建設委員会 第4号
- 発言数
- 46 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1967/04/18
会議録
○委員長(松永忠二君) ただいまから建設委員会を開会いたします。 昭和四十二年度建設省関係、首都圏整備委員会、近畿圏整備本部、中部圏開発整備本部及び北海道開発庁の施策及び予算に関する件を議題といたします。 本件につき、ましては、すでに説明を聴取いたしておりますので、これより質疑を行ないます。 なお政府側からは、澁谷建設政務次官、鶴海建設大臣官房長、高橋会計課長、志村計画局長、竹内都市局長、古賀河川局長、蓑輪道路局長、三橋住宅局長、小場営繕局長、上田近畿圏整備本部次長、国宗中部圏開発整備本部次長、鮎川首都圏整備委員会事務局長、岩田首都圏整備委員会事務局計画第一部長、小熊北海道開発庁総務監理官、窪田北海道開発庁主幹が出席いたしております。 質疑のある方は、順次御発言願います。
○田中一君 最初に都市局のほうに伺いますが、四十二年度予算のうち、この際、児童公園の整備、これに対する予算の裏づけと個々の計画の全貌、それから昨年度までの児童公園の新設というか、でき上がったものなどをちょっと総括的に伺いたいと思います。
○政府委員(竹内藤男君) お答えいたします。 四十二年度の児童公園は三億八千三百万でございまして、個所数にいたしまして六百九十六カ所を予定いたしております。前年度は国費にいたしまして二億五千九百万で、個所数にいたしまして四百八十カ所でございます。で、これは児童公園の場合は、大体単年度で事業が完成いたしますので、四百八十カ所、十分まだ確認はしておりませんけれども、おおむね四百八十カ所完成いたしておるというふうに考えております。
○田中一君 これはこの個所の配分は、都市と、都心とそれから都心を離れたところを分けてみると、どういう比率になっておるのですか。
○政府委員(竹内藤男君) ただいまの児童公園の、前年度の児童公園の配分のこまかい表を持っておりませんので、正確に都心と周辺部というふうに分ける数をお示しできませんけれども、総体的に申しますと、都市の中心部で児童公園をつくることは、だんだん困難になってきているという状態でございます。
○田中一君 都市公園法があり、いわゆる公害を訴えられる地域のいこいの場所としては、どうしても都心近くに、いわゆる密集地帯に都市公園をつくるのだということの前提で立法化されておるはずなんです。ところが、困難だという理由は、おそらく用地の取得のための困難さがあるのだろうと思いますけれども、ねらい方は、だからなおさら密集地帯には公園をつくらなければならないのだという前提で法律ができておるはずなんです。何キロ平米にはどのくらいの規模のものが一つとかあるいは二つとかというような計画はできておるが、後退している。困難だからできないというならば、これはもう法律改正しなさい。大体口では国民の体位の向上とか、あるいは美しいことばを並べるけれども、必要なところにつくろうという政府に意欲がない。だから地方公共団体も安易につく、こういうことじゃないかと思うのですよ。現在ネコの額のような小公園がたくさんあります、まだ都心にもあります。ところが、東京都の行政というものは、そういうものをつぶそうという考え方なんです。あなた、新聞で御承知だと思うけれども、どこかの組合かなんかの建物を公園にどかっと許可してつくらしているなんということも新聞に出ております。これは、政府がそういう指導をしないから、やはり地方行政担当の公共団体も必要のない——必要のないとまでは言わぬけれども、一番必要なところに、避けて通っていこうという傾向があるのです。私は記憶しておりますけれども、かって都市公園法を出すときに、まずモデルケースとして東京都は、どういう程度のものをどうつくるかということを質問したことがあります。そのときになかなか、非常に必要なところにはここにもつくるのだ、あそこにもつくるのだと言っておる。これは私有財産とはいいながら、芝公園というのは、それこそ姿もなくぶちこわしてしまっている。あれなんかでも都がそれを守ろうとすれば、国がそれを守ろうとすれば残されておるものなんです。で四十二年度の、この六百九十六カ所というものは、都心を離れた、比較的容易に建設できるような個所だけを選んでおるのですか、どこか都心は困難だといって、一番必要なところに困難だといって避けるということではなくて、あるいはどこかにそれこそモデルケースとして勇気を持って、東京でも、大阪でもよろしい、どこかにそういうものを求めようとして計画を立てているのかどうか聞きたい。
○政府委員(竹内藤男君) 四十二年度の六百九十六カ所の配分は、まだきめておりませんけれども、私どもといたしましても、田中先生の御意見に全く同じ気持ちでおります。でき得る限り都心に近いところに児童公園をつくっていきたい、こういうような考え方でやっております。したがいまして、四十二年度の児童公園の配分にあたっても、東京の都心部あるいは大阪の都心部に、できる限り余分に配分するようにしたいというふうに考えております。
○田中一君 これに関連するのですが、一般公園の整備、それから河川敷の緑地の整備、緑地の保全等の項目は掲げてあるけれども、一体私は、よく住宅公団なり都なりが指導してやる場合に、宅地造成する場合に、みんな木を切ってしまうのです。木を切ることが区画整理であり、都市計画であり、よい環境の、たとえば住宅地などということを言っている。これは都心にしても、警視庁周辺だって、道路の拡幅ということになると、やっぱり緑を切ってしまうのですね。緑を切ることが都市計画だというように印象づけている。これはいけないのです。一体この緑地保全というこの項目がある。緑地保全、これは在るほど首都圏整備法だったかにあるとおり緑地保全区域だと思うが、緑地をつくるというような意欲が一つも見えておらないのです。緑地をつくることなんです。公害その他があって、それこそ湘南道路にしても、あの辺のきれいな松林がみんな枯死しているのですよ。防風林がみんな枯死した、まっ赤に枯れています。都心には、まあ残念ながら、一つの木を植えた、枯れる、また植えてもいいと思うのですよ。これはもうだめだから、もう植えるのやめようということじゃ困るのです。それで積極的な緑地をつくるという意欲が全然失われている。ことに、予算上にもそのとおりですよ。予算上にも、予算の面から見たってそうなんです。やはり新しい緑地を生み出すという意欲がなければ、よい東京都になりませんし一よい都市にはならぬわけなんです。今度の四十二年度の予算に、どこかそういう地点をきめて緑化しようという考え方——年々歳々天皇皇后をお招きして各地方では緑化運動が行なわれておるのです。それは、年中行事とはいいながら、大がかりな、金をかけてやっておる。これは緑地であるところに、また木を植えようということなんです。まあ日本は領土も狭いのだから、別に都市国家という形の、東京都だけがよければいいのだということにはならぬけれども、しかし何といっても、この大都市の実情というものは、このままうっちゃっておけば、それこそ砂漠になります。