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55回国会参議院1967/06/08

商工委員会 第9号

発言数
93
登壇者
6
会派数
2
開催日
1967/06/08

会議録

鹿島俊雄自由民主党

○委員長(鹿島俊雄君) ただいまから商工委員会を開会いたします。  まず、委員の変更について報告いたします。本日、竹田現照君が辞任され、その補欠として亀田得治君が選任されました。     —————————————

鹿島俊雄自由民主党

○委員長(鹿島俊雄君) 次に、本院先議の商品取引所法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案につきましては、先般趣旨説明をすでに聴取いたしておりますので、本日は質疑を行ないます。     —————————————

鹿島俊雄自由民主党

○委員長(鹿島俊雄君) この際、参考人の出席要求についておはかりいたします。ただいま議題といたしました本案審査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鹿島俊雄自由民主党

○委員長(鹿島俊雄君) 御異議ないと認めます。  なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鹿島俊雄自由民主党

○委員長(鹿島俊雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

鹿島俊雄自由民主党

○委員長(鹿島俊雄君) それではこれより本案の質疑に入ります。質疑のおありの方は順次御発言を願います。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 私は、今回の商品取引所法の改正案は現行法に比べて一歩前進という評価をしておるわけですが、そういう立場から総括的な質問を本日はいたしたいと思います。  最初に、大臣にお聞きいたしますが、今度の法改正のねらいですね。根本的なねらいはどこにあるのかという点をひとつ明らかにしてほしいと思います。

菅野和太郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(菅野和太郎君) 最近の商品取引所の実態にかんがみまして、取引所の総出来高も増加してきたのでありますが、委託者との間の紛議が頻発するし、また商品仲買い人の倒産等も出てきて、こういう実情にかんがみて、この際改正しなきゃならぬという必要を感じてきたのであります。でありますからして、この実情に対処して、大衆参加に伴う弊害の防止、特に委託者の保護を強化するという立場から今回の改正案を出した次第であります。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 特に委託者の保護という立場を重く見ておられるようであります。そこで今度の改正案ができる経過の中で、相当重要な問題が多岐にわたって論議されたはずでありますが、この改正には間に合わなかった、しかし今度とも引き続いて検討していきたいといった問題があるはずだと思いますが、その点についてひとつ大臣からさらに明らかにしておいてほしいと思います。

菅野和太郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(菅野和太郎君) 御存じのように、商品取引所の法律ができたのは昭和二十五年だったと思いますが、その後御承知のとおり、経済界というものは非常に変化をしておりまするし、したがってこの取引所自体に対する問題をわれわれは掘り下げて検討しなきゃならぬ、こう考えておるのでありますが、さしあたり現在の取引所法の改正によって、いまあらわれておる弊害を除去するということだけを考えてこの改正案を出したのでありますが、商品取引所の組織やあるいは売買される商品などについては、これをもう少し掘り下げて検討して、その上であらためてまた改正案を出したいと、こう考えておる次第であります。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 まあこれからあと取引所法に関する重要な問題点だけを特に本日は取り上げて質問をしたい。逐条的な問題も多々あるのですが、そういうことは抜きにして、ひとつお尋ねをしてみたいと思います。  最初に聞きたいのは、現在の日本の商品取引所界の弱点ですね。これが集中的にあらわれておるのがこの紛議だと思うのですね。その紛議が一番たくさん起きておる、ほとんど大部分と言っていい紛議というものがこの穀物関係ですね。アズキ、手亡、こういう関係で行なわれておるわけでありますが、この点をどういうふうに理解しておられますか。お答えを願いたいと思います。

内村良英農林省農林経済局参事官

○説明員(内村良英君) 経済局長がちょっと衆議院の内閣委員会に出ておりますので、私がかわってお答えさせていただきます。  申し上げるまでもなく、商品取引所の機能は、商品の取引の安定のための価格を安定させること、それから取引業者が価格の変動による危険をヘッジするというのが取引所の大きな機能でございます。そこでまずアズキですが、雑穀の中で一番問題になるのはアズキだと思いますが、アズキの商品としての意味でございますが、現在北海道、東北等の畑作地帯におきましては、アズキは重要な畑作物の一つでございます。そこで畑作物の場合は米麦等の生産の場合と違いまして、農家はやはり価格の動きを見て自分のアズキを売るということをきめるのが通常の形態でございます。そこで何らかの価格の指標がないと農家としてもアズキの取引に困るという面がございます。一方取引所といたしましては、取引の安定のためのヘッジ機能というものがございまいます。ヘッジ機能を取引所として十分に果たすためには、やはりある程度の大衆資金の参加ということが必要になってまいります。この大衆資金の参加の結果紛議がふえてきたことは事実でございますが、この大衆参加をどの程度に押えるかということは非常にむずかしいものでございます。そこで農林省としてはあまり穀物取引所が投機の場になるということは困ると常々考えているわけでございますが、一方大衆資金というものを全然シャットアウトしてしまうということにもいろいろな問題があるわけでございます。そこで今回の改正は、その辺のところを何とか改善していきたいというねらいをもって今回の改正法案が提案されているわけでございまして、農林省といたしましても、大衆参加と取引所の健全な運営というものをいかにうまくやっていくかということには常に苦慮しておる次第でございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 まあいろいろな重要な問題がこの紛議一つの中に関連してこれはあらわれておることなんでして、それらの問題点は、これは一つずつ後ほどお聞きすることにしますが、このアズキ、いわゆる穀物関係、この関係の紛議が圧倒的に多いわけですね。数字で幾らになっていますか、全体の紛議の中で。

内村良英農林省農林経済局参事官

○説明員(内村良英君) 穀物関係の六商品取引所において取り扱いました委託者紛議を最近の五ヵ年間について見ますと、昭和三十七年度においては百七十四件でございます。それが増加いたしまして、三十九年度におきましては五百二十九件、これが一番高い数字でございますが、五百二十九件に達しました。その後は減少傾向を示しまして、昭和四十一年度においては三百八十二件となっております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 全体の商品取引所の紛議の中で占めるパーセンテージというものは、いまあげられた三ヵ年でけっこうですが、その点はどうなっています。

内村良英農林省農林経済局参事官

○説明員(内村良英君) 昭和四十一年について数字を申し上げますと、全体の紛議が五百四十四件、その中で農林関係が三百八十二件になっております。農林関係の中で穀物関係でございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 それをずっとパーセンテージで言うてください。三十九年、三十七年。

