商工委員会 第14号
- 発言数
- 192 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1967/07/04
会議録
○委員長(鹿島俊雄君) ただいまから商工委員会を開会いたします。 まず、委員の変更について御報告いたします。去る六月二十九日、津島文治君が辞任され、その補欠として和田鶴一君が選任されました。翌三十日、横井太郎君、和田鶴一君及び鈴木強君が辞任され、その補欠として園田清充君、堀本宜実君、竹田現照君が選任されました。また昨日、園田清充君及び堀本宜実君が辞任され、その補欠として横井太郎君及び津島文治君が選任されました。 —————————————
○委員長(鹿島俊雄君) 次に、原子力基本法の一部を改正する法律案及び動力炉・核燃料開発事業団法案の両案を一括して議題といたします。 両案につきましては、すでに提案理由の説明を聴取いたしておりますので、本日は、まず政府委員からその補足説明を聴取いたします。村田原子力局長。
○政府委員(村田浩君) 去る六月十五日でございましたか、長官より原子力基本法の一部を改正する法律案並びに動力炉・核燃料開発事業団法案につきまして、その提案理由の説明を申し上げたわけでございますが、本日は、その背景並びに内容につきまして、私より補足して説明さしていただきます。 わが国将来のエネルギーの需給状況並びに原子力発電の必要性につきましては、委員各位とも十分御承知のことでございますが、この点、簡単に触れてみますと、お手元に配付いたしました資料「図説・動力炉開発計画」をごらんいただきまして、その三ページに、わが国将来のエネルギーの需要の見通しがグラフで出してございますが、ここの第一図に見られますように、これは全体のエネルギー需要を石油に換算して書いてございますが、昭和六十年には石油換算六億キロリットルにも達するという膨大な需要が想定されております。しかも、その大部分が輸入のエネルギーに頼らざるを得ない、簡単に申しますと、輸入の石油に頼らざるを得ない、こういう状況で、いわゆる国産エネルギーでまかなえる部分というのは、きわめて少ないということに相なるわけでございます。そのような状況をその第一図の下のほうに円グラフで示してございまして、昭和六十年度には全体の約七五%を石油に依存せざるを得ないというような状況になっております。そこで、エネルギー需要増の中でも最も重要な電力需給の見通しでございますが、この点につきましては次の五ページをごらんいただきますと、五ページの下の第二図Bにおきまして、将来昭和七十五年まで、つまり紀元二十一世紀までの電力の需給関係を見てございますが、全体の中で昭和六十年度ぐらい以降になりますと、水力、火力による部分はほとんどなくなりまして、六十年以降はほとんど原子力に依存していくという形をとらざるを得ない、こういう状況であるわけでございます。これはわが国の電力需要増が御案内のとおり非常に急速に伸びているということからくるわけでございまして、四ページにも書いてございますように、四十年度を基準といたしますと、五十年度はその二倍、六十年度に至っては四十年度の五倍もの電力を必要とする、こういう見通しでございます。こういう状況でございますために、各国とも将来の電力生産面におきまして原子力発電に大きく依存しよう、こういうふうに考えておるわけでございまして、その状況は次の第七ページ第三図にごらんいただくとおりでございます。第三図におきましてはアメリカ、イギリス、西ドイツ、フランス、イタリア等主要国におきますところの昭和六十年ごろまでの原子力発電計画をグラフにしたものでございますが、ごらんのとおりアメリカにおきましては昭和四十年度にはわずか百八十万キロワットであった。これが四十一年からことしにかけまして非常に大きな原子力発電計画を打ち出しておりまして、本文にもございますように、この一年間にアメリカで建設が契約されました原子力発電の量は、実に二千四百万キロワットにも達しておるわけでございます。さらにイギリスにおきましては、早くから御案内のとおり原子力発電計画を持っておりまして、昭和六十年までには四千万キロワット以上の計画を打ち出そうとしております。わが国は、いままで申し上げましたように、国外エネルギーに依存しなければならぬという状況もございまして、原子力発電に特に大きく期待する理由があるわけでございますが、ただいま原子力委員会の長期計画で策定しております見通しによりますと、昭和五十年において約六百万キロワット、昭和六十年において三千万ないし四千万キロワットを見込んでおるわけでございます。このグラフにおきましては平均をとりまして三千五百万ということで線を引いてございます。 このような各国との関係で進んでまいっておるわけでありますが、この状況は、さらに九ページの第四図をごらんいただきますと、昭和四十年度から始まりまして、五十年度、六十年度、七十五年度に及んで原子力の比重がだんだん大きくなっていくところを示してございますが、先ほどのグラフは六十年度まででございましたが、さらに昭和七十五年度までこれを延長して考えてみますと、およそその全発電量の半分は原子力に依存しなければならないという状況が出てきておるわけでございまして、わが国におきます原子力発電計画を早急に推進しなければならないという状況が明らかであると思うわけであります。第四図の上のほうにございます図面は、現在わが国において進められつつございます原子力発電所の建設計画でございます。このように原子力発電の将来の比重は、非常に大きくなると見込まれるわけでございますが、それにつきましては、やはりその経済性が問題であります。そこで、経済性の点につきましては、次の十一ページをごらんいただきますと、各国の情勢等から見ますと、原子力発電の発電コストは年々低下いたしておりまして、その低下の速度は、在来の火力発電などに比べますと非常に急速な低下を来たしております。その理由は、第一にはこの間における著しい技術進歩のあらわれであります。第二には、やはり原子力発電所というものは非常に大型化していく、こういう二つの理由から急速に発電コストが低下しております。アメリカにおきましては、十ページにございますように、民営のものでもキロワット当たり一円二十銭から一円五十銭、公営のものでございますと、キロワット時当たり九十銭から一円十銭と、一円を切るような発電コストもすでに言われておるわけであります。わが国におきましては金利等の違いもございますので、現在の見通しでは、次の十二、三ページにございますように、現在のところ日本原子力発電株式会社敦賀発電所、それから関西電力の美浜発電所、東電の福島発電所等、建設中の三十万から四十万キロワットのものにつきましては一キロワット時当たり大体二円六、七十銭から三円程度でございますが、将来の発展を見ていきますと、昭和五十五年になりまして百万キロワット級の発電所ができるようになると考えておりますが、その程度の規模になりますと、一円五十七銭から一円八十銭、つまり二円を切る発電コストが見込まれております。同じころにこの百万キロワット級の発電所を重油火力で建設いたしますと、その発電コストは二円から二円二十銭程度見込まれるわけでございますが、今後原子力発電のほうが重油新鋭火力よりも安くなる可能性を大きく包蔵しておるわけであります。さらにそれだけではなく、第六図のBにございますように、大規模になればなるだけ問題であります燃料の備蓄という点から見ましても、原子力は重油火力に比べまして非常に経済的であるということが明らかであります。また次の十五ページ第七図Aにごらんいただきますように、同じ規模の発電所を二十年間運転するに必要な所要外貨を比較してみますと、重油火力発電におきまして八百億円余りかかりますものが、現在導入しております軽水型炉というようなものでもその半分で済みます。後ほど御説明いたします事業団の開発しようとしております新型転換炉に至りましては四分の一の外貨で済む、こういう試算が出ておるわけでございます。このような経済性の点で見ましても、所要外貨の節約あるいは備蓄の容易性等から見ましても、将来原力子発電に大きく依存すべきであるということが出てまいるわけでありますが、次の問題は、このような大規模な原子力発電計画をどういう型の原子炉で実現していくかということに相なります。 そこで、現在世界的に見まして原子力発電を実際にやられておりますのはいわゆる在来型炉、こう呼ばれておるものでございます。在来型炉と申しますのは、端的に申しますと、イギリス、フランスで開発されました天然ウラン、黒鉛減速炭酸ガス冷却型と、アメリカ、ソ連で開発されました濃縮ウラン軽水減速冷却型この二つでございます。これに対しまして今後開発されていくであろう、いわゆる将来炉といたしましては先ほど申し上げました新型転換炉と高速増殖炉があるわけでございます。 この原子炉の分類につきましては同じ資料の二十三ページ、第十図Aをごらんいただきますと、原子炉の種類の分類が出ておりますが、動力炉を大きく分けまして、熱中性子炉、高速増殖炉に分かれます。熱中性子炉の中で在来型炉と新型転換炉というふうに分かれるわけでございまして、新型転換炉及び高速増殖炉は、今後も開発されていくべき炉であるわけでございます。在来型炉でなぜ済まないかという点でございますが、在来型炉、特に現在その経済性において非常な可能性を示しております軽水型、つまり濃縮ウラン軽水減速冷却型を例にとりますと、これにつきましての一つの問題がございます。それは、この型の原子炉は水を減速冷却に使いますために、どうしても濃縮ウランが必要である。濃縮ウランは御存じのとおり非常に大量の電力を使いまして濃縮するわけでございますので、どこの国でもが経済性のある濃縮ウランを生産することはできません。したがいまして、現在では実際上アメリカにのみ依存せざるを得ない、こういう状況でございます。この点におきまして一つ問題がございます。さらに、こういうことと相まちまして、世界に埋蔵されますウランの効率的使用という点から見ますと、その使用効率が非常に低いのでございます。このことは、ことばをかえて言いますと、同じエネルギーを生産するのにたくさんのウランを使わなければならない、こういうことに相なるわけでございます。この点を簡単に示したものが十九ページの第八図並びに二十一ページの第九図等でありまして、十九ページの第八図では、世界のウランの埋蔵量が示されておりますが、大体安い一ポンド当たり十ドル以下のものが六十数万トンということになっております。それに対しまして昭和七十五年、相当先ではございますが、紀元二十一世紀までの間において、もしわが国が軽水炉だけで発電を行ないますと、その間に必要とするウランの量は約四十万トンに達するわけであります。これがもし今後新しい新型転換炉あるいは高速増殖炉を開発してまいりまして、これをわが国の原子力発電計画に織り込んでまいりますと、その所要量は同じ昭和七十五年までに四十万トンの半分以下、十七万トン程度で済むという計算が出ておるわけで、このことは軽水炉がウランをよけいに使用する炉型であるという不利を示しておるわけでございます。同じようなことが二十一ページの第九図で示してあるわけでございますが、こういった点を勘案しまして、将来の原子力発電計画を具体化してまいりますにあたっては、軽水炉等のいわゆる在来型炉のみによるのでは不十分でございまして、びひとも新しい型の炉を開発し、これをなるべく早く発電計画の中に組み入れていくという必要が感ぜられるわけでございます。その組み入れの様相を示したのが第九図の上のA図でございまして、まず在来型炉で原子力発電計画を進めて昭和五十五年くらいになりまして、新型転換炉が実用化しますときにこれを組み入れていく、さらに昭和六十年を過ぎまして高速増殖炉が実用化しますときに、またこれを組み入れていくという形を考えることによって、先ほど申し上げましたように将来わが国として必要とする濃縮ウランの量を半分以下に減らすことが可能と考えられるわけであります。 そこで、これらの炉型をどういうふうにして開発し、発電計画に取り入れるかでありますが、これらの新しい炉型は当然のことながら各国が現在もう競争して開発中でございますので、わが国においても技術開発の重要性を考えますときに、ただ単に外国の技術に依存するわけにはまいりません。そういった点を勘案しまして、国の力をあげて新しい動力炉をわが国の手で開発していく必要がある、そうして最も適切な時期に適切な形でこれを発電計画に組み入れていく、そのことによってわが国における原子力発電計画を最も効率的に進める心要がある、このように考えられたわけであります。 そこで、この新しい型の動力炉を開発する事業団が必要なわけでございますので、ここに新たに動力炉・核燃料開発事業団を設立さしていただき、この事業団を中核的機関としまして、国の総力をあげて、官民の力を結集して諸外国に負けない速度でこれらの新しい動力炉を実用化し、組み入れていくようにいたしたい、このように考えた次第であります。 そこで、次にこのような経緯で考えられましたこの動力炉・核燃料開発事業団につきまして、先般提案理由説明でも申し上げたわけでありますが、簡単に要点だけ説明申し上げます。 まず第一に、この事業団が行ないますところの業務でございますが、大別しまして二つございます。一つは新型転換炉並びに高速増殖炉の開発というものでございます。それからもう一つは、核燃料関係の開発並びに事業を行なうことでございます。 動力炉関係について申しますと、動力炉関係では、ただいま申しましたように、従来在来型と述べられておりますところの動力炉の開発は、主として民間の努力に期待いたしまして、この事業団では新しい動力炉、つまり高速増殖炉と新型転換炉の開発を進めてまいるわけでございますが、ここで高速増殖炉あるいは新型転換炉といいますものを、どのように定義づけておるかといいますと、この事業団法案の第二条にも示してございますとおり、高速増殖炉といいますのは、炉の中で主として高速の、スピードの早い中性子によって原子核分裂の連鎖反応が行なわれる原子炉でございまして、その結果、原子炉の中で消費されました核分裂性物質よりも副産物として生成される核分裂性物質のほうが多いものを申しまして、簡単に申しますと消費されたウラン二三五あるいはプルトニウム二三九よりも副産物としてできますプルトニウム二三九のほうがより多い、つまり燃料の増殖ができる、こういうものを増殖炉と呼んでおります。高速の中性子を使いますので高速増殖炉というわけでございます。 他方、新型転換炉は同じく第二条の定義にございますように、原子炉内における核分裂の連鎖反応が主として熱中性子で行なわれるものをいいます。熱中性子と申しますのは、高速中性子が漸次炉の中で動き回るうちに速度が落ちまして、大体数万分の一程度におそくなります。このようにおそくなった中性子を使って連鎖反応を起こすものでございまして、在来型等はすべてこれに類していることは先ほどの図面で御案内のとおりでありますが、そういったものの中で、政令で指定する転換比を持つもの、つまり消費された核分裂性物質の量に比べまして副産物として新たに生成される核分裂性物質が政令で定める比率以上のものということにいたしてありますが、この「政令で定める比率」といいますのは、今後の設計にまたねばなりませんが、概略私どもの考えておりますのは〇・八程度以上と思っております。つまり十燃えましたときに八つは新しい核分裂性物質ができる、こういう形の炉を新型転換炉といっております。現実には、しかしながら新型転換炉に属しますものの数多くある中でわが国が開発しようと思いますのは、先ほどの燃料経済という点を中心に考えまして、重水減速沸騰軽水冷却型というものを選定いたしてございます。この型の炉を開発してまいろう、こういうわけでございます。この型の炉は、うまくまいりますと天然ウランでこれを動かすことができますし、あるいは天然ウランにプルトニウムをまぜて運転することもできる。この点におきまして諸外国に例を見ない一つのわが国独自の形ということに相なるわけでございます。 そこで開発のスケジュールは、この図説の資料でごらんいただきますと三十七ページ第十七図にございますように、四十二年度に事業団が設立されますと、そのときから具体的に始まりまして、新型転換炉については四十五年までに設計を進めて建設にかかり、四十九年中に建設を終わり、五十年には試運転、直ちにこの発電に移る、こういうことでございます。他方、高速増殖炉につきましては、二つの原子炉を実際に建設するわけでありまして、一つは実験炉、一つは原型炉と申しております。実験炉のほうは四十四年から建設にかかりまして四十七年中に完成し、引き続いて試運転に入る、でき上がりました後は種々の実験に使うとともに、将来の高速増殖炉用の燃料の試験等を重点的にやってまいりたいと考えております。それから原型炉につきましては、昭和四十四年ごろから設計に入りまして四十七年末に建設にかかり、五十年に建設を終わりまして五十一年から試運転に入る、こういうふうなプログラムを組んでございます。申し落としましたが、新型転換炉の原型炉と申しますのは電気出力にしまして約二十万キロワット程度を考えております。また高速増殖炉における原型炉としましては、設計が煮詰まりませんと確定いたしませんが、大体電気出力で二十万キロワットから三十万キロワットを考えております。で、このような原型炉、実験炉の建設並びにこれをサポートする諸種の研究開発、これを事業団を中核体として行なうわけでございますが、これに要します資金は、同じ十七図の下にございます表のように、十年間で総額約二千億円を予定いたしております。この二千億円のうち高速増殖炉関係が約千二百七十億円、それから新型転換炉関係が約六百七十億円くらいに相なるわけでございます。さらにこの図にはございませんが、人員といたしましてはこの動力炉開発に必要な人員は、昭和四十九年あるいは五十年ごろの最盛期におきましては大体千二百人程度がこの計画に取りかかる心要があろうというふうに推定いたしてございます。 大体の動力炉開発の内容は以上のとおりでございますが、この事業団をつくりましてこの開発計画を進めるにつきまして、いわゆるその運営につきましては、いろいろと新しくくふうしてまいる必要があると思っております。