社会労働委員会 第15号
- 発言数
- 37 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1967/06/15
会議録
○委員長(山本伊三郎君) ただいまより社会労働委員会を開会いたします。 労働問題に関する調査を議題とし、質疑を行ないます。御質疑のある方は、順次御発言を願います。
○大橋和孝君 もう前にかなり論議が尽くされていると思いますけれども、私、なお多少の重複をする点があるかもしれませんが、私なりの考え方のもとに、きょうはひとついろいろと質疑をしてみたいと思うわけであります。特に家内労働の問題について二、三点いろいろと伺いたいと思うわけであります。 前にもお話のありましたように、最近の経済情勢で、非常に家内労働をしなければならない、何と申しますか、特に内職的な労働がふえてきたわけであります。これは前にも多少その報告があったかもしれませんが、私ちょっと最近入手しました調査の結果では、非常にばく大な数字にふえているというように思いますので、もう一つ、このごろ労働省のほうでこの家内労働者の実態についていろいろ御調査があると思いますが、その数がどのくらいあるか、あるいは、また、どのくらいの種類があるかということをすぐおわかりであれば、一応おもだったことを聞かしていただいて、私は詳しい表をもう一ついただきたいと思うのですが、そういう点でいろいろかわっておる点があれば御説明をしていただきたいと思うのです。
○政府委員(村上茂利君) 従来、労働省が申しておりますのは、家内労働者の全数八十四万、かように申し上げておりました。しかし、これは古い統計でありまして、その後全国的な全体調査はいたしておりませんので、その数字がどのように動いておるかはわかりません。しかし、その後さらにふえておるだろうというふうには了承いたしております。現在、家内労働審議会で各種の実態調査という形で調査をいたしておりますが、全国的一般的調査はその後実施してないということでございます。
○大橋和孝君 審議会で調査をしているというので、そうした全国的な大体の数は把握できるのでありますか。それから、また、最近そういうことをやられて全国的なものをつかむことを考えておられるかどうか。それから、また、いままで八十四万というやつの中で、いろいろ詳しい統計が出ているやつはどこにありますか、ひとつ知らせておいていただきたい。何かこれはもう発表されておりますね。
○政府委員(村上茂利君) 一昨年の十二月に、従来の臨時家内労働調査会が、「家内労働の現状」ということで一般に発表いたしましたものが最近における家内労働の全体的参考資料であるわけでございます。その後、これに置きかえられるような全体的な調査をやるかどうかという点については、家内労働審議会では、そういう方向ではなくして、むしろ家内労働のいろいろなパターンにつきまして、その実態をさらに掘り下げるという方向で調査しておりますので、全体的な調査はまだいまのところ議題にのぼっておりません。
○大橋和孝君 その審議会の過程で、そのパターンについてのいろいろ調査の現状をちょっと知らせていただきたいと思います。最近の例です。
○政府委員(村上茂利君) ただいま申し上げましたように、臨時家内労働調査会の報告、これが全体的な基本的な調査でありますが、その後、家内労働審議会としましては、さらに問題を掘り下げるために、東京のヘップサンダル製造業、それから金属玩具製造業、山梨の郡内機業、撚糸製造業、奈良のくつ下製造業といったような業種につきまして、現地におもむきましてそれぞれ調査をいたした次第であります。その調査の内容は広範にわたっておりまして、委託系統の問題、それから工賃の問題が、いわゆる時間との関連でどう見るべきか。たとえば労働時間に換算するとしましても、自動的に機械が動いておる。たとえば撚糸の場合は、機械は動いておるが、本人は畑の仕事をしておるといったような形態のものもあり、工賃と労働時間の関係を把握するという場合のそういったいろいろな諸条件につきまして掘り下げた調査をいたしております。ちょっとヘップサンダル、金属玩具、撚糸製造業、くつ下といったようなものにつきましては、それぞれ態様が違いますので、そういったものを横断的に一定の型に統合するということはなかなか困難で、結論が出ておりませんけれども、それぞれの業種につきまして、ただいま申しましたように、委託系統、それから工賃の問題と、それと労働時間の問題さらには危険、有害の問題といったような問題についてそれぞれ調査を進めておるような次第でありまして、その結果の概要も一応まとまっておりますが、そういったことで、今後さらにまたほかの問題につきましても調査を進めるということをいたしております。
○大橋和孝君 いまおっしゃっているように、家内労働の中でも、いまのように、かなり大がかりなものもあるわけで、いわゆる専業的にやっておられるところの家内労働もあるわけですが、また、内職的にかなり小さい面の家内的な労働、あるいは、また、副業的に家内労働をやられている部分が多いように思うわけでありますが、私は、最近の傾向では、家内労働の中でも、そうした副業的にやられるところの家内労働が非常に多いわけで、先ほど申されたように、労働条件とか工賃とか、あるいは、また、不規則な労働時間になるわけでありますから、あるいは、また、不安定な生活の状態の中でこういうものが行なわれているわけでありますから、そういう実態はかなり明確に出ていると思うわけでありますが、これはやはり日本の経済の非常にあおりを受けておる階層にこうしたのが行なわれておるわけでありますから、私は、労働省としては、ここらの人たちの労働条件というものに対して、相当積極的にこれと取り組まれているわけでもあるし、現在そうされつつあるとは思いますけれども、なおまだこうした方面に対しては非常に私は手薄のような感じがするわけであります。同時に、また、そういうところが非常に組織化しにくいという観点もあるし、あるいは、また、労使の関係も明確でないという点も出てきているようなわけですが、そういうところに対して、労働省のほうではそういう調査を基礎にいろいろ進められてはいると思うのですが、より困難な面をどういうふうにしてやっておられるか、詳しいことをひとつ個々の面について聞かしていただきたいと思います。
○政府委員(村上茂利君) 家内労働審議会ではいま申しましたような調査を進めておりますが、その審議のテンポを早めるという基本的な考え方から、この秋になりましたならば、家内労働法制定をも含む多角的な審議をいたしまして、先般大臣が御答弁申し上げましたように、答申を出す期間を短縮して、できるだけ早く答申を出す、こういう方向に進もうと存じます。その間、行政措置としてできるだけのことをするように、この内容につきましては、家内労働調査会が報告を出しましたときに意見を提出いたしておりまして、行政措置としてなすべきことの内容を指摘しているわけであります。この最低工賃の設定を促進する、あるいは指導を行ないまして、標準工賃——これは法律によらざるものでありますが、標準工賃制度をさらに普及する、あるいは家内労働手帳の普及、安全衛生についての行政指導といったような諸点を示しているわけであります。そこで、現在法律上の権限はございませんけれども、標準工賃の設定といったような指導をいたしております。これは六月一日現在の調べですと、設定例は五十二件、八万四千四百人の家内労働者に適用されるといったような方法をいまとっているわけであります。家内労働手帳の実施例も三十二ございます。二万七千三百人の労働者に適用されるといったような措置を講じているわけであります。何ぶんにも法的な権限がございませんので、実際上の指導という形でやっておりますので、もう対象となります労働者数もごくわずかで、まことに微々たるものではありますが、私ども行政能力の許す限りそういった指導面を進めていきたい。ただ、最低工賃、これは最低賃金法に基づくものでございますが、最低賃金制度の普及と相まちまして最低工賃の決定を進めてまいりたい、もうすでに三件決定いたしました。その後もさらに拡大する動きを見せております。