いまでも砂漠なんです。それも人為的な原因で、しいて言うならば、高度の資本主義というものが、この都市を汚している。人間の住むことのできない都市に変えようとしている。これに対して、せめて都市局としては抵抗をして、都心に新しい緑地をつくるという意欲を生み出すことを主張することが、市民のあたたかい近代都市を生むもとなんです。何も出ていないのです、そういう意欲は。排気ガスがどうのこうの、排ガスや、それをなくするような自動車に対する施設ができるわけなんですよ。それは自動車産業に対してはそれはしない。野方図もなく車はどんどんいろんな新車、新車をつくらして、その中からリベートとして選挙資金を巻き上げているというような現状では、とてもじゃない、日本の都市というものは自滅します。そうして、やむを得ず遠くへ遠くへと逃避する。遠心的に遠くへ遠くへと逃避する。そこにまた新しい宅地造成を始めた。それをまた緑化というものを、緑化というか、緑を消していくんです。都市局長あたりが日本の公園というもの、日本の人間の持つところの生命力というものを伸ばそうという意欲を持つならば、まずこの砂漠の中に予算の面からいっても、大きく緑化しようという意図が組まれなければならぬと思う。何でも法律さえつくれば、それに従って金を分配しますという一たとえば特別保全地域の緑地を買わなければならぬことをきめましたから買わなければなりません、そういうことになる。私は、都市の緑化のために、これはもう地方公共団体並びに特別区なり、あるいはそれこそ町会なりに働きかけて、民主的な東京都を緑で包もうという運動がなければならぬと思う。そういうふうな予算上の配慮がどこかに出ておりますか。
○政府委員(竹内藤男君) 公園事業の中には、当然森林公園というようなものも含んでおりますし、公園自体が相当緑を持ったところでございますので、私どもといたしましては、公園と言っておりますけれども、これは施設としての公園緑地をつくる事業だというふうに考えて、公園事業を伸ばすということは予算折衝の段階でも全力をあげてきたつもりでございます。今年度も、ほかの事業に比較いたしまして相当高い伸び率を示しております。それから補助公園の中に実は森林公園を大いにつくろうということで、全国で十カ所、お金にいたしまして今年度は一億五千万ほどのお金で、全国に十カ所大きな森林公園をつくろうということを計画いたしておりまして、東京及び大阪においても、一カ所ずつ補助公園としてつくってまいりたいということを考えております。なお、それ以外の一般の公園につきましても、できる限り緑を多くする——施設よりもむしろ緑を多くするというような考え方で公園事業を進めるように指導してまいりたい、こういうふうに考えております。ただいまお尋ねの一般的な都市緑化運動の予算というようなものは、今度の予算では組んでおりません。
○田中一君 たとえば河川敷緑地の整備、これは何を言おうとしているのかわからぬけれども、かつての河野建設大臣は、あの多摩川の堤防に住宅群を建てようという計画をした。これはわれわれがうんと抵抗してつぶしちゃったけれどもね。また、あそこに外郭線の道路をつくる。それは道路はいいでしょう、また別の意味でね。しかし、それにはどこまでも緑地を保全するということ、緑地をつくることです。そこに初めて道路が生きてくるわけなんです。そういう意欲が全然ないということは、これはもう予算の面から見てもそうなんです。昨年は二億五千九百万か、ことしは三億八千三百万、この程度で何をしようというのか。これはどっちみち、いままでは少ない予算でやっておったのだから、そこまでの変革は求められないけれども、ほんとうに都市居住者の求めているのは、そういうところなんですよ。今度の百年祭で記念公園をつくるといったところが、かりに、それがそのままの姿であんまり金をかけずにできるとかりにしたところが、行くたびにどれだけの金がかかってどれだけの道路が整備されているかというのです。それを考えると、ただただ一つの計画を示して、実際それが都民のもの、あるいは国民のものになるまでには、またその対象というものはだめになってしまうぐらいな、ごまかしの、いつもごまかしの、いいえさを見せた計画だけにとどまる。われわれの毎日毎日生活しておるところの地域にまだあるのです。住宅公団の団地等にもですよ。それこそやたらに木を切らないで、逆に植樹をするというような方法を持たなければならぬと思うのです。私はこの中からひとつモデルケースとしてどこかの地域をきめて補助金を出して、そうして都民あるいは市民が一緒になって緑化をするというような地域を、今度のことしの予算の配分の上でおきめなさい。これはまあ都市局に言ってもしようがない。ちょうど大臣が来たから大臣に伺うのですが、砂漠化するところの都市というものですね、これに対して積極的な意欲をもって緑化する、緑地の保全なんというものはもうなまぬるいのです。これは古都保全法だ何だでもって押えております。しかし、実際の国民のほんとうの協力によって緑化するという意欲が、予算の面にも何もあらわれていないわけです。大臣の選挙区も、おそらくあの辺もだんだんだんだん山は荒れて宅地化されてくる。政治的な、あるいは近代化というものは、木を切ること、砂漠にすることだということにことばをかえてもいいくらいな、奔放な野放しのことをやっておるのです。これをとめるためにも、積極的に緑化しようという意図を、四十二年度予算のうちに示していただきたいと思うのです。
○国務大臣(西村英一君) いまのお尋ねでございますが、全く私も同感でございます。しかし現実の問題で、それでは建設省の来年の予算に一体どういうことになっておるかということでございましょうが、その辺は私はつまびらかにしませんが、都市が都民のほんとうのいこいの場所になるのはやはり積極的に緑化をするということです。私はまあ各地方に行きまして都市を見た場合に、やはりどうしても何といいますか、木のない都市、緑のない都市というものは、非常に私はさびしい気持ちでございます。したがいまして、今後とも十分いまの御質問の趣旨を体しまして緑化につとめたいと思います。この緑化保存もありますが、田中さんの質問は、緑化保存もさることながら、積極的に都市についての、あるいはいまどういうところでも宅地だといって山がどんどん切られておる。いわゆる赤肌を出しておるというのは、われわれ見ると、非常にさびしい気持ちがいたすのであります。全く同感でございまするから、このうち、どういうふうに予算の流用ができるかわかりませんが、できるだけ御趣旨に沿うてその方面に力を尽くしたいと、かように考えておる次第でございます。
○田中一君 都市計画法が今度提案されようとしているが、おそらく相当慎重にそれぞれの諮問機関等を通じて検討していると思うわけです。いまのこの都市計画法そのものは、科学的な技術的に置きかえればいいのだということでなくて、精神としてはこれは緑化ということが中心になった、やはり緑の町をつくるということが中心になった計画法でなければならぬ。ただ技術的なものではないのですよ。やはり一本背骨を入れていただきたいのです。都市計画というと、みんな道路はコンクリートにする。そうなると車が通る。また公害が生まれるというような悪循環になってくるのですね。もっといこいの場所というものを積極的につくるのだ、住みよい環境をつくるのだということが、都市計画の背骨にならなければいけない、ただ都市計画という手続法、技術法だけでなくて、そういうような問題はどこかに、精神規定でも何でもいい、そういうようなものが一つすぽっと入ることを考えておらぬかどうか、都市局長どうですか。
