方針は尊重してまいるつもりでありますけれども、必要な施策については逐次緩急のよろしきを得て処置いたしてまいりたいと思います。華山さんも御存じのように、財政硬直化は日本の景気過熱を考慮いたしての処置でありますので、日本の財政自体がいわゆる危険に瀕しておるということではないわけで、そういう点を考慮しながら財政当局も緩急の度合いを考えてやるはずでございますし、私どももそういう点については努力を続けてまいるつもりであります。 それから交付税につきましては、ただいま決定しておるようなお話がございましたけれども、新聞にはいろいろ伝えられておりますが、このことにつきましては、先般羽越の災害もあり、ただいま進行中であります西日本地域における未曽有の干ばつ等もございますので、こういうことの対策としては、私ども政府においては十分そういう点を考慮して対処するようにつとめてまいるつもりであります。
○華山委員 御承知のとおり、農村地帯におきましては、住民税にいたしましても、法律の許す限度より大都市に比べますれば五割の増徴を大体においていたしておる、そういうふうな実態でありながらほとんど地方道路には手が回らない、これが現在の状態でございますし、農林大臣のお考えになるようなことはなかなかできないのじゃないか、抜本的対策が必要なのじゃないか、こういうふうにも考えますので、ひとつ農業に対する投資としての地方道はどうあるべきか、このことについて根本的な考え方をやっていただきたい。建設省とただいまおっしゃいましたけれども、建設省では地方道路のことは直接やりません。やるのは県であり、また市町村なわけでございます。そういう点につきまして根本的に地方道をどうすべきか、これによって農業構造改善をいかにやるべきか、進むべきかということについて抜本的な構想を農林省としても強く打ち出していただきたい、こういうふうに考えますが、現在財政硬直化、そういうふうなことをいわれるときでもございますので、大臣の所信をお述べ願いたいと思います。
○倉石国務大臣 農林省が考えております構造政策の基本方針の中でも、ことに農山村を考えてみましたときに、道路網の整備ということが緊急最も必要なことである。たとえば、私どもいま外材をたくさん輸入いたしておりますが、そういう中で、まだ林道等についても——先ほど森林開発公団のお話がありましたけれども、わが国の七〇%の面積を占めております国有林野の状態を考えてみましても、その未開発地点を顧みれば、やはりまだ農道等の立ちおくれが目につくわけであります。したがって、それらも含めて私どもは農村に関係のある道路につきまして全力をあげてこれを実施いたしていくという情熱を持ってやっているわけであります。政府部内においていろいろ予算編成等にも関連がありますので、ただいま来年度予算を期してこの点について努力を続けておる最中でございます。
○華山委員 それでは大臣のおられる間に伺っておきますが、ちょっと事務当局から、私間違えているといけませんので伺いますけれども、農業構造改善事業の認定はことしでもって終わるというふうに私承知いたしておりますが、そのとおりでございますか。そのことだけ簡単に。
○森本説明員 構造改善事業の実施をいたします市町村に対する指定は本年度で終わる予定にいたしております。
○華山委員 大臣に伺いますが、いま御答弁のように、農業構造改善事業は今年でもってとにかく認定が終わる、しかし農業構造改善事業は今年をもって終わったのではない。先ほどから大臣の言われるとおりでございますが、来年度からはどういう構想で農業構造改善事業を進められる御方針なのか、承りたいと思います。
○倉石国務大臣 いまお話の指定は本年で打ち切りますけれども、事業の継続しておるものはまだ三年あるわけであります。ただいまのところ、最近各地における農業構造改善事業の成果を見ました地域の人たちが、自分のほうもやってもらいたいという要望が殺到いたしておるわけであります。しかし、いままでやってまいりました構造改善事業は全市町村にわたる、こういうわけのものではございませんので、その地域だけのことでありますが、そういうことを考えてみますと、私どもといたしましては一応十年の計画を立てて今日までやってまいりました。その成果の結果を見て、これはやはり継続したほうがよろしいという考えを持っておるわけでありますが、そういう事柄について新しく私どもが構造政策を推進してまいる上においても、やはりどのように対処していったらいいかということをただいま部内において検討いたしておる最中であります。
○華山委員 新しい農業改善の考え方を出される、またいろいろ希望もあるので、その点に沿っていきたいということで御研究中だそうでございますが、従来の農業構造改善事業の進め方、認定のしかた、そういうことに私は反省がこの際あるべきだと思いますけれども、その点について事務当局のほうでお考えがございますか、どうですか。その点、長くなりますならば、大臣の時間もございますからあとでお聞きします。
○鍛冶委員長 ちょっと私から聞きますが、いまの指定というのは各県にパイロットとしてやられたんでしょう。パイロットは指定されたが、パイロットというからにはほんとうの構造改善事業はそれの効果を見てやるのじゃないんですか。それを、いかにも指定が済んだから、もうこれで構造改善事業をやらぬのだというように聞こえるから大問題になってくるんだが、私はそうじゃないと思うが、これはどうです。大事なことですから……。
○森本説明員 構造改善事業の手続からいきますと、御案内のように、計画を立てますところの市町村が申請をいたしまして、それの指定を受けます。その指定を受けた市町村が計画を立てまして、事業実施について本省で認定をする、こういうことになっております。私どもが申し上げましたのは、計画を立てます市町村の指定が本年度で終わる、これが大体全国で三千程度になるだろうと思います。
○華山委員 それはわかっております。来年度からはもうそういう指定なり認定なりということはやめるということにいままでのことでいえばなるわけであるけれども、ことし認定になったものが今後三カ年間なり何ヵ年間なり仕事が続くということは私もよくわかります。ただ、新しい農業構造改善地点というものが今後なくなる、いまのままでいけば。それでいいのか、新しい構想で始めるのか、そういう点をお聞きしておるわけです。
○森本説明員 先ほど申し上げましたように、市町村の計画作成の指定が終りますと、市町村のほうで計画を立てて実際の事業に差手する。実際の事業に着手いたしますのは大体来年度と再来年度くらいというふうな形になります。指定後事業が三年間続く、こういう段取りになるわけであります。先ほど大臣がお答えになりましたのもその点をお答えになったのだと思います。 その後どうするのかというお話でございますが、大臣からお答えのございましたように、われわれとしてはその後の構造改善事業のあり方あるいは事業の仕組み、そういうことにつきまして十分検討をして、来たるべき事業について実施の段取りを考えていきたい、そういうふうに考えております。
○華山委員 それでは、この予算が通るかどうか私わかりませんけれども、引き続き指定、認定というものを続けて、その内容については新しい状況に沿ってやっていきたい、こういうふうに了解してよろしゅうございますか、大臣。
○倉石国務大臣 大体そういう方向でいま研究を続けているわけであります。
