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55回国会参議院1967/05/20

予算委員会 第17号

発言数
371
登壇者
33
会派数
5
開催日
1967/05/20

会議録

新谷寅三郎自由民主党

○委員長(新谷寅三郎君) ただいまより予算委員会を開会いたします。  昭和四十二年度一般会計予算、昭和四十二年度特別会計予算、昭和四十二年度政府関係機関予算、  以上三案を一括して議題といたします。  まず、参考人の出席要求に関する件について、おはかりいたします。  本日、三案審査のため、畜産振興事業団の関係者を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

新谷寅三郎自由民主党

○委員長(新谷寅三郎君) 御異議ないと認めます。  なお、人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

新谷寅三郎自由民主党

○委員長(新谷寅三郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

新谷寅三郎自由民主党

○委員長(新谷寅三郎君) 昨日に引き続き、質疑を行ないます。小柳勇君。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 昨日に引き続きまして質問いたしますが、きのう最後に文部省に資料要求をいたしておきましたので、できるだけの点、御発表願います。

剱木亨弘自由民主党文部大臣

○国務大臣(剱木亨弘君) 昨日の資料要求につきまして、極力調査をいたしました。ただ、どうしてもわからない面もございますけれども、私どものほうでできるだけの調査をいたしましたので、その結果につきまして、大学局長から説明させていただきます。

天城勲文部省大学学術局長

○政府委員(天城勲君) 昨日の四点について、さらに調査して御報告するようにという要望がございましたが、第一点は希有ガス力学会に対する国際シンポジウムの最初の会からの状況をということでございます。ちょっと恐縮でございますが、お断わりいたしたいんでございますが、きのう「希有ガス力学」というふうに私たち御報告いたしましたけれども、専門家に聞きますと、正式に日本語で翻訳する場合には、「希薄気体力学」のほうがいいんだそうでございます。この点をちょっとお断わり申し上げておきます。  この国際シンポジウムは、一九五八年に第一回がフランスで持たれておりまして、以後一年おきに開催されて、第五回の一九六六年のイギリスの会議まで進展いたしております。したがいまして、過去に五回ございまして、五回とも日本の学者が参加いたしております。ただ、今回、六六年の場合に三人の学者が旅費について米陸軍極東研究開発局からの援助を受けておるということは明らかでございますが、その前段階は、主催者の旅費並びに滞在費負担ということだけでございまして、その財源の出所が、きのうまでの調査では、どうしても明らかにできませんでした。二回目は米国でございますが、三回目はフランス、四回目はカナダでございますが、前のほうは主催者負担ということまでしかわかっておりません。  それから今年度に契約を更新する見通しのものということでございますが、これにつきましては、今年の一月から三月末までに申請を受けていますが、その期間に申請を申し出ているものが、更新で五件、新規のものが十三件ということが一応わかりました。これは、許可になっているかなってないか、まだ最終的にはわからないのでございますが、この期間に以上の件数が申請されております。その継続というお話がございましたけれども、更新という領域で五件ございます。  それから民間でも援助を受けて研究しているものがあるだろうというお話でございますが、昨日御報告申し上げました民間の分野もさらに調べたのでございますが、受けているほうの機関を確認するまでに至りませんでしたけれども、機関といたしましては、これは病院関係でございまして、都立の駒込病院、都立の荏原病院、それから淀川キリスト教病院、これは大阪でございますが、この三件の病院がございました。きのう申し上げました松下電器研究所と、東海電極会社のほかに、この三つの病院がございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 病院のテーマは。

天城勲文部省大学学術局長

○政府委員(天城勲君) 駒込病院の場合には、細菌性チフスの病原性についての研究と腸内感染の病原性についての研究、この二件でございます。それから荏原病院の場合には、腸内感染における直腸粘膜においての細菌の免疫学的及びウイルス学的研究ということでございます。それから淀川キリスト教病院の場合には、ぜんそくと大気汚染ということになっております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 援助額はわかっておりますか。

天城勲文部省大学学術局長

○政府委員(天城勲君) 援助額は、駒込の場合には、最初に申しましたほう、細菌性チフスのほうが七千三百十ドル、それから第二番目のほうが七千六百七十八ドル、それから都立荏原病院のほうが六千八百二十ドル、淀川キリスト教病院の場合が一万四千八百六十五ドルでございます。  それから米陸軍極東研究開発局以外のもので、軍、たとえば四〇六部隊あるいは空軍からの援助が出ているものがあるだろうというお話でございますが、きのう申し上げました資料の中に、実は空軍の分も入っている、開発局が窓口でやっているんで、いわゆる空軍といわれておるものも入っているということでございました。なお四〇六部隊の分だけが別だということなんでございますが、実は四〇六部隊のものも入っておるように、私、見るので、これは再度、極東開発局でわからないものでございますので、これは座間にある部隊だそうでございまして、いま別途に連絡して調査いたしております。  以上でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 ただいまの、更新が五件、新規が十三件、計十八件は、この、きのう出された資料には入っていない。これを確認してよろしゅうございますか。

天城勲文部省大学学術局長

○政府委員(天城勲君) そのうち、二件だけが実は国際会議の旅費でございまして、すでに許可されておるそうでございまして、きのう申し上げました資料の中にこの二件は入っております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 次の問題は、きのう最後の段階で論議しました特許権管理制度の問題で、文部省でまとまった意見があれば、御発表願います。

天城勲文部省大学学術局長

○政府委員(天城勲君) きのうは資料がございませんで口頭で申し上げましたけれども、現状につきまして正式に申し上げますと、国立大学の教官がその職務に属する研究において産業上利用できる有益な発明をした場合には、この発明についての特許権は国に帰属する、これは特許法上の職務発明に当たると、こういうふうに考えております。しかし、大学の学術研究は、研究者の創意に基づいて行なわれるものでございますので、基本的には研究成果の発表は研究者の自主性にゆだねられるというのが実情でございます。実際問題といたしまして、どこまでが職務に属する研究か、どこからが個人かどうかというところは、実際上判断は非常にむずかしゅうございますし、また、どのような研究成果が実際に特許になるかという判断も非常にむずかしいのでございますけれども、たてまえとしては、いま申したような形で制度化いたしたわけでございます。で、国有特許を生み出した研究者に対しましては、請求があった場合には登録の段階で登録補償金、それから実施の段階で収入実績に応じて案分比例がございまして、三十万以下の金額の場合には百分の三十、あるいは一番高くて百万をこえる金額の場合には百分の五というような実施補償金が本人に支払われるというのが現在の制度でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 大学の研究者の研究したものが国に属するというのは、法的な根拠は何でございますか。

天城勲文部省大学学術局長

○政府委員(天城勲君) 特許法の三十五条に職務発明という規定がございまして、「使用者、法人、国又は地方公共団体は、」云々とございまして、「その性質上当該使用者等の業務範囲に属し、かつ、その発明をするに至った行為がその使用者等における従業者等の現在又は過去の職務に属する発明」、これが職務発明ということの規定でございますが、この中に国家公務員が含まれるという法律の規定がございますので、これを根拠にいたしております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 その職務発明といいますと、国家公務員も地方公務員もほとんどそれに含まれてまいりますが、研究者、学者すべてもうその研究については国にその特許権、発明権、著作権など所属するようになりますか。

天城勲文部省大学学術局長

○政府委員(天城勲君) 先ほどもちょっと触れましたように、研究の発表についての研究者の自主性ということがございますし、またどのような研究成果が特許になり得るかという判断もむずかしいことがございますので、現在では国立大学における研究成果について、これを国有特許にするかどうかの判断は各大学長にまかせているというのが実態でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 各大学の何ですか。

天城勲文部省大学学術局長

○政府委員(天城勲君) 各大学長でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 各大学で研究いたしましたものが大学学長の判断によって、これは個人のもの、これは国のものという判断をされたいままでの実績ございましょうか。

天城勲文部省大学学術局長

○政府委員(天城勲君) 四十年度末現在で登録されております特許権は、十二大学、四百七十三件、いま総数だけわかっておりますが、以上でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 それは個人のものと国のものと分けて御説明願います。

天城勲文部省大学学術局長

○政府委員(天城勲君) ただいま申し上げました十二大学における四百七十三件は、全部国有特許でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 その他に個人の特許について、これはまあ文部省でおわかりかどうかわかりませんが、おわかりであれば発表願います。

天城勲文部省大学学術局長

○政府委員(天城勲君) これはちょっと文部省ではわかりませんです。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 個人特許について、あとで別に調べます。  米軍の場合のやつは、米軍から、大学の学長がサインをして、主任研究者がサインをして金を援助してもらうわけですが、これが全部米軍に移行すると、こういう問題について、文部省としてはどう態度をきめましたか。

天城勲文部省大学学術局長

○政府委員(天城勲君) いままでの米軍からの研究費の性格、受け入れ方から見まして、いわゆる機関としての、国費による本来の研究という考え方でないものでございますので、いまの職務発明、そのまま入らないのじゃないかと現在思っております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 ちょっと関連して。大学が米軍から補助金を受けてですね、そうして研究をやるという場合に、大学の施設はもちろん使うわけです。また、大学で月給をもらっておる研究者の補助員、これがたくさんおる。これらの人ももちろんその月給は国から出ておるわけです。それから、米軍から出ておるのはこれは補助金なんですね。補助金、必ずしもその研究に要する費用の全部ということにならないかもしれない、研究全部を検討して見ると。だから、そういう状態の中で、大学の研究者が発明したものを全部、あげて米軍のほうに権利を譲ってしまう、こういう契約をしておるわけなんですね、こういう契約を。これは私は単なる、その研究者個人の問題としては扱えない、こう考えるのです。その研究者が自分の自宅で、米軍から金をもらって、そうして全然国の施設あるいは使途などに関係なしにやったというのは、これは私は実際問題としてほとんどそんなことはないと思う。だから、そうなれば、この研究者の独断で研究の成果を、あげて米軍のほうに渡してしまう、こういう契約である。この契約自身は非常に私は国益を害しておる問題じゃないかというふうに考えるのです。そこで、小柳君もその点を言っておるわけですが、契約書ですね、これをひとつ明らかにしたいと思うのです。明らかにしたい。私のほうから読み上げますから、その米軍との契約、契約というのはどういうものか、そのとおり間違いないのか、その点をひとつはっきり答えてほしいと思うのです。朗読しますから聞いておってください。  米軍と研究者の間で取りかわされたと称する特許並びに著作権の条項に関する部分です。で、「補助金を受けた研究者は、(1)すべての発明の特許について、それが全世界に出願可能であろうと、なかろうと、無償でその実施権を米政府に与えること。その実施権は中途で取り消すことができず、独占的でなく、他に譲渡できないものとする。」、それから「(2)いかなる国に特許出願する場合にも、そのことを米陸軍研究開発局に知らせ、特許出願書の写しを米陸軍研究開発局に提出すること。(3)補助金を受けた研究者が、特許出願の意志を持たないときには、すべての発明について特許出願の権利を米陸軍研究開発局に譲ること。この場合、米政府は独占的、排他的な特許権を与えられる。(4)米陸軍研究開発局の要求があれば補助金を受けた研究者は、その特許権または特許実施権を十分に説明できる完全な装置を米陸軍研究開発局に提供すること。」、こういう四つのことが基本的に契約されておるようであります。そのほかまだくっついている部分がありますから、大事な、一番大事な点だけを私いま読み上げたわけです。これによりますと、結局、補助を受けたその研究の成果は特許権を取った場合にはその実施権をアメリカ政府に譲る、それから申請しない場合には申請権を含めて一切の権利をアメリカに渡す、それからまたその特許の申請なり、あるいは実施について必要ないろいろな説明ですね、そういうことについても十分な資料をアメリカ陸軍に出すこと、こういうふうに完全にもぎ取られておるかっこうなんです。私はこれは最初に申し上げましたように、この研究者が国の物的な、あるいは人的な設備というものを利用しながらやっておりながら、このような契約を結ぶということはまことにこれはけしからぬことだと考えている。いま私が申し上げた契約、四つの条項ですね、これを確認できるのかどうか、これが一つ、そうして一体そういう条項というものは国益という立場から見ていいのかどうか、二つを明らかにしてほしい。これは文部大臣だな、文部大臣——じゃ第一のほうだけあなた答えてください。

天城勲文部省大学学術局長

○政府委員(天城勲君) 私のほうもアメリカ合衆国の陸軍省の補助金に関する合意文書というものの契約のやり方の文書は検討いたしたのでございますけれども、文章が翻訳でございますので、いまお聞きしておったのとちょっと違うようなところもございますし、それから文章の流れが違うので的確に同じかどうかわかりませんけれども、ただいまのお話私もう一ぺん明らかにして、この契約書の写しがございますものですから、それと比較さしていただきたいと思います。たとえば趣旨は同じことのようなんでございますけれども表現が違っております。たとえば先ほどおっしゃいましたのは、補助金受領者が特許を出願する意思のない発明については米国政府が独占的権利を所有するための特許出願の権利を補助金交付者に対して与えることと、逆に私たちのほうには了解できるような表現になっておるものですから、もう一ぺん先生のおっしゃったことと比較しまして的確にしたいと思います。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 第二の質問。

剱木亨弘自由民主党文部大臣

○国務大臣(剱木亨弘君) 私もこの契約の内容につきまして亀田委員の言われたこと、そのとおりであるという確認は現在においていたしておりません。ただ、私が存じておりますこの契約書の中におきまして、実施権は常にやはりその発明をした、研究をした研究者が持っておるのでございまして、ただアメリカにも、ただ無償にこの実施権を認めるというような形になっておると存じます。ただ、ここで私が申し上げたいと存じますのは、この大学の学者がいろいろ研究をいたします。あるいは委託研究もしますし、補助金によりましてこういう研究をいたしますが、こういう場合におきまして、大学の施設とか、そういうものはやはりある程度どうしても使って研究をするということになると思います。しかし、これは、やはり私どもとしましては正規の研究ばかりでなしに、大学の学者が大いにその研究をやってまいるという場合におきまして、その正規の研究でないから大学の施設、設備を使ったり大学の中で研究してはいけない、こういうことは絶対に申していないのでございまして、やはり学者の研究を大いに私は推進する意味におきまして、その研究のためならば、ある程度の国の施設も使わして便宜をはかるべきではなかろうか。なおまた、ただいまこの特許権とか、こういう問題になりますと、いま大学学術局長から答えましたように、実はその職務に関してやった発明であるか、そうでないその個人の研究の成果であるか、これは非常に判断しにくい場合がございます。その場合はこれは学長にその判断を一任する。先ほども申しましたように、国の特許権として発生したのも相当出ておるわけでございますが、それ以外のこの個人の権利に所属したものも出てまいっておると思います。この契約書の場合におきましては、大体この契約書——こういう補助金を受けるということにつきまして契約書について学長もしくは学部長の承認を求めて契約をいたしたのでございますから、その意味におきましては、当然にそういったような個人の研究は委託、補助によってなされることを大学自体が認めておるということの認識におきまして学者のほうはこういう契約書を結んだものと考えます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 具体的にさっき答弁がありましたこの十二大学の四百七十三件の中にはこのような研究も入っておるのでしょうか。

天城勲文部省大学学術局長

○政府委員(天城勲君) 先ほど申し上げました特許権の中身につきましていまつまびらかにいたしておりません。従来のベースで考えておった特許権と理解しております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 その中身のほうを、この際ですから調べておいていただきます。後日また質問いたします。  そこで、この著作権については十分の規定ございませんが、翻訳権との関係でどのように解釈しておられるのですか。

天城勲文部省大学学術局長

○政府委員(天城勲君) 契約書の中身によりますと、補助金による研究に基づくデータ、これには報告書、図面、青写真を含むとなっております。及び技術的情報を出版し、翻訳し、作成し、配付し、並びに使用する権利及び他にそのことをさせる権利を米国政府が持つと、こういうことになっております。ただし、その場合は補助金受領者及びそれと同一権利を有する関係者が免許付与に伴う補助金なしで免許を付与する権利を持つ範囲内に限る。——ちょっと文章が私もよく理解できないのでございますが、要するに、著作権につきましては、米国政府も持つということが規定されております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 ちょっと関連。先ほど契約書の条項の確認を求めたわけですが、必ずしも私が読み上げたのと一致しておるかどうかわからぬという趣旨のお答えがありましたが、しかし、私が申し上げたのは、あなたのほうから出ておる資料の翻訳なんですね。これは文部省から出された資料なんです。だから、一致しないというのはちょっとおかしいんじゃないですか。  それともう一つは、確認を求めたい点があります。この点も違っておるのかどうか、はっきりさしてほしいと思う。「米政府は、補助金を受けた研究によって生じた報告書、図面、青写真、技術情報を含めたすべてのデータを研究者名を明記して出版し、翻訳し、複製し、配分し、処分する権利を保有し、また、第三者に上記のことを実施させることができる。研究期間中に生じたものでないデータについては、補助金を受けた研究者とその共同研究者が、無償で提供できる範囲で上記と同等の権利を米政府に与えるものとする。このようなデータを提供または報告する際には、補助金を受けた研究者は、研究期間中に生じたものでないデータの部分と、プライバシーの侵害になる部分などについて、米陸軍研究開発局に通知するよう適切な努力をすること。」、こういう条項も入っておるようです。これを確認してもらいたい。その補助金を受けた研究、その報告書の作成等を一任する、それからそれ以外のものにつきましても、協力を約束させられておるわけですね。だから、もう補助金以外のものまで関係がつけられるような非常にきびしい条項になっておるわけです。ちょっとその点。

天城勲文部省大学学術局長

○政府委員(天城勲君) 私のほうでこの契約書の資料は、国会に正式には提出しておりません。これは原文でございまして、翻訳が私たちも正式のものとしてやっておるわけではありませんので、いまおっしゃった趣旨は大体伺っておると同じようなものだと思っておりますけれども、原文は英文なものでございますので、私、伺いながら、大体そういう趣旨のことが入っておると思うのでございますけれども、的確にはなお調べさしていただきたいと思います。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 それでは、最初の基本的な条項の部分と、それからいま読み上げた部分、一緒にして的確なひとつ回答をしてほしいと思います。  それから、文部大臣にもう一度聞きますが、こういう問題については、大学当局から了承を受けてやっておるんだから、したがって、これは権利がアメリカ陸軍のほうに行ってもやむを得ないというふうな意味の答えがあったわけですが、私は、実際上これらの研究費の授受は、形式は別として、実質的には研究者なり教授が中心になって適当にやってると思うんですよ、適当に。これは一件一件調べなきゃわかりませんよ。それで、米陸軍のほうからこれに判を押してくれと、こう言われて判を押すと。そんなら、何も学長とかそういうものは、単なる形式的なものに終わっていると思うんです。形式じゃない、きっちりやってるんだということなら、こういうことがもっと早くから問題にならなきゃならぬはずなんです。だから、その点は私は問題があると思う、そういう言い方は。  それともう一つは、それじゃほんとうに学長等を通じてやれば、文部大臣がお答えになったように、一切の権利があちらに行ってもいいんだと、こういうことを認められるような御答弁があったわけですがね。それなら、結局は、アメリカ陸軍がわずかの補助金を出して、日本の設備なり学者を利用してですよ、そうして研究を進めておるということに結果においてはなるじゃないですか。そんなこと、一体これは納得できますか。丸裸で、一切のものがあちらに行く、それを補助金を出された以上やむを得ない、そんなことになるですかね。学長が認めればいいのだと。私は、学長が認めること自体がおかしいと思う、ほんとうに認めるのなら。文部大臣がそのことを肯定されるように先ほど言われておるわけですが、それじゃ、まるでアメリカ陸軍に日本の研究者が使われているようなものじゃないですか。日本人として何らこれ使えないのですから。そんなことでいいですか。

剱木亨弘自由民主党文部大臣

○国務大臣(剱木亨弘君) 亀田委員が申されますことにつきまして、私は大学が研究を——いままで私どもは大学の研究について、政府として関与をいたしませんし、できるだけ学者の自主的な判断によってこれをやるということにおまかせいたしておるわけでございます。そういう意味におきまして、これらの研究の取り扱いにつきまして、特許権の問題でも、学長にこれが一任されておるわけでございます。そういう意味におきまして、この問題について、大学自体として亀田委員の言うように国益を害するようなもののないという判断においてなされたと私は確信いたします。しかしながら、その結論におきましてそれが正しかったか間違いであったかということは別問題でございまして、現在そうであるがゆえに、私は大学の研究を、その判断を全部学者の良識にまかせ、もしくはまたその学内の自主的な取り扱いにまかしておること自体が間違いだということになりますと、しかも、そういうことに一々文部大臣が干渉しろということになると、私は絶対的に亀田委員と意見を異にするものでございます。(亀田得治君「干渉しろとは言っていない」と述ぶ)

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 いまの問題は、またあとで私も質問いたしますが、ほかの陸軍以外の米国の政府の機関からも研究補助金が日本に来ておるのでありますが、契約条件は大体これと似ておる、大同小異であると私は承知しておりますが、文部省としてはどういうふうに把握しておられますか。

天城勲文部省大学学術局長

○政府委員(天城勲君) いま記憶しておりますのは、アメリカのNIHから来ている補助金でございますが、大体似たようなものだと思っております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 文部大臣、いまのように陸軍だけじゃなくて、ほかのアメリカの政府機関から来ておる研究補助金も、これと大同小異の契約条件が入っているわけです。それ、いままで文部省としてはタッチしないまま研究をさせられておるのかどうか、もう一回、この陸軍以外の研究に対する文部大臣の見解を聞きます。

天城勲文部省大学学術局長

○政府委員(天城勲君) これも正確には私たちやっぱり了知しておりませんでして、いま別途この問題と関連して調べておるところでございますが、いままでは結果的には米軍の場合と同じような状態にあったと思っております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 亀田委員が言いましたように、わずかの補助金で大学の研究者も、それから、これは米軍が主体として研究、論議しておりますが、その他の政府機関から来る金も、そういうような条件がついておる。したがって、日本の政府としては、日本の頭脳を、特許あるいは著作権、翻訳権などを自由に米国政府に渡すということに対して、確固たる見解を持ってもらいたい。文部大臣からもう一回答弁を求めて、先の質問に進みたいと思います。

剱木亨弘自由民主党文部大臣

○国務大臣(剱木亨弘君) 実は私ども、大学の研究につきましては、自主的に良識をもって判断をされて行なわれるものと期待しまして、できるだけ学者の自主性を認めてまいったわけでございます。ところが、今回の米陸軍から補助をもらいましたことについては、ただいままで論議されてまいりましたその内容面につきましては、相当反省を要する問題があることを感じまして、そういう意味におきまして、私どもとしては、やはりこれはあくまで私は大学自体がこの問題について考慮してもらうべき必要があると思いますので、これに対しまして早急に文部省としては処置をとりたいと考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 そこで、きのうの閣議で、直接申請を改め、文部省が規制する、こういうような意味の決定をなされたようでありますが、閣議の決定の模様について御報告を願います。

剱木亨弘自由民主党文部大臣

○国務大臣(剱木亨弘君) 昨日、実は私、閣議でこの報告書を提出いたしますにつきまして、学者に対しまする直接の補助金か——いわゆる米陸軍と申しましても、それはアメリカの正規の国家機関でございまして、国家機関から直接に、政府を通じないで、金が、金銭の授受が行なわれるということについては、私にはどうしても、これはそういうことが正しいことであろうかどうか、ここに疑問がございますので、閣議においてそのことを報告申し上げ、そして外務大臣ともその点につきましては十分今後検討をいたそうということの話し合いがございました。閣議でいかにも総理が何か指示をされたというようなことが新聞に載っておるのでございますが、総理の御発言もあったかと思いますが、そういう外国側から金をもらっていかぬとか、そういうものをもらっているのをとめろとか、そういうような御発言は絶対にございませんでした。ただ、何かの——私は新聞に対しまするどこかの発表において誤られて発表がなされたのじゃなかろうかと。私は責任をもってそういうことはなかったということを確言申し上げます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 この後の問題は、文部省が窓口になってピックアップするという意味でございますか。今後の形はどういうふうな形になるようなお考えでございますか。

剱木亨弘自由民主党文部大臣

○国務大臣(剱木亨弘君) この問題の善後処理につきましては、私ども、大学当局とも十分相談しなければならぬと思います。文部省だけが単独にこうするという指令をすべき問題ではないので、できるだけ大学当局の自発性というものを重んじてまいりたいと思いますので、その措置につきましては、善処するということで、もうしばらく結論については、ここで言明いたしますことをお許し願いたいと思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 文部大臣の答弁では、米国陸軍の研究補助金を受け入れるという立場で決定をするような口ぶりでありますが、しばしば同僚議員も心配しておりますように、日本の学術会議は平和を追求する科学者の態度を求めておる。そういう立場で、米国陸軍の補助金を受け入れる立場で文部省が扱うということについては問題だと、再三同僚議員も発言しておられますが、そういう立場については閣議ではどのように討議されましたか。

剱木亨弘自由民主党文部大臣

○国務大臣(剱木亨弘君) ここで米国陸軍の開発局ということはよく問題になっておりますが、アメリカのこういったような科学研究の実際の補助とか、民間に出します援助というのは、他の機関はございませんので、全部一応陸軍の所管の事項になっておるようであります。それはアメリカ国内におきましても、たとえば学術研究について文部省がありまして、民間学術に対して援助するとか、そういったような制度がないので、普通の場合において所管が陸軍になっておるというのが現状のようでございます。それでございますから、この内容につきましては、相当取り調べてみなければわからない。私どもは、皆さまの御質疑の焦点は、これは軍事目的に使われておるということのようでありますが、必ずしも現在の段階においては、私どももこれは軍事目的のためにやっておるというふうにはっきりと認識をいたしていないのでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 さっきも私、発言しましたように、アメリカの政府の他の機関から金は出ているわけです。特に米国陸軍を全部パイプにしてきているのじゃないのじゃありませんか。文部大臣、そのような一方的な独断で、答弁にならぬのですが、外務大臣、どうでしょうか。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) 要するにこの問題は、政府も何も知らないときに、外国の政府からいろいろ研究費をもらうという、いかにも政府としてもそういう事態は知っておかなきゃならぬわけですから、そういうふうなことで金、寄付金をもらう政府機関——国立大学とか、政府機関がもらうときのもらい方というものに対して研究してみようということであります。このことで研究というものが非常に国際的になっていますから、あんまり研究を何もかもしばりあげるようなことはよくないですけれども、いろんな点から考えてみて、こういう寄付の受け入れというものがいろんな点で弊害がないようにする配慮は必要でしょうけれども、あんまり一切外国からの寄付をもらってはいかぬようなことで、あんまり極端な、非常に狭い考え方もいけないでしょうが、そのことがいろんな意味で弊害となるようなことは、せっかく問題化してきたのですから、検討したらいいと私は思っております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 私どもも、日本と米国とが、双方の政府が金を出し合って研究することに対しては、何も反対しておりません。それは国際的な研究でありますから、それはどこの国とも平等の立場で研究することはやらなきゃならぬと思います。ただ、米国陸軍が金を出しておることについて問題にしておる。それは一番取り上げたときの前提ですから、そういう前提でいま論議してもらいたいと思うのです。  それから、国家公務員に対してはどのような規制をいたしますか。今後、これは総理府総務長官から聞いておきましょうか。科学技術庁長官、この前おられなかったですから答弁を求めませんでしたけれども、出張旅費を臨時にもらっておるという事実がありますが、今後どうされるか。

