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55回国会参議院1967/05/16

社会労働委員会 第7号

発言数
76
登壇者
8
会派数
2
開催日
1967/05/16

会議録

藤田藤太郎日本社会党

○理事(藤田藤太郎君) ただいまより社会労働委員会を開会いたします。  社会保障制度に関する調査を議題とし、質疑を行ないます。御質疑のある方は、順次御発言を願います。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 私は、戦後二十年もたったのでございますけれども、いまだに戦争の犠牲で将来に不安を持っておられる原爆被爆者の問題について若干質問をしていきたいと思います。  そこで、その前に、昨日の予算委員会で塚原総務長官は、新聞の報道するところによると、在外財産の補償の問題で戦後処理というものは終止符を打ちたいと、こういうふうに言明をしたと、こういわれておるわけですが、厚生大臣は、もうそのことによって戦後処理というものはすべて終わると、こういうふうにお認めになりますか。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(坊秀男君) きのうの予算委員会に私は出ておりませんでしたので、塚原長官の発言の内容についてはつまびらかにいたしておりません。そこで、戦後の処理の問題でございますが、戦後の処理すべき問題が今度の在外財産の処理ということによって全部片づいたということは、私は考えておりません。まだそのほかにも、ちょうどこれは十を三で割るといったようなものでございまして、ある一定の時期がくるまでは、戦後処理というものは、まあだんだんと処理は片づいてはまいりましょうけれども、これによって完全にもう何ら処理すべき問題が残っていないんだということにはまいらないと思います。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 佐藤総理は、この前沖縄に行ったときに、沖縄が解決しない限り戦後は終わらないと、こういうふうなことを言ったといわれておりますけれども、それと同じように、この原爆の被爆者の問題が、ほんとうに国が責任を持ってこれに当たるというような体制がとられない限り戦後は終わらない、私はこういうふうに思うんですけれども、そういう考え方について厚生大臣はどう思いますか。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(坊秀男君) 原爆被爆者というものが歴然として存在する問題であります。だから、そういったような方々に対して政府がどういう措置をとるかということについて、何らかのことをやる必要があるか、あるいはないかもしれない。それはまあそういう結論も、公算以上に少ないにしても、あるいはそういうこともあるかもしれない。しかし、大体におきましては何らかの措置をとる必要があるであろう、かように考えますから、そこで、政府におきましては原爆被爆者の今日実態を調査いたしまして、その調査の結果によりまして政府の態度というものをきめていくべきだと、かように考えておりますので、鋭意いま実態の調査を進めておるわけでございます。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 昭和三十九年の三月の本院の本会議場で、「原爆被爆者援護強化に関する決議案」というものが上程をされ、満場一致でこれが議決をされております。この中で、原爆被爆者の援護強化について、「政府は、すみやかにその援護措置を改善し、もって生活の安定に役立つよう努めるべきである。」、こういう決議の結びになっているわけですけれども、これは三十九年、本年は四十二年、三月はもうすでに過ぎているわけですから三年たっているわけですけれども、政府は、この間、こういう決議に基づいてどのようにこの原爆被爆者の援護措置を改善し、そして生活の安定に役立つようにつとめてきたのか、このことをお伺いします。

中原龍之助厚生省公衆衛生局長

○政府委員(中原龍之助君) 昭和三十九年の原爆被爆者援護強化に関する決議、その後にとられた措置といたしまして、四十年の四月には医療手当というのがございますけれども、その医療手当の所得制限を緩和する。それから、五月には医療手当の増額をする。それから、希望健康診断というものを、従来、健康診断は、いわゆる一般の健康診断は二回になっておりましたが、それをさらに本人の希望による健康診断というものをもう二回加える、あるいは収容検査制度を設けるというようなことをいたしております。また、四十年の九月には特別被爆者の範囲を拡大をしておるのでございます。それは被爆後三日以内の期間内に二キロ以内に入市した者、それから、原爆投下による放射能降下物質の影響によりまして、爆心地より三キロ以内と同等にみなされる区域にあった者及びその胎児というものをいわゆる特別被爆者として拡大をしたわけであります。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 いまの説明は、いわゆるそういう症状、原爆症状ですか、病気等に対する若干の改善策と申しますか、そういうものであって、援護という意味からいくと、私はほんとうに狭い一部の改善策であって、援護という文字からすれば、これは生活保障というものが中心でなければならない。この本院の決議も、そういう生活保障をして初めてほんとうに健康も保たれるし、治療も安心して受けられる、こういうことになるので、決議の内容の重点は、やはり生活保障にあるのではないかと私は思うのです。そういう生活面に対する一体援護の改善策というものはどういうことをやられてきましたか。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(坊秀男君) いま御指摘のこの援護の問題につきましては、これは戦争の犠牲者で、まだ何にも措置をされていないというような部面の人たちは、これはやはり原爆被災者以外にもある程度存在するであろう。そういったような人たちもございますし、それから、かたがた、原爆被爆者がどういう生活をしておられるか。決してそれは高級な生活をしておるなどとは考えておりませんけれども、国家が援護をするというためには、そういったような実態もよく調べて、そうして検討してまいりたい、かように考えるのでございまするから、いま慎重に、先ほど申し上げたとおり、この実態調査を進めておる、こういう段階でございます。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 いま言ったような決議がなされてからすでに三年もたっておるのですけれども、いまのお話ですと、実態調査を十分やってからだと、こう言います。しかし、新聞でも報道されておりますように、広島の原爆病院では昨年一年間に五十五人の被爆者が死んでおるというのですね。実態調査をして慎重に検討をしている期間に次々に死んでいく原爆被爆者があるという、このことをどういうふうにお考えですかね。やはり実態調査は必要ですけれども、すでにもう実態調査をしなくてもはっきりしておる重症的な、いわゆるもうほんとうに病院の中で苦しんでおられる人、あるいはそういう人で生活の苦しい人、そういう人はほんとうに実態調査なんか簡単に私はできると思うのですがね。そういうことはやらないのですか、厚生省としては。

