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55回国会参議院1967/06/02

農林水産委員会 第10号

発言数
105
登壇者
7
会派数
2
開催日
1967/06/02

会議録

野知浩之自由民主党

○委員長(野知浩之君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  農林水産政策に関する調査として、米価問題に関する件を議題といたします。  本件について質疑のある方は順次御発言願います。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 きょうは、大臣の御都合で午後二時に衆議院の本会議にとられておりますので、きわめて時間の制約がございます。したがって、きょうは、私は、あまり事務的なことではなしに、また、米価そのもの、あるいは算定方式とか、そういうことには一切触れませんで、大臣の率直な常識的な判断を中心としたお答えをいただきたいわけであります。  まず、第一に大臣にお伺いいたしたいのは、米価審議会の構成の問題について、従来、国会議員が学識経験者として農林大臣の依頼を受けて国会で選ばれてその審議会のメンバーに参画をしておったわけでありますが、これが七日の日に期限切れになるわけです。もう一週間もない。こういう差し迫った段階でありますから、主管大臣としては、国会議員を締め出すとか、あるいはとやかくの経過的な報道が五月に入ってからいろいろ伝えられておりまして、あたかもこの問題の処理がことしの生産者米価の一つの最初の問題として国民の注目を集めておることも御承知のとおりであります。私は、きょうのこの委員会でお尋ねをするに先立ちまして、一昨日、このことについてのお尋ねを大臣にいたしますので、きょうの段階ではもはや明確なる大臣の考え方というものを明らかに答弁を求めたいということをあらかじめ通告をしておったわけであります。したがって、大臣の腹の中を、この際、従来予算委員会なりあるいは農林水産委員会なりにおいて答弁されたオオム返しのようなことではなしに、もう任期が来週早々ですから、もはや腹はきめなければならぬので、どういう腹がまえになったのか、この点をひとつ十分御説明を願いたいわけです。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 米価審議会の委員の構成のことについてお尋ねでございますが、いまちょっとお話の中にありましたように、国会議員を締め出すとかなんとかいうそういうことばというのは、あれは新聞社が勝手にこしらえた失礼千万な話だと思っております。御承知のように、大事な米価をきめるために御意向を徴するわけでありますから、われわれとしては、米審の委員についてはきわめて慎重にやらなければならないし、かりに国会議員をわずらわさないことになるにしても、締め出すなんというそういう考えは毛頭ないのであります。  そこで、いまのお話でありますが、ただいままだ任期中であることは間違いありません。人さんの任期中に、おまえのあとはだれだというようなことを先走って申し上げることは、これはよくないことで、いままでそういうお答えをいたしてまいりました。その条件はちっとも変わっておりませんので、いま一体何を考えて、どういう者に任命を御依頼するつもりであるかというふうなことについて説明を求められましても、いま何もきまっていないわけでありますから、ここですぐ申し上げることはできないわけであります。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 予期したような御答弁ですが、かりに米審に国会議員をわずらわさなくとも、そういう場合でもということでありましたが、従来の農林大臣の発言から見れば、最近でもその点は非常にすっきりしなくなってきておる。五月二日の閣議後の定例記者会見で、あなたは何と発表されていますか。明らかに、たてまえから言うと、行政府の審議会に立法府の国会議員が委員として参加するのはおかしいと思うと。佐藤総理も、こういうことをまた国会で明らかにしておる。この考え方に変更があるのかないのか、その点はどうですか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 渡辺さん御存じのように、新聞記事といのものは、しゃべっていることが全部なかなか出ません。その部分部分が書かれるわけであります。私は、そういういまお話しのようなことをどういうふうに話したか知りませんが、予算委員会で内閣総理大臣はこういうふうに答えておる、まあその意見は正しい意見だろうと、こういう肯定をいたしておるわけであります。その程度であります。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 任期中にとやかく言うのは、現在委員になっている者に失礼だということをあなたは委員会等で発言されておりますが、従来も、任期中に——これは一年の任期であります、その任期中に、国会に対して農林大臣は米審委員の選任方を依頼してきておる。当然今度もそういうものでなければならぬと思うのですが、それは失礼であったわけではないでしょう、従来でも。そういう一つの姿勢で臨まれると解釈していいですか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 私は、先ほど申し上げましたように、任期が満了されましてからもお話を——それまでに態度が決定すれば、その直後にでもお願いをするし、態度が決定しなければ、若干はおくれるかもしれませんが、任期中にそういうお話を申し上げることはよくないと思います。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 繰り返しますが、従来とも、米審委員の国会議員の一年の任期中に農林大臣から国会に選任方の依頼を受けて、議運等を通じて各党がそれを出して、本会議でこれを承認して、大臣にその委員を申し上げているわけでしょう。だから、そういうルートじゃなしに、国会議員は今度は任命しないというために——任期満了直後あるいは多少時間がおくれても考えるということは、従来とは違った、いわゆる学識経験者の中に国会議員はお願いしないと、こういう前提に立つから、七日の期限前でも一言も具体的には言えない、こういうことなんですか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 御承知のように、国会の会期は六月末まででございますので、もし国会議員をお願いすることになって国会の承認を求めるという必要がありましても、やはり十分時間はあると思っております。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 そちらのどちらにウェートがあるんですかと聞いているのです。従来どおり学識経験者の中に国会議員をまた継続してお願いをされるのか、あるいは、それは全然考えない方向でいくのか。新聞記者に発表して新聞記事になったのはあなたの記者発表したうちの一部分であるというならば、行政府と立法府はたてまえとして一線を画すべきであると佐藤総理は言っておるし、大臣もそれに口うらを合わしたような発表を記者発表でしておるので、そういう方向で整理をすると考えられるから、ここで問題を明らかにしたいということで、前もってあなたの腹をはっきりきめて出ていただきたいと申し上げておったわけです。それはどうなんですか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) まだそういうことを申し上げる段階までに至っておりません。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 とても、このことをこれ以上聞いても、私の満足するような答弁は得られないようでありますから、別の角度からひとつこの問題に関連して伺いたいのですが、そういう形式的な、私から言えば官僚的なものの考え方、それは大臣個人の発想によるものであるのか、あるいはあなたの使っておる官僚諸君の考え方によるものか、私は大臣にきょうはさしでひとつ伺いたいのは、もう少しものごとというものは客観的に判断をしていただかなければならぬ。しかも、従来、国会議員から出ておった米価審議会の委員が、その審議会でいかなる発言をし、いかなる問題を提起しておったか、大臣は勉強された上でこの問題に取っ組んでおられると思うのだが、その点は十分承知をされておりますか、あるいは、ただ食糧庁長官あるいは次官から従来の経過を口頭で聞いたにすぎませんか。あなたみずからが速記録を全部読みましたか、国会議員に関する発言その他の経過を。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 私は、いま、不勉強でありますし、忙しいものでありますから、なかなか全部は読んでおりませんが、先般、自由民主党所属の代議士の友人が私のところへ来られまして、これはひまを見て読んでおくことがよかろうということで、昨年の米審の経過の記録は拝見いたしました。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 そういう点をごらんになったなら、国会議員から出ておる米価審議会の委員が、どこにいわゆる立法府の議員が学識経験者に値しない発言をした個所がありましたか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 特にそういうことを指摘するような発言は見当たらなかったようであります。非常に長い演説をされておりまして、その演説の中の味わいを味わってみますというと、大体、代議士というものは、それぞれの選挙区にいろいろな関係を持っております。なかんづく、米のような全国に広く行きわたった作物でありますし、同時にまた、農作物の中核をなすものでありますから、そういう角度において、翌日への生産意欲をわき立たせるために、米価というものは、なるべく一般経済情勢が許す範囲内において高いものを希望するというのは、これはその地域の代表としては当然なことだと思います。したがって、そういうような角度で議論があることは、ひとり米審の委員に限らず、私ども党内の会合などにおいても同様に行なわれるものでありますから、そういうことについて同じような構想のもとにこの人は演説をしているのだな、こういうような理解は私どももいたすわけであります。そういうような角度で非常に興味深く拝見をいたしたわけであります。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 ことば尻をつかまえるわけじゃないが、いまの大臣の発言を、長野のあなたを選んだ農民が速記録で読んだら、どう思いますか。故意に高くしなければならぬという、そういう発言がどこにあったですか。あくまでも科学的に分析の上に立って価格はかくあるべしという主張はどの学識経験者も言ったけれども、政治的に高くなければならぬということを発言した委員は一人もいない。何をあなたは具体的に言われるのか、そういうことを。農民は怒りますよ、そんなあなたが意図的な理解をあの審議会の発言というものを歪曲して理解するなら。だれが言いましたか、高ほうがいいといういことを。米価のよって立つ算出の基礎、それがいかに科学的な内容に満ちあふれていなきゃならないか、政府の原案がいかにその取り上げた要素に矛盾があるかということをいろいろな角度から取り上げた経過はあるにしても、高ければいいなんというそういうことを言うているのは、私は米価審議会委員を代表して申し上げますが、どの委員だって国会から出ている委員は一言も発言していない。取り消しなさい、いまの発言を。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 私の述べましたことばが、いまあなたが言われたように、高ければいいというように主張しておるととられましたならば、この点は取り消します。釈明をいたしますが、私は、高くさえあればいいんだということを米審の委員の国会議員が言っているとは言っていないわけであります。そういうことではなくて、それぞれの自分の故郷における農業の状態等を見て、そういう立場を考慮しながらいろいろな御発言があるというふうなことが感じられたと言っておるだけでありまして、そういう意味にひとつ御理解をお願いしたいと思います。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 米価審議会では、いろいろな問題をあらゆる角度からやはり取り上げておるわけです。そのうちの一つに、諮問のあり方ということを真剣に取り上げておる。きょう出された昭和三十年以降昨年までの「米価審議会の諮問および答申等」という一覧表をいただきましたが、これを見ましても、昭和三十六年までは価格そのものを諮問しておる。それ以降においては、諮問の内容が変わっておる。この諮問のしかたにもいろいろ混乱があるわけですが、新しく期待をもって大臣になられたあなたは、ことしはどういう諮問をされようとしておられますか。その腹案はどうですか。どういうふうなことを米価審議会に諮問されようとしておられますか。これは事務的なものじゃない。大臣自体が、米価審議会をいずれ招集をされて、どういうふうな諮問をされようとするのか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) そういうやり方についても、どのようにやるべきであるかというようなことをただいま部内で検討いたしておるわけであります。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 そういう諮問の内容もまだはっきりしないとなれば、なるほどその構成についてもなかなかはっきりしないのもわからぬではない。いつころ開く予定ですか、生産者米価についての審議会は。これぐらいは、大臣、見当はおつきでしょうね。いつころお開きですか。麦はいいですよ、それは何といったって今月中に開かなければならないように法律できめられているのですから。いつころ米価審議会をお開きになる御予定ですか。すぐいま開くといったって、会場、設備その他があって、前もってこれは準備しなきゃならぬ。大臣は、いつころ開かせる準備をされておりますか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 麦価が済みましてなるべくいい時期に開いていただこうと思っておりますが、ただいま、私どもは、実は昨年の米価の決定のあり方について、寄り寄り、衆議院においても、去年はまずかったなあというような話し合いをしているわけであります。お互いに反省も出てきておるわけであります。そこで、ことしは、ひとつできるだけみんなに納得していただくような方法と納得していただくような米価を平和裏にきめたいものだと、一般論としてはそういう考え方をもちまして、私は、農林省の事務当局にも命じまして、いま、いろいろな生産者の方々や、また、地方からも率直に私のところに上って来られる方もあります、そういうような方々にできるだけお目にかかって、どういうようなお考えであるかということをお米をつくっておられる方々の御意向も聞くように努力いたしておるわけであります。したがって、そういうことともにらみ合いまして、麦が済んだあとで開くようにいたしたいと、こう思っております。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 麦が済んだあとで、いつころお開きの予定ですか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) まだそれは的確にはきめておりません。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 いろいろ農民の代表、生産者代表等とも相談してきめるというが、万一——万一の話でどうもまずいんですけれども、米価審議会に国会議員を依頼しないという場合には、そこは素通りして、実際いま言ったような程度の相談でものごとを進めるのですね。そこはどうなんですか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) それは、まあ渡辺さん、米審が構成された上でひとつ考えることじゃないでしょうか……。そう思いますが。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 麦が済んでからというのは、従来のこれは慣例ですわね、生産者米価の取り組み方の。それは従来の慣例です。で、いつころかということは、全然まだ白紙ですか。私はそうは聞いていないんですが。それすらも国会の場では言えないんですか。第一案はこうだ、第二案はこうだと、これも国民には明らかにできないことなんでしょうか。そのとおりやるかやらぬかは、案ですから、私は別段あそこでそういう案をやったのにやらないからけしからぬというふうに申し上げるつもりはないですよ。だけれども、それは大体の腹案ぐらいはあるはずです。あると関係者は承知をしておる。それを大臣からじかにこの際伺っておきたい、それだけのことなんです。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 大体これはまあ常識的にいつごろになるかということは予想もつくことだと思いますけれども、私は、この間、参議院の予算委員会で、政治資金規正法の話がありましたときに、自治大臣は何月幾日にこの法律を出すと、こう初めは言っておられたが、だんだんおくれてきたんで、期日が間違ったのではないかということで、えらい追及されておる様子を見て、まああんまり先のことははっきり言わないほうがりこうだなとつくづく感じましたので、まあそこら辺のところじゃないかと思っておりますが……。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 まあなるべくおっしゃらないほうが一番無難でしょうね。これじゃ私どものお尋ねすることが進まぬのですよね。たとえば、さっき、大臣は、六月七日が過ぎても、会期が六月末まであるから、国会議員をお願いするときには会期末までにお願いの手続もできる、こういう話をされましたね。そこで、会期末の六月末までには米価を決定される御意思なんですかどうですか、したがって、六月中に生産者米価についての審議会も開き、決定までのスケジュールをおとりなんですか、こういうことをお尋ねするわけです。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 先ほど申しましたように、麦が済んでからということがほんとうじゃないかと思うのです。そうしますと、まあ麦は今月中でございましょうから、そのあとにならざるを得ないんではないかと思います。