○大橋和孝君 大体お話で、ちょっとまあ労働行政の中での位置づけも、法的な根拠はないから、そうした賃金の問題はいろいろなところで位置づけておられるようでありますけれども、私は、この家内労働の問題をもっと法的に措置するよう、それは今度の法改正にまで待たれるわけでありますから、そこらの位置づけはどういうふうになるのか、まだ明確でないようでありますが、現在の段階においては、やはりそういう賃金の問題とか労働条件の問題はどういうふうな観点からこれを推し進めておられるのか、もう少しのところで了解できないのですが、ちょっと説明していただきたい。
○政府委員(村上茂利君) 現在の法律制度的には、最低工賃の制度が最低賃金法にあるだけでございます。今後家内労働法をこれから制定するという問題があるわけでして、その家内労働法の内容をどうするかという点についてはいろいろ議論があります。家内労働そのものが、専業的なものもあり、内職的なもの、副業的なもの、幾つかの種類がある。あるいは、また、業態もさまざまでございます。そして、また、問題には委託系統の問題とか、労働時間、安全衛生の問題、いろいろありますので、立法の問題としてどこに焦点をしぼるかといったようなむずかしい問題がありますけれども、法的に何とか解決しなければならないといったような考えは非常に強まってきているというふうに私ども理解いたしております。しかも、問題は、これは雇用労働者でありませんから、私ども家内労働条件と、こう称しておるのですけれども、雇用労働者の労働条件とは違った面がありますので、雇用労働者の場合と同じような扱いをなし得るかどうかといったような点について基本的な問題がございます。ただ、それは今後の審議会の審議に待つわけでございますが、工賃が低いとか、いろいろな現実の問題を何とか解決しなければいかぬ。これは、その指導をどうするかという点について、先ほど標準工賃といったようなことを申し上げたのですが、別に婦人少年局のほうにおきまして内職の相談施設をつくりまして、いろいろ活動を展開しておりますので、婦人少年局長からお答え申し上げます。
○政府委員(高橋展子君) 婦人少年局関係では、特に家内労働の中でのいわゆる家庭内職に対する対策を従来から進めております。で、行政措置といたしまして、都道府県に国庫補助で内職公共職業補導所という内職の相談施設を設置してまいっております。現在四十一ヵ所の設置をみております。この補導所を通じまして、内職を希望する方方に対して、その就業機会を与えるためにあっせんを行なっております。また、その就業の条件を高めるために各般の努力をいたしております。たとえば、やはり内職手帳といったものを出しまして、委託条件を明確にして、トラブルの起きないようにする。あるいは、また、事前に事業所のほうをよく調査いたしまして、いわゆる不良な求人を排除するというようなこともいたしております。あるいは、また、内職者の技術を高めることによってその条件をよくするために技術補導等も行なっているわけでございます。また、一般的に工賃の適正化を進めるために、地区ごとに懇談会等を開きまして、その賃金事情等につきまして広く情報を集めること等を行なっております。
○大橋和孝君 一番問題点がそこらにあると思うのですが、やはり地方地方によってそうした零細な職業というものは差があるわけでございます。手帳もさることながら、あるいはもう少し地域的に何か特殊性を反映するような、たとえば地方自治体とそうした家内労働しておる人たちとの結びつき、あるいは、また、そういうものによって連絡をとって、そういう人たちのいわゆる手帳なら手帳にあらわすべきいろいろな条件があるにしても、そういうものに対しての何かの規制をするとか、あるいは、また、指導をするとかいうふうなものがもっと打ち出されなければ、もう一つ効果があらわれにくいのじゃないかと思うのであります。そういうような自治体等との結びつきの問題をもっと深める、そしてそこの付近の特殊性を発揮して、それを組織化して条件を高めていくというふうな事柄は相当いままで成績があがっておるのかどうか、どういうふうな形でどういうふうな地方でやられておるのか、御説明をしていただけたら非常にありがたいと思います。
○政府委員(高橋展子君) 自治体の問題でございますが、この内職公共職業補導所は全部地方が設置しているものでございます。そして、私どもといたしましては、これら補導所に対しまして、その賃金の適正化を指導するように申しているわけでございますが、賃金の実際の額につきましては、需給の関係で決定されるという点がもちろん主でございます。強制的に賃金の額をきめるというわけにはいかないのでございますが、先ほど申しましたような措置によりまして、不良なものは排除するということを行なっておりますし、また、万一トラブルの起きましたときも苦情処理を行ないまして、就業者が迷惑をこうむることの極度に少ないような方向に進めてまいっております。効果という点につきましては、従来の成績から申しまして、いわゆる賃金不払い等の事件は非常に少ないものでございまして、また、かりにそのような事態が起きましたときにも、この機関を通して善処してまいっております。
○大橋和孝君 地方地方によって特徴のあるそういうような零細な家内労働に対して、やはりそうした地方に職業的な指導所もあってそれをやっているといわれるのでありますが、現在京都あたりでは、西陣の中にもありますし、最近では、特にしぼりをやっているものがたくさんあるのであります。こういうふうなものをこの間うちから実態を調査してみたわけでありますが、何と申しますか、こういうところに対しては、いまの何と申しますか、産業構造のしわ寄せといいますか、非常に低賃金で、しかも、長時間をやらなければ収入にならない。ああいう状態を生んだら、あなたのほうではどこでそれをくみ上げ、どこでチェックし、どこで指導しておられるのか。案外そういう方向に対しては手放しの状態になっていると私は実際の状態を見ている。先ほどから法的関係、調査の関係なんかをお尋ねして、そうして地域的にそういうことができているのだとおっしゃっているのですけれども、実際問題はできていないと思うわけですが、その点どうですか。
