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55回国会参議院1967/06/15

文教委員会 第13号

発言数
62
登壇者
6
会派数
2
開催日
1967/06/15

会議録

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) ただいまから文教委員会を開会いたします。  教育、文化及び学術に関する調査中、当面の文教政策に関する件を議題といたします。  質疑のある方は順次御発言願います。  なお、政府側より、剱木文部大臣、斎藤初中局長、宮地管理局長が出席いたしております。

小野明日本社会党

○小野明君 宿日直と超勤の問題でお尋ねをしてみたいと思うのですが、これについては、教職員の勤務状況というのが基礎になっておる。そういうことで、たしか四十一年度予算で調査費もつけておったと思うのですね。それで、この調査の結果について最近まとまったというお話を聞くわけなんですが、その内容についてまずお尋ねをしてみたいと思います。

斎藤正文部省初等中等教育局長

○政府委員(斎藤正君) 教職員の勤務状況の調査につきましては、四十一年度年間調査ということでございまして、各地から最終のものが離れるのは四月の半ばを過ぎておるような状況でございます。したがいまして、現在まだこれを調査結果をまとめ、分析する段階に至っておりません。私どもも実はその中身はまだわからない状況でございます。

小野明日本社会党

○小野明君 そうしますと、これは六月四日の西日本新聞の報道なんですが、これについて最近、はっきりした結果はどうかわかりませんけれども、一応の調査の結果が出てきておるので、宿日直なり超勤の手当の支給について、文部省の態度というものがきまったやに伝えられておるわけなんです。で、その伝えられておる文部省の態度というものはどういうものであるか、お尋ねをしたいと思います。

斎藤正文部省初等中等教育局長

○政府委員(斎藤正君) これはおそらく、その新聞が流れました前日あたりの状況を判断いたしますと、日教組で、実は私のほうの局に宿日直の問題についてどうだということを聞きにこられました。その際に、われわれといたしましては、この問題の解決のために検討はする。しかし、現在の段階ではっきりしたことは、方向その他については何にもまだ言う段階でもないし、また検討も経ていない。また、実態調査もおそらくもっと時間がかかるだろう、これを分析するには相当時間がかかるだろう。だから、これはすぐお答えすることではない、することもできないということを申したのであります。その際に、六月中くらいには見当がつくのかというから、いやそんなに早く見当のつく問題ではないということを申したのであります。しかし、おそらくその新聞に出ましたのは、この問題について検討を加えるという態度が明らかになっておりますので、これはすでに国会でも大臣が御説明申し上げていることなので、そのことが一つの材料となってそういうことが行なわれたのではないかと想像するわけでございますけれども、何か特定のものの形がきまったとか、どうするとかということは一切出ておりませんし、また、話を聞いた方々もそういうふうには了解をしておられないはずでございますので、申し添えておきます。

小野明日本社会党

○小野明君 そうしますと、この報道の内容はかなり詳しく出ておるのでありますが、宿日直の問題、もちろんこれは勤務量と関係があるわけなんですが、これなり超勤の問題も合わせて勤務量調査を行なったということは、中村文相だったと思いますが、これをつけたいということで調査費をつけたわけですね。その点は、これはまあ局長よりも大臣がいいかと思うのですが、この点はいかがでございますか。

剱木亨弘自由民主党文部大臣

○国務大臣(剱木亨弘君) 私は、機会あるごとに率直に私の意見を申しておるのでございますが、まさに人事院の勧告も近づいてまいっておると思います。で、私どもは調査をいたしまして、いま局長の申しますように、集計の途中でございますが、結果はわかりませんけれども、私としましては、できるだけ早く調査結果を出し、教員の勤務状況によります給与の処置につきましては、できるだけ今度の人事院勧告に間に合うように、私どもとしては申し込みたいという希望をもちまして急いでやる予定でございます。とにかくこの問題につきまして、せっかく年間調査をいたしたのでございますから、文部省としましては、これに対して必ず結論をどうするということは、ここでは申しかねますけれども、結論を得て、誠意ある解決をしたい、こう考えておるわけでございます。

小野明日本社会党

○小野明君 そうしますと、超過勤務手当の問題について局長にお尋ねをしてみたいと思うのですが、昭和四十年の五月から六月、ほぼ一カ月間にわたって、中学校長会のほうで調査をされた結果が出ておりますね。御存じだと思います。これによりますと、教職員の勤務量平均が五十五時間程度に報告されていると思うのですね。教職員の勤務時間というのは、大体、条例で四十四時間と、こういうことできめられておりますと思うのですが、そうしますと、ほぼ大体十一時間、これだけまあオーバーになっておる、こういうことになるわけなんです。調査の結果というのも、勤務量調査なんですが、おそらく大同小異の結果が出てくるのではないかと思うのです。そうしますと、地方公務員の勤務時間、あるいは国家公務員も同じでありますけれども、これをオーバーした分に超勤手当を払う、これが本質であろうと思うのですが、そういう方向で検討がなされておるのかどうか、お尋ねしたい。