内村良英農林省農林経済局参事官

○説明員(内村良英君) パーセンテージはすぐ計算させていただきます。実数の数字しか持っておりませんので。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 三十九年、三十七年はどうなんです、実数は。

内村良英農林省農林経済局参事官

○説明員(内村良英君) 実数は、三十七年は百九十二件中百七十四件でございます。それから三十九年は五百四十七件中五百二十九件になっております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 まあいまお聞きしたように非常に多いわけですね。非常に多い。だから私はこの法改正なり改正された法の運用に関しては、特にこの関係について力を入れてもらわないといかぬと考えているわけです。この穀物の中でも一番多いのは神戸じゃなかったですか、穀物の中でも。

内村良英農林省農林経済局参事官

○説明員(内村良英君) 特に神戸が多いということにはなっておらないと思います。ちょっと数字について申し上げますと、一番最近の四十一年度につきましては、北海道が二十二件、東京が五十四件、名古屋が百九件、大阪が二十六件、神戸が八十五件、関門が八十六件と、こうなっております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 その大阪とか東京というのは取引高が非常に多いわけですね。神戸の数倍の取引ができているわけでしょう。それとの比較において神戸がずば抜けて多いじゃないかと、神戸とかあるいは関門とか、そういうところがね。そういう意味でお聞きしておるわけなんです。どうなんですか。

内村良英農林省農林経済局参事官

○説明員(内村良英君) その点は、亀田先生の御指摘のとおりだと思います。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 まあこの点だけをいろいろ次に質問する前提として明らかにしておいたわけです。そこで、今後いろいろと質問いたしますが、私の重点は、現在特に批判されておる部分についての議論をしているのだというふうに大臣以下頭に入れてやってほしいと思います。非常に違うわけなんですね。いいところはそのままでいいわけなんです。だからどうかまあそういう意味で聞いてもらいたいと思います。  そこで、最初にいわゆる大衆参加の問題ですが、この法改正の過程でも相当論議されたわけですが、これは基本的にはどういう結論に達しておるのか。昨年この法改正の過程で私がお聞きしたときには、まあやや考え方は出ておりましたが、さらによく審議会等で検討して明確にしたいというお答えであったが、これは非常に重要な点でありますので、大臣のほうからひとつ基本的な姿勢というものを明らかにしてほしいと思います。

菅野和太郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(菅野和太郎君) 昨年どういうふうに答弁したか知りませんが、この大衆参加自体は決して悪くないと思います。問題は、投機的な意味で大衆参加することがこれはいろいろな弊害をかもすと、こう存ずるのでございまして、そういう意味でこの投機的な大衆参加は極力これを押えたいというつもりで今度の改正案を考えたわけであります。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 まあ結論としては私もそのとおりだと思いますが、そのような結論を出される根拠というものはどういうことなんですか。たとえば、株式なり証券市場ではどんどん大衆参加、これに対して何らの批判はありません。商品の場合にそうじゃないという、こう批判が出ておるわけですね。その根拠を明確にしておいてもらいませんと、これは今後運用上やはり非常に影響が出てくる。取引員なり業者のほうからいえばなるべくたくさん来て取引が多いほうがいいわけですからね。だからその根拠があいまいですと、きちんとした私は指導はできないと思う。根拠を明らかにしてほしいと思います。

菅野和太郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(菅野和太郎君) 証券取引所はこれは資本の大衆化と申しますか、資本参加の大衆化という意味であって、これは大衆が参加することはそれほど弊害はないと思いますが、この商品のほうでは、公正な価格を決定さすというところに商品取引所の目的があるのであって、その投機的な目的で大衆が参加して、そうして実勢以上の価格を構成せしめると、しかもそれが投機的であるからして、したがってそれによってまあもうける人もあるかもしれぬが損害をこうむる人もたくさんあるということからして、そういうように大衆が迷惑をこうむらぬようにさせたいという考え方で、あくまで商品取引所は公正な価格を構成するということで運営をしてもらいたいという考え方なんであって、そういう意味においてこの取引所のいまの大衆参加、投機的な大衆参加はこれを極力防止したいという意味であります。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 まあ説明のしかたはいろいろあろうと思いますが、ともかくこの商品の場合には公正な価格が維持され、最終需要家に生産者から心配のない形で品物が渡っていく。それが使われていくというところに何と言っても土台があるわけですね。したがって私はこれは相当厳重にやはり今後とも考えてほしいと思うのです。そういう品物に何も直接関係がないということを全然排除する意味じゃありませんが、根本はやはりその品物を使う職業、それからつくる職業、この諸君の関係が土台なんだ。したがって、そこから応援団がよけいわいわいやってきて、まるで応援団のために存在するようなかっこうになるようでは、これは主客転倒です。だからそういう立場で大臣も考えておられるようでありますから、ぜひこの基本線はひとつしっかり守ってほしい。  そこで、たとえば私は外国の制度にあまり詳しいほうではありませんが、アメリカの商品取引所では、たとえばお客さんから非常に大きな注文があるという場合に、その中のヘッジの部分ですね、その部分とそうでない部分の説明などを求めて、ヘッジ以外の部分については制限していくというふうなことを積極的にやっているように聞くんですね。あるいは西独の制度などでは、定期取引に参加できるものは商業登記の上でちゃんと商人というように登録された個人組合、こういうものに限るのだ、何かそういうふうな規定まで設けて、一般の証券の場合とは相当違った扱いを制度上もはっきりやっておるように聞くんですが、そういう点は一体どうなっているのでしょうか。

諸口昭一通商産業省企業局商務第二課長

○説明員(諸口昭一君) お答え申し上げます。  いま先生のおっしゃるように、特に西独では、いわゆる委託者についての登録制と申しますか、ある程度委託するものの制限と申しますか、登録制をしいておるように聞いております。それからアメリカにおきましては、特にいわゆる農産物、まあ農産物がおもでございますが、そういうものの売買数につきましては、特に一般玉につきましては——大衆玉につきましては、月々小麦で言いますと何ブッシェル以上、以下ということで制限を加えておると、こういうふうな制度で行なわれているというふうに承っております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 そういう点についてのきちんとした条文なり資料ございましたら、私も的確に見ておきたいと思いますので、ございましたら提出してほしいと思います。

諸口昭一通商産業省企業局商務第二課長

○説明員(諸口昭一君) 資料若干ございますので、提出させていただきます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 そこで、大臣の考え方などは原則的にはわかるのですが、これは相当勇断をふるって臨まないと、なかなか問題があるように思います。そこで、前提として現状は一体どうなっておるのか、いわゆるヘッジ部分と投機部分というもの、これは監督官庁のほうで調べておると思いますが、その大まかな傾向をひとつ説明してほしいと思います。詳しいことは別の資料でけっこうですから。

