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55回国会参議院1967/06/16

農林水産委員会 第16号

発言数
54
登壇者
5
会派数
1
開催日
1967/06/16

会議録

野知浩之自由民主党

○委員長(野知浩之君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  農林水産政策に関する調査として、ひよう害対策等に関する件を議題といたします。  質疑のある方は、順次御発言願います。

森部隆輔自由民主党

○森部隆輔君 私は、すでに委員会等において質疑が行なわれたと思いますが、干害並びにひよう害についてお尋ねいたしたいと思います。  まず、最初に、干害の問題でありますが、干害は、御存じのとおり、降雨が少なくて、いわゆる干天が続く、したがって、農業用水に非常に支障を来たし、農作物に非常な被害を与えておる。これはもう毎日だんだんと数字がふえますので、一番最近の数字をお示し願いたいと思います。わかっておる範囲において御説明願いたいと思います。まず、作物別にその面積、それから作物の種類ですね、たとえば、野菜であるとか、あるいは果樹であるとか、あるいは麦がどうであるかとか、わかるだけ作物の種類別、それから被害面積、金額等、それから関係府県、どの程度に及んでおるか、一番新しい数字を、確実な数字が見込まれないのは推定でけっこうですから、まずお示しを願いたいと思います。

太田康二農林大臣官房参事官

○説明員(太田康二君) 昭和四十二年の五月以降の干ばつの被害でございますが、先般、当委員会におきまして、六月九日現在の水稲被害につきまして官房長から御報告申し上げたのでございますが、その後われわれが地方農政局を通じまして県の被害の報告をとっておりますものを六月十四日現在で御報告申し上げたいと思います。  当初被害は、御承知のとおり、田拡えの時期等の関係で、東北、関東が中心でございましたが、その後、漸次、東海、近畿、中・四国、九州にも及びまして、現在被害報告のあります県は四十府県にわたっております。その被害面積は約十六万九千ヘクタールということでございまして、十四日現在で特に被害面積の大きい県は、茨城、千葉、岐阜、滋賀、この四県が被害面積が大きい県に該当いたしております。  なお、当初、非常に被害が大きいといわれました東北地方でございますが、これは五月二十八日以降の雨がありましたのと、われわれの指導並びに県の指導に基づきまして実施いたしました対策の効果によりまして、現在被害はほとんどないという状態になっております。  そこで、十六万九千ヘクタールの内訳でございますが、拡えつけ後の用水不足という面積が約九万九千ヘクタール、それから拡えつけはできたわけですが、用水不足で枯死寸前となっておるものが約一万ヘクタール、水稲で植えつけ遅延をいたしておるものが五万九千ヘクタールということになっております。  そこで、以上申し上げましたように十六万九千ヘクタールの被害面積が十四日現在ですでに出ておるわけでございますが、今後も、応急対策工事を強北する、あるいは隣接地区から苗を補給する、さらには苗しろの再仕立て等によりまして、約十二万三千ヘクタールというものはわれわれ救済可能であるというふうに考えて対策を講じつつあるわけでございまして、これによりまして、ほんとうに被害として残るものは約四万六千ヘクタール程度にとどまる、十四日現在では以上のように期待をいたしておるわけでございます。  以上申し上げたのは水稲でございまして、それ以外の作物、野菜、果樹等につきまして、あるいは園芸作物等につきまして被害があったということは聞いておりますが、その詳細については、面積、被害金額等につきましても十分掌握ができておりませんので、この際報告は控えさしていただきたいと、かように考えます。

森部隆輔自由民主党

○森部隆輔君 ただいまの御答弁で大体の概要は了承いたしましたが、そうしますと、結局、被害を受ける面積は大体四万六千ヘクタールと水稲では考えていいわけですね。まあ推定されるわけですね。現在、このかんがい対策としてどういうようなことを政府としては考えておりましょうか、まずそれをお尋ねいたしたいと思います。また、すでに今日までとられたことを具体的にはどういうことをやったのか、今後どういうことをやろうとしておるか、それをお尋ねいたしたい。