中原龍之助厚生省公衆衛生局長

○政府委員(中原龍之助君) この実態調査につきましては、原爆被爆者の実態調査は、基本調査と、それから生活調査と健康調査と、三部門に分かれて調査が行なわれております。この調査が始まりましたのは四十年の十一月なのでございます。それで、とりあえず基本調査のほうが若干まとまりましたので、その範囲内におきまして、今年の二月ですか、基本調査のほうを一部発表をいたしました。それから、健康調査や生活調査のほうにつきましては、ただいまなお集計中であるわけでございまして、そうして、ことに生活調査につきましてはなかなか集計のほうがめんどうでございまして、これが手間どっております。これの発表が秋ごろになるという形になっておりまして、実際にこの調査が行なわれたのは、三十九年の先ほど申しました決議もありますが、四十年の十一月に実施されたという形になっておりますので、私どもこの結果を待ちました上で、どうするか、具体的な方法をいろいろ考えていきたいというふうに事務的には考えておるのでございます。  それから、現在の原爆の法律は、原爆を受けたということによって身体的に何らかの異状があるかもしれない、したがって、特別な状態にある。したがいまして、その特別な状態にあるということによりまして、これの医療についての援護はいろいろな援護をやっていくという形で現在医療法が立てられておるのでございますので、したがいまして、その医療そのものにつきましては、できるだけ万全を尽くしていくという形が現在とられているわけでございます。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 その一般的な調査はもちろん必要でしょうけれども、私の言っているのは、こういうふうに一年間で五十五人もなくなっていくような人々は、もうすでに入院をしているとか、ほんとうに悪い人ですよ。そういう人々について、一般的な調査以外に、もっと積極的に厚生省がほんとうに援護をしてやろうという気持ちがあれば、当然私は一般調査とは別に、健康調査、生活調査を早期にやって、そうしてその患者がそういう生活の苦しみから早く生命を失うというようなことのないように手当てをしていくことが私はあたたかい政治だと思うのですけれども、そういう一般調査以外に、積極的にそうした特定な人に対する調査というものはやっておらないのですか。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(坊秀男君) いま柳岡委員の御指摘になった、病院に入って大ぜいの人がなくなっていく、まことにお気の毒なことでございます。だから、そういったような方々、爆撃を受けて、そうしてその爆撃のために病気になられて、それで病院へ入院せられている、あるいは通院されていらっしゃるそういう方々に対しましては、とにかく健康を回復をしてもらうということが何よりも先だと、かように考えまして、そうして何よりも先に、医療についてはこれは公費で負担をしていくということを実施しておるわけでございまして、その他の援護につきましては、先ほども申し上げましたとおり、いま鋭意実態を調査して、そうして考えていこう、こういうふうに考えております。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 厚生省、あるいは大臣の原爆被爆者に対する認識が私は間違っていると思うのですよ。というのは、先ほど大臣も言われたように、戦争犠牲者というのはほかにもいるのだ、こういうことを言っているのですよ。そういう考えだから、私は原爆被爆者の援護の問題がいまなおどうなるか、目安がつかない。それで、その間に犠牲者がどんどん死んでいく、こういうことになっていると思うのですよ。大臣は、三十八年の広島・長崎原爆判決というのを御存じですか。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(坊秀男君) いま私はつまびらかにしておりませんので……。

中原龍之助厚生省公衆衛生局長

○政府委員(中原龍之助君) ただいま御質問のございました原爆の判決というのは、昭和三十八年の十二月七日に東京地裁の民事部で古関裁判長係でもって判決があったそのことをさしていることと私は解釈しておるのでございます。で、それにつきまして、原告の請求権につきましては、請求権はないというようなことを述べてございます。で、そのほかに、向こうのいわゆる感想でありますか、考え方でありますか、そういうものにつきまして、原爆の被爆惨禍というものにつきまして、これをこのまま放置しておくことは国としても何らか少し考えるべきであるというようなことが大体書かれております。これは私は簡略に申し上げたわけで、これをちょっと私抜き書きしておりますけれども、文章を読んでみますと、少し長くなりますが、いかがいたしましょうか。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 それはいいです。問題は、原爆の判決の中で言っておりますように、問題のところは最後だと思うんですよ。どういうことを言っているかと申しますと、「戦争災害に対しては当然に結果責任に基く国家補償の問題が生ずるであろう。現に本件に関係するものとしては「原子爆弾被爆者の医療等に関する法律」があるが、この程度のものでは、とうてい原子爆弾による被害者に対する救済、救援にならないことは、明らかである。国家は自らの権限と自らの責任において開始した戦争により、国民の多くの人々を死に導き、傷害を負わせ、不安な生活に追い込んだのである。しかもその被害の甚大なことは、とうてい一般災害の比ではない。」、したがって、裁判所としては救済の措置をとるべきことは多言を要しないけれども、これはあくまでも立法府である国会及び行政府である内閣において果たさなければならない職責である。で、戦後十数年たって、日本の経済がほんとうに高度経済成長を遂げた現在、国家財政上不可能だというようなことでこういう救済措置が実現をしていないということは、政治の貧困を嘆かずにおられない、こういうふうに結んでおるわけですね。だから、一般災害の比ではない。しかも、たとえば一九〇七年に締結された国際法の中で、ハーグ陸戦法規というのがありますけれども、そういう中でも、この原子爆弾のようなものは使っちゃいかぬというようなことがいわれております。それから、そのほかの国際的な取りきめなり法規の中で、やはりこうした原子爆弾のようなものを使った場合には、これは当然賠償請求する権利があるとか、あるいは国はそういうものに対しての責任というものを負うべきものだということをはっきりしているわけですよ。したがって、一般の戦争犠牲者と同じような見方というものが私はできない。これはやっぱり原爆判決にうたわれているように、特別な扱いを私はすべきではないか、こういうふうに思うのですけれども、そういう点はどうですか。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(坊秀男君) いま朗読なさった裁判所の判決、これについては、ここでもうもちろん批判すべきものではないと私は思います。裁判所の判決というものは、これは尊重してまいるべきものである。そこで、先ほど私申し上げましたとおり、ほかにも戦争犠牲者であって、しかも、何らの措置をされていないというような人もある。で、それの結果、何らかの措置をいたしますと、原爆による被災者というものは、おそらく数がほかに比して非常に大ぜいさんになってくるであろう。ところが、普通の爆撃その他の被災者の中にも、あるいは原爆の場合には百人中、おそらく九十人まで、あるいは八十人まで、ある法律をつくればそれによって援護されるものができるということになる場合に、普通の災害を受けた場合には、一名の中で、あるいは十人、二十人とかいうもの、原爆被災者に比しまして、そういうものもこれは私はないとは言えない。同じような程度の障害を受けておる。むろん性質は違うでございましょう。原爆の被害と普通の爆弾や焼夷弾の被害とは性質は違うでございましょうけれども、人間の傷害の程度ということになりますとそういったような事態が生ずるであろうということが考えられる。そうなってまいりますと、むろん原爆被害者を何とかしなければならぬという立場に立ちましても、原爆被災者だけを先にやりまして、そうして普通の被災者、その百人の中で十人とか二十人とかいうものがあるというものが、それが何か落ちるというようなことになるということも、行政府としては、これはどういうことかと考えられますので、そこで、先ほどから申しておりまする実態調査ということをやって、その結果と、そうして原爆以外の一般の被災者というようなものもにらみ合わせまして、そうして措置をとるということが、私はやや妥当じゃないかと思う。これは私は厚生省で相談したことでも何でもございません。私のいまの個人的な見解でございますが、そういうことを考えておる次第でございます。