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 そうしますと、あれですね、いまの大臣の御答弁のニュアンスからいえば、七月早々にはとっかかるということのように承りますが、おおよそそんなところに考えておられる、こういうふうに理解していいですか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) そのときの向きで一日や二日は違うかもしれませんが、まあ麦が済んだらなるべく早くかかっていただくほうがいいんじゃないかと思っております。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 麦が済んだらというのは、麦の価格を告示するまでが麦が済むという作業一切に含むものでしょうね。そうして、六月三十日に告示をして、七月早々に米にとっかかる、米価審議会を開く、こういうふうに政府では考えておられる、こういうふうに理解していいですね。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) そういうふうにひとつつとめてやってまいりたいと思っております。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 まあ日程についてはおおよそわかりました。  それで、私は、大臣、従来の経過から見ますと、どうも非常に大きな不思議な思いをいたしておるわけです。というのは、まああまり古くからかれこれ言うても始まりませんけれども、私が要求しました資料の昭和三十年以降の経過を見ましても、生産者米価をきめるその段取りを見ますと、その当時持たれておる国会が済んだあとで米価審議会が招集され、答申され、政府が告示をするというスケジュールになってきておる。これはまあ過去の記録を見てそういうことがはっきり言える。それで、大臣に私ここではっきり伺いたいのは、食糧管理法によりまして米が動いているわけですが、昭和二十九年までは、御承知のように、供出割当制で進んできた。これが、当時の農林大臣の諮問に応ずる米穀懇談会の答申によって、政府が、三十年産米から予約制に切りかえた。現在も予約制になっておる。これも大臣御承知のとおりです。この予約制というものは、はっきり内容にもうたっておりますように、政府は作付時期前を目途としてなるべく早い時期に政府買入価格を決定して公表する、こういうことが明文になっておる。作付前にすみやかに政府は買入価格を決定するものなんだ。田植えをする前に、政府は、ことし皆さんがつくるであろう米に対してはこれだけの値段を保証しますよと言って、それで申し込みをする、これが予約制のスタートです。したがって、作付前に政府は買入価格というものをきめなきゃならない。作付前というのは、まあ地域によっては作付の時期はいろいろ違いましょう。東北では、五月中旬が値えつけの最盛期です。そうしますと、四月ごろにはもう作付前の時期として政府は価格を予示しなきゃならない。そういう予約制というものを踏みにじって政府は国会が済んでから価格決定の作業に入るということは、はなはだけしからぬと思う。事務的にはいろいろな理屈はあるでしょう。しかし、少なくとも、米穀懇談会の責任者である荷見さんはこのことをいつも憤慨しておった、予約制をじゅうりんするもはなはだしいものであると。したがって、価格というものは、結果的に見ますと、国会における審議をきらって、国会が閉会になってから生産者米価を諮問したりするようなこそくな手段をとらずに、堂々とこれは早い時期に国会に積極的に審議を求め、国会の議決を求めるべきものである、基本的に。これはわが党の委員長から佐藤総理大臣に意思表示をしておる。今日まで何らの回答がない。  そこに至る前に私は主管大臣にお尋ねをしますが、会期は六月末まででしょう。六月末で会期が切れるのに、先ほど大臣が言うたように、生産者米価は七月に入ってから米審等を招集してやると言った。これは、国会の審議の場というものを従来故意にはずしたその先轍を再びおかすということになるんじゃないでしょうか。したがって、予約制の本旨に立ち返って、すみやかに米審も開くべし、国会の審議も仰ぐべしという態度に出なければならぬと思うんです。従来の経過は別としますよ。フレッシュな立場で臨んだ倉石農林大臣に私は新風を期待してお尋ねをする。衆議院でも、わが党の石田代議士の質問に対して、国会の審議は十分仰ぐ所存だという答弁をされている。会期中にそういう審議を仰ぐという内容と承っていいと思うんですが、その点はどうですか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 私は、前段の御説明については、あまりよく知りませんので、わざわざ国会が済んでからと昔の政府が考えたかどうか知りませんけれども、いま国会議員になっている者の常識としては、六月末の会期だけでこの国会が終わると思っている者はいないのじゃないですかな。たぶん、政府も大事な法案をかかえているし、審議の状況から見て、若干の延長があることは、もうこれは世間の常識だと思う。私は、米価問題について、わざわざ、だからして国会をはずすとかなんとかいうような意識は、いま渡辺さんに教わって、はじめて、なるほどそういう手もあるかな、うまい手だなと考えておりましたけれども、(笑声)そんなことは初めから考えていませんで、まかり間違えば一ヵ月延長ということが毎日のように新聞に出ているわけでありますから、逃げようったって逃げられない話で、また、逃げようとも思っておりませんし、そういうことで、やはりそれぞれの国会の委員会で私どもはそれぞれ国民代表たる議員さんにいろいろな角度から御審議を願うことは当然だと思います。昔の歴史のことは別として、私、ただいまはそういう意思は全然ありませんから、どうぞひとつよろしくお願いいたします。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 会期延長については新聞記事をそのまま大臣は肯定されたようで、斯界のためにまさにこれは喜ばしいことだと思います。この国会は、そういう一つの物理的な現象によって、好むと好まざるとにかかわらず、国会で生産者米価は審議をせざるを得ないでしょう、政府はいやだといっても。これは、前段に私がお尋ねをした米価審議会から国会議員を締め出したならばなどというけちなことでなく、いままでのわれわれの構え方の不十分さを反省して私は申し上げておる。今後は、麦といい、消費者米価といい、生産者米価といい、あらゆる法案に優先してわれわれは国会の場において十分な審議を尽くします。ただし、ことしは、会期延長のさなかに政府のスケジュールが組まれるのですから、何ら摩擦なくわれわれ野党もそういう審議の場が提供されるでしょう。しかし、ことしのような五十五特別国会というような現象は、今後はあまり考えられないレアケースでしょう。従来は、会期百五十日、延長が場合によっては三十日、あるいは四十日。そこで、六月末、七月十日、そこら辺を過ぎてから生産者米価の現実の審議に入っておる。しろうとは言うでしょう、米価審議会が七月に開かれようが、国会開会中になぜそれならば質疑をしないかと。これはしろうとの意見です。政府に具体的な米価の算定方式なりあるいは参考資料というものがなしに具体的な米価の審議をいたしましても、これはのれんに腕押しです。目下鋭意検討中と言うにきまっている。だから、われわれは、具体的にその米価そのものを審議する時期というものは、政府で試算したその算定方式なり具体的な参考資料が出た上でなければ、実のある審議がなされないわけです。したがって、政府は、来年以降、通常国会が延長されたいわゆる会期の中で、これらの問題を具体的に審議するためのいろいろな政府の対案というものを出して、われわれに審議を仰ぐ意思が今国会同様にありと理解していいかどうかをお尋ねいたします。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 私は過去のことは存じませんけれども、国会の委員会で米価に限らず、いろいろなことについて御審議を願うことは、当然なことだと思っております。いろいろ御意見、御質疑が出て、政府の態度はそれについて御説明を申し上げて御了解を得る、こういうことは当然なことでございますので、今国会もそういうふうに行なわれるのではないかと予想しております。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 いや、私の質問にまともに答えてください。今国会は当然七月に入って米審を開く。米審を開けば、政府の試算も出る。試算には具体的なバックデータもある。そういうものは、やはり同時に国会の参考資料として提出されて——その具体的な資料を中心とせずに、実のある審議はできないのです。  具体的な例を申し上げましょう。過去の畜産振興審議会で、あの審議をする前に、衆議院の農林水産委員会でその問題についての審議をしましたが、その審議会を目前に控えたあの日ですら、目下鋭意検討中で終始逃げたでしょう。そこで、わが参議院では、あの審議会に出された資料を中心として審議会終了直後にやったら、具体的な資料に基づいたから、具体的な実のある質疑が展開されたじゃないですか。今度の国会は、当然それが物理的に考えられるから、今国会は問題がないわけです。それは、当然、大臣のおっしゃるとおり、具体的な算出方式なり、あるいは試算の金額なり、それを算出するに至ったバックデータなりが政府から出されて、それらの資料を参考としながら、われわれもわれわれの立場に立っていろいろお尋ねをする話が出るわけですから、十分そこで審議をする。これはことしはいいが、来年、五月を最終日として期限延長をして、それが六月へ過ぎたという場合に、従来の例にまた立ち返って、それらの延長された期限後の、通常国会が閉会になってから政府の具体的な試算等が出されたのでは、国会における現実の審議がはずされるということです。だから、来年はもっと手順よく資料を整備して、少なくとも作付前にそれらの具体的な審議が国会でできるような用意をしていくべきだと思うが、そういう準備とともに、大臣は、それに答える用意が十分ありと考えるが、念のためその大臣の態度をここで確認しておきたいと、こういうことです。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) ━━━━━━━━━━できるだけひとつ国会の御審議とともに国民の納得できる方向で進めてまいりたい、こう思っております。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 私は、いまの大臣の御答弁は、非常に不謹慎きわまりない答弁だと思う。大臣の銘柄は変わろうとも、国の農政の最高責任者である地位というものはいささかも変わらぬでしょう。そんなふざけたことであなたこの場の答弁をごまかすなんて、とんでもない話です。そんなことで、一体、あなたの答弁をなしておりますか。あなたは、ぼくのようなそれこそかけ出しの議員とは違って、百戦練磨の古つわものだ。国会議員としてはキャリアも古い。だけど、そんな子供だましなことで私はだまされるわけにはいかぬですよ。少なくとも筋論をひとつ立ててください。国会の審議を仰ぐならば、具体的に政府も対案を示して通常国会開会中に国会の審議を求める、こういう態度こそが今後政府のとるべき態度じゃないですか。食糧庁長官のそういうささやきなんかを聞かぬで、大臣、あなたは次元の高い立場でもう少しき然として答えなさいよ。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 五月になりまするかどうか、私も実はその点についてはっきりしたことをいま申し上げかねるわけでありますが、とにかく価格決定のためにはそれのいろいろな要素がございますからして、その要素を集約していく過程においては、あるいは時期的にはなかなかむずかしいものもあるでありましょうが、原則としては、私は、先ほど申しましたように、できるだけのデータをそろえて国会で御相談を願うということは当然なことだと思っております。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 原則的にじゃなくて、もうそれ一筋で行くべきですよ。原則には例外があるから、例外が大道を闊歩されちゃかなわぬ。少なくともわれわれは国民の代表として出てきておる。それは単に生産者米価だけじゃないですよ。消費者米価については特にそうですよ。消費者米価についても、通常国会の中で具体的な対案を示す、値上げをしなければしないという対案を示す、上げるという案があったならばますますもってその具体的な対案を通常国会開会中に示す、こういうことを明確にもう一回答弁を求めます。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 来年の国会がどういうふうな日時でどなるかということはまだよくわかりませんけれども、大体のことは、例年であるならば、七月というのは閉会後であると存じます。そこで、ふだんでも、御承知のように、国政調査ということで衆参両院の委員会が随時開かれておるわけでありまするからして、そういうところで政府側の見解を求められますならば、これはもう当然そういう過程における政府側の研究について御報告申し上げることはできると思います。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 それがくせ者なんです。私は、具体的な例を申し上げます。去年、閉会後に、米価審議会が答申した直後に、農林水産委員会の招集を要求した。そうしたが、これはついに開催に至らなかった。与党の諸君が集まらない。政府をささえている与党がその気にならぬ。むしろ楽屋裏で政府とともにいわゆる政治米価の加算の相談のまっ最中だ。委員会なんか開く余裕がないし、開く気持ちもない。そこで、私は、念を押して言うのは、通常国会中に堂々とやはり政府は国会の審議を仰ぐべきだということを言っているんですよ。閉会後にやれば、やはり政府からの圧力も加わるでしょう、自民党に。なかなかそれは言うがごとく開けない。衆議院だって開けなかった、委員会が。そうして、国会不在のまま決定したのが去年の経過でしょう、生産者米価は。だから、あくまでもこれは——ことしは、もう何回も言いますように、物理的に当然会期延長の中で政府は十分なる審議を仰がなければならぬ羽目に入っているのです。これはもとより論外です、ことしは。来年以降、従来の例を反省して、通常国会のそのさなかにあらゆる食管に関係のある米価については、政府は具体的な対案を出して審議に応ずべきであるということをここでもう一度確約をしていだきたい。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 御趣旨はよくわかりました。したがって、私どもは、国会の御審議というものはとにかく最高の権威のあるものでありますからして、それでひとつ十分に御協議を願うような態勢を整えてまいるようにいたしたい、こう思っております。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 どうも、大臣、二時に衆議院の本会議に行く制約があるので、私ももっとこれを確かめたいのですが、どうにもなりません。  そこで、私は、最後に大臣に伺いたいのは、これは審議のことを言うておる。さらに、私たちは、審議をして、国会で議決をすべきであるという意思表示を日本社会党としては委員長名をもって総理大臣に申し入れをしておる。これに何らの返事がない。返事がないということは、議決をするということを肯定されたと解釈していいのですか。審議はまずわかりましたが、議決……。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) そのことを私は何も承っておりません。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 これはまたたいへんなことだ。食糧庁長官は、このことを大臣に報告してないのですか、この申し入れ書を。日本社会党の党首の申し入れを主管大臣が承知していないなんて、とんでもないとぼけたもんだ。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) ちょっと私記憶がありませんが、党の書記長からのお申し入れですか。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 委員長みずからが持って行ったのではないですが、書記長が党を代表して、日本社会党中央執行委員会委員長佐々木更三が内閣総理大臣佐藤榮作に申し入れておる公文書ですよ。これには、「米は国民生活に重大な影響をもつ国の管理物資であり、国鉄運賃、郵便料金などとおなじように、その価格は国会で決定すべきである。」と、こういう申し入れをしておる。知らないのですか。こんなことを知らぬであなた農林大臣がつとまると思っておるのか。ふざけるにもほどがある。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) そのコピーを拝見しましたときに、党から党に申し入れられたのだと誤解をいたしておりまして、いま聞いてみますと、そうではなくて、内閣総理大臣ということであります。そのことは、したがって、承っております。  それにつきまして、どういうような御返事をするかというようなことについては、まだ政府がどういう腹をきめておるかということについては私は聞いておりませんです。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 聞いておらないじゃなくて、主管大臣がまず腹を固めて、閣議にかけて決定すべきものじゃないですか。主管大臣が人ごとのようなことを言っている問題じゃないでしょう。食管法の主管大臣はだれですか、一体。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) そういうお話になりますならば、現在の食管制度というものは、渡辺さんもご存じのように、制定されました当初は、われわれあの法律をつくる時分には、消費者保護の目的が非常に多かったわけであります。ところが、だんだん世の中が変わってくるに従って、食管制度というものは半面においては生産者を保護するという考え方も非常に加わってきて、現今は、いろいろ御意見もありましょうが、まあまあああいう制度がきわめて妥当であろう。そこで、食管制度というものの根幹は維持しながら、その運用について円満にやっていくようにいたしたい、こういう考え方でおりますので、米価について国会において議決するというには、たぶん法律の改正が必要でございましょうし、私はそういう点については現在の制度がいいんではないかと、こういうふうに思っております。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 ただいまの答弁は、もう全く納得がいきません。それに本会議に大臣がまっ先に答弁をされるそうでありますから、先ほどの理事会の申し合わせを尊重して、私はこの一連の問題の質問は保留してきょうは終わります。