始関伊平自由民主党科学技術政務次官

○政府委員(始関伊平君) 最近、御承知のように、科学技術関係の国際会議、シンポジウム等が非常に広範に行なわれております。科学技術庁といたしましては、年度の初めに庁内の各局または付属機関の海外出張の計画を調整いたしまして、まず毎年予定されております会議等には極力出すようにいたしております。しかし、予定しない会議の開催に出席を要請される等のこともございますが、そういったような場合につきましては、予算等も不十分でございますので、今後必要最小限度の国際会議にはできるだけ派遣ができますように、予算の点等につきましてもなお一そう努力してまいりたいと、このように考えます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 外務大臣、もう一言質問いたしますが、この松下電器とか、都立病院とか、民間の会社に膨大な援助資金が出されまして日本でも非常に重要な研究がなされておりますが、これを規制する方法はどうでしょうか。松下電器とかあるいは民間会社のほうの頭脳に対して研究補助金が出されておるわけです、冒頭に説明がございましたが。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) 私たちが少し研究をしてみようというのは国立大学と政府機関ですから、民間のほうに対して政府のほうでどうこうという考えは持っていないわけであります。このこと自体が、一つの研究というものはお互いに国際協力ということが今日の時代の大きな方向ですから、ことにアメリカとの関係というのはやはり日米の非常な友好関係の上に成り立っておるわけですから、そういうことで民間の寄付というようなこともこれも厳重にみなほじり出して、アメリカから寄付をもらうことは一切何かいけないような、あまりそういう考え方を持つことは、科学技術の進歩の見地から見ればそういうものの考え方というものは、むしろかえって科学技術の進歩を阻害するような結果も生まれてくるのであり、政府が問題にすべきは、政府が何も知らないときに国立大学やあるいは政府機関が外国政府から寄付をもらうということに対しては、何らかやはり政府がそれを知らなければならない。そういう点でいまのやり方に対して何らかの改革を加える必要はあると考えておりますが、民間までも一々寄付というものに対してどうこうするという考え方は現在のところ政府は持っておりません。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 誤解しないでください。米国からくる金に全部反対しておるわけじゃないのです。米国陸軍が松下電器の赤外線可視装置、これに三千七百万円の補助をしておる。それから東海電極の強力高率炭素フィラメントに千百八十万円、日本でもこれは重要な研究開発だと思いますが、米国政府から金を、研究費をもらって、外務省がこれを知っておるそのことについては反対はいたしません。外務省が知らないうちに日本の民間会社がこのような大切な研究をしておるが、しかもこれは、金は米国陸軍から出ておるが、外務大臣はどうですかと、こういうことを言っておる。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) われわれの考えておる陸軍というといかにもいくさのことばかりでしょうが、アメリカの陸軍というのは非常に膨大な予算を持っておって、必ずしも純軍事的なものばかりでなしに予算を使っておる場合が多いわけでありますから、これを何か純然たる軍事費というものと結びつけて考えることは実際と違う場合が私はあると思う。しかし、今後このことが非常に日本の国益に反する場合に対しては、民間といえどもわれわれは黙って見ておるわけにはいかない。国益に反しないどころか、国益のためにこれはプラスになるという判断のときには、陸軍ということで、そのことだけで寄付をもらい、そのことでいろいろ研究の成果があがるということに、一がいに全部だめだという考え方はいまのところ持っておりません。しかし、そういうことが日本の国益にいろいろ反することはないかということは研究をいたします。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 これは米国でも問題にしておる問題です。米国の科学誌サイエンス一月号所載、日本の世界の五月号で「生物化学兵器とベトナム戦争」として、米国陸軍が生物化学の兵器に非常に予算をかけて研究をしておるという問題、これは昨日同僚議員が発言したとおりです。そういうものもありますし、日本の識者もそういうものはちゃんと知っておりますからここで特に発言をしておるわけでございまして、外務大臣として知らないでは済まされませんが、今後どう日本の政府としてやるか、もう一回ひとつこういう問題を含めながら、時間がありませんから、詳細これは話ができませんが、見解を聞いておきたいと思います。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) 先ほど申し上げておるように、これをとめる意思は持っておりません。しかし、非常な弊害があり、それが国益に反し、あるいはまたその他においても非常な弊害をかもし出すようなものがあるならば、これに対して何かわれわれ自身としてもこれに関与するような方法を講ずることにいたします。

小林武日本社会党

○小林武君 関連。文部大臣にお尋ねいたしますが、この問題が小柳委員から取り上げられて、そしてだんだん議論が進められてきた、当初の段階から見れば、だいぶ文部大臣も外務大臣も風向きが変わってきたように私は考えるわけです。当初はこういう問題について大学当局がそういうやり方をやるのはけしからぬというような意向がなかなか強かったように私は思う。その点について、私は大学の研究その他について文部省があまりこれに干渉するというふうなことについては、先ほどのあなたの御答弁に賛成です。しかしながら、この問題はちょっとそれとやはり区別して考えなければならぬことが一つあると思う。それがただいまの質問の中にもございましたが、アメリカの戦争政策に協力するというような形で日本の大学が金をもらって、研究の一切についてアメリカに提供しておるというようなことをとるならば、これはもう学術の発展というような面から取り上げても、日本の科学の進歩という面から取り上げても、これは重大な反省を要するのは事実です。そういう問題があったら文部省として、文部大臣の態度として、政府として当然そういう契約については破棄するというふうな態度を持っているかどうか。それからまた、国益にほんとうに反するような、国益といってもその範囲の問題はこれは広義に考えなければならぬと思いますが、そういうようなことが明瞭になった場合には、こういうことを認めないという態度を政府がとるのかどうかということをまずひとつお伺いしたい。  同時に私は邪推するわけでありませんけれども、文部大臣、科学協力に関する日米委員会というのがある。私はここで資料を持っておるわけです。この立場からいってどうなんですか、あなたたちは知らない知らないと言っているけれども、これは研究の題目について専門家としての知識がないから知らない知らないとおっしゃるのであって、すでに現にこういう体制というものは、日米科学協力に関する相互の——、これはこの前私は関連して若干質問をしたんですけれども、池田さんとそれからケネディとの共同コミュニケから発展して出てきた科学協力に関する日米委員会の中においてどうなんですか、これは相互の間においてすでに了解済みなんじゃないですか。いまさら大学にいろいろなことを文句言うような筋合いでないような仕組みにまでなっているんじゃないですか。あなたのおっしゃるようにアメリカの研究に対する問題は一切陸軍省から出るというようなことは、アメリカのいまの国家のあり方が一体どういうことになっているかということから出るわけでありますが、これはそういうことになりませんか。——文部大臣、相談あとからしなさい、まだまだやっている。いいですか。  〔委員長退席、理事平島敏夫君着席〕  第二番目はもう一回申し上げますが、科学協力に関する日米委員会において、こういうことはすでに了解済みのことではないか。だからいまだんだんやっているうちに、一体、大学にかれこれ言うべき筋合いがなくなってきたと、こう私は見ているが、間違いではないか。第一は先ほどのこと。この二つを聞きましたから、それについてひとつ御答弁いた、だきたい。

剱木亨弘自由民主党文部大臣

○国務大臣(剱木亨弘君) 第一の問題でございますが、これは私が最初に申し上げましたように、学者のほうで自分の主としております研究テーマにつきまして、これに対して申請すれば金がもらえる、援助を受けられるというので、このテーマについて申請をいたしまして、それの許可を得て援助を得た、こういう関係でございまして、この個々の学者が申請する場合において、陸軍の、いわゆるアメリカの軍事目的にこれが自分が協力するとか、そういう意思でやったんでないことは、その学者自身がそういう協力するという意思でやったんでないことは、これは断言できると私は思います。なおまたその結論におきまして、そうなるのじゃないかという御批判によりまして、その個人とアメリカ陸軍との契約をいたしましたことを、私の、文部大臣が、これはいかなる法律根拠をもっていたしましても破棄するということは、これはできないはずでございます。そういうことを御要望になることは、これはたいへんなことではないかと私は思います。  また、日米科学協力の会議におきましては、日米両国が承知の上でお互い同士金を出し合ったり、また協力をして研究を進めるという会議でございまして、かくのごとき米陸軍から一方的に大学に援助をするというようなことは、絶対にこれは承認をしてやっておる問題ではございません。したがって私どもとしましては、こういう事実が行なわれておるということを今日まで知らなかったということもまた事実でございます。

小林武日本社会党

○小林武君 まあ関連の範囲を越えないように申し上げますが、この「科学協力に関する日米委員会」の共同コミュニケの条項を見ましても、「科学者の交流と研究施設の相互利用について」という条項が一つある。「科学情報、資料の交換について」というようなこともある。この中にこういうことを見たらどうなんですか。「研究施設の相互利用」というようなこと、「科学者の交流」、こういう点をどうなんですか、お互いに共同コミュニケを出しておるということになれば、具体的にこういうことが承認されるということじゃないですか。具体的な一体テーマは何かというようなことになれば、それは文部大臣が知らないというようなことがあるかもしれないけれども、それはちょっと脆弁じゃないですか。

剱木亨弘自由民主党文部大臣

○国務大臣(剱木亨弘君) いま問題になっておる問題と全く問題が違うのでございまして、日米科学協力でお互いやります場合には、これはお互い相互に協力するということで、しかも、日本がこの金を出します場合においては、今度この国会におきまして御審議を願っております、特殊法人にいたしました特殊法人の学術振興会、これが金出しの窓口になっておるのでございまして、この問題とは全然関係のない問題でございます。

小林武日本社会党

○小林武君 もう一つだけ言いましょう。それは答弁になりませんよ、剱木文部大臣。そういう答弁をやろうというならば、もっと前段で、日米科学合同委員会においてどういうことが、話し合いが、相談されて、具体的には一体どういうことをやるんだということを詳細に説明しなければ私は納得できない。少なくともこの日米共同コミュニケの、これは日本文だ。日本文を読む限りにおいては、大学の中において、アメリカの陸軍であろうが海軍であろうが、どうであろうが、そういうことをやるところの道は私はつけられていると思う。あなたたちは初めびっくりして、たいへんなけんまくであったけれども、だんだんだんだんあやしくなってきて、最後にはどうもあたりまえのようなことを言っている。これがいまの状態じゃないですか。私は当初から小柳委員とあなたたちのやりとりを聞いておった。初めのほうはたいへんだというようなことを言っておった。新聞では総理大臣がこれはたいへんだと言ったが、きょうはそんなことは一言もおっしゃいませんでしたが、最後のほうはあやしくなっている。私は当初からあやしくなるはずだと思っておった。これには日米の教育や文化や科学に関してみんなどう歩調をとっていくかということをきめておるのだから、特にあなたの答弁の中で、一切のものが陸軍から来ているのだから、それについては何も文句がないというお話では、どうしてもいまのような状況の中では納得いかない。日本の学術に関する態度とも根本的に相違した態度だと思う。そういう点については、いずれまた機会がございましょうから申し上げますが、答弁としては不親切です。理屈にならぬような理屈を言ってはだめです。ここではものを言うからには筋の通ったものを言ってください。

剱木亨弘自由民主党文部大臣

○国務大臣(剱木亨弘君) 科学協力の関係は日米間におきましてあくまでいろいろ協力するということは、もちろんあなたのおっしゃるとおり、条項として申し上げておりますが、この問題とは関係はないということは事実でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 最後の問題は、文教委員会でやってもらいますが、アジア財団の金の使い道についても問題がございます。時間がございませんから、そういう質問ができませんのでまた別の機会にやりますが、究極するところ、日本の研究者、学者が研究旅費が十分ないというところにやはり一つの問題がありはしないかと思います。したがって総理府総務長官には、学術会議の予算はどうなっておるか、将来どうするか、それから大蔵大臣、いままでの議論を聞いておられまして、日本の学術研究に対してもう少し実のある予算をつけなければならないと思いますが、いかがでございましょうか、その前に文部大臣からも、もう少しこの研究者に対する予算の裏づけなどについて御発言を願います。

塚原俊郎自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(塚原俊郎君) 日本学術会議の主宰いたします国際会議その他の会議等につきましては、会場の費用あるいは配布する資料の費用等基本的なものは全部国費をもってまかなわれているわけでございます。なお、主宰ではなくて後援する、日本学術会議の後援のものがございますけれども、これはその会議の学術的価値とあるいはまた主宰する側の責任能力というような点を詳細に調べまして、後援という名も与えるわけでございますが、この際は一切財政的な負担というものは問題にならないのが今日までの現状であります。したがって、学術会議が主体性をもって行なう、主宰をして行なうこの会議についての基本的運営は、今日では私は問題はないと思います。しかしながら、いまこの国際会議あるいはいろいろ外国との交流も非常に広範にまた多岐にわたってまいりますし、国際会議等もひんぱんに会合を予定されておりますので、現在の段階においては、いま申し上げましたような現状でございますが、これからますます複雑化し、また活発化するであろう、こういった重要な会議等に対処する日本学術会議の予算につきましても考慮すべき問題が多々出てくるのではなかろうか、と考えておりますが、関係者とお会いし、また事務当局と折衝いたしまして、今日の段階においては事足りている。しかし、今後においては考えなければならない問題があると私は考えております。

剱木亨弘自由民主党文部大臣

○国務大臣(剱木亨弘君) ただいま総務長官からお答えいたしましたように、国際会議、学術会議の中で学術会議が主宰いたします正規のと申しますか、そういう学術会議に対しまする出席の旅費は全部正規のものは文部省の予算にも計上いたしております。しかし、それ以外におきましてたくさんの学術会議の後援のもの、またそれ以外にあらわれたもの等がございます。それをただいまのところ、全会議に出席する旅費は計上いたしておらないのでございますが、しかし、重要な会議につきましては十分学術会議とも御相談いたしまして、増額について努力をしてまいりたいと思います。  なお、後段にお尋ねのございました点だと思いますが、今度のこういったような問題が起こりましたいろいろな原因はあるかと思いますが、一番学者側の立場に立ってみますと、おそらく私は、いま文部省で正規の講座研究費というもの以外におきまして特定の科学研究費につきまして、四十二年度は約四十一億にのぼっておりますが、これを特定のテーマの研究について科学研究といたしまして、これに対しまして科学研究分科会というものを設けて、そのテーマに対しまして学術研究費の配分を行なっておるのでございます。ところが、この配分は要望の線が非常に多いものでございますから、その一部分にしか、また金額におきましても要望どおりにはこれを全部配分する状態になっておりません。したがいまして、その研究テーマにつきましても、いろいろ研究費が不足だということが起こりまして、そういうことからそういったような申請を出せば援助されるところがあると、こういうような簡単な考え方からこの援助を申請して、だんだんそれが今日まで行なわれてきたのではなかろうか。これが全部の原因とも思いませんが、科学研究費の不足ということがやはり今度の問題が起こりました大きな原因の一つだと思います。この点はむしろ私どものほうの責任でございまして、この点につきましては将来十分——十分とはいけませんでも、できるだけひとつそういう方法によらないで、いわゆる国の経費によりましてできるだけの研究は学者にできるようにいたしますことが、今回のこの問題が、私にとりましては非常に大きな教訓になったと存じます。将来とも最善の努力を尽くしてまいりたいと覚悟いたしておるわけでございます。

小林武日本社会党

○小林武君 関連。いまもこの問題がたいへん教訓になったという文部大臣のお話なんですね。そういういまの御答弁は、少なくともこれはもう予想もしなかったようなことが起こっているということを意味していると思います。しかし、私は先ほどのあなたの御答弁の中に、この問題と日米の科学の共同コミュニケとは全然違う問題だとおっしゃったが、私は今度の研究テーマはあなた持っていらっしゃるでしょう。その中に、協力委員会がどういうことをいっているか、共同コミュニケでは「協力強化が望ましい分野について」、こういうことが言われている。その分野の事項というものは、「太平洋に関する学術調査、生物地理学および生態学等地域的特色のあるもの、ガン空気、汚濁、南極地域観測等」とこう書いてある。そうするというと、今度出されたテーマというのはこの中にいずれも関係が深い。そうすると私は学者に罪をかぶせてはいかぬと思う。大学やなんかにけしからぬことをやっておると、こういうことを、協力体制をつくっておいて、そして一体その中にどういうことが書かれているかというと、「その他現在ある特殊設備の相互利用の望ましい分野」についても、とにかく相互においてちゃんと話し合いができているんじゃありませんか。日本の大学の研究機関の設備を使って、研究の分野はこれこれですということがちゃんと明示されておったら、あの研究テーマというものは、あなたたちが知らないなどと言える筋合いのものではないと私は思う。  〔理事平島敏夫君退席、委員長着席〕 だから、どうも文部大臣のおっしゃることを私は受け取めかねるんですよ。

剱木亨弘自由民主党文部大臣

○国務大臣(剱木亨弘君) 私は現在の科学技術の振興につきまして、やはり人類のために科学研究を国際間におきまして協力してやるということは当然なことであるし、またやらなければならぬ問題だと思います。日米科学協力に関します取りきめも、そういう意味において政府間の会議においてきめたのでございます。ですから、その会議の線に沿って今後も大いにこの日米科学協力は増進していかなければなりませんのでございますが、この本問題に関しまする米陸軍が直接に大学に渡したということは、決してわれわれはその協議に基づきます合意の上でやったことではございません。そこで外務大臣も申されましたように、これを協議の線に沿って協力をしてやるということの線に乗せるためには、やはり政府がこれを承認しまして、そうしてその間におきまして、これは正しいか正しくないか、その判断をしたもとで、一応政府の線を通すべきじゃなかろうか。そこで外務大臣からもお話がございましたように、これは直接にやるということでなしに、この学術協力の線に沿って、政府も承知の上で、しかも、その間においてその誤解も受けるとかいうことのないような姿においてこれが実施されることを、われわれは考えておるのでございまして、この協力会議の結果によってやることが、当然に私は両国間の了解のもとにおいてこの実現が行なわるべきもので、この国を通さないでやるというところに、本問題とは違うということを私は再三申し上げたわけでございます。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) また最後は金の問題になってきたようでございますが、御承知のように、科学技術関係の予算は年々もう重点的に最近は強化してまいっております。ことに大学関係の研究費は、伸び率は大体公共事業の伸び率と同じくらいに伸ばしてきておりますし、また動力炉やあるいは素粒子の研究まで長期かつ巨額な資金を要する計画までも踏み切っておるという状態でございますので、いま国家予算の中で全体で科学技術の振興関係費というのは、総額本年は千九百億円をこえているということでございまして、防衛費を除くというと、各国で、一般会計の中における科学技術の研究費、これは外国は防衛費の中に入っておりますから、比べられませんが、これを除いたものでは、もうフランス、イギリスの比率を日本が最近は凌駕しているというくらいに私どもは科学技術の振興には予算をつけておるつもりでございますので、今度の問題は、予算が足らないからこうなったという問題とは性質が違う問題として検討すべき問題だと思っておりますが、必要な研究予算というものについては、今後いまのような形で、いまの程度の重点的な扱い方で私は強化していきたいと思っております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 大蔵大臣の意見について少し私は意見を持つんですけれども、時間がございません。予算が足らぬからこの問題が起こったんじゃないというその断定は、ぼくはやっぱり早計だと思う。  文部大臣、学会とか学部とか学校とか個人とか、いろいろ分配の方法についても十分検討されることを期待いたします。  なお、予算については、大蔵大臣、これで十分という、そういう考え方については不満ですが、いかがでしょうか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) いままでの討議のあれを聞いておりますというと、この部分の研究費が足らぬから外国の研究費の援助を求めたという事情ではないようでございます。これは確かだと思います。しかし、今後必要な研究費というものは正規に要求されれば、私どももこれを認めて予算化という形でやっていきまするが、今度の問題はそうじゃないというふうに私は思っております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 時間がございませんが、私どもも、学問の自由、大学の自治をそこなわないようにして、しかも、平和を追求する科学者の決議を尊重して今後研究をしてもらいたい、それには政府が十分の援助をしてもらいたい、こういう立場から質問いたしました。  あと最後の問題は別途の委員会に譲りまして、きのう最後の、時間が足りませんでしたので、交通事故の問題で一問だけ残っておりますので、一分間だけ質問を許していただきます。  いま自動車運転者の免許をとるときに精神鑑定をしなければならぬ、精神異常の有無を診断者に求めますが、これがけさの新聞でも、方々で医者が診療拒否をやっておられる、できないということだそうであります。それを警察庁としては、ないよりもよかろうということでやっておられますが、何よりも困るのは運転者試験を受ける人です。免許をとる人が一番困っておるのであります。しかも、運転者は免許料が四百円であるのに、診断料は七百円から千円かかる、しかも医者に行ったら断わられた、こういうことでは政府の貧困きわまれりと言うべきでありますが、昨日自治大臣から四十四年には改正するという発言がございました。もう少し警察庁の具体的な考えと、それから厚生大臣の、この拒否しておるお医者さんたちに対する話し合いなり、あるいは今後どうするか、政府部内でどうするかという厚生大臣の見解をお聞きして、私の質問を終わります。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(坊秀男君) 運転免許証を申請する場合に、精神病がないという診断書を提出する、こういうことに相なっておるわけであります。そこで申請者はどうしても精神病がないという診断書を必要とする。そこで医療機関へ参りましてその診断書を要求するといった場合に、診療機関におきまして、診断して診断書を出すことを拒否しておるといったような事態が若干あらわれておるというようなことにつきましては、私も承知いたしております。そこで、元来医師には応招の義務というものがございまして、患者の要求に対しましては、どうしてもそれに応じなければならないという義務がございますが、これは非常に救急の場合に、応招の義務がある。いまの診断書を要求するといったような場合におきましては、必ずしもこれは救急の事態とは考えられない、こういうようなことがございます。もう一つは、巷間のお医者さんの中にはあるいは内科のお医者さん、外科のお医者さんといったような方がありまして、御承知のとおり、精神病の鑑定ということにつきましては、非常に専門化もいたしておりますし、それからまた機械、器具等の必要もある、そういったようなことで、そのお医者さんが非常に良心的になりますと、その診断書を発行するということについてはちゅうちょせざるを得ないということと。それからもう一つ、保健所または診療所、そういったような診療機関は、本来の仕事が今日非常に繁忙をきわめておりまして、あえて拒否をするということでなくとも、ちょっと待ってもらいたい、たとえば救急の病人を扱っておるといったような場合に、診断書をもらいに行ったら、ちょっと待ってくれ、こういうこともあるであろうと考えられるわけでございますが、しかしながら、制度がこうなりましたら、どうしても免許証をほしい人には診断書というものが必須の要件になってまいります。そういったようなことからいたしまして、厚生省といたしましても、できるだけそういう制度を生かしていくためには、現在の制度下におきましても、できるだけその求めに応じるふうにこれを指導をしていくのが、現在の厚生省としてのやっていく考え方でございます。

鈴木光一警察庁交通局長

○政府委員(鈴木光一君) 診断書の拒否の問題が若干ありまして、そのことにつきましての考え方につきましては、ただいま厚生大臣から申し上げたとおりでございますが、昨日自治大臣が御答弁になりました中に関連しての御質疑でございますので、その点について申し上げたいと思いますが、私どもが診断書の添付制度を設けましたのは、精神病者等の疑いがある者を事前にできるだけ排除してまいりたいということを考えておるのでございまして、昨日大臣が申し上げまして、たとえば事故を非常に頻発するような者につきましては、事後に専門医の詳細な診断を仰いで排除していくということもあわせて考えておるわけでございますが、これがたまたまただいま全国の運転免許者を全部中央の電子計算機の中に入れまして、運転者全員の実態、それから違反の実態、事故の実態というものを全部集中いたしますところの運転免許管理センターというものをつくることになっておりまして、これで三年間の間に全部全国の免許者が登録されることになります。それが四十四年になりますと全部集まりまして、完全な状態で発足できますので、その際にただいま申し上げましたような事故頻発者等につきまして、あるいは重大なる違反を犯した者につきましては専門医の診断を仰いで、そうして排除していくという方法もあわせて研究しておるということを昨日自治大臣が申し上げたような次第でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 それで現状続きますか、規制しますか。それでもやむを得ぬでいいとしますか、現在のやつ。

鈴木光一警察庁交通局長

○政府委員(鈴木光一君) 現在の添付制度につきましては続けてまいりたいと思います。それで、拒否の理由をつまびらかにいたしませんけれども、私どものほうといたしましては、現在御承知のように医師法とか、理容師法とか、調理師法とか、十九種類に及ぶ法律で同じような制度がございまして、それも医師の診断書をつけまして許可を受ける、認可を受けるという制度になっておりますが、そのものと同じような程度の医師の診断書ということを期待しておるわけでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 質問を終わります。

新谷寅三郎自由民主党

○委員長(新谷寅三郎君) 以上で小柳君の質疑は終了いたしました。     —————————————

新谷寅三郎自由民主党

○委員長(新谷寅三郎君) 次に、鈴木君の質疑を行ないます。  ちょっと速記をとめてください。   〔速記中止〕

新谷寅三郎自由民主党

○委員長(新谷寅三郎君) 速記を始めてください。鈴木君。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 前回私がポッカレモンをはじめ、ジュース関係を取り上げまして、これの価格表示の取り締まりについて御質問したのでありますが、政府側の明確な答弁がございませんでした。そこで、ひとつ直接の担当である厚生大臣から、このいきさつですね、それから、法務大臣のほうからも、刑法上の取り締まりですね、これについての問題が出ておりますから、その後の、十分相談したと思いますから、結果を報告してもらいたい。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(坊秀男君) 先般この委員会におきまして御質問を受けました。それにつきまして、それまでのこの事件の経過及びその後厚生省としてどういうことをやったかということにつきましては、詳細係官からお答えさせます。

中原龍之助厚生省公衆衛生局長

○政府委員(中原龍之助君) お答えいたします。  前回ポッカレモンにつきまして御質疑がございました。その後、関係官庁にいろいろ分かれているものでございますから、私ども事務的に関係官庁といろいろ相談をいたしました。そういたしまして、この問題の主点は、広告の問題というような問題が主点になっております。したがいまして、本筋といたしましては、大体公取のほうで取りまとめていくという形になっております。細部のいろいろの問題になりますと、事務的に各省が大体取りきめをしていくという形になっております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 そんな形式的なことは聞いてないですよ。この前具体的な問題を質問して答弁できなかった。委員長、おかしいですよ、そんな答弁をあのとき求めてないですよ。  それじゃ厚生省の場合ですね、特殊栄養食品としての認可を与えておるわけですから、そういう立場からこのポッカレモンとらえてください。そうしてそのいきさつと、その後の措置、現状どうなっておるか。

中原龍之助厚生省公衆衛生局長

○政府委員(中原龍之助君) ポッカレモンにつきましては、いわゆる特殊栄養食品としての申請が出まして、そうしてその申請に基づいて所定の検査なり、それから審査なりいたしました上でこれを許可しているのでございますが、その許可といたしましては、その包装とか、びんの大きさとか、そういうものではなくて、その飲用に供するそのもの自身について、はたして規定どおりの、この場合はビタミンCでございますが、このビタミンCが入っているかどうかについていろいろ審査をして許可していくわけでございます。したがいまして、今回の問題になりましたのは、前回も申し上げましたけれども、いわゆるびんごとの、容器ごとの許可ではございませんので、それから、また、販売する場合におきまして、特殊栄養食品は正規に許可されたいわゆる表示をして販売するという形になっております。したがいまして、正規に許可されて販売されているところの、この場合、ビタミンC強化ポッカレモンといいますこれについては、その中身その他につきまして全然違反はございません。ところが、七百二十ミリリットル入りましたところのポッカレモンにつきましては、これは表示といたしましては、いわゆる特殊栄養食品である表示をいたしておりません。普通の飲料水になっておりますので、このもの自体に対しましては栄養改善法の違反にはならないわけでございます。ところが、たまたま新聞紙上、そういうところにおける宣伝の中に、現在許可している品物と、出ていないはずのもの、七百二十ミリリットルのものを並べて書いてある。ところが、実際には許可したものはなくて、そうして普通の清涼飲料水であるところのポッカレモンが実際には市場に出たというようなことでございます。したがいまして、その広告のやり方におきまして、通常のいわゆる清涼飲料水であるところのポッカレモンが、ビタミンC強化ポッカレモンという特殊栄養食品と間違われるような印象を与えておる、こういうところがいろいろ問題点になったわけでございます。したがいまして、これはいわゆる広告の問題になっておりまして、栄養改善法で言うところのそのものずばりの、いわゆる法律には抵触をしていないというようなかっこうになっておるわけでございます。それでこの当時、先生からいわゆる資料の不準備を突かれたわけでございますが、私どものほうといたしましては、これを承知いたしましたのは、たまたま「暮しの手帖」に載っておりました記事を見ましてそういう事実を知りまして、直ちに調査を開始して、そうして業者にいわゆる指導をいたしまして、いろいろのその指導に基づきまして、業者が自主的に広告の訂正であるとか、あるいは間違えられやすいようなそういう性質の清涼飲料水であるところの七百二十ミリの回収を開始をしたというようなことでございます。これが大体今回の事件のあらましということになっておるわけでございます。