熊谷典文通商産業省企業局長

○政府委員(熊谷典文君) 通商関係につきまして、四十年度の実績でございますが、いわゆるヘッジ玉といいますか、当業者玉が三七%ございます。それから一般大衆のものが六三%、こういう形になります。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 農林関係どうです。

内村良英農林省農林経済局参事官

○説明員(内村良英君) 農林関係中、アズキにつきまして、推定ヘッジ量を農林省が仲買い人実態調査から調べたところによりますと、昭和四十一年度におきましては、全供給量十五万二千トンに対しまして、推定ヘッジ量と思われるものが八十八万一千トンになっております。それで出来高枚数に対するヘッジ率は約六%ということになっております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 六%ですから、非常にこれは少な過ぎますわね。これはいろんな現象が起こるのも、こういう数字を実際に当たってみると、これはそれだけで想像できるわけですよ。品物を必要とせぬ人がわいわいわいわい騒いでおる現状なんです。私はせめて通産関係の数字にまで戻すだけでも相当な努力が要るように思いますね。これは農林大臣にこういうことはひとつ聞いておいてもらわなければいかん重大なことなんですが。

内村良英農林省農林経済局参事官

○説明員(内村良英君) ただいま亀田先生の言われましたとおり、大衆参加が多過ぎるということは確かに事実だと思います。それについて、それではどの辺のところに押えていくか、押える方法があるだろうかという点が非常にわれわれとしても苦慮しておるところでございまして、それに向かって少しずつでも前進したいというのが今度の改正法案の趣旨でございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 いや、法案の趣旨は最初お聞きしたように、これはわかっているのです。しかし、現状があまりにも不自然な状態ですので、なかなか努力が要ると私は見ているのです。それで、それじゃ委託者関係の調査がありましたらお答え願いたいのですが、いわゆる当業者と一般の方との比率ですね、まあ実数でおっしゃってもけっこうです。どこか適当な時点の。

熊谷典文通商産業省企業局長

○政府委員(熊谷典文君) 昨年九月末の数字でございますが、約一般大衆が六万、それから当業者が五千、こういう数字になっております。

内村良英農林省農林経済局参事官

○説明員(内村良英君) アズキにつきまして、自己玉と委託玉の比率を調べてみますと、自己玉が三一・八%、委託玉が六八・二%になっております。この委託玉の中には生産者筋、商社筋、問屋筋のいわゆるヘッジと思われるもの二・八%が含まれております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 この通産のほうのやつは、アズキなどは含まれていないのですか、いまおっしゃった数字は。私いま聞いているのは人で言っているのですよ。

熊谷典文通商産業省企業局長

○政府委員(熊谷典文君) 委託者数が六万、これは全部農林を入れての数字でございます。六万であって、そのうち当業者が約五千、それを引きました五万五千というのが一般大衆であります。これは農林を含んだ数字でございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 さっき農林のほうからお答えになったのは、ちょっと観点が違うのじゃないですか。委託者の数について、特にアズキの関係はどうなっておるか、当業者と一般というものに分けて……。

内村良英農林省農林経済局参事官

○説明員(内村良英君) 私が御説明申し上げましたのは、商品仲買人の売買取引の玉につきまして、自己玉と委託玉との比率を申し上げたわけでございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 そうじゃなしに、私の聞いているのは委託者の数を聞いているのです。

内村良英農林省農林経済局参事官

○説明員(内村良英君) 大衆参加している委託者の数でございますか。ちょっとお待ちください。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 あとからでけっこうです。つまり通産のほうからお答え願った六万というのは、あなたのほうのやつも含んでおるということなんでして、それだけ見ても、結局十人のうち一人なんですね当業者は。おそらくアズキの場合にはもっと率が低いのじゃないかというふうに思うわけでして、それはあとでけっこうです。お調べ願いたい。  それで、まあお聞きのとおりでしてね、大臣、その原則ははっきりさせていただきましたが、その原則に立ってほんとうにきちんとした姿勢にまで持っていく、これは相当な最高責任者の決意が要ると思うのですが、それはどこで押えるかというような標準にしたって、これはなかなか後ほどもまた多少議論しますが、押えにくい点もいろいろあったりするわけでして、よほど責任者の決意というものが私は要ると思う。大臣のいまお聞きくださった数字を見た上でその決意を聞きたい。

菅野和太郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(菅野和太郎君) 亀田委員も大体御存じだと思いますが、日本の取引所というものの由来を見ますると、大体投機的な要素を帯びてずっと発達してきたものであります。したがいまして、それの空気がまだ多分に私残っておると思うのでございますが、しかし、今日のように通信交通の発達したとき、また扱われておる商品の性質などから見て、私はもう少し根本的にこの取引所というものを考えてみたい、こう考えておるのでありまして、私先ほど申し上げたとおり、さしあたり弊害の起こったものだけについてこの改正案を出しておるのでございまして、この取引所自体については、私ももう少し勉強さしてもらって、そうしてあらためて根本的にひとつ現在の経済情勢に即応するように取引所を考えたらいいんじゃないか、こう存じております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 この問題はこの程度にして次に移りますが、次に流通高と商高との関係ですね、これは人によっていろいろ意見があるわけですが、しかし、これも一つの大きな議題として議論されたはずですが、その結論をここで明らかにしてほしいと思います。局長からでもけっこうです。