太田康二農林大臣官房参事官

○説明員(太田康二君) 政府のとった措置の概要につきまして御報告申し上げたいと思います。  まず、五月二十九日付で、農林事務次官名をもちまして、東北、関東並びに北陸の各農政局長あてに、干ばつ対策について万全の措置を講ずるように通達を出したのでございます。なお、被害地区が拡大の方向に向いてまいりましたので、六月六日に、他の地方農政局長あてにも、同様趣旨の通達を行なったのでございます。  それから第二番目といたしましては、六月二日に、本省に、事務次官を長とする災害対策本部を設置いたしまして、直ちに本部員会議を開催いたしまして、情勢分析あるいは対策協議を行なったのでございます。なお、地方農政局長においても、必要に応じ対策本部を設置いたしまして、すでに現地に出向いて活動を開始いたしておるということでございます。  第三に、六月五日付で、農地局長から各地方農政局長あてに、昭和四十二年五月以降の干ばつ対策についての通達を行なったわけでございますが、その中でかんがい応急対策事業に要した経費の助成につきましては、原則として過去の例に準じて措置すると、要すれば、いろいろかんがいの応急対策を各県がいたしておるわけでございまして、これにつきましては、従来の例に準じて助成するんだということを明らかにいたしたのでございます。  それから県の要請によりまして、各地方農政局で保有しておりますポンプを貸し出しをいたしておるわけでございますが、十四日現在で百八十八台の貸し出しをいたしまして用水の確保につとめておるわけでございますが、なお、今後、干ばつの状況によりまして、県からの要請がございますれば、まだ手持ちがあるわけでございますので、この貸し出しの準備をいたしておるのでございます。  それから五番目に、被害の大きかった東北地方にいち早く係官を派遣いたしましたが、その後、災害対策本部の設置に伴いまして、本部員会議の決定によりまして、三班に分かれまして、山形・福島、栃木・茨城、群馬・埼玉・千葉と、この三班に被害調査班を編成をいたしまして、六月六日から十日にわたりまして現地に出向きまして、現地におきまして被害状況の調査と応急対策の指導に当たったのでございます。  それから利根川水系につきましての異常な水量の減少、水位の低下等からして、建設省におきまして、六月二日に利根川水系河川管理者等協議会が開催されたわけでございまして、六月八日の利根河口におきます大潮時期に対処するため、本川上流ダム群、特に矢木沢ダム群等からの毎秒約五十トンの緊急放流というようなことの決定をいたしたわけでございますが、さらに十二日以降は、二十一日までの十日間に、これは埼玉、群馬等の新しく田植えを迎える地域のことも考え、さらには大潮時が今月二十二日に来るというようなことも考えまして、四千五百万トンの放流をその間に行なうというようなこともこの河川管理者等協議会の場において決定を見たのでございます。  こういったようなことを本省としてはいたしたわけでございますが、これに基づきまして、各県におきましては、県内におきますダムの放流、あるいは水路の掘さくを十四日現在約九十三万三千メートル、井戸の掘さくを約一万七千ヵ所、河川の瀬替え工事を約三千七百ヵ所、掲水機の借り入れあるいは新規の設置等が約四万七千台、こういったことをいたしておるのでございまして、 これによりましてできるかきるかぎり干害の被害面積を最小限にとどめるということをいたしておるのでございます。また、稲苗の老化防止、あるいは苗しろの再仕立て、予備苗の確保等、水稲の栽培方法についても適切な指導を行なっておるというのが対策の概要でございます。

森部隆輔自由民主党

○森部隆輔君 災害対策に、同じくやはり気象異変の関係で本年関東地方にも降ひょうがあった。福岡県でも、五月二十八日でしたか、降ひょうがありました。一市二群にかなりの被害を出した。数字の面から言うと、約十億円をちょっとこしておるようであります。そこで、あわせてひょう害あるいは干害等に対して全面的な対策の問題も具体的に聞きたいと思いますが、ひょうの害については、関係被害県はどこどこであるか、また、これの被害を受けた作物、果樹あるいは蔬菜あるいは麦等、わかる範囲において種類別金額、面積等をお示しを願いたい。

太田康二農林大臣官房参事官

○説明員(太田康二君) ひょうによる被害の概況につきまして御報告を申し上げたいと思います。  ひょうの被害は、五月の十四日、これは宮城、茨城、栃木、埼玉という四県に被害があったようでございます。これは統計調査部の数字もまどまりまして、被害金額は五億四千五百万円ということに最近確定を見たような次第でございます。その後、五月の下旬すなわち二十八日から三十日までの間、約十九県、これは実は県の数が多うございますので、省略をさせていただきますが、いま森部先生のおっしゃいました福岡県が最も被害が多うございまして、県報告によりますと十億三千九百万円、ごのときのこれは県報告による被害でございますが、関係県十九県、金額二十二億六千万円、それから六月に入りまして.一白から六日の間.関係県が十県、金額で十九億九百万円、こういった被害が「主として野菜、果樹、たばこ等を含めました工芸作物、一部水稲、麦等もございますが、いま申し上げました三つの作物の被害が最も多く報告をされておりまして、いま申し上げました県報告による五月下旬並びに六月上旬の被害額を合わせますと、四十一億六千九百万円、こういった数字が現在県から報告をされております。  なお、統計調査部の被害調査につきましても、できる限り早く取りまとめてくれという依頼を私のほうがいたしておりまして、近くその数字の最終的な取りまとめがてきるということを期待いたしております。

森部隆輔自由民主党

○森部隆輔君 それでは、ひょう害並びに干害あわせて、具体的にその対策を一つ一つお尋ねいたしたい。  まず、天災融資法ですね。これは、干害の場合においては、今後の気象条件によって、干害の面積の増大といろことも考えられるし、被害の程度の増加というてとも考えられますので、どこで切っていいかということは昨常に問題だと思いますが、まずひょう害について別個に切り離して天災融資法を発動される意思があるのか、その点をお伺いいたしたいと思います。

久保勘一自由民主党農林政務次官

○政府委員(久保勘一君) 先ほど来政府委員より御報告申し上げておりますよ、つな被害の状況でございまして、被害の数字から、今日までに報告をかただいておりまする被害の額から見ましても、当然に天災融資法の発動をすべき数字でございます。ただし、統計調査部の最終的な集計と申しますか、まだ最終的に報告を受けていない段階でございます。しかし、これも、いまからこの時点で考えますと、かなり相当な額に達することは見込まれるわけでございますので、両方とも天災融資法の発動につきましては前向きで検討いたしておる状態でございます。

森部隆輔自由民主党

○森部隆輔君 そうしますと、いまの私の質問に対してのお答えは、ひょう害だけ別個に切り離して一応天災融資法の発動とい、うものを考えるのか、あるいは、干害とあわせて何かの時期に考えられるのか、その点はどういう考え方でございますか。

久保勘一自由民主党農林政務次官

○政府委員(久保勘一君) それは別々でございます。

森部隆輔自由民主党

○森部隆輔君 そうすると、ひょう害のほうは、また将来あるいはひょう害があるかもしれないけれども、一応いまの段階において考え得るということですね。それから干ばつのほうは、今後の天候の推移を見て、その上であるいはある時点において考える、こういうことですね。そういうふうに解釈してよろしいですか。

