本会議 第7号
- 発言数
- 12 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1967/04/01
会議録
○議長(重宗雄三君) 諸般の報告は、朗読を省略いたします。 —————・—————
○議長(重宗雄三君) これより本日の会議を開きます。 日程第一、中央社会保険医療協議会委員の任命に関する件を議題といたします。 内閣から、社会保険審議会及び社会保険医療協議会法第十五条第七項の規定により、圓城寺次郎君、鈴木武雄君を中央社会保険医療協議会委員に任命したことについて、本院の承認を求めてまいりました。 本件を承認することに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(重宗雄三君) 過半数と認めます。よって本件は、承認することに決しました。 —————・—————
○議長(重宗雄三君) この際、日程に追加して、 昭和四十二年度一般会計暫定予算、 昭和四十二年度特別会計暫定予算、 昭和四十二年度政府関係機関暫定予算、 以上三案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。 まず、委員長の報告を求めます。予算委員長新谷寅三郎君。 〔新谷寅三郎君登壇、拍手〕
○新谷寅三郎君 ただいま議題となりました昭和四十二年度暫定予算三案の予算委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。 今回の暫定予算は、四十二年度本予算の年度内成立が困難な事情にありますので、国政の運営に支障を来たさないよう、四月及び五月の二カ月間について編成されたものであります。 暫定予算の編成方針といたしましては、本予算成立までの応急的な措置であることにかんがみ、人件費、事務費等の経常的な経費のほか、既定の施策に基づく経費を計上することとし、新規の施策にかかる経費は原則として計上しないこととしております。ただ、新規施策でありましても、教育及び社会政策上の配慮等から、暫定予算の期間中といえども放置することが適当でないものにつきましては、真にやむを得ないものに限定して、その経費を計上することとしております。また、経費の積算にあたりましても、原則として四十一年度予算を基準としておりますが、法令に基づく義務的な経費等につきましては、四十二年度提出予算に基づき必要最小限度の額を計上することといたしております。 以上の方針により編成されました一般会計暫定予算の規模は、歳出総額九千三百億円、歳入総額八千百三十五億円、差し引き千百六十五億円の歳出超過と相なっておりますが、国庫の資金繰りにつきましては、余裕金を運用するほか、五千億円を限度として、必要に応じ大蔵省証券を発行することといたしております。 予算の内容のおもな点を申し上げますと、まず歳出におきましては、公共事業関係費は、従前の例により、前年度予算額のおおむね四分の一を計上するとともに、積雪寒冷地の事業等には特別の配慮を加えております。地方交付税交付金につきましては、四十二年度の普通交付税の四分の一を地方団体に交付できるよう計上されております。このほか、社会保障関係費においては、生活扶助基準の引き上げ、失業対策事業の賃金日額の引き上げが、また、文教及び科学振興費におきましては、大学生の増募に伴う経費が、それぞれ計上されております。 次に、歳入でありますが、租税及び印紙収入は、四月から実施される減税を織り込み、四、五月における収納額を見込んでおり、公債金につきましては、前年度における四、五月の発行額を勘案して千八百八十億円を計上いたしております。 特別会計及び政府関係機関の暫定予算につきましても、一般会計の例に準じ編成されております。 この暫定予算三案は、三月二十日国会に提出せられ、予算委員会におきましては、同日、水田大蔵大臣から提案理由の説明を聴取し、二十九日衆議院よりの送付を待って、三十日から本日まで三日間にわたり、佐藤内閣総理大臣並びに関係各大臣に対し質疑を行ないました。以下質疑のおもなものについて、その要旨を御報告申し上げます。 まず、政治の姿勢につきまして、「今回の暫定予算の原因は、過般の総選挙であるが、総選挙後の政治のあり方について総理はどのような決意を持っているか。地方選挙を前にして、政治不信の根源たる共和製糖問題に対する検察当局の活動は片手落ちではないか。資金の供給源と政治の結びつきを断ち切るため、政治資金の規制を強化する考えはないか」などの質疑に対しまして、佐藤内閣総理大臣から、「過般の総選挙は出直し選挙であり、正すべきは正して、国民の政治に対する信頼を高め、政界の浄化に努力する決意である。共和製糖事件の捜査は厳正公平に行なわれていると思う。政治活動を効果的に行なうためには資金を要するが、収入と同時に支出の面でも制限が必要であろう」との答弁がありました。 