運輸委員会 第2号
- 発言数
- 115 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1967/08/15
会議録
○内藤委員長 これより会議を開きます。 日本国有鉄道の経営に関する件について調査を進めます。 去る八月八日の中央本線新宿駅構内における列車衝突事故概要について説明を聴取します。石田国鉄総裁。
○石田説明員 去る八日未明に新宿駅で起きました重大事故に関しまして、皆さまに非常な御心配をおかけいたしましたことはまことに申しわけないところでございます。幸いに乗客にも、また国鉄職員にも犠牲者を出すことなく、また、付近に火災をと非常に心配したのでありますが、これも無事に済みましたことは、まことに不幸中の幸いであります。ただ、これがために非常な多数の乗客に御迷惑をかけたことは、国鉄としてまことに申しわけない。ここにつつしんで陳謝する次第であります。 なお、この事故に関しまして、今後の危険物の輸送、運行に関して、われわれは手直しする余地はないか、さらに、運転の安全設備について現在のような程度でいいかどうか、これはほんとうに謙虚な気持ちで検討しなければならぬと考えております。 ただ問題は、いかにりっぱな安全装置をいたしましても、最後のかぎを握るものはやはり人なんであります。したがってわれわれといたしましては、ことに、非常に重大な責任を持つ運転士の選定、どういう人間を運転士にするか、あるいはこれを仕込むのにはどうしたらよいか、さらに平生指導訓練をするにはどうしたらいいかというようなことを、真に謙虚な気持ちを持って検討いたし、いいと思うことは着々とこれを実行に移し、そして将来かくのごとき不祥事の起こらぬようにしたいということが、私の念願であります。まことにどうも申しわけないことで、再びこれを陳謝する次第であります。 なお、詳しいことにつきましては、副総裁から御説明申し上げます。
○磯崎説明員 お許しを得まして、私から事故の概要につきまして御説明申し上げます。お手元に資料をお配りいたしてありますので、それに基づきまして御説明をさしていただきます。 発生日時は昭和四十二年八月八日午前一時四十五分、天候晴れでございます。場所は新宿駅構内。衝突いたしました列車は貨物の第二四七〇列車、これは氷川から浜川崎まで石灰石を積んだ貨車現車十八両、七百七十五トンの貨物列車であります。八王子機関区のEF一〇四〇という機関車が牽引いたしております。衝突されましたほうの列車は、貨第二四七一列車、これは浜川崎から立川まで参る、駐留軍の航空燃料を積んだ貨車、現車十八両によりまして八百六十二トンの貨物を引っぱっておった貨物列車でありまして、機関車はEF一〇三八号、同じく八王子機関区の所属であります。 原因は後ほど申し上げますが、まだ関係者が検察庁のほうに行っておりまして、直接事情を聴取することが困難でございますので、後ほど推定の原因を申し上げます。 概況はもう御承知のとおりでございますが、新宿駅山手線下り一番線を一分遅発、一時四十四分に出ました下り貨物の二四七一列車が上り線を横断いたしまして、中央線の下り線に進行する途中、上りの貨物第二四七〇列車、これは山手の下り一番線に到着いたします予定が一時四十九分でありますが、これが下り貨物の側面に衝突いたしました。このために上り貨物の二四七〇列車の電気機関車並びに下り貨物列車の十八両のうちの四両が脱線いたしまして、火災を発生いたしました。脱線いたしました車は全部タンク車でございます。三両目から、三、四、五、六両目の四両でございます。三両目の車は脱線いたしまして、積み荷がほとんど漏れまして、十二トンほど残っております。四両目はやはり脱線転覆いたしまして火災を起こしまして、六トンほど残して全部焼失いたしました。五両目はやはり脱線転覆いたしまして、貨車の外側は全部焼けましたが、これは積み荷に全く異常がございません。三十トンまるまる残っております。六両目はこれは脱線いたしまして、これは全部焼失いたしました。したがいまして、合計百二十トンのうち七十二トンの航空燃料が焼失したことになります。この航空燃料はジェット燃料でありまして、ガソリンと灯油のちょうど中間程度、引火点がガソリンより低く灯油より高いという航空燃料でございます。 関係者は、二四七〇列車は八王子機関区の機関士で四十一歳、昨年の春に機関士になったものであります。機関助士は二十一歳。それから二四七一列車は、機関士が三十二歳、機関助士が三十六歳ということでございます。 運転概況はすでに御承知のとおりでございまして、これは省略いたします。 事故のあと始末でございますが、火災のあとでございまして、ガソリンのガスが非常に充満いたしておりまして、酸素を使えなかったために、復旧に非常に手間がかかりましたことと、先ほど申しました残りの燃料を全部タンクローリーに積みかえましたのですが、それが日本の手でできませんでしたので、駐留軍の手を借りましたために、時間が非常にかかりました。実際に復旧に着手いたしましたのは午後になったために、たいへん申しわけないことながら、夕方のラッシュにも間に合わず、結局翌九日の午前四時四分に完全に復旧したわけであります。 以下図面につきまして概略を申し上げさせていただきますが、お手元の資料の一番しまいに新宿駅の略図がついております。この略図の左のほうが新宿駅でございます。上が西口で、下が東口でございます。それから線路は右上のほうに四本書いてございますが、これは中央線の緩行線と急行線でございます。貨物列車はこの急行線に入るわけでございます。それからその中央線の四本の上を山手線が通りまして、右下のほうに田端方と書いてありますが、これは山手線の電車の上り下り、山手貨物の上り下り、ここで山手線と中央線が振り分けになって、山手線が中央線の上を通っているところでございます。衝突いたしました個所は、その乗り越しの少し右側のところでございまして、二四七一列車と申しますのは、左下の山手下り一番というところから出まして、そのポイントを渡りまして急行下り、つまり中央線の上から三番目の線路に入って立川方面に行く列車でございます。ぶつかりました列車は、中央線の一番下の線路すなわち急行上りという線路を参りまして、そして山手線のガードをくぐりまして、このポイントでもって衝突をした、こういう関係図でございます。 次に、衝突に至りましたまでの経過を、その前の図面で御説明申し上げます。その前の六ページの図面は、いまの場所、衝突いたしましたところと東中野からの線路の略図を書いたものでございます。ただいま申し上げましたように、ぶつかりました貨物の二四七〇列車と申しますのは、急行上りという線路を右から左に向かって走ってきたわけでございます。それからぶつかられました二四七一列車は、左のほうの東京方というところの二〇五のロ号というポイントを渡りまして、上から三番目の急行下りという線路に入る線でございます。この急行の上下の線路は、平常は急行電車並びに中央線の遠距離電車の走る線路でございます。この問題の二四七〇列車は立川からずっと途中停車いたしませんで、通過してまいっております。そして、ここにございます赤いしるしをつけたものが信号機でございまして、青いしるしをつけたものが、その信号機のおのおののATSと申します列車自動停止装置の、地上子と申しますが、線路の上に置きますちょうどこの紙の大きさぐらいの踏み板でございます。これは、御承知のとおりATSは、その関係信号機が赤でございますと、それが作用いたしまして、列車のあるいは電車の中の運転台のブザーが鳴って、運転士に信号機が赤であるということを警告いたします。そしてそのまま五秒たちますと、自動的に非常制動がかかってとまるようになっております。この二四七〇貨物列車は、そこに書いてございます上り第三信号機を通過いたしまして、約五十キロぐらいの速度で新宿方に向かって走っておったようでございます。次に上り二と書いてございますこの上り二の信号機、これは当時黄色と緑、すなわち減速信号を出しております。これはスピードを落とせという信号でございます。その次の上り一は黄色と黄色、YYと申します。これは警戒信号、ということはその次が赤であるということを示す信号でございます。そこに赤く塗りつぶしましたのが場内信号機、これは絶対停止の赤信号でございます。その場内信号機からポイントまで二百五十メートルございます。この二四七〇列車は、上り三の閉塞信号機を普通の速度で通りまして、上り二のところ、これも黄色、緑でございますからATSは作用いたしません。その次の一番左のATS、これはさっきの赤く塗りつぶしました信号機に対するATSでございます。このATSを踏みましたとたんにそこでATSが作用いたしまして、そうしてブザーが鳴ったわけでございます。そして上り一番の信号機は警戒信号でございますので、二十五キロで通過する規則になっております。当時——この運転士からまだ正確に直接聞きませんので、また警察における陳述が、多少機関士と機関助士の陳述が食い違っておりますので若干推定になりますが、ATSが作用したことだけは両者とも認めておるようでございます。したがいまして、そこでATSのブザーが鳴りますと、そのままほうっておけば、五秒たつと、約百メートル参りますと列車は自動的にとまります。ただ非常制動がかかりますので、非常に衝撃が多いというので、そういう場合には、まずブレーキを一たんとって、そうして確認ボタンを押して、前灯が赤であるということを自分で自分に言い聞かせる確認ボタンを押しまして、そうして自動から手動式に切りかえるわけでございます。そして切りかえて自分でブレーキをとりまして、その赤信号の手前でとまるというのが規則になっております。 その間の詳細の事情はまだわかりませんが、推定いたしたところによりますと、ATSの働いた後にブレーキを一たんとって、そして確認ボタンを押して前灯が赤であるということを見きわめた上で、速度を落として進行中に、ブレーキの操作を誤って約六百二十メートル走った。したがいまして、このぶつかりましたときの速度は大体十キロ前後というふうにそこの目撃者が証言をしておられます。 このATSは、当委員会におかれましても数年前から非常に強力な御支援を賜わりまして、昨年の三月一ばいで全国の全線区、全車両に取り付けを完了いたしまして、それまで年間やはり十四、五件衝突事故がありましたが、その後一件あるいは二件というふうに急激に減りまして、非常に大きな効果を発揮いたしておったのでございますが、残急ながら、ATSが作用した後に、たぶんブレーキ操作、手動式のブレーキ操作の誤りによりましてかかる結果になったのではないかと返す返すも残念に存ずる次第でございまして、当委員会が非常に強力に御支援くだすって、約二百億の金を使って全国につけましたATSが、やはり最後には職員の注意によって操作するという点につきましての私どもの指導訓練に欠けるところがあったのではないかということにつきましては、深く反省しておる次第でございますが、ただ、この事故のあとに、ATSはあってもだめじゃないかというふうな御議論がいろいろございましたが、ほうっておけばとまってしまうわけでございます。すなわち、極端に申しまして、居眠りしているという場合には自動的にとまるわけでございます。しかし、たとえば旅客列車のようなものは、自動的にとまりますと非常制動がかかりまして非常に急激にとまりますので、中のお客さんに衝撃を加えるということがあってもいけないということで、ATSが鳴ったならば一たんブレーキをかけて、そうして前灯が赤であるということを確認するボタンを押して、そして手動に切りかえる、こういう制度にいたしておるわけでございます。この点、私どもの現場に対する指導について欠ける点があったということを、深くおわび申す次第があります。 以上、たいへん簡単でございますが、事故の概要を申し上げまして、おわび申し上げます。
○内藤委員長 暫時休憩いたします。 午前十時四十分休憩 ————◇————— 午後一時四十四分開議
○内藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 陸運に関する件について調査を進めます。 この際、おはかりいたします。 本件調査のため、本日、日本鉄道建設公団副総裁篠原武司君に参考人として御出席をお願いし、意見を聴取することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○内藤委員長 御異議なしと認め、よって、さよう決定いたしました。 参考人からの意見聴取は質疑応答の形式で行ないたいと存じますので、御了承願います。 質疑の通告がありますので、これを許します。福家俊一君。
○福家委員 本日は、会期延長されたにもかかわりませず、酷暑のみぎり、本委員会において本員の発言を御高配くださいました同僚諸君に厚く感謝の意をささげたいと存じます。とともに、内閣官房長官、経済企画庁長官、運輸大臣、建設大臣、鉄建公団副総裁はじめ政府委員の各位が、本員の要望どおり、一人残らず出席くださったことに満足を感ずるものであります。 さて、国家百年の大計ともいうべき、また国土総合開発の観点から見まして、本土と四国を結ぶ連絡橋の架橋は、もはや一日もゆるがせにできない当面の問題となりました。政府もここ数年来の調査の進展に伴い、明石−鳴門(Aルート)、宇野付近−高松(Bルート)、大槌−小槌(Cルート)、下津井−坂出(Dルート)、今治−尾道間(Eルート)と予定ルートを定め、また、日本鉄道建設公団が宇野−高松ルート及び明石−鳴門ルートを法律をもって調査線と定め、それぞれ技術及び経済調査を進めておるのでありますが、現時点においては、その調査はおおむね完了の域に達し、今春土木学会からは政府に答申されたのであります。政府はこれらの答申及び諸般の調査資料に基づいて、予定されている道路五カ年計画の作業に際し、本土−四国連絡橋を予算として組み入れたいという意向のようでありますが、ここに数年来、調査の進展に伴い、それが刺激となって、急速に世論が本土−四国架橋の問題に高まってきたのであります。あるいはこれが政治的圧力となり、陳情合戦が行き過ぎた状態で世論のひんしゅくを買うという事態に立ち至っておるのであります。 私は、自分の見解を申し上げて恐縮に存じますが、本土と四国を結ぶ画期的な、しかも世界的大事業というべき問題については、あくまで科学的総合調査、すなわち海底地質の調査、橋梁基礎の構造及び工法、長大橋梁の構造及びその工法、台風に対する、あるいは地震に対する問題、海洋気象、潮流及び船舶の航行に関する安全の問題、その他目的達成に必要な事項に関する科学的調査にあわせて、産業経済あるいは観光開発、高度の社会的国土開発の視野からルートを決定すべきだと思うのでありま。したがって近視的あるいは功利的な意識的、政治的圧力によって左右すべき問題ではないと存じますが、政府においてはどう考えておられるか。その所見を経済企画庁長官、建設大臣、運輸大臣にお伺いしたいと存じます。
