地方行政委員会 第7号
- 発言数
- 155 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1967/05/18
会議録
○委員長(仲原善一君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。 地方行政の改革に関する調査を議題といたします。 御質疑のおあり方の方は、順次御発言を願います。
○鈴木壽君 大臣の時間もないようでございますし、まあこの機会にいろいろお尋ねをし、見解を承っておきたいと思っておりましたけれども、簡単にやるしかないようでありますから、この前、大臣からごあいさつのありました事柄について、若干それに関連してお伺いしたいと思います。 大臣はこの前、地方行政の運営にあたって広域的に処理する体制を整備する必要があるということを強調されておるわけでありまして、そういうことに基づいて、都道府県合併法案等を国会に提出するのだと、こういうことを言っておられますが、一方、当面は地方行政連絡会議を活用してまいりたい、こうした事柄が述べられておるんでありますが、都道府県合併法案そのものについては、いまどうこうというようなことを申し上げるのじゃなくて、当面やっていかれようとしております地方行政連絡会議につきまして、若干お伺いしたいと思うんであります。 これは、一つは、この地方行政連絡会議ができましてから、各地方でどのように運営されておるのか、それをどう大臣は評価なさっておるのか、こういうことにつきまして、ひとつ大臣から総括的にお話しをいただきたいと思います。
○国務大臣(藤枝泉介君) 地方行政連絡会議、これは御承知のとおり国の出先機関と申しますか、それと地方団体とが集まりまして、共通の問題について討議をするわけでございまして、国の事務と地方の事務との連絡の上においては、相当な役立ちをいたしておると思うわけでございます。さらにそればかりでなくて、地方団体相互の連絡の緊密性を増しまして、現在の経済社会の情勢からいたしまして、相当各地方団体が横の連絡をとりながら処理していかなければならない事務が相当多いことは御承知のとおりであります。それらの推進に役立っておるものと評価しておるわけでございます。
○鈴木壽君 これはまあ大臣にあまり具体的なことをお答えいただくのは適当でないかもしれませんから、あるいはほかの方でもよろしゅうございますが、各ブロックごとの地方行政連絡会議、これが発足以来、どのくらい開かれて、その中でいわば議題になり、討議され、話し合われた事柄のおもなるもの、こういうことをどのようにつかんでおられるのですかね。
○国務大臣(藤枝泉介君) 鈴木さん、いますぐ係の者を呼びにやりますが。
○鈴木壽君 じゃあ、いまのことにつきまして、あとでお願いしますが、この地方行政連絡会議についてのいわばまあ法案が出た際に問題になったのは、問題になったと言っちゃ変でありますけれども、いろいろ論議の中にありましたことで大事な問題は、いわゆる広域行政ということについてですね、一体どのように効果的な会の運営というものができるのか。それから、どういう広域行政についての具体的な進め方、こういうものが生まれてくるのか、こういうことがまず第一。それから、これが当時からいろいろ出ておりました都道府県合併というものとの関併が一体どうなのか。それからさらに、道州制というものについて、それをどういうふうに関連づけて考えておるのか。こういうことが当時の論議されたおもなるものだったと思うのであります。 そこで当時の説明なりお答えでは、都道府県合併というものは、いまにわかに進めるというようなことはしないのだ、道州制ということももちろん考えておらぬ。ひとえに広域行政のために、関係ブロックの人たちが会合を持ち、その中でいわゆる要請されておる広域行政をいかに進めるかということ、と同時に、また一つには、国と地方との機関の人たちが集まるわけでありますから、国の仕事、地方の仕事、それの関連、こういうものの調整といいますか、こういうことを主眼としてやっていくのだ。したがって、もしこれがうまくやっていければ、広域行政をやるための合併とか、あるいは道州制というようなものは、当面問題にならぬ、こういうことであったと思うのであります。しかし、それからわずか二年かそこらで都道府県合併特例法が出てきました。こういうことになりますと、一体地方行政連絡会談というものの発足の当時の考え方、あるいは存在の理由、性格、こういうものについて、大臣がおっしゃるような評価というものは、これはできないじゃないか。そういうことから、これではやっていけないのだというようなことがあるのではないかと思うのですがね。そこら辺どうですか。
○国務大臣(藤枝泉介君) 地方行政連絡会議の意義は、ただいまお示しのようなことであることは、現在でも変わりないと私は考えます。また、都道府県の合併につきましても、われわれといたしましては、あくまでこれは地方の自主的な発意に待つべきであって、これを奨励するとか、あるいはさらに強制するとか、そうした意思は全然、ございません。ただ御承知のように東海とか阪奈和とかいう方面で合併の機運もございますので、そうしたほんとうの地域の方々の発意によって、自主的に合併する場合に、その合併の障害になるようなものは、国としては除去する必要があるのではないかという意味におきまして、この特例法案を提出いたしておる次第でございます。さらに道州制というような、特に道州制とおっしゃられるのは、おそらく、国の機関としてのそれを言われたのだろうと思いますが、そうしたものをいま全然考慮はいたしておりません。
○鈴木壽君 そういうお答えでございますが、私は依然として一つの心配が残るのでありますが、それはともかくとして、したがって、私は、地方行政連絡会議というものを一体どうごらんになり、どうこれから効果的にやっていくかということに対する実はお考えを聞きたいと思っておるわけなんであります。一年に一度かそこらくらいしか開いていない。したがって、これは全部のブロックを私は調べたわけじゃありませんけれども、いままで、たとえば東北関係とか関東、それぞれのブロックに分かれておりますときも、年に一度くらいしか開いておらないように思うのでありますが、多く開いても二回くらい、そういう状況の中で、しかもまた、私は実はその中でどういうことが議題になり、どういうことが話し合われ、どういうふうにそれがまた措置されたかということに対する具体的なつかみ方をしておりませんから、あるいは誤っているかもしれませんが、どうも当初考えたり、あるいはまたこの連絡会議に持たせようとした性格、任務、こういうものにぴったりしないような感じを持つのでありますから、それでありますから、今後さらにこれを活用して云々というようなことをおっしゃっておりますが、一体どうなのか。ここらが実は心配なものですから、その点どうですか。
○国務大臣(藤枝泉介君) 私も地方行政連絡会議全体についての開催状況あるいは議題等、つまびらかにいたしておりませんが、ところによって、あるいは所期の目的のような働きをしておらない面もあろうかと存じております。ただ私としましては、こうした現在の社会情勢におきまして、広域的な処理を要するものがさらに増大をしておる今日の現状におきまして、地方行政連絡会議をその意味において十分連絡するように、十分活用ができまするように、それからまた、その会議の内容あるいは開催度数等も、今後その所期の目的を達成するような方向へ運営してやってもらうように、十分指導いたしたいと考えております。
○鈴木壽君 具体的なことになりますから、これは局長、もしわかっておりましたらお答えいただきたいのですが、この連絡会議の開催のつどですね、そこでどういうことが議題になり、どういうことが話し合われ、それがどういうふうな経過と結果になっているかというようなことについての報告なり、あるいは自治省として、それに対しての照会なり、こういうようなことをおやりになっておるのですか。
○政府委員(長野士郎君) 直接私のところで担当いたしておりませんが、いまさっきお話ございましたように、この連絡会議の総会は、おおむね年二回くらいが平均ではないかと思います。したがいまして、その総会としてはあまりひんぴんと行なっておるというふうにも申せないかと思いますが、それぞれの連絡会議におきましては、各行政部門ごとに専門部会と申しますか、たとえば道路でございますとか、あるいは観光とか、地域開発とか、港湾とか、いろんな部門に分けまして、それから農業、産業関係とか、各部門ごとに専門部会と申しますが、そういうものを設けておりす。それから、それに関係のある各府県あるいは国の行政を担当しております機関の幹事会等も設けられております。これらは随時連絡にあたり、会合を随時開催いたしまして、そして広域行政のための、大臣が先ほど申し上げましたような、県、あるいは国と県との間の調整をはかっておると、私ども思っております。 最近の例で申しますと、たとえば昨年の、たしか公共事業を非常に促進して、景気回復と申しますか、そういうことに役立たしめるというような場合における地方行政連絡会議における公共事業の消化促進というような連絡とか、調整というものにつきましては、相当な効果があったように私どもは聞いております。
○鈴木壽君 これは所管といいますか、こういうことについてのこれはどこなのか、わかりませんが……。
○国務大臣(藤枝泉介君) 大臣官房のほうです。
○鈴木壽君 時間もありませんから、この問題についてひとつお願いしておきますが、各ブロックごとの地方行政連絡会議が発足以来、いつどういう会合をどう開いたか、議題は何か、それがどういうふうな経過をたどり、どう結論づけられたのか、これはその点は簡単でいいと思いますが……。それから具体的にいわゆる広域行政という立場から、どのようにその後の行政事務が処理されておるのか、もしその議題にそういうものがあったというような場合であったら、その状況、これをひとつ、ごめんどうでも各ブロックごとのそれをやっていただきたいと思いますが、いかがでしょう。
○政府委員(宮澤弘君) お示しような資料を作成いたしまして、提出いたしたいと思います。
○鈴木壽君 実は大臣、あれですね、この問題、当時私ども、はたしてこういうものをつくって、意図する、いわゆる広域行政においてどういう効果をあげることができるのか、さらにまた効果をあげるためには、いまのような九つのブロックに分けた、そういう仕組みでいいのかどうか、こういうことをいろいろ心配したものの一人です、私は。しかし、自治省としては、ぜひともこれからのいわゆる広域行政をやっていくという要請にこたえるためにも、こういうものは必要なんだ、これによって十分効果をあげることができるんだと、こういうことがありまして、成立を見たといういきさつ、があるのであります。したがいまして、私どもはこの問題に対して、こういう地方行政連絡会議に対して、もっと積極的に私は自治省が、指導と言っては悪いのでありますけれども、タッチされて、ほんとうに所期の効果、目的が達成せられるような運営なり、そういうものを考えてもらわないと、おかしなことになってしまうんじゃないかという気がするのであります。そういう意味で、もしこの地方行政連絡会議というものが、府県を越えるいわゆる広域的な事務処理というものをうまくやっていけるとすれば、合併とか、あるいは道州制というような広域行政にからめて主張されているような、こういう事柄は、あまり意味がなくなってくると思うのですね。そこらはどうも、つくりはしたんだが、さて、向無関心だ、これは地方団体のことだから、それにまかせておけというような、もしかそうだとしますと、私は、これはいろいろな機構をつくり、仕組みを考えてみても、結局生きてこない。そこら辺に宙ぶらりんにころがっているみたいなことになってしまうのじゃないかと思いますが、そういう意味で、私はほんとうに広域行政というものを考え、あるいは府県合併なり、そういうものを考えていくということであれば、まずこれからひとつ見直していかなければいけないんじゃないか、こういう考え方で私はこの問題をいまお聞きしているのでありますから、ひとつ大臣も十分考えていただきたいと思います。
○国務大臣(藤枝泉介君) この地方行政連絡会議、これはもちろん、一つは国と地方との連絡を密にして、事務に支障を来たさないようにということと、それからやはりそのブロックの都府県の代表者が集まるわけでございますから、その都府県のブロックの共通の問題について討議をし、円滑な行政をやっていくというわけで、したがいまして、ただいまお話しのように、この地方行政連絡会議というものは、われわれとしても十分活用していかなければならないものであるし、その動きが鈍いようならば、いろいろ活発に動くような方法をとっていかなければならないと思います。また、その意味におきまして、たとえばこのブロックの長であり、その中心になる都道府県の知事と、それから総理大臣との懇談等も催しておりまして、そういう点を十分活用していくようにいままでもやっておりましたが、さらにもっと積極的にわれわれも考えていかなければならないと思っている次第でございます。
○鈴木壽君 少しくどいようでありますがね。いまの大臣の答えでいいわけでありますが、実は念のために、ひとつ当時のこの法案の提案理由にこうはつきり書いているんですよ。「今日、社会経済の進展に伴う地域社会の広域化に相応し、地方行政の分野におきましても、都道府県の区域を越えて広域的に処理すべき問題が次第に増加し、その内容も複雑多様となり、各種の行政が相互に密接に相関連してまいっておるのであります。このような地方行政の動向に対処して、それぞれの地方において、広域にわたる行政が総合的にかつ、円滑に実施されるように」、この連絡協調を保つ必要があるからこの連絡会議というものを持つのだ、都旭府県の区域を越えて広域に処理しなければいけないいろいろな仕事がふえてくるし、また複雑化してくるが、それをやるためにこういうものをつくって、これで処理していこう、そうして口主的に各ブロック内の相談、話し合い等からして、おのおのの具体的な広域処理の方法を見つけてやっていこう、こういうのがこの法の連絡会議のねらいであって、それを特に当時、さっきも言いましたように強調されておったわけなんであります。もし、これがこれじゃだめなんだというなら話は別ですけれども、これでやっていけるし、やらなければならぬとするならば、すぐ都道府県合併なんていう問題は出てこないはずなんですね。確かに阪奈和とか中京を中心とするああいう問題は、一部から出ておりますけれども。ですから、こういうことは、私は一つの広域行政をやっていくための基本的な考え方といいますか、姿勢といいますか、そういうものからやはり考えていってもらわないと、自治省自体が広域行政とか合併という、そういうものに振り回されているような感じを私ども抱かざるを得ないわけなんです。 まあこれはつけ足しみたいなもので、お答えを求めておるのじゃありませんけれども、この点十分ひとつ、いま大臣からお答えがありましたように、活用といいますか、ほんとうに効果的な運営ができるように、そして要望されておる広域的な事務処理ができますように、十分御配慮いただきたいということを申し上げておきたいと思います。 時間がございませんからこの問題はこの程度にしまして、いま一つの問題をお聞きしたいのでありますが、これもいろいろ数字的にわたることは避けてまいりたいと思いますから、あらかじめ御了承いただきたいと思いますが、現在の地方財政を一体どう見、どうこれから持っていかなければならないというふうにお考えになっておられるかということなのであります。少し抽象的な聞き方で恐縮でございますが、というのは、大臣のごあいさつの中にも、非常に大事なこととして取り上げられておるわけでありますし、また私どもも、現在の地方財政というものは非常に心配な面が多くあるのでございまして、このままいったらどうなるのかと、そういう気がするのでありますので、この点についての現状についての御意見、あるいは将来についてのそれをひとつ承りたいと思います。