斎藤正文部省初等中等教育局長

○政府委員(斎藤正君) 従来、教育界でたとえば五十五時間というような勤務時間というものが年間を通じまして常時あるとすれば、むしろそれを直さなくちゃならぬということだろうと思います、むしろ逆に。それから従来、教育界で勤務時間とされておったものの形態、その運用それ自体をなお正確に把握しなければいけない。ですから、いままで出ておりましたように、ただ五十時間、五十五時間のその中身が何なのかということが問題であって、それを分析しなければ給与上の措置という現実の議論にたえられない問題が私はかなり出てくると思うのです。そういう角度で検討いたしますとともに、われわれとしましては学校の経営の実態に合わせまして、その週により勤務時間が異なるというほうに運用するという地盤をつくる。しかも、学校で真に校務として、校長の名において命じなければならないものが不可避のものとして何があるか、そういうものを分析しなければ、例をおあげになりましたように、ばく然と、何時間ある、それでそういうふうに意識しておったというだけでは、私は給与上の検討にたえられないという感じがいたします。そういう点が問題でございます。それからもう一つは、大臣も先ほどお答えいたしましたように、そういう問題について給与上どう措置をとるかということは、これは方法その他についてはまだこれからの検討の課題でございますので、いま先生がおっしゃったようなことが直ちに結論だというのではなくて、とにかく正規の勤務時間をこえる勤務の態様は何か。その部分に対して給与上どういう措置を方法として講ずることが可能かということで、全般的に検討を進めたい、かように考えておるわけであります。

小野明日本社会党

○小野明君 それはこの法にもいいますように、四十四時間をこえて勤務をさせないようにするという御指導のあるという点は理解ができるわけなんです。しかし、超勤というのは、やっぱりどうしてもそれをこえて勤務をしておるからどうするのかというこういう実態がある。だから、超勤をもらいたい、こういうことになるわけですね。それで、この文部省の調査がどういう点について調査をなさっておるか、私はまだ検討をいたしておりませんけれども、この中学校長会のやっております調査というのはかなりこれは精密な調査ですね、項目にいたしましても、たとえば授業から始まって約十六項目にわたっておりますね。補習授業、あるいは特別授業、あるいは特別教育活動の学校行事、ほとんどいわゆる校務に関係のないものはないわけですね。それで、こういう調査項目をあげて調査をした結果が、大体そういう時間になっておる、これが実態であるわけです。そうしますと、指導というのは、その四十四時間をこえてやる場合には、もちろん超過勤務をつけなければならぬという根拠があるわけですけれども、現実にそういったものが、納得できる項目というものが、私は中学校長会のこの調査ではあるように思うのですけれども、現実に超過勤務が行なわれておるのだ、こういう実態があることをやっぱり知ってもらわなければならぬと思うわけですね。もちろん従来の指導も、勤務時間をこえて勤務をしないという指導はこれはなされておったに違いないと思うし、それをこえる場合にはちゃんと規定の項目があるわけですから、こえないようになって、しかもこういう実態である、こういう現実を見ていただきたいと思うのですが、いかがですか。

斎藤正文部省初等中等教育局長

○政府委員(斎藤正君) 私どもの調査も現実を見るためにやっておるわけで、それがいかなる職種、いかなる段階、いかなる時期、いかなる態様が、その勤務時間、正規の勤務時間をこえるという共通的なものなのか、それとも中には、従来、校務であるか校務でないか、いろいろな関係で学校の仕事とばく然とされておったもの、それはむしろ逆に整理しなければならないものがあるのか、その辺をやはりきわめていかなければ、給与上の問題を議論することにはならないだろうと思う。ですから、私どもはその実態があるのをおおい隠すのではなくて、実態をよく見て、それを分析して給与上の問題との関連を議論しようとしているのであります。

小野明日本社会党

○小野明君 いずれにいたしましても、実態調査の結果がまだまとまっていないということであれば議論にならないわけなんですが、この調査はいつごろ終わる予定なんですか。

斎藤正文部省初等中等教育局長

○政府委員(斎藤正君) まだ私、直接やっておりませんが、これは調査部局でやっておりますので、おそらくまだ、とにかく六月はとてもまとまる情勢ではないというふうに承知いたします。やはり私どもとしてはできるだけ早く分析したいと思います。その際に、これは大量のものを計量いたしますわけでございますから、どういうタイプで表をとるかというデザイン自体も相当問題になると思います。いずれにいたしましても、できるだけ早く成果を上げられるように努力いたしたいと思います。

小野明日本社会党

○小野明君 大臣のお話の中に、できれば人事院の勧告の中にも取り入れてもらいたい、確かにこれは昨年ですか、一昨年ですか、超過勤務の問題が報告されておりますね。で、これは成り立ち得るという考え方だと思うのですが、あまりおそくなりますと、勧告の中に入れるのにもぐあいが悪いのですが、その辺の作業に手落ちがないわけですか。

斎藤正文部省初等中等教育局長

○政府委員(斎藤正君) これは人事院も独自の判断をされるかもしれませんし、また、人事院とわれわれとの接触というものも起こると思いますが、人事院もまたこの調査を始める段階におきましては、この調査というものの結果を期待しておるわけでありますから、私どももできるだけ人事院の判断の資料にもそれがなり得るようにいたしたい、そういう方向で努力いたしたいと思います。

小野明日本社会党

○小野明君 宿日直問題でありますが、これは教職員の本務であるかどうかという点については、いろいろ私どもは、もちろんこれは学校教育法に記載されておるのではないし、本務ではないという立場をとっておる。判例の中にもいろいろあるようでありますけれども、この現実の問題といたしまして、管理をいたします市町村、あるいは県、こういう立場から言いますと、高等学校一つをとってみましても、一億の上かかる。あるいは最近は小中学校においてもそれだけの金をかけなければならないわけですね。そういう状況にあるにもかかわらず、たった一人の先生が泊ることによって、その責任を、それだけ膨大な公共財産を預けるおく、こういう不合理が行なわれておるわけです。でありますから、この問題は、実態調査いかんにかかわらず、早急に、これはやはり先生が泊るということに義務づけるのではなくて、警備員を置くとか何とかいう措置を講じなくてはならぬのではないか、こう考えるわけですが、これいかがですか。