○大橋国務大臣 ただいま福家委員のお述べになりましたとおり、かような国家的な大事業でございまするので、このルートの決定、建設計画の具体化、こうした面におきましてはあくまでも科学的根拠に基づき、諸般の広範な調査によってきめるべきでございまして、政治的な理由によって個所を区別するというようなことは断じて避けなければならぬと思うのでございます。政府といたしましては、あくまでも技術的、経済的見地からこのルートを決定すべきものと考えております。
○宮澤国務大臣 私もただいま運輸大臣がお答えなさいましたように考えておりますが、架橋の持つところの経済効果、当該地域の開発及び国土全体の均衡ある発展等総合的な効果を、しかも長期的に見ながら検討を加えていきたい、こう考えております。
○福家委員 官房長官、時間の御都合がおありのようですから、先に集約してお聞きしたいと思います。 本土−四国連絡架橋問題に関連して、政府要人の発言についてお伺いしたいと思います。いままでの調査の初期あるいは中間的期間においては、その地元地元における政治的配慮がございまして、種々な発言のあることも了解するにやぶさかでないのであります。しかし、現在においては、調査も最終段階に達し、土木学会の答申も政府に提出されておるという段階において、政府もいずれかのルートに決定せなければならぬという事態に追られておる時点において、政府要人が不用意な発言をいたずらにされるということは、かえって地元に迎合し、事態を無用の混乱におとし入れるおそれがあると言わざるを得ません。たとえば、去る五月二十三日、某大臣が明石−鳴門ルートが他のルートに優先し、絶対的本命であることは国民的常識であると発言され、これが有力紙にひとしく載ったのであります。権威ある学会の技術的あるいは経済的調査の結果を無視して、国民的常識だとの発言は、全く非科学的発言と言わなくてはならないと思うのであります。内閣官房長官より、閣議の席上において今後かかる発言のないよう特に注意を喚起せられんことを、本委員会を通じて要望いたしたいものであります。官房長官、答弁を願います。
○木村国務大臣 お説のとおり、この四国−本土連絡橋は国の大事業でございます。一部の政治的圧力等によって左右さるべきものではないと考えますので、閣僚を含めまして、政府当局といたしましては、今後一そう慎重な態度でこれに対処したいと考えておる次第でございます。
○福家委員 先ほどの総論について、官房長官に御答弁をいただきたいと存じます。
○木村国務大臣 あの連絡橋の問題は、四国地方の開発、瀬戸内海地域の開発、ひいてはわが国国土全体の総合開発に重大な影響を及ぼす問題でございます。そのため国土の将来像を十分検討の上、建設費、工費、経済効果等を総合的に判断してきめるべきものであると存じます。先ほど申し上げましたとおり、いやしくも一部の所論によって左右されるべきものではないと考えております。
○福家委員 官房長官にあと一点お伺いいたしますが、これまで各政府機関が、本土−四国架橋問題についてはばらばらに取り扱っておるのであります。今後この時点においては総合的、計画的にしたがって組織的に推進しなくてはならぬと本員は考えるのであります。あるいは関係当局からもそういう声があがっておるのでありますが、内閣総理大臣の諮問機関として、内閣に直属する本土−四国架橋に関し、学識経験者あるいは財界、言論界等の有識者を構成メンバーとする審議会を設置する御意思ありやいなや、お尋ねいたしたいと存じます。
○木村国務大臣 現在建設省及び日本鉄道建設公団におきまして、土木学会の審議結果に基づいて、建設費、工費の算定等を行ないますとともに、経済効果等の調査も実施中でございます。これらの調査結果及び船舶安全航行等の調整等、残された問題を含めまして、今後関係各省庁間で十分協議しつつ検討を進めることといたしたいと存じます。必要とあらば審議会等による検討も考慮しておりますが、慎重にその構想を取りまとめる努力をいたしたいと存じます。
○福家委員 官房長官、たいへん貴重な時間ありがとうございました。引き揚げてけっこうでございます。 次に、建設大臣は時間がおくれて御出席のようでありますから、運輸大臣と関連性が十分ございますので、その前に経済企画庁長官にお尋ねいたしたいと存じます。 それは、昭和三十八年三月、産業計画会議、委員長は松永安左エ門さんであります。昭和四十年十一月、日本海難防止会、専務理事村上敬一さんであります。昭和四十一年八月、国土計画協会、委員長は磯村英一さんであります。これ等の権威ある機関がそれぞれ専門の立場より調査、研究の結果を、経済企画庁長官に答申あるいは中間報告をなされておるのでありますが、その内容と結論について御説明願いたいと存じます。
○宮澤国務大臣 ただいまの産業計画会議が昭和三十八年に報告答申をされました趣旨は、社会的、経済的総合判断の結果として、岡山ルート特に下津井−坂出間に優先順位を認めるものである。これは他の三ルートを否定するものではなく、それらについては引き続き調査を行なうべきであるが云々ということでございます。この調査は、産業計画会議でございましたから、主として産業経済あるいは社会的な観点からなされたものでありまして、その後になされました調査のように、技術面であるとか、あるいは経費面であるとかいうことにつきましては、時間の関係もあり、経費の関係もございまして、それほど十分ではございません。しかし、産業計画会議の産業経済的観点からはただいまおっしゃったようなことを答申されておるわけであります。
○福家委員 本員の承知いたしますところによりますと、昭和三十七年七月、経済企画庁長官は、産業計画会議に対し、本土−四国連絡の基本方針に関する調査を委嘱し、同会議は昭和三十八年三月これに関する答申を出したのでありますが、その結論においては、大体いま長官のお答えになったのに近いのでありますが、技術的、社会的、経済的総合判断の結果として、特に下津井−坂出間にルートの優先順位を認めると答申を明確に打ち出しておるのであります。同時に、明石−鳴門ルートについては、橋梁を建設することは海運航行の安全性を相当阻害するという専門家の一致せる意見を認めないわけにはいかないと、結論に特に付記されておるのであります。 一方、国土計画協会におきましても、昭和四十一年八月、中国、四国の地域体制研究調査の中間報告書の中で、本土−四国間輸送量と、連絡橋交通量の計量分析を行ない、昭和五十年度における本土−四国間の旅客送量の五五・三%、貨物送量の四三・四%が下津井−坂出ルートを通過し、明石−鳴門ルートの場合は旅客三四・八%、貨物四三・四%という数字を明確に出しておるのであります。 さらに海難防止研究会及び日本海難防止会は再三再四にわたって、明石架橋反対の声明及び陳情書を提出いたしておるのであります。この総理大臣はじめ関係諸大臣に提出した陳情書におきましても、明石海峡は船舶の航行がふくそうして、一日の通過船舶数は約二千隻、潮流は十ノットにも達し、さらに水深が深いため、危険に際し投錨も困難な現状よりして、架橋後は一そう危険が増加し、ちょっとの風速にも安全航行が一段と困難になり、橋脚などへの衝突も心配される旨がるる述べられております。 このように、産業計画会議、国土計画協会あるいは海難防止協会等、長官みずからが所管されておる権威ある機関が、いずれも下津井−坂出ルートに最も優先的、順位を認めるという結論を出しておるのでありますが、明石−鳴門ルートについてはきわめて悲観的結論であると言うてもやぶさかではないと思うのでありますが、この点長官は権威ある諸機関の答申あるいは報告を尊重されておるのかどうか、御意見を承りたいと存じます。
○宮澤国務大臣 御指摘の海難防止協会の意見は、昭和四十年の十一月に内閣総理大臣並びに関係者にあてられた、一応陳情書という形になっておりますけれども、その趣旨とされるところは、ただいま福家委員の仰せられましたように、あらためて隧道にするか、あるいは船舶通行の障害の少ない他の個所に変更をするように特段の配慮を求めたい、こういうことを言っておられるわけであります。それから国土計画協会の調査は、これは関係府県から委託されたものでありますが、これについても、ただいま御指摘のような両ルートの比較をいたしまして、中間段階での結論としては、前者——前者と申しますのは岡山−香川ルートでありますが、に若干の優位を認めるものである、こういう報告になっておるわけであります。政府として直接に委託をいたしましたのは、先ほどお話のございました産業計画会議の昭和三十八年の調査でございますけれども、これは委託の費用も実はあまり大きなものではございませんでしたし、委託期間——調査を求める期間も、たしか半年あまりのものでございました。したがって、その後にさらに十分な調査、ことに技術面、経費面などについてもそれが必要であろう。現に土木学会ではそういうことを書かれたわけでございます。大体右のような状態でございます。
○福家委員 次いで、経済効果についてお尋ねしたいと思います。 経済効果の測定については、既往のものにとらわれないで、今後における経済成長とこれに伴う経済構造の変化、地域経済圏の形成、交通量の増加と交通体系の整備等を展望した前向きの姿勢でなければならないと考えるのでありますが、これについての御所見はいかがでありましょうか。
○宮澤国務大臣 福家委員の御所見と私も同様に考えております。経済調査を本格的に進めていくとなりますと、どれだけの範囲における経済効果を考えるか、また将来どのぐらいの年限にわたっての経済効果を考えるか、それから、その経済効果が国全体の経済とどういう関係にあるかといったような、経済効果測定のための定義づけを多少今後はっきりしておかないといけない、こう考えておりますけれども、いずれにしても問題になります点は、ただいま御指摘のような諸点であろうと思います。
○福家委員 重ねて、地域経済圏の形成にあたっては、一カ所に集中するのと分散するのと、二つの方法が考えられると存じます。これからの経済成長の規模と日本国土の広さを考えれば、経済力の地域的集中をはかる余裕はなく、各地方に厚味のある経済圏の制定を考えていかなければならないと考えるのであります。時代の要請にこたえるためにも、この点はそうでなくてはならぬと本員は考えます。瀬戸内経済圏は、国土計画全体からの立場からも、これまでの新産業都市や工業整備特別計画等の既往の政策発展をはかる上からも、これを推進すべきものと考えるのでありますが、長官、いかにお考えでありましょうか。
○宮澤国務大臣 その点は、先刻申し上げましたように、経済効果測定の上で今後何年間にわたっての効果を考えるか、それが中期であるか、短期であるか、長期であるかということ、それから効果の及ぶ範囲をどのくらいの範囲に考えるかという、その基準によりまして経済効果の測定は異なってくるであろうと思います。ただ、わが国の現状から多少長期的な展望をいたしますならば、やはり経済が幾つかの国内でのいわゆる資本、人口の集積、密集地域にさらに集積をされていくということよりは、もう少し広い範囲での拠点を求めて、各地に経済なり資本なりあるいは人口なりの集積が行なわれることが望ましい、そういうことは、長期的には私は確かに申せるかと思います。
○福家委員 また、経済効果測定の意味は、これによって架橋の可否をきめる基礎資料とするというよりは、むしろ国民経済的必要性とその効果を広く国民に訴えることに意味があると思うのであります。この点いかがでありましょうか。
○宮澤国務大臣 さように考えます。
○福家委員 経済企画庁長官、大体それでけっこうでございますが、最後に一点、先ほど官房長官にお尋ねした結論でございますけれども、いわゆるばらばらに各省が取り扱うよりも、内閣総理大臣直属の審議会といいますか諮問機関というような権威あるものをつくって決定していただきたい、こういう点についての御所見を承りたい。
○宮澤国務大臣 この点は、建設大臣あるいは運輸大臣、ことに建設大臣が一応の責任者としてこれからの運び方をお考えであろうと思うのでございますが、おそらくやはり何かの形でそういったようなものができまして、そこできめられた基本方針に従って各方面の要素を関係の省庁が分担をして調査研究をしていく、やはりそういうことにすることが一番現実的に総合的な処理ができるのじゃないかというふうに、私自身も考えております。ただこの点は、官房長官が先ほど答弁されましたように、その仕組みなり時期なり方法なりは——先ほどたしか、慎重に検討をしているんだ、こう言われたと思います。方向としてはやはり何かそういうものがあったほうが問題の処理が総合的にできるのではないかと考えます。
○福家委員 いまの御答弁の内容によって、もう一つだめ押しに聞いておきたいのですが、審議会を慎重につくるやに承ったのでありますが、私もそれでけっこうと思います。ただし、最後のルート決定はもうすでに迫られておるのでありまして、審議会をつくるということを隠れみのにしてこの決定を次々おくらすというようなことのないように、特に英邁な官房長官並びに経済企画庁長官でございますから、この点ひとつ、早急にきめること自体が、日本の国土総合開発の上からも、国益のためからも絶対に必要なことなんでございますので、一日おくれればおくれるだけ、それだけ国家の損失というても過言でないと思います。早急におきめ願えるよう御尽力くださることを希望いたします。
○宮澤国務大臣 官房長官が慎重にと言われましたのは、たいへん長い時間をかけるという意味ではなくて、事柄が大きな事柄でございますからよく詰めて研究をしたい、そういう御趣旨であったと思います。私もさように存じます。