○国務大臣(藤枝泉介君) 四十二年度は御承知のように地方税の伸び、地方交付税の伸び等でやや好転したように見えますけれども、従来ややもすれば国の補助事業、公共事業等のおつき合いに追われておりまして、その地方の特色を生かした単独事業というものが片隅に追いやられた形になっておったと思うのでございます。したがいまして、そうした意味の社会資本の充実というものが非常におくれておる。したがいまして、それに対する地域住民の要望と申しますか、需要というものが非常に大きいわけでございまして、したがって表面的に好転したやに見える地方財政も、実質的に内容に入りますると、そういうところに非常な大きな穴を持っておると私は判断をいたすのでございまして、したがいまして、今後さらに地方財政の充実、ことに単独事業等、その地方の特色を生かす行政ができるような、そういうふうな仕事ができるようなそういう地方財政のあり方をつくり上げていかなければならないと思います。根本的には国と地方の事務の再配分をいたし、それにその裏づけとなる財源の再配分をいたさなければならないわけでございまして、率直に私見を申し上げますならば、やはり国の補助事業を整理をいたし、地方に独自の財源を付与するという方向で考えていかなければならないと思っております。
○鈴木壽君 いろいろな問題はあるわけなんでありますが、いまおっしゃられますように、地方団体といいますか、地方には自主財源が少ないということですね、これが一番大きな問題だと思うわけであります。たとえば、自治省で非常に心配されて、今年度の道路目的財源ということで若干の措置がなされました。しかし、問題は、道路の目的財源がかりに五十億になろうが百億になろうが、こういう問題じゃないんですね。たまたま道路がちょっと最近きわ立って目につくということで、そのための金がほしいということなんでありますけれども、問題はそうじゃなくて、ほんとうの意味での自主財源、自己財源というものがないというところに、いまの地方財政の苦しみがあると思う。自己財源といいますか自主財源といいますか、それを一体どう増強させるかということですね。 先ほど事務再配分と、それに伴う財源の再配分がされなければならぬ、こういうお話でありますが、確かにそのとおりだと私も思います。ただ、この問題、これは大臣がいま初めておっしゃったことでなくて、何年も前から言われておることなんですね。毎年の何といいますか、いわゆる財政白書を見ましても、あるいはまた、いろいろな自治省の地方財政に関する対策、そういうものを見ましても、そういうものは何年も前から言われておる。ところが、何年も前から言われておるにもかかわらず、一体それがどういうふうになってきておるのかということになりますと、率直に言って、私はまことに残念だと思うんですね、いまの形というものは。ある意味においては、自己財源の充実を、地方債を増加して振りかえておるというような感すらある。これでは私はたいへんだと思うのでありますが、具体的にそういうことについてのいろいろ作業なり試案というものが私はおありになるんじゃないかと思うんですけれども、その点どうです。
○国務大臣(藤枝泉介君) 非常に大胆な言い方をいたしますと、まず第一に、少なくとも政府の事業官庁等が、地方自治体を信用してもらいたいということがございます。すなわち、補助行政ではなくて、ほんとうにそういう目的のために地方に財源を分けてもらうということであろうと思います。しかし、たとえば、四十二年度の予算編成の際におきましても、例の零細補助金の整理というようなことでも、せいぜい五億くらいしかできないという現状でございまして、これはなかなかたいへんなことだと思います。しかし、そういう方向でこれはしんぼう強く、また精力的にやっていかなければならないと思います。特に近く御審議をいただく地方制度調査会におきましては、その事務再配分に伴う財源の再配分についての御審議もいただくわけでございまして、これらともあわせて努力をしてまいりたいと思う次第でございます。
○鈴木壽君 時間が十一時になりましたから、しり切れトンボのようなかっこうでやめざるを得ませんけれども、地方制度調査会から先般、行政事務の再配分についての勧告ですか、答申ありましたね。今後引き続いて、今度は財源の再配分についてやっていくのだ、こう言っては地方制度調査会の方々にしかられるかもしれませんが、あそこでそういう税の、財源の再配分というものがうまくいくのかどうか。一方には税制調査会というものがあり、何かいままでのこれらの問題についての審議の経過をちょっと見てみますと、その問題については、いまの財源の再配分の問題、どっちも逃げているようなかっこうではないかと思う節があるのですが、ほんとうにあそこでこの問題、地方制度調査会において抜本的な対策というものが立てられるものかどうか、それについて大臣、どうですか。これはちょっと審議会とか調査会に対し私は心配ですがね、どうですか。
○国務大臣(藤枝泉介君) これは私からお答えすれば、十分そういうことをやっていただけるものと確信をいたしております。
○鈴木壽君 むしろ自治省として私はやはり一つの案というものを持つべきじゃないか。そうして、これでどうですかと、こうでもしない限りあそこ、あそこと言っては悪いですけれども、ほんとうですよ。たとえば政府でいろいろこういうふうにしたい、こういう考えでいきたいという施策を社会保障制度について考えた場合、案をつくって、こうして社会保障制度審議会のほうへかけますね。全部が全部そうじゃありません、そういうことが多いですね。何かそういうことでもしないと、そして、そういうふうにして、あそこで十分に御検討、御審議を願うというようなことでもしないと、ただ預けておけでは、なかなかこれはたいへんです。さっきも言ったように、現にかつて税制調査会のほうと地方制度調査会のほうとの間で、ちょっとお互いになすり合いでもないでしょう。 これはどうもおれのほうでやる仕事じゃないのじゃないかと、そういうようなことか何かあったりしましておるのですから、もしほんとうに審議会なり調査会なりというものを利用しようとするならば、私は新たに、これは最近の傾向からすれば、あまり次から次と審議会なんかをつくることは賛成できないということもありますけれども、しかし何とか新たなものをつくってやるというほうが、一つの私はいい考え方じゃないかと思うのですが、その点どうですか。それは最後に、新たなものをつくるつくらないは別として、ひとつ自治省として政府部内で、まあ自治省がかってにこれはっくれるわけじゃありませんから、大蔵とか、その他いろいろ関係あるところがありますから、政府のひとつ態度、方針というもの、具体的な施策というものについて、何か一つのものをおつくりになってみる必要があると思うのですが、その点どうですか。
○国務大臣(藤枝泉介君) 確かにお話のとおりでございまして、原案とまでいかなくても、われわれの試案というようなものを示して、それを土台にしていろいろ御論議いただくというのも一つの方法だと思います。私の記憶に誤りなければ、税制調査会のほうには、一度税の再配分についての自治省の意見を申し上げたことがあったかとも存じますので、地方制度調査会のほうにつきましても、そういう態度で臨むべきであると考えております。
○鈴木壽君 これはきょう時間の関係で、大臣これ以上引きとめておくわけにもまいりませんから、これからの委員会で、財政計画や、あるいは税等の問題の際に、あとでまたお考えをお聞きしたいと、こう思いますから、ひとつその点を御了承していただきたいと思います。
○委員長(仲原善一君) 本件に関する本日の調査はこの程度にいたします。 ―――――――――――――
○委員長(仲原善一君) 住民基本台帳法案を議題といたします。 提案理由の説明を願います。藤枝自治大臣。
○国務大臣(藤枝泉介君) ただいま議題となりました住民基本台帳法案につきまして、提案の理由及びその内容の概要を御説明申し上げます。 市町村が住民を対象とする行政を適切に行ない、また、住民の正しい権利の行使を保証するためには、住民に関する正確な公の記録が常に市町村に整備されていなければならないことは申すまでもありません。そのためには、住民の住所の変更等に関する届け出が、住民にとって簡易な方法で正確に行なわれる必要があるのであります。しかしながら、現在市町村における住民の届け出に関する制度及びその住民たる地位を記録する各種台帳に関する制度につきましては、各種行政ごとに個々に定められているため、かなり繁雑であり、住民の利便を増進するという見地からいたしましても、また、行政の近代化及び能率化の見地からいたしましても、改善を要する点が少なくないのでありまして、これを統合し、一元化することが必要であることは、つとに指摘せられていたところであります。 この法律案は、このような事情にかんがみまして、去る昭和三十九年、政府に設けられました住民台帳制度合理化調査会から二年余にわたる調査審議の結果提出されました答申の趣旨にのっとって立案いたしたものであります。 すなわち、市町村において住民の居住関係の公証、選挙人名簿の登録、その他の住民に関する事務の処理の基礎とするとともに、住民の住所に関する届け出等の簡素化をはかるため、住民に関する記録を正確かつ統一的に行なう住民基本台帳に関する制度を設けようとするものであります。 以下、この法律案の内容の概要について御説明申し上げます。 第一に、市町村は、住民米本台帳を備え、その住民につき、住民たる地位に関する正確な記録を常に整備しておくとともに、これに基づいて住民に関する事務を行なうことといたしたのであります。 この住民基本台帳は、個人または世帯を単位とする住民票よりなり、住民からの届け出または職権によって住民の氏名、本籍、住所等をはじめ、選挙人名簿の登録、国民健康保険及び国民年金の被保険者の資格並びに米穀類の配給に関する事項を記載することといたしております。 なお、住民基本台帳の整備に伴い、選挙人名簿の登録は、住民基本台帳に記録されている者で選挙権を有する者について行なう制度に改めることといたしました。 第二に、住民基本台帳の正確性を確保するための措置といたしまして、住民基本台帳と戸籍とを結びつける役割りを果たす戸籍の附票制度を存置することといたしております。 第三に、住民は、住所等の変更をしたときは、市町村長に届け出をしなければならないこととするとともだ、その変更に伴う届け出は、すべてこの法律の定めにより一つの届け出で足りることといたしたのであります。 したがいまして、国民健康保険、国民年金及び食糧配給に関する届け出等もこの届け出に統合いたしたのであります。 その他、台帳に関する不服申し立て、調査、助言及び勧告、罰則等に関して所要の規定を設けております。 なお、この法律の施行に伴い、住民登録法を廃止することとするほか、公職選挙法、地方税法、その他関係法律の規定を整備することといたしております。 以上がこの法律案を提案する理由及び法律案の内容の概要であります。 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いいたします。
○委員長(仲原善一君) 本案に対する質疑は後日に譲ります。 ―――――――――――――
○委員長(仲原善一君) 次に、消防法及び消防組織法の一部を改正する法律案を議題といたします。 提案理由の説明を願います。藤枝自治大臣。
○国務大臣(藤枝泉介君) ただいま議題となりました消防法及び消防組織法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 政府におきましては、一定規模以上の市に救急業務の実施を義務づける等、救急業務の拡充につとめてまいりましたが、最近における交通事故の激増に対処し、人命救護の一そうの徹底を期するためには、現在救急業務を行なっていない市町村の区域にかかる道路の区間で、交通事故が多発するところにつきまして、救急業務の実施体制を整備する必要があるのであります。 その他、最近における社会経済の状況にかんがみ、災害の予防と消防教養の充実等に資するため、若干の規定の整備を行なう必要があるのであります。これがこの法律案を提案する理由であります。 次に、この法律案の内容の概要につきまして御説明申し上げます。 第一は、救急業務の実施体制の整備に関するものであります。 救急業務を行なっていない市町村の区域のうち交通事故の多発する道路の区間にかかる救急業務の実施を、現に救急業務を行なっている他の市町村に要請することができるようにし、さらに救急業務を行なっていない市町村の区域で、特に交通事故が多発している高速自動車国道及び一般国道の政令で定める区間については、都道府県が救急業務を行なうものとしようとするものであります。 第二は、液化石油ガス等の届け出に関するものであります。 最近における液化石油ガス等による事故の状況にかんがみ、液化石油ガス、その他の火災予防または消火活動に重大な支障を生ずるおそれのある物質で政令で定めるものを貯蔵し、または、取り扱う者は、消防長または消防署長に届け出なければならないことにしようとするものであります。 第三は、その他の事項であります。その一は、消防に関する教育訓練の質的向上をはかるため、消防大学校に都道府県の消防学校等に対し、教育内容及び方法について技術的援助を行なう事務を加えようとするものであります。その二は、事務簡素化をはかるため、消防庁の所掌する都市等級に脚する事務の一部を都道府県に委譲しようとするものであります。 以上が、この法律案の提案の理由及び内容の概要であります。 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○委員長(仲原善一君) 本案に対する質疑は後日に譲ります。 ―――――――――――――
○委員長(仲原善一君) 次に、地方税法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 提案理由の説明を願います。藤枝自治大臣。
○国務大臣(藤枝泉介君) ただいま議題となりました地方税法等の一部を改正する法律案について、その提案の理由と内容の大要を御説明申し上げます。 地方税につきましては、最近の数次にわたる改正により、地方財政の実情を考慮しつつ、負担の軽減につとめてまいったのでありますが、なお引き続き住民負担の合理化をはかっていく必要があると存じます。ただ、昭和四十二年度においては、地方税、地方交付税等の自然増収は見込まれますが、一方、国庫予算の増加に伴う公共事業費の増大、社会保障の充実、または地方公務員の給与改定に伴う給与費の増加等による経費の増高も避けることができませんので、地方財政については、なお健全化を促進する必要があるのであります。したがいまして、昭和四十二年度の地方税制の改正にあたりましては、このような実情を考慮いたしまして、第一種臨時地方特例交付金の交付にかえて、たばこ消費税の税率を引き上げることにより、地方税源の充実をはかりつつ、事業主控除及び事業専従者控除の引き上げにより、個人の住民税、個人の事業税を軽減する等、地方税負担の合理化をはかるため所要の改正を行なうことといたしたのであります。 次に、以下順を追って地方税制の改正の概要について御説明申し上げます。 第一は、道府県民税及び市町村民税についてであります。まず、個人の道府県民税及び市町村民税につきましては、中小事業者の負担の軽減をはかるため、専従者控除を二万円引き上げることとしました。また、障害者、未成年者、老年者または寡婦についての非課税の範囲を、年所得二十六万円までに拡大するほか、前年の合計所得金額が五万円をこえる配偶者がある場合の第一人目の扶養控除額も一万円引き上げることといたしております。 なお、昨年の所得税法の改正による給与所得控除の引き上げが、本年度以降、個人の住民税の課税標準の算定に反映することとなりますので、給与所得者にかかる個人の住民税につきましては、本年度約百四十億円の減税が行なわれることとなっております。 また、障害者、老年者、寡婦または勤労学生について現在行なっている税額控除を、所得税の改正に準じて所得控除に改めることといたしましたが、この改正は昭和四十三年一月一日から施行することといたしております。 