野知浩之自由民主党

○委員長(野知浩之君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

野知浩之自由民主党

○委員長(野知浩之君) 速記を始めて。  暫時休憩いたします。    午後二時四分休憩      —————・—————    午後二時四十六分開会

野知浩之自由民主党

○委員長(野知浩之君) これより委員会を再開いたします。  先ほどの渡辺君の質疑に対する倉石農林大臣の答弁中に不適当な点がございましたので、速記録を調査の上、委員長において適当に措置いたします。  本件につきましては、この程度にとどめます。     —————————————

野知浩之自由民主党

○委員長(野知浩之君) 次に、ニューカッスル病対策等に関する件を議題といたします。  質疑のある方は順次御発言願います。

中村波男日本社会党

○中村波男君 本日は、鶏のニューカッスル病を中心にいたしまして、さらに畜産の防疫体制について質問をいたしたいと思うわけであります。  鶏の死病といわれておりますニューカッスル病は、昭和二十六年に埼玉、神奈川で発生をいたしましてから、毎年発生の高低はありまするけれども、ますます最近になりまして養鶏家に大脅威を与え、特に昨年ば関東地方を席巻いたしまして、いまや全国的に蔓延をいたしておるのであります。本年五月十六日の資料によりますと、発生羽数は百十七万二千六百八十九にのぼっておりまして、ニューカッスルのゼロ地帯といわれてその防疫体制の完備しておるということで高く評価されておりました岐阜県にも飛び火をいたしまして、ここ数日間に殺処分をいたしましたものが一万八千に及んでおるのでありまして、このような爆発的に多発していることは、いまさら私が指摘を申し上げますまでもないところであります。ニューカッスルの蔓延は、ただ鶏だけの問題ではないのでありまして、畜産全体の防疫体制のおくれをまざまざと私は見せつけられたと思うのであります。  したがって、かかる観点に立ちまして、最初にお尋ねをいたしたいのは、このおそるべきニューカッスル病の蔓延をいかにして防ぐかということにつきまして、これの対策と今後の見通しをまず承っておきたいと、こう思うわけであります。

岡田覚夫農林省畜産局長

○政府委員(岡田覚夫君) ただいまお話がございましたように、昨年の十一月ごろからニューカッスルが発生をいたしまして、本年に入りまして相当蔓延をいたしておるわけであります。これに対しまして極力防遏を講じてまいりました結果、いま、おおむね終息の段階に入っておると思うわけでございますが、なお若干の県におきましては散発的な発生を見ておるという状態でございます。   ニューカッスル病は、もうお話しのように、鶏にとりまして非常におそるべき病気でございますので、これの発生を予防し防遏をするということが課題であると思うわけでございますが、そのためには、何といたしましても、鶏の飼育管理というものを衛生的に行なうことはもちろんでございますけれども、予防のために予防注射を徹底的に行なうということが必要であろうというふうに考えておるわけでございます。何と申しましても、一億数千羽にのぼる鶏でございますから、これに対しましてはなかなかむずかしい点はあるわけでございますけれども、徹底的な予防注射をするということによりましてこれの発生を予防する、そのために自衛体制を強化するという方向で指導いたし、また助成をいたしておるわけでございますが、今後におきましてもそのような考え方で進みたいと考えておるわけでございます。

