科学技術振興対策特別委員会 第4号
- 発言数
- 118 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1967/11/10
会議録
○矢野委員長 これより会議を開きます。 科学技術振興対策に関する件について調査を進めます。 防災科学に関する問題について質疑の申し出がありますので、これを許します。石野久男君。
○石野委員 建設省の方、おいでになっておりますか。——初夏の候だったと思いますが、京都の和知ダムの決壊事故がありました。あれは、われわれ予想もしなかったような事故でございまして、その後、事故の原因等についていろいろ調査なさっておると思いますが、調査の結果、どういうようなことがおわかりになっているか、一応この際事情をお聞かせ願いたいと思います。
○川崎説明員 河川局開発課長の川崎でございます。 お手元に和知ダムのゲートのことに関します中間報告書というものを差し上げてございますが、これによりまして簡単に御説明を申し上げたいと思います。 七月二日の日に和知ダムのゲートの事故が起こりまして、直ちに、建設大臣の命令によりまして、近畿地方建設局と大阪通産局、この二つの局で学識経験者の先生方にお願いをいたしまして、和知ダムゲート事故技術調査委員会を設けました。七月四日からスタートいたしまして、十月六日にようやく中間報告が出ました。その全容がこれに書いてある次第でございます。 これの二ページ目でございますが、第二章に「事故の原因」と書いてございますが、それにありますように、今回のゲートの事故は、やはりゲートのアームが座屈を起こして腰くだけのような状態になって、それが原因で今度のゲートの流出事故が起こったものである。 どういうようにしてそういう座屈が起こったかということにつきましては、この二ページの下のほうに書いてございますが、ゲートの脚柱に生じたたわみにいろいろな原因が重なり合って、ゲートの脚がたわみに耐えかねて起こったものである。そのいろいろな原因といたしましては、ゲートを締めますときの小開度の放流による動的な水圧がかかったこと、それから閉鎖時に脚柱に慣性力が働いてたわみが増加したこと、それからトラニオンピンの摩擦、それから構造の左右の不均衡、こういったような問題があって、この事故が起こった。たわみがますます助長したものであろう。ただし、在来の慣行設計によりますと、こういうものは補強材を十分に使いましてやっておりました関係で、こういったものを無視しても十分安全であったわけでございますが、最近ゲートが大型化し、いろいろ経済的な合理的な設計というものを目ざして技術的にいろいろ進んでおりますので、在来の慣行計算の問題とゲートの合理的設計との間にやはり若干の盲点があったんじゃなかろうか、こういうふうに察せられるわけでございます。 したがって、そういう結果に基づきまして、委員会といたしましては、六ページに「今後の措置」ということで勧告をいたしております。 これは、残存する三つのゲートがまだ残っておるわけでございますが、このゲートについては、先ほど申し上げましたような破壊原因にかんがみて早急に補強をさせる必要がある。それから、類似のテンターゲートについても、やはりそういった安全性をこの際チェックをしなさい。それから三番目には、ゲートの設計について、設計条件とか、そういったものについて今後十分検討をして、設計の基準となるべき事項を再検討した上で定めなさい。それから四番目に、ゲートの操作に伴って生ずるいろいろな動的な外力の問題については、今後十分に研究をしていく必要があるんじゃないか、こういうような四点の勧告を受けた次第でございます。 それにつきまして、もう一つのパンフレットのほうに「和知ダムゲート事故に関する処理方針要旨」というのがございますが、私どもの河川局長から関西電力の社長あてに十月二十七日に、改造するように指示をいたしております。なお、そのほかに、この勧告に従いまして、ゲートの十分な改造を命ずるとともに、類似のゲートの安全性に対しても、私どものほうにございますダムの防災対策の委員会におきまして、十分にこういったものを調べまして、ゲートに対する不安を取り除く。 それから、設計の基準につきましては、河川法で、ダム等につきましては政令で構造の基準をきめることになっておりますので、現在その構造令の案を作成中でございます。近くまとまりましたら、これは河川局長の通達で、まず約一年間ためしに使わせて、その上で正式の政令にいたしたい、こういうふうに考えております。 そのほかに、いろいろ、検査のやり方、こういった点でも問題がございますので、ダム検査規則というようなものをつくりまして、今後は、完成のときの検査、それから、一部使用する場合の検査、それから、ダムが完成いたしましても、アフターケアの意味で、あとあと十分に定期的に検査を行なう、こういうような検査の規則も、今後は十分に整備をしていきたい、こういうふうに思っております。 それから最後の、ゲートに関連する研究の促進でございますが、これにつきましては、建設省に直轄技術研究会という全建設省をあげた技術の研究会がございますので、こういったところの指定課題として取り上げますと同時に、建設省の土木研究所におきましても、今後の研究のテーマといたしましてこういったものを促進をしていきたいと思っております。ただ、これは非常に地道な理論的な問題でございますので、かなり時間がかかると思いますが、ゲートの安全性を一方では確保しながら、さらに合理的設計のための研究を促進をしていきたい、こういうふうに存じておる次第でございます。 大体以上でございます。
○石野委員 私は技術屋じゃありませんから、こまかいことはわかりませんが、しかし、安全だと思っておったダムにああいう事故が起きた、それにはいろいろ理由があるようでございますけれども、しかし、その後の調査の結果として、一番注意をしなければならない点は、設計上の問題にあるのか、あるいは操作上の問題にあるのかという点については、私たちしろうと的には考えなければならない問題だと思います。 いま、今後の措置について四つの項目が明記されておるし、それから、当事者に対してもやはり処理方針というものは通達されておるわけですから、その部門においては今後事故というものは解消する段階にいくのだろうと思いますけれども、しかし、心配されることは、問題の一番大きい点はどこにあったかということなんです。設計上のミスというものがこの時点では一番大きかったのかどうか、そういう点平たく、あまり専門的じゃなくてもよろしいから、この際教えてもらいたい。
○川崎説明員 ただいまの御質問でございますが、私どもがこの中間報告から受けたところでは、いろいろの原因はございますけれども、端的にいいまして、やはり設計上の問題であろうと思います。在来の慣行的な設計の基準では追いつかない程度にゲートが大型化してきておる現状でございますので、そういった設計の方法とか設計の基準というようなものにつきまして、今後改善していく点が多々あるのではないか、そういうふうに存じております。
○石野委員 そうしますと、これは設計上の問題だといえば、従来のような考え方では間に合わぬぐらい合理化を設計の中へ要請しているわけですね。いわゆる大型化といいますか、経営上の合理性というものが非常に大きな負担になってきている。そういうような点に問題があるということなんですか。
○川崎説明員 一般的な傾向といたしまして、できるだけゲートの重量を減らすとか、構造を簡単にしていくとか、そういうような傾向が出てきておりまして、在来よりも、補強材というのですか、そういったものを次第に節約するとか、これは設計のやり方あるいは計算のしかたとか、論理的な問題ともからんでくるわけで、単に補剛材があったから安全というわけではございませんけれども、そういった剰材をどういうふうに節約してゲートの経済的な面を開発していくかという点で、最近は非常にシビアーな設計をするようにだんだんなってきておるわけでございます。そういった点で、この際反省すべき点があるのではないか、そういうふうに思われます。
○石野委員 シビアーな設計というのは、聞きようによっては非常にうれしくもありますけれども、また、聞きようによっては非常にあぶないことでもあるんですね。そのシビアーというのは、いわゆる安全性の面でのシビアーなのですか、経営上の面でのシビアーなのですか、どちらですか。
○川崎説明員 もちろん、こういった重要な構造物ですから、安全を第一にして設計はいたしております。ただ、その間に、安全性を確保しながら経済的な設計をするということが技術の進歩でございますから、そういった点で、やはり多少一方的なほうが行き過ぎたのではないかというような感じはいたします。
○石野委員 これは、今後管理監督をし、安全性を確保する上からいいますと、一方的な面が非常にきつくなり過ぎた、言うなれば、結局、安全性ということも考えてはいるけれども、より経営的に節約という面、あるいは経費負担とかあるいは投下資本の軽減というようなものが考えられている、そういう点に無理がきている、こういうふうにわれわれ理解するわけです。そういう理解のしかたでも、これはあまり間違っていないですね。
○川崎説明員 ただいまおっしゃるように極端に割り切っていいかどうかということになりますと、私としては疑問を感ずるわけでございます。現に残りの三門のゲートがあるわけでございますから、そういった点では、設計のやり方その他をチェックいたしましたが、別に必ずしも間違った設計方法をしてはおらぬわけでございます。ただ、この場合に、何かよくわかりませんけれども、いろいろな非常に極端な例の原因が重なり合ったということは考えられるわけです。したがって、そういった場合にも耐え得るように、この際できるだけ安全に改造をさせたいと思っておりますが、同時に、やはり今後合理的な設計をする上については、不解明な点を解明しながら経済的な意欲的な設計をしていく、こういうのが順序ではないのか、そういうふうに今後指導していきたいと思っております。
○石野委員 今度の非常にきついたわみが生じたということは、操作の上からではないということだけははっきりしているのですか。
○川崎説明員 操作の点では全然問題はございません。やはり設計上の問題だと思います。
○石野委員 最近はだんだんと規模がいろいろな面で大きくなり、それから単位当たりの投下資本というものを軽減させようというのは、どこでもみな考えられることですから、やむを得ないことだと思いますけれども、それが安全性にまで食い込んでくるということにもなり、それが危害を及ぼすということになるとたいへんなことです。和知ダムの問題は、そういう従来の慣行的な計算では、大型化するにあたって、もう間に合わなくなってきたということだけがはっきりしておるということになりますと、非常に大きな設備を持って、なるべく合理的な経営をしようという施設者側の意図については、やはり相当にきつい制限を加えなくちゃならぬということだけは、ここではっきりしたように私は思いますけれども、そういうことがこの四つの勧告になって出てきている、こういうふうに見てよろしいわけですね。
○川崎説明員 この勧告にも、確かにいまおっしゃいましたような点を指摘しておるわけでございます。したがって、私どものほうでもその答申を受けまして、ダムの構造令におきまして、在来よりも、たわみの問題とか、あるいは二次的な応力の問題、ゲートの剛性の問題といったものを反映をいたしまして指導していきたい、そういうふうに思っておる次第でございます。
○石野委員 和知ダムにはまだ三つのゲートが残っているわけです。それはそれなりに処置するのでしょうけれども、類似のものは全国にいま幾つあるのですか。
○川崎説明員 類似と申し上げましても、いろいろ分類のしかたがあるわけでございますが、大体これと同じ程度の形のものが約四十から五十程度じゃないかと思っております。それから、その中で、これと同じような構造の設計のしかたになっておるものが約十ないし十五じゃないかと思います。
○石野委員 そうしますと、和知ダムにある残存の三門については、積極的に関西電力に対して指示を与えて補強させるようにしておるけれども、この類似のものが四十ないし五十ある、同じ構造上の設計になっておるものが十ないし十五もあるとすれば、それも同時にここで検査させないというと、事故が起きる危険性が出てくるわけですね。そういう処置はなさっておるのですか。
○川崎説明員 それにつきましては、いま全国のテンターゲートの設計を全部私どものほうに集めております。建設省の中にダム安全対策委員会というものを設けまして、これにはゲート関係の経験の深い者を委員に選びまして、全部の設計をチェックいたしております。 それでいま概数を申し上げましたが、それをさらにしぼりまして、一々計算方法その他に誤りがないかどうか、現在そういった点検の作業をいたしております。その結果に基づきまして、もし不安があるようであれば改造させるなり、あるいは現地についてさらに詳しく検討するなりいたしたい、こういうふうに思っております。
○石野委員 こういう委員会を建設省の中に設けて、今度の和知ダムの事後処理、あるいはまた、今後の安全性を確保するという処置をされることは非常にけっこうだし、また、先ほどのお話では、設計基準というようなものを新たにつくるということもはっきりお話があったわけでございますが、これは河川法とか、あるいはまた、政令を出すまでの間に期間があまり長引くということは、こういう事故が起きた時点では許されることじゃないように思う。だから、これはなるべく早くそれをやらなくちゃいけないというように考えるのだが、いまのお話を聞きますと、一応一年間の政令案のようなものを具体的指示をした上で、あらためて政令を実施するというようなことでございましたが、それらの点についてもう少し緊急に対策を講じるというような意味で、繰り上げてそういうことをやるという御意図はいまないのですか。
○川崎説明員 ただいまのお話でございますが、大体私どものほうで、ダムの構造令と、それをさらに詳細に規定いたしました施行規則の案がまとまっております。それにつきまして、それぞれ関係者あるいは各府県のそういった関係のほうに意見の照会をいたしております。近くまとまりますので、それをさらに織り込みまして、今月中には施行するように通達を出したい、そういうふうに思っております。大体そういった点では御趣旨に沿っておるのじゃないかというふうに存じております。
○石野委員 建設省のほうはよろしゅうございます。
○矢野委員長 引き続き、原子燃料及び原子力施設の安全確保に関する問題について、質疑を行ないます。 本問題調査のため、本日、参考人として、動力炉。核燃料開発事業団副理事長今井美材君に御出席願っております。 なお、参考人からの御意見の聴取は質疑応答の形式で行ないますので、さよう御了承願います。 それでは、石野久男君。
○石野委員 大臣がおいでになるまで、防衛庁関係の方がおいでになっているはずですから、防衛庁のほうへちょっとお聞きたいと思います。水戸射爆場の問題ですが、いまちょうど大臣もおいでになったので、大臣に先に聞きます。水戸射爆場返還の問題について、その後どういうふうに話が進んでおるのでございましょうか。
○二階堂国務大臣 水戸の射爆場返還の問題につきましては、昨年六月の、防衛施設庁と在日米軍の共同声明に基づいて、返還の要求を進めておるわけでありますが、私もその後、閣議におきましても、防衛庁長官に対しまして、できるだけ早く返還が実現するように、ぜひひとつ在日米軍当局とも話をしてもらいたい、こういうように要望を二回にわたっていたしておるわけであります。直接の担当庁は防衛庁でございますので、また、防衛施設庁長官も見えておられますから、詳しいことは防衛庁のほうからお聞き取りを願いたい。私といたしましては、できるだけ早く実現が可能になるようにということをば防衛庁長官に対してお願いをしておる、こういう段階でございます。
