科学技術振興対策特別委員会 第3号
- 発言数
- 131 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1967/10/11
会議録
○矢野委員長 これより会議を開きます。 科学技術振興対策に関する件について調査を進めます。 農薬の残留毒性の科学的究明に関する問題について澤質疑の申し出がありますので、これを許します。小貞孝君。
○小沢(貞)委員 私は、阿賀野川の河口付近に起こった中毒事件に関係して、最近、食品衛生調査会あるいは厚生省で結論を出されたようでありますので、その問題について幾多の疑問がございますから、御質問申し上げて解明をいたしたい、こういうように存ずる次第であります。 私も、工場排水汚濁の問題について、少しは研究した者なんですが、どうも今度の結論については全く納得のいかぬ点があるわけです。私たち、排水汚濁の問題について、これは定理といいますか、原理、原則として考えていることは排水汚濁においては、排水の出口から中流、そういうような途中に汚濁のないものが、さらに先に行って害を与える、こういうことは世界を通じてあり得ない、こういうように考えます。 今度の問題は、七十キロ近い上流に原因を求めている点、どうもこれは原因がはっきりしませんようですけれども、具体的に工場の名前をあげてやっておりますから、これは重要な問題だと思いますので、その点について質問をしたいと思います。 まず第一に、私のお尋ねしたいことは、この朝日新聞の四十二年九月四日、約一月ばかり前に、厚生省の食品衛生調査会がこの問題について結論をつけたあとで出された社説に「不備だった原因調査」、こういうことで社説が載っているわけです。「特別研究班の原報告と昭電側が提出している反論資料の両方を、先入観なく検討すれば、特別研究班の調査にもいくつかの手ぬかりがあったことを認めないわけにはいかない。とくに昭電側が指摘するように農薬の保管と流出の状況については、地震直後の県当局の通達をみても、かなりの混乱があったと認められるにかかわらず、その調査を最初から軽視したふしがある。中間報告は、信濃川と阿賀野川を結ぶ通船川の途中に閘門があるとしていたが、地震当時にはそれがなかったという昭電側の指摘で訂正している。これなどは、調査全体の信頼性を傷つけるといわれても弁解の余地はあるまい。」云々、こういうように出ております。「さらに、患者が下流地域のみに発生し、上流には発生していない理由の説明も、必ずしも十分人を納得させるものではないように思われる。」こういうように出ておるわけです。私も、途中で害を与えなかったものが、なぜ六十五キロも下流に行って害を与えたかということについて、実は全く納得がいかないわけです。あの結論だけ見ると、工場の排水を六十五キロ下までサイホンか何かで別に流してきて河口へ行ってあけるか、あるいはまた、工場排水の出口でもって魚がその水を飲んでトビウオみたいに六十五キロ飛んでいって、河口へ行ってぱくぱく浮き上がってきた、こういうような事態でも起こらぬ限り、あの結論にはどうも承服ができない、こういうように考えるわけです。そこで、その不備だった原因調査について、どういう点が不備であったか、厚生省から率直に反省を聞かしていただきたい。何と何が不備であったかという点について、この社説にさえ載っておるわけですから、十分御承知のはずだと思いますが、その点について、まず第一にお尋ねしたいと思います。
○松尾説明員 お答え申し上げますが、その前に、たいへん恐縮でございますけれども、一言お断わり申し上げます。 私、去る九月十九日付でこちらに参りました者でございます。たいへんむずかしい問題の細部につきまして、まだあるいは勉強が不十分かと存じますが、一応私がいままで引き継ぎまして勉強いたしました点を通じまして、お答えを申し上げたいと思います。 御指摘の点は、特別研究班におきまして何か調査に不備があったのではないかという点でございますが、これはすでに前にも前局長からもお答えがあったかと存じますが、たとえば農薬の保管上等の資料につきまして、あるいはその後にとられました県のいろいろな資料、指示というようなものを通じましても、最初のときの県の状態というものが、非常に混乱をした大地震のときの情報に基づいて手を打っておった。そういった点については、確かに不備があったというふうに考えておりまして、その後は疫学班におきましても、できる限りの資料によりまして、その点について正確を期するという態度で臨んでおります。こういう点が第一かと存じます。 それから、なお、先般も御指摘があったようでございますが、新井郷川と阿賀野川との流水問題ということにつきましても、疫学班が、当時、地震直後の四十年十二月、そのときにおける現地の状況を中心といたしまして、あのような結論を出しておったということでございますが、それが必ずしも従来の、以前の状態における状況を、疫学班がそのまま完全に認めておったかという点については、御指摘のような多少不備の点があったのではないか、かように考えております。
○小沢(貞)委員 この社説にも具体的に載っているわけです。それだから、具体的に聞きたかったわけです。たとえば通船川に閘門がなかったか、あったかという重大な問題について間違っているわけです。あるいはまた、その地震当時農薬があったかなかったか、こういうような問題についても間違って、途中で訂正をしているわけです。あるいはまた、分析のしかたにおいても指摘をされて、またやり直すとか、もう一回やってみなければいけない、こういうような数々のことがあったわけです。そういう過程を経ながら、疫学班あるいは食品衛生調査会は、この間の結論みたいなものを持ってきたわけです。それで八月三十日に食品衛生調査会が結論らしいものを出した。それに対して、厚生省は特別つけ加える意見なし。こういうように実は経過を聞いているわけです。 ところが、新井郷川の流れの変わったことが、厚生省やあるいは食品衛生調査会が結論を出したあとで、わかり、そこに流れが違っているという重要な問題について事実誤認があったわけです。その経過については、新しい局長おわかりでしょうか。食品衛生調査会が結論を出した後に、新井郷川の流れが違っておるという重大な事実誤認があったわけです。お手元に資料5というのを差し上げてあります。私、絵を書いてきました。局長はあるいは十分お聞きでないと思いますので、この絵について、どういうぐあいに間違っておったかということを若干御説明したほうがいいと思います。この事実誤認が、結論を出すのに重大な影響がある、しかも、食品衛生調査会で結論を出したあとで事実誤認があったということもわかった、ここが非常に重大なところです。事実誤認があったのは、食品衛生調査会で結論を出したあとだ。これはひとつ新局長、きちっと考えておいていただいて、また私は調査をやり直してもらう——これは厚生省でやり直してもらうか、あるいは科学技術庁でやり直してもらうか知りませんけれども、とにかく食品衛生調査会が結論を出したあとで重大な事実誤認があった。数々あるその一つとして、私は新井郷川を、この間の公害対策特別委員会でもあげたわけです。 その実情は、こういうことです。これは、阿賀野川の日本海へ流れて入る場所であります。実は、この付近にだけ患者が出たわけです。その点は重要です。冒頭に私申し上げたように、毒を飲んだ魚が六十五キロも飛んでこなければここへ来て死なないというような事態です。あるいはまた、病人にしてもそうです。毛髪の中に水銀がたくさんあるというのもそうです。魚がぱくぱく浮いてきたというのもみんなこの付近ですから、ここの付近の事実誤認というものは、この間の結論に重大な影響を与えているのだ、こういうように私たちは理解をいたしますので、この新井郷川と阿賀野川のことについて若干説明したいと思いますが、こういうように疫学班は言っているわけです。読み上げるのはたいへんひまがかかりますので、この絵で説明すると、阿賀野川のほうから新井郷川のほうへ水が流れておった。この絵のまん中どころに水路があるわけです。そこを阿賀野川のほうから新井郷川のほうへ水が流れておったから、その新井郷川のわきにある日本ガス化学については調べませんでした、こういうことが書いてあるわけです。この日本ガス化学というのは、「新井郷川」と書いてあるすぐ隣にあるわけです。そして、疫学班では、六十五キロ上流の昭和電工鹿瀬においては、年間一万九千トンのアセトアルデヒドを生産しておった。ところが、日本ガス化学のほうは、月に四百トンくらいであります。こういうように書いてあるわけです。私の調べたところによれば、年に一万トン近く生産をしておりましたから、これは生産量においても重大な誤りがあると思います。いずれにいたしましても、六十五キロ上流の約半分のものが、この日本ガス化学において生産されておりました。やはり同じように水銀を使ってやっておったと思います。そして、その廃液は新井郷川に流れておるわけであります。だから、この新井郷川の流れがどっちを向くかによって、この日本ガス化学が調査の対象に入るか入らないかという重大な問題になると思うわけです。しかるに、阿賀野川から新井郷川に水が流れておったので日本ガス化学は調査はしませんでしたというけれども、実は事実はそれと違う。違うことは、政府が、私の文書質問に対して九月の初めに答弁をいたした文書の中にも明らかに出ておりますが、事実は、新井郷川のほうから阿賀野川のほうに水が流れておるわけです。こういう重大な事実誤認をやっているわけです。実は、加治川というのがその新井郷川の合流点へ入って、それから水路を通って阿賀野川に昔流れておったわけです。昔はそういう水路であったわけです。それで、日本ガス化学の隣のあたりは、運河を途中で掘って、日本海とつなげたわけです。いま新井郷川の水はどういうように流れておるかというと、潮が満のときには、新井郷川は上流へ流れております。干のときには下流へ流れております。水は行ったり来たりしておるわけです。そうして、この水路のところは常に——常にです。新井郷川から阿賀野川に流れておるわけです。だから、こういう重大な事実誤認があって、この日本ガス化学をはずしたということは、食品衛生調査会の結論に重大な誤謬がなかったか、こういうことを、まずお尋ねをしたいと思うわけです。
○松尾説明員 確かに事実がそういう形で、この水路につましては、新井郷川から阿賀野川のほうへ流れておるということが事実だといたしますれば、一応先生のおっしゃるような点を究明する必要性というのは、当然理論的には生ずる問題かと思います。ただ、おそらく疫学班といたしましては、その他の条件、出てまいりましたいろいろなデータというものからも考えまして、いわば総合判定的に結論を出したものと考えられるわけでございまして、この点につきましては、私、必ずしもつまびらかではございませんけれども、加治川の水が、かりにもとの流れといたしまして、水路を通ってまいったといたしましても、下のほうにあります日本ガス化学の排水というのが、もしきわめて河口に近いときには、潮の干満によって上がってまいるかと思いますが、私、河川のほうはよく存じませんけれども、新井郷川のほうに上がる上げ潮は、やはり阿賀野川のほうにも上がってくるかと考えられるわけでございまして、そういうような点と、それから排水をして、下流に向かって水を流しておるというようなこともあるようでございまして、そういう関係から見まして、下のほうの廃棄物が完全に来るかどうかという点の判断というものも当然生まれてくるのではないかと思います。 さらに、こまかい数字はいま記憶いたしておりませんけれども、もしこの水路の中を通りまして、相当のものが流れ込んだといたしましたならば、おそらく常識的には、その水路のところにおける水銀量というものが相当高くならなければならない。しかし、実際の結論は、私は、その水路のところの水銀量は低かったやに聞いておるわけでございまして、おそらく、疫学班といたしましては、そのようなことも考慮に入れながら核心のほうに向かうというような態度で調査を進めたのではないか、かように存ずるわけでございます。
○小沢(貞)委員 それは、私、答弁にならぬと思うのです。新井郷川の水路のどろの中の水銀量は、これは疫学班ではない、たぶん試験研究班だと思いますが、四五・五〇とか三四とか水銀は高いわけです。だから、いまの局長の答弁とは私は違うと思う。悔いわけです。 それからまた、新井郷川のほうから阿賀野川に流れておったという、このことだけは重大な事実誤認だ、これは認めていただけますか。
○松尾説明員 事実、現場におきまして、現在の状態あるいは過去におきます状態というものがそういうようであるといたしましたならば、これは自然のそのままの姿でございますので、一応それを否定する理由は何もないと思います。
○小沢(貞)委員 この間の公害対策委員会で食品衛生調査会の小林委員長がこういうように発言をしておるわけです。「結局先ほど出ましたのは、蓄積ということ」——長い間に蓄積されたという問題の蓄積ですね。「蓄積ということになりますが、いまガス化学の話が出ましたね。この場合、ガス化学からの排水が長年にわたって阿賀野川に入っておったとすれば、これは十分考えなければならないことである。」要するに、再検討しなければいけない、こういう発言を、この前も公害対策委員会で、食品衛生調査会の小林委員長がしておるわけです。
○松尾説明員 先ほどの第一段の点につきまして、公害対策委員会で前局長から説明されました、その数字を私は記憶してまいったわけでございますけれども、例の水路のところの水銀量が〇・一八という数字が御報告されております。下流の排水口付近では、いまおっしゃいましたように四十五というのが出ておりますし、上流の排水口付近では八十一・五二というような数字が当時御報告されていると存じます。したがいまして、そういう点を言いますと、確かに排水口のところにはそういう高い量がございますけれども、水が通っておったという、その問題の水路につきますデータは、〇・一八でたぶん間違いないと存じますが、その数字で御報告されておる。したがいまして、そこの水路の中の水銀量が非常に少ないということが、やはりこちらから流入してきたことについて、水が流れておるということではございませんで、そういう変なものがこちらに流れてきたということを、ある程度否定するという根拠に立ったものと私は理解しているわけでございます。したがいまして、小林調査会委員長が、そういうことであればとおっしゃったことは、私まだ承っておらないわけでございますが、いまのような事実から総合的には結果的な結論が——調査しなかったという点については、あるいは御指摘の問題があるかもわかりませんが、しかしそれを最終的に結果的に結びつけて、しかも、古い過去のことをいま調べていくというような限られた手段の中でございまして、ただいまのような客観的な事情があれば、その線で私どもはやはり了解せざるを得ないのじゃないか、こう思っておるわけでございます。