熊谷典文通商産業省企業局長

○政府委員(熊谷典文君) 先生の御質問の要点は、いわゆる流通高と商品取引所における取引高、こういうものを考えながら今後の価格形成の一つの基準にならないか、こういう御質問であろうかと思います。先般の委員会でもそういう点の研究を進めるようにお話ございましたので、われわれも今後取引所が適正な価格を形成する意味において、一つの基準にならないかということを十分研究いたしたわけでございますが、御承知のようにこれは非常に物によって違っております。したがって物ごとに今後考えていかざるを得ないという関係が一つあるわけでございます。したがってわれわれとしては、過去における倍率等を考えまして、今後の一つの運営の基準にはしたい、できればしたい、こういうように考えておりますが、ただこの倍率だけですべて判断するというわけにもまいりません。その他の要素が入ってくるわけであります。一つの目安として、そういう倍率以上になった場合は、取引所も役所も注意しなければならぬというような目安的なものはできょうか、かような現在結論になっているわけであります。われわれとしては、今後そういうものさしができるだけできるように、具体的な物資について研究していこう、こういうのが現在の結論でございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 それは確かに物によっても、また経済の全体の情勢によってもこれは違うわけでして、一律に何倍以上だから過熱しておるというふうなことを私も言うわけじゃありませんが、この点をやはり研究をされるということは一つの基準ですよ、基準として大事なことなんです。それで前回お聞きしたときも、そういった原則的なことはほぼ認られるのだが、なかなか数字等は出てこないわけなんですね、だから仮の数字でもいいですから、実はこういう商品についてはこの程度、こういう商品についてはこの程度と、幅のある数字でけっこうなんですよ、何かそういう掘り下げた検討というものがなされておれば、これは参考に聞かしてほしいと思うのです。決してそれをおっしゃったからといって動揺を与えるとか、そういう意味じゃなしに、これは研究の過程ですから、われわれもお互いに研究しなければならぬ、そういう意味でお聞きするわけです。

熊谷典文通商産業省企業局長

○政府委員(熊谷典文君) 先般御指摘もございましたので、われわれとしては経過を申し上げますと、審議会におきましてもその議論をしていただきまして、役所からもデータを出して、現在三十五年から四十年ぐらい、現在までどういう倍率になっているかというようなデータを積み上げてみたわけでございます。ところが非常に物によって極端な差があるわけでございます。年度によっても相当ございますし、また物によっても非常に差がある。したがっていろいろ審議会で議論していただきました結果は、いま早急に、この物資はこの程度でいいだろうという結論を出すのはちょっと勉強不足ではなかろうか、こういう形になったわけでございます。われわれとしては、場合によっては諸外国の——やはり事情は違いますが、実情等もやはり参考にしたほうがいいという感じも持っておるわけであります。そういう意味合いにおきまして、もう少しそういうデータもそろえまして、引き続き審議会で検討していただく、こういう形をとらざるを得なかったのであります。そういう意味におきまして、実績数量は出ておりますが、これを見てどの程度にするかという腹づもりは率直に申し上げまして、現在できていないということでございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 少なくともアズキ、手亡の関係は倍率が非常に高いわけですね。アズキよりも手亡のほうがもっと高いようですね、最近は。だから少なくともこういう倍率はどうも高すぎるというくらいな意見というものはまとまっているのではないかと思いますが、その点はどうですか。あなたのほうからでも、どっちからでもいいです。

内村良英農林省農林経済局参事官

○説明員(内村良英君) アズキあるいは手亡につきまして、どの程度の倍率が妥当であるかということにつきましては、農林省におきましても種々検討したわけでございます。しかしながら、ただいま企業局長からも言われましたように、農林省におきましても、ほかの種々の条件と総合的ににらみ合わして考えないと、ただ倍率が多いから非常に悪いのだ、むしろたとえば紛議が多すぎるとか、価格が非常に乱れて動くとか、そういうことも考え合わせて適正な倍率というものを考えなければならないのじゃないか。しかし、いずれにいたしましても、こうした倍率が非常に高くなってまいりますのは、やはり過度の大衆参加に原因がございますので、そこのところをどういうふうにするかということを先ほどから繰り返し申し上げておりますが、いろいろと考えているわけでございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 いや、まあすぐそこに持っていかれると、全部その話になってしまうけれども、それでは分析的な審議にならないわけですからね。だから私は倍率というのは確かにむずかしい問題であることはわかるのですが、ただアズキなり手亡で出ておるこの倍率、これは何によって出たのかということが大事なのですね。その出た根拠というものは先ほど数字で示されたように当業者でなく、そしていわゆるヘッジ部分でない部分、そういう形で出てきているわけですね。そのために私は当初商品取引制度の基本精神というものはどこにあるかということをまあ大臣にもだめ押ししたわけなんです。だからその根本の立場から見ますれば、これらの倍率が出た経過等もあわせ考えれば、当然私はアズキや手亡については少なくとも高すぎるというぐらいのものが出なくてどうしてほんとうの軌道に乗るか、私はそう言いたい。だから必ずしも姿勢がしゃんとしておらぬというふうに、私はそういうふうに感ずるわけなんですがね、ただいまのような答弁を聞いておると。ほかのアズキ、手亡以外のいろいろな商品についてまで私はいまこまかいことを申し上げるつもりはないのですが、少なくともアズキ、手亡についてすらそんなもたもたした議論をしておるようじゃ、これはちょっと頼りないですね。大臣の見解はどうですか。私とおそらく同じ気持ちだと思いますが、大臣はこんな数字を認めるのですか。

菅野和太郎自由民主党通商産業大臣

○国務大君(菅野和太郎君) いま亀田委員のお話のとおり、そういう問題についてはわれわれ自身も疑問を持っております。だがしかし、実際そこまで、どういうようにしてそこまではっきり見分けをして調査をするかということについてはいろいろ困難があるかと思いますが、これは農林省の所管になりますので、農林省側に大いに研究してもらいたい、こう存じておる次第でございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 次に農林大臣に出て来てもらって、その点はっきり大臣としての考えを明らかにしてほしいと思います。それからあなたのほうからきょうの質疑の経過をご説明願って、結論でいいですから、これは重要なことなんです。今後の改正された法運用という面から見ても。いいですな。