田中伊三次自由民主党法務大臣

○国務大臣(田中伊三次君) 法務省の立場におきまして、本件を関係各省と連絡調査をいたしました。もちろんその調査は、厚生省のごとく、食品の内容を分析する等の調査はできません。また、それは越権でございますので、栄養改善法第十二条に反する罰則、これを中心とする調査、それから、不正競争防止法第五条に関する罰則中心の調査、それから、不当表示防止法、これは第四条であったと記憶しますが、これに関する違反なきやいなやという調査、それから、もう一点は、問題となりました刑法における詐欺罪の問題、主として軽犯罪法につきましても調査をいたしましたが、主として以上申し上げました四点の罰則の適用問題に関しまして積極的に調査をいたしました。その調査に当たりました刑事局長からその詳細を御報告申し上げます。

川井英良法務省刑事局長

○政府委員(川井英良君) ポッカレモンの問題につきまして、主として刑罰法令の解釈の観点から、若干の事項について関係官庁に照会をいたしまして、事実関係を承知した上で、調査といいますか、法務省としての法令の解釈、適用について検討をいたしましたので、その結論につきまして簡潔に経過と考え方を御説明申し上げたいと思いますが、いま法務大臣からおっしゃいましたように、事実関係が必ずしも訴訟法的に明確、かつ、確定された段階ではございませんので、これが何法の第何条に該当するのだということを的確に申し上げることは困難でありますし、また、この席上で私の立場からそういうことを断定的に申し上げるのは適当でもないように思いますので、あらかじめその辺のところは一応御了承いただきたいと思います。  最初に、いま厚生省のほうから御説明があったようでありますが、この栄養改善法第十二条に関する問題でございますが、これは条文そのものに、販売する食品について何々の表示をするには厚生大臣の許可を受けなければならないというふうに規定されておりますので、まず広告は入らない。したがって、販売をする物品そのものについて表示があるかないかということで判断がきまると思うのであります。なお、表示という概念から申しましてもさように解さなければならない、こう思うわけでございまして、事実関係によりますというと、問題になったいわゆる大びんにつきましては、その旨の表示が物品そのものにはないそうでありますので、そうだといたしますというと、この条文には本件の場合には当てはまらない、そういうふうな解釈が法律解釈として相当ではなかろうか、こういうふうに思うのでございます。  なお、いま承りますと、厚生省当局では、この十二条には当てはまらないとしても、その広告の方法についてまぎらわしい、妥当でない点があったというので、行政指導でもってさような広告は今後しないようにという指導をとられたそうでありますので、私どもも、この関係におきましては、この辺の始末が適当ではなかろうか、かように考えるのであります。  それから、その次に問題になりますのは不正競争防止法の第五条であろうと思います。御承知のとおり、この五条には、商品またはその広告に、その商品の品質、内容等について誤認を生ぜしむる虚偽の表示をなしたる者は三年以下の懲役とか、二十万円以下の罰金に処すと、こういうふうな規定に相なっておりますので、この場合には前者の場合とやや内容が変わってくるのではなかろうかと、こう思うわけでございますので、ややこまかくなりますが、場合を分けて考えまして、本件のポッカレモンというものが、天然の果汁が入っていないのに入っているように表示し、ないしは広告をしているという問題と、それから、もう一つは、ビタミンCが強化されていないのに強化されているような表示ないしは広告が行なわれておったと、こういうふうなことが前回の委員会で問題になっているようでございますので、さように分けて考えてみますというと、最初の天然果汁の点につきましては、私どももあとで容器を拝見いたしますというと、レモンの図柄が出ているようでございます。その図柄を除きましては、文字としての表示では、天然果汁がすべて入っているんだ、しかも、天然果汁を全部ないしは主たる成分としてこれが入っているんだというふうなことの表示はないようでございます。広告においても、それから、物品そのものの表示においても、ただ、いまの天然レモンの絵を描いた紙が張りつけてあるということのようでありますので、その辺の事実関係を基本にいたしましていまの法律の解釈を検討いたしてみますと、この天然果汁の点については、それを主たる成分としてこれができ上がっているんだというふうな、全く入っていないのに、あるいはごく微量しか入っていないのに、多量にそれが入っているんだというふうな、こういうふうないわゆる虚偽の表示がなされていると、こういうふうに法律上認定するには、これはいささか無理があるのではなかろうか。単なる絵が張りつけてあるというだけで、一応現在の社会の国民常識なり社会の通念からいって、絵だけであって、その他に何らの文字があわせて記載されていないというところから見ますというと、なお、承りますというと、このポッカレモンには、大びんのほうも加えて、多少の天然果汁が分析の上入っているというふうなことを関係当局から説明を受けておりますので、さような事実関係もあわせて考えますというと、この虚偽の表示というのは、いまの天然果汁の点については、いささか法律解釈上無理があろう、こう私ども考えておるのであります。  それから、その次にビタミンCの問題でございますが、この点につきましては、七百二十ミリの大びんのほうにはCが入っているという表示が、先ほどの御説明によりましても、ないそうでありますので、商品の表示そのものからいうならば問題はなかろうと思います。ただ、新聞広告等によりますというと、いかにも小びんと並べて書いてありますので、消費者に大びんのほうにも広告の面ではビタミンCが強化されているというふうな疑いを生ぜしめるまぎらわしい表示があるというふうなことがうかがわれますので、この点につきましては、確かに私ども見まして、七百二十ミリにつきましても、いかにも広告の面ではビタミンCが強化されているんじゃないかというふうな疑いを持つのももっともだと思われるような気がいたします。ただ、そういうふうな誤認を生ぜしめるようなおそれがあるということは認められますけれども、ただこの点だけをとらえまして、だから不正競争防止法に言うところの、五条の、広告について、その品質、内容について誤認を生ぜしむる虚偽の表示をしたと、こういうふうに法律解釈として断定するにはいささか無理があるんじゃなかろうかというふうな気がしているわけでございます。先ほど、担当の行政当局が、広告のしかたについて適当でないものがあったということで、行政的な措置として、以後その種の広告については是正の処置を命じて、是正されておるというふうなお話がありましたけれども、私どももやはりその辺のところではなかろうかと考えているものでございます。  終わりに、刑法の詐欺の点でございますが、詐欺の点につきましては、あらためて御説明申し上げるまでもなく、詐欺罪は、人を欺罔して財物を騙取するということで成立する犯罪でございますので、その適用の関係は、ある意味では非常に広いわけでございます。しかしながら、一般の商取引の場合、特に物品を販売するにあたって広告宣伝をするにあたって、その行為が詐欺罪になるかどうかということにつきましては、いろいろ解釈ないしは適用の問題についてケースがたくさんございまして、一般的概括的に申し上げますというと、広告宣伝の場合には、広告宣伝ということばそれ自体にすでに多少の虚偽なりあるいは多少の誇大性というものが含まれているんだと。特に物品の販売というふうな場合においては、社会通念上許される程度の誇大な広告ないしは若干の虚偽を含んだ宣伝が許されているんだというふうなことも言われておりまして、特に物品販売にあたりましては、広告宣伝との関係において詐欺罪の成否については、御承知のとおり幾多の積極ないしは消極の判例、学説、解説がいままでに公にされているわけでございます。したがいまして、本件の場合に、必ずしも私ども正確な事実関係というものを証拠をもって認定したわけではございませんので、その事実をとらえまして、特に七百二十ミリの大びんについて、さような広告あるいはさような種類、内容、品質のものを、言われているような方法でもって販売をしたという行為が、いまここで私の立場から、すぐそれが詐欺罪になる、あるいは詐欺罪にならないというふうな断定は申し上げるのは適当でないと思いまするし、また、そういうことを確定した事実を前提にしないで犯罪の当否を議論するということは非常に困難な問題であろうと、こういうふうに思っているわけでございます。  なお、もう一つ、公取のほうでお調べになっておる事項について大臣からもいろいろ言及があったようでございますけれども、これはまたそちらのほうにおまかせしたいと思います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 いまの局長の見解というのは、私は非常に問題がある。これは全部返上します。少なくとも、法務大臣は、前回、ここに現物がございますが、この大型のレモンを見られ、さらにまた、この中に入っております広告ですね、ただ単に新聞ではないんです、そういうものをごらんになって、その結果、「表面の形式的表示と中身が違うということになりますなれば、これは業者は詐欺の加害者としての嫌疑がある、そういう疑いがあるものと推定されることはやむを得ないものと存じます。」と、こういう御答弁をされているんです。ところが、いま、局長の御報告は、事実関係について現物を見ておらないと、こういう前提の上に立っての見解なんです。これじゃ全然問題にならない。ですから、言われている内容というのは、まるきり私の申し上げたこととはピントが百八十度ズレているわけだ。まあ大臣がどういうふうに局長に指示をされたのかわかりませんが、いまの見解の表明というものは、まことに事実からかけ離れたものでありまして、ここで私たちがそれをよろしゅうございますと言うわけにはいきません。なぜもう少し具体的にこういう事実関係を見ていただいて、その上に立って——これは少なくともいま大事なことでございますからね、慎重にやるべきだと私は思うのであります。あなたは、慎重に関係者と連絡をすると言っておきながら、こういう答弁をさせたことは、私は納得できない。これはたいへんな問題ですよ。

田中伊三次自由民主党法務大臣

○国務大臣(田中伊三次君) どうぞ誤解をしていただかずに、ありのままに申し上げることをお聞き取りをいただけばわかることで、誠意をもってやっておるのでございます。本来は厚生省がやるべきものだ、告発して持って来い、しからばおれのほうはやるという態度でもおかしくはないわけでございますが、この問題はあやふやにはできぬ。消費者大衆に影響のあることでございます。私の家庭でも実は使っている、この大びんを。本日来る私の車の中で運転手に聞くと、運転手の家庭も使っている。途中で事務所に寄って事務所の女の子に聞いてみると、私のところでも使っておりますと、こう言う。これは消費者大衆に重大な影響のあることでございますから、罰則の適用解釈ということを理由にして、関係官庁に、おまえのほうから積極的連絡をして調査しろ、これは捨ておけぬことだぞという指示を与えたので、ただいま申し上げましたように、栄養改善法、不正競争防止法、不当表示法——刑法はもちろんのことでございますが、この方面について積極的な態度をもって調査をしたのでございます。  そこで、一つお聞きを——大事なことでありますから、よいかげんなことを調査をして、よいかげんなことを言って逃げるのじゃないということをはっきり申し上げたいのは、いま厚生省からも私の局長からもお耳に入れましたように、この問題は、誤認を生ずるようなあやふやな表現をいたしますばかりでなく、それだけでなく、かつ、その上に虚偽の表示をしておるということが罰則の要件となっておるのでございます。これは、それがいいか、悪いかは別ですよ。法律がそうなっている。誤認を生ずるような表示だけでは罪にならない。誤認を生ずるようなあやふやなそういう表示をしておるばかりでなく、うその表示をそこにしておるという二重のワクがはめてある。おそらく、法律の行き届かないところでございましょう。その二重の表示を分析して考えてみるというと、先生ごらんのとおり、ポッカレモンというりっぱな大きな、これを図柄と私の局長はきょう言うておりましたが、そういう写真が出ているんですね、レモンの写真が。だれが見たって、レモンの写真が出ておると、この中にレモンが入っておると思う。私が見ても、うちの家族もそう見ている。しかるに、ビタミンCが入っておるという表示がない、こういうことなんです。したがって、この法律の欠陥をとらえた、まことにいやな、巧妙なやり方であるという判断をする以外にないのであります。この不正競争防止法第五条に関する解釈におきましては、法律にひっかからない。まことに遺憾ながらひっかからない。この法律は、いかにこれを取り扱うかという問題は、将来、国会においても政府においても考えなければならない問題でございましょう。そんな二重のワクをはめておる。二重のワクにひっかからないということは不問にされるというようなことは、あるべきものでない。それでは消費者大衆に対する政府の責任というものがいかがかと考えるという点が一つございます。これは、その法律の内容が正しいかどうか、将来どうするかという問題は別個にいたしまして、現行の不正競争防止法第五条の条文に基づくならばひっかかりようがないということは、これはどうぞ私の局長の申し上げておりますことを信じていただきたい。法律解釈としてはそういう解釈以外に道はないのでございます。  それからもう一つの点は、詐欺の問題でございます。詐欺の問題というのは、御承知のとおり、欺罔手段を用いて相手を錯誤におちいらしめた場合に詐欺が成立するわけでございます。そこで、この席に被害者がおって、被害者が答弁に立ったり調べを受けておるわけではございませんので、このびんをつくって売っております会社、その責任者というものを加害者と見まして、加害者的な立場に立ちまして本件の形式をとらえれば、私が前回の答弁の際にはっきり説明をいたしましたように、表の表現と中身が違う場合には詐欺の加害者としての疑いを受ける余地があるということを明瞭に申し上げたのでありますが、これは本日の席においてもそのとおり申し上げ得ることでございます。そこで、さて一歩進んで、しからば具体的な本件については、具体的な詐欺罪が成立をするのかどうか。疑いがあるというようなことでなしに、前回は疑いがないということを保しがたいということを申したのでございますが、疑いでなしに、現実に認定はどうなるのかという問題でございますが、これは、あえて理屈を言うわけではございませんが、詐欺罪は被害者の被害の態様によってそれぞれ詐欺の成立過程は違ってくるわけでございます。それは何か詭弁を弄しておるようにお考えをいただきますと申しわけがないので、具体的な例をあげますというと、このポッカレモンという場合を考えてみるというと、ポッカレモンというものを被害者の立場でどういう心情でこれを買い求めたのか。もっと具体的に言えば、何に重点を置いてお買いになったのか。天然のレモンの果汁でできておるものだということを信じ、これに重点を置いて、これに希望を託して買ったのだということになりますと、調べてみた結果は、ビタミンCが少なかったとか、全然入っていなかったとかいうことになれば、これはもう詐欺が成立する見込みは十分にあると言わなければならない。それから、いや、そういうむずかしいことを思って私どもは買ったんじゃないんだ、これは飲めばすかっとするから——すかっとさわやかなんていう広告もよく出ておりますね。(笑声)これはすかっとさわやかになるから……

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それはコカコーラだ。

田中伊三次自由民主党法務大臣

○国務大臣(田中伊三次君) コカコーラだが、この場合でも、すかっとすると言う人もある。きょう私は車の中で聞いてみるというと、あれは、先生、飲めばすかっとしますよと言うんです。ですから、すかっとするというから買ったんだという、害すかっとするということに重点を置いて買い求めたという被害者があります場合に、この被者は飲んでみてすかっとしたと、こういうことが事実あった場合においては、この場合は、同じ商品を買ったんだけれども、買い手の態様が違いますから、詐欺は成立をしない、こういうふうに考えざるを得ない。すなわち、詐欺罪の刑法上における特質中の特質は、被害者たる者、これを買い求めたる者が何を重点に置いて買い求めたかということを明確にいたしませんと、現実に欺詐罪が成立をするかどうかの確定的議論をここでするわけにいかんというのがただいま局長の言っております表現でございます。私の表現の半面を言っておるわけでございまして、決してよいかげんなことを言っておるわけではない。こういうふうに考えますというと、具体的に本件はどうなるのかというお尋ねに対しましての結論の答えは、被害者を取り調べ、被害者がいかなる意思によって買い求めたのかと、結果はどうであったかということの調査をいたしませんと、最終的に本件が捜査の結果詐欺になるかならないかということを軽々に言うわけにはいかない、こういうことになるわけであります。  それでは、どうするのかという問題でございますが、これは私は刑事訴訟法の手続によりまして捜査を進めていく以外に道がない。すなわち、具体的にはどういうことかというと、関係官庁から告発がある場合もございましょう。ただいまちょっと局長が申しました中に、不当の表示を防止するための不当表示防止法という法律がございます。その法律に基づきまして公取当局はただいま調査をしておられるものと連絡の結果聞き及んでおります。その調査の結果、それが不当なものであるということの認定になります場合においては、いわゆる行政命令としての排除命令をもって、そういうことがまぎらわしいではないか、以後注意をしろ、いままでやったことを取り消せという排除の命令が行なわれるはずでございます。その排除を聞かざる場合に、はじめて本法による罰則が適用される。その場合においては、告発があろうかと存じます。しなければならぬわけではないが、してもおかしくはないわけである。そういう告発があります場合においては、そういう告発によって捜査当局は捜査を始める。あるいは、投書があっても捜査はできる。被害者の告訴があれば、なおけっこうであります。告訴、告発、投書、その他何らかの捜査の端緒となるべきものが、これだけ大問題になっておるわけでございますから、将来あれば、今日にもあれば、それについて刑事訴訟法の手続によって捜査を進めていくということはここで言明するにやぶさかでないのであります。  詐欺という罪の本質から言いまして、被害者を調べずしてこれは詐欺確定的でございますと、そんな無責任なことは言うことはできぬ。詐欺の加害者たるおそれがある、そういうふうに認められてもやむを得ない状況にあるではないかと一応加害者の立場からこの現物を見て考えられる。現実に成立をするかどうかは、被害者を調べなければわからぬ。こういうことは決して詭弁でない。どうか、それはひとつお考えをいただきたい。しかし、おまえの言うことは理論に合わぬ、刑法解釈上何を言うかということがあれば、承って私はえりを正したい、こう考えるわけでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 私が問題にいましたのは、少なくとも大事なことですから、局長からの御答弁によりますと、事実関係に対する調査が非常に不十分ですね。せめてその現物でもごらんになって、一体、この七百二十ミリリッター入っておる大びんについては、ここに英語の表示がありますが、この英語の文字はどういう意味なのか。それから新聞新聞とおっしゃるが、こういうあと四種類の——四種類のにはこれは入っておるようです、検査してみますと。だから、これはいいんですよ。これは私は悪いとは言っていない。しかし、この中を見ると、七百二十ミリリッターの中にもビタミンCが強化しておると、厚生省許可の特殊栄養食品だと、こう書いてあります。そうして、ここには、生レモンの三倍のビタミンCが入っていると、こういう「レモンのある暮らし」という、案内が入っておるわけだから、こういうものを買えばこれが入っておる、これを見れば必然的にこれを買う、これを買えばこの中には何にもビタミンCが入っておらない、こういう仕掛けになっているわけですから、しかも、この英語を大臣読んでみてください、ここに英語が書いてあるから。この中に自然の天然果汁が入っているということが——私はへただからわからぬが、自分で訳してみたんだが、ポッカレモンは優秀な職人によってりっぱにつくられている。長い経験と熟練した技術で評判があり、名声を博している。天然レモンのおいしい味と書いてある、英語に。こうなると、明らかにこれは詐欺の面における適用法規が考えられる。私はちょっと不勉強ですから、もし違っておりましたら御指摘をいただきたいんですが、たとえば軽犯罪法第一条第三十四号に、「公衆に対して物を販売し、若しくは頒布し、又は役務を提供するにあたり、人を欺き、又は誤解させるような事実を挙げて広告をした者」「を拘留または科料に処する。」ことができると、こういうものがあるわけだから、さっき軽犯罪法のところにいきましたら、局長が言ってくれなかった。他の関係法律については触れられましたけれどもね。こういう条項もあるわけですから、もう少し事実関係というものを明らかに調査された上で、少なくとも国会に対して答弁してもらいたい。私も、法律を強化するよりも、むしろこういう国民の世論の圧力が業界をボイコットする、そのメーカーを。そういうことによって抜きがたい致命を与えるわけですから、そのことも考えておりますけれども、そこはやっぱり法律ですから、その点をもう少し慎重にやってもらいたかったということを私は言っているんですよ。

田中伊三次自由民主党法務大臣

○国務大臣(田中伊三次君) 私は、お説のとおり、そう思うのです。それで、この問題は、あまりここでいろいろなことを申し上げるのはいかがかと思います、厚生省に関することでございますが。一体、レモンのここへ図柄まで出して、しかも大きく図柄をクローズアップするように出しまして、それで中身の全部を説明したようなふうに見える図柄を出しまして、そうして表示自体をやっていない、こういうことで、しかも、売り方も、新聞広告を見ましても、その他のやり方も、ちゃんと表示のある小びんについてこれは法律どおりのことをやっておいて、その正規の小びんと並べて大びんを売って、これは徳用びんでございますと言わぬばかりの販売のやり方である。まことに巧妙きわまる販売のやり方であると言わなければならぬ。こういうものが取り締まれないということになりますと、全くこれは無害であってかってなんだ、厚生省が行政指導をやるのは聞いてもいいし、聞かないでもいいんだというようなことでこういう大事な大衆の飲料というものが販売が日本国において許されるということは私は許すべきものではない。それならどうするかという問題は、いま申し上げますように、この不正競争防止法という法律の第五条が念が入り過ぎて、二重のワクがはまっておるからひっかからぬようにできておる。これがワクが一本とか、これが独立のワクであるというと直ちにひっかかる。まぎらわしい広告をして、まぎらわしい表示をすることは許さぬのだ、これが一本の独立したものであるとひっかかる。まぎらわしいものであると同時に、うその表示がなければならぬのだと、こういうことが、要らぬことが書いてある。こういう場合もございましょう、必要な。しかしながら本件の場合を申し上げますと、先生の御意見と同様に私はまことに遺憾である。この刑罰法規を取り扱う法務省の立場から申しますと、こういう私は法規の内容はまことに遺憾である。これが私の言うように、独立した条項のものであるというと、直ちに罰則ができる。極端に言えば、直ちに告発のしかたいかんによっては逮捕もできる。こういうことになるわけでございますが、これは私の説明がいいかげんなことでそうならぬのではない、法律がそうなっているということ、ここをよく御理解をいただかぬと私の苦心と熱意が何にもならぬのです。おまえいいかげんなことを言うじゃないかとか、局長にいいかげんなことを言わせているんじゃないか、そういう心持ちはさらにない。これはやらなければいかぬと考えておる。そこで、刑法上の問題につきましては、この第五条の問題を離れて措置ができるわけでございます。できるわけでございまするから、軽犯罪法の第一条の三十四号ですね、三十四号に、軽犯罪法にもそういうことがございますので、先ほどからお話をいたしますように、刑事訴訟法の手続によりまして積極的な熱意を持って善処をしていきたい、こういうふうに御承知をいただきたい。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 関連。先ほどの法務省の見解は、まことに納得がいかぬわけです。それは第一には、不正競争防止法の五条ですが、「誤認ヲ生ゼシムル虚偽ノ表示」、法務大臣は、これは二つの要件だと、こう言われますけれども、要件は一つですよ。虚偽の表示であるかないかですよ。何か二つあって、非常に複雑なようなことをおっしゃっておりますが、虚偽の表示であれば当然誤認を生ぜしめる。当然これはつながるわけです。虚偽の表示かどうか、きめては。ところが、これは絵のことは、皆さんも非常に注目している、この絵のことは。ところが、前のほうにはいま鈴木委員から言われたように英語で説明が書いてある。これはよくわかりにくい。ところが裏のほうではちゃんと日本語で、ポッカレモンは新鮮なレモンのかおり、成分をそのままの状態でびん詰めにしたものです。こうちゃんと書いてある。これは英語じゃないからもうはっきりしておるのですよ。しかもレモンがここに入っておらない。これは分析の結果はっきりしておる。新鮮なレモンのかおり、これはあなた天然でしょう。それから成分でしょう。天然のレモンの成分でしょう。こういうふうにだれだって考えますよ。そのままの状態でびん詰めにしたものです。これが誤認を生ぜしめるような虚偽の表示に当たらないという解釈がどうして出てくるのか、一体法律の解釈というものは、そんな世間の常識とかけ離れたものじゃないはずです。これはどうしても納得いきません、この点は。で、先ほど皆さんが言われたのは、盛んに絵のことだけなんです。絵だけでなしに、いま申し上げたこういう説明まであって、どうしてこれが虚偽の表示にならないのか。もう一ぺんはっきり言ってください。そんなことがならぬということなら、これに類したことは幾らでもくふうできますよ。レモンだけでなしに、これだけでなしに、ほかの商品についても、これは消費者としてたいへんな迷惑です。  それからもう一つ、これは関連ですから一緒に聞きますが、法務大臣、何か思案しておいでのようですが、もう一つは詐欺罪の関係ですね。それじゃ法務大臣から先ほどるる説明されましたから、私のほうで十名なり十五名なり、これに天然レモンが入っているという表示のとおりと思って、買ってだまされた、けしからぬ、こういうものを十名なら十名そろえて告発をすれば、検察庁は積極的に捜査に乗り出しますか。端的に聞きましょう。先ほど法務大臣は刑事訴訟法のルートでやるといったようなことを再々おっしゃるわけですが、募集すればたくさん出てくると思う。どうですか。二点。

田中伊三次自由民主党法務大臣

○国務大臣(田中伊三次君) 御意見、前段のほうでございます。それみな沈んでおります。英語も読んでおります。それから裏の小さい説明、もっともらしい説明も読んでおります。それを先ほど申しましたように、これを総じて誤解を受けるような表現と思います。先生お説のとおり、けしからぬ誤解を受ける表現であると私は思う。しかし、いま先生のおっしゃった虚偽の表示にはならぬ、虚偽の表示はやっぱり分析的に栄養の成分に関してこういう補給ができるのだ栄養成分に関する補給の中身というものを数字をあげて虚偽の、うそと、実際にそうではないのにかかわらず、そういううその表示をしておるということがございませんと、それはそういう判定はできないのではないかということ。  それから一つか二つかというのは、私は説明的に二つの要件がからんでおるということを言いましたが、これは一つと見てもいいのです。文章も一つと読めるのでございますが、一つと読んだ場合は、一つの表現の中身は私の言ったように二つある。これは同じことですけれども、そういうことになるわけでありますので、その点はそういうふうにお聞き取りいただきたい。これは私の解釈が間違っていないと考えます。  それからもう一つは、十人なら十人、多数が告発したら積極的にやるかと、これはお尋ねまでもない、十人でない、一人でよろしい。一人でも私はこういう考えで買い求めたところが、事実はこうである、国会でも問題になっている、これはほっておけぬということで、できればひとつ告訴、これが一番でございます。告発でなく告訴、それからあるいは投書、まあなるべくひとつ被害者が、大事な詐欺事件でございますから、私の意見を尊重していただいて、なるべく被害者が告訴をしていただけば、十人もお手数をわずらわさぬでも、一人だけでけっこうでございます。それは警察あるいは検察直接でけっこうでございます。何か犯罪を私が誘導するようでぐあい悪いのでございますが、それは積極的に、真剣に消費者の利益を守るという見地に立って厳格なる態度で捜査をいたします。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 じゃもう一つ。あとのほうは非常に積極性があってよろしい、あとのほうは。前のほうですね。これは法務大臣なり刑事局長の一つの見解にすぎないと私は思うのです。しかし、納得しない者が、これはやはり不正競争防止法の五条にも該当するという立場で、刑事訴訟法上の手続きをとれば、これもひとつ積極的に取り組んでいただけますか。被害者と思われる方が、われわれが言うような解釈で、これはやはり罰則違反だという立場をとってやった場合、それは法務大臣なり局長の言うのは一つの見解だから、これは私は検事によってはそれはもうわれわれが言うような解釈をとる人もおるし、裁判官もおそらくそういう人もおると思う。だから、そういう性格のものですから、告訴、告発等があれば、不正競争防止法の五条についても積極的に取り組むということはどうですか。こっちが手続した場合。

田中伊三次自由民主党法務大臣

○国務大臣(田中伊三次君) その場合も、申し上げるまでもなく、先ほど申し上げました積極的態度で、これを厳格なる態度で捜査をいたします。ただ、そのいまおことばの中に、ちょっと私は誤解を招くように思うので申し上げるのでございますが、お前の一つの見解だろう——なるほど私の一つの見解でございます。そういう見解でございますが、これは非常にこの情、憎くむべき事情にありますね、この本件の問題は。そういう事情にあるからといって、現行法の不正競争防止法第五条なる条文を適当に解釈をして、あくまでも厳罰にするのだという態度は、近代国家のとっております罪刑法定主義の原則にそむくものである。それはやはり法律を変えてやるべきものだ。どうしてもやはり解釈は——法律の精神の解釈は厳格にしなければならぬ。それを曲げてやっちまえという、そういう意味の捜査等ですね、そんなことを仰せになっておるわけじゃございますまいが、そう仰せになっておらぬのならば言うことはないのであります。(笑声)ぼくが言うとみなすぐ笑うからね。それでどうぞそういうふうに告訴告発があります場合、投書がありますような場合、これに対しては厳格なる態度で捜査をして、消費者の立場を考えるということはもう間違いございません。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 そうすると、法律の不備な点は大臣もお認めになっているのですね。したがって、その実情に合うようなきびしい改正をすべきだと思うのですが、その点どうです。

