物価等対策特別委員会 第6号
- 発言数
- 91 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1967/07/12
会議録
○委員長(櫻井志郎君) ただいまから物価等対策特別委員会を開会いたします。 まず、物価安定緊急措置法案(衆第二三号)(予備審査)を議題といたします。 これより発議者堀昌雄君から提案理由の説明を聴取いたします。堀君。
○衆議院議員(堀昌雄君) ただいま議題となりました物価安定緊急措置法案の提案理由を御説明申し上げます。 今日、国民がひとしく望んでおりますのは物価の安定であるといっても過言ではありません。ここ五、六年、消費者物価の上昇は著しく、三十五年を一〇〇とする消費者物価指数は、四十一年に至り、一四二・一となりました。また、久しく安定しておりました卸売り物価指数も、四十一年は三・八%という驚くべき上昇を示しました。 消費者物価も四十年の対前年上昇率七・六%と比べ、四十一年の対前年上昇率は五・一%と低下いたしましたが、これをとらえて政府は、物価安定の実が大いにあがったと強調いたしております。しかし、これは、四十一年が好天候に恵まれ野菜の価格が下落したこと、消費者物価指数の構成比が変えられたこと、また、四十年の異常とも言える上昇に対する反動という要素があるのでありまして、政府の対策が効を奏したということとは、全く次元を異にするものであります。それのみか、五・一%という数字自体が、欧米諸国と比べて、異常なものであることを強調せざるを得ないのであります。 したがって、昨年の物価の趨勢を見て、即本年度以降物価が安定基調に移ると判断することは、まことに危険であると言わざるを得ません。すでに十月からの生産者米価をはじめ、電信電話料金、たばこなどの一連の公共料金の値上げがプログラムに入れられており、また昨年以来の卸売り物価の上昇基調を考えますならば、消費者物価上昇の要因は依然として除去されていないのであります。もとより物価問題は、日本経済に直接間接に関連する問題であります。政府の経済政策、財政政策の破綻、さらには、その大企業中心の諸政策によって生じた二重構造、都市問題、こうした諸問題が放置されている限り、長期の物価安定がはかられるはずはないのであります。 物価の異常な上昇ほど、国民生活を破壊するものはありません。この国民生活を破壊する根源をいかにすれば断ち切ることができるのかを、いまこそ真剣に考えるべきであります。物価の異常な上昇は、国民の政治への不信を醸成し、社会の混乱の大きな原因になることは、諸外国の例を引くまでもなく、週知のとおりであります。こうした混乱を、国民生活の破壊を、あらゆる手段を講じても緊急に避けなければならない、年間六%も七%も上昇する物価を何はともあれ安定させなければならないという立場から、ここに物価安定緊急措置法案を提出することにいたした次第であります。 今日、物価の問題は、単に物価そのものの対策だけでは解決し得ないのでありまして、総合的な経済政策、すなわち財政、金融政策を含んだ計画的な経済政策から、生産振興対策、流通対策、さらには消費構造にまで入り込みまして、包括的な対策を立てることが必要でありますが、そういたしますと、これは日本経済の根本的な建て直しをはかる経済計画法たる性格を有することになり、短期日のうちにはとうてい制定をみることは不可能であります。 そこで、ここに提案いたしました緊急物価安定措置法案は、五年間の時限立法といたしまして、緊急な物価安定策を織り込んだのであります。この法案の大きな特徴は、公共的な料金を国会もしくは内閣の審議にゆだねるとともに、内閣に、強力な諮問機関である臨時物価安定調査会を設けて、物価上昇に関連するあらゆる要因について調査し、内閣に答申するというものであります。 政府は、昨年十二月経済企画庁長官の諮問機関である物価問題懇談会が解散した後、本年に入り、総理大臣の諮問機関として、物価安定推進会議を発足せしめました。物価問題懇談会は、四十年一月からその解散に至る同年十二月まで、十一項目にわたる提案をいたしましたが、そのほとんどが政府によって全く顧みられなかったことは、はなはだ遺憾と言わざるを得ません。これは、単なる経済企画庁長官の諮問機関にすぎず、法律に基づいた機関でなかったところにその一端の理由があろうかと考えるのであります。総理大臣の諮問機関である物価安定推進会議は、私どもの臨時物価安定調査会の役割りと、その発想において類似点が少なくはありません。しかし、最も異なっている点は、物価安定推進会議は法律に基づかない機関であるということであり、したがって、物懇と同様、単なるサロン会議にすぎなくなる危険が十分考えられることであります。今日の物価対策は、もはや語り合うことではなく、実行することに向けられなければなりません。われわれが法律に基づいた強力な機関の設置を主張する理由はここにあるのであります。 また、この法律におきまして、特に強調いたしましたことは、経済政策が物価と不離一体の関係にあるとの観点から、予算の作成にあたって、内閣はその内容をこの調査会にはからなければならないとしたことであります。少なくともこの五年間、物価安定の緊急性にかんがみ、この法案が大きな役割りを果たすことを確信いたしまして提案をいたした次第です。 次に、法案の内容を御説明申し上げます。 第一は、この法案の目的であります。 最近における著しい物価の高騰をすみやかに抑制するため、公共料金その他政府が規制する価格、料金等について特別の措置を講じ、臨時物価安定調査会を設置して、物価の安定に関する重要事項を調査審議させる等、物価の安定をはかるために必要な措置を講じ、もって健全な国民生活の維持及び向上をはかる。これが目的であります。 第二は、政府の義務についてであります。 これは、政府が長期経済計画その他の経済に関する基本的な政策を策定するにあたっては、物価の安定について十分な考慮を払い、いやしくも物価の安定を阻害することのないようにすること、さらに物価の安定をはかるために、必要な法制上及び財政上の措置を講ずるべきことを義務づけているものであります。さらに、内閣が予算を作成し、並びに財政投融資計画及び地方財政計画を策定するにあたっては、これが物価に重大な影響を及ぼすものであることにかんがみ、これらを後述いたします臨時物価調査会にはかるべきこと、及び物価に関する年次報告、講じようとする施策を明らかにした文書の国会提出を義務づけているのであります。 第三は、公共的な料金もしくは価格について、国会の議決または承認を要するものと、内閣の決定を経て定めるものに分類したことであります。 前者は、国の独占的事業であります国鉄運賃、郵便、電信、電話料金、製造たばこの価格、NHK受信料、米穀の販売価格と、民間であっても著しく公共性の高い電力料金とし、後者は、従来各省認可であります私鉄運賃、通運料金、水道、ガス料金、航空運賃など二十二品目といたしました。なお、後者の、内閣の決定を経て定める料金もしくは価格に関しては、その閣議決定にあたり、臨時物価安定調査会にはかることを義務づけているのであります。 第四は、この法律案の基底をなす臨時物価安定調査会の設置についてであります。 臨時物価安定調査会は、内閣に置かれる諮問機関でありまして、両院の同意を得て内閣が任命した二十名によって構成され、次の事項について調査審議し、内閣の諮問に答申し、意見を述べることができるのであります。 調査審議いたします項目は次のとおりであります。 一、鉄道における運賃その他の公共料金等政府が規制する価格または料金に関する事項 二、独占または寡占の状態にある大企業における生産品または役務の価格または料金に関する事項三、農業、中小企業の低生産部門における生産品または役務の価格または料金に関する事項 四、生産品または役務についての価格または料金に関する共同行為に関する事項 五、生産品の流通機構に関する事項 六、地価、地代及び家賃に関する事項 七、その他物価の安定に関する事項第五は、専門委員、幹事、事務局についてであります。 専門委員は専門の事項を調査するものでありまして、学識経験のある者のうちから内閣総理大臣が任命することといたしました。幹事は学識経験のある者及び関係行政機関の職員のうちから内閣総理大臣が任命し、調査会の所掌事務について委員を補佐することといたしました。事務局は調査会の事務を処理することとし、内閣総理大臣によって任命される事務局長の下に三十名を定数とすることにいたしました。 最後は、主任大臣と法律の有効期間についてでありますが、内閣法にいう主任大臣は総理大臣とし、また法律の有効期間は、施行の日から五年を経過した日までとすることにしたわけであります。 以上、提案の骨子について御説明申し上げましたが、よろしく御審議の上、物価安定の緊急性を御認識いただきまして、御賛同くださることをお願い申し上げる次第でございます。
○委員長(櫻井志郎君) 本法案につきましては、本日は提案理由の説明聴取にとどめておきます。 —————————————
○委員長(櫻井志郎君) 次に、当面の物価等対策樹立に関する調査中、公正取引委員会の物価対策に関する件を議題といたし、前回に引き続き質疑を行ないます。 この際、再販売価格維持行為を規制することについて、政府当局より発言を求められております。北島公正取引委員会委員長。
○政府委員(北島武雄君) 再販売価格維持契約の規制につきましては、昨年六月物価問題懇談会の御答申をいただき、また、衆議院の物価対策特別委員会におかれましても、これについての処置を決議されたのでございます。公正取引委員会といたしましては、おおむね物価問題懇談会の意見の線に沿いまして、再販売価格維持行為を規制する法案の一応の案を得まして、先般来関係各省庁と折衝をいたしておったわけでございますけれども、会期もごらんのとおり切迫いたしてまいりまして、いまここに閣議決定を経て国会に御提案申し上げて御審議をいただく余裕はとうていないものと判断されますので、先般、これが提案を断念いたした次第でございます。 ただし、そう申しましても、再販売価格維持行為の規制を強化する方向については、これは毛頭変わりないのでございまして、当面といたしましてはこの法案は提案されませんでございましたが、現在、独占禁止法第二十四条の二において公正取引委員会が指定する商品の品目について並びに著作物について再販売価格維持契約を認めておるのでございますが、この公正取引委員会の指定する商品の品目についてここに再検討を行ないまして、現行法におきましても、適当と認められるものにつきましてはこれを極力削除する方向でただいま作業をいたすつもりでございます。それとともに、違法な再販売価格維持行為につきましては、現行法のもとにおいてもこれをできるだけ規制を強化して取り締まる、こういう方向でただいま計画いたしておるわけでございます。
○政府委員(田川誠一君) 再販売価格維持行為規制法案につきましては、本年四月以降、公正取引委員会の原案につきまして事務当局との意見の交換が行なわれていたようでございますけれども、正式に法律案としての意見を求められる段階には至っていないものと承知しております。厚生省といたしましては、昨年六月の物価問題懇談会の御意見のように、医薬品についての再販売価格維持制度の規制を強化することには全く賛成でございますが、これが実施にあたりましては、主として零細な小売り薬局が危機に瀕するに至るような、いわゆるおとり販売に対する適切な対抗処置が法律上認められるよう要望していたのでございまして、法律案そのものに対して反対をしているものではございません。
○政府委員(栗原祐幸君) 通産省といたしましても、この再販売価格維持行為の規則につきましては、これは賛成でございます。おそらく、公取の考え方と私どもの考え方とは違っていないと思いまするけれども、これを法律にどう盛るかという点につきましてなかなか詰まらない、これがいままでの実態ではなかったかと思います。その意味におきまして、消費者保護に対しまして通産省も積極的であるということについては少しも変わらないわけでございます。
○国務大臣(宮澤喜一君) 当委員会において先般から申し上げておりますとおり、私ども経済企画庁といたしましては、公取委員会でお考えになっておりました案が、現状よりともかく何がしかの改善であるということであれば、これはぜひ私どもとしては御支援をしたい、たとえ最善でなくても、次善でも、そうしたいという心がまえでおりましたので、今度公取委員長がこの会期に提出される手続を断念されましたことについては残念なことであったと思っております。しかし、先ほど公取委員長が申されましたように、現在与えられておるところの法律によって最善の運営をしていきたいと、こう言っておられますので、ぜひその御方針でお願いをしたい、かように考えております。
○委員長(櫻井志郎君) 所管の局長から何か補足答弁がありますか。——ありませんか。速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(櫻井志郎君) 速記をつけて。中沢君。
○中沢伊登子君 いまの各省のお話を伺ってみて、いまの木村委員のお話じゃないですけれども、ほんとうにこの前よりも、もっともっとラフになってしまったような感じで、何だか申し合わせてお互い見解を統一してしまったような感じがいたします。それで、通産省にしても、厚生省にしても、そうして公取にしても、また長官のお話にしても、みんな、今度の規制法案について、あれが流れてしまったことは残念であった、あれには反対はしないものであるというようなお話でございますけれども、それならばどうしてあれが流れてしまったか、そのほんとうのところをちょっと伺ってみなければどうしても納得がいかないわけです。そうして、あらためて次の国会に、もう一ぺんああいう規制法を出す意思がおありになるのか、もう一ぺんちょっと承らしていただきたいと思います。
○政府委員(北島武雄君) とにかく、法案は国会が開かれなければ提案できませんので、今後の通常国会までの間は、とにかく当面は、現行公正取引委員会の指定する商品について再検討していきたい。不適当なものは、再販売価格、これの規制を強化する、こう申し上げておるわけであります。まあ、私どもの考え方は、これを実行に移しました場合に、はたしてこれがどういうふうに結果にあらわれてくるか、それも見ました上で次の国会において考えてみたい、こう考えております。