○政府委員(竹内藤男君) 都市計画法は、ただいま宅地審議会の答申を受けまして、事務的に検討している段階でございます。条文等はまだできておりませんから、今度の都市計画法の手続以外に具体的にどんな規定を盛り込むかということは、これからの作業である、こういうふうに考えております。
○田中一君 大臣どう思いますか、いまぼくが提案しているそれがどこに、どういう条文で入るかどうかわからぬが、少なくとも都市計画というものはよい環境の町づくりのはずなんです。悪い環境の町づくりをするための法律なんで要らないのです。よい環境をつくるための都市計画のはずなんです。だからその中には、やはり人間的な、人間の地域社会なんですから、人間が安心して住めるという一つの精神を入れなければならぬと思うのです。どうも国家、地方公務員というものは条文で縛られて、その範囲を逸脱でき雇い、そこに精神規定でも何でもいい、そうしたものを織り込むという意図はありませんか。織り込むというのは、どうも木に竹をついだようでおかしなものになるか、あるいは都市計画というものの大原則は、地域住民のしあわせのためにつくるのだということに徹するならば、もう少しよい町づくりができるのじゃないかと思うのです。そういうものは非常に欠けておるのです。私は新しくできる今度の都市計画新法というものが、どういう形で生まれるか非常に期待をしているわけです。地域住民のしあわせです。それがすなわち全都民の、全国民のしあわせにつながるものなんです。いま大臣の来る前に質問しておったのは、児童公園にしても、都市公園法というものは十年か十二、三年前につくったわけです。それで児童公園にしても困難だから、都心に先に必要だ、しかし困難だからやっておりませんということではだめだというのです。そういう答弁を局長はしておるわけです。これはまあ補助事業ですから、だから政府の指導というものがよろしきを得れば、困難を押し切ってもできるはずです。何でもかんでも功利的なものをつくっていいのだということじゃないと思う、私は新都市計画法にはその精神で織り込むことを要求するわけです。その点はどうですか。
○国務大臣(西村英一君) 今度の新しい都市計画法をいま検討いたしておりますが、その大目的は従来の都市計画法では、都市全般につきましてさばき切れないことが起こっておる。したがいまして大きい目的からいたしますれば、もっと広域的な範囲で土地の利用計画を立てたい。したがいまして、それを機会にいろいろな法律の改正をやるわけでありますが、大前提といたしましては、ただいまお話がございましたように、やはり住みよい気持ちのいい都市をつくるということでございますから、お話のあります緑化の問題等につきましても、ぜひこれは大原則にひとつうたいたいというふうに思っております。 それからもう一つは、従来からたびたび言われておりました都市の公園が非常に貧弱だと、これはもうたびたび皆さん方から指摘されることでございますが、やはりなかなか伸び悩んでおるわけでございます。事実でございます。したがいまして、この点につきましても、もう私たちとしては全く同感でございまして、できるだけ努力したいと、かように考えております。私は大体都市計画という——各市に行きましても言うのですが、都市計画というものはやはり地上を緑にすることであり、むしろ都市計画の重点は土地の下だと、その土地の下に結局気をつけないような市長はだめだということを私は言うのですが、地下に相当な施設を第一にすると、それから公園をふやす、緑の都市をつくるということを極力考えていきたいという精神は同じでございます。したがって、今度の都市計画法が改正になるような段階になりましたら、そういう大原則は必ずうたいたい、かように思っておる次第でございます。
○田中一君 あなたもよく御存じと思うけれども、どの外国に行っても、どの都市に行っても、緑化することが都市のあたりまえの姿なんです。ウクライナのキエフなんか行こうものなら、六〇何%が公園です。公園の中に市街がある、うちが。どの国に行ってもそうです。東京の姿をごらんなさい、これはどうも都市計画——新しい都市計画法が生まれるから私はあえて言うのです。そこにそうした精神をがっちり織り込んでもらわなければ、われわれは賛成しにくいと思うのです。 そこで竹内君、その問題を最後に伺うけれども、審議会にはいま私が質問するような問題をテーマとして諮問しているかどうか。
○政府委員(竹内藤男君) 宅地審議会に諮問いたしましたのは、主として都市地域における土地利用をどうするかという問題でございますが、あわせまして既成市街地の土地利用をどうするかという問題も諮問しておりまして、非常に大きな都市地域全体の土地利用をどういうふうに計画し、どういうふうにその中で開発をコントロールしていくかという問題が主体でございましたので、特に保存地域を設けるべきだという意見の中に、緑地の問題が出てまいります。それから既成市街地の中において、環境改善をはかるというような観点から緑地の問題が出ておる、その程度の触れ方で答申を受けております。
○田中一君 そうすると、いま大臣の答弁していることなどは、審議会の答申云々ではなくて、積極的にそうした精神を都市計画法に盛り込んでいこうという意図は明らかになったので、それは都市局長もいいですね、もっとも都市局長は技術屋ではないから、大体都市計画なんで、技術屋にやらしてはいけないです。土木屋は土木的都市計画、建築屋は建築的都市計画をやるのです。かえってあなたのような方がずばりやればできます。どうも都市計画というものはむずかしいものです。竹内君あたりがずばずばやったほうがいいかもしれない、大臣の意思を体して、補佐したまえ。 それから次に伺いたいのは、市街地開発事業は一体どうなっているか、今日までこれはあまり明らかになっておらぬけれども、それを報告していただきたい。
○政府委員(竹内藤男君) 市街地改造事業は、現在、全国十三地区で事業をやっておりまして、四十一年度は、この市街地改造事業のうち、公共事業としていたしておりますものは二十三億の事業費であります。そのほかに、四十一年度におきましては、地方債五十五億つけまして建築のほうの資金に充てております。
○田中一君 四十二年度はどうなっているのですか。
○政府委員(竹内藤男君) 四十二年度は、国費のほうが十九億四千一百万でございまして、前年度より二六%の増、それから地方債が五十五億、これは前年度と同額、こういうことになっております。新規に四十二年度は一カ所さらにふやしたい、こういうふうに考えております。