田中伊三次自由民主党法務大臣

○国務大臣(田中伊三次君) 私はどうもときどき要らぬことを言うくせがあります。この問題は担当は厚生省です。厚生省が閣議に提出をして、腹をきめて、こういう理由であるから、この取り締まりを緩和するためにこういう改正をしたいということを言うべき筋のものだと思います。それを法務省がここで答えをするということはまた行き過ぎておるということになりますので、どうぞこの話は厚生省にお聞きください。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 いや、あなたがそういう不備なことを認ておられるからね。ですから、やはりその点はあなたの考え方を聞きたかったのですね。厚生大臣からも聞きます。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(坊秀男君) この問題は、厚生省といたしましては、先ほど鈴木さんもお認めになっていらっしゃるこの七百二十ミリリットルでないほうの大小幾つかのびんに入っております中身ですね、この中身につきまして厚生省がこれを調査いたしまして、そうしてこれにはビタミンC、これを強化しておるということで栄養改善法上の厚生省がこれを認めたというようなものでございまして、本物のポッカレモンといいますものについては、これについては別にどうということはないのだというお話でございます。ところが、非常に悪質なメーカーがあたかもそれとまぎらわしきようなものを——全く別個のものでございます、いまそこにあります七百二十ミリリットルびん入りのものは。全く別個のものを、これを表示等につきまして、これは抜け道がちゃんとつくってあります。ビタミンC強化などという文字は一つも入れていない。その他は大体同じような図柄でもってやっておる。そういうようなことでもって、しかも本物のポッカレモンと同じように並べて、そうしてこれを広告しておるというようなことでございまして、そこで、まことに私はこれは憎んでも余りあるメーカーのやり方だと思います。ちゃんと抜け道を考えまして、そうして本物でない全く別個のものを本物であるかのごとく装って、そうしてこれを販売しておるというこの行為は、私はそれは指弾されるべきものであるというようなことから考えまして、決して私は責任を逃げるわけでも何でもございません。私はそういったような、まるっきり別個のものを本物とまぎらわしいようなかっこうでそれを市販する、補給するといったようなことのできるというようなことにつきましては、これは表示を、たとえば本物のビタミンC強化というような文字でもまるっきり小さく書いてあるものでございまするから、そこでうそのものにそれが書いてなくとも、本物とうそのものとの見分けがつかないといったようなことをやっておる。しかも広告はもう並べてやっておる。さようなことにつきましては、これは厚生省といたしましても、そういうようなことはないように私はつとめていかなければならないと思っておりまするけれども、今度ポッカレモンのメーカーのやった行為というものは全くこれは、確かにそれはビタミンC強化ということを認めたのは厚生省でございますけれども、さような行為を厚生省は断じて認めていないし、これはその行為に対してどういう処分をするか、処理をするかということは、これは別途厚生省もむろん協力もいたしますし、これは別途に考えていかなければならない問題だろうと私は考えております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 法律の条文を改正しないのですか。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(坊秀男君) その法律の改正ということにつきましては、いま田中法務大樹からこれは厚生省の問題だと、こういうお話がございましたが、まあここに端を発したのは、厚生省がビタミンCというものの強化を認めた飲料を、これを認めたことによりますけれども、しかしそのことによって市販をされて、まぎらわしいようなやり方をやったということにつきましては、これは関係各省その他のところとよく相談をいたさないことには、厚生省としては結論はつけられないと、こういうことでございます。

北島武雄公正取引委員会委員長

○政府委員(北島武雄君) 栄養改善法とかあるいは不正競争防止法、さらに刑法あるいは軽犯罪法、こういう問題につきましては、先ほど法務省あるいは厚生省の当局から御説明がございました。私のほうといたしましては、不当景品及び不当表示防止法の明らかに禁止いたしております不当表示に入るものと少なくとも私どもは解釈いたします。不正競争防止法と非常に似た点があるわけでございますが、不当表示防止法の第四条の不当な表示の禁止は不正競争防止法よりもさらに広く規定されておりまして、本件につきましては、この第一号の商品の「品質、規格その他の内容について、実際のものよりも著しく優良であると一般消費者に誤認されるため、不当に顧客を誘引し、公正な競争を阻害するおそれがあると認められる表示」、これにはまさしくどんぴしゃりで入ると考えております。このような一般消費者を誤認せしめるようなああいう誇大広告は、私どもといたしましては断然取り締まらなければならない。お話の問題のレモンにつきましても、すでに調査は完了いたしておりますが、さらにこれに引き続きまして類似な不当表示を行なっておるレモンもございますので、あわせてただいま調査いたしておりまして、調査完了の上は適当な排除措置を講じたいと、こう考えておるわけでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 厚生大臣、あなたは、法律上の不備な点もあるわけですから、そういう点で関係の皆さんと相談する点もわかります、私も。あなたはここで厚生大臣としていまこういう問題にぶつかってみて、法律を是正する必要を感じているのでしょう、そういうことを聞いておるのです。そうしなければだめですよ。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(坊秀男君) その本物については、厚生省がこれは確かにビタミンCを強化しておるということでこれを認定いたしまして、そういうふうに売らせておる。そうすると、そのメーカーが非常な悪質なやつでございまして、いかにもしろうとが見れば、これを消費者が見れば、それと同じような見間違えるといったようなものをこれを売っておる。ところが、それはまさに厚生省が認定したものとは別個のものでございましょう。その別個のものをまるで同じように、見違えるように、誤るようにしてやったその行為が私は非常によろしくないと、で、そういったような行為について直接厚生省はストレートにこれを取り締まるとか、そういったような厚生省の機能ではございません。さような意味におきまして、端を発したことは、確かにビタミンC強化というものを認定したことは厚生省でございますけれども、もしもビタミンC強化というようなことを認定していなかったらば、それはこういう事態が私は生じていないと思いますけれども、そのビタミンC強化ということを認定いたしましたのは厚生省の、これは何といいますか、所管事項としてやったことでございます。だけれども、それに似たようなまぎらわしいものを、これを市販した、その行為については、これはどうも直接厚生省が直ちにこれに対して取り締まるとか、あるいはどうとかいうことはこれはできない立場でございますので、これが詐欺罪に該当するか、あるいはほかの罪状に該当するかどうかといったようなことは、これは私はほんとうにそういうような行為は、私は、そういったような犯罪に該当して、これは、私の感情といたしましても、また消費者の立場といたしましても、これは処分されるべき行為だと思いますけれども、これについて厚生大臣がしからばこれは率先してそうして刑法の改正とか、あるいはその他の法律の改正というようなことにつきましては、私がこれをリードしてまいる、発言してまいるといったような立場では私はなかろうと思うのでございます。しかしながら、かかる事態はどうしても、これは今後再びあってはならない。さような意味におきましては、もし法律に欠陥があるということであるならば、その法律の是正ということに進めてまいらなければなりませんけれども、ほんとうにこれは法律の欠陥であるか、あるいはその他社会情勢、いろいろなことがございましょうが、そういった広い角度からこれはながめてまいらなければならない、かように私は考えます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 あの、この認可の基準について、これは非常に問題がある。私は、これは時間がありませんので非常に残念ですけれども、これは非常に問題がある。そこで、まあちょっとこの大びんの七百二十ミリのものは、いつから発売したかということを……。

中原龍之助厚生省公衆衛生局長

○政府委員(中原龍之助君) このいわゆるポッカレモンですが、強化したものではございませんが、これが発売されましたのは、昭和三十二年でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 現在まで何本生産していますか。わかっていますか、強化したものもしないものも合わせて。

中原龍之助厚生省公衆衛生局長

○政府委員(中原龍之助君) 七百二十ミリのものは、私聞きましたところでは、約六百四十万本ぐらい出ておるというふうに聞いております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 厚生省が認可をいたした特殊栄養食品として認可したのは、いつなのですか。

中原龍之助厚生省公衆衛生局長

○政府委員(中原龍之助君) 最初に認可を、特殊栄養食品として認可いたしましたのは、昭和三十七年の六月五日でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 そうすると、その認可してから現在までの大びんの数はわかっていますか。

中原龍之助厚生省公衆衛生局長

○政府委員(中原龍之助君) 認可してからの大びんの数はちょっとただいま承知しておりません。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 この前のあなたの御発言ですと、行政指導の面で製造出荷を中止させたということでしたが、その大体出荷はどのくらい、どの程度回収されたのか、それを。

中原龍之助厚生省公衆衛生局長

○政府委員(中原龍之助君) 私ども尋ねまして承知しておりますのは、回収の状況でございます。それは四月十四日以降五月十八日までに、約三万二千本を自発的に回収し、なお残りの回収に全力をあげておるということでございますが、大体市場にあるのが八万五千本ぐらいある。そうしますと、ただいままで約四〇%が回収された。それから工場には、四月十四日現在、工場の中にあるものが約八万本あるというふうに聞いております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 これは正確に調べられないのですかね。

中原龍之助厚生省公衆衛生局長

○政府委員(中原龍之助君) このものは私ども行政指導としていろいろ調べておるわけであります。いわゆる許可されたビタミンCポッカレモンとして違反があるならば、これを行政的にできますけれども、これは普通の飲料水でございますので、そういう意味で、いわゆる強制的に調べるということはなかなかむずかしいかと思います。しかしながら、行政的に指導をしていくといういろいろの責任もございますので、そういう意味で工場のほうにいろいろ聞いて調べさせたわけでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 農林省ですかね、農林省いないですか。——それはあとでまた触れます。  それから四月二十三日以降にビタミンCを強化したものを、こういうものと同じようなものを売り出した、それはほんとうでしょうか、別につくって……。

中原龍之助厚生省公衆衛生局長

○政府委員(中原龍之助君) 私聞いております、四月二十三日以降、正規の、いわゆる特殊栄養食品であるものを七百二十ミリでつくっている、つくりつつあるということを聞いております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 まだ出荷はしていないのですか。

中原龍之助厚生省公衆衛生局長

○政府委員(中原龍之助君) 出荷されつつあるそうでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 そうなりますと、これと強化されたものとがごっちゃごちゃになってしまって、これはまことに国民は迷惑します、消費者は。いまはまだ、けさ、参議院の会館の下の売店がありますがね、あそこにこれと同じ入っているのが売ってありますね。行政指導をやるなら、もう少してきぱきとやったらどうです。これは非常に困る問題ですよ。どうしますか。

中原龍之助厚生省公衆衛生局長

○政府委員(中原龍之助君) そのように業者にも申し入れているわけでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 公取の委員長、あれですか、排除命令はもう出せるのではないですか。そのほかのやっとあわせて進捗状況を……。

北島武雄公正取引委員会委員長

○政府委員(北島武雄君) 一社に引き続きまして残りの三社、十八日に聴聞手続をいたしました。これはやはり不当表示の疑い十分でございます。なお、つけまして、そのあと六社ただいま調査中でございますが、これはおそらくは不当表示の疑い十分であるとこう考えますので、あわせて排除いたしたい、こう考えております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 ポッカのほうはいつごろになるのですか。

北島武雄公正取引委員会委員長

○政府委員(北島武雄君) 近々排除命令が出ることになる模様であります。ただ、レモン界の業界といたしましては、たとえばあるレモン会社が一つだけ排除を受けますと、その間にまた自分のところはいいんだということを表示する危険が多分にございます。そういうことも私ども聞いておりますので、そういうものもあわせて排除いたさないとこれはさらに一般大衆に誤認せしめることになると、こう考えておりますので、あわせまして近々排除したい、こう考えております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 関連。ちょっと公取委員長、そんなあわせてやる必要ないですよ。わかったものからどんどん何回でもいいから出していったらいいですよ。あわせるというようなことを考えるものだから、ほかの要素が入ってきて……。そんなことを考える必要はないですよ。それと、それから六社と言われましたが、けさ私もある人から電話をいただいたわけですが、これはもう広範に行なわれておる。六社とか、そんな限定されたものじゃないようですね、この種のことが、レモン関係で。そういう点、公取のほうではどういうふうに理解していますか。

北島武雄公正取引委員会委員長

○政府委員(北島武雄君) これは、おそらくただいま調査している数社というようなことではないと私ども思っております。ただいま調査いたしておりますのは、業界のほとんど圧倒的な力を占めているものでございます。あとは、これは場合によりまして公正競争規約などによりまして自粛の措置を講ぜしめる、これによってある程度目的を達するのではなかろうか。一つ一つとにかく全部まとまってからやるということではございませんで、おもだったものは少なくとも一緒にやらないと、その間に抜けがけをしようと、こういう機運もございますので、こういうものはやはり思わしくないということでございます。近々排除命令は出すつもりでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それから例の牛乳の価格協定の問題、これもいま調査中なんですが、これのいきさつ、経過。それからもう一つ、コーヒー牛乳、これのいきさつ、二つ教えていただきたい。

北島武雄公正取引委員会委員長

○政府委員(北島武雄君) 牛乳の価格協定容疑事件につきましては、ただいま二つの県の違反容疑と、それから全国的な規模における違反容疑と調査いたしております。これは全部一緒に必ずしも結論は出ませんが、結論が出ましたものから排除措置を講じたいと考えております。  ただこれにつきまして、なお、安売り商店に対するところの妨害行為などもあわせて出ております。そういう点も同時に調査いたしておるわけでございます。  なお、コーヒー牛乳、フルーツ牛乳等につきましては、すでに東京都内にそういった牛乳を供給しておる、十三社でございましたか、十三社に対しまして報告を求めました上、さらに目下権威ある機関に分折を依頼いたしております。これによりまして、現在までまだ分析の結論は出ておりませんけれども近く出る予定でございます。少なくとも業者の報告によりましても、不当表示の疑いが私ども持たれますので、現在までに関係官庁の意見を聞いておりますが、さらに分析の結果が出ましたならば、これをもとにいたしまして、消費者代表の意見、それからメーカーの意見も一応聞くということによりまして、今後どういうふうに表示をやったらいいかということを考えたいと考えております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 たいへん御苦労さまですけれども、ひとつてきぱきと結論を出してもらいたいと思います。  それからもう一つ、海外招待に対しても規制をするというのですね。これはどういうあれなんですか、不当景品について……。

北島武雄公正取引委員会委員長

○政府委員(北島武雄君) 最近、海外招待に限らないと思いますが、業者間の過当なサービス競争が目に余っているのであります。その端的なあらわれが海外招待でございまして、この数年間に倍の倍の倍というように、招待の人員と規模がふえております。当社はたとえば韓国あるいは香港招待、それがハワイになり、さらに世界一周、こういうことになっております。このむだな競争は、結局消費者の価格にはね返ってくる。全然消費者の利益にならないのでございますので、昨年からこれについての規制措置を考えております。先般公聴会にかけまして、東京、大阪の公聴会でもって各方面の意見を聞きまして、本日告示いたしました。六月一日から施行する、こういうことになっております。一人当たり十万円までしかそういった需要者の方に対する景品が提供できない、こういうような大体の考え方でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 最後に、時間がなくなりまして恐縮ですが、お許しいただきまして……。一つは、通産大臣においでいただいておりますが、JISマークの場合、この価格表示をなさっている指定品目、これはいま幾つあるのでございましょうか。それから価格表示をいたしましても、それに対する取り締まりというものは一体どうなされているのか、そこらにやはり問題があると思いますから、これらの方針についてひとつ承りたい。  それからもう一つ、畜産事業団のことで、けさの新聞を見ますと、不良の豚肉が百五十トンまた市場に出てまいりましたね。これがチェックされて、販売禁止の行政処分をするということになっておるようでありますが、その中に、公的な政府機関である畜産事業団が入っている。しかも、この前の病原菌豚の事件と同じような加瀬グループの何か解体屋の手を経ているというような、そういうような実情のようでありまして、まことに国民としては憤激やる方ないものがあります。次から次とこういうふうに豚肉についての事件が出てまいりますと、おちおちしていられないのでありまして、まことに遺憾にたえません。私は、この畜産事業団の設立の趣旨からいいまして、少なくとも、こういう事業団がこれらの事件にまつわるようになりましては重大問題と思いますから、この経緯についてぜひ承っておきたいと思います。

菅野和太郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(菅野和太郎君) JISマークの問題につきまして数字的のお尋ねでありましたから、工業技術院の院長が来ておりますから、院長からお答えいたします。

馬場有政工業技術院長

○政府委員(馬場有政君) ただいまの数字について御説明申し上げます。  現在表示の制度の対象として指定されております品目の数は、昭和四十二年三月末で千百九十八でございます。  それからもう一つの、これらに関しまして、どういうふうなことを現在やっているかということにつきましては、この工業標準化法の第二十二条の規定がございますが、これには立ち入り検査をやることになっております。従来、年間約八百工場の立ち入り検査を実施いたしているわけでございます。しかし、この表示許可工場の総数というものは九十五百九十八でございます。したがいまして、これでは不十分でございますので、本年の四十二年に入りましてから、この工業標準化法の一部改正によりまして、表示許可業者からその業務に関する報告書を提出させるということを現在やっております。これは、この立ち入り検査の不十分なところを補完する意味でこういうことをやり始めたわけでございます。

須賀賢二畜産振興事業団理事長

○参考人(須賀賢二君) 今回の病菌豚等の問題に関連いたしまして、私どもが委託加工をいたしております業者の中に、これに関係のある者が出ましたことは、私どもとしてたいへん申しわけなく存じておるところでございます。  本日、新聞に出ておりまする件につきましては、かねてから問題の業者でありまする南九州畜産商事が扱いましたものにつきまして、都の衛生局のほうで検査をいたしておりました結果、そのうち三百十三ケースについては廃棄処分をするようにと、それから残りの七千六百四十四ケースにつきましては、これは全体が品質に問題があるというわけではございませんが、そういう業者が処理をしたものでありますから、処理に十分慎重を期する意味においてなま肉の用途に向けられるようなものには回さないように、加工向けに処理をするようにという指示を受けたわけでございます。その指示の趣旨によりまして、関係当局とも協議しながら処理をしてまいりたいと思いますが、いずれにいたしましても、私どもの業者指定の措置が不十分でございまして、不適切でございまして、こういう問題を出しましたということはまことに申しわけなく存じております。  その後、再びこういうような問題が起きませんように、いろいろ加工上の監督あるいは指導、業者の見回り、その他につきまして、またこの買い入れをした残肉の処理の仕方等につきましても、いろいろ督励をいたしまして、こういう問題が再び起きませんように、十分慎重に処理いたしたいと存じておる次第でございます。  さような経過でございますので、よろしく御了承願いたいと思います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 ちょっと一問……。

新谷寅三郎自由民主党

○委員長(新谷寅三郎君) 鈴木君、もう時間がありませんが……。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 いま大事なところですから、一つ、だけ……。

新谷寅三郎自由民主党

○委員長(新谷寅三郎君) 時間の関係ですからね。  じゃ、もう一つ、だけ、簡単に願います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 いま申しわけございませんという理事長さんのお話ですが、申しわけございませんということだけでは済まないと思うのですね。  ですから、どうしてこういうふうになったのか、やはり、その原因を追及して、それに対する対策をお立てになることが大事ではないでしょうか。この新聞を拝見しましても、販売を禁止した七千六百四十四ケースというものは、加工してから冷蔵庫に保管するまで一週間から二週間と普通以上に時間がかかっていて、しかも、品質が悪くなっている。これをしかも承知の上で、正規の冷凍を怠ったということを承知の上で同畜産商事が故意に不良の肉を納入したということが言われている。一体、あなたのほうでは何をやっているのですか。こういうことがないようにやるのがあなた方の任務じゃないですか。そこのところをもう少し具体的に私は聞きたいのです。

須賀賢二畜産振興事業団理事長

○参考人(須賀賢二君) 南九州畜産商事が処理をいたしましたものは、どういう経過、過程でああいう、今回、問題になっておりますような品質不良のものがまじっておったかということにつきましては、私どものほうでもまだその実態を十分につかんでおりません。凍結状態その他につきましては、冷蔵庫に入りました場合に、冷蔵率のほうでサンプルによってチェックをいたしておりますので、南九州畜産商事のものにつきましても、保管をいたします前に正規の凍結をしておりましたものにつきましては確認をされております。それ以前の段階において、何か処理上不正なことが行なわれたのではなかろうかという疑いが非常に強いわけでございます。いずれにいたしましても、そういうようなことを行ないますような業者を、私どものほうで、その指定につきましてはいろいろ経過がございますので、指定をいたしましたということは私どものほうの重大な手落ちでございまして、この点はまことに申しわけなく存じております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 指定を取り消しなさい。

須賀賢二畜産振興事業団理事長

○参考人(須賀賢二君) 指定の取り消しにつきましては、これは最近までずっと捜査も進んでおりまして、私どものほうでも実態をはっきり把握いたしました段階で今後の損害賠償やいろいろ問題がございますから、それらとあわせまして当然、指定を取り消すつもりでおります。

新谷寅三郎自由民主党

○委員長(新谷寅三郎君) 以上で鈴木君の質疑は終了いたしました。     —————————————

新谷寅三郎自由民主党

○委員長(新谷寅三郎君) 次に中沢伊登子君の質疑を行ないます。中沢君。

中沢伊登子民主社会党

○中沢伊登子君 私は、いま非常に問題になっております牛乳の問題と、それから政府のほうからちょうど公害基本法が出ましたので、公害の問題について若干の質問をいたしたいと思います。  初めに、牛乳の問題でございますけれども、このたびの乳価の混乱、それはそもそも原因は何であったのですか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 混乱と申しますか、問題になりましたのは、やっぱり物価を安定させて消費者生活をできるだけ安定したいという世論の中に、お米に次ぐ大事なみんなの食べものである牛乳の値上げが問題になってきた。これにつきましては、私ども、御承知のように農林省では従来、指導価格制というものをとってまいったのでありますが、その指導価格には家庭生活審議会等でも、こういうものはやめるほうがいいという御意見もあり、また御婦人団体などでもそういう御意見もあったのであります。かたがた、自然に形成されるべき価格であるという見地から、指導価格制を撤廃いたしまして、それと前後して乳価の問題が出てきたわけでございまして、そういうことが今度の一般世間に牛乳が大きく取り上げられた動機ではないかと、こういうふうに思っております。

中沢伊登子民主社会党

○中沢伊登子君 農林省がその指導価格を撤廃する、こういうことを新聞に発表したのがそもそもの原因になったのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) そういうふうには考えておりませんで、御承知かもしれませんが、牛乳は過去三年間の間ほとんど価格は動いておりません。ところが、お米などにつきましては毎年毎年生産者米価も移動してゆくわけでありますが、牛乳についてはその移動が比較的少なかった。そういうことで生産者のほうではたいへん困っておるところもありまして、牛乳をしぼる牛を殺して、値段のいい肉のほうに回してしまうというような傾向が各地に出てきましたので、これはたいへんだ、そんなことをされては困るというので、まあ出産者の翌日への生産意欲を増強することについて私どももできるだけ努力をいたしておるわけでありますが、いま申しましたような関係で生産者とメーカーとの間にいろいろやりとりがありまして、だんだんと価格の問題に伝染してきたと、こういうふうに思うわけでございます。  〔委員長退席、理事平島敏夫君着席〕

中沢伊登子民主社会党

○中沢伊登子君 岡田政府委員は、この間の衆議院の物価対策特別委員会で、内部的にそういう意思を固めて新聞発表をしたと、こういうふうに申しておられるわけですが、それだけのことでこんなに混乱が起こるのは私もおかしいと思うんですけれども、農林大臣は、二円の値上がりは常識であたりまえだというようなことをおっしゃったと、こういうふうに私は承っております。  なお、経済企画庁のほうは、この指導価格をやめたら牛乳は値段が下がるだろう、こういうふうに何か考えられたと、こういうふうなことで非常にそこに何か矛盾があるように思うんですけれども、両方から御答弁をいただきたい。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 二円上がるのはあたりまえだというふうなことを私は申したことはございませんで、さっき申し上げましたような事情の間にまあ農林省からも注意をいたしまして、すみやかにこの動揺を安定させるようにみんなで努力してくれということを申しておりました。そこで、生産者とメーカーとがまず話し合いを始めまして、生産費が高騰しておることもよくわかったというので、一升十二円の値上げについてメーカーから生産者のほうへ相談があって妥結したわけであります。そこで、私の申しておるのは、一升十二円メーカーと生産者の間で価格が上げられるということは、これはもう生産者のほうの側から見るとありがたいことでもあり、私どもも常識的だと思うと、こういうことを申したわけであります。  そこで、さらに私は、このまま小売りの価格にはね返るというようなことは困るので、ひとつ小売り段階までの間にもう少し合理化する方法はないだろうかと、私も旧制中学生の時分から今日まで一合びんで牛乳屋さんが配達してくれているという方法はずっと何十年変化ございませんで、この辺のところは一体何とかならないものかと、今日のような時代に、ということを申したというのがまた誤伝されまして、今度は小売り業の方々が大ぜい私に、お前は小売りがもうけ過ぎているということを言ったといってたいへんおしかりを受けましたが、そういう意味ではなくて、私はやはり近代的にこの事業の経営も合理化していって、そして永続的に消費者にできるだけ大量の牛乳を消費してもらうようにするためには、メーカー、生産者、小売り業者三者が十分そういう点について話し合って、そして生産が続いていくようにひとつやってもらいたいということを申したわけでありまして、私の申しましたことが部分的に誤解されたかもしれませんが、経済企画庁で考えております考え方とはしょっちゅう同じでございます。

中西一郎経済企画庁国民生活局長

○政府委員(中西一郎君) お尋ねございましたが、自由にして何と言いますか、価格が下がり得ることがあるというような、原則論としてそのとおりだといまでも考えております。結果的にそういうような地域も相当数見られる。ただ、先生お話しの、競争の結果混乱しておるという御指摘で、まことにそうなんですけれども、末端価格を価格協定で統一するとか、あるいは行政指導で末端価格を統一するという場合の安定よりも、末端で競争が起こることによって価格にいろいろでこぼこができてきまして、それが合理化の機縁になるという意味では、現状のほうがむしろいいんじゃないかと考えておる次第でございます。

中沢伊登子民主社会党

○中沢伊登子君 宮澤企画庁長官がきょうはおいでになられませんが、宮澤経済企画庁長官がまあいろいろなことをおっしゃったわけです。そのことを伺ってみたかったのですけれども、それはまた今度の機会に譲るといたしますが、ほんとうは消費者が大混乱で迷惑をこうむっているわけです。そこで、公正取引委員会は、独禁法の違反があるとか、監視したり調査しているようですけれども、舞台裏も調査をされたのですか。

北島武雄公正取引委員会委員長

○政府委員(北島武雄君) まあ従来は、牛乳の価格につきまして、農林省にある行政指導で行なわれておったのが、ことしは行政指導がなくなったということでございますと、やはり価格は自由競争によってきまるべきものだ。したがいまして、協定して一律に幾ら値上げするということは、これは独占禁止法違反であるということになるのであります。いままでの行政指導という形がございますと、独占禁止法上の運用上もなかなかぐあいの悪いところがある。それが自由競争になるということになれば、今度は私どもといたしまして、一斉に値が上がったということになれば、これは価格協定の疑いがあるのじゃないか、こう見て審査に乗り出したわけでございます。  先ほど鈴木委員の御質問に対してもお答えいたしましたように、目下二つの県の商業組合の価格協定容疑事件と、それから全国的規模におけるところのメーカー、それから全国牛乳商業組合連合会等の全国的規模における価格協定の違反の疑いについていま審査いたしているわけでございますが、まだ審査の過程にございますので、ただいまここで内容を、ことに内輪話というようなことを申し上げるわけにもいかないわけでございますことを、どうぞお許し願いたいと思います。

中沢伊登子民主社会党

○中沢伊登子君 きのうも公取のほうから電話がありまして、まだ調査の段階だからそう詳しいことはお話できないということでしたけれども、私どもの耳に入ってまいりましたところでは、今度のこの問題は、舞台裏で火つけ役があったり、火消し役があったり、こういうような話も実は伺っておるわけです。  そこで、先ほど鈴木委員からもポッカレモンのお話がいろいろございまして、公取のほうからもずいぶんいろいろなお話を伺いましたけれども、公取の使命というのは実に重大だと思うのです。いまの機能でこの使命が完全に果たせるかどうか、その現状をちょっと話してください。