○中沢伊登子君 通産省、いかがでございますか。この間、木村美智男委員と、それからまた村田委員が関連質問をされたときにも、通産省はあえてこれには反対ではないというような態度をとりながら、どうも相当に通産省の、言うならば圧力がかかったような感じを私どもはそのとき受けたわけです。しかし、いまの御答弁では、通産省もこれには反対ではなかった、これが流れたことは残念であるというふうな御答弁でございましたけれども、それならば、どうしてもう少しみんなでこの法律案を——まあ、国会に提出するまでに至らなかったか、何かやみからやみに葬られたような感じを受けたわけですけれども、その辺の事情をもう少し詳しく聞かしていただきたいと思います。
○政府委員(栗原祐幸君) 事務的な経過につきましては、企業局次長からお答えをいたします。
○説明員(下山佳雄君) 先ほど政務次官から御答弁申し上げましたように、おそらく公正取引委員会が考えておられることと、われわれが考えておることと、そう実体的には違うものでないのじゃなかろうかと私ども思うのでございます。ただ、その法律的な表現をどうするかということによりまして、読む者にとっては非常に変わってくる。その辺のところの詰めが十分に行なわれるだけの時間的な余裕がなかった。私どもといたしましても、公正取引委員会の事務局に対しましては、この問題はやはり詰めようじゃないか、どうせこれはいつかは解決しなければならないんだから詰めようじゃないか、ということを盛んに申したわけでございますけれども、その時間的な余裕がなかった。で、確かにこの法律は独占禁止法に非常に関連する、独占禁止法そのものと申しますか、特に独占禁止法の公正な取引方法の規定に関連するものでございます。したがいまして、その独占禁止法というものが経済憲法と言われておりますように、独占禁止法自体を読みましても、これは非常にむずかしい法律でございます。それでございますので、やはりそういう基本的な問題に関します法律につきましては、やはり相当よく議論しないと、これはその人によって違った解釈ができるということになっては、私どもとしては、それはやはり困るんじゃないか、政府の一員として困るんじゃないか、こういうことで、もう少し詰めたいというふうに考えておったわけでございますが、その時間が思うようになかったことは非常に残念でございます。
○中沢伊登子君 その問題については、またいずれ木村先生からも、この次のときにいろんな突っ込んだ質問がおありになると思います。私は、私自身の質問をちょっと用意しておりますので、そのほうを聞かせていただきますけれども、再販売価格維持契約のそういう行為というのは、乱売を防いだり、それからメーカーの商品の信用を保つ上で必要な点もありますけれども、こうして再販売価格維持契約やその類似行為が、価格の不当な固定化や、つり上げの道具にされるケースが目立ってきております。通産省としては、業界の圧力に負けてこうした現実の姿を黙って見ておられるのかどうか、その考えを伺いたいと思います。
○説明員(下山佳雄君) ただいま先生から、通産省が業界の突き上げでこれについて反対しているんじゃないかということがちょっとございましたけれども、私どもは、一切業界にはこの法案について意見を聞いておりません。あるいは、業界側としてそういうような意向があったかどうかも私ども承知いたしておりませんし、また、反対の動きがあったということも私は承知しておりません。問題は、やはり先ほど申しましたような法律の書き方の問題でございます。それで、物価問題懇談会が御提案になりましたように、家庭用品につきましてこういう再販価格の規制を強化するということにつきましては、私どもとしても御賛成を申し上げておるわけでございます。
○中沢伊登子君 そうしたら、今度厚生省にひとつお伺いをいたしますけれども、薬剤の販売において過当競争がずいぶん行なわれております。この間三共製薬に視察に参りましたときも、私は皆さんの委員の前で、はっきりこの耳でその答弁を伺ってまいりました。たとえば、お医者さんがビタミン剤について一万錠の注文をする、それに対して二万錠のおまけをくれる、こういう話をこの間伺って、実はびっくりしたわけです。まあ、ふだん耳に聞いております問題は、百箱ぐらい買うと十箱ぐらいそれにおまけをくれるというお話は聞いておったわけですけれども、はっきりと、一万錠買えば二万錠の添付品をつける、まあこういうふうな御答弁が、この間三共製薬であったわけです。こういう点については、昨年厚生省は各メーカーに反省を促されたようでございますけれども、いまだにこういう習慣が残っている。こういうことは過当競争の結果でございましょうけれども、まあいろんなビタミン剤というようなお薬みたいなものは、生産されるものの三分の二ぐらいが医療機関が使って、あとの三分の一ぐらいが、われわれ消費者が使うようなバランスになっているわけでして、この点についても、その添付剤で何とかするということでなしに、これは価格の点で行なうのが当然である、こう私は考えるわけですけれども、厚生省はそれをどう考えていらっしゃるか、どのように指導を行なっているのか、その点をお聞かせいただきたい。
○政府委員(坂元貞一郎君) 医薬品の過当競争の結果、いわゆる現品添付というような習慣が医薬品業界にあるということは、従来からわれわれも認めざるを得ない点だということで、ただいま御発言がございましたように、昨年、医薬品メーカーのうちの大手のメーカーに強力に添付自粛の線を勧告いたしまして今日まで至っているわけでございます。そこで、大手メーカーのほうは、大体一ころみたいな非常に過大な現品の添付というものは自粛されているとわれわれは思っているわけであります。ただ残念ながら、製薬メーカーというのは、御存じのように非常に数が多いわけでございますして、全国に二千五百のメーカーがございまして、大手のほうのメーカーは昨年以来非常に自粛の線を守りつつあるわけでありますが、中小メーカー等に、依然としてまだ若干の添付の傾向があるように見受けられましたので、実はことしの冒頭、それからまたつい五月の初め、二回にわたりまして、中小メーカーに対しまして、大手と同様に現品添付の自粛を強力に指導いたしたわけでありますが、何ぶんにも、そういう基本線は持っておりながらも、われわれの目の届かない範囲内で、一部にまだまだ添付の点が完全に自粛されていないという向きも、あるいはあるかもしれません。私どもといたしましては、そういう事実をつかみ次第、適切な措置をとっているわけでありますけれども、今後ともそういうようなことがないように、また、事実があったら、しかるべき対抗手段を講ずるように、さらに一そうこの現品添付という問題については能力に業界方面に自粛反省を促していきたい、かように思っているわけでございます。
○中沢伊登子君 この間三共に行ったときの、その例ばかりとることはどうかと思いますけれども、そのとき非常に不審に思ったことがもう一つございます。それは、たとえば武田薬品のアリナミンというのがございます。アリナミンAとかFとか、あるいは三共のビオタミン・ゴールド、あるいはハイ・ベストンとか、いろいろこういう種類があるわけでございますね。それで、そのとき伺いましたのは、アリナミンFというのが大体市場に出ないお医者さん向けの薬である。アリナミンAというのはそれにビタミンB6とかB12というものをつけたもの。ビタオミンでも、お医者さん向けにはビオタミン、そしてビオタミン・ゴールドといって、またB6とB12を外側からくっつけたもの。そういうふうに区別をして、市販に出るのはアリナミンAとかビオタミン・ゴールドとかハイ・ベストンと、こういうものであると、そのとき伺ったんですが、医薬品販売の薬局に行ってみても、アリナミンはAもFも売っておるし、ビオタミンも売っておるしビオタミン・ゴールドも売っておる。一体これはどうしたものかなと私どもふしぎに思ったんです。そのときいろいろ伺ってみても、なかなかいい返事をいただけなかったんです。それで、いろいろ人に伺ってみたら、あるところで調査をしてみましたら、そのビタミンB6とかビタミンB12というものは、ほんとうは日本でいまたいへんたくさんあるもので、そしてこれは一キロ四千円くらいのもので、それをちょっとベストンに薬を塗って、それをハイ・ベストンという名前で売ると、私どもには相当高く売れるわけです。たとえばハイ・ベストンでしたら一錠十四円くらい、それからアリナミンAでしたらいま幾らにつきますか、私はその原価計算をしてみませんでしたが、まあそういうことで、私どもにはB6とかB12が入っておりますよということで売る。しかし、お医者さんにはそういうものが入ってないものを売って、そうしてビオタミンで言えば、それは一錠十二円四十銭であるというような話を、あのときされた。それならば、ほんとうはそれの原価は幾らで、広告費が幾らで、もうけは幾らで、そうしてそれで十二円四十銭で売るという、そういう値段が当然出てくるはずでございますが、それを皆さんでいろいろ質問をしたところが、とうとうそれは何とかかんとかいうことで私どもは実はその原価計算を知ることができなかったわけです。こういうようなことを考えてみますと、消費者というものはほんとうにいい材料にされてしまって、これはハイ・ベストンですよ、これはビオタミン・ゴールドですよ、ということで高いものを買わされて、お医者さんにはそういうものが入っていないものが、しかも十二円四十銭くらいで渡されて、一万錠買えば二万錠おまけがもらえる、こういう実情であれば、これはずいぶん消費者をばかにされた話ではないか、ずいぶん私ども憤慨したのですけれども、そういう点を公取のほうで今度の規制法で取り締まってもらいたいと、実はこういうふうに思っていたわけですけれども、それもとうとう日の目を見ずにやみに葬られてしまった。非常に私どもは残念に思うわけですが、こういうようなことを考えてまいりますと、一万錠お医者さんが買えば二万錠リベートをくれるということであれば、これは原価計算すれば相当安くなる。ひょっとすれば三円か四円で済むのではないかなというような、こんな感じがするわけですね。しかも、広告宣伝費が薬剤においては相当大きなお金が使われてている。しかも、あのとき伺ったら、最近はテレビの広告宣伝も非常に少なくなった、ほとんど使っていませんとか、いろいろ話がありましたが、一体広告費というのはどれくらい使われているのか。そうしてまた、先ほどいろいろ言われましたけれども、そういう中で医薬代は大体どれくらいまでは下げ得るものであるか、そういうことを、大体の頭でけっこうですが、お感じになられ、あるいは知っておられたら御答弁をいただきたいと思います。
○政府委員(坂元貞一郎君) いろいろ御質問がありましたが、順次申し上げます。 一番最初に御質問がありましたアリナミンの問題。アリナミンも、A、Fいろいろあるわけでございます。これは私ども、最近の医療保険の財政状況が非常に悪化してまいりまして、国会等でただいま健康保険法の臨時特例法の御審議をわずらわしているわけでありますが、この医療保険の財政の悪化問題にからみまして、医療保険中の薬剤の使用のあり方というものを一つの大きな問題として従来から私ども厚生省内においてもいろいろ議論をしてきたわけであります。その際に、ただいま最後に御発言がありましたように、医薬品の広告のあり方という問題から主として問題が出てまいりまして、どうもお医者さん向けの、いわゆる医家向けの薬と、一般小売りと申しますか、一般大衆向けの薬との姿勢が、非常に最近は乱れている。医家向けの薬をいわゆる大衆広告をやっているというような過去の傾向がございまして、この際、医家向けの薬と一般大衆向けの薬というものは医学的科学的に区別できるものから逐次区別をしていこう、そういうことによって、広告なり販売の姿勢の問題、すべての問題について業界の姿勢を正さしていこう、こういうようなことからいたしまして、ただいまお話のような大衆薬と、それから治療薬、医家向けの薬、大衆向けの薬というものを、一昨年あたりから逐次学問的な根拠に基づきまして分離をしている、こういうようなことが一つあるわけでございます。そこで、アリナミンのAとFの関係も、そういうような方針から出てまいったわけであります。 それから第二点の、医薬品の原価計算のことを仰せになりましたけれども、確かに原価計算というものがすべての商品について必要なことは当然であるわけでありますが、医薬品のメーカーというものは多種多様の医薬品を生産しております。同じビタミンB1でも、外形なり包装単位なりあるいは規格、いろいろなものが多種多様に生産をされているわけであります。それがあるいはお医者さんのほうに、あるいは一般の消費者のほうに回っているわけであります。したがいまして、特定の品目だけを取り上げまして、その原価が幾らかということについては、なかなかこれは的確なデータが取りにくいし、私どもメーカーのほうにそういうものを要求しましても、なかなか的確なデータが出て来にくい。そうしてまた、私ども役所の者としましても、その原価計算というものがほんとうに妥当なものであるかどうか、こういう問題につきましては非常にむずかしい問題があるわけであります。したがいまして、できる限り医薬品の価格というものを適正な方向に持っていくという努力はやらなければならぬわけであります。私ども従来から、一般大衆向けの薬についても、できる限り消費者の立場から価格の引き下げを指導いたしているわけであります。現に、傾向としては若干ずつ下がりつつあるわけであります。それからまた片一方、医家向けの薬の価格につきましても、本来なら毎年毎年薬価基準というものを改定をいたしまして、そのときどきにおける実勢価格を反映させるようにやっていきますと、おのずから実勢の価格に合った薬価の基準の改定というやつができるわけでありますが、残念ながら、この点も、いろいろな事情のために過去二、三年やっていなかったわけであります。たまたま本年は、現在、四十一年度の薬価調査というものを実施しておりますので、この薬価調査の結果、医家向けの薬もある程度適正な方向に値下がりができるであろうということを期待をしているわけであります。 それから最後に、医薬品の広告宣伝費の問題でありますが、これにつきましても、従来からいろいろ国民の各階層から、医薬品広告のあり方なり現状について御批判なり御意見をもらっております。私ども当局のものとしましても、広告の自粛あるいは虚偽誇大の広告の自粛、こういう問題について、法律なりあるいは行政指導、あるいはメーカーの自粛要綱、そういうようなものをフルに活用いたしまして、適切な指導をやってまいってきているわけでありますけれども、まだまだ十分なところまで行っておりません、率直に申し上げまして。しかし、数年前と比べますと、非常に医薬品広告の現状というのは改善をされている。しかし、まだまだ一般の消費者の方から見たら十分でないわけでありますので、今後ともこの点については十分指導監督をしていきたいというふうに考えているわけでございます。