山下春江自由民主党

○山下春江君 ちょっと柳岡委員の御質問に対して、関連して。  私、遅刻しましたので、重複しておることがございましたらごかんべんを願いますが、原爆の原爆医療法をつくりましたときに、ちょうど私は厚生政務次官でございまして、その法案をつくりました責任者の一人でございましたが、それからちょうど十年、昨年その原爆の現場へ行って見ました、広島と長崎へ。いま御質問の全部を聞きませんでしたが、全く原爆被爆者というのは、どこもやけどもなければ、何か身体のほかのところに引きつったような傷もなければ何にもなくて、普通の常人で、私の命はあと三十日で終わります。しかも、もう知能指数もはっきりしておる。これは何としても大きな悲劇でございまして、それは戦争の被害を受けられた方は、いろいろな角度からいろいろな被害を受けられた方がたくさんおられまして、必ずしも十分な手当てを受けておられない方もあることもよく承知しておりますが、原爆被爆者の実情というのは、全く見るにたえないものがありまして、非常に頭がはっきりしているというだけに、悲劇が非常に深いと思うのでございますが、厚生省では、昨年ちょうど十年目を期して実態調査をなされたようでございますが、たいへんいいことだと思って、私も現場で非常に皆さんとともに感謝をしたのでございますが、その実態調査の結果がおわかりでございましたらその御報告と、それから、いま柳岡委員がどういうことの要求でございましたか、私は、今日の医学の進歩したときに、何らかのもし予算を注ぎ込めば、あるいはもう少し制度を改革すればあれに適当な医療を施して、もう少し長命をしていただける方法があるというならば、ぜひそれを考えて実行していただきたいことを心から祈っておるものでございますが、いかがでございましょうか。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(坊秀男君) 原爆被災者が受けられた身体障害というものは、いま山下委員申されたように、これは非常に特異なものだと私も考えます。そこで、そういったような人たちに対しましてどういう措置をするか、政府が措置をするという以上は、これはやはりその実態を完全というわけでもございませんが、とにかくできるだけ調査をいたしまして、それもすみやかに調査をいたしまして、そうしてこれに対する妥当なる措置を講ずる、かような考え方に基づきまして、先ほどから担当局長も御説明申し上げておりますとおり、いま調査を実施して、この調査がことしの秋くらいに完成する、こういうわけになっておるのでございます。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 いや、私はそういう調査をするのはけしからんということを言っているのじゃなくて、調査は調査としてぜひやってもらわなければならぬ。しかし、この調査にしても、いま大臣はこの秋だというのですね。この秋だということになると、来年の四十三年度予算編成には間に合わないでしょう。そうすると、四十三年度も何もしないということになるのですよ。そういうことになりませんか。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(坊秀男君) 予算の概算要求は例年八月三十一日までと、こういうことになっておりますけれども、しかし、それは原則でございまして、そこで、今度の四十二年度の予算におきましても、政策的なものについては八月三十一日以後にも相当要求せられたということもございまして、例年それは初めからこれはさまっておるというものは大体において八月三十一日を原則としておりますけれども、私は、この秋に調査判明いたしまして、そうしてこれに対して何らかの措置に出なければならない、こういうふうにきまりますれば、三十一日限りこれはもう締め切りだからシャットアウトというようなことにならない問題だと思っております。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 そこで私は一番最初に聞いたのです。在外財産なんかの場合にはあれだけの圧力団体があるからそういうこともできるのかもしれませんけれども、しかも、塚原長官はきのう予算委員会で、これでもって全部戦後処理は終わりにしたいのだ、こういうことも言っておられるのですね。そういうことになると、これは厚生省、早くこの調査の結果についても、私どもそれを聞いてみないと、はたしてどうなのかわかりませんが、しかし、ほんとうに援護をしたい、援護の強化をはかるという方針に立てば、私は、四十三年度といわず、四十二年度のこの中でも厚生省は積極的に予算要求をして、あるいは、たとえば審議会をつくって具体的な援護強化のための法案の審議をするとか、そういうやはり手だてを早急にやるべきじゃないか、こういうふうに思うのです。ところが、それがやられなくて、とにかく秋までに集計を出したい、こういうことは、もうどうも厚生省は一般の戦争犠牲者と同じように原爆被爆者の問題も見て、そうして生活のほうはもう生活保護にまかせればいいのだ、ただ、病気の者だけ健康診断をしたり治療してやればいいのだ、こういうことでこの原子爆弾の被爆者の問題は片をつけようというふうに考えておるのではないかと私は思うのですけれども、その点はいかがですか。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(坊秀男君) いまおっしゃられたような病人の入院、あるいは通院といったようなものでこれは片がつくというふうに考えておりますれば、私はこの実態の調査というものをいま懸命にやっておりますけれども、これは何らかのことを考えなければならないというふうな前提に立っての実態調査であるということをひとつ御理解を願いたいと思います。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 そういうことであれば、昨年一年間、広島の原爆病の五十五人も死んでおるというこの現実の上に立てば、なぜ五十五人の者が死んだのかというようなそういう調査も、私は、一般調査とは別に、もっとあらゆる面から健康、生活、それから基本的な調査、こういう三つの調査項目がありますけれども、そういうものも含んだと申しますか、そういうものも加味して、特別にこういう人たち、実際にこのわかっておる人たちについては積極的に調査をして、早期に援護策を立てていくということがなぜやられないかと、私は非常に納得できないのです、その辺が、ほんとうに厚生省がやる気なら。一般調査の結果を待って、しかも、ことしの秋だというのですよね。これは調査は四十年の十一月現在で実施したのじゃないですか。

中原龍之助厚生省公衆衛生局長

○政府委員(中原龍之助君) 調査は四十年の十一月に始めたわけでございます。現在はそれの調査票が集まりまして、それを全部集計をしておる最中でございます。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 四十年の十一月一日現在で調査をして、その集計がことしの秋にならないと出てこない、こういうことでしょう。その間にいま言ったような犠牲者が出ている、このことをどういうふうに考えておられるのか、私ははっきりお答え願いたいと思うのです。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(坊秀男君) 五十数名の死亡者を出したということは非常に私もお気の毒であり、また、遺憾である、かように考えますが、しかし、そういうふうに病気でなくなられていくというような事態がございますので、そこで、もう何よりも、いち早くこの医療についての措置を今日まで講じてきておる、こういうことでございます。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 どうも私の質問している内容がよく理解されておらないと思うのですよ。いままで原爆被爆者が過去何年間か、長い間にわたって、国会に対し、政府に対し、陳情してきたことは、単に医療の問題だけではなくて、生活面までも含んだ援護策というものをこの際樹立をしてもらいたい、こういうことですよ。ですから、医療だけの問題で十分に治療を受けられるような体制がないからそういうような要求が出てくると思うのですよ。ですから、やはり安心して治療できるような、安心して通院できるようなそういうやはり援護策というものを政府は当然考えなくちゃいけないわけです。それが私どもの決議としてもうたわれている内容です。そのことがいままで放置されておる、そこに現実に先ほど言ったような悲劇が毎年毎年起きておる、こういうことになっているわけです。  そこで、厚生大臣はこのことは御承知ですか。三月十一日に原爆被害者の現在の医療法に生活保障を加えるべきだ、こういう要求を平和アピール七人委員会を中心とした学者、文化人グループが厚生大臣と会って要請していると思うんですけれども、このことは御承知で、大臣としてはどういうふうにお考えですか。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(坊秀男君) 確かに学者グループの方とは私はお目にかかりまして、学者グループからの要請をお聞きいたしました。そのときもお答え申し上げましたのは、とりあえず医療についてはやっておるけれども、一般の援護ということについては、厚生省としてはただいま実態の調査をやっておるのだ、その結果に基づきまして何らかのことを考えていかなければならない、こういうお答えを申し上げたことは私は記憶いたしております。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 それから、もう一つ、三月十六日に、これはやはり学者、文化人グループですが、佐藤総理に対して公開質問状を出していると思うんです。これは厚生大臣を通じて出していると思うんですが、この公開質問状に対する取り扱い、処置はどうなっておりますか。