○田中一君 御承知のように、市街地改造事業は、買収によって行なうという精神のものじゃないことは明らかですね。その地区の改良、改造というか、あらゆる用地の権利義務を全部買ってしまって仕事をするのだというものじゃないわけですね。したがって、これらの四十一年度の実績からいって、これらがどういう形で行なわれたかということ、たとえば大阪の駅前の場合でも、なかなか地元の要求が種々雑多なものだから、どうにもならぬからもう買おうと、買ってやったというところまである。東京でもそういう例がある。しかしほんとうの考え方というものはそうじゃなくて、現存する諸権利の問題、まず優先的にそこに入れて、地代等の金の支払いをしない。金票で払ってまたその権利を与える。与えられた、再分配されたその権利というものを、それは売ろうが売るまいがこれは本人のものだからこれは自由だ。ところが、最近の傾向では、まず最初にめんどうだから買ってしまえというのが多いのです。たとえば新橋の一つの西口の例をとっても、あそこに井手何がしというとんでもないボスがいる。これは暴力団ですが、買ってくださいと、これは何にも持っていない。土地は地主が持っている。それにやはり含まれる借地権というものを、金をよこせと言って取っていこうとする。数十億になるのです。これは、あんなところでもってしがない飲み屋の商売をしている、そこから家賃を、かりに二坪か三坪持って、五万とか六万という家賃を取っている。数十億というものをぬれ手でアワで持っていく。不法占拠しているものが二十年たっている。そうなってくれば、逃げたい、そういう考え方でやろうとする。それは仕事が楽になるから、そういう形でやろうとする。そうなると、たいへんなコスト高になるわけですね。私は、もっと法律の本来の精神に戻ってやるという考えはできないだろうか。神戸の事業が非常にスムーズにうまくいっている。大成功している。下には商店が上には住宅を建てる。これは何かというと、これは市有地だという。神戸にあるのは市有地だからできる。非常に喜ばれている。ところが、私は、新橋の地区でも、この新橋の地主に向かって働きかければ地主はみんなオーケーします。地主はおそらくオーケーします、地主のほうは。ただ、あれは不法占拠して占用し、民法上の居住権がすでに設定されたという連中が不当な分配をもらっていこうというところに問題があるわけです。土地、家じゃないのです。むろん事業遂行をするには、この地上に存在する諸権利というもの、ふくそうした諸権利というもの、これは当然何らかの形で処理をしなければならぬ。改造法の考え方というものは、それらの紛争は紛争として再分配するのだという考えに立っているのです。事業の主体というものは、何も個人の賃貸契約や紛争にまで巻き込まれてやるべきものではない。ところがそこに常に不当な利益を、分配を受けようという者がいるから、まじめに営業している諸君と地主の間にはさまれて、何にも労せずしてとんでもない金を持っていこうという者が暴力を加え、圧力を加えながら事業の進行を妨げているのが現状なんです。本来の法律の精神に立ち返るならば、おそらく地主は賛成します。そうして新橋の一つの例で言うと、新橋のあれらのバラックまがいの家はみんな現在の居住者が自分でつくったものです。つくって新橋商事というところの株券にかえて、株にしてその権利を持って新橋商事という会社の建物に所有権が移っているわけです。そんなものは所有権の存在確認の訴訟を起こせば勝ちますよ、現在の居住者が。いま起こしている、その裁判は。それに事業主体というものは、仕事を何でも早くしたいという小役人根性が担当の課長なり部長なり持って、どうかつしたりなにかして力にくっついて常に混乱させているのが現状です。これは竹内君、市街地改造事業のほんとうのあり方というものはどういうものか。君が説明できなければぼくが教えてやるよ。君の姿勢をひとつ説明してくれ。
○政府委員(竹内藤男君) 市街地改造事業は、市街地改造法に基づいてやっているわけでございますが、これは御承知のように、一ぺん買収をいたしまして、そのかわりにお金じゃなくて建物であげよう、建物の床を給付しよう、こういう考え方でございますので、一ぺん買収はするわけであります。そうしておいてそのかわりにその建物を与える、権利を与える、こういう形になっております。それで相当な市街地改造事業をやりますところは、地価の高いようなところが多うございますので、各権利の評価が適正な評価をいたしましても、相当な価格になります。そのためにお金をもらって、そこでまた再び商売なり生活なりをするよりも外へ行ったほうがいいという人が相当出てくるわけであります。したがいまして、その場所に住まなくなって外へお金を持っただけで出て行くという人が多く出てくるために、市街地改造事業の事業費がかさむという問題は御指摘のとおりであります。 それからもう一つの問題といたしましては、所有権者がございますし、借地権者がございますし、借家権者がございます。所有権者と借地権者に対しましては、ただいまのような床を与えるということでいくわけでございますが、借家権者につきましては、これはそれぞれもとの家を借りていた人が新しく入ります。床に入るということを原則にいたしております。それにつきましては借家条件につきまして、協議在り裁定という規定がございます。借地権と所有権につきましては、それぞれについて適正な評価をして、そうして申し出があればそれに相当する床を与えるということになっておりますので、なかなかその借地権と所有権の配分率がきまらないということのために事業がおくれるというようなことは、ところどころでているわけであります。
○田中一君 でありますから、事業の主体というものは東京都であろうとも、もう少し積極的な指導をなさいということです。これは区画整理課長が担当しているらしいけれども、課長だけじゃなくて局長も出なさい。行政指導は当然なんです。義務です。これは法律にだってきまっているものなんです。すべての事業計画というものは建設大臣の認可しているものなんです。すべてを認可する、管理、処分計画も全部建設大臣が認可しているのです。申請がきて、合法的だから、書類上の不備はございませんから判を押しました、じゃすまないわけです。現に東京都は営業権なんというものは認めません。出ていけ出ていけ一本やりでもって押し切っているわけです。市街地改造法の精神はそんなものじゃないです。それはむろんどういう性質を持つかそれはわからぬが、これはそのままの姿で移そうじゃないかということです。これはひとつもう少し積極的に行政指導に乗り出さなければいかぬと思うのです。ことに東京都の区画整理部長が今度は新橋商事とかいう会社に入って、そこで参謀になってその居住者をいじめているわけですね。西口の事業なんか進みませんよ、全然あれじゃ。訴訟を三つか四つ起こしているらしいけれども。ましてや、完成した東口の、これは建設大臣も一ぺん見てほしいと思うのです。りっぱな近代的なビルができ上がっている。りっぱ過ぎるからたいへんです。一坪二百八十万円もするそうですから十階か九階にある住宅が一坪七十八万円とか言っていました。前の大臣の橋本君が、これは一ぺん見にいこうじゃないかと言っていた。買えるかい、十坪で八百万円だと言ったら、ひどいものだな、何とかならないかなと言っていたよ、竹内君。実際、いかに安くていいものをつくるかということに集約されるのだよ。