○中沢伊登子君 もう少し、いまの問題、突っ込んでみますとね。アリナミンのFとかいうお医者さん向けのものは市場に出回っていないはずだと聞いてきたのですけれども、実際は幾らでも売っているわけですね。どうしてあれが出ているかと聞いたら、いろいろそういうものがあふれてきて、それをかってにびんに詰めて、それを店頭に並べて売っているのですという話を聞きまして、ほんとうにびっくりしているのですけれども、メーカーのほうは出さないはずです。これは医家向けですから、店頭には出さないはずのものがいっぱいあるのですね。こういうところに、もっともっといろいろな、掘り下げて突っ込んでいくと問題があると私は思うのです。そういうところは十分指導監督をして掘り下げていただきたい、私はこのように考えます。 そこで、それならば、小売り価格の表示は、薬なんかほとんどしておりませんが、そういうことができないものかどうか。あるいは、いまのコスト計算、あるいはマージンの公開とか、あるいはリベートを禁止する問題、そういうような項目をどのように今後措置されていかれるか。
○政府委員(坂元貞一郎君) 一番最初のアリナミンFという医家向けのビタミン剤が一般店頭に出ている、確かに私どももそういう話を聞くわけであります。本来医家向けの薬、大衆向けの薬と、法律の根拠に基づきまして厳然とその販売体制というものをきちんといたしますならば、法律的な担保をもってわれわれも強く臨めるわけでありますが、残念ながら、現行法のたてまえのもとにおきましては、われわれのほうの行政指導ということで医家向けの薬と大衆向けの薬と分けて、そうしておのおの販売経路というものを分けさしているわけであります。お尋ねのように、本来医家向けに送り込むべき医薬品が一般の薬局店頭等で販売されているということは、これは本来好ましくないことであります。私どもも、目がつき次第、できる限り、そういうことのないようにやらしているわけでありますが、なぜこういうようなことが起こり得るのかということは、メーカー自身がやっているかやっていないかは別としまして、やはりメーカーから卸しを通じまして、片や医療機関、あるいは片や一般の小売り薬局、こういうような流通経路をたどる場合が非常に多いわけであります。メーカー自身がかりにそういうようなことをやっていないとしましても、卸し段階等でお医者さんに送ったものが、お医者さんのほうから返品という形で返ってきたというようなケースがあった場合、それを卸しのほうで一般小売り店にこっそり送り込むというようなケースも相当あるんじゃないかと思います。卸しの中でも、一次卸し、二次卸し、あるいは現金問屋、いろいろ流通経路が複雑なために、われわれのほうのそういう指導方針が徹底していないという点は、はなはだ申しわけないわけでありますが、できる限り今後は御指摘のような点もさらに指導を徹底していきたいというふうに思っておるわけであります。
○中沢伊登子君 それから小売り価格の表示…。
○政府委員(坂元貞一郎君) 小売り価格の表示につきましては、昨年の物価問題懇談会でも提言がございましたように、実は私どもも前から、メーカーなり小売りのほうに、そのような小売り価格の表示というものがやはり一般国民なり消費者の立場からいって好ましいことじゃないかということを、いろいろ指導していたわけでありますが、この点も、メーカーなり小売り側の立場というものもありまして、昨年までは、そういう点がなかなか業界一本化して一致した態度がとりにくかったわけでありますけれども、昨年の物価問題懇談会の提言以来、また今回の公正取引委員会のほうで考えておられます再販規制法案の中にも小売り価格の表示というようなものを考えておられるようでありますので、こういう機会に、われわれはこの小売り価格の表示というものを、できるものから——一ぺんにはなかなかいかないかもしれませんが、できるものから逐次やっていくように、メーカーに極力指導しておるわけであります。メーカー側も、卸し、小売りの段階と、目下協議をいたしまして、どのような方法でいつごろからどういうやり方で小売り価格の表示をやるかということについて、いま協議中でございますので、いずれ、そう遠からぬ時期に、この小売り価格の表示というものをわれわれはぜひ実現をさしていきたい、かように思っておるわけであります。
○中沢伊登子君 物価問題懇談会は、ボランタリー・チェーン、スーパー・マーケットなどの大型店には一定の値幅で値引きをしなさいと勧告をしたことがございますね。それだのに、小売り屋さんにはどうして値引きをしなさいと勧告をしなかったのか。小売り店だけをはずしたのはどういうわけでございますか。そういうことがございましたでしょう、物懇は。なぜ小売り屋さんだけはずしたか。
○政府委員(中西一郎君) 勧告の中は、確かに御指摘のように、何といいますか、消費者の利益を本来背負ってそうして仕事に従事しておる、そういう色彩の濃厚なところでは、値幅をつくって少し値下げして売らしてもいいではないかという発想だったと思うのです。したがって、一般の小売り店にまでそれを及ぼすということは、あのときには考えられなかった、そういう経緯だったと思うのであります。
○中沢伊登子君 そうなると、小売り屋さんも、対抗上値引きをさして売らしてもらえませんかというような希望があったように私は何かで読んだような気がするのですけれども、小売り屋さんにはそういう要望はなかったですか。
○政府委員(中西一郎君) 小売屋さんの側からそういう要望が出たことはございません。むしろ、そういったスーパーあるいは生協等が安いのに対応して考えられたのは、一般の小売り店ではリベートということもございますし、むしろそちらのほうで、いままでの安定的な商売をしていく従来の方式を守りたいというお考えが前提になっておると思います。
○中沢伊登子君 小売り屋さんはアスパラ方式というのがありますね。リベートでもうけはきまっておるわけですね。それで、そういうアスパラ方式というのは、小売り屋さんに対して価格で拘束をしてしまう、そしてまた一方では再販で拘束してしまう、こういうように、がんじがらめみたいなことで、小売り屋さんを、卸屋さん、メーカーが拘束をしている、私はこういうふうな感じ方をしているわけですけれども、それはどうなんでしょうか。
○政府委員(北島武雄君) 私からちょっと御説明申し上げます。 まず、物価問題懇談会の御意見は、再販売価格維持契約を認める場合においても、ボランタリー・チェーンなどのものに対しては、確定的な再販売価格維持契約でなくて、再販売価格維持に値幅を設けるようにしたらいいという御提案でございます。一般の小売り店のほうは、ちゃんと確定的な再販売価格維持行為を行なわれてもこれはしかたがない、例外的に認めるについては。ただし、ボランタリー・チェーンのほうは、これは流通過程でだいぶ合理化されているのだから安く売れるはずだ、だからその分に対する値幅は認めるようにしようという提案でございます。それから小売り屋さんのほうは、これは大体の傾向といたしましては、やはり再販売価格維持契約が認められますれば安心して売れるわけでありまして、大体において正常な営業活動を阻害されないということで歓迎しているくらいで、小売り屋さんは再販売価格についてはやってもらいたいと、むしろメーカーを突き上げるというのが一般の世界各国の例でございます。
○中沢伊登子君 そうすると、今度の再販の規制法が日の目を見なかったわけですけれども、あれができなくても、いろいろな点で、いまの現行法でそういう値段のことなんかは取り締まりができるものですか。
○政府委員(北島武雄君) 独占禁止法の関係では、省接に価格をいじるということは、原則としてはなかなかできないのであります。ただし、再販売価格維持行為を認めております独占禁止法の第二十四条の二という現行法がございます。それから一般消費者の利益を不当に害することとなる場合はこの限りでないという限定がありますので、それを活用いたしますれば、かりに再販売価格維持契約の届け出が出てまいりました場合に、内容をよく審査いたしまして、それでは一般消費者の利益を阻害するではないかといって直させる手はあるわけです。実は今度の新法におきましても、そういう手を相当使いたかったというふうに思っておったわけであります。
○中沢伊登子君 時間がありませんので、もう一つだけ伺いたいのは、最近の化粧品ですね。化粧品は、ほんとうは二百円のものでも、五百円のものでも、千円のものでも、原料はあんまりたいした変わりはない。ただ問題は、香料に問題がある。だから、二百円のもの使っても、資生堂の千円のもの使っても、たいしたもんじゃないと、よく言われるのですけれども、まあ私らでも、ほんとうは資生堂のを使いますけれどもね。資生堂のような、その名の通っているものであると、やっぱり皮膚がどうかならないかというような心配なしに、ほんとに安心して使えるわけですね。ところが、おかしなものでして、二百円のもの使うと、ちょっとこれ、何か吹き出ものができたらどうしようか、こういうふうにちょっと不安な気もあるし、あんまりたいして知らないメーカーのつくったものでは、ひょっとしたらどうかなりゃしないかというような、非常な不安があるわけですね。こういうことではありますけれども、やっぱり安心料としては、二百円のものから八百円のものじゃ、あんまり高過ぎると、こういうふうにほんとうは思うわけですが、こういうことを調査してごらんになったことはございますでしょうか。
○政府委員(北島武雄君) 私のほうでは調査いたしておりませんが、厚生省で調査なすっておられるかもしれません。
○中沢伊登子君 では、厚生省のほうでひとつ答弁してください。
○政府委員(坂元貞一郎君) 化粧品の価格問題について、実は私のほうもやっておりません。私のほうは、化粧品の問題につきましては、化粧品の衛生管理と、化粧品をつくる場合衛生上の危害が起こるような成分等を入れないように、あるいはまた、化粧品を使った結果何らかの皮膚障害等ができた場合の処置をどうするかというような、いわば衛生管理の面だけに現在取り組んでおりますので、価格そのものについては、医薬品と違いまして、実は厚生省のほうで行政指導はやっていないわけでございます。
○中沢伊登子君 もう一つ。 それじゃ、その化粧品の問題について、もう少し質問してみたい。これは化粧品だけではないんですけれども、まあいろいろな点で物価問題について、これひとつ、長官も来てらっしゃるから考えていただきたいのは、包装だの、それからケースだの、そういうものがだんだんはでになって、デラックスになってるわけです。それで、だんだん品物の値段が高くなって、内容はちっとも変わらないわけですね。それで、この間もちょっと一ぺん質問さしていただいたかと思いますけれども、その紙なんてものは、日本には原料が乏しい、それで紙を外国からたくさん輸入をするということがありますね。そういう点でも、たとえば子供のワイシャツを一つ買うにしても、初めはセロハンみたいなものに包んであったのが、このごろだんだんりっぱな箱になり、そういう箱まで一緒に私ども買わされるわけですけれども、それを買ってくると、今度その箱をとっておくと、空間がだんだん狭くなってくるし、捨てるのにはだんだんごみ屋さんなんかがいやがる、こういうようなことで、ずいぶんくだらない消費をさせられているわけです。それを言っていきますと、いや、このごろは消費者の方がそういうデラックスなケースでなければ買いません、デラックスなもののほうを喜びます、と言って、反対に向こうは、消費者がばかだ、ばかだと言うわけですね。こっちは、そういうことを要望しても、いや、そんなこと言われる方はたくさんの消費者の中でほんの一部分なんです、ということで、無理に私どもはそういうデラックスなものを買わされている傾向がある。こういうことについて、今後どういうふうに措置をされるか、そのお考えを一度伺わしていただきたい。どういうことを考えていらっしゃるか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 売るから買うのか、買うから売るのか、ということを考えてみますと、やっぱり買うから売るということになる、根本はそういうことだろうと思うのでございます。それで、確かに仰せのようなことがございますので、そういう意味では、消費者自身がいろいろもう少し科学的な選択をするというような——これはまあ消費者教育の問題なんでございますが、そういう問題が一つ。それから、消費者自身がそういう風潮に対抗して、もっと自主的な消費をしようということで組合をつくりましたり、生協なんていう、そういうものだと思いますが、そういう努力がもう一つ。これはまあ消費者の機構の問題だろうと思います。もう一つ最後に、そういうことをひっくるめての消費者行政というものをどういうふうに考えるべきかということだろうと思います。 ただいまのところですと、確かに先ほどから御質問になっていること、私もよくわかるので、つまり商品の表示が誇大であるとか、あるいは規格に合っていないとかというようなことについては一部規制がございます。規格については、これは全部には御承知のようにございません。一部にある。それから誇大な広告、あるいは名称、あるいはさらに言えば不公正な取引ということになりますと、これは公正取引委員会で監視をしていただけるわけですが、そういうことでなくって、品質が適正に維持されておってそれが適正に売られているかどうかということは、一部のものを除いては、つまり法律の対象になっていないと思うんでございます。いまのようなむだな包装とかなんとかということも、実際はこれ、何ら法律違反ではないということでございますね。ですから、公正取引委員会がいていただけば、そういうことはみんな取り締まれるかというと、どうもそうではありませんで、やはり消費者行政そのものというのが、何か一つなければならないのではないかということになると思うのでございます。がしかし、そのためにたくさんの役人を雇ってどうこうということは、これまた私どもはあまりよろしいことであると思いませんので、今回は予算も国会からお認めいただきましたので、全国に五千人あまりのモニターに働いていただいて、そういう情報を、いわばフィードバックしていただくというようなことを今度始めるわけでありますけれども、そういうことが少し行き届いてまいりますと、まあまあ消費者行政らしいものが始まるのではないか、まだきわめて幼稚な段階でございます。