と申しますのは、このような開発計画というのは、わが国でこれまで経験したことのないような大型の開発プロジェクトでございますので、先ほど来申し上げますように国の総力を結集して当たる必要がございますが、同時に、計画を新しい分野で進めるにあたっては、常にこの計画の進捗状態というものを的確に評価しつつ行なう必要がある、こういうことから、俗に申しますチェック・アンド・レビュー方式というものを十分に取り入れてやりたい。具体的には、このごろ発達しております電子計算機等を十分に縦横に駆使いたしまして、プログラム・エバリュエーション・アンド・レビュー・テクニックという新しい技術などを十分使いまして的確なる計画の進展をはかりたいというふうに考えております。 それから第二には、総力を結集するというような趣旨から、原子力研究所をはじめ大学あるいは民間の研究機関等を動員する。そのためには、法案にもございますように、一つの基準を設けまして、この基準に沿って研究開発の委託を十分に行ないまして、そのようなことから総力を結集して、この事業団が中心となり的確なる有効なる計画の進展をはかるようにしたい、こういうふうに考えております。 で、このような進め方につきましては、当法案の第二十五条にございますように、原子力委員会の議決を経て内閣総理大臣が定めますところの基本方針及び基本計画をもって事業団の運営指針に当てるようにいたしたい、こういうふうに考えております。 このような考え方でつくられます事業団の性格は、したがいましていわば動力炉開発につきまして、わが国の研究開発の中枢的役割りをいたします機関でございまして、この立てられました開発計画についての責任を全面的に負いますとともに、各関係機関の力が十分発揮できるようにこれをもっていく、そういう役割りを持っているわけでございます。対外的な協力ということも必要でございましょうが、そういった点につきましても事業団が責任機関としてこういった国際協力の実現等についても進めてまいる、こういうことを考えているわけであります。 以上、この事業団の動力炉開発関係の業務について申し上げたわけでございますが、この事業団は、設立にあたりまして、現在ございます原子燃料公社、これを解消いたしまして、それが現在行なっております仕事を全面的に承継することにいたしてございます。 このような形にいたしましたのは、一面、政府の政策としまして、新しい公社、公団等をいたずらにふやさないという政策に沿ったことでございますが、他方、また動力炉の開発というものが核燃料の開発と密接不可分である、こういった点も配慮いたしまして、従来、燃料公社で行なわれておりました核燃料の開発ということをあわせ進めることによって、わが国としまして最も適切な動力炉並びに核燃料の開発を確保してまいりたいという考え方を持っているわけでございます。そこで、この事業団につきましては、核燃料関係で従来燃料公社がやっておりましたような業務をその業務の範囲に掲げてございまして、国内における探鉱、国内における核燃料の生産あるいは保有さらに再処理の業務もこの事業団で行なうことにしてございます。特に今後重要な問題であります核燃料の確保につきましては、国内における探鉱のみならず、必要な場合には海外における探鉱も総理大臣の認可を得て行なうことができるようにいたしてございます。そのほか、もちろん附帯業務があるわけでございますが、このような趣旨で動力炉・核燃料開発事業団を設立するにあたりまして、原子力燃料公社を解消し、その仕事を全面的に承継いたすわけでございますが、これによって動力炉開発の業務あるいは核燃料開発の業務というものが非常に相互に入り乱れて複雑になり、したがって運営がうまくいかなくなるということがあってはいけませんので、法案にも三十一条に規定してございますように、区分経理を行なうということを定めてございます。つまり動力炉開発関係の業務についての経理とそれから再処理——これは一つの将来事業化されていく要素も持っておりますので——に関します経理と、その他の核燃料関係の経理、三つに区分いたしまして経理する、それによってそれぞれの業務が経理上入り乱れて混乱を起こさないように、このような配慮をいたす所存でございます。 最後に、この事業団の組織の模様でございますが、資料の三十九ページ、第十八図をごらんいただきますと、これはまだ決定的なものではございませんが、この動力炉・核燃料開発事業団が設立されました暁に、どのような立場で業務を進めていくか、またその内部職制は大体どういうものになるかということを御参考までに図にしたものでございますが、これでごらんのとおり、理事長のもとに副理事長二名置きまして、それぞれの副理事長が、一方は動力炉開発関係について、他方は核燃料開発につきまして、それぞれ責任を持つ形になりまして、その下にそれぞれの理事者がそれぞれの業務を担当して仕事を進める。経理あるいは総務関係につきましては、これは両方に関連いたしますので、両方がそれぞれ協力をしていく、こういう形を考えているわけでございます。そのことから法案に規定してございますように理事長一名、副理事長二名、理事八名以内、そのほか動力炉開発を総力結集態勢でもっていくために必要な場合を考慮いたしまして、非常勤理事三名以内を置かしていただくようにお願いしてあるわけでございます。そこで、動力炉、核燃料の開発というものが、いわば車の両輪のごとく理事長のもとに統率されて効率的に進められることを期待いたしておるわけでございます。なお、理事長、副理事長等の役員の任命につきましては、理事長につきましては、原子力委員会の意見を聞いて総理大臣が任命いたします。副理事長以下の理事につきましては、理事長が総理大臣の認可を得て任命する。監事につきましては、総理大臣が原子力委員会の意見を聞いて任命する。このような任命方式を考え、このような法案につくってございます。 たいへん要領を得ませんかったかと思いますが、以上をもって御説明を終わります。
○委員長(鹿島俊雄君) それではこれより両案の質疑に入ります。質疑のおありの方は順次御発言願います。
○阿部竹松君 この二つの法案は、ただいま衆議院で審議中でございまして、聞くところによりますと、政府が入っておるかどうかわかりませんけれども、与野党で大修正を加えておるというようなことも聞いておりますので、条文についてお尋ねをしても、修正されて回ってきた場合には、違っておりますと論議しても何にもならぬ、まあこういうことになりますので、この法案がいよいよ回ってきたときに参考になる基本問題とか、アウトラインについてお尋ねしたいと思うわけなのですが、その前に、きわめて適切な図解説明書をいただきまして、各省の説明書の中できわめて出色の説明書だというふうに思うのですが、ただ、一つ私疑点に思いますのは、通産省から今回の国会に出されております石油公団法案ですね。あの石油開発公団法案のそれぞれの図解説明あるいはこの十三ページに原子力と重油火力の比較が出ておりますね。ただいまの局長さんのお話で承っても、この図解を見ましても、重油のほうはずっとこう横ばいでいくわけですね。あなたのほうの原子力のほうはずっと下降線をたどっておる。まことに望ましい姿になっておる。しかし私どものいただいておる、石油ですから鉱山局ですが、そこの図解はこのようになっておりませんよ。この説明書は有沢さんがやっておられる総合エネルギーの審議会で論議し決定されたものか。それとも国の総合エネルギーとしていろいろ検討されておる経済企画庁の結論を得て出されたものか、あるいは単なるあなたのところで参考資料として出されたものか、それをまず承りたいわけです。ということは、いま当委員会にかかっておりますYS11のあの飛行機会社に融資をして、てこ入れするというような法律、十年前ここで論議して決定したときと、もう相当開きがあるわけです。政府の説明で私ども論議したことと、十年後たった今日とでは相当差がある。これは説明した政府も責任あるでしょうけれども、論議したわれわれもこれは当然そしりを免れぬだろうと思います。したがって、これはべらべらと御説明を承わって、通産省の出すデータ、数字と、あなたのほうの出す数字と同じでなければならぬわけです。科学技術庁と通商産業省と違っておっても、国の将来のエネルギーはどういうそのカーブを描いていくんだということは同じでなければならぬわけです。したがって、そういう点について、これは私きわめてりっぱにはできておるけれども、疑問を持つのです。これは経済企画庁が認め、国の総合エネルギーとして、その中でこういうケースでいくんだということを、単なる原子力の発想なのかどうか、その点を私は承りたい。
○政府委員(村田浩君) 御指摘のございましたこの資料の第六図の、将来における重油火力発電のコストの見通し並びに原子力発電のコストの見通しにつきましての前提は、右のほうのページに書いてあるとおりでございますが、この根拠は、通産省の総合エネルギー調査会の原子力部会で検討いたしました際の資料によっております。
○阿部竹松君 十三ページにあなたのほうの、この下のほう、下降線をたどっているのは原子力発電のコストがこのくらい。ところが、重油のほうは平行線、横ばいですね。しかし、私ども原子力のほうはきょう初めていただきましたが、石油のほうは商工委員会なものですからいただいておるが、こういうことになっていない。それは本日ここで可決、決定するわけでございませんから、通産省と打ち合わせたあと御答弁いただいてもいいわけですが、まあ一つでたらめな図解になると全部でたらめだというように私どもは即断しがちですから、そのあたり明確にお答え願いたい。
○政府委員(村田浩君) この十三ページの図面は総合エネルギー調査会の原子力部会で相当の時間をかけて検討されます際に、百万キロワット規模のそれぞれの発電所を、重油火力で建設した場合、原子力発電で建設した場合、これは将来のことでありますが、その際の発電コストの関係を一応試算しましてつくった資料でございますので、私どもとしましては、まあ通産省のエネルギー調査会のほうとは十分協議して、この見通しを立てておるつもりでございます。私の記憶では、図面がやや重油火力の場合横に伸びておる感じの図面になっておりまして、その点ちょっと書き方の点はあろうと思いますが、要点は、右のほうの図面の説明にございますように、将来の昭和六十年ごろの石油の値段がどの程度かということは一つの推定ではございますが、たしか四十五銭程度と見て計算されたと記憶いたしております。これは試算しましたのが昨年の春でございますので、あるいはその後の状況で多少数字が変わってきておるかもしれませんが、エネルギー調査会としては、そのときの資料に基づいて将来のコスト推定を行なっておりますので、それと私ども合わせてこの資料をつくったわけでございます。
○阿部竹松君 次にお尋ねしますことは、ただいま説明された中にあったんですが、アメリカと日本とイギリスの電力料金の関係ですね、アメリカは大きな川があり石炭が安い、油もあるわけですから、十年たっても原子力よりもアメリカは現行のほうが安いんですよ。私の見た資料に誤りがなければ。しかしあなたのお説を承るとそういうことにならぬですね。どこで調査されておるかわからぬけれどもですね、そういうことになっておらぬわけです。それからまたこの数字を見ますと、十年後膨大な発電力が出て市販されることになるんだが、はたしてそれだけの御自信があるかどうか。これはいやみでなしにお伺いしたい、十年たって。これはいまは生まれる初歩だからやむを得ないと思いますが、しかしながらこれから東海村、敦賀にもできる。それあたりは、石油あるいは重油あるいは石炭、水こういうものの総合したものの総発電力よりも、はたしてこのとおりの数字でこれだけいくかどうかということ。土地一カ所獲得するのでも容易でないでしょう。二年、三年かかる。はたして原子力局長の御答弁なさったように土地が確保され、それだけの原子炉が開発されていくかということ、十年くらいの短日数で、もう百万キロふやしますとかあるいは百五十万というんだったら理解できますが、はたしてこれだけの膨大な発電力を持つことができるかどうか。私は御答弁がいい悪い、中味がいい悪いではない。私自身のしろうと考えですが、そう思うわけです。もしこのとおりいかなかったらということで、十年後あなたを責めるわけにいきませんからね。これはちょっと架空の話といっては極端な表現になりますが、そのような気がしますね、いかがですか。
○政府委員(村田浩君) まず第一のアメリカにおける原子力発電の今後の見通しですが、御指摘のとおりアメリカにおきましては天然ガスあるいは石油等国内エネルギー資源が非常に低廉であります。特に天然ガス産地では非常に低廉でございますので、これを使用いたします発電所というのは、非常に発電コストが低いわけです。しかしながらごく最近のことでございますが、TVA計画で地元にあります石炭あるいは天然ガス、石油等を使う発電所と、それから原子力発電所等を入札させまして比較検討した結果、大体一基百十万キロワットという非常に大きな規模でございますが、一基百十万キロワットを二基並べたそういうユニットでございました場合、原子力発電所の発電コストは、これはアメリカの条件においてでございますが約九十銭程度、キロワット時で。このことは、その場所におきます非常に安い天然ガスあるいは石炭、石油等を使いました九十七、八銭というのに比べて、十分に対抗できる発電コストであるということで、TVA当局から原子力発電所の建設が決定された事情もございます。そういうこともあると思うのでございます。ここに書きましたとおり、この一年間におきまして、アメリカの中において発注されました火力、水力を含めての発電所建設契約のうちに、実に七五%が原子力発電所の契約になっておる。と申しますことは、アメリカは民営の電気事業でございますので、やはり発電コストというものを、大きな要素にして考えておるわけでありまして、その点からしてかなりにこの原子力発電のコストの確実性ということが見通されておる証拠であろうと思っております。 それから第二の、わが国の将来のこの規模が、実際に用地などの点で実現可能なのかどうか、こういった点でございますが、原子力委員会における御検討でも、あるいは通産省の総合エネルギー調査会における御検討でも、原子力発電の経済性につきましては、先ほど来申し述べましたようなもちろん幾つかの前提条件がございますが、相当の実現可能性を見ておる。しかし問題が二つあるわけでございまして、その第一は、このような大きな原子力発電計画を支えるに必要な核燃料をどうやって確保するか。それから第二には、ただいま阿部先生御指摘のように、相当の用地が必要となってまいりますが、わが国のような事情でこの用地の確保をどうしてやっていくか、この二つが今後の原子力発電計画を実現するにあたっての重要な問題であるという指摘がなされております。したがいまして、この昭和六十年度における三千万ないし四千万というものがどことどこにどのようにということは、まだ具体的なところまで煮詰まっておりませんけれども、十年後の六百万キロワットということにつきましては、一応各電力会社等でも、通産省はもちろんでございますが、御検討いただきまして、中に幾つかまだ確定していないところもございますけれども、ほぼその場所も確定しております。規模も確定いたしております。それでこの十年後の六百万キロワットというものは、私どもとしてはその実現性の点で、用地も含め、かなり確実性の高いものと見ておるわけでありますが、その一つの理由は、たとえばただいまの東電の福島発電所にいたしましても現在建設中のものは四十万キロワットでございますが、第二号基は七十八万キロワットにすることがすでに確定いたしております。さらに同じ場所、ここは約百万坪の土地を確保しておるわけでございますので、その同じ敷地の中にさらに二つ、したがいまして合計四つの発電所を持つことが計画されております。同様のことが関西電力の美浜発電所についても、あるいはまた、これはまだ具体化しておりませんけれども、原電の敦賀発電所の敷地についても申せるわけでございまして、すでに獲得され、建設が行なわれている発電所の用地に、ちょうど火力発電所における二号基、三号基のような形で原子力発電所が第二基、第三基と出ていくことがかなり確実に見られておりますので、それらの規模を合計いたしますと、ほぼ六百万キロワットというものが達成可能であろう、こう見ておるわけであります。