だからぼくは、あの建築を設計した人に毒づいたのですよ。だれが住むのか、住宅なんかで冷房なんか要りやしません。この都心の、またそんな階級の人をあそこへ住まわすならば、どっかいい、それこそ緑地化されたところにたくさんいいマンションがあるからそこへ行けばいいのだ。とにかくあまり法律をつくりっぱなし、補助金をやりっぱなしで、書類上のあれさえあればいいのだといって建設大臣がめくら判を押すから——建設大臣がめくら判を押させられるのだよ、これは。もし法律に不備があるならば、法律を直しましょう。現に住んでいるその地域社会の諸君をもっといい環境に持っていくことが主眼なんだから、それ以上のものが、ふしあわせになるのだったらこれは法律を直しましょう。政令が悪ければそれを直しなさい。どうもそういう点で非常に欠けております。私は、市街地改造事業の推進者の一人です。これで非常に皆の権利が守られて、いい環境と、商売している人にはいい商売になるということになっておる。ところが逆なんです。一坪、いま聞いてみますと、一坪二十七万円とかの家をつくっている。そのために駐車場法によるところの駐車場の付置義務というものが、建物の用途にかかわらず三千平米こえるものにはどのくらいのスペースときめられている。私はその例を知っている。六十戸のマンションの下に約三十何台の車庫を付置義務としてつくっている。ところがこれは分譲しているアパートですよ。六人しか申し込み人がこない。六台しか申し込みがない。あとの何十坪の土地は遊ばせなければならない。そんな国民経済の面からいっても、一つの企業的な面からいってもむだな遊び場をつくる必要はございません。そういう条例を都はつくっているそうです。たとえば一つの例を言うと、西銀座——緩和規定はあるのです。西銀座あたりはかつての電車道、大通りの地下は全部駐車場になっています。あの辺のビルはつくらない。付置義務のものをつくらないで二百メーター範囲に駐車場があればそれを利用すればよいということになっておる。それは、自分は資本を出さなければならないという非常にむずかしいことになっておる。あるなら使えばいい、賃貸契約を結んで……。何も千坪の駐車場がなくてはその町の機能が、交通の機能が麻痺するというわけでないのです。あき家になっているものすら持たなければならないことになっている。この不当さ。国民から言えば、それから大きく言えば国家的損失です。これももし駐車場法が悪いなら——駐車場法のときにはっきり言っているのです、そんなことはしないと……。ところが東京都の条例はそうなっている。それをほかに転用すると原形に戻せといって赤紙がくる。私は駐車場法はやっぱり地域社会のしあわせのために賛成したものなんです。ところが、いまはふしあわせのために存在するということにならざるを得ない。かつては路上の駐車場もこの法律に入っていました。西村さん知らないかもしれないが、現状から見て路上の駐車場は全部廃止になってしまって地下駐車場に移った。そのように社会の現実というものは常に流動するのです。事務所などをつくると事務所の会社が、幾台かの自家用自動車を持つが、もし足りなければ都条例による二百メートルの近距離に公共駐車場があれば、これで間に合う。地下四階にするのを、それを地下三階なら非常に違います。何億か違います。建築費が……。そういうむだを強要することは、これはいけません。悪い法律なら法律を変えましょう。そうして法律ができなければ、法律が通過しなければ、成立しなければ適用がないというならば、これは建設大臣が自分で命令して緩和規定をつくりなさい。政令でもいいから、法律をつくらなければ、政令であるいは行政指導でそうしたむだをなくするようにしていただきたいと思うのです。ことに地下四階地上十一階、それを全部、一階を除いて全部事務所にするという。一体東京都はいつビルディングの分譲業者になったのですか。一体、市街地改造事業法にはビルディングの分譲業者に東京都を指定した条文はないですよ。それですら新橋の周辺にはあき室がたくさんあります。民間のビルディングをつくって空き室がたくさんあります。ことに東口の例をとると、法律では明らかに分譲価格、賃貸価格等は近傍類似の価格をこえてはならなくなっています。これは精神規定かもしれないけれどもそういう条文があります。みんな高いのです、高いはずなんです。いろいろな意味で金を払っているでしょう。いま竹内都市局長が言っているように、自分はそこに住むつもりございませんから金を下さいといってやっている、これはみんな七分五厘の金利がついているのです。それは二年、三年かかる、工事が。どんどんどんどんそれがふえていくわけですね、高いコストに。私は住宅を五層くらいつくるならばこれは付置義務を緩和しなさい、用途によって。緩和するのは当然です、建て物の用途によって付置義務を緩和するのは当然です。十坪や十二坪の住宅に住むものは一月当たり一台という自動車は持ちません。営業用の車は持つでしょうが十坪や十二坪の家に住む者は、一台当たり乗用車を持つなんということは考えられないのです。だから一階だけを駐車場をとってしまう。東口の広場には何百台と入る車庫ができるのです、駐車場がある、それを利用する。もっと国民経済が伸びたといっても、非常にすべての物価が値上がりしないほうがいいわけです、そのほうがしあわせなんです。この点について、あすこに貸しビルを七階か八階かつくるのがいいか住宅をつくるのがいいのか、私は住宅をつくりなさいと主張するのです、そうして冷房も暖房もなくする、冷房、暖房があれば坪当たり七万円なり八万円かかるわけなんです。天井の高さだって、住宅ならば最小限度のもので間に合うわけなんです。少しでも国民経済に見合って入れるような安くてよい家をつくろうという意図は少しもないのです。五十年後には新橋はどうなるか、三十年後にはどうなるかなんと言っている。 そこで建設大臣に伺うわけですが、これは前の大臣にも、その前の大臣にもしつこく聞いたことがあるのです。一体、あの辺につくる十何階のビルには、建築基準法上の耐火構造というものの基準がきびし過ぎるのです、安全率が高過ぎると言いたいのです。鉄骨はなるほど可燃物です、これは何千度の火でやったら溶けますから可燃物です。しかし、これは何千度の火が集中してくるから溶けるのであって、燃えぐさが周囲にない場合にはこれは鉄は燃えないのです、溶けないのです、黙って、大気の熱じゃ溶けないのです。それを厚い鉄筋コンクリートでもって鉄骨を被覆する、その重さで構造がまた高くなる、肉づけで自分の体を重くする、それをささえるためにまたコストが上がってくる、地域によって耐火構造の安全率は軽減しなさいということを二、三年来私は主張してきているわけです。これも国民経済の面からいえばむだです。そうして、建築物は少なくとも最高五十年で建てかえなさいと言っているのです。鉄骨は——私は貧乏人の国に生まれているものだから——鉄骨は、これはこわしたってまた溶鉱炉に入れれば再生産される。セメントは再生産されません。そうして、周期的に建築物を変えていく。景気が悪いと、すぐに公共土木事業を起こしたり建築に対する助成をする。