○委員長(櫻井志郎君) 田代君。
○田代富士男君 午後になりまして、ちょうど気候といい、そろそろほんとうに、何と申しましょうか、いい心持ちになるときだと思いますし、私もできるだけ早く終わりたいと思いますが、きょう各省から、先日木村委員から提出されました問題につきまして答弁が行なわれました。その問題につきましては、私も後日お尋ねしたいと思いますが、きょうは、先日当委員会から役員関係を主体といたしまして視察にも参りましたし、また、いま問題になっております再販の問題等につきまして、一、二お尋ねしてみたいと思います。 公正取引委員会では、準備していられました再販売価格維持契約に対する規制法案を、今国会に対しまして意を決してお出しになりましたけれども結論として断念せざるを得ない結果になってしまったわけなんです。この法案に対しましては、昨年物価問題懇談会におきまして、十一であったかと思いますが、提言をなされた中で政府が立法化しようとした数少ないものの中の一つであったわけです。この法案に対しましては、物価問題に対する政府の姿勢の試金石とも言うべきものであります。一般消費者も注目をしておりましたけれども、ただいま申しましたように、今国会提出を断念しなくちゃならない、こういう結果になってしまいまして、いまその声というものは、新聞の投書欄あるいは週刊誌の投書欄にも多々出ております。その問題に対しまして、きょうは、消費者の味方であります長官もお見えになっておりますから、この問題に対しまして消費者の味方の代表としてどういうお考えであるか、また、この当事者でありますところの北島委員長もお見えになっておられますから、最初に、そのことをお伺いさせていただきたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 先ほど委員長から発言を許されまして申し上げましたことが私の感じでございますが、公取委員長も非常に苦労をされまして案をお考えになったわけであります。で、私どもとしては、かりにそれが最善のものでなくても、現状を改善するものであればぜひ国会に御提案をいただきたいと考えましたので、いろいろな批評を差し控えまして積極的に御協力をしたい、こういう態度で終始いたしたわけでございます。ところが、この公取が考えられました案に対しまして、先ほど関係省の政務次官、政府委員のほうからお話がございましたが、もう少し話を詰めてみたい、こういう御意向があった。 で、思いますのに、独占禁止というものの考え方が、わが国では戦後の比較的新しい考え方でございますし、その中でも、再販売価格維持契約というのはどういう概念のものであるかということについては、これはさらに新しい概念でございましたために、そこのところのものの見方、考え方が関係者の間で必ずしも一致せずに、これは法制局もやはり一つの関係者でございますけれども、そこで所要時間が短かったために詰めがもう一つ足りないで会期末に近づいてしまった、こういうことではなかったかと思います。したがって、これを契機にして、そもそも再販売価格維持契約というのは社会的にどのような意味があって、また間違いがあればどのような弊害があるか、それは法律上どういう地位を占めるものであるかというようなことについて関係者の間で十分この機会に検討があって、その上で公取委員長が必要と認められれば新しい法律案をお出しになる、と当面のところは私ども推察いたします。現行の法律で、まだまだいろいろなことがやっていける部分が多いし、公取委員長もそう言っておられますので、当面はぜひそれをお願いいたしたい。現実に許されております再販売価格維持契約の中でも、先ほどからいろいろ御指摘がございましたように、全部が全部そのまま現行のとおりでいいのかどうかといったようなことについても、おそらくはいろいろ公取でも御検討なさるのじゃないかと思いますから、そういう運用の改善で当面をやっていただきたい、こう思っているわけでございます。
○政府委員(北島武雄君) 再販売価格維持契約はなかなかむずかしい問題でございます。これは各国ともいろいろ歴史がございまして、議論の多いところでございますが、再販売価格維持契約というのは独占禁止法の概念から言えば異質のものである。やはり各事業者は自己の責任と判断において価格などを決定する自由があるわけです。それを、いわば拘束する行為でありますから、これは独占禁止法とは異質のものではございますが、昭和二十八年の独占禁止法の改正の際に、不況カルテル、合理化カルテルとともに、独占禁止法の上に新しく独占禁止法の適用を除外して認められたものであります。ここに初めて、著作物と公正取引委員会が指定する商品だけがそういった行為ができる、こういうことになったわけでございます。どうしてこういった商品について再販売価格維持契約を認めるかという点につきましては、これはいろいろ議論もあるところでございますが、認めておる商品は商標品でございます、ブランド品でございまして、これはメーカーが自己の責任において大きな広告をし、そうして消費者に売っている、ことばは悪いけどれも売りつけている、そういうものにつきましては、末端の小売店におきまして、えてしておとり販売に使用されやすい、目玉商品でございますね、特定のものを特に安くして客寄せするということに使われやすい。こういうことをいたしますと、メーカーの信用を傷つける、それからそういうものだけでなく、他の業者が自分のところではそういう値段で売れないから断わるということになると、メーカーの信用だけでなくて財産的な利益にも影響するわけです。それから小売り店といたしましては、もちろん正常な営業活動が阻害されるというわけでございますので、どこの国におきましても、独占禁止法をつくっている国におきましても、ある一定の条件のもとにこの再販売価格維持契約を認めるというのが大体の方向でございます。もっとも、カナダのように全然これを認めてない国もございますし、それからフランスのように、きわめてきついところもございますが、大体においてメーカーに認めておる。わが国においても、昭和二十八年にこの制度が取り入れられたわけでございます。それはそれなりに意味がある。これは独占禁止法とは異質のものでございますが、中小企業対策の問題もあり、あるいは先ほどのそういったようなメーカーの信用維持というようなことからいたしますと、それなりの意味はあるわけでございます。しかし、何と申しましても、最近におけるわが国の再販売価格維持契約の状況は、医薬品において特にこの数年間新しくメーカーがこれを始めたわけでございます。その始める場合におきましては、従来売っておりましたものではこれは再販売価格維持契約はできません。小売店で値引きしておったものでありますから。そこで、名前を変えまして、多少中身を変えて、そうして再販売価格維持契約を新しくする。そういたしますと、消費者の段階におきましては、いままで何とかFといわれて千五百円していたのを千円に引いた。ところが、何とかAとなりますと千五百円となる。これはおかしいじゃないかというのが、最近の再販売価格維持契約が一般消費者に疑問視され出した端緒であります。実は、昭和二十八年に認められましてから、当初は化粧品が主でございまして、著作物はずっと行なわれておりましたが、医薬品はごく一部の大メーカーしかやっておらなかったのであります。昭和三十八年ごろから一斉にやり出しました。ある大メーカーがやりますと、他のメーカーも、そのままにしておけば自分の小売り店を荒らされて、流通組織が荒らされる。そこで、再販売価格維持契約に乗り出さざるを得なくなったというのが実情じゃないかと思います。これが、先ほど申しましたように、消費者の面に対しては、急に値上がりしたというようなことになっておる。それのみならず、再販売価格維持行為には、物価問題懇談会でいろいろ提言されているような問題もある。私どもといたしましても、これを何とか規制する必要がある。実を申しますと、公正取引委員会としては一昨年まではほとんどこれは野放しでございました。と申しますのは、再販売価格維持契約自体がわが国でそう問題がなかったことと、これを担当している者がわずか二名、とてもこれだけでは仕事ができない。そこで、昨年から逐次規制を強化することにいたしまして、昨年の二月には、まず第一に従来認めておりました九品目のうち三品目を削除し、一品目につきましては、きわめて範囲を限定して認めた。現在六品目認めている。それから昨年の七月には、再販売価格維持契約の届け出の規則というものを改正いたしまして、実態の把握に便ならしめたわけでありますが、なおまた、小売り方面から再販売価格維持契約の実態の調査をいたしました。こういうことをいたしましたが、とにかく物価問題懇談会の御提案をできるだけその線に沿って実現するためには、どうしても立法措置が必要ということになるわけであります。ことに、各段階のマージンなどを登録して、そうしてそれを一般の閲覧に供するということになりますと、営業の秘密に関するので、どうしても法律改正を必要とする。そこで、部内でいろいろ各国の例も頭に入れて案をつくって各省と折衝したところが、とうとう妥結に至らなかった、こういうわけでございます。まことに残念に存ずるのでありますが、規制だけは、とにかく現行法内でできるだけこれをまずやってもらう、こういうつもりであります。
○田代富士男君 委員長のお話、長官のおことばも聞きましたが、大いにがんばっていただきたいと思います。新聞にもありますとおり、公取委員会も成年に達したのだからということもありますから、大いにひとつがんばっていただきたいと思います。 それで、いま独禁法の話も出ましたが、独禁法が特例として再販制度を特定の日常消費財に認めたのは、いまお話がありましたとおりに、医療品などの業界から起こったおとり商品の販売のために起こってきた対策としてであったと思うのです。その場合も、たしか条件がついていたと思います。その場合、メーカー間の自由競争が存在することを条件に、その上にその特例というものがみなされていたわけなんです。いま、いろいろ独禁法の問題に対しては関係者間の意見の一致を見るにはなかなかたいへんであるということを聞きましたけれども、そもそもの生い立ちは、いま申し上げたようなことじゃないかと思いますが、この特例の制度化においては、系例下の小売り商というものは、ある一定のリベートを与えられまして、安心した商売ができると思いますが、大所高所から見ますと、いまも話が出ましたスーパーであるとかあるいは大型小売り店の発展を押えるというようなことにもなりますし、現在主張されております流通合理化という面から考えていくならば、流通合理化に対してはこの問題は検討する余地があるんじゃないかと、私はそのように思うのですが、その点に対してはいかがでございましょうか。
○政府委員(北島武雄君) まさに御意見のとおりでございまして、物価問題懇談会の提言におきましても、この再販価格維持制度は、流通機構の合理化の利益を消費者に還元せずに、メーカーの寡占化による価格硬直化がある場合にはそれを小売り段階の価格にまで反映させ、それから最終消費者の価格面での競争ではなくして、リベートその他小売り業者に対する過大なサービス提供、過剰な広告宣伝を行なうことによって、消費者の利益を害するばかりでなく、浪費の助長等さまざまの社会的な問題を引き起こす、こういうことを言っている。まさにそのとおりでございまして、流通機構が合理化しておれば安く売れるはずですが、それをメーカーがある値段で売らせるということになりますと、流通機構の合理化の利益も消費者に還元しないんじゃないか、そういったのが物価問題懇談会の御提案の一つの大きな理由でございます。
○田代富士男君 それで、いま委員長からいろいろお聞きいたしましたが、先日の予算委員会において、公取委員長は、今回の法案提出にあたって、業界の圧力等はなかったと、そのように言われておるわけなんですが、業界の圧力が、われわれはいろいろお話を聞いておりますけれども、一番強かったんじゃないかと、そういうふうに思うのですけれども、いまのお話の中にはそういう話はあまり出てこなかったわけなんですけれども、この点はいかがでございますか。
○政府委員(北島武雄君) 公正取引委員会に対しましては一向圧力がましいことはございませんでした。もちろん、陳情は二、三回ございましたが、御意見はよく承ったが、しかし規制するものは規制すると申し上げただけです。ただ、外部におきまして業界がいろいろな動きを示しておるということは、これは私もいろいろ耳にいたしておるわけであります。
○田代富士男君 特に私がお聞きしたいのは、きょうは、この前視察に参りましたその結論を出す会合でございますし、特に薬の問題をきょうお聞きしようと思っているわけですが、いま申しました薬品業界の反対が非常にきつかった。まして薬品業界は団体内に再販問題懇談会というものを結成されまして、大いにそれを発揮された。特に、御承知のとおりに、この再販問題に対しましては、昨年の三月後におきましても、この問題が検討されたときに、委員長は、検討をすると、場合によっては取り消すこともできると、そのような強い御確信は申されたわけなんです。ところが、再販問題に対しましては、業界の圧力が強くして一向にはかどらなかった、そこで消費者の間から、委員長はあのように言っているけれどもどうなんだと、そういういろいろな投書も参ったのではないかと思うわけなんです。そこで、そのように、ああでもない、こうでもないとお互いにやっている間に、昨年の秋には、御承知のとおりに、スーパーマーケットで化粧品やあるいは洗剤の安売りをしましたところが、たちまちメーカーが、卸しや、あるいはそういうものに仕入れをストップさした、こういう事件が起きたわけなんです。御承知のとおり。そこで、この事態に驚いた物価問題懇談会におきましては、薬やあるいは化粧品のメーカーが、小売り店のこういう問題に対しまして値引き販売を防ぐために価格契約を結ぶということを固定するということは物価政策上好ましくない、このように公取委員会に規則を強く勧告されたんじゃないかと思います。それから公取委員会におきましても、そのような今回の問題につきましていろいろ取り組まれたと思いますが、そのあとには、いま申したとおりに、薬業界は再販問題懇談会というものを結成しまして、そうして条文作成の段階においては、いまいろいろ話を聞きましたが、骨抜きがなされた。その中心がこういう業界の圧力である。私も、あらゆる方面の意見を聞いたわけなんですが、しかし、業界からの圧力はないとおっしゃるならば幸いでございますけれども、この問題に対しましては経企庁長官がいまお話をなさったとおりでございます。委員長のお話も当然のことであります。だれが考えましても筋の通った理論であります。にもかかわらず、これがなされなかった。そういうふうに今回提出が見送られたということにいろいろの理由がありました。その中におきましても、業界あるいは各省庁の間で意見が対立したと思うのです。その対立した点は、おもに、端的に言って、どういう点が対立したのか。圧力はなかったとおっしゃいますけれども、各省間において意見がまとまらなかったために今回は見送りになったということでありますが、どの点が対立をしたのか、その点を、まずお聞かせを願いたいと思うのです。