○山下(榮)委員 ちょっと関連してお伺いしたいと思うのですが、いま福家委員の質問に対しての長官の御答弁を拝聴いたしておりますと、この瀬戸内海開発といいますか、四国四県の開発といいますか、この架橋については御承知のとおりいま三本の橋の目標があるようであります。これらに対して一体企画庁として、四国四県を中心とする経済開発を中心に考えておられるのであるか、あるいは何を一番重点に置いてこれを実現しようとお考えになっているのか、その重点目標というものは一体どこに置いておられるのか、それをちょっと伺いたい。
○宮澤国務大臣 この点はごもっともなお尋ねだとは思いますが、ただいまのところ、経済企画庁としてこの問題について直接研究をし、あるいは意思表示をいたしたことはただいままでないわけでございます。と申しますのは、これは先ほどの福家委員のお尋ねに関係することでございますが、幾つかのルートを比較して、どれか一つをかりに選択いたします場合に、その選択の基準は何かということが最初にきまりませんと、どのルートがその基準にどれほど適合しておるかというもろもろの調査は進まないわけでございます。たとえば経済調査にいたしましても、今後何年間の経済効果を考えるか、どの地方までの経済効果を考えるかといったようなことは、この標準を先にきめませんと調査の方向がきまらないことになるかと思います。そういう意味で、先ほど福家委員の言われましたように、やはり中心になる一つの合議体がありまして、そこで基本の基準をきめて、その上でメリットをはじき出す、こういうことがよろしいのではないか、こう思っておるわけであります。
○山下(榮)委員 いま福家委員も申しておりましたように、決定の日にちはだんだん迫ってまいるのであります。いま長官のおっしゃるような、そういう理想めいたことばかりを言っている時期ではもうないのではないか、私はかように考えるのであります。したがいまして、企画庁としては一体日本の経済の将来の展望の上から考えて、この架橋についてはどうすべきであるか、どういう考え方に立ってこれを進めるべきであるか、これの腹がまえというものがもうおそらくきまっていなければならぬのじゃなかろうか。あるいは建設省あるいは運輸省それぞれと相談をされて、企画庁は企画庁の立場から将来の日本の経済発展あるいは四国開発、これらを総合してかくあらねばならぬ、こういうことがもうすでに確定されておらなければ——いまだにそういう理想めいた考え方ばかりを述べておられたのでは、これは一体いつのことか、それこそ夢のかけ橋になってしまうのではないか、こういう感じを持つのですが、それらに対してはどういう基準、どういう考え方、どういう決定を一体いつごろされるのか、こういうことをちょっと伺いたい。
○宮澤国務大臣 決してゆっくりしておっていいという意味ではございませんで、私としてはこういうことになってはまずいと思いますのは、たとえば経費の点ではここがいい、安全性はここが一番いい、経済効果はここがいい、おのおの一長一短であるといったような議論をいつまでもしておったのではいけません。そこで、この基準というものを一つきめまして、それに最も適合する、近いものはどれかというふうに持っていかなければ、話はなかなか早くはきまるまいと思いますので、基本になる基準をやはりきめて、そうしてそれぞれのメリットをはじき出すのが一番早いのではないか、こういう意味で申し上げたわけであります。
○山下(榮)委員 関連ですからもう多くは申し上げませんが、その基準は一体いつおきめになるつもりですか。
○宮澤国務大臣 先ほど官房長官が福家委員の質問にお答えになりましたが、何かそういう一つの合議体といいますかが必要なのではないかということについて、やや肯定的な御返事をなすったように思いますが、そういう場がその基準をきめることになるのではないだろうか。建設大臣が中心になって、おそらく何かそういう場なり仕組みをお考えではないかと思います。その場がやはりそういう基準をきめるところになるのではないかと思っております。
○山下(榮)委員 関連ですから、まだ建設大臣、運輸大臣にもありますけれども、また他の機会に譲りたいと思います。
○福家委員 建設大臣お越しくださいましたので、運輸大臣お待たせをして恐縮ですが、関連性がございますので、一緒にお聞きしたいと思います。 その前に、建設大臣、時間の都合でおくれられたので、各大臣にお聞きしたのでございますが、こういう本土と四国を結ぶ国家的かつ世界的な大事業の架橋問題については、政治的配慮をすべきでない、私の所見でございますが、いわゆる土木科学、技術調査の結果によって決定すべきものである、こういうことをお尋ねしたのでございますが、三大臣とも本員の考え方に同意をいただきまして満足するところでございますが、建設大臣の御所見を承りたいと思います。
○西村国務大臣 お説のとおりでございます。
○福家委員 それで私も非常に自信をもってこれからの質問を続けたいと存じます。 まず、建設省並びに日本国有鉄道、鉄道建設公団が本土−四国連絡架橋の技術的検討についての調査を土木学会に委託した経緯を簡単に建設大臣、国鉄総裁、鉄建公団総裁から御説明願いたいと存じます。
○西村国務大臣 建設省は、本州−四国連絡橋についてAルート、Bルート、Cルート、Dルート、Eルートの五ルートを対象として、昭和三十四年から道路橋としての調査を実施しておりましたが、一方また日本国有鉄道におきましても、これはちょっとその前から、昭和三十年ごろから、本州と四国を何とかして連絡できないかという調査をいたしておったのでございますが、そのートはABCDの、Eを含んでいない四ルートについてでございました。したがいまして、ちょうどやや時を同じくして、道路は道路のほうで、鉄道は鉄道のほうでやはり、何とか中国−四国をつなげば非常に経済的効果があるのではなかろうかという研究をしておったのでございます。したがいまして、建設省と日本国有鉄道とが昭和三十六年から共同いたしまして、土木学会に連絡橋に関する技術的検討を委託いたしたのでございます。以来今日まで土木学会は非常な努力を重ねまして調査、研究に従事いたしましたが、本年五月の十九日にその答申を得たのでございます。答申はこういうような簡単なパンフレットで要約はいたしておりますが、この内容は、私のところにきておる調査を見ますと、実にばく大な調査量になっておるのでございます。本日はその一部分を持ってきたか知りませんが、持てないくらいの調査量でございました。そのことは、要約すればこういうものであるけれども、なかなか技術的な問題がたくさんあるということでございます。日本でも、つり橋といたしましては、若戸架橋がやっただけでございまして、第二といたしましては関門の架橋をいまやろうといたしておりますが、いまだかつて経験のないような大仕事でございます。したがいまして、この答申を受けました五月十九日から、建設省といたしましては、私としては、直ちに、まず最初にこのデータに基づいて建設費が幾らかかるんだ、あるいはやるとすれば一体工期はおよそどのくらいかかるんだということを概定するように、ただいま命じておるわけでございます。それが、建設省あるいは日本国有鉄道が今日までとってきた態度でございます。以上です。
○磯崎説明員 国鉄といたしましては、ただいま建設大臣がおっしゃったようないきさつでもって、当初、昭和三十年ごろから、四つの島をどうしてもトンネルか橋で結ぶべきだという強い信念のもとに、いろいろ検討いたしておったのでございますが、何と申しましても、いま建設大臣のおっしゃったとおり、これは非常に大事業でございます。国鉄の技術陣だけではなかなか結論が出しにくいし、単に土木技術だけの問題でなしに、非常に総合的な各方面の技術が必要でございますので、建設省といろいろ御相談の上、一応土木学会に全部お願いして、そして土木学会に御調査を願ったわけでございますが、私どもといたしましては、その際、はたして道路と鉄道の併用橋が可能かどうかという問題について、特に国鉄としては重点を置いて調査をお願いしたわけでございます。これは主として技術的に可能なりやいなやという問題でございますが、去る五月の土木学会の御意見の中では、道路と鉄道の併用橋は技術的に可能である、こういう御意見でございましたので、私どもといたしましては、いまのルートのうち、一体どれを選ぶべきかということにつきましては、ことに鉄道といたしましては、道路と違いまして、取り付けと申しますか、専門的なことばで恐縮でございますけれども、取り付けに非常に面積がよけいかかる、あるいはすぐ操車場を両端につくらなければいかぬというふうな輸送のルートの問題、それから現在線との取り付けのしかたの問題、これらは道路のように簡単にまいりませんで、非常に複雑でございますので、それらの点で、一体どのルートが一番いいのかということについて、いま各ルートについて具体的に調査中でございますけれども、何と申しましても、両端に相当大きな操車場も要ることでございますし、またアプローチの距離も相当長くかかるんじゃないかというようなことなどを考えまして、本州と四国の輸送のルートとしてどれが鉄道の見地から見て一番合理的か、あるいは経済的かということについて検討をこれからいたすところでございます。
○篠原参考人 私のほうの立場は、国鉄から本州−四国の連絡の問題につきまして、三十九年の三月から引き継ぎをいたしまして、現在では鉄道公団で連絡鉄道の問題を検討しているわけでございますが、たまたま私がことしの五月の末まで土木学会の会長をいたしておりました関係で、委託者側と受託者側と二つの立場に立たされまして、この問題の技術的の検討を、一応三月の末ということになっておりましたので、ぜひこの期間内に完結したいというふうに努力したのでございますが、いろんな事情で最終的には、五月十九日に最終の委員会を開きまして、そこで一応の結論を得たわけでございまして、その結論の結果をとりあえず口頭で御報告いたしまして、また、六月の何日でしたか忘れましたが、それぞれほんの一部でございますけれども報告書を提出してございます。最終的な全般的な報告は秋になるかもしれませんが、少しおくれると思いますが、提出する予定でございます。 それで、公団といたしましては、あくまでもこのA、B、C、Dの四つのルートにつきましていろいろ検討いたしておりましたが、BルートにつきましてはCルートとあまり変わらないということで、Bルートを省略いたしまして、A、C、Dと三つのルートにつきまして検討をいたしまして、学会としては鉄道橋につきましての報告を出したわけでございます。公団の立場といたしましては、道路と鉄道と両方やるという場合には併用にしたほうが有利ではないか、経済的に見て、上部構造は少しよけいかかるかもしれないけれども、基礎のほうにつきましてはそう大差はないということになりますと、平均して考えますと、基礎のほうが工費はよけいかかりますので、大体増加分の半分以下ということになりますと、国家経済から見ても併用でいったほうがいいのじゃないかということで、併用橋ということをいま一生懸命検討しておる最中でございます。
○福家委員 いまの篠原鉄建公団副総裁が土木学会の会長をされておった、答申が五月十九日にあったはずでございますが、ちょうどいい機会でございますから率直にお尋ねいたします。 その建設省及び公団が対象とした三本のA、C、Dの土木学会の技術的検討の結果を、簡単でけっこうですから御説明願いたいと思います。
○篠原参考人 これは学会として報告を出しましたときには、もちろん建設省の問題と鉄道公団の問題とをあわせて答申しておりますので、両方につきまして申し上げますと、Aルート、それからB、C、D、Eとございますが、Eルートが、地形上から申しましても、潮流の関係その他から申しましても、架橋という立場から考えますと一番楽なのでございます。その次はDルート、下津井−坂出ルートでございます。その次が明石−鳴門のAルート、それからB、Cルートという形になっておりまして、これは初めから天然の地形と地質の調査から大体わかっていたことでございますが、そういうような関係で答申を出しております。 それから大体水深と根入れというものがございますが、基礎をつくります場合にはある程度の根入れ、つまり海底からどのくらい掘ったらいいか、地質が非常にやわらかい場合にはその根入れを非常に深くしなければならないわけでございます。ところがEルートになりますと根入れは五メートル、それからDルートになりますと十ないし十五メートル、Aルートになりますと三十五ないし四十三メートル、B、Cになりますと、Cは六十メートル、Bは百十メートルというような非常に深いものになります。それから水深について申しますと、Eルートは十五メートル、Dルートは三十五メートル、Aは五十メートル、B、Cはやはり五十メートルで、したがいまして、この水深と根入れを足しますと、Eルートは二十メートル、Dルートは五十メートル程度、それからAルートになりますと八十五メートル程度というようなことになっております。それからB、Cにつきましては、いずれも百メートルをこえるというようなことになりますので、それによりましてもちろん非常に難易というものはございます。しかし、これに伴う今度は橋梁の支間という問題がございまして、支間もEルートが千メートル程度、それからDルートは千百メートル程度、それからA、B、Cというのは大体千五百メートル程度というようなことになっております。
○福家委員 いまの御説明によりまして、特にAルートについての土木学会の最終報告書とその過程における原案との間には著しい表現の相違が見られるのでありますが、これに対して当局の建設大臣及び鉄建公団の副総裁の見解を承りたいと存じます。 現にこの膨大な資料を、私すべて目を通しました。一回から最終に至るまでの間に相当原案が、作為的といいますか、どういうわけか、変わっておるように考えるのでありますが、具体的に読み上げてもけっこうですが、その見解をまず承りたいと存じます。
○西村国務大臣 やはり最終的に出てきたものが、これが最終的なものなんです。やはり委員会の中でいろいろ議論がありますから、それはいろいろ議論があったでしょう。しかし、土木学会の会長が最終的にまとめたものが最終的な、われわれが受けるものなんですよ。それは学会ですから、いろいろな学者の意見があって、それは悪い、そんなところはやめておくべきだとかなんとか、いろいろな議論がありましょう。それがほんとうの研究会のゆえんですからね。曲げてじゃないのですよ。それの中の内容はいろいろあっても、出てきたものは、われわれが正直に出てきたものとして受けとめなければならぬ。ごまかしはございませんと私は信じております。