○小沢(貞)委員 これは疫学班が調べたことをそのまま右のほうに書いてあるわけです。右のほうの字のまん中ごろに、「2、新井郷川について、(1)日本ガス化学創業以前は魚種として、コイ、フナ、シジミ、(2)工場創業後は周辺河川はとれなくなり、排水機場上流で漁獲をしている状況である。(3)シジミについては一部いまだ生存しているところがある。」こういうことです。つまり、ここのはみんなもうなくなってしまっているわけです。その中を水が行ったり来たりしているわけです。だから、この汚染のどまん中にあって、こういう実態になって、新井郷川から阿賀野川に水が行っているわけです。それを、全然ここをオミットするという理由はどこにあるか。疫学班の表現を読めば、文学的な表現です。たとえば中和沈でん槽をつけてある。この前私はお聞きをしました。中和沈でん槽はメチル水銀を取るわけにはいきません。これは、だれだってわかっていることです。片方にはついていませんでした、そういうことの比較でもって、それをはずす一つの条件にしてあるわけです。また、これは、阿賀野川から新井郷川に水が流れておったということで、はずす第二の条件にしているわけです。それから第三の条件は何かというと、ボタ山か何かの水銀量の比較をしていますけれども、これは無機水銀か何かを比較したって——どこかの倉庫へ行ったら、そこらにこぼれていた水銀がたくさんありました。これは全然比較になりません。それから、どぶの中に水銀があったかなかったかといったって、この中にもちゃんとあるわけです。それを、どうしてこれをはずしたかという問題です。いまのは答弁にならないと私は思う。再調査をしなければいけないと思います。
○松尾説明員 おそらく、前回の特別委員会におきましても、小林委員長が御発言になっているかと思いますが、いわば過去に起こった問題をあとから調べていくということ、そういう実際の状態に置かれたわけでございますので、そういう非常に制約された方法論というものの中で、こういうものを検討しなければならない。そういたしますと、はたして、これを再調査いたしまして何らかの明瞭な結論が出得るのかどうか、これは私といたしましても非常な疑問を持っております。 なお、この一点に限ればそういう点があるかと存じますけれども、人間というものに移ってまいりますまでの、生物を通しての過程ということの非常に複雑な問題がございますのでこういう難解な点が出ているかと存じますが、他の疫学的な、あるいは検査上の結果というものを総合的に判断いたしますと、やはり、たとえばこの新井郷川がどの辺まで——この地図では続いているようでございますが、阿賀野川に比べればはるかに短い川になっております。しかし、それよりもはるか上流の地点において、毛髪中の水銀の分布が非常に高いという事実というような問題は、やはり総合的に過去の問題を処理しますときの態度としては、当然とるべき結論ではなかろうかと感じているわけであります。 そういう点で、過去の問題を、いまさかのぼって明らかにしろという御要望でございますけれども、確かに水の流れ自体については、お説のような問題があったかと存じますが、しかし、ここにおいては、途中の水銀量の問題も一応報告されておるような実情でございますので、私としては、いまのところ、直ちにこれを再調査して何らかの結論が出得るかどうかという点には、疑問を抱いているものでございます。 さらに、私もまだ、その中和する装置がいかなるものであるかつまびらかにいたしておりませんけれども、おそらくこの中におきます研究班の方々の中には、熊本の水俣問題についても非常に苦心された先生方もおられるわけでございまして、あの事件以後、熊本のほうにおいてつけました装置というものがこれと同じであるかどうか、私は、いまここで断定はいたしませんけれども、そういうことのあとの追求ということによりまして、そういう装置があれば一般的にはある程度安全と考えるという判断が働いたということも、これは当然過去の、第二のケースでございますので、第一のケースをもとにいたしましてさような判断が働いた、こう考えていいのじゃないかと存じておるわけでございます。
○小沢(貞)委員 局長は新しいから、まだ様子がよくわからぬと思います。偏見を持って調査をするのでなく、偏見なしで調査をしたならば、私はこんなことは何も言わないわけです。さっきの社説にあるように、ここも違っておるじゃないかと言ったら、はあ間違っておりました、ここ違っておるじゃないか、はあ間違っておりました、この流れも違っておるじゃないかと言ったら、はあ間違っておりました、しかし原因は違いますよ、そんな言い方がありますか。まだ私は、農薬について、山のごとく、それと同じことをこれから言います。だから、これ一つでつかえていたってしかたがないと思うのですけれども、そんな言い方がありますか。中間報告で、上のほうの昭電が何とかだぞと言ったら、今度は昭電から、ばかを言え、そんなことは違うぞと言ったら、いや、間違っておりました。地震で農薬は流れませんでしたと言うと、ばか言え、ここにこれだけあって、流れたじゃないかと言ったら、はあ間違っておりました。今度はまた、新井郷川の流れがまるで逆じゃないかと言ったら、はあ間違っておりました。これからまた農薬のことを聞きますけれども、また間違っておりましたということばかりで、そういうことで調査が公平に行なわれたと言えますか、こういうことを言っているわけです。
○松尾説明員 おそらく当時の研究班は、この問題が起こりましたときに、下流に非常に集中しているという問題でございますから、当然、疫学班なりといたしましても、その他の班にいたしましても、最も近いところからいろいろさがしていくという態度をとるのがまあ普通だろうと思います。いきなり遠いところに、偏見を持ちましてそこに最初から指向するということは、私はまず普通の態度としてはあり得ない。しかし、そこの途中におきまして、いろいろなデータが出てまいりまして、結果的にはそういうふうな上流に求めることを指向したというデータになっておりますけれども、最初から偏見を持って、あるところだけをねらい、あるところをはずすという態度は、おそらく私はなかったと、これはもう信じておるわけでございます。御指摘のように、結果的にはそういうものがまだ不十分であったという点はあるかと存じますけれども、少なくとも疫学班その他が偏見を持って初めからある種の結論を出そうとしてやるような、そういう問題ではなかったというふうに理解しておるわけでございます。したがいまして、多少の不備な点が、あるいは御指摘のようにあるかもしれませんけれども、それはほかのほうの総合的なデータと組み合わせて御判断をいただいてしかるべきものではないかという気がしているわけでございます。
○小沢(貞)委員 いや、ほかのほうに、六十五キロ上流の鹿瀬工場であるというデータは何もないのですよ。もしあるならば、あとで具体的に言ってください、具体的に反論しますから。局長はそういうように言われているけれども、こういうことを言っているのでしょう。保健婦か何かが農家へ行って、頭が痛くないか、あるいは腰が痛くないか、目まいがしないかという聞き込みをやった個所がこの付近にありましたと、こういうことをいっている。そんなのは、長野県の若月博士がやっている、私たちの千曲川のほうへ来たって、農夫病といって、水銀農薬や何かやっていると、どこにだって山のごとくあるわけです。そんなものを持ってきて、この川の上流にあるらしいと、こういっている。ウナギ一匹に四十PPMばかりあった。一匹ですよ。三十年だか何だか知らぬが操業して、一匹のウナギの中に三十PPMだか四十PPMだかあった。それを証拠みたいに持ってきている。それでは、私のほうの天竜川に来てください。三十PPMや四十PPMのウナギは一ぱいいますよ、いま農薬を使っていますから。 それからもう一つは、ネコが一匹死んだという。ネコが一匹水銀中毒らしいことで死んだ。それでは私の付近だって、ネコなんか何十匹死んでいるかわかりません。そんなものが科学的な根拠に何がなりますか。そういうことだけ以外に何があります。これから上に、総合的に判断をいたしましたという何があります。私にひとつ答弁してください。私は全部それを反論していきます。何もないから私が言っているわけです。 だから、最初からあの川の付近だけ保健婦を使って、頭が痛くないか、どうだ、目まいはしないか、そんなことを言ったら、農夫はいま忙しいし、農薬を使っているし、私どもの長野県の千曲川のほとりへ来れば、若月先生がそういうことを専門にやっていて、農夫病らしい、頭の痛い者、目まいがする者はこの川の付近の比ではないのです。もっとたくさんいるのです。そういうことは、新局長はだれから教育されているか知りませんけれども、あらためて検討しなければ全然資料にならぬということです。 あるいは毛髪の水銀量だって、そうです。上のほうにもいました。上流と下流に分けて見れば、下流しかいないのです。この付近しか。例外の一、二の問題については、私はこの前の委員会でも質問をした。三十PPM、五十PPMの人は、農薬を使っている他府県に幾らでもいます。ここの人の中に二人や三人いたことをもって、上流にもあったと、こういう。何百人という人はみんな、ここの河口の付近しか毛髪の中に水銀がふえているのはいないわけです。だから局長、どういうふうに教育されているか知りませんけれども、それを言うなら、私、全部反論をします。これはあとで時間があったら、そちらで大いにやってください。 それでは次にもう一つ。この絵にも書いておきましたが、これも汚染のどまん中に、もう一つ水銀を使っているところがあるわけです。これはもう最初から全然調査をしておりません。この加治川の右側のほうに「H農薬化学」という会社があります。ここは水銀農薬をつくっております。ここの排水はどういうようにしていますか、お尋ねしたいと思う。これは、ここのやはり十キロか十五キロの周辺にある、農薬をつくっている会社です。その廃液はどうしていますか。
○松尾説明員 地下に浸透する方法をとっているそうでございます。
○小沢(貞)委員 それは毒物及び劇物取締法何条ですか、そういうことをやるのは。その許可を得てありますか。
○松尾説明員 その点については、ただいま御答弁できませんので、後ほど調べて申し上げます。
○小沢(貞)委員 それでは、その地下に浸透しているものの行くえは追及しましたか。疫学班あるいは食品衛生調査会、厚生省は。
○松尾説明員 それは追及してなかったそうでございます。
○小沢(貞)委員 これも水銀農薬をつくっていて、廃液を地下へ浸透させているわけです。この地帯は、御承知のように阿賀野川、信濃川の沖積層で、上のほうから砂を持ってきて、だんだん重なっていった。そのH化学会社も、その砂の上にあるわけです。下へ圧入すれば簡単にうまく入っていくに違いないと思います。しかも、これは患者多発地帯のどまん中にあるわけです。そういうところの、砂の中に廃液を入れたその行くえを調査しないで、完全な調査をしたと言えますか。七十キロも上流ばかりに目をつけて、それに罪を着せようというように最初からやっているから、私はこういう質問をするわけです。この中に農薬を製造していて、廃液を出している工場があるじゃないですか。その廃液については劇物毒物取締法の規定に従って許可を得てやっているのかどうかも、いまお聞きすれば、わからない。そして、疫学班はその追及もしていない、こういうのです。どうです。これでもまだ、その疫学班なり食品衛生調査会は完全に調査をしたといえますか。
○松尾説明員 私、そのH農薬化学の問題はただいま初めて承知したわけでございますけれども、厚生省としては、ただいま申された程度のことは従来から知っておったようでございます。完全な調査かどうかと言われますと、確かにそういう点については残った点もあるや、というような気がするわけでございますけれども、先ほどから申し上げましたように、故意に最初からある点をねらってという態度で調査班がやったのではないということだけは、私は確信したいと思っているわけでございます。
○小沢(貞)委員 これは農林省の方がいたならば参考に聞かしていただいたらいいじゃないかと思いますけれども、実はあの地震のときにクイックサンド現象というものを起こしました。初めてお聞きかどうか知りませんけれども、これは農地関係のことです。それは地震のときに、地下にある水と砂とがコロイド状になってふき上げてくる、こういう現象で、あと乾燥したときに白い砂が山のようにきていた、こういうことをいっているようなんですが、私、資料によって——これは新潟県農業試験場の井利一さんという人が、昭和三十九年八月一日、地震があったのは六月幾日ですから、一カ月後くらいかもしれません。そのときに、このクイックサンド現象というものを発表して、この被害のあった周辺に特にこのクイックサンド現象は多いのだけれども、地下に入っている水と砂とが地震のためにコロイド状になってふき上げた、こういうことをいっているわけです。その特に顕著な場所はどこかということも書いてあるわけです。豊栄町、京ケ瀬村等々です。豊栄町、京ケ瀬村等々は、これは患者の出た、毛髪の中に水銀量のたくさんある人のたくさんいる村、こういうようなところです。京ケ瀬村のほうは若干離れておりますが、豊栄町なんというのはすぐ近くです。しかも、この廃水が、いま申し上げました加治川を通って、新井郷川を通って——いま、つながっている。つながっている、いないという重要な問題は、そういうことなんですが、そして阿賀野川に流れている。こういう現象についてはどういうようにお考えですか。
○松尾説明員 初めてそういう現象もお聞きいたしましたが、はたしてそれが加治川を通りまして今度の問題に結びつくかどうかという点については、何らお答えする知識を持っておりません。
○小沢(貞)委員 私は、患者の大ぜい出ている近くのものを調査しなかったので、こう言っているわけです。患者が大ぜい出たまん中にこういう農薬会社があって、廃水を地下に埋めておる、こういうわけです。それでたまたま地震のときはクイックサンド現象ということで下の地下水が高いので、コロイド状になってみんなふき上げてくるような現象が出たというようなことを考えても、あるいはまた、この井利さんが言っているのには、地下水が高くて云々とか書いてあるわけです。そして、その近くに加治川があるわけです。その加治川については何をいっているかというと、これは厚生省の調査でも明らかなように、その資料にも書いておいたけれども、最近は魚がいなくなりました、加治川についてこうまでいっているわけですね。だから、その廃液がここを通ってこなかったか。こういうわけです。だけれども、それについては調査はなかったわけでしょう。これは疫学班の報告のどこにも書いてありませんし、厚生省も御存じはないし、地元へ行って私たちが聞いて、あれはおかしいじゃないかというものだから、やっと気がついて、こういう質問をして資料をいろいろ調べてきているわけなんです。だから、まずもって地元にそういうものがないかということを最初から公平に考えなかったところに問題がある、私がこう言うわけです。これが加治川−新井郷川と阿賀野川の流れが違うという事実誤認のほか、こういう重大なことについては未調査、こういうように私は理解をいたします。いいですね。