これは計画的に三十年か五十年で建てかえるのだ、あれは耐用年限がきたら建てかえるのだ、こういうことになれば、やっぱり働き口が安定するのです。その上で科学的な工法等が生まれてくるわけです。それもしないでむだなことばかりしている。周囲に燃えぐさが山とあって、それにふいごでもって火をおこして、このとおり鉄は溶けますよというようなことを言っている社会地域はどこにもないです。たとえば、この周辺にだってどこにありますか。それにもかかわらず相変わらず安全率を高く見て、鉄骨構造に対して厚い鉄筋コンクリートでもってこれを囲って、それでなければ許可しないという建築基準法の規定が行き過ぎであると言うのです、時代が違うのです、いまは。こういう点も、もしも基準法上いまそれができないというならば、大臣が行政指導でそれを緩和しなさい。地域によって軽減するという方法をおとりなさい。われわれは国民の代表で来ているのですから、国民はむだな負担をすることは極度にきらうのです。これはもう建設大臣も同じだと思うのです。行政指導で緩和できます。そうして、国民の負担というものを軽減することです。おそらくこれは消防庁であろうと警察であろうと、保安の任に任ずる人たちは決して反対しません。そういう善政をしくことを、西村さん、私はあなたに期待するわけです。歴代大臣はそこら辺にいる住宅局長や何かに、技術屋にぐっと押えられて、事務屋は法律がどうのと、法律でこうなっている、技術屋は、いや、それは安全度がどうの、こう言う。むだです、そこから出発しなければだめです。この点ひとついま——どうも三橋君じゃ事務屋だから構造的なことはわからない、小場君、きみがいい、その点可能か不可能かの問題を。
○政府委員(小場晴夫君) いま先生から高層建築におきます耐火の問題がお話がございました。鉄の強度につきましては、低い温度の場合、いわゆる青熱脆弱、こう申しておりますのでございますが、非常に低い温度のときに弱くなるという傾向が一つございます。それらを勘案いたして耐火構造の規定というものは考えられておるのです。先生おっしゃるよう主点ももちろんよく検討していかなければならないと思います。それは、その低い温度のときの耐力ということとの関連において検討していかなければならないと考えております。また、地域におきまする耐火構造の規定の問題でございますが、やはり高層建築におきます火災というのは、最近非常に危険である、これは骨組みばかりでなくて、内装に使用しております材料との関連においても最近非常に問題になっておりますことは御存じのとおりかと思います。これらのことを両方、仕上げ材と構造材と関連させながら今後検討してまいらなければならない、こう技術に関係しております者として考えておるわけでございます。
○委員長(松永忠二君) ちょっと速記をとめて。
○委員長(松永忠二君) 速記をつけて。
○政府委員(三橋信一君) ただいまの田中先生の御質問に対しまして技術的な問題について営繕局長からお答え申し上げましたが、確かに先生御指摘のとおり問題点でございます。そこで建築行政といたしまして、防災対策をどうするかという問題が、非常に最近大きな問題になってきておりますが、それと同時にただいま御指摘のような点を緩和する余地があるのではないかという点でございますけれども、これにつきましては、実は私、技術の担当ではございませんけれども、建築行政を担当しておる者といたしまして、ただいま建築審議会に防災対策とあわせてそのような面を——先生御指摘のような面をどういうふうにしたらよろしいかということについて諮問しております。したがいまして、この結論を、私どもの希望といたしましては秋までに、これは急ぐ問題でございますから、秋までに防災対策とあわせて審議会のほうの答申をいただきたいというふうに考えておりますので、その答申をいただきまして、それによりまして先生の御趣旨をよく体しまして検討いたしたいというふうに考えております。
○委員長(松永忠二君) 速記をとめて。
○委員長(松永忠二君) 速記をつけて。
○田中一君 西村さんね、いまいろいろ申し上げているけれども、あそこでビル経営というか、貸事務所の経営、事務所の分譲をやっている。東口でおわかりのように全然売れてないわけなんですよ。高いからですよ。近傍類似の価格という規定があるにもかかわらず、近傍よりずっと高いです、ずっとあれは高いんです。これは幾らいままでにも区画整理課長に言っても、区画整理課長から答弁通じ互い。通じても聞かないわけです。高いんです。家賃も何も全部高いんです。これは御承知のように需要供給の原則から、あき家がたくさんありゃ安くなるのはあたりまえなんですよ。あき家がなくなりゃ高くなるのはあたりまえなんですよ、経済の原則から見ても。高いから来ない。まずそれが一つです。高いものをつくるなということが前提です。まず、なるべく安くていいものをつくるということにならなければならない。ところが二十七万円だか、二十八万円だかのうちをつくる、御影石使う、大理石使うなんというくだらないことをやっている。私はその意味で、あそこに最小限度の事務所的なものが必要ならば、一階か二階におつくりなさい。あとは国の佐藤内閣の総選挙の公約も、住宅を充足するんだ、住宅を一ぱい建てるんだということを約束している。東京都は東知事の段階でありますが、四十二年度予算の編成にあたっては、やっぱり住宅をふやすんだということを言っている。東京都が行なっている諸事業のうちで貸事務所をつくるんだということはうたってないんです。それをあえて高い貸事務所をつくって、先ほども都市局長は何かごちゃごちゃ言ってましたけれども、そんなことは問題になりません。はっきりした姿勢でもって大臣が言えばいいんだ。あそこには公営住宅が乗らないかという考え方もあるんです。あるいはあそこには住宅公団のものが乗らないかという考え方がある。そうするとやはりコストが安くなってくるわけなんです。何も東京都が地方債を無制限に借りないでも済むわけです。そういう方法があるわけです。そういうミックスしたものにならなければだめなんです。ことに、あなたのほうの田中角榮君なんかは、市街地の再開発の問題を何とか調査会で大いにぶっているじゃありませんか。そういう問題は建設大臣がひとつかちっときめてもらいたいと思うんです、態度を。都市局長は事務屋ですから、あなたはやはり政治家としての一つの姿勢でもって言っていただきたい。