○石野委員 そうすると、科学技術庁長官は、原子力施設の関係等もありまして、われわれは施設の安全性を確保するという意味からの射爆場の立ちのきということの要求をしてきておるわけですが、現状では、その問題については、もう全部防衛庁にまかせ切りだ、こういうことですね。
○二階堂国務大臣 石野先生の御指摘のとおり、私のほうは、従来から問題になっておりました再処理施設の問題とも関連をいたしての話が出ておりますので、また、それとは切り離してでも、やはり松野防衛庁長官のときから、米軍との間に話し合いができております。その話し合いは話し合いとして進めてもらいたい、こういう方針でございます。
○石野委員 長官は、いま再処理工場云々と言っておりましたが、再処理工場だけでなくて、あそこの原子力施設全般について、われわれはやはりああいうような危険な状態を一日も早く排除しなければいけない、こういう考え方なんです。その点は、再処理だけではございませんから、大臣、ひとつ誤解のないようにしてもらいたいと思います。 防衛庁にお聞きしますが、その後の交渉はどんなふうになっておりますか。
○小幡説明員 お答え申します。 その後、実はことしの七月に、日本側も現実的な提案もやはりやりまして、米側との協議を促進する必要があるというふうに考えましたものですから、航空自衛隊に委嘱いたしまして、実際の飛行機を新島上空に延べ十一機飛ばしまして、米軍が行なうであろうと推定される訓練は、各種の訓練を実地にやってみました。その上で、防衛庁の航空自衛隊の専門家あるいは建設の専門家が集まりまして、現在候補になっております新島南端の端端地区を中心としまして、一応の青写真といいますか、デッサンをつくりまして、これは当然日本側の立場を主にして考えて、地元の安全とか、あるいは漁業制限の限度を最小限にするとかいうふうな、非常に日本側の立場に立った案でございますが、一応の技術的な成案に近いものを得ましたので、米側にそれを提案いたしまして、現在米軍側は、その案に対しまして三軍の意見を調整しておる段階でございます。 大体、対立点となると思われますのは、訓練揚の範囲をどれだけにするか、つまり漁業海面も含めましてどれほどの広さに制限するかという点と、それから、何せ非常に狭い土地の事情でございますので、その端端地区を土木的にどの程度改造するかというふうな問題が訓練場の要請からどの程度出るか、それが予算との関係でどの程度まで組めるかというふうな問題が現在問題になっていくだろうというふうに考えておりまして、現在米側の回答を待っておるという状況でございます。
○石野委員 事情はわかりました。見通しはどういう状況ですか。
○小幡説明員 見通しとしましては、そう遠くない期間に、米側も何らかの意思表示をしてくると思います。若干の距離がありますれば、そこで調整が行なわれると思いますが、調整がつきましたならば政府部内の大体の方針としてきめていただきまして、そういう成案を得次第、早い目に現地に提案をいたしまして折衝したいというふうに考えております。
○石野委員 現地のほうの折衝の見通しはどうでしょうか。
○小幡説明員 これは、御承知のように、現象としましては、現地は反対でございますし、また、関連の漁業海面で操業しておられる漁業組合も大多数は反対しておられます。しかしながら、この反対の中には、いろいろ、でき上がるものに対する過大な恐怖なんかが相当入っておるものですから、具体的な提案をいたしますれば、そういった思い過ごしの面は相当減るのではなかろうかという点に期待を持っておりますが、いずれにしましても、相当曲折を経ましてこの問題は落ちつくところに落ちつかせたいというのがわれわれの念願でありまして、相当これは忍耐と誠実を持っていろいろな難局に当たっていきたいというふうに考えております。
○石野委員 いま、施設庁長官から、非常な忍耐を持って折衝していきたいということでございますが、現地の事情などを勘案しますと、そう簡単じゃないように私は思います。この問題は、いま私の憶測をあれこれ言うわけにいきませんから、お話だけ聞いておきますが、そう簡単でないということだけは大体よくわかる。 したがって、茨城での実情からいいますと、そういう状態の中で、いろんな問題が出てくるわけでございますね。原子力施設に関係する問題も出てまいりまするし、周辺地域におけるところの農耕作者の問題だとか、漁業者の問題だとか、いろいろ問題が出てまいります。ことに最近のように、自衛隊の飛行機事故だとか、あるいは、最近は米軍の誤射、誤爆というのはちょっと減ったようですけれども、しかし水戸射爆場を利用した自衛隊員のいわゆる投下訓練で、所定地域以外の民地へやはり。パラシュートでおりてくるというようなつまらないことも起きてきておるわけですね。こういうような問題は、私どもにとりましては、周辺地において住んでいる人々の安全だとか、あるいは作業上の問題だとか、そういうことを無視できないという事情になっていると思います。特に、たとえば勝田市だとかあるいは那珂湊市だとかは、それぞれそういうことからくる障害のために、農漁業が阻害されている。経営上の阻害点が非常に多いので、そういう点の補償を防衛庁に求めている。特に最近になりますると、防衛庁関係の諸君とか、あるいは自衛隊を使っている方々の投下弾とか何かで防風林が焼けたり、いろいろな事故がありまして、従来あの付近で防風林としてあったものがだんだんだんだん少なくなってしまうのですね。そして、従来民家がこれをなにしているときは手入れをしておりましたけれども、このごろはちっとも手入れをしないものだから、ますます防風林的性格をなくしてしまいまして、周辺地の農家は、非常に潮風の害だとか何かで農耕作物の損害を受けている。あるいはまた、爆音によるところの、鶏だとか豚だとかいうようなものの経営をなさっている方々に、思わない障害を与えているというような事情があって、そういうことから、防衛庁にはあの周辺地からいろいろと補償要求が来ていることは、すでに御承知のとおりだと思います。われわれは一日も早くああいうものがなくなってくれることを念願して、できるだけみんな協力する態勢をとってきていた地元の人々の気持ちを、率直に言って、私たちはもう歯がゆいくらいに思っておったのだけれども、最近ではこの人たちが、だんだんだんだん物価は高くなる、自分の経営は悪いというようなことから、やはり防衛庁に対して切実なそういう補償要求というものを求めているわけです。これに対して、特に勝田地区は案外——那珂湊なんかでもそうなんですけれども、勝田地区は補償要求をしておったのが、最初は非常に小範囲の要求をしておったのです。ところが、最近、先ほど申しましたような事情で、だんだんだんだんと被害を受ける範囲が多くなってきているわけですね。だから防衛庁に対して、そういうことに対する地域を広げてくれというような要求なんかも入ってきていると思うのです。これは決して補償に便乗してうまいことをしようという考え方では、率直に言って、ないのです。こういう事情をひとつ防衛庁はよく理解して、こういう諸君に対する、たとえば農耕阻害の補償だとか、潮風災害に対する補償だとか、林野雑生産物に対する償補だとか、あるいは家畜被害に対する補償、こういうようなものに対してそういう要求がきていることは御承知のはずだから、それに対してやはり十二分に配慮をしてやってもらわないと困る、こういうふうに考えておるのだが、施設庁としては、そういうものに対して、どういうような考え方で、一般の陳情なり何かに対処する所存でおられるか。また、来年度予算などもいま組み上げている段階ですが、来年度ではそういうことをどう処置されるか、ひとつこの際所見を聞いておきたい。
○小幡説明員 水戸は、御承知のように射爆場でございますので、基地の中でも、周辺の方々に特殊な御迷惑をかけたことは事実であります。先日も漁業補償問題が一応解決したわけでありますが、先生がただいまおあげになりました項目につきましても、他の射爆場との関連上、水戸だけ特に十二分にというわけにもいかぬかと思いますけれども、限度、範囲はおのずからあるとは思いますが、何らかの配慮をしたいというふうに考えていますが、詳細は施設部長から御答弁いたします。
○鐘江説明員 ただいま先生のお尋ねの、いろいろの補償の処理に対するお答えをいたしたいと思います。 まず第一に、射爆撃場の周辺で、私どもは一般に首振り補償と申しておりますが、ひんぱんなジェット機の射爆撃によるところの、農民が首をすくめて農耕の時間が相当阻害されておるという問題、これにつきましては、現在まで毎年払ってきたわけでございますが、先般、関係の皆さんが私どものほうへ陳情に参られた内容としましては、もっと範囲を拡大すべしという御要望でございました。この農耕阻害の問題につきましては、施設庁長官が一定の範囲を定めておりまして、これは飛行場あるいは水戸以外の射爆撃場も同様の取り扱いをしております関係上、遺憾ながらどうも、農耕阻害の問題につきましては、現在の段階では範囲を拡大するというわけにはまいらないのが実情でございます。と申しますのは、現実の問題といたしまして、範囲と申しますのは、ターゲットを中心にしました進入表面の投影下を、距離といたしましては三千、扇形の末端で約手二百メートルの範囲がこの補償の対象区域になっておるわけでございまして、地元の皆さまの御要望は、ジェット機が飛来するのが見える、あるいは、ときには落下物が落ちてくる、そういう危険感があるから、われわれのところも補償してくれという御要望のようでございますが、私どもが現在取り扱っております補償の範囲と申しますのは、いま申し上げたような範囲に限定いたしておりますので、この問題につきましては、現在のところ非常に困難であるということを申し上げざるを得ないわけでございます。 次に、防風林の伐採ないしは焼失によるところの潮風の被害の問題でございますが、これにつきましては、従来補償する際に、一応学識経験者の意見も求めまして、現地も調査して補償金を払ってきたわけでございますが、ぜひもう一度現状を見てくれという強い御要望がございましたので、来週早々係官を現地に派遣いたしまして調査いたします。そして、その結果に基づきまして、場合によりましては、もう一度学識経験者の御意見をいただいて検討してみたいと思っております。ただ、私どもが考えますのは、こういうふうな潮風によるところの農作物の被害というものは、年々補償をやっていくということだけではどんなものだろうか、もっと積極的な施策はないものだろうかということで、現在考えておりますのは、スプリンクラーの施設を被害地区に設置いたしまして、そのスプリンクラーの水を野菜にかける、それによって塩害が多少なりとも防げるわけでございます。そういうスプリンクラーの設置ということになりますと、用水の関係はどういうことにたるかというようなことも調査しなければなりません。したがいまして、今年度からそういう関係につきまして調査をし、可能性があれば、これは生生御承知のところの周辺整備法によりまして施策を講じたい、かように存じております。 それから、第三の松葉の補償でございますが、これは地元の皆さまのお話によりますと、イモやたばこの栽培の苗床に松葉を使っておる。その松葉というものは苗床の原料として非常に貴重な品物であるけれども、それが演習場から思うようにとれない。その演習場立ち入り制限によるところの松葉採集の補償をしてくれという御要望でございまして、私どものほうとしましては、松葉の市場価格というものが的確につかめませんものですから、一応松葉の代替品といたしまして稲わらの市価、これを求めまして補償をやっておったわけですが、いろいろお尋ねしますと、発熱の状態等によりまして、稲わらと松葉とはちょっと違うということでございまして、この点をもっと検討するくふうはないかということで、この点につきましては、私どものほうも、補償金につきましてもっと積極的に増額するということについて検討を部下に命じております。そういうような状況でございます。
○石野委員 潮風災害とかあるいは松葉の問題等についての配慮はよくわかりました。農耕阻害の問題については施設庁長官が一応規定している範囲があるのでという御意見ですが、これは実際に現場を見ていただくとわかりますけれども、ただ画一的に、この方向で、距離は何メートル、末端でこれだけだというような規定のしかただけでは、事実上はなかなかおさまらないものがある。施設庁長官の指示によってということであるならば、ひとつ現場を見てもらって、いままで出しておる指示がそれでいいのかどうか、現場の言うことが無理なのか、それとも当然なのかということを、やはりもう一ぺん調べてきてもらわなくちゃいけないと思うのです。あまり画一的なやられ方をされると、被害を受けるのは農家でございますから、皆さんは図上戦術をやればそれで済むのだけれども、実際問題として農家のほうでは具体的に収入減になって出てくるわけですよ。収入減どころか、場合によれば全くゼロになってしまう場合もあるわけですから、そういう点は、あまり画一的なものの言い方をしないようにしてもらいたい。この点は、施設庁長官の指示がどういうふうになっているかということについて、もしこの範囲が狭いとかなんとかいうことならば、やはり現場に合うように指示をしてもらうことが大事だと思いますから、そういう点で配慮してもらいたいと思います一これは長官、ひとつそのことを防衛庁長官にも話していただいて、具体的な指示をしていただきたいと思うが、いかがですか。
○鐘江説明員 実は指定する区域につきましては、先ほど申し上げましたとおり、飛行場と射爆撃場と同じ三千メートルという取り扱いになっておりますが、射爆撃場につきましては、従来とも非常に御迷惑をかけているということで、射爆難場に限りましては実は四千メートルまで範囲を特に認めておるというのが実情でございまして、先生のおっしゃるように地元民が非常に困っておるということは、私どものほうとしましても十分了解の上、特別の措置を用意しておるということを御了承願いたいと思います。
○石野委員 部長はそう言うけれども、現実にやはり農民は困っておるから言っているのですよ。だから、先ほどの潮風災害の問題につきましても、皆さん方が放水でも何でもやって、塩の害をなくするというようなことをやってくれれば、別に補償をもらわなくても、実をいうと、かまわないのですよ。だから、それでただもうけをしようとか、便乗的な利益を得ようとか、そんなさもしい考え方でやっているんじゃないということをあなた方はわからなければいかぬと思うのですよ。そういう意味で、長官、いまそんな形式的なことばかり言ってもしょうがないんだから、現場をよく見て処置してもらうように、はっきりした返事だけもらっておきたい。
○小幡説明員 ただいま御意見もありましたので、現場を調査いたしまして再検討いたしたいと思います。
○石野委員 防衛施設庁にはそういうふうにお願いしておきます。 時間がないので防衛施設庁の方、それで一応よろしゅうございます。 あと大臣にお尋ねします。いろいろお尋ねしたいことがあるのだけれども、まず最初に、科学技術庁の各関係者の賃金交渉の問題なんですよ、公務員の給与の問題に関連して。そういう問題で組合の諸君がいろいろ交渉する場合、どうも科学技術庁だけは、いつも交渉をあとへあとへ延ばしているらしいんだ。去年なんかでも、各官庁が全部やってしまって、一番最後になって、もののきまったのは年明けだというようなことらしいですよ。今度なんかでも、組合の諸君が賃金交渉をやっているんだけれども、二十一日じゃないと団交にも応じないというようなことを言っているそうなんだけれども、長官、そういうような指示を与えているのですか。