中村波男日本社会党

○中村波男君 この機会にお尋ねしておきたいと思いますのは、発生したところからだんだんと周辺に発生が拡大するということはわかりますが、全く何十キロも離れたところにぽつんと発生を見るというような事例があるわけでありますが、したがって、発生の原因経路というようなことについて、畜産局なり衛生関係におきましてすでに究明がされておると思うのでありますが、そういう点についてこの機会に御説明をいただきたいと、こう思うわけであります。

岡田覚夫農林省畜産局長

○政府委員(岡田覚夫君) 御承知のように、ニューカッスルには、アジア型とアメリカ型があるわけでございます。昭和二十六年に発生いたしましたニューカッスルはアメリカ型でございまして、それ以後毎年発生をいたしておりましたものは、まさにアメリカ型と称せられるものであったわけでございます。昨年昭和四十一年から発生をいたしましたものは、アジア型という新しいタイプのウイルスでございまして、これが本来どのような形で入ってきたかということにつきましては、追跡をいたしておりますけれども、なかなかはっきりいたさないわけでございます。  なお、これにつきましては究明をいたしたいと考えておるわけでございますが、ある県で発生をいたしましたニューカッスルが、関係のない県に飛び火をするというような状態もあるわけでございます。御承知のように、鶏の飼育が非常にふえてまいった、それから流通が非常に複雑になってまいっておるわけでございます。で、ひなが各地に送られるというふうな形が生じましたことに伴いまして、かなり距離的に離れておるところでも発生するという事態が生じておると思われるわけでございます。

中村波男日本社会党

○中村波男君 感染経路の追跡がまだ完全に見きわめられておらないと、こういうお話でありますが、これは何としてもそれを見きわめることが防疫上最も重要なことでないかというふうに私はしろうと考えながら感ずるのであります。  そこで、昭和二十六年からこのことが問題になったのでありますが、農林省として、このニューカッスル病対策として根本的に伝染経路なりあるいは予防措置なり等々について研究を続けてきておると思うのでありますが、その研究の機関なり、あるいはどのような方法でどのような予算をもって今日まで行なってきたかというような点について、加えて御報告をいただきたいと、こう思うわけであります。

岡田覚夫農林省畜産局長

○政府委員(岡田覚夫君) 昭和二十六年にニューカッスルが発生をいたしたわけでございますが、ニューカッスルに対する対策といたしましては、御承知のように、家畜伝染病予防法に基づきまして発生予防をいたしますと同時に、発生をいたしました場合には、殺処分に付しまして徹底的に消毒をすると同時に、必要な場合には地域を指定いたしまして移動禁止をするというような措置をとってまいったわけでございます。最近までの情勢では、ニューカッスルの罹病と申しますか、かかる程度は、比較的小地域、小範囲、少数にとどまっておったわけでございます。したがいまして、これに対しましては、予防注射の励行ということで指導をいたしておったわけでございます。毎年要しました経費につきましては、ただいま過去からの資料を持っておりませんので、後ほど資料としてお出しいたしたいと思いますが、そういうことで努力をいたしてまいったわけでございますけれども、四十一年から事情が非常に変わってまいったということになったわけでございます。で、予防のために必要な死毒ワクチンにつきましては、わが国におきます家畜衛生試験場の研究の結果、いろんなすぐれたものをつくり出しているのでございまして、現在それが使用されているわけでございます。さらに、三十四年からは、生ワクチンの研究をいたしまして、鶏の飼養の情勢もだいぶ変わりつつあるというふうな情勢にかんがみまして、生ワクチンの研究を続けてまいったわけでございます。

中村波男日本社会党

○中村波男君 いまもお話がありましたように、予防措置としては、死毒ワクチンを注射する、これがほとんどでありまして、その他の手はないようであります。防疫措置としては、感染した鶏の殺処分、移動禁止、消毒をする、こういうような方法がとられておるのでありますが、いわゆるウイルスが人の移動によって、物の移動によって、あるいは野鳥の移動によって、さらに風によって運ばれる、こういうことを聞くのでありますが、今日、このような経済交流の激化しております社会情勢の中で、卵や鶏の移動禁止によって伝播を防ごうとすること自体がナンセンスではないかというふうに考えるのであります。私は、ニューカッスルに限って、いわゆる清浄化論や撲滅論が時代錯誤もはなはだしい議論ではないかというふうに考えておるのでありまして、少なくとも今日の日本の養鶏産業の発展段階に対応できる防衛措置がまだほかにあるような気がいたすのであります。すなわち、病気とともに生きる養鶏というものを確立することが新しい防疫措置ではないかと、しろうとでありまするからきわめて冒険的な常識的な考え方かもしれませんけれども、そのように考えるのであります。いわゆる清浄化論で今後これが撲滅できるのだというような自信なり見通しなりあるならば、この機会にお聞かせをいただきたいと思うわけであります。この点については、畜産局長並びに農林経済局長の——防疫の関係もありますので、両局長からひとつ御見解を承って、次の質問に移ってまいりたい、こう思うわけであります。

岡田覚夫農林省畜産局長

○政府委員(岡田覚夫君) 先ほど申し上げましたように、昭和二十六年に発生いたしましてからの数年間は、この流行というものは比較的小範囲、少数にとどまっておったということもございまして、よごれた地域が非常に少ない。大部分の地域は清浄な地域であった。したがいまして、清浄化できるというふうに考えてまいったわけでございます。したがいまして、そのような措置をとってまいったわけでございますけれども、昨年来の経過を見ますと、非常に広範な地域に発生するというふうな状態になりまして、かなり汚染された地域がふえてまいっておるわけでございまして、現在のような状態で徹底的に清浄化できるかどうかということについては、問題が出てまいっておるわけでございます。  そこで、最近の情勢にかんがみまして、死毒ワクチンだけでなく、生ワクチンを使いましてニューカッスルの予防につきまして万全の措置を講じたいということで、現に野外実験をいたしておる次第でございます。

大和田啓気農林省農林経済局長

○政府委員(大和田啓気君) 私ども農林経済局におきましては、共済に入っております家畜の防疫関係だけをやっておりまして、鶏の問題は、現在鶏の共済をどのようにしてやるか、またやれるのかということを目下検討しておる段階でございまして、私のほうから答弁申し上げることはございません。

中村波男日本社会党

○中村波男君 畜産局長もお認めになったように、いわゆる予防措置として死毒ワクチンは万全ではない、こういうことでありますが、そこで、生ワクチンの使用を考えておるんだというお話でありますが、この問題はあとからさらに具体的にお尋ねをいたすといたしまして、いま直ちに生ワクチンの使用を許すということではなかろうかと思うのであります。したがって、今日さらにニューカッスル病が発生をいたしておるのでありますから、いわゆる死毒ワクチンの問題もゆるがせにはできないのではないかと思うのであります。  そこで、私から申し上げますまでもなく、かりに一〇〇%死毒ワクチンが効果があったといたしましても、一羽ずつ注射をしなければならないというこういう方法でありますから、何千羽、何万羽注射をするということは、神わざでも追っつかないことではないかと思うのであります。  第二には、死毒ワクチンの注射によって完全にニューカッスルにかからないようにいたしますためには、三回ないし四回必要であるというふうに聞くのであります。したがって、注射代だけでも二十円という金がかかるわけでありまして、これはなかなか負担としては大きな比重を占めるのではないかというふうに思うのであります。したがって、発生をして殺処分にすることを考えれば二十円くらいの金は何でもないと指導する側ば簡単に言いますが、やはり養鶏家にとっては、これもなかなかのネックになっておるのではないかというふうに思うのであります。  第三の問題点といたしましては、専業的養鶏家や種卵養鶏場等については、ひとたび襲われましたならば、営々として築き上げました養鶏場が、一夜にして烏有に帰してしまうのでありますから、千葉県の例がありますように、そのために自殺をしたというような悲劇さえ生まれておるのでありますから、防疫にもいわゆる専業的企業的養鶏家というのは敏感でありますが、問題は、いわゆる自家用の卵をとるために三羽、五羽と飼っておる養鶏家、あるいは二けた三けたの全くの副業的な養鶏家、これらの養鶏家の鶏からニューカッスルが発生しないという保証はないのでありまして、保証はないどころか、こういう養鶏家のほうが衛生管理その他が十分でありませんから、発生する危険度が高いのでありまして、そういうことを考えますと、これはなかなか死毒ワクチンを今後使うということに対して問題があるように思うのであります。  したがって、これらの問題について、局長は、盛んに生ワクチン、生ワクチンということをおっしゃるのでありますが、生ワクチンであるならば死毒ワクチンに比較いたしましてたいへんな利点があるということをすでにお認めになっておるのかどうか、この点からまず伺ってまいりたい、こう思うわけであります。

岡田覚夫農林省畜産局長

○政府委員(岡田覚夫君) 御質問の点でございますが、先ほど申し上げましたように、死毒ワクチンと生ワクチンと二つの種類があるわけでございまして、従来もっぱら死毒ワクチンを使っておったわけでありますが、今後生ワクチンの使用についても検討する段階になっておるわけであります。  そこで、生ワクチンと死毒ワクチンはどのような利点があるかということになるわけでございますが、これはいずれも一長一短はあろうかというふうに考えておるわけでございます。  まず、死毒ワクチンにつきましては、お話のように、一羽一羽注射をしていくということになりますので、したがいまして、多数の鶏を飼育しております場合には、そのための労力というものはたいへんであることは申し上げるまでもありません。それから購入代金がやや高いという点が問題がございます。  ところで、生ワクチンはどうかと申しますと、生ワクチンの場合は、水に溶かして飲ますというような方法と、点眼という場合と、それから噴霧で鼻から吸入させるという場合があるわけでございますが、点眼の場合ですと、やや死毒ワクチンと同じような労力を要することになるわけであります。それから水でやります場合におきましては、水に溶かして飲ませるわけですから、比較的労力は少なくて済むわけでございます。しかし、一羽一羽やるわけでございませんので、たまたま水を飲まないという鶏があるわけでございます。そういう場合には、ワクチンの効果というものがない。それからまた、一定の免疫抗体を産生させるためには、一定の量を飲む必要があるわけでございますけれどもそれを十分に飲んでおるかどうかということによりまして、ワクチンを飲みましても、ワクチンの効果が出ないという場合もあり得るわけでございます。そこで、水に溶かして飲ます場合には、労力的には確かに助かるわけでございますけれども、そういう問題が一方にあるということが言えます。  それから値段は、死毒ワクチンに比べましてかなり安いわけでございます。したがいまして、農家の経済的負担としては生ワクチンが有利であるということは言えるわけでございます。  しかし、一方におきまして、死毒ワクチンと違いまして、生ワクチンの場合は、生きたウイルスを体内に入れるわけでございますから、それ相当の影響があるわけでございますが、特に死毒ワクチンでは全く見られない余病併発という問題があるわけでございます。たとえばCRDというような病気が生ワクチンの注射によりまして非常に力を得て発生をするというふうな事態がございまして、CRD等につきましての予防対策を講じながらあわせてワクチンを使うということを考える必要があろうかと思うわけでございます。  それからまた、水に溶かします場合におきましても、その水質その他によりまして十分なワクチンの効力を発揮するかどうかというふうな水質の問題もございます。したがいまして、一概に安くて労力がかからないということで生ワクチンが非常にすぐれておるというふうな断定は危険であるというふうに考えておるわけでございます。  それで、生ワクチン、死毒ワクチンいずれも一長一短があるわけでございますが、さらに追加して御説明さしていただきますれば、生ワクチンのほうが死毒ワクチンより効果が出るのが早いという点がございます。ただ、ワクチンの効力といたしましては、死毒ワクチンのほうが効力の持続性が長く、生ワクチンのほうが短いわけでございますから、生ワクチンのほうが使用回数が多くなるというふうな点もあるわけでございます。  そういうふうに、いろいろ長所短所がございますので、一方だけというふうなことに限定するのははなはだ危険であろうかと思うわけでございまして、今後は両ワクチンを併用するというような形で行なわれるのではなかろうかというふうに実は考えておるわけでございます。