○阿部竹松君 ことばじりを取るわけではありませんけれども、その「であろう」というのが困る。そうであろうということで法律をつくるわけにはいかぬわけですよ。私はきのうの石炭がきょうの石油であって、やがてあすの原子力というように、エネルギーというものが変遷すると考えておるわけですから、原子力そのものには、平和利用されるのは大賛成なんですよ。ただあいまいもことして、いまおっしゃったような、であろうという、ちょっとできそうもないことをああそうですかといって賛成するわけにはいかぬ。たとえばいまアメリカの電力の話をされましたが、アメリカでは水力、火力を含めて現在一円三十銭くらいでしょう。それと同時に減価償却が全部できたものですからコストは急ダウンしていきますが、いかにアメリカといえどもいまの力をもってしてこれ昭和七十年、八十年になったらどうかわかりませんよ。現在の力をもってすれば、それは日本より安いものができるかもしらぬ。ウランもたくさんある。さりとて、いま申し上げましたとおり一円三十七、八銭の電力コストがぐっと急カーブを描いて減価償却をした今日安くなっておりますから、それといま匹敵できませんよ、アメリカの。それは次回のとにかく委員会までに原子力局長よく調査してください。私の言うのが誤りであるのか、あなたのおっしゃるのがあれですか。現在ではアメリカといえども原子力のほうが高い。しかし百年の大計のためにあなたのおっしゃるように、それは水力も限度があり、油も限度があるわけですから、いかにアメリカといえどもですよ、百年の大計のためにそれはやるでしょう。しかしあなたのおっしゃったようなあるいは急カーブを描いてやるような発電はやりませんよ、と私は承知しておる。ですからどうも、これ説明はよく理解できます、しかしこういうようなわけにはいかぬのではないかという一点の危惧を持つのです。 それから八戸とか、あるいはいろいろいまおっしゃいましたが、やはり日本人は何というか、科学に理解がないのかどうか別として、特に原子力云々というと、核燃料というとすぐ広島の爆弾投下を頭に描いたり、長崎の爆弾投下を、感情論はいけないのだが、頭に描くわけです。なかなかその点について、原子力発電所を置くなんといったら、これは危険であるというのが頭にしみ込んでおるから、なかなか土地を獲得して発電所をつくるというわけにはいかぬと私は思う。そういうのもやはり考慮に入れなければいかぬ。したがってやはり原子力局、これはPRもへたくそだけれども、私はソ連のウスベクというところの原子力発電所を見ましたが、町の高校のようなものです。これは、大臣にもお聞きになっていただきたい。この建物はいなか町の五万人くらいの町の高校のようなものです、針金の鉄条網なんかを三本くらい回してそこで発電所をやっておる。あれ、日本だったらたいへんです、そんなところへ、東京ならいざ知らず、どこか、三重県があるいは広島あたりへ行って高校のようなところへ発電所を設けますなんて言ったらこれは大反対。そういうような国民感情があるということも頭に描いて計画を立てておると思いますが、やはりPRも十分やらなければただいま申し上げました広島あるいは長崎の事件があるもんですから、なかなかぬぐい去られない。したがって、やはり原子力局でやるか、これは科学技術庁全体、ひいては政府全体としてやらなければならぬでしょうが、そういうところのPRもやっておかぬで、ただ法律ができたから土地獲得だ何だと言ったって、なかなか局長のおっしゃるとおり、十年たっても建物が建つかどうかわからぬ、東海村をこれから見せてもらおうと思うのですが、初め行って見たら万里の長城みたいなものを築いておる。むだ金だと思う。むだ金であってもあれを築かない限りは、そこに発電所設置を認めないというから、おそらくああいうことをやったと思いますが、むだ金だと私は思う。ですから、PRをやった後にやらなければ、日本の国民は科学に無知である、広島あるいは長崎のことを二十年たった今日頭に描いている、けしからぬ、これだけではなかなか原子力発電所なんて発達しませんよ。同時にアメリカでは濃縮ウランはくさるほど——くさりはせぬし、困らぬでしょうが、ウランは必要ないのです、アメリカはプルトニウムが必要なんです。われわれのことばで言うと、すすですね。それがやはり核爆発の原料の一つにもなるわけですから、やはりアメリカはそういう点を考えて世界各国にウランを売ろうとしているわけでしょう、アメリカの政策、自分のところで使うよりまず売ろうというのがアメリカの政策です。したがって、いまから十年くらい前、日本はアメリカとイギリスと一ぺんに原子力契約を結んだ、アメリカの圧力とかイギリスの圧力とは言いませんけれども、出発当時はイギリス型で出発したはずだ。あなたの何代か前の局長さんは、いまこうおっしゃるけれども、そういうことじゃなかったはずだ。なぜこんなになったか、ひとつ理由をお尋ねいたします。
○政府委員(村田浩君) わが国の最初の原子力発電所がいわゆるイギリスのコールダーホール改良型といわれるものを導入し、東海村に建設したことは御指摘のとおりであります。これを当時選ばれましたのは、私どもの承知するところでは、やはり当時の事情といたしまして燃料に濃縮ウランを使うかあるいは天然ウランを使うかこの観点からしたときに、日本のように国内にあまり多くのウランの埋蔵が期待されない場合に、それを海外から入れるとしましても、できるだけたくさんの場所から入れる可能性のあるもの、したがいまして天然ウラン、これが使用できる原子炉が望ましいのではないかと考えられたこと、それから第二に、このような天然ウランを使う原子炉として、当時すでに海外において開発されておりましたものとしてはイギリスにおけるコールダーホール型とフランスにおけるEDF、こういうものの二つあるわけでありますが、その二つの中では、明らかにイギリスのコールダーホール型のほうが技術的に進歩しておる。いわゆる実証性を持っておる、こういうことから最初の原子力発電所として天然ウランを使用しますイギリス型の原子力を入れたことになったと承知しております。しかしこれが、ではなぜいまアメリカの軽水型を主として入れるように切りかわったかということでありますが、その間にはこの約十年の間において幾つかの情勢の変化がございました。第一は、何と申しましても平和利用でございますから、原子力発電のコストが問題であり、当時天然ウランを使いますコールダーホール改良型と申しますものは、この発電コスト、規模にもよりますが、当時の他の在来燃料に比べまして若干高い程度でいけるのではないか。したがって、規模が大きくなり、大量生産化されれば、在来の燃料、すなわち石炭とか石油というものに比べて、ほぼ競争可能なコストでできるのではないかというふうに考えられておったことが一つであります。それから第二には、そういった点で経済性は十分これで達成できると思っておったわけでありますけれども、かつまた、いよいよというときは国内の乏しいものでありましても、ウランが使えるということが、やはり当時の核燃料の世界の情勢からして、何といいますか、安全保障的な意味が非常に強く感ぜられておった。そういったような二つの要素が大きな原因、理由となって、この型の動力炉をつくることになったわけでありますけれども、その後、こういった情勢というものは非常に変わってまいりまして、いわばこれは核の軍事利用というものの姿が変わってきた、国際的に変わってきたということから、一時ウランがダブついてくるというと大げさでありますが、そういう過剰生産的な様相を呈しまして、そのためにウランの価格が非常に低下いたしました。それでウランの価格が低下いたしますと、それに伴いまして濃縮ウランの価格もぐっと安くなってまいります。濃縮ウランが非常に安く入手できるようになりますと、何といいましても濃縮した燃料のほうが原子炉自体が非常に小さくできますので、その建設費が小さくて済む。建設費が小さくて済むと、日本のような金利負担の高いところでは非常にそのことが経済性にきいてくる。こういうような点が関連しまして、現在の状況ではイギリス型の原子炉よりも、アメリカ型の濃縮ウランを使う原子炉のほうが経済性としてはすぐれているのではないか、このように判断されるようになったわけであります。これと関連しまして、濃縮ウランがアメリカだけにしか供給を依存できないということは依然残るわけでありますけれども、しかし、アメリカとしましては、先ほどの阿部先生のお話のとおり、相当量のすでに濃縮ウランを手持ちで持っているものでございますから、海外に対する濃縮ウランの供給につきましては非常に積極的でございまして、相当の大量のものといえども、これが平和目的に限り、どしどし出して使ってもらいたい、こういうことを大統領も申しておるわけでございます。また、その価格につきましても、非常に安い価格がきめられております。そういったようなことから、この濃縮ウランを使う炉型というものが日本の条件におきまして、ただいまの状況では最も安い原子力発電であるということに変わってきたわけでございます。ただ、そうは申しますものの、わが国の燃料事情からして、何とかできれば天然ウランを使う炉型で経済的な原子力発電を行なえないものかという問題が残るわけでありまして、その問題に今後こたえてまいりたいというのが、先ほど申し上げましたように、この事業団が開発しようとしておる高速増殖炉、並びに新型転換炉の開発、こういうことに相なるのであります。
○阿部竹松君 次にお尋ねしますが、この膨大な計画に基づいて遂行されるわけですが、予算の裏づけですね、たとえば防衛費などは第一次、第二次、第三次というように計画を立てて、あんまり計画に差がないような予算措置も講ぜられておる。私は、ここで二階堂長官と防衛費を論議したところで、これはやる場所でもありませんし、そういう問題を何時間やっても歯車が合わぬでしょうから、それはさておくとして、これにそういう計画がないのですね。昭和七十五年度まで云々といっても、聞くところによれば微々たる金額で、半分も三分の一もできないという金額を大蔵省が考えているやに承っている。これは私の聞き違いであればあれなんですが、こういう点については十分なのかどうか。 それから、たとえば探鉱費ですね、ウラン鉱の探鉱費、岡山県の人形峠あたりでやっておるのですね、あの懐中電灯にコードをつけたようなので。あれはガイガー探知機というのですか、懐中電灯にコードをつけたようなのでやっておりますね。あれはとてもあんた、話にも何にもならないのですな。ここであんたは理路整然としておっしゃっているけれども、探鉱費二億円です。二億円の探鉱費ではこれは話にならぬのです。これはいまフランスなども、初めウラン鉱が出なくて、国力を相当投じてフランス全土にわたってウラン鉱を探鉱したのですね。その結果、私の記憶しておるところでは、フランスが一番ウラン鉱が出るのですね。日本などはいま申し上げましたとおり、二億円の金でもって懐中電灯にコードをつけて、そっちのほうに電池を置いて、そうしてガーガー鳴ればここにウラン鉱がありますよなどという非科学的なことをやっておって、もうこれで十年たったら、水力、火力合わせた以上の発電を起こしますなどと言っても、これは一事が万事で、これは全部アメリカからイギリスから海外援助を仰いで海外から鉱石を買ってやるつもりでしょうが、一事が万事で、わが国の探鉱費一つを見ても、いかに熱意がないということがわかるわけです。立証されるわけですね。そういうことですから、長官のお答弁は理解できるが、なかなか聞けば聞くほど実施困難である。 金が幾らかかるわけですか、このとおり七十五年までに発電所を建設しようとすれば。
○政府委員(村田浩君) 御質問は、昭和七十五年——まあずいぶん先ですが、七十五年までの原子力発電の建設にどのくらいの費用がかかるか、こういうことかと思いますが、私どものほうでも通産省のほうでも七十五年までの計算はまだいたしておりません。昭和六十年までに大体三千万ないし四千万キロワットというところまでが現在出されておる目標でございまして、それから先、七十年、七十五年には大体一億六千万ぐらいになろうという推定はしたことございますけれども、これはあくまで試算の域を出ておりません。六十年までの三千万ないし四千万でございますが、これを大体三千五百万程度と見ますと、これに要します建設費は大体二兆二千七百億円程度のものと思っております。一方、この動力炉の開発のためにこの事業団が主として国費によりましてこの十年間に開発を進める二十万キロワット程度の原型炉を高速炉と新型炉でそれぞれ一基つくり、かつまた、高速炉の実験炉をつくっていく、この計画に必要なのは昭和五十年度までで大体二千億円ということでございます。先ほどの二兆二千七百億円といいますのは約三千五百万キロワットの原子力発電所を建設するに必用な費用でございます。
○阿部竹松君 聞くと、現実の問題として、できるでしょうけれども、なかなか金額の数字になるとむずかしいね、局長。まあその金額、私のほうを向いて言わなくてもいいですから、隣の長官によく言っておいたほうがよろしい。理想は美しいけれども、現実は冷厳ですからね。 そこで、法案が回ってきませんので、劈頭申し上げましたとおり、法案の中身を論議しても始まりませんので、これで私質問をやめますが、最後に、長官にひとつお尋ねとお願いがあるのですけれども、まあここは一本になってやられるというので、これは法案が二つ出ておるわけですが、中身が一つですから、一つ論議すれば二つの結論が出るということになる。ただ、これは日本ではスケールが小さくて、いつもこの種の問題ばかりでなく、申し上げるのですが、なかなか民間企業というのは、住友から、あるいは電気会社から三菱からみんな研究所を持って、盛んに小さい炉を持ってやっているわけですね。よその会社に抜けがけして安いコストで発電しようなんという考えは持っておらぬと思うのですが、そういうものを全部総合して、国が中心になって、そういうところに、こっちは一億、こっちは二億、こちらは三億という炉から一切発電装置まであれして盛んにやっているわけです。ぼくは各企業が努力して研究をされるということはけっこうだと思います。しかし、もう一歩こう進んで、みなで金を出し合って総合的な研究所をお建てになって研究なさったらどうか。こんな小さい日本の島に一億人もおって、そんな金がたくさんあるわけでもないのですから、あっちでもこっちでも研究所、各社、大きな電気あるいは金属あるいは学校——これはやむを得ないと思います、大学は。しかし、それ以外のものを全部糾合して、ほんとうにりっぱな研究所をつくられたらいいのではないかというように考えておるのですが、そういう点に大臣は努力していただくわけにはいかぬのですか。
○国務大臣(二階堂進君) 御承知のとおり、いろいろな研究が大型化してまいっておりますが、したがって、これには国の金で、あるいは民間の協力を求めてやる場合にも、民間のほうで非常にばく大な金が使われることになります。特に原子力エネルギーの将来の開発の問題は、先ほど局長からいろいろ説明申し上げたとおりでありまして、国の総力を結集して当たらなければならない目下の私は急務ではなかろうかと思っております。そういう意味で前向きで新しい燃料の効率性を考えたり、また将来のわが国の電力需要等も考えて、積極的に取り組む体制をつくりたいという意味で、責任のある中核体というものを設けて仕事をするのに今回動力炉開発事業団法というものを御審議を願って、新しい法人をつくるわけでございますが、それと同時に、やはり民間のいろいろな電気会社等におかれても、たとえば人材養成の面においても外国の先進諸国の研究施設に参加して研究をしてくる、あるいは独自の研究炉をつくったりして研究をされることも私は必要ではあろうかと思っておりますけれども、先ほど阿部先生もおっしゃいましたとおり、ばく大な資金と国の総力をあげて取りかかっていかなければならないということから考えますならば、もう少し人材でも金でも有効に、効率的に使うというようなくめんが私は必要ではなかろうかと思っております。そういう面で、先生のいま御提案になりましたようなことも、政府といたしましても十分検討すべき問題ではなかろうかと、かように考えております。
○委員長(鹿島俊雄君) 他に御発言もなければ、両案に対する質疑は、本日のところこの程度にいたします。 —————————————
○委員長(鹿島俊雄君) 次に、産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題とし、宇宙開発に関する件について質疑を行ないます。 質疑のおありの方は順次御発言を願います。
○小柳勇君 科学技術庁長官に御質問いたします。去る七月二日の朝日新聞に「ちぎれ落ちた4段目」という見出しで、今春打ち上げましたラムダ4Sの四段目の球形ロケットがちぎれた。これを研究所でも最高首脳部だけわかっておって極秘にしていた。ところが、これを衆議院の科学技術振興対策特別委員会の三木君が資料提出を要求をして資料を出したのでわかった。こういうことが新聞に報道されておるわけですが、長官はお読みになったことございますか。
○国務大臣(二階堂進君) 私はその詳細な資料は見ておりません。ただ新聞でもってそういうことがわかったということでございます。
○小柳勇君 私は去る予算委員会で、たくさんの予算を使ってロケットの打ち上げを研究しておられる、もちろん研究の開発は急がなければならぬ、そういう立場から、成功したにしろ失敗したにしろ、ばく大な予算を使っておるのであるから、国会に報告するのが正当ではないか、たとえば米国などで事故がありますと、数千ページにわたる報告書が国会に提出されておる、そして議会もあるいは民間も学者も一体となってこの欠陥を検討するということを質問いたしました。わが国のいままでのロケットの打ち上げ研究に対して、国会あるいは文部省なり科学技術庁に報告書が出されておるかどうかということを質問いたしました。そのときに、これは長官であったか、あるいは文部大臣であったか、はっきり記憶いたしませんが、それぞれの研究所としては膨大な研究報告があるはずである、ただ国会への報告はありませんと、こういう答弁がありました。この三木君が、衆議院の科学技術振興対策特別委員会でこの問題に対して国会報告を要求しておる。三木君は報告を受け取っておるようでありますが、他の委員にも出してあるのかどうか。参議院では商工委員のだれもこの報告を受け取っておらぬ。このような重大な問題が、一人の議員が要求したから、その議員個人に報告を出すというようなことであっていいかどうか、長官の見解を聞きたいと思います。
○国務大臣(二階堂進君) 衆議院の三木委員からその資料の要求があったことは承知をいたしておりますし、したがって、その資料も全委員に対して配付すべきものだと考えて、その資料の提出を急ぐように督励をいたしているような次第でございます。実際に全部に配付されておるかどうかは、まだ承知をいたしておりませんが、前回の委員会におきましても三木さんから早く出せということでございましたので、早く出すように、こういうことを事務当局に指令をいたしておるようないま段階であります。
○小柳勇君 そういたしますと、まだ正確な国会報告書は出されていない、こういうことでございますか。
○政府委員(高橋正春君) ただいまの資料につきましては、衆議院の科学技術特別委員会で三木委員から御要求のございました事実がございますが、その際は部数を七部という御指定がたしかあったと思いますので、われわれこの点は文部省からお確かめいただけますれば幸いかと存じますが、私の記憶では部数制限で御提出を申し上げている事実があろうと、こう思っております。
○小柳勇君 文部省に聞きましょう。その要求された委員会並びにどういう要求があったか、それからどういう方面に配付されたか。
○説明員(岡野澄君) 三木委員から御要求がありましたのは部数七部ということでございましたので、それを取りそろえて差し上げた次第でございます。なお現物は、ここに持参しているようなものでございます。
○小柳勇君 私が予算委員会で質問したときには、文部省当局もおられたはずだと思うのです。私ども専門屋じゃありませんから、膨大な報告が出ても理解できないかもわかりません。しかし、昨年からこれだけ問題になっている研究であるし、しかも国会は、早急にこの人工衛星なり、あるいはロケットの成功を期待しているわけで、膨大な予算を組んでおるわけであります。したがって、三木委員ももちろん科学技術特別委員の一人でありますけれども、参議院の商工委員会でも十分なる関心を持って勉強しているのでありますから、当然出すべきであると考えますが、いかがでしょう。