○二階堂国務大臣 そういう指示は与えておりません。
○石野委員 私は、賃金の問題について組合の諸君が——各部署がみなありますから、そういう諸君があなた方との間に交渉しようとする場合のかまえとしては、やはり話には応ずべきだと思うのですよ。話がまとまらなけれべ何べんでも延ばしていいのです。それをだんだんおくらしていく。聞くところによると、大蔵省あたりの科学技術庁との関係が、話が非常に進まないものだから一番あとになってしまうんだ、こういうようなことも聞いておるのですよ。きょうは、大蔵省を私は呼んでいませんから、そこまでできませんけれども、しかし、かりに大蔵省がそうであっても、どうしようとも、金を出すとかなんかは別として、交渉するということは、これはやはり長官のところでやれることですから、その関係者が組合関係の諸君との話し合いをだんだんとあとへあとへずらすというようなことだけはやめてもらいたい。もう少し誠意をもって話に応じてやってもらいたいということなんです。そういう点、大臣が指示を与えていないとするならば、できるだけ−交渉を組合の諸君がやるというのを、何も一週間も二週間もおくらさないで、いま現実には賃金問題の交渉をしているわけでしょう。できることなら今週中にでも話したいと思っているけれども、当局のほうからは二十一日以後じゃないとだめというような話をしているというんだけれども、それがほんとうなら、これは改めてもらいたいと思う。
○村田説明員 具体的な事象としてどのことをおさしになっているか存じませんが、私どもの承知しておりますところでは、これは毎年のベースァップと関連して、組合とそれぞれの事業団あるいは原研等の理事者との間の交渉と思いますが、二十一日まではしないということを具体的に理事者が指示したかどうか、その点、私もただいまつまびらかにいたしておりません。しかし、いずれもこれは公務員の給与ベースのアップということに対して政府がどのようにきめるか、そのきめたものをベースといたしまして、そして、実際の具体的な組合との間の話がついてまいることになっております。と申しますのは、御高承のとおり、各特殊法人における職員の給料、俸給というものにつきましては認可事項でございまして、大蔵省と協議いたさなければなりません。そういった際のベースとなるものがやはりはっきりいたしませんと、具体的な数字となってまとまりませんので、そういうことからおくれておるのかと思うわけでございます。私の承知している範囲ではそういうことであります。
○石野委員 いろんな事情がありましょうけれども、ほかの関係は早くきまってしまって、この特殊法人関係、科学技術庁関係のものが年越しにならなければきまらないという事実があることはまずいと思う。昨年はやはり年越しになって一月か二月になったそうですから、ことしもそういうようなことがあってもらっては困る。生活するのは特殊法人であってもみな同じです。年の暮れはやはり同じようにやらなければならぬし、正月はみな同じように迎えなければならぬのに、給与の問題は年越しだということではどうにも困ると思う。だから、ことしはそういうことのないようにだけはしてもらいたいと思います。大蔵省との話し合いもあるのでしょうけれども、やはり話し合いするものは話し合いするものとして、きめた結果として、大蔵省との関係で若干おくれるのなら、また、おくれるような交渉のしかたがあると思いますが、いずれにしても交渉だけ早くして、問題点はどこにあるかということが明確になったら、また、その点は解消するように話していけばいいのです。それを大蔵省とのきまりがなければ話にならぬということになっておると、労働組合の諸君も困ってしまうと思う。こういうことのないように、ひとつ大臣から特に指示を与えてもらいたいと思います。
○二階堂国務大臣 よく事情を聞きまして善処いたします。
○石野委員 けさの新聞を見ますと、濃縮ウランのアメリカとの話し合いがだいぶ煮詰まったようですね。どういうような状態になっていますか。
○村田説明員 日米原子力協力協定は、御高承のとおり、現行の協定が来年十二月に期限が満了しますので、それまでに改定いたしたい、こういうことで、かねて米側と折衝してまいっておりますが、先般、十月の半ばから下旬にかけまして、政府から、科学技術庁、通産省並びに外務省の担当官をワシントンに派遣いたしまして、協定内容の交渉を行なったわけであります。その結果、ある程度の進歩を見まして、これからさらに、その上に立ちました案文の整理ということに入りまして、そうして、次の通常国会には批准手続をとるようにいたしたい、こういうスケジュールで、目下せっかく折衝を続けておるところでございます。 昨日新聞に出しましたのは、現在この中間段階におけるものでございますが、原子力発電時代を迎えるわが国の立場といたしまして、特に濃縮ウランの供給をどのように確保するか、こういった点は非常に大きな関心事でございますので、現段階における交渉の経緯において、大体どういうような話し合いがつきつつあるかということを発表したわけであります。 それは、新聞にもございましたように、濃縮ウランあるいは研究開発用のプルトニウムその他の協力ということでございますが、濃縮ウランにつきましては、今後五カ年間に建造されます原子力発電所、これが耐用年数の限り、と申しますのは、大体二十五年間程度でありますが、その限りに必要な濃縮ウランの量を協定でカバーするという趣旨で折衝が行なわれ、その結果・ただいまのところは、約三十年間に百六十トン余りというもので話し合いが進められておる、こういうことを申し上げたわけであります。
○石野委員 三十年間百六十トンで、所要の量よりも計算上はちょっと少なくなっておるようでございますね。それはそれなりでですが、ただ、ここで私が聞きたいのは、五年間に原子力施設は大体どれくらいできる予定をしておりますか。
○村田説明員 基数にしまして約十二基、出力規模にしまして約六百万キロワットでございます。
○石野委員 それは電力会社としては幾つですか。
○村田説明員 九電力のうち、北海道、四国を除きます各電力会社でございまして、それに原子力発電会社が含まれるわけでございます。
○石野委員 大臣にお尋ねしますが、いまから昭和六十年に向かって、原子力で四千万キロワットの発電をすることになっていて、各九電力会社が、この発電所をつくるために競合しているという形だと思うのです。これは電力行政の上からも一つの問題があると思うのです。私どもは、電力行政の立場からしまして、日本の国の現在の九電力についても、これはちょっと細分化され過ぎていはしないか、もう少し統合すべきじゃないかというような考え方を実は持ってきた。ところが、原子力発電になりますと、その容量も非常に大きくなってまいりますし、規模にしても単位が非常に大きくなってくるという傾向があるし、それらのことを含めて、従来は九電力でやっておった、それに電発があった。今度原子力になると原発が入る、こういうことになるわけですね。しかも、それが、全部、原発もやる、九電力もやる、それにまた電発もやるかもしれないんですね。そうすると、セットとしては非常に大きいものになっていくのに、経営者のなにはますます分化されてしまうという傾向になっていく。電力行政の上からこういう形が望ましいのかどうか。将来の電力行政の形からいえば、むしろ詰めていって、私たちの考え方から言うなら、もう国家的に一つに固めていくほうがいいと思っている。むしろ原子力発電ということになるならば、従来の電力会社は電力会社にしておきまして、原子力開発ということになれば、いまのウラン燃料の調達にしたところで、結局科学技術庁が一手に調達しなければならぬ、調達方式を交渉しなければならぬわけです。各個がばらばらに買うのは別といたしましても、なるべく一元化していくという形のほうがいいように思う。そういう形からすれば、全国を一本にするのがいいかどうかわかりませんけれども、この九電力が、電発、原発を含めて十一になっていくということよりも、むしろ七つにし、六つにし、五つにし、三つにしていく形のほうがよろしくないかというように私は思うのです。われわれはそういうように考えている。政府は、そういう問題については全然構想はないのでしょうか。
○二階堂国務大臣 この電力の問題は、所管が通産省になっております。また、電力の開発計画につきましては、通産省のほうに諮問機関として電源開発の審議会もございます。そこで長期にわたる計画あるいは年次別の計画というものを立ててやっておるわけです。いずれこれは、いま石野先生がおっしゃったような問題も検討すべきときがくると思っておりますけれども、いま直ちにそういう構想でだんだん国家的に統一して縮小していくというような考え方は、現在政府は持っておりません。
○石野委員 私は、通産省が企業のいろいろな管理、統制をしているということはよくわかっているのです。けれども、ここでいうのは、科学技術庁として、原子力開発という立場から、炉の開発等を含めて、各企業がばらばらでそういうやり方をするという形がいいかどうかという考え方を聞いているわけなのです。いま政府は、電力産業資本の考え方について、あれこれ手を打とうというような考えのないことも、私は知らないわけじゃございませんけれども、しかし、事業団法ができて、炉の開発が行なわれ、あるいは将来非常に大きな規模での、日本の電力のほとんどを原子力でやっていこうという形、要請がある時点で、企業体系をこういう状態のままで置いていいのかどうかということは、やはり原子力発電の行政上の立場から考えなければならぬ問題だと思う。そういう点についての大臣の意見を聞いているわけです。
○二階堂国務大臣 これは全く私の個人的な考え方で、しろうと的な考え方かと思いますが、現在、御承知のとおりに、原子力発電の開発は、これから世界的な傾向等も考えてみますと、わが国におきましても相当な努力をいたさなければならぬ、これは石野先生も御同感だろうと思っております。そういう際に、国は国として基礎研究なり、あるいは新しい高速増殖炉とか新型転換炉について、いろいろ施策を進めてまいっていることは御承知のとおりでございますが、何と申しましても、将来の原子力発電の経済コスト、あるいはそれが経済発展に持つ役割り等を考えてみますと、民間の電力会社、そういう企業者が一生懸命になるということ、これは私は大事なことじゃなかろうかと思っております。現在の段階では、それぞれの電力会社がいろいろ将来のことを考えて計画な進めておられるわけでございますので、やはりこれをいろいな形で助成するという方向をとっておりますので、将来十年、二十年たったあとには、いろいろな問題が出てくるかと思いますが、現在私は、企業者ももっと熱を入れて原子力の開発に努力すべきだ、こういう考え方を持っておりますから、いま石野先生のおっしゃるような考え方に私は直ちに同意はできないように考えております。
○石野委員 私は、ここで電力の企業形態の問題を論じている時間もあまりありませんから、他日またこの問題は論議させてもらいたいと思います。しかし、いずれにしましても、やはり動力炉の開発という問題が、企業の使命というよりもむしろ国家的な使命になっていると私は思っております。しかも、非常におくれているわれわれの開発体制を進めていくのに、企業の協力を求めることにはわれわれもやぶさかではない。しかし、それを国がやはりもっとリーダーシップをとって、強引に総力を結集するという体制をつくらなければならないという要請に基づいて、この前、事業団法ができた。そういう事業団法ができた段階での、今度は開発体制というものを今後考えていきます場合に、各個の電力会社がばらばらで競合するというような形が、いろいろな意味でのまずい障害を生んでくると私は思っております。これは、いま、どういう問題があるかということをここで述べている時間がありませんから申しませんが、そういうことも含めて、やはりもう少し帰一化するという形、それはただ電力ユーザーだけの問題ではなくて、やはりメーカーの側でも規格の統一とかなんかの問題でも、これは切実な要求があろうと思いますから、私はそういう意味で、この問題はまたあとで論議させてもらいたい、こう思います。 ことに、この問題では、通産省の問題だけでなしに、私は原子力委員会の立場でも少し検討を加えるべきではなかろうか、こう思います。原子力委員会は、ただ技術だけの問題ではなしに、そういう経営形態等の問題等についても、相当に考えていくべき問題ではなかろうかというふうに私は思っておりますが、有澤先生にひとつそういう問題についての御所見を聞いておきたいと思います。
○有澤説明員 原子力発電が実用化されて、しかも、大規模の発電所が建設されるようになってきている。それがために、いま電力の企業体制も何か考えなければいかぬのじゃないかという意味の御質問だと思いますが、私ども、いま大臣のお答えにありましたように、直接電力の企業体制をどうすべきかということを論議する任務は持っていないと思いますが、ただ、いまの企業体制のために、原子力による発電というものの発展が阻害されるかどうかというところに至って、この問題がわれわれの問題になると思いますが、いまのところは、むしろ各電力会社は非常に熱意をもって原子力発電に取り組んでおるわけです。でありますから、いまのところは、まだそういう問題が直接に起こっているように私には考えられておりません。
○石野委員 これは、いま有澤先生がおっしゃられるようにばかり私は受け取れないのですよ。実際は、原子力開発に対する阻害事情が出てこないかどうかという問題については、炉の開発だけでなしに、燃料の開発の問題もあると思います。燃料開発等については、たくさんの炉ができてしまって、しかも、燃料と炉とがくっついておる、これは切り離すことができない、そういう状態の中で、やはりユーザーのほうでの燃料要請というものが、日本の自主開発の問題に依存しないで、ほとんど外部のものに依存するというような体制になってくれば、必然的に日本の燃料開発は、意図的にそうでなくとも、そういう事情の中での燃料開発のおくれといいますか、消極性が出てくると思います。これは別に燃料開発を担当している方々がさぼっているとかなんとかいうことではなくして、経済の原則がそういうように追い込んでいくのだろうと思います。そのことをわれわれは憂えなければならない。そういう立場からしますと、各社が競ってやってくれる面は一面においてはいいけれども、一面においては、またそういう障害を持ち来たしているということも考えなければなりませんので、そういう点についての規制といいますか、やはりお互いの話し合いというものもし、事実上経済的に要請されるものに対してある種の政治的な立場でのそれに対する指導をしていかないと、日本の自主開発は、逆にそのことのためにおくれを来たすのではないかという心配をしているわけなのですが、そういう問題については、有澤先生、どういうように考えておられますか。
○有澤説明員 まさにいま石野先生が御指摘になった問題があると思います。しかし、いまの原子力発電は、何といいましても、軽水型の炉しか経済的に有利な炉はないのです。それがために、私ども、将来の燃料の問題とあわせて動力炉・核燃料開発事業団を設けていく。新しい炉、高速増殖炉と新型転換炉を開発しよう、こういうたてまえになっているわけです。それが開発されても、なお電力会社がそういうものを使わないということになってきたときに、確かに阻害するという問題が起こってくるだろうと思います。しかし、いまのところは事業団を通じて見ましても、電力会社も、炉の開発につきましては非常に熱意を示しておりますし、また、私どもに対しましては、開発後それを利用する、こう申しております。ですから、それを、いやそうはいくまいというように、いま否定するということはよくないのではないか、そういうふうに考えております。