○松尾説明員 ただいまのH農薬等につきましては、そういう調査が行なわれてないことは事実でございます。
○小沢(貞)委員 そうすると、これは調査をしなければならないことになりませんか。農薬のことでもありますから、まだ、ほかにたくさん出しますけれども、再調査をしなければならない重大なことではありませんか。
○松尾説明員 厚生省としましては、先般の調査会のいろんな御意見を十分検討した上で、一応科学技術庁のほうへ厚生省の見解というものを差し上げてございます。(小沢(貞)委員「それはわかっております。それで新しいことを言っているわけです。」と呼ぶ)新しい事実が出ましたといたしましても、それを食品衛生調査会で再度やるべきかどうかという点につきましては、お答えしがたいと存じます。
○小沢(貞)委員 それじゃ、新しい機関で、もしここに原因の一部なり大部分があったということなら、厚生大臣以下辞職しますか。調査をしていないのです。それだから、調査をしなければいけないと私が指摘しておるのに、もう結論を出しちゃったから、それは知らぬ、こういったときに、こういうところから新しい原因が出てきたならば、一部なり大部分がその原因であるというならば、厚生大臣以下あなた方みんな責任をとって明らかにしますか。
○松尾説明員 先ほど来申し上げておりますように、調査会としては、そういう、できるだけ公平という立場で調査をされたわけでございますし、また、先ほどから総合的な見地というものに立ちました一つの結論をああいうふうに申し上げた。したがって「基盤」ということばで表現したようでございます。 なお、下流に出ましたことの具体的な、端的な問題については、なおいろいろ問題のあるところは、先ほどの調査会の答申にも指摘され、先般の委員会でも、その点についてはいろいろな御説明もあったような点でございます。したがいまして、直ちにこれを再調査するという態度を私がここで直ちに申し上げ得るかどうか、たいへん大事な問題でございます。御指摘のような点につきましては、帰りましてもう一度よく相談をした上でなければ、お答えできがたい立場でございます。
○小沢(貞)委員 ほかの省庁からも出てもらっていますので、この際ちょっとお尋ねしておきたいと思います。 たとえば、鹿瀬電工から、疫学班が指摘しているようなそれをそのまま認めて、年間に百五十キロくらいのメチル水銀が流れているのではないか、こういう想定を下して、そして、上のほうの鹿瀬電工が長年の間よごしてきたのだ、こういうらしいような——工場の具体的な名前をあげて一あるから、私は重大な問題だと思うのだけれども、らしいようなことを言っている。この厚生省の結論にして正しくんば、百五十キロの水銀はあの阿賀野川の堂々たる百五十万トン・パー・アワー、こういう流れの中に薄められているわけです。それを私いろいろ計算をしてみると、約七百五十億分の一、これはゼロです。まるでゼロに近いものです。このゼロに近いものに対してぬれぎぬを着せているわけです。そうすると、この工場は操業を昭和四十年一月からやめちゃっているし、私が心配する日本ガス化学も、そのときにやめちゃっているから、この工場は別問題としても、ほかにそういう工場はたくさんある。だから、メチル水銀の許す範囲をどのくらい、一千億分の一にするのか、一兆分の一にするのか、これはゼロにさせるのか、要するに、取り除く方法は、いまのところは、ないと私は思います。いま現に疫学班の指摘しているのは七百五十億分の一です。私が数量からいろいろ計算をして見ると七百五十億分の一、これをどうやって規制するか、こういう問題を、私は、厚生省及び水資源関係の経済企画庁のほうからも来ていらっしゃると思いますし、あるいはほかの通産省なりなんなりにもお尋ねをしたいと思いますが、そういうように、罪のないこのものにぬれぎぬを着せた結果は、いま現にアセトアルデヒドをほかの工場でもつくっております。それを直ちに生産を中止させるという措置を講じなければならないかもしれません。あるいはまた、メチル水銀についての許容限度等についても検討を加えなければなりません。これについてひとつ各省庁の——厚生省は七百五十億分の一のメチル水銀、まだこれも想像だけですよ。これは疫学班がそう想定をするという、そのとおりに私、理論的に計算してみたら、七百五十億分の一になったわけです。ところが、そこを流れている、日ごろ散布した農薬をメチル水銀に換算したならば、その何倍かの濃度で毎日流れているわけです。これはまたあとで質問を出しますけれども、まず最初の、どうやったらほかのところの操業は今後続けられるか、今後どうやって規制するか、これを各省庁から御答弁をいただきたいと思う、厚生省を初めに。
○松尾説明員 水質の汚濁につきましては、ただいま御指摘のような許容量というものを、ある程度きめなければならぬ、それについては、公害基本法に基づきました水質汚濁の防止という問題に関連いたしまして、できるならば次の国会の機会にそういう規制の法律を出したいという検討中でございます。
○小沢(貞)委員 ほかの答弁の前に……。技術的にできますか。次の国会に出したいということは重大なことですから、技術的にできますか。
○松尾説明員 重要な有害金属等の問題については、水質上はこの程度以上であっては困る、そういう基準が、水のほうから見て、人体の問題についてはある程度できるはずだと考えております。
○小沢(貞)委員 そういう抽象的なことでなくて、メチル水銀が、疫学班や厚生省の指摘するとおり、阿賀野川に流れていると仮定したならば、七百五十億分の一になります。こういうものをどうやって規制しますか、技術的にできますか、とメチルについて私は言っているわけです。
○松尾説明員 七百五十億分の一がはたして妥当でありますか、測定可能であるかというようなことは、私もまだよく存じませんけれども、少なくとも一つの川について、トータルとしてのそういう量というものを規制したい、きめたい、こういう態度でいま検討を続けているという段階でございます。技術的に、それが、もとの段階で、どの程度各工場でできるかどうかはまだ今後の問題でございますけれども、一つ一つの施設だけを規制するだけでは、それが相集まりまして、先般の公害基本法にもございますような、環境基準といわれているような一つの全体として許容量をこすあるいは害を与えるような状態になってくるということは、すでに御指摘がなされておるわけであります。したがいまして、そういう線に沿いまして、一つの河川あるいは水質というものについて非常に危険な金属については一定量の限度をきめたい、それをどの程度にするかということについては、まだ結論を得ているわけではございません。
○小沢(貞)委員 疫学班や厚生省の結論によれば、阿賀野川の汚染度は七百五十億分の一になります。この計算はいいですか、皆さんが出した結論によれば、そうなる。
○松尾説明員 その計算の根拠等をいま存じませんので、後ほどお答え申し上げます。
○小沢(貞)委員 ちょっとだれかに計算さしてください。疫学班の報告では百五十キログラム流れているといっているのですよ。阿賀野川の水量が百十万トン・パー・アワーです。割ってみればわかるじゃないですか。大体五百億分の一ないし一千億分の一の範囲内であると、私はこういうふうに考えているが、七百五十億分の一と平均をとって言ったが、私ももう一回厚生省に聞きたいわけです。いま計算さしてください。 その間にほかの各省庁からひとつ……。企画庁の水資源局、それから通産省。
○今泉説明員 初めて先生にお目にかかりますが、今度新しく水資源局長になりました今泉でございます。ひとつ今後ともよろしく……。 実は阿賀野川の事件は、さっそくいろいろ聞いてまいったのでございますが、先生御承知のように、水質の保全に関する法律がございまして、これに従いまして水質の基準を設定することができるわけでございますが、私どもは関係各省と、この事件が問題になりまして以来、どう取り扱うべきか、水質保全という点からもどうすべきものであるかということについていろいろ意見を交換しております。何ぶん大切なことでございますし、水質基準それ自身が科学的、あるいは、ことに人命に関する重大問題でございまするから、科学的に客観的に十分念査しなければいけませんと思いますが、同時に、また、そういう水銀が出る原因になるいろいろな原因がいま探求されつつある。現に、先生自身いろいろ御質疑になっておられるという状況でもありますし、また、原因がはっきりしました場合でも、多くの水質基準の場合がそうでございますように、なかなかにいろいろな産業立地あるいは産業、工業の経済性というものとの、あるいはその被害とのバランスをとって考えなければならぬという問題もございますので、私ども水質保全の責任の一端をになう者としては、いつも頭を痛めているわけでございます。しかしながら、ともあれ、私どもとしては、この阿賀野川事件を発端にいたしまして、水銀問題というのは非常に大切なことである、重要な問題であると思いますので、行く行くは、私どものほうに水質審議会という各界の権威の方の網羅された審議会もございますので、できますれば部会を設け、先生方に御相談して、水質基準を設定すべきかどうか、また、設定するとしたならば、どの程度のものを設定するか、これは慎重に検討していきたいと思うわけでございます。ことに、まあ私のまだ浅い知識ではございますが、先生おっしゃるように、長野県下、新潟県下だけでもいろいろと水銀の問題になる可能性の絶無ではない会社がたくさんあるとか、原因があり得るはずだとか、いろいろなお話がございますが、私どもは、阿賀野川だけじゃなくて、日本全国の川、あるいは工場、あるいは農薬とか、いろいろなことを考えますれば、やはり水銀問題というのは、この際、阿賀野川に限定されず、できるだけ研究をして、少し取り扱いを検討してみたいものであるという意味で、科学技術庁あるいは厚生省あるいは通産省、そういう各省の御協力をお願いしてきているし、また、今後もそうしてまいりたい、大体いまのところこう考えておる次第でございます。
○小沢(貞)委員 あと、科学技術庁、通産省、簡単にひとつ。
○吉光説明員 いま水資源局長のお答えがございましたように、メチル水銀自身が人体に非常に危険なものである、有毒なものであるということははっきりいたしておりますので、したがいまして、そのメチル水銀に対する対策というものは早急に検討されなければならないというふうに考えておるわけでございますけれども、何ぶんにもメチル水銀に対する分析と申しますか、そういうものが最近に至りまして相当技術的に進歩してまいったというふうな状況でございますので、その水銀の検出技術というふうなもの、あるいはまた、メチル水銀に対する防害技術と申しますか、防止技術と申しますか、そういうふうな問題につきましても、さらに検討を加えました上で、有効適切なる手段を講じなければならない、そういう段階に来ておる、このように考えております。
○高橋説明員 科学技術庁といたしましては、関係各省庁が、ただいま仰せられましたごとく、いろいろな施策をおとりになります前の段階といたしましての研究的な要素につきましての振興をはかるというふうな立場でございます。特に、いま吉光局長からもお話がございましたように、有機水銀の水溶液中に溶存しておりますところの微量の分析法に対しますところの研究というものが、なお今後検討いたすべき事項も多いわけでございます。本年の当初、これに対しますところの研究費等を特別研究促進調整費から支出いたしておりますので、そのような結果等をもちまして、今後各省庁の施策上の資料にいたしたい、こう思っております。
○小沢(貞)委員 そこに資料1というものを渡してあるから、ちょっとごらんいただきたいと思うわけです。一般農薬によって、水が水銀でどういうように汚染されるか、これは、農林省からいつかいただいた本からとりました。上のグラフを見ると、「河川に含まれる水銀量(千曲川)(農村医学研究所調査)」こういうものです。これはそこに出ているように、台風のときピークになっておる、こういうわけです。それから、そのピークのときにはどのくらい水銀が流れているかというデータは、上の図表の左の上に書いてあるように九ガンマ・パー・リットル、下のほうの「農業用水に含まれる水銀量」、これも台風とか雨だとかいろいろありますけれども、このデータによると、ピークは約二十ガンマ・パー・リットル、こういうように出ておるわけです。これは一般農薬によって水銀が河川を汚染しているその量を、ほかにあまり資料がなかったので、この若月先生の表を持ってきたわけです。これを平均してみまして、阿賀野川に魚が浮いた、病人が出てきたというような時期の雨の量なんかを計算すると、この時分は一番たくさん雨が降ったわけです。それで一応私の仮定で十ガンマ・パー・リットルというように計算をいたしますと、こまかい計算を私ここで申し上げませんけれども、いまの七百五十億分の一よりははるかに大きい。これは水銀トータル量でここに出してあります。それをメチルに私が換算をしてやると七百五十億分の一以上はるかに多い。ちょっと私、単位を一つ間違えているのかどうかわかりませんが、倍になるのか二十倍になるのか、いまどうしても小数点が一つ合わないので、これはあとで計算していただけばいいのですが、いずれにしても、鹿瀬電工が流したであろうという、これは全くの想定ですが、流したというメチル水銀よりははるかに多い量が、この台風によって、農薬によって川をとうとうと流れておる、こういうことです。兵庫県あたりでコウノトリが死んでしまったとかいう話を聞いた。農薬による被害はたくさん出ております。あるいは米の中の残留水銀量がどうだとか、そして、最近農林省は、水銀の農薬について禁止措置まではしないらしいけれども、厚生省からの意見によって、これはだんだん指導によって水銀でない農薬にかえていこう、こういうようなことで、もう農薬に関する被害については、私はここでつけ加えようとはしませんけれども、私がしろうとなりに、若月先生の資料と、いま疫学班が出されたところの具体的な数量とを比較した場合に、メチル水銀において、農薬でこういうように流れているほうがはるかに多い、こういうことがわかったわけです。