北島武雄公正取引委員会委員長

○政府委員(北島武雄君) 御指摘のように、公正取引委員会の仕事はきわめて広範でございまして、しかも現在の物価問題その他にも非常に関係があるのでございますが、ただいまお話しのように、規模も非常に貧弱でございますし、昭和四十一年度、まだ四十二年度は施行になっておりませんが、昨年の四十一年度におきましては全国で三百七名、そのうち地方が五十七名で、六つの地方に事務所がございますが、一カ所当たり十人足らずという陣容でございます。それがただいま御審議をいただいております四十二年度の予算が施行になり、それからさらに機構の拡充、人員の増加につきまして御審議いただいております私的独占禁止法の改正案が通過いたしますと、四十二年度におきまして高松に一つ地方事務所を増設いたします。これを合わせまして全国で二十九名の実人員がふえることになるわけでございますが、これをもっていたしましても、やはり決して十分な陣容ではございません。これで高松に地方事務所ができることによりまして、一応全国的な独禁法の施行の体制の網だけはできたことになりますが、それにいたしましても、今度七つの地方事務所でもって七十数名の陣容でございます。やはり一地方事務所当たり十人程度ということでございますので、なかなか十分な活動もできないような事情でございますので、これは年々ひとつ拡充いたしてまいりたいと、こう考えております。現に四十一年度は四十年度に比べまして三十名の増加でございまして、それに引き続きまして四十二年度はさらに二十九名の増加、こういうことになっておるわけでございます。

中沢伊登子民主社会党

○中沢伊登子君 大蔵大臣がちょうどいらしてくださいました。消費者にとって、いまの公正取引委員会のあり方というのは非常に大事でございますので、どうかいまのお話を伺っていただいたように、公正取引委員会の機構をもっともっと陣容を強化していただきたい、このように思いますが、いかがでございますか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 各省の定員をふやさないと、人員の不補充ということをやっておるときに、公正取引委員会だけが、いま委員長が言われましたとおり、人員をふやし、予算をふやすような措置はとりました。

中沢伊登子民主社会党

○中沢伊登子君 そこで、先ほどの、初めの牛乳の値段の問題に戻るわけですけれども、私も実は牛乳の問題、値段を方々へ行って調べてみたわけです。大体どこもかしこも二円から四円ぐらい上がっておりまして、大体牛乳は配達をして二円くらい上がるのかと思っていたら、むしろ買いに行ったほうが高くなっている、こういうようなことがありまして、いろいろこうやって集めてきてみたわけです。ところが、やっぱり国会の中が一番安くて、外に出ますと相当値段が高い、こういうことになっておりますが、その二円の値上がりの配分はどのようになっておりますか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 内容については、あまりわれわれがタッチするのもどうかと思っております。それからまた、全部、上がっているところもあり、上がっておらないところもございますので、あまり深く配分については立ち入っておりませんが、話によりますというと、生産者のほうに一番多くの部分を回しているのだ、こういうふうに聞いております。

中沢伊登子民主社会党

○中沢伊登子君 それでは、私の調べたところをちょっと申し上げますと、生産者に大体一円二十銭、メーカーのほうへ三十銭、それから小売り屋さんが五十銭というふうなことを伺っているわけですけれども、いわゆる市乳は純粋の牛乳だけだとはどうしても思われません。北海道に行って飲んだり、あるいは農家でいただいた牛乳は、非常に濃くておいしいですから、いわゆるいま売られている市乳というものの中には相当還元乳が入っているのではないかと思いますが、いかがでございますか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) そういうことにつきましても、もしそういうことがあるといたしますと、そういう小売り店、メーカーから小売りとの間にいろいろなことがあるかもしれませんけれども、やっぱり個々別々な、各個の取引の契約でございますから、一がいには何とも申しかねると思います。

中沢伊登子民主社会党

○中沢伊登子君 ちょっといまの答弁、おかしいと思うのですけれどもね。  どうせ牛乳が、なまの牛乳が足りないんですよね。それで、相当粉乳を輸入して、その粉乳を水でとかして、バターなんかを入れていま牛乳にまぜているのが実態だと思いますけれども、どこかわかるところはありませんか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 先ほど申しましたように、どこでどういうふうなことということはわかりませんが、御指摘のようなことはたぶんあるだろうと思います。

中沢伊登子民主社会党

○中沢伊登子君 どうも農林大臣の御答弁にしてはちょっと牛乳をあまり御理解ないように思うのですが、いかがですか。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(坊秀男君) 牛乳の中にはなま乳、ほんとうの牛乳というものと、それから御承知のとおり加工乳というのが、これは両方別に不正なものではございませんで、両方ございまして、加工乳には、御指摘のように粉乳をまぜたり、そういったようなものもございますが両方ともこれは不正なものでなくて、そういったようなものをまぜたものをほんとうの牛乳、いわゆる牛乳として売ったり、加工乳にはおのずから限度があると思いますけれども、そう逸脱したといったようなものは、これは不正なものでございますが、これは両方正規のものがあるということは、御承知のとおりでございます。

中沢伊登子民主社会党

○中沢伊登子君 いわゆる市乳と加工乳というのは違うんですよ。加工乳というのは、ビタミンを入れたとか、あるいはミネラルを入れてあるとか、それがいわゆるほんとうの加工乳といわれているものです。それは、いろいろ集めてきますと、スーパーとか、あるいはホモ牛乳というのが、普通のいわゆる均質牛乳、それからスーパーとか、ゴールドとか、こういうのがいわゆる加工乳でこれにビタミンとか、ミネラルとか、それを加工乳と普通はいま呼ばれているわけです。それですから、市乳と、特別の牛乳、加工乳と、それとまたこういうのとはちょっと違うのです。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(坊秀男君) いま申し上げたのと、それからそこにおあげになりました、それ色ものでございましょう。これとはまた別でございます。それは牛乳を一部原料といたしました、あるいはコーヒー牛乳とか、そういったようなもの、これも別に不正のものではなくて、正しい商品として陰では売られておる。そういうものに厚生省といたしましても、いまそこへおあげになったこれは加工乳じゃありませんが、牛乳を原料とする飲料でございますが、それに対しましては、牛乳成分が一体どのくらい入っておるかということを表示させると、こういう指導のもとに売らしておるということでございますが、何しろ牛乳成分を表示はいたしておりますけれども、きわめてそれが小さい字であったり何かするものでございまするから、これはどうしても消費者が一見わかるというように持っていかなければならない、かように考えます。

中沢伊登子民主社会党

○中沢伊登子君 厚生大臣の頭には、いまちょっとたいへん失礼な言い方しますけれども、先ほどの鈴木委員のポッカレモンのことが頭の中にまだ十分残っていらっしゃるもので、この牛乳のことについては、これは乳飲料であって、私がこれからまだ質問をしょうかと思っていることを先答弁をしていただいたわけです。私、先ほど言ったのは、粉乳をまぜてあるというのが不正だとか何とか言っているわけじゃないのです。そういうものがいまの牛乳には入っているのは事実です。それで夏場になると、特になま乳が足りなくなりますから、大かた五〇%ぐらいが粉乳が水でとかれて入れられているわけです。これを私は不正だの何だの言っているわけじゃない。そういうのがいまの牛乳である。そうすれば、生産者には先ほど言いましたように、二円の値上がりの中の一円二十銭が手渡りになって、生産者がそれで助かるわけですけれども、五〇%ぐらいもしかりに粉乳がまぜて入れられてあるとすると、生産者は一円二十銭の手取りがなくて、六十銭しか手取りがない、こういうことを言おうと思って、いろいろ伺っているのですけれども、どうも厚生大臣も農林大臣も、少し牛乳のことがおわかりになっていないような感じがするのですが、いかがですか。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(坊秀男君) 牛乳のことにつきまして、関係局長から、御説明いたします。

舘林宣夫厚生省環境衛生局長

○政府委員(舘林宣夫君) 牛乳は、いま一般に普通飲まれておりますものは二種類ございまして、いわゆるしぼりたての牛乳、これは単なる牛乳という名称で売られておりますが、そういうものと加工乳として売られているものとございます。この使用量はおおむね半々と思われますが、加工乳はその中にしぼりたてのなまの牛乳もございますけれども、多数の粉乳から還元いたしました牛乳成分を含んだものでございまして、成分的には、牛乳成分は、いわゆるなま乳に近い、あるいはそれ以上の成分を持ち、それに、ビタミン、ミネラル等を加えたものが大部分その形で売られております。

中沢伊登子民主社会党

○中沢伊登子君 そこで、きのう私は実はこれを買ってみたのです。同じ時に買ってみて、片方のこれには金曜日のしるしがあって、こっちには土曜日のしるしが、もうきのうでついているわけです。そうすると、厚生省は盛んに曜日制を強制してこれをつけさしているわけですが、これをやめて消毒日表示に切りかえることはできないのですか。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(坊秀男君) 現在の行き方は、おっしゃるように曜日を日付として用いておりますけれども、私ども御指摘のとおり、曜日ということでは、これは、もっとも正確な日には間違いないにいたしましても、まぎれやすかったりなんかする欠陥があろうと私は思います。私も、だからできるだけこれは前向きに日にちというふうに持っていったほうがいいんじゃないかと、かように考えておりますが、いずれにいたしましても厚生省は牛乳につきましては、その栄養だとかそういったことについて取り組んでおるわけでございますので、直接価格といったようなものとは取り組んではおりませんけれども、しかし、いろいろなことをやることによりまして、価格と関連もいたしてきます。そういうような立場から曜日を日にちに切りかえていくということが、あるいはたいへん大きな影響もあるかもしれないといったような点も顧慮する、それから各方面の御意見も関係各省これをちょうだいいたしましてそうして何とかそれは曜日より日付のほうが、私はその点に関する限りはいいにきまっていると思うのですが、まあこの点につきましては、今日前向きに慎重に検討してまいりたいと、かように考えております。

中沢伊登子民主社会党

○中沢伊登子君 それでは酪農家が乳をしぼってから消費者の手元へ届くまでには、何日かかるのですか。

桧垣徳太郎農林大臣官房長

○政府委員(桧垣徳太郎君) お答えをします。  通常タンク・ローリー等で集乳をいたします場合には、酪農家が前晩もしくは当日の朝しぼったものが当日中に工場に着くというのが普通でございます。ただ現在は若干集荷、集乳範囲が広がっておりまして、たとえば東京の消費県につきましては、最も遠いところは岩手県から送乳されております。この程度になりますと、搾乳後二日間ぐらいの期間がかかるようでございます。

中沢伊登子民主社会党

○中沢伊登子君 それで消費者に届くのは、そこでプラントでいろいろしてびんに詰めて消費者の手元に渡るまで二日ですか。

桧垣徳太郎農林大臣官房長

○政府委員(桧垣徳太郎君) ただいま申し上げましたようなことで、工場に入りました乳は、通常その日のうちに処理をされまして、その日のうち、もしくは翌朝出荷されるのが普通でございますが、若干、天候その他の事情によりまして出荷量に変動がございますから、したがいまして、日々の需給の調整上一、二日の工場内におけるストックというような問題は起こるようでございます。

中沢伊登子民主社会党

○中沢伊登子君 どうも話がかみ合わないのですけれども、私は、二日かかったの、三日かかったので古いとかなんとかいうことを言おうと思っているのじゃないのです。それは当面、日にちが大体四日くらいかかりそうだ、そういうことで、先ほど厚生大臣もいろいろおっしゃいましたけれども、これを配達する、曜日制でなしに、消毒日に改めたらどうですかということを質問しているわけです。

舘林宣夫厚生省環境衛生局長

○政府委員(舘林宣夫君) ただいま用いられておりますあのキャップにあります曜日は、お尋ねのようにときどきその配達の当日の曜日でないものが配達されたりなどいたしておる事例が現実にあるわけでございます。したがいまして、これを改めまして、実際に消毒されたその時点でその日にちを記入するというようなことは、将来の隔日配達、その他牛乳の配達の改善あるいは衛生的取り扱いの上から望ましいことであろうかということも十分考えられるわけでありまして、ただ問題は、それをどこで行ない、どのような施設——新たにそういう曜日を打つ装置を考えるというようなことで、改善方法を具体的に検討する必要がございますので、私どもも先般来この問題に関していろいろ御意見がございまして、前向きで検討いたしておるわけでございます。

中沢伊登子民主社会党

○中沢伊登子君 その日付を変えますと、大体いま牛乳を飲むような家庭には電気冷蔵庫があるから、それで二日分配達をしたりあるいはお昼に配達してもよし、いろいろな配達の合理化ができるわけです。それで私はこういうことを伺ったわけでございますけれども、それでは、このコーヒー牛乳とかフルーツ牛乳は、牛乳として認めていらっしゃるのですかどうですか、厚生省。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(坊秀男君) 先ほど申し上げましたとおり、牛乳は、いわゆる牛乳と言われておる牛乳とそれから加工牛乳と、それが牛乳でございまして、いま机の上におあげになったのは、牛乳を原料としておりまするこれは飲料ということで、これが牛乳そのものとしては扱ってはおりません。

中沢伊登子民主社会党

○中沢伊登子君 農林省の方、農林省のほうはこれを清涼飲料として扱っていらっしゃるのですか。   〔理事平島敏夫君退席、委員長着席〕

桧垣徳太郎農林大臣官房長

○政府委員(桧垣徳太郎君) 農林省といたしましては、そのテーブルの上にございますようなものは、これは乳飲料と称しておりまして、一般の清涼飲料という扱いではなくて、一種の乳製品という扱い方をしております。

中沢伊登子民主社会党

○中沢伊登子君 ちゃんとはっきりした牛乳のびんに入っています。それでは一ぺんこれを厚生大臣と農林大臣と、鈴木さんのまねをするわけではありませんが、一ぺんまあ飲んでみてください。これが牛乳びんに入って、牛乳というような感じで人が飲むと、これはたいへんなことになります。  それから、もう一つついでに、これの牛乳の含有量は何パーセントだと思われますか。

舘林宣夫厚生省環境衛生局長

○政府委員(舘林宣夫君) 乳飲料は、牛乳成分を主要原料の一つとして用いてある飲料に対しまして、法律で乳飲料として販売することを許可しておる食品でございます。これに対しましては、牛乳とまぎらわしくないようにさせるために、着色をいたしまして、牛乳の外観をさせないという取り扱いと、内容におきまする乳成分の含有量を明記するという扱いをいたしておるわけでございまして、これらの製品には、必ず乳飲料という名称も記させる、かようなことをいたしておるわけであります。それらが商品名といたしまして〇〇牛乳というように売られてはおりますけれども、食品衛生法上の表示名といたしましては、乳飲料として明示させるようにいたしておるわけでございます。

中沢伊登子民主社会党

○中沢伊登子君 それでも、こういう、ちゃんと牛乳のびんに入っておりますね。

舘林宣夫厚生省環境衛生局長

○政府委員(舘林宣夫君) なお、その中の牛乳成分の含有量は、商品によって区々でございますが、おおむね四〇%ないし六〇%と思われます。しかし中にはそれ以下のものも、あるいはそれ以上のものもございます。

中沢伊登子民主社会党

○中沢伊登子君 それではこういうものの牛乳の含有量、これは先ほどの市乳とか加工乳そういうものの一ぺん資料を出していただきたいと思います。私はなぜこんなことを申し上げておりますかというと、牛乳は私どもは主食として扱っているわけです。それで、食事をするひまがなかったら牛乳でも飲んでおきなさい、こういうようなことを教えられたり、教えたりしているわけですが、もしもこういうものを食事のかわりにサラリーマンが朝飲まされる、そうすると健康に非常に私は問題があると思うのです。そういうところで、これをちゃんと取り締まってほしいわけです。こういうちゃんとした牛乳のびんに入っていたり、それからフルーツ牛乳とかコーヒー牛乳とかちゃんと牛乳として売られているわけです。

北島武雄公正取引委員会委員長

○政府委員(北島武雄君) 先ほど鈴木委員の御質問に対しましてちょっとお答えいたしたのでございますが、この際多少それにつけ加えまして御報告申し上げたいと思います。  牛乳等の成分につきましては、かねていろいろ消費者のモニターからの話もございますし、公正取引委員会といたしましては、ことしの三月から四月にかけまして、東京都内に牛乳を供給している乳業会社十三社を対象に、一応業者から報告をとりました。それによりますと、コーヒー牛乳は、これは各社いろいろございますけれども、コーヒー牛乳は生乳二〇%ないし五〇%、それから水分三〇%ないし五〇%、それからコーヒー分が一%ないし三%、それからその他脱脂乳——脱脂粉乳等から製造されておりまして、その成分は脂肪分が〇・六%から一・五%、無脂乳固形分、脂肪のない乳の固形分、これが四・七%から六・五%になっております。次にフルーツ牛乳のほうでございますが、これは生乳はほとんど使用されておりません。脱脂乳が三〇%ないし六〇%、水が二〇%ないし七〇%、果汁が五%ないし一〇%等から製造されておりまして、その成分は脱脂分〇・一%ないし〇・五%、無脂乳固形分が四%ないし五%でございます。なお、ちなみに厚生省令の乳及び乳製品の成分規格等に関する省令におきましては、牛乳と称し得るのは脂肪分が三%以上、無脂乳固形分が八%以上ということになっております。これらのコーヒー牛乳、フルーツ牛乳に対する各社の御回答をいただきましたが、さらにまた私のほうでは、権威ある機関に分析を目下依頼いたしまして、その結果、はたしてこれが真に牛乳の名に値するかどうか、不当表示でないかどうかという点を十分ひとつ検討いたしたいと思います。これにつきましては、消費者代表の御意見も聞いて、さらにメーカーの言い分も聞き、それから各省の意見も伺ってみたい、こういうふうに考えております。

中沢伊登子民主社会党

○中沢伊登子君 いまいろいろパーセンテージを伺ったわけですが、このいわゆるコーヒー牛乳とかフルーツ牛乳というのは一番高いのです。二十五円で売られております。普通の牛乳のほうが二十二、三円で売られている。こういう状態でございますが、こういうもので非常にもうけているわけですけれども、そういうことを私は取り締まってほしいと、この際要望をしておくわけですが、農林省のほうでは北海道の良質の牛乳を内地に持ってくるということは考えたことがおありになりますか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) おもな生産地から輸送をなるべく簡便にして、そして大都会の消費者に充当させるような方針は、いままでもいろいろ援助いたしております。

中沢伊登子民主社会党

○中沢伊登子君 北海道の良質の牛乳を、どうせいま内地で生乳が足りなくて還元乳をまぜているわけですから、ユーペリゼーションという方法でやりますと二カ月くらいもつわけです。私は北海道からたっぷりいい牛乳を持ってきて、国民大衆あるいは子供、病人そういう者に飲ますべきだと思っておりますが、そういう熱意はおありになりますか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 農林省もそういう点につきましては、いま申し上げたようにたいへん力を入れておるわけでありますが、今後ともそういう、ことに長距離輸送につきましては、輸送方法、輸送経費の軽減、品質保全等について、なお今後継続して検討いたしてまいりたいと思いますが、ここでちょっと官房長がお答えしましたが、現段階におきまして生乳の長距離輸送が可能な地域、そういうものはもうやっておりますけれども、ただいまの北海道のような長距離輸送につきましては、中沢さん御存じだと思いますが、リース法人、ああいうものを活用いたしまして、畜産振興事業団の出資による生乳輸送、そういうことの施設を貸与いたしますようにいたしております。最近、生産生乳の伸びが御承知のように若干停滞ぎみであるために、相当量の乳製品を輸入しなければなりませんけれども、そういう意味で私どもいま長距離の輸送については、いろいろなことで研究を続けておる最中であります。

中沢伊登子民主社会党

○中沢伊登子君 牛乳の問題でずいぶんたくさん質問を用意してきたのですが、時間がだんだんなくなってしまって、これはまた何かの機会に譲りますけれども、農林省は、米価にはあれだけ力を入れておきながら、酪農政策や牧畜政策にもっと本腰を入れてほしい、こういうふうに思います。岩手県の千田知事さんは、あの寒い所で高原を牧草地帯にして、放牧にいま力を入れておられる。それから山口県でも秋吉台のカルスト平原あそこを牧草地にしたという話も聞いております。やればできるのじゃないかと考えますが、農林省はなかなか本腰を入れていただけないように思うわけです。そこで、農家の人たちの話を聞きますと、農林省の言うとおりにしていると損ばかりするというふうな不平が非常に出てくるわけです。酪農を奨励されたから酪農をやれば、何だかそれも行き詰まってしまう。今度は豚を飼えと言うから豚を飼ってみたら、豚で損をする。今度は養鶏だということで、自分の住む家よりりっぱな鶏舎を建てて鶏を一生懸命に育ててみたら、また卵が値下がりした、こういうようなことで農林省の酪農政策、あるいは農林省のそういう政策がなかなか一貫をしていない、農林省の言うことを聞いていれば損をする。こういうふうなことを百姓の人たちはよく漏らされるわけですけれども、ベテランの倉石農林大臣の間に、どうか酪農政策に本腰を入れていただきたいと思います。それでないと来年もまたこのような混乱が繰り返されるのじゃないか、こういうことを私ども消費者は心配をするわけです。ひとつ決意をお伺いさせていただきます。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 御承知のように、四十二年度予算をごらんくだすってもわかりますように、私どもはなるほど米作について、主食の根幹でございますから、大いに力は入れておりますけれども、農業白書等でも申し上げておりますように、米麦においての自給度に追いつかないもの、それからまたいまのような、大体わが国の国民が、最近とみに地方までが都会化したと申しますか、食糧の国民の好みの変化というのは、最近著しいものがございます。したがって、米麦もさることながら、畜産、それから酪農、果樹、野菜、こういうことについて農林省は特段の力を入れております。ただ御承知のように、鶏、卵、豚等は十分でございますが、果樹、野菜等についてもさらに力を入れ、これもどうにかなると思いますが、ただいまの酪農及び肉牛につきましては、えさ等の制約もございまして思うようにはいっておりませんが、これは私のほうでただいまお話しのありましたように、草地造成にも特段の力を入れまして、自給飼料を増加いたしていくという方向、子牛の導入等にも全力をあげまして、そういう面のややわれわれが見ても一番要求が多いのにそれを満たされない面については、全力をあげておるわけであります。まあいま豚、鶏等のお話がちょっとございましたけれども、これも御承知のように、自由に価格形成が行なわれるものではありますけれども、いずれもやはりある程度の値段の下限をきめておいて、それ以下に下がれば、畜産振興事業団等が買い入れをして、価格を維持するといったような、そういうきめこまかい農政をやっておりますけれども、やはり豚がいいというと豚をうんとみんなが競争して飼って、オーバープロダクションみたいになるということについて、そういうときに若干の御不満はあるかもしれませんが、私どもといたしまして、やはり消費者に一定の安定した価格で供給するという流通関係の義務も農林省は持っておるものでありますから、そういうこととあわせ考えて、私は農林省のいうことをきいてさえおればだいじょうぶだと、こういうふうにだんだん農家の人が思ってくださるようになってまいると思っております。

中沢伊登子民主社会党

○中沢伊登子君 先ほどお願いをした資料ですね、牛乳を分析したり、こういうものの、牛乳の含有量の資料は提出をしていただいてください、この次でけっこうですから。

新谷寅三郎自由民主党

○委員長(新谷寅三郎君) 厚生省のほうで、その資料はなるべく早く御提出願いたいと思います。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(坊秀男君) 公取その他関係各省とよく相談をいたしまして、それでできるだけの資料を整えたいと考えております。

中沢伊登子民主社会党

○中沢伊登子君 それでは今度、公害の問題について、時間の許す限り質問させていただきたいと思いますが、まず公害とは何でしょうか。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(坊秀男君) 公害にはいろいろの公害があろうと思いますけれども、今度の公害基本法試案要綱にいわゆる公害というものは、あるいはお手元にお持ちになっていらっしゃるかと思いますが、定義が規定されておりまして、「この法律において「公害」とは事業活動その他の人の活動に伴って生ずる大気の汚染、水質の汚濁、騒音、振動、地盤の沈下」これには制約がございます。「及び悪臭であって、地域的に環境を悪化させ、人の健康又は生活環境にかかわる被害を生ずるもの」と一応試案要綱は以上のように規定いたしております。

中沢伊登子民主社会党

○中沢伊登子君 それでは、この公害、これが公害だということは、だれが認定をするのですか。科学的に認定することができますか。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(坊秀男君) 定義はいま申し上げましたようなことでございます。これを実際に認定していくというのは、これはやはり行政官庁あるいは公害対策会議、あるいはこれは地元の住民の方方で、地元の住民の方々の御意見を徴しまして、それできめる場合もあろうと思います。

中沢伊登子民主社会党

○中沢伊登子君 公害は、一体それならばだれが責任を持つか、だれに責任を負わすか。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(坊秀男君) 公害の責任は、せんじ詰めれますならば、公害を発生せしめる原因者ということになろうと思いますが、何ぶんにも広い範囲にわたりましていろいろなものが競合する場合もあろうと思います。そういったような場合には、それぞれ事業発生の原因者、あるいは地方団体あるいは国といったようないろいろな態様があろうと思います。

中沢伊登子民主社会党

○中沢伊登子君 そうしたら、その原因者の不明な公害というものもありますね。原因者の不明な公害はどうなさるのですか。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(坊秀男君) 公害発生の場合には、何といたしましてもまず第一段階としては、公害発生の原因者を、これを追及していくことである。どうしても公害がだれが発生したかわからぬといったような場合、もう全然この公害の発生原因はわからないのだというような場合は、これは私はそんなに考えてみれば、あるいはあるかもしれませんけれども、いやしくもいま全然これがだれかわからないといったような公害は、それほど常に存在するというようなことではなかろうかと思いますが、そういったような場合がもしありましたならば、もしかりにありましたような場合には、これはそのときのケースによりましてきめていかなければならないと思います。

中沢伊登子民主社会党

○中沢伊登子君 少し私の質問が悪かったのかもしれませんけれども、たとえて言うならば、七号環状線、あそこで自動車が非常にたくさん、ちょっと進んではとまりちょっと進んではとまり、交通麻痺のときなんかは、あの自動車の排気ガスが確かに公害の原因ではありましょうけれども、それじゃ、一体あれはだれに責任を持ってもらうかというふうなことはわからないと思うのですね。環状七号線のあそこら辺の住民の人たちは、自衛手段としていま酸素を買って酸素を吸入している、こういう話を聞くのですが、こういうときはどうなりますか。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(坊秀男君) 自動車がふくそういたしまして、それでばい煙を非常に出す、そこの付近の人たちが公害をこうむるといったようなことを御例示なさったようでありますが、そういったような場合には、私は自動車を持っておる人間もこの原因者の一人である。ところが、そういったような非常に整備されていない道路といったようなものをやっておる国あるいは地方公共団体といったようなものも、これはやっぱり責任の所在者であろうと、いろいろそれは競合しておると私は思います。

中沢伊登子民主社会党

○中沢伊登子君 七号環状線というのは、相当私は道路はよくなっているのですけれども、そういうようなことでたくさんの自動車から出る排気ガスですね、すると、その自動車を持っておる一人一人に責任があるというふうなことを、そう何万人の人に言うわけにもいかないと思います。そうすると、原因がわからないとか、だれがしたかわからないということで、原因者がうやむやにされてしまうおそれがないでしょうか。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(坊秀男君) そういったような場合も、この公害の発生原因者、これに対する対策をどうしていくという二つあろうと思うのです。そこで、何万人の人が自動車を持っていて個々別々に走っておる、その一人一人が確かに公害を発生する原因者には違いありませんけれども、その人たちに対しまして、公害の発生者は原因者であるから、その対策を立てろということは、これは、あるいは自動車会社とか、あるいは自動車のメーカーといったようなものも考えられるんではないか。しかしながら、それは何もメーカーだけのものではない。自動車を現実に走らしておる会社だけのものでもない。いろいろ私は、競合したものでございますので、これに対する防止対策というものは、これはやはりそういったような事態に応じて考えていかなければならないと思います。

