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55回国会参議院1967/05/30

社会労働委員会 第10号

発言数
174
登壇者
15
会派数
2
開催日
1967/05/30

会議録

山本伊三郎日本社会党

○委員長(山本伊三郎君) ただいまより社会労働委員会を開会いたします。  議事に入るに先き立ちまして、一言ごあいさつ申し上げます。  このたび皆さま方の御推挙によりまして本委員会の委員長に選任されましたが、何ぶんにも不なれな者でございますので、委員の皆さまの御鞭撻と御協力によって、幸い、この重責を果たしたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。  簡単でございますが、ごあいさつにかえる次第でございます。(拍手)     —————————————

山本伊三郎日本社会党

○委員長(山本伊三郎君) 千葉前委員長からあいさつのための発言を求められております。御発言をどうぞ。

千葉千代世議員

○委員以外の議員(千葉千代世君) どうも長いことお世話さまになりました。生来未熟者でございます上に、なれておりませんために、委員の皆さま並びに関係の皆さまにはたいへん御迷惑をおかけいたしましたことを心からおわびいたします。今度は文教委員になりましたので、一生懸命こちらで皆さまにきたえていただきました経験をもとにいたしまして、一そう国政のために尽くしたいと思っております。皆さまの御健闘をお祈りいたしまして、今後ともよろしく。またこちらへ折がありましたら帰らせていただきまして、皆さまとともにやらしていただきます。よろしくお願いいたします。ありがとうございました。(拍手)     —————————————

山本伊三郎日本社会党

○委員長(山本伊三郎君) それでは、これから社会保障制度に関する調査を議題とし、質疑を行ないます。御質疑のある方は、順次御発言を願います。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 昭和三十九年の法改正によりまして、一応いわゆるこの医業類似行為というようなものについての漸進的な改正が行なわれて今日に至っているわけでございますが、その際、厚生大臣が、この類似行為の問題を今後どうするかということについて中央審議会に諮問をいたしておるわけでございますが、すでに二年有半たっております。この審議会では、どういうふうな経過になって、いつごろこの答申が出される見通しであるのか、まずその辺をお伺いしたいと思います。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(坊秀男君) 審議会の経過等につきましては、事務当局から御説明させます。

若松栄一厚生省医務局長

○政府委員(若松栄一君) ただいまのお話の審議会は、かなりひんぱんに開催いたしております。しかし、何ぶんにも、現状を変更することに対して非常に消極的な意見が強うございまして、そういう意味で積極的に新しい分野を開拓しようというような意見がなかなか出てまいりません。そういうことで特定の方向に向かってしぼって審議が行なわれ、そしてそれに解決を見出そうというような方向にはなかなかいっておらないのが現状でございまして、そういう意味では、この審議会の結論がいつごろ出るかということは全く実は見当のつきかねる現状でございます。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 そういうような現状の中にもかかわらず、いま医業類似行為というものが一部は認められ、また、どういう現状になっておるか、あとでお聞きしたいと思いますけれども、おそらく相当な業者がおるんじゃないかと思うのですね。まずその三十九年の改正の際に、この法改正によってどの程度の人が救済をされ、そして、また、どの程度の人が保留中になっておるのか、あるいは保留されておる者がいまどういうふうにしておるか、さらに、また、これの取り扱いというものはどういうふうにするつもりなのか、その辺をお伺いしたい。

若松栄一厚生省医務局長

○政府委員(若松栄一君) 三十九年の特例的な法律改正によりまして、二十三年当時に医業類似行為をやっていたということの証明をつけまして届け出をいたした者が三千二百六十人、そのうち、それらの実情を証明するに足る資料が整っておりまして受理された者は千三百九十五人、却下された者が三百八十九人、なお、さらに資料を整えて検討を要するということで保留された者が千四百七十五人でございます。したがって、三十九年の特例によって現実に、免許といいますか、許可された者が千四百人程度でございますので、二十三年の法律制定によりまして新たに免許を得、あるいは営業の許可された者約八千六百人を合わせますと、現在約一万人の方がいわゆる医業類似行為を業としてやっておるということでございます。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 その却下をされた者が三百八十九人ということですが、これは何ですか、どういう理由で却下をされたわけですか。

若松栄一厚生省医務局長

○政府委員(若松栄一君) この届け出は都道府県知事にされまして、都道府県知事が第一次の判定を——第一次といいますか、都道府県知事が判定いたしますので、個々の例の詳細については存じておりませんが、当然却下された者というのは、二十三年当時に現に医業類似行為をやっていたという事実を証明するに足る資料がなかったものと考えて差しつかえないと思います。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 既得権の業者が相当あるわけですね、一万人以上おるわけですが、その中で、この公衆衛生上特に有害だというようなことで営業の取り消しを命ぜられた者がございますか。

若松栄一厚生省医務局長

○政府委員(若松栄一君) 詳細には存じておりませんが、あれば県から報告があるはずでございますが、現在私どもそのような例を承知いたしておりません。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 そういう調査をしておらないわけですか。

若松栄一厚生省医務局長

○政府委員(若松栄一君) 現在組織的な調査はいたしておりません。現実的には衛生部に若干の情報がまいりますのは、主として投書その他によるものがおもな情報源でございまして、それもほとんどが利害関係者といいますか、現にあんまをやっているものが免許を持たず、あるいは正規の届け出をしてなくてやっているというようなことを指摘する投書等がまいって若干の情報が入るというのが実情でございます。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 三十九年に厚生大臣が中央審議会に諮問をした目的は一体何かということですね。私は、やっぱりこの最高裁の裁判の判例にもありましたように、職業の自由という立場から、公衆衛生上特に有害でなければ、これは職業として認められるという基本的な立場に立って、しかも、現実的にはこの医業類似行為というものが多数行なわれておる。したがって、その現実の上に立ってこれらの方々の職業を保障しよう、それにはどうしたらいいのかということが中央審議会に諮問をした私は目的だと思うのですが、その辺はどうなんですか。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(坊秀男君) その間の事情については私はつまびらかにいたしておりませんが、私の考えを申しますと、医業類似行為というものの中には、私は有効なのもある、それから、どう考えてみましてもこれは有害な——有害まではいかぬにいたしましても、有害な、プラス、マイナスのものが私はあろうと思います。そういったようなものにつきましてやっぱり選択をしなければならないということは、公衆衛生上、これはどうしてもそうしなきゃならぬ。しかしながら、ここにはいまおっしゃるような既得権という問題がこれはあります。そこで、何月幾日までやっておったかというようなことが非常に形式的な基準になりますけれども、そこまでやっておったかどうかということが、これは既得権ということでございまして、それを届け出るわけなんでございましょうが、その届け出に際しまして、はたして何月幾日までこれをやっておったかどうかといったようなことについて非常に疑点もあるといったようなものにつきましては、これはちょっとそれによって既得権を主張するわけにもまいらないという方もあるだろうと思いますが、非常に公衆衛生上の観点と、それから、零細なる所得を得て生活をしている方の既得権、両方の面から判定をいたさなければならないというような事情にあったように、私のこれは感じでございます。はなはだ私は不敏にしてその間の事情をつまびらかにいたしておりませんけれども、そういうことではなかろうかと思います。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 いや、その特例法をつくったというか、法改正をしたそういう根源というか、理由はそういうところにあったのですけれども、この中央審議会に諮問をした目的は、私は、やっぱりいま大臣が言われたように、いろいろな有害なものもあるかもしらぬ、無害なものもあるかもしらぬ、あるいは保健上十分役に立つ効能のあるものもあるかもしらぬ、いろいろのものがあるから、しかも、現実にはそういう医業類似行為というものが行なわれておる。したがって、これを十分審議をして、そして有害でないものについては、あるいは保健上必要だと思うものについてはこれを正式のものとして認めて、そうして法制上も保障をする、こういうやはり考え方のもとに私は中央審議会にこれを諮問したのではないか、こういうように思うのですけれども、その辺はどうなんですか。これは局長のほうが詳しいと思う。

若松栄一厚生省医務局長

○政府委員(若松栄一君) この法律が二十二年にできました当時の事情を考えましても、医業類似行為そのものが、国民の保健、健康の増進、あるいは疲労回復、慰安というような意味にだけ役立つものであれば、これは狭い意味の医業とは直接関係がないことになりまして、そういう範囲内であれば、さして問題はなかったろうと思います。しかし、そのほかに御承知のような手の技、手技によるもの、あるいは光線、電気、温熱、あるいは刺激というようないろいろな手段を用いる医業類似行為がございますから、これらのものにつきましては、健康増進、あるいは疲労回復、慰安というような域を脱しまして、ある程度いろいろな苦痛、あるいは疾病を対象にして治療行為にわたるおそれが相当多い。そういう趣旨から、原則的には否定的な考え方がこの法律の趣旨にあるだろうと思います。そういう意味で、このいま申し上げました大ざっぱに二つの業種を分けまして、あんま、はり、きゅう、柔道整復師というものは新たに免許制度にして、ある程度将来にわたって公認していく。一方、指圧、電気、温熱、刺激云々という、比較的医業にまぎらわしいものは原則的には禁止したいという考え方が当時の法律の制定の趣旨であったと思います。したがって、三年という時限を切って、その範囲内で一応承認した。しかし、その後また時限を延長延長という形でまいりまして、そうして三十九年に、ただいまお話のように、かなり包括的に将来永久に既得権を承認する形になっております。しかし、既得権の承認という範囲でございまして、新たに業を認める、あるいは新たな医業類似行為を承認するというたてまえはいまなおこの法律の中にはなかなか出てこない。したがって、もし万一将来にそのようなことが起こるとすれば、それはこの審議会にはかってきめるべきもの、したがって、法の第一条に掲げる者以外の医業類似行為に関する事項に関し、厚生大臣の諮問に応じ、またはみずから調査審議することができるということになっておりますので、大体そのような趣旨であろうかと存じます。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 それが法制的に否定的なものだと言われますけれども、それならばそのような否定的なものであるかどうか、現実にどうなのかということについて、厚生省は十分その全国的な業態の把握なり、あるいは有害であるか、あるいはどうなのかということについても十分調査をして、そうして私は審議会等に資料を提出しなくちゃいかぬと思うのですよ。先ほど公衆衛生上特に有害なものと認めて営業停止をした、処分をしたものがあるかどうかと聞いたら、それはわからぬ、調査をしたこともないと、こう言っておるのですよ。そういうあいまいなことで中央審議会に諮問するということ、しかも、一万人以上の人がこの業者としていま現実に行なわれておるということを考えますと、私は、厚生省はもっとこういう人たちに対する身分の保障なり生活の保障のためにも、あるいは国民の保健上、健康上の立場から考えても、もっと積極的に厚生省が取り組んで、そうして早く結論を出すということが必要ではないかと思うのですが、この点はどうですか。

若松栄一厚生省医務局長

○政府委員(若松栄一君) 先ほど申しますように、およそ二つのグループが考えられると思います。あんま、はり、きゅう、柔道整復師というような、日本古来のものでありまして、いわゆるどちらかというと健康増進、疲労回復、慰安的なものは、これは比較的弊害というものは少なく、また、現実にこれを業としている盲人等の生活権という問題もあり、これはある程度積極的に承認している形になっておりますが、その他の医業類似行為については、それ自体が直接的、積極的に弊害を起こす、害悪を及ぼすということは必ずしもないかもしれませんが、医業の範囲に入っていくという危険度から考えまして、現実には、その行為そのものは直接的な弊害がないにしても、そのために現実の有効な医療がおくれ、つまり、いわゆる手おくれになるというようなことが相当予想され、また、現実にそういう例も私どもも見聞いたしておりますので、そういう意味から二つのグループはおのずからその差があり、限界がある。二つの種類をある程度分けて考えるべき性質のものと考えております。そういう意味で調査をして、直接的な弊害がなかったから許せるということでなしに、消極的な弊害をおそれて押えているというのがむしろ実情であろうかと思います。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 あんまの業に対する圧迫、そういうものがもしないとして、しかも、公衆衛生上有害ではなく、かえって国民の保健上、あるいは健康増進のため、疲労回復のために非常に役に立つというものがあれば、これは私は職業の自由からいっても、あるいは、また、現実にあるという現状からいっても、私はそれは認めていいんじゃないですか。それはどうなんですか。

若松栄一厚生省医務局長

○政府委員(若松栄一君) 跡二つのグループと申しましたが、前のグループ、あんまをはじめ、はり、きゅうのグループは、確かに行為が非常に限定されております。方法が限定されております。したがって、健康増進、疲労回復、あるいは慰安という目的に沿い、かつ、それ以外に容易に出にくいということが予想されるわけでありますが、その他、たとえば電気、温熱、光線、刺激、指圧というようなことになりますと、どのような装置、どのような器械がどういうふうに出てきて、どういう形で使われるかということに関しては、前のグループのような保証が得られないわけであります。そういう意味でこれを包括的に承認、あるいは許可しておくということは、きわめて危険が起こることを予想されますので、やはりこれについては、原則的には非常に消極的な態度をとらざるを得ないというふうに考えております。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 消極的な態度をとらざるを得ないということで放置しておくわけですか、現状を。それはどうなんですか。

若松栄一厚生省医務局長

○政府委員(若松栄一君) もしも電気、光線、温熱、刺激というようなものできわめて有効適切なものがあるとすれば、広範な学問の網をかぶせております医学界等で当然関心を呼び、それが実験的に追求されて、正当な、科学的なルート、医学的なルートで実用化されることと思います。そういう意味で、私どもは常時あらゆる医業類似行為について、私どもが一つ一つ実験的に追試し、あるいは検討するということは、役所のたてまえ、組織、能力からいっても不可能でございまして、むしろ私どもは、そういうものは学問の世界にある程度お願いをしておいて、その結果によってとるべきものはとるということが妥当ではないかと考えております。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 厚生省は、国民の健康、保健、そういうものを増進する一つの目的のための行政官庁だと思うのです。とすれば、すでに一万人以上の医業類似行為をやっている業者があり、しかも、その上に、最近ではまあ非常に無届けのものがあるやに聞いているわけです。そういうもし否定的な立場に厚生省が立つならば、この第十二条によって取り締まることができるのじゃないですか。そういうこともせずに、それで、さっぱり学問上もどうなるかわからぬから、そういうものができるまでは何も手をつけられないのだ。しかも、一方では中央審議会にそういう諮問をしておきながら、何ら厚生省として調査もせず、そして審議会にまかせっぱなしだということでは、私は、現実に業者にとっても国民にとっても問題が起こるのじゃないかと思うのですよ。もっと積極的に、もし先ほど言ったように、あんま、はり、きゅうの業者の方々を圧迫しない分野において国民の保健を守るとか、あるいは疲労回復とか、そういう健康増進に役立つようなものであって、しかも、公衆衛生上有害でない、非常にいい行為だということになれば、これは厚生省はもっと積極的にある程度の規制は加えなくちゃならぬかもしれませんけれども、その業者に対して教育課程を経させて、そうして教育制度、あるいは法制的にもちゃんとしたものにしてこれを認めていくというようなことをやらなければならないのじゃないですか。ただ放置しておくということでなしに、そういう結論が出るまでほうっておく、あるいは中央審議会の答申が出るまでほうっておくということでなしに、厚生省はもっと積極的にこの問題と取り組んで、そうして有害なものは、これは認めないとか、そうでなく、いいものはどんどんこれを法律上も、あるいは教育的にもこれを伸ばしていく、こういうことが必要ではないかと思うのですが、その点はどうですか。

若松栄一厚生省医務局長

○政府委員(若松栄一君) 重複にもなりますが、あんま、はり、きゅう、柔道整復術というような行為につきましては、これが手技それ自体も非常に限定されておりますし、医学的に危険を予想されるような大きな障害というものが想定されないのでございますけれども、その他の医業類似行為になりますと、ただいま申しましたように、電気を使う、光線を使うというようなこと、あるいは刺激を使う、手技にたよるということは、もうその方法論がきわめて複雑多岐でございまして、これのどれがはたしていいか悪いかというようなことは、これはもっぱら非常に基礎的な生理学的な知識を基本にして判断しなければならぬ問題でございますが、現実にあらわれておりますものは、どちらかといいますと、しろうと的な方の開発されたものが多くて、純粋の学問的なものから引き出されて結論づけられ、さらに研究されて開拓されていったというような器械設備、あるいは理論というものに乏しいのが現状でございます。そういう意味で、どれが保健衛生に害がなく、また、疲労回復に効果があるかというようなことの判定は、個々にわたりますときわめて困難でありますが、一番問題は、要するに、それ自体が公衆衛生上害があるかないかというよりは、それ自体によって医療そのものが手おくれになり、あるいは医療を受けずに、通常の医療を受けておれば助かるものがみすみす命を失うというような事態の発生こそ非常に懸念されるものでございますから、それが現在行なわれておる医業類似行為それ自体、一つのものの価値評価というものは、現在必ずしもきわめて重要なものとは考えておりませんし、また、現在の法律からいいましても、二十三年当時に現にやっていた業種について、そのときに用いていた器械、そのときにやっていた手技等を届け出をして継続しておるわけでございまして、新たな器械、新たな手技を公認するというたてまえに現在ないわけでございます。そういう意味で、現在業として行なわれているものというのは、すでに二十三年当時に現に行なっていたものが継続して行なわれておるというたてまえでございますから、一々を調査して確認するというような操作をあえてとっていないわけでございます。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 昭和二十三年からもうすでに二十年近くたっているわけですよ。その間にこういう問題も非常に変わってきていると私は思うのですよ。それは昭和二十三年当時の器械を使っていることをたてまえにして認めているのだ、こういうことを言っておりますが、実際には私はもっと相当変わってきておると思うのです。したがって、そういう現代の技術の中で、あるいはそういう業者の内容は一体どういうふうになっているのかということを、もっと私は厚生省は十分に把握をして、そして国民に害があるならこれはきっぱりとそういうものはやめさせる、害がなくて、しかも、いま現実には、先ほど言われましたように、一万人以上からの業者がおって、しかも、その上に無届けの者が若干いるんじゃないかと言われるほどたくさんの業者が営業している。それの営業できるほど世間の需要があるということであれば、私は、国民の保健の立場、健康増進の立場から、これを厚生省はそのまま放置しておくということではなしに、積極的にこの問題を十分調査把握をして、そうしてよいものはどんどんこれを伸ばしていく。先ほど言った教育的にももっと制度を確立をしてやっていくというようなことが私はなされなければならないと思うのです。そういう実害があるのか、有害なのか、全然厚生省は調査をしておらないんですね。その辺はどうですか。