内村良英農林省農林経済局参事官

○説明員(内村良英君) ただいま亀田先生のご指摘されました点は、農林大臣によく説明いたしまして、できればこの次出席していただくように大臣にお伝え申し上げます。  それからどうも答弁が不十分である、そのようなことでは安心できないじゃないかということを亀田先生からご指摘があったわけでございます。そこで、農林省の事務当局といたしましては、はっきり申し上げますと、雑穀、特にアズキ、手亡というようなものを備品取引所の上場商品にしておくということがいいかどうかというところまで、実は真剣に検討したわけでございます。そこで過去におきまして、小樽の商品取引所が大正十四年に設置されまして、そこでアズキを上場した経験があるわけでございます。そこでそれではアズキを上場する前と上場後におきまして価格変動率はどうであったかということを、たまたま小樽の商品取引所の古い資料を見つけたものでございますから、それに基づきまして農林省で分析をやってみたわけでございます。その結果をちょっと申し上げますと、大正四年から大正十三年、すなわち小樽の商品取引所ができる前におきましてアズキの価格変動率を調べたわけでございます。それによりますと、二割以上の変動がございましたことが三十回、それから三割以上が十五回、それから四割以上が九回、それから五割以上が五回あったわけでございます。それからその後大正十四年から昭和九年まで、上場しておるときの価格の動きを見ますと、二割以上の変動率が十六回、それから三割以上が六回、四割以上が三回、五割以上が一回、こういうことになっております。それから昭和三十二年から四十一年、すなわち戦後の数字について調べてみましたところ、二割以上が十七回、三割以上が六回、四割以上が三回、五割以上はゼロと、こういうことになっております。それで商品取引所の相場は将来の需給の予見に基づきまして形成されるものでございますから、一般に過敏でございますが、過去のアズキのみでございますが、たまたま資料がございましたために調べてみますと、ただいま申し上げたような数字になっておりますので、やはりアズキにつきましても商品取引所というものは必要じゃないかというふうに考えているわけでございます。実はわれわれとしても現在の姿がいいとは決して考えておりませんので、さっきからるる申し上げておりますように、実は農林省の中において種々検討しているわけでございます。それでただいま一つのデータとして戦前のデータを申し上げたようなわけでございますが、一生懸命その辺のところも勉強いたしまして、何とかして現在の不健全と言われる形の取引所の姿を他の商品並みにしたいといろいろ努力はしている点をご理解していただきたいと、こう思っているわけでございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 いまおっしゃったその資料、それ後ほどでいいですから、ひとつお願いしたいと思っておりますが、いいですか。

内村良英農林省農林経済局参事官

○説明員(内村良英君) 資料は提出させていただきます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 きょうはいろいろ問題点がたくさんありまして、先へ進みますが、その前に、今度の法改正の中で、百二十四条に手をつけられましたね。その中で現行法の、流通高に比しあまりにも過当な取引の行なわれることを防止する、これは例示規定として載せてあるわけですが、今度の改正法ではこれを削ってしまっておるのですがね、これは私は改悪だと思うわけですが、もちろん公正であるかどうかの判断、そういう場合には流通高に対する商い高の倍率だけではいかぬことは承知しておりますが、わざわざあるこの例示的な規定をどうして削るのか、これが疑問になってならない。残しておいていいのじゃないですか。確かに一つの標準であることは間違いないのですから、なぜ削ったのですか。

熊谷典文通商産業省企業局長

○政府委員(熊谷典文君) 実体的にこういうものが必要であるということは、むしろわれわれとしては先ほどの議論からも、あるいはご答弁いたしましたところからもご理解願えるかと思います。ただ法文上から見ますと、これは法律論でございますが、こういう書き方をいたしておきますと、変更命令を出し得る場合がいかにも限定されるというような感じが出てまいるようでございます。そういう意味で、むしろ情勢に応じて変更命令が出しやすくする、こういうことの整理でございます。したがいまして、実体的には先ほど申し上げましたように、そういうめどがつき、それが一つのものさしになれば、そういう場合にはこういうことができるようにするという変更命令は十分出したい、かように考えておる次第でございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 いや、それは現行法で決してそんな誤解起こりませんよ。いろいろこう書いて、「等」と、これは一例としてこう書かれておるわけでありまして、取引所といったようなこういう専門的な法律、ごらんになる人がそんな間違うということはこれは絶対にないですよ。これは私の邪推かもしれませんが、どうもこういう条文を置いておくと、亀田委員がいつもこの取引高と商い高の関係をやかましく言うから、もう削ってしまえと、そういうようなことははっきりおっしゃらぬでしょうが、どうもそういうものを残しておくと必要以上にいろいろな議論を誘発するおそれがある、そういうことでわざわざあるものを削ったのじゃないですか。私はまあ実際はよく皆さんが研究をされまして、このほかにも具体的な基準などがもっと設けられるものがあれば例示的にこう書いておく、そうするとこれを見た人は、なるほど役所のほうはこういう点を注目しておるのだということがわかるわけですからね。非常にわかりいい法律になるのですよ。それを全部抽象的なことばにひっくるめてしまって簡単にするということは、ちょっと私はふに落ちない。まあそんなような魂胆があったとは、腹の中で実際あってもおっしゃらぬでしょうが、これはちょっと私この倍率の問題は非常に平生からやかましく言うておるだけに、ずっと見ていって、ひょこっと目について非常に奇異に感じたわけですが、なぜこういうことになったのですか。もう少しそのいきさつを明らかにしてほしい。

熊谷典文通商産業省企業局長

○政府委員(熊谷典文君) 今度の条文改正の法律論になるわけでございますが、整理にあたりましては、これは先ほど来議論ございましたように、一般大衆の問題につきましては、証券市場と商品市場というのは違うわけでございますが、一つのモデルとして書き方については証券取引所を相当参考にしたという点は、これはいなめないと思います。そういう関係もございまして、抽象的にしたわけでございます。なお、これは腹で思っても言わぬだろうと、こういうご指摘がございましたが、決してそういう感じでは私はございません。先生のおっしゃるように、例示であるからできるだけ詳しく書いたほうが取引所のほうもどういう場合はやはり変更命令が出る、あるいは役所も運用が非常に粗雑にならないという意味で、詳しく書ければ書くということが私は一つのやり方だと思います。そういう点は、御意見は十分わかるわけでございますが、そういう意味で整理をいたしたわけでございます。したがいまして、今後の問題につきまして、先生のほうでそういうご心配、ご懸念があるようでございますれば、あるいはまた役所と取引所との関係をスムーズにいたしますためにも、私は何か変更命令を出す場合の運用基準というようなものをつくりまして、そのときにこれ以外のものにつきましてもさらに研究いたしまして、こういう場合は変更命令を出す場合がありますよということをはっきり出したい。これは内部規定だけでなしに世の中にもはっきりいたしたい、運用基準にまかせていただきたい、かように考える次第でございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 まあ、そういうことなら一応けっこうですが、たとえばこれは繊維の関係なんかでは採用しているところがあるはずですが、たとえば在庫高、在庫高との倍率、こういうことなども私は非常に具体的なひとつの基準だと思うのです。もちろんその場合にもそれだけを言うのじゃないのですよ。そういうわけですから、まあ法律がこういうふうに出てしまうと、あと運用基準ということになるのかもしれませんが、十分これはひとつ検討してほしいと思います。  次の問題に移ります。例の委託証拠金ですね、今度はまあこれが一つの大きな問題になりまして、取引所に分離保管する、こういうことに結論はなったわけですが、この納める率などにつきましては政令できめる、こういうことになっておるようですが、まあ政令の内容もほぼ聞いておるのですが、その点について当初政府側が考えた案よりも相当後退しておるように思うのです。なぜそういうふうな後退をしたのか。そうして現在政令で考えておられるその線が最善だと、こう考えてやっておられるのか。あるいは最善ではないけれども、業者とのいろいろの折衝の結果現状というものを無視もできないからこの程度にしたのだということなのか。その辺の事情をひとつこの際明らかに説明をしてほしいと思います。