○政府委員(北島武雄君) まず、圧力の点につきましては、当方にはほとんどございません。おそらく、台風の中心は静かであるから、そうなのかもしれません。ほかに台風が吸き荒れておったかもしれません。 それから、公正取引委員会といたしましては、まあ、もう済みましたことについて、この人がこう言った、あの人がこう言ったということを私から申し上げることは、ちょっといさぎよくございませんので、担当の省の方もいらっしゃるのでございますから、私から申し上げて、あるいは不都合なことになってはいけません。各省からお聞きいただきまして、もしそれが間違っておりましたら私から訂正させていただきます。
○田代富士男君 私各省から聞きたいんですけれども、きょうは、委員長が何とか時間を守ってもらいたいとおっしゃるから、各省から聞いている時間がありませんから、こちらからお聞きしますけれども、これは新聞にも掲載されましたけれども、公取委員会は、再販行為は原則として禁止すると、こういう立場で臨んだんですね、一番に。二番目は、例外として認める場合もその要件をきびしくする。三番目には、例外として認める場合にはその契約を登録させる、コスト、マージン、リベートなどを公開させて消費者が監視できるようにする。——このように物懇の勧告をほぼ全面的に織り込んだ法案の大綱がきめられたわけなんです。これに対しまして医薬品業界など関係業界が猛烈に反対し、これを受けた厚生、通産両省——公取が台風の目であるならば、これは台風圏に入ったというんでしょうか、委員長のいまの説明でいきますと。で、厚生、通産両省とも、コストの公開は企業の機密を漏らすということになるので、この理由で反対する、また法制局も、法技術上の、この理由から難色を示した、このため公取委員会は原則禁止の規定を削るなど大幅の修正をしたが、結局調整がつかず、今国会は見送りになったと、こうされておりますが、このようなことで見送りになったということは考えるべきことじゃないかと思うんですよ。この点につきまして、大所高所から、言いにくいかわかりませんが、厚生省、通産省、公取はこういう立場でありますが、この問題、経企庁長官として、消費者の立場から、こういう事実があったとするならば、消費者の代表としていかにお考えでございましょうか。各官庁に聞いていけばよろしいのですが、時間がありませんから……。
○国務大臣(宮澤喜一君) 私は、この公取の原果をめぐりまして、関係各省との間でいろいろの往復があったということを、はたから聞いておりまして、こういう感じを持っておるのでございます。つまり、関係各省としては業界に反対がある、反対があるからそれを取り次ぐという態度ではむろんありませんで、反対論の中で、もっともだと思われるものについては、その役所の立場において主張される、あるいは公取に照会をされる、これは私当然だと思いますし、また、そうであったと思うんです。で 問題の中心は、結局、ただいまお読みになりました、原則としては禁止するのである、例外として認める場合云々、ということなんでございますが、平ったいことばでちょっと恐縮でございます、正確でもないんですが、いいか悪いかということになりますと、原則としてはやはりこれは悪いんだと、しかし例外のときは、まあこれは認めるんですからいいんだということになるのかと思いますが、そのときの判断の基準は何だ、これは、当然関係者が関心を持つであろうと思うのでございます。で、先ほど申しましたように、法律的にはわりに若い概念でございますので、何を基準にして例外を認めるかとということについて、やはり関係者の間の十分な意見交換がなかった、社会的に熟成した概念もなかった、こういうことが、やはり今度時間切れになった一番の原因じゃなかったかと……。で 業界に反対はございましたでしょうが、関係各省はそれを圧力として取り次いだのではなくて、もっともだと思う点について意見交換をしておられる、こう見ております。
○田代富士男君 いまの経企庁長官の大きい立場からのお話、よく了解するのであります。で、現在の自由経済の立場からするならば、御承知のとおりに、需要と供給とのつり合いがとれてこそ成り立っていくわけなんですが、このような再販価格というものは、これを無視した独占的な立場をとっているような感じがしてならないわけなんです。そこで、現在、いまお話が出ておりました薬品あるいは化粧品等で再販五品目のうちで、そのシェアが七〇%以上占めているものがあるなら、その品物をひとつ言っていただきたいと思うんですが、お願いいたします。
○政府委員(北島武雄君) 公正取引委員会が指定する商品の一つの大きな要件は、自由な競争が行なわれているということでございます。と申しますのは、メーカーがかりに小売り価格を指定して守らせましても、メーカーの間に自由な競争が行なわれておれば、そう高い価格はつけられないはずだというのが考え方なんです。ところが、公正取引委員会が指定しました品目、これはすでに相当年月がたっております。昨年三品目削除いたしましたが、残っておる品目につきましても、だいぶ年月がたっておりますし、当初認めましたときと、だいぶ条件が違っておる、こういう点は、一ぺん洗い直しまして、はたして自由な競争が行なわれているかどうかということを主として中心にこれを検討しなければならぬ、こう考えております。その場合にシェアが何十%以上かどうかという問題がございますが、これはシェア一点張りではいかない。これは、業者の数、それから同業者の力関係もあります。あるいは品質関係もいろいろございましょう。ですから、単純にシェアだけからいくことは、これははなはだ禁物でございます。これは合併の場合にも同様でございます。しかし、そういったものを総合判断いたしまして、自由な競争が認められないということになれば、これは削除すべきなのであります。シェアの関係から申しますと、お話のような品目は私はあると思っております。
○田代富士男君 七〇%以上占めている品物をあげていただきたいんですが……。
○政府委員(北島武雄君) それは、私ただいま手元に資料もございませんし、どこの商品がどうと言うことはちょっと差し控えさしていただく段階で、いまそういうことを中心に検討を始めているわけでございます。どうぞしばらく御猶予願いたいと思います。
○田代富士男君 いま、委員長が控えさせてもらいたいとおっしゃれば何ですが、私も一応調べてみましたのです。委員長が控えさせてもらいたいとおっしゃれば、聞かざるを得ないんです。私は、薬を視察に行った以上は、やはり私も、何軒かの薬屋さんにも当たりましたし、セールスマンにも当たりましたし、関係者に全部当たりまして、それで、これはいま問題になっているとおっしゃるとおりに、私も問題になっているから聞いているわけです。それが、委員長が控えさしてもらうとおっしゃれば、私もどうすることもできませんが、私の調べた資料でいきますと、薬品で見れば、活性ビタミンの、いま話がありました田辺製薬のハイ・ベストン、こういうものはシェアが九〇%以上、それからドリンク薬のうちの——あとでまた私は質問しようと思いましたが、大正製薬のリポビタンD、同じく田辺製薬のアスパラドリンク等も六〇%以上、ざっと薬関係で見ましたら、そういうような数字が出てきております。それで、いま中沢委員からもお話がありましたが、いまの薬屋さんは薬ばかり売っておりません。薬屋に行きますと化粧品まで置いております。つい化粧品まで調べざるを得ないわけです。そうしますと、化粧品を見れば、コールドクリーム、ポーラ、これは女性の方、男性の方までも最近は知るぐらいになってまいりましたが、これが六五%以上。化粧品のそばには今度は歯みがきや雑貨品がいろいろあります。それを調べますと、歯みがきで代表的なものは、サンスターが九〇%以上です。このような数字が出てまいりましたので、いま手元にないとおっしゃいますが、私はずっと関係者、薬屋さんから全部回りまして、以上のような数字が出ておる品物については——いま検討さしていただきたいとおっしゃいましたが、ここにおいて提示したこの範囲内におきまして、検討されるのは後ほどでよろしいのでございますが、私の調べたものは視察に行った結果のことでございますから、再販制度より除く考えはないのか、その点をお聞きしたいと思うのですが、いかがでございましょう。
○政府委員(北島武雄君) ただいまお調べのシェアがはたしてそのとおりかどうか、私もここでお答えする資料を持たないわけなんですが、ただ要するに、結局、自由な競争が行なわれていないと認定されます場合には、これはどうしても取り消す必要がある。それから薬につきましては、はたして一般消費者の日常の用に供するかどうかという点についても疑わしいものがあるのじゃないかという気もいたします。こういった点は再検討の必要がある。それからシェアの点につきましては、単に薬だけでなくて、化粧品についても中を当たって見なければならぬのであります。その他の品目についても同様でございます。これは私のほうで正確な資料に基づいてそういった点は今後作業をしてまいる。それとともに、業者間のビヘービアということを重視しなければならぬ。はたして自由競争が行なわれておるかどうかということは、単にシェアだけではなくて、業者の数、業者間の力関係、それから業者間のビヘービアと申しますか、競争態度、そういったものをやはりよく見なければならぬ。単純にシェアだけで、このとおりだと申しましても、これは取り消しということになりますから、やっぱり影響が大きいから、私どもとしては、そういったシェアも十分頭に入れながら、いま言ったようなことを総合判断して最終的な決定をいたしたい、こう考えています。
○田代富士男君 私の一番聞きたいところが聞けないのが残念ですけれども、いま私が申し上げた数字がほんとうの数字かどうかわからないと言われれば、こちらががっくりきますよ。しかし、一度検討していただきたい。これだけの数字が出ているわけなんです。委員長さんよろしゅうございますか。で、出た上のことを聞いているわけなんです。私、架空の数字を言っているわけじゃありませんから。まあ、言えばその業界、びっくりする。それはいま北島委員長のツルの一声で業界がびっくりすると思います。だから、私一番問題になっておるところを聞きたいんですが、その問題が聞けない。これは残念ですけれども 検討されるとおっしゃるんですから楽しみにしております。数字が一致したら大したものだとひとつ思ってください。 そこで一つお聞きしたいんですが、いまはシェアだけで考えるのはちょっと片寄りじゃないか、そのような御意見でございますならば、そうした場合の指定基準というものはどうなるか、その点ひとつお聞かせ願いたい。
○政府委員(北島武雄君) 当初、昭和二十八年以降二、三年の間に指定しましたときにどういう事情であったか、私もいまつまびらかにしないんでございますが、それはやっぱりおとり販売に悩み、業界の人々を事情を訴えて、そうして公取としては、これは各国の例にも照らし、当該商品については自由な競争が行なわれている、こう認定いたしまして指定したものと考えておるわけであります。しかし、今後におきましては、公正取引委員会はいまのところ指定する考えは毛頭ございません。これはよく誤解があるのでございますが、今度の法案においてどんどん指定を追加できるようなかっこうになっている、こう申しますが、これは現行法でも実はそうなんです。「公正取引委員会の指定する商品」となっておりますから。指定さえすればできればできるわけでありますが、現在公正取引委員会が新しく指定いたしましたら、とんでもないことであります。こういった物価問題のやかましいときに、少しでも再販売価格維持契約ができる品目をしぼるのが現在の私どもの任務だと思います。したがいまして、新聞に一時出ておりましたが、どんどん指定するつもりだとか、できるたてまえになっておるとか、これは誤解があると思いますね。とにかく、いままでほとんど野放しにされておった再販売価格をいかに規制するかということに力を注ぎたい、そして、もしこれをやってみて、私どもの考えている規制の方法で規制の効果が十分あがったということになって、そうして物価問題が落ちついた暁においては、あるいはこれを全然指定しない、これは追加しないということもないわけでありますが、現在においては指定するという気持ちは毛頭ないわけであります。 〔委員長退席、理事木村睦男君着席〕
○田代富士男君 これ以上お聞きしてもどうかと思いますから、外国の例を一つあげますと、イギリスの反独占法第三条の中を調べてみますと、市場シェアが三分の一以上になればそれは独占状態であると規制してあるわけなんです。これは、イギリスはイギリス、日本の国は日本の国、そういうお考えもあるのですけれども、一応参考にもなるのじゃないかと思うのですけれども、この点いかがでしょうか。イギリスの例ですけれども、それを日本に当てはめろというのじゃないのですよ。参考にする価値はあると思うのですが、どうでございましょうか。