○説明員(岡野澄君) 実ははなはだ報告がおくれておりまして申しわけないと思いますが、現在これを印刷中でございます。七月の十七日に研究所のほうでは印刷ができ上がるそうでありますので、そうすれば委員に十分お届けできるというふうに考えます。
○小柳勇君 そういたしますと、新聞紙上で報道されております事故の原因など、国会に報告されたその一部の報告によって新聞が取り上げてこれを書いておる、まだ十分国会で論議した結果ではない、こういうことでございますか。
○説明員(岡野澄君) この報告の中に、伝えられるような事故があったことが書いてあるのでございます。それは、したがって研究所内で大いにディスカッションされたというふうに聞いております。専門的な事項でございますので、お許しがあれば所長が参っておりますので、技術的なことを説明いたさせます。
○小柳勇君 専門的なことを所長から……。
○説明員(高木昇君) ただいまの資料は印刷中でございまして、七月十七日にはできますので、御必要の部数をお申し出いただければ配付いたすことにいたします。
○小柳勇君 国会報告書というものが出されたいきさつ並びに現在印刷中ということもわかりました。したがって、できましたら、なるべく早く参議院の関係者にも送付願いたいと思います。なお、この新聞によりますと、昨年の九月、十二月、ことしの四月、連続三回失敗したが、三回目の実験の際に四段目の球形ロケットが飛行の途中でちぎれた。そのことを首脳者はわかっておったけれどもこれを極秘にしておったと。したがって研究所内でもこのことが、不信感が満ち満ちておる。ことしの秋に予定されておるラムダ4S四、五号機が成功する比率はきわめて低いということまで心配をしているようでありますが、この辺のいきさつにつきまして、所長わざわざお見えでありますから、御説明を願いたいと思います。
○説明員(高木昇君) 新聞に書いてありますことは、ちょっと事実と違っておりますので、私からその辺のいきさつを申し上げたいと存じております。三号機は、三段目不点火というのはすぐわかることでございます。そして発射がありましてから二週間たって、すなわち四月の末だったと思いますが、所内で全所員を集めて、いままでの結果と事故の分析をいたしました。そのときには三段目に非常に重点が置かれておったわけでございますが、その後姿勢制御のデータあるいは四段目からくる電波、三段目からくる電波、いろいろなデータを総合いたしました。ところがこの四段目と三段目の結合を設計した人は、二号の場合よりも非常に改良して強くなっておるからそこが事故が起こることはないという自信が、ほかの事故もありましたので、各方面からのデータの突き合わせの食い違いは、ほかに原因を求めようという方向で、しばらく結論を出すのをとまどっておりましたが、同時に、構造研究班というのが所内にございまして、いろいろな人が参加しておりますが、そこでこの構造でどうかということで十分に検討していただきました。たまたまこの4Sの報告を所内でまとめておりまして、いよいよ最終結論を出そうというときに、いろんなデータを集めると、どうしても四段目の結合がとれたと結論を下さざるを得ない、そういうことでこの膨大な報告書にその結論を詳細に御報告いたしましたが、同時に、所内の関係者には一応お知らせしたわけでありますけれども、二、三の方がお集まりいただかなかったものですから、いよいよこの報告を国会に出す前、これは十五、六日前後だったと考えておりますが——これをつくるのにやはり約一カ月ほどかかります——その前後にお集まりいただいて、われわれかねがね報告をつくっておりますが、その中で必要な部分だけをまとめたものを国会に提出するから皆さんに御了承願いますと言ったときに、初めて、私は聞いていなかったという教授の発言がございました。その辺が新聞にも伝わりまして、所内の不信感ということが表に出まして、所長としてもまことに残念に思っております。
○小柳勇君 新聞を全面的に私も信頼するのでありませんけれども、郵政省の電波研究所などでも実験の直後から、その原因がわかっておって、東大宇宙研の発表に疑問を持っておった、そういうことまでこの新聞に書いてあるわけであります。しかも、あなたの研究所の教授の中にも、国会に報告書をまとめる段になって初めて話がされたというようなことであります。で、まだ研究段階でありますから、成功もありましょう、失敗もありましょう。失敗したのが、なぜその関係教授にまで秘密扱いにされねばならないかということが、私はこの新聞を読みまして、ふしぎでならなかったのであります。研究というものはもちろん失敗もありましょう。それはしかし直ちに全関係者に報告しながら、どこが悪いかということを是正していくのが研究ではないか、だから国会に報告書を出すのだって、なるべく早く、わかりやすく出して、ここが悪いから今度はここを研究するということを、国をあげてかかっていかなければならぬのではないか。ただ単に東大宇宙研の事業ではないと思うのです、私は。ばく大な予算を組んで、これはもう国民的な、あるいは国家的なあるいはこれは人類的な事業でありましょう。そういうものの失敗を関係教授にすら極秘にし、しかも郵政省の電波研究所でわかっておって、発表に疑問を持っているのに、秘密にされている。そういうものを私は理解できないのです。いま所長から若干聞きましたけれども、まだ十分理解できませんが、それは私は技術的にはしろうとでありますから、いまここでそういうものをなぜ早く言わなかったかと言ったって、これは水かけ論になりますから、報告書が出ましてから、また再度これは御質問しなければなりません。ただ、そういう仕組みが、この研究を前進させないのではないかということを懸念をいたすわけであります。私はこの前及び昨年の予算委員会で取り上げましたときに、東大宇宙研というものが独善的にあるいは独占的に、他の人たちを排除しながら——他の研究者、もちろん各大学からも研究所には入っておられますけれども——自分でなければならぬというようなことでやっておられて、十分ほかの意見が入らぬのではないかということを心配いたしました。しかも失敗に対して、こういうふうに極秘扱いにされるようなことでは、これは前進できないというふうな気がいたしました。それですからきょうお尋ねした。したがって、きょういま私がこの問題を取り上げましたのは、国会への報告書が、なぜ提出がおそいのかということと、衆議院だけ出ている、けしからぬではないかという問題と、その研究の失敗が関係教授にすら極秘にされておったのはなぜかと、こういう問題の究明のために質問いたしているわけでありますから、もう少し所長の御見解を聞かしていただきたい。
○説明員(高木昇君) たいへん御忠告ありがとうございます。いまの電波研の中田さんのことでございますけれども、電波研究所に連絡とっておりますし、中田さんのほうで、とまってないのじゃないかということをおっしゃいまして、疑問に思っていた。ただし宇宙研に直接の問い合わせはございませんでした。それは上がはずれると——中田さんのところは四段目の電波しか受けておりません、私たちは四段目と三段目の電波を受けでおりますので、三段目のほうからはとまっているということはわかり、四段目のところに食い違いがある、その点がやはり四段目、三段目がはずれたのだろうということは、あとから慎重に検討した結果でございます。 それからその次に、関係教授に非常に秘密にしていたということでございますが、先ほど申し上げましたこの構造のほうを担当している委員会には、ぜひ慎重に検討してくださいということでおはかりしておりまして、御専門の教授のことは、皆さんこの二週間以後の時点で御研究いただいておりますし、ただ関係ないと言っちゃ申しわけございませんが、燃料をやっている化学の先生とかそういうような方が、これのことが耳に入るのがおそかった。私たち全所的に委員会をつくっやっておりまして、いろいろの御批判はすなおに受けているつもりでございます。なお一そう努力したいと思います。
○小柳勇君 それから所長のことばもここに、新聞に出ているわけです。その所長のことばの前に『宇宙研内には「ミュー4Sの開発はすべて見合わせ、衛星計画は国の一元的な宇宙開発機構に一任すべきだ」との声も出て「あくまで従来通りの計画を推進したい」というロケット・グループと意見が対立しており、宇宙研が最終的にどのような方針を打出すか注目されている。』このようなことが書いてありますけれども、いま予算も通った直後でございますが、どういう御計画でございますか。
○説明員(高木昇君) いま新聞記事に、所内のおそらく教授の方が言われたのは、来年度の概算要求を出すのにどうするかということになるかと思うのでございます。これにつきましては、所内の意見をまとめておるところでございます。
○小柳勇君 それから「宮崎県漁民の反対もあって、打上げ時期は全体に遅れる傾向にあり、計画の遅延については近い将来、各方面に了解をお願いしなければなるまいと思っている。」こういうことも書いてあるわけですね。これは長官にこの前も予算委員会で質問いたしましたが、これはどういうふうになっておりましょうか、宮崎県漁民の動向なり、鹿児島県の漁連の動向なりについて詳細に御説明願いたいと思います。
○国務大臣(二階堂進君) 先般予算委員会で小柳先生が質問されましてから以降のことについて、大体のことを御報告申し上げておきますが、政府部内に設けられました関係各省の連絡協議会がございますが、そこでは、本年度の一応政府が考えている計画というものを明らかにいたしました。それは具体的なことは局長からお知らせいたしますが、その考え方を進める態度は、やはり漁民の了解を求めるように最後まで努力する。それから、漁業の被害と申しますか、漁業にできるだけ影響のないように、期間、数、方向等も関係各省の間で調整を行なってやる。それから、沿岸漁業の振興対策については水産庁ともよく打ち合わせをして、政府部内で、国のとるべき措置について明らかにして、漁民の了解を求めていくようにする、こういうような基本的な考え方を明らかにいたしたわけでありますが、その後、自由民主党の中におきましても、鈴木善幸さんを委員長とする宇宙開発特別委員会というものを設けまして、その中で漁業対策の小委員会、それから一元化に関する小委員会、こういうものを二つ設けていただきまして、それぞれ小委員会において、この二つの問題について毎週一、二回ずつ会合を重ねて検討を重ねてもらっております。この考え方は、私は先ほど申し上げましたような考え方に立って、いろいろと宮崎県漁民あるいは漁業連合会との間の話をまとめるための漁業振興に対する施策というものをいろいろ取りまとめていただいておるようであります。また、一本化につきましても、現在のこの宇宙開発の機構をどうすべきか、どう持っていくべきかということについていろいろ御検討願っております。まだ最終的なこの二つの問題についての結論は、党側においても出されておらないようでありますが、七月の半ば過ぎごろまでには大体党側の考え方もまとまるようでありますので、私どもも従来考えておりました計画等も、その党の考え方を基本にいたしまして最終的にはきめて、関係漁民あるいは鹿児島県、宮崎県その他大分県とか高知県もございますが、そういうところと打ち合わせをして了解を求めて、できる限り政府が考えておりまするような、この期間内に打ち上げができるようにはかっていきたい、こういうふうに考えております。政府といたしましては、一応の考え方を持っておりますが、従来宮崎県とか、鹿児島県等の漁民等の間において、いろんな問題もありましたが、漁民の方々、あるいは漁連の方々の意向等を聞いたり、あるいは両県の知事等が中に入ってあっせんしていただけるような環境というものをば十分党のほうでつくっていただいて、そうして漁民や、漁連の方々との話し合いが、納得の上にできて、そうしてこういう国の施策が進められるように持っていきたい、こういう考え方で目下話を進めておりますが、先ほど申し上げましたように、大体漁閑期が、八月、九月等が一番漁閑期であるということを承っておりますので、できるだけそういう機会に、関係各省で打ち合わせをいたしておりまするような帰趨に従って実験を実施してまいりたいと、こういうふうに考えております。
○小柳勇君 実験のほうの、打ち上げのほうの研究が進みましても、漁民の反対などで実験ができなければ科学の振興はありませんので、漁民の方の問題は早急に解決されることを期待しております。先般の予算委員会で長官が答弁されましたことで安心しておったのですけれども、なかなか解決しないようですから。 それから、けさのラジオ放送で高木所長の辞意表明が何回か放送されました。さきに糸川教授がおやめになりましたし、高木所長の辞意表明ということ、私ども宇宙開発の前進を期待する者としては大きな問題でございますが、所長さん、いまここに見えておりますのに直接お聞きするわけにまいりませんと思いますけれども、国会の場でございますからお聞きをいたしますが、テレビ、ラジオの放送について、辞意表明ということでありますが、そうでございましたでしょうか、お聞きをいたしたい。
○説明員(高木昇君) 私、けさの放送をよく知らずに、あとから人から言われて驚いておるのですが、科学技術庁の宇宙開発推進本部長は併任でございますが、私、十年来持病の糖尿病がこの春以来非常に悪くなったものですから、できるだけ身を軽くしたいと、こう考えておりますが、しかしその辞意は長官には表明しておりません。所内の、研究所の教授の連中が非常に心配をしてくれておりますけれども、また、かねて宇宙研の中にいろいろ不一致その他もございまして、健康もさることながら、本務に専念しろということは、教授会あたりで決議しかねまじき勢いで、私もほとほと弱っておる状況でございますが、私自体ちょうど健康がすぐれないので、考えてはおりますけれども、まだ長官には全然申し上げておりません。
○小柳勇君 けさの報道については推測であって、まだ辞意を長官まで表明しておられないと、こういうことでございますか。 長官、さきに糸川教授の辞任がございましたですね。報道が出ますと、この宇宙開発全般に対しまして国民が非常に希望が持てなくなり、暗い気持ちになります。宇宙開発全般に対して、長官ひとつどういうふうに前進させようと考えておられるか——質問してまいりましたから、締めくくりに長官の決意、見解を聞いておきたいと思います。
○国務大臣(二階堂進君) その前に、高木所長の辞意表明の問題でございますが、どういうふうにラジオニュースが申したか、私もけさ聞いておりません。あとで聞いたようなわけでありますが、正式にと申しますか、高木さんとお会いしたことは二、三べんありますけれども、それがやめさしてくれとか、やめたいという意思表示を私は承ったことはありません。ただ、会談の途中で、私も健康がすぐれないと、糖尿病を持っていると、ですからまあいずれかのときには、ひとつ健康回復のために自分の養生をいたしたい、こういうようなことがあったことは事実であります。しかし、そのために私がやめたいとか、やめさせてくれという意思表示はなかったことは、私からも明確に申し上げておきます。 それから宇宙開発の問題でございますが、実は私も就任以来、大きな国策としての宇宙開発、実用衛星を打ち上げるという仕事につきましては、全く心を砕いております。と申しますのは、昨年以来の計画が思うとおりに進めることができない、私も非常に責任を感じております。この宮崎とか鹿児島、関係漁民の方々の了解を得るに至っていない。一部では国の国策だから何としてもやったらどうかという声も強いわけであります。しかし、私は反対の立場をとっている方々の意思を無視して、力でもってこういうことをやろうという考え方は、私はよくないと思っております。時間がかかりますが、あくまで理解と協力を得て進めていくことが、今後の開発を進めていく上において一番大事なことではないかと思っておりますので、基本的には、あくまでも関係の漁民の方々、関係県漁連等と話し合いを進めてまいりまして、積極的に協力ができるという態勢をつくっていきたいと思っておりますが、この前から申し上げておりますとおり、四十五年度には、少なくとも実験実用衛星を打ち上げたい、こういう方針はしばしばここで申し上げたとおりでございますけれども、私の就任以来、実際、四十五年度に打ち上げるためにはどういう体制をつくっていくべきかということについては、いろいろ今日まで勉強をしてまいりましたが、率直に申しまして、宇宙開発の体制というものは、非常にまだ貧弱であると考えております。これに関係をしております産業界、電子関係とかあるいは通信関係とか、こういう産業界の方々の体制というものも、原子力委員会、原子力産業等と比べますと、まことにばらばらである、こういう産業界の体制というものも、私はもっと体制を整えていかなければならぬと思っております。また宇宙開発審議会、この審議会のあり方につきましても、私は再検討する時期にきているのじゃないかと思っております。したがいまして、まあ前の委員の方々が任期が切れましたから、近く新しい委員の方々を任命いたしまして、この体制、委員会のあり方についても審議会のあり方についても、私は再検討を加えてまいりたいと考えております。 また、私どもの役所の体制におきましても、調整局長のもとに調整局があって、いろいろ仕事を進めてまいっております。私はこのままで決して弱いとは申しませんが、やはり、役所の中にも宇宙開発局といったようなものを考えていかなければならぬのではないか。それからこの実施機関、打ち上げる機関というもの、業務を行なうものも、何か特殊法人といったようなものをつくって、そうしてそこで実際ロケットを打ち上げる作業をやる機関というものがなければならぬと、こういうふうに考えておりまして、そういう体制を一元的に総合的に強化する対策について、目下、私は事務当局にも私の試案としていろいろ案を示して検討中でございます。また、私の所属しております自由民主党の中におきましても、先ほど申し上げましたとおり、宇宙開発の一元化に関する小委員会等を設けて各界各層の意見等も聞かれまして、そうしてどうあるべきかということについていろいろ意見をまとめてもらっておる段階でございます。端的に申しますというと、原子力の関係は、産業界あるいは役所の関係あるいは委員会あるいは研究機関、こういうものが整っておるように私は考えております。そうであればこそ、また将来に向かっての新しい動力の開発といったようなものも進められていく体制が私はでき上がっておると思う。ところが宇宙開発につきましては、実際、実用衛星を四十五年度に打ち上げるのだという国の方針は示されてまいりましても、これを打ち上げていくだけの体制というものが十分でき上がっていない。この体制を私は早急にひとつ整えるということが大事だということで、いろいろ私自身、先ほど申し上げましたような考え方なんですが、党のほうにも御相談申し上げ、また、私自身もいろいろな方々の意見を聞きながら、その体制をどう持っていくかということについて研究を進めておりますが、これを私は、でき得るならばこの七月中に一応まとめまして、そうして政府の中におきましても、この関係閣僚の協議会というものをつくって、政府全体の責任においてこれを遂行していきたいというふうに考えて、このことにつきましては、総理とも先日お目にかかりまして、大体の御了承を得ておるわけでございますが、七月中には大体こういう構想をまとめて、皆様方のほうにも御報告を申し上げて御協力をお願いしたい、こういうふうに考えているようなわけでございます。