斎藤正文部省初等中等教育局長

○政府委員(斎藤正君) これも大臣がすでにお答えいたしましたように、宿日直問題の解決の端緒を開くために努力をするということを申されておるのであります。その御方針に従いまして、われわれもこれは今後検討していくわけでございます。その場合に、これと学校の校舎の保守という関係ということをどういうふうに物事を考えるのか、これは検討の課題としては多様な方法があるわけであります。それらを含めて洗いざらい検討してまいりたいというふうに考えております。

小野明日本社会党

○小野明君 どうもはっきりしないのですが、それだけの膨大な公共財産、これが火災等にあえばもちろんたいへんな損失なんですが、これを現実問題としてたった一人の先生に管理の責任を負わせる、こういうことがいかに不合理であるかということを私は申し上げておるのです。ですから、早急にこの問題の解決をはかっていただきたいと思うのであります。この点は大臣にひとつ御答弁いただきたいと思います。

剱木亨弘自由民主党文部大臣

○国務大臣(剱木亨弘君) いま結論から申しますと、最終的に宿日直をやめて警備員にかえるとか、そういう結論をいま出しておるわけではございません。ですから、私のほうで御答弁申し上げるのは非常にあいまいな御答弁しかできないのでございますが、しかし、私としましては、必ず近く解決する方向にいま努力しておるということでひとつ御了承願いたい。これはぜひ私解決をするという決意をいたしておりますので、その点、結論をどうするかという問題は、いましばらく検討さしていただきたいと思います。

小野明日本社会党

○小野明君 この場合はもちろん御承知のように、関係法令を若干当たらないというとできないわけですね。これは地方公共団体にしわ寄せされることになるわけですから、その点もあわせて御検討なさっておるかどうかひとつお尋ねしてみたいと思います。

斎藤正文部省初等中等教育局長

○政府委員(斎藤正君) 宿日直問題に関連いたしまして、地方公共団体が管理いたします、先ほど申しました校舎の保守という問題をどういうふうにやっていくかということが当然にあわせて検討さるべき課題だと思います。

小野明日本社会党

○小野明君 校舎の保守という、まあ保安に当たるということをお尋ねしておるのではなくて、教職員が泊りますと国庫補助が半分あるわけですね。それが泊らないでいいと、結論はいいほうに御努力をしていただくということですから、非常に私も期待をしているわけですけれども、そうしますと、それがはずされると、こういうことになりますと、その辺を当たらなければならないわけですが、そういう問題もあわせて検討をされておるかどうか、それをお尋ねしているわけです。

斎藤正文部省初等中等教育局長

○政府委員(斎藤正君) 先生の御質問は財政的な問題その他あるだろうと思いますが、当然にその問題もあわせて問題になりますから、慎重に各般の方法を比較商量して研究しなければならないと思います。ただ、いま大臣申されましたように、いますぐ結論を求められるほど簡単ではございませんので、なおしばらくわれわれは研究してまいりたい、そして結論を得たい、かように考えておるのであります。

小野明日本社会党

○小野明君 どうもこれは調査結果の結論が出ませんと、はっきりした御答弁もいただけないわけでありますけれども、まあ実態調査をするに至ったという過程、あるいは現実に宿日直の問題についても私が申し上げたような問題がある。あるいは超過勤務の問題にいたしましても、これは現場の先生にいたしましても、きめられておる四十四時間をこえて勤務をしたいなどと思っておる先生はあまりおらないと思うのです。やむを得ない事情によってやっぱり勤務をしておる。しかも、その結果が五十五時間ということに、これは中学校長会の調査で、私は信頼するに足ると思うのですが、なお、検討を加えられるとしても、超過勤務の実態があるということは予測ができるのであります。でありますから、そういった方向でやはり超過勤務についてもつけていく、宿日直についても御努力をいただくということをお願いいたしまして、この問題についての私の質問はこれで一応終わりたいと思います。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 関連して一つだけお伺いしますが、いまの超過勤務と宿日直関係ですが、宿日直は、いろいろ大臣も決意をされてやられるということですから、超過勤務についても何らかの方法で検討中、こういうことですから、その方向で努力を願いたいと思うのですが、ただ一つだけお伺いしておきたいのです。これは大臣のほうにお伺いしたほうがいいと思うのです。労働基準法は教育職員に適用されるべきものであることは間違いがないと、こう思うのです。そういたしますと、端的にお伺いいたしますが、超過勤務手当は、勤務の態様を調査をして、どういう給与になればいいか、これから検討して決定をいたしますと、そういう考え方が一つはございますね。しかし、私に言わせると、その前に、超過勤務があったら払わなければならないということは労働基準法ではっきりしているのだから、それはまずはっきりすべきじゃないだろうか。そうした上において、調査というのは、場合によれば、予算を組む場合にどれだけ必要かという量の調査もあるでしょうし、どういう形に直すべきかということは、それは調査、研究の結果を待つべきであるけれども、その研究ができないからというので何年もほうっておくということは、労働基準法に保障されておるこの時間外勤務というものを支給しないということになると、この辺はちょっと基準法違反になりはしないかという感じをぼくは持つのです。法律的にやかましく言うと、何か逃げ道があるかもしれないけれども、趣旨からいいますと、どうも前提のところにはふたをしておいて、あと、将来研究をしていくということにしか聞こえないような気がするのですが、この辺の見解を伺いたいと思うのです。