○政府委員(北島武雄君) イギリスの法律には、まさに三分の一というのが独占の一つの基準——直ちにそれをいかぬといっているわけじゃなくて、そういった場合に独禁委員会に調査を付託さるべき資格があるということでございます。それで三分の一ということがよく各国でも引用されまして、三分の一以上になるとこれはあぶないなという問題が出てきます。これはドイツでは二〇%、そのほかに、ほかの基準も持っておりますが、それ以上になる合併は届け出させる、こういうことになっております。わが独禁法では、そういう確定的なシェアを法律には規定いたしておりません。一定の取引分野における競争を自主的に制限するということが私的独占なりあるいはまた不当な取引制限の禁止の対象になる、こういうわけであります。ただ、三分の一ということは、これは世界各国でもよく言われておることでありますが、それが直ちに参考になるものではございません。
○田代富士男君 そうすれば、委員長は記憶にあると思いますが、五月六日の予算委員会におきましてこういうことを言っていらっしゃるのですね。再販売価格維持行為に必要な限度を越えるものは当然不当と認める、このように委員長が五月六日の委員会で言っていらっしゃいますが、いま私が提示しましたそういう数字というものは、これは信用ならない数字であるかわかりません、それは委員長確かめてからとおっしゃるから……。もしか、そういう事実があったとするならば、これは限度を越えた不当品ではないかと思うのですけれども、いかがでございましょうか。
○政府委員(北島武雄君) たしか、私が予算委員会でお答え申し上げましたのはそういう趣旨ではございませんので、再販売価格維持に必要な限度を越える場合は、これはやっぱり認めないようにしたい、そういうことでありまして、たとえば再販売価格維持契約に付帯いたしまして、いろいろメーカーが再販売事業者、すなわち卸売りなり小売り業者に対して強い拘束をかけていることがあるわけです、付帯契約で。そういったものは再販売価格維持に必要な限度を越えているというので、そういうことはいけない、こういったことを申し上げたのであります。いまの三分の一の問題とは関係ないわけであります。 〔理事木村睦男君退席、委員長着席〕
○田代富士男君 じゃ、いまの数字的な問題は公取で調べていらっしゃらなくて、そういう薬の関係ですから厚生省ではこの問題についてお調べになっていらっしゃるのでしょうか、いかがでしょうか。
○政府委員(坂元貞一郎君) 医薬品についてシュアがどの程度であるかということについての的確な調査をしたことはございません。したがいまして、私どもがやっておりますものとしましては、大体生産高からおおよその達観をしている、こういうような程度でございます。ただいま医薬品の例としておあげになりました活性ビタミン剤なりあるいはドリンク剤等がどの程度のシェアを占めるかということは、生産高等からおおよその達観をしている程度でございます。ただ、特に申し上げたいと思いますのは、医薬品につきましては、非常に多種多様の医薬品を生産、販売しておりますし、メーカー数も非常に多い。いわゆる販売競争というものが非常に激しいわけであります。したがいまして、外国の例でもしかりでありますが、わが国におきましても、医薬品が生産されましてから大体二年か三年ぐらいで、いわゆる医薬品のライフ・サイクルといっておりますが、市場占有の期間というものは大体二、三年で逐次交代していっているというような一般的な傾向がございますので、医薬品についてどういうような基準でシェアとしてとらえるのかというような問題、医薬品の種類なり、あるいは剤型なり、あるいは効能、効果、いろいろな基準がございますので、そういうような基準のどの基準をとらえてシェアとして把握するのかというような点については、若干まだ私どもも研究不足でございます。この点については、やはりまだ、これから公正取引委員会あたりとも相談をしなければならぬ問題だと、かように思っておるわけでございます。
○田代富士男君 この問題では、こちらの資料だけでは何でございますから、次回にまたこの問題について詳しくやりたいと思うのですが、次に、いま言われております資本の自由化との関係をちょっとお聞きしたいと思います。 現在、医薬品等ですでに外資の進出が盛んで、一〇〇%の外資企業を含めて四十二社、そのうちの十七社はすでに日本で製造を始めておりますが、五〇%自由化をした場合、いま問題になっております薬品あるいは化粧品の業界にどのような影響があると判断していらっしゃるか、またそうした場合の対策を考えていらっしゃるか、この点をひとつお聞きしたいと思うのです。幸い通産省の次官も見えていらっしゃいますから、これを含んでお願いしたいと思います。
○政府委員(坂元貞一郎君) 医薬品については厚生省のほうに関係がありますので、資本の自由化対策については私のほうから答弁さしていただきます。 おっしゃいましたように、現在、合併会社というものが四十二ございます。そこで、今回迎えます資本自由化というようなことになりますと、医薬品メーカーについてどのような影響があるのか、あるいはその対策はどうか、この二点だろうと思います。私どもが現在考えておりますのは、医薬品メーカーというものは、諸外国の、アメリカなり、あるいは西ドイツなり、あるいはスイスなり、そういう医薬品の先進国との力関係と申しますか、国際競争力と申しますか、そういうものについては非常にわが国の医薬品と格差があるということは、もうはっきりしているわけでございます。資本力なり技術力の点からいっても、そうでございます。したがいまして、一挙に資本自由化というようなことになりますと相当の影響が出てくる。現に、わが国の現在生産しております医薬品のうち、外国の技術導入というものによって生産している医薬品の生産額というものが相当な比率を占めているわけでございます。したがいまして、そういうような現実に照らしまして見ても、今後相当な影響を受けるということは覚悟しなければならぬわけでございます。そこで、この資本自由化対策としましては漸進的にやっていくというのが政府の方針でございますので、医薬品業界においてもそのような漸進方策というものを考えているわけでございます。根本的には、やはり技術力というものを強化するということが——これは医薬品だけでないわけでありますが、すべての産業においてしかりだと思いますが、医薬品産業の場合も特に技術力の強化というものが大事だろうと思います。そこで、技術力の強化というものは具体的に何かと申しますと、やはり、現在のわが国の医薬品においては、独創医薬品というものが最近非常に数が減ってきたわけでございます。わが国独自の国際的な医薬品の開発というものが非常に最近テンポがおくれてきたというようなこともございますので、今後は、研究開発、特に研究費の大幅投資というものが今後の医薬品メーカーの大きな課題だろうと思う。これが第一点でございます。 第二点としましては、現在のわが国の医薬品産業というものは、先ほど来から申し上げておりますように、多種多様の医薬品を生産しているわけでございます。ところが、外国の医薬品メーカーというものは、わが国ほど、一メーカー単位にしましても、数多くの医薬品を生産していない。それぞれのメーカー独自のいわゆる特色ある主力製品というものを、数は多くはございませんが、非常に有力な特殊的な主力製品というものを持っているわけでございます。ところが、わが国の場合は、いわゆる世間で言われておりますように、類似品なり、模倣品なり、こういうものが非常に多い。こういうようなことからしまして、わが国のいまの医薬品メーカーの生産体制というものは、よくわれわれは、多品目少量生産の体制をとっている、こういうことを言っておるわけでございますが、国際競争力をどうしても今後強化する意味におきましては、外国並みに少品目多量生産方式、こういうような生産体制に今後一刻も早く切りかえていく、これが当面の大きな第二の課題だろうと思います。 それ以外にいろいろございますが、いま申し上げましたような点を今後資本自由化の基本対策として、われわれ当局のものも、また薬業界のものも、こういう点を十分真剣に検討していく必要がある。かように思っているわけでございます。
○田代富士男君 いま、資本自由化になりますと影響が出てくる、そのために前向きの姿勢で検討をしていきたい、特に根本的には技術力の強化、こういう点をはかり、そして外国並みに少品目多量生産に切りかえていく、そのようにいまお話を聞きましたが、業界の一部においては、まだまだそのような緊迫感と申しますか、感じが楽観的な面もありますが、日本の国というのは、御承知のとおりに、世界第二の薬品、消費国であります。まあ、外国にとっては非常な魅力的な市場じゃないかと思います。ところが、いま説明がありましたとおりに、現在のわが国の薬品業界というものは前時代的な様子でございます、現況が。現在三千社も乱立している企業体で、外国の近代的なこういう競争というものにはとうてい立ち向かっていくわけにいかないじゃないか。そこで、いま時間もありませんから簡単な説明であったと思いますが、再編成等具体的な対策を立てる必要があるんじゃないかと思うんです。その点について、いまのお話でわかりましたけれども、そこで、いま私がお聞きしたいのは、企業に対しての再編成等の具体的な対策を立てる必要があると思うのですが、この点はいかがお考えでございますか。
○政府委員(坂元貞一郎君) 先ほども申し上げたとおりでございますが、ただいまの御発言、全く同感でございます。したがいまして、薬業界の一部には、確かに私どもも耳にしておりますが、まだ楽感ムードというのが若干あるようでございます。資本自由化の国際的な影響というようなものについての深刻な考え方というのは、まだ一般に浸透していない面もございますので、私ども当局も、これから来年度予算の編成も間近に控えておりますので、そういうような対策という面に真剣に前向きで取り組んでいきたいと同時に、また、薬業界一般に対しても、もっともっと真剣な態度で基本対策というものを業界としても自主的に検討を進めてもらいというようなことを薬業界自身にも申し上げてありますので、そういうことも、当局と業界一致しましてこの対策を積極的に考えていく必要があるという点は全くの同感でございます。
○田代富士男君 もう、そう長い時間でありませんので、いずれはそういう時代が参ると思いますが、そうしますと、そのときには、いまお話が出ております自由化と、きょう議題になっております再販制度との関係に対して、どうお考えになっていらっしゃるのか、自由化の後の再販制度を現在のままとどめておかれるのか、その点の考えを聞かしていただきたいと思いますが、お願いいたします。
○政府委員(北島武雄君) 自由化と再販売価格維持とは直接の関係はどうもなさそうに思います。資本自由化によりまして外国企業が入ってまいりますれば、これはやっぱり国内企業と同じでございます。もしそれなら、公正取引委員会が指定している商品でございますれば、現行法によれば、届け出によって再販売価格維持行為ができるということでございます。もしその商品が不適当であれば、私どもはそれを取り消す場合もある。直接の関係はなさそうでございますが、いかがなものでございましょう。
○田代富士男君 ひとつ、私具体的に申しますと、こちらとこちらと結びつきが直接はないかと思うんですけれども、たとえば、消費者の立場から考えますと、品物というものは安くてよい品物を買いたい。そうしますと、自由化になりますと、そういう安くてよい品物が出てまいるわけなんですね。そうしますと、日本人の性格といたしまして、元来、舶来品には弱いわけです。横文字が書いてあると何でもよいと、そういう弱点があるわけであります。そうしますと、再販を現在のまま続けていった場合には、再販があることによって業界が倒産する、あるいは混乱を避けられないと、そういう事態が起きてくるんじゃないかと思うわけなんです。具体的に先の見通しとして、こうした場合に、いまのようなことをお考えになられるのか。もうそれはどうでもよろしい、放っておこう、どうでもなれというようなお考えであるのか、その点いかがでございましょうか。いま具体的なことを言いました。委員長、おわかりですか。関係がないことは関係がないのですけれども、そういうふうになってきた場合にどうするかというのです。その点、ひとつお願いいたします。
○政府委員(北島武雄君) どうも、御趣旨は、資本の自由化によって、外国の、現在再販売維持契約を認めている商品を製造しているメーカーが日本に入ってきて、そして日本でそういう製品をつくって再販売維持契約をやった場合に、非常に安い価格でもって末端の価格をきめるのじゃなかろりか、そうすると、他の同じような商品を売っているわが国固有の企業の製品が押されやしないか、その場合に再販価格維持契約はどうなっていくかと、こういう問題のように伺いましたが、さようなことでございましょうか……。これは、たとえば特定の商品が入りましても、それが末端の小売り業者の団体がありますね。小売り業者はいろんな商品を売っているわけでございます。もし特定のそういった外国企業の商品が非常に安ければ、日本のメーカーもやっぱり再販売維持契約によって指定しておるところの小売り価格もこれは下げざるを得ない、こういうことであります。したがいまして、外国の企業が入って自由な競争が行なわれるということは、これはもう再販売維持契約につきましてはたいへんけっこうなことなんです。それによって私は心配することはない。むしろ、そういう自由な競争が行なわれて、そして日本の在来の企業が、いままでの大きな値幅を小さくして対抗するということになれば、これは消費者はいいんじゃないか、こういうふうに考えております。
○田代富士男君 時間もあまり何でございますから、この前の視察に行ったときの肝心かなめのものをお聞きしたいと思いますが、いま中沢委員からも活性ビタミン剤の問題で質問されまして、私もこの問題について一緒に視察してまいりましたからお聞きしたいと思いますが、私は、今月、七月の一日から健康保険に指定されました活性ビタミン剤の——ノイロビタンですか、七月一日から指定されたのは。厚生省の方……。ノイロビタンですね。七月一日から許可になりましたこのノイロビタンにつきまして、健康保険のノイロビタンは一点単価何円になっているか、ちょっとお聞かせ願いたいと思います。それと、ノイロビタンの一般用の小売り価格——一般用はノイロビタンという名前になっていると思います。これの二五ミリの小売り値段と、それから医者向けのノイロビタン、これの二五ミリの一錠単価と、それから健康保険の単価、これを最初にお聞かせ願いたいと思います。ノイロビタンというのは藤沢薬品ですよ。藤沢薬品の、ちょうど七月一日から健康保険に認められている一番最近の新しい材料でいきましょう。そのほうがはっきりしていると思うから。