○小柳勇君 いまの七月中のやつについて近いうちに報告を聞きます。 それから文部省のラムダの四号機、五号機、それからミューの一号機に入っていくのでしょうが、何か混乱しているように……、新聞を読みましただけでは、今後の打ち上げについても混乱があるような気がいたしますから、明確なひとつ計画をお立てくださいまして、その御報告をお聞きいたしたいと思います。 きょうは私の質問はこれで終わります。
○委員長(鹿島俊雄君) 他に御発言もなければ、本件調査はこの程度にいたします。 一時二十分に再開することにいたしまして、これにて休憩いたします。 午後一零時十六分休憩 —————・————— 午後一時三十一分開会
○委員長(鹿島俊雄君) これより商工委員会を再開いたします。 午後は、まず衆議院送付の中小企業振興事業団法案を議題とし、前回に引き続き質疑を行ないます。質疑のおありの方は順次御発言を願います。
○小柳勇君 法案の内容に入る前に二、三点、現在の団地を形成している人たちの意見をここに反映しながら法律の上で考慮してもらいたいと思います。 まず第一は、融資査定基準が現実と合っておらないために、名目上の助成は六五%であっても実際は二〇%から三〇%ぐらいになってあとは自己資金になるが、査定基準をもう少し改定する意思はないか、こういう問題です。
○政府委員(影山衛司君) 先生御指摘のとおり、従来の高度化資金特別貸し付け時代におきましては、相当厳格な基準を設けて助成をいたしておりました結果、五〇%まで助成をするということになっておりますが、大体三五%程度になっておるわけでございます。今度、振興事業団をつくりますのを機会に、この実質助成率を六五%まで引き上げていくということでございまして、査定基準、助成基準もひとつ弾力的にやっていきたいというふうに考えておるわけでございます。
○小柳勇君 これは建屋などの単価あるいは助成する場合の相手の物件に対する融資条件ですからね、名目上は六五%になりましても、単価が低いと六五%にならぬわけでしょう。そういうことですから、たとえば原価、建屋が坪十万円かかるとすれば、その十万円について六五%というふうに、建屋あるいは土地などの原価など十分加味しなければ、名目上はパーセントは上がりましても、実質は自己資金を多く出さなきゃならぬということになるので、そういう点について特に要望したいのですが、そういう点について見解を伺いたい。
○政府委員(影山衛司君) 土地または建屋につきましての単価につきましても、これが非常識でない限りは、実情に応じた単価で助成をいたしてまいりたいと考えておるわけでございます。
○小柳勇君 次に第二の問題は、協同組合を——協同する場合に二十社という制限がありますが——これを十社ぐらいに引き下げる意思はないか。
○政府委員(影山衛司君) ただいまでも後進地域等につきましては十社以上ということにいたしておるわけでございます。これは団地に限っておるわけでございますが、この制限につきましても、これを今後は実情に応じて弾力的に行なっていきたいと考えておるわけでございます。
○小柳勇君 第三点は、現在までの法律の適用によりますと、第一年目に土地を取得し、第二年目に建屋を建てて、第三年目に生産が上がるような三年制度に考えておるけれども、これでは景気の変動もありますし、据え置き期間が二年ですから、まだ生産が上がらぬうちに償還が始まるという不合理があるから、これは短期間で生産できるように考えるか、据え置き期間を二年を三年なり五年に延期するか、どちらかを考えてもらわないと償還ができない。この点についての見解をお聞きしておきたいと思います。
○政府委員(影山衛司君) 大体、高度化資金関係あるいは事業団関係につきましても三年計画で工場団地等は助成をいたすことになっておりますが、普通の実際の状況は、なかなか大事業でございますので、この三年計画をむしろ延ばしてほしいという要望のほうが多いわけでございますが、ただ、早く結束を固めて早く計画を実現をしたいと、あるいは二年でやっていきたいというふうな場合には、二年計画であっても助成ができるようにいたしたいと思います。
○小柳勇君 極端に言って一年計画でも助成ができますか。
○政府委員(影山衛司君) その実際に応じまして一年計画でもいいと思います。
○小柳勇君 できる。 次の問題は、既成団地の拡張及び建屋の増設に対して今度のこの法律が適用できるのかできないのか。造成完了団地が流通機構の整備などによりまして経営規模を拡大しなければやっていけないような情勢もあると、したがって、あと土地を拡張したり建屋を増設する場合に、いままでのほかにプラス現在のこの事業団法によって融資あるいは指導ができるかどうか。なお、現在三年計画で一年残っておるもの、この分はいままでの法律を適用するのか、新しい事業団法を適用するのか、この二点をお伺いしたい。
○政府委員(影山衛司君) すでに助成完了いたしております団地で、その後運営がうまくいきまして建屋等を拡張していかなければいけないというような場合があるわけでございまして、こういう点につきましても、今度事業団がアフターケアをやっていかなければいけないと考えるわけでございますので、そういう場合におきましても助成の対象にできると考えております。 それから第二点の三年計画で助成をしておって二年まで高度化資金でやっておって、あと一年残っておるというこのあとの一年のものにつきましては、事業団の対象に移すことにいたしております。
○小柳勇君 念を押しておきますけれども、前の土地拡張並びに建屋増設については、新しい事業団法によって助成できると、こう確認していいんですか。
○政府委員(影山衛司君) さようでございます。
○小柳勇君 次の問題は、職員の福祉施設に対しても店舗に準じて助成並びに融資の対象にしてもらいたい、郊外地などの団地では働く人の通勤が不便なためになかなか人手が集めにくい、したがって宿舎や寮などを付設したいと考えるけれども、なかなか金のくめんもつかぬので、年金融資あるいは住宅公団などのように店舗に準じて融資を考えてもらえぬかと、こういうことであります。これに対する見解をお聞きいたします。
○政府委員(影山衛司君) 共同宿舎あるいは共同給食等の福利施設につきましては、組合の共同施設としてこれを設ける場合には振興事業団の対象にできるわけでございます。
○小柳勇君 組合の共同宿舎の場合には国と県が八割融資すると、あの条件で適用できますか。
○政府委員(影山衛司君) 六五%のほうでございます。
○小柳勇君 そういたしますと、共同施設以外に個人で、私のほうは要りません、あなたのほうは要る、いろいろ条件がありますが、一社あるいは二社、一店あるいは二店、そういうことではできないのですか。
○政府委員(影山衛司君) 団地に入っております中で、一店、二店がまとまります場合、この共同、その中のまた共同施設として見れるかどうかということでございますが、大体共同施設のもとになる協同組合は、四人以上でないとこれは設立できないことになっております。もしも、それが四人以上がまとまって別個の共同施設をつくるということになれば、理屈の上ではできるわけでございます。できるだけ団地組合全体での共同施設としてこういうものは設置してもらいたいと考えております。
○小柳勇君 次は、団地造成あるいは共同工場設置には、地理的条件や販路の想定、近郊都市の経済事情など、高度の経済的判断が必要であるから、そのために、少し指導をひんぱんにして強化してもらえぬであろうか。現在も指導員がときどき来られるけれども、相談しようと思うときにはなかなか来てもらえない。したがって、指導体制を少しひんぱんにしてもらいたい、強化してもらいたい、こういう要望がありますが、今度の事業団法ができまして指導体制はどうなるんでしょうか。
○政府委員(影山衛司君) この振興事業団をつくりました一つの理由も、アフターケアの指導もひとつ力を入れていきたいということでこの事業団をつくったわけでございますが、ただ、地域的に末端の協同組合、団地等におきますところの指導は、県、あるいは北九州においては北九州自体で持っておるところの指導所あたりにお願いをいたしておるわけでございまして、そういうところの人員等も拡充をいたしまして、あるいは事業団からもこれに協力をいたしまして、アフターケア関係の指導というものに力を入れていきたいと考えておるわけでございます。
○小柳勇君 この前長官にちょっと質問したのですが、商工会議所や別の民間の中小企業連合会とか組合とかに優秀な人がいるわけですね。そういう人を嘱託にしたり、あるいは、その事業団の何といいましょうか、顧問にしたり、民間人をその指導要員として活用すれば非常にパイプの役割りをするのじゃないかと思うのですが、そういうものについて検討されたことございますか。
○政府委員(影山衛司君) できるだけ指導員につきましても、民間のそういう経験者、有力な人を活用していきたいということを考えておりまして、嘱託制度も今度の事業団では用意をいたしておるような次第でございます。
○小柳勇君 それから団地を形成する意義がまだ十分にわかっていないで、商業団地があると、これを友人に話すというと、まあ土地だけひとつ確保するかというような軽い気持で入っているようなものが、あの団地の中に半分以上ある。そこで、少し政府の、共同化、協業化の精神が、なぜそうしなければならぬかという徹底した教育がありませんと、じゃ、ひとつ土地だけ手に入れようかということで協同組合に入ってくる。ちょっと事業が不振になるとすぐ脱退するというような、安易に考えるから安易になるのだということでありますが、少しPRする必要があると思うが、PRの方策についてどう考えるか。
○政府委員(影山衛司君) 先生御指摘のように、従来の中小企業対策につきましては、どうも末端まで中小企業対策の普及徹底がどうも不十分であったと考えるわけでありまして、私どもも、中小企業庁に施策普及室というものを設けまして、簡易なパンフレットをつくりましたり、あるいはテレビ、あるいはラジオ等を通じまして、普及宣伝につとめておるわけでございますが、この振興事業団におきましても、企画広報課という課を一課つくりまして、その普及徹底のために、専門にこの広報事業あるいは協業化の重要性についても啓蒙いたしたいと考えておるわけでございます。それと同時に、実際の具体的な事業が出てまいりました場合には、県の指導所、それに振興事業団のコンサルタントも加わりまして、計画診断というものを十分にやりまして、そういう点では万遺漏のないようにいたしていきたいと、こう考えておるわけでございます。
○小柳勇君 次に、新たに団地をつくりましたその店の親方さんたちが集まって優秀な講師の話を聞くということが非常に有益である。先般ゼミナーがありまして、非常に好評を博した。ところが、これには金がかかりまして、なかなか年に何回もやれない情勢にある。したがって、事業団や国や県が優秀な講師を地方に派遣をしてゼミナー等を再々やってもらえないであろうか。そうして経済情勢の話や、あるいは経営の方針などについて討議する場をつくってもらえないかという要請があるが、そういう費用などは事業団にはありますかどうか。それからまた、地方公共団体などはそういうものをどういうふうに指導しておられるのか。
○政府委員(影山衛司君) 県がそういう講習会等を主催する場合におきましては、現在の予算では、年間五百件ほど無料で県で講習会ができるというような補助金を用意しているわけでございます。 それから県段階でやり得る以上の高度のものにつきましては、事業団自体が主催をいたしまして、講習会等も研修の一環といたしましてやっていきたいと思うわけでございます。
○小柳勇君 では、その団地のほうでそういう意見があれば、県や市あるいは事業団に申し込んで講師派遣を要請すれば、費用が少なくてできるわけですね。
○政府委員(影山衛司君) さようでございます。
○小柳勇君 次は、員外者利用は現在二〇%の規制があるが、この員外者利用二〇%の規制では非常に不便であるから、もう少しこの規制のワクを広げてくれないかという意見がありますが、どうですか。
○政府委員(影山衛司君) 現在協同組合は協同組合員の共同の利益の追求というために、共同施設等を設けておりますので、法律上も、そういう組合員の利益のためにやる場合はいいけれども、員外者利用という場合は、これは例外的に二〇%しか認められないということになっておるわけでございますが、先生御指摘のような協業化というものが、これが進んでまいりますというと、協同組合、組合自体が企業体になりまして事業の運営をやっていくという場合も出てくるわけでございます。そういう点での現在の協同組合法の不備を是正いたしますために、今度国会に提案いたしまして御審議を願うことになっておりますところの協業組合というものがこれに該当するわけでございまして、協業組合につきましては、員外者利用の規制というものはないわけでございます。
○小柳勇君 わかりました。現在の協同組合法によっては拡大の余地はございませんか。
○政府委員(影山衛司君) 現在の協同組合法上では、明確に二〇%以上の員外者利用を禁止いたしております。ちょっとむずかしいと思います。
○小柳勇君 それでは、協業組合法を論議するときにまた論議いたしましょう。 次は、中小企業基本法の定義で、商業団地の場合の中小企業者の定義は、資本金一千万円で五十人でありますけれども、これを少し一千万の金額も上げるし、五十人の人数を少し上げてくれないか、いま少し強力な店が入ったほうが団地としてやりやすいというような意見もございますが、特例はありますから、現在も若干やっておりますけれども、中小企業基本法の定義については、どういうふうにお考えになっておりますか。
○政府委員(影山衛司君) 中小企業基本法自体の定義を引き上げてくれという要望は非常に強いわけでございますが、私どもも現在実態を調査いたしておりますけれども、この限度をどこまで引き上げたらいいのか、中小企業性というものをどこで線を引いたらいいか、また、上に引き上げることによりまして、中小零細企業対策というものをおろそかにならないようにしなければいけないというような点も考慮いたさなければいけませんので、そういう基本的な問題につきましては、これから早急に中小企業政策審議会の企画小委員会等で審議をしてきめていきたいと思うわけでございます。暫定的には、この振興事業団法あたりでも、政令で例外が定め得るというようなことにもなっておりますが、そういう点も今後検討をいたしていきたいと思っておるわけでございます。
○小柳勇君 それから先般の中小企業の倒産に関連して、連鎖倒産が起きている、工業団地に起こりましたのを、それを原因を調べてみますと、自己資金をつくりますときに、銀行借り入れが全体の二二%もあった。だから、総資金の中で三三%が自己資金であったけれども、ほんとうの自己資金は一〇%しかなかった、あとは銀行借り入れである、したがって、連鎖倒産で二十社のうち十社倒れた、そういうことでございまして、この自己資金をつくるときに協調融資をもっと考えて利下げをしてもらいたい。それから銀行借り入れの問題など、まあ銀行から借り入れなくてもできるような方法をもちろん考えなきゃなりませんけれども、協調融資の問題でも格段の配慮をしてもらえぬであろうか、いかがでございましょうか。
○政府委員(影山衛司君) 自己資金の確保につきましては、一つ税制上の制度がございまして、構造改善準備金制度というのが昨年度から発足いたしておるわけでございますが、これは共同事業を行ないますための自己資金を、自分たちが金を出し合って積み立てをするという場合には、それを構造改善準備金といたしまして積み立てるほうのその企業につきましては損金扱いにする、というような特別の配慮がなされておるわけでございます。こういうものによりまして自己資金の積み立てを行なうということがたてまえでございますが、ただ、それでは不十分な点もございますので、先生御指摘のように、協調融資というものによりまして自己資金の確保もやってあげなければいけないということでございまして、商工組合中央金庫等にも要請をいたしまして、商工組合中央金庫もそのつもりになっております。そういうところで自己資金の確保をしていきたいと思っております。
○小柳勇君 その場合の利率の引き下げについては話し合いが進んでおりますか。
○政府委員(影山衛司君) 商工中金あるいは中小企業金融公庫の金利の引き下げにつきましては、政府出資を行ないながら、過去におきましても何回も引き下げをいたしておるわけでございまして、今後とも、その金利の引き下げにつきましては、予算措置と相まちまして、金利の引き下げに努力をいたしたいと思っておる次第でございます。
○小柳勇君 その商業団地あるいは工業団地に共同販売会社をつくるということを想定して、その共同販売会社に事業団法の適用はできるかできないか。
○政府委員(影山衛司君) そういう共同販売会社がメンバーの共同出資という形ででき上がりますものにつきましては、その共同施設分につきましては、事業団法の対象になる予定でございます。
○小柳勇君 次は、運転資金で非常に困るわけですが、団地に入りまして二年据え置きで、やっと二年目、三年目に仕事が軌道に乗り収入がふえる、そこへ償還が始まりまして、二年目ごろから三年目に、運転資金で倒産した例が相当あるようでありますが、いままでそういう団地には優先運転資金を配慮するというような例がありましたかどうか。将来、運転資金の問題については、どういうふうな配慮をされるか。