中村波男日本社会党

○中村波男君 生ワクチンの問題につきましてはあとでさらにお聞きをするといたしまして、そこで、従来、発生をいたしますと、養鶏家も急にあわてまして注射をするということ等もありまして、死毒ワクチンが不足をしたために十分な手当てができない、そのためにみすみす大被害を受けたというような事例を聞くのでありますが、今日どのような手当てがなされ、見通しはどうなっておるか、あわせてひとつお聞きをしておきたいと思うわけであります。

岡田覚夫農林省畜産局長

○政府委員(岡田覚夫君) 死毒ワクチンにつきましては、先ほどから申し上げましたように、二十六年以降につきましては比較的発生が少なかったという関係から、生産量はかなりあったわけでございますけれども、使用はかなり少なかったわけでございます。ところが、昭和四十一年に入りましてからニューカッスルが非常に発生をいたしたわけでございまして、急激に需要量というものがふえてまいったわけでございます。そこで、現在ワクチンメーカーが四つあるわけでございますが、そこで需要に対しますフル生産をいたしておるわけでございます。特に昨年の十二月から生産の増大ということに拍車をかけておりまして、全体の需給のバランスというものはおおむねとれてきておるわけでございます。ただ、備蓄量というものがある程度必要でございますので、備蓄をするということをメーカーに指導いたしておったわけでございますけれども、まあ備蓄量が減少するという形でございます。ただ、現実には需給上合っておりますけれども、こういうふうに急激に発生してまいりますと、至るところから現実の需要でなしに潜在需要が殺到するというふうな点もございまして、現実の薬が流通する場合におきまして多少不円滑なところもあったかというふうに考えておるわけでございますが、なお、その備蓄量が減少いたしておりますので、必要なものを緊急輸入をいたしましてこれに対処いたしておるわけでございますが、さらに現在輸入をいたすような手続をいたしまして、数量的な不安がないような努力をいたしておるわけでございます。  現在、工場が四工場あるわけでございますが、大体月間四千万ミリリッターというふうな生産ができる状態になっております。したがいまして、国内生産で著しく不足をするということはございませんけれども、十分な備蓄をいたすのには不十分でございますので、輸入によりましてそれに対処したいというふうに考えておるわけでございます。

中村波男日本社会党

○中村波男君 ワクチンの供給計画の中にブロイラーについても計算に入っておるかどうか、また、この機会に、ブロイラーの飼育羽数というのはどのくらいあるかということもあわせてお尋ねしたいと思うわけであります。   〔委員長退席、理事任田新治君着席〕

岡田覚夫農林省畜産局長

○政府委員(岡田覚夫君) ブロイラーも、もちろん計算の基礎に入っております。四十一年の二月一日の調査によりますと、ブロイラーの飼育羽数はたしか二千百万羽であったというように記憶いたしております。

中村波男日本社会党

○中村波男君 さらに、いま局長のお話では、緊急輸入を考えて手配をしてやるんだというふうに承ったのでありますが、その緊急輸入の数量はどれくらいになっておりますか。

岡田覚夫農林省畜産局長

○政府委員(岡田覚夫君) 去る三月に千三百万ドーズ、約六百五十万ミリリッターの輸入をいたしたわけでございますが、現在手続をいたしておりますのは五千万ミリリッターでございます。

中村波男日本社会党

○中村波男君 そこで、四つのメーカーがフル操業をしておる、こういうお話でありますが、いまおっしゃったように、発生するかしないかわからない。そういうために、なかなか需要というものが固定をしないのではないかというふうに思うわけです。いま局長も言われたように、潜在需要というものが発生をいたしますと大きく伸びるわけであります。したがって、発生してから対策をやるということでは追っつかないのでありまして、相当これは計画的に、ある程度政府として薬が効力がなくなって廃棄する場合には負担をするというくらい思い切った手配なり対策を立てておきませんと、一たび発生をすると大混乱を来たすのではないかというふうに思うわけであります。  もう一つは、最近ニューカッスル病に対する認識もだいぶ深まってまいりまして、予防的な立場で需要が伸びてきておりますし、また、徹底して予防をさせるための注射をうたせる指導とそういう組織が必要になってくると思うわけであります。そういうものの上に立ちまして、いま申し上げますように、計画生産をさせて備蓄するというところまで踏み切らなければ、私はさっきから申し上げますように、一たび発生すると、たいへんなことになるのではないかというふうに思うわけであります。  それから問題は、六円三十銭ですか、六円五十銭ですか、とにかく生ワクチンに比較いたしまして六倍以上の価格であるということも、予防措置としてうてばいいことはわかっておっても、しり込みをする一つの原因にもなっているのでありますから、したがって、計画生産をさせることによってコストが必ず下がると思いますから、もう少しコストを下げるような配慮なり構想なり対策というものを畜産局でおやりになっておるのかどうか、そういうことはできないのかどうか、これもあわせて承っておきたいと思うわけであります。

岡田覚夫農林省畜産局長

○政府委員(岡田覚夫君) ニューカッスルのワクチンにつきましては、御承知のように、効力が一年程度しかないわけでございます。したがいまして、メーカーがたくさんつくりましてそれが使用されないということになりますと、全部廃棄しなければいかぬ。そのための損害は非常に大きいということになりますので、メーカーとしてはなかなか独自で多量の生産をするということはむずかしいわけでございます。そこで、畜産局といたしましては、生産計画、備蓄計画の指導をいたしておるわけでございますが、それにはやはり予約ということが伴わなければならないというふうに思うわけでございます。したがいまして、昨年の八月からワクチンの予約販売というふうな制度を指導いたしておるわけでございます。そういうことによりまして需要量と生産量とをマッチさせていくということを考えておるわけでございますが、メーカーが一定量を生産をいたしますれば、現在の六円というふうなものはかなり下げられる可能性があるわけでございます。そこで、私たちといたしましては、その予約ということを奨励いたしておるわけでございますけれども、なかなか農家のほうで、ニューカッスルが現実に発生をいたしませんと、あらかじめ予約をするということはなかなかやらないというふうな点がございます。しかしながら、養鶏は、御承知のように、最近は非常に多数飼育をされまして、何千、何万羽というふうな飼育をされるような経営になってまいりましたので、産業動物といたしまして自力で注射をして病気を予防するということは当然考えていいのではないか。病気に一たびかかれば、何千羽、何万羽が全滅するということになるわけでございますから、それを防止する方法としては、やはり産業動物に対して自力で防遏するという体制をつくる必要がある。そこで、予約をいたしましてあらかじめ注射をするということをやらなければならぬと思うわけでございますが、しかし、先ほど申し上げましたように、それが励行がなかなか現実にやりにくい点があるわけでございます。  そこで、四十二年度の予算におきまして、この自衛防疫体制、予約購入ということを徹底させるために、そのために必要な助成をいたすことにいたしまして、おおむね八千万羽分に対しまして、団体でまとめて購入する場合には、それに対して助成するという措置をとっておるわけでございます。これによりまして、メーカーとしましても生産計画というものが確実に立ちますので、したがいまして、コストダウンができることになろうかと思うのでございます。私たちは、六円のものが、将来計画生産に、よりまして一定の数量を確保いたします場合には、四円程度までには下げ得られるというふうに考えておるわけでございます。

中村波男日本社会党

○中村波男君 基本的な考えとしては自衛防疫、したがって、予約制度をさらに推進をしてワクチンの円滑な供給をはかるんだと、こういうお話でありますが、伝染病であるだけに、私は、やはり、一定の認識が高まり、普及が徹底するまでは、国による援助というものもそういう意味で必要ではないかということを考えるわけであります。  次は、いまお話によりますと、八千万羽について奨励金を出すんだというお話でありますが、その単価は一体幾らでありますか、あわせて聞きたいのでありますが、県においては、私の岐阜県等におきましても、いわゆる補助金を出しておるのでありまして、   〔理事任田新治君退席、委員長着席〕 畜産局としてそういうものをおつかみになっておるならば、府県等でそういうのに助成をしておる状況等もあわせて御報告をいただいて、そういう面からも国がもう少し金を出すと、こういう構えで御検討をされるべきではないか、こういうふうに思うわけであります。

岡田覚夫農林省畜産局長

○政府委員(岡田覚夫君) 八千万羽に対しまして、助成としまして一円ということで、国が二分の一の助成をするというふうな考え方をいたしておるわけでございます。

中村波男日本社会党

○中村波男君 次は、防疫体制の問題に入りたいと思いますが、今日かくまでもニューカッスルを頂点といたしまして鶏の病気が多発している、また、豚コレラ等も一向に減少しないということは、私は家畜の衛生行政が立ちおくれているところに大きな原因があるというふうに考えるのであります。極言いたしますならば、昨日の問題はきわめて怠惰にしておった、したがって、あすの問題に取り組む姿勢というものが、全くと言えば極言かもしれませんけれども、なかったのではないかというふうに思うのであります。その一つの例が、こういう考え方、こういう姿勢が、ようやく生ワクチンの野外テストに入ったという、これが雄弁に物語っているのではないかというふうに思うのであります。生ワクチンは、私の承知しているところによりますならば、アメリカあるいは欧州等におきましては、相当長年にわたって実用化いたしておりまして、大きな効果をあげているというふうに聞いているのであります。したがって、わが国におきましても、昭和二十六年からニューカッスル病が発生したのでありますから、とにかくこれに対して実験を行ない、その薬効なり施用方法なりを検討し研究されてしかるべきでなかったかと思うのでありますが、昨年からたいへんニューカッスル病が発生して、養鶏家が大恐慌を来たしたという段階で野外テストに踏み切ったということは、怠慢のそしりを免れないのではないか。  そこで、さっき、局長が、生ワクチンと死毒ワクチンの優越性なり比較論を出されたのでありますが、そういう生ワクチンに対する、たとえて言うなら、糞から鶏にうつっていくというこういう欠点がある、あるいは、水に溶いて飲ませるその施用方法については、飲まない鶏があるから問題がある、そういうことを言われましたが、そういう研究なりいわゆる成果というものは、どこでいつ行なわれたのでございましょうか、そういう点をひとつはっきりこの機会にしていただきたい。そういうものがあるならば、この機会に、ひとつあとから資料要求を委員長のほうからお願いいたしますが、出してもらいたい。そこからお尋ねしたいと思うわけでございます。