若松栄一厚生省医務局長

○政府委員(若松栄一君) 法律制定の当時、それから期間の延長、昭和三十九年の法律改正という段階を通りまして、二十三年当時、現に業を行なっていた者が同じような内容で業を継続することだけを特認され、その既得権の保護が与えられたわけでありまして、新しい方法、新しい器械を開発し、新しい概念で医業類似行為を行なうということは現在なお禁止されておるわけでございまして、その後、そういう意味で、医業類似行為の範囲でどんどん器械技術の進歩があったというようなことは、いささか了解しにくいところでございまして、もしもそのような開発があったとすれば、当然医学的な生理、保健、病理学的な知識の基礎の上に立って、基礎的な試験研究の理論をもとにしてそういうものが開発されるものであれば、これは当然医療の分野において採用され、純粋に医療としておそらく開発されていると思います。そういう意味で、医業類似行為の分野においてそういうような医学の進展、進歩と同じような進歩、進展があるというふうに考えることは、かなりむずかしかろうと私は存じます。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 時間がないので、きょうはあまり質問できないのですけれども、大臣にお聞きしますが、先ほどから言われておるように、現在一万人以上からの人が医業類似行為という形で、手技、電気、温熱とか刺激とか、そういう療法をやっているわけですね。これを認めておるということは、一応これらの行為が国民の保健上、あるいは健康増進のため、疲労回復のために役に立つという前提で私は認めていると思うのです。そういうふうに認めておりながら、この業は既得権は一代限りで終わるんだ、あとのものは一切こういうことをやってはならないんだといういまの法律のたてまえを大臣はどう思いますか。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(坊秀男君) 御質問の趣旨がだんだん私にもわかってまいりました。現在医業類似行為をやっておるということでございますが、これの中で、もし悪いならばこういうことをやらせておくのはおかしいじゃないか、いいならばこれを認めていけばいいじゃないか、それをはっきりしろ、こういう御質問のように私は承るのでございますが、そこで、先ほど来局長がお答えを申し上げましたのは、医業類似行為の個々にもいろいろなものがありますけれども、それを一々について厚生省はいま調べていない。と申しますことは、その医業類似行為があって、その行為が、これが治療に役に立つというふうに過信をする向きがある。過信をする向きがありますと、それにばかりたよっておりますと、結局その行為自体が害になるならぬは別として、本格的な医療が手おくれになるというような意味におきまして、その医業類似行為というものには弊害が伴なうのじゃないか、こういう話をしておるのですが、その手おくれにならしめるというような弊害が一般的に見てはあるかもしれぬが、その医業行為の中には、よく調べてみれば、これは非常に役に立つというものもあるかもしれない、あるならこれを正式に認めていったらいいじゃないか、こういうお話のようなんですが、そこで、これはこの医業類似行為の中でこれを選別いたしまして、これこれのものはいいのだ、これこれのものはどうと、本格的な治療を手おくれにしてしまうのだということになるとこれはたいへん。さような意味におきまして、私は審議会で審議をしていただいておるのじゃないか。しかし、審議会で審議をしていただくにあたりましても、厚生省はそれに対してまかせてしまって何もしていないじゃないか、これは御意見ごもっともだと思います。そこで、厚生省といたしまして、これはできるだけそういったようなものについての資料と申しますか、厚生省も事務的によくこれを調べて検討いたしまして、そうして審議会が審議するということに対して協力するというか、便宜を与えるというか、そういったことはおそらく厚生省としてはやらなければならないことだと私は思いますけれども、今日この段階におきまして、やはりこの医業類似行為の中で、これはいいのだ、これは悪いのだという、そういういま結論を申し上げる段階には私としてはむずかしいと思うのであります。これは大事なことでありますので、御意見もありますので、よく調査をして各方面の御意見を承って、そうして善処してまいりたい、かように考えます。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 これは現在認められておる者だけでも一万人以上おる。それの家族なりそれの補助的な者を含めると相当な人数になると思います。そういう人たちの生活の問題にもなるわけであります。したがって、現在そういう行為を認めておるということは、それなりにやはり国民の健康増進に役に立つのだという前提になるのでありますから、私は、むしろこの際これらの行為が、いわゆる公衆衛生上こういうことは害にならないように、また、他の業者の仕事を圧迫することがないように、そうしてある程度の規制をすると同時に、これらの業についてもっと積極的な法制上、身分上、あるいは、また、教育上の十分な基礎的な技術といいますか、そういうものをよく厚生省が指導をしてやって、そうしてほんとうに国民のためになるような医業類似行為というものを認めていく、こういうふうな前向きの考え方をもって今後取り組んでいく、こういうふうにしてもらわなければ私は困ると思いますが、そういうお考えはございますでしょうか。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(坊秀男君) 審議会が非常に慢々的だというおしかりもありますが、できるだけ審議会で勉強してもらいまして、そうしてその結論を待ちまして、御意見を十分体しまして善処してまいりたい、かように思います。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 それではちょっと私は問題があると思うのですよ。もうすでに昭和二十二年以来、ずっとそういう仕事というか、行為をしてきているわけでしょう。しかも、それに対して世間の需要もある、業者もたくさんいる、それを審議会の答申が出るまでそのまま放置しておくということでは、私は厚生省としての任務を守らないものじゃないかと思うのです。ほんとうに国民の健康の増進、保健の増進というものを考えるならば、そういう問題についてもっと積極的に取り組んで、そうして先ほど申しましたような形でこの問題を処理をしていくということが厚生省としての態度でなければならないと思うのです。二年半もたってまだその答申が出ない。しかも、先ほどの局長のお話では、さっぱり論議が進んでいない。何年たったら答申が出るものかわからぬような現状でしょう。これをそのまま放置しておくということは、私は問題があると思います。ですから、厚生省自体がもっと積極的にこれに取り組んで、こういう業者の生活の問題も、あるいは、また、国民の健康、保健の立場からも取り組んでいくということが必要だと思うのですが、その辺はどうですか。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(坊秀男君) これは私が申し上げますことは行政上の問題で、行政のことを国会へといっておしかりを受けるかもしれませんけれども、厚生省といたしましてはただいま審議会へかけておるわけで、厚生省が審議会とは別に何か結論を出すということは、国会でそれはそれでもいいのだ、こうおっしゃられるかもしれませんけれども、厚生省の立場としては、審議会へいまかけておって、その結論がまだ出ないというときに何かの結論を出すということは、行政といたしましてはちょっと考えなければならない。そこで、厚生省の今日とるべき態度というものは、いまの柳岡さんの御意見もありまして、私はごもっともな御意見だと思います。そこで、そういった御意見を体して、審議会に対して、何をぐずぐずしておるのだ、そういうふうなことは言えないにしても、できるだけすみやかに検討をしてもらって、そうして答申をいただきたい、これが行政上のことでございまして、まことに申しわけみたいなことでございますけれども、その結論をできるだけ急いでいただくということで、私どもとしてはひとつそういう方法でまいりたい、ここの点をひとつ御理解を願いたいと思います。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 時間がありませんからこれで終わりますが、どうも厚生省のこの問題に対処をする姿勢と申しますか、態度は、私は非常に遺憾だと思います。もっとやはり審議会に対しても、いま言われたような働きかけも必要だと思いますけれども、厚生省自体としても、もっと全国的な調査なり、あるいは業態の把握をして、そうして審議会がほんとうに十分その資料を得て、前向きの形での結論が得られるような仕事と申しますか、そういうものに厚生省はもっと取り組んでいかなくちゃいけないんじゃないか。それが全然審議会にまかせっぱなしで、しかも、厚生省はこういう問題に否定的な立場に立っておりますからというようなことで消極的に扱っておるということは、私は遺憾なことだと思います。この点をひとつ十分考えていただいて、そうして今後、いま言われたように、審議会に対する審議の促進、答申を早く出していただくように、あるいは、また、厚生省としても、この問題に対する国民の要望なり業者の要望に十分沿うような形での調査、あるいは審議会に対する働きかけ、こういうものを私はやってもらわなければいかぬと思います。その点をひとつ要望しておきます。この問題は、またあとでやることにいたします。  次に、この前いわゆるコーヒー牛乳とか、あるいはフルーツ牛乳の色もの牛乳について、四月十七日に私は本委員会で質問をいたしております。そのときに時間がございませんでしたので、さらに若干質問をしていきたいと思いますが、まず、この十七日の当委員会で、乳飲料に含まれる乳成分について局長から次のような答弁があったわけです。なま乳とか牛乳、それから、特別牛乳等を主要原料とするものが要求されているのだから、少なくとも二五%以上の乳成分が含まれていなければならない、それ以下であれば牛乳という名称は許してはいない、そうして実際には五〇%以上のものが大部分である、こういうことが言われております。これは会議録に載っておりますから、見ていただいてわかると思いますが、ところが、五月二十日に参議院の予算委員会で公正取引委員会の調査結果というものが報告されております。それによりますと、どうなっておるかというと、なま乳の含有率について見るというと、コーヒー牛乳では二〇%から、最も多いものでも五〇%、フルーツ牛乳ではなま乳を原料としたものがない。さらに、また、脱脂乳を原料としたものについて乳成分を見ますと、牛乳といわれるための成分というものは、成分規格省令によりますと、脂肪分が三%以上、それから、無脂乳固形分が八%以上、こういうふうに定められてあるのですけれども、脂肪分については、コーヒー牛乳はわずかに〇・六から一・五、フルーツ牛乳は〇・一から〇・五%ということで、規格の三%から見ますとほんとうにわずかな。パーセントしかない。さらに、また、無脂乳固形分のほうを見ましても、コーヒー牛乳は四・七から六・五、フルーツ牛乳は四から五%、こういうことで、規格の八%等から比べるとこれまた非常に少ない。したがって、全く牛乳と称するには値しないんだと、こういう報告がなされているわけですね。一体これはどちらが正しいのか、この辺をひとつ確認をしたいわけです。

舘林宣夫厚生省環境衛生局長

○政府委員(舘林宣夫君) 乳飲料の成分規格といたしましては、乳等省令の中で細菌数だけの規定がございまして、必ずしも成分規格がないわけであります。ただ、乳飲料というカテゴリーで分類するものはということで、定義の中に、乳飲料とは「生乳、牛乳若しくは特別牛乳又はこれらを原料として製造した食品を加工し、又は主要原料とした飲料」で、牛乳に類似する外観を持っていないもの、こういうような規定があるわけであります。一般の牛乳とか加工乳等は、かなり厳密な乳成分、あるいは乳脂肪の規定があるわけでありますが、これは、これらのものが乳児、あるいは病人等の主要食料といいますか、として使用される、したがって、これらの成分が確保されなければ栄養上危害を及ぼすおそれがあるということから厳重に成分を規定いたしておるわけであります。ところが、乳飲料は、むしろこれが主として使用せられるのは嗜好的飲料でございまして、もちろん栄養分を考慮して使用はされますが、一般の乳児がこれを主要食料、母乳のかわりに使うとか食事のかわりに使うとか、そういう種類のものではなくて、栄養的食品のカテゴリーに類するものでございます。したがいまして、成分の保証という意味の国の法律の規定はないわけでありまして、要は、これらのものが相当程度以上牛乳の中の成分を含んでおりますと、ばい菌の繁殖が非常に多いということから、相当程度大量含んでおるものを乳飲料という名称をつけまして、これらに対しまして細菌学上の規定をして食品衛生上の危害を防止する規定をつくってある、こういうことでございます。そのような危害防止のための細菌数一CC中に三万以内、あるいは大腸菌を含まない、こういうような規定に類するものを乳飲料として販売する場合に明記させる、こういうことをいたしてあるわけであります。ところが、これらのものが〇〇牛乳という名称で売られておるという事態があるわけであります。あたかも、これらのものは牛乳に多少何かを加工したものかと思わせるような誤解を生ずるということからお尋ねのような御意見が出るわけでございまして、その意味合いから、これらのものが実際上は牛乳と称するには成分が必ずしも十分でないものであるにもかかわらず〇〇牛乳という名称で売られておる、そのことがきわめて不当である、こういう問題でございます。これは不当表示の問題でございまして、食品衛生法上の危害を防止するというような規定の範疇ではございませんで、これらのものが不当表示、内容と違う表示をしておる。食品衛生法上の取り締まりのカテゴリーは乳飲料という名称で、しかも、これは一応明示はされてありましても、商標といたしまして〇〇牛乳として売られておるということ自体がけしからぬ、こういうことでございます。したがいまして、これらを取り締まる法規といたしましては、不当表示に関する法規で取り締まるか、あるいは今後は嗜好品的な栄養的食品に対しても法の規制を設けまして成分規格をつくるかどうか、こういう問題に該当するわけでございまして、今日の段階は、これが牛乳と称するに該当するかどうかという不当表示上の問題かと思われるわけでございます。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 まあこの前だいぶ前段の問題についてはやっていますから、ここであまり繰り返しはいたしませんが、この前の質問の中で、そこで、私は、この第一の問題としては、乳飲料について成分規格を設定する必要があるんではないか。いまのところ、先ほど言った大腸菌がどうの、細菌数が一CC当たり三万以下とか、こういうだけのことしかないから、牛乳や特別牛乳やなま乳と同じように成分規格というものをはっきりと設定する必要があるんではないか、そして何%以上なければ牛乳というような名称は使わせないということが必要ではないかということを私はこの前の質問の中でも提案をしているわけですね。そこで、局長のほうは、もう一つの問題として、いま言われたような何%含まれているかというような表示をさせる。まあこれは局長も言われたように、いまでもやっておりますけれども、虫めがねで見なければわからないような小さい数字になっておる。したがって、この含有率をもっと大きな字で書かせて、そして一般の消費者が内容を正確に知ることができるようにしていく、このどっちかに私はあるんではないかと思うんですね。ところが、せんだってのある新聞に、「精肉」というレッテルを張って、それで「うま肉」という字を小さく書いて、そして馬肉のかん詰めですね、これを売っているということが報道されておりますね。この「精肉」というのを、字引きと申しますか、辞書で引きますと、「よく選んだ上等の肉を肉屋が美称して使うことば」、こうなっていますね。ですから、こういう辞書の内容でいくと、必ずしも牛肉でなくてもいいわけですね、「よく選んだ上等の肉を肉屋が美称して使うことば」であるから、馬肉でも「精肉」でいいわけですよね。しかし、一般国民は、やはり「精肉」といえば上等の牛肉を私は連想すると思うんですよね。そういう感覚からいけば、このレッテルは牛肉と思わして馬肉を売ることと同じだと思うんですよ、私はこの乳飲料のものは。だから、局長が言われたように、もっと表示を大きな字で書いて、国民に十分知らせればいいんだというだけでは、私はこれはひとつの筋ではあるけれども、国民の感覚の上からは問題があると思うのです。しかも、牛乳びんは同じ容器を使っているわけでしょう、色を変えることだけが違うんだということだけですよね。それでは私は国民をごまかすものであり、国民は、やはり牛乳といえば、何かこう栄養があるんだというような感覚でこのコーヒー牛乳なり色もの牛乳を見ておるという立場からすれば、私は問題があると思う。したがって、この際、私は、そういうものについてははっきりと規格をきめて、何%以上でなければ牛乳とは言わせない、こういうことのほうが私は国民に対して忠実なやり方ではないかと、こういうふうに思うのですが、そうでないと、厚生省は業者に何か義理があって、業者を擁護しなければならない理由があるのではないか、こういう一つの疑惑を私は国民が持つんではないかと思うんですが、どうですか。

舘林宣夫厚生省環境衛生局長

○政府委員(舘林宣夫君) 現在、食品関係の取り締まり法規といたしまして厚生省が所管いたしておりますのは、食品衛生法と特殊栄養食品に関する法規と二つでございます。で、名称、成分等を規定いたしておるのはこの二種類でございまして、食品衛生法の法律の目的及び内容をごらんいただきますとおわかりのように、危害の防止でありまして、すなわち、これによって伝染病がはやるか、あるいは食中毒が起こるかということの防止でございまして、栄養上の問題の取り締まりはこの法規の内容にはないわけであります。また、牛と思って馬を食べるというようなことの取り締まりは、別にこれが疾病を惹起するということでない限りは、この法律の目的にはないわけでございまして、特殊栄養食品につきましては、これはビタミンとか特殊なリジンとか、そのようなものの規定だけでございまして、これもまたその他一般栄養というような規定はないわけでございまして、お尋ねのように、牛かと思って馬を食べるというような種類の取り締まりは、それは何といいますか、国民の誤解を解くという意味合いの表示になってくるわけでありまして、毛糸と思って、毛の糸と書いてあっても決して毛を使ってないとか、毛布と書いてあっても毛を使ってないとか、各種名称というものは必ずしも内容をあらわすものでないわけであります。それが直ちに食品衛生法上危害を及ぼすかどうかという点でどこまで厚生省が法的に取り締まっていけるかという問題があるわけでございまして、今後、食品については、特に内容と表示と違うものについて、厚生省として食品衛生上、あるいは栄養上の観点から取り締まるということであれば別個の法律をつくる必要があるわけであります。この点では、前々から私どもとしては食品法のようなものを検討してはどうかという考慮はいたしておりますが、現行で内容と表示が違うものに関しましては公取が不当表示で扱っておるところでありまして、食品について特に内容と表示が違うということで特段に取り出して扱う必要があるかどうかということは、十分私どもとしても検討してまいりたいし、食品衛生法を曲げて、無理にこれを取り締まっていくということは、現行の法律の規定では無理でございますので、今後は、これをさらに発展的に法律の性格そのものを変えていくということも十分検討いたしたい、かように考えております。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 しかし、法律上はそういう形に一応なっておるかもしれませんけれども、先ほども言ったように、厚生省というのは、国民の健康なり保健の増進をはかるという厚生省設置法の四条の目的からいっても、私はもっと、ただ単に安全性、いわゆる衛生上問題がなければいいんだというだけではなしに、健康を守るという立場からいけば、栄養の面からも、私はもっと厚生省がタッチをしていくということが必要であるのではないかというふうに思うのですね。法制上そういうたてまえになっておるとすれば、私は法律をこの際改正をしなければいけないのじゃないか、こういうふうに思います。  そこで、不当表示の問題で言われましたが、食品の規格及び表示について国際基準を制定するためにFAO——国連の食糧農業機構、WHO——国連の世界保健機構、こういうところの食品規格委員会というものが今度つくられる、日本も昨年正式に加盟した、こういうことを聞いておりますが、これは事実でございますか。

舘林宣夫厚生省環境衛生局長

○政府委員(舘林宣夫君) 御指摘のとおり、わが国も最近数年間出席をいたしておりまして、しかも、日本はかなり重要メンバーで、日本の意見は非常に尊重せられておる現状でございます。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 来月オタワでこの委員会が開かれる、そこで検討されるわけですけれども、政府はその委員会で、聞くところによると、一定量の乳成分を含まない複合飲料にはミルクという名称を使わせないようにすると、こういうことを聞いておる、あなたはこういうことについてはどうですか。

舘林宣夫厚生省環境衛生局長

○政府委員(舘林宣夫君) 牛乳につきまして、特に牛乳成分を含まないものに対してミルクという名称を使わないということは、ヨーロッパの一部の国では現に行なわれておるところでございまして、世界的にそういうことにしようという御意見もこういう会議であるいは出るかと思います。まだ確実なところ、私どもに正確な情報は入っておりませんけれども、もちろん一応の意見は出まして、各国持ち帰りまして、それぞれの国の実情に合わせまして、再度次回の会議で審議されることになるわけでございますが、その機会には私ども十分慎重に考えて、わが国としても前向きで検討いたしてまいりたいと、かように思います。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 前向きというのはどういうことなんですかね。私どもがいままで言っておりますような、いわゆる規格を設けて、それで一定パーセント以上でなければミルクという名称は使わせない、こういうような方向での前向きと、こういうふうに理解してよろしいのですか。

舘林宣夫厚生省環境衛生局長

○政府委員(舘林宣夫君) 厳密な意味で、先ほど私が申しましたように、衛生という意味を狭くとりますと、危害を生ずるとかという意味合いから申しますと、法律で規定をするということによって名称と内容とを合致させることが衛生上の問題であるかどうかということは、かなり検討を要することであります。もし衛生上の問題で必ずしもないとすれば、包括的にあらゆる商品の名称と内容の問題になるわけでありまして、その点は必ずしも厚生省の所管するところではございません。したがいまして、どこまで公衆衛生の立場から内容と名称を区別しなければならないか、法律による罰則にかけてでも取り締まらなければならないかということは、十分衛生学上の立場から検討する必要があるわけでありまして、その点は、たとい国際的にきまりましても、取り締まり法規の観点は、必ずしもこれが直ちにその内容によりましては衛生上の観点からのみきまるものではないと思いますけれども、それは国際的に御意見が出た段階で私どもとしても検討してまいりたい、かように思います。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 これは食べものの問題ですから、一番人間の生きていく上に重要な問題ですから、あらゆる品物の不当表示の問題と、そういうものとひっくるめて考えられては困ると思うのですよ。やはり法律上できなければ法律を変えてするなり何なりして、もっと国民の生活に直接関係する問題ですから、国民の生命を守るためのやはり法律を、改正が必要ならそういう改正をして監督なり取り締まりをしていくということが私は必要だと思うのです。  そこで、五月二十日でしたか、読売新聞に報道されているのですけれども、まやかし牛乳のやり玉ということで東京都の衛生局が立ち入り検査をやっております。ヤシ油混入の問題、これについて厚生省として把握していることがございましたら、ひとつ御報告をいただきたい。