斎藤正文部省初等中等教育局長

○政府委員(斎藤正君) 現行のその法制下におきまして、労働基準法が地方公務員たる教職員に適用がございますから、基準法の限界をこえて超過勤務を命じたことが明らかでありますれば、これは超過勤務を払わなければならないということはいささかも否定していないし、私どももそう申しておる次第であります。でございますから、これが事案につきましても、裁判所あるいは人事委員会の判定におきましても、その点が問題になって、したがって、その場合に、これは三十九年の人事院の報告の部分にありますように、そこのところが、勤務の態様から見て、通常の職員よりはどう取り扱ったらいいかということがいろいろ問題があるから、それを研究しようということが私は報告の趣旨だろうと思います。で、現実に命じておれば、それは払わなければならぬことは明らかであります。私どもはそれを否定いたしておりません。しかし、長い間の経緯がありまして、一体どの部分がほんとうに超過勤務の勤務時間をこえるものを態様として定型的にとり得るのかどうかというようなことを分析してみませんと、机上の論議というものは非常にむずかしいのじゃないか、現実問題として。そういうことをよく研究してみたいということでございます。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 大筋からは理解できる。そこで、現実に超過勤務の実態があれば、つまり命じてあれば、これは私のほうは文句はあるけれどもしようがないのですね。現実に超過勤務を命じてあれば支給することは差しつかえない。その見解は間違いないわけですね、いまの局長の御答弁でも。ただし、ほんとうを言えばどういう形態がいいのか。教育職員の勤務の質、量とも合わせて検討すれば、ただ単に機械的に労働基準法で言っておる超過勤務手当がいいのか、あるいは別の何かの給与というものが考えられるのか、併用式になるのか、いろいろあるから検討しなければいけない、こういう趣旨に承るわけです。だから、そういう検討するということについては、これは私はできるだけ早く検討してもらって、結論を出してもらえばいいと思うのですければも、その前の、現実に超過勤務を命じた場合には支給しなければならない。これがほんとうだと思うのです。ところが現実には、簡単に申し上げますと、いまのこの給与法で、時間外勤務手当というのは法律にないから支給できないというのがもっぱら地方の実態なわけです。ですから、たとえば口頭で命じたり、命令のしかたはいろいろありますけれども、法制上欠陥があるから時間外勤務が払えないのだ、こういう面があるわけですね。ですから、私は早急にその点はきちっとしておいて、まあなければ払わぬでもいいわけですから、あった場合は時間外勤務手当を払う、超過勤務手当を払うということは、これは緊急に法を整備しておくべきじゃないか、この点についてはいかがですか。

斎藤正文部省初等中等教育局長

○政府委員(斎藤正君) 先ほどお答えいたしましたように、基準法の限界をこえて正規の時間以外に勤務を命じたならば、これは時間外——労働基準法に定める時間外賃金を払わなくちゃならない、これは明らかであります。それはそのとおりであります。ただ、従来も給与制度その他について、いろいろなこれは水かけ論のような沿革の事情があったりして非常にはっきりしないし、当事者同士もはっきりしない議論が続いてきたわけでありますから、この際、むしろそういう問題を根本的に解決するような方途を講じたらよかろうということで、いま鋭意研究を続けておるわけであります。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 そんなに大きく食い違っていないのですがね。私の言うのは、そういう従来のいろいろな論争のあったものや問題のあるものを研究して、整備して将来の制度をつくる。これには私は別に異論を唱えるわけじゃないのです。どういうものが出てくるかによっては問題が出ますがね。いまの文部省の考え方なり、方針について異論を唱えるわけじゃないけれども、それが出るまでに、現実に超過勤務があっても払えないという、たとえば給与負担法によってこれは超過勤務手当という項目がないから払えないと、こういう形ですが、いま実はやっておっても、命令しないという形に、逆な形になっているわけです。だから、そういう面はいまの労働基準法について法を整備しておいて、直ちにでもそれはやっておいて、それからあとどういう形にすべきかというのはさらに検討されて、その検討の上にさらに法の整備をするということはよくわかる。しかし、現実にやっているものに対して、局長も命令した場合には支払うべきだと言いながら支払っておらぬという、こういう法律の欠陥を持っているわけですから、これをできるだけ早く、できるだけ早急に是正をする意思がないのか、こういうことを聞いているわけです。

斎藤正文部省初等中等教育局長

○政府委員(斎藤正君) 先生は、市町村立学校職員給与負担法、あるいはそれを受けます国庫負担法の問題をおっしゃっているわけなんですけれども、時間外勤務を労働基準法の限界をこえて命じた場合に払わなければならぬ。その場合には、給与負担法との関係が現状のままであるならば、それぞれの市町村立の学校については市町村が負担しなければならぬということは最高裁の判例ではっきりしているわけです。ただ、今度はそういう給与上のいろいろな負担関係とかいうようなものを解決するとせば、これはいまの教員の勤務時間をこえたものに対する給与上の取り扱いというものを基本的にやってみなければいけないだろう、それを急いでいるわけでございます。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 局長の言うのは、局長が別のことで答えてずらすから話がくどくなるのです。私は将来——いま研究していることはそれでいいと言うのです、それでいいと。そうじゃなしに、いまやっていることを、研究の成果がまとまるまでは、命じた場合は——命じない場合はこれは議論があるけれども、このことは言わない。命じた場合には払わなければいけない。それの欠陥がどこにあるかということ、これは市町村が払うべきだと、こういうことです。ところが、市町村が払うべきだということを、現実には、県費負担職員であるから市町村はこれを払わないという形になっている、そういう形で、現に命令が出ても払えないということは、くどいことを言わないでもその実情はわかっていらっしゃるはずです。そうすると、それを救うためには、現に教職員がやっているのだから——やっていなかったら、法律があっても払わなくてもこれは何ら支障がないわけです。そうすると、その点をいま一つ解決しておいて、将来はいま研究しておることでやればいい。だから、将来のものと——過去のものはしようがないにしても、現実のものと分けて考えてもらいたい、こういうことです。