次に、外交及び防衛問題につきまして、「わが国は世界における唯一の核被爆国として、核拡散防止ではなく、核保有そのものの廃止を主張すべきではないか。また、中共やフランスが加入しないと核拡散防止条約の意義が失われるので、もっと大きな視野に立って外交を展開することが必要なのではないか。沖繩については、核を含む基地の提供によって返還を求めるのか。当分は現状のまま推移するほかないのか。返還交渉のための具体的日程はあるのか。」などの質疑があり、政府側から、「全面的核兵器禁止が理想であるが、一挙には困難であるから、一歩一歩前進するというのが政府の考え方であり、さしあたり、第六、第七の核保有国をなくすることが核戦争の危険拡大を防止するため急務と思う。沖繩の米軍基地は極東の平和と安全に大きな役割りを果たしている。これを念頭に置きつつ、あらゆる機会をとらえて施政権返還の実現に最善の努力をしたい。核基地付きの返還は考えられない。」との答弁がありました。なお、防衛問題につきましては、恵庭事件の判決をめぐって活発な質疑応答がありましたが、これに関連し、「政府は砂川事件の判決で自衛隊の合憲性が立証されているかのごとく答弁しているが、その理由を明確にせよ」との質疑に対し、佐藤内閣総理大臣から、「政府としては、自衛隊が憲法に違反するものでないことは、憲法解釈論として一貫して堅持してきた見解である。砂川判決は、自衛隊の合憲、非合憲の問題については、これを否定もしておらないし、肯定もしておらない」旨の政府の統一見解が示されました。 次に、公債を含む財政政策につきまして、「民間設備投資の予想外の盛り上がりと、かなり刺激的と思われる四十二年度予算によって、経済の現状はいまや過熱過程に入りつつあるのではないか。政府は財政政策の弾力的運営をうたっているが、具体的には公債を削減するのか。また、別の立場から、公債政策は社会資本拡充のための財源調達の手段であるから、公債政策についてはこの面をもっと重視すべきではないか」との質疑に対しまして、政府側から、「四十二年度予算は、その規模を五兆円以下に押え、公債も予定したより減額するなど、財政面から経済を刺激しないよう編成してある。ただ、過熱してから引き締め政策をとったのでは摩擦が大きいので、時期を失せず財政金融政策を弾力的に運営して、過熱を事前に防止することが必要である。公債政策は民間需要の強弱に応じ、財政本来の機能をそこなわない範囲内で、景気調整機能を果たさせる必要がある」との答弁がありました。 最後に、暫定予算に直接関連する問題でありますが、「暫定予算は本予算成立までのつなぎ予算であるから、その性質上、新規施策費や公債発行などの政策を盛り込むことは、財政法の精神に反するのではないか。公債を発行するかわりに、短期証券の発行で国庫の資金繰りをつけるほうがよいのではないか」との質疑がありました。これに対し政府側から、「概定予算は、国会の審議期間が短いので、できるだけ問題のない経費を組むべきであるが、新規の施策でも、国民生活の上から放置できないようなものは、特別な配慮で計上しても差しつかえはない。公債の発行は昨年から行なっており、新規政策とは考えていない。しかも四、五月の発行額は、昨年の発行実績を基準としてきめている。四、五月は金融のゆるむ時期であるので、この時期をはずすと、月別の調整が困難になる」との答弁がありました。 以上のほか、資本自由化とケネディ・ラウンドに対する政府の態度、地域開発政策転換の必要、農業及び食糧政策の長期構想、並びに、地方財政対策及び都知事選に関連する諸問題等、質疑は広範多岐にわたりましたが、詳細は会議録によって御承知を願いたいと存じます。 かくて本日、質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本社会党を代表して小林委員が反対、自由民主党を代表して日高委員が賛成、公明党を代表して鈴木委員が反対、民主社会党を代表して中沢委員が反対、日本共産党を代表して春日委員が反対の旨、それぞれ述べられました。 討論を終局し、採決の結果、予算委員会に付託されました昭和四十二年度暫定予算三案は、多数をもって可決すべきものと決定いたしました。 以上御報告申し上げます。(拍手)
○議長(重宗雄三君) 三案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。小林武君。 〔小林武君登壇、拍手〕