舘林宣夫厚生省環境衛生局長

○政府委員(舘林宣夫君) 先ほど申しましたように、多くの〇〇牛乳と称する乳飲料には脂肪分はほとんど入っておりませんで、無脂乳固形分が入っております。したがいまして、検査の結果発見されたヤシ油の植物油脂は、必ずしも乳飲料に使うために貯蔵され、購入されておったものと私どもは判断しておりませんが、東京都の報告もそういうことでございます。これらのものは、おそらくこれらの業者がマーガリンを製造する際の材料ではなかろうかと、いまのところそのように聞いておるわけでございまして、乳飲料そのものには、本来ほとんど脂肪分は、先ほど先生仰せられましたとおり、入っておらないのでございます。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 先般の参議院の予算委員会でもレモンの問題が取り上げられたですね。そのときにレモン業界では、どうしてこれをレモンの問題だけ悪いことを言うのか、いまの食品の表示と広告では、インチキでないものはビールくらいではないか、こういうことをレモン業界では言っているそうです。問題になったレモンのメーカーでは、これは局長ですね、予算委員会の答弁をしていたのは。違うですか。合計して十六万五千本が販売停止をされたということで、非常に苦情を言っているわけです。そういうことからもいま申し上げたようなことを言っているのではないかと思うのです。これに対してヤシ油を使ったまやかし牛乳は初めてのケースだから、今後二度とこうした異物脂肪をまぜないよう、ただ始末書をとっただけ、こうなっているのです。これは非常に私は問題だと思うのです。ポッカレモンのほうは清涼飲料だ、牛乳は重要な栄養飲料ですね。そういうことから見ても、私は、まやかし牛乳のほうに対しての処置というものは、レモンのメーカーに対する処置からすると、非常にあまりにも差があり過ぎるのではないか、こういうふうに思いますが、この点はどうなんですか。

舘林宣夫厚生省環境衛生局長

○政府委員(舘林宣夫君) お尋ねの東京都のヤシ油などの植物油につきましては、一応これらのものが容器に入っているものを検査の際発見をいたしたのであります。販売せられておる牛乳と称せられるものにこれが入っているのを摘発したわけではございませんので、ただいまお尋ねのような始末書をとりまして、このようなものを牛乳を製造する際にまぎらわしい場所に置かないよう指導をいたしたというわけでございます。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 この新聞ではA社となっているのですが、このA社とはどこですか。

舘林宣夫厚生省環境衛生局長

○政府委員(舘林宣夫君) ただいま持ち合わせておりませんが、あとで調べてお知らせ申します。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 レモン飲料の場合は間接的な表示違反だと思うのです。しかし、ヤシ油の場合は、これは明らかに私は食品衛生法第七条第二項の違反であると思うのです。もしそうだとすれば行政処分とか罰則というものはどういうことになるのですか。

舘林宣夫厚生省環境衛生局長

○政府委員(舘林宣夫君) 当然に食品の成分に関する規定に違反していることでございますので、それに従って営業停止、あるいは廃棄その他の行政処分をすることになるわけでございます。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 そうだとすれば、私は始末書だけで終わらせるということはちょっと問題があるような気がするんですけれども、まあひとつこの問題については、これは一般の消費者の注意を私は喚起する必要があると思うのですよ。それと、もう一つは、業者の製品の製造の過程におけるそういう良心をあくまでも維持していくというものをこの際はっきり確立をする必要があると思うのです。そのためには、私は、A社という会社の名前は、この際、厚生省として公表すべきだと思うのですが、どうでしょうか。

舘林宣夫厚生省環境衛生局長

○政府委員(舘林宣夫君) ただいま申し上げましたように、さっそく資料を取り寄せましてお知らせ申し上げます。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 いま厚生省の食品衛生監視員というのは、予算委員会で大臣は五千九十七人と、こう言っていますね。そのうち専任の監視員というのは何人おるわけですか。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(坊秀男君) 専任は九百二十五人でございます。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 そういう人たちが当たるべき対象はどのくらいあって、一人が受け持つ対象というのは、どれくらいなのか。

舘林宣夫厚生省環境衛生局長

○政府委員(舘林宣夫君) これらの監視員が対象といたしております食品関係の対象は、許可を要する営業施設といたしまして百十七万施設、それから、許可を要しないで食品を扱う営業体といたしましては百十八万の施設、合計二百三十六万施設でございます。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 こういう非常に膨大な施設をわずかに九百五十人程度の専任の監視員、さらに専任でない人を含めても五千九十七人というような人員では、私は非常に十分な監視はできないと思うのですね。したがって、先ほどから申し上げておりますように、この色もの牛乳についても、局長は表示があればいいんだということですけれども、そういう表示に合った内容なのかどうかということについての検査とか、そういうものについては私は十分なされないんではないかと思うのですよね。そういうところに現在のまやかし牛乳といわれるようなものが横行してくると、こういうように思うのですけれども、こういうものは国民の信頼を得るような製品が売られる、ほんとうにごまかしのないものが製造されるというためには一体どうすればいいのか。大臣、どうでしょうか。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(坊秀男君) 現行の食品衛生法、食品制度というものから申しますと、先ほど来これは環境衛生局長がお答え申し上げたようなことでございまして、まあ違法ではない、しかしながら、現行法に即しましても、いまの表示というものが、これはほんとうに一般の大衆にはわからない。正直に牛乳を六〇%、あるいは五〇%というものを入れておいても、あるいは、また、それに足りない三〇%、二〇%というふうになっておりましても、いまの表示ではほんとうに虫めがねで見なければわからないような字を書いてある。それから、また、これにやや大きい字で乳飲料と、こういうふうに書いてあります。それより大きな字で、やれコーヒー牛乳だフルーツ牛乳だと、こういうふうに、一番大きい字がそういうフルーツ牛乳だコーヒー牛乳だといったような字を書いてございますから、消費者はもう必ずそれを信じて消費するというようなことでは、私は、いまの法律を改正するとかしないとかということは、これは別といたしましても、私は、これは違法ではないけれども、非常に妥当ではない、不適当だというようなことから、食品衛生上の直接問題ではないにいたしましても、先ほどから御議論のあるように、厚生省は、単に有害とか有毒だということだけではなくて、国民の栄養、保健の上に積極的に考えるべきで、もちろんそういうことは厚生省の使命だと私は思う。さような意味におきまして、少なくともこの表示というものを、これをもっと一般大衆にはっきりとわかって、これには牛乳が六〇%、これには牛乳は三〇%なんだというふうにわかるような表示をしていかなければならない。そういうふうに、今後少なくともそういったような法律改正は別の問題といたしまして、これはあるいは公取委員会とも相談をせにゃなりませんし、また、取り締まりの当局とも相談をしなければならない問題でございますけれども、要するに、現行の制度のもとにおいて、こういうまぎらわしいものを、一般がまぎらわしく感ずるといったようなものを自然に置いておく、放置しておくということは、非常に私はよろしくないことだと思う。これは少なくとも何とか改善をしていかなければならないことだと、かように考えております。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 先月行政管理庁から消費者保護に関する行政についての勧告が行なわれたわけですね。そのうち、厚生省の所管事項に関していろいろとあったと思うのです。この内容は、時間がございませんから、あとでまた論議するとして、その中に業界組織の指導強化という項目があると思うのですが、これは御存じでしょうか。たとえば通産省の所管の場合には、JISマーク表示の指定品目は千百九十八、許可工場数は九千五百九十八あるけれども、立ち入り検査能力は年間八百がせいぜいだ。そこで、立ち入り検査の不十分なところを補充する措置として、表示許可業者から業務に関する報告書を提出させることにした、通産省ではこういう処置をしているわけですね。厚生省では、先ほど言ったように、二百三十何万かの施設に対して、わずかに専任も含めて五千九十七人という監視員だとすれば、その機能を一体補充するためにはどういう措置をとっておるのか、あるいは今後とろうとするのか、そこを大臣に聞きたかったわけです。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(坊秀男君) 業界に対しまして、業界自身の指導員、これをつくらせまして、その指導員に対しまして、厚生省といたしましては、現在そういったような欠陥を是正をしていくように指導を今日やっておるわけでございます。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 これはいまの内閣の悪いところで、たとえば今度提案をされた公害基本法の問題にしても、業界優先の思想が非常に強く入っているわけですよ。こういう食品衛生の面、あるいは栄養の面からいっても、そういう問題にしても、何か業者を擁護するような立場に厚生省はあるんではないかというような、まるっきり国民の健康、生命を守る大もとの厚生省が、逆に業者を擁護しているんではないかというような疑惑がいろいろ最近出てきている姿勢の中で感じられるわけですよね。これでは消費者行政というものは、私はほんとうに遺憾だと思うんですよ。ですから、きょうは時間がありませんからこの程度でやめますけれども、もっとほんとうに国民が安心して飲食できる、そういうものができるように、ひとつ厚生省としてはもっと真剣に取り組んでいただきたい。  きょうは時間がないので中途半端でございますけれども、またいずれ機会を見てやることにして、ひとつ厚生大臣の奮起を促して、終わりたいと思います。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(坊秀男君) 御激励を受けまして、私も御意見を体しまして、できるだけ努力してまいりたいと思います。

山本伊三郎日本社会党

○委員長(山本伊三郎君) ちょっと速記とめて。

山本伊三郎日本社会党

○委員長(山本伊三郎君) 速記を起こして。  それでは、午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。    午後零時三分休憩      —————・—————    午後一時十四分開会

山本伊三郎日本社会党

○委員長(山本伊三郎君) ただいまより社会労働委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、社会保障制度に関する調査を議題とし、質疑を行ないます。質疑のある方は、順次御発言を願います。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 私は、大臣もおいでになりませんので、いずれ日を改めてその点については御質問したいと思いますが、まず第一にお伺いしたいと思いますのは、十年間戦い続けてまいりました朝日訴訟、ついに二十四日に判決がございました。私はこの裁判の結果を云々する気持ちはございませんが、ただ一つ伺っておきたいのは、第一審のときに大臣の代理で法廷に立たれた方が、あの問題は、繰り返すまでもなく、六百円では日用品費が足りない、補食もしたいし、あるいははだ着類も一年に一回じゃ困る、だから一部負担が命ぜられて千五百円送ってきたんたから、その送ってきた中から六百円だけくれて、あとは国に納めなさい、こういうことに対して、ぜひ千円ください、せめて牛乳も飲みたいし、リンゴの一つも一週間に食べたい、こういうことで訴えが起こったわけですね。ところが、大臣の代理でお出になった方が、ちり紙が一日一枚で足りないというけれども、いまの日本ではわらやその他で用を足している者もいると、たびを云々するけれども、はだしでとんで歩いても健康で育っている子供がいるじゃないか。したがって、この程度の日用品費は健康で文化的な最低限度を営むに事欠くものではない、こういう主張を法廷でやっています。私、まあこういう気持ちで厚生行政が行なわれているような気がしてならないのです。私は、今度の判決を見ましても、たった二十秒で終わった。このことについては、過日も事務次官と会って、日をあらためて代表者と大臣とお目にかかることになっておりますから、きょうの委員会で多く主張することは避けます。ただ、判決文の中で、もし生活保護を引き上げれば、ボーダーライン層、低賃金、これにも影響するところが大であるということをいっておるのですね。それから、第一審は朝日さん勝訴、第二審は朝日さんが負けた。ところが、そのときの判決でも、日用品費は非常に少ない、けれども、直ちにこれをもって違法とは断じがたい、こういうことをいわれた。きょうの大臣の答弁の中に、いみじくも先ほどの御答弁の中に、妥当ではないけれども違法ではない、こういうことを言ったんですね。だから、私、どうしてもこういう思想が厚生行政の中に流れておると思うのですよ。だから、恩恵的な気持ち、おまえたち食えないから食わしてやってるんだ、こういう恩恵的な気持ちが多いのですね。そうして、また、その逃げ場としては、社会的な慣習ですか、こういうことを厚生省は隠れみのにしている。こうした社会的なおくれた考え方、国からお恵みをいただいておるのだ、こういう気持ちがあるところに政府はたよって、それであらゆる保護の面で血の通わない行政が行なわれていると利は考えますが、その点について、ひとつ政務次官、厚生省はこの大臣の代理が法廷で言ったようなそういう気持ちでおやりになっているのでしょうか。結局わらやその他で用を足しているというのは、それは山の中に行ったらたまにあるかもしれない。それは健康な人なんですよ。はだしでとんで歩いても健康で育っている子があるというが、それは健康な子なんです。それを血を吐きながら瀕死の床にある患者の訴えに対して、そういう表現で法廷で主張されるということは、私はいまだに納得いかない。私はこれに対しての政務次官のお考えをお聞きしたい。

田川誠一自由民主党厚生政務次官

○政府委員(田川誠一君) 法廷で大臣の代理がおっしゃったということは、私も直接聞いておりませんけれども……。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 有名なことばです。

田川誠一自由民主党厚生政務次官

○政府委員(田川誠一君) まあ生活保護の生活扶助が足りないとか、あるいは日用品費が不十分であるとかいうようなことは、私ども必ずしもこれでいいんだというふうに思ってはおらないわけでございまして、できるだけそういうふうなものを十分に引き上げるというような努力をしなければならないということを絶えず考えて行政をやっておるつもりでございまして、いま藤原委員から血の通わない行政というようなおしかりも受けましたけれども、私どもはそういうようなことを言われないように努力をしていきたいと、こういうふうに思っております。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 そこで伺いたいのですが、血の通った行政をしたい。ところが、そのためには生保の打ち切りであるとか、保護認定がおくれたとか、あるいはいろんな問題が錯綜いたしまして、きびしい規定のもとに、相次いで各所で自殺が起こっている。私は、その査定は必ずしもきびしくは指示してないというふうに局長はいつもおっしゃられるけれども、現場はそうではないということは、こういういろんな問題が続発することによっても私は反省してもらいたい。私は、生活保護法はもとよりでございますが、そのできました動機は、憲法二十五条に規定している「国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」がある。ところが、政府にしても今度の裁判所にしても、この権利の規定にはあまり触れてない。「国は、」云々という二項に主として籍口しておいでになるということが私としては納得できない。  そこで、きょうは、生活保護の問題は日をあらためてお伺いすることといたしまして、私は、五月に入って出た記事だけでも、老人の自殺、それが相次いでいるんですね。二月の十二日、二月の十六日、二月の二十日、私はまことに痛ましいと思う。私がまずお伺いをしたいと思いますのは、老人福祉法ではいろいろこう規定しておりますね。「国及び地方公共団体は、老人の福祉を増進する責務を有する。となっているのですね、第四条で。二項におきましては、国及び地方公共団体は、老人の福祉に関係のある施策を講ずるに当たっては、その施策を通じて、前二条に規定する基本的理念が具現されるように配慮しなければならない。」、こう規定されております。それから、第五条では、「国及び地方公共団体は、国民の祝日に関する法律」云々と書いてある。私は、祝日は行なわれている。けれども、その日だけに老人をお祭り騒ぎをしておせじを言って、紅白のお菓子くらいくれることでごまかして、この法律の目的、理念、こういうものがなおざりにされているのじゃないかと思うのです。いまどういうふうな福祉行政をしておいでになるのか。これを私は伺いたいのです。  まず第一に、身寄りのない病床の老人夫妻が、世間にも見捨てられたままで消えるようにこの世を去った。それも八十一になる御主人、七十七歳の奥さん、しかも、十六日に発見されたときには、直次郎さんという御主人はすでに死後一週間をたっていたのですよ。一週間たった夫の死臭を発しておる死骸のそばで、息も絶え絶えに奥さんが倒れていた。死んでから一週間放置されている。ところが、奥さんはからだがきかないからどこへ連絡することもできなかった。そこで、救急車で病院に運んだけれども、飢えと疲労のために奥さんも死んじゃった。これはどういう処遇をしていたのでしょう。一週間も見放されて、死臭の漂う夫の死骸のそばで一週間暮らした奥さんの気持ちはどんなだろうと思うと、たまらない気持ちなんです。福祉法に規定するようなことが行なわれているならば、どうしてこういう事態が起こるんでございましょうか。これに対してどういう事情であったのかをお聞かせ願いたい。

今村譲厚生省社会局長

○政府委員(今村譲君) いま御質問になりました大阪の和泉市に起きました吉野さんの御一家の事件でございますが、この方は生活保護とは関係のない……。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 老人福祉法ですよ。

今村譲厚生省社会局長

○政府委員(今村譲君) いわゆる給与の問題でございますが、一番問題になりますのは、これがいなかのようなところでありますと、わりあいに近所つき合いとか、あるいは民生委員とか、いろいろわかりやすいのですが、大都市で一番悩んでおりますのは、むしろ生活保護なり、どん底まで落ちるとなりますと、福祉事務所に行ったり民生委員に相談したりというような手がありますけれども、そのすれすれか、ちょっと上くらいな人というものに対するいわゆる民生行政というものの力の弱さ、福祉事務所は、そういう生活保護、あるいはぎりぎりのボーダーラインという人には、でき得る限りの民生委員と進絡をとる態勢ではございますけれども、それより上の階層につきましては、直接福祉事務所でも非常に手が届かない。問題は大都市で、いわゆるプライバシーといっていいのかどうか知りませんけれども、東京で例を取りますと、下町のほうでは隣近所、隣保相扶というものがありますけれども、山の手になりますと、むしろわずらわしいということで隣組に手をつけないというようなところの行政が、今後とも大都市中心、関東平野地域から西、太平洋岸地域に人口が八割も集まり、大都市になってしまう、そういう場合に、地域社会というものが分散されてくる、そういうことを一体どういうふうに目をつけるか。これは老人問題が本命でありますけれども、そればかりでなしに、病弱者なり、いろんな問題がありますので、その辺の発見の組織といいますか、これを根本的に考えなければいかぬのじゃないかということを、私どもこの非常に痛ましい事件について考えさせられたわけでございます。で、老人福祉の問題につきましても御指摘のとおりでございまして、たとえば老人ホームに入ある、あるいは特別養護施設に入る、あるいは老人の病院に入る、あるいは生活保護というようなところまでいきますと、民生委員なり福祉事務所なり市町村なり、できる限りの手がある程度はいっておりますが、それ以上については、ある程度の資産もあり何もあるというので、高齢者世帯というものがひっそりと暮らしておられる場合には、いままでの行政の手というのがそこまで上のほうまで伸びてこないというふうな問題がありまして、これはこの事件がありました当時も、今後の民生委員活動、あるいは隣近所づき合いがむしろいやだから都会に出てくるという人もおりましょうけれども、そういう場合にほっておけない。あるいは老人会など、集まっていろいろ行事をするのもいいけれども、その地域地域の高齢者世帯がお互いに気をつけ合う、何かおかしいと思ったら福祉事務所なり区役所にすぐ言うというようにして、老人会などにも何か一役買ってもらわなければいけないのじゃないか。こういう気持ちもいたします。こういうごく低い生活保護階層の人方に対する老齢者のいわゆる気のつけ方というか、情勢が変わったらはがき一本ですぐとんでいけるというような何かの組織をつくっていかなきゃいかぬのじゃないか、こういうことを痛感する次第です。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 それならば、生活保護すれすれの人でないときには国はあまりめんどうをみない。それはあとにしましょう。それならば、生活保護の問題で茨城県の水海道で起こっております。これも往診に行かれたお医者さんが発見したけれども、七十八歳のおばあさんを、三十九歳の痛風のためにからだのきかない人、この人がこの七十八歳のおばあさんを殺して自分も自殺した事件がありますね。これは生活保護を受けていたんですよね。ところが、わずかな地所を売った十二万円の収入があったというので保護を打ち切られているんですよ。調べたところが、死んだときには田畑を売った金なんか使い果たしていた。これは一体どういうことなんです。七十八歳のおばあさんをからだのきかない娘が殺しているんですよね。そこまでに至るまで放置したといいのはどういうわけですか。これは資産があるから手が届きませんでしたでは私は納得いたしません。