中沢伊登子民主社会党

○中沢伊登子君 それでは、時間がだんだんなくなりますから、先ほどおっしゃった六項目の中について、一つ一つ質問をしていきたいのですけれども、時間がありませんので、それでは、水質の汚濁をさせるその原因ですね、どういうものがございますか。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(坊秀男君) 私は、水質汚濁せしむる原因者というものは、個々にあげていきますれば非常にたくさんあろうと思いますが、大別いたしますと、やはりこれは一つは、汚水を一番大量に発生する工場と、それから、きたない話でございますが、人間の終末が、これがやはり今日は下水道、終末処理、し尿処理といったようなものが、十分に、完全に今日の事態では行なわれておりませんので、そういったようなものが大きな水質汚濁を生ぜしめる原因者であろうと思います。

中沢伊登子民主社会党

○中沢伊登子君 もう一つ忘れてならない問題は、外国の船が来て、それが海の沖のほうで油を捨てるとかなんとかで、そういうものでこの間ちょっと問題になっておったのがありますが、こういうのはどうなりますか。

大橋武夫自由民主党運輸大臣

○国務大臣(大橋武夫君) 船舶の油による海水の汚濁に関しましては、今国会に提出しております船舶の油による海水の汚濁の防止に関する法律案によりまして、船舶から油性の汚水を排出することを禁止いたしますとともに、船舶所有者に対して、排出防止装置の設置を義務づけることにいたしております。また、この結果、船舶所有者は港湾管理者または民間の設置する廃油処理施設を利用しなければならないようになりまして、その利用料金を負担することに相なります。  なお、この法律に関連いたしまして、船舶の油による海水の汚濁防止に関する条約案を提出いたしてございますが、この条約の内容は、一定のトン数以上の船舶が陸岸から五十海里以内におきまして油を捨てるということを禁止いたしておるわけでございまして、わが国もすみやかにこれを批准したい、こういう趣旨で、それに伴って必要な法律案を、ただいま申し上げましたように、提案いたしておるわけでございます。

中沢伊登子民主社会党

○中沢伊登子君 次に、騒音について伺いたいのですけれども、もともと、そこに工場があって、あとで住宅ができたけれども、さあやかましくてしようがないということで、騒音を出す工場が移転をしなければならない、こういうときに、もしそれが小さな工場とか中小企業の工場であれば、工場がつぶれるようなおそれも出てくるのではないでしょうか。

菅野和太郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(菅野和太郎君) 中小企業の場合に、公害やなんかで移転とかというような場合には、特別の融資資金を供給するような手はずをしております。

中沢伊登子民主社会党

○中沢伊登子君 次に、やっぱりその騒音でございますが、飛行機の爆音が非常にいま困った問題になっているわけです。万国博を四年後に控えて大阪国際空港、あそこには、おそらく今後、大型のジェット機がひんぱんに発着するようになるであろうかと思います。おそらく、ひょっとしたら五分に一台ぐらいが上がったりおりたりするようになるのではないかということが非常に心配されているわけですが、ちょうど都市のまん中にあるあの国際空港を、どういうような対策を講ずるか、その御意見を伺いたい。

大橋武夫自由民主党運輸大臣

○国務大臣(大橋武夫君) 大阪国際空港におきましては、航空機の騒音がすでにあの地方の大問題に相なっておるのでございます。政府といたしましては、これに対応いたしますため、従来から騒音調査を実施いたしてまいったのでございますが、昭和四十年十二月以来、閣議了解を得まして、大阪国際空港においては、深夜間のジェット機の離着陸を禁止するという措置をとっております。しかし、今後、大阪その他の国際空港において、ジェット機の離着陸がさらに増加するという見込みを立てなければならぬことは当然でございますので、騒音防止のための措置、特定飛行場周辺の整備等、航空機の騒音についての抜本的な対策を講ずる必要があると存じます。そこで、今国会に、公共用飛行場周辺における航空機騒音による障害の防止等に関する法律案、この法案を提出いたし御審議をお願いすることにいたしております。政府といたしましては、この法律が成立いたした暁におきましては、大阪国際空港についても、この法律に基づいて、航空機の離着陸の経路、時間などを指定いたしまして、できるだけ騒音の害を局限いたしまするよう、航空機の運航の規制を行ないたいと思っております。さらに、学校、病院等に対しまする防音工事を実施させ、その工事費用に対しては、政府から助成する措置を講じてまいりたい。また、学童の共同勉強所というような共同施設の設置につきましても、政府が費用を分担するような措置を講じたいと思うのでございます。さらに、騒音地帯における建物を所有者が移転したいというような場合には、移転補償等の救済措置を実施いたすつもりでございまして、こういう種類の措置がとれまするよう、ただいまの法案を提出いたしております。この法案の成立により、強力に騒音対策を推進いたしまして、大阪国際空港の付近の住民の方々の御迷惑をすみやかに除去いたしてまいりたいと、こう思っております。

中沢伊登子民主社会党

○中沢伊登子君 私は、今度あちらのほうで新幹線が通るのに、その新幹線に対して非常な反対がございます。その新幹線を通すのにも、やっぱりその新幹線の両脇にグリーンベルトをつくったらいいじゃないかということを私は言っておるわけですけれども、この飛行場につきましても、そういう学校とか病院とか、あるいは共同の勉強所とか、そういうようないろいろなところは、それ自身お金さえいただけば、何ですか、その音がしないようになるわけですけれども、一般の家庭が一番困っておるわけですね。どうしようもない。そこで、やっぱり新幹線のあれと同じように、飛行場のまわりに防音林をつくるとか、グリーンベルトをつくるというようなことが望ましいと思いますけれども、こういう御計画はございますか。

大橋武夫自由民主党運輸大臣

○国務大臣(大橋武夫君) 先ほどちょっとその点に触れましたのでございますが、滑走路の左右、前後等、特に騒音の著しい地帯がございまするので、その部分につきましては、飛行場外の敷地も、政府において、家屋敷を移転するという場合におきましては、買収その他補償の措置を講ずる、これも法案の内容に一応含まっております。

中沢伊登子民主社会党

○中沢伊登子君 飛行機の爆音にばかり触れているわけにはいきませんけれども、あのまわりの人たちは、もう飛行場には非常な憎しみを感じているわけです。それですから、早急に何とかほんとうに配慮をされたような対策を講じていただきたい、このように思います。そして、あの飛行場には、やはり周囲が全部住宅ですから、使うだけの限度があると思います。その限度も早く見きわめて、第二空港をつくるなり何なり、そういうことを考えられてしかるべきだと思いますけれども、第二空港をお考えになっていらっしゃいますか。

大橋武夫自由民主党運輸大臣

○国務大臣(大橋武夫君) 大阪国際空港につきましては、航空機の運航回数も漸次増加の見込みでございます。したがいまして、ただいま拡張工事をいたしておるわけでございますが、しかし、その拡張工事が終わりましても、現在の回数増加の傾向から考えまして、あまり遠くない将来に、現在の伊丹飛行場の飛行機を受け入れる能力自体が限度に達すると考えております。また、大型ジェット機の発着回数の増加に伴う騒音も、ああいう状況の場所でございまするから、無視することができません。これらの事情から、近畿地方の圏内に第二空港をつくる必要があることは、当局も十分に認識いたしております。そこで、四十二年度から調査費を要求いたしまして、これはただいま予算に要求いたしておりますが、これが成立いたしましたならば、本年度から直ちに第二空港に対する調査を開始いたしたいつもりでございます。

中沢伊登子民主社会党

○中沢伊登子君 最後にもう一つその問題伺いたいのですが、科学技術がずいぶん長足の進歩を遂げておりますけれども、音のしない飛行機というものは開発されないものでしょうか。

大橋武夫自由民主党運輸大臣

○国務大臣(大橋武夫君) 技術の発展は無限でございまして、われわれの想像を絶するものがございまするので、将来無音発動機というものも必ず実現する時期があり得るものと思います。

中沢伊登子民主社会党

○中沢伊登子君 それでは、もう一つ伺いたいのは、日照障害といいますか、それから電波障害、こういうものについては、どうお考えになっておりますか。

大橋武夫自由民主党運輸大臣

○国務大臣(大橋武夫君) 御質問の趣旨は、たぶん飛行機の航行あるいは発着に伴ういろいろな電波障害のことだと存じますが、伊丹飛行場の周辺におきまして、飛行機の発着によりまして、ラジオの聴取困難、あるいはまた、テレビの視聴不可能というような事態が発生いたしておることは、地元の皆さまから十分な説明を受けて承知いたしておりますが、現在の技術をもっていたしましては、これを取り除くということはなかなか困難でございまするので、せめてテレビ等の聴視料等において、免除その他の方法を講ずる余地はなかろうかと存じまして、ただいま郵政省にいろいろお願いをいたしておるところでございます。

中沢伊登子民主社会党

○中沢伊登子君 それで今度は、公害全般について質問をさしていただくわけですけれども、いまできている公害というものは、非常に手当てがおそ過ぎる。公害公害と言われてから相当な年月がたっているわけでありますけれども、その救済策を早急に立ててやっていただきたいと思うわけです。どうも政治が後手後手に回り過ぎているのではないか、こういうふうに思うのですけれども私のような新米でも国会に出させていただいてみて、非常に日本の政治は後手に回り過ぎている。この原因がどこにあるか私もよくわかりませんけれども、まず一つ私の目についたことは、大臣があまりかわり過ぎる、こういうところに一つ問題があるのじゃないかと思いますけれども、早急に救済対策を立てていただきたいと思いますが、いかがでしょう。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(坊秀男君) 公害防止につきましては、生じた公害を迅速に防止するということと、それから公害が生じない前に、でき得る限り事前に、生じないような措置をする、この二つが大事な問題だと思います。そういうことにつきまして、今度の御審議を願う公害基本法におきまして、いろいろと規定いたしておるので、その基本法に基づいて、またいろいろ具体的施策が行なわれる、こういうことになっておりますので、ただいま御要請のそういったようなことを充足していくのが公害基本法だと思います。  なお、あとの御質問は、これはお答えする限りではないと思います。

新谷寅三郎自由民主党

○委員長(新谷寅三郎君) 中沢さん、時間がありませんから。

中沢伊登子民主社会党

○中沢伊登子君 もう二つ三つだけさせてください。

新谷寅三郎自由民主党

○委員長(新谷寅三郎君) 簡単に願います。

中沢伊登子民主社会党

○中沢伊登子君 通産大臣にお伺いをしますが、基本法の第一条に「経済の健全な発展との調和を図りつつ、」というふうなことが書かれておるわけですけれども、私は、公害の問題は、そういう企業の発展と調和をはかるよりも、やっぱり人間の生活が第一に考えられなければならないと思いますが、どうもこの条項が気になりますが、いかがでございますか。

菅野和太郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(菅野和太郎君) 健康の問題につきましては、これはもちろん、これが優先的なものでありますが、生活環境をよくするという点において、この経済との調和ということを考えていかなければならない。まあ申すまでもないことでありますが、経済がよく健全に発達することによって、また同時にわれわれの生活もよくなるのでありますからして、したがいまして、やっぱり経済の健全なる発展ということを頭に入れて、この生活環境をよくするというようにやっていきたいと、こう存じておる次第でございます。

中沢伊登子民主社会党

○中沢伊登子君 しかし、こういうことが条文の第一条に書かれますと、せっかくの公害基本法が骨抜きになりそうな感じがするわけです。政治的にもずいぶんこれは利用されるおそれがあると思いますし、公害防止の姿勢がやっぱり一番第一だと思いますけれども、そういうことはございませんですか。

菅野和太郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(菅野和太郎君) その点について御心配になっておられるようでありますが、私たちの考えといたしましては、この公害ということと経済の発展ということとは密接な関係があるということをやっぱりはっきり認識させることが、企業者に対して公害に対する認識を高めるということになると思うのでございまして、こういう意味で、経済の調和ということを省いておりますると、企業者自身がこの公害というものに対する認識がないということになりまするから、したがいまして、公害を防止したり、あるいは公害を未然に防ぐということについては、これは企業者の責任だと思うので、また、企業者が熱意を持ってもらわなければならぬ、そういう意味において、そういう条項を入れたことが、かえって私は企業者の責任感を高めるという意味において意義が大いにあると、こう考えておる次第でございます。

新谷寅三郎自由民主党

○委員長(新谷寅三郎君) 中沢君に申し上げます。もう時間がありませんから。

中沢伊登子民主社会党

○中沢伊登子君 最後に一つだけお願いします。申しわけありません。  基本法の所管省はどこになるのですか。行政一本化が私ども願わしいと思いますけれども、庶務的な窓口は厚生省、それから通産省がその基本法には大きなウエートを占めておるわけですね。それから、この基本法は全部で十一省にまたがっているように伺っております。それで、この間出されました公害審議会の答申の中に、行政に関する基本的な方針を最終的に方向づけることのできる権限を有する何か省が一つあるほうがいいというふうな答申があるわけですね。この答申がありますので、関係各省の行政にわたる施策を最大限に発揮して対処するのでなければ、この問題は解決しないと思います。それで、もはや議論の段階ではなく、決断と実行があるときであると、この答申案にも書かれているのですが、それくらいのスピードと、それからそれくらいの決意をもって、この公害の問題に対処していただきたいと思いますけれども、ぜひそのような決意をひとつ伺わせていただいて、私の質問を終わらせていただきたいと思います。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(坊秀男君) 公害対策は、御承知のとおり、十数省にわたっております。そこで、この公害対策の基本方針は、総理大臣を会長とするところの公害対策会議でもって決定いたす。で、いまおっしゃられたように、その会議の庶務を厚生省がやります。なお、今度御審議を願う公害対策基本法案は、したがいまして、厚生省において主管して法案は作成いたしたと、こういうことでございます。

新谷寅三郎自由民主党

○委員長(新谷寅三郎君) 以上で、中沢君の質疑は終了いたしました。     —————————————

新谷寅三郎自由民主党

○委員長(新谷寅三郎君) 次に、春日正一君の質疑を行ないます。春日君。

春日正一日本共産党

○春日正一君 社会保障の問題、非常に深刻になっていますけれども、きょうは、とりわけ老人対策について質問したいと思います。  それで、最初に、政府の老人対策に対する基本理念というものを聞かしておいていただきたいと思います。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(坊秀男君) 最近、日本の人口構成から見まして、老人人口がますます増高の傾向にございます。しかも、今日の国情は、いろんな社会情勢あるいは法制にも関係があろうと思いますが、老人人口がふえていくというので、若い者と一緒に暮らすといったような従来の慣習と申しますか、そういったようなことが、だんだん少なくなってきております。さような関係から、この老人に対するいろんな、何と申しまするか、保障の問題でございますが、これは国にそのおもりがだんだんかかってきておる、さような意味におきまして、老人に対するいろんな保障、福祉生活といったようなものについては、国としてだんだんこれに対して施策を整備、充実していかなければならない、かように考えております。

春日正一日本共産党

○春日正一君 私は基本理念を聞きたいのです。ざっくばらんに言えば、老福法の第二条ですね、その点をはっきり聞かしておいてもらいたい、こういうことなんです。これが議論の前提になるんです。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(坊秀男君) 第二条は、ここでオウム返しのことを申しまして、たいへん失礼ですけれども、「多年にわたり社会の進展に寄与してきた者として敬愛され、かつ、健全で安らかな生活を保障されるものとする。」と、そういったような第二条に規定されておりまする老人の数がますますふえてまいっておる。それでこの老人に対しましては、健全で安らかな生活を国として保障してまいらなければならない。さような意味におきまして、私は老人に対する保障、老人の福祉といったようなものも、これをだんだんと国がそういったような政策にウエートを置いてまいらなければならない、かようにお答えを申し上げたのでございます。

春日正一日本共産党

○春日正一君 そういう立場から、政府は老人の実情をどのように現実に把握して、どういう施策をやっておいでになるか、大筋を説明してほしいと思います。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(坊秀男君) 国が老人に対してとっておりまする施策、国としての施策の概況を申し上げます。  最近における老人人口の増加傾向にかんがみ、政府としては、昭和三十四年国民年金法の制定により、国民皆年金制度を確立するとともに、昭和三十八年老人福祉法を制定して、施策の総合的推進につとめてきたところでございます。すなわち、昭和四十年六月より厚生年金制度による月一万円年金、昭和四十一年七月より国民年金制度によるいわゆる夫婦で月一万円年金等の改善をはかるとともに、一般福祉施策として、健康審査、老人家庭奉仕員、老人クラブの育成、老人ホームの増設等、逐次その充実をはかっているところでございますが、近年における老人の問題の重要性にかんがみ、今後一そうその対策の拡充に努力をいたします。  なお、昭和四十二年度における老人対策といたしましては、国の予算措置は、厚生年金、老齢福祉年金等、年金関係予算額で七百三十六億円でございまして、一般老人福祉対策関係予算で百億円を要求いたしておる次第でございます。

春日正一日本共産党

○春日正一君 つまり、老人の実情ですね。どのくらい数があって……。

新谷寅三郎自由民主党

○委員長(新谷寅三郎君) 春日君、質問してください。

春日正一日本共産党

○春日正一君 いや、ちょっと待ってください。私の聞いたことに答えてないで、よそのことを言われているので、私はそれが気になってしょうがないのですわ、時間が。だから、聞いたことを、それも隠しているわけじゃない、前にこういうことを聞くからと言ったんだから、そこを答えてくれなくちゃ、数がどのくらいあって、一体どういうふうな施策の状況になっておるか。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(坊秀男君) 老人の実態でございますね、現在の。これは関係局長から御説明させます。

今村譲厚生省社会局長

○政府委員(今村譲君) お答え申し上げます。  まず、老人の人口でありますが、老人と申しましても、年齢何歳とはっきりした区分はございませんが、六十五歳以上を老人とかりに仮定いたしますと、昭和四十一年度の総人口九千九百三十二万に対して六百四十一万八千、総人口の六・五%というふうな状況でございます。これが六十歳以上とかりに仮定いたしますと、九百七十五万、九・八%、まあ一割にはまだ足りませんけれども、そういうふうな計数でございます。  それから最近、先ほど大臣が仰せになりましたように、家族制度がだいぶ変わってまいりまして、核家族化というような格好で、老人世帯というふうなものが相当大きな勢いで伸びてきておりますが、三十五年の、これは高齢者世帯の増加状況というので、国民の全世帯数のうちで二・二%、約五十万世帯というものが、三十五年に、妻が六十歳、夫が六十五歳以上というものだけの世帯が、四十年度の同じ調査では、約八十万世帯ということで、大体五年間に六割というふうに伸びるような傾向でございます。  それから就業の問題につきましては、経済状態も相当関連する問題でありますけれども、六十五歳以上、昭和三十八年度の高齢者実態調査というところでは、五百六十八万人おりますけれども、就労者は百八十二万人、約三二%。六八%ほどは就労の状態にない、こういうふうな状況でございます。

春日正一日本共産党

○春日正一君 非常に説明不十分だけれども、先へ進みます。  いま六十五歳ということが対世の対象の限度になっている。これは国民年金あるいは厚生年金でも、そうなっている、六十五歳というふうにしたという根拠はどこにあるか、これをひとつ聞かしていただきたい。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(坊秀男君) 御承知のとおり、年金給付というのは、所得保障でございまして、六十五歳までは、これはまだ生理的身体健康的にも稼得能力、所得を得る能力が一般的に申しまして、例外もたくさんございますけれども、まだある。そこで六十五歳くらいからこの稼得能力というものが非常に減退をする。そこで、所得保障をしなければならない。こういうような考え方から六十五歳ということに線を引いたのだと思います。

春日正一日本共産党

○春日正一君 所得保障ということだけ言われたけれども、老人対策は所得保障だけですか。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(坊秀男君) もちろん所得保障だけではございませんが、所得保障が非常に大きな老人に対する対策になっておりますので、所得保障と申し上げた次第でございます。

春日正一日本共産党

○春日正一君 現在一般に、五十五歳前後で定年制ということでもって、やめなければならぬことになっておりますが、そういう実情から見れば、六十五歳を老人対策の対象にするということと、五十五歳で仕事をやめろということの間には、大きな矛盾があるはずです。この矛盾をどう解決されようとしているか、この点をお聞きしたいと思います。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(坊秀男君) 年金の中には、御承知のとおり、国民年金と厚生年金とこれがございまするが、大体国民年金というものは、農村を中心とした年金でございまして、そうして厚生年金は、御案内のとおり、これは被用者の年金でございます。被用者の年金は、まあ大体において五十五歳というのが定年として行なわれておるということは、私も、全部が全部ではありませんけれども、もちろん承知いたしております。その五十五で被用者が、その勤務先から離れるということに相なりまするけれども、国民年金よりは、ここにも一つのアンバランスが私はあろうと思いますけれども、早く年金の給付が行なわれるというようなことになっていく——五十五歳でもって一応職を離れても、まだ、しかし、その人が全然勤労能力がないというものではございませんので、大体、その給付の始まるというのが若干それよりもおくれておる、これが私はいろいろな関係だろうと思います。あるいは財政の関係もありましょうし、むろんその低いほうが、確かにそこでバトンタッチがすぐ即座に行なわれるということが、私は理想だと思いますけれども、それはいろいろな観点からいたしまして現行の制度になっておるのだ、かように理解をいたしております。

春日正一日本共産党

○春日正一君 自治大臣にお伺いしますが、地方自治体でも現在は定年制がないことにはなっているが、実際上退職勧奨の形でやめさせるということをやっておいでになる。この定年制で、定年がきたら、やめさせるという最大の理由になるものはどういう理由ですか。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(藤枝泉介君) 新陳代謝を促進して、公務の能率をあげるということが最大のねらいであろうと考えます。

春日正一日本共産党

○春日正一君 そうすると、結局、定年退職の最大の理由は老齢化してきた、古くなってきたから、新しいものと変えろ、こういうことでしょう、どうですか。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(藤枝泉介君) 定年制のねらいは、おっしゃられるように新陳代謝、そして公務の能率をあげるということだと存じます。

春日正一日本共産党

○春日正一君 そうすると、すでに定年が問題になったときには老齢化という現象が現われておる。しかも、定年退職後に、賃金、労働条件というものは非常に下がる。そして思うところへ就職できないというような人たちさえたくさんあるわけですね。その点で、職安局長来ておられると思いますけれども、定年退職者の就職状況、労働条件、そういうものについて調べがあるなら説明してほしいと思います。

有馬元治労働省職業安定局長

○政府委員(有馬元治君) 定年退職後の再就職の問題ですが、退職者の八割は退職後何らかの形で再就職をいたしております。その八割のうち、九割は雇用労働者として再就職をいたしております。収入の状況は、前職と比べまして約七五%。二五%程度下がっております。

春日正一日本共産党

○春日正一君 結局老人福祉法で言うように、長年社会のために尽くして働いてきた、年とって働けなくなったら、七五%で暮していけ、将来もっと下がってくることになるということは、この精神に反するのじゃないですか。当然この立場から言えば、年金その他の方法で、定年退職者の生活というものを援護していくということが、やられなければならぬはずだし、それがやられてないからこそ、労働組合は定年制に反対しておるし、あるいは定年制をもっと延ばしてくれというように言っておるのだけれども、この辺具体的に、一体この定年の問題がいまのままでいいのか、あるいは年金その他で埋めていくようにするのか、どっちに解決されるのか、そういう気持ちがあるのかどうか、この点をお聞きしたいと思います。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(坊秀男君) 厚生省の社会保障、老人福祉といったような観点に立っていきますれば、日本の国民の年齢が非常に高くなってくる傾向にある。しかも、その年齢が高くなってくるということは、年をとってもその人間が健在で、いままでよりはだんだん健在化してきておる、健全化してきておるといったような事実をつかまえてまいりまするならば、私は、だんだんと勤労でき得る年齢というものを、これは老人福祉というような立場から考えますならば、そういうふうに持っていくのが自然の道だと考えております。

春日正一日本共産党

○春日正一君 まあ考え方はそうということより、現実に定年制というものがどんどんやられておるし、厚生省自体、退職勧奨やってんですよ。あなたの部下をやめさしているわけだ。長年つとめてくれたからありがたかったと、だから四分の一生活引き下げて暮らしてくださいということを、厚生大臣として言えた義理ですか。そういうことを考えれば、当然、さしあたってですね、年金その他の方法で埋めてやるというぐらいのことはすべきなものだ。社会主義国なんかの例で言えば、六十から六十五歳、大体定年に当たる年齢で掛け金なしの老齢年金を出している。それでも働く人たちは、働いた分もそれに加算されていくような、つまり労働能力が劣っても、社会のために尽くしてきたという意味で、生活下げさせないようなそういう保障ができておる。よく自由民主主義のほうが社会主義よりいいと、あなた方は言われるんだから、よかったら、このくらいのことはおやりになってほしいと思う。どうですか。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(坊秀男君) 老人の福祉政策というものはですね、これは所得保障と、年金をもらうと、これが非常に一番大きな福祉だと思いますけれども、だんだん年齢が伸びていく、つまり年をとっても健康が続く、人間のスタミナが続いていくというようなときにあたりましては、やはりそういったような能力というものを活用さしていく。ただ、年金をもらって——その年金だって、私は十分のものだと思っておりません。その年金をもらって、それの上に座して暮らしていくということも、これは福祉生活の一つのいき方でございましょうけれども、何らかの意味におきまして、老人、いわゆる何年か前に老人であった。しかしいまは、いまのこの時代では老人ではないといったような事態になってきておりますれば、そういったような年齢にある人たちを、何かの適当なるその人の能力、その人の適性といったようなものとにらみ合わして、そうして働いてもらう、働いていくということも、これはそもそも、福祉生活の一つの形ではなかろうかと私も考えております。そういうふうに私は考えております。

春日正一日本共産党

○春日正一君 私の質問はそこじゃないんですよ。働いたら収入が下がる、下がる分をどうするかということを聞いてるんです。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(坊秀男君) 年金は、これは所得が、勤労者がやめるとか、あるいは自営業者が年をとったといったような場合に、その人たちに対する所得保障という目的でもってつくられたのがこの年金の制度でございます。そういったような老人に対しまして、どういうふうにこれを働かしていこうかといったようなことにつきましては、どうも厚生省といたしましては、これはひとつ別個の政策で——私は決して逃げるわけじゃこざいませんけれども、とにかく、年金制度というものは、そういったような人たちに対する所得を保障するものである。で、いまの年金は、非常にその目的を達成するだけの金額はないじゃないか、いろいろなそういう問題は、これは大いにありまして、整備充実していかなければならぬと私は考えまするけれども、そういったような、いわゆる老人にして老人にあらざる方々を、どういうふうに扱っていくかということについては、これは別途の政策でもって考えていかなければならない、かように考えます。

春日正一日本共産党

○春日正一君 結局いろいろお聞きしても、年をとったら生活水準を落としてみじめに幕らしていけ、働けなくなったら、それから先はそれから先だというようなお考え、これは厚生大臣だけじゃなくて、政府全体の考え方の中に、そういう老人が福祉法に規定されているような、社会のために尽くしてきた人に対して報いる、子が親を見るというような、そういう基本的な立場が出てない。これは老人福祉法の理念にも反するものだというふうにも思いますけれども、どうですか、そこのところは。さっき読んでいただいた第二条の理念に反するのじゃないですか。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(坊秀男君) いや、ただいまは、先ほどのその条文の趣旨に沿うべく、あるいは福祉対策あるいは年金対策といったようなものの充実をはかってまいっておる。先ほど朗読をいたしましたような諸般の角度から、諸般の施策の充実強化をはかってまいっておるというのでございます。

春日正一日本共産党

○春日正一君 老人福祉の問題ですけれども、老人福祉法によると、無料健康診断ということがやられているわけですね。この場合、胃腸のレントゲン検査、肝臓、じん臓の検査、眼底検査ですね、それから血液理学的検査というような、まあ老人病に一番関係の深いものが除外されておって、医者も老人も非常に困っているのだけれども、これはどういう理由でこれを除外したわけですか。