岡田覚夫農林省畜産局長

○政府委員(岡田覚夫君) 死毒ワクチンと生ワクチンの関係でございますが、これは国によりまして非常に違っているわけでございます。アメリカにおきましては、いまお話しのように、生ワクチンの使用をやっているわけでございますが、英国におきましては、現在においては死毒ワクチンのみの使用で、生ワクチンの使用は認めておらないわけでございます。国によりましてその病気の発生の状態等によりまして非常に違っているわけでございますが、従来、わが国におきましては、死毒ワクチンで十分ニューカッスルに対する予防なり防遏ができるというふうな考え方で死毒ワクチンを使用しておったわけでございます。先ほども申し上げましたように、非常にすぐれた死毒ワクチンが二十六年からわが国においては研究の結果できましたものを使用いたしておったわけでございますが、しかし、最近のような情勢になってまいりますと、特にブロイラーの発展が非常に激しいという状態におきまして、必ずしも死毒ワクチンだけでいいかどうかという点について問題が出たわけでございますが、研究といたしましてはすでに昭和三十四年から生ワクチンの研究をいたしておりまして、家畜衛生試験場におきまして行なっておったわけでございますが、ことしの二月におきまして、実験段階といたしましては、試験研究室におきます実験等といたしましては、生ワクチンを使用してもよろしいというふうな結論が出たわけでございます。したがいまして、現実に農家が使用する場合の使用方法というのはどのような方法がいいか、あるいは現実のいろいろな複雑な条件の中で免疫抗体の産生がどうであるか、安全性がどうであるかというふうな点を現実におきまして実験をする、こういう形をとっておるわけでございます。  アメリカにおきましては、生ワクチンを使いました結果、先ほど申し上げましたように、最近は、CRD、これは慢性的な呼吸器病でございますが、それが非常に強く出てきております。そこで、CRDに対する対策が非常に問題になっておるというふうに実は伺っておるわけでございます。そういうふうな外国の例にもかんがみまして、生ワクチンを使用する場合には十分な指導をしなければならぬというふうに考えておるわけでございます。特にアメリカ等の使用状態を見ますと、大部分がえさ会社が技術者を持っておりまして、その技術者が個々の農家の鶏の衛生状態だとか、水質だとかそういうふうなものを調べまして使用させておるというふうな現実の姿があるわけでございます。したがいまして、わが国において使用いたします場合にも、かなり衛生管理の面その他につきましては十分な注意をもって行なわなければならぬということにもなりますわけで、現実にわが国におきまして適用する場合にどのような形で使用したほうが最も妥当であるのかというふうな点について現在野外実験において検討いたしておる次第でございます。

中村波男日本社会党

○中村波男君 三月ごろでありましたか、新聞によりますと、畜産局の衛生課長の高村さんが「生ワクチンの実用化は、欧米の養鶏は気候も水も経営規模も日本と違う。つまり、日本の養鶏は、軒から軒へという養鶏団地がざらだ。生ワクチンは糞について出てくるので、そのまま他の鶏に伝染するおそれがある」と、こういうことを述べておられるのでありますが、今回、農林省が野外テストを行なわれまして、そうして各府県に野外テストということで使用を許可してもよろしい、こういう通達が出されたということは、さっきいろいろ局長が御指摘になったような点を相当解明されて生ワクチンを近い将来使用する、そういう自信といいますか、研究の結果証明されたと申しますか、そういういわゆる見通しのもとに野外テストをお許しになったというふうに私は理解するのでありますが、それと違いますか。

岡田覚夫農林省畜産局長

○政府委員(岡田覚夫君) 実験室での試験結果では、生ワクチンの使用ということは可能であるという結論が出ておるのであります。もちろん、試験場におきます試験研究でございますから、衛生条件その他非常に厳重な管理のもとに行なっておるわけであります。そういうふうな形のもとにおいてはこれは十分使用可能であるということが言えると思います。  しかし、現実に野外で使用する場合には、試験研究機関が行なうような完全な形で行なうということはなかなかむづかしいわけであります。したがいまして、衛生管理というものは厳重な形で行なわなければなりませんけれども、しかし、試験場で行なうような形ではできませんので、そこで、そのような野外におきましてこれを適用した場合においてはいろいろな問題が出てくると思うわけでございます。したがいまして、そういうものを解明いたしまして、それに対する対策を明らかにしまして使用するということにいたすべきであろうというふうに考えておるわけでございまして、現在野外実験を認めておるのは、まさにそういう趣旨であるわけでございます。

中村波男日本社会党

○中村波男君 しろうとの議論はこわいと思いますが、糞から鶏へうつるということは重大な危険があると思うのでありますが、この点が解明されて、そういう危険がないということになるならば、さっき幾つかおあげになったいわゆる欠点と申しまするか、問題点は、さほど問題ではないのではないかというように思うわけであります。そこで、できるだけ早い機会に農林省が直接おやりになっておる野外テストの中間報告というものを出して、そうしてまだまだ究明されない点が明らかになった上で、県なり養鶏家がこれを使おうとするような場合には、野外テストというそういう一定のワクでもよろしいのでありますが、どんどんとやはり許していくということが、ことしから来年まではニューカッスル病は発生しないんだということではないのでありますので、一応蔓延が食いとまったというお話でありまするけれども、それはきょうの時点において言えるので、あすはまたどこに発生するかもわからないのでありますから、したがって、養鶏家自身が使おうといたすならば、危険度というものを十分考えた上で許していくことのほうが防疫上最も緊急な措置ではないかと思います。これはしろうと考えでありますから、暴論かもしれませんし、農林省という立場で慎重を期せられることはわかりまするけれども、重ねて死んだ子の年を数えるようでありまするが、もっと——もっとというのは、少なくとも二年か三年前に具体的に野外テストまで農林省が行なって、これの可否について結論を出すべきではなかったか、こういうように思うのでありますが、これらの点についてさらにお伺いをしておきたいと思うわけであります。

岡田覚夫農林省畜産局長

○政府委員(岡田覚夫君) 現在、私のほうで通達を出しまして、県の指導をいたしておるわけでございますが、これは一定の条件が整って試験の実験をやるというふうなことでございますれば、知事のほうで試験を許可するというふうなことにいたしておるわけでございます。したがいまして、そういうふうな条件のもとにおいて申請があれば、これは使用を認めるということにいたしておるわけでございますが、現在、家畜衛生試験場におきまして、三県で五ヵ所野外実験をやっております。それから畜産局におきましても、予算を決定いたしましたので、その予算に基づきまして二ヵ所におきましてかなり大規模な実験をやることにいたしておるわけでございます。民間におきましてはすでに八県八十五ヵ所において実験をいたしておるわけでございます。おそらく実験といたしましては十一月ごろまでかかると思うのでありますけれども、中間的な結論は逐次出てまいっておるわけであります。  一方におきまして、生ワクチンを使用するというふうな前提のもとに、農林省の動物医薬品検査所におきまして生ワクチンの検定施設をいま整備を始めておるわけでありまして、検定施設をつくりましてそこで検定をいたしまして販売をするということになるわけでございますので検定の基準を現在学者等の意見を聞きながらきめてまいりつつあるわけでございます。九月までにはその基準もきめてしまいたいというふうに実は考えておるわけでございまして、したがいまして、現在の状態で判断をしてしまうのは適当かどうかわかりません、実験中でございますから。しかし、いずれにいたしましても、使用するという方向で、それに対します問題を解明しまして、それに対する対策を立てて使うというふうなことで進めたいというふうに考えているわけでございまして、できるだけことしじゅうに結論を出してしまいたいというふうに考えております。

中村波男日本社会党

○中村波男君 よくわかりました。したがって、ことしじゅうに結論を出して、見通しとしては来年度からは全面使用に踏み切る、こういう方針で着々準備を進めている、こういうふうに理解いたしてよろしいわけですか。

岡田覚夫農林省畜産局長

○政府委員(岡田覚夫君) その全面使用ということでございますけれども、その実験の結果によりまして、どのように使うべきかというふうな問題が出てくるわけでございます。そういうふうな点も考慮いたしまして、それで使用する方法だとかあるいは使用する地域というものを考えるかもわかりませんけれども、それは実験の結果によりまして最も妥当な方法という使用方法を確定をいたしまして生ワクチン使用に踏み切りたいというふうに実は考えております。

中村波男日本社会党

○中村波男君 そこで、畜産局長名で、三月十一日付をもちまして「ニューカッスル病生ウイルスワクチンに係る家畜伝染病予防法第五十条の規定の運用について」という通達が出されているのでありますが、その通達の中で、私はなはだ遺憾だというように思うのでありますが、知事に許可条件を付しているのでありますが、その許可条件の中で、あらかじめ申請書の写しを添えて畜産局長に協議をするものとする、こういう一項が入っているわけであります。これは問題でないような問題かもしれませんけれども、私は少し重要視いたしたのでありますが、生ワクチンを使用したいという申請する側は、恐ろしい勢いで蔓延をいたしておりますニューカッスル病から鶏を守ろうという立場で申請をいたすのでありまして、何も将来に備えての試験研究をやるために許可を願い出ているのではないというふうに思うのであります。したがって、少なくとも県知事が許可するのでありますから、その県知事の許可を信頼をして、わざわざ畜産局長と協議をしなければ県知事が許可ができないなどというようなことは、これは全く中央集権的な行政姿勢が露骨に出ていると思うのであります。監督官庁としての権威主義がここにも出てきているのではないかというふうに思うのであります。行政の簡素化という立場から言いましても、あるいは生ワクチンの試験研究ということではありまするけれども、発生をさせない、予防をしなければならぬという緊急の事態の上に立って申請を出しているのでありますし、協議をするためには関係者がわざわざ東京まで来なければならぬというようなことは、冗費の節約の面から見ても、こういう条件を付してこの程度の内容のものに通達を出すということについてはどうも理解ができないのでありまして、この点はどうお考えですか。