今村譲厚生省社会局長

○政府委員(今村譲君) ただいま御指摘の、水海道市の飯島さんのことでありますが、いまお話のように、ずっと生活保護を受けておった。それで、去年の暮れでありますか、畑を売りまして十二万円の収入があったということで、一応保護法は切っておるのでありますが、とにかく七十八歳、それから、娘さんのほうは三十九歳でまだ若いのですが、脳溢血の予後とううものがあるということで、市のほうでも心配いたしまして、老人家庭奉仕員——ホームヘルパーというものを週一回半日ずつやっておったのです。そういうふうな事情でありますので、本来から言えば、そのホームヘルパーの人方にもいろいろ打ち明けてでもあれば、市のほうでもこれはたいへんだというので何か考えたと思いますけれども、そのホームヘルパーさんは週に一回しか参りませんので、その間に家庭の事情、これはまあ本委員会の席上で申し上げるわけにもいかぬと思いますけれども、いろいろやはり貧困以外の問題で、家庭関係のいろいろな問題があったらしいと想像されるのでありますけれども、そういうふうなもので急に思い詰められたんじゃないかというふうな気がするわけです。ホームヘルパーさんの週一回行っておりますときに、いろいろそれを察知できるほどの優秀な人があれば、これはまたいいだろうと思いますけれども、その辺は不十分であったということで反省しておるわけであります。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 一体ホームヘルパーはいま全国に幾人いるんです。待遇はどのくらいになっておりますか。

今村譲厚生省社会局長

○政府委員(今村譲君) 四十一年度、要するに、現在では全国で八百人、それから、数日前に予算を通していただきましたが、四十二年度では三百人を増して千百人ということでございます。そのほかに市町村が独自で、いわゆる国庫補助の対象にならないで、若干——、五十人だと思いますけれども、置いておるのがございます。したがいまして、実質からいいますと八百四、五十人、それから、新年度予算になりますと千百人から千二百人ぐらいということになろうと思います。それから、国のこの制度に対する補助は三分の一補助ということになっておりますが、予算の積算上の補助単価といいますのは、四十一年度一万五千円、それから、四十二年度の本年度予算は一万六千五百円、一〇%アップということに相なっておりまして、大体の市町村におきましては一万六千五百円ということでありますが、東京とか大阪とか、相当財源的に余裕のあるところは二万三千円、一番高いところは二万五千円というふうなものを出しておる。その差額分はもちろん超過負担として市が出しております。そういうふうな状態であります。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 先ほど心の悩みまで察知できるような優秀な人であったら云々とあった。生活保護の対象と同じくらいな報酬で優秀な人が得られますか。申しわけ的にホームヘルパー制度をやっているだけじゃありませんか。それでそういう世話から精神的なものまで見きわめるだけの人が得られるはずがないじゃありませんか。ここに私は厚生省の考え方に矛盾があると思うのです。いまホームヘルパーの対象と考えられる老人はどのくらいいるのですか。

今村譲厚生省社会局長

○政府委員(今村譲君) これは先生がおっしゃいましたとおりに、一万六千五百円でそれだけの人が雇えるか、そのとおりだと思います。ただ、しいて申さしていただきますならば、この仕事をやられる人は、まあ未亡人とか、あるいは子供も大きくなって、ある程度社会奉仕をしたいというような家庭の主婦の方々というふうなことでございますので、週の勤務も月曜から土曜までとびっちりじゃなしに、三日勤務、四日勤務といろいろありますので、この辺私どもも考えながら、しかるべくりっぱな人に来てもらえるような予算に直していきたいと、こう考えております。  それから、いまホームヘルパーを回さなければならぬというのは、これはたとえば老齢家庭だけをとりますと、六十五歳以上の夫と六十歳以上の妻だけで住んでおる、あるいは単身で住んでおる、あるいは十八歳未満の児童とともに住んでおる、そういうふうな世帯が大体昭和四十年度の国勢調査では八十万世帯ということになっておりますから、現在では百万世帯に近いのじゃないかというふうに思いますが、そのうちで、いわゆる身体上、あるいは精神上、からだの自由がきかないとか、あるいは精神的に少し参っておるとかいうふうな世帯で、しかも、現実には低所得階層以下ということでやっておりますので、はっきりどのくらいというふうなつかみ方をいたしておりませんけれども、とにかく千百人が一人六世帯回っても、まあ対象とし得るのは六千六百世帯である、それだけにしか及ばない。おそらく厳密にはじき出せば数万人くらいおるのじゃないかというふうに思いますが、老齢世帯だけでもまだまだ不十分である、こういうふうに思います。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 私は、法律をつくるのなら、法律が守られるような法律をつくってもらいたいと思う。いまの水海道の問題でも、一週間に一回と言った。身体のきかない人のところへ一週間に一回行っておるのがホームヘルパーと呼べるでしょうか。それがどうも厚生省といわず、日本の政府は、やれ福祉国家であるとか人間尊重であるとか、でかいことを言っておるけれども、それも法律だけはりっぱにできておる。ところが、その内容は、生活保護にしても児童福祉法にしても、あるいは、また、この老人福祉法にしても、それこそ羊頭を掲げて狗肉を売っておるのであって、内容が伴っていないのです。だから、そういう状態に放置されておるから日本におきまして老人の自殺が非常に多いのですね。ことに厚生省からちょうだいいたしました資料によりましても、日本で、特に女の場合、飛び抜けて世界一じゃございませんか。ところが、選挙になると保守党の諸君は、スウェーデンのような社会福祉の行き届いた国は非常に自殺が多いのだ、社会保障社会保障と言うけれども、スウェーデンのごときは老人の自殺天国だ、こういって宣伝をするのですよ。ところが、これを見ると、スウェーデンは十万単位の一五%、日本の場合は四〇・五%じゃありませんか。しかも、スウェーデンの場合は社会保障が行き届いて、仕事がない、希望がないというのでなくなられるのだと私の調査ではわかっておる。ところが、日本の場合、その日食うに食えない、世話してくれる人がない、こうして、もう生活上の行き詰まりから自殺される人が大多数なんです。経済力は世界で三番目だというのですね、日本は。それでいて老人の自殺、ことに女の場合には、恥ずかしいけれど世界第一位とは、これはどういうわけですか。もし老人福祉法が正しく行なわれましたならばこういうことはないはずです。しかも、スウェーデンにおきましても、あるいはアメリカ、ヨーロッパ諸国においても、老人だけを老人ホームへ入れるということは、老人の希望をなくきせて孤立さして、結局世をはかなむ結果になるからというので、このごろ普通のアパートの中で老人の部屋というものを点々と置いて、そして社会生活の場において老人のこの生活を見ておる。しかも、そこへ通うホームヘルパー、食事の係、洗濯係、掃除係、至れり尽くせりですよ。あたたかい食事を三度三度運んでおる。洗濯もしてくれればお掃除もしてくれる、ここまできて初めてホームヘルパーと言えるんですよ。ところが、日本は生活保護費よりも低い報酬で、未亡人世帯が多いからとは何事だ。未亡人世帯こそ私は守られなきゃならない。あるいは子供を育て上げたから余裕があるからという、そうした社会奉仕として、人の善意にたよって金は出さないで、そして大事な命を守っていただく、そこにその人たちを使っていく、しかも、その人数たるや、まことにあきれてものが言えない。これで老人福祉法の精神が生きておるとお考えでございますか。さらに今後の対策はどういうふうにお考えになっておるか。

今村譲厚生省社会局長

○政府委員(今村譲君) お話のように、順序が逆になりますけれども、ホームヘルパーは三十八年からできた制度で、最初二百五十人と、まあいわば申しわけみたいなかっこうで出たわけでありまして、逐年それをいかにふやすかということでやってきておりますが、お話のように、スウェーデンまではとても及びもつかぬ状況だろうと思いますけれども、千人やそこらでは話にならぬじゃないかということは、よく私どももわかっておりますけれども、今後ともホームヘルパーについても、給与なり増員なりというふうなものについては大いに努力してまいらなければならない、こういうふうに思います。  それから、先ほどの自殺の問題でありますけれども、やっぱり女のほうは、日本の女性が六十歳以上の人口十万人につき四〇・五、ハンガリーが三四、それからチェコが三〇とか、オーストリアが二四というふうに、ずば抜けて高いんでございますが、どうもその原因は私よくわかりません。しかし、何といいますか、カトリックとかキリスト教とか、あの辺の影響も相当あるんじゃないか。たとえば、別にそれがきめ手というわけじゃございませんけれども、その辺で、外国でも婦人の自殺率と男性の自殺率では、婦人が非常に低くて男性が非常に高い。この傾向は日本でも同じでありますけれども、全般的に見て婦人の部分では格段差がある。この原因は何だろうかというふうに考えてみますけれども、おっしゃるように、はっきりしたものは出てこないような気がするわけでございます。ただ、申し上げられますことは、日本の場合でも、たとえは六十歳以上の自殺者は昭和五年あたり三千二百六十四人、昭和四十年四千四百九十三人ということで、実数は、高齢者がふえただけに、非常にふえておりますけれども、六十歳以上の十万人単位でとりますと、十万の七一、四十年が四七というふうなことで、これはやはり経済状況なり社会状況なりによって、七一が四七まで下がってきておる。もちろんこれでも世界から比べて高いのでありますけれども、そういうふうなわけで逐次この率は下がってきておる、こういうふうなことは言えるかと思います。ちょっと外国の婦人の理由というのはわかりません。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 今後どうするのか、今後の対策。

今村譲厚生省社会局長

○政府委員(今村譲君) 今後は、端的に申し上げますと、老人福祉法の二条、三条、四条は、老人福祉というものは、いわゆる経済状態いかんにかかわらず、そういうニードのある人にはあらゆる手を国なり地方公共団体が打つべき手は打っていこうというような大所高所からの規定でございます。私ども、取りあえずぎりぎり貧困階層、それに近い階層を中心にいたしております。それ以上に伸ばすというふうな福祉面での努力、こういう部面が一つ。それから、もう一つには、特養とか普通の老人ホームというような収容施設、これが整備しないために、入るべき、あるいは入ったほうがいい人が入れないで、居宅におって非常に苦しんでいろいろ悲劇的な事態が起こるというようなことがあってはなりませんので、施設の増強というのが第二番目の大きな問題じゃないか、こういうふうに思います。それから、もう一つは、やはり大きな問題でありますけれども、所得保障、医療保障、これは健康保険制度の抜本問題であり、あるいは年金の根本的な考え方に影響するわけでありますけれども、その部分がやはりがっちり安定しておらないと、疾病の場合、あるいは生活の場合という基本問題でありますので、これは年金とか保険金とか、いろいろ考えておる事項でありますが、厚生省としてはこの部分は一番根本的な問題として努力しなければならない。それから、もう一つは、ちょっと労働省の関係で言いにくいのでありますけれども、五十五で定年で、いわゆる年金年齢六十五あるいは六十ということでズレが出てくる。しかも、その年金なり恩給なりというものが非常にまだまだ薄弱であるという点からすると、しかも、平均寿命が七十二歳あるいは七十歳というふうにどんどん延びてくる状況から見ますと、老人のいわゆる定年制の問題の再検討、あるいは中高年齢層の高の部分の職場の開拓、そこで働くということ自身が健康にも非常に影響する。それは労働省の所管でありますけれども、私どもでもできる限りいろいろな手を使いましてそういう職場というふうなものの開拓につとめていく、こういう部面が考えられるというふうに存じます。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 私は、いま最初に言われましたが、女の自殺の数は日本では世界一。ところが、世界的に女が多いようなことをおっしゃったけれども、表を見ますと男の自殺のほうがずっと多い。それで、日本だって男は五七・九%、女は四〇・五%、だから男のほうが諸外国ともに自殺者が多いんですよ。ただ、日本は一昨年までは世界二番目であった。ところが、昨年の統計で世界一に女がなっちゃったわけですということを私は言っているので、男より女の自殺が多いんじゃなくて、世界各国の表を見ると、全部男が女の倍以上自殺していますよ。それから、日本の経済、労働賃金ですか、やや匹敵しているといわれているイタリアですね、イタリアではたった六・八%、自殺者はね。日本は四〇・五%。社会保障に使っている金もイタリアのほうがはるかに多いんです、日本より。したがって、社会保障に熱意がない日本の政治のあらわれだと言いたい。そうですよ。そこで、いまあなたがおっしゃいましたけれども、年金ですね、確かに年金が少な過ぎるんです。福祉年金は七十になってやっと千五百円、いまの時代で千五百円という金額がどれだけのものかということ。それから、さらに所得制限がございまして、ある一定水準世帯主の所得があればおばあちゃん打ち切られる。打ち切られたために死んだという人がいるんですよ。それはいまの時代で月に五万や六万の収入がある家庭でおばあちゃんに特別の小づかいくれるという家庭はなかなか骨が折れるんですよ。せめて百五十万円ぐらいのところで所得制限するなら私はうなずける。そのために、うちにいたっておばあちゃんにある程度の年金が入っておれば、孫にたまにはあめ玉も買ってくれる、あるいは嫁にたまには何か買ってやれるというようなことになれば、いにくさが違うのですよ。年寄りはぐちも出ます。そういうことから家庭が円満にいかない、で、世をはかなんで死ぬ、こういう結果を出しているのです。だから、これはここでは年金問題を取り上げてもしかたがないかもわからないけれども、年金課長来ているのでしょう。いまの年金に対して、年金を扱う当局ではどう考えておるか。千五百円で妥当と思いますか、千五百円でいまの貨幣価値から何がどれだけ役に立っておるか、そういうことは調査なさったことはあるのですか、これをまずお聞きしたい。

網野智社会保険庁年金保険部長

○政府委員(網野智君) 社会保険庁の年金保険部長でございます。  無拠出の福祉年金につきましては、拠出制の国民年金が発足するにあたりまして、補完的な、あるいは経過的な年金としまして、世界に例のないような年金制度をあわせて行なうということになりまして福祉年金制度が設けられたわけであります。したがって、福祉年金の年金額をどの程度のものにしなければいかぬかという問題は、拠出制のいわゆる年金額とのバランスの問題がありまして、いろいろ私ども検討しておるわけであります。確かにおっしゃいますように、現在の無拠出の福祉年金の年金額は去年の改正で二百円上がりまして、月千五百円というような額になったわけでありますが、なおこれが低いというような御意見がたくさんあるのでありますが、私どもといたしましては、毎年何らかの改正をしてこれを上げていかなければならぬ、こういう努力をしてまいっておるわけでございます。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 年金問題は機会があるわけでございますから、きょうはこれに付随してちょっと伺っただけなんで、いずれまた伺いたいと思います。  そこで、老人福祉の面でございます。私は、老人福祉法には、老人で身寄りがないとか、いろいろな生活環境によっては養護老人ホームへということが規定してあるわけです。ところが、日本の養護老人ホームには医療施設がない。外国の考えは、年をとれば老人病その他で病気がちになるから、老人ホームは老人の一つの病院だという考え方が基本になっている。だから、どこの老人ホームへ行っても医療設備がちゃんとあるのです。ところが、日本の老人ホームにはそれがないのです。だから身体の自分の用事が果たせないようになると、うちへ帰るか病院へ入る、そうでなければどうにもならぬ。この問題は私ずいぶんやかましく追及いたしまして、そうしていま特別養護老人ホームができました。ところが、特別養護老人ホームは収容定員がまだ三千ぐらいでしょう。どれだけ入りたくて待っておるかわからない。したがって、私は、養護老人ホームには医療設備をやはりそこへ付設すべきものであって、じょうぶなときに老人ホームに入っておいて、からだがきかなくなってからうちに帰る、そんなことができるものじゃないですよ、人間として。しかし、特別養護老人ホームへ入ろうと思っても、この間も私一人頼まれまして、軽費老人ホームへお願いしておいて、四年ばかりたって、どうも退院してほしい、お世話ができかねるといわれて、特別養護老人ホームへ入れてあげようと思ったけれども、どこを探したって満員なんですよ。そこで、全額負担で入れてくれと、全額負担しますと一カ月二万二千円くらいかかるのじゃないですか。軽費老人ホームでは一万一千円くらいで入っておる。ところが、特別養護老人ホームへ行こうとすると、全額負担だと二万何千円かかる。これが老人福祉の精神に沿っておるかどうかということです。身寄りのないものを老人ホームへ入れる、いいですよ、これは。しかし、入るところが足りますか。普通の老人ホームも足らない。さらに特別養護老人ホームに至ってはスズメの涙なんですよね。これで老人福祉の精神が生かされているかどうか、私はその点はどうしても納得いかない。この間やっと特別養護老人ホームへ入れることができましたけれども、そのかわり親戚の者がいままでの倍以上の金を持たなければならない。早くおばあさん死ねばいいと思われているであろう年寄りの立場を思うと、これは自殺したいという気持ちが起こると思うのです。ですから、老人に対するほんとうの福祉を考えておるのか、世間をごまかすためにこういう法律ができているのか、それさえ私は疑いたくなる。今後のあなた方の考え方を伺いたいと思います。

田川誠一自由民主党厚生政務次官

○政府委員(田川誠一君) 老人の養護施設が足りないということ、これはまさにそのとおりでございまして、特に特別養護老人ホームの制度がしかれましてから日がまだ浅うございますから、十分でないことは確かにそのとおりでございまして、特養の施設は要収容者が非常に多うございますから、この特養の施設については今後できるだけ増設をはかっていきたいと私ども思っております。老人のそういうような方々に対する施設が足りないという御指摘は、まさにそのとおりでございますけれども、厚生省といたしましては、一歩でも現実よりもよくしていこうというような気持ちでやっておることはひとつ十分御理解をいただきたいと思っております。そういうような病弱な老人に対しては、施設の中にも診療所をすでに設けておるところもございますし、一般の老人ホームにおきましても、そういう病弱者に対する一つの施設ですか、そういうものもできるだけ整備をしていきたいというふうにわれわれ考えております。  なお、局長から御説明をいたします。