このことについて私はお尋ねをしますけれども、最初に一点だけでいいですが、もう大臣が来ましたから大臣に質問を移しますから……。それじゃ途中からですけれども、大臣に、この前、公害対策委員会で私のお尋ねした阿賀野川水銀問題でお尋ねしたいと思います。 最近、厚生省が結論らしいものを出しまして、科学技術庁に提出されたその内容は、食品衛生調査会の結論に対してつけ加える意見なし、こういうようなことです。だけれども、あの中に具体的に工場の名前等が入っておりますので、そういうことは全然公害の原則からいって——私も、公害の問題について、あるいは工場排水に関して若干研究した者ですが、七十キロも上流のところの汚染された水をサイホンで持ってくるとか、あるいはそこで水を飲んだ魚がトビウオのように七十キロも飛んできて下へ行って浮き上がる、こういう現象でもない限り、ああいう厚生省の結論にはならぬ。こういうように最初から質問をしておるわけですが、そういうことです。しかも、ああいう結論を出す中において、事実誤認がたくさんあった。朝日新聞の社説にもあるように、「不備だった原因調査」という中で、三項目も四項目も朝日新聞はあげておるわけです。しかし、そういう過程を一つ一つ訂正をしながらきたけれども、この間食品衛生調査会で結論を出して厚生省が科学技術庁へ出したあとからも、きょう大臣の来る前に私、質問したけれども、新井郷川から阿賀野川に水が流れておったのを、疫学班は、阿賀野川から水が新井郷川に流れておったというふうに重大な事実誤認もやっております。生産量等についてもしかりであります。中和沈でん槽等も文学的表現であって、これに科学的な根拠はありません。あるいはボタ山の水銀は、という比較をしておりますけれども、有機水銀と無機水銀とこんがらかったような答弁をこの前の環境衛生局長はしております。したがって、ここはまず最初から調査をしなければならない対象の一つであった。調査が不十分であったという意味のことを先ほど厚生省で言われました。 それから、いま一つ新しい事実として、この被害地のすぐ近くの、十キロか十一、二キロ離れたところに農薬をつくっている会社があるわけです。有機水銀ばかり大量につくっている有名な会社です。そこでは、先ほども厚生省にお尋ねをしましたけれども、廃液を地下へ入れているわけです。そこで、それは毒物及び劇物取締法の取り締まりを受けているかどうかと言ったら、よくはわからぬという答弁です。それで、このものの行くえを追及したかと言ったら、これもやってないという答弁です。地震当時に、その地下水がふき出てきて付近がクイックサンド現象を起こしたという重大な問題がありました。いま大臣に再びそれを説明しようと思いませんけれども、この被害が出ているまん中に有機水銀をつくっている化学工場の廃液の追及というものをやってはいないわけです。私は、この廃液が地下水となって、加治川から新井郷川、阿賀野川を汚染したというように見るわけですけれども、そういうものについても追及してありません。いま大臣が来る前に説明が始まったのは、資料1というもので、農薬の中に含まれている、日ごろ川の中を流れる農薬の中に含まれている——これはメチルに換算してですよ。これはトータル水銀で出ておりますけれども、メチルに換算して、一応疑いをかけた鹿瀬電工が流しておったと疫学班が言っている百五十キログラム・パー・イヤー、一年間百五十キログラムくらいメチル水銀を流したのじゃないか、そういう推定をば疫学班がしておるわけです。その疫学班が推定している量よりも、毎日農薬によって河川を汚染をしているメチル水銀の量のほうがはるかに多いわけです。このことについて調査をしましたかという質問をしかけたところへ大臣が来られたので、大臣にその事実だけを申し上げますが、厚生省ではこれを調べてはありません。それから、あとで、大臣お帰りになってから申し上げるが、農薬を調べたと言うけれども、これから質問をすれば、一つも調べてないという事実がわかりますが、これもまた、地震のときにはこの倉庫に八千トンもあったと称する農薬の行くえについてはまだ調べてないわけです。これは大臣が帰ったあとで厚生省を十分追及します。そういうような幾多の要因に対して調査不十分のまま、偏見を持って厚生省は結論を出しておるわけです。このことを私は捨てておけないと思うので、ここで大臣にお願いしたいことは、そういう全く誤謬と偏見と調査不十分の中で結論を出した厚生省の結論に対して、いまも答弁が全部できていないわけです。だから、科学技術庁は、しかるべく技術陣を立てて再調査をしていただきたい、こういうことを申し上げているわけです。これは内容について全部詳しく大臣に申し上げれば、大臣はなるほどとわかっていただけると思いますけれども、それは議事録であとから局長からでも聞いていただきたいのですが、重大な事実誤認が四つも五つもある。しかも、その上に、調査不十分が、いま申し上げただけでも三つも四つもある。そういう上でああいう結論を出した。なぜそういう結論を出したかは、そこに新聞を配ってありますから、見ていただけばわかります。有機水銀中毒事件などと、こういうことを発表したのが昭和四十年の四月十六日だと思います。そのときに、その二、三日後に、もう新潟県の疫学班の班員である北野衛生部長は、農薬に原因はなしということを発言しているわけです。だから、これらの一連の新聞記事をもってしても、偏見を持って捜査をしたのだ、こういうようにしかわれわれはどうにも理解ができないわけです。そこで大臣、私は率直に言って、この誤謬や偏見の調査については、十分慎重に、新たな立場から検討をしていただきたい、こういうことを申し上げるわけです。この前申し上げましたように、そういうことで病人をほっておいてはいけませんから、これは各省庁にひとつ連絡をして、病人の対策は十分立てて、原因については十分追及していただきたい。もしこれが厚生省の意見になるならば私は重大なことになると思います。七百五十億分の一のメチル水銀をどういうように規制するかという問題と、現に操業している工場をいつどうやって停止させるか、こういう問題にもなってまいります。したがって、全く罪のないものにぬれぎぬを着せた、そういう結論に基づいて科学技術庁が出していただきたくない、こういうことを申し上げて、ひとつ大臣の御所見を承わりたいと思います。
○二階堂国務大臣 この阿賀野川事件の問題につきましては、先般来当委員会におきましても、小沢先生、石田先生、またほかの委員の方々からもいろいろ突っ込んだ御意見がありましたが、私のほうは、御承知のとおり、厚生省から技術的な見解が先般提出されましたので、これに対しまして農林省、通産省及び経済企画庁、関係各省に技術的な見解をただいま求めております。口頭でのみならず、私の名前をもって文書にして見解を求めておりますが、まだその見解なるものを私のほうはいただいておりません。これからその見解が出てまいりましたならば、それをもとにいたしまして、結論と申しますか、取りまとめられた関係各省の考え方なり、あるいは技術的な検討なりということをよくお聞きして、そうして最終的な考え方をまとめてまいりたい、かように考えております。 そこで、先生が御指摘になりますように、またあらためて私のほうで特別な調査班なるものをばつくって、そうしてこれをまたもう一ぺん検討し直すというような考えは、現在私は持っておりません。これはしばしば予算委員会等においてもはっきり申し上げたところであります。しかしながら、技術的な最終的な見解を取りまとめるにあたりまして、もし必要があれば専門家の意見を聴取するということはあり得ると考えております。 —————————————
○矢野委員長 引き続き、原子力船母港に関する問題について調査を進めます。 質疑を行ないます。淡谷悠藏君。
○淡谷委員 二階堂長官に、閣僚の一人として責任のある御答弁をいただきたいのですが、最近の政府の諸般のやり方を見ておりますと、非常に憂うべき独裁的な傾向をあらわしてきております。この問題で三つ私は例をあげたい。 一つは、国土縦貫道路の建設にあたりまして、当初の設計がいつの間にか変わって、山ぎわを行くべき道路が非常に豊かな農村地帯を走りますので、福島県の郡山付近の農民がまさに一揆暴動のような騒ぎをしているのが一つの事実であります。もう一つは、三里塚の問題であります。富里あたりで失敗しましたものを抜き打ちに閣議決定をやって、しゃにむに、地元の農民の気持ちを考えないで、空港建設に邁進しようというのが昨日の騒ぎであります。羽田の騒ぎに比べて騒ぎが小さいなんていって喜んでおりますけれども、とんでもない話であります。三本のくいを打つために千四百人の警官を動員して、数名のけが人を出して、これで一体穏やかにできたと言われますか。第三は、むつにおける原子力船の定係港の問題であります。これなどは、長い間横浜でいろいろ調べました結果、これは受け取りにくいということで拒否された瞬間に、地元には何の断わりもなしに、いきなりそこに定係港を持ってきて、しゃにむに答弁を迫っているというような形が見えておりますが、これは明らかに政府の独裁傾向だと私は思う。最も大事なのは地元の意思であります。地元の皆さんが拒否するかしないかで、これはきまる。しかも、それがいずれも公共事業である。つまり、国土縦貫道路は必要じゃないか、国際空港は必要じゃないか、あるいは原子力の平和利用を肯定する以上は、この原子力船の定係港は必要じゃないか、しかし、必要だからといって、一切の条件を無視してやってもいいという結論は出てこないと思う。あくまでも地元の納得を得て、地元民の協力を得て、こういうふうな公共事業なり必要な事業なりは推進すべきがほんとうと思いますが、一体長官はどうお考えですか。これでよろしいと思うかどうか。
○二階堂国務大臣 国土縦貫道路の問題あるいは三里塚の問題等、これは私の所管外でありますが、これに関連して母港の問題をお尋ねでございますが、ただいま時間も短いし、十分なお話し合いはこの場でできないと思いますが、淡谷先生の御質問を聞いておりますと、私は、淡谷先生の御発言自体が少し独断に過ぎるような印象を受けるのでありまして、私どもは一方的に、民意を聞かないで、独断でそういうものをきめて押しつけるという考え方は毛頭ありません。私は、この母港の問題につきましては、問題が起こりまして以来、横浜の問題を含めてでありますが、ほんとうに心を痛めております。痛めておるということは、決して政府が一方的に独断専行で事を押しつけてやろうということになっていないという、まあ言いわけにもなりますが、私は、最終的には、地元民、それを代表する市議会なり市長なり、あるいは県全体の問題としては県会、県の知事なりに、最終的に私どものお願いを聞き入れてもらわなければならないわけでございます。それにつきましては、先般来承りますと、むつ市の議会においても、いろいろ議論がされておるようでありますが、そういうことは民意をやはり尊重して、民意を問うて、そして民意の帰趨を待って、市長なりから、この問題については、ひとつ政府のほうにおいてしかるべく取り扱ってくれとかいうような意思表示があろうかと思っておりまして、政府が一方的にこの母港の問題も押しつけてやっているということはないと私は考えております。
○淡谷委員 この定係港を引き受けるか引き受けないかの最終の答弁をいつまでにやれという強制をされているのですか。まだ地元には非常に不安がありまして、まさに、むつ市の市民の世論がまつ二つに割れているという状態なんであります。その中で知事なりあるいは市長なりに、やいのやいのと返答を迫るようなことがあれば、これはまた、私のほうが独断か、大臣のほうが独断か、知りませんけれども、具体的に騒ぎが起こるのは目の前に見えている。一体期限つきの回答を迫っているのですか、迫っていないのですか。
○二階堂国務大臣 私は、いつまでに返答してくれというようなことを申した覚えはございません。
○淡谷委員 しかも、あとで時間がございましたら、私は大臣にぜひお聞き願いたいと思っているのですが、事業団から行っております西堀という元の探検隊長ですね。これはまるで探検隊長の安全観をもってこの問題に迫ってきている。しかも、市長も知らない間に、どんどんこの事業団から行きましていわゆるPRをやっている。しかも、そのPRをやっている態度が非常に乱暴です。たとえば、この問題に反対する者は野獣だと言っているのですよ。ここに書いてある。「原子力船の母港」というのを西堀栄三郎の署名で地方の新聞に書いているのですが、「火を恐れる野獣の類である。」と言っている。それから、西脇という人は学者だと思っていましたが、この人もむつの市会に行きまして、いま、むつ市会は選挙をやっているのです。選挙の直前に乗り込んでいって、原子力船の母港、原子力船の定係港に反対する者は落選しますということを議会で言っている。これが一体学者の態度ですか。もうこの書いたものなども私はあえて読みませんけれども、これは文書に残っておるわけですから、しかも新聞に残っておるわけですから。乱暴きわまる、一方的なことを言って、地元民に対してむしろ圧迫を加えておるのです。こういう状態できめましたところで、なかなかあそこの定係港などは完全にできるものではない。たくさんの疑点がございます。 最近知事から、この定係港の危険性につきまして新しく質問書が出ておるはずでありますが、どういうふうな質問書が出ておりますか、長官おわかりですか。
○二階堂国務大臣 その西堀さんが投書された内容のものは、この前もちょっと内閣委員会で米内山さんですかが何かそういう話をしておりましたが、私はまだ西堀さんとお目にかかったこともなければ、この問題について、あるいはそういう記事があったもいうことも承知をいたしておりません。また、西脇教授ですかが議会において、そういうことを何か言われたということも聞いておりません。これはいつの議会であるか私もよく聞いてみたいと思いますが、しかし、私はそういうことは承知をいたしておりません。しかし、私自身の考え方は、そういうめちゃくちゃな考え方でこの問題を、地元に協力を求めようといたしておることは決してございません。 また、知事から質問書が出ておるといまおっしゃいましたが、ずっと前に、知事から総理大臣あてに、政府の考え方、これは軍事基地にする考え方があり得るのかどうかということに関連する二、三の質問がございましたが、それ以後、私のほうに対しましては別な質問は参っておりません。
○淡谷委員 これは長官ではないと思いますけれども、あるいは原子力研究所かどうか知りませんけれども、明らかに出したことは出しているのです。こういう点なども慎重にお考えを願いたいと思う。 この西堀氏の文書などは、あとで長官にもお目にかけますが、傍若無人な言い方です。たとえば、みずから革新だといって何でも反対するのは何たる矛盾だろうと、まるで挑戦ですよ。こういう態度は、私は決してこの問題の合理的な解決にはならないと思う。多くの矛盾もあるし、危惧を持っておるのであります。特に絶対的な安全性を盛んに説くのですけれども、最近アイソトープのコバルトが紛失したことがありますね。これは長官、知らないとは言わせない。どの程度までお知りになっておるか、お答えを願いたい。