○政府委員(村上茂利君) たとえば丹後ちりめんの内職等の問題につきましては、家内労働審議会ですでに事情を聴取いたしまして、丹後ちりめんの場合には、特に農漁業から家内労働へどう移行しているか、それから、工賃が雇用労働の場合の賃金とどうなっているかというような調査をやっているわけでございます。ただ、これは調査の過程にございまして、具体的にどうしたらよいかという結論はまだ出しておらぬわけでございます。そういった問題につきまして、問題の業種はかなり調査をして、問題の所在を突きとめつつあるというふうに私ども理解いたしているわけであります。そうして、地方の家内労働に対するいろいろな問題につきましても、地方、たとえば府県、市町村が家内労働に対してどのような手を差し伸べているかという点につきましても、愛知、大阪、高知、長崎、福井、福岡、神奈川といったような県におきまして、県ないしは市から補助金を出しまして民間団体を育成しているという実績もございます。そういった団体がどのような活動を展開しているかといったものも調べております。そうして、今後授産所とか、そういう民間団体とか公的機関との関係はどうしたらよろしいかといったような問題点につきまして、問題意識を持って進めているということでございます。先生の御指摘でございます諸点につきましては、調査の段階であり、こうしたらよろしいという結論が出ておりませんことは遺憾でございますけれども、何ぶんにも審議の途中でございますので、やむを得ない点もあるかと存じます。
○大橋和孝君 調査中であることもわかるわけでありますし、私もいろいろ調べてみたところで、調査に来ていることも存じているのでありますが、現在の段階で、ある程度指導しなければ、いまそこらにしわ寄せさせている人たちは、私ども見たところでは、家内労働法もできるから、それまで審議中だから、審議を早めてそのほうに持っていこうというその意図はわかるわけですが、しかし、現段階で、私は、この問ちょっと十数ヵ所回ってみたのでありますが、ああいう状態ではあまりにもかわいそうだと、悪いじゃないかという感じを受けて帰ったわけであります。特に、しぼりをやっている人たちを見ますと、もう賃金は相当前から据え置かれて、やかましくいってもわずかしか上がっていない。しかも、それをやるために相当一日の問の労働時間をつぶさなければある程度の賃金が得られない、こういうような形で、何と申しますか、こき使われておるというような、そういういろいろな条件から働かざるを得ないところにはめられていっておるという感じですね。いまの近代産業の中でああいうものがまだあるのだけれども、これも半年ばかりの問だからがまんしなさいといって帰ってきたんですが、私は非常に不満を感じて帰ったわけです。そういう点から考えて、今度この問題についてもう少し何かさっそくやるような方法はないのか、こういうことを考えるのですが、そういうようなことについてはどういうふうに把握をしておられるのか、お考えをちょっと聞いておきたいと思います。
○政府委員(村上茂利君) 先ほど申しましたように、行政的に公的な権限に基づいて処理するということはできない状態にございます。しかしながら、現在家内労働審議会でやっておりますのは、単に事情聴取調査だけではなくて、場合によりましては関係行政機関を審議会の場に招きまして、行政措置として他省でなし得る点について改善すべきことは審議会として要望するというような形で、税の問題その他いろいろ扱っておるわけでございます。先生の御指摘になりました丹後ちりめんなどの問題につきましては、審議会としては家内労働だけの範囲の問題じゃなくて、根本的にはこういったちりめんに対する需給の問題、価格決定機構の問題、そういう問題に関連がある非常に幅広い問題であります。そこで、家内労働の状況という面からのみアプローチすべきものかどうか、それでは基本的解決にはならないのじゃないか、そういった需給の問題、価格決定のメカニズムの問題にも触れざるを得ない、これをどうするかというような段階にあるわけでございます。何としても手をつけなければならないというようなものについては、審議会としても関係行政機関を呼びまして、具体的方策を質問をし、改善をしていくという方向に進んでおります。ただ、遺憾ながら、丹後ちりめんにつきましては、需給の問題、価格決定のメカニズムの問題といろいろございまして、審議会として正面から取り組むということについては割り切れない、態度を決定し得ないという状況にあるわけでございます。
○大橋和孝君 その丹後ちりめんの問題は、特に最近私がいろいろ聞いたことは、結局韓国の方面ですか、あるいは、また、そういうところで非常に低賃金で労働が提供されるという関係から特に悪くなったようにいっている人もある、その実態はよくわからないけれども。しかし、そういうふうな形でほかのあおりを受けて、そうして非常にしわ寄せされるときに、いま言っているように、労働条件も大企業のようなぐあいにはならないわけでありますし、そうして、ことに家内労働的に個人個人が契約をしてやっているわけでございますから、非常にしわ寄せが大きい。特にその下請をやっている。しぼりをやっている人あたりは非常に参っておる。ますますピンはねをされてしまって、しまいには非常にひどいものだということが実際において行なわれておるわけでありますが、それはメカニズムの上では非常にむずかしいことはわかります。現状がそうなっておるのに対して、ある程度だれかが救いの手を伸べていかなければそういうものはいつもしわ寄せされているわけであって、一方ではどんどん企業が発展しているのに、一方ではそういう人が絶えずそのまま置かれておっていいというわけにはいかないわけであります。それが、たとえば家内労働法にも大きく取り上げられておるわけでありますが、しかし、それまで待っているというのではなしに、いまの行政でこういうものに対してはある程度の措置をしなければ、私は、まだその企業としてやっているところはいいとしても、下請で、しかも、個人でそれを請け負わされている面については、非常に毎日の生活に響いてくるのではないか。それは健康に響くことである。私は特にその点ちょっといろいろ調べてまいりましたけれども、案外そういうところに結核の患者もあるわけですね。それに対しては個人でやって、しぼりなどをやっているところだから定期検診も受けるようになって、あるいは公共団体から来ましても、受ける間がないから受けていないというのが実態です。それだからして、そういうようなことを考えてみると、私は、非常に公衆衛生から考えても問題が起こるであろうし、労働条件の中においても非常に大きな問題があるわけでありますが、そういう観点から、私はそういうふうな、もっといまおっしゃっているようない高い次元でなしに、次元の低いところでもう少し私は行政の手を差し伸べることが必要ではないか。それに対してはいまどういうことがやられるのか、そういうことのほうが先決ではないかと考えているわけです。いまおっしゃっているお説のルールであれば私も了解しているわけです。社会党のほうも法案については相当真剣に取り組んで提案をしようとしているわけですから、その点についてはよくわかるんですが、もっと低い次元ですね、低いところを何とかする必要はないかというふうに思うんですが、そういう点についてはどう把握しておられて、これでだいじょうぶだとあなたのほうはおっしゃっているのか。それと、ことに内職なんかをやっている人たちを婦人少年局長のほうでどう把握しておられるのか、おたくのほうが一番の責任者ですね。そういうところでそういうしわ寄せをされている実態を見て、それはもう常にこういう内職の指導所もあります、これもありますということで済ましていくんではなくて、もっと何か低い次元のところに対してどうしていくかというその問題を——私は健康の問題であれしようといえは、私はちょっと調査に行きましたから、的確にどこにどういう人がおるということもあげられる。方々見て歩いて、なぜ検診を受けないかというので、啓蒙的に話してまいりましたけれども、やはり次から次へと仕事に追われていて受けていないわけです。また、受けにくいような状態もあるわけですね。そういうようなことも考えてみると、案外日の目の当たっていないところではどんどんむしばまれていくという状態があるんだから、私はそういうものに対して真剣に何か吸い上げてもらって、これに対する措置をしておいてもらいたい、こういうように思うんです。