次に、法人の道府県民税及び市町村民税につきましては、法人の均等割りの税率を合理化するため、資本または出資の金額によって税率を区分することとし、資本または出資の金額が千万円をこえる法人及び相互会社の標準税率を、道府県民税にあっては千円、市町村民税にあっては四千円に、その他の法人等の標準税率を、道府県民税にあっては六百円、市町村民税にあっては二千四百円にそれぞれ改めるとともに、これに伴い市町村民税の均等割りの制限税率についても、所要の調整を行なうこととしました。また、租税特別措置法の改正により、法人税額の控除が拡大されますので、これによる減収を回避するため、法人税割りの課税標準である法人税額は、この法人税額の控除が行なわれる前の税額によることといたしております。 第二は、事業税についてであります。まず、個人の事業税につきましては、中小事業者の負担の軽減をはかるため、事業主控除及び専従者控除をそれぞれ二万円引き上げることとしました。また、農業協同組合連合会が行なっている社会保険診療については事業税を課さないものとしています。 第三は、不動産取得税についてであります。不動産取得税につきましては、産炭地域振興事業団が建設する工場用建物の取得について、その敷地と同様に非課税とする等、合理化をはかるほか、開拓者の開拓農地等の取得についての非課税及び農業委員会のあっせんによる農地の交換分合によって取得する土地の課税標準の特例は、いずれも昭和四十二年三月末でその期限が満了しますが、その期限をさらに五年間延長することといたしました。 第四は、たばこ消費税についてであります。たばこ消費税につきましては、第一種臨時地方特例交付金のたばこ消費税への移行に伴い、道府県たばこ消費税の税率を百分の一〇・三に、市町村たばこ消費税の税率を百分の一八・一に引き上げることとしました。この税率の引き上げは、昭和四十二年三月以降に売り渡した製造たばこから適用することとしていますので、これに伴い、昭和四十二年四月分及び五月分のたばこ消費税につきましては、この改正後の税率によって算定した税額と現行の税率によって算定した税額との差額に相当する額を、それぞれ同年六月分及び七月分に合わせて申告納付することとしています。 第五は、固定資産税についてであります。固定資産税につきましては、地方鉄道業者または軌道経営者が、都市計画区域内において所有する地下道または跨線道路橋、一定期間内に新設された自動列車停止装置及び重油にかかる水素化脱硫装置について課税標準の算定上特例を設けることにより、その負担を軽減することとするほか、大規模の償却資産にかかる固定資産税の市町村の課税限度額について調整をはかるため、人口五万人以上の市町村についても、人口の増加に応じて課税定額を順次増額し、人口二十万人以上の市については二十五億円とするとともに、市町村の課税最低限度保障額及び課税定額を増額する場合の前年度の基準財政需要額に乗ずべき財源保障率も引き上げることとしました。 第六は、電気ガス税についてであります。電気ガス税につきましては、ガスに対する電気ガス税の免税点を七百円に引き上げて、その軽減をはかることといたしました。また、三年間の非課税期間が満了するポリプロピレン等、四品目を非課税品目に加えるとともに、紙の製造の用に使用する電気に対して課する電気ガス税の税率は、当分の間、百分の五とすることとしています。 第七は、税制の簡素化についてであります。税制の簡素化につきましては、国税の簡素化とも対応して、延滞金が一日百円につき二銭の割合で計算される期間について合理化をはかるとともに、給与等の支払を受ける者が常時十人未満である事業所等にかかる個人の道府県民税及び市町村民税の特別徴収税額の納期等について簡素化をはかるほか、事業税または法人税割りの分割基準である従業者の数についても、原則として事業年度等の末日現在の従業者の数によることとする等、申告手続についても簡素化することといたしました。 以上のほか、軽油引取税の保全に必要な担保の提供を命じ、または特別徴収義務者の指定を取り消すことができる等、軽油引取税の徴収を合理化するとともに、所得税法の一部を改正する法律の施行に伴い、昭和四十二年六月一日前に支払われた退職手当等にかかる分離課税にかかる所得割りの額のうち過納となる額について還付の特例を設けるほか、所得税法の改正に伴う関係規定の整備等、所要の規定の整備を行なっております。 以上、地方税法等の改正につきまして、その概要を御説明申し上げましたが、これに伴う増減収額は、初年度であります昭和四十二年度におきましては、個人の住民税につきまして四十一億円、個人の事業税につきまして二十九億円、電気ガス税につきまして七億円、その他一億円の減収が見込まれますが、一方、法人の均等割りの税率の調整により四億円、国税の改正に伴い十四億円の増収が見込まれますので、これらの増減収額を差し引きずると、初年度においては六十億円の減収となります。また、平年度におきましては、所得税における給与所得控除の引き上げに伴う個人の住民税の減収等により三百八十五億円の減収となるのであります。ただ、第一種臨時地方特例交付金のたばこ消費税への移行に伴い、初年度、平年度とも二百六十五億円の増収が見込まれますので、これを加えると、初年度においては二百五億円の増収であり、平年度においては百二十億円の減収となります。 以上が地方税法等の一部を改する法律案の提案理由及びその大要であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○委員長(仲原善一君) 本案に対する質疑は後日に譲ります。 ―――――――――――――
○委員長(仲原善一君) 次に、地方公務員災害補償法案を議題といたします。 御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
○原田立君 今回の地方公務員災害補償法案について若干お聞きしたいと思いますが、前回もいろいろと質問されておりますけれども、多少ダブル点があるだろうと思いますが、その点はひとつ御丁寧に御答弁願いたいと思います。 今回の地方公務員の災害補償について、特にこの法律をつくらなくても、現行の地方公務員法に基づいて条例で規定するように指導すればよいと基本的には思うのですけれども、なぜ今回この法を提案するようになったのか、その点お伺いします。
○政府委員(長野士郎君) 現状におきまして、現行制度のもとで、個々の地方団体が条例を制定して、公務災害補償を適正に行なうことができるではないかというお尋ねで、ございますが、ただいまの地方公務員法におきましても、職員の公務上の災害につきまして措置をすることを当然予定をしておることはお話のとおりでございますが、ただ、最近におきますところの国家公務員や民間労働者の公務上あるいは業務上の災害補償というものは、非常に制度の内容が進んでまいりまして、そういう意味で非常に専門的、技術的になっておる面が非常に多い。また、そういうことと同時に、補償内容の改善というものも急速にはかられておるわけでありますが、そういうことを考えますと、個々の地方団体で能力が充実して、そういうことがやれるようにするということも、もちろん大切でございますけれども、同時にこういう制度は、一種の社会保障的な意味と申しますか、もちろん持つもので、ございますし、公務員としてやはり最低といいますか、最低の補償というものを十分確保していく、それからまた、その統一的な運用がはかり得るということ、それから、まあ公務上の災害補償というものが迅速かつ確実に行なわれていくというようなこと、そうして、そういうものが専門的な機関によって実施されていくということが、一番適当な方法ではないだろうかというふうに考えるわけでございます。また、そういうことによりまして、公務員としての特殊性というものを十分理解しながら、専門的な機関で実施していくということになりますし、また、そういう最低の公務上の災害補償というものをいたしますことにつきましては、一般論としましても、いわゆる社会保障立法の一環といたしまして、なるべく法律で一定の水準というものを、給付内容を確保するということも望ましいわけでございます。 したがいまして、今回の法律では、補償内容を、最低水準といいますか、しかしながら、現在望み得る内容としては最高のものというふうにも考えられますが、そういうものを地方団体のいかんにかかわらず、この公務の災害については補償するという意味におきましての立法でありますことが一つと、それから、それを個々の団体の認定によって、非常に取り扱いが異なるというような形でなくて、専門的な機関によってそれを統一的に補償する、実施する、そういうことによりまして、公務員の生活保障といいますか、福祉というものの増進に役立たしめる、そうして生活の安定に資するという、この二つの目的を持ちまして立法しておるということに相なると思います。
○原田立君 いまのお話の中に、統一的運用というようなお話があったわけですけれども、地方自治体は三千三百有余ですか、非常に数多くありますし、現在までも、事実その地方公務員法あるいは労災法等によって現に運用されてきておると、特に今回こうやってやらなければならないという、その理由が何となく、いわゆる地方公務員は地方で行なえばいいという立場を抜きにして、何か国家で、国で大きなワクをつくって、かちんと縛り上げるというふうに、そんな感じが強いような気がするわけなんです。まあ国家公務員並みに地方公務員を引き上げるということは、たいへんけっこうなことだろうとは思うんですが、これは現在ある法律の中で最高というふうな意味だろうと思うのですが、全般的にはこれが最高ではなしに、鈴木委員のきのうの話にもあるとおり、最低の基本線であると、こう見るのが正しい見解ではないかと思うんです。 そこで、地方は地方の独自性というものを十分認めていきながら進めていくという、そういう意味で行政指導でそれを徹底するようなことが、はたしてうまくいかないのかどうか、行政指導で十分できるのではないか、こういうふうに思うのですけれども、どうでしょう。
○政府委員(長野士郎君) 先ほどの私の統一的な運用と申しましたのにつきまして、またお尋ねでございましたが、公務災害補償におきまして、現状におきましても労働基準法、この前申し上げましたように労働基準法による内容は補償されるということになっております。あるいはまた、現業職員につきましては、労災保険の適用のあります者は、その関係の内容が補償されるということになっておりますが、問題は、何が公務上の災害であるかどうかというようなことになってまいりますと、この認定というような問題になりますと、それが認定者のいかんによりましては、非常に区々に扱われるということが起こりやすいわけでございます。それからまた非常に議論も、いろんな場合に、ケース・バイ・ケースでございますが、出てまいりまして、そして取り扱いを、そうしばしばあることではございませんので、そのたびごとに新しくいろいろ研究をいたしまして、そうして認定をしていくというようなことに相なりますと、勢い補償の認定なり給付というものが非常におくれていくということも実情でございます。そういうものを、それぞれの所属する地方団体が違うから、あるところでは公務上の災害になったり、あるところではならなかったりしていいじゃないか、自由じゃないかということにはまいらぬのでありまして、やはり地方公務員の公務上の災害であるものは、統一的に災害として認定をし、統一的に給付をし、そしてその災害、障害の程度その他に応じまして、やはり客観的なものさしで処理をしていくということが、結局公務員の生活の保障なり福祉の安定に非常に役立つ、こういうふうに考えるわけでございます。 したがいまして、この法律で基金を設けておりますのは、地方団体が個々に行ないますものを、地方団体にかわりまして行なう。すなわち、地方団体が共同してそういうプールをつくりまして、そして専門家の認定にゆだねると、こういうことを考えておるわけでございます。それはやはり事柄の性質として、一種の社会保障でございます。そういう意味を持ちますので、お話のございましたように、最低線ということにもなるかと思いますが、少なくともそれは正確に適用さすべきものは適用させて、そういうことを組織的にも、制度的にも補償するということが最低必要ではないか。また、この前の鈴木委員のお話がございまして申し上げましたが、地方団体としてさらに特殊な事情がありまして、この補償内容にプラスすると申しますか、そういうようなことを考えない、これは一つの地方団体としての特殊な自主的決定という問題として、この前申し上げましたように、地方公務員法のたてまえ、あるいは地方自治法のたてまえとしての、地方団体の自主的決定の余地は残っておるわけでございますから、そういう面で、地方団体の特殊性というものを公務災害の関係にも反映しようとすれば反映できないことはない。しかし、最低基準と申しますそのものは、どの地方団体によりましても、これが公務上の災害に該当するということであればひとしくそういう認定をし、ひとしく敏速な給付をしていくということが、結局公務員の身分なり、生活を安定させるゆえんではないかということでございます。その点では非常に技術的なものを統一的に処理するという面もあるわけでございますが、地方団体の自主性をそこなうような形で統一的に処理するという意味ではございません。
○原田立君 現に各地で労務災害補償は現実にこれはやっている問題ですし、局長は、これをつくると、もっと迅速に早くできると言う。そういうことのみの強調があるわけなんですけれども、社会保障的な面でいって、こういう基金があることは、基本的にはいいんではないかという感じはするわけなんですけれども、ただ、現実にそのできているものを、やっているものを、それをこういうふうに今回ぱっと国のほうで統一的にやるということに、そこに無理があるのではないか。地方自治の自主性ということをもっと十分加味していって、さっきの議論ではないけれども、行政指導でもっと徹底していけば、所期の目的が達せられるんじゃないか、あえて今回のようなことをやる必要はないんじゃないか、こういうふうに思うんです。
○政府委員(長野士郎君) 条例を地方団体が個々につくっていくということも、もちろん不可能なわけではございません。お話のようなやり方も私は可能だと思います。しかし、現状におきまして、私どもの指導が不十分だということもあるかもしれませんが、現状は、前から御説明申し上げておりますように、まず適用法規が非常に区々である、職員の全体をおおっていない、そうして、また認定機関も区々に分かれているというようなことで、職員間の公務上の災害補償の体制としては非常に未整備であるということでございます。片一方、国家公務員なり、あるいは労働者災害補償保険制度なりでは、非常に高い水準を維持しているわけでございます。個々の地方団体で条例を作成して、社会保障を実施するということは不可能じゃございませんが、やはりこの社会保障的な意味を含め、また同時にある程度のプールをつくりまして、社会保険的な意味を含めまして、そうしてまた専門的な責任のある機関によって処理をするということで、能率よく考えていく、そうして経費のその意味での節減もはかり得る、そういうことで、地方団体にかわってその公務災害を引き受けるような統一的機関をつくること、このことが、直ちに地方団体の自主性を害することになるかといえば、そういうことではなくて、むしろ職員の生活の安定とか、身分の保障というものを客観的な、専門的な指示によって能率よくはかっていくということで考えていいのじゃないかというふうに思うわけであります。これはそうやらぬだって、個々の条例としてつくらせることがいいのだという考え、この考えは、私は全然ないとはもちろん申しません。そういう考え方もあると思います。この種のことを個々の団体が条例をつくってやることのほうが、自治の原則に適するという見方もありますが、同時に職員の補償、職員の生活の安定なり、補償なりに資するということと、両方かみ合わせて考えますと、地方団体にかわって基金が統一的に実施をしていくということは、まあほぼその両方の要請を満たすということにもなり、また専門的な処理、能率的な処理ということ、あるいは経費の節減、合理化ということにも沿う方法ではないだろうか、こういうふうに考えておるわけでございます。