○華山委員 研究を続けられるのはけっこうでございますが、研究は方法論の研究にしていただきたい。やるかやらないかということでないようにひとつお願いをいたしたいと思います。 それから大臣のおいでになる間にお伺いいたしますが、いわゆる会計検査院の指摘するところの不正な工事、そういうものがあります。これにつきまして、あるいは不当な見積もりをしたという点もありますが、例年のように善処する善処すると言っておられる。この点につきましては、私、大臣に伺いたいのでございますけれども、非常に仕事が多くなってきた、一々これを見て回ることができない実態に昔から比べればなってきている。それから、いろいろな工事の計画にいたしましても、なかなか一つ一つについて精密な計算ができない、そういうふうな実態になっているのではないか。それですから、大臣が今後こういうことの起きないように注意いたしますと言われても、私はなかなかこの問題は解決しないのじゃないだろうか。かつては農林省におきまして、あるいは補助事業であろうと、あるいはいろいろな直轄事業であろうと、非常に厳密な中間的ないろいろな検査をしてこられたけれども、今日ではそこまで手が回らない、これが実態なんです。このような事態におきまして、よくやりますと言われても、私は、ただことばで言っておるだけにすぎないのじゃないだろうか、こういうふうに考えますけれども、ここに抜本的な少なくとも不正工事等をなくす方法がなければならない、こう思いますが、大臣はその点について思い及ばれることがございますか。あるいはお考えになっておることがございますか。
○倉石国務大臣 農林省が会計検査院から指摘を受けました事件につきましては、御存じのようにだんだんと減ってきております。このことは、私ども部内の者がただいまお話しのような点について努力いたしておる結果だと思います。個々の問題につきまして私一々存じませんけれども、会計検査院から不当であるという指摘を受けることのないように、事業等については最善の努力をいたすように指令をいたしておるわけであります。
○華山委員 大臣のお考え方は、もう毎年、十年以来各大臣の言われるとおりの抽象的なものであって、私はここに抜本的な何らかの方策が打ち立てられなければこのことが直らないのじゃないか、こういうふうに考えるわけでございます。それだからといって、お役人をふやせといったってこれは無理な話だ。 そこで私は考えるのでございますけれども、御考究を願いたいことは、農林省の計画それ自体に見積もりが多過ぎた、こういう点は農林省自体でも御努力になって、できるようお願いしたいのでございますけれども、業者の不正行為を防止するためのいままでのようなやり方でいいのですか。この点について確信がおありになるのか、いまのようなやり方で業者の不正工事が防止できるのかどうか。大臣のお考えを伺っておきたい。
○倉石国務大臣 いま申し上げましたように、個個の事案について私は一々目を通すわけにいきませんけれども、予算の執行に当たりましては、十分その点に留意をするように、そして検査院から指摘を受けることのないようにという指令はいたしておるわけでありますが、なお、私ども何しろ間口が大きい仕事をたくさん持っているわけでありますから、そういう点について、この上ともひとつ厳重な監視と監督をいたすようにつとめてまいりたいと思います。
○華山委員 厳重な監視、監督、できればけっこうでございますけれども、私はなかなかそうはいかないと思う。それで、私もまた大臣と同じように抽象的なことを言っていたのじゃこれは問題にならない。具体的に申し上げますけれども、業者が不正をやった、このような場合に、業者に対する制裁、ただ金を納めればいいのだ、仕事のやり直しをすればいいのだ、これでは私はおさまらないと思うのです。業者は自分がもうけ、るためにやっている。このもうけるためにやったことに不正があるならば、今後はもうけさせないようにするよりしかたがない。その意味で、不正のあった業者に対するところの入札、そういうものについて厳重な制限を加えるべきだと私は思います。私は決して過酷なことを言っているのではない。もうけるために不正をやったのだから、今後もうけさせないようにすればいいじゃないか、それが一番こわいと思う。そういうことにつきまして、もっと徹底した具体的な方策を立てていただきたい。そうでなければ、少ない人間がこれだけ多くの仕事場に行って、そうして不正があるかないかなどということは発見できるものじゃございません。補助事業につきましては、私も知っておりますけれども、県庁でもやっている、もう何段階とやっている、しかもこういうことが起きる。しかし、破壊的の検査ということになれば、これは会計検査院しかできない。そういうふうな実態なんですから、そういうふうな業者につきましては、徹底的に、もう仕事はやらせない、このくらいな態度でいかなければ私はだめだと思うのですが、どうですか、大臣、それだけの勇気がございますか。
○和田説明員 ただいま農林大臣からお答えのございましたように、せっかく努力をいたしておるわけでございますが、特にただいまお話のございました不正工事をした業者の締め出しにつきましては、いま具体的な数字等は持ち合わせておりませんが、過去におきまして、ただいまお話のございましたように、特に悪質な業者は登録を停止いたしまして、その後の指名入札に参加いたさせたいような処置をいたしておるわけでございます。今後ともそういう点につきましては厳重にやってまいりたいというふうに思っております。
○華山委員 その点について一応の内規があると思いますけれども、内規の改正をされる意思がありますか。
○和田説明員 どういう場合に何年間停止するとか、そういうふうにはなかなか内規をつくりにくい性質のものでございますので、特別内規はございませんが、やはり不正行為がありました場合は、その後の入札にあたって指名をいたさないというようなことで、具体的には今日までやっておるわけであります。今後とも御趣旨のような点も含みまして処理をしてまいりたいというふうに考えております。
○華山委員 厳重な内規をつくって建築業界に示しなさい、それによって建築業界は自粛するだろうと思う。何だかわけのわからない、たまには指名入札がとめられるぐらいの程度に考えていたのではいつまでも直らぬと思う。そういうふうな御意思ございませんか。きちんとした内規をつくって、これによって今度指名入札をとめるぞというぐらいなりっぱな内規をつくってやらなければ、私は、役人がなめられるか、そんなようなことになるだけではないかと思う。そうでなければこういうふうなことは直りませんよ。大臣から御答弁願いたい。
○和田説明員 内規をつくるというお話でございますが、画一に基準をつくって、こういう場合はこうするということをきめますことのほうがかえって問題があろうと思いますし、いろいろ実態に対応いたさなければいけないと思いますので、やはり不正行為がありました場合には、その後の指名入札にあたって指名をやらないという基本方針で処理をしてまいりたいと思います。
○華山委員 それでは、あとで私はお聞きいたしますけれども、そういうふうな実態に即してというけれども、いろいろ政治運動が起きたり陳情が行なわれたり、そういうことでうやむやになる事例があるのじゃないかということを私は疑う。きちんとしたことをきめていただきたいと思いますが、ひとつその点について今後御検討を願っておきまして、重ねてお聞きすることにいたします。 大臣、もうよろしゅうございます。 私は、ことばは慎みたいけれども、そこに事業界と政治との密着が起きてくるのじゃないか。厳正な態度できちっとやりなさいよ。国税じゃありませんか。国税が不正に使われても、なおかつその業者に今後もやらせていくというようなことは許されないと思うのです。どうなんです。もう一ぺん伺っておきたい。