○政府委員(村上茂利君) 先ほど来の先生の御指摘の趣旨は私ども十分承知をし、同感するものでございます。行政手段としてきめ手に欠けるというのが現状でございます。しかしながら、昨年の三月でございましたか、地方の基準局に対しまして、家内労働行政の推進という立場から、最低工賃の決定、標準工賃制度の推進、家内労働手帳の普及、労働時間の適正化、安全衛生に関する指導といった各項目につきまして通達をしたわけでございます。しかし、その後家内労働審議会の審議の進行に伴いまして、問題をさらに掘り下げまして指導する必要があると存じまして、本年度は特にモデル地区の指導地区を設定いたしまして、相当徹底した指導を行ないたいという考えでございます。そのような考えに立ちまして、いずれ近く別途家内労働対策の促進につきまして通達を出しまして、より一そう御指摘のような問題に対しまして、あたたかい手を差し伸べたい、かように考えております。方向としましてそのような方向に進み、そうして家内労働審議会の答申を促進いたしまして、それを待ちましてさらに次の本格的な体制に移行したい、かような考えでございます。
○大橋和孝君 いまのようなそうしたお考えで私はありがたいと思うんですが、そのおやりになるときに、私がいま申しているようなぐあいに、一つの系列があるものはいいわけですが、そうでなしに、ばらばらにやっている家内作業的なことを私はいま申し上げたので、たとえばそれがだれかの委託を受けているわけですから、私は、その委託者を含めて、何かそういうような地方自治体なら地方自治体が指導をして、あるいは、また、おたくのほうが地方自治体のほうに命令されて、そうして委託者を含めての受注者ですね、受けている人との何かはっきりした話し合いの場、あるいは、また、指導の場、こういうようなものができないと、私は、案外いろんな通達がおりてきましても実際にいかないわけです。だから、私は、先ほど自治体の云々をお尋ねしたのはそういうことであって、もう少し自治体の中でそういうことをやる係がおって、そして、たとえばしぼりの問題についても、あるいは、また、ちょっとした外国向けの人形やなんかやっているわけですが、そういうような問題にしても、その委託者とやるほうとの間にかなり第三者というか、指導者が入って、そしていろんな指導をしていくというものがないと、私は非常にこれは受けとめにくいと思うのですが、そういう点なんかも、私のいま見たところでは行なわれていないところがあるわけですが、全体としてはかなりそういうことは手を差し伸べてやるような指導をしておられるのかどうか。特に私は、このような問題はもう少し前向きに前進しないと、この問題は案外議論しておっても行き違いの議論であって、こっちの言うていることがなかなか了解していただけないような面もあるわけなんですが、そういう点で、ひとつ私は、そういう問題をもっとほんとうに現場におりていくような形で、もう少しひとつ地方自治体とのからみ合わせでそれを何か持っていく方法は考えておられるのかどうか、お伺いしたい。
○政府委員(村上茂利君) 昨年三月に出しました通達におきましても、労働基準監督機関、婦人少年室、都道府県関係機関とよく連絡を密にいたしまして、情報、資料の交換、対策の促進といった考え方は出しております。しかし、先ほど申しましたように、さらにきめこまかく有効な方途を考える必要がございますので、近くそういった問題について通達を出したいという考えでございます。
○大橋和孝君 もう一つ私はその通達の中で強調していただきたいことは、これらの業に属している人は、わりあい働き盛りの人は少ないわけです。もう奥さんとか、あるいは、また、老人というのが比較的やっているわけです。だからして、先ほどちょっと触れたように、非常に健康条件が悪い人、が多い。これはそういうようなことで、もう一つこういう人たちの健康管理の面を、ひとつばらばらにやっている人たちがもう少し何とか地方自治体との間にあって、そしてこういうものがもう少し健康管理をうまくしてもらうようなことをひとつ十分考えていただきたいし、同時に、また、非常に老人のそうした仕事は、私はむしろ逆に言えば、こういう老人たちが仕事をしないでおるほうがかえって悪いわけでありまして、うまくそういう管理さえ行なわれれば、それも一つの労働力の補佐になるわけでありますから、私は、もう少しこういう人たちを、賃金も条件も引き上げることによって労働のほうに向けていくという形で、むしろそのほうが年寄りに対してもしあわせじゃないか、老人だからといって老人ホームに入っておれば、むしろさびしさのために自殺する人もふえるというようなくらいな実態もあるわけですから、そういうことから考えると、こういう人たちのいわゆる健康条件、あるいは、また、そういうことに対する指導、あるいは、また、できれば、いま申したような指導によって賃金の面も労働条件の面も引き上げられる、それにプラスして健康というものがもう少し裏づけられていくような指導をここでもう一つ深めていただきたい、こういうように思うのですが、いかがでしょうか。
○政府委員(村上茂利君) だんだんと家内労働対策を進めてまいります過程において、先生の御指摘のような事例も私ども相当もう承知いたしております。ただ、問題にぶつかりますのは、そういった健康管理なりいろいろな疾病があります場合の措置につきまして、費用をどこが負担するかといったような問題でございます。しかも、それが内職で、だんなさんが健康保険に入っているといったような条件の場合とか、そうじゃなくて、国民健康保険に入っている場合とか、さまざま態様がございまして、画一的にこれは処理できないと思いますけれども、何らかの措置が必要だ。労働省がいま考えておりますのは、職業病モニター制度を中小企業対策として考えたのでございますが、昨年から発足したのでございます。しかし、せっかく設けた制度でございますから、家内労働者につきましても、この職業病モニターを活用したいという観点から、このモニター制度をさらに活用するようにという考え方をとっております。しかし、たとえば奈良県のくつ製造におきましても、かなりやっておりますとだんだんと視力が衰え始めてまいります。これをどうするかという問題がございまして、地元の基準局長が県その他とその問題について具体策を検討しておるといったようなことで、ケース・バイ・ケースで何とか措置を講じようじゃないか。これは労働行政系統だけでなくて、県市町村といった関係方面とも協力いたしまして具体的な方策を生み出す、こういったことでいま努力いたしておるような次第でございます。