中原龍之助厚生省公衆衛生局長

○政府委員(中原龍之助君) 佐藤総理に対する公開質問状が出ておりますが、これに対しましては、医療法の完全実施につきましては、医療及び健康診断等につきまして、今後ともできるだけ充実をはかっていくということでございます。  それから、原爆被爆者の中には、分類といたしまして、一般被爆者、特別被爆者、それから認定患者というのが中にございますが、その認定の範囲の拡大というものは、現在審議会におきまして、その審議会の考え方によりましていろいろ異なっているわけでございますが、現在のところ、これを特に広げていくというような科学的根拠といいますか、そういうものがはっきりいたしておりませんので、これにつきましてはなお今後検討いたしていくという形になっております。  それから、認定患者の大部分が居住しておるところの広島あるいは長崎県に専門的な医療機関である原爆病院がございます。したがいまして、この両県につきましては専門病院がいろいろございます。しかし、両県以外の都道府県というものにつきましては、指定医療機関というものを活用して現在までやっております。その指定医療機関によりまして医療の給付というものに現在は支障を来たしておりません。したがいまして、また、国立の原爆病院というものの設置というものも、ほうぼうに別につくるわけにもいきませんし、現在は考えておらないわけでございます。  それから、二番目に、被爆者の医療法の改正というものがございます。これは被爆者のいわゆる範囲拡大という問題が一つあるわけでございます。これにつきましては、特別被爆者の制度が、もっぱら放射線の影響による治癒能力の弱化ということに着目するものでございますので、現在含まれていない範囲の被爆者の放射線の影響等に対する科学的根拠、これについてはまだ乏しいので、これは今後とも慎重に扱っていきたいという形に考えております。  それから、次に、昭和二十一年度以降出生の被爆者の子供に対して、専門医による特別診断を行ない、被爆者手帳を交付せよというようなことが書いてございますが、現在までのところは、その当時胎児であった者につきましては被爆者というような形がとられております。そうして、その胎児でなかった、あとで生まれた子供につきましては、放射線の影響等に関する科学的根拠が乏しいので、専門医による特別診断というものにつきましては、現在のところはまだ考えておりません。これは今後の問題になるかと思いますけれども、現在のところは考えておりません。  それから、次に、沖縄在住の被爆者の問題がございます。この沖縄在住被爆者につきましては、現在本土と同様に、健康診断及び医療の給付というものが現に行なわれております。  それから、ビキニの水爆実験の被爆者をこの法律の対象者とせよというようなことがございます。これにつきましては別個の形で、いわゆる科学技術庁のほうの放射線医学研究所ですか、あちらのほうで健康診断というものが実際に行なわれて、そこで管理をされておるようなかっこうになっております。  それから、次は、四番目に、医療法による医療手当の所得制限というものを撤廃せよ、そうして手当を増額せよというようなことが書かれてございます。これの支給制限につきましては、この手当の性格から、できるだけ制限の緩和というようなこと、あるいは手当の増額ということには今後努力していきたい、こういうふうに考えております。  それから、次に、被爆者の健康診断について一般の検査項目を拡大せよ、そうして精密検査は人間ドック方式によってやれというような趣旨のことがございます。検査項目の拡大につきましては、今後学者の方々と相談をした上で慎重に検討していきたいと思っております。この精密検査につきましては、先ほど申しました人間ドック方式でございますが、これは現在行なっておる収容検査制度、こういうようなものの活用によりまして一そう充実を期したいというふうに考えております。  あとは、三番目に、被爆者の援護法の制定ということが書いてあるわけでございまして、これにつきましては、先ほど大臣からいろいろお答えになっているような状態でございます。  それから、四番目に、原爆症根治療法研究機関を設置せよというようなことがございます。これにつきましては、現在は広島、長崎につきましては、特にいわゆる原爆病院というものを設置しておりますので、そうしてそこにおきまして原爆被爆者の治療をしているわけでございます。したがいまして、その治療というものは当然に研究というものを伴ってくるし、ことに原爆症というものは新しい観点からいろいろその治療法に研究を加えていかなければなりませんので、これは当然に治療の中に研究が加わっていくというふうに考えております。また、その他広島大学、あるいは長崎大学、こういう方面には、いわゆる原爆被爆者に関する研究部門が設けられておるわけでございます。  以上でございます。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 それは文書で回答されたのですか。もし文書で回答されているとすれば、ひとつそれをあとで資料としていただきたいと思うのです。

中原龍之助厚生省公衆衛生局長

○政府委員(中原龍之助君) 現在まで、大体いま御質疑がありましたので、まあ私どもが考えていることを先生に申し上げたわけでございます。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 私は厚生省の考えを聞いているんじゃないですよ。佐藤総理に対する公開質問書でしょう。佐藤総理じきじきほんとうは回答しなくちゃいけないわけでしょう。佐藤総理がそういう回答をしたならば、それを資料としていただきたいと、こういうことを言ったわけで、厚生省のいまの考えを聞いているわけじゃない。それですから、初めにこの取り扱いはどうなっているのか、その処置をお聞きしたいと言ったのは、佐藤総理が回答したのか、何日にどういう回答をしたのか、そういうことをお聞きをしたがったわけですよ。