○福家委員 私は、こういう問題について当局を追及しようという意思は毛頭ありません。しかも、いまの西村建設大臣の答弁、出てきたものが答申の結果である、そのとおりでしょう。しかし、その間にあって、学者の良心ともいうべきその発表自体が、なぜそのまま発表せられないのかを聞いているのです。なぜ作為的というか——それでは私が具体的に読み上げてみましょう。また、ここに学者自体の答申されたあれも私は持っているのです。しかし、私はこういうものを暴露したり、こういう資料によってあなた方の事務当局——大臣おそらく御存じないでしょう。私はあなたとここで議論しようと毛頭考えておりません、先輩に対して。だから大臣、参考に聞いておいてください。おそらく大臣初耳かもしれません。すなわち、土木学会に設置されている本州四国連絡橋技術調査委員会縮小委員会というのがあります。その時点における報告書原案によると、その第四項、「まとめと今後の重点調査事項」という項において、「主径間千五百メートルのつり橋及び水深五十メートルをこす基礎工について、直ちに本工事に着手するには無理がある」、こうちゃんと報告書に指摘されているのが、最終報告書になりますと、「多くの技術的問題が残されている。したがって、実施にあたってはそれらの問題を解明しなければならない」と、ぼかされてしまっている。また、鉄道併用橋についても、原案においては、「この橋梁計画は、中央径間千五百メートルという世界に例のない長大スパンであり、下部構造についても、潮流が早く、水深、根入れともに深いため、施工は可能であると判断されても、技術的に数多くの問題点を含んでおり、直ちに工事に着手することは、無理がある」篠原さん間違いないでしょう、こう報告されておるのです。これがまた最終報告書においては、「多くの技術的問題が残されている。したがって、実施にあたってはそれらの問題を解明しなければならない」と、「無理がある」とはっきり言っているのを、「解明しなければならない」と、ぼかしてしまっているのですね。 以上のように、いずれの場合においても、最終報告の原案を作成した委員会の結論としては、Aルートについては、「直ちに着工することに無理がある」と、明確に指摘しているのであります。これが最終報告の段階になりますと、この三つの報告書の段階を経てまいりますと、「多くの技術的問題が残されている。したがって、実施にあたってはそれらの問題を解明しなければならない」と、表現が非常に弱められてきているのです。これはわかりますよ、私には。しかし、私は、こういうことは政治家が介入してはならない。劈頭に四大臣にお聞きしたのも、いわゆる技術調査、土木科学の調査の結果によってきめるべきであって、政治力によって左右すべきものでない、だから、私どもは、ガラス張りの国会において、最高の権威あるこの委員会において、あるいは先日同僚の大平委員が建設委員会においてお尋ねしたように、具体的に政府の提出した資料において一々質問をいたしておるのでありまして、私も衆議院議員でございますが、建設大臣、運輸大臣、経済企画庁長官、関係諸大臣に、一度もこの問題について陳情あるいは御説明に上がったことはございません。堂々として、この国会のガラス張りの中において、国民の場においてこれをただせばいい、これがわれわれの職責だと信じておるからであります。なぜそういうことを一部官僚が——おそらく大臣も御存じないと思う。学者からどういう答申をしたかということも私は知っておりますが、ここで出そうとは言いません。なぜそういうことをしなければならないのか。政治家は介入するな、ごもっともです。私どもも介入はいたしません。しかし、この国会において、堂々と、国益に関し、国土総合開発に関することでございますから、質問をいたしておるのでございます。なぜこういうことをされるのか。事実学会においても、種々の憶測を生んだことは、大臣、事実なんです。評定結果を縮小委員会において取りまとめる際に、政治的圧力が加わってその発表が歪曲されたことは、全部一流新聞に報道されたのです。中央紙のみならず、地方紙にも掲載された事実でございます。その真相がどういうものであろうか、局面を糊塗することなく、大臣の答弁ではなくて事務当局でけっこうですが、鉄建公団の副総裁と建設当局からお答えを願いたい。
○篠原参考人 ただいまお話にありました原案と報告書の結果とが食い違っているじゃないかという御指摘でございますけれども、委員会の審議は、委員会の規程によりまして定められました幹事の間で検討したものを一応の原案といたしまして提出いたしまして、それを委員会で慎重に審議するわけでございます。委員会の審議の結果、原案を修正されるということは間々あることでございまして、これは当然のことだと思います。ただ、その態度といたしまして、私どもは少なくとも技術の学会であり、それが政治的にわずらわされてはいけない、あくまでも技術的に検討して、ニュートラルな立場でやらなければならぬということは、かねがね言っておったところでございますが、私どもの非常に尊敬しております青木委員長は、こういう点は非常に御慎重な方でございまして、十分検討して公正な結果を出したと私は信じております。
○豊田説明員 お答えいたします。ただいま鉄道建設公団のほうから御答弁ございましたとおりでございまして、私もそれに参画いたしました一人でございますが、事実そのとおりでございます。
○福家委員 いまの御説明をこれ以上追及しようとは思いません。それでは二、三具体的にお伺いして御答弁を願いたいと思います。 基礎構造について見まするに、当初建設省並びに鉄道公団において提示された基礎形式は、その後、土木学会において検討された結果、いずれも施工困難あるいはその他の難点のため、その基礎構造を多柱式構造及び脚つきケーソン式に修正したということでありますが、それでもなお実施の段階にまでには、大規模な施工実験をやる必要がある。また、施工機械の開発、製作、作業用船舶等の研究、開発が必要であると指摘されておるのであります。 このことは、潮流が早く、水の深さが五十メートルをこし、しかも地盤が脆弱であるAルートの基礎について言えることでありますが、実験費、機械費、開発費等にいかに膨大な費用を必要とするか、また、いかに長期にわたる日数を要するかは想像にかたくないのではないでしょうか。したがって、このような困難なルートに架橋することは、学者の良識としては、できる限り避けるというのが当然の決着だと考えますが、いかがでございますか。
○篠原参考人 報告書に書いてございますように、Aルート、Bルート、Eルート、それぞれ違いがありますが、いまAとBと比較しますと、Aにつきましては、その結論といたしまして、多くの技術的問題点が残されている。それから、さらに十分な調査、検討を必要とするということをいっております。 それから、たとえばBルートについて申しますと、技術的問題は少ない、しかし、十分な調査と慎重な準備を忘れてはならないということをいっております。しかし、これは程度の差でございまして、いずれにしても、日本だけでなく、世界的にも非常に大工事でございまして、これにはやはり慎重な調査をしなければならないと思っております。したがいまして、Aルートにいたしましても、Bルートにいたしましても、これはさらに十分な調査をしなければなりません。したがいまして、私どものほうでも、いま検討しておりますが、鉄構の基礎につきまして、相当大がかりな調査を、建設省と打ち合わせて、どこにするかきめまして、それによっていろいろな技術的な確信を得て仕事をいたしたい、そういうふうに考えておる次第でございます。
○豊田説明員 ただいまの篠原副総裁のお話のとおりでございまして、私ども同様でございます。
○福家委員 それでは、いまの御答弁に関連して、つり橋架橋の経験についてお尋ねします。 土木学会の報告によりますと、架橋ルートによっては、中央支間長千五百メートル以上に達するつり橋なるものがありますけれども、これはわが国のつり橋架橋の経験は現在までないのでありまして、先ほど建設大臣が御答弁になりましたように、支間長三百七十メートルの若戸大橋が現在までの最大のものであります。この支間長三百七十メートルの若戸大橋でさえも、わが国では初めての経験でありまして、架橋途上において幾多の困難が予想され、未知の問題に遭遇して、そのつど一つ一つ日本の学界がこの困難を克服して、ようやく完成されたということは事実でございます。 その後、本土−四国連絡架橋の問題が取り上げられるに及んで、架橋技術者の間でも、若戸大橋の経験だけから考えて、一挙に三百七十メールからAルートのような千五百メートル以上というつり橋に挑戦するということはきわめて危険であり、非常識であるとすら学界の一部ではいわれておるのであります。 常識としては、当然その前に約八百メートルの支間長である関門架橋により十分の経験を積む必要があるということが力説されまして、先般政府は、ただいま建設大臣が御答弁になったように、関門架橋に着手することになったのではないですか、そうでしょう。いかがですか。
○豊田説明員 若戸のあとの展望でございますが、確かに長大橋に対する需要という意味での検討はいたしております。そのステップということと、もう一つ必要性の問題でございますが、その点について昨年御決定を願いまして、第二関門をスタートしたわけでございますが、第二関門は、いまお話しのように、七百十二メートルの区間でございまして、これはその意味では若戸をしのぐものでございますが、これは将来の非常に有力な技術のストックだとわれわれは理解しております。
○福家委員 いま政府委員のお答えになったのは、私もそのとおりだと思うのです。 そこで、関門は正確には七百十二メートルですか、これからこの経験を積み重ねて、次に千メートルに近いDルートに入るのが常識でしょう。これでさえ未知の問題に当面しなければならないのに、それを一ぺんに千五百メートルのAルートに挑戦するということは、しろうとのわれわれが見ても相当問題があると思う。自然科学は慎重に調査、実験を積み重ねたところに進歩があるのであって、奇想天外の飛躍的発展はあなた方技術屋にはあり得ないのではありませんか。そういう意味から、私は、若戸の実験から一挙に千五百メートル以上に挑戦するというようなことは、世界の学界から考えても少し無謀というか、非常識といわれても過言ではないと思う。 だから、まず関門の七百メートルを着工して、その経験から二百あるいは百五十メートル長いDルートに着工していくということが、私は当然の帰着だと思うのですが、その点いかがでしょうか。
○篠原参考人 お説のとおりに、だんだんにいくほうが望ましいのではございます。しかし、今回の調査で、日本の技術屋は非常な勉強をいたしました。これは皆さまよくお調べになればわかりますが、非常にたくさんの人が外国へ調査に参りまして、いろいろな点で勉強して、いまではみなのレベルが非常に上がりまして、いきなり千五百ができないというような段階ではないと思っております。しかし、それにまいりますには、やはりいろいろな調査は十分やっていかなければならないというふうに私どもは考える次第でございます。
○福家委員 篠原さん、私の聞いているのは、若戸大橋の三百七十メートルの経験からいっても、まず関門の八百メートルくらいからいくのが常識である。これは学界の常識です。私、しろうとかってに権威ある国会の委員会で質問の材料にしているのではない。平井博士やいろいろな人に聞いてみましても、やはり無理だ、一ぺんに千五百——できないとは言いませんけれども、やはり順を追って、まず関門を経験をして、長大橋を実際学会としてつけてみて、それから千、それから千五百と行くのが常識だというお話なんです。その点をお聞きしているのです。いかがですか。
○篠原参考人 一等初めに私も申したつもりだったのですが、やはり若戸から関門というようなステップを踏んで、それからさらに大きく伸ばしていくということが常識だということは間違いございません。
○福家委員 鉄建公団は先ほどお答え願ったと思うので、運輸大臣及び国鉄副総裁、お二人にお聞きしますが、一般的に言って、鉄道併用橋の場合には、道路橋に比べて、単位面積当たり輸送効率が十倍と言われておるのであります。また、工事費の面におきましても、道路橋の二〇%アップ程度で可能だとも言われております。国土の狭いわが国の事情からして、連絡橋は当然併用橋とすべきものではないでしょうか。先ほどの御答弁でも、併用橋が望ましいと鉄建公団の副総裁はお答えのようでした。もし道路単独橋とするならば、鉄道体系は依然として瀬戸内海において遮断され、本土−四国連絡橋としての使命と価値は半減されるものと言わざるを得ません。この点運輸大臣、国鉄副総裁はどうお考えになっておるか、お伺いをいたしたいと思います。
○大橋国務大臣 土木学会の報告を拝見いたしますと、鉄道道路併用橋については、技術的に建設可能であるという結論になっております。したがって、道路単独橋とすべきか鉄道道路併用橋とすべきかにつきましては、それぞれの建設費、経済効果等取りまとめた上で、総合的に最終の判断を下すべきものではありましょうが、運輸省といたしましては、一応併用橋が経済的に有利ならば、そのほうが望ましいと考えております。
○磯崎説明員 私ごく最近四国へ参りまして、いろいろ四国の事情も見てまいりましたが、過般、宇野−高松の連絡船は、地元からたくさんのお金を出していただきまして、全部新しくいたしました。全部レーダーもつけまして、航行の絶対安全を期しておりますけれども、やはり船長室からずっと見てまいりますと、非常に船の往来が激しくて、船長その他関係者の努力は非常になみなみならないものがあるようでございます。ことに有視界航海でなしにレーダー航海などした場合の心労は非常に大きいということを、船長自身が申しております。それからさらにやはり天候——ことに、非常に霧の多いところでございます。一年に、計算いたしますと、一週間ないし十日は欠航だという結果になっております。そういたしますと、その期間中はやはり本州と四国の間の連絡がとれない。ことに大きな事故を起こしまして以来、航行には非常に神経を使っておりますので、少しでも自信がないときは船をとめるというたてまえにいたしておりますので、その半面、逆に宇高連絡船が欠航するということが多くなってまいります。しかし、これでは将来の四国の発展、これは旅客といわず貨物といわず、経済開発に大きな支障を来たすのではないかというふうに考えまして、私どもといたしましても、どうせ道路の橋をおつくりになるならば、さしたる経費の増加でない、しかも非常に輸送効率が高いという点からすれば、ぜひ鉄道道路併用橋が望ましいということを考えている次第でございます。