今村譲厚生省社会局長

○政府委員(今村譲君) いま先生がおっしゃいました特別養護老人ホーム、これはまだお話のように、全国でことしの一月末の数字で四十二カ所、定員が三千百四十二名、まあ三千人くらいのものだということで、非常に少ないのでございますが、厚生省の方針としては、少なくとも各都道府県に一カ所全部まず先につくってしまうというようなかっこうで、まだ十八県つくってないところがあるわけです。施設整備費の中からこれを優先的にやりたいということで努力しております。それから、一般の養護施設につきましては、これはもう端的に申し上げますと、明治以来営々として積み上げてきた社会福祉事業のいわゆる養老院を全部足しましても、現在のところ五万二、三千というふうなかっこうに、特養を入れましても五万六千五百、こういう状況でございまして、それは先ほどちょっと申し上げましたように、軽費老人ホームも入れましても大体五万九千くらいということでありますが、老齢者人口がいま六百六十万くらい、そうすると一%で六万六千でございますから、〇・八%くらいにしか当たらないという状況で、少なくとも外国などは三%、四%、いろいろのところがありますけれども、かりに全人口の二%としますと、七百万として十四万床、そうしますと、いまの約七万弱のちょうど倍になる、そのくらいのものを整備しておいて、さあ困ったらいつでもそう待機なしに入れるという状況に持っていきたいというのが私どもの念願でございます。それが一つ。  それから、もう一つは医療問題でありますが、これは一般の老人ホームにつきましても、最低基準において医者はおらなければならぬということで、お医者さんのおる限りにおいては、形式上は医師法上の診療所というかっこうになりますが、実質は専務の人がなかなかいにくいというような問題がありまして、兼務で一週に何回か来てくれるという、その点が非常に手薄であるということは認めなければならぬ事態だと思います。それから、これは老人福祉法の制定当時、先生方にいろいろの御意見をいただきましたので、特養につきましては必ず協力病院というものをかちっとつくれ、あるいは有床診療所でしっかりしたものとリンクをつけて必ずつくりなさいということにしてございます。お医者さんもまあ平均して一・五人くらいのところでありますか、専任の人がおるわけです。おるわけですが、やはりいまの状況では非常に手が不十分で、少しむずかしい問題になれば病院にすぐ送らなければならぬ。ところが、病院のほうではベッドがあいていないというふうな問題がありまして、ときどきトラブルを起こしますが、これは県なり福祉事務所なりが中に入ってうまくいけるようにやりなさいということをやっております。ただ、問題は、先生御指摘のように、これを老人病院というかっこうにしてしまえというふうな御意見、これはもっともな御意見だと思いますが、この制度ができます当時に、そういう病院制度を完全につくるということについては、老人福祉法の中に入れないで、いずれ医療行政一般の中で考えるべき問題ではないかということで、社会福祉行政の範畴としては介護をする、介護ということ、身体上または精神上の障害によって日常自用を便じないような人を入れますけれども、それはもっぱら医療のための機関ではなしに、介護する機関、世帯からこっちに来てもらってというようなことの機関である、それをこすものについては一般の医療法上の病院の中における治療、医療ということにすべきであるというふうに割り切られましたので、その点から見ますと、現在の特養というものは、ある程度まあ昔の養老院に毛のはえた程度にすぎぬのじゃないかという批判ももっともだと思います。しかし、私どもとしましては、その中におきましてもお医者さんをがっちりつかまえて、ある程度までの医療はできるようにということで努力していきたいというふうに考えております。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 きょうは時間がないので残念でございますが、もうちょっと……。  私は老人病院にしろと言ったのではないのです。外国の老人ホームはそういう精神のもとにつくられておる、だから、どこへ行っても医療設備があるということなんです。日本にも医者がいるとおっしゃったけれども、普通の老人ホームでどれだけあるか、大体が嘱託医でしょう。で、病人は医療法でということになっている。それならそれでいいですよ。それなら介護を中心にやる、介護する職員がいないからこそ、ちょっとからだが動かなくなれば出ていかなければならない現実なんですよ。私は方々見て歩いていますから、ごまかしてもだめなんです。それで、この養老院で働いておる職員ですね、また待遇が悪いのです。人が足りない、だから介護が悪いといって責めることはできないのですよ。あまりにも人が少なくて、それで待遇が悪いのですから。行ってごらんなさい、一日におしめを三十枚くらい洗う。それで、若い人の施設でしたらどこか希望がある。老人の施設には希望がないのですよね。そこで一生懸命挺身していてくれる人の待遇の問題、人数の問題、これで介護に重点を置いてやっておりますというようなお答えですが、そういうところどこにありますか。いまの人数をもっとふやす計画がございますか。待遇はどういうふうに考えておいでになるのか。私は病院にしろなんと言ったことはない。外国ではそういう精神でやっているのだから、日本でも、せめてお医者さん、看護婦さんくらい常置をして、それで、また、介護が十分に行き渡るようにしてもらいたい。からだがきかなくなった者は、もうほんとうに気がねをしている。こういうことを御存じなのでしょうか、その対策は立てているのでしょうか、それを一つ伺いたい。  時間がございませんので、続けてお伺いしたいことは、これはもう働けない人の問題を中心に言った。ところが、先ほど定年の問題が出ましたけれども、老人に適応した職業の開拓もするということが書いてありますね、福祉法に。どういうことが現在なされておるか、それを伺いたい。

今村譲厚生省社会局長

○政府委員(今村譲君) 第一点の職員の問題、これは、たとえば特別養護老人ホームにおきまして寮母さんの手が足らぬ、それはもう先生のおっしゃるとおりでございます。それで、できました当時にも、まあそういう非常に介護に手のかかる人については八人に一人の寮母さんというところから出発したのですが、それではとてもだめだというので毎年わいわいやっておりまして、四十一年度にやっと六対一にして、四十二年度には五対一というふうに改善してきているわけでございます。これは社会福祉審議会にもいろいろ諮問しまして、専門家に入ってもらって、いまの入れる人の程度にもよりますけれども、相当重い人を入れても五対一あれば大体済むだろうというふうな審議会の答申をもらいまして、財務当局といろいろやって、三年がかりで八対一を五対一に直したという状況でございます。それも、はたして五対一でいいのかどうか、今後の状況にもよりますので、研究を続けていきたい、こういうように思います。  それから、お医者さんの話は、その点非常におっしゃるとおりなんでございますが、特養施設については四十二施設、これは去年の十二月三十一日現在でありますが、お医者さんが全部で四十五名、したがって、かっこうとしては一カ所一人ということでありますが、専任が二十二名、兼任が二十三名というので、ちょうど半々というふうなかっこうでありますので、これは兼任は困る、専任にするようにという強力な指導もいろいろしておりますけれども、なかなかお医者さんを確保するのがむずかしいというふうな問題であります。それならば、来てくれる日にちをなるべく多くしろというふうな指導までいたしておりますけれども、これは私どもできるだけのことをやりますので、もうしばらくひとつ時間をかしていただきたいと思います。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 できない理由は金が出ないということでしょう。

今村譲厚生省社会局長

○政府委員(今村譲君) 必ずしもそうではございません。ということは、そこのいわゆる一般的なお医者さんの気持ちもありましょうが、特定の閉鎖された社会の老人医学でも研究しようというよほどお気持ちのあるお医者さんにもぶつかりにくいというふうな問題もありますし、予算もそれは若干ありますけれども、医者については、それは必要なものでありますから、それは財務当局の問題というよりも、むしろそっちのほうがむずかしい。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 医者の問題はわかります。それならば最小限必要と思う施設の半分いかないくらいですよね、いまの施設その他について。それから、ホームヘルパーの問題があります。これはどうしてこれを充足していくのか。ことにこれからは老人人口がふえるのですよ。いまのままでいっていたら、もう百年河清を待つごとしというようなことになる。抜本的な考え方——明治時代からやってきていて、それほど画期的なものはまだ見えてない制度ではありますよ。いろいろりっぱな、これを読めばだれだって感心しますよ、老人福祉法を。しかし、実体が伴っていないと思うのです。この法律に適した老人福祉はいつになったらできるのか。いつも予算がないのです。ところが、一度買い上げたはずの旧地主の報償もああいう形でやった。さらに今度は引き揚げ者の問題、私は引き揚げ者に補償金を出していけないという意味じゃございませんけれども、しかし、要求金額が六千億ですか、自民党さん内部でだいぶんもめているようですけれども、それでも何千億という金が出るらしい状態にある。圧力団体があれば政治的配慮から金は出るのですよ。あるいは政務次官は公債でございますとか、それならば老人に対してだってそれでいいでしょう。それでみていくという方針もあるのです。生活保障なども、一体、生活保護も児童福祉も、あるいは老人福祉も、法律はあるけれども守られていない。しかも、いつも予算に制約されている。私は、厚生省ではやりたいと思っているだろうと思うのですが、予算に押えられている。新聞その他を通じても、大蔵省に弱い厚生官僚と書かれているのですよ。そうすると、いまの政治のもとにおいては、弱いものは圧力団体がなければしかたがない、自殺をする。それですましていられるかというと、私は、五月だけで見ましても、相次いで自殺が起こっている。生活保護の適用がおそいといって、向こうから自動車に白昼飛び込んで死んだ人もあるのですよ。このように、ほんとうに命の問題です。これに対してまことに厚生当局の熱意が足りないと私は思う。もっとしっかりした御答弁を伺わしてください。

田川誠一自由民主党厚生政務次官

○政府委員(田川誠一君) 厚生行政に対する予算が少ないという御指摘、まさにそのとおりでございまして、私どもも厚生省へ参りまして非常に残念に思っておるわけでございます。ただ、先ほど来お話の老人福祉に対する諸施設、それから介護の職員、そういうような問題、これを解決するには、単に予算面だけで解決できない問題が幾つかあるわけでございます。私どもといたしましては、できるだけ厚生行政に対する認識を大蔵当局にもしてもらって、不十分な点を直してさせるように努力していくつもりでございます。  それから、この老人の自殺のことでございますけれども、藤原先生御指摘のような原因もずいぶんあると思いますが、私はそういう生活苦だけで自殺をする方々ばかりではないと思うのです。やはり日本の、何といいますか、日本人の性格とか、それから家庭の環境、家族制度、そういうようなものから家庭のトラブルが起こるということも原因をして自殺をされる方もかなりあるのではないか。こういう問題を解決するには、単に保護を厚くするとか、物質的な保護を厚くすることだけでそれがはたして解決できるかどうかということは、私自身はちょっと疑問を持っておるのでありまして、老人に対する敬愛の念、親に対する敬愛の念というものを若い人たちにもっともっと植えつけることによって老人の福祉対策というものが講ぜられるんじゃないかというふうに私自身は考えております。かといって、老人に対する物質的な保護、金銭的な給付というものを軽んじるわけではございません。そういうものも充実いたしていく必要があると思いますけれども、一面精神的な一つの対策というものも十分考慮してやっていってこそ、初めて老人福祉に対する対策が充実をしていくんではないか、こういうふうに思っておるわけであります。そういう面もあわせてわれわれは努力をしていく決意でございます。もちろんいまの現状をもってわれわれは満足しているものではございません。少しでも一歩一歩努力をして、御期待に沿うように努力をしてまいります。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 そう言われるとちょっと言いたくなる。私も、福祉行政だけが老人自殺を全部なくするなんてことは言っていない。けれども、この中に規定されていることすら行なわれていない。こういう老人のために明るい環境をつくるとか、職業の指導をするとか、老人の職業の開拓とか、レクリエーションの問題だとか、いろいろあるけれども、これは何をしているのですか。それから、もう一つ環境の問題もあるけれども、行(二)の諸君のずっと給与を見ても七〇%くらい、生活保護すれすれくらいの給料しかもらっていない。その住宅を見たって、まるでいいところ二DKです。そこで夫婦が住んで、子供がいて年寄りがいるから、せめてそういう住宅でも、老人の部屋というものが確保されておれば、これはまた違ってくるでしょう。老人が明るく、せめて金よりも、働ける場所があったら、これは老人の気持ちも晴れるでしょうけれども、ここの社労委員会で言ったってもと思うから私は言わないだけです。だから、せめて老人福祉法に規定していることだけでもおやりなさい。どうですか。このために自殺も起きているのです、全部とは言いません。いまの政治が低量政策で、住宅を一世帯一住宅なんといっても、いつできるかということです。しかも、できる住宅は二DKでありますけれども、疲れたからだを帰って休めるひまもない、孫はぎゃあぎゃあ言うし、ぐちも言う、経済的にも困る。それはこういういざこざで自殺にいく人もございますけれども、要するに貧困です、政治の貧困なんです。また、暮らしが貧困過ぎるのです。だから、どうするかといって、この老人福祉法ができているのだ。ところが、いま言うように、ホームにしても、あるいはホームヘルパーにしても、なっていないから、私はせめてそこだけでもおやりなさい。労働者がストをやると法律違反だ、法律違反をたてにして首切りをやる。それなら厚生省はみんな首を切られます、法律違反ばかりしているじゃないか。だから、せめてやらなければならないと規定したものならばやってもらいたい。私は政府当局が範を示してもらいたい、こういうことなんです。  いずれあらためてまた。きょうは時間がございませんので、よく大臣に言っておいてください。今度大臣にまた質問をいたします。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 だいぶん時間がおくれてあれですから、私もできるだけ簡単に皆さん方に御迷惑のないように配慮したいと思います。  私は、大阪の星ケ丘病院について少しお尋ねをしたいと思っているわけですが、その前に、一度、次官もおいでになっておりますし、担当局長もおられますので、結核というものに対しての考え方を一応尋ねてみたいと思うわけです。  昔は非常に結核というのはなおらなかったために各施設が十分にできて、これに対する対策というものが大きく取り上げられたわけですけれども、最近は早期発見、あるいは、また、新しい薬の発見などによって非常に成績があがって、いまではだいぶんそういう収容施設があいてきたというふうな形がいわれているわけでございます。しかし、一面に結核の感染してくる人も多ければ、あるいは、また、結核患者もそんなに減っていない、これが現状ではなかろうかと思います。去年四十一年度の調査結果ではこれが三十五万人あって、施設に収容すべき者はその半数だといわれておる。ところが、実態は、話を聞いてみると、どこの施設も少しずつあいているというようなふうにいわれている。しかし、私は、いまの結核というものが、いまの段階で十分私は考慮をされなければ、結核を撲滅してしまって結核のない国にするということにはほど遠いのではないかと、こう考えます。だから、そういう観点から、いま厚生省のほうではこの結核というものに対してどういう対策を持っておられるのか、これからどうしようとされておるのか、そういう具体的なことについてひとつ詳しくお話を承りたい。

田川誠一自由民主党厚生政務次官

○政府委員(田川誠一君) 具体的には担当の係官から申し上げますが、結核の患者がだんだん少なくなってきているということは御指摘のとおりでありまして、たいへん喜ばしいことでございますが、しかし、厚生省といたしましては、それだけに、こういう結核が少なくなってきたからということで安心をしてはならないと思います。こういうような病気が皆無になるように、これまでと同じような気持ちで結核対策に向かっていかなければならぬというような態度はいままでと少しも変わらないつもりでございます。

中原龍之助厚生省公衆衛生局長

○政府委員(中原龍之助君) 結核の全般的な状況について、現状並びに対策を話してお答えを申し上げたいと思います。  結核予防対策は、先生御存じのとおりで、昭和三十八年度に全国実態調査をいたしまして、これはその前の、要するに五年前にもやはり調査をしております。それと比べて見ますと、現実にやはり約百万人の減少を見せております。しかしながら、いまなお約二百万人の多数にのぼる者というものが推定をされるわけであります。しかも、患者が実質的には地域的に、あるいは年齢的にも低所得者層のほうにいくというようなことから見ますと、やはり偏在している傾向も見られるわけであります。したがいまして、私ども結核が減少しつつあるということは事実と考えておりますが、なお結核対策をこの際さらに一そう進展をすることがほんとうに結核をなくすために必要なんじゃないだろうかというふうに考えておるのでございます。それで、そのためといたしまして、現在、法律によりますところの命令入所制度というものの効率的な運用ということによりまして感染性の患者の利用徹底をはかる、それから、そのほかに、一般的に結核予防対策の基礎ということになりますところの健康診断の徹底、それから予防接種、これの接種率の向上、こういうものの進展をはかっていきたいというふうに考えておるのでございます。また、社会復帰というものにつきましても、これは若干予防医学という面に比べますと劣っておりますけれども、これもひとつ十分していきたい、こういうふうなことを考えておるのでございます。これはまあ先ばしりかもしれませんけれども、病床の問題につきましても、これは各都道府県におきまして実際に把握しているところのいわゆる登録患者、このうち入院を要する者、これはできるだけ入れるようにということで努力しておるのでございますが、なお在宅しておるという者も事実存在をいたします。で、これらの者に対しましては、各保健所におきまして家庭訪問等をいたしまして入院を勧奨いたしますけれども、どうしてもできないというか、あるいは家庭の環境におきまして自宅においても療養できるという者につきましては、十分家庭の個人的ないわゆるケアということまでいろいろアドバイスをしまして指導をするというような方法をとっておるのでございます。それで、実際にこの入院患者のほうから見ますと、確かに入院患者数も、現在あるところのベッド数に満たないといいますか、こういうような、大体需要率が七五%という形になっておるのでございます。こういう病床の問題等につきましては、実際の状況を勘案いたしまして調整をしていくというような方法をとっておるわけでございます。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 その利用率が七五%で、療養所ががらあきになっているならば、それを転用するような方法をしていく、あるいはその前のお答えでも、やはり在宅患者がたくさんおるけれども、もろもろの事情でできない。私はここらのところにも、もうそのままにしておけば、いま次官がおっしゃったように、結核を撲滅することにはならないし、また、いまの時期において何か結核に対する対策を樹立しなければいま言ったような結核を撲滅することにはならないのだが、いま在宅の人の間には、いわゆる開放性であってまだ在宅の人が相当あるはずです。こういうのはやはり菌をまき散らしておる。これはやはり新しく感染する人もふえるわけですから、こういうのをもっと十分に収容する、あるいは私は、そこにそういう人たちがいまの社会情勢においてわりあいに低所得者の層であり、働かなければ食えないという人である。こういう人が入院してしまえば家庭が不安になるというので、なかなか思い切って入れないのが現況じゃないかと思います。そういうことについては厚生省は一体どういうふうに把握されておるのか。さらに、こういう人に対しては入院できるような施策をしておられるのか。私はそういうところまでもう少し突っ込んで考える必要があるのじゃないかと思いますが、その点についてはどういうふうな考えを持っておられますか。数において何ぼであって、どういうふうであるかということまで教えていただきたい。同時に、また、私は、家庭訪問をしておるというなら、何人の人を家庭訪問をして、どのくらいの密度でもって在宅の状態を調査しておるのか、その人たちも一ぺん報告してください。

中原龍之助厚生省公衆衛生局長

○政府委員(中原龍之助君) この数字、細部にわたりましての数字は……。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 資料でもらってもけっこうです。

中原龍之助厚生省公衆衛生局長

○政府委員(中原龍之助君) 後ほど資料であげられるものはあげますし、いまある資料について申し上げられるものは申し上げたいと思います。  この結核のいわゆる患者の状況につきましては、私ども最も重点を置きますのは、やはり活動性の患者でございます。したがいまして、この活動性の患者に対しまして、これはもちろん登録がしてありますので数がわかっておりますが、この中で、私どもは、たとえて言いますならば、昭和四十年の数にいたしますと、活動性の結核患者というものが九十二万九千六百十六人、そうしてそのうち入院が二十万五千三十六人、この中で、大部分が活動性でございますが、活動性のものが十九万二千四百六十五人、そうして在宅医療となっておりますものが五十五万三百五十六人、それから、あと医療なしというのが十四万九千二百四十人、それから、医療状況不明が二万四千九百八十四名、一応統計の上ではこういう数字が出ております。それで、私どもが重点を置いておりますのは、実は医療なしというのは一体何であるかという問題が一番問題なんです。ただ、しかし、これはどうも統計上のいろいろな問題で、その時点に統計をとったときの時点になりますので、実際の医療なしであるか、統計の上の医療なしであるかという問題がいろいろあるわけであります。これを一部について調べてみますと、確かに統計上のとり方からしてこういう数字が出てくることもあります。しかし、なお、これを私ども細部について医療なしという数字を調べてみますと、これはいま申し上げた時点とちょっと違った時点の数字でございますけれども、肺結核としてあるのと、それから、肺外結核というものがあるわけです。そういうものがいろいろひっくるめられてございます。で、昭和四十年の十二月三十一日の数字でございますが、肺結核の総数が十三万五千五百六十六人で、このうち、感染性のものがいわゆる総数で二万一千二百六十三人、非感染性のものが十一万四千三百三人。それから、肺外結核は一万三千六百七十四人、こういうことになっております。この中のいわゆる感染性というものの総数が、ただいま申し上げた中で二万一千二百六十三名と書いてあります。このものが実際は非常に問題になるわけです。こういうものにつきまして、大体統計の取り方の上でいろいろ問題はあるものの、実際にそういうものをシラミつぶしに調べていって、ほんとうに医療の必要があるのかどうか、そういうものをきめこまかくアドバイスもして調査をして、ひとつ医療の上に乗せ得るものなら医療の上に乗せようということで指導をしておるわけであります。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 これだけの患者に対して、それじゃどれくらいの人数でもっていまそういう指導に回っておられますか。