○二階堂国務大臣 ちょっと局長から答弁させます。
○村田説明員 放射線の利用の中で、いま広く行なわれておることの一つに、コバルト六〇等を使って医療的な治療を行なう、そういう……。
○淡谷委員 大臣の時間が短いですから、あったか、なかったかをはっきりしてください。それだけでよろしい。
○村田説明員 ごく少量のコバルトの放射性物質が紛失したことがございます。
○淡谷委員 この問題はいずれ、長官がいまどうしてもだめだそうですから、お帰りになってからじっくり局長に聞きますが、安全性とはこういうものなんですね。一〇〇%絶対安全だなんということはないのです。要は、万一の事故があった場合に、その事故をできるだけ狭い範囲でとめる、できるだけその影響を少なくする、これがこういう新しい仕事をする第一の用心だろうと思う。それについては、むっというところは非常に難点がある。これなんかを無視してあそこがあがってきて、まことに風光明媚なところだというようなくだらぬ考え方で押しつけられてはたまったものではない。しかも、むつ市というのは非常に政治不信が濃いところです。セメント工場をつくるといってはぶつつぶし、八億の先行投資をさせながらむつ製鉄をぶつつぶし、ビートは取り上げてしまう。いわばむつ市というのは政治災害の銀座通りです。そこへまたこんなものを押しつけるものですから、これは宝ものの入ったつづらのつもりで背負い込んできて、中に何か入っているかわからない、政府の言うことは絶対信頼できないというのが大半の空気なんですね。その不信を解かないで、政府の権力をもって押しつけるようなまねは絶対してはならぬ、私はそう思っております。大臣の御所見をお聞きしたい。
○二階堂国務大臣 私は繰り返し申し上げますが、私の権力と申しますか、力でもって、何が何でもここにきめて従え、こういう考え方は持っておらないことは、先ほども申し上げたとおりであります。こういう原子力の平和利用の施設を持っていっても、政治不信だから、君たちの言うことは信用ならぬ、こうおっしゃることも私は少し言い過ぎではないかと思っております。安全専門審査会が原子力委員会の中にありまして、それが十分な審査をいたして、そして設備の内容あるいは全体の環境から見て——一〇〇%何を持ってきても安全であるかないかとおっしゃれば、神さまでない以上、これはどんなことをしても、自動車に乗っても安全かとおっしゃっても、それじゃそんな安全でないものになぜ乗って歩くかと言われるのと同じようなことになりますが、原子力委員会の有数の方々、有澤委員長代理を長とする安全専門審査会がございまして、そこでこういうことについて、安全性については十分その審査をして、そして、その結論を出すわけでありますから、そういう権威のある安全専門審査会が、こういう施設をここにつくって心配がないのだ、とにかくそういう結論が出ましたならば、なおそれでも、政府がやることは信用ならぬじゃないか、こういうことをおっしゃることもどうかと思います。そういうふうな形において、日本の原子力の施設につきましては、どこの外国よりも、安全審査については十分の上にも十分な審査を重ねて設備をして、これまでの施設も行なっておりますし、今後もそういう施設に対してはそういろ態度をとる考えでございますので、その点についてはひとつ信頼をしてくださいと言えば、何だとおっしゃるかもわかりませんが、そういうことを申し上げておかなければならないと考えております。私は繰り返して申し上げますが、独断専行で、何でもかんでも、知事が何と言おうと、市会が何と言おうと押えつけていこうという考え方は私は持っておりません。それがゆえに、新しくできるこの市議会の方々にも意見を一応求められておるやに伺っておりますが、そういう民主的な方法を経て、そして協力していただきたい、こういう方針で臨んでおることをひとつ御了承いただきたいと思います。
○淡谷委員 やめようと思ったのですが、大臣のその答弁では私は納得できない。政治不信というのは、私だけじゃないのです。地元民がもう強い政治不信を持っていることは、長官知っているでしょう。あんな目にあって不信を持たなかったら、持たないほうがどうかしていますよ。特に定係港をきめないうちは、安全専門審査会にかからぬでしょう。安全専門審査会を経たと言いますが、定係港がきまって初めてかかるのでしょう。そうじゃないですか。大臣、うその答弁をしているじゃないですか。だめですよ、そんなうその答弁では。
○二階堂国務大臣 私はこういう手続でやるのだということを申し上げたのであって、いままだきまらぬ前から安全審査しておるということを申し上げたわけじゃない。それはちょっと私のことばが足らなかったかと思いますが、それは、どこともわからぬところに、これから安全審査を先にやるということはございません。これは大体市長のほうからも、あるいは地元のほうからも、もう一〇〇%みんながみんなよろしいとはおっしゃらないかもわかりませんけれども、大体そういうことでよかろうということになりますれば、いま申し上げたとおり、できるだけ民主的な手続を経て、そして、原子力船開発事業団のほうと話し合いを経てきめていただく、こういうことになろうかと思っておりますので、いろいろ御意見があろうかと思いますが、淡谷先生のほうにもひとつ御協力をお願い申し上げておきたいと思います。
○淡谷委員 これは御答弁要りませんが、ことば足らずではなくて、あなたの認識足らずですよ。定係港がきまって安全専門審査会にかかるのですからね。安全審査を経ないで定係港を承諾しろということなんでしょう。承諾しなくても出すわけではないでしょう。そんなごまかし答弁は私は聞きません。時間がありませんから大臣との押し問答はやめますけれども、返す返す、この問題に対しては権力をかさに着た押しつけがましいことで、白羽の矢を立てた以上は、もういやが何でもといったような、昔のばかな殿様みたいなまねはおやめください。それだけを強く要請して、時間がないようですから、私の質問は大臣に関する限りはこれでやめておきます。 —————————————
○矢野委員長 次に、農薬の残留毒性の科学的究明に関する問題について、質疑を行ないます。小沢貞孝君。
○小沢(貞)委員 質問の途中で大臣が来たので中途になりましたけれども、そこへ資料を出しましたが、そういう資料によれば、私の計算は、けさあわててやった計算ですから若干違いはあるかもしれませんけれども、鹿瀬電工から流れ出るよりは濃厚である、こういうように感ずるわけです。 たとえば、そういうことを裏づけることとして、疫学班も水ゴケや何かを調べておるようです。この鹿瀬電工より上流一、二キロの上にある角神橋下流二百五十メートルのコケの中には十三・二という水銀を疫学班は出しているわけですね。それから昭和大橋、これは信濃川で全然流れが違うのですが、そこでは二十六・九あるいは十七・六、十七・三というような水銀を水ゴケの中から出しているわけです。鹿瀬電工の下流では〇・二三です。疫学班のものを私、見せてもらったら、そういうふうに出ております。この裏づけから見ても、信濃川やあるいは鹿瀬電工の上流の水ゴケのほうが水銀が多かったという事実を見ても、私はやはり川の中に大量に水銀が流れているんだ、こういうように考えざるを得ないわけです。だから、これについて厚生省あるいは食品衛生調査会、疫学班は検討をしたかということです。
○松尾説明員 御説のように、この資料にございますような状態で、農薬として水銀の含まれたものが使われておりますので、雨が降って川の中に流れてくるということは当然考えられることだと存じます。疫学班あるいは調査会の追跡いたしました、そういう点についての検討といいますものは、もし農薬というものでございましたならば、当然メチル以外のエチル系の水銀というものによる農薬が非常に多いと私も聞いておりますが、そういう点に着目いたしまして、その点もいろいろと調べておる。しかし、この問題に関連する患者の臨床症状あるいは毛髪の中の問題等々につきまして、要するに、メチル水銀しか出てこないというようなことを調査しておるはずでございます。したがいまして、この資料のように、農薬等によります水銀が川の中に流れ出るということは十分あり得ることだと存じます。ただ、それを今度の事件というものと結びつけるときに、患者の中に他の水銀による所見というものが剖検上からも出てこない、あるいは、そのほかの調査や検査からもメチルしか出てこないというようなところから、一応そういう問題をはずしたと考えていいのではないかと思っております。
○小沢(貞)委員 それでは、農薬で水銀の被害を受けたものにメチル以外は出ないということが科学的に証明されたならば、厚生省のいままでの結論は全部ひっくり返る、こう理解していいですね。メチル以外のものが出ないので農薬についての追及をやめた、こういうわけです。だから、農薬においてはメチル以外のものは出ない、こういうように科学的に証明されるならば、厚生省のいままでの過程というものは全部くつがえされることになる、こういうように理解してよろしゅうございますか。
○松尾説明員 出る、出ないという問題は、先般小林委員長も言われておりましたように、非常に技術的な問題が強い。今回調査会がとりましたのは、先ほどのお話のように、いわば最も統一したすぐれた技術でもって鑑定した、こういっているわけでございますから、それをやはり現段階において信用するほかにございません。
○小沢(貞)委員 イモチ病に一番使われているフェニル水銀を製造する途中でメチル水銀ができる。だから、原料として使用している酢酸水銀でそういうものが出てくるわけなんですよ。だから、メチル以外のアルキル水銀というものは入ってこないわけです。そういうことが科学的にわかってきているわけです。しかも、フェニル水銀は魚の腹の中で分解されて無機水銀に変わってしまう。これはもう明らかなことじゃないですか。だから、メチル以外のものは出ない。また、メチルとエチルと両方あるものを魚に直接やれば、それは両方出るでしょう。しかし、メチルとエチルとあるものが川の中に流れていれば、エチルのほうは吸着性が強いから川の中に沈んでしまう。メチルのほうは溶解性があるから溶解される、こういうことからもメチルだけしか出ないのは当然のことです。現に若月博士が方々でやった、毛髪を調査したりいろいろやった中で、メチルしか出てこないけれども、それは農薬による水銀であるということは明確なんです。だから私は念を押しておきますけれども、メチルしか出ないから農薬ではないという前提というものをずっと立ててやってきたとするならば、くどいようですけれども、農薬はメチルしか出ない、それが大部分の傾向だ、こういうことになるならば、いまの厚生省の立論というものは根本からくつがえされる、こういうように理解いたします。いいですか。
○松尾説明員 これは検査技術その他の純技術的な問題でございますので、私から即断申し上げる余地はないという立場でございます。
○小沢(貞)委員 時間がないようですから、農薬についていままで、の厚生省の調べがまことにずさんであったという点を二、三について質問を終わりたいと思います。 新しい局長になりましたから、これはたびたび申し上げたけれども、資料の2を最初見ていただきたいと思います。資料の2の下のほうに、赤い線を書いておきましたが、「毒物劇物製造業者及び卸売業者の農薬倉庫は、特に激震地の新潟港や臨港附近に多く散在していたため、その製造業者の生産施設は殆んど全壊又は半壊、床上浸水し、特に農薬卸売業者の農薬倉庫は、港の岸壁や防潮堤の欠壊により、その全部が水没又は水浸したため、保管中の農薬の殆んどが水浸しとなり、甚大な被害をうけた。更に、農薬保管倉庫においては、開倉運搬作業中であったため地震津浪の来襲により、毒物又は劇物である農薬が相当多く倉庫附近の港内、住宅地帯及び日本海に流出した。」流れ出したんです。「被害の状況は次のとおり」と、こう書いてあります。これで農薬が流出したという、これは県が地震の当時に調べた記録です。「衛生対策の記録」からリコピーしてきました。 それから、その次のページのところには「滝沢運送の農薬倉庫に保管中の農薬約二百トンについては、舟によりその半分を搬出させたが、水中の作業は困難をきわめたので、搬出作業を中止して残量は倉庫の入口に土のうを積ませて流出防止の処置を講ずるとともに、流出農薬が漂流することが予想される新潟市」その他については注意をした、こういうことです。 その次のページ、「倉庫業者の保管する毒物劇物の危害防止対策」「毒物劇物製造業者及び同卸売業者の毒物劇物の大半は、震災の最も大きかった地域の倉庫業者の倉庫に保管されていたため、津浪による流出がつづき附近の住民に対し不測の危害を及ぼす状態にあった。」云々、こういうことがあります。これはもう、流出したり、注意を出したということです。どういう注意を県衛生部長が出したかということは、そこにやはり資料を添えてありますので、時間がないから、きょうは読みません。こういうように流出したときまったものを、一年、二年、三年後に疫学班が調査をし、流出しなかった、こう断定した理由をあげていただきたいと思います。流出して、県は注意を出した。しかるに、これを流出しなかったと、こういうように言っている、その理由をあげていただきたい、私を納得させる理由を。県はこれを、「衛生対策の記録」で全国だか、新潟県下にも配ったし、あるいはまた、注意は各方面に与えました。警察の新潟県本部長も、その附近の署長にその注意を出しました。そういうように農薬が大量に流出した。そういう事実に対して、二年、三年後に調査をした疫学班が、流出しなかったと判断した、こういう意味のことを書いてあるが、どうして流出しなかったと判断したか、その理由を聞かせていただきたいと思います。
○松尾説明員 当初県がいろいろな対策を講じたり、あるいは流出したと考えた数量の把握というものは、いわゆる地震直後の非常に混乱した中で電話の照会によって緊急にまとめた、そういうことで、たとえば二百四十トンの半分が流れたというような連絡があったので、そのままそれを一応信じて手を打ったというふうに考えられております。しかし、疫学班は、倉庫業者でございますとか、保管会社の帳簿とか、記録による新潟県の再度の調査というものから、一々当たってまいりまして、また、そのときの倉庫の状態、側壁の状態というような問題も討検いたしまして、数量的に見て流出というものが認められないのじゃないか、こういう判断を下したという経過でございます。