○政府委員(影山衛司君) 先生御指摘のように、設備資金関係の共同融資につきましては、相当の配慮をいたしておるわけでございますが、その後におきます運転資金についてのめんどうというものは必ずしも十分ではなかったように私ども考えております。これは今後とも運転資金のめんどうというものも、アフターケアの一環といたしまして、事業団を中心にいたしましてめんどうを見ていきたいと考えております。
○小柳勇君 次は、運輸省の自動車局岩田通運課長に質問いたします。 工業団地あるいは商業団地で、その店がトラックを持って輸送しております。それで一店に二台、二十店でしたら四十台あるのでありますが、四十台要らないわけで、したがって、これを共同輸送にしますと、たとえば、その商店、商業団地からデパートや同じところに行く荷がたくさんあるそうです。したがって、その特定運送事業の認可などを申請したい——協同組合では会社じゃありませんから、代表者に問題があろうが、どういう方法でやれば、車を減らして共同輸送、運送ができるであろうか、この点についての見解をお伺いしたい。
○説明員(岩田弘文君) ただいま先生の御指摘、ごもっともでございまして、都市の間におきまして自動車の車両がふくそうしておりますので、これのふくそうを防ぐとともに、荷主さんのコストを低減するというような見地から、皆さん一カ所の方々がお集まりになりまして、荷主さんの御意思でこの運送会社にやらしたらどうか、あるいは別に会社をおつくりになりまして、こういう会社に荷主さんが全部出して効率的な車の運用をはかるということになりますと、やはりコストの面からもプラスにもなりますし、車の効率化というような面でもいいわけでございます。したがいまして、そういう組織が適法でございますれば、申請して荷主さんの方々の御了解を得てこの会社がやる、あるいは、こういうものにしたらどうかというものを御申請になりますと、前向きの方針で処理していきたいと存じております。
○小柳勇君 特定の会社に荷を頼むことは、これはいま合法ですから、それは質問いたしませんが、別に協同組合——いま二十社入っていますね、そこの荷主の代表が申請をして、その二十店の品物を輸送できるのか、あるいは共同出資で別に運送事業の会社をつくるのか。
○説明員(岩田弘文君) そういう組織をつくっていただきまして、たとえば法人格を持つとか、そういうことで、たとえば農業のほうで農業協同組合がおやりになっているようなやり方でおやりになれば、前例もございますことですし、前向きの処理でできるのじゃないか、かように存じております。
○小柳勇君 二十店の人が共同出資して法人をつくり、その団地が法人化されておる、それがその全体の各店から運賃を取って輸送する運送事業というのは、いまの法律で認可できますか。
○説明員(岩田弘文君) それは一応ただいまのところ、そういうやり方といたしましては、そういう協同組合がやはり個々のお客さんのためにやっておるということになります場合には、いわゆる青ナンバーを使うというようなことになりまして、申請をして業者になり、彼ら自身が自身のためにやるというような場合には、それは問題はないと存じます。
○小柳勇君 協同組合ですね、たとえば、ここにお菓子をつくる商業団地がある、同じお菓子屋だから、二十店あるから、それはデパートへ種類の違ったお菓子を運搬するから、各店でトラック二台くらい必要ないわけです。だから五台か十台にしたらいいわけです。そういう場合には、そこの協同組合が、理事長が特定運送事業を申請していいのか、別に特定運送事業の会社を設立して、そうして申請をしなければならないのか、こういう点、具体的に質問しているわけです。
○説明員(岩田弘文君) それでけっこうでございます。理事長が御質問のように御申請してくださってけっこうでございます。
○小柳勇君 次は建設省に質問いたします。 この団地から、団地の中は道路舗装してありますが、団地の外から県道や市道までの間の道路がだれも手がつかない、でこぼこになっておりますから非常に困っておりますが、これは産炭地振興事業団の場合もその問題があります。あるいは住宅公団の場合ももちろん問題がございますが、公道から団地の入り口までの道路の整備については、格段の配慮を払ってあるのか、交付金とか補助金は、あるいは県や市に対して配慮してあるのかどうか、お聞きいたします。
○説明員(豊田栄一君) お答えいたします。 先生ただいまの御質問でございますが、まあ団地関連あるいは公共事業、それぞれ特殊立法でいろいろなあれがございますけれども、それに関連いたしましての、一番、生活基盤、生産基盤と幹線とを結ど道路という意味では、現在やはり市町村道そのものが一番足りませんので、こういう点につきましての促進というものは、今度の私どもの予算では、非常に昨年から傾斜がかかってまいりまして、いまの御趣旨の点の促進を盛んにいまはかっているところでございます。 ちなみに例を申し上げますと、そういう事業関連での市町村道整備の倍率は、ほかの道路事業の伸び率よりずっと高うございまして、たとえば、いまの市町村道等の他の事業関連を集計いたしますと、四十一年度に対比いたしまして三八%の増でございます。そういう点では、道路の一般事業の伸びが一六%という点につきましは、非常に高率なものでございますが、まあ御指摘の点については、まだ熟度がない点、あるいは、そういう点での補正としては、経済企画庁のほうで所管しております事業調整費、そういうものの運用等をプラスされまして、道路のほうの足りない点を補うということをやっているわけでございます。
○小柳勇君 具体的に、団地から国道や県道までの間の道路、これはほとんどが私道ですけれども、百メーター、二百メーター、あるいは長いところは五百メーターございますが、その道路の整備というものは、そこまでは団地でなかなか手が出ぬわけです。したがって、地方公共団体でやってもらえれば、一番いいわけです。あるいは若干自己負担してせいとおっしゃればしますけれども、そういう指導はしてあるのかどうかという点を具体的に、それから補助金などがあれば、それを教えていただきたい。具体的な問題です。
○説明員(豊田栄一君) いま先生の御質問の第一点の私道に関しましては、これは道路法の体系から見て、補助金体系には入りません。 それから第二点の補助の問題につきましては、ただいま私が申し上げました市町村道整備事業として取り上げられたものについては、それぞれの根拠法規によりまして、四分の三ないし二分の一の補助がされております。そのほかに、地方公共団体が行ないます単独事業というものがございます。これは一般的にいいますと、大体維持修繕関係の費用が約四割、それから、先ほど御指摘のような改築に相当するもの約六割というような大体計算になって、そういうぐあいに運用されておりますが、その中で行なわれるわけでありますが、これもやはり道路法でいえば、市町村道以上の戸籍のものになるかと思います。 以上でございます。
○小柳勇君 これは、たびたび石炭委員会でも論議したのですが、産炭地振興事業団で造成しますね、工業団地を造成します。県道から相当距離がありますけれども、そこまでなかなかやれないのです、金がかかるものですから、単価が高くなるから。だから、そこに企業誘致するためには、その道路には特別の援助をしてくれということを再度お願いして、国会で問題にしているわけですが、それと同じ意味で、いま通産省が協業化、共同化を進めているのだから、団地が山の中にできた、相当郊外ですから、ずいぶん長い私道をつくらなければならぬわけですね。そこまでつくりますと、工場団地の単価がうんと上がるわけです。そういう場合、国として、あるいは県や市が三分の二なりあるいは五分の四なり補助してやったら、早く舗装できるわけでしょう。そうすると、その中の団地が生きてくるわけです。そういう配慮をしてあるのかどうか、こういう質問です。
○説明員(豊田栄一君) ただいまの御質問でございますが、やはりそういう場合には、道路法の戸籍にあげることがまず第一でございまして、いま御指摘のような団地からの距離が長い場合には、これはそのものを市町村道そのものにしていただきまして、その上で補助をするという措置はとれると思います。
○小柳勇君 これは長官、その問題はどういうふうに考えておりますか。
○政府委員(影山衛司君) 従来から、団地の人たちからもいろいろと要望があるわけでございます。これはよく存じておるわけでございますが、なかなかむずかしい問題もございまして、結局のところ、市町村のほうにお願いをいたしまして、市町村道としてつくっていただく、あるいは場合によりましては、産業関連施設道路というような手もあるわけでございます。そういうところに乗せていったりというようなことで、具体的なケース、ケースでいろいろと奔走しておるわけでございますけれども、まだ十分であるとは言えないわけでございます。
○小柳勇君 今度は建設省に聞きますが、市町村道に指定されたら、その上で優先配慮できますか、そこの、特別に団地だから、そういうような通達など出してある実績がありますか。
○説明員(豊田栄一君) 市町村道の事業としての採択の基準の中に、そういう事業関連の団地、あるいは、たとえば先生御指摘がありました産炭地、そういうようなときには、申請があれば、予算の範囲内でつき合うようになると思います。
○小柳勇君 もう一ぺん教えていただきますが、市町村道に指定されますと、あとは国、県などの補助が幾らありますか。
○説明員(豊田栄一君) 通例の場合ですと、改築事業については三分の二、それから特改事業、これは金額が小さい場合でございます、こういう場合には二分の一。大体二分の一の限度額が二千万円ということにきまっております。
○小柳勇君 それは路盤から舗装までの全体の金額を含んでですか。
○説明員(豊田栄一君) そのとおりでございます。
○小柳勇君 これは建設省に希望いたしておきますが、産炭地振興事業団とか、あるいは、いまの通産省の事業団の宅地造成あるいは団地造成などで非常に困っておるのですよ、現実に、なかなかそこまで舗装できぬものですからね。したがって、優先市町村道に持定してもらうと同時に、その舗装などの問題を、もっと補助を出して早急にやれる方法をひとつ指導してもらいたいと思うのです。希望いたしておきます。何か意見ありましたらお聞きします。
○説明員(豊田栄一君) 御趣旨の点よくわかりました。
○小柳勇君 次は、短時間に法案の内部を質問いたします。 まず、第四条です。事業団は事務所を東京に置くということになっておりますが、地方のほうで事務所なり支所を置く考えは——将来置く考えはございませんか。それから、事業団の窓口は一体どこが当たるのか。
○政府委員(影山衛司君) 地方事務所につきましては、ただいまのところ、これを設置する予定はございません。できるだけ地方の都道府県に窓口になっていただき、そこで地方事務所のような役割りを演じていただくというような方針になっております。窓口が原則として都道府県でございますが、例の事業団の直接事業に当たります場合は、商工中金の場合がございます。
○小柳勇君 次は、第十七条の評議員会のところでありますが、事業団に評議員会を置く理由、「評議員会は、評議員二十人以内で組織する。」ことになっておりますが、知事、中小企業団体中央会会長、学識経験者の中から選ぶことになっております。その構成割合、それから知事や中央会会長は数が多いが、そのうちから何人を選ぶ基準としておるか、諮問事項はどういう点かと、以上お尋ねいたします。
○政府委員(影山衛司君) 十七条の評議員会を設置いたします趣旨は、まず、事業団の事業運営を民主的に行なうという意味におきまして、広く関係の各界の意見をここにおいて聴取をするという趣旨に出るものでございまして、都道府県が中小企業の指導、振興をいたしております。また、中小企業の組織化関係でも、中央会をはじめ中小企業団体の指導者がこれを指導いたしております。また、その他広く中小企業の振興という点につきましても、ここで審議をいたしてもらいたいという趣旨で、その審議を行ないますと同時に、たとえば都道府県の地方自治との関係等につきましても連絡調整をはかっていきたいというような趣旨で、この評議員会を設けたわけでございまして、二十人以内で組織いたしますが、現在のところ、都道府県知事、中小企業団体中央会その他中小企業団体の代表者、中小企業関係の金融機関の長、その他学識経験者、おのおの数名ということになっておりまして、まだ具体的に人数はきめていないわけでございます。また、都道府県知事につきましては、これは都道府県の代表者を、各府県の商工部長とも相談をいたしまして選んでいただくという方法によって、代表者を選定いたしているわけでございます。
○小柳勇君 二十人のまだ決定ないようですけれども、これは中小企業庁できめて指名をするのですか、それひとつ。それから代表者を、中央会の代表者といいますと、たとえば知事会は知事会と、中小企業団体中央会は中央会、学識経験者は学識経験者、おのおののグループからその代表者を選ぶんですか。
○政府委員(影山衛司君) 形式的には通産大臣が任命をするということになっておりますが、実際上は、都道府県関係におきましては、商工部長とも相談いたしますが、先生御指摘の知事会とも相談をしていく、あるいは中小企業団体におきましても、おのおのその関係の向きとも相談をいたしまして代表者を選定してもらって、そこを任命していきたいと思うわけでございます。 それから権限につきまして答弁漏れがありましたが、諮問事項につきましては、これは事業計画あるいは予算、あるいは今後の業務方法の行き方等、重要事項はすべてにわたって諮問をいたして審議いたすということになっております。
○小柳勇君 次は、第二十条です。第一項第四号中、「中小企業指導担当者」、「並びに都道府県が行なうことが困難な中小企業者」云々「研修を行なうこと。」とありますが、この都道府県が行なうことが困難な研修とはどういうことでございますか。
○政府委員(影山衛司君) 現在、都道府県段階で、中小企業の技能者を技術者にまで養成するところの研修をやっているわけでございますが、さらにそれよりも高度な技術関係がございまして、たとえば一般に機械類は自動化が行なわれているわけでございますが、あまり高度の自動化というものは中小企業にそぐわないものでございますので、半自動化というような点の研究開発を、従来から指導センターがやっておりまして、それに基づきまして、高等技術研修所というのがございますけれども、そこで実際上のそういうものの研修技術の養成というようなものもやっているわけでございまして、そういうものを、都道府県においてなし得ないところの研修事業というふうに考えているわけでございます。
○小柳勇君 次は、第二十条の第一項第七号ですが、「前各号に掲げるもののほか、第一条の目的を達成するために必要な業務を行なうこと。」と、こうあります。これは第四項で通産大臣の認可を受けることになっておりますが、どのような業務を行なうと考えておりますか。
○政府委員(影山衛司君) たとえば第一項第四号におきましては、事業団で中小企業指導担当者、すなわち、府県段階の診断指導員を養成をする、研修をするということになっておりますけれども、商工会、商工会議所あるいは中央会というような中小企業団体の中の指導者、これにつきましては規定がないわけでございまして、そういうものの研修につきましては、第七号の事業といたしまして、これを通産大臣が認めて行なわしめると考えるわけでございます。
○小柳勇君 次は、第二十条の第二項です。「次に掲げる者は、中小企業構造の高度化を促進するため特に必要がある場合には、通商産業省令で定めるところにより、中小企業者とみなして、前項第一号、第二号及び第四号の規定を適用する。」とあります。このうち、通商産業省令はどのようなことを定めるつもりでありますか、その内容について説明してもらいます。
○政府委員(影山衛司君) 第二項の合同、合併の場合の適用の基準といたしまして、通商産業省令で定める場合は、たとえば企業合同あるいは合併の場合、あるいは小売り店舗の共同化、すなわち、寄り合いの百貨店あるいは協業スーパーマーケットというようなものを共同出資で行なうというような場合、あるいはボランタリーチェーンの本部を共同出資で行なうというような場合があるわけでございまして、そういうふうな事業の種類——対象となるところの事業の種類あるいは内容等を規定いたしたいと思うわけであります。
○小柳勇君 次は、第二十条の第三項について質問いたしますが、「第一項第二号イ及びロの中小企業構造の高度化に寄与する事業並びに同項第三号の業務の範囲は、政令で定める。」とありますが、この政令はどのようなことを定めるのでありますか。
○政府委員(影山衛司君) 対象高度化事業の内容を規定いたすわけでありまして、第二十条第一項第二号の対象事業といたしましては、協同組合等の共同事業、それから工業団地、商業団地あるいは共同工場、商店街の改造、それから小売り商業の、ただいま申し上げました店舗の共同化、あるいは新たに共同計算センターを計画いたしておりますが、共同計算センター、あるいは小売り商業の連鎖化、すなわち、ボランタリーチェーンというような事業を政令で規定いたすつもりでございます。 それから法第二十条の第一項の第三号に掲げてございますところの直接事業につきましては、これは二府県以上にまたがる場合、それからもう一つは、繊維の構造改善事業法が成立いたしました場合には、その構造改善事業につきましては、都道府県の財政負担の見地から、一〇%程度の都道府県の負担をしてもらうことになっておりますので、それは一度事業団のほうへ貸し付けてもらいまして、事業団自体の六〇%の金と合わせて、これを商工中金等を通じて産地の商工組合に流すというような方式を考えておりますが、これも政令で規定いたすということにいたしていくということになろうと思われます。
○小柳勇君 次は、第二十一条であります。「事業団は、通商産業大臣の認可を受けて、政令で定める金融機関に対し、」云々「一部を委託することができる。」とありますが、「政令で定める金融機関」とはどういうところを考えておりますか。