○石野委員 それでは大臣に端的に聞きますが、再処理工場の問題ですが、再処理工場の敷地の問題についてはもう決定しましたか。
○二階堂国務大臣 決定いたしておりません。
○石野委員 いま、東海村に再処理工場をつくるということについての話し合いがだいぶ内向的に進んでおって、今井さん、そこにおいでになりますけれども、実を言うと、事業団でございますが、もとの公社の諸君が、地元で反対している人を戸別訪問していろいろ説得しているのですよ。私は、この再処理工場の問題について多くを申しませんけれども、過般の国会でもやはり過度集中はよくないということを言ってきました。そうして再処理工場自体について、私は安全性がないとかなんとかいうことは言わない。けれども、東海村における原子力施設というものが過度の集中であるということを私は言ってきたのです。過度集中の定義はどうかということになると、これは、もちろん、いまのところは、はっきりしていませんから、いろいろな要素があると思います。一定地域の中に施設がどれだけあるかということとか、あるいはまた、そこで出す発電力がどうだとか、炉の容量がどうであるかということと周辺地の人口の問題とか、いろいろな要素が重なっておりますが、とにかく東海村の状態は、やはり地域の状況、それから周辺人口の状況、そういうものから見て非常に過度の集中であると私は思って、過般本委員会における視察を私どもがやってきたわけです。 その視察で、私が特に重点的に見たのは、各地における施設と敷地、周辺地の町、人口、こういうものに集中的に私は自分の注意を払ってまいりました。私は十カ所の状況を見まして、こういうふうにここにまとめてきております。各地の状況をずっと今度見ましたのは、これはあとで報告がありますけれども、アメリカからカナダ、ベルギー、イタリア、スペイン、イギリス、インドなどを見てきて、各地における敷地と、それから炉の型式、それから周辺地の人口を見て、東海村のように稠密なところは、率直にいいまして、どこにもないのです。それからまた、市街地に近いところにおきましても、みんなそれぞれコンテナをかけるとか、あるいはその辺の地域の状況が、地勢が非常に遮蔽する状態ができているとかいうようなことがあり、なおかつ、各地の事業体はそれぞれ安全性に対する金を非常ににかけているという事実もよく学んで来ました。そういう点から見ますと、たとえば、アメリカのサンオノフレだとかインディアンポイント、あるいはカナダのダグラスポイント、こういうところはもとよりのことでございますけれども、その施設の周辺十二マイル半のところにはたった一万人しかいないとか、とにかく五十キロ近いところの周辺地の人口が三万七千人だとかいうような、実にほれぼれとするような場所につくっております。日本は確かに地域面積も狭いし、それから人口が多いところでございますから、適地を求めることは非常に困難だという事実も私はよく承知しております。けれども、それでは東海村のような実情がもう最低限のものであるかというと、そうではないと思うのです。東海付の地域で、私は今度地図の上に線を引いてみました。そして事実上東海村の施設を中心に十キロの円を描いてその中の人口を測定しますと、大体三十万人ぐらいおるのですよ。二十キロをこえると五十万人をこえてきます。こういうようなところは、私が見た十カ所の各国の状態にはほとんどない。まだ、ほかにもいろいろあるのだろうと思いますけれども、私はやはり東海村における施設は非常に過度であるということを思っておるのです。 いま東海村における再処理工場の問題については、当局は積極的にそれを進めようとしているし、産業会議の諸君も真剣にそれをやろうとしておる事実はよく知っております。しかし、私はフランスのサンゴバン社に参りまして、設計の事情も聞いてきました。その設計の事情は、東海村を目当てにしてつくっていることもよくわかっております。よくわかっているけれども、東海村でなければあの設計は置けないものでないこともよくわかりました。だから、あれは、立地が変われば、若干の設計変更が行なわれれば、ほかへでも持っていけるということもわかったわけです。それじゃ私は、日本の国内に、狭いからどこにもないかというと、場所は幾らでもあります。ただ、私は従前離島などということを話したこともございますけれども、それはその当時の事情で、いまは私もそんなことは言いません。再処理工場を設けるのはやはり発電所の近くであるとか、とにかくそういうものとの関連性があるところがよろしいと思う。ただ問題は、東海村に置くということをなぜそういうふうに強行されるのかということをそんたくしますると、これはやはり燃料公社が、これは準研究用の施設だという観点に立って、そういう観点からなるべく研究所等の近くのほうがいいということに唯一の根拠があると私は見ております。私もその理由はよくわかる。わかるけれども、それだからといって、私が言う過度集中についてはいろいろの意見がありましょうけれども、私自身の言うこの過度集中が安全性の問題と関連していることの御理解がいただければ、今日の通信機関の発展あるいは交通運輸の発展のなにからいえば、そんなに準研究センター的な役割りだからということだけで、あそこに固執する必要もなかろうと思います。ことに射爆場返還の問題については、先ほど来お話がありますとおりに、当分見通しはない。おそらくこれはなかなか困難だろうと私は思います。再処理工場だけでなくて、普通の原子力施設につきましても、あの射爆場自体が問題なんです。再処理工場は一番至近地に、しかも一番放射能の操作をするむずかしいものだ。そういうときに東海村に固執しなければならない理由は、私はないと思う。今井さんは、この前、東海村以外のところは、図面の上では当たったけれども、実際には当たっていないということを、ここではっきり申されたのですが、その後におきましても、どこかの地域に折衝した傾向は見受けられません。今日当局は東海村だけを強引に押し切ろうという形をしているように私には見えるのだが、そういう意図で進めておるのかどうか。また、他に適地があるならば、そこを求めて、施設をそこにするということの考え方を持っていないのかどうなのか、この点をひとつはっきりしておいてもらいたい。
○二階堂国務大臣 これは、石野先生がおっしゃるとおり、定全性の問題がきわめて大事な問題でありますから、こういう施設をつくる場合には、安全性の問題については十分な確保ができるような考え方を基本に置いて、施設の増設なりあるいは新設なりを考えていくことは当然でございます。この安全性の問題については、石野先生もそう心配はしていないということでございますが、ただ、要約するというと、石野先生の御議論は、過度集中だ。外国のそれぞれいろいろな各地における状況等もお話がありました。私も、石野先生が親しく見てこられましたから、いずれそういうことについての御意見も聞きたいと思っているのですが、何をもって過度集中というかということになりますと、いろいろ議論があるでしょう。しかし事業団のほうにおいても、従来から有力な候補地、研究その他を進めていく上において総合的な研究機関というものを、できるならば近いところに置きたいという考え方からいたしまして、東海村が有力な候補地だということで進めておるということは、私もいつかの予算委員会でしたか、この委員会でしたか、有力な候補地として考えておるということは申し上げておきました。ただ、それだからといって、いまここで決定しておるというわけでもございません。いろいろ議論があると思いますから、それらの議論については十分ひとつ耳を傾けて検討を重ねていきたいと思っておりますが、これも、それじゃ、これから各地をもう一ぺん当たってみるということも必要かとも思いますけれども、しかしそう長く、これを一年も二年も三年も延ばすわけにまいりません。したがいまして、皆さんとも話し合いをいたしますけれども、有力な候補地としていろいろ地元の方々とも協議をし、話を進めて、できるならばひとつ御理解をいただきたい、こういうふうに考えておりますが、強引に何が何でもという考えで押し切ろうという姿勢でないことだけは、しばしば申し上げたとおりでございます。
○石野委員 時間がないようですから、あと一問だけあれしますが、私は、過度集中の問題については、何をもって過度集中とするか、これからやはり学者諸君やあるいは関係者が論議しなければならぬ問題だと思いますが、ただ、四日市の場合などを見ました場合、四日市の石油コンビナートその他の問題は、それぞれみんな通産省の規格に合格している、安全性の確保されたものでつくられたものだと思います。だから、その観点からすれば、四日市に公害が起きるはずがない。四日市ぜんそくなどをだれも予想しなかった。だけれども、あそこで四日市ぜんそくが起きたということは、やはり施設一つ一つはみんな通産省の規定に基づいて合格しているものであるけれども、しかし全体を集めたときに、地域に対して過度の障害が出てきたのだ、こう見るべきだと思います。だから、ミクロの立場では、一応は合格しておっても、マクロの立場では、これは問題だ。いわゆる環境におけるところの安全性の問題があったと思うのです。 東海村の問題については、放射能障害というものは、これはどういう形で出るかということの論議はまたあとにしましても、私はとにかく地域の周辺人口の問題とか、あるいは地勢の問題とか、いろいろな問題を考えまして、これは非常に過度である、こう思っております。そういう立場でこの問題を論議したいし、それからもう一つは、やはり再処理工場の問題は、なるべく早くつくらなければならぬということも、私はよく理解しております。しかし、理解しておるからといって、もうほかをさがすことはだめなんだという理屈にはならない。ほかをさがせばさがせられるのです。また、ほかでは受け入れるところもある。それはわれわれがしろうと考えをしてみても、適地だと考えられるところがあります。しかし、そういうところに行こうとする決意がない。そういうことをすると、いわゆる研究センター的性格がなくなるだろうということ、あるいはまた、その他の問題点があるのだと思います。私がサンゴバンでいろいろ聞きましたところによりますと、モニターステーションをつくるのに、東海村だったら案外便利だ、ほかへ行けば、またそれもやらなければいかぬのだという意見も聞きました。だから、そういう事業経営上とか、あるいはその他のことで、いま東海村でやれば便利だということはよくわかっています。しかし便利だということと安全性とは違うんですね。ことに、私はモルのユーロケミックの話を聞きましたが、あそこは若干東海村に似たような地勢でございます。地勢ではございますけれども、あそこではモルの社長をしておるロメシュという社長がこう言っておりました。やはりわれわれはここでいろいろな安全性の問題については努力している。この地域にはもう一つこれと同じようなものを設置することができると思っているけれども、ベルギーのほうからはもうこれ以上やらないでくれ、やはり放射能の過密の問題や何かあるからというので、私たちはこれ以上やりません、こういうことも言っておりました。同時に、ロメシュさんはこういうふうにも言っておりました。われわれは、一年に一回か二回は市民の方々に退避訓練もやっております、こう言っているのです。あなた方はいま東海村で一ぺん退避訓練をやってごらんなさい。その退避訓練をやるだけの勇気がありますか。できるんなら、退避訓練をやった上で再処理工場をつくってください。そのくらいのことをやらなければいけないと思うのです。私が今度の海外の視察を経て見ましたことは、日本では平和利用の三原則というものがあります。しかし日本ほどこの施設をするについて隠密的にやっているところはない。ほかはみんなオープンですよ。いろいろな折衝をやっているけれども、日本の場合には設置するのにみんな隠密にやるからごたごたが起きている。もう少しオープンにやってごらんなさい。東海村でもし再処理工場をやるんなら、その前に退避訓練からやってくれ、これをあなた方にお願いする。その上でできるんならやってください。それをやらないで設置をするということは絶対にいけない。あなた方が自分たちの経営上の都合だけでやるということは許せないと私は思う。ほんとうにやるのなら民主、公開の原則に基づいて、民主的に地元の人々が安心するように退避訓練をやって、その上で設置をやってもらいたい。それだけのことを私は長官にお聞きしますが、長官、それに対する答弁をしてください。
○二階堂国務大臣 いろいろ石野先生の御議論も、私もわからぬでもございません。しかし地元からも、地元の人が全部反対だと私は承知をいたしておりません。賛成の方もあります。進めてくれという方もあります。しかし、退避訓練までやって安全性が確証されてからやらなければならぬということでもなかろうと思っております。私は、要は安全性ということを考え、地域住民の安全確保ということを考えて十分話し合いをしてやりたい。決して隠密にこそこそやっているわけではありません。これは、あくまでも、こういう問題については地域住民と話し合いを進めながらやらなければいかぬ問題だと思っております。決してこそこそして、隠れてやるような態度は毛頭とっておりません。
○石野委員 大臣、それでは、退避訓練をやるまで安全性云々というけれども、退避訓練は不必要ですかどうですか、そのことだけ聞いておきます。
○二階堂国務大臣 必要であるかないかということは、私はここで申し上げるあれもありませんが、私は退避訓練をやらなければやってはならないという御議論も、少し過酷ではないかと考えております。
○石野委員 私は、これは論議ですから、あなた方が結論がそこへ出ない前にこういうことを言ってはいけませんけれども、しかし長砂地区においては、公社の諸君が一軒一軒歩いて安全だ、安全だということでシラミつぶしに宣撫工作をしている、こういう事実があるから言うのです。それをやめさせなさい。そういうことをあなたは部下にやらしておいて、何をそんなことを言うか。こういう住民の自由な意思を制限するというような行動をしておいて、そして、片方においては、安全性を念願する人々の意見については、そんなことまで要らないなんと言うのは、そんなことはよくないですよ。私は、とにかくこういう問題については、いま時間があまりありませんから、大臣も忙しいようだし、私も忙しいから、これでおきますけれども、いずれにしましても、ここまでくるのだったら、やはり私は地元の人々にも、賛成している人々に退避訓練をやることまでやらした上でひとつ言ってごらんなさい、そういうふうにいくかどうか。違うのですから。ひとつその点はよく考えてもらいたい。私は、あとまだありますけれども、きょうは時間がありませんからこれだけにしておきます。 それから有澤先生に一つお尋ねしますが、先般、原子力空母の日本寄港の問題についてこれを認めるというような返事をアメリカに……(有澤説明員「寄港を認めているわけじゃごうもございません」と呼ぶ)誤解であれば……。 とにかく、われわれは、そういうような情報を新聞で知っておるのですが、その間の事情をひとつこの際御説明願いたいと思う。