○福家委員 鉄建公団の副総裁は、大体そのとおりですね。
○篠原参考人 そのとおりでございます。
○福家委員 瀬戸のいわゆるDルートにつきましては技術的問題は少ない。Aルート、明石−鳴門架橋は多くの問題を解明しなくてはならないということは、答申で明確に出ておると思う。よって本員は土木学会の最終報告書に基づいて、下津井−坂出ルートと明石−鳴門ルート架橋の技術的比較を項目的に比較対照して、ただいままで私の質問をいたしました。その論点と当局の御答弁を参考として、御判断を願いたいと思うのです。私がただいま比較いたしますこの資料は、建設省及び運輸省、岡山、香川両県からいただいたものでありまして、決して私の私見はいささかもまじっておりません。それを前提として御判断を願いたいと思います。 〔委員長退席、細田委員長代理着席〕 総合判定より表現をいたしますと、Dルートすなわち下津井−坂出線は、「技術的問題は少ないが、実施にあたっては次の事項に留意して十分な調査と慎重な準備を忘れてはならない」。明石−鳴門ルートにつきましては、「設計施工の諸条件が世界の長大橋に類似した実施例のない、きわめてきびしいもので、実施にあたってはそれらの問題を解明しなくてはならず、次の事項に重点を置き十分な調査検討を必要とする。」これが明石−鳴門ルート。 問題点は、Dルートは技術的問題点が少ないに反し、Aルートは多くの問題がある。これを解明しなかったならば、直ちに着工することに無理があるという結論になります。 それから地質調査については、Dルートは必要ありません。Aルートは調査の必要がある。なぜならば明石架橋は基礎の地盤がやわらかいので、巨大な基礎に不安があり、調査を長期間必要とする。 それから耐震設計法及び耐風安定性の確認につきましては、両方とも検討の必要があります。 それから基礎工法の大規模実験については、下津井−坂出は必要ありません。明石−鳴門については、実験の必要がある。いわゆる多柱基礎及び脚つきケーソン基礎は多くの問題点があるので、大規模実験が必要であること。これは明石架橋については必要だが、瀬戸の大橋については必要ありません。 ケーブル及び補剛トラスの架設実験については、瀬戸大橋は一千メートル級の実験が必要ですが、明石架橋については千五百メートル以上の実験が必要だ。 それから海上作業の実験的調査については、両方とも調査の必要がある。 それから施工機械の開発と実験については、下津井−坂出線は必要ありません。明石架橋は開発の必要がある。施工機械の開発から始める必要があるので、多くの調査費と長期の調査期間が必要である。 それから船舶航行対策及び安全施設の調査実験については、下津井−坂出線は工事中だけ必要ですが、明石架橋については工事中、完成後ともに必要である。いわゆる明石−鳴門架橋は、完成後も船舶航行に非常な不安を残しておるということであります。 それから海上部の延長でございますが、Dルートは六・一キロメートル、明石−鳴門は六・六キロメートル。明石−鳴門の場合は、淡路島という島嶼分も加えねばなりません。そうするとDルート、下津井−坂出は三・五キロメートル、明石−鳴門は六五・三キロメートルに達するのであります。陸上部延長につきましても二六キロメートルと三・三キロメートル。 最大支間長は下津井−坂出は一・一一一キロメートル、片一方は一・五一四キロメートル。併用橋の場合は一・五一五キロメートル。 それから設計風速が下津井−坂出は一秒間六〇メートル、明石−鳴門は六六メートル。 潮流は、下津井−坂出は二メートル、片方は四メートルから十メートル、十ノット。それから基礎工事におきましても、基礎地盤、一平米の圧力、耐久力、花こう岩にいたしまして、千トンに対して二千、片方は三百五十トンに対して五百。断層の有無につきましても、下津井−坂出はなし、明石−鳴門はあり。水深は三十五メートルに対して、明石−鳴門は五十メートル。根入れの深さが、十メートルに対して三十五メートル。併用橋の場合でも、下津井−坂出は基礎の深さは五十メートル、片方は九十三メートル。大体この答申されておる統計を比較対照いたしましても、はっきりと政治的な圧力あるいは解釈を抜きにいたしまして、技術専門的、現時点における科学調査の結果はこのとおり明らかなのでございまするが、いままでの政府の答弁、あるいは建設、運輸、岡山、香川県の資料に基づいて私がいま読み上げた比較対照でございますが、本土−四国架橋もかかる観点から、関門海峡の架橋に次いで、下津井−坂出ルートの千メートルの順序にかかることが常識ではないかと思うのですが、明確にこういう答申が出ているのにかかわらず、今日の段階になって、最後的決定を迫られているにもかかわらず、建設省当局が逡巡しているわけが何かあるのでしょうか。あれば明確に、ここは国会ですから申してもらいたいし、ないのならば重ねて質問申し上げますけれども、ルート決定をせなければならぬ段階にきていると思うのですけれども、この点いかがでしょう。
○西村国務大臣 逡巡してはいないのです。ただ、最近答申をいただいただけなんです。したがいまして、いずれも慎重にやらなければならぬということで、まだ日にちもないし、やはりあらゆるルートにつきまして建設費等も一応はじき出さなければ、これはいまあなたが読み上げたことだけで、もうこれだ、こういうわけにもやはりいかない。したがいまして、逡巡はしていないし、なるべく早い機会にデータをそろたいということでございます。もうしばらくお待ちを願いたいと思うのでございます。
○福家委員 大臣の御答弁で、いましばらく待てということでございますが、本員の聞き及んでいるところによりますと、政府筋では、土木学会の最終報告に基づいて、工事費、工期及び経済効果の算定作業にもうすでに取りかかっている、しかもその作業は本年の秋ごろまでに完了する、この秋に、というように聞き及んでいるのですが、それであれば、もう決定は非常に早いものと思いますが、その点いかかですか。
○西村国務大臣 それと、そういうまあデータをそろえる、資料をそろえるということと、先般も私は、この答申が出ます五月十九日の前に、やはりこの問題は閣議に報告いたしまして、いずれこれは早く決定しなければならぬと思うが、しかしながら事柄としてはまことに重要な事柄である、しかもその出発の当初から五ルートを選んで調査をさせたということであるから、やはりこのルートが、いかなるルートを選んだほうが将来の日本の国土発展上いいかというようなこともあわせて考えなければならぬから、閣僚のベースで最終的にはきめなければならぬと思う。しかし経済効果というようなものも、やはりこれは一応は調べなければならぬから、やはり民間の方々の知恵を借る機会もつくりたい。それは何も数字が出てからやるのじゃなしに、数字が出るとともに並行的にそういう機構も考えてやるかもしれない。しかしまだそれは、いまのところスタートしていないのであります。国会でも——何さま国会はこういうようにおそくなりましたので、実は私どもあまり勉強するひまがないのです。あなたのほうがよほどよく知っておるのです。国会でも済みましたときに、自由に取り組んで、どういう組織、どういう機構でこれを攻めていこうかということを、これから運輸大臣とも相談してやるわけでございます。なるべく早い機会にこれはやはり決定したほうが全体のためにいいのじゃないか、こう思われておりますから、一生懸命これから努力をするつもりでおります。
○福家委員 ただいまの大臣の御答弁で、私の最も尊敬する西村建設大臣は特にまじめな方でありますから、私非常に満足に思います。ぜひとも大臣は、秋ごろ改造のうわさもございますが御留任をいただきまして、国家的な高い見地からこの解決策に、これは国益の問題でございますから、ぜひ善処されたいと思うのでございます。 と同時に、一言希望を申し上げておきたいことは、大臣からおほめをいただきましたように、福家君のほうがよく勉強しておる、いささかこの点は自信がございます。そこで私の申し上げましたことを十分頭の中におおさめを願いまして、そのルート決定のときの大きな参考にしていただきたいことを希望しておきます。 最後に、海上航行にいく前に、ただいま建設大臣は道路橋の所管をされていると思いますが、その点間違いございませんね。
○西村国務大臣 さようでございます。
○福家委員 運輸大臣にお聞きしたいのですけれども、この問題は、建設大臣からいま非常に私をして感激せしむるような御答弁をいただいたのでありますが、これからお尋ねし、かつ同僚の藤井委員から関連して御質問いただきますけれども、海上航行の問題に入る前に、道路併用橋の問題、土木学会の報告においても、鉄道建設公団の副総裁で五月まで学会の会長であった方自身から、併用橋が可能である、国鉄総裁も経費の上から考えても、四国の開発から考えても併用橋でなくてはならぬ、こういう自信ある御答弁なんですが、それについて運輸大臣は指をくわえて見ているような、何かよそごとのような感じがするのですが、併用橋がそれほど有利であるならば建設大臣に負けぬくらいの情熱と、運輸大臣の職責を賭したこういう問題にこそ全力を傾倒して、国民の福利のために尽くしていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○大橋国務大臣 私どもも、先ほどお答え申し上げましたとおり、併用橋が望ましい、こう思っておるのでありまして、併用橋といたしましては、ただいまA、B、C、D、この三つについて土木学会の調査がございまして、そのうちで技術的に問題の少ないのはDルートであるということでございますので、鉄道の立場から見ても、経済効果と相並んで、どんなルートにすべきかということについては、当然考えなければならぬ事柄でありまして、ただいま検討をいたしておるような段階でございます。
○福家委員 ひとつ検討、検討でなくして、そういうことの実現を一日もすみやかにお取り計らい願えるように希望いたしておきます。 航行の安全性についてでありますが、最近十カ年間の瀬戸内海の海難の実例と海難防止のために政府がとった対策についてお尋ねしたい。と同時に、今後の航空規制、安全対策についていかなる対策を持っておられるのか、運輸当局にお尋ねをいたします。
○大橋国務大臣 最近、大型タンカーについて特に航行の安全ということが非常にやかましくなってまいりましたので、特に海峡等の狭水道につきましては、いままで格別の規制をやっておらなかったのでございますが、これでは海上の安全を保持するゆえんでないと心得まして、最近におきまして運輸省も、港湾のみならず、狭水道における航行の安全、したがってそのための航路の指定なり、あるいは航行の制限なり、こういう問題について積極的に取り組みますと同時に、狭水道における航路の安全のための航路指定あるいは航路標識、こういう問題を取り上げつつある段階でございます。
○福家委員 この航行安全についていままで、最も日本で権威のある十一機関から内閣総理大臣はじめ運輸省に提出されておるのです。たとえば、昭和三十四年の二月、海難防止研究会、昭和三十四年五月、日本海難防止協会、三十四年七月、神戸問船大学学長小田義士、三十四年十二月、内海水先区水先人組合、三十五年二月、海事補佐人藤森俊夫、三十五年四月、日本海運集会所編集委員勝屋利秋、三十五年四月、日本船主協会、三十五年五月、日本船長協会、三十五年五月、日本船長協会第二回定期総会、三十五年十一月、全国商船学校十一会、四十年十一月、海難防止研究会。いま読み上げましたごとく、日本海運界における総意ともいうべき諸団体が、こぞって明石海峡の架橋には猛烈な反対をしていることは既定の事実でございます。この意見や陳情書を政府はどのように受け取っておるのですか。受け取って関係役人の机の引き出しの中に投げ込んであるのですか。この問題について何らかの見解、対策がもうできておらねばならぬと思う。少なくとも日本最高の十一団体が、はっきりとこういう答申を出しているのです。しかるに、運輸省としてはどういう対策をすでに立てておるのか、あるいはそういうことについて建設大臣などとお話し合いになられたのかどうか。この点についてはなお同僚の藤井議員より関連質問としてしさいな質問がございますから、藤井君の質問と並行して御答弁を願えばけっこうだと存じます。
○藤井委員 本日は、国会延長でたいへんお疲れのところを、所管大臣並びに関係当局御出席いただき、すでに長時間にわたって福家委員より詳細な質問がありまして、問題点の解明はほとんど尽きたと思うのでございまして、私はごく簡単に関連して質問をいたしたいと思います。 話の順序として、まず運輸、建設両大臣並びに関係当局に確認しておきたいことがございます。私は話を簡単にするために、ルートを三つに、具体的に明石−鳴門ルート、それから児島−坂出ルート、尾道−今治ルートと三つのルートについて、この五月の十九日、先ほどからお話のありました土木学会本州四国連絡橋技術調査委員会の調査の結論、これを確認いたしておきたいと思います。 明石ルートについては、中央支間長が千五百メートルで、これはもう世界じゅうでこんな長い橋はない、こういうことであり、水深は四十メートルないし五十メートル、潮流は最高九ノット、平均四ノット、橋脚をつける場合の根入れ、これが三十五メートルの多柱基礎か、ないしは四十メートルないし五十五メートルの脚つきのケーソン基礎、こういう条件であって、先ほどからるるお話がございましたように、技術的に多くの問題を残しておる、こういうことである。 第二の、児島−坂出ルート、これはスパンの長さ千百十メートル、水深は三十五メートル、潮流は最高で四ノット、平均が二ノット、根入れは十メートルないし十五メートル。この結論は、技術的には問題が少ない、こういう点。 それから、尾道−今治ルート、これはつり橋の長さの最大のものは千十メートル、基礎地盤すべてが花こう岩が露出しておるので、これは基礎は非常に技術的に安全である。水深は十五メートル。したがって、現時点においても特に技術的問題はない。こういうふうに、一応の土木学会の情勢判断、分析が出ております。これに間違いはございませんか。
○大橋国務大臣 土木学会の報告につきましては、藤井委員と同じように私どもも受け取っております。