岡田覚夫農林省畜産局長

○政府委員(岡田覚夫君) お話の点でございますが、この通達に書かれておりまするのは二つあるわけでございます。一つは、「ア、過去六ヵ月以内にニューカッスル病の発生のあった市町村の区域またはニューカッスル病ウィルスによって汚染されていることが明らかな地域」ということでございます。それからもう一つは、「ア以外の地域であって、当該使用地域の周辺部への当該使用に係るワクチンウィルスの散逸を阻止できる地形を備えているかまたは当該周辺部において飼養されている鶏群への当該使用に係るワクチンウィルスの侵入を阻止できる隔離施設が備えられているもの」、この二つの条件をあげているわけでございますが、最初の一の条件につきましては、これは知事限りの許可でございまして、農林大臣の協議は必要といたしておりません。二の現にニューカッスル病の発生していない清浄地域においてこれをやります場合には、いろいろ外部への影響もあるし、それからまだ生ワクチンの使用について反対する向きも相当あるわけでございます。そういうことにもかんがみますし、さらに、実験としまして国の全体実験に協力をしてもらう、研究の考え方なり目的を全体的に総合的に行なう必要があるということにもかんがみまして、その後者のものについてのみ農林大臣の協議を必要とするということにいたして指導いたしておるわけでございまして、決して先生のお話のように非常に制限をするというふうな考え方で出ておるわけではないわけでございます。

中村波男日本社会党

○中村波男君 目的は野外試験でありますから、発生をしておる所、汚染されておる所、また清浄だと思われておる所というふうに分ける必要はないのじゃないか。岐阜県は、一応野外試験を申請した当時は、ニューカッスル病は発生しておらなかった。申請をした二、三日あとに、さっき申し上げましたように、一万八千羽を殺さなければならぬというような大被害が起きた。こういう現状から申しましても、条件をつけて農林大臣と協議をしなければ許可できないというようなワクを設けた考え方については、私は納得することができませんが、まあこれはこれとして、私の意見を申し上げて次の質問に移りたいと思うわけであります。  何としても、病気が発生をしてから幾ら万全な対策を立てましても、それは手おくれであるのでありまして、なるほどニューカッスル病が発生をいたしました場合には、防疫技術陣が総動員されまして不眠不休の活動が開始される。それを見る限りにおきましては、実に涙ぐましい御努力であります。そのために美談が生まれるのであります。しかし、いま申し上げましたように、発生してからどれだけ万全な防疫を行ないましても、それは手おくれでありまして、したがって、昨年大被害を受けました豊橋の例でもありますが、ニューカッスルの疑いが出てから断定されるまでに約一ヵ月もかかって、きめ手となる初期の防疫活動がおくれたことが大きな原因だったと、こういうことを発生地域の養鶏家の皆さんが訴えておられるのを私は聞いたことがあるのでありますが、したがって、ワクチンについての知識もあるいは指導官もばらばらなところを足をすくわれた例がたくさんあるのじゃないかというふうに思うのであります。したがって、今日の防疫体制が多頭化に並行していない結果がいろいろな事態を引き起こしておるのではないか、さっきも申し上げましたが、私はそう考えるのであります。政府は、言うまでもなく成長部門として家畜の増産、特に多頭飼育に力を入れてきたのでありまして、したがって、畜産は数の上では大きく伸びてまいりました。生産額も大きく伸びてきたのであります。しからば、それに比例して家畜保健所なりその他の防疫体制というのは拡充強化されたかどうか。これも、私の知る範囲では、まことにおくれをとってきたのではないかというふうに思うのであります。  そこで、第一の質問といたしましては、畜産局の関係においては、家畜保健衛生所があるわけでありまして、その他、県の畜産試験場、あるいは市町村役場、畜産経営課、改良課の所管としてそういう機構があるわけであります。農政局には改良普及所が、あるいは農林経済局においては保険課のもとに共済組合等を中心にする家畜診療所がある。その他といたしましては、中央畜産会、地方畜産会、あるいは厚生省の関係における保健所の衛生課にこれまたそういう人がおる。その他開業獣医師等があるわけでありますが、こういうばらばらな仕組みを、これをひとつ統一をして、そうして防疫体制というものを末端にまで組んで置かなければ、その機能が全くばらばらで、大きな効果をあげておらないではないか。そのためには、常にまず組織をつくるということが第一番でありますし、それからニューカッスルならニューカッスルに対するやはり技術的な医学的な研修なりあるいは研究なりが常に行なわれ、指導されなければならないと思うのであります。家畜保健衛生所の実態を見ましても、いわゆる牛に重点が置かれて、ニューカッスル等に対してどれだけたんのうな知識のある職員がおるか。これはやはり従来の家畜衛生行政というのは牛に重点が置かれてきたきらいがあると思うのであります。こういう点をどうお考えになっておるのか、これは両局長からひとつお伺いをいたしたいと思うわけであります。

岡田覚夫農林省畜産局長

○政府委員(岡田覚夫君) お話のように、わが国の畜産は非常に進展をしてまいりまして、家畜の頭数も非常にふえてまいったわけであります。家畜の飼養形態も非常に多頭化をしてまいりまして、現在のような形になってまいっておるわけでございます。そこで、家畜の伝染病といいますか、家畜の病気というものが、非常に多くなってまいりつつあるわけでございます。これに対しまして、私のほうでは、衛生関係は、主として、御承知のように、各県にあります家畜衛生保健所を中心にしまして防疫をやっておるわけでございますが、御承知のように、頭数をふやす割合に人間をふやすということは、これはなかなかむずかしいと思うわけでございますし、すぐれた衛生技術者を多数得るということもなかなかむずかしい現状でございます。  そこで、このような情勢に対処しまして最も効果的な方法はどうであるかというふうなことにつきましてつとに検討をいたしました結果、現在家畜保健衛生所が三十九年度末に五百八十六あったわけでございますが、しかもそこの人員は三人程度というふうなことでございまして、非常に人員も少ないし、しかもそれだけに病気が非常に複雑になってまいりますし、それに対する診断だとかそれに対する措置だとかいうものにつきましてかなり専門的な知識を要することになってくる。そういうふうな状態で、五百八十六もございまして、しかも三人程度でいろいろな病気に対します措置をやっているということでは、最近の畜産の発展になかなか対応できないのじゃないかというふうなことがまず考えられる。したがいまして、保健所を集中管理をいたしまして、そこには十分な設備を整える。しかし、そこにおる職員は専門的な職員としまして、いずれの病気に対しましてもそれぞれ専門家が対処できるという形にすることが最も能率的ではないか。一方で、交通機関等も非常に発達してまいりましたので、道路の整備もできてまいっておりますので、必ずしも小さい事務所を末端まで置く必要もないということもございまして、四十四年度末に百九十五にするという方針でこの家畜衛生保健所の整備を昭和四十年度から始めておるわけでございまして、この整備が終わりますれば十分な機能を発揮することができるようになるのではなかろうかというふうに実は考えております。  それからもう一つは、今後家畜飼育者も非常にふえてくるわけでございますけれども、衛生技術につきましては、かなり専門的な知識を要します関係から、ややほかの農業と違った問題があるわけでございます。そこで、これは何とか十分な指導をいたしましてその知識を農家の方々に与える必要があるということが考えられます。しかし、いまのような限られた人員をもちましては、そこまではなかなかできないわけでありますから、そこで、昨年から家畜衛生総合対策というふうな形を整えまして、一方で農家に対する指導啓蒙を十分やりますと同時に、市町村だとか農協だとかそれから普及員だとかそういうふうなもので一つの組織をつくりまして、そういうふうな組織を通じましていろいろな衛生知識を普及すると同時に、農家で問題となるものがそれを通じて家畜保健所に集まってくるというふうな形をとることにいたしまして、そういうふうな助成を県にいたしておるわけでございまして、まあ現在のところ、われわれとしましては、そういうふうな体制が一番いいんではないかということを考えまして努力をいたしておるわけでございます。  今回の病気の発生等を見ましても、やはり早期届け出、早期発見ということが一番必要と思います。病気になりましても、ニューカッスル病であるかどうかということはわからないものですから、死んでもなかなか届け出をしない。そのために病気が伝染するというケースもかなりあるように思われるわけなんであります。早期の届け出がなされれば、要するに早期の判定を下すわけでありますけれども、家畜保健衛生所の施設が整備できますれば、十分そういうふうなことができるわけでございまして、短時日の間にその発見したもののニューカッスル病であるかどうかというようなことについての判定ができることになろうかというふうに実は思っておるわけでございます。

大和田啓気農林省農林経済局長

○政府委員(大和田啓気君) 私ども農業保険関係について申し上げますと、現在、農業共済団体等が経営いたしております家畜診療所は、数にして千百ほど、これに置かれております獣医の数にして千八百名ほどございます。私ども単に農業保険の収支の安定均衡化をはかるということばかりではございませんで、積極的に家畜衛生の振興ということも胸に置きながら四十二年度から実は家畜共済について相当改善をした施策を講じておりますことにあわせて、損害防止事業の交付金の制度をつくりまして、約一億八千万円ほどの予算を組みまして家畜のいわば集団検診的なことを進めておるわけでございます。  また、家畜診療所の数は、いま申し上げましたように、千百という相当たくさんございますけれども、その内容をつぶさに見ますと、必ずしも充実はいたしておりませんので、ある場合はこれを合併して強化するということもやっております。  また、農業共済関係の診療所は、何と申しましても家畜衛生一般ではございませんで、農業保険あるいは家畜共済に入っております家畜についての診療でございますから、全般的な家畜衛生の面では動けないわけでございますが、先ほど畜産局長からもお話がありましたように、それぞれの県の知事がやっております家畜衛生行政の中の家畜衛生技術総合指導対策という事業の中に農業共済団体も参加をいたしまして、できるだけ一般の家畜衛生とあわせて家畜診療所の効果が発揮されるように現在せっかく努力中でございます。

中村波男日本社会党

○中村波男君 これは、時間もありませんから、趨勢としての資料をひとつあとから御要求申し上げますので、出していただいて、また別の機会でさらにお尋ねをしたいと.思うわけでありますが、大和田局長にお願いをしておきたいと思いますのは、あなたのほうは共済保険関係の診療に当たるんだと、こういうことでありますが、一たびニューカッスル、豚コレラが出れば、いわゆる畜産局の関係その他の関係における防疫陣というのは手薄でありますから、あなたのほうの職員がほとんど動員をされて防疫に当たっておる。これはもう農業団体に籍を置く者としてそういうふうにやっていただくことは望ましいことでありますが、そのたびにいわゆる共済組合本来の任務というのはできなくなる。こういうことで末端ではいろいろな問題が出ておるわけでありまして、そういう意味から言いましても、これだけ畜産が伸びてまいりました段階においては、畜産局長の管轄における家畜衛生保健所をさらに拡充強化する必要というのがあると思うわけであります。この点について、農林次官からもひとつ所信を承っておきたいと思うわけでございます。  次にお尋ねいたしたいと思いますのは、水ぎわ作戦についてであります。私が申し上げますまでもなく、最近、輸入家畜が急増いたしまして、そこで、問題にいたしたいと思いますのは、鶏の例で申し上げますと飛行機でアメリカならアメリカから一日で送られてくる。二週間の検疫期間で期間的に問題はないのかどうかと、こういうことが一つ、それから検疫所が全く手狭なために、暫定的な建物に入れておくというこういう実情であるようであります。こういうことが、先般本委員会でも競馬馬の問題について川村委員が指摘をいたしましたように、危険きわまりないことではないかというふうに私は思うわけでございます。さらに、その検疫所の技術者職員、これはほとんどふえておらない。全く人員不足の中で防疫が行なわれておる。こういうことでいわゆる水ぎわ作戦の完璧を期することができるのかどうか、これでだいじょうぶだと言い切れるのかどうか、この点をまずお伺いしておきたいと思うわけであります。