熊谷典文通商産業省企業局長

○政府委員(熊谷典文君) 分離保管の率につきましては、いろいろ議論がありましたことは事実でございます。その経緯を申し上げる前に、今後この程度をどの程度にするかという問題でございまするが、一応われわれとしては、委託証拠金のトータルの五〇%程度を目標にしたい。経過措置の問題はございますが、そういうように考えております。  経緯を申し上げますと、それ以前に、一応われわれとしては七〇%程度にできないかという議論をしたことがございます。それは現在の委託証拠金の使い方を見ておりますと、立てかえ等のいろいろな費用が要りますので、そういうものにやはり三割程度使われておる。したがってそういうものを差し引いた残りの七割というものは委託者の保護のために分離保管ができるのじゃなかろうか、こういう感じを持ったわけであります。ところが、その後いろいろ実態を調べ、業界ともいろいろ議論をしてまいりますと、御承知のように業務保証金のほかに売買証拠金という制度がございまして、これをやはり会員としては取引所に積まなければならない、こういうことになっておるわけでございます。この売買証拠金をどれだけ積んでおるかという問題でございますが、現在のところ二割程度の数字に相なっておるわけでございます。で、あるいは売買証拠金でございまするので、むしろこれはそういう委託者から預かった金でなしに自己資金でやるべきじゃないかという議論もございますが、御承知のように現在の仲買い人というのは非常に資力の弱い仲買い人が多いわけでございます。もちろんそれをそのままにしておいていいという問題ではございませんが、現状はそうなっております。いわゆる中小企業的な仲買い人が相当多い。これが七割程度、こういうような状況に相なっております。そういうものを勘案いたしました場合に、現状において、この五〇%を七〇%に強行するということは、やはり仲買い人の資金繰りを何らかの方法で見ます場合は別でございますが、非常に混乱を起こす、非常に圧迫になる、こういう感じを持ったわけでございます。そういう意味で今回におきましては五〇%程度にいたしたい、かようにしたわけでございますが、もちろん今後仲買い人の資力の充実あるいはいわゆる金融措置、中小企業でございますので、金融措置がなかなかむずかしいと思いますが、そういうものと将来考え合わにまして、できるだけ高いものに考えてはいきたいと思っておりますが、この法律では五〇%を目標にしたい、かように考えておる次第でございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 この点もいろいろ議論のあるところで、一〇〇%というような主張もあり、しかし、まあ役所としては一応七〇%を考えたが、実情に合わせて五〇%にしたということのようです。そこで、七〇という数字はそれでは今後の目標としては下ろしておらぬわけですね。

熊谷典文通商産業省企業局長

○政府委員(熊谷典文君) われわれといたしましては、先ほど申し上げましたように、売買証拠金なり立てかえ金というのはこれは可能な限りやはり自己資金でやってもらうというのが筋論としては筋だと思います。そういう意味合いにおきまして、それが現在そういう自己資金でまかなえないという段階でございますので五〇にしたわけでございますので、将来仲買い人の資力が充実していき、さらに金融措置もやはり共同してできるような制度に応じまして、そういう売買証拠金とか立てかえ金を自己資金でやる、そうなれば分離保管率を目標としてできるだけ上げてまいりたい、こういうビジョンを持っておるわけでございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 ビジョンかどうかしらぬが、具体的な数字のないものは、これはまるで空気みたいなものでビジョンにすらならぬかもしれぬ。七〇というものを一応役所が一つのやはりきちんとした根拠に立って出したわけですから、その点は将来の目標としてやはり持っておくのだというふうに理解していいかどうか、これは大臣からひとつ最高責任者として。将来問題になるから。

菅野和太郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(菅野和太郎君) いまの御質問ですが、今度の規定によって仲買い人に対する資格審査を厳重にやりますから、そうすれば金の委託問題は仲買い人に対する信用いかんということによって委託金の多寡というものが考えられると思うのですが、しかし、いま危険防止という立場から見ると、委託金を上げることがまた非常に危険防止にもなるというように考えられますので、お尋ねの件は五〇%ですが、将来七〇%というようなことも考えてみていいのじゃないかとこう私は思っております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 局長よりもちょっと前進したという程度ですが、まあこの程度にしておきましょう。  そこで私は、いろいろ業界と折衝されて出された結論の数字が適正なものかどうかということをわれわれとしても判断しなければならぬわけですが、やはり一番一つの根拠になるものは三百二十二の仲買い人がおるわけですね、現在。この三百二十二の仲買い人が預かっておる委託証拠金、これが現在どういうふうに使われておるのか、その点の実態を明らかにしてほしいのです。だから貸借対照表のようなかっこうで貸方、借方というかっこうでその部分だけを明確にしてもらえば、そうすれば業者のなるほど実情を訴えられるのももっともだ、役所がそこまで譲歩したのもやむを得ないだろうということにもなると思うのですが、その点どうですか。

熊谷典文通商産業省企業局長

○政府委員(熊谷典文君) たいへん申しわけないのでございますが、サンプル的には資料がございますが、全般的にはとっておりません。と申し上げますのは、こういう委託証拠金的なものは御承知のように相当有価証券的なものでまいっておりますが、半分以上はやはり現金で入っております。その現金の行くえというものは、ひもがついておりませんので、なかなかとらまえにくいというような事情がでございまして、全面的な調査はいたしておりません。サンプル的なものはございますので、それからわれわれが推定して先ほど申し上げましたように立てかえ金的なものは約三割、それから自己資金でまかなわない場合はその売買証拠金的なものに二割、こういう推定をいたしたわけでございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 その実態に基づいた議論をしなければなりませんので、これはお聞きしているのです。そのサンプルというのは幾つお調べになったのですか、三百二十二のうち幾つ。

熊谷典文通商産業省企業局長

○政府委員(熊谷典文君) 大阪穀物につきまして中心にして調べた数字でございまして、サンプルとしては三十五ぐらいある、こういうことでございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 そのお調べになった分だけは資料としていただけますな。