○有澤説明員 先般、原子力委員会におきましては、アメリカ政府から日本の政府に対して、原子力水上軍艦を入港させてもらいたいという申し入れがあったということを伝えられました。それで私どもにとりましては、原子力軍艦が日本の港に入ることについてイエスとかノーとかいうようなことを言う地位にあるわけではありません。これは全く政府が決定する問題でございます。 ただ、私どもといたしましては、原子力水上軍艦が日本に入ってきたときに、その安全性が、特に港の住民に対する安全性がどうかということにつきましては、重大なる関心を持たざるを得ない。しかし軍艦のことでございますから——日本の国産の炉であるとか、日本の国産の船だとか、あるいは外国の船でも商船であるという場合には、その炉の設計図その他の資料を提出してもらいまして、日本の原子炉等規制法に基づいてこの安全性を審査するわけです。しかし、軍艦というのは、御承知のように、これはいわば治外法権みたいなもので、軍機の秘密を持っておりまして、われわれが要求してもそれを提出してもらうわけにはいきません。そこで一方においては、われわれが安全審査のために必要とする資料は十分提出を受けることができない。しかし、それでは何もしなくてもいいかというと、そういうわけにもいかない。そこで、われわれとしましては、できるだけこの水上軍艦の安全性に関して問題と考えられる点についていろいろ検討し、できるだけの回答、言質をアメリカ政府から得たほうがいいだろう、こういう考え方に立ちまして、これは外務省を通じてでございますが、いろいろアメリカ政府の意向をただしたわけでございます。その結果が、アメリカのほうから日本の政府に提出されました口上書及びエードメモワールによって明らかになったわけでございます。その二つの資料に基づきまして検討した結果、私どもはこの口上書並びにエードメモワールに言明されていることがそのとおりであるならば、一応安全と認めざるを得なかろう、安全と判断せざるを得ないだろう、こういう結論に達したわけでございます。 この問題はもう何年前ですか、昭和三十九年ですかに原子力潜水艦が日本に入港するということがありまして、その際、潜水艦につきまして十分いろいろと検討をいたしました。ですから、言ってみますれば、いままですでに一度経験済みの問題でもありました。原子力軍艦には原子炉が積んでありますから、その原子炉の設計上その他の安全性はどうかということになりましたならば、それはアメリカではアメリカの安全審査諮問委員会を経ている。つまり、安全性については、そういう安全審査諮問委員会を通っておるのであります。これは、言ってみれば、日本の場合では、日本の原子炉安全専門審査会の審査を経ているというのと照応しているわけであります。 それから、もう一つ重要な点は、放射能の漏洩といいましょうか、いろいろな形で放射能による障害が考えられますが、この放射能の障害の問題につきましては、これも原潜の場合から今度の場合も同様でございますが、日本の法律に触れないということを言明する、こういうことでございます。 それから、日本の港において修理をしたり、燃料の取りかえをしたりすることもしない、そういうことがわかりましたが、なお、原潜の場合もむろんそうでありますが、アメリカの港に入る場合と同様の基準に基づいたポートアナリシスをやって日本の港にも入る。これも日本の港とアメリカの港との入港についての何らの差別もない。アメリカの港に入ると同じような手続、それから基準、両方をそのまま日本の場合にも適用して入る、こういうようなことがずっと明らかになってきたわけでございます。 ことに、港に入る場合には、今度は潜水艦の場合と違って大型の軍艦でございますから、最大事故の想定といいましょうか、最大事故の場合においてはどうかということになりまして、そういうことが問題になりますが、それもちゃんと最大事故を想定いたしまして、その解析をやった上で、放射能の障害が港の住民に及ばないようにわれわれは考えている、措置をする、こういうことも申しております。 それから運航につきましても、同種の大きな空母なら空母の入港の場合と同様の配慮をもって入港をする、こういうことが明らかになったわけでございます。 そうでありますならば、そういうことがちゃんとそのとおり、アメリカ政府の言明どおりであるならば、それから得られる結論は、付近の住民にとって、その軍艦の安全性の問題については安全であると判断せざるを得ない、こういう意見を得ました。 それで、そのほかの点は、モニタリングを十分やる。言明は言明でございますが、言明どおりのことになっているかどうか、モニタリングをやる。入港前、出港後、入港中はむろんのこと、モニタリングをやる。それで放射能の上に何らかの変化があるとするならば、その変化がどうして起こっているかということを究明せざるを得ない、そういうことでございます。 それから万々一の事故の場合に対する損害賠償の点も、原潜の場合と同様でございます。そういうことは十分気をつけなければならないし、日本政府としても、その点の措置を十分やるべきである。 安全性の問題につきましては、先ほど申しましたような点であります。損害賠償の点につきましては、原潜の場合と同様、そういうふうにすべきであるという意見をわれわれ委員会で決定いたしまして、これを政府に提出いたしたわけでございます。
○石野委員 こまかいことなんですが、有澤先生は、三十九年の段階で原潜が入ったときに前例があるので、それに右へならえしたのだという御意向ですが、設置法の第十四条の二における審査会の任務は、やはり「安全性に関する事項を調査審議する。」と、こういうふうにあるわけですね。いま、それは調査だといえば調査なのかもしれませんが、事実上は、これは一つも当たってない調査なんですね。向こうの調査を認めるという調査なんですよ。これでは原子力委員会設置法第十四条の二の真意に沿うのかどうか、これが非常に問題だと私は思うのですよ。そういう点で、むしろこういうようなやり方をしていると、原子力委員会の審査の権威がなくなりはせぬだろうか。まだほかに自主的な立場とか、あるいはこの原子力空母の持っている他の意味というものも一つありますから、これについては原子力委員会はどこまでものをいえるのかどうかわかりませんけれども、しかし、少なくとも原子力委員会の持っている、核兵器とか何かというものに対する関心は、全然無関心であっていいはずはございませんので、だから、この審査をするという内容でございますが、あまり書類調査だけでいいというようなことでありますと、これは権威がなくなりはせぬか。そういう点について、簡単でよろしゅうございますから、有澤先生の話をひとつ聞かしてください。
○有澤説明員 書類と申しましたならば、アメリカのほうから提出される、いまわれわれが外務省を通じて得られます書類は、口上書とアメリカ政府の声明書、それからエードメモワール、それだけでございます。それ以外の書類としましては、これはほんとうに正確かどうかわからないけれども、われわれ自身がいろいろな海軍年鑑というようなものを見るだけでございます。ですから、書類審査という点からいえば、ほとんど審査の十分な材料になるものはない。それでは、書類審査がないから、何もしなくていいかということになりますと、今度は、国民から、一体、原子力委員会はこの原子力軍艦の安全性について何にも知らぬのか、何にも言えないか、こう言われたときに、われわれとしては何にも言えませんというわけにはまいりません。できるだけの、安全性について確かめ得られるだけのことはしなければいかぬじゃないか、こう思うのです。それで、それがために、われわれがこの安全性についてどういう点が問題だという、その問題点につきまして、いろいろだだすべきものはただし、エードメモワールの形でそれをもらっているわけです。ですから、外国の軍艦だと、どうしてもわれわれはいま法律に書かれているような審査はできないのです。その点ひとつ御了承願います。
○石野委員 もう時間がありませんので、これでおきますが、ただ有澤先生に一つだけなにしたいことは、やはり審査というのは、ものに当たって審査するのがほんとうの審査であって、人さまの調べたものをうのみにするのでは審査ではないと私は思いますし、また、原子力委員会はそういうようなことで審査をしたということを国民にアピールするような考え方……(有澤説明員「審査をしたとは私どもは申しておりません。」と呼ぶ)それだったら、不明だというふうに書くのが一番正しかったと思いますよ。これはひとつあとで三木先生から引き続いてのあれがあると思いますから、私はこれでおきます。
○三木(喜)委員 ちょっと関連がありますから……。関連ですから簡単に質問したいと思いますが、いま石野さんが時間にせかれて退出いたしました。あとを私が受けて要点だけ聞いておきたいと思います。 私たちは、これに対しましては、原子炉の安全専門審査会というものを通して、そして米軍艦が入ることについては安全であるというような証明をあたかもしたがごとき印象を国民に与えておることに非常に問題があると思うのです。したがって、私たちは原子力委員会に公開質問状を出しますから、それにはっきりと答えていただきたい。このことだけ申し上げて、お考えを伺いたいと思います。
○有澤説明員 公開質問書をいただいたならば、それに対して十分回答いたしたいと思います。
○矢野委員長 次に、農薬の残留毒性の科学的究明に関する問題について質疑の申し出がありますので、これを許します。小沢貞孝君。
○小沢(貞)委員 私は、先月のこの委員会におきまして、阿賀野川の河口付近に起きた有機水銀による中毒事件について、主として厚生省にお尋ねをいたしました。まだ幾多の疑問がございますので、若干御質問をいたしたいと思うわけです。 先々月かと思いましたが、公害対策委員会において、食品衛生調査会委員長が厚生大臣にあてて提出した結論を、厚生省としては特に意見を付することなくこれを科学技術庁に申達をした。それを読み返してみると、いわばそれが厚生省の結論であるかのごとくにわれわれはとれるわけです。そういう中で若干疑問がございましたので、お手元に差し上げた資料1に載せておきましたように、去る十月二十七日に、厚生省の環境衛生局長あてに実は私は質問をしたわけです。 内容を概略申し上げますと、この食品衛生調査会の諮問書に対する答申の中で、一番は「本水銀中毒事件の発生に関しては、昭和電工鹿瀬工場においてアセトアルデヒド生産高が増加するにつれてメチル水銀を含む水銀化合物の生成が漸増し、それが排水中に流出し、同工場下流の阿賀野川流域を長期、広域にわたり汚染し」云々と、こうありますが、「メチル水銀化合物の流出及びそれによる長期、広域汚染」の具体的な内容とそれを証する科学的根拠についてお示しいただきたい。これが第一点であったわけです。その資料をお手元に差し上げたとおりです。 第二点としては、答申3のうち「新潟地震に際しての新潟港埠頭倉庫に保管中の農薬の阿賀野川への投棄あるいは流出農薬の塩水楔による阿賀野川への溯上をその原因とする説があるが各種の資料はこれを裏付ていないのみならずとれを否定している資料もある。」こういうように言っておりますが、一つは「各種の資料はこれを裏付ていない」こういうことはどういうような資料によるものか、その資料を示してほしい。二つとしては「これを否定している資料もある」というように言っているが、否定している資料を示してもらいたい。こういうような質問を提示したわけです。 そうしたところが、厚生省の環境衛生局長から十一月一日に私あてに回答が参りました。——これも時間を節約するために私は資料をつくってまいりました。このとおりの御答弁でよろしゅうございますか。資料2の第一ページですね。もしよろしければ、これを委員長のお計らいで、ひとつ委員会の資料として添付していただく、こういうようにすれば私は時間の節約になるかと思いますが、もしそうできなかったら、これは一応御答弁いただきたい、こう思うわけです。
○松尾説明員 ただいまお話しの、十月二十七日付をもちまして小澤先生から私あてに、先ほど御指摘のような御質問がございました。それに対しまして御回答申し上げたわけでございますが、この中身につきましては、特に第一点の問題につきましては、小澤先生が非常にこの問題について詳しく御承知だということを前提にいたしましたためにそういう資料の名前というようなものだけ羅列しておりまして、その内容自体については必ずしも詳細に述べておらなかったようでございます。 私どもといたしましては、この調査会の出しました見解、及びそれがとってまいりましたところのいろいろな資料というものについては、ここに掲げてあるような根拠があるということでございましたので、これをもって正式の御回答に申し上げた、こういうことでございます。 中身につきまして少し御説明申し上げます。
○小沢(貞)委員 ここの御回答のとおりだと言うから、この第一ページ目はそっくり資料にあげていただけますか、こういうわけなんですが、よろしゅうございますか。これを一々全部読むとたいへんじゃないかと思うのです。この御回答のとおりだと言うから、これは資料にあげてもらって——ほんとうはこれは全部読んでもらいたいのですが……。 それでは局長、ひとつこの回答を委員会での回答にしていただくために、やっぱりこのとおりにお答えをいただきたいと思います。
○松尾説明員 質問第一につきましては、昭和電工の鹿瀬工場からメチル水銀化合物が流れ出したということについてどういう判定をしたかということでございます。 これは特別研究班の報告、それから水俣病の場合における熊本大学の研究の資料、並びに審査の過程におきまして提出されました昭和電工の提出資料というものに基づきまして、水銀化合物が流れ出たという結論をとった、こういうことでございます。 それから、それが長期にわたり汚染したという問題につきましては、阿賀野川流域に住んでおります婦人の長髪中の水銀保有量というものを経時的に——と申しますのは、髪の毛の成長というものを考慮いたしまして、その成長の度合いに応じまして、髪の毛の各部分の水銀量を測定するということから、過去における水銀汚染の状態を知り得る、こういう意味でその経時的な変化を追及いたしました結果、地震の以前にすでに濃厚な汚染があったということが認められた、したがいまして、長期にわたる汚染というふうに考えられるということでございます。 それから広域に汚染があったという問題につきましては、患者発生地域から上流の鹿瀬町までの住民の水銀保有量の調査結果ということから、上流にも異常に高い水銀保有者が発見されたということでございますので、局地的な汚染というよりも、なお広い広域汚染であるというふうに考えられたということでございます。 それからなお御質問の中に、さらにそれでは同工場の上流住民の水銀保有量の調査というものがあるかというお話でございました。 これにつきましては、上流の福島県の喜多方及び会津若松地区の住民、これは二十一名でございますが、その結果、総水銀量というものが平均九・九PPMでございました。なお、メチル水銀の同定をしたかどうかにつきましては、実験経験から見まして、かかる少量ではなかなか内容についての同定ができないということで実施をしていなかった。総水銀量としてはそういういわば低い量のものが多かったという結果がわかったということでございます。 それから第二の問題は、塩水くさびによりますところの汚染経路という説があったということで、これを裏づけていないという問題がございましたが、この汚染経路の説には、信濃川の河口から阿賀川の河口までの間の距離が約五キロとされておりますが、この塩水くさびが起こりましたのが地震の二カ月後ということになっておりますので、その二カ月間、水銀化合物がその五キロの間にたまっていたということが前提にならなければ、おそらくこの塩水くさびによる汚染ということが説明できない。ところが、その二カ月間彷徨していたという資料が、その議論の中には裏づけるものがなかった、こういうことでございます。また、かりに塩水くさびによるものだといたしましたならば、信濃川のほうにも同じ塩水くさびの現象が起こると考えられるわけでございますが、この点については、信濃川と阿賀野川に水銀の汚染があったと仮定いたしましても、二つの川の魚の水銀保有量の間に明らかに有意の差が認められた。要するに、阿賀野川の魚のほうが水銀の保有量が高くて、信濃川のほうが低いという差が出ております。こういうことで、塩水くさびによる説をとりがたい、こういうことになったということでございます。 それから、農薬を原因物質として否定をいたしました問題といたしましては、農薬の製品の中にはメチル水銀のみを含むというものが市販されておりません。特別研究班の成績は、いずれの検体からもアルキル水銀の中でメチル水銀以外の水銀化合物というものが検出できなかったという点が第一点。 それから臨床的あるいは病理解剖学的にも低級アルキル水銀以外の水銀化合物による中毒の所見を認めていない。これは臨床的には、たとえばじん臓の障害といったようなものが病理学的にも認められなかったということで、他の高級水銀の中毒によるということが考えられないという結論であったということでございます。 それから、熊本大学や国立衛生試験所の動物試験の成績というものが、動物体内におきましては水銀化合物が変化しない。たとえばエチルで与えればエチルとして出てくるというような結果が出ておりまして、与えられた化合物がそのまま検出されるという形から、体内で水銀化合物が変化するということも考えがたい。こういうことを示しておるというわけでございます。 そういうことから総合的に「農薬が原因物質であるとは考えられなかった」と否定している、こういうわけでございます。