○政府委員(影山衛司君) さしあたり、これは中小企業振興事業団の直接事業として融資をいたします場合の業務の一部を委託する金融機関を考えておるわけでございまして、商工組合中央金庫かそういう組織金融、組合金融としてこれは高い実績を有しておりますので、さしあたりといたしましては、商工中金を指定をいたすように考えております。
○小柳勇君 商工中金だけでなぐ、広く都市銀行あるいは地元の経済発展と密接に結びついている地方銀行にも業務を委託して活用する考えはないのか、この点についての見解を伺います。
○政府委員(影山衛司君) 今後の運用の実績等をも考えてみまして、そういう方向に進んでいきたいと思うわけでございます。まず、その前提といたしましては、地方銀行がやはり協調融資をしてもらうということが前提であるわけでございます。
○小柳勇君 地方銀行が協調融資に協力するならば、通産省としては地方銀行も業務委託を考えると、そういうことも考えていいですか。
○政府委員(影山衛司君) そういう方向で今後も検討していきたいと思います。
○小柳勇君 商工中金が組合金融を通じて中小企業を育成強化する使命を持っているにもかかわらず、貸し付けにあたって、往々にして独善的、官僚的な運営が行なわれ、中小企業に対して不親切な場合があると聞いておりますが、これでは困るんで、常に借りる側の中小企業者の立場に立って貸し付けに当たるよう、事業団も発足しようとしておりますし、商工中金にも、協業ができたという機会であるから、さらに十分そういう点については指導してもらいたいが、いかがでございましょう。
○政府委員(影山衛司君) 先生御指摘のような点も、遺憾ながら間々あるわけでございますが、この事業団発足を機会に、商工中金のほうといたしましても、業務運営の改善を大いにはかっていきたいという気持ちを持っておりますので、私どももそういう方向で指導をいたしたいと考えておるわけでございます。
○小柳勇君 商工中金にもひとつとくと通産大臣から言っておいてもらいたいと思います。これは私だけではありませんで、各委員がそういうことを申しておりますから、私は代表して申し上げておきます。 次は、二十一条の二項でありますが、「事業団は、通商産業大臣の認可を受けて、地方公共団体その他政令で定める者に対し、」「一部を委託することができる。」とありますが、事業団が都道府県から資金の一部を借りて業務を行なう場合に、委託する「地方公共団体その他政令で定める者」とは、一体何を考えているのか、お聞きいたします。
○政府委員(影山衛司君) ここで考えておりますところの地方公共団体は、むしろ都道府県ではございませんで、市町村なりを考えておるわけでございます。また、「その他政令で定める者」と申しますのは、県あたりで実際上土地造成の実務をいたしておりますところの開発公社等を考えておるわけでございます。
○小柳勇君 次は、二十七条でありますが、「事業団は、」「中小企業振興債券を発行することができる。」ことになっておりますが、なぜ事業団が債券を発行する必要がありますか。
○政府委員(影山衛司君) 事業団の所要資金につきましては、でき得べくんば、一般会計からの出資だけによりたいわけでございますけれども、しかしながら、一般会計だけからの出資ということになりますというと、従来からの行きがかりもございまして、相当補助金的な厳格な運用をいたすというようなこともございますし、また、従来五〇%まで資金助成するということになっておりましたけれども、それの助成の限度を引き上げていくということになりますというと、やはり中小企業振興債券等も発行いたしまして、外部資金も、これは一種の財政投融資の資金でございますけれども、そういうものを導入をいたしまして、貸し付け範囲を拡張いたしますと同時に、反面におきましては、運用を弾力的にいたしていきたいというような考え方から、外部資金であるところの中小企業振興債券も、これは導入をいたすということにしたわけでございます。
○大矢正君 関連して。長官、いまの事業計画、すなわち、ことしの事業計画ですね、この事業計画の内容はおおむね、きょう資料としていただいたんですが、正確なひとつ原資の内容を、政府出資が幾ら、債券の発行が幾ら、資金運用部からの借り入れが幾ら、そのほかにあるのかどうかわかりませんが、それをひとつ正確に御説明願いたい。
○政府委員(影山衛司君) 事業団の事業計画の原資でございますが、事業団の資金は、百七十八億を現在のところ予定いたしているわけでございますが、その中で、出資金によりますものが約百十一億でございます。それから、すでに高度化資金時代の債権債務の中から現金として引き継ぐもの、これが八億七千万円程度でございます。それから、先ほどの中小企業振興債券が三十七億円、それから二十七条にございますところの長期借り入れ金というものが二十一億で、借り入れ金が合計五十八億ということになりまして、事業団の資金は百七十八億円でございます。
○大矢正君 借り入れの内容は。ほかはわかるんだが、借り入れはどこから借りるのか。
○政府委員(影山衛司君) 借り入れにつきましては、これは市中銀行から借り入れるということになっているわけでございます。市中銀行から借り入れて政府が保証をする、債務保証をするという形になっているわけでございます。
○大矢正君 それからもう一つ、念のために、出資に関連してお尋ねしておきたいことは、この百七十八億にさらに若干の数字的な違いが出てくるかもわかりませんが、国が六十二億ですか、繊維の構造改善の例の織布に対する助成といいますか、融資といいますかね、これを行なわれることになるんだが、この法律が通らないということになると、事業計画は根本から大きく狂ってきますね、六十二億ですからね。そうすると、これはちょっと私の考えからいけば、今年度事業計画の立たないような、資金計画がまるっきり狂ってしまうような、三分の一も狂ってしまうようなこの法律の内容というものはね、繊維の構造改善に関する繊維新々法でも出てこないうちは、容易にこれを賛成して、上げるわけにはいかないという理屈を私は持っているのだが、その理屈は間違いかどうか、これだけ聞かしておいてください。
○政府委員(影山衛司君) 先生御指摘のように、繊維の織布対策も六十二億ほど事業団から金を出す予定にしておりまして、新規のこれからやりますところの事業といたしましては、非常に私どもも期待をいたしているところの施策でございますが、この六十二億に対しまして、あと全般の事業団の事業計画と申しますものは、工場団地、商業団地等の案件につきましては約九十九億、それから共同工場、公害防止施設等におきましては約十七億というような……
○大矢正君 それはわかる。三分の一が狂いが生ずると言っているのだ。百七十八億のうちの六十二億といったら三分の一でしょう、三分の一の資金計画が大幅に狂うのに、それでも法律をこのままそういう計画のもとに通していいんですか、悪いんですかと聞いているんです。
○政府委員(影山衛司君) 私どもといたしましては、この繊維の法律が早急にこの国会で成立いたしまして、私どもの用意しております事業団の事業内容に変わってくるということを期待いたしているわけでございます。 それと同時に、もう一つ事業団関係におきましては、たとえば工場団地につきましては、四十二年度の計画といたしましては、件数で五十七件を予定いたしているわけでございますが、その中で、四十七件と申しますものは、これは従来からの三年計画で助成をいたしておりますものの継続分でございます。そういうものが商業団地についても十五団地ございますし、これは早く事業団が成立をしてほしいということで待ち望んでいるわけでございまして、その他にも一般案件につきましても、あるいは共同工場等におきましても、新しい計画で事業を早く発足さしてほしいということを待ち望んでいるわけでございますので、先生御指摘のような点も私どもはよくわかるわけでございますけれども、どうぞ、そのところはひとつよろしく御了承願います。
○小柳勇君 これで最後になりますが、附則の施行期日、第一条では、「公布の日から起算して三月をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。」 とありますが、この法案が成立すると、いつから事業団を発足させるつもりでございますか。
○政府委員(影山衛司君) これにつきましては、設立委員会等を設けて準備をいたすことが法律上も規定されておりますので、その期間を考えまして、大体おそくとも八月一日ごろから発足させたいというふうに考えておるわけでございます。
○小柳勇君 衆議院の本会議で附帯決議されましたあの附帯決議の内容などが、現在既存の団地の業者の皆さんの多数の意見のようです、私、報告を探ってみましても。したがいまして、あの附帯決議、おそらくこの参議院の商工委員会でも、そういう附帯決議をつけられるものと思いますけれども、あの内容についてひとつ格段の配慮をしてもらいたい。見解を聞きながら、私の質問を終わります。
○政府委員(影山衛司君) いずれも、私どもといたしましても、今後の重要な検討項目として考えておるものでございますので、真剣に、前向きで検討を進めていきたいと思う次第でございます。
○小柳勇君 では、いまの衆議院の附帯決議の内容につきまして、大臣の決意、見解を聞いておきたいと思います。
○国務大臣(菅野和太郎君) 先般の衆議院の委員会におきまして附帯決議が決議されたのでございますが、私はそのときに、この附帯決議の趣旨を尊重して運営に当たりたいということをお答えしたのであります。私の気持ちはそのとおりであります。
○小柳勇君 質問を終わります。
○矢追秀彦君 この振興事業団ができることによって、いままでの高度化資金の特別会計と、それから指導センターの一元化ということでありますけれども、この事業団ができることによって、具体的にどのように中小企業に対する対策が効果があがるかということをお聞きしたいのです。 〔委員長退席、理事近藤英一郎君着席〕 といいますのは、大臣にこれはお聞きしたいのですが、衆議院の商工委員会で、とにかく今度中小企業の振興事業団をつくりまして、そうして、これをひとつ一、二年やってみて、その上で大体見通しがつくのではないか、こういうふうなお話があったのですが、やってみて、そして、よかったらまた拡大していくと、こういうお話のようでございますけれども、そういうふうなビジョンしかお持ちじゃないのかどうか、お聞きしたいのですが……。
○国務大臣(菅野和太郎君) この中小企業振興事業団は、いままで中小企業の振興については従来いろいろの方策も講じてきたのでありますが、しかし、中小企業の問題というものは依然として残っておる問題だと思うのです。そこで、いろいろ研究した結果、この高度化資金の運営と、そして、この指導の事業とをあわせてやるほうがより効果的じゃないかと、そこで、この中小企業の振興事業団という案を考えたのでありまして、これによって中小企業の問題の解決に一歩前進したいと、こうわれわれ考えておるのでありまして、したがいまして、運営については、いろいろ附帯条件も衆議院でも決議されたのでありますが、われわれはこの運営をやってみて、なお足らざるところがあれば、ひとつまた足らざるところは補って、より効率的な運営をやりたいということを述べた次第であります。
○矢追秀彦君 いまの、一歩前進でありますけれども、どのような一歩前進を考えておられるのか。
○政府委員(影山衛司君) 改善されますおもな点を申し上げますというと、先ほど大臣が申し上げましたように、啓蒙指導と助成とが一体的、総合的に実施されるということが第一であります。 第二点は、助成割合が、従来の五割、これは実質上は三割五分程度しか行なっていないわけでございますが、これが実質的に六割五分以上に引き上げられるということでございます。 それから、金利につきましても、中小企業者の全体の実質負担金利につきましても有利になるようにこれは考えております。 それから、助成対象につきましても、これは構造改善事業なども、今後法律が成立いたしますれば積極的に取り上げるというふうに、助成対象もできるだけ構造改善事業を積極的にこれに取り入れていく、拡大をいたしたいということが次の点でございます。 それから、その次は、償還期間につきましても、従来の十年が十五年に延びますし、あるいは、従来七年であったものは十二年に延ばすというふうに、償還期間も大幅に延長をいたしておるような次第でございまして、そういう点。あるいは造成、分割譲渡というような仕事もできる。従来は高度化資金ではできなかったものでございますが、 〔理事近藤英一郎君退席、委員長着席〕 それを法律上はできることにいたしておるような次第でございます。 またもう一つは、従来高度化資金でできませんでした点は、二つの都道府県にまたがるような事業ができなかったわけでございます。従来、東京都からたとえば茨城県に団地が出ていくというような場合には、どちらの都道府県もめんどうを見てくれないというような面があるわけでございます。これは、東京都とそれから茨城県から、おのおの事業団が貸し付けを受けまして、事業団の直接事業として団地が融資事業ができるというようなことも今度できるようになったわけでございまして、そういう点を考えますというと、相当な前進がはかられるんじゃないかというふうに考えるわけでございます。
○矢追秀彦君 大臣にお伺いしたいのですが、中小企業については、政府としてもいろいろな仕事はやっておられるわけです。しかしながら、日本の中小企業に対する対策というものを、私はこの一、二年ずっと商工委員会に出ておりまして感じることは、どうもあとで、こう薬を張っておるような感じを受けるわけです。ちっとも問題は解決をしないで、依然として中小企業も倒産が多い。今度事業団ができると、いま一歩前進のようなことは伺いましたけれども、まだまだ中小企業、日本にたくさんある中小企業の人たちが希望を持って、日本の将来の中小企業はこういうふうになるんだと、自分たちもそういうふうに努力をしようと、そういう方向も示されていないし、こういう点について大臣は、中小企業、特に日本の中小企業がこういった自由化のもとにあって、どういう方向にいくことが理想的であるのか、そういうことをどのようにお考えになっているのか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(菅野和太郎君) ただいまお話しのとおり、中小企業問題がいつも解決をしていないということは仰せのとおりであります。そこで、この中小企業の問題でまず必要なことは、中小企業者に対する啓蒙運動が必要だと私思うのでありまして、この中小企業の振興事業団の性質なども十分理解してもらうし、あるいは協業化とか共同化とかいうようなこと、御承知のとおり、これから技術もだんだんと大規模な装置をしなければならぬようになってきまするし、資本力もより多くの資本力を持たなければ事業がやっていけないというようなこと、あるいは労働力の不足というような問題、これらを解決するためには、中小企業がやはり協業化していく、共同化していく必要があるというように考えますので、そういうようなことについて、中小企業者に対しての指導啓蒙ということを積極的にやる必要があるということで、今回の中小企業振興事業団の仕事の中にもそれが含まれておるのであります。そういうことで、ただ単にこの事業団というものができただけで、決してこれは私は効果をあげることはできないのでありますからして、むしろ積極的にこの事業団の本来の目的を達成するように中小企業の人々に対して働きかけるということが最も必要なことではないかと、こう考えておる次第でございます。
○矢追秀彦君 いま大臣、協業化のことを言われましたけれども、いまの中小企業を全部協業化していけばよくなると、こういう考えなんですか。その場合、協業化する場合、大企業との問題があります。協業化したから中小企業の体質が改善され強くなって、大企業に対抗できるとか、そういうことでは私はないと思いますが。要するに、私が言いたいのは、日本における中小企業は諸外国に対しても対抗できるいわゆる優秀な中小企業であると思います。また、中小企業でなければできないようなものが一ぱいあると思います。そういうものは大いに力を入れて、そうして自由化に対抗していく、それが望ましいと思いますけれども、それに対しても、あまり強い方策はいままでとられていなかった、啓蒙もされていなかったと考えるのですが、ただ大臣ばく然と協業化と言われましたけれども、どういう方向で協業化をされるのですか。
○国務大臣(菅野和太郎君) 日本の業種の中で、中小企業でなければ存立し自立し得ないものがあります。それはそれとして、その存立をはかるように政府は助成しなければならぬと、こう考えております。したがって、その中小企業でたとえば資金が不足するとかいうような場合には、その資金の融通方について助成するというようなことで、中小企業として存在しなければならぬ中小企業は中小企業として存立するように努力したいと思う。だがしかし、また、他の中小企業では、大資本のために中小企業であるがために圧迫されるというような場合には、協業化を進めていく、そして大資本と対立するようにしていくというやり方でやります。
○矢追秀彦君 中小企業で成り立つものはそのままにしておくと、大企業に対して圧迫されるものを協業化して防壁にする、これであれば、ちょっと協業化ということは、これは単なる防衛手段といいますか、非常に消極的ではないかと思います。もっと積極的に、協業化というものはそういうものではないじゃないかと思います。いかがでしょうか。
○国務大臣(菅野和太郎君) 協業化しなかったならば滅びるから、われわれは協業化して大資本と対立さすという意味で、協業化を進めるべきである、それが、先ほど申し上げました技術の点、だんだん装置が大規模になりましたからして、まだ資本力の点あるいは労働力の点において大企業と対立ができないから。したがって、そういうような業種に対しては、協業化をさして、そして大資本と対立するように助成していきたいと、こう考えておる次第でございます。
○矢追秀彦君 この問題はやり出すと、また長くなりますから、事業団、この法律に返りますが、この振興事業団では、高度化資金と指導センターの一元化でありますけれども、設備近代化という問題はまた別に残っておりますが、それを一緒にするという考えはなかったのかどうか、お伺いしたい。