○小林武君 私は、日本社会党を代表して、昭和四十二年度暫定予算三案に対し、反対の立場に立って討論を行なうものであります。 言うまでもなく、財政法上、暫定予算の性格は、本来の予算成立までの暫定的なものであり、本予算の成立によってその効力を失うところの仮のものであります。財政法第三十条に、「内閣は、必要に応じて、一会計年度のうちの一定期間に係る暫定予算を作成し、これを国会に提出することができる。」とあるだけで、その性格がどういうものでなければならないというような規定はないが、しかし、本来、国の予算は、あくまでも憲法第八十六条による年度予算でなければならないのであって、暫定予算はこの原則に対する重大な例外であることを銘記しなければならないのであります。したがって、暫定予算は、その性質上、あくまで本予算成立までのつなぎ予算であり、骨格予算たる性格のものでなければならないのであります。このことは、わが国憲法の精神から理論的に当然であるばかりでなく、実際的にも、過去四回にわたる暫定予算において、例外なく厳格に守られてきた、たてまえであります。すなわち、暫定予算に盛らるべきものは、国政運営に支障を来たさない程度の必要最小限度の骨格的なものだけに限られ、本来の予算の審議に影響を及ぼすような政策的なものは一切取り上げることはできないのであります。したがって、従来の暫定予算は、経費の積算にあたって、前年度予算を基準とし、二カ月分の暫定予算の場合は、公共事業費は四分の一、その他既定経費は六分の一を計上し、新規政策は本予算成立までその計上を見送ってきたのであります。その原則に立てば、今回の歳出規模は六千八百三十億円、本年度補正後予算の一六・七%にとどめるべきであります。しかるに、本暫定予算は、積雪寒冷地帯の公共事業費、本年度の税収見込みで算定した地方交付税、大学生急募関係費、生活扶助基準引き上げなど、従来の暫定予算に見られなかった新規施策経費が計上されているのであります。この措置に伴う経費約二千四百七十億円が上積みされ、そのために、四、五月分二カ月の来年度暫定予算は、九千三百億一千六百万円となり、本年度本予算に対して一八・八%と、その六分の一を上回る異例の大型暫定予算ができ上がったのであります。ことに、景気刺激効果の強い公共事業費に限っては、前年度予算額の二六・八%、すなわち四分の一を上回り、本年度予算に対してさえ、二三・六%と、二カ月分、六分の一をはるかに超過している。このような経費計上のしかたも、また暫定予算の範囲を逸脱するもので、それ自体妥当性を欠いているが、弊害はそれのみにとどまらないのであります。すなわち、八千億円の公債をかかえ、前年度に比し一五・九%も膨張した四十二年度予算の景気刺激効果が懸念されている際、暫定予算についても本予算の二カ月をこえて大型化したことは、形式こそ違え、前年度に不況対策としてとられた財政支出の早期促進と全く同じ刺激的効果を発揮するものであって、前年度と反対にいまや景気過熱が懸念されている折りに、このような大型暫定予算を組むことは、本予算の与える心理的効果と両々相待って、財政面から景気を過度に刺激するおそれがあるものと言わなければならないのであります。政府は、民間に設備投資などについて節度を要望しているが、民間に節度を要望する前に、まず政府みずから財政の節度を守るべきであると考えるわけであります。 政府の暫定予算編成の意思は、四十二年度予算の成立が、総選挙、統一地方選挙のため、四十一年度内に成立しないとの見通しに立って、従来のそれとは成立の過程が相違しているとして、暫定予算の内容が従来と異なったものであってよいと理解したとみるべきであります。この考え方は、明治憲法のもとにおける施行予算の権限に通ずるものがあると見られるのであります。政府のこのような解釈は、現行憲法が、予算不成立の場合における措置について、何ら規定するところのないことを悪用したものでありまして、断定予算制度を設けた意義とその慣例を無視したものと言わなければなりません。政府が理由とする、国の予算が経済全体の中で果たす役割りが増し、国民生活との密接なかかわり合いがあるとしても、国家財政に関する議会主義の原理、財政民主主義原則の無視、逸脱は、許されていいことではございません。 今度の暫定予算は、歳出九千三百億、歳入八千百三十五億円で、差し引き千百六十五億円の歳出超過となっているが、その資金繰りについては、国庫余裕金もあるし、大蔵省証券を五千億円まで発行できるようになっているのでありますから、公債一千八百八十億円の発行をとりやめても、まだ十分余裕があるのであります。したがって、園庭の資金繰りに関する限り、何も無理をして公債を発行する必要はないのでありまして、公債を発行しなくても国庫の資金繰りには何らの支障はないはずであります。従来の暫定予算も、歳出超過のときは、国庫余裕金と大蔵省証券の発行で、しのいできたわけで、今度もそうするのが当然であって、暫定予算で公債を発行することは、いかなる点からみても不当と言わなければならないのであります。暫定予算の中に公債を導入する理由として、季節的に金融がゆるむ四、五月中に公債を発行するのが都合がよいというような、全く枝葉末節の理由で、この市大な政策を暫定予算の中に盛り込んでいるということは、暫定予算の性格を著しく逸脱するもので、憲法及び財政法の精神に違反する疑いがあるのであります。 