○国務大臣(西村英一君) いろいろなお話がございましたが、第一点は行政の指導力を発揮せよ、こういうことでございます。私も責任者として、その点は十分指導力を発揮するつもりでございます。あんまりめくら判を押すなと——どちらかというと、私はめくら判を押さな過ぎるので、あまり役人には評判よくないと思います。けれども、責任が持てぬと、どうもやれない性分でしてね、その点はせっかくのあれですから、十分指導力を発揮してやりたいと思います。 それから、いまの新橋の西口のビルのことですが、私も近ごろあの辺にあまり寄りつかぬのでわかりませんが、東口のビル——何か、つまらぬビルが駅前に建ったなと、こういう感じだけしかないので、いま問題になっているのは西口のビルのことでございますが、これはいま役人の方に聞きますと、都市計画の決定が昭和三十六年に決定した。そのときはそのときでまた理由がありまして、いろいろ都市計画の決定をいたしておる。それが実行にいま移る段階になっておるのだと思います。端的に言っていまごろそんなことができそうもありませんが、ああいうところはやっぱり広場にすべきでしょうな、もう少し品よく。まあ、しかし東京都としては財政上の都合もいろいろあり、まあ政治の都合もありというようなことで、いろいろなことが決定されたのだと思います。いまお話を聞くと、この東口のビルもだれも借り手がないじゃないか、西口でまたビルを一ぱいつくって、一体どうするのだと、こういうことでございますが、これはもう少し私もひとつ調べてみたいと思います。まさに御指摘のとおりで、都市再開発、その目的はやっぱり都市の中で住宅を提供したいというのが、もう第一のわれわれの目的でございまするから。しかし、いま言いましたように非常な高い家賃であれば、これもまた住宅のどういうふうな利用率があるか知りませんけれども、十分私ども検討いたしてみたいと思っております。 それからもう一つの大原則の、安いものを、いいものを安くつくれと、全く同感です。どっちかというと、金もないのにぜいたく過ぎるです、日本人は。貧乏人がやけのやんぱちで金を使うようなもので、ぜいたく過ぎると私は思います。したがって、あらゆる面から攻めていきますと、これは安いものを提供しなければいけません。アメリカのような金持ちと同じようなことをやっていくわけにはいきません。しかし、また災害その他という強度の問題等もありますが、これは安全率を高くとるということじゃないかと思うのです。地震その他のことで、災害その他というのは安全率を、セーフティ・ファクターを三にとるか、二にとるかということで非常に違うものですから、技術屋は責任のがれで安全率を高くとりたがりがちです。それはビルでなしに、機械でも同じです。十馬力のモーターは十五馬力にも耐えるんです。その辺はやはり調節をとっていかなければならぬと思いますけれども、原則はもっと安いものをつくる。やはりそういうことに徹したいというので、私もあなたと全く同意見です。しかし進みつつある事業でございますから、私はそう言いましても、これがはたしてどの程度まで御趣旨に沿うようになるかは、少し私も回りまして検討してみたいとかように考えておる次第でございます。
○田中一君 設計をさしていて、もう設計の原案ができそうな時期なんです、だからどうにもならないということを言ったのじゃ困るのです。こんなものは問題ございません、いつでも直せばいいんですから。どうもそういうところは竹内君、どういうことを大臣に進言したか、君ちょっと説明してください。
○政府委員(竹内藤男君) 私どもは、最初これの計画にタッチいたしましたときには、やはり新橋の駅前ということで、都心の業務地区の玄関口であるという関係、それから地価が相当高くて、相当負担力のある者でなければ施設の利用ができないのではないかという面から、事務所が相当多い計画になったわけでございますけれども、ただいま田中先生のおっしゃいましたように、その付近の事務所の需要とか、その他というようなことを考え合わせますと、なお住宅部分をふやすということについて検討する余地があるのではないかということで、東京都のほうとも打ち合わせをして検討してまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。そのように私ども進言したわけであります。
○田中一君 そのように大臣に進言したというわけですか、君の意見を言ったのですか、どっちですか、まあそれはいいよ。たとえば有楽町の交通会館、これは三菱地所と東京都がやったのです、竹内君行って見たろうな。あれもあき家だらけです。大体東京都が貸事務所なんかつくってはいかぬです、必ず高くなるのですからいかぬです。そんなことは、東京都にあなた方がどうしてもつくらすというのなら、ぼくは美濃部君に言ってやめさせます。幸い美濃部君はぼくと春日君のところで出した、そんなむだな非人民的なことはさせない。これは竹内君、君よく考えてごらんなさい。だれのためにつくる家なのか。君は負担力の多い者でなければできない、入れないものだとこう言っているね、その前提を取り消したまえ。負担力のある者は勝手にさせること。公共事業で国の資本をかりてやるべきものじゃないです。負担力のない者こそ、あそこに集めてよい町づくりをさすことなんです。負担力のある者でなければ入れないから云々ということを言っているけれども、そのことば取り消したまえ。負担力のない者でも現在住んでいる者は入れるのだということが原則なんです。負担力がないから全部追い出してそうして負担力ある者を呼んでくるという考えなら、君は法律違反を犯している。負担力のない者でも入れるために努力するのだという答弁でなければ認めないですよ。竹内君取り消したまえ。
○政府委員(竹内藤男君) ことばが少し足りなかったのでございますが……。
○田中一君 多過ぎた。
○政府委員(竹内藤男君) 現在あそこにおられる人の、権利者につきまして、負担力云々ということを申し上げておるわけではございませんで、その上にできます保留床部分をどういう用途にするかという場合に、やはり権利者に対して相当の補償のかわりに建物の床を与えるわけでございます。相当の負担がかかってまいりますので、保留床を売ります場合に、どういう用途にするかというときに、住宅とか、事務所とか、店舗とかいうことを考えました場合に、やはり需要との関連はございましょうけれども、相当負担がかかるので、そういうことも考えて用途を当初きめたのだということを申し上げたわけでございまして、決して現在いる人の、権利者を入れる場合の負担力の問題ではございません。
○田中一君 現在西口にいる人は、三坪か四坪のところで商売している。まさか私は今度の西口の改造された建物の中に、二坪か三坪の家をつくれと要求しているのじゃないのです。いいですか。政令にも明らかになっているとおり、最小限度十平米以下のものはやめようじゃないかということをうたっています。ところが現在の東京都は一坪半のものは一坪半しかやらない、これも抜け道はあります、抜け道は、狭いところへ押し込むのだから、一坪の……。これも交渉した結果三坪になっているのです。いいですか、これは政府の行政指導が足りないところなんです。現に三坪出しているじゃないですか。三坪分譲しています。そこでいまいわゆる権利者という持ち分で金券もらって入るという者ばかりを対象にしているわけじゃないことは明らかなんです。そのために市街地改造法という法律のもとでやっているのは、権利者を全部入れるのだ、包含するのだ、平面的な一階というもの、それに地主と家主と営業者がおれば、その地域にその三者とも入れるのだということが前提なんです。だから家賃で営業している者もあそこに入れるのだという前提なんです。これは東京都が持ち分という形でもってやっています、長期の月賦で分譲しているわけなのです。そういう人たちのほうが、局長の答弁だと、もうそんなこと問題にしてないというような印象を受ける。そうじゃないでしょうね。それも営業権というものがあれば営業権の補償も政府がしているわけですね。これが入りたい者は入れるのでしょうね。家主と地主だけを入れるのだというのじゃないはずです。これは竹内君、その点ははっきりしてください。