○藤井委員 運輸大臣の代表の御答弁で私はけっこうであります。その中に、今後調査検討すべき問題点として、明石ルートの場合は、先ほどもちょっと福家委員から言及されておりましたが、第七項として「工事中および完成後の船舶航行対策および安全施設の研究と実験」、こう書かれております。ところが、児島−坂出ルートにあっては、四つの項目が調査項目として指摘されておりまして、「工事中の船舶航行対策および安全施設の調査研究」、こういうふうになっておる。工事中である。工事が完成した後のことには別に触れておらぬ。この指摘の差異は、運輸大臣としてどのようにお考えでございましょうか。
○大橋国務大臣 御承知のとおり、児島−坂出ルートの最長スパン千百十一メートルというのは、大体現在の水道そのものを全体をカバーしておるわけでございます。したがって、この橋のできることによって特に航路の幅が狭められるという点はほとんどない。したがって、でき上がった橋につきましては、従来からの航路幅そのものがそのまま維持されるということになるのでございます。これに反しまして、明石海峡の場合におきましては、航路幅が千五百メートルのスパンの範囲内に限られてしまう。したがって、従来の航路よりもそれだけ狭められるという点にDルート以上の問題が一つある、こういうふうにいわなければならぬのでございます。したがって、その場合におきましては、新しく狭められた航路について、船舶の航行をいかに規制するかという一つの問題があるわけでございます。さらに潮流について考えまするというと、明石海峡の潮流の流速が早いものでございますから、それだけ航行する船舶は注意をしてもらわなければ、新しくできた橋脚等に衝突するおそれがある。したがって、工事中ばかりでなく、工事完成後におきましても、船舶の航行についてはそういった問題が残るということでございます。 私どもは、さような意味で理解をいたして、またさような意味においてこの船舶の航行問題について研究をいたしておるような次第であります。
○藤井委員 特に私がいま、今後の研究事項として船舶航行の安全性について、明石ルートの場合とそれから下津井−坂出ルート、この場合に、土木学会の調査の報告において相当表現の違いがあるというこの事実を、私は重大視せざるを得ないのであります。と申しますのは、実は私は海軍の出身でございますけれども、その技術方面は全然しろうとで、たまたまそういう人のつながりから、ことしの春ごろでございましたか、軍艦大和の設計主任であった造船技術中将庭田さんというのと親しい関係でございますが、彼が、何ら政治的にとらわれないで、自分が純粋な造船技術者として、最近の大型タンカーの操縦の困難性と本土−四国連絡橋の位置選定について、非常に切々たる訴えをしろうとである私に聞かしてくれました。この問題が私はまず先入観にありまして、今度の土木学会の報告書を一応見まして、これはたいへんなことだという印象を受けたのでございまして、考えてみますと、いままでの土木学会の答申なるものは、いわゆる土木工学ないしは橋梁工学に属する研究が主体であって、橋ができたあと、この下を通過する船長の立場に立って、一体航行の安全性という面において、はたしていずれに位置を決定することが適当であるかということについて真剣な研究、調査が必要ではなかろうか、このように痛感いたしたわけでございます。申し上げるまでもなく、明石海峡は海の銀座と言われるように、鳴門はああいう状態ですから、京阪神と瀬戸内から九州、この貨物輸送の船舶は全部明石海峡を通るわけで、しかもその中には大小さまざまな船が通り、機帆船も通るわけでございますから、私はこの明石海峡の場合、これはもうたいへんな海難といいますか、航行安全性の確保について最善の配慮をすべきであるというふうに考えざるを得ないのであります。そこに先ほど福家委員から言われたように、海難防止の見地から、権威ある全国の団体からもうすでに三十四年以降一貫してこれが反対をされておるこういう問題に対しては、所管省である運輸省が、また所管大臣である運輸大臣が真剣に御考慮さるべきではないか。これは併用橋について先ほど福家委員から、運輸大臣先頭に立ってという御発言がありましたけれども、これももっともでありますけれども、同時に私は船舶航行の安全性確保については、運輸大臣は最善の配慮をすべきではないか、このように思うわけでございます。この点について、どの程度の調査研究を運輸省としては現在されておりますか、再度お尋ねをいたします。
○大橋国務大臣 実はこの併用橋の場合に運輸省としても大いに発言しなければならないことは申すまでもないのでございますが、ただいま土木学会に対しましては、運輸省と建設省が共同して調査を委託しておるのであります。運輸省は約十億ばかり、建設省は二十億以上出しております。両方合わせてやっておりますので、どうせ一つの橋のことでございますから、二人して言う必要もないので、全面的に建設省でただいま御調査をやっていただき、われわれとしては常にそれに即応しておるという立場でございますので、あるいは先ほど福家委員が言われましたのは、どうも運輸省はさっぱり何も言わないではがゆいじゃないかというお気持ちであろうと思いますが、しかし、これは別に責任を回避しておるわけではございません。十分責任の立場に立ってさような行動をいたしておるわけでございます。しかし、ただいま御指摘になりました狭水道の安全の確保という上から申しますると、来島海峡あるいは明石海峡の架橋というものは、これは非常に重大な問題でございまして、先ほど来御指摘のように各種の団体が真剣に意見を発表せられるのは当然のことと思うのでございます。私ども運輸省といたしましてもこれを受けとめまして、特にこの分野において他に責任を負うものはないのでありまして、われわれは最終的な、また全責任を負わなければならないという考えで、鋭意海上保安庁の全能力をあげてこの問題を取り上げておるのでございます。 問題は、明石海峡は現在水深二十メートル以上の航路幅が二千五百メートル以上ある。そこヘスパンが千五百メートルということになりますというと、せっかく自然に存在しておる二千五百八十メートルの航路幅を完全に生かすことができず、それを工作物によってことさら千五百メートルに縮小しなければならない。しかも場所は日本でも最も船舶の往来の激しい海峡であり、そうして潮流も最も激しい。そういう意味において、ここには非常に問題があることは事実でございます。しかし、どうせ航路というものは上り線と下り線とあるわけでございまして、それがいかにあんばいできるものかどうか、その辺のところもございますので、まだ最終的な結論を出す段階ではないと思っております。 それから来島海峡の場合は、水深二十メートル以上の航路の幅員が三百六十メートルということになっておりまして、千百十一メートルのスパンの橋をかけましたならば、現在の航路は完全に生かされるということになるわけでございまして、その点において、土木学会の調査も、工事中は問題だけれども、工事後においては問題はないという結論を一応出しておるのだと思うのでございます。この辺の点が最も航行安全の上から注意を要する点である、こう思いまして調査をいたしておる次第でございます。
○藤井委員 建設大臣はお忙しい御予定が控えておるようでございます。建設大臣への関連質問も別にあるようでございますから、両大臣がおそろいの際に、ひとつ私からお願いを兼ねた質問を申し上げたいと思います。あと、建設大臣への関連質問をひとつ加藤委員にお許しを願って、あとまた私、交通安全にちょっと帰らせていただきたいと思います。 ところで、両大臣にひとつお願いかたがたお伺いする件は、先ほど審議会の設立の問題が論議になっておりましたが、ひとつ私はこういう提案をして御意見を承りたいと思うのです。 まず第一は、審議会が決して時間延長の道具に使われてはならない、これは当然のことでありまして、そういうお考えを持っておられようとはさらさら考えません。ただ結果的にそうなっては困るので、ひとつその点はよろしく御配慮願いたいことが第一点。 それから第二点は、何しろ世界的な世紀の大事業であります。同時にまたいろいろな思惑といいますか、揣魔憶測というようなものが起こり得る可能性もなきにしもあらず。したがって、審議会を世界的な権威のある構成でやってもらえぬだろうか。すなわち世界の権威も一枚加わって、公正妥当な経済的効果、技術的安全性、そして財源、こういう三点から見てこの線がいいんだ、こういうふうに第三者をして納得させるためには、世界的権威のある審議会を構成されたらどうか、このように思うのですが、両大臣の御見解を承りたい。
○大橋国務大臣 いやしくも調査会をつくる以上は、世界的権威ある調査会をつくるということは、事柄が世界的な大事業でございますから、当然そうありたいと思います。
○西村国務大臣 私は先般の閣議に報告したときにもやはり、この大事業は建設省それから運輸省だけのベースではどうもきめかねる。したがいまして、そういうような民間の能力を結集した公正なもので、強力なものできめるよりやはり手がないと思うから、いずれそのことについてはもう一ぺん閣議の問題に供することがあります、こういうことを申し上げておるのでございます。いよいよ審議会ということになれば、お説のようなことも十分考えまして善処したい、かように思っておる次第でございます。
○藤井委員 ちょっと念のため、これは答弁は必要ございませんが私の申し上げました、世界的権威の組織をつくってもらいたいという意味は、決して日本の技術がおくれておるとか、こういった意味ではございませんけれども、やはり広く世界に知識を求める意味において、また同時に、日本人だけできめてしまうといろいろ系統系統で、正しい結論であっても曲がった理解をされてはいけない。したがって、端的に言いますと、一枚外国人を加えて、世界的な権威ある外国人を加えた審議会をひとつ構成してもらったらどうか。これをお願いをして、答弁はけっこうでありますから、次の関連に譲ります。
○加藤(六)委員 建設大臣は会議の都合でたいへん早くお帰りにならなければならないので、関連質問でお待ち願っておりますのはまことに申しわけない、こう思う次第でありますが、先ほど来福家委員あるいは藤井委員から御質問されましたことに関連いたします二、三の点について、ごく簡単でよろしゅうございますからお教え願いたい、こう思うのでございます。 まず第一番は、五月十九日、土木学会の本州四国連絡橋技術調査委員会が答申せられました。この委員会は報告書を建設省に出すことによって任務は終了したとして解散せられるのでしょうか。それとも、今後引き続き残される意向でしょうか。その意向をまず第一に御質問申し上げたい。 あと全部一括して申し上げます。その次は、この土木学会の報告というものは技術的には最終結論であるという判断がされるわけでございますが、しかしその答申の中にいろいろ調査を要する、大規模実験を要するいろいろな問題が書いてございます。そうしますと、こういった調査というものが今後なお続いて行なわれ、土木学会の答申というものを修正するような方向が考えられておるのであるかどうかという問題、これが第二番目であります。 それから第三番目は、先ほど来の質問で、日本では類例がない長大橋であるということがはっきりわかったわけでございます。さらに三大臣より慎重に取りまとめなくてはならぬという御意見等も拝聴したわけでございますが、この本土−四国連絡橋について外国の橋梁技術を導入すれば簡単にできるんだという議論が、一部学者の仲間あるいは巷間で伝えられておるようでございます。外国の技術にたよらなければならないような橋梁計画を、建設省としては、あるいは運輸省としてはお考えであるかどうかという点が、私の建設大臣に御答弁願いたい第三点でございます。 その次は、先般答申された中で、Aルートの大規模実験という問題が書いてございましたが、これはいかなる規模で、いかなる地点、何年くらいで結論が得られる見通しなのかどうかということと、それがルート決定の前提条件となるのかならないのかということでございます。さらに同じく検討項目のうちのAルートの、施工機械の開発と実験ということに触れてございますが、いかなる種類の機械であって、それはさらにその発注から製作、実験までどの程度の年月を要するのであろうかということを、答申が出てから建設省並びに大臣のところで研究されておるだろうかどうであろうかということでございます。 その次に、関連して御質問いたしたいのでございますが、それは大規模実験あるいは施工機械の開発という問題が検討項目でちょっと言われておりましたので、当然建設省としては昭和四十三年度の予算に計上されるのではないかと思うわけでございますが、この検討項目の経費は調査費と見られるのか、あるいは建設工費に含めておられるのだろうかということ。大まかにいま御質問申し上げました各点につきまして、御答弁いただければたいへんありがたい、こう思う次第でございます。
○西村国務大臣 土木学会の本州−四国のこの委員会は、土木学会の中の委員会でございます。これは土木学会の中でどうするか知りませんが、私のほうは再び土木学会に調査を依頼する必要はいまのところ考えておりませんから、おそらくこれはこれでもって、土木学会の中のことでございますから、土木学会で処理するでございましょうが、私のほうとしては一応この段階でおしまいじゃないかと思っております。学会の内部の問題でございますから、私のほうはそういうことで考えております。 第二番の実験の問題ですが、実験をどういうふうにするかというそれ自身がもう研究課題になるのでございまして、したがいましてその実験の結果方針が変更されるかどうかというようなことで、そういうようなことは実はまだ詰めておらないのであります。そういう段階ではないのでございます。いろいろ答申はありますけれども、そういう実験ができるかできぬかというようなことも、それすらもだいぶむずかしい問題でございます。しかしせっかくの答申をいただいておりますから、できるだけやはりいろいろ実験は続けていきたい、こういうふうに思っております。 それから第三番目に、外人等の問題につきましても、私のほうからやはりこのために研究員を派遣するとかなんとかいうようなことは考えてみたいと思っておりますが、一番長い径間のところもありますから、千二百九十何メートルというようなところをどうしてやったかというようなこともありますが、しかし向こうの方をいまどうしようというような具体的なことはいままでのところ考えておりませんが、いずれやはりいよいよという段階になれば、外国の技術につきましても相当にこれは協力を求める場合もあり得る、私はそう考えております。しかし、これももう少したってみなければわかりません。 それから四十三年度の予算の問題ですが、やはりこれは実施予算ではなしに、調査予算です。調査予算としてどの程度に要求するかということは、ただいま検討しておる最中でございます。