○小沢(貞)委員 それでは御答弁をいただきましたので、これはきょう説明していただくとたいへん時間が長くなりますので、後日資料を出していただきたいと思います。 その第一点は、いま御説明のありました「長期汚染については阿賀野川流域に住む婦人の長髪中の水銀保有量の経理的変化から地震以前すでに濃厚な汚染があったことが認められた。」こういうように断定されております。私は、これはどうも違うと思いますが、そう断定された資料をひとつ提出していただきたい、これは資料要求であります。 第二は、「広域汚染については患者発生地域から上流鹿瀬町までの住民の水銀保有量の調査結果から上流にも異常に高い水銀保有者が発見されていることから局地汚染とは考えられなかった。」こう、これも断定されております。これは後ほど私は論議したいと思いますけれども、多分これは一人かそこらの異例なことをもって言っているのではないかと思いますが、具体的にひとつ資料をもって委員会に答えていただきたい、こう思います。 それから第三点としては、この答弁の2に移りますが、「塩木楔による汚染経路の説には、信濃川河口から阿賀野川河口までの間の距離約5kmを約2ケ月も水銀化合物が彷徨したことが前提になるがこれを裏づける資料はなかった。」こうあります。これは彷徨をしている、こういうようなことが資料として、あるいは塩水くさび上必要であったかどうか。この塩水くさびについて資料はなかったというが、どれだけの資料を研究されたか、このことについてもきょうは触れないで——私は実は時間があれば説明したいと思いますが、きょうは触れないで、これについてはここに断定されていることについて、ひとつ資料を提出をしていただきたい。答弁書の形で資料を御提示いただきたい、こう思います。 そこで、きょうは時間がないので、残された二、三の点について若干質問をいたしたいと思います。その前に、実はこの前もここで申し上げましたけれども、原因に四つ五つあるだろう。 一つは、新潟地震の際にあれだけたくさんあった農薬が流出した、こういうように新潟県も言っているんだから、それが原因ではないだろうか。これは、河口の患者が出た、魚がたくさん浮いた、毛髪の水銀量が非常に高い。農薬の散乱していたものを拾った、ビンを拾った、こういうような場所はみんな河口付近にしかありませんから、これが真犯人ではなかろうかと思いますし、昭和電工のほうからの反論も、多分そういうことが主体であるように私は聞いておるわけです。そういう農薬がまず原因ではなかろうかということが第一点。 それから第二点としては、この汚染地帯のどまん中にあってアセトアルデヒドをつくっておった日本ガス化学、これはまだ十分調査をされておらないようですが、これも疑わしいものの一つとして、調査をしなければならないものではないか、これが第二点。 それから第三点としては、これも当委員会でこの前申し上げましたが、この汚染地域の近くにある農薬製造会社、この会社の汚染水を地下に圧入しておる、こういうことで地震の当時クイックサンドが出て地下水があんなにふき上げた、こういう現象が明らかに出ておるんだけれども、それが、この前、加治川と申し上げて、私、間違いました。新発田川だと思います。新発田川、新井郷川を通じ阿賀野川に来たのではないか、こういう疑いが十分持たれるわけで、以上の三つは、患者の発生している中心地にあって、やはりそういう疑いを持たなければならないものではないか。一つは農薬、一つは日本ガス化学、一つは農薬製造会社が汚水を地下に圧入しておる、こういうように申し上げました。 このことについて、私は、今後もだんだん具体的に例をあげて当委員会等で質問をしたいと思いますので、きょうは実はそれに触れておる時間がありませんから、それを越えて、いま一つ、この前申し上げました散布農薬がどういうように河川を汚染しているか、こういう問題について若干申し上げたいと思うわけです。 お手元の資料3。これは、上のほうのグラフだけはこの前も当委員会にリコピーで提示したわけですが、これは河川に含まれる水銀量を佐久病院の院長で日本農村医学研究所長の若月俊一先生が千曲川で調査された資料で「農薬のはなし」というのから、私、取り出してきたわけです。この上の図表を見ると、農薬を散布した十日後には二ガンマー・パー・リットルぐらいがコンスタントに流れておる。台風の来たときには約十ガンマ・パー・リットルぐらいが流れておる、こういうことをこれはあらわしていると思います。下のほうの図表は、それよりさらにたくさんの水銀が流れていることを示しておるわけです。これは農薬散布直後においては八ないし九ガンマ・パー・リットル、降雨のときには十七ガンマ・パー・リットル、台風のときにはやはり十七、八ガンマ・パー・リットル、こういうぐあいに農薬による水銀が千曲川に流れておる、こういう実験結果をこのグラフにあらわしたものです。これをメチル水銀に換算をすると相当な濃度になって、厚生省が御指摘になったような、昭和電工鹿瀬工場が一年間に百五十キロのメチル水銀を流しておりました、こういうように疫学班は仮定をしておりますけれども、かりにそれをまるでうのみにした数字よりも、こういうようにして農薬を散布したその中に含まれている水銀の中のメチル水銀のほうがはるかに多いのだ、こういうことをこのグラフはあらわしておりますが、その下に算出基礎を若干書いておきました。下の図表で大体八ガンマ・パー・リットルから十七、八ガンマ・パー・リットルですから、一応平均として十ガンマ・パー・リットルの水銀が流れた、こういうように仮定いたしますと、十ガンマ・パー・リットルは〇・〇一PPMです。これを酢酸フェニル水銀に換算すると、〇・〇一PPMに、分子量ですから、掛ける二百一分の三百三十七ということで、これは〇・〇一七PPM、こうなる。メチル水銀量をどういうようにして出せばよいかというと、酢酸フェニル水銀の中に〇・三%のメチルが不純物として入っているわけです。ですから、そういう算式をそこに持ってまいりました。だから、千曲川のこのグラフの中においてはメチル水銀は〇・〇一七掛ける百分の〇・三ということで、〇・〇〇〇〇五PPM。これが千曲川の中に常時流れているところの農薬による水銀の中のメチル水銀、こういうことになるわけであります。 一方、厚生省あるいは疫学班が指摘されました電工鹿瀬工場の排水中には、一年間に百五十キログラム流れておる。これは喜田村先生の説でありますが、それをそのままうのみにしてここに計算いたしました。そうすると、水の量は百十万トン・パー・アワーですから、この河川の中のメチルの濃度というものは〇・〇〇〇〇二PPM。これは私、この前の当委員会で約五百億分の一ないしは七百五十億分の一の濃度です、こう言ったことなんですが、そのとおり〇・〇〇〇〇二PPMであります。したがって、これを比較したならば、農薬によるメチル水銀のほうが、疫学班の喜田村教授の指摘するのをうのみにしたままよりも約二・五倍ないし三倍の濃度のメチル水銀が流れておるのだ。阿賀野川と千曲川においては、酢酸フェニル水銀、いわゆるいもち病の農薬、その他メチル、エチルを含んだ農薬、こういうものを使う量においては、むしろ米作地帯であるから阿賀野川のほうが濃厚である、こういうように考えても差しつかえないわけなんですけれども、一応ひとしいとしても、二・五ないし三倍の濃度のメチル水銀が流れているのではないか、こういうように換算できるわけです。十七、八ガンマ・パー・リットルぐらい流れているときには、約六倍ないし七倍ぐらいな濃度のメチル水銀が流れるのではないか、こういうように実は考えるわけです。この資料についての反論もあるいはあろうかと思いますが、この資料をもとにして私は若干の質問をいたしたいと思います。 というのは、メチル水銀を流したという鹿瀬電工よりさらに上流のほうにおいて、毛髪の中から明らかに水銀がたくさん出ておる、こういうことについて厚生省は調査をされましたかという質問を出したところが、私に資料をもって答弁をしていただきました。これも全部読み上げるのはたいへん時間がかかりますが、昭和電工からはこういう調査の結果の資料を入手しております。厚生省自身もこういう調査をいたしました、こういう二つの表を私は厚生省からいただいたわけです。それによりますと、平均でいえば厚生省のは九・九PPM、約十PPMであります。昭和電工のほうの調査資料を厚生省からもらったのによると十六・五PPM、こういうことであります。そこで私は、厚生省が御調査になった、この阿賀野川全流域について、一体鹿瀬電工より下の中流あたりと、鹿瀬電工よりはるかに上流の福島県の会津地区、喜多地方地区における水銀量、こういうものをしさいに検討してみたところが、その間において有意な差が認められなかった。工場の中流と工場よりはるか上流のこの間を比較してみたところが有意な差が認められなかった。私がいろいろ計算をしてみた結果、こういうように出てくるわけです。これも説明すると若干長くかかりますので、この資料によって見ていただきたいと思うわけです。 この疫学班の報告は、だれが何PPMとなっておりませんのでよくわからないわけです。実際はそれを一まとめにして出していただきたい。そうすれば正しくわかると思いますが、それを私はそういうふうにまとめてみました。河口付近を下流地域として一番上の群に書きました。厚生省の資料をいろいろ検討した結果、そういうようなまとめ方になるわけですが、個人個人がわかりませんから平均がわからないわけです。したがって、一番右の端に、最大であったとして平均をしてみると、つまり十PPMまでの人が二百五十二人といいますから、二百五十二人がみな十PPM、二十PPMまでのものが二百九十四人、こうありますからみな二十PPM、こういうようにして最大だけで平均をしてみると、この群においては五十PPMになるわけです。これは、河口付近、下流付近における毛髪の水銀量は五十PPM、こういうようになります。これはそうならないけれども、個人個人のがわからないので、下の中流と比較するために一応そうやりました。 ところが、下流から上の鹿瀬電工から下のその付近を私は一応中流と銘打つことにして第二群に入れました。これもやはり同様に十PPMまでのものが八人、それから二十PPMまでのものが一人と、こうありますから、そういう最大だけをみな合計をしてみますと、最大の合計の平均は二十PPMになりました。こういう数字しか見せてもらえないので、これはしかたがない。だから、中流と下流との平均は五十対二十だ、こういうように、河口付近の毛髪の水銀量と中流における水銀量とは、きわめて有意な大きな差がここに出ておる、私はこういうように、この資料だけで比較していただけるのではないか、こう思います。 これから次が問題です。そういうことでは、上流との比較になりませんから、今度は工場排水よりはるか上流の会津地区あるいは喜多方地区というものを一番下の第三群として書きました。これは厚生省からいただいた資料を、個人個人がみなわかっておりましたので、私はそれを合計して右の欄に書きました。一番下の第三群の右の欄です。昭和電工でやったという、厚生省からいただいた資料によると、平均十六・五PPMと会津地区はなっております。厚生省でやったという喜多方地区の平均は九・一五PPMになっております。厚生省がやりました会津地区の平均は十一・〇PPMになっております。これと比較するために、中流をなるべくこれに比較しやすいために、私は中流でこういう計算をいたしました。ゼロから十PPMの人は平均五とし、十PPMから二十PPMの人が二人とか一人いると書いてありますから、それを平均十五PPMとし、そういうぐあいの平均のしかたをして、その右に書いた中間値で平均してみると、こういうふうになる。こういうふうに書きました。中間値で平均してみると十三・三PPMであるわけです。中間値でそれは平均をした。その意味はわかっていただけるでしょうか。個人名がわからないので、そういうような便宜的なことをやるよりしかたがなかったわけです。 そうすると、こういう結論が出るわけです。鹿瀬電工から下流までの間を中流といたします。中流は十三・三PPM、鹿瀬電工よりはるかに上流の福島県へ入って平均をしてみると、十六・五PPM、九・一五PPM、十一・〇PPM、こういう結果になるから、私は、工場の上と下とにおいては、毛髪水銀量に有意な差が認められない、上も下も同じである、こういうように、この毛髪量から断定できるのではないか、私はこういうように考えるわけです。 厚生省は、先ほど「広域汚染については患者発生地域から上流鹿瀬町までの住民の水銀の保有量の調査結果から上流にも異常に高い水銀の保有者が発見されていることから局地汚染とは考えられなかった。」こういうように言っております。これは異常に高い人が一人だか二人いたことを取り上げて、たぶん百PPMある人が中にいたからということですが、この図表の中流の中にそれを含めて私は平均をいたしました。それから百PPMだ、何PPMだという人はほかにもたくさんおるわけです。たとえば、厚生省が私に出していただいた資料の会津地区においても三十PPMも高い人がおるわけです。あるいは若月先生の資料によれば百PPMの者もありますと文献に載っておるわけです。だから、これは特別な人をここに書いてあるようですが、これまた、あとで論争するといたしまして、とにかく私がこういうように比較してみたところによると、中流と下流との間にはきわめて有意の差が認められる。ところが、中流と上流の間においては有意の差が認められない。こういうことをもってしても、私は先ほど資料3で申し上げましたけれども、水銀農薬が毎日川を汚染しておることにおいて非常にその流域に影響があるのだ、こういうように考えざるを得ないわけです。この点について、ひとつ厚生省の御所見を承りたいと思うわけです。