○原田立君 いままでも条例でその補償の内容をつくってやっているところがあるわけです。それがこのいわゆるプラスアルファ、きのうも話ありましれけれどもプラスアルファ、そういふうな面である程度非常に優遇されている、あるいはまた、こういう労災補償等も交渉の対象にこれはなるはずなんです。そういうふうな面でプラスアルファというものが認められるというふうなそのときに、今回のように、こうやって統一的にやっていくと、そういうふうな面でも、何でもかんでも全国で一本化してしまうということは、はなはだ不平等化するのではないか、こういう心配も出てくるわけです。現に悪いところがよくなったりするのは、これは非常に社会保障的にいい面もそれは多々あると思うのですが、それ以上に対しているところ、あるいはそれ以上出したいと思うようなところというようなのが、これも今回の補償法案によって全部ストップ、それ以上いかぬというふうなことになる可能性が出てくると思うのです。それはだから交渉の対象になっている問題なんですから、これは各地方自治団体にまかしていいのじゃないか、こういうふうに思うのですが、どうでしょうか。
○政府委員(長野士郎君) 昨日――この前も御説明申し上げましたが、法律的にはこの災害補償法を実施いたしました後におきましても、地方団体がいわゆるプラスアルファと申しますか、そういうものをなし得る余地がなくなってしまうことはないのでありまして、それはそういう意味での措置はなし得る。ただ私どもといたしましては、今回の公務災害補償の内容は、まあ現在わが国でとられておる補償制度からいえば、一番高いものを内容としておりますので、鈴木委員にも申し上げましたが、これ以上のことを大いにやれとすすめるつもりはごうもないということは申し上げましたが、しかし、できないということを申しておるわけではございません。したがって、できなくなりはしないかということにもその点ではならないと思っておるのであります。 それからまた、さらにお話のございました、いわゆる公営企業関係の職員につきましては、この災害補償の関係も一種の労働条件であるから、団体交渉の対象事項ではないか、それから一般のその他の職員につきましても、いわゆる当局との交渉の範囲に入り得るものではないか。したがってそういうものは、そういうところにまかしておくべきではないか、理論的にもまかしておくべきという考え方が出るんではないかというお話でありますが、一面それは確かにお話の点はあると思います。ただ公務災害補償というものは、法律のたてまえといたしましては、公務上の事故によりまして公務員が災害を受けるということになりました場合には、いわゆる使用者としての無過失損害賠償という考え方でございますから、使用者は全額自分の経費をもってそれを完全に補償するという義務を実は負っておるわけでございます。したがって、単に団体交渉の結果やってもやらぬでもいいという性質のものではなくて、団体交渉でございますと、話がつかなければやらぬでもいいということになってしまいますけれども、そういう性質を持っておりません。少なくとも一定限度、そのそれぞれの時期におけるところの、いわゆる社会通念かもしれませんが、要するに無過失損害賠償の責任を果たすという内容のことまでは、交渉事項であろうがなかろうが、使用者としては全責任を持って、しかも使用者の負担によって、全負担によって行なわざるを得ないという立場があるわけでございまして、単に自由な選択が認められておるというような法律的な構成ではないわけでございますから、その点につきましては、団体交渉事項だから自由でいいというようなことは、やや性質を異にしていやしないだろうか。その点からさらにそういう意味も含めまして、一定の内容というものを付与するということも、そこから一つは出てくるわけでございましょうし、また同時に、そのことがいわゆる社会保障的な意味を非常に強く持ちますから、そういう意味でも統一的に最低水準は――おっしゃいます最低水準は補償するという考え方も出てくるわけでございます。 両かね合わして考えますと、現在提案しておりますような形で補償の内容も一応なし得るものを用意をする、そして補償の認定、給付というものも、地方団体にかわったものが、それによって専門的な見地での認定、給付を行なっていくという一つのあり方、そしてまた、それ以外に、理論上は地方自治のたてまえもございますし、また、いまおっしゃいましたような補償内容というようなこともありますから、なお特殊な、これ以外の補償というものの余地もあるというたてまえをとっておるわけでございまして、そのあたりが一番妥当な合理的なところではないだろうかというふうに考えておるのであります。
○原田立君 そうすると付加給付は認めるというふうな、それはやってもよろしいというふうなことになりますね。それはいいわけですね。
○政府委員(長野士郎君) 再々申し上げますが、付加給付は、法律的にも実際的にも、もちろん可能でございます。ただし、自治省として大いにそれをすすめるかということになりますと、これはこれ以上のことをいま直ちにすすめる勇気も何もないということを正直に申し上げておきます。
○原田立君 それをストップをかける、通達かなんかでストップをかけるという、そういうことはございませんね。
○政府委員(長野士郎君) これ現在でもそういうプラスアルファと申しますか、そういうことをやっている団体が二、三あるわけでございます。で、それが客観的な、あるいは全体を見渡しまして、均衡がとれておるものとも必ずしもいえないかもしれませんけれども、まあある程度かりに均衡がとれておるといたしますと、そういうことから非常に飛び離れた内容のものが行なわれるというようなことは、私どもは望ましいとは必ずしも思いません。ただそういう意味での、均衡のとれた形でのプラスアルファということが、やむを得ないものとして措置をされるという場合でございますならば、それをしも――むしろそのプラスアルファがないほうが均衡を失するような形であるということであるならば、それをしも非常によくないという形で、それに不当な干渉を加えるというようなことをいたそうとは思っておりません。
○原田立君 そうすると、先ほどの説明もありましたけれども、今回の法人によってつくるところの基金の基本的な性格というものは、一部事務組合的な内容のものというふうな、そうゆうふうな考え方でよろしいんでしょうか。
○政府委員(長野士郎君) 基金というものの性格はどうだということになれば、いろいろ見方はあると思います。法律的にはこれは法律上認める特殊法人でございまして、そういう言い方をすれば味もそっけもない話でございますが、基金の働きからいいますと、この法案の第一条に書いておりまするように、地方団体にかわって補償を行なうために基金を置くわけでございます。それで、その実質の内容からいいますと、いまお話がございましたような、どちらかといえば、共同で処理をするために基金を設けるということの実質の意味を持っておるわけでございますから、その意味ではそういう実質面の働きから申しますと、いまお話がございましたような一部事務組合的な性格を持っておる、こういうふうにお考えいただいてもよかろうかと思うのであります。
○原田立君 この法律が制定されて後、基金が置かれて、この法律の規定によらない独自の給付を条例により定めることは、これは差しつかえないというふうな意味で解釈していいんだろうと思うんですが、先ほどの話のように、この法律の給付水準より高い水準の条例を現に制定している地方団体、先ほど二つ三つあるというふうな仰せでしたけれども、それはどこなのか。あるいはこれを否認するのか是認するのか――是認ということでよろしいんですね。
○政府委員(長野士郎君) 現在公務災害補償でいわゆるプラスしていると申しますか、それはこの間からお話のございましたような、主として休業補償とか、そういうところにプラスをしているというのがあるわけでございまして、たとえば東京都とか、あるいは六大市等におきまして、そのプラスをしているのがあるわけでございます。そのプラスと申しますのは、先ほど申しましたような休業補償につきまして、東京都、横浜、名古屋、京都、大阪、そういうところが休業補償につきまして、いわゆる百分の百と申しますか、そういうものを行なっているわけでございます。一応現在行なっておりますから、またこの公務災害補償法と地方公務員法、地方自治法、その他の関係におきましても、先ほど申し上げましたような意味で、行ない得ると申しますか、それも災害補償の一種であるという考え方を解釈上もとり得るということでございますので、これはそのままそういう引き続いて行なうということにならざるを得ないわけでございまして、その点ではそのままそれが認められていく、こういうことになるわけであります。
○原田立君 この今回の法律によって、地方公務員が交渉相手がなくなってしまう、そういうようなことになるのではないか。たとえば基金が地方公務の災害補償等については一切受け持つ、こうなると、いままでは地方公共団体の長と交渉することができていたが、それが交渉相手がなくなってくるのではないか、こういうふうなことを考えるのですけれども、その点はどうですか。
○政府委員(長野士郎君) お話の点は二つの内容があると思うのでございます。一つは個々のケース、個々のケースについて、これは公務上の災害補償にはまるのか、はまらないのか、はまるとしても、その程度がどうなのかというような問題が一つございます。それからもう一つは、そういう実際のケースにあたっての問題ではなくて、補償の内容、いまでき上がっている、たとえば給与の四百日分というのが低過ぎる、それを五百日分にいたせというような内容問題、いわゆる制度の内容の問題、二つあるだろうと思いますが、一つの前者のほうの、個々のケースが公務上の災害に当たるのか、当たらないのかというような問題は、性質としてどうも団体交渉とか、そういうものの対象で、がんばれば当たる、がんばらなければ当たらない、そういう性質のものではないと私は思います。と申しますのは、公務上の災害補償というのは、先ほど申しましたように使用者の無過失責任として、完全に使用者の全責任において補償、されなければならないというたてまえでございますから、力関係等によりまして、当たったり、当たらなかったり、その程度が上がったり、下がったりするというようなこととは性質がそぐわない。もしかりにそういうことがあって、不当に公務上の災害であることをはずしましたり、あるいは高い障害であるにもかかわりませず、低い障害に当てたりいたしますと、それは必ず損害賠償の対象になりますから、そんなことは性質としては行なえないことでございまして、客観的な専門的な知識と、認識等によって判定をしていくということにならざるを得ない性質を持っているわけでございますから、このことが交渉の対象になる、ならぬということとは、ややまあ性質が遠いのではないかという感じが実際問題としてはいたすわけでございます。 後者の、内容につきまして、四百日分は低過ぎる、これは例でございますが、五百日分にいたせというようなことになりますと、現在この法律が四百日分としてあるといたしますと、これがまあ個々の団体の、プラスをするのかしないのかというようなケースに入っていく内容になるのだろうと思うのでございます。これは先ほど申し上げましたように、理論上はプラス百日分ということは可能なわけでございます。話し合いの内容として、それを対象にするということも、もちろん可能だということを申し上げているわけでございますから、その点では公務災害補償と、団体の職員との間における交渉なり話し合いの対象というものとの、両方が満たされているということになるわけでございまして、基金が一括して補償するということから、もう全然交渉内容からはずれてしまうということにはならないのではないかというふうに思うわけでございます。
○原田立君 今後補償内容をよくするには、補償内容をもう少し引き上げたい、よくしたいという場合には、どうしたらいいことになりますか。
○政府委員(長野士郎君) もうこれは私が申し上げるまでもないことでございますが、一つは、この法律を変えるということだろうかと思いますし、一つは、個々の団体の特殊性に応じた付加的な補償を加えるか、加えないかという問題になるだろうと思います。
○原田立君 要するに国家公務員のほうが変わるから、そっちがよくなったら、地方公務員のほうもよくなるだろうから、それまで待て、こんなふうなことになるのではないかというふうな私は心配をするわけですけれども、そんなことになりそうですが。
○政府委員(長野士郎君) これは今後の問題でございますが、一つは、私ども、これから検討を進めてまいりたいと思いますことの中には、国家公務員のあり方と地方公務員のあり方とは、業種、職種によって、必ずしも同一なものばかりではございません。むしろ、特別な公務上の性質を強く要求されておるもの、そうしてむしろ逆に公務上の災害にかかりやすい職種というようなものが、職種によっていろいろとあるわけでございます。この辺につきましては、国のほうにももちろんあるということにもなりましょうが、地方公務員の場合には、たとえば警察なり消防なりという第一線機関等を考えますというと、国の場合、まあ国の警察は、現場の警察というのはどこにあるかといえば、よくわかりませんが、皇宮警察くらいのものだろうと思いますけれども、そういうようなものと地方の第一線の警察の公務上の問題とは、相当ケースも違ってくるし、性質も違ってくる。消防職員等を見ていただいても、それはおわかりいただけると思いますが、そういうものにつきましての特殊な問題というものは、今後私どもも鋭意研究をいたしまして、そういうふさわしいものがどの程度取り上げ得るものかどうか、これは一般的な問題としても考えていく必要があるという意味で、この公務災害補償法制定と同時に、そういう責任を痛感するし、そういうことも究明をしていきたいという気がいたしております。 もちろん、また同じような職種で、国家公務員のほうが内容をよくしていく、あるいはまた労働者災害保険の関係のほうの内容もよくなっていくという場合に、これだけ取り残すということをいたすつもりはもちろんないわけでございまして、同じような性質のものがそうなるのならば、こちらもそうしていくということにはもちろんいたしたいと思っております。これはこれからの研究の課題でございますが、それと同時に、国家公務員が特に公務上の災害というもので大きく必要の分野があって、それが地方にはそういう分野がないというものであれば、それはちょっとそれよりも下がらざるを得ないと思いますが、たとえば逆に、いま申し上げました、たとえば警察だとか消防とかというもののもう少し問題を究明していかなければならない。あるいはそれ以外に、たとえば公営企業の職員などについても、いろいろ考えていくべきケースは出てくるだろうと思いますが、これは私ども、今後大いに研究をしてまいりたいと思っております。
○原田立君 その研究の成果を期待するわけですけれども、往々にして、一つのものをきめると、なかなかそれが改善、改良、上昇していくということはほとんどないのですね。それで心配するわけです。今回の災害補償の基金ができた場合に、中身をよくしていく、それには具体的に研究して、自主的に判断してつくられていくというふうなものでなしに、何かそこを、もっとはっきりしたものがないのかどうか。たとえば、普通のいままでの場合であれば、いろいろと交渉する段階において、漸次補償内容をよくしていくというようなことはできると思いますが、今回からはそういう話し合いというものはほとんどなくなってくる。多少の話し合いはあるのかもしれませんけれども。そうなりますと、補償内容をいま一歩前進せしめていこう、こういうふうなことは、それは自治省のほうの、局長のほうでいわゆる研究していくことだけなんだということだけでは、ちょっと何か不安のような感じがするのですけれども、確たることはございませんか。