久保勘一自由民主党農林政務次官

○政府委員(久保勘一君) 御意見のとおりでございます。

森部隆輔自由民主党

○森部隆輔君 そうですか。それじゃ、具体的に両方やはり農作物、農業関係の被害でありますから、それに対する救済援助も同じような方法が考えられる共通の問題もありますから、あわせてお尋ねしたいと思いますが、干害もしくはひょう害等において被害があった農家に対して、天災融資法は、いま、ひょう害のほうは切り離してでも発動する用意があるそういうことを考えると。干ばつのほうは、これは今後の天候の推移を見て、ある時点において考えなければならない、いま結論を下す時期ではないんだと。これは一応そういうことで私も了承いたします。  そこで、お尋ねいたしたいのは、被害を受けた、たとえば、ひょう害によって被害を受けた農家に対して天災融資法を適用する場合において、これはすでに各方面から要望があったと思いますが、たとえば金融の面から言えば、制度金融のたとえば償還期限の日を後日に延期する、こういう問題、これはどうなんですか。

太田康二農林大臣官房参事官

○説明員(太田康二君) 従来、災害がございまして、農家の方が被害を受けました場合に、そういった農家の方の償還延期の問題等につきましては、災害の被害が非常に大きいような場合には、従来の例で申し上げますと、金融機関等に通達をいたしまして、できる限りそういった債務者の便宜をはかってもらって、ケースバイケースで償還の延期をするようにというような指導通達を出しておるのでございまして、今回もたしかそういった通達を出したかと思いますが、これによりまして、個々のケースごとに、金融機関は、当然常にそういったことにつきましては従来の例等もございまして心得ておりますので、その通達に基づいて適切な処理が行なわれておるというふうにわれわれは考えております。

森部隆輔自由民主党

○森部隆輔君 やはり同じ金融関係ですが、金に関する問題ですが、農業共済のいわゆる早期支払い、繰り上げて払う、これはどうなっていますか。すでに実施していますか。

太田康二農林大臣官房参事官

○説明員(太田康二君) 特にひょう害に伴いまして共済金の早期支払についての関係がどうなのかというお尋ねございますが、目下のところ、共済金の仮渡し措置ということにつきまして要請のありました県は、福岡県から出ておるようでございます。そこで、被害組合等あるいは連合会におきまして現在評価の実施中でございまして、その結果の取りまとめがおおむね六月の末ごろになる見込みと聞いております。農林省は、県の農業共済組合連合会からの申請を待ちまして、共済金の仮渡しということはもちろん、必要に応じまして再保険金の概算払いということを行なう予定で準備をいたしておる、こういう実情でございます。

森部隆輔自由民主党

○森部隆輔君 それでは、いまの金融に関する問題は一応それで了承いたしました。  次に、麦の品質が非常に悪くなったですね。ひょうのために脱落いたしまして、いわゆる下等の麦、等外麦、この買い上げ、これに対してはどういちお考えですか。

太田康二農林大臣官房参事官

○説明員(太田康二君) 御承知のとおり、現在の食管法のたてまえにおきましては、等外麦は買わないということに相なっておるわけでございますが、過去におきます災害等の事例におきましては、ただいま先生お尋ねの等外でも、上麦につきましては買った事例もあるのでございまして、今回の被害の状況等もよく勘案いたしまして、過去にこういった事例もございますから、大体これに準じた措置がとられるものというふうにわれわれは期待をいたしております。

森部隆輔自由民主党

○森部隆輔君 それでは、等外麦は、ごく品質の悪いものは別として、いいものについては買い上げの対象になるということも大体考えてよろしい、こういうふうに了承してよろしうございますね。  それでは、次の問題ですが、いろいろな援助助成の問題でございますが、たとえば、苗代の苗がいたんだ、したがって役立たない、植えかえる、すると種がまた要る、労力が要る、そういう場合における費用、あるいは、現にそういう問題が起こっておりますが、ひょう害によって、果樹が、私の県ではカキがおもなんですが、カキ、ミカン等が葉が全部落ちてしまう、さらにまた、樹皮、木の皮が裂ける。したがって、すみやかに消毒をしなければ病害にかかるおそれがある。いま盛んに予防的に消毒をやらしています。それから同時に、樹勢が弱っておるので、肥料を施して樹勢の回復をはかりたい、かように考えているのですが、これらのこと、あるいはまた、麦の種子がなくなった、その麦の種子を確保する、こういう場合に助成の道がありますか。

太田康二農林大臣官房参事官

○説明員(太田康二君) これも過去の事例で申し上げるのでございますが、過去昭和三十三年におきましての干ばつ対策といたしまして、仮植田の設置、あるいは苗代の再仕立て、じかまき用の種子の購入、あるいは稲苗の輸送等につきまして助成をした事例がございます。もちろん、補助をいたす場合には、一県当たりの補助事業額、あるいは一市町村当たりの事業費等の基準がございまして、その基準に該当しないとなかなか補助等もむずかしいかと思いますが、基準に該当いたすものにつきましては、少なくともわれわれといたしましては従前の例に準じて補助をいたしたい、かように考えております。  それから果樹等に対する肥料の問題でございますが、これにつきましては、実はかって樹勢回復用の肥料等につきましての補助をいたした事例もあるわけでございますが、最近におきましては、こういった生産資材等に対する助成につきましては、災害対策として施したものかどうか、あるいは一般用として施されたものかどうか等についての区分がなかなかつけにくいというようなこともございますし、災害の場合でもございますけれども、たとえば一農家当たりの補助額が非常に少額にわたるというようなこともございまして、最近におきましては、苗等につきましての補助はいたしておりますが、肥料、農薬等に対する補助はこのところはいたしておらないと、こういう実情でございます。