○小沢(貞)委員 これは押し問答を幾らやってもあれなんですが、倉庫の業者とか製造業者とかそういう人は、取り締まられる立場ですよ。劇物毒物取締法を十分守らなければいけないぞ、流出したときは警察や保健所に届け出ろとか、そういうものは、どうしなくちゃいけないぞといって取り締まられる人です。悪いことばで言うならば、被疑者みたいな人です。その人から報告を聞いて、これは流出しなかったという結論を下したって、それが客観的な証拠あるいは判断となりますか。疫学班の報告も、業者から聞きました、こういうように書いてある。だから、業者はまるで間違ってしまって、昭和電工か何かから突っ込まれたら、あとから、いや、水銀性農薬もありましたなんて言って、第一のミステークをやりました。私がこれから言いますから、第二、第三のミステークも出てきます。だから、根本から間違っているのですよ。農薬を保管した人に、お前、流出したかしないか、数量を知らせてよこせ、こういうことをやって、客観的に判断ができるか。できる、できないの判断だけでいいです。
○松尾説明員 少なくとも地震が終わりましたあとでかなりの時間がたってそういう判断を下すということでございますので、一々現場でそれを確認するというような調査方法は全くとれないわけでございます。したがいまして、あらゆる資料をもとにいたしまして、その記録というものを持っているところからやはり詰めていかざるを得ない。ほかにいい方法はないのじゃないか、こう私は思うわけでございます。
○小沢(貞)委員 それだから、そういうことを言うならば、客観的に見て、それは農薬の流出したことを公平に判定ができたかと、こう言っているわけなんですよ。私は困難だということを百も承知なんです。だから、困難なら、農薬はこれだけ流出したけれども、よくわからなかった、こういうことなら、これはまた公平な調査ですよ。それを流出しなかったという判断を下すのに、疫学班も言っているように業者から聞いた、こういうことでは調査をしたことにならないが、どうだと、こう私は言っておるわけです。むずかしいことはわかっている。だから、私に言わせれば、農薬は調査しなかった、こういう判断ならいいのです。
○松尾説明員 客観的にそれで認められるかということになりますれば、これは繰り返しになるかもしれませんけれども、そういうものによって判断する以外にないのだ、そういうことしか与えられた方法がなかった。しかし、たとえば漂着いたしましたびんにつきましても、その内容が何本からであったとか、何本残っておった、その中身が、水銀の農薬が含まれておったかいないかということは、一応確認しておるわけでございます。でございますので、漂着した農薬の所有者はわからないけれども、しかし、その倉庫よりの流出物ではないかという疑いも一応は持っておる。そこまでは、できる範囲で疫学班も判断を詰めてきておると私は解していいかと存じます。
○小沢(貞)委員 では、具体的に聞きます。 滝沢倉庫は、県は立ち会いをしましたか、その廃棄について。
○松尾説明員 廃棄には立ち会っていないそうでございます。
○小沢(貞)委員 あなた方は業者から聞いて、その報告に基づいてやりましたと、こう言ったけれども、業者のほうは県の立ち会いでやりましたと、こう言っている。どっちが正しいのですか。 農薬工業会から出ているのは、全体は読みませんけれども、問題があるのは廃棄量でありますが、これはすべて県の係官の立ち会い、指示に従い土中に埋没処理をしたものであります。滝沢倉庫のものです。農薬工業会によれば、県が立ち会って、ちゃんとやりましたと、こう書いてある。いま局長が言うように、政府からの答弁書によれば、立ち会いはしていないと言う、どっちですか。
○松尾説明員 実態は、県の港湾事務所が立ち会ったというのだそうでございまして、つまり業者のほうは係官の立ち会い、こういうふうに言われたのだろうと思いますが、衛生部が立ち会ったかというと、それは立ち会っていない、こういうことでございます。
○小沢(貞)委員 業者のほうは、ここに具体的な会社の名前が出ている。北興化学工業株式会社の農薬は、神山倉庫、東洋埠頭、新潟商船倉庫、日本通運、日本海倉庫、新潟倉庫運輸、そうした各倉庫がこういうふうに六つ出ている。しかし、政府の答弁書によれば、三つにしか北興化学の農薬は入っていないと言っているのです。どっちが正しいんですか。業者のほうからは、六つの倉庫に入っておりましたと、こう言っている。厚生省の答弁は、あるいは疫学班の答弁は、そのうち東洋埠頭と日本海と新潟倉庫の三つしかありませんと、こういうふうに言ってきている。
○松尾説明員 県からいただきました報告をお届けしたそうでございますが、それはただいま御報告になったような報告書にございますようなことになっておるということでございます。
○小沢(貞)委員 要するに、私の言っているのは、この農薬が流れて汚染をして、そして川の口が汚濁して一時に魚が死んだり病人が出た、こういう重大なことなんですよ。ですから、報告を受けましたとか、業者のほうはいま言う六倉庫にありましたというのに、疫学班の調べは三倉庫にしかないような、こういう重大なことがありましたから、農薬を調べましたかと言っているのです。みんな違っているじゃないですか。流れた事実があって、それを否定することができないならば、これは流れたはずです。それを、うそを言って報告をしてきている。幾らさがしてみてもだめなんだ。農薬工業会は、北興化学の農薬はありましたということになっている。それを疫学班の調べでは三つしがなかったと、こういうふうになっている、どっちが正しいのですか。
○松尾説明員 最終的には、県が再度調べまして報告をしたほうが正しいということになっております。
○小沢(貞)委員 どうしてそういうふうに言えますか。私はこの前のときも、こういうことばを使ってたいへん恐縮ですが、県も劇物毒物取り締まりの立場に立っている。それがうまくいかないということは、県も実は疫学班から調べられなければならない立場なんですよ。いいですか。県の衛生部長というものは、毒物及び劇物取締法というものをうまくやっておるかを調べる立場なんです。あのときは北野衛生部長だと思いますが、あの北野衛生部長を今度は捜査班に入れてあるわけです。疫学班の一員として捜査班に入れてある。どろぼうが犯人をつかまえるというような、こういうようなことでございますから、農薬の追及についてもできていない、こう言っているのです。その北野さんは何を言ったかというと、廃液の中毒で患者が出ましたと言った。四月十六日、その三、四日たったときに「原因は農薬でない」こんなに大きく新聞に出ている。その後の足取りを見ても、そうです。だから、追及をしようとしていない。犯人に犯人をさがさせようといっても無理ですよ。捜査させようといっても無理ですよ。ですから、そういうミステークが重なってきている。また、こういうことが書いてある。農薬工業会は、滝沢倉庫にあった農薬の数量は、県当局の調査によればと、こう書いてある。県当局の調査というのは、具体的に言うと、県衛生部長の調査、県衛生部が農薬工業会に滝沢倉庫にこれだけありましたと報告をしておる。そうすると、農薬工業会は滝沢倉庫にこれだけありました、こう出している。今度、疫学班としては、農薬工業会からきている報告だから正しい、こう書いておる。取り調べられなければいけないものが取り調べておるから、こうなっている。だから、農薬については調べていないということになっている。だから、農薬が流れた通船川に閘門があって、あのときの水は阿賀野川に流れていなかった。しかし昭和電工に、地震後にそんなものはつくったのじゃないかといわれたら、はい、間違いましたと言っておる。有機水銀農薬は倉庫に相当あったのではないかと言われましたら、最初ないと言って、次に、報告がきて、ありましたと言う。滝沢倉庫の中の数量も、そういう経過によって出てきておる、あるいはまた、北興化学の農薬は六倉庫に入っていた、農薬工業会からこういう報告が出ているにもかかわらず、県からは三倉庫にしかない、こういうことをいままで調査を重ねてきている。だから、この農薬についても調査をし、地震のときに流れたものについては、県は流れた、こういうふうに明確にしておる。もう新潟地震のときの「衛生対策の記録」を見ても、農薬が流れたのは事実で、県の衛生部長が二度も三度も通達を出した。それを調べないでおいて、農薬が流れていないという答弁をしている。それなら、この反論を積極的に私に示してもらいたい。
○松尾説明員 私は疫学班ではございませんので、私の口から申し上げることは困難でございますけれども、とにかく疫学班もその疑いは十分持ちながら調査をしたということは事実でございます。 さらに衛生部長を入れたということについては、いろいろと疑問もあるようでありますけれども、こういう問題は、現地といろいろと密着した調査でなければならないという観点から選ばれたはずでございますので、委員会の中で、その一人の人間の発言で全体が左右されるという運営はしていなかったはずだと考えております。あくまで現地でいろいろな情報、その他現地と密着した調査をやりたいという観点からメンバーに加えたというように理解しております。
○小沢(貞)委員 時間もないので、御協力を申し上げる意味で、もう一、二点だけお願いしたいと思います。もう二、三分です。 私が調べたところによれば、県の答弁書は、文書でもって、どこそこの倉庫にはどれだけの農薬があると思います。合計一千何百トンはありましたという答弁をくれました。新潟地震のときの「衛生対策の記録」によれば八千トン流れました、これはまあおおむねの数字だと思います。八千トン流れました、こういうふうにある。具体的に農薬は流れているわけです。そういう中で、私はどうもおかしいと思うから、現地に行って調べてみると、国が私に報告した以外の倉庫に農薬が一ぱい入っている。だから、私は農薬については調査をしていないのではないか、調査したと客観的に私にわかるような説明をしろと言っても、できないわけです。だから、調査をしていないわけです。 だから、以上を申し上げると、こういうことになっていきますよ。まず第一には、農薬をなぜそういうふうにおろそかにしたかという原因は、メチルしか出てこないから農薬ではないというふうな誤った前提に立って農薬の調査というものをおろそかにしたのが大きな間違いである。 農薬については、被疑者であるものに捜査をさせた。県衛生部長は、取り締まられなければいけない被疑者である。その者に捜査をさせました。 それから、同じく被疑者である倉庫業者、農薬会社、こういうものの数量の報告だけを真に受けてやっていたから、これもまた、被疑者である者の言うことを聞いただけ、これも間違いのもと。 阿賀野川の水が新井郷川に流れたと疫学班は判断し、それによって結論を出したが、それは違う。新井郷川から阿賀野川に流れたというのを重大な事実誤認をやっている。これもまた違うことである。 それからまた、このすぐ近くにH農薬会社がある。その地下水に農薬の廃液を入れている。病人の出た、患者の出たどまん中にある。日本ガス化学もそうである。そういうものについては全然調査をしていない、こういう事実誤認をやっている。 また、農薬というものを最初からはずそうと思っているから、これは疫学班の中核として働いたところの新潟県の衛生部長は、とにかく有機水銀中毒の患者が出たという三日か四日後に、農薬に原因がない、こういうような偏見の新聞発表をしている。ずっとこれで続いてきているわけだ。 あるいはまた、台風によって水銀が流れている状態。だから、常日ごろ河川が汚染されているその量は、私が数字を計算してみても、あなた方が被疑者だと見た鹿瀬電工の量よりもまだ多い。だが、それについてもまだやってない。だから、こういうことになると、この間の厚生省の結論というのは、まるで誤謬と偏見に満ちた結論である。客観的に見て、そうである。そういうように考えざるを得ないわけです。 私は工場排水のことはよくわかっています。工場の排水が出たその付近、ちょうどあの合流点なんか、三十年来魚の漁場です。そこが一番よくとれる。工場のあたたかい水と阿賀野川の水とが一緒になって、何十年そこで魚をつっても病人が人っ子一人出てこない。そこから十キロ下にダムがある。水が停滞する。そこにダムがあってぴたっととまる。そこに病人も出なければ何にも出てこない。それが河口の、六十五キロも下に行って病人が出たということは、科学的にいえば、サイホンで廃水を持っていって河口をよごすか、そこで食べた魚が、トビウオみたいに六十五キロも飛んでいって、そこで死ななければ考えられないことです。いろいろそのまわりで衛生部長が、病人はいないかといって調べてみても、ほかに行けばみなそういう現象があるのだから、客観的な資料には何にもならない、こういうことなんです。だから、厚生省は、——一番の原因は、農薬に原因がないというこの偏見そのものの被疑者である者を疫学班の一員に入れた。そこにずっと一貫して誤謬が積み重なってきているわけだ。新しい局長だから、いままでの過去を振り返ってみて、そういう判断をしてもう一回調査をしなければならない、こういうように考えるわけです。
○松尾説明員 就任早々で、こまかいことはまだよく理解しておりませんのでいろいろ御迷惑をかけておりますが、いま先生のおっしゃったようないろいろな疑問点というものは、一応通例の場合考え得る問題かと存じます。しかし最初に申しましたように、そういったような問題があるにもかかわらず、いろいろな多角的なデータの集合からそういう判断を下したものだと私は信じておるわけでございますので、私自身がいま申し述べられましたような点について、過去の出されましたすべてのデータをもう一度整理いたしまして、その上で私の決心をきめていきたいと思います。
○小沢(貞)委員 それじゃ要望だけしておきます。たとえば、長期にわたって汚染したニゴイを食べた人間に多いといっているが、ニゴイは二年しか三年しか生きていないのです。それを長期にわたって汚染したなんて、そういう非科学的なことはないじゃないですか。ニゴイは二、三年、四年くらいしか生きないでしょう。そのニゴイを食べたから人間が病気になったというのでしょう。それを、ここには長期に汚染したことが基盤になっている、こうある。そんなものはだめなんですよ。二、三年の間に大きな濃厚なあれがくるとか、これはどう考えても、一時にそこへ濃厚な何か汚染源があった。それは農薬じゃなかったかとか、あるいは、すぐ隣にガス化学がありはしないか、あるいはまた、その向こうはどうだとか、いろいろ申し上げたんだけれども、その根元のところを全然調べていないわけなんです。だから、新局長就任早々のときにいろいろむずかしい問題を申し上げてたいへん恐縮ですが、これは重大な問題であって、いままで科学的に調査をしましたという問題について、もし全部答弁をいただくならば、私はここで疫学班の誤謬について一つ一つ反論をします。十分調査をしていただくということなので、きょうはこれでやめておきたいと思います。 —————————————