○政府委員(坂元貞一郎君) まことに残念でございますが、個々の品目の価格というのは……。こんな膨大な、七千品目もございまして、そのうち、今回千五百品目くらい収載したのです。私実はうっかりしまして、本日ここに資料を持ってきておりませんので、個々の品目の価格をいまここでいきなり言われましても、ちょっと私資料がございませんので、後ほど正確な数字はお答えいたしますが、いま担当の者から聞きしたところ、ノイロビタン二五ミリ、今回収載の価格は一錠二十七円、これは医家向けの薬ということになっているそうでございます。
○田代富士男君 だから、いま医家向けは一錠二十七円ですね。一般向けは幾らでしょうか。それと健康保険の単価は。
○政府委員(坂元貞一郎君) 医家向けだけで、大衆向けの医薬品はつくっていないそうでございます。
○田代富士男君 医家向けだけつくって、大衆向けはつくっていないと……。私、薬屋さんを当たってみたんです。薬屋さんで売っております。そういう答弁をしてもらったら、これは質問するにも熱が入りませんね。これも、いまさっきの公取委員長じゃないけれども、あなたの数字は当てになりませんと言われたら、何のことやらわかりませんが、私も薬屋さんを何軒も歩きました。大阪の藤沢薬品、大阪の薬屋、東京の薬屋、ずいぶん当たりました。セールスマンに当たりました。いま二五ミリ一錠二十七円とおっしゃいましたが、これ、ちょいと高過ぎるんじゃないかと思うのですがね。医家向けのノイロビタンは五百錠入り以下はありません。五百錠入りが最低です。これが八千二百五十円になっております。そうしますと、これは計算していただいてもおわかりですが、十六円何がしかになっております。概略十六円です。いま今度は一般向けは売っていないとおっしゃいましたが、一般向けは売っております。二五ミリ三十錠入り、百錠入り、二百錠入り、千錠入りと売っております。きょう私ここに参考に、ほかの薬品会社等のもこんなに——膨大な数とおっしゃいすまが、参考に持ってきております。全部ではありませんが、こんなにたくさん持ってまいりました。全部これに載っております。藤沢薬品だけ持ってくるのをちょっと忘れたんですが、それでいきますと、小売りのほうは二五ミリ三十錠で五百七十円、これは定価に載っていると思います。これを計算すると一般向けが十九円です。そうしますと、健康保険は十二円四十銭です。二五ミリ一点単価が。だから、いまそちらから申されました二十七円で計算してもよろしいです。医家向けは二十七円と申されましたけれども、これでいきますと、一般向けが十九円です。私が直接藤沢薬品に当たったのは十六円です。そうすると、医者向けは十六円で、一般向けが十九円です、二五ミリ一錠が、健康保険が十二円四十銭です。そうしますと、これはふしぎなことが起きるじゃないかと思う。お医者さんが健康保険で使えば十二円四十銭です。それをお医者さんに薬沢薬品が売る値段が十六円。お医者さんは、これは何円損して健康保険を請求しなければならないか。この点、厚生省のお方、いかがでしょうか。健康保険の単価と値段の違いがあるのはいかがでしょうか。
○政府委員(坂元貞一郎君) 個々の品目の単価について私は資料を持ってきておりませんので、申し上げられませんが、一般的な考え方だけを申し上げますと、確かに医家向けの医薬品の価格というものは、御存じのように、厚生大臣のほうで告示をして、薬価基準という制度をとっているわけでございます。この薬価基準という制度は、現在七千百品目くらいあるわけでございますが、この医家向け専門の医薬品の価格は厚生大臣が個々の品ごとに告示をして価格をきめているわけでございます。で、この価格のきめ方からまず御説明いたしませんと、なかなかおわかりにくい問題だと思いますので、ちょっと時間がかかるかもしれませんが、お聞き取り願いたいと思います。制度の仕組みが非常に複雑でございますので、ちょっとやそっとの簡単な説明では誤解が解けませんので、相当時間をかしていただかないと。薬価基準の価格と一般大衆向けの価格との原理原則というのが違っておりますので、その点を申し上げたいと思います。よろしゅうございますか。
○委員長(櫻井志郎君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(櫻井志郎君) 速記を起こして。薬務局長。
○政府委員(坂元貞一郎君) 薬価基準のほうの価格から申し上げたいと思います。 お医者さんのほうで使う薬価基準の価格の仕組みは、現在私どものほうで毎年毎年薬価調査というのをやるわけでございます。これは、医融品の卸しから医療機関に売っている価格でございます。つまり卸し価格でございます、これをいわばA価、B価、C価という、普通の慣例のことばで言いますとB価に当たる価格でございます。この卸しの価格を基準といたしまして——これはもちろん実勢価格でございます。実際の取引価格でございます。その実際の取引価格を九〇%数量バルクラインというものに訂正するわけでございます。このバルクラインの説明をやるとむずかしくなりますけれども、全国的な医療機関の、つまり一番安い価格で買っている医療機関から一番最高の価格で買っている医療機関の大体九〇%の医療機関が買える価格、簡単に言いますとこういうようなもの、これを九〇%数量バルクラインと言っておりますけれども、九〇%数量バルクラインを、その実勢価格をもとにしてそれぞれ個々の品目ごとにきめまして、それに相場品目という、いわゆる東京なり大阪の卸し業者がそれぞれ卸している価格でございますが、この相場品目については平均比率というものは一・〇三と現在言われておりますが、平均比率をかけまして、それからB価につきましても同じくそういうような——B価といいますのは、先ほど来から問題になっております一社一製品、たとえばアリナミンみたいな製品を一社だけでつくっておるというやつでございます。そういうB価品目についてのB価についてもそういうような計算をいたしまして、そうしてその計算の結果が薬価基準価格として告示になるわけでございます。したがいまして、簡単に申し上げますと、いわば基礎が卸し価格でございます。といいますのは、なぜ卸し価格を基礎にとっておるかといいますと、お医者さんというのは大量購入をしております。したがいまして、末端の小売りや薬局で売っております二五ミリのやつを五十錠とか何とかいうようなことではなくて、先ほど来から話がありましたように、五百錠とか千錠とか、あるいは一万錠という大量購入をする、いわゆるその取引の実態が卸しの実態である。卸しの取引価格であると、こういうようなことに原因をしまして卸価格を基礎にしてきめたわけであります。したがいまして、片方の大衆向けの価格というのは全く正真正銘の小売り価格でございます。いわゆるA価といわれている価格でございます。これは卸価格にある程度のマージンをプラスしました価格が小売り価格になります。したがいまして、先ほど来御説明がありました十六円なりあるいは十二円四十銭の関係は、片や卸し価格、片や小売り価格、こういうように原理原則の考え方に差があるわけでございます。したがいまして、これを一がいにこのまま比較をするということは、現在のわが国の医薬品の流通の実態からいいまして、取引の実態からいいまして、こうせざるを得ないというのが現在の仕組みになっております。 ただ、問題は、先ほど申し上げましたように、九〇%バルクラインというものが妥当かどうかという問題は、現在中央社会保険医療協議会で検討いたしております。これを七〇%にするか、あるいは八〇%にするか、あるいは極端な場合には五〇%にするかというような問題が一つありますけれども、中央社会保険医療協議会で現在までにとられておる仕組みは九〇%バルクラインというものを基礎にして実勢価格というものをこういうふうに調整しておるわけでございます。その点の問題はいずれにしてもあるといたしましても、価格の仕組みは、取引の実態からそういうような関係になっておりますので、一がいにこの十六円、十二円四十銭の比較をするのは必ずしも妥当じゃない、こういうふうにわれわれは考えておるわけでございます。
○田代富士男君 いま、九〇%バルクラインとかいう説明をされましたけれども、わかったようなわからないような、熱意をもって説明をしていただいたと思いますが、またその方程式は私勉強させていただいてなにしたいと思いますが、要するに、卸し値で入れてやるということでございますけれども、いまの品物が二種類になっているわけなんですね、お医者さん向けと一般向けと。そうして一般向けは、これは再販でしばられておりまして安くできないんです。安くすると荷物をとめられてしまう。お医者さん向けのほうは、名前をノイロビタンとか、何とかパンとかつけまして、医者向けだというわけです。その内容のことについては私たち専門家でないからわかりませんが、しかし、どれだけの違いがあるか。医者が使うのがきかないわけじゃないでしょう。だから、ビタミン剤の合成というのは、私はしろうとでありますが、他から聞いた範囲内では、TTFD、これは頭文字ですが、これは活性ビタミンの記号らしいんですが、B1を含む、あるいはB6、B12を含めば大体一般向けで、医者はTTFD−B2、それで医者向けはB6とB12が入っていないと、こう聞いたわけです。B6とB12は、これはどういう効果をあらわすかといえば、これが微妙なものでございましてと——これは薬屋さんの説明でございまして、きくといえばきく、きかないといえばきかない。これは薬屋さんの説明でございます。どういうふうにきくかといえば、神経系統から筋肉系統の機能を円滑にする役目をする。薬を飲んで気分が爽快になったら、きいたんだなと、そういうことも言えるわけですが、そういう内容から言えば、お医者向けと一般向けと分けること自身がどうかと思うんです。そうして消費者に対しては再販価格によりまして高いものを買わして、お医者に向かっては再販は解かれてありまして、名前は別でありますけれども、安く売られております。卸し値で売られております。私は、こういうところに不合理を感ずるわけなんです。だから、いま御承知のとおりに、九〇%バルクラインとか何とかむづかしいことを言われましたけれども、卸し値で入るわけなんですよ、お医者さんは。しかし、実態は私は理論だけではわからない。そこで、病院にも行きました。私の知り合いの病院は多々あります。セールスマンにも会いました。薬局のおやじさんにも会いました。そうしますと、驚くことなかれ、山川製薬、正式には日本化薬という会社の製品でございますけれども、これは堂々と健康保険を請求できる活性ビタミン剤二五ミリ一錠を、山川製薬のあれは——十一円四十銭ですか、十二円四十銭ですか、これはちょっと確信がありませんが、健康保険の単価にしまして——売っているのは四円前後で売っている。四円前後で取引されまして、健康保険が十一円か十二円で請求されているんです。そうして、いま話がありますとおりに、五千錠買いますと、大きいところになれば、倍の品物がこれに加えられる。そういう事実が厳然として現在横行しております。だから、私が言いたいのは、一般消費者に対する薬というものは再販価格で押えて高いものを買わしておる。高いものといえば、公取委員長や皆さんにもおこられるかもしれませんが、喜ばれるかもしれませんけれども、そういうふうにしぼって、名前を医家向けと書きまして半値以下でお医者さんに現在渡している。そのお医者さんは半値以下で、たいてい八円から九円で買っている。それを十二円前後あるいは十四円で請求しているわけです。健康保険上では、御承知のとおり、薬では利益をあげてはならぬといっておりますけれども、極端な場合は山川製品です。日本化薬の製品は四円前後で取引されている。まして四円前後で買ったものを、手錠のものに対しては千錠の無料の品物がつく、これは事実です。 私が言わなくても皆さん御承知のとおりに、終戦直後、マッカーサーが占領政策をしているときに、サムス准将という人が保健衛生担当官でいたと思いますが、そのサムス准将でさえも、日本のお医者は薬屋だと言っております。薬を売ってもうけている。これは私が言うんじゃありません、サムス准将がそういうことを言っている。そうなれば、現在は、お医者さんは、山川製薬の例をとりますと、四円ぐらいで買えば、また追い打ちが千錠ぐらい来る。それはメーカー直接です。卸しを通しておりません。メーカーのセールスマンがおります。薬は、今度は知り合いの薬屋さんにお医者さんが分けている。これは私は聞いてきたんです。そこで、その正義感の強い薬屋の御主人が、まあ聞いてくださいと、三時間ほど私はその話を聞きました。 こういうふうに、片方では再販で押え、片方ではこの薬の業界というものはこのようになっている。いまさっき聞きますと、経営がたいへんだと、いろいろ申されました。ところが、経営がたいへんであるというならば、これは私は資料も調べてみましたが、この資料がまた、公取委員長に合っているとか合っていないとか言われるかもしれませんけれども、この資料は有価証券報告書総覧として大蔵省証券局の企業財務課から出ている資料です、この資料から調べましたら藤沢薬品の——いま七月一日に活性ビタミン剤が認められておりますから、藤沢薬品のを調べますと、第五十三期です。昭和四十年十月から四十一年三月までの決算です。総売り上げ高、それから売り上げ原価、あら利益と、これが書いてありますけれども、これがばく大な数字です。二十六億一千五百九十六万八千円が売り上げ原価になっております。売り上げ高が八十六億三千五百六十三万六千円。そうしますと、これを引きますと六十億一千九百六十六万八千円、こういうあら利益が出てくる。パーセントにしまして、売り上げを一〇〇%としますと、売り上げ原価が三〇・三%、あら利益が六九・七%、このように出ております。これが、第五十四期、四十一年四月から四十一年の九月まで、いまのパーセントでいきますと、売り上げ高が一〇〇%、これに対しまして売り上げ原価が三二・八%、あら利益が六七・二%、六十四億四千五十五万ですか、これだけの利益が出ております。また田辺製薬は、これでいきますと、田辺製薬のあら利益は九十三億九千二百六十三万三千円、これが四十年十一月から四十一年四月までです。