熊谷典文通商産業省企業局長

○政府委員(熊谷典文君) 提出いたしたいと思います。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 本来はこの三十五だけじゃなしに、こういう重要な問題点ですから、これは取引所の制度からいっても非常に大きな問題ですよ。実態がほんとうにわかれば、われわれかえって五割を四割でもいいというふうな場合もあり得るわけですよ。現状をむやみに破壊してもいかぬわけですから、だからそこの点をやはり全部調べてほしいのですね。調査権があるんでしょう。現行法の五十四条等にも、ちゃんと元来区分経理をしておかなければならぬのですからね、区分経理を。そして現行法の百十九条とか百二十条あたりの規定でちゃんとこういう問題についての資料は求められるのだし、資料を出さぬものは立ち入り検査もできるのだしね。そこへ行かなくても、まず資料として要求するということだけでもやってもらえばわりあい簡単にいくんですよ。紙一枚でいいです。一つの店に、貸し方のほうは委託された金、借り方のほうは取引所に入れた金とか、あるいは銀行預金とか、あるいは担保で銀行に預けた有価証券とか、あるいは現金で自分のところにあるやつとか、あるいはビルを建てるのに幾ら使ってしまっておるとか、五つか六つの項目でいいですよ、分類すれば。それは私は悪いところほどビルとか自動車だとか、そういうものにやはり化けておると思うのですね。だからこれをちゃんと一覧表にしてこの項目について書き入れよといえば、もう紙一枚でわかるわけですよ。三百幾つの紙だけあなたのほうで出しゃいいのです。そういうことをやってもらえませんかね。これはほんとうに私は清算会社論をはじめ、この点については非常にあまりきついことを言うてもいかぬし、しかし実態はどうかということがなかなかつかめないもんですから、考えあぐんだ問題です。あなたらはそれをやれるのですからね、それをやってもらわぬけりゃ困るじゃないですか。いまからでもやれますよ、これは。元来こういうことは区分経理で明らかになっておるはずなんですから、速達ででもぱっと出して求めるぐらいなことをやって、ほんとうはこの審議に間に合うように資料として出してほしいと思うのですよ、どうですか。

熊谷典文通商産業省企業局長

○政府委員(熊谷典文君) 先ほど申し上げましたサンプル以外に、いま御指摘のありました資料は、これは取引所のほうでもある程度のいろいろなデータはあると思いますし、なお必要によりましては、今後取引員から御指摘のように簡単なものをとるということは可能だろうと思いますので、御趣旨に沿うように努力してみたいと、かように考えております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 できるだけその点、実態のわかるようにひとつお願いしておきます。  それじゃ次の問題に移りますが、私は現在の取引所、これは二十あるわけですね、大臣。これは多過ぎると思うのですよ。大体そういうことになった根本原因は、昭和二十五年商品取引所を復活するその際に、これを自由設立にしたわけですね。そういったようなことは私は非常に間違いであったと思うのですね。それで乱立をしておる。でき上がったものは維持していかなければならぬ、取引高が多くなければ維持できない、あふる、必要以上の外務員が出てくる、根本はここに一つの大きなミスがあったと思うのですが、これは大臣どういうふうにお考えです。

菅野和太郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(菅野和太郎君) 先ほど私からも申し上げましたとおり、昭和二十五年のときと今日とだいぶ経済の実勢が違っておりますから、したがって取引所の数が多いか少ないかというようなこと、また場所などについて、はたして取引所を設けておることがいいのか悪いのか、そういうことについてはもう少し掘り下げて調査研究して、その上でまた改正すべきであれば改正するというふうに考えておる、こう存じておる次第でございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 これは行政整理を見てもなかなかいまあるものをつぶすということは、これはたいへんなことなんですよ。それでたとえばアメリカの場合は非常に数が少ないんでしょう、どうなんです。

熊谷典文通商産業省企業局長

○政府委員(熊谷典文君) アメリカも日本と同じように二十あるということは聞いておりますが、土地の広さとか、あるいは取引高が圧倒的に違うわけでございますが、そういう観点から見ますと、日本の二十というのは少ない、あるいは多い、いろいろ議論があろうと思いますが、多過ぎるのではなかろうかという感じはいたしております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 生産量、消費量の関係から見たら、それはアメリカの私は五分の一でいいと思っているのですよ。だからこれはひとつ根本問題としてやはり研究してほしい。特にこのアズキと手亡ですね、どうもそこばかり八つ当たりするようですが、しかし、そこが変なんだからそれはしようがないと言わざるを得ない。わずかのあなた流通量でしょう。年間十五万トン、八万トンという程度でしょう。そういうものに六つもあるわけですね。しかも六つの中でも大阪と神戸これは経済圏が一緒でしょうが。受け渡し関係もこれは両者共通になっていますからね。そんなことで、全くこれはまるで取引所を設けること自体が何か一つの趣味か目的のような感じがするのですね。ナンセンスですよ、これは。同じ場所に二つもある。大体公定相場というものは、そこで建つ相場は納得の行くものでなければいかぬでしょう、そのことが前提でしょうが。納得の行くものが同じ場所に二つあるというのはおかしいじゃないですか第一。だからね、そんな矛盾したことをやっているということは、これは私は法改正といえばそういうことをほんとうにこれは考えてもらわなければいかぬと思うのですよ。大臣もその矛盾は感じておられると思いますがな。大阪、神戸——第一大阪の化繊と三品、ほとんどあなたメンバーは一緒でしょう。ほかでは一つでやっている。なぜ大阪だけ二つにしなければならないのか。そんな程度のことが私はやれなくて、とてもじゃないが行政整理なんてそれはできませんよ。まあ行管の問題と多少違いますけれども、これは大臣どうですか。まあその二十、全体の話は別にしましょう。私が言った大阪、神戸の関係、大阪の三品と繊維、こういうことは、私ははなはだ取引所制度自体を自分らで何か茶化しているような感じがするのですよ。大阪化繊と三品ですよ。

菅野和太郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(菅野和太郎君) いまのお話は、私は神戸のことは知りませんが、神戸もでき、大阪もできているというその由来を存じないのですが、大阪の三品とそれから化繊の問題は、これは亀田委員の言われているように私自身も二つは必要ないじゃないかということを関係者には申しておるわけでありまして、でありますからこれは関係者自体も、まあいつかはこれは合併すべきじゃないかという意見を持っている人もあります。ですからして、この問題は私は比較的解決しやすいのじゃないか、こう私自身は思っておりますが、しかし、それができた当時の由来を私は知りませんけれども、当時の関係者もなくなった人もおりますから、この問題はひとつ私自身として善処したい、こう考えております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 これはぜひひとつお顧いしておきます。それで、そういう問題がいろいろ考えられるわけでして、この法改正の中に取引所の合併規定ですね、こういうものをぼくら入れてほしかった。それは何か検討されたのかどうか。されたけれども、どうもいろいろ問題があって入らぬということになったのか、どうなんです。