○和田説明員 もちろん国税を使っておりますことも事実でございますし、私どもも十分努力もし、また検査院等の御指摘に対応して手直し等はやっておるわけでございますが、それに、不正な業者をその後の指名競争入札に参加させないような措置という場合に内規をつくれというお話でございますが、たとえば何十万以上不正行為があったら指名からはずすのだというような基準はまことにつくりにくいし、かえって弊害がございますので、そういう不正行為がございました場合には、その後の指名については登録を除外するという基本方針を堅持しておくだけで十分なのではないかというふうに思っておるわけでございます。
○華山委員 いまのお答えから聞くならば、ただこれからよくやりますというだけであって、何らの具体策もない。会計検査院が心配してやっていることに対して、善処します。善処しますという抽象的なことでは私は満足できない。
○和田説明員 私、いまここで具体的に何会社を指名競争入札から排除したというふうな事例は持っておりませんが、過去におきましても、不正行為をいたしました業者はその後の競争入札にあたって指名をしないというような措置は事実上たびたびやってきておるわけでございます。先生は先ほどから何か基準をつくれというふうにおっしゃるわけでございますが、私が申し上げています意味は、基準という意味ではなくて、たとえば二百万円以上の不正行為をしたら指名からはずすなどという基準をつくることはかえって弊害がありますので、そういう基準はつくりません。しかし、不正行為がありましたら、過去においてやりましたように、また今後におきましても指名入札の際の指名に参加をさせないような措置をとってまいりたい、こう申し上げておるわけであります。
○華山委員 ひとつ、農林省の官僚というものと離れた厳正中立な審査会を置きなさい。その審査会の審議によって、これは入札をさせないのだというふうな認定のあった場合にはさせないということをきめたらどうですか。そういうふうに基準をきめることがむずかしいというのであれば、農林省官僚の認定に基づかない何らか別個の機関を設けて、その認定によって入札を何カ年なら何カ年停止するとか、そういうふうなことがあってしかるべきじゃないか。私はそういうことを研究していただきたいと思いますが、どうですか。
○和田説明員 いまたびたびお答えしておりますように、過去においても指名競争入札の指名を何ヵ月あるいは何年停止するというような実例もたびたびあるわけでございますが、それについて審査会のようなものをつくってやってみたらどうだという御意見につきましては、まことに示唆に富んだ御意見だと思いますので、そういうことを今後早急に検討してみたいと思います。
○華山委員 その点をぜひ検討していただきたい。これは農林省ばかりではございません。建設省にも関係のある事項でございますし、政府にそういう機関を設けて——私は皆さま方を信頼はしておりますけれども、いろいろな情実等の入らない意味の審査会等を設けて、役人が仕事のしやすいように、正義を貫けるように御努力を願いたい、こういうふうに思います。 次に、農業構造改善事業につきまして、会計検査院の報告によりますれば、件数におきまして約二割に近いものが、補助金を与えた、あるいは出した、そういうものにそぐわない使い方をしているものがある。特に指摘されておりますのが牛舎とか鶏舎とか、そういう構造物に多いのでございますけれども、この時代のものの考え方は選択的拡大を根拠にしている。また選択的拡大という思想をもとにして認定なりをしている。しかし選択的拡大というものは成功しなかった。鶏小屋をつくってみたけれども、鶏を飼ってももうからない。豚小屋をつくってみたけれども、豚は値下がりばかりしていてもうからない。そういうことのために、いませっかく金を使ってつくったものも放置されている、使われていない、こういう現象があるのではないか。そしてその当時の選択的拡大の思想から、その計画というものには選択的拡大に向くような仕事をいろいろ組み合わせてやった、そういうことから今日の結果が出てきておるのではないかというふうに会計検査院の報告を見て感ずるのでございますけれども、どうでしょうか。
○中澤説明員 先生のいまの御質問のように、構造改善事業の中身といたしましては、確かに選択的拡大という思想が入っております。しかし、選択的拡大という志向から果樹なり畜産なりという事業を取り入れる、その事業に必要な施設をつくりました。それに関連いたしまして、会計検査院から指摘されておりますそういう施設の設置に関する経理上あるいは事業上の不適正さというものがそのまま、選択的拡大という観点から、しかも価格政策等の政策不備のために指摘に、なっておる、それが原因で会計検査院の御指摘を受けたというふうには考えていないわけでございます。
○華山委員 どう考えておるのですか。やはり使わないほうが悪いのですか。
○中澤説明員 もちろん、先ほど和田局長がお答えいたしましたように、事業計画を認定するその前に市町村が農業協同組合あるいは地元の農家等と十分話し合いまして、御指摘のようなことのない観点から、純粋な農業生産の拡大、生産性の向上あるいは選択的な拡大というような観点から施設をつくったと考えられるわけでございます。これを行政庁は認定はしております。事業の適正さという観点から認定はしておりますが、なお御指摘のような面があるとするならば、御承知のように、構造改善事業が始まりました当初におきましては、いわば新しい施策といいますか、事業内容を持ったものでございまして、若干それにふなれな点があったのじゃないか、そういうことからくる問題が現在指摘されるような原因になっておるのじゃないかというふうに考えるわけでございます。各年におきまして会計検査院の検査を受けておりますが、御指摘もありますし、私たちが努力をしなければならない点もありまして、努力の結果ということを申し上げるとあるいはどうかと思いますが、だんだん指摘される件数も減っております。改善のあとが見えておりますというのは、やはり事業計画の立て方あるいは認定が習熟してきた、あるいは理解が深まってきた、こんなふうに考えておるわけであります。
○華山委員 私はそういう点においてその当時の農林省の考え方あるいは市町村、農協の考え方が間違っておったとは思わない。それを私は非難するわけではありません。ただしかし、その後におけるところの日本の農業のあり方、進み方がその当時とは違った進み方をしたのじゃないのか。そこにこういうギャップが出てきたのじゃないかということを私は申し上げているわけです。 それで、私は会計検査院の指摘を批判なしにそのまま全部受け取っておるわけじゃございません。あるいは会計検査院の報告の読み方が違っておればまた会計検査院から御訂正を願いたいのですけれども、会計検査院は、こういうものがあるからこれを使うように指導しろ、こういうふうな御指摘なんですね。私はそれはおかしいと思う。それを使えったって、損するなら使わないほうがいいんじゃないですか。そこであなたのほうも、会計検査院からの指摘があるのだから、鶏舎がある、鶏舎があるから、それで補助をしたのだから、これは使わなければおかしいじゃないか、使え使えといって鶏舎に鶏を飼わしたり豚を飼わして一生懸命にやったって、もうからないというのじゃしょうがないでしょう。その点どうなんですか。会計検査院の指摘のとおり使え使えということで御指導なさるつもりでございますか。