○松尾説明員 農薬が川をよごした、特に流出した農薬ではなくて、農業用に使用された農薬がよごすかどうかという問題につきましては、御承知のとおり、疫学班その他におきましてもすでに検討されておるわけでございまして、それぞれの川の流域におきまして、どの程度のものが、どの程度使われたかということも報告をされておりまして、そういうことも一応考慮に入れました上で、使用された農薬というものが原因と考えられるかどうかという検討はなされております。たとえば、信濃川と阿賀野川というふうな両流域における農薬の使用量ということも一応検討された結果として、二つの川のまたいろいろな相違点というものがそれで説明できるかという検討がなされた結果としまして、一応農薬を使われたことによるものとは考えにくい、こういう説に立っているわけでございます。私も若月先生のこういうデータがどの程度のものでございますかよく存じませんけれども、かりに、もしこういう農薬によりまして河川が汚染されていることによる水銀中毒患者だという前提に立ちましたならば、日本じゅう、きわめて広い地域にわたって農薬が使われておるわけでございまして、そして、このグラフにございますように、雨が降ったりすることによりまして、確かにこういうふうに川の水の中に水銀がふえるということがあり得るかと存じますけれども、もしそういう前提に立つといたしましたならば、いろいろなところの河川で、やはり水俣病的なものが起こってこなければならぬという問題も当然考えらるべき問題ではなかろうか。ここに千曲川の例が出ておりますけれども、千曲川の量のほうがかりに多いといたしましたならば、千曲川のほうにこそむしろ患者が出てくるという現象があってもいいはずでございますけれども、そういうことは、いままでのところ何にも証明されておりません。そんなことも一つの基礎として判断の中に加わっておるというふうに考えていいかと思います。 それから、先ほど、あとで御指摘になりましたこの水銀の広域であるということの証明といたしましては、すでに調査班の報告の中にあると存じますけれども、千四百五十八名という調査者の中で二十PPM以上というものが四百七十二名でございまして、その程度の者がいわゆるその中流以下のところに散在をしているという分布の状態、そういったことで、また、二十PPMというのは、先生も御存じのように、一般に日本の米や何かから入ってくる水銀という点から考えれば、むしろこれは高いほうと考えるべきであろうという定説のようでございますが、そういう点から見まして、二十PPM以上の人に四百七十二名というものが分布しておったというようなことから、やはり広域の汚染だ、広い地域の汚染であるというふうに考えるわけであります。私の記憶に間違いがなければたしかそう言っておりますけれども、やはりその差の中では下流地区のほうにかなり濃い汚染があったということは、調査班も認めておるはずでございます。ただ、広域であるというふうな考え方の中には、いま申しましたような四百何がしかの人間が二十PPM以上を示しておった、そういう分布のプロットをした上から見まして、やはり狭い範囲とは考えにくいという結論を出した、こういうことでございます。
○小沢(貞)委員 私の質問している焦点がどうもぼやけたような返事をしていていけないと思うのです。私の言っていることは、この表を見たとおりに、とにかく中流と上流とにおいて有意の差が認められないが、そういうことはどうでしょうか、こう言っているわけです。平均したら、中流においては十三・三PPM、上流においては十六・五から十一・〇、九・一五、こういうようになっているので、私はいわゆる工場を境に上流、中流、こう言っているわけですが、中流と上流の間には有意の差がないじゃないですかと言っているから、数字によってお答えして、認められませんと言うなら言うでいいし、私の表が間違っているなら間違っているでもいいし、そういうことを言っていただかないといけないわけです。 もう一つは、今度はマキシマムで比較する以外に方法はありませんでした。おたくのほうで出してくれたその疫学班の結果を見ると、マキシマムで平均をしましたけれども、二十対五十ということは、中流と下流との間には有意の差があるではないか、河口だけが特別汚染をしているという事実があるではないか、こういうように言っているわけです。その数字の事実だけでいいわけです。
○松尾説明員 この数字だけ拝見いたしますと、そういうふうな印象もございますけれども、いわば統計的な有意の差の検定ということになりますと、見ただけの数でお答えするというわけにはまいりません。やはり誤差率、危険率を加えました一応の数学的な検定をやらなければ明確な答えを申すわけにはまいらないと思います。 ただ、ここで下流地区が明らかに汚染が高いではないかという事実は、これはもう疫学班も認めておるとおりでございます。下流のほうが汚染が鈍いとか低いという説は決してなされていないはずでございます。
○小沢(貞)委員 中流が汚染されないものが下流が汚染されるということは世界じゅうを通じてない、原理、原則としてない、排水汚濁の原則上、世界にそういう原理がないと思うから、私はそのことをこの前からくどくも言っていたわけです。中流においては二十PPM平均、下流においては五十PPM平均ということは、上から流れてきた水によってそういうことがあり得ない。これはいかなるところを通じてもそういうことだと思うので、この毛髪量についても、中流と下流の間に有意の差があるではないか。工場のすぐ下と上とにおいては、水銀量については有意の差がないではないか、同じではないか、こういうことを私は言っているだけです。この数字だけ認めていただけばいいと思いますから先に進みたいと思います。 水俣病的なものが起こってこなければならないと、こう言われました。農薬の中で、私が発言するようなぐあいに十ガンマ・パー・リットル、そういうものが千曲川に流れている、あるいは阿賀野川に流れているということを前提にすれば、それによって水俣病が起こってこなければならない、こういうことを前提にいま答弁されたようです。私は起こらないのが当然だと思います。したがって、農薬の中のメチル水銀よりさらに三分の一とか十分の一とかいう少量のものが昭和電工鹿瀬から流れてきた、こういう事実に基づけば、当然それは起こってこない。農薬のほうでも起こってこない。したがって、昭和電工のほうでも起こらなかったのが当然だ、こういうことが言えると思うわけです。これはどうですか、局長、農薬から出てくるメチル水銀のほうが、お医者さんが指摘された、疫学班が指摘されたことをそのままに受けとめた昭和電工鹿瀬より流れてくるのより、メチルの量において三倍ないし多いときには六、七倍多い、こういう数字が出ているわけです。こういうことを比較した場合に、これは汚染源は昭和電工鹿瀬である、こういうように言えますか、と、こう言うのです。
○松尾説明員 水の中における農薬の水銀の量だけを取り上げて、そういうふうな結論になるかどうかというふうなことを申されますと、私は先ほど申しましたように、方々の川における水俣病というものをやはり当然問題にすべきだというふうに考えるわけであります。特に、水俣病の成立要因といいますか、そういうものとしましては、短期に水銀中毒が起こってきて起こるというものとはされていないわけです。やはり長期にわたって蓄積汚染されてくるということが水俣病を起こす一つの要因だというふうにされておりまして、短期間的に起こってくる水銀中毒はもっと急性中毒的なもので勝負されてしまう、ああいう慢性的なものとしてはやはり長期にわたり摂取されて蓄積されていくということが一つの原因だというふうにされておるわけでありまして、そういったような要因も含めまして、いわゆる農薬によるというような考え方というものが、地域的な分布その他から見てもやはり考えにくい、私はそう考えていくのが疫学的あるいは臨床的にも当然ではないかと考えます。
○小沢(貞)委員 一つ一つことばじりをとっているとたいへん長くなりますが、長期にわたって汚染をしていると、こう言われるでしょう。そのニゴイは何年生きますか。ニゴイのさしみを食べたから中毒になりましたというが、ニゴイは三年か四年しか生きないでしょう。三年か四年しか生きないものが二十年も三十年もの間の汚染によって悪くなるということができますか。短期以外にないじゃないですか。
○松尾説明員 ニゴイの寿命は、たしか新潟の水産研究所でございますか、約六年とされているようでございます。 ただ、そういう短い寿命のもので長期になるかとおっしゃるわけでありますが、魚齢の高いものから水銀量が多く出るということは、すでにこの試験研究班でございましたかも証明しております。決して一匹の魚だけで起こってくるわけじゃございませんで、二年か三年しか生きないかもしれませんが、そういうものを繰り返しその土地の人が食べているということが、やはり水銀が生きた人間の体内に蓄積する要因だというふうに考えられております。一つの魚の寿命だけではない、それを何回も繰り返して食べていくということに関連があるわけであります。
○小沢(貞)委員 それでは、こういう質問をするから、ぴしゃっと答えてください。 昭和電工鹿瀬の下流約十キロのところにダムがあります。ダムの上でも盛んに魚を食べていました。ダムによって水がせきとめられるわけです。汚染をするというなら、そのダムでせきとめられたところがまず汚染をされて、河口にあったと同じように、魚がそこでぱくぱくと浮いたとか、そこの付近の毛髪水銀量が特に高いとか、そういうことがあるならば、その上流の鹿瀬電工の汚水であるということがわかると思います。ダムでせきとめられたところにおいては魚が一匹も死にはしない。その上においても毎日のように魚をつって、河口よりももっと魚を食べていた人が一人本中毒にならないのに、なぜ六十キロも離れたところの人だけが中毒になったということをひとつ証明してみてください。これは、私がこの前言ったように、排水口のところで汚水を飲んだ魚がトビウオみたいに六十五キロも飛んでいかなければ、そういう現象は起きないわけです。私は一つ一つみんな違うことだと思うのです。ニゴイの寿命についても、長期汚染というんだから、うんと長い寿命かと思えば、四年か五年のことです。だから、いまそういうように言われたから、それじゃ上流の人はなぜ中毒にならないのか、それを証明していただけばいいわけです。
○松尾説明員 逆の見方をいたしますれば、下流の人で魚を食べた人がすべてかかるだろうかという問題もあるはずでございます。やはり先ほど来申し上げておりますように、反復そういう魚を大量に食べていく、そういう食べ方というものとも——疫学班の研究にもごさいますように、食べた時期と毛髪水銀量の関係もグラフで示したものもあったように思いますが、やはりその食べ方の問題、生活様式でございますとか、職業の状態でありますとか、そういうことは答申のほうに承載っておりますけれども、そういう生活の態様というものとかみ合わさって起こってきているというものでございまして、単に、そこにそういう魚がいて、それを一匹食べたからあるいは二匹食べたから起こるという問題ではない。そういうことから、やはり下流の方に相当危険があったはずでございます。その中で二十六名の方が発症したというような経過をとっているわけでございまして、私は、そういう総合的な生活態様の問題等も含めて考えていかなければならない問題だというふうに理解をしております。
○小沢(貞)委員 そういう抽象的なことでごまかさないでください。ダムの上にいて魚を食べた者は一人も中毒にならない。ダムから下の河口の一部分だけが中毒になった。それじゃ生活様式がどういうところが違うか、こういう資料を出してください。そういうところは、疫学班はどこかで調べましたか。そういうことを一つ一つ具体的にやってください。抽象的ではだめです。私は、農薬だとするとメチル以外にもまだ出てくるはずだということを言っているから、その前提もきょうはみんなひっくり返します。それは、またあとでだんだんやりますが、とにかく、ダムより上で病人が出なかったものが、なぜ河口へ行ってだけ、少部分のところにだけ出たかということを具体的に、科学的に言ってください。生活様式がばく然として違います、そんなのは答弁になりませんよ。こっちのほうは、一日に何回どういうところの魚のどういうところを食べたから下の人は完全にかかった、ダムから上の人はどういう食べ方をしたからかからなかった、そういうぐあいに、具体的に、科学的に言ってもらわなければだめです。抽象的に、総合的にということばじゃだめです。それを証明していただければ私は納得します。ダムの水が停滞をする、その上のほうで一人も患者が出ないものが、飛び越えていった河口のごく少部分にだけ患者が出ているということはなぜか、証明をしていただきたい。
○松尾説明員 上流のほうでも食べた方で接触の状態——ケースは少ないかもわかりませんが、魚を食べたということと関連をして、毛髪中の水銀量が高いと考えられる例も発見をされております。ただ、その方々がはたしてその中毒になるのかならぬのか、それを一々証明をしろと言われましても、こういう臨床上の問題を全部一列ずつ証明し尽くすということは、私ども非常に困難かと思うわけであります。ただ、河口の下流で現実に発生をしたところでは、魚の摂取量、あるいはそれを食べるような生活状態、職業といったものとの関連はかなり強く調べられておるわけでございます。
○小沢(貞)委員 同じような答弁はいいです。時間がないから、具体的に……。それはそういう答弁をされたのだから、もうすでに調査されてあると思います。その資料をひとつ出していただきたい。局長の勘じゃだめですよ。疫学班のこういうような資料に基づいて、とにかくダムの上にはないのがあたりまえ、ダムの下には出たのがあたりまえ、しかも、それがダムの上流の汚染である、こういう結論を出されているのですから、これはひとつ具体的に、科学的に、いままで調べた調査に基づいて——これから調査をしてはだめです、結論を出してあるのですから。いいですか。私がずっと過去の経過を見て、たとえば通船用に閘門がなかったじゃないかというような反論をされると、あとから調べて、ありませんでしたとか、新井郷川の流れが違うじゃないかと言ったら、結論を出したあとで、申しわけありませんでした、違っていましたとか、こういうことをやったってだめですよ。ダムの上と下で、どうして上のほうには病人が出ないで河口にだけ出たか、こういうことを、生活様式の違い等を言われたのですから、勘で言っていたのではだめですから、過去において厚生省が、八月三十日以前にどういう資料によって調べたか、その資料をひとつ出していただきたい。いいですか。その資料を間違いなく出していただいて、こういうようにダムの上には病人が出ないんだ、河口だけはこういうわけで出たんだと、その証明をしてもらう資料を出していただく、それが出ないならば、この結論はだめですよ。 時間がないから、それは資料を出していただくことにして、先ほどの国立衛生試験所の動物実験の成績は、動物体内において水銀化合物が変化しないこと、与えられた水銀化合物がそのまま検出されること、こういう問題について、とにかくその資料を出していただきたいということで、ナンバー2に添付したような資料を出してくれました。ごく簡単にこの資料の意義を説明していただきたい、こう思うわけです。
○松尾説明員 この資料の国立衛生試験所における毒性実験の一番最後のところに相当するパラグラフのところでございます。要するに、EMC−3というような塩化エチル水銀、これでやりました動物実験では、それに相当するスポットがあらわれておる。他のアルキル水銀やフェニル水銀のスポットは見られないというようなことでございます。それから、ほかの例では非常に検出量が少なかったというために、御承知のとおり、内容の同定はできない。これは技術的な問題でございます。したがいまして、塩化エチル水銀が動物に与えられておった場合、それはやはりエチル水銀として証明をされた、その他の水銀は発見できませんでしたというところが、この研究成績の一番意義のあるところかと存じます。
○小沢(貞)委員 これは、農薬が原因であるということを否定する資料として、これをやられたわけですね。そうですね。
○松尾説明員 農薬であればエチルというものがたくさん使われておる。それが入ってくれば当然証明できるであろう。ところが、それが実態としては一つも出てこなかったということでございますので、やはり農薬説を否定する一つの根艇でございます。