森部隆輔自由民主党

○森部隆輔君 干ばつの場合に、新しく井戸を掘るとかあるいはポンプを買い入れるとか、こういう場合は助成をされておるようでありますが、いまの肥料の問題、種子の問題、これらに対しては直接の補助は従来ほとんど例がないようでございますが、たとえば府県あるいは市町村等のこれらの公共団体がそういうものに対して助成金を出したと、そういう場合においては、その県費に対してあるいは市町村費に対してどれだけかの補助金を出す、こういう道が開けると、市町村なり県でも非常に出しいいんですね。そういう考えはないですか。

太田康二農林大臣官房参事官

○説明員(太田康二君) 非常にむずかしい問題であるわけですが、従来、災害のつどそういった強い要請が県からあることもよく承知いたしておりますが、実際は、最近におきましては、肥料、農薬等の生産資材に対する助成ということにつきましては、特に補助の措置は講じておりません。むしろ、おことばではございますが、天災融資法等の資金の融通によりまして次期作経営資金という形で融資の措置を講ずることによって手当てはいたしておるというふうに考えておるのでございます。

森部隆輔自由民主党

○森部隆輔君 いまのは、私はもう少し親切な態度で農家に臨むべきだと思うんですがね。そこで、そういう府県あるいは市町村等の公共団体がそういうような助成金を出した場合は、国も助成金を出すとか、こういう道を開きますと——将来の問題ですよ。現在の時点においては、そういう意味の法律はないとしても、例はないとしても、将来非常にいいんですね。今回なんかでも、われわれのところでひよう害があって、いま盛んに肥料を入れる、あるいは手入れをやっている。そういう場合に、県がたとえば補助金を出そうと。国は何も見ないからちょっと困るなと、こういうような難色を示すんですよ。したがって、現在の制度ではあるいはそれがまだないとしても、将来はやはりそういうことを考えるべきじゃないか。市町村あるいは府県がそういうような助成をする場合には、国がまた府県あるいは市町村に対して助成をする、そうしてそういうような救済あるいは援助の道が開けるようにしてやることが非常に親切じゃないか。果樹なんかの場合は、私らのところなんかの事例で、木の皮が破れたやつなんか、あるいは枝が折れたやつなんかは、少なくとも三、四年たたなければ被害以前の状況にまで樹勢が回復しないんですね。そこで、果樹農家は、一年じゃなくて、翌年も翌年も収入が減る。非常に激減するんですね。ですから、いま申し上げるようなせめて肥料あるいは消毒薬等に対して、あるいはまあその他のいろいろな個々の方法により動力も要りますから、そういうものに対して府県なり市町村なりが助成した場合は、それらに対して助成でもしてやると、こういう道でも開いて——被害の直接なるべく早い時期にやらなければだめなんです。木の皮が破れた場合に消毒薬をやるなんというのは、時期をおくらかすと、もう効果がないんですね。災害の復旧は、やはりものによっては直ちにやるということが、時期を失せぬということが非常に大事なんです。そこで、いま言うような道が開かれておれば、もう直ちにそういうことは府県ででもやれる。そういうことをひとつ将来考えられるべきじゃないでしょうか。これは政務次官、どうですか。

久保勘一自由民主党農林政務次官

○政府委員(久保勘一君) 先ほど来政府委員より御説明申し上げておりますように、御指摘の点につきましては、従来、融資によりまして手当てをいたしているように思います。しかし、ただいまの御意見等もございますので、今後検討いたすべき課題であろうと存ずるわけであります。

森部隆輔自由民主党

○森部隆輔君 干害の問題は、まだいろいろと希望もありますけれども、またそれは今後の干害の被害の進行状況によりましてあらためて他の機会にお尋ねしたいと思います。  次に、私は、当面の問題として、畜産の問題について飼料とあわせてお尋ねをいたしたいと思います。  まず、畜産が農業基本法でいわゆる成長産業といわれて、政府は大きな旗を掲げて農民に呼びかけた。少なくともそういうかっこうになっているのでありますが、この畜産で、御存じのとおり、経営費のうちに一番大きく占めるものは何かといえば、これはもう、とりもなおさず、えさなんです。これはもう百も千も御承知だと思いますが、飼料なんです。これは四十年度の私の調べた数字でありますが、畜産経営のうちに占める飼料のウェートが、鶏の場合においては六七%ぐらいになるのじゃないか。これは全国平均ですから、地方によって違うことは当然であります。豚は四五%ぐらいじゃないかと思うのです。これまた、経営の大小、いろいろな事情によって違うでしょうけれども、まあ平均的にはそんなものじゃないか。酪農の乳牛においては、これはあるいは北海道とか九州とか、九州でも阿蘇、霧島とか、私らのような平たん部における比較的採草地の少ない、牧草の得がたい土地によってずっと違うのですけれども、全国内地の平均では、おおよそ半分以上がやはり飼料が経営費のうちに占めているのじゃないかと思うのですが、政府の御見解はどうですか。

岡田覚夫農林省畜産局長

○政府委員(岡田覚夫君) おおむね先生のお話のように存じております。

森部隆輔自由民主党

○森部隆輔君 私の数字と土地によって多少違うと思いますが、おおまかに言って、私が申し上げたような数字を一応御肯定になると思いますが、そこで、私は次の問題としてお尋ねしたいのは、飼料のうちで、肥料でいえばいわゆる金肥に相当する購入飼料、流通飼料、つまり濃厚飼料で農家が自分で調達できなくて買い入れる購入飼料というものがまたえさのうちでは大きな割合を占めている。ことに、養鶏の場合は、もうほとんど全部がそれであると言って過言でないですね。また、購入飼料のうちでも、配合飼料、肥料でいえばいわゆる単肥じゃなくて配合肥料に相当する配合のえさがその大部分じゃないかと思うのですが、政府の見られるところはどうなんですか。