斎藤正文部省初等中等教育局長

○政府委員(斎藤正君) 私どもは分けて解決をはからないで、その負担関係とそのものとを一緒に、一挙動で解決いたしたいということで鋭意検討しております。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 そういうことになると、これは少し私もおこらなければならない。それは労働基準法ができてから今日までずいぶん長い経過をたどっているわけです。現に皆さんが優遇しなければならない教員を働かしておいて、法律の欠陥と言えば皆さんはおこるから、皆さんは欠陥とは言わないかもしれない。もしそうだとしたら、抜け穴をつくっておいて、いままで十年も二十年も超勤手当を払わないわけです。客観的に見れば、払うべきであるという勧告は人事委員会から出ている、あるいは地方裁判でも払わなければならないという判決が出ているわけです。そういうことに対して検討していいものを、出すからと言って今まで出さないでおったというのは、これは行政機関のサボタージュだと思う、もしそういう理屈を言うならば。だから、その点は早くきちっとしておいて、その上にそれを改善するなら改善するというのが正しい行き方じゃないか、こういうことです。だから、そういう法律の、将来何年かかるかは別としても、直ちにいまやっている件につきましては、いまある労働基準法によって払える道を開いておくべきだ、それがほんとうの教師の教育行為に対する思いやりです、行政の。何といっても皆さんのおっしゃることは、法律の抜け穴をくぐって教師を苦しめている。払わなければならない実質的な金を、そういう抜け道で逃げているというのは、払わないでいるということにしかならないと思う。この見解はどうですか。

斎藤正文部省初等中等教育局長

○政府委員(斎藤正君) 私の申し上げていることがちょっと御理解できないのではないかと思いますが、それは基本的な問題だから何年もかけて検討するということでありますれば、そういう問題が起こりますけれども、そうではなくて、いずれそういう問題を含んで解決する、それも早急に検討するということでございますから、時間的な差は私は起こらないんじゃないか、そのほうが解決しやすいんじゃないかと思います。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 それはものの言い方です。いままでほうっておいたことは、これだけは何といっても、あなた言い逃げはできないわけです。労働基準法ができてから何年になる、時間的な差がないということは言えるはずはない。最近思いついてやうろと思ってから——今日からでき上がるまでの時間はそんなにないかもしれない。しかし、いままでの時間というものはずいぶん長かったわけです。それをほうっておいた。こういうことですから、だから、そういうような法体系は整備しながら改善していかなければならない。繰り返して申し上げますと、並行線であるならば時間がかかるだけですから、これでやめてもいいのですけれども、そういう考え方でいままでやってきた。実際出さないできたんだから、いままでは。人事委員会が検討すべきであると言ったのだって、一体これはおととしの話です、あるいはさきおととしですか。そういうことを今日までだらだらやっておいて、時間的に差がないなどというようなことを言うのは、これがこの役人のうそっ吹きだと私は思う。やはりそういうような愛情のない行政から、いろいろと教員を優遇いたしますという大臣の演説が飛び出すところに、いまの教育行政の問題があるわけです。そういう点についてはきちっとやってもらいたいということを強く要望します。

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) ちょっと速記をとめて。  〔速記中止〕

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) 速記を始めて。

小野明日本社会党

○小野明君 きょうは実は私立学校振興方策調査会の山田会長においでをいただきたいと思っていたのですけれども、ちょっと手続のミスでおいでいただいておりませんので、その事情は管理局長が大体おわかりなんですね。そういうことで少しお尋ねをしてみたい。最近、臨時私立学校振興方策調査会、これが答申案をつくるにあたって、大体の骨子が出たように報道されておるわけですね。その内容が局長のほうにおわかりでありましたら御説明をいただきたいと思うのです。

剱木亨弘自由民主党文部大臣

○国務大臣(剱木亨弘君) これは調査会のほうで六月末日に答申を出すということで、急いで結論を出しますように努力をするために、調査会の中で起草委員会等を設けまして、いろいろやっているのは事実でございますが、しかし、これはその全体会議とか、そういったようなものにかけます案の作成中でございまして、調査会としてのまだ案を決定しているわけではございません。おそらくこれは総会におきましては非常に論議がまだある点でございますので、調査会の中間的な一つの案を発表いたしますということは、これは調査会自体におきましてもできない問題ではないかと思います。私どもとしては、最終結論を急いでもらうということを強く要望して今日おるわけでございます。

小野明日本社会党

○小野明君 新聞で見る限りにおいては、全体会議は十二日でありますか、そして、この骨子についてはすでに報道されておるようでありますけれども、この問題は、責任者がおりませんから、これ以上尋ねてもらちがあかないと思うのですが、文部省のほうでとられておりますこの答申に移した経緯というのもあるでしょうし、あるいはそれなりにいろいろ調査の途中で打ち合わせをなさったりした点もあったのではないかと思いますが、現在の私学経営の問題点、経営の見通しなり問題点について、どういうふうにお考えになっているのか、これをお尋ねしてみたいと思います。

剱木亨弘自由民主党文部大臣

○国務大臣(剱木亨弘君) その一々、私は論議の内容はよく存じませんけれども、大体の様子は聞いて非常に関心を持っておるわけでございます。ただ、現段階におきます論議の内容面におきまして、これは私立学校の根本的な永久施策としての結論は、わずか一年足らずの調査の結果によって、これを即断することはきわめて困難ではないか。当面する一応の解決策について考えるべきで、基本的には、なお私学の問題についていろいろ根本的に研究しなければならぬ問題があるということが一つの論議になっておる問題点であるように思います。それから、その基本的な考え方の一つは、将来、国、公、私立を通じまして、大学そのもののあり方というのは、これがまず一応、国として一つの基準と申しますか、基本問題が検討されなければならない。その上に立って私学の地位というものが格づけされる。この問題をやるのについては、とうてい短期間にはやれないという、またあるいは基本的な別の機関というようなものが必要じゃないかというような問題が相当論議されておるように聞いております。それからもう一つ、これはこの委員会におきまするいろいろ論議が分かれておる問題でございますが、いま一番やはり論議の中心になっておりますのは、経常費に対して補助をするという問題でございますが、その経常費に対する補助をいたすべきかどうか。また、いたす場合においてはいかなる形態で経常費の補助をいたすか。この問題が非常に論議がかわされておりまして、最終段階まで答申がどのように決定されますか、おそらく私どもとしてははっきりした見通しを持っていないと思います。大体のところはそういう論点でございますが、しかし、最終段階で相当やはり論議が、これは委員の中で非常に異なる意見がたくさんございますので、いかにまとまっていくかということは、ここではなかなか即断できない現状でございます。私の知っております状態は大体現在そういうふうになっておるようでございます。