○政府委員(長野士郎君) 先ほど申し上げましたように、災害補償の内容が、話し合いなり交渉の対象事項であることは、この統一的なものをつくりましたからといって、その性質が変わるわけではございません。それぞれの地方団体の当局との間では、そういうものも含めまして、いろいろ話し合いというものは行なわれていくわけでございます。また同時に、地方公務員の公務災害補償について、いままでは個々の地方公共団体で、そのケースによって関心を持っておるという慣行にすぎなかったのでございますけれども、私どもは、基金ができまして、これから常にそういう公務災害補償というものに四六時中直面いたしまして、そうしてこれを統一的に認定をしたり、実施をしたりするということをやっておる専門機関というものができ上がっていくことは、その点では、公務災害補償の分野に新しい究明を加えていく非常に有力な人的な組織にもなり得るものだというふうに私どもは思っておるわけでございまして、むしろそういう意味で、そういう実際のケースを通じまして、補償内容の実態との適合関係というようなものの全国的なデータが明らかになりまして、そうしてそれの改善なり運用の合理化というものに資していくのには、非常に役立つのではないかというふうに思っておるわけでございます。
○原田立君 今回のこの基金の対象職員は常勤職員ということで、非常勤職員は補償の対象にはしていないということなんですが、いままでも対象外であったようですが、これは入れていいのじゃないのかというふうな気持ちがするわけですけれども、それと、特に六十九条では、非常勤職員は条例できめろ、こういっている。条例できめろということは、確かにそれをつくってやりなさいということなんですから、この中に非常勤職員を入れてやってもいいんじゃないか、そんなに数が多くあるはずはないと思うのですが、この点はいかがですか。どういうのが常勤職員で、何人くらいかと、おわかりになっているのだったらお教え願いたい。
○政府委員(長野士郎君) 非常勤職員につきましては、非常にいろんな職種にわたっておりまして、それが一般職、特別職、いろいろあるわけでございます。臨時職員と申しますものの雇用の形態というものは、実に千差万別なものが非常勤職員の中に入っておるわけでございます。そういうので、特別職等で申しますと、この前も申し上げましたが、たとえば行政委員会の委員でございますとか、あるいは統計調査員でございますとか、また民生委員でございますとか、これはみな非常勤職員として入ってくるわけでございまして、あるいはまた母子相談員とか、いろいろありまして、実は人数もその辺になると多少はっきりいたしておりまして、そういうもので七十八万五千人くらいおるわけでございますが、それ以外のほんとうの臨時職員というものは、これは私ども経験ございますが、その地方団体の任命権者といえども、極端に言いますと、はっきり実態がつかめないというほど毎日の異動が激しいのでございます。そういうことがございまして、そのほか消防団員とか、そういうのもありますが、これらは特別な災害補償の法律がございますので、それはそっちでカバーをするということになります。そういうことで、非常に勤務の態様なりと申しますか、給与等の実態が、まことに千差万別でございまして、一般の常勤の職員のような形でとらまえることは非常に困難でございます。また、そういうものは給与と申しましても、何と申しますか、出席の際の実費的なものから、あるいはまた報酬のようなものから、あるいはまたほんとうの給与に近いものから、いろいろございまして、そうしますと、もう第一平均給与額とかなんとかいうものをどうやってつかまえていくかということが、たいへんむずかしいことになってまいります。そこでどうもそういうものにつきましては、個々の団体――一般の全国をプールすることがなかなかできませんので、これはやはりやむを得ないので、個々の団体においてそれぞれに適した、その団体が一番よく実態を把握しておるわけでございますので、それぞれに適したやり方をぜひやってほしい。ただし、その内容としては、この公務災害補償の内容というものと大体均衡をとったやり方をまあしてほしいということにいたさざるを得なかったのでございます。
○原田立君 統計がよく出ていないのでよくわからないので、今回は非常勤職員は入れなかったのだ、こういうふうな御答弁のようでありましたけれども、先ほど言っているのは、補償の対象に入れてやったほうがいいのじゃないかというふうな質問なんです。全然もう入れる余地はないのだ、考えはないのだということなんですか。
○政府委員(長野士郎君) 先ほど申し上げました統計が十分つかめないからという、そういう職種もございますけれども、それだけではございませんで、いま申し上げたと思いますが、勤務の実態が非常に千差万態でございまして、そこで、したがって給与額もまちまちでございまして、どうしても技術的に可能でない、技術的に非常に困難だ、統一的に扱うことは。そこで個々の地方団体で条例で、ここで補償しようとしておるような補償内容に近いものをもって、条例できめてもらうというしか方法はないのじゃないかということでございまして、それをもう全然適用をしないとか、あるいはそういう人の公務災害補償は考えないということを申しておるわけではございません。これはもうぜひこの立法を契機にいたしまして、全職種に公務災害補償というものを適用したいということでございます。
○原田立君 今回の基金は、各地方団体にかわって公務災害補償を行なう機関である、こういうことでよろしいわけですね。そうなると自治大臣の監督が非常に強過ぎる。こういうふうに実は思うのですけれども、この基金自体に、もっと自主的な権能を与えるべきじゃないかというような考えがあるのですが、自治大臣の監督が強いというのは、十条、十七条、十八条、十九条、二十、二十一、二十二条と、非常に強い監督権を持たれておるわけですね。地方団体にかわって行なう機関であるならば、基金自体にもっと自主的な権能を与えるべきじゃないか、あまり干渉し過ぎるのじゃないか、こういうふうに思うのですが、その点はどうですか。
○政府委員(長野士郎君) この基金は、お話しのとおり、この第一条にも書いておりますように、地方団体にかわって補償を行なうわけであります。したがって、これはそういう意味で公的な機関として、あとの条文にもございますが、この法律による補償をいたしました場合には、それはたとえば五十八条にございますように、基金がこの法律によって補償を行ないました場合には、いわゆる民法上の損害賠償とか、そういう責任を地方団体が免れるという、基金の作用を非常に公的な強い作用にいたしておりますし、また、そうでなければ、こういう共同して基金を設けるという意味もないわけであります。したがいまして、これは特殊法人としての基金でございますが、実質的な意味、内容から申しますと、地方公務員に対して公務災害補償を行なう非常に公的な機関、むしろ一種の行政機関のような力をその面では持つわけでございまして、そういう意味で、やはりどっかでその特殊法人としての性格というものを正しく維持していく、そうして運行に責任を持たせるということが必要になってまいるわけでございますので、そういう意味で、特殊法人全般、みなそういう考え方でできているのが多いかと思いますが、この基金は特にそういう意味での公務上の災害に対する補償を、公法上の地位をとってかわって行なうという公共的な色彩、公的な色彩を持っておりますので、自治大臣がそういう意味で、地方団体にかわって監督をするという形をとるべきだという考え方になっておるわけでございます。まあそういう意味で基金の補償を担保いたしまして考えていくということは、他の社会保険の分野におけるところの社会特殊法人にも同じようにそういうことがあるわけでございまして、かれこれあわせて考えまして、そういう他の社会保険分野におけるところの特殊法人に対する政府の監督と大体同じ程度のものをまあ規定をして、その補償を確実にするということにまあいたしたわけでございます。
○原田立君 きょうはあまりそのお話がないんですけれども、この前のお話の中に、国家公務員の災害補償と同様であると、そういうふうな趣旨を盛り込んで、地方公務員のレベルアップをしたんだというようなお話でありましたが、国家公務員の場合には、これはちょっと技術的な問題になると思うのですけれども、これは災害が起きると、すぐぱっと支給されるというようになっておるわけですけれども、こっちの地方公務員の場合は、いわゆる請求主義をとっておるわけですね。請求をしなければならない。その請求をしそこなって、うっかり忘れちゃって二カ年間たってしまったならば、時効になってしまう。こういうような点で、国家公務員のほうと比べてみると、かなり不利な条文ではないか、地方公務員自身が。そこで、こういう請求主義などとらないで、国家公務員並みに支給するという、そういうような方向に持っていくべきではないかというふうに思うのですが、どうでしょう、二十四条ですね。
○政府委員(長野士郎君) まあこの点は、この国家公務員の場合は、使用者の国というのが直接に認定をして実施するという形でございますので、まあその使用者の管理している範囲の中で起きますところの公務上の災害でございますので、一番知っておるのも使用者であるという形でものが考えられておるわけでございますが、この場合には、基金というものは、一応まあ理屈といえば、理屈なんでございますけれども、基金というものは、使用者にかわって災害補償を行なうんだけれども、使用者自身ではないわけでございますので、公務上の補償というものが、そういう事故が起きて補償の事由が生じたということを自分で直接知るという機会がない。そこでやはりその請求というものについては、請求というものがあって活動を開始するということに考えざるを得ないのではないか。これはまあ理屈が勝ったような議論ではございますが、と申しますのは、いまの労災関係も、やはりそういうふうに個々の企業で事故が起きるわけでございます。やはり請求という手段をとらざるを得ないということでとっておるわけでございます。大体、理屈がそういうことで考えられるので、それに合わしたということでございますが、実際問題、それじゃどうなるかということになりますと、これは個々の職場で、この前も御質問がございましたが、一体二人や三人でやれるかというお話がございましたときに申し上げたのでございますけれども、それは受け取るほうとしてはそうだけれども、実際に人事管理をやっておる係とか、そういうものはたくさんおるわけでございまして、それが、自分のところの職員に公務上の災害が起きるわけでございますから、補償の手続の形式は、本人が申請するというかっこうにはなりますけれども、実際はそういう職場におけるところの管理者あるいは監督の地位にある者が、そういう者の状況なり資料なりを整理いたしまして、本人の請求という、形の上ではございますが、非常に助力していく助力義務もこの中に出ておりまして、実際はそういうことで処理が進められるわけでございますから、本人がその機会を失うというようなことはまずこれはないものと私ども思いますし、また運用上もそういうふうにさしていきたいと思っております。ただ法律上のたてまえからいいますと、そういうふうに直接自分の管理しているところで事故が起きるのではなくて、基金は一応別のものでございますので、一応取り扱いの手続を、そういうふうに本人申請というような形にした。これはたまたま、いまの労災保険のほうがそういう形にしておりますので、それに合わしたほうが、理屈の筋が通るのではないかというようなことで整理をしたということでございます
○原田立君 事務的に整理をしたというようなお話でありますけれども、ただ二年で時効になる、そういうふうな項目も一つありましたので、「補償を受ける権利は、二年間行なわないときは、時効によって消滅する。」ものとすることというのがありますので、特に請求主義の請求ということとからみ合わして、ちょっと国家公務員並みの例からいけば、かなりおくれているんじゃないか。実際運用面でそんなことはあるわけはないだろうと思いますけれども、この点はひとつ不利なようなことにならないように、きちっと通達なり何かをしてもらいたいと思う。ほんとうならば、労災のほうでそうだからといっても、国家公務員並みのことにしてやったほうがぼくはいいと思っている、そう考えているのですが。
○政府委員(長野士郎君) いま申し上げましたように、たてまえとしますと、国のほうは、自分のところの管理下におけるところの者に、管理しておる者の中に事故が起こる、国のほうは当然にそれを把握しておるべきだ、把握し得るという状態から、ああいう考え方をとった。こちらのほうは、基金というものは別だから、当然に把握し得る状態にない。という形で、それは筋としては、こういうやり方が筋だろうと私どもも思います。ただし、お話のように、実際の運用といたしましては、これは地方団体のほうからいえば、本人と一緒になって請求するようなかっこうに実はなってしまうのでございますから、そういう意味で、職員あるいは地方団体の協力義務というものは、この法律の中に条文がありますが、それが生きてくるわけでございます。実際問題として本人申請だから、本人の補償なり保護に欠くるというようなことには、そういうことが万々起こらないように指導してまいりたいと思っております。
○原田立君 やや小さな問題、大きな問題、。ごちゃごちゃ質問するようになると思うのですが、給与形態により平均給与額が過少となる場合の算定は特例を設けるというような項があるのですが、その特例を設けるという、それは一体どういうふうにお考えになっていますか。現に平均給与額が非常に少ない人の場合、それで事故にあった場合、たいへんお気の毒なわけであります。その特例もあまり過小な特例では、こういうふうな条文をつくる意味合いが少なくなってしまうのですけれども、どういうふうにお考えになっておられますか。
○政府委員(長野士郎君) これは、ここに規定してあります趣旨は、もう先生よくおわかりいただいておると思いますが、要するに平均給与額というものを単に計算しますと、本人に非常に不利になるというような場合に、今度はその特例を設けまして、平均給与額というものを、そういう機械的な計算にそぐわない事態のために書いておるわけでございます。したがって、問題は、過去三カ月の給与総額をその期間の総日数で割り出しました方法では算出することができない場合でございますので、たとえば、あまりいい例ではないかと思いますが、三カ月間の間に、えらい罰などを受けまして、月給が下がっているとか、あるいは停職を食らって、何か事故が起きてそういうことになっているとかというような場合には、その低いままで考えることは、本人のために非常に不利でございます。したがいまして、そういうものは、あるべきものという特例を考えざるを得ない。また組合の専従職員等で、給与は受けていないというような者も出てくるわけでございますけれども、そういうような場合に、それをそのままでは計算ができないというようなことになるわけでございますので、そういう者につきましても、どうしても特例を設けなければならないということになると考えております。
○原田立君 その特例を設けるのは、たいへんけっこうなことで、大いにしてやってくださいという意味のことを申し上げるわけです。あまりにも過小になったのでは気の毒だ。だから、どういう内容のものにお考えになっておるか、試案というようなものがおありだろうと、こう思ってお聞きしているわけですが、まだ考えておらないわけですか。なければないでけっこうですよ。
○政府委員(長野士郎君) 実はいまいろいろ検討しておりますが、いま大体お手本がほかの公務災害補償にもあるわけでございますから、御趣旨のように結局これをやろうという考え方は、職員に不利な扱いをしたくないということから出発しておるものでございますので、その点は公平な形にならなければいけないと思うのであります。たとえば、いまここで何かこう、たとえば休業補償の期間中にベースアップがあったというような場合に、ベースアップ後のたとえば基本給相当額というものが、平均給与額というものを上回ることになるというような場合には、それを用いませんというと、本人には非常に不利であるというようなことが起こります。いろいろのケースが考えられるわけでありますが、そういう意味で、平均給与額というものが、個々の本人の場合にとって、機械的な計算をすると非常に不利になるという場合には、そういう計算をしない、こういう場合にはこういう方法でやれということを、いろいろのケースを洗いまして、新らしい計算方式、別個の計算方式を考えるということでございますが、具体的な内容は、現在公務員共済関係でやっておりますものとあまり変わらないと思います。と申しますのは、これらはもうその点では非常に、職員の保護という見地でだけものを考えることにしておるようでございますので、大体それにならっていけば、あやまちはないのではないかと思っております。