岡田覚夫農林省畜産局長

○政府委員(岡田覚夫君) おおむね先生のお話のような状態になっていると思います。

森部隆輔自由民主党

○森部隆輔君 そこで、購入飼料が大部分であるとすれば、購入飼料のことに酒合飼料の原料というものは、特にトウモロコシとかマイロとかがおもじゃないですか。これはほとんど外国に依存しているんじゃないですか、実際を言うと。しかるに、政府のやっておられる飼料に対する政策というものは、どうも私は納得がいかぬ、満足ができないのですね。私も多少の経験を持っておるのですが、飼料の問題を解決しないで畜産を奨励するということは非常に無理なんですね。いま数字を一応調べてみますと、最近外国から輸入しておる飼料は、四十一年度で、これまた御承知と思いますが、トン数にして八百二十五万トンですか、金額にして二千三十七億円ですか、そういう数字になっておると思いますが、このうち、政府がいわゆる操作しておるものは、ごく一部分である。輸入飼料、ことに購入飼料に対する政府のいわゆる操作しておるえさというものは、御存じのとおり、食管会計のうちで飼料勘定で、昨年は四十二億円ですか、ことしは表面が五十二億、実質的には五十一億円であると思いますが、五十一億円のうち、その内容は、大ざっぱに言って半分くらいが倉敷料とか金利等であって、残りの半分くらいがいわゆる価格調整の財源になるんじゃないでしょうか。年によって多少違いましょうが、大ざっぱに言ってそういうことが考えられるんじゃないでしょうか。

岡田覚夫農林省畜産局長

○政府委員(岡田覚夫君) 先生のお話のように、約五十二億でございますが、その中で売買差損としては約二十五億程度でございまして、コストが二十六億程度になっておるわけでございます。

森部隆輔自由民主党

○森部隆輔君 いまの答弁によりましても、私が申し上げたように大体五十一億ぐらいのうちで、大ざっぱに言って約半分程度がいわゆる管理費といいますか、そういうふうな業務関係の費用に行って、価格調整に充てられる金は約半分くらいだと。そうすると、二十何億かの金で輸入飼料の二千億をこえるものを操作するということが実際上できますか。そういう点、何といいますか、天から目薬をさすといいますか、焼け石に水といいますか、そのくらいのわずかな金で実際上の飼料の価格を動かすだけの効果があがりましょうか、政府の見解を聞きたいと思います。

岡田覚夫農林省畜産局長

○政府委員(岡田覚夫君) お話の点でございますが、飼料は、現在、自由に輸入され、生産され、消費されるという形になっているわけでありますが、その中で政府が関与いたしておりますものが二つあるわけでございます。一つは、食管が独占的に供給いたしておる麦類でございます。それからもう一つは、自由な民間で輸入されておりますもののうち、トウモロコシ、マイロ、大豆かす、魚紛等につきまして、政府が操作をいたしておるわけであります  現在のやり方といたしましては、独占的供給にかかります麦類につきましては、必要量を全額供給するというふうな考え方で進んでおるわけでございますが、その他の物資につきましては、自由な輸入が認められるということになっておりますので、それを保管するという意味で、価格安定に資するような調整保管をやっておるわけでございます。従来からそのような物資について政府操作をやっておるわけでございますが、逐年消費量の増大に伴いまして政府の操作量を上げてまいっておるわけでございまして、幾らを持てばはたして十分価格安定、需給安定に資するかということは、なかなかむずかしい問題でございますが、従来の経験にかんがみまして、現在程度でどうにか需給調整はできるのではないかというふうに考えておる次第でございます。

森部隆輔自由民主党

○森部隆輔君 そこで、お尋ねいたしますが、これは私のほうのまた例を申し上げますが、私のほうのいわゆる北部九州、北九州といっておる従来石炭鉱業の非常な盛んな地帯、いわゆる産炭地方ですが、ここで炭鉱の閉山あるいは縮小等によって住民が非常に困って、あるいは工場の誘致とか地方の発展にいろいろな形で努力されておりますが、産炭地の農業の一つとして、私の県のある単協が養鶏を相当すすめて、かなりの資金を貸し出して養鶏をやっておるんですね。ところが、いまのえさは、御存じのとおり、だんだん上がっていく。私が言うまでもなく、畜産のうちで鶏の場合は、ほとんど全部これは購入飼料に依存しなければならぬ。養鶏は、日本の場合においては、ほとんど購入飼料に依存する。しかも、えさの代金はだんだん上がる。卵は、一昨日の神田の市場でも、百五十円ぐらいじゃなかったですか。したがって、卵関係の基準になっておる百六十二円を十二円下回っておるというのが現在の状況なんですが、そこで、そこの養鶏家のごときは、農協に対して借金が払えないで、農協は経営に困っておる。先般、貸し付け金の回収のために強制執行をするとかいうようなことでいろいろな問題が起こっておるのでありますが、政府はえさの値段を上げる計画を本年度において持っておられるようですが、今日までいろいろな事情でその実行にまだ移っておられぬと思うが、将来どう考えておられますか。