中原龍之助厚生省公衆衛生局長

○政府委員(中原龍之助君) ちょっと調べて——時間がかかりますから、あとで出ましたらそのときに御説明いたします。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 いまお聞きしますと九十二万活動性の結核の人がある。これはまだ感染するかしないかわからないわけですね。だけれども、しかし、その中で入院は十九万くらいで、五十何万がまだ活動性の結核の人があるというのですが、この中で、あなたのほうで、開放性であるかないかは別として、入院の治療の指導をしたほうがいいと考えられる数はどれくらいと把握されておられますか。

中原龍之助厚生省公衆衛生局長

○政府委員(中原龍之助君) 私どもが入院をどうしてもしたほうがいいと考えますのは、感染性のものでいわゆる医療なしというような数字が出ておるそのものは、よくシラミつぶしに調べて見て、実際に統計上の問題であるのか、ほんとうにあるのかということを調べて、それはほんとうはひとつ入れたい、こういうことで努力をしておるその数が一万九千三十六人という数が出ております。しかし、これは先ほど申し上げましたように、統計上の問題がいろいろ含まれておりますので、これを全部洗ってみる……。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 活動性でもすぐ開放性になる、ちょっと治療が悪ければなる分があると思うわけですから、私は、いま言う開放性であって感染性で、たとえば血たんを調べて、核菌何号というものだけがいまいわれているわけですね、一万九千何ぼというのは。だから、そうでなくて、もっとぼくは必要だと思うのですよ、実際は医療の面から言えば。ですけれども、もう二万にしても、この人たちはほんとうに菌をまき散らして歩いている人たちなんですから、それに対して入院をさせられるような措置はなぜできないか。そこの隘路はどういうわけか。まあ本人がいやだと言えばしかたがありませんという答えかもしれませんけれども、そこには、もっとやればもっと入院ができるような方法が考えられると思いますが、それに対して将来はどういうことになるか、また、いまの現状はどういうことであるのか、その点について。

中原龍之助厚生省公衆衛生局長

○政府委員(中原龍之助君) 私もこの問題に特に関心を持ちまして、先般の全国主管課長会議におきましても、これをよく調べるように、ただ単に登録してあるだけではだめで、これを詳細に調べ、入院を要する者、ほんとうにそういう者がおるとすれば、それは直ちに入れるように努力してもらいたいというように言っております。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 それで、私は、もう一つ、この星ケ丘の病院の問題にだんだん入っていくわけですが、いま言うておられまして七五%だと、特に私は、いま社会保険庁がやっておられるような、いわゆる政管健保の対象になる収容所として行なわれているいまの結核病院、療養所でありますが、そこであいているベッド数と、入れなければいかぬベッド数の割合はどういうふうになっておりますか。私はだいぶいままで、たとえば星ケ丘でも今度二百床転換をしておる。これからももっと転換していこうという、あるいは、また、ほかの保険庁の病院にしてもどんどんそういう傾向にあるようでありますが、この転用しているベッド数と、入れなければならぬ患者数との割合を一ぺん比較して考えてみたいと思いますから、転用をしたベッド数をちょっと詳しく話してください。

加藤威二社会保険庁医療保険部長

○政府委員(加藤威二君) 健康保険病院は現在全部で七十四施設ございます。そのうちで結核ベッドが全体の病院の全ベッドの五〇%以上を占めている。そうして主として結核病床を中心にいたしております病院が五カ所ございます。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 どことどこですか。

加藤威二社会保険庁医療保険部長

○政府委員(加藤威二君) 大阪の星ケ丘、それから千葉の松籟荘、仙台の迎光園、それから宮崎の江南病院、それから福岡の厚生荘、この五カ所でございます。それで、現在手元に全部あいている病院の資料が全体的にございませんけれども、星ケ丘等の例を見ますると、大体ベッドの二割程度があいているものじゃないかということでございますが、正確な数字は別途また調べまして御報告申し上げたいと思います。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 総計で何%ありますか。この五つの中に、全部で結核を収容するベッド数が何ぼで、その中で空床が何ぼあって、何ぼ転用しているかというのはわかりますか。

加藤威二社会保険庁医療保険部長

○政府委員(加藤威二君) 結核ベッド数は、星ケ丘が四百四十四ベッド、それから松籟荘が五百五十ベッド、それから仙台の迎光園が二百四十五ベッド、それから宮崎の江南病院が百九十一ベッド、それから福岡の厚生荘が百四十六ベッドでございます。それで、あいているベッドの数は、まだ正確な資料がございませんので、調べて後ほど御報告いたします。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 転用しているベッドはどのくらいですか。

加藤威二社会保険庁医療保険部長

○政府委員(加藤威二君) 最近転用いたしましたのは星ケ丘でございますが、その他のいま申し上げました中で、松籟荘、迎光園は一般ベッドが三十六ございます。それから、宮崎の江南病院が七十八、それから、福岡の厚生荘が四十九一般ベッドに使っております。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 松籟荘は。

加藤威二社会保険庁医療保険部長

○政府委員(加藤威二君) 松籟荘はゼロでございます。ただ、これは一般ではなくて、いまお医者さんが足りないので、ある程度休止しているといいますか、閉じているようなかっこうになっておるところもあるようでありますが、ほかの一般ベッドに転用しておるという話はまだ聞いておりません。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 今度星ケ丘では一般が二百床あるように聞いておりますが、それで、いま四百四十幾つというのは結核病床で、六百何ぼが定員のはずですね。そんなことで脊損患者、リハビリテーションの患者を七十床くらい入れていると聞いている。こういうようなことの設備は一体どこで設備しておられるのか、どれぐらいのお金をかけてやっておられるのか、いままでの星ケ丘でやられた経過についてちょっと御説明を願いたい。これは保険庁の方、どちらでもけっこうです。

加藤威二社会保険庁医療保険部長

○政府委員(加藤威二君) 健康保険病院の、たとえば建物とか、あるいは主要な医療器械というものの整備は社会保険庁がやっております。星ケ丘病院について申し上げますならば、昭和三十八年から四十年の間に約三千五百万の医療器械を社会保険庁の手で設置いたしております。いろいろございまするけれども、おもなものを申し上げますと、たとえばハーバートタンクであるとか、骨の手術器械、ちょっと値段の張るものを申し上げますとそういうものとか、あるいは渦流浴装置——渦巻きの流れになる入浴装置、おもにリハビリテーション関係の医療施設でございますが、そういうもの、あるいは超音波治療器とか低周波治療器とか、そういうものを含めまして約三千五百万円くらいの医療器械を整備いたしております。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 私は社会保険庁に聞きたいと思うのですが、まあ公衆衛生局長からでもけっこうですが、このようにして聞いてみますと、ベッドのあいている数、それから転用した数を合計してみますと、まだ保険病院には数少ないのですね。まだこの数から見て、いま二万近い数を入れなければならぬ状況にあるのに、どんどんとリハビリテーションのほうに転向しようという考え方、これは私はたいへんこの結核を撲滅するという観点から考えたら非常におかしな傾向ではないか。私はいまもってこの結核撲滅に対しての施策まで十分に考慮してもらわなければならぬという考えを持っておるのに、少なくとも一番低所得者のこの政管健保を対象としているところの保険病院が、しかも、こうした、ことに、リハビリテーションにどんどんと転向さしていこう。ことに、いま話を聞きましたら、三千何百万という大きな金をほうり込みながらそういう施設をやっておる。一方にはまだ入院をさせなければ菌をまいておる人が世の中にうようよしておる、こういう状態を見ておって、これはどういうふうに受けとめておられるのか、もう少しそこのところをぴりっと回答をしていただきたいと思うのです。

加藤威二社会保険庁医療保険部長

○政府委員(加藤威二君) 結核対策が重要なことは先生御指摘のとおりでございます。私どもといたしましても、現在ございます健康保険病院のうちで、結核治療をやっております施設を、まあ何といいますか、積極的にどんどん年次計画でも立てて、そういうほかの医療施設、リハビリテーションとかその他の医療施設に積極的に切りかえていこうという必ずしも気持ちは持っていないわけでございます。それでは星ケ丘なんかどういうことなのかという御質問かと思いますが、結局私どもといたしましては、健康保険病院のどういう診療科目を中心にしていくか、あるいはベッドの振り分けを診療科目別にどういうぐあいにするかということは、これはむしろ専門のお医者さんにおまかせしたほうがいい。つまり社会保険庁といたしましては、積極的に差し出口はしないと申しますか、むしろ現場の院長さんの御意向といいますか、あるいはその施設のお医者さん方の御意向というものをできるだけ尊重してそういう診療科目の設置等については考えておるわけでございます。で、星ケ丘と申しますると、これは院長さんも内科のお医者さんでございます。結核専門の院長先生でございます。それから、常勤のお医者さんが十二人おりますけれども、そのうちの八人の方は内科のお医者さんでございます。そういうお医者さん方が星ケ丘の病院の運営にタッチされておるわけでございますけれども、確かに先生おっしゃいますように、結核の潜在患者というのは相当おると思うのでございますが、少なくとも星ケ丘病院等におきまして入院をしてこられるという結核患者はだんだん減ってきているというのが現実でございます。そうしますと、病院といたしましても、そのベッドをあけて、いつか来るであろう結核患者を待っているということがいいのかどうかという問題になってくるわけでございます。まあ病院といたしましてもなかなか採算がむずかしいということでございまして、そういうことでこの二百ベッドというものも、院長先生が中心になりまして、こういうぐあいに転換していきたいということで、そういう四百四十四のうち、二百ベッドばかりを結核以外に使っておられる、こういうことでございます。それで、私どもとしましては、したがって、今度この四百四十四の結核ベッドを積極的に減らしていこうという気持ちはないわけでございまして、結核患者が依然としてこの四百四十四ベッドをずっと今後続けて入院されるということでありますれば、私は、星ケ丘病院というものは当然そういうかっこうで推移してしかるべきものと思います。しかし、もしこの四百四十四のベッドが、だんだん結核の患者が減っていくと、そして当分それが埋まる見込みがないということになりますれば、やはりその病院運営上といいますか、その地域の医療需要というものを勘案いたしまして、その結核ベッドを漸次減らしていくということはあり得ると思いますけれども、それはあくまでも病院のその周辺の医療需要なり、あるいはその院長さんの御意向というものを十分承って、おそらく結核専門の院長先生でございますから、結核対策を積極的に縮めていこうという気持ちはないと思います。病院運営上、やむを得ずそういう方向に転換していくということになると思いますので、そういうことであれば、われわれといたしましてもそういう方向で病院の転換をはかっていきたい、そういうぐあいに考えております。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 私、ここでそんなこと十分御存じの上で答弁しておられるのだと思うのですが、しかし、私はそれだけではやはり納得がいかない。たとえば京都で結核の診療をしておられます京大あたりでやっておりますが、いまはなかなか順番を待っていても入れないのですよ。というのは、そこでは十分な外科的処置もし、開放性結核である者の空洞手術もしたりして、非常に短期間になおる。それだからしてそこに集まってくるわけですね。私は、それはそういうところがあっていいわけで、全部がそうなることもなかなかむずかしいということは了解はしますけれども、少なくとも、この健康保険病院でそういう低所得者の人にそういうことができやすいものを、そういうものをやることが先決問題、それをせずして、いま三千何百万の金を入れてリハビリテーションの設備をしていくということは、結核患者に対して徹底して取り組む、あるいはその設備、また、陣容、そういうものが全部行き届いていなかったら、いつでもだんだん少なくなってくるのは当然じゃないですか。そうなってくると、先ほどの藤原先生の御質問の中にもあったように、弱い者のほうにはいつまでもしわ寄せをされていくということで、金のある者のほうが自由にそういうところへ集まって、早く短期間になおされる。金がなくて非常に家庭的に困っている人は、国のやっておるそういう健康保険病院あたりに行きたいと思っても、それがなかなか十分できていないから、まずやめておこうかということになると思う。私は、そういう点からいえば、これは逆な循環を来たしてやはり空床ができてくると思うんです。空床をむしろ待っているんだというようなことに私は言わなきゃならぬのじゃないかと思うわけですが、そういう関係は、いまの星ケ丘については、完全な治療ができると、そして、また、そういうようなことに対しての受け入れ態勢は十分できておるというふうになっているんですか。

加藤威二社会保険庁医療保険部長

○政府委員(加藤威二君) この六百四十ありましたベッドのうち、二百ベッドを転換いたしましたのは、これは一挙にやったわけでございませんで、三十九年に百ベッド転換したわけでございますが、その転換するということが、結局ベッドがあきましたもので、たとえば三十六年には一旦平均五百八十人入っておりましたけれども、三十九年には四百九十名、約百名平均の入院患者が減ったわけでございます。そのときには、リハビリテーションというものはやっておらないで、結核専門の病院であったわけでございます。ところが、そういうぐあいに入院患者が減ってきた。そこでベッドがあくという事態が生じましたので、そこで、やはり院長さん方も、病院というもののある程度の一部的な転換ということを考えたほうかいいんじゃないかということで、とりあえず百ベッドを転換していくと、こういう経緯を踏んできたわけでございます。したがいまして、確かにそういうぐあいにリハビリテーションの施設ができますと、先生のおっしゃいましたように、結核専門病院じゃないということで、若干また結核患者が減るであろうという傾向も全然ないということは私は否定いたしませんけれども、やはり最初そういう方向に踏み切ったのは、やはり結核専門病院で、結核オンリーでやっておりましてもなかなか患者でベッドが埋まらぬという事態が生じたもので、やむを得ずそっちのほうに転換していったと、こういうことでございまして、リハビリテーションも、結核ほどの伝染性はもちろんございませんけれども、最近は自動車事故とか、いろんな悲惨な身体障害者が出ておるわけです。被保険者の中にもたくさん出るわけでございますが、そういった人のリハビリテーションということも、やはり結核とは違った意味で重要な問題でもございますので、そういう方面に一部切りかえるということが健康保険病院として絶対にいかぬというほどでもないというぐあいにわれわれも考えて、そういう方向に踏み切ったわけでございます。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 それは仰せのとおり、やはりリハビリテーションもいま非常に足りませんね。だから、それはもちろん私もいいことだと思うんですよ。いいことだと思うんですけれども、いま私は結核という観点から問題を論じているわけです。いまあなたのおっしゃるような、そういうような形式でいって、結核というのは二万近くですか、開放性の結核。これはもう二万というのは、ほんとうに毎日毎日つばの中で菌をまいて歩いているのですね。こういう人があるのに、私はここらのところにそういう金を入れてやるのが正しいのか。そして、一方では、新しく受けて発病する結核患者がありますよ、たくさん。その数から比べたら、いまのこの数で示されたようなばく大な数ですわね、五十何万人おるというんだから。九十何万おって、まだつかめないでほうっておるのが五十何万おるわけでしょう。こういうような状態の中にあって、私は、いまの時期に結核というものを根本的になくするような運動をしなかったならば、結核菌の耐性もできてくるでありましょう。こういうようなことでほうって、少しずつ薬を飲んではまたやめ、また薬を飲んではまた働くという結果をやっておれば、もう耐性もできてきて、結核菌もなかなか泣くなってくる、これはもういまの医学界では非常に問題になっていることなんです。そういうことで、いまの厚生行政としてはそういうものをほうっておいて、リハビリテーションの要求もあるからリハビリテーションを考えていく、転向をしていく、そのほうが金が、何といいますか、うまくいって、独立採算もうまくいけるのじゃないか、こういうようなところにあってきたならば、私はいまの言うたように、そういうような行政の面でほんとうに憂うべき——音はそういうようなおそろしい亡国病たといわれた結核が現在ここまでなってきたけれども、ここでまたもう一つ手を入れなければ、またもとのように、なかなか結核はなおらないという病気になってきたときには非常に困るのではないか。そういう意味からいったら、少なくとも、私は、保険病院として、国が、そういうような政管健保の対象になっている病院が特にそういうことに対して力を入れて、独立採算を少々無視しても、そういう方面の最も進んだ施設をして、三千何百万を入れるようなお金で、もっとその結核の完全になおせるような施設をそこでする、それに対するリハビリテーションをするというのだったら話はむしろわかると思うのですが、リハビリテーションも、結核でまだすべき人もあるわけですね、数は少ないでありましょうけれども。そうした結核というものに対していままでできておった病院をいまさら転用するのでなくて、もっと徹底的なものにして、結核撲滅に対してはこれだけしか、わずかしかないですね、健康保険病院は。いまお話を聞いたら五つしかないわけですね。そんなものは全国からいったら、そうあり余るほどの性質のものじゃないわけです。しかも、その病床の数を聞いたら、締めていますね。そういうふうなことを考えたら、これはもうあなた、在宅でおって何とかしなければならぬ数からいったらまだ足らぬくらいですね。それをそういう傾向に持っていくということは、私はどういうふうにそれを受けとめておられるのか。もうそれは院長にまかしてあるから、院長はこうするとか、話を聞けば、星ケ丘病院長は、リハビリテーションにえらい力を入れているそうだ。それはあるいは厚生省とも社会保険庁とも考えがよく似ているからそういうように持っていく。こういう形になっていったら、一体、私は、その結核というものをどこでだれが歯どめをしていくか、ほんとうに結核撲滅に対して力を入れる機関はどこか、こういう点に対して私は疑いを持つのです。そういう点についてはどう考えておられますか。

加藤威二社会保険庁医療保険部長

○政府委員(加藤威二君) 先生のおっしゃるとおり、一々ごもっともでございますが、私どもといたしましても、結核対策が重要だということは十分承知いたしておりまして、まあ公衆衛生局でも当然そういう気持ちで施策を推進しておられることと思いますが、そういうことで、とりあえず二百ベッドは転用したわけでございますけれども、まだ四百数十ベッド結核ベッドとして残っているわけでございまして、繰り返して申し上げるようでございますが、少なくとも、そういう潜在患者がどんどん今後病院に入ってまいりましてそのベッドが使われているという限りは、そういう患者のをどんどん減らして、さらにリハビリテーションのほうに転換していくという方針は持っておらないということを申し上げておきたいと思います。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 それじゃちょっと次官にお尋ねいたしますが、いまのような質疑の中で、私は、ほんとうに何と申しますか、比較的中小企業で、むろん労働者として働かなければ経済が持っていかない。私は、いま在宅でいるのも、何か生活の裏づけがあれば、私はもっとやはりゆっくりと治療したいという人はあると思うのですよ。ところが、やはり働かなければ家庭に非常に大きなひびが入るので、私は、そうしたことが十分の裏づけのないために、この二万何ぼの開放性の人もいるし、あるいは、また、五十何万の活動性の結核者がいるわけですね。こういうようなことに対して、私は、ほんとうに厚生省の行政として、いまの時代にはっきりとしないと、先ほどから繰り返して申しているように、やはり耐性ができてくるとか、あるいは、また、非常になおりにくくなってくるとか、こういうようなことになって、低所得者層に非常に蔓延をしていく、私は最近そういうのを見た例もあるわけです。実際これはもう家業がふるわないために、一家三人とも、今度はまた生まれてきた赤ちゃんにまで結核が感染している。医者には行ってときどき結核の注射はしてもらっているけれども、十分な治療ができない。熱が出てきたら注射を打つ、熱がちょっとなおってきたらまた働いて、医者に通わない。こういうようなことで繰り返しているので、私は非常にそういうふうなことは大問題だと思って、いろいろ世話をしたことがあるのですが、こういうような例は私は一つ二つしかありませんけれども、しかし、たくさんあると思うのですね。だからして、私は、そういう観点からいったら、いまの時代の状態を十分把握して、厚生行政の面でこれを打ち出さなかったならばほんとうに救い切れぬと思うわけですが、そういうことに対して、もっと積極的にやっていただく方針、特に、また、こういうような健康保険病院というのは、私は非常にそういう意味での特徴があると思う。これに独立採算を押しつけるということは、私は非常にそういうことに対してはマイナスになると思うので、そういう点についてひとつ御所信を拝聴しておきたいと思います。