○矢野委員長 次に、原子力船母港に関する問題について、質疑を行ないます。 本問題調査のため、本日、参考人として日本原子力船開発事事団理事長石川一郎君に御出席願っております。 淡谷悠藏君。
○淡谷委員 理事長にお伺いしたいのですが、原子力船の定係港が横浜で拒絶されまして、それがむつへ来るようになったのは一体いつごろのことなんですか。そのいきさつを御説明願いたい。
○石川参考人 横浜のほうの定係港の問題は、私が市長にお目にかかったときは、要するに、埋め立て地の一部分をわれわれのほうにちょうだいしたい、こういうことであったのですが、埋め立て地を分けてもらいたいという方が多くて、もう土地がないということが一つと、いま一つは、定係港をあそこに置いても、ほかのものを埋め立て地に持ってくる場合と比較いたしまして、経済的効果が少ないからというお話がございました。しかし、そのときに、これは自分でもよくわからぬから、審議会みたいなものをつくって、そこで御研究願って、あなた方のほうに御返事をする、こういうことであったのです。それで、一番初め申し込みましたのが去年の八月でありますが、選挙その他がございましたので五月にもう一ぺん申し込みいたしたのですが、約一カ月余りたちまして、何らの理由もなく、説明もなく、あの問題はお聞き届けできないから、そう思ってくれ、こういう書面をちょうだいしたのであります。 それで、今度はむつの問題になりますが、初めに、横浜を選ぶ前も、約二十カ所ほどの定係港の候補地を考えました。その中に、むつもあったのであります。それで横浜のほうは、その後に、いろいろ、あるいは市会議員、県会議員、あるいは横浜の商工会議所とかロータリークラブとか、あるいは一般の民衆に対して宣伝をしておったのですが、そういうことでいけなくなりましたから、それで初め考えておりましたむつのほうに持ってまいりたいということで——というのは、横浜のほうからそうおっしゃっていただいて、それをとくのにいろいろやったんですが、たいへんひまがかかりまして、約一年ぐらいかかるように感じたものですから、それでは船をつくる段取りが非常におくれますものですから、むつのほうへお願いをすることにいたしたのであります。初めから考えておった一つの候補地でございます。
○淡谷委員 私、お聞きしたいのは、むつに対してされた交渉のいきさつです。知事も市長も、事前にはほとんど何の打ち合わせもなく、突然決定したから協力してくれというような申し入れを受けたのははなはだけしからぬ、こう言っているのです。だから、その点をもう少し事前に地元と話をする準備がなかったのか、あったのか、それをお聞きしたい。
○石川参考人 決定はいたしておりません。われわれはごあいさつに行ったのです。実はここにきめたいと思うからということで、市長にも県庁のほうにもお願いに出たのであります。決定したわけではございません。政府のほうがわれわれの案によってきめるのでありますから、われわれは決定をする権利を持っておりません。ただ、つくりたいと思ってお願いに出た次第であります。
○淡谷委員 そういたしますと、まだ、むつは決定したのじゃなくて、事前交渉の段階だというふうにとってよろしいのですね。 それでお聞きしますが、この交渉の中で、むつでやらなければならない仕事というのは、どういう仕事なんです。
○石川参考人 定係港でやる仕事は、原子力船がときどき港へ入ります。それを休ませることが一つ、それから一つは船員等の休憩とか、あるいは家へ帰るとか、乗りかえをするとか、そういう場合に使うことが一つ。それからいま一つは、原子力船に積んでございます燃料の入れかえをする場所であります。入れかえをするのは、燃料を出しまして、それをタンクに入れておきまして、精製する場所へ運ぶ前、一時そこへ置いておく場所でございます。そういうふうな場所に使いたい、こう思っております。
○淡谷委員 何かもっと詳しい事業計画を示しているようですが、一体むつのあの場所には何々をつくろうというのですか。われわれの聞いたところによれば、燃料の貯蔵庫がある。それから、この燃料の再処理の工場は一体つくるのかつくらないのか。廃棄物は一体どうするのか。その点をほとんど詳しくまだ市民は知っていない。どういうふうにお考えですか。
○石川参考人 燃料の古くなったほうでございますが、そのほうはそれを精製する場所がいまつくられようとしております。そこへ持ってまいりまして精製をしていただくということで、あそこでは精製いたしません。それから船の中でいろいろ、たとえばぼろとか綿、そういうものでいろいろなものを掃除したりいたします。それは汚染されていますから、それをかためまして焼却場のほうへ運ぶ一時の貯蔵場にいたします。 それから液体のほうは、もし海に捨てるのには規則がございます。これは内海の中で捨てる意味ではございません。公海で捨てるのでありますが、幾ら以上のものは捨てちゃいかぬということになっていますから、それは捨てられません。だから、それを煮詰めまして、廃棄物の処理をするほうへ運ぶ場所にいたします。そういうふうに、みんなそういうものを中継する場所でございます。あるいは船員の休むところ、あるいは船を休ませるとか・ペンキを塗るとか、そういうところに使うわけであります。
○淡谷委員 そういたしますと、こう了解してよろしいですか。燃料の置き場、これが一つ。それから、残った燃料の再処理はするのかしないのか、これが一つ。廃棄物の最終処理はどこでやるのですか。あそこへは廃棄物をかりに置くだけだとおっしゃいますが、廃棄物をかりに置く場所がつくられる。そうすると、最終的な処理はどこでされるのですか。
○石川参考人 どうかそれは政府のほうで答弁願ったほうがいいと思います。
○村田説明員 母港におきましては、ただいま石川理事長のお話しのとおり、一応貯蔵するだけでございまして、先生の御質問の最終処理は、使用済みの燃料については再処理工場、これはまだこれから建設するものでございますが、いまの予定では四十七年には運転稼働に入ることになっております。ここで再処理いたします。それから、ぼろぎれ等の廃棄物、こういったものの処理は、現在すでに東海村の原研の構内にそういう処理場がございます。ここで行なっております。そちらに持っていって行なう。これは他の放射性物質の取り扱いと同様でございます。
○淡谷委員 再処理工場はどこへつくるのですか。
○村田説明員 再処理工場の用地については、まだ決定しておりませんが、従来原子燃料公社がこれを扱っております。十月からは動力炉・核燃料開発事業団のほうが引き継いだわけでございますが、事業団のほうでは、かねて土地を購入いたしました、前の原子燃料公社の構内につくりたいということで、事業団のほうはそういう予定でおります。
○淡谷委員 再処理工場ができるまでは、むつがそれを預かっておかなければならないのですね。
○村田説明員 実際に使用済み燃料を送りますにつきまして、大体現在の取り扱いによりましても約百日間これを貯蔵して、それから初めて送ることにしております。それからまた、船ができ上がりますのは四十六年度一ぱいをいま予定しておりますが、最初の取りかえというのは、燃料は大体運転の状況にもよりますけれども、二年に一度ぐらいの予定にしておりますので、それまでには十分間に合うものと考えております。
○淡谷委員 再処理工場をむつにつくろうというような陰謀はないでしょうな。
○村田説明員 私は少なくともそういうことは聞いておりません。
○淡谷委員 それじゃ、まだ非常に不確定な要素が入っているわけですね。 それから政府が一応むつを選んだというようなときに、これは絶対安全だからつくれというのですか、あるいはまた、万一の事故があった場合に備えても、やはりむつがよろしいというふうにお考えになっていますか。事故は絶対に起こらないという前提に立ったか、万一の事故が起こった場合の影響も考えて選定されたかどうか。
○村田説明員 先ほど長官の御答弁にもございましたように、原子力船に限りませず、あらゆる原子力施設を新規に建設いたします場合には、原子力委員会の安全専門審査会にはかりまして、ここで厳重なる安全審査を行なうことになっておりますが、その場合の審査のしかたは、いかにその施設が安全上厳重なる——通常、原子力施設は、少なくとも三重の安全装置を設けてございますけれども、そういうような厳重なる安全装置が施してございましても、人間のやっていることでございますから、万々一何かのことでそういった三重の安全装置がすべてはずれることがあるかもしれない、そういった場合を想定して、これを私どもいわゆる最大想定事故と言っておりますが、実際に起こるとは思われないけれども、仮定上起こったと想定しましたときに、どういう影響が起こるかということを、その周辺の環境、条件と照らし合わせまして審査いたします。そして、そういうようなことを仮定してみましても周辺に支障がないという確認がなされて、初めて安全専門審査会としては、その場所ならその場所が支障ないという答申をされる、こういう仕組みになっておりますので、原子力船の母港の場合も全く同様になされることと考えております。
○淡谷委員 そこで、さっき途中でおやめ願ったのですが、コバルトの紛失事件のいきさつをこの際お話し願いたい。
○村田説明員 先ほど私もちょっとお話ししかけましたように、御指摘のコバルトの紛失の問題は、医療用にごく少量のものを名方面で使っております。そういった医療用に使っております際に、あるいはその病院の管理者の管理上の間違い、あるいは焼却いたしますときの手続の間違いということで紛失したことがあるわけでございますが、量としては、そのまま人にこれが飲用されるとか吸収されるというようなことがございません限り、問題になるようなことはない量でございますが、例として一、二申し上げてみますと、たとえば大学の付属病院におきまして、実験用に犬にコバルト六〇を装着しまして実験しておったところが、犬が逃亡してしまいました。同時に、そのために、これがわからなくなった。しかし、この事件は、シンチレーションカウンター、例のガイガーカウンターのようなものを持ってきまして追跡した結果、見つけたということもございます。それからまた、コバルト六〇というものは、通常、管理します際には、鉛の容器の中に入れておるのでございます。それが病院の構内で、どういうふうに考えられましたか盗難にあいまして、何か大事なものが入っていると思われたのかもしれませんが、その盗難のために、なくなった。しかしながら、これも調べましたところ、下水の中に捨ててあった。そこで、これを回収しまして、その下水については必要な除染を行なった。こういった例が従来一、二起こっております。しかし、これによって実際に人畜等に障害が起こるというような事例は生じておりません。
○淡谷委員 最近現実に起こった問題があるじゃないですか。
○村田説明員 最近の例では、私の聞いておりますところでは、東京都の私立の病院で、コバルトの非常に少量のもの、ミリキュリー——ミリキュリーといいますのは一キュリーの千分の一のものでございますが、二ミリキュリーという非常に少量のものが紛失したという届け出がございました。これも、現在さらに調査中でございますが、ただいままでの調査のところでは、下水へ流れ込んで、下水と一緒に流れ去ったらしい、こういうことでございます。
○淡谷委員 私がこんなことをあえて言うのは、事故というものは、そういうものだと思う。たとえ少量といえども、コバルトの管理というものは万全の用意をしてやっているはずなんです。取り扱い者に対しても十分な警告はしてあるでしょう。にもかかわらず、事故は起こる。原子力研究所の資料などを見ましても、事故が非常にたくさんあるのですね。事故というものは、やはり起こることを前提として対処しませんと、いつどんなことが起こるかわからない。それを、さっきも大臣に話しましたけれども、もう専門的な知識がないことをいいことにして、事業団の理事の諸君が現地でいろいろなことを言っているんですが、一体西堀理事というのは、理事長、あなたが派遣されたのですか。
○石川参考人 西堀さんは、御承知のとおりの方でございまして、原子力の問題について非常にお詳しい方でございます。もと原子力研究所のほうにも長くつとめていらっしゃって、あそこで改革があって関係の方々が全部やめられたものですから、それで、遊んでいらっしゃったから、私がお願いして連れてきたものでございます。
○淡谷委員 むつへ派遣されたのは、理事長、あなたが派遣されたのですか。
○石川参考人 理事の旅行は、全部理事長の行けという命令が出なければ行けないことになっております。私が派遣した張本人でございます。
○淡谷委員 それにしては、非常にまずい人選だったと思いますね。原子力の権威かもしれませんが、人間の心理をつかまえる方法を知りません。初めから挑戦的です。したがって、反対、賛成がはっきり分かれまして、憎悪さえ持っているのです。それはそうでしょう、おまえら野獣だといわれたり、無知文盲みたいなことをいわれてどうしますか。しかも、それが、長い間あそこにおりまして、市長とも知事とも、最初のうちはほとんどもう交渉なしに、地元の工作をしておったことが、かえって事態を悪化させたことを、はっきり申し上げておきます。それから、万一の事故に備えるならば、一体陸奥湾の潮流の調査はされておりますか。
○村田説明員 安全審査をいたします際には、そのような資料ももちろんそろえまして安全専門審査会に御検討いただくわけであります。
○淡谷委員 いま安全性をやたらに強調しておりますけれども、いわば定係港というものは、安全専門審査会の決定をまたずに承諾しなければならないのでしょう。つまり、安全か安全じゃないかということは、環境との関係において、定係港がきまってからはじめて審査される。そうすると、その定係港に白羽の矢の立ったものは、審査会を経ないうちに承諾あるいは拒絶しなければならないのじゃないですか。安全性など問題にしないで一応承諾しなさい、それから審査会にかける、こういうふうになるんですがね。