岡田覚夫農林省畜産局長

○政府委員(岡田覚夫君) えさの問題でございますが、政府操作飼料につきましては、特に麦類の輸入価格がかなり騰貴をいたしておるわけでございます。そういう関係から、若干の値上げをするということで、四十二年度の予算におきまして御承認を得たわけでございますが、七月から値上げをいたすということにいたしておるわけでございます。  ただ、しかし、政府の値上げをいたしますにつきまして、飼料全体につきましてどのような影響があるかということでございますが、昨年の八月、九月ごろから、トウモロコシ、マイロ等がかなり国際価格が上がってまいりまして、そこで、配合飼料の値上げをしなければならないというふうな動きもあったわけでございますが、畜産経営の現況にかんがみまして、極力合理化によって吸収をするようにという指導をいたしたわけでございます。その結果、値上げをすることなしに現在に至っておるわけでございますが、最近の情勢といたしましては、トウモロコシ等につきましては、国際価格はやや安定をしてまいっておるわけでございます。したがいまして、政府が麦類の値上げを若干いたしますということに伴って、配合飼料の価格が値上がりするというふうな事情にはないというふうに存じておるわけでございます。したがいまして、ここ当分飼料価格は安定的に推移するのではなかろうかというふうに感じておる次第でございます。

森部隆輔自由民主党

○森部隆輔君 そうすると、こういうふうに了承していいんですか。政府の売り渡し飼料は当分上げないと、こういう方針だと解釈していいですか。

岡田覚夫農林省畜産局長

○政府委員(岡田覚夫君) 先ほど申し上げましたように、政府が操作をいたしております飼料につきましては七月から値上げをいたすということにいたしておるわけでございます。

森部隆輔自由民主党

○森部隆輔君 私は、これは非常な重大な問題だと思いますね。いまの畜産全般の、酪農にせよ、あるいは養豚にせよ、それぞれ相当な影響のあることは、これは申し上げるまでもないが、ことに養鶏の場合は、ほとんど全部が、さっきも繰り返して申し上げたように、購入飼料に依存する。そこで、政府が操作するえさというものは飼料全体からいえばわずかな量であるとしても、政府自体が上げるということは、他の一般の飼料価格を上げる誘因になり、動機になる。これは当然上げるべきものじゃないと思っている。これを上げるということはどうも納得がいかぬのです。重ねてこれは政務次官からひとつ答弁を願いたい。

岡田覚夫農林省畜産局長

○政府委員(岡田覚夫君) 実は、麦の輸入価格というのは、非常に高くなってまいっておるわけでございます。そこで、従来から、麦につきましては、買い入れ価格よりも売り渡し価格が安いということで、食管は損失を負担いたしておるわけでございます。最近、原料の麦類の国際的な値上がりがございまして、輸入価格が非常に高くなっておりますので、したがいまして、全くこれを政府が赤字を負担するということはなかなかむずかしい問題だと思うわけでございます。ただ、値上げをいたしますにつきましても、買い入れ価格の値上がりよりは売り渡し価格の値上がり分が少ないようにというふうな形で、特に畜産経営の安定という点から、引き上げをいたしますにつきましても、引き上げ額については十分な配慮をいたしたつもりでおるわけでございます。

森部隆輔自由民主党

○森部隆輔君 政府の操作しておる飼料の価格を上げるということになれば、一般的な他の飼料の価格も、いい口実ができますし、また、いい機会ですから、必ず上げると思います。全購連なんかあなた方はそうなればどういうふうに指導するか、どういうふうに考えておられますか。

岡田覚夫農林省畜産局長

○政府委員(岡田覚夫君) 先ほども申し上げましたように、配合飼料の原料でありますもので最も大きなウェートを占めておりますものは、トウモロコシ、マイロ、あるいは魚紛、大豆かすというものでございます。こういったものがおおむね六、七〇%程度を占めておるわけでございます。先ほど申し上げましたように、トウモロコシの価格というものは最近安定的に推移いたしておりますし、どちらかといいますと、やや軟調でございます。それから魚紛等につきましてはやや下落傾向にあるわけでございまして、それから大豆かすにつきましても安定的でございますが、やや弱含みであるというふうな情勢にあるわけでございます。そういうふうな状態でございますので、配合飼料全体といたしましては、原料的に申しますと、価格は安定的であるというふうに申し上げられると思っております。政府操作飼料がこれらの中に占める比率というものはきわめてわずかでございまして、ほとんど影響がないと言ってもいいと思うわけでございます。そういう意味から、配合飼料につきましては、原料価格の関係から見ますと、ここ当分値上げをしなければならないというふうな情勢にはないというふうに考えております。飼料製造業界においても、同様な考えを持っておると思うわけでございます。われわれといたしましては、価格が安定するような指導をやってまいりたいというふうに考えておるわけでございます。

森部隆輔自由民主党

○森部隆輔君 いまの御答弁で私は決して了承いたしません。重ねて申し上げますが、政府は飼料の行政を握っている立場からいいましても、また、畜産事業というものを政府が成長産業として進めている立場からいいましても、畜産物価格、ことにいま卵の例をわかりやすく申し上げたんですが、百六十二円という価格をいますでに割って、十二円も下回っているという現況から見まして、やはりできるだけ値上げというものは避けなければならぬ。もしやむを得ず上げなければならぬとしても、それれがために他の一般の飼料全体が上がるというようなことになるというとたいへんなことになる。  それと同時に、配合飼料は、言うまでもなく、文字のとおり、配合したものです。さっきのように、麦だとかあるいは何だとかいうような一種類のものじゃないんですから、品質がある程度ごまかしがきくんですね。あなた方は末端の実際の実情をあるいは御存じないかもしれぬが、業者なんかは、配合飼料というものを非常にいいかげんなものを売るんです。これは必ずしも系統の全購連のものばかりを農家は使用するわけじゃありませんから、そういう点において、何らかの形で実質的にはやはり上げたような結果になるんですね。そういうことが現実にあるんです。  そういうことを十分ひとつ知って、できるだけいまの値上げをしないように、もし上げるとしても、配合飼料そのものの品質が悪いものになったり、そういうものが市場に出回るとか、あるいはまたそれによって値上げを誘因するとか、こういうことのないように、これは強くあなた方としては行政の指導をされることが最も必要だと、こう思うんですが、どうですか。