田川誠一自由民主党厚生政務次官

○政府委員(田川誠一君) 先生の結核対策に対する御熱意に対しては、ほんとうに敬意を表するわけでございます。先ほど申し上げましたように、患者数が減ったからといって油断をしてはならないと思います。むしろこういう時期か一番大切じゃないか、不断に結核対策を充実していくように努力をしているつもりでございます。

山本杉自由民主党

○山本杉君 関連。結核の問題が出まして、結核対策について大橋委員から御質問がございましたから、私からも一言伺わせていただきたいと思いますけれども、さっき大橋委員もおっしゃったように、結核に対する治療法も全然変わってきております。手術が主体になってきておる。昔のように、安静をとればいいとか、気胸療法をすればいいといったような時代ではないので、その時代のベッドのあり方をそのままにしていらっしゃるからベッドに入り手が少ないというようなことが起こるのだろうと思います。それで、私は、新しい時代に対処して、いままた結核菌が勢いを盛り返してきたらどうするかということは、私も医者としていつも心配するのでありますけれども、こういう点に対して、先ほど来、患者の数であるとかベッドの数とか伺ったのですけれども、どうもはっきりしない点があるのです。厚生省はどういうふうに考えていらっしゃるのか。たとえばこの前起こりました新宿の日赤の病院のあれは、かつてドイツに起こったリューベック事件の小型みたいな事件でございましたが、そういう事件のときに私が資料をもらって見たところによると、その赤ん坊のほとんどが自然感染であったということを院長から報告されたのですけれども、そういう感染がどこで起こっているのか、また、それに対してわれわれはどういうふうにしなければならないのか。さっき大橋委員がおっしゃったように、薬を飲んでは立ち直って働いているということでいいのかどうかということ、これは私は新しい結核問題として一度取り上げてみなければならぬ問題じゃないかと思っておりましたので、いまちょっと言わせていただいたのですが、厚生省としては結核対策というものを基本的にどういうふうに考えていらっしゃるのか、いま結核課長なんというのもいらっしゃらないでしょうし、もう結核は一応片づいたのだと思っていらっしゃるのかもしれませんが、お聞かせを願いたいと思います。

中原龍之助厚生省公衆衛生局長

○政府委員(中原龍之助君) 結核予防課長はございます、ここに来ております。で、結核の対策、これが基本線につきましては、従来の線を一応守っていく。と申しますのは、結局現在までの結核対策というものから考えますと、患者数は確かに減少をしてきて、いい傾向にある。したがいまして、この傾向にある以上は、基調をくずさないで、さらに何か追い打ちをかけていく必要があるというようなことが考えられるわけでございます。そして、ただいまの新宿産院の問題もいろいろありましたけれども、やはり感染性の患者というものをどこかに放置しておけば、それが十分多数の人に伝染していくのだということを示す確実な事実です。現在そのケースがこのようにだんだん少なくなってまいりましたがために、いままでわからなかったようなそういう事実がわかったということでございます。これは一つの進歩とも私は考えておりますが、こういう事態にさらに追い打ちをかけるという意味で私ども憂慮しておりましたのは、一つは、BCGの接種、これがだんだん受診率が悪いというようなこと、これは現在の若い人たちに結核が減ってきたということは、私は非常にBCGの接種によるものではないだろうかということも考えております。これはもちろんBCGばかりではございません。それで、こういうものに対しまして、いわゆる従来の皮内接種よりもかいようをつくる作用が少ないというような、いわゆる経皮接種に変えるとか、あるいは新しいいい薬ができれば積極的にそれを採用していって、できるだけ耐性を起こさないうちに撲滅してしまうというようなことをいろいろ心がけております。なお、今後は感染源になるものがだんだん少なくなってきますれば、そこに当然集中的にそこに患者管理という面を徹底して、そうして蔓延を防止していく、こういうようなことを考えているわけでございます。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 それじゃ続いて、私、星ケ丘の病院は厚生年金のほうに売却されるというような話を聞いておりますが、それは一体どういうふうな契約で、どういうふうな措置で、どういうふうにして行なわれているのか。話を聞けば、もう予算も六億何ぼの予算が通っているという話であります。その辺の事情をひとつ御説明を願いたい。

加藤威二社会保険庁医療保険部長

○政府委員(加藤威二君) 星ケ丘の病院は、従来健康保険病院として健康保険のほうで整備をしてきたわけでございますが、これは先ほど申し上げましたように、設置が昭和二十八年でございましたか、ごく一部が昭和三十年ごろ鉄筋になっておりますけれども、大半が木造の建物でございます。相当建物が老朽化しているわけでございます。やはりそう老朽化した建物を近代的に建てかえる必要があるわけでございまするので、御承知のとおり、現在健康保険の財政は非常に逼迫いたしておりまして、こういった病院関係の施設に回す金が非常に少なくなっているわけでございます。結局健康保険病院としてある限り、将来健康保険財政がまた再び好転でもいたしますれば話は別でございますが、なかなかそう簡単に健康保険財政も楽観を許さないという現状でございますので、このまま推移いたしますと、なかなかこの老朽化した病院の建て直しができない、こういう問題があるわけでございます。ところが、厚生年金のほうになりますと、先生御承知のとおりに、いろいろ厚生年金病院というようなものを厚生年金の年金勘定でやはり施設をやっております。こちらのほうは医療保険と違いまして、現在そう金に困っておらないわけでございます。施設も、年金病院のほうの施設費のほうが潤沢でございます。まあ年金病院と申しましても健康保険病院と申しましても、勘定は厚生保険特別会計という同じ会計でありまして、ただ、特別会計の中で健康勘定と年金勘定というものが区分されているだけでございます。全く同じ特別会計でございますので、一般の売買とはちょっと違うわけでございます。したがって、要するに役所の帳簿で保険勘定に属しております星ケ丘病院を年金勘定に移しかえる、こういうことでございます。それによって、たまたまこちらが二百ベッドなり、リハビリテーションの施設を持っておりますので、年金病院としても一部適格性を持っておりますので、そういうことで年金病院としてやってもらったほうがこの整備が早くできるという、そういう観点から、この病院を、健康勘定を年金勘定に、ただ勘定の上で移しかえる、こういうことをこの年度にやりたいということでございます。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 健康保険法を見ても、それは二十三条ですか、保険者はこうしたことをしなければならぬ規則になっていますね。法律にちゃんと規定してありますね。そういう意味からいっても、私はむしろ健康保険病院としてやるべきであると思う。ただ単にそうしたほうが便利だから移管さすとか借りるとか売る、これは売り買いになるだろうと思います。おそらくそういう契約になると思うのですが、そういうふうなことにされること自身、私は非常に大きな問題があるのじゃないかと思うのですが、そういう観点はどうか。  ちょっと時間がないから、質問したいことを全部申し上げます。  もう一点は、私は、社会保険庁と、それから全社連ですか、これとの関係というのが、私ちょっとこの契約なんかのところを見てみますと、知事が中に入って、知事から全社連のほうにあれをしておりますね。そうすると、やはりこの社会保険庁と全社連との関係はどうなっているのか。一体こういうことの最終的な責任はどこにあるのか。たらい回しみたいにぐるぐるなっているんですが、責任が明確になっていない。それはどこのところに責任があるのか。それから、私は、特に社会保険庁と全社連との関係はどういうふうになっているのか。話を聞けば、全社連の幹部の方々は、やはりほとんど社会保険庁の方であるからということで、よくわかっているからだということであるかもしれませんけれども、私はそういう点についてもちょっと明確さがない。そして、これからいろいろ問題が起こってきたとき、どこが一体責任者になるか、あるいは知事が中に入っているとか、そこらのところで明確性を欠くわけですか、その辺のところをはっきりしていただきたい。その二点をお伺いしたい。

加藤威二社会保険庁医療保険部長

○政府委員(加藤威二君) 第一点の御質問でございますが、健康保険法の中には、保険者がそういった保険施設、福祉施設を設置することができるというような規定じゃなかったと思いますが、しかし、どこにどういう施設を設置しなければならぬというようなことはもちろんないわけでございまして、適当な施設を設けるということでございます。したがいまして、まあ星ケ丘病院を健康保険でこのままやったほうがいいのか、年金の病院に転換したほうがいいのかということはいろんな見方があると思いまするけれども、先ほど私が申し上げましたように、病院の整備という面から見ますと、現在のところは年金病院に移したほうが早急に整備ができるということでございます。しかし、年金病院に移しましても、そう急に診療の内容が変わるわけでもございません。一般二百、結核四百四十四というそのベッドが急に変わるわけでもございませんので、病院の運営といたしましては、特に厚生年金病院に変わったからといって、それを利用される被保険者の方々にとりましても、あるいはその従業員の人たちにいたしましても、別にその転換したために非常に不利になるということはないわけでございます。むしろ病院が非常にきれいになるという意味におきましては非常にプラス面があるのではないか、こういうことでございまして、そういう考え方でこれを厚生年金病院のほうに転換しよう、こういうことでございます。  それから、御質問の第二点の全社連でございますが、これは全国社会保険協会連合会というのが正式の名前でございますが、社団法人でございます。で、この健康保険病院は全国で七十四カ所ばかりございますが、大半は全社連にその運営を委託しておる。その委託は、現実には社会保険庁長官から都道府県知事に権限を委任いたしまして、委託契約は、各都道府県の知事と全社連の会長とが委託契約を結んでおる、こういうことでございます。したがいまして、その病院の設置施設、そういった面の施設整備という面につきましては、国が健康保険特別会計から金を出して、国の責任において整備する。しかし、その運営につきましては、全社連が責任を持って運営する。運営面におきまする責任者は全社連でございます。整備面におきまする責任は国が持つ、こういう形でございます。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 そこらのところが明確でなくて、この間もちょっと話を聞きますと、やはり今度のその売却の問題でいろいろ問いただしに行った。そうしたら全社連においては、私のほうはこうこうだと言われる。あるいは、また、今度は、その病院は院長がよく知ってるんだから、院長によく聞けというので、院長に言ったらまた話が違う。知事が契約しているんだから、もとは知事にあるんだと、こう言う。私は、少なくともその全責任を持つべき保険庁、国がそれを知事に委任をして、知事とそれとの契約をさして、そうしてその施設はしてやるぞ、あとのことはそっちへ行って聞けというような形で肩がわりしているところに、今後またいろいろなトラブルが起こるんじゃないか、またいろいろな行政面でも変なものがあるのじゃないかという感じがしますが、これに対してはどういうものであるかどうか。  もう一つは、厚生年金に売却するのは施設をよくするためだと言われますけれども、あれは健康保険でやっているから、リハビリテーションがあるから受け入れられるという前提があるんだと思うんですが、いまちょっとお話の中にありましたけれども、だから、そういうことであれば、先ほど私が口をすっぱくして議論をして、そうしてまた次官もそれに対して賛成をしていただいている。そういうことであるにもかかわらず、もう一つそのリハビリテーションに対して力を入れるべき団体に身売りするということについて、いまもって私が問題にしたことに対しては全然反対の方向に向かっていくということじゃないですか。それであなた方のほうではほんとうに結核というものをこれから踏まえていけるのか。私はそういう点からいっても逆行するものじゃないかと思うわけですが、そういうようなことで金が出やすいからというのじゃなくて、私は、この二十三条にもありますように、健康を管理するためのいろいろな施設には費用を出すことができると書いてあるのだから、これを出してやったらいいじゃありませんか。身売りをなぜしなければならないか。そういうことの方法は全然つかないのですか、厚生年金に身売りをしなければ。

加藤威二社会保険庁医療保険部長

○政府委員(加藤威二君) 御質問の第一点の、どうもはっきりしないじゃないかと、その責任がどこへ行っても話がはっきりわからぬという御指摘でございますが、これはある程度私のほうにも責任がございまして、実は私のほうといたしまして、保険庁で結局一つの星ケ丘病院という国有財産がございますが、それを健康勘定から年金勘定に移そうという、これは保険庁と大蔵省と相談してきめる問題でございます。その方針はもう予算のときにきめたわけでございます。しかし、それじゃあその経営をいつどういうぐあいに転換をするかというような細部にわたりましては、実はこれは言いわけになりまするけれども、私のほうは医療保険の赤字対策に追われまして、ちょっと出おくれになりまして、この話し合いがちょっと遷延いたしておりまして、それでどこへいってどうなるのかということがはっきりしなかったわけでございます。これは一にかかって私どもがその細部の話し合いを全社連等とやるのを延ばしておったためでございまして、全く申しわけないと思いますが、最近その点を話し合いを早急に進めまして、近くはっきりした形で、いつどういうぐあいにして経営を転換していくかということをきめる段取りになっておりますので、先生の御指摘の点も、間もなくそういう点はすっきりしてくるであろうというぐあいに考えているわけでございます。  それから、第二の点でございますが、いままでどおり健康保険病院としてやれないのか、こういうことでございますが、これは先ほどちょうど申し上げましたように、医療保険の財政というものは非常に逼迫してまいりまして、こういう福祉施設、こういう病院関係の施設に使う金が、率直に言いまして大蔵省のほうから相当の査定を受けてだんだん少なくなってきているわけでございます。したがいまして、しかも、健康保険の病院といたしましては、ここよりも早急に手を入れなければならぬという病院もあるわけでございます。したがって、また、この星ケ丘病院の手直しをするといたしますと、これは大病院でございますので、相当多額な金が要る、こういうことで、従来どおりやっておりましても絶対に整備ができないということではございませんけれども、いつのことになるかわからぬと、こういうような状況でございまして、厚生年金病院に変わりまするとその整備が早急にできる、こういうことでそういうことに踏み切ったわけでございます。先生御指摘のとおり、厚生年金病院になれば、リハビリテーションが重点になって、結核対策がなおざりになるんじゃないかという御指摘でございますが、正直に申し上げまして、絶対にそういう心配はないということをはっきり申し上げることはできないかもしれませんが、しかし、私どもといたしましては、厚生年金病院が結核治療を全然やってはいけないということはないわけでございます。とにかくリハビリテーション関係の施設をやっておりましたけれども、しかし、御承知のように、厚生年金病院には産婦人科もございますし、眼科もございますし、いろいろな総合病院でございますので、結核患者を全然やってはいかぬということではございませんので、これは隣に年金部長がおりますが、年金部長と連絡をとりまして、医療需要のある限り、早急にそういうリハビリテーションのほうに転換するということのないようにということを条件にして話し合いをいたしたいと思います。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 じょうずな答弁で、解釈に苦しむのですが、しかし、もうぼくはくどく言いたくないんです、時間がないから。で、ずっと理論の展開から考えて、それをやるということは事実逆行でしょう。それは金がないということはあるかもしれないけれども、そんなにまでして結核に対して軽く見ていくような形にしていいのかどうか、それを非常に考えるんです。そういうことにならないように年金部と話し合いをしてやるということですから、それをこの記録の中に明確にしていただいて、要は、今後その年金事業団になっても、結核病床とか結核治療というものに対しては相当ウエートを持っていくのだということを確認していただきたいと思います。  もう一つ最後に申したいと思うのは、いままでの報告を調べてみますと、ほかのどこでしたか、松籟荘あたりでは非常にいままで不当労働行為もあり、前にたぶん柳岡委員からの社労委員会でやった質問を私ちょっと読ましていただいたわけですが、そういうことがあるわけです。今度はやはり厚生団のほうにかわって、リハビリテーションが中核になってくれば、中の内容も変わってくるだろう、いろいろな意味で大きな変化があるのではないか、そこに働いている者にも不安があるのではないか、そういうものに対して、できるだけ前の経験もあるから、思い切ってやってしまうということになったら、これまたたいへんな問題だと思う。だから、今後もこの問題についても相当注意深く見せてもらいたいと思うし、あなたの報告に対しても、少なくとも厚生省としては、この結核問題に対しては相当強い意思表示をしていただいたわけですから、これに対してもマイナスにならないような方向でやってもらえるということに対して、私は今後注意深く見せてもらいたいと思いますが、そういう意味でいまの従業員の人たちに不安がありますから、今後こういうことに対してどういうふうに進めていくか、今後の方針をここで伺っておきたい。それで、時間もございませんので、質問を打ち切らせていただきます。あとの質問は、今後機を見て質問させていただきたいと思います。

加藤威二社会保険庁医療保険部長

○政府委員(加藤威二君) この厚生年金病院に転換することによりまして、従業員の間に不安動揺の起こらないように、われわれも万全の対策を講じてまいりたいと思いますし、よく話し合いをいたしまして、そうして従業員たちが納得して、なるほどというようなことでスムーズにこれが転換できるように、そういう努力をいたしたいと思いますし、また、給与その他の面におきまして、少なくとも現在よりレベルダウンというようなことは絶対にないように配慮いたします。納得ずくで円満にそういう転換ができるように努力いたしたいと思います。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 えらい申しわけないんですが、まだちょっと気にかかりますので、一言次官にお尋ねしておきたいと思います。  先ほど次官が話していただいた気持ちといまの保険庁の考え方では、どうも厚生団に移管されることの中には私は不安があるわけですから、もう一言だけ厚生省側の考えとしてこうだということを言ってもらったら非常にあとのためにいいと思いますから、どうか所信のほどを。

田川誠一自由民主党厚生政務次官

○政府委員(田川誠一君) 重ねて申し上げます。結核対策に対しては、今後も万全を期してわれわれは努力したいと思います。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 関連して、一つだけ。私どもが調べておることといまの御答弁で、結核患者の実数とか、あるいは感染源、あるいは排菌患者の数その他についてどうも納得のいかない点がございますので、そちらで推定なさっていらっしゃる結核患者、それから、活動性の患者、それから、感染源になっておりまする数、これのひとつ資料をいただきたい。  それから、いま一つは、最近入院患者の中には、再発して再入院の数がふえておるやに私は伺っておりますので、再入院、これと、初めて入院した人との比率、これがおわかりでございましたら資料としてお出しを願いたい。  それから、ある病院では重症患者の入院を拒否いたしております。何年かかるかわからない重症店者は受け入れたくない、ベッドの回転率か悪くなるとはっきり公言しておる院長さんもございますが、厚生省の指導がそうなっいてるんじゃないかとひがまざるを得ないわけです。あなたのお話でも、患者がありながら空床が出ている。命令入所もあるし、あるいは生活保護の医療扶助の入院もできるはずなんです。それができないのはどこに原因があるかというようなことを、私どもも結核問題ではいろいろ心配をいたしておりますので、いずれ日をあらためて質問さしていただきますけれども、そういうひとつ資料を出していただきたい。

中原龍之助厚生省公衆衛生局長

○政府委員(中原龍之助君) いま藤原先生の述べられた資料はできるだけ提出いたしたいと思います。  ただ、二番目に仰せられた再入院と初入院のこれは、おそらく実体調査か何かやらないと全部調べられないと思いますので、いまおそらく手持ちがないんじゃないかと思います。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 私それを現地でいろいろ聞くわけですが、いまの再入院患者は、菌が出なくなれば退院を強制している、いわゆるリハビリテーションなんかということはあまりお考えいただけないで、出て無理をして働くから再発して、また入院する、こういうケースがこのごろふえておるというふうに私は聞いていますので、もしそういう資料があったらお出しを願いたい、こういうことなんです。いずれまたあらためて御質問いたします。

丸茂重貞自由民主党

○丸茂重貞君 新聞の伝えるところによると、和歌山県の日高郡由良町、ここで赤痢患者がたいへん発生した。これは今月の二十二日ですかね。そこで、まず最初に、発生状況の詳細な点を聞きたいんです。ただし、二十二日ですから、ほぼ一週間、その後の状況によると、全町民九千四十六名、その中で七百三十五名の現症あるいは保菌患者が出た、こういうふうになっておりますからね。これはちょぼちょぼした発生とはだいぶ状況が違うので、厚生当局はまず現在時点でどういう発生状況だと、その捕捉しているところを聞かせていただきたい。