○加藤(六)委員 大臣お忙しいところありがとうございました。あと福家先生がおやりになるようでございますから、そのあと海上保安庁長官その他若干関連して一言お伺いしたい。
○福家委員 建設大臣に最後に一言お尋ねしますが、先ほど来各大臣にお聞きしたのですが、結論として御答弁願いたいのです。いわゆる方々で各政府機関がこの問題に取り組むよりも、先ほど藤井委員の質問にも関連しますけれども、内閣総理大臣に直属する諮問機関、あるいは学界、言論界、財界等の権威ある審議会をつくって、高い視野から検討願いたいと思うのでありますが、御所見を伺って私の質問を終わらしていただきます。ありがとうございました。
○西村国務大臣 いずれ審議会はやはり設けましてこれは審議したいと思います。しかし、重ねて申しますが、福家さんも御承知のごとく非常に重大な問題でございます。私たちはこれは政治的に取り上げようといたしておりませんが、世間はいわゆる政治的に取り扱うのでありますから、事柄が大きいのですから、十分われわれは注意をいたして事に臨みたい、これだけは申し上げておきたいと思います。
○福家委員 けっこうでございます。
○藤井委員 まず、先ほどの航行安全に関する質問を続けさしていただきたいと思います。 先ほど冒頭に、私は、繰り返し三ルートについて条件並びに技術的ないろいろ意見、この三つを比較すると、これはもうしろうとでも直感的に大体結論はつく。特に当局であり、大臣のお立場ですから本委員会でそう軽々に発言ができない、御意見の発表ができないお立場はよくわかりますけれども、私はおのずからこの結論は出ておるというふうに、気が早いせいか、ともかく思うのです。やはり技術的にすべてが可能だといっても、その可能の程度に百点満点もありますし、やはり七十点もあれば、合格点すれすれもありましょう。やはり順序は技術的により安全なところ、そして経済的な効果、これは人間がいろいろつける理屈であり、考えでありますから、もう経済的効果のない施設はあり得ないとさえ考えられると思うのです。したがって、日本の現在の経済成長力、この力からすれば、いずれの日にかは三本かけてもらいたい、こういう気持ちを持つ。三本くらいかけられるだけの力は十分ある。ただ、順序はやはりよりベターなところからひとつきっかけをつくるべきである、こういうふうに思うのですが、運輸大臣どのようにお考えでございましょうか。
○大橋国務大臣 三本をみなつけたいがおのずから順序があるだろう、この点は私もおのずからそうなるだろうと思っております。
○藤井委員 そこで、私はもとの質問に返りたいのでありますが、この特に明石海峡の場合、決して私は明石ルートに反対するから——たまたまきょうの質問は香川県出身福家委員、岡山県側の藤井、加藤というようなことになり、いかにもこの地元を代表した立場の意見だということのみに御理解されては非常に困ると思うのです。実は、私は先ほど触れましたように、三つとも、ただ順序が多少前後してもいずれ日本の経済力からいえばつけていい、何らほかの橋に反対するものではない。ところが、船舶航行の安全性という問題から考えまして、先ほど指摘をしましたような事実と、造船技術屋が船長の立場になって明石海峡のもと、架橋のできたところを通ると、これはたいへんな危険な状態であるということをいろいろ話を聞かしてくれたのです。こまごました話は、私はきょうは時間が相当経過しておりますから省略をさせていただきますが、またつけて加えて、あそこには渦潮が非常にある。一たび渦潮に巻かれんか、大型船もかじをとられてしまって全く酔っぱらい運転のようなかっこうになる。一朝十万トン、十五万トン、二十万トンのタンカーがあそこら辺で大きな事故でも起こしたら、これはたいへんなことになるわけでありまして、先年イギリスの南海岸ですか、リベリアの油送船が座礁してイギリス、フランスをあげて大騒ぎになったことは、大臣も御記憶にあろうかと思うのでございます。すでに明石海峡の場合、去年の十一月でございましたか、ボーリングタワーにどこかの運送会社の船がぶつかってボーリングタワーをこわしてしまったというような事例もあるし、いろいろな条件から見て、私は結論を急ぎますが、この交通安全、特に大型船ないしは大型油送船、こういうタンカー船の将来を考えると、航行の安全性ということについては、これは別途特別な調査会ですか、そういうものをおつくりになって、そしてそこから海難防止協会、いろいろな方面から出されておりますそれが単なる杞憂であるか、これはやはりほんとうに重大な問題であるという、こういう線を運輸省としてこの結論につけ加えるべき重大な要素の一つである、私はこういうふうに考えざるを得ないのです。 私の聞いた先ほどの庭田造船技術中将の話によると、これはへたすると京阪神全体が火の海になる、こういったことも言うのです。もともと京阪神というものは、瀬戸内から九州方面の物質の往復によって浪花は栄えたのでありますから、私は浪花の繁栄、京阪神の繁栄のためにも、これはよほど検討すべき問題である。われわれは岡山県なるがゆえに、明石にけちをつけるためにこういう質問をしているのではありません。これはよく運輸省としてお考えいただいて、悔いを千載に残さないように十二分な御調査を願いたい。したがって、あえて提案したいことは、航行安全についての特別調査会というものをおつくりになる御意思があるかどうか、私はつくっていただきたい、こう思うのですが、運輸大臣の御見解を承りたい。
○大橋国務大臣 船舶の航行安全の諸施策を検討いたしまするため、運輸省には航行安全審議会が特に設けられておるのでございまして、ただいま運輸省といたしましては、明日安全審議会を開いていろいろ諮問したいと思っております。諮問の一つの重大項目といたしまして、狭水道における大型船の航路の規制、またふくそうする船舶の航行の規制、さらに狭水道の改善の方法、こういった問題を明日諮問いたしたいと思っておるのであります。したがいまして、東京湾口における海堡の取り扱いをどうするか、あるいは航路の対策をどうするかという問題、また明石海峡その他瀬戸内海の狭水道の航路をどういうふうに改善するか、こういうような問題を取り扱いまするので、自然この橋梁についての航路安全のための見解も、この機会に検討されるものと期待いたしております。
○藤井委員 大臣のいまの御答弁で、十分御配慮願っておるように承るのですが、私の望むらくは、特に世紀の大事業であるこの四国−本土連絡橋について、海難防止の見地から諸団体から相当はっきりした意思表示が出ておる、しかも、私が先ほど引用いたしました造船専門家のいろいろなものの考え方、特に大型船になり、原油を運ぶタンカー船あたりが——これは水島基地をはじめ、あるいは下松、ずっとあの辺にありまして、しょっちゅう行きかうわけですが、それへもっていって、この明石海峡は機帆船とかいろんなものが横にも縦にも出入りをするということでございますから、この問題については、私は、特別に他の全国的な海難防止、あるいは狭水道安全航行の問題という一般論でなくて、この四国−本土架橋のための航行安全として特別調査をする、そのためには、予算措置も別途考えるとか、ここまで腰を入れた御調査があってしかるべきではないか。私が先入観として少し過大に杞憂しているのかもわかりませんけれども、明石にあの橋をかけたら悔いを千載に残すという、しろうとながらこういう心配がいたすわけで、このような心配はただ単に私だけでなくて、すでに専門家の海難防止協会あたりはそういう線を出しておるわけですから、この点は特に大臣において特別な御配慮を願ってしかるべきではないか、このように思いますので、重ねてひとつ御答弁をお願いしたいと思います。
○大橋国務大臣 普通狭水道と申しますと、日本でもそうたくさんはございませんので、まず関東におきましては浦賀水道、それから伊勢湾、それから大阪湾、明石海峡、それから関門海峡、そういったところが特にふくそうする狭水道、しかも重要航路に当たっております。こういうところの船の航行について、今後安全対策としてどのようにすればいいかという問題を取り上げてもらうわけでございまして、その際に明石海峡の新しい橋梁との関係が当然論議されるべき事項となると思いますが、その際の安全審議会の結論で、なお一段と調査すべき必要があるということでございましたならば、そのときの段階においてさらに予算をとって再調査をするということを考えればよろしいのではないか、こう思います。 すでにあの辺は十分な海堡もございまするし、橋梁の一応の基本設計も出ておるようでございまするし、潮流等の調査も行なわれておりますので、これをもとにいたしまして、相当はっきりした見解が出てくるだろうと思っておるのであります。特に、私ども、明石海峡を重要視いたしておりますのは、瀬戸内海におきましても大型タンカーの航行が危険であって、なかなかどの狭水道もみな通るというわけにはいかない。水深等の制約もございまして、明石海峡は、将来期待されておりまする播磨地区の石油化学基地、あるいは現にあります水島の石油化学基地、こういうところへ入る大型タンカーの唯一の関門になっておるわけでございまして、特に航行安全については真剣に検討しなければならぬ問題がある、こう思っております。
○藤井委員 私、これで最後にしたいと思います。 ひとつこれは、船舶航行安全に関連した技術的な問題ですので、当局側からできれば御答弁願いたいと思いますが、明石海峡東部の上昇渦潮というえらいやっかいな潮の流れ、これがたいへん船舶に対してかじを取る。非常に専門家も心配している問題ですが、こういうことに対して、運輸省としてはどのような検討をいまされておりますか。これは先ほどの大臣の調査会で結論が出るかもわかりませんけれども、念のためつけ加えて質問をしておきます。
○亀山政府委員 明石海峡において、上昇渦潮という、下からわき上がる潮があるということは私ども承知しておりますが、それが船舶の航行に、大型船の場合に非常に支障になるということも聞いておりますが、これの物理的な性質、あるいは進んで言えば、ああいうところに何らかの、橋脚といえば一番簡単でございますが、ものを入れた場合に、潮流にいかなる変化が起こり得るかというようなことは十分研究しなければならないことでございまして、私どものほうで潮流の調査研究に当たっているのは水路部でございます。水路部において、いまの御指摘のございました点は、今後とも十分に調査いたさせるようにしたいと思っております。
○福家委員 関連して、水産庁長官にお尋ねいたしたいと思います。 いままで何人も触れてはおりません、というのは、しろうと目から見て、明石海峡に、あの海幅六キロ、海深く、島影一つないところに橋をかけることは不可能であるという先入観からかもしれませんけれども、これからそういうことが起きるであろうと考えられるのは、漁業権の補償の問題です。 本員が申すまでもなく、水産庁としては、専門的立場からひそかに憂慮されているのではないかと思うのですが、瀬戸内海は、関門海峡、豊後水道並びに鳴門海峡、紀淡海峡及び明石海峡より成っておって、その内海には、太平洋から産卵のためおもに紀淡海峡、明石海峡を通って、幡磨灘、裏小豆の内海にかけて魚群が回遊するので、この一帯は、その産み落とされた稚魚の宝庫である。ところが、明石海峡に、いま藤井委員も指摘されたような架橋がされると仮定した場合、土木学会の報告書によりましても、その橋脚の直径が四十一メートルに達する。この四十一メートルもある直径の橋脚が無数に並立したとする場合、専門家の意見では、しかも九ノットの潮流、これが橋脚四十一メートルに当たった場合は、側面、裏側は鳴戸以上の大渦が巻いて、たいへんなことになる。おそらく、十万トン。十五万トンの船といえども航行を停止して、潮の流れを待たざるを得ないのではないか、こういうことを専門家が言っております。そうなると、瀬戸内海には一大潮流異変が起きる。沿岸の漁業というものは全体的に変わってくるわけですね。いわゆる瀬戸内海沿岸漁業というものは全滅に瀕するという状態がこないとも限らない。一例をあげてみますると、明石海峡を通過してわずか三十分の距離に、日本三大浅瀬の一つという鹿ノ瀬という浅瀬がございますが、それは幡磨灘の鹿ノ瀬といわれて、昔から、カレイ、ヒラメ、キス、カニ、エビ、エソ、シタビラメ、ハマグリなど、すなわち砂に生息する魚介の宝庫なんです。これはあなたのほうが専門家だからよく知っているはずだ。ところが、この浅瀬というものは一朝にして変革されてなくなってしまうのじゃないですか。私の心配するのは、いま瀬戸内海の漁業権というものがどんなにばく大なものであるかということ、一例をあげますと、香川県小豆郡豊島の沖に、大阪府が堺港建設のために、海の底から砂をとっています。三平方キロメートルの三年間のこの砂をとる漁業補償権は二億円です。これは現に契約が成立して砂をとっているわけですが、この一例から換算して、鹿ノ瀬だけでもこれはたいへんな巨額になるのじゃないか。いま農林省としては、国家の要請によって大問題となっておる本土−四国架橋の問題について、一体そういうことを考えておられるのかどうか、必ず起きてきますよ。そういう点についてお答えを願いたい。ころばぬ先のつえといいますか、自信があるのかどうか。ことに瀬戸内海全体、特に香川県、兵庫県、岡山県の沿岸は養魚が盛んでございます。現在はもう魚を釣る時代ではない。一本釣りの時代ではなくして、魚を製造する時代になっているわけです。皆さん、東京の食ぜんのクルマエビもハマチもタイも、すでに養魚の時代に入りました。東京に出ておるフグなどは、大体香川県、岡山県の養魚のフグなんです。そういう潮流によって養魚が成り立つ。一番大切な問題なんです。潮流異変が起きると、養魚は全部浮き上がる。これは大問題なんですが、水産庁は、この明石海峡に架橋されると仮定した場合に、一体どういうような見解を、自信と対策を持っておられるのかどうか、お聞きしたいと思います。