小野明日本社会党

○小野明君 この問題は大臣も御承知のように、一昨年、いわゆる学園争議が頻発をした。慶応に始まって早稲田、あるいは明治、こういうふうにいわゆる授業料をめぐって大きな社会問題をかもしてまいった。いま私学経営の危機と、こういうふうに言われておるし、これを小委員会がどう答申を出されるかということについては、私どもも注目をせざるを得ないのであります。大学経営の危機と同時に、福岡の、大臣も出身でありますからおわかりのように、電波学園の争議、もめておりますが、経営の危機と同時に、学生、あるいは教師の間における不信感、あるいは父兄との間における不信感を起こすのに非常に大きな禍根を将来に残すと思われるわけですね。それだけに、これに慎重、そうして積極的な援助策、対策というものが立てられなければならぬと、こう思うのであります。根本的なこのあり方というものについて、大学のあり方等について検討はもちろんしますけれども、いわゆる大学生急増期間といいますか、この期間をどう乗り切るのかということが、私はやはり一つの焦点ではなかろうかと思うのであります。それで、いままでの大学の考え方なり、この問題の処置のしかたというものが、やはりすべて学生の納付金にたよってきておる。そのために非常な父兄の負担過重になってきておる、いまは高等学校はもちろん大学までもやりたいという非常に強い父兄の希望があるので、この学生納付金というのは公共料金的な性格を持っておるわけです。大学経営すべてがこれに、学生納付金におんぶするというところに一番問題が生じてくると思うのでありますが、こういった問題を受けて、大臣も四月二十二日ですか、衆議院の予算分科会で、これまでの法規では不十分であるので新たな立法措置が必要である、このように言われておる。これにはただし書きがついておって、これはあとで大臣の思いつきであったというようなことまで書かれておるわけですが、単なる思いつきということでも私はないのではないかと思うのです。同時に、私学振興財団というような構想も出されておるわけですね。こういう問題についてどのようにお考えになっておるのか、お尋ねをしたいと思います。

剱木亨弘自由民主党文部大臣

○国務大臣(剱木亨弘君) これは私は思いつき、単なる思いつきと申しましたのは、私が申しました立法措置と交換に、何か私学援助法とかいうような基本法的なものを考えておるということが伝わっておりまして、そういう法律を出すというふうに私の申しましたことを誤り伝えられたきらいがございました。私が申しましたのは、この調査会の報告は、答申が出ますと、それによって財政的にまた法制的措置をやらなければならぬ問題が起こってくるという意味合いにおきまして、立法措置も必要であるというふうに考えておるということを申したわけでございます。その点は現在もまた、思いつきというよりも、現在も私そう考えておりまして、いろいろこの私学に対しまする援助計画をいたします場合、単に予算的措置だけでは済まない面が起こり得ると思います。なおまた、さっきちょっとお話ございましたが、私、問題点はいま私学に対する基本的な対策を講じますのに適当な時期であるかどうかという一つの認識でございます。それは、いま要するに大学の急増期でございます。私学がほんとうにいよいよ困ってまいりますのは、現段階よりも、急増期を過ぎた大学志願者の減少期に入りまして、相当、私学にまあ問題が起こってくる、現在におきましても電波大学のような問題が起こっておりますけれども、将来、減少期におきましては、なおそういう問題が相当起こってくる時代がくるかと思いまして、そういう問題でいま基本的に全部解決するというわけにはいかぬのではないかというような意見が相当調査会の中にあるようでございます。  なお、もう一つつけ加えて申し上げますと、現在、電波大学のような問題が起こりました際、名城大学のときに単独立法したのでございますが、そういう私学の大学の中に紛争と申しますか、トラブルが起こりました場合に、これに対して現在法的には何らの処置をする方法がございません。これの解決策について、何らかの解決の方法を講じられるような問題もあわせて今度の調査会の答申に考慮していただきたいと私どもは希望を申し上げておるわけでございます。これもある程度の示唆と申しますか、方法は答申されることを期待いたしておるのでございます。

小野明日本社会党

○小野明君 大学経営の問題を主に大臣はお答えをいただいたわけなんでありますが、問題を変えまして、これは管理局長御承知だろうと思うのですが、いま大体、おたくのほうでも私学の大学生ですね、大学を例にとってみますが、大学で学年の納付金、毎月の納付金とそれから臨時的に納める納付金ですね、これは大体幾らになりますか。