岡田覚夫農林省畜産局長

○政府委員(岡田覚夫君) できるだけそういう御趣旨に沿いまして指導してまいりたいと、こういうふうに考えております。

森部隆輔自由民主党

○森部隆輔君 それでは、次に、豚の価格が畜産事業団が上肉一キロ三百二十円という数字で買い上げているんですが、畜産事業団も買い上げていま悲鳴をあげているというのが現況です。そこで、私は、これはうわさでありますから、そういうことはないと思いますが、三百二十円という一つの基準になる価格を下げたらどうか、下げるべきだというふうなことをどっかでちょっと聞いたことがあるんですが、そういうことは現在ないですか。

岡田覚夫農林省畜産局長

○政府委員(岡田覚夫君) 御承知のように、昨年の三月から豚の価格が低迷をいたしまして、その結果、事業団が法律の規定に基づきまして買い上げを始めたわけでございます。自来、一年数ヵ月にわたりまして依然として同様な状態が続いているわけでございます。買い上げが同じように行なわれているわけでございますが、むしろ昨年の三月ごろよりは現在のほうが多い量を買い入れているという状態でございます。最近まで買い上げたものが大体八十万頭でございます。肉量にいたしまして三万二千トンでございます。三万二千トンと申しますものは、豚肉の全国民の消費の一ヵ月分になるわけでございます。そこで、このような状態がいつまで続くかということになるわけでございますが、なかなか今後の見通しも非常にむずかしい問題があるわけでございますが、このような状態が永続するということは好ましぐはないわけでございまして、需要と供給が安定的に推移するということが望ましいというふうに考えておるわけでございます。  そこで、このような状態を前提にいたしまして、一方では買い入れ価格が高きに過ぎるのではないかというふうな御意見もございます。それからまた、現在の三百二十円という価格は生産費を十分償っていないではないかと、こういうふうな御意見も一方にはあるわけでございます。この価格をどのように考えるべきかということはなかなかむずかしい問題でございますが、先ほど申し上げましたように、事業団が今後永久に買い上げるというふうなことを考えることは非常に困難であるという点もあるわけでございます。そういうふうな点から考えまして、今後若干の推移を見守りまして、全体的に豚の問題をどのように考えていくかということを検討いたしたいというふうに考えておる次第でございます。

森部隆輔自由民主党

○森部隆輔君 いまの答弁によって多少私も考えさせられるわけですが、農家のうち、ことに養豚をやっておる人のうちには、多少不安を持っている人もある。人によっては非常に大きな心配をしている者がある。これは、何といいますか、政府の初めの考えが甘かった、そういうふうに思うんですね。政府が価格の一つの基準をきめて、これをいまの買い上げが非常にふえたから下げるんだというふうなこともあるんだということになりますと、農民の心理というものが、これはひとり養豚ばかりとではありません、他の方面まで悪い影響を与える。これはよほど考えなければいけない。私は、この点については、いまそういう価格を下げるということは言われなかったんですけれども、もしそういうことを考えるような場合があるとしても、絶対にそういうことのないようにこれはやるべきことだ。将来の養豚業の堅実な伸びに非常に影響がある。ひいては、養鶏でもあるいは酪農でも、そういうことをすると、政府のやっておることは何が何やらわかりやせぬ一向当てにならぬと、こういうような——農家の一部には、時の役所の言っていることと反対のことをやればもうかるんだと、こういうふうなことを言っている者さえある。時の役所が奨励することと反対のものをやればきっともうかるんだと、こういうようなばかな話を言っている者もあるんですよ。  そこで、私は、重ねて申し上げたいと思うのは、いまの三百二十円というようなものを動かすというようなことが将来あるならば、他の方面にも及ぼすし、全般の農林行政全般に影響があるということを考えられて、これはひとり畜産局長ばかりでなく、農林省全体として慎重な態度で臨んでいただきたいということをひとつ強く希望します。  これは政務次官も十分その点は含んで考えていただきたいと思います。  それからなお次にもう一つお尋ねをいたしたいのですが、卵の値段いわゆる卵価安定の基金制度というのを民間団体がつくったんですね、御存じのとおり。その積み立て金が二億五千万円ですか、そういうような大体予定であったんですが、すでに今日ではもうそれが底をついて、借り入れ金でもしなければできないというような状態に財政状態がなっておるように承知をいたしておりますが、政府は、それをじっと見ておって傍観しておられるのかどうか、どういうふうにこの制度に対して考えておられるか、その点をお伺いいたしたい。

岡田覚夫農林省畜産局長

○政府委員(岡田覚夫君) お話のように、卵の価格は本年の五月以降低落をいたしておるわけでございますので、卵価安定基金による価格差補てんを行なうことにいたしておるわけでございます。  御承知のように、基金の補てん資金につきましては、生産者及び生産者の団体が納付します積み立て金を財源としておるわけでございまして、設計といたしまして三年間で収支がバランスするというふうな仕組みになっておるわけでございまして、かりに本年度におきまして資金の借り入れを行なうということになりましても、財源的に不安はないというふうに実は考えておるわけでございます。