○原田立君 運営審議会の実は委員ですけれども、これもこの前お話がありましたが、職員の代表を学識経験者の中に入れていいんじゃないかと、この前何か局長は、もしそれが学識経験者ならば入れてもいいのだというような意味合いの御答弁だったのですが、そういうことでよろしゅうございますか。
○政府委員(長野士郎君) この基金の運営審議会につきましては、この趣旨は、地方団体の損害賠償責任というものを完全に実施する、地方団体使用者の全負担において実施するというたてまえでございますので、運営審議会と申しますものも一種の、あまり役員ばかり多くなってもいけませんので、運営審議会という形でこれに参加するということを考えたわけでございます。したがいまして、この内容は、地方団体の機関の代表者というものを入れるということを中心にして考えておるわけでございますが、基金の運営の問題の中には、単に財政負担とか何ということだけではございませんで、いわゆる医学上のいろいろな見地からの、たとえば福祉事業をやります場合に、どういう施設が適切であるとか、いろいろな問題が起こってくるわけでございます。それからまた同時に、負担金の率等を考えます場合には、保険数理と申しますか、ある程度のそういうものを考えなければなりません。そこで、そういう専門家というような者を加えて運営審議会を構成することが適当だというふうに考えたわけでございます。また、これらの機関を代表する、知事を代表するとか、市長を代表するとかいうようなことで、いろいろ書いておりますが、必ずしもこれがすべて教育なら教育についての任命権者ではないわけでございます。そういうものもございますので、やはり任命権者を代表するという意味では、ここへもっとほかの者も加えるという必要も出てくるんじゃないだろうかというようなこともあわせて考えまして、そして学識経験者ということで加えたわけでございます。したがいまして、いま申し上げますような意味におきまして、学識経験兼備であるところの職員がおりますれば、私はそれは学識経験として入れるのが少しも差しつかえないというふうに考えております。
○委員長(仲原善一君) 本案に対する午前中の審議は、この程度にいたします。 午後二時三十分まで休憩いたします。 午後零時三十三分休憩 ―――――・――――― 午後二時五十四分開会
○委員長(仲原善一君) 地方行政委員会を再開いたします。 地方行政の改革に関する調査を議題といたします。 御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
○原田立君 大臣のごあいさつの中に、特に地方財政の問題についていろいろお話。ございますが、その点についてお伺いしたいと思うのです。先ほども鈴木委員のほうから、地方財政をどう見ているか、どの方向に持っていくのかという、そういうことがありましたが、今年度地方税及び地方交付税の伸びが多少よくなったというふうに言われておりますけれども、まだまだ正常な状態でないことは、これはもう御承知のとおりだと思うのですが、それで特に毎回いわゆる臨時的措置ですね、毎回臨時的措置をもって講ずるという、そういうやり方、これは答申の中にもあったように、計画的な財政運用というものができないと地方のほうでできない問題でありますし、こういう臨時的措置というものをもっと前向きの姿勢で何らか是正するような、そういうことについてはどういうふうにお考えになっておられるでしょうか。
○国務大臣(藤枝泉介君) 確かに、お話のように、臨時措置というものは好ましくないわけでありまして、四十二年度については、昨年の特別事業債の利子の問題、固定資産税の足切りの問題並びに道路財源の問題につきまして特別交付金を出すような処置をとりましたが、このような問題は今後は、こうした臨時措置でなく、税なりあるいはその他の処置なりにいたしまして、こうしたものをなくしてまいりたいと存じます。
○原田立君 そのなくしていかれることに私は非常に賛意を表するのですが、答申等もあると思いますが、具体的にはどういうふうなことをお考えでしょうか。
○国務大臣(藤枝泉介君) 午前中もお答え申し上げましたように、行政事務の再配分、それに伴う財源の再配分を確定をいたしまして、そうしてその中におきまして税なりあるいは国の支出なりというものを確立いたして、そして年々臨時的なものとして処置するようなことのないような方法をとりたいと存じます。
○原田立君 それでは次を待つ、ばかりでありますが、次に市町村道に対する目的財源の賦与の問題、今回は一般会計から二十五億円の臨時交付金を交付するということでございますが、その結論のところに「引き続き検討いたす所存であります。」というふうにございますが、事実二十五億円ではずっとならしてみればほんのわずかになってしまいますし、引き続き検討なさるということでございますが、この中身等についてはいかがでございますか。
○国務大臣(藤枝泉介君) 私としましては、揮発油税等の市町村への移譲を望ましいものと考えております。なお、新道路五カ年計画の内容の確定にあたりまして、地方単独事業が一兆一千億もありますし、その他補助事業もあるわけでございますから、それらとにらみ合わせて地方の道路財源を確保いたすようにいたしたいと考えております。
○原田立君 これで、まあ多少心配するわけですが、道路財源がほしい、そういう意味から、ガソリン税の値上げですね、こういうようなことはまだお考えではないだろうと思いますけれども、そういうような点はいかがでございましょうか。
○国務大臣(藤枝泉介君) 新道路五カ年計画の財源措置がどうなるか、まだ未定でございまして、しかも所管でない私が申し上げるのはいかがと存じます。おそらくそうしたことはないのではないかと存じますが、何分にも私所管でございませんので、まあ影響は受けるわけでございますけれども、私から申し上げるのはいかがかと存じます。
○原田立君 所管違いでたいへん申しわけなかったと思いますが、ですが、この問題はやっぱり、いま大臣御自身仰せになるように、非常に影響性が多いわけでありますから、これはやはりガソリン税の値上げなどはしないで、そうして財源措置が講じられるように、その点ひとつ強く要望したいと思います。 それから次は、佐藤総理が、地方税の問題について、電気ガス税については悪法であると、廃止の方向に向いていくというふうな、そういうふうなお話がありましたけれども、その範囲のところで、もしなお詳しく御説明願える点がありましたらば御説明願いたい。
○国務大臣(藤枝泉介君) まあ電気ガス税、一般住民にとりましては生活物資ともいうべきもの、産業にとりましては原料ともいうべきもの、これに課税をするのが適当でないという意味において佐藤総理がお答えになったのだと存じます。ただ、一方、市町村にとっては、電気ガス税というものは非常に安定した税でございますし、額も相当、六百億以上にのぼるわけでございまして、ただこれを廃止の方向で考えるというわけにはまいりません。どうしても他の新たなよい税源を考えながらこれを処置していかなければならないものと考えております。
○原田立君 近い将来に、では免税点といいますか、その引き上げはお考えになりますか。
○国務大臣(藤枝泉介君) ガスについては、御案内のように、本年――四十二年度から引き上げることにいたしたわけでございます。まあガスと電気の料金の違いその他もございますので、いま直ちに引き上げますとここでお答えするのはいかがかと存じますが、検討していかなければならない事項の一つであると考えております。
○原田立君 ひとつ早目に御検討願って、その方向におきめ願いたいと思うのです。 それから、住民税の中に所得割りと均等割りとあるわけですが、課税最低限の引き上げについては、たしか大臣も引き上げをするというふうに明言なさっておられますけれども、そのうちの均等割りのほう、これなども非常に課税最低限が低過ぎる。ですから、均等割りのほうはむしろ廃止の方向にいくべきじゃないだろうか。ということは、所得税も払わなくてもいいような人たちが住んでおるということ自身によって、全部何が何でも払わなければならないというふうなことは、これは少し法律自身行き過ぎたのではないか、こういうふうに考えるわけです。均等割り等の廃止はお考えになっておられるかどうか、また今後どういうふうに御検討なさるお考えなのか、その点をお伺いしたい。
○国務大臣(藤枝泉介君) 御意見と異なるようでございますが、やはり地域社会の費用というものはわずかでも多くの人が支払うということによってその地域団体と地域住民との連帯感も深まるというような意味もございます。しかし、一方負担の問題もございますから、昭和二十五年と記憶いたしておりますが、それ以来引き上げたことはない。したがいまして、現在の国民所得と二十五年当時の国民所得と均等割りの額とを比べますと、これはむしろ引き上げたほうがいいのではないかというような意見もございますが、ただいま申しましたように、わずかでも多くの人に負担していただくという意味で、額も引き上げずにまいりましたし、今後も当分引き上げる意思はないわけでございますが、そういう性質のものでございますので、廃止をするという方向はいまのところ考えておらない次第でございます。
○原田立君 所得税のほうもその収入の状況によって税はきちっと課せられていくわけでありますけれども、住民税という地方税の性格からいけば、大臣の言われるようなことも、そういう議論も出てくるのだろうと思いますけれども、税金には変わりがない。やはり所得の多い人、少ない人、そういう差はあるわけでありますから、やはり少ない人は、国において、所得税の七十何万でしたか、それ以下は免税にしてあるのですから、それ以下のものについては当然免税の措置等が講じられていいんじゃないか。すなわち、均等割り等はなくなっていいんじゃないかというふうな考えがありますか。
○国務大臣(藤枝泉介君) おことばを返すようでございますが、先ほど申しましたような趣旨からして、いわば地域社会の一種の会費とでも申しますか、そういう性格が一部住民税にはあるのではないか。そういう意味において、これがあまり高くてはいけませんけれども、非常に低いものでありましたならば、この程度の均等割りは徴収してもいいのではないかというふうに私は考えておる次第でございます。
○原田立君 地方財政については、冒頭にも申し上げましたように、また大臣御自身仰せになっておりますように、非常に窮乏化していることは事実であります。どうかそういう面をよく参酌なされて、地方財政に手厚くなるようにせっかく御努力願いたいと思います。 以上で賛問を終わります。
○松澤兼人君 大臣のあいさつの中に、過密過疎現象というものが生じているから「長期的視野に立った地域政策を推進してまいる必要があると存ずるのであります。」というふうにおっしゃっているわけでありますが、実際上の問題としては、自治大臣あるいは自治省として、この過密過疎の人口の流入流出の問題についてどのようなことを考えていらっしゃるのか。
○国務大臣(藤枝泉介君) 基本的にはやはり、大都市への人口産業の集中を抑制して、地方の開発拠点の育成をはかり、人口や産業の分散をはかるという、そういう基本的な方向を持っていかなければならないと思います。しかし、当面その大都市への人口集中というものは相当根強いものでございますから、やはり都市の再開発というような問題についても緊急に処置を講じなければならないと思います。そういう意味で、財政的には、過密過疎等の点について、交付税等に補正要因としてそれを入れたりいたしておりますが、まだまだ十分ではございません。一方の基本的な方針と相待ちまして、臨床的なこの現象を追っていく財政措置を今後も講じてまいりたい、かように考えております。
○松澤兼人君 理屈としてはそのとおりだと思うんですけれども、四十二年度の地方財政計画あるいは予算の中で計上されているだけのものであっては、私は根本的な解決にはならないと思うんです。これはやはり長期的な視野で、もちろん自治省だけではいけない、全体として国の人口をどういうふうに定着させるかということが問題ではないかと思う。何か自治省としても、あるいはまた政府としても、そういう全体の人口政策と申しますか、あるいは人口の分散という、そういう人口の過不足をなくすなりならすといったような政策を考えていらっしゃいますか。
○国務大臣(藤枝泉介君) 一つは、土地利用計画の策定であろうかと思います。それからもう一つは、やはり地方の開発拠点をさらにもっと育成をしていかなければならないことであろうと思います。いま現に、建設省におきましても、都市計画法の改正であるとか、その他の都市利用計画策定に必要な施策についてせっかく勉強させておられるようでございますが、それらともあわせて、また自治体をおあずかりするわれわれとしても考えていかなければならないと存じます。
○松澤兼人君 私が申した人口政策といいますか、過密過疎の問題については、政府の中に、特別な連絡会議ですか、あるいは閣僚協議会といったようなものをつくって、長期にわたる根本的なそういう計画を立てなければいけないと思うのですけれども、それぞれやはり各省庁が自分のなわ張りだけ考えているんじゃ根本的には解決はできないと思いますが、そういった動きがありますかどうですか、あるいはそういう点について自治省として発言されたことがありますかどうですか。
○国務大臣(藤枝泉介君) この間の宅地審議会の答申に関連いたしまして、いままでの地価対策閣僚協議会をもう少しこういう土地利用計画にまで及ぶような方法で考えていこうではないかというようなことを閣僚間で話し合っておる次第でございます。また、現在あります地方制度調査会等もこうした問題にも取り組むわけでございまして、いずれにしましても、御指摘のように、これはやはり政府が一体となってやらなければ、とうていこの人口の激増、激変を押えることはできないと存じますので、そういう方向で進めたいと存じます。
○松澤兼人君 今度の国会には、多年議論されておりました公害基本法というものが出てくる。これについては、政府の間の連絡協議会ですか、連絡会議というものが必ずしも私は円滑に、かつまた急速にいったとも考えませんが、公害の問題については、そういう各省庁の連絡協議会というものがあり、それがだんだんと調整していって、世評によれば厚生省の案からだいぶ後退したというような非難も受けているわけでありますけれども、とにもかくにもここで公害基本法というものが提案されることになった。この人口政策の問題については、やはりそういう全体的な視野に立った恒久的な計画を立てる必要があると思うのです。閣議の席上などにおいては、ひとつそのことを特に御発言いただいて、何かの形の連絡協議会のようなものをひとつこしらえていただくようにお願いしたいと思います。 それからもう一つの問題は、やはりそうは言っても、農村地域におきましては、人口の流出を押えるわけにいかない社会的、経済的な根拠があるわけだと思います。それについて、最近また、市町村合併の問題だとか、あるいは広域行政であるとかいうようなことが論議されているようであります。広域問題につきましては、先ほども鈴木委員からお話がありました。この問題については、私は私なりの意見を持っておりますけれども、市町村合併を新たなる視野から促進されるとか、もしくは指導するとかいうような、そういうお考えを持っておいでになりますか。
○国務大臣(藤枝泉介君) 特に現在のところは、新たな視野からそれを促進するというほどの考えは持っておりません。ただ、実情に応じて、市町村が自主的に合併いたすものについて十分便宜をはかってまいりたいと考えております。
○松澤兼人君 これは私の個人的な見解でして、党の考えでも何でもないのですけれども、非常に骨を折ってつくって、そうしてまあ新市町村というものができ上がりましたけれども、あの当時としてはあれが精一ぱいだったと思います。しかし、いまとなれば、あれはちょっと狭きに過ぎたような合併を一生懸命やってきたということになりまして、いまではもう一回り大きい市町村合併ということが必要な状態になってきているということは、これは理論のことは別として、実際はそういうふうになってきているというふうに考えるのですけれども、この点はいかがですか。