宮地茂文部省管理局長

○政府委員(宮地茂君) これはいろいろ大学によりまして、非常に高いところ、あるいは普通のところ、低いところ、また大学だけやっておる学校あるいは付属の幼稚園からずっと一貫的に学校があるといったようなことで、非常にまちまちでございますが、一応私のほうでそういった前提で、それらをあわせまして算術平均で平均値を出しました、その数字でお答えいたしますが、大学関係で一応文科系、理工科、医歯薬といったような分け方をして申し上げますと、文科系では一応学生納付金の平均値は十六万円でございます。それから、そのうちの授業料は六万五千円くらいに当たっております。それから理工系でございますが、理工系の授業料は九万二千円ばかり、その授業料を含みまして、その他のものを入れたいわゆる学生納付金の平均は二十二万四千円あまりでございます。それから医学部、歯学部関係でございますが、授業料が二十一万円、それからそれを含んでの全体の平均が六十七万円、そういったようなことで、それらを全部一応平均いたしますと、授業料が七万七千円余り、それからそれを含んでの納付金全体の平均が二十万円余といったような数字になっております。

小野明日本社会党

○小野明君 国立の場合はどうなりますか。

宮地茂文部省管理局長

○政府委員(宮地茂君) 授業料が一万二千円でございます。

小野明日本社会党

○小野明君 これだけの納付金を現在納めておるわけですが、これと私学経営、私学を文部省としても実態調査をされておると思うのですが、それとの負債、あるいは借り入れ金等いろいろあると思うのですがね、経営実態というものを少し話してもらいたいと思うのです。

宮地茂文部省管理局長

○政府委員(宮地茂君) 昼間の大学につきましての平均した収支状況の調査がございますが、それで申し上げますと、大体、学生納付金はその大学の収入のうちの四二%くらいに当たっております。それから、文部省等から出します補助金が二%余、それから寄付金が九%、借り入れ金が二七%、その他いろいろ収益事業からの繰り入れ金とか、あるいはその他の事業収入、雑収入、こういったようなものでございますが、大体、いまの御質問の傾向は以上のようなかっこうになっております。

小野明日本社会党

○小野明君 国立に比べますと非帯に過大な負担であります。これはもちろん平均でありますから、私が予想しておりました数字よりもかなり低いのでありますが、これを見てみますと、非常に大学経営の危機なり、納付金の上昇というものがよくわかるのでありますが、問題の経常費の補助について大臣はどのようなお考えをお持ちであるか、お尋ねをしておきたいと思います。

剱木亨弘自由民主党文部大臣

○国務大臣(剱木亨弘君) 経常費は、先ほども申し上げましたように、非常に調査会で論議になっておりまして、私どもはこれについてあらかじめ私の意見を申し上げるということを、今日まで避けてまいっておるわけでございます。ただ、やはり調査会でも各大学につきまして、答申を出すために実態調査をしたようでございますが、大体、授業料で人件費その他些少の経常的なものは支払っていくのは、普通の場合におきましては大学はそれでそう赤字になってはいないようでございます。一番大きな赤字の原因になっておりますのは、設備投資と申しますか、これに対して相当の設備投資をやり、それに対して大きな負債を持って、その負債の償還並びに利子等に対しまして、それが非常な財団の学校法人としましての大きな経営困難の原因になっておるようでございます。まあおそらくそういったような点がだんだん考慮されてきまして答申の線が出てくるんじゃなかろうかというふうに考えておるのでございます。

小野明日本社会党

○小野明君 そうしますと、大体授業料によって経常費はまかなっていける、これはまあいままでの過去の例を見ると、毎年一五%ぐらいずつアップしてきておるようですね、学生納付金というのが。それで、大臣のお話しですと、大体それでとんとんでいける。あとは設備投資をやった、それをどう償還していくかという問題だけだというふうに受け取られるわけなんですが、授業料で経常費がまかなっていける、人件費、研究費はまかなっていけるという状態であるかどうか、管理局長にお伺いいたします。

宮地茂文部省管理局長

○政府委員(宮地茂君) これは、調査会がいろいろ審議します場合に、一応、経常収入、臨時収入、それから経常支出、臨時支出といったような大まかな分け方で調査をいたしまして、またそのうち十校ぐらいの学校につきまして、実際に委員さんも行っていただいて、経理担当の人々からも意見を聞きました。まあそういったようなことから申し上げますと、一応、授業料——もちろん授業料の中には入学金その他が入りますが、いわゆる施設費といったようなものでない納付金でございますが、そういうものをもって経常収入という費目を組んでおりますが、その支出の場合に、その中から人件費は出されて、若干の余裕が出るような仕組みになっております。これは、もちろんどんな経営者でも、もともと初めから赤字になるような経営をするはずはございませんので、もちろん、たとえばある大学の学部だけから見ますと、多少マイナスになりますが、付属学校以下で、学校法人として全体の経営をいたしておりますので、全体はとんとんになるといったような学校も若干ございます。ともかく一応、大臣が申されましたような結果にはなっております。ただ、その場合に、私立学校は定員以上に生徒を入れております。ですから、定員どおり生徒を入れるといたしますと、授業料収入も相当減ってまいります。それから、国立大学と比べてみますと、大学設置基準という基準がございますが、その設置基準のすれすれの最低の専任教員といったようなものを置いておる。しかし、国立大学はもっと専任教員は多いといったようなことで、非常に国立とは違うのですが、ともかく私立学校といたしましては、授業料収入で見合うだけの最低基準の専任教員を置き、それから給料も若干国立よりは下回るような給料を出す、そういうことで一応やって、それからその経常収入のうちの人件費と、その他のたとえば教育研究費等の経常費でございますが、その割合は大体経常収入のうちの七割くらいを人件費に充てております。それから三割くらいがその他の教育研究費、それからもちろんガス、水道代といったようなものも入りますが、大体、経常収入の七、三の割合で、七が人件費に充てられておるというのが、一応の平均的な実態でございます。