○小沢(貞)委員 農薬からはメチルしか出てこない、こういうわけです。化学的にそうなんです。どうしますか。これは口から与えているわけでしょう。たとえばエチルとメチルが最初からある農薬、たとえばソイルシンは初めからエチル毛メチルもあるわけです。あるいはウスプルンだのルベロンだのというのは、製造工程中にメチルが副生する。これはようございますな。これはいいわけですね。それから酢酸フェニル水銀、これは、有機水銀農薬の中の九割はいもち病に使う酢酸フェニル水銀です。これは原料が酢酸水銀であって、脱炭酸反応等でたやすくメチル水銀が副生して、そうして混在する。酢酸フェニル水銀の中には、その製造工程上メチル水銀が副生しておる。これは理論的にも、実際的にも明らかになっておるわけです。お医者さんを主体にした疫学班ではそういうことはわからないかもしれませんけれども、これはもう今日の学界においては定説になっておる。酢酸フェニル水銀の中にはメチル、しかもアルキル水銀としてはメチル以外にはないんだ。こういうことはいいですね。
○松尾説明員 酢酸フェニル水銀の中にメチル水銀というものがあるということは認められております。試験研究班の分析ではそれが〇・〇一%出ているというようなことも認めております。
○小沢(貞)委員 そうすると、メチルとエチルが混在する、たとえばメチルは永溶性が高い。エチルは土壌吸着性が高い。したがって、メチルとエチルとあるものは、エチルのほうは土壌のほうに吸着されてしまいます。メチルだけが水溶性が高いものだから水の中にあります。だから、これは口から与えられた実験をいっているのですが、農薬が水の中に流れていった、そういう場合においては、エチルというものは土壌に吸着してしまう。メチルだけが水溶性が高いので水に溶けている。こういうことなんだから、水中における魚というものはメチルしか飲む可能性というものがないわけです。だから、メチルしか出ないことが農薬ではないという理由にはならない、こう言うのです。土壌吸着性がどっちが高いかということは、文献によっても、片方は五千倍も水溶性が高い、エチルのほうは十倍も二十倍も土壌吸着性が高い。そういうことがはっきりしていますから、そういうことになれば、メチルしか出てこないのがあたりまえではないか。それで農薬を否定する根拠にはならないのではないか。こういうわけです。どうですか。
○松尾説明員 もし、いま先生が指摘されましたような仮定に立ちました場合、例をあげられましたソイルシンでございますとか、そういう中にあるエチルの水銀剤が燐酸塩の形で入っているという説がございます。要するに燐酸塩のエチルであれば、これは非常に水に溶けやすい。しかし、また、同時に、メチルがヨード塩であった場合には溶けがたいといった、こういう問題が出てまいりまして、もしエチルのほうが燐酸塩であったとすれば、溶けやすい。そうしますと、水の中に溶けてまいりますので、先生のようなお説に立てば、そのエチルのほうが魚のほうに入ってくる。こういう形も出てこなければならぬわけだと思いますけれども、その辺はやはりエチルが魚の中に入ったという証明もいままで出ておらないということから、一応その説も私どもはとりがたいのではないかと考えております。
○小沢(貞)委員 エチルが水溶性が高くて、水の中にたくさんあるという文献は、いかなる博士のどういうものですか、教えてください。
○松尾説明員 水の中に多いという意味ではございません。
○小沢(貞)委員 いや、水溶性が高い、こう言った。
○松尾説明員 溶解度が高いかどうかということは、各種の水銀剤につきましてもいろいろ調べたのがございます。
○小沢(貞)委員 それを具体的に教えてください。
○松尾説明員 非常にたくさんの資料がございますが、あとで資料で差し上げてもけっこうでございます。
○小沢(貞)委員 こういうことですよ。エチルも水溶性が高い、こうおっしゃっているから、私は、エチルというものは土壌吸着性が高い、メチルのほうは四千倍も五千倍も水溶性が高い。したがって、その水を飲む魚というものは、農薬の害であってもメチルしか出てきません、こう言っているわけです。ところが厚生省の言うのは、エチルとメチルが両方出てこないから、これは農薬でないと、こう否定をしておるわけです。だから、エチルが水溶性が高いという論文があったら教えていただきたい。これはひとつ資料として出していただきたい。きょうは時間がありませんから、これはいつ幾日までに——もうすでに八月三十日に結論を出してあるのですから、これから研究して資料を持ってきますということをやってはいけませんよ。結論を出したのだから、過去どういう検討をして、そういうことをやりました、こういうものを出してもらわなければいけません。いいですね。過去においてそういうものをやった、こういうことです。
○松尾説明員 各水銀剤の化合物の溶解度に関しますものは、直ちに提出いたします。
○小沢(貞)委員 いまの資料の「水銀化合物の慢性毒性実験、毛中水銀星」とあるまん中のPMA、酢酸フェニル水銀、これは蓄積量がどうですか、平均値、ラット・ナンバー幾つ、こう書いてあって、1の平均値一・六あるい右のほうは二・一、PMA−2のほうは一・五、〇・五、それからPMA−3の平均値は一・九、二・五、これはネズミはどうですか、酢酸フェニル水銀は体内に蓄積しない、こういうことになるわけですね。これは厚生省で出した資料です。資料2のまん中の欄のPMA−1群は、一・六、二二PPM、こう書いてあります。PMA−2群は一・五、〇・五というふうに出ています。PMA−3群は丁九、二・五、こういうように出ています。これは酢酸フェニル水銀がネズミの体内には蓄積しない、こういうことだと思います。これはいいわけですね。 それで、その蓄積しないのは、ネズミの中から排せつ物として出ていってしまうか、あるいはじん臓か何かにたまっておるか、どっちか、そういうことなんでしょうか、この資料の意味するものは、こんなに与えても酢酸フェニル水銀はネズミの体内にはたまらないと、こういっておる。
○松尾説明員 このデータで排せつ物まで追及しておったかどうか、ただいまつまびらかではございませんが、一般的には排せつされると一応考えるのが妥当だと存じます。
○小沢(貞)委員 そうすると、酢酸フェニル水銀をこれだけ口から与えていって、一番上のは〇・一PPM一年間やったわけです。その次には二・〇PPM一年間、その次は四十PPMを一年間やっても、ラットの中にはフェニルは蓄積しませんと、こういうわけです。ところが、この前のこの委員会か公害委員会において、フェニルが出てこないから、これは農薬じゃない、こういうことを小林委員長は言っておりました。エチルも出てこないし、フェニルも出てこないから農薬ではない、こういう農薬否定の材料として、フェニル水銀も出てきません、エチルも出てきません、こう言いました。エチルが出てこないのは、先ほど私が申し上げたとおりです。フェニル水銀が出てこないのは、はからずも厚生省でこういうふうに実験をしたとおりです。ラットを魚に置きかえてみれば、それでいいわけです。だから、こういう状態になってはフェニル水銀が人間の中に入ってきっこないわけです。だから、フェニルが入ってこないから農薬ではない、エチルが入ってこないから農薬ではないと言っておるけれども、エチルも農薬においては入ってまいりません、フェニルも入ってまいりません。これはこういうことを証明しておる資料になりはしないですか。
○松尾説明員 水俣病の起こりました原因は、先ほど私が申し上げましたけれども、要するに、フェニル系統のそういう中毒ではない、臨床的にそういう前提に立っておるわけであります。これは、臨床的あるいは病理解剖学的に申しましても、こういう酢酸フェニル系統の水銀による中毒ではないのだ、それが一つの前提でございます。
○小沢(貞)委員 私はフェニル系統だと何も言っておるわけじゃないのです。フェニルが出てこないから農薬ではないと否定しておるけれども、フェニル水銀に副生するメチルによってやられた。メチルによってやられたということは、おたくも私も一致しておるのです。フェニル水銀を言っておるわけではない。フェニル水銀を製造する過程においては、メチルが出てまいります。そのメチルによってやられたのだ、こう言っておるわけです。それを小林調査会委員長や厚生省は、農薬ではない理由は、フェニル水銀も出てこない、エチルも出てこないということを理由にしておるから、それは間違いだ、こういうことを言っておるわけです。いいですか、反論できますか。農薬否定の重大な原因が、私みたいな反論にあって答えができないような厚生省の結論、どういうことなんです、これは。農薬を否定したことが間違いであった、こういうことになりはしませんか。要するに、農薬をろくに調べなかったのは、フェニルやエチルが出てこないから農薬じゃないと最初から前提にかかっているのです。もう一つは、北野衛生部長ですか、あの人が農薬じゃないと政治的に発言して以来、農薬をオミットしちゃった、こういうことだと思う。だから、農薬が原因の中毒であっても、メチルしか出てきませんという証明が出されたら、厚生省の前提は全部ひっくり返っちゃいますよ。いいですか。
○松尾説明員 決して農薬を根拠から落として調査を省いたりというようなものではございませんで、先ほど申し上げましたように、使用量でございますとか、その種類でございますとかいうことについて、どの程度のものが使われたかということについて非常にこまかく調べ上げた上での一つの方向づけをしているわけでございまして、決して農薬を否定したような研究発表やあるいは先入観的にそれをはずす、こういう態度でやられたものではございません。
○小沢(貞)委員 せっかく資料をつくってきたから、ひとつこれもついでに——こういう間違ったことばかりやっているから私は言っているわけです。だから、私の答弁にいまの答弁はなっていないわけです。いいですか。答弁になっていないんです。あっちこっち総合的にやりました、何的にやりましたというばく然としたことだけなんです。私の質問は具体的だ。先ほど来のダムの上流、下流の問題とか、エチル、それからフェニルの問題具体的ですよ。それに対する答弁になっていない。 ところが、もう一つ重要なことは、たとえばこういう間違いをおかしているわけです。いまそこへお配りしたのは、疫学班が調べた信濃川と阿賀野川における魚の水銀量において、信濃川のほうが阿賀野川よりも少なかった、こういう意味のことをこれは言いあらわしたくてこの表をつくったものらしいのです。これは疫学班のこの中からリコピーしてきたものです。疫学班の報告書の中から、四〇三ページからこれはとってきたわけです。ところが、その一番終わりのところをちょっと見ていただきたいと思います。最後の行に「特に阿賀野川の四歳魚のニゴイについて経時的変化をみると四十年六月−七月には七・六七PPM、四十一年一月−七月には二・五五PPM、四十一年十一月−十二月には一・五九PPM」ということで、この一年半ばかりの間にこれだけ量が減っているわけです。約五分の一近くに減っていると思います。それは認められるわけです。これは疫学班の報告のとおり、時間とともにそのPPMが減っているわけです。ところが、ここに掲げてある表は、同じ時期に同じように比較していないじゃないですか。たとえば、この表の一番下のマルタ四歳魚、信濃川のほうは昭和四十二年一月、阿賀野川のほうは四十一年四月、そういう比較じゃないですか。時間が一年もたてば五分の一に滅ってしまいますということを自分で書いているじゃないですか。それを阿賀野川のほうのはえらく早くとって——私は、一時濃厚の汚染があったと思います、地震のときに農薬が流れたというような。だから、地震のときに近いほど、そのときの魚は汚染されていなければならないはずです。それを阿賀野川のほうのは四十一年四月にとって、信濃掛のは四十二年にとってあるわけです。そこのPPMを比較したって、これは比較にならないわけです。その上の欄を見てください。阿賀野川のほうは四十一年十一月、信濃川のほうのは四十二年一月、その上のフナの五歳魚、阿賀野川のほうのは四十一年四月、信濃川のほうのは四十二年一月。その上がフナの四歳魚、阿賀野川は四十年七月、信濃川はまた二年もおそい。その上だけは四十一年一月、これはどういうことか大体同じ時期のようですが、こういうぐあいに一年も一年半も信濃川のほうがおそくとってあるということは、あなた方がここで証明しているとおり、五分の一にPPMが減ります、こういうことなんです。そういうことを自分で証明してこういうインチキな表を出してあるのじゃないか。それで阿賀野川のほうが濃厚汚染があった、同じ農薬でも信濃川はなかった、こう言っているわけです。 もう一つ、ついでに言いますけれども、この信濃川のはどこからとりましたか。そういうことを全部資料を出してください。信濃川のは河口上流四十キロも五十キロも上でとっているじゃないですか。一年も一年半もおそくて、河口から四十キロも上でとっているんだ。阿賀野川のは河口のほんとうの病人の出たそのどまん中でとっているわけだ。日時が違うということ、もう一つは河口から四十キロも上でとっている、こういう違いをやっているわけです。だから、この資料もインチキです。そういうインチキの上に基づいたものを総合的にいろいろ判断の上で、と局長は前から言っているわけですが、私に時間をかしていただくならば、全部私はこのインチキを暴露する。その暴露は、最初から農薬でないんだときめつけた、そのことがもとなんだ。みんなそういうように結びつけよう、結びつけようとして、こういうインチキデータを出している。どうです、局長。
○松尾説明員 農薬を排除していることがインチキだということをおっしゃいますけれども、そういうデータ等の、御指摘のように時期の違いというようなものなどは確かにあるようでございます。ただ、決してそういう先入観でやったものではなくて、事件が発生以来すぐにいろいろと考慮しながら検査を進めていく、そういう過程において出てくるいろいろなテーマをそれぞれの時点で最大限に調査をしていく、こういう態度から出てこざるを得ないと思いますので、そういった点については、一点、一点多少のそういうふうな疑問の点あるいは御指摘のような点があるかもしれませんが、全体的にそういうでっち上げをするとか、そういう構想のもとに進められたものではございません。やはりあらゆる可能性を検討して、そうして、その時点において得られるだけの資料を得るという努力をして研究班が集めてきたものでございます。
○小沢(貞)委員 時間ですから質問を終わります。ひとつ、とった場所と日時と、このもとになる全部のものを出していただきたいと思います。とった場所と日時、信濃川と阿賀野川と、こういうふうに区別されている、この表は集約されて平均みたいになっているところもあるし、片方はあれだから、それを全部出していただきたい。それで局長は、前局長のやったことをたいへん恐縮ですが、私は、前からずっと見ていると、インチキであった、こういうように見るわけです。農薬犯人説を回避しよう、回避しようということは、北野衛生部長の最初の新聞発表以来そうなんですから、それはまあいいです。後任の局長さんにたいへんいろいろ申し上げましたけれども、実はこれは重要な問題だし、私はあんな上流のものが河口にだけぽこっといって汚染することは、世界じゅうを通じてあり得ないと信じているがために質問をするわけですから、きょういろいろお願いをした資料についてはなるべく早く出していただきたい。これは何も厚生省のメンツにかけてということではないと思います。真実を発見しなければならない、こういうことだと思いますので、御検討をさらにいただくようなぐあいにお願いし、資料はひとつすみやかに出していただく、こういうようにして、きょうは質問を終わりたいと思います。どうもありがとうございました。
○矢野委員長 本日は、これにて散会いたします。 午後一時四十八分散会