中原龍之助厚生省公衆衛生局長

○政府委員(中原龍之助君) それにつきましては、現在まだ検討中の段階でございます。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 そこで、三月の十六日にこういう大ぜいの方々が、新聞の報道によりますと三百五十七人にのぼる学者、芸術家、宗教家などの文化人が共同質問者となって、いま言われたような内容を中心として佐藤総理に質問しているわけです。で、それがいまなお今日、佐藤総理から何らの回答もないということも、私は、政府がこの原爆の被爆者の問題については、ほんとうに特別な被災者だという観点からの取り扱いと申しますか、そういう援護措置を考えていこうという気持ちが一つもないということのあらわれじゃないかと思いますね。在外財産の問題等は、これはもうきのうも予算委員会でやられていますけれども、去年あたりから強く要求されてきている問題ですが、自民党の中、政府の中でも、この問題については早急に何とかしなくちゃならぬとか、二千億、三千億、あるいは六千億に近い金を出そうとか、そういうことが論議をされているわけでしょう。にもかかわらず、このほんとうに生命の問題にかかわる原爆被爆者の問題についてはいまのような態度だということは、私は非常に片寄った戦後処理がなされているのではないかと、こういうふうに思うのですね。これは厚生省が所管ですから、厚生省が腰を上げない限り、非常に圧力団体にもならないかよわい団体ですよ、この被爆者の方々はね。ですから、在外財産のようなああいう運動ももちろんできませんよ。それをいいことにして、厚生省は、十月の、あるいは十一月の実態調査の結論が出るまで何にもしないんだということでは、私は厚生省としての責任は果たしておらないというふうに思うのですが、どうでしょうか。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(坊秀男君) 佐藤総理に対する質問に対しまして、今日までまだ質問者に対して御回答を申し上げてないということは、総理が御回答申し上げる以上は、これは責任を持ったはっきりとした御回答でなければならない。そういうようなことを考えますと、やっぱり調査というものによって、その結果によってはっきりとした御回答を申し上げる。厚生省何にもしていないんじゃないかというおしかりでございますけれども、何にもしていないのではない。非常にこの事態をほんとうにつかまえようと思いまして努力をいたしてその調査をやっておると、こういうわけでございます。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 何にもしていないのではなくて、調査をしているということですが、調査をしているだけでは具体的なこの施策をしているということにはならないと思いますね。要求していることは、あるいは援護決議は、あくまでも援護の強化、生活の安定に役立つような施策をしろ、こういうことなんですから、そのための具体的なやっぱり方針というものが早期に立てられなくちゃならぬわけですけれども、いま言ったように、調査の結果が出るのは十一月、そういうことになると、これはどうも来年度の予算で、もうまくいって審議会をつくって、これでこれから援護の内容をどうしようか、まあこういうような検討を今度はすると、こういうような年に来年度はなるのじゃないかと私は思うのですけれどもね。その間にはどんどんこの被爆者が生命を失っていく、こういうことを考えると、私は、なぜこの国会に積極的にこの援護の方針が出されなかったか。具体的なその援護法というものが提案をされないまでも、私は、ある程度この十一月なら十一月には出るのですから、いま厚生省が言うように、一歩譲ってそれを認めても、そうすれば、この国会に審議会の設置ぐらいの予算を計上するとか、あるいはそういう審議会設置の具体的な提案をして、そうして調査と並行して具体的な援護の内容について検討をし、四十三年度にはもう援護法が提案をされると、こういうようなやっぱり前向きの厚生省のこの被爆者に対する処置というものがなされてしかるべきだと私は思うのですね。これはあれですか、調査の結果、必要ないと思えばやらないということですか。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(坊秀男君) まあ私、調査をするということは、これは初めからもう何ら必要ないのだということだと私は調査も何もしないと思います。調査をするということは、何らかの措置を講じなければならないというようなことを踏んまえまして、それで調査をしておる。で、その調査の結果、それはもう必ずどうということは、これはいまはっきりとは申しませんけれども、いやしくも調査をするということは、これは何らかのことを考えなければならぬと考えるから調査をしておるのでございまして、そんなら調査の結果一〇〇%これやらにゃ——調査というものは私はそういうものだと思いますけれども、百分の一か、あるいは何分の一になるか知りませんけれども、そんなことを申し上げるとおしかりを受けるかもしれませんけれども、調査というものはそういう性質のものであって、これは何かやろう、そのための調査である。しかし、その調査の結果、おそらくこの原爆等につきましてはそういうことにならぬように私は思いますけれども、事、志と違うというような結果も、プロバビリティー、公算きわめて少ないにしても、それはあるいはあるかもしれない。おそらくそういうようなことはないと私は思いますけれども、調査というものはそういうものだと思います。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 基本調査の概要を見てみますと、この年齢別の被爆者の実態を見ますと、三十五歳から三十九歳の者が最も多いんですね。三十五歳から三十九歳というとほんとうに働き盛りで、しかも、一家の中心ですよ。こういう人たちが原爆症によって将来の不安を持ちつつ生活をしなきゃならぬ。しかも、この調査によりましても、仕事を希望した場合に差別を受けたことがあると、こう答えたものが六千三人いる、あるいは結婚の問題についてもやはり差別を受けたことがあるというようなことを答えたものが七千百九十三人もいると、こういう結果が出ているわけですよ。したがって、私は、あとの健康状態、あるいは生活状況の調査の結果を待たなくても、一人でもこういうことの人がないようにするためには、もうこの国会では具体的に援護内容を検討するようなそういう機関をつくるようなところまで、厚生省としては、大蔵省なり、あるいは閣議の中で要求をしていくということが当然ではないかと思うんですがね。基本調査によってそれじゃ一体具体的に厚生省はどういうようなことを考えておるわけですか。生活調査、健康調査が出なければ、調査の結果を待たなければ何もしないんだ、手をつけないんだということでは、私はおかしいと思うんですよ、基本調査の結果は出ているんですから。したがって、基本調査の結果の内容によっていますぐ手を打たなければならない問題が私はあるはずだと思うんです。それはないんですか。