小野明日本社会党

○小野明君 授業料を上げればそれは幾らでもまかなっていけるでしょうね。そうしてその学生納付金が大体おっしゃるように二十万くらい、非常に過大な負担になっておるのでありますが、これを上げることによって設備投資も戻していく、あるいは経常費をまかなっていく、そのためには数を余計とらんならぬから、結局マスプロになって教育水準が非常に低下していく、これが悪循環だと思うのですね。  そこで、先ほどお尋ねをしておりました経常費の問題でありますけれども、私が聞いておりますのでは、研究費については、国の援助は受けたいけれども、人件費については授業料によってまかなっていきたい。それはなぜかというと、大学の自主性を保っていきたいからだ、こういうふうに聞いておるわけです。この点は、私は援助のあり方というのは、授業料をやはりこれだけ過大な負担をしておるのですから、下がるように援助をしていただかなければならぬと思うのですが、少なくともこの援助をするけれども、大学の自主性をおかすような援助のしかたというのは、いい方法でないのではないか、このように考えておるのであります。経常費問題について、何分この答申がはっきりしたものが出ておりませんし、この責任者も来ておりませんので、どうもこうはっきりした御答弁がいただけないのですが、経常費援助について、再度、大臣のお考えをいただきたいと思うのであります。

剱木亨弘自由民主党文部大臣

○国務大臣(剱木亨弘君) 人件費につきまして、私学の間では、もちろん援助をいたしましても自主性をそこなうことは絶対に断わるという意味におきましても、人件費をぜひ援助してくれというような希望の団体も現実にございます。だが、この人件費を援助すべきかどうかということについては、調査会の内部におきましては非常に論議をされておるところでございまして、いま申しましたように、少なくとも、この経常費の中で、いま七割以上のものが実態として私学において人件費に充当されておりますので、一番私学のほうで欠けておる、欠陥がありますのは、いわゆる研究活動、これが非常に欠けておる。だから、この研究費を相当援助したらどうかという意見は現実に相当強いようでございます。おそらく経常費の援助の形におきましても、研究費を相当思い切って援助するというような形が結論として出てくるのではなかろうかと想像いたしておるのでございますが、これもやはり最終的な段階になりませんと、どういう決定をいたしますか、いま明言ができませんけれども、傾向としてはそういう傾向を持っておるように推測いたしております。

小野明日本社会党

○小野明君 調査会の中の推測ではなくて、大臣のお考えをお聞きしたいわけなんです。まあ過大な設備投資をかかえて負債の償還を一体どう援助するのか、あるいは経常費をどう考えるのか。これは援助するけれども、大学の自主性をそこなうような援助のしかたは問題がある。あるいは経常費の援助についてもいろいろな基準のきめ方というようなものもあるでありましょうし、その辺にお考えがあれば伺っておきたいと思うのです。

剱木亨弘自由民主党文部大臣

○国務大臣(剱木亨弘君) 私学の自主性と、それから国の援助との関係、これは一番大きな問題点になると思います。やはり国費を援助する限りは、これは血税でございますから、これが誤った使用をされてはならないということは、何らかの意味においてそれを確保する方法が講じられなければならぬと思いますが、同時に、それによって私学の自主性をどう尊重して守っていくか、そこの二つの点を解決するのが今後の大きな課題であろうと思います。その点について私どもは十分今後——答申がどのように出るかわかりませんけれども、研究してまいらなければならぬと思うのであります。

小野明日本社会党

○小野明君 もう一つ最後にお尋ねをしておきたいと思うのですが、いまこれは私立の場合、幼稚園から大学に至るまで、まあ大学の場合はいまここで数字も出てまいりましたけれども、非常に多額の金が学生負担となって出ておるわけですね。同時にまた、私が知っております地元の私立高校にいたしましても、授業料の学生納付金の一二八%が教職員人件費であるというような実態もある。どうしても授業料の引き上げにたよらざるを得ない、こういう実態があるのでありますから、やはり積極的な経常費援助と同時に、そういった面についても積極的な政府の援助というものが、授業料を上げないために、学生納付金を上げないために、そういった施策をこの際私はとるべきではないかと、このようにも思うのであります。最後にお尋ねしておきます。

剱木亨弘自由民主党文部大臣

○国務大臣(剱木亨弘君) 大学におきます授業料の値上げを抑制するとか、禁止とか、そういうことをいたすべきかどうかということについては、これもまたずいぶん論議されたところでございます。ある程度、国民所得の増加に伴いまして、ある程度の比率の授業料の値上げということは、これをとめるわけにいかぬのじゃないかというような意見も相当あったように聞いております。ただ、高等学校の場合は、多少事情が違うのじゃないか、これは明らかにやはり公立の高等学校が大多数を占めているわけですが、補完的作用をやっているわけでございますから、公立と私立の間に、学生納付金の大きな格差があまりあるべきでない、格差のないようにするためには、私立の高等学校をどうするかという問題につきましても、あわせて答申がなされると思います。特に、今度、衆議院で問題になりました定数改定の場合でございますが、それが私学にいかなる影響を及ぼすかという問題が、さしあたっての問題になっているのでございますから、この点につきましても、ある程度の解決策は調査会の答申に盛られると私ども期待をいたしているのでございます。

小野明日本社会党

○小野明君 どうもやはり調査会の責任者がおられませんと、はっきりした詰めにならないので、本日は私はこれで終わりたいと思いますが、次回にでも、適当な機会に、私学関係の責任者、答申を書きます責任者を、これをお呼びいただいて、再度この問題についてお尋ねをしてみたいと思いますので、本日は、私の質問はこれで終わりたいと思います。

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) ただいまの点につきましては、また、委員長理事打合会でも取り上げて御相談をいただきたいと思います。  速記をとめて。  〔速記中止〕

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) 速記を起こして。  他に御発言がなければ、本件に対する本日の質疑はこの程度にいたします。  本日はこれにて散会いたします。    午前十一時四十六分散会

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