今村譲厚生省社会局長

○政府委員(今村譲君) お答え申し上げます。  老人の一般健康診査につきましては、大体六十五歳以上、六百六十万人のうちの、たとえば四十二年度の予算におきましては三分の二ぐらいがやるということになっておりますが、その中で、普通の健康診断、それからそのうちで何か病状がおかしいというふうなものにつきましては、精密診査というふうなものをやりますが、精密診査につきましても、できるだけその範囲を拡大したいということでございますけれども、現在やっております尿の検査とか、ある程度の、数項目がございますけれども、それを今後とも逐次広げていきたいということではありますが、現在の段階におきましては、いまおっしゃいましたような、完全な、あらゆる徹底したものというところまでにはいっておりませんけれども、しかし、大体一般診査と精密診査の過程におきまして、どういう症状があるということがわかりますならば、それで普通の国民皆保険という、健康保険あるいは国民健康保険というふうな段階における入院というふうなことになろうか、こういうふうに考えております。

春日正一日本共産党

○春日正一君 私はどういうわけでさっき私のあげた四項目を除いておるのか、これを聞いておるのですよ。

今村譲厚生省社会局長

○政府委員(今村譲君) いま申し上げましたように、一般診査と精密診査でやっております範囲で、大体一般的な老人の疾病というふうなものについての判断ができるだろうというふうな判定でございまして、それも予算との問題もございますけれども、いまやっております範囲で大体診断がつく、あとは医療の問題にかかるのではないか、こういうふうな判定でやっております。

春日正一日本共産党

○春日正一君 現実に、胃のレントゲン検査をやって、数カ月の後、胃ガンで死んだという実例があるのですよ。だから、予算その他と言うけれども、精密検査を要する者に対して、特に老人にとって血圧関係とか、そういうものは必要なんだから、これはやらせる、その方向で努力をするというようなことをここで言えないですか。

今村譲厚生省社会局長

○政府委員(今村譲君) お答え申し上げます。  いま精密検査で申し上げました項目を詳細に申し上げますと、尿中のたん白の検査、それから尿中の糖の検査、それから、いわゆる糞便の中における虫卵の検査、血清反応検査、赤血球沈降速度、色素検査、血球計算、胸部のレントゲン単純撮影、心電図というふうな状況になっておりまして、大体そこまで、一般診査のほかにそこまでやりますならば、いまお話しのありましたように、胃のぐあいが悪い、それが、実はガンであった、この辺の診断というのは、非常に技術的にはむずかしい問題でありまして、一般診察とここまでの精密診察をやりますならば、そこで大体の症状は発見される。したがって、それ以降は医療の問題ではないか、こういうふうに考えておるということを申し上げるわけです。

春日正一日本共産党

○春日正一君 その異常なものが出てきた場合、その診断ができないようにとめておく、せきを設けておくということは不合理なんじゃないか。だれでもかれでもそれをやれと言うわけではないけれども、医者として必要と認めたということになったら、それをやっちゃいかぬということになれば、みすみす老人の病気の発見を、機会を逸するようなことをしてしまうのではないか。それなのに、なぜこれだけはやっちゃいかぬと、せきをとめておくのか、そこを問いておるのですよ。

今村譲厚生省社会局長

○政府委員(今村譲君) それをやってはならぬと言っているわけではございません。いまのような、一般と精密との段階で大体老人の、これは治療行為ではございません。お医者さんが診断をいたしまして、これはこれ以上の問題は入院だ、あるいは外来においての医療行為のほうに移れというふうに、一人一人についていろいろの指示をいたしております。したがって、単に見て簡単に済ましてしまうということではございません。できるかぎり、お医者さんの良心に基づいて本人に注意もし、あるいは医療費が足らないということになれば、国保なり健保なり、そのほかの何らかの方法なり、いろいろな相談にも応ずるということになっておりますので、非常にむずかしい問題になりますならば、やはり医療の場面に移行するということで、間違いのないように指導しておる、こういうふうな状況でございます。

春日正一日本共産党

○春日正一君 どうも説明にならぬですね。しかし、こだわっているわけにはいかぬから、必要な診断はやはり無料でやる。当然やるべきだと思います。  それから、その次の問題ですけれども、健康診査は無料でやるけれども、治療は本人の責任でやれということになっているんですね。だから受けるほうでも、せっかく病気を見つけてもらっても、どうしようもない。あるいは病気だと言われるのがこわいということが、かえって無料の診査を受ける人を少なくするというような状況になっているのじゃないかと思います。この点で医者も患者も、私この間も行って聞いてきたけれども、一番困っているわけです。診察だけはやったけれども、病気のめんどうは見てやらぬ。金出して自分でやれ、こういう無責任なことを、なぜ政府はおやりになるのか、そこの辺も説明してほしいと思います。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(坊秀男君) 老人の治療費でございますが、御承知のとおり皆保険でございますので、健康保険か、あるいは国民保険か、どちらかでもってこれは治療はしておりますけれども、御承知のとおり、これには自己負担というものがございます。で、一定の老人に対しましてこの自己負担分をどういうふうにするか、あるいは全額負担にするか、あるいは公費負担にするかと、いろいろな問題があろうと思います。それから、その全部をどうするか、一部をどうするか、いろいろな問題があろうと思いますけれども、そういったような問題も含めまして、例の社会保険の、近くこれを検討して実施しようと考えておりまする抜本対策の中に取り入れまして、この扱いをどういうふうにしていこうか、こういうふうに検討をしてまいっているわけであります。

春日正一日本共産党

○春日正一君 いま、健保がある、国保があるといっても、自己負担というのは相当なものです。だから、年寄りにとってみれば、その自己負担をかけるということが家族に対して気がひける。だからまあ医者にかからんでというふうな場合が非常に多いのです。だから、年寄りを特に福祉としてめんどう見るということになれば、これは貧困対策じゃないわけですから、当然そういう負担について国としてめんどう見るべきものなんです。そう思いますよ。それから医療法というような問題にしても、実際は極度に制限されておって、なかなかとれないといったような関係もあるわけです。そうすると、結局貧困対策でなくして、老人福祉法の精神でやっていくということになれば、当然医療費というものは年寄りに対しては全額無料だ、そうして少なくとも、さしあたって健保や国保の自己負担分、その他の負担分に対しては、政府が補給するというような処置を至急とるべきだと思うのですけれども、この点もう一回はっきりさせてくれませんか。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(坊秀男君) そこらの扱いが、この保険制度の根本に触れる問題である。そこで、そういったことをも含めまして、今度の抜本改正でもって検討をしてまいりたい、かように考えております。

春日正一日本共産党

○春日正一君 高齢者の生活保障ということ、これが一番問題とされておりますけれども、実情がどうなっているか。国民年金、厚生年金の老齢年金、それから老齢福祉年金の支給の実績ですね。つまり昨年度どれだけ支給して、平均して一人当たり幾らぐらい支給しているのか。この点をひとつ説明してほしいと思います。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(坊秀男君) 国民年金と厚生年金の老齢年金について、昨年度四十一年度どうだったか、こういう御質問かと思います。  昭和四十一年度末における国民年金の老齢福祉年金の実績は、受給者数におきまして二百五十七万八千人、年金総額は三百七十八億円でございます。  次に厚生年金につきましては、老齢年金の受納者数におきまして二十四万九千人、年金総額は二百三十二億一千万円であります。  通算老齢年金の受給者数は一万七千人で、年金総額は六億一千万円でございます。

春日正一日本共産党

○春日正一君 一人当たり幾らですか。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(坊秀男君) 関係局長からお答えいたします。

伊部英男厚生省年金局長

○政府委員(伊部英男君) 老齢福祉年金は、一件当たり一万八千円、月額千五百円の定額でございます。厚生年金の老齢年金は、平均一件当たり九万三千円であり、通算老齢年金は、平均一件当たり三万六千円でございます。

春日正一日本共産党

○春日正一君 この金額ですね、千五百円、それから厚生年金のほうが七千七百五十円と、三千円と、私の計算では大体そのくらいになっておる、月に。これで年寄りがだれに気がねもなく楽しく余生が送れるということが言えますか。どうですか。これで十分だと思いますか。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(坊秀男君) この年金の金額でですね。老後をこれだけでもって生活をしていけるものだとは私も考えておりません。ただしかし、生活の一つのよりどころと申しますか、踏み台と、さような意味でございまして、これでもって十分だなどとは考えておりません。

春日正一日本共産党

○春日正一君 厚生年金と国民年金の帳じりがどうなっておるか、これを説明していただきたいと思います。つまり、積み立て金がどれだけあって、どれだけ出してというその帳じりですね。

伊部英男厚生省年金局長

○政府委員(伊部英男君) 四十一年度末厚生年金の積み立て金一兆八千五百五十億円、国民年金は二千五百億円の見込みでございます。

春日正一日本共産党

○春日正一君 いや、ちょっと。その帳じりだね。出すほうがそれで幾ら出しているのか。帳じりなんだから、積み立て金が幾らあって、幾ら入って幾ら出してというその出してが出なければ困るので、そこまで私聞いているわけなんです。これ委員長、説明さしてくださいよ。

伊部英男厚生省年金局長

○政府委員(伊部英男君) 帳じりという意味でございますけれども、財政収支でございますれば、厚生年金の四十一年度の収入四千七百十八億円、これに対する支出は五百四十四億円が保険給付金でございます。  そこで、その他諸支出金でございますが、相当分が積み立て金に回っているわけでございますが、御案内のとおり、厚生年金の制度全体としていまだ支給成熟期に達しておりませんので、当分の間、積み立て金が増加する見込みでございます。しかしながら、年金受給者の数は急増してまいる見込みでございます。

春日正一日本共産党

○春日正一君 国民年金のほうはどうですか。

伊部英男厚生省年金局長

○政府委員(伊部英男君) 同様な数字は、四十一年度におきまして六百二十九億円の歳入でございます。これに対する支出は二十五億八千四百万円でございます。

春日正一日本共産党

○春日正一君 それで国民年金基金の中からですね、老人福祉施設への投融資は、本年度どれだけ予定されておりますか。

伊部英男厚生省年金局長

○政府委員(伊部英男君) 積み立て金は資金運用部に預託されまして、そのうち二五%が直接国民生活の厚生福祉面に回されておるわけでございますが、四十二年度におきまして国民年金総額、その額は二百二億円でございます。で、うち特別地方債として百六十三億円、このうち厚生福祉施設が九十九億円でございます。このうちどの程度が老人設備になるかということは、今後の申請の状況等により、おのずからきまっていく、こういう性質のものでございます。

春日正一日本共産党

○春日正一君 いまの説明聞いてみて、まあもう一度繰り返して言えば、四十二年度の厚生年金で見ても、三千八百五十五億円ですか保険料収入、それから預託金の利子収入千二百九十七億円、保険給付費六百五十七億円ということになるとですね、利息の半分だけ払っていると、これが実情でしょう。しかも厚生年金というものは、御承知のように、戦争前からできている年金です。そうすると結局自分の積み立て金で老後に備えろと、その利息で何とかまかなっていけということになれば、これは民間の保険事業と同じことですよ。年金という名に値するものではないと思います。しかもこの積み立て金が主として大きな資本の利益のためになるようなふうに運用されて、その利息の一部分が支払われておるという現状ですよ。これでは福祉法の基本理念に照らしてみても全くこれは沿わないものだと思います。そんなら自分で金をかけて生命保険なり何なり、養老保険なりかかったって同じことだということになってしまう。そういう意味で、基本理念に照らして国と大資本家、これらの人の働きの上に、自分の資産を形成している大資本家の負担ということをたてまえにして最低生活を保障する総合的な掛け金なしの年金制度、これをつくるべきだと、そしてさしあたり現在でもこういう帳じりの現状ですから、年金の積み立て金の管理、運営というものを民主化して、給付金をもっと大幅に引き上げる、あるいは被保険者の福祉、住宅、医療、養老施設の拡充整備、こういうところにもつとこの基金を使うべきだと思うのですけれども、その点、厚生大臣どうですか。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(坊秀男君) 御案内のとおり、国民年金はまだ非常に発足日なお浅く、それで非常にまだ成熟していないというような状態で、掛け金のほうは掛けてまいりますけれども、まだ成熟しておりませんので支払いのほうへ……。厚生年金も大体やはりそういう傾向にありまするので、そこで支払いが、年金財政から申しますれば収入が多くて支払いが少ないという、こういうかっこうになっておりますけれども、しかし、でき得る限りこれは国民の福祉に還元をしようと、こういうふうな制度をとりまして、そういった方面に流すようにつとめておるというわけであります。

春日正一日本共産党

○春日正一君 まだできていない、できていないと先の話ですけれども、現在もうこれがなければどうにもならぬという人がたくさんおるわけでしょう。そして首相、厚生大臣にあてての嘆願書を残して浅草のアパートで自殺した老人がある。これは大臣御存じだと思います。そういう実情に照らしてみて、一体将来のことだからいいんだと、それまで十五年、二十年待てということで責任が済みますか。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(坊秀男君) 年金制度をつくったときは、これは原則として掛け金でもってやっていこうと、こういうことでつくったものでございまするから、そこでいまのところは、これはそういったような悲惨な事態というようなことも私は無視する、軽視すると、そういうわけでは全然ございませんけれども、年金制度といたしましては、ただいま年金制度という仕組みはこういうことに相なっておりますので、いまの悲惨なる事態といったようなことにつきましては、これは年金制度でもってストレートにこれを、成熟すればもちろんこれは年金制度が——年金制度の作用によりまして、相当そういったような事態が救われるということに相なりましょうけれども、いまの年金制度でもってこれを完全に救済しようということは、そもそもの年金制度のスタート、始まりというものが掛け金でやっていこうと、こういうことでございますので、そういうような事態というものは、これはまた別途の政策でもってこれは慎重に考えなければならない問題であると、さようなことがあってはならないというふうに考えます。

春日正一日本共産党

○春日正一君 結局年金制度に値しないものだ、年金というものはただくれるものなんだ。掛け金かけてそれをもらうのは保険だ、これははっきりさしておく必要があると思います、国民を欺くことになるから。  ところで、そういう状態ですから、結局生活保護にたよらなければならぬようになる。 ところが、その生活保護の基準が最低生活をささえるにも足りないという非常に不十分なものですよ。四十二年度の保護基準幾らか上げたといっても、飲食費が六十歳以上の男子で一日百三十二円、一食四十四円弱。女の場合には百十円一食三十六円弱ですね。これで年寄りが栄養とって生きていけるかどうか。もし生きていけるというならですね、その献立表、こういうものを食っていりゃ生きていけるということを示してほしいと思います。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(坊秀男君) 生活保護基準につきましては、これはまあ毎年毎年非常にこれをふやしていきまして、そうして日本人の生活、生活の中にもたくさん階級がございますが、御承知のとおり、第一十分位と最も接近いたしました生活保護階層、最も接近いたしておりまするその階級との格差を縮めていく、できるだけ縮めていく、こういうことで努力をしてまいっておりますが、そこで本年も補助基準を一三・五%上げたというようなわけでございますが、そこらの積み上げにつきましては、これは事務当局から御説明をいたさせます。

今村譲厚生省社会局長

○政府委員(今村譲君) お答え申し上げます。  生活保護の基準の問題でありますが、先ほど大臣からお話ありましたように、国民の一般の生活水準、これは総理府統計局でやっておりますいわゆるFIESというものを根拠として考えておりますが、それとの格差をできるだけ縮める、それは平均でありますが、それと同時に第一十分位、まあ一億人としますと、下から一千万人の階層であります。そのいわゆる低所得の階層の生活水準というものをじかに身近に感じますので、国民平均の数値よりも第一十分位階層というものの実生活の状況というものと保護の水準というものをどういうふうに考え、どういうふうに近づけるかというふうなことが私どもの努力の目標になっておりまして、三十六年以来一六%、一八%、年々十数%の基準を上げてまいりまして、たとえば第一十分位の四十一年度の四月——十月計算を見ますと、第一十分位の飲食物費だけをとってみましても、生活保護世帯としましては大体九七%前後、同じ被保護世帯と第一十分位の全国都市の勤労世帯でありますけれども、世帯の水準としてはその辺まで近づいてきておるというふうに、言えるかと思います。この問題につきましては、食費の上がりぐあいとそれに対する保護水準の格差を縮めるということにつきましては、今後とも努力をしていかなけりゃならぬというふうに思っております。

春日正一日本共産党

○春日正一君 その説明は説明として、私の聞いているのは、六十歳以上の年寄が、一日百三十二円あるいは百十円という金額で食べていけるのかどうか。必ずいけるとあなた方は断言できるのか、そこを聞いておるのですね。

今村譲厚生省社会局長

○政府委員(今村譲君) これはさっき申し上げましたように、第一十分位階層のいわゆる生活実態というものを比べてみますと、飲食物費においてはほとんどそれに近づいた九七・三%という数字が出ております。その食生活の内容におきましては、十分位階層がそういう現実の生活をなすっていらっしゃる、それとほとんど差がないような状況にまで保護水準が上げられて、飲食物費に関する限りは一生懸命努力してまいったということはひとつお認め願いたいと思います。問題はそのうちで、たとえばどんなものを食っているかということを実は私どもも詳細に調べたいんでありますが、被保護階層のただでさえ、まあ未亡人世帯とか、あるいは病人の世帯とか、老齢の世帯とかいうところにきょう何グラムの何を食ったというふうなこまかい調査をいたしますということは、いろいろ感情的にも問題がありますし、やはり第一十分位階層とのバランスでなるべく格差を縮めるという方向に努力いたしまして、その飲食物の内容につきましては、それはたとえば献立にこんなものが食えるんだというふうな指導まで、指導といいますか、いたそうということはいろいろ被保護者の生活の感情から見ましてもよろしくないんではないか、総体としての生活費を差し上げてその中でそれぞれの生活のくふうをなさるというのが妥当ではないか、こういうふうに考えております。

春日正一日本共産党

○春日正一君 食費が幾ら何が幾らとちゃんと基準がきまっているわけでしょう、それを聞いているのです。だからあなたの説明を聞いていると、この金額が正当だという説明ではなくて、まだこれに、保護者に近いようなボーダーライン、当然保護しなければならぬ人がたくさんおるのに政府はほうってあるんだということを告白しているにすぎないと思う。それで実際に言えば三食食べたことがない、おなかがすくので三時ごろになるとお茶ばかり飲んでいる、こういうおばあさんもおります。それから、どうしても足りないからしようがないからおばあさんたちがおむつ工場へ行って働いておる、ところが、そういうものが見つかると非常に厳格な収入認定をして支給額から取ってしまう。どうしてもこの金額でやれるんだ、これ以上必要ないんだという態度をあなたがたとっておいでになるのだけれども、それが実情に合うのか、実際は押し殺してしまう結果になるのじゃないか、老人保護どころじゃないじゃないですか、ここどうですか。どうしますか。

今村譲厚生省社会局長

○政府委員(今村譲君) お答え申し上げます。  おっしゃるように、生活保護で急場を救いながら、まあ何と言いますか、自立更生、老齢者の場合には自立更生なかなかむずかしいのでありますけれども、そういうふうな意味も含めまして、たとえば高齢者の被保護者の人方が工場に働く、あるいは何らかの賃仕事をなさるというふうな場合に、ほんとうを言えば現在の、これはイギリスでもアメリカでもどこでもそうでありますけれども、働いた収入は収入として認定するということでありますが、それでは励みがつかない、したがって、働いたうちで何千円かは手元へ残って、それはその部分だけは保護基準よりもプラスアルファの生活ができるというふうな勤労控除とかいろんな控除制度を設けております。それにつきましては、仕事の種類によって三千円あるいは五千円、最高六千円近くというふうなものがそれは別に手元へ残るというふうな制度を持っておりまして、この運用につきましては、これも保護基準を上げると同じように重要な問題でありますので、これは今後とも政府としましていろいろ研究をし、働けば若干でも生活がよくなるというかっこうの部面を広げていかなければならない、こういうふうに存じておる次第でございます。

春日正一日本共産党

○春日正一君 で、まあ非常にこんな不十分な生活保護でさえ受給条件が非常にきびしくてなかなか受けられないだけでなくて、政府が積極的に打ち切り、はずしていくということをやっているのですね。ここにこういうのがありますよ、これは厚生大臣のところから出たと思うのですけれども、あなたは六十二歳で何もしないでぶらぶら生活保護を受けているが、ときどき娘のところに行って相当期間家をあけることがある、本人に養老院入りをすすめるが承知しない、子供が引き取れない理由をはっきり返事願います。これが役所からその六十二歳の老人の家族にあてての手紙です。こういうことで家族におっつける、そうして打ち切ってしまうということをやっておいでになる。こういうことをおやめになったらどうですか。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(坊秀男君) 生活保護は、これはもうできるだけ——できるだけといいましても限度がございますけれども、生活のできる程度というものをできるだけ引き上げていくということは鋭意やってきたわけでございますけれども、何しろこれもとにかく生活保護を国が見ていくということは、一定の限度まではこれはもう絶対に憲法で保障されておりますから、そこまでやっていかなければならないということでございますが、その人に若干の収入が、別途の収入があるといったようなことも、これは収入があるからその全部差し引いていくということではこれはあとに残るものが何もない、そういう自立更生のためにやっていかなければならぬ資金といったようなものも残していかなければならぬ、そこで、片一方におきましては保護基準というものを上げていくとともに、先ほど局長が申しましたとおり、この基礎控除だとか、諸般の控除といったようなものもこれは鋭意上げていかなければならない、かように私は考えます。

新谷寅三郎自由民主党

○委員長(新谷寅三郎君) 春日君、時間がなくなりましたから簡単に願います。

春日正一日本共産党

○春日正一君 それで、生活保護の問題でも、実際あなた方はこれで生きていけるということを前提にして、やっていけるのだ、やっていけるのだという立場で説明していますけれども、私幾らでも資料を持ってこいと言えば持ってくることができるし、これまた証人を連れてこいと言えば東京から百人でも二百人でもここに連れてくることができますよ、みんなが困っている、だから少なくとも保護基準を、まあ最低生きていける、健康を保って生きていけるというところまで引き上げるべきだ、そういうふうに思います。特に老人の問題についていえばこういうことでしょう。最初に厚生大臣言われたように、社会的な事情、家族制度の変化、いろいろな問題で、やはり老人がこの子供に見てもらうというような条件が非常に少なくなって困難になっている、だから、結局社会的にいえば、日本じゅうの子供が日本じゅうの親のめんどうを見なきゃあならぬ、そういうふうに世の中がなってきているんだというふうに考えれば、これだけ生産力が発展した日本で、子供が親のめんどうを、こういったような悲惨な状態に置かなければならぬなんという道理はないですよ。私は社会主義国を方々歩いて見てきた、養老院に行って、これは設備のいいところも悪いところもあるけれども、みんなほがらかですよ、わしは四十年間繊維工場で働いて国家のために尽くしてきたというような誇りを持って年寄りは養老院に入っていなさる。ところが、この間私は板橋に行って見てきた、設備はあそこは新しいものもありますけれども、やはり年寄りが希望を失って非常に気の毒な感じのする、そういう状態になっておる、そういう状態に置いていいのか、養老問題の根本というのはここですよ。そこを考えたら、やはり国がもっと予算をうんと出して、そうして年寄りが少なくとも老後を楽しむ、ぜいたくでないまでも国に尽くして年をとったのだ、みんなからめんどうを見てもらっているし尊敬されているんだという状態をすぐつくる必要がある、そのためにこそ予算は大幅に出さなければならぬ、その点で大蔵大臣どうですか、予算を出してもらえますか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 前にも申しましたように、日本のこういう年金制度の発足は日が浅い、したがって、この社会保険の蓄積というようなものは日本にない、今後これをどう充実させていくかということは、保険制度をもって社会保障をやっていこうという以上は、国民が掛け金の負担をできる余裕を国民が持つということがやはり前提でございまして、いま外国では社会保障の発達している国は担税と社会保険の掛け金を、この負担が四〇%をみんなこしているというときに、わが国はまだ二二、三%の負担力しかいまないということでございますので、この社会保障を充実していくためには、やはり国民の所得水準というものを上げる政治が伴っていかなければならぬ。これに伴わせながら、徐々に国民の負担も上げると同時に、給付内容も充実する、こうするよりほかしかたないのじゃないかと私は考えております。ほんとうは新憲法ができたときに、日本のいままでの老人は家族制度の中で老後の安全を保障されておった、この制度がつぶれたときに、すでに私は老人対策をやるし、こういう年金制度というものを出発しておったら、いまごろもう相当の保険給付を得られるところまで来たと思いますが、まだ拠出制の国民年金が十年に満たないために、そのほうの給付は受けておる老人が日本に一人もないということでございますので、臨時的に無拠出の老齢福祉年金をもって、いまようやくその間をつないでおるということでございます。私は、国がどんどん財政も出しますかわりに、国民がやはり所得が上がって、この保険の負担ができるようになっていくことに、その過程でそれが充実されていくということでございますので、いまの段階で、ただ国費、予算を盛れば、それで全部の給付の要望にたえるというふうなものではございません。問題は所得をどう増すかということだろうと思います。

新谷寅三郎自由民主党

○委員長(新谷寅三郎君) 以上で春日君の質疑は終了いたしました。     —————————————

新谷寅三郎自由民主党

○委員長(新谷寅三郎君) 次に、山高しげり君の質疑を行ないます。山高しげり君。

山高しげり第二院クラブ

○山高しげり君 最初に自治大臣にお伺いをしたいと思います。  先般の統一地方選挙におきまして、町村長あるいは町村議員の選挙に無投票のところが相当多かったように承っておりますが、その概況、それからその主たる原因について大臣がどんなふうにお考えでございますか、まずそれを承りたいと思います。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(藤枝泉介君) 無競争当選人、統一選挙でございますが、知事はございません。前回は四人ございました。都道府県の議会の議員でございます、二百二十四人で、前回は二百五十一人でございます。市長は二十一人、前回は三十六人。市議会の議員は四十二人、前回は八十五人。町村長は三百七十人、前回は四百五十四人。町村の議会の議員は六百十四人、前回千四百二十二人。このように前回に比べては減っておりますが、なおこれらがこのような数字になっております。原因と申しましても、なかなか探求しにくいのでございまして、これはちょっとお答えしかねるわけでございます。

山高しげり第二院クラブ

○山高しげり君 原因がちょっとむずかしいとおっしゃるのでございますが、私どもしろうとでございますけれども、地方に部落推選と申しますか、地区推選制と申しましょうか、そういった古いならわしのようなものが存在をしているようでございます。そしてその方法は、穏やかに地元で話し合うといったような表現で言いあらわされていることが多いようでございますけれど、そうしてそういうならわしの根がなかなか深い原因は、町村そのものが貧乏だということ、それからまた、なかなか人がいない、人材不足といったようなところに原因があるのじゃないかと見ている人もあるようでございますけれど、いずれにいたしましても、これでは自由の一票ということにはいかないのじゃないかと思われます。ことに、非民主的な部落推選の陋習というものが、婦人とか青年とかいった国民の階層にとりましては、決して自由の一票を地方選挙に投じるという結果にはならないようでございますけれど、大臣はこのことをどうお考えでございますか。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(藤枝泉介君) お話のように、部落推選、町内会推選等が行なわれていることは事実でございます。私はこういうものも、ただいま御指摘になりましたような青年とか婦人とかも入ったほんとうに民主的な形でそういう推選が行なわれることはけっこうなことだとは思います。ただ、従来ややもすれば、そういうことが一部の有力者によって行なわれ、しかもそれが強制にわたるようなことで、例の村八分をしたとかいうようなことが報道されるようなことがあっては絶対にならぬものと考えております。

山高しげり第二院クラブ

○山高しげり君 大臣のお考え少しわかりましたけれど、新聞等の報道によりましても、部落の入り口に張り番をしていて、他のよそから来た人を入れないとか、そういうような事実が相当あるように思いますけれども、そういうことに対して自治省として、指導の立場と申しましょうか、何かおありになるのじゃないか。選挙管理、選管の費用の中に常時啓発費といったような費目があったかと思うのでございますが、それは国民一人当たり幾らといったような積算の基礎があるのかと思いますけれど、そういった性質のお金がほんとうに生かされているのだろうかどうだろうかというようなことが、そういった地区の選挙の実情を見たり聞いたりしたときに思われるわけでございますが、この点いかがお考えでしょうか。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(藤枝泉介君) お話のように、部落推選をやってほかから入るのを拒むというような非常に非現代的なことが行なわれていることははなはだ残念でございます。元来選挙は自由に濶達に行なわるべきものと思います。そこで、御指摘のありました常時啓発費は、人口段階割りあるいは有権者割り等で市町村等の選管に分けておるわけでございます。これらを十分活用して、そうした非現代的なものがなくなるようにつとめてまいりたいと思います。この常時啓発の問題につきましては、常にわれわれは反省をいたしまして、ややもすればマンネリズムにおちいるおそれがございます、反省をいたしまして、有効な使用を指導してまいりたいと存じます。