○中澤説明員 一般的な国の経済の動きというものが、構造改善事業によってつくりました事業にどういう程度の悪影響があるかということにつきましては、なかなかむずかしい問題でございますけれども、いま御質問になられました点に関しましては、もしそういう施設が何らかの事由にあっていつまでも使うことが不利益にもかかわらず使わなくちゃいかぬということであるならば、これは使わなければならないということが無理だというふうに考えられるわけでございます。したがいまして、これまでそういうケースが、原因はともかくといたしましてございますので、そういうふうに一たん設置して取得した施設がその農村なりその事業主体の実情に合わなくなった場合におきましては、これを新しい観点からの施設に取りかえるという措置をこれまでも認めてきているわけでございまして、それに関する手続とか会計上の処理という問題はございますけれども、そういう観点から取り扱いをしていただければいいというふうに考えておるわけであります。
○華山委員 私も県庁におきましてそういう実態を知っておりますけれども、これは私の経験が間違えていたのかもしれませんけれども、大体、ある村につきましては、おまえのところでは桑はこう、養蚕はこうやれ、農地の圃場整備はこういうふうにしろ、果樹はこのくらいにしろ、こういうふうに組み合わせてやるわけですね。そうしますと、それでいい場合もあるでしょうが、ほかのいろんな仕事がしたいものですから、はあ、さようでございますかといってやるわけです。そして、いざという場合には、自分のやりたいほうだけやって、ほかのほうはやろうといったって、初めからものの考え方がないのですからやらない、こういうことも出てくるのであって、私はそのものの発想がほんとうに農民の立場に立って出ているのかどうか、そこに問題があるのじゃないだろうか、こんなふうに考えます。ただ金をもらうのだからやろうなんということであったのではどうかというふうな気持ちがいたしますので、その点ひとつ、声が大き過ぎますけれども、よく御反省をお願いしたい。 次に、食糧管理特別会計のことについて伺いますが、この報告によりますと、外国麦類の包装用麻袋の使用について注意が促されておりますが、これにつきましてどういうふうに善処されておりますか。
○田中説明員 外国産麦類の包装用の麻袋の使用について昭和四十年度会計検査院から注意事項として指摘されたわけでございます。 この件につきましては、外国産麦を輸入いたします場合におきましては、外国からバラで国内に輸入してくるわけでございます。したがいまして、輸入商社が食糧庁に納入いたします場合におきましては、このバラのものを大体袋詰めにいたしまして、そして食糧庁に納入するたてまえになっております。もちろん、せっかくバラで海外から輸入をいたしておるわけでございますので、今後私のほうも取り扱いといたしましては極力包装にたよることなく、あるいはサイロでバラの荷受けをするとか、なるべく国内においてもバラ受けの方向を現在極力推進いたしておるわけでございまして、その比率が最近は非常に増大してきておるわけでございますが、まだ現在の段階において相当量がやはり麻袋に詰めて政府に納入しなければならぬ、こういうことになっております。この場合に、私どものたてまえといたしましては、極力やはり新麻袋よりは古麻袋——麻袋は、御承知だと思いますけれども耐久性も非常に強いわけでございます。また反復使用することができ、経済的でもございますので、通称経済容器と称せられておるのが麻袋の実態であるわけでございまして、極力古麻袋になるべく詰めて納入してもらう、そうすることによりまして、麻袋を新麻袋で使う場合に比べまして、食管の財政面から見ればそのほうが負担が軽いわけでございます。その場合におきまして、ただ古麻袋のみにたよっておるということでは、いずれはその古麻袋の需給が長期的に変化をするということもございますので、ある程度新麻袋の注入も一面において認めながら実際の麻袋の需給調整をはかっていかなければならぬということで、会計検査院から御指摘をいただきましたのは、その新麻袋を注入する場合において、国内の古麻袋の需給実態について十分な検討がなされておらないためにやはり予想以上の新麻袋を導入することになった、こういうことからして会計検査院から御指摘を受けたわけでございますが、私のほうといたしましても、この問題については年来会計検査院からいろいろ御注意を受けておるわけでございますので、この御指摘をいただきましたときを契機といたすわけではございませんけれども、十分その古麻袋の需給実態をよく確かめた上で、必要最小限度の新麻袋を導入する、こういうことにいたして改善の方向をはかっておるわけでございます。
○華山委員 次に、会計検査院の報告にはございませんけれども、私も複雑きわまるものであってよくよく了解ができないのでございますが、時間がございませんのでその機構等につきましては御説明をお省きになってよろしいのでございますが、国内米の包装用麻袋というものの流通、これはきわめて複雑な様相をなしている。したがって、その間におきましていろいろな利益あるいは利潤というふうなものが考えられるのでございますけれども、この国内米の包装用麻袋というものの流通、こういうことをもっと簡潔にして——組織は大きくなるかもしれませんが、簡潔にして、その間におけるところのいろいろなむだな経費、そういうふうなものを省く方法はないものでございましょうか。
○田中説明員 国内用の米の麻袋の包装につきましては、三十六年から農村の包装の学力事情等の問題もございまして、その年から硬質米地帯について麻袋の使用を認める、また二年を置きまして軟質米地帯にもその麻袋の使用を認めておるわけでございます。 包装全体について食糧庁の考え方といたしましては、俵、かますが従来の包装であったわけでございますが、農家の労力事情の実態とかあるいは農家の需要の実態等からいたしまして、この際麻袋もそれから紙袋も認めるべきであるということで、三十六年から踏み切ったわけでございます。その際におきまして食糧庁の基本的な態度といたしましては、実はあくまでも、農家の包装の選定につきましては農家の選択性にゆだねるということでございまして、農家の選択性にゆだねると申しましても、個々の農家の要望を取りまとめるのは、いわば農協とか、そういう集荷指定業者がまとめるわけでございまして、そういうところで一応農家の意向をまとめて、そうしてまたどういう包装を使うかというように現在なっておるわけでございます。その場合におきまして、麻袋につきましては、先ほども実は申し上げましたわけでございますが、確かに先生が御指摘になりましたように、麻袋につきましては、そのやり方につきましていろいろ関係機関が非常に関係いたしておるわけであります。たとえば、麻装を使いましてその米を米屋さんに売ります場合に、お米屋でも発生をいたします。また麦を入れて製粉屋に売れば製粉屋でも発生をいたします。その麻袋を現実に使うということになりますると、国内の米麦につきましては一年一作の作物でございますので、その間市場流通がずっとその米屋の段階においては絶えず発生をしておる。それを年間にまとめてでき、秋に、米の時期に、たとえば一、二カ月の間にこれを使用するだけの数量を取りまとめなければならない、こういうことがありますので、やはりそれに携わるところの中間的な機関、関係機関が必要になってくるわけであります。もちろん農協とかあるいは全販連を中心として、そういうプール的なことをやればこれは別でございますけれども、何ぶんにも農協系統団体はある時期に、でき秋の前に一括してこれを引き取ってすぐ農家に渡す、こういう仕事が本命になっておるわけでございますので、当然その修理もしなければならぬ、長期にわたって保管もしなければならぬということにつきましては、やはり中間のいろいろな諸機関がそこに介在するわけであります。 