○大橋和孝君 ちょうど私も今度先ほど申し上げたように、いろいろ調べてきまして、非常にそういうような悪い条件があるわけであります。特に私は、ここらの人たちはいま言っているような保障がないわけでありますね。たいてい雇用関係が明確であれば、そこで事業主のほうが何とかするとか、私は、ここで職業あっせんをしている人たちは、調べてみると、またそれもあまり基盤が大きくないわけですね、ただこっちへ持っていくだけの仕事をしているわけですから、これはどうしようもないけれども、私は、こういうところに対しては、最近非常に生活保護とか医療保護とかいうものをできるだけ加味するように話をしてみましたけれども、これがもういまの条件ではいろいろちょっとしたものがあったり、だれかほかの人がつとめておったり、子供が高等学校へいっておったりという、いろいろの理由でもって全部入らない。こういうものに対してはほんとうに見るに見かねる思いをしたわけです。こういうことに対しては、労働省のほうでも、今度の法律ができればそういうものに対してのある程度のあれはできると思うのでありますけれども、現在の段階において、こういうような人たちに指導だけでなく、何とかする方法がいま必要じゃないかということを切実に感じてきた数例を持っているわけです。ですから、そういうようなことに対してこれは労働省のほうでも何とか考えてもらって、まあ厚生省との問の状態でそういうものを特別何とかするとか、何か一つの手を差し伸べないと、あのままの状態では——かなりこれは全国的に見ればそういう人が多いのじゃないか、こういうふうに思うわけですが、私が調べてみたのは京都府だけで、一部だけなんですが、そういうことから考えて見ますと、ああいうことであれば、もっともっとそういう苦しい状態に追い込まれてきており、時に病気が発見されてもなかなか医者に見てもらわない。私が知っているのは、この辺は一ぺん死ぬまでに医者に見てもらったらけっこうだ、あの人はどこやらの医者に見てもらったから、もうじきに死ぬだろうということが現にあるのです。そういうのを見ると、いまの進んだ段階に比べてみると大きな断層があるわけですから、それを一体だれがカバーすべきかということで、私は自治体のほうにも、京都は市長が革新ですから、わざわざ、あなたらどうしているかということで話しに行きました。しかし、なかなかそこに法的な何があるし、できにくい状態があるわけです。しかし、これを一体どこで考えてもらってすべきかということで私は非常に迷ったわけです。基準局長あたりは、それはどうしたらいいと思われますか。ちょっと何かいい提案があったら教えてください。
○政府委員(村上茂利君) 労働省の行政の範囲でございますが、私どもが行政通達を出しております考え方は、危険有害な家内労働については労災保険の特別加入、つまり雇用労働者でないものであっても、それに類似するものは特別加入という制度がございます。たとえば大工の一人親方とか零細漁民とか、農民でトラクターを運転する者とか、労働関係はなくても、これに類似する一定のものにつきましては特別加入制度を設けているわけです。
○大橋和孝君 日雇いですか。
○政府委員(村上茂利君) 日雇いであろうと、日雇い労働者は雇用労働者ですから、これは本来の労災の問題になりますけれども、家内労働者は労働関係がないので家内労働と、こうなっているわけですから、そういうものでも特別加入制度を活用したいということで地方には示達しているわけであります。ただ、問題は、保険料はだれが負担するかということでございます。労働関係がございますれば、御承知のように、使用者に負担をさせます。結局家内労働者が負担せざるを得ない。ところが、家内労働者の工賃というのは非常に低い。そこで身を粉にしてかせいだ金をさらに保険料として納める余裕があるかどうかと申しますと、制度がありながら、結局経済的負担という問題になりますと、現実にはなかなか入ってこない、こういう問題があるわけです。そこで、先生の御指摘の趣旨もわかりますし、労働省として取り得る方策は何とか活用したいというのが私どもの念願でございますが、結局回り回って、負担をどうするか、工賃が低いということとのからみ合いからいたしまして、非常な困難と悩みを感じておるわけでございます。結局、先生御指摘のような山村、漁村といっては何ですけれども、そういったおくれた地域にありますそういった方々に対する医療的措置ということになりますと、なかなか労災保険とか、そういう制度の伸びがたい面がある、ここを今後どうするかという問題でございます。にわかに私ども結論的なものを持っておらないのでありますが、労災保険特別加入を推進するという考えは労働省としてあるということだけは申し上げておきたいと存じます。
○大橋和孝君 労働大臣にもちょっと聞いておいていただきたいと思いますが、こういうような問題で私も自分自身として悩んでおるわけなんですが、いまおっしゃるように、厚生省のほうに対しましても、こういう問題について一ぺんこれを根本的に考えてもらおうという私自身も気持ちは持っております。しかし、労働にからんでおるわけですから、そこらの人たちに、労働省のほうとしては労働省の側から、こういうものに対してもちろん賃金を上げることも考えてもらわなければならぬが、こういうふうなものを家内労働の中でこれを何とかひとつ一歩でも前進をさして、こういう人たちを救うような道を考えるべきではないかと私は思うのでありますが、そういうところに対しての大臣の御所見と、それから、また、これに対してできるだけ早い機会に何とかこういうような方向でこれに対して取り組んでいただけるかどうか。少なくとも、こうした零細な内職的な家内労働に対しての今後のその持って行き方、そういうことについてひとつ特にお伺いをしておきたいと思うのです。
○国務大臣(早川崇君) だんだんと大橋先生の御質問と政府委員の答弁を承っておりまして、私の基本的な考え方は、大企業、中企業の労働者というものは労働三法、世界でも相当進んだ立法、他方、経済の発展に伴いまして、まあ成人式を終えまして一人立ちをしておるわけなんです、総評傘下の組合にいたしましても同盟傘下の組合にいたしましても。問題は、むしろそういう零細企業なり内職とかいうような人たちが今後の大きい労働行政の課題だと思っておるわけでございます。 そこで、労働大臣になりまして、労働行政の一つの姿勢といたしまして、もうこういう大企業の人たちは労使関係で非常に自立しているということで、非常に力を入れないというのじゃありませんけれども、何も政府がとやかく言う筋合いではないのでありまして、むしろ政府の重点は、零細企業の従業員、家内労働、それから婦人労働者、この三点に重点をしぼりまして、まず五人未満の事業所の失業保険、労災保険の全面適用の問題を今国会に提案いたして、衆議院にかかっておるわけであります。御婦人の差別待遇という問題につきましては、ILO百号条約というものによってひとつ高めていこう。問題は家内労働者でございますが、これは非常に特殊の状況に置かれておる勤労者でございます。