中原龍之助厚生省公衆衛生局長

○政府委員(中原龍之助君) 基本調査は、先ほど先生からお話がありました原爆被爆者の全体の数、あるいは年齢別の構成であるとか被爆の状況であるとか、あるいは健康診断の受診状況、それから就業の状況、それから就業についての差別、それから配偶関係、結婚についての差別、これをとりあえずまとまったものをここで一応概要を発表したのでございます。このほかにもまだございます。で、この基本調査は、このものと、それから、次いで行なわれたところの生活調査、それから健康調査、こういうものがございますから、これがどういうふうにこの結果が出たものが総合的に組み合わされて、どういうふうな判断をするかというのが一つの問題であるわけでございます。したがって、これからいろいろと実際上必要な結論を出していくためには、この三つのものをやはり総合的に判定をしていくということが必要であろうということで、私どもまあ結局三つが出ましたときに、それが全体の会議にかけられまして、それが一つまとまるというかっこうになる。そこで初めて具体的な対策をそれについてはどうするかという問題がいま論議をされるというふうに私どもは考えておるのでございます。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 お役所仕事ですから、非常に私らの考えとはなかなかかみ合わない点があるような気がいたします。ただ、私は、いまなお就職をする場合に差別を受けると、そういう人がいるんだという現実があるならば、私は、厚生省は労働省に対して、あるいは他の省に対して、あるいは官庁機構に対して、こういう原爆被爆者に対するそういう差別をするのはおかしいから、そういう人は特に優先的に就職をさせるとか、そういうようなやっぱり話し合いというのかね、そういうことが話題になってもいいんじゃないですか、閣議の中、あるいはその他の次官会議の中でも。それをやっておられるようなことを全然聞いてないですよ。一方では、あなた、三年もたつ中で——四十年の十一月ですから、一年半、二年近くになるのですけれども、その調査の中でとうとい生命がそこなわれている、あるいは結婚もできないでいる、あるいは就職もできないでいる、そういう人がたくさんおるにもかかわらず、十一月まで待たなければ何も手をつけないのだと、私は、どうもこの原爆被爆者に対する思いやりというものがほんとうに欠けているような気がするのですね。これはもういま始まったことじゃないのですから、もう数年前、というよりも、原爆を受けたときからもう問題のことなんですから、もっと厚生省は、あるいは政府は積極的に取り組んでいただく、こういうことでなければいけないと思うのです。まあきょうはどうも時間がないのと同時に、どうも厚生省の考え方、あるいは熱意というものが少しもくみ取れないわけです。したがって、非常に私は残念でしょうがないのですけれども、まあいずれまたそういう論議をする機会があろうかと思いますので、私の質問は終わりますけれども、どうかひとつ十一月というようなことでなしに、早急に具体的な援護についての検討を始めていく、こういう姿勢をひとつとってもらうことを要求して終わりたいと思います。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 関連して二点だけ質問させていただきます。  先ほどから、調査がされて、まだ医療調査は出てない、生活調査は出てないというわけでありますが、柳岡委員からも言われたように、非常にいま原爆の障害で倒れている人、また、なくなっている人がたくさんあるという実態である。同時に、また、私は、現在私の家にも二人ほど被爆をされた人を使っているわけであります。これはやはりもう十分明らかになっていることであって、調査の結果ではない。もう待つ必要はないと思うのでありますが、やはりこの血液に及ぼされた大きい影響というものはなかなか復帰しないものであります。だからして、働きながらも三分の一なり、あるいは、また、時には半分ぐらいの日数において療養を続けて働いていくという人もあるわけです。現に私のところにおるのも、規定の八時間の勤務にたえられない。非常に疲労しやすくて、そして、またいろいろなかぜを引いたり腸をこわしたりという、ほかのほうの症状を起こして、それがやはりみなそうした被爆のためのからだに対する障害が影響しているわけであります。こういう実例をいつも見ておるわけでありますし、また、医者としてわれわれもたくさん患者を見ておって、これは府に対し、あるいは県に対してこれを報告しているわけでありますが、そういうものの集計もたくさん集まっていると思います。だから、そういうことについてのデータをひとつもう少し、何と申しますか、その医療調査の中では出てくると思いますけれども、いまもう報告しているものの集計があるはずでありますから、そういうものもひとつデータとしていただきたいと思いますし、同時に、私は、こうしていまの話を聞いておりますと、話のかみ合いのしないところは、ただ単にこの病気は援護の医療によって処置をしていくのだ、そういうようなことで割り切っているところに非常に問題があるわけでありまして、私は、ほんとうにこの原爆によって被害を与えた責任というものをもう少し考えなきゃならぬ。特に、ただ単に、いまの話を聞いておると、一般の障害、いわゆる一般の爆撃によって受けた障害で困っている人もあるのじゃないか、同じようなことだと考えておるのは、私は非常に性質が違うと思われるわけであります。特にその問題に対してもそうでありましょうけれども、私は、その被爆者が実際において生活能力がなくなるまでになっておるし、そういう状態に対して国が責任を持たなければならない。特にこの戦争に追い込んだ責任、しかも、そして被爆を受けて犠牲になった責任というものは明らかになっていない。私はそういうところにこの援護というものの根本的な精神が十分に前向きに出てこない原因ではなかろうかと思うわけであります。これはいまごろ二十年もたって、この間にもどんどん死んでいく間において、もっともっと私はやるべきであると同時に、このようにしていろいろな学者のグループから、あるいは、また、いま論議のありましたように、いろいろな方面からも政府に対しての責任の追及もあるわけであります。また、判決の上においてもそれが出ているわけでありまして、そういう観点から言えば、私は援護を第一に持っていくということが必要である。いまのかみ合わないような答弁を聞いておりまして、私は実に、医者の立場からも、何と申しますか、非常にふんまんを感ずるわけです。ことに医者の側からこれを見ていまして、そのような大きなハンディキャップを受けてまで、先ほど山下委員からもおっしゃいましたように、非常に苦しい状態になっておるものを調査調査と言っているのは絶対に間違いだと思います。私は、そういう観点からも、絶対にこれを早く軌道に乗せて、在外財産の問題云々よりも以前にこんなことは十分に処理さるべきが、担当者であるところの厚生省としてはとるべき重大な任務じゃないかと思うわけです。これをいいかげんにしちゃったならば、私は、人道上の問題であるし、人権上の問題であるし、非常に嘆かわしく思うわけであります。そういうことから、私は、実態調査なるものの集計というものは、もっともっと要点だけは早く出して、これを十一月云々と言っているのじゃなく、すぐやってもらいたい。そこで、おもにその調査の結果を集計するのに、最終の結論を出されるまでの間に十一月までを要するかもわからぬが、その内容はわかっている、おも立ったところは。ですから、そういうところをつかまえて、いま柳岡委員が言われたように、早くそれに対する手当てをするような方法を検討していただきたい。特に私は、この原爆の問題について、先ほど話がありましたように、長崎とか広島の大学にはその調査機関を設けていると言っておりますけれども、私は、この原爆の問題に対しての治療の面に対しての研究に対しては、もっと大きく援助をしなければこれは非常にいけない問題だと思います。研究の範囲も非常に幅も広いし、いろいろな研究過程があると思いますので、これに対しての国からの援助というものがもっと大きくされなければならないと思うのでありますが、そういう観点はどうなっておるのか。それから、また、そこの研究機関から発表されているところの調査は、いま厚生省はどれくらい把握をしておられるか。それから、また、研究の方向はどこまでいっているかというようなことがわかっておれば知らしていただきたいと思います。

中原龍之助厚生省公衆衛生局長

○政府委員(中原龍之助君) 原爆症についての研究につきましては、毎年一回ずつ大体その方面の学者が集まりまして自分の研究した結果を発表するようなやり方をとっております。しかし、その集計したものにつきましては、いま私の手元にはございません。特に去年かおととし、まあいままでの研究を総合的に発表をして、それをとりまとめようということで印刷にしようというようなことがその方面の学者の中にございます。したがって、それがもしも手に入るようでございますれば先生のところにお届けをいたしたいと、こういうふうに考えております。