○政府委員(影山衛司君) 設備近代化資金は小規模零細企業対策の大きな一つの柱であるわけでございまして、これらの点につきましても、振興事業団の事業内容とするかどうかにつきましても、相当慎重な検討をいたしたような次第でございますが、まず、この小規模零細事業個々の問題につきましては、これはやはりそういう企業に密着しておるところの県のベースで指導をしながら、それから零細規模層に対して設備近代化資金の貸し付けを行なっていただいたほうがこれはいいのではないかという結論になりましたのが第一点と、それから、もうすでに設備近代化資金制度というのは相当の歴史がございまして、県の段階に補助金が出ておりまして、県の段階で相当回転をいたしているような次第でございますので、いまさら、これを事業団に取り上げるというようなかっこうになりますのも、せっかく都道府県のほうで一生懸命やっていただいております関係をも考慮いたしまして、このたび、この事業団を設立するにつきましては、設備の近代化資金は従来どおりの体制でいくということになるわけであります。従来どおりの体制と申しますのは、設備近代化資金を補助金として県のほうに差し上げるということでございまして、事業団方式になりますというと、県に貸し付け、県に回収をするというような貸し付け制度でございますので、こういう零細企業対策につきましては、むしろ県に対して補助金を出すというような対策のほうが、従来からやっております点から好都合ではないかというふうに考えたわけでございます。
○矢追秀彦君 業種別の近代化とこの事業団とはどういう関係になるのですか。
○政府委員(影山衛司君) 近代化促進法におきましても、業種別の近代化計画を立てまして、この近代化を業種別に進めていくという法律あるいは中小企業対策があるのでございますが、この中小企業振興事業団の対象となりますところの共同化、協業化の事業も、やはり業種別の近代化、業種ぐるみ、あるいは産地ぐるみの近代化の推進の一つの行政手段といたしましてこれを推進していきたいと思うわけでございます。また、繊維につきましては、産地ぐるみの構造改善を行なうというようなこともはっきりと出ておるような次第でございます。
○矢追秀彦君 この事業団が、先ほど、少し話は出ましたけれども、中小企業の対策の中でどの程度の位置を占めるか、かなり重要な位置であると思いますが、ウエートといいますか、この点はどうお考えですか。
○政府委員(影山衛司君) 中小企業の大部分を占めますところの小規模零細企業が、まあ過小性過多性という性質を持っておりまして、国際競争力等も非常に弱いということでございますが、しかしながら、これを共同化し、あるいは協業化していくことにつきましては、なかなか一国一城のあるじというような考え方もございまして、非常にむずかしい事業でございます。また、それを行ないますところの中小企業者にとりましても大事業でございます。こういうむずかしい事業こそ、やはり中小企業振興事業団というようなものを設けまして推進をいたしていきたいと考えたわけでございまして、この中小企業振興事業団は、中小企業対策の中では非常な大きなウエートを持っておるものでございます。また、技術的にも特色のある中小企業者というものが、輸出にも伸びていっておるというような点もございまして、先ほど大臣からも御答弁いたしましたように、技術対策という点につきましても、これは中小企業対策の中でも非常なウエートを占めておるというふうに考えるわけでございまして、いろんな中小企業対策をやり、総合的に実施をしていく必要があるのではないかと思うわけでございます。
○矢追秀彦君 この指導センターの問題でございますけれども、いま言われましたように、確かに一国一城のあるじが多くて、なかなかこういった協業化とか団地の問題に対しても、理解が薄い人がいるわけです。いままで指導はされてこられたと思いますけれども、こういった指導機関へ相談に来る人、指導を受けに来る人は問題ないと思います。なかなか指導を受けに来ない人、これに対して、先ほど、啓蒙するというお話もございましたけれども、かなり強力に指導といいますか、啓蒙しないといけないと思うのです。それに対しては、何か特別な方法、方策はおありになるかどうか。
○政府委員(影山衛司君) 先生御指摘のとおりでございまして、小規模零細層の中小企業の人たちが自分の仕事をやっておることだけで手一ぱいでございまして、講習会に行くとか、あるいはコンサルタントの指導を受けるというふうに、こちらから出かけていくというような機会が少ないわけでございます。そういう面を考慮いたしまして、県の行なっておりますところの総合指導所につきましては、マイクロバス等も補助の対象にいたしておりまして、巡回指導を行なうということをやっております。それからまた、技術指導につきましても、県の公設試験研究所に対しまして、やはり同じようにマイクロバスとか簡易な試験器具というようなものも補助いたしておりまして、そういうところは、産地を巡回いたしまして指導をいたすというようなことになっております。それから商工会あたりの経営改善指導員、これは小規模零細層の人たちの経営改善のための指導員でございますので、こういう人たちにつきましては、現在も四千九百七十名の指導員を持っておるわけでございますが、そういう人たちが積極的にやはり中小企業者の中に飛び込んでいって指導を積極的にするというふうに、人数もふやしますと同時に、そういう中小企業者の指導に臨む態度につきましては、私どもは強力に指導をいたしておるような次第でございます。
○矢追秀彦君 この指導員でありますけれども、いろいろな指導をする機関とか指導員がおります。たとえば商工会の経営改善普及員、また中小企業団体中央会の指導員、また指導法に基づく診断員、それから労働省の労務管理指導員、その他いわゆる民間にある経営コンサルタント、そういうようなのが非常にたくさんあるわけでありますけれども、そのおのおのに特徴があると思いますけれども、その特徴を教えていただき、また、こういうのが——大ざっぱでもけっこうですから、どのように、現在どういう部門の人が特によく仕事をしているといいますか、一般の人が指導を受けに行くかどうか、その点についてお尋ねいたします。
○政府委員(影山衛司君) まず、県の指導体制でございますが、経営管理の合理化につきましては、従来商工指導所というものがございましたけれども、それを総合指導所というふうに組織を改善いたしまして、それに要する補助金あるいは施設等も補助をいたしております。それで、その要員につきましては、今度も五百八十四人にふやしたような次第でございますが、こういう総合指導所におきましては、たとえば系列診断でございますとか、あるいは産地診断でありますとか、あるいは商店街診断でございますとか、そういうふうなグループ別に、政策的に重要性のあるところの診断というものを総合指導所でも行なっていただく。それからまた、今度の事業団の対象となるところの団地等につきましても、総合指導所あたりに計画診断あるいは事後の運営診断というような指導も行なってもらうということになるわけでございますが、県の段階におきますところの総合指導所は、そういうふうな特色を持っておるわけでございます。もちろん、個別企業の診断ということもやるわけでございますが、そういうふうな政策的な診断もウエートを置いておるような次第でございます。それから商工会、商工会議所におきますところの経営指導員は、これは現在商工会で二千九百三名、商工会議所関係で千八百九名、商工会連合会で二百十八名、計四千九百七十名の経営改善指導員を持っておるわけでございますが、これは小規模零細層の人たちに対して、帳簿のつけ方から、あるいは税金の納め方、あるいは金の借り方というようなことから指導をしていくというふうな小規模零細企業対策でございます。それから中央会の指導員につきましては、これは全体で四百八十名ほど配置しておりますけれども、これは中央会におきまして、全国の協同組合等の組織化あるいは協同組合の運営等につきまして、一般的な指導を行なうというふうな組織化、指導というようなことを行なっておるわけでありまして、おのおのその特色があり、おのおの持ち分というものがきまっておるわけでございます。そういう点につきましても、やはりおのおのの特色を生かしますと同時に、やはり総合的な運営というものも私は必要なんではないかというように考えておるのでございます。
○矢追秀彦君 こういうようないろいろな指導員がおるわけでありますけれども、これといまの事業団の指導センターとの関係、それはどのようになっておりますか。
○政府委員(影山衛司君) まず、振興事業団におきましては、そういうふうな各種の指導員の資質の向上という意味におきまして、これの研修養成事業を行なうわけでございます。 それから第二といたしましては、県段階におきましてそういう政策的な診断を行ない、あるいは助成事業の前提となるところの計画診断等を行ないます場合には、事業団におりますところのコンサルタント、これは相当高度のやはり協業化、共同化、あるいは団地化等につきましての専門の高度のコンサルタントを置いておくことにいたしておるわけでございますので、そういうコンサルタントは広い視野、高い見地から、県の行ないますところの診断指導に参加をいたしまして、指導をしながら、これを一緒になって行なっていくというふうなことをやるわけでございまして、そういうふうに協力体制と申しますか、そういう体制も整えておるような次第でございます。
○矢追秀彦君 そうすると、その事業団としては、こういったものを全部まとめて、いわゆる指導の機関をつくって、それを組織化する、そういうことは結局考えていないわけですね。
○政府委員(影山衛司君) 事業団の職員といたしまして全部をこれを統合するというようなところまではまだ考えていないわけでございます。
○矢追秀彦君 一般の中小企業の人がこういういろいろなところへ行くわけですけれども、いろいろなのがありますから、やはりどこへ行っていいかわからぬ。ともすれば民間の経営コンサルタントに頼むこともあるわけです。まあいい人であればよろしいのですけれども、中にはあまりよくない人がいた場合は、かえってまずいことになるというようなことも全然ないとは言えないような状態ですし、やはり、せっかく事業団ができたのですから、こういうものを、いろいろな部門に行くのを何とかこう系列化して、どこかへ行ったならば、この問題についてはここで指導を受けろと、こういうふうにすぐ持っていけるようにしたほうがいいのじゃないかと、このように思うのですけれども、今後の問題として、それに対してどうお考えになりますか。
○政府委員(影山衛司君) 先生御指摘のような点につきましては、非常に重要な点でございます。今後そういう方向に向かいまして、中小企業者といたしましては、どこかの指導の窓口に行けば、おのおのその適当な窓口のほうへ内部で連絡ができるというような連絡調整体制も、ひとつ事業団が中心になりまして整えたいと考えております。
○矢追秀彦君 この資格の基準ですね、指導員になる人の。これは現在どういうふうになっておりますか。
○政府委員(影山衛司君) 資格でございますが、商工会、商工会議所の経営指導員につきましては、大学卒業者で、商工業の指導または経営実務に最近五年のうち二年以上従事しておった者というふうな資格にしております。それから中央会の指導員につきましては、大学卒業者で、組合員の指導または経営実務に三年以上従事した者というふうなことを資格といたします。また、県段階におきますところの診断員におきましては、原則といたしまして、中小企業診断員試験の合格者、あるいは中小企業指導センターの診断員養成課程終了者というようなものを資格にいたしております。
○矢追秀彦君 指導の問題についてやはり今後考えられることは、資本の自由化等によって、やはり中小企業がいまのままではいかない、どうしても転換せざるを得ないという問題が今後どうしても多いと思うのですけれども、これに対する指導は、事業団としては入ってないように思うのですが、この点について。
○政府委員(影山衛司君) 先生御指摘のように、従来からも、生活様式の変化あるいは技術革新あるいは原料の転換というようなことで転換は行なわれてきているわけでございますが、今後、外資の自由化あるいは後進国からの追い上げというような見地から、転換を迫られる場合も出てくるわけでございます。大体そういう場合におきましては、産地ごとに、あるいは業界の協同組合ごとに問題が起こってくるというように考えられますので、やはりそういう場合におきましては、業界全体が産地ぐるみ、あるいは業界ぐるみということで、そういう困難な問題にぶっつかっていかなければいけないということでございます。やはり協同組合の共同施設といたしまして、技術の問題あるいは転換先の検討、研究というようなものも行なわれるのでございまして、そういう場合におきましては、必要な共同施設等につきましては、この振興事業団の対象にいたしていくということで、そういう面の指導と助成というものをこの振興事業団を通じて行ないたいと考えておるわけでございます。また、産地ごとには、各県の公設の試験研究所もございますので、そういう面につきましては、転換等についての技術の問題につきましては、都道府県の公設試験研究機関が中心となって産地等の指導を行なっていく、そのための必要な施設は、やはり中小企業庁で組んでおりますところの補助金をそういうようなところに回していくというようなことで、指導と助成というようなものもこれに投入いたしまして、転換というものが前向きにひとつスムースに行なわれていくというふうに努力いたしたいと考えておるわけでございます。
○矢追秀彦君 いまの自由化の問題等もからんで、結局、日本の中小企業に対して、さっきから言っているように、はっきりしたビジョンを打ち出して、そしてやっていかないと、結局、中小企業はどんどんつぶされていく。そして、それからあと幾らお金を出してやっても、それは一応はその場しのぎはできるでしょうが、日本の経済全体の立場から考えれば、そういうことはプラスであるかマイナスであるか、非常に検討しなければならぬ。だから、やはりはっきり将来を示して、日本としては中小企業はこういう方向でいく、こういうものを海外に対しても出していくのだ、どうしても現在ある中小企業で、むしろ大企業にしたほうが日本の経済全体としてプラスになる場合もあるかと思うのです。そういうものはどうしても転換しなければならない。それをただこわしてしまう、冷たい行き方ではなくて、補助を加えつつ、そうして、いい方向へ持っていく。だから、私は、はっきりした方向を示していかなければ、中小企業問題は決していまのままでいったんでは解決しない。さらにまた、中小企業に対しては、政府としても金を出しております。まだ足りませんけれども出しております。けれども、何かむだ金が相当あるようにも感じますし、そういった点をほんとうにはっきりした方向を出して、これにのっとった上で指導を行なわれ、どんどん進めていかなければ、結局はおくれてしまう。いつまでたっても小さな町工場で、いつも絶えず倒産のうき目を見ながら、また、働いておる人たちは非常に環境の悪い中で仕事をしていかなければならない、そういうことになっていくと思うのです。それに対して、先ほど大臣の答弁も、ああいうふうな状態ですし、中小企業庁としては、どのようにこういった問題をお考えになっているか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(影山衛司君) 中小企業対策のビジョンを明らかにし、今後中小企業が進むべき方向を明らかにするということは、中小企業基本法でも原則的な方向につきましては明らかにしておるところでございますが、今後そういう中小企業をめぐるところの内外の環境のきびしさというものに対処しての、今後の中小企業の行き方というものにつきましては、何ぶん、先生御承知のように、中小企業の業種あるいは規模別というふうに非常に複雑でございますけれども、それだからといって、むずかしいからビジョンなり方向づけができないというようなことでは困りますので、今後の中小企業対策の一つの行き方といたしましては、中小企業近代化促進法あるいは繊維の構造改善の法律というようなものによりまして、業種別にひとつ中小企業の行くべき道を明らかにして、その方向に従って中小企業を指導していく運動を起こしていくということを心がけていきたいと思うわけでございます。
○矢追秀彦君 最後に、団地の問題でありますが、団地に移転した場合に、あと地の処理の問題ですけれども、所有者がかってに処理ができるのかどうか。 それから二番目としては、あと地に同種の工業または業者が来た場合、その場合は、移転の意義というものが薄くなっていく。これに対する業種の選定をどうしていくのか。最後に、公共用地としてそのあと地を地方公共団体で買い上げる、そういうことは考えておられるのかどうか。この三点をお伺いして終わりたいのであります。
○政府委員(影山衛司君) あと地の処理につきましては、最後の問題から御答弁申し上げますと、都道府県のほうへ建設省から金が流れておりまして、あと地の買い上げをいたしまして、これを公共用地に転換をいたすという方途もとられておるわけでございます。なかなかまだこれは中小企業分野にまで及んでくるというようなところには至っておりません。 それから、そのあと他の所有者がこれを処分できるかという問題でございますが、もちろんこれは所有者が処分できるわけでございます。しかしながら、その際に、工場のあと地にまた工場を持ってくるというようなことでは、これは首尾が一貫いたしませんので、そういう場合には、助成の条件といたしましても、あと地は工場には使わない。それで、事務所でありますとか、あるいは市内で売りさばくところの倉庫等には、これは転用ができるかと思います。そういうふうなところに転用をいたしていくべきであるというふうに指導をいたしております。それからまた、今後ともそういうふうに指導をいたしていきたいと思う次第でございます。
○委員長(鹿島俊雄君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(鹿島俊雄君) 速記起こして。 他に御発言もなければ、本案に対する質疑は、本日のところこの程度にいたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時十分散会 —————・—————