本来、この最賃法の発展過程を見ますと、家内労働の婦人とか少年を保護するという意味で最賃法ができてまいったのでありますが、現在の日本の最賃は、御承知のように、水の上から表に出た人のいわゆる職業選択の自由がある、いわゆる雇用関係にある人のための最賃、これも必要でございます。しかし、本来は、むしろ水の中に沈んでおる人こそ、やはりそういう発展過程を見ましても最賃というものは必要ではないだろうか。他方、この家内労働が非常に苦しい台所に困っているのは、やはり賃金を上げる力というのは団結権労働組合。ところが、京都は五千に近い家内労働者の団体があるのですね。団結されておられるようでありまして非常に恵まれた家内労働者もおるのですけれども、一般的には団結しておりませんので、そこで、こっちが高いというならこっちにと、こうしたいわゆる何というか、企業者本位の市場になっておるわけです。こういったむずかしい事情があるのと、もう専業の家内労働というのは神奈川県の手袋製造、これはもう私はいいと思うのでございます。問題は、この奥さん連中どうしても移動ができない。自分の家に子供をかかえておる奥さんがやらないと、だんなさんの給料では食えない、職業の選択の自由のないという人が非常に多いわけですね。ですから、こういった問題は、非常に雇用労働者——水の上に出ておるとだれが見てもすくわかる労働、職業選択の自由も移動もどんどんできるという人と別の配慮をしなければならない。そこで、家内労働審議会というものをつくりまして、実は私が大臣になる前にできたんですけれども、答申案は二年後に出てくる。二年後ではこれだけの問題はとうてい間に合わないというので、先般、長沼会長ともお会いしまして、一年で切り上げてください、来年の通常国会には出せるように家内労働法でもお考えいただきたいということを要請いたしまして、長沼さんも、それはそのとおりだということで、一生懸命にいまスピードアップしていただいておるわけでございます。したがって、行政上でき得る、現在の法律のもとででき得る範囲というのは、おそらく基準局長がお答えしたとおりだと思います。そこで、現在の法律で許される範囲の労働行政の恩典をそういう人たちに与えるためにわれわれ努力をいたします。それから、地方公共団体が内職補導所をつくっておりますので、ここへ注文してくれればいいんですが、仲買い人というのはいないわけですから手数料要らないわけなんですね。ところが、一般企業の内職を頼むのは仲買い人というのがおりまして、三重、四重にマージンを取られながらいくものですから、一時間当たり二十六円というような平均になりまして、これはもうめちゃですわね、はっきり言うと。そこで、それはもうめちゃだから、もうやめましょうというと、今度ほかにいっちゃうのですよ。団結権がないですから、ほかのほうにいっちゃう、それでもいいという奥さん連中がおるというわけで。そうすると、せっかく賃金を上げる交渉をしましても、そんならとよそにいく。そうすると、今度収入がゼロになっちゃうわけですね。そういう例が神奈川県でもありましたし、燕のあの食器にもございましたので、ですから、非常に複雑な雇用形態、賃金形態、こういうわけで、長沼会長なんかも、小骨が多過ぎて、のどにしょっちゅうひっかかるのだそうであります。しかし、そういう小骨があっても、まずその大骨だけを取り除くというので、ドイツあたりでは標準賃金を設けたり、最賃を設けたりするところも諸外国にもございますけれども、なかなか実効があがっておらないようでありますけれども、そういうことも含めまして、家内労働というものをひとつ根本的に検討する段階がきたと思っておるわけでございます。ただいま大橋先生が現地御視察されまして、家内労働のみじめな状態、非常に賃金がたたかれていることは私もよく承知をいたしておるわけでございます。何とかひとつこの辺で日の当たらない人たちに対して、国として、労働省として、また、厚生省として当然考えなければならぬ段階にきておる。それだけ経済も発展したんですから、その経済の発展の恩典をそういう人たちにも均てんさせていくと、こういう姿勢でこの問題に取り組みたい。おそらく、しかし、たいがい内職というものは、いくいくはなくなっていくんでしょう、本職のほうで食えればもうなくなっていくものです。残るのは、団地の奥さんのパートタイムとか小づかいをかせぐ、よりよき生活をと。私の秘書官も実は内職をやっておるのです。そういう内職が残りますけれども、一時間二十六円のみじめな内職というものはなくしたい。少なくとも、いまの相場というと一時間六十円ぐらい、五、六十円取れなければいまの生活状態は保てないと思っております。まあ御回答になるかどうかわかりませんけれども、そういった困難な事情があるにもかかわらず、しかも、労働行政における位置づけという最初の御質問でございますが、一番重点を置くのはこういう人たち、婦人労働者、さらには、大企業におきましては、いわゆる人間疎外の単純繰り返し労働、パンチャーとか、あるいは監視業とか、ほっといたら非常に気の毒だ、病気にもなるというような労働者を中心にしてひとつ努力をしてまいりたいと思っておりますので、いろいろまた御鞭撻、アドバイスを賜わりたいというような、労働省としての、大臣としての考え方でございますので、お答え申し上げます。
○杉山善太郎君 関連で一つ。 実は、大臣のいまのお話を聞いておりまして、どうも一つ大橋委員の関連で質問をしてみたくなりましたのですが、実は、労働行政のあり方と、いわゆる姿勢の問題について、私は昔を思い出して、私の先輩で、元船長をしておりまして、その時点で私は一つのまだ見習いのエンジニアであったわけでありますが、政治の動きで政治の中に頭を突っ込み、手を突っ込みまして初代の労働大臣になったわけです。米窪満亮という男ですが、これが労働大臣になったものですから、ぼくは、場違いで労働大臣になって、初めてで、しかも、あなたは英語も達者だし、世界を、港を通して、窓口だけ歩き回っているんだけれども、一体、労働大臣になって自信があるのかと言うと、あるよと言う。何をするんだと言ったら、何でも組織、未組織を乗りこえて、底辺で働く生活が苦しい労働者にサービスをして、そしてサービス行政だよと、こう言う。サービス行政だなんというそんな当てずっぽうな抽象的なことを言ったって、それは納得がいかぬということを言ってみたらば、言うならば、中身は、労働者の少なくとも社会的地位を向上させるために、そういう目を開かせるような指導をするということを、また、そういう先生めいた教育指導ばっかじゃ中に入っていかないから、それを保護し、育成して、なるほどこれはいいもんだと、労働省ができてサービス行政だというんだけれども、おれたち労働者に労働者としての社会的な位置づけというものと、さらに働けば食えるんだと、しかし、それで病気か何かしたら保護されるんだと、そういうことがいわゆるサービス行政だ、おれはそれだからひとつ労働大臣になったんだよと、こういったことを言うわけです。それから非常に日月が流れておりまして、ILO条約であるとか、今日的には最低賃金問題もいろいろ法律としてお出しになるでしょうけれども、なかなかややこしくなってきましたけれども、私がずっと流れの中でひそかに見ておりますというと、そういう中から、とにかくいい悪いは別として、初代労働大臣がそういうことを言って、それから早川労働大臣は何代目の労働大臣でいらっしゃるかは別として、何代目かの労働大臣であったからには、一応いわゆる労働行政のあり方ですね、いわゆる姿勢論という問題と、そして、確かに大橋委員のはだで感じ、悩んでおられて、どうしたらいいかという問題の投げ方は、好むと好まざるとによらず、私どもが政治の場で解決をしなければならない一つの問題であろうかと思う。