熊谷典文通商産業省企業局長

○政府委員(熊谷典文君) まず法律問題の前に実態的な考え方を申し上げてみたいと思いますが、私どもといたしましても、この業界がその気になっていただき、それが合理的であるということならば、合併をこばむものでもございませんし、また御指摘のような例もあるわけでありますので、できるだけそういう方向に持っていきたい、こういうように考えておりますが、ただ御承知のように、将来これをだんだん統合していきます場合の考え方として、繊維は繊維で集まるからやったほうがいいのか、あるいはもう少し繊維だけでなしに、たとえば大阪地区においてはゴムも入れて総合的なものにしたほうがいいか、いわゆる物資別、地域別にいろいろその統合のやり方といいますか、将来の方向として問題があろうかと思います。またそういうものを考えます場合には、おそらくこういう上場商品というのは、どちらかといいますと、流通機構にやはり問題がある物資が多いわけであります。したがって、そういう流通機構の問題をやはりかね合わせて考えなければならない。いろいろな役所のほうで指導いたします場合にも、将来の取引所のあるべき姿はこういうものであるという理想を描きながら、それに近づくような合併に持っていかなければならない、こういう問題があるわけであります。そういうことでございますので、今回はこの問題はまだわれわれのほうもとことんまで議論いたしておりませんので、もう少しそういう根本問題を議論しよう、審議会でも議論していただこう、こういうことになった。そういう結果、合併の規定を法律的にいますぐ入れられないという問題があるわけでございませんが、そういうものが明らかになった場合に、法律改正によりまして合併規定を入れよう、こういう判断をとったわけでございます。

鹿島俊雄自由民主党

○委員長(鹿島俊雄君) 速記とめて。   〔速記中止〕

鹿島俊雄自由民主党

○委員長(鹿島俊雄君) 速記を起こして。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 それじゃこの取引所の合併問題というのは、これはひとつ真剣にやっぱり考えてほしい。これはなかなかその取引所関係者には抵抗ありますよ。だけれど、最初大臣が言われたような当業者主義というものを踏まえて考えていくということであれば、そんなにあちこちたくさん要らぬ。まあ極端な人は東京、大阪くらいでいいというふうな意見もありますが、私はまあ一挙にそこまでは思いません。いずれにしてもなるべく統合し、そして統合されぬまでも建物は一つにするとかして、やっぱり合理化していかぬといかぬのです。当業者が中心になって運用されていくということになれば、ちゃんとこれからは商品取引員も非常に信用が高まるでしょう、この法律によって。そこで電話でずっと連絡をして頼めばいいわけで、そんなにあっちこっちに一々顔を合わせて、ああじゃこうじゃと言うてる必要はないわけでして、そういう意味で、ぜひこれは一つの大きな課題として取り上げてもらいたい。で、まあそれに応じたところの役所の改革ですね。二省三局ですかで四裸ですね。それでわずか三十人足らずの人間をそんなところにばらまいておるわけですね。今度の法改正では非常にこれは権限が強くなるわけですよ。仕事もふえる。そういうことになっている。法律では権限は与えられたけれども、実際上はそれを使えないのだということになってはこれはたいへんなかえってマイナスです。私はそういう面からみても役所の方面のこの反省、改革、一ところに行けばちゃんと全部用が足せると、一ヵ所行けばちゃんとやり方はもう全部共通してわかる、こういうふうにやっぱりなっていかなきゃいかぬですよ。取引所もそうなる。商品取引員もいろいろなことで改革されて、役所もよくなる、こうしなくちゃこの日進月歩の経済界に順応しませんよ、それは。役所の姿勢はどういうふうにお考えですか。これはやっぱり大臣の問題ですね。一応局長からでもいいのですが。

熊谷典文通商産業省企業局長

○政府委員(熊谷典文君) この問題は先般も御指摘になった点でございまして、私どもとしては御意見はある面では非常にわかるわけでございます。ただ御承知のように現在の取引員とか、あるいは取引所の構成というのが物資別にできている。しかも、いまの役所の機構というものが物資別、それでいまの取引所の運用を見てみますと、どうしてもこれは、まあ取引所でもう完全に自主的にやっていただくということになれば別でございますが、今回の改正でもそればかりにはまかしておけないから役所も相当指導監督しようということになりますと、どうしても物資別に見ていく、こういう知識と経験が実は要るわけです。それと同時に今後取引所の運営をどういうふうに持つていくかという場合には、私は流通機構の問題と非常に関係がある。繊維の取引所については繊維の流通機構と関係がある、それがいまの組織ではやはり繊維の流通機構は通産省の繊維局が検討する、こういう形になっておるわけであります。したがいまして、各省が同じ考え方で行政指導もし、運営もするということは、これはきわめて今後必要になってくると思いますが、それを一気に一ヵ所に集めるということになりますと、いま申し上げました物資別の観点の問題が少し希薄になるわけでございます。そういう意味でいろいろ内部でも議論いたしましたが、いまの機構のままにおいて、各省間の連絡を改正を機会により一そう緊密にして、その間間違った方針等で取引所に迷惑かけるとか、あるいはアンバランスになるというようなことをなくしようということで、現行のままで提出いたしたわけでございます。今後取引所のあり方、物資別にあまり見なくても取引所の自主で大体いけるというような形になりました場合は、機構もおのずからやることが違ってまいりますので、そういう場合は、そういう問題は十分研究に値する問題であり、研究しなくてはならぬ問題だと思いますが、現状においては私どもの判断はちょっと無理ではなかろうか、こういうことでございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 それじゃ、大臣の御都合ありますので、本日はこの程度にしたいと思いますが、これは大臣にいろいろ聞いておいてもらいたいと思うもんですから、大臣のおられるところで、あと商品取引員の問題、外務員の問題、それから不当勤誘の問題、こういったような問題について苦干次回にお聞きをしたいと思っております。本日はこの程度で……。

鹿島俊雄自由民主党

○委員長(鹿島俊雄君) 他に御発言もなければ、本案に対する賃疑は本日のところはこの程度にいたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時三分散会      —————・—————

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