○政府委員(竹内藤男君) 法律上権利床として与える義務のあるのは地主と借地権者でございますけれども、それ以外の営業者につきましても、保留床等につきましては、優先的に譲渡するように行政指導いたしております。
○田中一君 建設大臣、ここでひとつこの法律をよく——あなたいままでそんな問題にぶつからないでしょうけれども、よくひとつ調べさして、そしてあなたあんまり判押さぬほうだから、押さないでください。ほんとうに得心いったら判押してください。そこでこういうものは全部審査委員会というものができていますね。ところが、いままでの東口の例をとると、審査委員は何も聞いておらぬ。ちょっと来てくれ、と一番最後の日に呼んで、地元のほうで納得しましたからというと、そうかと言って判を押している。そういう行き方できている。いわゆる知らしめない方針できている。それから住宅をたくさんつくったところが、入る人がいないじゃないか。なるほどこれは分譲なんですから、幾らくらいで、何年くらいの月賦で、金利はどのくらい、こういう規模のものをつくるからどうでしょうかといって募集してごらんなさい。僕も、持ち分でやってくれるなら買います。何もわからない、一坪百万円のものか八十万円のものかわからぬものじゃ応じる人はいません。幾らでつくるか、物を売るにはちゃんと大体このくらいの値段でございます、こういう条件でやります、というものでなければだめなんです。当然おまえはどっちみち金券を渡して入れるのだという、あなたまかせでだれが自分の金を払う者がいますか。そういう不親切な、親切はちっともしていない。あたりまえな商行為です、分譲するならば。そういうような商売をしているのでは、申し込む者もいやしません。まして、十坪か十二坪のうちに冷房だ、暖房だ、管理費は三万円一カ月かかります。十坪のうちなら三万円の家賃で貸せる。だから冷房も暖房も要らないのです。いま建設大臣のお宅には、どの部屋も全部冷房と暖房があるかもしれないけれども……。
○国務大臣(西村英一君) いや、ないですよ。
○田中一君 そうでしよう。建設大臣だってない。そうするとあそこに冷房もある、暖房もあるという、そんなばかな話があるか。十二坪のうちに対して、必要な人はルームクーラーでけっこうです。ルームクーラーだって十万か十二、三万で買えますよ。冷房もやる、暖房もやる、そのために建築費は七万円も八万円も高くなる。なおかつ三万円の、自分のうちでありながら管理費がかかるというのでは、これはだれだって考えますよ。幾らで売ってくれるものか、幾らのものかさっぱりわからぬでしょう。それを全部目隠しておいて、そうして買うか買うかなんということは、これはこんな社会は天皇制時代でもなかった、品物を見せないでもって幾らで買えということなんか。そういうことをあえて東京都にやらしておくという建設省の行政というものは、そういうものに金を払うということは反省していただきたい。私はもっともっと具体的に不当なることを行なっていることをはっきり言いたい。その一つの例として東口でもって自分の持ち分として二十五坪で二階をもらった新橋タイヤーというのがある。これは、これじゃあとても分譲価格はたいへんだろうと思って、借り手があるならば原価で貸しますと出したが、借り手がない。とうとう権利者は権利を放棄して、本来ならば営業補償を取れるのです、かれは。それを放棄して東京都に返した。東京都は何百万か、何千万かもうけました。そこまで追い込んで権利を放棄しなければならないというようなことを現にしているんです。これはいい政治じゃございません。もっと親切に全体を見くらべながらしなければならぬのです。これはひとつこまかい問題は竹内君なり、葛生君なりに言いますけれども、新橋の東口の市街地改造事業はモデルケースとして一番悪いのが出現したわけです。そのあやまちを再び西口でしてはいけませんということをぼくは言っている。その間違いを再びしてはいけませんと、こう言っているわけです、私の場合には。そんなものにはイデオロギーはございません。とにかく庶民のための住宅が足りないからふやしなさい、必ず買い手がございます。それには一坪いかに安くするかということを検討された後に地価とか、これは土地も自分のものになる、普通と違うのです、土地も自分のものになる。だから高いのはあたりまえです、普通よりも高いのは。ひとつそういう面で十分にお調べの上、間違いがあるなら間違いを全部直さなければ困る。私は、もしもどこまでも政府がしり押しして、局長あたりがしり押ししてこのままでやらせるならば、美濃部君もう少し仕事のほうがなれてきたら、こういう悪いやつがいるんだと言って、何とかしてもらう建策をしたいと思います。よくないですよ、都民にとって。これはひどいものです。けれども、当面当たっている東京都の課長連中は善良なものですよ。どこかでそういうものがあるんですね。これはいけないです。この点はいまの大臣の答弁で十分です。十分だから、これはひとつ竹内君、国が補助金を出しているんですよ。法律に基づく事業なんですよ。東京都の単独事業主らあえてこんなことを言わない。国が地方債をたくさん貸すんですよ。去年の五十五億、ことしの五十五億、これはどう配分されるかわからぬけれども、それを審査委員などもまだきめてない。審査委員はきまったんですかね、これは。
○政府委員(竹内藤男君) まだきまってないそうです。
○田中一君 地元の利害関係者を一人審査委員にしなさい。これは反対している人じゃないんです、みんな。賛成しているんですよ、事業を。みんなを説得して、よい町づくりのために説得して、協力している者を入れなさい、何にも関係のない知らない人間に頼んで。公示というので、都庁の前にぽんと紙を張って、だれも都庁の前に見にいくやつはいませんよ。それで公示の期間も終わりましたと、こうやる。そうすると課長のほうでは、公示期間も終わってそれで手続的に済んでいるから、これは判を押さざるを得ませんと、こう言うのです。実に、それはああした困難な仕事でありますから相当苦労だと思う。思うが、ほんとうに明るく地元の者の利害を考えながらしないと、第二番目の悪い見本をつくるようになりますから、どうかひとつその点は十分にお考えおき願いたいと思います。それで一日おくれれば一日おくれるだけ東京都のほうの役人も、役人というか地方公務員もどうにもならないことになりますから、この際ひとつ大臣お調べになってぴしゃっと方針をきめて話す、それには大臣が一ぺん地元に来て、桜田小学校がありますから、これは五、六百人入りますので、地元を全部集めますから、私が会場で伺いますので、大臣がずっと視察しして、それで政府の態度というものを、これは精神的なものでけっこうですから、そのくらいな大衆政治家にあなたはなれる人なんだから、だからそれをやりましょう。そしてよい町づくりをしましょう。この問題についてはこれで終わります。
○委員長(松永忠二君) 本件に対する質疑は、本日はこの程度にとどめます。 これにて散会いたします。 午後零時四十八分散会 —————・—————