それだけに、帰納法的に考えても、労働大臣がいま所信であるとか何とかいうことじゃなくて、何とかしなければならぬのだと、行政的にあるいは考えられる勧告がいくならば何々審議会にかけてそこでいい知恵を拝借するんだと、こういうような現状の段階であろうと思いますが、そこで、客観的にとらえて、やはりその指導という労働省のあり方、位置づけあるいは行政というものは、何か知らぬが、要するに指導行政、あるいは取り締まり行政、締めつけ行政という側面もないではないかと思いますけれども、それはやはり側面の、あるいは一面のとらえ方として、全般に普遍的なものであるというふうには私は評価いたしませんけれども、いまの問題については、やはりひるがえって見て古い次元ではあっても、やはりサービス行政であると、労働省と厚生省はこの辺におりますけれども、しかし、いま当委員会は社会労働委員会と称して、ほんとうからいくならば、労働省あるいは厚生省に所管が区別されても、これはとてもいい面もあると思いますけれども、今日的な時点と次元では、社会労働委員会のあり方は、やはり厚生行政、あるいは労働行政に二面にわたっておりますので、この辺のところの持ち味を生かして十分配慮してもらう必要があるのじゃないかと、そういうような考え方を持っておりましたもので、それはいま大臣は、団地族におけるところのこれこれであるけれども、いまなかなかあらゆる大都市、中小都市においても、ほんとうに貧困の底辺に政治と行政の手が伸びておらないから、苦悩の中でやはり内職をやって生活をささえているという反面と、その間隙を縫って、まあすべてが悪意ではないでしょうけれども、いわゆる中間ボスというものがあそこでピンはね、ここでピンはねしている。これがやはり放置されるというと、これが一つの悪質な暴力団のやはり背景、温床ということも、全然それは杞憂過ぎる杞憂じゃないというとらえ方を私はしてるわけなんです。その辺について、別に私もきょうは御質問申し上げる立場で臨んでいるわけじゃありませんけれども、平面的には、やはり日本のいま底辺の中で、それから産業構造が二重、三重になっていると、そういう背景の中で、この問題は、いつの日にかやはりまさにその問題はそうたいしたことはないから解決つくんだというとらえ方では、なかなか問題は解決がつかないのじゃないか。やはり労働大臣、あるいは労働行政の長官である労働大臣が、やはり立法府でありますので、従来の慣行はさることながら、この辺を解決するためにはこの辺を解していかなければならぬという、そういうかまえで、やはり閣議などでもそういう方向に一本てこを入れてもらわないといかぬ、そういう前夜的な情勢に置かれているのじゃないか、かように考えますので、あれを思い、これを思い、いま申し上げているわけでありますので、そういうわけでありますので、ひとつ何か見解がありましたらまあ見解をいただいてもよろしいし、その前と同じだと、おれも一生懸命悩んでいるのだと、そう言うならそれでもようござんすから、大体そういうことで関連して質問さしていただきました。
○国務大臣(早川崇君) たいへん私も、米窪先生は、終戦直後の片山内閣時代に尊敬する政治家でありました。お説のように、米窪さんと全く同じ気持ちでおります。それから、労働大臣というのは国民の労働大臣でございますから、与党、野党を問わず、そういう立場を離れて、広く勤労者、特に底辺層の方々の労働福祉の向上ということが基本だと信じ、また、その線に沿いまして、先ほど申し上げましたように、五人未満の失業保険とかILO百号とか、家内労働賃金を急ぐとかやっているわけであります。特に家内労働は、先ほど大橋先生にお答え申し上げましたように、非常に大事な緊急の問題であると同時に、非常に小骨の多いむずかしい問題でございます。そこで、この長沼会長もたいへん御苦労をなさっておりまして、どういう結論が出ますか、むろん審議会というのは政府が指導し、参考意見を聞きながらいく審議会でございます。どうも社労委員会の諸先生方の、特に野党の先生方の御意見は、私はいつも国民との対話だと思っておりまして、委員会で出されました御意見は必ず省議にかけまして、こういう意見が出たが、これはどうするかということを毎週検討いたしておるわけでございます。決して委員会の御質問というものを聞き流すということは考えておりませんので、今後とも、むずかしい問題しかも、非常に大事な問題につきまして、御意見、また、御指導を賜われれば幸甚に思っております。
○大橋和孝君 もう少しでこれを終わらせていただきたいと思います。ついでに私はここでお伺いしておきたいのは、同じような条件にあるのが、この前も一度社労委員会でいろいろと討論させていただきましたし、この間の決算のときにも国鉄あたりの方々と話させていただいたのですが、国鉄の中にある赤帽の問題ですね、これはいろいろ結論めいたものも私はいただきましたが、そういう観点に立ってながめたときに、まだどうしてもあれが納得がいかない。あれは労働省のほうの監督局長の御意見でも、前は、大体個人営業をしておるものと同じだと、それからして各個人が契約をして、そして赤帽をやっているんだから、あれは個人営業だから労働関係では何でもないんだと、こういうふうなわけでありますが、私はいろいろあれからまた調査も進めておりますし、この間決算委員会でもその話を申し上げた。同時に、また、鉄道のほうからきてもらって、ぼくの考えを相当徹底的にお話を申し上げて、いまもう実行してもらっておるという段階にあるわけでございますが、私は、これも同じことなんでありますが、たとえば新幹線の京都駅、あるいは大阪駅を見てみますと、一方では冷房、暖房装置がついているところでキップを売って、しかも、何と申しますか、電子計算機で一つのロスもないような最先端的なものが行なわれておる。一方では、赤帽があの寒いところで鼻水をたらして、いこいの場所もなくて、風の吹きさらしの所に待っておって、そして何と申しますか、荷物を持って、その人がちょうどアリが甘いものにたかるように飛んでいってそれをもらって運んでいる。ああいうみじめな状態があっていいのかということを国鉄にも話したわけですが、やはり私は労使関係というものをもう少しできないのかと、ある駅におきましては弘済会あたりがそういう赤帽とちゃんと労働契約を結んでやっておる。だからして健康保険もあれば年金もあるし、いろいろ保障ができているわけであります。ところが、一方ではそういう個人的な経営もあるから、それはまかしてあるんだと、個人の営業にまでタッチすることができないんだと言えば、言えるものでありますけれども、私は、行政的な面からいっても、やはりそういうことをほうっておくこと自身がやはり一つの欠陥があるんじゃないか、よりいい雇用条件であるものがあるならば、そちらのほうに向けていくべきじゃないかということで、私はこの間も決算委員会でも議論いたしました。国鉄あたりは比較的非生産的なものははずしていくんだと、まあその外のワクにはずしていくんだという考え方ですね。