岡田覚夫農林省畜産局長

○政府委員(岡田覚夫君) 輸入の家畜の防疫につきましては、現在、指定をされた港なり空港で行なっておるわけでございますが、何といたしましても、経済の発展に伴いまして、家畜並びに畜産物の輸入というものは増大をいたしておるわけでございます。そこで、外国から家畜の病気が入るということは、お話のように、水ぎわで阻止しなければならぬことはもちろんでございますが、そのための努力をいたしておるわけでございますが、輸入が増大をいたしてまいります関係から、だんだん人手も不足してくるというような形にもなってまいるわけであります。そのために、人員の増加、それから施設の整備、新しい技術の応用ということに毎年努力をしてまいっておるわけでございます。輸入の増大に伴いまして、さらに整備をするということに努力をしてまいりたいというふうに実は考えておるわけでございます。  それから検疫の二週間でございますけれども、これはまあ二週間で検疫はできるというふうな判断をいたしておりまして、現在二週間でやっておるわけでございます。

中村波男日本社会党

○中村波男君 防疫体制の問題でもう一つだけお尋ねをしておきたいと思うのでありますが、まず、防疫に対する技術的な開発がおくれておる。さらに、いま申し上げましたように、獣医師を中心にする技術者、機構が貧弱である。もう一つは、やはり組織が確立をされなければ、十分な効果を発揮することができないのではないかというふうに思うわけであります。特にニューカッスルを例にとって申し上げまするならば、最初にも指摘をいたしましたように、五羽か十羽、あるいは多くても三けたの副業的な養鶏というものは、全く養鶏組合にも入っておらぬし、農協の組織にも養鶏に関する限り離れておる、こういうところに大きな盲点があるのではないかというように思うわけです。したがって、完全な防疫、完全な予防をいたしますためには、それに対応するやはり組織というものをつくる必要があるのじゃないか、こういう点について当局はどう考えておられるのか、そういう点についていままで具体的な対策がとられてきたのかどうか、この点をお伺いいたしたいと思うわけであります。

岡田覚夫農林省畜産局長

○政府委員(岡田覚夫君) お話のように、副業的に少数の飼育をしておりますところから病気が発生するということもしばしば聞いておるわけでございます。したがいまして、企業的にやります場合には、採算の問題もございまして、かなり衛生管理も徹底する可能性があるわけでございますが、副業的な場合にはやはり問題があるというふうに実は考えておるわけであります。そこで、そういうふうなところでは、なかなか先ほど申し上げましたような予防注射もやらないというふうなことでございますので、そういうふうなものを自衛的に注射をさせるというようなことを重点的に考えて、自衛防疫体制の強化のための助成もいたしておるわけでございますが、今後の畜産の事情の推移等を見まして、どういうふうな形で考えていくべきかということについては、さらに検討をいたしたいというふうに考えておるわけでございます。

中村波男日本社会党

○中村波男君 最後に、鶏と豚の共済制度の問題についてお尋ねをいたしたいと思うわけであります。政府は、農業近代化のための成長部門といたしまして、鶏を例にとりますならば、十万羽養鶏を合いことばに力こぶを入れてきまして、今日では、大規模化、企業化を見ておるのでございます。その反面、ニューカッスル病をはじめとして、各種の伝染病の発生による危険度が増大いたしまして、養鶏業者は経済的にも精神的にも一大脅威を受けておることは、いまさら私が申し上げるまでもないところであります。したがいまして、危険負担をできるだけ軽減して、経営の安定をはかるために、鶏の共済制度の要望が最近特に強く出されておることも、当然な養鶏家の要求であろうと私は思うのであります。言うまでもなく、各般の共済制度がおいおい整備をされております中にあって、畜産部門におきましては大家畜は早くから制度化されたのでありますが、生産額からいいますならば、四十年の統計によりますと、乳用牛は千三百五十億円、役肉牛は七百四十九億円、これに対しまして、豚は千三百六十八億円、鶏肉と鶏卵の関係を合わせますと二千四百三十二億円という生産額に達しておるのでございます。その生産額の多い豚と鶏が、しかも伝染病が相当大きく発生をいたしまして被害が高くなっておるものが除外放置されておる。私は、このことは、どう考えても重大な問題ではないかというふうに考えるのでございます。  そこで、お尋ねをいたしたいのは、おそまきではありまするけれども、昭和四十一年度に豚と鶏に対しまする共済制度の基礎調査を行なわれたというふうに私は承知をしておるのでありますが、したがって、これらの経過を含めまして、今日の政府の態度をひとつお伺いをいたしたい、こう思うわけであります。

久保勘一自由民主党農林政務次官

○政府委員(久保勘一君) 御指摘のとおり、鶏並びに豚に対する家畜共済の要望は、農民側から従来強く要望されておるのでございまして、したがいまして、農林省といたしましても、この問題につきましては、従来も深い関心を持ちまして、御指摘がございましたように、特に四十一年におきましては豚についていろいろと共済を実施する上につきましての資料について調査いたしました。また、鶏につきましては、四十一年、二年、三年と三ヵ年間にわたりましてそれぞれ必要な資料の調査を実施するようにいたしておる段階でございます。  したがいまして、このそれぞれ調査の結果に基づきまして、これを実施いたしまする上についてのいろいろな検討を加えまして、実施するかしないか、実施するとすればどういう方式で実施するかということを前向きで検討いたしておる段階でございます。

中村波男日本社会党

○中村波男君 いま、次官から、前向きで検討するというお話を承ったのでありますが、あとからまた資料要求を申し上げたいと思いますが、調査報告の調査報告書と申しますか中間報告書と申しますか、そういうものをひとつお示しをいただきたい、こういうふうに思うわけであります。それから担当局長であります大和田局長から、いままで基礎調査を行なわれた上で、実施する上に問題点があると思うのでありますが、そういうものがありますならば、この機会にこれまた承っておきたいと思うわけです。  それから時間もありませんからあわせてもう一つだけ御質問をしておきたいと思うのでございますが、その問題と申しますのは、農林経済局等の態度として伝えられておりますのは、養鶏といっても農業関係者以外のいわゆる企業養鶏というのが相当大きく出てきましたので、いわゆる農業問題ではないんだ、こういう思想といいますか見方があるというふうにわれわれは聞いておるのであります。そういう思想なり見方がありますがゆえに、特に養鶏共済については消極的な考え方をいたしておるのではないか、どうも前向きの姿勢が出てこないのではないか、こういう経済局に対する養鶏家等の不信感等もあるようでありますので、そういうことは私はないと思いますが、この機会に率直に——そういう議論の出てくることも私は理由はあると思いますが、そういう意味におきましてもひとつお聞かせをいただきたい、こう思うわけであります。

大和田啓気農林省農林経済局長

○政府委員(大和田啓気君) 四十一年に行ないました調査につきましては、現在結果の取りまとめ中でございますので、できるだけ早い機会に中間報告ができますように努力をいたします。  今日の段階では、まだ調査の取りまとめ中でございます。したがいまして、中間報告というほどのものではございませんけれども、私どものいままでの数々の実態調査、あるいは四十一年度における調査の所見から感じられますことは、肉豚、養鶏ともにでございますけれども、急に伸びた農業部門でございますから、経営の階層によって、保険の需要といいますか、共済事業を行ないます場合に何を一体共済の対象にしてほしいのかという点が非常に分かれるところでございます。たとえば、伝染病による死亡だけをやってもらいたいという人もおりますし、それにプラスして伝染病以外の死亡も加えてほしいというものもありますし、さらにそれに加えて一般の病気の治療もやってほしいというのもあるわけでございます。  それからさらに、私どもいますぐに結論が出せません一番大きな理由は、被害率がまだ全国的に使えるほどのデータがないのでございます。保険でございますから、事故がありました場合に何かの形で見舞いを出すというのではございませんで、二十年あるいは三十年の長期にわたって損益が均衡がとれるような形で、いわば保険数理にのっとって行なう事業でございますから、データが不十分でありますと、いくら前向き、あるいは勇気をもって仕事をやれと言いましても、なかなか踏み出しにくいところがございます。  さらに、地帯による経営の内容の違い、あるいは保険需要に対する違いというものも顕著でございます。また、人によりましては、御指摘のように、農林省ということではございませんけれども、小さい三けた程度の養鶏を共済の対象にすべきじゃないという議論もございますし、それに反発して、むしろ一万羽とか数万羽以上の養鶏、いわば企業的な養鶏こそ自己保険ができるわけでございますから、政府が行なう、あるいは連合会が行なう共済事業の対象にする必要がないという意見もございます。  要するに、私ども、家畜共済につきましては、なかなかデータが十分そろっておらないので苦慮いたしたのでございますが、ある程度見切り発車の意味で相当広範囲にわたって試験実施をすることに今回踏み切りまして、いずれ法案の御審議を得たいと思っておりますけれども、肉豚と鶏の共済につきましては、そういう形で踏み切るにもまだ多少時間がかかるのではないか。養鶏につきましては、あれは企業養鶏だから、農林省は農業問題ではないというふうにあるいはだれかがそれは言ったかもしれませんが、私自体、あるいは農林省として、そういうふうに考えておらないことだけは、はっきり申し上げたいと思います。

中村波男日本社会党

○中村波男君 時間もございませんから、最後に資料要求をいたしまして、質問のすべてをきょう終わりたいと思うのでありますが、その資料と申しますのは、できるならば三つとも三十七年以降の数字を出していただきたいと思うのでありますが、第一番は、家畜の——家畜といいましても、牛ば二色ありますが、豚、鶏程度でけっこうでありますが、頭羽数、発病状況、防疫体制の推移。  それから豚鶏共済制度の基礎調査の中間報告書というものが、豚のほうはすでに出ているのじゃないですか。

大和田啓気農林省農林経済局長

○政府委員(大和田啓気君) 豚につきましては、まだ当委員会に私ども中間報告という形で差し上げるには不十分なものでございます。もう少し時間をかしていただければ差し上げられるだろうと思います。

中村波男日本社会党

○中村波男君 それから三つ目は、輸入家畜の推移を知りたいわけでありますが、検疫所における検疫数、また検疫所の事業内容、あるいは機構、人員等も資料としてひとつ出していただきたいと、こう思うわけであります。

岡田覚夫農林省畜産局長

○政府委員(岡田覚夫君) ただいまお話の点につきましては、できるだけ早急に取りまとめまして提出をいたします。

野知浩之自由民主党

○委員長(野知浩之君) 本件につきましてはこの程度にとどめ、本日はこれにて散会いたします。    午後四時二十三分散会

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