○国務大臣(藤枝泉介君) 確かに、あの時代の、特例法までつくってやった時代の考え方とは、現在人口その他の激変が当時予想した以上のものに進行しております。したがって、ところによってもう少し大きな規模にしなければならないところが出てきておる事実は確かにあると存じます。
○松澤兼人君 この問題は、いろいろと議論してから、要望すべき点があれば要望いたしたいと考えておりますけれども、やはりごあいさつの中では、「地方自治が円滑な運営を見まするためには、各地域住民の自治意識の涵養とその行政への反映について十分の配慮がなされなければならない」というふうに述べられているわけでありますけれども、実際上の問題としては、「各地域住民の自治意識の涵養とその行政への反映」ということは、どういう具体的な施策があるわけですか。
○国務大臣(藤枝泉介君) 特にその点でわれわれ最近頭を悩ましているのは、例の大規模団地等なのでありまして、それらが、住むところと職場とが離れておって、寝床である市町村に対してはなかなかそこの住民であるという意識が十分でないことが多いために、いろいろな問題を起こしているようなところもございます。いずれにしましても、しかし、そこに住んでいる以上、その地方自治体のサービスを相当に受けておるわけでございます。一面、執行部と申しますか、自治体側もそうした住民に対して、住民の関心を深めるような、よく住民との対話ということが言われますが、そうした努力を払う。また、それを受けて住民のほうも、自治体の自分らに対するサービスについての認識を深めていくということではないかと思います。これといってきめ手になるような方法はないわけでございますが、そうした自治体側、住民側の努力の積み重ねによって初めて自治意識の涵養というものができるのではないかと私は考えております。
○松澤兼人君 その点は、大臣の意見、まことにけっこうだと思いますし、私もそう思います。ただ、寝るところだけ大規模にこしらえて、交通も、水道も、その他の社会的生活環境というものを全然無視して寝るところだけこしらえているという現在の団地の形成ということは、私たちもこれは過当でないと思います。ですから、職場と住居とが一緒になるということは、それはもちろん理想的な形だと思いますけれども、いまとても現在の政府としてはそんなことを考えていらっしゃらないでしょう、どうでしょうか。
○国務大臣(藤枝泉介君) 私の申し上げたのは、どうしても情勢としてそういう情勢が多くなりますので、ますます地方自治体と住民との結びつきが薄くなる傾向かこのごろ顕著にあらわれておりますので、そういう点を、自治体側の努力並びにこれに対する住民の理解を求めて、そうした現象を少しでも改善をしていく必要があるというふうに考えておるわけで、ございます。
○原田立君 警察庁の交通局長さんにお伺いしたいのですが、きのうの新聞等により、警官が幼稚園児の列に自動車を踏み込んだと、幸いけがはわずかであったそうですが、一応新聞で事情は承知しておりますが、それ以上のことで、すでにお調べになっていることだろうと思いますが、簡単に御報告願いたいと思います。
○政府委員(鈴木光一君) 事案の内容の説明に入ります前に一言申し上げたいと思いますのは、いまのような交通情勢下にありまして交通取り締まりの責めに任ずる警察官がああいう事故を起こしましたことにつきまして、まことに申しわけなく存じておる次第でございます。 そこで、事案の概要を御報告申し上げたいと思いますが、新聞紙上で御承知のとおりでございますけれども、ごく概要だけ御報告申し上げますと、事案の発生いたしましたのは昨五月十七日の午前八時五十八分ごろでございます。場所は、千葉市の轟町の千葉県警の機動遂の敷地に隣接するところの千葉市の市道でございます。幅員が四・六メートル程度の歩車道の区別のない市道でございます。事故を起こした警察官は千葉県警の機動遂員の巡査菅原昭人二十三歳でございますが、この者は運転免許といたしましては三十九年の三月に原付き自転車の免許を取得しておりまして、普通自動車はもちろん、大型自動車の運転免許は持っておりません。 状況を申し上げますと、この菅原巡査は、ちょうど当日は交通の取り締まりのために出動する予定になっておりまして、その出動前に機動隊の中庭に駐車してありました警察の大型輸送車に同僚二名とともに乗車いたしまして、先ほども申しましたように、運転資格を持っていないのに当該車を運転いたしまして、一応機動隊の敷地内を運転しておりましたが、その運転の操作を誤りまして、道路の境に敷設してありました組み立て式の防護さく――高さは一メートルばかり、幅が一・五メートルばかりの防護さく二個に衝突いたしまして、ちょうどおりから通路を二列縦隊で右折通行してまいりました園児の――付近に幼稚園がございまして、その園児の列に組み立て式の防護さくが倒れたために起こった事案でございます。そのために園児五名に傷害を与えたという事案でございました。園児の負傷程度につきましては、全治十日から全治二日までの間の負傷でございまして、不幸中の幸いではございましたが、負傷程度に終わりました。さっそく千葉市所在の国立病院に被害者の園児を収容いたしまして、警察本部からは警務部長が病院にはせ参じまして、園児の家族の方々におわびを申し上げるやら、自後の措置について、いろいろ救護措置についてつとめておるわけでございます。 現在、当該巡査につきまして取り調べておりますけれども、当該巡査の申し立てによりますと、原付きの運転免許だけしか持っておらないので、自動車の、特に大型の免許をとりたいということで練習をしたんだということで、その機動隊の庭は一般人の立ち入り禁止をしておりますので、まあ道交法にいう道路ではないという考え方で運転をしたのだということを言っております。それから、同僚の二名が乗っておりましたので、その二名についても取り調べを進めておりますけれども、とにかくまあそういう状況でございますが、結果的には、先ほど申しましたように、いとけない園児に傷をつけるというような、ちょうどわれわれはいま一番警察といたしましては学童園児の事故防止ということに重点を注いでいろいろな対策を講じておるやさきにこういう問題が起こりましたことにつきましては、まことに残念しごくでございますけれども、それぞれの調べの進展に従いましてそれぞれの監督者の責任も追及されると思いますけれども、そういうことで、ただいま至急にこの問題について調査を進めておるという段階でございます。 以上概況を御報告申し上げます。
○原田立君 いまのお話の中に、機動隊の広場は一般人が入らないから、そこで練習をしたのだというふうなことですが、そういうことは常時行なわれているんでしょうか。
○政府委員(鈴木光一君) 警察官の交通の事故防止につきましては、実はたびたび事故がございますので、われわれもそれについての通達を出しておるわけでございまして、そうして警察官の免許の取得につきましては、現在警察の管区学校におきまして警察官の自動車免許の教養をしております。管区学校でとることが原則になっておりまして、そのほか、それに希望者が非常に多いものですから、それ以外のものにつきましては、やはり自動車教習所でそれをやるということの方針を立てておるわけでございまして、そういう基本原則からは一応はずれたという事案でございます。
○原田立君 機動隊の広場では、練習をしてよろしいというわけですか、そうじゃないという意味ですね。
○政府委員(鈴木光一君) 先ほど申しましたような基本方針でございまして、免許をとるための練習は、警察学校の正式の教程がございますし、それ以外には自動車教習所でやるということでございまして、機動隊の庭でやるということは、正式にはわれわれは認めておりません。
○原田立君 これで、二日間ないし十日間のけがだそうでございますが、かりにこれは一名でも二名でもなくなったりしたならば、これはやっぱりえらい事故だと思うのです。警察の立場としても、お困りじゃないかと思うのです。それで、最近はほかの事故、すなわち、拳銃の暴発事故ですね、そういうようなことは以前三件ないし四件くらい連続にありましたが、最近はございませんが、今回の事故ないしはまた宝池のサーキットでぶつかったあの警官の事故とか、もう少しそういう、面で、今後、事故等は大きくならないように、これはひとつ御注意願いたいと、こう思うのですが……。
○政府委員(鈴木光一君) 先生の御意見ごもっともでございまして、私どもは、たびたびいままでに、警察官の事故防止につきましては、拳銃の事故も含めまして、そのほかのいろいろないわゆる警察官の非行というものもときに散見されますので、そういうことも含めまして、厳重な教養と監督ということに心がけておるわけでございまして、特に交通事故の問題につきましては、私も交通局長といたしまして、重大な関心を持っておるわけでございまして、そのことにつきましては、実は昨年の暮れに警務局長と私の連名で通達を出したばかりでございましたが、まことに今度のような不祥事案が起きましたので、さっそく、きょうたまたま国家公安委員会が午前中開かれまして、私は、こちらのほうに参っておりましたのでその席上には出ていませんでしたけれども、国家公安委員会でもこの問題を取り上げまして、厳重に再度注意を警察本部長に対して喚起して、さらに、抽象的な事故防止の対策の指示だけではなくて、もう少し具体的に、たとえば自動車の管理とかということについてはどうすべきであるというようなことまでこまごま指示すべきではなかろうかということで、その線に沿った緊急な指示がなされて、今後再びこのような事案のないようにつとめたいと存じておる次第でございます。
○鈴木壽君 ちょっと関連して。非常にこまかいところまで皆さんのほうで事故の起こった状況なり原因についてやっておられるかどうかわかりませんので、あるいは答えにくいかもしれませんが、いまのお話を聞いておりますと、ふだんやってはいけないところで自動車の運転練習をやった、こういうことのようですが、そうすると、自動車の管理なりそういうことについて、やはり、最後のお話のように、これはいろいろ問題があるのじゃないかと思うのですね。どこからかぎを持ち出してやったのか、どこへ置いた車をどうやったのか、これはいろいろそういう面での問題があるのではないかと思うのですが、これはだれでも簡単にかぎを持ち出して車を動かせるような状態になっておるのかどうか、これはどうでしょう。
○政府委員(鈴木光一君) 先ほどの事案の概要についての説明が不十分で、こざいましたが、たまたま昨日の朝、出動直前のことでございまして、指定された運転者が一度車庫から持ち出しまして、さらに取り締まり用の器材を積むために、この事案を起こした警察官も作業員として積んで、積み終わって、その指定された運転者である警察官が他に所用がございましてちょっと姿を消した間のできことでございます。キーはさしたままでございました。日ごろ、キーの管理のことにつきましては厳重な、使わない場合の管理につきましては厳重な管理をしておるわけでございますが、この事案の場合には、たまたまそういうケースでございまして、ちょっとしたすきにこういう問題起こったということでございますので、説明が不十分でありましたが、そういうことでございます。
○鈴木壽君 これは法律にも何にもきまっているわけじゃありませんし、そういう意味から言えばどうということはないわけだけれども、かりに運転者が所用のために車をとめ、そうしてそこから一応外へ出るというような場合、ぼくら自身でも常にキーだけは自分のところに持っておる、これが一つの運転者の鉄則だろうと思うのですがね。キーをそのままさし込んでおいて――これはいまの事案以外にも、たとえばバスの事故にも、キーをそのままさして、運転者がおりて、乗客がちょっとやったために動き出していったという事故が地方のほうにかつてあったことがあるのですがね。そういうのはもちろん、何といいますか、かってに操作した者がいけないことはそのとおりでありますけれども、むしろ、いま言ったように、かぎをさし込んだままにしておいて外へ出たり、その場を離れたりというようなことが、今回の一つの残念なことの起こったそれだと思うのです。 それからもう一つは、事故を起こしたその人は、これは車の運転に全然あれですか、どうも考えてみますと、私は新聞なんか見たり、あなたのさっきからのお話を聞くと、全然車に対する知識のない人のように思えるのですが、その点はどうですか。若干いままで練習しておったり、オートバイか原付きか何かやっておったのかしらぬけれども、それにしても全然のしろうとか子供がやったように受け取れるのですね。そこら辺どうですか、二点について。
○政府委員(鈴木光一君) 原付きの運転免許を持っておりまして、それ以外にどの程度運転の知識なり技能を持っておったかということにつきましては、現在取り調べ中でございまして、私のところにまだ報告がございませんで、その辺の事情をつまびらかに説明ができませんことを残念に思います。
○鈴木壽君 それから、前段のかぎのことについて、これは法律事犯というような問題じゃないんでしょうけれども……。
○政府委員(鈴木光一君) そのかぎの問題で、ちょっとしたすきではございましたが、さしたままおったということも含めまして、その警察官と、それから同乗しておりた警察官が、無資格であるにもかかわらず、それを運転することを容認したのか、あるいは運転をすすめたのか、まあ幇助というようなことになるのか、そういった点も含めて現在調べております。
○鈴木壽君 これは私何もこのことだけを取り上げて責める意味ではなしに、資格も何もない者が車にエンジンをかけてやった、そこで運転者の車のとめ方にも一つ問題があるとか、ただかぎをさしたままにしておいたということのほかにですよ、ニュートラルに入れてあったとか、あるいはサイドブレーキを入れてあったとか、あるいはまたあったものが、サイドをはずし、発進に切りかえてやったとすれば、これはさっき私が聞いたように、全然ずぶのしろうとではないというふうにも思いますし、そこら辺まだわかりませんか。
○政府委員(鈴木光一君) 現在そういう点についてつまびらかにいたしておりませんので、まことに申しわけないのでございますけれども、当然そういった問題について取り調べを進めまして、本人の責任はもちろん、それ以外にも責任者があるかどうかという点も含めて調査しなければならないかと思っております。
○松本賢一君 ちょっと参考までに聞いてみたいんですがね。こういう場合に、これは警察官だったですが、現在その警察官はどういうふうな処置を受けているのか。また、民間人が同じことを起こした場合にはどいう処置をとられるのか。身柄についてとか、あるいは身分についてとか、あるいは免許証についてとか、いろいろな問題があると思いますけれども、いわゆる交通違反と、またそのほかの違反もあるいは起こしているんじゃないかと思うのですが、どういうふうに現在取り扱っておられるんですか、その本人を。たとえばですよ、普通その辺の人が同じことを起こしたとしたら、まず逮捕されるのじゃないかと思うのですね。そういうようなことが警察官の場合にはどういうふうにして行なわれるのか、民間人とはその辺のところはどういうふうに違うのか、参考までに聞いてみたいと思うんですけれども。
○政府委員(鈴木光一君) 民間人と違えた取り扱いはしないはずでございます。ただ、交通事犯につきましては、任意捜査が原則でございます。逃亡のおそれがあるとか、そういうことがなければ、強制逮捕をしてやるということをやらないのが原則でございます。この警察官の場合には、おそらく任意で捜査しておると思います。
○松本賢一君 いや、その逮捕をするのがいいとか悪いとかいう問題は別として、逮捕されたりすることがあるように思うんですがね、よく交通違反で。まあその程度にもよりましょうけれども、たとえば人をひき殺したといったときには、よく運転者が逮捕されたりするんじゃないですか、どうなんですか。