この際、四十二年度本予算が国会に提出されているということは、何ら理由にならないので、それがあたかも、そのまま議決されるものであるかのごとく考えること自体、国会の予算審議権を軽視するものと言わなければなりません。ことに、わが党は公債政策反対の立場から、四十一年度予算の公債政策算入に強く反対したし、四十二年度予算においても公債発行に反対の立場を堅持しているのであります。このように、年度予算の審議に譲るべき政策案件を、あたかも既定の施策であるかのように前提して暫定予算に含めることは、前述のように、憲法、財政法の精神に違反する疑いがあるのみならず、明らかに国会の予算審議権を軽視するもので、政府の責任はきわめて重大であると、言わなければなりません。 また、大型暫定予算は、統一地方選挙目当てのものであるために、当面する経済情勢への配慮が欠けているところが多いのであります。このことは、暫定予算に先行した来年度予算の編成も、総選挙、続いて行なわれる統一地方選挙の人気取りに最重点を置いたと言っても過言ではないのであります。政党が選挙公約を出すことは当然であります。しかし、公約そのものが単に票を集めるだけの目的であるとすれば、公党として無責任のそしりを免れません。予算編成の大詰めにあたっての予算ぶん取り合戦ともいわれる愚劣な行動は、こうした批判を実証したものと言わなければならないのであります。公約は一二〇%織り込んだと自賛しては、歳出全体の効率化を没却し、大衆の切実な期待に即応できなかったものと言わなければならないのであります。これは、三悪追放推進協会を僣称して六千七百万円余の支出をしたことが、端的に表明していると思うのであります。 以上をもって私の反対の討論を終わります。(拍手) —————————————
○議長(重宗雄三君) 鈴木一弘君。 〔鈴木一弘君登壇、拍手〕
○鈴木一弘君 私は、公明党を代表して、昭和四十二年度一般会計暫定予算外二案に対して、反対の態度を表明するものであります。 反対の第一の理由は、暫定予算の性格についてであります。 私が言及するまでもなく、過去四回提案された暫定予算は、あくまでも本予算成立までの緊急やむを得ない措置として国会に提出されており、したがって、その内容も、前年度を基準とした普通経費だけにとどまっていたのであります。暫定ということばの示すとおり、今回においても必要最低限度の経費にするべきであり、もしも、百歩譲って考えて見ましても、生活保護費、失業対策費などの極端に限定された政策的経費増を見込むにとどめるというのが至当であるのであります。しかるに政府は、今回に限って、従来からの踏襲された方針を一てきして、本予算をまず作成し、それに従って大幅に政策的経費を盛り込んだのであります。本予算が国会においていまだ審議中であり、特に参議院においては一度の審議もなされず、まして、国会で決定もなされていないうちに、かくのごとき、あまりにも大幅な政策的経費を盛り込んだことは、暫定予算の名に反するものであり、その限界をはるかに破っているのであります。わが党は、かかる暫定予算は承服しがたいのであります。 反対の第二の理由は、審議日数の不足であります。 いままでのような暫定予算であれば、この審議日数で少なくとも審議できるのでありますが、今回の暫定予算は、ただいままで申し述べましたように、本予算中の政策的経費が盛り込まれており、したがって、何ぴとが見ても、この審議にはかなりの日数が要るのであります。この期間では、必要にして、かつ十分な審議をするということは、とうていできないのであります。三月二十日に提出されていながら、わずか三日間、これも、現実には二日半という局限された短い期間に、一般会計歳入だけを見ましても八千百三十五億円にわたる膨大な予算を審議せざるを得なかったことは、政府・与党の予算に対する軽視であるとともに、その情熱が全くなかったことを裏書きしております。予算審議が憲法に明記されていることは御承知のとおりでありますが、このことは、予算が国政の基盤を決定し、国民生活に多大の影響を与えるからだと言っても過言ではありません。憲法にまで明記されるほど重要な予算の審議に対し、十二分の日程がなかったことは、実に遺憾であります。三月末までに国会の議決を必要とするにもかかわらず、これを承知の上で、政策的経費を大幅に盛った暫定予算を提出した政府の責任は、きびしく追及されねばならないのであります。 反対の第三の理由は、国債発行を含んでいることであります。 すなわち、政府は、景気中立型予算と言いながら、すでに本暫定予算に千八百八十億円の国債発行を盛り込み、財政面から景気を刺激していることであります。政府は、いままで、たびたびのように、四十一年度の国債発行は景気刺激のためのものであると唱えてきたのであり、景気が上昇すれば発行を差し控えると明言してきたのであります。しかるに、昭和四十二年度は、すでに景気過熱が心配されております。