山高しげり第二院クラブ

○山高しげり君 現在のありさまでは、まあ先日の東京都の知事選挙はいささか別でございますけれど、大体におきまして有権者は、選挙は人ごとのような顔つきの場合が多いようであります。思い出しますことは、かつて日本の三代の選管の委員長でおいでになった牧野先生は、外国の選挙の事情なぞも視察してお帰りの後でございましたけれど、選挙はお祭りというところまで持っていきたい、こういうことをおっしゃったことを思い出しますけれど、現状はお祭りどころかということでございます。まあ、常時啓発について反省をする、マンネリにおちいらないようにといまおことばございましたけれど、部落推選制のようなことがまだ多分に残っている地元に幾ら啓発費を流しましても、それを運営をする人の頭が結局は問題と思います。したがいまして、現在のような仕事のなさりようでは新しいものがなかなか生まれにくいのじゃないか。何か反省とおっしゃる中には、やり方についても何か新しいごくふう等があるものでございましょうか。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(藤枝泉介君) いろいろ考えてみますると、たとえば明るく正しい選挙の推進というようなことを呼びかける対象は、もうその人たらはむしろそういうことを呼びかけられないでも十分明るく正しい選挙をやるような階層に呼びかけているというようなことも多いかと思います。そうして、ほんとうに呼びかけなければならない、いわゆる選挙ブローカーであるとか、選挙の間のボスであるとか、そういうところに向けられていないというようなところは、十分反省していかなければならないじゃないかというふうに考えております。

山高しげり第二院クラブ

○山高しげり君 時間がございませんので、まあ選挙ブローカーとか、ボスとか、大臣の口からそういうおことばが出たのでございますから、病弊に深くお触れになりますようにお願いをしておきます。  この際、あわせて文部大臣にちょっとお伺いをしとうございますけれども、広い意味でやはり公民教育というものがもう少し普及徹底をいたしますと、以上申し上げたような現象がよほど改善をされるのではないかと思いますが、現行の公定教育につきまして文部大臣の御所見を承りたいと思います。

剱木亨弘自由民主党文部大臣

○国務大臣(剱木亨弘君) 終戦後、わが国が民主主義国家として、たとえば選挙の問題につきましても、ほんとうに自覚ある国民の養成というためには、教育の面におきまして、お説のとおり、公民教育等がもっと充実した教育を行なわれなければならなかったと存じます。そういう意味合いにおきまして、この新しい国民としての自覚におきまして、教育は現場において行なわれますように、文部省といたしましては相当今後とも力を入れてまいらなければならぬと思っております。

山高しげり第二院クラブ

○山高しげり君 今後の努力に打たなければならないとおっしゃったようでございますので、きょうはこの程度にいたしますけれども、どうぞひとつ、積極的にこの問題と文部大臣がお取り組みくださることを要望申し上げます。  自治大臣にもう一言伺いとうございますけれども、町内会もしくは自治会と呼ばれております組織でございますが、あれは戦時中には国民組織として徹底をしておりましたかと思いますけれども、終戦後マッカーサー司令部からの命令で解散をいたしたかと記憶しております。その後、何かこの組織につきまして、国としての行政措置をおとりになったというようなことがございますでしょうか。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(藤枝泉介君) 経過はいま御指摘のとおりでございまして、政府といたしましては、町内会、部落会等について何ら行政的な措置はとっておりません。

山高しげり第二院クラブ

○山高しげり君 政府がとっておいでにならないでも、府県等の段階で何らかの方法がとられておるのでございましょうか。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(藤枝泉介君) むしろ、現在の町内会、部落会等は、住民の自発的な発意によってつくられておる、それを市町村長等が広報紙の配布などに利用をしている、そういう程度でございまして、強制的な——強制的と申しますか、奨励的な措置でできたとは存じません。

山高しげり第二院クラブ

○山高しげり君 末端に参りますと、町内会、部落会は完全に復活をしておりますし、さらにその細胞としての隣組というものも画然として現存しておるかと思いますけれど、そういったような御調査等は全然なさらないのでございましょうか。つまり、住民の自治に任せる、もうさわらない、うっかりさわるのはぐあいが悪い、そんなふうでございましょうか。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(藤枝泉介君) 住民の自治にまかしておるわけでございます。ただ、私どもの方針といたしましては、これらのものが強制さるべきでない。それから画一的にやられるべきではない。なお、市町村などが、当然市町村が負担すべき費用を部落会、町内会等に持たしてはならぬ、このような態度で進んでおるわけでございます。

山高しげり第二院クラブ

○山高しげり君 ある程度のまあ指導と申しましょうか、強制とか画一は避けていらっしゃるけれども云々ということでございましたが、きょうあまり時間がございませんので、問題点にだけ触れさせていただいておきたいと思いますが、現状には目に余るものがあるようでございます。そうして、行政の末端、いろいろなお役所からの仕事が、勢い町内会、自治会におりてまいります。あるいはそれ以外の組織——婦人団体、青年団等の組織にいろいろお手伝いをお頼みになるわけでございますが、まあもちろん、奉仕的なただ働きで、それで私は悪いとは思いませんけれども、まあそういった住民の自治組織もしくはそれ以外のいろいろな団体の組織等におりてまいります行政の末端の国民に対する協力に非常な競合があり、混乱があり、末端の住民が非常に困っているという実情については、どの程度お感じでございましょうか。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(藤枝泉介君) どうも町内会などがありますると、市町村などが、当然自分がやるべきことをそれを利用してやっておるというような点は、確かに御指摘のとおりあると思います。たとえば東京都の例によりますと、広報紙の配布あるいは街路灯の管理などを町内会にお願いをして、そうして一町内会当たり年間二万円程度を支出しておるようでございます。この金額がいい悪いということはいろいろ議論があろうと思いますが、いずれにしましても、町内会があるということを理由にして、これに過当な負担をかけるということの——金の面ばかりではございません、労力等でもそうでございますが、過当な負担をかけるということはいけないことと思います。

山高しげり第二院クラブ

○山高しげり君 自治大臣にはその程度で失礼いたします。  次に、総理府の総務長官にお願い申し上げたいと思います。総理府の御所管で家庭生活問題審議会なるものがございます。これは私の記憶では、四十一年度でこのお仕事が済むと、こんなふうに記憶をしておりましたところ、最近もう一年間延長なさったと、そうしてこの審議会の中間報告というものが最近行なわれたようでございますけれど、家庭生活問題、この四十年の十一月十日の総理の諮問にこたえるための審議会の審議でございますが、問題は本質的に考えまして非常に急を要するのでないかと、非常に激しく動いております現代の社会の中の家庭の問題でございますので、お急ぎが願いたいのに、たいへんゆっくりしていらっしゃる。審議会のメンバーは、慎重審議をしていらっしゃれば、二年の月日も長くはなかったと思いますが、その辺のことを総務長官から伺いたいと思います。

塚原俊郎自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(塚原俊郎君) 家庭生活問題審議会が非常に重要な問題についての御審議を願っておることは、言うまでもないことであります。私、昨年十二月このポストにつきましてから、この関係者ともたびたびお目にかかり、また家庭生活、戦後の特に家族構成ということについても重大な関心を持っておりまするので、いま山高委員御指摘のごとく、すみやかに行政面にこれを反映せしめる方策をとるためにも、急いで結論をお出しくださるようお願いしたのであります。今日まで四十数回にわたってそれぞれの会合を開いておることは、これは御承知いただいておると思うのでありますが、何せ非常に複雑で、簡単に家庭生活をキャッチできるではないかというお話もありまするが、やはりこれの専門に当たっておられる方の御意見を承りますると、問題意識をとらえること、問題意識がなかなか表面化してこないというので、これは伺ってみれば私も納得いくところがあるわけであります。ですから、妙な表現かもしれませんが、まあ総論をいままでやって、これから各論に入らなければならないというふうな順序を経たいというような御意向も拝聴いたしました。しかし、一日も早く、特に戦後、道義の面で批判されておる今日の現状でありますから、御答申を願って、すみやかに政府としてはこれを施策に移していきたいという希望を再度お伝えしたのでありますが、どうしても三月一ぱいでは困難であるというお話を承りましたので、またその事情を私は了承いたしまして、この国会に法案を提出いたし、両院御審議を願い、先ほど成立を見たわけであります。御趣旨の点はよくわかるのでありまするが、問題意識の把握ということでもう少しの時間を与えることが適当であると私は考えております。

山高しげり第二院クラブ

○山高しげり君 お考えはごもっともでございますけれども、それほどいま激しく移り変わってまいりますので、やはりよほど急がなければならないという、それこそ委員の方たちの意識も強めていただきたいと思いますけれども、答申が出るまで関係御当局が何もせずに手をこまねいておいでになるわけでもございませんので、現状におきます家庭対策につきまして二、三伺ってみたいと思いますが、最初に文部大臣にお尋ねをいたします。  文部省の御所管に、留守家庭児童会というものがございます。これはたしか前大臣の中村さんのときについた予算のようでありますが、それから同じ文部省のお仕事で家庭教育学級というものもございます。留守家庭の児童のためにそういう予算がつきましてやっておいでにになりますけれども、末端を見ますと、県段階におきましても、これが民生部の仕事であるか、教育委員会の仕事であるか、相当に錯綜しております。結果的に見ましては、お金がある地方自治体にこのお仕事が伸びておりまして、ぜひこういう仕事がやってもらいたいような、たとえば東北とか、そういったところに思うように伸びない実情があるやに私は見ております。もう一つの家庭教育学級にいたしましても、同じように文部省に婦人学級というものもございますけれども、家庭教育学級の目途としておいでになるところは両親教育——婦人教育等でお母さんたちが子供のことにいくら一生懸命になっても、いわゆる教育ママばかりふえて、むしろほんとうの子供のしあわせがゆがめられる。父親も出てこいといったような両親教育を目ざして家庭教育学級が考えられておるようでございまして、四十二年度の予算は、婦人学級はほとんどふえておりませんが、家庭教育学級は非常におふやしになっていらっしゃるようでございますが、これも末端に参りますと、両親は出てこられませんで、おじいさんが出てくる、おばあさんが出てくる、お母さんが出てきて、母親学級と何ら変わらないといったような実情が相当多いのでございますが、これらについてどうお考えでございましょうか。

剱木亨弘自由民主党文部大臣

○国務大臣(剱木亨弘君) お説のとおり、留守家庭児童会を開設いたしましたのは、前々大臣の中村文部大臣のときに開始したのでございますが、これは要するにいわゆるかぎっ子でございますか、留守家庭におきます児童、子供たちの不良化、それらの防止対策といたしまして、この児童会をつくりまして、その指導をして、これの対策を必要として始められたものでございます。しかし、始められましたのにつきましては、この留守家庭が相当数にのぼっておる地方的な事情でございますが、それに対しまして、一定の規格と申しますか、月に十五日以上、また三カ月間、しかも指導者は二人以上というような一つの規格を定めまして、補助、援助をするという形をとりましたものですから、相当県におきまして差がございますと同時に、県におきましても都会と農村とに大きな差ができてまいります。これだけでいまかぎっ子対策として完全なものとは思いませんし、まあこれはいろいろな施設と関連をいたしまして、その対策は十分に将来とも考慮していかなければならぬと思います。  なお、これに関連しまして、いわゆる青少年の不良対策といたしまして、特に私どもは、四十一年から本年にかけましても、家庭教育学級というのを相当重点的に考えてまいりました。これを四十二年度におきましては一万学級にまで持っていこうとしておるのでございます。ただ、先ほどお話ございましたように、婦人学級は、これはまあ選挙権を持ちます婦人に対しまして、家庭生活でございますとか、婦人の教養を高めますとか、そういったような家庭教育学級とはある程度違ったねらいでやっておるのでございまして、婦人学級のほうはおかげさまで全国で五万以上の学級数になりまして相当普及してまいっておるのでございますが、家庭教育学級のほうはまだ創立日浅うございますし、まあ、申されますように、全部のところまで行きわたっておりませんし、今後、現在の運営におきまして相当内容的にも改善を要する点が多々あると思っております。

山高しげり第二院クラブ

○山高しげり君 いろいろ末端でやはり仕事が重なり合っておりまして、ただお役所に義理を立てるといったようなことで、婦人学級である実質的な内容が家庭教育学級のワクにはめられておる、そういったようなことが相当ございますので、これはよほどお調べになってお進めを願いたいと思います。  次に、厚生大臣に、同じ家庭の問題でございますが、いつも申し上げております母子家庭の問題。最近、ある放送関係の人のところに母子家庭からたくさん手紙が参りまして、テレビ等に出てくる母子福祉というようなことは、子供のしあわせというようなことは、からだの不自由なお子さんとか、そういうところにおもなライトが当たっておるけれども、健全な子女を育成しておる母子家庭対策はまだまだ十分ではないではないかという意見が参ったそうでございますが、厚生省御当局に承りに行ったら、一応軌道はできておるという御返事であったということを、これはまた聞きでございますけれども、まさかと思うのでございますが、厚生大臣に一言お答えいただきたいと思います。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(坊秀男君) 母子家庭の対策につきましては、年々これは努力をしてまいっておりますが、山高先生御指摘のとおり、これでもう十分だということでは私はないと思います。それにはいろいろな面もございますが、一体、母子家庭の子供の年齢といったようなものにつきましても問題もございますし、また、母子家庭をいわゆるいまの法から申しまして脱皮した場合に、これをどうしていくかといったような問題もございましょうし、具体的にいろいろな点につきまして今後の検討を要していく問題がたくさんあると思います。

山高しげり第二院クラブ

○山高しげり君 本日は、今後に期待をすることにいたします。  もう一つ厚生大臣に承っておきたいのですが、このごろ若い夫婦の家庭では初回妊娠の中絶ということが非常に多いのでございます。これは、人口問題から考えまして、量よりは質に重きを置いて非常に心配な現象だと思うのです。こういうことに対して、いわゆる婚前教育といったようなことが幾らか民間あるいは保健所等から芽ばえてきてもおりますけれども、厚生省としてはどうお考えでございますか。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(坊秀男君) 最近、日本の人口問題は、御指摘のとおり、子供を生むということが非常な負担になりまして、そうして人口の再生産率というものが落ちていっておるというようなことは、これはまことに考えなければならない問題である。さような場合に、御指摘のように、若い妻でございますか、それが最初の子供をなかなか生まないとかいったような傾向もあるやに聞いておりますけれども、これを私は、今後日本の婚前教育あるいは家族計画といったようなものを、相当これは慎重に力を入れて、そうして社会教育と申しまするか、そういった方向に力をそそいでまいらなければならない。そうして、そういったような傾向がもしありといたしますれば、健全に子供を生み、健全に家庭をつくっていくといったような教育をしてまいらなければならないと、かように考えております。

山高しげり第二院クラブ

○山高しげり君 家庭対策は、申し上げたように、まだ総合を欠いていると思います。どうぞ審議会の答申をいたずらにお待ちにならないで、御所管の中でもひとつごくふうが願いとうございます。  それから、厚生大臣にもう一言伺いたいことございますのは、先日新聞で拝見したのですが、原爆被爆者の中の小頭症の問題について研究班の中間報告が発表されたようでございますけれども、最近引き揚げ者の補償がいよいよ具体化してまいっておりまずけれど、ああいう動きを見るにつけ、聞くにつけ、戦災者には何の補償はない。しかも、その戦災者の中の特別な意味を持っている原爆被災者対策、四十二年度で幾らかお考えはいただいておるのかと思いますけれども、その小頭症は胎内被爆が原因であるといったような中間報告の内容と承わりましたが、これが公式に認められますまでには相当時間がかかるものでございますか。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(坊秀男君) 原爆の被災者につきましては、ただいま厚生省におきましてそれの実態調査を鋭意急いでおるわけでございますが、お話しの小頭児のことでございますが、いわゆる小頭症につきましては、妊娠二、ないし三カ月の初期の婦人で三キロメートル以内の近距離で原水爆弾で被爆をしたいわゆる胎内被爆児の中にあらわれていることは聞いております。これらの人はほとんどいわゆる特別被爆者となっているので、原子爆弾被爆者の医療等に関する法律によって無料で健康診断を受けることができ、また、無料で医療を受けることができるようになっております。これらのものが同法によるいわゆる原爆症として認定し得るものであるかどうか等については、厚生省といたしましては、昨年度から厚生科学研究費を計上して専門学者に調査研究を委嘱する等、前向きに鋭意検討中でございます。また、原爆被爆者対策全般については、先ほど申し上げましたとおり、国会の決議等の趣旨に従いまして、政府としてかねてこれにつき鋭意研究をいたしておりますが、無料健康診断等の医療面については、右の原子爆弾被爆者の医療等に関する法律により十分措置を講じているところでございますが、今後も引き続きその充実強化につとめてまいる所存でございます。なお、これ以外のいわゆる援護等につきましては、これはいろいろの関係もこれありまして、いま実態調査をいたしまして、その結果に基づきまして考えてまいりたい、かように考えております。

山高しげり第二院クラブ

○山高しげり君 その調査はいつでき上がるのですか。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(坊秀男君) ことしの秋を目途といたしております。

山高しげり第二院クラブ

○山高しげり君 いま厚生省の厚生科学研究費を受けてのお医者さま方の御調査の中間報告でございましたけれども、さっきの小頭症の問題は。その中間報告をいつお認めになるという、そのことを伺います。

中原龍之助厚生省公衆衛生局長

○政府委員(中原龍之助君) 小頭症の問題でございますが、これにつきましては、厚生科学研究費によりまして研究を委嘱しております。そのほかにも、先ほど大臣から答弁がありましたように、近距離被爆し、かつ、妊娠の早期における胎内被爆児におきましては小頭症の者が多いということが出ております。で、この小頭症につきましては、いわゆるこれは放射能というものによって放射線の一つの影響として出るということも考えられますし、それからまた、従前ともいろいろの原因によってこの小頭症が出るわけでございます。しかし、私どもといたしましては、学問的にも確かにこの近距離で早期に被爆するというのは関係があるのだというようなことにつきましては、これは否定する材料はおそらくないというふうに考えて、それで、この厚生省の研究はこれはまだ継続して行なわれる、その中間の段階としていろいろ報告が出てまいります。報告によりますと、これは詳しくまだ私は拝見はしておりませんですけれども、そういうふうに関係があることというような疫学的な調査、それから臨床的に一体どういうような症状があるのであろうかというようなことを詳しく調べるという形になっております。そうして、これに基づきまして、ただいま大臣から答弁がありましたように、この者の処遇につきまして前向きに考えておるという状態でございます。

山高しげり第二院クラブ

○山高しげり君 少し不満足でございますが、時間がございませんので、大蔵大臣にひとつお願いをいたします。  問題全然別でございますが、四十二年度の減税計画の中で、特別控除の問題が出ておりますが、その中の寡婦控除につきまして、これは大臣御承知のように、長い間税額六千円、それが今度の改正で所得控除で七万円——六千円と七万円はどう違うか、これ伺いとうございます。税額の六千円は所得額控除の七万円で、引き上がったものかどうかということです。

塩崎潤大蔵省主税局長

○政府委員(塩崎潤君) 計算でございますのでお答えいたしますが、税額の六千円と所得控除の七万円との違いは、最低で計算いたしますと、所得控除では九%かけますと六千三百円になります。これが最低の税金の引き方になりまして、それ以上の方々はもう少し軽減される、こういう計算になります。

山高しげり第二院クラブ

○山高しげり君 しろうとにはそのお勘定のしかたがわかりにくいのでございますが、そうすると、税額六千円よりは七万円はだいぶ割りがよくなったということでございますか、常識的に考えまして。

塩崎潤大蔵省主税局長

○政府委員(塩崎潤君) 所得の少ない方にはそれほどでありません。それより少しづつ上回ってまいりますと、だんだんと税額控除よりもよくなったという計算になります。

山高しげり第二院クラブ

○山高しげり君 たいへん時間の使い方がへたでございますので、大臣に一言お願いをしたいと思いますが、配偶者控除が十五万円になりながら寡婦控除は七万円である。これ、四人家族くらいでございますと、身体障害者の特別控除のほうがずっと寡婦控除よりも上回るといったような数字になりますけれど、いかがでございますか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 御主人がありますと、十五万。十五万ということになりますが、寡婦になりますと、十五万に特に七万円加えた二十二万ということになりますが、いま主税局長が言いましたように、税額控除を所得控除に直すということで不利になるということはございません。各所得水準においてみな減税にはなっておりますが、いまのように、この七万円の控除ということで、他のいろいろな世帯との比較をしてみますというと、たとえば、寡婦が一人でお子さんを二人持っておるという場合の控除が三十七万円ということになりますし、夫婦の方が一人子供を持っておられると、同じ三人家族でも、それも同じ三十七万ということになりますと、寡婦に対する優遇が、やはり寡婦なるがゆえにという優遇は少し足らないんじゃないかというふうに考えますので、私どももこれについてはいろいろ議論がございましたが、来年度の減税のときには、これは優先的に考えよう、こういうことになっております。

山高しげり第二院クラブ

○山高しげり君 いまのおことばでそれ以上質問は続けないことにいたします。どうぞ間違いなく来年はお願いいたします。  どうしてもこの質問で、最後にもう一つ大蔵大臣に承らなければならないことは、三悪追放推進協議会という団体についてでございます。これは三月の暫定予算審議のときにお話が出たのでございますけれども、大蔵省は四十二年度の予算で厚生省の性病とか麻薬とか売春、それぞれ担当課もおありでございますが、それらの担当課の新規要求を一つもお認めにならないで、予算案編成の最終段階で一挙に新しい団体に六千六百七十五万一千円という予算をおつけになっておられますけれども、どうもその補助金のつき方に私ども不明朗なものを感じますので、一ぺん大蔵大臣から御説明が願いたいと思います。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 要求官庁は厚生省でございますから、厚生省で御説明願ったらいいと存じますが、私のほうの関係を申しますと、の概算要求は各官庁とも八月一ぱいということになっておりますので、この八月までの当初要求にはこれは出ておりませんでした。ところが、十月の三十日ですか、売春審議会の答申が政府に出てまいりました。その答申のいろんな趣旨に沿って、十二月にこの三悪追放の協会というものができて、そこでそれに基づいて厚生省からの予算要求というものが二月の十八日に大蔵省に出てまいりまして、そこで予算折衝の際において両省で相談して、予算要求金額はもっと大きかったんですが、折衝の結果、いまのような六千何百万円ということで予算がきまった、こういうのがいきさつでございます。

山高しげり第二院クラブ

○山高しげり君 一通りの御説明は承りました。  厚生大臣にお伺いをいたします。厚生省は、四十年の十一月に、売春担当の社会局の生活課におきまして、社団法人売春対策国民協会なる団体の結成を指導をなさって、それに協力をされて法人の認可を与えておいでになります。この団体は、売春防止法ができる前からいろいろそのことに働いてきた婦人団体、労働組合、売春関係団体等が連合体をつくっておるものでございまして、その会長は久布白落実氏でございまして、昨年五月、売春防止法制定十周年記念、これは政府が式典をおあげになりまして、総理が御出席でございましたその席上で、久布白先生は売春対策に関する功労者として表彰を受けておられます。この久布白先生が会長の団体でございますが、この団体と新しくできました三悪追放推進協議会との関係はどんなことになっておりましょうか。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(坊秀男君) お話しのとおり、昭和四十年十一月に久布白先生が代表者として売春対策国民協会というものをつくられて、厚生省がこれを認可しておるということでございますが、この久布白先生の国民協会は、これは売春を防止していくという、つまり日本の国の婦人の純潔と申しますか、婦人の純潔を守る。したがって、国民のその純潔を守っていくと、売春を防止していこう、こういったようなことを目的としておられる団体でございます。そこで、今度のできました新しい協会というものは、これは売春と性病と麻薬、この三つが相互に関連いたしましてそうしてこの社会悪の根源をなしておるものを、何とかして防止していこうというためには、この三者を総合的につかまえまして、何と申しますか、それぞれの売春と性病と麻薬というものは違ったものではございますけれども、この三つを一つの総合的な単一的関係と申しますか、そういったようなとらえ方をいたしまして、そうしてこれを防止していくということで、そういったようなことが、ただいま大蔵大臣からお話しがありましたとおり、内閣の売春対策審議会でそういう御意見を総理大臣及び厚生大臣がちょうだいいたしまして、それをやっていくのに、この売春対策推進協議会といったようなものをつくるということで、そこで、この団体は三つのものを総合的に防止していくためには妥当なものであろう、かように考えまして、去年の十二月二十二日にこれの認可をしたのでございますが、しかしながら、売春対策国民協会——久布白先生のこの協会は、日本の婦人の純潔を目的としてそうして売春を防止していこう、こういう団体でございますので、今度の協会も、私はその面におきましては、ぜひとも久布白先生はじめ、それに関係していらっしゃる諸先生のこの協会の御協力をお願いいたしまして、そうして一緒に手をつないで、御協力のもとに実効をおさめてまいりたい、かように考えておる次第でございます。

新谷寅三郎自由民主党

○委員長(新谷寅三郎君) だいぶ時間が過ぎておりますから、最後は簡単に願います。

山高しげり第二院クラブ

○山高しげり君 まあ、三悪の中の一悪の防止を承っている売対協、当然新団体と将来連係を持つであろう。また、御当局として持つことを欲っしていらっしゃるという御意見はわかりましたけれども、ものには順序がございまして、今度やろうと思うけれどもひとつ一緒にやっておくれと言われたのと、ちゃんとつくってから、おまえついてこいと言われたのでは云々ということは、この間の東京都副知事問題にも似たようなからまりが私はどうもあったように思うのですけれども、それはそれといたしまして、新団体が趣意書の中で、婦人団体、青少年団体を重点に国民各階層に対する広範な社会教育活動を目ざしている、こう言っておいでになるのですが、地方の支部長は知事というようにすでにきめておいでになるとか、いろいろ婦人団体の動きには、どうも私どもの了解できない動きがございます。厚生省は、売対協なるものが運動資金に困っておりましたときに、法人を取りなさい、そうすれば金の心配をしてやる。そこで当局者は厚生省から補助金でもいただけるかと思われたのじゃないかと思うのですけれども、そのとき厚生省がお世話くださるというのは、自転車振興会のいわゆる競輪のお金二百四十一万円であった。それで、その売対協の内部には、不浄な金だから断われ、いや、よく使えばいい、ずいぶんごたごたしたようでございますが、せっかくの厚生省のお志を無にしたようでございますけれども、なぜそのときに幾らかでも補助金を正当に出してやるというお考えがなかったか。「前大臣のことでぼくは知らぬ」とおっしゃられるとは思いますけれども、厚生省に一貫した売春対策のお考えもないというふうに私どもには思われるのでありまして、何かの圧力で六千六百七十五万円というお金が二月半ば過ぎになりましてついたというのは、先ほどからの御説明でどうも了承いたしかねるところがございますけれども、時間が超過をいたしましたので、ただ私は、総務長官がまだおいでになりますので、総理府御所管の売春対策審議会はどうなりますのでしょうか。それ一言伺って、私の質問を終わりたいと思います。

塚原俊郎自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(塚原俊郎君) 売春対策審議会の委員の方々には非常に御熱心に御審議をいただいておりまして、これを施策の上に十分反映させ、また、政府に対するいろいろな申し入れ、これを総合調整の立場で各省の関係者にも御連絡して、各種の措置も今日まで講じてまいったわけでありますが、今後とも非常にまた問題が大きくなっておりまするだけに、御熱心な御審議を続けていただこうと考えております。

新谷寅三郎自由民主党

○委員長(新谷寅三郎君) 以上で山高君の質疑は終了いたしました。  以上をもちまして、一般質疑通告者の発言は全部終了いたしました。総予算三案の一般質疑は終了したものと認めます。明後二十二日から三日間は各分科会で審査願うこととし、次回の委員会は公報をもってお知らせいたします。  本日はこれをもって散会いたします。    午後四時三十二分散会

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