そこで、先ほど私申し上げましたわけでございますけれども、麻袋につきましては、新麻袋一本ですべて割り切りますと、これは一番簡単でよろしいと思います。一度使ったものはもう政府は米麦の包装には使う意思はないのだ、こういうことに踏み切りますと、これは非常に簡単にいくわけでございます。いまの俵、かますと同じになるわけでございますが、何ぶんにも麻袋は包装容器としましては、くどいようでございますけれども、反復使用するということが麻袋の経済効率につながるわけでございます。また、そのこと自体が食管の特別会計にも寄与するということになっておりますので、まず一回使っただけではこれはもったいないということで、また翌年の米麦にも使いたいということを意図して、できるだけできた古麻袋を優先して、先ほども輸入食糧の場合に申し上げましたように、新袋をやっぱり後選的な形にするほうが食管特別会計としては有利になるわけでございます。そこで古麻装の流通についていろいろ各種の機関が介在するわけでございます。 そういう意味におきまして、私のほうも単純化が望ましいとは思っておりますけれども、また一面、新麻袋だけで問題を処理することは、古麻袋を使うより食管会計にどうしてもよけいな負担になることがありますので、その辺のかね合いを見ながら、今後実際包装用の麻袋等についてどういうぐあいに持っていったらいいかということは、私ども実は悩んでいるわけでございますが、現段階においては、食管会計の面から見まして、やはり古麻装を極力経済効率的に使うことが望ましい。そのためのいろいろな各団体間の調整とか、あるいは、農業団体がこれを買い受けるわけでございますので、そういう面においての調整をはかっていくということを考えているわけであります。 ただ、その場合におきましても、中間の機関が必要以上にそういう諸経費を自分のものにするというようなことは、これはもう絶対に避けなければならぬと思っておりますが、何ぶんにも最近包装用麻袋の使用率が非常に逐年増加してきておるわけでございますので、非常にむずかしい問題ではございまするけれども、そういうことについて極力私どものほうとしましても、同じ古麻袋を使うにいたしましてもその経費が最小限度に済むように業界の指導を特に強くやってまいりたい、こういうように考えております。
○華山委員 この点につきまして、御承知と思いますけれども、私はそれだからそうしなさいというわけじゃありませんけれども、農民は古い麻袋のほうが能率があがらないといってこぼしますのが実際ですか、ほんとうですか。
○田中説明員 麻袋は、先生も山形県で御案内のように、古い麻袋であろうと新しい麻袋であろうと、実際に使用するにつきましては、ほとんど包装荷づくり等については何ら新古において遜色のあるものではございませんけれども、しかし、私どもも、戦後におきまして各県の産米の改良運動というようなことをやった場合におきまして、できるだけ俵包装というものは実に手の込んだりっぱなものをつくってそれを政府に出さぜる、こういうような方針もございまして、やっぱり古麻袋よりも新袋のほうに入れたほうが自分のできた米の中身も評価されるというような、多少そういう感情的なものもあるかもしれませんけれども、実際の労力関係においては新古袋においてそういう遜色はないものだ、私はこういうぐあいに考えております。
○華山委員 それから、麻袋につきましては、流通過程その他につきまして食糧庁が実際の面についてタッチしておられないわけでございますが、食糧庁のタッチされる面はその値段を幾らにするかということだけでございますね。
○田中説明員 政府は、麻袋に詰めた米を買う場合におきまして、生産者米価が大体裸幾らときまっておりますので、裸に俵の場合には幾ら、麻袋の場合には幾ら、こういうことにきめております。それから、それを政府が管理をいたしまして米屋さんに売るわけでございますが、その場合におきまして、米屋のマージンの中にはそれらのあいたものの包装がどの程度で売れるであろうというようなことも織り込んでおる、こういうのが実態でございます。その間の中間の過程におきます私のほうの価格というものは設定はいたしておりません。あくまでも業界における取引の慣行価格というものがそこにでき上がっている、こういうわけでございます。
○華山委員 ただ、買い上げるときに麻袋の値段は幾らであるかということは、買い上げる値段をきめる際にそれは関係があるのでしょう。
○田中説明員 麻袋を買い上げる場合におきまして、具体的に申し上げますと……。
○華山委員 麻袋でなくて、米を買い上げる場合。
○田中説明員 米を買い上げる場合、新麻袋で政府が買う場合には生産者米価の裸の価格に一俵当たり百五十六円を加算した価格で買います。それから一あきの場合には一俵当たり百円の加算で買います。あるいは俵の関係を申し上げますと、複式俵なら百六十一円とか、こういうことで、包装別に政府の買い上げ価格というものはきまっておるわけでございます。
○華山委員 その買い上げ価格をきめるのは、何か合理的な計算で原価計算でもやっておきめになるわけですか。
○田中説明員 麻袋のことについて御質問だと思いますので、麻袋につきまして申し上げたいと思います。 麻袋につきましては、新麻袋の百五十六円の積算しております基礎は、これは各それぞれ麻袋のメーカーがございまして、メーカーのいろいろ経営内容、そういうものの実態を見て、コストを償うというような形で算定いたしておるわけであります。それから、その百五十六円の新麻袋が米屋に売った場合五十五円相当で売れるであろうということで、私のほうはマージンの中に実は織り込んでおるわけでございます。その五十五円を前提として、いろいろ今度はその修理もいたさなければならぬ、一年間の保管貯蔵、それから系統団体の農業団体の手数料というようなもの、それから農家にまいりますと、袋詰め作業料金とか、こういうものもいろいろ見まして、それを百円で加算して買っているということでございます。あきのもの、五十五円で発生したものを農家が袋に詰めて売るときには百円の加算の一俵当たりの価格で買い上げる、こういうことでございます。
○華山委員 それから、この報告にもございますけれども、従来の俵ということよりも麻袋等が多くなって重量が違ってきたのだから、従来のような運賃の契約単価では不合理ではないか、現在の重量に合わせた単価というものがきめられるべきじゃないかということを会計検査院はいっておりますが、この点につきましてどうなんです。
○田中説明員 結論から申し上げますと、会計検査院の留意事項の御指摘のように私のほうはこれを切りかえまして、その趣旨は包装別に、先ほど先生の御指摘がございましたが、俵、かます。紙袋、それぞれ包装込みの重量というのは違っているのだから、その違った重量に見合うところのやはり単価を設定すべきであるというのがこの留意事項の御指摘でございますので、私のほうはそのようにいたしました。 それはいままでなぜそういうことをやっておらなかったかということを申しますと、実はお米につきまして包装ごとに、等級ごとに非常にいろいろたくさんな複雑な要素をはらんでおります。事務分量その他から見まして、過去におきましていわばそれらのプール価格的なもので実は処理しておったわけでございますが、プール価格ということになりますと、ことしのプール価格を決定する場合には、昨年の実態をよく調べて、それをことしのプール価格にする、こういうことであったわけでございまするけれども、御指摘のございますように、最近の包装の近代化はほんとうに急速に進んでおります。急速にいわば流通的な包装に進んでおります。麻袋も多くなり、紙袋も多くなる。こういうことになりますと、総重量で軽量のものの割合が多くなってきておりますので、むしろこの際、われわれも事務的には繁雑な面もございまするけれども、包装別の実態に即した形で包装別の単価をきめるという御指摘もございまして、そのように現在切りかえております。