藤田藤太郎日本社会党

○理事(藤田藤太郎君) 厚生大臣いいですか、根本の考え方について質問があったように思うのでありますが。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(坊秀男君) すみやかに援護に踏み切れと、こういうお話のようであったかと思いますが、先ほどからも繰り返し申し上げて、何回も同じことを言うなというてしかられるかもしれませんけれども、その援護の問題につきましては、調査を総合的にとりまとめまして、そこで検討をいたしたいと、かように考えております。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 調査調査と、先ほどから同じことばかり聞いているのですが、そうじゃなくて、私は考え方をただしているわけです。結局は、単に病気だと、あるいは、また、ほかの爆撃と同じように、戦争によっての被爆者であるということで、単なる病気とか障害だけじゃないのだと、私は、もっといま被爆者になっている人に対して非常に大きな特別な、何といいますか、そのことによっての大きな痛手を受けさせておる。こういうことの責任は、ただ単に、軽く一般のものとして、たとえばほかにもたくさんあるでしょう、あなたがおっしゃっているとおり、爆撃によっていま非常にかたわになっている人もあるだろうし、また、家を失った人もあるだろう、いろいろあるでありましょうけれども、そういう問題と違って、もっともっと根本的な精神的な与え方、あるいはその責任というものはほんとうに原爆にあるわけですから、そういうことを考えたならば、援護というものは調査によってではなくて、受けた人が現に死につつあるのですよ。結婚に対してもハンディキャップを受けているわけです。就職に対しても、私が事務に使っている人も半分しか使えなくなっているわけです。こういうものに対しての援護というものはもっと積極的なものがあると、そういうふうに私は考える。その根本的な考え方を、ただ単に、いろいろな調査によってその結果から考えるということではなくて、現実にあるものの責任はもっと明確にする必要があると思う。その考え方をただしているのです。その考え方に対して、もう少し明確に答えてもらいたい。調査をしてからするということではないと思う。別個の問題だと思う。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(坊秀男君) 原爆によって被災された、原爆というものはまことに悲惨なものでございまして、非常に原爆によってからだの障害を、たとえば放射能で、からだは外見はどうということはなくても、内部に放射能の影響を受けておるといったような特異性、もちろんこれはあると思います。  ところで、私は、その原爆を受けてそういったような障害を受けられた方と、原爆ではない爆弾によりまして非常にまたからだがかたわになったというような方も、これはいずれも国がまことに無謀なる戦争をやりまして、そうしてそういったような犠牲者になられた方々なんでありますが、その個人個人の心理の状態というものを考えてみますと、確かに原爆は非情なものであった。ただ、その個人が受けられた障害でございますね、これはその個人にとっては、その場合原爆ではなかった、普通の爆弾の破片であり、また、焼夷弾であったといったような、そういうような攻撃によって障害を受けたという方も、これはやっぱり私は、その個人の気持ちになってみますれば、いずれもこれは無謀な戦争を引き起こした国に責任があるのじゃないかというふうにお考えになると私は思うのです。  そこで、そういったような人たちのことも考えてみまして、それで私は、先ほど来いろいろお話がございましたが、これによって戦争の犠牲というものは終わってしまったとか何とかということではなしに、そういったようないろいろな意味の障害のことを申しましたけれども、その障害以外にも、あるいは国のそういったような無謀なことによって犠牲を受けられた方もあると思う。そういうようなことにつきまして、これは国といたしましては、どうしたって何らか考えていかなければならない。そこで、原爆被災については、特にこれを重要視いたしましていま調査をやっておると、こういうわけでございます。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 いや、その調査は当然それはやらなければならぬことは、ぼくはどちらもせにゃならぬと思うのですよ。ただ、調査をせなければならぬというのとどういう組み合わせがあるのですか。当然もっと早くやってあたりまえじゃないですか。調査をした上でやらなければならぬということにはならない。私がいま言っているのは、こうして倒れていく人がいまあるのだ、あるいは現在の医学の立場では、それをなおし切るということはできない状態です。そこまでいっていないはずなんですよ。そうしたら、被爆者が受けた限度によってある程度のハンディキャップを受けてしまって、どうしても差があるわけです。これに対しては養生をしながら、また、そうしていかなければならぬ現状にあるのだから、私は、調査云々というよりも、もう当然せなければならぬ状態ではないかということを言っているのです。もう一。へん繰り返して言いますがね、私は調査云々は、もちろんしてもらうことはいいんです。それは何も反対はしてない。けれども、もう現実に出ておるわけです、先ほど柳岡委員からも言われたように。だから、それに対しての取り組み方が、調査をしてからだということにはならないのだ。すぐおやりなさいということに対して、なぜ意見をはっきり言ってもらえないか。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(坊秀男君) だから援護をやろう、何らかの措置をやろうということで調査をやっておる。しかしながら、非常に原爆被災者というものはほかの方と違って、目に見えない障害も受けておる、それで病気になっていらっしゃる。そこで、ほかの被災者とは別に扱いまして、そうしてそれは御満足ではないかもしれませんけれども、ともかく医療だと、そんな調査も、何も結果に基づくとか何とかということでなしに医療を先行しておる、こういうことでございます。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 医療だけで事が片づけば問題じゃないんですよ。私は、先ほど柳岡委員から言われましたが、医療のほうは医療保護でやる、生活のほうは生活保護でかけてやるといっても、私は実際問題としてできていないということを言っているのです。たとえば働いても生活保護にかかるような状態の人でも生活保護にかかっていませんよ、給料をもらっておっても半分しか働けない現実があるわけですね。そうしたら養生もしなければならぬ現実があるわけですね。私は、やっぱりそういう人に対しては援護の手を差し伸べて、ある以上の援護をしてやるということの必要があるから、次の援護のほうに早く踏み切ってもらいたい、こういうことが根本的にあるわけですが、そういうことがなぜ考えられないか。調査調査と言わなくても、もう現実には基礎調査は出ているわけだし、そういうことがどんどん現実としてあらわれているわけですね。だから私はいま申している各都道府県に届けているのです、治療してこうだということは。それも私は考えているのに、全部出されていないわけです。医者に見てもらっておる人が、必ずしもその結果を全部報告されてないような面はたくさんあると思います。ほかの病気でかかったことになって、そしてそれが原因は原爆を受けているためにそういう病気にかかりやすくなったけれども、その病気だけとして取り扱われている場合には、それが報告の対象になってない場合がたくさんあると思いますけれども、しかし、いま報告されておる分だけ見たらそれがはっきりと出てくるのじゃなかろうか。だから、私は、そういうことに対して踏み切るのに調査はもちろん必要でありましょうけれども、もっと明確にするための調査はしてもらってもいいが、もういま基礎調査のできておる段階で早く踏み切ってその援護の立法措置をする、援護をするというところで、もう少しいまおっしゃったような審議会を踏み出すとか、あるいは、また、次の国会に対しては、予算に対しては予算をどういうふうに組んでいこうというふうにするとか何とか、そういう調査なり審議会なり、あるいは、また、そうした方向づけをはっきりと大臣は持っていただけぬのかと私は思うわけです。ただ十一月の調査にこだわる必要はないと思っていま反論しているわけですが、いかがですか。