○山中説明員 本州と四国の間の連絡橋のことに関しましては、われわれといたしましても、内々いろいろと考えておることは事実でございます。しかしながら、まだどこをどのような工事のやり方により、またどの程度の橋げたを海中に立てておやりになるか、そういうような点がつまびらかになっておりませんので、われわれとしてもあまりはっきりしたものをはじき出しておるという段階ではございません。ただ、いまの御質問にもございましたように、海の中に橋げたが、橋脚が設置されるという点につきましては、これは当然漁業権に相当の影響があると考えなければならない。しかし、そのほか橋げたをかりに設けないといたしましても、工事中には少なくともいろいろの点で、たとえば海底の泥が、大いに土砂がとられるとか、あるいはその土砂の採取によって濁りが生ずるというような点で、また、特にいま先生も御指摘になりましたような養殖魚などに対しましては、水の濁りというものはたいへん影響を持っております。そういうような点でいろいろマイナスの要因が予想されるわけでございますが、しかし、なお具体的にはまだ、どこでどのような工事のやり方、あるいはどのような形で橋をつくるかという点がつまびらかになっておりませんので、今後とも一そう考えてまいりたい。 関係する漁業者の数あるいは漁船の数、これらはどこのルートをとることにいたしましても、相当多い、数千に達するというふうに考えております。
○福家委員 Dルートについては、橋脚の必要がないですね、だから明石海峡のみについて、そういう潮流異変のおそれが出てくるわけです。同時に、いまどこにつくかわからぬから、まだわれわれは、心配はしておるが、実際的問題の検討には入っていない、こういう答弁に受け取ってよろしゅうございますか。私はそれは実に職務怠慢ではないかと思うのです。というのは、先ほど各大臣もそろってお答えになったように、この秋すでに予算化して、土木学会の今春の答申を基礎に、本土−四国架橋の決定を政府は迫られておるのです。あなたもこの委員会でお聞きのように、建設大臣はじめ、慎重にはするが、すみやかに決定を進めたい、そのためには内閣総理大臣直属の審議会も設置したい、こう答弁されておるわけですね。今日においてその準備をし、連絡会議なり、農林省の見解というものを明らかにしておかないとたいへんな問題が起きてくるのじゃないか。この潮流異変によって瀬戸内海の魚群の回遊が変わるだけではなくて、浅瀬がなくなるだけでなくて、一番私の心配するのは、先ほどあなたもお認めになっているような、養魚時代なんですから、この潮流のかげんが魚を養殖するための死活権を握っておるわけなんですから、これは全瀬戸内海沿岸の漁業権の補償というような問題が起きてきてもたいへんな問題になると思うのですが、その点いかがですか。
○山中説明員 私まだつまびらかにいたしませんということを申し上げておりますのは、その漁業に与える影響がどの程度かという点についての具体的数字のことでございまして、こういう範囲の漁業者に影響があるのではなかろうか、それからまた、橋げたがかりにAのルートといたしまして、明石海峡に何本置かれるか、これのいかんによりましては、あるいは潮流に影響するかもしれませんし、また、あるいはこれは私、このほうの専門家でございませんのでわかりませんが、一番極端に考えまして、大きな橋脚が二個なら二個だけであれば、潮流を妨げるというか、さえぎるという点においてはそれほど大きなものではないのではないか、そういうような点につきましての検討が十分でないということを申し上げておるわけでございまして、もしもこれができました暁には、関係する漁業者の数あるいは漁業協同組合の数あるいはその範囲の養魚者の養魚施設の数、これらにつきましては、調査を内々進めております。
○福家委員 追及したくないのですけれども、明石海峡の二本立った場合などと言われるのは笑止千万で、すでに土木学会から明石海峡のルートは、政府が委嘱して、Aルートについては脚が直径何ぼで何本要る。Bルートはどう、Cルートはどう、すでにもう出ているのです。答申されているのです。それによってひとつ今日ただいまから、お帰りになって検討していただいて、農林省の見解をいずれあらためて聞きますから、明確に沿岸漁業民の福利を阻害しないように対策を講じていただくことをお願いいたします。
○山中説明員 工事の現状につきましては、実はつまびらかにいたしておりませんが、漁業者が被害を受けることにつきましては、われわれ重大なる関心を抱いておりまして、当然公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱その他によりまして、漁業者が不測の損害を受けないように、また損害を受けた場合にはこれが補償をしてもらえるように、関係の方面と十分に密接なる接触を保ってまいりたい、このように考えております。
○細田委員長代理 加藤六月君。
○加藤(六)委員 長官にお忙しい中をわざわざお残り願いましたので、二、三質問さしていただきたいと思います。 まず第一は、世界の長大橋の一つであるといわれておりますタコマブリッジが落ちております。これは一九四〇年十一月七日の風速十九メートルの風のために落ちまして、当時のアメリカ西海岸並びにカナダ周辺において非常な波乱を呼んだわけでございます。そしてこれに関連しまして、世界の橋梁技術あるいは橋梁にかける意欲というものがずいぶん減退したように聞いておりますが、これは落ちた理由その他についてはいろいろ建設省当局が研究されておるようでございますので、私がいまさらちょうちょう申し上げる必要はないと思いますが、神戸新聞の五月二十二日号に、明石−鳴門に非常に御熱心な神戸新聞でさえ、「かけ橋は安全性第一に」ということに始まりまして、こういうような論説を書いております。それは、「その実現を望む余りに、安全ということを軽視してはならない」ということであるということから始まりまして、何といっても世界一の難工事であり、多数の人命にかかわる交通機関である。決してあわててやってはいけない。最も肝心な安全性というものを軽視されることは許されぬことであるということを述べておるわけでございますが、われわれ真剣に考えまして、政治力でとやかくされるとかということはないということを、歴代のいろいろの大臣がすでに述べておる。その点でもし瀬戸内海に、何ルートになるかここの席でははっきり断言できませんが、安全性を無視して、政治力その他によって橋がかかり、この橋が落ちたということになりますと、瀬戸内海経済というものは一朝にして破滅してしまいます。これは単に漁類とか船舶の航行とか、そういうものだけではございません。そういう点につきまして、海上保安庁として、この今回の本州−四国架橋についていろいろ研究はされておるように承っておりますが、安全性の問題について、政府当局に特にそういった問題について、いままで御要望されたことがあるかどうかということについて、まず第一にお聞かせ願いたい、こう思います。
○亀山政府委員 ただいま例に引かれましたタコマの橋がハリケーンで倒れたという話は聞いておりますが、私どもは、瀬戸内海の架橋の問題につきまして、橋が台風で落ちて航行に障害を来たすということは、実は想像もできない。もし起こった場合どういうことになるか。仰せのとおり、現在の瀬戸内海全体の各港に入港しておるのは、二年ばかり前の統計でございますが、船舶の隻数は三百四十万隻、荷物量は年間で五億五千万トン、瀬戸内海全部で考えまして日本経済の半分くらいがあそこら辺にある。そのある一地点における航行の障害、たとえば架橋のような大きなものが海中に転落した場合には、大型船はもちろん、小型船も大部分がしばらくの間交通がとまるであろう。日本経済はおそらく窒息状態が起きるというふうに想像するわけでございます。しかし架橋をお考えになる向きでは、当然日本のような災害の非常に大きい国でございますから、そういう点は十分お考えになっておつくりになるであろうということは、大前提として考えておる次第でございまして、ただいまのような点について私どもから特に、建設する側に御要望申し上げる必要はないと考えております。
○加藤(六)委員 その次には、先ほど藤井委員からも質問がありましたトリー・キャニオン号の件でございますが、一審判の結果は船長の操船上のミスという結論が出ておるようでございますが、そのトリー・キャニオン号の結果、いろいろな国、たとえばリベリア共和国あるいは英国、あるいは日本の運輸省において、非常に大きな問題として取り上げられておるようでございます。そしてその結果、日本政府並びに海上保安庁としましては、同じ程度の船が東京湾の入り口でこういうことがあった場合は、こういうケースが起こるという想定の図上演習その他はおやりになっておるようでございますが、もしこれが瀬戸内海の入り口、西の入り口、東の入り口、三つありますが、このあたりで起こった場合に、どういう悪影響があるかということについては、研究されておるでしょうか。
○亀山政府委員 先般東京湾で図上演習並びに実地演習を行ないましたのは、約一万トンの原油が船舶から流れ出した場合に、これをいかに防御するかということでございまして、これによって起こる被害額を私ども想定したことはございませんけれども、これによって起こります被害は、第一に、燃えなかった場合には、水産動物に対する影響はきわめて甚大であると思います。それからこれに火がついて流れた場合、沿岸の工場、住民に大きな脅威を与える。場合によれば相当な陸上への火災を生ずるであろうということも十分想像できますので、東京湾で行ないますのに引き続きまして、今月、伊勢湾においても、関係機関を集めて訓練を実施いたしました。さらに明月、大阪湾近傍におきまして、このような演習を、いままでの東京湾、伊勢湾でやった結果を取り入れながら、さらに演習を続けて、適確な対策を検討いたしたい、かように考えておる次第でございます。
○加藤(六)委員 その演習には水産庁は入れておりますか、入れていませんか。
○亀山政府委員 東京湾の場合、伊勢湾の場合、いずれも県の水産課にお願いをいたしまして、実は私どもの演習は主として沖における防衛ということを第一義に考えております。それにある程度失敗する、陸岸に流れついた場合、沿岸における防衛をいかにするかということについては、実は私どもはそういう必要があるということを、地方公共団体の水産関係あるいは消防関係に申し上げて、それぞれにおいて御検討願うようにお願いしておるところでございます。
○加藤(六)委員 これに関連しまして、先ほど藤井委員も若干述べられましたが、大洋海運のタンカー大井川丸、これは六万一千トンでございますが、これが完成後三日目の、明石−鳴門に設けられておりますボーリングタワーに衝突して、タワーが沈没いたしております。これは昨年の十一月の二十四日でございますが、引き続き本年四月二十六日に、扇商汽船の第二扇商丸、これは非常に小さい船で、四百九十六トンでございますが、再びいま申し上げましたボーリングタワーと衝突、今度はまたタワーが水没しております。こういった事件が引き続き、今般の明石−鳴門ルート調査のいろいろの問題について起こっております。さらに昨年九月に、海底ボーリング用の双胴バージが強風により沈没しております。そして、この沈没した双胴バージを引き揚げるために、潜水夫を建設省は非常に強行な日程で使って、いかなる問題があろうともこれは引き揚げろということを言い、あとから神戸新聞、大阪新聞の記事を読みますと、潜水夫は二度とあんなことはしたくない、いかに金をもらってもいやだというような発表をいたしておりますが、海上保安庁はこういった問題についていままでどういう処置を講ぜられておるかということについてお聞かせ願いたいと思います。
○亀山政府委員 船舶の航行路に障害物を設置する問題につきまして、実は現在の港則法によりまして、港域の中で工事その他のために建造物を置く場合には、その港の長である港長の許可が要る、そういう制度によりまして、航行障害が起こらないように、また必要な標識等を付するようなことをしておりますが、現在の法律では、港域外にはこれが及んでおりませんので、私どもはこういう船舶の往来の激しい、先ほど来大臣から申し上げました狭水道についても、港内と同様に、工作物あるいは工事等は一定の基準に基づいて許可にかからしめるほうがいいのではないかというふうに考えまして、現在新しい交通安全のための海上法規というものの検討を進めておるところでございます。
○加藤(六)委員 これを最後にします。どうも長い間時間をいただきましてありがとうございました。 それで、長官に御希望しておきます。これは次の国会でも当然問題になると思うわけでございますが、瀬戸内海を中心とした海上の交通規制について、いろいろ問題が出ると思います。そういう場合に、われわれは、これは原案をつくるときに十分参酌さしていただきたいと思うわけでございますが、海上交通を阻害し、あるいは危険を発生さすようなところにもろもろの施設その他をやる場合には、これを断固排撃しなくてはならないような海上交通法がぜひ必要であるということを考えておるわけでございまして、これは、どこそこに橋をかける場合に反対するとか賛成するとかいう意味でなくして、狭い地域を航行する船の安全を確保するという観点から、どうしても取り上げなくてはならない問題になってくると思いますので、海上保安庁におかれましても十分研究していただきまして、この問題に取っ組んでいただきたい、こう思います。 瀬戸内海にはLRG船、液安船、あるいはアスファルト船、硫酸船、塩酸船、硝酸船、二硫化炭素船、無水フタール酸船という、非常に危険なものを積んだ五十トンから百トンの船が、特に明石海峡を中心として往来いたしております。その数は数百隻に及ぶわけでありますが、単に先ほど申し上げましたタンカー船の事故だけでなしに、こういったものが出てまいりますと、またたいへんな事態が発生するわけでございますので、何が何でもこの問題には真剣に取っ組んでやらなければならない、そのためにはそういう航行を阻害するようなものをつくる場合には、海上保安庁を中心として立ち上がらなければならない時代もくるのではないかということを意見として加えさせてもらいまして、私の関連質問を終わらせていただきます。 どうもおそくまでありがとうございます。
○細田委員長代理 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後四時二十三分散会