○華山委員 この米の輸送の問題でございますが、県内運送と県間運送ということがあるわけでございますけれども、この運賃について、この総額についての割合はどんなふうになっているのですか。
○田中説明員 四十一会計年度におきまして国内米の運送の実態につきましてお答え申し上げます。 総額で米のために払った運送賃というものは百五億八千八百万円ということになっております。もちろんこの中には鉄道運賃あるいは船賃、こういうものも含まれておりますが、百五億八千八百万円でございます。そのうち、県間運送は九十一億八千万円で八七%、それから県内の運送は十四億八百万円で一三%ということになっておるわけでございます。
○華山委員 この問題につきまして、現在の農協は相当の輸送機関も持っているし、二二%でございますから、たいした割合も占めないのでございますけれども、農協に契約してもらいたいということを主張しておることは御承知のとおりです。いろいろこの問題につきまして私はこれに断定的な考え方はいまございません。こういうふうなことをやりますと非常に手数がかかるということもございましょうし、県間運送と県内運送とを切り離してやれるものでもないと思いますので、いま日通が一手にやっていらっしゃるということにつきましても、私は一応の理屈はあるんじゃないかと思いますけれども、この農協の要望というものも、自分の倉庫から自分の倉庫に入れる、それくらいは農協にやらしたっていいじゃないか。実際において、また日通がやる場合も、その荷積み等につきましては農協の職員がやっている。こういうふうな農協の要求というものも私は当然のことだと思うのでございまして、いまここで私はどちらにすべきかということの割り切った御意見は申し上げかねますけれども、とにかく、いまの段階で食糧庁はこの日通と農協等の関係についてどんなふうにお考えになっておりますか。
○田中説明員 ただいま御質問ございました農協と日通との関係でございますが、これには二つの面が実はあるのでございます。 一つは、県間運送、県内運送を問わず、やはり蔵出しをいたしまして、それからトラックに載せて運送いたしますという場合に、日通の下請として駅に持ってくるという農協の行き方が一つあります。この問題につきましても、これは農協の全国団体でございます全国運輸農協連というものが窓口になりまして、日通と毎年駅出しについての農協の果たすシェアと申しますか、そういうものについて協定、つまり協議がなされております。大体過去におきましておおむね一七%から二〇%近くのものが一応協定上あるわけでございますが、私もこの仕事にはだいぶ前から携わっておるのでございますが、この当時は、協定した数字がかりに一八%近くでありますと、大体その農協さんのお引き受けしたのも一八%ぐらいいっておったわけでございます。ほぼそれに近かった。いまから六、七年前。最近、実際に協定ができているけれども、実際の下請のほうは、最近は三%とか四%ぐらいに激減をしてきておるわけでございます。そういう面が実は実態としてあるわけでございますが、これの原因をいろいろ聞いてみますと、最近やはり農協側といたしましては、米輸送についてかつては非常に強い分け前を要求しておったわけでございますが、やはり農協としては他にいろいろな物資の問題も出てきて、どうも米にのみつかまっているわけにいかない。日通さんと契約を末端においてやりましても、どうも農協の側において都合が悪くてやめてもらいたい、こういうようなことが実態になっておるようでございます。これは駅に出すものについてのお答えを申し上げたわけでございます。農協との関係を申し上げたわけでございます。 それからもう一つは、先ほど県内運送ということの御質問があったわけでございますが、県内運送の場合におきましては二つのケースがある。県内の鉄道輸送にかけて県内輸送をする場合と、それから終始トラックでいく場合と二つあるわけでございますが、この場合に、鉄道にかかる場合におきましては、農協の駅出し免許、駅の免許というものが非常に少ない。全国で約二十二ぐらいしかない。これはおそらく不可能になってしまう。鉄道を使うということになってくると、農協一貫ということはなかなかむずかしい。県内でトラックでずっと運んでいくという場合には、終始これはトラックでございますので、これを地場運送と称しているわけでございます。私のほうもこれは昭和二十四年に通達を出しまして、その地場運送につきましては、あえて日通のみならず県内の他の運送業者に対してもそういう機会を与えるというような通達を実は出しておるわけでございます。通達も出して、その運送の面におきましては、現在そういう面でほかの業者がそれでは県内のものを一年間を通じてひとつ引き受けましょうというようなことになかなかならなくて、現在はやはり県内につきましても日通が全部やっている、こういうような状況であるわけでございますが、私のほうの二十四年の通達は、一応そういう面においては、そういう希望が強く出てくれば、県内において一年間を通じて責任の持てるというような形であれば、日通と競争するような形においての見積もりでそういう運送に参加し得るチャンスを与えるという道は開いているわけでございますけれども、いまのところそれは実現は見ていないというのが現状であるわけでございます。
○華山委員 私はここでどうあるべきかという’とを大胆に申し上げるだけの資料もございませんし、考えもございませんので質問をこれで終わりますけれども、ひとつ積極的に、あなたのほうの仕事のしやすいのは、日通一本にしたほうが仕事はしやすいと思うし、あるいは経費の面でもそのほうがいいのかもしれない。しかし、農協は農協としての希望もあることでもございますので、積極的にひとつその間の調整というものをはかっていただきたいということを希望申し上げて、とりあえずは、そのことからまた次第にいろいろな面でこの契約のしかたも変わってくるかと思いますけれども、その点だけを一応申し上げておきたいと思います。 もう一点だけ食糧管理について伺いますが、この検査でございますけれども、とにかく私たちも農民が政府に売り渡す、そこまでの検査はわかるのでございますが、その後米穀商に移るまでの検査、これがよくわからない。 それからその前に伺いますけれども、米でございますから、これは生きているはずなんです。一年、半年という間にはこれは目減りがあるのは当然です。その目減りのことにつきましては、食糧管理特別会計の中で何か積算してあるのでございますか。