○政府委員(鈴木光一君) 事犯の内容によりまして、任意捜査でいけるもの――大体刑事訴訟法の原則は任意捜査が原則でございまして、強制捜査の必要性の有無を判断してやるのでございまして、この種の事犯につきまして、かりに酔っぱらってこういう事犯を起こしたとか、あるいはその他の事由によりまして逃亡のおそれがあるというようなことになりますれば、強制捜査になると思いますけれども、警察官の事犯につきましては現在任意であるというふうに聞いております。
○松本賢一君 どうも私、逃亡のおそれなんかね――これは交通の問題と少しずれるかもしれませんが、逃亡のおそれなんか全然ないようなことでも、よく「逮捕」ということばが新聞なんかでは使われているんですがね。そうすると、交通の問題に限っては、いまのあれですか、逃亡のおそれがないと認めたら逮捕しないということなんですか。
○政府委員(鈴木光一君) 逃亡のおそれがあるとか、証拠隠滅のおそれがあるとか、そういうこと以外は任意捜査が原則でございます。
○松澤兼人君 ちょっと、いま局長の話を聞いて、わかったようなわからぬような、いろいろと捜査なり検討していらっしゃるのだろうと思うのですけれども、ここで私もそう詳しいことをお聞きする考えはございません。いずれまた道交法なんかの法案審議もございます。そのときに、これからそのときまでにはっきりした点をもう一ぺん御報告願いたいと思います。と申しますのは、やっぱり地図か何か書いて持ってきて、防護さくというのはどこら辺にあるのか、いま自動車が防護さくにぶつかって、その下敷きになって園児がけがしたと、こうおっしゃるんでしょう。自動車をその運転した巡査がとめたのか、あるいはとまったのか、その辺のところもはっきりわからぬ。そうでしょう。あなたは何もおっしゃってない。自動車が防護さくにぶつかったというんでしょう。そうしたら防護さくが倒れて、それが園児に当たったというんでしょう。自動車はだれがとめたんですか、とまったんですか、その辺のところをはっきりしてください。これはいかぬと思って途中でとめて、とめてもなお余勢でもって防護さくが倒れたというのなら、これは巡査にも悪かったという気持ちがあるんでしょう。そうでなくて、防護さくがそこにあって、それで自然にとまったというのだったら、まあ故意というか、悪意というか、そういうことも考えられる。そういう点、どうもきょう何もかも私聞くこちらも材料もありません。ひとつ適当な機会にそれを御報告いただいて、地図でも持って、ここに車があったのだ、乗っていた人がうしろに乗っていたのか、あるいは助手台に乗っていたのか、その辺のところもはっきりしませんし、正規の運転手が帰ってきたらすぐにそれが出発できる状態にあったのか、その辺のところもはっきりわからない。その辺のところを少し事実に即したような御報告をいただきたいと思います。
○政府委員(鈴木光一君) その点について、ここに報告されています事項を読み上げますと、「同僚二名を乗せて車庫前を」――これは地図がないと説明しにくいのですけれども、「車庫前を発進し、構内を一周して正門わきの防護鉄柵」――先ほど申しました防護鉄さくでございますが、「前まで進み、バックした際、事務室前の定位置に」 もとあったところでございます、「定位置に停車しようと思い、鉄柵に向かい時速十キロメートルぐらいで進行し、鉄柵の約一・五メートル前の地点でブレーキをクラッチとともに踏んだが、ブレーキがきかないうちに鉄柵に衝突し、その鉄柵に沿って右側を進行中の園児の隊列に突っ込み、地挽一之外四名に対し、それぞれ上記のとおり傷、害をあたえたものである。」。
○松澤兼人君 自動車が突っ込んだのですね。
○政府委員(鈴木光一君) はい。
○松澤兼人君 さっきは防護さくと言わなかったかね。
○政府委員(鈴木光一君) さくを越えた……。ここに報告された小さな地図がございますが、これはあとでお見せしますが、一応の図面が書いてございますが、非常に小さいものですから説明しにくいのですが、なお機会を見てもう少しさらに御説明申し上げたいと思います。
○松本賢一君 もう一つ聞いておきたいのですが、またさっきの巡査さんの個人の問題ですが、こんなときに過失傷害とかなんとかというようなことがきまると、首になってしまうのですか。
○政府委員(鈴木光一君) 現在、刑法上の責任としては、無免許運転と、それから業務上過失致死傷ということで取り調べを進めております。それから、行政上の責任につきましては、私が申し上げることはできないと思います。警務局の関係でございますので、それぞれ措置がなされると思います。相当厳重な措置がなされると思います。しかし、その場合に本人のみならず、その他の責任もあわせて追及されるということになろうかと思います。
○松本賢一君 前例を局長さんはいろいろと御存じだろうと思うけれども、私気になるのですが、たいていなら首になるのでしょう、そういうときには。首になるというとおかしいが、懲戒免職とかというようなことになる場合があるのですか。
○政府委員(鈴木光一君) 事案を、行政上の処分の場合には調査になるわけですけれども、調査をした上でその責任の度合いに応じてなされると思いますけれども、相当やはり重大な結果をもたらしておりますので、しかも法令違反ということになりますれば、やはり相当重大な処分がなされるというふうに考えます。
○委員長(仲原善一君) 本件に関する本日の調査はこの程度にいたします。 ―――――――――――――
○委員長(仲原善一君) 次に、地方公務員災害補償法案を議題といたします。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○原田立君 この法案の中に、「国は、基金の健全な運営が図られるように、適切と認める技術的援助をする等必要な配慮を加えるものとする。」と、こういうふうにありますが、「国の配慮」とは一体どういうふうなことなのか、特にこのような規定を設けた理由は一体どういうところなのか、無用の規定のように思うんですが、いかがでしょう。
○政府委員(長野士郎君) 基金の運営につきまして、現在公務災害の関係におきましては、国家公務員とか労働者災害補償保険とかによりますところのいろんな技術的な経験とか知識とかいうものが国の側には相当各省の中にあるわけでございまして、そういうことからいたしますところの情報とか資料の提供というようなものも、この技術的援助と申しますか、「国の配慮」という中には入っておるわけであります。で、この「国の配慮」と申しますのは、結局国の協力ということになるわけであります。それからまた、基金に対する人的な配慮と申しますのは、そういう専門家、技術者というようなものの、あるいは事務を処理するというような場合の人的な協力も国として考えていくべき必要があるので、そういうものを国の協力として考えていくことが適当だということでこの条文を置いたわけでございます。
○原田立君 財政的配慮等を行なうという、そういう意味は含まれないのですか。
○政府委員(長野士郎君) この公務災害関係につきましては、地方公共団体の公務災害補償の関係を地方団体にかわって基金が行なうというたてまえで、ございますので、基金に対して特別に国が財政的な配慮を行なうというようなことは考えておりません。
○原田立君 先ほど負担金率試案というのをちょっといただいたのですが、よく意味がわからないのですが、法案の中に、人に要する費用を考慮して政令で定める割合とか――「基金の事務に要する費用その他の事情を考慮して政令で定める割合」とかいうのがありますが、どういうふうな点を予測なさっておられるのでしょうか。
○政府委員(長野士郎君) この費用の負担の関係は、一つは職員の種類分けを政令できめることを、これは前回にも御説明申し上げましたが、そういうことを考えておりまして、ここに御参考までにお示しいたしましたものは、仮のいままでの考え方でございますが、教育職員、警察・消防職員、電気・ガス・水道事業職員、交通職員、船員、その他の職員というふうな、そういう分類を一応考えておるのでございます。そういう意味で、それが政令で定める職務の種類の職員ということに相なります。 それから政令で定める割合というのが、実はここに、この試算表で見ていただきますと、昭和四十二年度の推定給与総額と昭和四十二年度の所要経費ICの欄というのがございますが、そのCの欄というもの等で、B分のCというのがございますが、このB分のCがそれぞれの職員の職務の分類に応じまして必ずしも一定しておりませんが、このたとえば教育職員におけるところの千分の〇・三というのがこの試案による場合でございますと一応の政令で定める割合ということになってくるわけでございます。で、警察・消防職員は三・〇、こういう〇・三とか三・〇というようなものにつきましては、これはそこの説明の3に書いておりますように、過去三カ年の補償額の傾向から推定をいたしました補償の所要額でございます。それと福祉施設費、これも前に申し上げました休業援護金とかいうものを含めて考えております。及び事務費を考慮して算定したものでございますが、その下に「参考」というふうに書いてございまして、常勤職員についての過去三カ年の補償額、これに現在までのところでは三十八年から四十年までの間に、たとえば三十八年は七億九千六百万円でございますが、それが四十年に参りますと十一億八千九百万円、こうなるわけでございます。これをまるい数字で申し上げますと、八億のものが大体十二億ぐらいになった、三年目に四億ぐらいふえている。かりにこの傾向だと考えますと、四十二年というものを、これは非常に荒いんですけれども、十二億から四億で十六億ぐらいになるということも一つの推計の要素としては加えておるわけでございます。そこでまた同時にお断りしておかなければなりませんのは、この所要経費――そこの4のところに書いておりますが、これはいろいろな給与総額の額の改定とか変化というものがどれだけほんとうにあるかということがはっきりわかりませんでございますけれども、どうもそういうものがある程度見込まれるということを考えますと、またそれがさらに上回っていくというかっこうになる、こういうことでございます。
○原田立君 一番最後のところに等級表が出ておるんですが、第十四級まで出ておりますが、これは今回特別に考えてつくったのか、前々できておるのを参照してそのまま入れちゃったのか、その点はどうなんでしょうか。それから、この等級表自身に非常に不合理な点があるんじゃないか、こんなふうに実は思うんですが、この法律の立案に際して新たに検討してつくられたのかどうか。なぜこんなことを言うかというと、微妙なところで一級上になるか下になるかということによってその補償もどえらく違うので、たいへんこの運用のしかたが問題になるわけですが、今回新たにつくられたのかどうか。私は何となく、前々のやつを、前々の分を引用してつくったんじゃないか、そのままこっちへそっくり持ってきちゃったんじゃないだろうか。その点、不合理な点があるように私は思います。その点はいかがですか。
○政府委員(長野士郎君) まことにそういう点では御指摘のとおりでございまして、この障害等級表は国家公務員災害補賞法や労働者災害補償保険法の例にならったものでございます。ですから、この障害等級表というものを新たにつくったわけではございません。と申しますのは、新たにつくるという点につきましては、一般論といたしまして、これまでの等級表というものについては、お話のような意味で、最近の進歩した医学なり最近の障害のいろいろな事情からいたしますと、十分にはまらないものがあるということは、次第に関係方面でも認められておりまして、それの研究が鋭意いま進められているさなかでございます。まだそれについての十分な結論を得ていないというような状態でございます。したがいまして、これは公務災害補償法だけの問題ではございませんで、労働基準法あるいはもう各種の社会保険立法の全体を通ずる問題、むしろそういうところにみなこの障害等級表をある程度使っておるわけでありまして、そこで、自治省はもちろんでございますけれども、国の場合、人事院とか、労働省、あるいは厚生省、よってたかってこれは研究をして、またいいものにつくり上げていかなければならないということなのでございます。しかしながら、現在のところまだそういう意味で、この等級表をここをこう直すというだけの結論が、そういう関係機関の間では結論に達していないようでございまして、そういうお話のような不合理といいますか、十分でない内容ではありますけれども、一応これを採用せざるを得ない、まあこういう状況でございます。
○原田立君 実はなぜこういうことを言ったかというと、大牟田の炭鉱の事故があったときに、その認定のしかたによって一級違うためにどえらい受領のお金が違うというので、そこら辺が紛争の種になっていまだ未解決の状態だろうと思うのです。また、それに関連した人たちも、ここのところの中身のきめ方が非常に抽象的なものなので、その実際の場面にぶつかったときに判断がしにくい、双方において判断のしかたはたいへん違っておるということで、そういうふうなところでいろいろな話し合いの不調に終わっているようなことを私聞いております。今後新しくできる法律に、そんなことがあっては相ならない。だから、当然十分な検討の上に立って、もっと内容をもう一歩明細化すべきじゃないか、こういうふうに思うわけです。これはひとつ、不幸にして事故があった場合にもらう人たちの身を思って言うわけでありますが、そういう点十分今後とも検討していただきたいと思います。 それから最後に、この法律によって公務災害補償の実施について、昭和四十二年度でも、いまも十六億ないしは、おとといのお話では十七、八億というふうなお話でありました。これは、この財源は一件どういうふうになるのか。いままで条例で定めていないところなどは特に新しくこれをつくらなければならないし、いままで出していたところは問題ないわけでありますが、その財源対策はどういうふうになさるのか。全部ひっくるめて言いますれば、あと地方交付税法の適用上この基金に対する扱いは一体どういうふうになさるのか、二つお願いしたいと思います。
○政府委員(長野士郎君) 基金に対する地方団体の負担の問題でございますが、この法律は、いま御指摘がございましたように、国会で成立をいたしましたならば、いまの予定としては、本年度につきましては、十二月一日からぜひ発足をさせたいというふうに考えておるのでございますが、地方交付税の上におきましては、基準財政需要額には、従来から公務災害補償費というものは、それに要する費用を算定しております。それで、四十二年度について申し上げますと、いままでの見当では大体そのワク内でまかなっていけるという予定で考えておるのでございます。四十二年度は、たとえて申しますと、いまここに試算表に出しましたのと必ずしも一致はいたしておりませんのであれでございますが、たとえば警察・消防職員で申しますと、交付税上の計算は、基本給の比率でございますから、この法律でいう全部の平均給与とは少し違っておりますけれども、千分の六を見込んでおります。これは平均給与で、こっちは千分の三というのを出しておりまするが、それと大体見合うような形のようでございまして、したがいまして、現在の昭和四十二年度の地方財政計画の中で、本年度十二月一日から発足するといたしましても、それはまかなっていけるというふうに考えておるのでございます。基準財政需要額への算入方法としましては、やはりこの試算表にお示ししましたように、職員の種類、種別に応じまして一定率をかけるわけでございますが、いままでは基本給に一定率を地方財政計画ではかけております。それから、この法案によるところの負担金の算定方法は、いまの試算では、給与総額に対してかけた試算をいたしておるわけでございまして、かけ方の基礎は同じではございませんけれども、いま申し上げましたように、いままでのところでは、試算による率と基本給にかけましたのとは大体見合うということになっております。今後法律が実施されましてから以降のことにつきましては、法律との調子を合わすような方法での算入方法を検討して改めてもらいたいと思っておりますが、現在やっておりますやり方でも大体見合っておるというふうに考えておりますので、本年度は一応支障なく実施ができるというふうに思っております。
○委員長(仲原善一君) 本案に対する本日の審査はこの程度にいたします。 本日はこれをもって散会いたします。 午後四時十五分散会 ―――――・―――――