四十一年五月から四十一年十月までのあら利益が八十一億五千五百十八万八千円、全体の四八・六三%。あといろいろここに資料があります。塩野義のあら利益が五〇・四%、第九十二期。第九十三期の決算で五二・四%。このように出ているわけなんです。化粧品を紡績と一緒にやっております鐘淵紡績のそれを見てみますと、あら利益はなんと全体に対して一〇・五%です。 このように、ほかの企業のあら利益自身を考えましても、利潤はあがっているわけなんです。ところが、いま申すとおりに私が解せないのは、小売り者に対しましては再販で押え、一般医者向けに対しては再販価格からはずしている。このような不合理な医薬行政があってよいだろうか、私はそう思うわけなんですけれども、こういう、いま申し上げた、この全般を含めまして、まず第一に、そういう利潤があがっている、苦しいと言っているけれども、これだけの利潤があがっているという問題点が一つ、ほかの企業に比べて。それから一般向けは再販で押えて、医者向けは再販を解いている、この問題、これが第二点です。第三番目は、医者向けに対する薬というものが健康保険よりずっと安い。それくらいの値段で取引されている。それに無料で薬を倍加されている。こういう実態に対しまして、どういう態度をもっていままで指導されてこられたか。そういう実態がわかったならば、今後どうして指導していくか。その点についてお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(坂元貞一郎君) ありがたい御忠告を受けましてありがとうございました。 大衆薬と治療薬と分けた理由は、先ほど中沢先生の質問のときに申し上げたとおりでございます。私どもとしましては、医薬品をお医者さんも使い、一般の消費者の方も使うというような場合に、たとえば具体的な例として広告なんかを取り上げますと、お医者さんが使い一般の人も使うというようなものが一般の大衆広告をされますと、薬についての専門的な知識のない一般の人たちはどうしてもそこで誤った認識を持つ。したがいまして、これが従来からいろいろ世間的に批判があった問題であるわけであります。で、私どもは、お医者さんが使う専門のそういう治療薬は一切大衆広告をしちゃいかぬということで、一昨年あたりから指導を徹底しているわけでございます。したがいまして、現に、いわゆる純然たる治療薬というものは、テレビ、ラジオ、新聞等の大衆広告はさしていないはずでございます。これはもうほとんどございません。全然ないと言っていいくらいに、その点は姿勢を正させているわけでございます。なぜそういうふうなきつい態度をとったかと言いますと、お医者さんの使うような専門的な治療薬というものを新聞、ラジオ、テレビ等で簡単に広告しても、一般の人はなかなか専門知識がないので、誤った服用のしかた、誤った使用のしかたをする。これは、いわゆる薬の事故というものに結びついていくわけであります。したがいまして、純然たる大衆向けの薬だけを大衆広告をさせるというようなことで、この大衆薬と治療薬というものを今後できる限り分離していこうという基本線で、一昨年から可能な限り分けてきているわけであります。この辺の事情はひとつおわかりを願いたいと思うのであります。 それから繰り返し申されましたように、薬価基準の正当な価格と実際のお医者さんに納入している価格との間にばく大な差があるじゃないか、こういうことですが、確かにこういう事実があることは私どもも肯定せざるを得ないわけであります。そこで、私どもはこれの対策としまして、何としても毎年毎年先ほど申しましたような薬価調査というものを実施いたしまして、現実の実勢価格に合わせて薬価基準価格を修正していく。かりに、先ほどのおことばのとおり、十一円の薬価基準価格が四円や五円の低い値段で売られているというならば、その四円や五円がいわゆる実勢価格だ、こういうふうにわれわれは判断して、その価格に薬価基準価格を修正していくべきなんでありまして、これが薬価調査なり薬価基準改定の問題になるわけであります。そこで、ただいま四十一年度分をやっているわけでありますけれども、この薬価調査の定期的な実施というもの、それに基づく薬価基準の大改定、それが円滑にいきますならば、この問題は相当部分解決できるわけであります。したがいまして、厚生省としましてもそういう努力をしているわけでありますが、過去のいろいろな医療問題の紛争からいたしまして、この薬価調査が三十八年以来できていなかったわけであります。それを今回初めて実施して、そうして五円の価格で売られているものが実勢価格だとするならば、その五円の価格に合わせるように近く薬価基準の改定をするということでいま集計をしているわけであります。そういうふうな努力なり方法をとってまいりますならば、いま十一円のものが五円で売られているというならば、当然その五円というものが正当な公定価格、いわゆる薬価基準上の公定価格になるわけでありまして、そういうようなことを今後毎年定期的にやってまいる。それが一つの方策でございます。 それから一万錠に対して一万錠の添付をしているじゃないか。これは先ほど中沢先生の御質問にもお答えしましたとおり、昨年来やめさせているわけでありますが、残念ながら、まだ中小メーカーの一部にそういう傾向があることは事実でございます。したがいまして、昨日も、過剰添付あるいはカラーテレビの景品というようなものをやっているメーカーが見つかりましたので、そのメーカーに対して厳重な警告をやって、本日責任者が出頭して、今後一切いたしませんというようなことになったわけであります。これは目のつき次第、われわれのほうで目が届き次第、この添付という問題については絶対に姿勢を直させていきたい、こういうふうに考えておるわけであります。 それから最後の医薬品メーカーの売り上げ高の利益率というものが非常に高いじゃないかという御指摘でございます。確かに、一般の産業と比べますと、若干売り上げの純利益率というものが高くなっております。ただ、傾向としましては、私資料を持っておりますが、だんだんこの売り上げ高の利益率というものは低下してきておりますけれども、それにしましても、一般の産業と比べまして若干高いことは事実でございます。私どもは、そういうような売り上げ高の利益率、いわゆる利潤が高いということは、まあ製薬メーカーの一種のリスクと申しますか、宿命という問題も片方においてあるわけであります。非常に激しい競争をやって、製品の売れる期間というのは大体二年や三年ぐらいだ。そうしなければ、次から次に新しい医薬品を開発していかなければ寿命がないというようなこと、それから返品率が非常に高いというようなこと、まあそういういろいろなハンディが医薬品メーカーにあるわけでございますので、若干利潤が高いのはやむを得ないと思いますが、しかし、御指摘のような点は十分今後医薬品メーカーに対して、いわゆる世間で気にしているようなぼろもうけしているというような印象を与えないように、医薬品メーカーの販売姿勢というものは正していかなければいかぬ。広告を含めて販売姿勢を正すように現在いろいろな方策を考えているわけでございます。一挙にはなかなか簡単にまいりませんけれども、逐次いい方向の姿勢に向っているということは事実として言えると思います。
○田代富士男君 じゃ、最後に、時間もまいりましたから……。 それで、いま景品にカラーテレビをやっている会社があって注意したとおっしゃいましたが、まだ私はカラーテレビだったらよいほうだと思うのです。ブルーバードの自動車を進呈します、東南アジアの旅行をちゃんと御招待しますとやっている会社があるのです。カラーテレビだったら、まだなまやさしいですよ。ブルーバード一台何ぼです。東南アジア旅行です。それで、薬を買えば千錠二千錠ただでもらえる。そうなれば、私が言うのじゃありませんが、昔から薬九層倍と、おじいさんの代からわれわれは言い伝えられてきましたけれども、そう疑わざるを得ないのです。だから、その点は、カラーテレビと同じように、私は言っておきます。いま私は、この会社の名前を出せば、こらとやられますから、やはり慈悲をたれましてそれは伏せておきますけれども、事実があるということを知っていただきたい。 それと、卸売り価格で入っていると言われますけれども、もう時間がない。委員長から、きょうはこの程度と言われますから、また次回に回しますが、もう一つの例をあげますと、テトラサイクリンBシロップです。これは赤ちゃん用のシロップです。テトラサイクリン、これは明治製菓から出ている薬でございますが、これが健康保険で請求をされるのは二五〇ミリ一〇cc、これが小売り単価二百円。それから七五〇ミリ三〇cc、これは小売り単価六百円です。これがどういう単価になっているかと思いますと、私はずっとこれを調べていきました。小売りが六百円と二百円。三〇ccのが六百円、一〇ccが二百円。そうすると、まず一番先に健康保険を調べましたが、七五〇ミリ三〇cc六百円の小売りのテトラサイクリンBシロップが健康保険で二百六十七円の請求です。それから二五〇ミリ一〇cc小売り二百円のテトラサイクリンが健康保険で八十九円です。これは医者向けも一般向けもありません。同じ品物です。それで、一体お医者さんに幾らぐらいで入っているかと言いましたら、なかなか言いませんでしたが、まあ何だかんだと言いながらお医者さんが言ったのは、六百円の小売りの品物がお医者に百三十八円で入っています。それから二百円の小売りの品物が四十六円で入っております。さすれば、いま厚生省の当局から、まあいろいろむずかしい、九〇%何とかと、舌がもつれそうなことを言われましたが、簡単に言えばB価は卸し値段だと言われる。この明治製菓というのは一流メーカーです。卸し値段でお医者さんに入っているならば——厚生省のいまおっしゃった理論ですよ、私が言う理論じゃありませんよ。そうすれば、百三十八円のB価で六百円の小売のC価でやる、こういうことになる。そうして今度は、お医者さんは健康保険では薬の利潤は認められないと言いながら、約二倍近くの金もうけになるわけなんです。こういうような薬価基準を毎年毎年多額の予算をつぎ込んでやっていらっしゃいます。それをこういうところまで調べていてもらいたかったのです。私は、こういうところに根本的なメスを入れて、大所高所から、こういう点に対しまして取り調べをしていくべきだと思うのですが、時間もありませんから、いまいろいろ申しましたが、最後に、そういう立場から公取委員長としてどう思われるか、むずかしいところだと思いますけれども、それと、消費者の立場である経企庁長官から一言承って、私の質問を終わりたいと思います。
○政府委員(北島武雄君) 私も薬のことはよく存じませんが、薬について、小売りの価格と、それから医家向けの価格と非常に違いがあるということは、これは非常にふしぎな感じがいたします。もちろん、これは大量販売ということと、個々の小売店で小さなびんに入れて売るというようなのとは非常な違いがございましょうけれども、またそれは非常に開きがある、これはどういうわけかという感じは確かにいたします。これは何も日本だけではなく、アメリカでも、一九五九年にアメリカのキーホーバー・アンチトラスト委員会が公聴会を開きまして、その記録も私読んだのでありますが、まさに日本の全く同じようであります。小売価格が非常に高い、それに対して医家向けというものは非常に安い、その間の矛盾を公聴会でキーホーバー委員長が各医薬品メーカーに対して質問しているわけであります。非常にやはり日本にも似た問題があるなという感じであります。ただ、この点につきましては、私どもも単純にこれは結論を出すことはむずかしいと思います。むずかしいと思いますが、少なくとも、小売価格について非常に高いというのはいかがであろうか、高い。あるいは安いものもあるかもしれません、あるかもしれませんが、あまりにも卸し価格と違いすぎるのはどうかなという感じは確かにあるわけであります。その点は、私ども専門的知識も十分持っておりませんので、結論を出すことはただいま無理かと思います。しかし、今度私ども再販売価格維持契約に対する新法をつくるに際しまして、新しくやるものについて審査をいたします場合においても、そういう点についてはやはり十分検討しなければならぬじゃないかというふうに考えておるわけであります。 以上、簡単でございますが、お答えといたします。
○国務大臣(宮澤喜一君) 非常に具体的にいろいろ御指摘がございまして、私伺っておりまして稗益いたしました。厚生省におかれても、そのようなタイプの問題について、少なくともその一部にそういうようなことがあるということに従来から気付いておられて、その是正につとめておられるように、先ほど政府委員から答弁がございました。政府全体といたしまして、そういう努力をさらに重ねてまいりたいと思います。
○政府委員(坂元貞一郎君) 先ほど具体的なメーカーの名前と具体的な品名があげられました。実は、昨日田代委員から御通告をいただきましたので、私のほうでも調べてみたわけでございますが、資料の間違いか何か、ちょっとわかりませんが、ただいま御発言があった薬価基準の価格というのは、ちょっと私どもの価格表には載っておりませんので、後ほど委員会が終わったあとで、ひとつ両者照合さしていただきたい。われわれのほうの正式の薬価基準の価格には、先生がお述べになったような価格は載っておりません。
○田代富士男君 どの部分が載っておりませんか。
○政府委員(坂元貞一郎君) 具体的にメーカーの名前を申し上げるのは差し控えますが、いわゆるテトラサイクリンBシロップというものは、大体薬価基準には三種類ございます。薬の名前を申し上げますと、ネオサイタリンBシロップ明治というのが一つございます。それからネオサイタリンBドライシロップ明治というのが一つございます。もう一つ、キャソサイクリンドライシロップ、この三種類が、おあげになったメーカーのテトラサイクリンのシロップ剤でございます。この薬価基準価格を調べましたところ、ネオサイタリンBシロップ明治についての薬価基準は一ミリリッター当たり八円九十銭、ネオサイタリンBドライシロップ明治、この薬価基準は一グラム当たり四十八円四十銭、キャソサイクリンドライシロップの薬価基準が一グラム当たり六十五円ということで、これがわれわれのほうの正式の薬価基準価格でございます。先ほどの数字とちょっと照合いたしませんと、はっきり事実がわかりません。
○委員長(櫻井志郎君) 本日はこれをもって散会いたします。 午後四時五十分散分