○田中説明員 生産地で農家から米を買いまして、そして農協の倉庫にこれを保管しておるわけでございます。当然その県内の需要に見合うものは地場でそれを売却いたします。県外に運ばなければならぬものは、県外に運送をかけて運ぶわけでございます。したがいまして、まずその政府の買う段階におきましては、検査、それから買い入れということで農協の倉庫に保管されておるわけでございます。 そこで、その後におきましての食糧庁の検査的なものがあるかどうかというお話でございますが、私のほうといたしましてまず一つの例を申し上げると、山形県を例にとりますと、山形県の農業倉庫から運送を東京の営業倉庫に向かってかけます場合に、農業倉庫から米が出て、日通の手によってこれが鉄道運送にかかって、それから東京の営業倉庫の中にはい積みされて納まるということで運送が完結するわけでございますが、その東京に着いた場合に、日通に運送を委託しているわけでございますから、運送人が運送している段階においては、まさに政府の所有物品が日通の占有になっているわけでございます。したがって、倉庫に納めるときに、はたして政府が指示した数量そのまま到着しているかどうか、またその米俵が正常な形になっているかどうかというようなことにつきまして、消費地においては検収——私のほうは倉庫に入れる場合には自分の手に今度は移るわけでございますので、占有したものが一たん政府の手に移るわけでございますので、穀物検定協会という財団法人がございまして、そこで検定業務をやらせているわけでございます。もちろんこれは政府自身でやっていることではございません。政府が運送人にその運送を委託して、そうしてそれが確実に消費地の側におきましてそのまま運送されたかどうか、それを確認する意味におきまして検定協会に検定をやらしているのが現状であります。 それから、倉庫に入りましたものを今度は米屋さんに政府が売却していくわけでございます。売却していく過程におきまして、営業倉庫の中にやはり二カ月とか三カ月とかあるいは四カ月とか長期保管がそこに出てくるわけでございます。したがって、政府は現実的にはあり姿のまま——あり姿のままというのは、倉庫に積まれたままが正俵一俵であるということで実は米屋さんに売っているわけでございますが、その売ったものにつきまして、先生から御指摘ございましたように、米でございますので、あるいは乾燥とか、そういう問題で自然減耗とかなんとかいうこともなくはないだろうと思うわけでございますが、そういう場合におきまして、米屋さんに売ったものにつきまして欠減が出た場合におきましては、普通の相当な欠減以上のものにつきましては政府がこれを負担をするということにいたしておるわけでございます。そういうことで、お米屋さんに政府の売ったものが欠減したそのままお米屋さんにかぶるというようなことのないようにやっているわけでございます。それはあくまでも個別的な措置でございまして、お米屋さんからクレームが出た場合に、実際の現物につきまして必要以上の欠減をしている場合には、その欠減につきまして調査をして、そしてある程度補てんをしておるというのが現実であるわけでございます。
○華山委員 欠減によるというとこの特別会計から出さなくちゃいけないのでございますが、そういう予算は組んであるのでございますか。
○田中説明員 その欠減の率が年によって違います。非常に作が悪い、水分が多いというような年を迎えた年とか、ことしみたいに非常に豊作に恵まれて、むしろ欠減どころじゃないというような年もあるわけでございますので、そういうものを、全国的に発生したものをある程度何がしかのものをつまんで、食管特別会計に初めから予定して入れるということはいたさないで、やはり個別処理でいくのが適当ではないか、こういうことで考えておるわけでございます。ただ、同じ生産地でも、平場と山間部といろいろ米の育ちぐあいが違うわけでございます。したがって、これはやはり個別処理で現実に即して処理するのが適当ではないかということで、いまは年間を通じて全国に幾らあるということをまとめて、食管の会計の中にそういうものをあらかじめ見込んでやっているということはございません。個別処理のたてまえをとっております。
○華山委員 個別処理にしても、予算がなければ金を出せないのではないですか。
○田中説明員 それは食管はこれだけのものを管理しておるわけでございますけれども、年間に発生する率もそう大きな金額になるわけではございませんので、管理費という中でこれを処理するということでやっておるわけでございます。
○華山委員 先ほど何とか協会とおっしゃいましたね。
○田中説明員 御質問がなかったことでございますが、穀物検定協会でございます。
○華山委員 どういうわけで食糧庁がみずからそれをおやりにならないで協会にやらせているのですか。
○田中説明員 御質問がなかったことに対して穀物検定協会と申し上げて、いま御質問があったわけでございますが、先ほど申し上げましたように、運送をしてまいります場合に、まず運送人が占有したものを、私のほうは食糧庁の職員でございますので、政府のものでございますので、確実に倉庫においてこれを検収して受け入れる。みずからなぜやらぬかというお話があったわけでございますが、この点につきましては、実は東京みたいなところはその各駅ごとに、あるいは倉庫ごとに非常に分散をしてくるわけでございます。したがって、貨車の到着はまず一年じゅう続いてあるわけで、またそれが入庫するのも一年じゅう通じてあるわけでございますので、いまの消費地の人員の状態からいたしまして、そういうものに常時立ち会ってやることは大都市等においてはなかなか行なわれがたいわけでございますので、特に大都市、大消費地を控えたところにおきましては穀物検定協会のそういう機関を一応私のほうは利用いたしておるわけでございますが、その他の小さい消費県等におきましては、極力私どもの職員の都合のつく限りにおいてみずから検収行為をやって、そして運送人が確実に行なったかどうかということを確かめてこれが受け入れをしておるわけでございます。大消費地等におきましてそういう措置をとっておるわけでございます。
○華山委員 それは着駅はたくさんあるでしょうけれども、入る倉庫はそうたくさんあるわけではないのであって、倉庫に入るときに検査すればいいのであって、どうもその点私ちょっと了解いたしかねますけれども、時間もございませんから、この次にまたお聞するかもしれませんので、なぜやらないのか、なぜ協会を通してやらしめているのか、そういうふうなことについて、責任のある官庁としてどうもおかしいような気もしますので、次にまたお伺いいたすことにいたします。 そういうことがあるから、この間新聞に出たみたいにカビがはえた米が配給されたというようなことで、倉庫に入れるまではやるけれども、倉庫から出たあとはクレームのつくまでは黙っているんだ、こういうことが出てくるんじゃないのでしょうか。その点はどうなんですか。
○田中説明員 私のほうは生産地、消費地を問わず——生産地の場合には農業倉庫でございまして、それから消費地におきましては営業倉庫が主体になるわけでございますが、もちろん私のほうの職員はできる限りこの倉庫の見回り、監督については、たとえば生産地で申しますと、大体毎月一回は原則として倉庫を見回るということによって、米が適正に保管されているかどうかというようなことに極力心がけているわけでございます。また、消費地におきましても、営業倉庫ごとに分散はいたしておりますけれども、そういうことを極力生産地に準じた形において保管状態のその検査をするために見回っているわけでございますが、何ぶんにも一たんはいに積んでしまいますと、まん中に入ったものをこうやろうとしてもなかなかできにくいという現状もございますので、その中において、一部この間新聞等でごらんいただきましたカビ等の問題が出たわけでございますが、保管、管理について私のほうが倉庫の見回りを怠っているわけでは毛頭ございませんけれども、遺憾ながらはいに積んでしまいますと、来たときは一俵一俵正俵であっても、その間において三ヵ月、四カ月、五カ月ということになりますと、いささかそういう問題も出てくるわけでございます。