藤田藤太郎日本社会党

○理事(藤田藤太郎君) ちょっと私からいまの質問者の気持ちを申し上げたいと思います。  昭和三十九年に、参議院は、全会一致で援護措置をしなさいという院の決議をしているわけですね。それが二月ですから、もう三年半もたつわけです。そこで、いま大臣のおっしゃったことをずっと私聞いておりまして、あなたは、原爆でいま医療を受けておる人は病気だから、病気の手当てをしておけばいいんだ、こういうおっしゃり方を前段しておいでになる。それから、その次には、戦災を受けた人はたくさんあるから、三年半もたった今日、それと見合って対策を立てなきゃいかぬ、ほかのものとも見合って、その人は気の毒じゃないかという議論をおしゃる。そうすると、戦後二十年もたっているのに、その方に対して何ら手当てをしてなかった。原爆の問題が出てきてから初めてほかの戦傷者というか、まあ爆撃やその他で受けた傷の人まで一緒にやらなければいかぬから云々ということをおっしゃるから、そこで、どうも原爆援護というのは、単なる病気なのか、あるいは原因があって病気になるのでしょうけれども、その原因は、原爆を受けて傷を受けて、それがまた白血球や何かの問題になって、いま大橋委員の言われているように、働けない状況がたくさん出ている。院の決議までしているのに、まだなぜ原爆援護法をもっと積極的にやらないのか、そういう決意というものをなぜここで言えないのかという話になってくると、根が病気だから病気の援護をしているんだから、やるとなってくると、ほかの傷ついた人も一緒に考えなければいかぬということになってくると、原爆援護というものの基礎がぼけるからどうなのかということを何回も質疑されていると私は思うのです。そこらはやはり院で決議してきちっとしているのです。だから、原爆被爆者の問題をどうするということを、単に調査調査の問題じゃなしに、はっきりできないかということを何回もおっしゃっておると思うが、そこのところは少しもはっきりしていないのじゃないか、そういうぐあいに私は思うのだけれども、ひとつあなたも聞いておいでになるのだから、はっきり答えていただきたいと思います。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(坊秀男君) 院の決議もございますので、そこで、その院の決議というものをどういうふうに国として実現していこうか。それを実現していくためには、また、実態の把握ということは、院の決議があるから、何とかしてこれを実現していこう、こういう前提に立ってやっているということを御理解願いたいのでございます。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 だから、それはよくわかったのですよ。気持ちがあってやっておられることはわかったのだけれども、ぼくは来年にも間に合うような具体的な進め方がないからということを言っている。それから、必ずしも調査にかかわらず、いま何とか早くそれを進めるように話を進めますということを言ってもらいたいわけです。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(坊秀男君) そういうこともありまするので、鋭意調査を進めておる、こういうわけでございまして、だから、もうやりかけておる調査をほっといてやる、こういう……。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 やったらいい。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(坊秀男君) それとは別に、並行してやれとおっしゃられるが、われわれとしては、ほんとうにその実態というものをつかまえた上においてはっきりとした対策を立てたい、こういうことでございます。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 同僚議員から微に入り細にうがっての御質問でございまして、私言うことないのですけれども、どうも大臣の答弁を聞いていると、ちょっと一言したくなったのです。私どもは軍人恩給と援護法のできるときに、広島、長崎の原爆犠牲者も含んだ戦争犠牲者補償法とやるべきではないかという論議をいたしました。ところが、そのとき、いまあなたがおっしゃるように、原爆だけが戦争犠牲ではないので、ほかにも傷ついた人もいるんだから、だからそれも加えて検討しなければならないのでと逃げられちゃって、それから何年たっている。いま御答弁を聞いておりますと、そのときと同じようなことを言っている。大臣は原爆のことを御承知ないのじゃないでしょうか。原爆被災者の問題は、日本国内の問題だけではなくて、いまや国際的な注目の的になっているんです。初めての原爆を投下されて、初めて被災した広島、長崎の人なんですよ。私この間、婦人の集まりで広島に参りました。いつも来る人が見えないので、どうしたと聞いたら、突然十日ばかり前に容体が悪くなって入院したのだ、それまで元気で働いていた、びっくりして病院に見舞いに参りました。これがあの人かと思うくらい頭の毛が抜けちゃって、その容体は見るに忍びない状態、みんなとはかって、毛糸で帽子を編みまして入って行ったけれども、見分けがつかないのです。半月ばかり前に会ったときと、入院されて十日目に見に行ったときには全然容貌が変わっちゃっているんです。いっそういうことにかかるかわからない不安な思いをしながら、なお生活のために働かなければならない。そうして正当な就職口を与えられないので、原爆症ということを隠して、不安におびえながら働いているんですよ。そういう人たちが毎年毎年死んでいるじゃありませんか。いつ質問しても厚生省当局の答弁は同じことを言う。あまりにも人命軽視というか、人権を無視したやり方だと思います。だから、いま柳岡さんや大橋さんの言われるのは、調査の結論はそれとして、すでに調査の結果があらわれている。こうした問題、就職の問題、生活の援護、こういうものは当然やってしかるべきじゃないか、厚生省がそれをやるべき責任があるのじゃないか、こういうところにあるわけでございますが、あなたのほうは調査ができなければできない。調査でも結論が出ている問題でさえも延ばしておるということになると、どこかに気がねしているんじゃないか、こういう勘ぐりもしたくなるわけです。あなたの身近な方々がそうなったらどうしますか。いても立ってもいられない。自分の命の細るのがわかりながら無理して働いておる。しかも、病気ということを話せば首になる、こういう人がたくさんあることをお考えになって、もっとはっきりした答弁と対策を私は要望してやまないわけであります。もう一回御答弁が聞きたい。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(坊秀男君) どうも私の答弁ははっきりしろ、こういうお話でございますが、はっきりしておるように私は思っておるのでございます。その実態をよく把握して、その上で確固たる対策を立てたい、こういうことを申し上げておるのでございます。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 一点だけぼくは厚生大臣に御質問しておきますが、大臣は原爆病院を見られましたか。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(坊秀男君) 私は厚生省へ就職する前でございますが、広島へ参りまして見ました。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 それはいつごろですか。最近厚生大臣になられる前後からいままでに対してはどうですか。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(坊秀男君) 厚生大臣になってからはまだ参っておりません。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 見られたのはいつですか。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(坊秀男君) 二、三年前でございますか、はっきり記憶はございませんが。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 どうかひとつもう一回あの状態を見てもらって、そして私は、やはりその援護に対して積極的な気持ちをわかしていただきたいと思う。私も何度も行っています。何度も行っていますが、そこの中でほんとうに訴えていることを一ぺん聞いてやってください、厚生大臣という立場から。私はそれをお願いしておきます。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(坊秀男君) できるだけ私ももう一ぺん参りたいと思っております。

藤田藤太郎日本社会党

○理事(藤田藤太郎君) 速記をとめて。

藤田藤太郎日本社会党

○理事(藤田藤太郎君) 速記を起こして。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 厚生省に資料をちょっとお願いしたいのですが、母子保健法を実施して、その以後の状況ですね、どれだけの県で実施しているか、これをひとつ聞きたい。それから、ワクを拡大するというお話でございましたが、どの程度までワクを拡大されておるか。それから、生乳を支給しておるが、東京都のように、生乳では値段が折り合わないので粉乳にしておるところがあるのですが、それがどのくらいな状況にあるか。それから、また、牛乳が値上げその他ということになっていますが、単価はやはり相変わらず十五円でやっていらっしゃるかどうか。これらをちょっとお調べ願って御提出願いたい。  それから、妊産婦の死亡率、それから主たる原因、それから異常産の実態、それから心身障害児出生のパーセンテージ、これをお願いしたい。  それから、もう一つは、献血の状況がどうなっておるか。それから、このごろしきりに献血に対していろいろなことが流布されておりますが、それを知りたいのです。献血のパーセンテージがどのくらいになっておるか。それから、その配給の実情ですれ、献血をどういうルートでどこへ配給しておるか。どうもいろいろいわれておりますが、ベトナムへ送られておるのであるとか、あるいは、また、野戦病院へどんどん持っていかれておるというようなこともだいぶこのごろ激しくいわれておりますので、実態を知りたいと思う。  それから、もう一つ、私ちょっとうわさに聞いて残念だと思うので、その実情を知りたいのですが、廃液ですね、三週間たったらあれは使えなくなるわけですね。献血のその廃液を製薬等に流しております。廃液になったものを捨てるのじゃなくて、それをじん臓だとか肺炎だとかの薬にするのですね、これを。ところが、廃液で売り渡す値段のほうが輸血に使う値段よりも高くなっておる。だから、むしろ廃液で流したほうがもうかるのだというようなことをいわれておりますが、その廃液に流しておる価格、これをひとつ資料として御提出願いたい、重大な問題だと思いますので。近くお願いいたします。

藤田藤太郎日本社会党

○理事(藤田藤太郎君) よろしゅうございますか、厚生省。

城戸謙次厚生大臣官房総務課長

○説明員(城戸謙次君) 早急に提出いたします。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 なるべくすみやかに出していただきたい。

藤田藤太郎日本社会党

○理事(藤田藤太郎君) 他に御発言もなければ、本日の質疑はこの程度にとどめておきます。御異議ございませんか。

藤田藤太郎日本社会党

○理事(藤田藤太郎君) 御異議ないと認め、本日はこれにて散会いたします。    午後零時二十七分散会      —————・—————

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