○村田説明員 安全専門審査会にかけます手続は、法律に定められておるとおりでございますが、事業団が、この場合、設置者あるいは事業者ということになりますので、事業者のほうである原子力船事業団から内閣総理大臣あてに、これこれの原子力船を建造したい、この原子力船の母港としてはここにしたいということが、必要な資料等を添えまして申請されまして、その申請されたものの内容を、原子力委員会に総理大臣が諮問をいたし、原子力委員会は、原子力委員長の指示によりまして、安全専門審査会にさらに審査をお願いする。安全専門審査会というものは、原子力委員会からのそういった審査の依頼を受けてはじめて客観、公正、科学的に、与えられた資料に基づいての審査をするわけであります。その場合は、先ほど私が申し上げましたように、いかにその装置が安全上厳重な設計になっておりましても、万々一の事故を想定して、その想定された事故がかりに起こったと仮定した場合の支障ということも審査の上、答申をする。答申がなされまして、原子力委員会がさらにそれを原子力委員会の立場で、たとえば事業団がそういった仕事を行なう上に、技術的に能力が十分にあるのかどうかというような点も慎重に検討しました上、総理大臣に答申をされ、そこで、総理大臣が最終的に事業団に対して、原子力船の建造並びに母港の建設というものに取りかかってよいかどうかということについての許可を与える、こういう手続になっております。 そこで、安全審査と申しますのは、そのような一連の原子力船の建造許可、母港の建設許可ということの中の一つの重要な要素にはなりますけれども、安全審査というものが専門審査会でできたから直ちに設置が許可される、こういうものではないわけであります。安全以外の種々の問題につきましても、政府の立場で、あるいは原子力委員会の立場で十分判断しまして、許可を出す出さぬをきめる、こういうことになっております。 そこで、原子力船の場合、これは日本で初めての場合でございますので、原子力発電所とかいうものと違いますが、原子力船の安全審査を全部終えて答申を出すためには、母港についても安全審査をして出す、こういうことに相なるわけであります。それは法律上の手続からそうなっております。 そこで、現在地元にいろいろ御協力をお願いしておりますのは、そのような安全審査は法律に基づきまして厳重に行ないます。したがって、その安全専門審査会のほうから、もしここが安全上不適格である、そういう答申が出た場合には、もちろん政府は許可いたすはずはございません。したがいまして、もし安全専門審査会に必要な資料を出してかけまして、安全専門審査会のほうで、よろしい、大丈夫である、こういう答申ができた場合には、ひとつつくることを御了承願いたい、こういうことで御相談申し上げておるわけでございます。
○淡谷委員 最終決定が、安全専門審査会の決定に基づき総理大臣がやるとしますと、決定されない場合の定係港では、最終的な安全審査という条件を抜きにして地元がイエスかノーか回答しなければならない。地元が一番関心を持っているのは、一体安全かどうかという問題でしょう。これは安全だということを事業団がいいましても、安全専門審査会あるいは総理大臣が安全じゃないと思うこともある。そうすると、結局現地はどこを基準にして安全性を考えたらよろしいのですか。安全性がもうすっかりきまったことみたいに事業団の理事は言いますが、われわれはそこを言うのです。最終的には、安全かいなかは、審査会を経、さらに決定してからきまることです。定係港を承諾するのは、その安全性が未確定のままで承諾しなければならないでしょう。法律はそうかもしれませんが、理屈上、そうじゃない。最終的な安全保障というのは、やっぱり最終的な決定を見てからきめることなんです。それを事業団が、自分たちのそれに従えばもう全く安全なんだという確信らしきものを持って現地で盛んにPRをやっているのは、少し行き過ぎじゃありませんか。
○村田説明員 先ほどの、西堀理事がどういう御趣旨で、どういうふうになにされましたか、私はつまびらかにいたしませんが、しかし事業団といたしまして、原子力船そのものはもとよりでありますけれども、母港につきましても、総理大臣に許可申請をいたすということを考えていきますためには、当然事業団の内部におきまして、あるいは外部の専門家の協力も求めまして、考えておりますところの原子力船そのもの、あるいは母港というものが安全上はたして問題があるかどうかということは、御自分で十分勉強あるいは調査されるわけであります。何も調査しないで、ただ申請して結果だけ待つというのは、はなはだ無責任な話でございまして、事業団の立場としましては、事業団としておやりになるのが私は当然だと思います。しかし、事業団のほうで幾らおやりになりましても、政府がこれを許可するかどうかという際には、原子力委員会の安全専門審査会にかけまして、これはもう全く他の考慮を離れて、科学的に、安全上の支障の有無だけを検討されるわけでございますので、そういう客観的な公正な機関の安全審査を経て初めて政府としてはよろしいとか、あるいはどうであるとか、こういうことをいたす。事業団としての範囲内では何もしないのかといいますと、事業団としても、いろいろ御検討はなさっておると思う。ですから、事業団のほうでいろいろおっしゃいますのは、政府の、あるいは原子力委員会の安全専門審査会の結論が出たことを材料としておられるわけではありませんけれども、事業団としての、これまでの、必要な技術的な検討、そういったものから言っておられるものと了承しております。
○淡谷委員 それには理事長、どうも人選がますますよくないようですな。西堀さんというのは探検隊長でしょう。南極探検をする人の危険意識と、長い間政治災害に悩まされてきたむつ市民の危険意識とは違うのですね、むつ市民は探検隊じゃありませんから。それをまるで危険は絶対ないのだというふうに探検隊長的意識をもって臨むということは、私は決して地元を納得させるゆえんじゃないと思う。それが一つ。 もう一つは、事業団として、それならば、むつの海流、風向き、万一事故が起こった場合の影響というものを具体的にお調べになりましたか。これは、政府はどうか知りませんが、事業団であれくらいの自信をもって宣伝される以上は、そういうものをお調べになったと思うのですが、これはどうですか。
○石川参考人 事業団といたしましては、原子力船それ自身の安全性に対して自信を持たなければ、政府のほうにお願いはいたしませんし、また、むつの港港にそういう設備をやって、むつに御迷惑をかけることがないということでなければ、われわれは政府のほうにこれを申し入れるわけにまいりません。やはり自分のほうですっかり調べまして、おそらく風向きがどうだ、潮流がどうだ、いろんなことをその土地に対しまして調べる、それから船に対しましては、こうこう、こういうわけでこの船は安全だということを非常に厚い書類にいたしまして、そして、それを安全専門審査会にお調べを願うことになっておるわけであります。それで、われわれは、自分としては、これで安全だということがなければ、そういうことを出すわけにいかないので、われわれはそれを信じて、これを出している次第でございます。
○淡谷委員 これはやはりさっきから話をしておりますとおりに、絶対安全という立場に立ったのでは、安全じゃないのです。万一の事故に備えて、その安全性を考えないと、安全だとはいえない。したがって、理事長の話だと、陸奥湾についても十分お調べになったそうですか、陸奥湾の潮流の状況あるいは風向き等について、ほんとうに調べたのですか。調べてあれば、調べた材料があるはずですね。資料提出を私は要求しますが、いいですか。これはございましたら、いままで調べた、陸奥湾の潮流あるいは風向きに対し、あるいは事故があった場合の影響についての資料をお出し願いたい。これは委員長、お計らい願いたい。 それからさらに、放射能が漏れた場合の状況においては、内湾よりも、つまり入り込んだ湾よりも外洋に近いほうが好ましいのでしょう。むっという港の実態を見ますと、非常に入り組んだ港ですよ。あそこで万一事故が起こりますと、湾内全部が汚染される危険性が多分にある。これは非常な漁場がたくさんあるのです。そして、かりにこの放射能が流されたとしましても、津軽海峡ですよ。最も船舶の往来の激しい津軽海峡なんです。こういう状況なども、これは政府はお考えになったのかどうかというのが一つ。 もう一つは、むつに廃棄物の最終処理場をつくるという陰謀がないならば、かりに東海の研究所へ持っていくとしても、東海はもう最終処理場で余っているでしょう。置く場所がないような状態でしょう。さらにこの運搬する距離が遠いのがいいのか、近いのがいいのか。むっというあの下北半島の突端から、海路によるにせよ、陸路によるにせよ、あの長い間を廃棄物を運搬するということは、一体安全性の上から見て、どうなのか。この点はまだ疑問が多いのじゃないですか。結論を得ておりますか。これは局長からお答え願いたい。
○村田説明員 ただいまのは使用済み燃料の再処理の場合と、通常の放射性物質で汚染された、たとえばぼろきれとか容器とか、そういったものの処分と、両方あると思うのですが、前者につきましては、当面、再処理工場を現在事業団は東海を予定しておりますが、そこにかりにつくりましても、そこに持ってきます使用済み燃料は、何も東海の原子力発電所だけではございませんで、東電、関電あるいは原電が第二号炉として敦賀につくっておりますもの、こういったものもやはりそこに運んでまいるわけでありまして、したがいまして、裏日本のほうからぐるっと回って運んでくるというようなことは当然考えておるわけでございます。 それから、ぼろぎれその他の、そういったいわゆる汚染物質の廃棄でございますが、これは現在全国に約千五百カ所ばかりの、いろいろと放射性物質を取り扱っている事業所がございます。その大部分が、約三分の二近くが病院等でございますが、そういうところで放射性物質でよごれました物というのは、定期的に放射性同位元素協会がドラムカンに入れて取りまとめまして、それを東海村の原研へ運びまして、そうして、東海村の原研でこれを圧縮して、非常に小さくして埋めるとか、そういう処分を行なっておるわけであります。その点は、特に原子力船の母港といたしましても、変わりはないと思います。
○淡谷委員 ちょっと私の質問が十分に徹底していなかったようですが、入り組んだ湾の中にそういうのをつくる場合と、外洋に面したところにつくる場合と、安全性からいって、どっちが安全かというのが一点。 それから、現実には遠い距離を運んでいるでしょうけれども、陸路を運ぶにせよ、海路を運ぶにせよ、なるべく最終処理の段階に近いところのほうがいいのじゃないかということ、この二点をお聞きしているのですがね。
○村田説明員 湾の汚染の問題は、湾内に放射性の廃棄物を流すかどうか、流れるかどうかということでございますが、私どもの現段階における検討によります限りは、湾内に汚染物質が流れることはあり得ないと思っております。したがって、湾内が汚染されるということはないと思います。 問題は、たとえば湾の中を航行中に船が沈んだとかいう場合にどうかということであろうかと思いますが、船が沈みました場合の沈み方等にもよりましょうが、これは技術的な説明がいろいろありますので省略いたしますけれども、現在の最大想定事故といわれますものでも、湾内が汚染されて、そのために魚族その他の水産物がどうこう影響をこうむるということは、まずないものと考えております。これはもちろん安全専門審査会の審査をまたなければならぬわけでありますが、一般的に申して、設計上から見まして、そういうふうに考えております。 それから、遠い距離の輸送ということでございますけれども、いずれにしましても、使用済み燃料のようなものを処分しますのには、やはりできるだけ一つの工場に集めて、大量に処理するほうが経済的でありますし、また、安全管理上も十分徹底するわけでございますので、ずっと先の将来は別としまして、当面はやはり国内に一つあればよろしいと思っております。そういたしますと、国内のどこにつくりましても、ある施設からは近いとしましても、他の施設からは遠いということでございます。したがって、どこからかはやはり運ばなくてはならないということでございますから、原子力船の場合も、国内に原子力の施設としてはこれだけだということでございますと、その近辺に処理場を設けるというのが一番簡単であろうかと思いますけれども、原子力船のためだけの処理を行なうのではありませんで、他の原子力施設からのそういう廃棄物あるいは使用済み燃料の処理も行ないますので、国内の適当なところに置きまして、そこに運んでいく、そういう形をとらざるを得ないと思っております。
○淡谷委員 わかったような、わからないような御答弁なんですが、距離の点はやむを得ないというのですが、やはり近いほうがいいのでしょう。それが一つ。 それから、もう一つは、外洋に面した場所と、湾内にある場所とでは、できれば外洋のほうがいいのでしょう。あなたは湾内を汚染するということはないと言いますが、事故というものは、予想されない事故が起こるのですよ。まさか幾ら何でもコバルトは放射能が無害だから、なくしてもいいとは考えないでしょう。犬に結びつけるときに、犬が逃亡するとは思わないで結びつけるでしょう。そんな不慮の事態に備えて安全性を考えるのがほんとうの安全性ではないですか。その点で、私たちしろうとでありますけれども、むつの市民あるいは青森県民というものは、もっともっとしろうとです。そのしろうとの考え方からでも、これはあぶないのじゃないかという考え方が若干残っておる間は、その安全性についても十分納得のいくように話し合いをしてからおきめになったほうがよろしいと私は思う。どんな事業だって、地元民の協力なしにできたためしはない。それを、いまのように、探検隊長の意識をもって、だいじょうぶだからやれやれ、反対する者は選挙に落ちるとか、野獣だなんて罵倒しておいて、それでもっていこうというのは、大臣に言ったとおり、これは明らかにいまの政府あるいは事業団の独裁的な傾向だと私は言わざるを得ない。無理してもらいたくない。幸い回答には期限をつけないといっておりますから、やたらにその回答を、やいのやいのせっつかないで、青森県の県民がまつ二つに割れないように、あるいはむつ市民がまつ二つに割れて将来に禍根を残さないように、十分な配慮をもって対処されたい。これからさまざまな素朴な疑問が出てくると思いますが、また機会を得まして、納得のいくまでお聞きしたいと思います。返す返すも申し上げたいのは、いままで政治災害に悩まされたむつ市に新しい混乱の種をまかないように、十分なる配慮を要請いたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。 ————◇—————
○矢野委員長 石川参考人には、長時間にわたり、まことにありがとうございました。 ————◇—————
○矢野委員長 先般、茨城、福島及び岩手の各県に委員を派遣し、科学技術の実情について調査を行なったのでありますが、派遣委員より調査報告が文書で提出されております。 本調査報告を、参考のため、会議録に参照掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○矢野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう取り計らいます。 本日は、これにて散会いたします。 午後一時十二分散会 ————◇—————