中原龍之助厚生省公衆衛生局長

○政府委員(中原龍之助君) 和歌山県の日高郡由良町におきまして赤痢の集団発生がございました。ただいまの先生からの御質問でございますが、これの発生の概況につきまして申し上げますと、本年の五月二十二日ごろから町内の、それも主として小中学生を中心に、大体三十八度から九度ぐらいの発熱、それから腹痛、下痢、嘔吐、こういうものを訴える患者が続出いたしました。そしてこの町内の三人の医師の方々より赤痢の届け出がなされまして、保健所が検便を開始したわけでございました。そして二十四日ゾンネ菌を検出いたしました。五月二十九日午後七時現在で七百三十五名の患者及び保菌者の発生を見ております。そして、これの収容状況は、これは由良港中学校に二百五十名、それから日高病院に二十四名、残りは家庭に在宅しております。しかし、これはきょう、五月二十九日に大体プレハブで収容所ができますので、これに約四百名収容が可能な臨時病舎ができるわけでございますので、自宅治療で待機中の患者から収容をしていくという形になっております。検便の状況は、これは旧由良町で、人口約五千人くらいでございまして、第一次検便、二十五日までに約四千五百名の検便をいたしております。これの原因につきましてはまだ不明でございます。それで、この防疫作業といたしましては、これは県の知事から自衛隊に出動要請がございまして、七十六名の者が現地の消毒作業を応援しております。知事も現地で指導を行なっておる状態でございますが、これの感染経路の調査なり、あるいは患者の収容、治療にあたりまして指導をするために防疫課長を現地のほうに派遣する予定にしております。

丸茂重貞自由民主党

○丸茂重貞君 いまちょっと語尾がはっきりしなかったので、私の聞き間違いかもしれませんが、防疫課長を指導のために現地へ派遣したと言ったのですか、する予定と言ったのですか、どっちですか。

中原龍之助厚生省公衆衛生局長

○政府委員(中原龍之助君) 派遣することにしております。おそらくあす参ると思います。

丸茂重貞自由民主党

○丸茂重貞君 大体いま公衆衛生局長の報告を聞くと、人口五千人ですか。九千人と私は聞いておるのですが、間違いですか。

中原龍之助厚生省公衆衛生局長

○政府委員(中原龍之助君) これは旧由良町、それで五千人です。

丸茂重貞自由民主党

○丸茂重貞君 全部を入れてじゃなくてですね。それはそれでいいです。  そこで、とにかく五千人のうち、七百三十五名というと一割以上ですね。これはもう非常事態ですね。そういう場合に、三十一日に防疫課長が出向する予定でございますという返事は、もちろんそれは都道府県に衛生部があって、万全を期しているのだろうということは私もわかるのだけれども、これは通常の流行状態ならわからないじゃない。しかし、これは明らかに、いまあなたの報告の中でも、二十九日に検便の結果がわかって、そして検便の結果が七百三十五名でしょう。そういう非常事態のときに、発生して一週間たたなければ防疫課長が現地に飛ばないということは、これは基本的にひとつ厚生省の防疫態勢、防疫の気がまえ、そういう点で非常に批判を受けるのじゃないかと思うのだが、この点はどうですか。

中原龍之助厚生省公衆衛生局長

○政府委員(中原龍之助君) 結果から見ますとまことにおそれ入ります。実はこのあれがわかり始めましたのは、二十四日ごろわかり始めたのであります。そのときの数が約二百名くらいの数でございまして、電話でいろいろ指導をしておりましたけれども、数が多くなりましたので現地に飛ぶことになりました。

丸茂重貞自由民主党

○丸茂重貞君 その問題は過去のことだからしかたがないにしても、大体において二十四日、二十六日、二十八日、二十九日と、大体二百名見当で患者がふえてくるのですね。そういう経過ですね。そういう経過の際には、やはり電話での指導だけでは身にしみないのです。あるいは、また、現地の衛生部としても、あとから申し上げるように、いろんな現地町当局との間に問題点があるのです。これはあとで私が言いますが、そういう問題点があるのを、本省から防疫課長が来て陣頭指揮でやっているのだということになると、衛生部にしても、あるいは町当局にしても、思い切ったことがやれるわけです。ですから、そういう意味で、今後はひとつ、とにかくこういう重大なときには、もうあぶないなあという予感はつくわけだから、しろうとじゃないのだから、だから、すぐ防疫課長が現地へ飛んで、一日でも二日でもいいわけだから、とにかく伝染病の予防は初期が一番大事なんですから、一審大事な初期のときに防疫課長がみずから率先して陣頭指揮をとって、防疫態勢をきちんと立てて、こっちが忙しくなったら帰ってくればいいのです、現地の衛生部長に命令をして。私はそういうことがあってほしいと思う。大体いままでの経過を見ると、迅速果敢な行動というのがとられていないわけです。あなたのほうからするといろいろの事情もあろうが、大体においてとられていない。そういうことでは困るので、今後はひとつ迅速果敢な行動をとってもらいたい。  そこで、いまあなたの話の中に、学童が初め出てきた、そういうことですね。学童がおもだった、そうして原因は不明だ。もちろんそれはいまのところ原因は的確につかむことはできないだろうと思うのだが、原因不明だ、感染経路がつかめないということでじんぜん日を過ごしていると、その感染経路を押えないためにますますふえるわけですよ。だから、この辺はやはりある程度拙速でもいいから見当をつけて、この辺とこの辺のところはやらなければならないという重点をきめたら、はずれていてもプラスの間違いなんだから、とりあえず二つ三つこれが犯人だというところあたりを押えてもらって、私もここにいてこまかいことはわからないのだが、学童が多発することになると、まず常識的には給食ではなかろうか、これはあくまでも常識の範囲ですが、そういう見当はまず第一にどんなしろうとでもつけられる。そういう観点から、原因が給食にあるというふうなことは、その後の患者の発生状況から言えないですか、どうですか。

中原龍之助厚生省公衆衛生局長

○政府委員(中原龍之助君) いままでの当方で得た情報によりますと、最初は小学校あたりの低年齢が多かったということだったのです。調べていきますと、だんだんおとなも多くなってまいりますし、それから、学校の関係者ばかりでなくて、一般の人の中でも相当いるということがわかった、そういう状況です。

丸茂重貞自由民主党

○丸茂重貞君 伝染病というのは、おそらくどこに感染源があっても、一週間なり、ある日にちがたてばおそらく伝播するでしょう。この辺のところは専門的なことだから、いまおそらくわからないでしょう。それをきっぱりわかれとは私言うのじゃないのだが、さっき申し上げたように、大体これとこれが犯人らしいというところは早急に押える、これは必要でしょうね、どうしても。はずれてもいいと思うのですよ、これは。繰り返して申し上げるけれども、一説によると、新聞なんかでは、おそらくこれは現地の衛生部の関係者の発言だろうと思うのだが、簡易水道が関係しているらしい、あるいは簡易水道が原因しているらしいということが新聞に書いてあるが、この辺についてはどうですか。

中原龍之助厚生省公衆衛生局長

○政府委員(中原龍之助君) そういうことも考慮した上で防疫をやっております。

丸茂重貞自由民主党

○丸茂重貞君 とにかく五千名のうち、七百三十五名がばっと出たのだから、技術的に見て感染経路がどうだ、原因がどこにあったろうということはつかみにくいだろうと思います。非常にぼくもわからないわけではないが、これだけ多発するのだから、逆に言えばつかみやすい点もあるのじゃないか、こういう気もするわけです。いまの患者の大体六〇%はまず学童でしょう。どうも私は、いまこれを責任を持って言えるのじゃないのだけれども、新聞記事等から、あなたのいまの説明等から聞くと、どうも学童がたくさんいる。ことに初期の発生患者が学童が圧倒的に多いということから考えると、まず給食の状態を徹底的に洗ってみる必要がある。それから、まあそのことたけでなくて、地域に多発しているということになれば、まず飲み水、これは常識的な判断ですが、こういう点について、いま入った情報によりますとという話ですが、この辺がぼくら非常に聞いておってたよりない。二十六日でも二十五日でも、防疫課長が行って帰って来ておれば、現地へ派遣したところの防疫課長の話によればこうこうだということが、あなたも自信を持って答弁できるわけです。だから、そういう点で、今後はひとつ——これからも、おそらくこれだけ一挙に多発すると、カーブはこうならぬと思う。こういうかっこうになると思う、患者の発生カーブは。しかも、これは防疫課長に御苦労さまでも行ってもらって現地の陣頭指揮をやってもらいたいと思うんだが、この点はどうですか。

中原龍之助厚生省公衆衛生局長

○政府委員(中原龍之助君) 防疫課長はあす参って、適当な指導をし、必要な指導をし、処置をして、いずれは報告に帰ると思いますが、帰りまして、なお必要があると認めれば、課長でなくても、そのほうを担当している技官を差し向けてもやるつもりでおります。

丸茂重貞自由民主党

○丸茂重貞君 それはあなたのほうが専門的な立場だから、だれをやろうと、それはこっちは言うことじゃない、おまかせしますが、そこで、大体今度の患者の内訳を見ると、おそらく非現性——症状を出していないところの保菌者が相当多数を占めていると思う。その率等はつまびらかにできないんだけれども、相当やっぱり保菌者も多数占めていると思う。そこで、伝染病の防遏に一番の大事な点は、保菌者の隔離ということになるわけですね。この点はここにプレハブ住宅を建てて、あなたがさっき言ったように、隔離をするんだということになっておるんだが、目標は患者全員ですか、その点どうですか。

中原龍之助厚生省公衆衛生局長

○政府委員(中原龍之助君) 私ども防疫の観点から申しますと、まあ患者からいいますと、一番の重点が患者なのであります。次が保菌者ということであります。したがいまして、従来のあれから考えますと、患者の人にはできるだけ病院に入ってもらうというような方法をとっております。それから、保菌者そのものにつきましては、それの状態によりまして、一部入る者もありますし、あるいは自宅の、その家庭の状況を見まして、家庭の状況によって適切な医師の指導のもとにあればだいじょうぶと判定した者は家庭に置くというようなやり方をやっております。

丸茂重貞自由民主党

○丸茂重貞君 そこで、伝染病予防法によって、患者のめんどうは一切市町村の費用でやらなければならぬですね。そこで、こういうことがあるのですよ。あなたが言ったように、もちろんそれは一番激烈な症状を持っている患者、その次は保菌者ということになるんですが、患者というのは、考え方によると動けないわけですが、保菌者というのは動き回る。だから、病菌の伝播率からいえば、むしろ保菌者のほうが危険だ。これはどっちがどっちということはほんとうに言えないわけですよ。ただ、保菌者まで含めて大量に隔離するということは施設がたいへんなんだから、やむなくこれはやれないんでやらぬというわけだ。在宅というのは、これは決していいことじゃない、実状上やむを得ない、そこでこういう問題が出てくるんですよ、費用は市町村が持つ。そうすると、患者が出れば出るほど市町村財政に対する圧迫がふえてくる。現に私の県でかつてそういうことがあった。おととし、さきおととしだったか、検便はもうしないでくれ、ある町長さんが、患者が出たらそれに費用がかかって、出す金はやりきれません、検便拒否という実態がかつてあったのです、私の県のある町で。これはまあ財政をあずかっている町長からすれば当然のことだ、こういうので一時だいぶ物議をかもしたことがある。これはまあ町長の立場に立ってみると、人命尊重が第一であるとか何とかという理屈とはまた別に、現実に財政の面があるということで、だいぶそれでもめたことがあるのですけれども、こういう点は一番大事な問題なんです。だから、都道府県の衛生部長にまかしておいたんではこの問題はとうてい解法できないわけですよね。だから、たとえば町長さんどなたか、私は知りませんが、一番頭を痛めるのは、さらに患者がこれ以上ふえない、早くなおってもらいたいということのほかに、地方財政にどういうふうな圧迫がかかるだろうか、これはたいへんなものだ。大体私の県のときには、患者一人に対して直接間接費が十万円ですよ。二百人出ると二千万かかる、ほんとうに。だから、この辺は町でもどうにもならなかった。県でもどうにもならなくなって、厚生省に、直接あなた方の世話になった。ところが、それは結局あとで申請するわけだ。混乱をして盛んに防遏対策をやっているときには、まあまあ目鼻があまりつかぬというわけです。こういう点は対策上非常に問題点があるので、これは一体今回の場合にはこの辺のところはどう考えておられるか。

中原龍之助厚生省公衆衛生局長

○政府委員(中原龍之助君) これの費用の点は、結局精算でどれだけかかったということに対してどれだけ補助がいくという形に法律上はなっております。ただ、それはなる前に、その年度内においてできるだけひとつやっていけるような便宜、いろいろの協力方法もあると思います。しかし、精算はもちろんできませんですけれどもそういう問題がありますが、それは結局町及び県といろいろ相談の上で、できるだけこちらがはかり得る便宜があればはかっていくというふうに私どもは考えております。

丸茂重貞自由民主党

○丸茂重貞君 これはしつこく繰り返すようですが、この問題は、金の問題というのが、案外技術的な面ばかり目がいっていて、現実の面では軽視されがちなんです。ところが、あなたいま言ったように、県にいって、県の段階でやってもらうのだ。ところが、現実的には県は無力なんですよ、銭持たぬからどうにもならぬ。やはり最後はこっちにくるにきまっているのです。どうせ来て何とかしてやるものなら、金のことはこっちでやってやるから、全力をあげて、一人でも患者をふやすことをやめるのだ、町当局もそんなことは心配要らぬから、われわれが全責任を持ってやるからというくらいの迫力ある指導をやらなければとうてい効果はあがらない。その点やっぱり大臣も次官もおるのですけれども、実際の最高責任者は局長だろうと思う。この辺のところのあなたの決心を重ねて聞きたい。

中原龍之助厚生省公衆衛生局長

○政府委員(中原龍之助君) これは、ただいま丸茂先生から激励のおことばをいただきましたのですけれども、私ども、防疫というものは、やる以上は、一応人の生命を守り、ほかに伝染をさせないようにして一刻も早く防止していくというたてまえを最重点にしてやっていくのでありまして、当然あとになれば金の問題等も出てまいりますけれども、いままでの防疫はそういうたてまえでやっております。ただ、金の問題になりまして、それではそのときに支払うべき金というのがすぐ出てくるかという問題が出てきます。それで、それをどうやり繰りをしてうまくやるかというような経費のやり繰りの面になります。これは、したがいまして、一応県なり町村なりというものとやはり相談の上でやっていく、私どもとしてはできるだけの方法、便宜ははかっていきたい、こういう考え方でございます。

丸茂重貞自由民主党

○丸茂重貞君 こういう激しい事態が出てきたときに、お題目じゃどうにもならないのだよ、現実の問題が。そこで、お題目なら幾らでも私は聞く、それで患者が出なくなるなら。そこであなたのお題目をいろいろ聞いて、それを向こうへ行って言ってやれば、それで患者が少なくなるということなら幾らでも聞くけれども、そういうことじゃないのですよ。だから、先ほども具体的に県と相談してといっても、県が自信がないのだから、これだけのことをやりたいと思うが、金はあとでどうにかなりましょうかといえば、さあどうですかなあと県が言うにきまっています。さあどうですかなあと県に言われたら、町長も自信がないから、まあほどほどのことにしておこうか、それがあとで簡易水道に原因があるのだということになれば、おそらく簡易水道の修理と補修でたいへんな金がここでかかってくる。そこで、そうした場合に県に相談したらさっぱりわからぬ、県に相談してわからぬということは、厚生省が何をしてくれるかわからぬということだ。だから一番大事なことは、お題目よりも、理想よりも、現地に対して金のことはできるだけめんどうをみてやる。乏しい厚生省の財政だが、このくらいは何とかしてやろう、自信を持ってやりなさいということで第一線の町長さんあたりを鼓舞激励する、そのことが具体的なんですよ。こういうことなんですよ、技術的な指導はもちろんです。こういうこ  とはどうでしょう。

田川誠一自由民主党厚生政務次官

○政府委員(田川誠一君) 丸茂委員のおっしゃられたことは、まさにそのとおりでございまして、そういう指導について私たち欠けておった点を反省しておりますし、できるだけ、とにかく防疫が一番大事でございますので、現実の問題を早く解決できるように、処置するように現地に対して重ねて激励をいたすつもりでございます。

丸茂重貞自由民主党

○丸茂重貞君 まあそれ以上私もここで簡明直截な返答は無理かもしれない状況もわからないではない。わからないじゃないのだけれども、非常事態でね。もう一つは、防疫体制の中に、あなた方いつも専門家というと保健所がまず第一であり、県の役人が第一で、役人第一主義なんだね。ところが、現地には専門家が一番いるのは民間団体、たとえば医師会、どこでも最後は医師会がしょう。私はちゃんとその現実を知っている。無料奉仕ですよ。それは黙々としてやる。ところが、ありがとうも言われないのです、普通は。厚生省もどこも、ありがとうと言わない。ただ、知っているところの町当局、あるいは新聞等が、医師会はたいへん御苦労でございましたという感謝の気持ち、もちろん感謝してもらおうと思ってやっているわけじゃないんだが、まず、わしがしょっちゅう言うんだが、地域にあるところの専門団体をうまく活用しなさいと言うんです。いち早く頼みますという一言がなぜ言えぬかと言うんです。今度も言ってないんだね。自発的にやっているんですよ。この点をひとつ聞きます。

中原龍之助厚生省公衆衛生局長

○政府委員(中原龍之助君) 私、そこまで詳しくは存じておりませんが、普通の伝染病が発生いたしまして、それの防疫に従事する際、地元の医師会の協力を得てやるというような形になって、いつも医師会の方々にはごやっかいになっているわけでございます。

丸茂重貞自由民主党

○丸茂重貞君 それはいつもあとではその一言を言うといった、あとでは礼を言う、一年か半年あとで。いつもそうなんです。それがために別に感謝状をもらったこともなければ、表彰されたこともない。そんなことを目的にやるのじゃないのだけれども、問題は、そういうふうな地域の専門団体を使おうとする善意、これが大事なんだよ。ひとつ頼みますよと言って衛生部長なら衛生部長、県知事なら県知事が頼むと、もともと単純で人がいい種族なんだから、医師会というのは喜んで一生懸命やる。ところが、医師会のほうがいつも自発的にやる。町長に建言する、こういうことはこうやったらどうだろうと、金がありません、せっかくの思いつきですが、金がございません、何だ、わしらせっかくやってやるのに、銭がないと言ってはねつける、こういうことが案外多い。だから、むしろ厚生省が現地でほんとうに指導しようというのならば、現地の連中ではどうにもならぬ問題を一番先に保証してやるのが一番いい指導効果をあげることです。それは次官さんや局長さんに、金を出しますと大みえを切らせるほどの問題じゃないというのもわしは知っておる。知っておるけれども、おそらく七百三十五名出ると、大体最低見積もっても、直接関接の費用が三千万円から五千万くらい見ておかなければいかぬ。だから、これだけはあとでひとつ言ってもらいたい。おそらくあとでしりぬぐいの費用がいつものとおり厚生省にくるから、そのときにはひとつちびらないで、できるだけのめんどうをみてやるというくらいのことはここで言えるでしょう。次官、どうです。

田川誠一自由民主党厚生政務次官

○政府委員(田川誠一君) できるだけ私のほうで配慮するように努力をいたします。

丸茂重貞自由民主党

○丸茂重貞君 いま次官さんから、たいへん御理解ある御返答があったので了承いたします。了承いたしまするが、ひとつ局長さん、早急に万全を期してもらいたい。これを最後にお願いして、私の質問を終わります。

山本伊三郎日本社会党

○委員長(山本伊三郎君) 他に御発言もなければ、本調査に関する質疑は、本日はこの程度にとどめておきます。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時五十四分散会      —————・—————

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