政府のいままでの言明に従えば、国債の発行を取りやめるか、大幅に減額するか、いままで発行済みの国債の償還を早めるか、いずれにせよ、景気刺激策を変更するべきが当然であります。国債発行が景気鎮静のためのものであるというような声を聞くのでありますが、当座は、国債発行によって民間資金を吸収して、景気鎮静となるかもしれません。しかし、二、三カ月のうちに再び公共事業費などの支出となって、景気をより一そう刺激することは明白であります。かかるインフレ政策をあえて行なうことには反対であります。 さらに、本暫定予算では、四、五月の金融緩和期に、本予算の国債発行額の四分の一に当たる千八百八十億円を消化しなければ、すべての国債消化が不可能になるというように言明されておりますが、国債の市中消化に無理がないのであれば、何も四十二年度の六分の一の期間にすぎない四、五月に、発行予定額の四分の一の国債を消化させる必要はないはずであります。民間金融の緩和期でなければ市中消化ができないということ自体、すでに国債発行が限界に来ているむしろ、限界を突破しようとしているとさえ費えるのであります。四十一年度の国債も、市中公募といいながら、実はシンジケート団への強制割り当てとなっているのであります。今年度のように、民間経済が活発になる見通しのときには、なおさら、民間資金需要を圧迫するおそれがあるのであります。このような、国債の新しい形による、しかも無理な発行には賛成できないのであります。政府は暫定予算に国債発行を予定すべきではなかった、かように思うのであります。 また、歳出において、公債金の対象となっている投資的経費のうちに、出資金四百十億円が入っておりますが、出資を暫定予算で行なわねばならない緊急性は見当たらないのであります。特に、産業投資会計への繰り入れ三百七十億円は、全額輸出入銀行に出資されるものであります。これなどは、暫定予算の二カ月の間、融資でつなぐことも可能であります。緊急必要性の薄いものまで暫定予算に、しかも国債発行の対象として入れるという悪例は、全く残すべきではないはずであります。 反対の第四の理由は、景気上昇期にこそ健全均衡財政に戻す努力をしなければ、今後、半永久的に赤字財政となるおそれがあるということであります。 現在のわが国経済の安定と成長のためには、財政の補完と補正がなければならないことは明白でありますが、本来、赤字財政も、景気刺激のため、フィスカル・ポリシーとしての効用を大きくするためというのであれば、一般費と緊急費とに分離して提出するべきでありましょう。公共事業費などは緊急費として国債発行をもって財源としていき、景気上昇期には緊急費をゼロにして、すみやかに均衡財政に戻すべきであります。政府は、その責任をのがれ、永久的国債発行を目ざして、かかる措置をとらないのではないかとさえ思われるのであります。 本予算が公約のための総花予算となって、そのあおりを受けて公債発行を暫定予算にまで盛り込まねばならぬということは、とりもなおさず、政府に、財政再建、財政健全化の熱意が全くないとしか受け取れないのであります。すでに、暫定予算の四、五月だけでも、実際の税収は、政府見積もりの租税及び印紙収入を、六百億円ないし七百億円上回ると見られているのでありまして、少なくとも、公債発行をやめることは可能であったわけであります。 反対の第五の理由は、本予算の質疑討論においていずれ明らかになるのでありますが、減税においても、標準五人世帯に対し百万円まで免税にするという、百万円減税も実現されていないのであります。これは、わが党があらかじめ政府に要求したものでありますが、わずか千八百億円の財源で本年度において実現可能であるにかかわらず、即時実行がなされていないのであります。それだけでなく、利子・配当分離課税のように、納税者の税の不平等を与えている悪税が依然として残っているのであります。かかる税体系は、大衆を圧迫する以外の何ものでもありません。このような本予算には賛成しがたいのでありますが、そのままの税体系を盛り込んだ暫定予算には反対するものであります。 そのほか、物価対策にしても、緊急を要するにかかわらず、また事務的経費であるにかかわらず、きわめて不十分なのであります。 以上、五つの理由から、わが党は暫定予算に対し反対するとともに、政府に強く反省を求めてやまないものであります。 以上をもって私の反対討論を終わります。(拍手)
○議長(重宗雄三君) これにて討論の通告者の発言は全部終了いたしました。討論は終局したものと認めます。 これより採決をいたします。 三案全部を問題に供します。三案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(重宗雄三君) 過半数と認めます。よって、三案は可決せられました。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時二十八分散会