森部隆輔自由民主党

○森部隆輔君 いまの問題については、せっかくこういう制度をつくったんですから、これが途中で挫折してこの制度がくずれるようなことになりますとたいへんなんですから、十分な関心を持ってひとつやっていただきたいと思います。  それからついでですが、やっぱり予算に関連して、自給飼料をなるべく多くやって、いわゆる飼料の自給度を高めるということが非常に大事なことは、これはもう言うまでもないことなんです。そこで、そのために牧草地あるいは採草地をつくると、こういうようなことを盛んに言っておる。しかし、これは、まあ北海道は別でありましょうが、われわれ九州地方では、たとえば熊本県の阿蘇地方、あるいは霧島山麓、その他限られた地方では、そういうようなかなり広い面積を牧草地、採草地に持っていくことができる。ところが、私らのような、福岡であるとか、佐賀であるとか、あるいは熊本の一部であるとか、比較的水田地帯あるいは畑地の地帯では、ことに水田地帯においては、そういうことは困難なんですね、自給飼料をつくるということは。  しかるに、一方、最近、農村における農業労力が非常に不足している。裏作を放棄する者が多い。私なんかの県の実例を申し上げると、戦前はなたねを一万二千町歩ぐらい耕作した。現在は三千町歩もいまありません。四分の一もないということです。麦作も、最近これを放棄する者がだいぶふえて、一番多いときの三分の一近くに激減するというような状態なんです。ことに、稲作の水田地帯において、いわゆる休閑地として裏作を放棄する者が非常に多い。しかも、一方においては、水田酪農というものもあります。  そこで、私は、まあこれは全面的にどこでも行なえることではないと思いますが、牧草あるいは水田の裏作としてイタリアンライグラスをつくってはどうかということを言う人もありますけれども、あるいは青刈り大豆にしろ、そういう労力を要するようなものは言ってもなかなか実際は不可能ですから、そこで、簡単な方法としては、私が現にやっている方法は、裏作に休閑地にレンゲをまくのです。これは、女の手で三十分もあれば、十アール、一反歩にばらっとまかれるのです。秋口にまいておけば、それを翌年の春、開花期に切ってサイロに詰める。これらのごときは、非常に簡単に女の手で、しかも、いまも申し上げるように、一反歩一時間とかからない。灰を振るように種をまきゃいいんです。これらは、政府が少し積極的に、あるいはレンゲの種子を確保して、あるいは一部助成でもするということにしてすすめられれば、入力はあまり要しない。しかも、その休閑地を貸したほうの人は、下に根が残ります。根瘤バクテリアが残ります。地力が維持できる。あるいは地力を増進する。しかも、一方において、レンゲの一番の盛んなときに刈り込めば、飼料として非常にいいものになる。こういうことは、私はいっかの機会に申し上げたことがあるが、一向政府としてやらないが、こういうような実行可能なことで飼料の自給度を高めるというような道を、全国一様にはいきますまいが、しかし、所によっては日本全体でもかなりの地方がこれが役立つと思いますが、そういうことでひとつ考えてはどうです。

岡田覚夫農林省畜産局長

○政府委員(岡田覚夫君) 畜産が発展をいたしますに伴いまして、飼料の問題も、お話のように非常に大きな問題になってまいるのでございますが、逐年外国からの輸入量がふえておるという現状でございます。そこで、できるだけ国内で飼料を自給するということが望ましいことは言うまでもないわけでございまして、そのために、一方におきまして、草地改良事業というものにつきまして相当な補助助成をいたしてその発展をはかっておるわけでございますが、お話のように最近裏作の利用というものがだんだん少なくなってまいっておるわけでございますが、この裏作を利用いたしまして自給飼料をつくるということが必要であろうというふうに考えておるわけでございます。このために、本年度から自給飼料総合対策というものを講じまして、単にレンゲといわず、その他の自給飼料作物を積極的に導入するというふうな対策を講ずることにいたしておりまして、そのために必要な助成をいたす考えでおるわけでございます。

森部隆輔自由民主党

○森部隆輔君 そうすると、いまの答弁で私の申し上げたようなこともあるいは助成の対象になりますか。

岡田覚夫農林省畜産局長

○政府委員(岡田覚夫君) 種等につきましては助成の対象にいたしておりませんけれども、主として労力を節約するというふうな点から、飼料作物をつくるに必要な機械類の助成をいたすということにいたしているわけでございます。主として酪農近代化市町村なり、それから肉牛の振興の市町村、そういうものを対象にいたしまして積極的に自給飼料の増産をはかるということにいたしておりまして、これは、単に裏作だけではなくて、畑等の飼料作物も対象にいたしているわけでございますが、同時に、裏作の利用ということにつきまして対象にいたして、両者をあわせまして自給飼料を積極的につくるということに努力したいと思っているわけでございまして、補助の対象としましては、先ほど申し上げましたように、主として施設機械を中心にして考えているわけでございます。

森部隆輔自由民主党

○森部隆輔君 金融の面でもそうでありますが、制度金融の金、あるいは近代化資金等を借り入れる場合にも、手数がめんどうで日にちがかかる、こういうようなことで、実際に借りたい人でも、窓口で話を聞いて借りないというのが非常に多いのです。それと同じで、いまの自給飼料の問題のごときにしましても、なるべく簡単な方法で、系統農協なんかでも酪農に関するあるいはその他の畜産団体なんかの自由裁量にまかして、その府県その地方に最も適切な方法をある程度幅を持たしてあるいはレンゲの種の確保に使っただけの費用を補助するぞとか、あるいはサイロは当然のことですが、そういうようなもう少し幅のある実際に即した方面の事柄を考えなければ、自給飼料の度を高めるといっても、これは特殊な地帯はいいでしょうが、しかし、平たん部においてはなかなか困難だと思います、いまのような労力不足の現状では。私が申し上げたようなものは一つの例として、十分お考えになって、善処していただきたいと思います。  私の時間もありますから、質問はこれで終わります。

岡田覚夫農林省畜産局長

○政府委員(岡田覚夫君) そういう方向で十分検討いたしたいと思います。

野知浩之自由民主党

○委員長(野知浩之君) 本件については、この程度にとどめます。  本日はこれにて散会いたします。    午後二時二十四分散会

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