○華山委員 私申し上げたいのは、その点は十分やっていらっしゃるでしょうけれども、クレームのつくまでは黙っているんだということのために、売り渡したその際の検査が十分でないからこういうことも起きるのではないだろうかということを申し上げたのであります。 実態を申し上げますと、私はこういうことが現在でもあるのかどうか知りませんが、次長は、私が山形県出身だから山形県の例をお引きになったのだろうと思いますが、これは山形県のことで私申し上げますが、米屋さんが——卸商の段階だか小売り商の段階だか知りませんよ、米屋さんが看貫をしてみて足りない。当然これは、先ほどのお話によれば、食糧庁に申し出て、そして足してもらうということでなければいけないわけですが、次長のおっしゃったとおり相当量のものということでございますから、少しばかり足りなくたってできないのでしょう。そういたしますと、実際においては、私が実地に見たわけでもございませんが、しかし責任のある農協の職員あるいは役員が言うことには、米屋から農協に、足りないから送ってくれと言ってくるのですよ。そうしますと農協のほうでは、あらかじめ多少の米をとっておいて、そして東京の米屋に送るということが行なわれているということなんですけれども、そういうお話をお聞きでございますか、どうでしょうか。
○田中説明員 いまのお話、相当量のということに私ちょっとことばが足りなかったかと思いますが、相当量かどうか知りませんけれども、具体的に申し上げますと、大体欠減の場合におきましては、六十キロ正味ということになっておるわけでございますが、その場合に三百グラム以上あった場合——〇・五%ということになるわけでございますが、あった場合には、政府として何らかの措置を講じなければならぬ。三百グラム以内であれば、はかりの公差の許容の限度とかいろいろなこともあって、多い場合もあるし少ない場合もあるというようなことでやっているわけです。相当量という意味が三百グラムということでございますので、一キロも二キロもという意味では毛頭ございません。 そこで、米屋さんに売ったものについて票筆がついているわけです。生産者の票箋もついておりますし、何々村という農協の名前も、集荷指定業者の名前もついております。さしあたりは政府のほうにも言ってまいります。食糧事務所に言ってきます。たとえば山形の米が東京に着いたが、どうもこれはおかしいという場合には、すぐ食糧事務所に言ってくるというのが実態でございます。ただ、票箋を見ますと生産者の名前もあるし、それから何県の何々村という農協の名前もありますので、ついそちらのほうにも、やはり生んだ場所でございますのでこれは困ったことだというようなことで、ややもすればその県の米の評価を落とすというような、多少ひけ目の感じ等もあるのかもしれませんけれども、農協はそれを何とかしなければならぬというようなことがあったかもしれませんが、私のほうは、あくまでも、こういう問題については、政府が売ったものでございますので、政府と米屋さんの段階でこれを処理すべきものであって、生産地にまで、将来の参考までに何か御検討願いたい、ことしの米の出荷とかいろいろなことについて御検討いただく必要があろうか、こういう意味の連絡はあってもよろしいと思いますけれども、あくまでもそのものについての処理については、政府対米屋さんの関係でこれを処理していくというたてまえをとっておるわけでございます。
○華山委員 いま次長がくしくも三百グラムとおっしゃいましたけれども、三百グラムが初めから——これはどこがあんなことをさしているのかわかりませんけれども、出荷するときに各農家が三百グラムくらい足して入れているわけです。それで結局、米屋さんのほうから農協のほうに指定がくるのは困るから、あらかじめ三百グラムだけは入れておこうということで、農協かどこか知りませんけれども、指導して三百グラムの差し米をしている。余ますですか、それをしている。これが現実なんですね。それで農民の人たちはこういうふうに考える。政府はもうけているんだ、初めから。三百グラムだけよけいに入れておいて、そしてその三百グラムには金を払わないのだから、食管会計は三百グラム分溶けはもうけているんだ。そうかもしれませんよ。あなたのお話を聞くと、三百グラムだけよけいに入れているのだから、その程度のものは減量があったって米屋さんのほうからはクレームがついてこない。したがって食糧会計は払わなくたっていい、そういうことかもしれない。次長がおっしゃるように、そういうふうな余ますなりそういうものがあるからクレームのつき方が少ない。また……。まあ、そこだけお聞きします。そういうことになっているのじゃないですか、これは。
○田中説明員 話はだんだん飛びまして余ます問題にまできたわけでございます。 私のほうの検査の場合において、政府が買い入れるという立場といたしましては、検査法にも規定されているように、検査時に六十キロあればよろしいということで検査をして買い入れる。これが政府の基本的な立場であるわけでございますが、集荷指定業者、農協も含みまして、その県、各県各県ごとにやはり産米についての関心度が深いということも事実であるわけでございます。 そこで、各県の現状を見ますと、米俵に詰めるのが若干六十キロたっぷりというような方針でいっているのが、ある県等においては二百グラムくらいがそうだろう、あるいは三百グラムくらいがそうだろうというようなことで、自主的な指導体制に入っているわけでございますが、その場合に、現実問題といたしまして、検査時に六十キロというものを確保するということになりますと、やはり農家の側においても袋詰め、そういうものがございます。そうしますと、袋詰めをすることによって若干の脱漏も出てくるわけでございます。それから検査時に六十キロというのでまさに六十キロぴしゃりでございますと、これもなかなか農協のいろいろな衡器の誤差というようなものもこれはあるわけでございます。 それからもう一つは、検査時に差しを入れて検査をする。あの差しの中に約五十グラムくらいのものが入ってくるわけでございますが、それを一々また差して戻すのが普通のたてまえです。ですけれども、最近の時期別格差草場米の実態、検査の最盛期の実態等から見ますと、一々これを戻しているわけにいかない。ということになりますと、これは全部別の入れものに入れながら能率を上げていくということになりますと、差し米についての六十キロプラスアルファ、それから衡器についてのプラスアルファというようなものが、その県の自主的なというか、農協であるとかあるいは農家の側とか、そういうところで申し合わせをされて六十キロたっぷりというような数字になってきた、こういうことになっておりますので、私のほうから何グラム入れなければいけない、こういうことを言って指導しているわけではございません。
○華山委員 しかし、三百グラムか二百グラムとかいうことで入れているのが事実で、そのことのためにクレームのつけ方が少なくなって、食糧倉庫が農民の負担においてもうけているということは私は言えると思う。そういうふうなこともございますが、何か知らぬ、私聞いておりますと、買い入れるときの検査は適正に厳重に行なわれている。これは適当だと思いますけれども、その後における検査のあり方がもう少しきちっとやるべきであって、そういうようなことによって生ずるいろいろなことが農民の負担になる、農協の負担になるというようなことがないように、もう少し御研究を願ってきちんとしていただきたいというような印象を受けますので、今後ひとつその点につきまして御検討を願いたいと思います。
○鍛冶委員長 本日はこれにて散会いたします。 午後三時三十九分散会