それから、赤帽というものは、このごろは荷物を持ってくる人がだんだん減ってきておるから斜陽的なものだ、国鉄はあまり要らないのだから、だから外側にはずして、国鉄のいわゆるワクの中には入れないんだという、むしろ合理化されないものは外へ省いていこうということを言わぬばかりの議論が進められるわけであります。私はそうじゃなくて、やはりそういうふうな弱い労働条件のものをほうっておかないで、やはり弘済会あたりでやったらどうかということを強力にそこで話をしました。弘済会でも、そんな妙なものを入れるとマイナスになりますよというような意見もあるわけでありますが、では弘済会は私は一ぺん今度調査させてもらおうと、一ぺん弘済会がどういうことをしているんだということで、私はこの間、何と申しますか、運輸省のほうに、会いましてそういうふうに話しておきました。弘済会の実態を調査して、弘済会の中の職員あたりはどういうふうなものであって、どうなっておるか。わずかの赤帽を抱くこともできないような経済状態にあるのかどうか、あるいは、また、弁当屋さんにしても、あるいは駅のレストランにしても、非常なものが一方ではあるのじゃないかという議論をやったわけでございますが、私は、そういうような観点からいって、労働省の側でも考えていただいて、やはりそういうへんぱな労働条件のものを何とか指導して、そうして正規の労働契約のもとに働けるようなものにしていただく。そのためには、いま申されたように、年齢的な基準も起こって、定年制もあるかもしれない。私はそれでもいいと思うんですよ。それで定年になったときに適当な保障もされるような雇用関係、それがやっぱり私は進んだ雇用関係なんだと考えるわけですが、そういう観点から申しましても、私は、どうかひとつこの赤帽のような状態も、むしろやっぱり明確な雇用関係を結べるように、少なくとも、国鉄は無理だとするならば、弘済会があるんですから、そこの職員としてやる、そうして、それがもし赤帽だけでは非生産的であれば、何かほかの職業もやる。たとえば駅の中にくつみがきさんもおる、いろいろなものがあるんですが、それをみな外側にほおってあるわけです。ですから、私は、そういう観点から、くつみがきさんはくつみがきさんで一つの職業のように見えるわけでありますが、赤帽というのは、ちょっと見れば鉄道の職員のように見えるわけです。そういうような状態で、あいまいな状態で置くということに非常な問題があるので、この際、考え方は同じでありますが、そういう底辺的な状態にある人々を正規な雇用関係にさせるために、やっぱり考えてみれば労働省の指導もいただいて、そうして、また、運輸省、あるいは弘済会のほうでも考えていただかなければ私は非常に問題があるのではないか、こういうふうに思うわけでありますが、こういう観点について局長の考え、あるいは、また、大臣の考えも、前とちっとも変わってないんだというのかどうか、私の考えにも少しは考えていただける点があるかどうか、一ぺん私は伺っておきたいと思う。
○政府委員(村上茂利君) この点につきましては、昭和四十年の九月と思いますが、先生から御質問をいただきました。その際にも私はお答え申し上げたのでございますが、要は、私どもは、いわゆる搾取されたような状態に置かれる労働者の存在ということは、これはあってはならないことでございますので、そういった問題の除去につとめたい。ただ、そういった問題が発生する基本の問題として、契約の形がいかにも不明確である。先生も御承知のように、鉄道弘済会のような法人格を持つもの、あるいは共同営業というので、赤帽さんたちが民法上の組合形式でやる、個人営業といったような形でやる、さまざまあるものですから、各駅によりまして赤帽さんのそういった労務の基本になる契約の形が違ってくる。法人組織ならば労働者ということで非常に明確になりますが、共同営業、個人営業といったような場合に労働関係の存否が問題になってくると、こういうことであろうかと思います。しかも、この問題は、日本国有鉄道構内営業規則の構内旅客営業といったような観点から別な規則を受けておるものですから、はなはだ問題の処理がむずかしい。そこで、私どもとしては、一般論としてではなく、ケース・バイ・ケースでこの問題は処理したいということで、不十分ではございましょうけれども、京都の駅の関係につきましても現地の監督機関でいろいろ調べたりして、特に中間搾取という問題があるかどうかということに焦点を置いて調べてきたような次第でございます。問題を回避するということではなくして、やはりそういった問題の所在を把握いたしまして、法的にただすものはただすということでなければならぬと思います。再びまた質問をちょうだいいたしまして、さらにこの問題につきまして掘り下げて対処いたしたいと存じます。
○大橋和孝君 最近京都の赤帽さんは個人契約をしておるようでありますけれども、赤帽さんだけで組合式のものをこしらえておるわけです。お互いに集まって金を出し合って何かしているようです。そして最近のみんなの話し合いでは、やっぱり弘済会あたりのようなところへ入って労働条件を明確にしてほしいという気持ちを持っておるわけです。ですから、私は、そういうようなところはひとつ労働省あたりからも相当骨を折っていだだいて、また、鉄道なら鉄道のほうにも話し合いをしていただいて、そういうような条件を改める方向に一歩でも前進していただくことが、将来私はほかのほうの鉄道の駅の赤帽さんにも近代的な労働条件が結ばれることになると思うのでありますから、私はまず第一にでも、京都のこの赤帽さんについては、私は最近駅の労働者諸君に会いまして話をするのですけれども、連中が集まって、組合の全体の意思としてはそうしてほしいという気持ちは持っているのですね。ですから、私もひとつまだ運輸省のほうに対しても機会を求めてお願いをしようと思っているわけですが、特にそういうことをしていただいて、私は、少なくとも、いつも議論をしておるのですが、一方では十分近代化されているそのものがあるのに、一方はまた最悪の条件に置かれているというそのアンバランスは、私は運輸省としても考えなければならぬし、また、労働を監督してもらっているほうからも考えてもらわなければならぬ。両方でこれをしっくりやってもらわなければこれは打開できないと思うわけでございまして、特に私は、京都の場合でもそういうようなことを皆のものが言っているようでございますから、そういうことをひとつ局長のほうでも踏んまえていただいて現地の指導をよくやっていただきたい、こういうふうに思うわけです。それはそういうような気持ちで取り組んでいただいたならば私はできそうに思うわけです。ですから、ひとつそういう条件があるところからこそ早くそういうものをつくっていただいて、全般にこれを推し進めて指導していただきたい。ああいうふうな非近代的なもの、そしてそういうような状態はなるべく私は避けていただくような方針にしていただきたいと思いますから、局長のお考えと、また、大臣のお考えを——そういうふうなことでひとつ励ましていただくことをお願いしたいと思っております。
○国務大臣(早川崇君) よく運輸省、国鉄とも相談いたしまして、十分検討してまいりたいと思います。
○委員長(山本伊三郎君) 他に発言もなければ、本日の質疑はこの程度にとどめます。 本日はこれにて散会いたします。 午前十一時五十二分散会 —————・—————